やらない夫のオイレンシュピーゲル物語_第二楽章 - 1400247209

1： ◆c4bqdXp7mw：2014/05/16(金) 22:33:29 ID:O20EsxCI: ・このスレは、実在した人物の人生を扱ってますが、あくまで〝創作物〟であり、フィクションです。

・スレタイに【十八禁】を入れてませんが、取り上げる作品によってはエロ･グロがあります。

・また差別的な表現が出ることもありますが（主にユダヤ人）、このスレで扱っている時代や社会状況から来るものである
ということを、お断りしておきます。

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.　　　　　　＼.:.:.:　前スレ http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14429/1386947400/
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951： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:47:12 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　それより前では、ドイツでは作曲家よりも出版社の方が力が強く、例えば音楽作品が上演されたとき　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　作曲家が上演料を要求できるのは出版済みの楽譜に上演権が明示されている場合に限られていたので･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_!|llllii;;;`-'ﾐ;;`;;;;;,,、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i;;llii;;;i||||||li;;i;;;;;;;i;;;iii;ii;ヽ
.　　　　　　　　　　　　　　作曲家Ａさん。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `;|||||!''´' __`;il;;;;;|i;||||||l;i、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ';;|||l､　 ';;;-､i||i;;|||'=ﾐ|||ill
.　　　　　　　　　　　　　　あなたはこの曲の上演をめぐって　　　　　　　　|/'l|/　. 　 .ﾉ`||||!'ζ);;|/´
.　　　　　　　　　　　　　　上演料を請求されてますね　　　　　,　　　　　!　`i' '__　/'.ﾉ|l/､ﾆﾉl/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／l.　　　　　　　 ´　`　/''´ノ` 'l''
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､_　　　　　　_,,-:::::　|.　　　　　　　ヽ_ ,,,　- __, - '::i;;;､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　､___　,-;;;';;;;;;;:::::　|　　　　　　　　,-|-`i=´_,,, ,- ﾉ;;;;l;;;-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　 ;;;;;;;;;;;;;;::::: i　　　　　　　/;　i　 |'_´　:　/;;;;;::::i;;;;;;;;;;:::`:::--__､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　;;;;;;;;;;;;;;:::: |　　　　　／/　l :::::|､:::::-/l､_::_:::-’::::::::::_,:-:';;;;;;;;;;;;､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　 ;;;;;;;;;;;;;:::::|　　　　i'､_/`V´T､__i_／/::::::::::::､:::::::::: /:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　;;;;;;;;;;;;;:::::|　　,:::':::7_　i___, ' _,-||||l!:::::::::::::／::::::::/:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`i､　;;;;;;;;;_-::::l_/:i::,/:〉ｖi_ｧｲl:.`ｔ'　 l|||!:::::::::::/:::::::::::::l:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'i`､;;;;;;;/､.ﾉ::::l:::/:::|::'ｔ'iitj-l　 Fl-'l||!::::::::::/:::::::::::::;;;l::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i-`y'､_,/-ｨ':::l::::::l:::l||l;;Y::>lll||;;;;;/::::::::: ﾉ:::::::::::::;;;;Y::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　/ /' _,-'-､:l:::::|:::l||;;;;;lll!'';;;;;;;;;;l::::::::/::::::::::::::::;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|

　 ∧＿∧
　（　´∀｀）　　　　はい
　（　｀∽)
　｜　ｌ｜
　（＿__）__）

【モブ作曲家Ａ】
.
952： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:47:42 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）　この楽譜には、上演の際作曲家に　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）　上演料が支払われる旨の、条項が　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）　明記されてません！　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,. --ｰ- ､
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よって原告である作曲家Ａの　　　＿_r'"ヘﾍlllllllllllllヽ、
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　請求を棄却します！　　　　　　　　　ヾミ,.,r-､､ミﾐllllr.､lllll|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ t､､,.,t!rヽllll6）lll|
　　　　　　　　　　＿＿＿,.-----､ー───------　...＿_　　　　　　　　　　　`ヾj　　'~ リﾘjヽ|
　　　　　　　　（⌒　　　　_,.--‐ 　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣ ` ｰ- ､..＿,.. -ｰ- ､..ゞｪﾆﾆ)／__L
　　　　　　　　　` ー-ｧ''"/ / r'⌒)　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;::;;;/`ｰ -''ﾐff　　ゝｰ-～
　　　　　　　　　　　　＼＼＼_／　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;; 〈::;;;;;|＼ﾐ～んし～'フ
　　　　　　　　　　　　　　￣ `（(つ,r'"|::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j;;;;;;＞;ﾞ!lllll＼し～ん～'フ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣＼ j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j;;／::::::;;;|lllllllllﾞ! んんy～';;;;;;::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿,. --─一''" ￣ﾞー- ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾉ;;;;ヽ::::::;;;;;|lllllllllﾚ '＼/lll|;;;;＼;;;!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　` ｰ-､;;;;;;;ノ;;;;;;;;;;;ヽ:::;;;;;;;|lllllllllllllll|lllllll|;;;;;;;/;|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ:;;;;;;;;;|llllllllllllll|ollll|;;;/;;;;||

　　　 ∧＿∧
　　　（　´ε｀）　　　　いや、だって
　　⊂　　⊂ ）　　　　「 “上演権” の事項を書いたら楽譜は売れない」
　　_／＿＿＼_　　　って、出版社から言われたからさあ･･･
　（__／　　＼＿）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 　作曲家に支払われるのは一時払いの印税のみ、という状況であった　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───────────────────────────────┘

.
953： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:48:10 ID:I8ZYx8hM: ┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　そしてシュトラウスは、１８７９年（このスレだと第一話の頃）にアイブル社と契約して以来、『ドン･ファン』や　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　『ティル』のようなヒット作を生み出しても契約の見直しが一向に起きないことに疑問を抱いたため、レッシュらに　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　相談の末、『ドイツ作曲家組合』を立ち上げたわけだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -――――-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　　　　　 i　　　　　　くっ･･･
　　　　　　　　　　　 r‐ .､　　　 │__　　　　　　　　 __ ｜
　　　　　　 r‐...、　 | 　ｉ　　　　 | 　＼　　　　　／　｜　　　　　俺の右腕が真っ赤に燃え上がり
　　　　　　 } 　 i　　ｉ　 | 　　Y⌒Y　　＼_j　　､_／　　 :|　　　　　　叫んでるだろ。
　　　　　　 /　　i　　/　　|: 　　|　　|　ー―‐　　ー‐一　　|
　　　　　　　{　　〈　　i　　 .|.　　　| 　 | 　 /⌒ i　 i　　ヽ　　|
　　　　　　　|　　 '.　.|　　 .!.　＿| 　 l 　 i　　 {_.人＿_.ノ　　:|　　　　　　「因習を打破せよ、破壊せよ！」
　　　　　　　i　　　ｉ　|　　 .　｢:::ｿ　　|＿_!　　 !　　　｀　　 |　　　　　　と･･････
　　　　　　､　　　Ⅵ 　　 ,　∨　　 !:::::/　　i｀ヽ　　　　　 |
　　　　　　＼　ヽ〉　　 .､_/　　 i:::/　　 ;:::::|｀1　　「￣￣/
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　 i/　　　/::::::|　|　　__|　　 /{＿_
　　　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 }:::::::|　|￣　l 　 /:::::::/
　　　　　　　　／:::. 　　　　　　　　　 |:::::::|　　　　/　 {:::::::/---..
　　　　　　／::::::::::.　　　　　　　　　　 |:::::::|､　＼_/　／::::/:::::::::::::::..、
　　　　　　 /::::::::::::::::::,　　　　　　　　　　　　 ;::::::::|　＼〈／{:::::::::一ｧ::::::::::::∧
　　　　　 {::::::::::::::::::::::.　　　　　　　　　　 ,´ヽ:::|　　　}o　|::::::::::::::|::::::::::::/::::i
　　　　　 |::::::::::::::::::/´}　　　　　　　　 /　 /}:|　　　} 　.|::::::::::::::|:::::::::::::::::::|　　鎮ﾏﾚ､俺ﾉ右腕…
　　　　　 l:::::::::::::/::{＼＼　　　　　　 _/_,..ｲ:/::!　　 }o　|::::::::::::::{:::::::::::::::::::|　　ｵ前ﾊ音楽ﾉﾀﾒﾆｱﾙﾉﾀﾞﾛ……

