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第二次二次キャラ聖杯戦争 登場話候補投下スレ

1 : 名無しさん :2014/06/28(土) 01:22:56 00UCcrw.0
このスレッドは「第二次二次キャラ聖杯戦争」の参加者登場話の候補作を投下するスレです。
ここでは雑談等はご遠慮ください。

詳しくは下記スレッドを参照ください。

第二次二次キャラ聖杯戦争
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1403413693/


2 : 名無しさん :2014/06/29(日) 10:47:36 0zbZ3hys0
・日程
 〜6/29(日)23:59:OP案投下期間。現在募集中。投下は二次二次聖杯企画スレで。
 6/30(月)0:00〜22:59:OP案投票期間。投票スレにて投票。
      23:00〜23:59:集計・確定
 7/01(火)0:00〜7/19(土)23:59:登場話投下期間。登場話候補スレにて投下。
 7/20(日)0:00〜22:59:登場話投票期間。投票スレにて投票。
      23:00〜23:59:集計・確定
 7/21(月)〜:制限及びステータス・宝具の摺り合わせ


3 : 名無しさん :2014/06/29(日) 22:32:55 iCRRlDa.0
wiki編集考えると、鯖ステータスはこれ使ってもらえるとありがたい

**人物背景

**【ステータス】
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具

**【属性】

**【クラス別スキル】

**【保有スキル】

**宝具
**『』
ランク: 種別: レンジ: 最大捕捉:


4 : 名無しさん :2014/07/01(火) 20:15:09 REPk1RhQ0
【クラス】
【真名】
【パラメーター】
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
【属性】
 ・ 
【クラススキル】
【保有スキル】
【宝具】
ランク: 種別: レンジ: 最大補足:
【weapon】
【人物背景】
【サーヴァントとしての願い】
【基本戦術、方針、運用法】

【マスター】
【参加方法】
【マスターとしての願い】
【weapon】
【能力・技能】
【人物背景】
【方針】

サーヴァント・マスターステータステンプレ


5 : 名無しさん :2014/07/01(火) 20:58:12 0OxDglhY0
・サーヴァントはセイバー・アーチャー・ランサー・ライダー・キャスター・アサシン・バーサーカーの7種から選択。
・ステータスおよび宝具の記載も必須とする。ただし、参加確定後調整が行われる。
・一人で複数話の投下可能。ただし、7クラスを一巡目とし、7クラス分書くまでは自被りは禁止とする。二巡目以降も同様。
・既存パロロワや同人誌のような二次創作から出典は参戦不可とします。
 また、規格外の英霊は聖杯が再現できる範囲の能力として現界します。

・決定方式は登場話に対する投票とする。
・最低21組、最高28組を投票で決定。
 各クラス上位3組(3*7=21)+投票数上位0〜7組。ただし各クラス上限は5組まで。
 同票の場合は決戦投票。キャラ被りの場合は最大投票数の組を正とし、他を繰り上げて当選とする。
・投票は一人7票まで。クラス関係なく7票投じて良い。ただし同一作については1票まで。
・参加者決定後、制限およびステータス調整の摺り合わせの期間を設ける。


6 : 名無しさん :2014/07/01(火) 21:27:48 cfg1e3j.0
新たな日程(暫定)も

・日程
 7/02(水)0:00〜7/20(日)23:59:登場話投下期間。登場話候補スレにて投下。
 7/21(月)0:00〜22:59:登場話投票期間。投票スレにて投票。
      23:00〜23:59:集計・確定
 7/22(火)〜:制限及びステータス・宝具の摺り合わせ


7 : ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:00:00 USeuDklw0
登場話候補作
寒河江春紀(悪魔のリドル)&ランサー 投下します。


8 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:00:43 USeuDklw0


『死ねないよ、簡単には。……生きてるってことは、赦されてるってことだから』


偽りの学園生活。
ミョウジョウ学園十年黒組。

小中高一貫教育の十年、つまりは高校一年生。
伊介サマ以外はみんな年下のようだったが、
それでも女子高生の生活ってのはこういうモンか、と楽しんでいた。
まあもっとも。もし高校なんかに通えていたら、既に卒業している歳ではあるんだけど。

正直、悪いものではなかった。
たとえ―――全員暗殺者だったとしても。


―――初めて人を殺したのは、いつだったか。

ワイヤーで首を絞め、相手が必死にもがくさまを見て。
こっちも必死になって、動かなくなるまで締め続けた。

命が失われる感触。
こんなものに慣れなくちゃいけないのか、なんて思った。

初めて人を殺した報酬で、憧れていたお洒落ってやつをしてみた。

ベビーピンクのマニキュア。

ちっとも似合っていなかった。
それでも弟や妹達の笑顔を見て、救われていた。

病気がちな母と、小さい弟妹を支えるためと。
今までいくつ、命を奪ってきたのか。


心は、疲弊していた。


それでも、これで最後にできると。
自由になれると。
命を捨てて、挑んだ。


―――けれど。その『願い』は、叶うことはなかったんだ。





9 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:01:27 USeuDklw0


「…………ん」

―――記憶が戻ってくる。

目を開くと、あたしは見知らぬ部屋に立っていた。

ふと、治ったばかりの左腕を見る。――そう、あたしは退院したばかりだった。
触ってみても、もう痛みはない。
その左腕の先に視線を移すと。手の甲に痣のような紋章が光っている。

「ハハ……すごいねこりゃ」


――兎角サンと晴ちゃんに敗れ、その時の傷もようやく癒えてきた頃。

ふと気が付けば海底水族館のような場所に居て、
『願いを叶えたいか』なんて頭の中に響く始末。
あの戦いの時、頭の打ちどころでも悪かったか、なんて思ったね。

弟妹達がお小遣いを出し合って。
あたしが早く治るようにと買ってくれた、
小さな十字架を模した、薄い木片のストラップ。
道端の怪しい露天商のところで、あれでもないこれでもないとみんなで決めたらしい。

その木片が、あたしをこの『方舟』まで連れてきた―――らしい。

そこで参加を決めたあたしが、
『寒河江春紀』であることを認識できているということは、
どうにかこうにか『予選』とやらを突破できたらしい。


「……ここが、その『方舟』ねえ」

ここはあのお月さまの近くの『方舟』と呼ばれる場所らしい。
重力などは至っていつも通りに感じられるけれど。

――この場で、戦いが始まる。
勝利した者は何でも『願い』が叶うという、聖杯戦争。

対象者だけを殺すのではなく。相手をすべて殺し、自分が最後まで生き残ること。
あの黒組よりも遥かにハードな条件。
脱落者である自分に与えられた敗者復活戦。
厳しいのは、当たり前か。

「ま。やれるだけやってみますかね」

ポケットに入っていたチョコの棒状のお菓子、Rockyの箱を取り出して煙草のように一本咥え。
改めて辺りを見回してみる。
相方となる『サーヴァント』とやらは、まだ来ていないようだ。

「さて、と。どんなヤツが来るのかね……」

Rockyを咥えたまま口で上下に動かしながら部屋を見回り、
部屋の出口であろう扉の前に立った時。


―――突如、背後に気配が生まれた。


あたしは箱から三本、チョコの棒を取り出し。

「……よっと!」

振り向きざま、背後に向かって右手で投げつけた。


――投げた先に居たのは、あたしより背の低い、赤い髪の少女。

その少女は飛んできたRockyを器用に左手で全部掴み。
あたしの前に一瞬で移動してきたかと思うと、間髪入れず右手で胸倉を掴んできた。

「食べ物を粗末にするんじゃねえ。……殺すぞ」
「おっと、参った参った。こーさんこーさん」

あたしがおどけて両手を上げて降参のポーズを取ると。

「…………フン」

しばらく睨んだ後、掴んでいた服を放してくれた。


10 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:02:21 USeuDklw0

「はは、ごめんごめん」

もう一度目の前の少女をよく見てみる。

中学生くらいの子だろうか。
長く赤い髪を黒いリボンで結び、ポニーテールにしている。
奇遇にも、あたしと髪の色も髪型も似ていた。

違うのは瞳の色だろうか。
あたしは黄、こいつは赤。
服は緑のパーカーにホットパンツ。
いかにも活動的で勝気な少女、という雰囲気を持っていた。

「あたしは寒河江春紀(さがえ はるき)。お前さ」
「……ランサーだ」
「あぁ、ごめんごめん。ランサー」
「あんだよ」
「ランサーって名前、ヘンじゃね?」
「ああ。決まりだから仕方ねーだろ」

なんとなく互いに沈黙。
あたしは髪をかき上げ、尋ね直す。

「ランサー。アンタが、あたしのパートナー?」
「……そうみたいだな。
 ま、なんであたしが呼ばれたのか正直わかんねーけど。
 そもそも、望みなんてもうねーし」

ぽりぽり、と掴んだRockyを食べ始めるランサー。

「あんたは? 聖杯に賭ける望みっての、何」

ピッと、食べかけのRockyであたしを指す。

「ん……」

あたしは言うべきかしばらく悩み。

―――先程のランサーの速さ。あのアズマの比ではなかった。
こっちが一歩も動けず、間合いを詰めてきたのだ。
こんなのがゴロゴロ三十人近くもいるのだとしたら。
自分一人で勝ち抜けると思えるほど、あたしは楽観主義者じゃない。

