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一時投下・修正用スレッド

92ロワとアヒルと仮面ライダー (修正版)  ◆1yqnHVqBO6:2011/01/07(金) 19:46:23 ID:kNVnOpJc

「まさか素人に負けるなんてね」

「アンタは仮面ライダーとして俺と戦おうとした。
 俺はソレから逃げて力を受け入れながらも人間としてアンタと闘った。
 勝てたのは認識の違いと、ただの偶然だ」

その言葉に納得したのかしていないのか静かに息を吐くとやはり投げやり気味に言った。

「これでお前もライダーバトルの参加者ってわけだ。おめでとう。
 勝ったんだからさ、トドメ……刺しなよ」

「どうして…………どうしてそんなに凄い力を持っているのにゲームに乗るんだ?
 今からでも遅くない、俺達と一緒に行こう。
 脱出を目指し、闘いを止めようとしている俺の仲間だっているんだ!」

彼女の諦めにも似た誘いには応じず、
杉村弘樹は殺し合いに乗ろうとする彼女を必死に説得する。
ソレに彼女は苦笑したかのように言う。

「なんだ、せっかく勝ったってのに殺さないのか。
 悪いけどその提案には乗れない。お前はさ、大切な人を奪われたことがあるか?」

口調は静かであったが杉村は動揺したかのように息をつまらせる。

「ハハ、その反応じゃあお仲間ってことか……ならわかるだろ?
 復讐したいっていう気持ちが、大切な人にまた会いたいって気持ちがさ」

その言葉を最後に彼女は煙に包まれる。
それを見て杉村は何かを言おうとしたが
突如として彼の周りに飛び散る羽の嵐によって遮られる。

「殺さないのを選んだのはお前だ。殺されない以上、私は止まるわけには行かない。
 けど一個だけ助言をやるよ。城戸真司って馬鹿に会いな。
 どうしようもないお人好しだけど、逆にソレしか取り柄の無いような奴だから気が合うかもね。
 霧島美穂って名前を出せば話は通じるからさ」

それと、と。付け加える彼女の声が今にも泣きそうなほどに震えていたのは
果たして気のせいだったのだろうか。

「ソイツに会ったら伝えてくんないかな…………
 ゴメン。私……やっぱ、闘いを捨てるのは無理みたいだ」

視界が晴れた杉村とキャンチョメの前には誰もおらず、
残ったのは大きく抉られた大地だけであった。


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