　　　　　　　　　　　／￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　　 ● llll ●､
　　　　　　　　　 |Y　　Y　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 | |　　 | 　U　　　　 ▼ |
　　　　　　　　　 | ＼／　　　　　　＿人.|　　　　大丈夫かぞぬ？
　　　　　　　　　 |　　　　　　＿＿＿ノ
　　　　　　　　　＼　　　 .／
　　　　　　　　　　｜｜　|
　　　　　　　　　　（_＿）＿）
954： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:48:38 ID:I8ZYx8hM: ┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　『ドイツ作曲家組合』設立に当たってシュトラウスが目的としていた事は　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　・著作権の確立　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　・ロイヤリティの配分増　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　・演奏ロイヤリティの最低歩合の要求　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　・ロイヤリティや使用料を徴収し、組合の加入者に公平に分配する徴収機関の設立　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　であったのだが･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　金を徴収する機関、って何のことだ～！

　　　　　||　　|!　　　　　　 /　　　　　　　　　　／
　　　　　||　　|　　　　　　/　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　,-‐-､　　／　　　／　　　　　誇り高い芸術家が、そんな
　　　,.　- ─-　、　　　　　　|_!_!ｭ }　　　　／　　　　　　　売文屋みたいなことができるか～～～！！
　　/　ノノノノハヽ　　　　　　　`'}‐┴､
　 i　,-､_{＿＿＿ l'　　,. -─- ､　｛￣｀{　　　　　　　　　　／
　 } | r} ` / -' | |`i ／　　,ﾍr^､ |　}_,　 ,! -‐- ､　　　　／
　 { 'ｧ'　　`ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉノ`i, / 　　＿i　　　　　　　　　　　　　／
　,-ｿ　､　ノ/ﾆ| `i／/　 -　r {⌒ / |＿_∠＿_,へ　／￣￣ヽ　 ,-rrr､
/#＼　､　　`='ノ iﾆij　　,ﾆﾞ | ｀i　/| r､/＿＿,|￣/ 　　ノノﾉij　iっ,!,!,!
＼＃i＼　￣,ﾉ`i ヽ　　　|r┼-､ i'　 v{_　（__ﾊ_! 　|　_ノ^i'_ﾌ'i,! 　`i 　{
　＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ| ´|ﾆ､ヽ　　|　i ` ,.-ｉ{ 　 }､|- 　　,-'i　　 |＼_|>
　　　＼|ヽ｝ﾉ　　i　＼ |　〉' `ｰ'/　 ,<.j　　二ﾉ　/ｿ　ヽ._`ﾌｧ-ｧr{`ｰ-1
　　　　　Ｏ|/ 　　 |l/　i ﾉ´|　 / /_ノ＼＼　"{ヽ /ｉ｢|i､rr､/|ﾍ!　/ﾉ　　　|
　　　　　　 |　　　　ﾘ　/∧　 V_i/　　　ヽ_|＼ノ|ﾍ !| !|.| | |/　　|-── '
＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣　――＿――￣＿＿＿￣―
￣＿＿＿￣―＝＝＝━＿＿＿￣―　＝＝　￣￣￣　――＿――＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―
　＿＿＿―＝＝＝―＿＿＿　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣　――＿――￣￣―‐――　＿＿＿

　　　　　　　　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　 .／　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　　　　　　　　 |　　　　（ ―）　 λ　　ヽ　　　　　　（いや、芸術家って法律に疎いから
　　　　　　　　　　 ,ﾍ__|　　.u 　　（__人）　　ヽ　　',　　　　　　第三者機関があった方がいいでしょ？
　　　　　　　　 __,/　　　｀＜　　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢
　　　　　　／---‐――--.､ゝ＼　ノ　　　」-‐＞ヽ　　　＼ -､
　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/.:.:.:´.:.:.:.:l　　　（__丿
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.´.:｀ヽ　　　　ヽ..:.:.:.:.:.:.:.:!
　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　 l｀.:.:.:.:.:.:.!　　　　芸術家だって霞食って
　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:＿ __ヽ-､　　 !.:.:.:.:.:.:.:.!　　　　生きていけるわけじゃないでしょ？）
955： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:49:08 ID:I8ZYx8hM: ┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　既得権益を持つ出版社に彼らを支援者に持つ政治家たち、さらには（何故か）同業の作曲家たちからも　　 │
│　　猛反発を受けて思うようには進まず、１９０１年４月、ようやく帝国議会へ法案提出に漕ぎつけたときも･･･　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　　　 γ⌒´　　　　ヽ,
　　　　　　　／／ ""⌒⌒＼　　）　　　　　　出版社の組合の方は、興行に携わる人や
　　　　　　　ｉ /　　＼　／ヽ　）∩　　　　合唱隊も含めれば２０万人います。
　　　　　　　 !ﾞ　　 (- ）｀ ´( -）ｉ/ ( "）
　　　　　　　 |　　　（__人_）　 |ノ　/　　　　つまり二〇〇，〇〇〇票分の価値があります！
　　　　　　　＼　　　｀ー'　／／
　　　　　　　　 / 　　　　　　　／　　ｷﾘｯ
　　　　　　　　 |　 |　　　　　　|
　　　　　　　　ヽ__）　　　　　 |

　　　　　　【オイゲン･リヒター】

　　　　　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　　　　　γ⌒´　　　　ヽ,　　　　 ━┓
　　　　　　　.／／ ""´ ⌒＼　　）　　　 ┏┛
　　　　　　　.i /　＼　　 ,＿ｉ　）　　　・
　　　　　　 i　　 (･）゛ ´( ･） i,/
　　　　　　　ｌ u　　（__人_）.　 |　　　　　対して、作曲家組合は２５０人！
　　　　　＿＼　　∩ノ ⊃　／
　　　　　(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　つまり彼らは二五〇票分の力しかない。
　　　　　.＼　“　　／＿＿|　 |
　　　　　　　＼／＿＿＿／　　　　　ということは･･･
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｴｴﾄ､ｴｴﾄ … 800分ﾉ1?

　（（　(ヽ三/)
　　　　 (((i )　　　ノ´⌒ヽ,,　　　ヽ v /
　　　／　　γ⌒´　　　　ヽ, 　-（ｍ）-
　　 (　　.／／ ""´ ⌒＼　　）　　 ≡
　　 |　 :i /　＼　　／　ｉ　）　　　."　　　　作曲家組合の要求は聞かなくていい、ということです！！
　　　 l　:i　　 (･）｀ ´( ･） i,/
　　　　　ｌ　　　（__人_）.　 |　 (ヽ三/)　））
　　　　　＼　　　｀ー' 　 /　　 ( i)))
　　　　　　｀７　　　　　〈＿　 /

　　　　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　自由思想党の党首、オイゲン･リヒターの猛反対に合い、潰されている　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────────────────┘

.
956： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:49:33 ID:I8ZYx8hM: ┌────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だが、その後もシュトラウスは粘り強く議員らに働きかけて巻き返し工作を計り･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　_,ノ　｀⌒
　　　　　　　　　　｜　　 ( ●) (●）
　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　　出版社側の意見だけじゃなく、我々作曲家の意見も
　　　　　　　　 |　　　　　　ﾉ　　　　　聞いてほしいだろ。
　　　　　　　　　　 i　　　　　　　|
　　　　　　　　　_.. ｨヽ、、___　　　|　　　　　　決して不利益にはならないぜ･･･
　　 , ￢;;-ｰ=≦} : ヽ　丶__ ___r-´
　/ : :ヽ : : : : : : :| : : :＼　ｲ::::ﾄlヽ
/ : : : : : :ヽ : : : :ﾉ : : : : : v' l:::::l､ :l＞､、　　　　　　　　　　　 rｰｰｰｰｰ,__
: : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : ｀､ :::::l, :l : : : : :ヽ.　　　　　　　　　 }／ )　　.{__)
: : : : : : : : :l : : : : : : : : :､ : :｀､::::::ｌ : : : : :l : :l　　　　　　　 √ ／..　　.:}_)
: : : : : : : : l : : : : : : : : : :｀､ : ｀､::,' : : : : :l: : :l　　　　　　_ /　　}:...　　..::{_)
: : : : : : ｲ´ : : : : : : : : : : : :`､ : V : : : : : :| : :ﾄ､　　　／:rj　　ｲ:...　　..;.:}ﾉ
: : : : : ∧ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l : : :ヽ_,／ : : {{ 、　ﾙﾆ二ﾆ=r
: : : : /　.V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : :／: : : : : ﾊ　ィｧｰ´
: : : /　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | : :/: : : : : : : : ゞ才
: :＼　　　 V : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : : :／´

　　　　　　　　　　　┌────────────────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　│　　同 ’０１年６月１９日、「文学･音楽著作権法」を帝国議会で可決させることに成功したのだ　　 │
　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　└────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上を持ちまして

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「文学･音楽著作権法」の可決が
　　　　　　　ノ´⌒ヽ,,
　　　　γ⌒´　　　　ヽ,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　決まりました！
　　　／／ ""⌒⌒＼　　）
　　ｉ /:::::::::⌒　 ⌒ ヽ　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／
　　 !:::::::::::(○）｀ ´(○）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　 |:::::::::::::::（__人_）　 |　　　　　････････････
　　　＼:::::::::::::｀ー'　／
　　　　/::::::::::::　　　　＼
　　┌∪┐::::::　　　|､＿）
　　└┬┘::::::　　　|
　　　　ヽ::::::::::::　　ﾉ
　　　　　∪￣￣∪
957： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:50:02 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　『サロメ』は初演から五年の間におよそ千回上演され、シュトラウスはアイブル社に代わって契約を結んだ　 │
│　　フュルストナー社に対し、六万マルクの出版権を要求した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　ﾞi i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.i　　　　　　　　/'j
　　　　　　　　,- ､__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　 //
　　　　　　　 i'''''‐-､｀ヽ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､,,,,,,,-‐''´
　　　　　　　　ヽ　　｀ヽ､ﾞ＼　　...┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　｀ヽ､　　ﾞヽ､〉　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　｀'''‐'''´　　.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　 │ 　当時のドイツの作曲家として破格の金額だが、　 │
　　　　　　　　　　　　　　　 │　　フュルストナー社も多大な利益を上げている　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　 └──────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ､　　　　　　//
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ､、＿__,-'／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,==､───---,,,,,__
　　　　　　 ,,-''''''ヽ-､＿＿＿　　　　　　_,,--'''''''''''＜　　　　　　　　　　　　,,,,,‐- ､　　　　　　　i‐-｀_'''''''''''‐----‐‐''''i
　　　　　／　　　　j .j───'''''i　　／´,,,-‐''''￣ﾞヽヽ- ､　　　　　　　　 .i 〈　　　｀ヽ､　　　　i‐-,,,_ ''''''''''''''''''''''''''''''i''
　　　　./　　　　 ./ ./￣￣￣￣i　/　／　　　　　 // 'ヽ､＼ﾆﾆﾆﾆﾆi‐‐-ヽヽ　　　　　ヽ　　　￣i＿￣￣￣￣￣''''''''''i
　　　 .i'　　　　 /　/￣￣￣￣jj　ヽ〈＿　　　,,,-''‐-ji. i　ﾞヽﾞヽ──j　j二＞-ヽ-‐‐‐‐‐ﾞ─､　　　i二二二ﾆフ￣ﾆフヽ
　/二＞-‐'''''￣二二ヽ￣ヽ二二二'''''＜二二-===========-i二二二二i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,i,,　　 i二＜-‐‐''''''''´ ,,,-'''
..-‐‐i'´,,-''''´￣￣￣ヽi￣‐､｀ヽ､｀''''ヽ､i二j､＿＿＿＿,,,,,,,,,,j-､-‐‐‐‐‐‐i‐------------i=ﾆﾆi─ゝ---‐＜ﾆii-‐‐
‐-‐ﾞﾞi´　　　　 i￣￣￣￣￣二二i‐-ヽ∠-‐‐i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐‐''ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆi‐-------‐‐.i‐''‐--------------i二
ﾆ二''ヽ‐--‐'''''j二二二二二---‐i　ヽij二二i＿＿＿＿,,,,,,,,,,j二二二二二i＿＿＿＿＿,,j‐-,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,j＿,,,,,