一応、話すべきだろう。
コイツとは共闘しなければならないのだし。


11 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:03:08 USeuDklw0

「んー。金」
「かねぇ? そんなもん、その辺のキャッシュコーナーの機械ぶっ壊せばいくらでも手に入るだろ」

腕を頭の後ろに組んで、呆れたようにランサーは言う。
可愛い見た目に反して悪ぶったことを言うヤツだな。

「強盗は足が付きやすい。それに、家族に迷惑がかかるだろ」
「ふうん。…………家族、ね」
「ああ」
「で? なんで金が必要なワケさ」
「………………」
「オイオイ、怖い顔すんなよ」

今度はランサーの方が肩を竦める。
つい、睨んでしまったようだ。

「……理由が必要かい?
 金なんてあるに越したことはないし、美味いものだって食べ放題、お洒落だってし放題さ」
「っそ。
 ま、ウマいものについては認めるさ。
 ……けど。
 そんな理由なら、あたしは降りさせてもらうよ。
 残念ながらあたしには、聖杯なんていう胡散臭いシロモノに賭ける望みなんて持ち合わせちゃいないんだ。
 しょーじき、こっちの美味いモンでも食ったら適当に帰ろうと思ってんだけど」
「な…………」

マスターが聖杯に望み、サーヴァントも聖杯に望むものがあるからこそ共闘が成り立つ。
確かにそう頭に入っている。
だがサーヴァントに望みがなければ、そもそも前提から崩れてしまう。

「で? もう一度聞くけど、金が欲しい理由。
 てきとーに答えたらもう勝手にぶらぶら食いに出させてもらうよ」
「む。…………わかったよ」

しぶしぶとあたしは返答する。
それを聞くと、ランサーはどかりと胡坐を組んで地べたに座った。
しっかり話を聞く体勢らしい。

「はぁ……」

溜息を一つついて。
―――あたしは仕方なく語りはじめた。


父親はもういないこと。
母が病気がちで、今は入院中であること。
9人の小さな弟妹達がいること。

バイトでは家計を支えきれることはなく。
中卒で高給のところなんてのもなく。
どうしても凌ぎきれなくなって、暗殺の仕事に手を染めたこと。

なんでも望みが叶うという黒組のこと。
家族が食べるために困らないだけの金銭を望み、挑んだこと。
その戦いで敗北したこと。

ぽつぽつと、ランサーに伝えていった。





12 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:03:48 USeuDklw0


全てを話し終えた後―――

「ふ、ふふ…………あっはっはっは」

ランサーは、突然笑い始めた。

「――――――何がおかしい」

思わず、右腕のシュシュに手を伸ばす。

「あっはっは………。
 いや〜なるほど。
 神様ってのは、相変わらずこーいうのが好きみたいだな。

 ―――なんであたしが、アンタに呼ばれたのか分かったよ」

笑いすぎて涙が出たのか、指で目を擦るランサー。

すっと彼女が立ち上がると。

突如眩い光に包まれ―――
赤いドレスのような衣装で、長い槍を担いで再び姿を見せる。

そして。
その穂先を、あたしの喉元に向けてきた。

「その願い。取り消さなければこのまま刺すと言ったら?」
「…………………………」

またしても、動けなかった。

「本気だよ」

ランサーから迸る殺気。
今までに出会った、どの暗殺者からも感じたことのない。
桁違いの、死の感触。

「く………」
「それとも。その令呪とやらで、無理やり従わせてみるかい」

嘲るような口調で、あたしの手をあごで示す。


―――なぜだろう。コイツには、負けたくない。

強く、そう思った。
令呪で言うことをきかせるのは、何か負けを認めるような気がする。

気合を入れ、足を踏ん張って。
ランサーにガンを飛ばした。

「………………………」
「………………………」

目と目が合う。
――視線を逸らしてやるものか。

「………………………」
「……………それでも」

額から汗が滴り落ちる。
槍から出る『気』が、圧倒してくる。
足が勝手に後ろへ下がりそうになる。

「………………………」
「やめないさ」

それを、必死で耐えた。


13 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:04:20 USeuDklw0


―――どれだけの時間、そうしていたのか。


「ハァ…………」

長い溜息をついて。

「だよなー。いや、分かってたよ。
 『馬鹿は一度死ななきゃ治らない』ってね。
 どいつもこいつも何度言っても聞きやしない」

槍を外したランサー。

―――こちらも、息を吐き、汗を拭った。
……コイツはコイツで、何やらわけありってことかね。

「どーせ聞かないだろうけど言っとく。

 ―――願いは、自分自身のためだけにしろ。

 その金で贅沢したいだとか、美味いもんたらふく食いたいとかでもいい」
「…………そんなこと」

全く意図していなかった答えを、彼女は伝えてくる。
見つめると、ランサーは肩をすくめた。

「分かってるさ。
 それでも大切な存在のために叶えたいんだろ。
 けど。最後の最後まで、覚えておいてくれ。

 願いは、他人のためなんかにするもんじゃない。
 自分のためにするべきだ。
 でないと、きっと後悔する。

 ―――その生活から逃れたい。
 自由になりたい。
 その為に金が欲しい、でもいいんだよ」
「な…………」

自由、という単語に反応してしまう。
思わずランサーの顔を見直すと。


本当にコイツは子供なのかと思う程。

―――まるで母さんのような。

優しい顔を、見せていた。


14 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:04:54 USeuDklw0


するとランサーは表情を改め。
今度は初めて、真面目な顔をあたしに見せた。
持っていた槍を掲げ、片膝を付く。


「槍の英霊、佐倉杏子。

 ―――あたし自身のために。

 寒河江春紀の『槍』となってやるよ」


その姿に。

―――ほんの少しだけ、見蕩れた。


あたしはそれに気がつかれないように、悪態をついてみる。

「………どういう風の吹き回しだい?」
「さてね。気まぐれってやつだろ」

ランサー―――佐倉杏子は立ち上がって、
今の形式ばった仕草の為か、やや照れたように佇んでいる。
あたしの話に同情した、なんていう風には見えない。

「…よく分からん奴だねえ。
 まあ、手を貸してくれるってんなら、そりゃありがたいけどさ。
 ………杏子、か」
「ああ」
「いい名前だな」
「ふん、そうだろ」

誇らしげに。そして本当に嬉しそうに、ニカッと笑う杏子。

コイツとなら。
前に、進めるような気がした。

「……なあ、杏子」
「ああ、そういえば春紀」

あたしはRockyの箱を取り出し。
―――杏子も、どこからかRockyの箱を取り出した。


「「食うかい」」


15 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:05:24 USeuDklw0

【マスター】寒河江春紀@悪魔のリドル
【参加方法】『ゴフェルの木片』による召喚
      (十字架を模した小さな木製ストラップ)
【マスターとしての願い】家族が一生困らずに生きていける金。
            (すべてのしがらみから自由になりたい?)
【weapon】鋼手甲*2
     仕込みワイヤー付きシュシュ
【能力・技能】暗殺者として黒組に呼ばれる程度の能力。殺人経験あり。
       右手首のシュシュに仕込んだワイヤーでの首絞めと、
       両腕に鋼手甲を装着しての打撃を得意とする。
       一話にて瞬時に犬飼伊介の腕を取ったことから、関節技の技能もあると思われる。
【人物背景】
「悪魔のリドル」の登場人物。
着崩した制服に赤く長い髪のポニーテール、明るくサバサバした性格。
体格が良く、東兎角からは身体能力が高いと目されている。
お洒落好きで、Rocky(要はPocky)をよく口にしている。
気さくな人柄も手伝ってか、人との馴れ合いを好まない東兎角や犬飼伊介に対しても遠慮なく好意的に接していた。
ただ暗殺者達に対し、自身の家族へ干渉されることに嫌悪感を覚えている。

貧しい大家族の長女で、多くの弟妹と病気がちの母親がおり、家族を養っていくために暗殺稼業に手を染めている。
黒組で望んだ暗殺報酬は「家族が一生困らずに生きていける金」。
しかし心の奥底には、そういった全てのしがらみから解放されて自由になりたいという密かな願望も持っている。

じっくり腰を降ろして事を構えるタイプだが、本編では学園祭直前に母の容体が悪化したとの電話があり、
学園生活に後ろ髪を引かれながらも行動に移っていく。

【方針】聖杯戦争を勝ち抜き願いを叶える。焦らず一人ずつ着実に落としていく。
    「急くとロクなことにならんかもよ?」


16 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:06:02 USeuDklw0

【クラス】ランサー
【真名】佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ
【パラメータ】筋力B 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運D 宝具C
【属性】混沌・善
【クラス別スキル】
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
【保有スキル】
 戦闘続行:A…ソウルジェムの特性により瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命傷を受けない限り生き延びる。
 勇猛:B…威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
 仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。見切りが早く、戦闘中でも即座に離脱行動に移ることが可能。
 魔術:C…後天的に習得した結界魔術に加え、現世での死の間際の行動によって初期属性魔術である幻惑魔術も取り戻している。
 魔力回復:D…好みの菓子や食物を摂取することで、通常よりも多く魔力を回復できる。際限なく摂取が可能。
【宝具】

『紅い幽霊(ロッソ・ファンタズマ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:1〜13人
 幻惑の力によって自身の分身を作り出す。分身の数は最大13体。
 分身には実体があり、本体と同等の身体能力がある。
 自身の原初魔術のため、燃費は良い。

『断罪の磔柱(ピラストロ・コンダンナ)』
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:10〜50 最大捕捉:100人
 無数の無銘槍。
 対象の地面から大量の槍を突出させて攻撃を行う。
 使用には事前に一節程度の精神集中が必要。

