■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
やる夫で学ぶオブジェクト指向以前
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) このスレでは絶賛混乱中の「オブジェクト指向」のもとになった考え方を解説する。
.| (__人__)
| ` ⌒´ノ プログラムの経験者向けではあるが、未経験者も
. | } __
ヽ / ̄ ̄⌒/⌒ / 「俺たちは現実をどう扱っているのか」という視点で読めるかも。
(⌒ ヽ / / /
. \ \ ,(つ / ⊂) なお哲学からいろいろ借りているが哲学そのものではない。
| \ y(つ__./,__⊆)
| ヽ_ノ |
| |_
ヽ、___  ̄ ヽ ヽ
と_______ノ_ノ
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ、.\
| (●)(●) | 具体的には「般若心経」でオブジェクトの話を
| (__人__) |
___|__`⌒ ´ | 「プラトンのイデア論」で「それは何であるか」とはなにかの話を
, --'、 / 丿
/ ⌒ ). / < 「アリストテレスの形而上学」でクラスとか属性とかの話をする。
,′ ノ / /三三三三丑
l T´ ..___/ // r'´ ̄ヽ 簡単に言うなら、オブジェクト指向以前に「それは何であるか」を
ヽ ノ ./丶 // (  ̄ l 考えなければいけないのに、仏教的に「それは何であるか」は
`'ー'´ | //_____/ _.ノ 存在しないので「それは何であるかとはどういうことか」を学ぶ話だ。
-
―――やる夫とやらない夫は結構いい歳のプログラマである――――
/ ̄ ̄\
____ / ヽ_ \
/ \ (●)(●) | Qiitaで一時期オブジェクト指向の話が流行ったが
/ ─ ─\ (__人__) |
/ (●) (●) \ ヽ`⌒´ | 最近はまたすっかり静かになったな
| (__人__) .| .{ |
. \ `⌒´ ./ _________ ノ 今年はAdvent Calendarも無いか・・・
ノ \ / / ⌒l
/´ / / | |
| / / | |
__(_______ 二二⌒) / /__.| |_______
\/ / (U ⊃
-
他の場所含めても「オブジェクト指向とは〇〇である」コメントはあるけどなぜその先が無いお
/ ̄ ̄\
____ / ヽ_ \
/ \ (●)(●) | なかなか議論として成立しないな
/ ─ \ (__人__) U |
/ (●) \ ヽ`⌒´ |
| (__人__) .{ |
. \ `⌒´ _________ ノ
ノ \ / / ⌒l
/´ / / | |
| / / | |
__(_______ 二二⌒) / /__.| |_______
\/ / (U ⊃
-
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
| (●)(●)| 仮にオブジェクト指向は簡単だとして、
____. .| (__人__) |
/ \ ` ⌒´ ノ やる夫は簡単に全てを説明できるか?
/ ─ ─\ .}
/ (●) (●) \ }
| (__人__) | ノ.ヽ 全てってどこからよ
/ ∩ノ ⊃ /∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |/ _ノ | |
.\ “ /__| | /__| |
\ /___ //___ /
-
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l やる夫、オブジェクトとは何だろうか?
. / \. (__人_) |
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l
/ (●) (●) \ { /
. | (__人__) | ヽ /
\. ` ⌒´ . / `ヽ
> .そこからかよ! /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> ヽ_ヽ、___ ,イ
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
-
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! オブジェクトってのはモノのことだお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / 全てのモノはオブジェクトなんだお!
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) / / ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | ではモノとはなんだろうか?
(__人__) |
r-ヽ |
(三) | |
> ノ く
/ /、_ / )
/ /─“ / ./|
|___,,─ ̄ _./ |
-
∩_
〈〈〈 ヽ
____. 〈⊃ }
/ \ | |
/ ヽ、 _ノ \ ! !
/ (●) (●) \| l モノってのは現実に存在する物体だお
| U (__人__) .| /
\ |i||||||i| //
/ __` ー' /
(___) / / ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
(○)(○ ) | 現実に存在しないものはモノではないのか?
(__人__) u .|
ヽ`⌒ ´ | たとえばお前は「やる夫」という名前を持っているが
{ /
lヽ、 ,ィ'.) ./ これは物体ではない、つまりモノではない、
j .}ン// ヽ
ノ '"´  ̄〉 | つまり名前はオブジェクトではないことになる
{ 勹.. |
ヽ 、__,,ノ . |
-
/ ̄ ̄ ̄\
γ⌒) (⌒ヽ
/ _ノ ノ \ \ `、 そんなこと言われても・・・
( < (○) (○) | )
\ ヽ (__人__) / /
/ ̄ ̄ \
__ノ `⌒ \
(●).(● ) | ではそれはあとで考えるとして
(__人___) |
, =二ニニヽ、 | 次の問題だ。クラスとは何だ?
/ 二 ヽ、`,┘ ト、
/ -、 }、j┘ イ ⌒ヽ
/ /{_/_ ,/ }
/ ノ∧ ィ }
| | / i | |
-
∩_
〈〈〈 ヽ
____. 〈⊃ }
/ \ | |
/ ヽ、 _ノ \ ! !
/ (●) (●) \| l クラスってのはオブジェクトの定義のことだお
| U (__人__) .| /
\ |i||||||i| //
/ __` ー' /
(___) / / ̄ ̄\
__ノ `⌒ \
(●).(● ) | では定義とは何だ?
(__人___) |
, =二ニニヽ、 |
/ 二 ヽ、`,┘ ト、
/ -、 }、j┘ イ ⌒ヽ
/ /{_/_ ,/ }
/ ノ∧ ィ }
| | / i | |
-
/ ̄ ̄ ̄\
γ⌒) (⌒ヽ
/ _ノ ノ \ \ `、 それが何であるかを決めることかな
( < (○) (○) | )
\ ヽ (__人__) / /
/ ̄ ̄ \ 「それ」とはナニで「何」とはナニで
__ノ `⌒ \ 何であるかとはどういうことだ?
(●).(● ) |
(__人___) | たとえば「やる夫は人間である」という定義と
, =二ニニヽ、 |
/ 二 ヽ、`,┘ ト、 「やる夫は白い物である」という定義は同時に成り立つが
/ -、 }、j┘ イ ⌒ヽ
/ /{_/_ ,/ } ここから導き出せる「人間は白い物である」も
/ ノ∧ ィ }
| | / i | | 定義として正しいだろうか?
-
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ えーと・・・
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(―)(― ) | なあやる夫
(__人__) |
(`⌒ ´ | ひょっとして俺たちは
l^l^ln |
ヽ L ノ 何か大事なことを忘れてるんじゃないか
ゝ ノ ノ
/ / ヽ
/ / |
-
,, -─- 、._
/ ヽ
| | モノとは何か、とか
| ノ ヽ、 .|
| (●)(●) | 定義とは何か、とか
| (__人__) |
ヽ `⌒´ ノ 俺たちはどこから来てどこへ行くのかとか
/ ∩ノ ⊃ ヽ,
{ / _ノ }
| / / ィ |
____
/ \
/三_',!`zx二 \ おまえ最後は勢いで言ってるだろ
/ ´ー¨‐` ´ー¨‐'' \
| (__人__) |
\ ´ニニ` ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
-
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \
___ | (●)(●) | 俺はまじめな話をしているんだ
/ \ | (__人__) |
/::::::::: \ .l ` ⌒´ |
/:::::::::::::::: U \ { |
|::::::::::::::::::::::: | { |
\:::::::::::::::::::: / ヽ、 ノ
/:::::::::::::::::::::: く | \
-―――|:::::::::::::::::::::::::::::: ヽ-―─┴┴――┴┴――
-
/ 、__,,..-''..-、ヽ ./ /:::::`ヽヽ ヽ、
. / , /.{::::::::::} .l /_,,-''´ l l::::::::::::ノ .' '., そこでこれから、これらのオブジェクト指向「以前」の
. l _,,.-' -.、 ヽヽ-‐' ,' ‐.、 ヽ._`¨¨´ i
. l. /:::::ヽ .l `ヽ l /:::::::ヽ l `ヽ | 問題について考えることにする
l ヽ::::ノ } / ヽ._::::ノ ' l /
ヽ._ / 、 ノ ヽ._ / 、 / / まずはモノとは何であるか、からだ
i l l-―‐''´ ',. l ノ ¨¨´ .,..-''"´ヽ`"''-..,,
.', ヽ..,,__ノ /', ヽ-‐''" ./ / `ヽ
.ヽ ,.--..,,_ / ', ,.-''" ̄ ヽ ./ /
\`ヽ ヽ__/ / ヽ. `ヽ `ー' {
\ ヽ ヽ ` ヽ ヽ
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● だが、ただ考えるだけじゃ「オレオレオブジェクト指向の仲間」にしかならん
| (__人__)
. | ノ
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
____
/ \
/─ ─ \ なんか説得力のある根拠がほしいところだお
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、. _ノ \
| (●)(●) | そこで、仏教を使って考えようと思う
| (__人__) |
| ` ⌒´ | 具体的には般若心経だ!
| }
ヽ }
人_____ノ"⌒ヽ
/ \
/ へ \
( ヽγ⌒) | \ \
 ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \ 仏教関係ないやろ
/ (●) (●) \
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) 俺の知る限りではSmalltalk関係者が仏教に言及したことはないな。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ だが俺らは日本人なんだから仏教で考えたほうがわかりやすいだろ
.l^l^ln }
. ヽ L } 常識的に考えて
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \ いや仏教は常識とは言えないんじゃね?
/(―) (― ) \
|. (_人_) u | 南無阿弥陀仏くらいは言えるけど
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ 意味は分かってないし
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、\
| (●) (●).| 何を言ってるんだ。漫画とかフィクションでは般若心経くらい常識だろ?
. | (__(⌒.) |
| `/ / (⌒) 色即是空!すべては空である!
. ヽ / / ./ /
ヽ/ // /
/ こ二二⌒)
| \
| |ヽ .\
(.__)
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \ 中二全開じゃねえかお坊さんに怒られるぞ!
〃 u i l| | | u ゙
{ (_人_) ! ∨
|ililililil| u !
\ 人ilililil}
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 大丈夫だ宗教の話をする気はない。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ だが、この「般若心経」には仏教が世界=モノをどう認識しているかが書いてあるんだ。
. | }
. ヽ } そして「般若心経」は実のところ日本でのみ人気があるお経だ。
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ だからこそ日本人がモノをどう認識しているかを説明する材料になりえる。
| | ̄ ̄ ̄
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・ でもオブジェクト指向作ったのは日本人じゃないお
| (⌒ (● ) |
ヘ  ̄`、__) | 般若心経も知らないだろうし関係なくね?
ヽ |
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) もちろん西洋でモノとは何かは別にやる。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ だがその前に日本人がどう認識しているかをやらないと
| } \
/ヽ } \ どこに差異があるかがわからんだろ。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
-
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\)
| | / ̄(__丿 では早速、般若心経の説明を始めるぞ!
ト /ー、/
| \ノ 次回、般若心経の最初の数行!
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | 数行しかやらないのかよ
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
次回と言ってもすぐ始めるんだけどな。
/ ̄ ̄\ では般若心経の最初の方の解説を始める
/ _ノ \
| ( ●)(●) 般若心経自体は著作権が切れているから全部載せ、
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || 公式な翻訳が必要な時は岩波文庫の般若心経から引用するものとする。
. | },.! ノ'
. ヽ r / .| 翻訳全部の引用は法的にできないが正確さが必要なところはさせてもらうだろ。
ヽ ノノ ノ
/ / ./ とりあえず今回は「受想行識亦復如是。」までだ。
| /
| i´
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 言い忘れてたが理解してるなら今回の記事は読み飛ばしていいぞ。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ 解説なんざいくらでも転がってるし今回はそう突飛な解説はしない。
. | }
. ヽ } いっそネットで信頼できる解説探したほうが正確とも言える。
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ 「もの」とどう関わってくるかは次回説明する。
| | ̄ ̄ ̄
____
/ \ 身もふたもないお
/ \
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u |
/,'才.ミ) (__人__) /
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
-
/ ̄ ̄\ というわけでいきなりだが書き出しを引用させてもらう。
/ _ノ \
| ( ─)(─)
| (__人__). rm、 書き出しは単なる事実への言及だから俺の解釈とか入れられないだろ
| ` ⌒´ノr川 ||
| } .ゝ ノ'
ヽ } .| ||
ヽ ノ _| ||
/ ⌒'' ̄_ .ノノ
| ,─ ィ ̄ ̄
| i
/  ̄ ̄ \ 先が思いやられるお
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
/7 それでは最初の2行だ。行って言っても俺が適当な位置で区切ってるだけだがな。
//
// 觀自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。
__ // 照見五蘊皆空。度一切苦厄。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ [全知者である覚った人に礼したてまつる。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 求道者にして聖なる観音は、深遠な智慧の完成を実践していた時に、
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 存在するものには五つの構成要素があると見きわめた。
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト, しかも、かれは、これらの構成要素が、その本性からいうと、
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 実体のないものであると見抜いたのであった。]・・・これ翻訳の引用な
-
/ ̄ ̄\ 訳の1行目は礼だな。対応する原文はないが大事だ。
/ _ノ \
| ( ●)(●) 観自在菩薩は一般には観音様のことだな。
| (__人__)
| ` ⌒´) 行深般若波羅蜜多時。が深遠な智慧の完成を実践していた時に、で
| }
ヽ } 照見五蘊皆空。が残りで、度一切苦厄。は対応する訳がない。
> ノ
/ \ /て⊃ が、一切の苦と厄を乗り越えたってなんとなくわかるよな。
| ィ |\ `´ ゞ _三}
| | | \__/.
____
/ \ 観音様がなんか見つけたまではわかった
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
/ ̄ ̄\ 「なんか」は五つの構成要素・・・五蘊だな
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 色蘊:物質
r;r‐r/ | | (__人__) | 受蘊:知覚・感覚
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 想蘊:イメージ
l` ( ``/ . | } 行蘊:意志・行為
ヽ l . ヽ } 識蘊:認識
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
...
たとえばここに木彫りのクマーがあるとする。
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | クマ──!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
-
/ ̄ ̄\ まず、クマーは物質的存在として「ある」(色)
/ _ノ \
| ( ●)(●) 俺たちはそれを視覚によってとらえ(受)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 心の中にその像を想い浮かべる(想)
. | }
. ヽ } それをもとに ああ、これは木彫りのクマーなんだなと認識する。(識)
ヽ (\ ノ、
/ \\く} j そんでもってそれをどうするかを考え実行したりしなかったりする(行)
| 〈 ̄ ゙ヽ ヽ
| .に } これは人が存在とどう関わっているかという話なんだ。
| (___,ノ
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・ 存在しているなら実体があるんじゃないかお?
| (⌒ (● ) |
ヘ  ̄`、__) | 百歩譲って「イメージ」とか「認識」は実体じゃないとしても
ヽ |
./∩ノ ⊃ _/ 物理的に存在するなら実体としか言いようがないんじゃ
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
-
/7 それはこれから説明する。次の3行に移る
//
// 「舎利子。
__ // 色不異空。空不異色。
. /ノ ヽ\ .// 色即是空。空即是色。」
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 舎利子(シャーリプトラ・この話の聞き手である弟子)よ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 物質的存在には実体はなく
/ と'_{'´ヽ むしろこれは「物質的環境」とでも言うべきものだ。
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i 物質的環境は物質的存在の相互作用によって成立しているから
ヽ _,.フ .|.| 実体がないとは言ってもなんも無いわけじゃないぞ。
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \そんなこと言われても知らんわとしか言いようがない。
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
/ ̄ ̄\ ではもう一度木彫りのクマーに登場してもらおう
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | このクマーは存在しているといえるだろうか?
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | クマ──!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・ そりゃ存在しているにきまってるお
| (⌒ (● ) |
ヘ  ̄`、__) |
ヽ |
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
-
―――ではこのクマーを真っ二つにしてみる
∩___∩
| ノ ヽ
/ × × | クマ──!!!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
...
_____
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
/ ̄ ̄\ クマーは二つに分かれたがどこかが欠けたわけじゃない
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 「木彫りのクマー」は存在しているといえるだろうか?
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
____
/ \ なんか凄く引っ掛け問題っぽい気がする・・・!
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ えーと、「二つに分かれた木彫りのクマー」が存在する!
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
/ ̄ ̄\
/ \ 俺も「二つに分かれた木彫りのクマー」が存在すると思う
| ⌒ ⌒
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
-
―――ところで、この「上半身だけの木彫りのクマー」は存在しているだろうか?
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● |
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
...
―――この「下半身だけの木彫りのクマー」も存在しているだろうか?
_____
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
____
/ \
/ ─ ─ \ もちろん両方とも存在している・・・けどオチがわかった気がする
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ オチは見当つくだろ?
(⊃ ( ●)(●) 物質的存在は二つしかないのにここには
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 「二つに分かれた木彫りのクマー」
| } \
/ヽ } \ 「上半身だけの木彫りのクマー」
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ 「下半身だけの木彫りのクマー」
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( の三つが存在していることになる。
\ / /⊂_)
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \ 頓智じゃねえか
/ (●) (●) \
| (__人__) u | 「二つに分かれた木彫りのクマー」は両方を同時に扱っていて
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ 「上半身」と「下半身」は個別に扱っているんだから
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | | 矛盾とかはしとらんわ
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そうだな。矛盾はしていない
| ( ー)(ー)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln }
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) で、「二つに分かれた木彫りのクマー」と
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ 「上半身&下半身」のどっちが実体なんだろうな?
.l^l^ln }
.ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
-
∩_
〈〈〈 ヽ
____. 〈⊃ } 「二つに分かれた木彫りのクマー」も
/ \ | |
/ ヽ、 _ノ \ ! ! 「上半身&下半身」も同じものを指しているんだから
/ (●) (●) \| l
| U (__人__) .| / 同じ一つの実体を別の言い方してるだけだお!
\ |i||||||i| //
/ __` ー' /
(___) /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ じゃあクマーの上半身だけを見てみよう
(●)(● ) |
(__人__) | 下半身は視線から外す
(,`⌒ ´ |
{ nl^l^l
{ _l /
ヽ、 (, <
/ ヽ \
/ ヽ \
.、-ー'''''''一- ヽ ヽ
((⌒(⌒(⌒)_⌒) ゝ__丿
.
.
―――この「上半身だけ見えている木彫りのクマー」は「二つに分かれた木彫りのクマー」と同じ実体だろうか?
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● |
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
-
____
/ \
/ _ノ ヽへ\ (同じと言ったら次は下半身だけ見せてくるはず。そしたらまた実体が増える)
/ ( ―) (―) ヽ
.l .u ⌒(__人__)⌒ | 「上半身」だけだからもう「二つに分かれた木彫りのクマー」ではない・・・
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
./ ̄ ̄\
/ ヽ、_ .\ そうだな、今この場では見えなければ存在していないことにしよう。
. ( (● ) . |
. (人__) | また、存在の一部が欠けたものはもう欠ける前と同じ実体ではないことにもする。
r‐-、 . |
(三)) . |
> ノ /
/ / ヽ、 . /
/ / ⌒ヾ .〈
(___ゝ、 \/. )
. |\ ,.1
. | \_/...|
-
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \ そうすると、たまたま俺の視線に入っていないものは実体として存在しないし
. (:::::(::::冫 |
. (:人;;;) . | 瞬きしただけでまぶた以外の全ての実体が消えるし
r‐-;::::::. . |
(三)):::::.. . | 俺自身も生きているだけで体内のエネルギーが失われるから
>::::ノ:::::::::. /
/::: / ヽ;::::::::: / 呼吸をするごと・・・いや熱力学的に考えて常に
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::) 俺という実体は失われていることになる。
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::|
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ 日々生まれ変わるなんてレベルじゃない
(─)(─ ) |
rm、.(__人__) | この世に俺の実体は無限に短い時間しか存在しない
||川n(,`⌒ ´ |
|| !. { | 数学的には「0に無限に近づけると0と等価になる」
ヽ. 〈 { /
| |, !. ヽ / よってこの世に俺という実体が存在する時間は0だ。つまり存在しない。
| | |__ ヽ 〈
ゞゝ__ ̄''⌒ ヽ グッバイ俺の実体。二度と会うことはあるまい。
 ̄ ̄ トー、 }
|: | いや最初から存在しなかったのか。
-
____
/ \ 変化する物事に実体はないのか
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ もう実体がなんなのかわからなくなってきたお
| / .イ '(ー) (ー) u|
. /,'才.ミ). (__人__) / そもそも実体ってなんだっけ?
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ 実体とは「真に実在するもの」。確固たる実体があって正確に定義できる」と思うと
(―)(― ) |
(__人__) | こんな問答が無限に続くことになる。別のルートをたどっても無駄だ。
(`⌒ ´ |
.l^l^ln | 実体は変化の前には存在しえない。万物流転ってやつだな。
.ヽ L ノ
ゝ ノ ノ 実体なんかなくて何かと何かが相互作用しているふわっとした環境があるってのが
/ / ヽ
/ / | 色即是空の意味と思っていいんじゃないかな。
-
/7 今回のラスト1行
//
// 「受想行識亦復如是。」
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 受想行識、つまり五蘊の残りも同じように実体があるとは言えない
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 同じ話を繰り返したくないからいちいち説明はしないぞ
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \ まだ数行しか進んでないのに滅茶苦茶疲れたお・・・
/(―) (― ) \
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 話は終わってないんだなこれが。
| ( ●)(●)
. | (__人__) そもそも俺たちは「全てがもの(オブジェクト)」であるという話をしていたはずだ。
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ビシッ
/ く__,-ュ__ て
| ___ 三) (
| |  ̄ ´
_____
/ノ \. \ そこまで戻るのかお
/(●) (●) \
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \・・・実体がないなら「もの」も存在しないんじゃね?
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ|
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: |
\ V ! |
ヽ ノ
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ 「もの」は存在するしすでに言及されている。再び引用するぞ。
(⊃ ( ●)(●)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ
| } \ [存在するものには五つの構成要素があると見きわめた。]
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ )[実体のないものであると見抜いたのであった。]
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
___
/ \
iニーヽ /─ ─ \ それってひょっとして・・・
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u |
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ )
\ \ / /|
|\ ヽ / |
-
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒
/⌒ト、/ (> )(●)
r-='´ ヽ (___人__)
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ 俺たちは五蘊で捉えた「なにか」を全て「もの」と呼んでいる!
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)今までのクソ長い説明は何だったんだよ! (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒?Y
-
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \ 全てはオブジェクトであるで済ませときゃよかったんじゃ
/(―) (― ) \
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、\ いきなりそんなこと言ってもハァそうですかくらいしか反応できないだろ
| (●) (●).|
. | (__(⌒.) | それに「もの」と「実体」は混同しがちだから「実体」のほうを否定しておきたかったんだよ
| `/ / (⌒)
. ヽ / / ./ /
ヽ/ // /
/ こ二二⌒)
| \
| |ヽ .\
(.__)
-
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\) これから般若心経から離れてものの話をする!
| | / ̄(__丿
ト /ー、/ 続けて!Smalltalkは禅!
| \ノ
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | おいSmalltalkerに怒られるぞ
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / \ /
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) ではこれから「もの」とは何かを説明していこう
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } 二たび木彫りのクマーに登場してもらう
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
.
―――たとえばここに木彫りのクマーがあるとする。
-
___ ━┓
/ ― \ ┏┛
| (●) ヽ\ ・
l (⌒ (●) | コピペミスかな?
〉  ̄ヽ__) │
. /´ ___/
| ヽ
| |
., ──‐、
/ \
/ ヽ、_ |
(●) (● ) |
⊂ー―- , (__人__) | いや、ここには物質的存在ではなく
. ̄ミ_と ) (`⌒ ´ |
| |゙ { | 見ることも触ることも想像することも認識することさえできないクマーが存在する
| |. ヽ 人
| ト─、,ト ⌒\ 認識することができないからこのクマーはもう話には登場しない
.ヽ__ ゝ ヽ ヽ
| ヽ ヽ グッバイ木彫りのクマー2号。もう言及すらできないけど
.
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)それは存在しないって言うんだよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒?Y
-
__ ━┓
/ 〜\ ┏┛
/ ノ (●)\ ・
. | (./) ⌒)\ 何を根拠に存在しないと?
. | (__ノ ̄ \
\ |
\ /
. \ ⊂ヽ∩
/´ (,_ \.
/ \. \
./ / |. \ソ
( y' .|
___
/\ / \
/(●) (●.) \ 登場してないしこれからも登場しないし
/ (__人__) \
| |::::::| ノ( | そもそも言及すらできないんじゃ存在してると言う方がおかしいお
\ l;;;;;;l ⌒ ,/
/ヽ `ー´ ィ⌒ヽ なにもできないじゃねえか
rー'ゝ 〆ヽ .)
ノヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
-
(ヽ三/) ))
( i)))
/ ̄ ̄\ \
/ _ノ \ )
| ( >)(<)
. | ///(__人__) そのとおりだ!つまり俺たちは「自分と関わりを持てるもの」が「ある」としているわけだな
| ` ⌒´ノ
. | } そして、「自分と関わりのないもの=言及することすらできないもの」は存在していないことになる
. ヽ }
ヽ ノ だから全ての「もの」は自分との関係において存在することになる
⊂ヽ γ く
i !l ノ ノ |
⊂cノ´| |
-
/ ̄ ̄\ ここで存在の五つの構成要素・・・五蘊を思い出してみよう
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 色蘊:物質
r;r‐r/ | | (__人__) | 受蘊:知覚・感覚
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 想蘊:イメージ
l` ( ``/ . | } 行蘊:意志・行為
ヽ l . ヽ } 識蘊:認識
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
-
____
/ \
/ -‐´ `ー\
/ (●) (●)\ なるほど・・・知覚もイメージも行為も認識も人との関係の在り方だお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / あれ?物質との「知覚でも認識でもない」関係ってどんな関係?
