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【33:33:33】投下スレ【条件3:真相への到達】
498
:
最後の詩
◆qh.kxdFkfM
:2016/03/01(火) 00:08:09
予定よりすっかり遅くなってしまった。
テロ対策のための厳重な警備とやらのせいで、帰国まで随分時間が掛かった。
ともえはキャリーバッグを転がして、空港の中を早足で進んでいく。
相変わらずの和服姿は向こうで大層珍しがられたが、スーツ姿の自分が想像できないだけで、パフォーマンス目的ではない。
「あ、すみません」
誰かとぶつかってしまった。英語が出そうになったところを、慌てて日本語で謝る。
「オウ、ソーリー」
それを英語……いや、片言の日本語で返された。どこかで聞いた声。
相手の落としたものを手に取る。それは棒状で、袋で隠されているが、日本刀だとすぐにわかった。
顔を上げると、そこには茶色がかった黒髪、無精髭、彫りが深い……西洋人だ。
ああ、なんてことだ。
どうしても笑みを浮かべてしまう。あの背中を、実家においてきた拳銃を思い浮かべてしまう。
「サムライブレード、ですか」
「好きなんですよ、サムライ」
英語で問うと、今度は流暢な英語が帰ってきた。彼の隣にいた黒人男性が陽気に手を組んで刀を握るジェスチャーをする。
受け取った刀を掲げて、子どものように笑う彼。
懐かしさと嬉しさと…………
「あなたは好きですか?」
「ええ」
そのほかの温かい何かをこめて、
「とっても」
彼女は微笑んだ。
ホラーゲームバトルロワイアル
――――8年前へ捧ぐ最後の詩
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