『最後の審判(ジュディツィオ・ウニヴェルサーレ)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:50人
 巨大槍。自身の祈りの力を槍に込める。
 自身の直線上へ巨大な槍を撃ち放つ。巨大槍をそのまま扱える者に託すことも可能。
 使用には事前に四節程度の精神集中が必要。

『浄罪の大炎(プルガトーリオ・フィアンマ)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:500人
 ソウルジェムから限界まで魔力を引き出し、巨大な槍と共に突進し浄化の炎で全てを焼き尽くす。
 使用後、自身のソウルジェムは破壊される。


17 : 寒河江春紀&ランサー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:06:35 USeuDklw0

【weapon】
「多節槍」:ランクC
 佐倉杏子が魔法少女になってからずっと使い続けている愛槍。
 柄の部分は伸縮・湾曲・分割が自在な多節棍となっている。
 振り回すことで範囲攻撃となる。纏めて薙ぎ払ったり、敵を拘束したり、足場にしたりと多種に渡り活用可能。

 別名:「蛇轍槍」
 室町時代後期、希代の槍の達人といわれた辺見鉄山によって考案されたという。
 中国の十節根に改良を加えた、変幻自在の仕掛槍である。
 鉄山没後多くの武芸者達がこれを極めようとしたが、その操作性の難しさ故に修得しえた者はいないという。
                              民明書房刊 『戦国武芸者往来』 より

【人物背景】
「魔法少女まどか☆マギカ」の登場人物。
男勝りな口調に好戦的な性格で、魔法少女の力を自らの欲望を満たすためにのみ使うと言い放つ。
常に何かしらの菓子やジャンクフードを食べており、過去の境遇ゆえに食べ物を粗末にする者には怒りを露にする。

「他人を助けたい」という信念を有する聖職者の父の下で育つが、
教義に含まれない内容まで信者に説いたために信者や本部から見放された父の姿に心を痛め、
「父の話に人々が耳を傾けてくれるように」という願いでキュゥべえと契約を交わし、魔法少女となった。
一時は教会に人々が溢れかえるも、それが魔法の効果によるものであることを知った父は酒浸りになった末に錯乱し、
杏子を“魔女”と罵った後に杏子のみを残して一家(父・母・妹)もろとも心中してしまう。

その経緯から「魔法の力は他人を幸せには出来ない」という考えを持つに至り、以後は「魔法は自分のためだけに使う」ことを信条に行動していた。
自分と同じく「他人のための祈り」から魔法少女になった美樹さやかに強い関心と自己嫌悪から反発を抱いていたが、徐々に助言を与えるなど気にかけるようになる。

さやかが魔女化した際は、鹿目まどかにさやかを元に戻すため協力を頼み、『人魚の魔女』となったさやかの元へと向かう。
説得するまどかを守るために回避行動が制限され、不得意な防戦に徹し続けた結果、遂に致命傷を負ってしまう。
助けに来た暁美ほむらにまどかを託し、『浄罪の大炎』の魔法により『人魚の魔女』と共に戦死する壮絶な最期を迎えた。


【サーヴァントとしての願い】
聖杯への願いはないが、マスター寒河江春紀との適合性がかなり高かったため、サーヴァントとして召喚される。
いつも食べていたRockyが触媒になったとも。
己と似た春紀の戦いの行く末を見守るために、春紀の槍となることを決めた。
強いて言うなら旨いモノを食いたい。


【基本戦術、方針、運用法】
高い敏捷性と多節槍の多種な機能、戦闘続行と仕切り直しのスキルを活かしたヒット&アウェイ戦術が基本。
ロッソファンタズマ・縛鎖結界ともに消費燃費がよく、魔力総量の少ないマスターでも十分運用が可能。
上記以外の大技は隙も魔力消費量も大きいため、決戦時以外での使用は控えるべき。(そもそも意図的に魔力を貯めておかなければ使えない)

敵の戦力を探り、1対1の状況を作り出して地道に数を減らしていく方針が合っていると思われる。
マスターは暗殺者であり一般人に比べ戦闘力・身体能力・覚悟の面で優れているが、異能との戦いは不慣れ故に対マスター戦でも過信は禁物。
防衛戦は不得手なので、攻められたらマスターを連れてさっさと逃げるべき。
派手さはないが、ベテラン戦士らしくいぶし銀の長期戦向き。
とにかくたくさんお菓子を食べさせて、魔力をいっぱい貯めておこう。


18 : ◆MQZCGutBfo :2014/07/02(水) 00:07:06 USeuDklw0
以上で投下終了です。


19 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:07:16 00UCcrw.0
投下乙です!はるきちゃんキタコレ!
武智乙哉(悪魔のリドル)&アサシン投下します。


20 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:09:57 00UCcrw.0

「………………」

惚けた表情で、ぱちぱちと瞬きする。
ノイズのようにぼやけていた視界。
今を今であると理解出来ないような感覚。
そんな違和感は少しずつ掻き消え、鮮やかな世界を着実に認識し始める。
まず視界に入ったのは――――空だ。
無数の星々が輝いており、白いお月様が見下ろしている。
あたしは人気のない路地裏の壁に寄りかかりながら座り込み、ぼんやりと宙を眺めていた。
暫しの間空を見上げた後、自らの前に立つ『誰か』に視線を向ける。

「気分はどうかな、武智乙哉くん」

正面に立つ金髪の男があたしを見下ろし、言葉を掛けてくる。
スカした高級ブランドのスーツを身に纏ったサラリーマン風の男。
歳は30くらいだろうか。
顔立ちこそ整っているものの、目を引く程の美形という訳でもない。
その出で立ちからはどこか地味な印象を感じる。

「自分が何者なのか……解るね?」

自分―――――――そうだ。
少し前までは『これっぽっちも思い出せなかった』。
先程も思い出したばかりで少々記憶が混乱していたが、今となってはハッキリと認識出来る様になっている。

「あたし………」

ふと、首を横へと向ける。
視界に入ったのはコンクリートの地面、建物の壁。
塵などが散乱しており、薄汚い空気を漂わせている。
視線を動かし、あたしは近くに何かが横たわっていることに気付いた。


それは全身を滅多刺しにされ、傷口から血を流している無惨な死屍。


歳は10代後半程度。まだあどけなさの残る女の子だ。
名前も、素性も、目的も、全くと言っていい程知らない。
自分と同じ『参加者』だったのか、NPCだったのかすら謎のままだ。
そんなことを思っていた後、女の子の死体の肉体は端から黒ずみ始める。
それを見た金髪の男が死体に歩み寄り、その頭を乱雑に掴んだ。

「ふむ…魂喰いは可能か。どうやらマスターの魔力不足は補えるようだな」

男が小声でぼそぼそと呟いた後――――頭を掴まれた女の子の全身が黒く染まり、完全に消滅する。


21 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:11:29 00UCcrw.0
そう、跡形も無く消失した。まるで不要なデータがクリック一つで削除されてしまうかの様に。
初めて目の当たりにする光景であったので少々呆気に取られてしまったが、
金髪の男がこちらへと向いてきたのですぐに落ち着きを取り戻す。

「さて、事の顛末は思い出したかい?武智くん…いや、我が『マスター』」
「…もちろん、全部思い出したよ」

私は座り込んだまま、ゆっくりと掲げる様に右腕を前へと伸ばす。
冷酷な死神の鎌のようにも、残忍な猛禽の鉤爪のようにも見える奇怪な紋章―――『令呪』が手の甲に浮かんでいる。
そして、令呪の刻まれた右手にしっかりと握り締められていたもの。

それは血塗れのハサミ。

紅の滴る刃が月に照らされ、鈍い輝きを魅せる。
その時、あたしはほんの少し前の出来事を追憶した。
これは、あの女の子の血。
これは、あの女の子の命の証。

―――あたしがあの娘を殺した。

予選中、記憶を失ったあたしは普通の女の子として穏やかな生活を送っていた。
月海原学園の一生徒として暮らす、学生らしい毎日。
そんなあたしも日を経るに連れ、少しずつ世界への違和感を感じ始めた。
何か大切なことを忘れているような。自分が何者なのか、抜け落ちているような。
晴れない霧の中を手探りで進んで行く中でふらりと気付いた。
あたしを、あたしとして定着させている意志を。

白い肌。細くか弱い腕。柔らかな黒髪。空みたいに蒼い瞳。
その姿は網膜に焼き付いている。本当に可愛らしい娘だった。

世界と意識のズレを感じ始めていたあたしは、その瞬間『思い出した』。
忘れていた『快楽』が、封印された記憶を解く鍵となった。
たまたま夜道で見かけた女の子を路地裏に無理矢理連れ込んで。
頬を紅潮させながら、腰のポーチに入っていたハサミで女の子を何度も何度もメッタ刺しにして。
人殺しの感触を、迸る快楽をこの手で味わうことで、自分が何者なのかを思い出したんだ。

そうして記憶を取り戻したあたしの前に、『金髪の男』――――サーヴァントが現れたのだ。


「まさか他者を殺害することが記憶解放の引き金になるとはね。
 フフ…君の来歴は『殺人』と深い関わりがあったのかな?」

軽口を叩くように金髪の男がごちる。
そいつを見上げるあたしの口の両端が、ゆっくりと釣り上がる。
気が付けば、あたしは笑っていた。
自分でも解る。これは、恍惚と愉悦の笑み。