> ー‐ <
. / / ̄彡ミヽ、
/ ヽ / / ヽ ヽ
ヽ. Y / | |
ヽ ノ ヽ ノ
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \ そうだな。物質と意識が直接関係を持つことはできない。
_ .| (● ) (⌒ ) .|
| ! | (__人___) | だが物質と物質は関係を持ち得るし、
| ! | ` ⌒ ´ .|
| ! ,.-,| | 物質と意識は知覚を通して間接的に関係を持つことはできる。
._,ノ ┴、/ ,/ .| /
.r `二ヽ ) i ヽ / 実のところほぼ全ての関係とは間接的なもので
.| ー、〉 / 〉 <
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ 間に挟まってるものをすっ飛ばすことで直接関係してるように見えるだけだったりする。
.| ) ノ/ { ィ, }
ノ ,/ | |{ |
-
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | 三たび木彫りのクマーに登場してもらおう
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\ このクマーは物質的に存在していて、
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/ 目に見えて、
| /
| /\ \ クマーに見えるからクマーだと認識できる
| / ) )
∪ ( \
\_)
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | この「見える」というのも実際には「もの」が反射する「光」を「視神経」が受け取って
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 「脳」に伝達されて・・・というように分解できる
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ } 言わば「見えるもの」が「伝えるもの」を「受け取るもの」に投げて最終的に
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ意識に到達するわけだ
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ なるほどクマーの存在が視覚的に確認できるから
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < 「たぶん」物質的にも存在していると言えそうだお
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● さらに言うとこれは「もの」であると言えるよな?
| (__人__)
. | ノ
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
_____ ━┓
/ ─ \ ┏┛
/ (● ) \\ ・
| (⌒ (● ) | そりゃ「もの」としか言いようがないけど・・・
|  ̄弋_) |
\ / あれ?「もの」ではない何かって有るのかな?
> ⊂ヽ∩ <
/" (,_ \. |
.| / \__ノ
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●)
| (__人__) 「〇〇というもの」という表現ができない何かがあったら
| ` ⌒´ノ
| } \ それは「もの」ではないかもしれんな。
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ ちょっと考えつかんわ
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
., ──‐、
/ \
| _ノ ヽ このクマーだが、前回は切断したが今回は下半身を隠すだけにしよう。
| ( ●) (●)
| (__人__) , -―ーっ また用意するの面倒だし。
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } |. | で、このクマーの上半身は「もの」であるだろうか
/⌒ ノ .|, |
/ ノ _ィ ´ー‐ィ' | ついでに今は見えていない下半身も「もの」だろうか?
../ / r_____ ノ
/ / |i
.
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● |
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
┌─────────┐
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
└─────────┘
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 「もの」としか言いようがないお
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < 見えてない下半身もさっきまであったんだし
| | '、_ \ / )
| |__\ “ / 「もの」としてあるんじゃね
\ ___\_/
-
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \
| / .イ '(ー) (ー) u| あれ?目とか耳とかも「もの」だし
. /,'才.ミ). (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \ クマーは一体しかないのに「もの」は無限に増える?
/\ ヽ ヽ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(⌒)(⌒ ) | 「もの」を物理的に区切ってもやっぱり「もの」だし、
(__人__) |
(`⌒ ´ | 認識的に区切っても「もの」だからな。
{ |
{ ノ そして区切ったって元の「もの」がなくなるわけじゃないんだから
__∩ ヽ ノ
(ミんゝ、 / ヽ そりゃもうバンバン増えるさ。
\ '' /| |
-
., ──‐、
/ \
| _ノ ヽ さらに言うと見えてなくても、また物質的に存在しなくても「もの」として存在できる
| ( ●) (●)
| (__人__) , -―ーっ 今隠れてるクマーの下半身がそうだ。
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } |. | 今は見えていない―つまり視覚的には存在しないが
/⌒ ノ .|, |
/ ノ _ィ ´ー‐ィ' | 俺たちはクマーに下半身があるのを知っている。つまり認識上では存在している。
../ / r_____ ノ
/ / |i
.
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● |
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
┌─────────┐
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
└─────────┘
-
,, -─- 、._
/ ヽ
| |
| ノ ヽ、 .|
| (●)(●) | そして次の4体目となるクマーだが
| (__人__) |
ヽ `⌒´ ノ このクマーは「もの」として存在しているだろうか
/ .,_,, ' ヽヽ, ))
"( ( ( ヽ /./l
\ \ ゛// |
ガサゴソ… / / ヽ ~ \ `ヽ~\
| |
| /
ヽ______/
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ そりゃ何体目だろうがクマーは「もの」として存在するお
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | それがもう在庫がないんだ
(__人__) |
(`⌒ ´ |
{ |
ヽ ノ
/ .,_,, ' ヽヽ,
( ヽ /./l
\ \ ゛// |
/ / ヽ ~ \ `ヽ~\
| |
| /
ヽ______/
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)無いのかよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
-
., ──‐、
/ \
/ ヽ、_ | 物理的に存在しないにもかかわらずあたかも存在するように扱える!
(●) (● ) |
⊂ー―- , (__人__) | つまりこのクマーは俺たちの「認識上」でのみ存在するわけだな!
. ̄ミ_と ) (`⌒ ´ |
| |゙ { | グッバイ認識上のクマー。幻の4番として覚えておくぞ!
| |. ヽ 人
| ト─、,ト ⌒\おっとこの「4」というのも認識上のみに存在するな!
.ヽ__ ゝ ヽ ヽ
| ヽ ヽ
____
/ \
/ _ノ ヽへ\ 認識上のみの存在多すぎるだろ・・・常識的に考えて・・・
/ ( ―) (―) ヽ
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
-
/ ̄ ̄\ 人のキメ台詞をとるな
ノ ヽ、_ \
.(●) (● ) | それはともかく、さらにスマホのカメラを起動して
. .(__人__) |
__.(,`⌒´ | クマー3号をファインダーに捉えて液晶画面を見てみよう
|・ |{ |
モ| | ヽ. ノ
.|ョ フ ヽ/ト. \
ヽ、__ノ. _ ィ ヽ
\_/| | |
/⌒ ̄ ̄ ̄ ノ
.
―――今、クマーを見ていると言えるだろうか?
┌────────────┐
│ ∩___∩ │
│ | ノ ヽ │
│ / ● ● | │
│ | ( _●_) ミ │
│ 彡、 |∪| 、`\ │
│/ __ ヽノ /´> ) │
│(___) / (_/ │
│ | / │
│ | /\ \ │
│ | / ) ) │
│ ∪ ( \ │
│ \_) │
│ │
└────────────┘
-
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ えーと、スマホ越しにクマーを見ている?
| / .イ '(ー) (ー) u|
. /,'才.ミ). (__人__) / いや正確に言うならクマーを映したスマホの液晶から発生した光を
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ 視神経が捉えて脳に伝達して意識にクマーの像が結ばれている・・・でいいのかな
.
*
/ ̄| + / ̄ ̄\ +
| ::| / ⌒ \
| ::|x ( へ)( へ) | .人 エクセレント!とても正確だな
,― \ .(__人__) | .`Y´
| ___) ::| . l` ⌒´ .| つまり「もの」と「なにか」することもまた
| ___) ::|+{ .| 十
| ___) ::| { _ | 「もの」と「なにか」することに分割できる。
ヽ__)_/ ヽ、ヽ / )|
``ー―‐'| ..ヽ| だからこっちの意味でも「もの」はいくらでも増えていく
ヽ ノ
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) |
(__人__) | で、いつもそう正確に表現するか?
(,`⌒ ´ |
{ nl^l^l
{ _l /
ヽ、 (, <
/ ヽ \
/ ヽ \
.、-ー'''''''一- ヽ ヽ
((⌒(⌒(⌒)_⌒) ゝ__丿
-
____
/::::::::: u\
/ノ└ \,三_ノ\ ,∩__
/:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu
|::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | | | 一生懸命考えたのにその反応はないお!
\::::::::: ` ⌒´ ,/_ | |
ヽ i 丿
/(⌒) / ̄ ̄´
/ / /
.
./ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | すまん。
(__人__) .u |
.(,`⌒ ´ | だけど俺ら普段は一生懸命考えないよな?
{ |
{ / クマーを映したスマホの液晶を見てて
ヽ /
,, -‐)__, /⌒i 「何見てるの?」って聞かれたらクマーを見てるって答えるよな?
/;─ー´ミ ./ l
.(_ンー‐-.ノ´ | 「スマホの液晶を見てる」なんて返事返さないだろ?
l |
-
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ
| (●) (●) | 確かに・・・シンプルに答えると途中をすっとばして
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \ 「見ようとしているもの」を「見てる」お
.
.
/ ̄ ̄\ 人とものとの関係ってのはそういうもんなんだ。
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | シンプルに考えると「もの」と「なにか」する
(__人__) |
(`⌒ ´ | それで足りなかったら途中に挟まってるものを追加するんだ。
{ |
{ / 詳しく説明するなら途中に挟むものを分割して説明するし、
ヽ く
⊂てヽ / ヽ 肉眼で見えなかったらそれを補助する何かを追加して見る。
{三_ ィ `´ /| ィ |
.\__/ | | | だがそれは「補助する何か」ではなくあくまで対象を見ている。
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ あくまで「見る対象」を見ている。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / 物理的になにかを挟むとか
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | 五蘊のどれかを経由して間接的に認識してもそれは変わらない、ということか
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \
_ .| (● ) (⌒ ) .| そうだ。
| ! | (__人___) |
| ! | ` ⌒ ´ .| そして、見る対象は「もの」だし、
| ! ,.-,| |
._,ノ ┴、/ ,/ .| / 間に挟んだものもまた「もの」だ。
.r `二ヽ ) i ヽ /
.| ー、〉 / 〉 < 単に他の言い方がないだけとも言えるけどな。
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ
.| ) ノ/ { ィ, } さらに言うと「もの」しかないんだから全ては
ノ ,/ | |{ | 「ものとなにかする」で説明することになる。
-
/ ̄ ̄\ 結論として、五蘊のどれかまたはまたがって「もの」は存在する
_ノ ヽ、 \
( ●)( ●) | 「世界」は「もの」と「もの」が「何かする」ことからできている。
(__人__) | ../}
_ ヽ`⌒ ´ | / / __ 「もの」は「もの」と「もの」が「何かする」に分割できるし
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ / 「もの」を別の「もの」に分割することもできる
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / /
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄) だから、好きな部分・細かさで分割して世界を把握すればいい。
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
ヽ. `ー '/ / /\ \ 世界を把握した結果なんかしたかったらすきにしろ。
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
-
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒ そして都合がいいことに俺たちは宗教家じゃなくて技術屋だ
/⌒ト、/ (> )(●)
r-='´ ヽ (___人__) 宗教家だったら「だからこの世に実体などない」というところだが
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ
} ⌒´ `V |>ー- 、俺たちは「世界を自由に把握する」ために利用すればいい
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
____
/ \
/ ─ ─ \ 般若心経に謝れ
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | じゃ、具体的に分割してみるか。
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 俺たちはプログラマで、主にPCを使って仕事したり遊んだりしている
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ } そうだな・・・今回は「木彫りのクマーを買い足す」事を目標として行動するとしよう
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | もう使い切っちゃったもんな。一個は存在すらしなかったけど。
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
/ ̄ ̄\
____ / ヽ_ \
/ \ (●)(●) | さっそく「木彫りのクマーを買い足す」ために
/ ─ ─\ (__人__) |
/ (●) (●) \ ヽ`⌒´ | PCを起動して熊屋に接続しよう
| (__人__) .| .{ |
. \ `⌒´ ./ _________ ノ 10個くらい注文するんだ
ノ \ / / ⌒l
/´ / / | |
| / / | |
__(_______ 二二⌒) / /__.| |_______
\/ / (U ⊃
-
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
( ●)( ●) | はいここでストップ。
(__人__) | ../}
_ ヽ`⌒ ´ | / / __ 俺たちは今、「木彫りのクマーを買い足す」行為を
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ / 「PCを起動する」「熊屋に接続する」「木彫りのクマーを10個買い足す」
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / /
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄)の三つに分割して行動したわけだ。
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
ヽ. `ー '/ / /\ \ 「熊屋に接続する」「クマーを買い足す」のはPCを操作して行っている
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
-
/7 これを図にするとこうなる。最初は「クマーを買い足す」だけだった
// 買い足す
// [俺たち]-------->[クマー]
__ //
. /ノ ヽ\ .// からの
. / (●)(●〉/ 起動する
l (__人_,//l [俺たち]-------->[PC]
. | `⌒// ノ 操作 接続
l // ./ [俺たち]-------->[PC]-------->[熊屋]
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 操作 注文
/ _.、__〉 ト, [俺たち]-------->[PC]-------->[熊屋]
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、\
| (●) (●).|
. | (__(⌒.) | ところで「熊屋に注文」ってネットでいいんだよな?今時電話とかFAXで注文するのは
| `/ / (⌒)
. ヽ / / ./ / 若い奴にはできないだろすると関係性はこうなる
ヽ/ // /
/ こ二二⌒)
| \ [俺たち]-------->[PC]-------->[ネット]-------->[熊屋]
| |ヽ .\
(.__)
-
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / ノ \
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) さらにPCには「ネットにつながってる部分」があるよな?LANとか。
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } すると関係性はこうなる
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、 [俺たち]-------->[PC]->[LAN]-------->[ネット]-------->[熊屋]
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
-
.r-、 / ̄ ̄\
/て ) / \ /
( _ノ フ. | ( ●)(●)
ゝ、 〈 | (__人__) さらにネットで注文するためにブラウザを使ったりする
/ ハ ヽ. | ` ⌒´ノ
/〃 ヘ \ . | } すると関係性はこうなる
i ! \ ` ーヽ }
丶丶 _ > ヽ ノ、 [俺たち]---->[PC]->[ブラウザ]->[LAN]---->[ネット]---->[熊屋]
ゝ'´- 、_ y-、 \
〈  ̄ う /、 ヽ
`ー― ¬、__ノ | > /
| r'^ヽ'´ _/
| `く__ノ´
.
____
/ノ ヽ、_\ r ⌒j
/( ○)}liil{(○)\ / / どこまで分割する気だ!
/ (__人__) \/ / / )
| |i|||||||i| / / / /
\ |ェェェェ| / '` ´ /
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴
/ > 、 ヽ _  ̄ ̄ ̄)
/ -、 } (  ̄¨´
/ ヽ._ __ \
` --‐'´ `゙' 、_.)
-
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ もちろん無限に分割できる!具体的には
|:::::⌒(__人__)⌒::|
| 「匸匸匚| '"|ィ'「PCの機能」を「PCの機能(ユーザーに近い部分」「PCの機能(遠い部分)」の
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| |
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ !‐}__,..ノ || 二つに割っていけば、
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ / |
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ | 分割した結果は「PCの機能」になるからこれもまた分割できる!
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |.
/ <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ \ `丶、 | 最終的には「それが何であるか」も分割されてただの「数」になるな!
\___,/| ! ::::::l、 \ \|
.
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\ そんなに分割してどうするんだお・・・
/ (__人__) u. \
|ni 7 ` ⌒´ . |n
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
-
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 分割して「必要に応じてより詳細に定義できるようにする」のと
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 分割した場所から「別のものに交換できるようにする」
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
-
/7
// さっきネットで熊屋にクマーを注文しようとしたよな?
//
__ // [俺たち]-------->[PC]->[LAN]-------->[ネット]-------->[熊屋]
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l だがこれは、「PCが壊れた時」には使えない。
. | `⌒// ノ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
-
/7
// だが、分割されているならその分割してるとこから別のものに切り替えることができる
//
__ // [俺たち]-------->[スマホ]->[wifi]->[LAN]------>[ネット]---->[熊屋]
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l こんな感じでPCからスマホに切り替えて無事注文ができるだろ。
. | `⌒// ノ
l // ./ とは言っても分割できるように
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 個々の部品を作っとかなきゃいけないんだけどな。
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
-
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \ 分割できるように個々の部品を作る一番の方法は
i ! | (●)(●) |
r;r‐r/ | | (__人__) | 分割した個々の部品を組み合わせて全体を作ることだ
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ
l` ( ``/ . | } こうやって生まれたのがアラン・ケイのSmalltalk―オブジェクト指向言語だ
ヽ l . ヽ }
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ※オブジェクトの導入はSimulaのほうが早いが目的が違う
.
____
, ヘー‐- 、 /ヽ / \
-‐ノ .ヘー‐-ィ /(●.) (● )ヽ それなら聞いたことあるお!
''"//ヽー、 ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
//^\ ヾ-、.| |r┬-| |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)\ `ー'´ /
/ <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、 ,..-‐|、
\___,/| ! ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
-
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・ あれ?Simulaのほうが早い?目的が違う?
. | (__ノl (⌒ (●) |
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) |
(__人__) | Simulaはシミュレーション用の言語、
(`⌒ ´ |
{ | つまり「ものの振る舞い」を記述するための言語なんだよ。
{ /
ヽ く 「もの」をオブジェクトとして、それが何であるかとか
⊂てヽ / ヽ
{三_ ィ `´ /| ィ |それがシミュレーション上でどう動くのかを定義するんだ。
.\__/ | | |
-
/ ̄ ̄\
/_ノ `⌒ \ Smalltalkは「ものを都合のいい単位で分割したり接続したりする」ための言語だ。
_ .| (● ) (⌒ ) .|
| ! | (__人___) | 「機能(仮想機械)」をオブジェクトとして作り、「メッセージング」を使ってゆるく接続する
| ! | ` ⌒ ´ .|
| ! ,.-,| | このメッセージングってのは文字通り「メッセージ」・・・つまり文字列だ。
._,ノ ┴、/ ,/ .| /
.r `二ヽ ) i ヽ / あるオブジェクトから別のオブジェクトへ文字列を送って、
.| ー、〉 / 〉 <
.| r_,j j / ̄ '' ̄ ⌒ヽ 送られたほうはそれを解釈して機能を実行する。
.| ) ノ/ { ィ, }
ノ ,/ | |{ | 滅茶苦茶柔軟で、ソースコードを自体をメッセージとして送ることもできるぞ。
-
/7 Smalltalkっぽく考えて図にするとこんな感じかな。
// 現実ではまったく別の言語で実装されてるけど。
// メッセージ ↓ ↓ ↓ ↓
__ // 操作 操作イベント 送信依頼 httpリクエスト
. /ノ ヽ\ .// [俺たち]------>[PC]--------->[ブラウザ]-------->[LAN]-------->[熊屋]
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 俺たちの操作はキーボードとかマウスを通してPCに伝えられて、
. | `⌒// ノ
l // ./ PCはそれを操作イベントメッセージとしてブラウザに送る。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ ブラウザはそのメッセージを解釈してブラウザ上の部品を操作する
/ _.、__〉 ト, (この部品の操作は「部品に操作イベントメッセージを送る」ことに分解することもできる)
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 操作した結果が注文の確定ならその注文は熊屋へhttpリクエストとして送られるだろう。
-
____
/⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ なるほどSmalltalk屋が「Smalltalkはむしろメッセージ志向」と言うのはそういうことか。
/ ::⌒(__人__)⌒::: \
| |::::::| ,---、オブジェクト同士がメッセージを送りあうってのは強力なコンセプトなんだお
\ `ー' しE |
/ l、E ノ
/ | |
( 丶- 、 ヽ_/
`ー、_ノ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(―)(― ) | そう、そしてこのコンセプトは般若心経―仏教的な世界の在り方と近い。
(__人__) |
(`⌒ ´ | 般若心経は特に禅宗で重視されているお経だからもう
.l^l^ln |
.ヽ L ノ 「Smalltalkは禅」と言ってしまっていいだろう。
ゝ ノ ノ
/ / ヽ 問題はむしろ強力すぎて勘違いされることだ
/ / |
-
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・ 勘違い?
. | (__ノl (⌒ (●) |
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | コンセプトとメカニズムの混同だ。
(__人__) |
(,`⌒ ´ |
{ nl^l^l
{ _l /
ヽ、 (, <
/ ヽ \
/ ヽ \
.、-ー'''''''一- ヽ ヽ
((⌒(⌒(⌒)_⌒) ゝ__丿
-
/ ̄ ̄\
/ __ノ ヽ
| ( ●) ) ソフトウェアとしてはメッセージングはコンセプトでありメカニズムでもある。
.| (__人)
| rつ そしてメッセージングはコンセプトとしては現実世界にも適用できる。
.| ((三)
ヽ ( < つまり「もの」と「もの」との関わり合いをメッセージとして解釈や説明ができる
ヽ /∧ ∨
∠ /⌒ ∧ ヽ 例えば「クマーを見る」ときは「クマーが俺の目に視覚的メッセージを送っている」と表現できる。
( \ / / ___)
|\ '' /|
| \_/ |
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \クマーに反射した光が目に入ってくるんだからメッセージと言えるのはわかる
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
/ ̄ ̄\
/ __ノ ヽ
| ( ●) ) だが現実世界ではメッセージを受け取っても何が起きるかが決まっているわけではない。
.| (__人)
| rつ メッセージを受け取って機能を動かすのはメカニズムであり、コンセプトではないからだ。
.| ((三)
ヽ ( < 現実世界のメカニズムは単なる相互作用だ。
ヽ /∧ ∨
∠ /⌒ ∧ ヽ これまで説明したように、「もの」と「もの」が「なにかする」というだけの話だ。
( \ / / ___)
|\ '' /|
| \_/ |
-
__
/::::::::::::\
/ __ノ::::ヽ
| (;;;;;;)::::) メッセージを現実世界のメカニズムとして
.| ::(;;;人)
| :::::::::rつ 「現実世界でメッセージを送って機能するとはどういうことか?」と説明して混乱させる人がいる。
.| :::::::((三)
ヽ ::::::::::(::::< 「犬」に「吠えろ」と「メッセージを送る」とはどういうことか?とかな。
ヽ ::::::::::/∧::::∨
∠::::::::::::/⌒ ∧:::ヽ 比喩を使って説明するのはいいんだが
(:::::\ /:::::::/;;;;;;;;;;)
|\::::::::::::/| 「現実世界のメカニズムとは違う」ことの説明が足りなくてな。
|:::::\_/:::::|
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ ネット上でよく見るオブジェクト指向批判はこれか
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) だから、そうならないように先に現実世界のメカニズムを説明したつもりだ。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 逆にオブジェクト指向のメッセージングとは何かの説明が足りないかもしれんな。
| } \
/ヽ } \ 俺の目的はオブジェクト指向「以前」を説明することだから
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/オブジェクト指向の説明はこれ以上しないが。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
.
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \ 「オブジェクト指向とはなにか」とかで各自ググって調べてほしいお。
/ .イ(ー) (ー) u |
/,'才.ミ) (__人__) / ネット上の説明は基本的に「オブジェクト指向を使った組み立て方」だから、
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ 今回説明した「ものの分解の仕方」と併せればきっと理解できるはず。
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) ともかくこれで「全てはものである」ことが説明できたと思う。
.| (__人__)_
| `⌒´. ̄ 話の順序から考えて般若心経に戻るべきなんだが――
.| ノ
ヽ .,ノ )/´二⊃
> /"/ '‐、ニ⊃ キンッ
./⌒ヽ l ´ヽ〉〆ヽ
( ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\ / / { /
-
/ ̄ ̄\ ――今説明しても般若心経の次の行からが理解できない
/ _ノ \
| ( ―)(―) シュポ
.| (__人__) チリチリチリ……
| .,ノ )/´二⊃
人 /"/ '‐、ニ⊃
./ ヽ l ´ヽ〉〆ヽ
( ⌒ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\ / / { /
.
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 次の行からはなんて書いてあるんだお?
ヘ  ̄`、__) |
ヽ |
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( 舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。
| ( ─)(─ ) ;;;;)
| (__人__) /;;/ 是故空中。無色無受想行識。
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・'
/ / _ノ´
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
-
/ ̄ ̄\ .........::::::::::...r‐ ' ノ. シャーリプトラよ。
/ \........::::::::_ ) (_
|::::::: : |.....:::(⊂ニニ⊃) 全てのものには実体がない。実体がないから生まれることも消えることも
.|::::::::::::: |....: ::::`二⊃ノ
|::::::::::::: |..: :::: ((  ̄ 汚れることもそうでなくなることも増えることも減ることもない。
.|::::::::::::::: } [l、
ヽ } /,ィつ 故に空の中には
/ ヽ . ノ .,∠∠Z'_つ
/ ''⌒ヽ ./ .r─-'-っ 色もなく、受も想も行も識も無い。
.| ( / } ./ ):::厂 ´
| / .// .ト /
.
___ クルッ
/ ノ ヽ_\  ̄` 、
/(● ) (● )\ |,ノ 色もなく、受も想も行も識も無い。――って
ビシィッ / (__人__) \  ̄
| し | Y | 今、「色受想行識しかない」って話をしたばかりだお
Vて \ `ー ' /
そ と⌒ヽ `> 〈´
ヽ V´ ヽ
ヽ / 、
-
/ ̄ ̄ \ (
/ _,.ノ `⌒ ノノ
| ( =)(=)(,ヽ、 (( そうなんだよ。
.| U (___人__) ,r__i____ ノ
| √丶丶丶┬─'" これはいろいろに解釈できるんだが―
| | ) j
.人、 ヽ´ / どんな解釈を持ってきても「わかった気になるだけ」だ。
_,/::ヽ、.,ヽ., __ ( r
_, 、 -― ''"::::::::::::\::::::ー-- く / ⌒ヽニ-、 なぜなら俺たちは「有る」も「無い」も知らないからだ。
/;;;;;;::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/....., ̄ v,;,ヽ
丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;( ;;;;:::::::::::... ',;;;;|
i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ハ :;;;;;;:::::::::.. ',;;i
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',
-
- ─- 、 ノノ
/ (,ヽ、 ((
/ _,ノ___ヽr__i____ ノ
/ (√丶丶´v┬─'"
i U | ) j 宗教としての解釈は説明できるが俺はしたくない。
,.ト、 V /
_,/( く、. ( r それは宗教家や宗教研究者のやることであって
_, 、 -― ''":::::::::::\::::ヽ,ヽ., __r /⌒ヽニ‐-、
/;;;;;;::゙:':、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V/..... ̄ ',;;;;; 技術屋のやることじゃない。
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( ;;;;::::::::::... ',;;;;|
r ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;ハ :;;;;;;::::::::.. ',;;i
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: !;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ハ ::;;;;;;;;::::::::. ',
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::!;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;ハ ::;;;;;;;;;;;::::::. ',
-
___
,,.-''"´ ` .、
/ ヽ
./ ',
l l
/ l
〈`ヽ、 |
|ミ=-  ̄ ̄`ヽ /
l ミ=-‐ .′だからその前に語ろう。「有る」を「作った」偉大な男の話を。
l/ ヽ ,'
( __ 人 ) { 「それが何であるか」とはどういうことかを定義した男の話を。
/ // )ニ=''´ ./ .|
ツ二二二/ ./__ ./ | そのためにゲストを用意した
/ / /''"__,ノ ′ .| それはもちろん――
/ / / /,.-''")_ _,,-''´ / ヽ__
,' /'´,,..-''´| / _ \/`ヽ、
_ ´l / ./ | ´ / / \
,,..-''" | .l ./ / イ / / \
-
――知の巨人、プラトンだ
.
