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臨時作品

221擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/26(水) 23:59:27 ID:???
「生憎、俺は妻帯者だ。これでもリアーネに操は立てているんでね。
 あんたの言う“良い事”には乗れないなぁ?」

ま、第一ニンゲンの女なんぞ犯して孕ませようものなら、出来たガキに力奪われて
こっちが化身できなくなっちまうんだがな。…願い下げだね。

「いや、そういう意味での良い事じゃなかったんですけど…。
 もう。いやですねえ、乙女を捕まえてこのむっつりスケベさんは?
 ほら、お決まりの情報交換とかあるじゃないですかぁー。
 足が浮きっぱなしじゃ、ちょおっとばかり落ち付かないんですけどね。」

あー、そっち系の誘いじゃなかったのか。
全裸で男に抱き寄せられても全く物怖じしない上に、
やたら場慣れしている感じだから経験豊富なのかと思っちまったが。
…気のせいかね?俺の勘も鈍ったか?
とはいえ、彼女の懇願は綺麗に流す。

「良い男の腕にかき抱かれながら、ニンゲンじゃ絶対に眺める事が叶わない…。
 夜空の絶景を見渡しながら楽しくデートってのも、
 なかなかに域な計らいっだって思わないもんかね?」

「あれ?さっきと言っている事が矛盾してませんか?
 それに、私にも彼氏がちゃんといますから。
 そういう浮気のお誘いは、ちょっと困りますね…。」

「そりゃ残念だ。じゃあこのまま本題に移るとするか。
 一つ。なぜ、ここにこいつらの死体がある事を知ってた?」
「乙女のヤマ勘です!」

222擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 00:00:03 ID:???
 ――嘘こけ。

「二つ。強盗達ってどの辺りにいる?どんな人相と組み合わせだ?」
「貴方みたいにいきなり後ろから襲って来ましたから、あんまり顔とか覚えてません。
 それに、夢中で逃げて来ましたからね。あ、もう少し落ち付けそうな場所でなら、
 色々と思い出せるかもしれませんよ?」

 ――おいおい、いけいしゃあしゃあと何抜かしやがる。

「三つ目。とりあえず、呼び辛いから名前でも聞いておくか。偽名でも構わないぜ?」
「えー、私はしがないアルバイターです。別に名乗るほどのものでもないですよー。」

 ――なるほど、冗談は口にしても、一切の手掛かりは与えないという事か。

正直に本名を口にするか、偽名を口にするかで人間性を値踏みたかったが、これも駄目か。
やはりというか、まずは地面に降ろさない事にはまともに会話するつもりはないらしい。
自分が持っている情報という財産がなくなれば、いよいよ消される可能性がある。
だったら、身の安全が保証されない限り、一切の情報を渡すのは厳禁だという
状況判断は出来るようだ。のらりくらりと質問をかわす辺り、中々に喰えない。
だが逆に、開口一番にさりげなくこちらが喰い付きそうな情報を断片的に渡す辺り、
それなりに駆け引きの妙味も心得ているようだ。

只の痴女でも馬鹿でもない。これなら、この女自体にも充分な利用価値はあるだろう。
助けてやって恩を売り、オグマのように一時的に組んでもそう悪くはない。
だが逆に言えば、油断すれば寝首を掻かれる事も警戒しなければならないが。

「へえ、何一つ真剣に話しをする気はないって訳だ。そりゃ残念。」

手が、少しだるくなってきた。
女の体重はリアーネとあの糞爺を足して少しだけ引いた感じだ。
まだまだ充分抱え続ける事も出来るが、このままじゃ少々疲れる。
このまま星空の中ランデブーを続けても、あまりメリットはない。

223擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 00:00:36 ID:???


 ――だったら、どうしたもんだかね?


さっさと突き落として処分するか?
降ろしだけはするが、そのまま縛った触手でゆっくりと尋問でもしてみるか?
あるいは、このまま拘束を解いて女に恩の一つでも売り付け泳がせてみるか?


 俺の回答は――。


          ◇          ◇          ◇

しくしくしく…。
この有様じゃ、私も現役引退した方がよいのでしょうか…。

立て続けに起こした失態と、色々な意味で周囲に誤解を与えかねない光景を
見られてしまった羞恥により、私は、すっかり鬱な気分になってました。
やっぱり、痴女扱いされちゃってますし…。

背後から抱き寄せられたまま、私はその襲撃者を首を曲げて横目で見る。
後ろへと綺麗に撫でつけられた黒髪。
軽薄なようでいて鋭い印象を与える、端正な顔立ち。
年齢は青年のようにも、中年のようにも感じられる。
小洒落た感じの、黒一色に覆われた軽装。
そして、フレイズさんを思わせる大きな鳥の翼。
――ただし、その色は烏のような艶やかな漆黒。
それは、天使というより堕天使と表現した方が相応しい。
まるで、掴みどころがない。

224擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 00:01:18 ID:???

フレイズさんがやさぐれて黒く染まったら、こうなるんでしょうかね〜?

そんな馬鹿馬鹿しい人を喰った事を考えて、込み上げる焦燥と緊張を紛らわせる。
フレイズのような存在はあまりにも珍しく、また彼とはほとんど接点がなかった為、
参加者に上空から俯瞰出来る存在を想像できなかった。
仕方ないとは言え、私の見落としであるのは違いない。

状況は、先程より更に危機的ではある。
今回は、如何なる抵抗も逃避すらも出来るものではないのだから。
だからこそ、彼もこうして会話に上空を選んだのだろう。
だが、一方で幸いな事に、彼には悪意は一切感じられない。
このゲームに乗っている様子は、特には感じられない。
会話から察するに、それ程交戦を好む人種という訳ではないのだろう。
――今の所は、だが。

だが、そのどこか鋭く冷たく光る瞳は、いざとなれば躊躇いなく人を殺せる人種であるとも、
流石に察してはいた。その最悪の展開だけは回避する必要がある。
――一体、どうすべきか?