「問おう。君は聖杯に何を願う?」

男の問いかけを聞き、改めて自分のことに関して追憶する。


22 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:12:29 00UCcrw.0
あたしの名前は『武智 乙哉(たけち おとや)』。
世間から『21世紀の切り裂きジャック』なんてあだ名をつけられている。
殺人に性的な快楽を見出す――――言わばシリアルキラー。
特に女を切り刻むことが大スキだ。気持ちよくてたまらない。
そんなあたしも一度は警察に尻尾を掴まれ、ミョウジョウ学園10年黒組のゲームに参加することでやり過ごした。
しかし、ゲームに敗北したことであたしは学園から強制退学。
そのまま警察の追い打ちに掛かり、刑務所に収監されていた。
一度は脱獄に成功したが、再び黒組の裁定者に見つかってしまったことで刑務所に逆戻り。
二度の失敗を経て、あたしは大人しく刑期が終わるのを待とうとしていた。

そんなあたしを『聖杯』とやらはマスターとして選んだらしい。
聖杯戦争のことは、記憶を取り戻した瞬間から何となく理解している。

何故あたしを選んだのか。そもそもどんな基準でマスターが選定されているのか。
そんなものは知らないし、別段興味も無い。
重要なのはあたしが此処にいるという事実だけ。

「願い…決まってるじゃん、そんなの」

自らの願いを叶えるために殺し合う世界。
そこに放り込まれたあたしが何を願うか。
そんなモノ、黒組に参加した時と同じだ。


「誰を殺そうと、何人殺そうと、どれだけ切り刻もうと、一生罪に問われない権利!
 あたしが生涯安全に人殺しを続けられる保険――――――それがあたしの望み!」


そう、これがあたしだ。
あたしは、これでいい。

あたしにとって当然の願い。
最高の快楽、『人殺し』を自由に行える権利。
一生安全にシリアルにキラー出来る保険。
黒組で脱落した以上、そんな願いを叶えられるは最早『聖杯』しか存在しない。
だからこそ、あたしは聖杯戦争で戦う―――――当然だ。
聖杯を勝ち取って、この願いを叶える。存分に、安全に、人殺しを楽しみ続ける。


23 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:13:11 00UCcrw.0
あたしの願いを聞いた瞬間、男の口元が綻んだ。

「フフフ…悪くない願いじゃあないか!
 少々趣向は違うようだが、やはり君は私と同じ『殺人者』のようだね。
 性に合いそうなマスターを引き当てるとは幸先が良い」

どこか愉快そうな様子を見せながら男は言う。
『私と同じ殺人者』。あー、成る程。
この男の目を見てからずっと気になっていたが、そうだったか。

殺人に一切の躊躇を持たない冷徹な目をしている。
殺人が日常と化している狂人の目をしている。
人を殺さずにはいられないサガを背負っている殺人鬼の目をしている。
あたしと同じ目をしている。

―――ああ、やっぱり『同類』なんだ。それなら良かった。

「…名前、聞いてなかったよね」

そして、あたしは男に問いかける。
この男がサーヴァントであるということは既に理解している。
あたしにとっての凶器。
あたしが勝ち残るための刃。
あたしに用意された、たった一人の従者。
しかし、その『名前』を未だ知らないのだ。

暫しの沈黙の後、男が静かに口を開いた。

「私はアサシンのサーヴァント――――『吉良吉影』」

吉良吉影“アサシン”が、倒れているあたしに向けて手を差し出す。
あたしが引き当てたサーヴァントは『殺人鬼』。英雄とは程遠い悪党だ。
ステータスに関しても幸運値ばかりが異常に高いが、それ以外は微妙と言わざるを得ない数値。
外れサーヴァント?――――いいや、あたしにとっては当たりだ。
必要なのは敵と戦う方法じゃない。『敵を殺す方法』だ。
それに、太陽の様な栄光を掲げる英雄サマなんかよりこっちのがよっぽど性に合う。
血染めの道を共に往く相棒となれば、やはり自分に馴染める相手じゃなくっちゃあね。
同じ穴の狢である外道こそがあたしの相棒に相応しい。
ま、そういうわけだから、吉良吉影。
最後まであたしと付き合ってもらうよ?

あたしは迷わず左手を伸ばす。
吉良が差し出した手を、しっかりと掴んだ。


「ところでマスター……君………滑らかで奇麗な『手』をしているじゃあないか………」
「…はい?」
「景気付けとして………ちょっと『頬ずり』……させてもらってもいいかな……?」
「え、ちょ、いきなりそんな――――――――ひィッ!!?」
「大丈夫……切り取ったりはしないから……フフ……ちょっとだけさ………フフフ……」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


――――――女性を刻むことに快楽を見出す殺人狂、武智乙哉。
――――――女性の美しい手に執着する連続殺人鬼、吉良吉影。


今宵、己の平穏を求める二人の殺人者が『共犯者』となる。


24 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:14:38 00UCcrw.0
『マスター』
武智 乙哉(たけち おとや)

『参加方法』
ムーンセルによる召還。
どこかでゴフェルの木片を入手している筈なのだが自覚無し。

『マスターの願い』
どれだけ犯罪を犯しても罪に問われず、一生安心して殺人を続けられる権利を得る。
本人曰く「シリアルキラー保険」。

『weapon』
ハサミ(腰のポーチに複数本収納している)

『能力・技能』
快楽殺人者。異能の力は持たないが刃物の扱いに長ける。
身体能力・戦闘センス共に優秀であり戦闘力は暗殺者にも引けを取らない。
ただし肉体的には常人の域を越えていない。
標的を謀略によって拉致する等狡猾な一面も持つ。

『人物背景』
ミョウジョウ学園10年黒組の生徒。出席番号8番。声優は沼倉愛美。
(10年黒組は特別な時期にのみ開講されるクラス。留学生の名目で暗殺者達が集い、標的となる生徒の暗殺に成功した者に望みの報酬が与えられる)
身長は165センチ。生け花が得意でハサミを器用に操る。
一見快活で明るい性格だが、その本性は快楽殺人者であり「21世紀の切り裂きジャック」と称されるシリアルキラー。
刑事に追われて半ば逃げ込むように黒組に参加した経緯があり、希望する暗殺報酬は一生安心して殺人を続けられる「シリアルキラー保険」。
殺人にはハサミを用いており、女性を生きたまま切り刻んで殺害することを好む。
黒組のルールが伝えられた後に一番乗りで暗殺に乗り出し、植物園にて標的である一ノ瀬晴を呼び出し殺害しようと試みる。
しかし暗殺者である東兎角の妨害、晴の機転によって敗北。強制退学となり、黒組最初の脱落者となった。
脱落後は刑務所に収監されていたが、第10話にて晴に対する執着心から脱獄。
金星寮に忍び込んで晴の命を狙おうとしたところで鉢合わせた黒組生徒の英純恋子に拘束され、彼女が主催するお茶会に強制参加させられる。
兎角と純恋子の交戦中に自力で拘束を解いて純恋子の左腕を負傷させるも返り討ちに遭い、
さらに鳰に見つかって再度の退場となり、再び刑務所に収監された。
アニメ最終話では何年か後の仮釈放の日を夢見て、大人しく雑役に勤しむ姿が描かれている。

『方針』
アサシンに闇討ち等を任せつつ、可能ならばマスターの暗殺を行う。
ただし魔術などの異能に関しては極力警戒。引き際は必ず見極める。
自身の魔力不足を補う為、サーヴァントに魂喰いをさせる。
余裕があったら魂喰いさせる前にNPCで遊ぶ。


25 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:16:46 00UCcrw.0

『クラス』
アサシン

『真名』
吉良 吉影(きら よしかげ)

『パラメーター』
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力C 幸運A++ 宝具B

『属性』
中立・悪

『クラススキル』
気配遮断:C+
サーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

『保有スキル』
保身:C
殺人者として行う自己保身の技能。
逃走や自衛において有利な補正が与えられる。
アサシンの身の安全の確保を目的とするスキルである為、魔力供給源であるマスターにもある程度恩恵が与えられる。

精神汚染:D
人を殺さずにはいられないサガ。
意思の疎通は可能だが、その腸には異常な性癖から生じる殺人衝動を抱えている。
精神干渉の効果をある程度軽減する。

隠蔽:A
自らの行動を隠蔽するスキル。
生前に自身の犯行を隠蔽し続けた経験がスキルとして昇華された。
サーヴァントとしての活動によって生じる魔力を隠蔽する。
これによりアサシンは実体化中でも一般人程度の魔力しか感知されず、魔力の痕跡を残すこともない。

正体秘匿:B
サーヴァントとしての素性を秘匿するスキル。
契約者以外のマスターからアサシンのステータスを視認出来なくする。
生前に殺人鬼としての正体を隠し、長年に渡り一般人として生活していた来歴を由来とする。

チャンス:A
土壇場で勝機を掴み取る才能。
危機的状況に陥った際、類い稀なる幸運を優先的に引き寄せることが出来る。

『宝具』
「キラークイーン」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~4(スタンドビジョン) 最大捕捉:1
精神の具現。傍に立つ守護者『スタンド』。近距離パワー型に分類される。
触れたものを爆弾に変える能力を持つ。
爆弾に変えられるものに制限はないが、爆弾化出来るのは一度に一つまで。
起爆方法に関しては「地雷のように何かが触れることで起爆する接触型の爆弾」か「スタンドの右手のスイッチで起爆する任意型の爆弾」のどちらかを指定可能。
一度爆弾の設定を決めたら爆破させるか一旦爆弾化を解除するまで変更出来ない。
爆弾化した物質に外見や構造面での変化は起きず、「爆弾」の判別は困難。
スタンドビジョンのダメージは本体にフィードバックされる。