.
/´〉,、 | ̄|rヘ
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| ''
______
/ \
/ ::::::::::::::::::\
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} :::::ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、
/=━▼▲▼ハ ハ▼▲▼━;;;;;;;;;:;:::;;;)
. / / ::::|| ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ
ヽ、::::::::::: 个┃ /;:.::;ノ / ____
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
プラトン:やる雄
_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
(
プラトンっていうよりプラトーンって感じの人が来た (
(
(
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒?Y
-
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\)
| | / ̄(__丿 ただし俺たちは技術屋であって哲学者ではない!だから哲学の話ではない!
ト /ー、/
| \ノ 次回!技術屋用イデア論!
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | 勝手に哲学騙るのも失礼だもんな
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
本日はここまで
-
乙です。プログラムとかさっぱりわからんけど面白そう
-
乙でした
プログラムは分からないけど哲学の話として楽しんでます
-
乙
ネットでいろいろ、それこそQiitaとかでいろんなオブジェクト指向の記事見てきたけど
これが一番面白いかもしれん
-
乙ー
-
乙
-
乙
ここで密教学んでる俺参上
>>95
ここで>>1が「わからない」とおいたところは龍樹の中論を読めば宗教的解釈抜きでも
論理として何を言いいたい/言ってるかがわかるようになるぞ
てかそこ龍樹が一冊分書いたことを短く切り取ってるからわからなくなるんだよ
まあ俺は龍樹菩薩ほど頭の出来がよろしくないので説明は勘弁
-
今日の分の投下を始めます。
>>107
そっちはこの投下ペースだと明日投下することになると思います。
今日はそのヒキくらいは入りますが。
ただし、龍樹の中論と同じものではないと思われます。
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;( では説明を始める―が
/=▲▼--▼▲=) ;;;;)
| /(__人__)ヽ ;;;/| ここだけのイデア論をでっち上げる前に概要が必要か。
\ `⌒┃l;;;; /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ イデアとは何かだが
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\
| /(__人__)ヽ | ネットで調べたほうが正確じゃねぇかな
\ `⌒┃ /
ノ \ ・ く__
/~"" /""⌒`!´⌒ヽヽヽ
( ) ) i | i、)\ カ
| l l||l 人 l||l i、 \ l||l 从人 l||l カ タ
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. タ
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)なにしにきたんだよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒?Y
-
━┓
____ ┏┛
/ ヘニヾ゙リン\ ・ だってプラトンとかイデアって何度も説明されてるぜ
/ =▲▼--▼▲\
/ /(__人__)ヽ \ 教科書にも書いてあるし、ちょくちょくはてぶにも入ってるし
| `⌒┃ |
\ ・ / これ読んでるような物好きなら読んだことあるんじゃねぇの?
.
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/(●)三(●)) .\
| (__人__) |
\ ヽ|r┬-| / / 自分の言葉で語れそれでもプラトンかよ!
/ `ー'´ \
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ (;;;;;;(
/ =▲▼--▼▲ );;;;;)
| /(__人__)ヽ;;;/ しゃーねーな
\ `⌒┃/ /
・ノ あ、「イデア(論)とはなにか」を知ってる人は読み飛ばしてくれていいぜ
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;)
| /(__人__)ヽ ;;;/| ではさっそくイデア論について説明しよう。プラトンは
\ `⌒┃l;;;; /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ 「この世界とは別に「イデア界」―真実の世界というべきものがあり
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ そこには普遍かつ不変、唯一永遠の原型とも言うべき「イデア」がある。
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' それが現実に投影されて物質的実体となる。」
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、 と考えた。そして対話によってそれが明らかになるとな。
___
/ \
/⌒ ⌒ \
/(● ) (● ) ヽ
| ⌒(__人__)⌒ | なるほどわからん
\ `⌒ ´ /
/ \
-
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\ 例としてクマーに登場してもらおう
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 木彫りじゃなくて生身な
/´` | ヽ ・/,´´ ̄、~ヽ、
/~ ヽ,,, /"´`゙゙ヽ / " ̄ヽヽ;; ト、
( ヽ` :::::::::::: Y::::::: :ノ/r }ヽ、
{ :::) ヽ ,,,,,|,, i{ ::::::: ヽ、
i、ノ )ヽ:::::::::::::人::::: 丿 \ ノ ( )
/ ):::: /;; """ i ゙゙゙゙::/ / | |
| | """" !゙゙゙゙ \ /::::::::::: /
.
くまー
r -、,, - 、
__ ヽ/ ヽ__
くまー ,"- `ヽ, / ● l )
/ ● \__ (● ● i"
__/ ●)  ̄ )"__ "`;
.(_i ● ' __, '"  ̄`'(___/.i⌒i
丶_ ,i⌒i,,_(_/ ● i ̄ ̄ )_|__
__, '"  ̄ ヽ! ● ●) ミ~ ̄_● ヽ)
くまー (_/ ● i ∪ / ⊂{● | くまー
l ●( _●) (  ̄)- / -' i
/ヽ、 |∪l T i ● '")
くまー
-
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\ 連れてきた俺が言うのもなんだが
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / こいつらはなんでクマーなんだろうな?
.
_____ ━┓
/ ─ \ ┏┛
/ (● ) \\ ・
| (⌒ (● ) |
|  ̄弋_) | クマーとして生まれたからじゃないの?
\ /
> ⊂ヽ∩ <
/" (,_ \. |
.| / \__ノ
-
′
____ 、´
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\ すまん質問が悪かったな。言い直そう。
/ /(__人__)ヽ \
| `⌒┃ | なぜ俺たちはこいつらを「クマー」と呼んでいるんだろうか?
\ ・ /
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ クマーに見えるからじゃないの?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ 「クマー」にみえるからの「クマー」ってなんだ?
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 見てみたいんだが物理的に目の前に出せるか?
\ `⌒┃ /
.
____
/_ノ ヽ、\
/(●) (● ).\
/ (__人__) u \ いや、やる夫の心の中の「クマーのイメージ」だから
n|i 7 ` ⌒´ n|
l^l | | l ,/) U l^l.| | /) 物理的に存在するってわけじゃ・・・
', U ! レ' / ー‐ | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
-
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー-
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、 そうだな、クマーを知っているってことは
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: ::::
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 ::: 心の中にクマーのイメージがあるっていうことだ
/ ル-/ j j(,/ '、 :: ::
'ー ' | ,ノ |,ノ┃
. ~ ▲、 ::、
▼▲ ~'-
》
▲
▼▲━━┓
-
」」 」」 」」 」」
__ | __ | __ | __ |
| | | | _| _| _|
___| ___| ___| ___|
....______,,,,,,,,,,,,,,,,
/ \
,,,,,ミミ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;\
/ .;.;.;.;.; \
/ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノTi\
/ ―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ
/ <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ_i、. その心の中のクマーは
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、
l ( / ヽ \ どこから来た・・・?
l / ヽ、____.人__ノ /
l i ∠..__ツ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ、_ .;.;.;.; / /.ノ ┃
iヽ、_____ .;.;.;__ ノ ! }/▲、
ヽ ヽ、_____´三/ { (´/▼▲
!ヽ、 :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( イ- ) 》
| . :;:;:;;| \ `ヽ::: ▲
/ヽ、 .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|\.; 7゙<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::\ ノノ
.
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\
/ (__人__) u. \ どこと言うかいつというか、前に見たクマーと同じように見えるからだお
|ni 7 ` ⌒´ . |n
l^l | | l ,/) U l^l.| | /) クマーのイメージは「一度見た」クマーから来てるお
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
-
___
/ \
/ へ=i!i!リン \
/ ヾ・ ハi!iハ・フ \ その前に見たクマーは今目の前にいるクマーと同じ個体か?
| /(__人__) |
\ `⌒´ / 5匹いるが全部に会ったことあるか?
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
.
____
/ \
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ いや別のクマーだけど同じには見えるお
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
______
/ \
/ \
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、 なら、そこにいる「なにか」は
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ;;;;;;;;;:;:::;;;)
. / / || ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/ 「前に見たクマーと同じに見える何か」であって
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ 「前に見たクマーそのもの」ではないな?
ヽ、 个┃ /;:.::;ノ / ____
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
.
____
/ノ ヽ、_\ r ⌒j
/( ○). (○)\ / / そんな事言ってたらこの世にあるのはすべて
/ (__人__) \/ / / )
| u .` ⌒´ / / / / 「前に見たのと同じに見える何か」になってしまって
\ / '` ´ /
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴 同じものなんてなくなってしまう・・・会話とか成立しないお
/ > 、 ヽ _  ̄ ̄ ̄)
/ -、 } (  ̄¨´
/ ヽ._ __ \
` --‐'´ `゙'
-
,,,,,,,,/ "",;;";/;;;
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"""" ;;;;;
/""":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; そうだな・・・じゃあ逆に考えよう
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; そのクマーは前に見たクマーと実際に同じであるとな・・・!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; 全てのクマーは普遍的な「クマーのイデア」を実際に持っていて、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、;;;;
ii||、、"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,iヽ;;;;、 その「クマーのイデア」を俺たちは見たことがある
tヽ、~''ー;;;;-ヽ、tii:r-ーー'''''"ヽ,ヽ、,、、,,,,,,
::::::::::::::::::キー't弖z-、ゝヽ,ゝーー''z'''''モ五ラ''ーz'~" だからクマーがクマーだとわかるのだと
:::::::::::::::::` ''''' ̄'''";;;(、 彡彡;;;;;;;~""""""
ヽ;t::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;; | j' ''":::::;;;;;;;;;;;;::::::::::
ヽ,:::::::::::: :::::::::::;;;;;;;; i, リ :::::;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::
ヽ ::::::: :::::;;;リノ :: ,,,,,,:::::::::::::::::::::::
ヽ:::::::::::"" ::::::: i ::::'" ::::ヽ,:::::::
i、:::::::::::::::(:::: :::::\ ''" /::::::::
iヽ:::::::::::ヽ__、/\____ノ:::'"、、,,,,
iヽ " ::Y'王エ三ニ'''z、
,、-'";t:ヽ :::::-、,,,,,,,,,,,,,、"-:::::::::::::::::::::,、
,、 ' ;;;;;t::ヽ ;;;;;;;、、;;;;:::::::::::::: ,、 ';;;;
/ :::::;;;;;;;;;t:::ヽ ::::::: ::'''" ,、 ';;;;;
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;t::::ヽ :::::::::::: ,、";;;;;;::::::::::
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: t:::::ヽ :::::::::::: ,、 ';;;;;;;; ヽ:::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: ヽ:::::~~ ''''''''''''";;;;;;;;;::::: ノ:::::
"""""""" '":::::::::::::::
-
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ いや「クマーのイデア」なんて見たことないし・・・
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
.
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー-
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、 「イデア」は現実の世界にあるわけじゃないからな
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: ::::
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 ::: 「イデア界」とでも言うべきところにある
/ ル-/ j j(,/ '、 :: ::
'ー ' | ,ノ |,ノ┃
. ~ ▲、 ::、
▼▲ ~'-
》
▲
▼▲━━┓
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) 俺たちは「クマーのイデア」を生まれる前に見ているから
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 生まれつきクマーが理解できるし「クマーのイメージを共有している」。
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l でかいクマーや小さいクマーも「クマーのイデア」を持っているから
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ 同じようにクマーに見えるし、
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l 「クマーのイデアとはなにか?」を対話することで「クマーとは何か」も決められるってわけだ。
/=====、 ....====i、
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 生まれる前とか無茶苦茶だお
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ そんなもんあるわけないお
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ(()
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ }
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ )
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ / プラトンの時代って2500年前よ?
ノ ノ 、´、,_\ /" / /
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;′ 毎年アポロンの祭りとかやってるし
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ
ヾ ト ........人........ / r´′:; 死んだらハーデスのところに行くってマジで信じてる時代よ?
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | リアル聖闘士星矢 │| 生まれる前に何かを見るとか楽勝よ
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
.
_____
/ノ \. \
/(●) (●) \ そんな昔からこんな事考えていたのかお
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ| プラトンすげーな
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: |
\ V ! |
ヽ ノ
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \ 正確には俺の師匠であるソクラテス先生が凄いんだけどな
/=▲▼--▼▲=\
| /(__人__)ヽ | 俺は研究を引き継いだだけだ
\ `⌒┃ /
・ 他にもピタゴラス学派やヘラクレイトス学派にも世話になったが実に勉強になった
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ おっと大事なことを忘れていた。
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / イデア論はプラトンが研究を進めてくうちにかなり変化している。
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト 今回話したのはその中の「イデアの分有」というやつだな。
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ だから、他の人の解説と違うだろうがまぁ気にしなくていい。
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
.
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \ いやそこは気にしろよ
/ (●) (●) \
| (__人__) u | 正しいイデア論が何なのか気になるじゃねーか
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー- 勘違いしているようだが正しいイデア論などというものは存在しない
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: :::: いや、そもそも「正しい理論」などというものが存在しない
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 :::
/ ル-/ j j(,/ '、 :: :: 現代においてすらだ
'ー ' | ,ノ |,ノ┃
. ~ ▲、 ::、 ―――それに
▼▲ ~'-
》
▲
▼▲━━┓
-
」」 」」 」」 」」
__ | __ | __ | __ |
| | | | _| _| _|
___| ___| ___| ___|
....______,,,,,,,,,,,,,,,,
/ \
,,,,,ミミ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;\
/ .;.;.;.;.; \
/ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノTi\
/ ―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ
/ <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ_i、. 俺はこんな話をしに来たわけじゃない
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、
l ( / ヽ \
l / ヽ、____.人__ノ /
l i ∠..__ツ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ、_ .;.;.;.; / /.ノ ┃
iヽ、_____ .;.;.;__ ノ ! }/▲、
ヽ ヽ、_____´三/ { (´/▼▲
!ヽ、 :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( イ- ) 》
| . :;:;:;;| \ `ヽ::: ▲
/ヽ、 .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|\.; 7゙<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::\ ノノ
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)ホントなにしにきたんだよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒?Y
-
,,,,,,,,/ "",;;";/;;;
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"""" ;;;;;
/""":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; 「昔こんなことを考えた人がいたんだよ」なんて聞くのは
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; それはそれで楽しいがクソの役にも立たない
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; 人から話を聞いて理解するのは哲学ではない
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、;;;;
ii||、、"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,iヽ;;;;、 ならやることは一つだ・・・実践あるのみ!実際に対話するんだよ!
tヽ、~''ー;;;;-ヽ、tii:r-ーー'''''"ヽ,ヽ、,、、,,,,,,
::::::::::::::::::キー't弖z-、ゝヽ,ゝーー''z'''''モ五ラ''ーz'~"
:::::::::::::::::` ''''' ̄'''";;;(、 彡彡;;;;;;;~""""""
ヽ;t::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;; | j' ''":::::;;;;;;;;;;;;::::::::::
ヽ,:::::::::::: :::::::::::;;;;;;;; i, リ :::::;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::
ヽ ::::::: :::::;;;リノ :: ,,,,,,:::::::::::::::::::::::
ヽ:::::::::::"" ::::::: i ::::'" ::::ヽ,:::::::
i、:::::::::::::::(:::: :::::\ ''" /::::::::
iヽ:::::::::::ヽ__、/\____ノ:::'"、、,,,,
iヽ " ::Y'王エ三ニ'''z、
,、-'";t:ヽ :::::-、,,,,,,,,,,,,,、"-:::::::::::::::::::::,、
,、 ' ;;;;;t::ヽ ;;;;;;;、、;;;;:::::::::::::: ,、 ';;;;
/ :::::;;;;;;;;;t:::ヽ ::::::: ::'''" ,、 ';;;;;
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;t::::ヽ :::::::::::: ,、";;;;;;::::::::::
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: t:::::ヽ :::::::::::: ,、 ';;;;;;;; ヽ:::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: ヽ:::::~~ ''''''''''''";;;;;;;;;::::: ノ:::::
"""""""" '":::::::::::::::
-
______
/ \
/ \
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、 というわけで、続けて
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ;;;;;;;;;:;:::;;;)
. / / || ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/ やる夫とやらない夫で実際に対話を行う
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ テーマは「美」とはなにかだ。
ヽ、 个┃ /;:.::;ノ / ____
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ 「愛とはなにか」「美とはなにか」と言えば「饗宴」
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ という著作に書いているが別に再現するわけじゃない。
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i むしろ別の答えを出すから勘違いしないように
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´ 「饗宴」も読んでもらいたいくらいだ。
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´ 勘違いさせたら偉い人に怒られるからな
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | つまり怒られるような話をするんだな?
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\ ではやる夫とやらない夫で「美とはなにか」というテーマで対話してもらおうか
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 正式な対話―哲学的問答法(ディアレクティケー)ではないから
/´` | ヽ ・/,´´ ̄、~ヽ、
/~ ヽ,,, /"´`゙゙ヽ / " ̄ヽヽ;; ト、 とりあえずは自分が何を美しいと思っているか話してくれりゃいい
( ヽ` :::::::::::: Y::::::: :ノ/r }ヽ、
{ :::) ヽ ,,,,,|,, i{ ::::::: ヽ、 まずはやる夫からだな
i、ノ )ヽ:::::::::::::人::::: 丿 \ ノ ( )
/ ):::: /;; """ i ゙゙゙゙::/ / | |
| | """" !゙゙゙゙ \ /::::::::::: /
-
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 正式な対話ではない?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < 正式な対話を使わない理由は?
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \ プラトン的には対話と言えば哲学的問答法だが今の時代には合ってないからな。
/=▲▼--▼▲=\
| /(__人__)ヽ | それに具体的な対話方法にこだわるのはむしろ良くない。
\ `⌒┃ /
・ 何気ない日常の対話でも成立してるってことを認識してほしい。
-
____
/ \
/ \ / \ なら遠慮せずに好きなことを言わせてもらうお・・・
/ (●)i!i!(●) \
| u , (__人__) | やる夫にとって「美」とは・・・!
\ .`⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
,r'ニニニヾヽ、 \/〈 //ニニニヽ、
("´ ̄ ̄ヾ)) __〉,ヘ ((/ ̄ ̄`゙`)
| 、ィ_ノと)' /"\三/"\ (つ(_,,ア |!
i| ` イ_/ ./((○))三((○))\ _Y |! 女の子!
.ヽ、 ' ( / `゙(__人__)'" \ / ` /
\ \l i| |! l/ / 美少女の解説役を要求するお!
l|l \ \ 、i|,/⌒ヾ、|!;, / / |l
\ ヾ `ー一'´ ィ / i 慣れてないからAAが適当なのはしょうがないとして
ヾ、 ``"´ /
゚ |! Y ィ |! 。 女の子キャラ増やすくらいできるだろ!
,. ' 、/ ヾ ´ ’ `
゚, i! `| ゜、l! i|!; ゚ ゜ 。
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \ ゲスト増やすかはともかく
/=▲▼--▼▲=\
| /(__人__)ヽ | 理由も一応聞いておこうか
\ `⌒┃ /
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
.
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \ 女の子がいないと華がない!心が癒されない!読者も逃げ出すお!
/(●)三(●)) .\
| (__人__) | ただでさえ読者の少なそうな話なんだから女の子出してサービスしないと!
\ ヽ|r┬-| / /
/ `ー'´ \ あっできれば やる実とかじゃなくて可愛いくてバインバインな娘でお願いします!
-
____
/ \ 見栄えの問題ってわけね。まぁ見てくれはやる気に直結するから気持ちはわかる。
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 版権キャラ出したくないから やる夫派生か、商売しなきゃ大丈夫な東方系かなぁ・・・
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / とりあえず やらない子ちゃんでいい?
・
____
, ヘー‐- 、 /ヽ / \
-‐ノ .ヘー‐-ィ /(●.) (● )ヽ 東方でオナシャス!
''"//ヽー、 ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ
//^\ ヾ-、.| |r┬-| |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)\ `ー'´ /
/ <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、 ,..-‐|、
\___,/| ! ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) おまえ、人の妹をそうばっさり切るなよ。悲しいだろ兄妹的に考えて・・・
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ビシッ
/ く__,-ュ__ て
| ___ 三) (
| |  ̄ ´
-
__
/ ̄〉 |__| 匚l
___ / / 〈 \
_ / `丶、 / / ヽ \
//l 「l_∠ __ /〉 ヽ /_/ \/
. __/ /,ィ´ -‐ 、.__\/ } __ _
/ /____ /| ヽ、\ ) \, / |___  ̄l / /
l |、.__ 〈/ -‐ ト、 ) 、::::j 7  ̄ ./ /
l |、  ̄入 、_`j , r' / / 〈X〉/〉
. ヽ\_〈::::::\__、__ノ (__ノ_ ) \/ 〈/
. \  ̄/\::::::/ l | `)‐'
 ̄ ̄l  ̄ // __/
/ // ヽ {ヘ、 それに、華ならここにあるだろう?
、___/ _/ `ヽ \ ___/ヽ
/  ̄ /| `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
. / / \. (__,. ‐- l、
, ' /、.: :`ヽ..,____.. -‐::::::i:‐:..、 ヽ (___,. |ハ
. / l/ ̄ \:::::::::::::> "´  ̄ `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
/l /: : ` 匸´___/__,..- ` .、___ | /│|__,ノl
. ∧/: : : / }/、 | } ││|__ノ
. | |: : : : { / ) , '"^ト-〈 │ | |__/
. | |\:_:_ ノヽ._/ー一^ ー‐´ │ V l | |、
| |  ̄`ヽ: : i , ,ノ、__,ノ l |/|
| | ∨ ` 〈 _/ | | | l !
. ! | | ∨  ̄ ゙, ,!、__\ | | |
. ││ l |, -- 、 -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__
. | | l l / ` 、 jハ:::::://
! ! | ,' ` ー 、 ___ ∨/l
| l l i /o | |' l|
│ | l/| / / /|_ |、l|
. | | /l:::八 イ / / ヽ|::ヽ
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\
+ ( ●)( ●) |
(__人__) | そう、美とは筋肉!
+ l` ⌒´ |
{ | 俺がお前のすさんだ心を癒してやるだろ!
__,..-{ /
_,.r'´ ̄ ヽ、ヽ ノ`ヽ____._
_,..r'´,,.... _ ヽ `ヽ、_,..-‐´ `ヽ、
,'´ _,r'´ ⌒ヽ< /_∠、_ 〃′ __ `ヽ、
i ,r'´ ` `/ ⌒ ⌒ヽ' ̄ `ヽ `)、
!_ ⌒/ ,r'´ ̄ _ , ;;,,, ヽ.
,r' ,′ / ヽ、 i
/ ! ,′ ′ !
,i !、 i 入. _,、_ ,. !
!/ ト、_,.-‐´ `、 ノ / `´ `Y'´ Y
,イ ⌒ヽ、 ,!、 ` ‐ 、. ′,′ `i
_ノ、 Y、i、 _,..-―-.、_ ` ヽ 、_,.-l,i .l !
./ .!、 `ト、_ \!' `ヽ、_ ,; イ il , i __、 )
〈 ヽ `ヽ、_. `ヽ、 、 、_人 Y 〉 ' V
`、 ヽ、 ヽ、>ー-- !^ ,l、|_, ! !
`;、 ` \__,..--..、 ヽ ',r'´ 〈. !
ヽヽ、 ,r'´ ̄ ヽ ̄`、 ヽ-‐'´ ̄ ) !
`ー-、.._ ,-.、_,-v'´ _ヽ _ヽ -`;ー! `ニ=┬' !
`>、__  ̄⌒``ヽ i i |`´ 一' ̄´_,r'´ 〈
/ ー<> lニ!ニ!.ニ'  ̄´ 、 !
ヽ_ '´ _,.. ` ノ
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 二人の主張を合わせると
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 「美」とは「美少女の筋肉」であるってことでいいかな?
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト やらない夫のAAに東方の顔を載せて出演させりゃいいかな
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)それ東方のファンに怒られるから! (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒?Y
-
/ ̄ ̄ ̄\
γ⌒) (⌒ヽ
/ _ノ ノ \ \ `、 どーやってまとめるんだこれ
( < (○) (○) | )
\ ヽ (__人__) / /
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ じゃあ最初から考えるか
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | まず、今の段階では二人の「美」は違うものだってことでいいかな?
\ `⌒┃ /
/´` | ヽ ・/,´´ ̄、~ヽ、
/~ ヽ,,, /"´`゙゙ヽ / " ̄ヽヽ;; ト、
( ヽ` :::::::::::: Y::::::: :ノ/r }ヽ、
{ :::) ヽ ,,,,,|,, i{ ::::::: ヽ、
i、ノ )ヽ:::::::::::::人::::: 丿 \ ノ ( )
/ ):::: /;; """ i ゙゙゙゙::/ / | |
| | """" !゙゙゙゙ \ /::::::::::: /
-
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ 違うに決まってるっていうか
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/ 「美」なんて結局は個人の価値観の問題だお
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ みんなそれぞれの「美」を持ってるんだお
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) その考え方には賛成できないな
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 「俺の美」と「お前の美」は違う、で済ませては
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 会話は成立しないし「美」が何かもわからない。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ 「人は分かり合えない」とか「真実は存在しない」とか言ってドヤ顔する連中もいるが
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l それは「俺の言葉には何の意味もありません」と自白しているのと同じことだ。
/=====、 ....====i、
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) だからまずは「美」というものを共通して持っていると考えよう。
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 同じ「美」を別の側面から見ているだけだと。
ノ \
/´ _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ ただ見ている範囲が違うから表現する言葉が違うだけだと
| l ( l / / / l
l l ヽ /
.ィ´`ヽ
γ /} }ハ
__ / ' / ' 八
,.-fヽ、 / ノ `ーヽ r ´‘./ ,ハ
rヘ }. 〉〉} | (=) (=) l l ‘. | そうだ俺はやる夫に筋肉の美しさを知ってもらいたい!
