やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　～8輛目

1： ◆zbB4e8kEV6：2015/06/26(金) 13:50:36 ID:vy6/JUGo: 　　　　　　　　　　　　　, 、　/　　　ヽへ、　 ,、
　　　　　　　　　　　　/　｀´　　　　　　　　｀¨　ヽ
　　　　　　　　　＞ '..　　ｲ　　　　　　　ヽ　　ヽ　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　 _　--―― ､
　　　　　　　イ. 　　　 /　　　　　　　　　ヽ ',　',　　　ヽ　　　　　　　　　　　　 ´　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　 '.　　　　　/.　 |　　　　 |　 l　　　} ヽ　　　　 } ヽ.　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
.　　　　　 /　　　　 /　　 |　　　　 |ヽ,|-― ﾅ ‐.i-ｉ　　　|　|ヽ　　　　　　　　/ ､＿_ノ　　､
　　　　　 /. 　　　 ,'　,|_|-|‐　　　　爪{ ヽ　ハ　|. |　　 |　|//r、　　　　 /　　　　　　　　＼　　　　　　　ヽ
.　　　　 /　　　　ｉ　 ! ヽ!云、　　イ了云斧ヽ !. |　　 !　}//ﾘヽ..　　　　,'　　　　　　　　　　｀ー　　　　　　　',
　　　　 /.　　ｉ　　　|　ｲ´{/刈ヽ　ﾄ　辷ゞ刈/ﾘ. !　　 ,' ノ/／　i.　　　ｌ　ミﾐ　　　　　　　　　　　　　　　　 }
.　　　 /　　　 |　　　|　!ヽ!ゞ‐’,　ヽ　', ￣¨¨ ┘/ /　　〃//。　　}..　　　　',ｘｘｨ　　　　　三≧ｭ､
　　　/　/　　 |　　　|　', ｀　　　　　＼!　　　　/ ｲ　　 ///{、／ /. 　　　 ',ゝ､__　　　}　　　｀ﾞ　　　　　　　/
　　 ,'　ｲ..　　　|　　　!、ﾊ　　　ﾄ､　　　　　　ｲ　/　　////// 。〃.　　　　　ヽ　｀ｒ､-'　　ｘｘｘ　　　　　　 /
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　 ,' /　 ',　　 .|、ヽ　 '　} ＼　　　　　／／,'.　　　／</ヽ廴{　　　　　　　　　__.　　　 /￣￣　　　　　　',
　 { !.　　ヽ　 ! ヽ〉、 ',ﾘ　'/ ヽ、　　　´rｚｚ〃　　／ /　ヽ///∧　　　　　　／//≧ｚ..../　　　　　　　　　　 ',
　 ! {　　　ヽ　 ∨ヽヽヽ＿!//!＞r ／/// 　／／ｚｚミヽ//／.　　　／////////≧、..　　　　/　　　　',
　ヽ',　　　　ゝ>　　／/ヽ////≧7ｲ//／ ,イ　　|/////////ﾑ　　　　 ,（/／´￣≧=-//}　　　／　　　　　　ｌ
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　 -=≦　　　, ィ//{　　　/ /　　　　八　　 |/ム　ヽ//////////ヽ　　 }ﾊ/-=≦⌒`///〃-‐｀....　／　　　　ｌ
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　　　　　　┃|￣　　　　　　　やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです　　　. 　　￣|┃
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このお話は、やる夫、やらない夫、三浦　あずさがのんびりと各駅停車の電車で

鉄道唱歌の歌をなぞる旅をしながら、色々な人たちと出会ったり別れたりする

バイオレンスとかアクションとかとまったく無縁なだらぼの系のお話です。

.
166： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:33:28 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「西塔は、最澄の弟子であり、

　　　　　　　　　　天台宗第二代目座主である寂光大師円澄により開かれた場所で、

　　　　　　　　　　　釈迦堂こと転法輪堂が中心となっている」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　 _,.　-‐ヽ＼,.　-―‐-　 .
　　　　　　　　　-=ﾆ　.＿___　　ﾊハ.ハヽ-､、＼
　　　　　　　　　／／厂　ﾄハい　､　いｰ┴z-　.＿,
　　　　　　　　　 / /　, /　　l ｌr;　| l｜! ｌ　 |｜　ﾁ_ _,ア
.　　　　　　　 / ｲ　/////lﾊ|　_.ｨ≦壬|　 |｜　／ /
　　　　　　　 j/zl　| l | l.]干ﾄ　　 k刈/|　 |｜／　 /
　　　　　　　　　｀| !| l | l ﾄi斗　　￣　!　ﾊチ　ｲ
.　　　　　　　　　 | !| |ﾊ.l |　｀　_　　　 , /　| zイ　|
.　　　　　　　　　 N !ハ|小　 ´　　　 /1　l 「　 !　|
　　　　　　　　　　　｜|ヽ　　　　　,/　ハ　￤ |
　　　　　　　　　　　　　　 ,|｜r ≧= １ /　/´ハ__l_｜
　　　　　　　　　　　　／ ! | | l　リ　l/　/／_,.　‐　￣＼
　　　　　　　　　／　/_l |ﾉＴて.) /　/
　　　　　　　　　　／　／　ヽ∨／メ/イ）　　　　＼
　　　　　　　／　　 ,'　,　 ´　＼　/＞- ､丶　　　　＼
.　　　　　／　　　ｨ／＼　／／　　　　＼＼　　＼
　　　　／　　／/　　 __ ∨厶　　　　　　 '.＼　　　＼
.　　／　　　／　 {　　 }_,に}.__{　　　　　 }　＼
..　, '／　　／　　八　　　　 .　　　　　　　/　 /. ｌ＼
. //　　　'　　／／ヽ .._　　丶._　　 _,　′ /　 l 　＼
//　　　/　　／|　|　　 | 　／＼　　￣　　／l　　l＼
/　　　/　／　ﾉノ　　个´　　　＼_,.　　´|/ 　 ! 　 !　ヽ　　　　　　　　【寂光大師円澄】
　　　/　′|　/ l　　　 ,|　　　　　　　　　 .′　_j　　　 __ﾊ
.　　/ / ￣l /　ﾊ　　　l/　　　　　　　　 |￣　└‐　´　 /
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　「入寂した最澄さんの遺体を安置した『浄土院』がありますよ～」

●西塔東谷
●西塔南谷
●南尾谷
●北尾谷
●西塔北谷

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167： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:35:53 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「横川は、天台宗第三代目座主である慈覚大師円仁が開いた場所だ。

　　　　　　　　　　円仁の作とされている観音菩薩を本尊とした横川中堂が中心になっている」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　 .ｨ≦
　　　　　　　　　　　　　　　∠ニ二￣｀'´￣: : : : ミ､、　／: : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : ≧{: : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　 |/ { ./ ! { .ｨ Y　　{ィﾘﾞ　} ; /; :|彡.,}: : :
　　　　　　　　　　　　 l/|八 i. ﾋﾘ.　　｀´,,,　ﾌ ,'　ﾘ V　|: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i｀}　r――v 　　'イ: :.,'　 }.　|: : :
　　　　　　　　　　　　　　 l人. 'ｖ ⌒ ﾘ　　　.} :/､_ノ　 |: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶ー　' 　, ィ´ !/　　　 |: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ﾆ≦　　　.イ{　　　　 |: : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ﾍ.ｨ≦´　, イ｀ヽ____ |: : :
　　　　　　　　　　　　　　　 rー-/ /vﾍ　／　　／::::,ｨ≦
　　　　　　　　　　　　　　ｨ'i 　{:::::く |ｨ';;;{／　　./::::::／:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　! ',　K´ 　 !;;;;ｨ＞ー＜r'´､::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍヽ! ,ｨ≦´ 　{　　.,／　　.>:::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　{ ｦ,イ´|i|　　　　', ィ'　　　／:::::::::／　　　　　　　　　　　【慈覚大師円仁】
　　　　　　　　　　　　　 /´{ 　　ﾏ,　　　__.V!　ﾐ　＼;;:／,
　　　　　　　　　　　　 /　　　　　ﾏ,＞ ´　　゛'　　　／ /
　　　　　　　　　　　　　　　＼__　,イ´ 　｀＞ , 　　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 ! 　　＞､_,／　く
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　「四季講堂という場所は、現在の『おみくじ』の発祥の地と言われています～」

●香芳谷
●解脱谷
●戒心谷
●兜率谷
●般若谷
●飯室谷

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168： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:36:08 ID:PzyNh9aM: 　　　　　「この三塔十六谷の他に、先程も少し説明した『別所』の二谷があるわけだ。

　　　　　　　　　　　　黒谷はそのうちの一地域の名前だったんだ」

　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |
　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'　　　　　　　「金戒光明寺は浄土宗最初の道場となされたために、
　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´　　　　　　　　　　古くは別して『新黒谷』と呼ばれていたが、
　　　　　／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}　　　　　　　　　　　　現在ではただ単に『黒谷』と呼ばれることが多い」
　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{

●黒谷
●安楽谷

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169： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:36:26 ID:PzyNh9aM: 　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（一）（●）　　　　　　　　　　　「本来黒谷と呼ばれていた地帯は
　　|　　　　（__人__）
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　　　今は『元黒谷』と呼ばれており、
　　 |　　　,.<))／´二⊃
　　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃　　　　　　　　　　　　　　現在の黒谷青龍寺一帯がこれにあたる」
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::i::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―…‥─-　　　／////////}
　　　　　　＿＿＿＿＿／＿＿　　　　　　　　 ─-ミ ///////
　　　　　 |/////////////／⌒￣￣｀ヽ　　　　　　＼////'
　　　　　　　V /////////／　　　　　　　　　　　　　　　 ∨//
　　　　　　 ∨//////〃　　　　　　　　　　　　､　　　　 ∨
　　　　　　　　∨/////　 .:　　.::　　　　　/　　　　ハ　＼　　‘　
　　　　　　　　i::∨///　.:: 　 .::　　/　　 /　　　, / 　 ;　　　,　　',
　　　　　　ｉ::::::}／／　　.:: 　 /　　 /　　 //　　:|　　 |　　 :，
　　　　　　　 i:::／／/ /　 :::　 /　..:　'　　 //　　　_j＿　｜　　 i
　　　　　　／／:::/ /　　::::　 ..::／斗─ //　　　 _|_　/ﾞﾘ　　八
　　　　　⌒7¨´.:::::/ /|　　 :|:: i／j／ﾉ|＿//　　　　7⌒ﾒ /　　ﾉ!｀ヽ
　　　　 /　.:::::ノイ:::|　　 :|:: |　 ,≠"i⌒ヽ　　　　 i:ﾉ! ﾉﾉ´　／ノ
　　　　　〃　::::::::::::|::::|　　 :|　| 〃 _ﾉ:j　　　　　　 :ソ　i　.イ
　　　　　l　　:::: :::::::| 八　　:|ﾍ{　乂::ソ　　　　　　 :::::: | .:八
　　　　　|ｉ　::|　::::::|人＼　{__　　:::::::::　　　　｀　　八jハ!
　　　　　|ｉ　　|　　:::::::::ｉ￣＼iｲ`　　　　　　　 , ，　／ .::ﾉ　　　　　　　　　　　　「ナマエトラレマシタ」
.　　　　八　八　 :::::::::|＼/: : ＼　＞　.　　　　 ,. イ　／
.　　　　　　＼　＼{＼::|／＼: : : :＼　 /　＞-< )ノ}／　｀:,
　　　　　　　　　　　／: : : : : ＼: : : :＼＼: /＜〉　　　　　i
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　　　　　　　　　 i : : : :　: : : : : :i::::∨＿　-‐　　　 ‘，　　′
　　　　　　　　 i : : : :　　: : : : i:::::∨　　　　　　　　 }　　　i

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170： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:36:39 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ⌒　 ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　( ⌒) ( ⌒)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　（___人__）i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ　　　　　　「もとは三昧場だったあたりに法然は庵を結び、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　　　　 |　　　　　　　　　それが金戒光明寺となったと言われている」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,イﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　,.　-─‐-´ 　｀, へ　＼__､_ﾊ
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 :i 　ハ､　イ;;ヽト、
　　　　　　　　　　　ﾄ⌒　　　　　　　　:i　　｀<´.〉:.;〈ヽ＼､
　　　　　　　　　　 /　, : . ＼　　　　　 :L_＿　｀v;;;;ﾍ ' ,＜ヽ
　　　　　　　　　　ﾉ　l : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
　　　　　　　　　　i　　!: :　　　、: : : : 　　　ヽ　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　　　　　　　　　 /　　　´: : :　　' : : :　　　　　＼　 '';;;::|　 ,|　__| |
　　　　　　 /　　　　: : 　　γイ: .　　　　　　｀､　 ':;;:|　 l、__j.|
　　　　　　　　/　　　　　／／: : : : : : . .　　　　　｀､｀':'}　 |　 |!

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【三昧場】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　もともとはお坊さんが中に入って亡くなった方の冥福を祈るために
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　　　　お墓の近くに設けるお堂のことです。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　　　　　　　現在ではそれが転じて墓場や葬場を指すようになっています。
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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171： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:37:08 ID:PzyNh9aM: 　　　　　「平家物語に出てくる”熊谷次郎直実”は法然の弟子となったが、

　　　　　　　　　　　　黒谷にも直実ゆかりのものがあちこちにある」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　/: : : : :ヽ : :, ' : : : : : : : :{ : :. : i
.　　　 i　,ィ７ﾊ: :〉〈 : ,ィ７７ﾊ: : ヽ: : : |
　　　」/////ﾊ≧≦///// }≧─‐Vヽ
　　Vﾊ}V/////: : : : V///以／￣//ﾊ.j
　　 {{ {:.`ｰ‐‐/: : : :､ : :￣ : : : .: : : : ): : }
　　ﾊ }: .: : : :`ｰ ‐' : : : : : : : : :./: : し: /
.　　 {}{}!: :从: : : : : : : : : : :从ノ: : : {}{}{}
　　　　 !: {;';'}ィ二二二≧:.};';'} : : :ｒ''.!─‐､
.　　／人ﾉ;';'} `ｰ── ''~: };';'} : :.ﾉ : !_　　＼
. ／　 .／ヽ;';＼从从＿／;';';'}／: : :.|　＼.　　',
/　 .／　　|ﾍ;';';';';';';';';';';';;';';／: : :i : :.|　　 | 　　',
　 /　　　 |: .＼;';';';';';';';'／: : : : :} : :.|　　 |　　 i
／　　　 |: ヽ: : : : : : : : : : : : ./ : : ! 　 /　　　}
　　　　 .／j: : }: : : : : : : : : : : :/ : : : |　./.　　　/＼　　　　　　　　　　　【熊谷次郎直実】
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＼ノ　: : : : : : : :＼ : : : ／:/￣￣/＼ .／
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【熊谷次郎直実さん】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　『いくさやぶれにければ、熊谷次郎直實
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　「平家の君達たすけ船にのらんと、汀の方へぞおち給らん。あはれ、よからう大將軍にくまばや」』
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　　　の文章でお馴染みの平家物語『敦盛の最後』で出てくる鎌倉方の武将さんです。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
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. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　　平家の公達、平敦盛さんを一ノ谷の戦いで討ち取ったあと出家への心を強くしたというお話です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　平敦盛さんの最後は能や歌舞伎、謡曲など様々な文芸のモチーフとなっています。

　　　　　　　　　　　　　唱歌『青葉の笛』の一番も敦盛さんの歌で、作詞は鉄道唱歌の作詞と同じ、大和田建樹さんになります。

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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172： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:37:34 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　「鐙池、鐙掛松は、直実が法然の導きのもと仏教に帰依した時、

　　　　　　　　　　　　着ていた鎧をその池で洗い、その松に掛けおいたとされることからついた名前だ」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　　　/: ||　 L |　　　.|ノ　| ／　　　　i从ー-- ､: : : ::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::./{}{}{}'.:.:./　　／
.　　 ;: : .＼＿}　　　{_彡'_′　　　　 |;'ﾉ` ｰ- ､V };'}:.:.:.:.:.::.:.:.:.:./.:.:.:，＜　　／
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: : : : : /: : : : : : |　＿|＿_|:ヽ_＼/ ∧ ヽ: : : : : : : /＼　　　／　　　　　 /_/＿
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　「熊谷堂という堂の中には直実が討った

　　　　　　　　　　　　　太夫敦盛の書像が安置されているし、敦盛と直実の石塔、つまりは墓もある」

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【塔のこと】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　仏教では”塔”というと”卒塔婆”のことをさします。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　初期仏教でも、お釈迦様や聖人たちの縁の品や遺体の一部を土に埋め、
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　その廻りに素焼きの土を使った高い建物を巡らせたそうです。
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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173： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:37:48 ID:PzyNh9aM: 　　　　　「もとは清浄華院の末寺だったが慶長十五年（1610）に独立。

　　　　　　　　　　　　幕末には会津守護職松平容保の宿営所でもあった」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　,--､、,,,,,,,,,,,,,,,,
　　　　　　　　　 {::::::::}三三三ミミﾐ`､､
　　　　　　　　　　 >ｰ-"'" ⌒,,ｨｼヽﾐミiミﾐ､
　　　　　　　　　／　　　　三彡彡彡ｨ`､ﾐﾐﾐ`､
　　　　　　　　/　　　　　　ｼ彡彡彡彡ﾉ'ヽﾐﾐﾐ｀､
　　　　　　　 ,' 　　　　,三彡彡彡彡彡ｿ,ー--'
　　　　　 l　　　　_ _ """'彡彡彡彡彡ﾉi
　　　　　　　{;､ ';;;='''"""｀　彡彡彡 - ､ﾉﾉi
　　　　　 kr)　.ｨェｰ　　　彡彡' r､ヽ}彡i
.　　　　　　ﾚ'　 .. 　　　　　ｼ彡'　)ｧ' /彡'
　　　　　　　{_,,,､ ;､　　　　　ｼ彡ﾆンミﾐ{
　　　　　　　 l 　　　　　　　　'''"::. 　彡ミi
　　　　　　　 !￣"｀　　　　　...::::::::　ノ""{
　　　　　　　　l　　　　.......:::::::::　　／　　　＼＿
　　　　　　　　｀''ｰ- ､::::　　　　／　　　　／
　　　　　　　　　_,.．-'ﾄ､　　　/　　　　／
　　　　　　 , -'"　/ 　|l:　　/　　　　／　　　　　　　　　【松平　容保】
　　　　　／　　//　　i| l　,/　　　　/　　（）
　　　　/　()　//　　　| l// 　　　/
　　　 /　/　//　()　 | /　　　　/
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【　松平　容保さん　】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　幕末に幕府を守護する京都守護職として働いた会津藩第九代藩主さんです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　明治新政府と会津藩の戦争に降伏した後、容保さんの死罪を求める声もありましたが
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　鳥取藩預かりの謹慎という扱いとなりました。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{　　　　　　　晩年は家康さんの日光東照宮の宮司として過ごしたということです。
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.
174： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:38:01 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　（＝）（＝）／　´／ /)　　　　　　　「さて、甚だ簡単ではあるが、
　　　　　　　　　　　（__人＿） {　　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　　　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　　　　　　　黒谷はこれでひとまず終了。
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　ﾔ::::::::::::::Λ　　　　　　　　　　　次は真如堂に移ろうか」
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　　　　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　　　　　　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

　　　　　　　　　　　 ‐=――ﾆ=‐
　　　　　　　　　　ィi〔//{　　　＞｡./ ＼__
　　　　　　　　／//}＞'i　　　　 l　ヽ／＜ヽ
　　　　　 r‐=≦/　 {　　|　　　 |　　　　＼
　　　　　 |　 {　　　ｉ　　|　　　 |　　　 l　　ヽ
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　　　 |　　　 |　　　〈
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　　　八　　 !　　 / /ヽ　　　　　　　　「jud」
　　　　　 |　 {　　丁￣{　　　 /￣￣　}　　/ /　/
　　　　　 { { ‘，　　,x笊うﾐ　 /,ｨ斧丐/　 / /　/
　　　　　 {{ ',　，　ゝVツ　ヽ/ 　 Vツ/　:/ /　/
　　　　　 }}　ﾟ。＼_＼　　　　　　〈/ / /　/|
　　　　　 l!　　＼ {　＼　　 '　　　／ /　乂ｨ｜
　　　　　 |　　 //|　 |　へ　 ^　,ィ /／　}//ﾍ :|
　　　　　 |:　　{/,'|　 |//{ﾆ≧≦ﾆ}77{ 　:|///} |
　　　　　 |　ィi〔｜　{///ヽﾆ／ ///{　 :|///} |
　　　　　 |/ニﾆﾆ|　 i ⌒＼ｉ:ｉ／ゝ< i　 :|=:＞｡!
　　　　　 {ニニﾆ:|　/　　　 T　　　　:l　 :|ニニ:}
　　　　　 iニﾆﾆ:／　　　　 |　　　　　＼|ニニ:ｉ
　　　　　{::ニ::/ 　　　　 :|　　　　　ﾏﾆﾆ:}
　　　　　 Ⅵ /――――――=‐　＿＿ ∨=:〈
　　　　 :=:{///////////}//////////77/ /
.　　　　　 l}八//////////,'i//////////,'八,′
.　　　　　 |Ⅵﾍ/////////人////////イ__/ |
.　　　　　 | ﾏ=:∧≧=‐‐=≦≧=‐‐=≦ニ=:,'　|
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.　　　　　 |:　 ∨二∧i　　 l　　ｉ /ニニ:/ 　 :|
.　　　　　 |　　 ∨ニ∧　　　　 /ニニ:/__　　|

.
175： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:38:14 ID:PzyNh9aM: 　　　　「普通は真如堂と呼ばれている寺だが、

　　　　　　正式な名前は鈴聲山真正極楽寺（れいしょうざん　しんしょうごくらくじ）という」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　 _,.|　　　　　　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、／=|´| :| .＼
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　　／　（●）　（●）　＼　　　　　　　　「一発変換できるかどうか微妙なところだお」
　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　　＼　　　｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　／　　　　ー‐　　　　＼

.
176： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:38:25 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　ノ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　| 　（●）（●） |
　　　　　　　　　　　 |　　（__人__）｜　　　　　　　　「黒谷と真如堂はすぐ近くにあり、
　　　　　　　　　　　|　　｀ ⌒´ 　 |
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　　　　__,, -ヽ　　　　　ノ　-､　　　　　　　　　　　　位置関係はこのようになっている」
　　　　　　　/⌒ヽ　 |　＼＞<ﾍl　ヽ　＼ .
　　　　　　 {:::　　 l　＼　ヽ };;{ | 　 | i　 }
　　　　　　　 {:::::..　〈;;,, 　ヽ　V;;;}ﾉ　　l彡ヽ
　　　_,,.-‐''" |::::::::　ヽ--､＼ >--'⌒ヽ::.　 }
　　　||　|_,,.ィ'|::::.....　　 }_,,.-‐''"~ヽ_,,.-し'::　　）_,
　　　||　|　||　!::　　　/　　　　 .::ﾉ::::::::::.　　ノ
　　　||　|　|| _ヽ,,　.;:::　　 _,,.-‐''"ー''--''￣
　　 _,,. -‐''"　　｀ｰ---''"

http://file.gazouup.syoyu.net/3f5897d2.jpeg

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-、
　　　　　　　　　　　　　　　＿__./.,. i
　　　　　　　　　　　　　,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::i::/::i　..::::、.:`:、
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　　　　　　　　i.::::::::::::i '　　　　　　 _　　　 i .:::::::::i
　　　　　　　　│.:::::::::i-‐‐‐、　　　｀ヽ、i .:::::::::i　　　　　　　　　「こちらが地図になります～」
　　　　　　　　/i.::::i::::i.::::::::.　　　　 -‐-.、ﾉ ::::::::::i
　　　　　　　./::::i.:::i:::i　　　　 t　　 ::::::::. /.:::::::::/
　　　　　　 ./:::::::i::`:ヽ.　　 r‐--、　　 /::::::.／
　　　　　　/::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.　`ー‐´　,,./;/;;／i
　　　　　./::::::::::::::::│i`ー`r‐=＝f、/／.::::: i
　　　　 /:::::::;;;;;＿丿 i _.,;ー---,/./´　.::::::: i
　　　 ,;'-‐‐'│ .i　　i,;´ ,;--‐´‐yヽ＿__.:::::: i
　　　/ 　　 i　 i　　i,´　,,;‐;'ニ二;　i　 i`ヽ:: i
　　 │　　 i　 i　 / i　　.'',-‐‐-y'　i　 i　　ヽ
　　 │ 　 .i　./　/ ./　　 /　　 /i　　i　i.　　│
　　 │　　i　/　 .i／　　 i　　　 i ヽ　 i　i　│
　　.│　　i　i　／　　　.ﾉ i 　　´ヽ　.i　 i　i │
　　│　　.ヽ／　　　／i .｀ヽ.　　＼i　i　.ﾉ │
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　 │ ／　　　.／i　　 i　 i　　i＼　　　＼. │
　　i/　　　　／i　i　　 i　 i　　i　i＼　　　＼i