「シアーハートアタック」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1
キラークイーンの左手から射出される自動操縦型スタンド。
ラジコン大の戦車のような外見をしており重力を無視した走行が可能。
魔力や熱源を探知して自動追跡し、対象に向けて高威力の爆炎を放つ「走る爆弾」。
単純な攻撃に対して非常に頑丈であるが、状態異常魔術などへの抵抗は持たない。
宝具ではあるものの魔力の気配が殆ど無く、優れた魔力探知能力や直感スキル等がなければ察知は難しい。
ただし自動操縦であるため「標的を探知し突撃」という単純な動きしか出来ないという欠点も持つ。


26 : 武智乙哉&アサシン ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:18:13 00UCcrw.0
『weapon』
宝具「キラークイーン」のスタンドビジョン。
格闘戦を行うことが可能。ステータスは筋力B、耐久C、敏捷C+相当。

『人物背景』
1966年1月30日生まれ、S市杜王町出身のサラリーマン。
ゲーム版の声優はFate/zeroで衛宮切嗣を演じた小山力也。
仕事はそつなくこなすが上司からは使いっ走りばかり任せられており、社内でも地味な立ち位置の柔和な平社員。
しかしその正体は女性の美しい『手』に執着する連続殺人鬼でありスタンド使い。
犯行の最中には女性と会話することを好み、名前や趣味などを問いただす(ただし女性が自分勝手なことを言うのは大嫌い)。
殺害した女性の手は切り取って保管し、時に一般人に気付かれない様に『手』とデートをするなどその性癖は常軌を逸している。
スタンドによる証拠隠滅によって15年以上も殺人を犯し続けており、その被害者数は48人にも上る。
ただし争いや面倒事、目立つことを何よりも嫌うため普段は敢えて影の薄い人物として振る舞っている。
目立たず、植物のような心で平穏な人生を送るのが彼の願い。
自らの『性癖』と『平穏』が相反するものであると理解しながらも、それを乗り越えて幸福に生き延びようとしていた。
1999年に東方仗助を始めとするスタンド使いらに正体を知られ、幾度と無い攻防を繰り広げた末に敗北。
最終決戦時に駆け付けた救急車に轢かれて死亡し、かつて殺害した杉本鈴美の地縛霊によって裁かれるという末路を迎えた。
二次二次聖杯では『吉良吉影本人』の姿で参戦。

『サーヴァントの願い』
英霊の座から解放され、平穏を手に入れる。

『基本戦術、方針、運用法』
<基本戦術>
基本的に暗殺者のセオリー通り不意打ちや奇襲で先手を取るのが主な戦術となる。
尤もキラークイーンはそこそこの格闘能力を備えており、シアーハートアタックとの同時攻撃など直接戦闘でも戦える程度の能力はある。
特に圧倒的な幸運値と保有スキルによる高い逃走能力を備えている為、一度離脱すれば追跡は困難となる。
それ以外にも長大な射程距離と無敵じみた物理防御力を併せ持つ宝具『シアーハートアタック』による遠方からの自動攻撃、
あるいは直接戦闘時にキラークイーンとの併用で同時攻撃を行う戦術も可能。

<方針>
勝利のためには手段を選ばない。
基本的に正面対決や積極的な交戦を避け、闇討ちや漁父の利を狙う。
サーヴァントとの交戦に入った場合、可能ならばマスターに敵マスターの暗殺をさせる。
状況次第で方針を変える可能性もあり。

<運用>
宝具は積極的に使用する(というより、アサシンは地力が貧弱なので戦闘面において宝具に頼らざるを得ない)。
魔術師ではないマスターの魔力不足を補う為にペナルティにならない範囲で魂喰いを定期的に行う。


27 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:18:43 00UCcrw.0
投下終了です。


28 : ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/02(水) 00:21:47 /EYzlupM0
候補作投下します


29 : アルヴィス&ランサー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/02(水) 00:22:56 /EYzlupM0
ポッカリと空に浮かぶ満月に並ぶように、さながらバベルのように高層ビルが起立する。
その建築途中の高層ビルの名は神殿(シュライン)。
この神殿を建築するため土地は整理され、周囲には鏡のようにまったいらな地面が広がっていた。
遮るものもなく吹きすさぶ強い風に、目を引くような赤いマントが翻り、焔のような赤い髪が揺れる。
月光が長い影を地面へと落とすシュライン前。そこに立っていたのはその場に似つかわしくない壮齢の魔術師だった。
その身形は彼が高貴な身分であると一目で分るほどの品格を漂わせており、ある種の近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
だが、立ち尽くすその表情はどこか暗く、かつて精悍であったろう顔は苦労が滲むように影を帯び、眉間に刻まれた苦悩の証は深い。

魔術師の名はアルヴィス。
炎の聖戦士ファラの血を引くヴェルトマー公爵家の当主にして、グランベル帝国の初代皇帝その人である。

アルヴィスは袖を捲り自らの右腕を見つめる。
そこには火傷のような炎の紋章(ファイアーエムブレム)がある。
左腕に刻まれたファラの聖痕と対になるように描かれたそれは、マスターの証である三画の令呪である。
コンクリートで打ち付けられた高層ビルの立ち並ぶこの世界は、彼が生きている世界とは余りにも違いすぎた。
故に違和感を覚えるのも早く、燃えるような痛みと共に炎の聖戦士は目覚めたのだ。

彼が『ゴフェルの木』を手にしたのは苦悩の時だった。
息子であるユリウスが暗黒神ロプトウスとして覚醒し、妻であるディアドラを殺害。娘であるユリアも行方不明となった
自らの力では暗黒神に対抗することもできず、暗黒教団のいいように帝国を蹂躙されて行く。
なすすべもなく、発狂するほどの苦悩の末に、それは神が舞い降りたダーナ砦の奇跡の様に、木片は迷える彼の元に訪れた。
それは救いの手か、それとも更なる悪夢への誘いか。
それすらも分からぬまま、アルヴィスはその木片(きせき)に手を伸ばした。

そして今、彼はこの月の聖杯戦争の舞台に立っている。
マスターとして目覚めた以上、令呪の導きに従いサーヴァントの召喚を執り行う事に迷いはない。
地に描かれた魔法陣が燃え上がるように輝きを帯びる。
アルヴィスは直系としてファラの血を受け継ぐ最高レベルの魔術師である。
そのアルヴィスでさえこの奇跡には息を呑んだ。
光の陣の中心に奇跡の具現(サーヴァント)が降臨する。

「お前が、サーヴァントか…………?」

おずおずとアルヴィスが問いかける。
召喚に応じ、現れたのは黒い影のような男だった。
ダークスーツに身を包み、垂れさがる漆黒の髪は片目を隠すように覆っている。
何より目に付くのは男の表情を隠すような仮面だった。仮面の奥より覗く眼光は暗い輝きを帯びている。

「ああ、その通りだマスター。
 仮面の無礼は許してほしい。昔ある戦いで傷を負ってしまってね」

物腰は柔らかく、その立ち振る舞いからは品性すら感じられるが、男から漂う影のような陰湿な印象は拭えない。
その両腕には逆手に構えた双剣が握られている。
そこからアルヴィスはセイバーを連想したが、見れば腰元にはホルスターに収められた対の双銃が覗いている。
聖杯より与えられた知識により銃がどういうものであるか理解している。
そこから考えればアーチャーである可能性もあるだろう。

「お前はセイバーか? それともアーチャーか?」
「いや、私はそのどちらでもないよマスター」


30 : アルヴィス&ランサー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/02(水) 00:23:51 /EYzlupM0
だが、その認識は当の本人に否定された。
サーヴァントの口から語られたクラスはそのどちらでもなかった

「私は――――ランサーだ」
「ランサー? 装備に槍は見受けられないが……?」

剣や銃のほかに大槌らしきモノも見えるが、肝心の槍らしき装備はどこにも見当たらない。
その疑問の視線を感じ取ったのか、ランサーは答える。

「それは私の宝具に関係している。 
 制限のある宝具であまり多用できるものでもないのでな、申し訳ないがこの場で私の槍をマスターにお見せることはできない」

その言葉にふむとアルヴィスは思案する。
戦力の確認は確かに重要だが、確認のためだけにおいそれと切り札を消耗されても困るのもまた確かだ。

「いいだろう。宝具の槍がなくとも戦闘は可能なのだな?」
「勿論だマスター」

ランサーは双剣を揺らし応える。
確認できるステータスもセカンドランクの水準は満たしており悪くはない。
アルヴィス自身が最高ランクの魔術師であるという点も考慮すれば、戦力面での不安はないだろう。

「ならば、せめて聖杯に託す願いだけは聞いておこう」

サーヴァントである以上、召喚に応じた願いがあるはずだ。
目の前のサーヴァントがどのような願いを託すのか聞いておかねばならない。
互いの願いが相成れないものであれば、土壇場で関係性が崩れることもありうる。
ランサーはその問いかけに、何の躊躇もなく静かにただ淡々と答える。