/ 》`r tァ' | (_人_) |: 〉-、 ∨: |
./ /Ⅳ ‘. `⌒ リ ' 八 }\ :{ 大体、やる夫いつも相撲見てるじゃないか
〃 :{ マ:‐--/ ト、_. N
' /ハ , ‐- 。.x< ̄≧=‐‐'三:_〈 、 Y 脂肪に覆われてはいるが筋肉の美しさがわかってるはずだ!
| ノ{ `ヽ ヽ. 。 \ |
:}_,. ィ´ ` ‐ < .ゝ、 _ノ_`.ニ. ` r " |
.ゝ .._ r‐ " Y´}:リミ ァ‐°彡 ´ :. `ヽ `Z.. |
` <. __彡ヘ'/ |r: 大__. -‐‐-f  ̄ ヽ( . -∨
丶 `',{ f´ ::、 }'⌒V
\ { r'r ¨¨¨ Y´ ̄`Y '
`f^ ゝ-‐ ,ニ{_ リ !
{ `´ -‐`/ ./
/ミ:。、 ,.イ /ヘ
/ マ>。.__≠≦'´ `\
-
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ 確かに相撲は見てるけど
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/ そんな邪な心で見てるように言うなお
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ 力士は格好いい・・・つまり美しい
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/ でも筋肉自体じゃなくて体の使い方が格好いいんだよなあ。
/ (丶_//// \
-
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ わかった。「筋肉は美しい」は認めないが
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 「肉体は美しい」なら同意できる。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
.
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;|
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l わかってくれて嬉しいだろ
| (__人__) ;;;;;;;;il
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ 俺の方も筋肉だけにこだわるのは料簡が狭かった。
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_ 「肉体は美しい」に同意しよう。
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 相撲の美しさを認めるなら
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 「女性は美しい」の方も範囲が狭すぎるんじゃないか?
| }
ヽ } 「人間は美しい」ならちょうどいいと思うんだが。
,ノ.ヽ、.,__ __ノヽ
/_\:: ヽ ノ .:::/ `ー-、__
,. -‐'´.: : .:|!:.:ヽヽ、ヾ__ ー ::|::...  ̄``ー-、
_,. --r'´.:.:.:.:: ..:.:∧:.:.:.: (__) ::::::::|:.:.:.:... r \
r‐'´ _:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l |!:.:: ハ ::: |;;;;:.:.:.:>....:.|:.. 、 ヽ
:.:.:.:.::.´:.:.:.:.:.:.:.:\_____ヾ:.:.:.:.:.| ∨ >:┴…'´ー‐-、|:.:.:.. \: |:.:.: |、
:. /了:.:.:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:. ``ー-、L.. __〉.'" \:.:.:.:.:.:.ヽ:.:./:.:.:/: \
/__/:.:.:./:.:.:.:/-、:.:.:... __ .:Y´:: _,. =ミ:.:\_;;;;;V;;;/ヽ l
:.:.:.:.:.,.イ:.:.:.:.:.:ノ|! _}‐‐::.:.:.. ,r‐'´ ノ. . ::lr'´::" :;;;|:.:.`ー'⌒ | |
:.:.:.:厶;;辷==' /⌒|::.:_;. -'´...:/ :.:l!:.::: :;;;;;|:.:.: ', ∧
:.::イ:.:.:.:´ `ヾ|:: レ'ヽ:.:.:.:/ .:.:.:.:.:.:.:.:.|!:.:.:... rぅ...:.;;;;;:∧:.:.:. ヽ. |: \
:.:/:.:.: :.:.|::/ /r─  ̄〉.:.:.:.:.:.:.人;;;;;;;;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;/::∧:.:.:.:...... ヾ \
:.:.:.:.:.: :.:/: :/.:.:/__ノィ' ̄〉‐一'´___  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄lヾ、:/ :::\_::::::.: . l| :ヽ
.
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ それは確かに
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ < 「人間は美しい」に同意するお。
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 二人の合意を合わせると
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 「美」とは「人間の肉体」であるってことでいいかな?
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
.
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
| (●)(●)| いいとも!
____. .| (__人__) |
/ \ ` ⌒´ ノ
/ ─ ─\ .}
/ (●) (●) \ } がってん!
| (__人__) | ノ.ヽ
/ ∩ノ ⊃ /∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |/ _ノ | |
.\ “ /__| | /__| |
\ /___ //___ /
-
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ(()
i { _____ | ヽ よろしい!
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ }
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ 他人に聞かれたら怒られそうな結論ではあるが
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ )
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ / 「この時」「この場」「この参加者」では
ノ ノ 、´、,_\ /" / /
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;′ 「美」はなんであるかが合意できたわけだな!
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ
ヾ ト ........人........ / r´′:;
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ 繰り返すが「饗宴」とは過程も結論も違うから
| 答 | 「美」とは人間の肉体 │|
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ 真面目に考える人は「饗宴」読んでくれよ!
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) では、対話とは何だったのかを整理しておこう
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / まず、俺たちは「対話の材料」を挙げた。今回は三つだな
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l ・女性は美しい
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ・筋肉は美しい
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l ・力士は美しい
/=====、 ....====i、
.
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 主張として挙げたのは上二つだけのはずだお
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | やる夫が相撲見てるのは事実だけど・・・それに後出しだし
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
-
____
/ \ 事実も「対話の材料」に入る。
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 事前に提出するのが望ましいが
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 全部の材料が最初から揃うほど都合よくはいかんだろう
・
.
′
____ 、´
/ ヘニヾ゙リン\ おっと大事なことを忘れていた。追加の材料は「却下する権利がある」
/ =▲▼--▼▲\
/ /(__人__)ヽ \ 後出しで材料を追加し続けたら対話が終わらないからな。
| `⌒┃ |
\ ・ / 却下する理由は欲しいところだが「事前に提出されてなかったから」でもいい
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) 次に、ごく一般的な論理として
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 「すべての材料を満たせばそれはより確かな「美」である」こととした。
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 論理には他にも考えられるが今回はこれでいいだろう。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) そして、条件を満たすために「材料」に修正を加え、採用に合意した。
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / この「参加者が材料の採用を合意すること」が非常に重要だ
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l ・女性は美しい -> 人間は美しい
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ ・筋肉は美しい -> 肉体は美しい
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l ・力士は美しい ->力士は美しい(合意の上そのまま採用)
/=====、 ....====i、
-
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (● ) ヘ\ ・
| (⌒ (● ) | 合意なんて一々とるの面倒くさいお
ヘ  ̄`、__) |
ヽ | 同じ材料をとらなかったらどうなるんだお
./∩ノ ⊃ _/
/./ _,) `丶
(___/ 1 |
.
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ 材料を立っている場所にたとえよう。
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 別の材料を採用したときは、つまり別の場所に立っている
\ `⌒┃ /
.
.
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | ./─ ─ \
. { | / (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
-
そこから「美」へ向かって一歩踏み出してみよう
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__)
| ``⌒´ノ ____
| . } / \
ヽ .} / ⌒ ⌒ \
ヽ ノ / (●) (●) \
/ \ | (__人__) | ―>美
/ / } | \_ `⌒´ _/
/ /. | | / ヽ
| | .| | | | |
| | || | | | | |
(__) | |し__) ヽ ヽ | |
| } | (_) _ |_)
| | / | / | |
| |/ / / | |
(_⌒) ヽ_⌒) (_⌒)
-
美には近づいているが、相変わらず二人は別の場所に立っている
.
つまり、「美とは何か」を二人は共有していない
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | ./─ ─ \
. { | / (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
-
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 同じ材料を採用したなら同じ場所に立っていると言えるな?
\ `⌒┃ /
.
.
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | /─ ─ \
. { |/ (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| || |
-
そこから「美」へ向かって一歩踏み出してみよう
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__)
| ``⌒´ノ ____
| . } / \
ヽ .} / ⌒ ⌒ \
ヽ ノ / (●) (●) \
/ \ | (__人__) | ―>美
/ / } | \_ `⌒´ _/
/ /. | |/ ヽ
| | .| || | |
| | || || | | |
(__) | |し__ヽ ヽ | |
| } | (_) _ |_)
| | / | / | |
| |/ / / | |
(_⌒) ヽ_⌒) (_⌒)
-
美に近づきつつ二人は同じ場所に立っている、つまり「美とは何か」を共有していることになる
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | /─ ─ \
. { |/ (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| || |
-
/ ̄ ̄ ̄\
/ / \ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | なんかすごく当たり前のことを言われてるような
\ ` ⌒´ /
/ \
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;( すごく当たり前のことを言ってるんだよ
/=▲▼--▼▲=) ;;;;)
| /(__人__)ヽ ;;;/| プラトンの著作は対話篇―主人公のソクラテスとゲストの対話で成立しているが
\ `⌒┃l;;;; /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ ソクラテスは何かあるごとに相手に「この認識を採用して問題ないか?と」確認している。
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ プラトンが対話篇という形式を選んだのは「相手の思い込みをソクラテスにリセットさせる」
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' ためだというのが定説だが、違う材料で同ところへ行くことはできないから
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、 合意を得て対話を進める姿勢を示すためであるとも思う。
-
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\
/ =▲▼--▼▲\
| /(__人__)ヽ | 次に、同じ場所に立っているがそれぞれの「美」を持っていることにしてみよう
\ `⌒┃ /
.
.
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | / ─ ─\
. { |/ (●) (●) \
美<- { / | (__人__) | ->美
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| || |
-
そこから「美」へ向かって一歩踏み出してみよう
.
, -―- 、
/ \
/ \_ |
(●) (●) | ____
(_人__) / / \
l`⌒´ / / ⌒ ⌒ \
| ヽ / (●) (●) \
美<― __!、____/ \ | (__人__) | ―>美
/、 ヽ r 、 ヽ \_ `⌒´ _/
ハ ヽ Y`l | > Y / ヽ
{ ヽ_ゾノ | レi i i} | | |
`¨´ ヽ ハ `''' | | | |
> / ヘ ヽ ヽ | |
/ /ヽ ヘ (_) _ |_)
_,/ / ご_ノ | / | |
( ヽ / ?/ / | |
\__ノ ヽ_⌒) (_⌒)
-
二人はもう同じ場所に立っていない。「美」を共有していないんだ
.
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ \
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | ./─ ─ \
. { | / (●) (●) \
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
-
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u | あーつまり「生まれる前にイデアを見ている」というのは
/,'才.ミ) (__人__) /
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ そんな事があるわけないと思ったろ?
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / まったく同一のイデアを事前に見て共有する必要があるんだよ。
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト 「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有する」ためには
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ 同じ材料を採用するという合意と同じ方向に進むための同じイデアが絶対に必要だ。
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ / ロジック―当時はロゴスだな。これはそのまま共有できる事になってる
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
-
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ(()
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ } イデアは一つであるとか
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ ) 不変かつ普遍であるというのもこのために作った設定だ
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ /
ノ ノ 、´、,_\ /" / / 今の「美」とちょっと前の「美」が違うものだったら
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ 別の方向に進むことになっちまうからな
ヾ ト ........人........ / r´′:;
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | イデアは対話を進める目印 │|
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
-
, ¨¨¨¨¨
. / | il i \
〃 u i l| | | u ゙
{ (_人_) ! ∨ 設定とか言っちゃっていいのかお
|ililililil| u !
\ 人ilililil}
ト、__、_ , イ
. 乂__| ト .._ 「
. | 人_ ∨
. | ∨
___
/ \
/ ヘニヾ゙リン\ (;;;;;;(
/ =▲▼--▼▲ );;;;;) いいんだよ。どうせ現代で真面目にイデア論を信じているのは作者だけだ
| /(__人__)ヽ;;;/
\ `⌒┃/ /
・ノ
-
/ ̄ ̄\
イデアの存在を信じてるってマジ? _ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l
. / \. (__人_) | 俺は割と本気で信じてるよ
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l
/ (●) (●) \ { / 虚数が存在するのと同じくらい信じてる。
. | (__人__) | ヽ /
\. ` ⌒´ /. / `ヽ お前だって虚数の存在を証明できなくても
> <. /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ 電気工学の計算に虚数を普通に使うだろ?
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
-
/ ̄ ̄`ヽ
/ ヽ
{ ー- \ それは何であるか、を議論するということは
) (●) ', \
(●) -、 } .` - 、 __ 「何」を共有しているはずだ。そうでないと結論が出ても
\(_,ト-' リ ', `ヽ._
>--、/´).ハ リ_,.>-''、⌒``ヽ、 それはそれこれはこれ、にしかならないからな。
/´ ヽ' ./´ },. -'/´ ` ハ
/! ヽ }`,¨´ i ::. } だがこの話題にしている「「何」を共有しているという根拠」が
/ ,/ } ; ,ノ / ヾ.{ ; ハ
{ ,ゝ. -' ヘ./ 〉‐- 、__.._ _,. -‐ イ, } 見つからないんだ。
{ 、 }ヘ、 \ /´ .; ヒ'" !
,/ゝ-、 _{ ', ヽ.__{ :: :' } ,!
/ ゝ、ヘ ', (´ ``ヽ : ! !
{ ,... _: ``〉', 、 ヽ、 ', / /
}'" `ー‐- 、..⊿ムヽ ヽ、 ` ,} ゝ ,/ /
{ _,. -‐'´ ヘ. `、.___ ノ メ、, ;/
}' ´ ̄ ,..._ゝ、、ヽ、`¨¨´ ./゙Y′i'
',ヽ _,. '´/ ゝ、.___ ,/二)´ |
ゝ-<二_メ'´ `¨`ー' .リ
} ,.、 ', ,/)ヽ
/,ハ、`'′ ; ,./ ,/ヽ∧
-
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ',
ヽ ノ `フノ-‐ュ', 近代哲学で共有を説明する説もあるにはある
〈゙y'´ ´ '´,≠-,
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _ ―例えば論理的に導出できたなら結果的に共有できたと言える。
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶.
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ だが「それは何であるか」の段階で「何」を共有できているか、
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ これがさっぱりわからん。
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', 哲学は専門外とはいえ勉強不足だな。
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } ともあれ道具として使う分にはイデアはシンプルでいい。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' / ありがたいことに技術屋は証明できないものでも
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / / スジが通る範囲で使える。
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ} 近似式の正しさを証明できなくても有効な範囲で使えるようにな。
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
-
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、 \
( ●)( ●) | 愚痴になっちまったな。この話はここまでにして
(__人__) | ../}
_ ヽ`⌒ ´ | / / __「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有した」
(^ヽ{ ヽ { ./ / . / .ノ
( ̄ ヽ ヽ i ヽ / 厶- ´ / とこまで話を戻そう。次の問題はこの「美とは人間の肉体である」
.(二 ヽ i i |,r‐i ノ. ヽ / /
ヽ / ノ / r一'´ ー 、  ̄ ̄ ̄) を別のものに適用しても正しいかどうかだ
i { イ―イ / .`ー―. 、__ .〈 ̄ ̄
ヽ. `ー '/ / /\ \
`ー '  ̄ ̄! | ヽノ
-
/ ̄ ̄\
具体的には? _ノ ヽ、 \
____ (●)(● ) l 人間の肉体は美しいってことは
. / \. (__人_) |
. / ― ―\. ヽ⌒ ´ l やる夫の肉体も美しいってことだけど
/ (●) (●) \ { /
. | (__人__) | ヽ / お前、自分の体が美しいって本気で言えるか?という話だ。
\. ` ⌒´ /. / `ヽ
> <. /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′
-
/ ̄ ̄\
このぶよぶよの体で? / ヽ、_ \
____ (●)(● ) | なんかすまん
/ \ (__人__) |
/:: \ (`⌒ ´ |
/:::::::::: \ { |
|:::::::::::::::::: | { ノ
\:::::::::::::::: / ヽ ノ
/:::::::::::::::::::::: | ノ ヽ
|:::: |::::::::::::::::::::::: |:: | / |
|:::: |::::::::::::::::::::::: |:: |
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ それだけじゃいじめみたいだから俺からも材料を出そう
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 俺は両国に住んでるから道端とかスーパーとかで普通に力士とすれ違うんだが
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
-
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) オフの力士はただのでかいニーチャンで別に格好良くない
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \
/ (●) (●) \ そりゃそうだ
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
-
′
____ 、´
/ ヘニヾ゙リン\ つまり、先に合意した「美とは人間の肉体である」と合致しない・・・
/ =▲▼--▼▲\
/ /(__人__)ヽ \ 「美とは人間の肉体である」が間違っているか、
| `⌒┃ |
\ ・ / 「やる夫は人間である」「オフの力士は人間である」が間違っているかのどちらかだな。
.
_____
/ノ \. \
/(●) (●) \
(⌒(⌒(⌒ヽ / ∪(__人__) \ 後者は極端すぎるお
\ ヽ ヽ (⌒) | `⌒ (⌒(⌒(⌒ヽ|
ヽ::::::::::: |. \ ヽ ヽ ヽ |
ヽ ( ヽ / (⌒)::::::::::: |
\ V ! |
ヽ ノ
-
____
/ \
/ \
/) ノ ' ヽ、 \ だいたい、力士が格好いいのは力士だからじゃなくて
/ .イ(ー) (ー) u |
/,'才.ミ) (__人__) / 力士として体を使ってるからなんだってば
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
.
.
.
.
.
____
/ \
/ \
/ ⌒ ー \
| (●) (●) | ああ、そういうことか
\ (__人__) /
/ `⌒ ´ イ`ヽ、
, ' ` ̄ \
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ やらない夫、筋肉ってだらけてるときにも美しいのかお?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / もしそうならポージングってやる意味なくない?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | それと魅せる筋肉と相撲みたいに使う筋肉どっちが美しい?
\ /___ /
.
.
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ もちろん筋肉はただあるだけでも美しいが
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi ポージングにより一層輝きを増す!
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ スポーツや格闘技で躍動する筋肉もまことに素晴らしい!
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! ! その場に適した筋肉はあっても筋肉に貴賤はないだろ!
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. /
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
-
∩_
〈〈〈 ヽ 「筋肉は美しい」
____ 〈⊃ } 「取組中の力士は美しい」
/⌒ ⌒\ | | 「やる夫は特に美しくはない」
/( ●) (●)\ ! !
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l 全部の前提を満たすには「美とは人間の肉体である」を修正して
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ // 「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」にすればいいんだお!
/ __ /
(___) / やる夫だって磨けば光るんだお!
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼-▼▲==\ 「女の子は美しい」という前提はどうする?
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ /
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ /
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. |
-
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ リアル姉や妹がいる人はわかると思うけど
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ< すっぴんでだらけてる姿はかわいいかもしれないけど美しいとは・・・
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
.
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) それ以上は聞かないでおこう
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / ともかくこれで「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」に
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 合意は修正された。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ 材料を増やすことでより「美とはなにか」が鮮明になったということだな。
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
-
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー-
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、 実のところ、今行っている対話は弁証法と言ってプラトンが作ったわけではない。
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: ::::
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 ::: 哲学的に正確な話は哲学史か近代哲学の話だから先生にでも聞いてくれ。
/ ル-/ j j(,/ '、 :: ::
'ー ' | ,ノ |,ノ┃ だが、それ以前の問題である
. ~ ▲、 ::、
▼▲ ~'- 「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有」
》
▲ こそがプラトンによる「哲学以前」の成果であり
▼▲━━┓
-
」」 」」 」」 」」
__ | __ | __ | __ |
| | | | _| _| _|
___| ___| ___| ___|
....______,,,,,,,,,,,,,,,,
/ \
,,,,,ミミ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;\
/ .;.;.;.;.; \
/ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノTi\
/ ―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ 西洋文明の全てのもとになっている
/ <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ_i、.
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、 大学など「アカデミック」と呼ばれる場では特にそうだ。
l ( / ヽ \
l / ヽ、____.人__ノ /
l i ∠..__ツ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ、_ .;.;.;.; / /.ノ ┃
iヽ、_____ .;.;.;__ ノ ! }/▲、
ヽ ヽ、_____´三/ { (´/▼▲
!ヽ、 :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( イ- ) 》
| . :;:;:;;| \ `ヽ::: ▲
/ヽ、 .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|\.; 7゙<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::\ ノノ
-
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | やる夫も大学は出たけれど「対話」なんてしたことないお
. | (__ノ ̄ /
. | / 教授に議論という名の質問責めは受けたことはあるけど
\_ _ノ\
/´ |
. | / |
______
/ \
/ \
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、 おいおい理系の大学出たんなら卒論書いてるだろ?
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ;;;;;;;;;:;:::;;;)
. / / || ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/ 対話はその場その時でしか成立しないし、
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ 今の複雑な世の中じゃ材料の合意で日が暮れちまう。
ヽ、 个┃ /;:.::;ノ / ____
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ だから場所と時間にとらわれない手段―
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ ―論文を介して対話するんだよ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
-
,,,,,,,,/ "",;;";/;;;
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄"""" ;;;;;
/""":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; 研究者は前提となる材料、つまり論文やデータにアクセスできる。
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;; つまり、その気になれば材料を共有していることを確認できるから
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; 共有していることにして対話を始めよう、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、;;;
ii||、、"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,iヽ;;;;、 新しい論文で新しい材料とロジックを共有し、
tヽ、~''ー;;;;-ヽ、tii:r-ーー'''''"ヽ,ヽ、,、、,,,,,,
::::::::::::::::::キー't弖z-、ゝヽ,ゝーー''z'''''モ五ラ''ーz'~" 新しい結論を共有しよう――そうやって真理に近づくんだ。
:::::::::::::::::` ''''' ̄'''";;;(、 彡彡;;;;;;;~""""""
ヽ;t::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;; | j' ''":::::;;;;;;;;;;;;:::::::::: 真理には決してたどり着けない
ヽ,:::::::::::: :::::::::::;;;;;;;; i, リ :::::;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::
ヽ ::::::: :::::;;;リノ :: ,,,,,,::::::::::::::::::::::: ―だがどこまでも近づくことはできる。
ヽ:::::::::::"" ::::::: i ::::'" ::::ヽ,:::::::
i、:::::::::::::::(:::: :::::\ ''" /::::::::
iヽ:::::::::::ヽ__、/\____ノ:::'"、、,,,,
iヽ " ::Y'王エ三ニ'''z、
,、-'";t:ヽ :::::-、,,,,,,,,,,,,,、"-:::::::::::::::::::::,、
,、 ' ;;;;;t::ヽ ;;;;;;;、、;;;;:::::::::::::: ,、 ';;;;
/ :::::;;;;;;;;;t:::ヽ ::::::: ::'''" ,、 ';;;;;
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;t::::ヽ :::::::::::: ,、";;;;;;::::::::::
:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: t:::::ヽ :::::::::::: ,、 ';;;;;;;; ヽ:::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::: ヽ:::::~~ ''''''''''''";;;;;;;;;::::: ノ:::::
"""""""" '":::::::::::::::
-
___
/ \
/ へ=i!i!リン\ 理系の論文においては「再現可能」であることが最重視される
/ ヾ・ ハi!iハ・フ \
| /(__人__) | これは一般には正しさを確認するためだと言われているが
\ `⌒´ /
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ プラトン的には再現可能でないと材料として共有できないからだ。
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ 文系、特に過去の文献を基にする論文では「再現可能」は実現できないが
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r' 出典を正しく扱うことで「出典そのものを材料として」共有できる。
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
-
___
/ \ うっかり「自分で確認することが科学的である」と勘違いすることもよくあるが
. / ヘニヾリン \
/ ヾ ハiハ .フ ヽ 経験は共有できないからプラトン的には何の価値もなく対話は成立しない。
| (__人__) i
. \ ` ̄´ / 正確には「誰でも確認できることが科学的である」というべきだな。
. ) ヾ____ く
/´` | ヽ ・/,´´ ̄、~ヽ、 そして、残念ながら「それは何であるか」を問う他の方法は誰も見つけていない。
/~ ヽ,,, /"´`゙゙ヽ / " ̄ヽヽ;; ト、
( ヽ` :::::::::::: Y::::::: :ノ/r }ヽ、 科学を否定する人がいたら、「主張に同意するべき根拠」を聞いてみてほしい。
{ :::) ヽ ,,,,,|,, i{ ::::::: ヽ、
i、ノ )ヽ:::::::::::::人::::: 丿 \ ノ ( ) 信じる信じないとかではない、意味のある答えだったら俺も知りたい。
-
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー- 一方的にしゃべっちまったな。一方的と言えばこの話は
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: :::: 「プラトンこそが哲学の祖であり近代哲学はそれを再構築したものだ」
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 :::
/ ル-/ j j(,/ '、 :: :: という一方的な視点での話だ。
'ー ' | ,ノ |,ノ┃
. ~ ▲、 ::、 部分的に「それはプラトンの主張ではなく誰それの主張だ」という人がいたら
▼▲ ~'-
》 それはきっとその人のほうが正しい。プラトンは主張そのものを書いてはいないし
▲
▼▲━━┓ 近代哲学を無視してプラトンが正しいというのはむしろプラトンが悲しむだろう。
-
____
/ \
/ ─ ― ヽ
/ ( ●) ( ●)' プラトンを否定してる人っているの?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ー‐ ヽ
,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ミ ミ __ ゝ 〈
ト ノ ミミミ iニ(()
i { _____ | ヽ
i ヽヽ (ミ彡 /ヘニヾリン \ i ノ }
| :;:;:;:; i /=▲▼--▼▲=\ {、:;:;:;:;:;λ 滅茶苦茶否定されてる。
ト-ー┤. / /(__人__)ヽ \ ,ノ )
ヽ `` 、,_ | ´ ̄` | '´ ハ / プラトンとアリストテレスの否定=近代哲学と言っていい。
ノ ノ 、´、,_\ /" / /
;、  ̄`゙゙゙゙`Y´"""´ ̄ / ;′ 教会の構築した論理もプラトンのせいだとして否定されるし
ヽ、~ ヽ :;:;:;:;:;|:::: ノ / ~ノ
ヾ ト ........人........ / r´′:; プラトンの時代には人権とか平和の尊さとか無かったから
/ ̄ 二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 悲報 | プラトン否定されまくり │| 倫理的にヒトラーのごとく否定されることまである。
\_ 二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
-
____
/_ノ ヽ、\
/( ●) (●).\ ヒトラーなみって・・・
/ (__人__) u. \
|ni 7 ` ⌒´ . |n
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / . . | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \
/=▲▼--▼▲=\ 現代ですら・・・マイケル・サンデルは「これからの「正義」の話をしよう」で
| /(__人__)ヽ |
\ `⌒┃ / 「プラトンは洞窟の比喩で真理の超越を説いたのはいいが現実認識を無視している」
/´`"´``Y´´・""j⌒ ヽ
{;;ノ´i、,. . ..|,, 、 、 ノヾ ;; ト なんて書いている。対話は現実認識から進んでいくのにどう読んだらそうなるのか・・・
/ ;/i __,人 _ _;;, ,/ヽ ヾ )
( .."ヽi、 ;;_ |^.. ;; ,i ,i` ノ;ノ あと「女性と奴隷に市民権がないことを容認している」として
ヽ iノヾ; 人__::": ヽ/"/
ト \,ii== ===i!、/ / 弟子のアリストテレスを断罪しているな。これではプラトンも同罪になってしまう。
,iヽ/ i i \ノi、
| ,! !. | 現在の基準で紀元前を断罪するってすげぇよ。さすが正義を語るだけはある。
-
/ ̄ ̄`ヽ
/ ヽ
{ ー- \ プラトンは真理として「不変にして普遍なるイデア」を提唱したが
) (●) ', \
(●) -、 } .` - 、 __ 「それは何であるか」を語る目標として作ったもので、
\(_,ト-' リ ', `ヽ._
>--、/´).ハ リ_,.>-''、⌒``ヽ、 イデア―真理自体には決してたどり着けないと言っていたんだが
/´ ヽ' ./´ },. -'/´ ` ハ
/! ヽ }`,¨´ i ::. } 超越した思想の持ち主として叩かれてるんだよなぁ。
/ ,/ } ; ,ノ / ヾ.{ ; ハ
{ ,ゝ. -' ヘ./ 〉‐- 、__.._ _,. -‐ イ, } 超越性を主張したのは教会なんだがそれをプラトンのせいとして
{ 、 }ヘ、 \ /´ .; ヒ'" !