※：当時の1マルク＝純金358mg

トーマス･マンの短編小説『墓地へゆく道』の中で「保険会社」勤めの人の月収が「９０マルク」と出てくるので
単純に１２を掛けたのを年収とすれば、６００００マルクは、サラリーマンの年収のおよそ五十五年半分
に当たるだろうか
.
958： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:50:33 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だがこの利益も、先に行っていた著作権法の制定がなければ得られなかっただろう･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　、__,ィ、　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V　ﾍ _ノ-､　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　････････････　　　　｀ゝ、___ノ　　　　}　　　＞、＿　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､丿_ ,.　　　 /}　／/ : :/. : 二ﾆ{　｀ﾏ:ヽ　,.- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、　　/;:' ,.ｲ / : : :i : : : :.｛¨V　＼:Y　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　　　 `-ｭ＜ｨ＜／ ,ｨ'"´ : : : : ∧　＼　 ∧　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (　｀､　　　　　　　　　　　　　　 _／イr;;;;;/У: :｀ヽ､ : : : :i {　' ､　　ヽ　｀ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r-、　　ヽ ∧､　　　　　　　　　　　　　{ : :ﾉ/〉-{／ : :／ : : : : : :i :〉、　ヽ　　　　',ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } r-、　　〉、　ヽ　　　　　　　　　　　　｀､| :i,';;;;/ : : :/ : : : : : : : ｨ:(　＼　_ヽノ　　}:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　 {_／　{　　 {、　　　　　　　　　　　}λ:|;;;;/ : : /. : : : : : : : : : : ﾍ　 . : : : :　　r）､:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } }　 {r-､　,'⌒　　',　　　　　　　　　　/:'〈:'|;/ :.／ : : : : : : : : : : :V: :.｀ヽ : : : : ._// : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ}､ .i　 { r-､　　人ｭ､　　　　　　　 /:λ',:r :./ : : : : : : : : : : : : : :'､: : : : 〉二ﾆ／ : : :
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959： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:50:55 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
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960： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:51:16 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　──　、
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　　　　　 i,.　　　 illllllllli 　 .／　　　　　　｀､,,_ , '
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961： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:51:44 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　＼＼　　＼　　　　　　　　　　　　　 _,.. -‐''';;"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;:: -‐
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.　　　　　　二ニﾆ　ﾆ＝==-　..,, __｀゛ｰ＝=- _,,_.
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 :　　　 :::::::::::＼. ＼:::.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　:　　　　　 :! :::::::ヽ　':;:::::: ':,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　　　 :　　　/　.::/　.::;| ::::';r- ,:::::: ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　　i.|　 :　　 /　.:// :::/l ::::::::|__ !__:::: i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ,' :/　::　LL :::　 ./ .::/'"! _'_｀| ::::::::i/´-, |:: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..i :i.|　:::. | _!_ヽ:／'.／　/iｲ;;;;ﾞi 　::/:|'　|:l::l::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..| l l　:::|; i. !ｲ;ヽ 'ﾞ　　　　' --'!::::/.::l　 l::|:l::: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. ',.! ':, :::l:ヽﾞー'　　　　　　　/::/:://!:、|:l:| :: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ　ヽ:;!、':,　　'　　　　　 /':::/:/:ヽ丶-' ::: |　　　　　　あなた？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ::':::ヽ、　 ´￣　　　 ,'-'/ .::/:￣:　:::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | : ::::r:丶.、　　..　 '　 /.:／:: .:::　 :::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　 ',　 :::丶- ｀r.´ri'' "／:'/ ::　::/　　::::i l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、 :::ヽ ::::|ﾞ/ﾞヽ　　 /　, , '　　 .::::::l: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀' --ﾞ' r .!. .ﾉ-‐=- '''/　　　.:::::::!::: l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,z ﾆﾆヾr‐r‐r‐- , '-‐/　　　.:::::::/＼:..|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / <....　 -'‐ ﾆ - ''i ,!:／　　 .::::::::/　　ヽ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー=r <_/.//、ﾉ__-／　　　.:::::／　　　　 iヽ
962： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:52:06 ID:I8ZYx8hM: . 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　体、大丈夫なの？　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　無理してない？　　　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　 ´　　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′: : : :　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : : : : :　　　　 i　　　ああ、大丈夫だろ
　　　　　　　　　　　　　 i : : : : : : : : : : 　　|
　　　　　　　　　ｷﾘｷﾘｯ　ﾞ<.、: : : : :_;　　　　:､　　　＿
　　　　　　　　　　　　　 __ﾄゝ.!^≦z.､: :　　　 |:|＞=≦.:､.:ﾆ=‐- ,
　　　　　　　　　　　 _,､,r':ハ: .:i ´ .; ; : : : 　　　|i .:.:..:.:.:.:.: ..:.: ,r'⌒ヽ､
　　　　　　　　　　　　 ,r'／ .: .: .:(.人.__＿) 　　　 !l:!._､／.::.:.:／.:　　　ﾞｉ
　　　　　　　　　　　ﾘ : : : : : : : ﾞｉ´. ｀: : : :､,r': :／:|.:.:　..:.:l／: : :彳　　ﾊ
　　　　　　　　　　　ﾉ!ﾞｉ : : : : : : :.ト-‐‐=ﾆ､＜: : : |: /: :､:.V . : : :_:_ ､ゝ{
　　　　　　　　　 ,r'リ:ﾍ: : : : : : ::ﾚ＾＜:ヽ::ﾊ: : :＼|i :､: :.:l.:} : :＜.: : :　　l
　　　　　　　　　／ゝ:_:_: :.＼ : : : : : : :: :｀ソ|: : : : :.: : . :.:.:.｀l <: : :¨.:ﾆ:,　 i
　　　　　　　　_r'. .: ;: : : : .:.:.:.ｉ : : : : : : :. : !i:.: :､:.:..:.:.:: : ::.::.::.:.>.:イ＜　 Y
　　　　　　 | |,r'ﾆ=‐--=≦ ＼: : : : : : : !l:､:＞ : : : .: ., .::.厶イ: : ＞ , {
　　　　　　 __| | : .: -‐=ﾆ.: .:_､,rﾍ: : : : : : ヾ.: : : : : : : :. .／ : : 　　＜:.ﾞｉ}
　　　　　 γ､ Y｀ヽ : .:.ﾞｉ_＞-=≦､ﾄ:,:_:_:_:_:_:.!j: : :､-=≦｀'r:ﾄ｀≦. 　　Y |
　　　　　 iヽ.Li.メ{ ｉ ir'γ'二￣' 　　　:.ﾞｉ.:￣ !i.: : i:￣.:¨.:ﾆ=‐- !: :.ｉ.　ﾄ､!
　　　　　ｌｰj:| |::. .ﾉﾍ/´ .‐―.:........:.:.:.:.::!i:..j...!i: :.:j,: : : : : : : : : :.ヽ:.ﾞｉ :,r'
￣￣￣￣｀ーY￣　　ーﾍｰー⌒-―ーﾞ――ー-―――――-ー´｀´￣￣￣

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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│ 　前年シュトラウスは、胸に痛みを覚えたので診察を受けると、「心筋衰弱である」と診断された。　 │
│　　そして妻パウリーネは、夫の身体を慮っていた･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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└──────────────────────────────────────────┘

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963： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:52:31 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．
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┌──────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　なんにせよ１９０８年８月、『エレクトラ』全体のスケッチが終了し･･･　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　＼_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_）　　よし！　　　できた！！　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_）　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_
　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼

　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　　　　　　i　　 i|　　 i|　　　　i　|i_〕ｧ'　　　　　　　　|i_〕ｧ'
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i 　　 |　　　|　　,ｒiﾄ､　ｉ| 　　　　|i_〕ｧ'　　　　　　　　 |i_〕/
　　　　　　　　　　　　　　|　＿_ｱ〕iト=‐-L　_,ｒi|‐≦　　　〕i≧=‐-≦　　　　　　i　　　 |i_〕ｧ
　　　　　　　　　　 i　 |ｧ'　／　,ｒi|‐---ｒz__|＿|_　ムイ　|　　　　|　　　　　　|　　　　ﾚ'
　　　　　　　　　　　i　ﾚ'　／　／　　　　 |　 i| 　|i　　 i|　i|　　　　|i　　　|　　ｉ|　　　　/
　　　　　　　 i　ﾚ'i| ／　／　　　　　　　　　　|　　　|　　　ｉ　　　　　 |　　　　　|'
　　　　　 _|i__ﾚ'i| ／　i／　　　　／丁¨￢‐-乂__　　　　　　　　　　　　 |i　　　　 i|
　　　　　 {乂_少' 　 ,ｒi| 　　　／　i|　|　 |　　　〕iト．i　　　i|　　　　　 |i　 |　　 ,'ｉ|
　　　　　　　＼〈　　　ｔ‐----イ⌒ヽｒi|ｭi|＿ｉ厶斗匕¨~≧=‐‐宀=＝zzzzz|i＿|i__|_ｱ
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　　　　ゝ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　 .)三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
　　　　/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

┌────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　その翌月９月の２２日。きわめて短期間のうちにスコアを仕上げたのだ　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────┘

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964： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:52:55 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　翌１９０９年一月末にドレスデンにて「シュトラウス週間」が開催されるので、そのオープニングとして　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　宮廷歌劇場で『エレクトラ』が初演されることが決まり･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────┘

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .傘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　傘傘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r^t
　　　　　　　　　　　　　　　 .傘∩傘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./.:::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　傘傘傘傘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| : :::::|
.　　　　　　　 |　　　　　　.　［IIIIIIIIIIIIIII］_____________________________________________ 　 .r".: ::::`i
　　　　　　 .r'^ー --------i..::::::::::::;;;;i|;;;;::::;:::;::;:::;::::;::::;:::::;:::;:::;::::;::::;::::;::::;::::;::::;:::;ヽ__|.:_;_;;;_;;|_____________
　　　　　　/::;::;:::;:::;:::;:::; ::;:;::;;;| ..:::;:::::;;;;;i|;;;:;::::;::::;::::;::::;::::;::::;／|＼::::;::::;::::;:::;:::;:::;:::;::;..ヽ.;;;;;:;;:;;::;:;:;;::;:;:;;::;;::;＼
　　　　　./;;;;_;.;;;_;;:;_;_;;;._;.;;;:;.;;| ∩ ::::;;;;;/;;_;:;;;_;;:;:_;:;:; ;_;::／＼|／＼;;;_;:;;_;_;;:;;_;:;;:;_:;;_;.:;ゝ.:-:;:-:-::-::-:-::-.-ヽ
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　　　　　|: : i^i: : i^i: : i^i: : i^i| ∩ .:::;;;;;i|;;::i^i::: i^i::: i^i::::||: i'⌒`i: ||..:i^i::: i^i::: i^i::: i^i::|;.:|_j; :.|_j; .:|_j:: :|_j;: :|
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　　　　　　　　　 , -―- 、
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.　　　　　　　　ヽ　　.ノ　　　　　『サロメ』もここだっただろ、そういや･･･
.　　　　　　　 /　　.ヽ
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　　　　　　　　　　ゝl 　|'
.　　　　　　　　｀.|＿）
965： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:53:20 ID:I8ZYx8hM: ┌────────────────────────────────────────────────┐
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│ 　エルンスト･フォン･シェーフ ―― シュトラウスが最も信頼する弟子 ―― が、初演時のタクトを執ることとなり･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　⌒　⌒
.　　　　　　　｜　　 ( ⌒) (⌒)
　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　私はまだ上手く指揮できないからね･･･
　　　　　　　 |　　　　　　　|
　　　　　　　　人､　　　　　 |　　　　　　頼んだよ
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ〉:.;〈ヽ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　ヽ　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,'.　''"´.:.:::::::::::::::､:::::::､:.:.`ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ィ´.:.:.:::::::::.:.｀`ヽ:::::.　　........: : :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃.::::::l:l:||:i:::::::､:::::::.｀ヽ.::::::::::::::::::::.:.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'.::::l::l:l:||:|､;;;;:､::､::::.:.ミﾐヽ::::ｨｲ::::::::::::.:.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:!.:.l.l.:川1ﾄﾐﾐゞﾐﾐミヽ.;ﾆﾆ三彡::::::::::::::::::｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ.:;l.l.:ﾄﾄ､ミﾐヽ＞=＝'''''' `ヾミミﾐヽ:::::::::::}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ _ノ,;ﾉﾉﾉ,. 'ﾆヽ｀ﾞ`'‐t〒ﾃ　::　ﾐﾐﾚ' ヽ::::､::::ﾞi
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彳i.:lj小 ,ｨtﾃ;冫　｀￣　　::　ﾉﾉい´',::i:!:::ﾘ
　　　　　　　　　正しい演奏は、正しいスコアと正しい分析の上に　　　　　V,;i.:l.',　´~ﾉ　　　　　　　　　′)_ノ/:!N::(
　　　　　　　　　初めて成立しますから　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ﾊ　く .:.;;;.　　　　　　　　 ,..ｲl.:l.:.:.VV
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ',　　　- 　　 ,.　　　　 /ハi.:l.:l.::.:ﾉｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､　´ﾆ二´　　　　　/　ﾉﾊl.:ﾘﾘﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ﾞ､　　　　　　　／　　 _ノﾉ:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､　　　　　／,.　'´.:.:::.::::::::::::.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ーｪ‐'彡'´　／ヽ.::::::::,. .:::‐‐＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'7⌒i`ヽ.::::く_／.:rｪｭｲ─- ､:.:.:.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 "ｻﾛﾒ"ﾓ初演ﾊ､僕ｶﾞｼﾏｼﾀ!　　　　 /　′/:l::::::.',.:::::::,..ム______ フ´¨¨¨¨｀`ヽ､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【エルンスト･フォン･シェーフ】

.
966： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:53:49 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　年が明けた１９０９年１月２５日、『エレクトラ』が初演された　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘

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§　日 §ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ§ 日　§
∥＼／∥|ﾞ|~/~/／.三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三＼ヾヾ|ﾞ|ﾞ~|~~|~~.∥＼／∥
∥ ∥　∥ |:/ // .三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三ヾヾ| |　| : |　:∥ ∥　∥
∥＼／∥|/:// .三　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三 .ヾヾ|　| : | : ∥＼／∥
∥ ∥　∥|:// 三　　　　　　　　　♪　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ヾヾ| |　| ∥ ∥　∥
　　　　　　　　♪　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.､.-――　　　　　　　 _,.､.-―-.､.,　♪
　　　　　　 ,､-―-.､.,_　　　　　　　　　　　　､-''´　　　　　　　　　　､-''´　　　　　　 `'-.､,_　　　　　　♪
――-:‐''^´　　　　　 `'-.､,_　　　　　 _,.､-''´ 　　　　 ―--:‐''^ ´ 　 ♪ 　　　　　　　　　`'-.､,_　　　　　 _,.､-''

　　　　　　　 .　　＿＿_　　＿＿　　　＿＿_　　＿_ ＿_　　＿＿＿_ 　　＿＿_　　　　　＿
　　　　　　　　　 / /＿　　 / /　　　/ /＿　　 / /,／　　￣7 /￣　　　7 /ﾝ）　　　／,ィ|
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　　♪　　　　　　　　　　　_,.､.-――　　　　　　　_,.､.-―-.､.,　♪　　　　　　　　　　　　　　　　　,.､.-―-.､.,
　　　　　　　　　　　､-''´　　　♪ 　　　　　　､-''´　　　　　　 `'-.､,_　　　　　　♪　　　　　　-''´　　　　　　 `'　♪
　､,_　　　　　 _,.､-''´ 　　　　　―--:‐''^ ´ 　 ♪ 　　　　　　　　　`'-.､,_　　　　　 _,.､-'´

∥＼／∥　　　　　　　　　　　http://www.youtube.com/watch?v=jq1qfG0r4LE　　　　　　　　　　　　 ∥＼／∥
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∥＼／∥　　　　　　　　　　　　【Ｒ．シュトラウス：歌劇『エレクトラ』Ｏｐ．５８】　　　　　　　　　　　　　 ∥＼／∥
∥ ∥　∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥ ∥　∥
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ※：このリンク先、エロ･グロあり。　！注意！

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967： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:54:08 ID:I8ZYx8hM: ───────────────────────────────────────────────

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968： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:54:32 ID:I8ZYx8hM: ∞∞∞∞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∞∞∞∞
§　日 §ΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩΩ§ 日　§
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∥ ∥　∥｀ -‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´||｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥＼／∥
∥ ∥　∥　　　 i　　　　 i　　　　 ,i　　　　 i 　　　 i　　　 ,||　　　　 i　　　　 i　　　　 ,i　　　 i 　　　 i　　　 ,∥ ∥　∥
∥＼／∥｀ -‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´||｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´∥＼／∥
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∥ ∥　∥｀ -‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´||｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥＼／∥
∥ ∥　∥　　　 i　　　　 i　　　　 ,i　　　　 i 　　　 i　　　 ,||　　　　 i　　　　 i　　　　 ,i　　　 i 　　　 i　　　 ,∥ ∥　∥
∥＼／∥｀ -‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´||｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´｀ｰ-‐ ´∥＼／∥
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∞∞∞∞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∞∞∞∞

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ 　幕が下りると･･･　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────────┘