「――――生まれ変わりだ。
 私は聖杯に願い、私は私として生まれ変わり人生をやり直す」

分りやすいと言えば分りやすい願いだ。
サーヴァントは死者である、そのことを考えれば第二の生を望むのはそれほど珍しくもないだろう。

「失礼かと思うが、こちらからも同じ問いをしておきたい。マスターの願いについて」

逆に問いかけられた言葉に、アルヴィスは僅かに言葉を躊躇った。
望みを語るという事は自らの恥部を語るに等しい。
あまり大ぴらに語るのは憚られるが。

「私は何としても願いを叶える。途中で諦められるような半端な決意では困るのでな」

静かに、だが否定を許さぬようにランサーは言う。
それは言外に、勝利を諦めることなど許さないと言っていた。
そのあまりにも真っ直ぐすぎる意思には、どこか狂気すら感じる。
ここで答えを渋れば信頼関係に亀裂が入るだろう。

さらに眉間の皺を深くしながらアルヴィスはランサーへの語りかける。
己の願いとそれに纏わる顛末を。


31 : アルヴィス&ランサー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/02(水) 00:24:39 /EYzlupM0
**【名前】
アルヴィス
**【出典】
ファイアーエムブレム 〜聖戦の系譜〜
**【サーヴァント】
ランサー
**【人物背景】
十二聖戦士の一人、魔法戦士ファラの血を引くヴェルトマー侯爵家の当主にして最強の炎魔法ファラフレイムの後継者。
アルヴィスの母であるシギュンはロプト皇帝の弟であるマイラの子孫であり、傍系ながら暗黒神ロプトウスの血を受け継いでいた。
それ故、シギュンは精霊の森に隠れ住んでいたのだが、ヴェルトマー公爵であるヴィクトルの求愛を受け、外と関わってはならないという掟を破りその妻となる。
ヴィクトルはシギュンを愛するあまり軟禁のような生活を強いり、妻に本当に愛されているのかという不安から気を紛らわせるため多くの愛人を抱え込んだ。
このヴィクトルの女癖に心痛めたシギュンは、ヴィクトルの主君であるクルト王子に相談を持ち掛け、クルトも彼女を哀れに思い次第に愛し合う様になってゆく。
そしてこの事実を知ったヴィクトルがシギュンへの当てつけに自害。アルヴィスは7歳にして神器ファラフレイムと共にヴェルトマーの家督を受け継ぐ事となった。
家督を継いだアルヴィスは数多くいた異母兄弟を全て家臣に落とすか追放へと追いやる。
だが母や自分に尽くしてくれた下女と、ヴィクトルが酒に酔った勢いで彼女に生ませた弟アゼルだけは追放することができず家族として手元に置いた。
その後、若くしてグランベル帝国の近衛軍指揮官を務めるなどの才覚を見せるが、暗黒神復活を目論むロプト教団に見つけられ接触を図られる。
暗黒神復活に協力する気はないが、己の血と暗黒教団の存在を認め、彼らと手を結びグランベルの乗っ取りを画策。有力諸侯を陥れ、その全てを死に追いやった。
ロプト教団の大司教マンフロイが見つけてきた暗殺されたクルト王子の落胤ディアドラの夫となり、現王の亡き後グランベル王国を継いだ。
そして南トラキアを除く周辺諸国を圧倒的武力で制圧しグランベル帝国を建国、初代皇帝となる。
炎の聖戦士ファラと闇の聖戦士マイラの血を受け継ぐ者として「差別のない、誰もが住みやすい世界を作る」という理想の元、賢王として務める。
だが息子であるユリウスが暗黒神ロプトウスとして覚醒。妻ディアドラはユリウスの手によって殺害され、長女ユリアもその魔の手にかかろうとしたが最後の力を振り絞ったディアドラの力により難を逃れる。
暗黒神の力を得たユリウスを抑え込むことができず、帝国の実権を握られ、暗黒教団の台頭を許してしまう。
これによりグランベル帝国は子供狩りや圧政が蔓延る暗黒時代に突入する。
暗黒神に逆らうこともできずお飾りの皇帝となったアルヴィスは、かつて反逆者の汚名を着せて処刑したシグルドの息子セリスに保管していた聖剣ティルフィングを授け、自ら討たれることを望んだ。
暗黒神ロプトウスの血を引く故にその運命に振り回された男であった。

**【weapon】
ファラフレイム

**【能力・技能】
魔法戦士ファラの血を引く最強レベルの炎魔法使い。
マスターでありながらヴォルトマー家に継承される神器ファラフレイムを宝具として持つ。

カリスマ:大部隊を指揮する能力。周囲の味方に支援効果を与える
見切り:相手の攻撃スキルを無効化する
大楯:一定確率で敵の攻撃を完全に防ぐことができる

**【全て塵芥とす神の日輪(ファラフレイム)】
 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:20人
天より太陽のごとき灼熱が降り注ぎ敵を塵芥とする最強の炎魔法。
魔法戦士ファラの直系のみが扱える神器。
装備するだけで魔力、耐久、対魔力が1ランク向上する。

【願い】
覚醒前にユリウスから暗黒神ロプトウスを消滅させる。


32 : アルヴィス&ランサー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/02(水) 00:25:17 /EYzlupM0
**【クラス】
ランサー
**【真名】
ヴィクトル(ルドガー・ウィル・クルスニク)
**【出典】
テイルズ・オブ・エリクシア2
**【マスター】
アルヴィス
**【属性】
秩序・中庸
**【ステータス】
筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:E 宝具:A+
**【weapon】
断命剣アトロポス、紡命銃ラケシス、割命槌クロートー

**【クラススキル】
対魔力:C
 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

**【固有スキル】
無窮の武練:B
 剣、銃、槌といった、あらゆる武器を使いこなす才能。
 初めて手にした武器でも十全に使いこなすことができる。

共鳴(リンク):B
 戦闘時に魔力の波長を共鳴させ、動きをリンクさせる技術。
 互いの動きが把握できるようになり連携力が強化される。
 能力補正を共有する事ができるが、バットステータスも共有してしまう。

ミラーリング:A
 共鳴した相手のスキルを模倣し使用する能力。
 その人物しか持ちえないユニークスキル以外なら、ほぼ全てのスキルを模倣できる。

変身:A+
 クルスニク一族が時空を司る大精霊クロノスに与えられた力。
 天性の才能に加え、父と兄より奪い取った時計を使用して最高ランクのフル骸殻に変身できる。

**【宝具】
**『血に染まりし最強の骸殻能力(ヴィクトル)』
 ランク:A+ 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
 時空の大精霊クロノスによって与えられたクルスニク一族に伝わる変身能力。
 能力者は特別な時計を持って生まれ、その時計に埋め込まれた術式を解放させ能力を発動する。
 骸殻を発動させた者は分史世界への進入が可能となり、時歪の因子(タイムファクター) を破壊する力を得る。
 発動中は幸運以外の全ステータスが2ランク向上。異なる世界で生み出された存在に対して破壊判定を得る。
 変身は20ターン維持されるが、ダメージを受けると持続時間は減少する。
 非常に強力な力だが、代償として時歪の因子となるリスクを負うこととなる。
 一定以上時歪の因子化が進めば全パラメータが低下、限度を超えると時歪の因子となり消滅する。

**【発動後ステータス】
筋力:A+ 耐久:A 敏捷:A+ 魔力:A 幸運:E 宝具:C+

**【人物背景】
分子世界におけるテイルズ・オブ・エクシリア2の主人公ルドガー・ウィル・クルスニクの未来の姿である。
ヴィクトルとは最強の骸殻能力に与えられる称号であり本名ではない。
一人娘であるエル・メル・マータが一族の中でも数代に一人という確率で生まれるクルスニクの鍵であることが判明。
その力を利用しようとする実父ビズリー・カルシ・バクーの手によってエルが浚われ、救出のためビズリーの殺害を決意。
それを阻もうとした、かつての仲間たちと実兄ユリウス・ウィル・クルスニクをビズリー諸共殺害する。
力を使いすぎた代償として既にその身は手遅れなほどに時歪の因子化が進行しており、消滅は間近だった。
その後、エルを利用し正史世界のルドガーに成り代わって、どんな願いでも叶うというカナンの地に辿り着く計画を実行。
既に手遅れなほどに時歪の因子化が進行した我が身を捨て生まれ変わり、妻と娘と共に人生をやり直すことを望んだ。

**【願い】
妻と娘と共に転生し、人生をやり直す。


33 : アルヴィス&ランサー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/02(水) 00:25:51 /EYzlupM0
投下終了
アルヴィスが強すぎ&世界観が違い過ぎな感はあるけど魔術師だし多少はね?


34 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:31:00 OW3G2gOg0
では投下します。

コメディリリーフが欲しいんだ。


35 : ウェイバー・ベルベット&バーサーカー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:32:07 OW3G2gOg0
「だぁから、何なんだよオマエはぁっ!」

「おいおい落ちつけよ、さっきから俺ちゃんはバーサーカーだって言ってるじゃねえぇか!
 でも俺ちゃんイカてるわけじゃねーからバーサーカークラスってのはおかしいだろ?
 ホラホラちゃぁーんとコミュニケーション取れてるし、こりゃ適当にクラス当てはめやがったな!?
 おいテメェ!俺ちゃんってば間違いなくセイバーか、百歩譲ってもアサシンだろーがよォ!
 あーでも銃は持ってるけどアーチャーは無しだぜ。
 宝具がオプティックブラストになりかねねぇからな!
 つーか型月だとあのネコちゃんとも被るしな!…ネコ?まぁネコちゃんみたいなもんだよな多分。
 あっこれ俺ちゃんたちパクり仲間ってことになるのか?
 おいおい俺ちゃんはパクったんじゃなくて無理やりあんなもん撃たされた被害者だぜ?
 これ以上言うなら法廷で合おう、ライト弁護士を呼んでくれ!」
 
―――だからさっきから何を言っているんだっ!