,/ゝ-、 _{ ', ヽ.__{ :: :' } ,! キリスト教徒の近代哲学者が叩くという地獄のようなありさまだ。
/ ゝ、ヘ ', (´ ``ヽ : ! !
{ ,... _: ``〉', 、 ヽ、 ', / /
}'" `ー‐- 、..⊿ムヽ ヽ、 ` ,} ゝ ,/ / 当時「自由」とか「人権」とか「平等」とか「平和」とか無かったのを
{ _,. -‐'´ ヘ. `、.___ ノ メ、, ;/
}' ´ ̄ ,..._ゝ、、ヽ、`¨¨´ ./゙Y′i' プラトンの罪として叩く連中に至っては何がしたいのかわからん。
',ヽ _,. '´/ ゝ、.___ ,/二)´ |
ゝ-<二_メ'´ `¨`ー' .リ プラトンはむしろ「誰でも政治に関われるし主体的に関わろう!
} ,.、 ', ,/)ヽ
/,ハ、`'′ ; ,./ ,/ヽ∧ 女性だって参加すればできるようになる」とすら言ってるんだが。
-
/ ;;;;;;;;;;ヽ 哲学的にはいろいろあるんだが、俺たちは技術屋だから
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;| 「同じ材料と同じロジックを使って同じ方向に進んで同じ結論を共有」する
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l
| (__人__) ;;;;;;;;il ことをプラトンが確立して俺たちはそれを使っているとだけ覚えておけばいい。
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、 「それが何であるか」を合意できるからこそ新しい何かが作れるし
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 必要な何かを借りてきて使うことができる。
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, 物質的な話で使われるのはプラトンの本意ではないだろうが
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ありがたく使わせてもらうだろ。
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
-
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=- \ 哲学をそんな扱いしていいのか
| (__人__) U |
\ ` ⌒´ /
_,,..-‐‐-..,,
/ ヽ ヽ __,,..∠
-..,,_ / (-) ‐‐ .l ,,..-''"~´ これは哲学の話じゃなくて
`ヽ、 / '''' (-) / _/ /
' , ___. / (⌒ '''' /. _,,..-‐''"/ / 「俺たちはなにをやっているのか」の話だ。
ヽ `ヽ、. ',  ̄ヽ__) / ./.. / /
ヽ ',-‐''´~/. ゝ..__,,../ |,,__/. / / 実際、プラトンは物質的な話を好きじゃなくて、
\_ .l、_,,..-‐" ̄゛''‐..,, | | /__..,,.-┴┴ 、 / ,,-''" ,,-''´
 ̄ヽ二二レ´ `.y'~´ ヽ/ ,,-‐''"/_,,..-‐''"´ 科学技術的な面はアリストテレスが作った。
ゝ,,__/ ヽ/ ',/ ,,イ / /
ヽ、{ _/´ } -イ´ .| l _,,..-''" 俺たちはさらにこれを借りているだけなんだよ。
"'''-..,,__ .l _,'- / / | /´
~l.', ∧ / ./ .|/
ヽ\ _,.-'"/ ヽ、 ,〈 / l ./
.'y' `''‐‐'" { .`''‐..,,____.,,-´ .} | /
.l _,,..-‐‐,-‐..,,_ ) _,,イ .| /
.| / / ヽ ./ / | ./
-
,、-''"~~ ''ーー-、
,r'~:'"::/"::" ii:::::ー、 ~''ー-
,,、-"/~ ::'"ー、 ノ::: ~''' 、 本来ならここから哲学―イデアまたは真理に近づくことを試みるんだが
,,、-'" ,,、z'__ ji,,, r、 十、:: ::::
'--ー''フ ,/ ルー/j|. / ~'' 、 ::: 何度も言うがここは哲学を語る場ではない。
/ ル-/ j j(,/ '、 :: ::
'ー ' | ,ノ |,ノ┃ 工学に必要なのは―
. ~ ▲、 ::、
▼▲ ~'-
》
▲
▼▲━━┓
-
」」 」」 」」 」」
__ | __ | __ | __ |
| | | | _| _| _|
___| ___| ___| ___|
....______,,,,,,,,,,,,,,,,
/ \
,,,,,ミミ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;\
/ .;.;.;.;.; \
/ ノ― - ..._ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ノTi\
/ ―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ ――確認しておかなければならないのは
/ <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ_i、.
i `冖' ´ "´ ',¨ヾ', i、 「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」
l ( / ヽ \
l / ヽ、____.人__ノ / とはなんであるか、だ
l i ∠..__ツ´ /
ヾ | ー / ,>‐'つ
ヽ、_ .;.;.;.; / /.ノ ┃
iヽ、_____ .;.;.;__ ノ ! }/▲、
ヽ ヽ、_____´三/ { (´/▼▲
!ヽ、 :;:;:;:;:;:;:;| ヽ( イ- ) 》
| . :;:;:;;| \ `ヽ::: ▲
/ヽ、 .. .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|\.; 7゙<〉 ▼▲━━┓
::::::::::/:::::::\ ノノ
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ なんであるかって・・・「美」のイデアを目指して対話したんだから
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / 「美とは人間の肉体を有効に使う・輝かせることである」は美のイデアなんじゃないの?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
______
/ \
/ \
/ {,.、- - 、 ! ,. - -,、} ヽ、
i ,ヘ二__`_爪_~__二.ヘ i、
/ ヾニ・ニハ ハニ・ニフ ;;;;;;;;;:;:::;;;) プラトンはその著作において
. / / || ヽ ヽ;;;;;;;;;;::;;;::::;;;/
! / i、_____人_____ノ \ (;;;;;;;;;;;::;;;ノ 対話の結論はイデアそのものではない、としている。
ヽ、 ィ--ェェェ (;;;;;;;::::;;;ノ
ヽ、 个┃ /;:.::;ノ / ____ だいたい、材料によって更新されるものが
,,,,,イ"""=く i!゙゙、、、 ヽ ・;;;ノ/,,, ;;;ヾ⌒;; ヽ
r" ;) =、、 ,,,,,,:l:,,,,,, ___ ;; j ヽi、:: i、 不変なるイデアであるわけがないだろう。
(;;;;;; i| Y""""" ヽ、 ,,.,/ ,, 、;;;;ヽ
) >>>ヽヾ__ .| ;;;; ::: |!i/ ;; ) ヽ、
ヾ ノiヽ\__( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ--,,(<<<t ノ,, i
ヽ.....ゞ ヽ ヽ;;;;; ,,,___,,, ノ
i、 ;;;; ヽ___ ;;;;;;;;;;_ ___,,/´
i、  ゙゙̄ ̄;;´;;ノヽ、、、ー ;;;;;;;;;/
ゞ____、、、"ソ/ー―′ ヽ、____、、,,,,,,r´
-
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! ならそれは「美」の定義だお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / 対話は定義を求める作業なんだお!
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /
.
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } それについては俺から説明させてもらいたい。
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 俺も先週まではそうだと思っていた。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、もちろん対話により鮮明化されるものだから「暫定的な定義」だが。
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム だが
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
-
, -‐‐ノ ,r‐-、._
,. -‐ 、 / ( 〈<_ 、 ヽ
/´_ 乙ノ { i) ¨`´゙', ゙: \ 実はプラトンは「定義」―ギリシア語で「ホリスモス」という言葉を
〃 7¨´ ヽ } }. : ヽ.
/, '´, { } :. ヽJ __ __ノ : !. ', 一度も使っていない。
i ,' ´ リ...._,. -‐‐-、/ ,ハ (|_,/´ `Y´ {' リ 〉{
,' i ,/ Y -‐yi´ (,ノ ノ´ )'"゙`>'' ,. '′ これは翻訳者たる藤沢令夫先生が「プラトンの哲学」で書いている。
!、<`` ヽ、 ´ { ,リ ハ`ーイ´ ,/
`ヽ、 ,人 人 ∧ ,イヽ、_ノー‐,ィ''"´ だから、「それが何であるか」は「それの定義ではない」んだ。
`‐---ベヽ } ハ )、 リ _ノ,リ
\-'゙ヽ、 入 '´ `´三彡'
ヽ  ̄个 __,,.フ' ,イ
i =" .リ `ー / /、|
{. ,' ィ._,ノ´`.リ
,ヘ : ,‐''__、 /
i´  ̄`´ ̄ , ''"¨`゙{
}', リ , / ,.. ,ハ
,{ ', ∨ / '彡'",r' ゙ヽ.
/ { ヽ、:,,' { ヽハ
/ `ー-、._'、_ ィ ',
/ ,'' /´/ ∧` ´ i
-
¨¨¨¨¨ 、
/ i l! | \
′u | | |l ! u. ヽ じゃあ「それが何であるか」っていったいなんなんだお
/ ! (___人___) }
i u !ililililil| /
! {ililililiノ /
ゝ イ..ノ}
7 ..ノ} ! ノ
/ .ノ |´
/ |
.
/ ̄ ̄\ 先生はそれに名前を付けていないが―俺にとっては
/ヽ_ |
n ((●) | 「合意」だよ。それも、その場その時の参加者でだけの「合意」だ
/ス_,.、 _ (ノ、_) |
゙Y.(ニ=ィ' ヽ イ ヘ、 結論を共有するためには材料を共有している必要があるからな。
', "´! └┐ イ { `ー- 、
ヽヾ\. ,. --、_,/{゙ヽ ,ノゝ、/´ ̄`'''ヽ、 定義ではないから、例えば
\ ``丶、 ,. -‐-< ` ̄` y' ヽ、 )、
\.. _ ) `〈 __,,.ム } ミ、__ ,/ ヽ 「それは何でないか」みたいなものも
\.` >' ,.フ''"⌒フヽ、 }、 ∧ `ヽ、 ハ
`ー‐‐-=ニ=-'"\、 \_∠=ミー-‐彡八 ,'ヽ ' ', 合意として使用できる。―というか
ヽ./´‐'"个‐‐- '",λ`ァ-}、'゙ヽ ∧
V,.. -ヘ、_,.._,.ノ' }/ ,' ´! リ/ 作中では「それは何でないか」はわかっても
/八 -‐- ノ // { ,' ,/
ノ、 ,.彡=' { /ヽ ノ 「それは何か」がわからない「アポリア(行き詰まり)」
∧`ー--‐ '´ /⌒} / ,/
i. ヽ / ; v i´ ゙Y となるケースが多い。だがこれだって結論のうちだ。
ハ 人 ,ハ ', 'ハ.マ|
/ ', `ヽ 、 、 | ヽ! きっと次の奴がうまくやるだろうから無駄にはならない。
i /` ! ヽヽ、∨ ',
| ,' ∨ 〉、 : ヽ} i
! ,' ', i \', , i
-
,ヘ
/'ノ
/ ,}{
/ゝ,',.⊃
/ , '/´
/' ,. ' /
/ :′,.. /
i´ 、},....,/
{ 'ヽ-' ( ,-‐ノ 、_
.ハ. ,. ゙ヽ. / (●) ヽ i.| // ,、 そして、これは「それが何であるか」であると同時に
| ` ', } | (_人) / ' 〈ノノ,、
.! ヽ,ヘ.〉 ヽ } r‐- '′ヽ '/ 「あるものがそれにあたるかどうか」の基準でもある
', ,.、 } \' ヽr ‐/  ̄ヽ、 ,. 、 ノ
∨´,.)イ ヽ ノ } } {
/´ | ゙v,.ノ--- 、 | |
| /! } >‐‐、.ノ', ハ
∨ i、_` ヽ リ 、 ノ-、 }、 . }
} ノー-'、_,`ー-‐'、 ,イ、 ー-'八 ヽ ,!
.| ,' ヾヽ 、 `ヽ..ィ `¨''、'ノ 人 ヽ__,,.゙-‐'
{,ハ ヘ. /`゙r<ノ),/  ̄ ̄
/ ヽ `¨ メ-、_,.ィ /′
,ノ゙ヽー''' } ー、6 r"/
/ ', { ノ ` ィ' ,/
-
━┓
┏┛ ⌒
・ ___⌒
/ ― 乂____ ━┓
/ノ (●/ ― \ ┏┛
. | (●) | (●) ヽ\ ・
. | (__ノl (⌒ (●) | 「あるもの」ってなんだお?
. │ 〉  ̄ヽ__) |
\__/´ ___/
/| ヽ
| | |
.
,... -‐――--- .._
/k' ー-,... ==、ー、`Y
', \ `ーく `弋_リ
i `,r¬ー- 、 __
ヘ ! 、 ハ / `ヽ
\/⌒ `ー,..ム.i._ ./ .
./゙i.__ Y´, _ ̄/ ! ノ/
| /´ ̄K/ r' ノ ! (● さっきの対話で言うなら「やる夫の肉体」だ。
}、_ ノ'′ / ´ ∨ (_ノ
|∧ / ,_ _',__ノ __ 「やる夫の肉体は美しいと言えるかどうか」、ということだな。
ii ヽ. / ノーf‐⌒ゝ`ヽ. {.f¨ ヽ
! Y ,.....、 /´ i i ハ 弋、, ハ つまり、「それが何であるか」には
.| ,'! :.`ー--ーゝ、._ }. ト、 / ,'
! : | ヾ、 \._ リ 〉ー-く './ ,' 「美とはなんであるか」という美そのものについての合意と
i リー-ミミヾゝ┬‐ '´i. { X`_, //
ハ.〃____ー ; \ゝ-‐⌒、_// 「やる夫の肉体は美であるか」という、個物が美の基準に合致してるかの
/  ̄/,>'' ̄`ヽ' ` <...__,r'′
{ ∨ /⌒ヾ、 ハ 少なくとも二つの意味合いがあって、俺たちは普段それを意識していない。
ト. リ/ ) リ !
|ヘ〃 ー- ノ ヽ.∧
-
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', そして、この「それが何であるか」を使い分けできていないことが
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, オブジェクト指向に多大なる混乱を引き起こしている
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶. と俺は考えている。
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ 「それが何であるか」を考えるのが
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', オブジェクト指向設計の中心であるのに
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } それを使いこなせていないということだ。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' /
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
-
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;|
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l 俺たち技術屋には哲学―真理を追究することはできない。
| (__人__) ;;;;;;;;il
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ 美だの善だのを探すのもきっと上手くやれないだろう。
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 だが、せめて自分の仕事は正しくやりたい。
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, だから、「それが何であるか」を正しく理解するべきだ。
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
-
,
r‐-、/ ̄\ _,,..ノノ..、
!_,..-〈 ノ 、_ | ,... -‐‐''"´、_っ'´<
ノ,.ィ .ハ=) (=) | __,,....,,_,..-‐‐''"´_,./´ ,/`¨`ヽ ̄´
{ .リ八' }(人) ノフ´ /'‐''""´__(⌒) ,,../
}'´ 人`.iヽ--'ケ‐' ヒ‐‐''´ ,.‐'" ̄ 「それが何であるか」を正しく扱うにはどうすればいいか
ト、 イ,ィ ヽ. i‐‐‐'"
ヽ_ー'"ヽヽ、 ,. i、__ ,.リ これはプラトンではなく適任者が別にいる
ヽ { >ァニ'"ハ.ノ {
\ '彡 { ', i もちろんそれは―
\彡 三 X´`', |
\ヽ ', `.}
)-‐- 、.ハ. !_
/、._ 、 ,' iヽ〈  ̄``ヽ、
{ ⌒゙i.リ | i. } `ヽ、 ー`ヽ
ヽ 八_ノ Y \ \
}、/ : ヒ‐- _,>_,,.. ,{
/ { : |`ーァ‐‐''"´ /
__ { } : !''" ,,.> _,. '´
/ ,ヽ、.___,,,...-ヽ、i ! ,.. -‐''"´
ノ ,.. ‐- .. ___ ヽ /<´
/__,.. -‐''' ̄` ‐- ..._ _,人. \_
` ´  ̄ ̄ ̄ `¨¨´
-
―――プラトンの一番弟子にして万学の祖、アリストテレスだ
.
r、 ____
ヘ \ / \
(ミ⊂) /⌒ ⌒ \
ヘ \ /(●) (<) \
ヘ \| __´___ |
\ \ `ー'´ /
\ \
\ ___ト ゝ
| ( /
|  ̄ |
/ ̄ |
ヘ ト⌒\ |
__ヘ ヘ \ \‐‐、
(____ ) ヽ.____`_)
アリストテレス:できる夫
-
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | だがその前に般若心経に戻る。
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . |
{ . i
/ ヽ ノ
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、__
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ!
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,,
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
.
____
/ \
/ ─ ─\
/ ‐=・=‐ ‐=・= \ やっと服を着たか
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ で、なんでここで般若心経?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
/ \
. _ / ヽ
. /´ ._>.、 | _,ノ ^ヽ、 | プラトンが「それは何であるか」を作ったから、俺たちは「ある」を知った。
/〈 〈/ / ヽ. >..、 | (一) (ー) |
./_/ヘ_lヽゝー ヽ ノ7、(__人_) | 今なら「無」を説明できる。これが仏教の「無」であるかはわからないがな。
⊂ -'‐-、 ` ̄`¨ ,/:::::ヽ、 !
.  ̄ ̄´`7 /::::::::::::::::`>.v'、 つまり―
.....::::゙ゝ:::::::::::::::::::::::':::::`ヾ、
. /´::::::::::::::::<:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. /::::::::::::::::::::::::::::≧_、:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::>、:::::ー::::::::::::::::::::i
/::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::>、::::::::::::::::::_ノ
j::::::::::::::::::::j::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Y´ ̄
. /:::::::::::::::::::/!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,{
/:::::::::::::::::::/ !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
-
/ ̄ ̄\
⌒´ ヽ、,_ \
(●)(●.) | 「それは何であるか」が無いんだ。
(_人___) |
'、 │
} {
!、______ .ィ-ート、
V/:::::::::::::::::ヽ
{::::::::::::::::::::::::::::::.、
/ー-:::::::::::::::::::::::::::::::,
「r'、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
} r'、 ヘ、 /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i/ ム、} .{ i:::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::::: |
{ い、{ Y::::::::::::::::\::::V:::::::::::::::::::: |
\ ヽ {|V.::::::::::::::: \V:::::::::::::::::: |
\ ノ|:.V.::::::::::::::::::::::〉.:::::::::::::::::|
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 仏教は「それは何であるか」を作らなかったのかお?
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ /
\ / /\/
\ \
\ \ \
> > >
/ / /
.
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i :::::::::::(ー).(ー ) |::::::::::::::::::γ::::::::::::::::::::: ノ 作らなかった。
| ::::::::::::(__人___) |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / 仏教は関係性で物事を見るから
| :::::::/::::: | | /...::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/::::::::::::::::: / 「それは何であるか」はむしろ邪魔になる。
i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: // それに―
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
-
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
i :::::::::::(●).(● ) |::::::::::::::::::γ::::::::::::::::::::: ノ 「それは何であるか」はプラトンの作った幻想―
| ::::::::::::(__人___) |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / つまりあるということにしたが本当は無い。
| :::::::/::::: | | /...::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/::::::::::::::::: / 無いままにした仏教のほうが真理に近い。
i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
-
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \
/ (●) (●) \ n いまさらイデア論は真理から遠いって言われても?!
| U (__人__) l^l.| | /)
\ |i||||||i| /| U レ'//) なんでプラトンはそんなもん作ったんだお
γ⌒ ` ー'´ ノ /
i j rニ ノ
ヽ、 l !ヽ、_,__/
____
/ \
/ ヘニヾ゙リン \(;;;;;(
/=▲▼--▼▲=) ;;;;) プラトンは哲学者であるがその本質は「教育者」であり「政治家」だ。
| /(__人__)ヽ ;;;/|
\ `⌒┃l;;;; / 「善い市民」「善い社会」を作るために「善」を探していたんだ。
/´`''" '"´``Y'・"``'j⌒ ヽ
{ ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l 「善」すら存在しない真理なんてものに用はない。
'、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ
ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ プラトンは技術についてすら「真の技術は善に結び付くべき」と言っている。
`''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
,ノ ヾ ,, ''";l
/=====、 ....====i、
-
/ ̄ ̄ \
_.,ノ ヽ、,_ \
(= ) (= ) | 善は物理的に存在するわけじゃないから
(__人___) u | ⌒ヽ
'、 | ____ ,.-、ヽ、 「それは何であるか」を使って探すしかない・・・
,,. -ー| |ヽ__∠___ゝ」 r'
/ .::::::、::| /ィ::::〔 _,.-ー `'r-、
l :::::::::::::::::ヽ__、____,. ":::/:::〔/ l:::. ヽ 「良い」を目指すのは技術屋の本能のようなもんだが
」 ::::l:::::::::::::::「二二::::/ :::::::ト、 y |::::::. ',
l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r l:::::::: i 俺たちはこの借りを返すために「善」も求めるべき―
/ :::::;;:ーミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、_ ノ L::::|
/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::| だが今は目の前の問題を片付けよう。
/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
/ ::::::::::::::::::::/ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: |
-
∩⌒ヾ
い )
、 . ノ
| | / ̄ ̄\
| |./ _ノ \
| | ( \) l
| | (⌒ (\)
| | / ̄(__丿 片づけると言っても「無」を定義した今、ほぼ消化試合だけどな!
ト /ー、/
| \ノ 次回!般若心経とはなんだったのか!
| )
| /ヽ
| /三)
ノ 〈  ̄
/ _ ⌒ヽ
/ / | |
/ / | |
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \
| u , (__人__) U | あれ?「それはなんであるか」は無いって話だったよね?
\ ..` ⌒´ .〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
本日の投下は以上となります。
正直言って「誰がこんなの読むんだろう?」と思いながら作っていたので
読者がいてくれることは本当に励みになります!ありがとうございます!
-
読んで咀嚼しながらゆっくり見てるよー
哲学ってむずかちいね、乙
-
乙
-
乙
-
乙です。難しいテーマだけど読みやすい
-
乙ー
難しいんで「(飯食ってクソするだけじゃ)あかんのか?」という感想しか出てこないw
-
おつ
-
乙
>>216
あんたそれいっちゃあ話しにならないよ、
例えばストパン見てる人に「これ面白いけどパンツ見せる必要あるの?」って聞くのと同じよ
学問ってのは「無くても生存に必要ないけどあると愉快だよね」っていう部類の嗜好品だからな
-
例えがうまくない
-
.(⌒⌒⌒)
| |
| |
/ ̄ ̄\ >>216
ノ \_ \
|\ (●)(● ). | もちろん、飯食ってクソするだけでも悪くない人生だ。
| \ (_人__) |./|
.\ \ (`⌒´ / | だが、どうせ食うなら旨い飯を食いたいと思わないか?
.\ \ { / .|
.\ \ { / / 飯食ったあとはゲームかなんかで遊ばないか?
. ̄ ̄\._ヽ / ./
E /\ ./ 俺はうまい飯が食いたいからうまく飯を作りたいし
/ / ヨ/ \/
( ヽノ/ ヽ_) ゲームをやるにも上手くやりたい。
 ̄ | |
-
__
/ l l l ヽ
_ l | .|_|_ | l| |i : :
/二ニヽ l .l ,.、 レ´-―- _~| | i ; ;/
/'´ , -―-,-、| | // Yー-“</ l | .l : :
/ / ,ヘ ヽ/⌒) }`´(_,、 )1.| .─ -- .」 ..:/__. .
.{ { r { ヽ_| .ト-'、_. l ト'!i!i!i!| l ``´´´``| /.l ´´´ ̄``--
`ー、ゝ ゝ ヽ._/| .| ヽ | .トi!i!i!iィ| | ..// .l
`ート、ニ//| .| \ ドー- ̄ ̄~ | ;../ |. .l 俺は技術屋だから何をやるにも上手くやりたい!