.
177： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:38:49 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「宗派は天台宗で、開基は戒山上人、創設年は永観二年（984）となっている」

　　　　　　　　　　　　　「黒谷さんよりはかなり古いのね」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　｀メ､　　　　　　　　／‐‐､､
　　　　　　　　　　　　 /　　＼ ,.-ﾆ／ヽ／:ヽ／.､ ―‐ ||l
　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　 r ／ : : : : : ／l: : : : ::＼／||l
　　　　　　　　　　　　　　ﾑ ― ､／ : /.: :/ : /: : l/:l: : !: : :ヽ !!|
　　　　　　　　　　　　　r==ｭ　 / : : /: :'´ｌ__/｀￣　!- !.:l: : :', /
　　　　　　　　　　　　　l rっ　/:ｲ:l ::| :/ｲ|/ ﾊ｀　　 | /l/l : : l⌒ヽ、
　　　　　　　　┌‐、　ヽぃ　|/ ! !:.:| :/ﾋｯﾘ　　　j/ ﾊ/ : : !　==っ
　　　　　ｧ―亠 -＼　｀ー‐ｧ‐| | :.l/ ゝー′　 , ﾋ_ ｿ// /l　l f/
　　　　　　(　　　　_＿_ ￣ｌｲﾌＮ: :ヽﾍ　　　　ｰ- 　 //::/＿／　　　, ―‐一､
　　　　　　（　　　　　　　　│- ﾄ､⌒ヽ＞　　＿__　 ∠ﾆ-､　　　＿l　　￣｀メ､
　　　　　　　ゝ――‐ 、　 /　 /　 | 　L_ ／　　　＼ ‐f　 |ｰ┬┴l　 ―､　　､ﾉ
　　　　　　　　_ 　　　ゝ'´｀l/ 　 /　　r｛＝　　　　､ l‐‐l　!　 !＿/　　　　　　ノ
　　　　　　 |　ヽ　　　　　丶__/ 　　ﾚ-l　　　ｌY 　｢-<　j＿｣　ゝノ― ､＿_ノ
　　　　　　　　＼　＼　　　　 | ヽ‐ｯｰ′ ＼　〃／ _/__/
　　　　　　　　　＼　＼　　 j 　 < 　　　　　￣　!_/
　　　　　　　　　　　＼　ヽ／　 _, ゝ― ﾆﾒ､_／／
　　　　　　　　　　　　　 7　-'"´ 　　／　　　　、＼
　　　　　　　　　　　　／　　　　／　/　　　　 ',　＼
　　　　　　　　　／　　　　　／/　/ 　　　　 ',　　＼　　　　　　　　【戒山上人】
　　　　　　　／　　　　／　/　/　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　ヽ｀ヽ　　　／　　/　/　　　　　　　　　　　　＼　
　　　　　　　　　　ゝ‐∠ﾆ､
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「AAリクエストありがとうございます～」

.
178： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:39:00 ID:PzyNh9aM: 　　　　「鈴聲、とは鈴の音という意味なんだが、

　　　　　　　　　　この山の名前については前回出てきた吉田神社などにも微妙に関係していたりする」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

.　　　　　　　　　　　l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;, - ‐- ､、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　 ,!:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_,.- ´, ´　　｀ .、｀ヽ、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／　　!　　　　.　l　　　>:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.　　|
　　　　　　　　　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、.　人　　　.　ノ　　,∠　, 、:;:;.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾉ
.　　　　　　　　 /:;:;:;:;:;:;:;／｀ ':‐-｀．_-｀ー‐ヾー ' _,,‐''" 　丶、:;:;:;:;:;:;:;:;｀、
.　　　　　　　　 !:;:;:;:;／　　　　　　　｀!:;:;:;:;/_,.￣, ....: : : : : : : : ヽ、:;:;:;:;:;:;:;!
　　　　　　　 ,l:;:;:;:;l　　_,,　'"´　｀ゝ l:;:;:;,ヾ、　　　　｀ゝ、: : : : !:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　 |:;:;:;:;:l　／　　　,,,,ｨ''´　|:;:;,′ ｀ゝ、.＿_,,,,,,..-ヽ: : :l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼
　　　　　　　　 |:;:;:;:;:l　´´´7´.i.　　　　|:;:,′: : : : : ヽ: ヾ: : : : : : :ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ｌ
　　　　　　　　 |..:;:;:;:;!　／／　　　　.|:;,′: : : : : : : ｀、: ` 、: : ,ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/
　　　　　　　　/:;:;:;.:;:;! /　,´　　　　　　!,′: : : : : : : : : ヽ:: : ﾞ!: :,ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/
.　　　　　　 /:;:;:;:;..:;:;|,′,　　　　　　　/ヽ、: : : : : : : : : ｀、: :ヽ,ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀ヽ、
.　　　　　　ﾉ:;:;:;:;:;:;:;:;',　!　　　　　　　丶ノ: : : : : : : : : : : :ﾞ､ : ,ﾞ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.;:;:;:;:;:ヽ
　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:', l　　　, ｨ,'ﾆﾆニﾆﾆニﾐﾑy;、: : : : :! ./:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾞl
　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;',!　 ,ｨ'r'''´　　　　:: : : : : : : : ｀㍉､: :l/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
.　　（:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽﾐ/　　　　　　:: : : : : : : : : : ｀ヾ/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　＼:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼　　　　　　 :: : : : : : : : : : : : :/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　＼:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼　　　　 :: : : .: : : : : : : :／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　 , ---´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼　　:: : : : : : : : : :／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:　　　【吉田　兼倶】
　 /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;｀`''ー‐ー‐ ''"´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　「あぁ、前回出ていた吉田兼倶が陰謀巡らせた」

.
179： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:39:13 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「言い伝えによれば、神楽岡や吉田山に天照大神をはじめとする神々を祀った時、

　　　　　　　　　　　神々が鳴らす鈴の音がこの山々に響き渡ったのだとされる」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く|7　　　　　　　　　もう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌'弋　　　　　　　　　　なにも
　　　　　　　　　　　　　　　 ,亅　 |　　　　　　　　　こわくない！
　　　　　　　　　　　　　　　　　／／＼|
　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　＼　　　　へ
　　　　　　　　　　　　　／／. 　　　　　＼／／/
　　　　　　　　　　　　くｘ　　◎ 　　　　　／／　＼
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　／／　／　.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　／／　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ／／　／　　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／／　　　　　　　　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　く／＼　　　　　　　　　　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　／　　／　＼　　　　　　　　　【天照大神】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　／　　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　／　　／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　／　　　　＼
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「鈴の声、だから鈴聲山なのね」

.
180： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:39:50 ID:PzyNh9aM: 　　「ちなみに”真正極楽寺”という名前の方は

　　　”極楽寺と号する寺は数多くあるが、この寺こそが正真正銘真正な極楽寺である”という意味があったりする」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　.,-''''~　　`'''-l_　　　.,　　　　　　　　ヽ　　　　 .ヽ,`'i'
　,/-''　　　　　ｰ､'i　./　　　　　　　./'i　 .,､　　　　　ヽ
. (i'~　 i, ,-　　　 `ヽ'il　　　　 .l　　 /-､l /　l　　　　l　 _'i,､､,,_;=
　l,　　 .l　　　　　　/l　 /l _,,,,/l　　l　　~~~`'l　/　　.l_~,,　　　 `'
-=;ヽ,　 l,　　　　／ l　ﾅ'''l　.l ~'iｰ.l　　　　,,,,l_/l　.l　.lー
　.l':'/7'iー-,-,i'~　 .l 'i,l, -ｰ'lｰ-､,'il　　　　　ﾚ' l`ﾒl　l　　　　,
　{:/ ﾚ'l : /　　l,:　 .l　{　 ○　　　l,　　 ., -''''ヽｌ,'　l/　　　　 i'-'
　`l　　l　.l　　 .ヽ　.l　`ー''''''ｰ--'　　ヽ､_○　 'i l ヽ,,_ _,／　 ,／
　　　　l　 `､　　 `､ 'i　　　　　　,　　　　　 ~~`'~.l ／ .l.l:::`i､~i
　　　　 l　 /'､'ー-､'ヽ　　　　　　'iｰ''`'''iｰ'　　　' l　 /l/'-''} `'
　　　　　l/　 .ヽ.:.,-,`'ｰ-,,_　　　　ヽ- '　　　_, -l　/ /　　　　　　　　　『でじこの極楽寺だけが本物の極楽寺だにょ』
　　　　_,､_　 /~~'ヽ,,>-`''i ~','ー--_-_>_'':'７l: :／ﾚ'
　　　/　 .,ヽ,l　　, .l　　　 `'''i-''/~　ヽ,-,~`'ｰ'､
　_,､,,,,`_'i'　　~`~ ,-'''''ヽ,　　'-l'l,　 .}',ﾉ-l,　　　`ヽ､
..（　､　 ,　　　　 i､__,,　.}　　　l/:'l'''''l::'i　ヽ,　　　 `i
　.,二､>l　　　　　　　 ,ノ.,　　.l~`''　 .~ 'i　　 'i　　 /
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　「結構自己主張が激しいんですね」

.
181： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:43:45 ID:PzyNh9aM: 　　　　「ところで、どうしてこの真正極楽寺が真如堂と呼ばれているのかしら？」

　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　ヾヾ:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　　ヾ　ヾ:.:.:.:.:.:.ﾞ､
　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／|/　　　　ヽ　ヾ.:.:.:.:.:.:ﾞ
　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:./'''/'''''''''',,,,　　l　,,,,ヾ:.:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　 l.:.:.:,_.:.:.:/ィｆ::ﾑヽ　　　　!　　'''ヾ.:.:.:.:|.:l
　　　　　　!.:.:/ |.:./ 弋こCﾉ　　　　! ｆ:ﾆヽヾ､.:.:.!l.i
　　　　　 l.:(　|/! 　, , , ,　　　　　辷ﾟノ/l:.:.:./ l
_ 、　　　　　!.:.:ヽ! _、　　　　　　ゝ , , , ,/　l.:/ !
ヽ、ヽ　　 l｀i l.:.:.:｀|::..i、　　 , ー,　　　　/ 　 l/
　ヽヽ /｀ｙ^y^ゝ.:|:::| ヽ　　{　ノ　　／　　 !
　　ヽ y / /　く-´.l_:l_ 　ヽ、_　ー:.:.!
　　　ヽ´　　　ヽ.:.｀、｀　ー__/_ヾ:.:.:.:ヽ______
　　　　ヽ　　　　ヽ.:.:､｀ヘ /　/　ヾ.:.:.:.ﾞ､　　ー､
　　　　　 >、　　　）.:.:｀ ' - ∧ つヾ.:.:.:ﾞ､　　　ヽ
　　　／_／ト-、　/ヾ.:.:.､し #^ ゞ､　　ヾ.:.､　　　ヽー
　　 /　　 /　　｀V　　ヾ.ヽ #　　｀ゞ､　ヾ.:､　　　ヽヽ
　　 l　　　l　　　　＼　　ヾ#　　　｀ゞ　　ヾ　　　ヽ　　｀ヽ､

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　__ノ　｀⌒　　＼　　　　　　　　　　「それは、この真正極楽寺の本堂の名が『真如堂』だからだな」
　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二ヽ､`,┘ 　ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　　　　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',::::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|

.
182： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:44:04 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　( ●) （●)
　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　　「真如、とは、仏教において『真理』を意味し、真如堂縁起にも
　　　　　　　　　　　　　　　 _,.|　　　　　　　|
　　　　　　　 , --、―― ＜ / |ヽ　　　　　　丿　　　　　　　　　　　　　『中道實相真如法相といへる。いつれも一仏性の同体異名なり』
　　　　　　/ : : : : :ヽ : : : : :/ : :|　＼ __ _ ／
　　　　　/. : : : : : : :| : : : く: : : :|、／=|´| :| .＼　　　　　　　　　　　　　　と書かれている」
　　　　/ : : : : : : : : : : : : : :＞ : | ｀'|::::/|/:,┘ : . ヽ
　　　ノ : : : : : : : : :/ : : : : ヽ : : |　 |:::| / : :> : : : : :丶
　　/.: : : : : : : : : ;' : : : : : : :∧: :| /::::|/: :/ : : : :/ : : : |
　/ : : : : :-、 : :/. : : : : : : : : :Λ:|'::::::ﾉ: :/_ : : : / : : : .丶
/ : : : : : : : :`::、 : : : : : : : : : : : ',:|:::/／. : :￣;/ : : : : : : . ＼
＼ : : : : : : : : :.＼ : : : : : : : : : : : /‐' : : : : : /ヽ､: : : : : : : : .ヽ
　＼ : : : : : : : : : ＼.:./ : : : : : : : : : : : : : :;'　　＼ : : : : : : : : . ＼

　　　　　　　　　　　　＿
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.　　　　　　 _／: : : :∠.:}L:＞､＼
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　　　　ｒ': : : :i: : : :{ｲてｊヽ　ム: :ヽ
.　　　　 /: : : : :|: : : :! `　　　 5､i : ヽ
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....　　　,': : :./`ｒｲ: : :|　　　　　ｃ　 j: :ﾄ､: 〉
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.　　/: : : : : ///ｊ∧: |　　　 √｢i/ |:.:|　　　　　　　　　　「中道、實相、真如、法相、どれも仏性の別名ですよってことね～」
..　/: : : /―-＜厂ヽト､　　　|:::|.　 |/
.../: : : /!　　　￣＼＼ミ二ﾖ:::|
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.　　　　　　　〉ｒ＜　￣｀弋に).､ヽ
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　　　　　　　　ﾆﾄ､ : : : : : : : : : : }: : :＼
　　　　　　　　ﾆlノ::::::......:.:.::.:.:.:.:人.: : : :ｊ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【仏性って？】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　各宗各派によって色々と捉え方や意味が異なってくる言葉ですが、
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　平安期以降の天台宗においてはこの世のすべてのものがもつ仏様になれる性質をさします。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　年代に拠っても意味が変わってくる場合がありますので、注意しましょうね。
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.
183： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:44:23 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼　　　　　　　　　「この真如堂の本尊は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |　　　　　　　　　　　慈覚大師円仁によって彫られた阿弥陀如来像で、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､｀⌒ ´　　　　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　.|　　　　　　　　　　　　　俗に『うなずきの弥陀』と呼ばれている」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑヽ、､____／ヽ__
　　　　　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:;Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ : ∧　|::Λ |＼> : : : ｀,
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :| : : : : : : ＼ : :.∧ |:::::| | : :ヽ : : : :,i
　　　　　　　　　. i : : : : : : : :! : : : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::|| : :/ : : : :i :|
　　　　　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : : : : : : :＼ : '.,:::| : /: : : : :| :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : : : : : : : : : ＼::V :/ : : : : :l : !
　　　　　　__/_: : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ: : : : : : : i : |
　　　　／　　　｀ヽ,:_:_: : : :.Λ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,' : !
　　　（__.ィ´ヽ,ム、〉、:ヽУ　V. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : !
　　　 / ゝ/　/ 7-､Ｙ :,′　 ∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : |
　　　　ヽ／　/　/ /'Y:ｿ　　　 }.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : : !

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　　　　　　　　　　　　　　 ,'::/:::::ヽ
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　　　　　　　　　,. .- :'::/:::/::::::::::::::::|
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':':':'::::;;;;;;;;／: : : : :ヽ、: : : : : : : : : : ::｀ ` ‐ =:__＜￣￣::::::
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' ,::::::/: : : : : : : : |＼: : i: : : :＼: : : : : : ＼:＼: : : : : }::::::::/
　ヽ,': : : : : : : : : |　＼|:_; -──-: ;__: : ::iヽ:! : : : :ﾘ:::::/
　　|: : : : : : : : ::⊥.　　|＼: : : : :| ＼: : : : |: ﾉ: : : :/::::/
　　|: :|: : : : : ／:|　　　|　＼ィャ心ヽﾍ::|/|: : : //::::/
　　|: :|: : : ::/|＼|zュ　　　　　弋:ソﾉ　 /r'|: : /:::::::::|─
.　八:|: : : : :i　代:心　　　　　　::::::::　　r´|: /::::::::::||
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　　　　　　i: : : : : : ヽ　　　　o 　　/＼_　 ∧:::::|::::|
　　　　　 |人: : : ＼:ヽ≧─-　イ::ム＿　　}:::::|:::::|
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184： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:44:36 ID:PzyNh9aM: 　　　　「それじゃ、このうなずきの彌陀についての話を、真如堂縁起から抜き出してみようか」

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　天長年中、志賀郡の苗鹿明神において慈覚大師が講を開いた時、柏木の柱が一本、苗鹿明神により大師に贈られた

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　{ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　､＼　　　　　　　　　　　　　　／＿　＼
　　 '，､　＼　　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　,. :―: : ._
.　　 ':, ＼　＼　　　　　　　　　　　　　　 ,. . : :＼__}:}:´:,. ´: : : : :｀ヽ､　　＿
　　　 '，　＼　＼､　　　　　　 ,. : '´: : :,:　 '　/: :/:,: ／}:_/: /: }:ヽ´:⌒｀
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　　　　 { ∨ 　＼＿　＼. :´ : : : : : : ,/_,...イ　|:{(/{: {　弋ソ／ｲ_ｲ:;: }: ∨:ヽ-- ｀
　　　　　∨　　　 {//ﾊ､.　　＼: :,.　 ´　　　　　　Ⅵ! ヽゝ　　 _　ん}´:./:|: :ﾄ,:}＼
　　　　　 {　　　 Ⅵ//}　､_　＼>　　　　r､　　 Y:::. 　　／⌒ヽ'ゞ'/イ!:j!:.ﾘ: |: : ::.
　　　　 ,　　　 ,､　ー'Y､__7-､＼＼　　/　＼　j! 　､　{　　ン　,ｲ:}|/ｲj:/ ＼: : : : .　　　　　『柱？柱……？』
　　　 ,. :' |　　　 |＼＿7/} ノ＼＼　＼ >　　 7/ ///ヽ｀/ ＼イ j/　∨'　　ヽ: : : .
　　／: : :.|　　　 | | |＼ノ　＼ノ r､丶　＼///[｡｡]//_/_/ __./-- ､　　　　　　 ':，: ::.
　／: : ／ヽ､. 　 | |-}　　＼／／｀ヽ´ Y/ ＼///／＼　/　__　　＼　　　　　　 }: : :|
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185： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:44:55 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　苗鹿明神から受け取った柏木は毎夜光明を放ち、慈覚大師はこれを怪しんでこの柱を打ち割ってみる。

　　　　　　　その打ち割られた二片の一片は坐像、もう一片には立像の仏の姿が、

　　　　　　　　そのように彫られるべく木目も鮮やかに大師の目に映った。

　　／:.:.:　ァ:.:.￣__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.‐=ﾆヽ　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　ﾑ￣／:.:.／:.:.:.:.:./:.:.:.:.:. l:.:.:.:.ヽ:.＼:.:.:＼-:.:.:.:.:. : i:.:.:.:.:.／‘，　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　 /:.:.:./:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.{:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.＼:.∠_:.:.ヽ:.:.:.:. : |:.:.／:.:.:.:.:}‐=ﾆ二　　　二ﾆ=‐　¨¨
　　 /:.://:.:.:.:.:./:.:ｉ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:|＼:.:.:.,イ爪O',≧ｭ:.:.:.:.:.:|}:.:.:.:.:.:.:.: ｉ',　　ヽ￣:.:.:.:.:. ∧
.　　/／/:.:.:.:. /:.:.:.!-:.:⊥: : | 　ヽ/Ⅵ:::::::ﾘ　/:}:.:.:. /:.ｉγ ヽ:.: | ∨　　＼:.:.:.:.:.: ∧
. 　ﾑ′ ::.:.:.:./|:.:.:.:.ﾟ｡:.:.,ｲ心l　　　　 ∨zｼ　　ｉ:.:.:/:.: |　ヽ :}:.:.　 ∨　　　ヽ:.:.:. : ∧
　　　　 l:.:.:.:.　!:.:.:.:.:.ヽ{{ ﾔﾑ　　　　　　　　　　|:./ |:.:.| } } ./:./　　∨　　　＼:.:.:.∧　　　　『彫らなきゃ（使命感）』
　　　　 |:.:.:.{　ﾟ｡:.:.:.:|:.∧　ﾏｼ　　　　　　　　ｌ/　}:./‐=イ:./　　　 ∨＜　　　ﾍ:.:. ∧
　　　/　:.:.: ｉ　ﾏ:. |ヽ∧　　｀　　　　　　　　 /　 i:/　ヽ:./＿_　　　∨:.:.:.:.:.＜　ﾍ:.:.∧
.　　/　　ゝ |￣　ﾏ | 　 ∧　　　ﾏ　)　　　　＿ ‐=ﾆ二二ﾆ=‐--二ﾆ}∨:.:.:.:.:.:.:.:￣:.:.:.∧
　　￣　　＼　　ﾍ|　/ l人　　　　　　　　《 r　 ,x≦　　　　　　　＼ ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∧
　　　　　　　　　/　ゝ':.:.ﾟ｡:.{:.:....　　　＿ ‐=――― ､　　　　　　　ヽ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧
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186： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:45:12 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　慈覚大師はこの霊木を以て、一体の彌陀坐像を造立し、

　　　　　　　　その後その彌陀坐像をお持ちになった。この坐像は後に日吉社念仏堂の本尊となる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿_,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|　　　. 　 -──‐- 　 .　　　／::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::{ , 　´ 　　　　　　　｀ヽ　/::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈:::／　　　　　　　　　　　　 ∨／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,〉　　　　　 ′　l|　　　　　　《二ミ､.　　　Ｏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/ ,　　　　　ｌ　　 lLwzwz_　　 ∧＼ｌ |　　　 o
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //´ / ,　| l|_」-|‐|　　 l|‐ - 　　｀ヾ　 ∧:::|lﾘ､　ﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iﾘ　i |l ｌ| l|´|/i/l/l|　　 l| 　　｀　》　 ∧｀ヾ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | |l ｌ| lⅣ━━从ﾙﾚ| ━━　　《⌒i　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ|ｌ l| ｌ{　　　　　　　　　　　　 }}ソ / ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i^i^i^Y从ﾊ八　　　 △　　 i^i^i^Yヽ从　 / ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二}ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ―――――――――――――――――――─────く. ハ　　　　　　　【彌陀坐像】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : } ハ
　　　　　　　　　　 , -‐- ==|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ__.ﾊ
　　　　　　　　　　 _,ィ′ ィ: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ　｀ヽ
　　　　　　 ,＞ ´　,..ィ: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ　｀ヽ
　　　＞ ´　　,.イ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾐヽ　｀ヽ　　　　_,..,
　,..ィ´　ー‐‐=≡＝ニ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ、　 `ヽィ ´,ｨ´ﾊ
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187： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:45:28 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　後年、唐に渡った慈覚大師であったが、彼の地にて乱がおこり、