何度目かの叫び声を上げかけたところでウェイバー・ベルベットはグッと堪えた。
もうこいつには何を言おうが無駄だと悟ったからだ。

気が付いた時には、変態的な赤黒の装束を纏った怪人が自分の目の前に立っていた。
驚愕して10メートルほど後ずさり、次にその怪人が自分のサーヴァントだと気付き、
クラスを確認してバーサーカーだと理解したときは絶望感を覚えた。
喚んだ覚えも無い、膨大な魔力を絞り取り、その上暴走するかもしれない狂戦士が傍にいたのだ。
しかし、意外なことに魔力の消費は思ったほどではなく(それでも、魔術の才能においては世界でも指折りだが
実に惜しいことに未だ三代目で回路が少ない自分には決して少ない消費ではなかったが)、
さらにどういうわけかそいつは言語能力を失っておらず、こちらに話しかけてきた。
よくわからないが、外見はともかくバーサーカーとしては『当たり』の部類なのかもしれないと思った。

だが―――会話をして改めて絶望した。いや、それは会話と呼べるものではなかった。
こいつは言葉は話すが、まるでまともに話が通じない。
わけのわからない言葉を一方的に――しばしば何もない所を向いて――放つだけだ。
このバーサーカーは、異常なことに狂化していない。
狂化で塗りつぶすほどの理性がこいつに残っていないからだ。
クラススキルの狂化で、仮初の狂気で狂わすことができない程の、本物の狂人だからなのだ。

―――これだと『正常に狂っている』本来のバーサーカーの方がずっとましだったかもしれない。
いや、『本来の』というならそもそも自分のサーヴァントはバーサーカーなどになるはずがない、
かの『征服王』イスカンダルこそが本来のサーヴァントになるはずだったのだ。
だというのに、魔法陣を敷き、聖遺物――半ば朽ち果てた布切れと、それに引っかかっていた
神秘を秘めた木片――を設置し、魔力を練り上げ、呪文を唱え―――
次に自分を取り戻した時には、自分はこの『方舟』とやらにいて、
冬木のではない聖杯戦争に参加させられていて、そして眼前にこいつがいたのである。
そしてバーサーカーのマシンガントークに一方的に蜂の巣にされている。


36 : ウェイバー・ベルベット&バーサーカー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:33:36 OW3G2gOg0
「モノローグ長ェなあー。
 説明が必要なのはわかるけどよ、流石にダレるぜ?
 あーでもこれはウェイバーちゃんのせいというよりは書いてるオメェの責任か!
 オイオイちゃんと読みやすいように書けよ!SSってのは読み手の立場を考えて書かなきゃならねェんだ!
 俺ちゃんだってあんまりセリフが長くならないように自重してるんだぜ?
 ホラホラ、ちゃんどオメェらのために気を遣える俺ちゃんに惚れたろ?
 エンリョなく『さすがデッドプールたん!そこにシビれる!あこがれるゥ!』って褒め称えて!!」
 
あらぬ方向をむいてやかましくがなり立てるバーサーカーに対して、とうとう力尽きくずおれるウェイバー。
と、ここで気付く。

「…おい。なんで僕の名前を知っている?」

「あ?前のレスに書いてあるじゃねーかウェイバーたん!
 それに俺ちゃんってばしっかりアニメ見たんだぜ?他のSSでおじさんに召喚されたこともあるしな!
 でもライダーとウェイバーちゃんチームを生で見れないのは確かに残念だったかもなァ。
 戦力的には俺ちゃんが来たから全くノープロブレムなのはさておいて
 オメーら赤い糸で繋がっているのかってくらいのコンビだったし!さっすがヒロイン!
 ……だからこそ腐ったお姉さま共のいいオモチャになっちまったけどな!
 あーでもイスカンダルはそもそもそういう性癖だったか?ヤベェこれは腐女子の勝利だった…。
 言っておくが俺ちゃんはノーマルで結婚も…いやでもSSである以上書かれれば抵抗は無意味?無意味なの?
 そうかそうかお前ら次第でウェイバーちゃんが俺ちゃんに恋するのかッ!?愛かッ!?俺ちゃんにゾッコンなのかッ!?
 そんな欲望丸出しの腐れ書き手の皆様には俺ちゃんから鉛弾の無料配布サービスでェーす♪お腹いっぱいどうぞー」
 
       Bang! BangBangBang!!! BangBangBangBang!!!!
 
「うわあああっ! バッ、馬鹿やめろ馬鹿ッ!!」

質問への答えはやはり理解できず、意味はよくわからないが非常に不穏に思える言葉が続き、
なぜかこいつは呼ぶ予定だったイスカンダルのことまで知っているようだった。
しかし、突然虚空へ銃を乱射した狂人を前にして、もはやそんな疑問など気にかけている余裕など無かった。
頭を抱えて床に伏せ、内心で悪態をつく。

―――最ッ悪だ!
こんなサーヴァントでどう戦えってんだ!
ハズレもいいとこだ、クソッタレッ!

「おいおいつれないこと言うなよウェイバーたん!せっかくの戦争なんだし仲良くいこうぜ!
 それにパロロワじゃあ虚淵以上に死亡率高いしなァ!!
 パートナーを信じないなんて使い古された死亡フラグ立てんのもつまらんぜ!
 まあちゃんと敵はブッ殺してやるから、あ・ん・し・ん・しなよっ(はぁと)!
 だからウェイバーたんも一緒に素敵な聖杯戦争ライフをエンジョイしよーぜ!!
 ……そうだ、次の聖杯戦争でもコンビ組もう!
 優勝してFateの次回作に出れますようにって聖杯とキノコちゃんにお願いすればいいよな!
 だから俺ちゃん達が勝てるように、いい感じに続き書いてくれよモニターの前の皆ァ!!!」

………僕はもう駄目かもしれない……………………。


37 : ウェイバー・ベルベット&バーサーカー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:34:34 OW3G2gOg0
【サーヴァントステータス】

【出典】X-MEN
【CLASS】バーサーカー
【マスター】ウェイバー・ベルベット
【真名】デッドプール(ウェイド・ウィルソン)
【性別】男性
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力C 耐久A++ 敏捷B 魔力E 幸運E 宝具EX

【クラス別スキル】
狂化:-
 狂化スキルは機能していない。
 紛れもない狂人であるためバーサーカーとしてのクラス適正を持つが、
 精神汚染スキルのランクが高すぎるため狂化がシャットアウトされている。
 そのためバーサーカークラスとしては維持に必要な魔力が少ない。

【固有スキル】
精神汚染:A++
 精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を完全にシャットアウトする。
 ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。
 バーサーカーのこのスキルは宝具『第四の壁の破壊』へと昇華している。
 
ヒーリングファクター:B-
 バーサーカーが保有するミュータント能力。
 回復の促進を基礎として、毒・病気への抵抗性、老化速度の低下、身体能力の向上を発揮する特殊スキル。
 しかし回復能力がバーサーカーの持つ癌細胞の全身への転移を引き起こしたため
 身体は醜く変容しており、脳細胞の破壊と再生による精神汚染スキルの原因にもなっている。
 
不死の呪い:A-
 エターナルズの一人サノスにかけられた呪い。
 死の女神デスの力を起源とする完全な不死の概念であり、
 バーサーカーは同ランク以上の不死殺しの概念以外の手段では決して死ねない。
 ただしバーサーカーがあくまでサーヴァントである以上、
 マスター不在や魔力不足による消滅は免れ得ない。
 また、死を否定するという性質上、死を司る存在からのあらゆる影響が無効化される。
 しかしバーサーカーは意図的にこの呪いを無視することが可能であり、
 呪いを受けた後も度々死神デスと会っている。
 
【宝具】
『第四の壁の破壊(フォースウォール・クライシス)』
ランク:EX 種別:対人・対界宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 常時発動型宝具。重度の精神汚染の結果として発現し、宝具として扱われる能力である。
 能力の詳細は不明であるが、知ってはならない次元への干渉、
 世界のあらゆる存在にとってのタブーとされるものらしい。
 効果として確認されているのは、知り得ぬ情報の知覚、運命干渉、現実改変など非常に多岐にわたり、
 そのどれもが常軌を逸した奇跡である。
 バーサーカーは独り言を言ったり何もない場所に何かがあるような言動をしたりすることが多々あるが、
 それはこの宝具による異次元への干渉行動であるという。


38 : ウェイバー・ベルベット&バーサーカー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:35:11 OW3G2gOg0
【Weapon】
『無銘』
 ナイフ、刀、銃器、爆弾、暗器など、様々な武器を所持している。
 
『テレポート装置』
 ベルトに装備されており、作動させると短距離の瞬間移動が可能。
 しかしバッテリーが必要であり、また頻繁に故障する。
 他のテレポート装置と連動し、強制的に転送されることもある。
 
『ライフゲージ』『ハイパーコンボゲージ』
 バーサーカーの頭上と足元に存在しているらしいもの。
 一体何なのかは不明だが、もぎ取って鈍器として使用することが可能である。
 バーサーカー以外には認識も能動的な干渉もできない。
 