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969： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:54:53 ID:I8ZYx8hM: ┌─────────┐
│　　　　　　　　　 │
│　　拍手が起こった　 │
│　　　　　　　　　 │
└─────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　パチ･･･

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パチ･･･
:┐　　　　　　　　n /〉　　　　　　　　　　　　　　　<ヽ　　　　　　　　　　f¨ﾞ!
　!　　　　　　　　　}”/　　　　　　　　　　　　　　,､　 <｀ヽ　　　　　　　 ./^〉'.,､
⌒!ｨ　　　　　　　 f¨ﾟ{　　　　　　　　　　　　　<´ 'ヽ　Vハ　 |ヽ　Y¨!　|::::}ｲ { , -ー､　　_ /¨>　 r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ　ゝx}:::::: |::::::/:.:/　 /　> ¨⌒ヽ:'.　　V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./　＞ｲ::! :::: |:::::{Y/'　〈　/:::::::::::::::::}:' 　　V::::::::::{ .}　　.}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
　ヾ!,､:::::::::__/_／　ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ　　 V!::::::::::::::::::!:/　　./:::::::;:::Y　　/^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
　　　　｀Yﾟ￣　　＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
、　　　　　　f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|　　ヽ　.|:::::l::::i::::::|　　/:::::::::|　　＞-　._　　}} 　 |:.: |ヽ:::::::

　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…

　__　　　　　　　　　　 __　　　　　　　　　　 __　　　　　　　　　　 .__
　| l　ｒ､ ◎　,⊆ 己　 | l　ｒ､ ◎　,⊆ 己　 | l　ｒ､ ◎　,⊆ 己　　| l　ｒ､ ◎　,⊆ 己
　|_|　＼>　　フ广　　|_|　＼>　　フ广　 .|_|　＼>　　フ广　　.|_|　＼>　　フ广　　O　O　O
　　　　　　　￣　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　￣　　　　　　　　　　￣

⌒!ｨ　　　　　　　 f¨ﾟ{　　　　　　　　　　　　　<´ 'ヽ　Vハ　 |ヽ　Y¨!　|::::}ｲ { , -ー､　　_ /¨>　 r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}|　＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-!　/:::::}＿_Vﾍ　}:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣!　./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜!　V_::|　',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
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＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./　＞ｲ::! :::: |:::::{Y/'　〈　/:::::::::::::::::}:' 　　V::::::::::{ .}　　.}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
　ヾ!,､:::::::::__/_／　ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ　　 V!::::::::::::::::::!:/　　./:::::::;:::Y　　/^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
　　　　｀Yﾟ￣　　＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::|　ヽ　｀!:::::i:::::::::::|'　　 /:::::::/L_|　　￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……

　　　　　　　　　　　　　　　　　_ _　　　　　　　　.,_- 、　　　　 .,,-,,、　　　　　　 .,_- 、
　　　　　　　　　　　　　　ｨ久{;;;;;i!　 ,_- 、　　　{,　b!_　　ｨ久{;;;;;i!　 ,,,-,、　　　{,　b!_
　　　　　　　　　　　　　〈≦≧＝'-､{_ソ { ,γ＾ﾊ７ ,久>〈≦≧＝'-､{''''ｊli!　,γ＾ﾊ７ ,久>、
　　　　　　　　　　　　　　￣ヽ///iヾｬﾆ∋.)ｿ>'-'i-'//-'.　￣ヽ///iヾｬﾆj}_〉)ｿ>'-'i-'//- '.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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970： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:55:17 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　しかし、多くの人が戸惑いの表情を浮かべていた、という評からすると、巨匠への敬意の拍手だったようだ　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　(ヽ、００　　∩　　　　　　　　(ヽ、００　　∩
　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃　　　　　⊂ニ、ﾆ⊃　⊂　⊃
　　　　 ,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ　　　,, -‐- ＼　　　| |／⌒ヽ
　　　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　　（ ⊂ニニ　　 /　／⌒) ）　〇　〇
　　　　｀ｰ――'′　し∪　（ノ　　　｀ｰ――'′　し∪　（ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ　　 |　l　　/／　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　． .こ　　． .な　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二ﾆ　：　の　：　ん　 -‐　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐　！ .オ　？だ　ﾆ二
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ペ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ラ　　　　　　　　　
　　　　　 ,＞￣｀ヽr'´￣＜　　　　,._- ､r'''Ｚ.._　　　／/　　　| ｌ　　ヽ＼　　　　　　　 __､─ v─z..__
　　　　ｨ　　　　　　　　　　ゝ　　／　　　　＼　　　　　 ,._-─ v'''Ｚ.._　　　　　　,＞｀　　　　　＜
.　　　 l　　　　 l'´`＾ヽ　　ヽ　./　 , j'^＾ヽ　　　＼　　＜　　　　　　　＞　　　ｲｨ'`＾'＾'＾'＾'＾'＾'ｨゝ
　　　　|　　　,ｲﾉ u　　l ﾄ、 N　l　　ﾙ'uﾆﾆヽトゝ､　 .}　 ∠´　　,　,.、　　　＼　　 l.1　　u　　　　　１.!
　　　 | 　ノ‐'-､_,　､_,ﾘ‐W.　│ .ﾉ∠ﾆﾆﾌバﾆﾆぅﾚ'　　ｲ　,ｲ/ l/　ヽ}ヽl､　!｀　　 | |'⌒'ｰ'　　ｰ'⌒ | |
　　　　|r=ｉ| ⊆ﾆ･,　.･ﾆ⊇|.　　|r=Ｔﾓ＝｡TﾆF｡＝;T!　　 | /-─-'　'-ｰ-‐| |　　　r=ｉ| ⊂ﾆ･　･ﾆ⊃ |i=､
　　　 ||{^|| 　　 |　|　v　|　　 ||Ｌ|lヽ.三./ vヽ.三.ｨ′　r=T¨モ｡fニf｡テ¨T=､　　{ft|| v　　 |.|　　u　|f ﾘ
　　　ノ 'ｰ|! `! ｕ L_｣　 r１　　 |`7|!rー'‘‐～‐' ‐-|　　 |ｈ||`ｰ-ｲ　　.ト-‐'||ｦj　　 `7l.　　 '-U-'　　 :|く
　 ,ノ／|　 l、　 -‐-ｰ-　,'＿／|./ |　 -ー～～′ !　　ﾞｰ|!　u ‘ｰ-‐'　ｕ ll‐' -‐''7　|　　-──- 　 |. ヾ''ｰ-
-'‐1|　 |　 |ヽ.　　--　 ∧　l　 |'　ｌ　u　ー‐　　 ,l　　 rｰ:ｌ　　-一ー- 　 l-､　　l 　ヽ._　　￣　　,ノ　 |
.　 |.! 　 !　l.　ヽ　　　 / l||ｰ- ⊥_　 ` ｰ、__,.　イ　｀f⌒＼l`　、　一　, イ　/´ヽl 　　 |､￣￣￣ ,|　　　|
.　 !|　　 Wﾄ、　`ｰ-‐1V ||　　　　ヽ、_　　　 .|　 l／⌒ヽ　ﾄ、　` ｰ '　_,|　／￣＼.__ ド.ｴｴｴｴｴ.ｲ　　 |
　 ||　　　　| ` ｰ--‐ｲ　 ||　　　　　ﾊ､ﾞｴｴｴ'ﾇ'´ヽ､＿　　　Ｋ.ｴｴｴｴｴﾝ!　　　　_,ノ　∧　　　　　　レ‐- ｣
.　|L =＝､､|　　　　 |　　 ||　　　　 .l　l |│| / |　　　￣＼l十十十十レ'´￣　　　ｌ　ヽ　　　　 |
　 ´　　　|ヽ|　　　　|.r;＝'｣　　　　 |　 ||│/　 |　　　　　　　ｿl‐十十十|　　　　　 |　 ,ﾍ　　　　 |

　　　　　　　　　　┌──────────────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　│　　実際当時の音楽評論家のほとんどが、この曲に対し、“疑念” のコメントを残している　 │
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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971： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:55:38 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
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　　　　　　 .□

　　　　　　　　　　ﾛ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．

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972： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:56:01 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾛ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　□

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └──┘

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　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　 └───────────────┘

　　　　～１９１０年、ニューヨーク　　マンハッタン･オペラ･ハウス～

∥　∥ ∥━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━━∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　 ┃ 　　エレクトラ　　　 ┃　　　　　　　　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　 ┗━━━━━━━━━┛　♪ 　　　　　　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　♪　　　　　　　　　　　　　　　　　_,.､.-――　　　　　　　_,.､.-―-.､.,　♪
　　　　　　 ,､-―-.､.,_　　　　　　　　　　　　､-''´　　　　　　　　　　､-''´　　　　　　 `'-.､,_
――-:‐''^´　　　　　 `'-.､,_　　　　　 _,.､-''´ 　　　　 ―--:‐''^ ´ 　 ♪ 　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　 `'--:‐''^´　♪　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　.∧∧　　　　　　　　　　　　　　　 ∧∧　　　　　　　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　 (´∀｀)　∧∧　 ∧,,∧　　∧∧　(･∀･)　　　　　　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　((　　 )) (*ﾟｰﾟ) .ﾐ,ﾟДﾟ,ﾐ　.(ﾟ∀ﾟ*) ((　　 ))　　　　　　　 ∥ ∥　∥
∥＼／∥　　　　　　∪∪～(　uu)　ﾐ uu ﾐ　 (uu　)～∪∪　　　　　　　 ∥＼／∥
∥　∥ ∥　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∥ ∥　∥
　＼＿／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__＼＿／
　　　　／|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＼
　　 .／　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＼
　　∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ＼
　∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
　　＿∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧

.　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　│　　･･････　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　もう、外へ出たいんだが　　│
　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ

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973： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:56:26 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　＿_,,,-‐''''''''´￣｀ヽ､
　　　　　　／　　''<"ll||lll!　'' '　｀　＼
　　　　　/lllll　　　　 iii　　　i　 .ﾍﾍ,Ｙ＼
　　　 /　 lllllllllii iiii ｉｉill　 | .|l l| 　ヽ　ヽ
.　　　 /iil　　　　　　 l　|、l　|、　ﾊｌｌl　ヽ
　　　/lllll lllllll lllllll lllｉｉ　.!l .!＼!､l ヽ'''';;'ヽll､ヽ.
　　 |llll　　llllllliiｉｉlllll 　iii !,,.-‐ｰ--､ i|l∠!､ヽlli
　　 |　　 iiiiii|　　 iiiiiiilｌlｌ| _,,rテiｯ.　　〈９i;i !　 !
　　 |liii　　　| 　llｌ　　lllｌ,,｀ｰ’'"::　　 -〈｀l !　l||
　　 || 　|　　! 　ｌlll＼　　ヽ、　'''' 　/,　,,) l| !　 |
　　 |lll　|lii　|　　|iili　＼―ヽ　　　ー',, | .lll|　 !
　　 |lllllｌ|llll　|ｌ　|　ヽ　ﾐ.＼　　　　∠ﾆゝ|　lll　 |　　　　　　　　　退屈でしょうがないんだ
　　 /lll　|　iill|　lll|　ｉllヽ､_ﾐ､ﾐ　　　 ", '⌒| i | ll　ｌｌ
　 ,/lllｌｌ　| lllll,,.l　ll| ll l|､ヽ､.___　　　　　　ﾉﾉilllllll,,!ゝ
／ l|　　ll､　　|　 ll|､ヽ　　　｀"ｰ‐--‐"l　/レ''"
　 /|　　llll∧ﾞ.| l|　 l| ヽ-ヽ　　::::/ll::::|l|:: | /l|
イﾄｉ|ii 　 /　ヽllｌ|　lll|　　　::　　/|:|:|::ll||　lll|､|
┼/ll　 /l个ﾐ､l| |ll　ﾊ　　 ::: イヽ､::l/ll　,,レ＼＿
┼|ll　/|┼┼ﾄ| l|　ｌ|-｀-‐‐-､' /_,,＞/lll/ii┼┼┼＼
┼.＼|┼┼ト|/l/l　l:::::::::::............!､'／／┼┼┼┼┼＼
┼┼ﾄ┼┼ii/// l[　　　／ヽ　　.l ｌｌ|┼┼┼┼┼┼┼|

　　　　　　　　【グスタフ･マーラー】

┌────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　マーラーも、この “戸惑いを覚えた” 者の一人であろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│ 　１９０７年の５月にウィーンの宮廷歌劇場の辞任を発表、同年１２月に渡米して以来、彼はアメリカを　　 │
│　　指揮活動の拠点に変えていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　そして１９１０年にアメリカで『エレクトラ』初公演が行われた際、鑑賞したのだが、よくは思わなかった　│
│　　ようだ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└────────────────────────────────────────────┘

.
974： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:56:55 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　／: : : ＼,. -.─‐-､
　　　　　　　　 /: : : : :／ : : : : : : : :ﾊ、　　　　　　　私たちは同じ時代に生きる芸術家として、
　　　　　　　　／;: : : : :/: : ;.:-:､: : : : : : : ＼__　　　　　劇場の席に着いた以上
　　　　　　　　l: : i: : : : :i : / : : ﾘ:＼ : : : : : : : :｀ヽ.　　　最後まで鑑賞する義務があるわ。
　　　　　　　　l: : :'; : : : :Ｖ : _;ノ: : : l: i: : : : : : : : : l
　　　　　　ヽ;: :＼ : : :￣: : : : :/ / : /: : : :i : :/　　　そうじゃないの！？
　　　　　　　　｀K´＞- ､-‐' フ:/､-:': : : ／／:!
　　　　　　　　　　ｒ‐V! 'でﾃヽ／　__-‐､‐:'-イ: : :l
　　　　　 ,.、　　〈_,ﾊ!ｌu｀¨　 ,.　　､ﾋiﾗﾝ i／;ｨ:ﾌ:ノ　　ヶヶ　二,　ナヽ　 -┼　ｉ　,、　　　 /
　　　_ 　ｌ l　　/./ l ｌし　､_ﾉ　￣　/ﾚ'ヽ　　　　　合　ノ＾L　ｒﾒ、　(二　ﾚ　）　ツ・
　　lﾉl 　 ! ｌ　/_/.　ｉ,.、u /ニヽ　U　 /ノﾉ
　　 l_ {　/　し'､/　／,ﾉ　〈､__,ﾉ! u 　/ ¨´
.　　 !　V　/＾ └'"／ヽ　｀こ´　, ィヽ
.　　 l　ｌ /　　/　└__つ:｀ｰ '"ｒｘﾚ　＼
　　　',　　　　　 ,ｨ'´　ヽ｀ｰ─┴ﾋ!　u　丶、
　　　 i　　　　 /　,.　　　　　　＿(_ﾉ）_　　　 ',
　　　 {. 　　 ,'ｒ /　　　　　　´　　 }ﾖ　　u 　 i

　　　【アルマ･マーラー（マーラーの妻）】

　　　　　　　　　　　（　ｰ‐- = ､,. - ､
　　　　　　　　　　　 _ ＞　ヾ　 }}　ﾞ゛　、
　　　　　　　　,　　´　　　、　ﾘ　ヾ　＼
　　　　　　　 i　　　　〃　　　 i}　　ﾞ　　　　ヽ
　　　　　　　 |　〃　,,　〃　 {′;;　 ;i　　 ;}　i
　　　　　　　ﾉ　　　　　＿　 ,ルﾊ　 ;}　　　 |
　　　　　 ´　　　 ___/　, } |__,ノ },ﾊ　　､　" 廴　　　　　　　　　　う～～～ん･･････
　　　　　丿　 ;; 　 | /　/ .| }ィﾆつ__j_　 }　　〈　¨´
　　ｰ=彡ｲ　　　　ﾉ.{　/　ﾞ|ﾉ／ゝ_¨ノ　ﾞ| ;i　 |
　　　　 |　〃　.', 　　 {　 {　｀¨　　| i }ｰ　_j＿＿___＞‐‐─ ､
　　　　 |　　　　∧　　　　 |､ ,　　　ﾘｉ |　　ﾘ-‐' }-‐= /￣￣/ ＼
　　　　　ﾉ ;;ﾊ　　{ ∧　　　 .|__,ｨﾆﾝ / i |　 / ∨/{＿_/─‐／-‐─ヽ
　　　　イ斗∧;　∨∧　　 | ¨¨´イ　 iﾉ / }:､_） ∧./　　/　___／　/ ＼
　　　　x＜{ {　∧ } ゝﾞﾉ-‐＜{ ￣　　　／　}ﾊ.／／}￣./￣／￣/ ∧辷､
　　／ ∨{ {∨ヽ.| |＼ |:::::::::::::|　　 _, イ .廴_jﾆﾆ} ／∧/____/＿__/　{　' r_ }.＼
　/___　∧ ∨＼ |;;!､/ |:::::::::::::|¨￣八　　|ニニニ}／ .∧　/　　 ∧{.∧__j__ﾉく､＼
　{／￣　>{＼､| |/ﾆ.|:::::::::::::|_.／ﾆｉ_ヽ.ﾉ}ニニニ}.／　∧ '⌒ /　＼{_人_j¨´　＼＼
　{＼___∠__∨ヽ.|ﾉ二 |:::::::::::::}ﾆﾆニ|ﾆﾆﾆ}ニニニ_} .／／＼./　　　＼　　　　　＼＼
　V´＿__／　ヽ＼{ﾆﾆﾚ ⌒ヽ:|_ニニ}ﾆﾆニ}ニニニ_,}／／／}　　　　　 .＼　　　　　＼＼　　　　　 "ｻﾛﾒ"ﾊ､
　 .＼／_,> -‐=∨{ニﾉ　　 i}_ニニ|ﾆﾆﾆﾆ}ニニニﾆ} '／／|　　　　　　　＼　　　　　∨}＼　　　　文句ﾅｼﾉ傑作ﾀﾞｯﾀｶﾞ…

┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　「（マーラーは）席を立とうとした。それでも私たちは終りまで座っていた。終わってから　　 │
│　　『これほど退屈したことは滅多にない』と話し合った」　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　と、アルマ･マーラーは『回想』の中で書き残している　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

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975： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:57:19 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
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　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　 └───────────────┘

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌──┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └──┘

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.□
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　ﾛ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾛ　　　　　　　　．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 □

　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌┐
　　　　　　　　　　　　　　　　 └┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌──┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └──────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───────────────┘