　　　　　　　　　　　　　　　　　修行や布教が難しくなってきたために承和十四年（847）に、勅使の船に同乗し、帰朝した。

　　　　　　　　　　　　　 ...:.-――:.:......／´:.:.:У:.:.:.／´
　　　　　　　　　　　 ......:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀＼/:.:.∠....:.――― ､
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　　　　　　 Ν:.:.:i:.:.:.ｉ:.:.:/:.:7広刀广ﾒ　|/ _Ll_:|:.|:.:|:.:.:.:.:.:ﾊ＼:.i
　　　　　　　　 ':.:＼|:.:.:.|:.:.:i /,,ィ竓圷､　　　竓ミ.|:.|:.:|:.:.:.:|:.:.:|　ｿ
　　　　　　　 V:〉ﾍ:.:.:|:.:.:|.〃ん刈　　　　んﾊVﾉl:.:|:.:.:.ﾊ:.:.|
　　　　　　　 {⌒ﾄ:.:|＼| 　乂り　　　 bりﾉ:.ノﾚ:|:.:/　ﾚ
　　　　　　　ゝ､|:.N､　　 '^"´　　　ゞ'/イ:.:/ |/
　　　　　　　　　　　 |:.:.:｢　　　　　　　 '′ 八l.ｲ
　　　　　　　　八:.|:::::..　　　　　匸ﾌ／:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　_N::::::::〕ト　　　　イ:.:.|:.:.:.:.l:|
　　　　　　　　／＼　｀　=‐ｚ〕冖 ´　|:.:.:|:.:.:.:.l:|
　　　　　＿-―‐くミ､　＼　　〉^〈|　　 |:.:.:|:.:.:.:.l:|
　　　／:::::::::::::::::::::::∧　　＼ /ＹУ∧ｰ〔:.:.|:.:.:.:.l:|
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　　 l:::::::::::::::::::::::::::＼:::li:.　　　〈Λ〉 ∧:::::::::ﾊ:.ｌ:|　　　　　　　　　『私はよくやった、森に帰ろう』
　　　∨::::::::＿:＼::::::::Ｎ|:ゝzz，.,＿Y⌒|　 ::::::::{::Ll:|
　　　 ∨〃⌒ヽ､＼::::::〉――-- ノ＼八＼｢r┤:::ヽ
　　　　Ｙ{　　 }}:::::::＼_　　　＜　　　＼　〉　∨ヽ{
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　　　　　ヽ｝'´　　　　＼r┬　冖　　ヽヽ　　 } ｝　 }
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188： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:45:49 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　その船中、礼拝を行っていた慈覚大師の目の前に、虚空より小身の阿弥陀如来が現れた。

　　　　　　-‐=ﾆﾐヽ
.　　　　　　 |＼ヽ}/|　　　　 ∧
　　　　. ' ¨￣￣¨ｿ┴‐-　． {　〉　／|
　　　　/'7´/７､／ ,／∠＿　｀ヽ}／／
　　　 //// Χｊ／ｊ／-‐　〈　 y‐､(二ﾐ:､
　　　　ｊﾊ i/j/,:‐､　　,:－､　｝ ./＾ } } 　 }｝　　　　　　　　『オッス！オラ阿弥陀如来！』
　fヽ　｛ﾂ　弋丿　弋__丿　 }/　 / }　ﾉ'
.　ゝ^＼八　''　､_,､__,.　'''　,:=/　 / 八
　　＼ { >'ゝ.　 |:::::::| 　〃人__/」{　ヽ、
　　　 Y´　　 ` .`ﾆ´ ＿／　　　人　ヽ丶.
　　　 └‐<ﾆ=ζο´〈人　　／　＼＼　丶
　　　　　く三彡'爪`´: : : :`T::i　　　　　ヽﾊヽ
.　　　　　 /| |{:.厶l_i〉 : : : : : i :}　　　　　　　 }i　}ﾉ
　　　　　 jﾉjハ:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ ;〈＿__ ＼　　　ﾊ　!
　　　_　　　 ////////////∧　　￣`ｰ､/　ｊﾉ
　　劣心｀> く/ZZz/////////人
　　Ⅵi為/∧⌒ヽ>ミ////////／7｝
　　Ⅵi丞/∧ ／　｀¨￣￣¨´7ZZ{　　　　　　　　　　　【阿弥陀如来】
　　　守i為／　　　　　　 {///｝
　　　 `¨´　　　　　　　　 `¨´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　. 　---　ﾆ￣￣:/:.:.:./　-――　、
　　　　　　　　　　　　　　 ,イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ゝ:.:.:´:.＿_――‐- ＼
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　　　　　　　　　　ｉ丶|:.|:.:.:.:|:./斥拆心　／　/,≠､|:./:.:.!:.|:.:.:.:ｉ:.: |　ｉ:|
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　　　　　　　　　　ヽ{:.:.:.:トヽ　　　　　　ゞ'　／ // / |:./ |′
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　　　　　　　　　　　　　　大師は狂喜し、衆生救済のために是非我が朝にお越しをくださいと願った。

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189： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:46:04 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　小さな阿弥陀仏は

　　　　　　　　　　　　　「かつて五臺山に文殊菩薩が現れたのは阿弥陀如来の教勅においてである」

　　　　　　　　　　　　　　　　　とおっしゃった。

　　　　　　　　　　 ,　-─- ､
　　　　　　　　　　　／　　　　　｀ ‐- 　 .
　　　　　　　　　　 '　　　　　　　　　　｀ヽ　　　..-――-.._
　　　　　　　　 / 　 ' ,'　/　/ 　｀ヽ　　　　　 .　／:::::＞　´￣
.　　　　　　　 '　 / / 斗‐‐ ､ｨ　 '` ｰ､　　 ∨:／
　　　　　　 ,　 '　'　　,ｲ心､!　/　‐- ､ ' ,　　{:::}ﾆﾆ､ヽ
.　　　　　　　 l　'　'　Ⅳ _ﾉﾊ } /　,ｨfﾃx　/ 　 '∨＼　ヽ＼
.　　　　　　　 |ﾊ　ｌ ∨　乂ｿ l/　 _ﾉ:ﾊ》/　　'　∨:::i 　 }ﾙﾘ
　　　　　　　　　 Ⅵ∨ ""　,　　　乂::ｿﾊヽ./　　＼|
　　　　　　　　　　圦　　､　　　　""〈(_ノ' 　＼　　＼
　　　　　　　　〈(　＼　　´ 　　,ｲ )〉-,､　　＼　　＼
.　　　　　　　　　 )〉　_＞　-､　´ ／/'／丶　　　丶　　＼
　　　　　　　　　　 /'.' ´＼丶＿　'　／: : : : : :＼　＼　　　　丶
　　　　　　　　　　{::｀ヽ｀ ‐--‐ ´‐-､: : : : : : : /､　丶　　　　＼
　　　　　　　　　　　∨: : ｀､,　　　　　＼: : : : :' : :.＼　｀ー､　　　､
　　　　　　　　　　　　＼: : :,　　 :　　　　＼, -──-丶　　＼丶乂
　　　　　　　　　　　　　　＼:. 　　､　　　＞-＼　＼' ､　　 , 从　ヽ
　　　　　　　　　　　丶. 　　 .:.　　　　　　､}　　 ,　 , ヽ､ /
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ=-　　　　　　　 ∧　 /／∨乂'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　}／ '　　　　　 / ∧/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　/　　　　　　 / /､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ' 　　　　　　　 /
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　【あずサポート】　五臺山って？
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　現在の中華人民共和国山西省東北部、五台県にあるお山です、現代では五台山と表記します。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　　　古くから霊山として信仰を集めていて、文殊菩薩様の聖地としても知られています。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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190： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:46:25 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　　　「『願わくば我が命終の時諸もろの障碍除き滅ぼし

　　　　　　　　　　　　阿弥陀如来に面見し安楽国に往生せん』とは文殊菩薩の本願である」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　　 __,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:::::∧＿＿　　　／:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　´ ｀ｰ　¨ ∨:::∧　　　｀／::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　｀ヽ　　　 ∨::∧　　.／::::／
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　/_　　　 ∨::∧／::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　/´ ｀ヾ　　　､⌒＼'´
　　　　　　　　　　　　　　 /　 / ,　　　　/　　彡　　　,＼丶＼
　　　　　　　　　　　 /　 / /　 ' 　 /　　 .彡　／　＼＼＼
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　　　　　　　　　　 ,　 / / 　{i　　|　　　　彡　　　/ 　　∧　/
　　　　　　　　　　　 ,　ｲ　{l　从　 |｀ ‐-- .彡　　　　　 ∧／
　　　　　　　　　　　ｌ/ l　从　 .! ＼!　　　　彡　　　　 / '
　　　　　　　　　　　 | 　Ⅵl　＼| l　　　　　 ∨ヾ, ‐- ､　　　　　　　　　　　『文殊菩薩はワシが育てた』
　　　　　　　　　　　　　从　 lヾ}　　　　　／／　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　＼Ⅳ　　　　 / /　ヽ⌒ヽ　}　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　 ' 〈　　 )　　ﾉ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　　　〉〉　　　／　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　个: . 　 /´　　 -‐ ´　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　 r'⌒ヽ.／　　　｀≧=-. : :|　 ' 　　l
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　【あずサポート】　文殊菩薩様の本願
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　『文殊師利発願経』という経文に
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　　『願我命終時除滅諸障礙　面見阿弥陀往生安楽国　生彼仏国已成満諸大願』
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　　　　とあります。
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. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
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191： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:47:12 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　また、阿弥陀如来は告げて

　　　　　　　　「震旦においては南岳は観音の現身であり、

　　　　　　　　　　天台は薬王が仏法を編み直した教えである。

　　　　　　　　　　　また伝教大師最澄が薬王の生まれ変わりであるように慈覚大師円仁は観世音菩薩の化生である」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__
　　　　　　　 |＼　　　＿　 . -──- .　　　　／:::::／
　　　　　　　 |::::::＼_／　　｀´ 　　　　｀丶　/:::::／
　　　　　　　}:_:_:／　　　　　　　　　　　 V:::／
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　　　　　／／/　　　/l|　　.|　　Lz≦wz_ 　ｲ}::＼⌒＼　＼
.　　　　/　,′ '　／　/-|- .,ｲ|ｌ　 | -─-　ヾ,　∧::::::＼　 ∨ .i　　　　　『ゆー　あー　カンゼオンボサツ　おーげぇ？』
　　　　{　 |　/,ｲ　´/ 　{ /｀i l|. ´|　　　｀ }彡ﾊミ::::::{　　|　:|
　　　乂 {./´_|　〃　 ∩　从八|　∩　　ｌ「｀i. 川｀ヾ} 　 !　:|
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　　　　　　　　　　　　　　「震旦ってのは確か中国の事だったかお、前回出てきたお」

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　【あずサポート】　南岳って？
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　南岳は大陸における道教五岳の一つである衝山のことです。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　衝山は道教五岳の中で南に位置するので南岳と呼ばれています。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　中華人民共和国湖南省衡陽市衡陽県にあります。
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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192： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:47:33 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　「今、この阿弥陀如来がこのような姿で現れたのも、

　　　　　　　　　　　円仁とともに彌陀法華の悟りをもたらさんがためである」

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　　　　　　　　　　 .　´　　　　　　　　　　　｀　.
　　　　　　　　､_＿　／　　　　　　　　ｰﾍ　　　丶　　　　 _＿,
　　　　　　　　 V//'　　/　　　 /　　　　　　　　}　　　　＼　／//／
.　　　　　　　 V　　/　　　 /　　 /　　　　　 }､__　 _＿　　v//／
　　　　　　　　ｨ　/ /　　　ｨ　　 /　　　　 /''ﾞﾞ㍉　ﾆ=- V{⌒ ＼
　　　　　　　／/　'　′　　斗 - ｨ　　　ｨ ‐/─-　ﾐ　　　ﾊ/>､　　'，
　　　　　　 '　 ,　i　 { 　　 / {　/ {　　 / }　'　　　　ﾐ　　 / }//∧､　}
　　　　 { 　 {　|　　　　 /　Ⅳ　八　 /　}/　　　　ﾐ　　 '　 |V//'| }ﾉ
　　　　 |　　ﾚ |　　'， /　==＝＝ヽ(　＝＝== 　ﾐ／　　 | ＼/|
　　　　 ,从 (⌒| 　　 V　　　　　　　　　　　　 }}^⌒Y　|　　ヾ
　　　　　　　⌒ 八　 / i　' '　　　　　　　　　 ' '　〃〉　ﾉ　|
　　　　　　　　　ヽ( 〈{　　　　　　__　　....:::ヽ　　〈{/_. イ　　ﾊ
　　　　　　　　　　 } 込、　　　　V:::::::::::::::::}　　,. }〉/　　 . . . .
　　　　　　　　　　 }. . .个o｡　　　 ` ｰ─　'. イ {/ /　　　. . . . .
　　　　　　　　　　 }. . . i. . / ≧==ｧ-r‐＜　　 {_/　　　i. . . . . .
　　　　　　　　　　　 , . . . |. /　　　 /r┴< ¨ ￣　 '　　　ﾉ_. . . . . .
　　　　　　　　 /. . . . | ,　　　ｲﾉ_/^ ∨ ＿__ {　　 ,ｨﾆハ. . . . . '，
　　　　　　　　　　 '. . . . ._iｨ{　／////{⌒}/////八／/ﾆ/　 V. . . . . .
　　　　　　　　　 /. . . .／{ﾆﾚ'〈//////介///////.:./ﾆ/　　　V. . . . . .､
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193： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:47:48 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　　この夢を見た円仁は、以前に残していた柏木の一片で、

　　　　　　　　　　　　今こそと彌陀立像を彫り上げ、船の中に現れた仏の化身である仏像をその彌陀立像の中に蔵めた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐=ﾆﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 |＼ヽ}/|　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ' ¨￣￣¨ｿ┴‐-　． {　〉　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'7´/７､／ ,／∠＿　｀ヽ}／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //// Χｊ／ｊ／-‐　〈　 y‐､(二ﾐ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊﾊ i/j/,:‐､　　,:－､　｝ ./＾ } } 　 }｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ　｛ﾂ　弋丿　弋__丿　 }/　 / }　ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　.　ゝ^＼八　''　､_,､__,.　'''　,:=/　 / 八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ { >'ゝ.　 |:::::::| 　〃人__/」{　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y´　　 ` .`ﾆ´ ＿／　　　人　ヽ丶.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐<ﾆ=ζο´〈人　　／　＼＼　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く三彡'爪`´: : : :`T::i　　　　　ヽﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /| |{:.厶l_i〉 : : : : : i :}　　　　　　　 }i　}ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jﾉjハ:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ ;〈＿__ ＼　　　ﾊ　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　 ////////////∧　　￣`ｰ､/　ｊﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　劣心｀> く/ZZz/////////人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵi為/∧⌒ヽ>ミ////////／7｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵi丞/∧ ／　｀¨￣￣¨´7ZZ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　守i為／　　　　　　 {///｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`¨´　　　　　　　　 `¨´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真如堂の本尊がこの彌陀立像である。

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194： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:48:06 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　／: : : : : : : : : ,　' ´ : : : : : : : : : : : : : ＼／: : : : : :ヽ,
　　　／: : : : : : : : : ／ : : : : : : : : : : : : : : : ヽ, : :ヽ: : : : : : : : ',
　　　 /,　-‐‐／: : : :/: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : :',: : :|: : : : : : : : :l
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　　　　./: .:／/: : : | : : ﾚ'＼ﾚ　|: 八/／∨|: /.: .:.|: :/.: .: .: : : : : :|
　　　　{: :/　 |: : l: :|: : :/下心、V 　ィﾁ心ﾚ｝: :/.:/|: : : : : : : : : |
.　　　 ∨ 　 |: /|: 八: :l. 込ソ　　　　込ソ〉/: :ﾊ/ .l: : : : : : : : : |
.　　　　　ﾚ　ﾚ'|: :ヽ|　　　　,　　　　　　/: :/ノ　 |.: : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　 l: :/∧ 　　 r-､　／￣￣￣｀ヽ､| : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　 ∨/: /＼　 `ｰ'/　　　,　-‐‐　　＼: : : : : : : |
　　　　　　　　　 {.: |.　　｀ト--｛　／　　　　　　　ヽ: : : : : :|
　　　　　　　　　　　　ヽ|　 _,ノV´￣｀T ヽ　　,　-‐ 　　 l: : : : : |
.　　　　　 ,　-‐──一'７´/　{.　　　└‐ﾉ／　　　　　 |: : : : .:|
　　　　 /　,　-‐─一'7　レ'{＼─‐＜_/　　 ,　-‐‐　 ∧: : : : |
　　　 ./　/　　　　 { 　 |　.厂|＼　　　ヽ／　　　　 /　｝: : : :|

　　　　　　　　　　白毫に玉をいれようとしながら慈覚大師は

　　　　　　　　　　　「我が比叡山において、修行を行う僧たちのための本尊とお成りください」

　　　　　　　　　　　　　　というと、この阿弥陀像は三度首を横に振った。

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　　　　　　　　　　　　 /|　　　. 　 -───- 　 .　　　／::::／
　　　　　　　　　　　　　 /:::{ , 　´　　　　　　　　　　｀ヽ　/::::／
　　　　　　　　　　〈:::／　　　　　　　　　　　 ∨／
　　　　　　　　　　　　 ,〉　　　　　 ′　l|　　　　　　《-―‐- 、
　　　　　　　　 , -―// ,　　　　　ｌ　　 lLwzwz_　　　　∧⌒＼　＼
　　　　　　　　　 / /／, '/ ,　| l|-l‐|‐l|　　 l| ‐--　｀ヾ　　》:＼　 ∨　i　　　　　っ
　　　　　　　　 | ∠:::::i |l ｌ| l| l||/i/l/|　　 l| 　　　　》　 }}::::::{　　|　:|　　つっ
　　　　　　　　 |lﾉﾘ￣| |l ｌ| lⅣ　＞从ﾙﾚ| ＜　　　《勹 ,!｀ヾ} 　 !　:|
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　　　　　　　　　　　　　从ﾊ八　　　　△　　　　　　　从 / |
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　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : :ﾊ: ∧: : :./: : : : : ｀ヽ: : :｀ヾ:.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 /: :/: : : : :/ /ィ:廾:卞ハ: :/∨ハ: :ヽ: :.∨ﾍ:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　 /: :/: : : : :/ /:/ xイ⌒ヾ ∨　 }⌒}: : :i: : :i: : ∨:.:.:i
　　　　　　　　　　　 /: : ; : : : :i: Ⅳ/ /てハ　　　　　/圷!: : | : :ﾊ : :.∨:.:!
　　　　　　　　　　 ,: : : :i: : i : |: Ⅳ ん⌒)ハ　　　　弋_トﾊ:!:./: ∧:.:.:ハ!
　　　　　　　　　ｉ: : : :|!:.:.| :.ト:ヾ〈代つ:::ノ`　　　　　ﾉ　 ∨:./!　!:.:!　:!
　　　　　　　　　　 ': : : :|＼:＼:.:.:＼　ヾ'´　　　　　　　＿　 ∨ |　l:.:′
　　　　　　　　 ∨ : ∨へ:.＼:.::.二ニー　　　く　　!　　 !: :!　i/
　　　　　　　　　　　 ∨ヽ{ し.:|:.:.:ミ　　　　　　　　　　　;;　　 i :ﾘ　′
　　　　　　　　　 ∨八ヽ !:.:.:i ヽ　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　 |＼:.孑!:.:..!　｀　､　　......　. . .:.:.:.:.:.ノ:.:.!
　　　　　　　　　　　 |:i:!|＼ﾊ:.:.ﾍ／　　　　　　　　,　＜ﾘ:.:.:ﾘ
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　　　　　　　　/三三三三三三≧､、　｀＼　　　 /∧/ ｀＼三三≧ｘ
　　　　　 /三三三三三三三三ﾍ、　　＼　 // :ハヽ､、＼三三三ヽ

　　　　　　続いて慈覚大師が、

　　　　　　　　「ならば弥陀の本願を満たす思し召しならば衆生の集まる都に安置させていただき、

　　　　　　　　　　　全ての衆生をお導きください、わけても罪深い女人などをお救いください」

　　　　　　　　　　　　と申し上げると、今度は阿弥陀像は三度頷かれた

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　　　　　　　〈ｲ　′ /　// 　 ,ﾚ'⌒i l　//　 /⌒ヽ Y彡ｲ{::::＼　　 } }
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　　　　　　　　　　＼ﾚ/ /１ l　　i{〈/{{::::}}ﾑ'　　{{::::::}} }〉ﾚ'ｖ川　ヾ}　,ﾑ′
.　　　　　　　　　　 '1/　j/l ∧ | 　 V:ｿ　 ,　　V:ソ　 }}r: } ハ　／
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196： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:48:36 ID:PzyNh9aM: 　　「ただ、慈覚大師自身がこの生き仏に心酔していたので

　　　　　　結局大師存命中は比叡山の常行堂に安置されていたらしい」

　　　　　「あら」

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197： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:48:52 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　「さて、その後、時は流れ。

　　　　　　　　　　　　　永観二年（983）の春、比叡山の戒算上人の夢に、老僧が現れた」

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198： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:49:09 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　、ｘ＋十!┼!ｘ ,.
　　　　　　　 ×丶 `　′′′'×
　　　　　　ﾒ丶 .._ 　ﾆﾆﾆﾆﾆ　キ　　　　　　『我は常行堂より来た、聚洛に出て一切群類の救済を行い、
. 　　　　だ　 `''‐¨ﾆ'_┐┌_''ﾆィ
　　　　　＋r'ﾆ‐-r'ﾆﾆ,〈─r'ﾆﾆ,ヽ　　　　　　殊に女人を済度せんとするものである。
.　　　　　 ±{に ij.ヽ.三ノ￣ヽ.三.ｲ
.　　　　　,.４.ヾﾆ　r rｰ' Ｌ __,.」ｰヾ|　　　　　　　　そのために、急いで我と共に下山をせよ』
.　　　 _/:/:|: 　 |　! | ⊂ﾆ==--　l ﾄ、
┬ ''Ｔ/:/:/|、　ヽ.　, , , , ,一, , , 人:ヾ''ｰ-
￤- i/::::/::|i ＼　 ` ー─‐ｧr‐く:ヽ::i:::lｰ￤
￤__.l::::::i::::|_l 　＼.　　　／│ｉ _|:::ｉ:::|::|__￤
￤　|::::::|::::|　!　　　＼／　 |.￤ |:::|::|:::|　￤
￤-|:::::::!::::|ｰ l 　　 /bヽ　 | ￤-|:::::|::::|.-￤
￤_|:::::::::::::|_￤l 　 /　l　ヽ.|._￤__|::::::::::|__￤

　　　　　　　　　　　　　　／'´＼
　　　　　　 /´￣｀`＞-ｧ' /::::::　ヽ
　　　　　l　　／　/　/:::::::::::　ヽ＿
　　　　 _|　 /　　　i　〈::／￣｀`ヾ＜｀`
　　　／ l.　'　　　　　 /　　　　　ヽ.＼　+　　　目からビーム！！
　　　l､　ヽ　　　　　　ﾚ, 　　ヾ､　 !|ヽ|
　　　lヽ　　| 　　　　＼　　 |l ,ｲﾘ　′
　　　＼＿,ゝ.＿＿＿.. -`ァ‐ｉ)"ヽ　＝=-　_　　　　 ,. '⌒⌒ヽ
.　　　　　　　 _ﾚvｖ ,､,､_,-一Z'L. イ　　　　　　￣　＝=-　_　　 '⌒ヽ
　　　　 ┌-く＞'　」ﾆ┐ ,､_〉､〉「　　　　　　　　 ,.-､′　　　　　　　）
　　　　　| ,　､ヽ_／　　 | 〈.　　〉ヽ　　　　　　　 (　(　 ⌒　(　ﾉ　)　ヽ　　　ぬわー
ｉ⌒i.　　／　Ｙ_jﾆ、ヽ.ﾚ┘＿ｆ_.ノ　　　　　　　　ゝ_　ゝ '　　'　　 _ ノ
|　 l.　く　,　ｲヽヽ_ヽ、Lニ-'＜._　　　　　　　　　　　￣"""""ﾞ￣
ヽ　`ｰ√ /　|　､　下丁｀ヽ. ＼ﾉ､_
　｀ーｔヘヘ._」_,.-セ_ﾉ | ! 　　　,.ゝ/ｿ
　　　 `tゝﾆヽ､＿,､＿,.-‐､_'ニ-1ｧ′
　　　　ﾌヾｴァ‐i-t‐'T_Ｚﾆ-ｌ‐＾「
　　　　/｀ー/ ｀￣￣´ 　　 !一'＾!-､_
　　　/⌒　 l、　　　　　　/ 　　〉 ´ ）
.　　/ 　　ヽ〈　　　　　 {.＿＿, -‐'
　　{._＿＿ノ　　　　　　三三三
　　三三三　　三三三三三
　三三三三三三三三三
三三三三三三三
三三三三三
三三三
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199： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:49:26 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　こうした夢をたびたび見た戒算上人は、

