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やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです【9輌目】

203：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/02/10(金) 01:04:43 ID:0JkB4EkQ
そういや、ずいぶん昔に「京都御所」の隣のホールで天智様のライブがあったなぁ
204： ◆zbB4e8kEV6：2017/04/29(土) 21:00:48 ID:Vyd8t4T6
そろそろ続きをやりたいと思いながらも作れば作るほど泥沼に入っていく感覚。
必死こいてあがいている最中です。
本当はGW中になんとかしたかったけど無理無理無理のカタツムリ



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　　　　 　 　 | 人　　　､　　 　 　 .ィ}／　 }　 八ノ
.　　 　 　　 八ﾄ､ ≧=‐-　-‐=≦／´ 　 ノj／
　　　　　　　　｀　＼ハトミ-'　Y´　ー＜
　　,.=ミ　　　 　 　 　 ｌ　} {　 ノ{ ＿_ ／ ｀　.
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　　∨/∧　　　　　　 /≧x/:::::}　x=ミ　/　　 ‘，

205：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/04/30(日) 00:28:40 ID:czTkGDFk
リア優先でのんびり頑張ってください
待ってますー

206：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/04/30(日) 08:12:51 ID:B88MBzJE
１様から次回作の予告が入ると、それだけでご飯がおいしくなるんだよなぁ
休日出勤だけど頑張ってこようとも
ゆっくり楽しみにしております〜

207： ◆zbB4e8kEV6：2017/05/25(木) 03:04:23 ID:LpDrRohA
5月中に投下できればいいなぁと……
えげつない長さになりそうな予感がひしひしと。

208：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/05/25(木) 08:30:05 ID:6ysiX2SY
大丈夫ッス、1様について行けるほどの知識量は全くございませんが
コマンド「待機」でおりますよ

209：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/05/25(木) 09:12:06 ID:iKlrZiHw
あいよー

210：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/05/25(木) 19:37:00 ID:nG/IZ0xE
えげつない長さか
1500レスを超えた奴を別作品で見たことがあるけど
それ位のボリュームを期待

211：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/05/26(金) 23:03:56 ID:jiiv6ZRs
>1500レスを超えた奴を別作品で見たことがあるけど
1様が本気出しちゃったらどうしよう

212： ◆zbB4e8kEV6：2017/05/31(水) 23:21:02 ID:61EMk/aM
間に合えば6/1の深夜開始。
間に合わなければ多分6/3。

なんだかんだ600レスくらいで収まったけど冷静に考えればこれでも十分多いなオイ。

213：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 12:44:10 ID:xi0ar4IA
ｷ･ｷ･ｷ･ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━!!!!
朔日でも三日でもウエルカムです

214：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 20:55:57 ID:2n9NkP1.
600もすごいが、1500とか化け物か
文字通り桁違いじゃねえか
上には上があるもんだなあ

215： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 21:07:23 ID:hrUobFRk
手直ししてたら560レスに収まった。
ということで23：00頃から開始します。

216：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 21:11:28 ID:xi0ar4IA
把握、待機モード開始

217： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:01:10 ID:hrUobFRk
それではそろそろ開始します。
間違いの箇所が少ないといいなぁ（諦念）

218： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:01:35 ID:hrUobFRk


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　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
　　　　　　　┃|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |┃
　　　　　　　┃|＿ 　 　 EP：50-2　最澄が好きでも天台宗は嫌い、そういうもんです.　　 　 　 ＿|┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京都駅
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〜解説篇前編〜

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　　　　　　V/　　　　ﾊ　八, } 　 　 　 Vハ
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.　　　　　/　,　八 ハ{ノ ＼{　Νハ　　lﾄ ゝ
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.　　　　　人 {,弋_,ﾉ　　　　 弋_,ﾉ , 　 八,　}|
.　　　 　, 　 }ﾄゝ　　　　　　　 　 厶イ! 　 ,八
　 　 　 }|　 八　 　 　 ___　　　　 　 八　ィ
　　　　八トミ　≧=‐ ゝ-　｀-‐=≦　}／ ﾉ
　　　　　　　　　 ／ ,.xｭﾚ{:}vﾌｘ　、 ＼
　 　 　 　 　 　 厶イ |//〈:〉///|⌒ヽ.人
　　　　　 　 　 　 　 人//////_|_　　 ｀´
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　　　　　　　　　　　　 　 　 ゞ'′


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219：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 23:01:47 ID:xi0ar4IA
待ってました！！！

220： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:01:52 ID:hrUobFRk


　　　　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　／ 〉 _ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　 ／ ／' （ ―）（― ）　|
　　　 ./　/／〉　（__人__） 　│
　　　 .ｌ　 ´ イ| 　 ｀⌒ ´　 　|
　　　 .ｌ　 　 ｉY 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　「さて、ようやく当スレ投下分ができたわけだが、
　　　./　　 ﾊ !　　　　　　　/
　　 ./　　/　 ' ヽ　 　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　しょっぱなに少しお知らせだ」
　 　ｌ　　　／　　.〉-r:::┬〈、
　__「 ー‐1 　.／Λ 〉.:〈 7//＼
　ｉ//7777|／////V::::::V/////＼
　|//////|//////∧::://///////}
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　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／　　　　　　　　「お知らせと言っても、大したことではないですけど
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !　　　　　　　　　　　　　 ……スレの形式を実験的に少し変えてみました」
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



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221： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:02:15 ID:hrUobFRk



　　「これまでは本編（茶番）→解説といった流れでスレが進んでいったわけだけど」


　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　「今回ちょっと解説前半→本編（茶番）→解説後編という感じでやってみるお」

.

222： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:02:35 ID:hrUobFRk


/　　 ＞/=:／‐=ニ=:/: : ∧:/|:ヽ
「￣: : /:.／ : : : : ／/: :/ ⌒1:l: :.i
: : : ::/／: .:/: : ／ ./: /　　　|:ｌ＜ﾄ
i: : : :ｌ// :/:.:／‐-/／、　　 ﾉ:ﾊ: 「:i
ｌ: :i´,ｸ/:/:／ｆ'7うﾊ　　　　,〃 |:i :| :l　　　　　「それはどういう理由でそうしたのかしら」
!: :|〈/:/　　　弋ソ　　　　_, へﾄ:|: !ﾘ
ﾊ:.V:/┐ 　　 　　 　 　 ｨら7/i:ﾊ:|
: l: : :∨　　　 　　 　　　ゞｿ/ ﾚ'
: :!: : : i　丶 　　 ｒ　, 　' ／
:.∧: : :ﾄ、　＼　　 ,　イ
ﾉ　ﾍ : |　＼/ `７|: : :{
ミヽ l: :|７/⌒イﾐ !: : |
/　 }|: :l／ﾐｒ‐く j l: : ト
　　 l: :|　くイ＾ト　ﾍ: | |
　　 l: !　　《　 ヽヾﾍ:ｌ L　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「一言で言えば『解説長すぎぃ！！』だな」
∨　ﾚ_　-￢　` ヾ、 「ﾆ＼
｜ く 　, イ　＼　 ヾ　トー∧
｜　 Y ヽ、＼ﾉ　 　]}oL_ 」_ｊ
∧:i:.. ゝー'¨´　　.:.:.::ll:.　 　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
ヽ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉｌ:.:.:.:ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ⌒ 　⌒　　　＼
　〉:.:.:.:＞-　-　＝イ廴,ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （⌒）（⌒ ）　　　|
｜:.:￣　　￣　　　 ]}ﾆﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　 　 |
｜:: 　　　　　　　　キ/ |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '､`-ｰ-′ 　 　 | 　 　 　 . -,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　``　　 　 　 |　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　　 ｨ { r 、　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ　/　　 / : :∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i : r : : 〈 : i::::::::ﾚ : : : : : : : : : :〉､_　　 〈ﾘV. :Λ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i


.

223： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:02:59 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そんなわけでインターバル的な意味で

　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_　　　　　　　　　本編を真ん中に挟んでみることにしたんだお」
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　　　「ダレるからねしょうがないね」
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',　　　　　　「今後この形式で進めていくかは皆様の反応次第かもしれませんので、
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |　　　　　　　　　よろしければご意見ご感想、よろしくお願いいたします」
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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224： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:03:17 ID:hrUobFRk



　　 　 　 r≠＝=ミ　　 　 　 .　-―…―‐-　 .　 　 　 ｘ≦///}
　　 　 　 |///////≧x　 ´　　 　 　 　 　 　 　_x≦////////|
　　　　　 ∨/////／　　　　　　　　　⌒ヽ　　＼//////////
　　　　　　∨////　 　 　 　 !　　　　 　 　 ＼ 　 ヾ'////,'//
　　 　 　 　 ヾ'//　　　　　　 | 　 |{　　 　 i 　 ‘，　 ∨////
　　　 　 　 　 У　 　 /　　 ,ハ　八　　　 |　　 ‘，　 ∨// ‘，
　　　　　　 ／　　　　'　　 /　 ∨　i　　　 ﾄ､　　 '　 　 ｀´ 　 ‘，　　　　　　　「ヨロシクオネガイシマス」
　　　　　　　　 　 　 |i 　 / 　 / ＼{ ､ ＿_|　＼　i
　 　 　 ノイ　　　　斗‐ /￢　　　　＼ヽ}ノ ｀　 Ⅵ 　 　 　 　 　 ‘，
　　　　 　 |{　　 i　　| j厶=ミ　　　　 　斗=ミx 　 ﾄ､　　 　 、　　　 ＼
.　　 　 　 八　　| 　 } 《 f::心 　 　 　 　 ｆﾟ:::心》　 　ヽ　 　 |{　　　　　ヽ
.　　　　　 　 ＼ハ　ﾊ　弋:ソ　 　 　 　 弋:::ソ　 　 / }　　 八　　 　 　 ‘，
　　　　　　　　　　Ⅵ　　,,,,,　　　　　　　,,,,,,　　 　 /:),　 ／　　　 i　　 　 i
　　　　　　　　　　 i　　 .　　　｀　　　　　　　 　 ,＿厶イ　　　　　|{　ハ　|
　　　　　　　　　　 |{　 人　　　マフ　　　 　 ／ i　 　 i|　　　　　八/　}ノ
　 　 　 　 　 　 　 八　} 　＞　　　　　　　イ ／ ヽ　　iﾄ､　 i　､/　 ＼
　　　　　　　 　 　 　 )ハ　i　ハ ≧=＜　 ／　　 　 ＼{　＼{⌒＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 }ノ/　 ヽ　／ | ｢ 　 　 　 　 　 ｀７　ー=ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　, - '7　　i| |　　 　 　 　 　 /　　/　　‘，
　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 /　　 ﾘ |　　 　 　 　 ／　　/　　　 ‘，



　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）
　　　　　|　　　　 （__人__）
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　「というわけで解説の前半開始だ」
.　　 　 　|　　　　　　 　 }::＼
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }:::::::＼
　　　／:::::::::ヽ､＿＿__ノ::::::::::::::）
　 ／::::::::::::::::.ﾍ.:.ﾔ､:::>７|:::＿::/
　|:::::::::::::::::::::::::::ゞ／￣￣（＿)
　 ＼:::::::::::＼　／|　ＪＪＪ　（
　　　＼:::::::／:::::ヾ ､／⊂＿）


.

225： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:03:37 ID:hrUobFRk




　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　　　　　　　　　「さて、今回は50番解説第二回目だ」
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|



　　　　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　│　　..夏は納涼の四條橋　冬は雪見の銀閣寺.　　　 　 　 　 │
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　│ 　 　 　 . 櫻は春の嵯峨御室　紅葉は秋の高雄山. 　 　 　 │
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　　　└────────────────────────┘



　　　　 　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〃￣ヽ
　　　　 　　　　 　 　 　／⌒::ﾘ⌒ヽ
. 　　　　 　 　 　 　 　/::::/:::ﾊWﾑ::::∨)
　　　　　 　　　　　 　|:::/::ナ　　^ヽ:(ぅ)))
　　　　　 　　　　　 　|:::|:::| ∧　┃|/ /
　　　　　 　　　　　 　|:::|:::ゝ" ワ"ﾉ /　　　　　　　「おさらいで、歌詞をもう一度出しておきますね〜」
　　　　　 　　　 　 　 |:::∨>ﾌハく ノ|
　　 　 　 　 　 　 　 /::::/（（（ { } ））:|
　　　　 　 　 　 　 く::::::ヽ(ミ } } (（:::ﾉ
　　　　　　　　　　　ヽ::（ 　 ￣￣ヾ
　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 〉
　 　 　 　 　 　 　 ｒく＿＿＿＿＿/
　 　 　 　 　 　 　 |__ﾉ　　　 　L＿).



.

226： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:03:56 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼　　　　　　　　　　　　「前回やったのは四条橋の夏の川床と、
　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |
　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　銀閣こと東山慈照寺だったな」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　 ／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{


　　　　　　　　　　//⌒ゝ＜ l　　　　　　　　}＜=＞ヽ∧　　　　　　　　「jud、いろいろよくわからないということが
　　　　　　　 　 ノ/　　/　　｜　　　　　　　,　　　　　 ＼､　
　 ‐====≦_.｡s≦　　/　 　 i|　　　　　　　/　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　よくわかったであります」
　 }　　　　 { 　 　 　 /　　　 i|　　 　 　 　 ,　　　　　 }　　　 ＞｡.
　 }　　　　 |　　　　 ,　　　　｜　 　 　 　 ,　　　　 　 |　　　　 　 }
　 }　　　　 |　　　　,　 l　　　i|　 　 　 　 /　　 ｌ　 　 i|　　　　　　,
　　，　　　i|　　 　 {　 |　 　 i|　　　　　/|　 　 |　 　 i|　　　　 　 }‘，
.　　　　　　|　　 　 |　 |　　 八　　　　/　　 　 |　 　 i|　　　　　 ,　 }
　　 ,　　　｜　　　ｉ|　 |------ ､　　 {　l----廴 ＿,　 　 　 　 ,　 }
　 　 ，　 　,　 　　 |´ i|　　　　|　ヽ　 |　|　　 /　 　 } ｀　　　　 ,}
　 　 ﾊ　　　,　　　　㌢笊芋示　　 ＼! ｉ| ,ｨf芋笊ﾐx　　 　 　 /,}　 }
　 　 {∧　 　,　　 　 ゝ ぃ//(　　　　　　{/ ぃ//(　/ 　 　 　 ,′,　 }
　　　{,'∧ 　 　 　 　 ,　乂)少　 　 　 　 　 乂)少 ,　　　 　 / }/}　 }
　　　{/li∧　　 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　,′ 　 　 /,} }/}　 !
　　　v { /ﾊ　 ‘，　 　i{　　 　 　 　 ,　　　　　　 ,　 　 　 ‰!} ∨ﾊ_}
　　 　 ﾏ,/　，　‘，　 父　　 　　　,　､　　　　　/　　　／ ∧}　∨,/
　　　　 7　 　 ,　八　　 ,　 　 　 　 　 　 　 　 /　　／l/∧__}　　V{
　　　　 ,　　　〈, }　 ＼　', 　 }＞　 　 　 ＜{ , 　 ／　 !///∧　　 l
　　　 　 　 　 //}　　　ヽ , 　|二=≧≦=二|/ ／|　　 |∨//∧
　　　　l　 　 ///!　　 !ｉ　＼/　 /r ,∨　　 ／､ ｜ 　 |i ∨//∧　　,
　　　　 　 　 ＼_|　　 |　｡s〈　 /_{{}}=∨　　　 ｱ_|　　 |　 ∨_／
　　　 ,　　　 ____,|　　 |二ニニﾆ,乂}二ニニニニ|　　 |二ﾆ=‐
　　　/γニニニ|　　 |ニニニニニニニニニﾆﾆ|　　 |ニニニﾆﾆヽ　，
　　 ,　 {二二ﾆﾆ|　　 |ニニニニニニニニニﾆﾆ|　　 |二ニニニニ}　 ,
. 　/　 i|二二ﾆﾆ|　　 |　} {　　　　7/　 　 ヽ‐==,|　　 |二ニニニニ| 　 ,


.

227：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 23:04:12 ID:xi0ar4IA
>『解説長すぎぃ！！』
まぁ熱も籠ろうというものｗｗｗ

228： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:04:19 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　「今回は嵯峨とそこにある大覚寺、御室こと仁和寺、
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　　そして高雄山こと神護寺を基本的に紹介していくことにする」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



.　　　　　　 /: : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : :.:/: : : : : ヽ
.　 　 　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : 、:ヽ
　　　　　 /: : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : :∠≦≧､ﾄｨ‐､: : : : :＼:',
　　　　　,: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ／　　 　 　 ｀⌒ヽ: : : : : :ヽ　　　　　　　　「はい」
　　　　 ,': : : : : : :,': : : : : : : : : : :.:／￣￣｀　 　 ＿_　　ｉ: : : : : : ',
　 　 　 i: : : : : : :,: : : : : : : : : : : /　　 　 、　 　 　 　 ｀ |: : : : : : :.',
　 　 　 |: : : : : : i: : : : : : : : : : :/,.ィ５Zｚ､　　　　 -‐ 　 |: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: : : : : : : : : :/〈　いしﾘ　　　　 ｨｚｚｘ　!: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: :ｲ : : : : : : l　　 ｀¨¨´ 　 　 　 辷ﾘｊ }': : : : : : : : |
　　　　 |: : : : : :.ﾚ: :l: : : : : : : |　　　　　　 　 　 ､｀¨¨ﾞｲ : : : : : ,ｲ: :!
　 　 　 ｊ: : : : : : : : :|: :ﾄ.: : : : :|　　 　 　 　 　 　 　 　 j: : : : : /│/
.　　　 /: : : : /: : : ∧ |:.ヽ : : :|　　 　 ､　　　　　　　 /: : : : :/　j/
　　　/: : : : /: : :.:/:ハj: : ヽ: : |　　　　　 　￣´　　 〃:/: :,:ｲ
.　　/: : : : /: : : / : :/: : : : l＼j＼　　 　 　 　 　 ／/:/: :/: |
　 /: : : :.:/: : : /: : /: : : : :_|＿＿_ >､ 　 　 ,　.イ: :/ｲ|: /: : |
. /: : : :.:/ : : :/: : /:_:_:_:_:_}　| 　 |　　|　Ｔ く: : : l: : : : l/ : : :|
/: : : : ／￣￣￣ヽ／　 ﾉ　j　　|　　l　 !　 ﾄ､__|_:_:_:__: : : :


.

229： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:04:47 ID:hrUobFRk



　　　　　　「まずは嵯峨だな。嵯峨野とも呼ばれている京都市内の西に広がる地域だ」


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼　　　　　　　_,,
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ _ノ　　　　.＼ 　 　 　 ｌ;ｌ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　（ ●）　（●） |　　＿,_,|,|_,
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 （__人__）　 |　ト-=y 　丶
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　｀ ⌒´　　|,...ヽ `ｉ,￣‐^ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 }..　　ヾ~　`　 ｉ,
　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　 　/._　　　ヽ、　　 ;ｉ,
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,＿,ﾄ 　___　 ｲ,ｿﾄ,,__　　ヽ、　　 ;ｉ,
　　　　　　　　　　　　　 ,/r-'"j　　／ ／　ｉｉ, 　`ヽ､-x,,゜r　 ;ｉ
　　　 　 　 　 　 　 ,／'/__.L、　　　　／ヾ、"ｉ　　　`ヽ　`;ｉ　　ｉ,
　　　 　 　 　 　 ／　 /_ｉｰﾍ,ヽ､ , ／ｉ"　ヽ、 ｉ　　　　 `、'ｉ　　 ｉヽ、
　　　　　　　　_,） ヽ　"　　　ﾈﾒ、_ｉｉ"~　　　　　　　　＿Yrｉ　　　ｌ, ヽ、
　　　　　 　 ,,,>t 、ヾ、　　　　ゞ;;/　　　　　　　　　／　 ,￢　　　 V⌒ｌ
　　　　　 ,y`;,,__　　 ,ｉ　　　　 /ｉｉ'　　　　　　　　　／　r-／|　　　　ｌ　ｌ
　　　_／^,,,　　ヘ　　ｌ　　　 /ｉｉｌ　　　　　　　　／　 ｌ"v'　ｙ　　　　 }　 ｌ
v=4⌒ヽ、　j　　--,,,ｉf　　　/ｉｉｉ|　　　　　　　,,　　〈-ﾍ_,、 <、　　　 /　 ｉ|

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

山陰線花岡駅付近より、嵯峨駅付近へかけての地は、すなわち京都西郊外の地にして、之を嵯峨野という。

北は小倉山の麓より、南は桂川の流れに至るまで、田圃民屋の間、歴史に、伝説に、詠歌に、散文に、
古来名高き所散在す。

即ち天龍寺、二尊院、往生院、野々宮、清涼寺、更に少しく離れては三室太秦のあたりも古蹟少しとせず。

嵯峨といへば、歴史を連想し、伝説を連想し、さびしさ、ゆかしさを連想するも、
殊に平家の時代より室町時代にかけて、縁の深きところ、平家物語と嵯峨との間には浅からぬ関係あるなり。

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


.

230： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:05:16 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　「平安京が作られる以前には、
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　 この嵯峨野の地域一帯は『山城国葛野郡二条大山田』
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　　　　　　　　　　　　　というふうに呼ばれていた」
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i　　　　　　「葛野というのは、平安京が出来るまえの
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j　　　　　　　　　　　そのあたりの地名でもありましたね〜」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|


.

231： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:05:40 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「この地へ根を下ろしたのは、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 今まで何度か出てきた渡来系の一族秦氏だ。
　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼　　　　　　　　 秦氏はこの地に田を開き、桑を植え布を折った」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　　　　　　　　　「また秦氏出てきたお。
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　　秦氏の『はた』は『機織り』の『はた』だとか、
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 よく言われてたりしたお」
　　＼ ／＿＿＿ ／


.

232： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:06:08 ID:hrUobFRk


　　　　「さて、そんな土地の東側に都が築かれた平安時代の初期の話になるが、一人の皇族がここに山荘を構えた」


　　　　　　　　　　　　　「その皇族は神野親王。後に皇位を継承し嵯峨天皇と呼ばれることになる人物だ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　x - ─ z ､
　　　　　　　,. z＝ｲ 　 　 　 　 ヘ
　　　　　　ｲ　　 　 　 .YMﾍ 　 　 ﾍ
　　　　　 l 　 　 ｨ i i ﾘﾘ￣ ﾔﾘﾘ ﾍ l!
　　 　 　 {　　 .ノイｲ.ｲ｀ 　 ≠ｲｿ. ﾉ
　　　　ｰ≦斗イｚi!´￣｀YY´￣｀iｲ=z
　　 　 Y　 　.i　jｌ ﾍ ＿ ﾉ .､ ＿.ﾉﾔ}
　　 　 ﾍ _ ｚ ゝｲl!　　 r -　ｧ　込ﾝ、
　　　　 Y　　.{!　j!、　 ヽ　/　/ｲﾊﾘ
.　　　　 ゝ z.込ソj ヘ 　 ¨　ｲ込ン._
　　　≦≧z´￣r ､≒r ＞ <z≧Yｲ,:::ﾍ´￣ ＞＜
. 　 　 ::::::::::::::::::ﾍ.∧::::xz._　　　 jイ::::::ﾍ｀ ≠＝イ
　 　 ::::::/:::::::::::::: ',7ﾊz≠y､￣ ¨´::::::::::::〉 0
　　　:::/:::::::::::-:-::ﾔ/////,ﾍ:::::::::::＞ イz､ _ ,. 斗
　 　 ｲ::::::￣:::_ ,: zj/////.ﾊ’＿ ＞"＞＜:::::::::::::
　　　:::＞ " ´　ヽ ,'/////.j!ー ¨ ￣.j.○.ﾚヘ:::::
　 　 　 　 　 　 _.//////7´　　　　＼∧フ! /ヘ
　　　ﾍ　　 ,. ｨ .V/////7　＿　　 　 　 　.j、Y
　　　/ゝ　/ /、ヘ /／ j!　　　 ￣　ｰ　　.i ,.ィzzz　　　　　　　　　　　【 嵯峨天皇 】
　　　:::::::ﾍ　　ヘ　　＞.7o　　　　　　　　 j//////
　　　::::::/:ﾍ　　　＞ー ’z{二二二≒z　 ﾉ/////
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「嵯峨天皇さんは今回割と出ずっぱりになる感じですね〜」



.
233： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:06:29 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「そんな神野親王が構えた山荘は『嵯峨山院』と名付けられた、

　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　これが後の大覚寺の原型となるから、ちょっと覚えといてくれ」
　　　　　　　　　　　 ／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　 ｜　 　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 　 |　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　 　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　 　 　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　 　 　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |



　　 　 　 /　　　　　 |　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 |　　 i　 　 　 　 　 ‘,
　　　　　′ 　 　 　 :|　　 　 　 ハ　　　i　 　 　 |　　 | 　 　 　 　 　 ‘,
　 　 　 　 　 | 　 　 ∧　　 　 /　 ｝　　 ﾄ､-‐… |‐-　| 　 　 : . 　 　 ﾄ､
　　　　 |: : 　| 　　 厶-ｰ　　/ 　 ハ 　 |　＼ 　 |＼　| ｀　　: : .　 　 !⌒＼
　　　　 | : : ∧ ／′　 ﾟ｡　 ′ / 　 ＼{　 　 ＼{ 　 }ハ　　 : : :}l :　 |
: .　　　 |: : ｛／　 |　　　 ＼{　　　　　　＼ァ竓竿ミﾒ､　;　　: : 八: 　|{
: :　　　 |: : :|　　Ⅵ ,斗=ミ　　 　 　 　 　 　 んィ　ハ Y | 　.: :∧　　八
: : .、　八.:.:.| 　 xfんィハ　　　　 　 　 　 　 {　V⌒'ﾘ　} |　. :/　 }／　　　　　　　　　「ハイ」
: : : ＼ 　 ヽ{ 〃 { 　V⌒　　　　 　 　 　 　 乂:....:ン　 , 　 , ｝　　＼
: : : :　 ＼　ﾟ｡{{　 V:........:ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　厶イノ　　　　 ヽ
: : : : .　　 ＼｛ﾞ　　ｰ-‐ '　　　　　　　　　　 　 iﾊハ/ 　 :　　　　　　　 ﾟ｡
: : : : 　　　 ﾄ､　　 ハVﾊ/i　　　　　　 '　　　 　 　 　 　 : .　　　　|
: :l|:　　　　 |,ハ　　　　　　　　　　　　　 　 ,　　　　 　 人: . 　 　 ﾄ､
.:八　 　 　 |ｰ-ﾍ　　　　 　 　 　 ｰ-　　 　 　 　 　 ／ : : : .　　　}　＼　 }
′ ﾟ｡　　　 |＼ 个: .　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　. : :/ ｝ : : : /　 /　 　 }ノ
　 　 ＼　　|　 Ⅵ＼　＞　　　　 　 　 　 　 . イ: : / ノイ : /｝／
　　　　 ＼｛ 　 リ　 ｝ハ　{＼≧=‐-　 ‐＜／＾ V　　　}／
　　　　　　＼　　　/　　} ﾉ 　 ー-=ミ__ ィ 　 　 :ﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 |　|　|　 　 　 　 ー-　 .,,__
　__,.　 -‐…　　　　 ´　　　　　　　 |　|　|


.

234： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:06:45 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　「嵯峨山院は、大陸風の豪壮な離宮で、当時の流行の最先端だったらしい」
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ------
　　　　　　　　　　　　　　　 .｡＜　{　　≧o｡、//＞｡. _
　　　　　　　　　　　　　　／ゝ／　i　　　　 　 }⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ,　 　 |　 　 　 　 i　　　　　　＼
　　　　　　　　　.｡＜　　　　{　　　:|　 　 　 　 |　　　|　　　　ヽ
　　　　　 　 　 {　 l　　　 　 i 　 　 |　 　 　 　 |　l 　:|　　　 　 }
　　　　　 　 　 i　 |　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 |　|　 :.　　　 　 ﾄ　　　　　　　「千二百年前の流行の最先端と言われても」
　　　　　　　　 :　 :　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 }: 八　}　　　　 :.∧
　　　　　　　 　 　 ∨ 　 　 :|￣￣ ヽ　 　 　 7云ミｔ､!　　　 /　　}
　　　 　 　 　 　{{ 　∨　　 ㌣芹斧　 ＼　 /´斧笊ｱ　 　 :/　　/
　　　 　 　 　 　i ﾟ。 :∨　　 { 込シ　　　＼　 込シ }　　　/　　∧
　　　　　　　　　{ .:　　Ⅵ 　 !＼　　　　　　　　　 /:i　　 /////
　　　　　　　　 ∧/ﾟ　　ヽ　 :{＼〉　　　 '　 　 　 〈/　　/{ ∨/　　}
　　　　　　 　 /　 Ⅵ　　} ＼　＼　　 　‐　 　　:／:　 / :i___〉　　∧
　　　　 　 　 /　　 /∧ /　　＼{: ＼ 　 　 　 ／/　イ　 }/∧　 / ∧
.　　　　　　 /　　 〈///}　　 |＿ｉ　 {/＞ー＜/|/ /_:|　 :iﾏ//〉　 / ∧
　　　　　　/　　　　〈//i　　 |/八 /＼////／ヽ|//:| 　:|∧/　 　 / ∧
　　 　 　 /　　 　 　 　 |　　 {二}i:i:i:i:i:iヽ／i:i:i:ｉ:ｉ:{二:}　 ::.　　 　 　 / ∧
.　　　　 /　 　 　 ＞ｧｧ]　　/ 7　＼i:i:ｉ/i:i:i:i:i／　 T i　 }ｧｧｧ＜　　　/ ∧
　　　　/　　　　 /////]　 / /　　　 ￣ T￣　　　 ﾟ |　 !////∧:　　 / ∧
　　　 / 　 　 　 {/////　/／　　　　 　 }　 　 　 　 :|　 }/////∧:　 　/ ∧
　　　　　　　　　}////　＞　　　　　　　Y　　　　　　 ＼ﾏ/////∧:　　 / ∧
　　/　　　　 　 :{///:‰　　　　 　 　 　 |　　　　　　　 　 マ////∧　 　 / ∧
　 /　　　　　　 ,'/// 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　ﾏ////∧:　 　/ ∧
. /　　　　　　 ///if　＞――――――{―――――＜　　}////:∧　 　 / ∧
　 　 　 　 　 /7//{///////////////!}///////////////!////{ ∧　 　 / ∧
　　　　　　 /　{:/∧///////////////!//////////////∧￣　　 ∧　　　/ ∧
　 　 　 　 /　　 　 入/////////////人////////////:/　∨　　　 ∧　　　/ ∧


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235： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:07:05 ID:hrUobFRk



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|　　　　　「ちなみに『嵯峨』という言葉はどういう意味で、何処からきたの？」
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧



　　　　　　　　　　　　　　　_____
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼　　　　　　　　　　　 「すまないがそれはわからないんだ。
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_　　　　　　　　　　　　色々当たってみたが、どれも決め手にかけて、
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |　　　　　　　　　　　　はっきりとした答えは見つからなくてな」
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |


　　　　 　 /^　l　　　　｀　　　　　　＼ﾆﾆ＼　＼
　　_,.｡sア　 　 ,　　　　 |　　　 ヽ　　　⌒ﾏ∧
　〈 　 /　　{　　,　　 　 i|　　 l　　l　 　 　 |∨ ,　‘，
　　,　 }　　i|　　 ,　　　 i|　　 | 　 |　　　　i|　,∧
　　 　 , 　 i|　　 ，　　　|　　 | 　 |　　　　i| /　 , 　 ,
　　 }　 ,　　,　 _八 　 ,斗f七丁￣｀　　　 ,/　 ∧　　　　　　　　　　　　「残念であります」
　　　 　 ,　／　　 ヽ 　｜ 　,ｨ云笊x　 　 }　 / /　 ‘，
　 　 ，　， 　㌢笊ミ＼ |　/　ぃ,刋/　　 ,　 / /
　 　 　, 　, 　 ゝ乂,ｿ　 ヽ　　 ゞ‐= }　　//} ‰　　　　,
　　　　 ､　 , 　八　　　　　　　　　 , 　/ゝ＜∧　,
　　　　　＼　,　 込　　'　 _　　 　/　/　 | ∨,∧_〈　　　,
　　　　　　 )　＼ ＼　　　 　 　 /　/|　 i|　∨//∧　 　 ，
　　　　　　　,　 } ＼_〉　l　 _ ＜,'／ ｉ|　 i|ヽ　ﾏ///,〉
　　　　 　 　 V/　　l 　 |　 ィi }fﾊl　 |　 i|二ﾆ=‐＜　　　　，
　　　 　 　 　 /　　 l 　 |二_L_|{_}}＿|　 i|二二二ﾆ=‐
　 　 　 　 　 ,　　 /,l 　 |二二ニニﾆ|　 i|二二二二二ヽ　　 ＼
. 　 　 　 　 /　　/_｜　i|二二二二=|　 i|二二二二二ﾆ}　　 　 ヽ
　　　　 　 ,　 　 lﾆ=l 　 |⌒{ 　 　 }　|　 i|　 7{二二ニニ|
　　　　　 /　 　 lﾆ=l 　 |　 |　　　/　|　 i|　/　}二ニニﾆ| 　 　 　 　 ＼

.

236： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:07:22 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「嵯峨天皇が嵯峨山荘を作ったんだろうけど

　　　　　　 ,, -‐‐‐‐‐‐‐-- ､　　　　　　　　　……今までのパターンだと嵯峨山荘と縁が深いから
　　　　 ／　　　　　　　　　　＼
　　　／　　　　──　　　─‐　＼　　　　　　　 嵯峨天皇と呼ばれることになったんだお？」
　　/ 　 　 　 　( ● )　　　(●)　　';
　/'　　　　　　　　 ／ 　　　＼　　　';
/ 　 　 　 　 　 　 （　　　人　　） 　　i
| 　 　 　 　　　　　 ｀'''''ﾞ´ 　｀'ﾞ´　　　!
'、　 　 　 　 　 　　　　　 　　　　　／
　＼ 　 　　　　　　　　　　　　　　<
　／￣ﾞﾞ'''‐‐‐-----　　　　　　　　＼



　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　　　　　　　　「そうだな、最初に嵯峨山荘あり、ということになるな。
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　嵯峨天皇と呼ばれるのは退位してからになるしな」
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |


.

237： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:07:48 ID:hrUobFRk


　　　　　　　「嵯峨野全体の特徴としては、先程見た文章にもあるように、

　　　　　　　　　歴史を知るものから見ればやはり寂しさを感じさせる美しい風景が目につく」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
　　　　　　　　　　　　　　. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
　　　　　　　　　　　　　　.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !


　　　　　　　　　　　　　　　　「ただ、それはやっぱりある程度見る人間が歳を重ね、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　知識を持つことが必要になってくるので仮に修学旅行なんかで訪れたとしても、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　子供には退屈に思われるだろうな」




　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　「第一京都の史跡なんて一日二日で回れる数じゃないし、
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　修学旅行期間で千年分の歴史理解できるわけもないお」
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／



.

238： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:08:07 ID:hrUobFRk



IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

「考えてもみぃ、京都というところ、夏は異常に蒸し暑く冬は底冷えがする。新鮮な魚は手に入らん。

　町の中は寺と神社ばかりで辛気臭いったらありゃせん、どうしてこんなところにわざわざ観光に来なければいかんのじゃ」

「たかが尼寺を”失恋の痛手を癒すロマンチックなお寺”に仕立て上げ、

　草深い庵を”穴場”だと称し、判断能力のない婦女子を京へと呼び寄せてきた」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【　死人にシナチク2　修学旅行狂騒曲　】


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
　　　　　 /|!　　　　　　|　/　 |　　|　　　 　　 　|　｀ヽ　　　.! ￣ ヽ
　　　　　/Y　　　　　　 ! .!　　|　　|　　　　　 　 !　　.|　　　 |　 　　!
　　　　/　,|　　　　　　 | ﾊ　 ,|.|　 |ヽ/ /　　　 ,! |　i |　　　 |　　　 !
　　　 /　/|　　　　　　 ||__!＿|_ヽ__!_ | /　　　/　|　| |　　　 | 　　 .!
　　　/　〈,.|　　　　　　 | |,.ヽ=r=ヾ|　!ｲ　　 ./|__/i　!.|　　　 | 　 |　|
　　 ,'　　　＼､__　　　/ィi////cﾐヽ　 |　　/-_|ﾒ_|,A |　　　 .!　 ,!　|　　　　　　「ボロクソ言われてるであります」
　　,'　､　　　 ヽ::ヽ　　 !| 弋辻り　　　|　/ ,.ｲ///ヽ!|　　　 .!　/|　|
　 ,'　　 ｀ヽ､ ヽﾉ::::､ | ヾ |｀￣￣｀　　 | /　 弋りc'| |　　　 ,!　,! | .!
　 ! ｀ヾ､　 _ 「:::::::::::::!! | i|　　　　　　　´ 　,　ゞ＝! !/.!　　/　/　| .!
　 |　　|ヾ､-'´::::::::／ ヽ! |'､　　　　　　　　　　　　//i |　 /　/ 　! .|
　,!　　|:.:.:/ T-イ　　　　 | ヽ　　　　　--　　　　//　!　 /　/　　| .|
../　　/.:/　 /i　 ヽ　　　　|ヽ　　　　　　　　　 ,ｲ/ 　　./　/　　 !/
'　 　 !:.:|'ノ/iii|　　 ヽ　　 　､ ＼　　　　　　／ /　 　 /　/
'　　//iiii/iiiiii,|　　　ヽ　　　 ミミヽ､　　 イ　　/ 　　 /　/
　　/iiii/iiiiiiiii|!　　　　,}､　　 ヾ|三ミi｀ i　|　 /　　 ｲ　/
　/iiiii/iiiiiiｲ /　　　　/ ＼　　ヾ三ﾐ|!　|　! /　　/ !|　|
,/　ヾﾐiイ //　　　　/￣￣ヽ　ヾ三|!　|　V　／　 !ヽ!
' 　　　 / //　　　 / !　!　!　!＼ ヾﾐ!　 | /／　　 !|


　　　　　　　　　　　　　　　_____
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|　　　　　　　　　　　　　 「この文章に出てくる『尼寺』は間違いな祇王寺だし、
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__　　　　　　　　　　　　　　『草深い庵』はまぁ穴場ではないにしろ落柿舎だろうな」
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_　　　　　　　　　「でも実際こう思ってる修学旅行生多いんじゃねえか？」
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |


.

239： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:08:41 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　「落柿舎は確か、松尾芭蕉さんのお弟子さんが住んでたところよね〜」


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／_,ﾉ　ヽ､,__ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| (●.) (● ) 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | （__人___）　U |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　|　　　　　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ 　 、　　　. {　　　　　　　　　　　 「そうだな、元禄の頃、松尾芭蕉の高弟
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　√ヽｰｰ-　´/ i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ヽ　 ＼　､　　 ﾉ∧　　　　　　　　　　　　　向井去来が営んでいた庵が落柿舎だ」
　　　　　　　　　　　　　　　 　 , . ＜　　 ﾊ　厂iヽ　　 }∧ }
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ∨ヽ::ヽ{-ﾆ/〉 V ＞.､
　　　　　　　　　　　　　 r ´　　　　　　　　　　 ｀∨::::::}/　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　V　　　　　　 　 　　〉:::〈　　　　　　｀,
　　　　　　　　 　 　 　 i　　　　 、　／　　　　　　 |::::::|　　　　　ｉﾉ r
　　　　　　　　　　　　／　 　 　 '　　　 　 　 　　　|::::::|　　　　 」　 |
　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　 V　　　　　　　　|::::::|　　　　 l:　 i
　　　　　　　　　　　/　　　　 　　ｲ　　　　　　　　 |::::::|　　　　 |　 |
　　　　 　 　 　 　 / 　 ＿／　　/　　　　　　　 　 |::::::|　　　　 j　 i
　　　　　　　　　　}／　　 　 　 /i　＼　　 　 　 　 |::::::| 　　　 .:　 !
　　　　　　 　 　　.′　　⌒丶 {　}　　`､ 　　　　　|::::::|　　　　i　 |
　　　　　　　　　　i 　 　／ ￣｀i　i　　　〉 　　　　 |::::::|　　／ {　 {
　　　　　　　　　　!　　　　　　　i　i　　/　 　 　 　 |::::::|　/　　 ;.＼i
　　　　　　　　 　　V　　　　　　 ', i　　　　　 　 　 |::::::|　 　 　 i　 |



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240： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:09:03 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「芭蕉自身もその筆で落柿舎に逗留した二週間を『嵯峨日記』として残し、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　静かな嵯峨野の風情と無常を今日にとどめている」
　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　 ｜　 　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 　 |　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　 　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　 　 　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　 　 　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

柿主や　こずえはちかき　嵐山　（去来）

うきふしや　たけのことなる　ひとの果て　（芭蕉）

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



.

241： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:09:47 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「艶やかさや華やかさとは縁がないこの嵯峨野という地は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　侘しさを感じさせながらも風光明媚な土地で、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第一級の文化人である嵯峨天皇に愛され、
　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　また後の世でも多くの文人や芸術家にモチーフを与えている」
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::￣￣::::::::::　、
　　　　　　　　　　　　　 ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶
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　　　　　　　　　／:::::／:::::::::::::::::／ヾ ﾍ＼::::::::::::＼:::::::::ヽ
　　　　　　　　 /::ﾆ/=－:::::::::::/　　　 　ヾ ヽ::::::-=丶ﾆニi
　　　　　　　　;::::::::::::/::::::::::::::ﾉ 　 　 　 　 ||　＼::::::::::ヾ:::i、i
　　　　　　　 i::::://:::::::::::i　/　　　　　　　 ||　　ヽ:::::::::::::::|::::ｌ
　　　　　　　 |:::/::::::/:::/i ﾉ 　 　　 　 　 　||　　　V丶:::::::|::::|
　　　　　　　 |/::::::/:::::７|ﾉ￣ 丶　　　　　ﾅ ― 、 !:::::i::::::|::::|
　　　　　　　 〉:::::/i:::::/z|"ニ、　　　　　 ﾉ　 ＿　 ヾ:::|::::::i:::|
　　　　　　　i:::::/｀ｌ:::〈　| ｆ::ｃヾ　　　　　　 彡,==z,、V|::::::ｌ ;
　　　　　　　|:ｲ !´|:;l ゛ ゞﾆノ　　　　　　　　 | l:::c｀ｿﾞ〉|、:::|:
　　　　　　　|ハヾ|:ﾊ　　 ｀　 　 　 　 　 　　丶=´　 / :|ﾊ:::|
　　　　　　　　　Vヾ∧　　　　　　　、　 　　　　　　/イ:|/ﾊ:|
　　　　　　　　　 ヾ:::｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　/_／:::∧!
　　　　　　　　　　 V::::::丶　　　　｀　´　　　 　.ノ/::::::::/ 　|
　　　　　　　　　　　V::::::::::丶、　　　　　　 　´:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 |:::::::::::ｙ=| ｀　ー　イﾄ、:::::::::::::::/　　　　　　　　　「これ作ってる最中にペンキで派手に塗った村が
　　　　　　　　　　　 l::::::| /　＼　　　 　丿 ＼:::::::::;
　　　　　　　　　　　 ゝ:::::Y´｀丶＼　 ／　 ﾍ　|::::::;、　　　　　　　　　　　観光客に大評判ってトピックがでてきたけど、それの真反対ね」
　　　　　　　　 ／´｀´|:::::ﾄ、／　/|　|ヾ　く ﾉ |:::::ト　＼
　　　　　　　／　　／ |::::|　ｒ ´｀ヾ ﾌ´＼　　 :|::::|＼　　＼
　　　　　 ／ヾ ／　 　|:::ﾄソヾ／介＼ ノ＼ノ|:::ｌ　　＼ ／｀ー,、


.

242： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:10:22 ID:hrUobFRk


　　　　　　「まぁ、見る方の資質が問われるモノや場所ってのは、意見が分かれてもしゃーねえお」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　　ヽ、 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　　 　 　 　 　 （●）（● ）　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 　 ／　　 　 　 ＼.　 　 　 　 　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　 　 　 ／　　 ―　　　―＼.　　　 　 　 ヽ⌒ ´　　　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 （●）　 （●） ＼　　　　　　{　　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 |　　　　　 　（__人__）　　　| 　 　 　 　 ヽ　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　　　　　 ｀ ⌒´　　 ／.　　　 　 　 /　　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　>　　　　　　　　　 <.　　　　 　 　 /. <⌒ <)))＼ ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 ／(((> ⌒>　l　 　 　 　 　 ヽ＿ヽ､_＿_ ,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ.　　　 ＿＿＿／＿ﾉ.　　　 　 　 , ─l.　　　　　 |- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 　 ｌ.　 　 　 ー‐⌒ヽ⌒ヽ　　　　　　ｌ　 ／⌒￣￣￣　 ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､.　　　　　 　 |＿ノ　　　　　　 `/ 　 , ─―──´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣`ー ′　　　　　　　　 `ー ′



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それじゃ、次は嵯峨天皇のことについてちょっと触れてみようか」


.

243： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:10:37 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　-─-.....､
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::＿≧､
　　　　　　　　　　　　/:::::::,ｨ'´::::::::::::::::::::::ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　　　/:::::::/::::::::::::::::::::,彡'´ｿﾊ::::ヽ
　　　　　　　　　 　/:::::/::::::::::::::::::::／　　 　`Y::::}
　　 　 　 　 　 　 /:::::/::::::::::::::::::仏､ヽ　　 　 }::::i
　　　　　　　　　/:::::::ﾙ::::::::::::::::/､.ﾉ`　　 ﾍ /:::/
　　 　 　 　 　 /:::::::::::::i::::::::::::/　　　　./ﾂｿ::::/
　　　　　　 　/::::::::::::::::|:::::::ﾙi　 　　　 ゞ /／
.　　　　　　 /::::::::::::::::::::N/ :..　 　　こi　ｲ'
　　　　　　/:::::::::::::::::｛　 ヽ 　 　 ,‐- ィ
.　　　　　/:::::::::::::::::::/ヽ　　`ｰ‐=､
　 　　　/:::::::::::::::::::/__　`ｰ 　　　 ヽ　　　　　　　　　　「大覚寺さんの前に？」
　　 　.:::::::::::::::::::::/ ￣ ＼　　　　　　＼
　　 　{::::::::::::::::::,'　　　　 ヾ　　　　　　　' ,
　　　 |::::::::::::::::::i　　　　　 } 　　　　　　 　ヽ



　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）
　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　 　　　　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　　　　　「その方が話の順番として収まりがいいんでな」
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　.>　　　 <
　　　|　　　　 |
　 　 |　　　　 |



　　　　　　　　　-‐‐-
　　　　　　´　　　　　　　｀　、
　 　 ／　　　 メ
　　/　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
　 ,　 　 　 　 　 　 　 　∥ ｝　　 λ＼
　 |　　　　／　　　 i　 ∥‐ﾅﾄ　　　｝
　 |　　　 |　　　　i｝《乂　 ﾉﾉ∨|　 ﾉ
　　,　　　|　　　,ｨｷ¨＼ゝ'’.ｨfﾟ7ソﾘ　　　　　　　　　　　　「ワカリマシタ」
　　|　 　 |　　　 i.i}.ｨｆﾁ，　　ゞ' |川
　　j　 　 | 入 　ヽ《:沙 　 　 　ﾉ从
　 ｛!ｿ 　ﾉﾉ　ヾｧ､_ゝ.　　　, ／ヽ,
　　ﾘﾊ　"　　∨ﾄ､｀ ‐-- イ　　i｜
　　　 ｀ヾミゞｿ_ﾉ__￣￣|匚》,　 !}
　 　 　 　 　 / ￣￣ミ､|ﾄ◇､ ,==ﾐ
　　 　 　 　/　＼　　　 ﾞ’__ヽヽ:.: :.ヽ
　　　　　　|　　　ヽ |　/:.: :.: :.i ヽ...:::｝
　　　　　　|　　　　｝!/:.: :.: ....:|ﾒ.}:::::ﾘ
　　　　　　|　　　　 ||:.: ....:.::::::|　|:.:.:|

.

244： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:10:54 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　「嵯峨天皇は第五十二代天皇で、延暦五年（786）年に桓武天皇の子として産まれた」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,..-‐＝ﾆヽ::::::::.＼:::::::::::::::::::::::.｀丶、
　　　　　　　　　　 　 ／|::::.＼:::::::.＼＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　　 　 　 ,{:::::l::::::::::|＼:::::::.＼＼:::::::.＼:::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　 　 　 　 　 ,ｲ:::`ﾄヽ:::::::|::::.＼:::::::.＼::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　　　　　　{::l::::::|:::::.＼:::::.、:::::::.、::::.＼::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::.
　　 　 　 　 　 　 ':＼::八:::::!:::ｒ-=＼::::ハ:::::::::.丶､::::|::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　 i::::{:::トミi:::ﾄ､|ィ::ｱﾌ;;:ﾄ､:i::::::::|::::::iﾄ､ﾄ､:::::::::::::::::::::::::|　　　　　『やぁみなさん、またお会いしましたね』
　　　　　　　　　 l::l从{ｊ:ｱヽ|　ヽ´￣ﾉ'　 ＼l:::|::::ｌ::l:ｌ|⌒ヽ::::::ｌ:::::::::::::|
　　　　　　　　　 l八:ｒ'′　　　　　 　 　 　 |｀ﾄ:::l:::ﾉ| トﾊ}::::::l:::::::::::::|
　　　　　　　　　　　 |ヽ丶　　　　 　 　 　 ﾉ八:ﾉｲNxくﾉ :l:::::l::::::::::::;
　　　　　　　　　　　 |　_.. ＿　　　　　　　　　　　ﾉ´__ ノ.:l:::::ｌ::::::::::;
　　　　　　　　　　　 :. ´_､　　｀¨　　　 　 　 　 　 .ｲ:!:::::l:::l:::::l::::::::;′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 从:::::|::|:::::|:://
　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 ヽ|::|::::〃'
　　　　　　　　　　 　 人　　　　　　　.......:::´　　 /　　　ﾊﾊ:::{_i_
　　　　　　 ＿＿＿＿___≧=‐=ﾆ二:::::::／　　　　　　　 _}_ﾄ､::::ﾄ､　　　　　　　　　【 桓武天皇 】
　　　,.....::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/｀Y´￣　　 　 _ .　-‐　¨￣　∨.:::.＼
　 ／ .: .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 　 !　　,　　 ´　　　　　　　 ／.::::::::::::.｀:::...、
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　「平安京を作ったのが桓武天皇ですよ」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「長岡京とかいう一発屋」


.

245：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 23:10:57 ID:xi0ar4IA
京都は、Disりたい人がたくさんいるほど、羨望の町でもあるんだろうな

246： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:11:20 ID:hrUobFRk




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　x - ─ z ､
　　　　　　　,. z＝ｲ 　 　 　 　 ヘ
　　　　　　ｲ　　 　 　 .YMﾍ 　 　 ﾍ
　　　　　 l 　 　 ｨ i i ﾘﾘ￣ ﾔﾘﾘ ﾍ l!
　　 　 　 {　　 .ノイｲ.ｲ｀ 　 ≠ｲｿ. ﾉ
　　　　ｰ≦斗イｚi!´￣｀YY´￣｀iｲ=z
　　 　 Y　 　.i　jｌ ﾍ ＿ ﾉ .､ ＿.ﾉﾔ}
　　 　 ﾍ _ ｚ ゝｲl!　　 r -　ｧ　込ﾝ、
　　　　 Y　　.{!　j!、　 ヽ　/　/ｲﾊﾘ
.　　　　 ゝ z.込ソj ヘ 　 ¨　ｲ込ン._
　　　≦≧z´￣r ､≒r ＞ <z≧Yｲ,:::ﾍ´￣ ＞＜
. 　 　 ::::::::::::::::::ﾍ.∧::::xz._　　　 jイ::::::ﾍ｀ ≠＝イ
　 　 ::::::/:::::::::::::: ',7ﾊz≠y､￣ ¨´::::::::::::〉 0
　　　:::/:::::::::::-:-::ﾔ/////,ﾍ:::::::::::＞ イz､ _ ,. 斗
　 　 ｲ::::::￣:::_ ,: zj/////.ﾊ’＿ ＞"＞＜:::::::::::::
　　　:::＞ " ´　ヽ ,'/////.j!ー ¨ ￣.j.○.ﾚヘ:::::
　 　 　 　 　 　 _.//////7´　　　　＼∧フ! /ヘ
　　　ﾍ　　 ,. ｨ .V/////7　＿　　 　 　 　.j、Y
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　「幼少の頃から勉学に秀で、文化に造詣が深く、特に書に堪能であり、日本三筆の一人として現在でも名高いな」



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート　【 日本三筆 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　　　　日本で最も書に堪能な三人のことです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　　　　嵯峨天皇さま、弘法大師さん、橘逸勢さんの三名です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　　　　　この三人、みんな同じ時代の人たちですので、
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　　　　　　　　多分このあたりの時代に定められたんじゃないでしょうか。
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

247： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:11:41 ID:hrUobFRk



　　　　　「兄に平城天皇こと小殿親王がいて、桓武天皇亡き後は

　　　　　　　　　この兄が皇位を継承したんだが、健康上の理由ですぐに退位してしまった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


.　　　 ,　　i.　　 i .､　　　　　 i　　　　､　 ､ 　 ＼　　　 ヽ　ヽ　　　 !
.　　　 !　　!　　 l　,ヽ　　　､　l　　 、　ヽ　＼ 　 ＼　 　 ∨ ∨　　 !
. 　 　 l　　l!　　 ﾚ‐--＜　 ヽ.∨　 ∨　ト､ 　＼.　 ＼　　ヽ　∨　 .! ,
　､　　l､　,ﾍ. 　 lr＝==≦廴_}. ＼.　∨ l! ,∠二廴_　 ＼　 L_ ヽ 　l/
.　ヽ　 l V　,＼　ヽ､　　　弋タヽ. ヽ　ヽ.}'" 弋タ　 冫＜ヽ. ヽヽ∧ l!
.　　＼ ! ｌ　ｌ ./＼ヽ｀ー――― '｀ー､　ヽー――‐'　 ./｀-ヽ}　!　ヽ!
　　　 ヽ. ＼　＞ﾍ｀.　　　　 　 　 　 l ＼ .ヽ.　　 ,　　/ゝ-'　.／
　　　　 ヽ}　＼ ゝﾍ　U　　　　　　 〈|:.　 ｀ヽ}　　{_i　/-'　.／
　　 　 　 　 　 ｀- .ﾍ　　　　　　　　 ｀　 　 　 　 　 /__, イ
　.　　　　　　＞　´ヽ.>､　　　 ＿＿_　 --_､ 　　 / /｀ ＜
　　 　　＞i ´　　　　ヽ　! ､　 'ー―- ニ^'ノ 　 イ ./　　　 ｀ ＜
　　　 ヾ:::;ﾍ　 　 　 　 ヽl 　>　　 　 　 　 　イ　 !/　　　　　　/｀::.,　　　　　　【 平城天皇 】
　　　　 ヾ｀ﾍ　　　 　 　 l　　　＞ 　_　　´　　　 !　　　　　　/-':::/
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「在位三年、とされていますね〜」



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248： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:11:55 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　「あら短い」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,,　　　　　　　　　　 　 　 _,. -‐"!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/ 　 _,,. ---─‐''"´￣￣ﾉ 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／￣　　　　　　　　　　　i 　 　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　, /　　　　　　　　　　　　　　j　　　　 　l、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i　/ l!　　　　　　　　　　　　　　' 　　　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 | /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｵ　 l
　 Y Y　///Y　　　　ハヾヾヽ ヽヽゝ..ﾞl/!　 ,/　　,/ 　　　　｀ﾒ、　 　　　, '　 　 / |　 l
　 i　{　:ﾚﾚﾚ{　　 　 _,ｨ彡二ニﾍｪ､_ミ‐/　 . 　　 /　 　 　 ,.r'　 丶　 ／ﾉ　_ノ |　 l　 |
　 ゝﾍ i{ {/-‐＝ミヒ〈 　ヒ:Y^ﾉlY¨l{ . /　／　／　　 ,.ｨ∠＿＿__,／　彡'彡　 |│ |　!
　 _シ＞ヾ､弋_ソ i:| ヾ､＿＿ノﾉ　l!､,i .// ／/＞＜./　 ∧-ミ∠.＿＿_　 {　　j ＼V
　 -={ {(i!ﾍヽ＿_ノﾉ._,　 ￣￣´ 　 l...l/./ /,./:i:i:i:i:i:i:i:i＞yヽV }　｀ﾄ /　_,.r'ﾍ　/ /　i
　　 人ﾆｿr| |、　 　＿ _　　　　　.ﾉir' l ／ i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/　　￣￣／-'´{┴ｲ∨/ヽj
　　 Y⌒ヾヽ.!ﾍ　 　 一　 　 　 ／:｛､_/　/i:i:i,r-､_i:i:i:i:∧　 　 　 ´　　　` /:!／　 ´
.　　人l{ｿシﾉilil!i.､　 　 　 　 ／::..　／　/i:i:ｉ/　/　）i:i/　ヽ　　　 　 - ,. イ　′
　　　 _≧武斗─丶　　　／==I=..ﾄ._,ｨ〈i:i:ｉ/　/　/i:ｉ:ハ、　＼　 _,. イ　/::}　　 ,.-、
　 ／::::::::::＼ヽﾆﾆﾆﾆ ￣.　　／⌒＼　r'７　/　/i:ｉ:/..　 `ー┴]　　 ! /　j　／:.:.:.};＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::... 　 ヽj/　/　/／＼::::::::.:.:.. 〃　　 !'　ｉ/ /:.:.:.:.:/;;;;;/＼

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　「そうした流れで兄平城上皇から皇位を禅譲され、大同四年（809）に帝位に就く」


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249： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:12:08 ID:hrUobFRk



　　　　　　「割とスムーズに交替できたようでなによりであります」


　　　　　　　　|　　　　　　　　‘，　　　　　　　　　斗ｬ七允 　 　 　 　 　 　 / 　 }
　　　　　　　　|　　　　　　　　　∨　　　　 　 　 /　　　　　 |　　　　　　　　/　　 }
　　　　　　　　|i　 　 　 　 jI斗ｬ=∨　　　　　　/　,jＩ斗劣ミ　　　　　　 　 /
　　　　　　　　| 　 z七さ＾　　　　 ﾊ　 　 　 　/ ,ｲ//,刋 }/ }　　 　 　 　 ,　　　 ,
　　　　　　　　|　　 　＼ {＿_　　 { ‘， 　 　 / 　h//(　 　 i|　　　 　 　 /　 　 /
､　　　　 　 　 |　　,ｨf斥爪刋 ミ　|　‘，　　 ′　込z少　　从　　　 　 /　 　 /
. ＼　 　 　 　 | ‰笊////(　　 ヽ!　　} 　 /　　　¨¨^´ 　 %　　 　 　 /　　　/
. ＼＼　 　 　 { ﾏ( ぃ乂/ﾉ爿 　 　 　 | 　,′　　　　　　 ,　 　 　 　 /　 　 ,/
.　　＼＼　　　‘，　乂⌒少´　　　　　|／　　 　 　 　 　从　 　 　 /　 　 ,/
.　　　 ＼〉,　　　 ，　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　 　 人　 　 　 / 　 　 ,′
　　　　 }/}　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 /
　　　＿|/!　　　　∧　　 　 　 　 　 　 　 t ﾕ　　 　 　 /　 　　,/ 　 　 /
　　 l///,'|　　 　 　 ﾏ>　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　／{　　　/
＜-,l///,'| ＼　 　　 ∨=≧s｡.,_　　　　　　　　　　　/ 　 ,／　 |　　 /
　　≧=‐く 　i|＼　　　∨二二二≧s｡.,＿／　　　 , 　 ／　　　| 　,/
　　　　　　　 |　 ＼　　,∨　 |ﾆ=,|　 |i　　　　　　 / ／　 　 　 i|　/



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |　　　　　　　　　　「禅譲自体は、ね。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ　　　　　　　　　　　　　　さて、その後の平城上皇さんですが」
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ


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250： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:12:25 ID:hrUobFRk


　　　　　 　∨/}　 　 　 　 　 l| 　 、　! 　 　 　 l|　　　 ,　　　　、
　 　 　 　 　 Vﾘ　　 　　　　 /ﾄ､　 ＼|　 ＼　___|、_　　|　　ﾞ(⌒＼
.　　　　 　 　 /　　/　　　　/l |　＼　 }＞　´＼ ｝ ＼　l|　 　 i
　 　 　 　 　 ′　,　 　 　 / j,ﾉ　　 }乂　　≫ﾃ芋ミｘ Ⅵ　　 }|
　　　　　　　　　 i　　 　 /⌒　　／　 　 〃　爪_ノ} }} ,″　 八
　　　　　.ノイ　　|　　　 ′ ,x=ﾐ　　　　　　　乂_ン　 /　　,/
　　 　 　 　 |ｌ 　 |　　　i　〃ﾄ､_ﾊ　 　 　 　 　 　 　 /　 ／ 　 　 　　　|
　　 　 　 　 |{ 　 |　　　|　{{ 乂:ソ　　　　　　 　 　 厶イ 　 　 　 '　　　|　　　　　　　　「ナニカオコリマスカ」
. 　 　 　 　 八　 |ヽ 　 | ,ハ　　 　 ｀　　　　 　 　 　 ノ　 　 　 /　 　 人
　　　　　　　　＼{／＼{　. : :.　　　 　 ,　‐ ､　　,　´　　 　 　 /　　／｝
　　　　　　　　　/　 　 ｀: : :八　　　　 V⌒ﾝ ／⌒７　 ＿彡′￣｀ヽ
　 　 　 　 　 　 ′　　　: : : .:个: .　　　￣　　　　ノ⌒／
　　　　　　　　 ｉ　　　　 : :/l : |: : : ＞　 　 　 　 ／／
　　　　　　　　 |　　 　　:/八: | ／: / : : : ≧=く У
　　　　　　 　 人　　|{　｛　　ヽ　／⌒)／⌒　 /　　 . . : :二ﾆ=-
.　　　　　　 　 　 ＼八 　＼　 （　　 /　　　　/　　⌒ン´



　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　　　「皇位を譲ってから、
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分が幼少時代を過ごした旧都である、
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐　　　　　　奈良の都の方に居を移した」
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



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251： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:12:37 ID:hrUobFRk


　　 _,.｡s≦　　 　 /　　 　 |　　　　　　 |　　　　　 ,　 ＼
　 l　　 　 |　　　　l　　　　 |　　　　　　 |　　　　　 |　 　 ＼
　 l　　 　 |　　　　|　 　 　 |　　　　　　 |　　　　　 |　　　　 }､
　 l　　 　 |　　　　|　 　 　 |　　　　　　 |　　 l　　 i|　　　　 | 　､
　 l　　 　 |　　　　|　　　| 八　　　　 　 ﾊ 　 l　　 i|　　　　 | 　 |
　 l　|　　｜　　　 |　　　|　　，　　　　/　li　ﾊ　　 | 　　　　| 　 |
　 l　| 　 八　　　｜　 ,孑宀八　　　/　丁/￢ -- 　　　　 } 　 |　　　　　　　「お引越ししたでありますか」
　 l　|　　　，　 　 |　　,ィf笊ミ､ , 　/　　ｨfぅ笊㍉ i}　　　　 　 ｜
　 l 八　　 ‘，　　‘，〈 ｈ//(　 　､,' 　　　ｈ//(　//　 　 　 ,|　｜
　 |　 ‘，　　 ,　　　 ， 乂^少 　 　 　 　 乂^少 /　 　 　 /,|　｜
　 |i　　ﾊ　 　 ， 　 ∧　　　　　　 　 　 　 　 　 {　　　　 ∧/7,∧
　 |i　　{,ﾊ　　 ‘，　 人　　　　　　 '　　　　　　｜　　　 ∧,∨,′ ，
　 |　　ﾊ,∧　　　,　　 父　　 　 　 ‐　　　　　 父 　 　 ,ﾍ∧V 　　，
　 |i　/　^　，　　‘，　 {　　　　　　　　　　　　 /　　　///V
. 八,/　　 //ヽ　　 ＼｜　　 |=＞　　＜=|　 ,　　　／∨/∧　　 　 ',
. 　/　 　 ∨/, ＼　{　＼　　/ﾆ/7爪〈ヽﾆﾊ/ 　 ／　　∨/∧　　　　,
　/　 　 　 ∨|ｉ 　＼　　　 /‐≦/ﾆﾆ∧　 /　／ |　　　| ⌒
./ 　 　 　 　 i|　　 | ＿___〈　　,/二ニ∧,/／≧s。　　 |　　　　　　　 ‘，
′　 　 　 　 i|　　 |二ニニニニﾆ{{}}二二二ニﾆ|　　　|　　　　 　 　 　 ，



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ　　　　　　　　　「引っ越ししただけなら問題なかったんだけどな」
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !


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252： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:13:00 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「遷都以来翳りがちな南都の威光を取り戻すために

　　　　　　　　　　　　　　　_____　　　　　　　　　　 今一度都を奈良に戻そうという反動家が存在していてだな」
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |



　 　 　 ／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　/: : : : : : :|: : :／: : : : ／: : ://: :.／｀i: ﾍ: |: : :ﾑ
　　 /: : : : : : : |:／/: : : ／: : : .ｲ/: :/ " '^^' ,|:.|: : : ﾊ
　　 i: : : : : : : /: :/: : : /: : : ／ /:／　　　　　|:|: : : : ﾑ
　　 ! : : : : : /: :/: : : :ｲ: :／　 // 　 　 　 　 ,∧: : : : : ',
　　 |: : : :,ｲr ∨: :／/: /_　　/'　　　　　　　/　|: :|: : i: :|
　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ
　　 |∨: : : : 从　　　　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/
　　 | ∨:: : :.V　､　　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　「それに担がれちゃったのね」
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
.／／. . . . |: : :.|.／≧＝=＝=,|: : : |ｰi.ヽ
／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
. . . . .∨|. . |: /. . . . . {{. . .ヽ＼.ﾍ: |. ..|. . z


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253： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:13:37 ID:hrUobFRk


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　 　 　 l: :// : : /ム:‐ 、＿,,..　　 //ヽ、
　 　 　 ∨/: : :// : : : : : : :/∧　// : : :`ｰ-:ｧ
　　　 　 { {: : // : : : : : : ://,,..∨/: : : : : :／／ ￣ 三二ﾆ ＝=‐-　 、
. 　 　 　 ': : // : : : : : : ://'　,.//: : : : :／／ ~ﾞﾞﾞ　‐- ..,,　　　、...,,,_ 　 ヽ
.　　　　　 V{ ｉ : : : : : : //　//'´: : : ／／｀ ＜　　　　　 `ヽ　 ＼　 ｀ヽ　＼
　　　　　　｀Y : : : : : ://　//: : : :／／ ｀Ｙ　　｀.＞、＼　　 ＼.　＼ 　 ＼　'，
　 　 　 　 　 ＼: : : ://　//: : :／／　 　 |㍉.、　　 '.　 ＼.　　 ',　　',　 　 } ﾉ
　 　 　 　 　 　 ＼: ｉ レ／ :／ ｧ匕ヽ.　 / ,r=ﾐ__　　ﾄ､ 　 ＼.　 ﾄ 　 i　　 ′
　　　　　　　　　　｀Y／ :／／ﾚ'ｨｒ=ﾐ ｉ /_ ゞzｿ |　　ｊ　'__　 ∧　l . ヽl　　　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,|: :／ ｲ∧‐弋z:ｿ ﾚ　′゛゛/!　,　´　　｀ヽ ',⊥., ﾉ　 　 ,　´＿,}
　　　　　　　　　　 ｊ／, ｲ .|i　ヽ＼゛゛ 　 r ｧ　// ./　　　　　／: : : :ヽ、_／／:::: /
　　　　 　 　 　 　 { く:::::|　|i　　ｌヾ≧ 、　　 // ./　　　 　 /: : : : : : : ／／:::::::::/
　　　 　 　 　 　 　 ｀¨7 !　|i 　 |　V　 ヽ￣ ムｲ　　　 　 /: : : : : : ／／｀ ＜::/
　　 　 /{　 　 　 　 ／　|　 '､　 ヽ　V. 　Y｀Y { l　　 　 _/: : : : : ／／ ＼ 　 　 ,＞
. 　 　 { 　 、　　 ／ 　./l　　!＼ 　＼≧-{_.ﾉノ/　　　 '/: : : : ／／　V　 ＼　./
　　 　 ＼　` ｰ''　　　/ ﾊ　 |.　 ゝ、__ヽ　, 　 　　　 ／: : : ／／　　　V＼　ヽ!
　/{　　　 ｀　‐--　／ 　 ,＼! 　{ 　 　 ／ __,,..　-‐'': : : :／／}､　　　　V　＼ {_,
. {　 、　　　　 　／. 　　/　　　 l　/__/_／: : : : : : : : :／／ヽ′ヽ　　　 ＼　/./
　＼. ` ‐ --‐'''　　 　 /　/:ー-'イ/:::::} i: :,-―　、:／／: :,' 　 / ∧ 　　　 ,ゝｲ
　　 ＼　　 　 　 　 ／ {Ｖ : : ／,‐{:::::://: ://￣｀ヽ／.: : :,'　 ./ / .∧　　 //: :!　　　　　　【 藤原　薬子 】
　　 　 ＼ ＿＿ ／　.∧ ',: :/ / l.l` 7/: :// : : : : : : :/: :/　 / / 　 .∧　//: : :!
.　　　　　　 　／ 　 ./　＼Y / : |.l://: :// : : : : : :／: :/　 /⌒ヽ、 　 V/ : : ∧

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　「まぁそういうことだ、そういった勢力と、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平城上皇の復位を目論む尚侍の藤原薬子が結びついての暗躍が始まる」



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート 【 尚侍 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　 「ないしのかみ」と読みます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　律令制における文官である『司』の長です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　また、宮中における女性、子供たちを掌管していたということです。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　帝のお傍で、帝への奏上・裁可を賜る、帝のお言葉を広く伝える、等の役割も果たしていました。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　　『尚侍は務重けれど准位卑しく禄少き』とされていましたが、
　　　　　　　　　　　　　　　　この薬子さんの影響から徐々に待遇も改善されていったそうです。

　　　　　　　　　　　　　　　　もともとは帝のお嫁さんのひとりでしかなかったようです。

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.

254： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:14:01 ID:hrUobFRk



　　　　　　「もともと尚侍である薬子が平城上皇にくっついて平安京に不在のため、

　　　　　　　　　嵯峨天皇さんサイドの公務が滞りがちになってしまう」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　,.ｨ/ /　　　　　 　 　 |!rヾ｀ ｀　¨´´≦ ヘ、
　　　　/;　l　!.　　　　　　, 　i .i'　　　　　　 　 .｀Ⅶ;､
　　　 ,','　 ! ,l　　　 　 　 ; 　.| l!　　　 　 　 　 　 ∨ﾍ
　　　 !; ｉ　! .i　　,'　i　　 .!　 l ;!　　　　　　　　　　Ⅷﾍ
.　　　| .|　l　l　 /　.l　 i　|　 l|:! 　 　 　 　 　 　 　 | i ﾍ
.　 　∧,' .,' ,'　/　 .,'　 |　i ,.ｨ;ﾘ＞=-x　　　　 ,.ｨ≦i!､! :i!
.　　,' ./ /＞笠x_ｼ /　!　!r ´　　　　 ｀Y;=γ´￣ ｀ <!;ﾘ
　 ,.ｨ≦ ¨ 7´　 ヾヽ　/../{!　　 　 　 .o |! . |! 　 　 .。l!≦､
,イ / /　Y^Vヾヽ　Y }./!.入　　　 r-7 ,i!　 .、 　ノ> ﾉ!ヾ｀Y
. l .l　! 　.{{i｝}　YY !ﾘ/ ,! 　 ＞ .　 ￣,ｲ.　　 ヾ .ﾆ ,ｲ!i}} i l }
..从!､丶 圦,'　//:ﾘ,:ｲ;il|!　 　 　 ￣　　　 ‐--ﾝ　　 i}Yﾉ'ﾉﾉ
. ヾヽ丶丶、≧=＜ili|; il!　　　　　　　　 　 ｀ ' 　 　 .{i≦<、
.ヾ≧,ｨ>≫//⌒ヾヽ ヽi}　　　　　　　 ／ニﾆヽ　 　.iヾ､ヽ.!
r<// / .Y　{ヾヽ ヽヾy }　 　 　 　 r└──--ヽ ,　,!Y } .}}
　{ { .{　; ! 圦;ヾ;Y ;} :} .;!、　　　　　￣ 　 　 　 ｀'　/i} !,'Vﾉ
_入丶v丶ヾ.ヽ√!/,ｲ_/　＞　 _　　　　　　　　　 i込}ｼ／
、 .ヾム､ ＞≫=-γ´　､　　 　 .≧ -　　 　 　 ./＞イ
..＞zー≧¨´　　 / _＿＿＿＿＿＿__.≧ⅳr. ´
　　　　　 　 　 ,ｲ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}{:::≧x
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「十分に嫌がらせになってるわね」


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255： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:14:23 ID:hrUobFRk


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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＿_ゞ､.:.:.:./.:ゞ洲j丶、＿_,,. ィ":/l:::::li,:::::|　　り　　.|
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::::::::::::::::::::::ゝ､::::::ヽ,入rく::_,..,r<ヽ::::::::::::::＼＿＿／　　　　　　　【 蔵人 】
::::::::::::::::::::::::::＿,, ::-=ｮ! l　l　l　ヽヾﾖ::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::r'三三彡't:. i, ﾞ':. '::　} ,} |:::::::::::::
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　 「嵯峨天皇は、逆にこれを機に蔵人所を設けて、尚侍の力を制限しつつ、

　　　　　　　　　　　　 参議を復活させ公務の滞りを解消した。

　　　　　　　　　　　　　 これは平城上皇と薬子の意向を無視する形となり、大いに奈良側を刺激することになる」



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート　【 蔵人所 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　『くらんどどころ』あるいは『くろうどどころ』と読みます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　蔵人と呼ばれるお役人さんたちが詰めている役所です。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　蔵人さんたちの役割は宮中にあって機密文書の管理、詔勅の宣伝をおこなうことにありました。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　のちに蔵人さんは禁中の非常に多くのことを取り仕切ることが務めになりました。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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256：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 23:14:53 ID:xi0ar4IA
過去の栄光って、引きずるものですから
京都もまた同じ、え？名古屋も？

257： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:15:00 ID:hrUobFRk



　　　　「そんなある日突然、平城京に再び遷都するという勅が平城上皇の名において出される」


　　　　　　　　　　　　　　　「エッ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　 　 　 　 　 　 ,r 、
　　　　　　　　/ 　 ＼
.　　　　　　　 /　 　 　 ＼
.　　　　 　 ,　/　　　　　　 ＼
　　　　 　 ｆ}Y　　勅 　 　　 /
　　　　　 ,' /　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　、　　　　　 _,.､. -､
,　_ 　 　 ,' /　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　　　ﾄ､.ヽ` ‐-‐' ´　　 ｀　ミ、
ヽ、丶　/ /　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　 |　｀ヽ　　　　　　　｀ヽ 乂
　 ヽ　Y　/　　 ,.-、　　 ,/　　　　　　　　　　　　　|. | 　`､　、-､ _｀二≧｀ ﾐヽ､_
　　 ! /　/__,／　 ,i、　 ,/　　　　　　　　　　　　　/　|　|ｌ ﾄ、｀ヾｨ叨ﾍ! ,〉`-､ヾ´
.　　∨　,／ 　 ／　.i　,/　　　　　　　　　　　　　 ヽ. |! .ｌiミ戈j→ヽ　i´ﾑ、＼`ゝ
.　　/ ｒ'　 _,.-´ 　 _ﾚ.i,/　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾊ､ｌ!ヽヘ､-=' /　|'|::∨｀ゝ
.　　＼!　 !　 -‐ '´ 　 ,∨　　　　　　　　　　　　 　 ﾊ‐-..`＿!;|　｀iｲ ﾄ.｣'|:::::∨｀
　　　 ＼ヽ 〈　〈　｀Y-ﾉ_　　　　　　　　　　　　 ｒ､/::::l::::::､‐┴!-i┴-∨￣¨┴‐-...,ri
　　　　 ＼　　 　 　 'ヽA｀丶、　　　　　　　　 ,/::::＼::l:::::::ヽ／´ -‐'´∨:::::::::::::::::::::/!
　　　　　　＼　　　　　}/:::::::::::｀丶､　　_,...-:'´:::::::::::::::::}::::::::|　　　　　 /:::::::::::::::::::::/:|７
　　　　　　　 {ヽ.　　　/:::::::::::::::::::::::::｀´::::::::::::::::::::::::;‐ﾍ!::::::::| 　 　 　 /:::::::::::::::::::∠-<_
　　　 　 　 　 !　＼._/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;‐'´　　∨:::::!　　 　 ,/:::::::::::::::::／:::::::Y 　 r､ｒヘ、
　　　　　　　　∨ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;‐'´　　　　　|::::::| ,.二_¨/:::::::::::::::::∧:::::::::::|　　,!､j'‐　〉
　　　　　　　　　´ ￣￣￣￣￣￣￣　¨´　 ┌..､　　　j＞:|´　　 〈::::::::::::::::/　 V:::::::::〉.-{、{　　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:::::::｀:‐／::::::｣　　　 ∨::::::::::/　　 V::::/:::::ｆ{　{､._ /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.-'´￣ ¨　─┴─,=ｲ‐7￣ 　_　 　 ∨:､￣ﾇ　 　 V::::::::::!、-／
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258： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:15:25 ID:hrUobFRk


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,.ｨ≦￣ ヘ､,イ,ｨ‐-z､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,イ　　　 ｀　　　,'　　　 　 ヾx
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　　 　 　 　 　 　 　 　 !'/ // / ,ｨ,ｨ,ｲ-=Y=-x､ 、､　 ､xil!
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　　　　　　　　　　　　「嵯峨天皇は驚きながら、平城上皇の動向をつかむまで、

　　　　　　　　　　　　　　　　　一旦その勅に反対の意思を見せないふうに振る舞う」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「嵯峨天皇、有能」


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259： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:15:53 ID:hrUobFRk


　　　　　　「そして奈良に自分の勢力下にある家臣を送り込み、平城上皇の動きを牽制しつつ判断材料を集める」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　 　/::::/ . 　＼　　 　 　 　 　 　 　 ネ申l::::::::::::/::::::::::／::::／/／ 　 __ノ____ 　 !:i::::::::::::::::::',
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　 　 /:::7. iﾞ:'|　　 フ　.＼ 　 　 　 　 　　　： j:::::::::::://､j::/●ﾞヽ " 　　 ,彳_●_ノ 　　,::::::::::::::::::::i｀
　　 /:::/　 !:::l.　　フ　 　 ＼　 　 　 　 　. 　i::::::::::ii 　 j/ '￣　　　　　｀　　　　　　 /j::::::::::::::::::::l
　　 {:::::ｌ　　l:::_!i . フ　 　 　 ＼ 　 　　　　 . i:j::::::::|i　 　 　　　　　　　　　　 　　　 / ,'::::::::::::::::::::'
　　 ヽ:::＼ｨf´l:!::ﾞi ：　　　　　　＼　　　　　 j,'::,:::::l',　 　 　　　　　　　　　　　　　'　 /i::::::::::::::::::::､
　　　 ヽ:::::ﾞ:从l!リ　　　　 　 　 　 ＼ 　 　"ｿ i:::::l::' 　　 　　　 丶　-　　　　　　　 jﾒi::::::::::::::::::l
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.　　 ────────────＜　の　照　＞───────────────
　　ふ　　　　　　 ,..-‐':"￣::''::::..､ 　 ＜　予　活　＞::::::|　　　　　　　　　　　　　　 .....＿
　　 |　　　　 　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::`:＜　感　躍　＞::::::|　　　　　　　　　　　＼／:/:l::::ヽ:ヽ　 　 　 　 　 神
　　ん　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::　∨∨∨∨　＼::|　　　　　　　　　　　 /:r'::/::::l:::::ヽ::'､__　　　　　　ノ
　　見　　/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k＼:::::ヽ　　　　　:::::::::l　　　　　　　　　　'´l::/:::Ｏﾉﾘ:oﾘ:::::l　　　　　　　仰
　　た　 /::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍヽ:::::::i!　 　 　 　::::::|　　　　　　　　ヽ､ノ:::::::ﾊ､＿__,ｿ::::八::/ー　　　 せ
　　ん　,'::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l　　　　　::::::::|　　　　　　　　 ／:::::::::丶`┴'ノ::::::::∠ --､　　　の
　　だ .i:::::l!::|:i!士从::!l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::|　　　 　　::::::|､　　　　 ,r―':::::::::::::::::::::::￣:::::::::::::::::::::::::::::i 　　 通
　　 　 .|::|::li:（'´{::}ン⌒ヽ_´{::}ンﾞl::::::::::::::::::::l　　 　　　＼ ::└- ‐'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　り
　　　　 !:!::l::i　￣　 　 　　￣ 　 l:::::::::::::::::::::! 　 　 　 ::..... ､:::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| 　 に
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260： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:16:09 ID:hrUobFRk


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　　　　　　　　　　Y´///|!　 　 ,ｨ=xヾ、＿_ ,,.ｨ-===≒=x込ゝx弋-ヘゝi! .! : Y´! .' /　 {　 { . l､　Y　 Y ヽ
　　　　　　　　　　,' .{ { { |!　　　 　 Ⅵjl!＝r ´　　,..斗七千 ｀＞x、　　　! l: : :!: ｉ | .{ 　 .; 　 ', 入　|　! !
　　　　　　　　 　 {: {: { {人　　　´ ''' ¨.ｉ!　 |! 　 　 ｨ￣￣弋ヲ＞ .Y≡彳入; ;i: ;| {　',　.入　丶　 ,.i　i i
　　　　　　　　　　い.入ﾍ .丶　　'' ´　ﾉ 　 |　 　 　 ｀　 -　 ¨＜　.|li´　 .〉 ヘヘ ､ヽ丶　ヘ . 　 У / /
　　　　　　　　　　入ヽ≧=- ㌦ __,.／　 　 ､　　 　 -─''''　＝＝//　　 i ヾ、ヘヘ　丶丶　__ ノ ,,._＞≦
　　　　　　　　　　　 ヾﾆ＝シ;i!　 ./　 　 　 .丶　　　　　　　　　//　　　{ ,' i≧xz､ -==≒≠＞＜ヽ ヽ
　　　　　　　　 　 　 Y / ./ /.∧　ヾ=-　　　　 ＞　　＿＿　＜ '　　 　 .! i　､ i〃´/.!￣/￣ {ヽ　ヽヽ
.　　　　　 　 　 　 　 i!'　{　{　{　 ､ 　 rﾆﾆﾆX、　　　　　　　　　 　 　 　 ! ∨V / .i　{　入 、　、.Y i　}
　　　　　　　　　　　 { ;　{　{　',　∧　 !r :::::::::::｝　　　　　　　　　　 　 　 >、∨V　 ! 入 ヾ込　 ゝ,} } .,'
　　　　 　 　 　 　 　 ! !　､　、入 ∧ ヾ＝=-彡　 　 　 　 　 　 　 　 イ.　丶 X{　 入ヾヘヘ　≧/,' /
　　 　 　 　 　 　 　 入ヾヘ ヘ .≧∧　 -　　　　　　 　 　 　 ,,. ＜　　　 ,.ｨ≦xヘ ヾヘ._　ニﾆﾝ ＞ ＜
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　　　　　　　　　　「事態の把握が終わった時点で嵯峨天皇は平城天皇の遷都の勅を拒否することを決意する」



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261： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:16:51 ID:hrUobFRk



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　　　　 Ｖ : :/ : : : : : : : :／　　 .｡s≦: : : : : : : : :＞:::´:::::::|　　 |　　|　　| ./　{、 N　 ∨　∧ ,／＿　　＼　 　　}.　　　　〉
　　　　　∨ { : : : : : : : /　 /´: : : : : : : : : : ＞　　 ｀　､:::∧.　 |!　　|　 i! j!　　N`''＜ .∨　∧　６　　 }〉　Ｖ r、.|ミ-　 ./
　　　　 　 Ⅵ : : : : : : /　 /: : : : : : : : :＞　　 ｀　 　 　 ヽ.∧　|∨　|、j!　＼ .{,ｨ'´　6＼＼　ム　-一　 　 V　Ｖ　}　 ./
.　　　　　　 ＼ : : : : /　 / : : : : : :＞ 　 ',　　　　 ＼　　　 ∧ |! V. ! ＼　、 ＼{ -一/　＼ ‐-ミ　　　　　 ﾉ::　 / 　/
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.　　　　　　 　 　 ヽ／: : : : :／　/-ﾍ　　 }=ﾐ　　　 　 ′＼ }....ヾ!　ヾﾑ |/ﾍ { 込、　　ﾏ:::::::::::::::::/　　　 /　|　 　|/
　　　　　　　　　　 7 : : : ／　　ﾑ=ﾐ }　 人じY　　　　 }　　)′ ＞''~⌒ヽ_　＼N .＼　　V:::::::::::/　　　, '　　|　|! .|!
　　　　　　　　 　 /: :＞　　 　 代_リj／　7 ﾞﾞ} '，　 　 |　　　/　 ー''"￣　Y.　 　 　 ＼　ゝ一'′　.／　　　|　|! .|!
　　　　 　 　 　 ノイ　　　　 　 lﾞﾞﾞ 　 　 。　 , 　 '，　　′...../　　　 　 ~"''*､.　 　 　 　 ＼　 　.｡s个　　　　| |!|{_|!__
　　 　 　 　 　 ｀ｰﾉ　′ |　 　 |＞　. 　 　 ｲ 　 八　 / 　 /　　　　　　 `'' ､_）　　　　　　 ミT升　　　.:::/　 .|,.}!斗::::::>へ
　　　　　　　　 ／　/ 　 {ｌ　　｜} 、　｀´} 〉| 　/＿}ノ 　 /　　　　　　 　 、　}　　　 　 　 ,. -|　　　　 ::/,｡s≦:}!::＞''´
　　 　 　 　 ／　　/　　 ｌ '， 从ﾍ∧　 // ﾉ／　　′｀../ 　 　 　 　 　 i'"~/　　　__,. イ<:::::::{!｀¨::::::::´:::::::::＞}!'~
.　　　 　 ／　　　/　', 　l＞'， ∧ V⌒V／　　　　 　 / 　 　 　 　 　 /｀¨´-‐=彡　　 　 `'' }i;;;;:::::::_､+'”　　/
　　　 イ　 　 　 / 　 _,　| 　 丶 ∧乂_ﾉ　　　　　　　 {　　　　 　 　 ./／　　　　　　　　　 　 }!　　 　 　 　 /
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　　　　　　　　 「平城上皇を旗頭、藤原薬子を核として旧勢力復古の企みは進み、

　　　　　　　　　　　　　　　やがて大同五年（810）薬子の乱が勃発」


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262： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:17:19 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　「いち早くこれを察知していた嵯峨天皇が坂上田村麻呂に命じて軍を進め、

　　　　　　　　　　不破、鈴鹿、逢坂の三関を固めていたために、平城上皇側が勝機のなさを悟り

　　　　　　　　　　　　戦闘状態は不発に終わったものの、天下を騒がせた罪は消えるもんじゃない」


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　　`､
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ.　/..このあたりはEP：44で　　　ヽﾞo。。o ﾟ〇ﾟ　＿＿＿＿..ﾞ。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　}. 　 ,　'"´　　　　　　　　　ヽ
.　 /　　 　　　　　)ヽ i　　　　　　　 　／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ. 　 ちょっと出てきてますね.ﾞ/. ／　　　　　　 　 　　 　 　　`､
.　レ´　　　,イﾉ／ 丿ﾉ人ｲ〈　　　　 /　　　が　　あ　　ど　　　　　　　　` ､　　　　　　　　 　 　 　 ／　 ｛....　　オモイダシマシタ　　　｝
　 ｲ　　从/ ﾊ´　こニ二二ゝ、　 　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `　　─---------　´.　　　 ` ､　　　　　　　　　　 　 　 ／
　彳　 ｨ二ニr　 　　==＝=　 ヽ　 /　　　　っ　　 て　　う　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `　　─-------- 　　´
　 ヽ　 {　ｨf云　 　 　｀￣´　、丿i {
　! 　〉. ｀Yﾉ￣　　　　　　　　ゝ-'し',　　　　か　　が 　 だ
　し'ゝ　 く　 _, -‐ ′　y　　　　　レ>
　　ﾚ〈　　1｀ｰ　　 ＿ノ　　　　　　ノ　　　　り　　.は
　(;;;))ＺＺＺｚzzz7´　　 ,　　　　　　|
　　　　＼ i　　　 /⌒´　　　　　／i　　 　　.し　　ず
　　　 ヽノ ヾ　￣　　　　　　_／:::. l
　　　　　＞-|　　　 　　　／;;;::: 　 _',　　　　た 　 れ
　　　　　　　 ＞-z＿ｨ ´;;;;::::'　 ／;::::ヽ
　　　　　　　　　　　 ＼　 　 ／::,':::::::::::::>、 か 　 て
　　　　　　　　　　　　　ﾄ-‐':::::::,':::::::::／:::::＼
　　　　　　　　　　　　　 ',::::::::::::::::::_ノ::::::::::::::::ゝ ＿,
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　　　　　　　　　　　 　 /::,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿__　　　　　　　　　【 坂上田村麻呂 】
　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>-‐'´￣
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.　　／　 /　　 　　/ / l |　｜＼　＼　　ヽ、
　 　 　 / //　　 人(.　! ＼ V＞-､、＼　　!
.　　　 / //　　/|/‐‐､ ＼. V`.．　 /`i､ヽ　|
　　　/　|｜　/./　 ・　|`ヽ、L.　-┘〈┐`ﾄ､`、
.　　 ﾊ.　! !/∧ヽ、_. ,'-._==＝=､　　 | ＞､｢ヽ!
　　　 `、! !/ /`!　　lH´::::::::::::└|　　 !人__｀ヽ、
　　 　 人∧|ゝ､l　　|´:::::::::::::::::::::|　,.⊥､.ﾊヽ　 !
　　　/┘!了`ノ｀ヽ、|::::::;;;;;;:::;;;;;:::|（___　 ヽi |　 L
　　　ト /!/　/ レ‐つ`、r‐‐-'⌒)ト､　ヽ└┘　!
　　　|　ヽヽ ヽ/　/　ﾞ､ヽﾆニ-_.ﾆ＼｀`´　）　　'
　　　＼　｀ヽ　　 ＼　｀ｰ'"￣　　　ヽ、
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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263： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:17:49 ID:hrUobFRk



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ニニニニﾆﾆ＞　 　 　 ＼ニニニﾆﾆ||
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／ニニニニニニニニ＞　 　 ＼二二二ﾘ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 イ厶斗-―==ミニニニニニニ＞　 ヽ二二/
　　　　　　　　　　 r=≦.....::::/　　　　　 　 У‐=ニニニニニニ＞‐‐∨
　　　　　　　　　　 乂:::::::::::/　　　　 　 　 /:i:i:i| 　/:i:iⅣ￣|ニ/　ｘ‐ｖ′
　　　　　　 　 　 　 　 ￣ /　　 '　　　　 l {:i:i:i:i|　 |:i:i:i:iⅣ厶斗　{ 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 ′　/　　　 }　从:i:i:八　|:i:i:i:i:i:Ⅳ 　 ゝ __ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ!　l|:i:i:i:i:i:i:iﾄ{:i:i:i:i:i:i:i}　　 　 | ∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 |　　　/ |ｌ　 l´￣￣丶￣￣｀ﾘ　　　｜　 丶
　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 {　　 :′|ｌ　 |:. 　 ｒ===ｔ　　 ,｜　　　l|　　 　 ≧=―‐　 　 ―匕⌒
　　　　　　　　　 　 　 　 l 从　　 {　从　| 丶└==┘ ／ l| 　 　 八　　　　　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　 　 ｌ{ 　}　　|　　 ヽ! 　 ｌ　､_　イ　　l|　　　′ ＞　 　 ＿＿　　 ＜　　　　　 ,
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|　　　　　 jﾄ､　　ｘ 7　 l|　　∧　　　　　　 　 　 　 　 　 ￣￣／
　　　 　 　 _　 　 　 　 　 　 八　 |　　　＞ ´V∧_/ / ＜ }　 /　丶　　　　　　　　　　　　 　 ／
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. 　 　 / / ./ ／ﾉ　　　　　　ﾉ　　　　　　　　 ｀ヽ　'´　 厶イ 　 　 　 '，≧=―‐ _－'，ﾞ, ´｝　}　}＾i
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　 }　Lｌ　!　ｰ′｀丶　　__ /　 　 ,　´　　　__　＼ 　／ 　 __　 　｀ヽ　　'， ＿　　 ', ∨ ,ﾑ　 ′x ´
　 丶＿ 　 　 __　　 Ｙ///≧s。/＿_　ィ升ﾍ　　_Ｙ_　 ／//≧s。__ｖ ≦///∧ 　 〉 　 ＿_　/
　　　　　 ﾏニニ≧=‐_、////〃/////////∨: : : :∨/////////∧ /////∧ /　／ニニ〉
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　「薬子は毒を仰いで自殺。平城上皇は頭を丸めて出家することになり、薬子の乱は終熄」


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264： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:18:10 ID:hrUobFRk


　　　　　　「薬子の乱を終熄させた嵯峨天皇は、弘仁十四年（823）に淳和天皇に帝位を禅譲し、

　　　　　　　　　　嵯峨上皇となるが、禅譲した後もわりとブイブイいわせて後世に火種も残してたりする」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　_,,.ｨ ≦- ￣　､ ヽ、 ,r '　￣￣　≧
　　　 ,,,..ｨ=´　　　　 　 ヾヽ　ヽ,i! /／-≦三Ξ
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. / //　　　/　ｨ // il　il l ll!l!lﾍ ,//込　i i ヽヾ
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..!/ / / //ﾉ/ ,' l　,! |　l! ! !-───-￤l l、ﾍ
..i l ! i! i!,'// /　! /! l　i! l l!　　　 　 　 ∨!l',　ﾍ
. !l ! ,≠ !/ ,'/ // .!/,/! /l.! 　　　　　　 ヾ小.　ﾍ
_,≧_ｚク　///,/　/,/l!|/. ﾘ　　 　 　 　 　 Nキ　ﾍ
≧=シ ／ /-,行=＝≠＝-､、_＿__ ,,ｨz=＝≒＝ ∨
Y,ｨ＝ﾗ／歪Y´≧＝＝==-､ヾ=≡ｲ',ｨ-=＝＝≦
{/〃三}｝}个《 　 、 Yﾟrｚ｝　/ｨ};}. ｛{ ヽ_｛rｪろY
{i l l l!;f,'//,' iﾍ、 　 ￣￣-=彡ｌ! 　ﾄミ=-￣￣
込ニｼ//ﾉ,'ｨ|､ ヽ､_　　　 _,,.zメ.　　Xz_　　 　 _,
＞=-巛///ｨ!ﾍ　　 ￣￣.　　　＿__　　 ￣￣
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.//⌒込　∨ .ﾉﾍ　　 　 　 　 r──-,
l .! .l!i!Y;｝ ,}'　,!iliiﾍ　　　　　 　 ￣￣
ﾍﾍ入込!/　./!/!il|丶 　 　 　 　 ￣　　　　　 ,ｲl!
込入_ソ'　 ///!/!!　 丶　 　 　 　 　 　 　 ／ililil
≧二三_／､/ｼﾉﾉ!　　　＼　　 　 　 　 .／ilililili,!'
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　　　　　　　ヽ┬;ﾄ<＿＿＿__ヾilililililililililililili/:.:.:.
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　「日本の天皇って、現役退いた後にやんちゃするのね」



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265： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:18:21 ID:hrUobFRk


　　　　「その崩御は承和九年（842）。

　　　　　　　　陵は嵯峨山上陵で、現在の京都府京都市右京区北嵯峨朝原山町にある」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　,._　　 _ _　 　 .i^!
　　　　　　　　　　　　　,.ｨ≦⌒ヽ Y´/ ＜≧x乂
　　　　　　　　　､rｫ .／: : : : : : : :ヾ' : : : : : : ∧
　　　　　　　　　 乂r': : : : : : : __: : :__: : : : : : :.∧ .「!
　　　　　　　　　　　l ! : : : : γヾY''≧､: : : : : : : !_メ
　　　　　 　 　 　 　 !:i: : :! i: :!´　　　lj ! :､:l: : : :.:!
　　　　　　　　　,.ｨ=yi! : ,' ﾉ:ﾉ　　 , ,　 .ⅥVv圦:l,y＝x
.　　　　 　 　 Yｨ≦ﾐ,.イ三⊇=-､,_,,,,_,.ｨ=千X､入{{の｝}
　　　　　　｀6入ゝｨ´;;〃.{!o　　　}￣{!o　 　 .}込ゝ-ｼﾉ
.　　　　　　　 ≧,';;;;;;-─<､cっ　ﾉ　 ヽ cっ.ノ! ﾙr⌒Y_
.　　　 　 　 /77:{;;;;;;ｰ─〈ll!.ー '　ー 　 ￣.i,_入入_ｦ;｝立ｫ
.　　　 　 　 ＞ｰゝ;;;;;;;F=ﾉ,ﾍ　u　　　　 　 .}::::::::>ｰ＜i !l:ﾄヽ
.　　　　r=i´;;;;;;;;;;;ﾐ;;/¨´:::::::圦　 〜〜〜 .ﾉ:::::::::::::::}::::i」i」ｶ｀ゝ
　　　　i: : ＼;;;;;;;;;;ﾉ!:::::::::::::::::::丶　　　　,ｲc/⌒v'7 !::/／_,>
.　　　　!: : : :＼／-!:::::::::::::::::::::::::｀ー‐.'.::c､!.○ Ⅶ !::::::::∧
　 ｉ　{　.＞― '　　 .!:::::::::::::::::::::::::::::○:::::､_」　　 L,::!:::::::::::::}
　 ヽ ゝ　　　　　　 .l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼_∩_／::!::::::::／
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「割と有能な帝だったのかしら」


.

266： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:18:36 ID:hrUobFRk


　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ⌒　ヽ､_　 　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●）(● ）　　 　 |　　　　　　　「そうだな、歴代の天皇の中でもトップクラスに有能だと思うぞ」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i



　　　　　　　　　　　　　　 __＿＿
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　＼
　　　　　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 　＼　　　　　　　　　　　　　　「薬子の乱もチョッパヤで片付けたし、
　　　　　 　 　 　 ／　⌒　 　 ー 　　　＼
　　 　 　 　 　 　 |　 （●）　 （●）　　　　|　　　　　　　　　　　　　　 文化人でもあったんだお？
　　　　　 　 　 　 ＼ 　（__人__）　　　　／
　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 ｀⌒ ´　　　イ｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　割と完璧超人っぽいお」
　　　　　　　　　, '　 　 　｀￣　 　 　 　 　 ＼


.

267： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:19:01 ID:hrUobFRk


　　　　「平安京の地盤を固めたのは嵯峨天皇だと言えるだろう。

　　　　　　　　平城京時代の律令制に縛られることなく、

　　　　　　　　　新しい政治を打ち出したという意味でもな」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　♪
　　　　　　　 　 　 　 　_,．　-―-　､
　 　 　 　 　 　 　 ｢￣X　　 x　　　X＼　　　♪
　 　 　 　 　 　 　 |X　　　 ,.　 X　　 x　＼
　 　 　 　 　 　 　 | 　 　∠r┬≦≧ﾐ､ｉ　　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 | X　f /７ﾄ､　　_ｒﾄ小 X　}　））
　 　 　 　 　 　 　 | 　 ﾉ//ｌ｜　　 　| |｜x /
　 　 　 　 　 　 　 | x ∨ ￣｀Y^Y￣｀Ｙ　 /
　　　　　　　　　 　＼ {ﾊ ＿ ﾉ　 ､ __ ﾉx./　　ﾉﾉ
　　　　　 　　　　／￣ヽ｣　　､__,. 　 /＜　　　　　♪
　　　　　　　　＿ ＞‐//Y＼ |　|_, ｲX＿｣
　　　　　　　/ ｉ　　　 | |　ｉ 　 ∨　/ .| |　　￣ ＼
　 　 　 　 ｒ┤ | 　 　 | |　 ｀￣￣´　 l |　　　 　　ヽ
　　　　　 ｣　ｌ　|.　 　 | |　 　 　 　 　 | |　　　/
.　 　 　 /　　l　|　　 ⊥L ＿＿＿＿_|_|　 ／　　 　　ｉ
　　 　 / ＿_　 .|　 /　Q＿__ 　 　 　 Q | ｉ　　　　　__|
　　　/　／　 ＞‐ ´￣　　　 ＼┐　　　 ｌ ｌ ／￣　　 ＼
.　　/　/　／　　 　　 　 　､＼ _)　 　 　 |ﾊ{　 ＿　　　/
　　ヽ .|　 {　 　　　　‐､ ＼ ＼ )　　　 　 |　〉´　┐ヽ_/
.　 　　| 　 ヽ-ｧ‐ ´　　 ｀ ｰ`´o　｡　　　,ﾉ-<／／ /
　　　　`ー‐ ´〈　　　　(_)　。 　　　　 / / ´／ ｉ /
　　　 　 　　　 }　　　 　　 　 Ｏ 　 　 ゝ'二´ 　 |'
　　　　 　　　 {　　 ＿＿＿＿ _ __／／ヽ二´ /
.　 　 　 ＿ ｒ＜二＿＿＿＿＿／／＿＞)ー'
　　　 　|　 }`┬――-----------―┬'- _）
　　　 　 ￣｀Ｙ　　　 　　 　　　 　 　　　T ´ |
　￣￣￣￣ |　　　　　　　　　　　　　　 |￣￣￣￣￣
　　　　　　　 ､_　　　　　　　　 　 　 　 _｣　ヽ
　　　　　　　　　｀￣￣￣￣￣￣￣´　 - '〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　 「また、大々的に臣籍降下を推し進めた人物でもあるな」




azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 臣籍降下 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　 皇族の方がその身分を離れて姓を与えられて臣下になることです。
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　　　　昔は臣籍降下となった皇族さんは「源」姓をなのることを許されていました。
:::::/:;' /⌒ヾヽ　　　　　　　嵯峨源氏は嵯峨天皇からの臣籍降下、清和源氏は清和天皇、村上源氏は村上天皇、などとなります。
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　 昭和二十二年の旧皇族問題以降は『皇籍離脱』と呼ばれるようになりました。
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　近頃では今上陛下ご息女の清子様や高円宮親王のご息女典子様がご結婚で皇籍離脱をなさいました。
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　 最近になって秋篠宮ご息女眞子様のお話も出てきたようですね。
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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268： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:19:16 ID:hrUobFRk


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　,.ｨ/ /　　　　　 　 　 |!rヾ｀ ｀　¨´´≦ ヘ、
　　　　/;　l　!.　　　　　　, 　i .i'　　　　　　 　 .｀Ⅶ;､
　　　 ,','　 ! ,l　　　 　 　 ; 　.| l!　　　 　 　 　 　 ∨ﾍ
　　　 !; ｉ　! .i　　,'　i　　 .!　 l ;!　　　　　　　　　　Ⅷﾍ
.　　　| .|　l　l　 /　.l　 i　|　 l|:! 　 　 　 　 　 　 　 | i ﾍ
.　 　∧,' .,' ,'　/　 .,'　 |　i ,.ｨ;ﾘ＞=-x　　　　 ,.ｨ≦i!､! :i!　　　　　　　 『何もかもを大陸からもってきたそのままで
.　　,' ./ /＞笠x_ｼ /　!　!r ´　　　　 ｀Y;=γ´￣ ｀ <!;ﾘ
　 ,.ｨ≦ ¨ 7´　 ヾヽ　/../{!　　 　 　 .o |! . |! 　 　 .。l!≦､　　　　　　　　　　　 運営するだけが能じゃありません』
,イ / /　Y^Vヾヽ　Y }./!.入　　　 r-7 ,i!　 .、 　ノ> ﾉ!ヾ｀Y
. l .l　! 　.{{i｝}　YY !ﾘ/ ,! 　 ＞ .　 ￣,ｲ.　　 ヾ .ﾆ ,ｲ!i}} i l }
..从!､丶 圦,'　//:ﾘ,:ｲ;il|!　 　 　 ￣　　　 ‐--ﾝ　　 i}Yﾉ'ﾉﾉ
. ヾヽ丶丶、≧=＜ili|; il!　　　　　　　　 　 ｀ ' 　 　 .{i≦<、
.ヾ≧,ｨ>≫//⌒ヾヽ ヽi}　　　　　　　 ／ニﾆヽ　 　.iヾ､ヽ.!
r<// / .Y　{ヾヽ ヽヾy }　 　 　 　 r└──--ヽ ,　,!Y } .}}
　{ { .{　; ! 圦;ヾ;Y ;} :} .;!、　　　　　￣ 　 　 　 ｀'　/i} !,'Vﾉ
_入丶v丶ヾ.ヽ√!/,ｲ_/　＞　 _　　　　　　　　　 i込}ｼ／
、 .ヾム､ ＞≫=-γ´　､　　 　 .≧ -　　 　 　 ./＞イ
..＞zー≧¨´　　 / _＿＿＿＿＿＿__.≧ⅳr. ´
　　　　　 　 　 ,ｲ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}{:::≧x



〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　「律令においてはわりと条件が厳しかった臣籍降下を、

　　　　　　　　　嵯峨天皇は皇子などにも適用できるように条件をゆるくした」


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269： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:19:35 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「四十九人の皇子皇女がいたと言われる嵯峨天皇だが、
　 　 　 　 　 |
　 　 　 　 　 |. 　 ＿＿　　　　　　　　　　　　その多くが臣籍降下して、多くの嵯峨源氏が誕生したと言われている」
　 　 　 　 　 |. ／　 　 ＼
　 　 　 　 　 |/　ノ　　　　
　 　 　 　 　 | 　 ┃　┃　}
　 　 　 　 　 |⊂⊃　,　,⊂⊃
　 　 　 　 　 |　　 ｀⌒´　 }.　　 /^）
　 　 　 　 　 |　 　 　 ＿_/＿／ ノ
　 　 　 　 　 |　 　 ／　　　　　　＼
　 　 　 　 　 |｀　 / 　 ⌒　　　⌒　ヽ
　 　 　 　 　 |　 /　　 ┃ 　 　 ┃
　 　 　 　 　 |　 { ⊂⊃（　　,　 ）⊂⊃}
　 　 　 　 　 |　 ＼　 　 ｀¨⌒¨ 　 　 /
　 　 　 　 　 |　 ／　　　　　　　＿／
　 　 　 　 　 | ´　　　 　 　 /　　　|
　 　 　 　 　 |ーイ.　　　　/　.／　}
　 　 　 　 　 |　/　 　 　 （_／
　 　 　 　 　 |　　　　　　　　 　 　 |
　 　 　 　 　 |　|　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　「SGT49だお」
　 　 　 　 　 |　|.　　 　 　 　 　 　 !
　 　 　 　 　 |　}　　　　　＿＿　 /
　 　 　 　 　 | （_/￣￣｀¨　└∨＿
　 　 　 　 　 |、/////////////////）
　 　 　 　 　 |　￣￣￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣


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270： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:19:51 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「嵯峨天皇が皇位についていた時代は平安京遷都間もない時期だから

　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　 色々財政が厳しかったらしくな。
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)　　　　　　　　　　　墾田永年私財法とかを発布して開発を奨励したりしたな」
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ　　　　　　　　　　　　　「臣籍降下も、財政難だったから？」
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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271： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:20:08 ID:hrUobFRk



　　　　「そうだな、皇族一人にかかるたとえば婚姻やら葬式やらの費用は

　　　　　　けっこう馬鹿にならない上に当然のことながら全部朝廷の持ち出しだ」


　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



　　　　　　 　 　 　 　 -―─-　、
　　　　　　 　 　 ／　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　′ 　─　 　 ─ 　　,
　　　　　 　 　 i　　（ ●）　 （● ）　 ｉ
　　　　　 　 　 |　　 　 (__人__)　 　　|
　　　　　　　 　 ､　　　　　　　　 　 ノ
　 　 　 ⊂⌒ヽ　 ＞　　　　　　 ＜_/⌒つ
　　　　 　 ＼　丶′　　　　 　 　 　 　 7
　　　　　　 　＼ ノ　　　　 　 　 　 ﾄ､_/　　　　　　　　　　　　　 「そんならいっそ臣下になってもらったほうが
.　　　 　 　 　 　 ′　　 　 　 　 　 |
.　　　　　　　 　 i　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 経済面が助かるってことかお」
　　　　　　　　　乂　　　　　　　　 ｲ
　　　　　　　 　 　 |　/ー―一 、　|
　　　　　　　　　　 し′　　　　　､_ｊ

272： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:20:49 ID:hrUobFRk


　　　　　// ヽ ヽ　　　, -‐　　- ､
　　　 　 | i　　＞　`Y´////////＼ヽ
　　　　　|:i　///,ヘ　∨ ＼///////＼ヽ　　　　　　　　　　　「現皇后陛下は、皇太子時代の陛下から
　　　　　|i ////　　〉-‐'´⌒ヽ///////＼ ヽ
　　　　　ﾚ'///　／　　　　　 　＼//////:ヽ　　　　　　　　　　　　　『柳行李一つで来てください』と
　　　　 　///:ﾚ' 　　　　　　　　 __＼//////Y
　 　　 　////{　　　　　　　　／　￣ Y/////|∧　　　　　　　　　　　　お申し出頂いたということですけど、
　　　 　 i///:| 　 _＿　　　　　,ｲ丐`ヽi/////|//i
　　　　　|//∧ / ,.= ､.　　　　 弋ﾘ　仆//////|∧　　　　　　　　　　　　　平安時代の皇族の婚姻ではそういうわけにも
　　 　. 　|///∧ 仍ﾊ.　　　　　　　　　N/////|/∧
　　　　.　∨//∧`ｰ'　 　 ､　　　　　　　|////N//∧　　　　　　　　　　　　　　　いかないでしょうからね〜」
　　　　　　∨//∧　　　　　　 ._　　 　　|///////..∧
　　　　　 　 ＼//ｒ-､　 　　'´　　　　　　 ////////∧
　　　　　　　　 `Yゝ ,'Y⌒ヽｰｒ､　　　　 /／///////∧
　　　　　　　　　 |::i´　 (_ ノ_丿 }-‐ 　 / ＿////////∧
　　　　　　　　　 |::.|　　入フ ｰ iＴＴＴＴＴＴ 7////////∧
　　　　　　　　　 |/|　　　　　 / |　|　|　|　| {/////////∧
　　　　　　　　　 |//〉　　　　/　|　|　|　|　|八/////////∧
　　　　　　　　,ｨ'￣/　　　 /　|　|　|　|　|　|　| `ｰ　､ ////∧
　　　　　　　/　　/　 　 　/　|　 | 　|　 | 　|　 |　ヽ 　ヽ////}
　　　　　.　 {　 ./　　 　 /　 |　 |　 |　　| 　|　　|　 ヽ　 ＼//|



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)　　　　　　　　「それに、臣下にして要職につけたりすれば
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　　　　　　　 地盤固めにもなるし、メリットは割とあったんだよな」
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

.

273： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:21:01 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「あとちょっと変わったところでは

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　桜の花見を初めて公式行事として取り入れもしたな」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　　 　 　 　 　 _　　　 　 　 　 　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　 　 　 　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　 　|
　　　　 　 　 　 　 ｜ !　　　　　　　　|　 ｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　 　 　 　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　 　 　 ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　 ﾄ
　　　　　　 　 　 |　 ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　 ／i＼,,,,_
　　　 　 　 　 　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／ 　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　 　 　 　 　 | 　 ）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　 ／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　 　 ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く 　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　 　 　 　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }



　　　　　　　　　　　 rﾍ_彡'...1................................|...................＼
　　　　　　　　　　/7.................|.................................!.....=ミx...........＼＿＿_
　　　　　　　　　　'...................八...............................|..............ヽ.........................|
　　　＿＿＿／............../............................................|...........................................|
　　　}..........|......................'.../../....‘............................ﾘ....................i......................|
　　　}..........|.....................{./....|.........‘,....................../........i.............i......................ﾄ､
　　　|..........|.....................|{......}...............................从..........}............|.................... |
　　　|..........|.....................|l...从.......{...入.................〉V__∧＿___j......................|　　‘,
　　　|...... 八.................. {l..__∧..斗--ﾄ､............∧...ﾚ1 }∧.....|....................ﾘ　　　'　　　　　　　　「おお、オハナミ」
　　　|.............‘,................ |....{ 　〉..|=...| ‘,..........i　Vィ刋芹刈ト.................∧
　　　|...i...........‘,................〉ィ刋芹刈ト､. '.........|　 　 V廴::::ﾘi..》............/....|i　　i
　　　|.人...........‘,..............《　V廴::::ﾘi　　ヽ......|　 　 乂辷ン.............../.......|| 　 i　 i
　　 〃　ヽ...............................ﾄ乂辷ﾝ_　　　＼j　　　 ､､､､/...../....../..........|| 　 i　 |
　　 {{　　 ﾊ............ヽ.............＼ ､､､､､　　　　　　　　 　 /...../....../...|........|ﾄ､　ﾄ､/
　　 |ﾄ/廴∧...............＼............＼　　　　　　'　 　 　 ／7../....../＼j.........＼`´./
　　 |ﾄ､　　∧...................ヽ...........「￣｀　　　 °　　　 ／........../　　 ＼.........|ヽ'
　　 |{入／....i＼.................}ﾄ､.......i＞ 　 　 　 　 　 ／/......... /＼　　＼〉.....|
　　 |{/..|....... |......>､...........ﾘ...ヽ.......:::::＞　 　 　 イ:::::i........../....|.. ＼　ヽ＼..!
　　 入..|....... ﾘ./ / ヽ......{＼...........i::::::::}iii≧≦iiii{::::::|......./.......|.........＼ 　 八
　／......＼.......く〃 - ミ....V...＼......V:::人/ |iiiii厂|:::: |...../i........|...............ヽ/......＼
'....................＼／　　　　＞--- ミ....ﾚﾍ.＿ﾉiiii廴八:::|../...i........i.................................ヽ



.

274： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:21:16 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それまでは宮中で花見といえば梅をさしていたもんだが、

　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼　　　　　　　　 徐々に桜の花が取って代わり、現在ではご存知のとおりだ」
　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼
　　 　 　 　 　 　 |(⌒.) (⌒ )　　 |
　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
　　　　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　　　 i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
　　　　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
　　　　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
　　　　 | : : :./ : : : : : : : : : : : : :／ :Y.. : : : : : : :i
　　　　 | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : :i



　　　　　　　　　　　　　 _,.　．．． ,_
　　　　　　　　　　　ィ::´: : : : : : : : : :｀ : .、
.　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
.　　　　　　　 /: : ／: : : /,ﾍ::∧|、: : : : ＼:: :':.,
　 　　　　　 /::／: : : : ://　　　!| ＼: : : : :ヽ: : ':,
　　　　　　 i::/: ::/: : : //　 　 　i|　 ＼:: : : :::ﾍ: ::!
.　　　　　　i/: ::/: : : // 　 　 　 :|　　 ＼: : : ::ﾊ:::!
.　　　　　 /: ::/|: : ://　　　　 　_|-──＼: : : :'i:i　　　　　　　　「ハナミの季節は来年までおあずけなのよねえ」
.　　　　　{: ::/::|:-:7Τ￣ 　　　　　ィャュ,_＼: : ::|
　　　　　|:::/|: |: :/ィ{:下ヽ　　　 　弋::::ｿ ﾉ　 N: :|
　　　　　|/　|::|::∧弋:ｿ　　　　　　　｀´　　 //ハ|
　　　　　{:　 ﾊ|:|ﾍ,|　　　　　、　　　　　　 /イ::/ :!
　　　　　　　　{:|: :ﾍ　　　　　　　　　　　 /: :|::/
　　　　　　　　　|i : |＼　　 `ー ´　　 ／|: ::|:,'
.　　　　　　　　　|:| ::|:::::::iy 、 　 　 ィi::::::| ::|,'
　　　　　　　　　 |:|: :|:::::/入　￣ 　 | |;:::|: :|
.　　　　　　　　　 |:|; :|/:/＼ヘ.　　//ヘ;| :|
　　　　　　　　_,ｒ┴i: |::::＼/::::::i介i::＼/:| :|
　　　　,...ィ二二／::|::|＼::::::iミミi=iミミ!:::| :|二ヽ、_
　　　 /::::::::::::::::::::::: |::|:::::＼／:iﾐ!||iﾐ!:＼||::|::::::＼__i:┐
.　 　 i|:::::::|::::::::::::::::::|::|:::::::::::::::iﾐ!::||:iﾐ!::::::|::|::::::::::::::::|::|


.

275： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:21:31 ID:hrUobFRk



　　　　　「と言った具合に、基本的に有能な人なんだが、

　　　　　　　禅譲したあとも家長として権力振るいすぎて後世に火種を残しちゃったりもしたんだよな」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. z＝ｲ 　 　 　 　 ヘ　　　　　＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
　　 .,／　　　-"　,..ィ/ｒ'"　　　　　　　　　　　　ｲ　　 　 　 .YMﾍ 　 　 ﾍ　　　　　)　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞
.,..-″ .,./ 　._..;;彡'´　　　　　　　　　　　　　　 l 　 　 ｨ i i ﾘﾘ￣ ﾔﾘﾘ ﾍ l!　　　 ＜　ア バ ン ス ト ラ ッ シ ュ ！ ＞
'"　.,,-/,, ＜‐´　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　 .ノイｲ. ＼ 　 /　ｲｿ ﾉ　　　　 <　　　　　　　　　　　　　　　　　(
. ,／ . ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ≦斗イｚi!´ rtｧYY ￣｀iｲ=z　　　　／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^丶
" ,／゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y　 　.i　jｌ ﾍ　　_ﾉ　.､＿ﾉﾔ}　　　 　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,-..､_＿＿＿ ,,ｨ7ﾌ
'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ _ ｚ ゝｲl!　　　　　　　込ﾝ、　　 　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 r.": :､._: : : : :: ::V／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y　　.{!　j!、　　 ｒ==y /ｲﾊﾘ　　 　　　　　　　　　　　　　　　 　/: : ::､: : :`:ー.:､: :ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ゝ z.込ソj ヘ　 ゝ　'ｲ込ン　　　　　　　　　　　　　　　　　 　/.: : : : :｀:ヽ: : : : : i::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ≦≧z´￣r ､≒r ＞ <z≧Y　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,ィ7ｲ: : : : : : :､: : ＼: :Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ::::::::::::::::::,-=ニイ:::::::＼:/　　　　　　　　　　　　　　　　　／://: : : :､: : : : :＼: :人/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V/::::::::::／::::::,.'::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　 　 　 　 　 イ:::::::::::|{: : : : : .ｨ＞､_:/イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イ::::::::::::::::,':::::::::::::::-＝_::＿::-　　　　　　　　　 ．::::´::::::::::::::::::| {: ::／ 　くｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}/:::::::::::::::: i::::::::::::::::::／:::::::::::::-＝::::::v..―..､.ｨ:::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ彡7 .／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_..:::::::::::∠{{ン /_/／
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 i:::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::- イ::/::::::::::::::::::::::::::::::::::_.. -'" ／　Y≦　ヲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ＼:::::::::::::::::":::::::::::::::::::::::_,,..-'''"゛　 ／　／ _/r＝"
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧:x::::::::::::::_,,;;;::::::ｰ''"　　　　　 ／　／　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 　 　 |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,,　ｰ'''"　　　　　　　　　　　／　／　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾊ::::＼::_,,,.. -‐'''"゛:::::::　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／権力　／
　,,,_ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿,,,,..　-ｰ'''''"´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／　 ／
　　　. ⌒ﾞﾞ'''''''''''''''''''''''''''ﾞﾞﾞ￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　／　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／　 ／

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　 「まぁ、デキる人にはままありがちであります」


.

276： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:21:47 ID:hrUobFRk


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　「さて、嵯峨天皇のことはこれくらいにして、
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、　　　　　　　　　　　　　　次は大覚寺にいってみるか」
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


　　　　　　　　　　　　.　　　 ￣￣　　　　.
　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　 ＼

　　　　 　 　 /　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　 ‘，
.　 　　 　 　 ′　　 　 　 |　　 / ﾊ　,　!　　　　　　 ‘，
　　　　　　 　　　　　/ ,　|l 　/ /　}/　|{ 　 i　　　　　',
　　 　 　　 ′　 　 / / 斗‐/}/　 /　 八　 |　 }
　　　　 　/　　　　,' /　　}ノ /　 / |l /￣}ノ｀メ､ 　 i　!
　　　 　ノイ　　　 |/　 x≠ミ 　 　 }/　x≠ミ､ i　　 |{ |　　　　　　　　　　　　「ハイ」
.　　　　　八 　 　 |　〃ん:ﾊ　　　　　　ん:ﾊ 刈 　 八{
　　　　 /　 丶 　 {　{{ 弋:ツ　　　　　 弋:ツ　厶イ　 ′
.　　 　 ′　　　ト ゝ　　　　　　　　,　　　　　 l 　 }／
　　 　 i　l|　 　 {ゞ__　　　　　　　　　　　　　 八 　‘，
　　 　 | 八　　人　 丶　　　　　r　っ　　　 ｲ　　 　 }
.　　 　И　＼　　 Y　 个　　 　 　 　 　 イ l| 　 　 八
　　　 　 　 　 ＼{ ハ ノ　/_≧=‐-‐＜ }ノ 八　 ／
　　　　　　 　 　 　 　 　 { 　 ｀TT　　 }　　 　 )´
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 | |　 　 、
　　　　　　　　　　　イ　　　　 ﾉ | 　 　 ｀　 .
　　　　　　 __ . 　 　 {{　 　 ／人､　　　　／ ｀　､
　　　　 　 i　　 　 　 ‘，_イ::{___ノ ト--:イ　　　　ハ
　　　　 　 |　　　　　　　　{:::::::/⌒ヾ/,ツ　　　 /
　　　　 　 |　　/　　　　　 7^::{　　 　 　 　 　 .′　 i
　　　　 　 |　 .′ 　 　 　 |::::::|　　　 　 　 、/　　　 |


.

277： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:22:05 ID:hrUobFRk


┌────────┐
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　..　正式名称.　　　│　　【 旧嵯峨御所大覚寺門跡 】
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘


┌────────┐
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
│　　　　..宗派.　　 　 │　　【 真言宗大覚寺派 】.　　 　 　 　 　 ／　　__,ノ　｀⌒
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　( ●) (●）
└────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|
┌────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iヽ 　　　　　　|
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　【 不動明王 】　　　　　　　　　　 　 　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　　 　 ＿＿＿＿
│　　　　..本尊.　　 　 │　　【 五大明王 】　　　　　　　　　 　 　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : ,　'"´　　　　　　　　　　ヽ
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 __／ :}Λ::√ У: : :./ : : :.ﾞ／　　　　　　 　 　 　 　 　　`､
└────────┘　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : 大覚寺の基本的な情報は.ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : :..ﾞ{　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :.ﾞ＿..: : : :...ヽ...このとおりだ　　　　　　　　 /
┌────────┐　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 f : :ｉ : : : :i ,':::::ﾞ,. 　 -―ﾚーヽ : : : :..ﾞ` ､　　　　　　　　 　 　 　 ／
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : :ｉ : : : :ｉ i_／: : : :∠.:}L:＞､ ＼...: : :Vﾞ`　　─---------　´
│　　　　..開基.　　 　 │　　【 嵯峨天皇 】　　 　 /: : : :ｉ : : :ﾞ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ..ﾞ: : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
└────────┘　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
┌────────┐　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
│　　　　..開山.　　 　 │　　【 項寂入道親王 】.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|.　　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/ . ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
└────────┘　　　　　　　　　　　　 　 /: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|　　 ／ 　 今回こういう形式に　　　　　　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､.../　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ . {　　　　 してみましたが.　　　 　 　 　 　 }
┌────────┐　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:....ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :..ﾞ` ､......　いかがでしょう？　　 　 　 ／
│　　　..創建年.　　　 │　　【 貞観十八年（876） 】　 　 　 　 ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ..ﾞ`　　─-----------------　´
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘


.

278： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:22:25 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それではかんたんに来歴を紹介していこう」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼


　　　　 　 　 　 　 ｝ 、
　 　 　 　 　 　 　 ｝::::＼
.　　　　　 　 　 　 ｝::::::::::＼ 　 ____
　　　　　　　　　　｝:::::::::::::_」　　　　　　　　.　　　　　　 ....-‐┓
　　　　　　　　 ／｝::::::／　　　　　　　　　　 ｀丶....:::´::::::::::::::::
　　　　　　　　 　 ｝／　　　 ／　　 　 　 　 　 ⌒＼::::::::::::::::/
　　 　 　 　 /　　/　　　　 /　　　　　　　　 　 　 　 ヽ:::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　厶-‐‐-／　ハ　　　　　　　ﾟ｡:::/　　　　　　「ヨロシクオネガイシマス」
　　　　　　 | 　 ｛　　 　 / , 　 ／｝　,　　｝`ト . 　 　 　 V
　　　 　 　 |　__｛　　　 ﾃ芋芋ミﾒ／　　 ｝ﾉ 　 ﾟ｡
.　　　　　　|Vr ｛∧　⊂⊃　　　　　　　　芋ミﾒ､｝ 　 　 l
.　　　　 　 |｛ ゝ ┐＼｛　　　　　　　　 　 　 　 ＾｝/l　　八
　　　　　　 　 ｰ-八 　 　 　 　 ‐-　　 _ 　 　 ⊂⊃｝／
.　　　 　 / ｛　　　　＼　 　 /　 　 　 V｝　　　　　人
　　　　 〈　人　 　 　｛个. .　　　　 ＿リ　　 　 . . 　 ｛
　　　 　 　 　 ＼　　∧{. .ﾊ≧=‐r‐-　 -‐=≦ . .　　｛
　　　　　　　　　 ＼｛　∨　У__∧_〉. . . .／｝／|　　八
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／ ___/｢_{ ∧／　　　八／


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279： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:22:41 ID:hrUobFRk


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,,.ｨ≦￣ ヘ､,イ,ｨ‐-z､ 　 　 　 　 　 {
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,イ　　　 ｀　　　,'　　　 　 ヾx　　　　　 .!.　 　 　 で
　　　　　　　　 　 　 　 /, '　　　　　　　｀/　　　　　　 ｀y　　　　.〉　　　 　 ゅ
　　 　 　 　 　 　 　 　 !'/ // / ,ｨ,ｨ,ｲ-=Y=-x､ 、､　 ､xil!　　　.Y　　　 　 わ
　　　　　　　　 　 　 　 ! il!/ / ｲｲｲ:l!￣｀´￣i入小ﾍ ; l l!　　　.{　　　　 　 っ
　　　　　　　 　 　 lz、 !.i:i;!Y! |i|i|i! .ｌ!,ｨ　　 l､ !l:ヾ洲ﾍ i ;!　／| .､.　　　　 ///
　　　　　　　 　 　 i-ﾊ_,!i;iﾉﾊ｀X;i!N;/∧＿ﾉ ヽﾚ!,.ｨ'/入;ｉXヘ,'　 ゝ、.　　・・・
　　　　　　　 　 　 ﾍ,イ＞＜_〉_ﾉ,ｨ=ｚｘ､{0} ,ｨｚ=x､ 〔¨;`く ヽ/ﾆﾆ入迅､
　　　　 　 　 　 ,ｨ-=ｨ>､/ /;,'　｛ ｛＠｝}}ニ{{｛＠｝ ｝ ｀X;;;;＼!　　 　 　 ｀メ､_＿_ノ
　　　　　　 　 ,ｿ.:.:.:.人込＞,ﾗｧゝ二シﾒ￣ﾍゝﾆシ ,ｫr‐ヾ_≠y-x.,__,,.x彳　　 　.}
　 　_ ,.ｨ='7´/.:.:.:.:.:.:.γ三ミ/,.ｨ^.ｌ/ヽ!´.-=- ^Ｙ<¨＞､! r';;;／;;;／;;ヽ　　 　 　 /、
　 /.:.:.:.:.:.:.:.i:l:.:.:.:.:.:.:.:.{｛｛{{{}｝}iliﾍ '´ iﾆ￣￣ニﾗ　ヽ.;;;;ヾ!.:;ｉ;;;,ｨ:;;,＞;;;i.　　 　 ,ｲヽヽ
. /:.:,ｨ=.:.r､;ヾl.､:.:.:.:.:.入ゝ-ｼﾉメﾊx.　｀ ‐─‐ '　／/ヽ:;;;ゝ_!､!.::;;ﾋｫ;;;;;i、 _,／-=＜ヾ-
/.:./:.:.:.:.y=ヽ」:_ヽ:.:.!=＝≧x.:.:.:.込ﾆ>､ 　 　 ／//／,ｨ､.:;;;;;;;!^ーィ;;;;;:};≧x<ﾆ-x ::::::::ヾ
.:.: : : _,/;;;;,､;;;ヽ!.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.Lヽ:.:.:.>.:!「｀.ー,..ｨ=≦彡':.: ゝx;:入_;:;:;:;:;ノ:;:;:;:;:;:__｀ヽ_＞<=
: : : ﾒ、;;;;;;＼ゝ_,!:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.丶＼:.:.:.:.＞-≦ニ-':.:.:.:.:.ｨ=;/ﾆヾ;;¨;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{:「￣7　　.Y
.:.:./;;､;＞┐;;|/>===x,,._　_,,._＿_ヾ_v:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,イ.:_／r‐ｫ-＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧∨/　 　 .!
:.:.i;､_;≧!;;;!;;;;!,'　　 　 ｿ='y' ￣￣ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／_,.><_ﾟ) ｌ,ｦ|ヽ.　.＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉ｲ 　 　 ,'
:/;!;;;;7;;;i;;ｨ-ｨi{、＿ ,ノ'.:.:.i!　　 　 ,ｲ＝‐--＜´　ゝ┐ 　 .ﾚﾗ! ヽ. 　 ヾ.‐--＜　　　　,ｲ
:.:.:!;;;;ｰｲ^;;;;;;;;ﾉ:,ｨ=-＝￣^ ー‐イ_,ｨ!⌒Y　　　　ヽ┘i⌒l,/ ,| ､ ヽヽ　 i ､ _　　　 , <
:./､;;;;;;;;;ﾉ-‐<¨i　v // _,,..ｨ≦￣　.人__ﾉ　　　 　.＞┘,　 / !￣≧xz､ i　 　 ￣　=-　_,ｨ


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　 「先程も触れたことだが、この大覚寺は神野親王、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 後の嵯峨天皇が嵯峨の地に造営した離宮がその前身になっている」


.

280： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:23:00 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　「貞観十八年（876）、淳和天皇がこの嵯峨離宮を、

　　　　　　　　　　嵯峨上皇と縁深い真言宗の寺院として改めた」



　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　　　「大覚寺として改められたこの寺は、その後、
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　　　　　 皇位を禅譲した後嵯峨上皇や亀山上皇も住まっては院政を敷いた」
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
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　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＞ミ　　　　　　　 ＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 _,.｡s≦二ﾆ=‐　　　　≧s。　｡s≦ 　 }
　　　　　　　　　　　 ィi〔 |二ﾆ=‐　　　　 /　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　〃　　ｉ|=,! 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　廴
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　| 　　　　　 ,　　　　　 |　　　　　 /　}
　　　　　　　　/　　 ／　 　| 　　　　　f　　　　　 i| 　 　 　 /　 乂
　　　　　　　 /　　,/　 　 /i|　　　　　｜　/　 　 ｜　　　 /} 　 ∧ ＼
　　　　　 　 　 　 /　　　 ＼　　　　　｜,/￢-ミ., | 　 　 /　,　 　 } 　 }
　　　　　　 /　　/　　　　 　＼　 　 　 ,x笊芥ミｔ､}　　 ,/　 i}　　 ,
.　　　　　 /　 　 ∨　　　　　　ﾊ　　　ゝ hr:(　 　 |i　／ ヽ ｉ} 　 /　 /
. 　 　 　 /　 　 　 ∨　　　　　 }}　　　|　乂少　　,／　笊ﾐ ,'　 /　 /
　　　　 /　 　 　 　 ∨　　　 r/,}　　　l　 　 　 　 　 　 h( /　 /　 /
　 　　　　　　　　　　 ｱ、____,{/,'|　 　 ｌ　 　 　 　 　 　 vﾘ,　 ,′ /　　　　　　　　　「普通の寺院とはちょっとちがうようであります」
　　　/　　　　　　ィi〔　　|∧ ⌒　　　 |　 　 　 　 　 　 ' 从 /　 /
　　 ,　　　　　　ア‐==≦| 　, 　 　 　 i| 　 　 　 　 ､ 　 / { /　 ,′
.　 /　　　｡s≦,'//////,'|　∧　 　 　 |　　　 　 　 　 ‰ Ⅳ
　/　　　 ∨,'////,'＞''´i|　　 ＼　 　 |i　　 　 　 　 /　　/　/
./　　　　　∨＞''´　　　 |　　 　il＼　 !二≧=―く /　　/　/
,　　　　　　 ^　＿___　　 |　　 　i|　 ＼!}}ﾆ}　　i|　/,　／}／
　　　 　 　γ二ニニﾆﾆ,| 　　　i|≧s。 }=,}__　ｉ| ,' ／
.　　　　　　{二二ニニニ| 　　　i|二ニﾆﾆ,{{{}　 ／
.　　　　　　|二二ニニニ| 　　　i|＜ ⌒ミｔ､く廴|_
.　　　　　　|二二ニニニ| 　　　i|　　　　 　 }}　　 ミｔ､　_
　　　 　 　 ‐=ﾆﾆﾆニ二,| 　　　i|　　 ＿＿_,}}　　　　 Y　＼
　　　 　 　 ‐=ﾆﾆﾆニ二,| 　　　i|ィi〔　　　　　〕iト　　 i}　 　)K
　　 　 　 　 〈∨{ ∧二ﾆ| 　　　i|　　　　　　　　　　 〕iト　 /　 ﾊ
　 　 　 　 　 ∨, __∧二!| 　　　i|　　　　　　　　　　　　　　 〕iト }
　　　 　 　 　／ 　 　 　 | 　　　i|　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼


.

281：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 23:23:13 ID:xi0ar4IA
天皇家の平成の世の改変も進むのか、退くのか

282： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:23:14 ID:hrUobFRk


　　　　　　「南北朝時代において、大覚寺は南朝の本拠ともなり、

　　　　　　　　このことを以て南朝の帝のことを『大覚寺統』というように今日も呼んでいる」




　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒　ヽ､__ 　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _r-,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●）（● ）　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r-, {　|　ﾄ、
　　　　　　　　　　 　 　 (__人＿）　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 |　| |　|　| |
　　　　　　 　 　 　 　 　 '､｀⌒ ´　 　 　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　| |　ｉ　! |
　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　r´ ｿ　ﾄ i
　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　,{、　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　 　 ´,. ´ﾉ
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽr｀ｰ- -=" ／:.>y- 、 __ ,.__　　　　　　　　　　　　 ﾍ{　　　 ´ ／
　　　　　　　　　　　　　　　 r〕,_,. -‐／ : ./ : : : : : : :/. : :ヽ　　　　　　　 　 ／ ﾊﾄ､　　_./
　　　　　　　　　　　　　__／/:::::Λ/ : : : /. : : : : : :/ : : : : :.｀=,.へ_ 　 　 ／ : : : ゞﾆ二彡
　　　 　 　 　 　 　,.-< : : : :}:::::ｙ' / : : :__{: : : : : : / : : : : :／.. : : : :７√ : : : : : : : : : :.／
　　 　 　 　 　 r´ : : : : :「: :/:::::i / : : : :＞ : : : : ,' : : : : :i : : :i: : : ::i / : : : : : : : : : .／
　　　　　 　 　 } : :, : : : i :/:::::::i/ : : .／ : : : : : : ', : : : :i:: : : :i: : : : :', : : : : : : : : ／
　　　　　　　　ﾌ :.ｉ : : : :i/::::::::/ : .／ : : : : : : : : :.', : : i:::ﾍ : :i::.. : : ::. : : : : : : ／
　　　　　　　 ／ :ｉ : : : :i:::::::::/:.／ : : : : : : : : : : : : , : : : : : : : : : : :,-､ : : : ／
　　　　　　　i : : :ｉ : : : :i:::::::,' :/ : : : : : : : : : : : : : : =- y-ｰ ´¨￣ ｀-ｰ‐'"




　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　 　 　 ＼
　　　　　　　 ／　　 ─　　 ― ヽ
　　　　　　／ 　 　（ ●） 　（ ●）'　　　　　　　　「日本史最大のワケワカメ南北朝時代」
　　　　　　|　 　 　 　 （__人__） 　　|
　　　　　　＼　 　　 　 ｀ ⌒´ 　,／
　　　　　　／　　　　　　ー‐　　 ヽ


.

283： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:23:45 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　「これに対し、北朝は『持明院統』と呼ばれているが……

　　　　　　　　　　　　南北朝の話はまた後、湊川でやる予定だから今は勘弁な」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　 ／　　　 ＼-一ヽ､　＿_ｒ‐- ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／　 　__,ノ　ヽ､_,７　　　　7 } : : : :＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ─)（─)/｀ ‐　　/ /: : : : : : : : : :｀ '' ‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　（___人__）‐-─≦／.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : :丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　└‐-､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　　　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　 　|　　　　　　　__,. -＜｀丶､.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ､.,ヽ., ___ ,__ノ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:ｒ´
　　　　　　　　　　　　 　 _ ,.-=〈:.:'､`ヽ、___ 　ﾍヽ:.＼: : : : : ､: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　 _＜ : : : : ∧ :ヽ　　 /:::ヽ 　Vヽ:ﾊ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　 , -‐ '´: : : : : : : : : : :∧､　∧::::::∧ l: : ＜:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_ｒ'´
　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ／: : l Ｖ　 !::::{　｀!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_､-‐''ﾞ´
　　　　　　 ｆ : : ヽ : : : : : : : ／ : : : : l　　 l::::::i　 l: : : : : /. : : :!.:.:.:／
　　　　　　 ゝ: : : i: : : : : : :〈: : : : : : : l　　｛::::::i　!: : : : /: : : : :l／
　　　 　 　 ｊ : : : : i: : : : : : : ヽ: : : : : : ﾞ､　!:::::::ｉ l: : : :./ : : : : :!



　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿___
　　　　　　　　　　　　____〃　　-‐…‐-　　丶ヽ
　　　　　　　 　 　 ／　／　　　　　　 　 　 　 ＼＼
　 　 　 　 　 　 ／ 　./.　　 /　 /　　　　　　　 　＼＼
.　　　　 　 　 〃　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　/（ ／/ ′....　|　 |...　　　| .　　/　 　 ! 　 >）ヽ
　　 　 　 　 {辷〉｀ヽ{..　　　|　 |　|　　 | l　/|　　　 |　/　〈 /
　　 　 　 　 丶〉 　 〉　 　　|,ﾊ,|　|　 　| |/__|　　 　|　＼／
　　　　　　　　＼／　∨..　代フ. N∨ |弋フ　 　 /　|＼ ､　　　　　　　　　「案内人しっかりするであります」
　 　 　 　 　 　 xく／ :|.　　ﾄ　　　　　　　　ｲ 　 /..|＼　＼〕
　　　　　　 　 <／.　 人ﾊ从 ､　　　　　　／∧/.　| i|¨¨¨´
　　　　　　　　　　ｰ/ |　　　 |, ＼　‐　／}} |　　　 |八
　　　　　　　　 　 /　 |　　 　| ヽ___　　xく〈 |　　　 |‐-ミ
.　　　　　　　 　 /, ¨¨|　　　 |,//　 》《　　 》....|....　|　 　ヽ
　　　　　　　　 / {....　|　　　 | 《 ／|:i:|＼_/:|　|....　| 　 　|＼
　　 　 　 　／/　{. 　 |　　 　| 　 　 V.　　　|　|､　 |　　 /　　＼
　　　　　　|　 | . ‘，　|　　　 |.　 　 　 　 　 |　|　ヽ| 　 /　　　　|
　　　　　　|　 |　/∧ 从人,ノ 　 　 ヽ/..　　丶|.　　 一　＼　 　|､
...　　　／ :|　 |/ /　 ,.　　‘,　　　 　 }{　　　　 }　　 }　〈　　|　 /　丶
　　　/　　 ＼ヽ/ 　 ‘,. 　 ‘,　　　　 }{　 　 　 　 ／　　ｿ　ﾉ ./
　 　 |　　 　| .＼　　　〕ノ　 ⌒¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´ ＿／ ／／.　 　 　 |
　 　 |　　　 |/　／｀¨¨‘, 　／〕　　　　　　　　／　 /　　」　＼|　　　 |
　 　 |　　　 |　 {{　　　　／ヽノ　⌒ｰ‐‐‐─　　　 /　／　　 　|　　　 |
　 　 |　　　 |　　 ｰ-=彡　〉　　　　　　　　　　⌒/　/　 　 　 /　　　/


.

284： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:23:58 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|　　　　　　　「やがて南朝は消滅し、
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____　　　　　　　　　　　　それに伴ってこの大覚寺も衰微していくことになる」
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/　　　　　　　　　　　　　　　「後宇多天皇時代が最盛期という話もありますね〜」
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ


.

285： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:24:18 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だがそれでも、門跡寺院としての法灯は絶えることなく、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　明治維新までは大覚寺は嵯峨一帯を寺領として支配し続け、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　徳川幕府の支配や干渉を受けない、いわゆる守護使不入の地となっていた」


　　　　　　　　　.　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 . ／　ノ　　＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　|　 （●）（●）.　|
　　　　　　　　　　　　　.　|　　（__人__） /ヽ　　 ./´}
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　{ 　{ 　 /　/
　　　　　　　　　　　　　.　 ヽ　　　　 　 ﾊ　 L/　/
　　　　　　　　　　　　＿＿ ヽ　　　　 /__.〉　　　ん-､
　　　　　　　　　　 ／ :　　: :介.〈::::〉.介.〃＿_　 /　, ヽ
　　　　　　　　　　 | : : : : ::〈　｢｀{::::}　!　{　＿__）{_ /　,ﾊ
　　　　　　　　　　 | : : : : : /: |　{::::}　!: :l :＼__, -､. ￣_/:ヽ
　　　　　　　　　　 | : : :　〈: :│ {::::l　|: : 〉 : :ヾヽ　 Ｚﾝ: : : :｝



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 守護使不入 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　『しゅごしふにゅう』と読みます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　守護をはじめとした武家政権の警察・治安組織などが特定の土地に立ち入ることを禁じることです。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　守護使不入と定められた土地では、税金を取ろうとしたり、
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　逃げ込んだ犯人さんをを追跡したりすることは出来ませんでした。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　嵯峨一帯の治安維持には大覚寺さんが当たり、境内には牢屋やお白州もあったそうですよ。

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

286： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:24:33 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「この大覚寺は、大沢池のほとりにあり、鉄道唱歌に歌われているように、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その大沢池に春が来ると、染井吉野や八重桜が咲き乱れ、

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　 春の名所の一つとして現在も名高い」
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　「流石に嵯峨天皇が造営しただけのことはあるということかお」
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　 ⌒　　　　　⌒　＼
　　　　　　　　　　 ／　　　　　／　 ｀ヽ　 　 /´　 ｀ヽ＼
　　　　　　　 　 ／　 　 　 　 （　　 ● l　 　 l　　 ● |　 ヽ
　 　 　 　 　 　 |　　　　　　 　 ヽ_ 　_ノ　 　 ヽ_ 　 _ノ　　 |
　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 ´￣｀ （　 　 i　 　 ） ´￣｀　 |
　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　ー‐ ＾ ー　　　　　／
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 　 ｰ一 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ


.

287： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:24:47 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「その時代には染井吉野はなかったけどな。

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ／￣￣＼　　　　　　　 さて、嵯峨天皇とこの大覚寺は縁が深いが、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　　 　 　 　 　 _　　　 　 　 　 　| （● ) （⌒ ）　.|　　　　　　 その縁のうち、今回特に2つのことを
　　　　　　 　 　 　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　 　|
　　　　 　 　 　 　 ｜ !　　　　　　　　|　 ｀ ⌒ ´　　　.|　　　　　　　　　　　紹介していってみようと思う」
　　　　　　 　 　 　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　 　 　 ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　 ﾄ
　　　　　　 　 　 |　 ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　 ／i＼,,,,_
　　　 　 　 　 　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／ 　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　 　 　 　 　 | 　 ）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　 ／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　 　 ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く 　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　 　 　 　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }



　　　　　　　　　　　　 ＿　＿_
　　　　 　 　 　 .　 ´　　　　　　　 ｀　ｘ≦7７
　　　　　　　／　　　　　　　　 　 ＜,/////
.　　r≠≦７　　　　　　　　　　　　　∨//ﾊ
　　 ∨/// 　 　 　 /　 　 、　　　 　 ∨/
　　　｀¨¨′　　 　 ′ i　　|{-‐、-　 　 ′　i
　　　 　 i 　 　 　 !| !ノ 　 八{　＼ヽ. 　　　 |
　　　 　 |　 　 ／八ﾄ､　 /　ィ笊ミx‘ 　 ｉ　 |
.　　 　 ノイ　　　ixf笊 ソ 　 弋うﾘ　 ｉ　 |i 八　　　　　　　　　　　　　「フタツノコト？」
　　　　　八 　　 {弋う　　　　　 ,,,,,　′ 八　‘，
　　　　　　　ー　 ゝ ,,,,,　　'　　　　厶イ　　|{　i
　　　　　　　　ｉ{　 人 　 　 c　　 イ{　 i 　 八 ′
.　　　　　　　 八{　 i　≧=‐r＜＿jハノ}／
　　　　　　　　　 ＼{ ゝ⌒ノ|{　　　ヽ
　　　　　　　 　 　 ,.　 イ　 八　　 ／｀　　、
　　　 　 　 　 　 /　 ,　ヽノ,:f^V7　　　　　 i
　　　　　　　　　i　 /＿　/:::i ____ 　/ 　 　 |
　　　　　　　　　|　f,//,'/::::::|/////　　　　,
　　　　　　　　　|　|///,:人::|////　　　　/
　　　　　　　　　|　|///ｉ::Y:::|///　　　　/


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288： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:25:01 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼
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　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、　　　　　　　　　　　　　「まず一つ目は『活け花』だ」
　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
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　　　　　　　　,　 /　 〈　!　 　 　 　 　 ,x笊云示ﾐ {｜　 /　}　 ≧s,　,　　　/　 　 /
　　　　　　　　　/　　　 ≧s｡.,___　　　 ゝぃ{//(　　V!　,　　 ,ｨ云ミｔ､/　 　/　 　 /
　　　　　　　 ,　,　　　　　　^⌒〉,　　 ｜ 乂^)少　　 ,ノ　 　 に/(　ｶ　　 /　 　 ,
　　　 　 　 　, 〈＼　　 　 　 ＿}ﾊ　　 i|　　　　　　　 　 　 　 込少/　　 /　 　 /
　　　　　　　 　 ＼＼　　　〈///∧ 　 |　　　　　　　　　　　　^宀　,　　,′ 　 ,′
　　　　　　　 　 　 ＼＼__＞////ﾉ　 ｉ|　　　　 　 　 　 　 '　　　　/　 /　 　 /　　　　　　　　　「ほほう、活け花でありますか」
　　　　 　 /　　　　／＼///,＞''´　　ｉ|　　　 　　　　 ､　　　　　 八　′ 　 ,
　　　　　 ,　　　　/　 ／/|⌒∨　　　 i| ､　　　　 　 　 　 　 　 ィ 　 /　 　 /
　　　 　 /　　　 〉77////!　　∨ 　 　 ,　＼　　 　 　 　 　 　 /　　,′ 　 /
.　　　　,　　　／/////／|　　　＼　　∧ﾆﾆ＞　　　　　　　 /　　/{　　 ,
.　　 　/　　　∨///／　｜　　　　＼　∧二ニニ≧=≦ 　 ,′　八',　 /
　　　/　 　 　 ∨／　　　　　　　　　 ＼,∧　|二二| |　　　/　／ | 八,/
　　 /　　　　 　 ^　　　　 |　　　　　　|　＼l　|二二| | 　　/／　　|　 /
.　　　　 　 ≧=――-=≦|　　　　　　|　　 ＼ニ笊,| | 　／　　　 i|
　/　　　 /二ニニニニニ|　　　　　　|――┘=,{{}},{ {廴__|　　 　ｉ|
./　　　 /二二二二ニﾆﾆ|　　　　　　|ニニニニし'二二ﾆ|　　 　ｉ|≧s。


.

289： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:25:15 ID:hrUobFRk



　　　 　　　　 ／￣￣＼
　　 　　 　 ／　_ノ　ヽ_　＼　　　　　　　　　　　　　　 「あぁ、この大覚寺は嵯峨御流の活け花の総司所
　　　　　　 | 　（●） （●） |
　　 　 　　 |　　（__人__） 　|　　　　　　　　　　　　　　　　　 ……簡単に言えば元締めだな……になっている」
　　　 　 　 |　 　 ｀⌒´　　|
　　　　　　 |　　 　　　　　}
　　　　　 　ヽ　　　　　 　.}
　　　　 　__,_,,.ヽ＿　　　ノｰ- ､
　　　　 ハ　　/ 　Ｖ又ｲ ::::〉::::::i:
　　　　 }　ヽ 〈　　 l |;;|ﾉ　/::::::::::i 　-,,_
　 r iY'ﾉ.;;　 }::ヽ　　l|;;|　/::::i::::::::}‐　|　||
　.|| | ﾉ:::: 　 }:::::::＼|;;;ﾚ'ｰ'' ⌒.:::: ヽ |　||
　.|| | {,,;;;; .:::: ヽｰ---ｹﾄ､, へ､:::: 　 |　||
―──.::::::::::::ノ.:::/　/　　　彡}――─────
　　　　 "￣｀ﾞﾞ ''ｰ-､'ー----'


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　 　 　 　 ( ﾉﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　 ＼ 　　　i′ ヽ_ ）
　　　　　　　　　　　　　　／ ― 　　―　　＼ 　 .〉　 ,.く
　　　　　　　　　　　　 ／　（●）　（●）　　　＼/ 　 ハ ヽ
　　　　　　　　　 　 　 |　　　（__人__） 　　　　　| 　 /　　ヾ　　　　　　「嵯峨御流というのは流派の名前かお」
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 ヽﾉ　　　　　 ／ ／　　！ ｉ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼_ 　 　　　　　　　＜、　　 〃ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　,.-､ 　 _, -｀ く '"
　　 　 　 　 　 　 　 　 / 　　|　　 　 　 (`　 ￣ 　　　　〉
　　　　　 　 　 　 　 　 !　　<|　　 　 　 ヽ､__,.― --―'
　　　　　　　　　　　　　＼_　ヽ''＾ヽ　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ヽ､_ﾝ′　　　　 　 |


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.　　　　　　　　「そうですね〜、そのあたりのお話は私も知ってます」
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼


.

290： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:25:28 ID:hrUobFRk



　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　「そうか、じゃ、あずさに解説を頼もう。
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　　　　　　　　　　　　　俺はちょっとタバコ吸ってくる」
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊｰｒ―-､ヽ　＿＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::!:::',　　 ヽ〉　　 (
: : : : : : : : : : : : :´厂｀|:::::',　　　 　　て
:::::::::::|:::::::::::::::::::::/,ｚ､│::::l
::::::::: l:::::::::::::::::::/〃∥|::::::|
:::::::::::!::::::::::::::::/ ∥ j! !::l:::|
:::::::::::|:::::::::::: /　 ヾ=' ∨: |　　　　　　　　　　　「えっ――それじゃちょっとだけ」
:::::::::∧l::::::::/ 　 　 　 /:::::|
:::::::/:/ﾘ､::|:{　　（ゝ／;ｲ::/
::::::::/＿.ヽN＿_／|:::/ |/
::://: : : :￣ｽ 　　 |/
／ヾ: : ＿/: :＼＿
ヽ: : : : : : : : : : ヾﾘ＼



　 　 　 　 　 　 　 　 .　　　´￣￣￣｀　　､
　　　　　　　　　 ／　　　 ,　 '⌒　　 　 ´￣｀丶
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 / 　 　 ,
　　　　　　　′　　/　 　 　 　 　 　 / 　 ! 　 　 　 ‘，
　　　 　 　 　 　 . ′ 　 　 　 ′　 /　| i |　i 　 i
　　　　　　, 　 ノイ　　　　　厶 ‐ /　八{ ﾄ､{‐- |　 　‘，
　 　 　 　 ′　　 |　　　 ｉ´/　|　/ j/ 　乂　ヽ　|　　 i　.　　　　　　「アズササンナレテキマシタ」
　　　 　 /　　/　}| 　 　 Ⅳ　 Ⅳ /　　　　　　Ⅵ　　!ト ゝ
.　　 　 /　　/　j八　 　 |　　ｘ≠ミ　　　　x=ﾐ　i 　 八
　　　 /　　 ′　{ (ヽ 　 |　　　　　　　　 　 　 ハ／
.　 　 ′!　j　　　＼ゞ＼{　　 　 　 　 　 '　　 ′‘.
　　八{八ハ 　 ｉ 　 ｀ ｰr 、　　　　ー　　　 / 　 !|
　　　　　　　＼{＼　　i |__｀　　　　　　　 イ　　 八
　　　　　　　　　　 ＼ﾊ{　 ｀ 　 ≧=‐＜　 !　 , ′
　　　　　　　　　　_,ノ　　　　　　| | ､ 　 )ﾉ}／
　　　　　　　.　＜　　　　　　　　| |　 ｀ r　__
　　 　 　 /´＼　　＼　　　　　 ﾉｘへ＿|　 ｉ　.
. 　 　 　 ′ 　 ＼　　＼　 　 / ＼:ノⅣ!　 !　|
　　　 　 i 　 　 　 ヽ　　 ＼_/　　　ｉ::::く　　!　|


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291： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:25:46 ID:hrUobFRk


　　　　　「嵯峨離宮の庭池である大沢池は、大陸の有名な湖、洞庭湖を模して作られています。

　　　　　　　　　　　この嵯峨離宮の庭が、日本の造園のはじまりだというお話もあります」




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ
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㍊㍉､j{ilililili:i:ij{ミミﾐﾐﾐ;:;/;:;:ｘＸｘｘＸＸｘ;:;:;:;:ﾆ=‐.:.:.: : : :-=彡'xく;';';';';';ｘ淡樊樊樊樊}i:i:i:i:ililililililii:i:}戀戀
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.:.:.:.:.:.{ilililii:j{.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : : : : : : : : : : : : : : : 　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　: : : : : : :{i:i:i:i:ilililililililii:i{: : :
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i:i:/ilililililｉl|　:　:　:　:　.　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　.　　.　.　.　:　:∨i:i:i:i:ililililil
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。

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292： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:26:13 ID:hrUobFRk



　　　　　　　「この大沢池からは嵐山や小倉山、愛宕山が伺えますが、

　　　　　　　　　　　　かつてこの離宮に住んだ方たちは、直接それらの山々を見るのではなく、

　　　　　　　　　　　　　舟を浮かべ、湖の水に映った姿を眺めたそうです」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　 　 　 　 ||! |!　　|!l　　// ///　/,/　/,//j　　　　 　 ヽヽ ヽヽ　ヽ ヽ
　　　　　 　 l|! |!　 |!l＿ノ/ ///　/ノ　/ノ/ノ　 　 　 　 　 } ﾊ　',ﾊ　 ',　',
　　　　　 　 ﾔrl!斗宀≪=彡ィrf七云三三ミ ､__,〟, ＿ _ j/ ﾙ} ｝l}　 ｝　!
　　　　 ,ｨf ｢/ ,' /rぅヽ<ﾙ!ﾚ¨Ｙ] ｲ＾fﾐY´＾｢｀ ヽ:r=!乏三辷えトﾙ'}}!　/} ﾘ
　　 　 ;　　　　 ｛{ ） } }　 !,j　 {{{ ｀ ー'ﾟ一' " // ]:｢´{r{^_勹 　/〉ﾉ／ル'
　　 　 |　　　　　Ⅶﾉノ　ﾉﾉ!　 ヾヽ、＿____.ノ/　 ｌ:|　｀ ｰ‐'　 ///うヽミ=-
　　　　ヽ.＿、、ﾒ≧─く巛|　 　 ｀'ー―― '´ , , ヾ:､＿＿_ノ,ｲ}}〉〕} }}＾ヽ
　　　　　/'/　'//'//⌒ヽ Y!　　　　　　　　　 ｀‐"　｀ー一ｉ ﾄ､ﾄﾐ.__刀　　　　　　　 『時代は違うけど徒然草とかでも
　　　　 ;　　　　　{{））　 }ﾙﾄ､　　　　　　　 ＝￢　　　　 /| |/r/,.r‐く
　 　 　 ﾔ　　　　爪廴ノﾑﾘ ﾞヽ　　　　　　　ｰ-　　　　 /[|| |ﾚ'/}Ｙ:ﾊﾊ　　　　　　　　　　　　　”なんとなーく見る”のが
　　　 　 ヽ.廴_从丈___彡"　　::＼　　　　 　 　 　 　 ,ｲ[||||弋｛ﾉ}川リ;
　　＿＿　　　　　　　/　　　　 ::::::ヽ　　　　　　　 ,.ｲ㏍㏍ﾄ廴廴.z彡'　　　　　　　　　　　　　　　 都人の鑑賞の仕方だって書いてあります』
／: : : : : ヽ｀≧=/ニニニニニIニニ ＼　　　　,r个ー一七弍辷≦_
:＼ : : : : :｀ー‐ｧ'　　　　　　　 | |　　 　 ｀ ー ´ニニニニf´:／: : : : : :｀ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『直接まじまじ見るなんてのは

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　下品というか』

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




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293： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:26:34 ID:hrUobFRk







。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　: :.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.....-=x　　,.ｨ=-ｫ ＿
　　　　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞ≦￣¨ヾﾍ^´　 　 　 　 ≧x
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ヽ;;;;))ノ;;)　;　　　,.;；:｡,.;i；';.,,　　　　　: : : : : : : : : : : : : : : 　.;'":;. : { /　 ./ !.ｉ |　　　　 ∨:ｌ i　　 　 i ! .ﾍ !
;;;　　;⌒ヽ;;;　　,.i,i,i,i,';.,,;:i;i;i;.;i；';.li：､;,.;；:｡;:；;:：､;　　　,.;i：、;:;":;";`;:ﾞⅥ　 {　!､v!　　　 　 Ⅵ､!　 l　　l !__ﾍi.＿
..;;liヾ; :.　 .)　.;,,,,,,；li,i,；,.;lilii,:；;:：､;｡;:；;lililili.;'":;. :.. ;'"'":;ii:..　ii　：、;:i;.ﾞＶヾヽ:{≧!､　　 ,.ｨ七Ⅶ､ l !γ⌒.ヽヾヽ ヽ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　「ある日、大沢池に舟を浮かべていた嵯峨天皇は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　池にある小島、菊が島の辺りに咲いていた一輪の菊を手折り、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　女官の持つ瓶にお挿しになりました」


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294： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:26:52 ID:hrUobFRk



　　　　　「その姿が素晴らしく美しかったために、嵯峨天皇は」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　_,,.ｨ ≦- ￣　､ ヽ、 ,r '　￣￣　≧
　　　 ,,,..ｨ=´　　　　 　 ヾヽ　ヽ,i! /／-≦三Ξ
　　／,ｨ'　　　　　 　 　 　 　 　 ;　　 　 　 　￣
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..!/ / / //ﾉ/ ,' l　,! |　l! ! !-───-￤l l、ﾍ
..i l ! i! i!,'// /　! /! l　i! l l!　　　 　 　 ∨!l',　ﾍ
. !l ! ,≠ !/ ,'/ // .!/,/! /l.! 　　　　　　 ヾ小.　ﾍ
_,≧_ｚク　///,/　/,/l!|/. ﾘ　　 　 　 　 　 Nキ　ﾍ
≧=シ ／ /-,行=＝≠＝-､、_＿__ ,,ｨz=＝≒＝ ∨
Y,ｨ＝ﾗ／歪Y´≧＝＝==-､ヾ=≡ｲ',ｨ-=＝＝≦
{/〃三}｝}个《 　 、 Yﾟrｚ｝　/ｨ};}. ｛{ ヽ_｛rｪろY
{i l l l!;f,'//,' iﾍ、 　 ￣￣-=彡ｌ! 　ﾄミ=-￣￣
込ニｼ//ﾉ,'ｨ|､ ヽ､_　　　 _,,.zメ.　　Xz_　　 　 _,
＞=-巛///ｨ!ﾍ　　 ￣￣.　　　＿__　　 ￣￣
,ｨ＝- ､ヾミﾐ|　l!.　　 　 　 　 　 ￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『爾来　花を賞ずるもの　これを範とすべし』
.//⌒込　∨ .ﾉﾍ　　 　 　 　 r──-,
l .! .l!i!Y;｝ ,}'　,!iliiﾍ　　　　　 　 ￣￣
ﾍﾍ入込!/　./!/!il|丶 　 　 　 　 ￣　　　　　 ,ｲl!
込入_ソ'　 ///!/!!　 丶　 　 　 　 　 　 　 ／ililil
≧二三_／､/ｼﾉﾉ!　　　＼　　 　 　 　 .／ilililili,!'
ｨ＜￣≦＜ニニ-!　　　　 ヘ　_＿__,.ｨ'ililililililiY:.:.
　　　　　　　ヽ┬;ﾄ<＿＿＿__ヾilililililililililililili/:.:.:.
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「とおっしゃったということです」




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295： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:27:09 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／　　　　　　　　　 「この嵯峨天皇が挿した一輪の菊が、
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　嵯峨御流の活け花の源だと言われています」
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ__　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',　　￣　Y: : : :ハ!:|i:ﾘ　　　　　　　　　　　「時々イケバナのことをフラワーアレンジメントみたいに
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ　　　　　　　　　　　　　　書かれている本があるけど、そうでもなさそうね」
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .


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296： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:27:55 ID:hrUobFRk



　　　　 ｆ` ｒ-‐─‐ ‐....､
　　　 ,ｨヽ ヾ:::::..＿.::::::::....ヽ　　　　　　　　　　　「嵯峨御流は大まかに分けて3つの体系で成り立っています。
　　 /..::::::∧∨,　-‐ ヽ.:::::::...＼
　 /....::::::::レ}ﾉ　　　　　 ヽ:::::::.....　　　　　　　　　　お生花の『未生御流』盛花、瓶花や盛花の『嵯峨流』、そして『荘厳流』です」
　i.....::::::::::|　　 　　 　　,. -‐ Y:::..ヽ
　|....:::::::::::|　　　　　　　　___､∨::...}
　| ...::::::::::i　, '´　 　　　'´　 ゛ ∨::.|
　::....::::::::::Y´　, =､ 　　　 　　　∨..ﾄ､
　 .∨...:::::∧. ´　　　　　'　　 　 }::::|..ヽ
　　 ∨..:::::::::ヽ　　　　.__ 　'　　/N.......∧
　　　`Y......:::::::::ゝ.　　　　　　ム-､::::....∧
　　　　|..::ヾ..:::::::::＞‐----ィ__ﾉ. {:::::::::...∧
　　 .　 |..:::::::::::＞ {` i￣i￣i￣i　i Ｌ＿,､_∧
　 　 　 |.:::::::::::::::::_,}　i　 i　 i　 i　ヽ　　ﾄ､`ヽ
　　　　 |...::::::::::,イ´_　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ
　 　 　 .|...::::::/　　 `Y　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ 八　 ＼
　　　　 .|...::::i　　　　 ＼　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ 　＼
　　　 　 |....八　　　　 　＼　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ.　＼
　　　　　|...::::::ヽ.　　　　　 ＼　;;:　 i　　i　　i　 i:::;} 　　＼
　　　 　 .|.....::::::::| ＼　　　　　＼::::ﾉ:::::ﾉ:::::ﾉ:::::ﾉＸ　 　　　＼
　　 　 　 |....:::::::::ヽ　＼　　　　　＼.....i.......i.....i...{ 　＼.　　　　＼
　　　　　 |......::::::::::::ヽ　＼　　　　　＼i　　i　 i |　 　 丶 　　　　ヽ
　　 　 　 .|......::::::::::::::::ヾ i ＼　　　　　＼　i　i |　　 　　ゝ　　　　 ＼
　 　 　 　 |.......::::::::::::::::::.} i　i ＼　　　　　＼ i |　　.　 　　 ＼　　　　＼
　　　　　　|.......:::::::::::::::::ﾉ i　i　i ＼.　　　　　`Y　　.　　 　　　＼　　　　＼



azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 3つの嵯峨流 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /　　　　　生花：花器を底辺とした円（天）を想定し、その円の中に収まる正方形（地）を仮想します。
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/　　　　　　　　　 その正方形の対角線によって作られる直角三角形の中に
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　　　　 　　 『天』『用』『留』の三つの枝からなる『三才の格』の姿をおさめることを基本とした活花です。
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ
::::::::: /.|/ﾌ´￣´
:::::/:;' /⌒ヾヽ　　　　　　　　盛花：花器として水盤を用いて、花をその器に盛るように活ける形式の活花です。
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　　　　　　　　　一番自由に活けることができる様式です。
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　 　　 荘厳華：荘重な場を飾る花として、嵯峨御流で編み出されたといわれる活花です。
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿　　　　　　　　　　　『真』『行』『草』の三態で構成されていますが説明するにはスペースが足りません
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　　　　　　　　ごめんなさい。
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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297： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:28:23 ID:hrUobFRk


.　　　　　 　 ／⌒＼
　　　　　　 /　 　 ＿×￣￣｀ｰ 、
.　　　　 　 { 　 ／: : : : : : : : : : : :.ヽ　　　　　　　　　　 「明治維新までは、未生御流、嵯峨流、荘厳流は
.　 　 　 　 　 /: : : :,.へ:/:＼ : : : : : '.,
　　　　　 　 /: : : :/＾｀｀´ ⌒ヽ.: : : : : ,　　　　　　　　　　　ぞれぞれ別々の流派となっていましたが
　　　 　 　 ,': : : :.;' 　 　 　 　 ヽ : : : : ',
.　　　　　　{: : : : ｌ´￣´　 ｀￣｀i: : : : : :',　　　　　　　　　　　明治維新のとき色々あって、
　　　　　　 }: : : :.ｌ=＝　 　 ＝=ｌ.: : : : : :i
　　　 　 　 |: : : : !　　　　　　　ｊｲ: : : : : l　　　　　　　　　　　　これらの流派は『嵯峨御流』と総称されるようになり、
　　　 　 　 l:ﾄl : 八"　　　　　"ﾉ:!: : : : : ｌ
　　　　　　 ﾘ Ｖ:::::::ヽ、｀ ´　ィ:::ｉ:ｌ: : : : : l　　　　　　　　　　　　　　今日に至ります」
. 　 　 　 　 　 〉: : l:::::::}　 . : :l::::|:l : : : : :.!
　　　　　　　ｒrｰ､_j＞<　 : : :厂リ>ー‐ｙrｰ､
　　　 　 　 //　＜　　 ﾟ･ﾛ･ﾟ　／ ／／/ 　 ヽ
.　　　　 　_{ 　 ＼__＞ｚ―‐＜ ＜　　 　 彡人
.　　 　 　 |　　＞ー　‐ｚ＞二＞ニ二 ＿_　 ,ｲ
.　　 　 　 ヒ二ニニ 　 ＞ィ＝== ―┬―〒 |
　 　 　 　 /:l￣｢￣￣´　. :　 　 　 　 !　　 j: :ヽ


　　　　　 /|!　　　　　　|　/　 |　　|　　　 　　 　|　｀ヽ　　　.! ￣ ヽ
　　　　　/Y　　　　　　 ! .!　　|　　|　　　　　 　 !　　.|　　　 |　 　　!
　　　　/　,|　　　　　　 | ﾊ　 ,|.|　 |ヽ/ /　　　 ,! |　i |　　　 |　　　 !
　　　 /　/|　　　　　　 ||__!＿|_ヽ__!_ | /　　　/　|　| |　　　 | 　　 .!
　　　/　〈,.|　　　　　　 | |,.ヽ=r=ヾ|　!ｲ　　 ./|__/i　!.|　　　 | 　 |　|
　　 ,'　　　＼､__　　　/ィi////cﾐヽ　 |　　/-_|ﾒ_|,A |　　　 .!　 ,!　|
　　,'　､　　　 ヽ::ヽ　　 !| 弋辻り　　　|　/ ,.ｲ///ヽ!|　　　 .!　/|　|　　　　　　　　「色々あったのなら已む無しでありますな」
　 ,'　　 ｀ヽ､ ヽﾉ::::､ | ヾ |｀￣￣｀　　 | /　 弋りc'| |　　　 ,!　,! | .!
　 ! ｀ヾ､　 _ 「:::::::::::::!! | i|　　　　　　　´ 　,　ゞ＝! !/.!　　/　/　| .!
　 |　　|ヾ､-'´::::::::／ ヽ! |'､　　　　　　　　　　　　//i |　 /　/ 　! .|
　,!　　|:.:.:/ T-イ　　　　 | ヽ　　　　　--　　　　//　!　 /　/　　| .|
../　　/.:/　 /i　 ヽ　　　　|ヽ　　　　　　　　　 ,ｲ/ 　　./　/　　 !/
'　 　 !:.:|'ノ/iii|　　 ヽ　　 　､ ＼　　　　　　／ /　 　 /　/
'　　//iiii/iiiiii,|　　　ヽ　　　 ミミヽ､　　 イ　　/ 　　 /　/
　　/iiii/iiiiiiiii|!　　　　,}､　　 ヾ|三ミi｀ i　|　 /　　 ｲ　/
　/iiiii/iiiiiiｲ /　　　　/ ＼　　ヾ三ﾐ|!　|　! /　　/ !|　|
,/　ヾﾐiイ //　　　　/￣￣ヽ　ヾ三|!　|　V　／　 !ヽ!
' 　　　 / //　　　 / !　!　!　!＼ ヾﾐ!　 | /／　　 !|


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298： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:28:37 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　_
　　　　　　　　　　　　,イ: : : : _　､,: : : : : : : : ﾐ
　　　　　　　 　　 　´: : : : : :/ ヽ: : : : : : : : : : : : `
　　　　　　　 　／: : : : : : : /: ﾊ: : : : : : : ￣: : : ヾ: : : ､
　　 　 　 　 ／: : : : : : : : ::| /ミ､: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ､
　　　　　　,: : : /: : : : : : : .{:{　　 `Y"／　ヽ: : : : : : : : : : ﾑ
　　　　　/: : : : : : : : :;;;;;;/:|:|. ⌒`､}'"´⌒丶∨: : : : : : : : : ;i
.　　　　 ′: /: : : : :;;;;;;;仏|{　　　　　　　　　 ∨: ;;;: : : : : : ::|
　　　 　' :　 : : : : :.;;;;;∥　{i　 　 　 　 　 　 　 i: : ;;;: : : : : : :;|
　　　　 |:　 : .: :.: : : :∥.　 |　　　　　　　　　　 |: : ;;;: : : : : : ;|
　　　　 {:　　: : : .:::{: {　＿　　　　　　　,　-＝-} il:;;;;l : : : : : |
　　 　　i:　　: : : : .i: :i'´　￣ `　　　 　 　 　 　 ﾘ.| :;;l: : : : : :;i　　　　　　　　　「こんな感じでいいかしら〜」
　　　　 |:　　: : : : l: :|.　　　_　 　 　 　 　 　 　 　 |:;;l : : : : : ;i
　　 　　i:　　: : :;;;;i: l　 ｨ三､`　　　　　'´ ,ｨ＝ﾐ､　ﾘ}: : : : : : i|
　　　　八　: : ;;;; i |:k'仏 　 }　　 　　　 　 iし　}ヾ､. }: : : : : |;;l
　　 　,: : 　　 : :;;;i ;;i{　夊歹　　 　 　　　　ﾏ夊　}｝ |: : : : l |;;|
　 　 /: : :;;;;l : : :;;;;.|i 　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : l :|;|
.　　 {: : : ;;;;;l : : :;;;;|　 _　　　　　　　i〉 　 　 　 　 　 ﾑ: : : l : i|
.　　 |: : : :;;;;l : : :;;;;ﾄ､ | .） 　　　　 　 　 　 　 　 　 ./: : : /ﾋ=‐- ､_
. ,イﾁﾄ､￣仏: : :;;;;;| `i　i　　　 　 　 　 　 　 　 　 / }: : ∥　　 ／ ﾐ､
/　　　 ム　 {: : : ;;:|　{　 ､　 　　-‐　､　 　　　／ 　|: /　　／ 　 　 ﾑ
　　　　　 ﾑ. |: : : :;;|　ヽ､ ＼ 　 　 　 　 　 ,ｨｆ´|　　 |/　　/　　　 　　 }
　　　　　　　 iﾙi: : ﾘ､　　　　丶､ 　_ 　,ｨ彡 } ∥　　'　　/　　　　　　 .{
　　　　 　 　 　 乂　 ＼　　　　　`ﾞY'´　　 / /　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 　 i'"´　/ /　　　　/　　　　　　　 ∥
　　　　　　　　　　　　　　　｝⌒ 　 　i 　 / /　　　　ﾑ　　　　　 　　ﾉi


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　「おう、おつかれさんあずさ」
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


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299： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:29:08 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　 ／　　　⌒　⌒
.　　　 　　　 　 ｜　 　 ( ⌒) (⌒)
　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　「それじゃ、次、大覚寺のもう一つの名物である般若心経の説明をしよう」
　　　 　 　　 　　人､ 　　　　　 |
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ 、 __ ,_ ノ
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ 〉:.;〈ヽ ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　 く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　 ヽ 　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　.´: : : .　 ' : : :　　　　　 ＼ 　 '';;;::|　 ,|　__| |
: : : : .　　.γイ: .　　　　　　 ' .,　 ':;;:|　 l、__j.|



　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　「ザ・ムーンかな？」
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　 ⌒　　　　　⌒　＼
　　　　　　　　　　 ／　　　　　／　 ｀ヽ　 　 /´　 ｀ヽ＼
　　　　　　　 　 ／　 　 　 　 （　　 ● l　 　 l　　 ● |　 ヽ
　 　 　 　 　 　 |　　　　　　 　 ヽ_ 　_ノ　 　 ヽ_ 　 _ノ　　 |
　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 ´￣｀ （　 　 i　 　 ） ´￣｀　 |
　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　ー‐ ＾ ー　　　　　／
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 　 ｰ一 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 般若心経 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　大乗仏教の般若思想、空思想を説いた経典で、正式には『波羅密多般若心経』といいます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　二百六十六文字の本編はおそらく日本で最も有名な経典だと思われます。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　日本では宗派によって般若心経の扱い、立ち位置が違うので注意しましょう。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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300： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:29:24 ID:hrUobFRk



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　／｀´: : : :＼　　＿ ........._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r- '⌒ヽ
　　　　　　　　　 , -ｲ:.:.:/{{｀ヽ-: : :ヽ .ア:__,.へ:::｀ヾ　　　　　　　　　　　　　　　 _ノﾞヾ、　　　.j　,___ぅ^′
＿＿　　　　　／:.:.:.:ゞ/rx__r廾>ヽ: }ｱ::ﾉ,zz　 __ヽ<, -へ__　　　　　,　---　、-{:.:.:; -'ー ､　/　l
: : : : :＞-- '´_:.:.:.:.:.:.:.:.L..」└‐┘!／}:_/　ﾟ-　 ﾟ ' ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ゞ´￣>´::::::::::::::::::::ヽ／:.:.:.:.:.:.:.:.:＼__l　　　＿＿
　　　 }:.:,　´: : :｀丶: : : ＼ｰ｀,. イ:.:il:.:ゝ!　 [二l　ハi:.i:.:.:.:.:.／/＜__::::::::,､::::::ヽ:::l:.:.:.:i:.:.:.:.:.ﾄ､:.:.:l　ア￣r---
^~｀ヽレ′: : : : : : :厂｀Lア二,イ:V ヾ__ヽ　 .._ ｲlr．ヽ＞｀. . . . . . .く/V　xz-↑L:.:.:ﾄ，__/二_/　　　/
:::::::::::l: : : : : : : : : ／　 <／ヽ／｀ヽ／　　　　　ゝ..__/. . . . ,､. ,､_ト. .ﾐ　__ﾟ- .r '::::}:.:「 x．　-ﾟｲ＿　/
:::::::::::ハi,､,､i: : : /　　　　　　　　　.l　　　i　　　　　 Ⅵ. . ノ-イ r． Lト'ｰ 'イ⌒ヽヽ-＜　rっ':.:.:.:.ド､
Aﾍ::::j__Lヽ_r-ァ'　　　　　　　 ./　j　　　i　　　　　 ヽVr┘・｀　_ｰ ﾚﾍ V⌒′'.　ﾄ､!:.:.:ト¨´:.:.:.:.:.ヾ:.:.｀ｌ
.ﾟ '　r ':::::}　 ア　　　　　　　／}　 Y⌒ヽl　　　　　　　　＞- ､.ｰ'イ´｀ヽ L＿.ノ!　! ハ:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ┴- 、
-‐'´:::/:::| ∠_　　　　　　∠、　丁]　 .厂　　　　　　r ⌒7:.:/:.｀¨´:.:.:.:.:.:｀ヽ＿_l　.l　　厂ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
::::::::::）:::／:.:.:.:.｀丶__　　j.　　ヽ　!/　 ,l　　　　　　　 ヽ　 !V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:,/l｀＼!　l　 /r‐┴ ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:::::::＞ '::::::::::::::::::::::::::::V- ､　　 './　 / !　　, -= ￣￣^＼ ｀!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ヽ-l ./／ノ:.:.:.:.:.:.:.￣｀ヽ- ....＿
::／::::::::::::::／::::::::::::::::{　　 ヽ　　l　./|　}／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ ｀ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L_ヽL) /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}: : : :/:

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　 「弘仁九年（818）の春、天下に死病が蔓延し『路に倒るる者その数を知らず』という有様だった」



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301： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:29:38 ID:hrUobFRk



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　 /' ,.ィ　/　/　 ,.ﾍ/　　i　　　l ll　　l. ヽ　 | | !
.　　　／./　/　 ｌ　 /ヾl　　 ﾄ.　　 l lﾄ　　lヽ. ＼l l | l
　 　 l　/!　 !　 l!　 {　 {　　 !ヽ. 　 l llヽ.　ヽ.` ‐-ゝ! !
　 　 !. !.{　,ｲ、 lﾄ.　ｌ 　 !　　l　＼.　ヾ、`‐､._＼/;:三ヾ￣
　　　ヽ! ｌ. |{ ヽ､i ＼! 　 ヽ､ ヽ　　`'ｰ-ゝ-‐　 Tｉ ｌ r ､l
　　　 　 ヽ!ヽ　{ `‐ゝ＿__　`'ｰゝ＿＿＿_-‐_,,.!{ ! ! {i } .} } }
　　　　 　 　 ｀'‐ゝ[i´　　 l二{￣　　/　　　] -‐!l ｌ し'ﾘ ﾉﾉﾉ
　　　　　　 　 　 　 l　　　ﾘ　.l　　 /　　/ .!　　 ,ゞ三<--─
　　　　　　　　　 　 ヽ､__/　　ヽ､._＿__ .ノ　 　 !〃r' ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 <.＿_　　　　　　　　 　 { ! !（ ｌ } .} } }
　　　　　　　　　　　　　 〈　　　　　 　 　 　 　 .!.ｌ l ` ﾘ ﾉﾉﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 { ￣ ｀　　　　　　 　 .ヽﾐﾆｼ' ＿_
　　　　　　　　　　　　　　 `T　　　　　 　 　 ／ /´￣￣￣　　　　　　　　　『どーすんべ』
　　　　　　　　　　　　　　 　 ! 　 　 　 　 ／　,r'-──- ､.
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ､.___,. イ ,. ‐'´　 ､　　　　　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.. -┴ヽ、　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.‐'´　　 　 　 ＼　　　 ＼



　　　　　　　　　. ': : : : : : :ﾊ　　.': :ﾊ
　　　　　　　／. : : : : : : : : :i／. : : : }
　　　　 　／. : : : : : : : : : : : : : : : : :,
　　.ｲ　,.:゛. : : : : : : : : : : : : : : : : ／
　　}: V. : : ＞､: ∧､: : :∨: : : : : ー匕
　ﾄ.{: : : ／　 __＼∧＼:::.Vﾊ辷ー＜
　∨: :/{{斗 ｲ ／⌒ヽ　i⌒Y !
.　 ∨7{/　 　 i　　 9i　 {・ .j {
.　 /./ ′　　 ゝ-－ﾞ　__j￣　!j
　　　八ｆ９　　　u　　　 　　　'
／／　 ＞:.　　　　　 _　-‐ｧ.人　　　　　　　　　　　　　　『せやねぇ』
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三二二二{　｀ー-ー=＝≦二ﾆ｀_
二二二ﾆ=.＼　＿＿∨_乂ﾆﾆﾆﾆ≧ー-
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　　　　　　　　　　　　「嵯峨天皇は宸襟を深く悩まし、『如何にして万民塗炭の苦しみを救わんか』と弘法大師空海に勅問する」


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302： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:30:02 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　「空海は『仏にすがる他なし』と答えた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　　　　　　　　「その言葉を受け、嵯峨天皇は自ら筆を執って般若心経の写経を行った」

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303： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:30:28 ID:hrUobFRk






。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　「一字を記すごとに三度礼をする、いわゆる『一字三礼』の浄信を以て、紺綾に金泥で心経を写経した」



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304： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:30:51 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　「その表紙の見返しには檀林皇后によって薬師三尊の像が描かれていた」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　 　 　 　 .　-―-　.　　　　　　やったッ！！　さすが帝！
　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　//　　　　　　　　 ',　　　　　　おれたちにできないことを
　　　　　 　 　 　 | { ＿＿＿＿＿ 　|　　　　　　　　平然とやってのけるッ！
　　　　　 　 (⌒ヽ7´　　　　　　　 ｀`ヒﾆ¨ヽ
　　　　　　　 ヽ､..二二二二二二二. -r‐''′　　　　　そこにシビれる！
　　　　　　　　/´ 〉'"＞､､,,.ィ二¨'　{.　 ヽ　 　　 ＿　＿　　　　　　あこがれるｩ！
　　　　　　 　 `r､|　ﾞ._(9,)Ｙ´_(9_l′ )　 （　 , -'′　｀¨¨´￣｀ヽ、
　　　　　　　　 {（,|　`'''７､,. ､ ⌒　　|/ﾆＹ　{　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　 　 　 　 ヾ|　　　^'^ ′-､　,ﾉr')リ　 ,ゝ､ｰ｀――-'- ∠,_　 ﾉ
　　　　　　　　 　 | 　 ｢匸匸匚|　'"|ィ'（　（,ﾉ,r'ﾞへ.￣￣,二ﾆ､ﾞ}了
　　　　, ヘｰ‐- ､ l 　｜ /＾''⌒|　　| |　,ゝ )､,>（_9,`!i!}i!ｨ_9,）　|人
　 -‐ノ .ヘー‐-ｨ ヽ 　!‐}_＿,..ﾉ　 ｜| /-‐ヽ| 　 -イ,__,.>‐　　ﾊ　}
　''"/／ヽｰ､ 　ﾉヽ∧　`ｰ一'´　／　|′　丿!　　, -===- ､　　}くｰ- ..._
　 /／＾＼ 　ヾ-､ :| ﾊ 　￣　／　ﾉ　|.　　{ {ﾊ. 　Ｖ'二'二ソ　 ﾉ| |　　　 ｀ヽ
,ノ 　 ヽ,_　ヽノヽ_)ﾉ:l　'ｰｰ＜.　　/ 　|.　　ヽヽヽ._ ｀二¨´　／ノ ﾉ
/　 　 <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ :::ヽ 　＼　｀丶､ 　|、 　　＼＼'ｰ--‐''"／／
＼＿＿_,／|　 !　　::::::l、　　＼　　＼| ＼　　　＼ヽ 　　/ ノ



〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「するとその霊験顕れて悪病退散し、万民安堵したという」



.

305： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:31:29 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　　　　「嵯峨天皇は、離宮の境内に堂を建立し、

　　　　　　　　　　　　　　その宸筆の般若心経をおさめた、

　　　　　　　　　　　　　　　　これが大覚寺心経殿の起こりでだ」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼


　　　　　　　　　　　　　　　 「この嵯峨天皇宸筆の般若心経は現在も心経殿に収められており、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 六十年に一度だけ開封し、天下泰平を祈願する慣例になっている」



.

306： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:31:46 ID:hrUobFRk





　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼　　　　　　　「次の開封は来年の平成三十年（2018）で、千二百年目にあたる」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　　　「興味のある人はおそらく一生に一度の機会だから行ってみるといい」
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　 　 　 ／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　/: : : : : : :|: : :／: : : : ／: : ://: :.／｀i: ﾍ: |: : :ﾑ
　　 /: : : : : : : |:／/: : : ／: : : .ｲ/: :/ " '^^' ,|:.|: : : ﾊ
　　 i: : : : : : : /: :/: : : /: : : ／ /:／　　　　　|:|: : : : ﾑ
　　 ! : : : : : /: :/: : : :ｲ: :／　 // 　 　 　 　 ,∧: : : : : ',
　　 |: : : :,ｲr ∨: :／/: /_　　/'　　　　　　　/　|: :|: : i: :|
　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |　　　　　　　　　　「とりあえずこの投下が千二百年目に間に合って
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|　　　　　　　　　　　　　　良かったと言うべきね（ガチ本音）」
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ
　　 |∨: : : : 从　　　　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/
　　 | ∨:: : :.V　､　　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
.／／. . . . |: : :.|.／≧＝=＝=,|: : : |ｰi.ヽ
／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
. . . . .∨|. . |: /. . . . . {{. . .ヽ＼.ﾍ: |. ..|. . z


.

307： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:32:29 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　「もちろん、この世では他の経典の写経も行われているんだが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　一般的に『写経』という言葉が出る場合、いの一番に般若心経が出てくるな」


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |　　　　　　　　　　　 「ちなみに大覚寺は一般の参拝客も
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　般若心経の写経を行えるようになっている」
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　　///// 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 {_
　　　　　　　　 　 　 / ∨^{ 　 　 　 　 　 /__　　　　　|　　　　　/　≧=‐―,
　　　 　 　 　 　 　 /　/　｜　　 　 　 　 f　　￢-ミ,　|　 　 　 /　　　　 }　,
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　　　　　　　　　 /　/　　≧s｡.,_　　　 　 |〈( h//(　｀ }　　　ムﾐi|　　 /
　　　　 　 　 　 /　/　　　　　　∨ﾍ　 　 |　|乂i少 　 | 　／l /　|ｉ　 /
.　　　　　　 　 /　 {＼　 　 　 　 ∨ﾊ 　 i|　|　 ¨^　　i|／　笊ﾐ i|　 ,　 　 }
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　　　　　 　 /　　　／,＼＼　＿)///,'}　入i{　　　　　　　　、 }　 /　　 /
.　　　　　　/　　／　　／＞////＞''”　 |　＼　　　 　 __　　 从/　　 /
.　　 　 　 /　　/　　／///|⌒∧^　　 　ｉ|　　 　 　 　 ゝ '　 % ,/　　,/
　　　 　 /　　ア777///＞|　　∧　　 　 | ＼　　　　　　　　　/　　,/
.　　　　/　 ／/////／　 i|　　 ,∧ 　 　i|＿ ＼　　　　／}　/
. 　 　 /　　∨///／　　　i|　　　 ∧　　 |//}＿ ≧=‐く　 } / 　 /
　　　/　　　≧=≦　 　 　 |　　　　∧ 　 |⌒}二_}　　　　 i}/ 　 /　　　　　　　　「おお、それはやってみたいであります。
　　 /,　γ=====―　　＿,|　　　　i|∧　i|￣}二{{　　　　 /{
　　,　　/二二ニニニニニl 　 　 　| ∧ ｉ|　 }={ﾊ ,　　　 　i|　/　　　　　　　　　　　いい土産になりそうであります」
.　/　 ,/二二二ニニニﾆﾆl　 　 　 |=,∧i|二=,乂ﾊ　　　　 |‰
. /　　i{二二ニニニニニﾆl　 　 　 |二=Ⅵ二二二二ﾊ　　|
/　　　|二二ニニニニニﾆl　 　 　 |⌒〈^⌒　　　⌒廴ﾍ　i|＼



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308： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:32:42 ID:hrUobFRk


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼　　　　　　　　　　　「いいけどさ、これ書けんの？」
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
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　 　 ﾊ　　　,　　　　㌢笊芋示　　 ＼! ｉ| ,ｨf芋笊ﾐx　　 　 　 /,}　 }
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　　　{,'∧ 　 　 　 　 ,　乂)少　 　 　 　 　 乂)少 ,　　　 　 / }/}　 }
　　　{/li∧　　 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　,′ 　 　 /,} }/}　 !　　　　　　　　「は？ふざけんな（マジギレ）
　　　v { /ﾊ　 ‘，　 　i{　　 　 　 　 ,　　　　　　 ,　 　 　 ‰!} ∨ﾊ_}
　　 　 ﾏ,/　，　‘，　 父　　 　　　,　､　　　　　/　　　／ ∧}　∨,/　　　　　　　　　　　無理に決まってるであります」
　　　　 7　 　 ,　八　　 ,　 　 　 　 　 　 　 　 /　　／l/∧__}　　V{
　　　　 ,　　　〈, }　 ＼　', 　 }＞　 　 　 ＜{ , 　 ／　 !///∧　　 l
　　　 　 　 　 //}　　　ヽ , 　|二=≧≦=二|/ ／|　　 |∨//∧
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　　　 ,　　　 ____,|　　 |二ニニﾆ,乂}二ニニニニ|　　 |二ﾆ=‐
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　　 ,　 {二二ﾆﾆ|　　 |ニニニニニニニニニﾆﾆ|　　 |二ニニニニ}　 ,
. 　/　 i|二二ﾆﾆ|　　 |　} {　　　　7/　 　 ヽ‐==,|　　 |二ニニニニ| 　 ,


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309： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:33:05 ID:hrUobFRk


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　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
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　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　　　「さて、ホラ公の心の闇がにじみ出たところで
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ　　　　　　　　　　次は仁和寺に移ろう」
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
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　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ　　　　　　　　「はーい」
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ
　　 |∨: : : : 从　　　　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/
　　 | ∨:: : :.V　､u.　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
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／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
. . . . .∨|. . |: /. . . . . {{. . .ヽ＼.ﾍ: |. ..|. . z

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310： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:33:36 ID:hrUobFRk

┌────────┐
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　..　正式名称.　　　│　　【 大内山 仁和寺 　　別称　旧御室御所 】
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘


┌────────┐
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　..宗派.　　 　 │　　【 真言宗御室派 】
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　 　 |
┌────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人___）　　 　 |　　　　　　「御室こと仁和寺の基本情報は
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
│　　　　..本尊.　　 　 │　　【 阿弥陀如来 】　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｜　　　　　　 ｜　　　　　　　　　こんな感じだな」
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　, 　　　 ／_.{
└────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
┌────────┐　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
│　　　　..開基.　　 　 │　　【 宇多天皇 】　　　　　　　 　 　 　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
└────────┘　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
┌────────┐　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 { : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{
│　　　..創建年.　　　 │　　【 仁和四年（888） 】
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘


.

311： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:33:49 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　「それじゃ、解説をお願い」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　＿＿,,,　　　　ヽ
　　　　　　 　 /　　　　　　　　　,,,--＜´::::::::::::ヽ｀ヽ.、　 ヽ、
　　　　　　　上＿,,,,,　　　/　／::::::|　　＼:::::::::|::i　ヽ:ヽ　　ﾊ
　　　_,,　--‐ﾞ￣｀ ヽ　　/／　ヽ:::::i　　　 ＼:::::iﾘ 　i:::::入　　ﾊ｀ﾐ ヽ 、　　　　　　　　　　　【 光孝天皇 】
　／´　　　　　　　　｀　 ｨ　　、　ヽ|　　 　　∨/　　|ﾘﾟ　|　　　　　　　｀=- 、
　　　　　　　　　　　　　l 　 　 ｀＼　　　　　　´　 　 , -‐‐ﾄ　､＿＿＿＿.＿ ヽ　　　　　　　　天長七年（830）〜仁和三年（887）
　--＝--‐＝‐ﾞ´‐‐ﾞ ´│　 、 ｀ゝ､ﾞヽ、　　　　　 ／∠、 |..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ卜,
　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|　　 ￣ |ミftﾐ、　　 　 　 ,ィ千|｀´|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'ゝ‐､
　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ヽ,l|r!ﾟ｝　　　 　i 　 　l| ﾟ,ﾚ ﾊ、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:彡＝´ ,,／´{== }
　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,: -|　　　　｀ﾞ‐´｀　　　　|l　 ´￣ 　/ /￣￣￣　　　　／　　　ｰﾞ ´
　--‐´ ￣￣￣￣￣ 　|i　　　　　　　　　　 　ﾐ､　 　　从//　　　　　 , ／
　　　　　　　　　　　　´　ｷ、　　　　　　　　　 /'　　 　,il　/´　 　 , -‐´
　　　　　　　　　　// ｿ　　ヽ、　　　　　　　　　 　 　/　Jﾞjf--´
　、＿＿＿＿_ｧ9ﾟ/ ソ　　ヾ　$、　 　 　 -‐''" 　 ,/ /gﾉ"
　　￣￣￣￣　｀ヽ= ヽ、　　ヽ　ゝ、　　　 　 .af｢ ／/
　　　　　　　　　　　　 ｀ﾞヾ　　ﾞ丶　 ﾞ￣￣￣._,／／
　　　　　　　　　　　 　 ＿,,ﾞli､　　　　　ヽ ≦彡　/＼＿＿
　　　　　　　　＿ ,、／　　　｀￣｀　　　　￣　 / ／　　　 ｀ヽ／ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　　　　「はいはい、五十八代光孝天皇は、葛野郡小松郷大内山の麓に、一院を開こうと試みた」




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312： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:34:30 ID:hrUobFRk



　　　　「だがその志半ばにして光孝天皇は崩御、五十九代宇多天皇がその志を継ぎ、仁和四年（888）に完成させた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
:::　　　　　~"ヽ
∠ニ＿＿　　 ｀ｌ
:＼i!i!iﾘ ヽi!>‐,,　 !,
;　 ヽ/　 ﾚ　　ヽ　ﾄ,_
:;:　 ,　　 ー---ｌ　ヽ ゛ｰ-､_
;:;:;:;:;　　 :;彡ｰ´ｌ-―--､＿ ｀ｰ-、
;:;:;:;:;:　　　（l）;　!三三三三｀ｰ-､ヽ
;:;:;:　,:　l　 ｰ" ,ｌ三／￣￣￣￣￣￣￣￣￣
:　 ;:;:;　 l　 　 ,lﾆ/
;:;　　｀／ 　 //´|　 この命は終わりだぞ
:;:;:-== 　 ／/-‐|　 宇多天皇
ヽ＿_,,／　ﾌ ｀ﾋ´
ニ-―"／　＼　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿_



　..￣￣￣￣＼　 　 　 　 ： 　 ^´￣￣￣｀`丶、
　　　　　　　　　＼　　　　／. . . . . . . . . . . . . . .　、：
　　　　 　 　 　 　 |　　.：/: : :/: : : : |: : :l: : : |:. :.|: : .,
　　押　ふ 力　　 |　 　 |: : /|. /|: /|: : ﾊ,: :∧: :|: : :|　 　 　 　 　 　 　 ／
　　さ　 ざ .が　　.l　　.：|: / :|/ :|/ :|: /　}/　 }/|: :/l ：　　 　 　 　 　 /　　ふ
　　え　.け 溢　　 | 　　 ｌｲ ,､＿＿, |/ヽ--‐‐ ､ V:,ハ　　　　　 　 　 .|
　　ら　衝 .れ　　 |　.：{`ヽ　 ィ⌒ヽ 　 斗--r‐　|/ソ} ：　　　　 　 　 |　　 ざ
　　れ .動...て　　｜／ﾊ ∧.　 ￣ 　ｌ　　 ￣ 　 ｜ /｀ヽ,　　　　＿＿|
　　な　を　　　 　.|ニ=人_∧　し 　 |　　　　u　 .ﾚ 二二＼： 　 ￣￣}　　.け
　　い　　　　　 　 |二ニニ ∧　　 __｀＿__　　　/|ニニニニ＼　　 　 l
　　に　　　 　 　 └‐┐二二 ＼　ﾏ_LLLL) ／/|ニニ＜＞＜＼：　｜ 　.た
　　ゅ　　　　　 　 「三二二ニ|//〕iト　 　 イ///,|二二＞＜＞＜＼ .l
　.　：　 　 　 　 　 |二ニニニ |///////////// |ニニ＜＞＜＞＜|｜ 　い
　.　：　 　 　 　 　 |ニ __二ニ |///////////// |ニニ＞＜＞＜＞|｜
　.　：　　　　　　 ./／　 }二二|///////////// |ニﾆ}---------,/：|　　っ
　　　　　　　　　/----ミ,ニニ|///////////// |ニﾆ{―――‐‐'^　｜
　　 　 　 　 　 / フ 　 　 }7トミ, //////////// |ニ ///////{ 　 　 .| 　 ！
　＿＿＿＿／ /　　　　//////777ァァｧｧ‐‐-　‐‐'^ ///// ,ﾊ ：.　　＼
　.　　　　 　 　 |　　　　 V////////////////// ＼, /////　|
　　　 　 　 　：人＿＿／∨///////////////////} ////　./
　　　　　　　　　　∨//// ≧=―――‐‐‐‐---　　...,,,___/_／：
　　　　　　　　　　：∨//////,／77777777777777{
　　　　　　　　　　　　￣/二二ニ/ニﾆ＿二二二ニヽ：　　　　　　【 宇多天皇 】
　　　　　　　　　　　　：/ﾆ＼ ＿/ニ／ｒっ ヽ二|_|_|ニ{
　　　　　　　　　　　　/ニニ/ニ{ニﾆ＞―‐くニ|_|_|ニ{：
　　　　　　　　　　 ：/二ニ/ニ={ニ（＿＿__ ﾉ=」_Llニ{
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



.

313： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:34:42 ID:hrUobFRk



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,′　　　　 . ./　　. .7　　. . .ｨ　　　　　　　. . .、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,′　　　　. ../　 . . λ　. . /　!　　 　. . . !　､. . .．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　. . .,ｲ　. .／. !　. ../　　!　　　. . .ﾊ　丶. . .､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !. .　　. . . / !. . /　　 ､. . 7　　 !　 　. . ./ .! . ..ﾊ . .!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 !. . . . . . ．　!. /　　__ .ヽ .!　　7　 . . ..メ　ﾒ. .ﾒ　V .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ィ丶、. . . ..!　 レ＝ﾆ=､ヽ V　 ./　. . ／　 /／　　 ∨
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ! .!迅､ヽ､. .!　　　　　　　`¨ヽ / . .／ ´＿二´､､､　　!
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ! .ｉ: : :く　　　　　　ヾ=‐--、　 '´´　　　　,二¨~‐-'　,′
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `、V: : )　　　　　　 　￣¨`　　　　　　=ｲ　　ヾ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 丶 V: 冫　　　　　　　　　　　　　　　 -廴__,ｲ　,´-‐．
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 丶 `マ　　　　　　　 　 　 　 　 ,′　　　　 ' ./=ﾏ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ヤ!　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　./,メ/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ⅵ　　　 　 　 　 　 　 　 丿　　　　　./´／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丿 ､　　　　 r‥‐-ャ=､´　　　　　　/¨´
　　　　　　　　　 　 　 　 　x＝≠三ｲ　　 ．　　 　廴___　 `ソ　　 　　 ／
　　　　 　 　 　 　 ,．.ｘ･≦≠三ﾂ:入　　　 ＼　　　　 　￣´ 　　．・
　　　　 ,．.ｘ・≦ミ三三≠三ﾐ/xxxx厶､　　　 ` ､　　　　　 ． ´
　ｘ・≦三三三三三≠三三7xxxxxxxx＞=‐-=＿_＞ｧ≦´、_
≦ミミ三三三三三≠三三ﾐ7xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx斗三斗ﾐ≧．
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　「本尊の阿弥陀如来は父光孝天皇の等身大で、

　　　　　　　　　　　　　　　宇多天皇がいかに父帝追善の意を示していたかが表されているという」


.

314： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:35:00 ID:hrUobFRk

　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　「仁和寺という寺の名前も、
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　　　　　　　　　　　　光孝天皇の治世の理念を示した『仁和』という年号を
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼　　　　　　　　　　　　　　そのまま寺の名前にしたものだ」
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



　　　　　　　　　 ／: : ｨ: ´ﾊ: : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　 　 　 　 　 　 /:/: :/　 ヽ:.∧: : ﾊ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　 　 /:/: :/　　　 ＼ﾍ: : :',: : : :i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}
　 　 　 　 　 /:/: :/　　_,_ 　　ヽ:∨: ﾏ: : |: : : : : i: : i: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　 /:ｲ: : i　〃´　　　　 ∨ﾏ:',: : |: : : : : |: :.|: : : : : : : : : : : : :|
　 　 　 　 ,'ｲ/: : :r"　 , ｲ≧､　　 ヽﾄ:ﾊ: ﾘ: rヽ: /: :ｲ: : : : : : : : : : : : !
　　　　 　 !ﾙｲ: : i 　 ,ｲﾘゎ ﾉ　　　 'ﾊﾙ:/:/ﾍﾊ: : ｲ: : : : : : : : : : : : :,'
　　　 　 　|'ﾚﾄ:.ﾄﾊ　　乂ﾉ　　　　　 'ハi:./ r,　|: :./: : : : : : : : : : : :./　　　　　　　　「光孝天皇が亡くなったのも
　　　　　　' ! 'ﾍ: :.}　　　´　 　 　 　 　 'ﾚ　　/: :/: : : : : : : : : : : : ;'
　　　　　　　　　Y　　　　　　　　　　　　' r／: :,ｲ: : : : : : : : : : : : ;　　　　　　　　　　　　　仁和年間ね」
　　 　 　 　 　 　 ,　　　　　 　 　 　 　 　 ﾜ: : :/|: : : : : : : : : : : : ,
　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　／: :ノﾉ |: : : : : : : : : : : :;'
　　　　　　　　　　 ヽ　- ´　　 　 　 ／≦←―'|: : : : : : : : : : : ,
　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　r―‐'￣. . . ｀.､. {: : : : : : : : : : :.{
　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 ｲ. . .´. . . . . . . i.ﾊ: : : : : : : : : : :.!
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀_イｸ. . . . . . . . . . ;. ﾍ: : : : : : : : : :.|
　　　　　　　　　　　　　　　ｲ./. . . . . . . . . . . .i. . ',: : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　r. /. . . . . . . . . . . . .'. . .i: : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'. . . . . . . . . . . . . .!. . . }: : : : : : : : : :',
　　　　　　　　　　　　　,ｲ. . . . . . . . . . . . . . .i. . . ..|: : : : : : : : : .ﾍ
　　　　　　　　　　　 ／/. . . . . . . . . . . . . . ,'.ｸ. . . |: : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　　　　／: /. . . . . . . . . . . . . . /.'. . . . .|: : : : : : : : : : : i
　　　 　 　 　 　 /: : /. . . . . . . . . . . . . ／. . . . . ...|: : : : : : : : : : : ﾄ,
.　　　　　 　 　 /: ／. . . . . . . . . . . ..／. . . . . . . . ﾘ: : : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　　/／. . . . . . . . . . . .／. . . . . . . . . . 'ｲ: : : :/: : : : : : :.ﾘ
　　　　　　　／. . . . . . . . . . . ..／. . . . . . . . . . . ./: : : :./|: : : : : ﾊ:,'



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315： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:35:17 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「昌泰二年（899）に宇多天皇はこの仁和寺に入り、御所を営んだ。
　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、　　　　　　 その後退位し、上皇となっても御所としてこの仁和寺に留まった」
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　　　　　　　　　　　 　_..- ―--　、
　　　　　　　　　　　　　 _..-''ﾞﾞ´　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　「仁和寺好きすぎだお」
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　/　　, --､　　　　.,.-- 、　　 ヽ
　　　　 　 　 　 　 /　 ／´　｀ヽ　　 /´　　 ｀ヽ 　　ヽ
　　 　 　 　 　 　 ,′（　 -―- l　　 l -―-　　 ） 　 　!
　　　 　 　 　 　 ;　　 ヽ_　　 ノ　 　 ヽ　　　 _ノ　　　 |
　　　　　　　　　 {　 ''"⌒（　　　i　　　　）'⌒"'　　　　}
　　 　 　 　 　 　 ',　　　　 ｀ ─'＾ー - ´　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　　　　　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ,＞　_＿ _ _ _ _　 　　　　 ＜



.

316： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:35:48 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　「それ以来仁和寺は『御室御所』と呼ばれ、

　　　　　　　　　　　　　宇多天皇を開山法皇・寛平法皇・禅定法皇と尊称している」



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .-─ ｰ- 、 　 　 　 　 　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
　　　　　　　　　　　　＞┴、 |　　　 （　●）　（ ●).|　　　　{　　｀､ 、ヽ__,. ┴、
　　　　　　　　　　　/　{　　〉 l　 　 　 ｀　 ´　､｀ ､´ |　 　 　 ヽ　　i　〉'　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 ＞{ .|　　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　 　 |　　l／　　, -ー '´ ｀､
　　　　　　　　　　j　　 　 /　 |　　　　｀tﾆ"__, ﾕ′ !　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　　 　 ノ ´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 ,　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,　　 　 　 　 ﾔ　　 ゝ-ィ／ 　 　 i
─ --/　/　　　　　／　 　 /　　 ;　 }　　　　　　 丿　　　　　　　{　　 　 ,ﾗ 　 　 　 {_
::::::::::ｲ　　.:...　 　 r'´ 　 　 /　　　j　 |ト､￣￣￣ﾉ ､　 　　　　　　＼　　 i　　　　　ﾄミヽ＿
:::::::::::l　..: :: :::..　 　 　 　 /　　　 ; 　ﾘ　　7ｲ´:::::::｀VL　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　 j　}:::::. ＼
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.　　　　　　　　　 |ゝ 」 ｀ヽ:::::::/ 　λｰ-､_　　　　　 ｀‐ｧ､　 　 ./..::ﾘ:::::::::
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .. 　.. ..　.,ﾉ　　　 ﾉ:::::::::ヽ　　 i:::::::ヽ｀ー─-､＿〈 ::ヽ､_/:::::/::::::::::
:::::::フ/　:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ ∧ 　 ｲ::::::::::::::::.| 　 |::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::::ト､　:::::／:::::::::::
:::::/r'　.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ／::::::　∧　 |::::::::::::::::::| 　.|::::::::::::::::ゝ:::::::::::::::::::＼￣:::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: , 　'´ :::::::::::　∧　i:::::::::::::::::::| 　|::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼　:::::::::::::::::::::::
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 御室と御室 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /　　　　　　『おむろ』とも『みむろ』とも読むことが出来ます。
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　　　　 『おむろ』と呼んだ場合は仁和寺さんや仁和寺周辺の地域一帯、
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　　　　　　 または仁和寺さんの門跡のことを意味します。
::::::::: /.|/ﾌ´￣´
:::::/:;' /⌒ヾヽ　　　　　　　　　 『みむろ』と呼んだ場合は、位の高い貴人の方の住まいを敬って呼んでいる言葉になります。
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　　　　 また、『みむろ』には、神様を祀り、安置した室のことを指す場合もあります。
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　　　　　　　『おむろ』か『みむろ』かは前後の文章の流れで判断してくださいね。
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿
.ﾞ|::;': : : : : : :',
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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317： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:36:03 ID:hrUobFRk



　　　 「成り立ちから見て理解して貰えるだろうが、

　　　　　　 この仁和寺は皇室との関わり、帰依が深く、江戸時代には内裏の南殿、清涼殿を賜りもした」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．･　’　　　　 ｀ `　･ ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,． ´
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /′　:!!　:7 .　 .　 　 .　　..
　　　　　　　　　　　　　　　　 / :/!　::!!　:! ::k :ﾊ　　 :　　:::.　　 ..:
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 !::/ ! ,::7.! :ﾊ :ﾑ .::ﾄ､　::!　,::::_:_:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 !7 ;!.::/:/ｼ　V　丶:!:｀．! :r'’,..‐ヾ::::
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ　!:/:_´_。｡．_　 ﾘ　 !:!.!;!.<､: :.! !:::
　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾟ．ﾂ.ﾑ・ﾆ二．　　　　　 　 ./: / .!:::
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀．　”'ﾔ　)`>　　　　　　 ´:メ /::::
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ；　　 '｀=¨　　　　　　　 「:::ノ::::::
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,’　　　　　　　　　　　　.ｋ´:::::::::
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　「宇多天皇以来、皇子皇孫が相次いで仁和寺の法位を継承し、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三十世門跡である小松宮彰仁親王こと純仁法親王に至るまで一千年、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　皇室と切り離せない縁があった」




.

318： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:36:15 ID:hrUobFRk



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　＿,,-―- ､__
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　　　ノ;_;,-―--''''ﾞﾞ￣　ﾌ::::;;:'-、
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ゝ:::::::|''=・-`l　ﾄ'=･=ｰ`　ヽ:::::::::::ゞ:::ゝ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　「だが、時代の流れには抗し難く、

　　　　　　　　　　　純仁法親王が門跡となった世代において明治維新が起こり、

　　　　　　　　　　　　維新を機に、皇族が門跡の座に就くことが絶えてしまった」



.

319： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:36:34 ID:hrUobFRk




　　　　「そこに追い討ちをかけるように明治二十年（1887）に大火があり、

　　　　　殿舎の多くが灰燼と化し、一時衰微したが、皇室を中心に喜捨が集まり、伽藍の復興がなった」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　 ｨ
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...　　　　彡　　ｚ_, ィ'´. ／'.　　　　 　 　 　 ﾊ　 i　 /　　 ',i',　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ
　, イ　　　　　/,　Z　　 ,ｲ　,ｨ　　　　　　　i　　弋､i..　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　,ｲ　　　ｒ'(　　,.ィ
/　　,　　　　 ′ゝ'　　 } ﾞ`´,.　　　　　 ィ'ｒﾞ　　 　 `　　　　　 弋ュ、　　　　 　　 ,ｨ/　　　ヾ、｀¨´
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ｨ　 ヾ!.　, イ/　　,ｨ√　i!.　　　 ,,,, ェ'´. ﾄﾞ!.　　　iﾊ i　｀ヽ、　＿　　　　 ｒ'´｀´_,.．-‐'.ｱ　 ,ィ',.ィ''ゞ'＾´
'　ｲ　 　 　 廴／i',ｲ　　,'!_,廴ノ　 乙ィ ,!　　　　｀ ゞ|ｋ=ﾞ￢'´ｚ_＞　　　｀ ー'´　　　ゞ彡ゞ´
',　　　　　　　(　 `ﾚ'　 }　,ｨ.　　　 　 　 ﾏ　　　　　 ﾏ｀ヽ、　　　　｀ゞ=＝Z.　　 　 　 ｲｪｪｪｧ

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　「火事は日本建築の最大の弱点ね」


.

320： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:36:52 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　 「さて、鉄道唱歌の文句についてだが、境内には桜が多く、

　　　　　　　　　　　　　 『御室の桜狩り』は京の住人にとって春の風物詩で、

　　　　　　　　　　　　　　 今日の人々は仁和寺の桜が散り行くのをみて、過ぎ去る春を感じるという」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


圭圭|i|/∨/∨i:i:i:i:/圭圭圭圭圭圭圭圭圭彡'´
王王|i|∨/∨i:i:i:i:/圭圭圭圭圭圭圭ll彡''´
王王ⅣＶ∨i:i:i:i:/圭圭圭圭圭圭彡'´　　　　　 　 　 　 　 　 |l
三三|i|/∨i:i:i:i/圭圭圭圭圭llア´　　　　､､､､　　 　 　 　 　 八
莖莖|i|∨i:i:i:V莖莖莖莖莖ア--く｀｀｀w'´:.;:.;:.て__　　　　ｰ=彡ﾐ=- 　　　　　　　　　　vvWW从从
──|i|ｰ|i:i:i:i|;';';';';'ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ:::::::::ヽ:.;:.;:.;:.;:.;:.:ろ　 ｰ=彡圭ミ=‐　,,,,,..．---､　　彡洲洲洲洲
＿＿|i|,.ｲi:ｉ:ｉ:|;';';';'ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ:::::::::乂:.;:.;:.;:.;:ソ　-=≦圭圭≧=/;';';';';';';';';';';'ヽ彡洲洲洲洲洲
三三|i|,.ｲi:ｉ:ｉ:|;';';';'ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ::::::::zzzzzzzz ,.ｨ癶77777777x{';';';';';';';';';';';';'彡洲洲洲洲洲
ﾐﾐﾐミ|i|::ﾞ|i:i:i:i|;';';';'ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ从::///////x'㍉zz㍉zzzzzzzzャ;';';';';';';';';';'彡洲洲洲洲洲
ﾐﾐﾐミ|i|:;ﾞ|i:i:i:i|;';';';'ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ;'∨-----r'´‐‐‐ﾞ㍉ |i:i:i:i:i:i:i:i:i:|:.;:```从''´´ﾉ洲洲洲洲洲洲
ﾐﾐﾐミ|i|:ﾞ:|i:i:i:i|,}{-‐'｀｀｀```从´,,,´´´ノ;';';`ｰﾐﾞ:ﾞ:ﾞﾞヾ;';';';';';';'{ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾞ:ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐヾ洲洲洲洲洲洲
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:.;:.;:.; |i|ﾞ::|i:i:i:i|''´..ﾐ彡:.;:.;:.;:.;:.fkz::／ヽ..:从'´;';';';';';';';;';';';';';';';'γ⌒ヽミミミミミミミﾐ洲洲从`ゞ:; ゞ.::;
:. :.;;:.:|i|ﾊ|i:i:i:i|zzzヶ'rっぇ...--‐/---''''´´´´rzzzっ　´´´´´ゞr‐‐‐ヽ彡ﾐﾐﾐ＝=ミミミミミ彡:::::::::ﾐﾐﾐ
＝＝|i|ﾆ|i:i:i:i|二二|ﾄ≧s｡　　　　　　　　　 ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　　`ー‐‐ゞ---':.:.:.:.:.:.:.从--"::::ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ
二二|i|ﾆ|i:i:i:i|二二|ﾄ､ﾄ､ﾄ≧s｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀｀｀｀｀｀｀　　 ミミミミﾐﾐﾐﾐ
￣￣ﾏﾑ|i:i:i:i|￣￣＼＼| ﾄ､`ﾄ､`＜⌒'ー---　． ,,,,＿　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐﾐ
￣￣.ﾏﾑi:i:i:ｉ|￣￣￣＼`ﾄ､|`ﾄ､`ﾄ､ ≧zzｧ￣￣｀｀ー-￣　二二　ー--- ．....,rzｧ..rtttzミミミミミミ
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￣￣￣ |i:i:i:i|￣￣￣￣￣＼|::|`ﾄ､`ﾄ､|三l|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　‐‐‐--
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￣￣￣ ﾏﾆﾑ￣￣￣￣￣￣￣＼＼.≧≦￣＼　　　　　　`弌ﾐs｡
￣￣￣　ﾏﾆﾑ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　　　　　 {;;;;;}`弌ミs｡

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「仁和寺御殿庭園のAAがあってびっくりしてるお」



.

321： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:37:10 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「今紹介した二つの寺院、大覚寺と仁和寺はともに門跡寺院だが、
　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_　　　　　　　　　　　 そういわれてもなんのことかよくわからんかもしれんから、
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　 その『門跡』について簡単に説明しとこうか」
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ /7/
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　　　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　}ニニノ
　　　　　　　　　ィi〔‐=ﾆ二 ≧s。　　　　　　　　　 ---{二=/
　　　　　　　ィi〔^|　　　　　,　マﾊヽ　　　　　　　　{_/　__/＞｡
　　　　__f^　 /　 !　　　,　　}　　　}∧　　　　 r￣￣￣ ∧__/ }
　　　 l　i|　　{　 ｉ|　　　|　　|　　　| ﾊ ，　　 / 　 　 　 ,′}　 〈
　　 　 ,　!　 ｉ|--ﾊ　　斗―i|　　 ｱ　i} ,　　　　　 　 　 　 　 　 }
　 　 　 , {　　l/笊 ､ /　笊㍉ ／　 /　,　　{
.　 　 　 ，， ﾊ vﾘ　　　 vﾘ } {/ﾊ／ 　 ,　　)　　　　　　　　　 /
　　　　　', ', 从 　 '　 　 　 i| ゝく}＼　 _ィi〔　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　　「jud、よくわからんであります」
　　　　　 V ， ｌ　.　^　　 ィｉ| /　r‐=/
　　　　　　　 ヽ, 　 ゝ ＜=} V　 廴_{　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　　　　 | /　///ﾆL__}_|　 f　 (　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　 | 　/≧=‐‐=≦　 ≧‐}　　　　　　＞ ´
　　　　　　　/　/＿{___/___/|　|ﾆ廴‘， 　 　 ／
　　　 　 　 /ア　　 　 　 　 i|　{_人　 ゝ‐=≦
.　　　　　_//　　 　 　 　 　 |　|//77　　　|
　　 r.｡＜八　　　　　 　 　 i|　|///,　　　 |
　 f {　　/　ゝ----- ､　＿_,|　|　 /　　　 i|
　　ｱ- /　/ ゝ } 　 　 　 　 i|　|⌒　　　　 |
.　　{i /　/　　 ,　　　　　 　 |　|　　　　 　 |
　　 l/　/　　 /　　 　 　 　 i|　|　　　　 　 |


.

322： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:37:31 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　' ､
　　　　　　　　, '　　　　　　 　　 　 　 ' .
　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 　　;　 　 `
　　　　　　　,'　　　　　 ;　　　　 　､ 　 　 ｝
.　　　　　　 |　　　　　〈　 　＿...::::: )　___ ′
.　　　　　　 |　　　　　　; f　(:::)　ヾ( （:::）
.　　　　　　 |　　　　　　　 　　　　 丶　　{
　　　　　　　'.　　　　　　　;　　 　　 ｝　　）
.　　　　 　 　 '. 　 　　　　　`ｰ--　´`ｰy'
　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
　　　　　　＿_ﾉ　 　　＼　　　　　　　/
　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ　　　　　　　　　　　　　「そもそも門跡という言葉は本来は『門徒一跡』という言葉の略称であり、
　　　　///////////,｀/＜// 丿
.　　　////////////////////ヽ　　　　　　　　　　　　　　その寺院における僧侶の門葉門流のことをさしていた」
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
　　 {///////////////////////////}、
　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 門葉門流 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　　 自分や、自分の祖師様がどういった仏教の宗派の
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　　　どういった系統を継いでいるかという意味です。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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323： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:37:51 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「だが、宇多天皇が仁和寺に
　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼　　　　　　　　　　御所を構えたことをきっかけとして、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|　　　　　　　　　　　仁和寺が『御門跡』と呼ばれるようになった」
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―…‥─-　　　／////////}
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　　　　 　 　 ∨//////〃　　　　　　　　　　　 　 ､　　 　 　 ∨
　　　　　　　　∨/////　 .:　　.::　　　　　/　　　　ハ　 ＼　　‘　
　　　　　　　　i::∨///　.:: 　 .::　　/　　 /　　　, / 　 ;　　　,　　',
　　　 　 　 　 ｉ::::::}／ ／　　.:: 　 /　　 /　 　 //　 　:|　 　 |　　 :，
　　　　　　　 i:::／ ／/ /　 :::　 /　..:　'　 　 //　　　_j＿　｜　　 i　　　　　　　「コトバノイミカワリマシタカ」
　　　　　 　 ／ ／:::/ /　　::::　 ..::／斗─ //　　 　 _|_　/ﾞﾘ　　 八
　　　　　⌒7¨´.:::::/ /|　　 :|:: i／j／ﾉ|＿//　　　　7⌒ﾒ /　 　 ﾉ!｀ヽ
　 　 　 　 /　.:::::ノイ:::|　　 :|:: |　 ,≠"i⌒ヽ　　　　 i:ﾉ! ﾉﾉ´　／ノ
　　　　　〃　::::::::::::|::::|　　 :|　| 〃 _ﾉ:j　　　　　 　 :ソ　i　.イ
　　　　　l　　:::: :::::::| 八　　:|ﾍ{　乂::ソ　　　　 　 　 :::::: | .:八
　　　　　|ｉ 　::|　::::::|人 ＼　{__　　:::::::::　 　 　 　 ｀　　 八jハ!
　　　　　|ｉ　　|　　:::::::::ｉ￣＼iｲ`　　　　　　　 , ， 　 ／ .::ﾉ
.　　　　 八　八　 :::::::::|＼/: : ＼　＞　.　　　　 ,. イ　 ／
.　　　　　　＼　＼{＼::|／＼: : : :＼　 /　＞-< )ノ}／　｀:,
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324：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/01(木) 23:38:16 ID:xi0ar4IA
こうなるとサスケハナ号の来航も、善かれ悪しかれだな

325： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:38:18 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「この頃から門跡という言葉は
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_　　　　　　 貴人や皇族が住持として入った寺院のことを指す俗称となり、
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）　　　　　　　　やがて『門跡寺院』という寺格の一つになった」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ジカク？」

.　　　　 　 　 ,. .- ‐ -. . .,　　　 　 　 　 　 　 -─-.....､
　　　 　 ,＜: : : : : : : ﾍ: : : ＞､ 　 　 　 ／:::::::::::::::＿≧､
　　 　 /: :rハ"'ヽ:ﾍ: : :ﾊ: : : : : ヽ　　 /:::::::,ｨ'´::::::::::::::::::::::ヽ/⌒＼
　 　 ﾑ: : 〃　',　 ヽﾊ: : :ﾄ: : :ヽ: :.ﾊ../:::::::/::::::::::::::::::::,彡'´ｿﾊ::::ヽ
. 　 ,' ,: : :ｲ　　 ゝ-‐ﾍﾊ: : ,ﾍ: : ',: :ハ:::::/::::::::::::::::::::／　　 　`Y::::}
....../,ｲ : ﾑL　 　 ｲぅﾘ｀ハ: マ: : i: : :i:::/::::::::::::::::::仏､ヽ　　 　 }::::i
......'　|: ﾊｨﾊ　　　 'ｰ'　　 ヽﾍﾆﾍ: : :|ﾞ:ﾙ::::::::::::::::/､.ﾉ`　　 ﾍ /:::/
　 　 |: ハ'u　　　　　　　　 ﾊ) ｲ: : :|::::::i::::::::::::/　　　　./ﾂｿ::::/　　　　　　　「お寺の格付けのことですね〜」
.　 　 ' 　ﾊ　｀ ,_　　　　　 ｨ‐イ:|: : ﾘﾞ:::::|:::::::ﾙi　 　　　 ゞ /／
　　　 　 i:.ト　 ´　　　　　 i: : : :|: :/ﾞ::::::::N/ :..　 　　こi　ｲ'
　　　　　y: : ＞ _, ｨ 　 　 |: : : ﾙ/ ::::｛　 ヽ 　 　 ,‐- ィ
..　　　　/: :ﾍ: : : :r !､ . 　 |: : : ﾚ'ﾞ::::::/ヽ　　`ｰ‐=､
....　　　{: : : ﾙ,:.＜＼ ｀＞ム : ﾊ ::::/__　`ｰ 　　　 ヽ
.　 　 r=ﾍ: : ﾊ´.＼. ..＼ﾍr､_ﾑ: ﾍ=､...　＼　　　　　　＼
.ﾞ,. - ｲ. . . ゝ､'､. . . ＞ -y ,i ｀L､:ﾍ. i｀,......ヾ　　　　　　　' ,
.ﾞ: ´: :|. . . . . . . . .￣￣∧　　　 {. . .ﾍ.|. 　 } 　　　　　　 　ヽ


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326： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:38:37 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　「徳川幕府により、

　　　　　　　　　　　　　　　『宮門跡』、『摂家門跡』、『清華門跡』、『准門跡』の区分を制度化され、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　この制度は明治維新まで続いた」

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 　　／　ノ　　 　 ヽ
　　　　　　　　 　　　| 　（●）（●） |
　　　　　　　　　　　 |　　（__人__） ｜　　　　　　　　　 「門跡寺院の住持のことは通常『門主』と呼ばれるが、
　　　　　　　　　　 　|　　 ｀ ⌒´ 　 |
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　　　　　　　 単純に『門跡』と呼ばれることもある」
　　　　　　 　　　__,, -ヽ　　　　　ノ　-､
　　　　　 　 　/⌒ヽ　 |　＼＞<ﾍl　ヽ　＼ .
　　　　 　 　 {:::　　 l　 ＼　ヽ };;{ | 　 | i　 }
　　　　　　　 {:::::..　〈;;,, 　ヽ　V;;;}ﾉ　　l彡 ヽ
　　　_,,.-‐''" |::::::::　 ヽ--､ ＼ >--'⌒ヽ::.　 }　　　　　　　「門跡という言葉が出てきた場合に何を意味するかは……」
　　　||　|_,,.ィ'|::::.....　　 }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::　　）_,
　　　||　|　||　!::　　　/　　　 　 .::ﾉ::::::::::.　　ノ
　　　||　|　|| _ヽ,,　.;:::　　 _,,.-‐''"ー''--''￣
　　 _,,. -‐''"　　｀ｰ---''"



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――ミｔ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔　　　　‐=ﾆ二ﾆ=‐
　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ‐=ﾆ／　　　　　}/⌒≧s｡.,_
　　　　　　　　　　　　　　　　f二,／　〉　　　　 　i|　　　　ヽ　}
　　　　　　　　 　 　 　 %　　ィi〔　　 /　　　　　　 |　 }　　　}　,
　　　　　　　　　　　　 }　　 {　　　　{　　　　 |　　i|　 |　　　|　,
　　　　　　　　　　　　 　　/{　　 　 i|　 　 　 |　 斗ｬ允　　从,
　　　　　　　　　　　　l　 / ∧ 　 　 |　,斗ｬ　!　 , ｨ笊} 　 / /
　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ ∧　　 :.　,x笊ﾐ |　,'　vシ,　/ /
　　　　　　　 　 　 　 l　　 ∨　}ﾍ　∧ ゝvｼ　,/　 　从 / /　　　　　　　　　　「また文脈で区別しろという外国人バイバイ仕様でありますか」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 〉ｧｧｧ} 　∧{　　 　 　 ' /　/ /
　　　　　　　　　　　 ,　　／≧=‐ﾍ 　 入　　 　 　 　 从{
　　　　　　 　 　 　 　 ／///／　 r＼ 　＼{≧く　{ /__
　　　　　　　　 　 /　 ∨/／　 　_,|　 ≧s。〉∧　 ∨=ﾊ
　　　 　 　 　 　 /　 　 ⌒　　／ﾆ,}　　}__/ﾆﾆ∧　 ∨ﾆ|
　　　　　　　　　　　　　　 ‐=ﾆ二ｱ　　,二≧=‐/＼ ,∨,|
　　　　　　　　/　　　　/二二ﾆﾆｧ 　 f-〈　 　 }　　＼ヽ}__
　　　　　 　 　 　 　 　 {二ニﾆﾆｧ　　/　 i＿_γ　⌒　　ヽ廴
　　　　　 　 /　　　　　∨ニニﾆ}　　,.ィi〔　　　　　　　　　ﾊ　(_
.　　　　　　/　　　　　 /∨ニニｧ　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 }/　}
　　　　 　 　 　 　 　 /　 ∨／ } 　 {　　　　　　　 　 　 　 ‰　ゝ,
　　　　　/　　 　 　 /　　　f　　|　　|　　　　　　　　　　ィi〔 |／　 }
　　　 　 　 　 　 　 ,　　　__)k　i|　　ﾄ　　　　 　 ィi〔　　il　 i|＿__∧
　　　 /　　 /　 　 ,　　 /　　 ヽ|　　|/≧=‐=≦　 /　　 }　｜ / 　 }
　　　,　　　f　　　 i　　 i　　 　 :.　　|　　　　 ＼ ,/　 　 i|　 | 〈　　 |
　　 /　 　 i|　　　 |　　∧ 　 　 l　　|　　　　 　 y　　 　 |　 | ∧ 　i|
. 　/　 　　 |　　　 |　　 l　T宀 i|　　|　　　　　 /　 　 　 |＿|　 ^ﾊ
　/　 　 　 i|　　　 |　　 |／^∨ｉ|　　|　　 　 　 {　　　　　　 　 　 },} }
./　　 　 　 |　　　 |　　 |　　 ｉ} i|　　|　　　　　/　　　　　　 　 　 }＜


.

327： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:38:56 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　「まぁ門跡の種類は名前見ればわかると思うが一応解説しておこう」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　 「宮門跡は親王門跡とも呼ばれ、
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／　　　　　　　　　　　　　　　　法親王または入道親王が
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ　　　　　　　　　　　　　 住持となっている寺院のことだ」
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼



　　　　　　　　　　　　　　　　 　_..- ―--　、
　　　　　　　　　　　　　 _..-''ﾞﾞ´　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　/　　, --､　　　　.,.-- 、　　 ヽ
　　　　 　 　 　 　 /　 ／´　｀ヽ　　 /´　　 ｀ヽ 　　ヽ
　　 　 　 　 　 　 ,′（　 -―- l　　 l -―-　　 ） 　 　!
　　　 　 　 　 　 ;　　 ヽ_　　 ノ　 　 ヽ　　　 _ノ　　　 |　　　　　　　　　　「早い話が皇室の人が入ってる門跡寺院かお」
　　　　　　　　　 {　 ''"⌒（　　　i　　　　）'⌒"'　　　　}
　　 　 　 　 　 　 ',　　　　 ｀ ─'＾ー - ´　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 ヽ、　　　　　　　　　　　　　　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ,＞　_＿ _ _ _ _　 　　　　 ＜


.

328： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:39:34 ID:hrUobFRk



　　　　　　「そういうことだな、次に摂家門跡だが、これは

　　　　　　　　　　摂家位の家格の子息が住持となっている寺院を指す」



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼　　　　　　　_,,
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ _ノ　　　　.＼ 　 　 　 ｌ;ｌ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　（ ●）　（●） |　　＿,_,|,|_,
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 （__人__）　 |　ト-=y 　丶
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　｀ ⌒´　　|,...ヽ `ｉ,￣‐^ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 　 }..　　ヾ~　`　 ｉ,
　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　　 　/._　　　ヽ、　　 ;ｉ,
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,＿,ﾄ 　___　 ｲ,ｿﾄ,,__　　ヽ、　　 ;ｉ,
　　　　　　　　　　　　　 ,/r-'"j　　／ ／　ｉｉ, 　`ヽ､-x,,゜r　 ;ｉ
　　　 　 　 　 　 　 ,／'/__.L、　　　　／ヾ、"ｉ　　　`ヽ　`;ｉ　　ｉ,
　　　 　 　 　 　 ／　 /_ｉｰﾍ,ヽ､ , ／ｉ"　ヽ、 ｉ　　　　 `、'ｉ　　 ｉヽ、
　　　　　　　　_,） ヽ　"　　　ﾈﾒ、_ｉｉ"~　　　　　　　　＿Yrｉ　　　ｌ, ヽ、
　　　　　 　 ,,,>t 、ヾ、　　　　ゞ;;/　　　　　　　　　／　 ,￢　　　 V⌒ｌ
　　　　　 ,y`;,,__　　 ,ｉ　　　　 /ｉｉ'　　　　　　　　　／　r-／|　　　　ｌ　ｌ
　　　_／^,,,　　ヘ　　ｌ　　　 /ｉｉｌ　　　　　　　　／　 ｌ"v'　ｙ　　　　 }　 ｌ
v=4⌒ヽ、　j　　--,,,ｉf　　　/ｉｉｉ|　　　　　　　,,　　〈-ﾍ_,、 <、　　　 /　 ｉ|


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート　【 摂家って？ 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　平安時代の官制度で定められた家格の一つです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　平安時代では、その官職や地位は家柄に拠って定められていて、
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　さだめられた以上の官職や地位には進めませんでした。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　 摂家はその中で『摂政関白となる家筋』です。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　摂家には近衛家、九條家、一條家、二條家、鷹司家の五家があり、『五摂家』と呼ばれています。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
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329： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:39:55 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「この流れであればわかってもらえると思うが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　清華門跡は清華家の家格の子弟が

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　 住持となっている寺院のことだ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､__　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ'ﾍ_ﾉ　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｿ　　)　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {-'￣　 　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀｀　　 __/_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ=ｭﾍ￣　-‐≧‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿..ノrﾉ　У´ : : : : : : : : :`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ : :／;;;/＞´ : : : : : : : ／ : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／/:/;;;;;／ .: : : : : : : : :/ : : , - 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ :ﾚ:/;;;／ : : : : : : : : : :|:/ : : :, - :｀{
　　　　　　　　　　,.. ‐- ､　　　__、＜ヽ :ノ i／ : : : : : : : : : :ヽL{.._／ _,. : :i
　　　　　　　　／ : : : : : : :＼/ : : : :i :./ : : : : : : : : : : : : : : : .:.(, ‐'´. : : : :j
　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : :＼､ : :|./ : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.} : : : : : : !
　　　　　,-'´,' : : : : : : : ､ : : : : :＼､fZ二--- :､_:_:_:_: :`－､ : :.:.ヽ.:_,､ : : : !
　　　 ／ : : : : : : : : : : :)ヽ h : : : :｀キ-- : : : : : : : : `＝-､ヽ.:.:.f-‐‐‐＝ :i
.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート　【 清華家って？ 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　摂家と同じく、平安時代の官制度でさだめられた家格の一つです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　華族とも言われ、大臣大将を兼ねて、太政大臣にすすむ家筋です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　久我家、三條家、西園寺家、徳大寺家、花山院家、大炊御門家が清華家にあたります。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
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330： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:40:19 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　「これにもうひとつ、准門跡というのがあって、この准門跡は『真宗門跡』とも称され、

　　　　　　　　　　　後柏原天皇の即位の料が政情不安定のため覚束ない有様であった時

　　　　　　　　　　　本願寺第十一代住持であった本願寺顕如が、西三条実隆を通じて多額の料を奉った」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｘ仝ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_､rｾ7ｱ三ｱ7ｧ｡,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 辷i|:::ｉ⌒ｉｉ⌒ｉ:::|/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,....辷j|:::|,ィ≠ミ|:::|zzzzzzzzｭ__　　　　　 ｨzz仝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 圦zzzz匕斗==ミ≧zzzzzzzzzzzz≧　 ／　／癶＼
　　　　　　　　　　　　 　x仝x　　　 ∨:i:ｉ:||￣ ||￣.:||￣　|i:ｉ⌒ｉ::ｉ⌒ｉ:i|／∠斗rｾ升芋ミ｡＼＿
三三三　　　　　__,rｾ升/////＞''"￣｀`弌｡_||　　||　　 |:i|＿|:i|＿|:i|　／／＞≦三三三彡'ﾞ　＿
====伝　　　ｒzzzzzzzzzzzzｘf〔⌒｀´｀´⌒''ミメ、￣￣￣￣￣￣￣￣ア￣ィi〔⌒〕iト￣￣＞''ﾞﾞ√｀`ヽ、
;:;:;:;:;:;:;:;:ﾐh､ノ ＼;:;:;:;:;:弌ＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺナｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ云三三三三三三三}h､__ﾉ＿＿＿
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ミｈ､二;:;: ;:; ;弋||===:||==||==||====||:─‐|─‐:||:─‐|ー‐ |||| ||i=====||￣||￣|_||_..|＿|＿|
王王王王王了┬'￣　||￣||　　 ||　 ||　 ||　 　 ||　　 |　　 ||　　 |　　..||||_||乂._.乂||丕||匕| ||　|≦ＺＺＺＺ
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: :|:i:i||_|_|_||:;.:,:;.:,:;.||厂:;;丿;:::||￣　||二||二||√丁Ξ√:;.:,:;.:,:;.:,:;.:ｒ┴r匕｢__厂厂厂￣厂三三三三三三三
:_:|:i:i||_|_|_||ｗWWWｗ￣￣￣￣￣￣￣￣ｰ-一　'''⌒￢≠丁厂__厂厂丿ー弋::;;::::}::;;;;;;;;;〉: : : : : : : : :
　|:i:i||川从川从川从川ｋx: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :￣　''''''''　ｰ-┘￣￣: : : : : : xｋ爻爻
　|:i:i||从川从川从州州些ﾐｈ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : xk爻炎淡
─〜=Ξ￣￣｀'＜＿ノ＾ｉ::;;,丿丶　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　l<爻炎淡淡淡
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ニニ=-__乂::;;,, _,､ｰ'^^ ＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　: : : : :ｖ爻爻爻災炎炎淡炎爻乂
ニニニニ=-￣: : : : : :<＿>: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.　　x爻爻爻爻爻爻爻乂;';';';';';';';'
ニニニニニﾆ=-_: : : : : : 　　:　:　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／￣`ー-､、厶爻爻災災爻爻乂;';';';';';';';';';
ニニニニニニニ=-_　:　:　:　:　:　:　:　:　: : : : : : : : : : :｡o≦⌒Ｙ: : : : : : 乂乂爻爻炎淡淡爻爻;';';';';';';';'
ニニニニニニニニニ=_　:　:　:　:rュ　　: : : : : : : ｡s≦　　ィi「ノ: : : : : : 刈爻災炎淡淡炎爻爻;';';';';';';';';';'

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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331： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:40:39 ID:hrUobFRk




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　　　　　　　,'　　　　　 ;　　　　 　､ 　 　 ｝
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　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
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　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'　　　　　　　　　　　「これに対して、帝は本願寺を門跡に准じる寺院であるとすることで報いた、
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　 これより以降代々の本願寺の門主を『門跡』と称することになる」
　　　　///////////,｀/＜// 丿
.　　　////////////////////ヽ
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
　　 {///////////////////////////}、
　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ


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332： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:40:57 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　「たいがいの門跡寺院は宮家、摂家の両方の人物が門跡として入ることができていたが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いくつかの寺院は宮家のみ、摂家のみが門跡として入るしきたりになってたりもした」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,　-‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,　-‐　￣ ‐=ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣￣＼　　　　　　　　　　　_,　-‐　￣‐=ﾆ二ﾆ=-　_,　-‐　￣
　　　　　　　　　　　　 / 　　　　 　　 ヽ 　　　　　　　,〜'_,　-‐　￣`ｰ-----― '
　　　　　　　　　　　　/　　　 　　　　　丶　　　　_,〜'_ｯ'-
　　　　　　　　　　　　|　　　　　_ノ　 （ ●）　　.厂
　　　　　　　　　　　　i　　　　　（ ●）　　!　　.ζ　
　　　　　　　　　　　　 |　　　 　　　（__人_） /7
　　　　　　　　　　 ／∧ 　　　 ,.<))／´二//⊃
　　　　　　　　　／ : |　ヽ　　/ ／　 '‐､二ﾆ⊃`
　　　　　, -‐'´: : : : :l　　 丶ｌ　　　　´ヽ〉: : : : ＼
　　　 ／: : : : : : : : :|　　／_/　　　 __人〉｜: : : : :|　　　　　　　　　　　　　　「ま、それも明治維新で終了したわけだがな」
　　 ｢ヾ: : : : : : : : : :l_／:_/ヽ. 　 /´　　 　 | : : : : :|
　　〈＼ : : : : : : : :,、: :/´∨/`ｰ'〉　|＿|　｜: : : : :|
　　　!: : :ミヽ: : :／ `ｙ′.: ',ゝ､_/　　　　　l: : : : : :|
　　　! ⌒ヽ: : : :.ヾ／: :／/: : : :|　　　　　 l: : : : : :|

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 宮門跡と摂家門跡 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　宮門跡のみが入る『宮門跡方』の寺院は仁和寺さんと知恩院さんです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　摂家門跡のみが入る『摂家門跡方』の寺院は大乗院さんと随心院です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　その他の門跡寺院は宮門跡、摂家門跡いずれからでも入ることが出来たということです。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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333： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:41:16 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　「ちなみに大覚寺と仁和寺、お互いが自らを門跡第一と自負し、

　　　　　　　　　　　同じ真言宗の寺院だというのにその仲は頗る悪かったりするぞ」


　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /　　　　　　　　「俗物俗物アンド俗物アンド俗物」
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


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334： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:41:35 ID:hrUobFRk



　　　　　　「それと、大覚寺と仁和寺には、

　　　　　　　　真言宗の門跡寺院という共通点があるわけだが、

　　　　　　　　　　　　　もうひとつ、大きな特徴的な共通点がある」


　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　ヽ
　　　　　　　 　 　 　 / 　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　 !
　　　　　　　　　　　　|　　　　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／二フ　　　 _
　　　　　　　　　　　　ｿ_　　 　　/＿, -ｰ- ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　／ 　￣￣二二ノ
　　　　　　　　　　　／＿二ﾆ／ : : : : : : : :｀ヽへ　　　　　　　　　　　　　　_.＜. ﾍY　　　　　{
　　　　　　　　　／ : : : : : : : : : : : : : : : : : :／ : : :｀ー-､＿　　 ＿,　-‐＜ : : : : : :} l, ,、＿,.ノ
　　　　　 　 ノ￣ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.j-'´
　　　　　／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞´
　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＞ ´
　　　{、 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞´￣¨¨¨｀ - ＜: : : ＞ ´
　　　 ) : : :i : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : :|　　　　　　　　　￣
　　　 ゝ : :＼ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼ : :|
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　　 　 | : : : : : : :{ ＼ : : :,.t '´ : : : : : : : : : : : :|
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　　　 　　｀ｰ- '￣/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |



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.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i　　　　　　「あら」
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !　　　　　　　　　　　　　　「そういえばそんな気がするわ〜」
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
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.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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335： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:41:49 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　　　　 　 　 　 x≦,∧
　　　　　　　　　　　　　　　 〃////∧
　　　　　　　　　　　　　 .　///////＞'⌒ ー =ミ
　　　　　　　　　　　 ／　 ,////,／　　　　　　　　ヽ7777777
　 　 　 　 　 　 　 .　　 　 ｉ//〃 　 　 　 　 　 !　 　 ∨////
　　　 　 　 　 　 /　 　 　 |//´　　　　　/ /　 |{ 　 　 ∨//
.　　 　 　 　 　 /　　　　　ﾚ′　　 /　 / / 　 八　i　　 V′
　　 　 　 　 　 ′ 　 　 ノイ　　　/　_厶′／' ﾊ　|
.　　 　 　 　／　 　 　 __　i|　 j／}／ 　 イ /j/　},ﾊ　　 |{
　　　　　／　　 　 　Yr 、 }／ yfﾁ斧x　 }/　　 ﾒ､ｉ{　　八
　　　　,'　　　 　 　 八ゞ{ ´ 　 代うｿ　　　　ｘzｭ　八／
　 　 ノイ /　　　ｉ 　 　 ｰ:.　　 ,,,,,,,　　　　　 ﾋﾘ》/ ｲ ＼
.　　　 八{　i　　 ﾄ､　i 　 ∧　　　　　　　　　,,,, /　 |
　　　　　 ヽﾄ､　 |　)ハ_/　 丶　　　　　_ ′ 　′　|　　　　　　　　「アズササンワカッタデスカ」
　　　 　 　 　 ＼{-‐＜　＼ 　 ＼　　 ´ 　 イ 　 　!|
　　　　　　　 ／ ／　　｀ヽ ＼ ∧｀ =≦　jノイ 　j八
　 　 　 　 ／　　　　　　　 i　　>}_Y￣｀ヽ　／）ノ
　　　 　 /　 /　　　　　 　 |　ｲ::::V}　　　‘.
.　 　 　/ 　 ′　　　　　　 |　 廴::{　　　　i{
　　　 /　　 ｉ 　 　 　 　 　 |　 ｉ::::::|　 / 　八
.　　 ∧　　 | 　 　 　 　 　 |≧|::::::|≦ﾐ} /



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿__./.,. i
　　　　　　　　　　　 　　,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、　　　　　　　　　　「ええ、さっき少し私が大覚寺の活花のことをお話したけれど
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::i::/::i　..::::、.:`:、
　　　　　　　　 　　／.::::::::::::／ i/`‐ｖ';;;;; i.::::::::ヽ.　　　　　　　　　 ――御室にも独立したお花の流派があるの」
　　　　　　　　 　/.::::::::::::／　　　　　　 　`i .:::::::::i
　　　　　 　 　　/.::::::::::./_＿_,　　　　　　　│.::::::::i
　　　　　　　 　i.::::::::::::i '　　　　　　 _　　　 i .:::::::::i
　　　　　　　　│.:::::::::i-‐‐‐、　 　 　 ｀ヽ、i .:::::::::i
　　　　　　　　/i.::::i::::i.::::::::.　　　　 -‐-.、ﾉ ::::::::::i
　　　　　　　./::::i.:::i:::i　　　　 t　　 ::::::::. /.:::::::::/
　　　　　　 ./:::::::i::`:ヽ.　　 r‐--、　 　 /::::::.／
　　　　　　/::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.　`ー‐´　,,./;/;;／i
　　　　　./::::::::::::::::│i`ー`r‐=＝f、/／.::::: i
　　　　 /:::::::;;;;;＿丿 i _.,;ー---,/./´　.::::::: i
　　　 ,;'-‐‐'│ .i　　i,;´ ,;--‐´‐yヽ＿__.:::::: i
　　　/ 　 　 i　 i　　i,´　,,;‐;'ニ二;　i　 i`ヽ:: i
　　 │　 　 i　 i　 / i　　.'',-‐‐-y'　i　 i　　ヽ
　　 │ 　 .i　./　/ ./　　 /　　 /i　　i　i.　　│
　　 │　　i　/　 .i／　　 i　　　 i ヽ 　 i　i　│
　　.│　　i　i　／　　　.ﾉ i 　　´ヽ　.i　 i　i │
　　│　　.ヽ／　　　／i .｀ヽ.　　 ＼i　i　.ﾉ │
　 .│　　／　　　 ／　.i 　 i ＼　　　＼/　 │
　 │ ／　　 　.／i　　 i　 i　　i＼　　　＼. │
　　i/　　　　／i　i　　 i　 i　　i　i＼　　　 ＼i



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336： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:42:05 ID:hrUobFRk



　　　「そのとおり、あずさが今言ったとおり、

　　　　　　　御室こと仁和寺も、華道の流派の元締めだったりする」

　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ
　　　　 i!､　　　　　　　　　　　　　 　 　 i
　 　 　 |! ＼　　 　i!　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　「その名も『御室流』だ」
　　　　 ! ､＿ヽ　 人､__,x≦_　　 　 　 　|
　　　　 ,:　￣ﾐﾍ !,彳¨弋_ソ )　 　 　 　 |
　　　　 |　 　　 i　 ｀¨ ゛ '';:.:': .　 　 　 　 !
　　　　ハ (　　 !　　　　 ､ 　: :;　　　　　,
　　　 ｒ‐ ﾍ ー　ゝ　＿__.ﾉ, ゛ 7　　　ﾘ　!
　 　 人　　｀　､- ､｀　 　 i!　 l　　 .ｲ/
　　　　ハ　　　 ｀ -.､　　 | 　 } ／ / 　{　　　　_
　　 　 l　　　　　　 　 ￣　 　 |´　/　 ≠´ ￣~　|
　　　　}　　　　　　　　　　　　i!　ﾑイ　　　　　　/
.　　　 {　　　　　　　　　 　 　 ｊ ´　　　　　　　 /
　　 　 ）　　　　　 　 　 　 　 /　　　 　 _　-―-｀ 7
　　　　ヽ_　　 　 　 　 　 　 /　　　　 〃　　　　　 {
　　 　 　 ｀ヽ　 　 　 　 　 /　　　 　´　　　 　 　　 ＼
　　　 　 ,､　 ｀l _　--　_　i!　　 ／ 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ
.　　 　 /　｀ ¨´　　　　　｀ ｰ≠
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ^´　　　　　　　 ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃　　　　　 　 /　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 | 　 　 l|　|　　　｜　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　「オムロリュウ」　　　　 　 　 / 　 　 |　 |　 　 /|　|l∧ |　|　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′　　　|　 |l 　 / l|　ﾘ　| | 小.　 l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 |　 ｌ|　/|　八|　 | /N∧l|｜　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l｜|　　｜　ﾅ卞|ア^｜　/ l| フ丈广∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 八|人　　|ｌ　 |,斗岑トﾐ　/　 |　,斗岑トﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /＼八 N Vrツ　　　　　　 Vrツ　ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′　 ⌒∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｉ　　l|　　l∧　　　　　 ,　 　 　 〝″
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜　/|　　| 分､　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八/ l|｜　 l|　 l＞　　 ｀　　 .. イ|｜ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 人|＼从／^Ｖ}　≧r＜　{／|ル
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ノ 　 } |l　　 ≫ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 イ　　　 } ｌ|　　　　　〕iト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__.. ィi〔　　　 　 ／公＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i{　　　　＼、　／<{.........}ｰ=≦´



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337： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:42:30 ID:hrUobFRk



　　　　「嵯峨御流は、嵯峨天皇が手折った菊を範とした華道だったが、

　　　　　　　対して御室流はその基本精神がやや特徴的だ」


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .-─ ｰ- 、 　 　 　 　 　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
　　　　　　　　　　　　＞┴、 |　　　 （　●）　（ ●).|　　　　{　　｀､ 、ヽ__,. ┴、
　　　　　　　　　　　/　{　　〉 l　 　 　 ｀　 ´　､｀ ､´ |　 　 　 ヽ　　i　〉'　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 ＞{ .|　　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　 　 |　　l／　　, -ー '´ ｀､
　　　　　　　　　　j　　 　 /　 |　　　　｀tﾆ"__, ﾕ′ !　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　　 　 ノ ´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 ,　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,　　 　 　 　 ﾔ　　 ゝ-ィ／ 　 　 i
─ --/　/　　　　　／　 　 /　　 ;　 }　　　　　　 丿　　　　　　　{　　 　 ,ﾗ 　 　 　 {_
::::::::::ｲ　　.:...　 　 r'´ 　 　 /　　　j　 |ト､￣￣￣ﾉ ､　 　　　　　　＼　　 i　　　　　ﾄミヽ＿
:::::::::::l　..: :: :::..　 　 　 　 /　　　 ; 　ﾘ　　7ｲ´:::::::｀VL　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　 j　}:::::. ＼
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.　　　　　　　　　 |ゝ 」 ｀ヽ:::::::/ 　λｰ-､_　　　　　 ｀‐ｧ､　 　 ./..::ﾘ:::::::::
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .. 　.. ..　.,ﾉ　　　 ﾉ:::::::::ヽ　　 i:::::::ヽ｀ー─-､＿〈 ::ヽ､_/:::::/::::::::::
:::::::フ/　:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ ∧ 　 ｲ::::::::::::::::.| 　 |::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::::ト､　:::::／:::::::::::
:::::/r'　.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ／::::::　∧　 |::::::::::::::::::| 　.|::::::::::::::::ゝ:::::::::::::::::::＼￣:::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: , 　'´ :::::::::::　∧　i:::::::::::::::::::| 　|::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼　:::::::::::::::::::::::



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/　　　　　　　　　　　　「へえ、どんなふうに？」
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |



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338： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:42:52 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「真言密教の精神を以って、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 金剛界、胎蔵界ふたつの曼荼羅を活花を使って表すという一種の修行、
　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼　　　　　　　　　 ということになってる」
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



.　　　　　　　　　　　　　 ／..........／::::::::::::::::::;:　'",....'...丶...｀丶、｛
　　　　　　　　 　 　 　 /.......广７::::::／ ＞'" .....'′ ..........l................≧=‐- ､
.　　　　　　　 　 　 　 /......./:::::::::／...../..................................|..＼........................|
　　　　　　　　　　　　......./::_彡'′..../／.., . .....{..................| . ....l..............l.......|
　　　　　　　 　 　 　 l......f′ ........... ′ ../.........｛ ................| .......| . .........| .....|
　　　　 　 　 　 　 　 | ../} .................ｌ7.../............ハ .............| . .....|.............| ...！
　 　 　 　 　 　 　 　 |./ ｛ .................|ｉ....|........l....}.....} ..,........|..ﾊ.._.| ...........l.......;
　　　　　 　 　 　 　 i|{ 　{i..................|ｉ....|........l....}.../../........仄｢}./.............;...}...{
　　 　 　 　 　 　 　八 　 ':.................ｌi _｣､ .._厂}/}./........ｘｬｆ折^; ..............ﾊ..{　　　　　　　「おまえは何を言っているんだであります」
　　　　　　　　　／;::'ﾍ　 　 ､.............＼抖ｬｆ折^ ﾊ......./ん'ﾝ//...........//　 .;
　　　　　　　　 `'く__;:xﾍ,　　`＼.........≪ｆてﾉﾉ　　 }／　¨´ 仏:′...// 　 }.}
　　　　 　 　 　 　 }√::::::､＼__l::|ｉ............{ ¨´　　　′ 、　 /../...... ':〈　　 .:′
　　 　 　 　 　 　 /′:::::::::＼l＿|ﾄ..........｛`　　　　　,. 　／../...／.xくﾍ, //
　　　　　　　　　/..|:::::::::::::::::::}...川::＼.....个:　 _　　 ／|..../／八.{::::::::>く
.　　　　　　　　/.....| :::::::::::::::::}/..八::::::＼｛:::([l):::ﾏ´l／|./....../::::､_;／:::::::::.,
　　　　　　　 /.......ｉ|::::::::::r ､:/../ ::::::::::::::::＼::::::::::¨´ ::！.......{::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　..........八..........> '..√V^　 、::::::::::::::::::::::::::::八.......ｌ::/:::::::::::::::::::::|;
　　　　　／......ｆ⌒' }=‐-‐ｧ./＼ {　　　＼ｒ…‐-　__::::::::::; ....|」:::::::::::::::::::::::ｌi
　　　 ／..........ﾉ　 　｝‐=ｧ'./　　 ＾'ｰ-　 _{{　　　　／￣＾∧..l,ﾊ:::::::::::::::::::::八
.　　,.../.........（_　　　ヘ（{..;′　　　　　　　⌒ ｰ 'く _＿,,厶ﾊ.ｉ| | ::::::::::::::::::′...、
　 / /.............｛⌒'く　　 Ｖ{　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l..| |::::::::::::::::/〉.........＼


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339： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:43:11 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　　「そもそも曼荼羅ってなに」


　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ　　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',｀ー―‐-､: : : :ハ!:|i:ﾘ
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .


　　　　　　 ─- 、
　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　|　　　　　 |
　　　　　|　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 「予想できてた質問だが、
　　　　　|　　　ｭﾆﾆヽ､
　　　　　 ヽ/ : : : : ＼:＼　　　　　　　　　　　　　　　　それだけで本が二三冊かけそうな題材なもんで、
　　 　 　　 i : : : : : : : ﾍ :.ヽ
　　　　　　 ', : : : : : : : : ', : :'.,　　　　　　　　　　　　　　　 詳しく扱ってる暇はない（震え声」
　　　　　　　', : : : :.＼ : i : : :.'.,
.　　　　　 　 i:', : : : : : ヽﾄ､ : : :',
.　　　　　　　iﾊ : : : : : : |: ', : : :.',
　　　　　　　ﾘ.:i: : : : : : :! : : : : : ﾄ､
　　　　　 　 i : !: : : : : : :|: : : : : : i:.',
　　 　 　 　 i : :i: : : : : : :|: : : : : : | :.',
　　 　 　 　 i : :r : : : : :丿 : : : : : | : :',
　　　 　 　 ,' :.7 : : : : : / : : : : : : |: : :i
　 　 　 　 / :/ : : : : : / : : : : : : : i : : i



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　　　　　　　「予想可能回避不可能」
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


.

340： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:43:30 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　「どの辺が曼荼羅を表してるとかそういう説明は省かせてもらうけど」


　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|　　　　　　　　　　　　 「表面に現れる花勢を見る限り、
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,　　　　　　　　　　　　　技術的には嵯峨御流にも御室流にも
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　それぞれ似た感じのところはあるようにみえるな」
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　_
　　　　　　　　　　　　,イ: : : : _　､,: : : : : : : : ﾐ
　　　　　　　 　　 　´: : : : : :/ ヽ: : : : : : : : : : : : `
　　　　　　　 　／: : : : : : : /: ﾊ: : : : : : : ￣: : : ヾ: : : ､
　　 　 　 　 ／: : : : : : : : ::| /ミ､: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ､
　　　　　　,: : : /: : : : : : : .{:{　　 `Y"／　ヽ: : : : : : : : : : ﾑ
　　　　　/: : : : : : : : :;;;;;;/:|:|. ⌒`､}'"´⌒丶∨: : : : : : : : : ;i
.　　　　 ′: /: : : : :;;;;;;;仏|{　　　　　　　　　 ∨: ;;;: : : : : : ::|
　　　 　' :　 : : : : :.;;;;;∥　{i　 　 　 　 　 　 　 i: : ;;;: : : : : : :;|　　　　　　　　　　「活花全体の姿の比率とか、
　　　　 |:　 : .: :.: : : :∥.　 |　　　　　　　　　　 |: : ;;;: : : : : : ;|
　　　　 {:　　: : : .:::{: {　＿　　　　　　　,　-＝-} il:;;;;l : : : : : |　　　　　　　　　　　　そういうところに共通点はあったりしますね〜」
　　 　　i:　　: : : : .i: :i'´　￣ `　　　 　 　 　 　 ﾘ.| :;;l: : : : : :;i
　　　　 |:　　: : : : l: :|.　　　_　 　 　 　 　 　 　 　 |:;;l : : : : : ;i
　　 　　i:　　: : :;;;;i: l　 ｨ三､`　　　　　'´ ,ｨ＝ﾐ､　ﾘ}: : : : : : i|
　　　　八　: : ;;;; i |:k'仏 　 }　　 　　　 　 iし　}ヾ､. }: : : : : |;;l
　　 　,: : 　　 : :;;;i ;;i{　夊歹　　 　 　　　　ﾏ夊　}｝ |: : : : l |;;|
　 　 /: : :;;;;l : : :;;;;.|i 　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : l :|;|
.　　 {: : : ;;;;;l : : :;;;;|　 _　　　　　　　i〉 　 　 　 　 　 ﾑ: : : l : i|
.　　 |: : : :;;;;l : : :;;;;ﾄ､ | .） 　　　　 　 　 　 　 　 　 ./: : : /ﾋ=‐- ､_
. ,イﾁﾄ､￣仏: : :;;;;;| `i　i　　　 　 　 　 　 　 　 　 / }: : ∥　　 ／ ﾐ､
/　　　 ム　 {: : : ;;:|　{　 ､　 　　-‐　､　 　　　／ 　|: /　　／ 　 　 ﾑ
　　　　　 ﾑ. |: : : :;;|　ヽ､ ＼ 　 　 　 　 　 ,ｨｆ´|　　 |/　　/　　　 　　 }
　　　　　　　 iﾙi: : ﾘ､　　　　丶､ 　_ 　,ｨ彡 } ∥　　'　　/　　　　　　 .{
　　　　 　 　 　 乂　 ＼　　　　　`ﾞY'´　　 / /　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 　 i'"´　/ /　　　　/　　　　　　　 ∥
　　　　　　　　　　　　　　　｝⌒ 　 　i 　 / /　　　　ﾑ　　　　　 　　ﾉi


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341： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:43:50 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いささか急ぎ足だが

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　　　　　　仁和寺はこれでとりあえず
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ⌒　 ⌒
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　( ⌒) ( ⌒)　　　　　　　 仕舞いということにしておこう」
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,イ ﾄ､ ヽ 、 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　,.　-─‐-´ 　｀, へ　 ＼__､_ﾊ
　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　 :i 　ハ､　イ;;ヽト、
　　　　　　　　　　　ﾄ⌒　　　　　　　　:i　　 ｀<´.〉:.;〈ヽ ＼､
　　　　　　　　　　 /　, : . ＼ 　　　　　 :L_＿　｀v;;;;ﾍ ' ,＜ヽ
　　　　　　　　　　ﾉ　l : : : .　ヽ: .　　　　　 く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
　　　　　　　　　　i　　!: :　　　 、: : : : 　　　 ヽ 　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　　　　　　　　　 /　　　´: : :　　' : : :　　　　　 ＼ 　 '';;;::|　 ,|　__| |
　 　 　 　 　 　 /　　　　: : 　　γイ: .　　　　　　 ｀､　 ':;;:|　 l、__j.|
　　　　　　　　/　　　　　／ ／: : : : : : . .　　　　　 ｀､ ｀':'}　 |　 |!


　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|　　　　　　　　　　　　　　「えーっと、それじゃ、次は『秋の高雄山』かしら」
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉



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342： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:44:11 ID:hrUobFRk

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│　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　..　正式名称.　　　│　　【 高雄山 神護国祚真言寺 】
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘


┌────────┐
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　　..宗派.　　 　 │　　【 高野山真言宗 】　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼　　　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
└────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |.　　　　 　 ／ あぁ、高雄山こと　　　　　 　 　 　 　 　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人___）　　　　|.　　　　　 /　　　　　　 　 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '､　　　　　　 │.　　　 　 {　　神護国祚真言寺、通称『神護寺』だな　　 }
┌────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 /
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 !､______　.ィ-ｰﾄ、.　 　 　 　 `.　これがその基礎情報だ.　 　 　 　 　 ／
│　　　　..本尊.　　 　 │　　【 薬師如来 】　　　　　　　　　　　　　 　 　 V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　`　　─----------------------　´
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ｬ＜ : : : : : : : : :
└────────┘　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 } r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
┌────────┐　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
│　　　　..開基.　　 　 │　　【 和気清麻呂 】　　　　 　 ＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
│　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|
└────────┘


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│　 　 　 　 　 　 　 　 │
│　　　..創建年.　　　 │　　【 天長元年（824） 】
│　 　 　 　 　 　 　 　 │
└────────┘




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343： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:44:37 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　 　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 　 　 　 　 　 ／..神護寺の成り立ちは.　　　　　　 　 `､
　　　 　 　 　 　 ｛　　　　　　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 　 ｝
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ.ﾞ` ､.　和気清麻呂の物語から始まる.　／o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
.　　　　　 　 　 　 　 `　　─------------------ 　　´
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _,.　 -──……──‐-
　　　　　　　　　　　　　: ´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　 　 ＿ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 ´　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_;／￣￣￣￣＼ : ＼
　　　／　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／　　 　 　 　 　 　 ￣￣
. 　 / 　 ／: : : ─-- : : : : : :_,.　 -‐　 ´　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',
　　{　　{: : : : : : : : : : : : : ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉
.　　　,.　 -‐…─-ミ : : /　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　く＿＿＿＿　　　＼|　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿ 　 　 　 　 /
　　 　 　 //::l::|::::｀丶　 ＼　　　　　 　 　 　 　 ／く　　　　　 　 〉
.　 　 　 //::|!Ｌ|::::::l|-‐＼　 ￣＞‐　 ..＿＿彡'　＼[＿]二二二ﾌ
　　 　 /ｲ:: /ﾋ[l::::::l| ┌- ｀二_|:::::::l|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::
　　　 　 |::/ ／l:::: l|　|__込以｜:::::l|::::::::}!:|:::ﾄ､::＼::::::::::::::::＼::::::::
　　　　　|'. ' 　 |:::::l|　 　 　 　 ',::::::l|::::::::ｌ|:|:::|.」＼::＼::::::::::::::::＼:::::
　　　　　〈　 　 l:::::l|　　　 　 　 ',::::lﾄ､:::::lﾄ|:::|( __ }＼::＼::::::::::::::::＼::::
.　　　　　　ｰ┬ ＼l　　　　　　　＼!　＼| ∨（＿_.ノ ＼|::::::::::::::::|　＼|
　　 　 　 　 |〈　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::/:::::/:::::::::::::::::::::',
　　　　　 　 |`>‐----‐　　　　　 　 　 　 　 /:::/:::::/::::ｉ|::::::::::＼::::',
　　　　　　　l/ト---　　　　　　　　　　　　 /:::/:::::∧::::ｉ|::::::::::::::::＼|
.　　 　 　 　 |::|　 ∧_∧ 　 　 　 ＿ 　 　 厶ｲ:::::/　 ＼|＼::::::::::::|
　 　 　 　 　 ＼_/::::::::_｣..　-‐　　　　　 　／ l／　 　 　 　 ＼::::::|
　　　　　　　　　￣￣　∧　　　　　　　 ´　　　　　　　　　-─＼|　　　　　　　　　【 和気清麻呂 】
　　　　　　　　　　　 　 {　＼ _,.　　´　　　　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　|r‐＜　　　　　　　　　　 ／
　　 　 　 　 　 　 　 　 / 　　 ＼　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　 {(_)　　　 | 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　 |＿＿_／|　(_｝　　／
　　　　 　 　 　 　 　 / 　 　 |　 |　　　／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。ﾞ／ この和気清麻呂さんは、.　　　　`､ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　桓武天皇に平安京への遷都を.....}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ` ､ . 提唱した方なのよね.　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `　　─-----------------　´


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344： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:44:51 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　　　　　　「そう、垂仁天皇の十五代後の子孫とされている、従三位の位を持つ人物だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　この和気清麻呂が延暦年間に建立した霊場が神護寺の前身の一つなんだ」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐=＝ﾆﾆﾆﾆ７丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ /　　 ﾟ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　/二ﾆﾆﾆﾆﾆ二 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / ,仁二二二二二 {　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 / ｛二二二二二ニﾆ{　　　　,__/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼{二二二二二二ﾆ{　　∠エ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∠三二二二二二≧=彡:::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::| 元汽::::::| 竺ﾆ＼::::::ト :::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 -‐ｧ:::::::| ｀¨´ 'ｌヽ{`　　　　}ヾ{:::::ヾ{￣｀
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /￣）　　 　 　 　 　 _／:::::::::::. 　 　 ' 　 　 　 　 ヒﾉ::::::::::..　　 /⌒)
　　 　 　 　 　 　 「￣｀ヽ‐- ､　　{ 　｛　 　 　 　 　 　 ￣／:::::::::::.　､_｀_´＿__,.　 / |:::::＼ ::::::..　{ 　｛
　 　 　 　 　 　 　 ⌒ ＜__ ノ ⌒7　　　 　 　 　 　 　 ∠　 ‐ｧ／ハ　V二二ノ　/ , |::::::::{ 「〔〕 ｰ-ﾐ　ﾟ。
　　　　　　　　　　　　「￣ {` ￢{　　　|　　　　　　_ ........-‐..........{....{ Ｖｰ1下ﾍ／ //{＼:::::..`ｰ ､　′＼ｉ
　　　　　　　　　　　　 `r--r-イ ＼　 |￣｀¨¨¨「.........................／|.......ヾｰ屶‐"__／./........＼{ __　.＞'⌒　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ＿_},ノ}　　　∧..............|￣ ￣￣ ￣ 　 |.0../ ￣＼...........∧...........〈. . . -‐: :二ヽ　ﾟ.
　　　　　　　　　　 　 　 ｛＿},ノ　　 /.....ﾟ。..........　　　　 　 　 　 |.../|::::O:::::|....0...′ `ｰ-- 〔{ ￣「| 　‐-　　＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧ ー=＝ﾁ...........ﾟ..........|　 　 　 　 　 　 !/ ..〉=‐／＼../　　　　　　〔￣￣　‐-　　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　 ∧　ｰ--‐/................}........|　 　 　 　 　 　 |.../:::O::V........〉　　　　　　　　￣＼　　　　　(_)
　　　　　　　　 　 　 , ′ ー-‐ / .................|........|　 　 　 　 　 　 |..{::::::::::::{....../　　　 　 　 　 /........(_)ｰ--‐ (_){
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / .................. |........|　 　 　 　 　 　 |..|:::::O ::|.../　　　 　 　 　 /.........人（_）（_）彡_ヽ
　　　　　　　 　／ 　　　　　 /........................|........|　 　 　 　 　 　 |..|::::::::::: !/　　　 　 　 　 /.........｛Oﾆﾆoﾟﾆ| 〔 ﾉﾉ

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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345： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:45:23 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 ／ 　 それで、そのウタマロさんが..　　`､　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿　　＿＿＿
　　｛　　　　　　 　 　 　　　　　　　　 　 　 　 　 ｝　　　　　　,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 ` ､. 　 　 どうしたの　　　　　　　　　　　／. 　 　 　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　　　　 　 　 　 　 `､
.　　　　`　　─------------------ 　　´　　　　　　 /　清麻呂な。　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ..|.....　孝謙天皇の御世、時の太政大臣であり、|....o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 法皇という位にもあった道鏡という僧が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ. 　 　 皇位簒奪を目論んだ　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ` ､　　　　　　　　　 　 　 　　　　　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`　　─--------　　　---------　´

　　　　 　 /| /　‘　 ∧　　　 ￣　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿　 }!i
　　　　　/ ！‘,　 ∨ ∧　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｨZﾌﾆﾆﾐXil !
.　　 　 　 　 ,　 '｡　∨ /　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /Ｚ/´　_　 Y{Λ--───
.　　　 ′　 ∧　‘，_／＼　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /ﾆf　 （ ･） /ｊ}　}
.　 　 　 　 / Λ　ﾊ　＼_/　　　　　　　　　　　 　 　 /レ人__ ￣ノ /　 |＼
　　　i　　 ////Ｖ　'｡　　 ,x≦三三≧ｘ　　　　　　　＼　 /―==//　 /{＼＼
　 　 l　　 i/// Λ　‘｡　/Z7　　__　＼ﾆ＞　　　　　　　　　　　／　 /│　ヽ ＼
...　　l　　 l//// ∧　 ∨r八　( ･ )　 /___/　　　　　　　　　 ／　　 ｆ　 |＼　 '， 〉
.　　 |　　 l///////＼ ﾄ､弋＞￣=彡'´　　　 　 　 　 　 　 | {　　　|　│　＼ ∨
.　　 |　　 ＼/////// ＼　　＼　　　　　　　　　　　　　 　 | |　　　|　 | ＼　 ヽ
　 　 ＼　 　 ＼//// /i　＼　　＼ニニニニ∧　　　　　　 | |　　　l　 |　　ヽ　 〉
..　　　　＼　 　 ＼／　|　　 ＼==ﾐ　　　　 　 ∧　　　　　/￣＼___|　,　　　 ∨
　 　 　 　 }＼　 　 ＼| |　　　　＼　＼　　　　 ∨ー----／厂}ﾉ}　　　＼　　i
　　　　 　 |　 ＼　　　＼　　　　　丶　＼　　　/／厂l￣l　_レ' /　 /　　 | 　 |
..　　　　／|　　　＼　　　＼　　　 　 |〕ﾄ､＼___i代_{___レ'´　___/　　{　　　|　　|　　　　　　　　【 道鏡 】
　 　 ／　/|ヽ　　　 ＼　　　＼ 　 　 |_厂＞ ￣　 ＼＿ﾟ_／　　 　 l 　 　 } 　 |
　　　 　 ' │　＼　　　ヽ　　　 ＼ 　 | }　　　　｀ヽ　　　　　　　　 人＿／　 /
. 　 　 / 　 |　　　＼　　　＼　　　}　 リ　　　　　　｀　ー――‐＜ 　 ＼　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ,　'"´　　　　　　　　　ヽ . 。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 おお、お家騒動で . `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｛　　　　　　 　 　 　　 　 　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ` ､......　ありますか.　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `　　─-------- 　　´


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346： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:45:44 ID:hrUobFRk




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ..::::::ｧ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r:::::r＿,,__}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,不{ｰﾍﾐ:::ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, <_小ｪｪ／抃⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ `㌃/7}{У,〉⌒}
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 / V {｛/　/　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ゝ-=彡⌒! V　/ 　 , ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 , -‐===ﾐ､__　　　 }斗< __ ,/ /
　　　　　　　　　　　　　　　 　 , ‐ｘ‐ｚ.ェ←- r‐-ﾐ }= ｀rr '´　_＞一'　{
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {／}/￣　 　 　 <⌒)）::r.翁r＜_{ﾟ　　　 _|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　 　 　 　 ¨∧//℡{!::::::ｙ:｀::‐＜{
　　　　　　　　　　　　　　　㈹　　 　 ㈹　　　 　 　 }〔　||||:::::::}__::::::::::ﾉ＼-ﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　{__r‐ｭ __ __　　　　　　　ト{　ﾘ|l :::;′||￣|| ||　 Y
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （__ ｛　＿）‐　　 ‐=ﾆニ7 　___||::::{　 || 　|| ﾘ ＿｝
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ､! 　 ﾚ' `　　 ‐=ﾆニ7　/　厂｀ヽ　ﾘ 　ﾘ /　 厂｀ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 　 　 ヾｰ／　　＜{＞　 |　　　 　 　′ ＜|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ--r─＜　__ __ｉ ＜}＞　 |　　　 ｉ　　 　 ＜|　　　　　【 流刑 】
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 「＞|　　 | 　| ＜＞ 　 |￣|￣|　　　　＜|
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 └‐r─ｧ┘　!___{＿___ 」ｧ┘　!___{＿＿ 」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣　　　　　`ｰ '　　　　　　　`ｰ '

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　「この道教の暗躍は『宇佐八幡事件』と呼ばれており、

　　　　　　　　　　　　　　　　この事件の煽りを受けて、和気清麻呂は大隅国に流刑となった」


.

347： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:47:05 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　「その後、孝謙天皇重祚し、改めて称徳天皇が崩御し、光仁天皇が即位する。

　　　　　　　　　　　　こうなると後ろ盾を失った道鏡はひとたまりもなく失脚する」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ||　　　　　　　 　 ／:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ||　　　　　　　　.:　::　 :::
　　　　　　r============================┐　　　　　　 ||.　　　　　　 /
　　　　　　|「　　　 　 　 　 ,::::.　､　　　　　　　 　 ||　　　　　　　||　　　　　　 ′　　:::
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　　　　　　||　 　 　 　 　 ､дﾟ　つ　　 　 　 　 　 ||　　　　　　　||　　　　　　:　　　　　　:::::
　　　　　　||　 　 　 　 　 ｏ　　　'　　　　　　　 　 ||　　　　　　　||　　　　　　i　:::::
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　　　 -‐‐-ミ　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ヾ　　　 （:(ぃ )） ﾘ厂　′三二=-
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　 {ト ==== イ|　￣　　＝‐-　 　 　 　 　 |x兮ｰ≪　_＿__ﾉ厂三三二ニ-　　　 　＼
　 ||　　　　__| ヘ.　　　 　 　 　 丶　　　　| ヾ±坏 厂￣ノ三三二ニ- 　 　 　 　 　|＼
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 孝謙天皇さまと称徳天皇さま 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　基本的に同一人物です。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　孝謙天皇が一度退位し上皇になり、その後改めて復位した復位期間を
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　称徳天皇とよばれています。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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348： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:47:17 ID:hrUobFRk


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼　　　　　　　　　「もともと孝謙天皇の閨の中で権力を握ったといわれてたわけだから残当だお」
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　　　　　「道鏡は奈良の法相宗の僧だったからな、
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ　　　　　　　　　　　桓武天皇の南都僧嫌いはこいつの影響も
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ　　　　　　　　　　　　　あるだろうな」
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/



　　　　　　　　　　　　　　　 /∧
　　　　　　　　　　　　　　 ,'::/:::::ヽ
.　　　　　　　　　　　　　/:::/::::::::::::',
　　　　　　　　　,. .- :'::/:::/::::::::::::::::|
　　　　　　　ィ´: : : :-┴┴:::、:::::::::::｀: :-=..＿＿__　＿＿
‐- ．... ＿_'_: : : : : : : : : : : : : :｀ヽ::::|: : : : : : : : : : :｀ヽ、:::　　　　　　　　　　「？？」
':':':'::::;;;;;;;;／: : : : :ヽ、: : : : : : : : : : ::｀ ` ‐ =:__＜￣￣::::::
:::::::::::::／: : : : : ::|: : ::ヽ: :＼: : : : : : : : :＜￣: : : :＼:::::::::::
' ,::::::/: : : : : : : : |＼: : i: : : :＼: : : : : : ＼:＼: : : : : }::::::::/
　ヽ,': : : : : : : : : |　 ＼|:_; -──-: ;__: : ::iヽ:! : : : :ﾘ:::::/
　　|: : : : : : : : ::⊥.　　|＼: : : : :| ＼: : : : |: ﾉ: : : :/::::/
　　|: :|: : : : : ／:|　　　|　 ＼ィャ心ヽﾍ::|/|: : : //::::/
　　|: :|: : : ::/|＼|zュ　　　　　弋:ソﾉ　 /r'|: : /:::::::::|─
.　 八:|: : : : :i　代:心　　　　　　::::::::　　r´|: /::::::::::||
.　　　八: : : :ヽ　丶¨　　　　　　　　　 /　.|/|::::::::::|:|
.　　　　 ＼|ヽ::ミ＼::::::　 丶　　　　　/ヽ　　|::::::::|:::|
　　　　　　i: : : : : : ヽ　　 　　o 　　/＼_　 ∧:::::|::::|
　　　　 　 |人: : : ＼:ヽ≧─-　 イ::ム＿　　}:::::|:::::|
　　　　　　 　 ＼|￣｀ ＼　 ＼::::-:::::_:::＼￣ |:::/:::/＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ 　￣￣￣￣/::::::＼￣￣


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349： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:47:33 ID:hrUobFRk


　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 -｀ 　⌒　ヽ､_　 　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ´ 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜　　　　　　　　　　「サーニャにはラスプーチンみたいな坊主だといえばわかりやすいか」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i



　　　i　　:i:i:i　／　＼/＼ ／ ／　　　　/　　/　＼/ ./　|　　 ＼
　　 :i:　 :i:i,／　　 ／ ／/／＼　　　　/　　/　　 |/ / 　 |　　　　＼
　　 :i: /"´　　 ／'"´　 "　　　 ＼__ ./　　/　　 ／∧　 /　　　　　 /
　　:i:i/　　 ￣Y７=ｒ-､､､､　　　　　 /　／　　 / .ｲ|　| ∧　　　　　/　　　　　　　　「アー……ワカリマシタケド」
　　:i/　　　　 ヽ{ー;;;;）:::i|｀ヽ.　　　/／　　 ／／ |l　.| |　|　　　　/ | /
　　|′　　　　　｀ｰ-'､::Ｊ　丿丶　"　　 ／, '"￣｀ｰ-|/ ./|　　　/　.|/
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350： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:47:44 ID:hrUobFRk


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　　　　　　/:./Aﾘ‐ｚ'´ 　ﾘ　 二_ｷ|:l: :!
　　　 　　 {:.{:.ｲ　r=＝、 　 '~￣` |:|'^i
　　　　　　ﾚ|〈ﾊ　///　 、　///　ﾚｊｿ
　　　 　　　 ﾚヽﾍ　 　　-‐┐ 　 /:!::|
　　　　　　　　 |: : ＼ 　`¨´　／:.:.|:.l
　　　　　　　　 |: : i: |:`ト - イヽ: : |:.|　　　　　　　　　　　　　「あはは」
　　　　　　　　 |: : |/^＼　 ／ `Ⅵ :!
　　　　　　　___| : ﾊ　<> M　<>/ l:.ﾄ 、
　　　　　_ィ´／|: ,' ∨三V三∨　i:.ﾄ -`> 、
　　　　 「　　　 |/　　 L/i|ヾ」　　 ﾘ　　　/ヽ
　　　　 |　ヽ　　 　 　 　 |l　o　　　 　 ∨　 l
　　　　 |　　∨_ oニ] 　∥　　 [__ o__」 | i　|
　　　　 |　　 {| |　|　|　　|ｌ　　　|　|　| |ﾊ l　|
　　　　 |　　 i| |　|　| 　 ∥　　 |　|　| |　l}　|
　　　　 |　　 ﾍﾑ-‐┘　 |l　o　　￣`ヽ / 　|
　　　　 |　　　ヽ、　 　　∥　　　 　　ノ 　　l



　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿___
　　　　　　　　　　　　____〃　　-‐…‐-　　丶ヽ
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　 　 　 　 　 　 ／ 　./.　　 /　 /　　　　　　　 　＼＼
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　　 　 　 　 {辷〉｀ヽ{..　　　|　 |　|　　 | l　/|　　　 |　/　〈 /
　　 　 　 　 丶〉 　 〉　 　　|,ﾊ,|　|　 　| |/__|　　 　|　＼／
　　　　　　　　＼／　∨..　代フ. N∨ |弋フ　 　 /　|＼ ､
　 　 　 　 　 　 xく／ :|.　　ﾄ　　　　　　　　ｲ 　 /..|＼　＼〕
　　　　　　 　 <／.　 人ﾊ从 ､　　　　　　／∧/.　| i|¨¨¨´
　　　　　　　　　　ｰ/ |　　　 |, ＼　‐　／}} |　　　 |八
　　　　　　　　 　 /　 |　　 　| ヽ___　　xく〈 |　　　 |‐-ミ
.　　　　　　　 　 /, ¨¨|　　　 |,//　 》《　　 》....|....　|　 　ヽ
　　　　　　　　 / {....　|　　　 | 《 ／|:i:|＼_/:|　|....　| 　 　|＼
　　 　 　 　／/　{. 　 |　　 　| 　 　 V.　　　|　|､　 |　　 /　　＼
　　　　　　|　 | . ‘，　|　　　 |.　 　 　 　 　 |　|　ヽ| 　 /　　　　|
　　　　　　|　 |　/∧ 从人,ノ 　 　 ヽ/..　　丶|.　　 一　＼　 　|､　　　　　　　　　　　「とんだセクハラであります」
...　　　／ :|　 |/ /　 ,.　　‘,　　　 　 }{　　　　 }　　 }　〈　　|　 /　丶
　　　/　　 ＼ヽ/ 　 ‘,. 　 ‘,　　　　 }{　 　 　 　 ／　　ｿ　ﾉ ./
　 　 |　　 　| .＼　　　〕ノ　 ⌒¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´ ＿／ ／／.　 　 　 |
　 　 |　　　 |/　／｀¨¨‘, 　／〕　　　　　　　　／　 /　　」　＼|　　　 |
　 　 |　　　 |　 {{　　　　／ヽノ　⌒ｰ‐‐‐─　　　 /　／　　 　|　　　 |
　 　 |　　　 |　　 ｰ-=彡　〉　　　　　　　　　　⌒/　/　 　 　 /　　　/

351： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:47:59 ID:hrUobFRk




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　＿
　　　　　　　　　　　　　　　 {¨'＜::::...ヽ::::｀ｰ- .､
　　　　　　　　　　　　　　_f´..:::::::::::::::::::::::::::＼::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　<:代:::::::::::::::::＼::＼::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　ｲ::／丿〉＼::ト､::::＼::＼:::ヽ:::＼
　　　　　　　　 ＿＿_／／／ミV::ヽr彡≧＼ﾐ＼:::＼ミ=ｰ
　　　　　　＞'´'y / /／／ﾚ'ｨfﾃy､;, <代ｿ〉 ヽ〉㍉､:::＼
.　　 　 ／　 (ﾆ'_/_/ﾌ¨ｱ/:ﾊ　￣/　ヽ　￣　　ﾘ jｿﾊ::ヾ''＼
-一f¨{´ 　 -一 ⌒ ／ /ｲ:::ﾊ　　ヽ -　　､　　 rイ:::::',ミ=ｰ
　 代弋__,, ､＿ 彡' 　 　 |/　ヽ　 ー　ﾆﾆ7 　 jl::ヽ::::ﾊ
　　-一≦　　　　　　　　　 　 /Vl ｀==一　 ／ {::::ﾊ＼',
　　　　　　　　　_　　　 　 　 /＞ヽｲ_ﾄ彡'イ　 ,込:::ﾊ　ヾ
: : : ＞､／ヽ､／.:＞.､_r..､_　´ /／/ヽ､__彡: : : : /ミﾆ==ｰ-- ___
: : : : : : : : : : : : : : : : : : }｀ヾミ彡 /q／::ヽ､: p: :/　　 ￣¨¨¨''''r
: : : : : : : : : :: : : : : : : : :.l　　　　 j{ ∧φ:／＼/　　　　 　 　 /
: : : : : : : : : : : : : : : : : : j　　　　 'ﾚ: ﾉ::Y: : : : /　　　　　　　/:
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｀ ｰ-ﾐ: : : : : : : : : : : :./　 　 　 {: /:::o::l: : : /　　　　　　　 {: : :
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　　　　　 ｀ヽ: : : : :/　　　　 　 |::j:::o::::|: /　lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆl 　 '; :
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　 「ひどい風評被害を食らった。まぁいい、先に進もう。

　　　　　　　　　 道鏡失脚の後、和気清麻呂が都に戻ってきたこの時期に、

　　　　　　　　　　　 清麻呂は国家安泰の祈願のために、

　　　　　　　　　　　　　 神護寺の前身『神願寺』を建立したといわれている」


.

352： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:48:22 ID:hrUobFRk


. 　　　　 　 　 　 　 　 .　　　-──-　.
　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : :.≧=-､
.　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : :-──- : : ＼
.　　　　　　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : :＼　　／⌒ヽ
　　　　 　 　 /: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : ／:ヽ: : : ><　　　　|
.　　　　　　 /: : : : : :/:/: : : : : : : : : : : : ∠::::::::::ヽ: : : : ヽ.　　 !
　　　　 　 /: : : : :__/:/: : : : : : : : : : :／　　 　ヽ:├:､ : : : i 　/
.　　　 　 /: : : : / ﾍY: : : : : : : : : :／､　　　　 　 ＼:l: : : : !
　　　　 / : : : ;ｲ 牙 !.: : : : : : : :.;.へ、＼ 　 　 　 　 l: : : :.l
　　 　 ,' : : : /人｀~ !: : : : : ;ｲ: /刈ハヽ.　 　 　 　 ,' : : : :l
.　　　,: : : : /ｲ: : ｢! !: : : : :/ l:/｀¨´　　　　　 -､　/ : : : : ｌ　　　　　　　　「その神願寺が作られたのはいつ、
.　　 ,': : : :/: :|: : ｌ:| |: : : ::/　|'　　 　 　 　 ,≦､ 〉' : : : : : !
　　/: : :.:/: : :!: : リ !: : :./　　　　 　 　 　 ｨ歹'ﾞ:/: : : : : : !　　　　　　　　　　　というような詳しい記録はないの？」
.　/ : : : : : : /: : /　|: :.:ｲ　　　 　 　 　 , 　/:::::/: : : /: : ;'
　. : : : : : : /: :.:∧　ｌ: : :|　　 　 ｒ y　 　 . ' ::::/: : : /!: :/
　: : : : : ／: : :人 ヽ.l:.: :ﾄ､ 　 　 　 　 イ::ハ/: : : / .!:/
　: : : : : : : ／ ﾄ､＼ |: : !__ >､_,. :＜::::::∨ /: : : /　 !'
　 -─‐＜　　 ヽ＼ |.: :|__／}＼:::::::ヽ::::∨: : :./
　 　 　 　 ヽ.　　ヽ `l.: :!　　 !　 ヾ≧=-/ : ／
　　　　　　　　　　　 ヽ:ｌ 　 /　　 / 　 /／ヽ
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

延暦年中に太神の御教を受奉りて建立せし寺なれば神願寺と號して辱（にく）も八幡大菩薩御てつからきさみ給いて

清麻呂に授給ひし薬師の尊像を安置し奉る　　　　　　　　　　【神護寺縁起】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）　　　　　　　　　　　　 「いつ、どころかどこの場所にあったのかさえ、
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__　　　　　　　　　　　　　　現在となってはわからない。
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |　　　　　　　　　　　　　 神護寺縁起の中には『延暦年中に』
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　 とされているだけなんだよなあ」
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}



.

353： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:48:41 ID:hrUobFRk

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
.　　　　　　　 __　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　　「ちなみに、この縁起に記されている『薬師の尊像』というのが、
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　　 　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_　　　　　　　　　　　神護寺の本尊である薬師如来像だ」
.　　　　 { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒　　 ⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|　⌒（__人__）⌒　 　 　 |　　　　　　　　　「薬壺持ってる如来さんだお」
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 ｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 　 　 　 　⌒ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　＿　　　　　　　　/　　|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '、＿＿ヽ　（　￣￣　＿/
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　＼　　/￣￣ヽ　 .|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　、　　　|　　　　　　|
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 、　　　＼＿_|　　　　|　/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼＿　 |　　| ＿ /〜´
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （＿＿/　 （＿＿）


.

354： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:49:00 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　「そして神願寺とほぼ同時にできたと考えられるのが、
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、　　　　　　　　　　　　　　　　　 和気氏の私寺の『高雄山寺』だ」
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



￣￣　l　　　　　　/　　　　 |　　　　| 　　　　＼　　　　　＼
　　 　 |　　 　 　 /　　　　　|　　　　| 　　　　　∧　　　　　 }
　　 　 |　　　 　 f　 |　 　　 |　　　　| 　 　 　 /　}　　　　　 l__
　　 　 |　　　　　|　 |　　 　 |　　　　| 　 　 |　 　 l　　　　　 l　ヽ
　　 　 |　　　　　|　 | 　 　 ｜　　 　| 　 　 |　 　 |　　 　 　 |　 l
　　 　 |　　　　　|　 |＿_　　{　　　　| ＿＿|＿　 |　　 　 　 }　 l
|　　　｜　　　　 |　　　　ミ八 　 　 :| 　 　 |　 　 |　　 　 　 }　 |　　　　　　　　　「もう一つ寺が出てきたであります」
{　　　｜　　　　 |㌢芯云丐ﾐ＼ 　 :|　/芯云丐ミ 　 　 　 ,′ }l
‘， 　 :|　　　　　|ゝ ｈr//刋　　ヽ　: 　 ｈr//刋 /　　　　/　 /{{
　　　　{　　　　　{　{乂)こ少　　　＼{:　乂)こ少　　　　 ∧__　ⅱ
　　∨八 　 　 　 ', i　　　　　　　　　　　　　　//　　　 ∧////
.　　 ∨　＼　 　 八＼　　　　　 ,　　　　　　//} 　 　 /∨,/＜　∧
　　　 ∨ / ヽ　 　　＼}　　　　　　 　 　 　 〈//　　　/　 }/＼} / ∧
　　　　∨　　 〉､　 ∧　.　　　　 -　　　　 　 /　　／ 　 /}///ﾍ / ∧
.　　　 　∨　//∧/ ∧　　　　　　 　 　 ィi /　／　　　//}////ﾍ / ∧
　　　　　 ∨///∧/　:}　＿　ヘ _ ｡＜ﾆﾆ/／/ 　 　 /_∨＼///ﾍ/ ∧
.　　　　　　〉////∧　:!/　　 ／{ニニニ／　/ 　 　 /　 　≧s。,// / ∧
　　　　　 /////// ＼|　　 /＿:}　　　　/　/　　　 /　　 /　　　}￣　/ ∧
.　　　　 ////＞/　　/　　//ｉ:ｉ{ﾆ＞＜:/　/　　　 /＿__/＿_ 　 }　　　/ ∧
.　　 　 ,' ￣ア /　　/7777/ｉ:ｉ／i:i:i:i:i:ｉ:{　/　　　 ///////////ﾍ___ 　 / ∧
　　　 /　 イ__/　　/=:∨,/i／i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:∨ 　 　 ///≧=‐ニニﾆﾆ二:ミｔ､/ ∧
.　 　/　 {二:/　　/ﾆ/／＼i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:／/ 　 　 /二二二ニニニニニﾆニ',/ ∧


.

355： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:49:26 ID:hrUobFRk


　　　「和気清麻呂没した後、この高尾山寺のほうに清麻呂の墓が祀られることになり、清麻呂の子息が支配するようになる」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　,.　----＝ミ､ヽヽ
　　　　　　　 ､＿＿／　　　　　　　　ヽ}ﾉ
　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　ヽ｀ヽ
　　　　　　　　　 冫　//　 / ヽ　 i 　 i | 　::.
　　　　　　　　　/ / :|」 -‐ト　 }-┼‐ | | 　 i
　　　　　　　　　|ｲ :/! | ﾄ､! ヽハj Vj/!/　　|
　　 　 　 　 　 　 |　! YＶ　ヽ.__Y´　 j刈　　|
　　　　　 　 　 　 ヽ| 弋＿_ﾉ⌒ヽ ＿乂 　 :!
　　　　　　　　　 　 |ハ　　　　　　　　 |　 .,'
　　　　　　　　　 　 | :八 　 ー 一 　 , !　/
　　　　　　　　　 　 |　| |[＞ ､ _　 イ// /
　　　　　　　　　 　 ＼Ｎ_」 　 　 　 !j/j/
　　　　　　　　　　 -‐＜　　、　/　　＞‐-　､._
　　　　 　 _,.　 '´　　　　＼‐`　'‐／　　　　　　　 ヽ
　　　　　/＼　　　　　　　　＼／　 　 　 　 　 　 　 i
　　　　 /　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　 |　　　　　　　【 最澄 】
　　　　 !　　 　 |　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 |
　　 　 /　 〈／ !　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 |
　　　〈　　　 　 |　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 :!
　　　/　　　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | 　 　 !


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ::::::::::::::弋_,ﾉ:::::::::::::丶
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　 　,/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::,ヘ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _,／i
　　　　　　　　　　　　 lヽ　/::::::::爪─ﾍ:::::i─ヽ::::::::iﾍ:::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　 l:::::｀'::::::/l i レ─＼!─‐＼:::i'-ゝ::::::::::::::::::/
　　　　　　　　 　 　 　 ＼::::,-‐､N;ｿ　 　,ｨ一''　　ヽ! 　ヾ::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　Y,へ/,/ i.　　 　 ､＿,,,　　 ゝ_　＼:::::＼
　　　　　　　　　　　 　 　 { l( //　! 　"" 　｀￣´　, ヾ､、/　｀￣￣
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽノ/　/　 　 　 ＿　　-ゝ　 /ｿ
　　　 　 　 　 　 　 　 ＿／ /　 /ﾄ　　　 い　￣丶_　/´
.　　　 　 　 　 ､-‐ "´　　,ｲ 　./:::!.丶　　丶.　　‐-ｦ/
　　　　　　　　 ＼　 　 ,ｸ 　 ./ ｀.l　　丶、　｀‐‐ '"ノ
　　　　 　 　 　 　 ゝ／　　 /.　　l　　　'';;丶＿,／l
　　　 　 　 _ -─､─ ` 、 / . r‐┴'‐─一Y'‐‐一ﾍ　　_ ,, -─"｀τ´ヘ
　　　　　／丶　-‐ヽ　　v'─┴ - 　　　　 |　　_, ‐ ト´,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;,, ｀i⌒F丶
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　「この高尾山寺は、最澄と空海という二人の高僧と縁深く、

　　　　　　　　　　　　　平安初期の仏教の舞台の中心と呼んでも良かった、このあたりについては後で説明をするぞ」


.

356： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:49:45 ID:hrUobFRk

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　「天長元年（824）に神願寺と高尾山寺を合併し、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿　　　　　　　　　　　名を神護国祚真言寺と改めた。
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼　　　　　　　　　　　　ここに今日まで続く神護寺の様態が出来上がったわけだ」
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼


. . . . . . . . . . . . . . .ヽ
. . . . . . . . . . . . 人'ヽﾍ
. . . .＿,. ｪ ― --ｧAﾍ,ム-‐-. .,
＞ ´／: : : : : :.／"ﾍ:ﾄ,:≧,ヽ: : : ヽ
: : :/: : : : : : ／　　　|:|　　ﾊﾄヽ: : : ﾄﾊ,
: :/: : : : : ,ｲ/　　　　|:|　　　',ﾄ:ﾊ: ヽ: :､ﾍ
:/: : : ::フ7ｲ―‐--　|:|　　＿i|ﾑ: ∨,: : ',ﾄ',
': : : :/'　'　 ＿,　 　 i;'　　　 /￣ト,: :ﾄ: :ﾊﾘ
: : :≦ィ元ﾊ气｀　　 '　　　　=_　∨i: :∧:',
　∧､弋::::::ﾊ　｀　 　 　 　 仍ｶヽ ﾄ|: 'i　,:}
イ 　 　 ｀ー'　　　　　　 　 壮ﾘ ﾘ,'从:|　ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀,´　i　ﾊﾘ　'　　　　　　　　　　　　　　　　「合併して出来上がったということは、
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 '　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　神願寺も高尾山寺も、近くにあったのかしらね」
､　　　　　 　 　 　 　 ｀　　´　　/
: :i　､　　　　　　　　　 　 　 　 /
ﾍ:| 　 ヽ　　　 　 　 　 　 　 ／
: ヽ　　　　｀　 ､　　　　　／
: : : ＼≦　　　　≧. ―,'
.´.｀.ヽ≧､三三三＝､: ﾍ
. . . . . . ｀ヽ: ≦三三ﾆﾊﾍヽ
. . . . . . . . . .ヽ:､＜三三,.ヽ＞､
. . . . . . . . . . .ﾊ: ヽ. .＞ｭ｣＞ｰ '＞ ､
. . . . . . . . . . ..ハ: ﾍ. . . . .｀. .ｰ. ､. . .＞ｰ､
. . . . . . . . . . . . . ﾄ: ﾊ . . . . . . . ⊂⊃｀. ヽ｀ー. -. .,_
. . . . . . . . . . . . . .ﾊ: :' , . . . . . . . . . . . . . .ﾊ. . . . . . .｀ヽ
. . . . . . . . . . . . . . . ハ:ﾍ. . . . . . . . . . . . . . ', . . . . . . . . ',
. . . . . . . . . . . . . . . .|.∧:}. . . . . . . . . . . . . .,'. . . . . . . . . .i
. . . . . . . . . . . . . . . .|. . i,'. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .'
. . . . . . . . . . . . . . . .|. . ﾘ. . . . . . . . . .○. . . . . . . . . . . /


.

357： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:52:39 ID:hrUobFRk



　　　　　　「天長六年（829）には和気清麻呂の子、

　　　　　　　　　　仲世が弘法大師空海に神護寺を譲った。

　　　　　　　　　　　　　　　　　弘法大師はこの神護寺に住持し、こうして神護寺は真言宗の根本道場となる」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.....,,,,,,,....._　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..イ　　　　　　 ｀:..､　　}　 }
　　　　　　　 　 　 ､　 　 　 　 ,. イ　　　　　　　　　　　 ｀;ムノ
　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ＝ニ´　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀､
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　　/:/ :/ :!　　.:| :!:! ! :|　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　i 　 .:|　_i斗‐|-!|　　 :|斗!廾ト､|　:|　:! 　 !
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 !ハハ八　　:i∨リハｲ . /　:|　　!
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 ||　, ‐:､ ∨ /. ., ‐:､ヾｊ /　　| 　,'
　　　　　　　　　　　　　| |　:!＼:ﾘ 弋_丿 .∨　弋_丿 |/　　 :! :/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !ﾊ .:|　 :＼　　　　　 　 　 　 ｲ　 　 .':/
　　　　　　　　　　　 　 　 ∨ !　:ト 　 　 ` 　 　 　 　 !　 　//
　　　　　　　　　　　　　　　∨Ｖ iﾍ　 　 f￣￣|　 　 // ///
　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　iヽ. └─.┘ 　 ｲｲ //ムゝ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨!|　 ＼ __　イ 　 ,ｲ/)）くニニｺ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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358： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:52:59 ID:hrUobFRk



　　　　　　「空海はこの神護寺に、新たに潅頂堂、護摩堂、納涼房、阿闍梨房などを建立し、

　　　　　　　　胎金両部の密業を執り行う場となる。つまり、密教の儀式などの舞台となったわけだ」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ､　i:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/!::::::::::::::::/!::::::::::::::,ｨ::::::::ヽ}::::}
　　　　　　　　　　　　　　＿__,ゞ:::::::::::::::::::::::::::::::::／_.|:::::::::::／ .!:::::::／ヽ.＼::::::::::::|
　　　　　　　　　　　-=ﾆ´_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／￣./ ::::／￣/:::／-- ､ ＼＼:::::ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼::::::::::::::::::::::::_:;／／ﾆ/ｧ-く　　／',ｨ==､ヽ　＼ヽ ）:ﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ￣フ::::::/i ::!　　/´　　　 ﾞ　　　 '　　　 ヾ　　}:ヽﾉ´
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　-=ﾆ´ ,:イ　ﾄ､! 　 {　 　 {●}　　　{●} 　　 }　 ﾚ'⌒ヽ
　　　　　　　　┌――――-- '´　/　∧.!　　　 ＿＿　　　　 ＿＿ 　'　 /ﾆ┐ .}
　 　 　 　 　 　 ＼　 ＿＿＿,.....／　∧　| 　　 ´　　　　　　　　　　 ｀ 　 | 　}　 /ー--- ､
　 　 　 　 　 　 　 ｀´　　/.へ／　, ｲ　　 |　　　　　／／／／／　 　 　 |　/　/　　／ヽﾉ
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　　　　　 　 　 　 　 　 | く 　∧　　┌─ﾊ　 　 ＼　｀ ｰ----‐ ´　ﾉ　　.!-'___. /ヾ､／　}
　　　　　　　　　　 　　,|　 ヽ{.　＼ . !:::::::::::＼ 　　 ＼＿＿___　_／　　 / :::::://／ ||　　|
　　　　　　　　　　　 く　＼〃､　　ヽ!:::::::::::::::::＞ ' ⌒i　　　　U　／⌒ヽ､::::/ｲ´　 .||　　|-､
　　　　　　 　 　 　 　 i＼ ((＼＼ 　 Ｖ::::::::／　 ／ ´⌒iｰ―‐ｲ⌒＼ 　　Ｖ　　　　||／　ノ
　　　　　　 　 　 　 　 |　 　}}　　 ヽ　 ＼:::{　　/　　 ／⌒i /⌒ヽ 　 ＼ 　} 　 　 ／)) イ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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359： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:53:12 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「この神護寺、その後正暦五年（1022）と久安五年（1149）に

　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　大火に見舞われてヘロヘロになってしまう。
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |　　　　　　　　　　　で、神護寺の公式サイトでは『鳥羽天皇から不興をかって』
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |　　　　　　　　　　　　　　 えらい目にあったことがあるらしいが……」
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|　　　　　　　　　「一体何が不興を買ったんです？」
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |


.

360： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:53:37 ID:hrUobFRk




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「すまん、よくわからん。神護寺の公式サイトの記載から考えると

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 『国家鎮護の行を行う寺院で二度も大火とは何事か』と
　　　　　　　　　　　　　　　_____
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼　　　　　　　　　　　怒りを買ったとも取れる文章なんだが……」
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

　　　　神護寺は最澄、空海の活躍によって根本道場としての内容を築いていったが、

　　　　　正暦五年（994）と久安五年（1149）の二度の火災にあい、

　　　　　　　鳥羽法皇の怒りに触れて全山壊滅の状態となった。【神護国祚真言寺公式サイト】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',　　　　　　　　「鳥羽天皇は康和五年（1103）のおうまれで
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i　　　　　　　　　　　なくなったのは保元元年（1156）だから、
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j　　　　　　　　　　　　　　二度目の大火の時にはいらしたのよね」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|



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361： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:53:55 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　「ただ、二度目の大火の前に、永治元年（1141）に後白河天皇に禅譲し、

　　　　　　　　　　　　翌年の康治元年（1142）鳥羽天皇は既に東大寺において授戒し、

　　　　　　　　　　　　　法皇になってるからそうなるとこの文章はちょっと食い違ってくる」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　{:::::::::ﾚi
.　　　　　 　 　 　 　 r'::::::::::::ﾚ!　　　_　 -- ミ　　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　　 _ﾏ:::::::::::::},. : ´γ⌒ヽ　　｀　 、　　 /i　ノレ'::::フ
　　　　　　　　　　 　 ヾ;::::: _/＝＝ { ^ｑ＾ﾉ￢＝=ﾐ‘ , ,/::::}'::::::::::::::ﾌ
　　　　　　　 　 　 　 　 ｀Y´／ ヽ　⌒⌒／￣｀　 ヾ-i::::::::::::::::_<´
　　　　　　　　　　　 　 　 |'　　　 ヽ'　- '　　　　　　　 |￣￣
　　　　　　　　　　 　 　 　{　 ￣ﾟ｀`　　　 '´ﾟ￣　　 　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 Y :〉　γ⌒ー '⌒ヽ　　　　　/､　　　　＿_
　　　　　 　 　 　 「 〕iト Υ　, jﾉvﾊﾉvﾊﾉv'ﾘ　　 　 γ´}　 ,xく|／:.|
　　　　　　　　　　l-- L.八　' ゝ　!:::::::::/　　 }.i　　,、_ノ.／: ／: :..ﾘ
　 　 　 　 　 　 　 ∨＿＼iﾄ､　　 {::::: /　　　　　ノ＿／: :}' ＿_／
.　　　　　　 　 　 　 ＼: : : ,.　≧=　 ＿＿ 　 チ::/　　　｀ヽ:.／　＿
　　　　　　　　 弋￣￣／_./::::/￣__　 ,. -＿ !:::{L　＿＿　ﾟ,x＜!__:|
　　　　　 　 　 　 ＼／≦=T Т ヽ　.γ´ -ミヽ:::´:::::＿＿_::｝／: :/
　　　　　　　　　　　乂r‐Ｖﾉ　.| 　 !--{ {　♀ )｜ヽ´　　　ヽ＼:／
　　　　　　　　　 　 ／　　＼='　,√￣V ー '　ﾉ=j::::＼　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　【 後白河天皇 】
　　　　　　　　　　/　　　　/|￣　　　　 ｀ ー '　 /:|:／::', 　 　 　 }
　　　 　 　 　 　 〈　　 　 く .|　-‐　　 　 　 ‐-　.l:ｨ:::::／　,.: 　 ／
.　　　　　 　 　 　 ヽ　　 　 ',!　　　　　　　　ヽ　.|:::::/　／　／

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「解説者意味ねーな」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「後白河法皇のキャスティングリクエストありがとうございました」


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362： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:54:17 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　「文覚が神護寺への寄進を強要して後白河法皇の不興を買ったとか、

　　　　　　　　　　後鳥羽天皇に謀反を疑われて流されるときに文覚突然の死！って話は有名なんだけどなぁ……」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　./!､　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / ./l_,,,,
　　　　　　 /　.|　　　　 _,　- ‐ /l- ､ _　　 ./　//, /
　　　　　　l､ 　 ヽ.　, .':::　 　 ､>'-'' <_　_ヽ､l　ﾉ/' /
　　　　　　ヾ　　 l, '___r,ﾆ､ｰ<(_　　)<-‐ヾ==ﾋ'_ノ
　　　　　　　 `､ノ'_ﾉ`i'　 ヾﾐ､.'〈`/`T //ヾﾐ ',
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　　　　　　', .',:::::l::::::::::　　 , ‐-ヽ､_ノ-‐‐､　.∨　　　　_,,,=-.'￣`ｰ-､_
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　　　　　　　 `ｰ-',::::::::::l.l　　',　　　 |:/　 ﾉノ　 ,/　 　 ヾ,`''''''　　　　　　　　　　__
　　　　　　　　　　 ゝ､::::::`...　`ｰ―',/　 ／　 ./　,　　::::,'　　　　　　　　 ,r=＝'''　 二ｰ--.､
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　　　　　　　　　 _,,,,,,,/:::､:::::　　￣i |　　　　/　/　 :::::,'　　　　　　 ／　..::､::::::::::_, ｰ--ﾆﾉ'
　　　　　　　 , '　　　　ヽ､_,,,,,===.'=!､__　 ./ ..::'　 ::::::,'　　　　　 ／　 ..:::::::/￣
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　　　 　 　 |::::.........:::::::::::::::::::::...........::::::::::::::-==ノ::/　　 .:::::::l::::::::／:::::／　　　　　　　　〜後白河法皇の怒り〜
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　　　 　 　 .|::::::::::::::::::|:::::::::::::::::...　　　　　 .|　　　￣￣'''''''='''''

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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363： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:54:39 ID:hrUobFRk




　　　　　　「まぁいいや、そんなボロボロの神護寺の復興を決意したのが今話をした文覚という僧侶。

　　　　　　　仁安三年（1168）に神護寺を訪れ、その荒れ果てた様相を見て復興の大願を打ち立てた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　__r::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}、
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　　 r::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::㌢ ⌒ヾ::::)
　　（:::::::::::::＞''~⌒`''＜;;;;;:＞'' 　　　　 Ⅵ）
　　（::::::::::/　　　　⌒ヽ　 __ノ.γ　 r ､　 }!
　　（:::::::::|　　　 __ ｀ヽ ニ ＿ノ　 /　 ｀　.|^ヽ
　　 }:::::::::{　　 〃^ヽ,　　　　　 {_ﾉｚｘ、　/　 |
　　（:::::::::::〉　 |!　　 ,≧tｲ} )　　　ゞ' ,　 、　.|
. γ⌒ヾ:::{　　　　 '^ ゞ'ク　　　　｀¨´　　∨ﾉ
　|　　　 ﾏ{　　　　　｀¨´　　o　 o ｀丶、　 Y
　|　(　　　　　　　 　 ,.:'´ 　　ﾆ彡≧､. })　 j　　　　　　　　　　　　　【 文覚 】
..弋　　　　,､　　　 ( {　 ム-- こ''"~ 　　／
　 .个ｰ=彳ﾑ、　　 ゞ`　　　　｀¨´　 ,,／＿＿＿
　　　　　　　 ゝ､　＿＿＿＿、＿ ノK´　 弋:.:.:.:
　　　　　　_ γ'´ /{ |　　　　　　　　 入　　　`ー
　　　 _､rf〔:./　 /{　｀`〜､、　　　／ ／｀`〜､、
　　 /:.:.:.:.: /　 /　｀`〜､、. `ヽ／ ／
　 ./:.:.:.:.: /　 /　　　　　　　／ ／

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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364： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:54:58 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　「後白河法皇に寄進を強要しようとしてザッケンナオラーされた後、

　　　　　　　　　　　　　　　　　文覚は神護寺復興のためにある人物に接近する」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　{: : : : : : ＿＿: : ．: - :.:／: : /ゞ/¨７ﾅ: :―: - : : :．: ＿_ _: :}
　　　‘―: ¨: : : : : : : : : : :／: : : :/: :/　/く＼: : : ＿__ : : : : : : :〃
　　　 ‘，: : : : : : : : : : :／ : : : :./: :/　/:ヽ,〟ｨ;;;;;;;;;;;;;;;;;,､: : : ／
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　　　　　　　　＜: : : : : : : : /: :/　/: j;;;/ _ -､‐-‐ノ　_　　〉;;;;;}　　　　　.．-―――――- ．
　　　　　　　　 　 ｀　ー ――/　/‐ {;;;! ハ､_,￣ ､／ ヽ 〈;;;;;;;j　　　 ／　_＿＿＿＿　　　　　 ＞ ．
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　/　 /ﾏ､ '_てj′　'てｱ　 j;;/⌒.　　/　／　　　　　　　￣￣　 ｀ ＜　＞ ．
　　　　　　　　　　　　　 　 /　/ 　 廴〃　,´ ･__･ ｀￣　　´､_ﾉﾉ　/／　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ ＜　＞．
　　　　　　　　　　　　　 r'´二＞､　　 ゝ,.{{ 斥ー＞ )ﾉ　 ﾉ`ｰ′〃　|.〉　......|〉 _jL， /〉__　l7!1　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ,.イ辷＿入 ﾋﾆV´:i＞‐-二-ｧ┬＜.＿__　/′...|.!　　　|| ｪ北ｪ ||.，!|〈ハ廴 .．-―- ．_
　　　　　　 　 ,ｨ ,ｲ /　{廴__ﾉ ノ　}.ヾﾆ〃＼＼／／| |:ｉ:i:i:i∵”ヽ.　　|.! 　 〈ｌ||l〉「ﾆ!|ﾞt==!f'＿_　/ィイ／!_
　 　 　 　 　 / {,' ﾚ　［三三］｀ヽﾉ.．-―ｧ　 У∠⌒! !:i:i:i:i :i∵:i‘，ノﾍﾆ=- lj . |fｦ,| |j.’jj |L」| {｀＾"ﾞ-､＜
　　 　 　 　 ,'　{ 斗＜　　　　＞'´／ ／ﾆ厂￣`　｀ヾﾑ:i:i:｛:i‘:’:i:i:i＼　　　 　 　 ．- ．　　￣　＼―-､ ﾞ､ゝ
ｨ　　　　 　 { 丿　,.-―-､　 /　 く 　 {二_{'/ ,　_厂/￣￣｀＜:i:i:i:i:i:i:i:i:>　 　 　 （　　 ／￣’･― -`　　} .}７
‘， 　 ,ｨ 　／　 ノ ／¨アー'　 r―‐‐　／`〈_ちﾆﾆ辷ｦ‐-､ ､ _＞＜　　 ＿＿＿＼´　　　　　　　　　 ，ﾉ7
　＼_/ !／　 ＿／｀￣　　　　 ＿＿__ 廴ー--'　／|　'､`､ }､_＼　　｀¨´　　　 / ￣　　　　　　　　 　/〃
ン´ __　　　　　　　　 _　　 　 ´　　　　＿_＞―く.　 |_ ' ,＿.!_ﾞブ　　　　　　 ｀く　　　　　　　　　　　 /,'"
{　 ´ ′　　　_．-vW′Vv､　` 二._ （＿__　,　 -､¨jﾐV彡≡ﾐ:〉　　 　 　 　 　 ‘，　　　　　　　　　 `´
Y ／`ー― '´　　＿　　　　＼〈＜!|ﾏ￣´　,′ 　 ）辷メ._,_,-'ｵ ＼　 　 　 　 　 ヽ-､
ヽﾄ､, , ､ r―‐ '´　　 ｀ー┬＜ヾ.〃二＞一'⌒　/ {＿＿＿__」 　 ＞―‐ ⌒ｧ‐　　 }
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「ある人物とは？」


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365： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:55:22 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　「日本中世におけるキングオブ畜生、源頼朝だ」



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　　　　　　八从{　　≧=ァう不ゝ’=彡ﾙ川ﾘ　　　　　　　『やあみなさん、またお会いしましたね』
　　　　　　　 ゞ,:{ヽ　　 ﾉ｛　}ﾊ　　　 ﾉｲ仆"
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　　　　　　　 　 | ヽゞｚ彡辷冬≧ﾉ,ノ　ト、
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　　　 x=水ﾌ´　| 　込 _こ＿_ノ /　 　 }、　　}:: :: ::
　 ／ﾆﾆハ　　/|　　∨ 7 ７　 / 　　　i　ヽ /: :: :: :
‐7ﾆニ/: ::‘　/　!　　 ∨ / 　/　　 　,′ ／: :_: :-‐
/ﾆﾆ７¨ ‐-: :､_　;　　　∨　 /　　 　/_／: :¨: :: :: ::　　　　　　　　【 源 頼朝 】
ﾆﾆﾆ|: :: :: :: :: ::､‐-ミ.　 ∨/　 -‐ﾆア: :: :: :: :: :: :: ::
ﾆﾆﾆ|: :: :: :: :: :: :＼__｀ヽ　／,.．''": :: :: :: :: :: :: :: :: :

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「で、そのキングオブ畜生は文覚の話を聞いてどうしたんだお」


.

366： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:55:44 ID:hrUobFRk



　　　「実は頼朝、この文覚とは無縁じゃない。

　　　　　　文覚はかつて、平治の乱において敗死した頼朝の父義朝の頭蓋骨を見つけてきたというつながりがあった」


　　　　　　　　　　　「わーお」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　__r::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}、
　　　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)
　　 r::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::㌢ ⌒ヾ::::)
　　（:::::::::::::＞''~⌒`''＜;;;;;:＞'' 　　　　 Ⅵ）
　　（::::::::::/　　　　⌒ヽ　 __ノ.γ　 r ､　 }!
　　（:::::::::|　　　 __ ｀ヽ ニ ＿ノ　 /　 ｀　.|^ヽ
　　 }:::::::::{　　 〃^ヽ,　　　　　 {_ﾉｚｘ、　/　 |
　　（:::::::::::〉　 |!　　 ,≧tｲ} )　　　ゞ' ,　 、　.|
. γ⌒ヾ:::{　　　　 '^ ゞ'ク　　　　｀¨´　　∨ﾉ
　|　　　 ﾏ{　　　　　｀¨´　　o　 o ｀丶、　 Y　　　　　　　　　　　　『おまはんの父親の髑髏やで』
　|　(　　　　　　　 　 ,.:'´ 　　ﾆ彡≧､. })　 j
..弋　　　　,､　　　 ( {　 ム-- こ''"~ 　　／
　 .个ｰ=彳ﾑ、　　 ゞ`　　　　｀¨´　 ,,／＿＿＿
　　　　　　　 ゝ､　＿＿＿＿、＿ ノK´　 弋:.:.:.:
　　　　　　_ γ'´ /{ |　　　　　　　　 入　　　`ー
　　　 _､rf〔:./　 /{　｀`〜､、　　　／ ／｀`〜､、
　　 /:.:.:.:.: /　 /　｀`〜､、. `ヽ／ ／
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:::{/"ﾞ7¨oヽ.〉: : ｰ´｀¨´: : : :.:　　　く三/〈‐ｭ i:.:.:.
::∧: :｀¨ "'/: : :　::. : : : : : : :. i 　 　 彡 j:　i: |:.:.:.:
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　　 i: : : : {:Σｨ‐≦ー‐-ｭ:.､　　　　　 |!､_ノﾐ／
.　　 l: :,.ｨ仁彡ｭ≧≡ｰニミﾐ、　　　　!∧ミﾐ
　　　',ﾒ彡∧V-+＋T￢〉）: : .i　　　 ,'　 ∨
　　　∧"´: :〈ｰﾆ二￣¨ : : : . .ｉ　　 /:　　ト､
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　 　 　_/::::::::',∨: :ヽ.: : : : :＜　　　　 ´　つ　 　｀＞::
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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367： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:56:05 ID:hrUobFRk



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ﾞ¨‐==''ﾞ　　　 ヾ三三ZZzz,,__ . : : /ゞ/¨７ﾅ: :―: - : : :．: ＿_ _: :}　　　　　　 　 　 ∨;ﾑ
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　　　文　　フ　　 ┐　　　lﾆl! :./: :/　/:ヽ,〟ｨ;;;;;;;;;;;;;;;;;,､: : : ／　　　 　 　 　 　 　 　 ﾏlﾑ　　　あ　　あ
　　　覚　　ァ　 大　　　　lﾆl〉...: :/　/:,ィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ｰ､　　　　　　　 　 　 z=ﾆ三''"　 　 .れ　　っ
　　　l〉l〉　 ン　.物　　　 ,'ﾆ7.ﾞ: :/　/!ｨ;;;;ゞ‐-､;;;;;;;〟‐‐-､;;;;;;ﾞ，.　　　　 　 　 　 ﾞ''''''ｰ-ﾆl 　 　 は. 　 ･
　　　･ ･　 .タ └　　 　 ,'ﾆ/ : :/　/: j;;;/ _ -､‐-‐ノ　_　　〉;;;;;}　　　　　.．-―――.....lﾆl!　　　　　　　･
　　　　　　 ジ　　　　　,'ﾆ/―/　/‐ {;;;! ハ､_,￣ ､／ ヽ 〈;;;;;;;j　　　 ／　_＿＿＿＿ﾞlﾆl!.　　　　　　　･
　　 　 　 　 | 　 　 　 ,'ﾆ/　 /　/　 /ﾏ､ '_てj′　'てｱ　 j;;/⌒.　　/　／. 　 　 　 　 lﾆl!
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　　　,,..-､　　 ,､　　　!ﾆl.ﾞ'´二＞､　　 ゝ,.{{ 斥ー＞ )ﾉ　 ﾉ`ｰ′〃　|.〉　......|〉 _jL...lﾆl! ,,..zﾆ三ﾁ.ﾐﾑ　 /ﾆ＼
zﾆ三ﾁ.ﾐﾑ　 /ﾆ＼　.lﾆl!.....＿入 ﾋﾆV´:i＞‐-二-ｧ┬＜.＿__　/′...|.!　　　|| ｪ北ﾞ|三三ﾁ'"´　　 ﾏﾑ/ﾚ^'ｰ
'"´　　　ﾏﾑ/ﾚ^'ｰﾆヽﾐl!....__ﾉ ノ　}.ヾﾆ〃＼＼／／| |:ｉ:i:i:i∵”ヽ.　　|.! 　 〈ｌ||l〉「....lア´=!f'＿_　/ィヾ/ !_
　　　 　 ヾ/　　 　 ヾｿ.　三］｀ヽﾉ.．-―ｧ　 У∠⌒! !:i:i:i:i :i∵:i‘，ノﾍﾆ=- lj . |fｦ,| |j.’jj |L」| {｀＾"ﾞ-､＜
　　 　 　 　 ,'　{ 斗＜　　　　＞'´／ ／ﾆ厂￣`　｀ヾﾑ:i:i:｛:i‘:’:i:i:i＼　　　 　 　 ．- ．　　￣　＼―-､ ﾞ､ゝ
ｨ　　　　 　 { 丿　,.-―-､　 /　 く 　 {二_{'/ ,　_厂/￣￣｀＜:i:i:i:i:i:i:i:i:>　 　 　 （　　 ／￣’･― -`　　} .}７
‘， 　 ,ｨ 　／　 ノ ／¨アー'　 r―‐‐　／`〈_ちﾆﾆ辷ｦ‐-､ ､ _＞＜　　 ＿＿＿＼´　　　　　　　　　 ，ﾉ7
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ン´ __　　　　　　　　 _　　 　 ´　　　　＿_＞―く.　 |_ ' ,＿.!_ﾞブ　　　　　　 ｀く　　　　　　　　　　　 /,'"
{　 ´ ′　　　_．-vW′Vv､　` 二._ （＿__　,　 -､¨jﾐV彡≡ﾐ:〉　　 　 　 　 　 ‘，　　　　　　　　　 `´
Y ／`ー― '´　　＿　　　　＼〈＜!|ﾏ￣´　,′ 　 ）辷メ._,_,-'ｵ ＼　 　 　 　 　 ヽ-､
ヽﾄ､, , ､ r―‐ '´　　 ｀ー┬＜ヾ.〃二＞一'⌒　/ {＿＿＿__」 　 ＞―‐ ⌒ｧ‐　　 }
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　　 　 　 　 　 　 　 　 /:/_'.:/
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　「平家物語では、文覚が頼朝に義朝の髑髏を見せて挙兵を迫ったとされているな」



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368： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:56:31 ID:hrUobFRk



　　　　　　　「ともかくそんな縁があったおかげで

　　　　　　　　　　　平家を倒して武家政権を打ち立てた頼朝から、

　　　　　　　　　　　　　神護寺再興のための力を借りることが出来た」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　 ,　‥≦¨´￣¨ミ‥ ．,
　 ,．' ´: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :｀ヽ
／: :: :: :: :: :: :: :::＿ : : : : : : : : : : : : ＼
: :: :: :: :: :: : ,r.'_. ⌒｀_ヾ: :: :: :: :: :: :: :: : ＼
: :: :: :: :: :: : {! |l＼／!| i}: :: :: :: :: :: :: :: : : : i
: :: :: :: :: :: : ゞ,　　　　ノ: :: :: :: : : : : : : : : : i
: :: :: :: :: :: :: : ,．≠´¨ ￣ ¨ ヽ,: :: :: :: :: :: : }　　　　　　　　　　　『……ま、俺の邪魔にならなけりゃ良しとするか』
: :: :: :: :: : ／: :: :: :: : l|＼: :: :: :: :｀ ー-､: :/
: :: :: :: :／: :: :: :: :: :: :l|　 ヽニニニ二∠/
: :: : ／: :: :: :: : .,＞'´　　. 　,．イミﾐミ/A',
: :＜＿_＞,ィ≦,＿__ヽ　 fセ斗-ｬ　ﾐ互/}　　　　　　　　　　　　　　　,.'´⌒/
: :Ξﾐヾ〈彡´＞云マ`.　 ,'女叮乂　ﾐソﾉl　　　　　　　　　　 　 　 　 {　　 ,'
　i rＸ彡　, ≧迦ル' A　Ⅷ　　　　 i |r,ノ　　　　　　　　　　　　　 　 i､ 　 {
　>､派ミ 　',　　　　　　',　Ⅶ､　　 .i ｢ｷ　　　　　　　＿　　　　　　　i.　　 i
　　＼'ｰﾐ,,　＼　　　 r'´,__,ﾂｰﾐ､. ,'　! ',　　　　　　《..　　 ヽ.　　　　 }_ 　 .}　　　　　　　『貴族や坊主へのパフォーマンスにもなるしな』
　　　　ﾏ∧,, 　 ';　≠≦彡ゞーミ孑 }　',　　　　　　 ＼　　.ゝ.　　　 {　 　 i
　　　 　|! ∧',,　 彡'´ｨｰ=…'¨,,｀　.,/　.∧,_　　　　　　.き　　':,　　　ト=＝∧,
　 　 　 ﾊ':,　＼',,　　　≧毟~「 　,,/　 ﾉ / : :¨ ＞　､,､ __i　　,入_／j: :,．≦⌒Y
　,．＜´iム＼',　＞ミ　　　　　 ,ﾞｲ/／,'　: :: :: :: :: :: :|/./.ｷ'": :ハ: :／　　　 》: :X,
': :: :: :: : i ﾑ: : ∀ミｰ‐≧三千´イ: :: :7/: :: :: :: :: :: : i!/.//i: :: :: : .八　　 ,.．´｀t: :〉
: :: :: :: : ハム: :∧: : ヾ: :: :: :: :: :/: : .,' /"¨: : ー-: : il/././.i.: :: :: :i　'y＜　　　ｸ孑ヽ,
i: :: : ／: : .ヾ,＼: :＼: : ヽ: :: : , ': :: :/: :: :: :: :: :: :: :: :il/././/',: :: :: :Y　ヾ斗 ' ´　　i: :i
.i!: :: :: :: :: :: : ヽヽ: : ヾ: :: :ｰ-.: :: : /: :: :: :: : ＞'´: : i|/./././/i､,: :: : ∨　ヾ　　　ｲミ. j
∧ー- : :．_: :: :.＼: :: :∧: :: :: :: :,': :: :,.．'´: :: :: :: : A//././∨. ゝ: :: :|｀' イ≦.: :: : //
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　「自分の父親の髑髏をもってきてもらったということで、

　　　　　　　　　　　　　　武家の棟梁としての借りがあった形だからな」



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369： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:56:47 ID:hrUobFRk



　　　　　　「まぁそのあと応仁の乱でまた焼けるんだけどな」


　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　／ 　 ヽ_　　 ＼
　　　　 （●）（● ）　　 ｜　　　　　　　　 ＿＿＿_
　 　 　 （__人__）　 Ｕ 　 | 　 　 　 　 　 ／　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　「応仁パイセンの暴虐ぶりよ」
　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜　　　　　　／─　 　 ─　　＼
.　　　　　{　　 　 　 　 ｜ 　 　 　 ／　（●）　 （●）　　 ＼
　　　　　 {　　　　　　 /　　　　　 |　　　 （__人__）　　　　　|
　　　　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　＼　 　 ｀ ⌒´　　 　 ,／
　　　　 ／　　　　 　 ＾ヽ　　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 ＼
　 　 　 |　　　　　　　 　 |　 　 　 ｜　　　　　 　 　 　 　 |


.

370： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:57:22 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |　　　　　　 「その後秀吉やら家康やらの寄進でなんとか息を吹き返して、
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |　　　　　　　　　　今では元気に真言宗の遺迹本山として名刹やってるよ」
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l　　　　　　　　　　「武家政権の首班さんに気に入られやすいのかしらね〜」
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 遺迹本山 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　”ゆいせきほんざん”と読みます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　弘法大師こと空海さんが住まわれたことのあるお寺という意味だそうです。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　 遺迹本山は神護寺の他に大阪府河内長野市にある檜尾山観心寺があります。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　 遺迹本山という寺格は非常に新しく、2006年からのものとされていて、その前は『別格本山』でした。
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　 別格本山じゃダメだったんですかね。
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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371： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:57:41 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　 ｜　 　( ⌒) (.⌒)　　　　　　　「で、鉄道唱歌に歌われているように、高雄山は古来より紅葉の名所としても名高い。
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　　ﾉ　　　　　　　　 紅葉狩りに行くついでに名物の土器投げでもやってくるといい」
　　　　　　　　　　 　 |　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　 　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　 　 　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　 　 　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |


　　　　　 vｪｪｘ､　　　　　 　　＿＿　　　　　 　　,ｘｪｪｪｪz
.　 　 　 　∨///≧zｭ､,，__´_　　　 　_｀__　 ｘ≦/////,/
　　　 　 　 ∨///／　　　　　　　　´　 　 　 ｀ヾ/,////
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.　　　　　　,: ′　 |:ｉ{　′/八{　 }/{ ヽ{ヽ :|ハ !　　 !| ヽ
　　　 　 　 !{:.　　.:|八{'‐/-- ヽ / ヽ- ‐‐jﾉ‐ jﾊ{ 　 !| ト ゝ
　　　　　　八i　　 |　,y'斧気 　 　 　 ィ斧ﾐｘ 　 i　 八{
.　　　　　　　 ＼　ﾄ､ヽ弋::ｿ　　　　　弋:::ｿ j「 /| /　‘，
　　　　　　　 ,′｀:|,ﾊ　 ,,,,,,,,　　　　 　 ,,,,,,,,,　/ j/　 　 :.
.　　 　 　 　 ,　 　 :ト :　　　　　　′　　　　 ,'イ　　　　 i　　　　　　　　「カワラケナゲ？」
　　　　　　　ｉ{　 　 　人　　　　r っ　　　　,　/　　 / 　!|
.　　　　　　 八{ヽ　 :! ､ ＞　　　　　　　イ　/　 ／} / 八
　　 　 　 　 　 ヽ ＼ﾄ､{｀ヽ　|　｀¨¨´ | jノ〃j／　 j/ /
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 厂｀YY ￣‘，
　　　　　　　　　　　　　 ／　 　:| |:　　　＼
　　　　　　　　　　,，　f{　　 　 /ﾊヽ　　　　j7　､
　　　　　　　r　 ´　 　 ヽ 　 ／f⌒Yヽrzzz/　　 ｀ ｰ ､
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　　　　　　　|　 :.|　　ｘｭ､　　　 ,'//|　　　 ｘｭ､　 |:/　 |
　　　　　　　|　 y,.ィ升三≧ｭ､ ｉ//,|　,.ィ升三心.{:ﾉ　 !


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372： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:57:58 ID:hrUobFRk


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　　　　　　「素焼きの皿を高尾山の崖の上から投げれば厄除けになるらしい」
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　 　 ／　／:::::ｨ::::::::::::: : : : :
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::／│:::::::::::::: : : :
　　　　　　　　　 　 　 　 /::::/⌒ヽ:::::::::::::::::: : :
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::/ ﾈﾐ､|::::::::::::::::::: : :　　　　　　　　　　「あら〜、それじゃみんなで行ってみましょうか〜」
　　　　　　　　　 　 　 /:::ノ　 り }|::::::::::::::::::: : :
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　　　　　　　　　 　 /:::: ! _　,　　 j::::::::::::::,ｲ :::::
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　　　　　　　　　　　　 V　　 ﾉｌ |　　　　人 ::::::
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 り j　　　　　 ヽ::::
　　　　　　　　　　　　　　　 / /＞―‐ｒ―‐ ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｒ/ /
　　　　　　　　　　　　　 〃./　　／ ７
　　　　　　　 　 　 　 　 / /　　/ .:::/


.

373： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:58:15 ID:hrUobFRk



　　　　　　　　　　　　,．-‐　　　　‐=ミ
　　　　　　　　　 ,，　　　,　-‐　 　 　 ‐｀ヽ、
　　 　 　 　 　 〃　　 ／　 　 　 　 ｉ　　　　ヽ
.　　　　　　　 /　　 〃　　 　 /　 　| i | 　 　 ‘，
　　　　 　 　 ′ 　 ′ 　 　 /　　/ | |ﾉ　　ｉ: 　 :.
　　　　　 　 .　　/ / 　 i 　厶-‐/ ハﾊ ｉ､-|:: 　 }ｉ
　　　　　　 ,　／ ｲ　　.:| /j/}／ /　∧ヽﾄ､!::　 八
　　　　 　 ,〃´.:　|:.. 　 |' yfﾁ斧　　　 斧Y|::ｉ /ｉ{
　　 　 　 /　 .:::::/|:i: 　 | ゛弋::ﾘ　　 　 ﾋﾘ' |ﾉ' j八
　 　 　　,　i:　:::/{从ﾄ､:.{　　　　　 　 ,　　 ,i ｉ/
　　　　 { ,ハ:. 　 ヽ　__｀　　　　　　　,　　八|
　　　　 ﾚ 　 ヽﾄ､　 ヽ |: 丶　　　｀　　／ }| |　　　　　　「ハイデス」
　　 　 　 　 　 　 ＼ {ヾｰ-　≧=‐- く{/'j八{
　　　　　　　　　　　 ｿ　　　　| i ﾄ､
　　　　　　　 　 , イ　　　　　 | i |　ヽ､
　　　　 　 r＜　　｀ヽ、　　　 jY＾ヽ__.ｲ｀ヽ
　　　　 　 |　 ｀ヽ、 　 ＼　 / ヽ={ ｀寸.:　i
　　　　 　 |　　 　 :. 　 　 ∨　　V∧ 　:i　|


　　　　　　　　　　　　　　　　＜￣: :｀: : :.ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : ヽ、
　　　　　　 　 　 　 　 /: : : :/: :rｰ弋､: : : : :'; :.ﾊ
　　　　　　　　　　　 /: : : : !: :/　　 ヽ＼: : : :' ; :!
　　　　　　　　　　　 ! / : : ! /　　　　 l!　ヽ '; :.! :l　　　　　　　「お皿を投げるなんてめったにない体験ができそうね、
　　　　　　　　　　　 V: : /ﾊl-－　　　T ￣ヽ! !: :!
　　　　 　 　 　 　 　 l: : i l´.j ＿　　 　 ,＝= .人 :l　　　　　　　　 私達も是非やってみたいわ、
　　　, -－-､_　　　　l: ;ｲ:l　'"⌒`　　 　 ::::::: レﾉl
　　r'´ﾉ､　　l !　　 　 jﾊl lﾍ ::::::::　　 '　　 　 /'´ l　　　　　　　　　　ホライゾンも行くでしょ？」
　　（'ノ7 _ .r　l　　　　　 ｀Tヽ、　　ｰ　'　 ／ : : !
　　 Y￣) ７　/　　　　　　 l : : ＞-,　_ イ/ : : ノ＿
　　　ヽ、　　 L_ 　　　　 　 !: : /-,! イ´./ ;イ_ イ　ヽ
　　　　 ヽ　／　!　　　　　/l: :/に大ﾆ}/:/　 /　　　 !
　　　　 / ﾝ　 　 !　　　 ﾉ7// -' ノl!_V:/ l　/　　　 /
　　　　 !'　　　　 l 　 ／/ j/　／ / __!/フ /　　　 /
　　　　 ヽ、 　 　 ! /　 !　|　l! 　 l　! j!　!./　　　 /
　　　　　　ヽ_ ／ﾉ´　　',_ﾘ .l!c　 ヽ!__lノ./ 　 　 /
　　　　　　　V_ノ　　　　|　　l!.　　　 　 /　　　 /
　　　　　　　 ヽ　　　　 ハ　 l!　　　　 /　／　 !
　　 　 　 　 　 ヽ　 　 /　 l　 l!c　　　/／　　 l
　　　 　 　 　 　 ヽ　./　　 !　l!　　　ノ　　　 ﾉl



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ
　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|　　　　　　「jud」
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，

.

374： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:58:26 ID:hrUobFRk



　　　　　「はいそれでは何やらよくわからない流れに

　　　　　　　　　なったところで解説の前半戦終了するぞ」


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）
　 　 　 　 　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　 　 　 　 　 　　　 |　　　　　　 　 }
　 　 　 　 　　　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　「おｋ、で、後半は何をするんだお」
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


.

375： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:59:17 ID:hrUobFRk



　　　「先程も少し話をしたが、

　　　　　　　この神護寺の前身である高雄山寺に深い因縁を持つ二人の仏教界の巨星、

　　　　　　　　　　　　伝教大師最澄と弘法大師空海を見ていく」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 /:::i　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ ヽ＼
　　　　　　　 /:::::ﾊ、　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 i　ﾍ. ヽ、
　　 　 　 　 /:::::::::::::｀ゝ、　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'　　　　　　 |!　　 　 　 /!　!　　　ﾘ 　 ﾍ｀ヽ
　　　 　 　 i:::::::::::::::::::::::::｀`‐-.,,,,､,　 ヽ、　　　　　 l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
　　∧　 　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､/ヽ.　　　 　 !　　　　　　.:|!　　 :ﾊ;//,.ｨ云∨ﾘ 　 　 　 !
　　|::::＼_　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　　　 　 ',　　 　 　 ﾉ!i:　　 |!i|/《 :!::;j　　{　　　　　l
. 　 i:::::::::::｀'┘::::::::::::::,'､::::::::,‐-'､,::::::::::::::::::!ノl　　　　',　　　　 { ﾘ|　 　|ﾘ　　 Vﾉ 　 ヽ.　　 ﾄ ﾉ
　　 !::::::::::::::::::::::::::::::/_/::::::/＿＿￣ヽ:::::::::::/ 　 　 　 '､　　　 ∨ﾊ 　 ｌ　　　　　　　　ゝ　 |/
　　　＼_::::::::::::::::,-" /:::／　　 　 ｀Y、＼::/.　　　　　　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
　 ＿,_／:::::::::r⌒ヽ ' ´　/⌒'ヾ　　i;l⌒ヽ/.　　　　 　 ＿_>___:ﾉ　∨V　ﾍ　　　 　 / | :/ﾘ
　 ＼_::::::::::::::::〉 ,-‐､　　　 (;9)　　 ﾘく｀', }..　　　　　く　_ノ___/　　 　 ＼ ﾍ 　 　 /　:|/
　　 　 ￣￣フ 入　9 ;　　　 　 　 　 ､ ソ､.　　 　 　 厶:/_,ｲ´｀＞ ,.　 　 ｀＼￣　　′
　　　　 　 ／ _/ ヽ '' _,　　　　 　 　 ｨ<_::::ゝ.　　　　　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ , 　 ∧
　　_＿ ／ ／/　/|　　　　　 　 　 ./　ｨ-‐´￣入_　　//／:´￣:.:.:｀:.:.､:.:.:.:ヽ/　}
　　＼_ ,／　/　/ .i　 ─　 　　 ／／　　- ",-＜//./ｲ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:jいﾉ
　　　 　 　 /´ / 　丶、　_ 　イ／ - ",-＜///////:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨! i!i!
　　　　　＜__,/　　　　　 _／ ｨ-＜//////////.ﾞ/ ;'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵ:i!i!
　　　　　　　　　　　, - "´ 　 ∨/////////// /　i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵ:i!
　　　　 　 　 　 　 /ヘ⌒｀ ‐ - ∨////////..ﾞ/　｜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V:i!
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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376： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:59:29 ID:hrUobFRk


　　　　　　「では、

　　　　　　　その前に本編パートをお送りしますので、

　　　　　　　　肩の力を抜いて御覧くださいね」


.　　　　　　 /: : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : :.:/: : : : : ヽ
.　 　 　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : 、:ヽ
　　　　　 /: : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : :∠≦≧､ﾄｨ‐､: : : : :＼:',
　　　　　,: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ／　　 　 　 ｀⌒ヽ: : : : : :ヽ
　　　　 ,': : : : : : :,': : : : : : : : : : :.:／￣￣｀　 　 ＿_　　ｉ: : : : : : ',
　 　 　 i: : : : : : :,: : : : : : : : : : : /　　 　 、　 　 　 　 ｀ |: : : : : : :.',
　 　 　 |: : : : : : i: : : : : : : : : : :/,.ィ５Zｚ､　　　　 -‐ 　 |: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: : : : : : : : : :/〈　いしﾘ　　　　 ｨｚｚｘ　!: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: :ｲ : : : : : : l　　 ｀¨¨´ 　 　 　 辷ﾘｊ }': : : : : : : : |
　　　　 |: : : : : :.ﾚ: :l: : : : : : : |　　　　　　 　 　 ､｀¨¨ﾞｲ : : : : : ,ｲ: :!
　 　 　 ｊ: : : : : : : : :|: :ﾄ.: : : : :|　　 　 　 　 　 　 　 　 j: : : : : /│/
.　　　 /: : : : /: : : ∧ |:.ヽ : : :|　　 　 ､　　　　　　　 /: : : : :/　j/
　　　/: : : : /: : :.:/:ハj: : ヽ: : |　　　　　 　￣´　　 〃:/: :,:ｲ
.　　/: : : : /: : : / : :/: : : : l＼j＼　　 　 　 　 　 ／/:/: :/: |
　 /: : : :.:/: : : /: : /: : : : :_|＿＿_ >､ 　 　 ,　.イ: :/ｲ|: /: : |
. /: : : :.:/ : : :/: : /:_:_:_:_:_}　| 　 |　　|　Ｔ く: : : l: : : : l/ : : :|
/: : : : ／￣￣￣ヽ／　 ﾉ　j　　|　　l　 !　 ﾄ､__|_:_:_:__: : : :


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「解説の方も別に肩の力いれなきゃいけないほどの中身じゃないけどな」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　 ／　　　 ＼-一ヽ､　＿_ｒ‐- ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／　 　__,ノ　ヽ､_,７　　　　7 } : : : :＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ─)（─)/｀ ‐　　/ /: : : : : : : : : :｀ '' ‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　（___人__）‐-─≦／.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : :丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　└‐-､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　　　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　 　|　　　　　　　__,. -＜｀丶､.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ､.,ヽ., ___ ,__ノ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:ｒ´
　　　　　　　　　　　　 　 _ ,.-=〈:.:'､`ヽ、___ 　ﾍヽ:.＼: : : : : ､: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　 _＜ : : : : ∧ :ヽ　　 /:::ヽ 　Vヽ:ﾊ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　 , -‐ '´: : : : : : : : : : :∧､　∧::::::∧ l: : ＜:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_ｒ'´
　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ／: : l Ｖ　 !::::{　｀!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_､-‐''ﾞ´
　　　　　　 ｆ : : ヽ : : : : : : : ／ : : : : l　　 l::::::i　 l: : : : : /. : : :!.:.:.:／
　　　　　　 ゝ: : : i: : : : : : :〈: : : : : : : l　　｛::::::i　!: : : : /: : : : :l／
　　　 　 　 ｊ : : : : i: : : : : : : ヽ: : : : : : ﾞ､　!:::::::ｉ l: : : :./ : : : : :!



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377： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:59:42 ID:hrUobFRk


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　/ニ7　　7ﾆ=
　　　　　　　　　　　,,__＿_//＼　　/∧ﾆ=- ミ＼
　　　　　　　 　 　 　 / 　 /　　　､_　/（:i〔_〕:i:i)ﾆ=
.　　　 　 　 　 　 ﾉ.../.....//　　　 / ＼}＼i:i:／ﾆﾆ}
　　　　　　 　 ／／′.//L　　Ｖ../......}　　 ､ﾆﾆ７
.　　　　　　／ ﾞ/... |........苳.......〈.v､..}../　 　/＼/
　　　　　 //　 i.... /...../炒:.../坏Ｊ.〉/　　 /}}...|
　　　　 　 ′　|. /.|.....{　, ∨　ｖ炒/......／ノ]ｉ..|
.　　　 　 ｛　　 |/＾ 〉....:. n　　　／/＜　 　,ﾉ...|
.　　　 　 　 　 ｛　/:∧{ﾊ.___,ァ'ﾞ.../ ｛　　イ{......|　　　　　　　　　　　 _,, -=＝==＝ミ r=ミ
.　　　　　 　 　 　 ﾌ/∧....／＜./7八/〈〉|｛........､　　 　 　 　 　 　 //:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヾ
　　　　　 　 　 ／ //...../:::::::::::::::Ｙ./∧ /〉{..........＼ 　 　 　 　 　 //:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:}}ニ=ミ
　　 　 　 　 ,　　 //...../::::::::::::::::: |.{ {....∨....................＼..........,,,____//:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,ﾘi:i:i:i:i:i:iヾ
.　 　 　 　 /　　/ ′７:::::::::::::::::::::|.{ {.......〈..........................＼ ｰ=ｧ/{｛:i:i:i:i:i:i:i//＾⌒⌒ヽ〈:i:i:i:i:i:i
　　　　　, j{　-‐=＝＝=‐- ミ::: : |.{ {......................､.......................{｛:i:〉Ｖ-=￢./　　　　　 :.∨i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ｝}
　　　 ／-‐　　　　　　　　　‐- ﾐ:|.{ {...............＼....＼..................｝}:i:i//:i:i:i:i:{｛　　　　　　｝}i:i:i:i:i:i:i:i:i:｝}､
.　　　|　　　　_＿,　　　　　 　 　 |.{ {.　,...............＼....＼.............〉Ⅵ｛:i:i:i:i:i:i＼ ､_,,　_,,／.ﾞ:i:i:i:i:i:i:i:i://､ ＼
.　　　|r　　　　　　＼＿__　　 　 ｣.{ 〈　′...､...........＼....＼.............ﾍＶ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｰ‐:ﾍ〈:i:i:i:i:i:i:i:i:rr＜
.　　　|　　　　　　　　　　　　 　 }__{ ...＼　 ,...＼＼..............................｝}:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i） ｰ-＝彡
.　　　|_,,　　-=＝＝=‐-　,,_　　　八.........＼′....＼＼.........................＼､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／／:i:i:i:iﾉﾉ　､
＿／ニ=‐-=ニニニニﾆ7; ; ; ; ｱ; ; ;＼.........＼...､.............ｰ-＝=　............ｰ==彡'⌒<ｰ=彡'＾
ニニﾆ＼ニニ=‐-=ニﾆ7; ; ; ;V∧; ; ⌒＼.........≧=--
ニニニﾆ ＼ニニニニ7＼; ; / //＾ 7ニﾆ.＼.........＼__ニニニ=‐-　　,,_..............‐-　ミ
ニニニニニニニニﾆ7〉......＼＼　 /ニニニ. ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
ニニニニニニニニ.∧/ ＼.....＼＼...､ニ　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
ニニニニニニニニ｛./ ∧..{＼.....＼＼＼.ﾞ（　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿..）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣（　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　） . ￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ. ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　 ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿..ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~..＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.ｰ'￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


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378： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/01(木) 23:59:53 ID:hrUobFRk


　　　　　 　 　 ／　/ ｀ヽ_/ ＿　　　　　　　　　　　＼＼
　　 　　　　　/　,r〈_ ／　　　　 ｀＞､　　　　　　　　　＼ヽ
　　 　 　 　 / ,r'ヽ／　-ﾆ ー- '´∠　＼　　　　　　　　　ヽ',
　　　　　　 l 〈　 /　-=´　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 ',i
　　　　　　 |　l 7:　／　　　 　 　　 　 　 　 ＼　　　　　　 　 i
　　　 　 　 !　! !:: ./　　_＿　　　　　　　　　　 ヽ　 i　　 　　　ｌ
　　　　　　i　 ﾘ::::/　／　　 ｀ヽ、　　　　　＿__　,　 |　 　 　 　l
　　　　　　! 　 !::l　　　　　　　　　　　 　´　　　｀ ,　!　　　　　 |
　 　 　 　 !　i'´ヽ!　　　　　　__　　　　　　 　 　 　ﾍｌ　　　　　 l
　　　　　 l　 l　ゝ　　｀ー―‐'　　　　　 __　　　　　 !　　　　　/l
　　 　 　 l　./ ､ヽ　　　　　　　　　　　　 ー―‐'　 l　　　　　/ l
　 　 　 　! /::::::＼ｊ　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./　　/　.|
　　　　　i / ::::::::::::::l　　　　　、　　　　　　　 　 /　　/　　/　　|
　　　　　/　.::::::::::::/＼　　　　｀ ー‐ '　　　　 /ｰ!　/　　/ 　　 |
　 　 　 /　.::::::::::::/:::::::l ヽ、　　　　　　　　.／ 　ｌ ./　　/　　　 |
　　　 ./　.::::::::::::/:::::::::| (:ｌ､｀ ー-　　-イ ´,ｒ‐､　!/　　/ｌ　 　 　|
　　　/　　,　-―ｭｪｭ ＿j　｀~ ｀〜〜´ ｒ‐､!　 ヽ!　　/: l　 　 　 |
　 . /　／　　　i r'ｊ.!ｊく::::::::::::::::::::::::.r‐ｖ' ＼_｀　　ｌ　/:　ﾄ､　 　 　|
　 /　 i　　　 　ヽﾆｊヽ; ::::::::::::::::: 　 ﾄ、ヽ、　　　 j/::　 l　 i.　　 　i
. /　　l　　　　　＼ !　!:::::::　　　　　ｰi　　　　 　/::　　ｌ 　 !　　 　ｌ
　　　　　　　　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
　　　　　　　┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
　　　　　　　┃|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |┃
　　　　　　　┃|＿ 　 　 EP：50-2　最澄が好きでも天台宗は嫌い、そういうもんです.　　 　 　 ＿|┃
　　　　　　　┗┓|＿ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|┏┛
　　　　　　　　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京都駅
　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　〜　物語編　〜
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 -｀ 　⌒　ヽ､_　 　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ´ 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
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　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
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379： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:00:07 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　……　 }
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　　　lｊ:i:i:|i|!|i:f:「i:i:　rfﾆ|三≧三ﾆ= /ｊ´....:::::i::::: .:::::::ヽ:ｉ::::l:::}:::::|　　　　 　 　 　 　 　 　 乂/.ノ ∟√ノｲ-ｿ 乂
　　　_ ¨ ≦=ニ三三こ三ﾆ- ¨.., -'イ: ::＼::|:/／::::::::从Vﾚ'::::::!　　　 　 　 　 　 　 　 　 /....-‐‐‐-＼匸」＼
-=　¨　 '＝＝＝＝＝＝　　　_ﾞ!: : ..::::::／ {´:::::::::::::::::::::::::l::::::::|　　　　　 　 　 　 　 　 /..,′　　　　ヽ..　‐ヽ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　……　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ､　　　　　ﾉ
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380： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:00:27 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　 |ﾆﾆﾆ人　　 　 .　　-‐…　…‐-　 .　　/ﾆﾆﾆﾆﾊ
　　　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆ 　 ´　　　　　　　　　　　　 ｀　ﾆﾆﾆﾆﾆ|
　　　　　　 Vﾆﾆﾆ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヾﾆﾆﾆ|
　　　　　　　V ﾆ　　　／　 　 　 　 |　　｝}　 　 ＼　 　 Vﾆiﾘ
　　　　　　　 ∨　　　　　/　　　 　 |　　｝}　 　 　 ﾟ｡ 　　V/
　 　 　 　 　 /　 　/　　 ′/　　　ハ　 ′　　　 　 ﾟ
　　 　 　 　 　 　 / 　 .斗,/|　　　　　V / -‐-ミ　 　｝　　 ＼
.　　　 　 ／　　 　 ／　 |　八　 / 　厶｛＼　｛＼丶 ｝
　　　 　 　 |　　 i　 /　斗ﾃぅxV 　 　 　 斗ﾃぅｘ ﾟ｡
　　 　 ｛　 l|　　 | 　 〃 んハ　　 　 　 　 んハ ヾＹ　 　　　　 |
　　 　 ｛　 l|　　 |　{ 八 乂:ツ　 　 ,　　　 乂:ツ　八　 |　　　　|
.　　　　　 八　　|　{　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 八　 　 八　　　　　　「……」
　　　　 　 　 ＼｛⌒＼/i/i/　　　　 　　　 /i/i/ 厶イ　　）／ﾟ｡
　　 　/ 　 　 　 　 ｰﾍ　　　　　　 っ　　　　　　厶ィ′　　　　ﾟ
　　　　　 　 　 ′ 　 人 　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ
　　 ｛　　　　 /|　　 　 　 　 .　　 　 　 　 . イ　| 　　 　 　 |　 　 }
.　　人　　 　 八　　　|　　　　i≧=‐=≦　|,ﾉ　八 　 ｛ 　 ハ 　 八
　　 　 ＼ 　 |　 　　　ﾄ､　　 ハ、　　　 ノ　 V 　 ＼｛　/
.　　 　 　 ＼{＿_　＼｛ _＼ノ　　｀TT ´　　　|　 /　 ｛./ｰ-ミ}/
　　　　　　 /　　　　|　　 　 、　　 | |　 　 　 }／　　｝
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　 ＼　 | |　彡　　　　　/　　　　　i
　　　　　　|　 ｛　　　　　 　 　 　 ﾉ八 　 　 　 　 /　　　/　　|
　　　　　　|　 ｛　　　＼　　　 　 　 ｝｝＼＿＿__/　　　/


　　　　　　 __　　 _,..､-'':":￣:｀:丶､
　　 　 ,,ｨ‐{:fi|,,.＜: : : : : : : : : : : : : .ヽ
　　　〃´,≧´;,: : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ　　　　　　　　　「いま見てもらったのがあずささんのライブの一番最初、
.　　　 ,ｨ: : : : : : : : ､: : : : : : : : : : : : : : ∧
　　　 ｉ:::!: : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : .i　　　　　　　　　　デビューシングルの販促も兼ねたレコード店でのミニライブです」
.　　　{::::ヽ: : : :＼: : : : ヽ: :i|: : : : : : : : : : |
　　　 ';::::::ヽ､: : : :＼: : : :〉:∨- ､: : : : i: : |
　　　　',i:::::::＞ﾐ≡=-‐='∨∧､ i.}: : : :|: : !　　 ｀Y:.､_
　　　　 ヾｰ＼　ｨﾗiヽ ／ ∨∧_人: : : ヽ; 〉_　　 ∨:ﾘ
.　　　　〃/`iｨv‐ヾ! '´　　 ヽ∧　 ヽ:≦-{: : ｿ=Y: ﾂ
　　　 / ヽ!_/ﾘУｰ′　　　　∨}　 ∧ヽ　￣ ｰ '¨　
.　　_/　 '´　 ,ヘ __　　　　　　 ﾘ　 |
　 /｀ ､＿_,.ｲ　　 ＼　　_,,.＜　'　_卜
. /＼　　　/　　　,ィ ￣ {≠'''"￣__,,.|
/〃/ ￣/〉 　 ／ノ〃ｨｄ-‐''／＝=ミヽ
〃/〃 // -'"_,〃〃// ／,ﾉ//￣/ .く i
// ,'　/ ﾘ -'"／,.'／〃/〃ﾘl/,.' / / ;'∧
/ /　i' ノ-‐〃 ／,.ィ／〃{ﾉ// / ,.' //彡
　!　//-‐'''{ l {i / 〃／ i{/// / ,'〃/= ﾘ
　|レ'_,.．=∧ヽi| /,'/　/://,' / ,.'/ ノ=-ﾉ
ｰ-‐_,.．‐´　ヽiｂ{ i:l　ｉ{//,.' / ,',ｲ//:ノ/
ｰ=''　　　　　 ∨} ヽ∨// / ﾉ/ｿ/::ﾉ./
　　　　　　　　 }i| ｉ∨//, ' 〃 ,'/.:,' /


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381： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:00:43 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　,,．:≦:¨:＞.-,ｨ''ミ､ ,..-､
　　　　　　　 　 ,..く. : : : : : : : : 〃 : ｀`≦..｀ヽ
.　　　 　 　 　 / . : : : : : : : : : , '´: : : : :`: : .ヽ
　　　　　　　 / . : : : : : : : : : /. : : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　,' . : : : : : :il: : : ,'. : : : :,; : : : iｌｉ: : : }
　　　　　　　{: : : : : : : :|:ｉ : :|: : /. :;i| : : : |ﾘi: : ﾘ
.　　　　　 　 !: : : /´Y: !ｧ_:_:|=-＜ﾉ| : : :ﾉ/.: ::/
　／{　　　　 〉: :∧lc|: /丶.,ｨ:i5ﾞヽ｀￣,ｨく.ヘ/
.〈: : i　　 ,.-/. : : : :ゝ|: |　　ヽ;ﾒｰ -､_ i:}/.
　 ヾ{:>':ﾞj､:_;:ｨー‐ｧ;ｨ|: |　　　｀ー‐ ' ヽ_ ﾉ
　　　　¨　 　 　 〃　!:.i .　　　　 ､ _　丿
　　　　　　　　　　,-八i　 :.､　　　 ..ｨ'
　　　　　　　　　 ﾉ ￣｀丶､.ﾊ ｰ ´　　　　　　　　　　　　 「デビュー曲はスタンダードな感じでしたね。
　　　　　　　　 /, ‐=ミｰ‐､. ﾘ､＞ ､､
　　　　　　　 〃､ }i ｉi ｉYヾ､ヽ｀}､ヽ ∧　　　　　　　　　　　　　アイドルが歌うポピュラーソングという」
　　　　　 　 /.､　i,　||　i}ﾄ､.ヽヽﾍ丶ヽj
.　　　　　　 |ゝ､ヽ|　||　ﾘ i}.､ ヽヽﾍ ヾヽ
.　　　　　　 |r=ﾏ ﾍ　il,=- ､i 〉､ ヽヽ! }i ﾊ
　　　　　　　､ｨ'ﾍ　ﾍ/ 二 ﾞ`ヽ i } | l}||l　ﾘ
　　　　　　　 ∨:ﾊ　Y{､.-- ｀._∨/ 〃／､ﾍ
.　　　 　 　 　 ∨:ﾊ　ﾍゝ ‐ ､　 ﾏ=ﾐ‐- ．._ﾊ



　　　　　　　　　　　　　　　― 　ー―‐-- ､
　　　　　　　　　　 　　: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ／: : : : : :,:,:,ｨ: : : : : : : : : : : : : :丶
　　　　　　　／ｨ: : ／／"　7/"ﾍ: i: : : : : : : : : : :ハ
　　　　　　' ／: :ｨ:: :へ　　 i:.!　　i: !: : : : : : : : : : : :.ﾊ
　　　　　　/:／/:.ﾑ､,､ ヽ　 |:|　_」: ﾄ: : : : : : : :: : : : :',　　　　　　　　　「うーん、歌は意外と……といっては失礼かしら、
　　 　 　 //　 i/ / 仍　　　ゝ´　ﾚ｀ﾄ:､: ﾘ : : : : : : : : }
　　　　　 '　　 { /　て'　　　 ´ ｀７ヾ,|: : ｲ: : : : : : : : :.!　　　　　　　　　　　 かなりしっかりしてて驚いたけど……」
　　　　　　　　'/　　　　　　　　匕｡ﾉ>: :/: : : : : : : : : |
　　　　　　　　 ',　 ｀　　　　　　 ｀´　|:/ｰ､: : : : : : : :{
　　　　　　　　 ﾊ　 'iヽ　　　 　 　 　 '　7ﾉ: : : : : : : |
　　 　 　 　 　 　 ',　'ｰ　　　　　　　_^／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　 ､＿_　　 ､　´　＜: 7: : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 ／ｨ ´／≧＝￣≧ /:ｲ : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　 /／ ／７´￣｀ｰ. ´. ./: /|: : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　 ' 　 {'´/. .=.-. . . . .､/: :i. |: : : : : : : : : : : : : ー ＿＿_
　　　　　　　 _ =＝=,ﾊ. . . . . . . . . {: : |. .i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : -
　　　　　　　}＞ ≧三;}. . . . . . . . .ﾊ: ﾊ. ﾍ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 ／三三ハヽ. . . . . . . .ヽ: ヽ. ､: : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 >三ﾆ/ 　 |__入. . . . . . . ＼: ー'‐: : : : : : -=
　　　　　　 く/,/ﾆ/　　 |. . . .ヽ. . . . . . . . ー―――､-
　　　 　 　 　'/ﾆ/　 　 r. .´.{. . ＼. . . . . . . . . . . . . . ＼. .
　　　　　　 　 ｀'　　 　 |. . . . ､. . . ＼. . . . . . . . . . . . . . ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 |. . ､. . .ヽ. . . .＼. . . . . . .
　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ. .ヽ. . /.ﾊ. . . ..＼. . . . .
　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ ノ. . . . . . . . . >. . .

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382： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:01:11 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｘ≦77i
　　 　 　 　 {≧ｘ､　　　　 __　 -‐ =＜/////,'|
　　 　 　 　 |////＞　 ´　　　　 　 　 ｀ヾ///|
　　 　 　 　 |/,'／　　　　　　　　　ヽ　　　｀ヾ'|、
　　 　 　 　 |,/　　　}　　 | 　 　i|　　‘，　 　 　 ヽ
.　　　　　　 /　　　ハ　 /!＼{　i| ､　　i
　　　　　　/ ／　/　 ／ i| _厶斗ハ　 }　　　　　　‘　　　　　　　「スゴクキンチョウシテマス」
　　　 　 ノイ 　 /ゝ- ﾄ､ i|　 ｲ斧ミｘ∨　　　　　　　i
.　 　 　 　 }|　 /jyf斧　Ν 　弋::ｿ　 ,　　　′　　　}|
.　　　　　 八 ハ{{ ﾋﾘ 　 　 　 　 　 /　 ／　　　 　八
　　　　　 　 / 　 　　 '　　　 　 　 厶イ　　　　　　　 ‘
.　　　　 　 /　　 i　　　 r　　､　 　 　 |{　　 　 　 　 　 !
　　　　 　 ′　 人　　　｀　　　 　 　 八 　 　 　 　 　 |{
　　　　　 ｉ{ i　　 i　　　　　 　 　 　 厶イ　j/　j　| ﾊ　八
.　　　 　 八ﾄ､　 ﾄ､　 i＞　 　 　≦　__|}／}／）ノ　 )′
　　　　　　 　 ）ノ　＼{ハ{　 ﾄ､__／　 　＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 ノTT　　　　　　 > ―… ＝ミ
　　　　　　　　　　　　__／　 i| |i　　　　　 /　　　　 /　　‘，
　　　　　　　　　 , ´　　|　 　ﾘ八＿＿＿/　 　　　 ′　　 ‘，

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それになんだか、微妙に曲と声が噛み合っていないような」


　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、.　　　　　　 　 _,.｡s≦}
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i....　　　_,.｡s≦　　　　 |--r ,
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!.　ィi〔　 /　　　l 　 　 |　 | ＼ ＿＿
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l....ｌ 　 　 ｌ　　　 |　　　i|　 |　　ヽ　　l
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |ﾞ/| 　 　 |　　　 |　 　 八 i|　 　 |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: ://|　　　ｉ|　― ┼　 ,/――　　 |　 ,
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: 〈　ヽ　　　,x笊示ﾊ　/ ,ｨ笊ﾐ　　 ,　 ′
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、 ∨ }ﾊ　　ゝVツ　 V 　Vツ/　 /　/
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i 　 , ＼/,〉　 l　　 　　 '　　　 }　 ,　 ,′
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　＼ 　八 　 　 r ,　 　 ｨ　/　/{　　　　　　　　　「jud、そのあたりの事があるので
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／/　／/＼　＞　　　　　　/／　/　,
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i. /　 ∨//|i ＼〉{ﾆ≧=≦ ／　| /} 　 ，　　　　　　　　　　 パフォーマンスの実力としては、
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||ﾞ/　　　ゝ /　　 /＿_|笊∧　　｜〈
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠.....‐=ﾆ,'　　 /＞＜≧=‐‘，　ﾏミｔ､　‘，　　　　　　　　　　　　 高くは評価しづらいかと」
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨..ﾞ/　　 fﾆ=!/ 　 ,/_}_　　 }}　　 }i∨　∨ﾆ,}
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/.....　|二/　　ィi〔　　≧=‐‐=≦＞｡.∨=! 　 ,
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ 　 / 　 　 i|ニ{　/　 　　　　　　　　　　　　ﾏ,/　　 ，
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧.　　_　 ィi〔 i|　{　　　　　　　　　　　　　　}　ヽ
　　　　　　　　i　 |　!ｲ/　 ／　〈　　 ,　八　　　　　　　　　　　　　八 /＜ 　 ,
　　　　　　　　 }　!　||.　　)　 　 ∨　{　　{ゝ　＿＿　　　＿＿ ％　 }､　　ﾊ


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383： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:01:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　,　:':´: :,＞--Y⌒lケヽ
　　　　　 ／: : : ／／´￣￣￣｀く
　　　　 /: : : : :/／:三ﾌ'´￣｀ヽ: :}:ヽ
　　　　,': : : : ://: :／/ ─‐-､　 l}:〉::}
　　　　!: : : : :l,ﾉ-v: /　┌-ミ ヽ' l' V
　　　　!: : : : :l　） l/　　　 ﾋｸﾊ 　 ｰ}
　　　 ,': : __: :ﾊ､　　　　ヽヽヽ　　lｸﾒ
　　　,' : ﾉ ､}::∧}　　　 u 　 　 　 ｀!
　　./:r「　　｀ヽ::| ＼ 　 　 ￣｀ｰ /
　 /: :ヽ.　　　　l'　　 ＞ .,_　　／
／ｨ‐<¨lヽ　　　}　　　 /:/:l¨´　　　　　　　　 「まぁデビューしたてだしね。
／⌒ﾖ ､.rﾍ.　　ﾄ､　　 ｌ｀ﾏ=､___
　　　 ｀ﾏレ:ｌ 　 l､_＼　/ {ヽｭ┐〉　　　　　　　　　 あずさ自身だって今じゃこのビデオ照れくさそうに見てるもの」
､　　　　 Vﾉｌ　　', (__,r‐'ｲl:l:{ ｌ ﾊ
∧　　　　∨! 　　V:|:|:|:|:l:l:l:ｌ:ﾉﾉ ',
::{∧　　　　ﾞ| 　 　 V:|:|:|:|:|:|:|ﾊ_　',
: :Y∧　　　 |　　 　 V |:|:|:|_/l　l､_l/ ヽ
: :∧:|:ヽ　　,'　　　　 l:::|:|:,'.　 し'　 n　|
: : : :V:ｌ:ｌ＼　　　　　 「「「{　 ・　．・}し'
: : : : l::|:|:|:l:＼　 　　ﾉ//ﾉヽ　　^ ノl



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!　　　　　　　　「ところで、このデビュー曲の売上はどうだったの？」
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |



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384： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:01:36 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 __
　　　　　　 .．､　/／￣｀
　　　　,, 彳ﾆ≧'´: :¨ ￣ :::..':..､
.　　　´ ／.: : : : : : : : : : : : :､:::::.ヽ
　　　 / : : : :,､ﾒ ､: : : : ､: : : :ヽ:::::..',
.　　　i : : : : :|!|　|ｉ',: : : :.〈: : : : }:i::::∧
.　　　{.ｉ : : : :| !　! ヾィ≠-=ﾐ-､ｉ|:::::::..i
.　　　∨ ,ｨ,=-- 　 　 ,ｨ=｡ｧ､_,..i l'｀i::::|
　　　　ヽ∧.ｨｬｧ _　ｧ　ゝｨﾏﾞ　 |:| ｽ:〈　　　　 ､
　　　　　　（ ゝﾞ' ﾉ¨｀ｰ‐ ''′　 |:i´::::ﾒ,.　　　　}｀ヽ
　　　　　 　 ',￣　　　　　　　 ∧!::::::〉'=､,ｪ_．ﾉ,ノ′
　　　　　､.　 〉､　 ￣`　　　.ｲ､ﾞ|!￣｀ｰ‐=ｯ-'´
　　　　 ｨｉ:ヽ　〉ｿ≧-､.__,, 　 |｀ヽ
　　　　　｀ーﾟ､,ｨﾆ ､ヽ∨,,..-‐｀ｉ　　　　　　　　　　　　　　　「思った以上に売れましたね。
　　　　　 , -‐{ゝ　　　/_,..､-‐〃,　､_
.　　　 ｨ´／〉/i 　 　 ,'〃/ // ./／ヾ｀ ､　　　　　　　　　　　　 売れた理由というのはわかりませんので、
　　　 ,' ﾘ〃//〉 _,.-〈/ / // 〃ﾘﾉ }| ｉ| i}
.　　　i |l/ //∧　　_,ｨ｀ ､././ ,i〃 / 〃,ﾘ　　　　　　　　　　　　　　売れたから売れた、としか言いようが無いですが」
　 　 ,'/i|. { i i　{〉'´､ヾヽ ∨/ i/ 〃 ///
　　 ﾙ ∧i{ | |　|ｉ', ､ヽヽ｀､∨〃/　///
　　// ﾘ∧〉} i　}∧ヾ､ヽ､ヽ∨/　//,i'
.　//〃 ｉ/ﾘi| | i l|o∨ヾ､ヽ,〉 Y//〃ﾉ



　　　　　　　/　　　　/　 /　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　 /　　　　/ 　/　　　　　　　 　 /　　/　　　　　　　　　　　∧
　 　 　 　 /　　　　/ 　 {　　　　 　 　 　 /　　/　　/　　|　　　　　　/　 ､
.　　　 　 /　　　　/　　｜　　　　　　　　′　/　　/　　｜ 　 　 　 / 　　 ＼
　　　　 　　 　 　/　　 /!　　　　　　　 /　　/　　/　　　i|　　　 　 ,′　 　 }　≧s。
　　 　 /　　　　/　　 / :.　　　　　　　,　　 ム__,/　 　 /i|　 　 　 /　　　　 }　　　/
.　　　/　　　　/　　　＼l　　　　　　　{　　/ {　/ ￢-ミ.,i}　　　 ‰　　　　 '
　　　　　　　 /　　　　　＼　 　 　 　 |　㌢笊云ミｔ､/　/　　／　　　　　/　　 /
　　/　　　　〈　 　 　 　 　 ＼　　　　i|／｀ た/(　　　 /　／/　/　　　 /　　 /
　 /　　 　 　 ＼　 　 　 　 　 ＼　　 i|　　 乂i少　　 , ／仏 ／　　　 /　　 /
. /　　　　｡s≦　＼　　　　 __//i　　 i|　　　　 　 　 ／　んｲ　　　　 /　　 /
/　　　 /　　　 ＞ｧ,＼＿__}///,l　　 i|　　　　　　　　　　{'　　 　 　 ,'　 　/
　　 ィi〔7777///////＼///,／　 　i|　　　　　　　　　　ヽ　 　 　 /　　,/
ィi〔///////////／　　 〈￣　　　　 |　　　　　　　_　　／　　 　 /
∨////////＞''´　　　　 ∨　　　　｜　　　　 　 　 ／ }　　　　/　　/
. ∨///＞''´　　　/,　　　　∨　　 　 |＼　　　 　 ／|　｜　 　 /　　/　　　　　　　　　　　「なるほど」
　 ￣ 　 ／　　　 ,　 　 　 　 ∨　 　 i|=,/≧s。／　｜ ｜　　,/　　/
.　　　／　　　　 /　　　　 　 /∨　　 |,/ 　 　 　 　 ｜ ｜　 ,/　　/
. 　／　　 　 　 /　　　　 　 /___∨ 　i|′　 　 　 　 ｜ ｜　 ′　,′


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385： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:01:53 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　 _＿_
　　　　　　　　　　 ,..r. :´: : : : : : ＞.､
　　　　　　　　　∠: : : : : : : : : : : : : :｀ ､
　　　　　　　　 /. : : : : : : : : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　　.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .',
　　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !
　　　　　　　　∨.: : : : : : : : : : : : : : : : : :,'
　　　　 　 　 　 〉;: : : : : : : : : : : : : : : : :/
.　　　 ,ｨ　　　　｀|: : : : : : : : : : : : : : : : |'　　　　 ;､
　　 〈:.∧　　　, ┤: :_＿_: , =､:＿＿ : ﾒｰ､　 　 ﾉ:´>
　　　 `ｰ｀o‐ﾆｧ=∧!丶. 〃　 ﾍ.l／ i/ー､¨≧o''ィ
　　　　　　 ¨´　　　`　 _|＿＿__| 　 ′　 ￣
.　　　　　　　　　　　 _/＿＿＿__]､_
　　　　　　　 ,.. -‐'ｉ´l| || | |　|ｌ|　| | il｀. ､
.　　　　　　 /,=ヽ〈 | l| || | |　|ｌ|　| | || |i | i　　　　　　　　 「その代わりと言ってはなんですが、
.　　　　　　i|l| 〃i |l　| || | |　|ｌ|　| | || |} ｌ,'
　　　　　　 |ｌ| 〉/|　l| i || | |　|ｌ|　| | || || .'　　　　　　　　　　　今聞いてもらってるセカンド・シングルは
　　　　　　ﾉﾉ/∧i､ |｜|l l |　|ｌ|　| | || |!ｲ
.　　　　　 {ｌ.// /.| }|　l ll | |　|l|　| | || /l|　　　　　　　　　　　　　理由もわからないままこけました」
　　　　　 ﾒ// //ｌ ||　| ll | |　|ｌ|　|.〃/ｉ |
　　　 　 ,'// ///| |!　| |l l |　|l|　/i|〈| |ﾘ
　　　 ,ｨゝ､ ////|ｌ |　| || | |　|l i{ |ｌ|{ !./
　　　 !|_/ 7-|{ ｰﾘ {　| || | |　|} }} 〉.ﾉ¨
.　　　　＼{＿.．'/￣￣ｌ￣ｌ￣￣￣}ヽ



　　　　　　　　　　　／｀ヽ＿＿／⌒)
　　　　　　　　　　 {　　-､ヽrイ＿　 {￣｀ヽ
　　　　　　　　　　∧__, ィ'´ ｰ'＞､__ﾉﾆヽ ∧
　　　 　 　 　 　 /　＼＼_ヽ_|_ﾉ_／z-─ﾊ ∧
　　　　　　　　　l　z''￣　　/ﾊ　　　　￣｀ﾐｌ　',
　　　　　　　　　l∨　　　　l:ｌ ﾘ　　　＿_　| |　 !　　　　　　　 「デビューシングルの路線を踏襲して、
　　　　　　　　　| |＼ 　 　 ﾘ　　 ／　　｀ l l　 |
　　　　　　　　　l ﾊ　｀ー- ﾉ　　｀　 ＿__. |_/ｌ |　　　　　　　　　 それなりにブラッシュアップされてたはず、
　　　　　　　　　! _ ! {￣心　　　 イりl　 }　〉ｌ｜
　　　 　 　 　 　| | }l ー┴''　　　 └┘　' ｌ_ﾉ .|　　　　　　　　　　　 なんだけどね」
　　　　 　 　 　 l/l ∨///　　　　　| | | ||/l l l |
　　　　　　　　 ,'ﾊl　'＼＿ 　 --､　　 ／l | l l l
　　　　　　　　,' | |>､_　　 ｀ヽ_｀_,　イ|＿__ｌ ｌ | ',
　　　　　　　　! l /　　l｀ヽ_　 }　　　 /|〉i | ｀ヽ ﾊ
　　　 　 　 　 | .|ｌ　　､{ i_| 　 | 　 　 { ｌ〉.i l　　 } ∧
　　　 　 　 　 l　lﾊ　　∨l　　l､　　,-ト'､rｲ　　 ｌ　∧
　　　 　 　 　 !　l　',　　V　　|ｐｐｐｐl_/l_ﾉ　　 ,' 　 ∧
　　　 　 　 　 !　|　ﾊ　 /　　.l:l:l::l::|:::|:|::|:|l　　 ｌ　　　∧
　　　 　 　 　 |　_,--l /　　　l:|:|:|::|:::l_|_|_ﾉ　　 !　　　 ∧
　　　 　 　 　 |//// ',　　　/─一''´　　｀ヽ　 l　 　 　 ∧


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386： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:02:17 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　/　 　:|　　　　　 |:　 　 　 |　　 |　　　　　 |　　　|　　　 ヽ　≧o｡
　　　　　　 ,′　/｜　　　 　 |:　 　 　 |　　 |　　　　　 |　　　|　　　　 |　　　{
　　　　　　:.　　/　:!　　 　 　 |:　 　 　 |　　 |　　　　　 |　　　|　　　　 |　 　 ′
　　　　　　f　 /　/l　　 　 　 :|:　 　 　 |　　 |　　　 　 /　 　 :|　　　　 !　　/
　　　　　　|／　〈 :{:　　 　 　 | ――‐┼‐､｜　　　 :/＿_ 　 }　　 　 /　 /　　　　　　　「売れても売れなくても
　　　　 　 {{　 　 ﾍ!:　　　　　㌣斧芋羽ﾐ　/!　　　 xzzzx　 /　　　 /　 /
　　　　　 : Ⅶ　 　 ﾟ，　　　　:ゝにf//(_　　 :|:　　/ん//} //: 　 　 /　 /　　　　　　　　　　　原因不明でありますか」
　　　　　: 　Ⅷ　　　ﾟ。　　 　 | 乂//ツ　 　:|: 　/ に/(　 ,′　　 /　 /
　　　　 / 　 Ⅵ　　 } ﾟ，　　　:|　　 　 　 　 人／　｀¨¨~ / 　 　 /　 /
　　 　 /　 / ∨{//// ﾟ。　　 :!:　　　　 　 　 　 ,　 　　 / 　 　 /　 /
　　　 / ％77/‐=≦{ 　 ，　　ﾟ＼　　 　 　 　 　 　 　 ｲ 　 　 /　 /
　　　／//////／＿___ ﾟ，　　ﾟ，＼　　　　 ｀　　　 /　　　％　　′
　　　∨///＞f//////{　ﾟ。 　 ﾟ，/:＞　　　　 ＜ /　　　ｲ　　:/　　　　　　　　　　　　　　　「難しいところであります」
　　 / ゝ‐≦　:{//////ｉ　　， 　 ﾟ，///:＞＜≧o/　　／ ! 　 /
　　,′　 　 　 ≧=‐ミｔ､!　　 ﾟ，　 ﾟ，//{――///　 イ 　 {　 /
　 /　‐=≦: : : : : : : : : : ﾟ。　　ﾟ。　:}:. ＼／ ゝ-,′/ :!: 　 ｉ: /
　f: : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾟ，　　 ﾟ，ｉ:.:.:./:.:.:.:.:} 〈／　 :　　 {/
　{: : : : : : : : : : : : : : : : : :.∧　 　}ヾ:／:.:.:.:.:/￣|　　｜￣＼



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　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〃 ,　 -‐==￥=＝=‐-　　 ヽ
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　　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::;ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::/}:::::::::::/!:;ﾊ:{::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　|:::::::::::::://::::::::::;' {:{　}:}、:::!:::::::::ﾄ､:::::::ｉ:::l　　　　　　　 「それで、あずささんの次の展開はどうしようと
　　　　　　　　　　　　{:::::::::::_｣」ﾑ-:､:{　|'　 いヽ∟::-::､}:::::}li:::
　　 　 　 　 　 　 　 　 :::::}|＿j_辷__'＾　　　　 '＾,二._￢廴ﾉﾙ'　　　　　　　　　　事務所全体で悩んでたある日ですね」
　　　　　　　　　　　 　 Ｖﾐ　/仏!-=ミ､　 　 ,厶!-=Jﾞヽ　ﾑ{
　　　　　 　 　 从　　 r┴-r{／／　　}-‐-{／／　　}‐=ゅ}　　 ﾄ､j{
　　　　　　　　}:{:::{　　| ﾆ }｣＾>─--‐'　 }　 `ｰ--一′/!リ　　 }::;ハ
　　　 　 　 　 |::::::::ヽ_｣とﾉ' /　　　　　　　 　 　 　 　 ｲ::|'　　　ﾉ/::::::}
　　　 　 　 　 ゝ:::::::八 　 ｒ'{::＼　　　　'⌒　　　　／:::l:::ｈｰvく:::::::::::ﾉ
　　　　　　 　 ｀Y了　 ` ‐ﾀ:ﾏニ＞ ､　 　 　 r_＜ﾆヽ/::ﾑノ弋＿／
　　　　　　　　　｝ ＼＿_∧〉:V´　 く!　　　　j/　　　〉:∧
　　　　　　　 　 |　　　　　ﾉ ヽヽ、　 ヽ.　　 / 　 _,ノ:ノ　｝
　　　　　 　 　 /　 　 　 /`ｰ-辷ｰ　　 ヽ／　　￣_＿＿九
　 　 　 　 　 ノ　　　　 /　　　　　￣¨ﾌ大（￣￣ 　 　 ﾉ　＼
　　　　　　 〈　　　　　｛　　　}　　　 // 　 ヽヽ　　　{ノ　　 　 >┐
　　　　　　　}　　　__,.ｲ　　 .ｲ 　 　 {｛　　　 ｝} 　 　 }　　　　 |　{
　　　　　　　＼＿＿丿 ／ ！　　　｝} 　 　 {｛　　　 ト､ 　 　 !　 ヽ
　　　　　　　　　￣⌒¨　　 　 　 　 j..! 　 　 j..!　　　 　 ＼　 ﾊ　　 ヽ.
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 }　　 ‘''’　　 ‘''’　　 {　　 　 ＞‐-　　　ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　　　　　 　 　 　 　 |　　 __]__　　　　＿ノ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　　 　 　 　 　 　 　 l　／　　　　　／


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387： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:02:29 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 　_,， - ―‐ -　_
　　 　 　 　 　 　 　 ,，　´￣　　　　　 ￣｀ヽ、
　　　　　 　 　 　 〃　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　/　 　 　 　 　 ri　 | ｉ{　　　　　 ﾍ
　　 　 　 　 　 /　　　/　 　 ｉ　|{　　八　 ｉ　　　　‘，
　 　 　 　 　 , ′　　.′　i /| ,ハ/∧　ヽ:!　　　　　:.
　　　　　　 /　　　　i 厶斗-j/　ｊ乂　ヽ‐ !Ⅵ　　 　!|
.　　　　　 / i　　 　 j/}/　!　{　/ 　 ヽ　}ﾉ'　ﾄ､ 　 |八
　　　　　 　 | ﾄ､　 |'　y'斧ﾐx　　　　 ィ斧ﾐｘ　 :.　i| i　ヽ
　　　　　 　 V ∧ :|:. ゛弋う　　 　 　 弋:う j「 i:{　i| |
　　　　　　　 /　:Ⅵ :.　　　　　　　　　　　　 /i:　八 ､
　　　　　　　,:　 　 ﾄ､:.　　 　 　 ′ 　 　 　 ,ノ}/　ｉ{　 .
　　 　 　 　 iﾊ!|: 　|: :.ヽ　　 　 (　)　　　　ｲ　/　 八　}
.　　　　 　 　 八　 ､ﾄ､iﾊ＞　　　　 　 イﾉ}ﾊ/i　/　 ）ﾉ
　　　 　 　 　 　 ヽ{ ヽ　 　 rｉ ｀¨¨´ ﾄ､/　　　j/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ　｀YY´　 i　　　　　　　　　　　　　　　「ナニカアッタデスカ」
　　　　　　　　　　　　,， ´　　　| |　　 丶、
　　　　　　　　 ,，　´　{{　 　 ／　＼＿＿_> 、
.　　 　 　 　rf´　　　　ヾ　／V⌒Y´∨/７　　｀ ー ､
.　　 　 　 　| !　　 　 　 ｀´ 　 }=={ 　 ∨′　　　　: i
.　　　 　 　 | :.　|　 ｘｭ、　　　,::::::::.　　 　 __　 　 ,'　|
.　　 　 　 　|　Ⅵ,ｲ三.心、　 ｉ:::::::::i　 ,ｨ升,心、i/ 　|
.　　　　　　 : 　 i三三三,心_ |:::::::::|,.ｲ三三三ﾐ} 　 :|


　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 _,,.--.、
　　　　　　　　　　　　　　 ,r',.二＝ﾆ＿　　）
　　　　　　　　　　　_,,-'"::::::::::/::::::::彡::ヘ 〈.,,_
　　　　　　　　　　 ri::::::_ｨ-r""""" `-ｧ::::::ﾍ）::ヽ
　　　　　　　　　　i"r"　'　　　　　 ＿ ゛''ゝ;:::i::::::ヽ
　　　　　　　　　　.〉| ＿　　　-'''"_,,,_　　 r"::|::::::::|
　　　　　　　　　 ,::';|"_,,_`　　　,,"|:::ﾘ）　　|:;へ:::::::|
　　　　　　　　／;;;::::《 !::）　　　　 `"　　　|　）|:::::::|　　　　　　　 「うちの社長がね、
　　　_,,..-‐'"￣ 　 ￣i　" ,　　　　　　　　　　ノ::::::::',
　　　　　　　　　　　　|　　　　_,,..　　　　 /￣　 ヽヽ:',　　　　　　　　 あずさの経歴みて、ティンと来ちゃったらしいのよ」
　　　　　　　　　　__∠ヽ　 ￣　　　　 イ::::::i::ヾ:::::::ヾﾍ
　　　　　　 .ヽ￣.'::',＼:::::::''- .,,__..-_"...┴‐┐:::ヾヽ::::::::＼
　　　　　　　　＼ ',::', .＼,.-‐'" ￣　　　　／￣゛'-,,:::::::::::::＼
　　　　　　　　　 ＼',::',　ヽ,　　　　　　／　　,,.-''''ﾍヽ::::::::::::::::＼
　　 ＼　　　　　　 _,,.-'" r'　　_,,..-‐'/　　.,,/　　　 ヽ＼::::::::::::::::::＼
　　　　＼　　　　/　　,r'" ￣　　　,''　　 ,','　　　　　|　 ＼:::::::::::::::::::＼
　　　　　　＼　 /　　i"　　　　　 /　　__i_|　　　　　 `i　　 ヽ:::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　f'　　　　　　/　/　　 ヽ　　　　　 |　　/


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388： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:02:48 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 　 　 ／　　 ,　― -　　　　 ´￣｀ヽヽ
　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　 /　　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ　　 　‘，
.　　　　　 /　　 '　　　　　　 　 　 　 　 i　　 i　　　　‘，
　　　　　 ′　/　　　　　　　 　 　 / 　ﾊ　/ }　　　 　‘，
　　　　　i 　 /　　　　　 /　/　　 /|　/　V　ﾄ､　 　　　 .＼
　　　　　|　 ′　 　 　 /　/　!　/　}/　 / ヽ{__}_i　、 　 i　 ）
　　　　　| /　　 　 　 ,' j ハ斗/七/　 /　 　＼ﾉﾊ:i　　 |
　 　 　 ／　 i　 　 　 | / 　 }厶≠ｘ 　 　 　 ｲ斧ﾐ |　 ﾊ{
　　　　　,　　|{　　 　 |　　〃f::::しj　 　 　 　 {じ:j″ / ﾉ
　 　 　 / 　 八　　 　.　　ヽ弋::ソ 　 　 　 　 ゞ'ﾟ , j/ ヽ　　　　　　　　　　「ティン？」
. 　 　 /　　　　 ＼ 　 ヽ　　　　　　　　　　 　 　 !|′　‘，
.　　　′　　　 　 ヽ ー 　ゝ　　　　　　　　 ´　　八 　 　 i
　　　ｉ{ |　　　　　　丶 ＼　　　　 　 　 , -　 　.ｲ　　　 　!|
.　　 八ﾄ､　　､　 　 i ヽ　 ＞ 　 　 　 　 　 ／　 /}　 　 八
　　　　ヽ ＼　ヽ 　 |ヽ{　 r|　　 ≧=‐　 イノ}　/　! 　 /
.　　　　　 　 ＼{ ）ノ　 ＼j ｀ TT ´￣　 ヽ.　jノ　 j／/
　 　 　 　 　 　 ｀　 　 ／ヽ　 | |　 　 　 　 ｀ ｰ=ミ
　　　　　　　　　 ,，　´　　 　 | |　　　　　　　　 ／＞　 _
　　　　　 　 r‐ ´|　　　　　　/∧　　　　　　 ／／　　 　/ ヽ
　　　　　 　 |:{ 　|　　　, ィ:´:ー::ヘ、　 　 ／／　　 　／　　 i



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ　　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',｀ー―‐-､: : : :ハ!:|i:ﾘ
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _　　　　　　　　　　　　「あずささんの経歴に何か？」
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .


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389： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:02:59 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r―＝ヽ　 ,ィ＝‐-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ≠´￣:`:ﾞ^:ﾆ‐-..､　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ／. : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　〃. : : : : : : : ;ｲi: : : : : : : : :ﾍ
.　　　　　　　　　　　　　　 i:;'. : : :ｉ: : : : // |ﾊ: : : : :i: : :;ﾊ
.　　　　　　　　　　　 　 　 |:|: i: : i|: : : //　ﾘ |i: : : :ﾘ: : :;:;}
　　　　　　　　　　　　　 　 !;ｨi￣≧=､ ′　　!|_: : /: : :;:;ﾘ
　　　　　　　　　　　　　 　 {,':i､f'7::心　　　　二.≧､7;:;:/
　　　　　　　　　_/i.　　　　 i: | （ ¨¨ ｀ﾏ__,-‐〈;ﾋﾊｨ//}´
　　　　　　　　 ∨.:!　　　＿|:iｌ　　￣　 〈 `､.＿,.ｲ/:iｿ　　　　　　　　　　　「趣味特技の欄に三味線というのがあったんです」
　　　　　　　　　 ＼}:ﾍ=:{: : ! |＼　　 ､＿　　,-, ./:ﾉ　　　　 ,
　　　　　　　　　　　￣¨´￣ﾍ!　 ＼　　　　_i .i<//:ﾄ,_　　／:iｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.| ｀ｰrニヾ._|〃ｰヾ:}=ｪ:_:ノ′
　　　　　　　　　　　　　　＿＿ノ `‐-〈//.,ﾆ　i　　　　ﾞ¨
　　　　　　　　　　　, -'"彳/〃/＞.､_|ﾋｰ-}　 |￣"'''- ．
　　　　　　　　　 ／／,ィﾘ/〃/ / / iP|ﾄ､ {　 ∨i| ﾄ､ヾ､ﾊ
　　　　　　 　 ／／／,.=| 〃/ / / :ｉ|.｜| ﾍ_,.ノ ＼ｉ_ } i| i ',
　　　　　　／.〃／／, ‐i/／〃〃 /|o|:i| |＼　 ノ｀ヽ＼ヾ∧
　　　 , -'"／／ 〃 /／ﾘ{:. / 〃 ｲ :|. |: i |　iﾄ､＼＼ヽ､＼ ∧
　　／〃/／, イ´ ／´¨∨i |i　il　i|　|o|　l:|　|:∧ .＼ヽ､.＼＼.',
　i'´r'´／／／>'´　　　　i:{ l!　l|　l: i:|. |　||　i| /∧ヽ.＼｀ ､＼｀ヽ
　{ ll .ｰ‐-‐=≠､　　　　　∨〉　ヾ {i i|o|　|i　ﾘ　ﾉ/ﾊ.ﾍ　＼｀､ ＼ﾍ
　 ＼＼"'- ､ヾ､＼　　　　 }i|　ｉ　i| } |. |　|　i{　{| i|{　` ､＼＼ヽ､｀ﾊ



　　　　 f¨¨¨ア　　　/　　　 |　　　　　　/　　　＼　　 ＼
　　　　　 　 l　　 　 ′　　　|　　 　 　 /　　　　　}　　　　 ､
　　　　ｌ　　｜　 　 ,　　　　｜　 　 　 ,　　　　 　 |　　　　　＼
　　　　|　　｜　　 ,　 /　　　,　　　　/　　　　　　,　　　　　　 /
　　　　|　　｜　　 {斗ｬ允― ,　　　/ ＿＿　 　/　　　　　　/{
　　　　|　　｜　　 | ｉ|　　/　八 　 /　}　　/ ミｔ､　 　 　 　 /　,　　　　　　　　　　　「シャミセン？」
　 　 　 ,　　i|　　　|　,x笊示ﾐ　,　,'　　イ云笊x　 　 　 　 / 　i}
　 　 　 { 　 i|　　　|i〈 hr (　　　V 　 　ぃし(　 )〉　　　　／ 　 ,
　　　 　 , 　 ,　　　{　 ゞ= '　　　　　　 ゞ==ｼ /　　　 ／　　 /
　　 　 　 ，　,　　叭　　　 　 ,　　　　　　　　/　　　//{　　 /{
　　　　 　 ， ‘，　八 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 {///7 /　,
　　　　　　 ,　　,　　　　　　 　 ｀　　 　 　 /　　 ／i{///ア
　　　　　　 ‘，八　 {　l　.　　　　　 　 　 / 　／　∧⌒',　　　,
　　　　　　　 ＼{∧ l　|　 ＼　　　ィi〔=,/ ／/　 //∧　〉　 　 ，
　　　　 　 　 〈// } ＼i!　　 /爪ニﾊ,　/ｨ　 ,　　{∨//7∧
　　　　　　/ 　^　,　　/ﾆﾆ〈 ,//笊ﾆ{／　 /! 　 |i ∨///∧
　　　　　 //二ﾆ/　 /ニニﾆﾆ{ {} }ﾆ≧≦ﾆ|　　|≧s。/,／　　　‘，
.　 　 　 　 {二=/　 /ニニニニニニニニニ|　　|二ﾆﾆ≧s。
　　　　/　 |二/　 /⌒⌒TT⌒‐=ﾆニニﾆﾆ|　　|二ニニﾆﾆｉ　　 　 ＼
　　　 /　　|〉/　 /{　　　 | ｌ　　　 /i　　 　 i|　　|二ニニﾆﾆ|　 　 　 　＼
　 　 ,　　　{/ ,／― ＜　i! !　　 /　! ＿___ i|　　| /＼二二_|　　　　　 　 ＼



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390： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:03:16 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 (⌒ヽrヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐　ニ_７＼＿）_,ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 　 /　 　 ／_｀`　 、
　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　 　 ,　 　 /　　　｀　､＼
　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 　 ,　　 /、　　　　 、ヽ）
　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　 ,　　/　丶　_､_ ノ ィ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　, 　 　 　 　 　 　 !　 /　　 _,＞ 　 　 l 　 ﾉ
　　　　　　 　 　 　 ,　　　　　　　　　i|　/ -‐く_　　　　　 |
　　　　　　　　　 　 !　　　　 　 　 　 |! / - ｧ'´　　　　 　 !
　　　 　 　 　 　 　 ′　 　 :,　　　　 ﾚﾍ　/　　 　,二￣`.′
　　　　　　　　　　,　　　　 /　 　 　 j{ ,ﾊ {　　 　 {り ｀ /
　　　　　　　　　 /　　　　/　　　　　ﾄ､_ ｀　　　　 ｀　　＼
　　　　　　　 　 /　　　　/　　　 　 / 　 　 　 　 　 　 _,／
　 　 　 　 　 　 '　　　　/　　　 　 /　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　「和楽器……日本の楽器よ」
　　　　　　 　 /　　　　,　　　　　 '　　 　 　 _ __＿__,/
　　　　 　 　 /　　　　/　　 　 　 ト .._　　 /、＼ ,、
　　 　 　 　 /　　　　/　　 　 　 ,ﾊ.　　「二ハ　,ﾍ ヽ
　　　 　 　 ,　 　 　 /　　　　　 /ハ　　 　 　 V　ﾊ.∧ヽ
　 　 　 　 /　　 　 /　　　　　 //　{!　　 　 　 |!　iﾍ　} :!
　　 　 　 /　　　　,.　　　　　 //　 :|!　　 　 　 i|　|ｉ Ｖ　l
　　　　　,.　　 　 /　　 　 　 // ☆ i|　　　　　 |!　ｉ|　|　|
　 　 　 /　　 　 ,.　　 　 　 / {　　　i|　　　　　 ｉ|　|ｉ　|　|



. . . . . . . . . . . . . . .ヽ
. . . . . . . . . . . . 人'ヽﾍ
. . . .＿,. ｪ ― --ｧAﾍ,ム-‐-. .,
＞ ´／: : : : : :.／"ﾍ:ﾄ,:≧,ヽ: : : ヽ
: : :/: : : : : : ／　　　|:|　　ﾊﾄヽ: : : ﾄﾊ,
: :/: : : : : ,ｲ/　　　　|:|　　　',ﾄ:ﾊ: ヽ: :､ﾍ
:/: : : ::フ7ｲ―‐--　|:|　　＿i|ﾑ: ∨,: : ',ﾄ',
': : : :/'　'　 ＿,　 　 i;'　　　 /￣ト,: :ﾄ: :ﾊﾘ
: : :≦ィ元ﾊ气｀　　 '　　　　=_　∨i: :∧:',
　∧､弋::::::ﾊ　｀　 　 　 　 仍ｶヽ ﾄ|: 'i　,:}
イ 　 　 ｀ー'　　　　　　 　 壮ﾘ ﾘ,'从:|　ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｀,´　i　ﾊﾘ　'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 '　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,
､　　　　　 　 　 　 　 ｀　　´　　/　　　　　　　　　　　　　「おたくの社長はそれをやらせようとしたわけね」
: :i　､　　　　　　　　　 　 　 　 /
ﾍ:| 　 ヽ　　　 　 　 　 　 　 ／
: ヽ　　　　｀　 ､　　　　　／
: : : ＼≦　　　　≧. ―,'
.´.｀.ヽ≧､三三三＝､: ﾍ
. . . . . . ｀ヽ: ≦三三ﾆﾊﾍヽ
. . . . . . . . . .ヽ:､＜三三,.ヽ＞､
. . . . . . . . . . .ﾊ: ヽ. .＞ｭ｣＞ｰ '＞ ､
. . . . . . . . . . ..ハ: ﾍ. . . . .｀. .ｰ. ､. . .＞ｰ､
. . . . . . . . . . . . . ﾄ: ﾊ . . . . . . . ⊂⊃｀. ヽ｀ー. -. .,_
. . . . . . . . . . . . . .ﾊ: :' , . . . . . . . . . . . . . .ﾊ. . . . . . .｀ヽ
. . . . . . . . . . . . . . . ハ:ﾍ. . . . . . . . . . . . . . ', . . . . . . . . ',
. . . . . . . . . . . . . . . .|.∧:}. . . . . . . . . . . . . .,'. . . . . . . . . .i
. . . . . . . . . . . . . . . .|. . i,'. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .'
. . . . . . . . . . . . . . . .|. . ﾘ. . . . . . . . . .○. . . . . . . . . . . /


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391： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:03:36 ID:vmPyY7jQ



　　　　「流石にあずささん含め全員から反対されたんですけど、

　　　　　　　結局次のCDのボーナストラックで、あずささんの三味線弾き語りが入りました」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-=ニ¨ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　 ≧､ヽ, r=＝=､,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　:´: : : : : : : : : : : :-　　　ヾ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : /: : /: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : /: : /: : : : : : : l: ///: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　j: : : /: :丈:_:_:ノ／ノﾉ///: : : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　{: : /: /,.r==-､　´　ノ//: : ,:// : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　{/｀!:/ ､＿__　｀　　　≧､ノ//: : : /
　　　　　　　　　　 __　　　　〉ﾉﾉ＼ , ‐-｀' ､　　　＿｀¨ヾ､:／
　　　 　 　 　 　 <::::::}　 　 ﾉ|:j:|　　ゝ､＿__）-ｧ-―=ミく/}
　　　　　　　　　　＼:}rf´¨::::|:|ﾑ　　　 　 　 :' ゝ ＿__）/:|'
　　　　　　　　　　　 ~￣￣^ﾚ'´'､　　　.r―-､　　 　 /|: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　 ゝ _ ノ　　 ／ｿ:/　　　　,r:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｆ´ｊヽ. ＿ , . イ´¨ﾞ//､:｀ｰ､_,,ム彡'
　　　　　　　＿　　 ＿　_　　　　 |,y'-､_,.／, ｨ'　　　 　 ｀¨`ｰ''¨´
. 　 　 　 ／ , -､'Y´, -､｀｀ヽ―／j ゝfュ／　 ＼ ＿_
　　　 ／　 l　　 ｀´　　.!　　 ＼　/ 　／　　　／　　　｀ヽ、
　　 〃 　 人　　　　　ﾉ　　／｀＼／　　　 〃　　　　　　 ヽ
　　 ﾞy､　 ´__ ヽ. , .r ´ ＿/　　 　 ＼　　　《　 　 　 　 　 　 ',



　　　　　.　　 　　　　 /::::／"ヽ::::::::::::|:::::::::::::,'::::::::`">、::ヽ
　　　　　　　　　　　 /:::/:::ヽ:::::::ﾍ::::::::|:::::::::::,'::::::::／::::::ヾ::::ﾍ
　　　　　　　　　　　/::/:::::::::::ヽ:::::',::::::|:::::::::,':::::: /:::::::／::::::',::::',
　　　　　　　　　　 /::/::::::ミ:＿|;;;;;;',;;;;;|;;;;;彡::::/:::::/:::::::::::::::',::::i
　　　　　　　　　　/:::|:::::＞　　　　　　　`'''-ﾆ,,ゝ,―＜:-:"::|::::i
　　　　　　　　　 /::::.|::彡　　　　　　　　　　　　~　　　<彡:::|:::|
　　　　　　　　　./:::::|彡　　　　　　　　　　　　　　　　　彡:/::::|　　　　　　　　　「それがこれよ」
　　　　　　　　　/:::::/',:| -=- ,,　　　　　　　　　　　　　　）/::::::|
　　　　　　　　 /:::::::i　|　,x==ｭ,`x　　　　　,,.. -=―-　 彡、:::::|
　　　　　　　　/:::::::::ヽ.|.《 !:iij:ﾘ `　　　　　 .ｨ:;,,㍉'ﾐ,,　 /　/:::::|
　　　　　　　 ./::::::::::::::::i. 　` "　　　　　　 .λ'':ノ　 '' /_ノ::::::::|
　　　　　　　./::::::/::::::::::,　　　　　　　　　　　 　　　　/:::::|::::::::|
　　　　　　 ./::::::/:::::::::::::',　　　　　　　'　　　　　　 ./::::::::|::::::::|
　　　　　　 /:::::/:::::::::::::::::ヽ　　　　、　　_　　　　 ./::::::::::|::::::::|
　　　　　　/:::::/::::::::::::::/::::::,＼　　　 ￣　　　 ／::,':::::::::::|:::::::|
　　　　　./::::::/::::::::::::::/:::::/:::::,〈`　、_　,　イ、::::::,':::::::::::::|:::::::|
　　　　 ./::::::/:::::::/::::/::::/:::::／,　　　　　　 | ',ミ、::::::::::::|!::::::'
　　　　./:::::/:::::::,'::::::,'::,,.. -"　 ＼ ＼　　　/　|　　`　- '!、::|
　　　 ./:::::/:::::::,' -‐"　　　　　　　＼ ＼ /　/　　　　　　　ヽ
　　　/:::::/::::::/


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392： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:03:49 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::￣￣::::::::::　、
　　　　　　　　　　　　　 ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶
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　　　　　　　　　／:::::／:::::::::::::::::／ヾ ﾍ＼::::::::::::＼:::::::::ヽ
　　　　　　　　 /::ﾆ/=－:::::::::::/　　　 　ヾ ヽ::::::-=丶ﾆニi
　　　　　　　　;::::::::::::/::::::::::::::ﾉ 　 　 　 　 ||　＼::::::::::ヾ:::i、i
　　　　　　　 i::::://:::::::::::i　/　　　　　　　 ||　　ヽ:::::::::::::::|::::ｌ
　　　　　　　 |:::/::::::/:::/i ﾉ 　 　　 　 　 　||　　　V丶:::::::|::::|
　　　　　　　 |/::::::/:::::７|ﾉ￣ 丶　　　　　ﾅ ― 、 !:::::i::::::|::::|
　　　　　　　 〉:::::/i:::::/z|"ニ、　　　　　 ﾉ　 ＿　 ヾ:::|::::::i:::|
　　　　　　　i:::::/｀ｌ:::〈　| ｆ::ｃヾ　　　　　　 彡,==z,、V|::::::ｌ ;
　　　　　　　|:ｲ !´|:;l ゛ ゞﾆノ　　　　　　　　 | l:::c｀ｿﾞ〉|、:::|:
　　　　　　　|ハヾ|:ﾊ　　 ｀　 　 　 　 　 　　丶=´　 / :|ﾊ:::|
　　　　　　　　　Vヾ∧　　　　　　　、　 　　　　　　/イ:|/ﾊ:|
　　　　　　　　　 ヾ:::｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　/_／:::∧!
　　　　　　　　　　 V::::::丶　　　　｀　´　　　 　.ノ/::::::::/ 　|　　　　　　　「随分エキゾチックね、なんという曲なのかしら」
　　　　　　　　　　　V::::::::::丶、　　　　　　 　´:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 |:::::::::::ｙ=| ｀　ー　イﾄ、:::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 l::::::| /　＼　　　 　丿 ＼:::::::::;
　　　　　　　　　　　 ゝ:::::Y´｀丶＼　 ／　 ﾍ　|::::::;、
　　　　　　　　 ／´｀´|:::::ﾄ、／　/|　|ヾ　く ﾉ |:::::ト　＼
　　　　　　　／　　／ |::::|　ｒ ´｀ヾ ﾌ´＼　　 :|::::|＼　　＼
　　　　　 ／ヾ ／　 　|:::ﾄソヾ／介＼ ノ＼ノ|:::ｌ　　＼ ／｀ー,、



　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ:ニﾆミ:.､＿
　　　　　　　　 　 ,..-‐-_､_/∠≦: : ､: : :ヽ: : ＞
　　 　 　 　 　 ／ ''´, イ: : : : : : : : : : ヽ: ﾉ.: : : : : :＼
　　　　　　　 /'´ ／. : : : : : : : : : : : : : :ﾊ:. : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　／／.: :/: : : : : : ｉ: : : }: : :i:}::... : : : : : : : :',
.　　　　　 　 /.;/ : : ;ｲﾊ: : :lｉ: : :|: : : :}: : ∧:::::::.... : : : : :∧
　　　　　　 /,.' |: : :i| || |: : :|}: :i:|:＿:ﾘ: :ﾉ:::::::::::::::::::.. : : : :ﾊ
　　　　　　 !{.　|:l|: || |! l＞''´￣　　 ∨: : ..::;∠::::::::::.. . : : }　　　　　　　　　 「深川くずし、らしいです。
　　　　　　 ヽ　ﾚﾊ　＾´　ﾗ_￣ヽ_,, -‐|: : : //´ﾊ::::::::::::::.. ;'
　　　　　　　　　　 ',　r‐ 弋レ´￣　　: : :/ﾒ;　/∨::::::.: :/　　ゝ-.､ｨ　　　　　　　端唄というジャンルみたいですけど
　　　　　　　　 （￣ｿ¨`ｰ‐　′ 　 u |: : :,' ヽノ::. :ヽ: : :/　　　 ヽ_:ﾘ
　　　　　　　　　　く　　　　　　　　　|: : ﾒ≠;:::::: : : : : :|＿ _,..､i'.:ｿ　　　　　　　　 私はよくわかりません」
　　　　　　　　　　　{ヽ　__　　　　　 |: /　　ヽ;::::: : : : ;_}: : li: :ﾘ'′
　　　　　　　　　　　 ＼ヾ:/ ）　　 　 ::{　　　　'Yヾ￣ `ー'￣
　　　　　　　　　　　　 |:ヽ　　　 . イ:|人　　　　}:フl
　　　　　　　　　　　　 |:ﾘ ｀=≦ , -}ﾉ　 ヽ　, イ 　:{
　　　　　　　　　　　 _,ﾉ' -‐ ―〈{::::|　_,,..イ　　　 ,ｲｭ
　　　　　　　　　　 /-フ´／／ィ}｀i￣　　　　 _,ノ-‐‐＼
　　　　　　　　　　,'.‐{　丨/ / ｨゝ.|　 _,.．-'''"　／￣二ミ､
　　　　　　　　　　{/ |　l:|/ 〃 〈/￣ノﾉ／/ ／／´　-‐ ミﾍ


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393： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:04:07 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 　 　 　 ／: : :,: : : : : ﾍ: : : : : :ヽ: : ＼
　　　 　 　 　 /: /／: : : :/ﾐﾍﾊへ: : : : : ヽ: : ヽ
　　　　　　　/: ／: : : : :/　　　 ';,　ヽ: : : : ﾊ: : ﾊ
　　　　　　 ,':/: :ｨ: : :.ｲ/　　　　 'i　　' ,: : : : ﾑ ハ
　　　　　　,7: : /: : : .ｲ　　　　　 |　　　' ,: : : :ﾊ : i
　 　 　 　 ﾑ: :ｲ: : :./_!'＿ 　 　 ,」'-――ﾍ:ﾄ-: ∨,
　　　　　ｲ: /: :i-‐7'_」二｀　　　 '^≧示ｰ､ﾏﾍ : Y
　　　　　7:∧: |: :kｲぅﾊ｀　　　　　 乂ﾟり　ハ∧: ',
　　　 　 i:/　ﾚﾘ:ﾊ '弋ﾘ　　　　　　　 ｀´　　ハ ゝi
　　　　　!'　　'ﾙﾊﾍ 　 　 　 ､　　 　 　 　 /／:ﾘ '!
　　　　　　　　ﾚ,:ﾍﾊ　　 　 　 　 　 　 　 /: : !/
　　　　　　　　' ',: :ﾊ:ヽ　　　｀　 ´　　 ／/: ::ｲ
　　　　　　　　　 ﾄ: :ヽ: :｀r　､　　 , ィ､: ｲ: : :|'
　　　　　　　　　 iﾍ: : ',: ハ　　｀　　ハ: i: : :.|
　　 　 　 　 　 　 !: ゝ: <,へ＞､　 /..∧､!: :.:|　　　　　　　　　　「歌ってるのもあずささん？随分歌い方が違うのね」
　　　　　　　　 , ≦ﾍ,: ﾊ／>> /iiﾍ. .ミﾊ,'; : !
　　　　rvrﾍ≦ =＝"ﾊ: ﾄ≦r三==三ミ. ﾊ: ト≧ ､_
　　　 ﾊ. ﾍ' ´. . . . . . . 'ﾘ､>､ﾆｸ/iﾍﾊｰ'､∧:',. . .＜ハ
　　　,. . . .,. . . . . . . . . ﾚ' . . //∧ハﾐﾍ. . ',ﾊ. . .i. .i. .|
　　 /. . . i.∨. . . . . . . .ﾘ. . .ヽ/ . ﾊ.∨/ . . ゝ,. . ∨i. |
　　 i. . . . !. Y. . . . . . .,r‐ﾍ. . . . . . ﾍ0. . . .ﾄ. ､. . .､{. .|
　　 |. . . . | ｲ. r. ´. o. . _._ ｣. . . . . .i.|. . . . .'ﾄ､. . ≧､ |
　　 |. . . . .!.i. .レ. t. ‐7. . . | . . . . . |.| . . . . i. . ｀r=t.ﾍ
　　 |. . . . .i.',. .|. . {. . .i . . . ! . . . . . |.| . . . . |. . . }. . ﾊ｀


　　　　　　 __　　 _,..､-'':":￣:｀:丶､
　　 　 ,,ｨ‐{:fi|,,.＜: : : : : : : : : : : : : .ヽ
　　　〃´,≧´;,: : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ
.　　　 ,ｨ: : : : : : : : ､: : : : : : : : : : : : : : ∧
　　　 ｉ:::!: : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : .i
.　　　{::::ヽ: : : :＼: : : : ヽ: :i|: : : : : : : : : : |
　　　 ';::::::ヽ､: : : :＼: : : :〉:∨- ､: : : : i: : |
　　　　',i:::::::＞ﾐ≡=-‐='∨∧､ i.}: : : :|: : !　　 ｀Y:.､_
　　　　 ヾｰ＼　ｨﾗiヽ ／ ∨∧_人: : : ヽ; 〉_　　 ∨:ﾘ
.　　　　〃/`iｨv‐ヾ! '´　　 ヽ∧　 ヽ:≦-{: : ｿ=Y: ﾂ
　　　 / ヽ!_/ﾘУｰ′　　　　∨}　 ∧ヽ　￣ ｰ '¨　
.　　_/　 '´　 ,ヘ __　　　　　　 ﾘ　 |
　 /｀ ､＿_,.ｲ　　 ＼　　_,,.＜　'　_卜
. /＼　　　/　　　,ィ ￣ {≠'''"￣__,,.|　　　　　　　　　　　　　　 「ええ……、で、そのボーナストラックの端唄が
/〃/ ￣/〉 　 ／ノ〃ｨｄ-‐''／＝=ミヽ
〃/〃 // -'"_,〃〃// ／,ﾉ//￣/ .く i　　　　　　　　　　　　　　　『アイドルが三味線弾くとかｗｗｗｗ』って感じで
// ,'　/ ﾘ -'"／,.'／〃/〃ﾘl/,.' / / ;'∧
/ /　i' ノ-‐〃 ／,.ィ／〃{ﾉ// / ,.' //彡　　　　　　　　　　　　　　　　ネット上で話題になって……」
　!　//-‐'''{ l {i / 〃／ i{/// / ,'〃/= ﾘ
　|レ'_,.．=∧ヽi| /,'/　/://,' / ,.'/ ノ=-ﾉ
ｰ-‐_,.．‐´　ヽiｂ{ i:l　ｉ{//,.' / ,',ｲ//:ノ/
ｰ=''　　　　　 ∨} ヽ∨// / ﾉ/ｿ/::ﾉ./
　　　　　　　　 }i| ｉ∨//, ' 〃 ,'/.:,' /


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394： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:04:28 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　 .｡＜/＜二≧s。_
　　　　　　　　　　　　　／ゝ＜　　　　 }＜ﾆ＼
.　　　　 　 　 　 ＿__／　 /　 ｌ　　　　 ,　 ＼　＞｡.
　　　　　　　　　|　 |　 　 i|　　,　　　　八　　}　　　}_
　　　　　　　　　|　 |　 　 i|　 八　 　 ,　 }　 ｉ|　　　| |
　　　　　　　　　|　 |　 　 i|,　‐ ∧　/ -/ミｔ､,　　　,
.　　　　　　　 　 ,　 ,　 　 ,x芹笊 ∨　 ,ｨぅ笊}　　 ,　}
　　　　　　　　　 ，　，　 ゝ乂ソ　　 　 乂ソ/ 　 /
　　　　　　　　　　', 八　　 ,^¨^　　,　　^¨^ ,　　/ 　 }
　　　　　　　 　 　 ﾄ　　､ 分　 　　。　　　/　 ｨ∧77,
　　　　　　　　　　 V‘， ＼{　　　　　　　/ ／ !/∧〈 ,　　　　　　　「売れたんでありますか」
　　　　　　　　　 /　〈ﾍ {　 |　　{≧=≦},／|　 {∨,/
　　　　 　 　 　 /　　 ^　 　|　}/　/ ∨∧　　 i|　^　 ∧
　　 　 　 　 　 ,　　 ‐=ﾆ二,　/=‐‐{_}‐=≦ﾊ　 {≧=‐　　,
　　　　　　　 /　/二二二/ /二二二二二∧ ∨二二ﾊ
　　 　 　 　 /　 {ニ二二/ /´ 　 ) {　　/ 7　∨ ,二ニﾆ,}　,
.　　　　　　　 　 ﾏ二二/ /‐=/爪(廴　〜‐=∧ ∨二ニ,　 ，
　　　　　 /　　　_∨^ 〃 ‐‐,/⌒^ﾏ}r＜　　　　ヽ‘＜ﾆ/
　　　 　 ,　　／／{　 /ィi　　{　　 /　 　 ヽ　　　 ∨〈　　〉　 ‘，
　　　　 　 __) /　　' /{　 廴 ゝ　 ,　　　 　 〉　　　 }　∨/ ^ヽ　 ,
　　　 / /　 ∨　　 ,　V　　　ヽ 　 ＼　 ／⌒^}　 ﾉ,　 ∨ 　 / 　 、
.　　 /　 )⌒/ ＼ / / ,　　　　/ 　 　 ヽ 　 　 ｉ}イ　}　　∨^　}　　 ,
.　　　　 ＼〈　　 / /　{ 　 　 ,′　　 　 ﾊ---,/　　i|　 　 ,＿/　　　 ,



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-､．
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.．-‐‐‐-=､_ヽ.Y
.　　　　　　　　　　　 　 　 ,ｨ "´.: : : : : : : : : .｀斗．__
　　　　　　　　　　　　　／.: : : : : : : : : : :／: : : : ´≦ﾐヽ
.　　　　　　　　　　　　/:::::: : : : : :,/: : ／: : : : : : : : : :ヽ 〉　　　　　　「売れたんでありますよ」
　　　　　 ｨ　　　　　 /::, -､/, '"`ミ,∠. : : : :／,'ﾞ!,､ : : :.',
.　 　 {ﾞ'´/　　　　　 ｊ:::,'ｨ冫人 ､＿ ｀ ､≧'´／ /'/.: : : : }
　　　 '､,{　　　　　 /.:∧/.,' 　 ''r‐f矜　ﾞ´　　, ' /: : : :.∨
　　　　 Y７=､ｨﾆY.::::::〃/　　　 '､.｀´ヽ　 　ゝ､ 'く: : : :/
　　　　　¨｀‐'ｰ-‐'丶i' /i　　　　　`'ｰ'ヽr‐ヌi, ｀}´: :／　　　　　　　　　　「あの社長の得意げな黒井ばりの高笑いときたら……」
.　　　　　 　 　 　 　 |'｀'}　　　　　__　　'ヽﾞﾟｨｯ '"‐´
　　　　　　　　　　　 〃,'　　　 　 ｀ｰ'　　 `/´
　　　　　　　　　　　 ,ｨﾉ　 　 =､_＿__ .．イ
　　　　　　 __,, ．-‐ﾉ ＼_　__,,.. ｨ丁.}''′　　　　＼ -､
　　　　 ／, ', ∨/〃〃 ､_i__　／´≦､,.．彳　　　 （__丿
.　　　 // i ｨ // / 〃/ ,'oi | i　| l| /／ミく
　　　 {ｌ| |　l// / /　/ /　,!/ l l| |i ヽヽ } il ヽ
　　　 川|　{/ / /　/ i' oi/　{　l| }　ｌﾉﾉ/ i} |i }
.　　 /〃i　{　{　li　i　i| 〃ｲ {i　| ｌ} }〉,/ 〃 |/


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395： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:04:48 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　 まぁ勿論そのCDは全体的に.　　 `､
　　　ｌ:ｉ:f:|i|!「¨＝- _.　　 　 　 /　　　　　　 　 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　|i:i:i:|i|!|￣　 　- ＝-　_....{　　　　 　 出来も良かったですから 　 　 　 　 }
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 ￣¨. 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 /
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 ` ､....　　　売れたんですけどね　　 　 　 ／
　　　|i:i:i:|i|!|　 　 　 　 　 　 　 　 　 `　　─----------------------　´
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿　　＿＿＿　　＿　　　　＿＿
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!　　　　　　　　　　　 ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!　　　　　　　　 　 ／　　　　　　 　 　　　 　　　　　　 　 　　　　 　 　 　 　 `､
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　 　 　 　 　 　 　 |!　　　　　　　　　　 　 そして、今から見てもらうのが　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　|i:i:i:|i|!|　　　　　　　　　 _ -=≦=¨.　　　　　　 　 　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　|i:i:i:|i|!|　　　_ ...rif≦ﾆ三f￣￣￣￣￣￣ 二l. 　 　 CSA（チャーザー村スーパーアリーナ）での2Dayライブ。 |
　　　lｊ:i:i:|i|!|i:f:「i:i:　rfﾆ|三≧三ﾆ=-¨　　 _　- ¨　:|....　　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　_ ¨ ≦=ニ三三こ三ﾆ- ¨　　　_..　‐―――┤..　　|....現在のファンの殆どはこの前後にあずささんに.　　　　 i
-=　¨　 '＝＝＝＝＝＝　　　_　- ¨　　　　　_ .-¨|....　　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　_ -¨　　　 　 　 _ -¨　　 ｊ.　 　 ヽ.....興味を持ち始めたものと考えられます.　　 　 　 　 　 /
＿＿＿＿＿_　　　_ - ¨　　　　　　　_ -¨ ￣￣_-. 　 　 　 ` ､　　　　　　　　　 　 　　　 　　　　　 　　　　　　 　 　 ／
　　　　　　 　 | r　　　　　　　　　_ -¨　　　　_-¨　　　 　 　 　 `　　─--　------　　　------　--　　　　　-　´
　　　　　　 　 | |　　　　　　　_ -¨　　　　 _-¨
　　　　　　 　 | |　　　 　 _ -¨　　　　　_-¨
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　　　　　　 　 |　_ -¨　　　　　 _ -¨
　　　　　　 　 | f　　　 　 　 _.-¨
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　　　　　　 　 | ¨_ ¨
　　　 　 　 　 ｊ_-
￣￣￣￣￣


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396： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:05:00 ID:vmPyY7jQ



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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　 __　　 _,...,_　　　　　　　 　　　　j|
　　　　　　　　　　　　　　,r'=:､;':v',rｰ=:j　　 　 　 　 　＿,.+' 　ヽ､___
　　　　　　　　　　　　　　　　　'ljl! _,.｡-:ｰ:-.-.､._ 　 　 　 ＼　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　_,｡-'":.:.:.:.:.:.:.:.:.-=:､,ﾐ':..､ 　　　Ｖ
　　　　　ヽ..､,　　　　,　 _,..r'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.:.ヽﾐｪ.j.　　　|!
　　　　　　 ':,:.:ヽ、 /|,r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､:＼:.:.:.:.::.:ヽ、　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
　　＿＿___　':,:.:.:.Y:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.::i;.:.:r､:.:.:.:.／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　^'‐-､:_:.:｀::'l:.:.:j:.:.:j-:‐:,ｧ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.::l^ヽj^'ヘ,　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
　　　　　 _ヽ;.::.!:.:.:.:.:.:.:.く~:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;:.:.:.:j　:　≡ j、　　　　　　　　　　　　　　 　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
　　　　-=-､:j:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀'^ヽr'^'ー '　＼　　　　　　　　　　　　　　 （　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）
　　　　　　　｀i;.:.:.:_,rヘ:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.:.rｰﾍ;.:.:.:.:.:',　　　　　　'､　　　　　　　　　　　　 　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　　　 　 ':,r'"　　 );人　:.:.:.:.:.:.':、　':,:.:.:.:.': 　　_　　　ﾉ　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~
　　　　　　　　 ヽ.__,.ィ'":.::.:.）:.:.:.:.:.:.:.:.':.　 ヽ:.:.:.:';　（ ｀':,／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｰ'
　　　　　　　　　　　｀'ーr':"〉:.:.:.:.:.:.:.:.::〉ー'^':,:.:.:', _,.｡　　　　　　____
　　　　　　　　　　　　　_ﾌ'"^ヽ、:_,.r'"　 _,.｡-ヽ;.:'、,rｸっ　　 / 　 | ｀
　　　　　　　　　　 _,ィ'三ミ'=‐ｪｪ':=ｪ､,r'~l　ヽ.,rヘ;':, 'ﾉｿ　　 | 　ｰ|-
　　　　　　　　 ,.r'"三三三三三三三ﾐ:、! 　 l'　　｀' ノ.　 　 l,　(^jｰ
　　　　　 　 ／三三三三三三三三三ﾐ:､':__,rー-ｖ'^
　　　　　 ,r'三三三三三三三三三三三:ｪ. |三三ミi　　　　／＼
.　 　 　 ,/三三三三三三三三;.三三三三＼三三=l　　 　　　　 ＼
　　　　/三三三三三三三三ﾆミ、三三三三＼三=|　　　　　)
　　　 ,'三三三三三三三三三三＼ﾐ三三三三'ｪ､=l　　　 　(
　　　,'三三三三三三三三三三三j^ヽf三三三三ミ!　　　　 )
　　　l三三三三三三三三三三ノ　　　 ＼三三三=l　　　　 l:
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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397： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:05:23 ID:vmPyY7jQ
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;;;;;;ﾞ｛　　♪川風につい誘われて　涼み船......　｝, '　　..:,;;;;:.:..　　　　　　　　　　:.:.:....　 　 ヽ
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;;;;;;;;;;;;;;;;;: : : : : ::;+:::::::::::::::: :....../♪文句もいつか口舌して 　 ヽ､ ,,,,,_____,,,,...　 ''"ﾞ: :
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ...　　　粋な簾の風の音に　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　` ､　　　　　　　　 　 　 　 ／ . ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `　　─--------　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　♪漏れてきこゆる忍び駒　　 　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {..　　　　　粋な世界に照る月の 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ` ､.　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　　─-----------------　´


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398： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:05:40 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　 ♪中を流るる　隅田川――....　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　／ ￣￣　ヽ　　　　　　　　` ､　　　　　　　　　　 　 　 　 -‐‐‐-
　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 　 ヽ　　　 .　　　　　`　　─------------,′　　　　ヽ
　　　　　　　　　　|　　　　　 　　　|　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i　 　 と　　 }
　　　　　　　　　　j　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ､　　　　　ﾉ
　　　　　　 _,.-＜ﾞ_‐-､ i　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐---‐
　　　　 _／　　　 ,.-｀''｀ヾ. 　　/
　　　／/　　　 ,/　 ／￣ヽ_ ノ
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　|　 l　　　　　 /　/　　　〉!
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　　　　 |: : : : : :.ﾚ: :l: : : : : : : |　　　　　　 　 　 ､｀¨¨ﾞｲ : : : : : ,ｲ: :!
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399： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:05:56 ID:vmPyY7jQ


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　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
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.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !　　　　　　　　　　　「お兄ちゃんが歌うのを聞いたの、何年ぶりかしら」
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
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　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



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　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　' ､
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　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 　　;　 　 `
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.　　　　 　 　 '. 　 　　　　　`ｰ--　´`ｰy'
　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
　　　　　　＿_ﾉ　 　　＼　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　「そうか？」
　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ
　　　　///////////,｀/＜// 丿
.　　　////////////////////ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「まぁ――そうか」
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
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　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ


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400： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:06:08 ID:vmPyY7jQ



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　／⌒ヽ　＿,.r‐＜＼::ヾ⌒ヽ、_
.　　　　 　 / /￣＞｀／⌒::::::::＼:｀ヽ:＼:::::::＼
　　　　　 / /　 /:::::ｒ、:::::::.:.:.:.:.:.:::弋;;_ヾ::）:::::::::ヽ
. 　　　　 i　!　 ,'::::ヽ}::＼:::::ヽ::::::::::::::::（::::Ｙ:）、::::::':,
.　　　　　| i　 ,':::r'｀~´~｀＼::::ヽ:::::::::::::::Ｙ:ヽ::ﾉ!::::::::i
.　　　　　| !　i:::::l　 　 　 　 ヽ:::ヽ:::::::::::::ＹＶ〈∧::::::|>ー､
.　　　　　l !　|:::::!　　　　z==-i:::::l:::::::::::i:::ト<::ヽ）::::}　　 {
.　　　　　|!　 !:::::Ｙミ、 　 ,乍ﾖ!::::i:::::::::::|:::l i }::〈:ヽｲ ＿ノ
.　　　　 　 　 !:::::::!.{fｊ　　　ゞｿ::;ｲ:::::::::::l:::jYﾉ＼ヾ::〉´〈
.　　　　 　 　 l::::::::l　ﾉ　　 　 }'　l::::::::::::::::!´:::::::::Ｙヽ_ノ
.　　　　　　　 ';:::::::', ｀　 　 　 　 !:::::::::/;ｲ:::::::::::i::ﾄノ
.　　　　　　　　ヽ::::ヽ、ｰ ' 　 　 l:::::::///::::::::::: !:|
.　 　 　　　　 　 ヽ:::!:::i. 、　 　 ﾉ:／i//:::::::::::/:|:|
　　　　　　　　　　ヽ!V　 }ＴＴ「 ´　　/ :::::::::/::::!:l　　　　　　　　　「子供の頃にはよく並んで
.　　　　　　　 　 　 　 　 l::i:::::!　 　 /:::::::／:!::/:::l
　　　　　　　　　 　 _,.r-j/:::/　 　 ,':::::::/_＞-､:::::',　　　　　　　　　お婆ちゃんから稽古を受けてたわね、
　　　　　　 　 　 ／/／::／　 ´　,'::::::/::.::.::.::.::. ヽ::',
　　　　　　　　 //／:∠>ｭ<ｦ==/!::::::i::.::.::.::.::.::.:　i:::i　　　　　　　　　　懐かしいわ」
　　　　　　　　ｉ／／*ﾟ〈∧〉:ﾟ／::.i:::::::!::.::.::.::.::.::.::. l:::l
.　　　　　 　 〃´＿ﾟ:｡:*:ﾟ｡／::.::.::.V::::|::.::.::.::.::.::.::. j:::|


　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :u : : : : : .,　　 　 　 　 　 :|
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|　　　　　　　　　　　「孫にも容赦なしのスパルタババァだったよな」
　　　　　|::::;;;（　 ●） ﾉヽ （　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|


.

401： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:06:19 ID:vmPyY7jQ



　　　「お兄ちゃんは今でもお稽古してるの？」

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いや。こっちに来てからは全然だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　稽古する暇もないからもうろくに弾けねえよ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ 　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　　（ ―）　 λ　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ__|　　　 　　（__人）　　ヽ　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,/　　　｀ ＜　 　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／---‐――--.､ゝ＼　 ノ　　　」-‐＞ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　 ヽ.　　,　, .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　 ヽ　　　　 l｀ / / /!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 ./　　　　＿ __ヽ-､　　 !/. ,'　l　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼ ＜　　　'　l



.

402： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:06:37 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼
　　 　 　 　 　 　 |(⌒.) (⌒ )　　 |
　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　「あずさは？」
　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
　　　　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　　　 i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
　　　　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
　　　　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
　　　　 | : : :./ : : : : : : : : : : : : :／ :Y.. : : : : : : :i
　　　　 | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : :i


　　　　　　　　　　　　　　　　,　､__
　　　　　　　　　　　　　　,イ,ヽ::::::::::-､::::`::､
　　　　　　　　　　 　 ／::|ｆ´ | |:,‐､::::::::＼::::::::
　　　　　　　　　　　　:::::::|i⌒∨彡ヽ:::::::::::ヽ:::i
　　　　　　　　　　.i:::::::::/ ! 　　　　　 .}:::::::::::::::|
　　　　　　　　　.　|::::: ｲ´`､ 　　　　　|::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 ﾚ:从ﾓﾒ)　 　 _‐-.､|:::::::::::::::|　　　　　　　　　　「私は、
　　　　　　　　　　 〉:::i　 　　　　 ﾓﾃ.)|:::::::::::::ｲ
　　　　　　　　 　./:::　 　　丶　　　　/:::::::::::/:i　　　　　　　　　　　 アイドルのお仕事でもたまに弾いたりするから、
　　　　　　　　　/:::::::∧ 　`_　-　　/:::::::::／::::|
　　　　　　　　./:::::::::::::ｒ＼___ ,　 ィ/::::／:::::::::::|　　　　　　　　　　　　自分でおさらいしてるわ」
　　　　　　　 /::::::::::::::::}i　i　i　i　イ, ｒ ､___:::::::::|
　　　　　　 ./::,::::-/⌒/　|　|　|　 | ｲ　　　 ＼:|
　　　　　　　/　 /　丿　/　i　| 　|　.|　　　　　＼
　　　　 　 /　　i ／ 　 /　 |　 |　 |　.| ヽ　 　　　＼
　　　　 ／　　丿/　　/　　| 　|　　|　i　 ＼　　
　 　 ／　　　,´ {　　 i　　　i　 |　　|　入_/:::＼
　／　　　／ {　 i　　 i　　　i　i　　i　/　/::::/　.＼, 　　＼
/　　　／　　 ` ､`　　`　　 |　|　 ´　|. /::::/　　／　　　　}
　　　　＼　　　 i　|　　|　　|　|　　ｌ　ｌ/:::/.　／　　　　／
　＼　　　＼　.　|　|　　|　　|　|　 | 　|ノ　　　　　　／
　 　＼　　　　 　|　|　　|　　|　|　|　ｙ ´　　　　イ
　　　　＼ 　 　　|　|　　|　　|　|　|　i　　 ィ ´
　　　　　 ＼　 丿 i　　i　　 i　i　i　 `､　　i


.

403： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:07:03 ID:vmPyY7jQ


　　　　「アイドルが三味線の弾き語りだもんなぁ……

　　　　　　俺もあのCD聞いたよ」


　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|


　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',　　　　　　　　　　　　「どうだった？」
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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404： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:07:17 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　,　-‐―　‐- 、
.　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　u　　　ヽ
.　　　　 　 　 　 　 ＿'　　u　　　　　　　　i
　　　　 　 　 　 < ＿　＼　　　　　　　　　 i
　 　 　 　 　 <＿＿　＼　＼　　　　　u　 i
.　　　　　　<＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/　　./
　　　　　　 └--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|　　./　　　　　　　　　　「婆ちゃんにゃ聞かせられないな。
　　　　 　 　 /　　 丶　　- 　 　 　 〉／
　　　　 ,.-／| 　 　 ( ＼　　　u　　!　　　　　　　　　　　　　　　 怒り狂って一から稽古の付け直しだ」
　　 ／ |　＼ヽ 　　 ＼_ヽ　　　　　{
￣<　　 !　　`＼　　　、ﾍ　　　u　..> 、
＿ ＼ 　 !　　　 > ー-- イ＼　　.∠／ヽヘ
!　￣￣　ヽ　／{　　)＼　|　..＼(⌒)　　 ﾉ　＼
　　　　　　 ＼　/⌒＼　〉　　　ヾ、　／　 　 　＼
　　　　　　 　 ＼　い　/　　　　＼／ ＼(
　　　　　　　　　 ＼　/　　　　 /　＼


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　 　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼
　　　　　　　　　'::::::::::::::::／　{　　⌒丶!::::::::::..
.　　　　 　 　 /::::::::::::::／　　 |　　　　　ﾏ::::::::::.
　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
　　　　　　　i::::::::::::.' `ニ､'´　　 　､　　　}::::::::::::}　　　　　　　　　　　「そう、やっぱり」
.　　　　　　　{::::::::::{ 〈 {:::ｿﾞ　　　　, ミｰ　i:::::::::::ﾘ
　　　　　　 　}:::::::::i　　　　　　　　ﾑ:ｼ 〉.':::::::::∥
.　　　　　 　/i:::::::::i　　　　　,　　　　 　/:::::::::::/
　　　　　　/::::|::::::ﾑ　　　, 　_　　　 　/:::::::::::ｲ
　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|
.　　　　 /:::::::::::{　r‐=i丶　_　　...:イ::::::::::::::::::|
　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
　 　／　　 　 　/　 i　 |　i.､.　 　 　Y　 　 　l
　 .'　　　　 　,.ｲ |　 |　 |　|ﾑ　　　　 ﾏ　　　i


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405：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/02(金) 00:07:24 ID:5CIbRcBg
ファーストが売れてセカンドがこけて､､､某ガンダム姉御のようなことがあったのか

406： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:07:30 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |　　　　　　　　　「怒るか？」
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ



　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　_
　　　　　　　　　　　　,イ: : : : _　､,: : : : : : : : ﾐ
　　　　　　　 　　 　´: : : : : :/ ヽ: : : : : : : : : : : : `
　　　　　　　 　／: : : : : : : /: ﾊ: : : : : : : ￣: : : ヾ: : : ､
　　 　 　 　 ／: : : : : : : : ::| /ミ､: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ､
　　　　　　,: : : /: : : : : : : .{:{　　 `Y"／　ヽ: : : : : : : : : : ﾑ
　　　　　/: : : : : : : : :;;;;;;/:|:|. ⌒`､}'"´⌒丶∨: : : : : : : : : ;i
.　　　　 ′: /: : : : :;;;;;;;仏|{　　　　　　　　　 ∨: ;;;: : : : : : ::|　　　　　　　　　「ううん、自分でもそう思っていたから……」
　　　 　' :　 : : : : :.;;;;;∥　{i　 　 　 　 　 　 　 i: : ;;;: : : : : : :;|
　　　　 |:　 : .: :.: : : :∥.　 |　　　　　　　　　　 |: : ;;;: : : : : : ;|
　　　　 {:　　: : : .:::{: {　＿　　　　　　　,　-＝-} il:;;;;l : : : : : |
　　 　　i:　　: : : : .i: :i'´　￣ `　　　 　 　 　 　 ﾘ.| :;;l: : : : : :;i
　　　　 |:　　: : : : l: :|.　　　_　 　 　 　 　 　 　 　 |:;;l : : : : : ;i
　　 　　i:　　: : :;;;;i: l　 ｨ三､`　　　　　'´ ,ｨ＝ﾐ､　ﾘ}: : : : : : i|
　　　　八　: : ;;;; i |:k'仏 　 }　　 　　　 　 iし　}ヾ､. }: : : : : |;;l
　　 　,: : 　　 : :;;;i ;;i{　夊歹　　 　 　　　　ﾏ夊　}｝ |: : : : l |;;|
　 　 /: : :;;;;l : : :;;;;.|i 　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : l :|;|
.　　 {: : : ;;;;;l : : :;;;;|　 _　　　　　　　i〉 　 　 　 　 　 ﾑ: : : l : i|
.　　 |: : : :;;;;l : : :;;;;ﾄ､ | .） 　　　　 　 　 　 　 　 　 ./: : : /ﾋ=‐- ､_
. ,イﾁﾄ､￣仏: : :;;;;;| `i　i　　　 　 　 　 　 　 　 　 / }: : ∥　　 ／ ﾐ､
/　　　 ム　 {: : : ;;:|　{　 ､　 　　-‐　､　 　　　／ 　|: /　　／ 　 　 ﾑ
　　　　　 ﾑ. |: : : :;;|　ヽ､ ＼ 　 　 　 　 　 ,ｨｆ´|　　 |/　　/　　　 　　 }
　　　　　　　 iﾙi: : ﾘ､　　　　丶､ 　_ 　,ｨ彡 } ∥　　'　　/　　　　　　 .{
　　　　 　 　 　 乂　 ＼　　　　　`ﾞY'´　　 / /　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 　 i'"´　/ /　　　　/　　　　　　　 ∥
　　　　　　　　　　　　　　　｝⌒ 　 　i 　 / /　　　　ﾑ　　　　　 　　ﾉi


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407： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:07:57 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だがまぁ、その次の舞台で演ったのはまぁまぁ聞けたよ」

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　　　　　　　　　　　　＿__,ｒ――‐-: : .
　　　　　　　　　　　 ／.: : : : : : : : : : : : : : .､
.　　　　　　　　　　 /: : : : : : : :／￣: : : : : : :＞'⌒＼
.　　　　　 　 　 　 ,': : : : : : :／: : : : : : : ／}: : : : ヽ　 ヽ
.　　　 　 　 　 　 ,': : : : : : /: : : : : : : ／｀＾`''＜!: : ',
　　　　　　　　　,' : : : : : /: : : : : : ／　　　　　│: : ',
　　　　　　　　 ,': : : : : :/: : : : :.／＝=､ 　 ＿　|: : : :i
　　 　 　 　 　 l: : : : : /|: : : :,斗≦ミ　　　,￣ヽ|: : : :|
.　　　　　　 　 l: : : : ∧ｊ: :.:,ｲ:.:仭ﾘ　　　　伝z､ｊ: : :.: |　　　　　　　　　「本当？頑張ってお稽古し直したのよ」
.　　　 　 　 　 l: : :/: : : : ://!://),,　 　 　 ヒﾉ ｲ.: : : :!
　　　　　　　　|: :/: : : : :/〈 l/ ! l　 　 　 '　,,,ｲ |: /:.:/
　　　　　　 　 |:/: : ／: ﾊヽ `┘|　` ―'　,.ｲﾉ(ﾞY: :/
　　　 　 　 　 |: :／-ヽ:トヽ.　　 ﾄ､＿_ ／Yﾞ　ﾉ } /
.　　　　　　　/イ　　 　 ＼ヽ 　 ヽ{､＞{　　　 ,ｲ/
. 　 　 　 　 /: :.|　 　 、　　ヽ〉―､）、 ヽ　　ｲ⌒ヽ
　 　 　 　 /: : : !　　　ヽ 　ｒにﾐヽ 〉 ＼r}＿_ﾊ 　 i
.　　　　　,': : : : l　　 　 l 　ﾄ､.　＼!(⌒({　に) }）　|
.　　　　 ,': : :/!: l　　 　 l√∨＼　ﾄ､二ヘ.＿∧.　|
.　 　 　 : : :/ l: :l　　 　 l○/　 ∧ﾉ: : : : : :.＼　ヽ |
.　 　 　 : : {　|: :|　　 　 l７　　/¨´: : : : : j: : : ）　 ヽ


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408： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:08:12 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !　　　　　　　　　「あぁ、ただ、不満もあったけどな」
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !


　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j　　　　　　　　　　「どこがだめだった？」
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


.

409： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:08:27 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
. ／ 　 　 　 あんなだだっ広い場所じゃ　　 `､
./　　　　　　 　 　 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
.{　　　 　 　 いかにも野暮だろ、　 　 　 　 　 　 }　　　＿
.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 　 　 /　ヽ､__　　ヽ
.　 ` ､..　　　常識的に考えて.　　 　 　 　 　 ／. ノ'ﾍ_ﾉ　　　　}
..　　　`　　─----------------------　´　　 ｿ　　)　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {-'￣　 　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀｀　　 __/_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ=ｭﾍ￣　-‐≧‐-､_　　　　　　 ＿＿＿＿　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿..ノrﾉ　У´ : : : : : : : : :`. ,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ : :／;;;/＞´ : : : : : : : ／..／　　　　　　 　 　 　 　 　　　　 　 　 　 　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／/:/;;;;;／ .: : : : : : : : :/ : : ,./......二人きりで。　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ :ﾚ:/;;;／ : : : : : : : : : :|:/ : : :,..i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　,.. ‐- ､　　　__、＜ヽ :ノ i／ : : : : : : : : : :ヽL{.._／ _,|　　お互いの肩が触れるくらいの狭い部屋.　 |
　　　　　　　　／ : : : : : : :＼/ : : : :i :./ : : : : : : : : : : : : : : : .:.(, ‐'´. :.ﾞ{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : :＼､ : :|./ : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.} : : : :..|　　猪口を傾けながら聞く　　　　　　　 　 　 　 i
　　　　　,-'´,' : : : : : : : ､ : : : : :＼､fZ二--- :､_:_:_:_: :`－､ : :.:.ヽ.:_,､ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　 ／ : : : : : : : : : : :)ヽ h : : : :｀キ-- : : : : : : : : `＝-､ヽ.:.:.f-‐‐‐. ヽ.　――あれはそういう芸だよ.　　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ` ､　　　　　　　　　 　 　 　　　　　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 `　　─--------　　　---------　´

.　　　　　　　 　 ,.へ.　　 ＿__
.　　　　 　 　 ／　 __＼/.: : : : : .､
　　　　　　　 {　／: :厂∨へ、: : :＼
　　　　　　　 ×: : :/＞┴''¨¨ヽ: : : :.ヽ
　　 　 　 　 /: : : :,'´　　　 　 　 ヽ : : : ヽ
. 　 　 　 　 l: : : :.:l　＿_　 　 ｚ=＝ヽ: : : :':,　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿＿
　　　　　　 ｌ: : : :.:|'´￣｀　　　 彡ﾆ､}: : : :.:',　　　　　　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　 |: : : :.:ｌ. ,ｲ崇　　　　佖j 〉:i : : : !.　 　 　 　 　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　　`､
　　　　　　 |: : : : :.〈 弋ﾘ　　　　`¨´ ^!: : : :ﾄ､.　　　　 　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
.　　　 　 　 !: : : : :ヽ 　 　 　' 　 　 　 |/!: : l:∧　　　　　 {　　あら、お兄ちゃんたら 　 　 }
.　　　 　 　 |: : : : : ﾄゝ　　　,.-- ､　　 /|: : :!/∧ 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
.　　　　　　 |: : : : : ﾄ､.　 　 ｈ　r┴､ //|: :/://∧.　　 　 　 ` ､　　　　　　　　 　 　 　 ／
　　 　 　 　 |: : ∧ :Ｖ:＞r､ | !-//〉.∨/!://///∧　　　　　 　 `　　─---------　´
　　　　　 　 |: //∧: Ｖ:/! リ |//∧ヽVﾄ＜⌒ヽ/∧
　　　　　　　|/:ｲ￣＼＞l　　　　{／ﾉ ｌｊ　 　 　 ∨∧
　　　　　 　 ｊ//!　 ､　　/　　　　／　 | 　 　 j　 ∨∧
　　　　　　 ///l　　 ヽ/　　　／l　 　 |―‐ :く　　 !/∧
　　　 　 　 |//∧　　,ｲ＿＿ｲﾐ=ゝ、　厂）.: :.:ヽ.　|/ﾄﾍ!
　　　　　　 |/l/∧　 { |'⌒ヽ ﾄ､:.∠ｊ／／} : : : :.i　|/|　ｊ
　　　 　 　 ｊ! ∨∧.　`!､＿ﾉ !ﾉ: :>z彡　人: : : ﾉ　|/|
　　　　　 　 　 Ｖ∧ 　`「￣¨ｌ: :.:.＼__／　 ヽｒ'　　j/ｊ
.　　　　　　　 　 V∧　 |　　 |: . : ::::::＼ 　 　ヽ

.

410： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:08:40 ID:vmPyY7jQ


　　　　 ｆ` ｒ-‐─‐ ‐....､
　　　 ,ｨヽ ヾ:::::..＿.::::::::....ヽ
　　 /..::::::∧∨,　-‐ ヽ.:::::::...＼
　 /....::::::::レ}ﾉ　　　　　 ヽ:::::::.....
　i.....::::::::::|　　 　　 　　,. -‐ Y:::..ヽ
　|....:::::::::::|　　　　　　　　___､∨::...}
　| ...::::::::::i　, '´　 　　　'´　 ゛ ∨::.|
　::....::::::::::Y´　, =､ 　　　 　　　∨..ﾄ､
　 .∨...:::::∧. ´　　　　　'　　 　 }::::|..ヽ
　　 ∨..:::::::::ヽ　　　　.__ 　'　　/N.......∧　　　　　　　　　　「でも――褒めてくれてるのよね、ありがとうございます」
　　　`Y......:::::::::ゝ.　　　　　　ム-､::::....∧
　　　　|..::ヾ..:::::::::＞‐----ィ__ﾉ. {:::::::::...∧
　　 .　 |..:::::::::::＞ {` i￣i￣i￣i　i Ｌ＿,､_∧
　 　 　 |.:::::::::::::::::_,}　i　 i　 i　 i　ヽ　　ﾄ､`ヽ
　　　　 |...::::::::::,イ´_　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ
　 　 　 .|...::::::/　　 `Y　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ 八　 ＼
　　　　 .|...::::i　　　　 ＼　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ 　＼
　　　 　 |....八　　　　 　＼　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ　ヽ.　＼
　　　　　|...::::::ヽ.　　　　　 ＼　;;:　 i　　i　　i　 i:::;} 　　＼
　　　 　 .|.....::::::::| ＼　　　　　＼::::ﾉ:::::ﾉ:::::ﾉ:::::ﾉＸ　 　　　＼
　　 　 　 |....:::::::::ヽ　＼　　　　　＼.....i.......i.....i...{ 　＼.　　　　＼
　　　　　 |......::::::::::::ヽ　＼　　　　　＼i　　i　 i |　 　 丶 　　　　ヽ
　　 　 　 .|......::::::::::::::::ヾ i ＼　　　　　＼　i　i |　　 　　ゝ　　　　 ＼
　 　 　 　 |.......::::::::::::::::::.} i　i ＼　　　　　＼ i |　　.　 　　 ＼　　　　＼
　　　　　　|.......:::::::::::::::::ﾉ i　i　i ＼.　　　　　`Y　　.　　 　　　＼　　　　＼



　　　　　　 ─- 、
　　　　　/　　　　ヽ
　　　　　|　　　　　 |
　　　　　|　　　　　 |
　　　　　|　　　ｭﾆﾆヽ､
　　　　　 ヽ/ : : : : ＼:＼
　　 　 　　 i : : : : : : : ﾍ :.ヽ　　　　　　　　　　　　　「最近じゃ、腕だけじゃなくて耳も萎えてきててな」
　　　　　　 ', : : : : : : : : ', : :'.,
　　　　　　　', : : : :.＼ : i : : :.'.,
.　　　　　 　 i:', : : : : : ヽﾄ､ : : :',
.　　　　　　　iﾊ : : : : : : |: ', : : :.',
　　　　　　　ﾘ.:i: : : : : : :! : : : : : ﾄ､
　　　　　 　 i : !: : : : : : :|: : : : : : i:.',
　　 　 　 　 i : :i: : : : : : :|: : : : : : | :.',
　　 　 　 　 i : :r : : : : :丿 : : : : : | : :',
　　　 　 　 ,' :.7 : : : : : / : : : : : : |: : :i
　 　 　 　 / :/ : : : : : / : : : : : : : i : : i


.

411： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:08:55 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／　　　　　　　　　　「もう、せっかく喜んでたのに」
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :　: : : : : .,　　 　 　 　 　 :|　　　　　　　　　　「おだてと弔い籠には乗るな、爺さんがよく言ってただろ？」
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|
　　　　　|::::;;;（　 ⌒） ﾉヽ （　⌒ ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|


.

412： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:09:08 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　「本当いじわるね、お兄ちゃん。

　　　　　　　　　　　　　　　私いじめられてばっかりじゃない」



　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::i　 ／::／　　ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　.イ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /::::,ヘ:::::::ﾚ::::,イ-､　　　 ヾ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : :./::::/　　卞ノ ´:::::::ハ　　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :／ : : : : : : : : : : : : : : :/::::,ヘミ　 ﾚ´￣ ﾍ:::::::i
　　　　　　　　　　　 / : : : : : : : : : : : {: : : : : : : : : : : : : : : :ｲ::/　　　　　⌒ﾏ　ﾍ:::　|
　　　　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : :.i : : : : : ::::::::::::::::::::::/-|::ｒ=＝=､　　　　 Y　i:::::::|
　　　　　　　　　　 i: : : : : : : : : : : : : :.| : : : : : :::::|;;;i:::::: / 　 |::|　　　`　　　　　ﾄ､}:::::::|
　　　　　　　　　　.|: : : : :: : : : : : : ::,ｲ: : : : : : ::::::Y::::::/　＿_|:| ヽ　　　　　ｒ=↓:::ヽ::::i
　　　　　　　　　　| : : : :/ : : : : : :/'`|: : : : : : ::::::::|//Yイ氷i ヾ　　　　　　　　ﾊ:::::::::::|
　　　　　　　　　　| : : :/::: : : : :::/　　| : : : : : ::::::::| /:ﾊ沁 /　　　　　　　-　//ﾊ:::::::::|
　　　　　　　　　　| : : :/::: : : : :∧　　 : : : : : ::::::::|:::{　`ｰ　　　　 　　 イﾃ////ヽ::::::|
　　　　　　　　　　| : :/:::::::::::///＼　 | : : : : : :::::::|: :i　　　　　　　　　i艾///////＼
　　　　　　　　　　| :/:::::::／/////.＼i : : : : : : : ::ﾄ､:|　　　　　　　　　ヾｲ////////}
　　　　　　　　　　ﾚ':::::／/////////∧ : : : :::::::::ﾄ､:{　　　　　　　　　/ i:///////八
　　　　　　　　　/:::::::////////////:::ﾊ : : : ::::::::|　`;　 . 　　 　　　　 　ﾄ/////////ヽ
　　　　　　　.　/:::::::////////////// .∨ : : :::::::| 　　　ヽ 　 　 ,　　　八//////ﾄ､///i
　　　　 　 　 /:::::／/////////////. 　 ∨ : :::::::|　 　 　　　 ￣　　／　　ヾ/////|　＼::|
　　　　　 ／:::::::/／//////ｿ - ‐ ｲ‐-　､ ∨ : : ::|　　　 　 　　　／　　　 　∨///|　　 ｿ
　　　　 /:::::::::::////////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ∨ ::::|　　　　　　　　　　　　　 ∨::::::i
　　　 /:::::::::::///////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Y∧::::|`　‐-　‐∧　　　　　　　 .∨ ﾉ
　　 /::::::::::://////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|//ヘ|///////ハ　　　　　　　　∨
　 /::::::::::://////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ﾄ､//∨//////// }　
. /::::::::::://////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| .ヾ`ｰ;;;;;;;､＿　∨
/::::::::::://////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|　　Y;;;;;;;;;;;;;;;;￣ハ



　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 -｀ 　⌒　ヽ､_　 　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ´ 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i


.

413： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:09:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　「……ま、悪かったよ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　 ／　　　 ＼-一ヽ､　＿_ｒ‐- ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／　 　__,ノ　ヽ､_,７　　　　7 } : : : :＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ─)（─)/｀ ‐　　/ /: : : : : : : : : :｀ '' ‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　（___人__）‐-─≦／.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : :丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　└‐-､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　　　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　 　|　　　　　　　__,. -＜｀丶､.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ､.,ヽ., ___ ,__ノ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:ｒ´
　　　　　　　　　　　　 　 _ ,.-=〈:.:'､`ヽ、___ 　ﾍヽ:.＼: : : : : ､: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　 _＜ : : : : ∧ :ヽ　　 /:::ヽ 　Vヽ:ﾊ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　 , -‐ '´: : : : : : : : : : :∧､　∧::::::∧ l: : ＜:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_ｒ'´
　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ／: : l Ｖ　 !::::{　｀!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_､-‐''ﾞ´
　　　　　　 ｆ : : ヽ : : : : : : : ／ : : : : l　　 l::::::i　 l: : : : : /. : : :!.:.:.:／
　　　　　　 ゝ: : : i: : : : : : :〈: : : : : : : l　　｛::::::i　!: : : : /: : : : :l／
　　　 　 　 ｊ : : : : i: : : : : : : ヽ: : : : : : ﾞ､　!:::::::ｉ l: : : :./ : : : : :!



.　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　. ': : : : : : ／::::ｒ､:::::ヽ: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
.　　 　 /: : : : : : :/´￣´　￣｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : :',
　　　 /: : : : : : :/　　　　　　 　 ';. : : : : : : : : : : : : : : :i
　 　 ,': : : : : : :/＿_　 　 　 　 　 '; : : : : : : : : : : : : : : |
　　 ,: : : : : : :/´ ￣｀ 　 　 　 ＿_.i: : : : : : : : : : : : : : :l
　　 ! : : : : : ;' ,ｨ芋示　　 　 ´￣｀|: : : : : : : : : : : : : : |
　　 i: : : : : :ｉｲハ心ｊ　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : |　　　　　　　　「うふふ」
　　 |: : : : : :!｀　 ｀¨ﾞ　　　　ｨ≧ｚ､|: : : : : : : : : : : : : : |
　　 |: : : : : :l! 　 　 ,　　　 　 ￣ヾｊ.: : : : : : ;ｨ!┐ : : : :!
　　 l : : : : : ﾊ　　　　　　 　 　 　 |: : : : : :/ ﾘ/: : : : : !
　　 |: ﾊ: : : :ｌ∧　　 ､　＿,　　 　 j : : : : /ｰ:'ﾞ: : : : : :.|
　　 |/　'; : : |　l:＼　　　　 　 　 //! : : /:.: : : : : : : : :|
　　　 　 ヽ: :|　| : : ヽ､　　　　イ:/ j: :.∧: : : : : : : : :.:|
　　　　 　 ヽ|　l: : : : :_｢ 　 　 //>/／: : ＞― ､: :/:.:|
　　　　　 　 　 l : : :__ﾄー―イ／　 > '´　 　 　 ∨.; :|
　　　　　　 　 ﾉ:ｒ‐ｲ/^j￣ ／　 ／　 　 　 　 　 ∨: |
　 　 ／ ￣￣ 7　 |｀¨ﾞ ／　 ／　　 　 {　　 　 　 l : |


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414： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:09:34 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　「そういえばあずさ、酒は飲むのか？」




　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ､'"´三二丐)
　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヾ.:::::: : :. :. /
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　};:::::: : : .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::: : : .{
　　　　　　　　　　　　　　　　　.:': : ::.:.: .　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　.:': : : :.:.:. : .　　　 ':.
　　　　　　　　　　　　　　 ／: ::::::::::.:.: .　　　　　 ':.
　　　　　　　　　　　　 　.;′:::::;;;:::::::.:.: : .　　　　　　':.
　　　　　　　　　　　　 .:': : :::::;;::::::::::.:. : : .　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　.': : ::::;;;;;:::::::::::.:.: : .　　　 　 　 　 '.
　　　　　　　　　　　　i: : :::;;;:::::::::::::::::. : : .　　　 　 　 　 :i
　　　　　　　　　　　　|: ::::::;;:::::::::::::::::::.:. : ..　　　 　 　 　 |　 　 　-‐ 　＝　‐-　 ､
　　　　　　　　　　　　{: :::::::;;;;;::::::::::::::.:.: : .　　 　 　 　 　 i　,'"　..::::::::::::::::::::::::::::: ヾヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 '.: ::::::::;;;;:::::::::::::::.:. : :.　 　 　 　 　 .' {ヾ､..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} ｝
　　　　　　　　　　　　　':.: ::::::;;;;;:::::::::::::::: :.　　　　　 　 .:'　.}ヾ` ﾐ.. 　　　　　　　　ノ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::;;;;:::::::::::::::.　 　　　　／　.　{:::::`..　　 -＝- 　　　 彡}
　　　　　　　　　　　　　　　 ヾ:::::::;;;;;;:::::::::::::::::::::: '"´　.　　 |::::::....　　　　　　　　　.::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　─--─　　　　　.　　　':.:::::...　　　　　　　　..:::::ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::....　　　　　 ..:::::イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}`::::..... ＿ 　..:::;:;彡{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `　─- -─. 　　‐'




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ううん、飲んだことないわ……

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　多分、お兄ちゃんと違ってそんなに強くないと思うし……」




.

415： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:09:49 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　「そうか」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､__　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ'ﾍ_ﾉ　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｿ　　)　　　 ,'　　　　　　　　 「まぁ酒だのタバコだの女だのは、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {-'￣　 　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀｀　　 __/_{　　　　　　　　　　 上達したからって自慢に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ=ｭﾍ￣　-‐≧‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿..ノrﾉ　У´ : : : : : : : : :`、　　　　　　なるもんじゃないしな」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ : :／;;;/＞´ : : : : : : : ／ : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／/:/;;;;;／ .: : : : : : : : :/ : : , - 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ :ﾚ:/;;;／ : : : : : : : : : :|:/ : : :, - :｀{
　　　　　　　　　　,.. ‐- ､　　　__、＜ヽ :ノ i／ : : : : : : : : : :ヽL{.._／ _,. : :i
　　　　　　　　／ : : : : : : :＼/ : : : :i :./ : : : : : : : : : : : : : : : .:.(, ‐'´. : : : :j
　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : :＼､ : :|./ : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.} : : : : : : !
　　　　　,-'´,' : : : : : : : ､ : : : : :＼､fZ二--- :､_:_:_:_: :`－､ : :.:.ヽ.:_,､ : : : !
　　　 ／ : : : : : : : : : : :)ヽ h : : : :｀キ-- : : : : : : : : `＝-､ヽ.:.:.f-‐‐‐＝ :i


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　,r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:／i:::iﾍ::::.:.:.:.:.:.:r:'::ヽ;.:.:.:.:.:.:.: .:.ヽ,　　　　　／
　　　 　 ,;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　|:.:iﾍ:ヽ::.:／::ﾆ:二:i,.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.::､
　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.｡-l:.:|^"'ｰr'"￣ 'ー-､l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、　　　￣
　 .　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./. . . l.:j　　　　　 　 . . : :'i:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.
　　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/: : :　l::l　　　　　　　　: : : i;.:;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
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416： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:10:08 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　',.:.:.:.:.:.:.i 　 ゝ_.ﾘ　　　 　 // 7'''示''ｉ.:.:..∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:i
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　　　　 　 　 i.:.:i.:.:.:.:/　_|.:,ゝ __ ,,..　''"-‐ Ｔ´ .|.:.:.:.:.:;.:.!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
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　　　　　　　 ´ !.:/　i　l' / ｀,　 -!　__!__　!-‐´.|.:.:.∧､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
.　　 　 　 　 　 ﾚ　　i/ /　/　　/　／ ／／　 |.:.∧ ヽ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　 　 　 　 　 ノ=　 /　　/　/ ／／　, -‐!/‐-｀、＼ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
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417： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:10:20 ID:vmPyY7jQ


　　　　 |　　　　　u.　　　　　　　　　　　ﾞ
　　　　 i!､　　　　　　　　　　u.　　 　 　 i
　 　 　 |! ＼　　 　i!　　　　　u.　　　　　|
　　　　 ! ､＿ヽ　 人､__,x≦_　　 u. 　 　|　　　　　　　　　　「ど、どうだ？
　　　　 ,:　￣ﾐﾍ !,彳¨弋_ソ )　 　 　 　 |
　　　　 |　 　　 i　 ｀¨ ゛ '';:.:': .　 　 u. 　 !　　　　　　　　　　　　　試しに少し飲んでみるか？」
　　　　ハ (　　 !　　　　 ､ 　: :;　　　　　,
　　　 ｒ‐ ﾍ ー　ゝ　＿__.ﾉ, ゛ 7　　　ﾘ　!
　 　 人　　｀　､- ､｀　 　 i!　 l　　 .ｲ/
　　　　ハ　　　 ｀ -.､　　 | 　 } ／ / 　{　　　　_
　　 　 l　　　　　　 　 ￣　 　 |´　/　 ≠´ ￣~　|
　　　　}　　　　　　　　　　　　i!　ﾑイ　　　　　　/
.　　　 {　　　　　　　　　 　 　 ｊ ´　　　　　　　 /
　　 　 ）　　　　　 　 　 　 　 /　　　 　 _　-―-｀ 7
　　　　ヽ_　　 　 　 　 　 　 /　　　　 〃　　　　　 {
　　 　 　 ｀ヽ　 　 　 　 　 /　　　 　´　　　 　 　　 ＼
　　　 　 ,､　 ｀l _　--　_　i!　　 ／ 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ
.　　 　 /　｀ ¨´　　　　　｀ ｰ≠
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 i!



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.r;r'"　 ｀ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,:,r'　　　　　　i;
　　　　　　　　　　　　　　　 _,....._.::｡-‐:=:､.,:'/.､..., __　　 　 l!
　　　　　　　　　　　　. ,r':.":;r:'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:':､.;r:.:.:.:.:.:｀ヽ、　 i!
　　　　　　　　 　 　,r':.:.:..／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ, l!
　　　　　　　　　　/:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,r':::::::::::'l:./:::::::::ヾ.:.:.:.:.:.:.l.
　　　　　　　　　./:.:.;r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./'"~￣｀"'=-‐'"'‐-':､:.:.:.:.i:':、
　　　　　　　　 /:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　　 ':;.:.:.;':.:.::,
　　　　　 　 　,':.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:-/、　　　　　　　　　　　 :l:.:j:.:.:.::..:.
　　　　 　 　 .l:.:.;':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;'　｀'‐-μ　　　　　　　　 l:/:.:.:.:.:.:.',
.　　　 　　 　 !:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j1:_j_,.r:-.､,　　　　　　　￣｀"l~l:.:.:.:.:.:.:.i
　　　　　　　 l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:/1:.:r::.{l^ヽ　　　　　 ,.ﾆ､.,.,_!::.;':.:.:.:.:.:.|　　　　　　　　　「……」
　　　　　　　 !:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l^' 'Cｊ.‐.j　　　　　./　r.r::v!';j:./:.:.:. .:.:.:l
　　　　　　　 i.:.:,l:.:.:.:.:.:.:.:.:l　　　￣"　　　　　l 　ヽ:ﾆ:ﾉ.,:'.j:.:.:.: :.: :l
　　 　 　　 　.!:.:.:';.:.:.:.:.:.:.::l　　　　　　　　 　　　　｀"　/ .l:.:.:.:.:.:.i:.l
　　　 　 　 　ｌ:.:.:.';:.:.:.:.:.:.:.l　　　　　　　　　 　 　 　 ノ　;i:.:.:.:.:.:.j1!
　　　　　　　 ｉ:.:.:.:.'､:.:.:.:.:.:.!　　　　　　　　 　 　　 　 　/:.:.:.:.:.:./.:i!
　　　　　　 　l:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.l　　　　　　-‐､　　　　　　/:::.:.:.:.:/:.:.:.l
　　　　　　　 !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.ｉ　　　　　　　　　　 　 _／;':.;'.:.:.;:':.:.:.:.:|
　　　　 　 　 i:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.!:. ヽ､　　　　　　　 ,. : '":r'7:.:/::/,.-‐ー- ､
　　　　　　__,|:.:.:.__:.:.:.:.:.:jヽ;::l::　　.｀' ｰ　‐'"l:.::::r-/'j::/./　　　　　　ヽ
　　　　,r'7":　　　｀' ーｧ-､ ｿﾍ　　　　　　　i;r'　　/:/'"i.　　　　　　　 :、
　　　 / .i　 :　　　　 ,rくー‐'　　　　　　　/　 jr'^ /'　　 l　　 　 　 　 　 :,
　　　,'　 !　 .　　　 /　 ｀"'ｰ-､,_　　　　　.,r'^　　　　 　 l.　　　　　　　　 :,
　　 i^:、 :　　　　　.l　　　　　 　｀" ⌒ヽ.i'　　　　　　　 j1　　　　　　　　 i


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418： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:10:34 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 ヽ
　　　.　 ,.l　　　＿丿
　　　　/ .|　 /,,;;;;;;
　　　. ゝ丿　 ＼;;,
　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　 /　　　 |
　　　　 　　＼＿／
　　　　　　　 |-┘
　　　　　 |　 |
　　　　　 L.└┐
　　　　　　　 r'´
　　　　　　 　 |
　　　..＞-..,,_/
　　　‐-..,,__
　　　　　　 .|　　　　　　　　　　　　　「ごめんなさい」
　　　　　　 .|
　　　..｀''-,,_.|
　　　　　　 ｀"''-..,,_
　　　　　　 　 　 　 ｀''-,,_
　　　　　　　　　　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　 　 _,,..-ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 .',
　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 /　　 　 　 .|
　　　　　　　　　 /　　　　　　 ヽ



　　　　　　　　　　　　　,-､
　　　　　　　　　　　　//ヽヽ
　　　　　　　　　　 　 i::|.....|::|'´ ⌒ `ヽ
　　　　　　　　　　,イ |::|:::::|::|::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　／:::::::::|::|;;;;;:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::＼
　　　　　 　 /::::::::::::::::|::l-‐─── ─∨::::::ハ　　　　　　　　　「もう……女の人といい加減な
　　　　　　/::::::::::;;;;;;/ v'　　　　　　　　 ∨;;;;;:::ﾊ
　　　　　./:::::::::;;;;;;/　　　　　　　　　　　 ∨;;;;;:::ﾊ　　　　　　　　　　　　　　おつきあいとかしたらダメよ」
　　 　　..::::::::::;;;;;;/　　　　　　　　　　　 　 ∨;;;;;:::|
　　　　 i::::::::::;;;;;;{　_＿　　,　　　　_,ｨ'⌒　　i;;;;;;:::::|
　　　　 |:::::::::;;;;;;|　 ,ｬ‐ﾐﾆ´　　　　 ｲ艾ヽ　|;;;;;;:::::.|
　　　　 |::::::::;;;;;;:| .〈弋す　　　　　　弋 ｿ 〉.|;;;;:::::::.|
　　　.　 |:::::::::::八　ミ　　　　　　　　　　　　|;;;;;;:::::::|
　　　　　ヽ:::::::::::N　　　　　　 ､　　　　　 　|:;;;;;;::::,ｲ
　　　　　　|ヽ:::::ヽ　　　　　,　-‐ ､　　　　 N::::／ :|
　　　　　　|:::::ヽ:::::＼　　 〈　　　ｿ　　　／;;;;;;::::::::::|
　　　　　　|::::;;;;;;＼::::.`ﾄ､　　ｰ　　　, ィ;;;;;;;;;;;;::::::::::|
　　　　　　|::::;;;;;;;;;;;;`ﾄ､　i`　　-　　,ｨ ﾄ､;;;;;;;;;;;:::::::::|
　　　　　　|::::;;;;;;;;;;;;;;{　＞` ￣￣￣　 〈;;;;;;;;;;;;;;;:::::.|
　　　　　　|::::;;;;;;;;;;;;;:| ,ゝ　　　　　　　　 ＼;;;;;;;;;:::::.|



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419： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:10:59 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 　 　 ￣　　 ､
　 　 　 　 　 　 ´　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　 　 /　　　　　　　　　 　 　 　 ノヾ
　　　　'　　　　　　　　　　　　ー ´　　ヽ
　　　 l　　　　　　　　　　　　　　/ .,.....､ヽ
.　　　l　　　　　　　　　　　　　　l　{::::::}　l
.　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　　「――わかったよ。あずさがそういうなら」
　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::,イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　 ／::／　　ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　.イ:::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::,ヘ:::::::ﾚ::::,イ-､　　　 ヾ
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::/　　卞ノ ´:::::::ハ　　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::,ヘミ　 ﾚ´￣ ﾍ:::::::i
　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::;{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｲ::/　　　　　⌒ﾏ　ﾍ:::　|
　　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　|::　　　　　　　　 Y　i:::::::|　　　　　　「お兄ちゃんのことだから、
　　　　　　　　　　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::|;;;i:::::: /.　　|::i　　ノ　　　　　　ﾄ､}:::::::|
　　　　　　　　　　.|:::::::::::::::::::::::::::::::::,ｲ::::::::::::::::::::::Y::::::/.-‐ニ|:|─´ 　　　i 　　　}:::ヽ::::i　　　　　　　 別にだましておつきあい
　　　　　　　　　　|:::::::::::/::::::::::::::::/'`|::::::::::::::::::::::::|//Yイ氷i ヾ　　 　　　ヽ　　ﾊ:::::::::::|
　　　　　　　　　　|:::::::::/:::::::::::::::/　　|:::::::::::::::::::::::| /:ﾊ沁 /　　　　　　　　 ｰ//ﾊ:::::::::|　　　　　　　　 してたりはしないでしょうけど……
　　　　　　　　　　|:::::::/:::::::::::::∧　　 |:::::::::::::::::::::::|:::{　`ｰ　　　　 　　 イﾃ////∧.::::::|
　　　　　　　　　　|:::::/:::::::::::///＼　 |:::::::::::::::::::::::|:..i　　　　　　　　　i艾///////＼　　　　　　　　　　 これからは、わた――」
　　　　　　　　　　|::::/:::::::／/////＼i:::::::::::::::::::::::ﾄ､:|　　　　　　　　　∨ｲ////////}
　　　　　　　　　　ﾚ':::::／/////////∧::::::::::::::::::::ﾄ､:{　　　　　　　　　/ i:///////八
　　　　　　　　　/:::::::////////////:::ﾊ::::::::::::::::::|　`;}　　　　　　　 　　 ﾄ/////////ヽ
　　　　　　　.　/:::::::////////////// .∨:::::::::::::::| 　　　　─　 -　 　 八//////ﾄ､///i
　　　　 　 　 /:::::／/////////////. 　 ∨:::::::::::::|.　　　　　ｰ　　　／　　ヾ/////|　＼::|
　　　　　 ／:::::::/／//////ｿ - ‐ ｲ‐-　､ ∨:::::::::::|.　　　　　　　／　　　 　∨///|　　 ｿ
　　　　 /:::::::::::////////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ∨::::::::|　　　　　　　　　　　　　 ∨::::::i
　　　 /:::::::::::///////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Y∧::::::|`　‐-　‐∧　　　　　　　 .∨ ﾉ
　　 /::::::::::://////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|//ヘ::|///////ハ　　　　　　　　∨
　 /::::::::::://////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ﾄ､//∨//////// }　
. /::::::::::://////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| .ヾ`ｰ;;;;;;;､＿　∨


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420： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:11:24 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　／ ￣￣　ヽ
　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　|　　　　　 　　　|
　　　　　　　　　　j　　　　　　　　/
　　　　　　 _,.-＜ﾞ_‐-､ i　　　　 /
　　　　 _／　　　 ,.-｀''｀ヾ. 　　/
　　　／/　　　 ,/　 ／￣ヽ_ ノ
　　/　/　　　（　|　　/　|　|
　/　 /　　　　ヾ|／　　 ∨　　　　　　　　　「ん？」
　|　 l　　　　　 /　/　　　〉!
　　　　　　　 ::/ /　　/'´〉::|
　　　　　　　 //　　　　/:::/
　　　　　　　//　　　　/::/
　　　　　　　/ 　 　 __/:/
　　　　　　　| 　 　 彡l､!



.　　　　　　　 　 ,.へ.　　 ＿__
.　　　　 　 　 ／　 __＼/.: : : : : .､
　　　　　　　 {　／: :厂∨へ、: : :＼
　　　　　　　 ×: : :/＞┴''¨¨ヽ: : : :.ヽ.
　　 　 　 　 /: : : :,'´　　　 　 　 ヽ : : : ヽ
. 　 　 　 　 l: : : :.:l　＿_　 　 ｚ=＝ヽ: : : :':,
　　　　　　 ｌ: : : :.:|'´￣｀　　　 彡ﾆ､}: : : :.:',
　　　　　　 |: : : :.:ｌ. ,ｲ崇　　　　佖j 〉:i : : : !
　　　　　　 |: : : : :.〈 弋ﾘ　　　　`¨´ ^!: : : :ﾄ､
.　　　 　 　 !: : : : :ヽ 　 　 　' 　 　 　 |/!: : l:∧
.　　　 　 　 |: : : : : ﾄゝ　　　,.-- ､　　 /|: : :!/∧　　　　　　　　　「あ……」
.　　　　　　 |: : : : : ﾄ､.　 　 ｈ　r┴､ //|: :/://∧
　　 　 　 　 |: : ∧ :Ｖ:＞r､ | !-//〉.∨/!://///∧
　　　　　 　 |: //∧: Ｖ:/! リ |//∧ヽVﾄ＜⌒ヽ/∧
　　　　　　　|/:ｲ￣＼＞l　　　　{／ﾉ ｌｊ　 　 　 ∨∧
　　　　　 　 ｊ//!　 ､　　/　　　　／　 | 　 　 j　 ∨∧
　　　　　　 ///l　　 ヽ/　　　／l　 　 |―‐ :く　　 !/∧
　　　 　 　 |//∧　　,ｲ＿＿ｲﾐ=ゝ、　厂）.: :.:ヽ.　|/ﾄﾍ!
　　　　　　 |/l/∧　 { |'⌒ヽ ﾄ､:.∠ｊ／／} : : : :.i　|/|　ｊ
　　　 　 　 ｊ! ∨∧.　`!､＿ﾉ !ﾉ: :>z彡　人: : : ﾉ　|/|
　　　　　 　 　 Ｖ∧ 　`「￣¨ｌ: :.:.＼__／　 ヽｒ'　　j/ｊ
.　　　　　　　 　 V∧　 |　　 |: . : ::::::＼ 　 　ヽ


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421： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:11:55 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　 　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼　　　　　　　　　（いやだわ私ったら）
　　　　　　　　　'::::::::::::::::／　{　　⌒丶!::::::::::..
.　　　　 　 　 /::::::::::::::／　　 |　　　　　ﾏ::::::::::.
　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
　　　　　　　i::::::::::::.' `ニ､'´　　 　､　　　}::::::::::::}
.　　　　　　　{::::::::::{ 〈 {:::ｿﾞ　　　　, ミｰ　i:::::::::::ﾘ
　　　　　　 　}:::::::::i　,,,,,, 　　　　　ﾑ:ｼ 〉.':::::::::∥
.　　　　　 　/i:::::::::i　　　　　,　　,,,,,,, 　/:::::::::::/　　　　　　　　　（今――お兄ちゃんに
　　　　　　/::::|::::::ﾑ　　　, 　_　　　 　/:::::::::::ｲ
　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　『これからは、私がいるんだから』って……
.　　　　 /:::::::::::{　r‐=i丶　_　　...:イ::::::::::::::::::|
　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　いいそうになっちゃった）
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{　　　　　　　　　　　　　　（本当に最近、なにか変だわ、私……）
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
　 　／　　 　 　/　 i　 |　i.､.　 　 　Y　 　 　l
　 .'　　　　 　,.ｲ |　 |　 |　|ﾑ　　　　 ﾏ　　　i



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422： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:12:08 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「そ、それじゃ、

　　　　　　お兄ちゃんがせっかく言ってくれたから、

　　　　　　　　　少しお酒を頂いてみようかしら〜」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　-───＜_　　｀ヽ
　　　　　　 　　 ,　´　　　 　　　　 　 ＼ 　ﾉ
　　　　　　　　/　/　　 ／三｀Y三＼　 ＼
　　　　　　　 ,'　 ′ 　/／´ 　　 ｀ヾ|　 ヽ|
　　　　 　 　 |　 , 　　 |'＿_,ノ　　`ｰ┤　| |
　 　 　 　 　 |　 | 　　 | 　＿- 　 ,ﾆ､{ |　| |
　　　　　　　 ',　| 　｜ﾚ'´　 ｀　 　　,,V　ﾊ|
　　　　　　 　 |　',　 Ν''　　 ＿_　 　ﾉ /
　　　　　　　　|　 ＼|_`ﾆ=r ｀ﾆ´ｒ＜_V|
　　　　　　 　 | 　/´ |　ﾚﾍ　　/V |　ヽ|


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　　「え、本当か？じゃ、杯をもう一つ……」
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


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423： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:12:46 ID:vmPyY7jQ

　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／　　　　　　　　 「あら、お兄ちゃんが使ってるそれでいいわ。
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !　　　　　　　　　　　　　　　店員さんにわざわざ持ってきていただくのも気の毒だし」
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ　　　　　　　　　　　　　　「どうせ少しいただくだけだもの」
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　　　　　　「それじゃ、盃洗してと……ほら」
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



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424： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:13:00 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿＿＿
　　　　　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　　ヽ
　　 　 　 　 　 ／...　はーい、ありがとう。.`､
　　　 　 　 　 /　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　 　 　 　 { 　 　 さ、お兄ちゃん、 　 　 　 }.　　　　＿＿＿＿
　　　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,　'"´　　　　　　　　　ヽ
　　　 　 　 　 　 ` ､..注いでくださいな.　　 ／　　　　　　 　 　　 　 　　`､
.　　　　　　 　 　 　 `　　─---------　´ﾞ｛..　　　　はいはい　　　　　　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ` ､　　　　　　　　　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `　　─-------- 　　´




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿rj＿＿rj
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　"　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　/　　＼　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　/　　　　＼　　　 　゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′ 　 /　 ･ ･　　　＼　　 　゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {　　 /　　●　　　　　＼　 　}　　　にあ〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i　　　　　　　　　　 　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 夊　　　　　　　　　 　　　ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　　　　⊂⊃　　 ／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　|＿＿.　 　　　　　|__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |__ノ(　 　　　　　　　　　 ）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ￣￣￣￣￣￣￣



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425： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:13:16 ID:vmPyY7jQ


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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　 ／⌒ヽ
　　　　　　　　　　 /:/´`＼ `ー＝─--
　　　　　　　　 　 ,' /／⌒: : : : :／⌒＼　 ＼
　　　　　　　　　 ,'ｲ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　 {: : : : : /＼: :／＼: : : : : ヽ　　ﾊ
　　　　　　　　 ': : : : : :/ 　 ⌒ ⌒　.∨: : : : : : : :ﾊ　　　　 ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
　　 　 　 　 /: : : : : : /_　　　　　　 　∨.: : : : : : : :}....　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　/: : : : /. /⌒`　　 　 　 ‐‐-Y⌒Y: : : : :|　　 （　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
.　　　　　/ / 　/::::/　ｨ= ､　　　　　__　{　　|: : : : : |...　　）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
　　　　　ﾙ'ﾘ　/:::::{ 〈　｛::::i　　　　 ' ﾒ'`| 　 |: : : : : :|....　（　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）
　　　　　　 { ,':::::::/i　 　ゞ'　　　　　{:::::/.　八: : : : ::|......　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　　　 i |:::::::::::}　　　　'　　　　　ｿ 　' 　 ＼: : : |　　 ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~
　　　　　　 ﾘ{:::::::/ﾊ.　　　　　　　　/ 　 ＿≧.　＼: |　　　　　　 　 　 ｰ'
　　　　　　　 ヽ/: :::::＼　　`　-‐ ' i 　/´　　　　　`ｉ|
　　　　　　 　 /: : : ;:::::::＼　　　　　.､ {　 　/　　/ 　ﾄ､
　　　　　　　/: : : ;:::::,ｨ￣ｨ`::ｰｧ厶'´}. ＞- '-‐'､´　 ヽ ヽ
.　　　　 　 /: : : : ;:::::} 　 {{::::::::||i　　| ｛＿　　　　　　/.　 Y
　　　　　 /: : : ／:::/ 〉 　 Y　 |i.　　∨　 ￣`　　　　{　　 l
　　　　 ノ: :／:::::::／　　／　 /　　 　〉‐-　_　　　　/　　 i
.　　 ／ ／:::::::／　　／　　 /　　　　{　　　　　 　/　　　 '
　　　//:::::::::/　　／ :.　　 /　　　　　＞､─　　ノ/　 　/
.　　 {/:::::::::i.　　/ 　 :::.　/.　　　　　　　 ＼ーイ 　　 /
　　 ,':::::::::八. 　{{ 　 :::. /　　　　　　　　　　＼　　　,ｲ
.　　'::::::::::::::::＼ ヾ::　／...........　　　　　　　　 　`ミ彡'
　　{::::::::::::::::::::::〉　.i｝　　::::::::::::::::::　　　　　　　　 ／
.　　'.::::::::::::::::::,'|. 　|ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　/
　　　ヽ.:::::::::::::' ＼ij.{i　　　　　　　　　　　　 　 /
　　　　 ＼::::/　　 ! `ヾ三三三三三三三三彡
　　　　　　/　　　 '.　　　￣￣￣￣￣￣ 　/
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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426： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:13:42 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「まいったな。

　　　　　　　　　うちの家系のやつがお猪口一杯で沈没しやがるとは思いもよらなかった」


　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　__|iヾ.v ‐-　､　　　　　　　　　　　　　　　　「うふふふ」
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::ゞ::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 　 　 /:::::::::::::::_::::/ﾐ､:::::::::ヽ
.　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::'爪 　　 ﾏ:::::::},　　-　 ､
　　　　　　　　　　　　从::::i | i{-‐　　　 ｝ ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　ﾘ.::::| }八__, 　 ..::::/　　　　　　　　゛
　　　　　　　　　　　　/:::::::::{ﾘ　　　　i::::′　u.　　　　　　}
　　　　　　　　　　 　,':::::::::乂 ヘ　 　:::::{ 　　　　___ 　/　ﾉ
　　　 　 　 　 　 　 /::::ィ'´＼ 　 　 ‐-..::i　 　　 ￣`　i叉
　　　　　　　　　　/ ,ﾍ　＼　＼　＼　_∧　　　（　　 ﾉ__）
　　　　　　　　　 ,'::::i 　ヽ　ﾍ　 ﾍ　　/へ::.. 　　　￣ _ノ
　　　　　　 　 　 ':::::| 　 i＿,ｨ1ﾌﾒxイﾍ　　〉.ヽ 　　／
　　　　　　　　　 i:::::i.　ﾑ.:.:ヽ￣´　ノ.:.:{ ∨i}　　ｧ'´}ﾄ/ヽ_
　　　　　　　　　 {.::::|./.:.:.:.:ハ.....:.:/.:.:.:.:|　　 ＼∧ .i| {　　ヽ
　　　　　　　　　 |::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:∨.:.:.:|　　　 i}　∨　⌒ｰﾄ､
　　　　　　　　　 ﾙ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:`}..:.:.:.:∨ .|　　　 i|　 | ./.:.:.:.:/　ヽ
　　　　　　　　　∥.:.:.:.:.:.:.:.:.:/..:.:.:.:.:.:∨}　　 　i|　 |/.:.:.:.:∥.:.:ｿi
　　　　　　　　/i..:.:.:.:.:.:.:.:.:iム､.:.:.:.:／.:.:|　　 　i|　.}.:.:.:.:/.:.:.:.:.::::}
.　 　　 　 　 ム.::.:.:.:.:.:.:.:.:/　　 ヽ {i.:.:.:.:|　　　∥ /＼ .iト､.:.:.:.::|
　　　　 　　/..:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.　　　ｿ .|i.:.:.:.:|.　　 / ∥.:// 　 ヽ:.::ﾉ
　　　　　　i{..:.:.:.:.:.:.::.:.:./　　　　′.|i.:.:.:.}.　　 { /　／|　　　 i/::|
　　　　　　|..:.:.:.:.:￣ﾆ'　　　　,'.:.:.:.:∨.:.:|　　／-‐'　 |.　　　 |:::|
　　　　　　∨..:.:.:.:.:.:,'　　　 /.:.:.:.:.:.:.∨.i|.／.::.:.:.:.:.:.:.:.|. 　　　|:ﾉ
　　　　　　 ヾ‐-＝.′　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...i}{. 　　　|
　　　　　　 　　 　,'　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:..／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ i. 　　　|
　　　 　 　 　 　 /　　　′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:二ﾆ='´{　.| 　　　|

427： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:13:58 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　__　/ヽ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　´: : : ,　-､ }|: :`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　／: : : : : ／: : : : : i|: : : __: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : ｲ|: :/　ヽ: : :.
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　/: : : : :/: : : : : : : : / i|`´ 　⌒ヽ: ::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　′: : : :′: : : : : : :/ 　|　　　　　 i: : :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : : :{: : : : : : : :.'　__　　　　, -､i: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|: : : : : :i: : : : : i: : ﾚ"_　`　　.fﾆY i: : : i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: : : : r |: : : : : |: :.iｲな`　 　 ﾋﾘ} .|: : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |: : : 八 i: : : : : {: ::{ヾｰ'　　　､''''　}: : : |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 八: : : : y: : : : : i: |ヽ'''''''　　 　′ .: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : : : : : : : : : : :|　　　 　- ‐'　/.: : :ﾘ　　　　　「うふふふおにいちゃん？」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ′: : : : : : : : : : : : : |. 　　　　　　ｲ: : :./
　　　　　　　　　　　　　 　　,: : : : : ,ィ ￣{ ノ八 : : {　　　ｧ-‐ '　i/ﾙ'
　　　　　　　　　　　　　　　,': : : ／7　 　 ヽ　　＼:}　 　ﾑ　`ｰ､:}
　　　　　　　　　　 　 　　r-=ﾆ'´ヾ ヽ _　 　}　　　　 　/::::}　　｛ ヽ
　　　　　　　　　　 　rｰv′　　　　＼　)　　{　　　 　r:::::/　 　}　 }



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣￣￣￣` ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /:　　　　　　　　　´､＿　　　 }
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ　　　　　　　　　　　ｒﾏｿﾊ　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 j　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _/　　　　　　　　　　（ 　　　/ノ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ィ二 ニ.. - ､ l　　　　　`ｰ イ_}
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::｀::..､＼＼　　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 イ´￣￣￣｀:＜:｀:.､＼＼　　 /　　　　　　　　　　　　「なんだ？」
　　　　 　 　 　 　 　 　 ..．::´::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::｀::＜_:Y ￣
.　　　　　　　 　 r:::::´:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀:...､
.　　　　 　 　 　 ﾊ:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／￣￣｀ヽ.
.　　　　　　 　 /::/:::::::::::::::::::::′:::::::::::::::::::::::::::::::::: ／::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　 ,′i ::::::::::::::::::::' :::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 ./::::::l:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　/::::::::l:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::::::: 「:::::::::::l


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428： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:14:37 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l　　　　　　　「うふふ、げんき？」
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :u : : : : : .,　　 　 　 　 　 :|
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|　　　　　　　　　　　　　　　「おう、元気だよ」
　　　　　|::::;;;（　 ●） ﾉヽ （　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_　　　　　　　　　　　　　「元気じゃなきゃ
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_　　　　　　　　　　おぶってなんかやらねえよ」
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|


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429： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:15:19 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「よかったわ〜」
　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　__|iヾ.v ‐-　､
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::ゞ::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 　 　 /:::::::::::::::_::::/ﾐ､:::::::::ヽ
.　　　　　　　　　　　　i:::::::::::::::'爪 　　 ﾏ:::::::},　　-　 ､
　　　　　　　　　　　　从::::i | i{-‐　　　 ｝ ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　ﾘ.::::| }八__, 　 ..::::/　　　　　　　　゛
　　　　　　　　　　　　/:::::::::{ﾘ　　　　i::::′　u.　　　　　　}
　　　　　　　　　　 　,':::::::::乂 ヘ　 　:::::{ 　　　　___ 　/　ﾉ
　　　 　 　 　 　 　 /::::ィ'´＼ 　 　 ‐-..::i　 　　 ￣`　i叉
　　　　　　　　　　/ ,ﾍ　＼　＼　＼　_∧　　　（　　 ﾉ__）
　　　　　　　　　 ,'::::i 　ヽ　ﾍ　 ﾍ　　/へ::.. 　　　￣ _ノ
　　　　　　 　 　 ':::::| 　 i＿,ｨ1ﾌﾒxイﾍ　　〉.ヽ 　　／
　　　　　　　　　 i:::::i.　ﾑ.:.:ヽ￣´　ノ.:.:{ ∨i}　　ｧ'´}ﾄ/ヽ_
　　　　　　　　　 {.::::|./.:.:.:.:ハ.....:.:/.:.:.:.:|　　 ＼∧ .i| {　　ヽ
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　　　　　　　　　 ﾙ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:`}..:.:.:.:∨ .|　　　 i|　 | ./.:.:.:.:/　ヽ
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　　　　 　　/..:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.　　　ｿ .|i.:.:.:.:|.　　 / ∥.:// 　 ヽ:.::ﾉ
　　　　　　i{..:.:.:.:.:.:.::.:.:./　　　　′.|i.:.:.:.}.　　 { /　／|　　　 i/::|
　　　　　　|..:.:.:.:.:￣ﾆ'　　　　,'.:.:.:.:∨.:.:|　　／-‐'　 |.　　　 |:::|　　　　　　　　　「そりゃどうも」
　　　　　　∨..:.:.:.:.:.:,'　　　 /.:.:.:.:.:.:.∨.i|.／.::.:.:.:.:.:.:.:.|. 　　　|:ﾉ
　　　　　　 ヾ‐-＝.′　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...i}{. 　　　|
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430： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:15:33 ID:vmPyY7jQ


.　　　　　　 /: : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : :.:/: : : : : ヽ
.　 　 　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : 、:ヽ
　　　　　 /: : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : :∠≦≧､ﾄｨ‐､: : : : :＼:',
　　　　　,: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ／　　 　 　 ｀⌒ヽ: : : : : :ヽ
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　 　 　 i: : : : : : :,: : : : : : : : : : : /　　 　 、　 　 　 　 ｀ |: : : : : : :.',
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　 　 　 |: : : : : : |: : : : : : : : : :/〈　いしﾘ　　　　 ｨｚｚｘ　!: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: :ｲ : : : : : : l　　 ｀¨¨´ 　 　 　 辷ﾘｊ }': : : : : : : : |
　　　　 |: : : : : :.ﾚ: :l: : : : : : : |　//////　 　 　､｀¨¨ﾞｲ : : : : : ,ｲ: :!
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.　　　 /: : : : /: : : ∧ |:.ヽ : : :|　　 　 ､　　　　　　　 /: : : : :/　j/　　　　　　　　「しあわせ？」
　　　/: : : : /: : :.:/:ハj: : ヽ: : |　　　　　 　￣´　　 〃:/: :,:ｲ
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431： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:15:50 ID:vmPyY7jQ


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　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
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　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 ////　 ムｲ: : : ｲ　　　　　　　「おにいちゃん、いましあわせ？」
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
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432： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:16:03 ID:vmPyY7jQ
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;;;;;;ﾞ/....　　あんまり幸せじゃ.　 　 ヽ ;;;;+. {　 　.;;;;;;;;;;;::::.:.:.:,;;;;;,;;::.:.:.　　　　　　...:;;;,;,;;;;;;;,,;;;;;;;;;;;;;;:.:.:..}
;;;;;;ﾞ{　　　　　　　　　　　　　　　　　　}ﾞ;;;;;;;;;'　　 .,,;;;::::::::::::::;,;,,;,;;::... 　 　 　 　　　　　.:.;,;,;,;,;;;;;:::.. 　　;
;;;;;;ﾞヽ.　　　 無い気がするなぁ.....　/ ;;;;;: :..,　　　:.:.:....:.:.:.;,;,;,;,,,,　　　　　　　　　　,,,;;;;;;;.:::.:::.. ..:　　,'
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433： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:16:16 ID:vmPyY7jQ


　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿　　　 ＿_
　　　　 　 　 　 ＿,:': : : : : : :＞/＜⌒＼
　　　　　　 ,. : ´: : :／: : : : : : /: ⌒ヽ 　 ＼
.　　　　　 /: : : : :/ : : : : ,.へ/､へ: : : ヽ　　ヽ
.　　　 　 ,': : : : :/ : : : : /´￣＾￣｀ヽ: : : ヽ
　　　　　l: : : : / : : : : /　　 　 　 　 ';. : : : ':,
　　　 　 l: : : : l: : : : :├‐==≦　 ≧z!: : : :ﾄ:}
　　　 　 !: : : : l: : : : : l六ｵミ　 　徐､V: : :|.||
.　　　　 l: : : :/ｌ: : : : :.伐り　　　 .ﾋﾘｊ ｊ.: : :|.ﾘ
.　 　 　 ｌ: : : {(.|: : : :ﾄ:|///　　 　////: : : |
.　 　 　 !/ : :ヽ|: : : :| ヽ　　 　 　 　 j: : : i:|　　　　　　　　「……どうして？」
.　　 　 / : : : :人!: :│ 　　＝ｰ 　／| : :/l:!
　　　 /: : :/:/: :人 : l　　 ､ __ .イ.:|　|: / .ﾘ
　 　 ,': : :/―‐<＿ヽゝ===ﾄ､: : ! :|　ﾚﾞ
　 　 ! : ,'　　 　 　 ＼ ＼ ／)ヽ‐┴ ､
.　　 | : {　　 ＼ 　 　 ヽr' ／／)､. 　 i
.　　 | :∧　　　 ヽ.　 ／|.　　／,ｨ )､　|
.　　 !:/: :ヽ　　　　Y　　|　　　ﾉえ 〉ヽ|



　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 -｀ 　⌒　ヽ､_　 　　＼　　　　　　　　　　　　　　「さぁねえ」
　　　　　　　 　 　 　 ´ 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　　　　　　「どうしてなんだろうなあ」　
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i


.

434： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:16:30 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「好き勝手に生きているはずなんだけど、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　おかしな話だな全く」


　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :u : : : : : .,　　 　 　 　 　 :|
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|
　　　　　|::::;;;（　 ●） ﾉヽ （　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ　　　　　　　　　　　　　「って――なんで泣くんだよ」
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|



　　　　　 ／: : : .:∨ : : | |.: : : : ＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
..　　　　/ : : : : 　/ : : : :| |...: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.　　 　 : : : : : : /{. : : : : | |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.　　　　i;: : : : : {　ヽ;;: : :| |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
.　　 　 {;: : : : ; {￣　＼ | |..: : : : : : : : : : :ヾ : : : : : : : : : : : : :
　 　 　 i;: : : :.　　　　　/ﾉ.: : : : : : : : : : : : :.ヽ : : : : : : : : : : : :
　 　 　 i: : : : .|　　　 ／..　＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
..　　　　i: : : : i. 　 ／. 　 　 　 ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　i;: : : ; i -‐､　 `ヾｰﾆニ＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　 　 　 　 i;:::::::ヽ.......　 　　 ｲ歹夊 ＼: : : : : : : : i: : : : : : : : :
　　 　 　 　 ヽ;::::::::;.....}　 　　 辷丐｡ 　∨: : : : : :i : : : : : : : : :
　　　 　 　 　 ヽ;::::i......　　 　 '´　 　　　.l: : : : : : l: : : : : : : : : :
　　　 　 　 　 　 ヽi.../　　 　 　 　 　 　 }: : : : : :l: : : : : : : : : :
　　　　　 　 　 　 }.ﾚ　　　　　　　　　　 |: i : : : :i : : : : : : : : : :
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　　　　 　 　 　 　 ﾊ　　／　／ ／　　　 .|: : : :i: : : : : : : : : : :
.　　　 　 　 　 　 / ﾉ／　／ ／　　______ .}: : : : : : : : : : : : : : :
　　　　 　 　 　 / ／　／　,.'-‐''"´　__,.ノ: : : : : : : : : : : : : : :
　　 　 　 　 　 / ´　／　／　,. -‐''"´　　|ﾘ　 : : : : : : : : : : : :



.

435： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:16:55 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「だって、おにいちゃんが

　　　　　　　　　　　しあわせじゃないのなら、あずさだってかなしいもの」



　　　　　　　　　　 ／　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　><￣￣ ヽ
.　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ 　 ＼　　　＼
　　　 　 　 /　　　　　　　　　　. : : : : : : : : : . 　／　　　　　＼　　　＼
.　　 　 　 /　　　 　 　 　 . . : : : : :-―＝＝―/､＿＿＿　　　＼　　　）
　　　 　 .'　　　　　 . : ／:＞: : : : : : : : ／ヽ: /: : : : : : : : :',. 　 　 }
.　　 　 .' 　 　 　 . : : : ／: : : : : : : : :∠:ｚ､ｚ､{／Z､ヽ: : : : :',　　 /
　　　　i　　　　 . : : ／:/: : : : : : : : /　　　　　　 　 ヽl : : : : ',.　/、
　　 　 |　　　 . : : :/: :/: : : : : : : : / ＿_ ノ　　　　　　 |: : : : : ∨､:|
　　　　l　　 . : : :./: :/ : : : : l:/: :/´￣￣　　　　　､ ＿| : : : : : :',　＼
.　　 　 '.　　: : :./: : : : : : : : l : /　　　 、　　　　 　 　 |: : : : : :│　　＼
.　　　　 ヽ　: : :|: : :|/: : : : : l:/,彡五ヽ　 　 　 　 'ニ　|: : : : : : |: .　 ／
　　　　 　 ｀ー┤: :j: : : : : : :|/　心jﾘ　　　　　　糸＾ヽ|: : : : : : |: : く
.　　 　 　 　 　 ∨/:_j : : : : :ト　込ｸ　　　　 　 んﾘ　ﾉ}:ﾄ!: : : : ﾊ　. :こ＞､
　　　　　 　 　 /:/:/ |: : : : : |　o　　　　 ////　 ｀¨o,ｲ:|:|: : : /l |: : : : : ／
.　　　　 　 　 /:/:/7ｲ: : : : : |　　　　　　　　 -　　 　 / ! N:.: :/ :リ: : : ／
　　　　　　　/:.:{:ハ/|: : : : : :|､　。　　　　＿　 　　ﾟ /: :|/ |: /＼: : :／
.　　　　　　/: : : : //|.: : : : : l l＼　　 　'　　ｿ　　.／_:_:_∠|/　　}／
.　　 　 　 /: : /: :{/ :|ﾊ: : : : | | 　＼　　　　.ｨ:くｒ'ﾞ::::::::::::／
　　　 　 /: : /: : : : :./∧ﾄ. : |￣￣≧辷イ:::ﾉ:::::}:::::::::／
.　　 　 /: : /＞-―<≧::ｌ::ヽｊ＼::::::::::::::::::ｰ'ﾞ::::::八ｰ'ﾞ ＼
.　　 ／ : ／ 　 　 　 ヽ ＼::::::::::＼::::::::::::::::::::ノ::::::>､　　＼
.　／: :.イ　　　　　　　 ヽ　＼::::::::::＞―-::::::::::::::::／＼
./: : : : : !　 　 　 　 　 　 ｌ 　 l＼::::::::::::::::::::::／￣ ヽ 　 ヽ
: : : : : : :|　 　 　 　 　 　 | 　 l　 ｀ ￣￣￣´　 　 　 ） 　 }



　　　　　　　　 　 　 　 ￣　　 ､
　 　 　 　 　 　 ´　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　 　 /　　　　　　　　　 　 　 　 ノヾ
　　　　'　　　　　　　　　　　　ー ´　　ヽ
　　　 l　　　　　　　　　　　　　　/ .,.....､ヽ
.　　　l　　　　　　　　　　　　　　l　{::::::}　l
.　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!　　　　　　　　　　　「――ありがとうよ」
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


.

436： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:17:11 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿__./.,. i
　　　　　　　　　　　 　　,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::i::/::i　..::::、.:`:、
　　　　　　　　 　　／.::::::::::::／ i/`‐ｖ';;;;; i.::::::::ヽ.
　　　　　　　　 　/.::::::::::::／　　　　　　 　`i .:::::::::i
　　　　　 　 　　/.::::::::::./　　 _, 　　　　　　│.::::::::i　　　　　　「あ、そうだわ！」
　　　　　　　 　i.::::::::::::i '　￣　　　　 ､ 　　 i .:::::::::i
　　　　　　　　│.:::::::::i-‐‐‐、　 　 　 ｀ヽ、i .:::::::::i
　　　　　　　　/i.::::i::::i. 　 　　　　　 -‐-.、ﾉ ::::::::::i
　　　　　　　./::::i.:::i:::i　'''''''　 t　　　,,,,,,, /.:::::::::/
　　　　　　 ./:::::::i::`:ヽ.　　 ､　　_　　　 /::::::.／　　　　　　　　　　　　　　「ねえおにいちゃん」
　　　　　　/::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.　　　　　 ,,./;/;;／i
　　　　　./::::::::::::::::│i`ー`r‐=＝f、/／.::::: i
　　　　 /:::::::;;;;;＿丿 i _.,;ー---,/./´　.::::::: i
　　　 ,;'-‐‐'│ .i　　i,;´ ,;--‐´‐yヽ＿__.:::::: i
　　　/ 　 　 i　 i　　i,´　,,;‐;'ニ二;　i　 i`ヽ:: i
　　 │　 　 i　 i　 / i　　.'',-‐‐-y'　i　 i　　ヽ
　　 │ 　 .i　./　/ ./　　 /　　 /i　　i　i.　　│
　　 │　　i　/　 .i／　　 i　　　 i ヽ 　 i　i　│
　　.│　　i　i　／　　　.ﾉ i 　　´ヽ　.i　 i　i │
　　│　　.ヽ／　　　／i .｀ヽ.　　 ＼i　i　.ﾉ │
　 .│　　／　　　 ／　.i 　 i ＼　　　＼/　 │
　 │ ／　　 　.／i　　 i　 i　　i＼　　　＼. │
　　i/　　　　／i　i　　 i　 i　　i　i＼　　　 ＼i


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　　「なんだ？」
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼


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437： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:17:27 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「あずさがいっしょにいてあげたら、おにいちゃんしあわせ？」


　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::i　 ／::／　　ヾ､
　　　　　　　　　　　　　　　.イ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /::::,ヘ:::::::ﾚ::::,イ-､　　　 ヾ
　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : :./::::/　　卞ノ ´:::::::ハ　　　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :／ : : : : : : : : : : : : : : :/::::,ヘミ　 ﾚ´￣ ﾍ:::::::i
　　　　　　　　　　　 / : : : : : : : : : : : {: : : : : : : : : : : : : : : :ｲ::/　　　　　⌒ﾏ　ﾍ:::　|
　　　　　　　　　　　 : : : : : : : : : : : : :.i : : : : : ::::::::::::::::::::::/-|::ｒ=＝=､　　　　 Y　i:::::::|
　　　　　　　　　　 i: : : : : : : : : : : : : :.| : : : : : :::::|;;;i:::::: / 　 |::|　　　`　　　　　ﾄ､}:::::::|
　　　　　　　　　　.|: : : : :: : : : : : : ::,ｲ: : : : : : ::::::Y::::::/　＿_|:| ヽ　　　　　ｒ=↓:::ヽ::::i
　　　　　　　　　　| : : : :/ : : : : : :/'`|: : : : : : ::::::::|//Yイ氷i ヾ　　　　　　　　ﾊ:::::::::::|
　　　　　　　　　　| : : :/::: : : : :::/　　| : : : : : ::::::::| /:ﾊ沁 /　　　　　　　-　//ﾊ:::::::::|
　　　　　　　　　　| : : :/::: : : : :∧　　 : : : : : ::::::::|:::{　`ｰ　　　　 　　 イﾃ////ヽ::::::|
　　　　　　　　　　| : :/:::::::::::///＼　 | : : : : : :::::::|: :i.''''''''''''''　　　　　i艾///////＼
　　　　　　　　　　| :/:::::::／/////.＼i : : : : : : : ::ﾄ､:|　　　　　　　　　ヾｲ////////}
　　　　　　　　　　ﾚ':::::／/////////∧ : : : :::::::::ﾄ､:{　　　　　　　　　/ i:///////八
　　　　　　　　　/:::::::////////////:::ﾊ : : : ::::::::|　`;　 . 　　 　　　　 　ﾄ/////////ヽ
　　　　　　　.　/:::::::////////////// .∨ : : :::::::| 　　　ヽ 　 　 ,　　　八//////ﾄ､///i
　　　　 　 　 /:::::／/////////////. 　 ∨ : :::::::|　 　 　　　 ￣　　／　　ヾ/////|　＼::|
　　　　　 ／:::::::/／//////ｿ - ‐ ｲ‐-　､ ∨ : : ::|　　　 　 　　　／　　　 　∨///|　　 ｿ
　　　　 /:::::::::::////////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ∨ ::::|　　　　　　　　　　　　　 ∨::::::i
　　　 /:::::::::::///////／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Y∧::::|`　‐-　‐∧　　　　　　　 .∨ ﾉ
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　 /::::::::::://////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ﾄ､//∨//////// }　
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　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ○) (○）
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　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
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438： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:17:46 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　 　 　　 　 　　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ.　　　 　 　 ｛..　　　　そうだなぁ..　　　　　｝
　　　　　　　　　　　　　　　__|iヾ.v ‐-　､....　` ､　　　　　　　　　　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:::::ゞ::::::::::::::::::ヽ.　 　 `　　─-------- 　　´
　　　　　　　　　 　 　 /:::::::::::::::_::::/ﾐ､:::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 i:::::::::::::::'爪 　　 ﾏ:::::::},　　-　 ､
　　　　　　　　　　　　从::::i | i{-‐　　　 ｝ ／　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 ﾘ.::::| }八__, 　 ..::::/　　　　　　　　゛
　　　　　　　　　　　　/:::::::::{ﾘ　　　　i::::′　　　　　　　　}
　　　　　　　　　　　 ,':::::::::乂 ヘ　 　:::::{ 　　　　___ 　/　ﾉ
　　　 　 　 　 　 　 /::::ィ'´＼ 　 　 ‐-..::i　 　　 ｰ‐ 　iｰ
　　　　　　　　　　/ ,ﾍ　＼　＼　＼　_∧　　　（　　 ﾉ__）
　　　　　　　　　 ,'::::i 　ヽ　ﾍ　 ﾍ　　/へ::.. 　　　￣ _ノ
　　　　　　 　 　 ':::::| 　 i＿,ｨ1ﾌﾒxイﾍ　　〉.ヽ 　　／
　　　　　　　　　 i:::::i.　ﾑ.:.:ヽ￣´　ノ.:.:{ ∨i}　　ｧ'´}ﾄ/ヽ_
　　　　　　　　　 {.::::|./.:.:.:.:ハ.....:.:/.:.:.:.:|　　 ＼∧ .i| {　　ヽ
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　　　　　　　　　∥.:.:.:.:.:.:.:.:.:/..:.:.:.:.:.:∨}　　 　i|　 |/.:.:.:.:∥.:.:ｿi　　　 　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　　`､
　　　　　　　　/i..:.:.:.:.:.:.:.:.:iム､.:.:.:.:／.:.:|　　 　i|　.}.:.:.:.:/.:.:.:.:.::::}.　　 　 /.　 それはきっと、.　 　 　 　 ヽ
.　　 　 　 　 ム.::.:.:.:.:.:.:.:.:/　　 ヽ {i.:.:.:.:|　　　∥ /＼ .iト､.:.:.:.::|.　　　　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
　　　　　　 /..:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.　　　ｿ .|i.:.:.:.:|.　　 / ∥.:// 　 ヽ:.::ﾉ　 　 　 ヽ.....　幸せなことだろうなぁ　　/
　　　　　　i{..:.:.:.:.:.:.::.:.:./　　　　′.|i.:.:.:.}.　　 { /　／|　　　 i/::|.　　 　 　 ` ､　　　　　　　　 　 　 　 ／
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439： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:18:03 ID:vmPyY7jQ


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440： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:18:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
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　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|　　　　　　　　 「それじゃあずさ、
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/　　　　　　　　　　ずっとおにいちゃんといっしょに
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'　　　　　　　　　　　　　　いてあげてもいいのよ？」
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



　　　　　　　　 　 　 　 ￣　　 ､
　 　 　 　 　 　 ´　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　 　 /　　　　　　　　　 　 　 　 ノヾ
　　　　'　　　　　　　　　　　　ー ´　　ヽ　　　　　　　　　　　　　「……そうか、それじゃ、ずっとそばに居てもらおうかな」
　　　 l　　　　　　　　　　　　　　/ .,.....､ヽ
.　　　l　　　　　　　　　　　　　　l　{::::::}　l
.　 　 l　　　　　　　　　　　　　　冫.ー　く
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　ﾉ!
　　　l　　　　　　　　　　　　　　 ｀ー‐ f ｒ'
　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ'
　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　「あずさは優しいな」
￣　｀ー -　　　　　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


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441： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:18:36 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　,　'"´　　　　　　　　　　ヽ
　　 ／ うん、いいわよ。　　　　`､
;;;;;;ﾞ/　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ ::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;＋: : ＋;;;;;;ﾞ,. 　 -―-　 .,;;;;;;;;;;
;;;;;;ﾞ{　　　あずさ、おにいちゃんと　} :::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ,.　　'"　　　　　　　　　｀　　、
;;;;;;ﾞヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,. 'ﾞ 　 .:..　　　　　　　　　..:.:.:.:.:　 ` .､
;;;;;;;;;;; ` ､. 　 いっしょにいるわ ／ﾞ::::::::::;;;;;;;;;;;;;;; , '　　..:,;;;;:.:..　　　　　　　　　　:.:.:....　 　 ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ`　　─---------　´ ::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;..ﾞ,.'　 .;;;;;;;;:.:.:.:.　,,;;,:.:...　　　　　　　　　 　 　 　ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,.' ,,;;,;,;;;;.....:.:.:.:,;;;;;;,,,,:.:.:... 　 　 　 　...:,;;,;,;,,,,,,;;;;;;;;;; '.,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; /　..:.:.:.:.;;;;;;;;;;;,;;,;:;;.:.:.:.:.:.:.:.:...　　...:.:.:;,;,;;;;;;;;;;;;;,,::.:.:....　',
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::ﾞ＿＿＿＿＿＿＿＿;;;;;;;,'　:.:.;,;,;;;;;;;;;;;;,,;,;;,;,;.:.:.:.....　　　　　　　..;,;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,::.:.: ',
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　::::;;;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.....　 　　　　 　 ..:,;;;;;;;;;;;;;;;;;,,.:.:.:..:..　;
;;;;;;;;;;;;;ﾞ／　　　　　　 　 　 　　　　　　　　 　 　　`､;;;;;;::::.:.:.:,;;;;;,;;::.:.:.　　　　　　...:;;;,;,;;;;;;;,,;;;;;;;;;;;;;;:.:.:..}
;;;;;;;;;;; ｛....　　やくそくよ、ゆびきりしましょ....　　　｝ ::::::::::;,;,,;,;;::... 　 　 　 　　　　　.:.;,;,;,;,;;;;;:::.. 　　;
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;+: : :::::::: ::::ﾞ{　　　　 うそついたらはりせんぼん.　　 }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　..::.:.:.:.:.:.:...／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,　'"´　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 うふふ. 　 　 　 　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｛　　　　　　 　 　 　　 　 　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ` ､....　　　うふふふふ　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `　　─-------- 　　´


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442： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:18:49 ID:vmPyY7jQ



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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　 _　-───-
　　　　　　　　　　　　_,.　　´　　　　　　　　｀ー　.._
　　　　　,.　-─ '´￣　　　 ／ 　　　　　　　　　　　｀ー──-､
　　　 イー─-､　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　＼　　　 7　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　 ＼ ／　　　　　　/｀7ヽ＿__　 　 　 ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
　　　　　　 /　　　　　,. イ{　八 !　!　ヽー､ﾞ/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
.　　　　　 /　　　,. イ斗‐7! i　 ﾘ　ﾄ　ﾊ｀ . （　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
　　　　　/　 ,. イ　i从　/ jﾉ　 人 i ヽﾘ /ﾊ ）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
　　　　 /イ7|　ﾊ 小 ィf笊ﾄ　　　｀ｨ芹ﾃヽ.（　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）
　　　　《　.j八 l人 |ハ 弋ﾂ　　　　弋ソ ﾉ..ﾞ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　 ＼　 ﾊ!　 ｀　.!　　　　,.　　 　 　 　 ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~
　　　　　　V　ｲ　　 .人　　　　　　　　　/　　　 ｲ　 ﾊ..　ｰ'
.　　　　　　{　| 　i　　l! .＞　..　 ^　　 イ l　　　ﾊ!　/ } /jハ
.　　　　　　l 八　ﾄ､　ト､ iヽ　i≧‐ｧ'´　|人　 / 7ノ　 jﾉ　　ヽ
.　　　　　　jﾉ　ヽ!　ヽ!　｀　ゝｲ　.ﾉ　／　 ヽ/　´　　　　　　 〉
　　　　　　　　　　　　　イ / 　　{／　　 ／　　　　　,.-＜⌒
　　　　　　,. -‐､　　/　　/　／⌒ヽ　　{　　 _,, - イ　＼　　　　／⌒ヽ
　　　　 ／　　　ヽ /{　 i/／〃　!i ﾊ,. -く _ノ　　　／　　}　　 /:::::::::::::::}
　　　 /　　　　　 V　ヽ }　//　　!／　　　ヽ　　 /　　　 ｜　/::::::::::,. '´
.　　 /　　　　　　　,　 7　//　 ／　　　　　 V　/　　　　 ,'　/::::::::/
　 ∠-─-､　　　　|　/ /_/　/　　　　　　　 V/　　　　 /　,:::::::::/
／　　　　　ヽ/　　 ! {　　 ／￣￣｀ヽ　　　　ヽ　　　　/　,::::::::::'
_＿＿　　　　}　　　Vゝ ∠＿＿_　　 ＼/　 |　ヽ　　 /　,::::::::/
　　　 }　　　 i　　　/　}〈　　　　　ヽ　 ./　　 !　 }　　/　/::::: '
　　　 |　　　7　　 /　　 ＼　　　　 }　/|　　 ﾉ　　　 {　/:::::/
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


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443： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:19:04 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―…‥─-　　　／////////}
　　　　 　 　＿＿＿＿＿／＿＿　　　　　　　 　 ─-ミ ///////
　　 　 　 　 |/////////////／⌒￣￣｀ヽ　　　　　 　 ＼////'
　　　　　　　V /////////／　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨//
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　　　　　　　　∨/////　 .:　　.::　　　　　/　　　　ハ　 ＼　　‘　
　　　　　　　　i::∨///　.:: 　 .::　　/　　 /　　　, / 　 ;　　　,　　',
　　　 　 　 　 ｉ::::::}／ ／　　.:: 　 /　　 /　 　 //　 　:|　 　 |　　 :，
　　　　　　　 i:::／ ／/ /　 :::　 /　..:　'　 　 //　　　_j＿　｜　　 i
　　　　　 　 ／ ／:::/ /　　::::　 ..::／斗─ //　　 　 _|_　/ﾞﾘ　　 八
　　　　　⌒7¨´.:::::/ /|　　 :|:: i／j／ﾉ|＿//　　　　7⌒ﾒ /　 　 ﾉ!｀ヽ
　 　 　 　 /　.:::::ノイ:::|　　 :|:: |　 ,≠"i⌒ヽ　　　　 i:ﾉ! ﾉﾉ´　／ノ
　　　　　〃　::::::::::::|::::|　　 :|　| 〃 _ﾉ:j　　　　　 　 :ソ　i　.イ
　　　　　l　　:::: :::::::| 八　　:|ﾍ{　乂::ソ　　　　 　 　 :::::: | .:八
　　　　　|ｉ 　::|　::::::|人 ＼　{__　　:::::::::　 　 　 　 ｀　　 八jハ!
　　　　　|ｉ　　|　　:::::::::ｉ￣＼iｲ`　　　　　　　 , ， 　 ／ .::ﾉ　　　　　　　　「ア、ヤラナイオサン」
.　　　　 八　八　 :::::::::|＼/: : ＼　＞　.　　　　 ,. イ　 ／
.　　　　　　＼　＼{＼::|／＼: : : :＼　 /　＞-< )ノ}／　｀:,
　　　　　　　　　　　／: : : : : ＼: : : :＼＼: /＜〉　　　　　i
　　　　　　　　　 〃: : : : ＼: : : }＿__, /　 廴__::＼　/: :　 {
　　　　　　　　　 {: : : : : : : : : : : |::::|　{　　　 　 ＼:＼　 　 i
　　　　　 　 　 　 , : : : : : : : : : : |::::|0:}　　　　　ノ｀＼}　 　 :,　　　
　　　　　　　　 　 i : : : :　: : : : : :i::::∨＿　-‐　 　 　 ‘，　　′
　　　　 　 　 　 　 i : : : :　　: : : : i:::::∨　　　　　　　　 }　　　i


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　「なんだ、サーニャ。まだ起きてたのか」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ



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444： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:19:16 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 　_,， - ―‐ -　_
　　 　 　 　 　 　 　 ,，　´￣　　　　　 ￣｀ヽ、
　　　　　 　 　 　 〃　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　/　 　 　 　 　 ri　 | ｉ{　　　　　 ﾍ
　　 　 　 　 　 /　　　/　 　 ｉ　|{　　八　 ｉ　　　　‘，
　 　 　 　 　 , ′　　.′　i /| ,ハ/∧　ヽ:!　　　　　:.
　　　　　　 /　　　　i 厶斗-j/　ｊ乂　ヽ‐ !Ⅵ　　 　!|
.　　　　　 / i　　 　 j/}/　!　{　/ 　 ヽ　}ﾉ'　ﾄ､ 　 |八
　　　　　 　 | ﾄ､　 |'　y'斧ﾐx　　　　 ィ斧ﾐｘ　 :.　i| i　ヽ
　　　　　 　 V ∧ :|:. ゛弋う　　 　 　 弋:う j「 i:{　i| |
　　　　　　　 /　:Ⅵ :.　　　　　　　　　　　　 /i:　八 ､
　　　　　　　,:　 　 ﾄ､:.　　 　 　 ′ 　 　 　 ,ノ}/　ｉ{　 .
　　 　 　 　 iﾊ!|: 　|: :.ヽ　　 　 (　)　　　　ｲ　/　 八　}　　　　　「モウネマス、　
.　　　　 　 　 八　 ､ﾄ､iﾊ＞　　　　 　 イﾉ}ﾊ/i　/　 ）ﾉ
　　　 　 　 　 　 ヽ{ ヽ　 　 rｉ ｀¨¨´ ﾄ､/　　　j/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ　｀YY´　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　ソレヨリアズササンドウシタデスカ」
　　　　　　　　　　　　,， ´　　　| |　　 丶、
　　　　　　　　 ,，　´　{{　 　 ／　＼＿＿_> 、
.　　 　 　 　rf´　　　　ヾ　／V⌒Y´∨/７　　｀ ー ､
.　　 　 　 　| !　　 　 　 ｀´ 　 }=={ 　 ∨′　　　　: i
.　　　 　 　 | :.　|　 ｘｭ、　　　,::::::::.　　 　 __　 　 ,'　|
.　　 　 　 　|　Ⅵ,ｲ三.心、　 ｉ:::::::::i　 ,ｨ升,心、i/ 　|
.　　　　　　 : 　 i三三三,心_ |:::::::::|,.ｲ三三三ﾐ} 　 :|



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ　　　　　　　　　　　　　　　「お猪口一杯で……
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　あー、酒をほんの少し
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　 口にしたらこうなったんだよ」
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !


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445： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:19:29 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 　 　 ／　　 ,　― -　　　　 ´￣｀ヽヽ
　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　 /　　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ　　 　‘，
.　　　　　 /　　 '　　　　　　 　 　 　 　 i　　 i　　　　‘，
　　　　　 ′　/　　　　　　　 　 　 / 　ﾊ　/ }　　　 　‘，
　　　　　i 　 /　　　　　 /　/　　 /|　/　V　ﾄ､　 　　　 .＼
　　　　　|　 ′　 　 　 /　/　!　/　}/　 / ヽ{__}_i　、 　 i　 ）
　　　　　| /　　 　 　 ,' j ハ斗/七/　 /　 　＼ﾉﾊ:i　　 |
　 　 　 ／　 i　 　 　 | / 　 }厶≠ｘ 　 　 　 ｲ斧ﾐ |　 ﾊ{
　　　　　,　　|{　　 　 |　　〃f::::しj　 　 　 　 {じ:j″ / ﾉ
　 　 　 / 　 八　　 　.　　ヽ弋::ソ 　 　 　 　 ゞ'ﾟ , j/ ヽ
. 　 　 /　　　　 ＼ 　 ヽ　　　　　　　　　　 　 　 !|′　‘，
.　　　′　　　 　 ヽ ー 　ゝ　　　　　　　　 ´　　八 　 　 i
　　　ｉ{ |　　　　　　丶 ＼　　　　 　 　 , -　 　.ｲ　　　 　!|
.　　 八ﾄ､　　､　 　 i ヽ　 ＞ 　 　 　 　 　 ／　 /}　 　 八
　　　　ヽ ＼　ヽ 　 |ヽ{　 r|　　 ≧=‐　 イノ}　/　! 　 /　　　　　　　「アズササン、オサケノメナイデスカ」
.　　　　　 　 ＼{ ）ノ　 ＼j ｀ TT ´￣　 ヽ.　jノ　 j／/
　 　 　 　 　 　 ｀　 　 ／ヽ　 | |　 　 　 　 ｀ ｰ=ミ
　　　　　　　　　 ,，　´　　 　 | |　　　　　　　　 ／＞　 _
　　　　　 　 r‐ ´|　　　　　　/∧　　　　　　 ／／　　 　/ ヽ
　　　　　 　 |:{ 　|　　　, ィ:´:ー::ヘ、　 　 ／／　　 　／　　 i



　　　　　　　　　　　　　　,　-‐―　‐- 、
.　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　u　　　ヽ
.　　　　 　 　 　 　 ＿'　　u　　　　　　　　i
　　　　 　 　 　 < ＿　＼　　　　　　　　　 i
　 　 　 　 　 <＿＿　＼　＼　　　　　u　 i
.　　　　　　<＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/　　./
　　　　　　 └--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|　　./
　　　　 　 　 /　　 丶　　- 　 　 　 〉／　　　　　　　　　　　　　　　　「どうもそうだったらしい」
　　　　 ,.-／| 　 　 ( ＼　　　u　　!
　　 ／ |　＼ヽ 　　 ＼_ヽ　　　　　{
￣<　　 !　　`＼　　　、ﾍ　　　u　..> 、
＿ ＼ 　 !　　　 > ー-- イ＼　　.∠／ヽヘ
!　￣￣　ヽ　／{　　)＼　|　..＼(⌒)　　 ﾉ　＼
　　　　　　 ＼　/⌒＼　〉　　　ヾ、　／　 　 　＼
　　　　　　 　 ＼　い　/　　　　＼／ ＼(
　　　　　　　　　 ＼　/　　　　 /　＼


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446： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:19:41 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
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　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/'''''''''''''' 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
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　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i　　　　　　　　　　「どうした」
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
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　　　　　　/ ／　/　 ／ i| _厶斗ハ　 }　　　　　　‘.
　　　 　 ノイ 　 /ゝ- ﾄ､ i|　 ｲ斧ミｘ∨　　　　　　　i
.　 　 　 　 }|　 /jyf斧　Ν 　弋::ｿ　 ,　　　′　　　}|
.　　　　　 八 ハ{{ ﾋﾘ 　 　 　 　 　 /　 ／　　　 　八
　　　　　 　 / 　 　　 '　　　 　 　 厶イ　　　　　　　 ‘.　　　　　　　　　「アズササンダイジョウブデスカ」
.　　　　 　 /　　 i　　　 r　　､　 　 　 |{　　 　 　 　 　 !
　　　　 　 ′　 人　　　｀　　　 　 　 八 　 　 　 　 　 |{
　　　　　 ｉ{ i　　 i　　　　　 　 　 　 厶イ　j/　j　| ﾊ　八
.　　　 　 八ﾄ､　 ﾄ､　 i＞　 　 　≦　__|}／}／）ノ　 )′
　　　　　　 　 ）ノ　＼{ハ{　 ﾄ､__／　 　＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 ノTT　　　　　　 > ―… ＝ミ
　　　　　　　　　　　　__／　 i| |i　　　　　 /　　　　 /　　‘，
　　　　　　　　　 , ´　　|　 　ﾘ八＿＿＿/　 　　　 ′　　 ‘，
　　　 　 　 　 　 ｉ　　　i|　/{:::::::::>'/////　　　　　i


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447：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/02(金) 00:19:43 ID:5CIbRcBg
やらない夫〜ほだされてしまえ〜〜〜


あともげとけよ〜

448： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:19:56 ID:vmPyY7jQ


.　　 　 　 　 ,.へ、　　　／⌒ ヽ.
　　　 　 　 /　　 ＼∠7: : : : : : :＼
.　　 　 　 /　／￣ ｀: : :／ ＼: : : : ＼
　 　　 　 {　/: : : ｢￣≧ﾚ√⌒ヽ: : : : :ヽ.
　　　 　　∨: : : :.|:／　　　 　 　 ＼: : : : ヽ　　　　　　　　　　「おふとんしいて」
　　　　　 ∧: : : :.|　　 　 　 ＿＿__,ヽ: : : : :',
　　　　　,':.: ヽ: : :|　　 ﾉ　　｀￣￣　 ヽ: : : : ',
　　　 　 {: : : : : : |-≠'　　　　 彡三ﾆミ: : : : ﾄ､
.　 　 　 ;l:: : : : : : ! yz三､　　　　　xxｘN : : : |: :',
.　　 　 ,':!: : : : : : l {/　　　　 '　　　　　 ﾚ|: : :|: : ',
　　　　; :!: : : : : : Ｎxxx　　　　　　 ｧ　　 l: : :!､: :.',
　 　　 i: ﾄ､ : : : :Ｎ } 　　　 {/ : : : :/　　 /ｌ: : |∧.:.:',
　　 　 |: !: : : : : :! Vヽ.　　　｀　ー'　 　,ｲ::l:./:|/∧: :',
　　　　Ｖ: :l: :l: : :ｌ　〉ー＞､ 　 　 　 ／::|:::l∧j.//∧: ',
.　　　　|: : lヽﾄ､: `r:､　　´￣⌒ヾ...:::::::::l ///////∧: ',
　 　 　 |: :.j､: : :＼|::::::＞=､＿＿ﾉ＿／ﾄ､///////∧: ',
　　　　 |: /: >=――‐| /ｊ rこﾊ　〉<ーｲ　＞＜////∧: ',
　　　　 |: :./　　 　 ＼l {ﾉ ｀¨¨ﾞ　{〉/　/ /　 　 　 ＜/∧: ',
　　　　 l: :{ 　 　 　 　 ', V￣￣Yﾞ´　/ /_／ 　 　 　 ＼ﾊ: :',
　　　　 l: ∧　　､　　　 Ｖ　　　 |ニ<_∧　 　 　 ,　　 　 }ハ ',
　 　 　 l//∧　　＼　　/ 　 　 .|＿__)　ﾄ､　　 /:　　　 ///j: :',
.　　　　∨/∧ 　 　 >７ 　　 　 !＿＿ノ　 ＼〈: : .　　////|: : i
　　　　　∨/∧ 　 / / 　 　 　 |　　 　 　 　　ヽ: : .　{////!: : !



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　「もう宿の人が敷いてくれてるって。
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼　　　　　　　　　　　だから、早く布団に入って眠れ」
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !


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449： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:20:18 ID:vmPyY7jQ




　　　　　＿　　　_　,　ｨ::::':::::::::::､
.　　　 ,ｲ￣``ｯ‐ｲ:::::::::::::::＼:::::::::::＼
　　　//　 /::ﾍ::ト､::::::::::::::::::::ヽ::::::::::ﾊ
.　　 l.i　　i::.ハ.j.／＼::::::::::::::::::＼.:::::ﾊ
　　　|i　　ｌ::ﾚ￣　　　 ＼:::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　.|　　!::ﾊ　　　　､____∨:::::::::::::::}::::ﾊ
　　　　　人::ﾑ,ノ　　　,-=‐∨ｒv´ﾚ､|:::::ﾊ　　　　　　「はぁい」
　　　　 　_ 〉::::v=　　　ｘｘｘ}`i .i .i`ﾚ::::::::ﾊ
.　　　　　i | f∨ｘｘ ､　 　　j .| .| .|.j.::::::::::ﾊ
　　　　　 | ｌ ! i∧　 ｒ　ｯ /　　　/::::::::::::::::.ﾊ
　　　　　 ヽ`　`ｲヽ　 　 i　　　/Ｔ７.:::::::::::::ﾊ
　　　　　　 `　　　　}`　 i　　 /　i　{:::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　 ）　　 / ﾉ ﾘ.　　i　 八　`　､:::::::::ﾊ
.　　　　 　　/　　./／　 . 　　ｉ　/　 ,イ´　` ､:::ﾊ
　　　　　　　　　/ //　i| 　 　|.　／　　　 　 }:::::ﾊ
　　　 ／　　　/／/　/ |　　　ﾚ´　　　　　丿.::::::ﾊ
　　　 　　 　//　 {　 {　|　　　|　　　　　イ::::::::::::::::}
　　　　 　 /　{　 .i　 i　.|　　　| 　　 ／　j::::::::::::::::::|
./　　　　.∧:::::`i::::`i::::`i|　　 ノ.　／　　/:::::::::::::::::::|
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.` -‐.´　　　 i　 |　 |　 | `‐ ´　　　 ./::::::::::::::::::::::/


　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 -｀ 　⌒　ヽ､_　 　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ´ 　 ●）(● ）　　 　 |　　　　　　　　「サーニャ、悪いがあずさのこと頼めるか」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　u.　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i



　　　　　＿＿　　　＿　　　　＿_
　　　　　{////У　　　｀　 ´　　　 ｀ｘ≦７７７７
　　　　　∨/／　　　　　　　　　 　 ∨//////
　　　　　 У 　/ 　 　 　 /　　　　　 ヾ'///,/
　　　　 , ′　 ′ /　　 /　 　 i　 　 　 ＼,ハ
　　　 ノイ　　i:　厶　! /＿i 　 }
　　　　　|{ 　 | /ｘｭ､乂{ jノ｀メ､　　　i　　　　i
.　　　　 八 　|ﾊ《frj 　 ｀"斧ﾐｘ Ｙ 　!|　　 　 |{
　　　 　 　 ＼{　 ﾋﾘ　 　 弋:ｿ j}′ 八{　 　 八　　　　　　　　　　　「ハイ」
　　　　　　 /　ヽ ｉ　'　　　　 　厶イ　　 　 /　 ‘.
　 　 　 　 .′　|i人　r ｧ　 　 　 ノ　　 　 /　 　 !
　　 　 　 八　 i|　} 丶　_　　 ≦　/　 / /　ｉ 　八
　　　　　　　＼{ ハト､{/ﾄﾍ＿／厶イ／）ノ}／
　　　 　 　 　 　 , - ―r‐く_{　　　　ゝ --　､
　　　　　　　　　′　　{／７ヽ ＿＿_／
　 　 　 　 　 　 i　′ /::::/　　｀寸歹 ／　　 |
　　　　　　　　 Уﾐx/::::/　 ｘｭ､　　 /　　　　|
　　　 　 　 　 /三f/::::/壬三ﾆ心、:{　　　 　 〉
　　　　　　　 {三tハ:/三三三三心‘.　　 　 {
.　 　 　 　 　 ∨/:Y/三三三三三ﾆハ 　 　 |

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450： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:20:36 ID:vmPyY7jQ



　　　　／
　　　　　「アズササン、オフトンコッチデス」
　　　　＼


　　　　／
　　　　　　「は〜い」
　　　　＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　Ｕ　　 　 　｜　　　　　　「ふぅ……」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 !　 　 　 ,. -ｰ┴ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ_ｨ≦.:.:-.:.:.:.:.┴、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:r {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i .:.:￣＼.:.:.:. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:|
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451： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:20:46 ID:vmPyY7jQ

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ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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　　　　　　　　　,r ,､　,. r ´: : : : : : : :｀: : ..､　　 ,. ‐ﾞ"7
　　　　　　　　　! ,' > ヽ: : : : : : : : , : : : : : : >く　´'ﾌ/
　　　　　　　　　},/　　ヽ>: : : :/: /"'ﾍ:ﾄ: : : :ﾍ ',　,〃
　　　　　　　 　 ∧　　/ｲ: : :./: /　　,ﾊ:ﾊ: : : : ヽｸ
　　　　　　　　 i': :',', /: ｨ: : ,ｲ:/　 　 　 ',ﾄ､: : : : :',
　　　　　　　　 |: : : y:ｲ': :/」ﾑ __ 　 　 , ﾄｰ,A: : ﾄﾊ
　　　　　　　　 ',: : /':/´:7　i'__　 　 　 -」ﾄ､ﾍﾙ:ﾘ',ﾘ
　　　　 　 　 　 ',: :!/:i: /ィてﾊ｀　　 　 'ﾋ::ﾘ ' 〉ﾙ| '
　　　　　　　　　∨r´|/　'弋り　　　　　｀´　,ﾘ　'!
　　　　　　　　　 ',ﾊ, !､　　　　　　　　'　　　,'
　　　　　　　　 　 ∨:iｰ.-. ､　　　　ｰ ' 　,､ｲ
　　　　　　 　 　 　 ',:'ﾍ: : : :i＞ ., 　 _,.ィﾍ､'ｰ--､
　　　　　　　　　　　∨ﾑ : : ﾋ ､　｀〔ﾊ: :r_´ソヽ　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 /. . .7.｀.ヽ:.､≧ハ≧ﾍ‐､｀' 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　/. . ./. . . . .＼｀: ｰ-､. . '.､: ー,　　 !
　　　　　　　　　 ｲ. . . . . . . . . ,_ ＼: :ヽゝ. .∨7＼　 ﾄｰ,､
　　　　　　　 ／,人. . .',. . . . . . .￣￣ﾊk. ヽ. y. . . ＞Lヽﾍ
　 　 　 　 ／ｨr: : :ﾊ. . .､＼. . . . . . . . . .＼.∨. . . . . . . ｀ハ
　　 ,＿／'´／: : ｨ:∧. . ー.＼. . . . . . . . ,､y'.ﾞ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
　 　 　 　 /: :／: ＞'ﾍ. . .ﾊ. . .＞. ､. . . .ｲ.｀/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　 ,./ｨ:_:,.　´　　　' ,. .ﾊ. . . . . . ＼ 　 （　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
　　｀ー7: /　 　 　 　 　 ヽ. .',. . . . . . . . ＞ﾞ）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
　　　　{:./　　　　　　　　　',. ﾊ　　　　　　 （　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）
　　　　 ｀ｰ-　　　　　　　　 ∨r. 　 　 　 　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　r'´}　　　　　 　 ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~
　　　　　　　　　　　　　　／./. . . . . . . . . . .7. . .|　　　　ｰ'
　　　　　 　 　 　 　 　 ,ｨ'‐く. ._ . . . . . . . . . ﾊ. . i
　　　　　　　　　　　 ,ｲ/. . o. . .＞ハ. . . . .,'. . . ｲ
　　　　　　 　 　 　 /ｸ. 7ｰ.t.-.-./. . . . .＼{. . . .ﾊ
　　　　　　　　　　/./. ﾒｰ. ﾅ. . /. . . . .ﾆ=7-. . . ﾉ
　　　 　 　 　 　 /./. /｀. ./. . /. . . . . . . /. . . . . ﾊ
　　　　　　　　 /. ゝく_. ../. . /. . . . . . . .ﾊ. . . . . .∧
　　　　　　　　>､./. . . ｀. ン. . . . . . . . . . .',. . . . . . ゝ
　､_　　　　_／　　× . . . . . . . . . . . . . . . ﾊ. . . . ／
_,.＞￣￣　 　 　 ハ ｀ ＜. . . . . . . . . . . . .」,＞7
ゝ､ 　 　 　 　 ／　　',　 　 ｀ ー―――r'´　　 '
　 "'￣￣￣´　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ',　　　,
　　　　　　　　　　　 　 ',　 　 　 　 　 　 i　 　 '
　　　　　　　　　　　　　 ',　　 　 　 　 　 '　　 ,'
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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452： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:21:01 ID:vmPyY7jQ


.　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　. ': : : : : : ／::::ｒ､:::::ヽ: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
.　　 　 /: : : : : : :/´￣´　￣｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : :',
　　　 /: : : : : : :/　　　　　　 　 ';. : : : : : : : : : : : : : : :i
　 　 ,': : : : : : :/＿_　 　 　 　 　 '; : : : : : : : : : : : : : : |
　　 ,: : : : : : :/´ ￣｀ 　 　 　 ＿_.i: : : : : : : : : : : : : : :l
　　 ! : : : : : ;' ,ｨ芋示　　 　 ´￣｀|: : : : : : : : : : : : : : |
　　 i: : : : : :ｉｲハ心ｊ　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : |　　　　　　　　　「ありがとうございます、サーニャちゃん」
　　 |: : : : : :!｀　 ｀¨ﾞ　　　　ｨ≧ｚ､|: : : : : : : : : : : : : : |
　　 |: : : : : :l!''''''''''' ,　　　 　 ￣ヾｊ.: : : : : : ;ｨ!┐ : : : :!
　　 l : : : : : ﾊ　　　　　　 　''''''''''' |: : : : : :/ ﾘ/: : : : : !
　　 |: ﾊ: : : :ｌ∧　　 ､　＿,　　 　 j : : : : /ｰ:'ﾞ: : : : : :.|
　　 |/　'; : : |　l:＼　　　　 　 　 //! : : /:.: : : : : : : : :|
　　　 　 ヽ: :|　| : : ヽ､　　　　イ:/ j: :.∧: : : : : : : : :.:|
　　　　 　 ヽ|　l: : : : :_｢ 　 　 //>/／: : ＞― ､: :/:.:|
　　　　　 　 　 l : : :__ﾄー―イ／　 > '´　 　 　 ∨.; :|
　　　　　　 　 ﾉ:ｒ‐ｲ/^j￣ ／　 ／　 　 　 　 　 ∨: |
　 　 ／ ￣￣ 7　 |｀¨ﾞ ／　 ／　　 　 {　　 　 　 l : |



　 　 　 　 　 　 　 　 .　　　´￣￣￣｀　　､
　　　　　　　　　 ／　　　 ,　 '⌒　　 　 ´￣｀丶
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 / 　 　 ,
　　　　　　　′　　/　 　 　 　 　 　 / 　 ! 　 　 　 ‘，
　　　 　 　 　 　 . ′ 　 　 　 ′　 /　| i |　i 　 i
　　　　　　, 　 ノイ　　　　　厶 ‐ /　八{ ﾄ､{‐- |　 　‘，　　　　　　　　　「ドウイタシマシテ」
　 　 　 　 ′　　 |　　　 ｉ´/　|　/ j/ 　乂　ヽ　|　　 i　.
　　　 　 /　　/　}| 　 　 Ⅳ　 Ⅳ /　　　　　　Ⅵ　　!ト ゝ
.　　 　 /　　/　j八　 　 |　　ｘ≠ミ　　　　x=ﾐ　i 　 八
　　　 /　　 ′　{ (ヽ 　 |　　　　　　　　 　 　 ハ／
.　 　 ′!　j　　　＼ゞ＼{　　 　 　 　 　 '　　 ′‘.
　　八{八ハ 　 ｉ 　 ｀ ｰr 、　　　　ー　　　 / 　 !|
　　　　　　　＼{＼　　i |__｀　　　　　　　 イ　　 八
　　　　　　　　　　 ＼ﾊ{　 ｀ 　 ≧=‐＜　 !　 , ′
　　　　　　　　　　_,ノ　　　　　　| | ､ 　 )ﾉ}／
　　　　　　　.　＜　　　　　　　　| |　 ｀ r　__
　　 　 　 /´＼　　＼　　　　　 ﾉｘへ＿|　 ｉ　.
. 　 　 　 ′ 　 ＼　　＼　 　 / ＼:ノⅣ!　 !　|
　　　 　 i 　 　 　 ヽ　　 ＼_/　　　ｉ::::く　　!　|


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453： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:21:16 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　 ＿　＿_
　　　　 　 　 　 .　 ´　　　　　　　 ｀　ｘ≦7７
　　　　　　　／　　　　　　　　 　 ＜,/////
.　　r≠≦７　　　　　　　　　　　　　∨//ﾊ
　　 ∨/// 　 　 　 /　 　 、　　　 　 ∨/
　　　｀¨¨′　　 　 ′ i　　|{-‐、-　 　 ′　i
　　　 　 i 　 　 　 !| !ノ 　 八{　＼ヽ. 　　　 |
　　　 　 |　 　 ／八ﾄ､　 /　ィ笊ミx‘ 　 ｉ　 |
.　　 　 ノイ　　　ixf笊 ソ 　 弋うﾘ　 ｉ　 |i 八
　　　　　八 　　 {弋う　　　　　 ,,,,,　′ 八　‘，
　　　　　　　ー　 ゝ ,,,,,　　'　　　　厶イ　　|{　i　　　　　　　　「アズササン、オヨウフクヌガナイト」
　　　　　　　　ｉ{　 人 　 　 c　　 イ{　 i 　 八 ′
.　　　　　　　 八{　 i　≧=‐r＜＿jハノ}／
　　　　　　　　　 ＼{ ゝ⌒ノ|{　　　ヽ
　　　　　　　 　 　 ,.　 イ　 八　　 ／｀　　、
　　　 　 　 　 　 /　 ,　ヽノ,:f^V7　　　　　 i
　　　　　　　　　i　 /＿　/:::i ____ 　/ 　 　 |
　　　　　　　　　|　f,//,'/::::::|/////　　　　,
　　　　　　　　　|　|///,:人::|////　　　　/
　　　　　　　　　|　|///ｉ::Y:::|///　　　　/


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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　　　　　　　　　　_ ノ::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､:::::::::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　　　　　　〉::f､::＼::::丿　 ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　「はぁい」
　　　　　　　　／::::ﾊ い::::|./　／⌒ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::∧-‐､:::::::::::::::::::::::::::ヽ　
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ヽ　　　　.　/:::::::::::/;;;;;:i | |:::::　　　　　　　 ＼::::::::::::::::::::::::|　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:＞‐-　､ .i::::::::::/;;;;;;;;;|│:::::　　　　　 ,　-‐‐} 人::::::::i:::::::|　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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454： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:21:34 ID:vmPyY7jQ


　　　「アズササン、フクヌガセマスヨ」


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/////＞'⌒　　　　　.　-―＜////////////,}
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ノイ　　　|厶,′|　 / ﾄ､___!　 |　　i　　　　 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |{　 　 |　x=ｘ{　　 ﾉ　ヽ{｀メヽ　|　　 　‘.　　⌒＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 八　　 |i{{ {::ﾊ　　　　 ｘ=ミｘ　Ⅵ　　 ｉ　 |　　　　‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼ 八ｉ Vﾘ　 　 　 　 {し心　|　 　|　 |{　　　 　 .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｉ　 | ,,,, 　 　 　 　 乂:ツ　, 　 ,′ 八
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノィ八　　'　　　　　 ,,,,,, 　厶イ　 /　 　 　 　 !|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |i　 ヽ　　　　　　　　　. : ｢､}／,|　 |　　 　 八
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 八　i　i＼ `　　　　＜／　　∨ }／}ノ|　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /Ⅵノ⌒｀T爪　| ／　 　　/ ＼　´　j／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ′ ヽ　 く／} ／ { 　 　 ／ 　　 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　　〉／:／´　　ﾄ､__／′　　　　‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　　 /:: イ 　 　 　 !　|::::|　　 　 　 　 i
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　　 　 　 　 ' : ,-‐ ヽ : : : :／: : :`
　　　　　 .' :. / : : :./＼ : : : : : : :∨ヽ　　　　　　　　「私お姉さんなのに、ごめんなさいね〜、サーニャちゃん」
　　　　　: : :/ : : : :||ﾐ` ∨彡'. : : :∨::}
　　　　　i / : : : :/ |i 　　　　ヽ : : :∨:|
　　　　　| : : : : ::　 |　 　　　 　'. : :::.} :|
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　　　　　| :i : : :ﾚrｪｯ　　　　ｲf ≧ : .:| :|
　　　　　|.八 : :{` ｰ´　　　　 ￣　.| :.|. :i
　　　　　i :::::. 　ﾄ''''''　 　 '　　''''''' | : | ::|
　　　　　| : : :ﾊ ＼　　 r　‐, 　 ／i: ::| ::|
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　　　　.' : : : : : : :,/ミ　　`　　彡 ∨ : : |
　　　 / : : :彡 '´|i＼　　`三'　　./ |i|　 ` 　､
.　　 / : : :{　　　|i| 　＼三三三/　 |i|　　　　 i
　　/: : : :.|　､.　 |i|　　　　　　　　　.|i| . /　　 .|
　 .' : : : : :|　 ヽ/　＼ ＿＿＿＿／. ∨／　　|
　 { : : : : :.|　 /　 ○　￣￣￣￣　○ ＼ .　　|


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455： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:21:49 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　「キニシナイデクダサイ、ハイ、ウデアゲテクダサイ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「はーい」



　　　 　 　 ./ /: : ／　. :/ /:.／　/　／　　　　 |:l:l| ﾄ､　　　　　-―/　　　ﾑ　　　　　　 ／-‐　　　　/ : : :
　　　　　　/ , : _/　. : : , ./:　　 , |／.　. . . .　　 Ⅵ .|　 、_　　　　./　 ,ｘ≦ｧ1　　　　 ／　　　／: :{ / : : : :
　　　　 　 | { : / ,. : : : :]　　　　 . . : : : : : : : : : . }:l:| ﾚ ￣ｱ¨¨¨¨´_. ィ＞'"　.|　　　／　　　／: : : /.L : : : :
　　　　 　 | { / . : : : : : l／ . : : :　　　￣　　　　 }:l:|/O／_.　ｘ≦＞'"　　　　|　 ／ 　　. 　/. : : :/　 { : : : :
　　　　 　 |　 . : : : : :.／. :　　 . . : : : : : : : : ._..斗ｧ'ﾗミ＜＞''"´. : : : : : : . . . |／　　. :/__,/. : : ;　 {　厂: : :
　　　　 ／|　 [: : : :, '　 　 . : : : : : : : : : ;ｘ＜:l:l:l:l:{:l:{:l:l:l:l:l＼ . : : : : : : : : : : : : : : .　／^ T: : : :/　/} /: : : :
　 　 　 i　 l　「: : ;　 　 . : : : : : : : : : ,ｨi:|:l:l:l:l:l>ﾜ:l/^i心:l:l:l:l:心: : : : : : : : : : : .]. .　 　 　 !|: : :/　/.//: ／
　 　 　 |　　 ｜/　　. : : : : : : : : :,ｨ:l:l:l:l:l:l:>'"ノ:l/　ｌ|:l:liﾞ寸:l:l:∧: : : : : : : : 厂 ／　　　　l !: : i　/: l ﾚ　／ .:
　 　 　 | 　　 ﾚ　-=―-　: : : : :./:l:l:l:l:>'":／:／j　 !|:l:l|　Ⅵ:l:l:∧: : : : :rｖ　.: :. :. :. :.　　　 : : | .{: : L／ . : :
　　　　 |　　./　-―-　　　＼ : ヽ:l:lｱ: :_/:l:l/　/　/:l:l:l| : :∨:l:l:l∧￣￣　`　:._:._:. :. :.　　 | :/　l: :／ . : : : :
　　　　 ﾄ　 .':. :. :. :. :.＼｀＼　`ー`´ _ ./:l:l/　/　//:l:/ : . . ∨:l:l:lﾉァ　　　　　　　 `　 __ノ /　i／. : : : : : : :
　　　　 |　 ′:. :. :. :. :. :.＼: }　　/￣　|:l:l:|　/ O, i:l:l:|　. : : : ヾイ　　　　 -――-　　　　./　 .l. : : : : : : : : :
　　　　 | .∧:. :. :. :. :. :. :. :. ｛　 ｛ : : .　|:l:l:| .{　　i |:l:ｌ|/ :. :. :. :. / 　 　 /:. :. :. :. :. :. :＼　　　　|. : : : : : : : : :
　 　 　 l　　 ､:. :. :. :. :. :. :. :. :、 :、: : : :|ｌ:ｌ:|∧　 .l |:l:l| :. :. :. :. :.′　　/:. :. :. :. :. :. :. :. :. :､ 　　 : : : : : : : : :./
　 　 　 |　　. ヽ:. :. :. :. :. :. :. :. ＼＼-　|:l:l:|　　 　 |l:l:| :. :. :. :. i　　　/:. :. :. :. :. :. :. : .:. :. :.ヽ　 .: : : : : : : : /
　 　 　 |　　. : : ＼:. :. :. :. :. :. :.: .ヽ `:.｜:l:|:._∧　 |:l:l| .: .: .: .:∧　　{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :∧ ,′ : : : : ／
　 　 　 |　　 . : : : :＼: :. :. :.: . :.:. :. }　 .|:l:l:|　　 　 |:l:l|　、:. :. :. :}　　[:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :/　./ : : : : ／
　 　 　 |　　. . . : : : : ≧:._-　　　　　　 ￣　　　 ｝|:l:l|　 ヽ:. :. :. :.　　「 :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ／: : : :／　　　_. :
　 　 　 |　　　. : : : : : : :L　　￣}　　　　　､＿　｛ i￣　　　`　:. :. ､　 :. :. :. :. :. :. :. :. :. .ィ: : : :／　　_ . : : : :
　　 　 ∧ 　　. : : : : : : : :ヽ　　、　　　　　　 　 ,O} : : : .　 　 　≧ -　ト　. :. :. :. :. イ /: : : /　　／ : : : : : :


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456： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:22:03 ID:vmPyY7jQ





　　　　　　　　　　 　,／'　　 　 　 　 　 　 ,:　　　　　 　 　 ‰ ゜ 　 l　　　　　　　　‘,　}
　　　　　　　 　 _,zィ;〃　　　　　　 　 　 /　　　　　　　,.ィ:／　　　 l　　　　　　　　　V
　　　　　　　, ｨ 〈 (ﾊ　 　 　 　 　 　 　 /　　　 　 　 ,.:'::〃　　 　 .: ‘、　　　　　　　　l
　　　　　 ／:::⌒Y::::ﾉ　　　　　　　　,.: ′　　　 　 γ:ｸ　 　 　 ／ 　 ヽ　　　　　　　 ‘,
　 　 　 〃个Y(^rΛ　　 　 　 　 ／　　　　　　 　 /::/　　　　/　　　 　 ゝ　　　　　　　}
　　　 /:ゝ-ィ::o::}ﾒハ　　 　 　 ,:'　　　　　　　 　 〃,'　　　 　 !:. 　 　 　 /　　 　 　 　 ,′
　　　,:::::::::::::Y_ノ:::〃　　　　 /　　　　　　　　r‐::'/{　　　　　 ,:.　　　 　,:　　　　　　　 ,'
　　　l:::::::::::::l》⌒〈::ヽ　　　 ,: 　 　 　 　 ___厂:rァハ　　　 　 ！　　　 /
　　　';::::::::::::l!ゞ_ソ::)::》　　,:　　 　 　 γr=ミ〈::,-::‐:ﾐ、　 　 　 :,　 　 /　　　　　　　 ′
　　 　',::::::::::ゝﾍr :^＜、　 !　　　r≠イ::r'::ｖ:::(:::人::}Λ　 　 　 :　　 ,:　　　 　 　 　 ,
　　　　゛ ,::::::::`:.＜_入::Y　! ___ノ::r::⌒<::Y::ゝ-ｨ::::::j::::ﾍ、　　 ,: 　 /　　 　 　 　 　 ’
　　　　 　 ヽ、::::::`::ー;､:ヽ,l::r=::〈:(::)::人_人__ノﾍ,ノ::::::::::ヾ､ノ　　,:　　　　　　　　,
　　　　　　 　 ＞ -＝二=へ::<ゝ-::'⌒:j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　{　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　 T　 V^::-ーイ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　 /　　 　　　　　,’
　　　　　　　　　　　　 　 l　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::,ｨ 　 ′　　　　　　 /
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　　　　　　　　　　　　　　 ‘,　　}　　　　　　　　　　　　 　 　 ヽ　　　 　'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　r:!　　　　　　　　　　　　　　　　 `－



　 ,/ /　　 　 　 ／}　 /　 |　 !ｲ　ﾄ､　　　　　　　　　　　 　ヽ
､ /j/　　　　 ／　 |　/　　／!| |　|　ヽ　　ｉ|　　 　 　 　 　 　 ‘，
j//トミ　　／　u.　| /　／ | 八{　|　　‘， ｉ|　　　　　　　　 i　　i
,ｘ=ァ≠≧=x　 　 j/／ 　 j/ 　ヽ{　　,斗z七　　　　　　!|　ﾄ､　|
´ ん:xf/,ﾊ:ﾍ㍉　／　 　 /　 　 ｘ≦≠ミ､ ﾄ､ 　 |i　 　 八^|　）′
　_)f/////}::}　　　　 　 　 　 　 んf/ﾊ:ﾍ 刈‘，r|　　 /}　 八
.f:::::{////ｿ:ﾘ　　　　　　　　　　r､)///}::}　}}　 Ⅵ　 /' |　,′
弋こ_ー_ン　　　　　　　　　 　 ∨//ｿ::ﾉ　j}　/　!i /　 }ノ　　　　　　　　「……большой」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー'"　　　, 　 }/i
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,　　 　 　 　 　 　 　 /八
::::::::::::::　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ::::::::::::::::: i　　 　 ‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ‘，
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 八　　 　 　 ‘.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｲ 　 　 　 　 　 i
､　　　　　　こﾆ=== ニ つ　 　 　 　 ／ ｉ|　　　　　　 　 |



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457： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:22:23 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 |ﾆﾆﾆ人　　 　 .　　-‐…　…‐-　 .　　/ﾆﾆﾆﾆﾊ
　　　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆ 　 ´　　　　　　　　　　　　 ｀　ﾆﾆﾆﾆﾆ|
　　　　　　 Vﾆﾆﾆ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヾﾆﾆﾆ|
　　　　　　　V ﾆ　　　／　 　 　 　 |　　｝}　 　 ＼　 　 Vﾆiﾘ
　　　　　　　 ∨　　　　　/　　　 　 |　　｝}　 　 　 ﾟ｡ 　　V/
　 　 　 　 　 /　 　/　　 ′/　　　ハ　 ′　　　 　 ﾟ
　　 　 　 　 　 　 / 　 .斗,/|　　　　　V / -‐-ミ　 　｝　　 ＼
.　　　 　 ／　　 　 ／　 |　八　 / 　厶｛＼　｛＼丶 ｝
　　　 　 　 |　　 i　 /　斗ﾃぅxV 　 　 　 斗ﾃぅｘ ﾟ｡
　　 　 ｛　 l|　　 | 　 〃 んハ　　 　 　 　 んハ ヾＹ　 　　　　 |　　　　　　「エット、ヤラナイオサント、ドンナオハナシシタデスカ」
　　 　 ｛　 l|　　 |　{ 八 乂:ツ　 　 ,　　　 乂:ツ　八　 |　　　　|
.　　　　　 八　　|　{　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 八　 　 八
　　　　 　 　 ＼｛⌒＼/i/i/　　　　 　　　 /i/i/ 厶イ　　）／ﾟ｡
　　 　/ 　 　 　 　 ｰﾍ　　　　　　 っ　　　　　　厶ィ′　　　　ﾟ
　　　　　 　 　 ′ 　 人 　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ
　　 ｛　　　　 /|　　 　 　 　 .　　 　 　 　 . イ　| 　　 　 　 |　 　 }
.　　人　　 　 八　　　|　　　　i≧=‐=≦　|,ﾉ　八 　 ｛ 　 ハ 　 八
　　 　 ＼ 　 |　 　　　ﾄ､　　 ハ、　　　 ノ　 V 　 ＼｛　/
.　　 　 　 ＼{＿_　＼｛ _＼ノ　　｀TT ´　　　|　 /　 ｛./ｰ-ミ}/



　 　 　 　 　 　 ......-――-.....､
.　　　　　　 ／:.:,:≠　-――- ＼
　　　　　　/:.:／.........　_　　　　｀ヾ
　　　 ....≦:.:/:.:.:.:.:.＿.:.:.:.:.:.:.:｀:.:....
　...:.´:.:.: i:.:.,′:.:.:´:.:.:.:.￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:..
´:.:.:.:ヽ:.:.|:.:i!:.〃:.:.:.:.:.:＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:.＼
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{:.,′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.＼:.:ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ.:.:.:.
:.:.:.:.,:.:.⌒:.:'， f≧:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.､:.:.:.:.:.'，:.:.:.:.:.:.:.
:.:／:.:.;.:≧:.:刈:|i:.:.:.＞＝- :.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'，　　　　　　　　　　 「あのね、約束したの。
:.:.:.:.:./:.:‐-ミヾf;.メ´　 　 　 ｀　 :.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'，
:.:.:. /;.≦:.:ミヾ~´　　　　 　 　 　 _　､:.:.:.:.'，:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　　　　　　　　お兄ちゃんとずっと一緒にいてあげるって」
:.:. ,′;≠ ´　　　　　　　 　 　 ´　 　 _ヽ:.:.:'，:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:{:.:.〃　 　 　 　 　 　 　 ´ 　, ィf爪炒､＼}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:{:./ {　　　　　 　 　 　 　 　ｲ 　 ゝﾟ´ 　｀ヽ .:.:.:.:.:.::.:.:.}:.
:.:. Ⅷ:l:　　　　　-　　　　　　 　　　　　　　　 }:.:.:.:.:.|!:.:.}:.:'，
:.:.:. Ⅵi.　 ／　 　 ,.ｭｮ　　　　　　　　 　 　 　 }:.:.:.:.:i!:.:/:.:.:.
:.:.:.:.:.Ⅵi /　　 ィ斧ツ　　　　:::..　　　 　　　　}:.:.:ノ／:.:.:.:.:..
:.:.:.:.:.: Ⅵi　　ゝ　 ﾟ´　　　　　 :::::.　　 　 　 　 ﾊ:￣:.}:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵk　　　　　　　　　 　'　 　 　 　 　 ′}:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.ヽ:.:.:.:.:.:∨|ik ､＿＿　　 　 　 　 　 ´　 　./ 　 }:∧:.:.:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:.:＼:.:.:.:.＼...................ヽ　　　 ´ 　　　　 /､ 　ﾉ′ ヽ:.:.:.:.:.:.:|
:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:.:＼／.............'，　　 　 ＿　　　 ￣　　　　'，:.:.:.:.|
ヽ:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼＿ノ.......　　｀ヽ　..　　　　　　　　　　'，:.:.弋
...i｀.＼:.:.{｀ヽ:.:.:.:.:.:｀:.ﾐ..､.......'，　　　　｀　　 ..　　 　 　 　 ，:.:ハ ＞―-　　 _
...|....... ヾ:＼..｀..ー...´..ヾ.）.......i　　 　 k　　　　｀ ヽ　　　　 _:{:.:.:.:'，　　　　　　｀ヽ
...|......./.......................................... |　　　　}i　　 　 　 　 ｀ ｰ　´ .!i.:.:.:.:l
...|..../...............................................|　　　　|i　　 　 　 　 　 　 　 |i|:.:.:.:|　　　　　　　　　'，



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458： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:22:42 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　「エッ……アズササン、ヤラナイオサントケッコンスルンデスカ」



　.................:: 　 ::....... //〃　　　　　 /|　 　 　 |　　　＼
　.................. 　 .........// /　 { 　 　 _/_ !_｣＿　八　　　　 ヽ
　　　　 　 :::　:::　//　′ 八　 ,' /　 {　!￣ ~ﾞ 丶､　　　　',
　　　 　 　 ::　::　/　 ｉ{　　|　X /｜八 {＼　 　 　 丶 　　 ',
　　　　　 　::　:: i′　i{　　| j／　 | ⌒＞､ ＼　　 } i　丶 　',
　　　　　 　 :: :: {　　八　イ｛　 ＼!　/てうミxﾍ　∧|＼　　　 ,
　　　　　　　　　　　 　 ＼Ｎ∧}　 ヽ　ﾄｲ:::ﾘ　Ｖ〈　ﾉ　 ヽ　　 }
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ;　　 　 |i:し;'　　》'^　　　 }∧　'
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . '　 　 　 Ｖﾝ　 〃　　　　 /　jｲ
　　　　　　　　　　　ｒ‐‐　 ´　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |
　　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　　　.::::::::::.　　　 　 　 　 　 ﾉ/　 ／
　 　 　 　 　 　 　 　 ､　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 厶イ



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',　　　　　　　　　　　「え？
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |　　　　　　　　　　　　 うふふふふ、サーニャちゃん、
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l'''''''　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j　　　　　　　　　　　　　どうして私の小さい頃の夢を知ってるの？
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　''''''''''''ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !　　　　　　　　　　　　　　　すごいわー」
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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459： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:22:59 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　 　 　 　_,， - ―‐ -　_
　　 　 　 　 　 　 　 ,，　´￣　　　　　 ￣｀ヽ、
　　　　　 　 　 　 〃　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　/　 　 　 　 　 ri　 | ｉ{　　　　　 ﾍ
　　 　 　 　 　 /　　　/　 　 ｉ　|{　　八　 ｉ　　　　‘，
　 　 　 　 　 , ′　　.′　i /| ,ハ/∧　ヽ:!　　　　　:.
　　　　　　 /　　　　i 厶斗-j/　ｊ乂　ヽ‐ !Ⅵ　　 　!|
.　　　　　 / i　　 　 j/}/　!　{　/ 　 ヽ　}ﾉ'　ﾄ､ 　 |八　　　　　　「？」
　　　　　 　 | ﾄ､　 |'　y'斧ﾐx　　　　 ィ斧ﾐｘ　 :.　i| i　ヽ
　　　　　 　 V ∧ :|:. ゛弋う　　 　 　 弋:う j「 i:{　i| |
　　　　　　　 /　:Ⅵ :.　　　　　　　　　　　　 /i:　八 ､
　　　　　　　,:　 　 ﾄ､:.　　 　 　 ′ 　 　 　 ,ノ}/　ｉ{　 .
　　 　 　 　 iﾊ!|: 　|: :.ヽ　　 　 (　)　　　　ｲ　/　 八　}
.　　　　 　 　 八　 ､ﾄ､iﾊ＞　　　　 　 イﾉ}ﾊ/i　/　 ）ﾉ　　　　　　　　　「アズササン？」
　　　 　 　 　 　 ヽ{ ヽ　 　 rｉ ｀¨¨´ ﾄ､/　　　j/
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ　｀YY´　 i
　　　　　　　　　　　　,， ´　　　| |　　 丶、
　　　　　　　　 ,，　´　{{　 　 ／　＼＿＿_> 、
.　　 　 　 　rf´　　　　ヾ　／V⌒Y´∨/７　　｀ ー ､
.　　 　 　 　| !　　 　 　 ｀´ 　 }=={ 　 ∨′　　　　: i
.　　　 　 　 | :.　|　 ｘｭ、　　　,::::::::.　　 　 __　 　 ,'　|
.　　 　 　 　|　Ⅵ,ｲ三.心、　 ｉ:::::::::i　 ,ｨ升,心、i/ 　|
.　　　　　　 : 　 i三三三,心_ |:::::::::|,.ｲ三三三ﾐ} 　 :|



.　　 　 　 　 ,.へ、　　　／⌒ ヽ.
　　　 　 　 /　　 ＼∠7: : : : : : :＼
.　　 　 　 /　／￣ ｀: : :／ ＼: : : : ＼
　 　　 　 {　/: : : ｢￣≧ﾚ√⌒ヽ: : : : :ヽ.
　　　 　　∨: : : :.|:／　　　 　 　 ＼: : : : ヽ
　　　　　 ∧: : : :.|　　 　 　 ＿＿__,ヽ: : : : :',
　　　　　,':.: ヽ: : :|　　 ﾉ　　｀￣￣　 ヽ: : : : ',　　　　　　　　　「私ね、ちっちゃい頃、お兄ちゃんのお嫁さんになるんだって
　　　 　 {: : : : : : |-≠'　　　　 彡三ﾆミ: : : : ﾄ､
.　 　 　 ;l:: : : : : : ! yz三､　　　　　xxｘN : : : |: :',　　　　　　　　　　　　そう思ってたのよ〜」
.　　 　 ,':!: : : : : : l {/　　　　 '　　　　　 ﾚ|: : :|: : ',
　　　　; :!: : : : : : Ｎxxx　　　　　　 ｧ　　 l: : :!､: :.',
　 　　 i: ﾄ､ : : : :Ｎ } 　　　 {/ : : : :/　　 /ｌ: : |∧.:.:',
　　 　 |: !: : : : : :! Vヽ.　　　｀　ー'　 　,ｲ::l:./:|/∧: :',
　　　　Ｖ: :l: :l: : :ｌ　〉ー＞､ 　 　 　 ／::|:::l∧j.//∧: ',
.　　　　|: : lヽﾄ､: `r:､　　´￣⌒ヾ...:::::::::l ///////∧: ',
　 　 　 |: :.j､: : :＼|::::::＞=､＿＿ﾉ＿／ﾄ､///////∧: ',
　　　　 |: /: >=――‐| /ｊ rこﾊ　〉<ーｲ　＞＜////∧: ',
　　　　 |: :./　　 　 ＼l {ﾉ ｀¨¨ﾞ　{〉/　/ /　 　 　 ＜/∧: ',
　　　　 l: :{ 　 　 　 　 ', V￣￣Yﾞ´　/ /_／ 　 　 　 ＼ﾊ: :',
　　　　 l: ∧　　､　　　 Ｖ　　　 |ニ<_∧　 　 　 ,　　 　 }ハ ',
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460： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:23:16 ID:vmPyY7jQ



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　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　 「でもね、サーニャちゃん。
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　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　 お兄ちゃんはおとなになったら、
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　 私を置いていっちゃって……」
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
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　　　　　| /　　 　 　 ,' j ハ斗/七/　 /　 　＼ﾉﾊ:i　　 |　　　　　　　　　　「サミシカッタデスカ」
　 　 　 ／　 i　 　 　 | / 　 }厶≠ｘ 　 　 　 ｲ斧ﾐ |　 ﾊ{
　　　　　,　　|{　　 　 |　　〃f::::しj　 　 　 　 {じ:j″ / ﾉ
　 　 　 / 　 八　　 　.　　ヽ弋::ソ 　 　 　 　 ゞ'ﾟ , j/ ヽ
. 　 　 /　　　　 ＼ 　 ヽ　　　　　　　　　　 　 　 !|′　‘，
.　　　′　　　 　 ヽ ー 　ゝ　　　　　　　　 ´　　八 　 　 i
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.　　 八ﾄ､　　､　 　 i ヽ　 ＞ 　 　 　 　 　 ／　 /}　 　 八
　　　　ヽ ＼　ヽ 　 |ヽ{　 r|　　 ≧=‐　 イノ}　/　! 　 /
.　　　　　 　 ＼{ ）ノ　 ＼j ｀ TT ´￣　 ヽ.　jノ　 j／/
　 　 　 　 　 　 ｀　 　 ／ヽ　 | |　 　 　 　 ｀ ｰ=ミ
　　　　　　　　　 ,，　´　　 　 | |　　　　　　　　 ／＞　 _
　　　　　 　 r‐ ´|　　　　　　/∧　　　　　　 ／／　　 　/ ヽ
　　　　　 　 |:{ 　|　　　, ィ:´:ー::ヘ、　 　 ／／　　 　／　　 i



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461： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:23:27 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　_
　　　　　　　 ／ __ ＼　　　,　-　　､__
　　　　　　　i::::/　 ＞::ヽイ:::::::::::::::::::::::`､‐::､
　　　　　　　|::|　／ _:::::::i´`ヽ::::::::::::::::::::::＼::＼　　　　　　　　　　　「えぇ……さみしかったわ〜。さみしくてさみしくて」
　　　　　　　|:l /::::/　＼:l__　　　＼::::::::::::::::::＼:::
　　　　　　　ﾘ/:::::|　 　'´　　 ￣`　＼::::::::::::::::::::＼､
　　　　　　　 {:::::::|, '´　 　 　 　 　 　 ＼::::::::::::::::::::}:::､
　　　　　　.　|:::::::|　　　　　　 　　　　 　∨:::::::::::::::::::::::ｉ
　　　　　　　|::::::::|　　　　　　　 ` ー‐‐- }::::::::::::::::::i::::::|
　　　　　　　|:::::::::|　 ノ´　　　　　'´して`ｙ:::::::::::::::::|::::::l
　　　　　　　i::::::::::|´,イむ　　　　　 辷 j １::/::::::::::::|:::::ﾊ
　　.　　　　　{:::::::::{丶弋ﾉ　　　　　　　　 ﾚ:::::::::::::::|:::::::ﾊ
　　　　　 　 八:::::∧　` 　　丶　 　　　　　|:::::::::::/:::::::::::ﾊ
　　　　　　　　 ＼:::∧　　　　_..　-‐　　　 レ:::::/::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　＼:i`ヽ, -‐､_　 　　　　　/:／:::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　 　　 〉/　ｯ　i `i-､　　／/:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　.　 i　 　し´iﾉ_ﾉ }＿ _ __ ﾚ ´: ｝:::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　|　　　∨ '´/i : : :i : : :i : : :|::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　.　　|　　　　　/ :i : : :i : : :i : : :|::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　_ ｲ　　　　ノi : :i : : :i : : :i : : :` ‐ - ､::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　／ 　　 　 　/ : :i : :i : : :i : : :i : : :i : : :i: :| ヽ､::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　/ 　 　 }　　　{: : :i : :i : : :i : : :i : : :i : : :i : i　　ヽ:::::::::::::::::::i



　 　 　 　 　 　 　 　 .　　　´￣￣￣｀　　､
　　　　　　　　　 ／　　　 ,　 '⌒　　 　 ´￣｀丶
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 / 　 　 ,
　　　　　　　′　　/　 　 　 　 　 　 / 　 ! 　 　 　 ‘，
　　　 　 　 　 　 . ′ 　 　 　 ′　 /　| i |　i 　 i　　　　　　　　　　　　　「デモ、ヨカッタデスネ。
　　　　　　, 　 ノイ　　　　　厶 ‐ /　八{ ﾄ､{‐- |　 　‘，
　 　 　 　 ′　　 |　　　 ｉ´/　|　/ j/ 　乂　ヽ　|　　 i　.　　　　　　　　　　ズットイッショニイル
　　　 　 /　　/　}| 　 　 Ⅳ　 Ⅳ /　　　　　　Ⅵ　　!ト ゝ
.　　 　 /　　/　j八　 　 |　　ｘ≠ミ　　　　x=ﾐ　i 　 八　　　　　　　　　　　　ヤクソクシタンデスヨネ」
　　　 /　　 ′　{ (ヽ 　 |　　　　　　　　 　 　 ハ／
.　 　 ′!　j　　　＼ゞ＼{　　 　 　 　 　 '　　 ′‘.
　　八{八ハ 　 ｉ 　 ｀ ｰr 、　　　　ー　　　 / 　 !|
　　　　　　　＼{＼　　i |__｀　　　　　　　 イ　　 八
　　　　　　　　　　 ＼ﾊ{　 ｀ 　 ≧=‐＜　 !　 , ′
　　　　　　　　　　_,ノ　　　　　　| | ､ 　 )ﾉ}／
　　　　　　　.　＜　　　　　　　　| |　 ｀ r　__
　　 　 　 /´＼　　＼　　　　　 ﾉｘへ＿|　 ｉ　.
. 　 　 　 ′ 　 ＼　　＼　 　 / ＼:ノⅣ!　 !　|
　　　 　 i 　 　 　 ヽ　　 ＼_/　　　ｉ::::く　　!　|


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462： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:23:41 ID:vmPyY7jQ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿__./.,. i
　　　　　　　　　　　 　　,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::i::/::i　..::::、.:`:、
　　　　　　　　 　　／.::::::::::::／ i/`‐ｖ';;;;; i.::::::::ヽ.
　　　　　　　　 　/.::::::::::::／　　　　　　 　`i .:::::::::i
　　　　　 　 　　/.::::::::::./_＿_,　　　　　　　│.::::::::i
　　　　　　　 　i.::::::::::::i '　　　　　　 _　　　 i .:::::::::i
　　　　　　　　│.:::::::::i-‐‐‐、　 　 　 ｀ヽ、i .:::::::::i
　　　　　　　　/i.::::i::::i.::::::::.　　　　 -‐-.、ﾉ ::::::::::i
　　　　　　　./::::i.:::i:::i　　　　 t　　 ::::::::. /.:::::::::/
　　　　　　 ./:::::::i::`:ヽ.　　 r‐--、　 　 /::::::.／
　　　　　　/::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.　`ー‐´　,,./;/;;／i
　　　　　./::::::::::::::::│i`ー`r‐=＝f、/／.::::: i
　　　　 /:::::::;;;;;＿丿 i _.,;ー---,/./´　.::::::: i　　　　　　　　　「そうなの……もうどこにもいかないって約束したの」
　　　 ,;'-‐‐'│ .i　　i,;´ ,;--‐´‐yヽ＿__.:::::: i
　　　/ 　 　 i　 i　　i,´　,,;‐;'ニ二;　i　 i`ヽ:: i
　　 │　 　 i　 i　 / i　　.'',-‐‐-y'　i　 i　　ヽ
　　 │ 　 .i　./　/ ./　　 /　　 /i　　i　i.　　│
　　 │　　i　/　 .i／　　 i　　　 i ヽ 　 i　i　│
　　.│　　i　i　／　　　.ﾉ i 　　´ヽ　.i　 i　i │
　　│　　.ヽ／　　　／i .｀ヽ.　　 ＼i　i　.ﾉ │
　 .│　　／　　　 ／　.i 　 i ＼　　　＼/　 │
　 │ ／　　 　.／i　　 i　 i　　i＼　　　＼. │
　　i/　　　　／i　i　　 i　 i　　i　i＼　　　 ＼i



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿_　　 ／//////}
　　　　　　　　　　　　　　　 . 　 ´￣｀⌒　 　x≦,////////|
　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　 ´ー≠ミ//////|
　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ヾ/,へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　/ 　 　 　 　 　 　 　 i　　　､
　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 | 　 　 ‘，　　　　　　　 　 　 ‘，
､＿＿＿,x≦/′　/　 　 ′　　/　　|　 　 　 |　　　　　　　　　　　 ‘，
.∨////////′　 　　　 |　 　 '　 　 ﾄ､　　　 ﾄ､　 　 　 ､　　　　　　 i
　 ＼//////ｉ　　 |　　　 |　　 ﾊ　　 i|　ヽ　 斗‐＼　　　‘，
　 　 ｀ ＜//,|　　 |　　　 |　　 !_ヽ　 i|　　 ＼ |　　　ヽ　　 i　　　　　　{
　 　 　 　 ⌒|　　 |　　　 ﾄ､／| 　 ＼{ 　 　 y'"斧芋ミY　 |{　　　　　　＼
　　　　　 　 }|　　 |　　 　|　＼{　 　 　 　 　　 弋//ツ ,　 八　　 　 　 　 ‘，
. 　 　 　 　 八　 八　 　 {　y汽斧ミ　　　　　　 　 　 厶イ　　　　　　　　　|{
　　　　　　　　＼　　ー　ゝ ゛ 弋/ツ　　　　　　　　　 　 八　　　　　　i 　 八
　　　　　　　　　 ｀ i　ー＜⌒　　　　　、　　　　　　　　/　　 　 i　 {　 ﾄ､（
.　　　　　　　 　 　 |　　　 　ヽ　　　　　　　　 ,　　 　 ノイ　　　 |{⌒＼{ 　＼
　　 　 　 　 　 　 ノイ　　　 　 　　　　　ー　_ 　 　 　 ｲ |　　　 八　　 ）
　　　　　 　 　 　 　 |{ 　 i　|　i 个　.　　　　 　 　 ／　| j　,j ／
　　　　　　　　　　　八　j{　|　|　!　　 ｢≧=‐- ‐く　 ／ }／（
　　　　 　 　 　 　 　 __)ハ/jノ{ ハ　j |　　　｀丶､／　　|
　 　 　 　 　 　 　 , ´　　｀　ー=ミ ）ハ}　　　　　||　 　 i|＿　,.　　´￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　 /　＼　　　　　 　 Y´　　 　 　 ||　　 ノ　i|　　　　　　　i
　 　 　 　 　 　 /　　　 ヽ　 　 　 　 |i　　　　　　||　　　　 i|　　　　　　　|　　 i
　　　　　　　　/　　　　　　 　 　 　 八　　　　　 ﾘ＼　　　i|　　　　　　　|　　 |
　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　ヽ.　　 　/､:::::}｀　　i|　　　　　　　|i
. 　 　 　 　 /　　　　 　 ＼ i　　　　　　　 ＼_ノ　{⌒Y　 Ⅵ　　　　　　　|{　　 |
　 　 　 　 /　　　　　　　　 ヽ　　 ／//＼　　 　 |::::::|　　／//＼　　　 八　　|


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463： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:24:00 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「だからもう、私は安心なの、

　　　　　　　　　　　　　ずっと心配しないでも大……丈夫な……の」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐:::::::￣::::`::::､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､
　　　　　　　　　　　　　　　 イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::＿＿__::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　/::::ｒ‐::::'::::´::::￣:::::::::::::`　､:::::::::::::::::::::::::::::::::::`
　　　　　　　　　　_ ノ::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 　 {::::＼ﾄ:::::::::＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　〉::f､::＼::::丿　 ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　／::::ﾊ い::::|./　／⌒ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::∧-‐､:::::::::::::::::::::::::::ヽ　
　　　　　　　/:::::::::::::へ::|:::|i／　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::|　　　i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽ　　　　.　/:::::::::::/;;;;;:i | |:::::　　　　　　　 ＼::::::::::::::::::::::::|　　　|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:＞‐-　､ .i::::::::::/;;;;;;;;;|│:::::　　　　　 ,　-‐‐} 人::::::::i:::::::|　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:⌒ ＼;;;;;;;;;;;:|::::::::::::: 　 　　　::::::::__,ｲ__ }:::::/:::::::|　イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:´ ＼:;;八::'::⌒__　　　　 ｲ辷彡/／ｌ 从 :八＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＞ ＼ィ彡'　　　　´'´　　　　　|:::::|　＼　＼___:::::::::::::::::::::::::::::::::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／;:;:;:;⌒＼::::::::　　　　////　 　|:::::i　　 }　 　}　　　`ヽ ､:::::::::::
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ:　　　　　　　 　　 | /　 　.|　　 i　　　　　　　` ヽ ､
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼　　　　　　　 ﾘ　 　 /　　./　　　　　　　　⌒



　　 　∨////////＞く__　　　　　　　　ー=＜/////////,/
　　　　∨//////／⌒　　　　　　　　　　　　　＼///////
.　 　 　 ∨///〃　　　　 　 　 　 ｉ　　　　　　　　 ヾ',///′
　　 　 　 ∨//　 　 　 　 . ｲ　 　 | i|　　ｉ 　‘，　　　∨/}
　　　　　　У　　　　 　 /　| !　　i|八{　i|　　‘.　　　　∨　　　　　　　　　　　　「アズササン？」
　　　　　 /　　　　　　 /　八ﾄ､／ﾄ､ 　 i|　i|　|
. 　 　 　 ′　　　 ′ / 　 　 ヽ＼{　ヽ　|　i|　|　 |i　　 　|{
　　 　 ノイ,　 　斗‐ 七　 ‐- 　＼＼　斗z七ﾊ　:! 　 　 八
　　　　　 |{　　　 | 　 |ｘ≠ミ　　　　　　厶≠ミ Ⅵ 　i　/　 ＼
. 　　　　 八　　　ﾄ､ 〃ん:ﾊ　　　　　　 ん:ﾊ　》 ,'⌒iⅣ　　 　 ヽ
　　　　　　/＼　 | Ⅳ 弋:::ｿ　　　　　　弋:::ｿ ″j ) 八　　　　　 ‘，
　 　　　　.′　 ヽ{ハ　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,_／　　　　　　ｉ　　i
. 　 　 　 ′　 　 　 ∧　 　 　 　 ′　　 　 　 /ヽ 　 　 i　　　 }　　|{
　　　 　 i |　 　 !　　　ヽ　　　 ｛　　）　　 　 ｲ　　 >、　|　 /} ハ　八
.　　 　 八ﾄ､ 　 |＼　（　/＞　　　　　　 イ　　 ／ 　 ヽj／ / 　 ）′
　 　 　 　 　 ）ノ　　⌒7　|　 .ｲ｀_ア ´ 　 　 ／　　 ＿_‘，
　　　　　　　　　 　 　 ｉ　 |／{::::::::〉７７７７´　.　 ´　　　 ｉ{
　　　　　　　　　 　 　 ﾄ､　　 廴:/　∨// ／ 　 　 　 　 八
　　　　　　　　　 　 　 |/∧　i:::::{　　 ∨/　 　 　 　 　 /


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464： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:24:14 ID:vmPyY7jQ





　　 　 　 /　　　　　 |　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 |　　 i　 　 　 　 　 ‘,
　　　　　′ 　 　 　 :|　　 　 　 ハ　　　i　 　 　 |　　 | 　 　 　 　 　 ‘,
　 　 　 　 　 | 　 　 ∧　　 　 /　 ｝　　 ﾄ､-‐… |‐-　| 　 　 : . 　 　 ﾄ､
　　　　 |: : 　| 　　 厶-ｰ　　/ 　 ハ 　 |　＼ 　 |＼　| ｀　　: : .　 　 !⌒＼
　　　　 | : : ∧ ／′　 ﾟ｡　 ′ / 　 ＼{　 　 ＼{ 　 }ハ　　 : : :}l :　 |
: .　　　 |: : ｛／　 |　　　 ＼{　　　　　　＼ァ竓竿ミﾒ､　;　　: : 八: 　|{
: :　　　 |: : :|　　Ⅵ ,斗=ミ　　 　 　 　 　 　 んィ　ハ Y | 　.: :∧　　八
: : .、　八.:.:.| 　 xfんィハ　　　　 　 　 　 　 {　V⌒'ﾘ　} |　. :/　 }／　　　　　　　　　「……オヤスミナサイ」
: : : ＼ 　 ヽ{ 〃 { 　V⌒　　　　 　 　 　 　 乂:....:ン　 , 　 , ｝　　＼
: : : :　 ＼　ﾟ｡{{　 V:........:ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　厶イノ　　　　 ヽ
: : : : .　　 ＼｛ﾞ　　ｰ-‐ '　　　　　　　　　　 　 iﾊハ/ 　 :　　　　　　　 ﾟ｡
: : : : 　　　 ﾄ､　　 ハVﾊ/i　　　　　　 '　　　 　 　 　 　 : .　　　　|
: :l|:　　　　 |,ハ　　　　　　　　　　　　　 　 ,　　　　 　 人: . 　 　 ﾄ､
.:八　 　 　 |ｰ-ﾍ　　　　 　 　 　 ｰ-　　 　 　 　 　 ／ : : : .　　　}　＼　 }
′ ﾟ｡　　　 |＼ 个: .　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　. : :/ ｝ : : : /　 /　 　 }ノ
　 　 ＼　　|　 Ⅵ＼　＞　　　　 　 　 　 　 . イ: : / ノイ : /｝／
　　　　 ＼｛ 　 リ　 ｝ハ　{＼≧=‐-　 ‐＜／＾ V　　　}／
　　　　　　＼　　　/　　} ﾉ 　 ー-=ミ__ ィ 　 　 :ﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 |　|　|　 　 　 　 ー-　 .,,__
　__,.　 -‐…　　　　 ´　　　　　　　 |　|　|



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465： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:24:31 ID:vmPyY7jQ



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ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿＿　　　　　　_　　　---=　　　　　　/-
　　　　　 　 　 　 　 　 ＞=‐ 　 　 　 ｀ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '--,′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　 /- //}
　　　　　　　　　 ／⌒　　..⌒ヽ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {--{//}
　　 　 　 　 　 ノ●）.._　 （● ）　　　　　　 　 ゜。　 　 　 　 　 　 {--{//}
.　　　　　 　 （ﾞﾞﾞﾞ 　 '　　 　 ヽ　　　　　 　 　 　 V　　 　 　 　 　 {--{//}.　;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
.　　　　　 　 { ＼_人　__　　ノ 　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　 　 　 {--{//../　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
. 　 　 　 　 人　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ∧　　　　　　 　 {--{/...（　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
. 　 　 　 　 ／＾ｰ‐=､　　　 　 　 　 　__　　__　ノ 　 　 　 　 　 　 {--{//}.）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
.　　　 　 /⌒ヽ￣¨¨r=　__ノ⌒ヽ｡z≦ﾆ=∧　 　 　 　 　 　 　 　 {--{/...（　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）
.　　 　 〈｀ヽ_　｀⌒/￣___　r=ﾄ､ }: : : : : : : ‘，　　　　　　　　　　 {--{//}.）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　∧ 　└ｧ_人 /　　}‐‐'__ﾉト．: : : : : : }　　　　　　　　　　　{--{//}.ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~
. 　 　 　 ＞=＜: : : 〈__r‐′/: : : : : ⌒ヽ: : ,　 　 　 　 　 　 　 　 {--{//}　 　 　 　 　 ｰ'
.　　 　 　 ＞''´: : : : : : ｀≧ｭ｡ _ : : : : : : : : ′ 　 　 　 　 　 　 　 {--{//}
　　 　 　 ′: : : : : : : : : : : : : : 个s｡,__:_:_ノ　　　 　 　 　 　 　 _ ｡z≦//}
　　　　 人__: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : } 　 　 　 二=---　≦///////}
　　　／ : : : ｀ヽ____／ : : : : ⌒ヽ : : : : : } ￣ 　 ￣ ￣}￣}//////////}
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ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
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466： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:24:50 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　_　　 , -‐=- ．
　　　　　　　 , '´ｩ-｀∀∠ﾆ=ｭ ､｀
　　　　　　 〃'´ ..”￣ﾞ: : : : : : : :｀ ､
　　　　　 , ' /　.: : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
　　　 　 ,' .,　 .: : : : : : :|ｉiヾ､: : : : : : : ',
　　　 　 | .{　.: : :,i: : : : |ﾘ　i!∨: : : : : :.}
　　　　　! :', : : : :|!: : : :|′ |　|!,ｨ-=iｨメ　　　　　　　　「それじゃ、短い間でしたけど、色々お世話になりました」
　　　　　∨:〉;: .斗i -‐= 　　　,,二､,ｉ|}　　　_
.　　　　　 ∨Y〉. _,,ｨ==､ _　 ,,´-‐‐ﾒ i　　　〉''ｯ
　　　　　　 刄〈',ゝｨ'´　_,ｨ⌒ー‐ 'ﾞ |!ﾄ､,､_ｲン′
　　 ,ｨ　　　　〉`､',.　￣　　 　 ,　　/iﾉ‐=-'´
　　i`ヽ　　 _[ﾞヽl〉≧ ．　 ￣　 ／　|
　　｀‐-'#ﾆ'_,ｨ､'´ ヾf卞｀　‐-ｨ､　　　　　　/Yヽ､_
　　　　　　,,.-〉'/｀,ゝ､　` ｰ-,'´}‐---､　 ｨ. 〈/〃/ヽ
　　　　　/〃{　 / /´,ヽ- ．_| /､､ヽi |ﾐヽ.{　　^`∨ |
.　　　　 { || |l｀ ､. 　 ｀〈　|l lo il ､ヾ ヽiヽ{入　　,,..＜
　　　　　} l| l| ｉ /`.ｰ-ｲ'} l| |　! |i li lｉ ヽ |　 ￣ |
.　　　 　 ｉ | || /〃ｯ ,__/　l} o ｌ ｌ| ｌl l} i /ｨ ｪ , , }
.　　　　　| | !/〃/ //ｲ l} l| |!| ヽ ,} }}∨/ |l ll | |
　　　　　 !l| ,'/ / / ｲｉ|　} ｉ} ﾘo} |}　ｉ}, | l　|| ll |ｌ|
.　　　　　{l〃 / /〃ﾘ　ﾉ ﾉ ﾉｲ| ,ﾘ ノ ｲ |　l| || l||



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　⌒　 　 ⌒　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（＜） 　＼　　　　　　　　「こっちこそ色々話が聞けて楽しかったお」
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　し'
　　　　　　　　　　　＼ 　　､／　　／
　　　　　　　　　　　 　＼／　　／
　　　　　　　　　　　＿／　　／｀`l
　　　　　　　　　　（＿_＿_／（＿/


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467： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:25:05 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　 _,,.--.、
　　　　　　　　　　　　　　 ,r',.二＝ﾆ＿　　）
　　　　　　　　　　　_,,-'"::::::::::/::::::::彡::ヘ 〈.,,_
　　　　　　　　　　 ri::::::_ｨ-r""""" `-ｧ::::::ﾍ）::ヽ　　　　　　　　　 「私たちはこれで東京に帰るけど、
　　　　　　　　　　i"r"　'　　　　　 ＿ ゛''ゝ;:::i::::::ヽ
　　　　　　　　　　.〉| ＿　　　-'''"_,,,_　　 r"::|::::::::|　　　　　　　　　　 あずさもいつまでもうろうろしてないで
　　　　　　　　　 ,::';|"_,,_`　　　,,"|:::ﾘ）　　|:;へ:::::::|
　　　　　　　　／;;;::::《 !::）　　　　 `"　　　|　）|:::::::|　　　　　　　　　　　 さっさと戻りなさいよね」
　　　_,,..-‐'"￣ 　 ￣i　" ,　　　　　　　　　　ノ::::::::',
　　　　　　　　　　　　|　　　　_,,..　　　　 /￣　 ヽヽ:',
　　　　　　　　　　__∠ヽ　 ￣　　　　 イ::::::i::ヾ:::::::ヾﾍ
　　　　　　 .ヽ￣.'::',＼:::::::''- .,,__..-_"...┴‐┐:::ヾヽ::::::::＼
　　　　　　　　＼ ',::', .＼,.-‐'" ￣　　　　／￣゛'-,,:::::::::::::＼
　　　　　　　　　 ＼',::',　ヽ,　　　　　　／　　,,.-''''ﾍヽ::::::::::::::::＼
　　 ＼　　　　　　 _,,.-'" r'　　_,,..-‐'/　　.,,/　　　 ヽ＼::::::::::::::::::＼
　　　　＼　　　　/　　,r'" ￣　　　,''　　 ,','　　　　　|　 ＼:::::::::::::::::::＼
　　　　　　＼　 /　　i"　　　　　 /　　__i_|　　　　　 `i　　 ヽ:::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　f'　　　　　　/　/　　 ヽ　　　　　 |　　/



　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'　　　　　　　　「はーい、それじゃ、律子さん、伊織ちゃん、またね」
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ


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468： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:25:19 ID:vmPyY7jQ


　　　　　 __　　 _,..､-'':":￣:｀:丶､
　 　 ,,ｨ‐{:fi|,,.＜: : : : : : : : : : : : : .ヽ
　　〃´,≧´;,: : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ
.　　 ,ｨ: : : : : : : : ､: : : : : : : : : : : : : : ∧
　　 ｉ:::!: : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : .i
.　　{::::ヽ: : : :＼: : : : ヽ: :i|: : : : : : : : : : |
　　 ';::::::ヽ､: : : :＼: : : :〉:∨- ､: : : : i: : |　　　 ､_
　　　',i:::::::＞,=-‐=‐‐''∨∧､ i.}:: : : :|: : !　　　 ∨:Yi
　　　 ヾｰ＼'　{¨ic､. ／∨∧_人: : : ヽ; 〉-､ _　_〉: ﾉ
.　　　　　　 ｨv‐､>'´　　　ヽ∧　 ヽ:≦¨､:_;,}_:_;=ｨ'´
　　 　 　 　 Уｰ′　　　　 〈: 〉.　〈ヽ
　　　　　　　ヽ _,　　　　　　 〈 |　　',__
　　　　　　　　　＼　　_,,.＜:i _＞‐ ''¨ }
　　　　　　 　 　 　 ￣　 _｣:{´ _,,..-‐≦ﾐ､　　　　　　　　「ところで、プロデューサー殿とサーニャはまだかしらね」
　　　　　　　　　　　 ／ 〃¨＞‐〃‐ミヾ.〉
　　　　　　　　　　　〆〃//〃// ／, -､ﾐi
　　　　　　　　　 ／／／〃/.///　/,.ｨ=i i|
.　　　　　　　　, '〃／,.ｲ/./.〃/ ,.ｲ/, -:} l|
　　　　　　　　{:i l|/ / ::/ ／／〃/,ｨ‐=ﾉ ﾘ
　　　　　　　 人::ｉ∨_ｨｭ.._∠／〃/》 }丿ｲ
.　　　　　　 // :У ‐‐-=='//〃/::|}////
　　　　　　/,≠/　二¨`ｰ､,ｨ∨/::|:ﾙ'.//


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　　　　　 ／: : : ／／´￣￣￣｀く
　　　　 /: : : : :/／:三ﾌ'´￣｀ヽ: :}:ヽ
　　　　,': : : : ://: :／/ ─‐-､　 l}:〉::}
　　　　!: : : : :l,ﾉ-v: /　┌-ミ ヽ' l' V
　　　　!: : : : :l　） l/　　　 ﾋｸﾊ 　 ｰ}
　　　 ,': : __: :ﾊ､　　　　ヽヽヽ　　lｸﾒ
　　　,' : ﾉ ､}::∧}　　　 u 　 　 　 ｀!
　　./:r「　　｀ヽ::| ＼ 　 　 ￣｀ｰ /　　　　　　　　　　 「ほんと、ちょっと私が目を離してると
　 /: :ヽ.　　　　l'　　 ＞ .,_　　／
／ｨ‐<¨lヽ　　　}　　　 /:/:l¨´　　　　　　　　　　　　　　　すぐグズグズするんだから
／⌒ﾖ ､.rﾍ.　　ﾄ､　　 ｌ｀ﾏ=､___
　　　 ｀ﾏレ:ｌ 　 l､_＼　/ {ヽｭ┐〉　　　　　　　　　　　　　　あのばかプロデューサーは」
､　　　　 Vﾉｌ　　', (__,r‐'ｲl:l:{ ｌ ﾊ
∧　　　　∨! 　　V:|:|:|:|:l:l:l:ｌ:ﾉﾉ ',
::{∧　　　　ﾞ| 　 　 V:|:|:|:|:|:|:|ﾊ_　',
: :Y∧　　　 |　　 　 V |:|:|:|_/l　l､_l/ ヽ
: :∧:|:ヽ　　,'　　　　 l:::|:|:,'.　 し'　 n　|
: : : :V:ｌ:ｌ＼　　　　　 「「「{　 ・　．・}し'
: : : : l::|:|:|:l:＼　 　　ﾉ//ﾉヽ　　^ ノl


.

469： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:25:34 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　,,．:≦:¨:＞.-,ｨ''ミ､ ,..-､
　　　　　　　 　 ,..く. : : : : : : : : 〃 : ｀`≦..｀ヽ
.　　　 　 　 　 / . : : : : : : : : : , '´: : : : :`: : .ヽ
　　　　　　　 / . : : : : : : : : : /. : : : : : : : : : : ﾊ
　　　　　　　,' . : : : : : :il: : : ,'. : : : :,; : : : iｌｉ: : : }
　　　　　　　{: : : : : : : :|:ｉ : :|: : /. :;i| : : : |ﾘi: : ﾘ
.　　　　　 　 !: : : /´Y: !ｧ_:_:|=-＜ﾉ| : : :ﾉ/.: ::/
　／{　　　　 〉: :∧lc|: /丶.,ｨ:i5ﾞヽ｀￣,ｨく.ヘ/
.〈: : i　　 ,.-/. : : : :ゝ|: |　　ヽ;ﾒｰ -､_ i:}/.
　 ヾ{:>':ﾞj､:_;:ｨー‐ｧ;ｨ|: |　　　｀ー‐ ' ヽ_ ﾉ
　　　　¨　 　 　 〃　!:.i .　　　　 ､ _　丿
　　　　　　　　　　,-八i　 :.､　　　 ..ｨ'
　　　　　　　　　 ﾉ ￣｀丶､.ﾊ ｰ ´
　　　　　　　　 /, ‐=ミｰ‐､. ﾘ､＞ ､､
　　　　　　　 〃､ }i ｉi ｉYヾ､ヽ｀}､ヽ ∧　　　　　　　　　 「それに、ライター殿とも、
　　　　　 　 /.､　i,　||　i}ﾄ､.ヽヽﾍ丶ヽj
.　　　　　　 |ゝ､ヽ|　||　ﾘ i}.､ ヽヽﾍ ヾヽ　　　　　　　　　　 できれば挨拶したかったんですけどねぇ」
.　　　　　　 |r=ﾏ ﾍ　il,=- ､i 〉､ ヽヽ! }i ﾊ
　　　　　　　､ｨ'ﾍ　ﾍ/ 二 ﾞ`ヽ i } | l}||l　ﾘ
　　　　　　　 ∨:ﾊ　Y{､.-- ｀._∨/ 〃／､ﾍ
.　　　 　 　 　 ∨:ﾊ　ﾍゝ ‐ ､　 ﾏ=ﾐ‐- ．._ﾊ



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　　　　　　　　　 「まぁ、ああ見えて身勝手なやつだから、
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　悪く思わないでくれお。
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　それに今日はなんか気分が悪いみたいだし」
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　　　　　　　 　 　 /⌒ヽ
　　　　 　 　　 　 　 |　：　|
　　　　　 　 　 　 　 |　：　|
　　　　　 　 　 　 　 l 　 ﾟ j
　　　　　　　　　　　 `ーく　 く⌒＼ｒ‐ｙ-
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞y‐=ｲー
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／:_〈_;_∠ニ
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈 : //ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　「仕事の最中に体調崩すなんて、困ったやつね」
　　　　　　　　　 　 　 　 　 V-､ 　 -―
　　　　　　　　　　　 　 　 　 l　_ 　 r＿_.
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　イiＴ 　 化ﾆﾅ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 jﾋﾘ　　 ゞ='ﾞ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .' 　 　 　 """
　　　　　　　　　　　　 ､ 　 ゝ.
　 　 　　 　 　　　　　 冫　　　＼⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|iＴ７ﾍ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　||:!:.〉


.

470： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:25:51 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼　≧=-　､　｝ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -─……ミ、　　 .:} ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　＿＿,.　 "　　　　　　　 　　､　斗≦- 、
　　　　　　　　　　　　　　￣≧=-　　　　　　　＿＿_　::.:　へ、八　　　　　　　　　「”どうしたんだサーニャ、こんな時に話なんて。
　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　 　 　 　 -‐=≦￣￣　　 :;　　 ヾ、 ＼
　　　　　　　　　　　 　 .′　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼r ＼　　　　　　　　もう律子や伊織が待ってるんだからはやくいかないと”」
　　　　　 　 　 　 　 　 乂　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 M人　 i　　　 、
　　　　　 　 　 　 　 __厶イ　　　　,:′　　　 　 　 　 ;　! 　 ﾊ 从　　'; :.
　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　/　 ｲ　 　　 /　 .:ｨ:! :|　　　Ⅳ:! ｉ　ﾊ:|
　　　　　　　　--=≦　　 ﾆ　　 /／〃 :　　.: {/／/人:|,.， ;≧ﾃ|｜ } ｌ|
　　　　 　 　 　 　 　 ＞ イﾆ　　;'__/ィ^:! 　 〃;斗ャ≦l ':. {r_ｧｉ.:|::| ,′
　　　　 　 　 　 　 ／⌒ 人 = .:iんﾊ l　l∧/ /　ｨf斧　,　ヽ':,　|人l/
　　　　　　　　　　　　ｘ≦ノ ﾆ八廴{ |　| 八　 　 ￣／　　　∨
　　　　 　 　 　 　 ／///イ 　ﾆ :＼ヽ、:.ヾ、　 　 　 　 　 _ ..ﾉ
　　　　　　　　　〃///// )/ 　.:仁:/ｰ}　　　　　　　　　　 _/ﾊ、
　　　　　　　　　{{//////ｲ 　爻)乂:.ﾆ廴 　 　 　 　 ,. = 孑 /ｉ}:＼
　　　　 　 　 　 八//////／//＼ 　 {ﾆ≧=- .　　　　 ´ {///: : : }≧=-
　　　　　　　 イ: : : : -=≦///////≧=- 　-ﾆ ≧=ｧ…≦／: : ／¨¨¨: -=ミ、
　　　　　 ／.:/: : : : : : : : : : :-=≦///////≧=--////／: : : ｲ: : : : : : : : }.:l|
　　　　 /: : : : : : : : :-==-: : : : : : : : :-=≦/////////′: : ://: : : : : : : :/: :iｌ
　 　 　 |: : : : : : : : : : : : : :≧=- : : : : : : : : ｀⌒ヾ/Ⅳ: : : : ://: : : : : : : :/: :〃
　 　 　 ｌ .:/: : : :／¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨≧ｘ: : : : : : : : : : ｀l】: : : :.//: : : : : : : :/: : /
　 　 　 ∨.:/: :/: : : -=＝＝=-: :、: : ＼: : : : : : : ／￣￣:|/: /: : : : : 〈: : /
　　　　　∨: :/／: : : : : : : : : : : : ＼: : : ≧=- ＜: : : : : : :l: /: : : : : : :/.:,′



　　　　　　　　　 ,. -‐　゛　　　　　　　 　 　 ＼　　　 ＼
　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ　　　 ‘，
　　　　　　　　　　　　 　 i　　　　　　 　 　 　 　 ‘，　 　 ‘，
　　　　 　 /　 　 　 　 　 |　　　i 　 　 !　　　　　　‘，
.　　　 　 /　　　　　　　 ∧　　 |　 　 l| 　 ｌ i　　 　 ‘，
　　　　 /　 　 　 　 　 i ′ﾟ, 　,'　l| 　 | 　 | |　　　　　＼　　　　　　　　　「”すぐに済むわよ。
　　　　　　 　 　 |　　/| 　　∨ 　 ! 　ｌﾄ､　| }　　　　　ト　ゝ　　'
　 　 ノイ　　ｉ 　 |l　/jﾉ　　ノ ＼斗 ‐ |‐Ⅵハ　　　　 |　　　　　i　　　　　　　ね、パパ、私がアイドルになる前に、
　　　　 |{ 　 | 　 |j厶-‐ 　 　 　 ｀ x≠=ミｘ　‘，　　　|l　 　 　 }|
.　　 　 八　 ﾄ､　|　,ｘ=ミ 　 　 　 　 ｛::ｉ::(_j }}　i 　 　 八　　　 八　　　　　　　　　　　一つだけおねがいがあるの”」
.　　 　 　 ＼{　Ⅵ〃{::(_j　　　 　 　 乂::ツ　　, 　 ／　　 　 　 　 ヽ
　　 　 　 　 　 /　{{　V:ﾘ　　　　　　 　 　 　 厶イ　　 　 　 　 　 　 ﾟ.
　　　　　　 　 ′　　　　　　　　　　　　　 　 　 , }　　　　　　　　　　|{
　　　　　　　 i　　　 .　　　｀　 　 　 　 　 　 　 八 　 　 　 　 　 ,i　 八
　　　　　　　 |{　 　人　　　　- ‐　　　　　　 ｲ /　 　 　 　 　 / |　′
.　　　　　 　 八　　 /|　　　　　　　 　 　 イ　|.′　　,　　|l　,/　jノ
　　　　 　 　 　 ヽ /八　　 ＞　 __　　　　 　_|}/{　 /'|　 八/
　　　　　　　　　　{　　 ＼（　/　　ノ｢￣￣　 /　| /　}／
　　　　　　　　　　　　,. =-r―　'ﾞ　iﾘ　 　 　 　 人
　　　　　　　　　　　 ′　||　　　､ /　　　　　 ´　　＼
　　 　 　 　 　 　 　 i　　 ||　　 xへ　　　　　　　　　　ヽ

.

471： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:26:08 ID:vmPyY7jQ


.　 :　／ - ､　/ |::　　::/Ａ..,;;__j!　 /　 ∨　　 :::::. ﾘ　| |　:ﾊ
　::／/　⌒i v彡!::　.:://　Ⅵ.ハ｀l ‐- ..,Ｖ　　:::::::..　 l |　:.∧
／　/　 /｀ヽ 彡∨.::ﾊ{　　ｌ:|:|　| |----､｀ヽ　:::::ﾊ　 l |､ ﾊヾﾍ
　　｛ 　 {　/　　　∨| 　≡ ﾘl|　| |`守!ヽ ∨:::..:::　ゝ-ﾘ-ﾐ:
.:　　＼　! ヽ　　 彡ヾ､　 　 ﾘ　ゞﾍ　｀ヽ　乂:::::::.　ヽ　　 ﾘ
　　/　 ヽ　　　　　 ≡　　　　　　　　 　 　 :,::::::::::::..　'
　　!　　 ゝ_j 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 :,｀ヽ:::r ､ }
≧ｭ､_: : : : |　彡　　　　　　　　　　　　　　　 :, 　)ﾉ　jﾉ　　　　　　　「”なんだい”」
ﾆﾆﾆﾆﾆ≧ｭ..,,__　　　　　　　　　　　　　 _　 　〉
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧ｭ､　　　　　　　　　　 ／
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼　　-―‐-　.,,__j
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ丶 　-―‐- ﾉ´
ﾆ==-　　　´￣￣￣｀ ＜ﾆﾆ＼　　 ／
‐-　 .,,_　　　　-―――‐-､ﾆﾆﾊ__/
ﾆﾆﾆﾆ／l　　　　　　　　: : : ∨ﾆﾍ
ﾆﾆ／ﾆﾆ|　　　　　　　　: : : : lﾆﾆ∧
／ﾆﾆﾆﾆ|　　　　　 　 　 : : : :.!ﾆニ∧



　∨/////≧ｘ､_　-―-　　　 ｀　 =ミ　＿＿＿＿_
.　 ∨/////,／　　　　　　　　 　 -―＜///////,/
.　 /ヾ///,/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ'/////
　/　　ヾУ　　　　 　 　 　 / /　　 　 　 　 ∨//
./　　 ／　　　,　　/　　　 / ｲ　　　　　　　　∨′　　　　　　 「”765プロの人たち……ううん、あずささんにだけでもいいから、
′　. 　 　 　 ′ /　　 , ｲ / |　 /　　　　　 　 ヽ
　 ノイ　　　 i|　/ | 　 ′| |　|／i 　 / i|　　　　 ‘，　　　　　　　　パパが結婚してるっていうこと、ちゃんと伝えてほしいの”」
　　　|　　　　|斗‐|{‐ |‐-| |　|　ﾊ　厶-|　　 　 　 i
　　　|　　 　 jノ　八 i|　 ､{　jノ　}/}ﾉⅥ　　ｉ　　　|{
　i　八　 　 　 i　 　 ヽ 　 ＼ 　 /´ 　 ′　′　 j八
　|　　 ヽ.　 　 | ゝ==≠'　　　 ､＿_,　′ /　　／
　| !　　　＼　 ﾄ､　　　　　　 　 ￣´厶イ　 ／
i八ﾄ､ 　 !　 ＼{　ヽ　　 　 　 ′　 / 　 }／i ‘.
′ ＼＼ﾄ､　∨丶　　 　 っ　　 イ /i|　　 ′ }
´￣ ｀ヽ ）ハ/ヽ _ ＞　 　　≦　 }/　|　 / ）ノ
　　　　　 ｀ ′　　 TT´7ー)ノ　=ミ　}／
　　 　 ヽ　＼ 　 　 | |　{　/　　　　 Y


.

472： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:26:23 ID:vmPyY7jQ


　　　／:.:/..:|: :　　　　|　　../ | 　 ′　| |　|　 | 　ｉ|　 ∨　!　!　 !　　｀ー‐
-=彡: : :/／|: :　　　　| 　 /　　　|　　 | |　|　 | 　ｉ|u ﾚ|　 |　|　 |
　 /　 :/ 　 :|: : 　 　 /!　 ′ .| ´.厂￣| ｢¨|¨/´:ｉ ｉ|　　|∧|　|　 |
.　 　 /　 彡|: :.　 　/│/ 　　| ! i斗-=リ=ﾐ/: :ヽ ｉ| 　/`ヽ}　!　/
　 　 　 　 ノ|: : : |　′|:′　　リ/ﾐ 、 （） ｝: :..:}　リ　ﾑ- /　:| /
.　 　／ ＼ :リ : :l/ 　 !| 　 　 j/　　｀¨¨:彡　´　　　 {ｔｧﾃ.} /}′
　　/　　＼＼∨:|　 　ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　 丶彳ﾘノ
　 ｛ 　　　　｝　∨　　　　　　　　　　　　し　　　　　　　＼
　 ∧　 　 〈　 　 　 、 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 --〉
　　 ∧｀ヽ ﾉ　 　 　 }　　　　　　　　　　　　 　 　: :＾: : :／
　　　 ∧　＼ 　　　 |　　　　　　　／　　　　　 　 　 　 }
　　　　　ー‐{ 　 ι　　　　　　　/　 j_,. 　-===---=ｧ'′
　　　 　 /　 ‘,　　　　　　　　　 ′　いｭ.,_ ｀ヽ¨¨¨/ /　　　　　　　　　　「”うっ”」
　 　 |　|′　 ‘, 　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣ 〉/
　　　’│ 　 　 ＞　　　　　　　し' 　　 　 ¨¨¨¨¨ヽ.′
　　　∧!　　　　　　　　｀ 　　　　　　 　 　 　 　 　′
‐┴-′{__　　　　　　　　　　 　 ｀　　.,　　　 　 　 |
ニニニニニ==-　　　　　　　　　　　　二ﾆ==---′
ニニニニニニニニニ=- 　　　　　 /
ニニニニニニニニニニニ=-　　 /＼



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 -‐━‐-
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .　 ´　　　　　 　 　 　 ｀丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 -‐‐-ミ　　　　　　 -‐‐-ミ
　　　　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　　　　ﾟ｡
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　°　　　　　　　　　 「”あずささんの邪魔をしちゃダメよ。
.　　　　　　 　 　 ｝　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　ﾟ｡　　　　　 .
　　　　　　　 　 丿　　　　　　 |　　　　　 　 　 　 　 　 °　 　 　 |　　　　　　　　　　　　パパのことを好きでいても、
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧｝　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |
.　　　　　　.　　　　　　　　/　| 人_｣　　 　 　 　 　 　 　 ｛　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　辛い思いしかしないと思うわ”」
　　　　　 .′　 　 　 ｛. 　 |　イ　 ＾|＼　　 　 　 　 　 　 人 　 　 ！
　　　　　 |　　 　 |　 ｛　 /|　 | 、　| 　 ＼　 　 　 　 　 　 ト＼　　‘、
　　　　　 |l 　 ｛ 人　｛_厶ﾍ　|　＼ト . __　ﾟ｡　｝　 　 　 　 |　　 　 　 ＼
.　　　 　 八　 ｛　　＼〉　 　 ｛　　 ＼　　　｝ハ　　　 |　　|
　　 　 　 　 ＼｛＼　　｛r‐-ミ　　　　ァ=‐-ミ__|/｝　　|　　|　　　　　　　 |
. 　 　 　 　 　 　 / ＼ ∧　Vﾘ 　 　 　 乂..ヅ^　｝　 人∧|. . .　 　　 ハﾉ
　　　　 　 　 　 .′　　 ハ ,,,　 　 　 　 ,,,,,,, 　　厶イ _人. . .| . .人／
　 　 　 　 　 　 i　 　 /　人　 ′　　　　　　　　　 ／　｛.. ./|／
　 　 　 　 　 　 |　 　′　 .个. . 　 　_ __　　 　 ／　　 ∧/
.　　　　　　 　 人_∧　　∧　/｛ 〕iト .　__ . 　　　___彡′ﾟ｡
.　　　　　 　 　 　 　 ＼｛　∨.人/＼ __／｀Tづ⌒　　　　 〉-ミ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . ⌒＾´ 　 ∥　　｣｣_ 　 　 　 ／　 　 ＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　 　 ||　／⌒Vニﾆア´
　　　　 　 　 　 　 　 　 .′　　　　　 |ﾚ'厂￣〉Vﾆｱ　 　 　 　 　 　 .
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝ 　 　 .〈___／　 V　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　 　 　 　 |　　　/　　　 /　/　 　 /　　　　　　　　　　 |
　　　　　 　 　 　 　 　 | 　 ,厶、 　 /　/-‐‐-/　　　　　　 　 　 　 .|
　　 　 　 　 　 　 　 　 | 　/ﾆﾆへ /　/二二7　　　 　 　 　 　 　 . .
.　　　　　　 　 　 　 　 |　｛ﾆﾆﾆﾆ7　 ﾆﾆ二7　 　 　 　 　 　 　 / /

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473： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:26:39 ID:vmPyY7jQ



　　　／:.:/..:|: :　　　　|　　../ | 　 ′　| |　|　 | 　ｉ|　 ∨　!　!　 !　　｀ー‐
-=彡: : :/／|: :　　　　| 　 /　　　|　　 | |　|　 | 　ｉ|u ﾚ|　 |　|　 |
　 /　 :/ 　 :|: : 　 　 /!　 ′ .| ´.厂￣| ｢¨|¨/´:ｉ ｉ|　　|∧|　|　 |
.　 　 /　 彡|: :.　 　/│/ 　　| ! i斗-=リ=ﾐ/: :ヽ ｉ| 　/`ヽ}　!　/
　 　 　 　 ノ|: : : |　′|:′　　リ/ﾐ 、 （） ｝: :..:}　リ　ﾑ- /　:| /
.　 　／ ＼ :リ : :l/ 　 !| 　 　 j/　　｀¨¨:彡　´　　　 {ｔｧﾃ.} /}′
　　/　　＼＼∨:|　 　ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　 丶彳ﾘノ
　 ｛ 　　　　｝　∨　　　　　　　　　　　　し　　　　　　　＼
　 ∧　 　 〈　 　 　 、 　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 --〉
　　 ∧｀ヽ ﾉ　 　 　 }　　　　　　　　　　　　 　 　: :＾: : :／
　　　 ∧　＼ 　　　 |　　　　　　　／　　　　　 　 　 　 }　　　　　　　　　「”パパも別に、
　　　　　ー‐{ 　 ι　　　　　　　/　 j_,. 　-===---=ｧ'′
　　　 　 /　 ‘,　　　　　　　　　 ′　いｭ.,_ ｀ヽ¨¨¨/ /　　　　　　　　　　　　積極的に隠してたわけじゃないんだよ……？
　 　 |　|′　 ‘, 　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣ 〉/
　　　’│ 　 　 ＞　　　　　　　し' 　　 　 ¨¨¨¨¨ヽ.′　　　　　　　　　　　　　本当だぞ？”」
　　　∧!　　　　　　　　｀ 　　　　　　 　 　 　 　 　′
‐┴-′{__　　　　　　　　　　 　 ｀　　.,　　　 　 　 |
ニニニニニ==-　　　　　　　　　　　　二ﾆ==---′
ニニニニニニニニニ=- 　　　　　 /
ニニニニニニニニニニニ=-　　 /＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―…‥─-　　　／////////}
　　　　 　 　＿＿＿＿＿／＿＿　　　　　　　 　 ─-ミ ///////
　　 　 　 　 |/////////////／⌒￣￣｀ヽ　　　　　 　 ＼////'
　　　　　　　V /////////／　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∨//
　　　　 　 　 ∨//////〃　　　　　　　　　　　 　 ､　　 　 　 ∨
　　　　　　　　∨/////　 .:　　.::　　　　　/　　　　ハ　 ＼　　‘　
　　　　　　　　i::∨///　.:: 　 .::　　/　　 /　　　, / 　 ;　　　,　　',
　　　 　 　 　 ｉ::::::}／ ／　　.:: 　 /　　 /　 　 //　 　:|　 　 |　　 :，
　　　　　　　 i:::／ ／/ /　 :::　 /　..:　'　 　 //　　　_j＿　｜　　 i
　　　　　 　 ／ ／:::/ /　　::::　 ..::／斗─ //　　 　 _|_　/ﾞﾘ　　 八
　　　　　⌒7¨´.:::::/ /|　　 :|:: i／j／ﾉ|＿//　　　　7⌒ﾒ /　 　 ﾉ!｀ヽ
　 　 　 　 /　.:::::ノイ:::|　　 :|:: |　 ,≠"i⌒ヽ　　　　 i:ﾉ! ﾉﾉ´　／ノ
　　　　　〃　::::::::::::|::::|　　 :|　| 〃 _ﾉ:j　　　　　 　 :ソ　i　.イ
　　　　　l　　:::: :::::::| 八　　:|ﾍ{　乂::ソ　　　　 　 　 :::::: | .:八
　　　　　|ｉ 　::|　::::::|人 ＼　{__　　:::::::::　 　 　 　 ｀　　 八jハ!　　　　　　　　「”パパの考えてたこともわかるわ。
　　　　　|ｉ　　|　　:::::::::ｉ￣＼iｲ`　　　　　　　 , ， 　 ／ .::ﾉ
.　　　　 八　八　 :::::::::|＼/: : ＼　＞　.　　　　 ,. イ　 ／　　　　　　　　　　　　　あずささんは、自分のことじゃなく、
.　　　　　　＼　＼{＼::|／＼: : : :＼　 /　＞-< )ノ}／　｀:,
　　　　　　　　　　　／: : : : : ＼: : : :＼＼: /＜〉　　　　　i　　　　　　　　　　　　好きな人のためのほうが、
　　　　　　　　　 〃: : : : ＼: : : }＿__, /　 廴__::＼　/: :　 {
　　　　　　　　　 {: : : : : : : : : : : |::::|　{　　　 　 ＼:＼　 　 i　　　　　　　　　　　　一生懸命頑張れる人だと思うもの”」
　　　　　 　 　 　 , : : : : : : : : : : |::::|0:}　　　　　ノ｀＼}　 　 :,　　　
　　　　　　　　 　 i : : : :　: : : : : :i::::∨＿　-‐　 　 　 ‘，　　′
　　　　 　 　 　 　 i : : : :　　: : : : i:::::∨　　　　　　　　 }　　　i


.

474： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:27:00 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 /: : : :./: : : : : : : !: :.:ヽ:ヽ: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　': : : : /: : : : :./: :.ﾊ: : :|:.i: }: : :＼:＼: : : : :.、
　　　　　ﾉ: : : :./: :./: : /: :./　': : !:.}.ﾘ: : : : :ヽ: ヽ: : : ﾊ
　　　　/: : : : /: : :': : /|: :/　　':.:.|//:.:.:.:| : :.:.i: : i: : : :人
　　 ／／ : : ': : : |: :/| |:;'　,　　';/ム:.:.:.:ト、:.:}: :.|: : : : ヽ:、
.　 ,'/ﾞ|! : :.:.:.:|:|: :/!::'斗'!|ﾞ´　　 八{´｀＼!-!:.:八:.|: : : : : ::i＼
.　 {　 !:.:.|: :.:.|:|:イﾍ|＿_|!　　　　　＼ ＿__ﾚ'￣|:|!: : : : : :|
.　　 八:.:|: :.:.Nヽ!ァOrj::}ヽ　　　　　イ{0rj心ヽjハ: : :.ﾊ::ﾊ
　　/: :.ヽ!ﾊ:.:|:、ヽ○r:ソ　　　　　　　 ゞ=ソ○ﾞ ﾑi: :/: :ﾘ:.:':、
.　/: : : : : :.∨ム　　:::::::::　　　　　　　:::::::::::　　/ｿﾚ': : : : : ::ヽ
　iﾊ: : : : : : : : ヾ!,　　　　　　　｀　　　　　　　 /: : : : : : : : :ﾊ:.i　　　　　　　「”だけど、それじゃあんまりあずささんが可哀想だわ”」
　|　!: : : : : : : : : ﾍ　　　　　　 ＿　　　　　　//: : : : : : : :.ﾉ jﾉ
.　 人:.:ト、: : : :.:|: :＼　　　　´　　｀　　　 ／/: : : : : ,:イ:/
　　　ヽ!　＼: : :.ト、: ::＞ .　　　 　　. ィ: :!:.ハ: :.:.／　 j/
　　　　　　　＼ |　＼|＞,i　 ＞-＜　人ム'.　j／
　　　　　　　　 ｀　／://| ｀＞ ___,.ィ´　|///＼
　　　　　　　　 ／/////　　　 |||　　　 !/////＼
　　 ＿＿__ノ´ ////// ＼ ヽ. |||　　／ヽ///////zx.＿＿__
　/´ヽ 　 /////////!　　　　( i ) -　　　i///////∧　　　ハ



　　　　　　　　　 ／ ／　　　　　　　　　　/　＼　　　　　ﾆ=‐
　　　　　　　　__,}／ /　　　　　　　　　　　　　　{　　　　　ヽ ＼
　　　　　　　　ヽ 　/ 　 /／　　　　　　 i　　　　 ＼　　　　 ≧=＼
　　　　　　　　 /_/ 　 /　　　　　　i　　 i　　＼ ‐-=ﾆ___ 　　＜__ﾆ＼
　　　　　　　　　|i{　 /　/　　　　 /!　　i､　　　ヽ　＼　 ￣厂!二ﾆﾆﾆ〉　　　　　　　　　　　「”……わかったよ。今この場で言う、
　　　　　　　　　|i:} /　/　　／　/ヽ　　i:.:.＼　　　　　＼＼{ﾆ|ニﾆﾆ/_
　　　　　　　　　ﾏ/ ／　／　　/:.:.:.',　 i __ﾆ=刈　　＼{ｨ -､ヽ|ニﾆ/　　ﾆ=　　　　　　　　　　　という訳にはいかないが、約束するよ”」
　　　　　　　　　/／ ／ ／　 /=‐-､', .|:.:.弋赱ｿヽ､　 ＼ /ﾆ|ﾆﾆ/　　　　　ﾆ=
　　　　　　　　　_/／}／ヽ!/ 代赱ｿ. ',{　:.:.:.〃＜ﾒ/￣　/二r- ､i:i:i:i:i:＞-　__　 ＼
　　　　　　　　/　ﾆ=-､i:i:}ｲ .∧: : : : : }　 ::.　 〉}ヽ/　　/ニニ>　 〉i:i:/i:i:i:i:i／i:ﾒ､　 ヽ
　　　　 　 　 /7　　　/≧､|/.i.iﾑ　　　､__　　　　/　　 ｀¨¨　　　/ヽ/i:i:i:／/i:/／ヽ　{
　　　　　　 / ＼　r､/i:i:i:i:i:≧=i:i:i:＼　‐=　ﾆ- /　　　　､　　　　 /i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i　 i
　　　　　／}　　 /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／￣}i:i:i:i＞,,｀￣ /　　　　___〉>r‐, /〉i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:i:i　 |
　　　 ／　, =ﾆ/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ_　　|i:i:i:i:i:i:i:＞-　　　　　　Ｙ‐'7/r'i:i:i:i:i:i:i:i:i//i:i/i:i:i:i:i､　{
　　〃　　 ヽ二rヽ__i:i:i:i:/‐----{Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ:Ｉ|　　　　　　　／｀' _ ＜i:i:i:i:i:i:i:/{i:i:i:i:i:i:i／/　i
　 ∧〉　　　　　　　 ￣´　　　　 !i:i:i:i:i:i:i:i|　　　　　　_　＜i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/ﾒ､i:i:i／i:i:i　　i
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　 .}i:i:i:i:/＞‐=ﾆ_____ｨ/-‐-‐‐‐‐!i:i:i:i:i:i:i:i|´ニﾆ|i:i:i:i:i:i:i:i|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{i:i!〈i:i:i:i:i:i:i:i:i:i　　|
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　　 ﾏi:i:i:i:i:i:i:i:i:／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾆ=≦ﾆ=‐-=ﾆニ{i:i:i:i:i:i:i:i:i:|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}i､i:i:i:i:i:i:i:≦／　|
　　　≧--=ﾆﾆ=-rニニニニニニニニニニニニニ≧=i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハi:≧=‐-､i:i　　{
　　　　　 }ニﾆﾆﾆﾆﾆ＼ニニニニニニニニニ{ニニニニニ≧=i:i:i:i{　 }i:iヽi:i:i:i:i＼ 　|
　　　　　/ニニニニ､ニ＼}ニニニニニニニニ､ニニニニニニ≧={　{i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/　


.{

475： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:27:26 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 　 　 　 .　 ´　　　´￣ ｀　　.　｀ヽ、
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 　 ＼　 ヽ
　　　　 　 　 ／　 　 　 　 　 ､　 　 　 　 　 ヽ
. 　 　 　 　 /　　　　　　　　　‘.　　　 ､　　　　＼‘，
　 　 　 　 /　　　 　 　 ｉ |　 　!|　!　　 j{　 i　　 　ヽ
.　　　　　.′ 　 　 　 i !| ﾄ､ ヽﾘ _ﾄ､＿ハ　!　　　ト　ゝ
　　　　　　　 　 　 　 |八{　∨´ヽ{　}/　 Ⅵ　　 :!|　　‘，
　　　 　 ｉ　 　 　 ヽ,斗‐ ヽ/ ＼ 〃斧ミｘ. | 　　八
　　　 　 |{ i　　 ｉ イⅥｘｭ､′　　　弋うｿ　, 　 / 　 　 　 i
.　 　 　 八ﾄ､　 |　| 《 Vじj　　　 　 　 　 厶イ　 　 　 　 |{
　　　　 　 　 ＼ﾄ､{ ヽ゛ゞﾟ'　,　　　　　　　　 八　　　　　八
　　　　　　　　　 ｉ ヽ ﾊ　　　　 　 ,　 　 　 ｲ　 ｀ 　/　 /
　　　　　　　　　 |　　　ヽ　　｀　　　　 ／　|_　 |ｉ / ）ノ
　　　　　　　　　 |{　　　　 ≧ ‐　 r　´ ,， ´ レ'}/　　　　　　　　　 「”おねがいよ。
.　　　　　　　 　 八ﾄ､　 ｉハ　ﾄ､ﾊトr＜　　　｛　′
　　　 　 　 　 　 　 ｀ ＼{　 }ノ_,ノ !i　　　　 ノ ｀　 _　　　　　　　　　　　パパは心配しなくても大丈夫、
　　　　　　 　 　 　 　 ,　rf ´　　 ﾉ{ 　 　 　 　 　 ／ ＼
　　　　　　　　　　 　 ′:|i| 　.イ｀:く{ ＿＿＿__／　　　ハ　　　　　　　　 あずささんにはちゃんとやらない夫さんがついててくれるから”」
　　　　　　　　　　　 i 　 {iレ' 廴:/　∨///,／　　 　 /　 i
.　　　　　 　 　 　 　 У　　 /::::/　　 ｀寸/　　　 　 / 　 i|




　　＞　　／　/　　/.〃 　 /　, ｲ ,イ　/　| |　 　 / /　　i V
／　　 ／ 　 .l 　 ｲ　|!　　/ _/ //　| /　 ﾞ| |　　/,ｲ!　　　'. V
￣　_7　／／|　/ !　|!　　|,ｲ.|｀ﾚｰ=l/、　 |/　 // lﾊ .i　　ヽ∨
━'.:/／'/'　 _|/　ﾊ iﾊ　　! | |＿　丐`!､`＝ﾄﾉ　!/　l! ! | 　 .ｉ ﾄ.V　　　　　　　　　「”あの人にはずいぶんと脅かされてるんだよなぁ”」
:.:.:./.:,ｲ/. ／ヘヽ′|! ヽ　| ヽ! ￣¨¨`ﾞ　　､!　,ｲ`ヽ!_| l!　　! | ヽ:、
:.:.:.:./iﾚ/ } { 〃} ｌ!　ｌ!　 ヾ|　 |　　　　　　　|　i_歹,､.ｨ/' | ｲ ,′　＼
:.:.:.:|i!i!lｌ|　ヽ＼)　＼` 　　ヽ　　　　　　　　､ ｛`゜ﾞ//′ ﾚ !,′
:.:.:.:|i!i!i!i､i /i!ト-､　 ヽ　　　　　　　　　' _,　　/ヽﾞ{,ﾞｲ | 〃/
:.:.:.:|i!i!i!i!l/i!ｉ!|　 ﾄ、　　　　　　_＿＿ 、　　´　　ﾒ:.:.| j/
:.:.:.:Ⅶ!i!i!i!i!i!l|　 l 　 、　　　 ‘＜､二`＝､　　,.彳.:.:.Ⅵ､`ヽ.＿__,、
:.:.:.:.:Ⅶi!i!i!ili∧　!　　丶　　　　__｀ ＜='/′／.:.:.:.:.:.:.:.:/__　　／　＾ヽ
:.:.:.:.:.:Ⅶi!i!i!i!i∧ ､　　　　　　　　 ¨`　｀　,"/.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:У⌒ー､　 ＼
:.:.:.:.:.:.:ヽi!i!i!i!i!i!i＼　　　　 ＼　　　　　 ｲ./.:.:.:.:.:.;イ.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ


.

476： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:27:43 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 　 　 　 　 　 .　　　´￣￣￣｀　　､
　　　　　　　　　 ／　　　 ,　 '⌒　　 　 ´￣｀丶
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 / 　 　 ,
　　　　　　　′　　/　 　 　 　 　 　 / 　 ! 　 　 　 ‘，
　　　 　 　 　 　 . ′ 　 　 　 ′　 /　| i |　i 　 i
　　　　　　, 　 ノイ　　　　　厶 ‐ /　八{ ﾄ､{‐- |　 　‘，
　 　 　 　 ′　　 |　　　 ｉ´/　|　/ j/ 　乂　ヽ　|　　 i　.
　　　 　 /　　/　}| 　 　 Ⅳ　 Ⅳ /　　　　　　Ⅵ　　!ト ゝ
.　　 　 /　　/　j八　 　 |　　ｘ≠ミ　　　　x=ﾐ　i 　 八
　　　 /　　 ′　{ (ヽ 　 |　　　　　　　　 　 　 ハ／
.　 　 ′!　j　　　＼ゞ＼{　　 　 　 　 　 '　　 ′‘.
　　八{八ハ 　 ｉ 　 ｀ ｰr 、　　　　ー　　　 / 　 !|
　　　　　　　＼{＼　　i |__｀　　　　　　　 イ　　 八
　　　　　　　　　　 ＼ﾊ{　 ｀ 　 ≧=‐＜　 !　 , ′
　　　　　　　　　　_,ノ　　　　　　| | ､ 　 )ﾉ}／　　　　　　　　　「”あずささんが大切だからよ。
　　　　　　　.　＜　　　　　　　　| |　 ｀ r　__
　　 　 　 /´＼　　＼　　　　　 ﾉｘへ＿|　 ｉ　.　　　　　　　　　　　　きっとパパよりももっとあずささんを大事にしてくれるわ”」
. 　 　 　 ′ 　 ＼　　＼　 　 / ＼:ノⅣ!　 !　|
　　　 　 i 　 　 　 ヽ　　 ＼_/　　　ｉ::::く　　!　|


.　 :　／ - ､　/ |::　　::/Ａ..,;;__j!　 /　 ∨　　 :::::. ﾘ　| |　:ﾊ
　::／/　⌒i v彡!::　.:://　Ⅵ.ハ｀l ‐- ..,Ｖ　　:::::::..　 l |　:.∧
／　/　 /｀ヽ 彡∨.::ﾊ{　　ｌ:|:|　| |----､｀ヽ　:::::ﾊ　 l |､ ﾊヾﾍ
　　｛ 　 {　/　　　∨| 　≡ ﾘl|　| |`守!ヽ ∨:::..:::　ゝ-ﾘ-ﾐ:
.:　　＼　! ヽ　　 彡ヾ､　 　 ﾘ　ゞﾍ　｀ヽ　乂:::::::.　ヽ　　 ﾘ
　　/　 ヽ　　　　　 ≡　　　　　　　　 　 　 :,::::::::::::..　'
　　!　　 ゝ_j 　　　　　　　　　　　　 　 　 　 :,｀ヽ:::r ､ }
≧ｭ､_: : : : |　彡　　　u.　　　　　　　　　　　 :, 　)ﾉ　jﾉ
ﾆﾆﾆﾆﾆ≧ｭ..,,__　　　　　　　　　　　　　 _　 　〉
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧ｭ､　　　　　　　　　　 ／
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼　　-―‐-　.,,__j
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ丶 　-―‐- ﾉ´
ﾆ==-　　　´￣￣￣｀ ＜ﾆﾆ＼　　 ／　　　　　　　　　　　 「”わかったわかった。
‐-　 .,,_　　　　-―――‐-､ﾆﾆﾊ__/
ﾆﾆﾆﾆ／l　　　　　　　　: : : ∨ﾆﾍ　　　　　　　　　　　　　　　 そこまでいうこと無いじゃないかサーニャ”」
ﾆﾆ／ﾆﾆ|　　　　　　　　: : : : lﾆﾆ∧
／ﾆﾆﾆﾆ|　　　　　 　 　 : : : :.!ﾆニ∧


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477： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:27:58 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿ __
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ^´　　　　　　　 ミ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〃　　　　　 　 /　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 | 　 　 l|　|　　　｜　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 / 　 　 |　 |　 　 /|　|l∧ |　|　　｜
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 「”だって、パパもあずささんのこと、　　　　　　′　　　|　 |l 　 / l|　ﾘ　| | 小.　 l|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　 |　 ｌ|　/|　八|　 | /N∧l|｜　｜
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 好きになりかけてるでしょ？ 　 　 　 　 　 　 |l｜|　　｜　ﾅ卞|ア^｜　/ l| フ丈广∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 八|人　　|ｌ　 |,斗岑トﾐ　/　 |　,斗岑トﾐ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ママがロシアで待ってるのに”」　　　　 　 　 　 /＼八 N Vrツ　　　　　　 Vrツ　ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′　 ⌒∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｉ　　l|　　l∧　　　　　 ,　 　 　 〝″
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜　/|　　| 分､　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八/ l|｜　 l|　 l＞　　 ｀　　 .. イ|｜ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 人|＼从／^Ｖ}　≧r＜　{／|ル
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ノ 　 } |l　　 ≫ｘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 イ　　　 } ｌ|　　　　　〕iト
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__.. ィi〔　　　 　 ／公＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i{　　　　＼、　／<{.........}ｰ=≦´
　　＞　　／　/　　/.〃 　 /　, ｲ ,イ　/_.:| |,.,　　/ /　　i V
／　　 ／ 　 .l 　 ｲ　|!　　/ _/.://.::| /.:;:':.| |:::､../,ｲ!　　　'. V
￣　_7　／／|　/ !　|!　　|,ｲ.|｀ﾚｰ=l/、　 |/}:;:'// lﾊ .i　　ヽ∨
━'.:/／'/'　 _|/　ﾊ iﾊ　　! | |＿￣`!､`＝ﾄﾉ　!/　l! ! |　　ｉ ﾄ.V
:.:.:./.:,ｲ/. ／ヘヽ′|!::ヽ. .| ヽ! ￣¨¨`ﾞ .;:::､!　,ｲ`ヽ!_| l! 　 ! | ヽ:、
:.:.:.:./iﾚ/ } { 〃} ｌ!　ｌ!:;:{ ヾ!　 ._,....::::::(_　　 |　ｉ_二,､.ｨ/' | ｲ ,′　＼
:.:.:.:|i!i!lｌ|　ヽ＼)　＼`　　 ヽ ,::::-‐‐'`'　.:::: ､ ｛`゜ﾞ//′ ﾚ !,′
:.:.:.:|i!i!i!i､i /i!ト-､{:::.ヽ〜.::::(　 　 　 　 ' _, 　 /}:;:;{,ﾞｲ | 〃/
:.:.:.:|i!i!i!i!l/i!ｉ!|　 ﾄ、`::::::::{)::「　_＿＿ 、　　´ r;:::ﾒ:.:.| j/　　　　　　　　　　　　　　「”ハハハハ、何をバカなことを、
:.:.:.:Ⅶ!i!i!i!i!i!l|　 l 　く:::::::::::（ ‘＜､二`＝､　,..:;彳.:.:.Ⅵ､`ヽ.＿__,、
:.:.:.:.:Ⅶi!i!i!ili∧　!　　丶)::::::{ 　__｀ ＜='/′／.:.:.:.:.:.:.:.:/__　　／　＾ヽ　　　　　　　 ソンナコトアルワケナイジャナイカ―」
:.:.:.:.:.:Ⅶi!i!i!i!i∧ ､　　　ヽ::::::7 　 ¨`　｀ _:;:ﾞ/.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:У⌒ー､　 ＼
:.:.:.:.:.:.:ヽi!i!i!i!i!i!i＼　　　　 ＼　　 　 〈:::ｲ./.:.:.:.:.:.;イ.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ


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478： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:28:15 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （あーもう、これだから女ってのは子供でも油断ができない）


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,ィ;;;}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.ィ;;;;;;;＞'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,=-､／;;;;;;;;;／　 rヘ.
　　　　　　　_,.ィ=ミ　　　　　　__,.､ィ:.:.:.:.:.＼;;;y'ｰ--＜;;;{`′
　　　　　 ／ .:.､;ヽ:.:.＼____,.ィヽ.:.:.:.:!＞.:＜:.:ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;」
　　　　／､.:.／＾ヾ:.ヽ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:ヽ:.:.:.:|'¨¨¨¨¨¨´
　 ,.=-ヘ_／　　　 ｀ヽゝ-､:.｀:.ｰく:.|:.:.:.:.:.:.:.!:／
　f__∠!/　　　　ｰ=｀′,　 ヽ:.:.:.:.:i:!:.:.:.:./／
　　 ｀¨′　　　 ∠ィ　.'　 i　}:.:.:.:.|:.:,ィく
　　　　　 　 　 　 ヾ!！i 彡人:.:./〃.:.:.:＞x-.:〜:.く｀1
　　　　　　　　　　　＾ヽ!ヽ^　　￣￣`＜ミ===-－'´


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（まぁ、あずささんが大丈夫だっていうんだったら……

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サーニャの言うことを信じてみるかぁ）



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479： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:28:30 ID:vmPyY7jQ


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　 ｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 '_ノ　､__　 i.　　　　　 　 ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿
　　　　　 　 　 　 　 　 ｡s≦!　　　　　　　　　　　 |(●　●)　!　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　 　 　 　 　 ｡s≦´　　＿{　　　　 　 　 　 　 　 |（__人__）　|..　　　　　（　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）
　　　　　　　　∨_ｚ=≦ア､ム　　　　　　　　　　_ ,〉､　　　　/_　　　　 　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （
　　　　　　　　 {¨//{¨Y ｀t:{¨ﾞ　　　　　　 .｡s≦::/:::{ >―‐< |ヽ::≧s｡.　 （　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）
　　　　　　　　 Ⅵﾑﾑ=　 .d　　　　　　 /:::::::::::::ムイ/Vi∧,ｲ＜:::::::::::::ヽ...）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　　　　　_/⌒ﾆ=- __ﾉ　　　　　　i::::V;::::::::;〈::::|　卅　 j:::/::::::::／　i...ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~
　　　　　　　r廴／／⌒ヽ　　　 　 　 .|::::::Vi::/::: Vﾊ |i:i:| .,' /::∨/:::::::: | 　 　 　 　 　 ｰ'
　　　　　／/:::::::::/.／　＿}､.　　　　　.|:::､:::V{:::::::::ヾﾍi:i:|/::':::::::i|:::::::::::: |
　　　 ／ヽ:'77:::::i/　　　　　 ＼＿_ 　 |:::: ＼|:::::::::::::ヾ∨'::::::::::::|!:::::::::::::!
　　 <　　///:::::::{＼　　　　　　＿ノヽ L:＿:::|::::_:: _::::::Y::::::::::::::::}／:::::: i
　　 fﾞ＼,:￣::::::::::ヽ. ＼　　　 　 　 　 　 / /=彡f´.rYュミ｢Yﾆ=く:::::::::::::!
　　/　 .i:::::::::::::::::::ｉ|　 .|i｀ﾆt- :: ＿＿　/　{-=イ:{三1{三 j j:::::::::::∨:;::/
.　〈　　 {＿＿::::::::||　 .||::::::|　　　　　 ￣マ_彡≦￣::::|｀¨´L::::::::::::∨/
　　∨　.}::::::::::￣¨i冖ir=i- |　　　　　　　　|:::::::::::::::::::::i|:::::::::::｀≧s｡ｲ
　　　＼ﾑ￣￣::¨:厂.¨|L__」　　　　　　 　 |:::::::::::::::::::: i|::::::::::::::::::::::::|
　　　　 ¨}Tテ￢ｲ＿.._||:::: j　　 　 　 　 　.|::::::::::::::::::::::i|:::::::::::::::::::::: |
　　　　　厂¨≧=─　z」ロ}　　　　　　　　.|::::::::::::::::::::::i|:::::::::::::::::::::: |
.　　　　 i|::r=｡=:ｧ:::::::::::::::i{　　　　 　 　 　 |＿:::::::::::::::::j|;:::::::::::::::::::_:j
　　　　 l:|::≧i≦:::::::::::::::::l|　　　　　　　　　　| ￣　二´!:|｀ ｰ=≦::|
　　　　 |:Ⅵ:::|::::::::::::::::::::::l|　　　　　　　　　　|　ｉ:::::::::::: L!::::::::i::::::::|
　　　　 |:∧:: |:::::::::::::::: :: l|　　　　　　　　　　|　|::::::::::::::|.|:::: : |:::::: |
　　　　 |:::∧:::';::::::::::::::: : l|　　　　　　　　　　|　|:::::::::::: | |::::::::|:::::: |
　　　　 |::'/∧::i::::::::::::::::: l|　　　　　　　　　　|　|:::::::::::: | |::::::::|:::::: |
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


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480： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:28:44 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　ヾ ヾ:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　ヾ　ヾ:.:.:.:.:.:.ﾞ､
　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／|/　　　　ヽ　 ヾ.:.:.:.:.:.:ﾞ
　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:./'''/'''''''''',,,,　　l　,,,,ヾ:.:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　 l.:.:.:,_.:.:.:/ィ ｆ::ﾑヽ　　　　!　　'''ヾ.:.:.:.:|.:l
　 　　　　　!.:.:/ |.:./ 弋こCﾉ　　　　! ｆ:ﾆヽヾ､.:.:.!l.i
　　 　 　 　 l.:(　|/! 　, , , ,　　　 　　 辷ﾟノ/l:.:.:./ l
_ 、　　　　　!.:.:ヽ! _、　　 　　　　 ゝ , , , ,/　l.:/ !
ヽ、ヽ　　 l｀i l.:.:.:｀|::..i、　 　 , ー,　　　　/ 　 l/
　 ヽ ヽ /｀ｙ^y^ゝ.:|:::| ヽ　　{　ノ 　　／　 　 !　　　　　　　　　「あら、美筆さん、
　　 ヽ y / /　く-´.l_:l_ 　 ヽ、_　 ー:.:.!
　　　 ヽ´　　　 ヽ.:.｀、｀　ー__/_ヾ:.:.:.:ヽ______　　　　　　　　　　　 765プロの皆さんの
　　　　 ヽ　　　　ヽ.:.:､｀ヘ /　/　ヾ.:.:.:.ﾞ､　　ー､
　　　　　 >、　　　 ）.:.:｀ ' - ∧ つ ヾ.:.:.:ﾞ､　　　ヽ　　　　　　　　　　見送りにはいかなかったの？」
　　　／_／ト-、　/ヾ.:.:.､し #^ ゞ､　　ヾ.:.､　　　ヽー
　　 /　　 /　　｀V　　ヾ.ヽ #　　｀ゞ､ 　ヾ.:､　　　ヽ ヽ
　　 l　　　l　　　　＼　　ヾ#　　　 ｀ゞ　　ヾ　　　 ヽ　　｀ヽ､



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､__　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ'ﾍ_ﾉ　　　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｿ　　)　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {-'￣　 　　 {　　　　　　　　　　「そういうのはやる夫に任せてる」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}｀｀　　 __/_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ=ｭﾍ￣　-‐≧‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿..ノrﾉ　У´ : : : : : : : : :`、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ : :／;;;/＞´ : : : : : : : ／ : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／/:/;;;;;／ .: : : : : : : : :/ : : , - 〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_／ :ﾚ:/;;;／ : : : : : : : : : :|:/ : : :, - :｀{
　　　　　　　　　　,.. ‐- ､　　　__、＜ヽ :ノ i／ : : : : : : : : : :ヽL{.._／ _,. : :i
　　　　　　　　／ : : : : : : :＼/ : : : :i :./ : : : : : : : : : : : : : : : .:.(, ‐'´. : : : :j
　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : :＼､ : :|./ : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.} : : : : : : !
　　　　　,-'´,' : : : : : : : ､ : : : : :＼､fZ二--- :､_:_:_:_: :`－､ : :.:.ヽ.:_,､ : : : !
　　　 ／ : : : : : : : : : : :)ヽ h : : : :｀キ-- : : : : : : : : `＝-､ヽ.:.:.f-‐‐‐＝ :i


.

481： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:28:57 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　 「そうして自分はタバコ吸ってるでありますか、

　　　　　　　　　 サボリーマンってやつでありますな」



　|　　　　　|　　　　　|　　　　|　∨　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　 　 /ヽ
　|　　　　　|　　　　　|i　 　-┼‐ ∨　　　　　 /----＜　　 |　　　　 　 /　 }
　|　　　　　|ｉ　　 　 斗＜ 　 i|　 | ∨　 　 　 /|　　　/　ミｔ､,　　　　　 /
　|　　　　　|　　　　　|　　　　|　 |　 ,　　　　, ｜ 　 /　　　 ,　　　　　/　　 l
　|　　　　　|　　　　　|i ,x笊芋芥ﾐ　∨　　 ,　 !/芥芋笊㍉　　　　　　　　 |
　　　 　 　 {　　　　　| ゝ　)//刋　　 ∨　/　　　 )//刋 /,　　　　 //　 　 |
　l ，　　 　 , 　 　 　 | 　 乂^)少 　 　 ＼i 　 　 乂^)少　,　　　　/{/ｌ　　 ｉ|
　| ‘，　　　 ，　　　　,　　　　　　　　 　 , ＼　　 　 　 　 ，　 　 / il/ｌ　　 ｉ|
　|　 ∨　　　'，　 　 从　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　/　 {/廴　/|
　|V/∧　　 　'，　 　 入　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/　　 ﾏ//,/｜
　Ⅵ// ‘，　 　 ，　　　|　　　　　　　　 O　　　　　　 ,　　　 /,∧ 　 ∨,/
　 ∨'　　　，　 八　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　/∧∧　　ゝ'　 |
　　ｌ　 　 　 ＼ } /＼　ｉ|　　　　　　　　　　　 　 ィi〔,′ 　 /!/∧∧　　　　i|
　　|　　 　 　 {／//l ＼!　　 　 |ﾆ＞　　　　＜ﾆ| /　　 ‰ |//≧〈　 　 　 |
　　|　　　　　/////| 　 ＼　　 i|￣/　≧≦∧^｜　 ／　　 〈///∧ 　 　 i|
　　|　　　　 /////,'|　 　 　 　 i|＿＿/二,∨＿_| ／　　 　i| ∨//∧



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　ﾉノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　_,ノ　ヽ､__ 　 ＼　　　　　r~
　　　　　　　　　　　　　　　　(⌒ ) (⌒ )　　_,-|、　　　;'
　　　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　r' l　|.lヽ 　 r'
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　 　　　 l　i　| lニﾆ;:　　　　　　　　　　　「ほほう、ホライゾンは今日は
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　 　　 l　l, | l ﾉ__　_
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　/　 　　/ｨ　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　ガイド無しで京都を取材したいって？」
　　　　　　　　　　　　　 _　＜/ヽ__､_r'´　　　／/　　 /　　ヽ
　　　　 　　　　 __ ,.　＜　　/ ／}　人　　　r y　　　　　　　 ',
　　　　　　　r´　　　　　 　 j∧∧　/〈'--:´　Λ　　　　　　　l
　　　　　　/　　　　　　　　　 ヽ:ヽ__〉ﾊ　　　 / ∨　　　　　　l
　　　　／　　　　Y　　　　　　　｀√:V ﾑ___＜　　＼　　　 ＼ !
　　／　 　 ＼ 　i　　　　　　　　 〉::::| ∧　　　　 　 ∨　　　　 〉
／　　　　　　 ＼i　　　　　　　　 i::::::|　∧　　　　　　ﾊ　　　　|


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482： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:29:17 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　, ィ´: : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　 ／: :/:/ﾆVi:ﾄ、=＼ﾆ＼
　　　　　　 /ﾆ/７/　　　l:|　＼: :ヽ:.:ﾍ
　　　　　　 ﾚ': : i::l　　　 i:l　　　ﾍ: :i: :|
　　　　　　 i/:./:!:l　　　 }:ﾄ 、　 }:ﾊ:!: i
　　　　　　/:./Aﾘ‐ｚ'´ 　ﾘ　 二_ｷ|:l: :!
　　　 　　 {:.{:.ｲ　r=＝、 　 '~￣` |:|'^i
　　　　　　ﾚ|〈ﾊ　///　 、　///　ﾚｊｿ　　　　　　　「それはちょっと勘弁してほしいわね」
　　　 　　　 ﾚヽﾍ　 　　-‐┐ 　 /:!::|
　　　　　　　　 |: : ＼ 　`¨´　／:.:.|:.l
　　　　　　　　 |: : i: |:`ト - イヽ: : |:.|
　　　　　　　　 |: : |/^＼　 ／ `Ⅵ :!
　　　　　　　___| : ﾊ　<> M　<>/ l:.ﾄ 、
　　　　　_ィ´／|: ,' ∨三V三∨　i:.ﾄ -`> 、
　　　　 「　　　 |/　　 L/i|ヾ」　　 ﾘ　　　/ヽ
　　　　 |　ヽ　　 　 　 　 |l　o　　　 　 ∨　 l
　　　　 |　　∨_ oニ] 　∥　　 [__ o__」 | i　|
　　　　 |　　 {| |　|　|　　|ｌ　　　|　|　| |ﾊ l　|
　　　　 |　　 i| |　|　| 　 ∥　　 |　|　| |　l}　|
　　　　 |　　 ﾍﾑ-‐┘　 |l　o　　￣`ヽ / 　|
　　　　 |　　　ヽ、　 　　∥　　　 　　ノ 　　l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ
　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /　　　　　　「悪かったであります」
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，

.

483： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:29:30 ID:vmPyY7jQ


　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |　　　　　　　　　　 「ホライゾン、今日は美筆さん、
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ　　　　　　　　　　　　 機嫌が悪そうだからあまり刺激しないほうがいいわよ」
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉



　　　　　　　　|　　　　　　　　‘，　　　　　　　　　斗ｬ七允 　 　 　 　 　 　 / 　 }
　　　　　　　　|　　　　　　　　　∨　　　　 　 　 /　　　　　 |　　　　　　　　/　　 }
　　　　　　　　|i　 　 　 　 jI斗ｬ=∨　　　　　　/　,jＩ斗劣ミ　　　　　　 　 /
　　　　　　　　| 　 z七さ＾　　　　 ﾊ　 　 　 　/ ,ｲ//,刋 }/ }　　 　 　 　 ,　　　 ,
　　　　　　　　|　　 　＼ {＿_　　 { ‘， 　 　 / 　h//(　 　 i|　　　 　 　 /　 　 /
､　　　　 　 　 |　　,ｨf斥爪刋 ミ　|　‘，　　 ′　込z少　　从　　　 　 /　 　 /
. ＼　 　 　 　 | ‰笊////(　　 ヽ!　　} 　 /　　　¨¨^´ 　 %　　 　 　 /　　　/
. ＼＼　 　 　 { ﾏ( ぃ乂/ﾉ爿 　 　 　 | 　,′　　　　　　 ,　 　 　 　 /　 　 ,/　　　　　　　「jud」
.　　＼＼　　　‘，　乂⌒少´　　　　　|／　　 　 　 　 　从　 　 　 /　 　 ,/
.　　　 ＼〉,　　　 ，　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　 　 人　 　 　 / 　 　 ,′
　　　　 }/}　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 /
　　　＿|/!　　　　∧　　 　 　 　 　 　 　 t ﾕ　　 　 　 /　 　　,/ 　 　 /
　　 l///,'|　　 　 　 ﾏ>　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　／{　　　/
＜-,l///,'| ＼　 　　 ∨=≧s｡.,_　　　　　　　　　　　/ 　 ,／　 |　　 /
　　≧=‐く 　i|＼　　　∨二二二≧s｡.,＿／　　　 , 　 ／　　　| 　,/
　　　　　　　 |　 ＼　　,∨　 |ﾆ=,|　 |i　　　　　　 / ／　 　 　 i|　/


.

484： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:29:45 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　｀⌒　　　　　　　 ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（ ＝）（＝)（,ヽ、　　　（(
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　 （___人__） ,r__i____　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　　√丶丶丶┬─'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　|　)　　　　 j
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _ﾑ　　　 　ヽ´　 　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　_,／{　 ヽ. , . ＿　{_＿__r′　　　　　　　　（機嫌悪そう……か）
　　　　　　　　_, ､ -― ''"::/::::::ﾄ　　 ＼　　 〈 ,-ｰｰｰヾ-､
　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::/::::::::::|.＼ 　　＼　〈::::::::::::::::::::::ﾑ
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::＼:::::::ﾄ､　＼ .イ ⌒ ﾏ　;;;;:::::::::::'ﾑ;;;;|
　　　　　i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::∨::::＼　　　ヾ__　ﾏ　:;;;;;;::::::::ﾑ,;;i
　　　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::〈:::::::::::::＼　　ﾑ　　ﾏ　::;;;;;;;;::::::ﾑ',




.

485： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:30:00 ID:vmPyY7jQ







　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　│　　..『あずさがいっしょにいてあげたら、おにいちゃんしあわせ？』　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　└──────────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ┌─────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　..『……そうだなぁ』　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 『それはきっと　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 幸せなことだろうなぁ』. 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 └─────────────────────────┘




.

486： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:30:17 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　『それじゃあずさ、ずっとおにいちゃんといっしょにいてあげてもいいのよ？』



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,,......................,,,,,__,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　‐'''"´: ﾞ ;: :r===､:: : : : : : ´ﾞ''''ｰ .._
　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-''´: : : : : : : : :.:.:. {､___乂: : : : : : : : : : : : ｀''-､、
　　　　　　　　　　　　　　　゛: : : : : : : : : : : _,:　∧ 　∨- .､.._.: : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : ｀¨|,. ‐''"´: ∧ 　∨ :: : : : : ｀`'‐.､_: : : : : : : : : .:＼
　　　　　　　　　　　／/.:.: : : : : :.,.‐´: : : : : ∧___∨／: : : : : : : : : : ｀‐.､: : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　. : :/: : : : :　／: : : : : : : : |　　　 ￣}}}￣}}〉: : : : : : : : ＼.: : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　./: :/: : : : :.,i´: : : : : : : : : : : ＼__＿＿＿__/: : : : : : : : : : : `:、 : : : : : : ∨:，
　　　　　　　　　′，: : : : : : : : : : : :. 〈{{: : :.: :.／｀ヽ￣￣r===､∨: : : ＼: : : : :∨: : : : : : }: :}
　　　　　　　　 : : : : : : : : :{ : :r===､: :; ﾞ:;:;:;／　 　 }＿＿{､___乂.: : : : : : : ＼: : : }: : : : : : :ｉ: :.|
　　　　　　　　 ｉ: :|: : : : : : i: : {､___乂.:.:.:／　　　／: 　 ∧ 　∨＿/ . : : : : : :∨: i : : : : : : |: :.|
　　　　　　　　 |: :|: : : : : :∧: ∨　 ∧ : ＿＿／{　´　∧ 　∨ヽ￣￣￣￣∨∨: : : : : : : |: :.i
　　　　　　　　　: :､: : : : : :.∧: ∨　 ∧ : ゞ=＿＿／{∧___∨　　　　＿＿/.:.: }: : : : : : :. /: /
　　　　　　　　　∨:}: : : : : : : ＼∨___∧.:. : : : : : : : : |　　　 ￣}}}￣}}〉￣￣∨:.: : : :.::...:/: /
　　　　　　　　　 .}: :､.: : : : : : : :.:＼　 　 ￣}}}￣}}〉;:;:;＼__＿＿＿__/ ＿＿/.:.: : : : :.:./: /
　　　　　　　　　　＼:＼: : : : : : : : :.＼=-＿＿__/ ;:;:;:／　　　／: : : : :_: -‐.:.: : : : : :./: /
　　　　　　　　　　　 ヽ: ＼: : : : : : : : : ＞: : . . _≦二＿＿／{_: : ＜.:.: : : : : : : : :.／: /
　　　　　　　　　　　　　＼: : ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／: :／
　　　　　　　　　　　　　　ヽ: :.､: : ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞: : : : ／/
　　　　　　　　　　　　　　　 ≦＼: : : : : :＜ :_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:＞: : : : : : ／:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ’≦: : : :＜ :_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ :＞ : : : ≧ ’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ’　≦: : : : : : : : : : : : : : : : :≧　’
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 『……それじゃ、ずっとそばに居てもらおうかな』



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487： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:30:33 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　（自分でも嫌になる……酔っ払った昨日のあずさの言葉が、

　　　　　　　　　　割と本気でうれしかったなんて、なぁ）


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- ─-　、　　　　　　　ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　／　　　　　　（,ヽ、　　　（(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 _,ノ___ヽr__i____　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 (√丶丶´v┬─'"
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i　U　　 |　)　　　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ﾄ､　　 　 V　 　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　_,／　く　　　　 (　　　　r
　　　　　　　_, ､ -―;;'"/;;∧　　,ヽ　., __r ／⌒ヽﾆ‐-、
　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､:;;;;;〈;;;;;∧＼　　＼__ V／.....￣　',;;;;;
　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i;;;;;;;∨;;;;∧. ＼　∧　::(　;;;;::::::::::... ',;;;;|
　　　　r ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;;;;;;∨;;;;∧ 　`'　.ｱ ;ﾊ　:;;;;;;::::::::.. ',;;i
　　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: !;;;;;;;;;;;;;＼;;;∧　　　|　;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',
　　 / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::!;;;;;;;;;;;;;;;〈;;;;;;;;∧　　|　;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;;;;::::::. ',



.

488： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:30:48 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｡　｡ ｡-‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾟy%%%ｿ　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｼ ﾐ彡ﾍミ}　ミ i| ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/`ﾄ､:::::::::`Yヾ　ｿ　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{. |ﾄ､ゝ､::::::|::::} / .'　 i ＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i. ﾉ　ｿ〉ｲ::/八.'　　 i　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽｨ彡ｲ　|　　 　 i　　 '.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ　　}　i　'.　　 |　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　i　　/　 |　　　　　　　　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 i;;:/　 ,ｲ　　|　　　　　　　　　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 y　 / |⌒ﾙ'　　　　　　　|　　　　'
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / ミ/ | i　　　　　　　_y'⌒ト､　　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈　 /　.ﾘｱ`ｰ‐-‐r ､ｿ:::::.|　ﾚ'⌒´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,ゝ Y´　　　 ＼::::ﾄ､::::::::::::'　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛　.'彡　　　　　　`ﾘiﾘ::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `7　八.:::.......::.ｲ /　ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐='´／ 　ヾ:::::::::::,ｲ　 i|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ,／／ 　...::::::／　ﾊ.ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〈ﾍ／　　...::::::ノ　／　 ＼ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｿ⌒＞､＿,ｲ⌒＼　　 　ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／､／　　　／　 / ,ヘ.　 ,ヘ}　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　ﾄ､　　/‐-､ / /　　Y´　 `Y' Ｔ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`Y　ヽ〈　 /'Y　iｒ‐y'´|　　　 i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ／⌒ｿ´⌒`､i　`トr'⌒Y`i'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {⌒::＼{　 /　/　　| |　 |　＼ i　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `〉人/＼ﾚ´ﾑ-‐-トil　 ＼　＼/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.i´／　　 Yヽ　　.}ﾊ､＿r‐v'⌒{
　　　　　|ﾄ‐'⌒`Yヾ　　　　　　　厶 |r'⌒ヾ､　i　ﾄ､　　　＼＼　＼i
　　　 　 ｛:::::::::::::::ｿ´　　　　　　　 ｿ'´.　　 /.}ｲ　|　ﾚ'⌒}⌒＼ ＼,ｲ
　　　　　 ヽ:::::::::::i　　　　　　　　 /　　. ／ 7`ｰ'′/　 ∧/／￣7/
　　　　　　〉＝= |　　　　　　　／　　／　 /　　／...　┌───────────────────────────┐
.､-‐､　 ／:::::::::::::i　.　　　　／　　／　　 /　／　／....│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　｝::::∨::::::::::::::::::::}＝ ‐-／　　／ 　　／／　／　 　 │　..さんざんほったらかしてきたあずさ相手に……。　　　　　　　 　 │
　i:::::::i::::::::::::::::i:::::.|彡 ノ　　／　　 ／　/　／　 　 /..ﾞ│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　ゝ:::::ﾐ:::::::::::ｨ´i::::|　　　／　　 ／　　/／　　　　/......│　　..虫のいい、都合のいいこと考えてる……最低だなぁ、俺　　　 │
　ｯ＞‐-＝＝‐ ´彡ｒ'´　　　／　　 ／　　　　　／...　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　`ミ＿　　　　／.　　　　／.　　 ／　　　　　／.　 　 └───────────────────────────┘
　　　　￣ゝｿ-‐─-─r─---ｰ──＝─v-‐ー-r‐v'⌒ー─-‐'



.

489： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:31:02 ID:vmPyY7jQ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- ─-　、　　　　　　　ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　／　　　　　　（,ヽ、　　　（(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 _,ノ___ヽr__i____　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 (√丶丶´v┬─'"
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i　U　　 |　)　　　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ﾄ､　　 　 V　 　　 ./
　　　　　　　　　　　　　　_,／　く　　　　 (　　　　r　　　　　　　　　　　「あーくそ……顔、あわせづれえ」
　　　　　　　_, ､ -―;;'"/;;∧　　,ヽ　., __r ／⌒ヽﾆ‐-、
　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､:;;;;;〈;;;;;∧＼　　＼__ V／.....￣　',;;;;;
　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i;;;;;;;∨;;;;∧. ＼　∧　::(　;;;;::::::::::... ',;;;;|
　　　　r ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;;;;;;∨;;;;∧ 　`'　.ｱ ;ﾊ　:;;;;;;::::::::.. ',;;i
　　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::: !;;;;;;;;;;;;;＼;;;∧　　　|　;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',
　　 / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::!;;;;;;;;;;;;;;;〈;;;;;;;;∧　　|　;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;;;;::::::. ',



　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|　　　　　　　　「やっぱり変であります」
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，



　　　　　 ／: : : : : ,r,,､ｬ : : ヽ : : : : ﾊ
　　　　 /: :/: : :/:/　 'ﾍハ: : : :＼: : : ﾍ
.　　 　 {: :/: : :// 　 　 || 　ヽ: : : ﾍ: i: : ',
　　　　|:/: : :.ｲ/　　　　||　　 ﾍ: : : ∨: :ﾘ
　　　 /:.ｲ: :,ｲ/　　　　 .||　　　 ﾑ:ﾄ: ∨:.i
　 　 /:'ｨi: :/」_≧､_, 　 ,､L-ｯ≦､ ∨: i: :|
　 　 i/ ｲ: ハ 爿ﾘ｀　　　 '　ぅり｀7〉ﾍ:∨
　　　'　',|/ﾑ　 ｰ'　　　 　 　 ｀´　/'ノﾉﾄ､
　　　　　 ｰﾊ　　　　 '　 　 　 　,/=': 7/　　　　　　　　　　　　　「だからそんなこと言わないの」
　　　　　　 }: ヽ　 　 -‐- 　 　,ｲ/: :/:{
　　 　 　 　 !: : :＞ ､　　　／|: /: :,ｲ: |
　　　　　 　 |: : : :ハ ｀　´　 ﾉy: : /: : |
　　　　　　　|: : :/. .,ﾍ　　／. .i: : ﾄ､ : |
　　　　　　,-| : /|. ∧〉=ﾍ. ／|: :/ゞ､｀ ､
　　,-､≦´ -|:./. |. 〉/乂乂. 〉|:./. .≧　　＞､


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490： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:31:16 ID:vmPyY7jQ


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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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　○　　　　　ﾟ　　。　　゜　　　　　o　　　　　　　　　　　　　　o/////////////////////////｀
　　　　　　　　　 　 o 　 　 　　　　　○　 　 　　。　　　.　　 　|////////////////////////////〉
　o.　　 ;'⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ 、＿....　　o　　 〈///////////////////////////｛
　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　 　 ゜　　 //////////////////////////｛
　 　 （　　　　　 　 やるやらあずさが　　　　　　　 ）. 　 　 　 ｝///////★////////////////r′
　　　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （.　　　　 　 {/////////////////////////〈
゜. 　 （　 　 出会ったり別れたりするそうです..　　）.　　　o　[_　　　　＿______＿__＿___r‐--‐≠、
　　　 ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ　　　　 o　 /⌒ rﾃぅ、八{　⌒ﾃぅｘ ｝　　　　 丶
　○　ヽ、_ノ⌒ヽ、　 ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒~.　　　　 　 o　′人{ Vり　　　　　V:ツ ｝　　　　　 i
　　　　　　　　　　 ｰ'　　　　　　　　 ○　 　 　　。　　　.　　　　゜　　ハ　　　'　 　 　 　 ノイ　　　　　|
　o　　　ﾟ　　　。　　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　o　　　|　 　 人　　　.　、　　　 人　 /　　　人
　　　　　　　　　　　　　o　　 　　o　　　　　.　　　゜　　　　゜　人　　　 i . . .　　　　　　i　｝／ V〈／ ⌒丶
　　。　　　　　　　　　　　　　ﾟ　　　　　o　　　　　　○　　　　　o＼∧ハ/ __〕T爪　-┴┐
　　　。　o　　　　　゜　　　　　　.　　。　　　　ﾟ　　　　　　　　o　　　　厂　　　〔＾///////|‐-ミ
゜○　　　　　ﾟ　　。　　゜　　　　　o　　　　　　　　　　　　　　o　　　 /Л　／｝厂|＿___//////
　　　　　　　　　　　o 　 　 　　　　　r=‐-　　 __　　　　　　　　　　〈/　L/ ... ′ |/灰/７ ／///|
　o　　　ﾟ　　　。　　 　 　 　　　　　　|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　　 __　 厂〉　......V///VYア//////！
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　　　　゜　　　　o　　　゜　　　　　　　　｝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7 /　/..o|lo..｛/////////｛//////
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ二｛ {　| ... o|lo ..｛-‐='^⌒＾7//｝//////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二｛ {　| ... o|lo... ｛///////′/｝///////,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ二二二｛ {　| ... o|lo.... ｛//////|///｝///////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二二｛ {　| ... o|lo .....｛//////|///∧///////'
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ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹＥ　ＣＡＴＣＨ　ＥＹ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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491： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:31:30 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　 ,..-''"´ 　 　 　 　 　 ｀''-,,
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　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
　　　　　　　┃|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |┃
　　　　　　　┃|＿ 　 　 EP：50-2　最澄が好きでも天台宗は嫌い、そういうもんです.　　 　 　 ＿|┃
　　　　　　　┗┓|＿ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|┏┛
　　　　　　　　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京都駅
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〜解説篇後編〜
　　　　　　　　　　　　　-------＜
　　　　　　　　ィi〔‐=////／＼≧=‐zz｡s≦⌒}＿＿＿
　　　　 　 /　/////＞ ´　 /　　　　　　　　　 |　　　　 |
　　　　　 　 //＞ ´　　　　{　 　 　 　 　 　 　 |　　　　 |
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　　　 ,'　///　　 ｌ　　　　 ｜　　 　 |　 　 　 /　|　　　 :|
　　　 . /　〈　　　|　　　　　|　　　　 |:　　 　 ′ |
　　　{ {　　 ＼　 :!　　　　斗 -―　八　　 7㍉　}　　　/
　　　:　＼　　 ヽ {　　　 　 | 　 　 /　}　 ,x=ミ　/　　 /
　　　　 　 ヽ　　 ＼＿　㌢斧示ミ　 :　/ Kﾘ }/　 　 ′
　　 l　 　 　 ＼　　 //} 　l　込シ　　{/　 ^¨{　　　/
　　 :　　　　　＞＜zzz{　 !　　　　　　　 ,　 从　 /
　　　　　 ィi〔///　∧　　:|　　 　 　 　 　 ｨ/ 　 /
　　}　　/77/ l 　 / ∧　 :ト　　　 　 ' ／ / )　 ′
　 / 　 {//＞ !　　 / ∧　}{=＞｡ __／≧s。}　/
. /　　 /77//∧　　 }＞', ii:i:i:i:i/ ＼//////}^＿＿
/　　　{/////,∧　　ｉ///ﾊ ／i:i:i:ｉ:ｉ:}^ ﾏ/f(＿＿__) )--､
　　　 乂/(＿　 :.　　Ⅵ///}＼i:i:i:ｉ/　ヽ　{　　　　f――/
　　　/ニニニニ∧　 ∨77 　 ヽ / 　 　 :ｌ　　　　ゝ―〈
　　 /二ニニニﾆ:∧　 }_ノ　 ⌒　',　　　 :|　　　　　)=}:{
　　f二二二ニニﾆ∧　:.　　　　 　 :.　 r ＞‐==≦ｱ_/_{
　　l二二ニニﾆﾆl/　ﾟ， ﾟ，　　　　　　/〈ﾏﾆﾆﾆ／=///
　　{二二ニニﾆﾆ}/　‘， ‘，　　　　 /=:≧=‐ ､ ＜ニ{


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492： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:31:55 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　　　　　「悲報：まだ投下量の半分行ってない」
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


　　　　　　　　　　　　 ＿　＿_
　　　　 　 　 　 .　 ´　　　　　　　 ｀　ｘ≦7７
　　　　　　　／　　　　　　　　 　 ＜,/////
.　　r≠≦７　　　　　　　　　　　　　∨//ﾊ
　　 ∨/// 　 　 　 /　 　 、　　　 　 ∨/
　　　｀¨¨′　　 　 ′ i　　|{-‐、-　 　 ′　i
　　　 　 i 　 　 　 !| !ノ 　 八{　＼ヽ. 　　　 |
　　　 　 |　 　 ／八ﾄ､　 /　ィ笊ミx‘ 　 ｉ　 |
.　　 　 ノイ　　　ixf笊 ソ 　 弋うﾘ　 ｉ　 |i 八
　　　　　八 　　 {弋う　　　　　 ,,,,,　′ 八　‘，
　　　　　　　ー　 ゝ ,,,,,　　'　　　　厶イ　　|{　i
　　　　　　　　ｉ{　 人 　 　 c　　 イ{　 i 　 八 ′　　　　　　　　「エッ」
.　　　　　　　 八{　 i　≧=‐r＜＿jハノ}／
　　　　　　　　　 ＼{ ゝ⌒ノ|{　　　ヽ
　　　　　　　 　 　 ,.　 イ　 八　　 ／｀　　、
　　　 　 　 　 　 /　 ,　ヽノ,:f^V7　　　　　 i
　　　　　　　　　i　 /＿　/:::i ____ 　/ 　 　 |
　　　　　　　　　|　f,//,'/::::::|/////　　　　,
　　　　　　　　　|　|///,:人::|////　　　　/
　　　　　　　　　|　|///ｉ::Y:::|///　　　　/


.

493： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:32:24 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「まぁそんな感じで解説後半戦行ってみようか。

　　　　　　　後半戦では先程も言ったように最澄と空海、

　　　　　　　　そしてその二人の関わりについて話をしていくぞ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　｀⌒　　　　　　　 ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（ ●）（●)（,ヽ、　　　（(
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　 （___人__） ,r__i____　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　√丶丶丶┬─'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　|　)　　　　 j
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _ﾑ　　　 　ヽ´　 　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　_,／{　 ヽ. , . ＿　{_＿__r′
　　　　　　　　_, ､ -― ''"::/::::::ﾄ　　 ＼　　 〈 ,-ｰｰｰヾ-､
　　　　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::/::::::::::|.＼ 　　＼　〈::::::::::::::::::::::ﾑ
　　　　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::＼:::::::ﾄ､　＼ .イ ⌒ ﾏ　;;;;:::::::::::'ﾑ;;;;|
　　　　　i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::∨::::＼　　　ヾ__　ﾏ　:;;;;;;::::::::ﾑ,;;i
　　　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;::::〈:::::::::::::＼　　ﾑ　　ﾏ　::;;;;;;;;::::::ﾑ',



　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|　　　　　　　　　　　　　「はい」
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ


.

494： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:33:19 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｝
　　　　　　　　　　　　　　 ..,､ - ─ -ム- ― - 、
　　　　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ' ,
.　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 '.,
　　　　　　　 ／　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i
　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 　 l
　　　_,､イ_/　　　　　　　　　 　 ,斗‐　　 !　　　 |　　　　|
.　　　 ￣/ 　 　 　 | 　 ＼ ヽ／　 ∨ﾍ ｌ |　　　 |.__　　　!
　　　　 /　 /　　　|ﾄ、　　メ´ﾍハ__|,,ﾘハｊ　　　 iﾍ .｝ 　 l
　　　　,' /ｲ　　　　i!ヾ＼ 　 ∨〃Ⅵミてj:! 　 　 ﾚ / | 　!
　　　　l/ lハ . | .i　ﾄf≧､＼　i　　 つこﾘ | i 　　 Kﾍ i | j
　　　 ￤　　∨| .|　ﾄ､ﾞにj　ヽj　　　`_ｰ' ｲ//　　l　ヾj i/ ,／｀ヽ
.　　　　 　 　 ∨ﾘヾ＼ ゞｊ/ ）ｰQ､ __　_ノ/ｲ　 　j　 ∨X´.__＿/
　　　　　　　　 ヽﾍハ　∨ /､　　　　,　　　| /　/　 _,ﾌｰ‐ヽ､
　　　　　　　 　 　 | ;ハ/ /､　 ｰ　 ´　_＿_ﾘ//´￣　　　　ﾑjﾄ､、
　　　　　　　　　　 ﾘ ノ .ムﾍ＞ 　 　 ＼　 /´　　 　 　 ／　　/ ｀＞,.、
　　　 　 　 　 　 　 「　ｰ─‐┐　｀＞ｰ ´＼ 　 　 　 ／/　　 /　　　 　 ｀＞,､、
　　　　　　 　 　 　 l 　 ｰ─┐＜　　　　　 )〉 　 ／:::/　　 /　　　　 ／ 　 　 ﾍ
.　　　　　　　 　 　 l　　 r,ュ j　　｀/＞ｧ　ノ）＜::::::イ　 　 ,'　　　　 /　 　 　 　 ',
.　 　 　 　 　 　 　 l　 　 Ⅴ´ 　　/　 /i´⌒ヽ＞"´/l　 　 !　 　 　 ,'　　　　　 　 ',
　　　　 　 　 　 　 l　　 　 ｝　　 〈　 /｜:::::::/　　/　|　　 j　 　 　 l　　　 　 　 　 ',
　　 　 　 　 　 r‐/　　　 /　　　　 ｲ　 〉:::_/ 　 / 　 i　／　　　　 l　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　iヾヽ､__＿jュ_　 ／ .l　 i:::::::i 　 /　　　＼　　　　　 !　 　 　 　 　 　 ',
.　　　　 　 　 l　　 　 ｀ ｰ--l　l 　 l　 l:::::::l 　,' 　 　 　 /　　 　 　 l 　 　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　 l　　　　　　O l　 l 　l　 !:::::::l　;　 　 　　/ 　 　 　 　 l　　　　　　　　　 ',
　　　　 　 　 l　　　　　　　 l　　l　l　l::::::::l　; 　　 　 /　 　 　 　 　 ∨　　　　　　　　 ヽ､
.　　　　　 　 l　　　　　　O l　　 l｜ !::::::::|　!　 　　/　 　 　 　 　 　 ∨　　　　　　 　 　 j
　　　　　　　l　　　　　　　 l　　　i|　l:::::::::l　l　 　 /　　　　　　 　 　 /∨　　　　　　　　 ｽ
　　　　　 　 l　　　　　　　 l　　　.l　l::::::::::l .l.　　/　　　　　　　　　 /|　 '､　　　　　　　　∧
.　　　　　　 l　　　　　　　 l　　　.l　l:::::::::::l l.　 /　　　　　　 　 　 /ｌ | 　 :!､　　　　　　 　 ∧
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　　　　　　 l　　　　 　 　 j　　　.l　l::::::::::::|! /　　　　　　　　　 ,'　 /| |　 |　i∨　　　　 　 　 ∧
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.　　　　 　 ヽ　　　　 　 , ' l　 　l　l:::::::::::::ｌ　　　　　　　　　　 ,' / 　 | ||　|　|　く　　　　　　　　 ∧
　　　　　　 　 ＼　　 ／　.l　 　l　l:::::::::::::l　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　 l/ i / /　／　　　　 　 　 　 ∧
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　「まずは最澄の方からいくぞ。最澄は平安時代初期、比叡山を開いて天台宗を立ち上げた名僧だ」



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495： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:33:31 ID:vmPyY7jQ




　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、　　　　　　　　「比叡山って、焼かれる方の比叡山かお？」
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i　　　　　　　　　　「焼かれない方の比叡山ってなんだよ」
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


.

496： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:33:43 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ 、　　　　　　 　 _＿__　　　　 }ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ ー‐　　 ￣　　　　 ｀ 　、 ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　＼　　 　 ｀'く__ﾉ)
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　　 　 　 　 ',　　 　 　 ヾ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 { /　　|ｉ　　ｉ　　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　 　 //／Ⅵi|　 |{ /} |　i| i　　 } }　 　 　 　 }
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 〃 　 | |丁Ⅳ¨^ﾄ､i| |　　 } }　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　 j Ⅳ芹冬ﾐ | | |　　 } }
　　　　　　　　　　　　　　　　 || i　　 j/　{り )〉ﾉ | |　　 } } 　 　 　 ′
　　　　　　　　　　　　　　　　 || |　／　　"＾　　 ﾉ |　　 }ハ/　　 /
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Иi ＼　　　　　 　 }|　　厶ｲ　　 /
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　, ┴-､ヽ‐-　　 　 八　/^⌒ヽ（/
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _／￣＼ｊ'/}　　　　 /　//　　　-‐ﾍ.厂）
　　　　　　　　　 　 　 ┌‐'￣￣}┐ }　ヽ _　　/　//-‐　　　-‐ﾍく
　　　　　　　　　　　　　　__￣}　}（_/}　　　 ／　／　 　 .　´　 　 ＼ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　}　}　} 　 }.　 ／, .イ　　 　 ´　 　 　 　 　 . ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　し'¨´,　 /　 ⌒{:i:i:} 　 ／　　／　　　　　　 　 ＼
　　　　 　 　 　 　 　 __{　 　 　 ,}／　　 ／〉:i:}.／　　／　　 　 　 　 　 '，　　 、
　　　　　　　　　　　/∨　　 厂{ 　 ┌く　/:i:ｉ:'　　 ／ ／￣￣ ＼ 　 　 ；
　　　　 　 　 　 　 / /　｀ ー==〉┌┘　/:i:i:/　 ,　 ／　　　／　　ヽ.........|
　　　 　 　 　 　, 〈_/　　　 　 /厂｀ヽ{ .:i:i:ｉ/　../／　　　／　　　 　 ;　　|　　　　i
.　　　 　 　 　 / //　ー==彡ﾍ′　　| {:i:i:i}　 ｛{　 　 ／　　　　　　 }　　|　　　　|
　　　　 　 　 / //　　　　　　/　__＿,| {:i:i:i}__／　 ／　　　　　　　　′　|　　　　|
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その最澄だが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『先祖は後漢孝献帝の末の孫、登萬貴王で、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　応神天皇のころ日本に帰化し、近江国の滋賀の地を与えられ、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　姓を三津首と賜った』とされている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大陸からの帰化人ってことだな」


.

497： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:33:57 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　' ､
　　　　　　　　, '　　　　　　 　　 　 　 ' .
　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 　　;　 　 `
　　　　　　　,'　　　　　 ;　　　　 　､ 　 　 ｝
.　　　　　　 |　　　　　〈　 　＿...::::: )　___ ′
.　　　　　　 |　　　　　　; f　(:::)　ヾ( （:::）
.　　　　　　 |　　　　　　　 　　　　 丶　　{
　　　　　　　'.　　　　　　　;　　 　　 ｝　　）
.　　　　 　 　 '. 　 　　　　　`ｰ--　´`ｰy'
　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
　　　　　　＿_ﾉ　 　　＼　　　　　　　/
　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣　　　　　　　　　　「父の名は百枝、敬譲にして博学、村民の尊敬を受けていたという」
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ
　　　　///////////,｀/＜// 丿
.　　　////////////////////ヽ
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
　　 {///////////////////////////}、
　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ



　　　　　＿＿　　　＿　　　　＿_
　　　　　{////У　　　｀　 ´　　　 ｀ｘ≦７７７７
　　　　　∨/／　　　　　　　　　 　 ∨//////
　　　　　 У 　/ 　 　 　 /　　　　　 ヾ'///,/
　　　　 , ′　 ′ /　　 /　 　 i　 　 　 ＼,ハ
　　　 ノイ　　i:　厶　! /＿i 　 }
　　　　　|{ 　 | /ｘｭ､乂{ jノ｀メ､　　　i　　　　i
.　　　　 八 　|ﾊ《frj 　 ｀"斧ﾐｘ Ｙ 　!|　　 　 |{　　　　　　　「イイソンチョウサン」
　　　 　 　 ＼{　 ﾋﾘ　 　 弋:ｿ j}′ 八{　 　 八
　　　　　　 /　ヽ ｉ　'　　　　 　厶イ　　 　 /　 ‘.
　 　 　 　 .′　|i人　r ｧ　 　 　 ノ　　 　 /　 　 !
　　 　 　 八　 i|　} 丶　_　　 ≦　/　 / /　ｉ 　八
　　　　　　　＼{ ハト､{/ﾄﾍ＿／厶イ／）ノ}／
　　　 　 　 　 　 , - ―r‐く_{　　　　ゝ --　､
　　　　　　　　　′　　{／７ヽ ＿＿_／
　 　 　 　 　 　 i　′ /::::/　　｀寸歹 ／　　 |
　　　　　　　　 Уﾐx/::::/　 ｘｭ､　　 /　　　　|
　　　 　 　 　 /三f/::::/壬三ﾆ心、:{　　　 　 〉
　　　　　　　 {三tハ:/三三三三心‘.　　 　 {
.　 　 　 　 　 ∨/:Y/三三三三三ﾆハ 　 　 |


.

498： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:34:12 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「百枝は仏事神事にも深く心を傾けていて、

　　　　　　　　　　　自分たちに子供がないのを憂いて祈願のために比叡山に登った」



　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　／　ﾆﾆ＼
　　　　　　　　＿ ｒ　　　　ｰｰﾆﾆー―
　―――‐　　ﾆｰﾆﾆ　　　　　ｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆ＼
　　　　　　　ﾆﾆ　ｰｰﾆﾆ　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆ＼ ＿＿＿＿＿＿
　　ｰﾆﾆ　ﾆﾆﾆ　　ﾆｰｰﾆﾆ　　　　　　　　　　　　　　　ｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼＿
　　　ｰﾆﾆﾆﾆ　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆ　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼＿＿
　　ｰﾆﾆﾆ　　　　　　　ｰｰﾆﾆﾆﾆｰｰｰｰﾆﾆ　　　　　　　　ｰｰﾆﾆﾆ　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆｰ＼＿＿
　ｰﾆﾆﾆ　　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ　　　　　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆ　　　　　　ｰｰﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼＿
　ﾆﾆ　　　　　　　　　　　　 ｰｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆ从　　　　　　　　从　　　ｰｰｰﾆﾆ　　　　　　　　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼＿＿＿＿＿
　　从　　　 　 ｒ ｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ┐　　　　　 从ﾐ　　　　　从　从从　 从　　从　　　　　　ｰｰｰﾆﾆｰﾆﾆﾆ　　　　　　　ｰｰｰｰﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
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　爻爻乂乂爻爻　爻乂辷二 ≦三三三三三三三二二ニニニニ＝＝＝＝＝＝―― ／;;;,￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　三三三三三≧＝＝―― ￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,,,,,　彡／　　　　,;;　　　　　　　,;,;　　　,;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,, ＿　ｒ'''''''''　ｒｒｒ　　o ／　,;;,;;　　　　　,;;,;;　,;;　　　　,;;　　　　,;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,,,,,,,,　　彡''　　　　　　　　　　　　 　 辷　　　　,;;　　　　　　　　　　　　,;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,,_　彡'''''''　　　　ニ　　　　　　ﾟ　ｏ　　　　　　　　　　　　￣￣　二ニ＝――――
　　　　　　　　　　,,,　ｒｖ┐　　ﾟ　　　　　　　　　　　　　　ﾟ o　　　　　　　ﾟ O　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　二ニ＝―
　　　　　,,,o,,　彡　O　　　o　　　　　　　　　　　　ｒ､　　　　　o　　　ｒｖ┐　8
　　'''''　　　ｒｖ┐　　　　　　　　　　　ﾟ ｡　　　　　　oｏ ８　　　　ｒ┐　　o　O　　　　o
　　　　　　　 ￣





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「この頃の比叡山はただのお山ですよ〜」


.

499： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:34:33 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　「数日間、祈願の場所を探して、ようやく比叡山の麓の小さな神宮で奇瑞を感じ、

　　　　　　　　　　　　　　そこに草庵を結び七日に渡って祈願を行った」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　＼三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三／
　　　　　　　　　 ＼三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三／
　　　　　　 　 　 　 //////////////////////////////////////////∧
　　　　　　 　 　 ／////////////////////////////////////////////＼
　　　　　　 　 ／////////////////////////////////////////////////＼
　　　　　　 ／////////////////////////////////////////////////////＼
　　　　　　｀￣||ロ＝ロ＝ロ＝ ロ＝ ロ＝ ロ ＝ ロ＝ ロ＝ ロ＝ ロ＝ ロ＝ ロ||￣´
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　|二二二二二二二二二|　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　||ll:::::::::::/ /:::::::::::/ ヽ::::ll||　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　||lｌ::::::::/ /:::::::::::/　 /::::lｌ||　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　||ll:::::/ ∧:::::::::/ .／＼:ｌｌ||　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　||ll:::::::/ /::::::::;／　 ／::lｌ||　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　||ll::::∧/:::::::::::＼／＼::lｌ||　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　||ﾆﾆ∨ﾍﾆﾆﾆ／＼／ﾆ.l|　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿|　||/::::::∨∧::::::＼／＼::',||　|＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　|ニニ|　|二二二二二／　 ／二|　|ニニ|
　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿_Lﾆニ|　|三/＿＿＿_.＼／ '∨/|　|ニﾆ」＿＿_
　　　　　　　　　　　/ニニニニﾆ三ニニニニニニニニニニ三ニニニニﾆﾍ
　　　　　　　　　 　 |三三三三/　　/三三三三三三三三ﾍ　　ﾍ三三三三|
　　　　　　　　　 　 Lニニニﾆ|￣　|ﾆ/==============|ﾆ|　￣|ニニニニ」
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 └─┘　　　　　　　 　 　 　 └─┘

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「お祈りは七日が相場でありますか」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ま、七日七晩がテンプレだお」



.

500： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:34:47 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　　　　　　　 「その祈願の中途で霊夢を得、
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_　　　　　　　　　　　　 心に期して百枝が家に帰るとやがて男児出生の好運に恵まれたという」
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i　　　　　　　　　　　　「法然さんのときと同じようなケースになったわね」
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉


.

501： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:35:03 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　_,.　　--―――――-=ミ､　ﾄ､／￣／
　　　　　　　　　　　,.　'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＜
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　／ ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 　 　 　 / ／'　　　 ／
　　　　　　/ //　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 :
　　　　 　 j/ /　　　/ ／/j_,.　　/!　　　　　　　＿　　＼. 　 　 　 　 :
　　 　 　 　 /　　 /. / ./　|　　:/ |　 　 :|　　 ヽ ＼｀ ヽ　ヽ　　　　　 i
　　　 　 　 ,'　　 /. /　 |　 |　 /　 !　　　ﾄ、　　:|＼|＼　i　 |. 　 　 　 |
　　　 　 　 i　　/　 | 　 | ,斗≠ミヾ＼ 　 ! ＼,.斗＝ミ､　|　:|. 　 　 　 |
　　　 　 　 |　 :| 　 | 　 |〃〃⌒ヾ　　＼|　　 〃⌒ヾ　V　 |. 　 　 　 |
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　　　 　 　 |　/| 　 ＼　 :! 弋辷ツ　　 　 　 　弋辷ツ　 ! :/ 　 　 　 ,'
　　　 　 　 |/　|　　　 ＼|::::::::::::::::::　　　　　　::::::::::::::::::://　　 　 　 /
　　　　　　 ! 　:| 　 　 八 ＼/:/::::::::　　　　　 ::::::/:/:／イ.　　　　 :/
.　　　　　　 / 〉＿: :八 人　　　　　　 　 O　　　　 ´ ／./　　 /　/
　　　　 ＿/　　／〉: : :＼| ＞　 _　　　　　　　 　 ,　´　　／ｒ―-､
　　　　{ :〈　 　 　 〉 ＼: : : : : : : ＼ =-　 　 -=／: : : _,.. -= 冫 　 ヽ--､
　　　／: : ＼＿／ヽ: : : ≧==----:＼　　__／-＝≦: : : : : :{　　　 ﾉ: : :}
　　　|: : : : : : : : : : : }: : : ヽ: : : : : |: : : ￣: : : : : :／|: : : : :_,. ゝ-=彡 : : : ＼
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　　　|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼|: : : : : :_／: : : : j!: : : : : : : : : : : : : : : : : :!　　　　　【 広野 】
　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :0`　　 　　 : : : : :0: : : : : : : : : : : : : : : : : :|

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　「時に神護景雲元年（767）幼名は広野、この男児が即ち後の伝教大師最澄である」


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502： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:35:26 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ,. ，-‐ ニ二　￣　ﾆｪｭ ，
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.ィ´　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀丶
　　　　　　　　　　　 　 　 ,.ィ´　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ.
　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　 ,'　　 　 　 , '　　　　　　　　　　 　 　 　 ',　　 　 .l
　　　　　　　　 　 　 l　　　　　/　　　 　 　 !　　 　 　 　 　 　 !　　 　 !
　　　　　　　　　　　 l.　　　　,'　　　　 i　　 l　　 i　　　　　　　i　　　　l
　 　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ.　　 '　　　 ﾊ从　　l　　 i .ｨ仁ュ　　 ﾘ　　 　 l
　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ　.l　　　〈!i弍ヾゝ.!　 /ﾚi仍心ヾ!　,'　　 　 ﾘ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',　!∨ l　.!{.ヒj)ﾘ　レ'　 ,i込少.ｨi ./　　,'　./
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨i. ∨ヽi `ｰ''’　　　　　　　　ﾚｲ　　/　/￣'.,　 _
　　　　　　　　 　 　 　 　 .ｨ‐ﾊ　　　ﾊ　　　 `　　　　　　 ﾊ 　 /. /　　 /ヾ　',
　　　　　　　　　　　　　　i 　 ∧ 　 ! ﾊ.､　　 -‐　　　 .ｨ’i 　 / , '　　, '　/　　`'ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ハ　　∧　iヽ!　i＞ 　._　 .，.’イﾘ　/iィ　　　　, '　　　　 i
　　　　　 　 　 　 　 　 /　∧　　 `.ヽ.　　i i　Ⅵ三三三ｿ., ' .,ｨ　 　 ／　 　 ＞ 人
　　　　　　　　　　　　/　　　`ヽ.　 ヽﾍ　 ! ∨:',i三i三ソ, '　, ' l　 ／　 .＞'´　　　 ' ,
　　　　　　　　　　 .ｨ'’.　　　　　｀ヽ.　ヾi i　 ヽ. ヾ三i／ ／ 　l´｀!-‐'"　　　　　　　 ヽ.
　　　　　　　　 _,.ｨ’ _　　　　　　　　｀ﾊ.ソｪｭ， ヽ.｀.´ ／　　　｀'.ｨ，　　　　　　 　 　 　ヽ.
　　　　　　　 /　 _＿￣ 　二 ─　 .ア.i　　>＞.　 〉‐〈　　＜<　 i　｀i・.､　　　　　　 　 　 ヽ.
　　　　　　　 }' ¨　-‐､ｰ､‐ - ‐ '"人l_.j.ィｭ.￣ﾍ／ｲﾍ.＼ ∧　　 l 　 i　　｀・ｧ‐-ｭ ＿ 　 　　ヽ.
　　 　 　 　 / 　.ィ´ 　`'ｰｧｴ;仁,' ￣ { . ¨`ヽ, 〈｀/　　',´　>〉　,､.',　　 il ソ´　＞'´　｀'ｰ - ､　i'
　　　　　　 i 　 i　　　　 /./ '　/　　r'・､｀'・､ｯ',　丶 O　.ィ <　/ , iﾍ　 i.i､　.ィ’　　　　　　　 ）.!
　　　　　 　 `i・i.､＿　 〈 〈 ,　,'　　,r・､　｀丶　 .ヘ　　 ／｀丶, ' l/　ヽ'　/, '｀'・､　　　　　,　' ´
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　　　　 　 　 l　　　　　　　　! i `'・ ,ヽ ｿ 　 　 　 ＿j. l／ ￣j　　　ヾヽ､　ヽ　　_,.ィ´
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　 　 　 　 　 l　i!　　　　　　　i l　　　　i　　　 ￣|「二lirｭr.'´.ィ´ヽ,.ｧ　 ＞''"

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　 「この広野、幼少の頃より神童の誉れ高く、

　　　　　　　　　　　　　また仏法への帰依心強く、十二歳で親元を離れ、寺に入った」


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503： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:35:59 ID:vmPyY7jQ


　　　　「近江国分寺において修行を行い、

　　　　　　　　十六歳となる延暦二年（783）に国分寺にて得度し、法名を最澄とする」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。




　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼}　｜ !
　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヽﾉノ
　　　　　　　ー=彡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
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　 　 　 ／　　 ／ 　 /　/　/　/　/　 /　　　　　　　　　! 　 　 |　 ｉ
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　　　　　　/　/　/　　ｌ|ィ下C心　　.| 　/　/　　／　/　/　　 ,
.　　　　　/　/　/　 　:ｌ|　 ト__jЛ　　|l /／},. イ＿／ヽ/　　 /
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　　 　 　 　 　 |ノ|　/　.ﾄ､　 　 ｜　　　/ 　 　 }／ 　 /　.／
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　　　　　　　　　　　　　|_ ,ｨ{ ＼　　　　　 ／／　　／￣)
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　　 　 　 　 　 ｜　　　 | |　＼　 　 　 ￣ /|Ｌ、　　　　　　　　　　　　【 広野　改め　最澄 】
　　 　 　 　 　 /　　 　 .| |　　 ＼　　　　/ ｌ|＼＼
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　　 　 　 　 　 ＼／　　| |　　　　／　＼　｜ /　　　＼
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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504： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:36:28 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　 　 　 　 　 　 　 　 /／　　　　　　　／　 ／ ,. ---=ミ､ヽ
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　　 　 　 　 　 　 //／　 　 　 　 　 |　　 |　　　　　　　　二､ヽ〉
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　　　 / {　　　　 ヽ　　　　/　　　　　　　　　　　 　 V　　　　 /　　　 } ＼
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　ヽ　　　　　　 　＼ V:::::∧　:ﾄ、　:! |　　 |　| :|// :|:::::::/　／￣　 　 　 　 　 冫
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　　　　　　　　　 「そして延暦四年（785）十八歳で東大寺戒壇院にて受戒をさずかった」


azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 その当時の出家 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /　　　　　得度をしたばかりのお坊さんは『沙弥』と呼ばれ、まだ正式な僧とはされませんでした。
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/　　　　　　沙弥が修業を重ね、戒律を守るという誓いを立てる儀式である
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　　　 受戒を行うことではじめて正式な僧となります。
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　　　　　 奈良朝での出家は国の法律に拠って制度が厳しく定められていました。
:::::/:;' /⌒ヾヽ
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　　　　　　それでも私的に得度を行わせる『私度』が横行していたため、
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　　　 淳仁天皇や光仁天皇は私度僧の取締を行ったりしました。
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　　　お坊さんの数は無制限に増えていくことはなく、
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿　　　　　　 一つのお寺に対してお坊さん二十人までと定められていて、
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　　　なくなった方が出たりしたら欠員を埋める形で新しく入ってくる、というような感じでした。
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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505： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:36:43 ID:vmPyY7jQ


　　　　「その当時僧侶は、現在で言うところのれっきとした国家資格なんだ」


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 　 　＼　　　　　　　　　　　「それで、潜りの坊主もいたりするってことかお」
　　　　　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　　　　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　　　　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　　　　　　　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　　　　　　　　　　　　 / 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |
　　　　　　　　　　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　　　　　　　　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|


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506： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:36:55 ID:vmPyY7jQ


.　　　　　　 /: : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : :.:/: : : : : ヽ
.　 　 　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : 、:ヽ
　　　　　 /: : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : :∠≦≧､ﾄｨ‐､: : : : :＼:',
　　　　　,: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ／　　 　 　 ｀⌒ヽ: : : : : :ヽ
　　　　 ,': : : : : : :,': : : : : : : : : : :.:／￣￣｀　 　 ＿_　　ｉ: : : : : : ',
　 　 　 i: : : : : : :,: : : : : : : : : : : /　　 　 、　 　 　 　 ｀ |: : : : : : :.',
　 　 　 |: : : : : : i: : : : : : : : : : :/,.ィ５Zｚ､　　　　 -‐ 　 |: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: : : : : : : : : :/〈　いしﾘ　　　　 ｨｚｚｘ　!: : : : : : : :|　　　　　　「そういう方たちが『私度』と呼ばれていたんですよ」
　 　 　 |: : : : : : |: :ｲ : : : : : : l　　 ｀¨¨´ 　 　 　 辷ﾘｊ }': : : : : : : : |
　　　　 |: : : : : :.ﾚ: :l: : : : : : : |　　　　　　 　 　 ､｀¨¨ﾞｲ : : : : : ,ｲ: :!
　 　 　 ｊ: : : : : : : : :|: :ﾄ.: : : : :|　　 　 　 　 　 　 　 　 j: : : : : /│/
.　　　 /: : : : /: : : ∧ |:.ヽ : : :|　　 　 ､　　　　　　　 /: : : : :/　j/
　　　/: : : : /: : :.:/:ハj: : ヽ: : |　　　　　 　￣´　　 〃:/: :,:ｲ
.　　/: : : : /: : : / : :/: : : : l＼j＼　　 　 　 　 　 ／/:/: :/: |
　 /: : : :.:/: : : /: : /: : : : :_|＿＿_ >､ 　 　 ,　.イ: :/ｲ|: /: : |
. /: : : :.:/ : : :/: : /:_:_:_:_:_}　| 　 |　　|　Ｔ く: : : l: : : : l/ : : :|
/: : : : ／￣￣￣ヽ／　 ﾉ　j　　|　　l　 !　 ﾄ､__|_:_:_:__: : : :



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|　　　　　　　　　　 「それで、めでたくちゃんとしたお坊さんに
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|　　　　　　　　　　　　　なれた最澄さんはそれからどうしたのかしら」
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
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507： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:37:08 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　「あー、それなんだけどな。受戒を授かった百日後くらいに突如として奈良の都を出奔した」


　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　 .／ 　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　 |　 　　　（ ―）　 λ　　 ヽ
　　　 ,ﾍ__|　　　 　　（__人）　　ヽ　　',
　 __,/　　　｀ ＜　 　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢
／---‐――--.､ゝ＼　 ノ　　　」-‐＞ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　 ヽ.　　,　, .!
.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　 ヽ　　　　 l｀ / / /!
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.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼ ＜　　　'　l


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.　　/　　/　/{　　　　　　　 　 ｉ/ ＿_/　　　 | 　　　　　 /　　　}　　 　 　 |　　 　 　 }
　 /　　/　 :{ i　　　　 　 　 　 {　 　/　 ＞｡. {:　　　　　/　　　 :.　　 　 　 {　　 　 　 }　　　　　　　「えー」
　,′　,′　 ＼　　 　 　 　 　 ｉ ,x斧芋芋ミｔ､　　　　 /＿　 　 {　　 　 　 } 　 　 　 /
./　　/　　　 　 ＼　　　 　 　 :ゝに///:刈　 ｌ　　 　:/　　 7 　:ｉ　　　　　:.　 　 　 /
　　 /　　　　　　　ﾍ　　　 　 {　| V///:Ⅳ　｜　　 /芹笊ﾐ　　}　　　　 /　　　　/
. 　/　　＼　　　　 }/}　　 　 :ｉ　| ｀¨冖＜　　{　 ／　Kじう/　/　　　　/　　　　/
　 ∨　　　＼　　 //{　 　 　 |　{　　　　　 　 i／　　 込ｼ :{: /　　　　/　　　　/
. 　 ∨　　　　ヽ f//:i　 　 　 |　ヽ　　　　　 　 　 ,　　　　∧　 　 　 /　　　　/
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508： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:37:28 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「その頃の自らの心境を、最澄はこう述懐している」





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IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
延暦四年をもって世間の無常にして栄衰の限りあるを観じ、正法衰えて人間に救いなきを嘆き、心に請願を込めて
身を山林にのがれんとし、その年の七月中旬、繁華の所を出離し寂静の地を訪ね求め、直ちに叡山に登りて居を草庵にしむ

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


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509： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:38:02 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　「都のお寺の暮らしに馴染めなかったのかしら」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いや、それだけじゃなくてな。同時期に、時の帝である桓武天皇からこうした勅が出ている」


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

　　　　　　今衆僧を見るに、多く法旨に背いて世間の巷に出入し、或いは愚民を惑わす

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　　　　　　　　　　/／ /. :/. :/ : : / : : /厶ﾐ､: : : : : /|: : , ┴‐-　_
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ´ ／ : //. i : : / : ／/・__｣ }: : : :厶]: /　　 　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 ／イ／/. : { : / ／|:/二　￢: :／､．|:{　　 　 　 　 　 `、　　　　　　【 桓武天皇ガチギレ案件 】
　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲ/^i: : / :/l/　　　　　／イ_　 〉｀|个　　　　　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l{　{!:/ !:/　　　　　　　　　　 （　　 }ﾍ　　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾍ､|′|′　　　　　　∠二ユ}　　/　 ヽ、　　 　 　 ,′
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |７/}　　　　　_／⌒ヽ_::/′ /　　　_}`　　　　ィ′
　　　　　　　 _　 -‐- 　_　　　　 　 |:// ヽ､　 　 ｀ヽヽ＿_}^}　 / 　 ／ 　 　 　 　 }　　　　　　　　＿
　　　　　 ／　　　　｀ヽ、｀ヽ￢､⌒ヽ^ヽ　　｀　、 　｀￣￣´　/　_ノ　　　　　　　 ﾉ　　　 　 .　'"´ 　 }
.　 　 　 /　　　　　　 　 ＼　 　 ヽ　　＼｀ヽ、　 ヽ　　　　　ノ／　　　　　　　 　 }　　　 ／ 　　 　 , ′
　　　　,′　　　　　　　　　ヽ　　　ヽ　　 ＼　ヽ、　｀ ーァ´_/　　　　　 ｀丶、　 ∧ 　 /　 　 　 ／
.　　　/　　　　　　　　 　 _　 ヽ　　　ヽ　　　＼　 ＞ 　´ ／{　　　　　　　　　＼　 ｀¨´ 　　　／
　　　{　　_ ..　-‐…　　´ _　 -‐`……｀ｰｧ‐ 　´　　　　/　/　　　　＼　　　　　 ヽ.　　 　 , '´
　　　 〉´　　,　　　 　 ／　　　　　　　 ／　　　　　 　 /　/　　　　　　 ｀ー-　､ 　 }　　　/
　　　{　　／　　　 ／　　　　　　　　　　　　　 　 　　 {　 {　　　　　　　　　　　 ｀V　 　 /
　　 　､_/　　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l 　 ',　　 　 　 　 　 　 　 / / ／
　 　 　 、　　　/　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　l　　′　　￣￣｀`ー一r′i/＼
　　　　 {　 　 /　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　l　 { 　 　 　 　 　 　 　 }　 }　　 ヽ、
　　　 　 ヽ、/　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　 　 |　 ＼　　　　＿＿___ノ　ノ　 }　　 ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



.

510： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:38:20 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼　　　　　　　　　　 「この類の勅はこの時期度々出されていて、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|　　　　　　　　　　　　　 仏教の中心である南都奈良のあり方が窺い知れるというものだ」
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|




　　　　　　　　　　　　　　 .｡＜/＜二≧s。_
　　　　　　　　　　　　　／ゝ＜　　　　 }＜ﾆ＼
.　　　　 　 　 　 ＿__／　 /　 ｌ　　　　 ,　 ＼　＞｡.
　　　　　　　　　|　 |　 　 i|　　,　　　　八　　}　　　}_
　　　　　　　　　|　 |　 　 i|　 八　 　 ,　 }　 ｉ|　　　| |
　　　　　　　　　|　 |　 　 i|,　‐ ∧　/ -/ミｔ､,　　　,
.　　　　　　　 　 ,　 ,　 　 ,x芹笊 ∨　 ,ｨぅ笊}　　 ,　}
　　　　　　　　　 ，　，　 ゝ乂ソ　　 　 乂ソ/ 　 /　　　　　　　　　　「サイチョーはそんな状況を嫌ったでありますか」
　　　　　　　　　　', 八　　 ,^¨^　　,　　^¨^ ,　　/ 　 }
　　　　　　　 　 　 ﾄ　　､ 分　 　　。　　　/　 ｨ∧77,
　　　　　　　　　　 V‘， ＼{　　　　　　　/ ／ !/∧〈 ,
　　　　　　　　　 /　〈ﾍ {　 |　　{≧=≦},／|　 {∨,/
　　　　 　 　 　 /　　 ^　 　|　}/　/ ∨∧　　 i|　^　 ∧
　　 　 　 　 　 ,　　 ‐=ﾆ二,　/=‐‐{_}‐=≦ﾊ　 {≧=‐　　,
　　　　　　　 /　/二二二/ /二二二二二∧ ∨二二ﾊ
　　 　 　 　 /　 {ニ二二/ /´ 　 ) {　　/ 7　∨ ,二ニﾆ,}　,
.　　　　　　　 　 ﾏ二二/ /‐=/爪(廴　〜‐=∧ ∨二ニ,　 ，
　　　　　 /　　　_∨^ 〃 ‐‐,/⌒^ﾏ}r＜　　　　ヽ‘＜ﾆ/
　　　 　 ,　　／／{　 /ィi　　{　　 /　 　 ヽ　　　 ∨〈　　〉　 ‘，
　　　　 　 __) /　　' /{　 廴 ゝ　 ,　　　 　 〉　　　 }　∨/ ^ヽ　 ,
　　　 / /　 ∨　　 ,　V　　　ヽ 　 ＼　 ／⌒^}　 ﾉ,　 ∨ 　 / 　 、
.　　 /　 )⌒/ ＼ / / ,　　　　/ 　 　 ヽ 　 　 ｉ}イ　}　　∨^　}　　 ,
.　　　　 ＼〈　　 / /　{ 　 　 ,′　　 　 ﾊ---,/　　i|　 　 ,＿/　　　 ,


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511： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:38:32 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　-----=ミ､　　 } }/|
　　　　　　　　　　　　 ,.　 ´　　　　　　　　 ＞'ノノ
　　　　　　　　　　　／　　 ／　ヽ　 ヽ　　　 ヽ｀ヽ
　　　 　 　 　 　 ／／ / /　　　 :|　　 | :i　　　i　　ヽ
　 　 　 　 　__／／　 / /　　　 } |　　 | :|　:i　 |　　　:.
　　 　 　 　 ｀７　 /　{　| 　 　 /　! / ,ﾊ :!　|　 |　　　 :.
　　　　　　　/　/ !　∧ｲ　　 /､/」/_/__| |　!　 |　　 　:i
　　　　　　　| /:| :!　| ノ{　 :/! /j/_j/￣jﾉj/　　Ｌ 　 　:!
　　　　　　　|:|　! | イLjハ/_j/´ ,ｨ≡＝ 厂! 　 ｈ｝ 　 ,'
　 　 　 　 　 !i　| :Yヽ!.=彳⌒V〉 ::::::::::::/ //　 j〃 ! /
.　　　　 　 　 !　|　 Vﾊ:::ﾉ'　 　`ー―　´ | |　 /　 //
　　　　　　　　　|　　八　 　 　 　 　 　 Ｕ! !　 |　//
　　　　　　　　　|　 :i　|＼　 ,. ‐ -､　　／! !　/V/
　　　　　　　　　|　 :|ヽ!　 ヽ　　　　／　 :!　/￣「:}＼
　　　　　　　　　＼ :!　　　　 `ー＜} -―| /　　 V
　　　　　　　　 　　 ヽ　　 ＿__／　　　　j/_,.　-=ミ､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　／＼　　　 ／　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　/ V　　　 ＼／　　　　,.　――ヽ
　　　　　　　 　 　 ,.　 ´／　　　　　　/　　 ／　　　　　 :.
　　　　 　 　 　 ／　／　　　　　　　/　 ／　　　　　　 　 }
　　　 　 　 　 / /　 !　　　　　　　:i |／　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　/　:!　 :|　 　 　 　 　 | | /　　　　　　　　　/
　　　 　 　 /　 :| 　 |　 　 　 　 　 | V　　　　　　　　　/
.　　　　　 /　　 ! 　 !　　　　　　i　V　　　　　　　　／/
　　　　　/　　　|　 /　　　 　 　 |　 〉　　　　 　 ／　∧
　　　　 /　　/ ,'　/　　　　　　　| :/ 　 　 　 ／　　 /　:.
.　　　 /　　/ /　/ 　 　 　 　 　 V　　　　　　　 　 / 　 :.
　　　/　　/ /　/　　　　　　　　/　　　/　　　　　 ,ﾄ､ 　 :.
.　　/　　:i :/　/　　　 　 　 　 /　　　/　　　　　 / | ﾊ
　 /　　　|/　/　 　 　 i 　　　{　　 ／　　　　　　|　|　i
　 |　　　/　/　　　　　|　　 　 〉／　 　 　 　 　 / /　 |
　 |　　　|　 {　　　　　 ＼　／　　　　　　　　　/ /　　:|
　 |　　　| ,八　　　　　　／　　　　　／　　　 / /　　　|

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　「前述の述懐や、その後の最澄の辿った道を考えるとその可能性は十分にある」



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512： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:38:45 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）　　　　　　　　　「さて、南都を後にした最澄は、
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　 自らに馴染み深い叡山に登り、そこに庵を結び、
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／　　　　　　　　　　　　　　　自らの生き方を規矩すべく、発願文を記した」
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼



　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::／ ∧::::／::i ト､
　　　　　　　　　　　,.､/:::::::::::::::／⌒丶､,イ⌒i::|::::ハ
　　　　　　　　　 ノ /':::::::::::::::/　　　　　　　 /人:::::::::i
　　　　　　　　ｲ　く/:::::::::::::::iト‐- ､　　　　 /　　i:::::::::i
　　　　　　　　ヽ　 `､i:::::::::::::ﾄ==ヽ `　　　-‐､　i:::::::::i|　　　　　　　「そういえば、最澄さんのお父様が
　　　　　　　　　〉＝ |:::::::::::::|fｪj）　　　　ィ=-､`.|:::::::::.|i
. 　　　　　　　　7￣.i| ﾄ:::::i::::|`　　　　　　iｪ）〉 /:::::::::::i　　　　　　　　　お参りに行ったのも叡山だったのよねえ」
　　　　　　　　/: : : ﾙ ､::::.ﾄ､i　　　　､　　`　' /:::::::::i .|
　　　　　　　/: : : : : : ＼::::＼　､　　　　　　 /／/ ﾊ ﾉ
　　　　　　/: : : : : : : : : ∧ﾍ.i　　　 　'　　／彡/ /／.::＼
　　　　 ／: : : : : : : ,　人/　 ＼　　　_ イ '":::::／.::::::::::::::::＼
　　　　/: : : : : : : ／i| `i⌒ヽ､ 　￣i:::::::::::::::ﾙ.::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　./: : : : : : : /_ ∧.ﾉ　　　＼　/i|:::::::::::.'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　i: : : : : : : /　⌒`ヘ _ _ 　　∨ i|.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　|: : : : : ./　　ヽ､　　　￣＞　　辷─‐-､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　i: : : : .ノ　　　　 ＼　　／ へ ｲ: : : : : ＜い:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　ト‐--　___＿　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : ト､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　ヽ　　 イ: : : : : : : : : : : : : : : : : : .　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|i


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513： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:38:59 ID:vmPyY7jQ



　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　　「最澄はこの発願文の中で5つの誓いを立てている」
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

1：我まだ六根相似の位を得ざるより以還（このかた）出家せじ
（己の修行が完成していないうちには、他人のことには口を出すまい）


2：未だ理を照らす心を得ざるより以還（このかた）才芸あらじ
（悟りを開くことが出来るまでは、修行以外のことに心を傾けまい）


3：未だ浄戒を具足することを得ざるより以還壇主の法会に預からじ
（仏がさだめた戒律を守れぬうちは、他の法会に招かれても招きに応じまい）


4：未だ般若の心を得ざるより以還世間人事の縁務に著せじ、相似の位を除く
（般若心を得ることが出来ないうちは、世間一般のことには関わり合いになるまい。己の修行が完成した場合はその限りではない）


5：三際の中間に修するところの功徳は独り己が身に受けず、普く有職に回施して悉く皆無上菩提を得せしめん
（これよりの修行によって得ることが出来た功徳のすべては、自分一人の身に受けるのではなく、
　すべての生けとし生けるものに平等にめぐらし、すべての者達を悟りの境地に至らしめるためのものとする）
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII





.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 般若の心 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　　 般若さんの能面とは関係ありません。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　　般若心経が説くところによる『一切に執着しない』心のことです。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa



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514： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:39:26 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「当時、皇居のうちに、寿興という僧がいた。
　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼　　　　　　 その寿興が最澄が記した発願文に感銘を受け、最澄と交流を始めた」
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　 「やがてこの縁がもとで最澄の人生は大きく開けることになるが、
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,　　　　　　　 それはまたもう少し後の話だ。
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i　　　　　　　　その時期の最澄は叡山にすむ世捨て人も同然の一人の僧でしかなかった」
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ------
　　　　　　　　　　　　　　　 .｡＜　{　　≧o｡、//＞｡. _
　　　　　　　　　　　　　　／ゝ／　i　　　　 　 }⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ,　 　 |　 　 　 　 i　　　　　　＼
　　　　　　　　　.｡＜　　　　{　　　:|　 　 　 　 |　　　|　　　　ヽ
　　　　　 　 　 {　 l　　　 　 i 　 　 |　 　 　 　 |　l 　:|　　　 　 }
　　　　　 　 　 i　 |　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 |　|　 :.　　　 　 ﾄ
　　　　　　　　 :　 :　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 }: 八　}　　　　 :.∧　　　　　　　　　　　「ローニンでありますか」
　　　　　　　 　 　 ∨ 　 　 :|￣￣ ヽ　 　 　 7云ミｔ､!　　　 /　　}
　　　 　 　 　 　{{ 　∨　　 ㌣芹斧　 ＼　 /´斧笊ｱ　 　 :/　　/
　　　 　 　 　 　i ﾟ。 :∨　　 { 込シ　　　＼　 込シ }　　　/　　∧
　　　　　　　　　{ .:　　Ⅵ 　 !＼　　　　　　　　　 /:i　　 /////
　　　　　　　　 ∧/ﾟ　　ヽ　 :{＼〉　　　 '　 　 　 〈/　　/{ ∨/　　}
　　　　　　 　 /　 Ⅵ　　} ＼　＼　　 　‐　 　　:／:　 / :i___〉　　∧
　　　　 　 　 /　　 /∧ /　　＼{: ＼ 　 　 　 ／/　イ　 }/∧　 / ∧
.　　　　　　 /　　 〈///}　　 |＿ｉ　 {/＞ー＜/|/ /_:|　 :iﾏ//〉　 / ∧
　　　　　　/　　　　〈//i　　 |/八 /＼////／ヽ|//:| 　:|∧/　 　 / ∧
　　 　 　 /　　 　 　 　 |　　 {二}i:i:i:i:i:iヽ／i:i:i:ｉ:ｉ:{二:}　 ::.　　 　 　 / ∧
.　　　　 /　 　 　 ＞ｧｧ]　　/ 7　＼i:i:ｉ/i:i:i:i:i／　 T i　 }ｧｧｧ＜　　　/ ∧
　　　　/　　　　 /////]　 / /　　　 ￣ T￣　　　 ﾟ |　 !////∧:　　 / ∧
　　　 / 　 　 　 {/////　/／　　　　 　 }　 　 　 　 :|　 }/////∧:　 　/ ∧
　　　　　　　　　}////　＞　　　　　　　Y　　　　　　 ＼ﾏ/////∧:　　 / ∧
　　/　　　　 　 :{///:‰　　　　 　 　 　 |　　　　　　　 　 マ////∧　 　 / ∧
　 /　　　　　　 ,'/// 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　ﾏ////∧:　 　/ ∧
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　 　 　 　 /　　 　 入/////////////人////////////:/　∨　　　 ∧　　　/ ∧


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515： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:39:42 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　（ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ）
　　　　　　　　　ε(@ )３))__))__))__))__))__))__))__))
　　　　　　　　　/A ﾍ∧ ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ
　　　　　　　　:く`７７/''λ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ
　　　　　　　く７７７/⌒λﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ
　　　　　　:くﾞ７７７/⌒ﾞλﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ''
　　　　　／`７７７/⌒`λﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:;
　　;（乂_／`７７７,,γ⌒ヽ∧ﾞ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ/乂_ノ）
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　「延暦七年（788）に、最澄は今まで結んでいた庵を改め、小さな寺を造り、

　　　　　　　　　これを比叡山寺と名付け、自ら刻んだ薬師如来を安置した」


.

516： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:39:54 ID:vmPyY7jQ


　　　　「これが比叡山根本中堂の成り立ちであり、

　　　　　　後世に鎮護国家の霊山として普く名を知られることとなる比叡山の誕生だ」



　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒　ヽ､__ 　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _r-,
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　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／　　　　　　　　　　　「信長のキャンプファイアーが組み上がったお」
　　　　　　　　　／_∩　 　ー‐　　　　＼
　　　　　　　　（＿__＿）　　　　　　　|、　＼
　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　 |/　 ／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　⊂　／
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　し'
　　　　　　　　　　　＼ 　　､／　　／
　　　　　　　　　　　 　＼／　　／
　　　　　　　　　　　＿／　　／｀`l
　　　　　　　　　　（＿_＿_／（＿/


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517： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:40:10 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　「さて、ここで最澄と比叡山寺に問題が持ち上がった」
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼


　　　　　　 |ﾆﾆﾆ人　　 　 .　　-‐…　…‐-　 .　　/ﾆﾆﾆﾆﾊ
　　　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆ 　 ´　　　　　　　　　　　　 ｀　ﾆﾆﾆﾆﾆ|
　　　　　　 Vﾆﾆﾆ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヾﾆﾆﾆ|
　　　　　　　V ﾆ　　　／　 　 　 　 |　　｝}　 　 ＼　 　 Vﾆiﾘ
　　　　　　　 ∨　　　　　/　　　 　 |　　｝}　 　 　 ﾟ｡ 　　V/
　 　 　 　 　 /　 　/　　 ′/　　　ハ　 ′　　　 　 ﾟ
　　 　 　 　 　 　 / 　 .斗,/|　　　　　V / -‐-ミ　 　｝　　 ＼
.　　　 　 ／　　 　 ／　 |　八　 / 　厶｛＼　｛＼丶 ｝
　　　 　 　 |　　 i　 /　斗ﾃぅxV 　 　 　 斗ﾃぅｘ ﾟ｡
　　 　 ｛　 l|　　 | 　 〃 んハ　　 　 　 　 んハ ヾＹ　 　　　　 |
　　 　 ｛　 l|　　 |　{ 八 乂:ツ　 　 ,　　　 乂:ツ　八　 |　　　　|
.　　　　　 八　　|　{　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 八　 　 八
　　　　 　 　 ＼｛⌒＼/i/i/　　　　 　　　 /i/i/ 厶イ　　）／ﾟ｡
　　 　/ 　 　 　 　 ｰﾍ　　　　　　 っ　　　　　　厶ィ′　　　　ﾟ　　　　　　　「モンダイデスカ」
　　　　　 　 　 ′ 　 人 　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ
　　 ｛　　　　 /|　　 　 　 　 .　　 　 　 　 . イ　| 　　 　 　 |　 　 }
.　　人　　 　 八　　　|　　　　i≧=‐=≦　|,ﾉ　八 　 ｛ 　 ハ 　 八
　　 　 ＼ 　 |　 　　　ﾄ､　　 ハ、　　　 ノ　 V 　 ＼｛　/
.　　 　 　 ＼{＿_　＼｛ _＼ノ　　｀TT ´　　　|　 /　 ｛./ｰ-ミ}/
　　　　　　 /　　　　|　　 　 、　　 | |　 　 　 }／　　｝
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　 ＼　 | |　彡　　　　　/　　　　　i
　　　　　　|　 ｛　　　　　 　 　 　 ﾉ八 　 　 　 　 /　　　/　　|
　　　　　　|　 ｛　　　＼　　　 　 　 ｝｝＼＿＿__/　　　/


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518： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:40:28 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、　　　　　　　「そう、寺が寺である条件として『三宝』があることが必要とされていた」
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 ,　＜////////＞ ､
　　　　　　　　　　////////　‐-　､////＞､
　　　　,ヘ　　/////////////////＼//// ＼
　　 　 |　　＼///////////////////＼////ﾊ　　　　　　　　　　　「三宝？3つの宝物ということかしら」
　　　　|　 ////ヽ＼　{⌒＞‐- ､////////////∧
　　　　|　i//////,ヘ ﾚ´　　　 　＞ ､./////////∧
　　　　ﾘ {//////レ´　　　　　/´　 ﾆ≧､.///////∧
　　　　　|//////|　　　　　　　 　 ｲ弋 ヾ ＼//////∧
　　　　　|//////|　　, -　　　　　　　ヾノ　 .∨/////∧
　　　　 八/////i　/　　ﾆ　　　　　　　　　　 ∨/////∧
　　　　.　 ∨////∨　/弋 ヽ　　　　　　　　 　ﾏ/////ハ
　　　　　 　∨///ﾊ　 ヾ `ｰ'　　　´ 　　　　　　 }//////∧
　　　　　　　∨////＞　　　　　　 　 　　　　　/ﾘ///|///∧
　　　　　　　八//////ゞ_ヽ　　　　　⌒　　　/　 |//ﾉ///ｒ‐=‐-ノ
　　　　　　　 　∨ノ ￣　　ｱ ヘ　＿　＿　／.　　N/　￣　７
　　　　　　　　　∨　　 　 ´`ヘ///////＼　　　　　　　　/
　　　　　　　　　/　　　　　;,ｲ　} --‐=ｖ'´　 }　　　　 　／/
　　　　　　　.　/　　　　　/　し　{ 　Y　　　　　　　 ／　/
　　　　　　　 /　　　　　/　　　　7　　＼　`ゝ　　　　／
　　　　　 　　i　　　　 ｿ ／　　　ヽ彡　　＞　　　＜



.

519： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:40:39 ID:vmPyY7jQ

　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼
　　 　 　 　 　 　 |(●.) (● )　　 |
　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　「そう、ここでいう三宝とは、仏教の三宝『仏法僧』のことだ」
　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
　　　　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　　　 i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
　　　　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
　　　　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
　　　　 | : : :./ : : : : : : : : : : : : :／ :Y.. : : : : : : :i
　　　　 | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : :i



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼　　　　　　　　　　「前にブッポウソウって鳥を撮影したけど、あれじゃねーんだお？」
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

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520： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:40:52 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　「つまり、本尊となる仏像、法を学び、説くための経典、そして僧侶だ」


　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　／_ノ　 ｀⌒　＼
　　　　　 　 　 　 　 _　　　 　 　 　 　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　 　 　 　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　 　|
　　　　 　 　 　 　 ｜ !　　　　　　　　|　 ｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　 　 　 　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　 　 　 ヽ　　　　　　　r　　　　　　　　　　　　「鳥じゃぁないな」
　　　　　　　　　 r　`二ヽ ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　 ﾄ
　　　　　　 　 　 |　 ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　 ／i＼,,,,_
　　　 　 　 　 　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／ 　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　 　 　 　 　 | 　 ）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　 ／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　 　 ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く 　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　 　 　 　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }



　　　　　 vｪｪｘ､　　　　　 　　＿＿　　　　　 　　,ｘｪｪｪｪz
.　 　 　 　∨///≧zｭ､,，__´_　　　 　_｀__　 ｘ≦/////,/
　　　 　 　 ∨///／　　　　　　　　´　 　 　 ｀ヾ/,////
　　　　　　　∨,/　 　 　 　 　 j{　　　　 　 　 　 ヾ///
.　　　　 　 　 У　 　/　　　　ハ　|　}　　 :.　　　　∨
.　　　　　 　 /　 　 /　　 　 /|　 , 　,'　 　 ｉ 　:.　 　‘，
.　　　 　 　 .′ 　 ,′　/　/i |　 | j/　| 　 | |　| 　 　 :.　　　　　　　　　　「デモ、コノトリサンモカワイイデス」
.　　　　　　,: ′　 |:ｉ{　′/八{　 }/{ ヽ{ヽ :|ハ !　　 !| ヽ
　　　 　 　 !{:.　　.:|八{'‐/-- ヽ / ヽ- ‐‐jﾉ‐ jﾊ{ 　 !| ト ゝ
　　　　　　八i　　 |　,y'斧気 　 　 　 ィ斧ﾐｘ 　 i　 八{
.　　　　　　　 ＼　ﾄ､ヽ弋::ｿ　　　　　弋:::ｿ j「 /| /　‘，
　　　　　　　 ,′｀:|,ﾊ　 ,,,,,,,,　　　　 　 ,,,,,,,,,　/ j/　 　 :.
.　　 　 　 　 ,　 　 :ト :　　　　　　′　　　　 ,'イ　　　　 i　　　　
　　　　　　　ｉ{　 　 　人　　　　r っ　　　　,　/　　 / 　!|
.　　　　　　 八{ヽ　 :! ､ ＞　　　　　　　イ　/　 ／} / 八
　　 　 　 　 　 ヽ ＼ﾄ､{｀ヽ　|　｀¨¨´ | jノ〃j／　 j/ /
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 厂｀YY ￣‘，
　　　　　　　　　　　　　 ／　 　:| |:　　　＼
　　　　　　　　　　,，　f{　　 　 /ﾊヽ　　　　j7　､
　　　　　　　r　 ´　 　 ヽ 　 ／f⌒Yヽrzzz/　　 ｀ ｰ ､
　　　　　　　| :.　i　　　　｀ ´　 ∨/|　 ヾソ　　　　: 　 i
　　　　　　　|　:. |　　　 　 　 　 i77}　　　　　　　ｉ.: 　 |
　　　　　　　|　 :.|　　ｘｭ､　　　 ,'//|　　　 ｘｭ､　 |:/　 |
　　　　　　　|　 y,.ィ升三≧ｭ､ ｉ//,|　,.ィ升三心.{:ﾉ　 !

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521： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:41:09 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　' ､
　　　　　　　　, '　　　　　　 　　 　 　 ' .
　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 　　;　 　 `
　　　　　　　,'　　　　　 ;　　　　 　､ 　 　 ｝
.　　　　　　 |　　　　　〈　 　＿...::::: )　___ ′
.　　　　　　 |　　　　　　; f　(:::)　ヾ( （:::）
.　　　　　　 |　　　　　　　 　　　　 丶　　{
　　　　　　　'.　　　　　　　;　　 　　 ｝　　）
.　　　　 　 　 '. 　 　　　　　`ｰ--　´`ｰy'
　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
　　　　　　＿_ﾉ　 　　＼　　　　　　　/
　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣　　　　　　　　　　　　 「比叡山寺には、僧は最澄があり、
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ
　　　　///////////,｀/＜// 丿　　　　　　　　　　　　　　本尊は最澄が刻んだ薬師如来があったものの、
.　　　////////////////////ヽ
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ　　　　　　　　　　　　経典がなかった」
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
　　 {///////////////////////////}、
　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　,　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.: : :´: : : : : : : :｀: . .,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , イ: : : : : ; : : : : : : : : : : ｀ .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／: ,: ィ: : ／/∧: : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／,ｨ7: : : :／　/:ハ: :i: : : : : : : : : : : ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' ´ ﾉｨ: : ; く 　 /'　　i: :|: : : : : : : :: : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　 ' /／,､ 　 ∨ 　 　 |: |: : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　＿. . . ､-― . . ￣ . ト ､　　,ｲ ! 込,　 ',　　　 |:.|: : :i: : : : : : : : : :,'
　　 ,. . .r. .´. . . . . . .i. . . . . . . . ..|　 ﾍ　 ﾘ　 ｰﾟ'　　　　ヽ ∨i: :ﾘ: : : : : : : : :/
　　i. . . . . . . . . . . . .|. . . . . . . . .ハ 　 ∨ 　　　　　　≧､ ヽﾑ: !: : : : : : : :/
　 人. . . . . . . . . . .ノ＿＿＿__人　'　､ ﾊ　　 ´ 　 　 　 入ヽi: :|: : : : : : , '
／　 ヽ､. . . . . ｰ. ´. . . . . ｀. .ー‐'―／: :ﾍ　 ､　　　　　'ｰﾟ´ }:ﾘﾚ´ﾌ: ／
　　　　　｀　＜. ., r‐.-. ､. . . /. . .／:／＞ >　 `　　　　　 _､_ﾚ_ ノ'´
　　　　　　　　/. . .ヽ.ー. --=＝.７._._._≧'ー ｀＝r‐=‐ : : : ＞´
　　　　　　　 i. . . . . . . . . . . .≧´7/i_r/.r＞: ´,: :_:＞ ＜三､　 ,､
　　　　　　　 !. . . . . . .／.￣. . . . . - =＝＜. ´.-.-.-.-≧､三y三ム
　　　　　　／. . . . . ./. . . . .ヽ.ｰ. ´. . . . . . ,､. . . . . . . . . 7ﾆ,'三ﾆ/
ー-､　 ,／. . . . . .／.o. . . . . . . . . . . . . . /. . . . . . . . . ../三三ﾔ　　　　　　　 「経典って、キリスト教で言う聖書かしら。
､　　 >＜. . . . ／ . . . . . . . . . . . . . . . . /. . . . . . . . . .ﾌ三三/
ﾆ＼/. . . . ＼/o. . . . . . . . . . . . . . . ..／. . . . . . . . .／三三/　　　　　　　　　　　 たしかに、それがないとちょっと格好つかないでしょうね」
三ﾆ＼. . . . . .＼. . . . . . . . . . . . . ／. . . . . . . . ..／三三ｱ
三三ﾆ＼. . . . /. .＞. ､. . . . . ..／. . . . . . . . . ／三三／


.

522： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:41:23 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「経典というのは『一切経』『大蔵経』といわれる仏教典籍であり、

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　 寺にはこの経典の写経がなければならなかった」
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l　　　　　　　「印刷技術がないんだから、当然手書きなんですよね」
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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523： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:41:40 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::￣￣::::::::::　、
　　　　　　　　　　　　　 ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶
　　　　　　　　　　　;´::::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　／:::::／:::::::::::::::::／ヾ ﾍ＼::::::::::::＼:::::::::ヽ
　　　　　　　　 /::ﾆ/=－:::::::::::/　　　 　ヾ ヽ::::::-=丶ﾆニi
　　　　　　　　;::::::::::::/::::::::::::::ﾉ 　 　 　 　 ||　＼::::::::::ヾ:::i、i　　　　　　　「でも、それは写せばいいだけなんじゃ？」
　　　　　　　 i::::://:::::::::::i　/　　　　　　　 ||　　ヽ:::::::::::::::|::::ｌ
　　　　　　　 |:::/::::::/:::/i ﾉ 　 　　 　 　 　||　　　V丶:::::::|::::|
　　　　　　　 |/::::::/:::::７|ﾉ￣ 丶　　　　　ﾅ ― 、 !:::::i::::::|::::|
　　　　　　　 〉:::::/i:::::/z|"ニ、　　　　　 ﾉ　 ＿　 ヾ:::|::::::i:::|
　　　　　　　i:::::/｀ｌ:::〈　| ｆ::ｃヾ　　　　　　 彡,==z,、V|::::::ｌ ;
　　　　　　　|:ｲ !´|:;l ゛ ゞﾆノ　　　　　　　　 | l:::c｀ｿﾞ〉|、:::|:　
　　　　　　　|ハヾ|:ﾊ　　 ｀　 　 　 　 　 　　丶=´　 / :|ﾊ:::|　　　　　　　　　　　「それほど難しい問題じゃない気がするけど」
　　　　　　　　　Vヾ∧　　　　　　　、　 　　　　　　/イ:|/ﾊ:|
　　　　　　　　　 ヾ:::｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　/_／:::∧!
　　　　　　　　　　 V::::::丶　　　　｀　´　　　 　.ノ/::::::::/ 　|
　　　　　　　　　　　V::::::::::丶、　　　　　　 　´:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 |:::::::::::ｙ=| ｀　ー　イﾄ、:::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 l::::::| /　＼　　　 　丿 ＼:::::::::;
　　　　　　　　　　　 ゝ:::::Y´｀丶＼　 ／　 ﾍ　|::::::;、
　　　　　　　　 ／´｀´|:::::ﾄ、／　/|　|ヾ　く ﾉ |:::::ト　＼
　　　　　　　／　　／ |::::|　ｒ ´｀ヾ ﾌ´＼　　 :|::::|＼　　＼
　　　　　 ／ヾ ／　 　|:::ﾄソヾ／介＼ ノ＼ノ|:::ｌ　　＼ ／｀ー,、



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ( ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　　＿＿＼ ＼
　　　　　　　　　　　 　　　 <＿＿　＼　＼
　　　　　　　　　　　　 ／<＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/
　　　　　　　　 　　 .／　 └--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|　　　　　　　　　　　　 「あぁ、簡単だな。写せばいいだけだ、
.　　　　　　 　　　, '′　⌒ヽ,__ﾉ丶　　-　　　　　〉
　　　　　　　 　 /　　（ ● >､　 ､( ＼ 　 　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　たった九千百二巻しかない経典の写経だ、
　　　　　　　　/　　 ,　`'''"　　 _,　＼_ヽ　　　　　{
　　　　　　　./ 　 　{ 　　,　　 （ ＼）、ﾍ　　　　　 > 、　　　　　　　　　　　　　　全然難しくないな」
　　　　　　　| 　　　ゝ-イ 　　　`''"　./　＼ 　　∠／ヽヘ
　　　　 ,.-／| 　　　 ゞﾆ>一′　 .／　　　 ＼(⌒)　　 ﾉ　＼
　　 ／ |　＼ヽ 　　　　　 　　 .／ 　　　　　　.ヾ、　／　　　 ＼
￣<　　 !　　`＼　　　　　　／＿＿＿　　　　＼／ ＼(
＿ ＼ 　 !　　　 > ー-- イ　 ＼_　　　￣￣＼_＼
!　￣￣　ヽ　／{　　)＼　|　　　∠　　　　　　 ノ）ヽ、
　　　　　　 ＼　/⌒＼　〉　　￣　/　　　　　　 /　>＼
　　　　　　 　 ＼　い　/　　　　 /　　　　　　 /／ノ
　　　　　　　　　 ＼　/　　　　 /　　　　　　 / ／￣


.

524： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:41:52 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 ／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　/: : : : : : :|: : :／: : : : ／: : ://: :.／｀i: ﾍ: |: : :ﾑ
　　 /: : : : : : : |:／/: : : ／: : : .ｲ/: :/ " '^^' ,|:.|: : : ﾊ
　　 i: : : : : : : /: :/: : : /: : : ／ /:／　　　　　|:|: : : : ﾑ
　　 ! : : : : : /: :/: : : :ｲ: :／　 // 　 　 　 　 ,∧: : : : : ',
　　 |: : : :,ｲr ∨: :／/: /_　　/'　　　　　　　/　|: :|: : i: :|
　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |　　　　　　「きゅうせんひゃくに」
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ
　　 |∨: : : : 从　　u.　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/
　　 | ∨:: : :.V　､　　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'　　　　　　　　　　　「ごめんなさい、それは大変だわ」
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
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／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
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.　　　　　　 　 /　 {＼　 　 　 　 ∨ﾊ 　 i|　|　 ¨^　　i|／　笊ﾐ i|　 ,　 　 }
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　　　 　 /　　ア777///＞|　　∧　　 　 | ＼　　　　　　　　　/　　,/　　　　　　　「おお、もぅ……」
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525： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:42:18 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　「この経典の写経には莫大な時間と費用が必要だ、

　　　　　　　　　　　　なにせ写経の手本になる経典も数が限られているし、たやすく手に入るものでもない」





。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


.　　　　 　 　 　 　 γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;; γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ; γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;; γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
.　　　　 　 　 　 　 （;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞.....（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞.....（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞－∩_]仆;;;;;;;;;;;ｌ ｌ））
　　　　　　　　　　　ゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;ﾞゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉﾉ;;;;;;;;;;;ﾉﾉ
.　 　 　 　 　 γ二ヽヽγ. γ二ヽヽγ二ヽヽγ二ヽヽγ. γ二ヽヽ. γ二ヽヽγ. γ二ヽヽγ二ヽヽγ二ヽヽγ. γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
.　 　 　 　 　 （;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl .（;;,）;;）ｌl .ｌ（;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl......（;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl .（;;,）;;）ｌl .ｌ（;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞－∩_]仆;;;;;;;;;;;ｌ ｌ））
　　　　　　　　ゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;ﾞゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;..ﾞゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;ﾞゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉﾉ;;;;;;;;;;;ﾉﾉ
.　　　　 γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;; γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ; γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;; γ二ヽヽ;;;;;;;;γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
.　　　　 （;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞.....（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞.....（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;ﾞ（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞－∩_]仆;;;;;;;;;;;ｌ ｌ））
.　　　 　 ゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;ﾞゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞゞ二ソノ;;;;;;;; ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉﾉ;;;;;;;;;;;ﾉﾉ
.　 γ二ヽヽγ. γ二ヽヽγ二ヽヽγ二ヽヽγ. γ二ヽヽ. γ二ヽヽγ. γ二ヽヽγ二ヽヽγ二ヽヽγ. γ二ヽヽγ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
.　 （;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl .（;;,）;;）ｌl .ｌ（;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl......（;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl .（;;,）;;）ｌl .ｌ（;;,）;;）ｌl .（;;,...（;;,）;;）ｌl .（;;,）;;）ｌl .ｌ;;;;;;[＞－∩_]仆;;;;;;;;;;;ｌ ｌ））
. 　 ゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;ﾞゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;..ﾞゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;ﾞゞ二ソノ;ゞ.....ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉﾉ;;;;;;;;;;;ﾉﾉ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　 「この時代にお寺を開くというのは大変だったのねぇ」


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526： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:42:38 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　|ﾄュ､,rィ|　　　　　　　　　　　　　 ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　.＿
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l'"　　　|　　　.`l ||　　　　　　　　　　　l'"￣　　￣`i''"￣＿￣`l
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　,-イ　.|| l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| .三三三　 | 三三三¨ .|
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　 ∠ゞ-|　 || l, -‐ '"´｀` ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　 .| .三三三　 |　三三三　|
　||--､|rｲ|　　　　　　 ,／　ノi　.|　　　　　　　　　|| l'"　　　|　　ヾヽ||,ｨ　　　l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　ヾヽ .レ/　　　　　　 || l.il | .|　.|　　　　　　　　 _!! -‐'"￣￣｀`ヽ}.ﾚノ　　 .iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　　　　　　　　　　 || l.il | .|　.|　　　　　　 ／　　　　　　　　　　｀ヽ　　　 ﾞ￣￣　　　＿　　　￣　＿
　　　┌ ､　　　　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　 ./ｲ.{.{{ { { λﾄ､ヽ　　　　 ﾍ　　　　　　l'"￣　　￣`i''"￣＿￣`l
　　　│　｀`ヽ､　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　/　 {|.ll {λ{,⊥ﾍﾍ　　　　　}　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　　　│　　　　｀i　　　|| l.il | .|／　　　　　　　　 　 ﾄ{　庁}-トrヽ　　　.}　　　　 　 | .三三三　 | 三三三¨ .|
　　　│　 ヾﾆ`ヾ¨ヽ　|| l.il |ノ　　　　　　　　　　.i'" .{,ﾉ少　| |ノ　　　.,'〃　　　　 | .三三三　 |　三三三　|
　　　│　　 　 ヽヾ､ﾍ !!¨￣　　　　　　　　　　　 ﾞ､.__　　　 | |　　　ノ〃　　　　　.l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　　　│　　ｬ‐-'　　　 ｀ ､　　　　　　　　　　　　　 ヽ__, ｬ‐ .| |__∠ｽ《ヾヽ　　　　.iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　│　　.＞ー-.､　　　 _ソ＼　　　　　　　　　　　 _r--} r-ﾚﾞ-|ヽ　ヽヽゝ　　　ﾞ￣￣　　　　　　　 ￣￣
　　　└ ''"´. 　　　`¨´ソﾞ　　　＼　　　　　　　　, ＜ﾑ　.! ﾊ＿_ゝ､ヽ　.ヽ
　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　＼　　　　, ＜　　　{ソ"¨　　　　 ヽ､　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ＼, ＜　　　　 {//　:::::::::::::::::::::::::ゞヽ:::::::::::ヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　　　　　　＞ﾚ/　 :::.､　　i'ﾍ＜ .ヽ　ヽ　　∧ :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ＞.´　 {::{　　:::ヽゝ. '､.ﾍ　 .,.ヽ,､.∨　 .} :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ＞.´　　　　|::|　　:::　　　ﾍ ﾍrﾍ.ﾍﾍヾi　　 } :::
　　　　　　　_　ト､ ﾄ､λ　　　　　　　 `'ﾞ　　　　　　 |::|　　:::　＿　 } .ﾍ ﾍノ'ﾞﾍヽ　.ﾉ :::
　　　　　　､_|｀` -､ヾ.} .} /}., --┐　　　　　　　　　 |::| 　 ::: （＿_￣　　`ﾞ　_,.ｲﾍノ　.:::
　　　　　　|　｀`ヽ､　ゞlﾉ.彡三三三_　　　　　　　　 |::|　　:::　　　￣i`ｬ'"ﾆﾆ_,ﾉ　}.　 :::
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　　　　　　|　　　　　.|　|　　　　　　.|　　　　　　　　 〈　　　　 .__　　　　」
　　　　　　｀`ヽ　　　.|　|　　　　　　.|　　　　　　　　　,}｀ヽ'"⌒i::i￣`'"¨}:}
　　　　　　　 　.｀`ヽ､|__|＿＿＿＿_|　　　　　　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　 「官営の寺だったらいいんだろうけどな、ともかく最澄もひどく苦労した。

　　　　　　　　　　　　 一切の労力と費用の全ては最澄と六人の弟子にかかっているんだ」


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527： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:42:55 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　 　 　 /⌒ｿ/⌒ヽ、
　 　 　 　 　 　 /　 //　　　 ..＼　　　　　　._,
　　　　　　　　/ 　//　　　　　　.｀ヽ,.._,ィ''´　　｀'ｰ- 、　　　　　　/i
　　　　　　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼,.　　 _..ノ .|
.　　　　　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´　　 .|
　　　　　　/　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜
　　　　　 /　 //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
.　　　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|
　　　　/ 　//..　　『各寺の僧より一食一匙の喜捨を』.　 　 　 |
　　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|
.　　 / 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|
　　/ 　//　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |
　ッ芝ヾｼ⌒ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|
.　ヾﾆジ　　　　＼　　　　　　._,.イ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　 　|
　　　　　　　　　　｀ヽ,.._,ィ''´　　　　　 ｀'ｰ- 、　　　　　　　　.　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼,.　　 _., ､　　.　.ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ⌒´　　 ＼._,ノ

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　 「自らと弟子の総力を上げてもその事業の前には微力、

　　　　　　　　　　　　　　　　最澄はそれを嘆き、南都七大寺に対して書をしたためる」



.

528： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:43:49 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 「つまり、南都七寺の僧たちに、
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　 食事からひと匙ずつの食物を分けてほしい、
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、　　　　　　　　　 それを以て写経を行う弟子たちの
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､　　　　　　　　 糧食にあてたいと嘆願したわけだ」
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|



. 　　　　 　 　 　 　 　 .　　　-──-　.
　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : :.≧=-､
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.　　　　　　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : :＼　　／⌒ヽ
　　　　 　 　 /: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : ／:ヽ: : : ><　　　　|
.　　　　　　 /: : : : : :/:/: : : : : : : : : : : : ∠::::::::::ヽ: : : : ヽ.　　 !
　　　　 　 /: : : : :__/:/: : : : : : : : : : :／　　 　ヽ:├:､ : : : i 　/
.　　　 　 /: : : : / ﾍY: : : : : : : : : :／､　　　　 　 ＼:l: : : : !
　　　　 / : : : ;ｲ 牙 !.: : : : : : : :.;.へ、＼ 　 　 　 　 l: : : :.l
　　 　 ,' : : : /人｀~ !: : : : : ;ｲ: /刈ハヽ.　 　 　 　 ,' : : : :l
.　　　,: : : : /ｲ: : ｢! !: : : : :/ l:/｀¨´　　　　　 -､　/ : : : : ｌ　　　　　　　　　　「ひと匙ずつ……本当に必死だったんですねえ」
.　　 ,': : : :/: :|: : ｌ:| |: : : ::/　|'　　 　 　 　 ,≦､ 〉' : : : : : !
　　/: : :.:/: : :!: : リ !: : :./　　　　 　 　 　 ｨ歹'ﾞ:/: : : : : : !
.　/ : : : : : : /: : /　|: :.:ｲ　　　 　 　 　 , 　/:::::/: : : /: : ;'
　. : : : : : : /: :.:∧　ｌ: : :|　　 　 ｒ y　 　 . ' ::::/: : : /!: :/
　: : : : : ／: : :人 ヽ.l:.: :ﾄ､ 　 　 　 　 イ::ハ/: : : / .!:/
　: : : : : : : ／ ﾄ､＼ |: : !__ >､_,. :＜::::::∨ /: : : /　 !'
　 -─‐＜　　 ヽ＼ |.: :|__／}＼:::::::ヽ::::∨: : :./
　 　 　 　 ヽ.　　ヽ `l.: :!　　 !　 ヾ≧=-/ : ／
　　　　　　　　　　　 ヽ:ｌ 　 /　　 / 　 /／ヽ


.

529： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:44:04 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　「窮余の一策だったろうこの最澄の無欲が、

　　　　　　　　　　　　　　　　大きな追い風を比叡山寺に送り込んだ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
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　　　 　 　 　 　 　 /　/　｜　　 　 　 　 f　　￢-ミ,　|　 　 　 /　　　　 }　,
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　　　　　 　 /　　　／,＼＼　＿)///,'}　入i{　　　　　　　　、 }　 /　　 /
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530： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:44:30 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「七大寺のうちの大安寺に住する閑寂という僧は

　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　 この最澄の至誠に感銘を受け、自ら写経を行い最澄の志願に応えた」
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|　　　　　　　　「また、七大寺の他の僧も、己の食を空しくして比叡山寺への喜捨にあてたという」
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　　　　　「優しい世界」
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　「奈良の坊主も腐ってるやつばっかりじゃ
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なかったわけかお」
　　＼ ／＿＿＿ ／


.

531： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:44:56 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .. -─- ､ 　}＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／^⌒¨¨7/　　V }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-──</-　..　}厶　-─=ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　 .　 ´　　　　　 　 　 　 <　 　＜⌒ ¨¨^＼
　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　／　　　　　　　　　　　　　 ⌒＼　　 丶
　　　　　　　 　 　 　 ／ /　　　′,　　 ′　 /　　}　　　　ヽ　 '， ＞‐─ ｧ
　　　　　　 __　 -‐　´　 ′　 /　/ 　 /　　 / 　 /}　 　 :　　　 　 　 　 ／
　　　　 　 '⌒¨　ｱ　 ' /　　　'　/　　/-┼/‐ 　/ '　　 /i :　 }　　 }^⌒´
　　　 　 　 　 ／ ／　′　 /　/　　/ｨ禾芋笊x / 　 /　}ﾊ　}
.　　　　　　／¨7 　 /　 　,　ｨ: 　 Ⅳ　　 込_ツ /　　' 斥ｧ }/　　 ′
　　　 　 　 　 厶ィ ' 　 ／i/ }i　　ｉ　　　　　　 /　／　vﾘ} / 　　/
　　　　　　　　　 }/　ｨ 　 {　八　 l　 　 　 　 /／　　 〉 ﾉｨ 　 ' /
　　　　　　　　__ﾉ／ }ﾊ　八　　ヽ{　 　 　 ／　　　　　　 }　/}/
　　　　　　　 ⌒´　　　}　'　 ト __,　　　　　　 _＿_　　 　/ /
.　　　　　　　 　 　 　 ﾉｨ　ﾊ i　{込、　　　　　　　 　｀　' }/
　　　　 　 　 　 　 　 　 }/　}从{: :'，＞　.,　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 __　r‐　 ¨¨ ¨¨ ﾆ=┐: : : : : . ..__　′
　　　　　　 　 __,<¨>､_}　　　　　 　 　 |≧s｡ _ {
　　　 　 .　 ´　　 ＼　＼¨　　､　　　　|ﾆニニﾆ>､
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　　j{　 ,　　‐-　　.... __ 　 　 　 ＼｡o≦Vﾆニニ>､i:i:ｉ:ｉ}|　　　　　　　　　　【 道忠 】
　 j{　/　　　　　　　　　　‐-　　　 ＼ __ Vﾆニﾆﾆ}i:i:i:ｉ}|_
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. j{／　　　　　　　　　　_　_＿＿__　〈__/__ﾉ乂⌒)r‐ ､/　　〉ﾊ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　 「当時、東国にその身を置いていた道忠は、

　　　　　　 日本に仏法の戒律をもたらした鑑真の高弟であったが、

　　　　　　　 この道忠の耳にも最澄の話が聞こえ、これに感銘を受け、仏典二千巻余を写経して叡山に送り届けた」

.

532： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:45:11 ID:vmPyY7jQ



　　　　「その上道忠は、自らその才を認め、手ずから戒を授けた愛弟子を比叡山に登らせて、最澄に師事させた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐　 ¨ ￣￣ ¨ ミv^⌒＞ .,
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　　　　　　　　 　 　 　 　 }　　　 {　　 {　斗‐┼ / /　　斗ｧ　　}
　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉイ　 　{ 　　Ⅳｨﾁ笊㍉/ 　 ｲvﾘ　}　ﾊ　′
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 }　i　 ﾄ. 　 {　 　Vﾘ /　／{　　 / / }/　　　　　　　　『ちょっとあそこ行ってきなさい』
　　　　　　　　　　　　　　　Ⅳl　 }　＼{　　　__/／　　'　 ノィ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 从　ﾊ　 込、　⌒´　 　_ 　 ｲ
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533： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:45:48 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「この愛弟子が、後に天台宗第二代座主となる円澄だった。

　　　　　　　　　　　　　ちなみに円澄は後でも話をするが最澄に命じられて空海の元で修行をしたりもした」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　' ,ヽ､＿__,,,　 - ‐ '"　　　　　　　｀ ､　 `　　　`"'-‐ ､
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　　　／ ,ヘ／　　, -‐ / 　 ,　./　/ /　,くレi　　　` ﾄ､,-､　　　　i
　　 /／／　　 ィ'　　 // ./　/　/ /　/_ ブ /　,　　,　　 i　　|　 .l
　　　　/　　／/　／,ｸムﾑ_/_ ｲ / / ﾑ' /,ｲ　/ 　 .!　　.l　　l　 .|
　　　 ,'　.／ >' イ ./,' ,'､,,ムﾄ'/`ﾚﾄ'　　./// ｲ/　 /　 　 ! 　!`　､　　　　　　　　　『地味に再登場ですよ』
　　　i　/　_/ / |　, .i !　ﾄて心小ﾄ'　　ｿ>トくｿ　 ｨ /　/ ,'　.,'　　　＞､
　　　l./＜ ﾚ'　 l　i　|ﾊ, i 弋 ンｧ　　　'´冫ム水／ ./ /　./　　　　　チ､
　 ,＜ﾚ　　　　.,' ,ｨ　　 ﾄ'　 ` "　　　　　 て毛夂〈水 /　./　　　　　 ト　 ＼
＜　　　　　　/／|　　 ﾄ,　　　　 ,　　　　 弋 ソ .仆／　/　　　　　ラ　　　　 Z
　　　　　＞ァ'＜.|　　 ﾚ ､　　 ､ 　　　　　`""　／　　/　　　　　_ｋ＞ '"""`
　　　 ／／　 　 .|　　 |／, ,　　　 ´　　　　　／　　 , 'ｩｧ―'''7""
　 　 /　　 .＞"´ |　 ﾉﾋ,,ﾉ　＼　　　 　ｫ　　"/ 　,イ　i |　　 .|
　　./　.／ _,,　＜.|　i |　　 　　`　 ´／|/　／ ／| |　 l |　　 .|
　 ./_,ム＜　 ヾ､‐| .l |　　　　　　／＼|レ' ／ |　| |　.リ　　 .|
.＜　　　　　 　 ',', | ﾄ ト ,_　　　 /　／／,<_　　|　| |　 ',　 　 |　　　　　　　　　　【 円澄 】
　　　　　　　　　',', l ﾊl　　` ､　 ／ィ'　ム-‐ﾕ‐|　| |　　',　　 |
　　　　　　　　　 ',',ﾚ ﾘ　　　　　／ ／　　　 ',',　`' ､|　　', 　 .|
　　　　　　　　　　',',　　　　　／'／　　 　 　 .',',　 　 `ヽ. ', 　 |
　　　　　　　　　　 ',',　　　　　､　　　　　　　　.',',　　　　i　',　 .|
　　　　　　　>‐---`'-､__　　　 ＼　　　　　　　 ﾄ､　　　.l　 ',　 |
　　　　　　/ 　　　　　　　`‐- ､__ ヽ　　　　　　 ヾ､　　　|　 ',　 |
　　　　　/　 　 　 　 　 　 　 　 ヨﾄ､ ',　__rｧｭ､_　 ',',　　　l 　 ',　.|

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　「道忠から最澄に送り出されて最澄から空海に送り出されてかお」


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534： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:46:03 ID:vmPyY7jQ




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



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　 　 　 　 　 　 　 　 /／　　　　　　　／　 ／ ,. ---=ミ､ヽ
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.　　 /　ヽ　---- ､_＼___/ :/ /　　　　〃⌒ヽ 　　 :!ヽ　　／　＿＿/　　 ヽ
　　/　＿_＼＿__／|:::::::::|　|　|　　　　 /　　　 i | | :「￣＞‐＜　　　　　　　∧
　/／　　　　　r'　　|:::::::::|　!　! ι / /　　　　:| | | :!:::::::::|　　 Ｌ,.　-―＝ミ､∧
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　ヽ　　　　　　 　＼ V:::::∧　:ﾄ、　:! |　　 |　| :|// :|:::::::/　／￣　 　 　 　 　 冫
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　　　 ＼　 /　　　,. -ヽ＿__|__N-Vvﾍ　:/j/j/ /／__／‐ ､　　　 ヽ　　　／
　　　　　Ｖ　　　 /　　　　　　 ､ヽ　　 V　　 ／ '´　　　 　 ＼　 　 |__／
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　「このように、最澄の至誠を認めた人々からの協力を得ることが出来たお陰で

　　　　　　　　　　　　　　　比叡山寺に『法』が整備されることとなる」



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535： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:46:19 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　 ム /⌒`j{‐_‐}:i:>‐､ﾉ／: :r‐ｧj}ニﾆ／ヽ　 ／:i:／ `'＜ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=ヽハ
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　　　　　　　　　　「仏法僧の三宝が備わった比叡山寺において

　　　　　　　　　　　　初めて法会が行われたのは延暦十七年（798）、実に建立より十年目のことであった」



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536： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:46:54 ID:vmPyY7jQ



　　　「そしてその法会から三年後の延暦二十年（801）に、

　　　　　奈良の都から十人の学識ある僧を招き、比叡山寺での法華経の講義を開いてもらうことができた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ　l 　ハl　ﾞ'　l　　　l:l´　 ヽ.　　l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　iハ _.ｲ .ﾄﾘ　 ／ , '　.ｨﾑ. ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　l 　 Yrｲ'’　, '　.ｲ　　 ∨ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Vﾍ!　_/,lﾊﾍ., '　, '　　＿　∨ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾊ　　　　　　　　 　 　 _.ノ//〈/.ｲ　/　.ｨ ´　　｀ Ⅵ.l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 'ﾏ,　　　　　　　　　.ｨ'’ /./く/i 　 / /.　　　　 　 l　l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .r ､ｰlﾊ 　 　 　 　 　 /i　 〈.ｲ// ヒ'’. ,'　　　　　　　l　l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .ｲ　ﾍ'ｰ l　　　　　　　'　!　ノl'./　　 > .i　　　　　　　 l　l!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅵ.　i　 l　　 　 　 　 !　;　! y'　 .ィコ　l　　　　　　　 l　ﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 　 Y　　　l　　 　 　 　 i　:　i/　／ i　　 l!　　 　 　 　 .i　ハ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 〉／ /＼ 　 　 .ｲ! il .ｲ　　　i 　 .ｲイ　　　　　ｲl　　 l!
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　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ／ィ　　 ヽｰ 〈　 l.i l　　 　 , 　 l'　　　　　　　l　!　i .!
　　　　　　　　　　　　　　　　 i´丶 .ｧ　 　 !l　　｀ヽ'､ _　　　i　　l　　　 　 　 .ﾉl　l　l .l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ ノ　　,ﾍl i　　　　　　￣　｀丶.i＜､　　 　 '　l　lﾉ'! .l
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　./　.!o!　　　 　 　 　 　 　 ｀` , 　 　 ,　 l　l　l　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾉ ノ’ 　 Y'ﾏ,'ﾏ,　　　　　　　　 　 　 　 /　 l!　!　i　!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / /ノ　ヽ､　 l､　'ﾏ,'ﾏ, 　 　 　 　 　 　 　 /ヽ　 〉 　 |　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V´　　　　＼　｀≧ｭ､.　　　　　 　 　 　 /　　 ハ
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
　　　　　　「叡山の最澄、十代徳の足下に申す。

　　　　　　最澄、法華を伝え奉るの深心大願を欲す。誠に願わくば、有縁の厚顧を賜り天台の教を敷かんと欲す」
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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537： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:47:11 ID:vmPyY7jQ


　　　　「そして開かれた南都学匠による法華十講は、

　　　　　　　天台の経典をその師と仰いで独学で学んできた最澄やその弟子たちにとって、

　　　　　　　　　　今後の指針となりうるほどのものを与えなかった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　 　 　 　 　 　 ,イ　　　_　　　 __
　　　 　 　 　 　 ﾄ､{ {,.　 ´　　　　　　　`　 ､
　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿__
　　　　　　　　 ,.'/　　　 //　/ i　　ヽ　ヽ　　　 ヽー'´
　　　　　　 　 //　/ / ///:/　:!　　　|　 | ヽ 　　 ヽ
　　　 　 　 　 i | /　:!　!:! | |　 :|　 　 :|　 |　|　 ヽ　 i
　　　 　 　 　 | | |　 |　ﾄＬＬﾄ､ :| 　　_」 /」 _!　　 !　:| 　 　 　 /: :ﾚ‐: '' :_ ∠ ＿＿_
　　　 　 　 　 | |:i|　イ´レ＝ミ､!　　 /j/_」/j/ヽ :| 　|　　　＿{: :/: : : :´ : : : : : : ＜
　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|.....／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ､.　_,.　-‐ヽ＼,.　-―‐-
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/.....: :／:. : :.| : : : : : : : : : :､ : : ＜⌒....＿___　　 ﾊハ.ハヽ-､ 、＼
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |..ﾞ-ｧ: : : : : :∧: : : : : : : : : : :＼ : : ＼..ﾞ／ 厂　 ﾄハ い　､　 いｰ┴z-　.＿,
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !.ﾞ/: :/: : : :/: ∧:. : :.|: :l :､ : :.| : V :x- ゝ.ﾞ/　　l ｌr;　| l｜! ｌ　 |｜ 　 ﾁ_ _,ア
　　 　 　 　 　 　 :.　　:| ＼　　 　 _　　　／　　 /j/...|: / : : : ｒ≧＜ヽ : |＞≦V:.|_: :「￣.　/////lﾊ|　_.ｨ≦壬|　 |｜ 　 ／ /
　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/......　|∧: : :|: { Vzﾘ　＼{ Vzｿ |: | }: |...zl　| l | l.]干ﾄ　　 k刈/|　 |｜／　 /
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N / 　 　 　 ヽ: :|:∧　　　' _　　　　|/ｲ: /...｀| !| l | l ﾄi斗　 　 ￣　!　ﾊチ 　 ｲ
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜. 　 　 　 　 ∨ﾊ: ＞ 、　 　_ .イ:/　V　　 | !| |ﾊ.l |　 ｀　_　　　 , /　| zイ　|
　　 　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_　　 　 ＿ ＞‐{_｀　´　ﾄ､′.　　 　 N !ハ|小　 ´　　 　 /1　l 「　 !　|
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　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.　　　　　 ,|｜r ≧= １ /　/´ハ__l_｜
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538： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:47:36 ID:vmPyY7jQ



　　　　「そればかりか、最澄はこの法華十講より、

　　　　　　　　自ら修めてきた天台教学への自信を深め、天台の独立に邁進することとなる」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　|　　|　 |　　 :Y´以刈ヽ| ヽ　　Nﾄ､ !　 |　　　|
　　　　　　　|　　|　 |　　 八_｀¨´＿_》_ﾊ ,斗＝┼　|　　　|
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　　　　　　　!　　|　 |　　 | 　 ＿ 　　　 ﾉヽ¨´_乂　 !　!　 |
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　　　 　 　 　 ヽ | /∧　 :|　　　 ｀ ー┘　 　 /　:/　 / /
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　　　　　ヽ _ﾉ￣￣￣￣Ｎ　　　｀７´＿_j/|　/j／
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539： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:48:01 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



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　　　　　　　 　 　 ＼　 　 　 　 　 　 /　 　 　／ 　 　-‐………‐-ミ｀^⌒>　　　　　　　　　【和気広世】
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　　　　　　　　「そして翌年延暦二十一年（802）、

　　　　　　　　　　最澄は比叡山に入ってより初めて山を降り、

　　　　　　　　　　　和気弘世の懇請によって、最澄の独自研究に基づく天台に関する講演を行うことになった」


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540： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:48:24 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
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　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　　「これが後に言う『天台講演』であり、
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_　　　　　　　　　　　その舞台となったのが高雄山神護寺の前身、高雄山寺だ」
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



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　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ
　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,　　　　　　　　　　「おお、さっき言ってたサイチョウとの縁でありますか」
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，



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541： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:48:52 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　　　「そうだな。それで、この神護寺での講演には、
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、　　　　　　　　　　　 最澄の他にも南都六宗のうちから三論宗と法相宗の僧が訪れていたが、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.　　　　　　　　　　　南都の僧は最澄の講義に恐懼し、賞賛した」
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

『ひそかに天台の元疏を見るに、釈迦一代の教を総括して悉く其の趣を顕すにところとして通ぜずということなし。

独り諸宗に越えて殊に一道を示す。その中に説くところの甚深の妙理は、
七寺の大寺六宗の学僧、いまだ聞かざりしところ、かつて未だ見ざりしところなり。

三論法相多年の争いも氷のごとくとけ、照然としてすでに明らかなり。
我ら幸な嘉運にあい、歓喜の至にたえず、あえて表を送り陳謝す』　　　　　　【叡山太師伝】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


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542： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:49:06 ID:vmPyY7jQ




　　　　「奈良仏教の大家である三論宗と法相宗は長い間論戦を戦わせていたが、

　　　　　　　この最澄の天台講演により、その争いも綺麗に消えてしまった、ということだな」



　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　「やさしい世界ふたたび」
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ



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543： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:49:22 ID:vmPyY7jQ



　　　　「この天台講は、一説には桓武天皇の勅により開かれたものとされている。

　　　　　　　桓武天皇はおそらく寿興を通じてすでに最澄と比叡山寺の存在を知っていたんだろうな」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



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.　　|！:‘，:.:.:.:| .＼＼＼＼ :.:.:.‘，‘，.:. Ν
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544： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:49:33 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。




　早　　　　　/::::l:::l::､:::::､:::::ヽ::､::::::::::::＼:::＼::::::::ヽヽ::::::ヽ　　　駄
　.く　 　 　 /:::!::::i:::!:::ヽ:::ヽ::::::ヽ::ヽ､::::::::::＼:::ヽ:::::::ヽヽ::::::',　　 目
　な. 　 　 /:l::::!::::ヽ!::ヽ:::::::ヽ:::::::＼:::ヽ､::::::::ヽ:::ヽ::::::::!::i:::::::!　　だ
　ん　　　ﾊ:::ｌ:::::、::::ヽ::::＼:::::＼:::::::＼:::｀ヽ、:::ヽ::ヽ:::::!:::!:::::ｌ
　と　　 /:::::::l::::::!ヽ:ヽ::::､:::::ヽ:::､:＼::::: ＼::::::＼::::!::::ヽ:!:::i:::l:l　　こ
　か　　!:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::＼:::ヽ::::＼:::＼::ヽ:::::::ヽ!:::::::}!::::l::li| 　 い
　し　　j/:::ｌ:::::!:､:::!::ﾄ､:､:ヽ:::::｀ヽ{､::::::＼::::＼{､::::::::::::::::i::!::l:l ! 　 つ
　な　 　 l:i:ｌ::::i::i:､:l::lﾃ=-､:ヽ､_､::＼_,≧ｪｭ､_､＼:::::::::i::li::!::ﾘ　　　：
　い　　　!ﾊﾄ:{:!:ｉ:ﾄN{､ﾋ_ﾗﾍ､{　＞､{ 'ｲ ﾋ_ﾗ　》＼::l::!:ﾄ!!:l::l! 　 　 ：
　と 　 　 ヽ i､ヽ:ﾄ{､ヾ￣"´ l!＼　　　｀"￣"´　 |::!:l::! j:ll:!
　 ：　　　　　 !::､::::i　　　 　 ｌ 　 　 　 　 　 　 u |:::/lj/l:!ﾘ
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　　　　　　　　　　ヾ! 　　　ヽ　 ‐　　 　 　 ｕ　/ｲ´ｌﾊ/
　　　　　　　　　 　 }ﾄ.、　 -､ｰ-- ､__　 　 　 /'　!:://
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　　　　　　　　 ｒｰ''"´ﾄ!::i{＼　　　　 　 ／　　/　!:/
　　　　　　　　/ ^ヽ　　ヾ!　 ヽ ＿,,、'´　 　 /　 ｊ/



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　　　　　　　「先に述べたように桓武天皇は

　　　　　　　　この時代の南都の仏教界に深い憂慮を抱いており、

　　　　　　　　　　その憂慮の一つに、三論宗と法相宗の対立があった」


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545： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:49:45 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　 ﾄ
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　　 　 |　:!　 ! !　!　 !　 !　 :|　 !　 　 |　i ﾄ､ _Lvへ＼|　　:!　 :!
　　 　 | /|　 | |　|　_|＿|＼_ﾄ､ |＼　 ﾄ､N,.斗rfセミ刈! 　 |　 .!
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　　　　　 |　 |　!. ＼|＼圦弋z/　/　厂｀ヽ＿＿＿乂:!　! |:/
　 　 　 　 ＼|　ヽ.　 !　 八　/　/　/　　　　　　　 j八|　| /
　　　　 　 　 ヽ　 ＼ﾄ、　 冫 ./　/_｀　 -―ｧ 　　′/　j/　＿__
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　　　　　　　　 「その対立が最澄の講義によって『氷のごとくとけ』たこともまた、

　　　　　　　　　　　 最澄と天台が、桓武天皇の覚えめでたくなった一つの要因だったと考えられる」


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546： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:50:02 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「この講演の後、天台の経典が宮中に収められ、その上最澄は遣唐使に随伴することとなる」




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　ノ二二ニニニニニニニニニﾆﾆ∨ｰ=∧　 }'//}　|二ﾆ/=|二O二二ﾆﾆ|
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　　　　　　　　　　　　　　「最澄は、唐の地で様々に見聞を広げ、日本仏教や天台の礎を固めんと意欲を燃やした」



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547： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:50:15 ID:vmPyY7jQ



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从( (_'二j{以⌒ーｧ'^ｰ-　￣ｱ.:.:ｎ.:.:<_i「川洲'"ﾟ゜∵；｡ .: .: .:／､__ノ⌒ 〜 _　⌒''ミミ之:;シ;:;:;:;:ノ⌒ヽ: : : :.:.:.:.::::::::
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＼|／¨´.:.:.:.:／-ミ.:／　　//￣｀㍉=｣「州)ﾉしル'⌒うぃ、ノし'′. . : : : :)⌒ヽ､....　　　｀``｀　　丶､.:.:.:.:ノ.:.:.:.:::::::::
＜|　＿,|￣　｀ ｰヘ　　 〈￣＼　　｀'i｢州Ｉj　'⌒つ　　　　｀°' ''　　　､ノノ;:;:;:;:;:;:;:;:ミミ之__. . . : : : : ｀`｀｀`'〜〜ｰ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　 「さてその遣唐使、延暦二十二年（803）に第一陣が唐に向けて出発するものの、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　嵐に巻かれ、断念」


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548： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:50:29 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　 　 _,.　 -―-
　　　　　｀ヽ`ー‐　´　　　　　　　　　　`　､
　　　　　 　 ＼／ ,.　　　　　　　　 　 　 　 :.
　　　　　　　 /　:/　/　/　　　　､　 ､　　　　:.
　　　　　　　 |　 | :/_,.イ .`ト　_ヽ_＼ ＼　 　 '.
　　　　　　　 |　 | N V ! :| |＼ﾄ､ﾄ､　|　 |　 　 !　　　　　　　　　　　　『この時代は唐に行くのも
　　　 　 　 　 ＼NY,.-､ヾＮ ,.-- ､.} ハﾉト､　 ′
　　　　　　　　　　|乂__ノ⌒ヾ.　　 厂　 |ノ :/　　　　　　　　　　　　　　　　　命がけなんだよねぇ』
　　　　　　　　　　|八　 ′　 ｀　 ´　|　 |　/＿_
　　　　　　　　　　|　|ヽ　V:￣｝　U　|　 |＼＿/
　　　　　　　　　　|　|　 ＼こ´,.イ 　 ! :/ 　 ＼､._
　　　　　　　 　 　 ヽ!　 ／￣／ Vﾉ j/　 　 　 　 ＞――-､
　　　　　　　　　　　 ヽ |〈　　＼＿　　/＿＿__／　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 ヽ ＼ 　 ＼｀　´　　／
　　　　　　　　　　　　　 |＼ |　　　 ＼　／　　　　､　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 ヽ　:!　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 :.
　　　　　　　　／￣￣＞┴┴=ミ､ 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　､
　　　 　 　 ／:::::::::::／:::::::::::::::::::::::::＼ 　 　 　 　 　 　 　 :.　　　　 　 ､
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　　　　／::::::::::::::∧:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　､　　　　　 i
　　／::::::::::::::::::/:::ﾉ::::::::／::::::::::::::,.-:::::::::::::::::＼　　　　　　　 ﾄ､　　　 　 |
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　 「翌年二十三年に改めて遣唐使が出発し、辛くも唐の地に到着することができた」



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549： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:50:48 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼}　｜ !
　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヽﾉノ
　　　　　　　ー=彡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ
.　　　　 　 　 ／　　　　/　/　／　　／　　　　　　　 　 |　　 　|　,
　　　　　　／　　 ／　, 　/　/　/　/　　　　　　　 　 　 |　 　　|　′
　 　 　 ／　　 ／ 　 /　/　/　/　/　 /　　　　　　　　　! 　 　 |　 ｉ
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.　　　　　　 /　,　 /／}／}／ヽ/＿/|i 　 /　/　 　 /　′　　 　　 |
　　　　　　/　/　/　　ｌ|ィ下C心　　.| 　/　/　　／　/　/　　 ,
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.　　　　　}／|　| 　 　 ｌ|　 Lう ノ 　 ﾉ⌒i　 下C心ヽ､/　　 /　　/
. 　 　 　 　 ｜ | 　 　 ｌ|　＿＿　／　　 | 　 ト__jЛ }/　　 /　　/
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. 　 　 　 　 ｜ｲ　　　八　　　　 ト　 _＿ 　 "" ／ ／　/　　/
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　　　　　　　　　「最澄は彼の地にて、道邃、行満のもとで天台をより深く学び、

　　　　　　　　　　　また道邃より百二十部三百四十五巻紙数八千五百三十二枚の経典を贈られた」


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550： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:51:04 ID:vmPyY7jQ



　　　　「更には道邃より大乗菩薩戒を授けられたが、このことが日本天台と最澄の未来に大きな示唆を与えたと言えるだろう」




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ',　　 　 　 ﾉ!i:　　 |!i|/《 :!::;j　　{　　　　　l　　　　　　『大乗菩薩戒……かぁ』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 { ﾘ|　 　|ﾘ　　 Vﾉ 　 ヽ.　　 ﾄ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 '､　　　 ∨ﾊ 　 ｌ　　　　　　　　ゝ　 |/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 大乗菩薩戒 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　大乗仏教に帰依する人が守って、実践するべきとされる戒律です。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　五十八か条に別れています。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　　ちなみに奈良のお寺さんなどで授けられる戒律は二百五十の戒律です。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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551： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:51:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　「参考までに、仏教における『戒法』というものの
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、　　　　　　　　　　　　　　　　一つの解釈に関する記述を添えておこう』
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

参禅問答は戒律を先となす。禅を修し道を学ぶというにはまず第一には戒法を受けねばならぬ。
戒法は人が横道にそれるか、まっすぐに進むかの境界線である。戒法を受くることによって我らの世界は変わってくる。
（中略）
戒法といえば人の自由を束縛する縄か鎖のように考える人がある。が、仏法に言うところの戒法は
縛られている人の縄目をとき、本当に解放された最も自由なる境地に至らしめる不可思議の力である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【常済大師御伝記】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


/　　 ＞/=:／‐=ニ=:/: : ∧:/|:ヽ
「￣: : /:.／ : : : : ／/: :/ ⌒1:l: :.i
: : : ::/／: .:/: : ／ ./: /　　　|:ｌ＜ﾄ
i: : : :ｌ// :/:.:／‐-/／、　　 ﾉ:ﾊ: 「:i
ｌ: :i´,ｸ/:/:／ｆ'7うﾊ　　　　,〃 |:i :| :l
!: :|〈/:/　　　弋ソ　　　　_, へﾄ:|: !ﾘ
ﾊ:.V:/┐ 　　 　　 　 　 ｨら7/i:ﾊ:|
: l: : :∨　　　 　　 　　　ゞｿ/ ﾚ'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ただ単純に護るべきルールだというわけでもないのかもしれないわね」
: :!: : : i　丶 　　 ｒ　, 　' ／
:.∧: : :ﾄ、　＼　　 ,　イ
ﾉ　ﾍ : |　＼/ `７|: : :{
ミヽ l: :|７/⌒イﾐ !: : |
/　 }|: :l／ﾐｒ‐く j l: : ト
　 　l: :|　くイ＾ト　ﾍ: | |
　　 l: !　　《　 ヽヾﾍ:ｌ L
∨　ﾚ_　-￢　` ヾ、 「ﾆ＼
｜ く 　, イ　＼　 ヾ　トー∧
｜　 Y ヽ、＼ﾉ　 　]}oL_ 」_ｊ
∧:i:.. ゝー'¨´　　.:.:.::ll:.　 　,'
ヽ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉｌ:.:.:.:ノ
　〉:.:.:.:＞-　-　＝イ廴,ｲ
｜:.:￣　　￣　　　 ]}ﾆﾊ
｜:: 　　　　　　　　キ/ |


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552： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:51:56 ID:vmPyY7jQ


　　　　「延暦二十四年（805）に最澄は帰朝。

　　　　　桓武天皇は、最澄が唐から持ち帰った天台の典籍を広く天下に流布するために八百余巻を書き写させ、

　　　　　これを南都七大寺に分けて収めた」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.....,,,,,,,....._　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..イ　　　　　　 ｀:..､　　}　 }
　　　　　　　 　 　 ､　 　 　 　 ,. イ　　　　　　　　　　　 ｀;ムノ
　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ＝ニ´　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀､
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　　/:/ :/ :!　　.:| :!:! ! :|　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　i 　 .:|　_i斗‐|-!|　　 :|斗!廾ト､|　:|　:! 　 !
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 !ハハ八　　:i∨リハｲ . /　:|　　!
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 || ん心 ∨ / ん心ヾｊ :/　　| 　,'
　　　　　　　　　　　　　| |　:!＼:ﾘ 込;ｿ　 ∨　込;;ｿ　|/　　 :! :/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !ﾊ .:|　 :＼｀￣　　　　 ￣´　ｲ　 　 .':/
　　　　　　　　　　　 　 　 ∨ !　:ト 　 　 ` 　 　 　 　 !　 　//
　　　　　　　　　　　　　　　∨Ｖ iﾍ　 　 ─_-　　 　 // ///
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　Ｖ三三三三三三三三三ＶＡ ∨!|　 ＼ __　イ 　 ,ｲ/)）くニニｺ
　 V　　　　　　　　　　　　　 VA　 ﾘ　 ,.ｲ　　,.＞"´ /!:::ト､:＼
　　V　　　　　　　　　　　　　 VA .,.イ:/ >-< 　 　 　 ｊ::::l::::::｀::...､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 从:::::|::|:::::|:://
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　　　　　　　　　　 　 人　　　　　　　.......:::´　　 /　　　ﾊﾊ:::{_i_
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553： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:52:18 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「さて、最澄が唐に渡った目的は先程も述べたように、

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 日本に芽吹いたばかりの天台の法灯の輝きを増さんがためだったが、
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　　　　　　　　　唐の仏教界では少し前の時代から激しい勢いで
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　密教がその勢力を広げつつあった」
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 密教 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　仏教のジャンルとして『顕教』と『密教』の2つがあります。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　顕教は『顕れててわかりやすい教え』密教は『隠れていてわかりづらい教え』という意味です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　 顕教はお釈迦様という歴史上の存在が説かれた教えです。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　密教は仏教の教義上の存在である大日如来様などが説かれる教えです。
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azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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554： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:52:40 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「最澄も、この密教について及ぶ限りの教えや儀式を持ち帰ったが、

　　　　　　　最澄の目的はあくまでも天台が主眼であり、この密教は目的外の収穫にとどまっていた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　 　 　 　 　 　 ,イ　　　_　　　 __
　　　 　 　 　 　 ﾄ､{ {,.　 ´　　　　　　　`　 ､
　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿__
　　　　　　　　 ,.'/　　　 //　/ i　　ヽ　ヽ　　　 ヽー'´
　　　　　　 　 //　/ / ///:/　:!　　　|　 | ヽ 　　 ヽ
　　　 　 　 　 i | /　:!　!:! | |　 :|　 　 :|　 |　|　 ヽ　 i
　　　 　 　 　 | | |　 |　ﾄＬＬﾄ､ :| 　　_」 /」 _!　　 !　:|
　　　 　 　 　 | |:i|　イ´レ＝ミ､!　　 /j/_」/j/ヽ :| 　|　　　　　　　『一応唐で灌頂も受けたし……
　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/　　　　　　　　　　　　これ以上は天台を学ぶ時間がなくなるからね』
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !
　　 　 　 　 　 　 :.　　:| ＼　　 　 _　　　／　　 /j/
　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N /
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜
　 　　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_
　 　 / 　 　 ヽ 　/ _┐ |　|　|　:!､人_ｊ　　　　　　　　`ヽ
　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ
　/　　　　　冫７　　／　/´　 　 ￣ ＼　　　 　 ＼　|　　 ∧
　〉　　　　 _/ 〈　　　　　　　　 ,.┬ ､＿〉　　　　　 ヽ!　 /　 :.
/　　　 ／{　 ヽ＼＿_／￣〉￣} }| |　　　　　　 　 　 |: /|　　∧
〉　　 / 　 ヽ　　`ー＝≦/　　〈ﾉ !j/　　　　 　 　 　 |//　　:| ∧
　／/　　　　＼　　　　/　　　　　|　　　　　　　　　　|/　　　|　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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555： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:53:00 ID:vmPyY7jQ

　　　　「だが、この密教もまた、桓武天皇を始め本邦に多大な影響を与える。

　　　　　　　桓武天皇は勅して」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ! !从 　 　 　"""ヽﾞ:､ヽﾞ: ､弌itｰマ､:ヽi
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､､＿　　　　 　 　 　 　　　 　　　　 _,r:::i　　　　　rｰ-‐　'''' ー　‐ --:: ､:ヽ::i　　　　　『真言の秘教（密教）未だこの土に伝ふることを得ず、
　　　`''''"'''ｰ- ､､、､､､､､､ -‐ー''''''' /:::'.　　　　　｀`¨':':‐:::::::-::::::::､_　　ヽ:;::l
　　　 　 　　　　　　　　 '" 　 　 　 ./"　ﾞ:,　 ﾞ､ 　 ヽ､,..:::::::::::::::／ ,　` ､　　`　　　　　　　然るに最澄幸いにこの道を得、まことに国師なり。
　　　　　　　　　　　　　　　　__, 　 　　　',::､ 　 ﾞヽ ､:_:::::::::::r ;´ '　ヽ､　　` -､
　　　　　　　　 `;;=--‐‐''''"" 　 　 　 　　',:::､　 `'':::::::::::::;: ' 　 i　 　　ヽ､,　　　　　　　　 よろしく諸寺の智行兼備のものを選んで
　　　　　　　　i´　　　　　　　　 　, 　 　　 ',::ヽ 　　 ::::;::i　 _ -t^ヽ､_　　　ﾞ`
　 　 　 　 　 　l　　　　　　　　　 i 　 　 　　ヽ::`:ー ':::::i　.ﾉ:i　ﾉ:::::::: 〉　　　　　　　　　　　　　灌頂を受けさしむべし』
　　　　　　　　 ' 　 　　　　　　　il　　　　　　,.ゞ＝ｰ'"ﾒ /::::ﾚ:::::::::::/
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　　　　　　　　　i 　 　 　 　 　 ill　,イ:::::iニニニｿ､ 　 　 ヽ::::::::::/
　 　 　 　 　　　 i　　　　　　　illl ´ 　 　lﾆニﾆ/　ヽ. 　　　',::::::::i
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.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート　【 灌頂って？ 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
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. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　読み方は”かんじょう”になります。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　密教で、受戒や伝法などの時に行われる儀式で、頭から香水を注ぐものです。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　今回よく出てくる言葉ですので気に留めておいてくださいね。
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.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
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556： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:53:29 ID:vmPyY7jQ


　　　「こうした経緯を経て、かつて天台講演を行った高雄山寺において、

　　　　　　　最澄による、本邦の正史における最初の灌頂が行われた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 　 ￣｀ヽ､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ､- ── - ､,j!　　 　 ﾉノ
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　　　　　 　 　 　 　 　 　 |! | 　 ! |　 ハ!:{｀¨" }〉⌒､　　　 //　 　 :!　 ∧､
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557： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:54:20 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　「桓武天皇自身も最澄から灌頂を授かり、

　　　　　　　　　　　　　　　　　また、最澄を宮中に召して密教の修法をおこなわせた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これが今日で言う『天台密教』の始まりだ」


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .-─ ｰ- 、 　 　 　 　 　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
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　　　　　　　　　　 /　　 ＞{ .|　　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　 　 |　　l／　　, -ー '´ ｀､
　　　　　　　　　　j　　 　 /　 |　　　　｀tﾆ"__, ﾕ′ !　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　　 　 ノ ´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 ,　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,　　 　 　 　 ﾔ　　 ゝ-ィ／ 　 　 i
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.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 日本における密教 】
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. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　 正倉院文書によると、密教自体は奈良時代にはすでに日本にも教典、仏像があったそうです。
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　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　ですので最澄さんは日本で初めて『体系的な』密教を広めたんだと言えそうです。
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558： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:54:47 ID:vmPyY7jQ




　　　「そして延暦二十五年（806）の正月、二十六日をもって天台宗は朝廷より公認を受け、官寺となる。

　　　　　　この日は現在開宗記念日とされており、日本天台開宗起源の日となっている」


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ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;"i|:;.::;,,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;":;.::;,ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ,:
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559： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:55:05 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「そしてこの日を機に、最澄の仏教の姿は既存の仏教から明らかに離脱をしていく。

　　　　　　　比叡山寺において開花した天台教を以て、南都仏教の旧弊を改め、

　　　　　　　　　　新しい日本の仏教の形を成すことに、最澄は生涯を注ぐことにした」



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　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　 j Ⅳ芹冬ﾐ | | |　　 } }
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560： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:55:21 ID:vmPyY7jQ



　　　　「しかし好事魔多しと言うべきか、折しも最澄と天台の最大の庇護者であった桓武天皇が崩御し、

　　　　　　平城天皇が践祚し、帝位につく」



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　　　　　　　 ﾉﾞヾ|　 　 ＼　　／ﾍi,,,,_i´￣ﾞﾞ''　　　.|
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561： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:55:34 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　 　 //　/ / ///:/　:!　　　|　 | ヽ 　　 ヽ
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　　　 　 　 　 | |:i|　イ´レ＝ミ､!　　 /j/_」/j/ヽ :| 　|
　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !
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　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N /
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜
　 　　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_
　 　 / 　 　 ヽ 　/ _┐ |　|　|　:!､人_ｊ　　　　　　　　`ヽ
　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ
　/　　　　　冫７　　／　/´　 　 ￣ ＼　　　 　 ＼　|　　 ∧
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〉　　 / 　 ヽ　　`ー＝≦/　　〈ﾉ !j/　　　　 　 　 　 |//　　:| ∧
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　 「桓武天皇という政治的な後ろ盾を失ったこと、

　　　　　　　　　　　　 『奈良の帝』と言われた平城天皇主導による、

　　　　　　　　　　　　　 南都六宗の勢力挽回という2つの苦難が最澄と天台に降りかかる」



.

562： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:55:54 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　「平城天皇自身は最澄に甚だ好意的ではあったが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　南都の僧たちの意に背く訳にはいかないという背景は無視できない」


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／ 　　-一'　　 　　ﾞー-　　 ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　／´　 ｀ヽ　　　/´　 ｀ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　／ 　 　（　　　● l 　 　l ●　　　） 　 　＼　　　　　　　「政治団体が支持母体に逆らえないのと
　　　　　　　　　　　　|　　　　 ヽ_　　 _ノ　　　ヽ_　　_ノ　　　　　|
　　　　　　　　　　　　|　　　 ''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"'　 　 　|　　　　　　　　　　　おなじもんだお」
　　　　　　　　　　　　 ＼　 　 　 　｀ー ─'＾ー 一'　　　　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　 　 　ー一　 　 　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
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　　　　　　　　　　　　　|　 　 i　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　 i　　　　　　　　　　　　　　　i 　 　|
　　　　　　　　　 　, -‐┴-､__,i　　　　　 　 　 　 　　 　 　ゝ､ｰ┴‐--、
　　　　￣￣￣￣く / /　ｧ- ,ﾉ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ （, -r　ヽヽ 〉￣￣
　　　　　　　　　　 `ｰ' ｰ´￣　　　　　　　　　 　 　　　　　 　￣｀ｰ 'ｰ´



.

563： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:56:08 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そしてその後、最澄が全く予想だにしなかった第三の苦難が出現した」

.　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　 . ／　,ノ　　＼ Y⌒i　 　__
　　　　　|　 （●）（●） | 　| 　./　.)
　　　　.　|　　（__人__） .|　 |　/　./
　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 i_/　./
　　　　.　 ヽ　　　　 ／　　,｀弋ヽ
　　　＿＿ ヽ　　- γ⌒ヽ　Ｙ´ ,｀ヽ
　 ／ :　　: :介〈　　`ｰ ､く　 〈::...ノＶヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀ヽ_ｰ ､　｀ヾ＿/　//:|
　 | : : : : : /: |　{::::}　ﾌ-､｀ｰ┴‐- │
　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!　　　　　　　　　「第三の苦難？」
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|


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564： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:56:23 ID:vmPyY7jQ





。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ::::::::::::::弋_,ﾉ:::::::::::::丶
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　 　,/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::,ヘ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _,／i
　　　　　　　　　　　　 lヽ　/::::::::爪─ﾍ:::::i─ヽ::::::::iﾍ:::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　 l:::::｀'::::::/l i レ─＼!─‐＼:::i'-ゝ::::::::::::::::::/
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　　　　　　　　　　　　　　Y,へ/,/ i.　　 　 ､＿,,,　　 ゝ_　＼:::::＼
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　　　　　　　　　　　 　 　 ヽノ/　/　 　 　 ＿　　-ゝ　 /ｿ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　「最澄とともに唐へ渡り、この年に最澄より遅れること一年、帰朝した空海の存在がそれだ」




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565： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:56:38 ID:vmPyY7jQ




　　　　「空海は帰朝するも、大同四年（809）まで京への立ち入りが許されず、

　　　　　　　平城天皇により帝位を譲り受けた嵯峨天皇により、ようやく京へ戻ることが許された」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ"　/
　　　　　　　　　く>　　　　　 ,ｨ　　　　　 ／　　 /
　　　　　　 　 　 く>　 　 　 / |　　　　 /　　　　|
　　　　　　　　　　く>　　　/　 ＼　　 / 　 　 　 ＼＿＿＿ 　 　 ∧
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　　　　　　　　　ｰ┐r‐rﾍ, | 　 　　　　　　　　　　　　　　　　 V 　 |　 ｲ
　　　　　　　　 f⌒　ﾄ､ く　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／/
　　　　　　　　 乂＿rへ,_〉 ヽ 　　　　 　 ／/　,イ　 /――-､ 　　／
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　 　 　 　 　 　 　 /　 lﾆィ　`ー--r-r'´￣｀ヽu /イ￣｀＼　/⌒Y＾V
　　　　　　　　 　/　　　　 　＿_／,ィ|　,ﾆﾆﾕ_ 　,ﾆﾆﾕ　　 V/´y
　 　 　 　 　 　 〈　　 　 　 / ＿／/ハi!`ー“　　 `ー“´　　ﾚ /
　　　　　 　 　 　＼ 　　　/ /　／/ ＿|ilili　 `ｰ　　　 u　r-イ
　　　　　　　　　　　＼ 　 V　/　/　|　 ! 　 r＿　　 　 ,才「￣￣￣￣rへ、
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.

566： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:57:01 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そしてその直後から、

　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　 空海が身につけてきた真言密教が
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |　　　 各地に燎原の火のように広がっていく」
　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　 ／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{


　　　　　 ／: : : : : ,r,,､ｬ : : ヽ : : : : ﾊ
　　　　 /: :/: : :/:/　 'ﾍハ: : : :＼: : : ﾍ
.　　 　 {: :/: : :// 　 　 || 　ヽ: : : ﾍ: i: : ',
　　　　|:/: : :.ｲ/　　　　||　　 ﾍ: : : ∨: :ﾘ
　　　 /:.ｲ: :,ｲ/　　　　 .||　　　 ﾑ:ﾄ: ∨:.i
　 　 /:'ｨi: :/」_≧､_, 　 ,､L-ｯ≦､ ∨: i: :|
　 　 i/ ｲ: ハ 爿ﾘ｀　　　 '　ぅり｀7〉ﾍ:∨
　　　'　',|/ﾑ　 ｰ'　　　 　 　 ｀´　/'ノﾉﾄ､　　　　　　　　　　「でも、最澄も同じように密教をもって帰ってきてたんでしょ？」
　　　　　 ｰﾊ　　　　 '　 　 　 　,/=': 7/
　　　　　　 }: ヽ　 　 -‐- 　 　,ｲ/: :/:{
　　 　 　 　 !: : :＞ ､　　　／|: /: :,ｲ: |
　　　　　 　 |: : : :ハ ｀　´　 ﾉy: : /: : |
　　　　　　　|: : :/. .,ﾍ　　／. .i: : ﾄ､ : |
　　　　　　,-| : /|. ∧〉=ﾍ. ／|: :/ゞ､｀ ､
　　,-､≦´ -|:./. |. 〉/乂乂. 〉|:./. .≧　　＞､



.

567： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:57:26 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　 「その通り、だが、空海が持ち込んだ密教は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　 最澄の持ち込んだそれとは比べ物にならないほどクオリティが高いものだった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　 {/,/ i ,ｼ　/　//! i! 　 　 i　 i　 i ､l l i　　 　 i i i i!
　ﾊri|　!/ ./　// i ./　　　入　!､入入入 　 ､　! ! ! !
-=シ／ ./　/ '＿!/　　　　　＼!＼ ＼ ＼ ＼＼!i i i　,.ノ
　,γγﾍ =r´￣二ニﾍ＿_,ｨ=＝＝=､、丶＼ヾｨ‐､＝´、
　{ { { { (} ､i!　´.｛iﾄ_ﾉ　｝テ{i.　´!¨打= ヾ､ｼ!i!i'γ⌒ヾ、ヽ
. 入ヾ入ソ人_.　 ￣ 　ﾉﾉ .|! 　 ｀＝ﾟ' ノ.}/ :ﾄ{ { {{()｝｝}l l |
　 ＞‐一＜ili i￣　 ￣´,　 ゝ、　　 　.ノ 　 |ﾄヾ､入ｼﾉﾉ ﾉ
　/ /⌒/ヾ､ﾉ l　　　　 ヽ　　　　￣　　　　ﾉ!lil>ｰ一＜ <
　! i｛｛{{ilili}｝ﾉ/l　　　　 ー 一　　　　　 .／lilγ/⌒､ヾ､ilY
　l 入入ソノ//ヘ　　　　ー　　　　　 ／ 　.!i｛ { {{{{ )) }ilili
-入ニ三シノr'¨´ lヘ　 　 　 　 　 ／　　　!､入ヾ､ｿ ﾉｼ::! _ｨ
::::::::::::::::::{:: /､ヽ､.ﾉ 　 丶　　　 イ;;'´ 　 　 |ノヽニﾆ/:::::;:ﾊ r'
:::::::::::::::::ゝ/　 ヽ_ﾆr'｀ﾆ- ＝≦≡'-‐ ' ¨ ´＞イノ:::::::::/::::i!l
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　「最澄が持ち帰ったよりも更に深い密教の奥義を持ち込んだ空海は、

　　　　　　　　　　　　　　　その結果、諸々の才を含めて嵯峨天皇に愛され、その寵愛を受ける」



.

568： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:57:53 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「自然、朝廷や帝、そして世の人々の関心や帰依心は天台宗から薄れ、真言密教にうつっていく」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　　 --　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　 　 　 　 　 ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／/　 　 ／ 　 　 /　/ / ＼＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　/　　 〃　　　　 ｉ　 | :|　　 ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ 　 　 |　　　　ｉ|ハ　| :| 　 　 ‘,　 ミ=ー
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ′　　 　 , | 　 i　|从丁¨ヽト､　 　 |　ｉヽ
　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 　 ,斗|　　|斗ぐﾑ心＼ヽ.　　 |　|　',
　　　　　　　　　　　　　　　|　l　　 { ,r┤　 | |人 ｀ヾ゛　｝_Ｖ⌒ |　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　 ∨┤　 | |＼　ー‐ ′（ﾘ｀Ｙ∨ Ⅳ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',　　　, У|　　| |　　　　　　 ´|彡　 | ./
　　　　　　 　 　 　 _＿＿ 　 ',　/／　 |　　| | 　 　 , --ｧ 　 | 　 |/
　　　　　　 　 　 　 ＼　　ミメ∨　　　 |　　| |　　　　ｰ　 ｲ　| 　/
　　　　　　 　 　 　 　 ）＿,彡厶-――iハ、 ! ＼　 __／　ﾘ .| ./　　　　　　　　　　　　 　 - ､
　　　　　　　　　, ＜￣￣｀Ｖ　　　　　/　 .ハ　/ー┐　／　:|/　　　　　 　 　 　 　 　 ／ ／
　　　　　 　 　 /　　 ＼　 　 ｀　､　　　　∧ ｝/　「　|　　 　 /　　　　　　　 　 　 　 ／ ／
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　　　　　 　 /　　　 　 　 :.　　 　 　 ヽ/ 　 　 Ⅵ'＼j ＼ 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 ＼i__|￣}、
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 :. 　 　 　 　 　 　 　 ｛　　　 　 ｰ‐ ､ 　 　 　 　 　 /　 　　_＿）//
　　　 　 　_j　　　　　 　 　 }　　　　　　　　　　 ‘，　　　　　　 ；　　　 　 　 /　___／｀ヽ彡
　　 　 ／「￣　　 　 　 　 /}　　 　 　 　 　 　 　 ‘，　　　　 　 |,　　　　　 / ￣｀ヽ__ ノ
.　　／ ／｝　 　 　 　 . : ｲ彡　 　 　 　 　 　 　 　 ；　　　　　　| ',　　　　/　　　　　 ＼
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　　　　｝ 　 く＼　　　∧　　　ヽ . . : : : : . .　　　／｝　 　 　 　 l 　‘， /　　　ー―イ
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／厶-≠===ｧー‐才　 　 /ー/三三三三三三三三》 : : : . . /　　〃　　　　 　 　 |
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　〃 　 　 /　/ 　 　 　 人: . ｛｛────────{: :.　　　l 　/ :| 　 　 　 　 　 ；
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_人.　　　＼　∧　 　 ＼__＿＿_彡′ 　 　 　 　 　 〉 　 　 　 }　＼　　　　 　 ／

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　「最澄と、生まれたばかりの日本天台がこの苦境を乗り越えるにはどうあるべきか。

　　　　　　　　　　　　　　最澄の考えはただ一つ、内省と修養と、そして研究をもって、

　　　　　　　　　　　　　　　天台宗門を確かなものにする以外にない、というものだった」



.

569： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:58:17 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「この時最澄は四十歳。

　　　　　　　　　　　その後天台宗門の確立のために費やした時間は足掛け十年にも及ぶ」


　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |



　　　　　　「これまで、最澄の人生は順風満帆と言ったところであったが、

　　　　　　　　　　　これ以降はひたすらに天台と信仰のための戦いが彼の死までやむことなく繰り返されることとなる」



　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|　　　　　　　　　　　　　「波瀾万丈ね」
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉

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570： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:58:34 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　_...-..-.._ 、 ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　／
　　　 ＿_｀ヾ､.|ﾉ　　　　　　　　人　　　／（
＞.'.". . . . . .｀.`.丶､　　　　　　　 ｀YY"　（
三三三三三三三三' 二二二､ヽ　　　　　て
三三三三三;三;三;三三＞: : :ヽヽ　　　　て
三三三三三三三三三三＜: : : :.ヽ',　　 （
ヾ三三三三,,ィ'"""ヾ､.三;;`: : : : : :ｌ,.从, （　　　　　　　　　　 .＿_　＿_　＿_
　|三三三三l| 　　　 |l|. .u..',: : : : : :,'　　　＼　　　　　　　　 ./ 　//　 //　 /
.ノ'三三三ミヾ、　　 ﾉつ三;l: : : : :/　　　　　　　　　　　　　/ 　//　 //　 /
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .!　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　「ことに強大な敵は、自分を絶望させた既存の奈良仏教の勢力だった。

　　　　　　　　　　　　　天台の教義は、それまでの仏教界の教義と激しく争わざるを得ない

　　　　　　　　　　　　　　　　水と油のようなものであり、南都六宗悉く敵となる」



.

571： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:58:49 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「南都の僧も、かつて自分たちが力を貸したことにより
　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　法典を備することができた比叡山の最澄が、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　 今は自分たちに堂々とそむくさまを見て、怒り心頭だ」
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　 f¨¨¨ア　　　/　　　 |　　　　　　/　　　＼　　 ＼
　　　　　 　 l　　 　 ′　　　|　　 　 　 /　　　　　}　　　　 ､
　　　　ｌ　　｜　 　 ,　　　　｜　 　 　 ,　　　　 　 |　　　　　＼
　　　　|　　｜　　 ,　 /　　　,　　　　/　　　　　　,　　　　　　 /
　　　　|　　｜　　 {斗ｬ允― ,　　　/ ＿＿　 　/　　　　　　/{
　　　　|　　｜　　 | ｉ|　　/　八 　 /　}　　/ ミｔ､　 　 　 　 /　,
　 　 　 ,　　i|　　　|　,x笊示ﾐ　,　,'　　イ云笊x　 　 　 　 / 　i}
　 　 　 { 　 i|　　　|i〈 hr (　　　V 　 　ぃし(　 )〉　　　　／ 　 ,
　　　 　 , 　 ,　　　{　 ゞ= '　　　　　　 ゞ==ｼ /　　　 ／　　 /
　　 　 　 ，　,　　叭　　　 　 ,　　　　　　　　/　　　//{　　 /{　　　　　　　　　「裏切られたって感じでありますか」
　　　　 　 ， ‘，　八 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 {///7 /　,
　　　　　　 ,　　,　　　　　　 　 ｀　　 　 　 /　　 ／i{///ア
　　　　　　 ‘，八　 {　l　.　　　　　 　 　 / 　／　∧⌒',　　　,
　　　　　　　 ＼{∧ l　|　 ＼　　　ィi〔=,/ ／/　 //∧　〉　 　 ，
　　　　 　 　 〈// } ＼i!　　 /爪ニﾊ,　/ｨ　 ,　　{∨//7∧
　　　　　　/ 　^　,　　/ﾆﾆ〈 ,//笊ﾆ{／　 /! 　 |i ∨///∧
　　　　　 //二ﾆ/　 /ニニﾆﾆ{ {} }ﾆ≧≦ﾆ|　　|≧s。/,／　　　‘，
.　 　 　 　 {二=/　 /ニニニニニニニニニ|　　|二ﾆﾆ≧s。
　　　　/　 |二/　 /⌒⌒TT⌒‐=ﾆニニﾆﾆ|　　|二ニニﾆﾆｉ　　 　 ＼
　　　 /　　|〉/　 /{　　　 | ｌ　　　 /i　　 　 i|　　|二ニニﾆﾆ|　 　 　 　＼
　 　 ,　　　{/ ,／― ＜　i! !　　 /　! ＿___ i|　　| /＼二二_|　　　　　 　 ＼


.

572： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:59:01 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ところで、奈良の仏教徒はどういう感じで

　 　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　違ってたんだお？」
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「大乗仏教であるという共通点はある。

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　だが、その大乗仏教の中でのあり方が
　　　　　　　　　　　 -｀ 　⌒　ヽ､_　 　　＼
　　　　　　　 　 　 　 ´ 　 ●）(● ）　　 　 |　　　　　　　　　　　　　決定的に違っているんだ」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i


.

573： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:59:22 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　「果たして大乗仏教の本質は一乗であるか、三乗であるか」



　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　　「南都は三乗といい、最澄は一乗という。
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐　　　　　　　　そのあり方は完全に道を違えているんだ」
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |




azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 一乗と三乗 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /　　　『乗』というのは『のりもの』の意味で、仏教の教えを衆生を乗せて海を渡る船に例えたものです。
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/　　　　最澄さんが主張する一乗は『衆生は皆仏性という一つの乗り物の上に乗っている』という考え方で
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　 衆生一切仏性を持ち、皆さん仏様になれるという教えです。
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　　　 奈良仏教の主流である三乗は『あらゆるものには事実として差別があり、それ故仏になれないものも存在する』
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　　　 という考え方です。
:::::/:;' /⌒ヾヽ
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　　　　三乗でいう『差別』は次のようになります。
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　 一、声聞乗。仏法や教義を聞くことで悟りに至る道。
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　　　　一、縁覚乗。自分自身で悟りを開きますが、他の人には教えることが出来ない道。
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　一、菩薩乗。自ら悟り、衆生にも悟りをもたらします。
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿　　　　 この一乗と三乗の論争は『一三権実の争い』とか『三一の論争』と呼ばれ、
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　特に最澄さんと徳一さんという方の論争が有名です。
.:l/: : : : : : : :.〉　　　　　　 ちなみにこの一三権実の争いですが、最澄さんがなくなった後年も続けられ、
. ── 　 ＜|　　　　　　　約三百年の間繰り返されることになります。
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

574： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 00:59:43 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「一乗か、三乗か。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_　　　　　　大乗か小乗（上座部）か。
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）　　　　　　 顕教か密教か。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜　　　　　　　　新しい時代の新しい仏教の形は捉え難く、
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　 古びた奈良の僧から見れば化物のように見えたことだろうな」
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　　　　　// ヽ ヽ　　　, -‐　　- ､
　　　 　 | i　　＞　`Y´////////＼ヽ
　　　　　|:i　///,ヘ　∨ ＼///////＼ヽ
　　　　　|i ////　　〉-‐'´⌒ヽ///////＼ ヽ　　　　　　　　　　　「でも、新しければ正しいというわけでもないし、
　　　　　ﾚ'///　／　　　　　 　＼//////:ヽ　
　　　　 　///:ﾚ' 　　　　　　　　 __＼//////Y　　　　　　　　　　　　　　気をつけないといけないわよね〜」
　 　　 　////{　　　　　　　　／　￣ Y/////|∧
　　　 　 i///:| 　 _＿　　　　　,ｲ丐`ヽi/////|//i
　　　　　|//∧ / ,.= ､.　　　　 弋ﾘ　仆//////|∧
　　 　. 　|///∧ 仍ﾊ.　　　　　　　　　N/////|/∧
　　　　.　∨//∧`ｰ'　 　 ､　　　　　　　|////N//∧
　　　　　　∨//∧　　　　　　 ._　　 　　|///////..∧
　　　　　 　 ＼//ｒ-､　 　　'´　　　　　　 ////////∧
　　　　　　　　 `Yゝ ,'Y⌒ヽｰｒ､　　　　 /／///////∧
　　　　　　　　　 |::i´　 (_ ノ_丿 }-‐ 　 / ＿////////∧
　　　　　　　　　 |::.|　　入フ ｰ iＴＴＴＴＴＴ 7////////∧
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　　　　　　　/　　/　 　 　/　|　 | 　|　 | 　|　 |　ヽ 　ヽ////}
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575： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:00:03 ID:vmPyY7jQ




　　　「日本仏教界の未来が最澄の両肩にかかっていたという歴史的な事実とその意義を、

　　　　　　　　最澄は自覚していたのかは定かではない。

　　　　　　　　　　ただ最澄は自らが求める仏教のために全身全霊を捧げるだけだった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　|ﾄュ､,rィ|　　　　　　　　　　　　　 ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　.＿
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l'"　　　|　　　.`l ||　　　　　　　　　　　l'"￣　　￣`i''"￣＿￣`l
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　,-イ　.|| l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| .三三三　 | 三三三¨ .|
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　 ∠ゞ-|　 || l, -‐ '"´｀` ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　 .| .三三三　 |　三三三　|
　||--､|rｲ|　　　　　　 ,／　ノi　.|　　　　　　　　　|| l'"　　　|　　ヾヽ||,ｨ　　　l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　ヾヽ .レ/　　　　　　 || l.il | .|　.|　　　　　　　　 _!! -‐'"￣￣｀`ヽ}.ﾚノ　　 .iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　　　　　　　　　　 || l.il | .|　.|　　　　　　 ／　　　　　　　　　　｀ヽ　　　 ﾞ￣￣　　　＿　　　￣　＿
　　　┌ ､　　　　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　 ./ｲ.{.{{ { { λﾄ､ヽ　　　　 ﾍ　　　　　　l'"￣　　￣`i''"￣＿￣`l
　　　│　｀`ヽ､　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　/　 {|.ll {λ{,⊥ﾍﾍ　　　　　}　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　　　│　　　　｀i　　　|| l.il | .|／　　　　　　　　 　 ﾄ{　庁}-トrヽ　　　.}　　　　 　 | .三三三　 | 三三三¨ .|
　　　│　 ヾﾆ`ヾ¨ヽ　|| l.il |ノ　　　　　　　　　　.i'" .{,ﾉ少　| |ノ　　　.,'〃　　　　 | .三三三　 |　三三三　|
　　　│　　 　 ヽヾ､ﾍ !!¨￣　　　　　　　　　　　 ﾞ､.__　　　 | |　　　ノ〃　　　　　.l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　　　│　　ｬ‐-'　　　 ｀ ､　　　　　　　　　　　　　 ヽ__, ｬ‐ .| |__∠ｽ《ヾヽ　　　　.iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　│　　.＞ー-.､　　　 _ソ＼　　　　　　　　　　　 _r--} r-ﾚﾞ-|ヽ　ヽヽゝ　　　ﾞ￣￣　　　　　　　 ￣￣
　　　└ ''"´. 　　　`¨´ソﾞ　　　＼　　　　　　　　, ＜ﾑ　.! ﾊ＿_ゝ､ヽ　.ヽ
　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　＼　　　　, ＜　　　{ソ"¨　　　　 ヽ､　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ＼, ＜　　　　 {//　:::::::::::::::::::::::::ゞヽ:::::::::::ヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　　　　　　＞ﾚ/　 :::.､　　i'ﾍ＜ .ヽ　ヽ　　∧ :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ＞.´　 {::{　　:::ヽゝ. '､.ﾍ　 .,.ヽ,､.∨　 .} :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ＞.´　　　　|::|　　:::　　　ﾍ ﾍrﾍ.ﾍﾍヾi　　 } :::
　　　　　　　_　ト､ ﾄ､λ　　　　　　　 `'ﾞ　　　　　　 |::|　　:::　＿　 } .ﾍ ﾍノ'ﾞﾍヽ　.ﾉ :::
　　　　　　､_|｀` -､ヾ.} .} /}., --┐　　　　　　　　　 |::| 　 ::: （＿_￣　　`ﾞ　_,.ｲﾍノ　.:::
　　　　　　|　｀`ヽ､　ゞlﾉ.彡三三三_　　　　　　　　 |::|　　:::　　　￣i`ｬ'"ﾆﾆ_,ﾉ　}.　 :::
　　　　　　|　　　　｀`rュ`───-┤　　　　　　　 .∨　　::::::::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::ソ:::::::::::
　　　　　　|　　　　　.|　|　　　　　　.|　　　　　　　　　{　　　　　　　　 .`┬─-'ﾞ
　　　　　　|　　　　　.|　|　　　　　　.|　　　　　　　　 〈　　　　 .__　　　　」
　　　　　　｀`ヽ　　　.|　|　　　　　　.|　　　　　　　　　,}｀ヽ'"⌒i::i￣`'"¨}:}
　　　　　　　 　.｀`ヽ､|__|＿＿＿＿_|　　　　　　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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576： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:00:18 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「同じ唐帰りとはいえ自分よりも若く、

　　　　　　　　　声望も遠く及ばぬ空海に向けて辞を低くしてその教えを請い、灌頂をうけたのも、そのためだ」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-------､
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　　　　　　　　　 j／　　　　　　　＿_r≡ｲ＿__　　　　　　　 ヽヽ
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〈　　　　　　　 ヽ 　 !::::::∧ ヽ !　　:|::i　　 i　:! :! | | |::::::::::!　　／ ＿_　　　　ヽ. 〉
　ヽ　　　　　　 　＼ V:::::∧　:ﾄ、　:! |　　 |　| :|// :|:::::::/　／￣　 　 　 　 　 冫
　　＼　　　　／￣ ヽ＼___」　| ﾄ、 ! |　　/ / /j/ :/___/／￣ ＼　　　　 　 ／
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　 　 　 　 ＼＿/　　 　 　 　 　 ＼　　　　/　 ノ　,.　　　　 r 〉_,.-┘
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.／＞ ＾＼＼}　＞‐ ､- ､ -‐　 ´
　 {　 fい. ｀::::´rぃ　 } Y:.＼
　 ｀　-―　､=, ｰ- 　 / Y⌒ヽ
　 　 　 　 　 　 　 u /y. !＼
　　u 　 ∠二二ヽ.　!ﾉ /
　　 　 /ｰ＜⌒ヽ_}　レ′
.＼　　{ー―‐　'シ 厶　-＜ヽ-――
　　　 　 ￣￣　 イ 　 　 　 ヽ ＼
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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577： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:00:38 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝::ヽ
　　　　　　　　　　　　　,.　----＝ミ､ヽヽ　　　　 　 　 　 　 　 _ ......... _ 　 /::::::::ﾍ　　　　,ｨ
　　　　　　　 ､＿＿／　　　　　　　　ヽ}ﾉ.　　　　　　 　 　 ／:::::::::::::::::::::｀′:::::::: ;　　 ／:ﾊ
　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　ヽ｀ヽ　　　　　　 ,ｲ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ....イ::::::::::!
　　　　　　　　　 冫　//　 / ヽ　 i 　 i | 　::　 　 　 　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j
　　　　　　　　　/ / :|」 -‐ト　 }-┼‐ | | 　 i　　 　 　 ,ゝ:::::＞-ー＝TTｰ￢::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　|ｲ :/! | ﾄ､! ヽハj Vj/!/　　|.　 　 　 /／く＿二ニ＝V＝ニ∨廴_ :::::::::::く__＿
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　　　　　　　　　 　 |ハ　　　　　　　　 |　 .,'.　　　　　　 　 ∨::::::::::ゝ | |i　　　　　ゝ
　　　　　　　　　 　 | :八 　 ー 一 　 , !　/.　　　 　 　 　 　 〉ﾊ小/　| |:! 　 　 - ′
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　　　　　　　　　 　 ＼Ｎ_」 　 　 　 !j/j/　　　　　　　　　　　/＿＿　￣ ￢￣
　　　　　　　　　　 -‐＜　　、　/　　＞‐-　､._　　　　 　 ／::i　　　　￣ _￢- 、
　　　　 　 _,.　 '´　　　　＼‐`　'‐／　　　　　　　 ヽ.....　/:::::/　　　　　 /::::::::::ハ
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　　　　　　　　　　　　　「灌頂を授けられるということは、

　　　　　　　　　　　　　　　言うまでもなく空海の弟子になるということを示すことだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　だが最澄自身は密教を学ぶために灌頂を受けることが肝要であり、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　そこに空海への感情はなんら介在するものではない」


.

578： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:01:53 ID:vmPyY7jQ



　　　　 「空海の方でも

　　　　　　　　 平安仏教の第一人者であり名声莫大な最澄を弟子扱いして、自らを誇り慰めるのではなく、

　　　　　　　　　　 ともに仏の道を歩むべく灌頂を授けた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。




　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _＿__
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　　　　　　　　　　　　　 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::/!::::::::/!::::::::/''"´￣　　　_jヽ::j
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　　　　　　　　　　　　　___／::::::／ラ／ﾍ｀メ、　 /:∠イにヾ　j:/ }ソ /
　　　　　　　　　 　 　 　 　￣ ´ﾉ／　 ｲﾍ 弋）　′ 　_ゞ=イ　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　.イ　 ト￣ 　　　　　　　　/ヽイ;ゝ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　／ /　 /　ﾍ　`＿　　 　 　 ′　トゝ
　　　　　　 　 　 　 　 　 く　　／　 / 　/　　 ヽ　　 ｀ 　 ／ 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ´ 　　/ 　/　　　 　 ヽ __,.イ--ｰ─‐┴-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ/　　　　 　/　 /´　　　　　_　＜｀ ー―イ７´￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 / 　 _ ,.､＜::::::::::::::::::::７/／｀ヽ　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,,,､r──‐＜::｀ヽ／´::::::::::::::::::::::::::::::::///　　 　',　　　　　i
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.

579： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:02:17 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　 「そうであったからこそ最澄と空海は後年、

　　　　　　　　　　　　　　　　 自らの信仰のあり方によって袂を分かつことになった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　 　 　 ／!　　　　,.ィ/　　　　　　　　　　　　　　 _　　 --　　 _
　　　　　　　　　　　　　 /:::::ﾍ 　 ,イ::::::{___　　　　　　　　　 　 　 ´　　　　 　 　 　 　 ､
　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::ﾍ/::::::::::::::::::::｀＞:..._ヽ､　　 ／/　 　 ／ 　 　 /　/ / ＼＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:ﾍ. /　/　　 〃　　　　 ｉ　 | :|　　 ヽ ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 V:::::::::::::::::::::::__＿＿＿＿_::::::::: /　/ 　 　 |　　　　ｉ|ハ　| :| 　 　 ‘,　 ミ=ー
　　　　　　　 　 ﾄ､、_＿∨::::::＞''"´　__＿＿＿__ ｀"　′　　 　 , | 　 i　|从丁¨ヽト､　 　 |　ｉヽ
　　　　　　　　　ヾ:::::::::::::::::/　　, ＜:::::::::::::::::::::::::::｀＞ﾞ|　i　 　 ,斗|　　|斗ぐﾑ心＼ヽ.　　 |　|　',
　 　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::〈 ／（　∨::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ|　l　　 { ,r┤　 | |人 ｀ヾ゛　｝_Ｖ⌒ |　}　 }
　　　　　　　　　　　__＞:::ノﾍ∨ﾉ　}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'. !　　 ∨┤　 | |＼　ー‐ ′（ﾘ｀Ｙ∨ Ⅳ
　　　　　　　　　　　　￣´ｊ　 i　{_ノ∨::::::::::::::::::::::::::::::::...',　　　, У|　　| |　　　　　　 ´|彡　 | ./
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　 　ヾ:::::::::::::::ﾞ_＿＿ 　 ',　/／　 |　　| | 　 　 , --ｧ 　 | 　 |/
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　j∨ヾ∧:ﾄ＼　　ミメ∨　　　 |　　| |　　　　ｰ　 ｲ　| 　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼..ｲ.___∨-ﾍ!-. ）＿,彡厶-――iハ、 ! ＼　 __／　ﾘ .| ./
　　　　　　　　　　　　　 __.......,,,,,,,,,,/__＿＿, ＜￣￣｀Ｖ　　　　　/　 .ハ　/ー┐　／　:|/
　　　　　　　　　　　_..ノ=ｰ 、　 ,､:＜三.　/　　 ＼　 　 ｀　､　　　　∧ ｝/　「　|　　 　 /
　　　　　　　　　　/⌒ヽ ／ ﾍ　Ⅵ三三./　　　　　:. 　　　　＼ 　 /　 Ｌ{ヽji　 |、
　　　　　　　　　 ,'　 　 ∧　　 l　Ⅶ三 /　　　 　 　 :.　　 　 　 ヽ/ 　 　 Ⅵ'＼j ＼
　　　 　 　 　 　 i　 　 ,'　ヽ　　l　i三三三三三三三ﾞ:. 　 　 　 　 　 　 　 ｛　　　 　 ｰ‐ ､
.　　　　 　 　 　 l　　 ﾉ;／　ﾍ　l　弌.._j　　　　　 　 　 }　　　　　　　　　　 ‘， 　 　 　 　 　 ,
　　　　　　　 　 l　／ヾ ／　 i....　／「￣　　 　 　 　 /}　　 　 　 　 　 　 　 ‘，　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　 ／　／}′　 ij..／ ／｝　 　 　 　 . : ｲ彡　 　 　 　 　 　 　 　 ；　　　　　　i　 '
　　　　　　　　ヽ／　/ 　 　 i!. ／　/　　　　 . :.／ ∧　　　　　　　　　　　　　|:　　　　 　 |　 :｝
　　 　 　 　 　 / 　 /. 　 　 ／　　/ 　 　 　 　 　 /　 ＼　　　　　　　　　　　 |:　　　　 　 |　　i
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　 「ところが後の世に残った愚鈍な凡夫が最澄と空海をダシにして、

　　　　　　　　　　　　　　　　 自らを飾り立てる道具にし、優劣を競っておぞましく争うことになる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 醜悪を通り越してもはや滑稽と言うしか無い」



.

580： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:02:30 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「最澄は、それまでの奈良仏教から遥かに逸脱した天台独自の戒律と仕組みを経典から編み出し

　　　　　　　　　　　　　それを朝廷に公認してもらうべく上奏する」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　-‐　 ￣ 　 ﾆｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .＞'’　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ､_＿　,.ｨ´　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ーｧ　　　　　　 　 　 ﾍ　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / 　 !　　　　　　　　　',　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 !　,　l　 i　l　',　　 　 　 ',._ 　 　 　 　 !
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l/l　 i ﾄ,ﾍ､ｰ ｭ､ 　 　 　 irヽ　　　　　l
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l　 iヽヘﾄ,寸ﾑl!　　　　i>.ﾘ　　 　 iリ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l i.ハﾍﾍl　!ﾏｲﾍ　　　 lﾋﾉｬ, 　 　 ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ　l 　ハl　ﾞ'　l　　　l:l´　 ヽ.　　l
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾏ .ﾄ,　ヽ､＿,　li　　iﾘl　　　 lヘ_j､ 　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾍハ　　ヽ´ 　Ⅵﾘ.l　 　 ／ｱﾍ彡≦一´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　iハ _.ｲ .ﾄﾘ　 ／ , '　.ｨﾑ. ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　l 　 Yrｲ'’　, '　.ｲ　　 ∨ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Vﾍ!　_/,lﾊﾍ., '　, '　　＿　∨ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾊ　　　　　　　　 　 　 _.ノ//〈/.ｲ　/　.ｨ ´　　｀ Ⅵ.l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 'ﾏ,　　　　　　　　　.ｨ'’ /./く/i 　 / /.　　　　 　 l　l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .r ､ｰlﾊ 　 　 　 　 　 /i　 〈.ｲ// ヒ'’. ,'　　　　　　　l　l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .ｲ　ﾍ'ｰ l　　　　　　　'　!　ノl'./　　 > .i　　　　　　　 l　l!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅵ.　i　 l　　 　 　 　 !　;　! y'　 .ィコ　l　　　　　　　 l　ﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 　 Y　　　l　　 　 　 　 i　:　i/　／ i　　 l!　　 　 　 　 .i　ハ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝ.　　.〉､　　　　　 l　!/　, '　　l　　 l.ｨ .ｲ　 　 　 ﾘ!　　l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〉／ /＼ 　 　 .ｲ! il .ｲ　　　i 　 .ｲイ　　　　　ｲl　　 l!
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l<　./ ＞.ﾍ　　 l　Y!ﾉ　　　　　　l.ソ　　　　　　ﾊ　　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ／ィ　　 ヽｰ 〈　 l.i l　　 　 , 　 l'　　　　　　　l　!　i .!
　　　　　　　　　　　　　　　　 i´丶 .ｧ　 　 !l　　｀ヽ'､ _　　　i　　l　　　 　 　 .ﾉl　l　l .l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ ノ　　,ﾍl i　　　　　　￣　｀丶.i＜､　　 　 '　l　lﾉ'! .l
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　./　.!o!　　　 　 　 　 　 　 ｀` , 　 　 ,　 l　l　l　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾉ ノ’ 　 Y'ﾏ,'ﾏ,　　　　　　　　 　 　 　 /　 l!　!　i　!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / /ノ　ヽ､　 l､　'ﾏ,'ﾏ, 　 　 　 　 　 　 　 /ヽ　 〉 　 |　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V´　　　　＼　｀≧ｭ､.　　　　　 　 　 　 /　　 ハ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.

581： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:02:41 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　 ／　　　⌒　⌒
.　　　 　　　 　 ｜　 　 ( ⌒) (⌒)
　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　「三度に渡って上奏されたそれは、
　　　 　 　　 　　人､ 　　　　　 |
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ 、 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　それぞれ六ヶ条八ヶ条四ヶ条より記されており、
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、　　　　　　　　　　　　　　　　 これらを総括して今日では『山家学生式』と呼ばれている」
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ 〉:.;〈ヽ ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　 く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　 ヽ 　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　.´: : : .　 ' : : :　　　　　 ＼ 　 '';;;::|　 ,|　__| |
: : : : .　　.γイ: .　　　　　　 ' .,　 ':;;:|　 l、__j.|
.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 山家学生式 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　『さんげがくしょうしき』と読みます
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　 一番初めに書かれた六ヶ条では天台学生の修養の要項を六ヶ条にまとめたものです
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　 二番目に書かれた八ヶ条は、最初の六ヶ条についての細則、細かい取り決めなどです
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　 最後の四ヶ条は、南都六宗さんと天台の戒が違うあり方であるべきだということを、
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　 大乗小乗の違いから説く内容になっています。
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　 なぜこの六ヶ条と八ヶ条が必要なのか、という説明ですね。
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

582： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:03:03 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そしてもう一つ、最澄には生涯の念願があった。
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_　　　　　　　　　　　南都の仏教から完全に切り離された、
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）　　　　　　　　　　　 独立した戒を授けるための新しい戒壇――大乗戒壇の建立がそれだ」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　／　　 　 　＼
　　　　 　／　─　 　 ─　＼
　　　　／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　|　 　 　 （__人__）　 　　 |
　　　　 ＼　 　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　　　　　　　　　　「戒を授けるという立場を奈良だけに独占させといてる状態だお？
　　 　 /⌒ヽ　 　ー‐ 　 　ｨヽ
　 　　/ 　　　 　,⊆ニ_ヽ、　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　そりゃ反発食らうお」
　　　/　 　 ／　r─--⊃、 　|
　　　|　ヽ,.ｲ　　 ｀二ﾆﾆうヽ.　|


.

583： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:03:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　「最澄自身はかつて東大寺において受戒を受けたが、

　　　　　　　　　　　　　　それは『具足戒』と『十重禁戒』の戒律を二つながらに護るということを誓うための儀式だ」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　 　/!　　 . 　 ‐‐ -　 　.,
　　　　　　 　 _{ ヽ／　　　　　　　 　＼＿＿
.　　　　 　 　 ヽ〉　　／　　　　　　　 　 ＿ ノ
　　　　　　　　/ 　　　　　　　　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　 .′　　　　 　 　 　 　 |!　 | ｉヽ
　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　 　 　 |!　 | | |
　　　　　 　 ！ 　 　 　 　 　 　 　 / )　| |/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / /　 ﾚ
　　　　　　　　 ＼　　 　 , 　 　 /　|　　l|
.　　　　　 　 　 　 ＼　 /　　／　　|　　l|
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　／　├　1 　/
　　　　　　　　　　(￣}二{￣)￣`ヽ|／
.　　 　 　 　 　 ／￣/　 |￣￣￣｀＼
　　 　 　 　 ／　　 / 　 l|　　 　 　 　 `　 .,
. 　 　_,.　イ　　　　′ 　 |　　　　　　　　　/｀ヽ
　 　 | |　　　　　　ｉ　　　l|　　 　 　 　 　 /　 　ｉ
　 　 | |　　　　　　|　　　l|　　　　　　　 /　　　.|
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　 「最澄が天台宗の戒壇として望んだのは、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 鑑真伝来の『具足戒』をオミットし、『十重禁戒』の戒律のみを授ける戒壇だった」


.

584： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:03:34 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　「具足戒や十重禁戒についての詳しい話は省略する。

　　　　　　　　　　　　　　　仏教における戒律というのは時代や宗派や立場による揺らぎが大きく、多くの解釈が存在している」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　 ／　　　 ＼-一ヽ､　＿_ｒ‐- ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／　 　__,ノ　ヽ､_,７　　　　7 } : : : :＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ─)（─)/｀ ‐　　/ /: : : : : : : : : :｀ '' ‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　（___人__）‐-─≦／.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : :丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　└‐-､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　　　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　 　|　　　　　　　__,. -＜｀丶､.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ､.,ヽ., ___ ,__ノ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:ｒ´
　　　　　　　　　　　　 　 _ ,.-=〈:.:'､`ヽ、___ 　ﾍヽ:.＼: : : : : ､: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　 _＜ : : : : ∧ :ヽ　　 /:::ヽ 　Vヽ:ﾊ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　 , -‐ '´: : : : : : : : : : :∧､　∧::::::∧ l: : ＜:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_ｒ'´
　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ／: : l Ｖ　 !::::{　｀!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_､-‐''ﾞ´
　　　　　　 ｆ : : ヽ : : : : : : : ／ : : : : l　　 l::::::i　 l: : : : : /. : : :!.:.:.:／
　　　　　　 ゝ: : : i: : : : : : :〈: : : : : : : l　　｛::::::i　!: : : : /: : : : :l／
　　　 　 　 ｊ : : : : i: : : : : : : ヽ: : : : : : ﾞ､　!:::::::ｉ l: : : :./ : : : : :!


　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',　　　　　　　　　　「これが絶対の正解だってことは、
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |　　　　　　　　　　　　　　いいにくいということよね〜」
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


.

585： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:03:52 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「最澄が旧来の具足戒を受戒から廃止しようとしたのは、

　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　 かなり大雑把な言い方になるが
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)　　　　　　　　　　　　　　　『具足戒は小乗的な戒律だと解釈できる』
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　 ことがまず理由の一つ」
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　 　 ,.-、
. 　 　　　　 ／ﾞ(_ )､ 　 　 　 ＿＿＿
.　 　 　 　 （ _ノ"　i 　 　 ／ 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 ゝ、　〈　　／ 　 ―　　 ― ＼
　　　　　 ,〃 ﾍ 　 ﾄ／　 　（ ●）　（ ●） ヽ　　　　　　「つまり、大乗仏教の戒律じゃないんじゃね？
　　　 　 7　,　弋　│　　　　　（__人__）　　 |
　　　　　ｉ ！　　＼ ＼　 　 　 　 し′ 　　/　　　　　　　　　　ってことかお」
　　　　　ヽ ゝ､　　 .＞　　　　　　　　　_／
.　　　 　 　 ｀＞｀- ,_ 　 ,.-､　　　　　　　＼
. 　 　 　 　 〈　 　 　 ￣ 　´) 　 　 　　| 　 ﾊ
　 　 　 　 　 ゝ--― -､__.ノ　 　 　 　 |>　　!
　　　　　　　　　　 ｜　 　 　 　 ／｀''"　_／
　　　　　　　　　 　 | 　 　　　　 `く__, ｨ"



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586： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:04:09 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　「あくまでも最澄が打ち立てた天台宗の解釈においてでは、だがな」


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　「もう一つの、そして最大の理由としては『旧仏教勢力からの脱却』だ」
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l　　　　　　　　　　　　　　「それはつまり、今までの仏教勢力とは全く違うものだという証明として、
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|　　　　　　　　　　　　　　　　『異なる戒律を授けるための戒壇』を作ろうとしていたということ？」
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉

.

587： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:04:26 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「そういうことだな。キリスト教の洗礼も、各派によって異なる部分はあるし、

　　　　　　　　　　　　持つ十字架だって変わってくるだろう？」



　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　 ｜ 　　　（___人__）
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　 　 　 i　　　　　 　　|
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、 、___　　　|
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　 丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　 ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
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588： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:04:45 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 「そんな最澄の狙いを知ってか知らずか、山家学生式と大乗戒壇の建立の上奏を受けた朝廷は、

　　　　　　　　 はじめは無視していたものの、山家学生式最後の四ヶ条が上奏されるに至って知らぬふりもできなくなり、

　　　　　　　　　 南都の僧綱にこの一連の上奏を諮問した」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　 　 　 　 ||! |!　　|!l　　// ///　/,/　/,//j　　　　 　 ヽヽ ヽヽ　ヽ ヽ
　　　　　 　 l|! |!　 |!l＿ノ/ ///　/ノ　/ノ/ノ　 　 　 　 　 } ﾊ　',ﾊ　 ',　',
　　　　　 　 ﾔrl!斗宀≪=彡ィrf七云三三ミ ､__,〟, ＿ _ j/ ﾙ} ｝l}　 ｝　!
　　　　 ,ｨf ｢/ ,' /rぅヽ<ﾙ!ﾚ¨Ｙ] ｲ＾fﾐY´＾｢｀ ヽ:r=!乏三辷えトﾙ'}}!　/} ﾘ
　　 　 ;　　　　 ｛{ ） } }　 !,j　 {{{ ｀ ー'ﾟ一' " // ]:｢´{r{^_勹 　/〉ﾉ／ル'
　　 　 |　　　　　Ⅶﾉノ　ﾉﾉ!　 ヾヽ、＿____.ノ/　 ｌ:|　｀ ｰ‐'　 ///うヽミ=-
　　　　ヽ.＿、、ﾒ≧─く巛|　 　 ｀'ー―― '´ , , ヾ:､＿＿_ノ,ｲ}}〉〕} }}＾ヽ
　　　　　/'/　'//'//⌒ヽ Y!　　　　　　　　　 ｀‐"　｀ー一ｉ ﾄ､ﾄﾐ.__刀
　　　　 ;　　　　　{{））　 }ﾙﾄ､　　　　　　　 ＝￢　　　　 /| |/r/,.r‐く
　 　 　 ﾔ　　　　爪廴ノﾑﾘ ﾞヽ　　　　　　　ｰ-　　　　 /[|| |ﾚ'/}Ｙ:ﾊﾊ
　　　 　 ヽ.廴_从丈___彡"　　::＼　　　　 　 　 　 　 ,ｲ[||||弋｛ﾉ}川リ;
　　＿＿　　　　　　　/　　　　 ::::::ヽ　　　　　　　 ,.ｲ㏍㏍ﾄ廴廴.z彡'
／: : : : : ヽ｀≧=/ニニニニニIニニ ＼　　　　,r个ー一七弍辷≦_
:＼ : : : : :｀ー‐ｧ'　　　　　　　 | |　　 　 ｀ ー ´ニニニニf´:／: : : : : :｀ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　「この腰の重さは、やっぱ朝廷内で天台宗の影響力が下がってきてるからなのかお」


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 僧綱って？ 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　 仏教行政に関する一切の業務を執り行う役職です。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　　南都の僧のみなさんがこの職を務めていました。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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589： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:04:57 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「僧綱の反応は当然のように熾烈だった」



　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ




　　　　　　 「これまでは言ってみれば『僧になれるもなれぬも奈良次第』の部分があった。

　　　　　　 その既得権益を侵されるんだから当然の反応だな」



.

590： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:05:17 ID:vmPyY7jQ





。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 『一乗戒などその名も知らず』

　　　　　 rfﾆ､ヽ
　　　　　 l｡ ｡ f9i
　　　　　 t≦_ﾉゝ､　　　　　　　　　　　　,,....,,,,__　　　　　　　　　　　　　『菩薩僧などありうべからざる』
　　　　　　｀フﾞ´,,:: -- ::､　　　　　　　,r''"''''''ヽ:::｀ヽ.
　　　　　 ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ　　　　　f´,,..、　r"::::::::::i
　　　　　/,,,　Y.. -‐ ヾ::::::::l 　 　 　ノﾞ f･=　 7:::::::::::l.
　　　 　 ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ`　 ﾞ'"):::l　　　　ヽ''　　　　ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ　 ,:rﾆテ三ミゝ、
　　　　　l=,,;;:. l=､　 ..::" ,)ヽ、　　　j⌒　　　 ﾄ'"fノ　,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ、
　　　 ／`ゝ-''^ヽ''"　 ,/: : : :＼　　ヽ、: : : '" ノ^i,　 ﾞゞ''"´　　 ﾞifrﾐソﾍ,
　 　 /rf´ i′　 ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ）　,／　　｀ヽ:,i ,,.,...、　 ヾミく::::::l
　　　ﾞ'ﾞ　 l　　　l: : j :f´: : : : : ヽ,/　　 '''"´　　,,.: - 　lｦ ｪ｡､　　 〉:,r-､::ﾘ　　　　　　　『これらの全ては最澄の臆説によるところ』
　　　　　 !　　 /: :ﾉ l: : : : : : : ノ,　　　　　　,:'"　　　/ ,, 、　　 '"fっ)ﾉ::l
　　　 　 /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /　　　　　/ 　 　 　 `i- ､ヽ　　,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、
. _,,..::-,テ　　 /`7: :（: : : : : //'´ミ)ゝ^)　〃　　　　 　i､ヲﾞi　.:" ,,.　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
｀_,:ｨ''"　 _,r''"　f: : :ト---ヲ ﾄ､つノ,ノ　fﾉ　　　　 　 ﾉﾞi　　,,.:ｨ'"　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐-‐'''フ"　　,.ﾉ,:::::」､,:r'"　 i _,,.:イ　　/　 　 　 ,r''";;;;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
､..､く´＿,,∠"ｨ''"´ ／　　 　,ヽ　 ﾞ:､ /＼、 　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
´　 ,ﾍr:､-､=---／　　　 ,:ｲ　ヽ　　＼　 ｀ヽ〃_;;;;;;;;;;;;f´' 　 　 ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ｰフ´ > ヽ`ｰ､／　　　 ／く _,,..ヽ　　　ヽ ,／　 ｀ﾞ''ーハ.　　 　 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ ／　,,ゝヽ,　）　 ,.／　ｨ'"　　 ﾞt　　　 `'　　　　 ／^t;＼　　,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　「など、大反発、七大寺の総意として

　　　　　　　『僧最澄の奉献せる天台の式、ならびに表の、教理にあわざるを奏するのこと』

　　　　　　　　という上奏文が朝廷に出された」

.

591： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:05:35 ID:vmPyY7jQ


　　　　「そして、この七大寺からの上奏文に対して最澄が著したのが、今日伝わる最澄の代表的著作『顕戒論』だ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿ ノ|
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｡s≦:. :. >≦⌒iト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:. :. :. :. :. :. :. :. :. : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,イ:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ム
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ j{/:. :. /:. :. /:. :. :. :. :. :. :. :. :.ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　(　.:j/: /:./:. :. /:. :.j{:. :. :|:. :. :. :. :. :.:
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 j∨:从j／j／}_}:ﾉｲ:./:!:|:. :.|ヽ: : : |
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |:( (笊__/゛ィ忙>ｲノﾚ!: : |ノ:. : :.i　　　　　　　　　　『みとけよみとけよ〜』
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／⌒'ヽ|:.ﾊ=‐:〉ヽ ____ノ￢゛:ﾘ:. :.|:. :. : :
　　　　　　　　　　　　　 j{. . . . . .j}(￢==≦ _　　　　 /:. :. |:. :. :/
　　　　　　　　　　　　　 ム. ._＞'"‐_‐_‐_‐_‐/ヽ 　 .ｲ:. :./ !: : /⌒Y
　　　　　　　______　　　　 j{ {≧=‐r‐_‐}: :}‐//⌒ヽ /:.:./_}=ミ;'_=≦＿-====‐
　　　　　　/⌒冖ミ :／ Yヽj} ／　ヽ‐_}:_:}_{ {　　　 ＼;＞'"_＿＿＿＿__〕iト
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　　　　　 ム /⌒`j{‐_‐}:i:>‐､ﾉ／: :r‐ｧj}ニﾆ／ヽ　 ／:i:／ `'＜ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=ヽハ
　　　　　　 ム　　 ﾊ_‐_!:{‐_/ｲ-‐===≦ﾆ／:_:_/_:＼ :i:/　　　　　 `'＜. . . .ﾏﾑハ
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592： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:06:03 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「この顕戒論というのは、

　　　　　　　天台の教義の正当を説くために『山家学生式は教理に合わない』という僧綱の主張のすべてを、

　　　　　　　　　論拠の出典を明確にしつつ論破した五篇五十八条目にわたる最澄の渾身の著作だった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　　 --　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　 　 　 　 　 ､
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　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　/　　 〃　　　　 ｉ　 | :|　　 ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ 　 　 |　　　　ｉ|ハ　| :| 　 　 ‘,　 ミ=ー
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ′　　 　 , | 　 i　|从丁¨ヽト､　 　 |　ｉヽ
　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 　 ,斗|　　|斗ぐﾑ心＼ヽ.　　 |　|　',
　　　　　　　　　　　　　　　|　l　　 { ,r┤　 | |人 ｀ヾ゛　｝_Ｖ⌒ |　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　 ∨┤　 | |＼　ー‐ ′（ﾘ｀Ｙ∨ Ⅳ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',　　　, У|　　| |　　　　　　 ´|彡　 | ./
　　　　　　 　 　 　 _＿＿ 　 ',　/／　 |　　| | 　 　 , --ｧ 　 | 　 |/
　　　　　　 　 　 　 ＼　　ミメ∨　　　 |　　| |　　　　ｰ　 ｲ　| 　/
　　　　　　 　 　 　 　 ）＿,彡厶-――iハ、 ! ＼　 __／　ﾘ .| ./　　　　　　　　　　　　 　 - ､
　　　　　　　　　, ＜￣￣｀Ｖ　　　　　/　 .ハ　/ー┐　／　:|/　　　　　 　 　 　 　 　 ／ ／
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　　　　　 　 /　　　 　 　 :.　　 　 　 ヽ/ 　 　 Ⅵ'＼j ＼ 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 ＼i__|￣}、
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 :. 　 　 　 　 　 　 　 ｛　　　 　 ｰ‐ ､ 　 　 　 　 　 /　 　　_＿）//
　　　 　 　_j　　　　　 　 　 }　　　　　　　　　　 ‘，　　　　　　 ；　　　 　 　 /　___／｀ヽ彡
　　 　 ／「￣　　 　 　 　 /}　　 　 　 　 　 　 　 ‘，　　　　 　 |,　　　　　 / ￣｀ヽ__ ノ
.　　／ ／｝　 　 　 　 . : ｲ彡　 　 　 　 　 　 　 　 ；　　　　　　| ',　　　　/　　　　　 ＼
　　 ／　/　　　　 . :.／ ∧　　　　　　　　　　　　　|:　　　　 　 |　'　　　/　　　　 　 　 ′
. ／　　/ 　 　 　 　 　 /　 ＼　　　　　　　　　　　 |:　　　　 　 |　 ｝　　/＼　　　　　/
　　　　｝ 　 く＼　　　∧　　　ヽ . . : : : : . .　　　／｝　 　 　 　 l 　‘， /　　　ー―イ
.　　／　　 　 ＼＼_,/／￣￣＼ : : : : : : : : . . . : : ｝: : : . 　 　 }　　 V　 　 　 　 　 |
／厶-≠===ｧー‐才　 　 /ー/三三三三三三三三》 : : : . . /　　〃　　　　 　 　 |
　｛ ／　 　 /　／　　　　/.:　｛｛────────{: :.　　　|　　/{　　　　　　 　 ；
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_人.　　　＼　∧　 　 ＼__＿＿_彡′ 　 　 　 　 　 〉 　 　 　 }　＼　　　　 　 ／
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　「ソース付きで論理的に反論しまくったわけかお、逐一」


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593： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:06:19 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「文証を明らかにしての主張とあって、

　　　　　　　　　　　　七大寺はこの顕戒論に抗する弁をもたず、沈黙を以て返答にあたるしかなかった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　 rfﾆ､ヽ
　　　　　 l｡ ｡ f9i
　　　　　 t≦_ﾉゝ､　　　　　　　　　　　　,,....,,,,__　　　　　　　　,rrテ≡＝=-､
　　　　　　｀フﾞ´,,:: -- ::､　　　　　　　,r''"''''''ヽ:::｀ヽ.　　　　　（〃彡三ミミ::｀ヽ
　　　　　 ,rﾆｭf::r-‐t::::::::ヽ　　　　　f´,,..、　r"::::::::::i　　　 　 /"~´　　　i三ﾐ::::i,
　　　　　/,,,　Y.. -‐ ヾ::::::::l 　 　 　ノﾞ f･=　 7:::::::::::l.　　　　f:､　‐-:、　(ミﾐ:::::::l
　　　 　 ﾑﾟﾞﾞ' く､'ﾟ`　 ﾞ'"):::l　　　　ヽ''　　　　ﾞ'⌒ﾘ:ﾉ　　　　ﾉﾟｦ　''・=　　ﾘ::r-､ﾘ
　　　　　l=,,;;:. l=､　 ..::" ,)ヽ、　　　j⌒　　　 ﾄ'"fノ　　　　 l (-､ヽ'"　　 ﾞ'´ﾉ),）
　　　 ／`ゝ-''^ヽ''"　 ,/: : : :＼　　ヽ、: : : '" ノ^i,　　　　　lｨｰ-､　　　　ﾉ-ｲ
　 　 /rf´ i′　 ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -ﾃ）　,／　　｀ヽ、　　 t_ﾞﾞ 　 _,,.. :: "　 l、
　　　ﾞ'ﾞ　 l　　　l: : j :f´: : : : : ヽ,/　　 '''"´　　,,.: -　 ヽ 　　 ｀ﾕﾞ"　　　　,ノ::ゝ､
　　　　　 !　　 /: :ﾉ l: : : : : : : ノ,　　　　　　,:'"　　　ﾞヽ i,.r‐(´::::〉　　 ,.ｨ":::::/::::::
　　　 　 /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /　　　　　/　　　　　　,f´:::,::ヽfﾄ--テ:::::::::ノ:::::::::
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594： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:06:40 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「この沈黙のために事態は進みも戻りもしない、

　　　　　　　　　　その為朝廷も最澄に対し天台の戒の裁可を与えることもなく、時はただ過ぎていく」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。






　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒ﾄ. ﾞ}
　　　 　 　 　 　 　 　 -‐──　}/´- 、
　　　　　　　　　｀ラ´　　, 　､　　､ 　　ヽ
　　　　　　　 　 /　/　　!　　!　　| | 　　ﾊ
　 　 　 　 　 　 i　//　 ﾊ !　j 　 l i 　 |　i|
.　　　 　 　 　 八小 ⌒　ヽ/ ⌒.从....:|､ :!
　　　　　　　　　 |:|:l　 │　　│ 　 l　:|ﾉ/
　　 　 　 　 　 ｆ⌒i人'''　　　　 '''　ノf⌒ヽ
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　　　　　　　　　　　「そうして時を虚しく過ごしていく最澄」



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595： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:06:57 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　 「――そして弘仁十三年（822）に、念願を果たすことなく入寂。

　　　　　　　　　　　　　　 朝廷より、悲願の大乗戒壇建立の允可が下されたのは、

　　　　　　　　　　　　　　　 最澄入寂より七日後のことであった」


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596： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:08:00 ID:vmPyY7jQ




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　　　　　　　　　　　　　　　　　「最澄が弟子たちに残した遺言は以下のとおりだ」



IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

わが命久しく存せじ、若しわが滅後に、みな服（喪服）を着することなかれ

また、山中の同法（同じ行法を行うもの）仏の制戒によって酒を飲むことを得ざれ
もし、これにたがうことあるものは我が同法にあらず、また仏弟子にあらず

速やかに擯出して山家（比叡山）の界地をふましむることを得ざれ、もしは合薬（薬）のためにも山院に入るることなかれ
また、女人の輩を寺側に近付くることを得ざれ、いかにいわんや院内清浄の地をや
毎日もろもろの大乗経を長講し、慇勤精進に、法をして久住せしめよ

国家を利益せんがため、群生を度せんがためなり、努力（つと）めよ、努力めよ
わが同法ら、四種三昧（自ら修める四の行法）を懈倦（なまけおこたる）ことなかれ

かねて年月に灌頂し、時節に護摩し、仏法を紹隆しもって国恩に応えよ
ただわれ、鄭重に（いくたびも）この間に託生して（この国にうまれかわり）三学を修学し一乗を弘道せん
もし心を同じくするものは、道を守り、道をおさめ相思い相待て

故に巨畝の地価（巨大な土地）は我らが分にあらず、万余の食封（ありあまる食料）はこれ我らが分にあらず

僧統所検の天下の伽藍はこれわれらが居にあらず

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



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597： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:08:30 ID:vmPyY7jQ




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　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜　　　　　　　　　　　　「弟子、光定は、天台への志を継ぐとともに、
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　　　　　 この師にせめてもの栄誉をと、最澄に対する伝灯大法師位の授与を願った」
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
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　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 伝灯大法主 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　僧侶に与えられる階位の一つです。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　現在では色々複雑化していますが、この当時においては伝灯大法主は最高位でした。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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598： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:08:42 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「この僧位の授与も、また僧綱の権限の範囲内であり、
　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_　　　　　　　　　 十年以上南都の僧綱と争う姿勢を見せていた最澄に
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）　　　　　　　　　　　 授与される望みは薄かった」
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
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　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
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　　　　 |.. ′.... ｛ ｘ=ミ　＼ 　　″ト{:::心. }ハ |^ ........|
　　　　 |..｛l......... 《 ト{:ﾊ　　　　　　Ｖこﾂﾉ′....|ぅ｝......|
　　　　 |..八 ... ハ　vツ　　　　　　 , , , ,　　｝..|ノ........
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　　　　　　　　И..人　　 　 　 _　　　 　 ｲ. ｝..|.........
　　　　　　　　　 　 个...　　 ´　　 　 ／ ｛. ｝.ﾉ.......｛
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　　　　　　　　　　　 |...∧....ノハ　　　／::::::::::.........｛
　　　　　　　　　　　 |/ ／x介ｘ.ﾟ｡_／:::／⌒⌒ヽ..｛
　　　　　　　　　　　 | ｛　《_ﾊ_}}　/:::::/　　　　 　 .｛


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599： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:08:59 ID:vmPyY7jQ



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　　／,ｨ'　　　　　 　 　 　 　 　 ;　　 　 　 　￣
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..i l ! i! i!,'// /　! /! l　i! l l!　　　 　 　 ∨!l',　ﾍ
. !l ! ,≠ !/ ,'/ // .!/,/! /l.! 　　　　　　 ヾ小.　ﾍ
_,≧_ｚク　///,/　/,/l!|/. ﾘ　　 　 　 　 　 Nキ　ﾍ
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Y,ｨ＝ﾗ／歪Y´≧＝＝==-､ヾ=≡ｲ',ｨ-=＝＝≦
{/〃三}｝}个《 　 、 Yﾟrｚ｝　/ｨ};}. ｛{ ヽ_｛rｪろY
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込ニｼ//ﾉ,'ｨ|､ ヽ､_　　　 _,,.zメ.　　Xz_　　 　 _,
＞=-巛///ｨ!ﾍ　　 ￣￣.　　　＿__　　 ￣￣
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込入_ソ'　 ///!/!!　 丶　 　 　 　 　 　 　 ／ililil
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　　　　　　　　　　 「そこで光定は最澄と対立していた奈良の僧綱にではなく、

　　　　　　　　　　　　　 藤原冬嗣にあたってこれを願い、冬嗣は嵯峨天皇に奏上した」


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600： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:09:17 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　 「その結果、嵯峨天皇は特に宸筆をもって、

　　　　　　　　　　　　　　　 最澄に対する伝灯大法主位の位記を勅書することで、

　　　　　　　　　　　　　　　　 僧綱の手を経ずに最澄に伝灯大法主の僧位が授けられることになった」



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601： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:09:47 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　　 --　　 _
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　　　　　　　　　　　　　　　|　l　　 { ,r┤　 | |人 ｀ヾ゛　｝_Ｖ⌒ |　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　 ∨┤　 | |＼　ー‐ ′（ﾘ｀Ｙ∨ Ⅳ
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　　　　　　 　 　 　 　 ）＿,彡厶-――iハ、 ! ＼　 __／　ﾘ .| ./
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／厶-≠===ｧー‐才　 　 /ー/三三三三三三三三》 : : : . . /　　 |
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　　　　　　　　「最澄の死後に大乗戒壇建立の允可が降りたこと、

　　　　　　　　　　　　また嵯峨天皇が直々に最澄に伝灯大法主位を授けたこと。

　　　　　　　　　　　　　これらは即ち、既存の旧勢力による仏教界の絶対的支配体制が崩壊したことを意味する」


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602： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:09:59 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　　　　　　　「南都仏教の腐敗に失望した桓武天皇と最澄の二人が望んだ
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　新しい日本仏教は、最澄の死を最後の契機として
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　　　　ようやく誕生したと言えるだろう」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　／⌒ヽ　＿,.r‐＜＼::ヾ⌒ヽ、_
.　　　　 　 / /￣＞｀／⌒::::::::＼:｀ヽ:＼:::::::＼
　　　　　 / /　 /:::::ｒ、:::::::.:.:.:.:.:.:::弋;;_ヾ::）:::::::::ヽ
. 　　　　 i　!　 ,'::::ヽ}::＼:::::ヽ::::::::::::::::（::::Ｙ:）、::::::':,
.　　　　　| i　 ,':::r'｀~´~｀＼::::ヽ:::::::::::::::Ｙ:ヽ::ﾉ!::::::::i　　　　　　　　「それじゃ、最澄さんは、目的を果たしたということかしら」
.　　　　　| !　i:::::l　 　 　 　 ヽ:::ヽ:::::::::::::ＹＶ〈∧::::::|>ー､
.　　　　　l !　|:::::!　　　　z==-i:::::l:::::::::::i:::ト<::ヽ）::::}　　 {
.　　　　　|!　 !:::::Ｙミ、 　 ,乍ﾖ!::::i:::::::::::|:::l i }::〈:ヽｲ ＿ノ
.　　　　 　 　 !:::::::!.{fｊ　　　ゞｿ::;ｲ:::::::::::l:::jYﾉ＼ヾ::〉´〈
.　　　　 　 　 l::::::::l　ﾉ　　 　 }'　l::::::::::::::::!´:::::::::Ｙヽ_ノ
.　　　　　　　 ';:::::::', ｀　 　 　 　 !:::::::::/;ｲ:::::::::::i::ﾄノ
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　　　　　│:::.::.::|:l.+｡:*ﾟ:+|::.::.::.: ／::.::.::.::.::.::.::∧
.　　　　　 l::.::.::.::|:!ﾟ｡+｡:*ﾟ|::.::.／::.::.::.::.::.::.::.／::.:ヽ


.

603： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:10:19 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だが、悲しいかな比叡山延暦寺の遠くない未来において、

　　　　　　　　　　 ,,..-――-..,,_　　　　　　　　　　　　　 最澄の威風も遺言も虚しくなり、
　 　 　 　 　 .,,-''´　　　　　　　 ｀ヽ
　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　かつて最澄が厭うて百日で見限った
.　　　　　,'　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',
. 　 　 　 l　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',　　　　　　　　　　 南都の腐敗もかくやといわんばかりの有様になっていくんだがな」
.　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　 　 　 l
.　　　 　 l 、　　./　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　{__ヽ　〈　 　 　 　 　 　 　 　 　 |
.　　　 　 ヽ｀tj、ヽ‐イひ"７　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 l ｀´）　　 ｀￣　　　　　　　　 ',
　　　　　　 ',　/　　　　　、　　 　 　 　 　 ',￣ヽ
　　　　　　 .ヽ{　ヽ、　　　l　　　　　 |　　　.', 　 ',-.､
　　　 　 　 　 ＼-' ｀"''‐''′　　　　 l　　　　l　　',　 ヽ
　 　 　 　 .,.-''　 }ヽ-‐　　　　　　　/　　　 /　　 .}　　 ＼
　　　　..／　　　 |　 　 　 　 　 　 /　　　 /　　 ./　　　　 ｀''-..,,_
　　　 l´　　　　　l　 　 　 　 　 ／　　　 /　 　 ,'　　　　　　　　　｀''-､
　　 ./　　　　　/ ヽ.__l＿＿ ／　 _,,-''"´　　　.l
. 　 /　　 　 　/__　　　｀ヽ、　　 <-､　 　 　 　.l　　　　　　　　　　 　 __
　 /　　　　　 |　 ＼ 　 　 /ヽ、　ヽ ＼　 　 　.l　　　　 　 　 　 　 ／
. /　 　 ＼ 　 |　 ／＼　.,'　　 ',　　',　.l＼　　 |　　　　　　　　　 /
　 　 　 　 ＼ レ'　　　.〉 l｀ヽ、 l　,.-| .|　 ＼　|　 　 　 　 　 　 /
|　　　　　 　 | 　 　 ／　.|　　ヽ_ノ /　l　　　ヽl　　　　|
|　　　　　 　 |　　　ヽ　　l　　./ ／ 　.l　 　 　 　 　 　 |
.|　　 　 　 　 |　　　　＼ ヽ　/.<　　　.|　　　　 　 　 　 |



　　　　　　 /: : : :./: : : : : : : !: :.:ヽ:ヽ: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　': : : : /: : : : :./: :.ﾊ: : :|:.i: }: : :＼:＼: : : : :.、
　　　　　ﾉ: : : :./: :./: : /: :./　': : !:.}.ﾘ: : : : :ヽ: ヽ: : : ﾊ
　　　　/: : : : /: : :': : /|: :/　　':.:.|//:.:.:.:| : :.:.i: : i: : : :人
　　 ／／ : : ': : : |: :/| |:;'　,　　';/ム:.:.:.:ト、:.:}: :.|: : : : ヽ:、
.　 ,'/ﾞ|! : :.:.:.:|:|: :/!::'斗'!|ﾞ´　　 八{´｀＼!-!:.:八:.|: : : : : ::i＼
.　 {　 !:.:.|: :.:.|:|:イﾍ|＿_|!　　　　　＼ ＿__ﾚ'￣|:|!: : : : : :|　　　　　　　　　　　「サイチョウサンカワイソウ」
.　　 八:.:|: :.:.Nヽ!ァOrj::}ヽ　　　　　イ{0rj心ヽjハ: : :.ﾊ::ﾊ
　　/: :.ヽ!ﾊ:.:|:、ヽ○r:ソ　　　　　　　 ゞ=ソ○ﾞ ﾑi: :/: :ﾘ:.:':、
.　/: : : : : :.∨ム　　:::::::::　　　　　　　:::::::::::　　/ｿﾚ': : : : : ::ヽ
　iﾊ: : : : : : : : ヾ!,　　　　　　　｀　　　　　　　 /: : : : : : : : :ﾊ:.i
　|　!: : : : : : : : : ﾍ　　　　　　 ＿　　　　　　//: : : : : : : :.ﾉ jﾉ
.　 人:.:ト、: : : :.:|: :＼　　　　´　　｀　　　 ／/: : : : : ,:イ:/
　　　ヽ!　＼: : :.ト、: ::＞ .　　　 　　. ィ: :!:.ハ: :.:.／　 j/
　　　　　　　＼ |　＼|＞,i　 ＞-＜　人ム'.　j／
　　　　　　　　 ｀　／://| ｀＞ ___,.ィ´　|///＼
　　　　　　　　 ／/////　　　 |||　　　 !/////＼
　　 ＿＿__ノ´ ////// ＼ ヽ. |||　　／ヽ///////zx.＿＿__
　/´ヽ 　 /////////!　　　　( i ) -　　　i///////∧　　　ハ


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604： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:10:38 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　「さて、次は今回のもう一人の主人公、弘法大師空海の話に移るぞ」
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　 f¨¨¨ア　　　/　　　 |　　　　　　/　　　＼　　 ＼
　　　　　 　 l　　 　 ′　　　|　　 　 　 /　　　　　}　　　　 ､
　　　　ｌ　　｜　 　 ,　　　　｜　 　 　 ,　　　　 　 |　　　　　＼
　　　　|　　｜　　 ,　 /　　　,　　　　/　　　　　　,　　　　　　 /
　　　　|　　｜　　 {斗ｬ允― ,　　　/ ＿＿　 　/　　　　　　/{
　　　　|　　｜　　 | ｉ|　　/　八 　 /　}　　/ ミｔ､　 　 　 　 /　,
　 　 　 ,　　i|　　　|　,x笊示ﾐ　,　,'　　イ云笊x　 　 　 　 / 　i}
　 　 　 { 　 i|　　　|i〈 hr (　　　V 　 　ぃし(　 )〉　　　　／ 　 ,　　　　　　　「jud」
　　　 　 , 　 ,　　　{　 ゞ= '　　　　　　 ゞ==ｼ /　　　 ／　　 /
　　 　 　 ，　,　　叭　　　 　 ,　　　　　　　　/　　　//{　　 /{
　　　　 　 ， ‘，　八 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 {///7 /　,
　　　　　　 ,　　,　　　　　　 　 ｀　　 　 　 /　　 ／i{///ア
　　　　　　 ‘，八　 {　l　.　　　　　 　 　 / 　／　∧⌒',　　　,
　　　　　　　 ＼{∧ l　|　 ＼　　　ィi〔=,/ ／/　 //∧　〉　 　 ，
　　　　 　 　 〈// } ＼i!　　 /爪ニﾊ,　/ｨ　 ,　　{∨//7∧
　　　　　　/ 　^　,　　/ﾆﾆ〈 ,//笊ﾆ{／　 /! 　 |i ∨///∧
　　　　　 //二ﾆ/　 /ニニﾆﾆ{ {} }ﾆ≧≦ﾆ|　　|≧s。/,／　　　‘，
.　 　 　 　 {二=/　 /ニニニニニニニニニ|　　|二ﾆﾆ≧s。
　　　　/　 |二/　 /⌒⌒TT⌒‐=ﾆニニﾆﾆ|　　|二ニニﾆﾆｉ　　 　 ＼
　　　 /　　|〉/　 /{　　　 | ｌ　　　 /i　　 　 i|　　|二ニニﾆﾆ|　 　 　 　＼
　 　 ,　　　{/ ,／― ＜　i! !　　 /　! ＿___ i|　　| /＼二二_|　　　　　 　 ＼



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605： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:10:50 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「空海という人物の歴史を見ていく時にまず最初に明言しておかなければならないことがある」


　　　　　　　　　　　　　　　_____
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼　　　　　　　　　　 「空海に関する根本資料は、
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ　　　　　　　　　　　　 いずれも史料的に疑問視される部分を少なからず含んでいるということだ」
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ__　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',　　￣　Y: : : :ハ!:|i:ﾘ　　　　　　　　　　「えぇ……根本資料の信憑性から疑わなきゃいけないって」
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .

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606： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:11:13 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「史家的にはまともに扱うのも難しいであります」

　　　　　　　　|　　　　　　　　‘，　　　　　　　　　斗ｬ七允 　 　 　 　 　 　 / 　 }
　　　　　　　　|　　　　　　　　　∨　　　　 　 　 /　　　　　 |　　　　　　　　/　　 }
　　　　　　　　|i　 　 　 　 jI斗ｬ=∨　　　　　　/　,jＩ斗劣ミ　　　　　　 　 /
　　　　　　　　| 　 z七さ＾　　　　 ﾊ　 　 　 　/ ,ｲ//,刋 }/ }　　 　 　 　 ,　　　 ,
　　　　　　　　|　　 　＼ {＿_　　 { ‘， 　 　 / 　h//(　 　 i|　　　 　 　 /　 　 /
､　　　　 　 　 |　　,ｨf斥爪刋 ミ　|　‘，　　 ′　込z少　　从　　　 　 /　 　 /
. ＼　 　 　 　 | ‰笊////(　　 ヽ!　　} 　 /　　　¨¨^´ 　 %　　 　 　 /　　　/
. ＼＼　 　 　 { ﾏ( ぃ乂/ﾉ爿 　 　 　 | 　,′　　　　　　 ,　 　 　 　 /　 　 ,/
.　　＼＼　　　‘，　乂⌒少´　　　　　|／　　 　 　 　 　从　 　 　 /　 　 ,/
.　　　 ＼〉,　　　 ，　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　 　 人　 　 　 / 　 　 ,′
　　　　 }/}　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 /
　　　＿|/!　　　　∧　　 　 　 　 　 　 　 t ﾕ　　 　 　 /　 　　,/ 　 　 /
　　 l///,'|　　 　 　 ﾏ>　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　／{　　　/
＜-,l///,'| ＼　 　　 ∨=≧s｡.,_　　　　　　　　　　　/ 　 ,／　 |　　 /
　　≧=‐く 　i|＼　　　∨二二二≧s｡.,＿／　　　 , 　 ／　　　| 　,/
　　　　　　　 |　 ＼　　,∨　 |ﾆ=,|　 |i　　　　　　 / ／　 　 　 i|　/



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その結果空海の出家の時期も、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　十九歳、二十歳、二十二歳、二十五歳などの説があり、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　受戒の時期に関しても二十二歳、三十歳、三十一歳と資料によってまちまちでな」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／ 　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　　（ ―）　 λ　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ__|　　　 　　（__人）　　ヽ　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,/　　　｀ ＜　 　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／---‐――--.､ゝ＼　 ノ　　　」-‐＞ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　 ヽ.　　,　, .!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　 ヽ　　　　 l｀ / / /!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 ./　　　　＿ __ヽ-､　　 !/. ,'　l　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼ ＜　　　'　l


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「それも割と名の通った資料の中でこれだけバラつきがあったりする」



.

607： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:11:40 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「得度などに関してもなにしろ皆様大変好き勝手おっしゃってくださりやがる」


　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /　　　　　「その辺明確じゃないってのは
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,　　　　　　　　　　　坊主として致命的なんじゃないかお」
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート【 まちまちな時期 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　　出家に関して
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　　　　十九歳説　→　続群書類従二百六『大師行状集』
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　　　　二十歳説　→　弘法大師行状記など、一般的な伝記
:::::/:;' /⌒ヾヽ　　　　　　　二十二歳説　→　大鏡裏書、素絹記
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　　　　二十五歳説　→　贈大僧正空海和上伝
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　　　　受戒に関して
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　二十ニ歳説　→　弘法大師行状記など、一般的な伝記
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿　　　　　三十歳説　→　弘法大師御伝
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　 三十一歳説　→　贈大僧正空海和上伝、続日本記
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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608： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:12:11 ID:vmPyY7jQ



　　　　「例えば二十五条からなる遺告諸弟子という空海の遺言と言われる書も、根本資料の一つなんだけど。

　　　　　　この資料について真言宗は『真言の重書、事相の奥底、古来一人としてこれを疑うものなし』としている」


　　　　　　　　　　　　　　,　-‐―　‐- 、
.　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　u　　　ヽ
.　　　　 　 　 　 　 ＿'　　u　　　　　　　　i
　　　　 　 　 　 < ＿　＼　　　　　　　　　 i
　 　 　 　 　 <＿＿　＼　＼　　　　　u　 i
.　　　　　　<＿＿　＼　＼　ﾍ /⌒/　　./
　　　　　　 └--ﾐ ヽ、＼　-　＼　|　　./
　　　　 　 　 /　　 丶　　- 　 　 　 〉／
　　　　 ,.-／| 　 　 ( ＼　　　u　　!　　　　　　　　　　　　 「が、近代において
　　 ／ |　＼ヽ 　　 ＼_ヽ　　　　　{
￣<　　 !　　`＼　　　、ﾍ　　　u　..> 、　　　　　　　　　　　　 『空海の自筆と称しているがもとより自筆ではなく、
＿ ＼ 　 !　　　 > ー-- イ＼　　.∠／ヽヘ
!　￣￣　ヽ　／{　　)＼　|　..＼(⌒)　　 ﾉ　＼　　　　　　　　　　　　 その内容についても多くの疑問が残されている』
　　　　　　 ＼　/⌒＼　〉　　　ヾ、　／　 　 　＼
　　　　　　 　 ＼　い　/　　　　＼／ ＼(　　　　　　　　　　　　　　　 と史料的な批判をされている」
　　　　　　　　　 ＼　/　　　　 /　＼



　 　 　 ／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　/: : : : : : :|: : :／: : : : ／: : ://: :.／｀i: ﾍ: |: : :ﾑ
　　 /: : : : : : : |:／/: : : ／: : : .ｲ/: :/ " '^^' ,|:.|: : : ﾊ
　　 i: : : : : : : /: :/: : : /: : : ／ /:／　　　　　|:|: : : : ﾑ
　　 ! : : : : : /: :/: : : :ｲ: :／　 // 　 　 　 　 ,∧: : : : : ',
　　 |: : : :,ｲr ∨: :／/: /_　　/'　　　　　　　/　|: :|: : i: :|
　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ
　　 |∨: : : : 从　　　　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/　　　　　　　　　「もはや何を信じればって感じね」
　　 | ∨:: : :.V　､　　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
.／／. . . . |: : :.|.／≧＝=＝=,|: : : |ｰi.ヽ
／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
. . . . .∨|. . |: /. . . . . {{. . .ヽ＼.ﾍ: |. ..|. . z


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609： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:12:28 ID:vmPyY7jQ



　　　「空海の著作は少なくはないが、その中で自らについて記したものはほとんどなく、

　　　　現在膨大に伝わる弘法大師像はほとんどは空海の死後二百年後から五百年後に書かれたものとなっている」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌〜=‐-ミ　　　　　　　/　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 　 　 ｀ヽ.　　　　/ 　 ／(
　　　　　　　　　　　　　　　　　‐-　　　　_　　　　　　　 　 　 　 ＼ｰ-=ミ　　　 　 　 |＼ 　 /　／　　丶､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ 二ﾆ=‐-|＼　 ノ＼::::::::::...､　　 　 |　 ｀ﾞ７／　　　　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ‐=ﾆ二|:::::｀ｰ-=ﾆゝ:::::::::::::::.　　 '　　 /　　　　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　_|＼人:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｊノＹ　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＼ ┌‐‐=圦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠/　 /　　 '　　 '　　　　／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ-‐‐-ミゝ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ　　′　/　　/ 　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　 ＞':::::∠ﾉ::::イ::::∠二ﾆ〔⌒) /　　/ 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／⌒ブ^'介ｔぅ厶ｨｔぅ^i'ぅ ﾉ)　 /　 ∠. ノ　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　/ 丶 　　/ハ｀ '_　￣ , =介!　/ ∠..ﾆ=-‐　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒)' 　 　＼ ｉ {ｘ个:.｀’_ イ_彡八 ／.:::::(_うヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐-　　＿　 　　　 ＼]/三三｀Ｙ　／ ∠::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　　 　 「h　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　￣ ¨¨ 7/7(０)77^ｉ　 ∠二二二ﾆ=≦〔
　　　　　　　　| ｈ:、　　￣　　　　‐-　　　　_　　　　　　　／,《《(○)》》 l／＼:＼/／ 　 '"⌒＼
　　　　　　　　| Lハ　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ i"　∧∨个∨ ∧　　 ＼{_　　　　　　 　＼
　　　　　　　　| Lﾊﾊ　　　　　　　 _　.　　 -‐　　 ´|ｌ ヽ|　/::∧___|____∧:::.　 　 / `マニニヽ =-―ﾍ
　. ￣￣￣￣ ∨} } }i ￣￣￣　　　　　　　　 　 　 》:::::|l/::/ 　 |:::|`ヽ ∧::::.　l/　　　＼ i|::::|-―-ミ{
　 `'=ミﾐﾐﾐx､、_} Ｖｼ′　　　　　　　　　　　 　 ＿人￣!／　　〔::〔｀ヽ　　',:::∨　 　 　 〈,ﾑ斗―-ミ/
　　　　｀ヾ竺}｀i:,　 `ｰ=ﾆヲ 　 　 　 　 　 　 　 |　　　ヽト-‐=⊆⊇=‐-=ﾆｊ／　　 　 　 ,′___ 　 　 }
　　　　 　 　 `弌!ﾐミ_ﾉ^ヾ⌒ヽ　　　　　　　 ／⌒丶x介〒ｰ┬―‐〒ミ〔　　　　　　　Ｖ´　　｀ヽ_/
　　　　　　　　　　 　 `ｧ彡'　ﾉ｀ヽ_　　 　 ∠⌒ヽ 　 }」,|:::|　　l 　 　 |:::|　｀ヽ　　　　　/　　　 ﾐ/
　 　 　 　 　 　 　 　 　､__彡､ : :ﾉ ﾊ、_, く　　 ｀　} . イ |:::|　　l 　 　 |:::|　　 i　　　. -ヘ.　　 ﾐ/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｰ-くノｲ　,　 ヽ　ノ"　　|/|:::|　　l 　 　 |:::|　　 |　　 j/　　　ヽ.У
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈_ノ＼)＼厂　　 　 |{ |:::|、　|　　／::::|　　 | 　 /{、 　 　 /
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `'＜ク、＼　　 　 Ⅳ:∧＼|　　ノﾍ:::.､　 ﾊ　 `ｰ辷 __ノ′
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ﾉ＼ 　｢/::/　 ヽﾊ　　-‐ヘ::＼　〉
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　「その上弘法大師空海には各地、各時代において伝説が非常に多く、

　　　　　　　　　　　その中には明らかな後年の創作も混じっており、

　　　　　　　　　　　　そのこともまた空海という人物についての略歴の捉えづらさに拍車をかけている」


.

610： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:12:56 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「よって、空海についての高野山開創に至るまでの史略は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　一つの説や史料を絶対視しないことが前提条件となる」
　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　 ,..-''"´ 　 　 　 　 　 ｀''-,,
　　　 .／　　　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　 ./　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　/　　＿＿＿　　　　　＿＿＿＿　　 ',　　　　　　　　　　「つまり今回の話も参考にする資料をちょいと変えれば
　 ,'　　 ＿＿＿_　 　 　 　 ＿＿＿_　 　 ',
　 l　　 l ●　　 l　　 　 　 .l ●　　 l　　　 l　　　　　　　　　　　　　全く違う話になるかもってことかお」
　 l　　 ヽ､＿ ノ　　　　　　ヽ､＿ ノ 　 　 .l
　 ',　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'
　　',　　　 　 　（＿_人＿＿）　　　　　　/
　　 ヽ、　　　　　└――┘　　 　 　 ／
　　　 ._｀''-..,,_　　　￣￣　　　 _,,..-''"_
,..-''"´　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀"''-..、


.

611： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:13:17 ID:vmPyY7jQ



　　　　「さすがにその辺の責任は空海や真言宗サイドに求めさせてもらうぞ」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ::::::::::::::弋_,ﾉ:::::::::::::丶
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　 　,/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::,ヘ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _,／i
　　　　　　　　　　　　 lヽ　/::::::::爪─ﾍ:::::i─ヽ::::::::iﾍ:::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　 l:::::｀'::::::/l i レ─＼!─‐＼:::i'-ゝ::::::::::::::::::/
　　　　　　　　 　 　 　 ＼::::,-‐､N;ｿ　 　,ｨ一''　　ヽ! 　ヾ::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　Y,へ/,/ i.　　 　 ､＿,,,　　 ゝ_　＼:::::＼
　　　　　　　　　　　 　 　 { l( //　! 　"" 　｀￣´　, ヾ､、/　｀￣￣
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽノ/　/　 　 　 ＿　　-ゝ　 /ｿ
　　　 　 　 　 　 　 　 ＿／ /　 /ﾄ　　　 い　￣丶_　/´
.　　　 　 　 　 ､-‐ "´　　,ｲ 　./:::!.丶　　丶.　　‐-ｦ/
　　　　　　　　 ＼　 　 ,ｸ 　 ./ ｀.l　　丶、　｀‐‐ '"ノ
　　　　 　 　 　 　 ゝ／　　 /.　　l　　　'';;丶＿,／l
　　　 　 　 _ -─､─ ` 、 / . r‐┴'‐─一Y'‐‐一ﾍ　　_ ,, -─"｀τ´ヘ
　　　　　／丶　-‐ヽ　　v'─┴ - 　　　　 |　　_, ‐ ト´,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;,, ｀i⌒F丶
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　 「ともかく始めるか」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「出生は一般には宝亀五年（774）とされる、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 これは先に述べた『遺告諸弟子』の内容が基準となっている」



.

612： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:13:29 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「だがさっそくここでゆらぎがあってだな、

.　　　 　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　空海が記した『三教指帰』では、
　　　　 . ／　ノ　　＼ ＼
　　　　　|　 （●）（●）.　|　　　　　　　　　　　　　　　空海自身がモデルと思われる人物『仮名乞児』が
　　　　.　|　　（__人__） /ヽ　　 ./´}
　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　{ 　{ 　 /　/　　　　　　　　　　　自分の生年を宝亀四年（773）と言っている」
　　　　.　 ヽ　　　　 　 ﾊ　 L/　/
　　　＿＿ ヽ　　　　 /__.〉　　　ん-､
　 ／ :　　: :介.〈::::〉.介.〃＿_　 /　, ヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀{::::}　!　{　＿__）{_ /　,ﾊ
　 | : : : : : /: |　{::::}　!: :l :＼__, -､. ￣_/:ヽ
　 | : : :　〈: :│ {::::l　|: : 〉 : :ヾヽ　 Ｚﾝ: : : :｝


　　　　　　　　 　 　 　 ‐=――ﾆ=‐
　　　　　　　　　　ィi〔//{　　　＞｡./ ＼__
　　　　　　　　 ／//}＞'i　　　　 l　ヽ／＜ヽ
　　　　　 r‐=≦/　 {　　|　 　 　 |　　　 　 ＼
　　　　　 |　 {　　　 ｉ　　|　 　 　 |　　　 l　 　 ヽ
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　 　 　 |　　　 |　　　〈
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　　 　 八　 　 !　　 / /ヽ
　　　　　 |　 {　 　 丁￣{　　　 /￣￣　}　　/ /　/
　　　　　 { { ‘，　　,x笊うﾐ 　 /,ｨ斧丐/　 / /　/
　　　　　 {{ ',　 ，　ゝVツ　ヽ/ 　 Vツ/　:/ /　/
　　　　　 }}　ﾟ。 ＼_＼　　　 　 　 　 〈/ / /　/|　　　　　　　　　　　　　「産まれた瞬間から揺らぐとか」
　　　　　 l!　　＼ {　＼ 　 　 '　　　／ /　乂ｨ｜
　　　　　 |　　 //|　 |　へ　 ^　,ィ /／　}//ﾍ :|
　　　　　 |:　　{/,'|　 |//{ﾆ≧≦ﾆ}77{ 　:|///} |
　　　　　 |　 ィi〔｜　{///ヽﾆ／ ///{　 :|///} |
　　　　　 |/ニﾆﾆ|　 i ⌒＼ｉ:ｉ／ ゝ< i　 :|=:＞｡!
　　　　　 {ニニﾆ:|　/　　　 T　　　　:l　 :|ニニ:}
　　　　　 iニﾆﾆ:／ 　　　　 |　　　　　＼|ニニ:ｉ
　　　　 　{::ニ::/ 　 　 　 　 :|　　 　 　 　 ﾏﾆﾆ:}
　　　　　 Ⅵ /――――――=‐　 ＿＿ ∨=:〈
　 　 　 　 :=:{///////////}//////////77/ /
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.　　　　　 |Ⅵﾍ/////////人////////イ__/ |
.　　　　　 | ﾏ=:∧≧=‐‐=≦≧=‐‐=≦ニ=:,'　|
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.　　　　　 |　　 ∨ニ∧　　 　 　 /ニニ:/__　　|

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 三教指帰 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　 『さんごうしいき』と読みます。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　空海さん自身の境涯をモデルにしたとかんがえられる『仮名乞児』さんというお坊さんが
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　主役になっている寓話です。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　　二十四歳頃に書かれた本で、空海さんは仮名乞児さんを通して
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　　自分の出家までの経緯を著しています。
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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613： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:13:44 ID:vmPyY7jQ




IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

宝亀五年生まれとも宝亀四年生まれとも決めかねる。　　【 沙門空海 】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



　　　　　　　　　　　　　　　_____
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼　　　　　　　　　　　　「以上のような問題がつきまとうため、空海の略歴については、
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|　　　　　　　　　　　　 続日本紀での記載に倣い、項目別に羅列していくことにしておく」
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |　　　　　　　　「で、その項目を補足していく形で勧めるぞ」
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |



　　　　　　 　 　 ／　　 ,　― -　　　　 ´￣｀ヽヽ
　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　 /　　 ／　　　　　　　　　　　　ヽ　　 　‘，
.　　　　　 /　　 '　　　　　　 　 　 　 　 i　　 i　　　　‘，
　　　　　 ′　/　　　　　　　 　 　 / 　ﾊ　/ }　　　 　‘，
　　　　　i 　 /　　　　　 /　/　　 /|　/　V　ﾄ､　 　　　 .＼
　　　　　|　 ′　 　 　 /　/　!　/　}/　 / ヽ{__}_i　、 　 i　 ）
　　　　　| /　　 　 　 ,' j ハ斗/七/　 /　 　＼ﾉﾊ:i　　 |
　 　 　 ／　 i　 　 　 | / 　 }厶≠ｘ 　 　 　 ｲ斧ﾐ |　 ﾊ{
　　　　　,　　|{　　 　 |　　〃f::::しj　 　 　 　 {じ:j″ / ﾉ
　 　 　 / 　 八　　 　.　　ヽ弋::ソ 　 　 　 　 ゞ'ﾟ , j/ ヽ　　　　　　　　　　　「ハイ」
. 　 　 /　　　　 ＼ 　 ヽ　　　　　　　　　　 　 　 !|′　‘，
.　　　′　　　 　 ヽ ー 　ゝ　　　　　　　　 ´　　八 　 　 i
　　　ｉ{ |　　　　　　丶 ＼　　　　 　 　 , -　 　.ｲ　　　 　!|
.　　 八ﾄ､　　､　 　 i ヽ　 ＞ 　 　 　 　 　 ／　 /}　 　 八
　　　　ヽ ＼　ヽ 　 |ヽ{　 r|　　 ≧=‐　 イノ}　/　! 　 /
.　　　　　 　 ＼{ ）ノ　 ＼j ｀ TT ´￣　 ヽ.　jノ　 j／/
　 　 　 　 　 　 ｀　 　 ／ヽ　 | |　 　 　 　 ｀ ｰ=ミ
　　　　　　　　　 ,，　´　　 　 | |　　　　　　　　 ／＞　 _
　　　　　 　 r‐ ´|　　　　　　/∧　　　　　　 ／／　　 　/ ヽ
　　　　　 　 |:{ 　|　　　, ィ:´:ー::ヘ、　 　 ／／　　 　／　　 i


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614： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:13:56 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「これらがその項目になります〜」


┌─────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　､__
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,イ,ヽ::::::::::-､::::`::､
│　　..1：出身.　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::|ｆ´ | |:,‐､::::::::＼::::::::
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 :::::::|i⌒∨彡ヽ:::::::::::ヽ:::i
│　　..2：学問.　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i:::::::::/ ! 　　　　　 .}:::::::::::::::|
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |::::: ｲ´`､ 　　　　　|::::::::::::::::|
│　　..3：求聞持.　　　　 │　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾚ:从ﾓﾒ)　 　 _‐-.､|:::::::::::::::|
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〉:::i　 　　　　 ﾓﾃ.)|:::::::::::::ｲ
│　　..4：三教指帰.　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::　 　　丶　　　　/:::::::::::/:i
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::∧ 　`_　-　　/:::::::::／::::|
│　　..5：書法.　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /:::::::::::::ｒ＼___ ,　 ィ/::::／:::::::::::|
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::}i　i　i　i　イ, ｒ ､___:::::::::|
│　　..6：得度.　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::,::::-/⌒/　|　|　|　 | ｲ　　　 ＼:|
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 /　丿　/　i　| 　|　.|　　　　　＼
│　　..7：入唐.　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　i ／ 　 /　 |　 |　 |　.| ヽ　 　　　＼
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　丿/　　/　　| 　|　　|　i　 ＼
│　　..8：開宗.　　　　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　,´ {　　 i　　　i　 |　　|　入_/:::＼
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　／ {　 i　　 i　　　i　i　　i　/　/::::/　.＼, 　　＼
│　　..9：入山.　　　　 　 │　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　／　　 ` ､`　　`　　 |　|　 ´　|. /::::/　　／　　　　}
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　 i　|　　|　　|　|　　ｌ　ｌ/:::/.　／　　　　／
│　　..10：逝去　　　　　 │　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　＼　.　|　|　　|　　|　|　 | 　|ノ　　　　　　／
│　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　 　|　|　　|　　|　|　|　ｙ ´　　　　イ
└─────────┘　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 　　|　|　　|　　|　|　|　i　　 ィ ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　 丿 i　　i　　 i　i　i　 `､　　i


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615： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:14:13 ID:vmPyY7jQ

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

1：出身
法師は讃岐国多度郡の人。俗名は佐伯直

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　　「生まれは讃岐の国多度郡で、俗姓は『佐伯直（さえきのあたい）』という」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　/:::i
　　　　　　　 /:::::ﾊ、
　　 　 　 　 /:::::::::::::｀ゝ、
　　　 　 　 i:::::::::::::::::::::::::｀`‐-.,,,,､,　 ヽ、
　　∧　 　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､/ヽ
　　|::::＼_　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
. 　 i:::::::::::｀'┘::::::::::::::,'､::::::::,‐-'､,::::::::::::::::::!ノl
　　 !::::::::::::::::::::::::::::::/_/::::::/＿＿￣ヽ:::::::::::/
　　　＼_::::::::::::::::,-" /:::／　　 　 ｀Y、＼::/
　 ＿,_／:::::::::r⌒ヽ ' ´　/⌒'ヾ　　i;l⌒ヽ/
　 ＼_::::::::::::::::〉 ,-‐､　　　 (;9)　　 ﾘく｀', }
　　 　 ￣￣フ 入　9 ;　　　 　 　 　 ､ ソ､
　　　　 　 ／ _/ ヽ '' _,　　　　 　 　 ｨ<_::::ゝ
　　_＿ ／ ／/　/|　　　　　 　 　 ./　ｨ-‐´￣入_
　　＼_ ,／　/　/ .i　 ─　 　　 ／／　　- ",-＜//
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　　　　　＜__,/　　　　　 _／ ｨ-＜///////////
　　　　　　　　　　　, - "´ 　 ∨/////////////
　　　　 　 　 　 　 /ヘ⌒｀ ‐ - ∨///////////
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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616： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:14:46 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「幼名は一般には『真魚』と言われる場合が多いが、

　　　　　　　この幼名の出処は『梅園奇賞』内の石山寺古伝の官符の刻書で、他の資料には見当たらない。

　　　　　　　　ただこの梅園奇賞を正しいとするなら、通俗の空海の略伝の多くに修正が加えられなければならなかったりする」


　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　 「早速かぁ、早速ワケワカメかぁ」
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 梅園奇賞 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　 『ばいえんきしょう』と読みます。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　野里梅園さんという方が古来の書状などを縮尺し、模刻したものです。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　 文政十一年（1828）に二巻刊行されました。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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617： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:14:59 ID:vmPyY7jQ

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

2：学問
年十五にて舅の従五位下阿刀宿禰大足に就いて文書を読み習い、十八にして槐市に遊学す

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



　　「十五歳の時、舅（おじ）の阿刀宿禰大足（あとのすくねおおたり）に就いて文書を読み習い、

　　　　　　十八歳で市井の大学で学んだ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧　　　　,ﾉ::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ:::ﾊ　　　/::::::::::'ﾊ
　　　　　　　　　　　　／::::::::::l､_／::::::::::::::::::}
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　　　　　　 l'::::::::::::::::::::::::::::," ,_.|.l | l/ r' .i　.￣
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　 　 　 ＿__/＿＿＿＿＿＿ﾆ､_|__ゝl＿!＿　　,r'￣ 　　,r - ‐' "´
≦者圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ y´ ￣^､ 　 i!る }
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ ∨ 　 　 　 ヽ　ヾ-′
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ　∨　　 ,ﾍ　 　 丶-′
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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618： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:15:19 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「当時の制度として、大学は十三歳までの中央官僚の子息が入学するものであり、

　　　　　　　　　空海が十八で大学に入ったということは極めて異例だ。

　　　　　　　　　　その異例を押し通せるだけの能力や背景があったんだろうな」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　゜ﾟ¨"　‐-┬‐-､:::::::::::;ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
‐─ｧ‐…‐､{　　:{￣￣￣',::::::::::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
:::::/　 __　　ヽ＿」.＿__　　',::::::::: |ヽ:::::::::::::{ヽ::::::::::::::::::::::-‐─　´
:::,'　/　-ヽ　:}l　{:/‐-､￣¨ ヽ::::: |＿＼:::::::',_.＼::::::::::::::::::::｀:...
::{　　, /⌒ｉ　|ｌ　|　 　 ,＞ ,,　 ＼{　￣¨＼: ',￣＞,:::::::::::::::::::::::::....
:::'.　 Y　　{　ｌｌ　:l 　 .んハ　`ｰ- ＼_,'　,斗 ､　 ／｀ヽ:::::::::::::::::::::__＞
:::::ヽ　＼__） !ｌ　 ｌ　 弋zツ　　　　　　 んﾊ　// ＼:::::ｌ ￣￣￣
:::::::::＼　　　|:l　 ',"　 ──-　　　　　ゞ-'　, ′ 　 ヽ}
::::::::::::: `┬‐| ｌ 　 ',　　　　　　　　　　￣¨ ,'
:::::::::::::::::::|　:|｜ 　 ',　　　　　 　 ､__:j:　　/　　　　　　　　　『本当は俺みたいな田舎の官僚の子息は
:::: ／{/ｉ八　ｌ ｌ　　　'　　　　,＿＿_,　　 /
:￣￣¨　…┴ 　 ＿ ヽ　 　 　 こ¨　　/　　　　　　　　　　　　　　大学じゃなくて地方の学校に入るんだぜ』
　　　　　　　　　　　　　…‐-､　　　／
＿＿＿＿＿＿ 　　　　　　　 寸≦=-…─=ミ
　￣￣二ニ=-　￣￣二ニ=-　´　　　　　　　 ＼
　　´￣　　　　　／　　／　　　　　／二二二ニニ=-＿
　　　　　　　 ／　　／　　　　　／二二二二二二ニニﾆ=-
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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619： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:15:37 ID:vmPyY7jQ

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

3：求聞持

時に一沙門あり、虚空蔵求聞持の法を呈示す、その経に説く、若し人、この法によりてこの真言一百万遍を読まば
すなわち一切の教法の文義、暗記することを得んと
ここに大聖の誠言を信じて、飛焔を鑽燧に望み、阿波国大滝岳によじ登り、土佐国室戸岬に勤念す
幽谷声に応じ明星来影す

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_　　　　　　　　　　　　　　　　「その時代に、空海の最初の師とよぶべき独りの沙門がいた。
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　その沙門が誰かということについてはやっぱり諸説ある」
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
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　　　　 |.:/｀i.:./ィ卞｡77　　　　 r ｧ-､ ''| |.:.:.:|ヾ|
　　　　 |（ (|.:/　/´｀iｲ　　　　　 {rJi}ﾟヽ|/|.:.:.| ヾ　　　　　　　　　 「まぁ空海自身についての記述が怪しいわけだし
　　　　 |.:ヽ|/ 、|　　|　　　　,　 ､しりノ`/ヾ.:|　 |
　　　　　|.:.:.|｀ﾍ|　　|　 , - ,´　:::::::　/.:/　ヾ:|　　　　　　　　　　　　　周りの人の記述の信憑性なんて推して知るべしね」
　　　　　 |.:,-、 |　　| , |_.　/　　　 /.:./　　ヽ
　　　　　 |.:ヽ　'|　　|/　 i´｀i .....‐.:.:.:.(:|
　　　　　 ヾ ヽ |　　|　　|　 |´/｀,.:.:.:.:ヽ
　　　　　　 ヾ ）|　　　　　　´　 /.:.:.:.:.:ヽ
　　　　_ - - ヾ|　　　　　　　　ﾉヾ、.:.:.:.ヽ
　,　-　, - ´　　ヽ、　　　　　 ﾉ　　　ヾ.:.:ヽ
/｀｀｀´ヽ　　　　　 l. .　　　　ﾉ: .　　　 ヽ.:.:ヽ
　 　 　 ＼ 　 　 |｀ヽ: : . .　 | : : : .　　　 ヾ.:ヽ

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620： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:16:00 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　「残念でもなく当然な評価」
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼



　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |　　　　　　　　「その沙門は空海に虚空蔵求聞持法という修行法を教えたという」
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
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azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 虚空蔵求聞持法 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　　　 ”こくうぞうぐもんじほう”と読みます。
::::::::: /.|/ﾌ´￣´
:::::/:;' /⌒ヾヽ　　　　　　 密教の行の一つです。
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　 虚空蔵菩薩真言である『ノウボアキャシャギャラバヤオンアリキャマリボリソワカ』という真言を
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　　　　然るべき霊場などで明けの明星が出て、朝日に消えていくまでの間に百万遍唱えるという行です。
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　当然一日で終る行ではなく、百日とか、そういうスパンで行われます。
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　この真言の意味について考えることは許されず、ただ唱えることが重要だとされています。
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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621： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:16:15 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「そして空海はその修業に打ち込み始め、大学を辞め、学徒・官吏の道をはずれ、優婆塞となった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　 ＼`ｰ- ．,,_＞:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::. ::.':,　/ |
　　　 　 ■■■ 　 　 　 ＼:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::V::.:|
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　　 　 ●　 　 ｜　　　　　　　ｰ=二＿＿＿ ．-´ __/:: ::.人:: :: :: :: :: :: ::i／!
　　　　　　 　 ●　　　　　　　　　　/∧　 　 ヽ　/ /:: ／ヽ.从:: ::／＼:: ::./
　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ　　 　 　 　 i i λ示ﾆ=　 ´￣ 　 　 ヽｉ::/γヽ i／
　　　　　　　　 　 　 　 ）　　　　　　ⅵ ｉ　　　　　 ミﾆ=彡　　j///._/ /
　　　　　　　　　　 　 （ 　 　 　 　 　 ∨　　　′　　　　　 　 ﾉﾙ'ヽ ＼‐-､_
　　　　　　　　　　　 　 ` ｰ -―‐ ､ _ {　　 （ r　 　 　 　 　 人_彡ゝ ｜　|　ト､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　 (´i　　　u.　 ／::Νii／　 ｝　 ｝ ﾚ .〉
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 へ＼　　　　　／ |i＼|／　　　 　 　´ /
　　　　 　 　 　 　 　 　 /￣二二二ニ|　　　`ｰ = 彡-‐┴／　　　　　　　／
　　　 　 　 　 　 {￣￣/ /:::::::::::::::::::::::::`ｰ ． /＿＿＿＿_{.　　　　　　 ／
　　　　　　 　 ／＼　/ /:::::/＼::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::-‐―ゝ　ｰ==彡 　 ｀ヽ
　　　　 　 {￣ ｒ／　/ /::/＼＼＼::::::::::::::::/::::::::::::／ _-‐=/　　　　 |　／ 　　＼
　　　　 .／＼　＼ / /:::::＼ ＼:＼ヽ:::γ⌒ヾ:::／／／__/　　 　 　 |/　 ＿＿__｝
　　　.／　／ ＼. / /::::::::::::::＼ヽ:｛.{:｛.{::::::::ﾉﾉ::} ｝::/ /::/ 　 　 　 　 |／ __＿＿_｝
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 優婆塞 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　”うばそく”と読みます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　優婆塞は梵語に対する当て字であり、訳せば『善宿男』とか『近事男』とかになります。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　出家せず、在家のまま仏道の修行を行う人達です。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　出家した方たちよりは戒律は少ないようです。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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622： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:16:28 ID:vmPyY7jQ


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

4：三教指帰

これより慧解、日を新たにして筆を下ろせば文をなす、世にいう、三教論はこれ信宿の間（二晩）撰する所なりと

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ"　/
　　　　　　　　　く>　　　　　 ,ｨ　　　　　 ／　　 /
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　　　　　　　　　　く>　　　/　 ＼　　 / 　 　 　 ＼＿＿＿ 　 　 ∧
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　　　　　　　　　ｰ┐r‐rﾍ, | 　 　　　　　　　　　　　　　　　　 V 　 |　 ｲ
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　　　　　　　　「大学を辞め、優婆塞となった後、空海が確かな形でその足跡をみせるのは二十四歳、

　　　　　　　　　二晩の間に三教指帰を著した時であり、その間のことは『ほぼわからない』と言ってもいい」



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623： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:16:40 ID:vmPyY7jQ



IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

5：書法
書法に有りては最もその妙を得たり、張芝と名を斉しくし、草聖と称せらる

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　＼::::ヽ､、 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　ヽ、　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　 : : . -=彡イ　　　　'. ／:ｲ::::::::
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　　 　 :ヽヽ、 　 　 　 　 ｀　＜　　　　　 ． ＜⌒ヾ.　／　ゝ、｀ー ′ ｲ::::::::: /　∨
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　　　　　　　ヽ　　＼　 　 ヽ.　 　 ＼　　　　　＼　 　 /////////∧/
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　 「嵯峨天皇の説明でも述べたように、

　　　　　　　　 空海は『三筆』の一人として書を堪能とした。

　　　　　　　　　 弘法大師伝説の中にも、書に関しての伝説は数多いぞ」


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624： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:16:58 ID:vmPyY7jQ

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6：得度
年三十一にして得度す

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「得度二十四歳説が真言宗のオフィシャルな見解だが、
　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　正史――つまり国家の記録としては三十一歳説を採用している」
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|　　　　　　　　　「優婆塞として日々勤行に励んでいた空海が、
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,　　　　　　　　　 今更俗世的な目的意識で正式に僧侶になるべく戒を受けた、
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|　　　　　　　　　　 というのはちょっと考えづらい。
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|　　　　　　　　　　　ここには当然なにか目的があったと考えるべきだろうな」
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　|　　　　　　　　 |　　 |　　　|　　　　　　　　　　|　　　　　|　　　|
　|　　　　　　　　 |　　 |　　　|　　　　　　　　　　|　　　　　|　　　|
　|　　　　　　 l ´｜￣ | ￣ 八｀　　　 　 　 　 ´i| ￣￣　 7ミ 　 ,
　 ,　 　 　 　 il　 i|　　 |　　　　，　　　 　 　 　 /　 　 　 /　　　,　　　　　　　　　　　　　　　「目的でありますか」
　 ，　　　　　ｉl　 i|　―|　――　,　　　　　　　/　―― / ―　 ,　　　 　 　 　 /
　　，　 　 　 　 ,ィ笊芋芋云ミｔ､ ，　　 　 　 ,　,ｨ爪芋芋笊ミ､　　　　　　　 //
.　　 ，　　　　〈(　h {////(　　　　 ，　　 　 /　　h {////(　　)〉 　 　 　 　 ,///
　 　 ∨　　　　＼乂⌒^)Z少　　　　､　 　 ,　 　 乂⌒^)Z少／　　　　　　/〈//
　　　 ∨ 　 　 ∧　^¨¨¨¨^´　　　　　＼　/　 　　｀^¨¨¨¨^ /　　　　　　 /　∨/
　　　　 ,　　　　∧　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　 ,　　 　 　 　 ,　 　 ﾏ/
､　 　 　 ， 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　 　 　 /
　，　　 |　， 　 　 入　　　　　　　　　 '　　　　　 　 　 　 /　 　 　 　 /￣',
　 〉　　i|　　，　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 ,　∧ ∧
. /　〉　i|　 　 ，　　|　　　　　　　　　 ´ ｀　　　　　　　 /　　　　 ／　 |!∧ ∧
/　/,/，|　　　 ヽ　ｉ|　 　 　 〕ト　　　　 　 　 　 ィｉ　　/　　 　 ,　　 　 |/,∧_∧
/7///Ⅵ　 　 　 ＼,　　　　 |二＞　　　　　＜二|i　/　　　／　 　 　 |//////
//////,|i　　　　　 |　　　　/‐=ﾆ二≧=≦二ﾆ=‐',　　　／　　　　 　 |//////
/////,/|i　　　　　 |　 ィi〔/　　 /　/ニﾆ,∨∧　/ 　 ／|　　　　　　　|∨////
////,/ i|i　　　　　 |/　　　 　 ,/　/二二ﾆ∨∧　 ／　｜　　　　　　 |i ∨//

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625： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:17:09 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ　　　　　　　　　　　「そう、おそらくそれは次の項目に密接に関わりがあることだ」
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !



　　　　　　 |ﾆﾆﾆ人　　 　 .　　-‐…　…‐-　 .　　/ﾆﾆﾆﾆﾊ
　　　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆ 　 ´　　　　　　　　　　　　 ｀　ﾆﾆﾆﾆﾆ|
　　　　　　 Vﾆﾆﾆ／　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ヾﾆﾆﾆ|
　　　　　　　V ﾆ　　　／　 　 　 　 |　　｝}　 　 ＼　 　 Vﾆiﾘ
　　　　　　　 ∨　　　　　/　　　 　 |　　｝}　 　 　 ﾟ｡ 　　V/
　 　 　 　 　 /　 　/　　 ′/　　　ハ　 ′　　　 　 ﾟ
　　 　 　 　 　 　 / 　 .斗,/|　　　　　V / -‐-ミ　 　｝　　 ＼
.　　　 　 ／　　 　 ／　 |　八　 / 　厶｛＼　｛＼丶 ｝　　　　　　　　　　　　　「ソレジャ、ミテミマショウ」
　　　 　 　 |　　 i　 /　斗ﾃぅxV 　 　 　 斗ﾃぅｘ ﾟ｡
　　 　 ｛　 l|　　 | 　 〃 んハ　　 　 　 　 んハ ヾＹ　 　　　　 |
　　 　 ｛　 l|　　 |　{ 八 乂:ツ　 　 ,　　　 乂:ツ　八　 |　　　　|
.　　　　　 八　　|　{　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 八　 　 八
　　　　 　 　 ＼｛⌒＼/i/i/　　　　 　　　 /i/i/ 厶イ　　）／ﾟ｡
　　 　/ 　 　 　 　 ｰﾍ　　　　　　 っ　　　　　　厶ィ′　　　　ﾟ
　　　　　 　 　 ′ 　 人 　 　 　 　 　 　 　 　 ｲ
　　 ｛　　　　 /|　　 　 　 　 .　　 　 　 　 . イ　| 　　 　 　 |　 　 }
.　　人　　 　 八　　　|　　　　i≧=‐=≦　|,ﾉ　八 　 ｛ 　 ハ 　 八
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626： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:17:29 ID:vmPyY7jQ

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7：入唐

延暦二十三年（804）入唐留学し、青龍寺の恵果和尚に遇いて真言を稟け学び、その宗旨、義味、該通せざることなし

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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!　　　　　　「遣唐使ね〜」
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼



　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　 ｜ 　　　（___人__）　　　　　　　　　　「そう、それまで優婆塞として天地を舞台に
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　 　 　 i　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　修行に励んでいた空海が唐に渡ることになった」
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、 、___　　　|
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　 丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　 ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :､ : :｀､::::::ｌ : : : : :l : :l　　　　 　　　 √ ／..　　.:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :｀､ : ｀､::,' : : : : :l: : :l　　　　　　_ /　　}:...　　..::{_)
: : : : : : ｲ´ : : : : : : : : : : : :`､ : V : : : : : :| : :ﾄ､　　　／:rj　　ｲ:...　　..;.:}ﾉ
: : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ_,／ : : {{ 、　ﾙﾆ二ﾆ=r
: : : : /　.V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : :／: : : : : ﾊ　ィｧｰ´
: : : /　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : :/: : : : : : : : ゞ才
: :＼　　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : :／´


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627： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:17:40 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　「空海は大日経を学んだものの、その中で払拭できない疑問が残り、

　　　　　　　　　その疑問についての答えを求めるべく、唐をめざしたとされる」


　　　　　　　　「アグレッシブねぇ、空海」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　ξ　|::::::::::::::::ヽ　ξ　 /
　　　 j:::::::::::::::::::::.　　／|　　　　タ　　 ：
　.-‐::::::::::::::::::::::::::|／::::::|　　　　ハ　　：
':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..　　　 ハ　　：
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ハ　　：
_斗､:::::|＼::::::::|`､:::::::::::::::::|　　　 ッ
__,-‐ヽ:|￣＼:::ヽ ＼:::::::::: ! 　 　 ：
|　＿_,ｪ匕　　`tｭ､__`ﾄ､::::|　　　 !!
|　　ﾌ ﾋﾂ　,,,,　ﾄｯ　} /} ` |
|　　` ─　　， ''''　 ,'}/　　`ー─､＿　 ＿
　u　　　　　　　　､ |/─--､　　　　　!/
-'.　　r───‐ ， ｉ　　　 | ヽ.
､ ＼　`　＿＿／／　　　,'　/ ｌ　　ζ
_＼ .`　...＿___∠＿＿__ |=/　 ｉ　　　　　ξ
/＼＼　‐' ／////////／||　 ｌ_
.///＼`-__／///////' 　 ||／ .|　　ξ
/////|　|/////////　　／ヽ ./!
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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628： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:17:55 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「だが、入唐には然るべき身分や資格が必要であり、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 私学で唐に渡る空海であっても、身分も定かでない優婆塞として
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_　　　　　　 海を超えることはできない。
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）　　　　　　　そのための得度だと考えられるわけだ」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
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　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「なるほど、先程『関係がある』といったのはこのことでありますか」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―――ミｔ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔　　　　‐=ﾆ二ﾆ=‐
　　　　　　　　　　　　　　/　　　 ‐=ﾆ／　　　　　}/⌒≧s｡.,_
　　　　　　　　　　　　　　　　f二,／　〉　　　　 　i|　　　　ヽ　}
　　　　　　　　 　 　 　 %　　ィi〔　　 /　　　　　　 |　 }　　　}　,
　　　　　　　　　　　　 }　　 {　　　　{　　　　 |　　i|　 |　　　|　,
　　　　　　　　　　　　 　　/{　　 　 i|　 　 　 |　 斗ｬ允　　从,
　　　　　　　　　　　　l　 / ∧ 　 　 |　,斗ｬ　!　 , ｨ笊} 　 / /
　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ ∧　　 :.　,x笊ﾐ |　,'　vシ,　/ /
　　　　　　　 　 　 　 l　　 ∨　}ﾍ　∧ ゝvｼ　,/　 　从 / /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 〉ｧｧｧ} 　∧{　　 　 　 ' /　/ /
　　　　　　　　　　　 ,　　／≧=‐ﾍ 　 入　　 　 　 　 从{
　　　　　　 　 　 　 　 ／///／　 r＼ 　＼{≧く　{ /__
　　　　　　　　 　 /　 ∨/／　 　_,|　 ≧s。〉∧　 ∨=ﾊ
　　　 　 　 　 　 /　 　 ⌒　　／ﾆ,}　　}__/ﾆﾆ∧　 ∨ﾆ|
　　　　　　　　　　　　　　 ‐=ﾆ二ｱ　　,二≧=‐/＼ ,∨,|
　　　　　　　　/　　　　/二二ﾆﾆｧ 　 f-〈　 　 }　　＼ヽ}__
　　　　　 　 　 　 　 　 {二ニﾆﾆｧ　　/　 i＿_γ　⌒　　ヽ廴
　　　　　 　 /　　　　　∨ニニﾆ}　　,.ィi〔　　　　　　　　　ﾊ　(_
.　　　　　　/　　　　　 /∨ニニｧ　 / 　 　 　 　 　 　 　 　 }/　}
　　　　 　 　 　 　 　 /　 ∨／ } 　 {　　　　　　　 　 　 　 ‰　ゝ,
　　　　　/　　 　 　 /　　　f　　|　　|　　　　　　　　　　ィi〔 |／　 }
　　　 　 　 　 　 　 ,　　　__)k　i|　　ﾄ　　　　 　 ィi〔　　il　 i|＿__∧
　　　 /　　 /　 　 ,　　 /　　 ヽ|　　|/≧=‐=≦　 /　　 }　｜ / 　 }
　　　,　　　f　　　 i　　 i　　 　 :.　　|　　　　 ＼ ,/　 　 i|　 | 〈　　 |
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629： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:18:08 ID:vmPyY7jQ




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　　　　　　　　　　　 'i　　゛i　　 　／　|
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　　　　　　／　　　　　　　　　　　　 <-''''"　/
　　　　　,i´　　　　　　　　　　　　　　　　　,/
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　 .|ﾞ∨　　　　　　　　　,､　　　　　　　　<=ｯ
　 .l　　　　　　　　_,-''"　＼　　､　,-､　　＼__
　　入　　　　_,／　.,,,,---''''＼<ヽ/　ー― ‐゛
　ﾞヾ″　.,,x,,,._,,,／ﾞ＾ﾞﾞｰｰ-､__.ﾞ　　.i,,､＼ゞ
　　　｀''-|九ﾞヽ,lﾞ　　_,,-r‐ｉ　　　　<Ｊ || |
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　　　　　ﾞ'-ﾝ　 　　　　　　　　　　ゝ　| |
　　　　　ﾉ,.i>､｀-､、　u　　　　　　　／ |
　　　　　　|,r~i:　　｀'-､,_　　　　 ,-7 l　 レ､
　　　　　　　l"'ヽ-,,,,,,,　'''ｰ､,,,_.／-''"| 　|　"i
　　　 .,―'^"l､_　　　￣ﾞ'''''''''|゛|　| |　|　　lヽヽ､
　　　│　　　　 ｀''''ヽ-､,,,,,,　|,ﾉi　j |　|　　| |　│
　　 ./　　　　　　　"''ｰ-､,　^､ﾚﾞ.ソﾞ　レ''"イ　ｲ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　 「遣唐使船は嵐に揉まれて当初の目的地ではない福州に辛くもたどり着くが

　　　　　　　　　　　　　　　 その地では、遣唐使船の受け入れについて何の関わりも持たない地域であったため、

　　　　　　　　　　　　　　　　 処遇に困った現地の長官は拘束を考えた」


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630： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:18:27 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 ∧　　　　,ﾉ::::ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ,ﾉ:::ﾊ　　　/::::::::::'ﾊ
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　　　　　　 l'::::::::::::::::::::::::::::," ,_.|.l | l/ r' .i　.￣
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　　　　　　　　　);nr'Y´｀Y'　　|　.|ﾊ　 ,ノ
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　 　 　 ＿__/＿＿＿＿＿＿ﾆ､_|__ゝl＿!＿　　,r'￣ 　　,r - ‐' "´
≦者圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ y´ ￣^､ 　 i!る }
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ ∨ 　 　 　 ヽ　ヾ-′
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ　∨　　 ,ﾍ　 　 丶-′
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　 「空海はその時、大使である葛野麻呂に代わって書をしたため、

　　　　　　　　　　　　　　 遣唐使の目的や事情を説明した。

　　　　　　　　　　　　　　　 空海の書の見事さと文の完成度に感銘を受けた長官は、

　　　　　　　　　　　　　　　　 拘束を思いとどまり、賓客として遇したらしい」


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631： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:18:43 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「遣唐使の本隊が帰朝した後も空海は唐に残り、勉強に励み、各寺に学僧を訪った」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　/　　　|　. /　　　　　　 _ zー'' .ヽ　　　　i　　ヽ　　　　　　|ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　| 　　　| ./　　　　 zrｭ''＾　　　　　ヽ　　　i　　　丶　　　　.i　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／
　|　　　 V　　 　γ｀　|　　　　　　　　ヽ　 ｷ=ｭﾆー＼　　. ├ｭ_ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,＞'¨
　∨　　　　　 ／|　.　 i　　 z-ー三〒¨ヘ氏ー-ミﾐヽヽ　 　.i.　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ ＞-'¨
、 ∨　　　 ,イ　人　　ゝ''¨＾ﾘ .ｨ'　　　　　 丶ゝ　　　ﾞ　 ヽ 　 i.　　,,ｨメニニﾆﾆゝ　　　　　　　＜二
　ヽゝ　　/ .　　／ Y.i. i　　ﾘ　　　冫 '. 二二二ﾐ 、　　　　ヽ、i　　　　 ＼、　　　　　　　　　　　　　＼＿＿_
　　　　 /　_∠_／ .i .i .i　 ﾉ　　　 .／　　　　　　丶　　　　　　　　 zｪ=ﾐヾ、＼　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣ﾞフ
.＼ 　　iγ'　　　 ヽi .i .iノ　.　.　./　　 γ'. 乙丶　　　　　　　　　　　　　 ヽゝ　¨ﾞ. ﾒ　　　　　　　　　　　　　　　__ｚ- ´
　　 ﾞ-y.　 .r=ｭ、　| .|　.|　.　 　.|　　.　|.　..|　　.|　　　　　　　　 γ⌒.i:ヽ　.ヽ　　./　　　 てﾞー=、_＿＿ｚ-ー''＾
　　　 i 　 i　 r=入| | 　.λ　　　　　　弋つ｀.-.ｿ　　　　　　　　　ﾊ　ノ　|　　|　 /⌒ヽ　 　 i
　　　 i 　 i　i　____| |　　|ｷ　　　　　---ゝ ==ム　　　　　　　　 弋 >ゝ.ｿ　 ﾉ　/　 　 |＼　　i
　　　 ｷ　　 γ　 .| |. 　.| ｷ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣ﾞ`ー-　　 /ヽ 　 ﾉ　 ヽ　.|
　　　　ｷ　　ヽ　　| |　　 |.λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾌ　 /　　　丶 |
　　　　 .∨　　｀-.|..|　　 .|.λ　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　.i /　./　　　　　.ｷ|
　　　　　　ヽ、 　 | .|　　 | .λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　./
　　　　　　　　.＞.|　　　 ｷ .λ　　　　　　ー ＿__　　　　　　　 　 ﾉ　　　　i　./
　　　　　　　　/　 i　　 　 ｷ ∧　　　　　　　 　 　 ￣~＾¨'''ー-ー'　　　　. iノ
　　　　　　　,彡ｲ. i　　.　 .ｷ　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|
　　　　　　／ ./　オ　　　..ｷ　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|
　　　　　　　　i／ ..i　　　　.ｷ　　∧　　　　　　　　　　　　　　　　.　.　.／
　　　　　　　　rｔ==.i.　　 　 .ｷ　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　 　　／
　　　　　　　/　.￣.i.　　　　 .ｷ 　 ＿＞　　　　　　　　 　　 　.　／　　　　　　　　　　　　　　　.　z へ ー-弋 ＜
　　　　　　./　　　 ,ｷ　　　.　. i／　　　　＞　、　　　　　　 zイ＝ 入　　　　　　　　　　_.z-r''￣　　　　＼　∧　.＼
￣ﾞー＜__/　　　　　ｷ＿＿　　ｷ .￣`ー--ｭ ___ ｀丶-　イ._.ｪ亠￣　∧　　　　　＞ー''　　　　　　　　　　 ＼ ⊥　　.＼
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　「空海は唐の言葉がかなり自由に操れたので一人で残っていても問題なかったわけだ。

　　　　　　　　　　　　　　このあたりは空海の才能とともに、大学で学んだことも大きく影響しているだろうな」



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632： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:19:00 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　「その諸寺来訪の最中に、空海は青龍寺という寺を訪れ、

　　　　　　　　　　　そこで恵果という真言宗の僧にであう。

　　　　　　　　　　　　この恵果という僧は、真言八祖である、インドの僧不空の嫡弟子だった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ:|:|:|//7士廾トj､|:|　 ｉ|ﾊ|ﾘ::::|::| |ﾊ::::}
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 V⌒ﾞＹ/ﾘ代及癶ﾊ|　 ﾘ戎::::∧i::|　j/
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ⌒从　｀¨¨"　　 　 {'¨´|:/! ∧|
　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ ､　　　　　 　 　 ゝ 八j/　ﾘ
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　　　　　　　　　　　　　　　 　 r〈:.:｀:.:.....､　ーく
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 , ＜＞∨.:.:.:. ∩ |.:.:.:.Y',
　　　　　　　　　　　 , ＜＞ '.:.:.:.:.:.∨.:.:.:.ﾊ} ト､: :|∧､、
　　　　　 　 　 , ＜＞ '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨ /!o|_＿,ｘ|/∧:.｀`ヽ、
.　　　　　　　 /￣｀ヽ:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.:.:.:.:.:∨:.! :|圭圭j ＼|:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　 ′:.:.:.:.:.:.＼ :.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. {:.:{圭圭,ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:i
　　 　 　 　 ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.', .:,|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽo寸圭圭|、:.:.:.:.:.:.:И!
　　　 　 　 ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ＼:寸圭|:.i:.:.:「￣:Ⅳ
　　　　 　 ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Ⅵ |￣￣￣￣|:.:.:ヽ o寸:i:.:.:|＼｡|j
　　　　　 ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j!:.:|ー‐iﾟiー一|:.:.:.:.:.＼|:.:|:.: |:.:.:. |!　　　　　　　　【恵果】
.　　　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／/:.:.:.|:.:.:.:.{:}:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:|!.:|:.:.:ト､:.:|!
　　　　　「ミﾆ＝==＝彡イ.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.／: :i.:.:.:.:. |:o!:.:.:.:.:.｀j|
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 真言八祖 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /　　　　この真言八祖と言われる系譜には『付法』と『伝持』二通りがあって
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/　
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　 ”付法の八祖”は真言密教の御本尊様である大日如来様の説法が
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　 弘法大師さんによって日本に根づくまでの八人の法流の系譜です。
:::::/:;' /⌒ヾヽ
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　 大日如来、金剛薩タ、龍猛菩薩、龍智菩薩、金剛智三蔵、不空三蔵、恵果阿闍梨、弘法大師の八人です。
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　 ”伝持の八祖”もやっぱり日本に真言宗が根付くまでの八人の祖師様のことですが、
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　 大日如来と金剛薩タは歴史上に存在しないため、別な二人の人物と置き換えられています。
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　龍猛菩薩、龍智菩薩、金剛智三蔵、不空三蔵、善無畏三蔵、一行禅師、恵果阿闍梨、弘法大師の八人です。
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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633： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:19:19 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　「恵果は、不意に訪れた空海と対峙するなり」


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　　　　　　　｀ヽｰ-..､
　　　　-=＝ﾆﾆ¨'ヽ､ヽ　 ,....-‐:::¨¨¨':ー-..._
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　 　 　.i:;/l!:::/;':/:;'/lﾍ::';::::;::::'::;:':;｀､::‘;:::::ヽヽ::::l::::::|
　　 　 j/ l!;ｨ::l:::{::l::|　 ﾏ:';:::',::斗七:';:::::}:::lｒ‐､';::l:::::j　　　　　　　　 『われ先より汝の来るを知り、相待つこと久し。
　　　　　 |ｌ !:|!::|:::l:ﾄ､　}::七弍符ア;'从::}jﾄ､ }:l:l::::;′
　　　　　 |! ';||::|';::|:} ﾉ |:.}j! }辷ン´ j!ﾚ'}| j.,ﾉ,j:l::j/　　　　　　　　　　今日相まみゆること大いによし、大いによし。
　　　 　 　 　 ';j.ヽj〈　.j/.j　　　　　　　　_,イ:l::/
　　　　　　　　　　　ヽ　- ‐　　　　　　　　 |:l:/　　　　　　　　　　　　 法命尽きなんとするに、付法に人なし、
　　　　　　 　 　 　 　 ヽ､　　　　　　,　 　 .|:;′
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ､_, .ィ'.´　 　 .,.Κ　　　　　　　　　　　　　　必ず速やかに香華を弁じて灌頂壇に入るべし』
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 _,..｀}　.,...:＜´:::Y-､
　　　　　　　　　　　 　 　 ,f´:::::::} ∧::::::::::::/ｰ､:＞:.､
　　　　　　　　　　　　,..ィ/::}:::>'´!.{::|:ﾏ::::::/:::::::::::｀:ｰ:､＞.､
　　　 　 　 　 　 ,..ｒ':´::::/::/jｨ､-　|o|:::ﾏ:/:::::::::::::::::::::::::::｀:::::＞､
　　　　　　　　/:::::::::::::::ﾚ'/}ﾆﾆﾆﾌ:::|:::::¨:／::::::::::}::::::::::::::,ィ'⌒':ヽ
　　　　　　　 {::|::::::::::::::::://ニﾆﾌ:::/::::¨´::::::::::::::::|::::::::／:::::::::::::::‘，
　　　　　　　 |:l|::::::::::::::/:/ﾆﾆフo/::::::::::::::::::::::::::::|:::::/::::::::::::::::::::::::}!
　　　　　　　 |l|-‐┐:::{:::{ﾆﾆ7:::/::::_:_:_:_:_:::::::::::::::|:::/:::::::::::::::::::::::::::}!
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　「と言い、ほとんど時を移さずに秘法伝授の儀式を空海に対して行った」



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634： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:19:39 ID:vmPyY7jQ



　　　　「祖師である不空から伝えられた仏舎利、仏像、図画、仏具、法衣など、そのすべてを空海に授け、恵果は入寂。

　　　　　　恵果の灌頂を受けた空海はその後バラモンの秘法を授けられたりして帰朝した」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　 _　‐=: : : :.､: }_　 　-‐=　　_　　　　　　　　　『早く郷国に帰り以て国家に奉じ、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : ､: :＼: : : :　　　　　　　 天下に流布して蒼生の福を増やせ、しからば即ち四海安く万民楽しまん
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::/:/: :,: : : : : : ＼: : : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　　　　{ ｲ :{:{:l{:r‐､:}: l: :}: }: ｌ: :} l_: }: : :　　　　　　　　　　 これすなわち仏恩に報じ、師徳に報ず国のためには忠なり、
　　　　　　　　　　　　　　　{/:{:{:l{:l､　l}ｉ,ｨ竓芹ｌ: :}/ V : : ′
　　　　　　　　　　　　　 　 　 {ﾊl{ﾘﾉ ﾉｲ ゞ'’　从}　ﾉ}:: /　　　　　　　　　　　 家においては孝なり』
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀〈　　　　　　　　~　}: ′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　¨¨　　　ｨ　　}/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ=≦　 _ ｨ个
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　-=ｧ 斗≦:i:／-/-〕iト．
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 r=/‐‐‐/V}i:i:i:i／- , ‐‐‐‐‐‐→．
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {‐'‐‐‐/乂l}i／‐ ／‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐V
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾚ‐‐‐'儿/, ‐‐／‐‐‐‐／‐‐‐‐‐‐‐，
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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635： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:19:55 ID:vmPyY7jQ

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
8：開宗

ついに法宝を懐いて本朝に帰来し、秘密の門を啓き、大日の化を弘む
天長元年（824）少僧都に任じ、七年（830）大僧都に転ず

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「空海が唐から戻ってきた時期に関しても諸説あり、

　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼　　　　　　　　　　大同元年（806）の八月とも十月とも或いは十二月とも、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |　　　　　　　　　翌二年のことであるとも言われている」
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
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　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|



..　　　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ばらつきが一月単位なだけまだマシだと思うべきかお」
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （●） 　（●）
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ

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636： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:20:09 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「その上、空海は唐から帰ってきたもののしばらくは京への立ち入りが許されず、

　　　　　　　大同四年（809）にようやく京に足を踏み入れることが許されるようになった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　/. : : : : : : : : ,
　　　　 .′. : : : : : : : :!
乂　　　i : : : : : : : : : : ー: : : : :-ミ　　ﾊ
: : : :ー:.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｀斗{
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヾ(
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ｰイ
＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/
　.斗: : : : : : : : :＞イ. : : : ｨ. : : : :}ー-ミ: : : ≦
". : : : : : :_ィ≦＝爻. : ／/ . : ／　　　　 7⌒
￣ア. ／ /} { r-ﾐ_匕´　/._:イ_＿｀ヾ==彡
. 彡 "　./. } {{{　 ﾋﾂ　　　ﾓﾂ　 }} }ｲ　,.ﾊ
　 　 .イ　/j:　 ー‐　;　　 ｰ--　　′/_j {
　／ 　 ./　i　　　　_＿__　　　i　　___彡'⌒ : .
ｲ{　　 .ｲ　 :!　　　 ハー-ヽ　 :し./ハ　 }}　　　｀ヽ
.八_／ {{ 　 ＼　　ゞー==:j 　 イ}　 }}　/　　　　　}ー ､
　　{{　 }}　　　i｀: : .._＿_ ..イ}　./　 / /　　　 　 ./: : : : :.
　　{{　 }}　　　{: : :_:_:}__/._:_/イ　 ./ / 　 　 　 ./: : : : : : i
.　 八　 ＼　　}f´; ; ; ; ; ; ; ;ハ　彡 ' 　 　　　.ｲ. : : : : : : }
　　　 ＼　 ＼/｀ー-f:::ﾊ-‐=ﾐ　　　　ノ　 .／＼_:_:_:_:_:_:_j{
＼ 　 　 .＼　{ _　　 廴:ﾘ　　_.}　. イ　　.ｨ乂_＿＿＿＿__j
..　＼　　　 .＼ーﾐ　ff　ﾊ ﾉr=}　　　　/. : : :_ : : : : : : :}⌒i
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　「これについては、空海をめぐる政治状況が関係していたと考えられる」


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637： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:20:26 ID:vmPyY7jQ



　　　　「空海は、京に立ち入れない時期に唐から持ち帰った経文や

　　　　　　　　　　　　　　図画など様々なものをすべて高階遠成に託し、朝廷に上表した」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ::::::::::::::弋_,ﾉ:::::::::::::丶
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　　 　,/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::,ヘ::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _,／i
　　　　　　　　　　　　 lヽ　/::::::::爪─ﾍ:::::i─ヽ::::::::iﾍ:::::::::::::::::::::::::/　　　　　　　　『俺が持ち帰ってきたものは、
　　　　　　　　　　　　 l:::::｀'::::::/l i レ─＼!─‐＼:::i'-ゝ::::::::::::::::::/
　　　　　　　　 　 　 　 ＼::::,-‐､N;ｿ　 　,ｨ一''　　ヽ! 　ヾ::::::::::／　　　　　　　　　　　　　まとめて”御請来目録”と呼ばれてるぞ』
　　　　　　　　　　　　　　Y,へ/,/ i.　　 　 ､＿,,,　　 ゝ_　＼:::::＼
　　　　　　　　　　　 　 　 { l( //　! 　"" 　｀￣´　, ヾ､、/　｀￣￣
　　　　　　　　　　　 　 　 ヽノ/　/　 　 　 ＿　　-ゝ　 /ｿ
　　　 　 　 　 　 　 　 ＿／ /　 /ﾄ　　　 い　￣丶_　/´
.　　　 　 　 　 ､-‐ "´　　,ｲ 　./:::!.丶　　丶.　　‐-ｦ/
　　　　　　　　 ＼　 　 ,ｸ 　 ./ ｀.l　　丶、　｀‐‐ '"ノ
　　　　 　 　 　 　 ゝ／　　 /.　　l　　　'';;丶＿,／l
　　　 　 　 _ -─､─ ` 、 / . r‐┴'‐─一Y'‐‐一ﾍ　　_ ,, -─"｀τ´ヘ
　　　　　／丶　-‐ヽ　　v'─┴ - 　　　　 |　　_, ‐ ト´,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;,, ｀i⌒F丶
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「おみやげだけ先に渡すしかなかった感じね」


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638： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:20:48 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「やがて京に戻った空海は、和気真綱の厚意により高雄山寺に入る」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　゜ﾟ¨"　‐-┬‐-､:::::::::::;ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
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:::'.　 Y　　{　ｌｌ　:l 　 .んハ　`ｰ- ＼_,'　,斗 ､　 ／｀ヽ:::::::::::::::::::::__＞
:::::ヽ　＼__） !ｌ　 ｌ　 弋zツ　　　　　　 んﾊ　// ＼:::::ｌ ￣￣￣
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　　　　　　　　　 「おぉ、また高雄山寺が出てきたであります」



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639： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:21:03 ID:vmPyY7jQ



　　　「弘仁元年（810）に空海は、高雄山寺において

　　　　　　　　　　『鎮護国家の修法を行いたい』と嵯峨天皇に願い、許されている。」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　 ＿,_／:::::::::r⌒ヽ ' ´　/⌒'ヾ　　i;l⌒ヽ/....;　　　　 ｛{ ） } }　 !,j　 {{{　　/　　./　.// ]:｢´ ./　　 　 /〉ﾉ／ル'
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　　 　 ￣￣フ 入　9 ;　　　 　 　 　 ､ ソ､.　ヽ.＿、、ﾒ≧─く巛|　 　 ｀'ー―― '´ , , ヾ:､＿＿_ノ,ｲ}}〉〕} }}＾ヽ
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IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

『宮中には即ち長生殿を捨てて内道場となし念誦の僧らをして修行せしめ城中城外にもまた鎮護念誦の道場を建つ
（中略）
伏して望むらくは国家のために諸の弟子等を率い、
高雄山寺において来月一日より行に入り、法力の成就すまで山門を出でず』　　【 性霊集四　奉為国家請修法表一首 】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


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640： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:21:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　「この空海が申し出た『鎮護国家のための修法』というのは、まことに時宜に適うものだといえる」



　　　　　　「時はまさに薬子の乱の決着を見て、世の混乱すること甚だしい時期であり、

　　　　　　　　　この時期に国家のための修法を行いたいと申し出たのは空海の明敏だな」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　「ちなみに、空海を京に立ち入れなくしてたのは平城天皇だという説もある」



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641： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:22:30 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　「ところで、高雄山寺は先に最澄のエピソードで見たとおり、

　　　　　　　　　　最澄が天台講を行った舞台であり、また、本邦初めて最澄が密教の灌頂が行った寺だ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　 　 　 　 　 　 ,イ　　　_　　　 __
　　　 　 　 　 　 ﾄ､{ {,.　 ´　　　　　　　`　 ､
　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿__
　　　　　　　　 ,.'/　　　 //　/ i　　ヽ　ヽ　　　 ヽー'´
　　　　　　 　 //　/ / ///:/　:!　　　|　 | ヽ 　　 ヽ
　　　 　 　 　 i | /　:!　!:! | |　 :|　 　 :|　 |　|　 ヽ　 i
　　　 　 　 　 | | |　 |　ﾄＬＬﾄ､ :| 　　_」 /」 _!　　 !　:|
　　　 　 　 　 | |:i|　イ´レ＝ミ､!　　 /j/_」/j/ヽ :| 　|
　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|　　　　　　『えっと、そこに僕の荷物とかあるんだけど（史実）』
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !
　　 　 　 　 　 　 :.　　:| ＼　　 　 _　　　／　　 /j/
　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N /
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜
　 　　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_
　 　 / 　 　 ヽ 　/ _┐ |　|　|　:!､人_ｊ　　　　　　　　`ヽ
　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ
　/　　　　　冫７　　／　/´　 　 ￣ ＼　　　 　 ＼　|　　 ∧
　〉　　　　 _/ 〈　　　　　　　　 ,.┬ ､＿〉　　　　　 ヽ!　 /　 :.
/　　　 ／{　 ヽ＼＿_／￣〉￣} }| |　　　　　　 　 　 |: /|　　∧
〉　　 / 　 ヽ　　`ー＝≦/　　〈ﾉ !j/　　　　 　 　 　 |//　　:| ∧
　／/　　　　＼　　　　/　　　　　|　　　　　　　　　　|/　　　|　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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642： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:22:42 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「そこに空海が入り『鎮護国家の修法を行う』というところに、

　　　　　　　　　　　時代と権力者の移ろいを見ることが出来る、といってもいいだろう」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.....,,,,,,,....._　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..イ　　　　　　 ｀:..､　　}　 }
　　　　　　　 　 　 ､　 　 　 　 ,. イ　　　　　　　　　　　 ｀;ムノ
　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ＝ニ´　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀､
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　　/:/ :/ :!　　.:| :!:! ! :|　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　i 　 .:|　_i斗‐|-!|　　 :|斗!廾ト､|　:|　:! 　 !
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 !ハハ八　　:i∨リハｲ . /　:|　　!
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 ||　, ‐:､ ∨ /. ., ‐:､ヾｊ /　　| 　,'　　　　　　　『ちょ、待てよ』
　　　　　　　　　　　　　| |　:!＼:ﾘ 弋_丿 .∨　弋_丿 |/　　 :! :/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !ﾊ .:|　 :＼　　　　　 　 　 　 ｲ　 　 .':/
　　　　　　　　　　　 　 　 ∨ !　:ト 　 　 ` 　 　 　 　 !　 　//
　　　　　　　　　　　　　　　∨Ｖ iﾍ　 　 f￣￣|　 　 // ///
　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　iヽ. └─.┘ 　 ｲｲ //ムゝ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨!|　 ＼ __　イ 　 ,ｲ/)）くニニｺ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ　 ,.ｲ　　,.＞"´ /!:::ト､:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ:/ >-< 　 　 　 ｊ::::l::::::｀::...､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,..イ:::::/:::| /⌒ヽ＼　　,ｲ::::::l:::::::::::::::::｀:::...､
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,...イ:::::::::::::/:::: ﾚ{...:::ノ　　ヽ'/:l::::::::l::::::::::::::::::::::::::::｀:::....､
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「最澄はオワコン」


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643： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:22:54 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　 ,.　 ´　　　　　　　　 ＞'ノノ.....　＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　 　 　 　 ｀７　 /　{　| 　 　 /　! / ,ﾊ :!　|　 |　　　 :....｀ ７::T ￢:::::｢　'⌒≧=彡イ^　u　厶イ二二 ｀ヽヽー‐---
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　 　 　 　 　 !i　| :Yヽ!.=彳⌒V〉 ::::::::::::/ //......ヒ　　　 　―z∠ /　 /}　XXX　　　 　､__　　　 ｀￣ｌ｢|||||l　 ﾉｲ/
.　　　　 　 　 !　|　 Vﾊ:::ﾉ'　 　`ー―　´ | |　 /.....リ　　　 ／　７￢/_,ｉ　XX　　　 　 　 ||　 　 　 　 　 　 　 　 し'
　　　　　　　　　|　　八　 　 　 　 　 　 Ｕ! !　　ヒ.　―z∠　　/　 /ゝ'{　 __　　　　　 　 ij　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　|　 :i　|＼　 ,. ‐ -､　　／! !　/V/ リ／　￣ 7￢ｚ 　 ∨ 　 }　　　　_　　　　　　　　 u　 　 人__／
　　　　　　　　　|　 :|ヽ!　 ヽ　　　　／　 :!　/￣「:}./　　　　/　 / 　／　　丿　　　　　ヽ 　　　xxｘ　　　／::ハﾉ
　　　　　　　　　＼ :!　　　　 `ー＜} -―| /.　 　 〈　　 　 /　 / ／　　 ／ ｀ヽ　　　　　　　　XXX　 イ⌒ヽ
　　　　　　　　　 　 ヽ　　 ＿__／　　　　j/_,.　-=ミ ーへ/ｰ-'　i　 　 Y^ヽ, -‐个x、　　 　 　 ＞''"´　|、　　ズ キ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　／＼　　　 ／.ﾞ＿＿＿＿＿＿＿_」　 　ﾉ／⌒Y/,ｊ　　　ｰ=≦三　　　　 j>ヽ　　 ズ キ
　　　　　　　　　　　　　/ V　　　 ＼／ﾞ／{＿＿/　　,,;;,, 　 　 ﾉ 　 ／ 　 ／⌒Y､　　　　　　　　　 ／ 　 厂￣￣
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　　　　 　 　 　 ／　／　　　　　　　/.....′| 　/ 　 /////////＼ 　 　 　 ／　 ノ j　　 |　 　 　 　 　 ／_＿＿＿
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　「そして弘仁三年（812）、空海は『高雄山寺の主』として『そこを訪った』最澄に結縁灌頂を施す」



.

644： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:23:11 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ー＝ニ二＿,. ::::::::::::::弋_,ﾉ:::::::::::::丶
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　　　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ、|: : : :| 戈z丿　′　ト:ﾘ 从: : |: :′　 　 　 ､＿,,,　　 ゝ_　＼:::::＼
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　　　　　　　　　　　　く＼:.:.∨:八　 　 、＿ 　 　 ′: : /...　/　 　 　 ＿　　-ゝ　 /ｿ
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　　　　　　　　　 　 └─/:.:.:.:ｲ　＼＼　 __／　/／〃...　/:::!.丶　　丶.　　‐-ｦ/
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　　 　 　 　 　 　 　 ．. :´.:.: |.:.:.',　　　／ﾍ Vヽ､、......　/.　　l　　　'';;丶＿,／l
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　 「この時から数年、最澄と空海は蜜月を経て、後にその関係の破綻を見ることになる」


.

645： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:23:23 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その当時の空海の立ち位置として注目すべきは、
　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　 　　／　ノ　　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　弘仁元年に空海が南都の東大寺の別当に就任しているというところだな」
　　　　　　　　 　　　| 　（●）（●） |
　　　　　　　　　　　 |　　（__人__） ｜
　　　　　　　　　　 　|　　 ｀ ⌒´ 　 |
　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　 　　　__,, -ヽ　　　　　ノ　-､
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　　　　 　 　 {:::　　 l　 ＼　ヽ };;{ | 　 | i　 }
　　　　　　　 {:::::..　〈;;,, 　ヽ　V;;;}ﾉ　　l彡 ヽ
　　　_,,.-‐''" |::::::::　 ヽ--､ ＼ >--'⌒ヽ::.　 }
　　　||　|_,,.ィ'|::::.....　　 }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::　　）_,
　　　||　|　||　!::　　　/　　　 　 .::ﾉ::::::::::.　　ノ
　　　||　|　|| _ヽ,,　.;:::　　 _,,.-‐''"ー''--''￣
　　 _,,. -‐''"　　｀ｰ---''"

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 別当って？ 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　　お寺さんにおいては寺務を総括する役職のことを指します。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

646： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:23:44 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「最澄と対立していた南都の寺が、天台宗に対する勢力として、

　　　　　　　　　新興の空海を抱き込もうという意図が見え隠れする」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　 　 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　丶、　 ＼::::::::::::::::,ｨ-y;;ﾒﾍ::::::/- 、
　　　　　＼ﾞ';‐-::':::::::::::ｨ-‐ノ'' ─ｌ::/─
　　　　　　 ＼::::::::::::::/　__　　　　'⌒
　　 　 　 　 　 ｀''''''ﾅ{:　'　ヽ　　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　　ﾒ /i　 o ﾉ　 　 o ﾉ
　　　　　　 　 _／ /　|
　 　　＿__ ／　 ,/　 /i　　 ､' 　　　　　r
　　　＼　　　　," 　 i 　､ 　‐-､ 　 　,イ
　　　　 >､ _,／　　,/‐-γ ､__　 _,,／,"｀T;
　　　 i,　　, ヽ_　 ,/;;;;;;;;ゝ　　　 ｀Y´　　 l;;
　 ,､_ノ ､　 i　 ,「´;;;;;;;;;;;;;;丶、　　.|　　_ノ;;;
　ヾ 丶　ヽ |　 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''｀､.,一 '￣;;'''';;
　 ,〉　ヽ ',　i　 |;;;;;;;;;;;;;;;;;;'''`、y　,-､｀Y_ノ;;
,_ハ､　 ゝ '､l　 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;､,　Y' i 　 l　Y｀,;;
　＼ ヾ ヽ　.i　 !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀;'i　｀- ' 　l,;;;;;;
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　「その南都の意図を知ってか知らずか、空海はこの東大寺以外にも

　　　　　　　　　　　　様々な寺の寺務において優れた経綸の手腕を見せることになる。

　　　　　　　　　　　　　　このへんは大学での学問の成果か空海の素質か」



.

647： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:23:59 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　「さて、日本真言宗の開宗はこのあたりの時期と考えられるが、

　　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　これまた統一された意見があるわけではなく、割とカオスな状態」
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|　　　　　　　「えー、それくらい統一するべきじゃないの？」
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |


.

648： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:24:14 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　 .ｲ
　 　 　 　 　 　 　 　 ／. :{
　　　　　　　　　　／. : : ::!
　　　　　　　　　/. : : : : : |
　 　 　 　 　 　 ': : : : : : : i＿__　　　　}＼
　　 }＼: : ｀ .＜!: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ }: : :'.
　　 }: : ｀ヾ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ: : : {
　　 乂: : : : : : : : : : : : :, : : : : : : ;_:_: : : : : 乂_
_　　　　｀ ＜: : : : : ／/.:／ハ: :/　　￣ヽ: ≦
　｀ー-=ﾆ二ﾆ=彡' .乂ｲv/　 }ｲ∨∨.:＞{弌
⌒ー--=斗　.／.{　　　 :i|　　 　 !: ::}:ﾞ ハi
　＞　 ´ 　 ｨi　fz}　　 ｡ ji 。　　 i: : } f⌒:}
　}＿彡'"´ 八 　 }ー-=弐ー--ｲ　　.仗,
　　　　　　　　ゝ-;　　ゝtj-　　 u　 iーく_　.. -‐ｧ-
　　　／⌒i￣￣/U　 //　　 し　　从メ　　　 {{
.　　/}　　｜　 八 f匕ｲ二二±:j /{　　　　　 ′-‐
.　　}.乂　｜r--- ≧=-- - -.=≦ｲ‐‐‐‐┐ /　_彡
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　「まぁなぁ。同じ古義真言宗の系譜である東寺と高野山の間でさえ

　　　　　　　　　『開宗』がいつであったのかが統一されていない状況なので、

　　　　　　　　　　ぶっちゃけ真面目に調べるのがバカバカしくすらある」


.

649： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:24:31 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「東寺の方では弘法大師が東寺を嵯峨天皇より賜った弘仁十四年（823）を開宗の年としており、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 2023年に立教開宗千二百年の大法会を行うべく準備している」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　 「一方高野山のほうでは弘仁元年（810）に嵯峨天皇に書を送り、
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、　　　　　　　　　　　　 真言宗開宗の勅許を得たとされる時点を以て開宗としている」
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　　　　　　　　 　 　 　 ‐=――ﾆ=‐
　　　　　　　　　　ィi〔//{　　　＞｡./ ＼__
　　　　　　　　 ／//}＞'i　　　　 l　ヽ／＜ヽ
　　　　　 r‐=≦/　 {　　|　 　 　 |　　　 　 ＼
　　　　　 |　 {　　　 ｉ　　|　 　 　 |　　　 l　 　 ヽ
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　 　 　 |　　　 |　　　〈
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　　 　 八　 　 !　　 / /ヽ
　　　　　 |　 {　 　 丁￣{　　　 /￣￣　}　　/ /　/
　　　　　 { { ‘，　　,x笊うﾐ 　 /,ｨ斧丐/　 / /　/
　　　　　 {{ ',　 ，　ゝVツ　ヽ/ 　 Vツ/　:/ /　/
　　　　　 }}　ﾟ。 ＼_＼　　　 　 　 　 〈/ / /　/|　　　　　　　　　　　「自分たちの立場のことしか考えてやがらね―であります」
　　　　　 l!　　＼ {　＼ 　 　 '　　　／ /　乂ｨ｜
　　　　　 |　　 //|　 |　へ　 ^　,ィ /／　}//ﾍ :|
　　　　　 |:　　{/,'|　 |//{ﾆ≧≦ﾆ}77{ 　:|///} |
　　　　　 |　 ィi〔｜　{///ヽﾆ／ ///{　 :|///} |
　　　　　 |/ニﾆﾆ|　 i ⌒＼ｉ:ｉ／ ゝ< i　 :|=:＞｡!
　　　　　 {ニニﾆ:|　/　　　 T　　　　:l　 :|ニニ:}
　　　　　 iニﾆﾆ:／ 　　　　 |　　　　　＼|ニニ:ｉ
　　　　 　{::ニ::/ 　 　 　 　 :|　　 　 　 　 ﾏﾆﾆ:}
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　 　 　 　 :=:{///////////}//////////77/ /
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.　　　　　 |: Ⅵ=:∧￣T¨¨　lゝ‐=≦//ﾆ二:.　 |
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.　　　　　 |　　 ∨ニ∧　　 　 　 /ニニ:/__　　|


.

650： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:24:44 ID:vmPyY7jQ



IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
9：入山

自ら終焉の志あり、紀伊国金剛峯寺に隠居す

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　 「弘仁七年（816）に空海は
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、　　　　　　　　　　紀伊国の高野と呼ばれる四方を山々に囲まれた土地を拓いて
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.　　　　　　　　　真言宗の修行のための寺を建立したいと申し出た」
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


.

651： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:24:56 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　「この願いは容れられ、一伽藍が建立される。これが即ち高野山真言宗総本山、高野山金剛峯寺だ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　/　　　|　. /　　　　　　 _ zー'' .ヽ　　　　i　　ヽ　　　　　　|ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　| 　　　| ./　　　　 zrｭ''＾　　　　　ヽ　　　i　　　丶　　　　.i　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／
　|　　　 V　　 　γ｀　|　　　　　　　　ヽ　 ｷ=ｭﾆー＼　　. ├ｭ_ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,＞'¨
　∨　　　　　 ／|　.　 i　　 z-ー三〒¨ヘ氏ー-ミﾐヽヽ　 　.i.　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ ＞-'¨
、 ∨　　　 ,イ　人　　ゝ''¨＾ﾘ .ｨ'　　　　　 丶ゝ　　　ﾞ　 ヽ 　 i.　　,,ｨメニニﾆﾆゝ　　　　　　　＜二
　ヽゝ　　/ .　　／ Y.i. i　　ﾘ　　　冫 '. 二二二ﾐ 、　　　　ヽ、i　　　　 ＼、　　　　　　　　　　　　　＼＿＿_
　　　　 /　_∠_／ .i .i .i　 ﾉ　　　 .／　　　　　　丶　　　　　　　　 zｪ=ﾐヾ、＼　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣￣ﾞフ
.＼ 　　iγ'　　　 ヽi .i .iノ　.　.　./　　 γ'. 乙丶　　　　　　　　　　　　　 ヽゝ　¨ﾞ. ﾒ　　　　　　　　　　　　　　　__ｚ- ´
　　 ﾞ-y.　 .r=ｭ、　| .|　.|　.　 　.|　　.　|.　..|　　.|　　　　　　　　 γ⌒.i:ヽ　.ヽ　　./　　　 てﾞー=、_＿＿ｚ-ー''＾
　　　 i 　 i　 r=入| | 　.λ　　　　　　弋つ｀.-.ｿ　　　　　　　　　ﾊ　ノ　|　　|　 /⌒ヽ　 　 i
　　　 i 　 i　i　____| |　　|ｷ　　　　　---ゝ ==ム　　　　　　　　 弋 >ゝ.ｿ　 ﾉ　/　 　 |＼　　i
　　　 ｷ　　 γ　 .| |. 　.| ｷ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.￣ﾞ`ー-　　 /ヽ 　 ﾉ　 ヽ　.|
　　　　ｷ　　ヽ　　| |　　 |.λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ﾌ　 /　　　丶 |
　　　　 .∨　　｀-.|..|　　 .|.λ　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　.i /　./　　　　　.ｷ|
　　　　　　ヽ、 　 | .|　　 | .λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |/　./
　　　　　　　　.＞.|　　　 ｷ .λ　　　　　　ー ＿__　　　　　　　 　 ﾉ　　　　i　./
　　　　　　　　/　 i　　 　 ｷ ∧　　　　　　　 　 　 ￣~＾¨'''ー-ー'　　　　. iノ
　　　　　　　,彡ｲ. i　　.　 .ｷ　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|
　　　　　　／ ./　オ　　　..ｷ　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|
　　　　　　　　i／ ..i　　　　.ｷ　　∧　　　　　　　　　　　　　　　　.　.　.／
　　　　　　　　rｔ==.i.　　 　 .ｷ　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　 　　／
　　　　　　　/　.￣.i.　　　　 .ｷ 　 ＿＞　　　　　　　　 　　 　.　／　　　　　　　　　　　　　　　.　z へ ー-弋 ＜
　　　　　　./　　　 ,ｷ　　　.　. i／　　　　＞　、　　　　　　 zイ＝ 入　　　　　　　　　　_.z-r''￣　　　　＼　∧　.＼
￣ﾞー＜__/　　　　　ｷ＿＿　　ｷ .￣`ー--ｭ ___ ｀丶-　イ._.ｪ亠￣　∧　　　　　＞ー''　　　　　　　　　　 ＼ ⊥　　.＼
　　　　　　＼　　　　　　　 ￣｀-ゝ　　　　　　　　.￣T￣　　　　　　　∧　＞ー''　　　　　　　　　　__z=ｭ、　　ヽヽヽ　　ヽ___
　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|　　　　　　　　　　Y　　　　　　　　　　＞ｨ'''＾　　　∧　　　Y　ヽヽ　＼ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　　　　「現代ではただ単に『高野山』と呼ばれることが多いですね〜」


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652： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:25:18 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　「さて、高野山における空海伝説の一つに、飛行三鈷というものがある」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
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　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
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　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
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653： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:25:34 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　「空海が唐からの帰り、明州の浜に立って」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　　た　耳　我　　　└ｧ　 ::.　:.　　　 ::. :　　:.　::.: 丶┘
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　　ま.　を　が 　 　 |　 　 ::　:: ／.: {　::. :　 :.:::.: 　 　 |　　　佛 　 ま　　天
　 　 　 　 　 　 　 　 |　ト､ :. ::/ .i:i:.　､.::..:.　　　 　 　 :|　　　た　　た 　 空
　　え　傾　声　　　 |　| i: ＼{　i:i:i:i:i:. ` ｰ- ､｀ヽ.　　.:|　　　ち　　の 　 に
　 　 　 　 　 　 　 　 | .:| i:i:i:i..　 i:i:i:i:i:i:i:i:.:.....　 ヽ}＼ : |　　　よ　　　　　 散
.　　：　 け　に　　　 | :. ､ :.i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:.:.. .:i　｝:.| 　 　 ：　 　 　 　 ら
　 　 　 　 　 　 　 　 |､＿＼ :.i.i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i.i / : |　　 　 　 　 　 　 ば
　 　 　 　 　 　 　 　 | ＼ :.i:i:i:i:i:i:i_ｨ:i:i:_ｨ:i:i:i:i:i:i:i.i /. : .:|　　　　　 　 　 　 る
　　　　 　 　 　 　 　 {＼ ＼＿∠ノイ__j／ﾆﾆ７<:: 　 :|
⌒Z　 ,.-‐v‐- 、　f⌒＼｀孑ﾊ{⌒＼_ ´_／⌒ﾊ）}::.　.::〉
.::　j／　.:.:　::.　[＼|＼_＿ﾌ/ｰﾍ'' ￣´　｀￣''んン:::....:' 7　,.　-‐=ｧ
:::.　 _＿_::: . :.　:｢｀ヽ.＿_／￣´人 　 ,ﾆ、　人￣￣￣/／￣￣〕'⌒j／⌒ヽ{＼
￣_＿__ﾉ_::　.:　:.',　 _＿＿＿_ { 父_　ニ イ　.} _＿__∠_＿＿_,/ 　 ::. 　（￣￣＼
／／⌒ヽ,）::.　::.∧ ∨/////∧＼　｀Y´　／/////////// ∧:. 　::::　 :. 了＼　＼　　　　　 『諸学の教法秘蔵なるによって所を撰ぶ、
／　 ／⌒ヽ: 　:{ ∧ ∨//,<＼ ＼`ｰ┴ ' ／//／>'///// /　}:::.　::　 ／￣￣＼
　 ／　／⌒ヽ 庁 ∧ ∨<＼＼＼/77} {77/／／／>/// /　/｀>:: :::. ゝ-'Τ ＼　ヽ 〉　　　　　　我が朝においてもし感応の地あらば
　　　　 _∠ ﾉ 厂＼∧ ∨,＼＼ぃ >/,以/< <´／／'/// /　／＾＼::. :: r 7´￣｀ヾ　 }
　　 　 ﾏし_∠,_　　 ＼', ∨/ﾊ　}{ { （ ◯ ） } }{　{///// /／／　／｀,アゝ'7⌒＼ 　/　　　　　　　 この三鈷到り点ぜしめよ』
　　　　ﾉ￣＼｀`ぃ　　　､ '､「圦 'ぃ>/∧V<,ﾉﾉ ﾉ勹// /　　　 /〃 〃‘､_>　　　　/
ﾆ=-　　　　　}}　 ｝}　 ／＼ヾ＼ヽ>//｢lﾊ v<／／/,'／＼　　 {｛{　｛{ 　（　 　 　 /
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「と三鈷を空に投げた」


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654： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:25:50 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その三鈷はたちまち雲に紛れ、空の彼方へと消えていった」

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
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　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
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　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 三鈷って？ 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　密教の道具の一つで、金剛杵の一種です。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　古代インドの武器、ヴァジュラを象った煩悩を打ち破る為の法具です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　その中でも、両端の刃の部分が三股になっているものが『三鈷杵』と言われます。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　刃の部分が分かれていない『独鈷杵』、五股にわかれた『五鈷杵』などもあります。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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655： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:26:07 ID:vmPyY7jQ


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　　　 　 　 　 　 　 　 く ｒ1ﾚ　 ＝=､　　　,. =＝　　ｉ＼　}‐´
　　　　　　　　　　 　 　 { Y| , , , 　　)　 　 　､､ 、　|√ ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 ヽ-ｉ　 　 　ヽ- 　 　 　　　 ﾘくﾉ ﾉ　　　　　　　　　　　【狩人】
　　　　　　　　　　　　 　　`}　厂￣￣￣￣￣ )　　 ｰ'ﾝ
　　　　　　　　　　　　 　 　{　ヽ　　 　 　 　 ／ ／ーく_
　　　　　　　　　　 　 　__　＞､ ＼＿＿__／ ／ j　　　}ﾊ、_,．　-‐ 　￣
　　　　　 　／￣／￣　 ｢　　　｀ｉ ､＿__,.　'´ ／　　／　丿
　　　　 　〈 　 　{ 　　　_ ＞､　　 ＼＿＿_／ 　 　 　 ／　　　　　 　r‐
　　　　　　ｉ　　　ｉ　　　| {　　　　 　 　　　　　　　　／　 　 　 　　／
　　　　　/ ヽ　 　ヽ　　V　　　　　　 　　　　　　／　　　　　 　／　　／
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　　　　　　　　　　「そして後年、空海が大和国宇智郡に至った時、白犬と黒犬をつれた一人の狩人に出会った」



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656： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:26:18 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　　　　　＼ 　/　 _,.-ｧ７´二､弋- r‐ vf _｣　 ヽ 　 　 　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　Ｙ　 /二ﾚ　｢ _ｔﾕ 　∨(ｈ ﾚ　|　　　＼　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾍ/（ _ｆｭ　　　　'"´ 　ﾆ ﾉ　ﾊ　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　ﾚＮﾍ　　ヽ‐　　 　 　 ﾄ-'/　|　ヽ　　　　　　　 ｌ
　　　　　　　　 　 　　　 　 　 ヽい　　ｆﾆヽ 　　　/）'　/| 　 　 　 　 　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀1 　∨　ｊ 　／/ 　 ﾄ､ヽ 　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＞､_ ｰ' ／￣　 　 ! ヽ 〉　 　 　 　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　/　　ｰｒ　ﾍ　　　　　／　　　　　　 　　丿
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　　　　　　　　　　　　「狩人の曰く『菩薩（空海のこと）よ、私が住む山にどうぞ赴いてみてください』」


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657： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:26:33 ID:vmPyY7jQ



　　　　「その狩人の言葉に従って、空海は紀伊国至り、天野神社に詣でた」



　　　　「天野神社において、空海は祀神の『丹生津姫』にであい、この丹生津姫に導かれて、高野山の地をおとずれた」
　

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿__　　_＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／:::::::::|￣|:::::::::＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 __/:::::::::::::::|＿|:::::::::::::..'.
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / <:::::::::::::::ノ oヽ:::::::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _{ 　 ） ￣￣|o<>o|￣￣ |　　　　　　『今菩薩がこの山にこられたのは全く私の幸せです。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 f--､ ∨ﾄ -=ﾐ　　,斗‐┐f´}
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ___／ 　 _ﾉノl | l.込ｿ　　込ｿ'| |爪　　　　　　　南は南海、北は紀ノ川、西は応神山の谷、東は大和国（奈良県）を
　　　　　　　　　　　　 .　 '´／ 　 ／｢//.| |∧　　､_',　　/| | | |＼
　　　　　　　　　 　 f´― '´ ￣￣,イ -＜l ト､_>､. ＿ .イ/| | | | | ﾄ､　　　　　　 境とするこの土地をあなたに永久に献上します』
　　 　 　 ,.　 -‐=＝|: : : : : : : :／:/＼＼.| | 　＼!__　.ト亠| |-- ､ ! |
　 　 　 ´　　 　 　 ∧: : : : :／ : /: :.:.:｢∨/ 　＼ﾄ､＿__　//　 　ﾄ､.|
　　　　　　　　　／ .∧: : : : : : /: : :.:.:|:〈∧　　　＼__　 〈/￣￣/ |.|
　　　　　　 　 〃 ／/∧: : : : :.:.::/＿__./: : ＼___　　　　　 　 ／　|.|
　　　　　　　 　 /／ // ｀ー┬///＼〈: : : : : : : :＼___＿ ￣　__ / !
　 　 　 　 　 　 {{_, .//　　　////　 　∧.: : : : : : : : : : : :｀ー―‐'||!|
　 　 　 　 　 　 　 //　　　////　　 ///〉: : ､: : ; : : : : : |/: : : :.∧l|
　　　　　　　　　　{ {　 　.////　 　/// .〉┬‐＜._＿__／: : : : /: :|l|
　　　　　　　　　　 ｀ヽ　 {{//　　 /// ./イ＞､__〇_／: : : : : : :.:.:/ﾉ
　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ヽ　　 { { {イ彡ﾟ´: : : :.／: : : : : :.:.／:/
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ,イ彡ﾟ´: :/: : : : : : :＞､: : : : : :/: :!
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　　　　　　　　　 　 .　'´ :/: : : :/ : :/: : : : : : :/: : : : : /　　　∨ﾐ｡
.　　　　　　 　 .　'´ : : : /: : : :/: : /: : : : : :／: : : : : 〈∧.　　i l|ﾐ｡　　　　　　【丹生津姫】
　　　　　　. '´: : : : : : :/: : : :/: : : | : : : : /: : : : : : : /: :∧ 　ﾄ':!ﾐ｡
　 　 　 ／: : : : : : : :.:.′: :./: : : :.:| : : : /: : : : : : : /: :/: : }ｰ': :|ｿ
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658： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:26:47 ID:vmPyY7jQ


　　　　「そして空海は、この高野の地の一本の松の枝に、明州の浜で投げた三鈷杵が引っかかっているのを見つけた」



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　　　　　　　　　　　 く　＼〃､　　ヽ!:::::::::::::::::＞ ' ⌒i　　　　U　／⌒ヽ､::::/ｲ´　 .||　　|-､
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　　　　　　　 「空海は大いに喜び、この高野山に真言宗の修行の為の根本道場を建立したいと帝に奏上したということだ」


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659： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:27:03 ID:vmPyY7jQ


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
10：逝去

『化去の時、年六十三』

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「弘仁九年（818）に空海は高野山を入寂の地にするべく足を踏み入れた、

　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　だが実際には、空海は高野山において結界を張る七日作法を行った後、
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　 嵯峨天皇の命で高野山を一旦立ち去ることになる」
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
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660： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:27:16 ID:vmPyY7jQ


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「上は諸仏の恩に報じて密教を弘揚し、下は五類の天威を増して群生を抜済せんがために、
一に金剛乗秘密教によって両部の曼荼羅を建立せんと欲す
仰ぎ願わくは諸仏歓喜し諸天擁護し善神誓願してこの事を証誠したまえ」

「この伽藍の東西南北四維上下において、あらゆる一切の悪鬼神等は、皆悉く我が結界の所七里の外に出去れ
あらゆる一切の善神などの利益あらんものは意に従って住せよ
この道場は普く五類の諸天および地水火風空の五大諸神ならびにこの朝開闢以来の皇帝皇后などの尊霊
一切の天神地祇を以て壇主と為す、伏して乞う一切の冥霊、昼夜に擁護してこの願いを助け果たせ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 高野山建立壇上結界啓白文 】

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661： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:27:31 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　 「弘仁十年（819）に京都に戻り、一旦高雄山寺に居を定めたが、

　　　　　　　　　　 すぐに真言密教布教のために東に、あるいは南へ旅にでた」


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662： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:27:47 ID:vmPyY7jQ



　　　　　 「ただし、この時期の東国巡国についての史料はその殆どが欠如しており、

　　　　　　　 ここでもまた弘法大師伝説が続々と湧き出てくる要因を作り出している」


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　　　　　　　　「先程も触れたが、空海には優れた経綸の才能と手腕が備わっていたことは間違いなく、

　　　　　　　　　　この諸国巡国の間に、河川や関など、様々な土木関係の工事の監督などをおこなっていた記録がある」



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663： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:28:01 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　 「この時期から入寂の直前まで空海の活動は渉外渉内両面において極めて旺盛で、

　　　　　　　　　 後の真言宗の発展の基礎をかためていった」


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664： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:28:15 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　　 「勅を受け、様々な加持祈祷を行い、宮中で講義を行い、

　　　　　　　　　　　　 また金剛峯寺が定額寺に加えられるなど、

　　　　　　　　　　　　　 空海の晩年は『望むべくは悉く望みなすべきことは悉くなした』の感がある」


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665： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:28:29 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「その空海が入寂したのは承和二年（835）、
　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　/　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 六十二歳、あるいは六十三歳の時だ」
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　　　　　　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　 　 　 　 　 　 ／ 　 　　　＼
　　　 　 　 　 　 ／ 　　⌒ 　　⌒＼　　　　　　　　　　　　「最初から最後まで異説ありとか、はーつっかえ」
　　　　　　 　 ／　　　（ ●）　（ ●）＼
　　　 　 　 　 | 　 　 　⌒（__人__）⌒　|
　　　　　　　　＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ／
　 　 　 　 　 /⌒　　　　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　| 　 ヽ＿＿　　　　　＿　',
　 　 　 　 　 :､＿　 　　　） 　（￣ ＿丿
　 　 　 　 　 | 　 ／ ￣｀ｉ　　／￣ 　｀ｉ
　 　 　 　 　 |　　　　　　| 　 　 , 　　　|
　　 　 　 　 ∧　|　　 　 |＿_／ 　 　 /
　　　　　　　　｀ーヽ ＿ | 　 | 　＿／
　　　　　　　　　　（＿＿） 　､＿＿）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　「はっきりしたお生まれがわからない、ということですものね〜」
　　　　　　　　　　　　　-───＜_　　｀ヽ
　　　　　　 　　 ,　´　　　 　　　　 　 ＼ 　ﾉ
　　　　　　　　/　/　　 ／三｀Y三＼　 ＼
　　　　　　　 ,'　 ′ 　/／´ 　　 ｀ヾ|　 ヽ|
　　　　 　 　 |　 , 　　 |'＿_,ノ　　`ｰ┤　| |
　 　 　 　 　 |　 | 　　 | 　＿- 　 ,ﾆ､{ |　| |
　　　　　　　 ',　| 　｜ﾚ'´　 ｀　 　　,,V　ﾊ|
　　　　　　 　 |　',　 Ν''　　 ＿_　 　ﾉ /
　　　　　　　　|　 ＼|_`ﾆ=r ｀ﾆ´ｒ＜_V|
　　　　　　 　 | 　/´ |　ﾚﾍ　　/V |　ヽ|


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666： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:28:42 ID:vmPyY7jQ



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　　 　 　 　 ||! |!　　|!l　　// ///　/,/　/,//j　　　　 　 ヽヽ ヽヽ　ヽ ヽ
　　　　　 　 l|! |!　 |!l＿ノ/ ///　/ノ　/ノ/ノ　 　 　 　 　 } ﾊ　',ﾊ　 ',　',
　　　　　 　 ﾔrl!斗宀≪=彡ィrf七云三三ミ ､__,〟, ＿ _ j/ ﾙ} ｝l}　 ｝　!
　　　　 ,ｨf ｢/ ,' /rぅヽ<ﾙ!ﾚ¨Ｙ]　 　 /.　　.　ヽ:r=!乏三辷えトﾙ'}}!　/} ﾘ
　　 　 ;　　　　 ｛{ ） } }　 !,j　 {{{　　/　　./　.// ]:｢´ ./　　 　 /〉ﾉ／ル'
　　 　 |　　　　　Ⅶﾉノ　ﾉﾉ!　 ヾヽ、＿_/__ノ/　 ｌ:|　/ 　 / . ///うヽミ=-
　　　　ヽ.＿、、ﾒ≧─く巛|　 　 ｀'ー―― '´ , , ヾ:､＿＿_ノ,ｲ}}〉〕} }}＾ヽ
　　　　　/'/　'//'//⌒ヽ Y!　　　　　　　　　 ｀‐"　｀ー一ｉ ﾄ､ﾄﾐ.__刀
　　　　 ;　　　　　{{））　 }ﾙﾄ､.　　　　　　 , ＿__　　　　　/| |/r/,.r‐く
　 　 　 ﾔ　　　　爪廴ノﾑﾘ ﾞヽ 　 　 　 　 　 - ｀　　　 /[|| |ﾚ'/}Ｙ:ﾊﾊ
　　　 　 ヽ.廴_从丈___彡"　　::＼　　　　 　 　 　 　 ,ｲ[||||弋｛ﾉ}川リ;
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　　　　　　　 「仁明天皇は勅使を遣わし、嵯峨上皇もまた御製の詩を作って空海の死を惜しんだ」

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667： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:28:57 ID:vmPyY7jQ



　　　　「死後貞観六年（864）に法院大和上位を追贈される」


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　| 　　　| ./　　　　 zrｭ''＾　　　　　ヽ　　　i　　　丶　　　　.i　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,／
　|　　　 V　　 　γ｀　|　　　　　　　　ヽ　 ｷ=ｭﾆー＼　　. ├ｭ_ゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,＞'¨
　∨　　　　　 ／|　.　 i　　 z-ー三〒¨ヘ氏ー-ミﾐヽヽ　 　.i.　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿ ＞-'¨
、 ∨　　　 ,イ　人　　ゝ''¨＾ﾘ .ｨ'　　　　　 丶ゝ　　　ﾞ　 ヽ 　 i.　　,,ｨメニニﾆﾆゝ　　　　　　　＜二
　ヽゝ　　/ .　　／ Y.i. i　　ﾘ　　　冫 '. 二二二ﾐ 、　　　　ヽ、i　　　　 ＼、　　　　　　　　　　　　　＼＿＿_
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.＼ 　　iγ'　　　 ヽi .i .iノ　.　.　./　　 γ'. 乙丶　　　　　　　　　　　　　 ヽゝ　¨ﾞ. ﾒ　　　　　　　　　　　　　　　__ｚ- ´
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　　　 i 　 i　 r=入| | 　.λ　　　　　　弋つ｀.-.ｿ　　　　　　　　　ﾊ　ノ　|　　|　 /⌒ヽ　 　 i
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　　　　　　　　　「更に時を移すこと五十七年後の延喜二十一年（921）、弘法大師の号が諡された」


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668： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:29:08 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　「高野山奥院興廃記や扶桑略記によれば、

　　　　　　　　　　　　　　　この弘法大師の諡号が空海に贈られることを知った観賢という僧が、

　　　　　　　　　　　　　　　　　下賜の御衣を空海の廟の前に供えるために石室を開けると

　　　　　　　　　　　　　　　　　　中の空海の姿は入寂より百年近く経ったにもかかわらず、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その顔色は全く変わらず、昔のままの姿だったという」


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669： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:29:20 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「観賢は、その空海の髭や髪を剃り、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 下賜の御衣を以てその身を覆い、
　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_　　　　　　　　　 後代再び開くべからずとして堅く扉を閉じた」
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／　　　　　　　　　　　 「高野山の空海の廟の石室が開かれたという伝説は、
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐　　　　　　　　　　　　　　　この観賢の一事を以て最後となっている」
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 空海さんの最期について 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　非常に宗教的な話として、空海さんの最期は『入寂』か、それとも『入定』か、という論議があります。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　 『入寂』あるいは『入滅』は人間的な、一般的な『死』を示す言葉になります。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　 これに対して『入定』という言葉は、身も心も活動を停止していますがその状態で思惟に専念すること、
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　 つまり、『亡くならずにそのままの姿で生きている』ということです。
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　 『髭や髪を剃る』という先程の話は、空海さんはあくまでも入定なさっているのだという主張です。
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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670： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:29:42 ID:vmPyY7jQ




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　 /!　　 . 　 ‐‐ -　 　.,...　／!　　　　,.ィ/
　　　　　　 　 _{ ヽ／　　　　　　　　　/:::::ﾍ 　 ,イ::::::{___
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　「さて、後半戦は最澄と空海、二人の人生を紹介してきたわけだが、

　　　　　　　　　　　　次にこの二人の物語を話していくことにしよう」


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671： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:30:03 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／'`ヾ/.、.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|.:/　　　ヾ　ヾ.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 /.:.:.:.:.:..:.:.:.:// //　　　　ヾ　ヾ.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.//'''/''''',,,,　　　 |　　ヾ.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　 |.:.:.:.:.:.:.:/ｨｲ::iヽ　　　　　/''''',,,,ヾ|.:.:.:.:|:.:ヽ
　　　　 |.:/｀i.:./ィ卞｡77　　　　 r ｧ-､ ''| |.:.:.:|ヾ|
　　　　 |（ (|.:/　/´｀iｲ　　　　　 {rJi}ﾟヽ|/|.:.:.| ヾ
　　　　 |.:ヽ|/ 、|　　|　　　　,　 ､しりノ`/ヾ.:|　 |
　　　　　|.:.:.|｀ﾍ|　　|　 , - ,´　:::::::　/.:/　ヾ:|
　　　　　 |.:,-、 |　　| , |_.　/　　　 /.:./　　ヽ
　　　　　 |.:ヽ　'|　　|/　 i´｀i .....‐.:.:.:.(:|　　　　　　　　　　　　「今までの話だけ聞いていても、
　　　　　 ヾ ヽ |　　|　　|　 |´/｀,.:.:.:.:ヽ
　　　　　　 ヾ ）|　　　　　　´　 /.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　 空海と最澄は、いろいろ因縁がありそうよね」
　　　　_ - - ヾ|　　　　　　　　ﾉヾ、.:.:.:.ヽ
　,　-　, - ´　　ヽ、　　　　　 ﾉ　　　ヾ.:.:ヽ
/｀｀｀´ヽ　　　　　 l. .　　　　ﾉ: .　　　 ヽ.:.:ヽ
　 　 　 ＼ 　 　 |｀ヽ: : . .　 | : : : .　　　 ヾ.:ヽ



　　 _,.｡s≦　　 　 /　　 　 |　　　　　　 |　　　　　 ,　 ＼
　 l　　 　 |　　　　l　　　　 |　　　　　　 |　　　　　 |　 　 ＼
　 l　　 　 |　　　　|　 　 　 |　　　　　　 |　　　　　 |　　　　 }､　　　　　　　　　　「jud」
　 l　　 　 |　　　　|　 　 　 |　　　　　　 |　　 l　　 i|　　　　 | 　､
　 l　　 　 |　　　　|　　　| 八　　　　 　 ﾊ 　 l　　 i|　　　　 | 　 |
　 l　|　　｜　　　 |　　　|　　，　　　　/　li　ﾊ　　 | 　　　　| 　 |
　 l　| 　 八　　　｜　 ,孑宀八　　　/　丁/￢ -- 　　　　 } 　 |
　 l　|　　　，　 　 |　　,ィf笊ミ､ , 　/　　ｨfぅ笊㍉ i}　　　　 　 ｜
　 l 八　　 ‘，　　‘，〈 ｈ//(　 　､,' 　　　ｈ//(　//　 　 　 ,|　｜
　 |　 ‘，　　 ,　　　 ， 乂^少 　 　 　 　 乂^少 /　 　 　 /,|　｜
　 |i　　ﾊ　 　 ， 　 ∧　　　　　　 　 　 　 　 　 {　　　　 ∧/7,∧
　 |i　　{,ﾊ　　 ‘，　 人　　　　　　 '　　　　　　｜　　　 ∧,∨,′ ，
　 |　　ﾊ,∧　　　,　　 父　　 　 　 ‐　　　　　 父 　 　 ,ﾍ∧V 　　，
　 |i　/　^　，　　‘，　 {　　　　　　　　　　　　 /　　　///V
. 八,/　　 //ヽ　　 ＼｜　　 |=＞　　＜=|　 ,　　　／∨/∧　　 　 ',
. 　/　 　 ∨/, ＼　{　＼　　/ﾆ/7爪〈ヽﾆﾊ/ 　 ／　　∨/∧　　　　,
　/　 　 　 ∨|ｉ 　＼　　　 /‐≦/ﾆﾆ∧　 /　／ |　　　| ⌒
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672： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:30:15 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「ヴィルケさんの言うとおり、平安初期における仏教界の2つの巨星、

　　　　　　　最澄と空海には浅からぬ関係がある」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　　　　　　　　　　　　{　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　　　　　　　　ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　　　　　　　l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　.:|!　　 :ﾊ;//,.ｨ云∨ﾘ 　 　 　 !
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　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 { ﾘ|　 　|ﾘ　　 Vﾉ 　 ヽ.　　 ﾄ ﾉ
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　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿_>___:ﾉ　∨V　ﾍ　　　 　 / | :/ﾘ
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　　　　　　　　　　　　　___／::::::／ラ／ﾍ｀メ、　 /:∠イにヾ　j:/ }ソ /
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　.イ　 ト￣ 　　　　　　　　/ヽイ;ゝ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　／ /　 /　ﾍ　`＿　　 　 　 ′　トゝ
　　　　　　 　 　 　 　 　 く　　／　 / 　/　　 ヽ　　 ｀ 　 ／ 　 　 |
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

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673： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:30:27 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|:|-‐='Ｔ　／／＿,,,...|::|--─┐
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　　　　　　　　　　　　　 　γ⌒＼　_　-:|:|''"´ |　|￣　　　　_,|::|　　　,| 　 ′
　　　　　　 r‐ｧ 　　 ／￣: .:. .:./￣　　　|:|　___|　|￣￣￣￣ |::|￣￣.|　　 ',
　　　　 γ´:.〈　　 /:.:.:.:.:. :.: :.:.(|-‐　''"~ |:「 　 |　|¨¨¨¨¨¨¨~~|::|~~¨¨ﾞ|　 　 ′
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　　　　　　 ＼:.:.:.＼　　 ＼:.:.:. :.:.｀ヽ､＿,|:|､ｧヘ､￣￣￣ ＼‐|::|-===|　　　 癶￣＼
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　　　　　　　　 く:.:.:.:.:.:.:.:._ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.(二二＼＿＿＿＼_￣＿_,,,|:|ー|:|⊥⊥||＿＿_//
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　　　　　　　　「その因縁の出発点は最澄と空海が唐に渡った延暦二十三年（804）からだ」



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674： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:30:42 ID:vmPyY7jQ


　　　　「その時の最澄は桓武天皇の覚えめでたい新進気鋭の僧侶で、

　　　　　　唐の天台に己と仏教の未来を期していた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　|　　|　 |　　 |　　　　　　 ´〈V芹ﾐ､.!　 :!　 　 !
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675： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:30:57 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　　　　　　　　　 ／::::::::::::::／¨/:::::::／‐一'|:/　 _　ｨ'ヾ´¨ !人__/ .|
　　　 　 　 　 ／::::::::::::::／| | /:::::, 弋ッ‐ ‘　¨弋::ｼ　　） 　 }ｉ　　 } _ ｪ≦
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　　　　　　　　　　　　　 「一方空海は、身分は取るに足らない一私学僧、

　　　　　　　　　　　　　　　　 当然公の場に出られるような僧ではない、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 それでも巨額の私費を投じて唐に渡った」


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676： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:31:13 ID:vmPyY7jQ



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　　l´|　　 _,.ィイ仝ﾞ|＿_,. !'´ﾑ　　　　　　　　　ゝァ--_'´,,　''ｧ
　　ゝl!　 Tﾆ],|.|[I]|,,,∠,,.,オ1ﾉ　　　　 _,,..　ｧ-:≦二,,,),,,,/ン
　　　|ﾆlﾆ|IｴFﾖ!幵下／　ｰ"　　　　(　　　T"""",､'''''''''ﾃ
　　　l"""|T|T[|]L,.イ 　 ,. っ　　　　 ,,＞　 ,!　　 _l!!　 ｼﾞ
　　　|ゞ==＝''''"´''"´｀´r_",,. _孑''"-‐ ''"´ ｷ　7.7!! ｼﾞ
￣＝====＝≡〒テ-－'''"´　　　　　　 　 .ﾊ.7.7,.'/　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　ﾞｰiﾆ 三二ニ ｨ　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 7.7',/
　　　 ｰ--＝= .,,＿　　　 　 　 　 　 　 　 　 7.7,/
　　　　　　　　　　　￣~~""'''''''　ー─---- '-'"

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　 「最澄と空海は二人が二人、己の目的を十分に果たし、帰朝。

　　　　　　　　 二人の間にまだ面識はなく……空海が最澄の名を知っていることは十分にありえるだろうが……

　　　　　　　　　　　 お互いに同じにも異にも見える道を歩んでいた」


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677： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:31:29 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ、
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　 　 　 　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 　 l
　　　_,､イ_/　　　　　　　　　 　 ,斗‐　　 !　　　 |　　　　|
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　　　　 /　 /　　　|ﾄ、　　メ´ﾍハ__|,,ﾘハｊ　　　 iﾍ .｝ 　 l
　　　　,' /ｲ　　　　i!ヾ＼ 　 ∨〃Ⅵミてj:! 　 　 ﾚ / | 　!
　　　　l/ lハ . | .i　ﾄf≧､＼　i　　 つこﾘ | i 　　 Kﾍ i | j
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　　　　　　　　 ヽﾍハ　∨ /､　　　　,　　　| /　/　 _,ﾌｰ‐ヽ､
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　　　　　　　　　　 ﾘ ノ .ムﾍ＞ 　 　 ＼　 /´　　 　 　 ／　　/ ｀＞,.、
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　 「最澄は帰国後、腐敗せる既存仏教勢力への対抗概念としての天台を確立していく。

　　　　　　　　　　　　　　 敵は多かったが、高雄山寺における我が朝初めての灌頂を行い、

　　　　　　　　　　　　　　 天台宗が公式に朝廷に認められるなど、その歩みは確かだった」



.

678： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:31:41 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「その歩みに、時節と時代が大きくブレーキをかけるのだが、

　　　　　　　　その最澄の苦難の時代の幕開けにおいてはじめて、

　　　　　　　　　最澄と空海の直接の関わり合いが生じた」



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .-─ ｰ- 、 　 　 　 　 　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
　　　　　　　　　　　　＞┴、 |　　　 （　●）　（ ●).|　　　　{　　｀､ 、ヽ__,. ┴、
　　　　　　　　　　　/　{　　〉 l　 　 　 ｀　 ´　､｀ ､´ |　 　 　 ヽ　　i　〉'　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 ＞{ .|　　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　 　 |　　l／　　, -ー '´ ｀､
　　　　　　　　　　j　　 　 /　 |　　　　｀tﾆ"__, ﾕ′ !　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　　 　 ノ ´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 ,　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,　　 　 　 　 ﾔ　　 ゝ-ィ／ 　 　 i
─ --/　/　　　　　／　 　 /　　 ;　 }　　　　　　 丿　　　　　　　{　　 　 ,ﾗ 　 　 　 {_
::::::::::ｲ　　.:...　 　 r'´ 　 　 /　　　j　 |ト､￣￣￣ﾉ ､　 　　　　　　＼　　 i　　　　　ﾄミヽ＿
:::::::::::l　..: :: :::..　 　 　 　 /　　　 ; 　ﾘ　　7ｲ´:::::::｀VL　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　 j　}:::::. ＼
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.　　　　　　　　　 |ゝ 」 ｀ヽ:::::::/ 　λｰ-､_　　　　　 ｀‐ｧ､　 　 ./..::ﾘ:::::::::
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .. 　.. ..　.,ﾉ　　　 ﾉ:::::::::ヽ　　 i:::::::ヽ｀ー─-､＿〈 ::ヽ､_/:::::/::::::::::
:::::::フ/　:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ ∧ 　 ｲ::::::::::::::::.| 　 |::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::::ト､　:::::／:::::::::::
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679： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:31:53 ID:vmPyY7jQ



　　　　「日付が明らかになっている書簡を根拠に考えた場合、

　　　　　　最澄と空海の交流は大同四年（809）より弘仁七年（816）に亘っている」


　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ⌒　ヽ､_　 　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
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　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
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　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i



.　　　　　 　 ／⌒＼
　　　　　　 /　 　 ＿×￣￣｀ｰ 、
.　　　　 　 { 　 ／: : : : : : : : : : : :.ヽ
.　 　 　 　 　 /: : : :,.へ:/:＼ : : : : : '.,
　　　　　 　 /: : : :/＾｀｀´ ⌒ヽ.: : : : : ,
　　　 　 　 ,': : : :.;' 　 　 　 　 ヽ : : : : ',
.　　　　　　{: : : : ｌ´￣´　 ｀￣｀i: : : : : :',　　　　　　　　　　「大体七年間ね〜」
　　　　　　 }: : : :.ｌ=＝　 　 ＝=ｌ.: : : : : :i
　　　 　 　 |: : : : !　　　　　　　ｊｲ: : : : : l
　　　 　 　 l:ﾄl : 八"　　　　　"ﾉ:!: : : : : ｌ
　　　　　　 ﾘ Ｖ:::::::ヽ、｀ ´　ィ:::ｉ:ｌ: : : : : l
. 　 　 　 　 　 〉: : l:::::::}　 . : :l::::|:l : : : : :.!
　　　　　　　ｒrｰ､_j＞<　 : : :厂リ>ー‐ｙrｰ､
　　　 　 　 //　＜　　 ﾟ･ﾛ･ﾟ　／ ／／/ 　 ヽ
.　　　　 　_{ 　 ＼__＞ｚ―‐＜ ＜　　 　 彡人
.　　 　 　 |　　＞ー　‐ｚ＞二＞ニ二 ＿_　 ,ｲ
.　　 　 　 ヒ二ニニ 　 ＞ィ＝== ―┬―〒 |
　 　 　 　 /:l￣｢￣￣´　. :　 　 　 　 !　　 j: :ヽ



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680： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:32:21 ID:vmPyY7jQ



　　　　「最澄が空海を意識しだしたのは、ほぼ間違いなく空海が持ち帰った数々の密教の経典や秘法

　　　　　　いわゆる『御請来目録』を目の当たりにした時だったろうな」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　 　 　 　 　 　 ,イ　　　_　　　 __
　　　 　 　 　 　 ﾄ､{ {,.　 ´　　　　　　　`　 ､
　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿__
　　　　　　　　 ,.'/　　　 //　/ i　　ヽ　ヽ　　　 ヽー'´
　　　　　　 　 //　/ / ///:/　:!　　　|　 | ヽ 　　 ヽ
　　　 　 　 　 i | /　:!　!:! | |　 :|　 　 :|　 |　|　 ヽ　 i
　　　 　 　 　 | | |　 |　ﾄＬＬﾄ､ :| 　　_」 /」 _!　　 !　:|
　　　 　 　 　 | |:i|　イ´レ＝ミ､!　　 /j/_」/j/ヽ :| 　|
　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !
　　 　 　 　 　 　 :.　　:| ＼　　 　 _　　　／　　 /j/
　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N /
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜
　 　　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_
　 　 / 　 　 ヽ 　/ _┐ |　|　|　:!､人_ｊ　　　　　　　　`ヽ
　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ
　/　　　　　冫７　　／　/´　 　 ￣ ＼　　　 　 ＼　|　　 ∧
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/　　　 ／{　 ヽ＼＿_／￣〉￣} }| |　　　　　　 　 　 |: /|　　∧
〉　　 / 　 ヽ　　`ー＝≦/　　〈ﾉ !j/　　　　 　 　 　 |//　　:| ∧
　／/　　　　＼　　　　/　　　　　|　　　　　　　　　　|/　　　|　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.

681： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:32:37 ID:vmPyY7jQ


　　　「先程も述べたように、

　　　　　　日本でほとんど認知されていなかった密教の存在を明るみに出したのは最澄の功と言える」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼ 、　　　　　　 　 _＿__　　　　 }ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ ー‐　　 ￣　　　　 ｀ 　、 ﾉ ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　＼　　 　 ｀'く__ﾉ)　 　 ＼≧メ､ 　 Ν:i:i:i:i∧
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／／　　　　　 　 　 　 ',　　 　 　 ヾ　　　　　|:i:i:i:i:i:i＼}:i:i:i:i:i:i:iハ　　}ﾊ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 { /　　|ｉ　　ｉ　　 　 　 ',　　　　　　　　　 　 }:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧　/:i:}
　　　　　　　　　　　　　　 　 //／Ⅵi|　 |{ /} |　i| i　　 } }　 　 　 　 }　　 　 /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}./:i:i:i|
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　 j Ⅳ芹冬ﾐ | | |　　 } }.　　　 　 　 /{ ./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{寸:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　 || i　　 j/　{り )〉ﾉ | |　　 } } 　 　 　 ′..ﾞ:V:i:i:i:i:i:/＼:i:i:i＼寸艾寸:i:i:i:i:i/イ
　　　　　　　　　　　　　　　　 || |　／　　"＾　　 ﾉ |　　 }ハ/　　 /...　V:i:i:i:i:i:i:/ /´＼￣　u.　∠u|:i:i:i:i:/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Иi ＼　　　　　 　 }|　　厶ｲ　　 /.＼＼V:i::i:Y∨|　 /o＼　　/o　}.|ﾏ／
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , ┴-､ヽ‐-　　 　 八　/^⌒ヽ（/　 　 ー=ﾆ才:i:i:| 八___　　= ー 'ﾞﾞ{. }
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　　 　 　 　 　 　 　 　 {　　し'¨´,　 /　 ⌒{:i:i:} 　 ／　　／　　　　　　 　 ＼..ﾆ≧　 ＞ミ_＿厶　　　　__　　　◯
　　　　 　 　 　 　 　 __{　 　 　 ,}／　　 ／〉:i:}.／　　／　　 　 　 　 　 '，　　 、..ニ＼　　　|　 }T7ニﾑ　V ／ )
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　　　　 　 　 　 　 / /　｀ ー==〉┌┘　/:i:i:/　 ,　 ／　　　／　　ヽ.........|..　ﾊ　ﾏニニ艾メ/ ￣∨ﾉニﾆﾑ艾}
　　　　 　 　 　 , 〈_/　　　 　 /厂｀ヽ{ .:i:i:ｉ/　../／　　　／　　　 　 ;　　|　　　　i　 ﾆ≦≧|　◯ .≦≧ニ}. |ハ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　「だが、その最澄による本邦の正史初の灌頂の直後に、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　空海が密教の更なる奥と深淵を、真言密教という形で持ち込んできた」



.

682： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:32:52 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　　　　 「最澄の庇護者であった桓武天皇すでに亡く、南都六宗の反発は大きい」



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683： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:33:04 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　,.ｨ/ /　　　　　 　 　 |!rヾ｀ ｀　¨´´≦ ヘ、
　　　　/;　l　!.　　　　　　, 　i .i'　　　　　　 　 .｀Ⅶ;､
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.　　,' ./ /＞笠x_ｼ /　!　!r ´　　　　 ｀Y;=γ´￣ ｀ <!;ﾘ
　 ,.ｨ≦ ¨ 7´　 ヾヽ　/../{!　　 　 　 .o |! . |! 　 　 .。l!≦､
,イ / /　Y^Vヾヽ　Y }./!.入　　　 r-7 ,i!　 .、 　ノ> ﾉ!ヾ｀Y
. l .l　! 　.{{i｝}　YY !ﾘ/ ,! 　 ＞ .　 ￣,ｲ.　　 ヾ .ﾆ ,ｲ!i}} i l }
..从!､丶 圦,'　//:ﾘ,:ｲ;il|!　 　 　 ￣　　　 ‐--ﾝ　　 i}Yﾉ'ﾉﾉ
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　　　　　　　　　　　　　　 「嵯峨天皇の関心は天台よりも密教に大きく傾いていた、

　　　　　　　　　　　　　　　　　 最澄が桓武天皇の庇護を受けていたように、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 空海は嵯峨天皇の庇護を受けているのだ」


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684： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:33:15 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　 　　 ヽ　　 ＿__／　　　　j/_,.　-=ミ､
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　　　　　　　　　　　　　/ V　　　 ＼／　　　　,.　――ヽ
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　　　　　　　 「自分が持ち帰ったよりもさらに詳しく、

　　　　　　　　　　　 深い『密教』の姿を突きつけられて、最澄は心中穏やかならざるものだったろう」



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685： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:33:26 ID:vmPyY7jQ



　　　　「しかし、最澄は、求道的で無私であり、また信仰に対しあくまでも真摯でありつづけた」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　,-イ　.|| l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| .三三三　 | 三三三¨ .|
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　 ∠ゞ-|　 || l, -‐ '"´｀` ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　 .| .三三三　 |　三三三　|
　||--､|rｲ|　　　　　　 ,／　ノi　.|　　　　　　　　　|| l'"　　　|　　ヾヽ||,ｨ　　　l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
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　　　│　｀`ヽ､　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　/　 {|.ll {λ{,⊥ﾍﾍ　　　　　}　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　　　│　　　　｀i　　　|| l.il | .|／　　　　　　　　 　 ﾄ{　庁}-トrヽ　　　.}　　　　 　 | .三三三　 | 三三三¨ .|
　　　│　 ヾﾆ`ヾ¨ヽ　|| l.il |ノ　　　　　　　　　　.i'" .{,ﾉ少　| |ノ　　　.,'〃　　　　 | .三三三　 |　三三三　|
　　　│　　 　 ヽヾ､ﾍ !!¨￣　　　　　　　　　　　 ﾞ､.__　　　 | |　　　ノ〃　　　　　.l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　　　│　　ｬ‐-'　　　 ｀ ､　　　　　　　　　　　　　 ヽ__, ｬ‐ .| |__∠ｽ《ヾヽ　　　　.iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　│　　.＞ー-.､　　　 _ソ＼　　　　　　　　　　　 _r--} r-ﾚﾞ-|ヽ　ヽヽゝ　　　ﾞ￣￣　　　　　　　 ￣￣
　　　└ ''"´. 　　　`¨´ソﾞ　　　＼　　　　　　　　, ＜ﾑ　.! ﾊ＿_ゝ､ヽ　.ヽ
　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　＼　　　　, ＜　　　{ソ"¨　　　　 ヽ､　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ＼, ＜　　　　 {//　:::::::::::::::::::::::::ゞヽ:::::::::::ヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　　　　　　＞ﾚ/　 :::.､　　i'ﾍ＜ .ヽ　ヽ　　∧ :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ＞.´　 {::{　　:::ヽゝ. '､.ﾍ　 .,.ヽ,､.∨　 .} :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ＞.´　　　　|::|　　:::　　　ﾍ ﾍrﾍ.ﾍﾍヾi　　 } :::
　　　　　　　_　ト､ ﾄ､λ　　　　　　　 `'ﾞ　　　　　　 |::|　　:::　＿　 } .ﾍ ﾍノ'ﾞﾍヽ　.ﾉ :::
　　　　　　､_|｀` -､ヾ.} .} /}., --┐　　　　　　　　　 |::| 　 ::: （＿_￣　　`ﾞ　_,.ｲﾍノ　.:::
　　　　　　|　｀`ヽ､　ゞlﾉ.彡三三三_　　　　　　　　 |::|　　:::　　　￣i`ｬ'"ﾆﾆ_,ﾉ　}.　 :::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「修行と研鑽、学識が天台宗の土台を作り上げるとのだ、と」


.

686： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:33:44 ID:vmPyY7jQ




　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'　　　　　　　　　　「不器用そうな人ねぇ」
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |



　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　　　　　　「重ねて言うが、真言密教により一躍時の人となり得た空海とは言え、
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　　　　　　　 唐に入るまではただの私度僧だ。
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、　　　　　　　　　　　　　　　 吹けば飛ぶような優婆塞でしかない」
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


.

687： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:34:09 ID:vmPyY7jQ



　　　「桓武天皇の信頼厚く、高雄山寺において

　　　　南都六宗の学碩に堂々たる講釈を行った天下第一の高僧たる最澄の足元にも及ばない存在でしかなかった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　 　 　 ＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　 　 ＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　 、＿__ .＞. : : : : : : : : : : : : : :／| ! : : : : : : ／. : .:.::人: : : : : : : :
　 　 　 　 ＼: : : : : : : : : : : :.:: : : : : :／　 | !: : : : :／/.:::::::／￣￣￣￣￣
　　　　　　　 ＼ : : : : : : : : .:: : :＞'´￣　ﾌﾉ.:::＞ｰ-/.::::∠
　　　　　　　　　｀ ７::T ￢:::::｢　'⌒≧=彡イ^　u　厶イ二二 ｀ヽヽー‐---
　　 　 　 　 　 　 /／{　て爪 　 〃　 {::（__}　　　　 　´⌒＞ミヽ 　 Y.: : ／
　　　　　　　　　/'　 ∧　/ ハ　　　、 ゝ-ﾟ’　　　　 　　　{::（__｢` 　 |: :/
　　　　　　　　 　 　 　 〉' /　 |　　　 ￣　　　　　　　　　 ゝ-ﾟ’　　　|: j ／
　　　　ヒ　　　 　―z∠ /　 /}　XXX　　　 　､__　　　 ｀￣ｌ｢|||||l　 ﾉｲ/
　　　　　 リ　　　 ／　７￢/_,ｉ　XX　　　 　 　 ||　 　 　 　 　 　 　 　 し'
　　　　ヒ.　―z∠　　/　 /ゝ'{　 __　　　　　 　 ij　　　　　　　　　　 ,
　 　 　 　 リ／　￣ 7￢ｚ 　 ∨ 　 }　　　　_　　　　　　　　 u　 　 人__／
　　　　　　/　　　　/　 / 　／　　丿　　　　　ヽ 　　　xxｘ　　　／::ハﾉ
　　 　 　 〈　　 　 /　 / ／　　 ／ ｀ヽ　　　　　　　　XXX　 イ⌒ヽ
　　　　　　 ーへ/ｰ-'　i　 　 Y^ヽ, -‐个x、　　 　 　 ＞''"´　|、　　ズ キ
　　＿＿＿＿＿＿＿_」　 　ﾉ／⌒Y/,ｊ　　　ｰ=≦三　　　　 j>ヽ　　 ズ キ
／{＿＿/　　,,;;,, 　 　 ﾉ 　 ／ 　 ／⌒Y､　　　　　　　　　 ／ 　 厂￣￣
〃|￣ ７　　＿＿＿__{　　　　 ／　　／｀ヽ ー┬――一 '　　　/
′| 　/ 　 /////////＼ 　 　 　 ／　 ノ j　　 |　 　 　 　 　 ／_＿＿＿
ヽ.ｊ　,' 　 ////////////,ヽ ￣｀ヽ.__ ｀ヽく,＿__|＿＿＿___／/////////
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　 「唐から帰ってきたあとも、功はあるとはいえ、

　　　　　　　　　　　　　 まだ海の物とも山の物ともつかぬ、当時の空海の立ち位置はそんなもんだ」


.

688： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:34:20 ID:vmPyY7jQ



　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）　　　　　　　　　　「その心の機微は空海にあてて出された第一の書簡、
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　 俗に『借請法門事』と呼ばれる手紙に見える。」
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|



　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',　　　　　　　　「法典を貸してくださいというお願いの手紙ね」
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


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689： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:34:34 ID:vmPyY7jQ


　　　「唐突に十二の典籍のタイトルを羅列し、末尾に」


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

『右の法門、伝法のための故にしばらく山室に借らむ。敢て損失せず。謹んで経珍仏子に付して以て啓す』

（これらの書籍を、御仏の教えの伝道のためにしばし比叡山が借り受けたい。

　　決して損なうことはしません。遣わした経珍という僧にもたせていただきたい）
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


　　　　　　　　　　　　　　　　　「と記されているだけという、そっけなさだ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ ヽ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 i　ﾍ. ヽ、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　　　　 |!　　 　 　 /!　!　　　ﾘ 　 ﾍ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　.:|!　　 :ﾊ;//,.ｨ云∨ﾘ 　 　 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ',　　 　 　 ﾉ!i:　　 |!i|/《 :!::;j　　{　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 { ﾘ|　 　|ﾘ　　 Vﾉ 　 ヽ.　　 ﾄ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 '､　　　 ∨ﾊ 　 ｌ　　　　　　　　ゝ　 |/　　　　　『私費で渡ったとは言え
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿__>___:ﾉ　∨V　ﾍ　　　 　 / | :/ﾘ　　　　　　　　　遣唐使は国策の一環なんだから
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 └‐┤___!　　 　 ＼ ﾍ 　 　 /　:|/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /_,ｲﾞヽ　　　　　ｊ｀＼￣　　′　　　　　　　　　　　　それくらいはね』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.イ/:.:i　 　＼_ _／　ヽjヽ、
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,.イ:.:.:./:.:.:.ﾄ　 　 /　ﾍ 　　,l.:.:ﾍ:｀:...､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.､＜:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:iﾍ.　/｀{::}´ﾍ　/l.:.:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.｀:.:..､
　　　　　　　　　　　, . ＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.l: ∨: :.乂: :.∨ l.:.:.:.:.:.:>:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.:...、
　　　　　　　　,. ＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.／i: : : : i!: i!: : : :.l:＼／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:...、
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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690： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:34:49 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.....,,,,,,,....._　　　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ..イ　　　　　　 ｀:..､　　}　 }
　　　　　　　 　 　 ､　 　 　 　 ,. イ　　　　　　　　　　　 ｀;ムノ
　　　　　　 　 　 　 ｀ ｰ＝ニ´　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀､
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　　/:/ :/ :!　　.:| :!:! ! :|　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　i 　 .:|　_i斗‐|-!|　　 :|斗!廾ト､|　:|　:! 　 !　　　　　　　　『ありゃー』
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 !ハハ八　　:i∨リハｲ . /　:|　　!
　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 ||　, ‐:､ ∨ /. ., ‐:､ヾｊ /　　| 　,'
　　　　　　　　　　　　　| |　:!＼:ﾘ 弋_丿 .∨　弋_丿 |/　　 :! :/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 !ﾊ .:|　 :＼　　　　　 　 　 　 ｲ　 　 .':/
　　　　　　　　　　　 　 　 ∨ !　:ト 　 　 ` 　 　 　 　 !　 　//　　　　　　　　　　　　『密教については手抜かりが多かったかなぁ』
　　　　　　　　　　　　　　　∨Ｖ iﾍ　 　 f￣￣|　 　 // ///
　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　iヽ. └─.┘ 　 ｲｲ //ムゝ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ∨!|　 ＼ __　イ 　 ,ｲ/)）くニニｺ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ　 ,.ｲ　　,.＞"´ /!:::ト､:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ:/ >-< 　 　 　 ｊ::::l::::::｀::...､
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,..イ:::::/:::| /⌒ヽ＼　　,ｲ::::::l:::::::::::::::::｀:::...､
　　 　 　 　 　 　 　 　 ,...イ:::::::::::::/:::: ﾚ{...:::ノ　　ヽ'/:l::::::::l::::::::::::::::::::::::::::｀:::....､
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　「だが最澄は、空海が持ち帰った真言密教が、

　　　　　　　　　　　　自らが持ち帰ってきた密教よりも明らかに優れたものであると認めると、

　　　　　　　　　　　　　辞を低くして密教についての教えを乞う」



.

691： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:35:01 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　「こうして最澄は空海より弘仁三年（812）、結縁灌頂を受ける。
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　　　　　　その灌頂の舞台もまた高雄山寺だった」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　　 ＿　＿_
　　　　 　 　 　 .　 ´　　　　　　　 ｀　ｘ≦7７
　　　　　　　／　　　　　　　　 　 ＜,/////
.　　r≠≦７　　　　　　　　　　　　　∨//ﾊ
　　 ∨/// 　 　 　 /　 　 、　　　 　 ∨/
　　　｀¨¨′　　 　 ′ i　　|{-‐、-　 　 ′　i
　　　 　 i 　 　 　 !| !ノ 　 八{　＼ヽ. 　　　 |
　　　 　 |　 　 ／八ﾄ､　 /　ィ笊ミx‘ 　 ｉ　 |
.　　 　 ノイ　　　ixf笊 ソ 　 弋うﾘ　 ｉ　 |i 八　　　　　　　　「タカオサン、ヨクデテキマス」
　　　　　八 　　 {弋う　　　　　 ,,,,,　′ 八　‘，
　　　　　　　ー　 ゝ ,,,,,　　'　　　　厶イ　　|{　i
　　　　　　　　ｉ{　 人 　 　 c　　 イ{　 i 　 八 ′
.　　　　　　　 八{　 i　≧=‐r＜＿jハノ}／
　　　　　　　　　 ＼{ ゝ⌒ノ|{　　　ヽ
　　　　　　　 　 　 ,.　 イ　 八　　 ／｀　　、
　　　 　 　 　 　 /　 ,　ヽノ,:f^V7　　　　　 i
　　　　　　　　　i　 /＿　/:::i ____ 　/ 　 　 |
　　　　　　　　　|　f,//,'/::::::|/////　　　　,
　　　　　　　　　|　|///,:人::|////　　　　/
　　　　　　　　　|　|///ｉ::Y:::|///　　　　/


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692： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:35:13 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「この時期から数年間、最澄と空海は親密な関係を作っていく」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :丿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼
: : : :_: :厶斗: : : :iﾏ: ::.∧､: : :.∨: : ＜　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.　----＝ミ､ヽヽ
: : f　f　　　＼: : '._＼: :∧＼:::.∨: : : :.｀ヽ　　　　　　　　　 　 　 　 ､＿＿／　　　　　　　　ヽ}ﾉ
イ人_j斗-‐＝＼:.:.　 ＼: '.ー＼{: : : : : : :　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　ヽ｀ヽ
⌒Y　{/　　　 __. ヾ　　 '⌒　　:i: : : /｀ヾ: :}　　　　　　 　 　 　 　 　 　 冫　//　 / ヽ　 i 　 i | 　::
ｒ /i　.{　　 ／　 ｀　　　'⌒ヽ　 ': ／　　 }/　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / / :|」 -‐ト　 }-┼‐ | | 　 i
./ .|　.i　 :{{fぅﾊ　　　　fハ　}　′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ｲ :/! | ﾄ､! ヽハj Vj/!/　　|
.　 |　 ' , ,,ゞtツ　　　　ｔ:ツ .ﾞ //　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　! YＶ　ヽ.__Y´　 j刈　　|
.　 |　∧　　￣　　　 __j ￣ .fｲ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ| 弋＿_ﾉ⌒ヽ ＿乂 　 :!
.　 i　 .∧　　　　 _ _＿　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ハ　　　　　　　　 |　 .,'
　 j!　　.∧　　　(　　　/　　,　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 | :八 　 ー 一 　 , !　/
　ハ　　 .∧　　　　ｰ ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　| |[＞ ､ _　 イ// /
. {⌒V　　 ∧＞... __ .イ　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼Ｎ_」 　 　 　 !j/j/
. {ー ∨ 　 .∧　｀ ＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 -‐＜　　、　/　　＞‐-　､._
斗ー-∨＜´　　　　 }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.　 '´　　　　＼‐`　'‐／　　　　　　　 ヽ

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　「空海が四十歳になった時に作った自作の詩に、

　　　　　　　　　　　　　　最澄がその詩を踏まえた祝の詩を作って送ったという話もある」



.

693： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:35:27 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だが一方で、最澄と空海は、

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　 お互いに交流を続け、歩みを競いながらも
　　　　　　　　　　　 ／　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　 ｜　 　 ( ●) (●）　　　　　　　 常に対立の萌芽を抱えているような、危うい状態だった」
　　　　　　　　　　 ｜ 　　　（___人__）
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　 　 　 i　　　　　 　　|
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、 、___　　　|
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　 丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　 ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :､ : :｀､::::::ｌ : : : : :l : :l　　　　 　　　 √ ／..　　.:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :｀､ : ｀､::,' : : : : :l: : :l　　　　　　_ /　　}:...　　..::{_)
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694： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:35:42 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　　　　 「南都六宗は天台宗の最澄への対抗手段として空海に接近し、空海もそれを否としなかった」


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695： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:35:54 ID:vmPyY7jQ



　　　　「最澄と縁の深かった高雄山寺は、

　　　　　　　　　　　そのときは既に真言宗の道場として空海に与えられていて支配されている」




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696： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:36:06 ID:vmPyY7jQ


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　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !
　　 　 　 　 　 　 :.　　:| ＼　　 　 _　　　／　　 /j/
　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N /
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜
　 　　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_
　 　 / 　 　 ヽ 　/ _┐ |　|　|　:!､人_ｊ　　　　　　　　`ヽ
　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ
　/　　　　　冫７　　／　/´　 　 ￣ ＼　　　 　 ＼　|　　 ∧
　〉　　　　 _/ 〈　　　　　　　　 ,.┬ ､＿〉　　　　　 ヽ!　 /　 :.
/　　　 ／{　 ヽ＼＿_／￣〉￣} }| |　　　　　　 　 　 |: /|　　∧
〉　　 / 　 ヽ　　`ー＝≦/　　〈ﾉ !j/　　　　 　 　 　 |//　　:| ∧
　／/　　　　＼　　　　/　　　　　|　　　　　　　　　　|/　　　|　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　 「最澄には、天台密教の発展のために空海からの協力が不可欠だという弱みがあった」


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697： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:36:18 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　『修行しようぜ―』

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 ': : : : : : :ﾊ　　.': :ﾊ....../　　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ ヽ＼
　　　　　　　／. : : : : : : : : :i／. : : : }.ﾞ/　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 i　ﾍ. ヽ、
　　　　　 ／. : : : : : : : : : : : : : : : : :,..,'　　　　　　 |!　　 　 　 /!　!　　　ﾘ 　 ﾍ｀ヽ
.　　ｲ　,.:゛. : : : : : : : : : : : : : : : : ／...l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
　　}: V. : : ＞､: ∧､: : :∨: : : : : ー . !　　　　　　.:|!　　 :ﾊ;//,.ｨ云∨ﾘ 　 　 　 !
　ﾄ.{: : : ／　 __＼∧＼:::.Vﾊ辷ー＜...',　　 　 　 ﾉ!i:　　 |!i|/《 :!::;j　　{　　　　　l
　∨: :/{{斗 ｲ ／⌒ヽ　i⌒Y ! 　 　 　 ',　　　　 { ﾘ|　 　|ﾘ　　 Vﾉ 　 ヽ.　　 ﾄ ﾉ
.　 ∨7{/　 　 i　　 9i　 {・ .j {　　　　 　 '､　　　 ∨ﾊ 　 ｌ　　　　　　　　ゝ　 |/　　　　　　『写経が終わったらね』
.　 /./ ′　　 ゝ-－ﾞ　__j￣　!j.　　　　 　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
　　　八ｆ９　　　u　　　 　　　'.　　　　　 ＿_>___:ﾉ　∨V　ﾍ　　　 　 / | :/ﾘ
／／　 ＞:.　　　　　 _　-‐ｧ.人...　　　く　_ノ___/　　 　 ＼ ﾍ 　 　 /　:|/
／　　_∧从≫　 辷__+.±彳__..　　　　厶:/_,ｲ´｀＞ ,.　 　 ｀＼￣　　′
三二二二{　｀ー-ー=＝≦二ﾆ｀_　　　　//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ , 　 ∧
二二二ﾆ=.＼　＿＿∨_乂ﾆﾆﾆﾆ≧ーﾞ//／:´￣:.:.:｀:.:.､:.:.:.:ヽ/　}
ー-＝=ﾆ二三(◯　　　　　◯)=彡⌒../ｲ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:jいﾉ
　　ﾏﾑ: : : : : : :＞ー-＝-‐＜. : : : : :/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨! i!i!

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　　　　　　　　　　「密教は行を旨とするべき性質であるのに、

　　　　　　　　　　　　　　　最澄は経典の借用と写経ばかりで空海とともに修行を行おうとしない」


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698： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:36:28 ID:vmPyY7jQ



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　‐━━=- . .,_
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　　　　　　　　　　　　　 ノ: : : : :／: : : : : : : : :}: : : : : :ヽ
　　　　　　　　　ー=≦: : :ー=≠: : : : : : : :_ ,ノ: : : : : : : : .
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　　　　　　　　　 __ ノ: :__ : 彡: :／r斧ミx }: : : /: : : : 　∧:}
　　　　　　　　　二ﾌ: : : : :厶イ　　弋シ^)　／ﾙﾊ/: :＼: : Ｌ_
　　　　　 　 　 ⌒^¨ア: 八　从{ 　 　　　／　 斧ﾐ |i: : : 「⌒)
　　　　　　　　　　　{从: : : 〉ﾍ　　　　　 　　　代ﾉ.从 : /
　　　　　　　　　　 　 __,): /　　、　 　 、 　 　′ /: /}:/
　　　　　　　　　　_ ノ八/　　 　 　 　　 ー 　　ｲﾊ(
.　 　,s≦　　　 　 ∧　　＼ 　 　　＼ 　__　,イ:/　　　　　　　　　　【泰範】
　　/⌒V　　　　　 ∧　　　＼　　 /⌒　 　 .}/
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　　　　　∨　.jI斗--┤　　 ／∨_/　V,∧
　　　　　/⌒　　　　　＞-　　　}-} 　 ∨∧

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　　　　　　　　　　　　「最澄は、愛弟子泰範と円澄を空海のもとで修行させていたが、

　　　　　　　　　　　　　　　その結果泰範が最澄の下に帰る意思を失った」



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699： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:36:50 ID:vmPyY7jQ



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￣ア. ／ /} { r-ﾐ_匕´　/._:イ_＿｀ヾ==彡 : :/: :/¨「}／: ::/ : :/　}:/ ｀ : : : ＼: : : 八　 　 :. Ｙ¨|: : : :Ｋ比::::ｉノﾉ/　ｲ:::i|>|:!: : :!: :|
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　　　　　　　　　　　　　 「その泰範に向けての翻意を促す最澄の手紙に対し、

　　　　　　　　　　　　　　　 泰範の代わりに空海が返書を書いた……などなど、だんだんと両者の間の溝が顕在化してきた」



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700： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:37:16 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「最澄と空海が打ち立てた天台宗と真言宗はともに、旧弊と化した南都六宗からの脱却のために確立された宗派だ」


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　　　　l/ lハ . | .i　ﾄf≧､＼　i　　 つこﾘ | i 　　 Kﾍ i | j
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　　　　　　　　 ヽﾍハ　∨ /､　　　　,　　　| /　/　 _,ﾌｰ‐ヽ､
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　　 　 　 　 　 r‐/　　　 /　　　　 ｲ　 〉:::_/ 　 / 　 i　／　　　　 l　　　　　　　　 ',
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　　　　　　　　　　 「最澄は、腐敗した南都六宗が牛耳る仏教界から独立し、対抗せんがために、

　　　　　　　　　　　　 奈良仏教とは別の大乗戒壇を根本に据えた新しい仏教のあり方を示して

　　　　　　　　　　　　　 鎮護国家の一翼を担わんとし、そのために既存の勢力から恨まれ、戦った」


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701： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:37:36 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「比叡山の存在意義とはその最澄の理想を実現するためだ」


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　　　　　　　　　　　「最澄は『正しく、優れた仏教徒を多く育てること』を

　　　　　　　　　　　　　比叡山の存在意義とし、そのためには先人から多くの

　　　　　　　　　　　　　　知恵と知識と思惟を受け継ぐことがどうしても必要だった」


.

702： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:37:55 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　 「片や空海は、時に奈良勢力と歩みを同じくするという

　　　　　　　　　　　　 清濁併せ呑む度量を見せつつ、

　　　　　　　　　　　　　 仏教の制度やシステムによらず、己の行を積み、

　　　　　　　　　　　　　　　 その力で鎮護国家の大任をはたさんとした」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


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　　　　　　 `ｰ──ｧ::::::::::::::: / ./::::::::::/__. |:: /＿彡'　　　}::} レ'/!
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　　　 　 　 　 ／::::::::::::::／| | /:::::, 弋ッ‐ ‘　¨弋::ｼ　　） 　 }ｉ　　 } _ ｪ≦
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　　「空海にとっての高野山とはそのための修行、修練の場であり、

　　　　　　　　　　　　　　　真言宗のためにとっては『一人ひとりの修練』を行うための修行場だ」


.

703： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:38:08 ID:vmPyY7jQ





。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／!　　　　　　　 ／:::::::/
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　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::ヽ 　　　 /::::::::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::＼　 /::::::::::::::::::::ゝｰ::-...､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::::::ヽj::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞..､　　　 ,}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　 /:j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨::/　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､、　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/／/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'＜;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;､::::く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀＞:::::::::::::::::::::::::::;ｲ::::::::::::ｲ::::::::::/"´￣　　}ヽ:.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー＝＜´:::::::::::::::::::::::::::＞"/::::::／ /::::::∠_＿____ノ⌒ヽ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ＞:::イｲﾊ'´＞メ､／ｰ‐/:::／_∠￣｀i:〈γこ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／ ノ/　ﾊ　（弋:ｊソ`　`"弋イｿ｀)　 l:ﾊ⌒）/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′／ /　/ハ　　ー‐　　　　ー一　　 ﾘ し' /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　イ　 ヘ∧　　　　 ､,　　 　 　 　 /ゝ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　 / /　/　 　 '､ 　 　 ､-_､　　　　 ｲ:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / /　/　　　　 ヽ　　　ｰ　　　 ／　ト!´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　/ 〈_　|　 　 ,r ─ | ヽ 　 　　イ 　　 lｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽj　 　 i ｀ヽ _!､＿_｀_:::::_＿__＿|._ノi
　　　　　　　　　 　 　 　 _＿,､r─────────‐┤　　　　　　　　 |　　　　　├──────
　　　　　　　　　　, ＜⌒ヽ　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　|　　　　 　j　___＿＿＿＿
　　　　　　　　　/　　　　　＼...ｰ:i　 　 ___＿＿＿＿＿＿＿　｀ 　､ ..　 　_.|_.. ,　- .,イ圭圭圭圭圭圭
　　 　 　 　 　 /　　 　 　 /　ヽ　:! 　i圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧tx､､,,,,,_　 .,,､≦圭圭圭圭圭圭圭
.　　　　 　 　 /　　 　 　 /　 　 ヽ!　 l圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|　|圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　 　 /　　　 ＼,,/　　　　 'i.　 |圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|　|圭圭圭圭圭圭圭圭圭
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　「真言宗の教えでは、真の仏教は書によって伝えられるものではなく、

　　　　　　　　　　　　師より、然るべき人物に面授される、あくまでも実践を旨とするものだとした」


.

704： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:38:19 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　「最澄は『学』を、空海は『行』が、
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、　　　　　　　　　　　　　 仏教を発展させるための鼎と考えていたということだな」
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



/　　 ＞/=:／‐=ニ=:/: : ∧:/|:ヽ
「￣: : /:.／ : : : : ／/: :/ ⌒1:l: :.i
: : : ::/／: .:/: : ／ ./: /　　　|:ｌ＜ﾄ
i: : : :ｌ// :/:.:／‐-/／、　　 ﾉ:ﾊ: 「:i
ｌ: :i´,ｸ/:/:／ｆ'7うﾊ　　　　,〃 |:i :| :l
!: :|〈/:/　　　弋ソ　　　　_, へﾄ:|: !ﾘ
ﾊ:.V:/┐ 　　 　　 　 　 ｨら7/i:ﾊ:|
: l: : :∨　　　 　　 　　　ゞｿ/ ﾚ'
: :!: : : i　丶 　　 丶、　' ／
:.∧: : :ﾄ、　＼　　 ,　イ　　　　　　　　　　　　　「デスクワークとフィールドワークみたいな感じかしら」
ﾉ　ﾍ : |　＼/ `７|: : :{
ミヽ l: :|７/⌒イﾐ !: : |
/　 }|: :l／ﾐｒ‐く j l: : ト
　 　l: :|　くイ＾ト　ﾍ: | |
　　 l: !　　《　 ヽヾﾍ:ｌ L
∨　ﾚ_　-￢　` ヾ、 「ﾆ＼
｜ く 　, イ　＼　 ヾ　トー∧
｜　 Y ヽ、＼ﾉ　 　]}oL_ 」_ｊ
∧:i:.. ゝー'¨´　　.:.:.::ll:.　 　,'
ヽ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉｌ:.:.:.:ノ
　〉:.:.:.:＞-　-　＝イ廴,ｲ
｜:.:￣　　￣　　　 ]}ﾆﾊ
｜:: 　　　　　　　　キ/ |


.

705： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:38:33 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「だから最澄は比叡山に登ってくるであろう未来の僧のためにも

　　　　　　　空海より未知の典籍を借り受け、それを写し、残そうとした」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


:::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... ....::::::::::
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　　..::　　　. .. .　.. 　　　｀`侖侖''"　　　　　　　　　　　　　　　. .. .
　　　　　　　　　　 　　 -‐'"韭 ﾞ''‐-　. ...　...　　　　..::　　　.
ﾞ''､,,_,,,,-‐'゛｀`''､,　　　 ｀`侖侖侖''"
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::;...;;.;;ii:i;;:;i,'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'',;'　'ﾟ ;~,;''ﾟ ;..;;.;;ii:i;;:;i'',;'',;''ﾟ ;~,;::;.:".:;.:'::;...;;.;;ii:i;;:;i|ﾞ:.:ﾞ,:;、,"ｺｴ...HE
ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;"i|:;.::;,,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;":;.::;,ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ,:
:.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ,::.ﾐ,,;'',;'　;~,;:.ﾐ,,ii;'',;'　;~,;''ﾟ :.ﾐ,,;'',;'　;~,;''ﾟ ,:;,`ﾞゞ:.ﾐ,;'',;'　;~ﾞゞ:.ﾐ,,;'',;'　;~,;,:.:.､;:...:,:.:.､
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



.

706： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:38:45 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「比叡山がまだ一私寺でしかなった時代、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_　　　　　　　　貧窮に喘ぎながら匙一杯の喜捨を求めて九千余巻の経典の
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）　　　　　　　　　 写経を行ってきた最澄にとって、これは決して軽んずべからざる
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜　　　　　　　　　　一事であったのは想像に難くないだろ」
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


.　　　　 　 /　　　/　　 　 　 /　 　 　 　 　 |　　 　 　 　 ヽ
　　　　 　 ′　　.′　 　 　 ,　 　 　 /　 /　|　 i　 　 　 　 ‘，
　　 　 　 . 　 　 ′　　　 　 !　　 / /　 /　 l|　 |　　　 　　　‘，
　　　　　　　　/　　 　 　 / |　 .ｲ /|　/ |　八　} 　 　 }|
　　　　　ｉ　 ノイ　 　 　 / /} / }|.′, ′| /　 }ハ　}　八　　　　,
　　　　　|　 　 |　　　　 ' / j厶斗／ 　 j/　｀ ｰ-}ノイﾞ 　　 !　　i
　　　　　|　 　 |{ 　 　 l|　　≫≠ミ　 ／ 　　　ｘ≠ミ}　　　 |{ 　l|
　　　　　　　　八　 　 l|　〃んィ } ﾞ　　　　　 んィ} j} 　 　 八　l|　　　　　　　　　　　　「ナルホド」
　　　　 ′　　 　 ヽ.　 |　{{　Vzツ 　 　 　 　 V_ツ　　　／ 　 )ﾉ
　　　 /　　　　　　　＼{　　　　　　　　　　 　 　 　 厶イ
.　 　 ′ 　 　 　 　 人_｀　　　　　　　　 　 '　　 　 ,　　',
　 　 l { 　 　 |　　　　 ｉ　ﾄ､　 　 　 　 　 _ 　 　 　 ′　 i
. 　 八ﾄ､ 　 人　　 　 }　|　丶　　　　 ´　　 　 .イ　　　}|
　　　　　＼ 　 ＼ 　 ハﾊ　　 ＞　　 　 　 ＜l{ l|　　　八
.　　　 　 　 ＼{　 ）ノ　/　｀　.　　　 T爪 !　 八 ! 　 , ′
　　　　　　　 　 　 　 ,　　　　 　｀TT⌒ヽ}／ 　 ）／
　　　　　　 ＿ .　＜　　　　　　　 | |　　　ｰ-ミ
　　　　,　´ 　 　 ＼ ＼　 　 　 　 | |　　　　　 } ｢￣｀ ､


.

707： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:39:07 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「だが、空海の仏教はそれを決して容れない、容れることができない」




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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┴…¨　 _ -=三三三三三
　r─‐=ニ三三三三三三
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　|三三三三三三三三三
　|三三三三三三三三三
　|三三三三三三三三三
　|三三三三三三ニ=‐´
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　　　　　　　　　　　　　　　　「残念だけど、すごく食い違ってしまっているのね〜」



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708： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:39:24 ID:vmPyY7jQ



　　　　「さらに、最澄と空海、この二人の偉大な仏教徒の内面において、

　　　　　　　　各々の仏教の形や位置づけ、概念にも大きな隔たりが存在していた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
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　　　　　　　 /:::::ﾊ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 i　ﾍ. ヽ、
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　　∧　 　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､/ヽ　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 !　　　　　　.:|!　　 :ﾊ;//,.ｨ云∨ﾘ 　 　 　 !
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709： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:39:42 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　「最澄は天台宗と真言宗は大原則として並び立つものであり、

　　　　　　　　　　　　　　　　お互いに高め合うことが出来るのだと考えていた」



.

710： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:40:01 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「その根拠は

　　　　　　　『天台と真言は同じ大乗仏教であり、三乗よりも一乗の仏教であるから』

　　　　　　　　ということだった。つまり密教と顕教には特に隔たりがないと考えていたわけだな」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　-‐　 ￣ 　 ﾆｭ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .＞'’　　　　　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l/l　 i ﾄ,ﾍ､ｰ ｭ､ 　 　 　 irヽ　　　　　l
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　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 l i.ハﾍﾍl　!ﾏｲﾍ　　　 lﾋﾉｬ, 　 　 ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 Ⅵ　l 　ハl　ﾞ'　l　　　l:l´　 ヽ.　　l
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾏ .ﾄ,　ヽ､＿,　li　　iﾘl　　　 lヘ_j､ 　 _＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾍハ　　ヽ´ 　Ⅵﾘ.l　 　 ／ｱﾍ彡≦一´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ　iハ _.ｲ .ﾄﾘ　 ／ , '　.ｨﾑ. ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　l 　 Yrｲ'’　, '　.ｲ　　 ∨ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 Vﾍ!　_/,lﾊﾍ., '　, '　　＿　∨ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾊ　　　　　　　　 　 　 _.ノ//〈/.ｲ　/　.ｨ ´　　｀ Ⅵ.l
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 'ﾏ,　　　　　　　　　.ｨ'’ /./く/i 　 / /.　　　　 　 l　l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .r ､ｰlﾊ 　 　 　 　 　 /i　 〈.ｲ// ヒ'’. ,'　　　　　　　l　l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 .ｲ　ﾍ'ｰ l　　　　　　　'　!　ノl'./　　 > .i　　　　　　　 l　l!
　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅵ.　i　 l　　 　 　 　 !　;　! y'　 .ィコ　l　　　　　　　 l　ﾊ
　　　　　　　　　　　　 　 　 Y　　　l　　 　 　 　 i　:　i/　／ i　　 l!　　 　 　 　 .i　ハ
　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝ.　　.〉､　　　　　 l　!/　, '　　l　　 l.ｨ .ｲ　 　 　 ﾘ!　　l!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 〉／ /＼ 　 　 .ｲ! il .ｲ　　　i 　 .ｲイ　　　　　ｲl　　 l!
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l<　./ ＞.ﾍ　　 l　Y!ﾉ　　　　　　l.ソ　　　　　　ﾊ　　 !
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ／ィ　　 ヽｰ 〈　 l.i l　　 　 , 　 l'　　　　　　　l　!　i .!
　　　　　　　　　　　　　　　　 i´丶 .ｧ　 　 !l　　｀ヽ'､ _　　　i　　l　　　 　 　 .ﾉl　l　l .l
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼ ノ　　,ﾍl i　　　　　　￣　｀丶.i＜､　　 　 '　l　lﾉ'! .l
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　./　.!o!　　　 　 　 　 　 　 ｀` , 　 　 ,　 l　l　l　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ﾉ ノ’ 　 Y'ﾏ,'ﾏ,　　　　　　　　 　 　 　 /　 l!　!　i　!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 / /ノ　ヽ､　 l､　'ﾏ,'ﾏ, 　 　 　 　 　 　 　 /ヽ　 〉 　 |　!
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 V´　　　　＼　｀≧ｭ､.　　　　　 　 　 　 /　　 ハ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



.

711： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:40:18 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「だから、天台宗の大本として顕教である法華経が存在するんだが、

　　　　　　　同時に天台宗の一つの側面として密教が存在することにはなんの問題もないわけだ」




　　　　　　　　　　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
　　　　　　　　　. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
　　　　　　　　　. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
　　　　　　　　　. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　　　　　　　　　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　　　　　　　　　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　　　　　　　　　　　　＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


　　　　　　　　　　　　　　　「確かに台密も今もきちんと残ってるお」


.

712： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:40:28 ID:vmPyY7jQ




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
.　　　　　　　 　 i:＼
　　　　　　 　 　 l::::::＼
　　　　　　　　　 |:::::::::::＼
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　　　　　　　　　　「だが空海は天台と真言は決して並び立つものではなく、

　　　　　　　　　　　　　　『真言は天台よりも優れている』とはっきり断言する」


.

713： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:40:41 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　 「その根拠は

　　　　　　　　　　　　　　　　　 同じ大乗とは言え、天台は顕教で真言は密教であり、

　　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　 『密教は顕教より優れている』という『大日経』の教えだ」
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　　 ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
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:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!　　　　　　　「経典にそういう風に書いてあるの？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 !:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 `r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉

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714： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:41:06 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ノ::::::::::::::弋_,ﾉ:::::::::::::丶
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　　　　　　　　　　　　　　Y,へ/,/ i.　　 　 ､＿,,,　　 ゝ_　＼:::::＼
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　　　 　 　 　 　 　 　 ＿／ /　 /ﾄ　　　 い　￣丶_　/´
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　　　　　／丶　-‐ヽ　　v'─┴ - 　　　　 |　　_, ‐ ト´,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;,, ｀i⌒F丶
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　「そう、大日経によれば悟りに至るまでの過程は10段階存在していて、

　　　　　　　　　　密教、つまり真言はその頂点にあり、

　　　　　　　　　　　法華経……天台宗のような……は八段階目の、いわば密教に至る道程であるとされている」


.

715： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:41:23 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その大日経が根幹に据えられている真言の空海にして見れば

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　顕教密教は『並び立つ』どころの話ではないわけだ」
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
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. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
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: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
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　 ‐====≦_.｡s≦　　/　 　 i|　　　　　　　/　　　　　　　＼
　 }　　　　 { 　 　 　 /　　　 i|　　 　 　 　 ,　　　　　 }　　　 ＞｡.
　 }　　　　 |　　　　 ,　　　　｜　 　 　 　 ,　　　　 　 |　　　　 　 }　　　　　　　　　　「うーん」
　 }　　　　 |　　　　,　 l　　　i|　 　 　 　 /　　 ｌ　 　 i|　　　　　　,
　　，　　　i|　　 　 {　 |　 　 i|　　　　　/|　 　 |　 　 i|　　　　 　 }‘，
.　　　　　　|　　 　 |　 |　　 八　　　　/　　 　 |　 　 i|　　　　　 ,　 }
　　 ,　　　｜　　　ｉ|　 |------ ､　　 {　l----廴 ＿,　 　 　 　 ,　 }
　 　 ，　 　,　 　　 |´ i|　　　　|　ヽ　 |　|　　 /　 　 } ｀　　　　 ,}
　 　 ﾊ　　　,　　　　㌢笊芋示　　 ＼! ｉ| ,ｨf芋笊ﾐx　　 　 　 /,}　 }
　 　 {∧　 　,　　 　 ゝ ぃ//(　　　　　　{/ ぃ//(　/ 　 　 　 ,′,　 }
　　　{,'∧ 　 　 　 　 ,　乂)少　 　 　 　 　 乂)少 ,　　　 　 / }/}　 }
　　　{/li∧　　 　 　 ∧　　　　　　　　　　　　　　,′ 　 　 /,} }/}　 !
　　　v { /ﾊ　 ‘，　 　i{　　 　 　 　 ,　　　　　　 ,　 　 　 ‰!} ∨ﾊ_}
　　 　 ﾏ,/　，　‘，　 父　　 　　　,　､　　　　　/　　　／ ∧}　∨,/
　　　　 7　 　 ,　八　　 ,　 　 　 　 　 　 　 　 /　　／l/∧__}　　V{
　　　　 ,　　　〈, }　 ＼　', 　 }＞　 　 　 ＜{ , 　 ／　 !///∧　　 l
　　　 　 　 　 //}　　　ヽ , 　|二=≧≦=二|/ ／|　　 |∨//∧
　　　　l　 　 ///!　　 !ｉ　＼/　 /r ,∨　　 ／､ ｜ 　 |i ∨//∧　　,
　　　　 　 　 ＼_|　　 |　｡s〈　 /_{{}}=∨　　　 ｱ_|　　 |　 ∨_／
　　　 ,　　　 ____,|　　 |二ニニﾆ,乂}二ニニニニ|　　 |二ﾆ=‐
　　　/γニニニ|　　 |ニニニニニニニニニﾆﾆ|　　 |ニニニﾆﾆヽ　，
　　 ,　 {二二ﾆﾆ|　　 |ニニニニニニニニニﾆﾆ|　　 |二ニニニニ}　 ,
. 　/　 i|二二ﾆﾆ|　　 |　} {　　　　7/　 　 ヽ‐==,|　　 |二ニニニニ| 　 ,



.

716： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:41:38 ID:vmPyY7jQ



┌─────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　..最澄→大乗仏教で同じ一乗の考えである以上天台と真言に優劣はない.　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└─────────────────────────────────┘




　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼　　　　　　　　「最澄は、このような手紙を泰範に出している」
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

蓋し劣を捨て勝を採るは世上の常理ならん　然るに法華一乗と真言一乗とは何の優劣かある

同法同じく恋うを、これ善友という【 最澄から泰範への書 】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

.

717： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:42:04 ID:vmPyY7jQ



┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　..空海→天台と真言は同じ大乗ではあるが、顕密の隔たりがある以上真言は優れ天台が劣るのは当然のこと....　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
└────────────────────────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼　　　　　　　　　「その最澄の手紙に対し、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|　　　　　　　　　　　　　　空海が突きつけた答えがこれだ」
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

法応の仏　差なきことを得ず　顕密の教何ぞ深浅なからん
法智の両仏自他の二受　顕密説を別とし　権実へだてあり
所以に真言の醍醐に耽執して未だ随他の薬をたん（口偏に”敢”）嘗するに遑あらず　【 為泰範答叡山澄和尚啓書 】

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 為泰範答叡山澄和尚啓書 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　『泰範の叡山の澄和尚に答せんが為の啓書』といった感じの読み下しになります。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　泰範さんが、師匠である最澄から戻ってきてほしいというお手紙を受け取ったことに対するお返事です。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　ですが、このお手紙は泰範さんの代わりに空海さんが書いています。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　ですので、この手紙に書かれている考え方は全て空海さんのものということですね。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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718： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:42:27 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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＼|::ι::l,ヘi ,-‐､,　.∥ヾゝ;;;;;;､‐-､_｀＞
:::::::::::::::::_　 (ﾟc) ' ,/ソ　/ ＼;;;;ヽ
::::::::::::::;;;;;;;;:￣　 /'ｿ ／―-､ ＼|ヘ
:::::::::::::ゝ:::ι:.　/　/ 　 　 　 .Y´　　＼
::::::_｀_´､::::::::　/ノ　　　　　　　iヽ 　 　 ＼
::::'.-‐´::::::::　/　　　　　　　　　l |ヘ,　 　 ト
::::::¨::::::::::'／ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,　 l.|　　＼　l
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　 「顕は劣り密は優れるという考えの空海にとっては、

　　　　　　　　　　　　 天台宗が密教を取り込もうとしていることにも

　　　　　　　　　　　　　 忸怩たる思いを抱いていたことは間違いないだろう」

.

719： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:42:40 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）　　　　　　　 「密教が天台の一部であるということになるなどということは、
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|　　　　　　　　　空海の中ではあきらかに理に外れたことで、
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／　　　　　　　　　　　 受けれられるものではない」
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼



　　　　　// ヽ ヽ　　　, -‐　　- ､
　　　 　 | i　　＞　`Y´////////＼ヽ
　　　　　|:i　///,ヘ　∨ ＼///////＼ヽ
　　　　　|i ////　　〉-‐'´⌒ヽ///////＼ ヽ
　　　　　ﾚ'///　／　　　　　 　＼//////:ヽ　
　　　　 　///:ﾚ' 　　　　　　　　 __＼//////Y
　 　　 　////{　　　　　　　　／　￣ Y/////|∧　　　　　　　　「そういう教えなんですものねぇ」
　　　 　 i///:| 　 _＿　　　　　,ｲ丐`ヽi/////|//i
　　　　　|//∧ / ,.= ､.　　　　 弋ﾘ　仆//////|∧
　　 　. 　|///∧ 仍ﾊ.　　　　　　　　　N/////|/∧
　　　　.　∨//∧`ｰ'　 　 ､　　　　　　　|////N//∧
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.

720： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:42:53 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　 　 　 ＼: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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　　 　 　 　 　 　 /／{　て爪 　 〃　 {::（__}　　　　 　´⌒＞ミヽ 　 Y.: : ／
　　　　　　　　　/'　 ∧　/ ハ　　　、 ゝ-ﾟ’　　　　 　　　{::（__｢` 　 |: :/
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　　　　ヒ　　　 　―z∠ /　 /}　XXX　　　 　､__　　　 ｀￣ｌ｢|||||l　 ﾉｲ/
　　　　　 リ　　　 ／　７￢/_,ｉ　XX　　　 　 　 ||　 　 　 　 　 　 　 　 し'
　　　　ヒ.　―z∠　　/　 /ゝ'{　 __　　　　　 　 ij　　　　　　　　　　 ,
　 　 　 　 リ／　￣ 7￢ｚ 　 ∨ 　 }　　　　_　　　　　　　　 u　 　 人__／
　　　　　　/　　　　/　 / 　／　　丿　　　　　ヽ 　　　xxｘ　　　／::ハﾉ
　　 　 　 〈　　 　 /　 / ／　　 ／ ｀ヽ　　　　　　　　XXX　 イ⌒ヽ
　　　　　　 ーへ/ｰ-'　i　 　 Y^ヽ, -‐个x、　　 　 　 ＞''"´　|、　　ズ キ
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／{＿＿/　　,,;;,, 　 　 ﾉ 　 ／ 　 ／⌒Y､　　　　　　　　　 ／ 　 厂￣￣
〃|￣ ７　　＿＿＿__{　　　　 ／　　／｀ヽ ー┬――一 '　　　/
′| 　/ 　 /////////＼ 　 　 　 ／　 ノ j　　 |　 　 　 　 　 ／_＿＿＿
ヽ.ｊ　,' 　 ////////////,ヽ ￣｀ヽ.__ ｀ヽく,＿__|＿＿＿___／/////////
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　 「だが、最澄に灌頂を施し、


　　　　　　　　　　　 真言の世界の深みに招いたのは他ならぬ空海だ。

　　　　　　　　　　　　 それ故に空海は最澄からの度重なる蔵書の借用にも応じてきたんだろう」


.

721： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:43:12 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そうしたことを考えると、空海はたびたび最澄に対し

　　　　　　　　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　 『密教のあり方は学ではなく行であること』を告げてきたことだろう。
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)　　　　　　　　　　　　　　二三の書簡もそれを証明している」
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,　　　　　　　「この『叡山の澄法師の理趣釈経を求むるに答する書』もその一つだ」
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
それ秘蔵の興廃はただ汝と我にあり　汝もし法にあらずして受け　我もし法にあらずして伝えれば

則ち将来の求法の人　何に由って求法の意を知ることを得ん

法にあらずして伝授するはこれを盗法と名付く　すなわちこれ仏を欺くなり　【叡山の澄法師の理趣釈経を求むるに答する書】


（密教の興廃はあなたと私にかかっている。
あなたがもし正しからざるあり方によって密教の教えを学び
私がもし正しからざる在り方によって密教を伝えてしまっては、
将来この密教の教えを求める人達は正しい法の求め方を失ってしまうだろう。

あるべき形にあらざる法によって教えを伝えることは『盗法』と名付けられる。
それは御仏をあざむくものです）
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


.

722： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:44:04 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　「この書は、最澄が『理趣釈経』という経典を借り受けたい
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　 という願いを伝えたことに対する、空海からの返書なんだが……」
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|　　　　　　　　　「どうしたの？」
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 理趣釈経 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　 真言八祖の一人である不空さんが書いた『理趣経』という典籍の注釈本になります。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　 理趣釈教というのは略称で、正式には『大楽金剛不空真実三昧耶経般若波羅蜜多理趣釈』というタイトルです。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　 真言密教には大きくわけて『大日経』を拠り所とする系統と『金剛頂経』を拠り所にする系統があります
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　 理趣経は金剛頂経系統において非常に大事な位置にある経典です。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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723： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:44:58 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「これは、最澄と空海の間でかわされた、最後の交流の手紙でな」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _＿__
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／:::/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::i
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　　　　i、　　　　　 ｛:::ﾍ i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　 　 i:ﾍ.　　　　 　 　 　 ＼＿＿
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　　 　 ∨::::::::｀:＞ｰ-..ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｲ:::::/　　　　　　　 　 　 ﾄ､
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　　 　 　 ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞､:::ヽ、.　　　　 　 　 |!　 | | |
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　　　　　　　 ｀`'＜::::::::::::::::::::/　!:::::/ l::::::/ _＿..,,,,､γ｀ヾ　　　　　　　 　 / /　 ﾚ
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.　　　　　 ___／::::::／ラ／ﾍ｀メ、　 /:∠イにヾ　j:/ }ソ /...＼　 /　　／　　|　　l|
.　 　 　 　 　 ￣ ´ﾉ／　 ｲﾍ 弋）　′ 　_ゞ=イ　 　 　 /　 　 ∨　／　├　1 　/
.　　　　　　　 　 ／　　.イ　 ト￣ 　　　　　　　　/ヽイ;ゝ....(￣}二{￣)￣`ヽ|／
　　　　　　　 ／　　／ /　 /　ﾍ　`＿　　 　 　 ′　トゝ.　￣/　 |￣￣￣｀＼
　　　　　　 く　　／　 / 　/　　 ヽ　　 ｀ 　 ／ 　 　 |. 　 　 / 　 l|　　 　 　 　 `　 .,
.　　　　　 　 ヽ´ 　　/ 　/　　　 　 ヽ __,.イ--ｰ─‐┴-、　′ 　 |　　　　　　　　　/｀ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ヽ/　　　　 　/　 /´　　　　　_　＜｀ ー―イ７´￣｀ヽ　　　 /　 　ｉ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 / 　 _ ,.､＜::::::::::::::::::::７/／｀ヽ　　　　＼.../　　　.|
　 　 　 　 　 　 　 __,,,､r──‐＜::｀ヽ／´::::::::::::::::::::::::::::::::///　　 　',　　　　　i
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　　　　　　 　 {/::::::::::::{｛　｛　ゞ＝<ノ ノ ノ::::::::::::::: //　　 くノ　　　　l |　　　　　　｝
.　　　　 　 　 /::::::::::::::∨ヽヽ／¨ﾍ ／ ／:::::::::::::／´　　　　ｲｊ　　 　 | ｌ　　 　 　 ｲ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　「こういう表現が適切かどうかは迷うところだが、俺はこの返書、

　　　　　　　　　最澄と空海が歩んできた道程の破局として、まことにふさわしい名文だと思ってる」



.

724： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:45:08 ID:vmPyY7jQ



　　　 　 　 　 |　　｜ 　|　　　　　　　 /|　　　　|　 　　l　 　 　 　 　 　 　 |
　 　 　 　 ―┼―┼―|　　　　　 　 , ┼――┼―　 |　　　　　 　 /　　 |
　　　 　 　 　 |　　｜　八　　　　　 /　 ! 　 　 ∧　 　 | 　 　 　 　 /
　　　　 　 ,x笊芋芋云ﾐ　 ,　 　 　 {　 ,ィ芋芋笊ミx　,'　　　　 　 /　　　 ,
　　　　　〈( h {////刋　 　 ，　 　 |　　h {///,'刋 )〉,　 　 　 　 ∧
.　　　　　　 ぃゝ〜'(　　　　 ‘，　　|　　ぃゝ〜,'( 　 /　　　　　 / }/{　 _　,
　　　　　　 {乂⌒)少　　 　 　 ヽ　i|　　乂⌒)少　 ′　　　　 /　}//77} 八　　　　「お前は何を言ってるでありますか」
‘，　　　　 i|ヽ　　　　 　 　 　 　 ＼　　　 　 　 　 ,　　　　　 /　 i|////,/
. ‘,　　　　　,　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　 　 / ＼ |///‰
　 ‘，　 　 叭＼_〉　　 　 　 　 '　　　　　　　　　/　　　　 ‰　 　i|/／　ｉ|
.　　‘,　　　　|＼　　　　　　　r　 ,　 　 　 　 　 /　　　 ／|//≧=‐〈　 　ｉ|
　 　 ‘，　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　／　｜/////,∧　　|
　　　　 ， 　 l　 　 　 r,　　　　 　 　 　 ィ 　 /　 ／　 　 i|///////∧
　　　 　 ＼　l　 　 　 |ﾆ〕iト．　　　ィi〔ﾆ|　 / ／ 　 　 　 |////////∧｜
　　　　　　 ＼　　　 /　 /　 }≧≦{ ∨∧ ,／　　　 　 　 |ヽ////////


　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|　　　　　　　「ケンカ別れの手紙なのよね？」
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |



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725： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:45:21 ID:vmPyY7jQ





　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　 ／　　　⌒　⌒
.　　　 　　　 　 ｜　 　 ( ⌒) (⌒)　　　　　　　「それはそうなんだけどな、
　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　 日本の思想史において巨大な意義を持つ二人が
　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|
　　　 　 　　 　　人､ 　　　　　 |　　　　　　　　　　　その内面をぶつけあう様は、やっぱりなかなかのものだぜ」
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ 、 __ ,_ ノ
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ 〉:.;〈ヽ ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　 く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　 ヽ 　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　.´: : : .　 ' : : :　　　　　 ＼ 　 '';;;::|　 ,|　__| |
: : : : .　　.γイ: .　　　　　　 ' .,　 ':;;:|　 l、__j.|



　　　　　　　　　　　　　　　― 　ー―‐-- ､
　　　　　　　　　　 　　: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ／: : : : : :,:,:,ｨ: : : : : : : : : : : : : :丶　　　　　　　　　　「うーん、ちょっとわからない感覚ねぇ」
　　　　　　　／ｨ: : ／／"　7/"ﾍ: i: : : : : : : : : : :ハ
　　　　　　' ／: :ｨ:: :へ　　 i:.!　　i: !: : : : : : : : : : : :.ﾊ
　　　　　　/:／/:.ﾑ､,､ ヽ　 |:|　_」: ﾄ: : : : : : : :: : : : :',
　　 　 　 //　 i/ / 仍　　　ゝ´　ﾚ｀ﾄ:､: ﾘ : : : : : : : : }
　　　　　 '　　 { /　て'　　　 ´ ｀７ヾ,|: : ｲ: : : : : : : : :.!
　　　　　　　　'/　　　　　　　　匕｡ﾉ>: :/: : : : : : : : : |
　　　　　　　　 ',　 ｀　　　　　　 ｀´　|:/ｰ､: : : : : : : :{
　　　　　　　　 ﾊ　 'iヽ　　　 　 　 　 '　7ﾉ: : : : : : : |
　　 　 　 　 　 　 ',　'ｰ　　　　　　　_^／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　 ､＿_　　 ､　´　＜: 7: : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 ／ｨ ´／≧＝￣≧ /:ｲ : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　 /／ ／７´￣｀ｰ. ´. ./: /|: : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　 ' 　 {'´/. .=.-. . . . .､/: :i. |: : : : : : : : : : : : : ー ＿＿_
　　　　　　　 _ =＝=,ﾊ. . . . . . . . . {: : |. .i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : -
　　　　　　　}＞ ≧三;}. . . . . . . . .ﾊ: ﾊ. ﾍ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 ／三三ハヽ. . . . . . . .ヽ: ヽ. ､: : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 >三ﾆ/ 　 |__入. . . . . . . ＼: ー'‐: : : : : : -=
　　　　　　 く/,/ﾆ/　　 |. . . .ヽ. . . . . . . . ー―――､-
　　　 　 　 　'/ﾆ/　 　 r. .´.{. . ＼. . . . . . . . . . . . . . ＼. .
　　　　　　 　 ｀'　　 　 |. . . . ､. . . ＼. . . . . . . . . . . . . . ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 |. . ､. . .ヽ. . . .＼. . . . . . .
　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ. .ヽ. . /.ﾊ. . . ..＼. . . . .
　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ ノ. . . . . . . . . >. . .


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726： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:45:52 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「まぁそうなんだけどな。ともかく補足していこう。

　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　理趣経は悟りの境地を大楽として捉え、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |　　　　　　　　　　　　ことにそれは男女の性的快楽に象徴されている」
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊｰｒ―-､ヽ　＿＿
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::://: : : :￣ｽ 　　 |/
／ヾ: : ＿/: :＼＿
ヽ: : : : : : : : : : ヾﾘ＼



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727： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:46:03 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「マジでありますか」



　　　　　　　　|　　　　　　　　‘，　　　　　　　　　斗ｬ七允 　 　 　 　 　 　 / 　 }
　　　　　　　　|　　　　　　　　　∨　　　　 　 　 /　　　　　 |　　　　　　　　/　　 }
　　　　　　　　|i　 　 　 　 jI斗ｬ=∨　　　　　　/　,jＩ斗劣ミ　　　　　　 　 /
　　　　　　　　| 　 z七さ＾　　　　 ﾊ　 　 　 　/ ,ｲ//,刋 }/ }　　 　 　 　 ,　　　 ,
　　　　　　　　|　　 　＼ {＿_　　 { ‘， 　 　 / 　h//(　 　 i|　　　 　 　 /　 　 /
､　　　　 　 　 |　　,ｨf斥爪刋 ミ　|　‘，　　 ′　込z少　　从　　　 　 /　 　 /
. ＼　 　 　 　 | ‰笊////(　　 ヽ!　　} 　 /　　　¨¨^´ 　 %　　 　 　 /　　　/
. ＼＼　 　 　 { ﾏ( ぃ乂/ﾉ爿 　 　 　 | 　,′　　　　　　 ,　 　 　 　 /　 　 ,/
.　　＼＼　　　‘，　乂⌒少´　　　　　|／　　 　 　 　 　从　 　 　 /　 　 ,/
.　　　 ＼〉,　　　 ，　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　 　 人　 　 　 / 　 　 ,′
　　　　 }/}　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 /
　　　＿|/!　　　　∧　　 　 　 　 　 　 　 t ﾕ　　 　 　 /　 　　,/ 　 　 /
　　 l///,'|　　 　 　 ﾏ>　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　／{　　　/
＜-,l///,'| ＼　 　　 ∨=≧s｡.,_　　　　　　　　　　　/ 　 ,／　 |　　 /
　　≧=‐く 　i|＼　　　∨二二二≧s｡.,＿／　　　 , 　 ／　　　| 　,/
　　　　　　　 |　 ＼　　,∨　 |ﾆ=,|　 |i　　　　　　 / ／　 　 　 i|　/



　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　「あぁ」
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



.

728： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:46:16 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「話を続けるが、そうした理趣経の性質から、

　　　　　　　　　様々な誤解と逸脱をうむことがたやすく予想できるので、門外不出とされていた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　ξ　|::::::::::::::::ヽ　ξ　 /
　　　 j:::::::::::::::::::::.　　／|　　　　タ　　 ：
　.-‐::::::::::::::::::::::::::|／::::::|　　　　ハ　　：
':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..　　　 ハ　　：
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ハ　　：
_斗､:::::|＼::::::::|`､:::::::::::::::::|　　　 ッ
__,-‐ヽ:|￣＼:::ヽ ＼:::::::::: ! 　 　 ：
|　＿_,ｪ匕　　`tｭ､__`ﾄ､::::|　　　 !!
|　　ﾌ ﾋﾂ　,,,,　ﾄｯ　} /} ` |
|　　` ─　　， ''''　 ,'}/　　`ー─､＿　 ＿
　u　　　　　　　　､ |/─--､　　　　　!/
-'.　　r───‐ ， ｉ　　　 | ヽ.
､ ＼　`　＿＿／／　　　,'　/ ｌ　　ζ
_＼ .`　...＿___∠＿＿__ |=/　 ｉ　　　　　ξ
/＼＼　‐' ／////////／||　 ｌ_
.///＼`-__／///////' 　 ||／ .|　　ξ
/////|　|/////////　　／ヽ ./!
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「まぁ、しゃーないお」


.

729： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:46:49 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　　　　「事実、この理趣経は様々な形の左道密教をインドや中国に生み、
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ　　　　　　　　　 日本においても立川流を生む萌芽ともなった」
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 立川流 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　噺家さんたちではありません。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　真言立川流とも呼ばれています。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　十二世紀から十三世紀にかけて大成したと考えられています。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　大雑把に言えば男女和合を悟りへの手段であるとしたり、
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　髑髏本尊という独特すぎる宗教的儀式があったりと、
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　その教義のあり方から古くより『邪教』とされてきました。
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

730： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:47:37 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　 「最澄はこの理趣釈教を貸してくれと空海に申し出たわけだ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　 　 　 ／!　　　　,.ィ/
　　　　　　　　　　　　　 /:::::ﾍ 　 ,イ::::::{___
　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::ﾍ/::::::::::::::::::::｀＞:..._ヽ､
　　 　 　 　 　 　 　 　 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:ﾍ　,｝
　　　　　 　 　 　 　 　 V:::::::::::::::::::::::__＿＿＿＿_::::::::::ﾚ:ﾉ
　　　　　　　 　 ﾄ､、_＿∨::::::＞''"´　__＿＿＿__ ｀"＜:く
　　　　　　　　　ヾ:::::::::::::::::/　　, ＜:::::::::::::::::::::::::::｀＞.､∧!
　 　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::〈 ／（　∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::!　j
　　　　　　　　　　　__＞:::ノﾍ∨ﾉ　}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'
　　　　　　　　　　　　￣´ｊ　 i　{_ノ∨::::::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　 　ヾ::::::::::::::::::::::::::У
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　j∨ヾ∧:ﾄ､::::ﾄゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼..ｲ.___∨-ﾍ!-ﾍjL
　　　　　　　　　　　　　 __.......,,,,,,,,,,/__＿＿＿＿___ j
　　　　　　　　　　　_..ノ=ｰ 、　 ,､:＜三三三三三≧x､、_
　　　　　　　　　　/⌒ヽ ／ ﾍ　Ⅵ三三三三三三三≧x､｀i
　　　　　　　　　 ,'　 　 ∧　　 l　Ⅶ三三三三三三三三l|! l7
　　　 　 　 　 　 i　 　 ,'　ヽ　　l　i三三三三三三三三三i ｲ!
.　　　　 　 　 　 l　　 ﾉ;／　ﾍ　l　弌三三三三三三三三l/! !
　　　　　　　 　 l　／ヾ ／　 i ｜○ ）三三三三三三三iｊi |∧
　　　　　　　　 ／　／}′　 ij.ノヽ､.__￣￣¨¨"""''''''''（○/ヘ∧
　　　　　　　　ヽ／　/ 　 　 i!　　 　 　 ￣ 　‐‐‐ 　--┬′イ　l
　　 　 　 　 　 / 　 /　　 　 |　　　　　　　　　　　 ／　/　　 |!　|
.　　　　 　 　 / 　 /　　　　｜　　　 　 　 　 　 ／ 　 ム＼　|!　l
　　　　　 　 / 　 /　　 　 　 !　　　　　　　　／　　／　 ｝　　ヾ∧
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　 「ところがその返書『叡山の澄法師の理趣釈経を求むるに答する書』において、

　　　　　　　　　　　　 空海は最澄の姿勢について痛烈に面罵する」


.

731： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:47:52 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼　　　　　　 「その文章の苛烈さは、後世の研究家たちがうろたえてしまうほどのもので、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|　　　　　　　いかに灌頂を手ずから授けた相手とは言え、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　 　U　|　　　　　　　　当時の仏教界の第一人者である最澄に対して
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {　　　　　　　　　 あまりに礼を失しているのではないか、と非難されたりする」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑヽ 、､____／ヽ__
　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:;Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ : ∧　|::Λ |＼> : : : ｀,
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ : :.∧ |:::::| | : :ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :! : : : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::|| : :/ : : : :i :|
　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : : : : : : :＼ : '.,:::| : /: : : : :| :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : : : : : : : ＼::V :/ : : : : :l : !
　　　　　　__/_: : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ: : : : : : : i : |
　　　　／　　　｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,' : !
　　　（__.ィ´ヽ,ム、〉、:ヽУ　V. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : !
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　　　　ヽ／　/　/ /'Y:ｿ　　 　 }.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : !



　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　 　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼
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　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
　　　　　　　i::::::::::::.' `ニ､'´　　 　､　　　}::::::::::::}
.　　　　　　　{::::::::::{ 〈 {:::ｿﾞ　　　　, ミｰ　i:::::::::::ﾘ
　　　　　　 　}:::::::::i　　　　　　　　ﾑ:ｼ 〉.':::::::::∥　　　　　　　　　　「あら〜」
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　　　　　　/::::|::::::ﾑ　　　, 　_　　　 　/:::::::::::ｲ
　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|
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　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
　 　／　　 　 　/　 i　 |　i.､.　 　 　Y　 　 　l
　 .'　　　　 　,.ｲ |　 |　 |　|ﾑ　　　　 ﾏ　　　i



.

732： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:48:08 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　 「その苛烈さから、一部の研究者からは

　　　　　　　　　 『この手紙の澄法師とは、最澄ではなくその弟子の円澄のことではないか』

　　　　　　　　　　　 という論文が出されたことがあり、議論を呼んだ」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　, -＝=-　 ＞‐'　　＼-|--　-　,,_
　　　　　　／ , -‐フｧ‐-　　　　　　 ``　　　　　　＞ ､
　　　　　 /／　, ＜　　　　　 　 ,　　　　　ﾍ　　　　　　ヽ
　　　　　　 ／　　　　　　　.'""/ヽ　_　　/　ヽ―-‐､　　　',
　　　　 ／ ／/　　　／　'　　/　　` !　'　　　　　　　　　　 ',　　　　＿＿
　　　　/／ ./　　　 /　/l　　'　　　　 　 /i　　､　　　　　 ､_ '-― '"　　／
　､―――/　　 / /　 ,' |　　　 .i　 ム /_.|.i　 .i　　　　　　',　＜_　　　<´
　　　<　　l　　 / /　　|　|　.i　　|　 |　i`! | |ヽ .l　　 ＿　 | .i　　ﾌ 　 ／
　　　＜ . | 　./|./!　　l　 | `ト､,_|_　|　i_j ,|.レ|‐|",￣i　　 ﾄ .l　　>／
　　　`＜ |　/ ! ﾊ　　.!.ｨ　!-ｪｪ-ﾄ､`|　　.１レﾋ土ヒ_ |',　　|', i ／`､
　　　　　 | /＞/i　　 ﾚ.!　ﾄ く勹叨ﾄ`　　ﾌ"7叨ﾋl ｿ.| i 　 | i ト　､ ＼
　　　　　 l/　フ`l　i,　　l　| '､! 弋ｿ 　　　　　式ﾝ .l ,', l,　 l　ﾘ　　＼ ＼
　　　　　 | ／.　 | l l　i .i　l　〉 　 　 　 !　　　　　　}, ﾘ ! ,　　　　　　,ヽ ',
　　　　　／　　　|,'　| l , ﾄ, ! ﾄ､ 　　､__ 　 __ ,　　./ !　,',ﾉ　　　　　　 ', ヽ',
　　　　/　　／　 !　 ゝlﾚ| .､ |"＞.　 `ー~~-'　／ト,'　ム､　　ヾ. 　 　 ',.　',　　　　　　『格下ですから』
　　　/　 ／　　　レ'" ','　',　 |　　　 ト　,　＜　　 /　/ !! ＞-　､_.　　　',
　 ／　 /　_ ,　＜　　　 !.　',　|　　　 !　　　　　　/　/　ll　　　　　＞､.　 ',
. /　　/＜ <　　　　　　- ､. ', ト ,_　　 }　　 ノ＿/ /-‐'||￣　　　　　 ＼_ .'.,
/　／　　　 ＼　　　　　＞）,.〉l 　 ゛ヽ　　　/　 /, '　　.l|　　　　　　　　 ',_＞､



〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「まぁ」


.

733： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:48:24 ID:vmPyY7jQ





IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

余　不敏なりといえどもほぼ大師（ブッダ）の訓旨（教えるところ）を示さん
冀くは子　汝の智心を正し、汝の戯論を浄めて　理趣の句義　密教の逗留を聴かんことを


（私はもとより不敏の身ではあり、このようなことをいうのはおこがましくはありますが、
私はあなたにブッダの教え、その主旨を示したいと思っております

どうか曇った智心や密教に対する誤った捉え方を捨てて、
『理趣』という言葉の概念やその意義、密教の伝えてきた教えを聞いていただきたい）

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　「空海はこのように書いた後、まずは『理趣』という言葉の意味を
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　　　事細かに説明する」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


.

734： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:48:47 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　「その後、空海は最澄に言う」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|　　　　　　　「あなたは仏なのか、それとも凡夫か、と」
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

また余未だ知らず　公　これ聖化なりや　また凡夫なりや
もし仏化なれば即ち仏智周円せり　何の闕くるところあって更に求覓を事とせん
〜中略〜
もし実の凡求なれば即ちまさに仏の教えに随うべし


（あなたが仏の化身であるのか、それとも凡夫であるのか私は未だ知りません。
もしあなたが仏の化身であるのならば既にあなたには仏の知恵が備わっていることでしょう
何が欠けているからとさらに物事を求めようとするのですか。
〜中略〜
もし凡人として求めているのだということであれば、それこそ仏の教えに従うべきです）

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



.

735： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:49:06 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　「自分自身を凡夫と認めるのであれば、仏の教えに従い、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　仏が垂れた教えのまま、修行をしなさいと空海は続ける」
　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　「その中で、空海は最澄の姿勢を完全に否定してかかる」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

また秘蔵の奥旨は文を得ることを貴しとせず　ただ心を以て心に伝うるにあり　文はこれ糟粕なり　文はこれ瓦礫なり
糟粕瓦礫を愛すれば則ち粋実至実を失う　真を捨てて偽を拾うは愚人の法なり　愚人の法汝随うべからず　また求めるべからず


（また、真言の奥義は書によって学ぶことを貴しとせず、ただ師から弟子へ、心から心へ伝えるものである。
文はそのカスであり、ただの瓦礫に過ぎない。
カスや瓦礫を愛すれば、真実愛すべき実を失うことになる。真を捨てて偽を拾うのは愚人のやり方である。
愚人の道にあなたは従ってはならない、また、愚人の道を求めてはならない）
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



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736： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:49:31 ID:vmPyY7jQ





IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

双丸を以て鬼を却くるに足り　一匕以て仙を得べし　たとい千年本草太素を読誦すとも四大の病何ぞ曾て除くことを得んや
百歳八万の法蔵を談論すとも三毒の賊いずくんぞ調伏せんや
海を酌むの信　鎚を磨するの士に非ざるよりは誰か能く一覚の妙行を信じ三磨の難思を修せん
止みね　止みね　舎りね　舎りね


（二粒の丸薬は病魔を退けるに足り、ひと匙の仙薬は用いてこそその効能を得ることができる
百年間八万の法蔵について議論を交わしたところでどうして三毒の災いを調伏できるというのか
海を酌み、鎚を磨いて針にするような揺るぎなき努力を備えた人物になる外に、
誰が仏になる修行を行い、人知では及び難い深い境地にたどり着けるというのか
そうでないのであればもうやめてしまえ　やめてしまえ　とどまりたまえ　とどまりたまえ）

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　 　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼
　　　　　　　　　'::::::::::::::::／　{　　⌒丶!::::::::::..
.　　　　 　 　 /::::::::::::::／　　 |　　　　　ﾏ::::::::::.　　　　　　　　「これは、最澄さんにむけて
　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
　　　　　　　i::::::::::::.' `ニ､'´　　 　､　　　}::::::::::::}　　　　　　　　　『やめてしまえ』といってるの？」
.　　　　　　　{::::::::::{ 〈 {:::ｿﾞ　　　　, ミｰ　i:::::::::::ﾘ
　　　　　　 　}:::::::::i　　　　　　　　ﾑ:ｼ 〉.':::::::::∥
.　　　　　 　/i:::::::::i　　　　　,　　　　 　/:::::::::::/
　　　　　　/::::|::::::ﾑ　　　, 　_　　　 　/:::::::::::ｲ
　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|
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　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
　 　／　　 　 　/　 i　 |　i.､.　 　 　Y　 　 　l
　 .'　　　　 　,.ｲ |　 |　 |　|ﾑ　　　　 ﾏ　　　i


.

737： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:49:49 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　　　「そう、そして『教えを実行すること』の
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　　　　　　　重要さを改めて説くわけだ」
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
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　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
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　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
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IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII
妙薬篋に盈るとも嘗めざれば益なく　珍衣櫃に満つるとも著ざれば則ち寒し
阿難は多く聞けどもこれを為すこと足らず


（いかに万病に効く妙薬と言えども服用しなければその益はない。
珍しい高価な衣が櫃に満ちていたとしても身に纏わなければ寒さをしのげない。
ブッダの弟子である阿難は、仏陀の教えを誰よりもたくさん聞いたが、これを実行に移すことが足りなかった）

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

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738： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:50:35 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　「だが空海も、最澄を見限って『やめろ』と書いてみせたわけじゃない。

　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　『きちんと真言の戒に従い修行を積むのであれば、
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　　すぐにでも真言の奥義は伝えるし、
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　理趣釈教を貸し惜しむなどしない』と言っている」
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

子もし三昧耶を越えずして護ること身命の如くし　四禁を堅持して愛すること眼目を均しくし教えのごとく修観して
坎に臨み績あらば則ち五智の秘璽　踵を旋らすに期すべし　況やすなわち髻中の明珠誰かまた秘惜せん
努力し自愛せよ



（あなたがもし、三昧耶を犯すことなく身命のごとく護持し、四禁を堅く守って愛し、
仏の教えに従い正しい修行を積むのであればすぐにでも真言の奥旨をあなたに伝えましょう。

いわんやあなたが望む理趣釈経などを貸し惜しむなどだれがしましょうか。

努力し、慈愛をしてください）
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【三昧耶】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　 正式には「三昧耶戒」（さんまやかい）といいます。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　 戒律の多い仏教の中でも、特に密教にだけ存在する戒律です。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　正確な詳細はいろいろと難しいようですが
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　『密教の教えを学んだり、修行をしたり、真言を唱えたり、印を結んだりする資格を得るための戒律』
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　 というアウトラインとその戒律を守ることによる恩恵と守らないことによるペナルティとか、いろいろです。
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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739： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:50:49 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　「空海が最澄の理趣釈経の借用願いに対してこうまで苛烈な反応を示したのは、

　　　　　　　　ただ単純に典籍を無心してくる最澄に腹を立てただけではない」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／!　　　　　　　 ／:::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:::∧　　　　　 ／:::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::ヽ 　　　 /::::::::::::::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::::::::::::::::::＼　 /::::::::::::::::::::ゝｰ::-...､、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i:::::::::::::::::::::::::ヽj::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞..､　　　 ,}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　 /:j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨::/　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､、　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/／/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:＞..､...ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'＜;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;､::::く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀＞:::::::::::::::::::::::::::;ｲ::::::::::::ｲ::::::::::/"´￣　　}ヽ:.､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ー＝＜´:::::::::::::::::::::::::::＞"/::::::／ /::::::∠_＿____ノ⌒ヽ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ＞:::イｲﾊ'´＞メ､／ｰ‐/:::／_∠￣｀i:〈γこ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／ ノ/　ﾊ　（弋:ｊソ`　`"弋イｿ｀)　 l:ﾊ⌒）/
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′／ /　/ハ　　ー‐　　　　ー一　　 ﾘ し' /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　イ　 ヘ∧　　　　 ､,　　 　 　 　 /ゝ ,ノ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　 / /　/　 　 '､ 　 　 ､-_､　　　　 ｲ:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 / /　/　　　　 ヽ　　　ｰ　　　 ／　ト!´￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　/ 〈_　|　 　 ,r ─ | ヽ 　 　　イ 　　 lｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽj　 　 i ｀ヽ _!､＿_｀_:::::_＿__＿|._ノi
　　　　　　　　　 　 　 　 _＿,､r─────────‐┤　　　　　　　　 |　　　　　├──────
　　　　　　　　　　, ＜⌒ヽ　　ヽ　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　|　　　　 　j　___＿＿＿＿
　　　　　　　　　/　　　　　＼...ｰ:i　 　 ___＿＿＿＿＿＿＿　｀ 　､ ..　 　_.|_.. ,　- .,イ圭圭圭圭圭圭
　　 　 　 　 　 /　　 　 　 /　ヽ　:! 　i圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭≧tx､､,,,,,_　 .,,､≦圭圭圭圭圭圭圭
.　　　　 　 　 /　　 　 　 /　 　 ヽ!　 l圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|　|圭圭圭圭圭圭圭圭圭
　　　　　 　 /　　　 ＼,,/　　　　 'i.　 |圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|　|圭圭圭圭圭圭圭圭圭
.　　　　 　 /　　 ＼　/ﾍ.　　　　　|　 Ⅷi圭圭圭圭亥圭圭圭圭圭圭圭圭i|　|圭圭圭圭圭圭ij＞''"´
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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740： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:51:03 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「何度か言及してきたように、密教の修行の根幹は『行動』にこそあり、

　　　　　　　文はその形骸、搾りかすに過ぎないというのが空海の捕らえ方なんだ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼≧メ､ 　 Ν:i:i:i:i∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:i:i:i:i:i:i＼}:i:i:i:i:i:i:iハ　　}ﾊ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}./:i:i:i|
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　　　./￣￣＼　　　　　　　　/{ ./:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i{寸:i:i:i{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iﾑ
　　　{　　　　 ∧　 ＿＿　　.ﾑ:V:i:i:i:i:i:/＼:i:i:i＼寸艾寸:i:i:i:i:i/イ
　　　 V　　　　∧ 人＿ ＼　V:i:i:i:i:i:i:/ /´＼￣　u.　∠u|:i:i:i:i:/
　　 　 .V＿＿　∧ 　 　 ＼＼V:i::i:Y∨|　 /o＼　　/o　}.|ﾏ／
　　　　　V　　 　 ∧　　　　 ー=ﾆ才:i:i:| 八___　　= ー 'ﾞﾞ{. }
　　　　　 .V　　　　∧　厂￣￣ イ ﾊV|　""　 ∠二ニﾊ Y
　　　　　　 V￣￣　∧ ￣￣ 　 人寸ﾊ 　 u /: : : : : : : } |
　　　 ./´￣＼　　　　　＼　 ＿　　 >ｰ∧　 .{二二二艾/
　　　 .|　　　　|.　　　 　 .ハ寸ﾑ ﾏ-才7ハ ＞　　 ＿／
　　　∧　　　 .}　　　　 // 乂　∧ ﾏﾆ≧　 ＞ミ_＿厶　　　　__　　　◯
　 ／|　V　 ／｀＞─＜/　 .ハV∧ ﾏニニ＼　　　|　 }T7ニﾑ　V ／ )
　 |　 V 乂　 Y　　　　　　　　 | Vハ. ﾏニニﾆ＞──＜ニニﾑ／ ／
　 ∨　V　 ＞乂＿　　　/／ /　}　ﾊ　ﾏニニ艾メ/ ￣∨ﾉニﾆﾑ艾}
　　∨　乂＿／　　￣￣　　ﾉ　/　/ﾊ　}ニﾆ≦≧|　◯ .≦≧ニ}. |ハ
　　　ー─匕＿__＼＿＿／　./　 .//}　＼ﾆﾆﾆﾆ.|　　　 |ニニﾆ|. |. ﾑ
　　　　　　　　　　　ー──≦　　　　 ＼　＼::Y寸 .lﾆﾆl　V斗zl　|/　}　　　　　　 ／￣ 寸
　　　　　　　　　　　　　　　}　　　　　　　 ＼　|..＼_/ニ∧_／／／　 /}　　　　　/{.　Y　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|ニニニニニ| ／　|　/ ハ　　　　{ 艾人／　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　|ニニニニニ| |　　|　 /　 才¨＞ｰ＼　圦_／ ∧
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　{　　　.|　|ニニニニニ| |　　　　／/　 l　　　　{ 　 个イ／
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　乂　　乂 　 .} ﾑニニニニニl |/ /　　{　|　　|　　　　乂＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧Tニ二二ニ=ー-----=ニ乂イ＼　　八　 乂＿___／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　 |　|ニニニニニT艾７{　　＼＿ ＼＿__／
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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741： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:51:16 ID:vmPyY7jQ



　　　　「最澄はその文を集めることにのみ精力を傾けており、

　　　　　　過ぎし日に高雄山寺での結縁灌頂を受けたきり、空海の下で密教の修行に励もうとしない」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　|ﾄュ､,rィ|　　　　　　　　　　　　　 ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　.＿
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l'"　　　|　　　.`l ||　　　　　　　　　　　l'"￣　　￣`i''"￣＿￣`l
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　　　　 || l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　　　,-イ　.|| l　　　　|　　　　l ||　　　　　　　　　　　| .三三三　 | 三三三¨ .|
　||lll.| .|.ll||　　　　　　　　 ∠ゞ-|　 || l, -‐ '"´｀` ,ｬ‐ 'ﾆ"フiヾ`ﾆ' -ｭ､　　　 .| .三三三　 |　三三三　|
　||--､|rｲ|　　　　　　 ,／　ノi　.|　　　　　　　　　|| l'"　　　|　　ヾヽ||,ｨ　　　l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　ヾヽ .レ/　　　　　　 || l.il | .|　.|　　　　　　　　 _!! -‐'"￣￣｀`ヽ}.ﾚノ　　 .iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　　　　　　　　　　 || l.il | .|　.|　　　　　　 ／　　　　　　　　　　｀ヽ　　　 ﾞ￣￣　　　＿　　　￣　＿
　　　┌ ､　　　　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　 ./ｲ.{.{{ { { λﾄ､ヽ　　　　 ﾍ　　　　　　l'"￣　　￣`i''"￣＿￣`l
　　　│　｀`ヽ､　　　　|| l.il | .|　.|　　　　　/　 {|.ll {λ{,⊥ﾍﾍ　　　　　}　　　　　　| □ 三三　.| |￣　 .￣| |
　　　│　　　　｀i　　　|| l.il | .|／　　　　　　　　 　 ﾄ{　庁}-トrヽ　　　.}　　　　 　 | .三三三　 | 三三三¨ .|
　　　│　 ヾﾆ`ヾ¨ヽ　|| l.il |ノ　　　　　　　　　　.i'" .{,ﾉ少　| |ノ　　　.,'〃　　　　 | .三三三　 |　三三三　|
　　　│　　 　 ヽヾ､ﾍ !!¨￣　　　　　　　　　　　 ﾞ､.__　　　 | |　　　ノ〃　　　　　.l, -‐‐'''─-､|, -─''─-.､|
　　　│　　ｬ‐-'　　　 ｀ ､　　　　　　　　　　　　　 ヽ__, ｬ‐ .| |__∠ｽ《ヾヽ　　　　.iゝ､　　, -‐===-- ､　　,.<i
　　　│　　.＞ー-.､　　　 _ソ＼　　　　　　　　　　　 _r--} r-ﾚﾞ-|ヽ　ヽヽゝ　　　ﾞ￣￣　　　　　　　 ￣￣
　　　└ ''"´. 　　　`¨´ソﾞ　　　＼　　　　　　　　, ＜ﾑ　.! ﾊ＿_ゝ､ヽ　.ヽ
　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　＼　　　　, ＜　　　{ソ"¨　　　　 ヽ､　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ＼, ＜　　　　 {//　:::::::::::::::::::::::::ゞヽ:::::::::::ヽ::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　＼ 　　　　　　　　　＞ﾚ/　 :::.､　　i'ﾍ＜ .ヽ　ヽ　　∧ :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　 ＞.´　 {::{　　:::ヽゝ. '､.ﾍ　 .,.ヽ,､.∨　 .} :::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　 ＞.´　　　　|::|　　:::　　　ﾍ ﾍrﾍ.ﾍﾍヾi　　 } :::
　　　　　　　_　ト､ ﾄ､λ　　　　　　　 `'ﾞ　　　　　　 |::|　　:::　＿　 } .ﾍ ﾍノ'ﾞﾍヽ　.ﾉ :::
　　　　　　､_|｀` -､ヾ.} .} /}., --┐　　　　　　　　　 |::| 　 ::: （＿_￣　　`ﾞ　_,.ｲﾍノ　.:::
　　　　　　|　｀`ヽ､　ゞlﾉ.彡三三三_　　　　　　　　 |::|　　:::　　　￣i`ｬ'"ﾆﾆ_,ﾉ　}.　 :::
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　　　　　　｀`ヽ　　　.|　|　　　　　　.|　　　　　　　　　,}｀ヽ'"⌒i::i￣`'"¨}:}
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

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742： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:51:28 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　　　　　　　　「結縁灌頂とは実は、密教を学ぶ入り口に立つための灌頂に過ぎず、
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　　　　　密教の修行を突き詰め、真言の奥義を極めるためには
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　　　　　『伝法灌頂』という灌頂を受けることが必要とされている」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　 ／　￣￣￣￣￣ ＼
　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　「最澄は伝法灌頂は受けてないってことかお」
　　　　　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　 ／. 　 　 　 ´￣` 、　　　, 、＿＿ 　　　＼
　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l
　 ..|.　　 　 　 （　 ●）　ﾉヽ　　（　● ）　　　　　|
　　|.　 　 　 　 ´"''",　　　 　 　"''"´ 　 　 　 　 l
.　　＼. 　 　 　 　 （　　　 j　　　 ）　　　　 　 ／
　　　　＼　　　 　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼


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743： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:51:43 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　「最澄は実は、かつてこの伝法灌頂について空海に問うたことがある」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　　　　　　　　　　　　{　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　　　　　　　　ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 /　　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ ヽ＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 i　ﾍ. ヽ、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,'　　　　　　 |!　　 　 　 /!　!　　　ﾘ 　 ﾍ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　　　　　.:|!　　 :ﾊ;//,.ｨ云∨ﾘ 　 　 　 !
　　　　　　　　　　 　 　 ',　　 　 　 ﾉ!i:　　 |!i|/《 :!::;j　　{　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　',　　　　 { ﾘ|　 　|ﾘ　　 Vﾉ 　 ヽ.　　 ﾄ ﾉ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 '､　　　 ∨ﾊ 　 ｌ　　　　　　　　ゝ　 |/
　　　　　　　　　　　 　 　 　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿_>___:ﾉ　∨V　ﾍ　　　 　 / | :/ﾘ
　　　　　　 　 　 　 　 　 く　_ノ___/　　 　 ＼ ﾍ 　 　 /　:|/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　厶:/_,ｲ´｀＞ ,.　 　 ｀＼￣　　′
　　　　　　　　　 　 　 　 　 //:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞ , 　 ∧
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 //／:´￣:.:.:｀:.:.､:.:.:.:ヽ/　}
　　　　　　　　　 　 　 　 /ｲ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:jいﾉ　　　　　　　『大法儀軌（伝法灌頂のこと）を受けるには
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨! i!i!
　　　　　　　　　 　 　 / ;'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵ:i!i!　　　　　　　　　　どれだけの期間修行に励む必要がありますか』
　 　 　 　 　 　 　 　 /　i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵ:i!
　　　　　　　　　　　/　｜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V:i!


　　　　　　 　 　 ／
　 　 　 　 　 　/:::i
　　　　　　　 /:::::ﾊ、
　　 　 　 　 /:::::::::::::｀ゝ、
　　　 　 　 i:::::::::::::::::::::::::｀`‐-.,,,,､,　 ヽ、
　　∧　 　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､/ヽ
　　|::::＼_　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
. 　 i:::::::::::｀'┘::::::::::::::,'､::::::::,‐-'､,::::::::::::::::::!ノl
　　 !::::::::::::::::::::::::::::::/_/::::::/＿＿￣ヽ:::::::::::/
　　　＼_::::::::::::::::,-" /:::／　　 　 ｀Y、＼::/　　　　　　　　　『三年ほどは修行が必要です』
　 ＿,_／:::::::::r⌒ヽ ' ´　/⌒'ヾ　　i;l⌒ヽ/
　 ＼_::::::::::::::::〉 ,-‐､　　　 (;9)　　 ﾘく｀', }
　　 　 ￣￣フ 入　9 ;　　　 　 　 　 ､ ソ､
　　　　 　 ／ _/ ヽ '' _,　　　　 　 　 ｨ<_::::ゝ
　　_＿ ／ ／/　/|　　　　　 　 　 ./　ｨ-‐´￣入_
　　＼_ ,／　/　/ .i　 ─　 　　 ／／　　- ",-＜//
　　　 　 　 /´ / 　丶、　_ 　イ／ - ",-＜//////
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　　　　 　 　 　 　 /ヘ⌒｀ ‐ - ∨///////////
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

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744： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:51:57 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　 　 　 　 　 　 ,イ　　　_　　　 __
　　　 　 　 　 　 ﾄ､{ {,.　 ´　　　　　　　`　 ､
　　　　　　　　　 ＞　　　　　　　　　　　　　 ＼＿＿__
　　　　　　　　 ,.'/　　　 //　/ i　　ヽ　ヽ　　　 ヽー'´
　　　　　　 　 //　/ / ///:/　:!　　　|　 | ヽ 　　 ヽ
　　　 　 　 　 i | /　:!　!:! | |　 :|　 　 :|　 |　|　 ヽ　 i
　　　 　 　 　 | | |　 |　ﾄＬＬﾄ､ :| 　　_」 /」 _!　　 !　:|
　　　 　 　 　 | |:i|　イ´レ＝ミ､!　　 /j/_」/j/ヽ :| 　|
　　　　　　 　 V ||　{{ Y´んﾊヽヽ__〃´んﾊ｀Y､　| i :|　　　　　　『三年かぁ』
　　　　　　　　 V ! 八　 以り 厂Vヽ　以りj//　 | j/
　　　　　　　　　V　 ハー―'´　　!　`ー―彳　　| |
　　　　　　　　　 !　　八 Ｕ　　　　 　 　 　 八 　 ! !
　　 　 　 　 　 　 :.　　:| ＼　　 　 _　　　／　　 /j/
　　　　　　　　　　ヽ　 ﾄ､_ｊ 〕 ､　´　 ,.イ　 | i　/
　　　　　　　　　　 「＼V_＞‐､＞＜__」_＼N /
　　　　　　＿＿＿」＿/　＼　ヽ_　 ､　 ＞＜
　 　　 ／＼　　 　/　ヽ-､　 !　|∧　V´　　　 `　 .,_
　 　 / 　 　 ヽ 　/ _┐ |　|　|　:!､人_ｊ　　　　　　　　`ヽ
　　/　　　＼　 Ｖ 　 ヽ_j__,し'し'〈| |　　　　　　　　　 i　　ヽ
　/　　　　　冫７　　／　/´　 　 ￣ ＼　　　 　 ＼　|　　 ∧
　〉　　　　 _/ 〈　　　　　　　　 ,.┬ ､＿〉　　　　　 ヽ!　 /　 :.
/　　　 ／{　 ヽ＼＿_／￣〉￣} }| |　　　　　　 　 　 |: /|　　∧
〉　　 / 　 ヽ　　`ー＝≦/　　〈ﾉ !j/　　　　 　 　 　 |//　　:| ∧
　／/　　　　＼　　　　/　　　　　|　　　　　　　　　　|/　　　|　　ヽ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　「いかに密教の真髄を得んがためとはいえ、

　　　　　　　　　　　　この時代の最澄にとって三年という時間はあまりに長く、惜しかった」


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745： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:52:13 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　　　　　　　　　　　　　　 ヽ＼　　　,　　-‐-　‐-　､　　　　　 _,. ＜: : : :_:_:_: : : : ﾍ: :.,_
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　　 　 ,'　 / /　　　　/" 　 　 {,　　 匚F〒二!　　　　　j　フ;;;;;..._,.イ⌒V 　 　 ／　　 / ＼ ;;;;;;;;;;;;',
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　「悩んだ最澄は結局、自らは結縁灌頂のみで一旦真言の修行を留保し、

　　　　　　　　　　　　　　弟子たちをして密教の修行に当たらしめた」


.

746： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:52:31 ID:vmPyY7jQ


　　　「こうした経緯で最澄自身は密教の典籍の書き写しに専念している。

　　　　　　その上、今こうして金剛密教の根源のひとつとも言うべき理趣釈経の借用を求めている」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　-----=ミ､　　 } }/|
　　　　　　　　　　　　 ,.　 ´　　　　　　　　 ＞'ノノ
　　　　　　　　　　　／　　 ／　ヽ　 ヽ　　　 ヽ｀ヽ
　　　 　 　 　 　 ／／ / /　　　 :|　　 | :i　　　i　　ヽ
　 　 　 　 　__／／　 / /　　　 } |　　 | :|　:i　 |　　　:.
　　 　 　 　 ｀７　 /　{　| 　 　 /　! / ,ﾊ :!　|　 |　　　 :.　　　　　　　　『さすがに三年も比叡山を留守には出来ないよ』
　　　　　　　/　/ !　∧ｲ　　 /､/」/_/__| |　!　 |　　 　:i
　　　　　　　| /:| :!　| ノ{　 :/! /j/_j/￣jﾉj/　　Ｌ 　 　:!
　　　　　　　|:|　! | イLjハ/_j/´ ,ｨ≡＝ 厂! 　 ｈ｝ 　 ,'
　 　 　 　 　 !i　| :Yヽ!.=彳⌒V〉 ::::::::::::/ //　 j〃 ! /
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　　　　　　　　　|　 :|ヽ!　 ヽ　　　　／　 :!　/￣「:}＼
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.

747： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:52:45 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　「空海の目から最澄の行動を見た場合、

　　　　　　　　　　　　こうした状況はどうあっても『越三昧耶』との審判を下さざるを得ない」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　＿}::::ヽ!::::::::::::::::::::::::::::
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弋じｯ､＿_,　`_ｨf;;ﾂ ノ/¨./
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　「三昧耶の戒を越えてしまってるということね」


.

748： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:53:00 ID:vmPyY7jQ




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
.　　　 /::::::／⌒＾＞-､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r─-　,,__::::::::::::::::::::::ヽ 丶　__
　　　/:::／{＞ ､={　　{￣¨ヽ:::::::::::{＼::::::::::::::＼´　 .／;;７　､::::::::::::!　　＼￣
.　　/／　/　　　ヽ_ｉ_｣二=‐ ＼:::::::':,　ゝ_:::::::::::::＼'_;;;;;;;Λ}'　＼:::: |　　::　　u
　 ／　　 {　Y⌒７　 /:/ ￣¨¨¨＼:::＼-‐￣￣,＞'　};;/ ./　　　 ヽ|　　::
　　　　　 ｌ　{ ／/　/::ｉ ¨¨＞乞ぅｭ,､_:::＼,ｉ ,ｨ夊ﾂ／;,' ./　　U　　　　.::
　 　 　 　 >'／/　/:::::|　 {　 夊.ツ　 ¨¨ 　 ､ｰ‐'';;;;;;;;| ´　　　　　　..:::
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　u　　 /　 ｉ　 　 ::::..　　 　 ＼　　 ＼＿＿__.ノ /　　　ij　 /　　　　{　￣￣´ /
　　　　{　　|　　　　　　　　　　｀　　 　ﾆ二. _／ 　　し'　 /　　　　　}　/⌒ヽ'
　し　　廴__|　::　　　　　`ｰ-　　,,_　 　 /　}　　　u　　　/ｉｊ　　 　 　 Ｖ　　 /
　　　　　　　　::　　　　　　　　　　　｀ヽ　 '　　　　　　 /
　　u　　　　　 ::／￣｀Y´￣｀ヽ　　　　 ｉ　　　　　　／　　ﾟ
　　 　 ｊ　 　 ／ 　 　 /　　 　　ｉ'⌒ヽ ,/　＿,,　-‐'/　　　　　　 　 　 　 　 ／
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　　　　 .::{　　　　　/　 　 　 　 |　　 |　　 ｉ''　　}'´　⌒＞　　　　　　 ／／
　　　.::::　{.　　 　 /　　　　　　 　 　 |　　 l 　 /　 ´￣￣ ＞＿＿.／／
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　 　 　 　 ｉ'.　　　　　　　　　　　.::i!:::'　　　　}￣｀ヽ　 ／=ミ／　　　　　　　／
ヽ__,,　-‐ノΛ　　　　　　　　　　　　　..::,'　 /　　　 ／ 　 ／　　 　 　 　 ／／
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　 「結縁灌頂を受けているだけの最澄が、

　　　　　　　　　　　 理趣釈経の説く中身を会得するための修行もなしに

　　　　　　　　　　　　　 写経を試みようなどというのは、あきらかに過ぎたことだ」


.

749： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:53:16 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　「空海は最澄に『まずなにを置いてもあなたは修行に励むべきだ』といい、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　最澄はそれでもなお天台の確立と南都仏教との戦いを捨てず」


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　 　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑヽ 、､____／ヽ__
　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:;Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ : ∧　|::Λ |＼> : : : ｀,
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ : :.∧ |:::::| | : :ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :! : : : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::|| : :/ : : : :i :|
　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : : : : : : :＼ : '.,:::| : /: : : : :| :i　　　　　　　　　「かくて二人の縁はこれきり途切れてしまった」
　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : : : : : : : ＼::V :/ : : : : :l : !
　　　　　　__/_: : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ: : : : : : : i : |
　　　　／　　　｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,' : !
　　　（__.ィ´ヽ,ム、〉、:ヽУ　V. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : !
　 　 　 / ゝ/　/ 7-､Ｙ :,′　 ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : |
　　　　ヽ／　/　/ /'Y:ｿ　　 　 }.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : !


.

750： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:53:32 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「実のところ、最澄にも、空海の言い分に対する理解も、後ろめたさはあったんだろう、たびたび空海に宛てて」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　『あなたが唐から持ち帰った典籍の写経をすべて終えれば必ず修行に励みます。

　　　　　　　　　　　どうか私が経典を写すだけ写すのが目的、などという

　　　　　　　　　　　　　　よこしまな考えを持っているのだと疑わないでください』


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-------､
　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　 ／／￣￣　 　 　 ／ ￣￣￣ ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 /／　　　　　　　／　 ／ ,. ---=ミ､ヽ
　　　　　　　　　　　/　　　　　 　 　 //　 /:／　　 　 　 ヽ ヽ
　　　　　　　 　 　 /／ ／　　　　 　| !　 :!/　　　 　 　 　 ＼ 〉
　　 　 　 　 　 　 //／　 　 　 　 　 |　　 |　　　　　　　　二､ヽ〉
　　　　　　　　　 j／　　　　　　　＿_r≡ｲ＿__　　　　　　　 ヽヽ
　　　　　　　　／/　　　　　　／,. '´ ￣￣ ｀`　 ＼　　　 　 　 | ＼
　　　 　 　 ／/　|　　　　　 《／　　　　　　　　　ヽ》　 　 　 　 | 　 ヽ
.　　　　 ／ 　 　 |　　　　　 /　 　 　 　 　 　 　 　 V　　 　 　 :!　 　 ﾄ､
　　　 / {　　　　 ヽ　　　　/　　　　　　　　　　　 　 V　　　　 /　　　 } ＼
.　　 /　ヽ　---- ､_＼___/ :/ /　　　　〃⌒ヽ Ｕ　 :!ヽ　　／　＿＿/　　 ヽ
　　/　＿_＼＿__／|:::::::::|　|　|　　　　 /　　　 i | | :「￣＞‐＜　　　　　　　∧
　/／　　　　　r'　　|:::::::::|　!　! ι / /　　　　:| | | :!:::::::::|　　 Ｌ,.　-―＝ミ､∧
〈　　　　　　　 ヽ 　 !::::::∧ ヽ !　　:|::i　　 i　:! :! | | |::::::::::!　　／ ＿_　　　　ヽ. 〉
　ヽ　　　　　　 　＼ V:::::∧　:ﾄ、　:! |　　 |　| :|// :|:::::::/　／￣　 　 　 　 　 冫
　　＼　　　　／￣ ヽ＼___」　| ﾄ、 ! |　　/ / /j/ :/___/／￣ ＼　　　　 　 ／
　　　 ＼　 /　　　,. -ヽ＿__|__N-Vvﾍ　:/j/j/ /／__／‐ ､　　　 ヽ　　　／
　　　　　Ｖ　　　 /　　　　　　 ､ヽ　　 V　　 ／ '´　　　 　 ＼　 　 |__／
　 　 　 　 ＼＿/　　 　 　 　 　 ＼　　　　/　 ノ　,.　　　　 r 〉_,.-┘
　　　　　　　　　 ＼　　 　 `　､ヽ　 ､　　/　/´ ／　　　　 /｀´
　　　　　　　　　　　＼　`-- ､ ＼＼〉　〈／ ／ ,. -‐　 ／
　　　　　　　　　　　　 ≧=―‐＼_〉┘　〈_,.〈_／―=≦
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「と必死に訴えた文を出している」



.

751： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:53:44 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だがそれは空海には

　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､　　　　　　　　　　　ついに受け入れてもらうことができなくなった、ということだな」
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !




　　　　　　　 　 　 ／　　　　　 ＼: : :|　!: 、　　｀ ー‐ ..:.:.　　＼:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : :
　　　　 　 　 　 ／　　　　　　⌒ヽヾ:.i　i:.:.:＼＞'⌒ヽ:.:.｀ヽ: : : : ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞'´
.　　　　　 　 ／　　 ／　　　／　　＼{　{＞》''`ー‐‐-＼:.:.:.＼: :..: :.｀ ‐ : :.:.:.:.:. :イ.:.:.:.:...＜
.　　　 　 　 { 　 　 （　 　 ／ ／￣入 ヽ V/　　　　 　 　 ｒ‐-.....､｀ヽ:.ｰ‐-＜´: : . . . ..＿
.　　 　　 　 |　ヾ:::::ﾐ）　 .:{　 　 ,ニ、 i　 lX　　　　　　　　 Y,ヘﾔミ.､ヽ::.､　　｀ ー‐ｒ― ７⌒
　　　　　 　 !:　 ::::::/　　::|　　/::　 ゝ'　 !　＼　　　　　　 　!!　 {{:::!!:ヾｖ/ﾊ　　　　 !ヽ :（
　　　　　　　|　::::::/　　 八　ヽ　 （　　　　　　＼　　　　　　　　ｒ'::ﾘ::::ハヾ:::.. 　 　 !:.:.:.: :＼
　　　　　　　|　:::/　　　 　 ＼ ＼ﾉ　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 ＼::_/　 　ヽ.ノ　 　|:.:.: : : : :＼
　　　　　　　| ::/　　i　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:i:.:. : : : : :＼
　　　　　　　|/　,:::　ﾍ　　　　　　＼　　　　　　 　＿　　　　　　　　　　　　　　 _＿ｊ:人: : : : : : : :
　　　　 　 ／:.ノ:人　 ヽ.　　　　　　 Y⌒ヽ　. ´　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　ｒ≪´/:.:.:.:.＼: : : : : :
　　　,.. : :´: :く　　　｀　　ミﾐ、　　　 　 　 ／､　　　　　　　　　　　　　　　 　 {ﾟ/.》'_:_:_:.:.:.:. ＼: : : :
.　　（: : : : : : : : . . .　　　　　`＜ 　 　 ／´ 　＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨´　　 ｀ヽ:.:.:.:＼
.ー一｀ ミ: :_: : : : : : ..、　　　　　｀　＜:.:ヽ＿　　ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ＿ __
::::::::::::::::::::::＼＞ﾄ､: : : : : ..　　　　　　　｀ヘ:.:.｀＞---: : : : : : : : : :ニﾆ=ー-　,′　　｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::}::::ヾく｀ー-ｘ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＜´　｀ヽ　 　 /｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::|::::::::ヽ}::::::::::＼ヾ: : : : : :￣｀: : ...: : : : : ::＜´￣￣　｀ヽ　 　 .ｲノ⌒ヽ　　　　　　　　　「お互いたお互いのことを
:::::::::::::::::::::::::::li:::::::::::j::::::::::::::::＼｀ー―――――--､: : : :｀ヽ、　　　　 ／ :ﾄ､　　 ﾊ
:::::::::::::::::::::::::::||＼::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 ,　　　　 ヽ: : : : :.ヽ.　　／:j 　j　　　　　　　　　　　　　　　理解できた上での結末って感じね」


.

752： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:54:01 ID:vmPyY7jQ





　　　　　「最澄は、空海との交流が途絶えたあと、こう書き記している」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　 　/!　　 . 　 ‐‐ -　 　.,
　　　　　　 　 _{ ヽ／　　　　　　　 　＼＿＿
.　　　　 　 　 ヽ〉　　／　　　　　　　 　 ＿ ノ
　　　　　　　　/ 　　　　　　　　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　 .′　　　　 　 　 　 　 |!　 | ｉヽ
　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　 　 　 |!　 | | |
　　　　　 　 ！ 　 　 　 　 　 　 　 / )　| |/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 / /　 ﾚ
　　　　　　　　 ＼　　 　 , 　 　 /　|　　l|
.　　　　　 　 　 　 ＼　 /　　／　　|　　l|
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨　／　├　1 　/　　　　　　　　　『新来の真言家は　則ち筆授の相承を滅ぼす』
　　　　　　　　　　(￣}二{￣)￣`ヽ|／
.　　 　 　 　 　 ／￣/　 |￣￣￣｀＼
　　 　 　 　 ／　　 / 　 l|　　 　 　 　 `　 .,
. 　 　_,.　イ　　　　′ 　 |　　　　　　　　　/｀ヽ
　 　 | |　　　　　　ｉ　　　l|　　 　 　 　 　 /　 　ｉ
　 　 | |　　　　　　|　　　l|　　　　　　　 /　　　.|
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




.

753： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:54:16 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　 「最澄は誰よりも経典の存在と、そこに書かれている教えを学び取ることの重要さを知っていて、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 空海は誰よりも修行という実践の中で仏に近づくことの重要さを知っていたわけだ」


　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ○) (○）
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}



　　　　　　　　　　　 　 　 ィi〔　　　　 ‐=ﾆ二二＞ ⌒{≧=､
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　‐=ﾆ二ﾆ=‐ ／　　　｜　　＼
　　　　　　　　　　　 　　/二二二γｱ　　　　　　　　 |　 、　 ＼―――､
　　　　　　 　 　 　 /　　{二二／　f　　　　　　 　 　 i|　　,　　　⌒}
　 　 　 　 　 　 　 /　　 ,ﾆ＞ 　 　 |　　　　　　 　 　 i|　　 ,　　　 ｜　　 l
　　　　　　　　　 ,　　　/ { 　 　 　 i|　　|　 　 　 　 　 |　　 ｌ　　 　 |　　　|
　　　　　　　　　,′　 /　| 　 　 　 i|　　|　　　 |　　　 |　　 |　　 　 |　　　|
　　　　　　　　　　　 /　/| 　 　 　 i|　　|　 　 八　 　 l斗ｬ允　 　 i|　　　|　　　　　　「確かにこれは思想と価値観のぶつかり合いであります」
　　　　　　　　 ,　　/　〈＼　　 　　il　,斗ｬ允 ´ ‘，　 ｘ==ミ, 　 　 i|　　　|
　　　　　 　 　, 　 〈　　 ＼＼　 　 i|　x===ミk　　,　 /h/( /　　　 从　　,
　　　　　　　　　 　 ', 　 　 ＼ヽ　　| 〈 ぃ/( 　 　 ,　/ 乂ｼ ,　　　/　 　 ,
　　　　 　 　 ,　　 　 ∨ 　 　 ＼＼ ,　 乂z少　　／ 　 　 /　　 , 　 　 /
　　　　　　　　　　　　入　　　　 }/,} ，　　　　　　　　,　　从　 /　 　 /
　　　　　　 /　　　 ／　 ＼　　rｧｧ,}　ヽ　　 　　　　-　　 ||　 /{ 　　,
　 　 　 　 /　　　/　 ／//!＼斗//} 　 〕iト　　　 　 　 　 ||i /　 　 ,′
　　　　　,　　 　 ,ゝ＜//／　|￣￣ｌ＼ ∨ﾆ≧s。_／　　｜/ |　{ /
　　　　 /　　　／///／　　 　　　 | /≧s。}ﾆ={ﾊ |　　　 |/　|　,/
　　 　 , 　　　∨/,／　 　 　 |　 　 |/　　　 }ﾆﾆ|__!|　　　 |　 i|
　　　 　　　　　ゝ'　 　 　 　 i|　 　 |≧==≦ﾆ笊=∧　 　 |≧s。
　 　 /　　　　　　 　 　 　 ／|　 　 |ニニニﾆ乂ﾉ=:∧ 　 i|ニニ,ヽ
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754： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:54:32 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　゜ﾟ¨"　‐-┬‐-､:::::::::::;ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
‐─ｧ‐…‐､{　　:{￣￣￣',::::::::::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ :/　 /　　:/:　　　 、　　　　　 ヽ.　　　:
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:::,'　/　-ヽ　:}l　{:/‐-､￣¨ ヽ::::: |＿＼:::::::',_.＼::::::::::::::::::::｀:/　 :　 :　 .:!　　:ハ ! 　 　 :| ｉ Ⅵ 　 i.:|　 |　 | 　 l
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:::'.　 Y　　{　ｌｌ　:l 　 .んハ　`ｰ- ＼_,'　,斗 ､　 ／｀ヽ:::::::::::::::::::::__＞.:i:|´￣i　Ⅵ　　　 ﾊハⅥ￣丁 .:!　 ! 　:'
:::::ヽ　＼__） !ｌ　 ｌ　 弋zツ　　　　　　 んﾊ　// ＼:::::ｌ ￣￣￣　　|　从,ｨﾃ云ミ V 　 :iイん云ミ､|　.;′ :　.:'
:::::::::＼　　　|:l　 ',"　 ──-　　　　　ゞ-'　, ′ 　 ヽ}　　| li　 :N　∨N《　|K:ﾞｉ| } ∨Ⅳ　{Ｋ:::i;;!｀〉У　 ハ/
::::::::::::: `┬‐| ｌ 　 ',　　　　　　　　　　￣¨ ,'.　 　 　 　 　 |:!:i　.:|:.∨.:/ ｉ 　Ⅵ::ﾘ j￣Ⅴ　 Ⅵ:::り　ｲﾘ　 :l Y
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＿＿＿＿＿＿ 　　　　　　　 寸≦=-…─=ミ　　　　　　 　 　 　 ∨　∨＼ ＼　　　　 ＜　 i　 :∧､＝ニ二＿）
　￣￣二ニ=-　￣￣二ニ=-　´　　　　　　　 ＼.　　　　 　 　 　 　 ＼ ト_／小. ￣　　　 ／/　/:.:.:∧＼ヾゝ
　　´￣　　　　　／　　／　　　　　／二二二ニニ=-＿　　　　 　 　 イ:.:/:.:.:.:.:| ﾍ　 　 ／　/　ｲ:.:.:.:.:∧:.:.:＞ ．
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　 「最澄にも空海にも、お互いに尊敬の念はあっただろう。

　　　　　　　　　　 一個の人間としてはもっとも近い高みにあった存在だったかもしれない」


.

755： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:54:43 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「だけどそれゆえに、最後の最後、
　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼　　　　　　　　ギリギリのところで二人の道は
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　　　　　違えてしまわざるを得なかったように思える」
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　 　 　 ／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　/: : : : : : :|: : :／: : : : ／: : ://: :.／｀i: ﾍ: |: : :ﾑ
　　 /: : : : : : : |:／/: : : ／: : : .ｲ/: :/ " '^^' ,|:.|: : : ﾊ
　　 i: : : : : : : /: :/: : : /: : : ／ /:／　　　　　|:|: : : : ﾑ
　　 ! : : : : : /: :/: : : :ｲ: :／　 // 　 　 　 　 ,∧: : : : : ',
　　 |: : : :,ｲr ∨: :／/: /_　　/'　　　　　　　/　|: :|: : i: :|
　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ　　　　　　　　「歩み寄っても、節は曲げないということね」
　　 |∨: : : : 从　　　　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/
　　 | ∨:: : :.V　､　　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
.／／. . . . |: : :.|.／≧＝=＝=,|: : : |ｰi.ヽ
／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
. . . . .∨|. . |: /. . . . . {{. . .ヽ＼.ﾍ: |. ..|. . z

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756： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:54:56 ID:vmPyY7jQ


　　　　　「そして、これは事実としてなんだが、最澄と空海の道が直接交わった時期、

　　　　　　　　　　二人の人生は大きな変革の時を迎えている」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　　　_ ..　- ─ -　...__　　 __＿,
　　 　 　 　 　 /:::i　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　〈{　 ,.ｨ ´　　　　　　　　　　￣ 　／
　　　　　　　 /:::::ﾊ、　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ､,ゝ´　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 /:::::::::::::｀ゝ、　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 　 　 /　　　　　　　　　 ヽ ヽ＼
　　　 　 　 i:::::::::::::::::::::::::｀`‐-.,,,,､,　 ヽ、 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 　 !　　　　　　　　　　　 i　ﾍ. ヽ、
　　∧　 　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､/ヽ.　　　　　　 　 ,'　　　　　　 |!　　 　 　 /!　!　　　ﾘ 　 ﾍ｀ヽ
　　|::::＼_　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i.　　　　 　 　 l　　 　 　 　 |!　 　 　 :/斗十ｰ//　　　 ﾍ
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　 ＿,_／:::::::::r⌒ヽ ' ´　/⌒'ヾ　　i;l⌒ヽ/ 　 　 　 　 　 　 '､　　　 ∨ﾊ 　 ｌ　　　　　　　　ゝ　 |/
　 ＼_::::::::::::::::〉 ,-‐､　　　 (;9)　　 ﾘく｀', }　　　 　 　 　 　 　 '､　 　 ハ:∨ ﾍ　　 　 　 _　ｲ　/リ
　　 　 ￣￣フ 入　9 ;　　　 　 　 　 ､ ソ､　　　　　　　 　 ＿__>___:ﾉ　∨V　ﾍ　　　 　 / | :/ﾘ
　　　　 　 ／ _/ ヽ '' _,　　　　 　 　 ｨ<_::::ゝ　 　 　 　 　 └‐┤___!　　 　 ＼ ﾍ 　 　 /　:|/
　　_＿ ／ ／/　/|　　　　　 　 　 ./　ｨ-‐´￣入_.　　　 　 　 /_,ｲﾞヽ　　　　　ｊ｀＼￣　　′
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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757： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:55:13 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「即ち、高尾山寺での結縁灌頂を峠として、

　　　　　　　　　　　　　最澄の人生は絶頂の時を超えて苦難と戦いの道に至り、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　空海は苦難の時を越え、栄冠の道をたどっていく」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　 　 　 ｌ : : : :|: : : :|个＜、:/:|.: :/:.|:.|:.:/j: : : :',　j.　 　 　 ＼ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,､::＞´ ／.γ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　 :. : : : |: : : :|ﾊィ≧ミX|.:/ 斗匕!ﾘ : :ｉ: :i.　　　　 　 　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::::,:::::::::::}´　-='　　_{ /¨` }
　　　　　　　　　　　　:. Ｙ¨|: : : :Ｋ比::::ｉノﾉ/　ｲ:::i|>|:!: : :!: :|　　　　　　　　　＼ ::::::::::::::::::::::::::::::::::: / } ::::::::: /ﾞ |::::: /´　　,　＜:::ｌ {'¨Yｉ
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　　　　　　　　　　　　く＼:.:.∨:八　　 　 ＿ 　 　 ′: : /　　　　　　　 　 　 　 　 ／::::::::::::::／| | /:::::, 弋ッ‐ ‘　¨弋::ｼ　　） 　 }ｉ　　 } _ ｪ≦
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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758： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:55:47 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　「ある研究家は

　　　　　　　　　　　　　　『高雄山寺で二人の道が交わり、最澄は自分の頭上にあった栄光の冠を空海に渡し、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　空海は頭上にあった苦難の冠を最澄に渡し、また別の道を歩き出したようだ』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　というようなことを言っている」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.　　　　　　 　 　 　 ､、
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　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　 j Ⅳ芹冬ﾐ | | |　　 } }.　　 ′　 !:::::::::: ｛ こ_| |/　γﾃﾄ 人::::::く￣
　　　　　　　　　　　　　　　　 || i　　 j/　{り )〉ﾉ | |　　 } } 　 　 　 ′. :::::::人（_ | |!　　 _iｿ (　 ソ⌒
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　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 Иi ＼　　　　　 　 }|　　厶ｲ　　 / 　 　 〉ﾊ小/　| |:! 　 　 - ′
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　　　　 　 　 　 　 / /　｀ ー==〉┌┘　/:i:i:/　 ,　 ／　　　／　　ヽ.........|....　　jj＼_j　 !:::ヽ辷ｲi
　　　　 　 　 　 , 〈_/　　　 　 /厂｀ヽ{ .:i:i:ｉ/　../／　　　／　　　 　 ;　　|　　　　i.　〉　 ㍉､、 ::::!
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　 「最澄は最澄であるがゆえに栄光から苦難にさしかかり、空海は空海であるがゆえに苦難の後の栄光を横溢する」


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759： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:56:09 ID:vmPyY7jQ




　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜　　　　　　　 「不思議な話だが、これは、眺めてみるほどに
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　　 『そうなるしかなかった』という歴史の必然に思えてくるんだよなぁ」
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
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　　　　　　 l.:.:.:,_.:.:.:/ィ ｆ::ﾑヽ　　　　!　　'''ヾ.:.:.:.:|.:l
　 　　　　　!.:.:/ |.:./ 弋こCﾉ　　　　! ｆ:ﾆヽヾ､.:.:.!l.i　　　　　　　　「歴史の上で時々起こる不思議な感覚よね」
　　 　 　 　 l.:(　|/! 　, , , ,　　　 　　 辷ﾟノ/l:.:.:./ l
_ 、　　　　　!.:.:ヽ! _、　　 　　　　 ゝ , , , ,/　l.:/ !
ヽ、ヽ　　 l｀i l.:.:.:｀|::..i、　 　 , ー,　　　　/ 　 l/
　 ヽ ヽ /｀ｙ^y^ゝ.:|:::| ヽ　　{　ノ 　　／　 　 !
　　 ヽ y / /　く-´.l_:l_ 　 ヽ、_　 ー:.:.!
　　　 ヽ´　　　 ヽ.:.｀、｀　ー__/_ヾ:.:.:.:ヽ______
　　　　 ヽ　　　　ヽ.:.:､｀ヘ /　/　ヾ.:.:.:.ﾞ､　　ー､
　　　　　 >、　　　 ）.:.:｀ ' - ∧ つ ヾ.:.:.:ﾞ､　　　ヽ
　　　／_／ト-、　/ヾ.:.:.､し #^ ゞ､　　ヾ.:.､　　　ヽー
　　 /　　 /　　｀V　　ヾ.ヽ #　　｀ゞ､ 　ヾ.:､　　　ヽ ヽ
　　 l　　　l　　　　＼　　ヾ#　　　 ｀ゞ　　ヾ　　　 ヽ　　｀ヽ､


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760： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:56:20 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「さて、長くなってしまったけど、最後の一息だ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　 ／　　　 ＼-一ヽ､　＿_ｒ‐- ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／　 　__,ノ　ヽ､_,７　　　　7 } : : : :＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ─)（─)/｀ ‐　　/ /: : : : : : : : : :｀ '' ‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　（___人__）‐-─≦／.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : :丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　└‐-､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　　　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　 　|　　　　　　　__,. -＜｀丶､.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ､.,ヽ., ___ ,__ノ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:ｒ´
　　　　　　　　　　　　 　 _ ,.-=〈:.:'､`ヽ、___ 　ﾍヽ:.＼: : : : : ､: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　 _＜ : : : : ∧ :ヽ　　 /:::ヽ 　Vヽ:ﾊ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　 , -‐ '´: : : : : : : : : : :∧､　∧::::::∧ l: : ＜:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_ｒ'´
　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ／: : l Ｖ　 !::::{　｀!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_､-‐''ﾞ´
　　　　　　 ｆ : : ヽ : : : : : : : ／ : : : : l　　 l::::::i　 l: : : : : /. : : :!.:.:.:／
　　　　　　 ゝ: : : i: : : : : : :〈: : : : : : : l　　｛::::::i　!: : : : /: : : : :l／
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　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
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　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/　　　　　　　　「最後はどういうお話かしら」
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
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.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
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　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ

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761： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:56:39 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　「最澄の比叡山と空海の高野山、

　　　　　　　　　　　　　　　その二つの『お山』のその後の流れを簡単に眺めてみることにする」



　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　 ｜ 　　　（___人__）
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　 　 　 i　　　　　 　　|
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、 、___　　　|
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　 丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　 ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :､ : :｀､::::::ｌ : : : : :l : :l　　　　 　　　 √ ／..　　.:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :｀､ : ｀､::,' : : : : :l: : :l　　　　　　_ /　　}:...　　..::{_)
: : : : : : ｲ´ : : : : : : : : : : : :`､ : V : : : : : :| : :ﾄ､　　　／:rj　　ｲ:...　　..;.:}ﾉ
: : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ_,／ : : {{ 、　ﾙﾆ二ﾆ=r
: : : : /　.V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : :／: : : : : ﾊ　ィｧｰ´
: : : /　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : :/: : : : : : : : ゞ才
: :＼　　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : :／´



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762： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:56:55 ID:vmPyY7jQ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「比叡山は、最澄亡き後に、最澄の悲願たる大乗戒壇を置くことが認められ、
　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼　　　　　　　　　　　これで名実ともに南都の旧仏教勢力からの脱却を果たした」
　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　 　 |
　　　　　　　　　　　　 　 （__人___）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 　 　 ｜　　　　　　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　 ／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　 ／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　 　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　 ／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二 ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{



　　　　　　　　　　　 イ⌒丶.　　　　 　 ＼////ﾊ ＼
　　　　　　　　　 /＾ヾ|　　　　　 　 　 ､　　｀マ//ﾄ､　ヽ
　　　　 _,.　-‐／　 / |　　　　 　 ｉ　　　ヽ　　 ｀ Ｔ爪 　 :.
.　　 　 「 　 く′　 :i|｜　　　　　ｉ}　 .:.　 ﾊ　　　ｉ| :|/》　 ::.
　 　 　 　 　 i　　　:i|ⅰ　　　　. :{{　: :}: .　|　 　 ｉ| :|//》　 ::.
　　　　　',　　i　　　i|ⅱ 　 　 : : :}､: :_ｊＬ {_|　 　 ｉ| :ｌ　 /》　:::　　　　　　「サイチョウが死んだから、
　　　 　 　 　 i　　　|八 _　　　: :爪 /i} ∧|　 　 ｉ|/　　 /》 :::
　　 　 　 }ｉ　　i　　才＾ヽﾄ　　　: :ｋ七Ｔ六ﾄ､　　ｉ|　/　//　::{　　　　　　　　　　ようやく認めることが出来るようになった、
.　　　　　{{ i 　 ,　 ‘ｋ七圦ヽ.　: :|　V匕ﾉi}'/ 　 ｉ|　　//　　:|
　　　　　 Wﾍ　 ',　　:.　Vヒi}　､: :{　 ‘冖1l:i　　 ﾘｃ //,、　 :|　　　　　　　　　　　　のかもしれないでありますな」
.　　　　　 }} 人　::.　　:. ､¨´　　＼, 　 　 川 　 /_∠∧∧　 |
.　　 　 　 {{　　 ヽ ::.　　',ゝ　′　　　 ／ ﾘ'　 /　/、 ∧_}　 l
.　　　　　 }}　　 　 ', ＼　V丶. ｀ 　 　 ,.ｨ7　 ｲ　 ′＼ ＼＼
　　 　 　 八　　 　 }　 }ト ＼　＞　 イフ ／l |:　ﾄ（　　＼_〉∧
　　　　　　　＼ 　 ﾉ／}} 　 ｀丶　　斗n升}｜　 l　∟Ｌ _　　 丶
　 　 　 　 　 　 ／´　 ″ .:|　 }と7　ﾑｌj　 Ｌ|　　|　|　　　｀　 .　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 /,'　,.ｲ|　.:　.′、　　⌒|　　| ｜　　　　　 ヽ　 ＼
　　　　　　　　　　 //: / /:| :/ .′ 　 　 　 ,|　　|　|　　 　 　 　 }: .　　＼
　　 　 　 　 　 　 //:　ｉ./ .:|/_厶ﾍrﾋ'⌒TT^! 　 ｌ＾i|７、 　 　 　 } : : .　丶＼
　　　　　　　　　//: :　l'　 / //∧从　 人{八 　 Ⅶ'　} 　 　 　 i} : : : . 　 ＼＼


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763： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:57:06 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「あるいはそうかもしれない」



　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　 .／ 　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　 |　 　　　（ ―）　 λ　　 ヽ　　　　　　　　　「だがどうであろうとそれは、
　　　 ,ﾍ__|　　　 　　（__人）　　ヽ　　',
　 __,/　　　｀ ＜　 　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢　　　　　　　　　　　大陸から渡ってきた仏教を基礎にして
／---‐――--.､ゝ＼　 ノ　　　」-‐＞ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l　　　　　　　　　　　日本独自の観点と思想を持つ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　 ヽ.　　,　, .!
.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　 ヽ　　　　 l｀ / / /!　　　　　　　　　　　　　『日本の仏教』が成立した革命的瞬間でもあることは間違いない」
:.:.:.:.:.／　 ./　　　　＿ __ヽ-､　　 !/. ,'　l　!
.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼ ＜　　　'　l




　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　「新しい日本仏教の夜明けってやつだお」
　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　 ⌒　　　　　⌒　＼
　　　　　　　　　　 ／　　　　　／　 ｀ヽ　 　 /´　 ｀ヽ＼
　　　　　　　 　 ／　 　 　 　 （　　 ● l　 　 l　　 ● |　 ヽ
　 　 　 　 　 　 |　　　　　　 　 ヽ_ 　_ノ　 　 ヽ_ 　 _ノ　　 |
　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　 ´￣｀ （　 　 i　 　 ） ´￣｀　 |
　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　ー‐ ＾ ー　　　　　／
　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　 　 ｰ一 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ


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764： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:57:23 ID:vmPyY7jQ



　　「だが、天台宗二代目座主円澄の時代を経て、

　　　　　円仁円珍といった高僧が中興の祖として発展をさせた後、

　　　　　　　天台宗は山門派と寺門派に分裂し、身内同士での争いを始めた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,.　-‐ヽ＼,.　-―‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=ﾆ　.＿___　　 ﾊハ.ハヽ-､ 、＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／／ 厂　 ﾄハ い　､　 いｰ┴z-　.＿,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 / /　, /　　l ｌr;　| l｜! ｌ　 |｜ 　 ﾁ_ _,ア
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｲ　/////lﾊ|　_.ｨ≦壬|　 |｜ 　 ／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 j/zl　| l | l.]干ﾄ　　 k刈/|　 |｜／　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀| !| l | l ﾄi斗　 　 ￣　!　ﾊチ 　 ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 | !| |ﾊ.l |　 ｀　_　　　 , /　| zイ　|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 N !ハ|小　 ´　　 　 /1　l 「　 !　|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ， ＜≧ｭ。　　 ｜|ヽ　　　　　,/　ハ　￤ |
　　　 　 　 　 　 -‐'　　 ￣￣ ｀＞ ．＜　　,- 、　　　`.....　,|｜r ≧= １ /　/´ハ__l_｜
　　　 　 　 ／　　　　　　　　　 　 　 ｀ヽ　 .′ .＼　　　 ／ ! | | l　リ　l/　/／_,.　‐　￣＼
.　　 　 　 /　　　′　　　　　　　　 　 　 　 ミ　 -､＼. 　 　 __　　　　＿＿
　　 　 　 　 　 '　　　　　　　　　　　 　 　 　 ', 　　ヽ＿ー ｧ..ﾞ｀ヽ､´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:...　　＼
...　　　　’　　.i 　 . / .,'　ｨ.　　 / '，　　　　　　 ﾊ 　 ', -‐＜⌒　}}:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼......＼
..　　　　i　　　|　　 i　{: /{ 　 ｉ {　 } .}　.}　　　:! 　 ',　 i:.斗-‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
..　　　　|　 　 |　　 i.斗 !十从 !　 } ﾅiナﾄ　　:|　　ﾊ　:}. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　 __
..　　　　|　 　 |　　 l .,ｨ=＝x､ .i　/.,x＝､!} 　 ﾊ 　 ; i　!..:.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ⌒:.:.ヽ
..　　　　| 　 r |　　 :《 {r':::ﾘ　　　　 {r'::} 》:　/　}: /　!ﾉ.ﾞ:.:./:.:.:/:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.ｲ}:.:.:.:.:.:.ﾊ
..　　　　| 　 { .!　　:i.　ゝ- ' 　 　 　 ` ´ .ﾉノ ｉ ﾉｲV:./l:.:.:/厂7ト:.∧:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽー=彡:ﾉ!:.:.:.:.:.:.:i
..　　　　|　　`.|　　 !＼　　 　 　 ,　　 .イ: 　 |　　 l/ ﾊ:.:{ z==ﾐ:.:.l　＼|弋￢ミ|:.:.:.:.}-=彡ｲ:.:|:.:.:.:.:.:.:|
....　　　/　　　|　　 !　　 　 　 　 _ 　　.ﾉ::　　!. 　 　 i:.:V ´んｔl Ν　　 z=ミx :.|:.:.:.:ﾊ_:.:.::ﾉ|:.:.|:.:.:.:.:.:.:|
.　　　/　　　从　.八＼ 　　 丶 ノ　／ .:　r 、＿__　|:.:.:.| 乂ﾂ　 　 　 んｔﾊ ヽ_:.:ｲ:.:.r У|:.:.|:.:.:.:.:.:.:|
　 　 ′｡r ― ∧ 　 '， `　 　__　イ 　 :::　|／/⌒　` 、　 　 　 ′　　乂ツ　′/:.:厶′|:.:.:l:.:.:.:.:.:.:|
.......,　/.::::::::::::::::∧　.∧＞ｭ、〈 　 :　　::::　(_./ /⌒ 、 }./ ＼　r 、　　 　 　 /:./イニニ |:.:.:l:.:.:.:.:.:.:|
　　 /.:::::::::::::::: ∥＼　 ＼　 /_＼ !　 .:::∨;;;;Ｙ'Ｖ　ヽ ﾉ 　 　 >､ ＿ ,,,..　イ/イ　 |二ニ |:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|
..　i/.::::::::::::::::: ∥ : : ＼ . ｀ヽ x ﾏ＼―-.| ､;| 　 　 ./ヽ....　　|]　＼ー‐=彡 /　　|二ﾆﾆ|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:|
..../.:::::::::: ∥￣: : : : 〉: .'， 　 ',　 ﾏ: :＼: |: :｀ｰ-　__l;;;ﾉi....　　l|　 イ く　〔］/　 　.|ニﾆﾆﾊ:.:.l.:.:.:.:.:.:.|
ﾞ/=====〃: : : : : : ｌ::＼ }　 　irー ﾏ: : :＼: : : : : : : : : |..＼　 |へ トｲ ヽ./　 　 /斗- /ﾉ|:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　【智証大師円珍】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【慈覚大師円仁】


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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765： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:57:37 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「山門と寺門はお互いにいがみ合い、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　時には武力を持って衝突してきたことは前も紹介した」
　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　 ｜ 　　　（___人__）
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 ﾉ　　　　　　　　　　「その上、最澄が、仏教の腐敗を厭うて新しく打ち立てた
　　　　　　　　 　 　 i　　　　　 　　|
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、 、___　　　|　　　　　　　　　　　　　日本天台宗は、その後あっさりと堕落と腐敗の温床となっていく」
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　 丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　 ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :､ : :｀､::::::ｌ : : : : :l : :l　　　　 　　　 √ ／..　　.:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :｀､ : ｀､::,' : : : : :l: : :l　　　　　　_ /　　}:...　　..::{_)
: : : : : : ｲ´ : : : : : : : : : : : :`､ : V : : : : : :| : :ﾄ､　　　／:rj　　ｲ:...　　..;.:}ﾉ
: : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ_,／ : : {{ 、　ﾙﾆ二ﾆ=r
: : : : /　.V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : :／: : : : : ﾊ　ィｧｰ´
: : : /　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : :/: : : : : : : : ゞ才
: :＼　　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : :／´



　　　　　　　　　　　　　　　　_　　　　　　_
　　　　　　　　　　　　,イ: : : : _　､,: : : : : : : : ﾐ
　　　　　　　 　　 　´: : : : : :/ ヽ: : : : : : : : : : : : `
　　　　　　　 　／: : : : : : : /: ﾊ: : : : : : : ￣: : : ヾ: : : ､
　　 　 　 　 ／: : : : : : : : ::| /ミ､: : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ､
　　　　　　,: : : /: : : : : : : .{:{　　 `Y"／　ヽ: : : : : : : : : : ﾑ
　　　　　/: : : : : : : : :;;;;;;/:|:|. ⌒`､}'"´⌒丶∨: : : : : : : : : ;i
.　　　　 ′: /: : : : :;;;;;;;仏|{　　　　　　　　　 ∨: ;;;: : : : : : ::|
　　　 　' :　 : : : : :.;;;;;∥　{i　 　 　 　 　 　 　 i: : ;;;: : : : : : :;|　　　　　　　　　「山門寺門の抗争はEP：43で紹介していますね」
　　　　 |:　 : .: :.: : : :∥.　 |　　　　　　　　　　 |: : ;;;: : : : : : ;|
　　　　 {:　　: : : .:::{: {　＿　　　　　　　,　-＝-} il:;;;;l : : : : : |
　　 　　i:　　: : : : .i: :i'´　￣ `　　　 　 　 　 　 ﾘ.| :;;l: : : : : :;i
　　　　 |:　　: : : : l: :|.　　　_　 　 　 　 　 　 　 　 |:;;l : : : : : ;i
　　 　　i:　　: : :;;;;i: l　 ｨ三､`　　　　　'´ ,ｨ＝ﾐ､　ﾘ}: : : : : : i|
　　　　八　: : ;;;; i |:k'仏 　 }　　 　　　 　 iし　}ヾ､. }: : : : : |;;l
　　 　,: : 　　 : :;;;i ;;i{　夊歹　　 　 　　　　ﾏ夊　}｝ |: : : : l |;;|
　 　 /: : :;;;;l : : :;;;;.|i 　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : l :|;|
.　　 {: : : ;;;;;l : : :;;;;|　 _　　　　　　　i〉 　 　 　 　 　 ﾑ: : : l : i|
.　　 |: : : :;;;;l : : :;;;;ﾄ､ | .） 　　　　 　 　 　 　 　 　 ./: : : /ﾋ=‐- ､_
. ,イﾁﾄ､￣仏: : :;;;;;| `i　i　　　 　 　 　 　 　 　 　 / }: : ∥　　 ／ ﾐ､
/　　　 ム　 {: : : ;;:|　{　 ､　 　　-‐　､　 　　　／ 　|: /　　／ 　 　 ﾑ
　　　　　 ﾑ. |: : : :;;|　ヽ､ ＼ 　 　 　 　 　 ,ｨｆ´|　　 |/　　/　　　 　　 }
　　　　　　　 iﾙi: : ﾘ､　　　　丶､ 　_ 　,ｨ彡 } ∥　　'　　/　　　　　　 .{
　　　　 　 　 　 乂　 ＼　　　　　`ﾞY'´　　 / /　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　 　 i'"´　/ /　　　　/　　　　　　　 ∥
　　　　　　　　　　　　　　　｝⌒ 　 　i 　 / /　　　　ﾑ　　　　　 　　ﾉi


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766： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:57:59 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 ,.-'":::::::::::::::::::｀"''-､　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ
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　　　 　 　 　 　 　 |::::/ヽ| 　 ＝= 　 , =≡|ﾉ　　: : ´: : : : : : : : ｀`丶　　　 ＼　 　 ／　｀ヽ　ヽ、 ｀ヽ、　／　|
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　　　 　 　 　 　 　 |:::::ヽﾘ　　　 　 　 l ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　＞　、＿__,.ｨ厶ハ　ﾄ､ ｖﾍ　　〈
　　　 　 　 　 　 　 |::::::ハ.　　 ､＿＿ ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :..　　/｀ヽ　/ ≠⌒､ヽ.｀¨¨
　　　 　 　 　 　 　 |::/　|∧　　｀ﾆ.../ : 〃: :/{: : : : : : : : /: : : ,.ｲ: : : : : : :::: 　 卞、 　　尓Zz､ヽ.ヽ、} ﾄ､　}
　　　　　　　　　__/l　　 | ::::＼＿.....ｰｧ仆-┘'ｰ一'´￣´＾` ､/ ﾉ : : : : : : :::::ｨ/代ﾘ 　 　 ｖ.い// ＞─ｖ ＼
_,,..-―――''"´ ./∧　　!　 ::::::::::::／〃:{　-‐‐-ミ　　　 ,. -‐=ﾆ`ｰ-ｧ : : :::::::,[ |　 ′　　　¨´厶ｨ　[][] |　｢∨ｎ
.　　　　　 　 　 /　 ∧.　　　　 ／ : /:::ハ <てうヽヽ　　　ｲてう ＞/ : : : :::::::i.人　 ﾏニﾌ 　 　 人　 .ﾛ｣｢ ｖ V |
　　　　　　 　 /　　　∧　 i..., ': : : /:::/::::ﾊ　｀¨´　 j　　　　｀ ¨´／ : : : : ::::::::!...ﾌ＞ ｀_　.　イ /　 /￣ ri 　　| ｈ
　＼　　　　 ./　　　　 ∧‐./:/: : /::::::::::∧:.　　 　 〈 ､　　 　 ／: : : : : : .:::::::::|...丁く /　　. ⊥ﾄ､._｛　r=　 　 ニ コ
　　 ヽ　 　 /＿＿_..　　　〈://: /::::::::::/::::::',　　　　　　　 　 ': : : : : : : : .::::::::::||ｌ　 　｀ｘ ´　 　 ｀ヽ. 　|　　　 ┌┐!
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＿__　|　　 　 　 ./.　　　　　∨―- ､_:::::::::::::::＼　　 ＝　 `〈: : : :／: .::::::::::::,'　ｦ ￣￣　l　/　　 ヽ、｝　　　｜ |
__ 　 ｀ヽ 　 　 　 ＼　 　 　 ∧　 　 　 ｀＾` ､」L::丶　　　 　 不〃..,_/::::::::::/.ﾞ/　　 　 　 |/　　　／ 〉|　　　 |　| ′
､､　　　 l　　　　　　＼　　　 ∧　 l　　|.　 　 厂 ｀ﾄ｀二 ´　　ト､:::::::::::｀＞′　　　　　　〈　 　 /　/　l　 　 └┘
　ヽ　i ´ ｀ヽ　 　 　 　 ＼　　　l　 | ｘ≦￣￣｀ヽ/　 `　 .,_　 ﾄ､ｰ-､¨´..ﾞ／ 　 　ｰ　… →､　　 / 　 |

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　「比叡山は学僧の総本山として、

　　　　　　　　　　　　　　後に栄西、道元、法然、親鸞、日蓮など、

　　　　　　　　　　　　　　一宗派を立ち上げる力を持つ綺羅星のような名僧たちを送り出すが、

　　　　　　　　　　　　　　　その事実はつまり、その頃には既に覆うすべもない比叡山、ひいては天台宗の悪習が存在し、

　　　　　　　　　　　　　　　　　それから逃れんがためのものでもあったといえるだろう」


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767： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:58:21 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　 「さらに天台宗は、それら各宗派の祖を輩出したことで更に驕り、
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　ことに鎌倉時代以降、他の宗派に対して、
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　 尊大と横暴を以て恣に振る舞うことになる」
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼


　　　　　　,r':.:.:.:.:.:.:.:.:.:／i:::iﾍ::::.:.:.:.:.:.:r:'::ヽ;.:.:.:.:.:.:.: .:.ヽ,
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　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　 　 lj　　　　　　　　　　 lj.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
　 l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i　　 　___　　　　 　 　　___ 　　i.:.::;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j　　　　　　　　「それは困りますねぇ」
　 |:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i-r‐:::-､,,,_　　　　　 　 _,,,,.......,､l:.:.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i'
　 i;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i ヽ:.:::..ﾉ　　　　　　 　 　i;.:.:::..:ﾉ:.:.i.:.:.:.:.:.:.::.:.:.l
　 .i: :::::.:.:.:.:.:.:.::;.:l　　　　　　　　　　　　　｀ ''" .l:.;j:.:.:.:.:.:.:.::.::.:l
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　　 　|.:.:,.r'7::::::1j　　　　　　　　　　　　　　.j:／1'::....､,:.:.:...|



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768： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:58:37 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_.....,,,,,,,....._　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..イ　　　　　　 ｀:..､　　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ､　 　 　 　 ,. イ　　　　　　　　　　　 ｀;ムノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ ｰ＝ニ´　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'　　　　/:/ :/ :!　　.:| :!:! ! :|　　　　　　 i
　　　　　　　　　　『なんでこんなことに』　　　　　　　　　i 　 .:|　_i斗七!丁　　|丁卞､! | 　:|　:! 　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 !ハハ八　　:i∨リハｲ . /　:|　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　.:|　 ||.　　　 ∨ /　　　　 ｊ :/　　| 　,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |　:!＼:ﾘ ､＿_,　∨　､＿_,,　|/　　 :! :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ﾊ .:|　 :＼｀Π　　　　 .Π 　ｲ　 　 .':/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ !　:ト　|.| 　 ` . 　 |.| 　 !　 　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨Ｖ iﾍ. |.| ─_-. 　.|.| 　// ///
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨　iヾ. 　 　 　 ,ﾘ　 ｲｲ //ムゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨!|　 ＼ __　イ 　 ,ｲ/)）くニニｺ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ　 ,.ｲ　　,.＞"´ /!:::ト､:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ:/ >-< 　 　 　 ｊ::::l::::::｀::...､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,..イ:::::/:::| /⌒ヽ＼　　,ｲ::::::l:::::::::::::::::｀:::...､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,...イ:::::::::::::/:::: ﾚ{...:::ノ　　ヽ'/:l::::::::l::::::::::::::::::::::::::::｀:::....､
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　「かくて最澄が目指した、

　　　　　　　　　　　　　汚濁した南都の仏教から脱却するための清澄な仏教を志した比叡山は、

　　　　　　　　　　　　　　　南都仏教の悪しき側面の、もっとも優秀な後継者となりはててしまった」



.

769： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:59:02 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「目に余る横暴は前回紹介した足利義教に弾圧され、

　　　　　　　　　　　　　　　織田信長によって灰燼となる憂き目を見る」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　＿,,,､､-‐ー─‐-- ､
　　　　　　　 ／ . .:.:.;:;;;;:;:;.:;;;:;:;;;;;;:;;:;.:.ヾ,
　　　 　 ,r‐'´ . .:.:.:::::;;;:;:;;;;;:;;;;;;;:;;;;;:;;;;.:.::.｀ヽ,
　　　　/ . :.:.:.:::.::::.:.:::::.:::.:.:.;;:.:;;.;;:;::;;;;;.:.:.:.::.:..i
　　　,/ . :.:.:.:.:::.:::.:::::_,､-‐､.:;.::;;;;;;;;;:;:;;:;:r､;;.::.＼
　　　,! . .:.:.:.::.::.::.::/ﾞ　　　 ｀,.:.:;;;;:;:;:;;;;,ｿ ｀i;;:.:. ,!
　　 / . .:.:.:.:.::::.::,ｲ 　 　　 　｀ｰ‐-‐'´　　｀i;;: ,l　　　　　_ ,, .... ,,、＿_
　　 ! . .::..:.:.:::.:,!´　　　　 　 ､　　　　　　　l;;:.:|　　　 ／ｨ彡彡彡'三三≧､
　　 l .:.:. :,r､,;:'|　,ｨ'"≡=;､､,,j　　_,､､-=､ .,!ｨ/. 　 , 'ィ//ﾙｲ,ｨ/ィ彡'三三ミ≧､
　　 '､.:..:.,!ｶ j.:{　 '"ﾞ´rt=ﾆﾝ´ ,ｨ〈ﾓｧ-､　 !;;,!. 　 ,!ﾉｲｨﾉﾊfr'ﾉｨ//r''^`ミﾐヾミ'､_'、
　　　ゞ:;,!ｲj彳:! 　　　　 '´　,:　｀i ヽ '´　 l;'i′.../!/fｗﾘ八l|l|/,イ　　　ヾﾐ'､ﾒﾐ､_ヽ、
　　　 ヾヽ　{i;;j 　 　 　 ,ｨ　 ,;:　 l|　:..　 ,ｲﾘ 　 {i |l|W小fﾘﾘﾉ/}_|_　　　　l|l｛{ﾄミヾﾐゝ､__,
　　　　 ｀ゝ　j｀　　　　　_,､､､,.__,r;:､　　,j/　　　）!l|l|fﾘﾉﾊfi{fﾓﾘﾐ;ゝ:ｨ'tiﾃ!lﾄﾄﾐｿ}｝ ヽ｀`ヽ
　　　　 /!,> ! 　 　 _,､ｲ:.;.:;;;;;;;::;:;;:;:;:;ゞ, ｿ.　　　　,川h{i洲{｛ﾘ丁´　l:{:｀~尢',l|l|巛　　＼　'､
　　　　l,ｲ､　 ＼　　｀"'''''''"ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ"''''"´ ,!.　　　　 ﾘﾉﾉ八ｲﾄﾐメ、　　 ':,:.:.ﾊﾐﾘ!ﾄ､ﾐヽ、　 ヽ
　　_／ ﾘ　｀丶､ ＼ 　　　 ｀￣´　　,ｨﾞ!　　　　ノｨｼｲ卞ミﾐヾ,､}＿ｰ_',:./ﾊ｝}l{　ヾミ'、
　　　｀ヽ, ,r-'´_,｀ゝ､ゞ､＿＿,'＿_, ｲﾚ',}､＿_ . ,.彳｛{/ﾘﾄﾐ',',i|､l｀ﾆﾆ,´ｨi{l｛lﾄ't'､　｀',ﾘ
　　　　　i'､∧(　　r- ､_二二ﾆi}ﾆr'"ソl ゝ､二二ﾆ |jﾂ ﾘ}}iliﾘt洲Wjﾘﾂ}｝ﾘﾄ､',ﾐヽ　ゝ
　　　　　l　＼ﾞゝ　ゞヾ､ヽ､ ,!　| ,!_,j´イ|　））　 ｀ヽ,:|{ヾﾊﾘﾊ{ゞ'､' 'fｼ'､//{｛!ヾﾐミ',　　　　　　　　　　【織田　信長】
　　　　 /　 　 ＼　 ＼｀ ﾞｰ' 　,!　,ｨ ｲ/ ,//ヽ､　 ノﾞ|:.:.:｀ﾒ'､(ヽ丶 j入::ヾﾘゞ,ﾉﾘヾj

　　　　　　　　【足利　義教】

　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　..比叡山絶対殺すコンビ　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────┘


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　「オイオイオイ死ぬわあいつ」


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770： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:59:19 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「武家の棟梁から受けた迫害と攻撃は苛烈であったが、しかし世人は言う」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　,,,､､､､､､,,,,
　　　 　 　 　 　 ,r,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,､
　　　　 　 　 　 f;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,`,
　　 　 　 　 　 ﾉ;,;,;,;〃;,;,;,;,;,;,;,;,;r乍;',
　　　　　　　　{;ハ〃r'´｀`ｼｼﾉ　　N　　　　　　　　　　　　　　　　　　『山門を滅ぼすは山門なり』
　　　　　　　　{.:いﾘ　　>;:;;;''　 ,,,,, ﾘ!
　　 　 　 　 　 ﾙｼ'', `;.　´~　 ﾉ‐'r'′,,､､､､､,,
　　　　　　　　 7 　 '､:; 　_ ｰ'　 / ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､　　　,,､､､､､,,,
　 　 ＿,．- イ〈　　　｀､ 　｀`／,r.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`Yｨｲ彡ﾆﾆミﾐヽ
　　　.::::::',::::::::i　＼　 　 `ｰく　 ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:./⌒ヾ.:.:.!ｨｲ彡ｦ ⌒ヾ!
　　　.::::::::i::::::::l　　 ＼　/l:::::ﾄ､{.:.:.:.:.ｼｼｼﾉﾉ　 ヾ.:.:.:', r､ 　} --､ !
　　　:::::::::l:::::::::ﾄ､　　/:ヽ |::::|:::.＼.::{　,rｭ　 `rｭ 1.:.:ﾉiい ﾘ　 "´〈 　 _ ＿
　　　:::::::::|:::::::::l　ヽ〈.:.:.::Vi::::|:::::::::l.:.i　　 ,､､　　,!,;,;(.:.:.ﾉ ､　　_r‐','´　　　｀`ヽ
　　　::::::::::＼:::::|　　 〉::〈　!::」:::::::::|::ﾊ　r'_ __ヽ ﾉ.:.ﾉく　　 ヽ__,」　!　　　　　　}
　　　::::::::::::::.／|　　 |:::::|　|＼::::::::| 　ﾄ.､＿, イﾙ'.:::ヽ＼　 厂　　ﾞ､　　　uVｼ
　　　:::::::::／.:::::|　　 |:::::|　|:::::|:::::::ﾄ､　＼　　ハ.::::::::::::ヽ Vﾄﾄ､　　 },,,,,,,,ｨ　 }
　　　:::::::::i.:.::::::::|　　 !:::::!　|::::|:::::::|　｀`⌒´ヽ_ﾉ｀`ヽ､:::::ﾚ⌒!::::', 〒､　　､_/
　　　::::::::::l.:.:::::::|　　 !:::::!　|::::|:::::::|　　　　　　　　　　ﾄ､|　　',:::::i　',:: V爪
　　　:::::::::::l.:.::::::|　　 !:::::!　|::::|:::::::|　　　　　　　　　　V:l　　 i:::::|　 !　　 ! `ヽ
　　　::::::::::::l.:.:::::|　　 !:::::!　|::::!:::::::|　　　 　 　 　 　 　 '､　　 l::::l　 |　　 |l　/!
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　　　::::::::::::::l.:::::|　　 ヾ/　 !::!::::::::|　 　 　 　 　　 　 　 ﾉ　　」:::l　 |　　 |/.:.:.|

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その様子を見ることができていたら、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もしかして最澄も同じことを言ったかもしれないな」



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771： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:59:32 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「比叡山を滅ぼすのは、比叡山の行いだというわけね」


　　　　　　　 　 　 ／　　　　　 ＼: : :|　!: 、　　｀ ー‐ ..:.:.　　＼:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : :
　　　　 　 　 　 ／　　　　　　⌒ヽヾ:.i　i:.:.:＼＞'⌒ヽ:.:.｀ヽ: : : : ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞'´
.　　　　　 　 ／　　 ／　　　／　　＼{　{＞》''`ー‐‐-＼:.:.:.＼: :..: :.｀ ‐ : :.:.:.:.:. :イ.:.:.:.:...＜
.　　　 　 　 { 　 　 （　 　 ／ ／￣入 ヽ V/　　　　 　 　 ｒ‐-.....､｀ヽ:.ｰ‐-＜´: : . . . ..＿
.　　 　　 　 |　ヾ:::::ﾐ）　 .:{　 　 ,ニ、 i　 lX　　　　　　　　 Y,ヘﾔミ.､ヽ::.､　　｀ ー‐ｒ― ７⌒
　　　　　 　 !:　 ::::::/　　::|　　/::　 ゝ'　 !　＼　　　　　　 　!!　 {{:::!!:ヾｖ/ﾊ　　　　 !ヽ :（
　　　　　　　|　::::::/　　 八　ヽ　 （　　　　　　＼　　　　　　　　ｒ'::ﾘ::::ハヾ:::.. 　 　 !:.:.:.: :＼
　　　　　　　|　:::/　　　 　 ＼ ＼ﾉ　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 ＼::_/　 　ヽ.ノ　 　|:.:.: : : : :＼
　　　　　　　| ::/　　i　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:i:.:. : : : : :＼
　　　　　　　|/　,:::　ﾍ　　　　　　＼　　　　　　 　＿　　　　　　　　　　　　　　 _＿ｊ:人: : : : : : : :
　　　　 　 ／:.ノ:人　 ヽ.　　　　　　 Y⌒ヽ　. ´　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　ｒ≪´/:.:.:.:.＼: : : : : :
　　　,.. : :´: :く　　　｀　　ミﾐ、　　　 　 　 ／､　　　　　　　　　　　　　　　 　 {ﾟ/.》'_:_:_:.:.:.:. ＼: : : :
.　　（: : : : : : : : . . .　　　　　`＜ 　 　 ／´ 　＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨´　　 ｀ヽ:.:.:.:＼
.ー一｀ ミ: :_: : : : : : ..、　　　　　｀　＜:.:ヽ＿　　ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ＿ __
::::::::::::::::::::::＼＞ﾄ､: : : : : ..　　　　　　　｀ヘ:.:.｀＞---: : : : : : : : : :ニﾆ=ー-　,′　　｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::}::::ヾく｀ー-ｘ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＜´　｀ヽ　 　 /｀ヽ
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:::::::::::::::::::::::::::li:::::::::::j::::::::::::::::＼｀ー―――――--､: : : :｀ヽ、　　　　 ／ :ﾄ､　　 ﾊ
:::::::::::::::::::::::::::||＼::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 ,　　　　 ヽ: : : : :.ヽ.　　／:j 　j



　　　　　　　　　-‐‐-
　　　　　　´　　　　　　　｀　、
　 　 ／　　　 メ
　　/　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
　 ,　 　 　 　 　 　 　 　∥ ｝　　 λ＼
　 |　　　　／　　　 i　 ∥‐ﾅﾄ　　　｝
　 |　　　 |　　　　i｝《乂　 ﾉﾉ∨|　 ﾉ
　　,　　　|　　　,ｨｷ¨＼ゝ'’.ｨfﾟ7ソﾘ　　　　　　　　　　　　　　「サイチョウサンカワイソウ」
　　|　 　 |　　　 i.i}.ｨｆﾁ，　　ゞ' |川
　　j　 　 | 入 　ヽ《:沙 　 　 　ﾉ从
　 ｛!ｿ 　ﾉﾉ　ヾｧ､_ゝ.　　　, ／ヽ,
　　ﾘﾊ　"　　∨ﾄ､｀ ‐-- イ　　i｜
　　　 ｀ヾミゞｿ_ﾉ__￣￣|匚》,　 !}
　 　 　 　 　 / ￣￣ミ､|ﾄ◇､ ,==ﾐ
　　 　 　 　/　＼　　　 ﾞ’__ヽヽ:.: :.ヽ
　　　　　　|　　　ヽ |　/:.: :.: :.i ヽ...:::｝
　　　　　　|　　　　｝!/:.: :.: ....:|ﾒ.}:::::ﾘ
　　　　　　|　　　　 ||:.: ....:.::::::|　|:.:.:|


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772： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:59:44 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　「一方高野山も、また腐敗を免れ得なかった」


　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |　　　　　　　　「知ってた」
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


.

773： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 01:59:59 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「殊に、真言宗の僧らにおいては『空海の前に空海なく、空海の後に空海なし』といった有様であり、

　　　　　　　　　空海が完成させた真言宗の理論を超越するほどの存在はついに現れなかった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ､、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｝::ヽ.
　　 　 　 　 　 　 　 　 _ ......... _ 　 /::::::::ﾍ　　　　,ｨ
　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::｀′:::::::: ;　　 ／:ﾊ
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　　　　　　　/／く＿二ニ＝V＝ニ∨廴_ :::::::::::く__＿
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　　　　　　　　　 ∨:::::::人（_ | |!　　 _iｿ (　 ソ⌒
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.　　　　　　 　 　 　 〉ﾊ小/　| |:! 　 　 - ′
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　　　　　　　　　 ／::i　　　　￣ _￢- 、
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　　　　　　 　 l::::i ! 　 　 　 lｌ　 Ｖﾍ＼＼>ﾍ
.　　　 　 　 　 V:l ! 　 　 　 lｌ　　iハ::::》（()）｝
.　　 　 　 　 　 ∨ /　　 　 jj＼_j　 !:::ヽ辷ｲi
.　　　　　　　 　 У　 　 　 ll　　〉　 ㍉､、 ::::!
　　　　　　　　　i ＼　　 ／ﾍ　 l　　　ｌｌ　|i:::::i
　　　　　　　　　l　　ヾ "　　 ∨j　 　 ｌｌ　|| ::::i
　　　　　　　　　l　　　　　　　 ヽ　 　 ｌｌ　||::::::l
　　　　　　　　　l　　＼　　　　　',　　 ||　||::::: l
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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774： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:00:21 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　「そのこと自体にはまぁ議論の余地があるだろう」


　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|


　　　　　　　　　　　　　 「だが最澄の法孫たちは最澄が打ち立てた天台宗の大乗戒の理論を発展させ、

　　　　　　　　　　　　　　　 或いは超越させ、様々に花開かせたことを考えてみると、

　　　　　　　　　　　　　　　　 空海が否定し、最澄が重きをおいた筆授による相伝の意味の重さを考えざるを得ない」


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775： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:00:35 ID:vmPyY7jQ



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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::::::::::_::::::/　l:::ｌ　　ヽ ＼:::::::::::::::::::::::::::＞ ．＿＿
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　　　　　　　　 ` ．
　　　　　　　　　　ｌ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　「少なくともこの一点に限ってみれば、

　　　　　　　　　典籍によらないとする真言宗のあり方は巨大な個人の才能に頼らざるを得ないという

　　　　　　　　　　弱点をさらけ出しているといえるだろう」



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776： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:00:52 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌〜=‐-ミ　　　　　　　/　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　 　 　 ｀ヽ.　　　　/ 　 ／(
　　　　　　　　　　　　　　　　　‐-　　　　_　　　　　　　 　 　 　 ＼ｰ-=ミ　　　 　 　 |＼ 　 /　／　　丶､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ￣ 二ﾆ=‐-|＼　 ノ＼::::::::::...､　　 　 |　 ｀ﾞ７／　　　　 　 ｀丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ‐=ﾆ二|:::::｀ｰ-=ﾆゝ:::::::::::::::.　　 '　　 /　　　　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　_|＼人:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｊノＹ　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　＼ ┌‐‐=圦::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠/　 /　　 '　　 '　　　　／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ノ-‐‐-ミゝ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ　　′　/　　/ 　　 ／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　/ 丶 　　/ハ｀ '_　￣ , =介!　/ ∠..ﾆ=-‐　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ⌒)' 　 　＼ ｉ {ｘ个:.｀’_ イ_彡八 ／.:::::(_うヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ‐-　　＿　 　　　 ＼]/三三｀Ｙ　／ ∠::::::::::::::::::::::::〉
　　　　　　 　 「h　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　￣ ¨¨ 7/7(０)77^ｉ　 ∠二二二ﾆ=≦〔
　　　　　　　　| ｈ:、　　￣　　　　‐-　　　　_　　　　　　　／,《《(○)》》 l／＼:＼/／ 　 '"⌒＼
　　　　　　　　| Lハ　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ i"　∧∨个∨ ∧　　 ＼{_　　　　　　 　＼
　　　　　　　　| Lﾊﾊ　　　　　　　 _　.　　 -‐　　 ´|ｌ ヽ|　/::∧___|____∧:::.　 　 / `マニニヽ =-―ﾍ
　. ￣￣￣￣ ∨} } }i ￣￣￣　　　　　　　　 　 　 》:::::|l/::/ 　 |:::|`ヽ ∧::::.　l/　　　＼ i|::::|-―-ミ{
　 `'=ミﾐﾐﾐx､、_} Ｖｼ′　　　　　　　　　　　 　 ＿人￣!／　　〔::〔｀ヽ　　',:::∨　 　 　 〈,ﾑ斗―-ミ/
　　　　｀ヾ竺}｀i:,　 `ｰ=ﾆヲ 　 　 　 　 　 　 　 |　　　ヽト-‐=⊆⊇=‐-=ﾆｊ／　　 　 　 ,′___ 　 　 }
　　　　 　 　 `弌!ﾐミ_ﾉ^ヾ⌒ヽ　　　　　　　 ／⌒丶x介〒ｰ┬―‐〒ミ〔　　　　　　　Ｖ´　　｀ヽ_/
　　　　　　　　　　 　 `ｧ彡'　ﾉ｀ヽ_　　 　 ∠⌒ヽ 　 }」,|:::|　　l 　 　 |:::|　｀ヽ　　　　　/　　　 ﾐ/
　 　 　 　 　 　 　 　 　､__彡､ : :ﾉ ﾊ、_, く　　 ｀　} . イ |:::|　　l 　 　 |:::|　　 i　　　. -ヘ.　　 ﾐ/
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｰ-くノｲ　,　 ヽ　ノ"　　|/|:::|　　l 　 　 |:::|　　 |　　 j/　　　ヽ.У
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈_ノ＼)＼厂　　 　 |{ |:::|、　|　　／::::|　　 | 　 /{、 　 　 /
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 `'＜ク、＼　　 　 Ⅳ:∧＼|　　ノﾍ:::.､　 ﾊ　 `ｰ辷 __ノ′
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ﾉ＼ 　｢/::/　 ヽﾊ　　-‐ヘ::＼　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼ﾉ＼|／　ﾆ=-‐ﾍ‐-=ﾆ　 ヽ::＼',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼ﾉ| 　 　 　 　 |i,　　　　　 ｰ-ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 `| 　 　 　 　 |ﾍ　　　 　 　 　 ',
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　「その上俗世的な求心力のすべてを祖である空海に求めるあまり、

　　　　　　　　　　　　　　高野山の外から眺めたときに荒唐無稽と言えるほどの

　　　　　　　　　　　　　　　超人的逸話を以て空海を飾り立てざるを得なくなっていった」



.

777： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:02:17 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そして、空海がかつて最澄の姿に感じた危機感を、

　　　　　　　　　　＿__　　　　　　 空海の法孫たちが余すことなく越三昧耶という形で現実のものとしていった」
　　 　 　 　 　 ／ 　　 ヽ
　　　　　　　　　　 __,ィi.ri､
　　　　　　　　ｉ　　r､i ij i,}
　　　　　　　　ﾄ, 　} ﾘ ﾄ /〉
　　　　　　 ／ﾄ ヽ{　 　 ∧｀ｰ- 、
　　　 　 ／ : : : ヽr==-〈ハ: .ヾ : i
　　　／ : : : : : : :| : : : : |rN. : : >{
　 γ. : .｀.ヽ､. : : | : : : : lH:､ﾄ､:.ヽ、
　　{､ : : : : : ヽ. : | : : : : |:::'i　｀,.: : ;
　　 ＼: : : : : : ヾ |: : : : :|::::|　 | : ﾉ
　　 　 ＼Z_ : : : >i.: : : : |::::!　 }:./
　　　　　｀ﾄ､ : : : : : : : : }:::ﾉ　i/|
　　　　　　 V＼ : : : : : /:./　 {::|
　　　　　　　}／.｀.ｰ- イ:ｲ　　'ト,
　　　　　　 / : : : : : : : |´ ヽ__ }::ヽ　　　　　　　　 「その結果、在家の信徒たちも徐々に世塵にまみれ、
　　　rー＜ : : : : : : : :.厂〔:i〕ﾆ{､:::{
　　　> : : : : : : : : : : /::::::::::::::::::iへ}　　　　　　　　　　　　　品行悪しきものが多くなってくる」
　　 〈 : : : : : : : : :／::::::::::::::::::::::|　 j
　　　 ヽ : : : : : /:::::::::::::::::::r::::::::|_r´
　　　　 V. : : :/::::::::::::::::::::::i:::::::::|


.

778： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:03:10 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　「現在も残っている四国のお遍路巡りだが、

　　　　　　　　　　　これは空海の足跡をたどる聖地巡礼だ。

　　　　　　　　　　　　ここまで来るともはや仏教でも真言宗でもない、空海個人を崇める別の宗教だ」


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　　 「さらにこのお遍路、最近まで心無い一部の巡礼者もどきにより
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ　　　　　　　　　　　　　　　色々犯罪も起こされていたりする」
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼　　　　　　　　　　　「そういや取材陣引き連れてお遍路やってた
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　　　　　元総理大臣もいやがったお」
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


.

779： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:03:21 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　「そして時代は流れ、戦国時代に至ると、

　　　　　　　　　　　　高野山も武力を持ち、諸大名と変わらない存在となっていく」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　______
　　　　　　　　　　 　 　 　 　　　　　 ／　　　 ＼-一ヽ､　＿_ｒ‐- ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　／　 　__,ノ　ヽ､_,７　　　　7 } : : : :＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ─)（─)/｀ ‐　　/ /: : : : : : : : : :｀ '' ‐-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　U　　（___人__）‐-─≦／.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : :丶、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 ｀ ⌒´ﾉ　　　　└‐-､__:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　　　｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　 　|　　　　　　　__,. -＜｀丶､.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハ､.,ヽ., ___ ,__ノ--─一⌒V : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:ｒ´
　　　　　　　　　　　　 　 _ ,.-=〈:.:'､`ヽ、___ 　ﾍヽ:.＼: : : : : ､: : i:: : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:／
　　　　　　　　　　　 _＜ : : : : ∧ :ヽ　　 /:::ヽ 　Vヽ:ﾊ : : : : :ヽ: : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.／
　　　　　　　 , -‐ '´: : : : : : : : : : :∧､　∧::::::∧ l: : ＜:_: : : : :i: : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:_ｒ'´
　　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : ／: : l Ｖ　 !::::{　｀!: : : : : : l: : : i:: : : .:.:.:_､-‐''ﾞ´
　　　　　　 ｆ : : ヽ : : : : : : : ／ : : : : l　　 l::::::i　 l: : : : : /. : : :!.:.:.:／　　　　　　　「本願寺ほどひどくはないけどな」
　　　　　　 ゝ: : : i: : : : : : :〈: : : : : : : l　　｛::::::i　!: : : : /: : : : :l／
　　　 　 　 ｊ : : : : i: : : : : : : ヽ: : : : : : ﾞ､　!:::::::ｉ l: : : :./ : : : : :!




　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―……―-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　　:::＼
　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　 　 　 　 　 　 　 :::::::::＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿ノ:::::::',
　　 　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 　 　 　 -―‐-　:::::::,
　　　　　　　　′　　　　　　　　　　　　　 　 　 ○ :::::::{　　　　　　　「本願寺はね……一向一揆はもうね」
　　　　　　 　 |　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ---=彡 ::::::ヽ
.　　　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::::}
.　　　　　　 　 ′　　　　　　　　　　　 　 　 　 (　　:::::::::丿
　　　　　　　 　丶　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ー,＾ー′
.　　　　　 　 　 　 ＞　　　　　　　　 丶::::＿_　-=彡
　　　 　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 　 　:::::::i
.　　 　 　 　 　 /　　　　 　 　 　 　 　::::::::|
　　　 　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 :::::::::|


.

780： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:03:41 ID:vmPyY7jQ


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ|l 　 Ⅵ}!:ｉli.　iｌ州i|!li:ili:i:i:iｌi| ｉ l|洲:'{:::{{､::::ヽ. 　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 }:ｊ　 　':小:ｉlｉl:i:洲!i|!li:ili:i:i:iﾘiﾘ:l|....../´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
｀:.､　　　 . .. :.:.:.:.:.;=-l:{―--}:iい洲:i洲|!|......l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
.:.::::ヽ　. :. :.:.:.:.イ´ zｒ:!|==ミﾉ:ﾘ_ }州i洲|!|洲li:ﾞ二ｺ ,|　ili{{　ヾﾞr三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／　_,.ノ
. :.::::::':,　　.ｒ' ':. :ｒ'´ {::||(･) ﾘ:i{㍉州:|:i:ｉ:}:|!li:il/＿＿」.洲|乂＿｀'≦: ﾆ＝ _,,,ﾆｺ〈　 〈〉　/￣ 」　　　　／^ヽ､　／〉
. :.:.:::::::,　 '　 　 ミ≧=}}==ﾆiﾘ‐彳洲ｉ:i:ﾘli:il　'´..ﾞil|}}叭il:{ハ ￣￣￣　¨.（__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
. : .: :::::;　:　 　　` ￣ ﾍ.　 〃　ﾘ洲i:i:/洲　{洲i|ｌ|ﾘﾍ:i':.乂_`ｰ― - . , _ 　 　 　 丶:丶. 　 　 　 　 `ｰ-､__,| 　　　`"
. : : ::::::i　i　 　 　 　 　 ﾍ. {:{　/:洲:i:/li:洲　!i洲ⅣｉﾊⅦ洲｀::...､ ｰ-ミｊｌ｀ヽ　　　　 ヾ:::＼-ミ
　: .: ::::|　!　　　　　　　　Ⅵ! .'洲l:il/li:ｉｌ洲　Ⅶｉ:i洲洲Ⅵ:i洲:ｉlハ　　　Ｙiい　　 　 　丶:::ヽ. ｀ ー- ､
.　:..:.::::ｉ　|　　　　　　　　 }iⅣililil:i/lｉ:洲洲!　Ⅵｉ:i洲洲Ⅵ:i洲}{ミゞ..,＿乂_廴＿_　　　 ヾ::: ':..　　 　丶
　 　 : i　　　　　　　　　　Ⅶ!:i:ｉ:ｊｲlｉ洲洲小.　Ⅵｉ:i洲洲Ⅵi:il小.　ヽ ー―――-ミ:.､ 　　＼:::': 、　 　 ＼
.　　　:l 　'　　　　 　 　 　 Ⅶ:i:/:'∨!洲i|ｉｌiｌiヾ. Ⅵｉ:i洲洲Ⅵl:i:i:ｉヽ、 丶 　 　 　 　 ヾヽ　 　 `'ｰ≠､
　　　 ; 　 '.　　　　　　　　 |:i:i:{ :i:∧!洲洲洲:ｉ　}i:i:ｉ洲洲}}:i:洲ヾ:_‘ｰ―-..､　　　　　':ﾊ　　　 　 　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {:i叭 :'li小!ｌi洲洲ｌi|: .i|li|洲洲iｌ|洲洲lili卞ー- ミヽ 　　 　 }::}　　　 　 　 　 ヽ　　　　『やあ』
　　　　　　　 　 　 　 　 　 Ⅷiﾊ;州ilﾊｌi洲洲ｌ|: .|i:i:ｉ洲洲ｉ|:i:洲洲小.丶　　}iﾘ　　 　 .':ﾘ 　　　　　　　　 ':
　　 ` ー‐ ´　　　　　　　　乂i:i:ヽ!洲洲洲洲 ｉ !ｉ:i 洲洲ｉ|:ｉ:洲i|洲ili'. 　ヽ ｉ'′ｒ≠彡ｲ　　 　 　 　 　 　 i
､__　　　　　　　　　　　 　ｒ:州ﾄ､小.洲洲洲洲i{{i:i:ｉ洲洲:ﾊ:洲洲洲 ::, 　 !{ 　 i::'´　　　　　　　　　　 　 ﾉ
ー-ﾆ＝＝ﾆ＝=‐一 ´,,.ｨ州liﾘ ｉ:Ⅵ}ｊ洲洲洲li| ﾊi:i:ｉ洲洲i:l:ｉ洲i洲洲ｌi　 ﾉﾍ 　l′　　　　　　 　 　 　r ´
　　　　　 　 　 　 　 ,.ｲ洲iｆ´:'　l :}li; Ⅶ洲洲洲:ｉ{i:i:ｉ洲洲i:l:ｉ{{ﾊ!i|lil洲|　 　　　| 　　 　 　　　　 　 　 ｉ
;≡≠=‐‐≠一 　ｒ:ｉ州ili利 .　八:|il|. |!洲洲洲i:小il洲洲i:il:小.{{|ｌil洲i　　 　 八
li|l||||l|lilｆ´　　,,,...ｲ:ｊi|洲:八.:'　 　 州 :{{:ｉ洲洲洲 : ｉ洲洲洲洲}}Ⅷ洲 }　　　　　 ヾ
洲州 iﾘi|:il|i'ｉｆi|州ﾘｊl洲{:.:.:′ 　 ':ｉ:ﾘ:八;洲洲洲 ｌ !|: .洲洲洲ｉ|{Ⅶｉｌｉﾘ　　 　 　 　 ）
洲州ｉ|{ !il|州!洲洲:i|从:.:.;　　 /:i:i:i/ 　ヾｌi洲洲 i |洲洲洲洲从Ⅵ:ｲ

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　 「織田信長に敗れた荒木村重を匿ったために信長の怒りを買い、

　　　　　　　　　　 在家の信徒千人余りが誅され、高野山も戦火に飲まれんとした」



.

781： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:03:56 ID:vmPyY7jQ



　　　　　「信長が本能寺の変に倒れ、その危機は去ったかに見えたものの、

　　　　　　　その後継者たる羽柴秀吉が、高野山を苛烈に攻め立て、火の海に沈めた」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


:::::ｘ＜ニ/:::::::::::::::::::::::／7::::::::/ニj::::::::::::::::::::i:::::､:::::::::::::::::::::::::::::::::::..../´〉,､　　　　　|￣|rﾍ
ニニニｲ:::::::::::::::::::/:/ニ'::::::::/ニﾆ|::i::::::::::::::::ﾄ､::::',:::::::::::i: l､￣￣了〈_ノ<_/（＾ｰヵ　L__」L/　　 ∧　　　　　 /~7 ／）
ニニﾆ/:::::::::::::::／,ｲ-y':::::／=ニ__i:::|:::::::::::::::iニ,::::',:::::::::|::::::二ｺ ,|　　　　　r三'_」　　　 r--､　（/ 　 /二~|/_/∠／
ｘ＜:::::i:::::::::::／//: : /:::X､_: : : : : :i:::!',:::::::::::7ﾆﾆV::i::::::::!:ﾞ/＿＿」　　　　　　　　　　　_,,,ﾆｺ〈　 〈〉　/￣ 」　　　　／^ヽ､　／〉
::::::〃 !::::::::/: //￣7:,＞==zヽ､: : :i::|:.!::::::::/: ＞-V:i',:::::|: '´ :::::::::::::: 　 　 　 　 　 　 （__,,,-ｰ''　　　　~~￣　　ャｰ-､フ /´く／／>
:::::i r-{::::::/: :/´　 .i/ 　0　　 `ヾ-:i:7:.i::::::/: : : : : : i:!:i:::jV::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 `ｰ-､__,| 　　　`"
::::{　7 V/: : : : ',　　　　　　　　,': :.i,' :.|:::/=ﾆ＝==zﾘ-i:√V::::::::::::::::::
::::ﾍ ヽ:{`: : : : : :≧－====ﾃ彡: :/: : :i:/　　0　　　　 ヾ.,.:'∨::::::::::::/
::::::::＼ ヽ: : : : : :.　　　　　 　 　 　 ,'〃ミx、　 　 　.,.:'/::::::::i::::::::::::,'i::
::::::::::::::ヽ-',: : : : :.　 　 　 　 　 .::':, i:　　　　`ヽ､__, ': :,:::::i:::::i:::::::::/
:::::::::::::::7:.ハ: : : :.　　　　　　 　 　 /:.　　　 　 　 , '´/::/j:::::j:::::::,'
::::::::::/i/: : :.ﾍ: : :. 　 　 　 　 　 　 ′　 　 　 　 /:;.ｲ::/ 7:::/|::::/　　　　　　　『やぁ』
::::::,ｲ〃: : : : :ヽ　　　　＿　　　　　 　 　 　 　 ,'イ〃　/:ｲ　|::,'
-ｲt　　　　　　::＼　　 `ヽ二ﾆユ 　 　 　 　 ,ｲ　'´　./´ 　 .ﾚ
;';';';'ヽ､　　　　　:::::＼　　　　　 　 　 　 ,. ＜
;';';';';';';'＼　　　　　::,ｲ:ヽ､　　　 ,.　＜
;';';';';';';';';';'＞ｘ_ 　 /;';';';';';';'￣ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【羽柴秀吉】
;';';';';';';';';';';';';';';'＼';';';';';';';';';';';';';';＼

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



.

782： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:04:08 ID:vmPyY7jQ


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　　　「こうして同時代に作られた比叡山と高野山は、
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　　　　　　 同時代に灰燼の憂き目を見ることになった」
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　　　　 f¨¨¨ア　　　/　　　 |　　　　　　/　　　＼　　 ＼
　　　　　 　 l　　 　 ′　　　|　　 　 　 /　　　　　}　　　　 ､
　　　　ｌ　　｜　 　 ,　　　　｜　 　 　 ,　　　　 　 |　　　　　＼
　　　　|　　｜　　 ,　 /　　　,　　　　/　　　　　　,　　　　　　 /
　　　　|　　｜　　 {斗ｬ允― ,　　　/ ＿＿　 　/　　　　　　/{　　　　　　「おかしな歩調の併せ方しなくていいから（仏心）」
　　　　|　　｜　　 | ｉ|　　/　八 　 /　}　　/ ミｔ､　 　 　 　 /　,
　 　 　 ,　　i|　　　|　,x笊示ﾐ　,　,'　　イ云笊x　 　 　 　 / 　i}
　 　 　 { 　 i|　　　|i〈 hr (　　　V 　 　ぃし(　 )〉　　　　／ 　 ,
　　　 　 , 　 ,　　　{　 ゞ= '　　　　　　 ゞ==ｼ /　　　 ／　　 /
　　 　 　 ，　,　　叭　　　 　 ,　　　　　　　　/　　　//{　　 /{
　　　　 　 ， ‘，　八 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　　 {///7 /　,
　　　　　　 ,　　,　　　　　　 　 ｀　　 　 　 /　　 ／i{///ア
　　　　　　 ‘，八　 {　l　.　　　　　 　 　 / 　／　∧⌒',　　　,
　　　　　　　 ＼{∧ l　|　 ＼　　　ィi〔=,/ ／/　 //∧　〉　 　 ，
　　　　 　 　 〈// } ＼i!　　 /爪ニﾊ,　/ｨ　 ,　　{∨//7∧
　　　　　　/ 　^　,　　/ﾆﾆ〈 ,//笊ﾆ{／　 /! 　 |i ∨///∧
　　　　　 //二ﾆ/　 /ニニﾆﾆ{ {} }ﾆ≧≦ﾆ|　　|≧s。/,／　　　‘，
.　 　 　 　 {二=/　 /ニニニニニニニニニ|　　|二ﾆﾆ≧s。
　　　　/　 |二/　 /⌒⌒TT⌒‐=ﾆニニﾆﾆ|　　|二ニニﾆﾆｉ　　 　 ＼
　　　 /　　|〉/　 /{　　　 | ｌ　　　 /i　　 　 i|　　|二ニニﾆﾆ|　 　 　 　＼
　 　 ,　　　{/ ,／― ＜　i! !　　 /　! ＿___ i|　　| /＼二二_|　　　　　 　 ＼

.

783： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:04:25 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「比叡山と高野山、この二つの山の未来に共通して言えることは、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 祖師の開創の精神を、その法孫たちが無残に踏みにじり、
　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒　　　　　　　　　祖師が望んだ仏教の姿から恣に逸脱し続けた、ということだろう」
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!　　　　　　　「なんか、やりきれない感じがするわね」
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |


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784： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:04:43 ID:vmPyY7jQ


　　　　 　 　 　 　 ／三三三三三≧ｭ､　　:/　/　　 　 l
　　　　　　　　　 /,ｨ三＞''´ 　 ,ィ ⌒＜三:/　/　　　　｜
　　　　　　　　 ／　}三{ 　　 ‰　　ィ示ﾐ /　/ﾆ≧、　 :|　　　　　　 　 　 　 　 /
　　　　 　 　 　 　 /∧} 　 〃　 ／////}/ イ ＼(K　　 |　　　　 　 　 　 　 　 /|
　　　 　 l　 　 　 // ∧ 　ff: 　////// ∠_/　　　　　　|:　　　 　 　 　 ＿＿/ :|
　　　 　 |:　 　 　{j　 　 　 {{　八/////(＿　　　　　 　 :|　　　　 　／ 　 　 /　 }　　　　　　「ちなみに現代のこの２つのお山は」
　　　 　 |　 　 　 |　　　　 乂　　^¨¨´　Ⅳ　 　 　 　 　 |　　　　　　 ｘ==ミ/　 /
　　　 　 |　 　 　 |　 　　≧ｭ､｀＜zzzz少　　　　　　　　|　　 　 　 γ }笊ﾍ　/
　　　 　 |　 　 　 |　 　　　 ｀''＜≧ｭ､　　　　　　　　　　|　　　　　んノ刋 }}
　　　 　 |　 　 　 |　　　　　　　　　^¨¨｀　　　　　 　 　 :|　 　 ／ た/(_　/
　　　 　 |　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 ／　φ/Ⅳ /
　　　 　 {　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |／　　　ゞ-ｨ /
.　　　　八　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ^¨¨´ /
　 　 　 |　∨　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　　 /
　 　 　 |　 ∨　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ‰　 ／
　 　 　 |　　∨　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ／



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　　　　　　　　　　　「あるよ、とだけ答えておこう」
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、　　　　　　　　　　　　　　　「あと一つ付け加えるなら、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}　　　　　　　　　　　　　　　　俺は仏教は割りと好きだが、今の仏教界は
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　好きになれる理由がない」
　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/


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785： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:05:01 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「ま、人間なかなか賢くはなれないってことだよ。

　　　　　　　　　　　　　　________　　　　　　　　　　　　　現代人だって焼かれた叡山や高野山の有様を笑えるもんじゃねえさ」
　　　　　　　　　　　／)　/ .)　　＼
　　　　　　　　　　 / ./::/ ./:::／ ） ＼
　　　　　　　　　　 l　.l/　/／ ∠___　|
　　　　　　　　　　 l　/ ／ ／ _､,,.ノ　|
　　　　　　　　　　r　　　　 　/___)　　|
　　　　　　　　　 /　　　　　/　　　　 |
　　　　　　　　　/　　　　 ノ　　　　 /
　　　　　　 _∠⌒ヽ　　j 'i, _、___ ｨ／|＼____
　　　　　／ ...::::;;;:::ヽV;;;;l　フiiiiく　　/.:;;:l;;;;;:::´´''' ､､､ _
　　　／ ...:::::;;;;;;;;;;;;:: 〉;;;;;:l／ iiiii ＼/.:;;;::l;;;;;;;;;;;;;::::::::..... i::..＼
　／ ...:::::;;;;;;;;;;;;;;;;:: /;;;;;;;;:::ヽ llllll　/..::;;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::: l;;;;;;:: l



　　　　 　 /^　l　　　　｀　　　　　　＼ﾆﾆ＼　＼
　　_,.｡sア　 　 ,　　　　 |　　　 ヽ　　　⌒ﾏ∧
　〈 　 /　　{　　,　　 　 i|　　 l　　l　 　 　 |∨ ,　‘，
　　,　 }　　i|　　 ,　　　 i|　　 | 　 |　　　　i|　,∧
　　 　 , 　 i|　　 ，　　　|　　 | 　 |　　　　i| /　 , 　 ,
　　 }　 ,　　,　 _八 　 ,斗f七丁￣｀　　　 ,/　 ∧　　　　　　　　　　　　　「jud、癪ではありますが、認めざるを得ないであります」
　　　 　 ,　／　　 ヽ 　｜ 　,ｨ云笊x　 　 }　 / /　 ‘，
　 　 ，　， 　㌢笊ミ＼ |　/　ぃ,刋/　　 ,　 / /
　 　 　, 　, 　 ゝ乂,ｿ　 ヽ　　 ゞ‐= }　　//} ‰　　　　,
　　　　 ､　 , 　八　　　　　　　　　 , 　/ゝ＜∧　,
　　　　　＼　,　 込　　'　 _　　 　/　/　 | ∨,∧_〈　　　,
　　　　　　 )　＼ ＼　　　 　 　 /　/|　 i|　∨//∧　 　 ，
　　　　　　　,　 } ＼_〉　l　 _ ＜,'／ ｉ|　 i|ヽ　ﾏ///,〉
　　　　 　 　 V/　　l 　 |　 ィi }fﾊl　 |　 i|二ﾆ=‐＜　　　　，
　　　 　 　 　 /　　 l 　 |二_L_|{_}}＿|　 i|二二二ﾆ=‐
　 　 　 　 　 ,　　 /,l 　 |二二ニニﾆ|　 i|二二二二二ヽ　　 ＼
. 　 　 　 　 /　　/_｜　i|二二二二=|　 i|二二二二二ﾆ}　　 　 ヽ
　　　　 　 ,　 　 lﾆ=l 　 |⌒{ 　 　 }　|　 i|　 7{二二ニニ|
　　　　　 /　 　 lﾆ=l 　 |　 |　　　/　|　 i|　/　}二ニニﾆ| 　 　 　 　 ＼


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786： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:05:14 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　 ,..-''"´ 　 　 　 　 　 ｀''-,,
　　　 .／　　　　　　　　　　　 　 　 ＼　　　　　　　　　「ともかく、今回はこれでおしまいにしておくお」
　　 ./　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　/　　＿＿＿　　　　　＿＿＿＿　　 ',
　 ,'　　 ＿＿＿_　 　 　 　 ＿＿＿_　 　 ',
　 l　　 l ●　　 l　　 　 　 .l ●　　 l　　　 l
　 l　　 ヽ､＿ ノ　　　　　　ヽ､＿ ノ 　 　 .l
　 ',　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'
　　',　　　 　 　（＿_人＿＿）　　　　　　/
　　 ヽ、　　　　　└――┘　　 　 　 ／
　　　 ._｀''-..,,_　　　￣￣　　　 _,,..-''"_
,..-''"´　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀"''-..、



　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、　　　　　　　　「そうね、ずいぶん長くなったからね」
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉


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787： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:05:33 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／　　　　　　　　　　　「それじゃ、サーニャはこれで本当にお別れだな」
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼



　　 　 　 /　　　　　 |　 　 　 　 |　　 　 　 　 　 |　　 i　 　 　 　 　 ‘,
　　　　　′ 　 　 　 :|　　 　 　 ハ　　　i　 　 　 |　　 | 　 　 　 　 　 ‘,
　 　 　 　 　 | 　 　 ∧　　 　 /　 ｝　　 ﾄ､-‐… |‐-　| 　 　 : . 　 　 ﾄ､　　　　　　　　　「ハイ、ミナサンアリガトウゴザイマシタ」
　　　　 |: : 　| 　　 厶-ｰ　　/ 　 ハ 　 |　＼ 　 |＼　| ｀　　: : .　 　 !⌒＼
　　　　 | : : ∧ ／′　 ﾟ｡　 ′ / 　 ＼{　 　 ＼{ 　 }ハ　　 : : :}l :　 |
: .　　　 |: : ｛／　 |　　　 ＼{　　　　　　＼ァ竓竿ミﾒ､　;　　: : 八: 　|{
: :　　　 |: : :|　　Ⅵ ,斗=ミ　　 　 　 　 　 　 んィ　ハ Y | 　.: :∧　　八
: : .、　八.:.:.| 　 xfんィハ　　　　 　 　 　 　 {　V⌒'ﾘ　} |　. :/　 }／
: : : ＼ 　 ヽ{ 〃 { 　V⌒　　　　 　 　 　 　 乂:....:ン　 , 　 , ｝　　＼
: : : :　 ＼　ﾟ｡{{　 V:........:ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　厶イノ　　　　 ヽ
: : : : .　　 ＼｛ﾞ　　ｰ-‐ '　　　　　　　　　　 　 iﾊハ/ 　 :　　　　　　　 ﾟ｡
: : : : 　　　 ﾄ､　　 ハVﾊ/i　　　　　　 '　　　 　 　 　 　 : .　　　　|
: :l|:　　　　 |,ハ　　　　　　　　　　　　　 　 ,　　　　 　 人: . 　 　 ﾄ､
.:八　 　 　 |ｰ-ﾍ　　　　 　 　 　 ｰ-　　 　 　 　 　 ／ : : : .　　　}　＼　 }
′ ﾟ｡　　　 |＼ 个: .　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　. : :/ ｝ : : : /　 /　 　 }ノ
　 　 ＼　　|　 Ⅵ＼　＞　　　　 　 　 　 　 . イ: : / ノイ : /｝／
　　　　 ＼｛ 　 リ　 ｝ハ　{＼≧=‐-　 ‐＜／＾ V　　　}／
　　　　　　＼　　　/　　} ﾉ 　 ー-=ミ__ ィ 　 　 :ﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 |　|　|　 　 　 　 ー-　 .,,__
　__,.　 -‐…　　　　 ´　　　　　　　 |　|　|



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788： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:05:50 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ
　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|　　　　　　　　「私たちはもう少しいるであります」
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，　　　　　　　　　「具体的には京都が終わるまで」
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',　　　　　　　「それじゃ、みなさんまたお会いしましょうね〜」
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼

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789： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:06:02 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 -‐ミ‐-.､　　　 ,ｲ'
　　　　　　　　　　　∨: :＼　〃 __,.rｭ‐-.､
　　　　　　_,.．-‐ｧ=‐-:､: : :Y／: : : : Ｘ'ヽ￣
　　　　　 ´　 ｿ;ｨ気¨￣＼:/;:=＝:≦ヲ¨ }
　　　　　　　〃イ: ; ィ': ￣: : : : : : : : :＞.．
　　　　　　／￣〉': : : : : : : : : : : : : : : : : : .＼
　　　　　 '　　 ｲ　: : : : : : : :；: : : : : : : : : :ヽ: ヽ.
　　　　　　　/.: : : : : : : : : :ハ: |: : :∨: :i: : :',: : ﾍ
.　　　　　　/ : : : : : ﾊ: : ;彳　 :|li: : :.L: :|ﾊ: ﾊ: : ﾊ
　　　　　　'.: : : | : : | l　! il　　 |从 : ||: :|｀} : |:. : :}
　　　　　 ; :.|: : :|: ｉ: |ィ: |｀|　　 |　＞:l`=　ｰ-|: :|ｉ:|
　　　　　 |: i|: : :|:ｉ|: | レ　|　､　　　r ,z＝=x　戌ﾘ
　　　　　 ﾚ' 〈: :i|ル'　,ィ=ミ　}厂￣ヽ＿＿,,.イ: :|}
　　　　　 |　　ヽ乂{ 〃　　 ノ　 ､　　　　　　 |: :.|
　　　　　　　　 .{|:ヘﾐ=-‐　　　 　 　 _,, 　 　 |: .:|
.　　　　　　　 　 |: : {ﾊ　　　 ー‐　　　　　　.ｲ: :ﾘ
　　　 　 　 　 　 |: : | 厶　 　 　 　 　 　 ／　;: :}
　　　　　　 　 　 |: .:j　　 ≧ｭ．.　　　 ィl　　 |: :!
　　　　　　　　　 |: :|　　　／ :|三≧　　|=､　|: |　 ＿
　　　　　　　　 ,斗.:|―‐'{　 ∨　　　 　 ﾘ　`'|:ﾘ≦ﾆﾆ≧､
　　　　　　　 /∨i| |ニﾊ:| 　 ヽ.　　　　/　　ﾉ7ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ
　　　　　　　;'ニ∨:| :/ﾆﾊ ､　 ∧.　　/　 〃ﾆ{ニニﾆﾆﾆﾆ}
　　　　　　　{ニニ〈!:{ﾆﾆ∧ ＼　 ,　/ ／/ニﾆ∨ﾆ〃ニﾆﾘ
　　　　　　　　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
　　　　　　　┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
　　　　　　　┃|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |┃
　　　　　　　┃|＿ 　 　 EP：50-2　最澄が好きでも天台宗は嫌い、そういうもんです.　　 　 　 ＿|┃
　　　　　　　┗┓|＿ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|┏┛
　　　　　　　　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜解説篇〜

　　　　　　　　　　　　　　　,.　 - ― -　y/　　ヽ',
　　　　　　　　　　　 ,.. : :´: : : : : : : : : ｰ'ム　　ﾊ i
　　　　　　　　　／: : : : : , ､ : : : : ＞:､: : : :.＞ ､i |:ヽ
　　　 　 ＿＿/: : : ,-ﾍ｀く"''＼: : : : : : ＼: : : : : ^: : : ヽ
　　＜´―--y: : : : i'""ヽﾍ　　 ＼: : :､: : : ヽﾄ: : : :ヽ : : ﾊ
　　　｀､ヽ　/: : : :i: |　 　 ' ﾑ　　　＞ﾍ≧､: : ヽ::.: : : ',: : : ',
　　　　 ＼y:/: : /|:.|　　　　>,＜´_ 　　　ﾍﾄ,ヽ: ∨＞ ､: : :..i
　 　 　 　 ｲ: : : i: ﾄ:i　 __　　　ﾍく ,ｲ不ﾊ'7 '　　ﾄK､く｀ヽ: : :|
　 　 　 　 ﾊ: : :.|: ﾑ|´　　　　　　^' 壮::ﾘ '　　　　く　ヽ /: : |
　　　　　 '　i: : !: :ｲ 〉,ィﾊ､　　　　　 'ｰ'　　　　　 'ｰ ´, i: : :.|
　　 　 　 　 ',: :|',: ﾄ､ｨﾍ::心　　　　　　　　　　　　, ｰ/: ﾘ: :.:|
　　 　 　 　 ∨ハ:|　ヽ, 'ｰ'　,　　　　 　 　 　 　 ｲ: /: :ｲ: :.:.|
　　　 　 　 　 ';|　'　 　 ,　　｀　　　 ,　　 　 　 　 |:/ : /:|: : :|
　　　　　　　　 '　　　　 ' ,　　　｀　　　　　　/　＜':.:/::::',: : |
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｀　､　 　 　 　 ／＜. ./: ハ::::ﾍ:..|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:＞ ､　＜. <　 >': /K ^ ー―- ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾘ. 〃r!ﾍﾑ. . v' ｲ;'. . . ｀ ￣＞´. . ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　,＿/. ./く<ﾄ､三ミ／7'. . . . . ..／. . . . ､: ﾍ
　　　　　　　　　　　　 /ﾑ-ﾌ; ',>／iii|　｀': : : :!'. . . .ﾊ. .|. ,: : : : :.ﾊ. ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　 /ム/ 'ﾑ〃　 iii　,r. ‐. -ﾄ. . ヽ. .∨i. . . . . . . ∨i
　　　　　　　　　 , r ´＞. .＞､. . . . . /.､: : o. . . . >,. . i y. . . . . . . .ヽ'､


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790： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:06:14 ID:vmPyY7jQ

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　//////////////,'＼
　 　 　 　 　 //∧/●/●/●/∧//＼ 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ｘ≦7７
. 　 　 　 　 //∧//////////∧////,寸≧ｘ､_＿　_, =ミィ升三三/
.　　　　　 //∧/●/●/●/∧//////∨三／´　　　　　寸三三,′
. 　 　 　 //∧//////////∧,///////,У⌒ 　 i 　 ｉ　 　　　ヾく
　　　　 //∧/●/●/●/∧,//////ノイ　　 /　ﾊ}　|_j__　　　ヽ.‘，
.　　　 ///∠∠≧≠=∨,'//////////,'| ｉ　厶V ノⅥハﾊi　 　 !|
　　　 ｀ ＜,/////////,'＞＜,'//////,八{　iｘf斧　 ｲ斧ﾐ |　　 八 ト､
　　　　 　　｀ ＜//////////＞＜/////iヽ《 ﾋﾘ　　ﾋ::ﾘ 》|　 /　!| |//＞ .
　　　 　 　 　 　 ｀ ＜//////////＞＜/ 　 i　 ' 　 　 　 厶ｲ　 八{//////＞
　　　 　 　 　 　 　 　 ｀ ＜/////////,ハﾄ､ ヽ　 -　　　/　 }／}ノ ）/////////≧ｘ＿
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　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
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　　　　　　　┃|＿ 　 　 EP：50-2　最澄が好きでも天台宗は嫌い、そういうもんです.　　 　 　 ＿|┃
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　　　　　　　　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京都駅

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜おしまい〜
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊｰｒ―-､ヽ　＿＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::!:::',　　 ヽ〉　　 (
: : : : : : : : : : : : :´厂｀|:::::',　　　 　　て
:::::::::::|:::::::::::::::::::::/,ｚ､│::::l
::::::::: l:::::::::::::::::::/〃∥|::::::|
:::::::::::!::::::::::::::::/ ∥ j! !::l:::|
:::::::::::|:::::::::::: /　 ヾ=' ∨: |
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:::::::/:/ﾘ､::|:{　　（ゝ／;ｲ::/
::::::::/＿.ヽN＿_／|:::/ |/
::://: : : :￣ｽ 　　 |/
／ヾ: : ＿/: :＼＿
ヽ: : : : : : : : : : ヾﾘ＼



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791： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:06:37 ID:vmPyY7jQ



　　　　　　　 「オシマイデス。

　 　 　　　　 　　　　　”エネルギー”ト”エレクトロニクス”ノ”やる夫エッセンシャル”サマ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　”.だっておｗｗｗキャンセル”サマガマトメテマスヨ」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::ヘ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::＼:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　,,, ィニ二ﾆｒ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ヽ
　　　　　　　　　　　　／／ 　　_, -ｌ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　/＾´ /　　　　/ｲ　/｀ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::ｌ
　　　　　　　　ｊ　ｒ‐´　 　 　_ ! ｌ　ｒ　/ｌﾊiヽ､:::::::::::::::::::::::::／:::リ
　　　　　＿ /　ｒ　＿ 　 ／ /　ｌi ｌ ｒィｈ､イ/ｨ｀i ､::::::::／:::::／
　　　 ｒ‐'‐.ｒ‐‐＝´,ィ´￣￣ ﾚ从人! ﾋｦ' /ｲ　ｪﾘ、ヽ｀ii丶l'
　　 _ｆ ＾　ｆ　　　　　　 　 　 　 ｌ　　ｌ　　　,　　{=jﾍﾄ/ ｌ ﾊｌ＼
　　ヽ､ ,　{　　　　　　 　 　 　 ｌ. 　 丶 ｒ-､ 　 ｀´ｨ ﾚ .ｌリ'　　!､
　　　ｒ'　, -ヽ＿＿＿＿_＿　 !　　　 ｀ｰ.´‐‐＜'‐ツﾉﾉ　　 ﾘ ﾌ
　　　 ｀´ヽ　　ヽ　　　　　ヽ　 ｀ー-＝ニニイ　　　,､＿_ ／
　　　　　　ヽ　　ヽ　　　　 ｌ　　　　／/／ ｌ /　　 /　　ｌ
　　　　　　　ヽ　　ヽ　　　 ｀ー フ´　" 　 ﾘ　　　/　 ｆ´
　　　　　　　　ヽ　　ヽ、　　　 〈　　　　／　　／　　ｊ
　　　　　　　　　 ＼_ 　｀ｰ､_　　￣￣　ｒ－イ　　／
　　　　　　　　　　　 ヽ、　　 ￣＾ー－'　　　　／
　　　　　　　　　　　　　 ｀ ー ､＿　　　　, ‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣




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792： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:06:55 ID:vmPyY7jQ


　　　　　　_＿＿＿＿__　　´ ⌒　￣ ⌒ヽ｀　 _＿＿＿＿__
　　　　　「ー ､::::::::::::／ ／　 　 　 　 　 　 ヽ ＼:::::::::::::＞::´ｱ
　　　　　‘;:::::::::＜／　 /　　　　　　| 　 ､　　 ＼ ＼／:::::::::/
　　　　　 ‘;:::::::::://　 /　　 /　/ 　 }　　 ＼　　 ヽ　ヽ:::::::/
　　　　　　 ＼:://　 /. /　/　/ }　人 ヽ　　ヽ　　‘,　 ﾍ::/
.　　　　　　　 /｜　 ! ｜　{ /　j /　 ヽ ﾄ　　ﾊ　　 l　 |ﾊ
　　　　　　　/.　| 　 | 斗 ナト //　 斗├＼-｜ 　 !　|　,
　　　　　　 ,’　 {　　{　/z≠ミｿ　　　 孑≠ミﾄ}　　 } ｜｜
　　　　　　 {　　‘, 　 V/ 笊ﾊ　　　　　 笊心V　　 '　ﾘ　{
　　　　　　 |　　 ‘, 　 《 弋::ソ　　,　　 弋::ソ 》　 /　/ 人､
　　　　 　 ﾉ人ト　 ヽ　ゝ　　　　　　　　　　 / 　/　/イ　ﾊ}ヽ
　　 　 　 '´ / ｀　＼}＼ﾊ　　 　「 ￣ }　　 厶イj／ 　}　　ﾄｿ
.　　　　　　 {ﾊ　ヽ　　　个 ..　　｀ - '　　 イ　 } ｜　/!　ﾊj
　　 　 　 　 　 ＼ヘ＼ト､　 ≧ト　__... イ /　/jノj／. jノ　　　　　「Мы будем видеть Вас снова」
　　　　　　　　　　　 ⌒　ヽト､ﾉ￣!「￣,「'¨〉ー─r‐-､
　　　　　　　　　　 ,,-r─‐≦´　 -!|-　　 /　　　 |　　ﾊ
　　 　 　 　 　 　 /　 !　　 ＼ 　／＼-‐/__ 　 　 ﾘ　　 }
　　　　　　　　　/　 ｜　＿_ ｀´>⌒{ ＞'´::::＼　/
　　　　 　 　 　 {　　 |／::::::::ヽ/　　|´::::::::::::::::::V　　　 |
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　　　　　　　〜アレクサンドラ・ウラディミローヴナ・リトヴャク（サーニャ）　京都駅にて途中下車〜



.

793： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/02(金) 02:10:10 ID:vmPyY7jQ
今回の投下はココまで。
かなり急ぎ足で三時間……きついわぁ

あ、そうそう、やっぱりミスしました。

>>757　×高尾山寺　○高雄山寺

高尾山には天狗がいます。

794：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/02(金) 05:51:47 ID:5CIbRcBg
長編投下、乙でした

795：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/02(金) 11:57:19 ID:vBtjaDrk
ようやくよめた、乙

空海はなー、素人考えだけど、大乗といいつつかなり小乗よりな気がしてる

あとまあ中世以降に寺社が財と武力を持つのは世相で否定できない面があるのよね
というか、自前の財と武がないとまず存続ができないのだから

796：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/04(日) 09:01:55 ID:8.fJ5O5o
乙でした

歴史にifはありませんが、この二人が同時代に産まれてなかったらどうなってたのかは考えてしまいますね

797：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/10(土) 22:14:16 ID:9XQnEt66
乙
本当にお疲れ様

798： ◆zbB4e8kEV6：2017/06/25(日) 22:41:31 ID:mrDgGc.2
あ、やべ

799：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/25(日) 23:11:12 ID:yRiaS2GQ
ﾌﾟｷﾞｬｰの出番？

800：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/06/26(月) 16:39:33 ID:YYicqmNc
流石に次回が来週ってことはないんだろうけど、無いんだろうけど
どうか無理をせず、次回を待っております

801： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/25(月) 22:15:26 ID:gyshT4bM
とりあえず27日に続き+αをやりたいと思います


ちょっと日付ずれるかも

802：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/09/25(月) 22:31:10 ID:P5vIr/q.
風邪気味なので全裸は無理だが待機する

803：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/09/25(月) 23:28:22 ID:Kd4AZNDY
秋も深まって、長い夜には素薔薇しきイベントです

804：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/09/26(火) 01:18:23 ID:acZzEMMc
今のうちから筋トレしておかないと

805：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/09/27(水) 15:38:15 ID:vsLS9ViM
待ってましたー

806： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 17:54:22 ID:1foRLzfI
諸事情により投下時刻の予告がデキそうもないです
投下できる状況になったら突然始まりますので、明日にでもゆっくり見てくださればよろしいかと。
300ちょいですので短めです……？


もしかしたら次の瞬間始まってるかも

807： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:46:48 ID:1foRLzfI




次スレ建てました

　　　　　　　　　　　てけとーなところで移動します




　　　　　　　　　 .....::´:::::::::::::::::::::::::::::::｀::..、
　　　　　　　,...':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 　 　 　 ,.':::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::..
　　　　　/::::::::/:::::::::::::/::::::::::|ヽ::::::::ﾊ:::::::ﾊ:／:ﾊ
　　　　 .'::::::::/,::::::::::::/,::::::::::::　 i:::::::::ﾊ:::::::ﾊ:::::::::.　　 　 　 /へ
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　　　　 V:::7 {::::::::::::{ {:::::::::::::|　 |:::::::::::| i:::::::}::::::::　　 　 /<> /
　　　 　 V::{'´＾"""^｀jL:::::::」j／L::::::::」_｀"" V::/　　　/<> /
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　　　　 { (i|:|{ 　, 　　'　　}　　　　　Vツ　}/　/、　}　/<> /
　　　　 ゝ |:|ﾍ/ 　 /　　/　　　　　 ｀´　 　 ∧ﾊ / /<> /
　　 　 　 ^|:ﾄ．ゝ_/＿.ノ　　　，　　　　　　/　j:}/ /<> /
　　　　　　j:;　ﾍ　 　 　 　 　 　 /´￣￣￣^　　-= z /
　　　　　　　　 个ｭ､　　　＿__./ /´/ ／　　　　　　　¨ -ミ
　　　_...．イ///」　　 ＞ ｝: : :/イ_ノ/ ／／　　　　　　　 　 Yﾍ
　{　　L//＞　　 　 　 　{: : : : : : :./イ／ ／｀/ー,- ．.._ 　 /　ﾍ　　　　　　　　　この人はあんまり関わりません
　{　　´￣　　　　　　　　}: : : : : : : : t_イ　　/::::::/　　/　У　　 ﾍ
　i　　 ヽ　 　 　 　 　 　 {: : : : : : : : : }　　 /::::::/　{　i　 /　　　　ﾍ
　|　　　 }　　　　　 　 　 ゝ: : : : : : : : } 　 ,'::::::/ 　 }　}_/　　 　 　 ﾍ
　|　　　 i 　 　 　 　 　 　 ＞＝＝＜ 　 /::::::/　　 i　ﾍ　　 　 　 　 ﾍ
　| 　 　 l　　　　　　　　　 　 i　 　 　 ／::::::/　 　 j 　 ﾍ　　 　 　 　 ﾍ
　| 　 　 ﾍ　　　　 　 　 　 　 { 0　 ／:::::::::/ 　 　/＼ 　ﾍ　　 　 　 　 ﾍ



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808： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:47:33 ID:1foRLzfI



　　　　 　 　 　 　 　 |::::::: : ||::::::::|:::|||::::|::::::||::::::::∧:::::∧::::::::ﾊ
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　　　　　　　　　　　 ‘::: :〃||::::::::|:::|||::::|::::::|| |:::::::::| ||_,.斗V::::|
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　　　　　　　　　　　　 ∨ |＞　 ´／＞､／　　 ﾍ:ｲ::}ﾟ| /　ﾊ|）/
　　　　　　　　　　　 　 ｢ﾞ |､　 ／／ 　 l 　 　 　 ゝ- '　　.　|/
　　　　 　 　 　 　 　 　 ﾍ.|.ﾍ<／　　　/　　　 　 　 　 　 lｰ.||
　　　　　　　　　　　 　 　 |ゝﾍｰ―　 ´ 　 丶　　　　 　 /::: ||
　　　　　　　　　　　＿＿_|＿ ﾍ　　　　 　 ,　-､　　　 .ｲ:::::::||
　　　　　　　　　　 ﾉ.∨三|三三:＞　.　　　 ￣　　 ｨ､| |:::::::::|
.　　　　　　　　 ／　　',　　 　 　 　 　｢≧ｭ.､ .. イクﾞ| ＞ ．: |
　　　　　　　{ニ＝一　',　　　　 　 　 |　　　|　/´　丿|　　　＞ ．
.　　_＿／´￣￣　　　　,　　　　　 　 ﾍ＼,.⊥.′'"/ 　`'＜　　 　 ＞､
　´￣　　　＿＿＿＿＿V　　　　　　　 　 |О 　 　 　 　 　 `ｰ ´　 ⌒ヽ
.　　　　　　 ￣￣￣｀＞/　 　 　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 　 ／　　　 |
　二ニ＝一 .＞　´ 　 /　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　|
　ニ二＞　´ 　 　 　 /　 　 　 　 　 　 /　　　　　　 　 　 　 .′　　　　｜
　　　　＼　　　　 　 ｛: .　　　　　　 　 ′　　　　　　　　　　′ 　 　 　 ﾊ
.　　　　　}　　　　　　‘､: : . . .　　　　 iО　　　　　　　　 　 |!　　　　　/∧

　 七 ヽ　亠亠 　 |　十　イ―┬　　女　　三　　　ー，　/　 i　 Ｚ　　 /　　 十 ”
　（j　｀j　月 l亅 　ﾚ c!、　|　ﾛ | 　 （＿　　口　つ　（_,　 ﾚ　ﾉ　 ｏ）　/⌒u　/ こ




http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14429/1506511204/

誘導忘れた


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809： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:47:54 ID:1foRLzfI
ということで、番外編からちょっと投下します

810： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:48:11 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
　　　　　　　　　　|　　　　 （__人__）
　 　 　 　 　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　「さて、今回の投下の前に突然の番外編なんだが」
　 　 　 　 　 　　　 |　　　　　　 　 }
　 　 　 　 　　　 　 ヽ　　　　　 　 }
　　　　　　　　　　　 ヽ､.,＿＿ __ノ
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::




　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼　　　　　　　　　　　　「一体何がどうしたんだお」
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


.

811： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:48:22 ID:1foRLzfI


　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　「いや、解説編で登場する人物のAAを募集してるだろ？」
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|




　　 　 　 　 　 　 　 　 　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',　　　　　　　　「そういえばそういうこともしてますねぇ」
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |

812： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:48:33 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「でな、和気清麻呂が前回出たわけだが、
　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_　　　　　　　　 この清麻呂についてのリクエスト、もらってたんだよ」
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ○) (○）
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}



　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!　　　　　　　　　「えっ」
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|


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813： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:48:45 ID:1foRLzfI




http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14429/1399100914/967




　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r r┌,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 、　i_i .L.ﾚ´/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 'ヽ､Y　　r' γ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__　　　　　　　ヽ___‐‐ ｿ.: :ヽ
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　 〉 ＼＼＼ 　 .-,　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (_ﾉ､__）　　　 i　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : ヽ
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　　　ヽ.　 ｨ　　丿　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '､_、__　　 ,ｨ'　　　,.ｒ‐-､_,､__,,..-´‐' i＼ : : : : : : ｊ
　　　　 ヽ_　　rクヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〕_____｀,.‐ｨ'｀ヽ‐ｲ : :/ :/ : : : : : : : :N:ヽ : : : ／
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　　　　　　 ヽ : : : : : : :＼　　　　　　　　　／i : : : : :/／ｿ　/. : : ／ : : :/／ : : : : : ,. -‐ '´
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　　　　　 　 　 　＼ : : : :ﾆ= :ヽ､,ﾍ--ｲ´〃/ : : : /:::::/／ :／ : : : : ヽ : : :＞´
　　　　　　　　　　　ヽ : :／/ : : : : : :／ : / : : : /:::::／ : : : : : : : : : : :ヽ:/
　　　　　　　　　　　　ヽ.　 : : : : : : : : : : :,' : : : :ｉ::::,' : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　　　　　　　　｀ﾞ--‐‐ー-- 　 ｲ : : : : :ｉ/ : : : : : : : : : : : : : : ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /　　　　　　　　「ほら」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{


.

814： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:49:02 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　「あー、艦隊これくしょんの愛宕さん……」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.　-――― -- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　{: : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞　´￣￣ ｀'' ＜: : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　　　　ヽ: : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/　　　　　　　ヽ　　 ',: : : }
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 iﾄ.　　　 i　 ',　　 ',　　 V: ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ′　i　!. ',. i　　|､-―-､.i　　　∨. ＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 i |　.斗{ ´ヽﾄ.　 { ＼{ヽ　|　 i　　∨　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j {　 N.ｨf=ミ　＼! ｨf弍ﾐ､!　 }　 　 ､/￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　 ﾍ《 泛ｿ　　 　 泛ﾂ》　./ }　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .′jﾊ　∧ , ,　 '　 __　-=彡イ　ハ　 ',　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽ{∧　　V_ _ﾉ　 ､_ノ_,　ハ }.　 }.　 　＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ i　　　　　　≧:.　 __　.イ{メ/ /＿ﾉ　ノ　　　　　 ､
　　　　　　　　　　　　　　　／　 ハ　乂＿　ﾒ爻メ--xチ爻/ /____￣　　 ＼　乂＿｀ ￣　-　.､
　　　　　_ ｨ {ヽ　　　　　／　 ／　 ゝ=-: .二 ア/メ{メメメ./ /:///_/｀ヽ　　 ＼　　　　｀ヽ　　　',
　　　　 .{::{::',',:::ir:.　　 彡　／　　 /:_i:_: く　／/　　| ／＜{　{:ﾑ./: : : : : ',　　　 ヽ　　 ＼　', 　　}
　　　 (ヽj::i:::ﾘ::::!:::i´　　　　　＞.:"´: ／　`イ/L ＿!　　イ ヽ乂:|: : : : : : i　 i　 　 ',　　 ', ヽ}
　　　　',::::::::::::ノ:::ﾉ 　 /　 ／:／: : : :ヾ } イ__{__ z ≦:/: : :ヽ: :ー: : : : : : :{.　}ヽ　　}　}　 ',　',　 /
　　　　r}::::::::r'乙イ!　{　 .′:' : : : : : : : : :ﾒ: : : : : : : /: : : : : :',|/|: : : : : : :ヽ/　}　 / ./　/}　}／
　　　　し'乙_ソ／{　　　 i: : { : : : : : : : :〃: : : : : : : ': : : : : : : i/,|: : : : : : : :.{ .ﾉ.／／／ ,　/
　　　　ﾏー 彡: : :乂　　 { : :', : : : : : : : {{ : : : : : : : {: : : : : : : :}/:!: : : : : : : :',／／／､_彡ｲ
　　　　 ヽ: : : : : : : : ＼ 八: : :. : : : : :-=ｷ= -: : : : : !: : : : : : :八.|: : : : : : : : :V　 (__.ィ
　　　　　　＼: : : : : : : :＼/ヽ: ヽ :: : : :ノ:}}ヽ: : : : : : : : : : :.イ{ |/! ',.: : : : : : : :∨ __ノ
　　　　　　　 i＼: : : : : : : ',: : ≧=-=≦: {{: : :≧=--}-=≦: : :| |/|ハ: : : : : : : : ∨
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「パンパカさんだお」


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815： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:49:12 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そのことを、投下した後、思い出した」


　　　　　　　　　　　　　　　　_,,..-‐‐‐-..,,_
　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　 .,'　　　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　 l　 　＿＿丿!|!|ヽ.＿.l
　　　　　　　　　　　　　 |　　-。＝＝　 .-。＝
　　　　　　　　　　　　　 |　　≡≡=　　　 ヽ≡|
　　　　　　　　　　　　　 | 　 　 （　　 ノヽ.__ﾉ　|
　　　　　　　　　　　　　 |　u　　 ｀¨´| 　 |　　 |
　　　　　　　　　　　　　 |.　　　　 　 |　　.| 　 .|
　　　　　　　　　　　　　 |　 　 　 　 .|　　 |　　|　　　　　　　　　　　　「ほんとうにすみませんでした」
　　 　 　 　 　 　 　 ,.-r/.　　 　 　 └―┘　.l
　　　 　 　 　 　 _,,-|　|　　＼ 　 　 ‐---　..ノ
　　　　　　 ,,-''´ 　 |　.',　　　｀"'' 　 __,,..-''´
　　　　,,-''´　　　　 l 　 ヽ、　 　 　 　 /|ヽ｀''-､
　　_／　　　　 　 　 ',　　　＼　　　　/ .|　 '., 　 ｀''-,,
　./　　 　 　 　 　 　 ',　　　　｀7＿＿__,| 　 .l　 　 　 ヽ
. ,'　　　　　 　 .l　　　 ', 　　 ／| 　　　　|＼. |　　　 　 .|
. |　 　 　 　 　 .| 　 　 .ヽ.／　　＼　　　|.　ヽl　.|　　　 |
. |　　　 　 　 　 |　　　　　　　　 Oヽ .／　　　　.| 　 　 |



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::'⌒:::::::::::;　'⌒ﾞ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::∪　　 　＼
　　　　　　　　　　　　　　／::／´　 ｀ヽ::::::::::/´　 ｀ヽ　＼
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　　　　　　　　　　　／::::::::::::::ヽ_　 　_ノ::::::::::::ヽ_　　_ノ　　;　＼
　　　　　　　　　　　|::::　;:::::''"⌒'（　　　　i　　　　）'⌒"' ∪　　|　　　　　　　　　　「うわぁ……」
　　　　　　　　　　　|:::::U::::::::::::::::::::｀┬─'＾ー┬'′　　　　 　 .|
　　　　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::::::::::::::|ｴｴｴｴｴ|　　　 　 　 　／
　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::::::::: !llllllllllllllll|　　　U　　／
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816： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:49:22 ID:1foRLzfI



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　　　　 　 　 　 ＿,:': : : : : : :＞/＜⌒＼
　　　　　　 ,. : ´: : :／: : : : : : /: ⌒ヽ 　 ＼
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　　　　　l: : : : / : : : : /　　 　 　 　 ';. : : : ':,
　　　 　 l: : : : l: : : : :├‐==≦　 ≧z!: : : :ﾄ:}
　　　 　 !: : : : l: : : : : l六ｵミ　 　徐､V: : :|.||
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　 　 ,': : :/―‐<＿ヽゝ===ﾄ､: : ! :|　ﾚﾞ
　 　 ! : ,'　　 　 　 ＼ ＼ ／)ヽ‐┴ ､
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.　　 | :∧　　　 ヽ.　 ／|.　　／,ｨ )､　|
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　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 ヽ
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　　　　'::::::::::::::　　　U　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 l:::::::::::::::::　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
.　　　l:::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　　　「それな」
.　 　 l:::::::::::::::::::::::　 　 　 　 　 　 　 , 　く
　　　l::::::::::::::::::::::::::　　　　　　 　 　 l　 　.}
　　　l::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　 　 ｀ｰ ｒ'
　　　l::::::::::::::::::::::::::::::　　　U　 　 　 　 /
　　　!::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　/
　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::.　　　　　 　 　 /
￣　｀ー -:::::::::::::::::::.　　　　　　 　 /
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:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ
　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　　　「それなじゃねえお」
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


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817： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:49:32 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-─ ‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 ´　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　『ということで今回！』
　　　　　　　　　　 　 　 　 , ´.　　　 　 i　　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 /.　 i　　　　　|　　　 ､　　 　 '
　　　　　　　　　　　　　/　　 !ヽ,. 　 　 |ヽ　　　ヽ,　ヽ　',
　　　　　　　　　　　　 ,'　 !　.|　 '､.　　 |-‐＼　　 ',　 i　 i
　　　　　　　　　　　　 |　 |　 |‐- ､ヽ　 |￣´ .＼　.|　 |　 !
　　　　　　　　　　　　 |　 |　 | ｀¨´　＼|　　x==z'､|　 |　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 |　 |　 |　x=z.　 　 　 ﾚﾒﾊ　|　 |ヽ　! ＼
　　　　　　　　　　　　 |　 ﾚ､,' .{ ﾃﾁﾐ　　　 弋_:ﾉ ｜　! ﾉ　　　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　 |　　| 'ヽ　ヾ_:ﾉ. 　 　 　 　 ｜　!'　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　 レ| .|.　 ヽ　　　　 '　　　 　 |　 |‐ -‐　￣ 7‐- ､＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 | .|　　 |'､　　　ヽ￣)　　/|　 | |　　　　 |　　　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　　　', !　　 ! ｀'　 ,　 ｀´　／　!　 ! |　 　 　 |　　　　　＼ ｀ ､
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 '|　　 |　　 f　｀　‐ ´-i´ !　 ! |　 　 　 |　　　　　　　｀ ¨ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　 |　 / |　 　 ',　 fﾐz|　 | |　　　　 ',　　　　　　　　　　｀ ‐ ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　 |　i　 ',　　　ヽ | i l|　 |,'　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　＼-､_
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　 |　|　　'　　　　{ ! ,'!　 !　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　¨ '　‐ ､　　　　　//i
　　　　　　　　　　　　　 　 '　　 |ノ　＼ ',　　　 ｀ｲ.|　 |　　　　　　　　 ｀　､　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ _ ／.'/
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',.　　',　　　｀ '､.i　 　 | ! 　!　　　　　　　　　　　｀ ' l ─- -　､_　　　　　　　　　/ ./　 /i
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　　 ヽ　　＿ _|　　 .L', ./　　　　　　　　　　　　　 '､　　　',　　￣　‐--　─ ´_ノ__ .／
　　　　　　　　　　　　　　　 λ　r＜､´_＿　ニ＝- V　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,　ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　／　 ヽ|:: :: ::|　｀　 ､　　　｀　‐- 　 ＿　　　　　　　　　　　＼|.!
　　　　　　　　　　　　　/.　　　 ｜:: :: |　　　　 ￣　 ‐-　__　　　｀　‐-　 __　　　　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　 ,　　　　 .｜:: :: |　　　　　　　　　　　 ｀　-　 __　　 　 '　 ‐ 　 _　　|
　　　　　　　　　　 r ´　 　 　 　 |:: :: ::|　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　‐-　 __　　　｀　'‐-　 __
　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　 ,　´! :: :: !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　- 　 ,　　　　｀ '　-　 _
　　　ヾ,　､.　　　 　 　 　 ／ 　 ｜:: :: |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 '　‐-　 __　　　 ｀ '　-　 ,
　　　　ヽ- ￣　＼ _　 ／　　　　|:: :: ::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '　-　 __
　　　　　｀ ヽ ､＿／｀　　　　　　|:: :: ::|



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊｰｒ―-､ヽ　＿＿
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::!:::',　　 ヽ〉　　 (
: : : : : : : : : : : : :´厂｀|:::::',　　　 　　て
:::::::::::|:::::::::::::::::::::/,ｚ､│::::l
::::::::: l:::::::::::::::::::/〃∥|::::::|
:::::::::::!::::::::::::::::/ ∥ j! !::l:::|
:::::::::::|:::::::::::: /　 ヾ=' ∨: |
:::::::::∧l::::::::/ 　 　 　 /:::::|
:::::::/:/ﾘ､::|:{　　（ゝ／;ｲ::/　　　　　　　　　　　　　　　　「きゃっ」
::::::::/＿.ヽN＿_／|:::/ |/
::://: : : :￣ｽ 　　 |/
／ヾ: : ＿/: :＼＿
ヽ: : : : : : : : : : ヾﾘ＼


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818： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:49:44 ID:1foRLzfI


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|　　　　　　　　　「って、あら？ムギちゃん？」
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ



　　　　　　　　　　　　,　　　　´￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
.　　　　　／　 ,　　/　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　 /　　　　 /｜　　　　｜　　 　l　 　 　 ',　　ヽ
.　　 　 ′　/　 /　 |　　　　　|　　　　|　　　　 ｉ　　　,
　　　　|　　′ ィニ |　 :|　 　 |　　　　|　　　　 |　　　i
　　　　|　 i　 / 　 八　 lヽ 　 |ニゝ　｜　　 　 |　　　|
　　　　|　 |　′　　　＼|　 ＼|ヽ　 　 |　　　　 |　　　|　　　　　　『いえ、私、妖精配給会社の代表取締役社長です』
　　　　|　 ヽ|　ィえx　　　　　 　 ∨　:| 　　　　|　　　|
　　　　|　　∧　{xｲi}　　　　ｨえミx∨ |　　　　 | 　　/
　　　　',　　　l　ゞZﾘ　　　　 {xイ} 》∨ 　 / 　 |　　′
　　　　 '　 　 | :::::::　　　　　 ゞZﾘ　　} 　 ′　 |　 ′
　　　　　V　 :ｌ　　　'　　　　 ::::::::::　 /　/　 　 ,　 {
　　　　　 |　　ヽ　　　、_,　　　　　 /／'　　　/　八
　　　　　 |　　　|＼　　　　　　 　 イ /　　　/　　　＼
　　　　　 |　　　|　 丶 __　.． ≦　_l/　　　∧　 、 　　ヽ
　　　　　 |　　　|　 r:ハ　　　　／/　　　 ﾊ_ ヽ　＼　　ハ
　　　　＿j　　　|イ:./　＼　／　/　　　 /}:.:.:.＞:....、ヽ 　 }
　　／:.:.:. |　 　 |/:.:| 　 /＾iハ　′　　 /:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、ﾉ
.　/:.:.:.:.:.:.:|　　 /:.:.:.{　/　/|ヽ∨　　　/:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　{:.:.:.:.:.:.:. !　 /:.:.:.:.:.∨　'　ｌ　/　　　/:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}


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819： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:49:57 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　 　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼
　　　　　　　　　'::::::::::::::::／　{　　⌒丶!::::::::::..
.　　　　 　 　 /::::::::::::::／　　 |　　　　　ﾏ::::::::::.
　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
　　　　　　　i::::::::::::.' `ニ､'´　　 　､　　　}::::::::::::}
.　　　　　　　{::::::::::{ 〈 {:::ｿﾞ　　　　, ミｰ　i:::::::::::ﾘ
　　　　　　 　}:::::::::i　　　　　　　　ﾑ:ｼ 〉.':::::::::∥
.　　　　　 　/i:::::::::i　　　　　,　　　　 　/:::::::::::/
　　　　　　/::::|::::::ﾑ　　　, 　_　　　 　/:::::::::::ｲ
　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|　　　　　　　　「はぁ……それはすみません、お友達にそっくりでしたから」
.　　　　 /:::::::::::{　r‐=i丶　_　　...:イ::::::::::::::::::|
　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
　 　／　　 　 　/　 i　 |　i.､.　 　 　Y　 　 　l
　 .'　　　　 　,.ｲ |　 |　 |　|ﾑ　　　　 ﾏ　　　i



　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　 　 ｀丶
　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　/ 　 　 　 　 　 ＼.　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　│　{　　　＼　　　 ヽ　　　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 /　,　　/| 　 、　　　　　　　　',　　　　 　 ヽ　　　　　　　『気にしないでください、よく言われますから』
.　　　　　　　 　 ,′ 　 /　| 　 |＼　　　 ヽ　　　|
　　　　　　　　　　 /　 |　_j　　|　 ヽ 　 　|-、　 |　　　　　 　 i
　　　　　　　　　|　l　　l'´八　 |　　　　　 |⌒.　 |　　　　　 　 |
　　　　　　　　　|　l　　|⌒ _＼|　　　　＼|　 ',　j 　'　 |　　　│
　　　　　　　　　i 八　 |xぅ心.　　　　　ｨｱi心 ∨ / 　 |
　　　 　 　 　 　 ',　∧ |{{ ﾄ/ﾊ. 　 　 　 ﾄ//ﾊ.}}∨　　 |　　　/
　　 　 　 　 　 　 ∨ ヽﾊ　V:ｿ　　　　　込:.ソ　,′　　ﾄ. 　 ,′
.　　　　　　　　　 /　　　　､､　　 ,　　　　 ､､､ ,′　　 jﾉ　 ｛
.　　　 　 　 　 　 ｉ　　　　}　　　　 　 　 　 　 /　　 　 八
.　　　 　 　 　 　 |　　　 人　　　 ー '　　　 /　　　 　 　 ＼|
.　　　 　 　 　 　 |　　 / 　 ＞　　　　　　イ′　　/ 人　 　 ＼
.　　　 　 　 　 　 |　　　　 ∧　 /＞r　´　/ 　 　/ /　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　人　│　/　}／::/　〉／/　　　/ /＼　　｝　　　　＼
.　　　 　 　 　 〈 　ﾉ　{／＾こ'＜ﾌ／∧ {　 　 / /:::::::::> 人　　　　　 ヽ
　　　　　　　　人　 ／ rｚ‐'⌒ｰﾍ_　}ハ{.　　 ／:::::／／::::::::::ー:-...､
　　　 　 　 　 {:::::∨_／=======ヘ＞‐ﾍ 　/:::::／／::::::::::::::::::::::::::::::} 　}
　　　 　 　 　 |::::::;｢└-､　　　　　　ヽｰ　∨:／／ :::::::::::::::::::::::::::::::::;′ﾉ
　　　 　 　 　 |:::/入 　　ヽ　　　　 .::::}‐　 ∨ ｲ:::::::/:::::::::::::::::::::::::: /／
　　　 　 　 　_|厶'　|::::..　,′　　　.::::厶　　 ∨|:::::::{:::::::::::::::::::::::::::::｢
　　　　　　／/::∧　ゝ:::ノ　　　　.::::人-　　　}::＼::ﾊ::::::::::::::::::::::::::∧
.　　　　　/:::/::::::::::＼_＼＿　 ..:::／::::::＼＿/:::::::::∨}::::::::::::::::::::::/::∧
　　　　　{:ノ:::::::::::::::::::∨└─‐ く:／::::::::/:∨::::::::::::::＼:::::::::／::::::: /


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820： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:50:52 ID:1foRLzfI


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼　　　　　　　　「それで、その社長さんがどうなさったんです？」
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼



　　　　　　　　　　　　　　　　　　『せめてものお詫びとして弊社の方で、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　番外編で和気清麻呂さんについてのお話をまとめて来ました』


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　-―　　´￣　　　　‐-
　　　　　　　　　　　　　　　　, ‐!　　　　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　 ／　 | 　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 、
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　|　 　 　 　i　　　　 　 、　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 /　　 　 ',　　　　　|　 　 ＼　　ヽ　　　　　　ハ
　　　　 　 　　 　 　 　/　　 i　 人　 　　　ﾄ、　　　ヽ　　.｝　　　　　　 ',
　　　　 　 　 　 　 　 ,'　　　|　/　 ＼　 　.ﾚヘ 　　　',　　!
　　　　　　　　　　 　i 　　　|　|ヘ 　 ｀、　|´⌒＼ 　 i　 ,'　　　 i　　　　|
　　　　 　　　　　　　∨ 　 .|　i⌒｀　 　ヽ |　　＿ヽ、| ./　 　 　|　　　　!
　　　　　　　　　　　　|　 　 、| ,ィ=、　　 ヾ 〃≠ヾ .!/　　　　｜　　　 |
　　　 　 　　　　 　 　 ! 　 　ﾄ〃んﾊ　　　　　ん::ﾊ ﾘ　　 　 　 !　　　　l　　　　　　『それと、美筆さんには24時間耐久プギャーを
　　 　 　 　 　 　 　 　 ', 　 .i ゞ弋_.ﾘ　　　 　弋_.ノ |　　,'　　 ∧ 　 　 ,
　　　　　　　　　　　　　i　　ﾄ、　,,,　　, 　　 　 ,,, 　 !　 /　　./イ　　　 i　　　　　　　　　　　　ご用意しております』
　　　　　　　　　　　 　 |　i .::::: 　 　 　　　 　 　　　! ./　　 /　.! ,'　　人
　　　　　　　　 　 　 　 |　| :::八 　 　　、_,　　　 　 ﾚ 　　　　　i∧ 　 　 ',
　　　　　　　　　　 　 　! .|:::::::::::ﾄ　　　　　　　　 ／ 　　.,'　 　 | 　ヽ、　　、
　　　　　　　　　　　 　 ∨ .::::::::::::::i＞　　　　 イ ＿　 ノ　　　ﾉ　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　,'　::::::::::i:::::|:::::::::::≦!／´　　　｀ヽー ´ヽ　 　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 　/　:::::::::::|::ｒﾍ、::::／/ 　 　 　 　 　 ＼　　',
　　　　 　 　 　 　 　 ,'　:::::::::::::,'´ 　 　ﾌ ,　　　　　　　 　　　｀、　　　　　　　　　',
　　　　　　　　　　　/　:::::::::::::::! 　 　 ,｛/　　　　　　　　　　　ハ　　　　　　 　 　 i
　　　　　　　　　　 ,　　::::::::::::::|　 .／::::,'　　　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　ト、　!、
　　　 　 　　 　 　 　 　 :::::::::::::!／　::::, 　 　 　　　　　　 　　　　i　　 　 　 　 !::::ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　人 　 ::::::::ﾚ´　..／/　　　　　　　　　　　　　　',　 　　　　　:::::::::::ﾄ、!
　　　　　　　　　　 , ヘ　:::::/ 　:::,' ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::.　 ｝|


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821： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:52:11 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
.　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　 　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
　　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
　　 　 　 　 　 　 /: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
　　　　　　　　　/: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
　　 　 　 　 　 /: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
.　 　 　 　 　 /: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
　　 　 　 　 /: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
.　 　 　 　 /: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/　　　　　　　　「あぁ、そういう意味で番外編」
　　 　 　 /:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
.　 　 　 /:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
　　 　 /:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
.　 　 // l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
　　 // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
.　 ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
　/////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
　//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
　///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
　////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ



　　　　　　　　　　' "￣　　　 ￣｀丶、
.　　　　　　／　 .／　　　　　 、　ヽ　＼
　　　　　 /　　 /　　　＼　　　＼　 ＼　 ,
.　　　　 〃　　 !　｜　　 ヽ.　　　丶　　　 ',　　　　　　　　　『解説は美筆さん、今回僭越ながら私が助手を務めております』
　　　　/ 　 　 ∧　|　　　 .ｒヽ　　　 　　 ｌ ｌ.i
　　　 .'　　|　/￢　ﾄ､　 　 「　＼　　i　　| | ｌ
　　　 !. 　 |　ﾚ'´ヽ.l　＼　 ﾚ,‐ｚ､＼｜　 !.ｊ. !
　　　 ',　　ｌ　|　ｘ=ﾐゝ　 ｀丶iうヽ㍉ﾄ!　| K　|
　　　　ぃ　V.|〃ﾄハ　 　 　 V　ｊ /|　　! !ﾉ　!
　　　　 ぃ　ヽ.`'弋ソ　 ,　　　¨´　 ｌ　　 「|!　|　　　　　　　　　　　　『和気清麻呂さんはリクエストを頂いた愛宕さんです。
　　　　　ヾ､　｀､　　 　 　 __　　 　 !　　 |八::’
　　　　　　|ﾊ　　.　　　 ｆ'´　）　　　|　　｜　ヽ!　　　　　　　　　　　　　　　なお、今後清麻呂さんが出演する場合は
　　_　　　 !|ハ　 ヽ、　 `ｰ ′ . イｲ　　 !＿__ ＼
　 〈 丶 　/!　 !　　!　＞-　..　／　 || 　 |　 ／￣｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　愛宕さんにAAを設定し直すそうです」
.　　ヽ. ∨ .!　ィ　 !|―‐!　＼/　　　||　　! /.　　　　 i
.　　　丶 V/　| __　! 　 |　ﾑ'Tゝ　 /.| 　 l/　　　　　 ﾄ
　　　ｌ､｀ヽヽ／ ノ./　　ﾚ'/7!|＼∨ /　 /　　/ 　 　｜＼
.　　 { ､ ヽ〉　 i´ /　　 |/ ｨ i |ヽヽV　　i　　/　　　　.!　　ヽ
　　 { __ Y　　 | .'.　　　ヽｲ⌒`弌､|　　ﾊ　/　　　　　i　　 　丶
.　　丶　　　 ｲ .|　　　　（　　　　 ヽ　 | ∨　　　　　 ﾊ 　 　　 ’.
　　　 |`ｰ　　|　|　　　　〈.　　　　　 V ぃﾑ　　　　　　 ∨　　　 ｌ
　　　 ｌ　　　｜ |　　　　 ヽ 　　　　　＼.'. |　＿　　　　 ∨　　　!
　　　.'　　　　ﾄ､'. 　　　　　＞- 、　　　｀ ＜　　￣￣ lフ ヽ.　/
　　 .′　　　 |'､ヽ.　　　 　|　　　＼　　　　　｀ 丶､ 　 !　　 |/
　　 !　　　　　!　ヽ}.　　　　!　　　　 ヽ　　　　　　　　　!　　 !
.　　 .　　　　　 /¨　ﾄ､　　　ヽ　　　　　＼　　　　　　　|　　/
　　　＼　　 ／　　 |　　　　　 ＼　　　　. ＼　　　　　 }　./


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822： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:52:23 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿__./.,. i
　　　　　　　　　　　 　　,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::i::/::i　..::::、.:`:、
　　　　　　　　 　　／.::::::::::::／ i/`‐ｖ';;;;; i.::::::::ヽ.
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　　　　　　　 　i.::::::::::::i '　￣　　　　 ､ 　　 i .:::::::::i
　　　　　　　　│.:::::::::i-‐‐‐、　 　 　 ｀ヽ、i .:::::::::i
　　　　　　　　/i.::::i::::i. 　 　　　　　 -‐-.、ﾉ ::::::::::i
　　　　　　　./::::i.:::i:::i　　　　 t　　　　　 /.:::::::::/
　　　　　　 ./:::::::i::`:ヽ.　　 ､　　_　　　 /::::::.／
　　　　　　/::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.　　　　　 ,,./;/;;／i　　　　　　　「あら〜、それはお手数をおかけしまして」
　　　　　./::::::::::::::::│i`ー`r‐=＝f、/／.::::: i
　　　　 /:::::::;;;;;＿丿 i _.,;ー---,/./´　.::::::: i
　　　 ,;'-‐‐'│ .i　　i,;´ ,;--‐´‐yヽ＿__.:::::: i
　　　/ 　 　 i　 i　　i,´　,,;‐;'ニ二;　i　 i`ヽ:: i
　　 │　 　 i　 i　 / i　　.'',-‐‐-y'　i　 i　　ヽ
　　 │ 　 .i　./　/ ./　　 /　　 /i　　i　i.　　│
　　 │　　i　/　 .i／　　 i　　　 i ヽ 　 i　i　│
　　.│　　i　i　／　　　.ﾉ i 　　´ヽ　.i　 i　i │
　　│　　.ヽ／　　　／i .｀ヽ.　　 ＼i　i　.ﾉ │
　 .│　　／　　　 ／　.i 　 i ＼　　　＼/　 │
　 │ ／　　 　.／i　　 i　 i　　i＼　　　＼. │
　　i/　　　　／i　i　　 i　 i　　i　i＼　　　 ＼i



　　　　　　　　　　 　 　 　　　,　´　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　/　　　 :　　　　　　　　 　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,′　　:　 　 　 / 　 　／|　 　 　:i　　 　 　 　 :.
　　　　　　　　　　 　 　　　:　　　 |　　 　 ′ 　 /　 |　　　　:|＼　　　　　 ｌ　　　　　『いえ、出番が増えた……オホン、業務ですので』
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　 |　　 　 ｌ　　./-─| ｉ　　　 | 　ヽ　　　　 ｌ
　　　　　　　　　 　 　 　　 |　　　 |　 　　 | 　/ ^⌒ i八 　 　に｀ヽｉ　　 ｌ　|
　　　　　　　　　　 　 　 　 | 　　　| 　　　 | ./　　　 　　＼ 　|　 ｀^|　　 ｌ　|
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 　r |　　 　 |/ 　 _　 　 　　 ＼!　 　 | 　 .′|
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 　{j.|　　 　 iy=＝ミ　　　　　 　_.. 　 |　 /　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　八|　ｉ　　 | 　 　 　 　 　 　 r＝ぅﾐ j　/　　|
　　　　　　　 　 　 　 　　　|　 /　.|　|　　 |　:::::::: 　　 　 　　 　 　 ﾊ/ . 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 　　　|　,'　　|　|　　 |　　　 　 　　 ′　::::::　′　 |　 |
.　　　　　　　　 　 　 　　 /　　 　 |　:.. 　人　　　 丶　ｧ　 　 　人　　 ｌl　 |
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　　　　　　　　　 　／　 　 　 ／__＞ﾍ　:....　 l　　 　 /ヽ､＿ｉ　　ｌ　　 |'　 ′
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　　　　　 　/　　 /　 ,′: : : : : : : : : : : :.l　　 |＼￣｀¨ﾌ: :/: : : : :|　 　|　人
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823： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:52:35 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『それでは早速参りましょう』


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824： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:52:51 ID:1foRLzfI



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825： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:53:03 ID:1foRLzfI
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.｢ Ｔ¨i: : :.|　 |||||||｜ 妖精配給会社　｜|||||||: : : :|: : : : : : : :
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826： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:53:20 ID:1foRLzfI


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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:./: :.:, ': : : : : :
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: : : : : :¨: : :.ー:.:..＿: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:/.: , ': : : : : : : : :
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: :[二］￣: ￣: :.:.:‐: :.:.ﾆﾆ==―: -､＿━: :`ー‐ ┌―――――――┐||||/＿＿: : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : :.(ﾆ): : : :.:(ﾆ)￣￣ ￣|￣llll||||｜.　 和気清麻呂 . ｜|||||||: : : :|: : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.｢ Ｔ¨i: : :.|　 |||||||｜.　　　 物語..　　　｜|||||||: : : :|: : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:|: :|: :|_:_:_|＿|||||||└―――――――┘|||||||:_:_:_:|_: : : : : : :
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: :| : :Y⌒Y⌒`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y ／　　　　　　 　 　 　 　 　　`､
,-―､,―-､,-―､,―-､,-―､,―-､,-―､,―-､,-―､,―-､,-―､,―-､,-./..　　　　うわぁ、動員数.　 　 ヽ
|: : : :ｌ: : : : |: : : :ｌ: : : : |: : : :ｌ: : : : |: : : :.ｌ:.: : : |: : : :.ｌ: : : :.|: : : :.ｌ: : : :.|:..ﾞ{　　　　　　　　　　　　　　　　　　}
Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'"⌒`Y'".....ヽ.　　　 　 少なそう. 　 　 　 　 /
:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.:|: : : :.:.: ` ､　　　　　　　　 　 　 　 ／
/￣⌒￣ヽ/￣⌒￣ヽ/￣⌒￣ヽ、/￣⌒￣ヽ、/￣⌒￣ヽ、/￣⌒￣ヽ、..`　　─---------　´


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827： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:53:33 ID:1foRLzfI



＼＼====||===/===============／／
／／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼
|　|　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ､._人,.ﾍ.__人_,.ｲ_,.ｨ
|　|　　　　　　　宇宙……　　j`‐'　　 　 　 　 　 　 ‘ｰｨ
|　|　　　　　　　　 　 　 　 ､- '　　　　　　　　　　　　　 L_
＼＼　 　 　 　 　 　 　 　 _ ) 　 　　　　　　　　　　　　 く
／／============||===） 　 　　　　　　　　　　　　　 (_ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ´）　 　 　 ぶふぉっ！.　　 ＿＿＿ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::☆::::::::::::::::::::::::::::::::: )　　　　　　 　 　 　 　 ／⌒　⌒＼ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)　　　 　 　 　 　 　 ／（￣）（＿）　＼　　　　　　━┓┃┃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ⌒)-､ ,. 、　　　　　　/::::⌒（_人_）⌒ﾟ｡::ヽ　　 　 　 　┃　　　━━━━━━━━　┃┃┃
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::′ ヽ/⌒'＾´..ﾞ（　　｡ ゝ'ﾟ　　≦　三=-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┛
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞヽ--≧　　ｰ"ヽヽ ::::::::::::::::::-"::′″″;;;;;;;;;;;;;;::;;:::::::;;:::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::，／::　丶ﾐゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::δ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::　ヾ″°;;;;;;;;;;;;;;;;::::;;:::;;;;;;;::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::-::::″ゞ;;;;;;;;;;;;;;;:::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::；″"::ゞ　′;;;;;;;;;;;:::::　　　　 ::::::::::;;;::::::;;;;;;;;;;：
:::::::::。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::；:::ヾ　″′　;;;;;;;;;;;;;;;:::::::;;;::::　　　　　:;;;;;;;;;;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::;;　　　　:::::::;;;::::::::::″
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:　::::::::　;　　　　:::::;
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::；::　　　　　　 :::;ミ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::　　　　　　　　 ゞ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　:
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　:::　:::


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828： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:53:45 ID:1foRLzfI


　　　　　　　 　　＿＿＿ _
　　　　　　 .　／　　＞‐-､＼
　　　　　.　／~ヾ,　j|　 ｡　｝　＼　　　　　　　　　　「ゲホゲホ」
　　　　　 /|_　ﾟ .,.〉 .ゞー≠　　...＼,
　 　　　./　ヾ≦'（_人__）　　　　 　.＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣



　　 　　 ／￣￣＼
　　　 ／　　 _ノ　　＼
　　　 |　　　 （ ●）（●）
　　　 |　　　　 （__人__）
　　 　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　「どうしたやる夫」
　　　 |　　　　　　 　 }
　　　 ヽ　　　　　 　/
＿__ｲ.ヽヽ、___ ＿ノﾞ-､.
:　 　| 　';　＼_____ ノ.| ヽ
　 　 |　　＼/ﾞ（__)＼,| 　i
　 　 ＞　　 ヽ. ハ　 | 　 |


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829： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:54:04 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　「い、いや、予想しない方向から大風呂敷広げられてツボに入っただけだお」



　　　　　　　　ぶふぉ　　　　　　　　　　　　　　　「和気清麻呂の話で初手宇宙って……なんで……」
　　　 　 　　 　　＿＿＿_
　　　 　　 　　／:::　 　 　＼
　　　　　 　／::::::::::　　　　　＼　　　くっくっ
　　 　　 ／:::::::::: 　　　　　　　 ＼
　　　　　|:::::::::::::::　　　　　　　　　|
　　　 ／⌒::::::::: 　　　　　⌒ヽ／　　　　　　　くっくっ
　　；/::::::::::::　　　　　　　 　 　 ＼；
　 ；/::::::::::::::　　　　　　 　　　＼　ヽ；



　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　 ＼　 　 ＼　　　　　　 「あぁ、まぁ、小惑星の中に
　　　　　　　　　　　 .（●）（● ） 　u.　|
　　　　　　　　　　　　（__人__） 　u　 　|　　　　　　　　 『和気清麻呂』って星がありますよってだけなんだけどな」
　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 { 　 　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　{ 　 　　　u.　/
.　　 　 　 　 　 　　＿＿＼　　　　 /ﾘ 厂`'‐- .._
　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　 　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
.　　　　 　 　 　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |



　　　　　　　　　 　 　――- 　 _
　　　　　　　 ／ 　　　　　　　　　｀　、
　　　　　　　　　　　 　 　 　　　　 　　＼
　　　　　 / 　　 　/　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　,' 　　|　｜　　.／ﾄ､　 　＼　 　 ハ
　　　 　.i　　 ｜ ｜　 ∧‐-､ヽ　　 .|、　 　 i
　　　　｜　　｜ ｜ ,/　 ﾞゝ-ﾞ ＼　 |ﾍ 　 ! .|
　　　　 |　　　.|　 ∨ ,ィ=､　　　　＼!｜ /　|　　　　　　　　　　『初手の風呂敷は広げるだけ広げるべし！です』
　　　　 |　　 ,-!　　!〃んﾊ 　 　 .んヽﾚ' 　 !
　　　　 | 　 .{　| 　 |ゝ弋::ﾉ　　 　i:::ｿﾉ/　 /
　　　　 |　　 ＼',　 | 　 　 　 　 ､ ｀　/　 /
　　　　∧　　　｜　',　　　　、 ,　　　!　/|
　　　 　.∧　 　 | 　 ﾄ､ 　 　 　 　 ィ　/ .|
　　　　　 -ヽ.　 　 　|　 ＞-　＜| 　 /　ﾉ
　　　 /　 　　＼　 　!　／ヽー- L_,‐-〈
　 　./　　　　　 ｀{二} {　 　ヘ）　{_ﾄ「 　ヽ
　　｜　_　　 　 　|　ヽ|　 　　ﾉ　 ! ヽ‐　 .ﾄ､
　　〈,イ 　ヽ_　　｜ 　 ', 　 　|ー |ヽ ｀ー |/
　 　 ｀| 　 　 ＼　!　　/｀　　ﾉ　.∧ ﾄ､ 　 ＼
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
　　　　 ＿　　　ムギサポート　【 清麻呂イン・ザ・スペース 】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i　　和気清麻呂（わけのきよまろ、7627 Wakenokiyomaro）は小惑星帯に位置する小惑星です。
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）　1977年に香西洋樹さんと古川麒一郎によって発見されました。
....　｀ く/_i_> ´
....　　　し'ﾉ
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
.

830： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:54:22 ID:1foRLzfI


　　　　　『風呂敷広げるにはもってこいですよね、宇宙って』


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐　 ¨ ¨　‐-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ´　　 〃　　　　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 　／　　　 ／{　　　 /}:　　　　 ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　,. -‐ﾐ.　|　　　/ |　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　/　 ／ﾞー‐' 　| 　　/　|　　　/　　　 ',
　　　　　　　　　　　　 ,'　./　 　 　 　 {:　 /,-‐| 　　/　　 j　 :}
　　　　　　　　　　　　.:　/.: =＝x　　　|: /　ﾞヽ|　　　　　/　　:!
　　　　 　 　 　 　 　 | :ｆ {{ イ心　　　 ∨　 　 |　　/　 /　 　 j
　　　　　　　 　 　 　 ! }　　ヒソ　　　 　 =＝ﾐ i:　/　 /　i 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 {ﾉ　　　　　　　　 ん心 }}:| /　 〃　i　/
　　　　 　 　 　 　 　 {　　　　　.　 　 　ヒソ ´ .j/　　!　　} /
　　 　 　 　 　 　 　 /ゝ　　　　　　　　　　　　 |　　 j　　:{,'
　　　　　　　　　　 / :| !ヽ　　 o　　　　　　　　j　　 j　　/
　　　　 　 　 　 　 {:　| }:　＼　　　　 　,.イ｀¨ﾞ/　　/{　 :{
　　　　 　 　 　 　 ｉ　:|ﾉ　 j　｀ ',　￣　　 ﾄ、./ 　 / i|　 i
　　　　　　　 　 　 ゝ┤　/{{　　}　　　　r={ﾞ/ 　 /　 ',　 ',
　　　　 　 　 　 〃　.ﾉ　/　ヾ、__ _ ,.ｨ=ｒｿ'/　　/ ｀ヽ '， ヽ、
　　　　　　　　/　　/　/　　/｀¨/"´ﾞ´　／　　ﾉ　 　ﾊ '，　 ヽ
　　　 　 　 　 {　　/　/　　/+ / 　　.／　　／　 　 　:}: }　 　 }
　　　 　 　 　 |　 /　/　　/+ /　　〃　 ／　　　　　　|: '， 　ヾ、
　　　 　 　 　 j　 {　:!　　/+ / 　 ﾉ{　 , '　　　　　　　 !: : ヽ.　　',
　　　　　　　/ 　 i/|i　　｀¨" 　 　 |: /　　　　　　　　ﾉ: : : :.. 　　}



　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）　　　　　　　　　　「ちゃんとたため」
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　 　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|


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831： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:54:36 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　『それじゃ、続き行きますね』



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r.: : : : : : : ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ゝ- ― - ､: : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 ＼: : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 ヽ　　ヽ: : :}
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′ ,　i　　', ___　',　　 ∨ﾉ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　　|斗 ､.　Vｨz､ j　|　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｊ i　 |ｨｚﾐ､＼{ ん!》.　!. ヽ ＼　　　　　　『ぱんぱかぱーん』
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ | 　《 ﾏｿ　　 ゞ' j ./|　　',.　',
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ｲハ 乂 　　_　_　/ィ　|　　 }　 }　、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　/ |　　＼＞　ゝ　' .ｨ |　.!　 ./　/　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 人　{　　ﾒﾒ ≧≦ﾒ ﾉ .ﾉｰ=彡　　　　 ミ=-　__
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　＞-―ュメハﾒﾒﾒﾒ{　{: : /: : : ヽ ＼ 　　｀ヽ　 ｀ヽ
　　　　　　　　　　_　　　 　／　　 ./: : :く__／ j　 .}　＜ﾍ　',:/: : : : : i　　＼　 　 ',
　　　　　　 r､（ヽ{::i　　 ／ィ´　　/:_:ノ　 ／　ア-= ≦: : 乂＞ : : : : |　　　.}ヽ.　 i　　 }
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　　　　 　 ーｧ:::::::_jヽ.{　 ヾﾑ: : : : :〃 : : : /: : : : : : : : : : : : { : : : : : :i/ ／ 　ﾉ　/!　 /
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　　　　　　じ ^ソ: : : :ヽ　j八:',: : : :.ﾏ: : : : :', : : : : : : : : ﾉ: :/　}: : : : : :V　　　 　/／
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　　　　　　　　　「和気清麻呂、本姓は磐梨別公（いわなしわけのきみ）と言い、

　　　　　　　　　　　天平五年（733）に生まれた。美作備前国の国造だったという記録がある」



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832： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:55:17 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ⌒　 ⌒
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　( ⌒) ( ⌒)
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ　　　　　　「生前は従三位の位を持ち、出身は備前国藤野郡だ」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,イ ﾄ､ ヽ 、 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　,.　-─‐-´ 　｀, へ　 ＼__､_ﾊ
　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　 :i 　ハ､　イ;;ヽト、
　　　　　　　　　　　ﾄ⌒　　　　　　　　:i　　 ｀<´.〉:.;〈ヽ ＼､
　　　　　　　　　　 /　, : . ＼ 　　　　　 :L_＿　｀v;;;;ﾍ ' ,＜ヽ
　　　　　　　　　　ﾉ　l : : : .　ヽ: .　　　　　 く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
　　　　　　　　　　i　　!: :　　　 、: : : : 　　　 ヽ 　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　　　　　　　　　 /　　　´: : :　　' : : :　　　　　 ＼ 　 '';;;::|　 ,|　__| |
　 　 　 　 　 　 /　　　　: : 　　γイ: .　　　　　　 ｀､　 ':;;:|　 l、__j.|
　　　　　　　　/　　　　　／ ／: : : : : : . .　　　　　 ｀､ ｀':'}　 |　 |!

tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
　　　　 ＿　　　ムギサポート　【 備前国藤野郡 】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､　　　　　　　現在の岡山県和気郡和気町になります。
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）
....　｀ く/_i_> ´
....　　　し'ﾉ
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi


　　　　　// ヽ ヽ　　　, -‐　　- ､
　　　 　 | i　　＞　`Y´////////＼ヽ
　　　　　|:i　///,ヘ　∨ ＼///////＼ヽ
　　　　　|i ////　　〉-‐'´⌒ヽ///////＼ ヽ
　　　　　ﾚ'///　／　　　　　 　＼//////:ヽ　
　　　　 　///:ﾚ' 　　　　　　　　 __＼//////Y　　　　　　　　　　　「階位の数が小さいほうが偉いんですよね」
　 　　 　////{　　　　　　　　／　￣ Y/////|∧
　　　 　 i///:| 　 _＿　　　　　,ｲ丐`ヽi/////|//i
　　　　　|//∧ / ,.= ､.　　　　 弋ﾘ　仆//////|∧
　　 　. 　|///∧ 仍ﾊ.　　　　　　　　　N/////|/∧
　　　　.　∨//∧`ｰ'　 　 ､　　　　　　　|////N//∧
　　　　　　∨//∧　　　　　　 ._　　 　　|///////..∧
　　　　　 　 ＼//ｒ-､　 　　'´　　　　　　 ////////∧
　　　　　　　　 `Yゝ ,'Y⌒ヽｰｒ､　　　　 /／///////∧
　　　　　　　　　 |::i´　 (_ ノ_丿 }-‐ 　 / ＿////////∧
　　　　　　　　　 |::.|　　入フ ｰ iＴＴＴＴＴＴ 7////////∧
　　　　　　　　　 |/|　　　　　 / |　|　|　|　| {/////////∧
　　　　　　　　　 |//〉　　　　/　|　|　|　|　|八/////////∧
　　　　　　　　,ｨ'￣/　　　 /　|　|　|　|　|　|　| `ｰ　､ ////∧
　　　　　　　/　　/　 　 　/　|　 | 　|　 | 　|　 |　ヽ 　ヽ////}
　　　　　.　 {　 ./　　 　 /　 |　 |　 |　　| 　|　　|　 ヽ　 ＼//|


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833： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:55:33 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 ,　＜////////＞ ､
　　　　　　　　　　////////　‐-　､////＞､　　　　　　　　　　　「ところでさっきからムギサポートって」
　　　　,ヘ　　/////////////////＼//// ＼
　　 　 |　　＼///////////////////＼////ﾊ
　　　　|　 ////ヽ＼　{⌒＞‐- ､////////////∧
　　　　|　i//////,ヘ ﾚ´　　　 　＞ ､./////////∧
　　　　ﾘ {//////レ´　　　　　/´　 ﾆ≧､.///////∧
　　　　　|//////|　　　　　　　 　 ｲ弋 ヾ ＼//////∧
　　　　　|//////|　　, -　　　　　　　ヾノ　 .∨/////∧
　　　　 八/////i　/　　ﾆ　　　　　　　　　　 ∨/////∧
　　　　.　 ∨////∨　/弋 ヽ　　　　　　　　 　ﾏ/////ハ
　　　　　 　∨///ﾊ　 ヾ `ｰ'　　　´ 　　　　　　 }//////∧
　　　　　　　∨////＞　　　　　　 　 　　　　　/ﾘ///|///∧
　　　　　　　八//////ゞ_ヽ　　　　　⌒　　　/　 |//ﾉ///ｒ‐=‐-ノ
　　　　　　　 　∨ノ ￣　　ｱ ヘ　＿　＿　／.　　N/　￣　７
　　　　　　　　　∨　　 　 ´`ヘ///////＼　　　　　　　　/
　　　　　　　　　/　　　　　;,ｲ　} --‐=ｖ'´　 }　　　　 　／/
　　　　　　　.　/　　　　　/　し　{ 　Y　　　　　　　 ／　/
　　　　　　　 /　　　　　/　　　　7　　＼　`ゝ　　　　／
　　　　　 　　i　　　　 ｿ ／　　　ヽ彡　　＞　　　＜



　　　　　　　　　　　　　. -- /´￣｀ヽー-　.
　　　　　　　　　　 , イ′　,ﾉ｜　　　{ ヽ 　 ミ ､
　 　 　 　 　 　 ／ /　　 / |　ﾄ､　 　 i、 '.　　　 ＼
　　　 　 　 　 /　　　　 /′､ {　＼　 | ヽト､　　＼ ヽ
　　 　 　 　 /　　/　　/ﾑ-､ ヽ　　 ヽ},. ‐ト､ヽ　　 ヽ '.
　　　　　　/　　 ′　/斗―`　 　 　 ﾁ￢ト､ヾ.　 　 !ハ
　 　 　 　 ′ l l.| 　 ′ {　､｀　　　　　´､　　｀ }　　｜　'
　　　　　｜　 l从　 l　.ィ,三ミ 　 , 　 ﾑ三ミ､　!　　 '｜ |
　　　　　 l　　 ! ∧ { '´/i/i/　　 　 　 i/i/i　｀｜　 ハ!　!
　　　　　 |l　　|　 :.`ﾄ　　　　　　　 　 　 　 　 ﾉ ／　 | ﾉ
　　　　　 || 　 | 　 :.:|　　　 　 ∠ニヽ　　　／イ:.:.　　|i{　　　　　　　　　　『そのへんは気にしないでください』
　 　 　 　 !　 ｜　:.:.l 　 　 　 {　-- ､} 　 　 　 |:.:　　 |l|
　 　 　 　 |　　l　　:ハ　　　　 ､　　 ﾉ　　　 　 |.:.　　 ||!
　　　　　　. 　　.　　 :.:i　　　　　ー　 　 　 　 /:.　　　{l
　　　　　 ∧　:.:.　　 :.:ト...　　　　　　　 　 ／:{:.　　 .小、
　　　 　〃 .}　 .:.　　 :.| :.:|＞　. ＿_　. イ:.:.:.:.:|!:.:.:.:.:.:.:{ ＼、
　　　　 {{　 | .:}:.:.　　　|l:.:.l　　　　　　　l:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.: ヽ　}i
　　 　 ﾉ′｜:|:.:.:}　　 .|/￣ ｀ヽ　 ／￣ ｀∨:.:.:}:.::.:.:.:.　}　|}


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834： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:55:51 ID:1foRLzfI



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　ヽ///////ヽ/:::::::::::::::::::::::::_:::,､:::::::::::::::::::::::::ヽ///／:|
　　 ＼//////::::::::::::::::,:::::::::lミ､ｲ､::::::､:::'，:::::::::ﾑ/＼::::|
　　 　 '＞､//::/:::::::::::/:::::::: |　　　ﾏ::::|::::|::::|:::|:::::{///＼
　　　　}／/ｲ::l:::::{::::: |::: |!::: |　　　 |::::}::::}|:::|!::!:::::|//ｨTﾑ
.　 　 ,ｨ/// |: |:::: !::::::|ﾏ:|Ⅵ:|　　　 |::/ｨ7 }:ﾘ-|:::ｲ_//::::{::::.
　　 />ｰ､/ {:::| :: |::-ﾘ-::|-ﾏ{　　　 }ｲ,ｨて㍉､}:/ﾘ,::::::::::ﾑ:::::､　　　　　　　　　　【 孝謙天皇 】
　　　　 |:{/∧{ﾏ: |::{ ｨ斥㍉　　　　　 之z ｿ/ｲｨ }:::::::::::::ﾊ:::::＼
　　　　 }:::::::::::::{从､　弋zソ　　　　　 　¨´ 　ﾑ /::::::::::::::::ﾑ::::::: ＼
　　　　j!::::::::::::::ト､ ﾑ　　　　　　 ,　　　　　 /-':::::::::::::::::::::::}ヽ::::::::::::.
　　 　 ,::::::::::::::::|:::::ゞﾊ　　　　　 　 _　　　 ｲ!:::j::::::::::::::::::::::;':.:.:.ヽ::::::::::.
　　　 ,::::::::::::::::::!:::::::::::::ヽ、　　 ´ 　 　 ／:.:{Ⅵ::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.，:::::::i
.　　　j::::::::::::::::::|:::::::::::/´:.ヽ＞ 　 _ ..::'／:.://:::::::::::::::::::,.:':.:.:.:.:.:.:.:}:::::::: !
　　　{:::::_ ::::::::: |::::::: /:.:.:.|＼:.:.:.:.─:.´:.:.:.:.,.:'::::::::::::::::／:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'::::::::/
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　　　　　ﾏ:.:.:｀ー:i´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r,:.:.:./:::,'::::::{::://:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,'::::::::::::|
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　　　　　「天平感宝元年（749）に、皇女として初めて立太子をされた阿倍内親王が即位し、孝謙天皇となった」


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835： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:56:15 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「この孝謙天皇、後に重祚して、

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼　　　　　 やがて道鏡の専横、宇佐八幡事件を引き起こしてしまうというのは本編にも書いたな」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
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　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
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.　 　 　 　 　 /: : : :,.へ:/:＼ : : : : : '.,
　　　　　 　 /: : : :/＾｀｀´ ⌒ヽ.: : : : : ,
　　　 　 　 ,': : : :.;' 　 　 　 　 ヽ : : : : ',　　　　　　　　　　　「そうでしたね」
.　　　　　　{: : : : ｌ´￣´　 ｀￣｀i: : : : : :',
　　　　　　 }: : : :.ｌ=＝　 　 ＝=ｌ.: : : : : :i
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　　　 　 　 l:ﾄl : 八"　　　　　"ﾉ:!: : : : : ｌ
　　　　　　 ﾘ Ｖ:::::::ヽ、｀ ´　ィ:::ｉ:ｌ: : : : : l
. 　 　 　 　 　 〉: : l:::::::}　 . : :l::::|:l : : : : :.!
　　　　　　　ｒrｰ､_j＞<　 : : :厂リ>ー‐ｙrｰ､
　　　 　 　 //　＜　　 ﾟ･ﾛ･ﾟ　／ ／／/ 　 ヽ
.　　　　 　_{ 　 ＼__＞ｚ―‐＜ ＜　　 　 彡人
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.　　 　 　 ヒ二ニニ 　 ＞ィ＝== ―┬―〒 |
　 　 　 　 /:l￣｢￣￣´　. :　 　 　 　 !　　 j: :ヽ



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836： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:56:40 ID:1foRLzfI



　　　　　「この孝謙天皇、重祚後は称徳天皇となったが、この称徳天皇の側近として和気広虫という女官がいた」




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　　　　　　　　　 　 /:.:;r'¨¨ヽ::::/:.:.:::::::::::::!:::`､　　　　 !: : : : : : :￣l　　　　　　 　 / ,, ｲ:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:　　　　　　【　孝謙天皇　】
　　　　　　　　 　 /:.::/　　　　i':.:.:.:::::::::::/:::::/l:`､　 　 l: : : : : : : : : !　　　　　 ,, -",r' ,,!:::::::.:.:.:.:.:.:.:.:!:!.:.
　　　 　 　 　 _,r'¨¨'''!　　　　 l:.:.:::::::::::/:::::::!::l::::::〉、　 !: : : : : : : :/　　　　 ,<___,,-‐'´l:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.!:l:.:　　　　　　　　　　↓
　　　 　 ,, -'´　 　 　 !　　　　l.:::::::::::/:::::::::l:::l;;;;/　`､　`ｰ---‐''′　_,, -'i´:l::::::::::::::i::l:::::::::.:.:.:i:.:.:.:.:.l:::!:.
　　　,,r"　　　i 　　　　`!　ｰ ' l_::::::::/:::::::::::l::/`ヽ､　　` ､ ___,,... -‐'7::::::::::!:::l::::::::::::::l::l::::::::::.:.:.l:!:.:.:.:.:.!:ヽ　　　　　　【　称徳天皇　】
　　/　､　　　 !　　　　 !　,r'　ヽ:¨'''‐-::;;r'`/:.:.:.:.:.:.`..‐-..,,_　　 　 /:::::::::::i:::::!:::::::::::::l!:l:::::::::::.:.:l::i.:.:.:.:.:.!:::
　〈　　i　　　 l　　　　 l!´　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:.`､::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::¨'''''‐ ':`i:::::::::!::::::!::::::::::::l:!:l:::::::::::.:.:!:::!:.:.:.:.:.!::
　　 !　 ヽ　　 丶　　　 !l r　　　　 `ヽ､:.:.:.:.:`､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::/::::::::l::::::::l::::::::::::!:l::!:::::::::::.::!:::ヽ:.:.:.:.:i

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「和気姓ということは」




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837： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:56:56 ID:1foRLzfI


　　　　「あぁ、この広虫という女官は清麻呂の姉であり、その繋がりで清麻呂が宇佐八幡に派遣されたわけだ」


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　　　　　　　　　　 .′:::/{ |:::|::::{:::::∨::/:::::::::::∨::/::}
　 　 　 　 　 　 　 从::::{⌒|:::|::::|＼-V::}::::::::::::::∨::::|
　　　 　 　 　 　 　 {ﾊ:::ｆ沁::::l:从　_ヽV|::::::::|:::::::}::从
　　　 　 　 　 　 　 |:::乂 {ﾘヽﾄ､:ｨf笊ﾐ､l:::::::ﾊ::::::|:::|ハ
　　　　　　　　　　 .ｨく/:{　 ,　　　 Vｿ .从:/ﾉ}:::::|:::|:/:}
　 　 　 　 ／＼._/:::::::-込、 ､ _,　 　 /ｲ:::{:::::!::八ハ
　　　　.／　 ／ゝゝ._:::_::::イヽ ´_ .　 ＜|::::|〉从 /　 }
　　　　＼／_　　　/　{ｨ从二７´_人Y´从:{｀}＜
　　　　 .く乂ゝ､_./／_|_{:{ﾆﾆ〈ﾆﾆ{__//::ハ|=ﾄ.　＼
　　 .／ﾆニゝく./ﾆﾆニ.八ニ〈_／/ |/:::{ﾆﾉくニ＼ ＼
　　/ﾆﾆﾆﾆ／ﾆﾆﾆﾆ／ニﾆ.／ ./　l{:::::|＞_´ﾆﾆ／´⌒〉
　 〈ﾆﾆﾆ∠ﾆ=-　／ﾆﾆ／ﾆゝ'⌒∨乂ﾊﾆニ{／ﾆﾆニ.′
　　 ￣￣　　　 /ﾆﾆ／ﾆﾆﾆ〈ヽ}ﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆニ/
　 　 　 　 　 　 {ニ/ﾆﾆﾆ=-／ﾆﾆ/ﾆﾆﾆニ′ﾆニイ
　　 　 　 　 　 人={ﾆﾆﾆﾆ/_ﾆ=-_′ﾆﾆﾆﾆ八ニ／{
　　　　　 　 　 　 ＞､-=ﾆ{ﾆﾆニ{ﾆﾆﾆﾆニ从ﾆニ./
　　　　　　　　　　 　 》}ﾆ个s。ﾆ'.ﾆﾆﾆニｲ{ﾆﾆﾆ/
　　　　　 　 　 　 　 /=|ニ}}ﾆﾆ≧==≦ニ.ﾉﾆニ′
　　　　　　　　　　 /ニ;ﾆ0||ﾆﾆﾆﾆ|ﾆニ／ヽﾆﾆ.}
　　 　 　 　 　 　 /ニ/ﾆ､」|__ニニ|ﾆﾆﾆﾆニ∨_{
　　　　　　　　　/ﾆﾆ′ニ{{ニニﾆ.!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆV人__
　 　 　 　 　 　 《ﾆﾆ{.ﾆﾆo||ﾆﾆﾆﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆV/ l|　　　　　　　　　　　　【 和気広虫 】
　　　　　　　　 ./≧=-=≦_＼ﾆニ.!ﾆﾆﾆﾆﾆ∧ﾊ　.ﾘ
　　　　　　　　 ′_||///ﾆﾆニ≧=----=≦ﾆﾆﾆＶ
　　　　　　　　 {ニ///ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.
　　　 　 　 　 《l／／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ.!､ﾆﾆﾆﾆニ'.
　　　　　　 　 ｀{＜|lニニニニニニﾆニ| Vﾆﾆﾆﾆﾆ}

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　 「その結果は『道鏡廃すべし』という託宣でしたよね」


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838： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:57:14 ID:1foRLzfI



　　　　　　　「そう、そしてその託宣を持ち帰った清麻呂は左遷されたが、

　　　　　　　　　　　　　この時姉の広虫も称徳天皇の怒りを買い、宮中を追い出された」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　,.　-――‐-...、
　　　　　　　　r.:::::::.:.:.:.: : : : : : :｀,
　　　　　　,/::::::::_;::==＝＝＝=〃､
　　　　　　{:::::ﾒ´　 　 　　{　　　　　＼　　　　　『左遷ですわ』
　　　　　/吊´　　!　　　　',　　- i､　　ヽ
　　　　　 /　 　　i　l　　{.　 ＼　 | ヽ　 ｀.　　　　　 　 　 　 　 ＞─────＜
　　　 　 / 人　　l /レ ﾄ､＼|　＼|＼|　.|　　　　　　　　 　 ／　　　　＿＿　　　　＼
　　　　 ,　 「ヽ,' ﾉ/　　 　 　　　　　 }　 |.　　　　 　 　 　 /　 ,.:'"´:::::::::::::::::::::＼　 　 ＼
　　　 /　/ ヽい j　ｲ●ｱ　 　 ｲ●ｱl　,'.　　 　 　 　 　 / ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 〈＼ ヽ
　　　/ ｲ　 　 　ｲ　　　　 　　　　　.j　(　　　　　　　 　 |/::::::::/|::::::|ヽ::::::::::|::::|:::::::::', ヽ_〉 ',
　　 // {　 　}　ﾉ　 　　　　　　　　　　｀､.　　　　 　 　 /_;.　'"´|::::::|　|:::::::::|::::|:::::::::::',　　　i
　　{ {　 ﾄ　 (　　　　　　 　 　 ､￣￣￣￣￣￣￣￣　　 　 　 |::::::|　|:::::::::|::::|::::::::::| ',　　 |
　　ゞ=ｲ　＼　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　 　 ￣　 7/ﾊ |::::|::::::::::|::::',|＼|
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839： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:57:32 ID:1foRLzfI


　　　　「清麻呂はその名を穢麻呂、広虫は別部広虫売と名を変えられ流される」



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　 ≪}ﾚ')）　　　（　 ／{／:.└──────┘. {: : : : : : : : : :..＼:.:_ ＼ :.:.: ∨.ﾞ└──────┘.ﾞ: : : ＼(: : : : :

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　『穢麻呂っていうのはなかなか子供じみてて強烈ですねぇ』




tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
　　　　 ＿　　　ムギサポート　【 別部広虫売 】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i　　　　広虫さんの汚名で『わけべのひろむしめ』と読みます。
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）　　　一説では『狭虫（せまむし）』という汚名をもらったという話もあります。
....　｀ く/_i_> ´
....　　　し'ﾉ　　　　　　ちなみに穢麻呂は『きたなまろ』です。
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi


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840： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:57:57 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　「広虫はその地で尼になり、慈悲深いと評判の名尼僧となった」


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　　　　　　　　　「法名は法均尼、一説では八十三名の孤児を養ったとされる」


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841： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:58:09 ID:1foRLzfI




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　　　　　　　　　　　　　　「その後、称徳天皇没し、光仁天皇が帝位につくと、

　　　　　　　　　　　　　　　　　道鏡は速やかに追われ、やがて清麻呂も広虫も都に戻ることが出来た」



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842： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:58:30 ID:1foRLzfI


　　　「清麻呂はいわば自らの身を顧みずに道鏡に溺れる称徳天皇を諌め、

　　　　その皇統の正しさを損なわせなかった立役者だったが、その働きに報いられること甚だ少なかった」

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　　　　　　じ ^ソ: : : :ヽ　j八:',: : : :.ﾏ: : : : :', : : : : : : : : ﾉ: :/　}: : : : : :V　　　 　/／
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　　　　　　　　　「それはちょっといただけませんね。成果や実績には見合った報奨を与えないと」


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843： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:58:45 ID:1foRLzfI



　　　　「ただ、清麻呂は別にそれを不満に思うわけでもなく、普通に宮中に仕えていたらしい」



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　　　　　　　　　　　　 「欲が少ない人なんでしょうかね」



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844： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:59:10 ID:1foRLzfI




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　　　　ノ{ ｰ {:､::::ィく{　　　 |,ｨf 沁､ヽ　 .| ＼ﾄ､ |　 i　 |　　＼ｲ
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　　　　　　　　　　　「欲の少なさから、少なくとも宮中の信任は集めていただろうな。

　　　　　　　　　　　　　後年、葛野への遷都を提言し、容れられたのもこの清麻呂の働きだものな」



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845： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 20:59:24 ID:1foRLzfI


　　　　　「宇佐八幡事件より十年以上たち、清麻呂は民部大輔摂津太夫に任命された」

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　　〈＼／´ ／　〈　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　 　 　 　 　 　 |　 ¨´　　　 __∠__
　 　 ∨ 　 (　 　 ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ―‐|　 　 ／　　　　-┘
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　　　　　j／　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 　 　 　 　、　　　　 ＼ ‘┐_ _┬个
　　　_厂＼＿_ｊ／⌒]i　　　　　　　　　　　　　　-┴‐-　＿_. 　 　 　 ＼　　　 厂|　￣}厂¨ア
　　└-　　 ／　／　∧　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣＼　 　 ∨　 ∧. ＼_　　／{
　　　　　｀く__／|　 　 ∧ 　 　 　 　 　 ／ 　 ／| 　 　 .i＼　　　　　 ､. 　 ∨/　 ＼___ア ／
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　「その派遣先である摂津国の土木工事でも清麻呂は名を残している」


tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
　　　　 ＿　　　ムギサポート 【 摂津国 】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､　　　　　　 現在で言うと大阪府の中部北部、兵庫県の南東部にあたります。
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）
....　｀ く/_i_> ´
....　　　し'ﾉ
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.

846： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:00:31 ID:1foRLzfI


　　　　「この摂津国では治水工事にあたり、この工事は南北の二方面において行われた」



　　　　　　「まず北部の工事では水脈を二分し、淀川水系の水量を軽減させるべく進められた」




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r.: ´: : : : : : : : :≧､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＞- ――- ＜: : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＞ ´　　　　 {　　　　 ＼: : ヽ
　　　　　　　　　　　　　／　 　 i　　　　 ',　-- i､　 ヽ: : }
　　　　　　　　　　　　/　　.ｲ／!　　{　　 .＼　 | ヽ　 ∨
　　　　　　　　 　 　 /　　./ﾊ　i　＼ﾄ､　　|　＼|　　 .| ',
　　　 　 　 　 　 　 ,　　　　{ ヽ{　　 　 ＼{. 　　}　 　 |　',
　 　 　 　 　 　 　 / ,　　i　!　　●　　　● 　　|　/　.!
　　　　　　　　　 / ｲ　　ハ{　　　　　　　　　　 j/i　 ,　　i
　　　　 　 　 　 // .{　　込　　　　　ω　　　　　/　/　　 ',
　　　　　　　　 { { 　ﾄ　 ( __≧=― --　　r≦{乂　/　　　 ',
　　　　　 　 　 .ゞ=ｲ　＼__ノ　ﾍ: :}/:〈 ﾊ 〉:ヽ≧≦　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　/　　　/　 ／j:人: : Ｙ: : :ﾉ　　　　　 {　　　 ＼
　　　　　　　　 ／　/ ／　 / __＞.:}≧个≦{:.＜__　　ハ　　}
　　　　　　　 /　／.j/{　　 { .{: : : : :＞=＜ : : : : : }／　 }　 ハ　 .}
　　　　 　 　 { /　　　乂＿乂: : :ィ::::/⌒',:::＞- イ　　 /／　 }　/
　　　　　　　 ヾ= 7　　　 　 ）ﾉ /ﾚ::/　　 .',:::V i　　　／　　 /／
　　　　　　　　　　　　　 ｀￣　 {. {:/　　　 .',::} .}
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ/　　　 　 ゞ/
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　「この工事は延暦四年（785）に、淀川を三国川に落とし込み、竣工」




tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
　　　　 ＿　　　ムギサポート 【 三国川 】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､　　　　　現在の神崎川にあたります。
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）　　　　 鉄道唱歌にも出てくるのでちょっと覚えておいてくださいね。
....　｀ く/_i_> ´
....　　　し'ﾉ
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi

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847： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:00:46 ID:1foRLzfI



　　　　　「南部での工事は、河内の水を大阪湾に注がせるための工事で、

　　　　　　　　現在の茶臼山の川床池に通じる凹地地帯がその名残となっている」




　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　「茶臼山と聞くとドンコ釣りを連想するお」
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


.

848： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:00:59 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「この工事では人足二十三万人という巨大な労力を用いながら

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ 　　　　　　ついには十分な成果を上げえなかったようだ。
　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　 　 　 （●）（● ）　　　|　　　　　　　まぁ、有り体に言えば失敗だな」
　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 '､｀⌒ ´　 　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i
　 　 　 　 i : : : : : : : :! : : : : : : :/　´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : :/　　 ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ
　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : /　　　　´￣y;/;;;(￣＼ V: :ﾊ


　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　 　 　 　 　 　 　 　 ／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　 　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼
　　　　　　　　　'::::::::::::::::／　{　　⌒丶!::::::::::..
.　　　　 　 　 /::::::::::::::／　　 |　　　　　ﾏ::::::::::.　　　　　　　　　「それは残念な話ですねぇ」
　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
　　　　　　　i::::::::::::.' `ニ､'´　　 　､　　　}::::::::::::}
.　　　　　　　{::::::::::{ 〈 {:::ｿﾞ　　　　, ミｰ　i:::::::::::ﾘ
　　　　　　 　}:::::::::i　　　　　　　　ﾑ:ｼ 〉.':::::::::∥
.　　　　　 　/i:::::::::i　　　　　,　　　　 　/:::::::::::/
　　　　　　/::::|::::::ﾑ　　　, 　_　　　 　/:::::::::::ｲ
　　 　 　 /:::::::i:::::::::..､　　 ‐- '　　　/:::::::::::::::|
.　　　　 /:::::::::::{　r‐=i丶　_　　...:イ::::::::::::::::::|
　　　　/.::::::::::::::::::｝　i`ｰ‐-‐‐ ´ 7::::::::::::::::::::|
　　 　/::::_r‐‐-‐ｲ　 }　i_　!　_ /｛:::::::::::::::::::::|
　　 ,　'´　i　｝ }　}　.／　　-‐ ﾏ　ﾞ ｰ ｫ､::::::::|
. 　 ′ 　/ / /　,' /　　-‐‐‐-､ ｝､ 　 i　` ､::i
　 i　　　i / /.　 ' i　　　　─- .Y　i　　{　　 ﾞ
..　!　　　} y'　./　| 　 イ⌒ｰ'´/.　 {　　i　　　i
　 }　 　x'´　./ 　.!　　 !　　　/　､.　､　ﾑ　　 |
　,' 　∥ {　 ｛ ／　　 ｲ 　　 ｛　　ﾞ.　 ｝ .i;　　{
..,'　　'!　 ﾞ､, '.　　　 /八.　　　ﾏ.　}　,'　,'　　 i
　　　 ゛x '　　　　, ' |　 ﾑ　　　 ＼ 　 /　　　|
　 　／　　 　 　/　 i　 |　i.､.　 　 　Y　 　 　l
　 .'　　　　 　,.ｲ |　 |　 |　|ﾑ　　　　 ﾏ　　　i


.

849： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:01:18 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ただ、後世、仁明天皇の治世、承和十二年（845）に

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　　　　　このときの工事のノウハウを下敷きに、
　　　　　　　　　　　 ／　　 _,.ノ　 ヽ､_
　　　　　　　　　 　 ｜　 　 ( ●) (●）　　　　　　　　　　　　　再び同じような工事計画がなされたようなので、
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__　　　　　　　　　　　　　　 全くの無駄だったというわけじゃない」
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_
　 　 　 　　 　　 　　 人､ 　　'-／____ ヽ　 |
　 　 　　 　 　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈 、 ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　 ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}



　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　 　 ｀丶
　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　/ 　 　 　 　 　 ＼.　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　│　{　　　＼　　　 ヽ　　　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 /　,　　/| 　 、　　　　　　　　',　　　　 　 ヽ
.　　　　　　　 　 ,′ 　 /　| 　 |＼　　　 ヽ　　　|
　　　　　　　　　　 /　 |　_j　　|　 ヽ 　 　|-、　 |　　　　　 　 i　　　　　　　　　『受け継がれて成功したのであれば、
　　　　　　　　　|　l　　l'´八　 |　　　　　 |⌒.　 |　　　　　 　 |
　　　　　　　　　|　l　　|⌒ _＼|　　　　＼|　 ',　j 　'　 |　　　│　　　　　　　　　　　　　それは無駄じゃないですね』
　　　　　　　　　i 八　 |xぅ心.　　　　　ｨｱi心 ∨ / 　 |
　　　 　 　 　 　 ',　∧ |{{ ﾄ/ﾊ. 　 　 　 ﾄ//ﾊ.}}∨　　 |　　　/
　　 　 　 　 　 　 ∨ ヽﾊ　V:ｿ　　　　　込:.ソ　,′　　ﾄ. 　 ,′
.　　　　　　　　　 /　　　　､､　　 ,　　　　 ､､､ ,′　　 jﾉ　 ｛
.　　　 　 　 　 　 ｉ　　　　}　　　　 　 　 　 　 /　　 　 八
.　　　 　 　 　 　 |　　　 人　　　 ー '　　　 /　　　 　 　 ＼|
.　　　 　 　 　 　 |　　 / 　 ＞　　　　　　イ′　　/ 人　 　 ＼
.　　　 　 　 　 　 |　　　　 ∧　 /＞r　´　/ 　 　/ /　 ＼　　　＼
　　　　　　　　　人　│　/　}／::/　〉／/　　　/ /＼　　｝　　　　＼
.　　　 　 　 　 〈 　ﾉ　{／＾こ'＜ﾌ／∧ {　 　 / /:::::::::> 人　　　　　 ヽ
　　　　　　　　人　 ／ rｚ‐'⌒ｰﾍ_　}ハ{.　　 ／:::::／／::::::::::ー:-...､
　　　 　 　 　 {:::::∨_／=======ヘ＞‐ﾍ 　/:::::／／::::::::::::::::::::::::::::::} 　}
　　　 　 　 　 |::::::;｢└-､　　　　　　ヽｰ　∨:／／ :::::::::::::::::::::::::::::::::;′ﾉ
　　　 　 　 　 |:::/入 　　ヽ　　　　 .::::}‐　 ∨ ｲ:::::::/:::::::::::::::::::::::::: /／
　　　 　 　 　_|厶'　|::::..　,′　　　.::::厶　　 ∨|:::::::{:::::::::::::::::::::::::::::｢
　　　　　　／/::∧　ゝ:::ノ　　　　.::::人-　　　}::＼::ﾊ::::::::::::::::::::::::::∧
.　　　　　/:::/::::::::::＼_＼＿　 ..:::／::::::＼＿/:::::::::∨}::::::::::::::::::::::/::∧
　　　　　{:ノ:::::::::::::::::::∨└─‐ く:／::::::::/:∨::::::::::::::＼:::::::::／::::::: /
　　　　／::::::::::::::::::::O::｝::::::::::::::::::::::::::::: 〈／:::::::::::::::::::::::`＜;;＿:::::/　　 ヽ
　　　 ｛:::::::::::::::::::O::::::人:::::::::::::():::::::::::: ｛:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉ヽ::｝　　　 ｝


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850： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:01:37 ID:1foRLzfI


　　　「その後、先程も触れたが平安京の選定においても存在感を発揮し、

　　　　　山背国葛野郡宇太村を選んで平安遷都の建設に進言し延暦12年（793年）自ら造営大夫として尽力した」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／: : : : :≧ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {: : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＞ ´￣　｀''＜: : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 ＼: : : : : ､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,ィ　　　　　　　　 ﾏ: : : : :',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　 _／ /　 ﾄ　 　 ',　　　 ∨: : : :.',
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　/ /__｀.i　 |_ ',__　 |.　　|　 ∨: : : }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　/ .《沁ﾏ{　 |　_＼｀ヽ.　 |　　V.: : ﾉ
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 j/.i .ゞ'　 ',　!´ｲ沁》 !.　｜　　ﾏイ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　 .} 　　,　ヽ{　ゞツ}　　　,　　　V　.＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　/i　{八　　　　　　　 / /　 /　 .i 　 iV⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　| 人　ヽ　､　_　　 /ｲ　 ./　　 |　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 {　{　乂__＞　≧=-　　 /　／　} 　.}　　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 乂_＞/　／: ﾒﾒﾒ }ﾒ爻/／V　/　 /　　.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ∠: : _} ィ　}爻／爻/ー=彡-.､　{
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／}ー}＿ 彡./　!ﾒﾒ＞／／: : : : : : :.V!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞- 乙ィ /　/ハ　|zz.／／: : : : : : : : : :|ﾊ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ´: : : : : j≦zz乙_人_{: /／ : :/: : : : : : : : :.!　',
　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : :／: : : : : :／: : :.// : : V: : : : : : : : : : |　 ',
　 　 　 　 　 　 　 　 ┌─────┐..: : ／: : : : :{/: : : :.j/: : : : : : : : : ﾉ　　,
　 　 　 　 　 　 　 　 │..存在感.....　│ :./: : : : : : : : : : : : |: : : : : : : ／　　　 ∨
　 　 　 　 　 　 　 　 └─────┘./ : : : : : : : : : : : : :!: : : : : :/　　　　 　 ∨
　　　　　　　　　 　 　 八: : : : : : : : : : : :' : : : : : : : : : : : : :/: : : : : /.　　　　　 　 ∨
　　　　　　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : :i.: : : : : : : : : : : ／: : : : : /　　　　 　 　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　 ≧z: : : : : : {: : : : : : : : : :ィ : : : : : : ﾉ 　 |　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　 } : }: : :≧ ､: : __.:z≦: :/: : : : : : :/　　｜　　　　 i
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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851： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:01:57 ID:1foRLzfI


　　　　　　「延暦十八年（799）に没。死後贈正三位民部卿中宮太夫となった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／ ￣￣｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　 　 　 _　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　厂＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／〈_.　-┐
　　ｒ―- 〉＼　　　　　　　　　　　　｜　 　 　 ／　　　 :,　　　　　　　　　　　　　　 _厂{ｱ　 　 --＜
　 f三三　 　_厂廴_　　　　 　 　 　 ﾄ､＿__／　　　　　 ∨　　　　　　　　　　 _,.　⌒　 {＿＿_三三!
　 └――-j{　ｒｆ　　＼　　　　　　　И　　　　　　 　 | |　V　　　　　　 　 _,.　´　 　 乂 廴_j
　　　　　　　弋　　　　 ＼　　 　 　 .ﾉ!　　 　 |　　　 :| |:小､_ 　 　 　 _,.　´　　　　　　ﾉ¨¨´
　　　　　　　　 丶、　　 　 丶、 　 ⌒|　　　　|　　　　:从|　　　 _　ア´　　　　 _,.　　´
　　　　　　　　　　 ｀丶、　　　 丶、　j/　　| /　　　　 Ｖﾉ_r→'"／　　　 _,.　 ´
　　　　　　　　　　　　　 丶、 　 　 `７　　 :l:′　　 |i　 ∨　 ／　　 _,.　 ´
　　　　　　　　　　　 　 　 　 丶、 ／ /　　;′/　　八　i:∨　　 _,.　´
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／ / i|　　　 /　　/　　 ﾄ､∨／´
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／/ /　｜　 i　|: 　 ′　　j:　`V/
　　　　　　　　　　　　　 　 （ /i ∧　人　 l ∧　　　 　 八　 }!　　　　　ぱんぱかぱーん
　　　　　　　　　　　　 　 　 〈圦{ ∧{ 小.｜{　 ､　　　/　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ 乂_ ＼V〉乂__ノ}　 イ　ｒ=个
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　　　 ﾉ＾乂L〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 厂　‐=‐　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　 `ー=彡　└ﾍ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　 　 　 　 　 ／∨/
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .′　 ≧=-----=≦　　∨/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .′　　　　　　　　　　　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i|　　　 　 |　　　　　　 　 　 |!
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　「死後は護王神社に祀られ、この護王神社は旧別格官幣社の社格だった」


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　　　　 ＿　　　ムギサポート　【護王神社】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､　　　　　　現在の住所でいえば京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385となります
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）
....　｀ く/_i_> ´　　　　　　祀られているのは勿論和気清麻呂さんです
....　　　し'ﾉ
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi


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852： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:02:11 ID:1foRLzfI



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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,．-―‐-. .、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _ノノ小i.fﾃﾐﾄ　　{　ヽ　`V　 　 /　| /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾌ//l V乂ﾘヽ＼〉〒ミｘ V / ,ｨ | ||/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 -ｧク人l ヽト::::　、　　 乂ﾝ》// /ノ | ||
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／／　/ ヽ 込　 　 　 ::::::::_彡' // /i|∥
　　　　　　　　　　　　　　 ／／　　/ ／/ : : ＼｀ｰ 　,. イ//// / /∧
　　　　　 　 　 　 　 　 ／／ 　 　 ／／/: : <:.:/「「´斗匕/ l/ / 7/　ヽ　　　＿
　　　　　　　　　 　 ,． ／ 　 　 ／／＞―／:/ <>斗rク: : 〉 / ﾉ/:ヽ　`、 ./...７
　　　　　　　　 　 /　/ 　 　 ／／//: : : : }／イ /／<: : ／ /彡': : : }　 ) /..../
　　　 　 　 　 　 /　　　　／／　 ∥: : : : : }>/_/――.ゝ: ／⌒: : : /′//..../　　＿
　　　　　　　　　乂 　 ／／　　/l八: : : : /: :￣: : : : : : :/:し: : : : /:〕　 /..../ 　 /...７
　　 　 　 　 　 /イ ／／　　　//　/ヽ: :/ : : : : : : : : ／: : : : :_／: ///⌒/　　/..../
　　　　 　 　 　 //　/　　 　 //　/: : :V : : : : : : : : /: : : : : : /: :.://〈入.....＼/..../
　　 　 　 　 　 ∥　ﾊ　　　 //　/_: : : {: : : : : : : : :「ヽ: : : :／: : ://／....＼...〔..￢
　　　　　　　　 ヽ / .乂　 //　/:￣ : λ:::::.........:::::ﾉ: : : ／: : : : ﾊ ΠΠ/....＼／/
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　　　　.::::::::::::::＿__「:/:/::／_ノ斗匕乂≧r┴＜: : : : : : : / : : |
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　「位登っても威を振るうでもなく、勤勉であり続け、

　　　　　　　　　　　　　　　民部省例二十巻を著したり、弘文院という私学を作ったりと、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　様々な業績を残したと言ってもいい」


.

853： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:02:36 ID:1foRLzfI



　　　　「十円札にもなったりと、ちゃんと後世では救国の英雄っぽい扱いも受けてたりするな」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣￣　　 ､
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿_∠二二丶、　　　　`､
　　　　　　　　　　　　　 　 ,.　　ｱ´￣｀ 　 ＼ ￣＼ 　 　 ∨
　　　　　　　　　　　　　.／ ／/　　　　　　 　 　 　 `､ ＿｜
　　　　　　　　　　　　./././ /　　　　　　　　　　 　 　 ﾏﾆﾚ
　　　　　　　　 　 　 　/|/ / |〈　 　 ﾄ､￣｀ヽ　i 　 |:　　ﾏ⌒　、
　　　　　　　　 　 　 ′i|　|　|∧　　jｋ==ミ　　; 　 | 　 :, '＼　 ＼
　　　　　　　　　　　i|　 |　|、　 　､ 　 _):ハＹ /　 ,:　　｜|　 ＼厂
　　　　　　　　　　　l|　 iＮ| ￣ ,　 ＼夊夕ﾉ/　 ∧　　 |　,
　　　　　　　 　 　 .八　| 个"　＿_ 　　""j/　 / _|　 　i|　′
　　　　　＿__　　 / ｊ∧:| 人　　ﾏ⌒;　_,／　 /¨´i|　　.八　V/
　　　 /: j j j j＼　 / i| ＼( |＼　 ｰ′ア´.／　 _ﾉ　／　 　 ∨/
　　 ./: くノ:ﾉ人 :∨　ﾉ 　 .>l　个ー　/ ／⌒>'" ∠|　　　 　 ∨/
　　 {: : : :＿_ノ_>┘/　,／__j　/[＿__j,/_／´ _／⌒＼
　 f厶ｲ厂　∠ﾉ_,∠／_r[／|/ ／　/^ｱ　／/　　　　 ∨/　　 　 :､
　　)___L斗ア´　__く￣ ＼　,／/　/|/{　/ ./　 　 　 　 |∨/　　 　 ＼
　 ,厂　　,　／￣　 ＼_∠.　-〈＿j｜i|,/　i|　　　 　 　 |i ∨/
／∧　 / /　 　 〇／⌒¨¨7 iＬ＿_|　　　 |　　__　　 　 |　∨/
　/ ∧ { j{　　　 厂＼　　 ,′　　　　　　　　 ｱ⌒ 、　　　　`､
i | /　i圦i{　　　 〉　　　　 i|　　　　　　 ／ ／　　　`､　　　　 `､
V　　 :,　＼　　｜　　　　 i|　　　　　 / .／/　　　 　 `､　　　　 `､　j
i|　|　 ‘，　.〕i=-ト　., 　 　 ＼　　 ／　/ ./ ∧　　　　ノ`、　　　　∨
i|　ﾄ､ 　 `､　j　　‘， ≧=---=≦ 　 ,/ .∧ | .|　　_／　　`､　　　　|
.乂　 ＼.　｀¨}　　 }!　 ＼　　　ﾘ /　∧〈　jﾉ ﾉ_／　　　　　　　　 _ﾉ"´
　　｀ 　 ＼|､.}　　 }!　　　　　 /,厶 '{　 ＼,_／　　　　　　　_,. ＜
　　　　　　j ﾉ　　O| 　 　 　 〈￣ 　 ＼／　　　　　　 ,. ＜
　　　　　　_j　　 _,人　　　　　:，　__厂　　　　　　 ／
　　　　　 ﾉ_　アニニ＞ ._ 　　 ∨⌒>┐j　　　　 (
　　　　　 厂/ニニニニニ＞　._j`弌_　｀⌒ー--:r’
　　　＿_j,∠ニニニニニニニニ＞､　}⌒=--弌┘
／ニニニニニニニニニニニニニﾆ:圦: : rく＾＼j＾!
ニニニニニニニニニニニニニニニニ＼:>: )_j_ノ＼
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　「三大忠臣と呼ばれることもあるが、これはまぁ色々候補が入るからそういう説もあるくらいに思っておいてくれ」



tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi
　　　　 ＿　　　ムギサポート【色々な三大忠臣】
..　　'´/､ ヽヽ
....　i （(eヽe）i　　　　　　乃木大将とか、万里小路藤房さん、平重盛さん、名和長年さんとか、色々候補がいます。
......ﾉ (ｌ|´ヮ｀ﾉl､
.ﾞ'（（ (|_)芥i_|) ）
....　｀ く/_i_> ´　　　　　ただし、どんな三大忠臣説であっても楠木正成さんは必ず入っています。
....　　　し'ﾉ
tsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugitsumugi


.

854： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:02:53 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　「こんな感じで、清麻呂は生きてる時はあんまり報われた感じはなかったけど、

　　　　　　　　　　　　　　　　　むしろ死後に祭り上げられた感じだな」


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　「ま、あんまりガツガツ行く人じゃなかったんだろうけどさ」
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　「でも、きちんと仕事分は評価されてるだけましって気もするお」
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　｀
　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 　 ｀　､
　　　　　　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　､　　＼　＼
　　　 　 　 　 　 / 　 　 　 i　　　' |: i　　　＼　,　　　,　　',
　　　　　　　 　 ':　　 |:　　:|　　/　ヽ{　　　 ,｜ ' :
　　　　　　　　 |:　　:｜　　|　 ,' ／ ヽ' :　　 ､|＼':　　 ' 　 :|
　　　　　　　　　　 　 |:　　:|　,　´ ￣　 ' :　　 '　{_'　　:|　 ｜　　　　　　　『道鏡が帝位についてたらと考えると、
　　　　　　　　 |:　　:｜　　| /　　　　　　＼　 ' 　 , 　 |　 ｜
　　　　　　　　 | /i / |:　　:|'　z=＝z　　 　 ＼}=z ｜: |　 ｜　　　　　　　　　　後世の人のほうが評価を高くするのは、自然ですかね』
　　　　　　　　 ﾚ　/r !:　　:!　芹;:ミ　　 　 　 芹ﾐ　 !:　!　 ,
　　　 　 　 　 /　∧　|　　 |　乂::ソ　　　　　乂ｿ　 }: /:i /
　　　　　　　/　ノ: :.ヽ!: 　 :!　　　　　　　　　　　　/ﾚ　:|′
　　　　　　 , ／ 　 _:/|: 　 :|　 　 　 　 　 　 　 　 , : :i:　|
　　　　　 ／　　／ :{｜ 　 |　　　　　､　_,　　　　':　 | : |
　　　　／　　／ﾆ{ﾆ{｜ 　 |＼　　　　　　　　／ :　 :|　,'
　　　 ,'　 ＜三三三{ !: 　 :!､　｀　　 ＿　　 ´:　 　 /! ,
　　 ／三三三三三{ |: 　 :|　＼　 ／}三}　i　 　 :// ,
　 /三三三三三三 | !: 　 :!　　 Y　　}三', :|　　 ,'/, '
　,三三三三三三三｀|: 　 :|　　 /r{}V三} , |　 :/ノ
　,三三三三三三三/|: 　 :|∨/}　ii v ／ﾆ !　,'三
　l三三三三三三三{ ＼:　|ﾆ∨i　ii } }ニニ|　|ﾆ/
　|三三三三三三三{三 ヾ{三∨　| i |三三!　!/


.

855： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:03:03 ID:1foRLzfI



　　　　　　「その時代、当人たちには見えないものもあるだろうからな」


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　　　「『人の値打ちと煙草の味は煙になるまでわからない』ってやつだ」
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/



　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ　　　　　　　　　　　　「そうですねぇ」
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ


.

856： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:03:17 ID:1foRLzfI


　　　　　「という感じで今回はここまで」


: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : :, ': : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:./: :.:, ': : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「残念ですが仕方ありませんね。それでは、みなさんさようなら」



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857： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:03:28 ID:1foRLzfI




　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿
　　　　,　'"´　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　 ／　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `､
: : :./....　　美筆さんはこれから　　 　 　 　 ヽﾞ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : :, ': : : :
: : :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:./: :.:, ': : : : : :
‐-:.ヽ.　　 24時間耐久プギャーですよ.　　 /ﾞ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/:.: , ': : : : : : :
: : : : :.` ､　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／..: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:/.: , ': : : : : : : : :
＿: : : : :.ﾞ`　　─-----------------　´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: , ': : : : : : : : : :
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.｢ Ｔ¨i: : :.|　 |||||||｜ 　 　Fin　 　 　　 ｜|||||||: : : :|: : : : : : : :
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: :| : :Y⌒Y⌒`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヽ: : : : : : :
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　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ` ､　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　 　 `　　─-----------------　´



.

858： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:03:56 ID:1foRLzfI

番外編終了です

いやぁ本当にすみませんでした

859： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:08:25 ID:1foRLzfI
では続いて本編行きます

適当なところで次スレ誘導します

860： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:08:51 ID:1foRLzfI





　　　　　　　　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
　　　　　　　┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
　　　　　　　┃|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |┃
　　　　　　　┃|＿　　　　　　　　　EP：51　アイマスとかいうコンテンツ看取り人　　　　　　　　　＿|┃
　　　　　　　┗┓|＿ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|┏┛
　　　　　　　　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜京都駅〜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜解説篇　前編〜


　　　　　　　 　 　 ／　　　　　 ＼: : :|　!: 、　　｀ ー‐ ..:.:.　　＼:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : :
　　　　 　 　 　 ／　　　　　　⌒ヽヾ:.i　i:.:.:＼＞'⌒ヽ:.:.｀ヽ: : : : ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞'´
.　　　　　 　 ／　　 ／　　　／　　＼{　{＞》''`ー‐‐-＼:.:.:.＼: :..: :.｀ ‐ : :.:.:.:.:. :イ.:.:.:.:...＜
.　　　 　 　 { 　 　 （　 　 ／ ／￣入 ヽ V/　　　　 　 　 ｒ‐-.....､｀ヽ:.ｰ‐-＜´: : . . . ..＿
.　　 　　 　 |　ヾ:::::ﾐ）　 .:{　 　 ,ニ、 i　 lX　　　　　　　　 Y,ヘﾔミ.､ヽ::.､　　｀ ー‐ｒ― ７⌒
　　　　　 　 !:　 ::::::/　　::|　　/::　 ゝ'　 !　＼　　　　　　 　!!　 {{:::!!:ヾｖ/ﾊ　　　　 !ヽ :（
　　　　　　　|　::::::/　　 八　ヽ　 （　　　　　　＼　　　　　　　　ｒ'::ﾘ::::ハヾ:::.. 　 　 !:.:.:.: :＼
　　　　　　　|　:::/　　　 　 ＼ ＼ﾉ　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 ＼::_/　 　ヽ.ノ　 　|:.:.: : : : :＼
　　　　　　　| ::/　　i　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |:.:i:.:. : : : : :＼
　　　　　　　|/　,:::　ﾍ　　　　　　＼　　　　　　 　＿　　　　　　　　　　　　　　 _＿ｊ:人: : : : : : : :
　　　　 　 ／:.ノ:人　 ヽ.　　　　　　 Y⌒ヽ　. ´　　　｀ヽ　　　　　　　　　　　ｒ≪´/:.:.:.:.＼: : : : : :
　　　,.. : :´: :く　　　｀　　ミﾐ、　　　 　 　 ／､　　　　　　　　　　　　　　　 　 {ﾟ/.》'_:_:_:.:.:.:. ＼: : : :
.　　（: : : : : : : : . . .　　　　　`＜ 　 　 ／´ 　＼　　　　　　　　　　　 　 　 　 ∨´　　 ｀ヽ:.:.:.:＼
.ー一｀ ミ: :_: : : : : : ..、　　　　　｀　＜:.:ヽ＿　　ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 ノ＿ __
::::::::::::::::::::::＼＞ﾄ､: : : : : ..　　　　　　　｀ヘ:.:.｀＞---: : : : : : : : : :ニﾆ=ー-　,′　　｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::}::::ヾく｀ー-ｘ､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＜´　｀ヽ　 　 /｀ヽ
:::::::::::::::::::::::::::|::::::::ヽ}::::::::::＼ヾ: : : : : :￣｀: : ...: : : : : ::＜´￣￣　｀ヽ　 　 .ｲノ⌒ヽ
:::::::::::::::::::::::::::li:::::::::::j::::::::::::::::＼｀ー―――――--､: : : :｀ヽ、　　　　 ／ :ﾄ､　　 ﾊ
:::::::::::::::::::::::::::||＼::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 ,　　　　 ヽ: : : : :.ヽ.　　／:j 　j





.

861： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:09:04 ID:1foRLzfI



　　　　　　「ようやく京都も半分過ぎてスパートかけたいところなんだが」


　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 '　 ノ　ゝ、 　 '
　　　　　　　　　　　　　　|(●　　● ) u レ-―-　.
　　　　　　　　　　　　　　|　 (_,､_,)　　 ,ｲ u -　　　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　　　　 　 /　　　 ● )
　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　 { (_,､__)　　 u 　　}
　　　　　　　　　　　　　 　 /　　 ￣｀¨ー---､　　　_,ノ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　__,,.　-　 ¨´~　 　 ',
　　　　　　　　　　　　　 /　　　 -(_　　　　　　　　　　',
　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　｀¨^rr-.､　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　　/　　　　 　 　 　 |.! 　 　 　 　 　 ',



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「いやーなかなかうまくはいかないお」

.

862： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:09:16 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　_
　　　　　　　　　　　　　　'"´: : : : : `　 /ヽ
　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : : : i|`　､
　　　　　　　　 　 ,': : : : : : : : : : : : : : : : : .i|: :_:. `
　　　　　　　　　 ′: : : : : : : : : :::::::::／'" .}i /ﾊ : ::.
　　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : ::::::::/　 　 /　 　}: : :i
　　　　　　 　 .:: : : : : :/:::::: : : ::::::/ 　　 /　　　:: : : |
　　　　　　　　{: : : : Y:::::: : : : : : -‐-､　　　 __　}: : :.i
　　　　　　　　|: : : : :i::: : : : : : : {ﾀぶ　　　 ｨ ｬｿ: : : }　　　　　　　　「まぁまぁ、とりあえず始めちゃいましょ」
　　　　　　　　i: : : : :|::: : : : : :.{:.i`ｰ'　 　 　{ｿ /: : ::,'
　　　　　　　　|: : : : ::::::::: : : : i ﾘ　　　　　､　.:: : : /
　　　　　　　　}: : : : : :::::: : : : |　　 ､ 　　 　 /: ／
　　　　　　　　|: : : : :;;;;;;;;ﾄ､: : {　　　 ￣　イ: ,ｨ ヽ
　　　　　　 　 i: : : : : ;;;;;;;|:::＼{`:.. _ 　. :';;;;;: ::}　　}
　　　 　 　 　 |: : : : : : : ﾉ　　:::::::::::i､;;;;;;;;r､: /　　.|
.　　　　 　 　 |: ::,-‐､／　 　 　::::::::.　`ｰi ﾚ　　　/
　　　　　　　 ﾚｲ　　 ＼　　　　 　 　 　 {　　　 ./` ､
　　　 　　／.:.:.:.:ヾ　　　`ｰ‐-､_　　　　八　　 〈.:.:.:.:ヽ
　　　 　/.:.:.:.:.:.:.:ヾ 　ミ　　　　　 ＼　 /　゛　　　､.:.:.:.:ヽ
.　　　　{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｝　　 　　　　　　}　{　　:.　　　 ..:.:.:.:..｝
.　　　　i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i 　　　　　　　　 从 　 　:.　　　 ﾏﾑﾏ
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|　　 　 |　　　　 　 |　　　　　|　　　　　　　　从　　 　 　 |　　　　　　 / }
,　　　　|　　　　 　 | 　 |　　从　　　　　　　/　　　 |　 　 |　　　　 　 ,　 |
. ，　 　 ,　　 　 　 i| 　 |　　　　， 　 　 　 /|　　 　i|　 　 |　　 　 　 /　｜　　　　　　　　「同意であります」
　 , 　 　 ,　　　 　 i{ ＿|＿_|＿_‘， 　 　 ,　l ＿＿_|＿　 |　　　 　 ,　　 |
　l',　　　 ,　 　 　 从　 | 　 |　　|　,　 　 ,　 |　　　 i|　 　 ,　　　　 /} 　 i|
　|‘，　　 ，　　　 　‘，,x笊云ミ　　，　 i　 |/ｨ云笊ミx ,′　 　 //|
　| ∧　 　 ，　　　　　, ゝ )/,刋　　 ＼ i| 　 　 )/,刋 //　 　 　/ {/!　　ｌ
　|　∧　 　 ,　　　　　 {　乂)少　　　　ヽ　　　乂)少　,　　 　 / ｜,}_／,
　 ,＞∧　　‘，　　 　 i{　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 　 ,' 　ｉ|///,/ |
　 ∨/,∧ 　 　,　　 　分　　　　　　 　 ,　　 　 　 　 / 　 　 / ＼ ∨//　|
　　ゝｧ　　,　 　 ，　　　|　　　　　　　　　　　　　　 /　　 ／|∧　}　ゝ<
　　　|　 　,〉　　 ‘，　　|i　　 ト　　　 r　ｭ　 　 ィ / 　,／　｜/7∧ 　 　 |
　　　| 　 /,∧　　} ＼　|i 　　|　＞　　　　　＜｜　／　 　 i|///,'∧


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863： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:09:31 ID:1foRLzfI



　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜　　　　　　　 「そうだな、では今回は五十一番だ。
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
.　　　　　　　 __　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´　　　　　　　　　　　あずさ、歌詞を頼む」
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　　 　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
.　　　　 { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


.　　　　　　 /: : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : :.:/: : : : : ヽ
.　 　 　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : 、:ヽ
　　　　　 /: : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : :∠≦≧､ﾄｨ‐､: : : : :＼:',　　　　　　　　 「はい、こちらが歌詞になります」
　　　　　,: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ／　　 　 　 ｀⌒ヽ: : : : : :ヽ
　　　　 ,': : : : : : :,': : : : : : : : : : :.:／￣￣｀　 　 ＿_　　ｉ: : : : : : ',
　 　 　 i: : : : : : :,: : : : : : : : : : : /　　 　 、　 　 　 　 ｀ |: : : : : : :.',
　 　 　 |: : : : : : i: : : : : : : : : : :/,.ィ５Zｚ､　　　　 -‐ 　 |: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: : : : : : : : : :/〈　いしﾘ　　　　 ｨｚｚｘ　!: : : : : : : :|
　 　 　 |: : : : : : |: :ｲ : : : : : : l　　 ｀¨¨´ 　 　 　 辷ﾘｊ }': : : : : : : : |
　　　　 |: : : : : :.ﾚ: :l: : : : : : : |　　　　　　 　 　 ､｀¨¨ﾞｲ : : : : : ,ｲ: :!
　 　 　 ｊ: : : : : : : : :|: :ﾄ.: : : : :|　　 　 　 　 　 　 　 　 j: : : : : /│/..　　　　┌──────────────────────────┐
.　　　 /: : : : /: : : ∧ |:.ヽ : : :|　　 　 ､　　　　　　　 /: : : : :/　j/.　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　/: : : : /: : :.:/:ハj: : ヽ: : |　　　　　 　￣´　　 〃:/: :,:ｲ　　　　　　　　│　..琵琶湖を引いて通したる　疏水の工事は南禪寺　 　 　 　 　 │
.　　/: : : : /: : : / : :/: : : : l＼j＼　　 　 　 　 　 ／/:/: :/: |　　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　 /: : : :.:/: : : /: : /: : : : :_|＿＿_ >､ 　 　 ,　.イ: :/ｲ|: /: : |　　 　 　 　 　 │　　　..岩切り抜きて舟をやる　　　智識の進歩も見られたり...　　│
. /: : : :.:/ : : :/: : /:_:_:_:_:_}　| 　 |　　|　Ｔ く: : : l: : : : l/ : : :|　　　　　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
/: : : : ／￣￣￣ヽ／　 ﾉ　j　　|　　l　 !　 ﾄ､__|_:_:_:__: : : : 　 　 　 　 　 　 └──────────────────────────┘



.

864： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:09:48 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「今回のモチーフは南禅寺、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　臨済宗の本山で、
┌─────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │　　　　　　　　　　 五山上位の寺としても知られる」
│　　..1：正式名称　瑞龍山太平興国南禅禅寺.　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
└─────────────────────┘
┌───────────────┐　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣ ＼.　　　 　 　 ,　 -―‐:ｖ:―- .､
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ノ　 ヽ､_ 　　＼..　　　／: : : : : : : : : : : : : :＼
│　　..2：宗派　臨済宗南禅寺派.　　　 │　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●）（● ）　　　|.　　 /: : : : : : : : : : : : : ＜: : :>、
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿）　　 　 |....　/: : : : : : ／: : : : : : : : : : : : ヽ
└───────────────┘　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 '､｀⌒ ´　　　　.|　 /: : : : : ／: : : : : : : : :∠ｚ:∠二二､＼
┌────────────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　 　 　 　 |.ﾞ/: : : : ／: : : : : : ;ｨ :／　　　ヽ: : : ヽ ヽ|
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　　　　　　　 {./: : :／/: : :/: : :∠//_　　　　　 !: : : :l　 l
│　　..3：本尊　釈迦如来.　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽr｀ｰ- -=´..../: : ハ{/: : :/: :.忽７/､ ｀　　　 　 |: : : :|. /
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　 　 __,. ＜.ﾑヽ 、､____ﾞ/: : /::::/: : : : : :仡ﾀ　　 　 ＿‐‐､/|: : : :|
└────────────┘　　　　　　　　　　　　　 _, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　　　/: : /::::/: : : : :.:/,,, 　 　 　 ｨ歹ﾌﾞ,:':::l: : : :j
┌────────────┐　　　　　　　　　　　　 / : : : : : : : : : : :|＿ : :∨../: : /::::/:/!: : :.l/　 　 　 　 '　,,, イ::::: | :/l/
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　 丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :...../:,.―く:〈:/:｣: : :/ ヽ　`　- 　 ／!　!:::::::l://
│　　..4：開基　亀山法皇.　　　 │　　 　 　 　 　 　 　 i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ :ﾞ/:/　 　 ~＼ |: /ﾄ､＿>ｰ―:＜: :/ /::::::::j'
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　 　 　 　 　 　 　 i : : : : : : : :! : : : : : : : :.../:ｲ　 　 　 　 .|/ jl、〈〉ﾄ､::::::::::/:/ /:::::／
└────────────┘　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : :| : : : : : : :...// l　　　　ｊ　　　＼ヽ__｣　}>''⌒ヽ/:／
┌────────────────┐. 　 　 ,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : // /!　　 　 {　,.-―代{⌒}ｲ＼ 　　 !
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　 　 ﾞ_: : : : : : : : : : / : : : : :..ﾞ////ﾊ　　 　 ∨: : : : : :｀¨¨´: : :ヽ{.　l
│　　..5：開山　無関普門（大明国師）.※ │.　　　 ﾞ｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : :./////∧　　　　|)）: : : : : : : :ヽ: : : :.＼l
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │　 　 ﾞ,ム、〉、:ヽУ　V. : : :.ﾞ//////∧ 　 　 |)）: : : : : : : : j: : : : : : ヽ
└────────────────┘　　　　/ 7-､Ｙ :,′　 ∨ : :..///////∧.　　 |_::::::::::::::::::...ｲ::::::::::.:.:.:.::ﾉ
┌───────────────┐.　 　 　 /　/ /'Y:ｿ　　 　 }.: : :.////////∧. 　 !)）ー‐:＞'⌒ ＜:::::r‐iﾞ
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
│　　..6：創建年　正応四年（1291）.　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「基本的なデータはこちらになります」
└───────────────┘


※無関普門禅師は創建翌年に入寂したため、二世の規庵祖圓禅師を以て『創建開山』とも。

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865： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:10:05 ID:1foRLzfI


　　　　　　　「早速だけど質問いいかしら」


　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　ヾ ヾ:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　ヾ　ヾ:.:.:.:.:.:.ﾞ､
　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／|/　　　　ヽ　 ヾ.:.:.:.:.:.:ﾞ
　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:./'''/'''''''''',,,,　　l　,,,,ヾ:.:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　 l.:.:.:,_.:.:.:/ィ ｆ::ﾑヽ　　　　!　　'''ヾ.:.:.:.:|.:l
　　　　　　 !.:.:/ |.:./ 弋こCﾉ　　　　! ｆ:ﾆヽヾ､.:.:.!l.i
　　 　 　 　 l.:(　|/! 　, , , ,　　　 　　 辷ﾟノ/l:.:.:./ l
_ 、　　　　　!.:.:ヽ! _、　　 　　　　 ゝ , , , ,/　l.:/ !
ヽ、ヽ　　 l｀i l.:.:.:｀|::..i、　 　 , ー,　　　　/ 　 l/
　 ヽ ヽ /｀ｙ^y^ゝ.:|:::| ヽ　　{　ノ 　　／　 　 !
　　 ヽ y / /　く-´.l_:l_ 　 ヽ、_　 ー:.:.!
　　　 ヽ´　　　 ヽ.:.｀、｀　ー__/_ヾ:.:.:.:ヽ______
　　　　 ヽ　　　　ヽ.:.:､｀ヘ /　/　ヾ.:.:.:.ﾞ､　　ー､
　　　　　 >、　　　 ）.:.:｀ ' - ∧ つ ヾ.:.:.:ﾞ､　　　ヽ
　　　／_／ト-、　/ヾ.:.:.､し #^ ゞ､　　ヾ.:.､　　　ヽー
　　 /　　 /　　｀V　　ヾ.ヽ #　　｀ゞ､ 　ヾ.:､　　　ヽ ヽ
　　 l　　　l　　　　＼　　ヾ#　　　 ｀ゞ　　ヾ　　　 ヽ　　｀ヽ､



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '､　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{　　　　　　　　　　　「なんだい」
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 !､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ｬ＜ : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 } r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


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866： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:10:19 ID:1foRLzfI



　　　　　「五山上位ってなに？」


/　　 ＞/=:／‐=ニ=:/: : ∧:/|:ヽ.　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
「￣: : /:.／ : : : : ／/: :/ ⌒1:l: :.i.　　　 　 　 ⌒　｀'⌒　　＼
: : : ::/／: .:/: : ／ ./: /　　　|:ｌ＜ﾄ　　　　　 |(●.) (● )　　 |
i: : : :ｌ// :/:.:／‐-/／、　　 ﾉ:ﾊ: 「:i.　　　　　|（__人___）　 　 |　　　　　　　　　「あぁ、そのあたりは少し後に説明するよ、
ｌ: :i´,ｸ/:/:／ｆ'7うﾊ　　　　,〃 |:i :| :l.　　　　　|　　　　　 　　 |
!: :|〈/:/　　　弋ソ　　　　_, へﾄ:|: !ﾘ.　　　 　 i　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　まずは南禅寺の来歴をごく簡単に紹介しよう」
ﾊ:.V:/┐ 　　 　　 　 　 ｨら7/i:ﾊ:|　　　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
: l: : :∨　　　 　　 　　　ゞｿ/ ﾚ'　 　 　 　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
: :!: : : i　丶 　　 ｒ　, 　' ／　　　　 　 ／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
:.∧: : :ﾄ、　＼　　 ,　イ　　 　 　 　 /i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
ﾉ　ﾍ : |　＼/ `７|: : :{.　　 　 　 　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
ミヽ l: :|７/⌒イﾐ !: : |.　　　　　 　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/　 }|: :l／ﾐｒ‐く j l: : ト.　　　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　 l: :|　くイ＾ト　ﾍ: | |　　　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　 l: !　　《　 ヽヾﾍ:ｌ L　　　　　　i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
∨　ﾚ_　-￢　` ヾ、 「ﾆ＼　 　 　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
｜ く 　, イ　＼　 ヾ　トー∧.　 　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
｜　 Y ヽ、＼ﾉ　 　]}oL_ 」_ｊ.　　　| : : :./ : : : : : : : : : : : : :／ :Y.. : : : : : : :i
∧:i:.. ゝー'¨´　　.:.:.::ll:.　 　,'..　　　| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : :i



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　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　「jud」
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
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　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，


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867： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:10:32 ID:1foRLzfI



　　　　　「五山上位ってなに？」


/　　 ＞/=:／‐=ニ=:/: : ∧:/|:ヽ.　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
「￣: : /:.／ : : : : ／/: :/ ⌒1:l: :.i.　　　 　 　 ⌒　｀'⌒　　＼
: : : ::/／: .:/: : ／ ./: /　　　|:ｌ＜ﾄ　　　　　 |(●.) (● )　　 |
i: : : :ｌ// :/:.:／‐-/／、　　 ﾉ:ﾊ: 「:i.　　　　　|（__人___）　 　 |　　　　　　　　　「あぁ、そのあたりは少し後に説明するよ、
ｌ: :i´,ｸ/:/:／ｆ'7うﾊ　　　　,〃 |:i :| :l.　　　　　|　　　　　 　　 |
!: :|〈/:/　　　弋ソ　　　　_, へﾄ:|: !ﾘ.　　　 　 i　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　まずは南禅寺の来歴をごく簡単に紹介しよう」
ﾊ:.V:/┐ 　　 　　 　 　 ｨら7/i:ﾊ:|　　　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
: l: : :∨　　　 　　 　　　ゞｿ/ ﾚ'　 　 　 　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
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ミヽ l: :|７/⌒イﾐ !: : |.　　　　　 　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/　 }|: :l／ﾐｒ‐く j l: : ト.　　　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
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｜ く 　, イ　＼　 ヾ　トー∧.　 　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
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　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　「jud」
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
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　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，


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868： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:10:50 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　「この南禅寺の前身は亀山上皇の離宮だった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　　　　 , -= ´
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　　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:./|:/ ｜:.ｿ　',:.ﾄ:.:.:.:.:.:.ﾊ
　　　　　　,|:.:.:.:.:.:.:.|:.:/-ﾒ,,_　|:./ ,,_-!:ﾊ:.:.:.:.:.:.:',
　　　　　 /:./:.:.:.:.:.:|/,ｚｔー　 |/　 ﾔﾁｔ-|:.:.:.:.:.:.:',
　　　　 /／:.:.:.:.:.:.:.i　ﾞ-´　　　　　 ｀ﾞ　 ﾄ、ﾄ:.:.|ヾ!
　　　　　 ﾉ.ｲ:.:.:.:.〉;'i　　　　　　,　　　　 iノ｀iヾ|
　　　　_ノ´ |:.:.:.:.:ゝヽ　　　　　　_　　　 ,!:.:.:ﾍ
　　　　　 　 |:/|:i:.:.:.｀:.＼　　´　　 　／:.:|｀-ゝ
　　　　　　　ﾘ 丿ヾ|ヽ:.:.:卜 、　_ イ:.:|＼i
　　　　　　　　　　　!　 ﾘ_i　　　　 |_v
　　　　　　　　　　　　ｒ´　|　　　 　 ヽゝ- 、_
　　　　　_　　-=≡三| 　 ﾄ　ー＝- ヽﾍ三三≡-、_
　　　　/三三三三= |　　ﾄー、__ , -ﾍ　ヽ三三三≡i
　　　　|三三三三三|　　ゞ- _　　_ノ´|　 ヽ三三三=|
　　　　|三三三三≡|　　 ゝ_　 ∀　ノi　　 ﾍ三三三,i
　　 　 }三三三三三|　　　i　　 ー ´　|　　　|三三三ゝ
　　　/三三三三三=i　　　i　　　　　　 i　　 i三三三≡|
　　　ヾ三三ミ三三=ヽ 　　|　　　　　　 |　　|三三三三|
　　　 |三三＞-｀,三≡ﾍ　 |　　　　　　 |　　i三三三三|
　　　 |三三毛ニヽ三≡ゝ　i　　　　　　 |_　|三三三三ゝ
　　　 |三三ミゝ- 、ヽ三=i　|　　　　_,, - ﾍﾍ,^ヘ_三三≡i
　　　 |三三三三ミヽ|三=ﾍ_|,　- ´　　　　_ヾ- ー´三三ゝ
　　　 |三三三三彡´　　　　　　　　　　／ゝﾉ　 ヽ三三三ｿ　　　　　　　【 亀山上皇 】
　　　 }三三三三 /　　　　　　　_ , -´　　　　　　 |三三≡/
　　　 ゝ三三三 /　　　　_ , -´ー─　─ 、＿ ノ三三三i
　　　　 ＼三三ゝ-=≡´三 |　　　　　　　 |三三ミ三三 /
　　　　　　 ＼三三三三三 |　　　　　　　 |三三三 ｀-´

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　「亀山上皇は名前は何度か出てきてたお」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「南北朝の大覚寺統の帝ですね〜」


.

869： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:11:05 ID:1foRLzfI



　　　　　「ある時、都に奇っ怪なあやしい現象がおこったらしい」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　 　 　 /して　　　）⌒!　ilゝて
　　　　 　 /　　 （　　ﾉ　　)/　　コ
　　 　 　 ((　 　　＼Wl レ/l　/
　　　　 　 ヽ　 il´￣　ヽ,,/ !V
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　.::::　..　...｀`ｌ　 - ､,,￣ 　 　 { 　 ...::　　　. .. て　　　／ ,,-",-''i|　　￣|i''-､　　ヾ　　　{...::　　　. .. .
...　...　　　　..ｌ　li　　　＼　　（　　 　 　 　 .（"　　.／ 　 i　{;;;;;;;i|　　　 .|i;;;;;;）　,ノ　　　 ii
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|　　　　　　.|i二;;;;;::---;;;;;;;::.入／ ||　　 　 　 　 　 {,,_　 　y
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i;;ii:i;;i￣|rニユ　l　|l i:　i:二i,　.;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;;:爿|:::.:.....i|　､　´　,　　′　..|i.:.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;'.､ヘ　 ,,ｨ ,, ‐"　,, ‐"
二.ll.| . 二￣￣|=,ｨ'⌒ﾆﾆｴﾆﾆil］1lｰ-il］|_三rーilil￣|　 .i|..| ||ｌｌｌ|||ii|||ｌｌiii..| ||ｌｌ|i.: ;: ;: ;:　　; ::;　: ;:; :; :　 :: ､／　　`" "´ ,, ‐"
::;...;;.;;ii:i;;:;　:;..;　|l巫||､_,|斤il］il］|_三rーilil￣|─r‐┬|i､_ｒ－lＴ┐┬il］il］|_三rーilil￣|─r‐┬r'⌒ヽ''　,.　,)　　　　　 ／
韭|　　|:::..　..　 |巫|il］il］|_三‐┬ lil「l￣|i､_ｒ lil「l韭l《ｆﾆﾆll￣'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'', ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ ;~,;, ‐''"~￣.つ　　＿/｀

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ほう、何が起きたでありますか」



.

870： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:11:20 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　「よくわからん。南禅寺の縁起にも

　　　　　　　　　　　　　　　　『山怪妖異のことあり』とあるだけで、その詳細は記されてないんだ」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ 丶、、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.. -　￣:.;.＼ ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　, イ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
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　　　　　　　　　　　 /／|:.:.:i:.:.:.:./ﾉ://:.:.:.:.ｲ:.:/|:.:|:.:.:.:.:|:.:.:＼:|
　　　　　　　　　　　 ´　ﾉ:.:.:|:.:.／メ /:.:.:.://ノ　|/|:.:.:.:.:|:.i｀:.:.:.＼
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　　　　　　　　　　　　　＜ / 人　 _　　　　　　 /ｿ|:./ﾉ:.｀!-、ヽ
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　　　　　　　　／/////ミ三三三三o　|　　 |　o三三三彡////ﾍ
　　　　　　　 |/////////////＼ ∥　|　　 | ∥//////////////i
　　　　　　　 |////////|/////人∥　|　　 | ∥////////|/////ﾊ
　　　　　　　i/////ヽ//|///////∥　|　　 | ∥////////|／//// |
　　　　　　／////////|///////∥　|===| .∥////////|////// |
　　　　　　|/////////||///////∂　|　　 | ∂///////ノ////// |　　　　　　　【とりあえず頭を悩ます亀山上皇】
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　　　　　　,i///// ｒ--ヽ、///////　 |彡 | /////////////／///|
　　　　　 ﾉ/////ι二　｀,/////////|　　|/////////// ／/////|
　　　　　 }/////／_ ,二=ヾ/////, ィ-i_ ノ//////////／///////|
　　　　　ゝ////ゝ´--..、ヘ丶彡´/////从ﾍ￣丶、/／/////////|
　　　　 r´//////////〉ｬ'´/////////////ﾊ　　　＼　//彡 ////|
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　「えぇ……？」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「ま、なんかあったんだお、きっと」


.

871： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:11:38 ID:1foRLzfI



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　 ｧ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;,;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｨ　　＿
　　　　 　 　 　 三:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／勿;,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　 /::::::::
　　　　　　　　 彡:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ﾞ´　　 彡:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l　 l::::::
　　　　　　　　三:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　J　 o ﾟ　 彡――――――-､:.:.:.:.:.:.:.| :::::l
　　　　　　　　 彡:.:.:.:.:.:.:./U　　。 　　　 u　　｀i　 o　ヽ　l　　 ｀ヽ:.:.:.:.|　 ::、::::::
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　　　　　　　　　彡:.:.:.:/ '、　　i　 。　,し　　　　l l　　o　。　　　　。　　　　:::し:
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　　　　　　　　　　彡:.l "、し　o　 ,;;;　　 // ,　　 U　　　　　　　。　　　　　　 :::
　　　　　　　　　　　 ﾞﾞヽ"、 u ﾟ ﾟ ,;;; /// ｨ;;/　　。　　　　　　u　　　ﾟ
　　　　　　　　　　 　 　 ', "u ﾟ　,;;;;; //ｲ'''/　　　　ﾟ　　　 ヽ　 | U
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　,;;;;;;//ヽ /　　　　　　　ﾟ　　 |　|　　　　　　　　 。
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '," ,;;;;;//////　　 o　。　　　　　| l U 。　　　　　 o
　　　　　　　　　　　　　　　　ー ┐//　　 i　 u　　　　u　　　l |
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　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 | //　u　　 　 　 U　　　　　　l　 |　　　　ﾟ　　u
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | // u 。　　o　　　　　　　　　l　 し　。　　　　/
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　/　　　＿　　 u i　　.／　　 U　　　　　　ﾟ　//
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'　　 イ/;;''''　　　　..:／ .　　　　　　o　　　　///
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ、_// - ┐　ﾟ　.:／　.:::　　　　　　　　ﾟ　　////
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}::....:::/ .／:::::　　O ﾟ　　　　　 /////　　　　　　　【 普門 】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 `ー１/::::::　　　 u　　　　　　/// /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`⌒ヽ　　o　　　u　　 /// /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　u　。　//／//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ、　　　 _/イ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣　 　 　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　　「そこで亀山上皇は東福寺の僧侶、普門を召し出し、この怪の始末に当たらせた」


.

872： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:11:51 ID:1foRLzfI




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　／￣＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒ヽ'＾ﾞ´^゛´｀^｀`､´＾ﾞ､
　　　　|──‐'　エ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒　(　） ) ） ), ）) ）､`丿ﾉr､
　　　　`､＿_,ｨ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　!（　（ヽ　）　ﾔY, ）､丿 ) ンｯ
　　　　　　l　　　 ト　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 (i,i (　ヾ　ヽヾ )　 ） 丿 )ｷーノ )
　　　 　.‐┼‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヾi iヾ　（(⌒)）　)メ　ノﾝlヌン ｦ
　　　　　　|＿　 セ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 (i, ヾ､,,, ニ,,.ﾉｨ 〃ｨ"__ 彡アｶ
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　　　　 ／￣＼　ト　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | ヽー‐ﾟ'　 　 ｀ー‐ ﾟ'´ | ヽ
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　　　　　　　　．　　　　　　　　　　　　 弋三三三三⌒乃三|.　　 ＼ 　　＿　　　　 /　　_,,. ''''"＼
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　　　 　 |　　|　　　　　　　　　　　　　　　|＿l l＿＿ 圭三三|.　　　　　 ＼＿, -'"　 _,,..-‐''　 ＼::::::::::::::::::::"'''- ．._
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三三三三三三三|　 ￣￣　__／,-'三三三三三○三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三|ー､_＿＿|三 　 三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 東福寺の僧侶たち 】

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　 「上皇の命を受けたものの、普門は東福寺の他の僧侶とともに趺坐を行い、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　常の修行を行うのみだった」



.

873： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:12:13 ID:1foRLzfI


　　　　　　　「ところがそれが普門の徳であったのか、

　　　　　　　　　　　　　　　その怪しげな事件はたちどころに影を失い、消え失せたという」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　二ミヽ}:＼ : : : : : ﾄＶ{: : : |{ : |ハｉ{: 川レ
　　　　　　　　　＿j{￣￣＼ : : : : : : : : | |: :＼: :＼: : :/: : ﾘ:ﾚﾆ
　　　　　　　､＿＼_￣＼: : : : : : /{ ﾄ､:＼:_ ＼ : : : Y:i : |:/ ;仁
　　　　　　＜￣￣￣＼: : : ﾄ､: }:ﾄ､ {: :ｧ アﾐ､:j} ＼:jﾘレｨﾙ'⌒ヽ
　　　　　￣ノ￣ : : :＼:_:_: :{廴＼__八 ﾚiﾚ'⌒厂￣　　　 ヽ
　　 　 　 く: :-‐= :二 '⌒ヾニｱ⌒{　 {ｌ{　　　{
　　　　　／ : : : -‐=: 三三ｦ 　 　 　 V　　　 　 　 　 　 　 　 ,v
　　　　 ∠ィ´: :／ : :_: : -=彡,__　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 rｧｶ
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.　　　　 ７: : : : : : : : /: : :/ｲ/ 　 　 　 　 　 _,ｨ‐=ミ　　　　 ﾇ厂　　 　 　 匚￣￣］　＿_厂|＿
..　　　　ﾊ /: : /: |: : : :/ : :∥　　　　　　ｰ弍沙__,ノ　　　　　 ＼i__　　　　 r┘└┐└ ┐ rｧ┘ー─ァ| |　--┼‐　 ___l__　 　 l　＼
　　　　　/} : : : : j/: ﾊ{: : /{　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 }　　　__フ　 匸_　_／　l´　　　　/　　　　（_|　　　　|　} ＼└‐ ､
　 　 　 　 |: /: :| : :/: :| /{: |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　 イ　　　＼／＼／ヽノ｣__|　　 　 （___　　　 ,ノ　　　 ,ﾉ､ﾉ 　 　 __,ﾉ
　 　 　 　 ∨ｉ: :|: ;ﾊ;j人 :| ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 i
　 　 　 　 　 jﾊ: :ｌ:| r― ^ヽ{　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ー{
　　　　　　　　 }: l:| {＾　i⌒{ヾ　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣〔
　　　　　 　 　 ∨:ﾄ､＼廴 つ　　　　　　　　　　　 　 ‘ｰ┴　￣￣ )
　　　　　　　 　 j从;ト､　 　 　 _入　　　　　　　　　　　　　　 ￣￣{
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　「何が起こったのか何が起こらなくなったのかさっぱりであります」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「まぁまぁ」

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874： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:12:28 ID:1foRLzfI


　　　　　「上皇はこの普門にひどく傾注し、離宮のうちの下宮を普門に与え、寺院とした」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　イ／
　　　　　　　　　　　　 〈: :〈　 , . . .―. . .
　　　　　　　　　　　　　.＼V: : : : : : : : : : :丶
　　　　　　　　　　　 　 .ｲ: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　./ : : : : : : : : :, : : : : ∨: : ' ,
　　　　　　　　　　　 ｲ: : : : : : : : : :八 : : : : :ﾍ､:ゞゝ､_
　　　　　　　　　　イ .!/: : :i: : 7!: :/,ィﾑ: : : :!:i `: ', ､
　　　　　　　　　　　　i: : : i: :廴i /´ﾒﾋﾂ:!::!::ﾄｿ::＼' ,
　　　　　　　　　　　 ｲｬ; : :!ﾒﾋﾂｨi 　 　　.i'.!,'ｲ::::::', .`
　　　　　　　　　　　　 i,' ; :i' ,　 ヽ　　-　 1i !:::::::辷
　　　　　　　　　　　　　 乂!_i＼　く_´,ｲ　/　iヽ::' ,
　　　　　　　　　　　　　／::::i/ｿ i＞　 ／　　.i. 丶　　, ' つ
　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::／　／i　　　　7　 i≧.'　, '
　　　　　　　　　 /三::::::::::::::/　 ｲ＼ﾉ　__ イ/ γて　/､
　　　　　　　　イ::::::::::::::::::::/　/ｎ.廴｡｡｡zｾ､i .ィ　　　 i::::'.,
　　　　　 イ::::::::::::::::::::::::::/　//.ィ ' ´ｨ　"　!ｲ!￣ﾌ　 i iゞ､',
　　 ／てヱヽ:::::::::::::_::＿ zイ　　 .`ー--っ.巛　 Ｙ .,' .i:::::::i
. ／::::::/　　　￣￣∥　　　　　　　二ﾆﾆﾌ!　斗ゝi　レ':::/:i
. ﾏ::::::::!　　　　　　ﾑ__ z ‐-　.-‐――τ'T　　i::::::! .iΞｲ:::i
　 ヘ- ュz　-‐　てｬ彳/i:i:i::',　　　　　　　!　　!:::::ﾍJ:::i:::::::i
　　　　　　　　　　　 1,'i:i:i:i:i:i',　　　　　　　!　 1::::::::::::::ﾏ:::::!､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : :ハ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀.　 |三三:|　　 /´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧ 乂＿丿 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼ ￣　／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 __.|　　￣ 　 　 |､
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875： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:12:48 ID:1foRLzfI



　　　　　　　「その寺の名を龍安山禅林禅師と称し、普門は後に大明国師の称号を受けた」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　/　 ､'__i',､,―､
ヽ､丿＼_／/　 ｲ::::::::::::::::::::`､
　　　　　　/' ｀ゝ:::::::::::::::::::::::::::)
　　　大　 l　 {::::::;;:::::::::::::::::::::く;"
　普 明　 |_.　!:::f ､,ｆ'从"ヾ~,::::;
　門 国　 |.ヽﾍf ､:｡ﾐ',',､ｯ'_ヾ;::!
　！ 師　 l 　',_l　 '"　ヾﾟ '　,'ﾍ
　　　　　　 ゝi!;l　　_-_　 ; ,'_/'''i!i　　､‐'i
　　　　　ゞ !i!;.ヽ ｛ﾞ二ﾞ〉 .';;;i!;　i!lヽ./／_
,､‐ヽ　,､　'i. !i!;;;　ヽニ,､‐';;;//　i!,i' ,''７／
ノノ l/ﾙ`'ヾヾヾ　　;;;／/;;// .／/　/ '
イ　 ! ,,　　　 ヾヾ､/　/.,//　ｆ　/i'
. )ヾ从 ム从,ｲｨﾐ/　/;､‐''　/ /i!i'_,,..
､ィ‐:::':":::i::｀`.ヽ/　/イ ,,;;;;/./　`ﾐ>､｀;｀
ィ:::::::::　::l:::::::::::/ ／<ヽ､;;//　　 （　ヽ
'::::::::::::::::l:::::::::/／::::｀i', ヽ'　.､‐i　 >　 ,>､
::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::j:|　 `- !.　!―‐'"
ヽ::::::::::::|::::::::::::::::;;;:､‐''　 ,ﾍ　!,,'　　 ,､イ
` ､`>::::|:::::::::::iニ, ､‐''''" >. 'i　-,､''.／､_
ヽヾ:::::::l::::::::::::::,‐'ノ　 ／<;`''／ ／/7//
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`ゞ-i―l―ヒヒニ‐'ﾐ"｀;;／　./　　／ ｲ､

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　「これが正応四年(1291年)のことであり、南禅寺の創設はこの時を以て為されたとされている」


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876： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:12:59 ID:1foRLzfI


　　　　　　「今とは名前が違ってるけど」


　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |



　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼　　　　　　　　　　　　　　　「まぁよくあることだお」
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼



.

877： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:13:20 ID:1foRLzfI



　　　「ちなみに大明国師普門はその年の末に入寂し、

　　　　　　翌年正応五年（1292）に規庵祖圓禅師(南院国師)が上皇の意向によって龍安山禅林禅師第二世となった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 v ´: : : : : : . . .ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　..: : : : : : . . . . '
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　..: : : : : :.. . . . . {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｲV: : : : : : : : :. . . .j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| l∧: : : : : : : : : :ｲﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂　V: : : : : : : ﾉ/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　 Y::.⌒ヾ:/ /¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八 /:::..　　{::/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿彡=-ｰ匕　.イ　　　寸|:{
　　　　　　　　　　　　　＿ イ77: : : : : : ヾミヽ　　　　.才 ＞...
　　　　　　　　　　　／ 二 ///: : : : : : : : : 乂三辷彡イ: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　/ ´￣｀7//: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //圦
　　　　　　　　　./　　　 ///: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ///　 ＼
　　　　　　　　　　/　　///: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ///　｀ヽ　ヽ.
　　　　　　　　 |ヽ{::..　{ {/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l l {　 　.ハ　 ﾊ
　　　　　　　　/　:|::::V//: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | l |　 :(::..::}　　li
　　　　　　　./　:/　///: : : :.::／三l|: : : ／三＼: : : : : : : : :| l |　　 寸　　:ﾘ
　　　　　　　　.:/　 Y/: : : : : :l三三l|: : :.l|三l:l三|l: : : : : : : :.| l | /　 　V　/
　　　　　/ 　 :八　 }: : : : : : : : :l|三l|: : :.l|三l:l三|l: : : : : : : : Vﾑ{l　　　 ∨
　　　　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :l|三l|: : :.l|三l:l三|l: : : : : : : : : V/　　　　l|
　　　　{　 　 　 　 .八: : : : : : : :l|三l|: : :.l|三l:l三|l: : : : : : : : : :/　 　 　 .l|
　　　 .八　　　　 /: : :＼: : : : :.:l|三l|: : :.l|三l:l三|l: : : : : : : : :ｲ　　　 　 .ﾘ
　　 ./　　 　 　 / ﾉ: : : : : : : : :_l|三l|: : :.l|三l:l三|l: : : : : : : : :.|　 |
　　　　 　 ./　/　{: : : : : : : : : l|三三l|: : :＼三／: : : : : : : : : l　..|　　　 |
　/　{ V/./　 |　 .|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾑ　:|　　　 |
　l .八　ノ 　 .|　 .|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :圦::八　　 .!
　|　　　　　　.|　 八: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :〈　.〉　　　 人
　|　　　　　　　　乂: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| {　7¨寸　　',
　|　　　　　 ./　　　Y: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:|..|　Vﾑ〈　　　',
　|　　　　　/　　　_.ﾑ三三二ﾆ=ｰ=ﾆ二＿: : : : : : : : : : : : :人V八　ヾ
　|　　　　./　　∠二二二二二ﾆﾆ=ー--- ｀卞艾: : : : : : : : : )V∧　　　　 |

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



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878： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:13:45 ID:1foRLzfI


　　　　　　「その後、詳細は不明だが正安年間に『太平興国南禅禅寺』と名を改めたとされ、

　　　　　　　　　　　　　この名前が現在まで続いている」



　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）　　　　　　　　　　「正平二十四年（1369）に山徒、つまり延暦寺によって
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　　　　　　　　焼き討ちを食らったり、応仁の乱で炎上したりといった経緯のために
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　記録が散逸しているんだろうな」
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '




　　　　　_{　　　　　　　ｌ　 　 　 　 ｌ　　　　　/　　　 　 |　　　　　 |　 　 |　 |
　　　　/ :ｉ　　　　　　　|　　|　　　 |　　　　 /　　　 　　|　　　　　 |　 　 |　 |
　　　　{　:.　　　　　 　 |　　|＿＿｜ 　 　 /＿＿___　 :|　　　　　 }　 　 |　 |
　　　　i　 {　　　　　　 :|´　:| 　/ 八　　　/　　　 /　｀ :}　　　　　/　　　}　/
　　 　 {　　:.　/　　　　:| ,x芹云ミｔ､ﾟ，　/　 /斧芋笊 ,′　　　 /　　　八,′
　　 　 .　　 ∨ / 　 　 :{ゝにじ(　 　 ヽ/:　　 にじう /′　　　 /　　　/　　　　　　　　　「最澄が聞いたら卒倒しそうであります」
　 　 　 ∨　 ∨ /　　 ∧: 乂^)シ　　　　　　 乂)シ//　 　 　 .′ 　 /
　　　　 ∧　/ ∨　　:/ ∧＼　 　　　　　　　　　　//}　　　　/　 　 /
　　 　 /　∨　　＼ 　 / ∧　〉　　 　 　, 　 　 　 〈/ｨ　 　 ／　 　 /|
.　　　/　　 Ⅵ＿//ヽ　/ 　＼　　　 　r ,　　　　　 / 　 ／{　　　 /｜
.　　 /　　　 ＼////∧　　　{_　.　　　 　 　 　 　 /　／　 :　　　 　 |
　　　　　　　　/＜//　＼　 :i/}{二＞　 _ イ=|/7/／　　　|　 ／ 　 |
　 /　　　　　///// |　　 ＼ } {＜/7二=〈}二!__／ | 　 　 |／ 　 　 |
. /　　　　　　＼//　:　　　 | ヽ}i:i:ｉ＞｡. ィi〔i:i:i:i:i}ー:| 　 　 |＿＿_　 |
,′　 　 　 ＿＿ ‐= | 　 　 |　/i:i:i:ｉ／i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉi　 :| 　 　 |二ﾆﾆヽ |
　　　　 /二二二ﾆﾆ| 　 　 | /≧s。i:i:i:i:i:i:i:i:i:／ ＼| 　 　 |ニニニl |
　　 　 /二ニニニﾆ:| 　 　 |,′　　 ＞｡.＞''´ 　 　 ﾏ　　 :|ニニニ| |
　　　 f二二ニニﾆﾆ|　　　/　　　　　　 |　　　　　　 ＼　｜二ﾆﾆ:| |
　　　｜二ニニニニ|　　 /　　　　　　　|　　　　　 　 　ヽ |ニニニ| |


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879： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:14:20 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　「後宇多天皇の時代に、帝から『瑞龍山太平興国南禅寺』の勅額を下賜された」




　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　「で、南禅寺をモチーフとした文学と言えば、
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　 おそらくいの一番に上がってくるこちらの漢詩を紹介して、
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　一旦南禅寺のことはストップだ」
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼　　　　　　　「頼山陽の筆になる『遊南禅寺』だ」
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　第二橋東雨泥　村園門巷路東西

　　　　遇人休問南禅寺　一帯青松路不迷
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


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880： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:14:33 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　-─-.....､
　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::＿≧､
　　　　　　　　　　　　/:::::::,ｨ'´::::::::::::::::::::::ヽ/⌒＼
　　　　　　　　　　　/:::::::/::::::::::::::::::::,彡'´ｿﾊ::::ヽ
　　　　　　　　　　 /:::::/::::::::::::::::::::／　　 　`Y::::}
　　 　 　 　 　 　 /:::::/::::::::::::::::::仏､ヽ　　 　 }::::i
　　　　　　　　　/:::::::ﾙ::::::::::::::::/､.ﾉ`　　 ﾍ /:::/　　　　　　「今回これで終わり、ということじゃないのよね？」
　　 　 　 　 　 /:::::::::::::i::::::::::::/　　　　./ﾂｿ::::/
　　　　　　　 /::::::::::::::::|:::::::ﾙi　 　　　 ゞ /／
.　　　　　　 /::::::::::::::::::::N/ :..　 　　こi　ｲ'
　　　　　　/:::::::::::::::::｛　 ヽ 　 　 ,‐- ィ
.　　　　　/:::::::::::::::::::/ヽ　　`ｰ‐=､
　　　　 /:::::::::::::::::::/__　`ｰ 　　　 ヽ
.　　　 :::::::::::::::::::::/ ￣ ＼　　　　　　＼
　　　 {::::::::::::::::::,'　　　　 ヾ　　　　　　　' ,
　　　 |::::::::::::::::::i　　　　　 } 　　　　　　 　ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「あぁ、ここで終われれば楽なんだが

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　残念ながらそういうわけにはいかない」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 （●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '､｀⌒ ´　 　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 i : : : : : : : :! : : : : : : :/　´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : :| : : : : : :/　　 ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,' : : : : : : : : :丿 : : : : /　　　　´￣y;/;;;(￣＼ V: :ﾊ



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881： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:14:47 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　ヾ ヾ:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　ヾ　ヾ:.:.:.:.:.:.ﾞ､
　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／|/　　　　ヽ　 ヾ.:.:.:.:.:.:ﾞ
　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:./'''/'''''''''',,,,　　l　,,,,ヾ:.:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　 l.:.:.:,_.:.:.:/ィ ｆ::ﾑヽ　　　　!　　'''ヾ.:.:.:.:|.:l
　 　　　　　!.:.:/ |.:./ 弋こCﾉ　　　　! ｆ:ﾆヽヾ､.:.:.!l.i
　　 　 　 　 l.:(　|/! 　, , , ,　　　 　　 辷ﾟノ/l:.:.:./ l
_ 、　　　　　!.:.:ヽ! _、　　 　　　　 ゝ , , , ,/　l.:/ !
ヽ、ヽ　　 l｀i l.:.:.:｀|::..i、　 　 , ー,　　　　/ 　 l/　　　　　　　　　「さっきの質問にも答えてもらわないと」
　 ヽ ヽ /｀ｙ^y^ゝ.:|:::| ヽ　　{　ノ 　　／　 　 !
　　 ヽ y / /　く-´.l_:l_ 　 ヽ、_　 ー:.:.!
　　　 ヽ´　　　 ヽ.:.｀、｀　ー__/_ヾ:.:.:.:ヽ______
　　　　 ヽ　　　　ヽ.:.:､｀ヘ /　/　ヾ.:.:.:.ﾞ､　　ー､
　　　　　 >、　　　 ）.:.:｀ ' - ∧ つ ヾ.:.:.:ﾞ､　　　ヽ
　　　／_／ト-、　/ヾ.:.:.､し #^ ゞ､　　ヾ.:.､　　　ヽー
　　 /　　 /　　｀V　　ヾ.ヽ #　　｀ゞ､ 　ヾ.:､　　　ヽ ヽ
　　 l　　　l　　　　＼　　ヾ#　　　 ｀ゞ　　ヾ　　　 ヽ　　｀ヽ､



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ------
　　　　　　　　　　　　　　　 .｡＜　{　　≧o｡、//＞｡. _
　　　　　　　　　　　　　　／ゝ／　i　　　　 　 }⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ,　 　 |　 　 　 　 i　　　　　　＼
　　　　　　　　　.｡＜　　　　{　　　:|　 　 　 　 |　　　|　　　　ヽ
　　　　　 　 　 {　 l　　　 　 i 　 　 |　 　 　 　 |　l 　:|　　　 　 }
　　　　　 　 　 i　 |　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 |　|　 :.　　　 　 ﾄ
　　　　　　　　 :　 :　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 }: 八　}　　　　 :.∧
　　　　　　　 　 　 ∨ 　 　 :|￣￣ ヽ　 　 　 7云ミｔ､!　　　 /　　}
　　　 　 　 　 　{{ 　∨　　 ㌣芹斧　 ＼　 /´斧笊ｱ　 　 :/　　/　　　　　 「jud、先程『南禅寺は五山上位』と
　　　 　 　 　 　i ﾟ。 :∨　　 { 込シ　　　＼　 込シ }　　　/　　∧
　　　　　　　　　{ .:　　Ⅵ 　 !＼　　　　　　　　　 /:i　　 /////　　　　　　　　 いっていた点について注釈をねがうであります」
　　　　　　　　 ∧/ﾟ　　ヽ　 :{＼〉　　　 '　 　 　 〈/　　/{ ∨/　　}
　　　　　　 　 /　 Ⅵ　　} ＼　＼　　 　‐　 　　:／:　 / :i___〉　　∧
　　　　 　 　 /　　 /∧ /　　＼{: ＼ 　 　 　 ／/　イ　 }/∧　 / ∧
.　　　　　　 /　　 〈///}　　 |＿ｉ　 {/＞ー＜/|/ /_:|　 :iﾏ//〉　 / ∧
　　　　　　/　　　　〈//i　　 |/八 /＼////／ヽ|//:| 　:|∧/　 　 / ∧
　　 　 　 /　　 　 　 　 |　　 {二}i:i:i:i:i:iヽ／i:i:i:ｉ:ｉ:{二:}　 ::.　　 　 　 / ∧
.　　　　 /　 　 　 ＞ｧｧ]　　/ 7　＼i:i:ｉ/i:i:i:i:i／　 T i　 }ｧｧｧ＜　　　/ ∧
　　　　/　　　　 /////]　 / /　　　 ￣ T￣　　　 ﾟ |　 !////∧:　　 / ∧
　　　 / 　 　 　 {/////　/／　　　　 　 }　 　 　 　 :|　 }/////∧:　 　/ ∧
　　　　　　　　　}////　＞　　　　　　　Y　　　　　　 ＼ﾏ/////∧:　　 / ∧
　　/　　　　 　 :{///:‰　　　　 　 　 　 |　　　　　　　 　 マ////∧　 　 / ∧
　 /　　　　　　 ,'/// 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　ﾏ////∧:　 　/ ∧
. /　　　　　　 ///if　＞――――――{―――――＜　　}////:∧　 　 / ∧
　 　 　 　 　 /7//{///////////////!}///////////////!////{ ∧　 　 / ∧
　　　　　　 /　{:/∧///////////////!//////////////∧￣　　 ∧　　　/ ∧
　 　 　 　 /　　 　 入/////////////人////////////:/　∨　　　 ∧　　　/ ∧


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882： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:14:58 ID:1foRLzfI


　　　「わかってるよ、それじゃまずは『五山』について話をするぞ」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ⌒　 ⌒
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ｜　 　(● ) (● )
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜ 　　 （___人__）i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 　　人､ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,イ ﾄ､ ヽ 、 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　,.　-─‐-´ 　｀, へ　 ＼__､_ﾊ
　　　　　　　　　　　 ／ 　　　　　　　 :i 　ハ､　イ;;ヽト、
　　　　　　　　　　　ﾄ⌒　　　　　　　　:i　　 ｀<´.〉:.;〈ヽ ＼､
　　　　　　　　　　 /　, : . ＼ 　　　　　 :L_＿　｀v;;;;ﾍ ' ,＜ヽ
　　　　　　　　　　ﾉ　l : : : .　ヽ: .　　　　　 く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
　　　　　　　　　　i　　!: :　　　 、: : : : 　　　 ヽ 　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　　　　　　　　　 /　　　´: : :　　' : : :　　　　　 ＼ 　 '';;;::|　 ,|　__| |
　 　 　 　 　 　 /　　　　: : 　　γイ: .　　　　　　 ｀､　 ':;;:|　 l、__j.|
　　　　　　　　/　　　　　／ ／: : : : : : . .　　　　　 ｀､ ｀':'}　 |　 |!



　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i　　　　　　　　　「はーい」
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼

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883： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:15:16 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　 　　 （___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　「五山は、仏教の中でも禅宗、
　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,.|　　　　　 　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿　　　　　　　　　その中でも臨済宗において定められている格付けだ」
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、 ／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　 ＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　-── -　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　:'"::::::::::::::::::::::::::::::: 丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／/:::::::::::xヘﾍ＼::::＼::::::::::＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /:::/:::::::::::/'⌒⌒' :丶:::::＼::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,':::/::::/:::::/　　　　 l:|　＼::::丶 :::::::'.
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ::::/::::/::: /　　 　 　 !|　　 ヽ:::: ＼::::l
　　　　　　　　　　　 　 　 |::,'::::/l::::,' -―　　　 ﾘ-―‐-':;:::::: ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　 V:::/:::!/|　　-　　　　　‐　　　';::ヽ::::';
　　　　　　　　 　 　 　 　 /::/::: |:N　_＿　　　　　ｨ==-、 }::い :|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |::ﾊ/＾{:|〃´⌒`　　　　　　　,,　ﾊ|∧:l　　　　　　　　　 「やっぱり、上位というからには
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |,'ハ（小.　''　　 　 '　　　　　　ｰ/　 ';!
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |! 　`､:ｰﾍ、 　 　 v　ｧ　　　 ｲ:,′　j|　　　　　　　　　　　 なんらかの格付けではあったのね」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::l＞ _　　　　　, イ/:::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ';:::|::::r|＞ ｰ '´|::Ⅳ:::::|
　　　　　　r-､　　　　　 　 　 　 　 |:::L:八　　　　|/│::::|
　　　　　　 ＼＼　　 fﾍ-―t―ｪェ|:::|<＼＼　／/;>|::::::l＞､
　　　　　　　　＼ヽ__ |│ﾍ　 ￣￣j::∧＼>ｨ介ﾄ<;/∧::::|丶､辷>､_
　　　　　　　 　 /'´ヘl│　'､　　　 |/　ヽ{￣{{_}￣}/　ヽ:|　　 　 /　|
　 　 　 　 　 　 {　ヘ'.} ∨　∨　　/　　　`7/{{ﾍ匕.　　 丶　　 /　│

.

884： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:15:32 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「臨済宗においては『五山十刹諸山』という格付けがあり、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五山は十刹に優れ、十刹は諸山に優れるとされており、
　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼　　　　　　　　南禅寺はその五山よりも上位の寺格と定められている……
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　　　　　　　　事実上、臨済宗の諸寺の頂点と言っていいだろう」
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―─-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　′ 　─　 　 ─ 　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　（ ●）　 （● ）　 ｉ　　　　　　　　「たいそう偉いもんだお」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 (__人__)　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　 ⊂⌒ヽ　 ＞　　　　　　 ＜_/⌒つ
　　　　　　　　　　　　　　　＼　丶′　　　　 　 　 　 　 7
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼ ノ　　　　 　 　 　 ﾄ､_/
　　　　　　　　　.　　　 　 　 　 　 ′　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　.　　　　　　　 　 i　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂　　　　　　　　 ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/ー―一 、　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 し′　　　　　､_ｊ


.

885： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:15:48 ID:1foRLzfI



　　　　　　　「とはいえこの五山という制度、実は日本特有のものというわけではない」


　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　 ｜　 　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　 　 |　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　 　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　 　 　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　 　 　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |



. 　　　　 　 　 　 　 　 .　　　-──-　.
　　　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : :.≧=-､
.　　　　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : :-──- : : ＼
.　　　　　　 　 /: : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : : :＼　　／⌒ヽ
　　　　 　 　 /: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : ／:ヽ: : : ><　　　　|
.　　　　　　 /: : : : : :/:/: : : : : : : : : : : : ∠::::::::::ヽ: : : : ヽ.　　 !
　　　　 　 /: : : : :__/:/: : : : : : : : : : :／　　 　ヽ:├:､ : : : i 　/
.　　　 　 /: : : : / ﾍY: : : : : : : : : :／､　　　　 　 ＼:l: : : : !
　　　　 / : : : ;ｲ 牙 !.: : : : : : : :.;.へ、＼ 　 　 　 　 l: : : :.l
　　 　 ,' : : : /人｀~ !: : : : : ;ｲ: /刈ハヽ.　 　 　 　 ,' : : : :l
.　　　,: : : : /ｲ: : ｢! !: : : : :/ l:/｀¨´　　　　　 -､　/ : : : : ｌ
.　　 ,': : : :/: :|: : ｌ:| |: : : ::/　|'　　 　 　 　 ,≦､ 〉' : : : : : !
　　/: : :.:/: : :!: : リ !: : :./　　　　 　 　 　 ｨ歹'ﾞ:/: : : : : : !
.　/ : : : : : : /: : /　|: :.:ｲ　　　 　 　 　 , 　/:::::/: : : /: : ;'
　. : : : : : : /: :.:∧　ｌ: : :|　　 　 ｒ y　 　 . ' ::::/: : : /!: :/　　　　　　　　　　「あら、そうなんですか？」
　: : : : : ／: : :人 ヽ.l:.: :ﾄ､ 　 　 　 　 イ::ハ/: : : / .!:/
　: : : : : : : ／ ﾄ､＼ |: : !__ >､_,. :＜::::::∨ /: : : /　 !'
　 -─‐＜　　 ヽ＼ |.: :|__／}＼:::::::ヽ::::∨: : :./
　 　 　 　 ヽ.　　ヽ `l.: :!　　 !　 ヾ≧=-/ : ／
　　　　　　　　　　　 ヽ:ｌ 　 /　　 / 　 /／ヽ

.

886： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:15:59 ID:1foRLzfI


　　「ああ、そもそも臨済宗を含む禅宗というのは、

　　　　達磨大師がインドから中国にやってきて発生したという

　　　　　　　　　　　経緯があったってことは以前話した気がするが」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　-'´￣￣￣ ﾞ '- ､
　　　　　　　　　 .r´'　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　 .（ ,nヾ､＿､_､__､- 　　 l
　　　 　　　 　　π　　　　　　　　 r　 .!
　　　　　　　　　（| ‐‐-､ 　,.-‐‐　 F-､j
　　　　　　　 　　.! 　　　　　　　　 i ∂!
　　　　　　　　　 i　､＿＿＿＿,　 .!- '
　 　　　　 　 .(二ヽ､_　 ｀=´　　 _,ノ二二)
　　　　　　／　 Y '|| （_ヮョヮ_〉＞　 　ヽ　＼
　　　　　 ,´　　 i　 || >',〉llll〈/<　〓〓　.l　　',
　　　　　l　　　 ｌ　　ll ＼',.ll./／　万万　 l　　 l　　　　　　　　　　　【 達磨大師 】
　　　　　 ､　　.l　　 ll　　 V '　　 ○○　　l　　ﾉ
　　　　　　　-,'　　　ll　　　　　　　　　　 　',- '
　　　　　　　 lﾆﾆﾆﾆﾆ::[三]ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆL
　　　　　　／　‐-､　　　　　　　　　　-‐‐　 ＼
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　ﾞ--------------------´
　　　　　　　　　|　　　　 　 l　　　　　　 |
　　　　　　　　　 l＿＿＿＿l＿＿＿＿.l
　　　　　　　　／i　　 ＿,......|......,＿　　　i＼
　　　　　　　　￣￣￣　 ￣ ￣ 　 ￣￣￣


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　「もう随分前の話ですね〜」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「うお、2011年の話だお」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　http://copymatome.blog108.fc2.com/blog-entry-4034.html


.

887： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:16:38 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　　　　　　 「臨済宗が入ってくるとともに、
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_　　　　　　　　　　　　　 この五山十刹という制度も一緒に入ってきたんだよ」
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::￣￣::::::::::　、
　　　　　　　　　　　　　 ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶
　　　　　　　　　　　;´::::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　／:::::／:::::::::::::::::／ヾ ﾍ＼::::::::::::＼:::::::::ヽ
　　　　　　　　 /::ﾆ/=－:::::::::::/　　　 　ヾ ヽ::::::-=丶ﾆニi
　　　　　　　　;::::::::::::/::::::::::::::ﾉ 　 　 　 　 ||　＼::::::::::ヾ:::i、i　　　　　　　「じゃぁ、もともとは大陸の制度だったのね」
　　　　　　　 i::::://:::::::::::i　/　　　　　　　 ||　　ヽ:::::::::::::::|::::ｌ
　　　　　　　 |:::/::::::/:::/i ﾉ 　 　　 　 　 　||　　　V丶:::::::|::::|
　　　　　　　 |/::::::/:::::７|ﾉ￣ 丶　　　　　ﾅ ― 、 !:::::i::::::|::::|
　　　　　　　 〉:::::/i:::::/z|"ニ、　　　　　 ﾉ　 ＿　 ヾ:::|::::::i:::|
　　　　　　　i:::::/｀ｌ:::〈　| ｆ::ｃヾ　　　　　　 彡,==z,、V|::::::ｌ ;
　　　　　　　|:ｲ !´|:;l ゛ ゞﾆノ　　　　　　　　 | l:::c｀ｿﾞ〉|、:::|:
　　　　　　　|ハヾ|:ﾊ　　 ｀　 　 　 　 　 　　丶=´　 / :|ﾊ:::|
　　　　　　　　　Vヾ∧　　　　　　　、　 　　　　　　/イ:|/ﾊ:|
　　　　　　　　　 ヾ:::｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　/_／:::∧!
　　　　　　　　　　 V::::::丶　　　　｀　´　　　 　.ノ/::::::::/ 　|
　　　　　　　　　　　V::::::::::丶、　　　　　　 　´:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 |:::::::::::ｙ=| ｀　ー　イﾄ、:::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　 l::::::| /　＼　　　 　丿 ＼:::::::::;
　　　　　　　　　　　 ゝ:::::Y´｀丶＼　 ／　 ﾍ　|::::::;、
　　　　　　　　 ／´｀´|:::::ﾄ、／　/|　|ヾ　く ﾉ |:::::ト　＼
　　　　　　　／　　／ |::::|　ｒ ´｀ヾ ﾌ´＼　　 :|::::|＼　　＼
　　　　　 ／ヾ ／　 　|:::ﾄソヾ／介＼ ノ＼ノ|:::ｌ　　＼ ／｀ー,、


.

888： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:17:30 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　 「そういうことだ。

　　　　　　　　　　　 少し話がそれるが、中華では各王朝それぞれの性格はあるが、概ね共通している性質がある」


　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ⌒　ヽ､_　 　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i


　　　　　　　　　　　 イ⌒丶.　　　　 　 ＼////ﾊ ＼
　　　　　　　　　 /＾ヾ|　　　　　 　 　 ､　　｀マ//ﾄ､　ヽ
　　　　 _,.　-‐／　 / |　　　　 　 ｉ　　　ヽ　　 ｀ Ｔ爪 　 :.
.　　 　 「 　 く′　 :i|｜　　　　　ｉ}　 .:.　 ﾊ　　　ｉ| :|/》　 ::.
　 　 　 　 　 i　　　:i|ⅰ　　　　. :{{　: :}: .　|　 　 ｉ| :|//》　 ::.
　　　　　',　　i　　　i|ⅱ 　 　 : : :}､: :_ｊＬ {_|　 　 ｉ| :ｌ　 /》　:::
　　　 　 　 　 i　　　|八 _　　　: :爪 /i} ∧|　 　 ｉ|/　　 /》 :::
　　 　 　 }ｉ　　i　　才＾ヽﾄ　　　: :ｋ七Ｔ六ﾄ､　　ｉ|　/　//　::{　　　　　　　　　　　　「それはなんでありますか」
.　　　　　{{ i 　 ,　 ‘ｋ七圦ヽ.　: :|　V匕ﾉi}'/ 　 ｉ|　　//　　:|
　　　　　 Wﾍ　 ',　　:.　Vヒi}　､: :{　 ‘冖1l:i　　 ﾘｃ //,、　 :|
.　　　　　 }} 人　::.　　:. ､¨´　　＼, 　 　 川 　 /_∠∧∧　 |
.　　 　 　 {{　　 ヽ ::.　　',ゝ　′　　　 ／ ﾘ'　 /　/、 ∧_}　 l
.　　　　　 }}　　 　 ', ＼　V丶. ｀ 　 　 ,.ｨ7　 ｲ　 ′＼ ＼＼
　　 　 　 八　　 　 }　 }ト ＼　＞　 イフ ／l |:　ﾄ（　　＼_〉∧
　　　　　　　＼ 　 ﾉ／}} 　 ｀丶　　斗n升}｜　 l　∟Ｌ _　　 丶
　 　 　 　 　 　 ／´　 ″ .:|　 }と7　ﾑｌj　 Ｌ|　　|　|　　　｀　 .　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 /,'　,.ｲ|　.:　.′、　　⌒|　　| ｜　　　　　 ヽ　 ＼
　　　　　　　　　　 //: / /:| :/ .′ 　 　 　 ,|　　|　|　　 　 　 　 }: .　　＼
　　 　 　 　 　 　 //:　ｉ./ .:|/_厶ﾍrﾋ'⌒TT^! 　 ｌ＾i|７、 　 　 　 } : : .　丶＼
　　　　　　　　　//: :　l'　 / //∧从　 人{八 　 Ⅶ'　} 　 　 　 i} : : : . 　 ＼＼


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889： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:17:42 ID:1foRLzfI




　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │　　　　　　　「存在する多くの制度が、多分に官僚的であるということだ」
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ　　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',｀ー―‐-､: : : :ハ!:|i:ﾘ　　　　　　　　　　「あら、そうなの」
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .

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890： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:17:59 ID:1foRLzfI


　　　　「そうだ、そしてその官僚的性質は仏教の教団においても例外じゃなかった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　_フ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
　　　　 フ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|゛
　　　 ´Z,. ,ｨ ,.,.,., ,r'ﾅﾉ''v'"'7 　 /｀ｿ'-ｧ_　　 　 　 　 |
　　<´　`<〃　〃 〃 . 　 /　 ./　 　 　 ｀>　　　　　Ｎ
　　　＼　 ＼　 　 　 　 ./　 /〃´｀l　 　 〉　　　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 臨済義玄 】
　　　 / ＼　 ＼ 　 　 ./　 /〃　　.| 　 / .r'⌒'i　　　|
　　 / {´＼＼　 |i　　.i|　./〃　　　l　　l　.|⌒i　l　　　|
.　 /　 l. 　 ＼＼|!　 .!レ'〃　　　 .!l. 　 l　.|⌒|　|　　　l　
　 ＼　 l　　　 ＼　　　 /　　　　 !!l.　　 l　|⌒l　l　　　 l
　 　 ＼ ゝ __ｏ／　　 ゞｏ　＿ ノ〃　　　l .|_ノ /　　　　l
.　　　　 ）ミ三|　　　　　三＝彡´　___ 　 リ__ノ　　　　　ゝ
.　　　／　　 /　　　　　　--､　-‐'´,r‐､｀ |＼　　　　　　　＼
.　　（　　　 /　　　　　　　　 ）　 ／ヽ,ｲ] .|　 ＼　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　『やあみなさん、
　　　ヽ　 ./　　　　　=＝　　 ／ヽ／∧! |　　　＼ 　 　 　 　 　 ＼
　　＿ ） （ __,､ 　 　 　 _..､ィ´｀>´ ,､ﾍ/　|　　　　 ＼__　　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　　またお会いしましたね』
　　` ‐┬‐┬ ''Ｔ''''Ｔ´ | __.ゝ'´,､へ冫 　 |　　　　　/|::::::" '' ‐ ､ ..＿　＼
.　　　 └‐┼┬'=,='-〒‐r‐ヾ__ゝ'´　 　 |　　　　 / l:::::::::::::::::::::|::|:::::::::￣
　 f .￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　　　　.|　　　　/. ,'::::::::::::::::::::::|::|::::::::::::::
.　 l　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　 /　/::::::::::::::::::::::::|::|:::::::::::::
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　「臨済宗は北宋時代に臨済義玄が興した当時の新興仏教で、

　　　　　　　　　　　　　当初はその官僚的気風は薄かったが、

　　　　　　　　　　　　　　　官と近しい仏教の宗派はどうしてもその影響を免れ得ない」


.

891： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:18:20 ID:1foRLzfI




　　　　「臨済宗の躍進は大慧宗杲という禅僧が中心となった『大慧派』という派閥が

　　　　　　　　当時の貴族、官僚社会に迎えいれられることによる」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　＿　＿　　　　　　　　　　　　 　 __
　|主 | ､ﾉ　| --|- ヽ///　,フ_ 　 |ﾆ|ヽヽ.ﾉ ┌┼┐ﾉ十ﾉヶ┐斤_.斤　　　　 　 　 　 ｢!
. llll亅|/ヽ　l,　丿　ﾌヾ.ヽ　c_,ﾉ　ﾉ 亅|.メ |　| ,人亅.ｰ|‐ﾉﾉ亅　|三|　つ ･････････　o
　　 　 ￣ 　 　 　 ’￣￣　 　 　 　 　 ￣　　　　　　　　　　　 ´　`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. -─-　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.／￣＼　　ヽ.＿　-‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ.／ｰ- ､　　＼＿,. -‐- ､　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　/./' 、　 ｀ヽ:､＼＿_,. -‐　u !　!　β-エンドルフィン
　　　　　　　　　　　　　　　　/ /　 | ＼　　 !}　　v　v ,. -=キ十　　　　　　……！
　 チロシン……！ 　 　 ,. - .ヽ.　 !　　ヽ､ |!　u　 ／'´＿v|　|
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 | ,.‐､| |uヾ:ヽ. o　}|`lｌ ;∠-‐''￣,ﾗ |　L_
　　　　　　　　　　　　　　| |‐､| | /|ヽﾞミ三ｼ/ ハ　o　　./;;　| /ヽ.}
. エンケファリン……！ | !._,| | |∧ ＼_ノ　}　}uﾞミ三彡'　 |./V./
　　　　　　　　　　 　 　 ,ﾉ`ｰ|/　|∨ヽ、ｌ　 / .ﾉ 　 ＝' ノ|　|l‐//
　　　　　　　　 　 　 ,∠.-┐〈 　 Ｎ＼/`＼|　{__ノ__,／l/! /'ｰ ' |
　　　 　 　 ＿_ ,r（ノ　　/ |　 |　 U∨ /ヽ/ゝ-1__|_｣／l/〈　,ｲ＼|　　バリン…！
.　 ／r'⌒`ｰ-'　　 ヽ.　,'　|　 |　　 U`ｰ､/ ７~ﾞ|__.|_｣／J'/　| |　 ＼
. /　　） キキキ　 　 ） 　 | 　 ヽ､u　　　_￣￣　　v'　／　）、|
/　　（　 　 ……！（ ｌ　　|　　　 | ｀ヽ、　￣￣　,. ‐i´　 ,ﾉ　 ` 〜〜〜 ､
　　 　 ` ｰ-''⌒ ｰ- 'l.　　 ||　 　 ﾄ､　　＼__,. ‐'´　　| 　 {　　ククク…　　）　　　　　　　　　　　　【 大慧 宗杲 】
　　リジン　　　　　│　　 ||　　　|ヽ＼　　　　 r‐;'ﾆ|　　 `i ｰ-〜ー--‐'
　　　ロイシン　　　|.　　　 |　　　|ﾉ' ＼ヽ.＿ ﾉ.ﾉ|　| ﾄ 　　|　　|
　　 　 イソロイシン……！　　　|ゝ'　 ｀Y-‐'´フノ|ﾉ |　　|.　　|

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 大慧 宗杲 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　『だいえそうこう』さんです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　いわゆる『公案』による悟り――看話禅こそが正しい禅宗であるという立場を主張し
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　　　曹洞宗に属した宏智正覚（わんししょうがく）さんと激しく対立しました。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　　　　　　この大慧さんの大慧派が大陸臨済宗の最大派閥になるようです。
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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892： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:18:31 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　 　 　 　 -―-､＿　＿.／⌒＼
　　　　　　　　　　　　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}
　　　　 　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　 　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',　　　　　　「ちょっと待って、お兄ちゃん」
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　 　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
. 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　 　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　 　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／￣￣ ＼　　　　　　「ん？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 __ノ　｀⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　: : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|


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893： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:20:24 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　「貴族さんとかに迎え入れられるって、それって」


　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|



　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒　　　　　　　　　　　　　　　 「あぁ、お察しの通りだ。
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　　　当然臨済宗もご多分にもれず
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 組織が官僚的に傾いていくことになる」
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼


.

894： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:21:05 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　 　　　|　　　　「大陸禅院の五山十刹もまた、その官僚的構造の一つの現れなわけだ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑヽ 、､____／ヽ__
　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:;Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ : ∧　|::Λ |＼> : : : ｀,
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ : :.∧ |:::::| | : :ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :! : : : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::|| : :/ : : : :i :|
　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : : : : : : :＼ : '.,:::| : /: : : : :| :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : : : : : : : ＼::V :/ : : : : :l : !
　　　　　　__/_: : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ: : : : : : : i : |
　　　　／　　　｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,' : !
　　　（__.ィ´ヽ,ム、〉、:ヽУ　V. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : !
　 　 　 / ゝ/　/ 7-､Ｙ :,′　 ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : |
　　　　ヽ／　/　/ /'Y:ｿ　　 　 }.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : !


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ
　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /　　　　　　　　　「あー……」
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，



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895： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:21:21 ID:1foRLzfI


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　l　l 　 |_｣　_｣个L_　　　l}　 ヽ､　　　/7　　　 /７　　 l　 |　　　　くう〜〜っ…！
　::.　:〜〜|_ |:〜 ＼`ｰ{于}く＞ .〃,.ィ､ ｝l 〜〜_,. -┐//〜〜 |-┘　　　なんじゃ……？
　ﾞ:ﾞ　｛｛ｔ今ｭ| ｔ今ｭ |ｰ┴┴;〕.〉 {.{/,⊥,Y/　　rくL{勾ト巛,ｨ 〜ｔ今ｭ｝　　　　これは……！
　:ﾞ:..　　〈ﾆｔ今ｭ!ﾆ)〃:〉ﾆ〈r夂,ﾍ'yｦ去キ∧川;ｲ〉 彡7´{ ﾊ　ｔ今ｭﾉ
　　:;.:.ﾟ..〈人(ｔ今ｭ /彡ﾄ　:ｲﾐ:::|ﾆ{:个旦个〉'"⌒ヾ　　l ‘ﾞヽ:{ ｲニ)ﾉ　　　なんだ…？
　　　;::: .. . V(.ﾆ〉 |;;;;ﾑL_｣ノﾍ7ｰ;ﾍ　 彡ｲi>、　ｨi} ＼ ＼､rう 人〉　　　　この流れは……！
　　 　 ::;..･:. 〈.ﾍ〉 ｣::|　　　　/ﾆｿ/｀T 彳|　 :　 { |､＼｀Ｚ:デ　..::; ‘　　　　　あﾞ〜〜〜？
　　　　　:ﾟ:::；:..__└⊥-‐￢i匁:仄7ヽ二|/ヽ,}　 /　}　〈　　.:：'　r〜
　　　　　　￣；:;･..　ヽ _⊥　ﾉ 〈二ヽ.／|＼L､_,｣∨　 ﾉ ;:''　_う　　　　　　　　届かぬか………？
,.　-─-　 _　 　 ::‘...｛｛　／|　 |l l l/／|<ｲ〉::::l从:|　〈　 ∠〜つ_ノ⌒)　　わしの声が届かぬか…？
　　　 　 　 ｀r,ニ三ヽ_／ :}.j　_」l l i´　 ﾄ､_＿__/,|iL._　,c∞88∞､ ∠ノ
__ノ´￣三ンc〜ぃ､` ｉ｝ :〈,ﾉ└─┤　　＼＿_,ノ |‐┘ｆ８８８８８８　´⌒)ノ　　援軍っ…！
　彡 r‐-､彡ｲ ､ ,ぇ!ﾉﾉ　　　　　　 |　　　　　　　 |　　'Yﾆi 'ニ ﾚYｰ- ､
　ﾆ;フ　/´,|　｀Z二くヽ　,.〜''´￣￣`￢- 、　　 /　　/｝´し.｀　rｨ8　　　　　わしを庇護・擁護
　（　 　 ｀ヾ￣ ﾞヽヾ)）∨/二'''ー--‐'''二ﾞぃ　, 〈　　/(.ﾍ⊆ゝノU 8　　　し続けてきた者たち…！
　:::）...:､.＿::>'　 人,》,〉l:/三ミ＼'ｰ''／ij三:｝}:ﾍ　〉 ハ､ｆiT｢!|o∞♀//
二ﾞ_''ｰ-〈三ﾆ二´ノＹ(｣:|::r〜ベヽ /r〜ベ;:|:ﾚ:v′-‐ｧl.|.|.!ﾞ ト- ､L|/∠
_ﾉ｛ ｢ﾌTｰ-イ( ヾー'〈rj||ｔヽ､_e_,》ｉi《_e__,〃|{ﾀ/　 / /_人　 |　l　| ヽ＼　　何をしとる？
　ﾉ|＼ ヽ＼ い丿 　 |L||u:=＝=''|.|≡=＝::||_ﾘ 　 | ｛　八￣|　|　|　　　　　　　さっさと……
/ /ﾄ､ ＼二ﾆイ〈　　 ｀T|r,ﾆ二ヽLレ二ﾆ､|::|　〜…=:ニ¨ ,. -─- 、　　　　わしを救えっ…！
ノ　l :lヽ　＼ｰ- ､＼　 _|:|.}十十土士十H.|:ﾘ､__ =ﾆ二 ／,,.､､ 　 　 ヽ
　　 〉＼＼,. -─''´￣/|ﾘｌ｀¨￣ ｰ一 ｀￣｣:|:ヽ::::￣ご/ rｆ彡)）)　　　　　止まっとるじゃろ…！
　　/:ﾄ、,ソ:::::::::::::::::::::|::::|::｀丁ﾆ'ｰ-‐''ﾆ｢::::|!::::|::::::　{:し个ミご人　　　　　おまえたちが寵愛する
.　/::│〈::::::::::::::::::::::::/:::::jﾙi:{｀三(T)三jﾙﾘ:::::〈::::::::::｀｢ {だiﾆミ彡ト=ﾘ　　　　わしが…！
.　|::::::ｌ /:::::::::::::r〜'三三ッj（(_,ｲ_|||_,)､う|::::::::::〉:::::::　lr:｝ﾗﾟ＝ |ミ|
⌒) - = … -,〃〜ヾｼﾞニ< l(（人|||人）)|::::::::j;rf.{:::::::::>ﾍﾋｭ　从ﾐヽ　　　苦しんどるじゃろ…！
　´⌒ヽ〜ﾄ-彡=ニｿ'　<ｧく |､r'ﾆ|||ﾆ'v‐|-=ﾆ|.|.|.ﾚ┐ﾉ ｉ ｀工'シ´⌒ヽ　　　だから……
⌒〜 　 ミ三ﾆ三ﾆゝ_　ﾉぅ'｀⌒…〜_- |::::::::::|｀､ [Xﾟ%, l ｛::r'ノ8
, r〜''⌒ヽ-‐ﾆｱ 「 {川'yろ ｰ=ﾆ二¨ 〃|::::::::::〉　r:┘8人jｲ〉ﾟﾟ　　 }　　　さっさと救えっ……！
　　　　　　｀＼　　　り巛!｝　-=ﾆ¨ jﾌﾌﾌ|:::::::%｡｡d.ノ／:ﾟうﾉ　ｰ-イ
ー''ｱ:　　　　　｀ヽ　∠｝ }＼　　　⌒こ〜::::::｛　　jノ::::::::::＿〉‐ト
ー｛::　　 　 　 　 ﾉ´　/ / ﾉノ　-=ﾆ¨:::::::|::::〈:`ｰイ⌒''＜：：い､__


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　「禅院五山の成立は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　大慧派により臨済宗の発展がめざましくなった時期と重なるという説が有力だが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ま、諸説紛々だ」


.

896： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:21:35 ID:1foRLzfI


　　　　　「ただ、この五山も、最初は単に臨済宗における内々の格付けだったんだ」


　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ 一）（●）
　　|　　　　 （__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　　 ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「仲間内のうちわの取り決めかお」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ 　　―　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ 　　(● )　　ﾍ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　（⌒ 　 (● ) ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾍ　　　 ￣｀､__）　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ　　　　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 , へ、　 　 　 ＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 　 　 　 　 ＾ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　１ 　 |



.

897： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:21:47 ID:1foRLzfI



　　　　　「しかしこの五山という格付け、

　　　　　　　　　　臨済宗が官公に取り立てられると、やがて公的な格付けとなってしまった」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 　 　　 i 　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　 、__,ィ、　　　　　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 V　 ﾍ _ノ-､　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ 、___ノ　　　　}　　　＞、＿　　　__
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､丿_ ,.　　 　 /}　 ／/ : :/. : 二ﾆ{　｀ﾏ:ヽ　,.- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ｀ヽ 、　　/;:' ,.ｲ / : : :i : : : :.｛¨V　 ＼:Y　 /
　　　　　　__　　　　　　　　　　 　 　 　　　 `-ｭ＜ｨ＜／ ,ｨ'"´ : : : : ∧　＼　 ∧　{
　　　　　 (　｀､　　　　　　　　　　　　　　 _／イr;;;;;/У: :｀ヽ､ : : : :i {　' ､　　ヽ　 ｀ﾄ､
　 r-、　　ヽ ∧､　　　　　　　　　　　　　{ : :ﾉ/〉-{／ : :／ : : : : : :i :〉、　ヽ　　　　',ﾊ
　 } r-、　　〉、　ヽ　　　　　　　　　　　　｀､| :i,';;;;/ : : :/ : : : : : : : ｨ:(　＼　_ヽノ　　}:ﾊ
　 } }　 {_／　{　　 {、　　　　　　　　　　　}λ:|;;;;/ : : /. : : : : : : : : : : ﾍ　 . : : : :　　r）､:
　 } }　 {r-､　,'⌒　　',　　　　　　　　　　/:'〈:'|;/ :.／ : : : : : : : : : : :V: :.｀ヽ : : : : ._// : :
　 ヽ}､ .i　 { r-､　　 人ｭ､　　　　　　　 /:λ',:r :./ : : : : : : : : : : : : : :'､: : : : 〉二ﾆ／ : : :
　　　⌒}､└i　'ト ィ　ﾉﾉ:.｀ヽ､　　　　 /. :} : :i : ,' : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : :{-´ : : : : : :
　　 　 　 ⌒--へ　 // : : : : ＼　　 r'´｀.i : : Y : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : V : : : : : : :
　　　　　　　　 ',ヽﾆノ : : : : : : : :ヽ人ミヾ', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : } : : : : : : :



　　　　　　　　　　　　　　　― 　ー―‐-- ､
　　　　　　　　　　 　　: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　　 ／: : : : : :,:,:,ｨ: : : : : : : : : : : : : :丶
　　　　　　　／ｨ: : ／／"　7/"ﾍ: i: : : : : : : : : : :ハ
　　　　　　' ／: :ｨ:: :へ　　 i:.!　　i: !: : : : : : : : : : : :.ﾊ
　　　　　　/:／/:.ﾑ､,､ ヽ　 |:|　_」: ﾄ: : : : : : : :: : : : :',
　　 　 　 //　 i/ / 仍　　　ゝ´　ﾚ｀ﾄ:､: ﾘ : : : : : : : : }
　　　　　 '　　 { /　て'　　　 ´ ｀７ヾ,|: : ｲ: : : : : : : : :.!　　　　　　　　　　　　　「なって『しまった』って？」
　　　　　　　　'/　　　　　　　　匕｡ﾉ>: :/: : : : : : : : : |
　　　　　　　　 ',　 ｀　　　　　　 ｀´　|:/ｰ､: : : : : : : :{
　　　　　　　　 ﾊ　 'iヽ　　　 　 　 　 '　7ﾉ: : : : : : : |
　　 　 　 　 　 　 ',　'ｰ　　　　　　　_^／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　 ､＿_　　 ､　´　＜: 7: : : : : : : : :ﾊ
　　　　　　　　　 ／ｨ ´／≧＝￣≧ /:ｲ : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　　 /／ ／７´￣｀ｰ. ´. ./: /|: : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　 ' 　 {'´/. .=.-. . . . .､/: :i. |: : : : : : : : : : : : : ー ＿＿_
　　　　　　　 _ =＝=,ﾊ. . . . . . . . . {: : |. .i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : -
　　　　　　　}＞ ≧三;}. . . . . . . . .ﾊ: ﾊ. ﾍ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 ／三三ハヽ. . . . . . . .ヽ: ヽ. ､: : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　　　 >三ﾆ/ 　 |__入. . . . . . . ＼: ー'‐: : : : : : -=
　　　　　　 く/,/ﾆ/　　 |. . . .ヽ. . . . . . . . ー―――､-
　　　 　 　 　'/ﾆ/　 　 r. .´.{. . ＼. . . . . . . . . . . . . . ＼. .
　　　　　　 　 ｀'　　 　 |. . . . ､. . . ＼. . . . . . . . . . . . . . ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 |. . ､. . .ヽ. . . .＼. . . . . . .
　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ. .ヽ. . /.ﾊ. . . ..＼. . . . .
　　　　　　　　　　　　　　ヽ_ ノ. . . . . . . . . >. . .


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898： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:22:06 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　「そりゃつまり、臨済宗が権力俗世の紐付きになったってことだからな」


　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　　　　「真面目な修行僧には悲報だろうよ」
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !



　 　 　 ／: : : : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : ＼
.　　　 /: : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　/: : : : : : :|: : :／: : : : ／: : ://: :.／｀i: ﾍ: |: : :ﾑ
　　 /: : : : : : : |:／/: : : ／: : : .ｲ/: :/ " '^^' ,|:.|: : : ﾊ
　　 i: : : : : : : /: :/: : : /: : : ／ /:／　　　　　|:|: : : : ﾑ
　　 ! : : : : : /: :/: : : :ｲ: :／　 // 　 　 　 　 ,∧: : : : : ',
　　 |: : : :,ｲr ∨: :／/: /_　　/'　　　　　　　/　|: :|: : i: :|
　　 |: : // ノ/:.／' /／　 ｀ ﾅ‐-　　 　 　 /　 .|: :|: : |: |
　　 |: : {'　r/／　 /'　　　　　　ヽ｀　　　 /　　 |: :|: :.|:.ｲ
　　 |: : ﾍ∨' }　　　　='ゝ､　　　　　　　　≧ ､」:ｲ: : |:ﾙ|
　　 ﾄ: : : :'ｰ-､　　　　　　 ﾞ＝'､　　　　　　　　ﾚﾘ: ｲ:/ﾘ
　　 |∨: : : : 从　　　　　　　　　　　　,､__　 ／ﾘ'|/'|/
　　 | ∨:: : :.V　､　　　　　　　　　　　　￣7 '|/ ﾉ　'
　　 |: :ﾄ: : : : !　 　 　 　 　 ､　　　 j　　　/　 '
　　 |: :ﾍ: : : : ﾄ　　' ､　　 　 ｀ ｧ 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　「なるほど、ね。
　　/: :ハ: : : :ﾊ＼ 　 ＼　　　_　,　イ
　./:／. iﾊ: : : : ﾄ､.＼ _/｀ ≦ |: : : : |　　　　　　　　　　　　　　　　　真面目な修行僧『なら』そうかもね」
／ ＝７>､}: : : :}　>. ﾊﾍ　 />,|: : : :.|
　　／／. .|: : : |./. /､.ﾍ. .ﾊ≧|: : : :|､
.／／. . . . |: : :.|.／≧＝=＝=,|: : : |ｰi.ヽ
／ . . . . . . |: : :|. . 込三∧､ﾆ/| : : |. .|. .i
. . . ﾊ. . i. . |: :.:|. . . . .〃. ﾊﾍ､. |: : | . | . |
. . . . .∨|. . |: /. . . . . {{. . .ヽ＼.ﾍ: |. ..|. . z

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート 【 大陸での禅院五山 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　官制の五山の格付けはこんなふうになりました。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　第一：徑山興聖萬壽禅寺
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　第二：北山景徳霊隠禅寺
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　第三：太白山天童景徳禅寺
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
　　　　　　　　　　　　　　　 第四：南山浄慈報恩光孝禅寺

　　　　　　　　　　　　　　　 第五：阿育王山廣利禅寺

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

899： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:22:22 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「そしていつの頃からか、五山が定められたように

　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　十刹という格付が定められることとなった」
　　　　　 　 　 　 　 　 ／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　( ●) (●）
　　　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,､
　　　　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　|　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 ｀'' - .,_　　　　 _,,
　 　 　 　 　 　 　 　 　 iヽ 　　　　　　|　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　 `''ー '",.'
　　　　　　　＿＿ ,.-i" ﾊ `＞ ｰ-´- '､.　　　　　　,.､　　 　 /　　　　　　　　 　 , '
　　　 ,.-'-´- ､　　　 l　　　ヽ　　　,'""i;＼　　　　 |　',､.　　/　　　　　　　　　 ,.'
　　 ,.'　　 　 　 ヽ　　'--.､,. '´'､-.､l､＿!',. ヾ'.､　r'=!　l. i　./　　　　　　　　　, '
　　 !　　　　　　　 i　　.／　 　 ヽ ｀ l　'､!ヽ,ゝ／.,ノ　,! l ./　　　　　　　 ,　,.'
　　 l　　　　　　　　､　　｀' ､.　　 ヽ. |　 ヾ ﾟ,.'　 '　　ｨ　i/　　　　r;- .,_ ,.'.,.'
.　　 ', 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 ｀' ､.　 ヽ!. ,...!､!,_　　　　 '/　　　　　`'-､'ヽ;'
.　 　 ヽ　　　　　　　 ヽ　　　　 ｀' ､,.r'"　　｀"ヽ､_,,. 'ﾞi ｀`'ｰ- .,,r'´;｀ヽ　',
.　　　　ヽ　　　　　　　 ヽ　　　,. ‐'　　 　 　 　 ヾ､ !　!　　　　r'´;"'ｰ　 i'
　　　　　 ヽ　　　　　　　,｀ｰ'"　　　　　　　　　　| `!.　!　　 ,.ri"´`-　, r'
　　　　　　 ヽ　　　　　 '　　　　　　　　　 　 ,. ‐'　 | 　 ', ,. !,'　｀''　 ,)'.´
　　　　　　　 ',､　　　　　　　　　　 　 　 , ‐'　　 　 !　 ／　','- .. ィ´l
　　　　　　　　　 、　　 　 　 　 　 　., ‐'.!　　　 |　 !　'　　　 `' ､'　.,'
.　　　　　　 　 　 ヽ 　　　　　　 ,. ‐'　　.|　　 　| 　!　　　　　　　>'

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.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判 【 大陸での禅院十刹 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /　　　十刹の格付けはこんな感じになります。正式名称を、と思ったのですが、表示できない字もあったので略称です
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/　　　 まぁ、略称にしても表示できない字もあったんですけどね（しょぼん）
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　　　　　 第一：中竺
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　　　　　 第二：道場
:::::/:;' /⌒ヾヽ　　　　　　　　 第三：蒋山
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　　　　　 第四：萬寿
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　　　第五：雪チョウ
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　　　　　 第六：江心
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　　 第七：雪峯
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿　　　　　　第八：雙林
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　　　第九：虎丘
.:l/: : : : : : : :.〉　　　　　　　　第十：國清
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
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.

900： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:22:42 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「それに加えて、その十刹に継ぐ寺格として『甲刹』がさだめられた。

　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.　　　　　　　　　　　この『甲刹』の部分は日本においては『諸山』と名前が変わる……
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,　　　　　　　　　 色々違ってるんだけどまぁ大体は同じだと思ってくれ」
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :u : : : : : .,　　 　 　 　 　 :|
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|
　　　　　|::::;;;（　 ●） ﾉヽ （　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|


　　　　　　　　 ／　￣￣￣￣￣ ＼
　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　「少年漫画の敵じゃねーんだから
　　 ／. 　 　 　―― 、　　　, 、―― 　　 　＼
　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　そんなポコポコ増やされても……」
　 ..|.　　 　 　（　● ）　ﾉヽ　　（ ●　）　　 　 　 |
　　|.　 　 　 　 ´"''",　　　 　 　"''"´ 　 　 　 　 l
.　　＼. 　 　 　 　 （　　　 j　　　 ）　　　　 　 ／
　　　　＼　　　 　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート 【 甲刹 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　 『かっさつ』と読みます。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　 甲刹の甲は甲乙丙の甲、つまり最も優れているという意味です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　『各州に甲たる禅刹』ということで甲刹、です。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　 手元の資料によれば『主な甲刹』として三十三のお寺が上げられていますが、割愛します
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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901： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:23:05 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「こうして中華において五山十刹甲刹が成立し、

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　 日本にそれが伝えられる下地ができたわけだ」
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|　　　　　　　　　　「なにせ奈良時代からの日本の癖で、
.　　　　　　　 __　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、　　　　　　　　　　　『なんでも大陸から持ってきてなんでも同じようにやってみる』
　　　 　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
.　　　　 { : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼　　　　　　　　　　というのがあるからな」
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―-､＿　＿.／⌒＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 : : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　 ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼ 　 　}　　　　　　　 「つまり五山というのは、まとめると
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V　　　　　　　　　　 『臨済宗における官僚的な格付け』ということ？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ; : : : : : : : Z≧ｚ､ 、　　　 　 　 ヽ i: : : : : : ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　 　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　 ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |: ::|: : : l: 厂 　 　 　 　 　 匕少ハ l : : : : : l
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　 　　｀¨´　 ﾉ∧: : : : j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　 　 　 　 　 　 ムｲ: : : ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,': : : |: : :|〉.　　　 （:Y}　　　 　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　 イ ﾚｲ´＿　 }: : /: : |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
　　　　　　　　　　 　 　 　 ／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　 　 ｀¨´ ／: : : : : : |


.

902： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:23:16 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼
　　 　 　 　 　 　 |(⌒.) (⌒ )　　 |
　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、　　　　　　　　　　　　　「ま、そういうことだな」
　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
　　　　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　　　 i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
　　　　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
　　　　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
　　　　 | : : :./ : : : : : : : : : : : : :／ :Y.. : : : : : : :i
　　　　 | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : :i



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「南禅寺はそのトップということでありますか」


　|　　　　　|　　　　　|　　　　|　∨　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　 　 /ヽ
　|　　　　　|　　　　　|i　 　-┼‐ ∨　　　　　 /----＜　　 |　　　　 　 /　 }
　|　　　　　|ｉ　　 　 斗＜ 　 i|　 | ∨　 　 　 /|　　　/　ミｔ､,　　　　　 /
　|　　　　　|　　　　　|　　　　|　 |　 ,　　　　, ｜ 　 /　　　 ,　　　　　/　　 l
　|　　　　　|　　　　　|i ,x笊芋芥ﾐ　∨　　 ,　 !/芥芋笊㍉　　　　　　　　 |
　　　 　 　 {　　　　　| ゝ　)//刋　　 ∨　/　　　 )//刋 /,　　　　 //　 　 |
　l ，　　 　 , 　 　 　 | 　 乂^)少 　 　 ＼i 　 　 乂^)少　,　　　　/{/ｌ　　 ｉ|
　| ‘，　　　 ，　　　　,　　　　　　　　 　 , ＼　　 　 　 　 ，　 　 / il/ｌ　　 ｉ|
　|　 ∨　　　'，　 　 从　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　/　 {/廴　/|
　|V/∧　　 　'，　 　 入　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/　　 ﾏ//,/｜
　Ⅵ// ‘，　 　 ，　　　|　　　　　　　　 O　　　　　　 ,　　　 /,∧ 　 ∨,/
　 ∨'　　　，　 八　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　/∧∧　　ゝ'　 |
　　ｌ　 　 　 ＼ } /＼　ｉ|　　　　　　　　　　　 　 ィi〔,′ 　 /!/∧∧　　　　i|
　　|　　 　 　 {／//l ＼!　　 　 |ﾆ＞　　　　＜ﾆ| /　　 ‰ |//≧〈　 　 　 |
　　|　　　　　/////| 　 ＼　　 i|￣/　≧≦∧^｜　 ／　　 〈///∧ 　 　 i|
　　|　　　　 /////,'|　 　 　 　 i|＿＿/二,∨＿_| ／　　 　i| ∨//∧

.

903： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:23:32 ID:1foRLzfI




　　　　　　　　　　　　「今までの流れから見て、そういうことだと思うお」

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「その辺も含め、日本における五山十刹の変遷も簡単に説明しとくよ。

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　これもまた歴史の中の流れの一つだ」
　　　　　 　 　　　　 ／　　ヽ_　　.＼
　　　　　　 　 　　 （ ●）（ ●）　　｜
　　　　　　　　　　 （__人__）　 　 　 |
　　　　　　 　 　　　ｌ｀ ⌒´　　　　｜
　　　　　　　　　　　{　　 　 　 　 ｜
　　　　　　　　　　　{　　　　　　 /
　　　　　　　_. -: ´Λ　　　　 _.へ｀　、
　　　 　 r＜: : : : /:|: :、 ￣r'　 　 ＼ :＼_
　　　　/: : :ｌ : : : : : :＼`IエL>、　 　 >ﾍ::Λ
　　　　|: : : ﾄ､: : : : : : : : : : : : : `ｰ／ : : V　|
　 　 〈: : : :::: _ -￢-－―-､: : く:r ､: : : V ｝
　　　 /: : :_ン´: : : : ＼ ,___, ｨ ）: : :`く : : : ヘ|
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


.

904： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:23:45 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　「普通の観光客には不要なマニアックな情報かもしれないけど」


　　　　　　　　　　　　　　　　＜￣: :｀: : :.ヽ
　　　　　　　　　　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : ヽ、
　　　　　　 　 　 　 　 /: : : :/: :rｰ弋､: : : : :'; :.ﾊ
　　　　　　　　　　　 /: : : : !: :/　　 ヽ＼: : : :' ; :!
　　　　　　　　　　　 ! / : : ! /　　　　 l!　ヽ '; :.! :l
　　　　　　　　　　　 V: : /ﾊl-－　　　T ￣ヽ! !: :!
　　　　 　 　 　 　 　 l: : i l´.j ＿　　 　 ,＝= .人 :l
　　　, -－-､_　　　　l: ;ｲ:l　'"⌒`　　 　 ::::::: レﾉl
　　r'´ﾉ､　　l !　　 　 jﾊl lﾍ ::::::::　　 '　　 　 /'´ l
　　（'ノ7 _ .r　l　　　　　 ｀Tヽ、　　ｰ　'　 ／ : : !
　　 Y￣) ７　/　　　　　　 l : : ＞-,　_ イ/ : : ノ＿
　　　ヽ、　　 L_ 　　　　 　 !: : /-,! イ´./ ;イ_ イ　ヽ
　　　　 ヽ　／　!　　　　　/l: :/に大ﾆ}/:/　 /　　　 !
　　　　 / ﾝ　 　 !　　　 ﾉ7// -' ノl!_V:/ l　/　　　 /
　　　　 !'　　　　 l 　 ／/ j/　／ / __!/フ /　　　 /
　　　　 ヽ、 　 　 ! /　 !　|　l! 　 l　! j!　!./　　　 /
　　　　　　ヽ_ ／ﾉ´　　',_ﾘ .l!c　 ヽ!__lノ./ 　 　 /
　　　　　　　V_ノ　　　　|　　l!.　　　 　 /　　　 /
　　　　　　　 ヽ　　　　 ハ　 l!　　　　 /　／　 !
　　 　 　 　 　 ヽ　 　 /　 l　 l!c　　　/／　　 l
　　　 　 　 　 　 ヽ　./　　 !　l!　　　ノ　　　 ﾉl


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 -―─-　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 ＼　　　　　　　　「それは言わない約束だお」
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′ 　⌒　 　 ⌒ 　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　（ ―）　 （― ）　 ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　 (__人__)　 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂⌒ヽ　 ＞　　　　　　 ＜_/⌒つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　丶′　　　　 　 　 　 　 7
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼ ノ　　　　 　 　 　 ﾄ､_/
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ′　　 　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 i　　　　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 乂　　　　　　　　 ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　/ー―一 、　|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 し′　　　　　､_ｊ


.

905： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:24:05 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「五山十刹制も臨済宗と一緒にやってきたというふうに言ったものの、
　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、　　　　　　　　　　　　　当然ながら日本独自の五山十刹が選定されたわけであり、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　それは大陸の官制のそれとは関わりはない」
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 ,　＜////////＞ ､
　　　　　　　　　　////////　‐-　､////＞､
　　　　,ヘ　　/////////////////＼//// ＼
　　 　 |　　＼///////////////////＼////ﾊ　　　　　　　　　　　「大陸のお寺さんは、日本には無いものね〜」
　　　　|　 ////ヽ＼　{⌒＞‐- ､////////////∧
　　　　|　i//////,ヘ ﾚ´　　　 　＞ ､./////////∧
　　　　ﾘ {//////レ´　　　　　/´　 ﾆ≧､.///////∧
　　　　　|//////|　　　　　　　 　 ｲ弋 ヾ ＼//////∧
　　　　　|//////|　　, -　　　　　　　ヾノ　 .∨/////∧
　　　　 八/////i　/　　ﾆ　　　　　　　　　　 ∨/////∧
　　　　.　 ∨////∨　/弋 ヽ　　　　　　　　 　ﾏ/////ハ
　　　　　 　∨///ﾊ　 ヾ `ｰ'　　　´ 　　　　　　 }//////∧
　　　　　　　∨////＞　　　　　　 　 　　　　　/ﾘ///|///∧
　　　　　　　八//////ゞ_ヽ　　　　　⌒　　　/　 |//ﾉ///ｒ‐=‐-ノ
　　　　　　　 　∨ノ ￣　　ｱ ヘ　＿　＿　／.　　N/　￣　７
　　　　　　　　　∨　　 　 ´`ヘ///////＼　　　　　　　　/
　　　　　　　　　/　　　　　;,ｲ　} --‐=ｖ'´　 }　　　　 　／/
　　　　　　　.　/　　　　　/　し　{ 　Y　　　　　　　 ／　/
　　　　　　　 /　　　　　/　　　　7　　＼　`ゝ　　　　／
　　　　　 　　i　　　　 ｿ ／　　　ヽ彡　　＞　　　＜


.

906： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:24:17 ID:1foRLzfI


　　　　「日本に於ける五山十刹も、最初はあくまでも臨済宗の中の、

　　　　　　あるいは臨済宗の帰依者である武家にとっての私的な格付けだった」


　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |　　　　　　「臨済宗は武家に支持されてたのかお」
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ




　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ　　　　　　　　　　　　　　「あ、平田篤胤さんも『武家禅』っていってましたね」
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ


.

907： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:24:42 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　「あ　、そうだ、ここで過去に書いた内容のことについて補足しときたい事があるんだ」

　　　　　　　　　　　　　　　_____
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　 　 　 　 　 |　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ――――　 ､　　　　　　　　　　「過去？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　 ＿＿_ 　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(● )　　　 ( ●　)　　　 　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　 (__ 人＿ )　　　　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　「いつ頃の話だお？」

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ∧
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　´ ＼


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908： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:24:55 ID:1foRLzfI


http://copymatome.blog108.fc2.com/blog-entry-4528.html


.　　　 　 　 ／￣￣＼
.　　　 　 ／　ノ　　＼ ＼
　　　　　|　 （●）（●）.　|
.　　　　　|　　（__人__） /ヽ　　 ./´}
　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　{ 　{ 　 /　/
.　　　　　 ヽ　　　　 　 ﾊ　 L/　/　　　　　　　　　　　　　「鎌倉」
　　　＿＿ ヽ　　　　 /__.〉　　　ん-､
　 ／ :　　: :介.〈::::〉.介.〃＿_　 /　, ヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀{::::}　!　{　＿__）{_ /　,ﾊ
　 | : : : : : /: |　{::::}　!: :l :＼__, -､. ￣_/:ヽ
　 | : : :　〈: :│ {::::l　|: : 〉 : :ヾヽ　 Ｚﾝ: : : :｝




　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　ｒ､
　　　　　　　　　　　　　　,ｨ'´:::::::|i'⌒:::::::::､　　　　　　　　　　「また随分前の話ですね〜」
　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::::::|i::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 /.:::::::::::∠|i`Y´ ＼:::::::ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 ,':::::::::::::/ 　|　　　　∨:::::::',
.　　　　　 　 　 　 　 |:::::::::::/　　　　　　　 ∨:::::|
　　　　 　 　 　 　 　 i.:::::::::ﾄ- ‐'　　　` ﾆ ‐i:::::::|
　　　　 　 　 　 　 　 ﾄ､.:::::|〈ﾓテ 　　´ﾓﾃ〉i::::ﾉ:|
　　　　 　 　 　 　 　 |::::::::ﾊ　　　　　　　　 i:/::::|
　　　　 　 　 　 　 　 |＼::::N　　　　`　　　/::::::::|
　　　　 　 　 　 　 　 |:::::＼::::ゝ　　'⌒' ／､.::::::::|
　　　　 　 　 　 　 　 i:::::::::::::::ゝ i`　‐イ　 /:::::::::|
.　　　　　 　 　 　 　 |:::::::::::::ノ|　|　|　|　| .ヽ､:::::|
.　　　　　 　 　 　 　 |::::,ィ'´／　/　i　i　ヽ　　`ﾄ､


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909： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:25:11 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　「あの時もうちょっときっちりやってればよかったんだけどな」


　　　　　　　　　　　　　　________
　　　　　　　　　　　／)　/ .)　　＼
　　　　　　　　　　 / ./::/ ./:::／ ） ＼
　　　　　　　　　　 l　.l/　/／ ∠___　|
　　　　　 　　　　　l　/ ／ ／ _､,,.ノ　|.
　　　　　　　　　　r　　　　 　/___)　　|
　　　　　　　　　 /　　　　　/　　　　 |
　　　　　　　　　/　　　　 ノ　　　　 /
　　　　　　 _∠⌒ヽ　　j 'i, _、___ ｨ／|＼____
　　　　　／ ...::::;;;:::ヽV;;;;l　フiiiiく　　/.:;;:l;;;;;:::´´''' ､､､ _
　　　／ ...:::::;;;;;;;;;;;;:: 〉;;;;;:l／ iiiii ＼/.:;;;::l;;;;;;;;;;;;;::::::::..... i::..＼
　／ ...:::::;;;;;;;;;;;;;;;;:: /;;;;;;;;:::ヽ llllll　/..::;;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::: l;;;;;;:: l



　　　　　／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　/: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、
　　　 / : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i　　　　　　　　　　　　　「私たちはいないときだけど、
　 　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　 ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l　　　　　　　　　　　　　　　　　　どういったことの補足を？」
　　 |:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　 |:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|
　　　　!:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　`r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　 「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　|∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　 / |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
　　　　　　L/　{l　ﾍ 　 ∨ ,| |/　＼　　/
　　　　　　 {　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　 ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　 }　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉


.

910： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:25:28 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　「臨済宗の日本への伝来についてなんだが」

　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ　　　　　　　　「まぁ、栄西と円爾弁円が臨済宗の衣鉢を日本に
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ　　　　　　　　　　　持ってきたって書いたんだけど」
　 　 　 　 　 /　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

./:::.:.:.:.::.::::_:∨　{┤　|　､　;　　ﾊ
{:.:::.:.:.:::／::::::∨ ﾍ'､　}:､ }　　;　 |　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /／　 .／ ／::::::::::::::|　　　　　　 　　　　/_
;:.::.::.:./:::::::::::::::＼ﾊ ヽﾄ､ヾ　 , -┴ ､　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／　　||'´ ／u:::::::::::::::::|　　　　　　　　　　　/
;:.:.:::＿.､-‐rッ ￣ ＼ フ´| /＿_:::::::}　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／u　 ／ ／　　:::::::::::::::::::|　　　　　　　　　　 /
　 |:::￣:::::ー─‐　 ´ . :.:.:| |::__.:::}.::/　　　　　　　　 　 　 　 　 　 <　　 ／ ／||　　　::::::::::::／　　　　　　　　　　 /
　 |::::::::::::::.:　 　 　 　 .:.:.:l |::_::V.::/　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＼ヾ／_,,...!!-‐''' ７::::::::| .l'⌒ヽ　　　　　　　 /
　 |:::::.::::::::.:　　　　　 .:.:.:.l ﾚ:::Y::/　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 >≡ iｊ 　 　 ／::::::::::| .|'⌒i　}　　　　　　 ｨ
　 |::.:.:::::::.:　　　　　 . :.:.:.l |__/:/　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／　 　　-‐<´　　:::::::::| .|'⌒ｌ　|　　　　　　/
　 |::::.::.:.:　　　　　　. :.:.:.ﾊ|__ノ_　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／＝=‐---　　ヽ　　::::::::| .|二ﾉ ﾉ　　　　　 /
　 |:.:::.}　　　　　　. :.:.:.:/ ﾉ/三 ＼　　　　　　　　　　　 　 　 ／　　　 __　)　u　　　　::::::::::|/､-‐'　 　　 　　７
､_ﾉ'"´　　　　 　 . .:.:.:ｲ　/三三三ヽ_　　　　　　 　 　 　 　 ｀ｰ　 ､-‐'''´　　　　　　::::::::::/:::　ヽ　　　 　　 /
──────'.:.:.::/f| /三三三三 {三≧=　＿＿　　 　 　 　 　 ｀ ｰ┬────‐'::::/;:::　　 ヽ　　　 ./
＿＿_　　　..:.:.:.:.:／.::{ﾚ三三三三三;三三三三三≧= ､＿.　　　　　　 !　　　　　u.＼/;;::　　　　ヽ　　./
圭三´ . .:.::.:.:.:／.:::::::.l三三三三三三,三三三三三三三三.　　　　　　 ｀"７　　　::::::/;;;::　　　　　ヽ_ /
　　　:.:.:.:.:.:.／.:::::::::.: :|三三三三三三!三三三三三三三三 　 　 　 　 　 /　　　＼/;;;::　　　　 ,､'´,,,,,｀>,_
.　　:.:.:.:.:／.::::::::::::. :. :|三三三三三三;三三三三三三三三.　　 　 　 　 /　　　::::::/;;:::　　 .,､'´,,,;;;'' ／　　｀ヽ

　　　　　　　　　　【 栄西 】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 円爾弁円 】



〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

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911： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:25:46 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　「臨済宗を持ってきたってだけなら、もっと早い時期に比叡山の覚阿が

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宋で臨済宗楊岐派の瞎堂慧遠という高僧に印可を授けられて帰朝しているんだ」


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 覚阿さん 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　承安元年（1171）に宋に渡った天台宗のお坊さんです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　康治ニ年（1143）の生まれなので、永治元年（1141）生まれの栄西さんとはほぼ同年代です。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


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912： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:26:07 ID:1foRLzfI


　　　　　　　「だが、覚阿という人物は宋から帰ってきた後も

　　　　　　　　　　比叡山の僧侶、あるいは住持としてあくまでも天台僧でありつづけたし、

　　　　　　　　　　　　その晩年は足跡も定かじゃない韜晦ぶりを発揮している」



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　 　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､　　　　　　　　　　「そもそも臨済と限定をしなければ、禅宗は最澄が
　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑヽ 、､____／ヽ__
　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、　　　　　　　　　既に唐から持ち込み、天台宗に組み込まれてる」
　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:;Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ : ∧　|::Λ |＼> : : : ｀,
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ : :.∧ |:::::| | : :ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :! : : : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::|| : :/ : : : :i :|
　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : : : : : : :＼ : '.,:::| : /: : : : :| :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : : : : : : : ＼::V :/ : : : : :l :
　　　　　　__/_: : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ: : : : : : : i :
　　　　／　　　｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,' : !
　　　（__.ィ´ヽ,ム、〉、:ヽУ　V. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : !
　 　 　 / ゝ/　/ 7-､Ｙ :,′　 ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : |
　　　　ヽ／　/　/ /'Y:ｿ　　 　 }.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : !


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _　　 --　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　 　 　 　 　 ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／/　 　 ／ 　 　 /　/ / ＼＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　/　　 〃　　　　 ｉ　 | :|　　 ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /　/ 　 　 |　　　　ｉ|ハ　| :| 　 　 ‘,　 ミ=ー
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ′　　 　 , | 　 i　|从丁¨ヽト､　 　 |　ｉヽ
　　　　　　　　　　　　　　　|　i　 　 ,斗|　　|斗ぐﾑ心＼ヽ.　　 |　|　',　　　　　　『シュクネン（字が出ないよ）という禅僧から
　　　　　　　　　　　　　　　|　l　　 { ,r┤　 | |人 ｀ヾ゛　｝_Ｖ⌒ |　}　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　 ∨┤　 | |＼　ー‐ ′（ﾘ｀Ｙ∨ Ⅳ　　　　　　　　　印可を受けてたよ』
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',　　　, У|　　| |　　　　　　 ´|彡　 | ./
　　　　　　 　 　 　 _＿＿ 　 ',　/／　 |　　| | 　 　 , --ｧ 　 | 　 |/
　　　　　　 　 　 　 ＼　　ミメ∨　　　 |　　| |　　　　ｰ　 ｲ　| 　/
　　　　　　 　 　 　 　 ）＿,彡厶-――iハ、 ! ＼　 __／　ﾘ .| ./
　　　　　　　　　, ＜￣￣｀Ｖ　　　　　/　 .ハ　/ー┐　／　:|/
　　　　　 　 　 /　　 ＼　 　 ｀　､　　　　∧ ｝/　「　|　　 　 /
.　　　　 　 　 /　　　　　:. 　　　　＼ 　 /　 Ｌ{ヽji　 |、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 最澄 】
　　　　　 　 /　　　 　 　 :.　　 　 　 ヽ/ 　 　 Ⅵ'＼j ＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 :. 　 　 　 　 　 　 　 ｛　　　 　 ｰ‐ ､
　　　 　 　_j　　　　　 　 　 }　　　　　　　　　　 ‘， 　 　 　 　 　 ,
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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913： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:26:33 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　「だから俺は、覚阿が宋から持ち帰った臨済宗は、

　　　　　　　　　　　　　　　結果的に比叡山に定着していた禅のバリエーションの一部に留まったんだってことじゃないかと考えてる」


　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼　　　　　　　　　　　　「暴論のようでもあるのは自覚してるが、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　,ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　　 　 | 　 　（ ●）（●）　　　　　　　　　　　　　　今日ある臨済宗の話をする場合においては、
　　　　　　　　　　　　　| 　 　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 　 　 　 | 　　　　　　　､'　　　　　　　　　　　　　　　　　やはり栄西が伝来者と考えるべきだろう」
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｜ 　　　　　　｜
　　　　　　　 　 　 　 　 }._＼ 　　　 ,　|
　　　　　　　 .__　_＿ ,.〈＼＼＞ニﾆｧ´
　　　　 　 ／: : ＜ : : : : : : ＼ 　／ﾞｉ ﾞｉ、
　　 　　 , ' .: : : : : : : : : : :l: : : .∨',:::::ﾄ|ﾞｉ ＼_
　　　　 .{ : : : : : : : :ﾞｉ : : :」 : : ::', Y´ﾞｉ. |: : : : .＼　　　　　　　　　　「覚阿と栄西は同時代の比叡山の僧だった、
　　　 　 |: : : : : : : : :＼ : : :＼ : ',|::::::ｉ |: : : : ',: : ｀,
　　　　　', : : : : : : : : : | : : : : : : :.',:::::ﾞｉ|: : : : . ',: : }　　　　　　　　　　　　どちらも宋で臨済の印可を受け、それを本邦にもたらしたが
　　 　 　 (,:／:／ニ｀ﾝ---r : : : : : ',::::| : : : : : ',: : ',
　 　 　 　 ｀: ´ : : : :V　,r'二ヽ_: : : : :',:|: : : : : : ',_,rｰ'､　　　　　　　　　　　　栄西が建仁寺を中心とした臨済の一代隆盛を築いたのと比べ、
　　　　　　 {∨ : : :└」_,r' 二 ヽ: : : : ',|.: ＞＜￣＼.: ＼
　　　　　　 {: ∨ : : : : :」.ゝ-''ﾞ~￣￣￣￣: : : : ﾞｉ　ム: : : ' ,　　　　　　　　　　　覚阿の影響力はあくまでも比叡山の中に留まった」
　　 　 　 　 l: : ∨: : : .／: : : : : : : : : : : : : : : : ､／: : : : : : }
　　　　　 　 }: : : ＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／゛￣: : : : : : : :, '


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　/　　//,／　　//,　/,／ . //. ／- ミヽ 　 　 　 ／/　　　　　 .／ : : : |　＼､　ｌ
／/　　///　　　////// 　 //'.//　　 / :},／　.／ :./,/　 ／　／ : : : : : |: ヾ＼ヾ
. /　　//　　.／/////　 　./　./　=ミ_/: :八.:／: : : ///／　／: : 　 　 : : :.　 ＼＼
/　　　 　 ／ ./ l// '　　x:/　./..::::.　　: :/.／: 　 　///　　. : : : 　 　　　 : :＼.　 ＼　　　　　　　　『ちなみに俺と覚阿は
　　　　　/　 /　|/ 　 . / / _「 ｰ-　　: ://　 　 　 //' 　 /: : : :　　 　 　 　 : : ＼
　　 /　/　 /　　　 　 / 〈 ／ ⌒ 　 : ://-　.　　　　 　 /: : :　 　 　 　 　 　 　 : :＼　　　　　　　　　　仲が悪かったぞ』
| .//　/　 /　　　　／ヽ　　　　 　 : ://:　 : : ＞x|　.　/: :　　　　　　　　　　.　 -‐=:＼
'/// / 　 :　　,/　/ 　 /:. 　　　　: :/ｰ-　 .__ : : ｜　/: :　　　　　　　　　／: : : : : :＿_
'// /　　｜'//　/ r＜:::::::.　 　. : :/　 　 乂r:心x|　/: ＼　　 　 　 　 ／. : :.　＜芯rﾘ
'/ /　　　.|//　/ ./ ‐- ＼　 . : : 　　｀ ｰ-　 ￣　| /＞: :.∨　　　　∨.: : ∠ ＿　二´
' /　　　　|/　/／　　　 　 . : ／　　 　 　 　 ￣¨./ .:::::／　　|　 i:.　＼::::::::..: : : : : : :
/　　　　 .|　 ./　　　　　 . : ∧　　　　　　　　　　　￣　　　　|　 i:::::. 　 ￣: : : : : : : : :　.
　　　　　 |　　 　 　 　 . : ::/ ∧　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 i:::::::::.　　　　: : : : : : :
　　　　　／　　　　　. : : :∧ 　 ',　　　　　　　　　 　 　 　 　 |　 i:::::::::::. .
　　　_／　　　　　　. : ／　 ＼斗-‐　⌒:.　　　　　　　　　　 |　 i::::::::::::. : .　　　　　. :
　／　　　　　　　. : ／＞　 ´　　　　 ヽ　l＼　　　　 　 　 　 |　 i::::::::::::::. : .　　　 . : :
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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914： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:27:07 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「さらにいえば、北宋から南宋への渡河期、その政情不安や権力闘争の結果などで、

　　　　　　　　　　　　　　　_____　　　　　　　　　　大陸から多くの人間が日本へ逃れてきていた。
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__　　　　　　　　　　「そういった情勢だったので、九州……特に博多あたりには多くの宋人がいて、
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼　　　　　　　　宋についての情報や風俗文化などもかなり詳しく知ることが出来ていたようだ」
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |




　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_　　　　　　　　　　　「あー、もしかしたそん中にれっきとした臨済宗の坊さんが
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼　　　　　　　　　　　いたかもしれないのかお」
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


　　　　　　　　　　　　　　-
　　　　　　 　／ : : :⌒ : : : : :＼
　　 　 　 　 ' : ,-‐ ヽ : : : :／: : :`
　　　　　 .' :. / : : :./＼ : : : : : : :∨ヽ
　　　　　: : :/ : : : :||ﾐ` ∨彡'. : : :∨::}　　　　　　　　　　　「でも、もしそうした禅僧さんがいらしたとしても……
　　　　　i / : : : :/ |i 　　　　ヽ : : :∨:|
　　　　　| : : : : ::　 |　 　　　 　'. : :::.} :|　　　　　　　　　　　　　　　　その方が臨済宗を伝来させたとは、いいづらいかもしれませんね」
　　　　　| : : : : :i＿＿,　　ー-_‐ヾ: :.| :|
　　　　　| :i : : :ﾚrｪｯ　　　　ｲf ≧ : .:| :|
　　　　　|.八 : :{` ｰ´　　　　 ￣　.| :.|. :i
　　　　　i :::::. 　ﾄ､　　 　 '　　　　 | : | ::|
　　　　　| : : :ﾊ ＼　　 r　‐, 　 ／i: ::| ::|
　　　　　: : : : : :＼ ＞　￣　／＼| : :|: |
　　　　.' : : : : : : :,/ミ　　`　　彡 ∨ : : |
　　　 / : : :彡 '´|i＼　　`三'　　./ |i|　 ` 　､
.　　 / : : :{　　　|i| 　＼三三三/　 |i|　　　　 i
　　/: : : :.|　､.　 |i|　　　　　　　　　.|i| . /　　 .|
　 .' : : : : :|　 ヽ/　＼ ＿＿＿＿／. ∨／　　|
　 { : : : : :.|　 /　 ○　￣￣￣￣　○ ＼ .　　|


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915： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:27:21 ID:1foRLzfI



　　　　　　「そういうわけで、栄西が臨済宗の衣鉢を本邦に持ってきた、という話の補足でした」


　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼　　　　　　　　「鎌倉やってたときは本当にさらりと流すスタイルだったからなぁ」
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !　　　　　　　　　　「見返してみるとアラが多いなぁ」
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「まるで今はアラがないような言い方だお」
　 　 　 　 　　　＿＿＿_
　 　 　 　　　／⌒　　⌒＼
　 　 　　　／（ ―） 　（―）＼
　 　 　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　 |
＿＿（　⌒-ｨ⌒ヽ、 　 /⌒` '⌒　）＿＿
　　　　 `ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"



.

916： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:30:23 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　 　 ヽ
　　　.　 ,.l　　　＿丿
　　　　/ .|　 /,,;;;;;;　　　　　　　　　　　　　「うるせーよ、ともかく話を五山十刹に戻すぞ」
　　　. ゝ丿　 ＼;;,
　　　　　　　　　 ヽ
　　　　　　 /　　　 |
　　　　 　　＼＿／
　　　　　　　 |-┘
　　　　　 |　 |
　　　　　 L.└┐
　　　　　　　 r'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「鎌倉時代にも私的な五山十刹はさだめられていたらしいが
　　　　　　 　 |
　　　..＞-..,,_/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 その中身の詳細は伝わってない。
　　　‐-..,,__
　　　　　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　少なくとも俺は見つけられなかった」
　　　　　　 .|
　　　..｀''-,,_.|
　　　　　　 ｀"''-..,,_
　　　　　　 　 　 　 ｀''-,,_
　　　　　　　　　　　 　 　＼
　　　　　　　　　　　 　 _,,..-ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 /　　　 .',
　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 /　　 　 　 .|
　　　　　　　　　 /　　　　　　 ヽ



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V　　　　　　　「あくまでも私的な位付けだから
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|　　　　　　　　　　　　公的な記録には残されていないのね」
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |


.

917： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:30:40 ID:1foRLzfI


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿_
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 -‐ : : : : : : : ｀¨ : ‐- . .
　　　　　　　　　　　　 　 　 . . :´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:｀丶
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　 　 　 　 　 　 　 Ⅵ{! : |ﾊ: :.|: : | :i|: : :|　ﾍ　　 j |　|: /: : :|: : : :.:|: : : :.::.|
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　　　　　　　　　　 　 ﾊ弋 tｯｰ-〈　　´　 ≫弋ツ　丿 　 ノイ: ーﾐ . l: : .
　　 　 　 　 　 　 　 　 |　｀¨¨´　:|　: : : : : :｀¨¨¨¨´　　　　./l |　　}　: : .
　　　　　　　 　 　 　 从　　　 　 |　: : : : :　　　　　　 　 ／,ﾉｲﾑｲ /: : :ー=ﾐ三
.　　 　 　 　 , ， =ミ 三∧　　 　 !　: : : : :　　　　　　　 　 . :|　 ／{: : /＞''"三
　　　　　　　{ヾY⌒ﾍ 三∧　 　 ,　　: : :}: 　 　 　 　 　 . : : :|¨´|i:i:|,r=ミ、三三
　　　　　　　|i∧个ffﾍ 三∧　 〈＿,　´　　　　　 　 　 . . : :人r≪(i包川＼三三
　　　　　　　|i: ∧V乂ﾍ 三∧　ー=======一'　　 　 . :／:　 }}斗ヾ辷彡ゞ＼三
　　　　　 　 斥, ∧jr七A 三∧　ー――一　　　　. :／:.　　〃7爪}!＼ﾐ=ﾆrﾙヽ
　　　　 　 　 rミ!ﾆ||^}⌒||ﾆ三∧　　:::::::　　　　　 ／:.:.: 　 〃ｿ刈/　三＼ｬく艾}
　　　　 　 　 f抓ﾆ||八ノ||ﾆ三{,λ　 ::: 　 　 　 ／_ ．＜三||ソヲ/三三三i}f乃/
.　 　 　 　 　 v沁 ||ﾐﾉし||ﾆ三《　　ｰ――一　ｨ三三三三||夫ﾉ|三三三,ｲｦ)/三
　　　　　　 ＿L弐||ﾑノ)||三三fニ三三三三三三三三三||ｚ千|ニ三／w／三
　　　　　 　 二二非ﾉい||三三{liﾆ三三三三三三三三三||ﾉ斥|ﾆ.／f卞｛三三
　　　　　 　 iミ辷彡iーﾄ||三三{liﾆ三三三三三三三三三||刃ﾘ|ﾆ{（(乏彡＼三　　　　　　　【 後醍醐天皇 】


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　「五山十刹の内訳がはじめてみうけられるのは鎌倉幕府滅亡直後、後醍醐天皇による建武中興の時代だ」



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 建武時代の五山 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　 建武時代の五山はこのような感じでした。京都と鎌倉の区別はありませんでした。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　 第一：南禅寺
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　 第二：東福寺
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　 　第三：建仁寺
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　 　第四：建長寺
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　 第五：円覚寺
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

918： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:30:59 ID:1foRLzfI


　　　　　　　「だがその後、公卿による建武政権が店じまいして

　　　　　　　　再び足利家による武家政権が権力を握ることになると、この五山がその内訳を変えることになる」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ／:::::::::::::::::::::::::::ζ　彡ｰ､　彡ｲY::γオﾄｷ／　ﾘ::::::::::::::::::::::::::::::::::|j
ゝ-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノシ:::::::::::::::::::::::::::/::／|γ弋 ,r=xヾﾒ ヾｿ |:::ﾘ∥　 /::::ｵ::::::::::::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::斗辷彡::::::::::::::::::::::::::::7〃　　 ﾒ　 　ゝ ･)ヾゞﾒ､　ﾚ' ∥　/／ |::ﾄ:::::::::|:::::::::::::::::|
::::::::::::::::::／　　　　 |::::::::::::::::::::::::::::::/∥　　　　　　　 ｀ﾒｼ' ｀ｰミ　 ∥ /ｲ　 ﾉ::ﾘ:::::::::|:::::::::::::::::|
:::::::斗＜　　　　　　|:::::::::::::::::::::::::ﾊ´∥　　　　　　 　 　 　 　 ≦ ｀ﾒ テマ　ﾘﾉ|:::::::::ﾘ::::::::::::::::::ﾒ
　　　　　:γ´ヽ　　ﾘ:::::::::::::::::::::∥ﾂ ﾒ　　　　　　　　　　　 ヾ　ゝ r‐==x　≡=|::::::::ﾉ:::::::::::::::::::ト､
＿＿＿／///　　/::::::::::::::::::::::::ｉ!　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　彡　ゝ･ ) ヽ)　ﾘ::::イ:::::::::::::::::::::| ｰ
//////////　　/::::::::::::::::::::ルｵ　　　　　___　　　(　　 ﾝ　　　 ﾉ::::::: ｀ｰ匕　ﾉ:::::ｿ::::::::::::::::::::::ﾘ
/////////　　/:::::::ノ7:::::::ﾉ　ｼ　　　　ζr‐ミﾒ､ :::ヽf´　　　　´ﾞﾞ　 　 　,r彡:::::::::::::::::::::ﾉ:::::::ｿ
////////　　/:::::::::シ::::／ ｲ　　　　fミﾒ ｀ゝ ＼＼≧....＿丿　　　　　　ﾂ::::::::::::::::::::／:::::::/
///////　　 .|:::::::::::::::ｲい　|　 　 　 |´ヽ　｀::::X　ゞﾞtx__　　　　　u.　 イ:::::::::::ﾉ::ｿζ/::::γ
//////|　　　|:::::::::::::::ﾊ い　ｉ　　::|　ゝ X　　:::fマｰxﾒ㌶　　　　　彡::人:::::::彡ｲ::::乂:::::/
//////|　　　|::::::::::::::::ｿ　い ｉ　 ;:::ヾ　 ヽゞー''　 ::::辷ｼ　 　 　 ,r彡ｲ:::::::ヾ::::::::|ζ　 ヾ'


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　「またどこかお寺ができたのかしら」


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919： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:31:14 ID:1foRLzfI



　　　　　　「というか、足利尊氏が、天龍寺を五山に列するべく、その中身を改めたってことだな」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　 _,､ -‐''''""~~""''''‐- ､_
　　　　　　　　,.-'"　　　　　　　　　　　　　ﾞヽ,
　　　　　　 ,r"　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾞ､
　　　　　_,/　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ﾞ､
.　　　,r'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ﾞ､
　　　{　　　　　{　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
　 　 {　　　　　{　　　　　..,,_　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　 ﾉ　　　　 ,'ﾞ'､ヾ､レ‐---､ヾﾞ)ﾉ）　　　-､ 　 　 　 　 ﾞ,
　　/　　　　　{　 ,､-:::::..　 :.　:::ﾂ ﾉ　　 　 ﾞ､ﾞ'､　　 　 　 ｝
　 ,"　　　 　 _!,,ｿ:::::::::::::::..　:. :::::ﾉ{　　　　　}　}　　　 　 ﾉ
　 {　　 　 r'':::::::::r-､;_::::::::　 :. :/　ﾞ'‐-､,　　 }.ﾉ　 　 　 ｛
　 ﾞ､　 　 {　::::::::;'　　 ｀''ー-‐'"　　 　 ノ　　ﾘ　　　　 　 ﾞヽ
.　　ﾞ'‐-､ ﾞ'､ ::::/　　　　　　　　　　　､,クﾉﾊ　　　　　　 　 ｝
　　　　　ﾞ'‐｀'{'ﾞiヽ､'　　 ＿,.､　　　 ,.,.,.,,,_/_ﾊ　　　　　　　｛
　　　　　　　 ｀'ヽ　 ＜ ,.-''´　　　 | ┌ー-ﾞ-ニっ　　　　　ヽ､　　　　　　　　【 足利　尊氏 】
　　　　　　　　　{ヽ.　 ´ 　 　 　 　 | .|　　　　　　｝　ト）　 　 ﾋ｀ゝ
　　　　　　　　　｀~}ヽ　　　　　　／.| |　　　　　 -‐"　　ヽ､　ﾏ
　　　　　l'''ﾆﾆﾆﾆ{､､,ﾞ'､.,＿_-‐"　　| |　　　　　　　　　　　　ヽ'
.　　　 　 | i　　　　　ﾉ　　　　 l,.､-'"| |
　　　　　 | i　　　　 ｀つ　　 ζ　　 .| |
　　　　　 ヽ,ヽ　　　　　｀''ー'l
.　　　　　　 ヽ,ﾞ､　　 　 　 　 !

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　　　　「うーんこの」


.

920： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:31:25 ID:1foRLzfI


　　　　「それじゃ、今まで五山に名前を挙げられていた

　　　　　　　何処かを取り下げるということになるでありますか」


　　　　　　　　　　　　///// 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 {_
　　　　　　　　 　 　 / ∨^{ 　 　 　 　 　 /__　　　　　|　　　　　/　≧=‐―,
　　　 　 　 　 　 　 /　/　｜　　 　 　 　 f　　￢-ミ,　|　 　 　 /　　　　 }　,
.　　　　　 　 　 　 /　/　 /|　　　　　　　 |,x笊≧s。 ｜ 　 　,/　}　　　/　 }
　　　　　　　　　 /　/　　≧s｡.,_　　　 　 |〈( h//(　｀ }　　　ムﾐi|　　 /
　　　　 　 　 　 /　/　　　　　　∨ﾍ　 　 |　|乂i少 　 | 　／l /　|ｉ　 /
.　　　　　　 　 /　 {＼　 　 　 　 ∨ﾊ 　 i|　|　 ¨^　　i|／　笊ﾐ i|　 ,　 　 }
.　 　 　 　 　 /　　 ＼＼　 　 　 //,∧　ｉ|　|　　 　 　 　 　 vﾘ}/,　,　 　 /
　　　　　 　 /　　　／,＼＼　＿)///,'}　入i{　　　　　　　　、 }　 /　　 /
.　　　　　　/　　／　　／＞////＞''”　 |　＼　　　 　 __　　 从/　　 /
.　　 　 　 /　　/　　／///|⌒∧^　　 　ｉ|　　 　 　 　 ゝ '　 % ,/　　,/
　　　 　 /　　ア777///＞|　　∧　　 　 | ＼　　　　　　　　　/　　,/
.　　　　/　 ／/////／　 i|　　 ,∧ 　 　i|＿ ＼　　　　／}　/
. 　 　 /　　∨///／　　　i|　　　 ∧　　 |//}＿ ≧=‐く　 } / 　 /
　　　/　　　≧=≦　 　 　 |　　　　∧ 　 |⌒}二_}　　　　 i}/ 　 /
　　 /,　γ=====―　　＿,|　　　　i|∧　i|￣}二{{　　　　 /{
　　,　　/二二ニニニニニl 　 　 　| ∧ ｉ|　 }={ﾊ ,　　　 　i|　/
.　/　 ,/二二二ニニニﾆﾆl　 　 　 |=,∧i|二=,乂ﾊ　　　　 |‰
. /　　i{二二ニニニニニﾆl　 　 　 |二=Ⅵ二二二二ﾊ　　|
/　　　|二二ニニニニニﾆl　 　 　 |⌒〈^⌒　　　⌒廴ﾍ　i|＼



　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :u : : : : : .,　　 　 　 　 　 :|
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|
　　　　　|::::;;;（　 ●） ﾉヽ （　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_　　　　　　　　　　　　　　「そのあたりについては
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_　　　　　　　　　色々頭を悩ませたんだろうな。
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ　　　　　　　　　 で、その結果」
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

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921： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:31:38 ID:1foRLzfI


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
　　　　　　　／⌒ヽ　＿,.r‐＜＼::ヾ⌒ヽ、_
.　　　　 　 / /￣＞｀／⌒::::::::＼:｀ヽ:＼:::::::＼
　　　　　 / /　 /:::::ｒ、:::::::.:.:.:.:.:.:::弋;;_ヾ::）:::::::::ヽ
. 　　　　 i　!　 ,'::::ヽ}::＼:::::ヽ::::::::::::::::（::::Ｙ:）、::::::':,
.　　　　　| i　 ,':::r'｀~´~｀＼::::ヽ:::::::::::::::Ｙ:ヽ::ﾉ!::::::::i
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.　　　　　l !　|:::::!　　　　z==-i:::::l:::::::::::i:::ト<::ヽ）::::}　　 {
.　　　　　|!　 !:::::Ｙミ、 　 ,乍ﾖ!::::i:::::::::::|:::l i }::〈:ヽｲ ＿ノ
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.　　　　 　 　 l::::::::l　ﾉ　　 　 }'　l::::::::::::::::!´:::::::::Ｙヽ_ノ
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.　　　　　　　　ヽ::::ヽ、ｰ ' 　 　 l:::::::///::::::::::: !:|
.　 　 　　　　 　 ヽ:::!:::i. 、　 　 ﾉ:／i//:::::::::::/:|:|
　　　　　　　　　　ヽ!V　 }ＴＴ「 ´　　/ :::::::::/::::!:l　　　　　　　　　「結果？」
.　　　　　　　 　 　 　 　 l::i:::::!　 　 /:::::::／:!::/:::l
　　　　　　　　　 　 _,.r-j/:::/　 　 ,':::::::/_＞-､:::::',
　　　　　　 　 　 ／/／::／　 ´　,'::::::/::.::.::.::.::. ヽ::',
　　　　　　　　 //／:∠>ｭ<ｦ==/!::::::i::.::.::.::.::.::.:　i:::i
　　　　　　　　ｉ／／*ﾟ〈∧〉:ﾟ／::.i:::::::!::.::.::.::.::.::.::. l:::l
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　　　　　　 /::{ﾟ:+｡:*ﾟ:｡:+./::.::.::.::.::.:ヽ::!::.::.::.::.::.::.::/::::|


　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　' ､　　　　　　　　　　「減らすんじゃなくて増やすことで解決することにした」
　　　　　　　　, '　　　　　　 　　 　 　 ' .
　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 　　;　 　 `
　　　　　　　,'　　　　　 ;　　　　 　､ 　 　 ｝
.　　　　　　 |　　　　　〈　 　＿...::::: )　___ ′
.　　　　　　 |　　　　　　; f　(:::)　ヾ( （:::）
.　　　　　　 |　　　　　　　 　　　　 丶　　{
　　　　　　　'.　　　　　　　;　　 　　 ｝　　）
.　　　　 　 　 '. 　 　　　　　`ｰ--　´`ｰy'
　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
　　　　　　＿_ﾉ　 　　＼　　　　　　　/
　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ
　　　　///////////,｀/＜// 丿
.　　　////////////////////ヽ
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
　　 {///////////////////////////}、
　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ


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922： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:32:45 ID:1foRLzfI



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ　　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'　　　　　　「えぇ……」
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',｀ー―‐-､: : : :ハ!:|i:ﾘ
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .



.　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　 . ／　ノ　　＼ ＼
　　　　　|　 （●）（●）.　|　　　　　　　　　　　　　「天龍寺を五山に加えることで数の上で破綻してしまうことになるが」
　　　　.　|　　（__人__） /ヽ　　 ./´}
　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　{ 　{ 　 /　/
　　　　.　 ヽ　　　　 　 ﾊ　 L/　/
　　　＿＿ ヽ　　　　 /__.〉　　　ん-､
　 ／ :　　: :介.〈::::〉.介.〃＿_　 /　, ヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀{::::}　!　{　＿__）{_ /　,ﾊ
　 | : : : : : /: |　{::::}　!: :l :＼__, -､. ￣_/:ヽ
　 | : : :　〈: :│ {::::l　|: : 〉 : :ヾヽ　 Ｚﾝ: : : :｝


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923： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:32:56 ID:1foRLzfI



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　 　 _, イ　　　　　　　　　　ヽ
.　　　　　　　　　　　／　　　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ヽ
.　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ',
.　　　　　　　　　 ﾉ　　　　　　　 l!　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　『五山というのは五つの寺という意味ではなく
.　　　　　　　 　/　　　　　　 |　/l. ､ ヽ　 　 、 ､　　 ',
　　　　　　　　 l 　 　 /　 /ｨ人(. ヽ_＼＿＿_l. , l　!　 !　　　　　　　　　 五段階の寺格という意味だ』
.　　　　　　　　 V　!. {　|/=====tｰ‐'´;;;;;;;;;;;;/ｲ/ /　/
　　　　　　　　　 ヽjヽヽ_ゝ;;;;;;;;;;;;;;,t-､;;;;;;;;;;;;;;;;;| 《）　ゝ
.　　　　　　　　　　 　 ~7ヽ;;;;;;;;;／| 　 `＝＝'´|　!　/
　　　　　　　　 　 　 　 ヽ.ﾑ￣　　ヽ　　　　　/イ, ､`ﾆ='
　　　　　　　　　　　 -=ｧ'　ﾍ　　 - ─ -　　_/|_/__l_l＿
.　　　　 　 　 　 _＞''¨~`ｰｧ ,.＼ 　 ￣　　/二二二二/
.　　　　　　　 　《.　　　　 ⌒7|　`　＿__,ｨ'ニ{・・・}ﾆﾆ/
.　　　　　　　 　 V　 　 　 ,　| ￣￣￣ ./二二二,イ~＼__
　　　　　 　 　　__V 　 　 l'　,!　 　 　 _/二ﾆﾆ／二二ﾆﾆ≧s｡._　 ,､　､-､
　　　　 　 ＿／.,イV.　 　! / ` ￣￣./二ﾆ／二二二二二ニニ>'　`ｰ`__＼
　　　 　 / 　 ／ニﾆ!　　 |/　　　 ／|___,イ二二二二二ニニ／　　 ／ヽ ヽ !
　　　 　,' 　./ニニﾆヽ　　|　 　 　 ／ﾆﾆ／￣￣￣￣￣￣/　　 ／　 　 ',　l!
.　　 　 { 　 {￣￣￣ヽ＼ |. 　　／ニニ/ 　　　　　　　　　/　　 /　　　 　 l. l!
.　　 　 {!　 {　　　　　 lニヽ. ／ニニﾆ/　　　　　　　　　　,　　 /　　 　 　 .l/
　 　 　 |V　V　　 　 　!ﾆﾆ|/二二二/　　　　 　 　 　 .l　,　　/ 　 　 　 　 l
　　　　 | V　V　／| 　.!ﾆﾆ!二二二/　/`　、　　　　　 l./　 /　　 　 　　　l
.　 　 　 !　V　', |／　　|ﾆﾆ|二二／　　`　、`　、 　 　 l!　∧　　 　 　 　 .!
.　　　　 l　 l　 .!　　　　|ﾆﾆ|ニ／　　　　　　`　/　　　　l /　l　　 　 　 　 .l

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　 「という解釈で乗り切ることに」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「なんちゅう屁理屈だお」



.

924： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:33:09 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それでその後、日本ではいつの頃からか

　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　　　 『京都五山』と『鎌倉五山』が並立して存在するようになった」
　　　　　　　　　　　／　　__,ノ　'ヽ､_
　　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
.　　　　　　　　　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　　 　 　 |　 　　└ー '´ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　⌒　|　　　　　　 　　　　　, ｧァ┐
　　　　　　　　 　 　 i ヽ　　　　　　|　　 　 　 　 ┌､　　///./ ７
　　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、　_ |　l ／//./' /
　　　　　　　　　　 _ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ　/　ヽ_/' /
　　　　　　　　__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／　 ／　丿
　　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |　　/　　／
　　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ　 {　　ｲ
　　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
　　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'|
　　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : :V : :| : : : : : : : |
　　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : :r : :|.: : : : : : : |

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 鎌倉五山と京都五山 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　初期の鎌倉五山と京都五山はこんな感じです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　　　　　鎌倉　　　　　京都
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　第一　　建長寺　　　南禅寺
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　 第二　　円覚寺　　　天龍寺
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　 第三　　寿福寺　　　建仁寺
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　第四　　浄智寺　　　東福寺
. 　 　 　 　 |＿＿{　　　　　　 第五　　浄妙寺　　　萬壽寺
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


　　　　　　　　 ／　￣￣￣￣￣ ＼
　　　　　 　 ／　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 ／ 　.,r'´｀ 、　　 　, ´｀ヽ、　＼
　　　　／　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼
　　 ／. 　　　（　● ）　ﾉヽ　　（ ●　） 　 　＼
　　|　　　　 　 ´"''"　　　, 　 　 "''"´　　 　 　 l　　　　　　　　　　　「おいおいさらっと二倍に増やしやがったお」
　 ..|.　　　　　"⌒（　　　 j　　　 ）⌒ﾞ　　 　 　 |
　　|.　　　　　　　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 　 　 l
.　　＼.　　　　　 　 　 ｀ ⌒ ´　　 　 　 　 　 ／
　　　　＼　　　 　　　　　　　　　　　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼


.

925： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:33:26 ID:1foRLzfI



　　　　　「更にその後、足利　義満が自分と縁が深い相國寺を五山筆頭に据えたいと考える」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　/　　ヽ.l　,-
　　　/　　　_r`´⌒ヽ丶
　　　|　　　/　　　　　`)
　　　!　　　|　　　　　　(
　　　(　　　!　　　　　　　`ｰ-ﾆ~丶
　　　丶　　!　　　　　　　　　　`)
　　　　)　　!　　　　　　　　　　(
　　　　(　　丶_　,　_,:-ｰ='`　　!_　　　　　　　　(
　　　　丶　　　!_i./`=ﾆ~　　　　λ　　　　　　　)
　　　　　｀ｰ´｀)ﾉ`i　　　　　　　/_.)ﾉ　　　　　ノ
　　　　　　　　('　ヽ.　　　　　　ヽ　　　　　／乂ヽ
　　　　　　　　　　　',　ｧ　　　　　ｰ┬^--'　　　　丶
　　　　　　　　　　　`-^ゝ　_,:-　　.:/|.//　/|　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　`'i_'',;:　　/.//　/./|　　.　//
　　　　　　　　　　　　　　　　i　　/-''.|　/　/|　　)`/　　　　　　　　　　【 足利　義満 】
　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ'i.ﾉ'|　|　|　`/|　.//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　//:|　|_/　`/　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　/::!i::::|　　　./　//
　　　　　　　　　　　　　　　　/:::::!:!::::::|　　/　//

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　　　　　　　　　 「考えなくていいから（良心）」



.

926： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:33:42 ID:1foRLzfI



　　　　　「そうして取った手段が『南禅寺を五山別格としてその後釜に相國寺を据える』という措置だった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ''''‐- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　 `､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　／　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　（　　 , ‐、　 ,-‐､　　　 　 l
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ）　ﾉ　 / /　　 ）　　　　｜―‐ ､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　r‐l　（ ,,_（ (　　 （　　　 　 ﾉ 　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ゝ .l `-ソ ,,-‐､ ) 　 　 /
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　/　　 )　ﾄ,　|_,　`‐' （ 　 　 (
　　　　　　　　 　 　　 　 　　 　 |　　　`‐ ヽ ‐ -　('-'　　　丿
　　　　　　　　　　　 　　　　　　l　　　　　　ゝ- ＜ `ー-‐''
　　　　　　　　　　　　　　＋, -､l +　　　　,,i /~ヽ-',-' ｿ|
　　　　　　　　　　　　　　 　| 　|,--―‐''''"/ / i | `＝_,,ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　r‐'''` ､　　　／ /　i ｜＿ ノ　ー,､＿
　　　　　　　　　　　　　　 （　'''" ｿ 　 /　/ 　i　｜＿　　　/-"-"ﾍ
　　　　　 　 　 　 ＋　　 / |　..,二）　<__/　i　i,_,ﾉ`―`　 /　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　／ `ー―' ヽ　`ー‐"　 　 　 　 /　　　 　 ﾉ
　　　　　 　 　 　　 ＋/`+　　　+ ＋ `(ヽ　　　　`､ 　 /　　　　　"|
　　　　　　　　　 　　 .ﾄ　　　+　　　　　） ＼――-`-ﾍ/　　　　　 |
　　　　　　　　　 　 /､ヽ　 　　　　　 ,ノ 　　,ﾍ　 　 　 ﾉ 　　 　　 丿
　　　　　　　 　 　 /　 　`―---, '''",,;;_,､　　　`''､ 　 ," 　 　　　/
　　　　　　 , ―--- ､　　　 / /　￣~　　 ＼　　　＼/ﾍ　　　　 /
　　　　 　 /ｿ 　 　 　 ヽ　 /r"　＿/＿`''''` ＼　 　 lヾ　　　　/
　　 　 　 /　　　　　　　 ＼/―/__∧__ヾヽ―;;;＼／　　 　　 /
　 　 　 ./　　　　　　　,　　 ＼/l`''､l, '''　l l＿/ Ｌ ＼　　　　/

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　　　　　　 「なんかこう、もやっとする感じね」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「思い切り権力者のおもちゃであります」



.

927： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:33:55 ID:1foRLzfI



　　　　　「で、この南禅寺の五山別格選定が定まったの機に、京都五山と鎌倉五山の関係性も定めてしまった」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ ＿＿ ＿
　　　　　　　　　　　　　　 , .:. :´.::::::::::::::::::::::::::.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:＼
　　　　　　　　　　　 ／.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.＼
　　　　　　　　　　 /.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:ヽ
　　　　　　　　　　 l.:.:.:.:.:.:.,.:'´.:/.:.:.:.:.彡ミﾐﾐヽ.:.:.:.::::::::::::::::::::.:i
　　　　　　　　　　 l.:.:.:.:.:/:／/.:.:.／　　　　`ヽ.:.:.:.:.:.::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:j　 /.:／　　　　　　　',.:.:.:.:.:::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　　　 /.:.:.:.:./　〈.:.〈　　　　　　　 　 ',.:.:.::::::::::::.:〈
　　　　　　　　　 ヽ.:.:.:.l　　 ヽ.:l　　　　　　　　　ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:(
　　　　　　　　　　 ＼::ﾄ､､､_　ﾘ 　 　 　 _ ,,､-:. 　 }.:.:.:::::::::::ヽ　　　　　　『鎌倉はオワコン』
　　　　　　　　　　　　}.:ﾊ｀ヽ‘ヽ　　　ィ´‘__ノ　　ﾉ.:.:.:.:::::::::.:.)
　　　　　　　　　　　　ヽ.:.ﾄ､ ｀¨i　　　 ｀ﾞﾞー 　　く.:.:.:.::::::::.:/
　　　　　　　　　　　　　｀ヽ:} 　j _.,　 　　　 , '　 ノ.:.:.::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ ｀ﾞﾞ´__ _,.　　 ,:′ﾉ.:.:.:r'´
　　　　　　　　　　　　　　 　　ヽ ` ﾆﾞﾞﾞ´　　,.　'´/ `i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､ ＿,.　イ　 ／　　L
　　　　　　　　　　　　　　　　,. ｲ /＞＜'"´　　　　/　`ヽ､
　　　　　　　,.　-─=＝ｧ '´　　 |／.:.:.:ヽ　　　　／　　　　 ヽ､
　　　　　　/,.　ィ´　　　　　　／.:.:.:::::::::::ヽ　 ／　　　　　　　く ＼
　　　　　 /　　　　　　　　／.:.:.::::::::::::::::::::::V　　　　　　　　　　＼ ｀丶､
　　　 　 /　　/　　　　　/.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　｀丶､ ＼
　 　 　 /　　/　　　 　 /.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::l　　　　　　　　　　　　　　/

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　 「京都五山が主、鎌倉五山は従とされ、これが現在まで続いている」


.

928： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:34:06 ID:1foRLzfI


　　 _,.｡s≦　　 　 /　　 　 |　　　　　　 |　　　　　 ,　 ＼
　 l　　 　 |　　　　l　　　　 |　　　　　　 |　　　　　 |　 　 ＼
　 l　　 　 |　　　　|　 　 　 |　　　　　　 |　　　　　 |　　　　 }､
　 l　　 　 |　　　　|　 　 　 |　　　　　　 |　　 l　　 i|　　　　 | 　､
　 l　　 　 |　　　　|　　　| 八　　　　 　 ﾊ 　 l　　 i|　　　　 | 　 |　　　　　　　　　「鎌倉涙目であります」
　 l　|　　｜　　　 |　　　|　　，　　　　/　li　ﾊ　　 | 　　　　| 　 |
　 l　| 　 八　　　｜　 ,孑宀八　　　/　丁/￢ -- 　　　　 } 　 |
　 l　|　　　，　 　 |　　,ィf笊ミ､ , 　/　　ｨfぅ笊㍉ i}　　　　 　 ｜
　 l 八　　 ‘，　　‘，〈 ｈ//(　 　､,' 　　　ｈ//(　//　 　 　 ,|　｜
　 |　 ‘，　　 ,　　　 ， 乂^少 　 　 　 　 乂^少 /　 　 　 /,|　｜
　 |i　　ﾊ　 　 ， 　 ∧　　　　　　 　 　 　 　 　 {　　　　 ∧/7,∧
　 |i　　{,ﾊ　　 ‘，　 人　　　　　　 '　　　　　　｜　　　 ∧,∨,′ ，
　 |　　ﾊ,∧　　　,　　 父　　 　 　 ‐　　　　　 父 　 　 ,ﾍ∧V 　　，
　 |i　/　^　，　　‘，　 {　　　　　　　　　　　　 /　　　///V
. 八,/　　 //ヽ　　 ＼｜　　 |=＞　　＜=|　 ,　　　／∨/∧　　 　 ',
. 　/　 　 ∨/, ＼　{　＼　　/ﾆ/7爪〈ヽﾆﾊ/ 　 ／　　∨/∧　　　　,
　/　 　 　 ∨|ｉ 　＼　　　 /‐≦/ﾆﾆ∧　 /　／ |　　　| ⌒
./ 　 　 　 　 i|　　 | ＿___〈　　,/二ニ∧,/／≧s。　　 |　　　　　　　 ‘，
′　 　 　 　 i|　　 |二ニニニニﾆ{{}}二二二ニﾆ|　　　|　　　　 　 　 　 ，



　　　　　　　　　　　　　　　 ――　､
　　　　 　 　 　 　 ／ 〉 ´　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 ／ ／'　 __ ノ 　 ゝ.__　ヽ
　　　　　　 　 /　/／〉　 ( ー)　(ー )　 ｌ
　　　 　 　 　 ｌ　 ´ イｌ　　 (___人___)　　ｌ
.　　　　　　　 ｌ　 　 ｉYｌ　 　 ｀ ⌒ ´　　 ｌ　　　　　　　　　　　　　　「これは多分に政治的な目的があったと考えられるから、
.　　　　　　　/　　 ﾊ !.!　　　　　　　 　 !
.　　　 　 　 /　　/　 ' ヽ 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ま、しゃーないというか」
　　　　　　 ｌ　　　／/ ､ゝ　　　　　　 ／ ヽ_
　　　 　 ´｀ ー‐ '｀./　　｀ー､　　,－´　　/ 　 ＼
.　　　　 ｉ　　　 　 ｉｉ　　 / ｀:.ｉ 　 ｉ´ヽ.　 /　　 　 ｀　 ､
. 　 　 , 'ｌ　　　　　ｌ.!　 /　　 ｌ 　 !　ﾊ　/　　　　　　　 ＼
　 　 / ,:|　　　　　| ヽ/　　　!＿'　　 V　　 　 　 ,　 ,　 　 ヽ
.　　/ / ｌ　　　　　|　　　　 /:.:.:.:ヽ　　　　　　　/　/　 ／　 ｉ
.　　!/　 !　　　 　 ｌ＼.　　 ｉ:.:.:.:.:.:.ｉ　　　　　 ／　/　 /　　　ｌ
　　/　　　　　　　 !　 ヽ.　 !:.:.:.:.:. !　 　 　 ´　　 !　 /　　 　 !


.

929： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:35:57 ID:1foRLzfI



　　　　　　「政治的？」

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　／: : : : :.ヽｌ: : : : : : : : ::::::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 / 　./ : : : :/＾ヽ: }／＼: : : : :::::::::::::::::::::':,
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /: : : :./´￣ ｀´￣＼: : : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : ;'　　　 　 　 　 ヽ: : : :::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　　　　 　 ,'.: : : : ;'z＝　 　 　 ≠=､i : : :::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　 　 　 ,': : : : :;'　　　　　 　 　 　 l: : :::::::::::::::::::::::::::!
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 i: :/: : ;{ ｨ示ミ　 　　,≧=､ｊ ::::::::::::::::::::::::::::::j
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |/l: : :ハ｀弋ﾀ　　 　 ﾄ芥 〉::fﾞﾄ､::::::::/:::::::::;'
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l! |: : ::::::.　　 ,　　 　 ｀¨ｒー､! !ヽ ､/ ::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l: :::::::::}､　　　　 　 　 ｀7 ﾉ j　〉 〉::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ::::i:::| l＼　　ｒ､　　／ ,　/ / /:::::::::::::::|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ::ﾄ:ヽ!:::::ヽ.＿ ／　　 　 ,.∠＿＿:::::::!
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ!　ｿ::::::::::::;ｲ　　 ,. ィ:/＾ﾄ<: : :／::::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲー┬‐/ !　　 l:::::/　ﾉ: ﾄ＜ｒ―‐┴､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 　 ヽ/: :|　　 l∠／: : :j／　　　　　',
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　V　 　 ヽ┤ 　 |:_:_:_: :／　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 /　　　　　|　　 lハ下ヽ.j　　　　　　 /:!
　　　　　　　　　　　　　　　　/　 /　　　　 ／!__／: : | ! ! /　　　　 　 /: :|



　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）　　　　　　　　　　　　 「あぁ、足利の本領は関東にあったわけだが、
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　その関東鎌倉に置いていた軸足をよけて、
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　 いよいよ本格的に京の公家社会に馴染んでいくというPRだな」
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼



.

930： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:36:12 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　/ ─　　　─　　　＼　　　　　　　「どういうことだお？」
　　　　　　/（ ●）　 （ ●）　　　 ＼
　　　　　　|　　（__人__）　　　　　　 |
　　　　　　 ＼　｀ ⌒´ 　　　　　 ／
　　　　　　　 /　　ー‐　　　　　　ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　　　 ｀


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「武家政権の筆頭が五山についてにせよ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京よりも鎌倉優位を示していちゃ、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　ヽ､_　　　＼　　　　　　京と鎌倉のどちらに心を置いているのか、人心が揺れるだろ」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （　（● ）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （人__）　　　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 r-ヽ　　　　　 　　 |
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （三） |　　　 　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 >　ノ　　　　　　 /
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　/ ヽ　　　　 /
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 / 　/　へ>　　　 <　　　　　　　「再び政治の中心は関東に移るのか？とかな」
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |＿__ヽ　　＼／　 )
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |＼　　　／|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　 ＼_／　|


.

931： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:36:38 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔 ﾆﾆﾆﾆ ｡s≦}＿＿
　　　　　　　　　　　　　　 /へ‐=≦ ／　 　 　 i////＼
　　　　　　　　　　　　　ィi〔　 / 　　 {　　　　　 |⌒^　　 ＼＿＿
　　　　　　　　　　　 /　　　　{ 　 　 {　　　　　｜ 　|　　　 l　　　l
　　　　　 　 　 　 　_i　　　　 :i　 　　i　　　　　｜ 　|　　　 |　 　 |
　　　　　　　 　 　 f |　 　 　 :| 　 　 |　　　　　 }　　|　　　 |　 　 |
　　　　　　　　　　 | |　 　 　 :| 　 　 |　　　 　 八　 |　　　 |　 　 |
　　　　　　　　　　 | l:　　 　 十――!　　　　ム-- ､　　　 }　八 }
　　　　　　　　　　 { :　　　　 ,x芹笊ﾐ　　　 ,ｨ芯丐 }　 　 / /}　/
　　　　 　 　 　 　 {', ∧ 　　ゝ V)ツ } 　 ／: V)ツ//　　/ /　!/
　　　　　 　 　 　 / ∨∧　　 ﾄ､　 　i ／ 　　　 / / 　 / /}　/
　　　　　　　　　/　　ﾏ/ヘ　 八＼ 　　 ' 　 　 / 人 ／ / ｉ
　　　　　 　 　 /　　　　7__}＼　＼}　 　r,　　 　　／ { /
.　　　　　　　 /　 　 　 // |　 |⌒ {＞　　 ィ 　}⌒|　 /　　 l　　　　　　　　「なるほど」
　　　　　　　　　　　　〈/ r:|　 |z /二二爪二///,'|　 |
　　　　　　 /　　　　　 　 {:|　 |//　≧s。ィi〔 ∨/,|　 |　 　 |
　 　 　 　 /　　　　 ‐=≦ﾆ|　 | {i:i:i:i:i:i／i:i:i:i:i:i:∨:|　 |＿＿|
　　　　　 ,　　　 /ニﾆﾆ二:}　 |　≧s。i:i:i:i／ 　:∨　 {二二ヽ
　　　 　 /　 　 /ニニニﾆ/　/　 　 　 ￣　 　 　 ∨　!ニﾆﾆ:}
　 　 　 /　　　 {ﾆﾆ二二/　/　　　　　　 l　　　 　 ∨{ニニﾆi
.　　　　　 　 　 |ニﾆ二:/ ％　　 　 　 　 Y　　　　 　 ＼ﾆﾆ=|



.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/　　　　　　　　　　　　　 「これからは鎌倉の時代ではなくて京の時代ですよと、
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そういうことを示しているということかしら〜？」
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ



.

932： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:37:02 ID:1foRLzfI


　　　「そういうアピールだな。

　　　　　　　それに加えて、それまでは武家と繋がりが深かった禅宗一般を、

　　　　　　　　　　　公家方の制御下におくという意味合いもあったろう」


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


　|　　　　　|　　　　　|　　　　|　∨　　　　　 　 /　　　　　　　　　　　 　 /ヽ
　|　　　　　|　　　　　|i　 　-┼‐ ∨　　　　　 /----＜　　 |　　　　 　 /　 }
　|　　　　　|ｉ　　 　 斗＜ 　 i|　 | ∨　 　 　 /|　　　/　ミｔ､,　　　　　 /
　|　　　　　|　　　　　|　　　　|　 |　 ,　　　　, ｜ 　 /　　　 ,　　　　　/　　 l
　|　　　　　|　　　　　|i ,x笊芋芥ﾐ　∨　　 ,　 !/芥芋笊㍉　　　　　　　　 |
　　　 　 　 {　　　　　| ゝ　)//刋　　 ∨　/　　　 )//刋 /,　　　　 //　 　 |
　l ，　　 　 , 　 　 　 | 　 乂^)少 　 　 ＼i 　 　 乂^)少　,　　　　/{/ｌ　　 ｉ|
　| ‘，　　　 ，　　　　,　　　　　　　　 　 , ＼　　 　 　 　 ，　 　 / il/ｌ　　 ｉ|
　|　 ∨　　　'，　 　 从　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　/　 {/廴　/|
　|V/∧　　 　'，　 　 入　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　/　　 ﾏ//,/｜
　Ⅵ// ‘，　 　 ，　　　|　　　　　　　　 O　　　　　　 ,　　　 /,∧ 　 ∨,/
　 ∨'　　　，　 八　 　 |　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　/∧∧　　ゝ'　 |　　　　　　　「おもいっきり俗世に左右されてるであります」
　　ｌ　 　 　 ＼ } /＼　ｉ|　　　　　　　　　　　 　 ィi〔,′ 　 /!/∧∧　　　　i|
　　|　　 　 　 {／//l ＼!　　 　 |ﾆ＞　　　　＜ﾆ| /　　 ‰ |//≧〈　 　 　 |
　　|　　　　　/////| 　 ＼　　 i|￣/　≧≦∧^｜　 ／　　 〈///∧ 　 　 i|
　　|　　　　 /////,'|　 　 　 　 i|＿＿/二,∨＿_| ／　　 　i| ∨//∧

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.／:::::::::::::::::::::::::::::::;.イー､　　　あずサポート大判【 現在の鎌倉五山と京都五山 】
_::::::::::::::_:::::::::::::::∠、厂ヽ〉
_::::::::::://::::::::､∠、 /
::::::::::::Y!:::::::::7⌒ﾘ/　　　　　　 義満さんが将軍になっていた時期は相國寺さんが天龍寺さんをしのいで第一位となっていました。
ﾞ::::::::::::ﾘ :::／""　{　　　　　　　ですが義持さんが将軍になったとき、その変更を元通りに戻し、天龍寺さんが第一位になりました
_:::::::::::ﾄ!::/　 っ ノ　　　　　　　
::::::::: /.|/ﾌ´￣´　　　　　　　　 五山の上 南禅寺
:::::/:;' /⌒ヾヽ
ﾞ:/:::l:〈　　　}　〉　　　　　　　　　　　　　　鎌倉　　　京都
.ﾞ|::::l: :ヽ　　∨ヽ　　　　　　　　第一　　建長寺　　天龍寺
ﾞ:|::::!: : : ':,　 ヽ　',　　　　　　　 第二　　円覚寺　　相國寺
.ﾞl:: |: : : : :',.　　　l　　　　　　　 第三　　寿福寺　　建仁寺
.ﾞ|:::|: : : : : :';.､__丿　　　　　　　第四　　浄智寺　　東福寺
.ﾞ|::;': : : : : : :',　　　　　　　　　　第五　　浄妙寺　　萬壽寺
.:l/: : : : : : : :.〉
. ── 　 ＜|
.....　| |　　 　|
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.

933： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:37:36 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　 「結局今日では五山とは、五つの大きな官寺という言語の意味が次第に変化して、

　　　　　　　　　　　　　　　　五という関係を持つ一定数をもって構成される

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 禅寺の官寺としての寺格であると定義することができる」



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .-─ ｰ- 、 　 　 　 　 　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
　　　　　　　　　　　　＞┴、 |　　　 （　●）　（ ●).|　　　　{　　｀､ 、ヽ__,. ┴、
　　　　　　　　　　　/　{　　〉 l　 　 　 ｀　 ´　､｀ ､´ |　 　 　 ヽ　　i　〉'　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 ＞{ .|　　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　 　 |　　l／　　, -ー '´ ｀､
　　　　　　　　　　j　　 　 /　 |　　　　｀tﾆ"__, ﾕ′ !　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　　 　 ノ ´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 ,　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,　　 　 　 　 ﾔ　　 ゝ-ィ／ 　 　 i
─ --/　/　　　　　／　 　 /　　 ;　 }　　　　　　 丿　　　　　　　{　　 　 ,ﾗ 　 　 　 {_
::::::::::ｲ　　.:...　 　 r'´ 　 　 /　　　j　 |ト､￣￣￣ﾉ ､　 　　　　　　＼　　 i　　　　　ﾄミヽ＿
:::::::::::l　..: :: :::..　 　 　 　 /　　　 ; 　ﾘ　　7ｲ´:::::::｀VL　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　 j　}:::::. ＼
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.　　　　　　　　　 |ゝ 」 ｀ヽ:::::::/ 　λｰ-､_　　　　　 ｀‐ｧ､　 　 ./..::ﾘ:::::::::
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .. 　.. ..　.,ﾉ　　　 ﾉ:::::::::ヽ　　 i:::::::ヽ｀ー─-､＿〈 ::ヽ､_/:::::/::::::::::
:::::::フ/　:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ ∧ 　 ｲ::::::::::::::::.| 　 |::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::::ト､　:::::／:::::::::::
:::::/r'　.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ／::::::　∧　 |::::::::::::::::::| 　.|::::::::::::::::ゝ:::::::::::::::::::＼￣:::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: , 　'´ :::::::::::　∧　i:::::::::::::::::::| 　|::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼　:::::::::::::::::::::::



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934： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:39:04 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「で、この五山の存在意義として重要なものに五山文学がある」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 　 　 　 `
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　 　 　 　 　 ',
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　 　 ___,ノ　ゝ丿
　　 　 　 　 　 　 ＿__ ＿＿＿_ /　　　　 （､__）（__ﾉ
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　　　 |::: li::::::::::::::::::::::::}:::／ : : : .＼＼＞、___,_∧:::::::::: |
　　　 |::: |i:::::::::::::::／i￣ : : : : : : : : :＼ ∧:::: ﾍ : :＼:::: |
　　　 |::: |i::::::::::::/: ／ : : : : : : : : : : : :ハ､}:::::{ ｀; : : : `‐-、
　　　 |::: li::::::::::/ : | : : : : : : : : : : : : : : ::∧:::::`, |: : : : : : : :.
　　　 |::: li::::::: { : : | : : : : : : |: : : : : : : : : :∧:::::V: : : : : :.V :.
　　　 |::: lｉ::::::::,': : / : : : : : : |: : : : : : : : : : :∧::::i : : : : : : | :ﾄ､
　　　 |::: li:::: /: :./ : : : : : : :ﾉ／ : : : : : : : : :.Λ::l : : : : : : |ノ: :.
　　　 |::: l!: / : : : : : : : : : :/ : : : : : : : : : : : : :Λi : : : : : :.|:: : : :.
　　　 |::: l!∧: : : : : : : : : ｲ : : : : : : : : : : : : : : :`| : : : : : ﾉ : / : :.
　　　 |::::::{ ノ: : : ／⌒＜ : : : : : : :／ : : : : : : : : : : : : :ι'´ : : : :〉- 、_＿＿＿_
　　　 l::: /: : : :∠ : : :γ>'-＝ﾆ＜ : : : : : : : : : : : : : : : i : : /／: : : : : : : : : : :r´＞ｰ- 、_
　　　 |::::{: : : /: : : : : :{ {　　 ´`⌒⌒ヽ: : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : : : : : : r´r´　　　　 ､ `,丶、
　　　 |::::ゝ─…‐＝ミ:人__r}　 {　{　{　ﾄ､: : : : : :}: : : : :ト､_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:{_{人　ι_Y　}　}　} }
　　　 |::::::|::::::::::::::::::::::::ヽ:::::/　/　ﾄ　{　{ }: : : : : :く: : : く:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_ `y　ﾑ / / i
　　　 |::::::|::::::::::::::::::::::::::::}::::ヽｨ　/　/ ノ'´: :＞ : : :`ヽ､⌒ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ:`(_ ｨ{ /ィ／
　 　 f￣｀ヽ──＝¨¨⌒ｌ¨¨¨'-'-'´厂: :／: : : : : 人: : : : : :ヽ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´l￣厂￣
　　 └┬个────‐┴─┬ｰ i’─＝≠￣￣￣￣￣｀ヽ｀───────┴┴＝ミ
　　　　 |::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ／ : : : : : : : : : / : : : : : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .＼
　　　　 |::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / : : : : : : : : : //／ : : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .∧


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935： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:39:17 ID:1foRLzfI



　　　　「この五山文学とは、まずは大陸の五山において興り、

　　　　　　　　日本に渡り、隆盛を誇り、やがて衰退していった漢文における文学の一種だ」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「当然ながら中華においても五山文学というのは
　　　　　　　 　 　 　 ´￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本とは別系統で存在するぞ」
　　　　 　 　 　 　 |´＼　 ／｀　　 '
　　　　 　 　 　 　 | (●) (● )　　 }-───── ヘ
　　　　 　 　 　 　 |　(__人___)　 　ﾑﾑ: : : : : : : : : : :.ハ
　　　　　　　　　 八　 ｀⌒´　 　 ﾑ|: ﾑ: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 ／: :∧　　　　　 ./　|: : ﾑ: : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　 　 .／: : : :./∧　　　 ／　 .|: : : ﾑ: : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　 ／: : :: : : :': : :| ￣ﾆﾆ7＼ ｲ: : : : :〉: : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　(｀: : : : : : : : |: : :|ヽハﾆ7　　 |: : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼
　 　 (＼: :: : : : : ..|: : :|　　 二.　　 |: : :＼: : : : : : : : :|｀ヽ: : : : : : : : : :＼
　　　|: : : : : : : : : : :> |　　 ﾆﾆ　　 |: : : : :}: : : : : : : :.|　　＼: : : : : : : : : :＼
　　　|: : : : : : : : : /: : |　　.ﾆ二　　|: : : :/: : : : : : : : :|　　　 ＼: : : : : : : : : :)
　　　|: : : : : :八:.∧: : ! 　 二二.　 |: : :/: : : : : : : : : :|　　　　　＼≦匕 : :./
　　　|: : : : : : : |V:∧: |　　二二|　.|: :/: : : : : : : : : : :|　　　　　/ : : : : : :./
　　　|: : : : : : : |　V:.寸 　 {=== |　|:/: : : : : : : : : : : :|　　　　./ : : : : : :./
　　　|: : : : : : : | 　 Vﾑ　　|ﾆﾆﾆ|　|: : : : : : : : : : : : :.! 　 　 /: : : : : : :/
　　　|: : : : : : : |　　 .Vﾑ.　|ﾆﾆﾆ|　|: : : : : : : : : : : : :|　　 ./: : : : : : :/
　　　|: : : :.＞'⌒￣￣￣￣￣￣/7ー‐㍉: : : : : : : :.! 　 /: : : : : : :/
　　　|: : : :／: : : : : : : : : : : : :／ /　　　　寸: : : : : :.|　./: : : : : : :/
　　　|: : : : : : : : : : : : : : : : :/___/￣{　　　　＼: : : : :| <寸: : : : :/
　　　 ￣￣￣￣￣￣￣￣



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ　　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',｀ー―‐-､: : : :ハ!:|i:ﾘ
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ　　　　　　　　　　　　　　　「寺院で発達した文学、ねえ」
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .


.

936： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:39:33 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　「この五山文学は、室町時代全般における代表的な文化の一つとしてあげられるが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北山時代はともかく、東山時代にはすでにボロボロだったもんで、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こないだの銀閣のときには尺の都合もあってオミットした」


　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ ヽ､,__　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 （●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （_人___） 　 U　 |
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／-‐ 　 ｀i ､ ＿__,.　イ i
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 {/´､　　 　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　 しrヽ　　　　V:::Λ　 ／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　 　 　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　 　 　 　 　 　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ



　 　 　 　 　 　 ／: : :,: : : : : ﾍ: : : : : :ヽ: : ＼
　　　 　 　 　 /: /／: : : :/ﾐﾍﾊへ: : : : : ヽ: : ヽ
　　　　　　　/: ／: : : : :/　　　 ';,　ヽ: : : : ﾊ: : ﾊ　　　　　　　　　　　「今回はそのフォロー？」
　　　　　　 ,':/: :ｨ: : :.ｲ/　　　　 'i　　' ,: : : : ﾑ ハ
　　　　　　,7: : /: : : .ｲ　　　　　 |　　　' ,: : : :ﾊ : i
　 　 　 　 ﾑ: :ｲ: : :./_!'＿ 　 　 ,」'-――ﾍ:ﾄ-: ∨,
　　　　　ｲ: /: :i-‐7'_」二｀　　　 '^≧示ｰ､ﾏﾍ : Y
　　　　　7:∧: |: :kｲぅﾊ｀　　　　　 乂ﾟり　ハ∧: ',
　　　 　 i:/　ﾚﾘ:ﾊ '弋ﾘ　　　　　　　 ｀´　　ハ ゝi
　　　　　!'　　'ﾙﾊﾍ 　 　 　 ､　　 　 　 　 /／:ﾘ '!
　　　　　　　　ﾚ,:ﾍﾊ　　 　 　 　 　 　 　 /: : !/
　　　　　　　　' ',: :ﾊ:ヽ　　　｀　 ´　　 ／/: ::ｲ
　　　　　　　　　 ﾄ: :ヽ: :｀r　､　　 , ィ､: ｲ: : :|'
　　　　　　　　　 iﾍ: : ',: ハ　　｀　　ハ: i: : :.|
　　 　 　 　 　 　 !: ゝ: <,へ＞､　 /..∧､!: :.:|
　　　　　　　　 , ≦ﾍ,: ﾊ／>> /iiﾍ. .ミﾊ,'; : !
　　　　rvrﾍ≦ =＝"ﾊ: ﾄ≦r三==三ミ. ﾊ: ト≧ ､_
　　　 ﾊ. ﾍ' ´. . . . . . . 'ﾘ､>､ﾆｸ/iﾍﾊｰ'､∧:',. . .＜ハ
　　　,. . . .,. . . . . . . . . ﾚ' . . //∧ハﾐﾍ. . ',ﾊ. . .i. .i. .|
　　 /. . . i.∨. . . . . . . .ﾘ. . .ヽ/ . ﾊ.∨/ . . ゝ,. . ∨i. |
　　 i. . . . !. Y. . . . . . .,r‐ﾍ. . . . . . ﾍ0. . . .ﾄ. ､. . .､{. .|
　　 |. . . . | ｲ. r. ´. o. . _._ ｣. . . . . .i.|. . . . .'ﾄ､. . ≧､ |
　　 |. . . . .!.i. .レ. t. ‐7. . . | . . . . . |.| . . . . i. . ｀r=t.ﾍ
　　 |. . . . .i.',. .|. . {. . .i . . . ! . . . . . |.| . . . . |. . . }. . ﾊ｀


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937： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:39:53 ID:1foRLzfI



　　　　　　　「ま、五山の紹介するなら、やらざるを得ないだろ常識的に考えて」


.　　　 　 　 ／￣￣＼
　　　　 . ／　,ノ　　＼ Y⌒i　 　__
　　　　　|　 （●）（●） | 　| 　./　.)
　　　　.　|　　（__人__） .|　 |　/　./
　　　　　 |　　 ｀ ⌒´　ﾘ　 i_/　./　　　　　　　　　　「前述の通り、かつて俗世を厭うた禅寺は、
　　　　.　 ヽ　　　　 ／　　,｀弋ヽ
　　　＿＿ ヽ　　- γ⌒ヽ　Ｙ´ ,｀ヽ　　　　　　　　　　 しかしやがて中国的官僚の性格を強く反映することになり、
　 ／ :　　: :介〈　　`ｰ ､く　 〈::...ノＶヽ
　 | : : : : ::〈　｢｀ヽ_ｰ ､　｀ヾ＿/　//:|　　　　　　　　　　　 そこではやはり種種雑多の文書文例と無縁ではいられなかった」
　 | : : : : : /: |　{::::}　ﾌ-､｀ｰ┴‐- │
　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :`ー‐一′ ::|


..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （●） 　（●）
　　／　　　　 （__人__）　＼
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|　　　　　　　　　　　　　　「書類がないお役所なんてありえないお」
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ


.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 禅寺の文書の種類 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　 五山文学発生前の禅寺の文書は大きく分けて三種類あったそうです。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　 榜：お寺などの上の人から下の人へ向かって出される文書です
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　 疏：下の人が上の人に差し出す為に箇条書きで書かれた文書です
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　　 啓剳：同等の地位の人たちの間でかわされる儀礼的な書簡などです
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

938： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:40:04 ID:1foRLzfI


　　　　「こうした文書を記す役目のものは書記と呼ばれる」


　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 ⌒　ヽ､_　 　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●）(● ）　　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （_人＿)　　　　｜
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　 　　 |　　　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　 　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　 　 　 　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　 　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　 　 　 　　　　 ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　 　 　 　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「今も普通に使われている役職ですから、これは覚えやすいですね」

　　　　　　　　　　　　　＼　|
　　　　　　　　　　　　　＿ 　 (⌒ヽ＿＿_
　　　　　　　　　　　　. 　 　 ／⌒ﾅ'⌒ヽ::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　/:::::ﾊVﾊヽ :::::';::|
　　　　　　　　　　　　　　　|::::/＾　　 ＾|::::::|::|
　　　　　　　　　　　　　　　|::::|┃　 ┃! ::::|::|
　　　　　　　　　　　　　　　N〈"　ワ　"ﾚ!:::|::|
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ:＞ｒｒｒｒ＜|:/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ハﾘﾉハヽ ∨|
　　　　　　　　　　　　. 　 　 （（_)　 （⌒ソ:::|
　　　　　　　　　　　　　　　　 ￣}ﾘﾘ川ﾘ{::::ﾘ

.

939： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:40:22 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)　　　　　　　　「この書記には、自然と筆の扱いや文の綴に長けたものが当てられることになる」
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|



　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　::::::::::i:::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　::::::ｉl:::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　 l !:::::::::::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　 l l::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　　　　　　　「まあ、当然だお」
　　　　　／⌒｀ 　 l l::::::::::::::::::::::::::::ｌ::
　　　　　　　＿,,∠l ト､＿＿::::::::::::::ｌ;
　ﾉヽ　（ ￣￣｀ 弋! lフ'￣:::::::::::::::::::ｌ
　　　　　　　　　　 l l::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　 .!l:::::::::::::::::::::::::::::/
　　　　　　　　､,,,､::ｉl::::::::::::::::::::::::::::/
　Ｊ　　　　　.....::::l:: 　　　:::::::::::::::::/
　　ゝ､,,,,,,,;;;;;;;;;ノ　　　　　::::::::::::::/



　　　　　　　　　　　　///// 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 {_
　　　　　　　　 　 　 / ∨^{ 　 　 　 　 　 /__　　　　　|　　　　　/　≧=‐―,
　　　 　 　 　 　 　 /　/　｜　　 　 　 　 f　　￢-ミ,　|　 　 　 /　　　　 }　,
.　　　　　 　 　 　 /　/　 /|　　　　　　　 |,x笊≧s。 ｜ 　 　,/　}　　　/　 }
　　　　　　　　　 /　/　　≧s｡.,_　　　 　 |〈( h//(　｀ }　　　ムﾐi|　　 /
　　　　 　 　 　 /　/　　　　　　∨ﾍ　 　 |　|乂i少 　 | 　／l /　|ｉ　 /
.　　　　　　 　 /　 {＼　 　 　 　 ∨ﾊ 　 i|　|　 ¨^　　i|／　笊ﾐ i|　 ,　 　 }
.　 　 　 　 　 /　　 ＼＼　 　 　 //,∧　ｉ|　|　　 　 　 　 　 vﾘ}/,　,　 　 /
　　　　　 　 /　　　／,＼＼　＿)///,'}　入i{　　　　　　　　、 }　 /　　 /
.　　　　　　/　　／　　／＞////＞''”　 |　＼　　　 　 __　　 从/　　 /
.　　 　 　 /　　/　　／///|⌒∧^　　 　ｉ|　　 　 　 　 ゝ '　 % ,/　　,/
　　　 　 /　　ア777///＞|　　∧　　 　 | ＼　　　　　　　　　/　　,/　　　　　　「苦手で下手くそなやつがやっても
.　　　　/　 ／/////／　 i|　　 ,∧ 　 　i|＿ ＼　　　　／}　/
. 　 　 /　　∨///／　　　i|　　　 ∧　　 |//}＿ ≧=‐く　 } / 　 /　　　　　　　　　　　誰も幸せにならないであります」
　　　/　　　≧=≦　 　 　 |　　　　∧ 　 |⌒}二_}　　　　 i}/ 　 /
　　 /,　γ=====―　　＿,|　　　　i|∧　i|￣}二{{　　　　 /{
　　,　　/二二ニニニニニl 　 　 　| ∧ ｉ|　 }={ﾊ ,　　　 　i|　/
.　/　 ,/二二二ニニニﾆﾆl　 　 　 |=,∧i|二=,乂ﾊ　　　　 |‰
. /　　i{二二ニニニニニﾆl　 　 　 |二=Ⅵ二二二二ﾊ　　|
/　　　|二二ニニニニニﾆl　 　 　 |⌒〈^⌒　　　⌒廴ﾍ　i|＼

.

940： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:40:33 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「これらの文書は、最初はただ用を足すにたるだけの簡潔なものだったが、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのうち宮廷を始めとする官公の影響を受け、

　　　　　　　　　　 ／￣￣＼　　　　　　　　　文学的な表現を取り入れるようになっていく」
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　　 「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|


　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : : : : : 　 .、　　　　　　　　　　「官公で文学的な……？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : :ト、へ : : : : : : .　 イ. . :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 i: |￣ヾ ＼: ::i : : :|: : |: : :.!
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:|: : |: |　　 ﾘ　＼:| : : ﾄ: ::l: : :l
　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|: : !:イ´_　　'￣___ヾ !ヾ:^l : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　|:ﾊ: l: :代ｿ　　　'てｿ7:| ｆﾘﾉ: :|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 !:!:∧　　　　　　　 ﾘ-ｲ:|: :ｌ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾚ' 　＼ 　　 _　　／ヽ|:ﾄ、| ＿
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 `r「「l、イ　 　 l:i　　　／ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「 !　`　i/　　　ｌl:l 　／　 　 i
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧　　　/　 ＿/|:!／ /　　　 |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |∧　　 ∨　　|／i { /　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ |∧ 　　',　　 | ||　/　　　　 !
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　/　∧　 ∨　/| ll∠　　　　 ,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　　ト、ﾍ　　 ＼/　　　∧/i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　 ヽ ` ﾍ　　　 ヽ 　 /　　|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丶　 ﾄ-ｲ∧　　　 } /　　　|
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 i　 |　!ｲ　i＼　　/　　 　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}　!　||　∥ i`‐'　　＼　 〉


.

941： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:40:48 ID:1foRLzfI




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「不思議に思われるかもしれないが、あっちじゃそういうものなんだと思ってくれ。

　　　　　　　　　　　　　　　_____　　　　　　　　　四六駢儷体と呼ばれる文体で文書が作られることが多かったと見られている」
　　　　　　　　　　　　 ／ ￣ ￣＼
　　　　　　　　　　　／　　　 　 　　＼
　　　　　　　　　　　| 　　 　_,.ノ '(ゞ､_|
　　　　　　　　　　　.|　　　 （ ー）ヽ ヽ
　　　　　　　　　　 ノ| U 　　（___人_＼＼__
　　　　　　 ____-‐./l l|、　　　 ｀⌒（⌒_　　 ＼
　　　 ,,-=ﾆ_::::::､::l ::::! ヽ. 　　　　　し「、　　　 ＼
　　 / ::::::::::: ヽ::::::)::::::|　｀ヽ.　___´ノ ヽ ヽ、..,,____i_
　　i :::::::::::::::::: ヽく::::::::ヽ　 / ￣ lヽl:::::〉::::Y________l_
　　l :::::::::::::::::::::: ヽ:::y:::::ヽ/､＿_l 　!:: /::::| ::::::::::::::: |
　　 ! :::::::::::::::::::::::: l::::＼::::ヽ　l　ヽ.l::: l::::: | ::::::::::::::: |
　　 ヽ :::::::::::::::::::::::: ヽ:::＼::::ヽl　　l!::: l:::: | ::::::::::::::: |



.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【 四六駢儷体 】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　 『しろくべんれいぶん』と読みます。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　 漢文の技法である『対句』で全章を構成する文章です。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　 一文の構成が四字、六字であることが多いので四六駢儷文と呼ばれます。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　 　 　 　 |＿＿{
. 　 　 　 　 ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa


.

942： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:42:55 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「対句のことについても説明が必要な気がするが

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼ -、_　　　　　　……キリがないからここでは触れない」
　　　　　　　　　　　　　 　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　 （＝）（＝ ）／　´／ /)
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （__人＿） {　 　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　 　 　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 　 ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　 　 　 　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　 　 　　 　 ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　 　 　 　 　 　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ
　　　　　　　　　　 　 　 .　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 ,
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／　　　　　チッ
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，



　　　　　　　　 　 　　＿＿＿_
　　　　　　　　 　　／　　 　 　＼
　　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼　　　　　　　　　　　　　　「涼しい顔で舌打ちすんのやめーや」
　　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |
　 　　　　　　＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ 　　　　　　 　 　 　 　　|　 |
　　　 　 　 |　　　　　　　 　 　 　 　 | 　|


.

943： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:43:13 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　「舌打ちされてもなぁ」


　 　 　 　 　 ／￣￣＼
.　　　　　 ／ 　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　 |　 　　　（ ―）　 λ　　 ヽ　　　　　　　　　　「ただ、日本での漢字とは違い、
　　　 ,ﾍ__|　　　 　　（__人）　　ヽ　　',
　 __,/　　　｀ ＜　 　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢　　　　　　　　　　　当時大陸で使われていた漢字は『一字一音一義』のため、
／---‐――--.､ゝ＼　 ノ　　　」-‐＞ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l　　　　　　　　　 様々に『対』になる字同士があるから、
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　 ヽ.　　,　, .!
.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　 ヽ　　　　 l｀ / / /!　　　　　　　　　　 古来それを巧みに表現に用いるということが重要視されると、
:.:.:.:.:.／　 ./　　　　＿ __ヽ-､　　 !/. ,'　l　!
.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼ ＜　　　'　l　　　　　　　　　　　 それだけのことは言っておくか」





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「こっちの文字とは色々と違いすぎるわね」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _
　　　　　　　　　　　　 ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ /7/
　　　　　　　　　, ィ´: : : : : : : : ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /=/,//}
　　　　　　　 ／: :/:/ﾆVi:ﾄ、=＼ﾆ＼　　　 　 　 ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　}ニニノ
　　　　　　 /ﾆ/７/　　　l:|　＼: :ヽ:.:ﾍ...　　ィi〔‐=ﾆ二 ≧s。　　　　　　　　　 ---{二=/
　　　　　　 ﾚ': : i::l　　　 i:l　　　ﾍ: :i: :|.ﾞィi〔^|　　　　　,　マﾊヽ　　　　　　　　{_/　__/＞｡
　　　　　　 i/:./:!:l　　　 }:ﾄ 、　 }:ﾊ:!: i.　/　 !　　　,　　}　　　}∧　　　　 r￣￣￣ ∧__/ }
　　　　　　/:./Aﾘ‐ｚ'´ 　ﾘ　 二_ｷ|:l: :!....{　 ｉ|　　　|　　|　　　| ﾊ ，　　 / 　 　 　 ,′}　 〈
　　　　 　 {:.{:.ｲ　r=＝、 　 '~￣` |:|'^i. ｉ|--ﾊ　　斗―i|　　 ｱ　i} ,　　　　　 　 　 　 　 　 }
　　　　　　ﾚ|〈ﾊ　///　 、　///　ﾚｊｿ.....l/笊 ､ /　笊㍉ ／　 /　,　　{
　　　　　 　 ﾚヽﾍ　 　　-‐┐ 　 /:!::|.....ﾊ vﾘ　　　 vﾘ } {/ﾊ／ 　 ,　　)　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　 |: : ＼ 　`¨´　／:.:.|:.l..', 从 　 '　 　 　 i| ゝく}＼　 _ィi〔　　　　　　 　 　 /
　　　　　　　　 |: : i: |:`ト - イヽ: : |:.|.　， ｌ　.　^　　 ィｉ| /　r‐=/
　　　　　　　　 |: : |/^＼　 ／ `Ⅵ :!　　ヽ, 　 ゝ ＜=} V　 廴_{　　　　　　　　　　　 ノ
　　　　　　　___| : ﾊ　<> M　<>/ l:.ﾄ 、.ﾞ| /　///ﾆL__}_|　 f　 (　　　　　　　　　 ,
　　　　　_ィ´／|: ,' ∨三V三∨　i:.ﾄ -`> 、/≧=‐‐=≦　 ≧‐}　　　　　　＞ ´
　　　　 「　　　 |/　　 L/i|ヾ」　　 ﾘ　　　/ヽ.　{___/___/|　|ﾆ廴‘， 　 　 ／　　　　　　　　　　　「jud」
　　　　 |　ヽ　　 　 　 　 |l　o　　　 　 ∨　 l..　　　　　i|　{_人　 ゝ‐=≦
　　　　 |　　∨_ oニ] 　∥　　 [__ o__」 | i　|　 　 　 　 |　|//77　　　|
　　　　 |　　 {| |　|　|　　|ｌ　　　|　|　| |ﾊ l　|..　　　　　i|　|///,　　　 |
　　　　 |　　 i| |　|　| 　 ∥　　 |　|　| |　l}　|...- ､　＿_,|　|　 /　　　 i|
　　　　 |　　 ﾍﾑ-‐┘　 |l　o　　￣`ヽ / 　|.　　 　 　 i|　|⌒　　　　 |
　　　　 |　　　ヽ、　 　　∥　　　 　　ノ 　　l　　　　　　|　|　　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　l/　/　　 /　　 　 　 　 i|　|　　　　 　 |


.

944： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:43:29 ID:1foRLzfI



　　　　「現代の日本語は常用漢字二千文字程度で多すぎるとか言われるけど、その比じゃないからなぁ」


　　　　　　　　　　　　 　 　 　／￣￣ ＼
　　　　　　　　 　 　 　 　 　__ノ　｀⌒　　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　 　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二 ヽ､`,┘ 　 ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　 ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　 　 　 　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　 　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　 　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',:::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|



　　　　　　　　　　　　///// 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 {_
　　　　　　　　 　 　 / ∨^{ 　 　 　 　 　 /__　　　　　|　　　　　/　≧=‐―,
　　　 　 　 　 　 　 /　/　｜　　 　 　 　 f　　￢-ミ,　|　 　 　 /　　　　 }　,
.　　　　　 　 　 　 /　/　 /|　　　　　　　 |,x笊≧s。 ｜ 　 　,/　}　　　/　 }
　　　　　　　　　 /　/　　≧s｡.,_　　　 　 |〈( h//(　｀ }　　　ムﾐi|　　 /
　　　　 　 　 　 /　/　　　　　　∨ﾍ　 　 |　|乂i少 　 | 　／l /　|ｉ　 /
.　　　　　　 　 /　 {＼　 　 　 　 ∨ﾊ 　 i|　|　 ¨^　　i|／　笊ﾐ i|　 ,　 　 }
.　 　 　 　 　 /　　 ＼＼　 　 　 //,∧　ｉ|　|　　 　 　 　 　 vﾘ}/,　,　 　 /
　　　　　 　 /　　　／,＼＼　＿)///,'}　入i{　　　　　　　　、 }　 /　　 /
.　　　　　　/　　／　　／＞////＞''”　 |　＼　　　 　 __　　 从/　　 /
.　　 　 　 /　　/　　／///|⌒∧^　　 　ｉ|　　 　 　 　 ゝ '　 % ,/　　,/
　　　 　 /　　ア777///＞|　　∧　　 　 | ＼　　　　　　　　　/　　,/
.　　　　/　 ／/////／　 i|　　 ,∧ 　 　i|＿ ＼　　　　／}　/
. 　 　 /　　∨///／　　　i|　　　 ∧　　 |//}＿ ≧=‐く　 } / 　 /　　　　　 「ぶっちゃけ二千文字も覚えるとか
　　　/　　　≧=≦　 　 　 |　　　　∧ 　 |⌒}二_}　　　　 i}/ 　 /
　　 /,　γ=====―　　＿,|　　　　i|∧　i|￣}二{{　　　　 /{　　　　　　　　　　　馬鹿じゃないかと思ってるであります」
　　,　　/二二ニニニニニl 　 　 　| ∧ ｉ|　 }={ﾊ ,　　　 　i|　/
.　/　 ,/二二二ニニニﾆﾆl　 　 　 |=,∧i|二=,乂ﾊ　　　　 |‰
. /　　i{二二ニニニニニﾆl　 　 　 |二=Ⅵ二二二二ﾊ　　|
/　　　|二二ニニニニニﾆl　 　 　 |⌒〈^⌒　　　⌒廴ﾍ　i|＼


.

945： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:43:40 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　 ／　￣￣￣￣￣ ＼　　　　　　　　　　　　　「まぁ、そっちでいえば綴を覚えるようなものだし……」
　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　 ／. 　 　 　 ´￣` 、　　　, 、＿＿ 　　　＼
　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l
　 ..|.　　 　 　 （　 ●）　ﾉヽ　　（　● ）　　　　　|
　　|.　 　 　 　 ´"''",　　　 　 　"''"´ 　 　 　 　 l
.　　＼. 　 　 　 　 （　　　 j　　　 ）　　　　 　 ／
　　　　＼　　　 　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼



　　　 !: : i:/: : : : :/:/ 　 　 　 'ﾊ　　　∨ﾍ: : : :i:ﾄ: :.:|: :,
　　　 ∨ｲ: : : : :/:ﾑ　 　 　 　 'ﾊ　　　 ∨',: : :ﾊ:ヽ: |: :;'
　　　　>: :ｲ: : :7:/　￣ ｀'　　　 ',｀ー―‐-､: : : :ハ!:|i:ﾘ
　　　 ｲ: /ｨ: : /i'L -示､　　　　 ヽｰ=-､_　ヽﾄ: : i: :ﾘ:ｲ
　　　 i:./ ｲ: :∧　 ｲ心 ｀　　　　　^' 仍ﾊ ｀ ﾑ 〉:ﾄ､i: ﾊ　　　　　　　　　「全然違う気がするわよ」
　　　 |ハ |:.∧ ｀ 乂歹　　　　 　 　 ﾋ歹　ﾉ　ハ;' ト┴. -. _
　　　 ' 　 '|:'､ﾍ　　　　　　　　　　　 　 　 　 /' ノ'ﾉ＝＝=== ﾆ､＞.､
　　　　 , ｨ:!';;;iﾊ　　　　　　　i,　　　　　　　 ,'_／/　 　 　 　 〃/. . . ヽ
　,-ｒ ≦ " |;;;;ﾊ::'､　　　　　　　　　　　　　,. ﾊ: :.L＿＿＿_〃/. . . . . .
　{. |i´　　,ﾊ;;;;;;', : ヽ　　 　 r -‐､ 　 　 ／. .i: : 7.￣.￣.￣ ./. . . . . . .
. }. ﾄー＝‐ﾍ;;;;;ﾊ: : : i＞　 　￣ 　, ィ. ´./^v! : i. . . . . . . . /. . . . . . . .
. |. iヽ. . . . . .∨;;i: : : ﾄ　ヽ.＞ｰ＜へ . /∨ｲ: :ﾘ. . . . . . . /. . . . ／. . .
. !. ﾊﾍ. . . . . .∨;| : : |. >､/. ﾍﾆﾆK∧ﾍ/ . |: :,'. . . . . . . i. . . ／. . . . .
.{. . ﾍ. .∨. . . . ヽ|: : :|;ﾍ.∧三/∧ﾋﾐへ､ /.|: ;. . . . . . . .|. . '. . . . . . . .
ﾍ. . . ' ,. ヽ. . . . . |: :.:|;;;;;ヽ . /:/.||ﾍ:ﾊ. . ｀: :|:i. . . . . . . . ',. . . . . . . . . .


.

946： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:43:53 ID:1foRLzfI



.　　　　　 　 ／⌒＼
　　　　　　 /　 　 ＿×￣￣｀ｰ 、
.　　　　 　 { 　 ／: : : : : : : : : : : :.ヽ
.　 　 　 　 　 /: : : :,.へ:/:＼ : : : : : '.,
　　　　　 　 /: : : :/＾｀｀´ ⌒ヽ.: : : : : ,
　　　 　 　 ,': : : :.;' 　 　 　 　 ヽ : : : : ',　　　　　　　　　　「まぁまぁ、それで、続きは？」
.　　　　　　{: : : : ｌ´￣´　 ｀￣｀i: : : : : :',
　　　　　　 }: : : :.ｌ=＝　 　 ＝=ｌ.: : : : : :i
　　　 　 　 |: : : : !　　　　　　　ｊｲ: : : : : l
　　　 　 　 l:ﾄl : 八"　　　　　"ﾉ:!: : : : : ｌ
　　　　　　 ﾘ Ｖ:::::::ヽ、｀ ´　ィ:::ｉ:ｌ: : : : : l
. 　 　 　 　 　 〉: : l:::::::}　 . : :l::::|:l : : : : :.!
　　　　　　　ｒrｰ､_j＞<　 : : :厂リ>ー‐ｙrｰ､
　　　 　 　 //　＜　　 ﾟ･ﾛ･ﾟ　／ ／／/ 　 ヽ
.　　　　 　_{ 　 ＼__＞ｚ―‐＜ ＜　　 　 彡人
.　　 　 　 |　　＞ー　‐ｚ＞二＞ニ二 ＿_　 ,ｲ
.　　 　 　 ヒ二ニニ 　 ＞ィ＝== ―┬―〒 |
　 　 　 　 /:l￣｢￣￣´　. :　 　 　 　 !　　 j: :ヽ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「おっと、脱線してたな」
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　 ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （__人＿）　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　 　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 　 　 |　　　　　　　　　「文字のないところには当然文学は生まれないわけで、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽr｀ｰ- -=´　i､　　　　　　　　　　　　とりあえず文学以前の『文』が日常的に作られ、
　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑヽ 、､____／ヽ__
　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、　　　　　　　　　使われていたのは理解してもらえたと思う」
　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:;Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ : ∧　|::Λ |＼> : : : ｀,
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ : :.∧ |:::::| | : :ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :! : : : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::|| : :/ : : : :i :|
　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : : : : : : :＼ : '.,:::| : /: : : : :| :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : : : : : : : ＼::V :/ : : : : :l : !
　　　　　　__/_: : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ: : : : : : : i : |
　　　　／　　　｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,' : !
　　　（__.ィ´ヽ,ム、〉、:ヽУ　V. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : !
　 　 　 / ゝ/　/ 7-､Ｙ :,′　 ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : |
　　　　ヽ／　/　/ /'Y:ｿ　　 　 }.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : !



.

947： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:44:50 ID:1foRLzfI


　　　　　「それが文学という形になり隆盛を誇っていくことになるのは先程話をしたように『官』の影響だ」


　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



　 　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「日本の官庁の刊行物がつまんないのは今更だけど
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　面白いもん作ったらそれはそれで反応に困りそうだお」
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／



.

948： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:45:02 ID:1foRLzfI


　　　　　「五山文学の誕生、その流れの多くを担ったのは『科挙』の存在だ」


　　　　　　　　　　　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　／　　__,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　|　　　( ●) (●）
　 　 　 　 　 　 　 | 　　　（___人__）
　　　　　　　 　 　 |.　 　 　` ⌒´ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　 　　|
　　　　　　　 　 　 iヽ 　　　　　　|
　　　　　　　　　　 }､ `＞ ｰ-´-くヽ- 、___、
　　　　　　　　　 _ﾊ,>-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７¨. ヽ
　　　　　　　__／ :}Λ::√ У: : :./ : : : : : : / : : : : ＼
　　　　,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : : : : : : ∧
　　　r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : : : ／/: : .ヽ
　 　 } : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : . ＼
　　 f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : : : i :/:,: : : : : : : : : : .ヽ
　　/ : :ｉ : : : :ｉ i::::;::,' : :./ : : : : : : : : : : : : :V: {: : : : : : : : : : : : .＼
　/: : : :ｉ : : : :i i:::::,' : :/ : : : : : : : : : : : : : : :rヽ: : : : : : : : : : : : : : .＼


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿
.　　　　　　　 　 　 ,. 　 -―ﾚーヽ
.　　 　 　 　 　 _／: : : :∠.:}L:＞､ ＼
.　　 　 　 　 ／: /: : : /===､ ヽ: :ヽ
　 　 　 　 ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ 　ム: :ヽ
.　　　 　 /: : : : :|: : : :! `　 　 　 5､i : ヽ
.　 　 　 ,': :.:.ｨ今|: : :N　 　 　 　 '　{: : :.ヽ
....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　 ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
. 　 　 ,': : :/: :.j∧: : |、　　　　　　/: :.| ｊ/
　　　/: : /: : //∧: :|::::::::::............./;ｲ: |　　　　　　　　　　「あぁなるほど」
.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　 　 √｢i/ |:.:|
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　 　 ￣＼＼ミ二ﾖ:::|
..ﾞ: : : /:.|　 　 　 　 　＼＼　{〉┴､
.　　　　　　 　 〉ｒ＜　￣｀弋に).､ ヽ
.　 　 　 　 　 /_]彡': : : : : : :｀¨ヾ:＼}
　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ


..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　 （●） 　（●）
　　／　　　　 （__人__）　＼　　　　　　　　　　　　　　「そのへんが関わってくるのかお」
　　|　　　　 　　｀ ⌒´　　　|
.　　＼　　　　　 　　　　 ／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　 　　　　　　　　　　ヽ


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949： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:46:01 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　「カキョ？」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　 ィi〔二＞ ィi〔　　 　 {ミ　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＿＿
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 f＞''´ /　　　　 　 　 }　＼__.　 　 　 　 　 , ィ´: : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　　　　　　 /　 /　 　 ,　　　 　 　 　 ,　　　ヽ ￣}..　　　／: :/:/ﾆVi:ﾄ、=＼ﾆ＼
　　　　　　　　　　 　 , 　 /!　 　 l　　　　|　 　 /　 l　　 |　 i|..　　/ﾆ/７/　　　l:|　＼: :ヽ:.:ﾍ
　　　　　　　　 　 　 , 　 / {　　　|　　 　 |　　 ,　　ｉl　　 |　 i|..　　ﾚ': : i::l　　　 i:l　　　ﾍ: :i: :|
　　　　　　 　 　 　 , 　 /　{　　　l ￣￣ ヽ　 ,′　 !　　i|　 i|..　　i/:./:!:l　　　 }:ﾄ 、　 }:ﾊ:!: i
　　　　　　　 　 　 f 　 {　 ＼　㌢笊芥　|　 /云ミ }　　,　　,.....　/:./Aﾘ‐ｚ'´ 　ﾘ　 二_ｷ|:l: :!
　　　　　　　　 　 　 　 ∨ 　 ヽゝ V少　　 / ｈ刋〉 　/ 　 /.　　{:.{:.ｲ　r=＝、 　 '~￣` |:|'^i　　　　　　「また日本人勢との温度差が」
　　　　　　　　　　, 　 　 ∨ //} ,　　　　 V　 ゞ ' ,　 / 　 , 　 　 ﾚ|〈ﾊ　///　 、　///　ﾚｊｿ
　　　　　　　　　 ，　　　　ア＜∧　　　　'　　　/　 / 　 /..　　　　ﾚヽﾍ　 　　-‐┐ 　 /:!::|
　　　　　　　　　　　　　 ／/∧ 　,　　　 ｀ 　　仏 /{　／.　　　 　 　 |: : ＼ 　`¨´　／:.:.|:.l
　　　　　　　　 /　　　 ///／　， ≧　 　 　 　 { / ／| 　 　 　 　 　 |: : i: |:`ト - イヽ: : |:.|
　　　　　　 　 , 　　 　 ゝ＜|　　|＼{^}≧≦|　 　／　　 　 　 　 　 　 |: : |/^＼　 ／ `Ⅵ :!
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　|＿_/_{{}}ﾉﾊ　　 |　　 |　　　　　　 ___| : ﾊ　<> M　<>/ l:.ﾄ 、
　　　　　　　/　　　　 　 ＞|　　|二二,ｖﾉ=＞　 ｉ|　 　 　 　 　 _ィ´／|: ,' ∨三V三∨　i:.ﾄ -`> 、
　　　　　　 /　　　 /二ニﾆ|　　|二ﾆ=‐‐=ﾆﾆ=ﾊ!＞｡. ‘，....　「　　　 |/　　 L/i|ヾ」　　 ﾘ　　　/ヽ
　 　 　 　 /　　　　{二ﾆﾆﾆ|　　|　　 {　　　 Y　 ＼二,ｌ　，......|　ヽ　　 　 　 　 |l　o　　　 　 ∨　 l
.　　　 　 /　 　 　 i|二ニニ|　ィi〔⌒^ 〜〜 ……＜}｜....　　|　　∨_ oニ] 　∥　　 [__ o__」 | i　|
　　　　 ,　 　 　 　 |二=,/　|/　　　　　　　　　　　　　 ヽ　‘，　 　 {| |　|　|　　|ｌ　　　|　|　| |ﾊ l　|
　　　　　　　　　　 {　ア､　f 　　　　　　　　　　　　　 　 ‘，　 ,.....　i| |　|　| 　 ∥　　 |　|　| |　l}　|
　　　 /　　　　　 ／　　　从 　　　　　　　　　　　　　　　 }.　 |　　 ﾍﾑ-‐┘　 |l　o　　￣`ヽ / 　|
　 　 /　　　　 -〈　　　　 　 ゝ　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ^}　 ‘，　ヽ、　 　　∥　　　 　　ノ 　　l


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950： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:46:11 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　 ⌒　｀'⌒　　＼　　　　　　　　　　　「科挙は、簡単に言えば役人になるための試験だ。官吏登用試験な」
　　 　 　 　 　 　 |(⌒.) (⌒ )　　 |
　　　　　　　　　　|（__人___）　 　 |
　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　 　　 |
　 　 　 　 　 　 　 i　　　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 ヽ 　、 　　　. {
　　　　　　　　 -≦'ﾄ､ｰｰ-　´　ハ、
　　　　　　／: : : : √ヽ、∠´／／. :ゝ、
　　　　　/i : : : : /「::::/＼ ／. : : : : : : :.＞、
　　　　 iV: : : :/ /:::/　 ／. : : : : : : : : : : : .＼
　　　　 ｉ.| : : ,' /:::::,'　.:´. : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　 ｉi: : : i/::::::::i /. : : : : : : : : : : : :／ : : : : :',
　　　　 ;.: : : r::::::::γ: : : : : : : : : : : :./ : : : : : : : :
　　　　 i : : : i::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : :ﾉ : : : :i
　　　　 i : : : i:::::/ : : : : : : : : : : : : :.l : : / : : : : :i
　　　　 ' : : : i:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾊ :/. : : : : : :i
　　　　 | : : :./ : : : : : : : : : : : : :／ :Y.. : : : : : : :i
　　　　 | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|: : : : : : : : :i



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ------
　　　　　　　　　　　　　　　 .｡＜　{　　≧o｡、//＞｡. _
　　　　　　　　　　　　　　／ゝ／　i　　　　 　 }⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／ 　 ,　 　 |　 　 　 　 i　　　　　　＼
　　　　　　　　　.｡＜　　　　{　　　:|　 　 　 　 |　　　|　　　　ヽ　　　　　　　　　　「公務員試験でありますか」
　　　　　 　 　 {　 l　　　 　 i 　 　 |　 　 　 　 |　l 　:|　　　 　 }
　　　　　 　 　 i　 |　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 |　|　 :.　　　 　 ﾄ
　　　　　　　　 :　 :　　　　　|　 　 :|　 　 　 　 }: 八　}　　　　 :.∧
　　　　　　　 　 　 ∨ 　 　 :|￣￣ ヽ　 　 　 7云ミｔ､!　　　 /　　}
　　　 　 　 　 　{{ 　∨　　 ㌣芹斧　 ＼　 /´斧笊ｱ　 　 :/　　/
　　　 　 　 　 　i ﾟ。 :∨　　 { 込シ　　　＼　 込シ }　　　/　　∧
　　　　　　　　　{ .:　　Ⅵ 　 !＼　　　　　　　　　 /:i　　 /////
　　　　　　　　 ∧/ﾟ　　ヽ　 :{＼〉　　　 '　 　 　 〈/　　/{ ∨/　　}
　　　　　　 　 /　 Ⅵ　　} ＼　＼　　 　‐　 　　:／:　 / :i___〉　　∧
　　　　 　 　 /　　 /∧ /　　＼{: ＼ 　 　 　 ／/　イ　 }/∧　 / ∧
.　　　　　　 /　　 〈///}　　 |＿ｉ　 {/＞ー＜/|/ /_:|　 :iﾏ//〉　 / ∧
　　　　　　/　　　　〈//i　　 |/八 /＼////／ヽ|//:| 　:|∧/　 　 / ∧
　　 　 　 /　　 　 　 　 |　　 {二}i:i:i:i:i:iヽ／i:i:i:ｉ:ｉ:{二:}　 ::.　　 　 　 / ∧
.　　　　 /　 　 　 ＞ｧｧ]　　/ 7　＼i:i:ｉ/i:i:i:i:i／　 T i　 }ｧｧｧ＜　　　/ ∧
　　　　/　　　　 /////]　 / /　　　 ￣ T￣　　　 ﾟ |　 !////∧:　　 / ∧
　　　 / 　 　 　 {/////　/／　　　　 　 }　 　 　 　 :|　 }/////∧:　 　/ ∧
　　　　　　　　　}////　＞　　　　　　　Y　　　　　　 ＼ﾏ/////∧:　　 / ∧
　　/　　　　 　 :{///:‰　　　　 　 　 　 |　　　　　　　 　 マ////∧　 　 / ∧
　 /　　　　　　 ,'/// 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　ﾏ////∧:　 　/ ∧
. /　　　　　　 ///if　＞――――――{―――――＜　　}////:∧　 　 / ∧
　 　 　 　 　 /7//{///////////////!}///////////////!////{ ∧　 　 / ∧
　　　　　　 /　{:/∧///////////////!//////////////∧￣　　 ∧　　　/ ∧
　 　 　 　 /　　 　 入/////////////人////////////:/　∨　　　 ∧　　　/ ∧


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951： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:46:47 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「そういうふうに考えておいてくれていいよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 この科挙は西暦598年から1905年まで中国の各王朝で実施されていた」
　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　 ＼
　 　 　 　 　 　 （●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|
　　　　　 　 　 　 '､　　　　　　 │
　 　 　 　 　 　 　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
　　　　　　　　　　　／ｰ-、: : : : : : : : : :'.,
　 　「r'、　　　　 ／ : : : : :｀､ : : : : : : : : :'.,
　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
　　　{　い､{　 Ｙ : : : : : .＼ : V: : : : : : : : |
　　　＼　　ヽ　{|V : : : : : : ＼V: : : : : : : :|
　　　　 ＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|



/　　 ＞/=:／‐=ニ=:/: : ∧:/|:ヽ
「￣: : /:.／ : : : : ／/: :/ ⌒1:l: :.i
: : : ::/／: .:/: : ／ ./: /　　　|:ｌ＜ﾄ
i: : : :ｌ// :/:.:／‐-/／、　　 ﾉ:ﾊ: 「:i
ｌ: :i´,ｸ/:/:／ｆ'7うﾊ　　　　,〃 |:i :| :l
!: :|〈/:/　　　弋ソ　　　　_, へﾄ:|: !ﾘ
ﾊ:.V:/┐ 　　 　　 　 　 ｨら7/i:ﾊ:|
: l: : :∨　　　 　　 　　　ゞｿ/ ﾚ'
: :!: : : i　丶 　　 ｒ　, 　' ／　　　　　　　　　　　　「へぇ、リセットボタン押してばっかりの中華にしては珍しいわね」
:.∧: : :ﾄ、　＼　　 ,　イ
ﾉ　ﾍ : |　＼/ `７|: : :{
ミヽ l: :|７/⌒イﾐ !: : |
/　 }|: :l／ﾐｒ‐く j l: : ト
　 　l: :|　くイ＾ト　ﾍ: | |
　　 l: !　　《　 ヽヾﾍ:ｌ L
∨　ﾚ_　-￢　` ヾ、 「ﾆ＼
｜ く 　, イ　＼　 ヾ　トー∧
｜　 Y ヽ、＼ﾉ　 　]}oL_ 」_ｊ
∧:i:.. ゝー'¨´　　.:.:.::ll:.　 　,'
ヽ ＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉｌ:.:.:.:ノ
　〉:.:.:.:＞-　-　＝イ廴,ｲ
｜:.:￣　　￣　　　 ]}ﾆﾊ
｜:: 　　　　　　　　キ/ |


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952： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:47:03 ID:1foRLzfI


　　　　　　「千三百年あまりも続けられた公務員試験……」


　l　　　 /　　　　　 /　　　|　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　　 |////＼
　|　　　:{　　 　 　 /　　　｜　　　 　 |　 　 |　 　l　 |　　　　　　 |/////∧
　|　　　:|　　　　　'　 　 　 |　　　　　 |　 　 |　　 l　 |　　　　　　 | ∨/∧　.
　|　　　:|　　　　 f　　　　 :|　　　　　 |　 　 |　　 l　 |　　　　　　 |　∨/∧　',
　| ｌ 　 ｜　　　　|　　　　八 　 　 　 :|　 　 |　　 l　 |　　　　　　 |:　 ∨/∧
　{ l　　｜　　　　|　　 |　　∧　　 　斗ｔ允 ﾅ￣/ ミ:|　　　　　　 |　　 ∨　,　 .
　{ l　　｜　　　　|― 十―{　＼　 　 |　ィて芯笊ミ !　　　 　 　 |　　　} 　 , ∧
　{ ｌ　　 |　　　　｜　,x==ミi　　 ヽ　　/ ん///}刋 ﾏ}　　　　 　 :| 　 　〉 　 ,
　} l　　｜　　　　|: ㌢ん:刋　　 　＼ |　K乂/ﾉⅣ /　　 　 　 ___|ィi〔　　　　,　 {
　} l　　｜　　　　|: ゝ hしリ　　 　 　＼ 乂 )こ少　} |　　　 ///　　 　 　 　 : 　 ，
　}八 　 !　　　　 |　ﾊ_ゞ= ' 　 　 　 　 　 ｀^¨¨^´　:| |:　 　///　　　　 　 　 ∧
. /　 ', 八　　 　八: ∧　　　 ,　　　　 　 　 　 　 　 } }　　///　　　 　 　 　 ／　∧
　　　 ﾟ， ﾟ，　 　　＼∧　　　　　　　　　　　　　 　 | |　 //〈___　　　　　 ／　　/ ∧
. 　 　 　 　∨　　　　^∧　　　　　　　　　　　　　　 !/　∨////　　　 ／　 　 　 / ∧
.　 　 　 ∨　＼　 　 　从　　　 こ　　　 　 　 　 　 /　　 ｀''＜≧s ／　∧　 　 　 / ∧
　　　　　 ',　　个､　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　 /⌒ ///＞〈　　　 　 / ∧
　　　　 　 }　　:}　 ＼　 　 　 ＼　　 　 　 　 ィi〔/ 　 　 　 ／ 　 //////∧ 　 　 　 / ∧
　　　　 　 l　　/　　 ∧　　　 　 ＼__　｡s≦　　/:　　 　／　 　 / ∨////∧　　　 　 / ∧
　　　　 　 |:　/　　 //∧ 　 　 　 / 　 }ニ=〈^:/　　　／/　 　 / 　 ∨////∧　　　 　 / ∧
　　　　 　 | /　　　{/// ﾟ。　　　/　　 }}ニﾆ∨　　／ :/　　　/ 　 　 ∨///／　　　　　 / ∧
　　　　 　 |,′　　 ｉ// |　‘，　 .　 　 /}ニニ/　／　 /　　　/ニ≧s。ゝ＜　　 　 　 　 　 / ∧
　　　　　 /　　　　 {/　|　　}　/　ィi〔 /二ﾆ/／‐==:/　　　/二二ニニニ≧=‐‐＜　 　 　 / ∧
　　　　　 　 　 　 　 　 |　　ィi〔ニ二二二／ニﾆﾆ:/　　　/二二二ニニニニニﾆﾆ＼ 　 　 / ∧


　　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　　 ／　　_ノ´　ヽ、
.　　　　　　　 ｜　 　( ●) (●)
　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　 　 　 　 　 　 |　　　 　　　_.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　 「科挙のはじまりだった隋代の科挙はクッソ狭い門だったらしいけど、
　　　　　　　 　 |　　　　　_/__ﾞヽ_
　　　　　　　　　j､_　　　 (〈_ｒ- ヽ ヽ、　　　　　　　　　　　　　 宋の時代、太宗が人材を大量に欲しがって
　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r'､〈｀ヽ､　|
　 　 　 　 ／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ_ヽ　 　ﾄ､　　　　　　　　　　　　　　その合格基準を大いに甘くして以降、
　　　　　/ .:::/.:::::::::::::::::::::::::::::..＼Yｰ‐ソ,
　 　 　 ,' .::::/.::::::::::::::::::::／ ⌒ 、ヽ,:::::::::|　　　　　　　　　　　　　　 前よりは随分楽になったというな」
　 　 　 i .:::::::::::::::::::::::.　::::::::::::::..ヽ::.',::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::/ .:::::::::::::.::::: }::::;::::::::|
　　　　 i ::::::::::::::::::::::l .::::::::::::::::::::: ,.:: i::::::::|
　　　　 ', :::::::::::::::::::::;i .::::ヽ::::::::::::::l_:::|:::::::|


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953： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:47:16 ID:1foRLzfI



　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 ／　　_,ノ　｀⌒　　　　　　　　　　　「とはいえ、勿論相当の努力と実力がないと
　　　　　　　　　　 ｜　 　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　 ｜ 　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　 合格できなかったのは変わらないけどな」
　　 　 　 　 　 　 　 |　　　 　 　 　 ﾉ
　　　　　　　　 　 　 i　　　　　 　　|
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、 、___　　　|
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　 丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　 ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :､ : :｀､::::::ｌ : : : : :l : :l　　　　 　　　 √ ／..　　.:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :｀､ : ｀､::,' : : : : :l: : :l　　　　　　_ /　　}:...　　..::{_)
: : : : : : ｲ´ : : : : : : : : : : : :`､ : V : : : : : :| : :ﾄ､　　　／:rj　　ｲ:...　　..;.:}ﾉ
: : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ_,／ : : {{ 、　ﾙﾆ二ﾆ=r
: : : : /　.V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : :／: : : : : ﾊ　ィｧｰ´
: : : /　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : :/: : : : : : : : ゞ才
: :＼　　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : :／´



　　　　 　 　 　 　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　 　 .||　 ヽ : : : : : ﾍ: : }　　　　　　　　　　　　「なるほど」
　　　　　　　 　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　 　 |: :./: /: :// /'　　 　 　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!
　　　　　　　 　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　 　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　 　 　 　 　 ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た ｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　 ﾚ |:./ ' 弋歹 　 　 　 　 　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　 　 　 　 　 　 ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　 　 　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　 　 　 　 　 |:', : : : ＼　　　　　　　　 ／/: :./: !
　　　　　　　　 　 　 |:ﾍ: : : : ',: i＞ ､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　 　 　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞ ､　｀≧､
　　 　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　 ／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |


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954： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:47:32 ID:1foRLzfI



　　　　　　「大陸の禅林においては、この科挙に合格できなかった人物が

　　　　　　　　　　　禅寺の門をくぐるということがしばしばあった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　 ,,,､､､､､,,,,
　　　　　　　　　 ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.､　　　　　　　　　『科挙に合格できなかった』
　　　　　　　　 ,f;:;:;ミﾐヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
　　　　　　　 ,;:;:;;;;ミﾐヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^ﾘN;;
　　　　　　　,;:;;;;;;;;;;;;ｦｦ'''ｨｲﾊ､　　ﾉi;;;;;!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『しゃーない、坊主にでもなるか』
　　　　　　 ',;:;;;;;;;;;ｨｲ ,,､､､､　　 ,r- ､;;;;!
　　　　　　　V;:;;:;;;ﾙ'ﾞﾞ,rﾓﾃ.:;'　ﾉｯｬ''';;ｼ　　　　　 　 　 　　　,． '"´ ￣¨`｀`ヽ
　　　　 　 　 Nいiij　　　　　　　~`　ﾘ　　　　　　　　　　　/　　　　　　　.:.:.:..｀ヽ　　　　　　　　　 ,．'"´
　　　　　　　 Nいii!':,　　　　､;::′　,j!　　　　　　　　　　 /::　　　　　 ﾉﾉﾘﾊ.:.:.::::',　　　　　　　　/
　　　　　　　 ﾙ:;;;;{,　　　　,, --､　 1　　　　　　 　 　 　 i:::::　　　　,ｨｿ　′　`ﾄﾄ;!　　 　 　 　　!　　　 ,
　　　　　　　 ﾙﾊｼヽ　　　´ 二｀` ,′　　　　　　　　　　|::::::.　 ,.ｨｲ´_,,,,ﾉ　､,,,_ .ﾘ　　　　　　　 |　　　 j
　　　　　　　 `ﾌﾘﾊ　`丶､.　　　 /　　　　　　　　　　　　',::ハ:r'ﾞ ´,ｨtr　　 {ｨtr1　　　　　　　　!　.:;;ｨｲ
　　　　　　　,/　i　', 　 　　｀`ｰｲ　 　　　　　　 　 　 　 　i1　　　　｀ ´　　 「`　!　　　　　　　　',　{^^ﾘ
　　_,.. -‐''ﾆ7.　 ヽ ヽ　　　　　i　ヽ　　　　　　　　　　 　 ヾｼ　i　　　　 `''´　　l　　　　　　　　　ヽ い
￣ `ー─'"7_ ＿　＼＼　　　 ﾊ　 ＼_　　　　　　　　　　/::　い　　　 ''ﾆﾆ`　,′　　　　　　　　　V^',
　　', 　　　　　　　_＞＼　　 　 /7⌒ﾞ`｀`ヽ､ 　 　 　 　 /:::::.ヽ､ ゝ　　　　　,.ｲ　　　　　　　　　 ,.ｲ^ヽ
　　 i 　 　 　　 ＜_　　　＼　 /　＼　　　 　 ﾄ､　-‐''"´:.ヽ:::::.:.:.｀`ｰ　ﾆﾆﾆ彡ヽ　　　　 ,．-‐''"´1
　.　 l　　　　　　　　｀`ヽ,　 ', !　／　　　　　 l　',:::::::::::::.: .: .＼::.:′　　　 　 　 7ヽ＜"´　　　　　 l
　　　l　　　　　　　　　　 ＼リ /　　　　　　　l　 i　　　　　　　　　　　_ ＿, 　 ′　　｀`ヽ　　　　　l／
　　　l　　　　　　　　　　　　V!　　　　　　　　l　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　l　　　　　　　　　　　　 i!　　 　 　 　 　 l　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::1

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


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955： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:47:50 ID:1foRLzfI


　　　　　　　「科挙の試験において詩作は重要な科目であり、

　　　　　　　　　　　　　　当然受験生はそうした詩作についての素養や知識を十分に備えていた」




。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


''';;';';;'';''';;';';;'';;''';;';';;'';;;,.,;''';;';';;'';;''';;';';;'';;;,.,'';;''';;';';;'';;;,''';;';';;'';''';;';';;'';;　　''';;'''';;';';;'';''';;';';;'';;''';;';';;'';;;,.,
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vymy vymyvvvymy vymyvvvymyvwymyvymyvy　　　　　　　　　　vymy vymyvvvymy vymyvvymyvymyvy
MVvvMVvvMMVvvMvyvMVvvMvyMVvvMMV　　　　　　　　　　　　　vvMVvvMMVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、Vvv
Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍΛ＿ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍΛ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾
ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ　ﾍ＿＿Λ
＿＿,/ヽ＿　/ヽ＿＿,.ヘ　/ヽ＿＿,.ヘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ヘ　,.ヘ　　/＿＿,/ヽ＿　/ヽ＿＿,.ヘ　/ヽ＿＿,.ヘ
　　　　/＼＿＿_／ヽ　　　/＼＿＿／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼＿＿_／ヽ　_／ヽ　/＼＿＿_／ヽ　　　/＼＿＿_／ヽ
　　 ／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li＼／''''''　　　''''''　　＼　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／''''''　　　'''''':::::::＼　　 ／''''''　　　'''''':::::::＼／､-―'　ﾞ､ー-::::＼
　 . |（○）,　　　､（○）､ :|（○）,lilililili､（○）､:|　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |（●）,　　　､（●）､.:|､（ |（●）,　　　､（●）､.:|　（○）,　､ （○）､ .|
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　　 ＼ ﾟ　　⌒´　u .::::／＼　　｀ﾆﾆ´ . :::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／ﾆ´ ＼　　｀ﾆﾆ´　 .:::::／＼　　｀ﾆﾆ´.....:::::／
　　　／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐--‐‐―´＼　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／｀ー‐--‐‐―´＼-‐‐ ／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐--‐‐―´＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【 受験生 】


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ


　　　　　　　　　　　　　　　　「役人になるのに詩作が絶対条件なのね……」



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956： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:48:05 ID:1foRLzfI



　　　　「科挙への失意者が禅林に入るということは、

　　　　　　　　つまり禅林にそれらの素養を持つ人材が集まるということを意味していて、

　　　　　　　　　　　　書記の役割はそうした人物がほとんどを占めることになる」

　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　「まぁ、わからん話ではないお」
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


.

957： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:48:21 ID:1foRLzfI


　　　　　　「世知辛いと言えば世知辛いであります」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。



　　　　　＿＿＿
　　　／　　　　ヽ＼
　　│　　　　　　　│
　　　へ- 　─ヾ 　│
　　　 ─　 ─ 　　∂　＼
　　｜　 し 丶　√ │││
　　｜　ﾄ-＝ヽ　　│ ││
　　　＼　　　　／　　│ │
　　／　ゝ──　／ノ　 丿
　 （　＼＿＿　／　　　/│


わたしは　そうりょリフ
かきょにごうかくはできませんが
しょきができます


よろしければ
ごいっしょさせてください



〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



　　　　　　　　　「こうした僧侶のことを『文筆僧』とよび、官僚的な禅林の制度と文筆僧によって、

　　　　　　　　　　　　　　　　五山文学は誕生し、発展していくわけだ」

958： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:48:51 ID:1foRLzfI



　　　　　　 「五山文学もやがて様々に変容していく。

　　　　　　　　 科挙の受験者には士族官僚の師弟が多く、

　　　　　　　　　 当然そうなると文筆僧もそうした階級の出身者が多くなる」



。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。


　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ＼ 　 わたしは　いい男リフ
　　　　　　　　　　│　　　　　　　│　たたかうことは　できませんが
　　　　　　　　　　 | ─　 ─ 　　∂　 ケツの中でションベンすることが出来ます
　　　　　　　　　　｜　 し 丶　√｜　よろしければ　やらないか
　　　　　　　　　　｜　ﾄ-＝ヽ　 丿
　　　　 　 　　　／i/＼ ー .ｲ|ﾉ/|､
　　　　,.､-　￣/ 　|　ｌ　 ￣ / |　|` ┬-､
　 　 /　 ヽ.　/ 　 　ト-` ､ノ- |　 l　　l　 ヽ.
　　/　　　 ∨ 　 　　l 　　|!　 | 　 ｀>　|　　i
　 /　　　　 |｀二^>　 ｌ.　　|　 |　＜＿_,|　　|
＿|　 　　　 |.|-<　　　 ＼ i　/　,イ_＿__!／ ＼
　 .|　　　　　{.|　 ` - ､ ,.---ｧ^!　| 　　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣l
＿_{ 　　＿__|└―ｰ／　￣´ |ヽ |＿__ﾉ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
　　｝／ -=　ヽ__ - 'ヽ 　 -‐　,r'ﾞ　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
＿_fﾞ/／￣￣　　　　　＿　-'　　　　 |＿＿＿＿＿ ,. - ￣　＼＿＿__|
　　| |　　- ￣　　　／　　　| 　 　 _　|￣￣￣￣ ／　　　　　　 ＼　￣|
＿__`＼ ＿＿　／　　　　＿l -￣　 l＿＿_　／　　　, /　　　 　ヽi＿__.|
￣￣￣　　　 |　　　 _ 二 =〒 ￣　 ｝￣ ／　　　　　l |　　　　　　!￣￣|　　　　　【 変容していく五山文学 】
＿＿＿＿＿__l　　　　　　 -ヾ￣　　l／　　 　 　　 　l|　　 　　　 |＿＿_|


〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ




　　　　　「そうした文筆僧は俗世の文芸を五山に持ち込み、

　　　　　　　　　　原初的な『用をたすだけの文』を記すのみならず、文筆を詩作に振るい、或いは弄んだ」


.

959： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:49:20 ID:1foRLzfI




　　　　　　　　　　 ,,..-――-..,,_　　　　　　　　　　　　　　　「こうした経緯を経て、やがて禅林の文学は
　 　 　 　 　 .,,-''´　　　　　　　 ｀ヽ
　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　 大きく分けて４つの性格を持つものに
.　　　　　,'　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',
. 　 　 　 l　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ',　　　　　　　　　　　　　　 分類される事ができるような状況となる」
.　　　 　 |　　　　　　　　　　　　　 　 　 l
.　　　 　 l 、　　./　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　　{__ヽ　〈　 　 　 　 　 　 　 　 　 |
.　　　 　 ヽ｀tj、ヽ‐イひ"７　 　 　 　 　 |
　　　 　 　 l ｀´）　　 ｀￣　　　　　　　　 ',
　　　　　　 ',　/　　　　　、　　 　 　 　 　 ',￣ヽ
　　　　　　 .ヽ{　ヽ、　　　l　　　　　 |　　　.', 　 ',-.､
　　　 　 　 　 ＼-' ｀"''‐''′　　　　 l　　　　l　　',　 ヽ
　 　 　 　 .,.-''　 }ヽ-‐　　　　　　　/　　　 /　　 .}　　 ＼
　　　　..／　　　 |　 　 　 　 　 　 /　　　 /　　 ./　　　　 ｀''-..,,_
　　　 l´　　　　　l　 　 　 　 　 ／　　　 /　 　 ,'　　　　　　　　　｀''-､
　　 ./　　　　　/ ヽ.__l＿＿ ／　 _,,-''"´　　　.l
. 　 /　　 　 　/__　　　｀ヽ、　　 <-､　 　 　 　.l　　　　　　　　　　 　 __
　 /　　　　　 |　 ＼ 　 　 /ヽ、　ヽ ＼　 　 　.l　　　　 　 　 　 　 ／
. /　 　 ＼ 　 |　 ／＼　.,'　　 ',　　',　.l＼　　 |　　　　　　　　　 /
　 　 　 　 ＼ レ'　　　.〉 l｀ヽ、 l　,.-| .|　 ＼　|　 　 　 　 　 　 /
|　　　　　 　 | 　 　 ／　.|　　ヽ_ノ /　l　　　ヽl　　　　|
|　　　　　 　 |　　　ヽ　　l　　./ ／ 　.l　 　 　 　 　 　 |
.|　　 　 　 　 |　　　　＼ ヽ　/.<　　　.|　　　　 　 　 　 |

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》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
１：本来の禅林での文書のあり方、榜疏啓剳など。

２：語録的な性質のもの。禅宗においては理論的な思索は有害不要のものとされており、本来不立文字である。

　　そこで優れた禅僧の言行や公案を、経典とは別の形で筆授の役割をはたすべく記録したもの。

３：寺制度上の実用利便により書かれる文書。

４：文筆僧などが在世より持ち込んだ純粋な在俗文学の流れをくむもの。
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


.

960： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:49:36 ID:1foRLzfI



　　　「禅宗、就中臨済宗が日本に渡ってくるときに、こうした五山文学の概要もほとんどそのまま移植されてきて、

　　　　　　日本においても鎌倉時代から室町時代にかけて大いに盛り上がった」


。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　〈
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 __〉／}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,．-zっ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 | 　 　 r‐-‐ ､_　　　　　　　　　 　 　 /　Eｦ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 　 ヽ　 _ﾉ::＿＿::::::｀丶 　 　 　 　 　 ／}　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ', ﾉ:/,,,_　r‐ ヽ ::::::}　 　 　 　 ／ 　 |´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　 　 {:::(三ﾉヾ三){:::_:/　 　 　 ／　　　ﾉ
　　　 　 　 　 　 ,.．-‐…‐- ､　 　 　 　 　 |　　　　ヽ:{ ,,'ｰ'''_ヽ l/ノ　 　 　 /　　　／
　　　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　ﾊ ヽ_／　ﾉ!　　＿ ／　　　/　　　　　　　　　 ＿＿＿__
　　　　　　 /　　,．-‐─‐､- ､　 ヽ　　　　　ヽ　　　　　ヽ_l!_.／/￣　　　　　　 /　 　 　 　 　 　 ,ｲ三三三三ﾊ
.　　　　　　{　／　' ｨ≦＝､ゝ::＼　l　　　　　 |　 　 　 　 !　　 /　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 　 /三三三三三ﾑ
　　　　　　 V≧=>‐(三三ﾉ　l:::::(ヽ!　　 　 　 |　 　 　 　 ＼_/　　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 　 ノ三三三三三三ム
　　　　　　/::{=三|!　_ヽ..,,,,,_　!:::::V　　　　　　|　　 　 　 　 ,.．-‐─ - ､／　　　　　　　　　 (三三=-──-=三三)
｀丶､　　　|::::｀iー'〉ニノ_ｨｭヾ)|::::::|＿　　　　　|　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::￣｀ヽ　　　　　　　　寸=!-(三)¨(三)‐|少'
　　　｀丶､|::::八 〈/辻ﾆノ　　 |::::::|　　 ￣ 7　 |　　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　(4{　 ,､(,,_,,)､　 .}7)
　　　　 ／|:::::::/＼　ー‐ '´　/:::::/　　　　/￣￣/｀ヽ/／´￣｀`´￣￣｀`ヽ:::::::::::::ヽ　 /三三三=.! 〃r===ｧﾍ l=三三
　　　　 ＼|::::::|.　　｀ヽ_川〉'/::::/　 　 　 /　 　/ /￣{:| 二ﾆ､　　 ,ニ二　　ヽ::::::::::::! ./=三三三ﾆヽ　｀ ｰ '　 /ﾆ三三
　　　　　　| ::::!　　 　 |ヽ､　!:::/　 　 　 /　 　 { (ヽ　.|(　 共.ﾉ＝(　 共 ヽ_　 | :::::::::}/三三三三三=＼＿_／=三三ニ
.　 　 　 　 |:::::|＼　　 | ヽ　j::/| 　 　／　　 　 |　｀ｰ/ ｀ ｰ‐(､,,...,,,) ､＿.ノ　ヽ!::::::::/三三三三三三三三三三三三ﾆ
｀ヽ　　　　 ヽ::',　 ＼　!　　 !' .|　 ／　　 　 　 |　　 l　　／　 ー ''´　＼　　 /:, -.〈三三三三三三三三三三三三三
　　 ｀ヽ､　　 |ヾ､　　{_|＼ 　 _l／⌒ヽ　 　 　 ヽ 　.{　 〃r───‐ｧﾍ　　// 〃./三三三三三三三三三三三三三
.　　　　　 ヽ､|　　　　 |　 ＼{　_,．'⌒ヽ 　 　 　 ヽ ヽ　　 辷二二ﾌ　　 　 ´＿／|三三／Y⌒ヽ三三三三三三三三
　　　　　　　 ヽ　　 　 |　 　 |　　 ／⌒l　 　 　 　 ヽ ＼　　　　　　　　　／　　　|三ﾆ/／｀丶､ ',三三三三三三三ﾆ
　　　　　　　　 ヽ　　　| 　　 |　　　　／)⌒￣｀　ー ､＿ヽ 　 　 　 　 ／　)｀ー<￣ 　.}｀ヽ､　 　 }三三三三三三三=
　　　　　　　　　 |　 　 | 　　 ヽ　　 　 /　　　　　 ／ 　 ／｀ ー‐‐　'´　／　　　 ) 　 /ヽ　　　　/三三三三三三三ﾆ

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ



.

961： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:51:47 ID:1foRLzfI


　　　　　「しかし、やがて禅林の官僚的性格が反映されたり、

　　　　　　　　在家の有力武家などの意向や思惑、

　　　　　　　　　その他政治的な意図の影響を大いに受け、日本の五山文学も変質していく」



　　　　　　　 ／´￣￣ ￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　 　 　 ＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　 　 　 　 　 　 　 　 :|
　　　　　| : :u : : : : : .,　　 　 　 　 　 :|
　　　　　|:: : : :＿ ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|
　　　　　|::::;;;（　 ●） ﾉヽ （　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　 　 　 　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　 ） 　 ./
　　 ＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　 　./ : ',: :: :: :＼＿_
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　 　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　 　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: :: :＼　　　　　　　　 ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　 　 　 ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　 ７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈 　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿ ￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「その様子はただ単に廃れていくということではなく、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 五山文学から発生したものが五山文学の有り様から逸脱していくという、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 緩やかな衰弱のように思える」


.

962： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:52:03 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「その後北山時代から東山時代にかけて五山文学は和様化していき、
　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　' ､　　　　　　　　　本来の五山文学が一層衰微していく」
　　　　　　　　, '　　　　　　 　　 　 　 ' .
　　　　　　　 ,'　　　　　　　　 　　;　 　 `
　　　　　　　,'　　　　　 ;　　　　 　､ 　 　 ｝
.　　　　　　 |　　　　　〈　 　＿...::::: )　___ ′
.　　　　　　 |　　　　　　; f　(:::)　ヾ( （:::）
.　　　　　　 |　　　　　　　 　　　　 丶　　{
　　　　　　　'.　　　　　　　;　　 　　 ｝　　）
.　　　　 　 　 '. 　 　　　　　`ｰ--　´`ｰy'
　　　　　　　　 } 　ﾑ　　　　　　　⌒　ノ
　　　　　　＿_ﾉ　 　　＼　　　　　　　/
　　　　　　}////｀　＜　｀: ..　　　　.,'
　　　　　 /_/////////｀＜ｒ'´￣
.　　　　 //////｀/＜///////ﾊ
　　　　///////////,｀/＜// 丿
.　　　////////////////////ヽ
　 　 ﾑ///////////////////// ｀ヽ
.　　 ﾊ////////////////////////ハ
　　 {///////////////////////////}、
　　 |///////////////////////////iﾑ
.　　ハ//////////////////////////}ハ



　　　　　　　　 ／　￣￣￣￣￣ ＼
　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　 　 ＼
　　　　　 ／　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　　「取り入れたものをなんでも日本風にするのは
　　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　 ／. 　 　 　―― 、　　　, 、―― 　　 　＼　　　　　　　　　　　　　まぁわからないこともない話だお」
　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l
　 ..|.　　 　 　（　● ）　ﾉヽ　　（ ●　）　　 　 　 |
　　|.　 　 　 　 ´"''",　　　 　 　"''"´ 　 　 　 　 l
.　　＼. 　 　 　 　 （　　　 j　　　 ）　　　　 　 ／
　　　　＼　　　 　 ｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　 　 ／
　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
　　 ／　　　　　　　｀`ｰ- -‐'"´　　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　＼


.

963： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:52:16 ID:1foRLzfI



　　　　　「更に時代が下るに連れ、わずかに残っていた五山文学も儒化していき、

　　　　　　　　　　　　その流れの末に江戸時代初期に完全に五山文学は消滅した」



　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .-─ ｰ- 、 　 　 　 　 　 v　　',
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　　　　　　 ヽ、　　　　　　_ゝ、　ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 ＼　　　　 ( ￣｀ ー'- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 　＿,.ノ、　,ヽ､,__|　　　　rへ、____　　 'ヽ
　　　　　　　　　　　　＞┴、 |　　　 （　●）　（ ●).|　　　　{　　｀､ 、ヽ__,. ┴、
　　　　　　　　　　　/　{　　〉 l　 　 　 ｀　 ´　､｀ ､´ |　 　 　 ヽ　　i　〉'　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　　 ＞{ .|　　　　 ,′　 ﾉ､　 }　|　　　 　 |　　l／　　, -ー '´ ｀､
　　　　　　　　　　j　　 　 /　 |　　　　｀tﾆ"__, ﾕ′ !　　　　　|　 ﾉ　 　/　 　＿　　}
　　　　　　 　 ノ ´　 　　/　　　へ 　 　 　 -ｰ- 　 ,　　　　 　'､ 人_,.ィ　　/::::... x､ {
　　　　/⌒ン　　　　　ノ　　 /　　|ﾍ､　　　　 　　 ,　　 　 　 　 ﾔ　　 ゝ-ィ／ 　 　 i
─ --/　/　　　　　／　 　 /　　 ;　 }　　　　　　 丿　　　　　　　{　　 　 ,ﾗ 　 　 　 {_
::::::::::ｲ　　.:...　 　 r'´ 　 　 /　　　j　 |ト､￣￣￣ﾉ ､　 　　　　　　＼　　 i　　　　　ﾄミヽ＿
:::::::::::l　..: :: :::..　 　 　 　 /　　　 ; 　ﾘ　　7ｲ´:::::::｀VL　　　　　　　　｀ヽ　　　　　　 j　}:::::. ＼
::::::::::::| : :: :: :: :: :: :.　　　　　　　　　 |ゝ 」 ｀ヽ:::::::/ 　λｰ-､_　　　　　 ｀‐ｧ､　 　 ./..::ﾘ:::::::::
:::::::::::::! :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .. 　.. ..　.,ﾉ　　　 ﾉ:::::::::ヽ　　 i:::::::ヽ｀ー─-､＿〈 ::ヽ､_/:::::/::::::::::
:::::::フ/　:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.イ ∧ 　 ｲ::::::::::::::::.| 　 |::::::::::::ﾉ::::::::::::::::::::::ト､　:::::／:::::::::::
:::::/r'　.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ／::::::　∧　 |::::::::::::::::::| 　.|::::::::::::::::ゝ:::::::::::::::::::＼￣:::::::::::::::::::::
::::l:::| ..: :: :: :: :: :: :: :: :: :: , 　'´ :::::::::::　∧　i:::::::::::::::::::| 　|::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::＼　:::::::::::::::::::::::




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964： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:52:28 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　 　 　 　 ￣　　 ､
　 　 　 　 　 　 ´　　　　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　　　 　 　 ヽ
　 　 　 /　　　　　　　　　　 　 　 　 ヾ
　　　　'::::::::::::::　　　U　　　　 　 　 　 ヽ
　　　 l:::::::::::::::::　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ
.　　　l:::::::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　 l
.　 　 l:::::::::::::::::::::::　 　 　 　 　 　 　 , 　く
　　　l::::::::::::::::::::::::::　　　　　　 　 　 l　 　.}
　　　l::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　 　 ｀ｰ ｒ'　　　　　　　「と、ざっとではあるが五山文学のほんの入口だけは紹介してみた」
　　　l::::::::::::::::::::::::::::::　　　U　 　 　 　 /
　　　!::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　/
　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::.　　　　　 　 　 /
￣　｀ー -:::::::::::::::::::.　　　　　　 　 /
　　　　　　　 ｀　 ､　　　　　　　　/
:.:.:.:.:.:...　　　　　　　　､　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　「もっと話をすべきこともあるんだが、
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　　.:.:ヽ _　´
ー-　:.:.:.:.:.:.:.:..　　　..:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　興味があれば各自調べていただくということで」
　　　 ｀　､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
　　　　　　　..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./



　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,.へ　　 ＿
　　　　　　　　　　　　　／⌒/ヽ._}_／: : : :＼
　　　　　　　　　　　 ／: : : /: : : : : : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 　 　 /: : : : : :./⌒ヽ／⌒ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　/ : : : : : /￣｀~｀´⌒´~ヽ : : : : ヽ.　　　　　　　　「お疲れ様、お兄ちゃん」
　　　　　　 　 　 //Wﾚ: : /　　　　　　　 　 '; : : : : : ',
.　　　　　 　 　 ,': : : : : : /==―- 　　 -―=='; : : : : : ',
　　　　　　　　/:/ : : : : :i　 ＿_　　　　　＿　 '; : : : : : i
　　　　 　 　 /:/: : : : : : lｨ行示｀　　　 ´ﾈ示ｆﾄ: : : : : :l
　　 　 　 　 ,':.,': : : : : : 〈!弋辺　　　　　 匕りj: : : : l :│
　　　. 　 　 l: :{: : : : : :i: :|　　 　 　 .　　 　 　 l: : : : l: : !
　　　. 　 　 |: :i!: : : : : Ｎ|　　　　　　　　　　　|: : : :.j : :!
　　　.　　　 |: :ﾊ: : : : :ﾄ､ゝ　　 rｧ: : : : :ｙ　　 j : : : / : |
　　 　 　 　 |: リ:'; : : :.ﾄｒ＼. 　 ｀　ー　´　　/:| : :./ｲ: :!
　　 　 　 　 ∨: :∧: : |:|:::::::ヽ、 .へ　　　.ｨ':::::|: :/　|: :|
　　　　　 　 /: :/ ∧: :|:|::::::_｣〉'　へ ). : : :l::::: |:/　 .!:./
　　　 　 　 /: :/ / ∧:j::／／　／／ヽ: : :ﾄ､:::lｲ　　ﾚﾞ
　 　.　　　/／ :/: : : ｒ<　〈　　　　ノス〉､ 　}＼!
　　　 　 /: :r＜￣￣＼＼}　　 イ､_人_ } 　!　 ＼


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965： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:52:38 ID:1foRLzfI


　　　　　　　　 「じゃ、解説の前半はここまで。

　　　　　　　　　　　 解説の後半では、時代を大きく飛んで明治時代、

　　　　　　　　　　　　 琵琶湖疏水とインクラインの話を見ていくことにしよう」



　 /　　　 ､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　 　 　 　 　 /:::::｀ヽヽ　　　　 　 ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　 ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　 　 　 　 　 　 　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　 ｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　 　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　 　 　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　 　 ､　　 ／　　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　「それでは、気楽な感じで本編にいくお」
　　i　 l　　 　 l-―‐''´　　　 ',.　 　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　 　 ／',　　　ヽ-‐''"　　　　　 　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　 　 ／　　',　　　　　 ,.-''"￣ ヽ　 ./　　　／
　　 　 ＼｀ヽ　　 ヽ__／　　 ／ ヽ.　　　　｀ヽ　　　 ｀ｰ'　　　 {
　　　　　 ＼ ヽ　　　　　　　ヽ　　 ｀　　　　　ヽ　　　　　　 　 ヽ


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966： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:53:59 ID:1foRLzfI



http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14429/1506511204/


　　　　　　　　　　　　　 ,,　 -ー＝'' 　 -　,_
　 　 　 　 　 　 　　_,. /｀丶,rｰ-　　　　､　.._｀''　、
　　　　　　 　 　／／´ 　 　! 　 　 　 　 ヽ　 ｀ヽ ＼
　　　　　　　 ／;:/　　　　 /ｌ　　　　　　　 ',.　　 ',｀ヾ、
　　　 　 　／／/ , 　/　 /　!　　　　' 　 　 ,　　　i ヽ ＼
　 　 　 　 i:く,,.7 /　ｲ　 /! / !　　　　ｌ　　　ｌ　　　ｌ 　 !　l
　　　　　　!::;;ｲ ,′ ,!-./≠ .. ! !　= ..｣、..＿l　　　|　　!　|
.　 　 　　　~　! {　 八 i -l-- 从　 --j ヽ　,ﾊ　　 ﾄ､　,,　,!
　 　 　 　 　　l,ﾊ.　l下 !￣_}｀　 ＼´ {￣,丁ﾘ　　 !､:｀:::｀::j
　 　 　 　　 ／::! ､ l j 弋_,ﾝ 　　　｀'弋_,ン !　 ,! :!:::＼／
　　　 　　 iﾞ::::::::l　ヾ.{　 　 　 　 　 　 　　　l　 ﾊ ｌ::::::::::＼
　　　　　　ゞ:／l　　 ＞ ､　　　__　　　　. ィ! / 乂l`ｰr､::/
　　　　　　　 　ﾊ i　 ｌ　! i_｀7'ｰ_- ‐＜´ ｌ ﾉｲ　　 l. 　!　　　　　　　　　「ちょうどいいので次スレにいくであります」
　 　 　 　 　　〈 从　l　/:::::::ミ:分..彡´:::｀Xﾞ ! 　　' 　 !
　　　　　　　　 ∨　　〃'二ｴｪｰ zr t;-く_:::i ! 　 　!　 l
　　　　　 　 　 ｲ　∠_｣ /　　｀ ｰ"´⌒ ヘヾう　　 l、　!
　　 　 　　　　∥ 　 〃 ゝ..＿ゝ.,_　 _ ﾉ　 i Ｖl　　　ｌ　 ',
　　　　　　　 / !, 　 ｒ(　ゝ-}　￣　(r‐∧　ゝV!ﾊ　 ,!　　'､
　　　　　　　/　i!＼ﾊﾉ　 {/j　　　 !{.丁 |　 ゝV∧/. 　 　 ヽ
　　　　　 　/　 　 　!ﾉ　r〈ｲ 、 彡 !ﾚA､| 　　>Ｖ ′ 　 　 　',
　　　 　 　/　　　　l´; i´う｣__｀´ r'´r<ﾞ.ﾉ! 　　'ｰヽ　　　　　　i
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967： ◆zbB4e8kEV6：2017/09/27(水) 21:56:04 ID:1foRLzfI






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　　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　 　 　. 　　 ￣|┃
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　　　　　　　┃|＿　　　　　　　　　EP：51　アイマスとかいうコンテンツ看取り人　　　　　　　　　＿|┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜京都駅〜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜解説篇　前編　おしまい〜




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968：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/09/27(水) 21:58:51 ID:XywfEF3g
一旦乙。
残りは24時間耐久プギャーの実況で埋めてくれると信じてる

969：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2017/09/27(水) 23:33:34 ID:m7/0yzQI
一旦乙です
鎌倉五山廻りしてたときのなんかもやっとした気分がなんとなく解決したような
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