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976： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:57:40 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年３月、ガルミッシュ～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _....-―一' ;:;:;:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,....--'´　　　　_;:;:;:′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _、　　　　　　　　　　　　 ..-‐'´　　　　ｨ　 ,,';:;:;:广
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..-..,,_　　 _,〃 ,　 ''''-...._,,_　　　　　_／’　　 ,,/　　　　 _i;:;:;:「
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__..r'′　''￣"''";:;:;:;:;:　　　　　｀￣￣''''''ﾞ廴、 ''ゝ丿　　　　 _u;:;:;:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´ _ ,,、　　　　　 ;:;:;:;:;:　　　　　　　　　　t_,];:;:;:;:;:;:;:　　　　.. ｬ;j;:;:;:′　　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／　　ﾞ〕　　　　　　l;:;:;:;:;:　　　　　　　ﾞ'、　 ;:;:;:;:;:;:~~　　_、　 ,j;:;:;:;:l′
〃　　　　　　　　　　　　　　_／'''''´　 ..;:;:;:;:;:;:　　　　 .._ ;:;:;:;:;:　　　　　　　　丶ﾞ;:;:;:;:’　　　ﾆ､_u;:;:;:;:;:－
　ヽ　　　　　　　　　　　..-''´　　　　　;:;:;:;:;:　　　　　 ;;:;:;:′　　　、　　　'' 　 ;:;:;:;:;:;:　　　 ..ｨ' ﾞ/;:;:;:;:;:;:;:′　　　、
′ r　ﾞ''ｰ.... __　　_ __..r''´　　　　　　,_;:;:;:;:;:　　　　　 ;:;:;:;:　　　　　　丶　　　 ";:;:;:;:;:　　　　　 u;:;:;:;:;:;:;:′
′丶　､　　´ ￣´ 　　　　　 u‐^ ;:;:;:;:;:;:;:;:　､　　　　　　　　　　　　　 '､''、　　　　　 _n-　 ;:;:;:;:厂　′
　､ _ ′　　　　　　　　　　　_..ｨ;:;:;:;:;:;:!　　　　　　　　　　　　　　　　 ''''ｌ{lゞ -　　　　　　 _,jl;:;:;:;:;:
　　 `ｰ- 　　　　 ,,　　'''　　　....-';:レ´　　　;:;:;:　　／＼　　　　　ムfｮｮ广　　　　　　　_、ﾆ;:;:;:;:′
　　　　　　　　　 ''ゝ､_ __l广　　 ''ll′　　　 ;:;:、／／＼＼　　　　｀jｒ]「　　　　　　　 '''´'ｔ;:;:;:;:厂
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　　　　　　　　　　　　　;" ' ";" ' ";" ';" '" ' ";" ' ";" ;" ';" ' "; ' ";" ' ";" ' ";" ';" ' ";, ,
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977： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:58:03 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　ﾉ　　.l　　 l　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　l　　 l.　　 l
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978： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:58:25 ID:I8ZYx8hM: ┌────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　「名誉と徳に溢れる若き吟遊の騎士グントラム、ここに眠る」　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　オペラではシュトラウスの処女作に当たる作品『グントラム』の墓である　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　ガルミッシュに別荘を建てたとき、彼は処女作にして悲惨な失敗に終わったこの作品の墓標も立てた　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└────────────────────────────────────────────┘

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979： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:58:45 ID:I8ZYx8hM: ┌─────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　この『グントラム』･･････　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　後に別の作品が成功を収めてからも、何度も修正を加えながら、なんとか舞台に乗せようと努めていた　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　 j/////从/////// 　　　／j///////∧///////.j　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　|//////｀i∨////　　　　　／////////,人//////.(　　　　　 .│　　だが、どうやっても成功できないと理解し、　 │
　　　　　|///|///,1､_,､_,<　　　／j//////, ﾍ//くゝ＜zx/∧　　　　 │　　せめてもの供養として、墓を立てたのだ　　　 │
　　　　　'V//|////ヾ///∧　,.イ　i////////////,V///////i　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
.　　　　'./／//j///////,ﾇ　|　 |/////////////.!///////i　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　i//////////／//j､j＿ｊ/////////////.l/////;／　　　　 └────────────────────┘
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980： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:59:07 ID:I8ZYx8hM: ┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　これから後も彼は創作を続け、その中には記録的な大ヒットとなる作品もあれば、失敗に終わる作品もある　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

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　　　　　　 .'　　　　　｀,:､　/ﾉ
　　　　　　　_,<　　　,　　`泛ﾀﾞｿ^
　　　　　　/ﾍヽ! :i　! 　γ　　i<
　　　　　ﾒv/＼ヽ､ﾍ.　ゝ.__.ﾉ_)　　　　　････････････
　　　　／/ハ/,∧　＼＼_／
　　／////_j//jヘ.　/,7j
　　///////＼////＼/∧､.
　　;γ⌒ ｀ヾv ＼////＼ﾍ廴　　　 ,-､__　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────┐
　　i//ヽ､///,＼/＼/////ﾍN　 /У　ﾍ_,ヽ　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　|//ヽ､_≧=ヽiﾘ//＞､/∧i!ﾊ }　　 /　｀i　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　|､///ー=ﾆ7/{/j/////＼.ﾘ/∧,　　　　 l　　　　　　　　　　　　　　 │ 　だが彼はどの作品にも愛情を持ち、　　 │
　　Ｎv/////,≧7､////////N,メﾞゝ､　／　　　　　　　　　　　　 │ 　興行的に失敗した作品でも、　　　　　 │
　　ヾ.V/////ヽ､∧//////／// ＼｡У　　　　　　　　　　　　　　　　│　　なんとか舞台に乗せようと努力する　　 │
　　　VV/////ヽ､∧///／//////｡Y　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　 Vヾ////////У<///////｡／　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　V/＼//////'ﾘ,/////｡／ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────┘
　　　　 V//,＼//// // //,／i!//,∧
　　　　　ヾ/∧ ヾ/////,／//ﾍ/// ∧
　　　　　　｀Vﾍ/ ＼_/イ//ヾ＼V////j
　　　　　 }/|//////////////ヽ//ﾒヽ
　　　　　ﾊ/i//┌―――v///∧/ハヾ＼
　　　　　　 i//ﾘ//ﾅー――-ﾘ///i∧V/ //.ﾍ
　　　　　 j//i///////////////! ∧V/ //i!

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　作者から見て、作品はわが子も同然であり、また彼は現場第一の人間でもあるからだろう･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────────┘