ヾヽ // | .| l ヘ \ \ | | |
ヽ.// .| .| /| il ヽ\ /oヽ | .| むしろ上手くやるためになにかをやっている!
.//_,.、-| .|`"`‐-、./ ヾ \ / |_r┘
,、'-".".",,| .| 、、 ヾ.O \ 彡- そして上手くやるためには正しく知るのが手っ取り早い!
,、''´" 、、、,, , ,,::', /、 いU .!
,' 、 " ,,, "" ;;;;;;;'. | ヽ l |
,',,, ' " 、、 、,, 、、 ;;;;;;;;;'. 0 l ∧ / !
; ''" ,,,、、、 ,," 、 ;;;;;;;;;;' |/ `ーw< ./
; 、 ,, " 、;;;;;;;;;;' 0 l ヾヽ \/
'; ,, 、、 ,,,;;;;;;、'´ | \ ノ
`、,,,、、、 ,,,,,,,,,,,;;;;;;''';;;;、'"
`-、,,,,,;;;;;;;;;;;;;_,、-''´
-
___
r-'´ `y-、
ヽ、 ノ
| |
| |
|二二二二|
/ _ノ .\ r' |
| ( ●) (●) | l i だから今は「正しく知るための方法」をまとめているわけだ。
. | (__人__) | | |
| ` ⌒´ |, ト、 へ | こいつが上手くまとまったらなかなかに楽しめるだろうし、
. | } ヽ `i, ̄‐^l
. ヽ } ヾ~ ` i, 実際に我ながら上手くいきそうだ!
ヽ ノ _ ヽ、 ;i,
,,_,i y,ソト,,__ ヽ、 ;i,
/,/r-'"j / / ii,'`7ヽ、-x,,゜r ;i 難しいのは縁があればそのうち自然と解決する。
,,へ ヽ .、ヽy' /ヾ、"i `ヽ `;i i,
,/ .`ーヘ,ヽ{、,'}/i"_/ `、'i iヽ、 今してる話は10年前の俺にはわからなかった。
_,) ヽ " |  ̄ハヽi"~ | ._Yri l, ヽ、
_,,,>t 、ヾ、 .|○ ノ |ゞ ヽ .○| ./ ,¬ V⌒l 単に長く考えるだけでわかってくることもあるさ。
,y`;,,__ ,i | / V | リ | .../ r-/| l l
_/^,,, ヘ l | \/ ヽノ .|./ l"v' y } l
v=4⌒ヽ、 j --,,,if |○ ○|,, 〈-ヘ_,、 <、 / i| では、本日の投下を始める。
-
/7 では般若心経の続きに戻る
//
// 舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。
__ // 是故空中。無色無受想行識。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ シャーリプトラよ。これら人が関わることのできる現象その
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 全てのものには実体がない。実体がないから生まれることも消えることも
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 汚れることもそうでなくなることも増えることも減ることもない。
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト, 故に空の中には
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 色もなく、受も想も行も識も無い。
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) これはそのままだな
| (__人__)
| ` ⌒´) 実体がないから、有ったり無かったりもしない
| }
ヽ } 「それは何であるか」がないから、「それはなにものでもない」
> ノ
/ \ /て⊃
| ィ |\ `´ ゞ _三}
| | | \__/.
-
/7 しばらくはひたすら「無い」を繰り返すだけなのでガンガンいくぞ
//
// 無眼耳鼻舌身意。無色聲香味觸法。無眼界。乃至無意識界。
__ // 無無明。亦無無明盡。乃至無老死。亦無老死盡。無苦集滅道。無智亦無得。以無所得故。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ 眼も耳も鼻も舌も身も意も無く、色も聲も香も味も觸も法も無い。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ 目に見える世界から意識の世界まで何もない。
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 無明―真理がわからず迷うこともなければ、悟りを開いてそれが晴れることもない。
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト, 老いることも死ぬことも、それが無くなることもない。苦しみもその原因も解決も解決の方法もない。
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.| 知ることも得ることもない。得るものがないから得ることがない。
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 色聲香味觸法は五感+心で感じたものだ。これも当然ない。
| (__人__)
| ` ⌒´) 意識みたいな物質的でないものも、それがあるとは言えない。
| }
ヽ } 俺たちは「迷っている」など自分がどうあるかや現象に老いるだの死ぬだの
> ノ
/ \ /て⊃ 色々名前を付けているがそれもない。
| ィ |\ `´ ゞ _三}
| | | \__/. 「なにものでもないもの」を知るなり得るなりしても何にもならない。
-
/ ̄ ̄\
rヽ / ノ \ \
i ! | (●)(●) | 要するに、俺たちは「なにものでもないもの」に
r;r‐r/ | | (__人__) |
〈_L (`ヽ .} | ` ⌒´ ノ 勝手に名前を付けて、さもあるように扱っている。「悟り」も含めて
l` ( ``/ . | }
ヽ l . ヽ } 無いものを得て得しただの、知って賢くなっただのはあほらしいということだな。
|,. l /⌒ ー‐ ィ ヽ
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ 悟りもないなんて言っちゃっていいのかお?
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) 良いわけがない。仏教は悟りを開いて苦しみを消すために修行してるんだからな。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 苦集滅道も、苦しみとその原因と、取り除くその方法―つまり仏教そのものだから、
| } \
/ヽ } \ 要は仏教の教えを否定していると言っていい。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ ただ、何をどこまで否定しているかは説明できない。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( 「それは何であるか」が無いというのも実はきっと正確ではない。だが
\ / /⊂_)
これが教えて理解できる言葉の中で一番近いから、先にプラトンの話をしたんだ。
.
____
/_ノ ヽ、\
/(●) (● ).\ えええ・・・
/ (__人__) u \
n|i 7 ` ⌒´ n| 仏教はなんて言ってるんだお
l^l | | l ,/) U l^l.| | /)
', U ! レ' / ー‐ | U レ'//)
{ 〈 ノ /
..i, ."⊃ rニ /
."'""⌒´ `''""''''
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\ それを説いているのが指摘にもあった「龍樹の中論」だ。
| (●)(●) |
| (__人__) .| 俺は「それは何であるか」があるとしてそれを否定して無いとしているが
| ` ⌒´ ノ
r─一'´ ̄`<ヽ } 中論はそうしたズルをしていないから丸々一冊使って説明している。
`ー‐ァ , ) , -'~⌒ヽ、
ノ {. ,ヘ ,l. ゝ、_ .'ヽ). 中身は俺も正しく理解してないし説明できない。
/, 、 _ /. | . ', . .. .ヽ、
(// // / / ...| ...|\..\\ \_) >>107 が指摘しつつも説明しないのは多分「誰も」
/ // / / . . \_\_)、_)
ー' {_/ノ ."´ 「ない」の説明が正しいこと・伝わってることを証明できないからだ。
-
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ どうすんだそれ
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. |
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
.
/ ̄ ̄\
m n _∩ / _ノ ヽ、_ \ ∩_ n m どうしようもない。お手上げだ。
⊂二⌒ __) | (●)(●) | ( _⌒二⊃
\ \. | (__人__) .| / / ありがたいことに俺ら技術屋は真理を証明しなくていいし
\ \. | `⌒ ´ | / / 「無」は技術屋には必要無い
\ \. | |. / /
\ \. ヽ / / / 「それは何であるか」が無いという仏教の真理に近いものと、
\ \ヽ _ / /
\  ̄` , ' ̄ / 日本人と深いかかわりがあるはずと言う事実だけ借りる。
/ /
-
/7 先へ進もう。垂・圭・顛はそれぞれ正しい文字ではないからコピペには使わないでくれ。
//
// 菩提薩垂。依般若波羅蜜多故。
__ // 心無圭礙。無圭礙故。無有恐怖。遠離[一切]顛倒夢想。究竟涅槃。
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 菩提薩垂―つまり菩薩だな。は智慧の完成により
. | `⌒// ノ
l // ./ 圭礙(けげ)がない―心にこだわりがない。こだわりがないから恐怖もない。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 転倒した夢想、つまり「それは何かであるはず」という思いから離れているから
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i 涅槃、つまり永遠の平安に至っている。
ヽ _,.フ .|.|
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 菩薩は悟りを求める人だったり悟りを開いた人だったりする。
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || 涅槃は現代では複数の意味があるから人によって採用するものが違うな。
. | },.! ノ'
. ヽ r / .| この辺はきっと宗派で違うんだろう。気になるなら専門家に聞いたほうがいいな。
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
-
/7 気を取り直して進めたいところだが、ここは引用させてもらう。
//
// 三世諸佛。依般若波羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩提。
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ [過去・現在・未来の三世にいます目覚めた人々は、すべて、智慧の完成に安んじて、
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ この上ない正しい目覚めを悟り得られた。]
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
.
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ─)(─) 三世諸仏と智慧の完成は見ればわかると思うが
| (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || そのあとは宗教の話なので俺からは正しく説明ができない。
| } .ゝ ノ'
ヽ } .| || 俺は一体なにをしているんだろうな。
ヽ ノ _| ||
/ ⌒'' ̄_ .ノノ
| ,─ ィ ̄ ̄
| i
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \ これが真の仏教だ!とか言い出すよりはマシじゃね
/ (ー) (ー) /^ヽ
| (__人__)( / 〉|
\ ` ⌒´ 〈 / ⌒^ヽ
―――――――― \ _ _ _ )
-
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ ところで悟りがないはずだし得るものもないはずなのに
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 悟りを得たことになっちゃってるんですが
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \
. (:::::(::::冫 | 既にある何かを示すには結局名前が必要だからな・・・
. (:人;;;) . |
r‐-;::::::. . | この真理を理解した人間は悟りを開いた人としか言いようがないんだろ
(三)):::::.. . |
>::::ノ:::::::::. /
/::: / ヽ;::::::::: /
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::)
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::|
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) だが丁度いいからラストに入る前にちょいとまとめよう。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 全ては「無」でありその上で智慧を完成させれば「悟り」に繋がるんじゃね、
| } \
/ヽ } \ という話なわけだな。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ 「智慧を完成」と、くどい言い方しているのは一般的な「理解」とは違うものだからだ。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( 俺は単に「全ては無である」そのものが智慧だと思うが人による違いが激しい。
\ / /⊂_) そこから座禅とかで一歩踏み込んだ真理とか、慈悲の心とする人が多いはずだ。
.
___
/ \
/ \
/ ノ ヽ、_ \ 全ては無であるか・・・それ虚無主義って言うんじゃね?
| ( ●) (● ). |
\ l^l^ln__人__) / 仏教者に怒られない?
/ヽ L⌒ ´
ゝ ノ
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
.| ( ●)(● ) | 少なくとも仏陀の説く解脱は虚無主義だ。
.| (__人__) │
| `⌒ ´ | 全てが苦しみの元なんだからそこから逃れるには全てと縁を切るしかない。
.| |
r、 r、ヽ / 人の持つ業、良いことも悪いことも全てだ。良かれと思ってやることも業を深める。
ヽヾ 三 |:l1.ヽ /
\>ヽ |` } > < 仏陀は「良かれと思わずとも」人を救ってしまうらしいが仏陀だけだし現世にもういない。
ヘ lノ `'ソ ヽ
/´ /,1 | | 昔の―原始仏教では「他人は救えない」んだ。
\ ノ .| | |
.
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 良いこともあかんどころかそもそも人が救えないのか。
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ 今の仏教はなんて言ってるの?
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まった。それを言う前に考えるべきことがある。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 仏教者ではない、ただの技術屋である「俺たち」はどうするべきかだ。
. | u. (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
i⌒\ ,__(‐- 、
l \ 巛ー─;\
| `ヽ-‐ーく_)
. | l
___
/ノ ヽ、_ \
/(●) (●.) \ どうするって言われても、全ては「無」であるが真実なら
/ (__人_,) \
| l^l^ln ⌒ ´ | それを受け入れるしかないんじゃ。
\ヽ L ,/
ゝ ノ
/ /
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\
( ●)( ●) | だが俺たちは真理の中から「都合のいい」ものを借りてきて使うもんだ。
(__人__) |
l` ⌒´ | だから、今回もそうしようと思う。
{ |
{ / つまり―
_. -: ´Λ _.へ` 、
r<: : : : /:|: :、  ̄r' \ :\_
/: : :l : : : : : :\`IエL>、 >ヘ::Λ
|: : : ト、: : : : : : : : : : : : : `ー/ : : V |
〈: : : :::: _ -¬--―-、: : く:r 、: : : V }
/: : :_ン´: : : : \ ,___, ィ ): : :`く : : : ヘ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
-
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒ 気に入ったものは有ったことにして!
/⌒ト、/ (> )(●)
r-='´ ヽ (___人__) 都合の悪いものは無かったことにしよう!
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)都合がよすぎるだろ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
-
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | 全ては無であるんじゃなかったのか!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / 要らんもん持ってたら涅槃までいけないお!
ゝ |ェェェェ| ノ
\ /
/ |
/ |
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \
(= )(= ) | 自分で作ったものくらい自由にさせてほしいだろ。
(__人__) U |
l` ⌒´ | それに俺たちは別に涅槃を求めてるわけじゃないし
. { U |
{ / 悟りを開くのは死ぬ直前とかで十分じゃないか?
_. -: ´∧ _,__ _.へ` 、
r<....::::::::::ゞ::::::::::::r' \ :\_
/.::::::l:::::::::::::::::::::::::::::L>、 >ヘ::ヽ
| :::::::ト、::::::::::「|:::::::::::::::::::`ー/:::::::::V::|
〈:::::::::::::::::::/へ、:::::::::::::::::∧::::::::::::::V }
/::::::_ン´「 ヽ`ヽノ:::::::::::::::::::Λ::::::::::::::ヘ}
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
-
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | それなら自分で作った「悪いもの」も受け入れるべきだお!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / 都合の悪い事実だけ無かったことにするとか無責任すぎるお!
ゝ |ェェェェ| ノ
\ /
/ |
/ |
.
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \
(= )(= ) | いいじゃねぇか元々なにも無かったんだから
(__人__) U |
l` ⌒´ | 無かったことにすると言っても事実そのものを消すってんじゃなくて
. { U |
{ / 「失敗作」ってラベル貼っ付けてジャンク箱に投げ込むだけだ。
_. -: ´∧ _,__ _.へ` 、
r<....::::::::::ゞ::::::::::::r' \ :\_ えーと心に棚を作れ?なんか違う気もするな。
/.::::::l:::::::::::::::::::::::::::::L>、 >ヘ::ヽ
| :::::::ト、::::::::::「|:::::::::::::::::::`ー/:::::::::V::| ともかくスジくらいは通すよう努力はするよ。
〈:::::::::::::::::::/へ、:::::::::::::::::∧::::::::::::::V }
/::::::_ン´「 ヽ`ヽノ:::::::::::::::::::Λ::::::::::::::ヘ}
-
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \
(●)(● ) | この般若心経は要約すれば
(__人___) |
| u | 「全ては無である」から思い込みとか心のこだわりを捨てて
| .|
ヽ 、 ,イ 智慧を完成させようぜ☆みたいな話なんだから
/ヽ,ー- ト、
_, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__ 全てを捨てるところまでやって、後は好きにしたい。
__ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
\ r お経 \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、 仏教は「我」は存在しないと言っているが
} }/ ) V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:ゝ/ ./ __ V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\ 俺は俺の望む俺として存在したい。
}:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \
-
/ ̄ ̄ \
_.,ノ ヽ、,_ \ 坊さんに怒られたらその時考えるから!
(= ) (= ) |
(__人___) u | ⌒ヽ で、強引に話を戻すと現代の仏教では宗派によるが
'、 | ____ ,.-、ヽ、
,,. -ー| |ヽ__∠___ゝ」 r' 一時期流行ったロック調現代語訳では
/ .::::::、::| /ィ::::〔 _,.-ー `'r-、
l :::::::::::::::::ヽ__、____,. ":::/:::〔/ l:::. ヽ 夢や空想や慈悲の心が智慧だとしているな。
」 ::::l:::::::::::::::「二二::::/ :::::::ト、 y |::::::. ',
l ::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r l:::::::: i お寺のWebサイトでも「慈悲」を智慧としているのが多い。
/ :::::;;:ーミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、_ ノ L::::|
/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く:::::::::::::::: i::| NHKの「100分de名著・般若心経」でも
/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 :::::::::::::::: ||
/ ::::::::::::::::::::/ \::::::::::::::::::::::::::::::::::::V :::::::::::::::: | 利他―善行こそが智慧であると説いているな。
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 慈悲とか善行は智慧として有るのね。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i そりゃ今の坊さんは衆生を救うのが仕事だからな。
| :::::::::::(⌒).(⌒ ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ
| :::::::::::(__人___) .|:::::::,. -ーy:::::::::::::::::::: / 「何もするな」よりも「善行を積め」のほうが
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: /
| :::::::/::::: | | /):::::::::::::::::::::: / 分かりやすいし実行するのも楽だ。
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: /
i ::::::::::::::::. ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j 善行は気分がよくなるし助かる人はいるしで
r/:::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r やり方さえ間違えなければやって損はない。
-
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
.| :::::::::::(●).(ー ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ ただし浄土真宗に至っては、全ては無であるが
| ::::::::::::(__人___) |:::::::,. -ーy::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / 「信心」は存在する。
.| :::::::/::::: | | /...::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: / だから般若心経そのものがあまり意味がない。
i:/:::::::::::: ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r:::::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
-
|ヽ/|_
.\ /
___ |__>
/ヽ、 _ノ\
/ (○) (○)\ 存在するってどうやって!?
/ (___人__) ..\
| u ノ ヽ, |
.\ (/⌒ノ´フ ./
. .> . ̄ ̄´ <.
.
./ ̄ ̄ \
⌒´ ヽ、,_ \
(●).(● ) | NHK100分de名著・歎異抄から逸話を引用しよう
(__人___) .|
'、`⌒ ´ | 親鸞は法然の高弟、つまり自分の先輩二人の前で
-ーー| |ヽ________
/:::::::::、::| /レy:::::::... `' ー-、 [後輩の親鸞が「自分の信心も法然様の信心も一緒である」と、
l:::::::::::::::::::ヽ__、____,. "/::::/::::::::::::::.. ヽ 並み居る優秀な兄弟弟子たちに向かって言い放ったのです。
j:::::::::::l:::: ::::::「二二二 ::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ 源智たちは気色ばんだことでしょう。「そんなバカなことが
l:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::/\::::::::::::::::::::::/::::::::::: ヽ あるか」と反論します。そのときの親鸞の言い分は、
/::::::::::ー-ミ、:::::::::::::/ \`>- 、::l::::::::::::::::: | 「知恵や学識で信心が決まるのであれば、もちろん
/::::::::::::::::::::::::ヽ:::/ / / ノ~ヽ:::::::::::::::::: | 私は法然さまの足元にも及ばない。しかし仏様より
/::::::::::::::::::::::// | j / ,y j⌒ 、::::/::::::∧ いただく信心なのだから同じ一つのものである」となります。
/:::::::::::::::::::∨/_____|_|_ ~└t_,.イ__√ }ヽy ⌒ ∧ それでも納得できない源智たちが法然に直接尋ねます。
/:::::::::::::::::∨ \ NHK100分de名著 \:::ノ:::::::::::::: | すると法然は、自分の信心も親鸞の信心も
/:::::::::-‐‐┴、 \ 歎異抄 \:::::::::::::: | 「如来よりたまはりたる信心」であって変わりはない、と
l::::::::::::::::::::::::ヽ __ \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ /:::::::::::::: / 親鸞を支持しました。]
,.ト:::::::::::::::::::::::::::\ ̄_`ー\ .| |./:::::::::::::┬<
/ ヽ:::::::::::::::::::::::::\ ` 、 \ /::::::::::::::::::::::|>ー 如来ってのは阿弥陀仏のことだ。
つまり「信心」は阿弥陀仏に貰ったものなので確かにある
-
/ ̄ ̄ \
⌒´ ヽ、,_ \
(● ) (● ) _,-|、 もう一つ同じ本から引用だ。
(__人___) r' l |.lヽ
'、`⌒ ´ l i | l} } [善悪のふたつ、総じてもつて存知せざるなり。
| l l, |. l ノ__ _ (何が善であり何が悪であるのか、そのどちらも
| / /ィ::::::::.. ヽ 私はまったく知らない。)
_,,ィ'´:::ヽ__、_r'´ /:/:::::/::::::::. ヽ
__ __ ,. ''´..::::::::::::::::「:::::人__..ry:::::::::::::::::::::::::. ', これ二つ[※片方は省略]は、親鸞がつねづね
,.- v ヽ r´ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈::::::::::::::ム:::::::::::::::::::::::::: l 口にしていたことであり]
rー、 ヽヽ }_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ィ::::::::::::::::::::ハ:::ノ::::::::::::::::: l
r ヽ ` 、_」イ_] |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::: i
i >、_〉-".| ,,,,,, |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ハ:「 ::::::::::::::: ! 親鸞は、自分は仏法を理解しているとは言えない
ヽ ) | | ,,;;'' |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::: | ということを話していたんだ。
-
/ ̄ ̄ \
⌒ `⌒ \ v-, これだけ読めばただの謙虚な人だが
( ●) ( ●) | | r
(__人___) | | |. 般若心経を真面目に受け取れば、全ては無であり悟りもまた無い。
'、 | | |,.-、
,,. -ー| |ヽ__/ ̄ヽ` r´ なら阿弥陀様にもらった信心のほうがずっと頼りになる。
/ .::::::、::| /ィ::::〔 ̄ ̄ `' ト-、
l :::::::::::::::::ヽ__、____,. ":::/::::〔 ̄ l:::. ヽ 阿弥陀様から同じようにもらったんだから同じものだし、
」 ::::::::l:::: ::::::「二二::::/ :::::::ヽ y l::::::. ',
l :::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l:::::::: i 自分が仏法を理解したとか悟りを開いたとかいう根拠はないが
/ ::::::ー-ミ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_/:: L::::|
/ :::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::|::| 阿弥陀様にもらったんだから信心の正しさには根拠がある。
/ ::::::::::::::::::::/ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「 ::::::::::::::::::||
/ :::::::::::::::::::/ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ::::::::::::::: | と主張していることになる。
____
/ \
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ 阿弥陀様凄いな!すごく強引だ!
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
___
/:::::::::::::::::ヽ ____
/ :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
/ :::::::::: ⌒´ ヽ、,_ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
| :::::::::::(⌒).(⌒ ) |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ 仏教に限らず宗教なんて
| :::::::::::(__人___) .|:::::::,. -ーy:::::::::::::::::::: /
| :::::::::::/::'、 | ̄ _/::::::::::::::::::::: / スジは通ってるが強引だって話ばかりさ。
| :::::::/::::: | | /):::::::::::::::::::::: /
| :::::::::::::/| /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: / じゃあ般若心経に戻るぞ。
i ::::::::::::::::. ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
r/:::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::::ノ::: 、:::: //
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r
-
/7 最後にすべてをブン投げるんだけどな。
//
// 故知般若波羅蜜多。是大神咒。是大明咒。是無上咒。是無等等咒。
__ // 能除一切苦。眞實不虚故。説般若波羅蜜多咒即説咒曰
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/
l (__人_,//l 故に人は知るべきである。智慧の完成の大いなる真言、
. | `⌒// ノ
l // ./ これ大いなる悟りの真言、大いなる無上の真言、比べるもの無き真言。
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ 全ての苦しみを除き、虚でないゆえに真実である。
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i その真言は智慧の完成においてこう説かれた。
ヽ _,.フ .|.|
-
__
/::::::::::::\
/ __ノ::::ヽ
| (;;;;;;)::::) 真言(マントラ)ってのは呪文だ。漫画とかゲームに出てくるから説明しなくていいよな。
.| ::(;;;人)
| :::::::::rつ つまりこれは 最強の呪文を授けようってことだ。
.| :::::::((三)
ヽ ::::::::::(::::<
ヽ ::::::::::/∧::::∨
∠::::::::::::/⌒ ∧:::ヽ
(:::::\ /:::::::/;;;;;;;;;;)
|\::::::::::::/|
|:::::\_/:::::|
____┘(
/\ / ⌒
/(○) (○.) \ 最後の最後で呪文とか
/ (__人__) \
| |::::::| | 説得力ブン投げてどうすんだ!
! |!l\ l;;;;;;l ,/
i| / ー´ \ 今までの話は何だったんだよ!
i/ l! \
そ|彡∪ , --、 )
∑ !彡,l < ( _/
レY^V^ヽl.  ̄
-
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
____
/ ノ_ ヽ,,\
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ 俺に聞かれても知らんわ!
| (__人__)|
| |r┬| } 100分de名著・般若心経では
| | | | }
. |. `ニニ } 神秘の力を信じるべきだとか書いてあるけどな!
. ヽ }
ヽ ノ
-
/7 そしてその真言とはこうだ。羯諦・般は本によって漢字が違うが意味は変わらない。
//
// 羯諦羯諦 般羅羯諦 般羅僧羯諦 菩提僧莎訶
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ はらそうぎゃてい ぼじそわか
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
-
(ヽ三/) ))
( i)))
/ ̄ ̄\ \
/ _ノ \ )
| ( >)(<) 特に意味はない
. | ///(__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !l ノ ノ |
⊂cノ´| |
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)ないのかよ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
-
*
/ ̄| + / ̄ ̄\ + 漢字は発音を当てただけだから訳しても意味は無いんだ!
| ::| / ⌒ \
| ::|x ( へ)( へ) | .人 発音だって当時のものが保たれてるとは思えない
,― \ .(__人__) | .`Y´
| ___) ::| . l` ⌒´ .| 一心に唱えることで神秘的な力とか元気が湧いてくるとか
| ___) ::|+{ .| 十
| ___) ::| { _ | 悟りを開く最後の跳躍になるとか言う人もいるけど
ヽ__)_/ ヽ、ヽ / )|
``ー―‐'| ..ヽ| 技術屋には関係ないしな!
ヽ ノ
____
/::::::::: u\
/ノ└ \,三_ノ\ ,∩__
/:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu そんなんで納得できるか!
|::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | | |
\::::::::: ` ⌒´ ,/_ | | やらない夫はどう考えてるんだお!
