したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

Schwarzer Kater 6 *SA

1:2015/04/23(木) 09:10:53 ID:???
「Schwarzer Kater 5」の続きです。
SAオンリーほぼ初期メンバーのみ。
そしてリアルよりパラレルが多くAさん猫可愛がりなお話達。

とうとう6になりました。
流石に更新頻度が落ちてきましたが、あの頃の6人の雰囲気が残ったお話をまったり続けていきたいと思います。
今スレもどうかよろしくお願いします☆彡

275:2015/07/07(火) 07:56:23 ID:???

双子ちゃんシリーズ


「たにゃーにゃ」
「七夕ね」
「たにゃぼた?」
「……それだと意味違ってくるよ」
「にゃにゃにゃにゃ?」
「ぎゃはははっ」
「可愛いけど、もうちゃんと言う気ないでしょ」

隣りで大笑いしてるマキをチラリと見てから楽しそうな双子達に目を戻す。

今日は7月1日で双子達が来てから恒例になった季節の行事への準備中。
それで、今はヒロ兄がどこからか持ってきた大きな笹を庭に運び込んでます。
一応危ないから双子たちは家の中から見学ね。

「たにゃばたしっとるよ!」
「そうなの?」
「ほいくえんでかいとる」
「こーんなかみに、えとえと………ほしいものかく!」
「欲しいもの、とは違う気もするけどまあいいか」
「ちがう?」
「ううん、欲しいものでもいいよ。他にもいろんなお願い書くんだよね」
「おねがい……」
「俊ちゃん?」
「うっと、おっきくなれますよーに、とか?」
「そうそう」
「おれ、しゅんたんとけっこんできましゅよーに!」
「えっと」

それは前にも無理だって話したような気がするなー。

「あっちゃん、俊ちゃんとは結婚できないかな?」
「なんでー」
「何でって、兄弟だから」
「なんでー」
「だから」
「なんできょーだいだめなん?」
「うーんと」

最近なんで?って聞くことが増えてきた篤志と俊ちゃん。
納得させるのってなかなか難しいんだよね。

「とりあえず、お願い事書こうか」
「かく!」
「やりゅ」

こういうときは他のことで気をそらせるのが一番。
折り紙を見た双子達はさっきまでの会話をすっかり忘れてこっちに走りよって来た。

276:2015/07/07(火) 07:57:09 ID:???


大きな竹に短冊と飾りを付ける双子達。
立派な笹で手を切らないようにまっちゃんとヒロ兄が気をつけてやりながら、竹は色鮮やかになって行く。
うっさんも楽しそうに双子達が一生懸命作った大きさや太さがまちまちなわっかの飾りを取り付けてた。

ん?俺は何してるかって?
もちろん、俺は後ろから前から双子達の写真をばしばし撮影中!

そしてヒロ兄とうっさんが二人がかりで竹を立ち上げくくり付ける。

「すげー」
「しゅごーい」

双子達が口を開けて竹を見上げた。
上を見すぎて…後ろにこけそうなとこも可愛いよねって、あ!

「あぅっ」
「あちゅし!」
「ふぇ…」
「篤志、大丈夫?」
「…ん」
「いてー?」
「おちりいちゃい」
「んー」

本当にこけるとは、さすがあっちゃん。
頭は打ってないみたいだし、ぽってんって感じだったから大丈夫だよね。
立ち上がったあっちゃんのお尻を俊ちゃんが覗き込んで小さい手でなでなで…って、これは動画で抑えなくちゃ!

とまあそんなこんなで短冊の用意も出来て、後は当日を待つばかりなんだけど、確か七夕って正直天気がいい方が珍しかった気が…。



「あー、やっぱり明日も雨か」
「えっ!」
「あめ?!」
「わっ、びっくりした」

七夕の前日。
何気なく天気予報を見て呟いたらいつの間にかリビングにいた双子達が声を上げた。

「しゅんたん…どーちよ」
「……あちゅし」
「?」
「あれじゃ」
「ありぇ?」
「てるてるぼーず」
「あっ」

あっちゃん俊ちゃん、俺の存在は無視ですか?
まあいいけどさ。

「んと、マキしゃ、てっしゅくらしゃいっ」
「てるてるつくるんじゃ」

にこにこ笑顔で両手を差し出してるめっちゃくちゃ可愛い2人。

「はいはーい」

すぐっすぐ用意するよー!
えーっと、新しい箱ティッシュどこだっけ?

277:2015/07/07(火) 07:57:54 ID:???


いっぱいいっぱいてるてるぼーずつくった。
おそらのみえるとこにぶらさげてあしたはれますよーにっておねがいして、うたもうたって。
だからだいじょーぶだよね?

はれたらおそらがみえて、それで、えと、ねがいごとかなえてくれるの!
あとあと、おねーさんとおにーさんがこんにちはできるの!

しゅんちゃんといっしょにおふとんにはいって、あめのおとききながらねむった。


「………」
「……」

しゅんちゃんとまどからおそとをみる。
あめ……いっぱい。
きのーよりもいっぱい。

「てりゅてりゅさん、いっぱいちゅくったのに」
「あめ、じゃな」

おそらはまっくろ。
おそとにあるえとえと、たけ?もみえない。

「俊ちゃん、篤志、ご飯だよ」
「……あい」
「ん」

おなか、すいたけど…あめ。

「いたらきます」
「ましゅ」

ぎゅうにゅう、おいしい。
ごはんも、おいしい。

でも…あめ。

278:2015/07/07(火) 07:59:01 ID:???