　　高僧たちの衆議にはかり、このことについてこう述べた

　　　　『かつて慈覚大師円仁により常行堂に安置された彌陀立像は、

　　　　　　衆生を救うことにうなずかれたことであるが、叡山にあってはそれも叶わない』

　　　　　　　'､─- ､.~,. -;-､　　　　　,. -;- ､~,. -─`;　　　　　　　女優への道
　　　　　　 ,.-'"￣`.;`i.-,.r‐ '^ ､　r'^i.'-､,.='',. '"￣` '､
. 　　　　 r ─- ､,.r'ｉ'~ ,. ,. /　∨　 .!　ｌｉヽ.r ─ - ､.i
　　　　　　i'~￣~`i,.'/ ,.　/ /!　!^ ^!　}　 ! ｌ .} '~￣ ~` ,!　　　　　　　　　　　　　　目からビーム
. 　　　　ゝ.〃,.{ ｌ / ./ / !　!　　!　ｉ､ .} ｉ }ゝ.　ヾ_,. '
　　　　　　　 {￣~! i l /∨ _ヽ.!　　ﾚ'_ ∨Ｎ} i､i￣}
　　　　　　　ｌｌｉ {.ｉ N 　Ｏ　　　　Ｏ　 } N ） l !　　　　　　ほかほかご飯にょ
.　　　　　　 ! i l. ヽ!　ｏ　　　　　　　ｏ　i }ﾉl. !リ
.　　　　　　　ヽﾚヽ! `, -r ､⊂ﾆﾆつ ,. -rｉﾌ lﾉ,ﾘ　　 ,.-､
　　　　　　　　　 _,r' ~　 _}__）"￣`.,f 　　　`ｽｽ.　　 f　 }
　　　　　　　　 {ir‐-' `'､　）=ﾆﾆ={　　　　　　 }　　　l.　 !　　　　　　　　　　　　ゲーマーズ店員
　　　　　　　 ,.''"　　　,. `ｰ; ､II ,f ` ､　　　　ﾉ＿　 i.　 !
　　　　　　　〉　　　　　 i ￣￣ヽ　｡ ; __／_＿_{-.'　 ,'
　　　　　　　ゝ._　　　ｉ　ゝ.r‐─､_}_,ﾟ '= ﾆ~,,_　　~`;ｰ_'　　　　　　反則技のオンパレード
　　　　　　　_,. -=~''ー'` - '　/　ヽ.　､　__, - ~'　（ ,.i ､_
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200： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:49:40 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　『この戒算が下山し、阿弥陀像を聚洛にお連れ申し、衆生済度の御本願を満たしていただきたいと思う』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐=ﾆﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼ヽ}/|　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　 ' ¨￣￣¨ｿ┴‐-　． {　〉　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　/'7´/７､／ ,／∠＿　｀ヽ}／／
　　　　　　　　　　　　　　　　 //// Χｊ／ｊ／-‐　〈　 y‐､(二ﾐ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊﾊ i/j/,:‐､　　,:－､　｝ ./＾ } } 　 }｝
　　　　　　　　　　　　　　fヽ　｛ﾂ..ﾞ＿..　　弋__丿　 }/　 / }　ﾉ'
　　　　　　　　　　　　ゝ^＼八.´　 |ﾞ_,､__,.　'''　,:=/　 / 八
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:/　　`ー‐　 _ 〃人__/」{　ヽ、
　　　　　　　　　　　　 ―― ､:. :./ ,へ　　　　, ｀　――　､　ヽ丶
　　　　　　　　　　　　 __|＼.r-＼ /: : '. . へ /i:∨／.|￣:. :.} ＼＼　丶
　　　　　　　　　　　 ´　ﾉ´: :, ―‐‐j{:i|: : : : /i:i:,　--.｣:. :. :./.　　　　ヽﾊヽ
　　　　　　　　　　 ′／': :./　　　　|:i|: : : :.{i:i/　　　 ∨:./　　　　　 }i　}ﾉ
　　　　　　　　　八/　 | ━━　　━━: :ｲ:｀{　　　　　}/..__ ＼　　　ﾊ　!
　　　　　　　　　　, --､ハ{　　　　　 |:／从: :.､　　　八....　￣`ｰ､/　ｊﾉ
　　　　　　　　〃´¨¨７　　　　　　　　　　 }: : ／¨¨〈/人
　　　　　　　　　圦　　　￣　　　 u.　　 |／　　 }`'.､／7｝
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　　　　　　　　　　　′⌒ ＞　　　　　　　ト､: :.:/＼/　{///｝
　　　　　　　　　　　　　　　 _fフ―‐ ､｡≦ﾉ　〉{/.　　　 `¨´
　　　　　　　　　　　　　　／i/　　　　∨i:}／i:i:i∨
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　　　　　　　　「こうして戒算上人は、常行堂に安置されていた阿弥陀立像を背負って比叡山を降りた」

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201： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:49:51 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「まず雲母坂の地蔵堂まで阿弥陀立像を遷座したが、

　　　　　　　　　さていったいこの阿弥陀立像、いずこに安置さし上げるべきか、

　　　　　　　　　　　　と戒算は考える」

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　　　　　　　　∧｀''ｰ>.v-～,､v＜´　／ .|
　　　　　　　　|　', ,.ｲi´,､)ﾐヽ(|:!｀iヽy' -'┴.､
　　　　　 .,．''┴ ﾍ,'ｨlY;ヾ;;＼;;|:!ヽ'y'　　　　ヽ
　　　　　/　　　　　',-ﾉ'''ﾍ';;;;;;ﾘ;;;;;';l　　.　 v　 l
　　　　　',　 v　　　ﾉ;{_,ニ|ｊ|i;;;ljﾘﾆ;;>,,､　　|!／
　　　　　＼|!＿.イヾv{;;;;１jﾚ' {;;;;1j;:ｲﾊ￣´
　　　　　　　　 ` 'ｿヾミ｀´　 _　｀´彳;;ﾐ､_
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　　　　 .',´ `〈　｀r､,r‐､　　`y-'´ 　,! >‐')_,,...,
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202： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:50:15 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「その夜、かの老僧が夢に現れ」

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　　　　　　　、ｘ＋十!┼!ｘ ,.
　　　　　　　 ×丶 `　′′′'×
　　　　　　ﾒ丶 .._ 　ﾆﾆﾆﾆﾆ　キ　　　　　　　『神楽岡の一隅に、檜の木が千本一晩で生えたと地がある、
. 　　　　だ　 `''‐¨ﾆ'_┐┌_''ﾆィ
　　　　　＋r'ﾆ‐-r'ﾆﾆ,〈─r'ﾆﾆ,ヽ　　　　　　　　そこは仏法において弥陀如来と有縁の地であり、衆生済度の拠点と鳴るべきところである
.　　　　　 ±{に ij.ヽ.三ノ￣ヽ.三.ｲ
.　　　　　,.４.ヾﾆ　r rｰ' Ｌ __,.」ｰヾ|　　　　　　　　　　　即ちそこが末世相応真正極楽の霊地である』
.　　　 _/:/:|: 　 |　! | ⊂ﾆ==--　l ﾄ、
┬ ''Ｔ/:/:/|、　ヽ.　, , , , ,一, , , 人:ヾ''ｰ-
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　　　／ l.　'　　　　　 /　　　　　ヽ.＼　+　　　目からビーム！！
　　　l､　ヽ　　　　　　ﾚ, 　　ヾ､　 !|ヽ|
　　　lヽ　　| 　　　　＼　　 |l ,ｲﾘ　′
　　　＼＿,ゝ.＿＿＿.. -`ァ‐ｉ)"ヽ　＝=-　_　　　　 ,. '⌒⌒ヽ
.　　　　　　　 _ﾚvｖ ,､,､_,-一Z'L. イ　　　　　　￣　＝=-　_　　 '⌒ヽ
　　　　 ┌-く＞'　」ﾆ┐ ,､_〉､〉「　　　　　　　　 ,.-､′　　　　　　　）
　　　　　| ,　､ヽ_／　　 | 〈.　　〉ヽ　　　　　　　 (　(　 ⌒　(　ﾉ　)　ヽ　　　ぬわー
ｉ⌒i.　　／　Ｙ_jﾆ、ヽ.ﾚ┘＿ｆ_.ノ　　　　　　　　ゝ_　ゝ '　　'　　 _ ノ
|　 l.　く　,　ｲヽヽ_ヽ、Lニ-'＜._　　　　　　　　　　　￣"""""ﾞ￣
ヽ　`ｰ√ /　|　､　下丁｀ヽ. ＼ﾉ､_
　｀ーｔヘヘ._」_,.-セ_ﾉ | ! 　　　,.ゝ/ｿ
　　　 `tゝﾆヽ､＿,､＿,.-‐､_'ニ-1ｧ′
　　　　ﾌヾｴァ‐i-t‐'T_Ｚﾆ-ｌ‐＾「
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203： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:50:26 ID:PzyNh9aM: 　　　　「この夢に驚いた戒算上人は、弟子たちを遣わし、そうした霊地が在るか否かを調べさせた」

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　　 ./　　ﾊ　ｉﾊ厂　　￣|　 l　　 |　　　　ヽ
　　　| 　 / ハ__｣イ|´ 三三-`ﾅメLｌ_　ﾊ　　　　 |
　　　ヽ、ﾚ'|∧⊂ﾆO⊃ﾆ三⊂Oﾆ⊃　　|　　　　/　　　　オタクどもは
　　　　 `ーィ/　　　￣￣　　　 | │N‐--‐'′　　　でじこ様に貢ぐがいいにょ
　　　　　ｲと⌒ー＝===､＿／　ﾚ１ハ　　／⌒)
　　　　　　ｒ'＜｀ヽ、_　＿　＿__／｀之'＾´　/　 /´
　　　　　ﾚ－L＿／´ 　｀ヽ＿__ノ仁ﾊ　 l　 /
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204： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:50:38 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「同じ夜、東三条院の離宮の主である藤原詮子も、霊夢を感知していた」

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l'i　~`'i- ､,_　　　l ., ''　iｰv''''ヽ, 'i''`i~::::::/　 /　　　.l
l ヽ　　`､l::::`-,-'- ､,_ .l　　　　 7　l::::ノ,､.,､l　　　　l
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　ヽ　　l/ '／-,i ':l ヽ.　. .::: : :`;､､::::'､'''i, '､,,,,ノ''i,ﾉヽ
　　'､./　　 -~-,､l __ `-､::i- ､,_::: ／~`, 'i.l<_,,l／／＼
　　/l,　　 /,~l~::;,:l __~'''-､'`=､ ''~ ヽ `'l 'i:l:l､~-'　　　.ヽ
　./lヽ'ー''　l-'l:.:l./'/~`ヽ,　　　` , ,.;=＝ l'.l::`､　　　　　`､
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.i'　l／　　l,.l;:.､;:`:-`,`=~''　　・ _,　　　／V/　　　　　／
l　 '　　ノ　` ~``'-'`'-､.,,,＿　`~　 ,､イ､'　/　./　　.／
l,,__　　　　　　　ヽ､　　 l~`'-~-~.,~-'~_ﾉ　　　 / ／
　　`''''ー- ､,,＿＿`,,-　`''ﾌ　,☆､'､~　i-''''l :./~
　　　　　　　　　 .／　 .// ./　． ,`､ヽ, '''~　' ~`ヽ,　i'~`ヽ、　　　　　　　【藤原詮子】
　　　　　　　　 /　　／./'-'　　. /, -',-'　　　 _,ノ l　 `''-,　'i
　　　　　　　 /_`'ｰ' .,./`'`-､､,,',,',,､ -`､`- ''~_, -'　　　　l ~.l
　　　　　　　　　~`'~/　　,　 /　八　　'i-<~-､_　　　　ノ　/
　　　　　　　　　／'　　/　/　　　　 l　 l　`､,_　`'ー''~, -''
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205： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:50:53 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　、ｘ＋十!┼!ｘ ,.
　　　　　　　 ×丶 `　′′′'×
　　　　　　ﾒ丶 .._ 　ﾆﾆﾆﾆﾆ　キ　　　　　　　　　　「我は常行堂よりきた、
. 　　　　だ　 `''‐¨ﾆ'_┐┌_''ﾆィ
　　　　　＋r'ﾆ‐-r'ﾆﾆ,〈─r'ﾆﾆ,ヽ　　　　　　　　　　　　この地を女人済度の本願のために聚洛に下っている。
.　　　　　 ±{に ij.ヽ.三ノ￣ヽ.三.ｲ
.　　　　　,.４.ヾﾆ　r rｰ' Ｌ __,.」ｰヾ|　　　　　　　　　　　　　　汝の宮中に我がすぐに至るであろう」
.　　　 _/:/:|: 　 |　! | ⊂ﾆ==--　l ﾄ、
┬ ''Ｔ/:/:/|、　ヽ.　, , , , ,一, , , 人:ヾ''ｰ-
￤- i/::::/::|i ＼　 ` ー─‐ｧr‐く:ヽ::i:::lｰ￤
￤__.l::::::i::::|_l 　＼.　　　／│ｉ _|:::ｉ:::|::|__￤
￤　|::::::|::::|　!　　　＼／　 |.￤ |:::|::|:::|　￤
￤-|:::::::!::::|ｰ l 　　 /bヽ　 | ￤-|:::::|::::|.-￤
￤_|:::::::::::::|_￤l 　 /　l　ヽ.|._￤__|::::::::::|__￤

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　　　　　　　　　　　　　　　　　／~, - ､''~ヽ,　　 _,,,,,,,,､､,,_
　　　　　　＿,,_　 .l~-､~~`'':':-,/､'_　　　＼,,,,i:':':~:　 ., -''~l
　　　r-='~､_　 'i　 l　　`,-､,／　　 ~`''''~~~　　`､.,-,~　　 .l
　.,-=ﾆ~､~,,,_~'i, l　 l　 ./ ヽ,,_／ ,､　　　　　＼_,,,,/ヽ　 ./
　 `､, -一'''~~'i.l,'i　 ,>'　　.::/　/　l..........､........､.`､:::..　`､/
.<''~　　　　　　'i.l,'i　'i　..　 .l;:::/-､.ヽ:::､::::l`､-:+､:l　　 .r'
　＼ `'''ｰ_-､_　 l.l.l　レ'`'ｰl' ll　　　 `､ヽ,:l, ＼:l l:lｰヽﾘ
　 _,`-'''~　　ヽ　li.l　 l'i,-l, l,,;'=＝ﾐ　　` `,;=＝'､l　,､`l　　　　_
<,,,,_　　　　　　`､ l.l　 `'i, `､'i,　　　　・　　　　　/ノﾉ'　　 _／//
　`'-､'_'_'=- ､_　ヽ'il　　 `'iｰ,l`､　　　l￣l　　-'ﾉ-''i'i'i'l~￣`,'iノ
　 , -'　　　　　ヽ､`'l-､-一'`'''`'`'''､-､'-', -.i'~　　.ll l l　.:_ノ~
　'- ､,,,,,_　_,,､ -ｰ`=l`,'_ヽ,　　　　　ヽ. /`'iソ　 l　.l.l l.l-'~
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・　　/　l　ノ, -'一'''''''''''''ｰ`､_　　l-'　ヽ,l,　　i' ・　__　　 _,,,,､､､
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206： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:51:18 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　 __ ＿_　　　そ
　　　　　　　　　　　／　,．　｀ヽ
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　　　　　ｒ＝_―≠/　　￣｀`ー一へ、＿　　　 l⌒l　　　 , -､
　　　　　|　　乂_/　/ 八　　、　、　　＼＿｀ヽ､|　 |　 .／　 .ﾉ
　　　　　`、<　　＞〆､_ヽ　ﾄ､ |ヽ　__∧　ｆ＾くﾉ　 .Lノ　 .／
　　　　　　ヽﾚへ､!Yイ⌒:i.＼| ,ｒ‐'<　〉　.'ｙ|　└-､＼ ∠.. - ┐
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　　　　　　　　|. | `ｰゞ　｀￣　,-‐'´　　＼＼`ｰ'⌒ヽ、_,　-一'ﾞ
　　　　　　　　ゝ|Nゝ仁こ之厂 |　　　　　＼`''ーノ￣
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　　　　　　「この夢に驚いた藤原詮子はまた、離宮の一角において、

　　　　　　　　　一晩のうちに千本の檜が生い茂ったことを知らされ、重ねて驚かされた」

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207： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:51:33 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　　　　「そこで詮子は人を遣わせ、
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |　　　　　　　　　　　比叡山に向かわせたが、
　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |
　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　その使者は途上で戒算上人から遣わされた僧と行きあった」
　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'
　　　　　　　　/ : :,' : : : : : |::::/ : : : : : r---く´ニ＼: ヽ:ﾉ
　　　　　　　､'ｰr,_| : : : : : :|:/ : : : : :_/二ヽ　V: : : : ｀ :´
　　　　　／ :.／￣＞＜ :./ : : : : :/ 二ヽ_」┘: : : ∨}
　　　　 / : : :ム　/ : : : :￣￣￣￣~ﾞ''-ゝ.」: : : : : ∨ :}
　　　　{ : : : : : :＼､ : : : : : : : : : : : : : : : :＼. : : :∨ : :l
　　　　ヽ: : : : : : : :￣"＼ : : : : : : : : : : : : : : : ／ : : :{

　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　, ィ´: : : : : : : : ヽ、
　　　　　　　／: :/:/ﾆVi:ﾄ、=＼ﾆ＼
　　　　　　 /ﾆ/７/　　　l:|　＼: :ヽ:.:ﾍ
　　　　　　ﾚ': : i::l　　　 i:l　　　ﾍ: :i: :|　　　　　　　　　「うまいこと鉢合わせたものね」
　　　　　　 i/:./:!:l　　　 }:ﾄ、　 }:ﾊ:!: i
　　　　　　/:./Aﾘ‐ｚ'´ 　ﾘ　二_ｷ|:l: :!
　　　　　 {:.{:.ｲ　r=＝、　 '~￣` |:|'^i
　　　　　　ﾚ|〈ﾊ　///　、　///　ﾚｊｿ
　　　　　　ﾚヽﾍ　　　-‐┐ 　 /:!::|
　　　　　　　　 |: : ＼　`¨´　／:.:.|:.l
　　　　　　　　 |: : i: |:`ト - イヽ: : |:.|
　　　　　　　　 |: : |/^＼　／ `Ⅵ :!
　　　　　　　___| : ﾊ　<> M　<>/ l:.ﾄ、
　　　　　_ィ´／|: ,' ∨三V三∨　i:.ﾄ -`> 、
　　　　「　　　 |/　　 L/i|ヾ」　　ﾘ　　　/ヽ
　　　　 |　ヽ　　　　　 |l　o　　　　 ∨　 l
　　　　 |　　∨_ oニ] 　∥　　 [__ o__」 | i　|
　　　　 |　　 {| |　|　|　　|ｌ　　　|　|　| |ﾊ l　|
　　　　 |　　 i| |　|　| 　 ∥　　 |　|　| |　l}　|
　　　　 |　　ﾍﾑ-‐┘　 |l　o　　￣`ヽ / 　|
　　　　 |　　　ヽ、　　　∥　　　　　ノ　　l

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　／　─　　 ─　＼　　　　　　　　　　　「まぁそこはそれだお」
　　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　　＼　　　｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　／　　　　ー‐　　　　＼

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208： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:52:00 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　「二人の使者はお互いにこの不思議な話を語り合い、

　　　　　　　　　　　　やがて彼の霊地に、彌陀立像は安置されることとなった」

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　　　　　　　　　　　　　　『まぁ実際は戦に本堂が焼かれたりであちこち転々としてるんだけどね！』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐=ﾆﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 |＼ヽ}/|　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ' ¨￣￣¨ｿ┴‐-　． {　〉　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'7´/７､【安置】　＿　｀ヽ}／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //// Χｊ／ｊ／-‐　〈　 y‐､(二ﾐ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊﾊ i/j/,:‐､　　,:－､　｝ ./＾ } } 　 }｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ　｛ﾂ　弋丿　弋__丿　 }/　 / }　ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　.　ゝ^＼八　''　､_,､__,.　'''　,:=/　 / 八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ { >'ゝ.　 |:::::::| 　〃人__/」{　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y´　　 ` .`ﾆ´ ＿／　　　人　ヽ丶.　　　　　　　『実にマッポーめいてるよね』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐<ﾆ=ζο´〈人　　／　＼＼　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く三彡'爪`´: : : :`T::i　　　　　ヽﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　 /| |{:.厶l_i〉 : : : : : i :}　　　　　　　 }i　}ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jﾉjハ:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ ;〈＿__ ＼　　　ﾊ　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　 ////////////∧　　￣`ｰ､/　ｊﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　劣心｀> く/ZZz/////////人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵi為/∧⌒ヽ>ミ////////／7｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵi丞/∧ ／　｀¨￣￣¨´7ZZ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　守i為／　　　　　　 {///｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`¨´　　　　　　　　 `¨´
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　　　　　　　　　　　　　　　　　「この霊地が、現在の真如堂の場所であるとされる」

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209： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:52:18 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「前回登場した浄土宗の開祖法然、浄土真宗の開祖親鸞は

　　　　　　　　　　　　　　　いずれも比叡山を降りた後にこの真如堂で修業を行ったとされる」

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　　　　　　 i::::::::::::. :i: : : :i!: : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　 |::i::::i|::: j|: : _｣L: -‐__┤: : : : : : : : :.
　　　　　　ﾚﾍ＝=ミ＾´　≠笊ぅﾌ|: : : : : : : : : :.
　　　　　　　|::::::代てぅ　　　｀￣´ | : : : : : : : : : :.
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　　 !∩|.}. '"旬ﾞ`　　 ./''旬 ` f＾|
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.　　ヽ.ヽ　　　　　　 {:.　　　ｌﾘ
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　　　 !|　ヽ.　　ｰ=＝=- 　 /
.　　／}　　＼　　ｰ‐ 　 ,ｲ
　__/　∥　 .　　ヽ､＿!__／:::|＼　　　　　　　　　【親鸞】
　/i 　 |!　　i　　　　　 :;::;:::::::ﾄ､ヽｰ
　│　.|　 i　l　　　　ノ ,'　　 :ｉ　 i
　ﾉ　 |- ⊥.｣__　　　 /_,.　-‐ |　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「二人は師弟なんですよね～」

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210： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:53:08 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「わけても法然は、真如堂で修行三昧の日々を送っているある日、霊夢の中で阿弥陀仏より」

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　　　　　　　　ただたのめ　よろずのつみはふかくとも

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　わがほんがんのあらんかぎりは

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐=ﾆﾐヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 |＼ヽ}/|　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ' ¨￣￣¨ｿ┴‐-　． {　〉　／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/'7´/７､／ ,／∠＿　｀ヽ}／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //// Χｊ／ｊ／-‐　〈　 y‐､(二ﾐ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊﾊ i/j/,:‐､　　,:－､　｝ ./＾ } } 　 }｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　fヽ　｛ﾂ　弋丿　弋__丿　 }/　 / }　ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　　　.　ゝ^＼八　''　､_,､__,.　'''　,:=/　 / 八
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ { >'ゝ.　 |:::::::| 　〃人__/」{　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y´　　 ` .`ﾆ´ ＿／　　　人　ヽ丶.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐<ﾆ=ζο´〈人　　／　＼＼　丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　く三彡'爪`´: : : :`T::i　　　　　ヽﾊヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 jﾉjハ:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_ ;〈＿__ ＼　　　ﾊ　!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　劣心｀> く/ZZz/////////人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵi為/∧⌒ヽ>ミ////////／7｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵi丞/∧ ／　｀¨￣￣¨´7ZZ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　守i為／　　　　　　 {///｝
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　　　　　「という歌を授かり、真如堂のすぐ近く、現在の金戒光明寺の場所に庵を結び、浄土宗を立ち上げたという」

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211： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:53:26 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「そしてその法然の教えに感銘を受けたのが、

　　　　　　　　　　　　　　今から紹介する親鸞だ」

　　　　　_　　
　　　　　| ) /.y )_　　　　　　／￣￣＼
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　　　　 y ´,/　r ).　　　 |　（__人___）　　|
　　　　　', 　　　}/ 　　　 |　　　　　　　　|
　　　　　.j　　　 j.　　　　 |　　　　　　 |
　　　　jく、　　r.　　　　　　|　　　　　 |
　　　 ∧;､｀ヽ≧　　　　　　,ｨヽ　 _,__　ｲﾄ、
　　　/∨/7ゝｲv'´｀¨ﾆ=ﾆ7 1`‐-.,___ ,.." 八､_
　　 / ;厂////::ヽ;////////ﾍ　　ハ　　ﾊ////７ァｧｭ、
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　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　「何度か言ってるけど、
　　／. 　　　（　● ）　ﾉヽ　　（ ●　）　　＼
　　|　　　　　 ´"''"　　　, 　　 "''"´　　　　 l　　　　　　　　　　　浄土真宗作った人だお」
　 ..|.　　　　　　.（　　　 j　　　）　　　　　　 .|
　　|.　　　　　　　｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′　　　　　 l
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　　　　／ヽ　　　　　　　　　　　　　　　イ＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼

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212： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:53:37 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「親鸞は法然に心服していること甚だしい、

　　　　　　　　AAがふんだんにあったら法然をイ○ロー、親鸞を川○にしたいくらいだ」

　 /　　　､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　　　　　 /:::::｀ヽヽ　　　　　ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　　　　　　　 i
. l. /:::::ヽ .l　　　　　｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　　　｀ヽ　　　　　　　　　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　　　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　　､　　／　　　　　　／
　　i　 l　　　 l-―‐''´　　　 ',.　　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　　／',　　　ヽ-‐''"　　　　　　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　　／　　',　　　　　 ,.-''"￣ヽ　 ./　　　／
　　　＼｀ヽ　　ヽ__／　　／ヽ.　　　　｀ヽ　　　｀ｰ'　　　 {
　　　　　＼ヽ　　　　　　　ヽ　　｀　　　　　ヽ　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「おいおい親鸞は恋する乙女かお」

.
213： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:53:47 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　,．-‐　　　　‐=ミ
　　　　　　　　　 ,，　　　,　-‐　　　 ‐｀ヽ、
　　　　　　〃　　／　　　　ｉ　　　　ヽ
.　　　　　　　 /　　〃　　　 /　　| i | 　　 ‘，
　　　　　　 ′ 　 ′ 　　 /　　/ | |ﾉ　　ｉ: 　 :.
　　　　　　 .　　/ / 　 i 　厶-‐/ ハﾊｉ､-|:: 　 }ｉ
　　　　　　 ,　／ｲ　　.:| /j/}／ /　∧ヽﾄ､!::　八
　　　　　 ,〃´.:　|:.. 　 |' yfﾁ斧　　　斧Y|::ｉ /ｉ{
　　　　 /　 .:::::/|:i: 　 | ゛弋::ﾘ　　　ﾋﾘ' |ﾉ' j八
　　　　,　i:　:::/{从ﾄ､:.{　　　　　　 ,　　 ,i ｉ/
　　　　 { ,ハ:. 　ヽ　__｀　　　　　　　,　　八|
　　　　ﾚ　ヽﾄ､　ヽ |: 丶　　　｀　　／ }| |
　　　　　　　＼ {ヾｰ-　≧=‐- く{/'j八{　　　　　　　　「？」
　　　　　　　　　　　ｿ　　　　| i ﾄ､
　　　　　　　　 , イ　　　　　 | i |　ヽ､
　　　　　 r＜　　｀ヽ、　　　 jY＾ヽ__.ｲ｀ヽ
　　　　　 |　｀ヽ、　＼　 / ヽ={ ｀寸.:　i
　　　　　 |　　　 :. 　　 ∨　　V∧ 　:i　|
　　　　　 |　　　　 i　　　　 _　　ｉ/∧ xﾍ |
　　　　　　:.　　　　 :.　　 /,心、|//∧ﾐ心.