ヽ i 丿
/(⌒) / ̄ ̄´
/ / /
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(⌒)(⌒ ) | 俺は自由に意味を与えていいと思っている。
(__人__) |
(`⌒ ´ | これだけじゃなんだから俺のおススメ、現代日本で一番近い言葉を教えよう
{ |
{ ノ 怒るなよ?
__∩ ヽ ノ
(ミんゝ、 / ヽ
\ '' /| |
____
/ \
/ ─ ─\
/ ‐=・=‐ ‐=・= \ 怒るようなことなんだな?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
-
/ ̄ ̄ \
⌒ `⌒ \
( >) ( ●) | 俺が俺であることを確認する呪文
(__人___) |
'、 | 何の意味もないがゆえに自由に意味を与えてよい呪文
,,. -ー| |ヽ___
/ .::::>-、_ ___ /ィ::::::::::::..`' ー-、 それはもちろん
l ::::://// ,ヽ__,. ":::/::::::::::::::::::::::.. ヽ
」 :::/ 代_|二::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::..\
l ::::/__ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::: i
L√:::::>、<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l :::::::::::::::::: |
ハ::::::::::::::::v":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::: |
ハ::::::::::::::::: 〉ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::/::||
ハ:::::::::::::::::: i/\:::::::::::::::::::::::::::::::::::;| ::::::::::::::::::: ノ::|
-
l⌒\ __
! 〈 \
/ / __,.ノ` ⌒
/⌒ト、/ (> )(●) エル・プサイ・コングルゥ
r-='´ ヽ (___人__)
| _∠ ノ | ` ⌒´ノ
} ⌒´ `V |>ー- 、
〉 -‐く |:::::::::::::::::::ヽ、
ヽ  ̄ /`ヽ.,___ ,__ノ7::::::::::::::::::::::|
ハ /|/:ヾー--ー" ゞ:::::::::::::::/::::ヽ
7 |  ̄ , /ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::i
/::::l| 、 /ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::∧
l:::::lト-ゝ==- '´丁::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::∧/⌒ヽ
\::::::::::::::::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::/ ̄ _ノ⌒ヽ
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)シュタゲファンに怒られるなそれは! (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、__ .\
(⌒)(⌒ ) | 近いってだけだよ。
(__人___) |
l`⌒ ´ | 意味はないけど俺にはそれを言う自由がある、
| |
| 、 _,.ーへ 口にするとそれが確認できてなんか気持ちイイって意味で。
_. -: ::::ヽ__「 v、___
__,. <::::::::::::::∧:::二〈 、 ∨:::::\ 俺はちゃんと般若心経の方を使うから大丈夫!
/:::::::ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_〉、 -ー、:::::∧
/::::::::::::::ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー/ ::::::::>:、::ハ
〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::v::、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::ヽ|
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ スルーしてもらえることを祈るばかりだお・・・
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
-
/7 あとはラスト一行
//
// 般若心経
__ //
. /ノ ヽ\ .//
. / (●)(●〉/ 以上が般若心経である。これで終わりだ。
l (__人_,//l
. | `⌒// ノ
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/
/ と'_{'´ヽ
/ _.、__〉 ト,
{ 、__} |.i
ヽ _,.フ .|.|
/  ̄ ̄ \
/ノ ヽ__ \
/(―) (― ) \ 飛ばした割には長かったお。
|. (_人_) u |
\ `⌒ ´ ,/ ところで、なんで般若心経の解説してたんだっけ?
/ ヽ
./ l ,/ / i
(_) (__ ノ l
/ / ___ ,ノ
!、___!、_____つ
-
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) 前半は人は全てを「もの」として捉えているって話をするためだな。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 今日解説した分は仏教では「それは何であるか」が存在しないという話だ。
| } \
/ヽ } \ そして「般若心経は真の自由の宣言である」というのが技術屋的に都合のいい結論だ。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ 真言とかはついでみたいなもんで仏教とか般若心経の入門ならこれで終わり、
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ ( 正確に知りたい人は別の解説書をあたってくれって話になるんだが
\ / /⊂_)
-
__
/ ̄〉 |__| 匚l
___ / / 〈 \
_ / `丶、 / / ヽ \
//l 「l_∠ __ /〉 ヽ /_/ \/
. __/ /,ィ´ -‐ 、.__\/ } __ _
/ /____ /| ヽ、\ ) \, / |___  ̄l / / 俺たちはここからが本題だ
l |、.__ 〈/ -‐ ト、 ) 、::::j 7  ̄ ./ /
l |、  ̄入 、_`j , r' / / 〈X〉/〉
. ヽ\_〈::::::\__、__ノ (__ノ_ ) \/ 〈/
. \  ̄/\::::::/ l | `)‐'
 ̄ ̄l  ̄ // __/
/ // ヽ {ヘ、
、___/ _/ `ヽ \ ___/ヽ
/  ̄ /| `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
. / / \. (__,. ‐- l、
, ' /、.: :`ヽ..,____.. -‐::::::i:‐:..、 ヽ (___,. |ハ
. / l/ ̄ \:::::::::::::> "´  ̄ `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
/l /: : ` 匸´___/__,..- ` .、___ | /│|__,ノl
. ∧/: : : / }/、 | } ││|__ノ
. | |: : : : { / ) , '"^ト-〈 │ | |__/
. | |\:_:_ ノヽ._/ー一^ ー‐´ │ V l | |、
| |  ̄`ヽ: : i , ,ノ、__,ノ l |/|
| | ∨ ` 〈 _/ | | | l !
. ! | | ∨  ̄ ゙, ,!、__\ | | |
. ││ l |, -- 、 -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__
. | | l l / ` 、 jハ:::::://
! ! | ,' ` ー 、 ___ ∨/l
| l l i /o | |' l|
│ | l/| / / /|_ |、l|
. | | /l:::八 イ / / ヽ|::ヽ
-
プラトンは言った。「それは何であるか」で合意するのが対話であり、「何」こそがイデアであると。
.
観音様は言った。「それはなにものでもない」と。「なにか」であるというのは思い込みに過ぎないと。
.
もし俺たちが仏教的な見方をしているのならば―
.
. ━-ミ 厂 ̄ ̄ | .┌┐| ̄「 , ―┐
/ 丶 | 厂.i | ||| | ∧ /./7|.厂|/|,、
′ ヽ.| | | .| ./ || ヽ′〉 ∠/ / / / ./.| 〉 , ―┐
ⅰ 、 、 !  ̄ ./ | <_/└―‐< // |_/ ヽ/ ∨7 / /7/7
! ミ _,ゝ i='゙{ / | ゝ--、 く/ r ' /_/ // /7
∧ '≠‐'` 、! \_/ t-、 r、}W / '.  ̄ l_// /
}ヘ ゛ (_,ゝィ'{ rJヾ.、t.' j ! λ _,ィy,__  ̄
} ヽ> 二イ ヽ, } } { !仆、 (ノ ___)) .ィ イ `.
/" >―‐-ヽー-、___ ,.ィ , } { _,∠, 、ゝ'、  ̄ ̄ ( -く j'= j
/ " ,. -‐ ヽ ___ `く、 / ,′_{'⌒ヽト、 iヽ ̄ヽ ヽ 、 ヽ'ィiヽ._
{ / " ノ __ノ /八{_乂 く _ノ、! } i } `i! `y`‐ `ヽ. ___))
∧八、 / "´___,ィ´  ̄V、 ^く 、 / ,'ノ___ ヽ- 、_、_ ト、_ ̄ ̄
\\ ー-`ーく-―´ ̄ } } ハ ー= ヽ!:/__)) ーノ } ィ/ヽ 、 ` 、____
ハ ヾ / ノ \__ /ーイ __,__ r〈 ) ハ ヽ\ ̄ ̄ ((_ ,ィくv / r'´ `¨¨¬jヽミ
/.ィ\ ` / 、_  ̄ ノー }´ ノ{ニニ>'ヘゝ-⊥人 \ フ ̄ニ=ミ三′____,
/ ," ヽ、 〃 ーハ _/ i {\ゞL/、 ニ[>=yハ!  ̄` , ヽ / ニ=-/`-ノ  ̄ ̄ ̄
,イ ノ ,ゝ''´ `< !i; ヽ ミ ヽ \`;/,゛` ー=ァ‐ '´ {.f‐ミvyzゞ=、/ゝ'´
-
,
r‐-、/ ̄\ _,,..ノノ..、
!_,..-〈 ノ 、_ | ,... -‐‐''"´、_っ'´<
ノ,.ィ .ハ=) (=) | __,,....,,_,..-‐‐''"´_,./´ ,/`¨`ヽ ̄´
{ .リ八' }(人) ノフ´ /'‐''""´__(⌒) ,,../
}'´ 人`.iヽ--'ケ‐' ヒ‐‐''´ ,.‐'" ̄ 俺たちが議論しているときには
ト、 イ,ィ ヽ. i‐‐‐'"
ヽ_ー'"ヽヽ、 ,. i、__ ,.リ 一体「何」の議論をしているんだ?
ヽ { >ァニ'"ハ.ノ {
\ '彡 { ', i
\彡 三 X´`', |
\ヽ ', `.}
)-‐- 、.ハ. !_
/、._ 、 ,' iヽ〈  ̄``ヽ、
{ ⌒゙i.リ | i. } `ヽ、 ー`ヽ
ヽ 八_ノ Y \ \
}、/ : ヒ‐- _,>_,,.. ,{
/ { : |`ーァ‐‐''"´ /
__ { } : !''" ,,.> _,. '´
/ ,ヽ、.___,,,...-ヽ、i ! ,.. -‐''"´
ノ ,.. ‐- .. ___ ヽ /<´
/__,.. -‐''' ̄` ‐- ..._ _,人. \_
` ´  ̄ ̄ ̄ `¨¨´
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) なんかまた脱いでるし!
/ (__人__) ヽ
| |!!il|l| |
\ lェェェl /
/ ヽ
しヽ ト、ノ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
-
_
/| r、
__ } ,! !| }
ヽ.`<ー-、. |
ヽr ''ーィ'
ノ i
i´,' }
_ ∨ リ
/´、__`ヽ / } /Y
| ,) (●)\ ,! } ノ{ こんな話、素面ではできないからな!
ヽ(●〉ト-' ヽ /´! ', ' }
\`´ ,ハ、リ ヽ_} _,ィ' 次回、日本人にとって「議論とは何か」!
ヽ、‐-イ〈,y' ´ ! ゙!:::ヽ
,-'`ー--、____,,......_ ____ ,.. --、人≫Y !::}::}i 誰か議論の定義とその根拠が書いてある本持ってない?
} ', y ,ノ ` 、 _ `´ `ヽ、r'"´ ', リ^ィ::|
ヽ、(ン⌒ヽ、. ,.>、_ ーヽ .. ', ,./ ヽ}リ 教科書とかだと嬉しい!
`¨¨´ ``ヽ、__>ート、._ ,ノ<´ 、._ノ.ヘ、
\{.``´ ,r '´ ∧リヽ、
``ー、-'、 ノヽ´_ハ .{::ヽ
`ヽヽ.ノ ヽ }/::::i_
ヽ、.‐-、‐-〈.、::::::゙i
\. 、_ヽ>ヽ::ヽ
``''''ヽ.__,::.ゞニ、
ヽ、_,)
____
/ \
/ ─ ─ \
/ -=・=- -=・=-. \ 議論とは何であるべきかという「主張」は見つかるんだけど
| u , (__人__) U |
\ ..` ⌒´ .〆ヽ その「根拠」は全然見つからないんだよな。「俺はこう思う」ばっか。
/ ヾ_ノ
/rー、 |
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
本日の投下は以上となります。
書き貯めがあと一回分しかない!
-
乙
まあ仏教はお釈迦様からして「やれ、やったらわかる」的なアレだからw
エル・プサイ・コングルゥは吹いたw
-
乙でした
から揚げ定食食べながらおっぱいを眺めるのは至高(思考放棄)
-
乙
-
乙
-
/ ̄ ̄\
/ / ヽ、_ \
/ / (●)(● ) |
__ (__人__) |
/ ̄  ̄`.l⌒´ | >>216に詫びておく。
/ | \ .|
{ ヽ \ /
ヽ、_ ___ヽ /
.  ̄ ̄ ゝ <
| |
| |
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \ 偉そうなこと言ったけど
(●)(● ) |
(__人__) | この話は俺にも難しかったわ。
`.l⌒´ |
| | つまり執筆が全然進まない!
ヽ /
ヽ /
', / 見切り発車すれば必死に書くだろうと思って始めたが
/ ノ _.ノ
/ / ( .( 都合よくいかないもんだな。
__ )ノ
/ ̄  ̄ `ヽ ((
/ \ ノ では本日の投下を始める
{ \
ヽ、_ __ '.,
.  ̄ ̄ \ ,
} ヽ
ノ ,l , \
と ノl |ヽ ⊃
-
__
/丶 ノ\
|(●)(●) | では仮に「日本人は仏教の影響を受けている」、
| (_人_) .|
| `⌒´ | または「日本人の考え方は仏教と親和性が高い」、
. ェ-_ .i .|,.. .-‐ 、
,、 .{ 、. k'y'-'/ヽ > /\ _ \ よって「日本人は「それは何であるか」の
{\ 、.\. i i ハゝイ `i i`-:イ \ :/`
'、\ i `!.'  ̄ ̄ ., : ´ ̄ :i /` 「何」は実在しないと考えている」としよう。
ヽ ..:: ¨ > , _ ,∠ /、 l/
ヤ_ `ヽ ̄ ̄ ̄ ̄, : / _ ,} 「何」は思い込みとしては存在するかもしれないが。
` < -、 ノ _ > ' `ヽ ' !
` < ´ > 7::::::::/ - /
` ¨ /::::: } ' /
/::::: i /
-
/7 ,-,
__ / i/∠_
/丶 ノ\ /l <二_ '
|(●)(●)| ヽl :i─ -'
| (_人_) .| , ' / となると、「それは何であるか」の「何」が無いため
| `⌒´ | _ ノ , ′ 少なくとも「それは何であるか」は他人と共有できない。
i | / / /
,・ ヽ /:¨ ─‐ , / 存在しないか、思い込みだ、ということだな。
/ / ....ノ_....:::::./ そしてエスパーでもなければ思いは共有できない。
i 、.....:::::::::::::, -'" ̄ i
_.ィ二`ヽ. ヤ '_ ̄イ ,-.,/ 浄土真宗で「誰もが同じ信心を持つ」というのは例外中の例外、
/ `── ¨ ., ─' ,/ 阿弥陀様だけが起こせる救済だ。
(/ィ_=、___ - - 、 /:i
` ヽ ̄ ̄ ̄ .\ そして―
ヽ
-
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ',
ヽ ノ `フノ-‐ュ', 「それは何であるか」の「それ」の方も共有できていない恐れがある。
〈゙y'´ ´ '´,≠-,
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶.
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ',
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / }
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' /
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / /
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
____
/ \
/ ヽ、 _ノ \
/ (●) (●) \ それじゃそもそも議論成立しないじゃん?!
| U (__人__) .|
\ |i||||||i| /
/ __` ー'
(___)
-
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ では試してみようか。
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi 「それ」として「木彫りのクマー」に登場してもらおう。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ やる夫は「木彫りのクマー」はかわいいと思うか?
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! ! あ、木彫りのクマーがわからない人は上の方見てきてくれな。
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. /
', 、.X`、 i `个ィ/
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 |
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ!
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 久しぶりだな木彫りのクマー
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / かわいい、で良いんじゃないの?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | 少なくとも、でっていうよりはかわいい。
\ /___ /
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) でっていうwwwwwwwwwwwwwww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
比較対象:でっていう
-
/ ヽ _
,' ヽ _ , <
i ト ヽ_,/
{ i { ─ < __ _ ,
', '`ー-- 、_人_{ / 木彫りのクマーはかわいいか。で、
{ ,_ノ ィ´● )' .Y | /
ヽ. (. ●) 'ー " . .! / ,-、 「どの」木彫りのクマーのことだ?
',  ̄´ 、 ノ| ,-'、 }
, ∧ r ', } ノ / }/
_/. . \. '、_ノ=-- '′ / ! ./ .,-、'/i
_/ >、 l i / ./ } /
/ . ヘ`ヽ ./ / // /ヽ
´ , ヘ // ./ /.i !、
ー - '⌒ ー. ヽ、`ヽ. / i'. _ ノ ' ヽ Y
\ 丶 l , / .,!
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) 「どの」って・・・ええええ
/ (__人__) ヽ
| |!!il|l| | やらない夫が「木彫りのクマー」って言ったから
\ lェェェl /
/ ヽ それに合わせただけじゃねえかよ
しヽ ト、ノ
| __ | やらない夫の方こそどの木彫りのクマーのことを指してるんだよ!
!___ノ´ ヽ__丿
-
/ ;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;、
| ノ \ ;;;;;;;;;;|
|( ●) (●) ;;;;;;;;;l 俺にとっては最後の木彫りのクマー・・・つまりNo.4だな!
| (__人__) ;;;;;;;;il
| ` ⌒´ ; ;;;;;;;.;;;;;ヽ
! ;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
\ ;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_
/)  ̄ ̄;l; ;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
_ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、
ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
\ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
.
↓木彫りのクマーNo.4 在庫切れのため認識上のみに存在。よってAAがない。
.
.
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | そんなのわかるか!言わないで共有できるわけないだろ!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / /
ゝ |ェェェェ| ノ
\ /
/ |
/ |
-
/ ̄`ヽ
,' }
{ノ ヽ._ } そう、俺は「木彫りのクマー」とは言ったが
.-(=) (=) }ー- 、
_...ノ´_, __(人.) ,ノ'_ _,... ゙}>-、 具体的にどの木彫りのクマーかは言ってない。
/ ´゙ ハ, `ーイ´ ヽ、 ヽ.``ヽ
,. イ ,リ , { `丶. __ ', )ヽ、 つまり、俺は「それ」を具体的に示していないから
/ 、 _,..ィ,r'" | `}._,..>ァ' ハ
/ ,.= 〉⌒7入 .人 ノ!ヘ. ノ ,'´ヽム 「それ」を共有していない、なのに会話が成立しているんだ。
.//´ ,n; 人 〉ーァ‐='"゙Y´`¬'"ノ/ ヽ、___,.'´ ,ハ
〈 )ヽ、 ヽ.'"´ ヽ.∧ー〉ー‐‐〈'⌒`´メィ′ / /'/ あるいは成立していないのをしていると思い込んでるのかも。
ヽ.ヽ.`、.ハ ゙}ーヾー‐-く´ ̄`,〉 | ノ -' '/
.\` `ヽ、 ! `ヽー-'.>三'/ .} / ,. '′
`ヽ. 、.. \_,..=‐--、 ` ´7,-¬=-' ' /
`丶、 _ =ミ゙ヽ__ __ι'r',.- _/
` rフー'< ,`7´厂!´
/'´ { ハ / ,' ;' ,ハ
/: ,.ノ ヘ_/ ハ ノヽ .',
____
/ \
/ \ / \
/ (●)i!i!(●) \ いや、「どの」って指定しなかったんだから「一般的な木彫りのクマー」
| u , (__人__) |
\ .`⌒´ 〆ヽ つまり一般的な木彫りのクマーという「概念」とか「イメージ」とか
/ ヾ_ノ
/rー、 | それの話をしているはずだお・・・!
/,ノヾ ,> | /
ヽヽ〆| .|
-
,ヘ
/'ノ
/ ,}{
/ゝ,',.⊃
/ , '/´
/' ,. ' /
/ :′,.. /
i´ 、},....,/
{ 'ヽ-' ( ,-‐ノ 、_
.ハ. ,. ゙ヽ. / (●) ヽ i.| // ,、 一般的な木彫りのクマーの概念、か。
| ` ', } | (_人) / ' 〈ノノ,、
.! ヽ,ヘ.〉 ヽ } r‐- '′ヽ '/ それが存在しないというのが仏教で言っていることだ。
', ,.、 } \' ヽr ‐/  ̄ヽ、 ,. 、 ノ
∨´,.)イ ヽ ノ } } {
/´ | ゙v,.ノ--- 、 | |
| /! } >‐‐、.ノ', ハ 結局のところ、仏教的に考えた場合には
∨ i、_` ヽ リ 、 ノ-、 }、 . }
} ノー-'、_,`ー-‐'、 ,イ、 ー-'八 ヽ ,! 「もの」は自分との関係性の上で存在しているから
.| ,' ヾヽ 、 `ヽ..ィ `¨''、'ノ 人 ヽ__,,.゙-‐'
{,ハ ヘ. /`゙r<ノ),/  ̄ ̄ それを他人と共有することはできないんだ。
/ ヽ `¨ メ-、_,.ィ /′
,ノ゙ヽー''' } ー、6 r"/
/ ', { ノ ` ィ' ,/
-
___
/ \ ウガー
,---、 \ /\―、
.l l (●) (●) \ | それじゃそもそも会話が成立してないじゃないかお!
| | (__人__) | |
.| | |!!il|!|!l| / / なんでやらない夫は最初に「木彫りのクマー」なんて
ゝ |ェェェェ| ノ
\ / 曖昧な指定したんだお!
/ |
/ |
/ \
:..:..:/ / \
:..:/ / ヽ
:/ | ヽ
,′ | l
/ | | 、 l
,′ j /._ノ'′ `、 l
j .| ,′ / ● ) "ー-- / そりゃもちろん、
' i / l (● ) /
! / _ __ __,.| l j / これで会話が成立するから
i / -―- . ,. "´ `ヽ ,.. '"´ l, ‐' .-‐"ヽ. ) /
..:.:i' / `ヽ{:i′ }´ i } ` ー-`ー-一'′/ー< わざと曖昧に指定しただろ
:..{:.^フ: :.} '"´ ̄ - 、 /|! /// `丶、
:{.:.. :., ヽ :..! :`:...、 _,,.. -‐ '´ / / \
:..:. :.ヽ 丶 .:..:.. i:..:..:. ̄ / / ヽ
` ー _ ;.、:\. \:..:..: !. ./ :..
. _ `二 ‐- 、 {、__>、.{:..:.,:.. \:. ヽ:. ..:../ .:..:i ___,,.〉‐ 、
:..:. ´-- ̄- ´ ̄` ..:..:..ヽ '⌒ヽ:.':..:' `丶、:... ...:..:..:/ ,.:':..:..:! _,. -‐'´ ´
:..、:..:... ..:..:..:..:..:..:..:..__\ \:. __ \:..:..:../../:.._;,. -‐'"´ '
`¨`ー-- .._.....:..:..:..:..__;,.: -‐=-- .」` ヽ ` 、 Y:..;. - '´ .._ .| /
 ̄ヾ´ヽ:t:__.. V ` { `ヽ i :/ ..
-
/ ̄ ノ 、
i (●! 「それは何であるか」が無い世界に「何か」を持ち込んだ場合、
| (_))
! ゝ. } 人は自分の「世界」からその「何か」に適合しそうなものを絞り込む。
_ノヘ `ーr<___
__./´...、 __ _r' /rー'´-、 `ヽ 俺が最初に「木彫りのクマー」を指定したとき、
/´ ´ `ヽ ヽ :;ハ、
,. ィ ___≠ ヘ }'´∨`ヽ やる夫は「自分の持つイメージとしての木彫りのクマー」を基準にして
// `ー'´ /ヽ、 。 ト、 ノ! ヽ. ハ
.〃 、 / , ' ヘ` ‐--‐ヤ´ `;`¨ ,ヽ、, '´ ). 木彫りのクマーはかわいい、と判断した。
/{ ∨ / \ Xヽ ` r= ⌒!`Y / 彡' }
{: ヽ }´ ヽミ、ヽ. f ー-+ ィr=‐ '´ , ' 次に俺が「どの木彫りのクマーか」と聞いたときには
', ヽ| ∨ } -、..ノ ト..≠ ,.=イ
ヽ 、ヘ ,≠ミ、 ゙! _.. ゚´|`ー イ やる夫は「個物としての木彫りのクマー」を探して・・・
〉 `‐、 /´ ;`ヾ::、i /
{. _,..、ヘ. ; ヽ ; ヽ\_ノ! このスレでどの木彫りのクマーかを特定できなかったから
`ー'`¨´.! :, ' ハ fハ
| / !: / . 「やらない夫の方こそどの木彫りのクマーのことを指してるんだよ!」
∨ lィ ; |
ハ | / :! と反応したわけだ。
i . } ノ ' ,'
', ヘ /' } /
-
/ ̄`ヽ、
/_ノ ヽ、_ ヽ
|(●)(●) | もしこのスレに登場した木彫りのクマーが一体だけなら
| (__人__) |
| `⌒´ | 「あの木彫りのクマー」として特定できるから会話が継続する。
| /!
ノ ヾ、__ノ/ ! 「最初に登場した木彫りのクマー」みたいに特定できるように指定してもいい。
_,,..‐'"´、、 〉フ ∨/
/ `´ ^ ヽ`ヽ、〈i/`ヽ、
/ { } ∨レ^ハ \ 「それは何であるか」が無い世界では、
ハ / ‐- 、∨ミ { }
/ ヽ_ _,,.ィ ヽ-‐-、 / 認識の食い違いが破たんしない限り普通に会話は続くし、
{ .、 } X ハ | Y
∨ヘノ { / \、 ノ`、 ノ 破たんしてから認識をすり合わせればいい。
〉,、ノ / >‐、`T´ i }/
i { 个、 八 ヘ`ヽヽ´ ノ {
ノヘ Y ヾ \丶< レ
/i i !、\,..ゝ } -く!ノ
i i ハ / 〉^ ', hl
| し // / }´⌒ ヽ 、ノ、 `}
|`′ /_ノ/ ̄ ̄``ヽミ } }
| ∨> / ',ヽ、}
ゝー彡 / ノ '、∨i
/と三彡'{ ハ n `ヽi.
γ そノ { ヽ ヽ.
` ⌒'"´ ヽ ヽ.
`ヽ ヽ
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ つまり、やる夫たちは「それは何であるか」ではなく
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃ 自分自身が世界をどう認識しているかを基準に会話している?