元気のない双子達を保育園に送って、今日はお休みだったから家の掃除をしながら天気予報を何度も確認した。
けど、やっぱり雨は止みそうにない。

「まあ仕方ないよね。梅雨だし」

とは思っても、残念がる双子達を思うと止んでくれないかなぁって思っちゃう。
何年ぶりだろう、こんなこと思うの。

「さて、と。とりあえずおいしいご飯とそれからお菓子でも作ろう」

七夕っぽい簡単お菓子はネットで検索済み。
ご飯はお寿司にしてちょっと可愛く盛り付ければいいかな。

少しでも双子達が楽しめるようにね。


「たらいま」
「まー」
「お帰り」

仕事帰りのヒロ兄が(七夕だからって理由で早退出来るのがすごいよね)双子達を連れて帰ってきた。
あーしょんぼりしてるねぇ。

「まっちゃ」
「あめ、やまん」
「そうだね」
「うぇ」
「っ…」
「篤志、俊」

泣きだした篤志と俊ちゃんに後ろでオロオロしてるヒロ兄がちょっと面白いけど、とりあえず…2人を抱きしめる。

「うわーん!」
「うぇえっ」

楽しみにしてたもんね。
いっぱいいっぱいてるてる坊主つくったもんね。
時々サングラスかけたみたいなちょっと変わった顔のもいたけど…。

「雨が降ってるから、お空は見えないけどね」
「ふえ…?」

少し落ち着いた頃にそっと2人に話しかける。
涙と鼻水でグチャグチャな顔。

279:2015/07/07(火) 08:00:07 ID:???


「黒い雲の上は晴れてるんだよ?」
「え?」
「雨の雲よりずっとずっと上の空は晴れてるの」
「しょ、なの?」
「そうだよ」
「なら、えと、おねーしゃんとおにーしゃんはあえりゅ?」

おねーさんとおにーさん?……ああ!
保育園で七夕の話をしたのかな?

「会えるよ」
「しょっかぁ」
「あちゅし…」
「しゅんたん」
「「よかったぁ」」

声を合わせて言う双子達にヒロ兄と俺も目を合わせて笑う。
がっかりしてたのはわかってたけど、まさかそんな心配してたなんてね。
可愛いなーというか、優しいな。かな?

「篤志、俊」
「ヒロしゃん」
「良かったな」
「ん!」

くしゃくしゃと2人の頭を撫でたヒロ兄が完璧に父親の顔だった。


「うおー」
「きれー!」

みんなでお寿司をきれいに食べつくして(好評でよかった)デザートを出してくると双子達が目を輝かせる。
簡単だけど見た目が綺麗な七夕用のゼリー。
青い色が涼しげで天の川や星の形の飾りもあって我ながらなかなかのできばえになった。

「おいしー」

しばらく眺めてからスプーンを突っ込んでぱくりと食べた双子たちはニコーっとさらに笑顔を見せる。
この顔見るのが好きだから、慣れないお菓子も作ろうって思うんだよね。
そんなに凝ったものは出来ないけどさ。

「まっちゃっ、にゅうにゅう!」
「くらしゃ」
「はーい」

280:2015/07/07(火) 08:01:00 ID:???


一緒に用意していた牛乳を飲み干した2人がおそろいのコップを差し出すのを笑いながら受け取る。
軽くなっていく牛乳パック。
あー明日牛乳買ってこなくちゃ。

「ごちしょーしゃま」
「でした」

満足そうな双子達の声に兄弟みんな笑顔になってる…。
それを見てこの間こっそり見たヒロ兄の七夕の短冊を思い出した。

家族みんないつも笑っていられますように

ヒロ兄の書いたそんな言葉が何だかくすぐったくて、でも嬉しくて。

「あっ!あっちゃん、俊ちゃん、きてきて!」
「マキしゃん?」
「ほら」
「わぁっ」
「あめ、ない!」

リビングから呼んだマキの声に双子達が駆けつけて嬉しそうな声を上げ、そんな声に俺達もリビングに行って空を見上げた。
まだ雲はかかってるけど、少し待てば晴れそう。

「篤志と俊ちゃんが一生懸命てるてる坊主作ったおかげだね」
「てるてるぼーず、すげー」
「てりゅてりゅしゃ、あーとっ」

上を向いてお礼を言う篤志に俊ちゃんもペコリ。
もう、可愛いなぁ。

マキがたくさん写真や動画を撮る気持ちわかるもんね。
今のこの瞬間は今しかなくて、来年はきっともうちょっと大きくなった双子達がいて…。

「篤志、俊」
「ヒロさん」
「わーい」

ひょいと双子を抱っこするヒロ兄も多分来年には1人ずつじゃないと無理になるんだろうなぁ。
もしかしたら、意地でも一緒に抱っこしようと今よりもっと鍛えてるかもしれないけど…(ありそう)。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板