　　　　　　　　　　　 ‐=――ﾆ=‐
　　　　　　　　　　ィi〔//{　　　＞｡./ ＼__　　　　　　　　「？」
　　　　　　　　／//}＞'i　　　　 l　ヽ／＜ヽ
　　　　　 r‐=≦/　 {　　|　　　 |　　　　＼
　　　　　 |　 {　　　ｉ　　|　　　 |　　　 l　　ヽ
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　　　 |　　　 |　　　〈
　　　　　 |　 |　　　 |　　|　　　八　　 !　　 / /ヽ
　　　　　 |　 {　　丁￣{　　　 /￣￣　}　　/ /　/
　　　　　 { { ‘，　　,x笊うﾐ　 /,ｨ斧丐/　 / /　/
　　　　　 {{ ',　，　ゝVツ　ヽ/ 　 Vツ/　:/ /　/
　　　　　 }}　ﾟ。＼_＼　　　　　　〈/ / /　/|
　　　　　 l!　　＼ {　＼　　 '　　　／ /　乂ｨ｜
　　　　　 |　　 //|　 |　へ　 ^　,ィ /／　}//ﾍ :|
　　　　　 |:　　{/,'|　 |//{ﾆ≧≦ﾆ}77{ 　:|///} |
　　　　　 |　ィi〔｜　{///ヽﾆ／ ///{　 :|///} |
　　　　　 |/ニﾆﾆ|　 i ⌒＼ｉ:ｉ／ゝ< i　 :|=:＞｡!
　　　　　 {ニニﾆ:|　/　　　 T　　　　:l　 :|ニニ:}

.　　　　ﾄ､　　　　　　　　　　　　ﾟ｡. .、
　　　　　　. .＼　　　　 .　 -‐━‐-ミﾟ. . ＼
　　　　　　 . . . ＼ .......................................｝. . . .　　　　　　　　　　　「？」
　　　　　　　. . ／..........................................＼__ﾉ....＼
　　　　　　　.......................ﾄ､.........＼...................................
.　　　　 /................/l....|　　...........ﾟ｡ ................................
　　　　 /................/　....|　　＼.......ﾟ...........＼ ................
　　　　　′..../.......′ |...|　　　__丶 ................ ﾟ｡..............|
.　　　 ......../........___　|...|　 ´ 　　＼{、..... |..................|
　　　　 ....../.....´｛　　､{　　　 ≫=ミ＼...|＼〉..........|
　　　　 |.. ′.... ｛ｘ=ミ　＼　　″ト{:::心. }ハ |^ ........|
　　　　 |..｛l......... 《ト{:ﾊ　　　　　　Ｖこﾂﾉ′....|ぅ｝......|
　　　　 |..八 ... ハ　vツ　　　　　　 , , , ,　　｝..|ノ........
　　　　 |′　..｛........　' '　 ′　　　　　　　 . ｝..|......... ′
　　　　　　　　И..人　　　　 _　　　　ｲ. ｝..|.........
　　　　　　　　　　个...　　 ´　　　／｛. ｝.ﾉ.......｛
　　　　　　　　　　　 |.......＞　 _ .　　　__」................｛
　　　　　　　　　　　 |.....|.........r‐L.　 ´　　＼ ....... ｛
　　　　　　　　　　　 |...∧....ノハ　　　／::::::::::.........｛
　　　　　　　　　　　 |/ ／x介ｘ.ﾟ｡_／:::／⌒⌒ヽ..｛
　　　　　　　　　　　 | ｛　《_ﾊ_}}　/:::::/　　　　　 .｛

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214： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:54:06 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　＼　　＼
　　　　　　　　　　　 .（●）（● ）　u.　|
　　　　　　　　　　　　（__人__）　u　　|　　　　　　　　　「まぁそんな話はともかくだ、親鸞について見ていこう」
　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 { 　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　{ 　　　　u.　/
.　　　　　　　　＿＿＼　　　　 /ﾘ厂`'‐- .._
　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
.　　　　　　　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __
　　　　　　　　　　　　　　,, -　一::´:::モｚ- ,,
　　　　　　　　　　　　／:::::, r ´::ミヾﾚ::::::::｀::::::＼
　　　　　　　　　　.／:::::／::::::::´::::::::::ヽ、x,＝ﾆ辷-z...、
　　　　　　　　　 /::::::,/::::::::/:::,::::::::__::::::j::::::_:::,::i,:::i｀:｀x,ヽ、
　　　　　　　　 ,:′:::,i:::::::::/::::,':::::/≡ヽJ／=ヽ:::i,:::i:::::',｀辷,
　　　　　　　　 i:::::::.i:::::::::/:::::,'::::/　　　　　　　',::::i,:::i:::::'i　',::',
　　　　　　　　,i::::::::i::::::::/:::::,::z==x　　　 ,x=ｚ,,.i:::::i,:::i:::::i　 i;::i
　　　　　　　　i::::::::i:::::::,'::r''´::　　　　　　　　__ ''::::i::::i:::::i,　 i:::i
　　　　　　　　i:::::::i:::::::i::::::,' ｒ⌒ミ　　　　,ｨ⌒ki:::i:::::i::i::|　 .i::l　　　　　「そうですね、そうしましょう」
　　　　　　　 .ﾉ::::::i:::::::i:::::i'i:{ ﾏﾑｿ　　　　ﾏｿ }i:::i:::::i:i.l::|　 .iｿ
　　　　　　 ./:,:::::::i::::::::i::::i::::|　　　　　　　　　　{::::i:::::i:i .i;|　ノ´
　　　　　　/:/::::::/:::::::::i:::::i:::i　　　　　　j　　　.l:::i:::::i、ﾘ
　　　　　/::/:／´￣　',:i:::::i:::',　　　､　,　　（.V:::i::::/　ヽ
　　　 /::/:/　　　　　.i:i:::::i:::::、　　　　 (＼ヘ V／　　.i
　　　 /:::/:::i　　　　　 iヽ:::'r::::', ｔ｀　- イ＼ヽ.k ヽ, {ヽ,.i:{,
　　 ./:::/::::::i　　　　　 l./ >' >､::ﾏヾi: と二´ｧ　　　｀ヽｘ::::,
　　 i:::/i::::/:i　　　　ヽﾚ /　/　 7｀　l　l　l_,,＞　　　　',::::i,
　　 .ﾘ　i::ji:::}　　　　/ ./　/ 　 ,l　　l　 l　ー´l'＾ Tｰ-ｔ　 i:::::i,　
　　　　ﾚ i/　　　 ,' ,:'　 ,′　,l　　l　 .l　 l,　 '. 　',　 '.　i ﾙ'i
　　　　　/　　　ノ ,'　 .,′　,l　　l　　l　　l,　 'i　 ',　 }/´　

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215： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 07:54:48 ID:PzyNh9aM: 一時中断。
ちょっとしたら再開しますです。
216：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2016/03/14(月) 08:29:30 ID:gDJx.UcQ: うっす。朝早くからお疲れ様です。
217：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2016/03/14(月) 08:34:38 ID:61PJ0pFI: 了解です、帰ったら続きを読ませていただきます。
218： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:00:58 ID:PzyNh9aM: 再開します
219： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:01:21 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　「生年は承安三年（1173）、没年は弘長二年（1262）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　九十歳くらいまで生きた、この時代ではとんでもない長命だな」

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.　　 !:::::::::|　 ∠三三三ヽヾ　　ﾂ∠三三三ヽ　 |::::/
　　/｀ヽ::::|　　'"　㌫ﾘ｀ヽ　　　　/　'"㌫ﾘ　｀ヽ　.|/｀ヽ
. 　l　{ヽ V　　　￣￣_,,..-'　　 i　ｰ.,,_￣￣　　 |/l　 |
.　 !　､{ }　i　　　　　　　　　　　 |　　　　　　 |y !　!
. 　ﾍ　∨} |　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　 |// /
.　　ﾍ　ヽ.|　　　　　　　　　　　 |　　　　　　 !/ /
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　　　　　|::|ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　 ,i
.　　　　　!:!　ﾍ　　　 'ｰ-=ニニニ=-‐　　　 ./:|
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...　／　　 .|　　;;;　　＼　　　　}　　　　／:::::::::::::|i:::::::＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　「産まれたところは山城国宇治郡醍醐村日野、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　生家があったとされる場所には現在日野誕生院という寺が建てられている」

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【山城国宇治郡醍醐村日野】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　　　現在の住所で言えば京都府京都市伏見区日野西大道町になります。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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220： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:01:52 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　／　_ノ　ヽ_　＼　　　　　　　　　「幼名は松若磨・松若丸・十八公麿などの説があって
　　　　　　 | 　（●）（●） |
　　　　　 |　　（__人__）　|　　　　　　　　　　　　　どうもいずれも決定打にかけるというか」
　　　　　 |　　｀⌒´　　|
　　　　　　 |　　　　　　　}
　　　　　　ヽ　　　　　　.}
　　　　　__,_,,.ヽ＿　　　ノｰ- ､
　　　　ハ　　/ 　Ｖ又ｲ ::::〉::::::i:
　　　　 }　ヽ〈　　 l |;;|ﾉ　/::::::::::i 　-,,_
　 r iY'ﾉ.;;　 }::ヽ　　l|;;|　/::::i::::::::}‐　|　||
　.|| | ﾉ:::: 　 }:::::::＼|;;;ﾚ'ｰ'' ⌒.:::: ヽ |　||
　.|| | {,,;;;; .:::: ヽｰ---ｹﾄ､, へ､:::: 　 |　||
―──.::::::::::::ノ.:::/　/　　　彡}――─────
　　　　 "￣｀ﾞﾞ ''ｰ-､'ー----'

　　　　　　　　 /: : : : :／: : : : : : :,､: ,,､: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　 /: : : :／: : : : :/: ／ " ||"ﾍ: : : : : : ﾊ: : ',
　　　　　　　　　i: : :i:./: : : : : :ｲ／　　 .||　ヽ : : : : : ﾍ: : }
　　　　　　　　 |: : :ﾚ: : : :/:〃/　　　　 ||　　 ' ,:ﾊ: : : : ∨:|
　　　　　　　　 |: :./: /: :// /'　　　　 ||　　　ﾊ: :i : ﾄ: :∨!　　　　　　　「どうしてそんなことになっているのですか」
　　　　　　　　 |: /: /:才ｰ/―‐-　　　_|L -―‐ﾑ:ト: ﾊ: :V
　　　　　　　　　∨:ｲ: :ﾑ_＿_=､‐　　　 |! -,=＿__ﾑ!: :|::',: :!
　　　　　　　ｲ:/!: /灯ﾘて､｀　　　　,'　'乍た｀∧: ﾄ､: :|
　　　　　　　　　ﾚ |:./ ' 弋歹　　　　　 'ﾋ汐　' 从!ui:/
　　　　　　　ヽ|/ﾑ　　　　　　　　　　　　　　ﾊ:レ'!'
　　　　　　　　　　　}ヽﾊ　　　　　　　'　　　　　　　/´':/
　　　　　　　　　　　ﾍ: : ヽ　　　　ー‐　　　　　 /: : /:|
　　　　　　　　　 |:', : : : ＼　　　　　　　　／/: :./: !
　　　　　　　　　　 |:ﾍ: : : : ',: i＞､ _ ,　＜:´: /: ::./: :|
　　　　　　　　　　　 |::∧: : : ﾊ｣　　　　　　|､:./: : :ｲ: :.!
　　　　　　,r ＝≦'ー―ﾑ: : : :',.≧ ､___　≦ Y: : : :ﾊ: :|
　　　　　/. . . . . . ヽー＝ﾊ: : : Kク. ﾉiiヽ.<ﾍ.{: : : ﾑ: : |
　　　 /. . . . . . ＼ﾊ. . . .∧: : |. ../≧≦､. ..|: : :ｲ　｀ ! ､
　　　　{. . . . . . . . . . ヽL. . |.∨:|. ﾑ7∧ﾋへイ: :/. ｀＞､　｀≧､
　　　 {. ／. . . . . . . . ＼∨. ﾍ: !. ./i{ |ﾊiヽ. .|: /. . . . . . . ｀´. /∧
　　　／. . . . . . . . . . . . .＼. ∧|./iii|. ||.ﾍii>.|/. . . . . . . .i. . ./ . . i
　　 / . . . . . . . . . . . . . . . . ﾍ. .'!. . . . .||. . . ..'. . . . . . . . . ∨. . . . |

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　【あずサポート】親鸞さんの名前
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　幼名の若松丸、十八公麿から範宴さんになり、次に綽空さんになり、善信房さん（藤井善信）になり、
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　最後に親鸞さんになります。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　今回の解説でも名前は変わっていきますので注意してくださいね。
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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221： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:02:12 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「浄土真宗の各派が

　　　　　　　　　　それぞれ書いてる親鸞の伝記に色々書いてあるからだよ」

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 -｀　⌒　ヽ､_　　　＼
　　　　　　　　　　 ´ 　 ●）(● ）　　　 |
　　　　　　　　　　（_人＿)　　　　｜
　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 u. 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　　　　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　　　　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i

　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ‐､
　　　　　　　　　　　　　,ィ　／ﾍ::::iﾆ`=､　_
　　　　　　　　　　　／　／／　.|::::|::`Y::::ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　／:::::.//:::::::ヘ|::::|::::::::::::::::＼::::＼　　　　　　　「あら～」
　　　　　　　　/:::::::::.//／ヾミ∨彡∨:::::::::::∧:::::::
　　　　　　.　 /:::::::::::/　　　　　　　　 .∨:::::::::::::∧:::i
　　　　　　　/:::::::::./　　　　　　　　　　.∨:::::::::::::∧::l
　　　　　 .i:::::::::::ト‐-- '　　　　　　　　.∨:::::::::::::::|:.}
　　　　　　 |:::::::::.| ｒtｪs､　　　　､.　　　　}::::::::::::::::::|il
　　　　　　 l:::::::::.l. 　辷　　　　　　￣`ヽ |::::::::::::::::::||
　　　　　　 ∨::::.|　　　　　　　　'´气ミ､│::::::::::::::::il
　　　　　　 /:::::::l.　　　　　　　　ヾノ仆.::::::::::::::::/
　　　　 /:::::::::ﾍ　　　`　　　　　　　/::::::::::::::::::ｲ
　　　　　/:::::::::::::.∧　 ´` ‐-､　　　 /::::::::::::／::::.|
　　　.　/::::::::::::::::::.ｒヽ　　　　　　　,ｨ'::::::::.／:::::::::::|
　　　　:::::::::::::::::::::.`Y　＞-　＜　 /::::::イ::::::::::::::::::|
　　　 i::::::::::::::::::::::::|　|　|　|　|　彡Y‐-､::_ __::::::::::|
　　　　|,　ｨ=　￣イ　/　|　|　 |　| 　　/´ 　　　ヽ::|
　　 /　　/　/ 　/　/　.|　|　　| 　| 　.{　　　　　　＼
　 /　　./／　 /　 /　 /　 |　　|　| 　.|　　　　　　　＼
. /　 .／　/　/　 /　　/　　|　　|　 |　|　＼　　　　　　＼

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222： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:02:29 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　（＝）（＝）／　´／ /)
　　　　　　　　　　　（__人＿） {　　 , ' ´,/　　　　　　「親鸞聖人が著した著書はあるんだが、
　　　　　　　　　　　　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　　　　　その中には自伝的なものというのが殆ど無いんだよなぁ」
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　　　　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　　　　　　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

　　　　　　 |ﾆﾆﾆ人　　　 .　　-‐…　…‐-　 .　　/ﾆﾆﾆﾆﾊ
　　　　　　 |ﾆﾆﾆﾆﾆ　 ´　　　　　　　　　　　　｀　ﾆﾆﾆﾆﾆ|
　　　　　　 Vﾆﾆﾆ／　　　　　　　　　　　　　　　　ヾﾆﾆﾆ|
　　　　　　　V ﾆ　　　／　　　　 |　　｝}　　＼　　 Vﾆiﾘ
　　　　　　　 ∨　　　　　/　　　　 |　　｝}　　　ﾟ｡　　V/
　　　　　 /　　/　　 ′/　　　ハ　 ′　　　　ﾟ
　　　　　　　 / 　 .斗,/|　　　　　V / -‐-ミ　　｝　　＼
.　　　　／　　　／　 |　八　 / 　厶｛＼　｛＼丶｝
　　　　　 |　　 i　 /　斗ﾃぅxV 　　　斗ﾃぅｘﾟ｡　　　　　　　　　　　　　　「ダカラホカノヒトガ　イロイロカクノデスネ」
　　　｛　 l|　　 | 　〃んハ　　　　　んハヾＹ　　　　　 |
　　　｛　 l|　　 |　{ 八乂:ツ　　 ,　　　乂:ツ　八　 |　　　　|
.　　　　　八　　|　{　　　　　　　　　　　　　　　八　　八
　　　　　　＼｛⌒＼/i/i/　　　　　　　 /i/i/ 厶イ　　）／ﾟ｡
　　　/ 　　　　ｰﾍ　　　　　　っ　　　　　　厶ィ′　　　　ﾟ
　　　　　　　 ′ 　人　　　　　　　　ｲ
　　｛　　　　 /|　　　　　 .　　　　　 . イ　| 　　　　 |　　 }
.　　人　　　八　　　|　　　　i≧=‐=≦　|,ﾉ　八　｛　ハ　八
　　　＼　 |　　　　ﾄ､　　ハ、　　　ノ　 V 　＼｛　/
.　　　　＼{＿_　＼｛ _＼ノ　　｀TT ´　　　|　 /　｛./ｰ-ミ}/
　　　　　　 /　　　　|　　　、　　 | |　　　 }／　　｝
　　　　　　　　 |　　　　＼　 | |　彡　　　　　/　　　　　i
　　　　　　|　｛　　　　　　　　ﾉ八　　　　 /　　　/　　|
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223： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:02:53 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「父親は日野の貴族である藤原有範、母は清和源氏の一族の一人吉光女という女性だとされる」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《
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　　　,　--─────-　.._
,　'"´..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..｀ヽ
..:..:..:..:..:,,r=＝彡彡ｨソｨ..:/ノ小jj::}　 _ｨ〈
..:..:..:..:..:.{　＿＿　　´´ 　￣　ｌ! _ﾉ　 7
..:..:..:..:..:..i　　　　￣ _,,j |　´￣ i　ﾌ ,ｨi′
..:..:..:..:..::/ ィ二ニニン/ ハ二ﾆﾌ　l/　　　　　　　『出番終了！』
⌒ヽ..:../ 　 ''"_○_ヾ　　〈○｀{
/^!i |..:.|　　　ー一:::::::.　　ヽー |
r' ﾉ |..:.|　　　　　　　　　　 ',　|
{　ゝﾚ/　　i　　　　　〈-､ _ノ　j
..ヽ､__,　ヽ |　　 ,,ｨｉｉｉｉｉｉｉｉｼｉiix　,'!
..:..ﾘ　 '､　ヽ　　　(二二二j　,'/　　　　　【藤原　有範】
:.ｿ′　｀､　　　　ｰ-;;;;-　 //
″　　　 !＼　　　　　　　 /
　　　　i　l　　｀丶､　　　　 /
　　　　ｌ　l　　　　　`　T"´

　　　　　　　　　　／　　　　　＿＿＿＿_＿＿＿　　　　　＼
　　　　　　／　　　 _, イヽ　/　＼:　　/＼　　＼　　　　　＼
　　　　　　　／　　　.x＜ｌ　/　 ∨　　　＼/:　　＼　∧＼　　　　　　＼
　　　　　　/　　　／/ 　 ∨ イ¨￣￣￣￣￣￣ `＜　ｌ　/＼　　　　　　ヽ
.　　　　　 {　　／　/＞'´ //│ :/　 {　ヽ　＼　　l　＼/ 　 !＼　　　　　 }　　　　　『同じく！』
.　　　　　 ∨ /|/／　//│|　|　{ 　ハ　 |＼.__ヽ_│　　|＼　|／|　　　　 /
　　　　　　 ∨／//　| ｌ　ﾚ| 十ハ {　＼{ 斗z ､}｀|　　│/ ＼ │ 　　 /
　　　　　　 {/　:| l　 |│小V,仟ラﾄ　　　 fう外Ⅵ　　 |// 　〉{　　／
.　　　　　　ヽ　l∧　l∧: ＼{ r'::::j|　　　 r':::::j| }/　　Ⅳ　／ ∧／
　　　　　　　＼|　ヽ.ヽ＼{ 　VZﾘ　　　　 VＺ:ﾘ/　　 l ／|　　 |
　　　　　　　　　＼　＼{ヽハ　　　　 ,　　　　 /　　　ﾙヘ|　　 |
　　　　　　　　　　　l7　 l　　ゝ　　 Vフ　　 / 　　 ∧.／|　　ﾉ
　　　　　　　　〈　　| 　　 l＞　　＿ ,　ィ/　　　/￣＼j　／
　　　　　　　　　　　＼ j∧　　Ⅳ 　ﾑ　　 '/　　 ∠ﾆﾆ戈＜._
　　　　　　　　　　　　　＞ﾍ　 |ﾍ　　V　　ｲ　／／　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　 /　　 ∨＼}　人二7|／／　ノ　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　/　　　　 x-j∠厶.厶_／　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　 |　　　＼/　　　 L｣　　＼　　　　　　　､　│　　　　　【吉光女】
　　　　　　　　　　／　　　　＼　＿/∧　　ﾉ＼　　　　ヽ∧
　　　　　　　　　　{　　　　　　　/く　/　| ヽ_／＼. ＼　　　　　　{∧
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》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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224： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:03:18 ID:PzyNh9aM: 　　　　「親鸞の父、藤原有範（日野有範）は、