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981： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:59:29 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
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　　　　　　　　　　 |　 γ.――　、　／　　 |
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　　　　　　　　　　 |./ /　 /　/　 /　　i 　　 ..!
　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　 .／ }　　　ｌ　　　　　　　　････････････
　　　　　　　　　　　　}, 　--　、　　.,に_ﾉ　　　 /_
　　　　 .＿＿＿ｒ=-ｔ―- 、　　ノ＿　　／//ﾍ
　　 γ´三三三├― - 、＼r´ +-+-}　／／////
　　 ./三三三三.∧/////＼　＼二二／／//////
　　 li三三三三∧////////气　}　　／/////////
　　 li三三三 .∧//////////孑´ .Ｙ´∧////////
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982： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/16(土) 23:59:53 ID:I8ZYx8hM: 　　　　　　　　　　　　　,､　──r -、 .._
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　　　　 /: /: : :iヽ: : : : : :.,': : :/l: /　l: : : : l-┴i: : :',
.　　　　 ,': :/: : : l..._ヽ: :l: :/: :./'"l/＿ l: : : : ﾚ'"liヽ: :.!
.　　　 !: /l: : : :l　＿ヽl/l: :/ 　ｨ::::::i〉: : : :.l:::::li:lｉ} : l
　　　　 l: :l l: : :i l〈 i::::ヽ　l/　　ヽ- 'i: : /: :!::::li:lｉ:}: :l　　　　　　　　この寒い中、いつまで外にいるつもり？
.　　　　 ', l. ',: :.ｌ: ﾊ` ‐' 　　　　　 l: / : 人:::li:lﾘ: :.l
　　　　　ヽ!　ヽl/:ハ.　　 '　　　　　　ﾚ': :/: : ヽlｉ/: : :l　　　　　　　　中に入ったら？
　　　　　　　　 l: :i: ,ﾍ　　 - ‐-　　　lノ : : : :/: :/: : : l
.　　　　　　　 l: :l/ : ヽ.　　　　,､＜ /: : : :/: :/: : : : :l
　　　　　　　　 ', l: : : : : :＞＜Pi＝/／l: /: :/: : : : : i:!
　　　　　　　　　ヽ: : : :/: : /7 く::::::::::::::l/:／: : : : : : l:.',
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　　　　　　　　　│　　蛇足ながら『グントラム』は、妻パウリーネと婚約するきっかけを作った曲でもある･･･　 │
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983： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:00:15 ID:zM6s7GC.: 　　　　　　　　　　　　　　　 /￣　｀　"''"´￣｀''==s 、
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　　　　　　　　　　　 /　　　　　　::.　　　　　　　　　　　　＼ヽ
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　　　　　　　　　 ./　　　　　:::i　　　::::.　　　_|＼＿　::::　 ::l　　li
　　　　　　　　　/　　.:　　　::::|ヽ,ヽ ::::::.. : :´.i　_ヽ_｀ヽ:::　:::::|　　|i,
　　　　　　　　 ,'　　i::::.　 :: ::_:√ヽ...ヽ_:::::..::::|z＝=､　';:::. ::::::l:i　 l i
　　　　　　　　 l :: : |:::::..　:::'ヽ l ,z＝､　ヽ:::::::'l.仆ﾃ∧ヽlヽ: ::::Li　| ',
　　　　　　　　 | :::::/';:::::. ::i:: :'/{∧ﾗﾊ　　i｀:':.､弋_ソ　!:::l:::/　|/ヽ . l　　　　　　　　　それにあなた、できる夫さんから
　　　　　　　　　l:::::l/ヽ::::. :|i　!::弋_ソ　　;!::..　　　　./ i::::|'　./ヽ |　|　　　　　　　　先月お手紙届いてたじゃない。
　　　　　　　　　|';::|/ | |＼ lヽヽ　　　　　　　　　 ./ /!　l　 l　 | l　 l
　　　　　　　　 / ヾ!!//　ヽ! l　｀　　　　　　　 / ' /　 .!　ヽ.ﾉﾉ::　 |
　　　　　　　　/　　ヽ'_　 /、　':,　　　　　ﾟ　　　　／/　: ﾞーl ´ :|::　 .l
　　　　　　　 /　 .::::　.l／´ﾉ／ﾉ-ヽ、　　　　　　／ |/ .:/　:::::|　 :l::　:　|　　　　　　･･･お返事しなくていいの？
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　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　_,イﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ　　　　　　　　　「楽しみにしてます」って･･･
　　　　　　　　　　,.　-─‐-´ 　｀, へ　＼__､_ﾊ
　　　　　　　　／　　　　　　　 :i 　ハ､　イ;;ヽト、
　　　　　　　　ﾄ⌒　　　　　　　　:i　　｀<´.〉:.;〈ヽ＼､
　　　　　　　 /　, : . ＼　　　　　 :L_＿　｀v;;;;ﾍ ' ,＜ヽ
　　　　　　　ﾉ　l : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
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984： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:00:37 ID:zM6s7GC.: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　この１９０９年の２月にホフマンスタールは、友人のケスラー伯爵との会話から得た　 │
│　　新しい喜劇の構想について、シュトラウスに宛てて手紙で書き送っていたのだ　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　 ,.．''"　　　　　 ,.．彡'　　　　　　　　　　　ジ"
･･･ここで三日ほど静かな午後を過ごす間に、ある喜劇的オペラの　　j.! ,．'"　　　　　　　,．イ"　　　　　　　　　　　　／
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣,..ｲj/,:　　　　　　,.．彡"　　　　　　　　　　　　　,．'"
完全な、全く新しいシノプシスを作りました。登場人物も　　　　　,．‐'" 　 j!　　　 ,．イ"　　　　　　　　　　　　 ,.．'ﾞ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣,イ　　　　　{!　 ,．彡'　　　　　　　　　　　　_,.．彡"
シチュエーションも全く思い切ってこっけいなもので･･･　　 ,ｨ"　　　　　　,.．彡"　　　　　　　　　 _,.．-''"´
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/　　　　　 ,.．才　　　　　　　　　 ,.．彡´￣￣￣￣￣￣
叙情的なもの、戯れ、ユーモアの機会にも　　　　　　　.,:′　　　,.ィ,.イ　　　　　　　　 ,.．''"
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ⌒V　　　,.ィ,.イ　　　 ,ゞ、,.．:'ﾞ'"￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
事欠かず、それどころか･･･　　　　　　　　　　　　　{　,.ィ,.イ　　　　 ,.ｨfチ｀ﾞ"
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ _ミﾞヾ彡ｨ;",.イ　　_ ,.ィ彡ヘ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 =彡ィ",.イミ≦チ=彡'
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣,.ｲ ,.ィ彡 ".:ﾞミ辷彡￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.ィ".．イ彡ｨ''⌒ﾞミイ　　　場所はマリア･テレジア統治下のウィーン。･･･
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣...ｶﾘｶﾘ…　　　　　..／　　　:::::＼　.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|'__, 　　　 ::::::::|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ .((　　＼.....:::::::::　:::,／..￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　ｶﾘｶﾘ…　　/))　／　　　　ヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣./⌒|￣　__,　　　　 i　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣／　　　　ノ
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985： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:01:12 ID:zM6s7GC.: .　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　なんか･･･　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　 (⌒ ) (⌒ ).i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　（___人__） i　　　　　　　素晴らしいものが
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　 iハi　i　　 {　'､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／. . . . . .｀ -.. _,. イﾄ､ヽ､, ____,__ ノ
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　.ヽ/ .ﾊ,_￣{、　　｀､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ　　ｨ´:::.V、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　彼らの間で今までとは異なる、新しい何かが生まれようとしていた･･･　 │
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986： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:01:34 ID:zM6s7GC.: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
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987： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:01:53 ID:zM6s7GC.: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日の投下は、以上です。
988： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:02:18 ID:zM6s7GC.: なお、このスレでは１９０６年にザルツブルクで開かれたモーツァルト祭で二人が顔を合わせたような描写がされてますが
これは ◆c4bqdXp7mw の創作です。

（二人がこの時期にザルツブルクに居た、そして７月の手紙で「（会えるように）都合をつけたい」と記してたのは事実ですが
その後については確認が取れませんでした。
この年で二人が確実に顔を合わせているのは１２月になってからですが、それよりも前に『エレクトラ』のオペラ化の話が
具体化してるので、あくまで〝創作〟ということで、このように描写しました。）
989： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:02:39 ID:zM6s7GC.: 以上です。それでは
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990：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2014/08/17(日) 00:06:05 ID:bC74cHFI: 乙です
いつも思うけど昔のオペラの女性の登場人物って情念が凄まじく強いってイメージだなぁ
エレクトラは興行的には失敗だったのかな
991：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2014/08/17(日) 00:16:29 ID:WosDP5xg: 乙でした～
992： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/17(日) 00:17:47 ID:zM6s7GC.: 乙ありです。

興行的には十分成功してます。というか、他の作曲家なら大成功の部類だと思いますが
ただ、『エレクトラ』の前が『サロメ』、そしてこの次の作品『薔薇の騎士』、この二つは記録的な大成功
（宮廷歌劇場に行く人のため、ドレスデン行きの特別列車「サロメ号」「薔薇の騎士号」が発走したぐらい）
だったので、この二つに挟まれるとちょっと影が薄くなるんですよね･･･
993：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2014/08/17(日) 09:49:08 ID:BQLK6ed2: 乙でした

この時代、このまま無調や不協和音の前衛的な路線で進んでいれば、
近現代音楽の歴史が変わっていたのかなとも思えて興味深かったです
『エレクトラ』をじっくりと聴き直してみたくなりました
次回も楽しみにしています
994：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2014/08/17(日) 23:52:28 ID:ibY1COHg: 長時間の、そして内容の濃い投下、本当に乙でした。
恥ずかしながら「エレクトラ」は今日初めて聞いたのですが、なんと凄まじい……

ところで>>588はunsereのタイポでしょうか
995：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2014/08/18(月) 00:08:43 ID:ZGKHvtEw: ５００レスもの長時間投下乙でした
オペラにフロイトが絡んでくるあたり、まさに「歌は世につれ、世は歌につれ」

ところで次スレなどございますでしょうか
996：名前なんて無いだろ常識的に考えて：2014/08/18(月) 00:21:17 ID:HLm7nAis: フロイトの「エディプス・コンプレックス」と対になる概念に、ユングが「エレクトラ・コンプレックス」と名づけたのは、
ひょっとして、このオペラを念頭に置いていたのでしょうか……？
997： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/18(月) 01:16:11 ID:Ii7syRww: 乙ありです。

>>993
シェーンベルクはアメリカに亡命した後（彼はユダヤ人）、無調への道を歩んだことについて問われたとき
「私は革命家ではない。私の時代に真の革命家だった者はリヒャルト･シュトラウスだけだ」
と語ったそうです。
しかし、シュトラウス本人は『サロメ』と『エレクトラ』作曲後に「一度限りの実験」と語ったことを考えると、
時代の流れがどうであれ、前衛路線を進める気はなかったんじゃないかな、と思います。
進めてれば、どんな曲が生まれたか、は興味が尽きませんが･･･

>>994
タイプミスではなく、ホフマンスタールはこのように書いてます。
Es ist die Stunde, unsre Stunde ist's!

文法的に正しく、であればと「Es ist die Stunde, unsere Stunde ist!」となるのでしょうけど、文章のあちらこちらで
綴りが変えられてましてね。
オーストリア訛り、という訳ではなく、詩的な、口から出したときのイントネーションやリズムの嗜好で変えてるんじゃないかな
と思います。

余談ですが、『薔薇の騎士』はウィーン訛りで、（普通の）ドイツ語と違う綴りが多いんですよね。特にマリアンデル･･･

>>995
ありがとうございます。
次スレ立てた方がいいでしょうかね。
次の十話がいつの投下になるのか分からないので、また数ヵ月後になったら･･･と思うと、立てるのにちょっと気が引けますが

>>996
うーん･･････

ホフマンスタールがフロイトの本を読んでいた、つまりフロイトからの影響はよく指摘されてますが、
ユングが誰から影響を受けたか、はちょっと分かりません。

心理学は大学の教養課程でとって以来遠ざかってたのであまり覚えてませんが、フロイトとユングで
エディプス･コンプレックス、エレクトラ･コンプレックス、異性・同性の親への愛憎と子供の性（♂ｏｒ♀）で
違いがあるので、ユングが何から発想を得たのか、というのは興味深いし、可能性はあるのかもしれませんが･･･

ただ申し訳ないが、その辺私には分かりません
998： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/18(月) 01:43:26 ID:Ii7syRww: テンプレを読んだところ、次スレ立てる分には問題ないのかな。

次スレです。

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14429/1408293568/

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999： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/18(月) 01:54:56 ID:Ii7syRww: 　　　　　　　 ∨∧
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1000： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/18(月) 01:55:17 ID:Ii7syRww: 　　　　　　　 ∨∧
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