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ / ってことは「自分はそれを何であると認識しているか」で議論しているのか。
\ / /\/
\ \
\ \ \
> > >
/ / /
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ
(≡)(≡) i そう、仏教的に考えて議論とは「相手の言葉で自分の世界への理解を深める」
(人__) ,∧
|⌒´ /,ハ 行為なわけだ。逆に相手の理解を促すこともできるが
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、 これは相手次第だから理解する気のない相手には意味がないし
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i } 結論が出たとしても共有はしていない。
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i 相手が「俺は納得しない!」と言い出したらそこまでだ。
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}' 一方、プラトン式の議論では材料とロジックとイデアを共有するから
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / | どの材料とロジックを採用するかは議論になるが、
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ 納得できるかどうかとは関係なく結論が出て共有もできる。
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ヽ
| (●)(●) | だから両者では多数決の意味も異なる。
| (__人__) |
| `⌒´ |、.__ __ 仏教的に考えたら「相手の意見に賛成できるか」だが、
ヽ. ノ !  ̄‐'´(⌒ヽ、
ヽ_ノ' ,/ { ゛ ', プラトン的には「材料とロジックを採用するのに同意できるか」
,ノ八ヽ、, -'′ ヽ ',
/⌒`''´``〉 \ ∧ になるわけだな。だから後者では全ての参加者と材料で
/´ / ヽ i ヽ イ .}
| ' ヘ. o ! ! 合意が取れれば自動的に全会一致になるわけだ。
/`ヽ、 ', へ ヽ、._ ,,...-ヘ ',
ヽ. 々 i \o ,.-‐' 〉´` ∧ , i
ヽ、人 { ',`¨´ -‐‐‐'ヽ '⌒v'′ヽ ,ノ i 理想的に言えばプラトン式の議論では
\ `ヽ、..._」 ,ハ、_ .i ゙v'′ ,ノλ
\ `ヽ、 、,{ / ` `¨´`〉'⌒''´/ / /´ 全会一致になるか、行き詰る(アポリア)に陥るわけだな。
\ ,〉 .}.{ 、_ ヽー 合、 _ /,./ /
`ヽ ´ .,/'/゙ヽ ', リ /´ ,イ 無論、全てで合意をとることは現実的に不可能だし
`¨´ i ', 〃/ ,/ i
/`ヽ、_リフ´ ̄ ,/ '′,i. 行き詰って終わりじゃ済まないから代替として決を採るわけだが
i /, ノ..ィ''"´¨_ |
i、 ソ 〈.ィ_,__,/ 彡|ヽ彡 i 理念としての全会一致は忘れないでいたい。
i `¨´ /, >イ|
-
/ ̄ ̄`ヽ
,! ノ
,.--,- '" ̄``ヽ、 ( 一方、仏教的に―いや、この際「日本的」でいいか。は
ノ′{´ /⌒ヽ ', ヽ !)
/ ∨.__ ∨ ,リ,゙i 7 自分の理解や心情的に考えて賛成できるかになるし、
ノ.-‐ ‐-/,' } ,/',´// リ /
/´ { i { ( .>、.._}'´ ̄ 相手が賛成しないときは「相手の理解を得られなかった」ことになる。
/ ,..ハ : 人_,,._-``ー 、..__
i〃⌒''''"´ ! `ヽ‐-、..._ ``  ̄`ヽ、
.| '" 人_ ィヒ.. .ノ `ヽ-=...、 だから行政との議論が決裂したときなんかは行政側から
| ,ノ"´ ゙ヽ、_ _,,..ィ''">‐--、 \''"
! , '" -‐‐-'"⌒', ` ̄ ̄丁´ ,とノ´ `ヽ-' 「理解してもらえるよう説明する」なんて言葉が出てくるわけだ。
{ ノ´ ,.. -- ゙レイ'⌒{ ゙Y
i /´ 爪,人 .ノ} } 具体例はいくらでも出せるが荒れるから別の機会にしたい。
.|/ 》 、 Yノ .リ
.{ 《 `ヽ.ノ} _ イヽ、 そういえば外国だとどうやってるんだろう?
ノ `ヽ._ ヽ ノ′ヾ、 ヽ
/ , `ヽ`ヽ、 } \
i { \ ヽ}、 \
-
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ 政治とか行政がかかわる問題は荒れるもんな・・・
| (●) (●) |
\ ∩(__人/777/ 荒れない例とかない?
/ (丶_//// \
.
/ ̄ ̄\
/ノ ヽ、_ ヽ 一番わかりやすいのは「一日の仕事が終わるとはどういうことか」かな。
(≡)(≡) i
(人__) ,∧ やる夫は何を基準にして仕事が終わったことにして帰ってる?
|⌒´ /,ハ
| , '" { ` ̄ ̄`ヽ、.._
ヽ_ / \ ', 人 ゙ヽ、
|\ , `ヽ. ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
/', `ヽ_リ,__,,... ゝ- '´ ,ノヽ i }
/´'´ ̄7´ `/ / ,' } ,{
/ } 人 ! : ,∧ノ ゙i
{ _,ノ -‐‐-}-- 、 { , '"´、 ∨, }
/!,.ノ`ヽ. { ヽァ-、,/i ヽ∨!
/ , }\ ヽ i r'´ } ,.-‐'" ',.}'
,∠',{ リ, /`‐-イ `ー--i._,.ゝ- 、 /|
/ ∨ ,..-‐-、ノ ゙i‐‐-/´ ', / |
八 リ 〉 `ヽ`ー‐‐''''''''",,... -‐‐‐-.ノ / |
/,....-、.._ ヽ、 >/..__ `ー‐--.. -‐ ''"´,. .リ ,...ノヽ
(ー- '"Y ノ \_>―--=、._ ,..-‐'"´ヽ. ',
( ニ二'ノ/ 〉ー---‐'" / ノ ', }
ヽ--'′ / 〉 、"´ /′/ ', }
-
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 定時が終わった後に仕事に一区切りがついたら、かな?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 定時ダッシュしてもいいけど次の日が辛くなるお。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 | あと一日のノルマを達成するとかは無理。
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
.
/ ̄ `ヽ
| ‐' ー i
l(=) (=) .l ノルマ通りに仕事が進むような器用な人なら
x:l(_人__) /i`ー‐‐- 、_
__/ ハ `=' / } 〉`ヽ. 技術屋よりも金になる仕事をしたほうがいい。
/彡'`ヽ、ゝ-イ ,.リ: ` ヽ
/ ´ ' ,リ `ー:、,r ´ ̄Y⌒ .{ } 俺も大体そんな感じだな。
,! : 〃 キ ヽ. ∧
.≠,i.__ メ.ノ... __ 〉 .. _ 、ヘ. /´`ヽ
〃 / `,ナ´iト. キ ` ‐-, - '´`:. ハ
ハ,=ミ .〃 ソ.\ メ、 リ{ ハ { !
(´ `ヽ. / T ´ : ミ=´ ゝ.≠ ハ !
ト、 ヽ. ゝ_,.、-==--- / --'i {
ヘ ` _レ¨>┐ { `´ ヽ==-: 彡 ___彡' ノノ
` ミ _,. ')ハ.` _ 彡 ´!
`ー-=ニ.ノ / `,.ー‐=f´ ≠  ̄ ̄ リ
/' ,' Y : ,'
,' : ' 〃 / ,ノ : . !
l }/ /ハ ! / . / '
! { ,''´ ∧ :}' .' /
. ∨. ハ{ /!. /
ヘ.ハ |. / 〃, '
}ヘ |乂 〃/
{ ` ‐ ´| ゙: リ,リ
ヽ ,リ / /ゝ{
}、 ,' ' :i
-
/ ̄`ヽ、
/_ノ ヽ、_ ヽ
|(●)(●) | で、「仕事を始める」方はどうだろうな?
| (__人__) |
| `⌒´ | やる夫は何を基準にして仕事を始めてる?
_,, -‐'' | ∧`丶ー-、
/ {ヽ、__ノ 〉 \
,, -イィ_ ノ ! ∧ ∧ i \ ソ`ヽ、
/ 〉` \ヽ)ー、 ( ) -‐‐― >⌒ ン 丶
/ /! ノノ )  ̄ヽソ´ ̄ ハ 〈 i
∧ / /,'´/ 彡 >`ヽ \ } l }
/,ヘ i / ∠三彡´ 〉-- 、ヽ ヘ 《ゝ ノ\
i,' 入__,=、∠イく ー==三个ミミ >ヘ //ノく ヽ
/ / λ } ∧ 十 /ノ / 厂`´ , ∧
i ハ、 / 人_へ、__,ノ个<、__彡八 _ , )ミ i
{ ⌒ =ミ⌒_ン | ', /〃 ∧、 ,ラ > i
! > < `〈 ! l イ ' |ン , 、_, }
! \ ヽ \ i / / / 〈
\ 、_ ∧ 八 _ ノ ノ 彡´´ ノ ノ
\ `゛丶 ヘ、 /,-、γ'Z´`ヽ、-‐‐''´ ̄ /
`ー-、_ ヽ、`く⌒ヽ>)<ヽ、_ ゝ ____,, -‐''
`ヽ__ _,- 'ハ` ,-‐''´ ∧
/ `ゝ、__ノ 人 ̄フ i
i / Y i
-
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \
/( ●) (●)\ ) そんなの始業時刻に決まってる・・・
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
___ ━┓
/ ― \ ┏┛
| (●) ヽ\ ・
l (⌒ (●) | あれ?
〉  ̄ヽ__) │
. /´ ___/
| ヽ
| |
-
/ ̄ ̄\
/ヽ_ |
n ((●) | そう、キリがいい時が終え時なら開始もそうであるはずだし
/ス_,.、 _ (ノ、_) |
゙Y.(ニ=ィ' ヽ イ ヘ、 始業時刻が開始時なら終業時刻が終了時なはずだ。
', "´! └┐ イ { `ー- 、
ヽヾ\. ,. --、_,/{゙ヽ ,ノゝ、/´ ̄`'''ヽ、 だが、開始時刻は「労使ですり合わせている」
\ ``丶、 ,. -‐-< ` ̄` y' ヽ、 )、
\.. _ ) `〈 __,,.ム } ミ、__ ,/ ヽ 少なくとも使う側はその場にいることを重要視するからだ。
\.` >' ,.フ''"⌒フヽ、 }、 ∧ `ヽ、 ハ
`ー‐‐-=ニ=-'"\、 \_∠=ミー-‐彡八 ,'ヽ ' ',
ヽ./´‐'"个‐‐- '",λ`ァ-}、'゙ヽ ∧ 一方、終業の方はすり合わせる必要があまりない。
V,.. -ヘ、_,.._,.ノ' }/ ,' ´! リ/
/八 -‐- ノ // { ,' ,/ その場にいなくてもいい一方、別にいてもいいからな。
ノ、 ,.彡=' { /ヽ ノ
∧`ー--‐ '´ /⌒} / ,/
i. ヽ / ; v i´ ゙Y そして企業によっては「その場にいなくてもなんとかなるなら
ハ 人 ,ハ ', 'ハ.マ|
/ ', `ヽ 、 、 | ヽ! 開始時刻も割とどうでもよくなる。
i /` ! ヽヽ、∨ ',
| ,' ∨ 〉、 : ヽ} i
! ,' ', i \', , i
-
___ ,. -‐ヽ、
/ノ 、_ヽイ ',
/´ ゙̄i |(=) (=)/',リ i これは俺たちだけの問題じゃない。
/ 7ー-' | (.人.) { { ,!
./´ { ト、 ,, ヘヘ、 |i 例えば、鉄道を中心に「日本人は時間に正確だ」という人がいるが
.,{、. ノ'イ⌒゙<´ ̄`゙<、,/ ∨、 ノリ
l、‐-'ァー-、.人 Y リ Y 終電の時刻は接続調整でちょくちょく遅らせる。
`` 、._,,.ィ.ヽ. { o ,''-、. !
ヽ ヘ...-'´゙ー-''ァ‐. / 単に時間に正確ならば乗り継ぎ失敗なんて気にせず出せばいいんだがな。
∨`ヽノ,...-'´-ヲ リ
ノ〉¬、-‐ァ‐'" '/ 普段の電車は時刻に正確なほうが運航する方も利用する方も楽で
i ¬' ,..ノ/′
ノ ̄ ̄ ̄ ̄⌒} 終電に限れば時刻に正確なほうが運航する方には楽なはずだが
!゙ヽ、 ,.-‐''"', 利用する方にすれば「時間に正確であることは必要でない」
/ : !、 / !
i ,ハ `! 、 / .i 必要でないことは無視して必要なことを調整する。
{ ∨ : ', ', i |
! i ヽ ∧ :. | 契約とはいえ手間をかけて連絡を合わせてるだろう鉄道関係者には頭が下がるな。
-
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 状況によってすり合わせるところが違うのか。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / でも結局のところ、すり合わせるのね
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
___
/ ノ ーヽ
|(● ●)| もちろん、すり合わせる必要が無いケースも存在する。
| (_人_) |
l `⌒´ ,′ 議論の参加者が同じものを見ていて、理解したいと思っているそんなケースが。
.。イ \_.ノl、
...-'´-、 .... V ム=≧‐- .. 参加者が「それ」が好きであるとなおいい。
r 、./ ´ `〈 ` ヽ
.} !| / }i'´ `ヽ: }、 最近で言えば―
j二⊃\´ `Y }、 r'‐- ' ヽ
:{‐‐_ァ'f ,√> ..・... -‐'ヽ‐-、_・.小 ;ヽヽ
゙ト= 'ィト. ≠ ‐--‐ '⌒, -'、/ iノ ゝ.≠ ハ
:{ ! }/ \{ヽ _..::ゝ-‐={____ ノ! / . ' ノ
.人 、 ノ′ ハ ゝ---{_ リ { / ´/
 ̄ | .... }¨¨√!_/ . イ
-
_,,..-‐‐-..,,
/ ヽ ヽ __,,..∠
-..,,_ / (-) ‐‐ .l ,,..-''"~´ シン・ゴジラを見た連中の議論とかだ
`ヽ、 / '''' (-) / _/ /
' , ___. / (⌒ '''' /. _,,..-‐''"/ /
ヽ `ヽ、. ',  ̄ヽ__) / ./.. / /
ヽ ',-‐''´~/. ゝ..__,,../ |,,__/. / /
\_ .l、_,,..-‐" ̄゛''‐..,, | | /__..,,.-┴┴ 、 / ,,-''" ,,-''´
 ̄ヽ二二レ´ `.y'~´ ヽ/ ,,-‐''"/_,,..-‐''"´
ゝ,,__/ ヽ/ ',/ ,,イ / /
ヽ、{ _/´ } -イ´ .| l _,,..-''"
"'''-..,,__ .l _,'- / / | /´
~l.', ∧ / ./ .|/
ヽ\ _,.-'"/ ヽ、 ,〈 / l ./
.'y' `''‐‐'" { .`''‐..,,____.,,-´ .} | /
.l _,,..-‐‐,-‐..,,_ ) _,,イ .| /
.| / / ヽ ./ / | ./
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
) (
)それ議論じゃなくてただのオタクの会話だ (
) (
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
-
./ ̄ ̄\
_ノ ヽ,_ . \
(●)(● ) | そうだよ。
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | 良いものを見た後とかいいものを作りたいとか
{ . i
__ ヽ ノ オタクが好きな分野での議論―
/ `- 、 __ ,, 、 ,,`>ー,-- ':;\:;;;;;;::; / ̄` = - 、::::::::
/^/ '~ "' ' i ''"~::::::::::: ::::ヽ、_ ;;;::::::::: ヽ,::: そういった場ではコミュニケーションコストが低く
/ :::: ::::;;:: ;;:=''''' ::::::::: :::::::::: ::::::::::::: :::: i::
.i ::::::::::::::::::::: ::::::::: :::: ::::::::::::::i :::::::::::::::::::::::::::::: :: :::::::::: i: 効率よく話が進む。
/ `i-、, ,,/ / '" :::::::::::i ::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,,!--''''~`ヽ、
/:::::::::::i \\ :::''" ::::::::::::::::::::::ハ、::::::::::::::::::::::::::::Y":::::::::ハ :::::::::. 決を採る際にも、それが好きな連中が集まって
( ::::::::::ノ:::_ _i__ i__ __ __ _,, ,, 、、 - == - 、:::::::::::::::::::ノ:::::::::::ヽ.ヽ::::::::
ヽ / " / ::::::::::::::::::__,,,,、- - -="""""`ヽ、::::::::::::::: より良い方向へ意識が向いていれば
) ノ:::::::::::: :::::: :::::::::::::::::::::: __ノ~::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::: ヽ::::::::::::
i:: :::::::::::::::: ::::: :::: :::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::: イ::: 全員でよりよい結論を出せるだろう。
-
,. -‐- 、
/ ヽ
{ ,、 ', 逆に「それは何であるか」が無いせいでグダグダになったりする。
ヽ ノ `フノ-‐ュ',
〈゙y'´ ´ '´,≠-, 例えば、材料とロジックを共有できたとしても
i ,r ´i ` ー‐‐‐- 、 _
/ ノ _ノ ; _,-‐x'ニ=、 `丶 決を採る人間が賛成するとは限らない。
,. -‐ァ′ /´ー=、_r‐‐='´ ゝ、 ヽ ハ
/ / / .,' '. ヽ : ゙i-、
,iゝ'´ , ' / ; `ヽ. ム、.ム ヽ
〃 / / / } ,ハ爪⌒:´ ',
! , '´{ / o ノヽ_ o ノ ハ ヽ ノヽ ', 「日本人は論理的ではない」って聞いたことないか?
Y´ ,/ ゙ゝ--‐= ´ ゙i! `¬==.´ ,ノ \ v ⌒ヽ!
ゝ-、___ノ. ,ノ {,. -‐¬! ̄` ¬ヤ ∨ `ー/ / } 俺はそんなわけないと思う。
ゝ. i i ; ____.ム i ,' , ' リ
゙} ├ '´ ̄ ; :´ i.ノ ! {,. ' / 日本人は日本人なりに論理的だし
i ハ,... ...ノ,.ヽ.__.. '´i ! , ' /
{ { ¨ リ、 |_ / / 日本人には数学好き―つまり自称論理的な連中も多い。
ゝ. ヘ /:,.-‐‐' `¨ /
人.\ヽ ι/,.- ィ だが、材料と結論が論理的でないことがあるんだ。
/ `ヽ> 、.... -‐ ι',/> ,.、-- '
-
____
/ \
/ _ノ ヽへ\
/ ( ―) (―) ヽ それはひょっとして民主主義を否定しているんじゃないかな
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ<
/ i^Y゙ r─ ゝ、
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
.
/ ̄ ̄`ヽ
/ ヽ
{ ー- \ 民主政治を否定するわけではないが、
) (●) ', \
(●) -、 } .` - 、 __ 単に多数決すれば実現できるというのは楽観的過ぎるだろう。
\(_,ト-' リ ', `ヽ._
>--、/´).ハ リ_,.>-''、⌒``ヽ、 理想で言えば全国民が政治に興味を持ち、
/´ ヽ' ./´ },. -'/´ ` ハ
/! ヽ }`,¨´ i ::. } 国の在り方を自分なりに理解するべきだ。
/ ,/ } ; ,ノ / ヾ.{ ; ハ
{ ,ゝ. -' ヘ./ 〉‐- 、__.._ _,. -‐ イ, } 言うのは簡単だがこれはとても難しいんじゃないかな。
{ 、 }ヘ、 \ /´ .; ヒ'" !
,/ゝ-、 _{ ', ヽ.__{ :: :' } ,!
/ ゝ、ヘ ', (´ ``ヽ : ! ! せめて理解できない問題はプラトン式≒西洋式に
{ ,... _: ``〉', 、 ヽ、 ', / /
}'" `ー‐- 、..⊿ムヽ ヽ、 ` ,} ゝ ,/ / 材料とロジックを共有して判断するようにしたいところだが、
{ _,. -‐'´ ヘ. `、.___ ノ メ、, ;/
}' ´ ̄ ,..._ゝ、、ヽ、`¨¨´ ./゙Y′i' 西洋は西洋で「受け入れがたい材料」の扱いに失敗して
',ヽ _,. '´/ ゝ、.___ ,/二)´ |
ゝ-<二_メ'´ `¨`ー' .リ 難民問題とかトランプでえらいことになってるし・・・
} ,.、 ', ,/)ヽ
/,ハ、`'′ ; ,./ ,/ヽ∧ 材料として無条件で理想を採用するのはマジでやばいな。
-
_..、
と' ヽ /`⊇
.ゝ<i i ゝ.-‐'
/ 〃 i _ | : ヽ
,' ,| / _, 、ヽ ハ.. ハ
! ,. x' ! ! (=) (=)! i ゝ. リ あと、政治が関係ない領域で民主主義のつもりで
Yー《` ヽ | (_人_)! ,r '¬ト.ィ
|ヽ、i ',. ト. ,i { 〃ノi 多数決を採用するのはマジお勧めできない。
i ヾ、./ `ヽ `ー‐' { /´},._ノ リ
ゝ. .人、} ゙ヽ.∨/´ i´ / ノ 多数決の結果が全員に影響するような問題、
゙| `i Y リ'´゙Y
! ハ 。 i! 。! ! 例えばランチをどこにするかとかなら機能するが
∨´ーゝ-‐‐ '`-‐-.ハ. /
', 、.X`、 i `个ィ/ 決を採った結果が少数に影響する問題では
Y ミ ` Y⌒∨ i'
| ヘY ー-<>ー1 | 多数側はそれを真面目に考えないとか色々問題がある。
{ ミ、._ :' __ノ リ
λ 人 `6´ i'./
/`ヾ、ミ._ー‐--'ノ! 真面目に議論して決を採る気ならプラトン式をお勧めしたい。
ノ,.ゝi ヽ `¨´/:ハ ただし結構しんどいから議論相手の同意があったほうがいいな。
-
.ィ´`ヽ
γ /} }ハ
__ / ' / ' 八
,.-fヽ、 / ノ `ーヽ r ´‘./ ,ハ
rヘ }. 〉〉} | (=) (=) l l ‘. | 今回はちょっと脱線しちまったかな。
/ 》`r tァ' | (_人_) |: 〉-、 ∨: |
./ /Ⅳ ‘. `⌒ リ ' 八 }\ :{ 日本人にとって議論とは何であってどうするべきかは
〃 :{ マ:‐--/ ト、_. N
' /ハ , ‐- 。.x< ̄≧=‐‐'三:_〈 、 Y また語る機会もあるだろう。
| ノ{ `ヽ ヽ. 。 \ |
:}_,. ィ´ ` ‐ < .ゝ、 _ノ_`.ニ. ` r " |
.ゝ .._ r‐ " Y´}:リミ ァ‐°彡 ´ :. `ヽ `Z.. | というか、なんか皆なんとなくで議論してる気がするんだけど
` <. __彡ヘ'/ |r: 大__. -‐‐-f  ̄ ヽ( . -∨
丶 `',{ f´ ::、 }'⌒V 誰か定義してないのかな?
\ { r'r ¨¨¨ Y´ ̄`Y '
`f^ ゝ-‐ ,ニ{_ リ ! 議論とは何であるかが共有できてないと
{ `´ -‐`/ ./
/ミ:。、 ,.イ /ヘ 正しく議論できないと思うんだが・・・?
/ マ>。.__≠≦'´ `\
-
./ ̄ ̄\ 話を戻すが、
_ノ ヽ,_ \
(●)(● ) | 技術屋にとって重要なのは、「俺たちは必要に応じて世界を認識している」こと。
(__人__) |
ヽ`⌒ ´ . | なので、俺が言葉で何かを表現しても、受け手が同じように受け取る保証が無い。
{ . i
/ ヽ ノ 「木彫りのクマー」が定義的なものか個人のイメージ上のものかそれとも
, ,/. ヾ ー,-- ':;\ ー、
/ / _,,」、'....ィ' '| \、__ 個物として存在するものなのか、うまく表現できないんだ。
. /./ ,. ‐'''"´ !:::. / _」__iヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ノi ノ (、_ ``ヾ! 日本語の問題というよりも、普段区別する必要が無いからだが。
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._ だが、これによりプログラミング上で「オブジェクト=個物」と
| ヽl(B ./ ヽ、_
| !,、 ! / ∠,,, 「クラス=それは何であるか」をうまく区別することができない。
,イ ヾ' ィ 、 / ,,ィ'´
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 具体的には?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
-
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(―)(― ) | オブジェクトとは何か?でググるといくらでも出てくる。オブジェクトの広場から引用しようか。
(__人__) |
(`⌒ ´ | [具体的に存在するものや概念、人などが考えられます。
.l^l^ln |
.ヽ L ノ 机とか椅子、テレビにビデオ、パソコン、申し込み用紙、
ゝ ノ ノ
/ / ヽ 領収証といった、ものを例に取ることができます。] これが一般的なオブジェクトの説明だ。
/ / |
-
/ ̄ ̄ \
__ノ `⌒ \
(●).(● ) | さてここで問題だ。やる夫にとってこの「机」ってどの机だ?
(__人___) |
, =二ニニヽ、 |
/ 二 ヽ、`,┘ ト、
/ -、 }、j┘ イ ⌒ヽ
/ /{_/_ ,/ }
/ ノ∧ ィ }
| | / i | |
.. ____
/ ― -\
. . / (●) (●) 特定できないってさっきやったばかりじゃないかお。
/ (__人__) \
| ` ⌒´ |
. \ /
. ノ \
/´ ヽ
-
. __
./::::::. \
/::::::ヽ;;: \
. (:::::(::::冫 | そう、オブジェクトが個物であるならどれか特定できなければならない。
. (:人;;;) . |
r‐-;::::::. . | 特定できないから、話すほうの意図にかかわらず机一般の話になってしまう。
(三)):::::.. . |
>::::ノ:::::::::. / 英語なら区別ができるが日本語では区別ができないとはよく言われるな。
/::: / ヽ;::::::::: /
/::::/ ⌒ヾ:::::::::::.〈 a desk なら特定の机=オブジェクト、
(;;;;__ゝ:;;:::::\/:::::) desk なら一般的な机のイメージ=クラス、というわけだ。
. |\::::::::::::;;:1
. |:::::\;;/:::| 英語には英語の欠点があるから別に英語が優れてるってわけじゃないぞ。
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■