　　　　　　　　　親鸞上人こと松若丸幼少のころに若くして死亡したとされるが」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　｀⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　（●).（● )　　　　　　　　　　　　　「近年では長生きをしたのではないかという説もあるが、
　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =二ニﾆヽ､　　 |　　　　　　　　　　　　これもはっきりとした決着はついていない」
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　二ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　　　　　　　　 /　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　　　　　　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　 _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
　　　　　　　　　　　　　l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||　　　　　　　「ある小説では以仁王の令旨に呼応して
　　　　　　　　　 ,' .:::::::::::::::::/::/ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|
　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::/:::/　　　`‐-､:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:|　　　　　　　　　　立ち上がり、そして破れたとしてあるが
　　　　　　　 { :::::::::::::::::::/::/　　　　　i　`ｰ-,::::::::::::::::| :::::::::::::::: |::|
　　　　　　　　　 l ::::::::::::::::::.. ∧_　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::: |:::i　　　　　　　　　　　その役どころはおそらく叔父からの
　　　　　　　　　〉､:::::::::::::／　＼_`‐- ､___l :::::::::::::::::::::::::| :／:::::::: ∧::}
　　　　　　 /　　￣￣　　､　　　　ヽ　＞:::::::::::::::::::::| ::::::::::::::: r:::::ﾉ、　　　　　　　　　　　　変異だろうと思われる」
　　　　　　　　/　　　　　　　　　}ﾉ　　　　＼ {,{ .{￣j￣| :::::::::::::::: i＜__ }

.
225： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:03:33 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　「それでも母親であるところの吉光女は

　　　　　　　　　　　　　若松丸幼き日に死去したということへの異論は殆ど出されていない」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　-、　　　　　　　　　 |　(● ). (● )　 |
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　　　 |　.(___人___）　 |
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　｀ ⌒ ´　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　　 .|　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　ノ＿..ヽ-､′,' 　　　 ',　　　　　　,/'|、
　　　　　　　　　　 .l .＿＿_　ヽﾉ　　　 __ .j '.、__ , ___ ｨ／::L＿
　　　　　　　　　　　Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ::::::::::::::::::::::::::／:::::::...｀' ｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣〕y::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　ハヽ一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r;;;;;:::::::: ',
　　　　　　　　　　　　　 /...::::::;;;;;;;;;;; /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ;;;;;::::::::::::::〉

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／　　　　　　　　 ´￣｀　　　 ´￣｀
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　　　　 /　　　　ヽ　　 /　　　ヽ
　　　　 |　　　　　　　　　　　　ゝ　　ー' 丿　　ゝー'　く
　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ﾊ　ヽ　 |
　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿ノゝ__ﾉ　 |
　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　｀´￣｀´　／　　　　　　　「親が死んで出家するってのは
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 > 　　　　　ヽ　＿＿＿＿＿／　　　　　　　　　　　　確かに一つのパターンではあるお」
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ

.
226： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:03:52 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「さっきも言ったけど親鸞は自伝的な著述は行っていないため、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こうした親鸞について書かれている事柄は
　　　　　　　　　　　　　　　 .／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼　　　　　　　　　　　　　親鸞聖人正明伝などによってたりする」
　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |
　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´ 　　　|
　　　　　　　　　　　　　-ｰー|　　　　　　　|ヽ________
　　　　　　　　　　 /:::::::::、::|　　　　　　 /ﾚy:::::::...　｀' ｰ-、
　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::ヽ__､____,.　"/::::/::::::::::::::..　　ヽ
　　　　　　　　　　　j:::::::::::l:::: ::::::「二二二 :::::::::::::::::::::::::::::::::::　＼
　　　　　　　　　 l:::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::／＼::::::::::::::::::::::/:::::::::::　ヽ
　　　　　　　　　 /::::::::::ｰ-ミ､:::::::::::::／　　　＼｀>- 、::l:::::::::::::::::　 |
　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::ヽ:::／　　　　　／／ノ~ヽ::::::::::::::::::　|
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::／／　　　 |　　j　/ ,y　j⌒ 、::::／::::::∧
　　　　　　　/:::::::::::::::::::∨／___＿＿|＿|＿ ~└t_,.ｲ__√　 }ヽy ⌒ ∧
　　　　　　 /:::::::::::::::::∨　＼　　　　　　　　　　　　　　＼:ﾉ:::::::::::::: 　|
　　　　　　/:::::::::-‐‐┴､　　＼　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::::　|
　　　　　 l::::::::::::::::::::::::ヽ＿＿＼￣￣￣￣￣|￣￣|￣／::::::::::::::　/
　　　　　 ,.ト:::::::::::::::::::::::::::＼￣_`ｰ＼　　　　　 .|　　　|.／:::::::::::::┬＜
　　　　 /　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::＼ ` ､　＼　　　　　　／::::::::::::::::::::::|＞ーー-、

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　【あずサポート】親鸞聖人正明伝って？
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　親鸞さんの代表的伝記の一つです。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　内容には年代など、いろいろと疑問視される箇所がありますし、
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　　　著作者に関しましても諸説紛々といった感じなのですが
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{　　　　　　　　親鸞さんのことはここから入ったほうがやっぱり無難ではないでしょうか。
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.
227： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:04:16 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「あんまりにも親鸞の自述が少ないために、

　　　　　　　　　一時期は親鸞非実在説なんて学説も出てくる始末だった」

　 /　　　､__,,..-''..-､ヽ　　　　./　　　　　 /:::::｀ヽヽ　　　　　ヽ、
. /　　 ,　　　/.{::::::::::} .l　　　 /_,,-''´　　　 l　l::::::::::::ﾉ .'　　　　　　　 '.,
. l _,,.-' -.､　ヽヽ-‐'　　　　 ,'　　　 ‐.､　　ヽ._｀¨¨´　　　　　　　 i　　　　　　　　「おいおい林先生の出番かお？」
. l. /:::::ヽ .l　　　　　｀ヽ　　 l　/:::::::ヽ l　　　　｀ヽ　　　　　　　　　 |
　l ヽ::::ノ　　　　　　　 } 　 / ヽ._::::ノ '　　　　　　　l　　　　　　　　　 /
　ヽ._　/　　　、　　　　ノ　　ヽ._　　 / 　　､　　／　　　　　　／
　　i　 l　　　 l-―‐''´　　　 ',.　　 l　　　　ﾉ ¨¨´　　　　　.,..-''"´ヽ｀"''-..,,
　　.',　ヽ..,,__ノ　　　　　　／',　　　ヽ-‐''"　　　　　　 .／　　　／　　　　　｀ヽ
　　 .ヽ　　,.--..,,_　　　／　　',　　　　　 ,.-''"￣ヽ　 ./　　　／
　　　＼｀ヽ　　ヽ__／　　／ヽ.　　　　｀ヽ　　　｀ｰ'　　　 {
　　　　　＼ヽ　　　　　　　ヽ　　｀　　　　　ヽ　　　　　　　ヽ

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【林先生？】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　　ネット上で様々な相談などを受けている一部で有名な精神科医の先生です。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　　　　　　　”統合失調症の弟が自分の生活に合わせて嫌がらせをしてくる”という相談に対して
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　　　　　 ”まさかとは思いますが、この「弟」とは、
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　　　　　　　あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることに

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほぼ間違いないと思います。”と回答しネット民を震撼させました。

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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228： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:04:33 ID:PzyNh9aM: 　　　　「さて、松若丸は九歳の若さで比叡山のお山に登り、天台座主慈円のもと得度をし名を”範宴”とした」

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　　　　　　　 ,..-一ｰ''ﾞﾞ￣~ﾞ'''ｰ- ..、
　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;. ＼
　　　　 .,i";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;ヽ
　　　　.|丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
　　　　l丶;;;;;;;/!ﾏﾀﾞﾞ'''!ﾞ'V┐;;;ii―=i,xri-､;;ヽ
　　　　|;;;;;;;;;;;,!　　　　　　ﾞﾞ.!;lﾘ　　　　.!;;; !
　　　　|;;;;;;;;;│　　　　　 !′　　　　 .!;;.l'
　　　　.ｌ;; ∴/ｨ,ﾆ'';;;;;;;;,y．　　.uｪ;;ijﾆﾆﾆ以
　　　　］/'.ｌ.|　 'ﾞ.ｌ,,ﾉ゛　　　　."　l ﾉ"　.l､.!
　　　　 ,!ﾞ .川　｀ﾞﾞﾞ'ｰ　　　　.!‘''￣´　 .l　l
　　　　ヽゝ　　　　　　　 |　　　　　!.|lﾞ
　　　　　.'Ｌヽ　　　　　　　　　,　　　　 lﾞ/
　　　　　　ｌ'ｧ.ｌ　　　　　　｀..'"　　　　.|’
　　　　　　.ﾘ　ヽ　　　 .ｰ=＝=-　　　/
　　　　　 /'ﾞi　 .ヽ　　　　......．　　 .,┤
　　　　 /゛ .i′　＼　　　　　　 / ; |｀'､
　._..-''ｱ　　ll　　ｌ　　.＼、 ." .,／;;;;;;;;l.ｌ　＼
｀　..　lﾞ　　.!|　　..ｌ　　　 .｀ﾞﾞ´　　;.,;;;;;;;| !　 .ﾞぐ- ..,,_
　.″/　　 |　　.i　.ｌ　　　　　　!　 !　 .゛ |　　ヽ.`‐　￣'''ｰ ..、　　　　　　　【松若丸あらため範宴】
　　.lﾞ　　　! 　..,|___.ｌ　　　　　′ l゛　＿...ｌ　　　ヽ　 .―　,,,,　｀''-､.
　 ./　　　.|,,,　　　￣ﾞﾞ^" ...,,,　.,ｒ'"￣　 .,,〕　　　ヽ　　　　｀''ｰ..,、
　/　　　　l　　　　　　　　　 : ! 　　　　 !　　　　. ｌ　　　　　　　゛
,/　　　　　!　　　　　　　　　　! 　　　　ｌ　　　　 .ヽ
　　　　　　|　　　　　　　　　　l　　　　　　 .ｌ　　　　　..ｌ
.ﾌ'''ｰ､,　 .,!　　　　　　　　　　l　　　　　　　!　　 .,／゛
　　　　.ﾞ> .|　　　　　　　　　　　　　　　 ! .＜,,_
　　. ／　 |　　　　　　　　 !　　　　　　　..ｌ　　 .｀''ｰ............,,,、
-.　　　　　.l　　　　　　　　　　゛　　　　　 }　　　　 ./ 　　　l
,,..ﾐi､　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　　　.,イ----- l
　　 .ﾞｭ.　　 ..!　　　　　　　　/ 　､　　　　 |　　 ./ 　　　　　 !
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【得度】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　　　　とくど、と読みます。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　　　　　お坊さんになるために髪の毛を剃ったりする儀式のことです。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
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229： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:04:50 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「この時、師である慈円に対して範宴は」

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.`j!'　{! !｀　　　　　 : : : : : :＼::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　ｒ､,ｨi　　 `¨　'¨¨f猫｀: : : : : : :|::::::} i、ﾉ.〉:::::::
　ゝ.//〉　　　ー¨￣￣　 : : : : :iミく　〉 /::::::::::
. ｀¨∨/　　: .　　　　　　　　: : : : :ゞ".〈_/::::::::::::
　　　Ⅵ　 . : :.　　　　　　　 : : : : : : : }::::::::::::::::::
　　　 j' "　 : :　　　　　　　　: : : : : : ,' ヽゞ､::::::　　　　　　　　『あすありと　おもふこころの　あだざくら
　　　ﾄ､ _，ｭ　　　　　　　 : : : : : j: : : : : :》'ー
　　　 .i　｀¨ 　 __　-ｧ　　　 : : : : :/: : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よはにあらしの　ふかぬものかは』
　　　　　　ヽ　 -　　　　　 : : : :/: : : : : : : : :
　　　　ヽ　　　ー '　　　　　: :／: : : : : : : : : :
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「と歌を詠んだと言われる」

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230： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:05:17 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「出家した範宴は天台、真言、仏心の三宗に渉って学を修め

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　将来を嘱望される優秀な学僧として成長していく」

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　　　　　　 _,--──-､＿
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　　　/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ
　　 i; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |
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　　|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/| /|;/　 |
　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/ヽ||　´.　 |i
　　 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/　　|)　　　|´
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　/　　　　　　　　　　　　　　／´　　＼
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i　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　 i
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　　　　　　　　　　　| ./　　 /￣　　　　　　|
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　　￣￣￣￣──┤　　　　　　＿_二＞〈
　　　　　　　　　 |　　　　i-二-─´￣　|
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「エリートなのね」

.
231： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:05:55 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　「その間、世は流転を重ね、栄華を誇った清盛も今は昔の語り草」

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　　　　　　　　　　_Y_
　　　　　　ｒ'｡∧｡ｙ.
　　　　　　　　　ゝ∨ノ　　　　　　　>>1が糞スレ　　　　　　　,,,ｨf...,,,__
　　　　　　　　　）~~（　　　　　　　　立てている間に　　　_,,.∠/ﾞ`'''t-nヾ￣"'''=ー-.....,,,
　　　　　　　　　,i　　 i, 　　　　　　　　　　　　　　　　　　,z'"　　　￣￣　／nﾞﾞ''''ー--...
　　　　　　　　 ,ｉ>　　 <ｉ　　文明はどんどん発達し　　 r”^ヽ　　　　　く:::::|::|:::〔〕〔〕
　　　　　　　　ｉ>　　　<ｉ. 　　ていく・・・・・・。　　　　　　入_,..ﾉ ℃ 　　　　￣U￣＿二ﾆ＝
`=.,,ｰ- ...,,,__　 |,ｒ'''"7ヽ､|　 __,,,... -ｰ,,.=' 　　　　　　　　>ーｚ-,,,...--,‐,‐;;:'''""~
　　~''':x.,,　 ~"|{ G ゝG }|"~　 ,,z:''" 　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　 ~"'=| ゝ､.3 _ノ |=''"~ 　　　＜ー＜> 　　　　　　　　／　　l￣￣＼
　　　　　　　 .|）) 　　　(（| 　　　　　　/￣￣ﾞｉ;:､　　　　　「￣￣￣￣|￣|￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　))| 　　　ｒ'´￣「中]￣｀ヾv､　　　`-◎──────◎一'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　├―┤＝├―┤　|li:,
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232： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:06:25 ID:PzyNh9aM: 　　　　「その平家凋落を決定的なものにした朝日将軍義仲も義経との戦いに敗れ粟田の深田に露と消え」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 /　{　　　　　丿ヽ　　　　　　　　　 j
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　/　ヾﾐ三彡''´　,,,,,, ゝ　　　　　　ノ
　　　 . 　　/　　　　　　　　　　　 /　　　　　　／　　　｀ヽ　　　＜´
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　 /　　 z＜￣/´　　　　　　　ヽ　　＼
　　　　　ノ　　　　　　　　　　　　　 /　／　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　＼
　　ｰ一´　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　　　　　　　　　　　　　　　 y　　　＼
　　｀＞　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　　　 /ヽｰ---　ゝ
　　／　　　　　　　　　　　　　／¨/　,ｨ　　　　　　　　　　ｫ' 　.,ｨ　　　 /　　ﾍ
　/-ｰﾆ=-　　　　　　　　 // ソ／/　　　　ｲ　　　　｀メ/　.／/　　　/　　　ｷ
　　　￣｀＞　　　　　　　　　f　 /.r-/　　　／ﾉ　　　／　/斗'　 j　　　/　　　　{
　　-ﾆ二__　　　　　　　　　 {　(　 {/　　／　/ 　／　´￣汽弋/　　／　　　　 ',
　　　　　　｀ヽ　　　　　　　　ﾍ　Y/　／　 /　／　　ゝ､∨　ｲ　／ﾍ　 l､　　　',
　　　　　　ヽ　　　　　／　ゝ/／　　 /／　　　　　　 / x'　　　ヽ.| ヽ　　 {
　　r────┴─､＿Z＿＿/´　　　　　　　　　　 /´　＼　　ｿ　＼　ﾍ
　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣｀／¨¨ﾍ　　 r､　　　　　ノ　　　　　　｀ヽ}
　 |　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　＼　　　 j
　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　／｀ヽ　〉　　　｀　r ´
　/　　　　　　　　　　　　　　　 / 　ﾉ　　/　 /　　　　／
ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　|　　/　 /　　　　 /ｰ- ､＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　 /　　| 　 | 　　　 /　　　　　　　/　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　　 |　　|｀ヽ　. ノ　　　　　　　/　,ｲ ',
　　　　　　　　　　　　 /　 /　　　 |　　|　　　　　　　　　　 /　/ｿ　}　　　　　　　　【源義仲】
　　　　　　　　　　　　　　 /　厶　　　 |　　|　　　　　　　 /　/ .} 　|
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　「義仲さんについてはEP：41に書かれてますね～」

http://copymatome.blog108.fc2.com/blog-entry-8152.html

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233： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:07:15 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「義仲を討った義経も、壇ノ浦に平家を討ち滅ぼした後、我が身は兄の手を逃れんがために陸奥を目指した」

〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　＼
　　, ｨ: : ‐-ヽ　 __,,. -‐ ¨ ￣｀: : .
／: :',: : : : r'´.: : : : : : : : : : : : : : : ｀ヽ
: :: :: :〉､ / : : .r　= ､, : : : : : : : : : : : : }
: :: :/ : : {. : : {. ┃　 }: :: : : : : : : : : : ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
: : .i: : : : ∨: :'､┗ ノ: :: : : : __＞‐彡彡ｰ-　_　　　　　　　　　＿,.ｨ≦´: :ヽ
｀ヽ{: :: : : : 7＝=ー￢: :¨,＞ヾ.ミﾐfﾆ',ﾐ＼: :: :.¨７777＝‐ｧ＜: : : : : : ￣: : ::
　　Ⅶ: :: : {: : : : : : : : ／rｯラ､.ミrｊ/ﾐ: : !｀ヽ ∧ ∨: : /: : : : : : : : : : : : : : :
　　 ∨: :: :乂＿ .　イ　　　　 ,'　　} l. }: :: :: :∧ ∨ヽ､.{: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　ヾ: :: : i ', |∨:;トｬﾕ､.,__ ',　　! l.ﾉ: : : : {∧Ⅵ: : ..i|: : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　　丶、i ',.!≦彳ｰﾞ-゛¨~　 /.イ: : /: : i∧Ⅵ: :ｨ个､: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :
　　　　　　　 {　'l/∧ハ¨´ 　 , ｲ: : }: :/: :: :l∧Ⅵ: :: :.ﾄ､: :: :: :: :: :: :: :: :: :／
　　　　　　 ∨Ⅶ∧: :｀¨ ´: :: :: :,' /: : : : |∧Ⅵ＿__!　=‐-: :: :＿: : イ/∧
　　　　　　　 ' ,∨∧: :、＼: : //: :,: : ': :|∧Ⅵ: :: :: :: :: :: :: :/: :: :: : /}: :∧　　　　　　　【源　義経】
　　　　　　　　＼/∧ ｀＞､∨'ィ´: :: :: : Ⅶ/∧: :: :: :: :: :: :/: :: :: :ノ./: :: :::
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　「諸行無常ですね～」

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234： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:07:28 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「範宴の叔父は、かつて以仁王の令旨に合力し、そして討ち果たされたとされている、

　　　　　　　　　　　　その範宴の目にはこの世の流れはどう映ったんだろうな」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　「以仁王の令旨についてもEP：41に書いてあります」

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235： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:07:41 ID:PzyNh9aM: 　　　　　「世の動乱をよそに範宴は自らの智嚢に思う様学識仏法を詰め込み飽くことはなかった」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　 , '´ ￣￣ ` ､
　　　　　　　　　　i　r-ｰ-┬-‐､i
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　「学僧の鑑」

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236： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:07:56 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「青年学僧範宴は十九の歳にさらなる学識を求め南都を歴訪する」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-''";;;;;;;;;;｀`'ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　 ,!;;;!ﾞ`''～^～ｧrr-'ﾞ`'´''ﾗﾍ;;;!
　　　　　　　　　　　　　　 |;;;|　　　　　ﾉﾘ　　　　　ﾐ;;;|
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　　　　　　　　　　　　　　!(,ﾍ! 　￣'"　　|:::.` ￣　 ,ﾄﾞﾘ
　　　　　　　　　　　　　　ヽﾞ､!　　　　　　!;　　　　 ,ﾚｿ
　　　　　　　　　　　　　　　 `| 　　　 ^'='^ 　　　ﾑ'′
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　ー- ─-:　　/|
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　　　　　　　　　　　　　　 ,..-i|　ﾞ､＼　　; 　／ﾘ.:;! ､
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　　　　　　 /７ニ=''´／　　 /.ﾞ､　　､　　 :::/::::::| i.　　＼　＞ ..
　　　　 ,.イ /　　／　　　　i ＿_､　　__　　/　＿!_|.　　　　＼　　　＞ ..
.　「￣　　/　　　＼　　　　.|　,...-''¨　､ヽ_ '´　　.!　　　 ./ 　　　　＞､
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　　　　　　　　　　　　｀／　　　.／::と..-''´}.　　　 ∨　 /　　　　　　　　 .|
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　「南都ってのは、大和の国、平城京の事だったかお」

.
237： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:08:19 ID:PzyNh9aM: 　　　　「だが、実際に相まみえ、論を交わした南都の碩学達は、

　　　　　　　　　　　　範宴にとってはさほど自らよりも優っているとも思い難かった」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
　　　　　　　　　　　　　　 _...-‐………-..,,_
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　　　　　　　　　　　 l /l|:|　'fﾂ¨`　　 f､fﾂ¨`i,ﾍ
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　　　　　　　　　　ﾍﾆﾍ　　　　　〉　　.!ﾂ
　　　　　　　　　　　　　 !!:i　　､　^ ´　,　　,'
　　　　　　　　　　　 _| ﾍ　　￣_￣　　/
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　/　　　　　　　 ./　　　l:::　　￣｀ヽ __ノ´　　　ﾍ　ﾍ　　　 i
. ｉ　＼　　　　 ./　　　 l::　　　　　　　ヽ　　　　　l 　ヽ　　 |
. |.　　＼　ヽヽ/_　　　　ﾍ:　　　　　　 i　　　　　|　　 >　 .l
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. !　　　　　　＼ヽ!　／　 .ﾍ　　　　　 |　　　　 | `''‐-､＿|
. ﾍ　　　　　　　｀''-<　　　　ﾍ　　　　 |　　　　 .|　　　/　 |
　 i　　　　　　＼　ヽ　　　　ﾍ　　　　.!　　　　 |　　 / 　 .|
　 l　　　　　　　　　＼ i､　　　ﾍ　　　ﾉﾐx,,_ 　 .l 　 /　　 |
　ﾍ　　　　 f､ｺ´｀''-､} ＞　　　ﾍ三彡'　　　￣ |　./　　　/
　　ﾍ　　　 _,,`ニ=-..,,_｀ヽ、＞ .,,_ﾍ　　　 }i　　　 ! /＼__／
.　　ﾍ　　 (ｰ'　＿_　　 "''-ヽ　　　＼　　, ､　　.//
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238： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:08:49 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「範宴の南都歴訪には、彼の地の名僧たちとの研鑽の他に、また別の目的があった」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　　　　　　　　　　.!ﾊ l.ヽ　　　　　　　 __　 /、　　　　　　　　　　　　　　　 .l　　!
　　　　　　　　　　 .／'l　､　＼　　　`''ﾆ´- ./ヽ｀丶、　　　　　　　　　　ｒ‐ 、　 _,_ l　　|
　　　　　　　　　　　 ,-'".　　',　　　　 `　、　　!　./ 　ヽ.　 ` ｰ　、　　　　　 ',　ヽ /　　｀‐-'､
　　　　　　　　　,..:.'´1.　　　 ',　　　｀丶､｀ｰｧ‐ﾍ..　　　ヽ　　　ヽ　　　　　　 .l 　ｿ　＿_,,　ヽ
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　　　　,　 '　　　　 l　　　　　 ',.　　　　　／ , .',　　　　ヽ　　　 !　　　　　',　.ヽ/　__,, - 　 !
　 ,　'´.　　　　　　　　!　　　　　 :ヽ　二ﾆ-　　／　 ', 　　　　ヽ　　 .!　　　　　 l　　Ｖ´　　 __　.|
／　　　　　　　 l.　　　　　 ',　　-‐ 　 ´　　　 ',　　　　　'; 　　　!.　　　　　{　　〈　 /´`　 .l
　　　　　　　　　　 l　　　　　 '、　　｀,.　　　　', 　　　 i　　　 |　　　　　ヽ　.し′ 　 . !
.　　　　　　　　　　 l　　　　　　 ',.　　　 !　　　 !　　　　ｿ. 　　　!.　　　　　ヽ　{´　　　 l
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「それは磯長、叡福寺の聖徳太子の霊廟に参籠することである」