最も簡単な事を言えば、「私を殺すには惜しい」と思わせなければならない。
かつてオルドレイクにもした時のように。
具体的方法としては、相手の欲望を満たし続けてやったり、利用価値があると思わせたり。
前者は駄目だ。相手に一切乗り気がない。何より、私ももう二度とあんな事はしたくない。
それ以前に、彼にはどこかしら人間という種族を侮蔑している気配がある。
それは妙な訛りで「ニンゲン」と皮肉っぽく呼ぶ事からも明らかだ。
変に媚を売るのは、却って自殺行為にもなりかねないだろう。

225擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 00:01:53 ID:???
残るは後者、「利用価値があると思わせる」事だが。
このゲームに関する情報面においては、それなりに自信がある。
おそらく、私はこの会場内でも最も事情に通じている参加者の中の一人だろう。
だが、それを惜しみなく全て吐きだせば即座に始末されかねない。
だからといって、一切開示しなければ、それはないも同然と思われる。
開示する場合は、匙加減が重要となる。

あるいは他の参加者についての情報を小出しにし、
彼らとの繋がりをちらつかせるのも一つの手だが。
もし私を抱えている者が、このゲームの反逆を装って実は乗っている類の人種なら?
後々、深刻な厄災を呼びこむ事態になる可能性がある。


抱えている黒い翼の優男が嫌な気まぐれを起こす前に――。
私は今の事態を打開しなければならない。

私は、その為に――。
脳内にある情報を整理し、次に紡ぎ出す言葉を探し始めた。


【D-6/マルスの死体付近・上空/初日・深夜】
【パッフェル@サモンナイト2】
[状態]:健康。身体的疲労(中度) 、精神的疲労(中度)、触手により拘束状態、
    後悔と羞恥(中度)、首筋にかすり傷、シーツが所々透けている
[装備]:濡れたシーツ一枚、(多少血の付着した)マルスのズボン、靴
[思考]1:ネスティの探索及び手がかりの調査を行う。
    2:これまでの考察をメモに纏めたい。
    3:アティ・マグナを探す(その他の仲間含め、接触は慎重に行う)
    4:見知らぬ人間と遭遇時、基本的には馴れ合うことは無い
    5:このやさぐれたフレイズさんみたいな人(ネサラ)と交渉を試みる。
    6:???
[備考]:デニムにより、「愛した者を殺す」呪詛をかけられています。
    本人が自力で気づく事は不可能です。
   :マルス王子から脱がせたズボンと靴は、まだ手に持っているだけで履いていません。

226擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 00:02:29 ID:???
【ネサラ@暁の女神】
[状態]:打撲(顔面に殴打痕)、パッフェルを拘束中。
[装備]:あやしい触手@魔界戦記ディスガイア、ヒスイの腕輪@FFT
[道具]:支給品一式×2 清酒・龍殺し@サモンナイト2、筆記用具一式、
    真新しい鶴嘴(ツルハシ)、大振りの円匙(シャベル)
[思考]
0:己の生存を最優先。ゲームを脱出する為なら、一切の手段は選ばない。
1:とりあえず、捕まえた女(パッフェル)をどうすべきか?
2:オグマは手を組む価値あり。だがしばらく泳がせておく。
3:キュラーの言う“貢献者”(アルマ?)はどうやって主催と会話をしたのか?
4:ラムザとアルマの動向に興味。接触はアルマの精神状態を見てから。
5:アイク・ソノラの情報は次の機会にでも。
6:脱出が不可能だと判断した場合は、躊躇なく優勝を目指す。

[備考]
※臨時放送の内容から、主催と連絡を取る方法があることに気付きました。
※主催にルール変更を持ちかけたのは、アルマの可能性が高いと考えています。
※アルマがゲームに乗っていることを知りました。
 危険性の高いアイテムの影響下にあるのではないかと考えています。
※この舞台そのものが、ある種の『作りもの』ではないかと考えています。
 そして、このゲームの主催者が女神アスタルテに匹敵する超越的存在であるが、
 同時にその奇跡にも等しい力にも限界があるのではないかと踏んでいます。
※このゲームに、ラグズの存在さえ知らない異邦人が数多くいることを確信しました。
※捕まえた女がパッフェルである事は、顔写真の下にある名前から気付いてはいます。
※ネサラの参加者名簿には顔写真(肖像画と認識)がついています。
 名前の左隣にチェックを入れており、内容は以下のようになっています。

227擦れる羽根 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 00:02:59 ID:???
アティが◎
マルス、シーダ、チキ、ベルフラウ、ソノラ、ミカヤ、サナキ、
イスラとオグマとアズリア(名を聞けなかったが、イスラと同じ姓で判断した)が○
アイク、漆黒の騎士、シノン、ナバールが△
ハーディン、ビジュが×
アルマが★、ラムザが☆

[共通備考]:マルス王子の死体から、靴とズボンが両方脱がされています。
      マルス王子の傍には、支給品一式のみが入った彼のデイバッグが
      そのままに放置されています。

228 ◆j893VYBPfU:2011/01/27(木) 02:16:50 ID:???
仮投下終了。
内容的なものに問題がなければ、後日微修正(マルス王子の基本支給品の描写を追加?)
をしたうえで投下いたします。


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