.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【叡福寺】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|　　　正式な名前は磯長山（しながさん）叡福寺となります。
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{　　　創設年は神亀元年（724）と伝えられています。
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　開基は聖徳太子もしくは推古天皇、あるいは聖武天皇とされていてホントのところよくわかりません
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ　　真言宗系の『太子宗』という宗派のお寺さんです。
. 　　　　 |＿＿{　　　　　　住所は大阪府南河内郡太子町太子2146になります
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.
239： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:09:04 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「実は、この時期の範宴は、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　学究に没入しながらも、その自らに漠然とした不安や疑問を

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　抱き始めていた時期でな」
　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒´ ヽ､,＿　＼
　　　　　　　　　　　　　 (● ) (● )　　_,-|、
　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　r' l　|.lヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´　　 l　i　| l} }
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 l　l, |. l ﾉ__　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　/　　　/ｨ::::::::.. ヽ
　　　　　　　　　　　 _,,ィ'´:::ヽ__､_r'´　　　／:/:::::/::::::::. ヽ
　　　　　 __　　　 __ ,. ''´..::::::::::::::::「:::::人＿＿..ry:::::::::::::::::::::::::. ',
　　　,.- v　ヽ r´ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈::::::::::::::ム:::::::::::::::::::::::::: l
　　rｰ、ヽヽ　}＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,ｨ::::::::::::::::::::ﾊ:::ﾉ::::::::::::::::: l
　r　ヽ｀､_」イ_]　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::: i
　i　>､_〉-".|　,,,,,, |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::ﾊ:「 ::::::::::::::: !
　ヽ　） |　|　,,;;'' |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::: |

　　　　　　　　　.｡　　　{　　　　　　　}‐=≦／＼――､
　　　　　.｡o≦　　　　ｉ　　　　　　ｉ　　　 }　　＼//∧
　 {￣ /　　　　　 /　　 !　　　　　 |　　　 i　　　 ≧o｡、
　 }　 :{　　　　　 /　　 l　　　　　　　}　　　 |　　　　　　　}
　 : 　 i　　　　　,′　　 {　　　　　 /　　　｜　　　　　　 i
　 } 　 !　　　　 :{　　　　i　　　　　 /　　　　|　　　　　　　|
　ｉ　 : 　　　 i　　　　，　　　 :/|　　｜ .::　　　　　　　|ﾊ
　 |　　!　　　 :|　　　　ﾟ。　　　/ :|　　｜　}　　　　　　 }　:
　 |　　，　　　　|――― ‘，　 /:‐┼―┼‐ :　　　　　　 ,　:}　　　　　　　　　「今も昔も青少年の悩みってのはあるのですね」
　 {　　。　　　 {　,x芹芋ミﾟ。 ,′　,x斧芋ミ､　　　　　　′ !
　ﾟ，　　，　　ﾟ。ゝKfh(_　 ∨　　　:Kfh(_　/　　　　　 /　　}
　　　　　ﾟ。　　 ∧ 乂/シ　　　　 :乂/シ　 }　　　 /　　 ′
　　　ﾄ　　ﾟ，　　∧　　　　　　　　　　　　ｉ　　　 ,′　/}
　　　|/ﾟ.　　，　　 ∧　　　　、　　　　　　　//　　　 ////′.
　　　|//ﾟ。　ﾟ。　　人　　 r　, 　　　　イ /　　　 /{//〃　ﾟ。
　　　乂/ ‘，　＼　　 {ヘ　　　　イ/}/　　　 //＼__}　　 .
　　　　　　　。　} ＼　∧:　ト　_　＜/////　　　://////ﾍ　　，
　　　　　　　＼i: 　＼ ∧: {＞‐=≦////　　　 / ＼/////〉
　　　　　　　/　　 / {/∧ } //////‐=/ {　　／＼　＼///　　　ﾟ，
　　　　　 /　　 / //// 7:. {////　 /: :ｉ／ : : : : :.＼　¨¨　　　　ﾟ。
　　　　 /　／: : ∨　 {/:. ∨　　 /: : :|′ : : : : : : :.:.ﾟ。
.　　　　 /　/: : : : : :.:〉¨:i:.:.:.:.:乂__:〈: : : : : : : : : : : : : : : : :. 　　　　＼
　　　　 /　/: : : : : : / 　 {:. ／　 { /: : : : : : : : : : : : : : : :.:.}　　　　　　＼

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240： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:09:16 ID:PzyNh9aM: 　　　　　「この南都歴訪には、そうした自らの迷いを振り切りらんがため、という目的もあった」

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　｜　　 ( ⌒) (⌒）
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／￣＼ヽ
　　　　　　　　　人､　　'､／￣ヽ　'､
　　　　　　　 _,／(:::::ヽ､　 __'-r´￣ヽ　 v
　　　_, ､ -― ''"::::::::::＼　:::::::::::::::j_√　　　 |
　　/.:::::::ﾞ:':､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ　　　 r、
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:::::::::::::::::::::::丿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::::::::::::v
:::::::::::::::::::::ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ ::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　／　　　　＼　　　　　　　　　　「ちょっと前の自分探しの旅みたいなもんかお」
　　　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　　＼　　　｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　　／　　　　ー‐　　　　＼

.
241： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:09:49 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　 .／￣￣＼
　　　　　　　　.／　　　　　　＼
　　　　　　　　|　　　　ー　　‐ i　　　　　　　　「そしてその願いを持ちつつ
　　　　　　　　|　　　（ー）（ー）
　　　　　　　　|　　　　　（__人__）　　　　　　　　　　太子の霊廟に参籠した範宴はその夜、夢を見る」
　　　　　　　　|　　　　　　`⌒´i
　　　　　　　　ヽ.　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　／:＼　　　　　ィｰ､
　　　　／ヽ:::::| ＼{￣Y＾'Yヽ「卜、
　　　　 / 　　！:l　 └‐个个┘|: :|　ヽ
　　　　　　　 |:::|　　　 j　i 　　r-‐…ヾ、
　　　 ; 　ﾞ:. 　 |:::| 　　｛o｛　_ｃ},//∠..　Y
　　｜　 :..　 |:::|　_..　┴zy('ｰ-＿_ -ｰ')勹
　　　 |　　 ,ゝｧ^f´　　〈/　｀　　　　 ´　Yﾊ　　　　　　　　 _,,_ 　　　_＿＿＿
　　 _ﾉ-‐ｧ'´　｛！　　､｛: : 　　　 . : : : }　{　　　　　 r<'ｰ‐'>、　 |｀¨¨¨¨¨¨´|
　　｛　／　　八　ﾏ''ヽ._ヽ>ｘ、＿____;_;_;_ノ　〉　r=＝z,＿ ] __￣　{ 　 |‐------‐|
　　 }　　　　 _,,.＞'′　 |･|　　|:::| |　　 | ￣￣| | 　 |｀¨¨´ |¨¨´| ｜　 | 　 . :　　 |
　　＼_..=-‐'´ |:::|　　　 | ｛　　|:::| | _..　|: : : : :|ﾊ_:_:_| : : : : |: : : | ｜　 |　 : : 　 : . |
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｛＜.._jx,_ _,ノ　｀¨'ﾍ,＿_,ﾉ､__,ﾉ¨´_.＞|. : : : 　 : : |
　　　　　　　　　　　　　　　｀　ｰ-￣¨二二二二二二二　-‐ ' ﾍ..＿＿___.ﾉ

　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　ヾヾ:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　　ヾ　ヾ:.:.:.:.:.:.ﾞ､
　　　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／|/　　　　ヽ　ヾ.:.:.:.:.:.:ﾞ
　　　　　　 i.:.:.:.:.:.:.:.:.:./'''/'''''''''',,,,　　l　,,,,ヾ:.:.:.:.:.:.:ﾞ､
　　　　　　 l.:.:.:,_.:.:.:/ィｆ::ﾑヽ　　　　!　　'''ヾ.:.:.:.:|.:l　　　　　　　　　「夢で感化されるのは洋の東西を問わないのねぇ」
　　　　　　!.:.:/ |.:./ 弋こCﾉ　　　　! ｆ:ﾆヽヾ､.:.:.!l.i
　　　　　 l.:(　|/! 　, , , ,　　　　　辷ﾟノ/l:.:.:./ l
_ 、　　　　　!.:.:ヽ! _、　　　　　　ゝ , , , ,/　l.:/ !
ヽ、ヽ　　 l｀i l.:.:.:｀|::..i、　　 , ー,　　　　/ 　 l/
　ヽヽ /｀ｙ^y^ゝ.:|:::| ヽ　　{　ノ　　／　　 !
　　ヽ y / /　く-´.l_:l_ 　ヽ、_　ー:.:.!
　　　ヽ´　　　ヽ.:.｀、｀　ー__/_ヾ:.:.:.:ヽ______
　　　　ヽ　　　　ヽ.:.:､｀ヘ /　/　ヾ.:.:.:.ﾞ､　　ー､
　　　　　 >、　　　）.:.:｀ ' - ∧ つヾ.:.:.:ﾞ､　　　ヽ
　　　／_／ト-、　/ヾ.:.:.､し #^ ゞ､　　ヾ.:.､　　　ヽー
　　 /　　 /　　｀V　　ヾ.ヽ #　　｀ゞ､　ヾ.:､　　　ヽヽ
　　 l　　　l　　　　＼　　ヾ#　　　｀ゞ　　ヾ　　　ヽ　　｀ヽ､

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242： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:10:14 ID:PzyNh9aM: 　　　「それは聖徳太子が自ら眠る岩戸を開き、範宴に語りかけてくる霊夢だった」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　諦聴　諦聴　我教令　汝命根応拾余歳

　　　　　命終速入清浄土　善信善信真菩薩

　　　　　　　 -‐=ﾆ≠ミ､　　　　　　　 _　 -‐ .: :.: :. :.|
_　　-‐=ﾆ: : : : : : : : : : : :_:≧=‐-　≦: : : : : : : : : : : : : |
: : : : : : : : : : : : : : : : :／／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|
: : : : : : : : : : : : : : :／／: : : : : : : : : 入 : : : : : : : : : : /
: : : : : : : : : : : : :／／: : : : : : : : :.／　　 ’＜: : : : : :/
: : : : : : : : : : :／／: : : : : : : : :／./ヽ　　　　 `ｰ‐- ＿ノ
: : : : : : : : :／／: : : : : : : : :／　/ ⌒ヽ　　 }　　＜⌒
､: : : : : .／／: : : : : : : : ／　/ ,ハ＼.ミｉ　 ./　 .ﾄ､ヽ
. ＼: : :く／ : : : : : : ＞’　　 { ﾉ　 `弋ﾘ}　/　　 |　', .i
　　}: : : : :ィ==ミ彡'　　　　　ヽ　　　　ﾉｲ {　　 }　 }ﾉ
. ／: : :／ : : : : } /.　　　　　ﾄ､}　　　　　　〉　,′
': : :.／. .: : :.: : :.|　 / / ヽ　　} .}!　 `　‐-　/　/＿__
: ／ : : : : : : : : :| ./ /{ ,ノヽ /　　　　　　 /　/: : : : : ヽ
/: : : : : : : : : : : |/ /i i　　ﾉ/　　　_　　,ｲ　/: : : : : : : :}
: : : : : : : : : : : : |　{ { {　彡'　　　/ ￣彡　ﾊ: : : : : :.／
: : : : : : : : : : : : |　| .} }＼.　　　/　-‐=彡' ﾉ: : : :／
: : : : : : : : : : : : |　{　ﾘ .∧　　/: : : : : : : : : : :／
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／: : : : : : ヽ : : : : :.Y 　 i　　　　＼: : : : : : : : : : : : :ヽ＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : : : : :} 　 {　}　＼　 `ｰ‐-=ﾆ二＿: : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : :| 　　　|　　　ヽ　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : :| 　　　|　　　　}　　　　　　　　　 ',: : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : :{ 　　　{　　　　　＼　　　　　　V: : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : ',　　　ヽ　　　　　　　＼　　　　､ }: : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼　　＼　　　　　　　ヽ　　　＼: : : : : : :　　　　　　　【聖徳太子】
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼　　　＼　　　　　　　　　　　 }: : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}　　　　　　　　　　 |: : : : : :

　　　　　　　　　　（あきらかになっていることをそのままに聴き入れなさい

　　　　　　　　　　　お前の命はあと十余年で尽き、すみやかに浄土に入ることであろう

　　　　　　　　　　　真実の菩薩をよくよく深く信じなさい）

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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243： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:10:25 ID:PzyNh9aM: 　　　「夢から覚めた範宴はうろたえ、怯え、恐怖した」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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..ノ: : : : : : : : : : : : : :入ヽ　ノィ　　,ノﾆ７〉: : : : : : : : : : : : : : : :＼
..て_:. : : : : : : : ﾊ : /込心　　　　斥行ﾉ/: :ﾊ : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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.　人: : : : : : : :. :ﾊ.　　　 _,,..-―――‐-..,,_..:_: :. :.: : : : : : : : : : : : : .}
..　　厶:_:_:_:_:_:_:_:_:.ﾊ ,..-''"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀''-､..ﾞ: : : : : : : : : : : : :/
..　　　从;:;:;:;:;:;:;:;:; ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼..: : : : : : : : : :/
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　　　 V;:;:;:;:;:;:;:ﾞ/::::/　　　｀^～ｧrr,.､_,,..-ｧ=彡ﾍ:::::::::::::::::', . : :.／
..ヽ　　弋;:;:;:;:;:/::::/　　　　　 ,ﾘ|}　　　　　　ヾ::::::::::::::iﾞ:;Ｙ
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..　　}/⌒ヽ. | リ|　　　￣ ‐' ヾ　′、´・)｀ヽ　　 ,'´｀.y'
..　　{.　　 /::ヽ_| 　　　　 .::}　　　 ` ￣　　 .,'/、/
　　　`.ﾞ_,,..从ﾘﾘ,|　　　　　..:::/　　　　　　　i　　//ﾉ/
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.../　　　 /　　　　',　　　ヽ.＿＿ )　　　　　./i从ﾘ　　　　　　｀"''‐-..,,_
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。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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244： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:11:11 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　「比叡山の絢爛たる学識や仏法に深く傾注し余念はない、

　　　　　　　　　　　　　そのことにより歳若くして俊才の誉れ高く名を挙げてきた」

　　　　　　　／´￣￣￣￣｀＼.
　　　　　　／: : : :　　　　　　　＼
　　　　　/: : : : :　　　　　　　　　　　'.,
　　　　　|: : : :　　　　　　　　　 :|　　　　　　　　　　「だが範宴は、この日の霊夢に、気付かされてしまったんだ」
　　　　　| : :u : : : : : .,　　　　　　 :|
　　　　　|:: : : :＿ノ゛,, ;、､､ '"ヽ_　　:|
　　　　　|::::;;;（　 ●）ﾉヽ（　● ） ;;:::|
　　　　　|: : : ´"''", 　　　　"''"´　:l
　　　　　 ',: : . . （　　　 j　　　）　 ./
　　＿／二Ｌ___: :.｀ｰ-‐´｀ｰ-‐′　/ハｰ､＿_
　／: : r':|　r'￣二ﾕ　　　　　　　　./ : ',: :: :: :＼＿_　　　　　　　　　　　　「自らの死について深く考えたことは
　: : : : | .|　|　/ 　) ｀)　　　　　　 ./| : :.ﾍ: :: :: :: :: :: :＼＿_
　: : : : |.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　　　／. |: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ　　　　　　　　　　　　　　――かつてなかったのだと」
　: :: :: :＼　　　　　　　　ヽ- ´ 　 .|: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: : l: ｀ー┬-､　　　ト､.　　/: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : : ┐|: :: :: :: :＼）　７ ./iii入／|: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: : イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiii〈　 /! : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ : : / /: :: :＼＿￣＼ii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

　　　　　　　　　　　　　　＿　　　　　　.｡＜}
　　　　　　　　　　　　　‐=≦　　/ ¨¨¨¨／　　　 i　__
　　　　　　　　　　.｡＜　　　　 /　　　 }　　　　　}　　＼
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　　　　　　 / ///!　　　　 {__廴_:/__　|:　　　 /　　:.　　　　　}　　 :i
　　　　 / /　/{　　　　 i,x芹ミｔ､ /: 　　 /　 l　}　　　　　ｉ
.　　　　 / f　 / ｉ:　　　　　㌣にじ(_　 :}　　 /云ミｔ､i　　　　 .: 　　 {
　　　　/　:{　＞｡.　　　　 { | 乂こｼ　 :　　/ んう㍉　　　　 /　　 /　　　　　　「おぉ」
　　　 / 　ｉ　　　 ∧　　　:i｜｀¨¨´　　} ／　乂ｼ /:　　　　/　　 /
.　　　/　　 {　＼　/∧　　 { :!:　　　／　'　｀¨^/　　　　 /　　 /
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　　/　　　　　＼:/／ﾟ. 　 :|＼＼　　　こ　　 // 　　 /　　　/
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　 /二二/　　　//　　　｀＜i:i:i:i:i＞'"´　ﾏ {　　 |二ミｔ､
. /二二/　　　//　　　　　　　￣}　　　　　マ　　｜二二
/二二/　　／　　　　　　｀ Y ´　　　　￣ミｔ､二二ﾟ。

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245： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:11:28 ID:PzyNh9aM: 　　　　「そこで、自分が感じていた違和感を強く思う――自らの死について考えたことのない自分が、

　　　　　　　　果たして浄土について深く考え、理解しているといえるだろうか」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　 ,ｲ;:;:;'　ﾉ'　ヾ　　　　ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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.　　　　　 ,:　　　　　　　　 ,ィf伝三ﾆﾆ＝=､　　　　　ヽ:::::::::::::::::::' ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　ヽ｀""´＿__　 ,.　　　　　　　　'::::::::::::::::'（　' ヽ
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　　　　　 ,:' 　　　　　　　/　　　＼　　　　　　　　　　　 '::::::'　ノ　!.;'
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　「自分の学究の目的はそもそも如何？」

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246： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:11:45 ID:PzyNh9aM: 　　　　「智嚢は膨れ上がった、なおも向学心は汲めども尽きぬ無限の泉のごとしだ」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:.ﾞ,..-‐-､..:　:　:　:　:　:　:　、　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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: : : : : : : : : : :,,　'":　:　:　:　:　:::::::::::.、:::.ﾞi: : : : : : !: : : : : : : : : :.ﾍ|.::.:.:.:.:.:.:.:.:.::,. : -ー'"~"'"⌒ . ... :ノ
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:　:　:':⌒　:　:　:　:　:　: . . . ':::::::::::::::::.:.:.:.:.: iｰ''T"! .〉＿,,..-: : :ニ! ヽ:　:　'": : : . . .: : :~"'y'´. . ... : :
:　:　:　:　:　:　:　:　 : : :　: ⌒）::::ノ::::::.:.:.:.:.: |　/　'./: : : : : : : : : : :.!: :ﾍﾞ:～へ:　:ノ ⌒: : . .　{,,...　: : .
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　　　　　ｙ. : : : : : :）:y'"~）::::::::::::::::::::::::::::::/　 i: : : : : : : : : : : :./: : : : : :| :　:　:　:　. .. :ノ ⌒: : .:ノ ⌒
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　「だが、それは仏教の最大の命題である『往生』と『解脱』のために、

　　　　　　　　　　　いかほどの役に立つといえるだろう？」

.
247： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:12:03 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　「『研学』は『信仰』ではない」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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　　　　　　「自らが積み重ねてきたものが往生や解脱のためのものであったのならば、

　　　　　　　太子堂の霊夢の通り、自分の命が尽きるのが十年……いや、たとえ一日だとしても何も恐れることはない」

.
248： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:12:50 ID:PzyNh9aM: 。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
::::::::::::::::::::::::! {　{从　　　　　__〉
:::::::::::::::i::::iﾘ　 Y　　u.　　　f
:://:::::::iﾉﾉ　　 .!.　　　　ィ
从从从　　　　　　　　　 ′
　　　　　　　　　＼　　　i
　　　;　　 ;　　　, ----- '
　　　;　　 ;　　 i
.　　　　 i　　/
.　　　　 | ／　＼__
＼　　　./{ ｀＼.　＼¨''‐..,,_
　∧　　〉　　　/ ∨　＼　 ∧
.　 ∧￣￣｀ヽ′　∨　　＼ ∧
　　 ∧　　　 ',　　 ∨　∠＿ﾍ
.　　 ∧　　　 ',　　 ∨　　　|｜
＿＿　∧　　　　　　∨ 　 .| .!
　／　.∧　　　　　 ∨　 | ′
／　　　 ∧　　　 ',.　　∨.｜',
.　　　　 ∧　　　　i＿＿',　!　i
＼　　　　　 ∧　　／　　　.i　　.|
　＼　　　ﾊ￣　　　　　| i　 |
　　　＼　　　　 i　　　 i 　 .| |　 |
.　　　＼　　　l 　　 |　　| |　 |
　　　　　　∨ 　 |　　　|　　| |　 |
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　「だが今この自分は、十余年で死ぬのだと言われ、怯えている」

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249： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:13:03 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　「磯長の霊夢は十九歳の範宴に自らの中の不安と疑問の正体を解き明かしてみせた」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　 _-ニニ _-ニニニニニニニニニニニニニニニニニ_-　　　 -_ﾆ-_ -_ニニニニニﾆ-_　 _　-__　　　 -__
　　　　　　　　　　　　　 _-_- _- _-_- _-Ξ_- _-ニニﾆ_- _-ニﾆﾆ_-　_-_- _-_-　__,,x≦≠　-_ﾆ-_ -_ニニニニニニ　 -_　 -__　　　-__　 -__
　　　　　　　　　　　　__-　_-　_-_- _-Ξ_- _-ニニﾆﾆ Ξ ﾆﾆﾆﾆ　_- 　_-　,z≠''´　　　　　　-_ﾆ-_ -_ニニニニﾆﾆ -_　-__　-__　　 -__ -_-_
　　　　　　　　　　_-_- _-　_-_-　_-Ξ_- _-ニニニニ Ξ Ξ　ニ _-　／　〃　　　　　　　　　　 -_ﾆ-_ニニニニニﾆ-_ -_ -_-_　-__　　ﾆ_ -_-_
.　　　　　　　　　_ﾆ_-_-　_-_-　_-Ξ_- _-ニニニニﾆ　ﾘ Ξ　ﾆﾆΞ　　　/　　　　　　　　　　　　　-_ニニニニニニニ-_ -_　-_-_　-_　ﾆ-_ -_-_ -_ -_
　　　　　　　　　ﾆ_-　 _-_-　 _-　_-　_-ニニニニﾆﾆ　　Ξ　ﾆﾆΞ　　 /　　　　　　　　　　ニニニニニニニﾆﾆ_ -_　 -_-_　-_ ﾆﾆ-_ -_-_ -_ -_
　　　　　　　　　ﾆ_-　ニﾆ　_ﾆ　_-　_-ニニニニニ_- 　 Ξ　ﾆﾆ -_　　　　　　　　 __,,x=≠冖^７　　ﾆ_- ニニニニニニニ Ξ-_ -_-_　ニﾆﾆ-_　-_-_ -_ -_
　　　　　　　　　　-_　ニﾆ　ﾆ　 _- ニニﾆ_- _‐Ξ_ミx 　 -_　ﾆﾆ　　　　　　 ,,x≠'' rf㍉　　,／　　 Ξ_-ニニニニニニﾆﾆニニ　ﾆﾆニニニﾆ_　-_ニ-_ -_
　　　　　　　　　　　-_　-_-_ ニﾆ　ニニニ _-ニニ_-　＼　　二　　　　〃　　ゞ-''ｰ　　　　 _-_-ニニニニニニニニニニニﾆﾆ　-―　　　　￣￣
　　　　　　　　　　　　-_　-_ﾆ-_Ξ　ニニﾆニﾆﾆ_-　　　　　 Ξ　　　　厶　　 ´　　　　　　　〃_-_-ﾆニニニニニニニニﾆ_- ´
　　　　　　　　　　　　 -_　-_ﾆ_Ξ　-_ニﾆニﾆ_- 　　＿　　 -_　　　　　　　　　　　　　　　　　 / _-_-ﾆﾆニニニニニニニﾆ／
　　　　-―――　　　　 -_ニニﾆ-_　-_ニニ_-_ ヾ=ﾆ´　f心、　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _- ニﾆﾆニニニニニニﾆ
　／　　　　　　　｀ヽ　-_ニニﾆ-_　-_‐_ -_ニ-_　＾¨ ´　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _-　ニﾆﾆニニニニニニﾆ{
/　　　　　　　　　　　　　 -_ニニニ-_　-_　-_ﾆﾆ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _-　_ﾆﾆ_- _ニニニニニ＼　　　　　＿_　 ⌒　　　″
　　　　　無　　は　　　　L＿__-_ニニﾆﾆ-_　-_ニニ　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　_-　ﾆﾆ_-　ﾆニ _-ニニニニ>　　　　　　夕ヒ　い　　お
　　　　　い　　ず　　　　／ -_- ニニﾆ-_　-_ﾆ-_　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ニﾆﾆ　ﾆﾆ _-ニニﾆﾆ／　　　　　　　ぬ　ず　 -`'-
　　　　　　　　れ　　　　 <　　 Ξ ﾆ_- Ξ ニニﾆﾆ-_　　＼　　　　　　　　　　　　　　　 _- ﾆ_-　_-_- _-ニニニ/　　　　　　　　,, 　　れ　月リ
　　　　　　　　っ　　　　ヽ　　 -_Ξ　 Ξ ニニニニ-_　　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　_-　 Ξ　_-_- _-ニニニ　　　　　　　　　　､__,　　ら
　　　　　　こ　　　　　 }　　　 -_　Ξ ニニニニミ=一　　　　　　　　　　 ,　　　　　　 _-　_-- _-ニニﾆニ　　　　　　　　　だ　　　は
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 -_Ξ -_ﾆ　-_ﾆ-_ミ､、　　　　マﾆ=‐ ァ''¨¨´　　　　　　　　 -_ ニﾆﾆニ　　　　　　　　　　　ﾋﾋ
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　-_　-_-_　-_Ξ-__　　　　　こ¨¨´　　　　　　　　　　　　　 Ξ 二 -_-_　　　　　　　　　　　白
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 -_　　 -_ﾆﾆ-__　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 -_　-_-_
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

.
250： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:13:18 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　｜　　.（ ●）（●）
.　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　　　　　　「自らの漠然とした不安の正体とはつまり
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　 .|　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　『自分は菩薩も浄土も信じきれていない』
　　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　　　　,ｲ:. ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　ということだ」
　　　 ,. -ｰｰ -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7
　　／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: く'、
.　｛ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ､_
　 '| ::::::::::::::::::::::..｀、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..｀ヽ
　　'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ
　　ﾄ､:::/ ／￣｀` ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ
　　 `,ﾍ ´:::::::::::::::::. ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rｰ'､
　　　 }:,∨ :::::::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::::::::＞＜￣＼::..＼
.　　　 }:::∨::::::::::::::::､-''ﾞ~￣￣￣￣:::::::::...＼　ム:::::ヽ
　　　 l::::∨ :::: ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.､／...:::::::::ヽ}
　　　　{::::::＼,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／"￣:::::::::::::::::::::::::ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　-‐/ｨ }
　　　　　　　　／:::::::::::::// Y'⌒　､
　　　　　　　　　,　"::::::::::::::,:ｲ'"} ／ヽ　　＼
　　　　　　　　　'::::::::::::::::／　{　　⌒丶!::::::::::..
.　　　　　　 /::::::::::::::／　　 |　　　　　ﾏ::::::::::.
　　　　　　　∥::::::::::/　　　 ,　　　　　　 i:::::::::::::i
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251： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:13:44 ID:PzyNh9aM: 　　　　　「今までの修行で得られたのは名利のみだ、

　　　　　　　　　　　生死を超え往生をすることに役立たぬ修行に何の意味があったのか」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

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　　　　　　　　　　　 ¨　 ‐　　..,,＿＿＿　ﾍヽ　ヽヽ　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＼　　　ヽ-――――‐　¨´
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　「一つの謎が去り、もう一つの謎が今まで以上に重くのしかかる。

　　　　　　　　　　　意気揚々と南都の地を踏みしめてきた範宴の足は、

　　　　　　　　　　　　　　寒々と比叡山への帰途をたどる事になった」

.
252： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:14:04 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　「その後、叡山にて更に研鑽を積むこと十余年を重ねるも、

　　　　　　　　　　　範宴は自分の中に確かな往生のための道を見つけることはできない」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　 _
　　　　　　　　　　　　　　 _／::::::::.:::::::::::::ヽ
　　　　　　　 , -─一''´/:::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ､.,_
　　　　　　　　／　　　 / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l　｀ｰ-､__
　　　　　　 _ﾉ　｀ヽ､　/　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| 　　／　＼
　　　　／￣￣＼　ヽ　 |:::ﾄｰ''～ｧrr～'''ｲ:::::|　　/ /　, -､_ﾊ_
.　　　 /　／´￣｀ ‐- ､}　j:::i ＿_, ﾉﾘ､＿_ |:::ﾉ　 .{　!／ィニﾆ､ヽ、
　　　〈　ｲ　　　　　　　｀ｰ- ..,,___,,..-──く　　　＞ '´　　　　＼ゝ
　　　_>ヘ、　　　　　　　／＞ｰ､ヽヽヽ Y¨´　　　　　　　冫
　　 / 　　　｀ー‐､￢…─-く／　　　`┴'┴'′ 　＿＿　　 _ノ_j
.　　|　i. 　 {　　　　＼L　　　 (_,ィ_＞ ,　 ,.ィ"¨´￣／　　￣´　ﾞ､
.　！.{　　　　ヽ. 　ヽ.　､　　　　丁｀´　　　／/　/ /　　　　〉 ',
　　ヽ､　　　 ∧　　ヽ　`　ー─{ -- ─ ''　/　 l ,'　　　　 /　/
　　　ﾞ、',　　　/ ハ　　　ヽ、　　弋　／　 /. 　ｌ.l.　　　 /　/
　　　　i　　　　　ｌ....　　　|　　｀¨_ﾌ　 / /　　　l!　　　　/　ｲ
　　　　ヽ　､　　　　　l..　　　`　　　辷　　　　　　　:ｌ　　＼{. 　〉
　　　　ﾄ､ヽ　　　　 l　　　　　　　　　　　　　 l　　　　冫　|
　　　　　　ヽ {　　　　ﾊ　　　　　　　　　　　　　　 ;ｲ.　　　/ 　 j
　　　　　　　', > 　　 '　ﾄ､　　　　　　　　　／! 　　　'　　 /
　　　　　　〈. ヽ　　　ヽ `　ー‐-----‐一 '´　ｌ　　　　　イ
　　　　　　ﾄ､.ヽ　　　〉、　　　　　　　　　 /　　　　く　ﾍ
　　　　　　　〉　　ゝ　 /　〉　　　　　　　 {　　　　　　　/
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　「これまで範宴の生きる糧だった学問も、思弁も、論理も、哲学も

　　　　　　『往生をする』という目的のためにはなんの助けにもならないということを悟って以来、

　　　　　　　　　範宴の苦しみは日々募るばかり」

.
253： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:14:28 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「しかし範宴には学を修め、行を行うより他に方法はない」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　（ ●）（●）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　（___人__）　　　　　　　　　　　　　　　「仕方なく範宴は仏典を貪り、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　|_,-‐、　　／ ⌒）　　　　　　　　　密行に命を削るものの、歳降るにつれ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .人､　　　　厂丶,丶,丶´ ／￣
　　　　　　　　　　　　　　　_,／( ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ　　　　　　　　　　　　　　　往生の二文字との結縁の乏しさに望みを失っていく」
　　　　　　　　_, ､ -― ''"::::::::::::＼:::::::::::::::::::::(　　　　<"ﾆ‐-、
　　　　　　　/::::::::::':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　／⌒ヽ::::::: )
　　　　　　丿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',:::::|
　　　　　i .:::::::::::::::::::::|;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 〈　::::::::::::::... ',::.
　　　　/ ..::::::::::::::::::::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::＼:::::::::::::::;;;ﾊ　::::::::::::::::::.. ',

　　　　　　 /: : : :./: : : : : : : !: :.:ヽ:ヽ: : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　': : : : /: : : : :./: :.ﾊ: : :|:.i: }: : :＼:＼: : : : :.、
　　　　　ﾉ: : : :./: :./: : /: :./　': : !:.}.ﾘ: : : : :ヽ: ヽ: : : ﾊ
　　　　/: : : : /: : :': : /|: :/　　':.:.|//:.:.:.:| : :.:.i: : i: : : :人
　　／／ : : ': : : |: :/| |:;'　,　　';/ム:.:.:.:ト、:.:}: :.|: : : : ヽ:、
.　 ,'/ﾞ|! : :.:.:.:|:|: :/!::'斗'!|ﾞ´　　八{´｀＼!-!:.:八:.|: : : : : ::i＼
.　 {　 !:.:.|: :.:.|:|:イﾍ|＿_|!　　　　　＼＿__ﾚ'￣|:|!: : : : : :|　　　　　　　　　　「ハンエンサンカワイソウ」
.　　八:.:|: :.:.Nヽ!ァOrj::}ヽ　　　　　イ{0rj心ヽjハ: : :.ﾊ::ﾊ
　　/: :.ヽ!ﾊ:.:|:、ヽ○r:ソ　　　　　　　ゞ=ソ○ﾞﾑi: :/: :ﾘ:.:':、
.　/: : : : : :.∨ム　　:::::::::　　　　　　　:::::::::::　　/ｿﾚ': : : : : ::ヽ
　iﾊ: : : : : : : : ヾ!,　　　　　　　｀　　　　　　　 /: : : : : : : : :ﾊ:.i
　|　!: : : : : : : : : ﾍ　　　　　　＿　　　　　　//: : : : : : : :.ﾉ jﾉ
.　人:.:ト、: : : :.:|: :＼　　　　´　　｀　　　／/: : : : : ,:イ:/
　　　ヽ!　＼: : :.ト、: ::＞ .　　　　　. ィ: :!:.ハ: :.:.／　 j/
　　　　　　　＼ |　＼|＞,i　＞-＜　人ム'.　j／
　　　　　　　　｀　／://| ｀＞ ___,.ィ´　|///＼
　　　　　　　　／/////　　　 |||　　　 !/////＼
　　＿＿__ノ´ ////// ＼ヽ. |||　　／ヽ///////zx.＿＿__
　/´ヽ　 /////////!　　　　( i ) -　　　i///////∧　　　ハ

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254： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:14:44 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　「この時期の範宴にとって、比叡山とは絢爛豪華な地獄であり、

　　　　　　　　　　　堂塔も経蔵も芳しい匂いを放つ華々しい死骸のようなものだった」

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255： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:15:14 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　　　「苦悩する範宴は、ある日、すがるような気持ちで

　　　　　　　　　　　　　　　　六角堂の観世音菩薩への百日の日参を始めた」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【六角堂】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　正式な名前は紫雲山頂法寺です。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　伝えられているところによると、その創建は西暦587年とされています。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}　　開基は聖徳太子と伝えられています。
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{　　　　　現在の住所は京都府京都市中京区六角堂東洞院西入堂之前町248です。
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ　　　　　「池坊」と呼ばれるお坊さんが池の畔に住んでいたそうで、生花発祥の地とされています。

azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

.
256： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:15:34 ID:PzyNh9aM: 。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　『仏子範宴、性愚鈍、思惟を経蔵に重ね、観念を密壇に凝らすこと二十年、未だ出離の真諦を得ませぬ。

　　　　　　　　　　　　解脱の道は沓漠としてさらに体得することかないませぬ』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,..-''"￣￣　¨　　-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /iヽ.′　 ,.. -‐　　　　　　　　　　．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /´｀¨´Y ,′ ／　　　　　　　　　　　　　　　　．
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257： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:17:30 ID:PzyNh9aM: 。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　『かくて命終わらば範宴は堕地獄のほかはおざりませぬ、

　　　　　　　幸に仏縁あり、九歳にして沙門となり精根を抽んでしも

　　　　　　　　　　今に至りてかくの如き暗迷の状にありますること偏に少訥の業報と

　　　　　　　　　　　　　劣機の然らしむるところと悲泣するのみにおざりまする』

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258： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:17:48 ID:PzyNh9aM: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　願わくは大慈大悲の観世音菩薩よ、少訥にあわれみをたれさせられ

　　　われら鈍根劣機のともがらにもかないまする、出離の道を示したまわれかし　　　　　（倉田百三『親鸞』）
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　　　　　　　　　　（__人___）　　　 .|　　　　　　　　　　　　「こうした悲痛な祈りを繰り返すこと百日」
　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´ 　　　|
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　　　　　　　　　　 /:::::::::、::|　　　　　　 /ﾚy:::::::...　｀' ｰ-、
　　　　　　　　 l:::::::::::::::::::ヽ__､____,.　"/::::/::::::::::::::..　　ヽ
　　　　　　　　　　　j:::::::::::l:::: ::::::「二二二 :::::::::::::::::::::::::::::::::::　＼
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　　　　　　　　　 /::::::::::ｰ-ミ､:::::::::::::／　　　＼｀>- 、::l:::::::::::::::::　 |
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　　　　 /　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::＼ ` ､　＼　　　　　　／::::::::::::::::::::::|＞ーー-、

　　　　　　　　　　　　　　　　　「六角堂で誦する観世音菩薩普門品偈の中に範宴の、泣き叫ばんばかりの祈り。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――その一心不乱の行に与えられた功徳か、範宴は一人の老僧と出会う事になる」

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259： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:18:23 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　⌒´ ヽ､,＿　＼　　　　「その頃の京で、しきりに噂になり始めたある教えがあり、
　　　　　　（●)（●.)　　　 |
　　　　　　　　　（_人___）　　　　|　　　　　　　範宴にも漏れ伝わるところ、おおかたこのようなものであった」
　　　　　　　　 '､　　　　　　 │
　　　　　　　 }　　　　　　　{
　　　　　　　　　　!､______　.ィ-ｰﾄ、
　　　　　　　　　　　　V／_:_ｭ:-:-: ヽ
　　　　　　　　　　　 {ｬ＜ : : : : : : : : :.
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　　　} r'、　ﾍ､ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　i/ ム､} .{ i : : : : : : : : : V : : : : : : : : |
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　　　　＼　　ノ|:.V: : : : : : : : :〉 : : : : : : :|

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　　『一文字も知らぬ小僧や、元来穢れ多く決して往生は叶わぬと言われていた女人すらも

　　　　　　　　御仏の名を唱名すれば往生ができる』
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》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《》《
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260： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:18:39 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「範宴は、その教えに驚き、膝を打つ」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　＿__ ＿
　　　　　　　　 -‐''"´￣　｀　｀''ヽ=､
　　　　 ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　r（:::::::::::::::::,、_ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　ゞ, ｒｒ～ヅ　　ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　ﾌﾊ　　　　u.　ﾐ::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　『一文の経も読めぬ丁稚や、
.　　　　l ﾋ￢‐-　..,,,__.〈::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　〉ﾞﾞ`'''T::jﾅ￣　.ヽ::::::,ｨ ,､ヽ:::::::　　　　　　　　　　　あまつさえ強盗でさえも御仏の名を唱えれば
.　　　 / 　　,.‐'"　　　 }:::/ /ヽﾊ:::::::
　　 /.. 　　　　　　　"´　２ﾉ/ l:::::　　　　　　　　　　　　　往生できるとはただ人ではおわさぬ』
.　　ヽ.ﾆ,｀　　U　　　　　　　__／　:l::::
.　　　　 'ｰr_‐; 　　　　J 　ｨ　　　　l:::
　　　　　〈..　　　　　　　 /:{　　　ヽ
　　　　　｀}　ι　　／::　!　i
　　　　　　丶、,､. イ::::::　　　 !
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

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261： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:19:08 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　「そして範宴は、その教えが説かれているという吉水の禅房に足を向ける」

。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。
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.　　　(⌒ヽｒ‐ｙ―-､azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa
.　　　　/＾ヽ:::::⌒:ヽ:ヽ　　あずサポート【吉水の禅房】
. ×　 /:::/＾'~＾ヽ:::::::|::|
.┼ 　.|::├　　‐-|::::::|::|
. ×　.|::::l=　　=z|::::::|::|　　　　　正式な名前は”慈圓山安養寺”といいます。
.　　　ヽ!ﾄ､_ヮ "ﾉ::ﾉﾘ::{
　　　　　|:ﾉ冂 l＾!:::::::::ヽ　　　　伝教大師最澄さんが作ったお寺で、吉水草庵と呼ばれています。
....　　　(||ノL⊂人:::::ﾄ､:}
.　　　　 ’ﾚｲ￣￣ﾚﾝ　ﾘ
. 　　　　 |＿＿{
. 　　　　ﾋﾖ＾ﾋﾖ
azusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusazusa

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262： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:19:21 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　　「そこで出会ったのが彼の生涯の師、法然上人その人だった」

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263： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:19:40 ID:PzyNh9aM: 　　　　　　　　「初対面の法然に対し、範宴は己の苦悩を切々と訴える」

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:::::::::｀7　∠三彡''´ 丶
::::::::::〈　　　ｰ＝''"　　｀''‐､　　　　　　　　『このままではとても往生はかないません、
｀ヽ::::::', u　　　　　　　　__ ﾉ
.｀>､ヽ::l　　　　　　　 ′l 　　　　　　　　　　　　　　　　生死を離れる道は如何』
. { （} ヾヽ. 　　i　　　⊂ﾆ<
ヽヽ -､ヾl　　 u　　　　　ｲ
::::｀7''―､　　　　　　ヽ
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ﾞ"'' ‐.､　 |　　::::::::::::::_,,..-''´
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　　　　　ヽ　　 /
　　　　　 '.,.ノ
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〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「自らの求道のありようを語りながら血を吐くように尋ねた」

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264： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:19:50 ID:PzyNh9aM: 　　　　「それに対して、法然さんはなんとおっしゃったのかしら」

　　　　　　　　　　 . -―-､＿　＿.／⌒＼
.　　　　　　　　　　 .　: : : : : : : : :ヽ: ヾ／:ヽ. 　　ヽ
　　　　　　　　　／: : : : : : : ;.へ: : :／: : : : :＼　　}
　　　　　　／: : : : : : : ／:::::::::∨／::ヽ: : : : :ヽ　/
. 　　　　 / :/: : : : : :./´ ￣￣｀´￣｀ヽ'; : : : : :V
　　　　　 /: /WV: /: /-≠z､　　　　　　 '; : : : : : ',
.　　　　　,': : : : : : : : /　　　　　　　　z=､　'; : : : : : ',
　　　　　; : : : : : : : Z≧ｚ､、　　　　　ヽ i: : : : : : ',
　　　　ｌ: : : : : : :'刃Xﾁ　　　　　 ≧､　　 l: : : : : : :i
　　　　　l: : i: : : : :ﾒﾆﾝﾞ　　　　　　ﾈ六ミ、.l: : : : : : |
. 　　　 |: ::|: : : l: 厂　　　　　匕少ハ l : : : : : l
. 　　　 |: ::|: : : l: l　　　　　' 　　　｀¨´　ﾉ∧: : : : j
　　　　 j Vl : : :ﾊ:ｌ　　　　　　　　　　ムｲ: : : ｲ
　　　　 ,': : :!: : :i　ヽ　　　　、　　　　　　 / / |: /: : !
　　　 ,': : : |: : :|〉.　　　（:Y}　　　　 ,.へ /ｰ'|/: : /ｌ
.　　 /: : : ∧: :l∧＼　　　　　　　 ,.ｲ　＿ヽ.: : : :/: |
　　 /: : : //∧:|/ﾍ　 ` 　 __ 　イﾚｲ´＿　 }: : /: : |
.　 /: : : ////ﾍ|//ﾄ､　 .:::::::::::::/　　Y´　　　ｊ: :/: : : |
.／: : : /////r―' {ﾄ､ヽ.　:::::::::{　　｀¨´ ／: : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　　　　　　「法然は、範宴の告白を聞き終わると、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　法然自身も範宴と同じ道をかつてたどってきたと言う」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　、__,ィ、　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　 V　ﾍ _ノ-､　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ、___ノ　　　　}　　　＞、＿　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､丿_ ,.　　　 /}　／/ : :/. : 二ﾆ{　｀ﾏ:ヽ　,.- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、　　/;:' ,.ｲ / : : :i : : : :.｛¨V　＼:Y　 /
　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　　　 `-ｭ＜ｨ＜／ ,ｨ'"´ : : : : ∧　＼　 ∧　{
　　　　　 (　｀､　　　　　　　　　　　　　　 _／イr;;;;;/У: :｀ヽ､ : : : :i {　' ､　　ヽ　｀ﾄ､
　 r-、　　ヽ ∧､　　　　　　　　　　　　　{ : :ﾉ/〉-{／ : :／ : : : : : :i :〉、　ヽ　　　　',ﾊ
　 } r-、　　〉、　ヽ　　　　　　　　　　　　｀､| :i,';;;;/ : : :/ : : : : : : : ｨ:(　＼　_ヽノ　　}:ﾊ
　 } }　 {_／　{　　 {、　　　　　　　　　　　}λ:|;;;;/ : : /. : : : : : : : : : : ﾍ　 . : : : :　　r）､:
　 } }　 {r-､　,'⌒　　',　　　　　　　　　　/:'〈:'|;/ :.／ : : : : : : : : : : :V: :.｀ヽ : : : : ._// : :
　ヽ}､ .i　 { r-､　　人ｭ､　　　　　　　 /:λ',:r :./ : : : : : : : : : : : : : :'､: : : : 〉二ﾆ／ : : :
　　　⌒}､└i　'トィ　ﾉﾉ:.｀ヽ､　　　　 /. :} : :i : ,' : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : :{-´ : : : : : :
　　　　 ⌒--へ　 // : : : : ＼　　 r'´｀.i : : Y : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : V : : : : : : :
　　　　　　　　 ',ヽﾆノ : : : : : : : :ヽ人ミヾ', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : } : : : : : : :

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265： ◆zbB4e8kEV6：2016/03/14(月) 09:20:26 ID:PzyNh9aM: 。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__ _
　　　　　　　　　　　　　　. : : ´: : : : : : : : ｀`丶　　　　　　　　　　『私も、十五の時より比叡山によりて三十年間。
　　　　　　　　　　 . : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .　　　　　　　　　　山の上にてあらゆる聖道門の修行を積みました』
　　　　　　　 ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　　　　　　/ : 〃: :/{: : : : : : : : /: : : ,.ｲ: : : : : : ::::.
　　　　　　　ｰｧ仆-┘'ｰ一'´￣´＾` ､/ ﾉ : : : : : : :::::.
　　　　　　　／〃:{　-‐‐-ミ　　　 ,. -‐=ﾆ`ｰ-ｧ : : :::::::,
　　　　／ : /:::ハ <てうヽヽ　　　ｲてう＞/ : : : :::::::i　　　　　　　『大蔵の聖教を繰り返し読み返し、法華経真言
　　　　, ': : : /:::/::::ﾊ　｀¨´　 j　　　　｀ ¨´／ : : : : ::::::::!
.　　 /:/: : /::::::::::∧:.　　　〈､　　　／: : : : : : .:::::::::|　　　　　　　　　　ことごとく行ぜぬものはなし、南都に遊学し
　　〈://: /::::::::::/::::::',　　　　　　　　 ': : : : : : : : .::::::::::|
　　　∨.:/::::::::::::::::::::::::､　　　- --- /.:〃 : : : : : .:::::::::::;　　　　　　　　　　　　醍醐御室に知識を訪い、苦学難行四十年に及ぶも
.　　　 ∨―- ､_:::::::::::::::＼　　＝　 `〈: : : :／: .::::::::::::,'
　　　　　　　　　｀＾` ､」L::丶　　　　不〃..,_/::::::::::/　　　　　　　　　　　　　　　生死を離れることはできなかった』
　　　　　　　　　　　　　厂｀ﾄ｀二 ´　　ト､:::::::::::｀＞′
　　　　　　　　ｘ≦￣￣｀ヽ/　 `　 .,_　ﾄ､ｰ-､¨´
　　　　　 ∠／:::::::｀ヽ　　 {｀　 .,　　　 ` ┴―1
. 　　／　　｀丶::::::::.　　、　｀　‐-　 .,___,ﾉ‐-　.,_
　　／　　　　　　　＼::::.　　｝　　　　　　　　 }　　ﾄ､iヽ
　/　　　　　　　　ヽi　　 |　　　　　　　　　　　　|::::! ﾊ
〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　「そして続いて法然はこう範宴に告げる」

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やるやらあずさが出会ったり別れたりするそうです ～8輛目