【人物背景】
 ウェイド・ウィルソンは金で何でも請け負う傭兵であったが、悪性の肺癌に侵されてしまい、
 その克服のためにカナダの超人兵士計画である「ウェポンX」に参加する。
 ヒーローのウルヴァリンが保有するミュータント能力であるヒーリングファクターを移植され
 命を繋ぐことに成功したが、ヒーリングファクターが癌細胞の全身への転移と成長を促してしまい
 醜い容姿に変貌し、さらに脳が癌細胞に侵されることで精神にも重大な異常をきたした。
 これにより軍部から失敗作と見做され収容所に入れられるが、やがて看守を殺害して脱獄。
 覆面を装着し、デッドプールを名乗って多額の報酬と引き換えに暗殺行を行うようになる。
 
 狂気のために精神と思考が不安定で、モラルを欠き金次第で何でもやる悪人ではあるが、
 その場のノリと成り行きで正義のヒーローになることもしばしば。
 陽気で軽口を好み、いかなる状況でも下らないジョークを連発しているが、
 狂っているために他人にはその内容は理解し難い。
 また、その歪んだ精神は何らかの「見えてはいけないもの」を彼に見せているようであり、
 よく虚言や独り言を呟いている。
 しかし、この妄想には重大な秘密が隠されているらしく、彼の力の一つとなっている。

【サーヴァントとしての願い】
 面白そうだから参加した。
 ウェイバーと一緒にFateの次回作に出演することを思いついたので、それが願い。
 何だか知らないがウェイバーに友好的である。

【基本戦術、方針、運用法】
 制御不能。
 その場のノリで適当に危険に突っ込んでいき、大怪我をするのがいつものパターン。
 本来ならそれでも死なないので問題ないのだが、サーヴァント化したことで戦闘や再生に魔力が必要なので
 そこをどの程度考慮してくれるか、考慮させることができるかが運用上のポイントとなる。
 ヒーリングファクターの効果としては、通常状態では魔力を消費しないHP自動回復(リジェネ)であるが
 急速な回復をするには魔力を喰うという感じを想定しており、戦闘内容によっては結局消耗する。
 
 戦闘技術自体は高い。
 数々の武器・銃器・爆発物を使いこなし、マーシャルアーツにも習熟している。
 しかし運用する武器はあくまで通常兵器でしかなく、攻撃用の強力な宝具が無いため火力に欠けることが欠点となる。
 正攻法で戦う場合、武器が通じない相手には、不死の呪いとヒーリングファクターを活かして
 相手の魔力切れを狙う消耗戦しか勝ち目がないが、バーサーカーが大人しくそんな退屈な勝負をしてくれるとは考えにくい。
 あまりに退屈なら、適当にふざけるか、敵マスターをサクッと殺すか、『第四の壁の破壊』で何かやるだろう。
 『ゲージ』はこの世の誰にも理解できない物なので、ある意味規格外の神秘を秘める武器である。
 刀や銃が通じない相手にも有効かもしれない。ハイパーコンボだし。

 『第四の壁の破壊』なら良くも悪くも何でもありだが、どの程度好き勝手できるかは
 このロワではバーサーカー自身よりも書き手の意向が強く働く程度に能力が制限されている。
 本来ならマスターが死のうが自分が消滅しようが書き手に文句をつけてどうにかすることは容易いが、
 ロワである以上そこはある程度自重させる必要があるだろう。


39 : ウェイバー・ベルベット&バーサーカー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:36:11 OW3G2gOg0
【マスターステータス】

【出典】Fate/Zero
【名前】ウェイバー・ベルベット
【性別】男性

【参加方法】
 第四次聖杯戦争に参加し、サーヴァントを召喚した次の瞬間、参加していた。
 召喚の触媒に『ゴフェルの木片』がくっついていたため、期せずして参加。

【マスターとしての願い】
 聖杯にかける願いは無く、自身の魔術師としての才能と力量の証明のために第四次聖杯戦争に参加した。
 ……はずだったが、『方舟』の聖杯戦争は参加するつもりではなかったこと、
 サーヴァントがあんまりにもアレなことから、この聖杯戦争でどうするべきか悩んでいる。
 
【能力・技能】
 オーソドックスな魔術を習得。また錬金術の心得がある。
 魔術師としての力量は平凡の一言。
 一般人への暗示も失敗しかねない程度に才能が無い。
 さらに貧弱な体躯をしており、腕力や体力に欠ける。
 しかし研究者としての適性は高く、洞察・分析能力や、文章の解読・記憶に長ける。
 また、魔術師としては珍しく現代技術や機械の使用に対する抵抗感が薄い。
 そして、凄まじい強運の持ち主である。

【人物背景】
 魔術師の家系であるベルベット家の三代目。
 独学で時計塔に入学し、自身を優秀と自負していたが、
 家系の歴史の浅さと本人の魔術の力量不足は如何ともし難く、周囲から浮いていた。
 時計塔の魔術師が、天賦の才を持つ(と、本人は思い込んでいる)自分を認めないことから、
 歴史ある名門の魔術師達に強烈なコンプレックスを感じている。
 魔術協会の体制に一石を投じるべく執筆した論文を、講師であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトに
 嘲笑され破り捨てられてしまうが、そのケイネスが極東の地で“聖杯戦争”と呼ばれる魔術の競技に参加することを知る。
 その儀式であれば自分の才能を証明するに相応しいと考え、またケイネス宛に届けられた
 英霊召喚用の聖遺物を手に入れてしまい、それを千載一遇の好機と捉え盗み出す。
 そして日本へと渡り、冬木の地にて聖杯戦争へ臨む。
 
 …つまり現時点での彼は、ちょっと魔術が使えるだけのワカメに過ぎない。
 ワカメよりは善人で、あと運が良い。

【方針】
 明確な方針は定まっていない。
 バーサーカーをどう運用するべきか、これからどうするのか、頭を抱えている。


40 : ウェイバー・ベルベット&バーサーカー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:37:46 OW3G2gOg0
【その他】
○『第四の壁の破壊』『ゲージ』の詳細が暈かされている理由は?
 この説明はあくまでウェイバーがマスター権限で把握できるだけのステータス情報として書かれているため。
 第四の壁の向こう側(こちら側)のことは、宝具の説明を記述する聖杯のシステムにも正確に理解できないために、
 マスターへの情報として提示できるのは「何だか別次元に干渉するっぽい」「何かあるっぽい」ということだけとなる。
○『第四の壁の破壊』を聖杯が再現できるのか?
 聖杯が再現する必要すらないものと想定している。
 英霊の再現において聖杯が関係するのは、クラス補正による能力・スキル・宝具の制限、
 そして聖杯の性能で英霊のそれらの能力をどこまで再現できるかということだと考えている。
 また、肉体に関しては基本的に全盛期の状態だが、クラスによって変動があり得る。
 しかし、英霊の記憶に関しては召喚の状態にかかわらず晩年のものまでが保持される。
 そして、『第四の壁の破壊』は精神汚染スキルで表現されるデッドプールの狂気の結果として発現しているものである。
 つまり、聖杯云々はそもそも関係なく、生前の記憶を持った、狂ったデッドプールがそこにいる限り
 『第四の壁』は彼にとって当たり前の様に認識され、壊されるものである。
○『ゴフェルの木片』は、なぜか最初からイスカンダルのマントに引っ付いていた。
 ウェイバーはマントに関してはイスカンダルの物だと調べられたが、木片に関しては
 非常に古く、強力な神秘を宿すものとしかわからなかった。
 しかしマントと一緒にあったものだったため、イスカンダル縁の品の欠片だと思い込みそのまま召喚に使用した。
 木片による『方舟への召喚が優先され、マントは召喚の触媒の機能を果たすことはなかった。


41 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/02(水) 00:38:29 OW3G2gOg0
以上です。


42 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:48:02 00UCcrw.0
投下乙です。デッドプールは予想外すぎたwww
今度は安藤潤也(魔王 JUVENILE REMIX)&アーチャー投下します


43 : 安藤潤也&アーチャー ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:49:09 00UCcrw.0

あの『木片』を手にれたのは殆ど偶然のようなものだった。
その意味さえ全くと言っていい程知らなかった。
だが、今となっては解る

俺は、『そいつ』をこの目で見ていた。
俺の目の前で跪く『そいつ』の姿を、見下ろしていた。
そいつのことは此処で初めて目にした。
だけど、何となくだけど、理解出来る。
この目の前の『赤衣の男』が、俺の『相棒』だと言うことを。
この血塗れた殺し合いで俺が使役する、『サーヴァント』だということを。
私闘を勝ち残る為に、俺が振るう『剣』だということを。
殺し屋と同じ。仲間であり、俺の殺しの道具だ。

これは俺の為の闘い。
目の前から消え去ってしまった未来を取り戻す為の闘いだ。
『どこへも行かない』約束をした兄貴を、取り戻す為の闘い。
覚悟はとうに出来ている。殺し屋を雇って、令嬢を叩き潰して、連中を殺したんだ。
今更『殺し合い』なんかで怯むワケも、それを否定するワケも無い。
今の俺に恐怖なんて無かった。此処に来たことへの後悔すら無かった。
そうだ。とっくに俺は変わっている。
あの日々を取り戻す為なら、俺はどんな手だって使ってみせる。
『他人』という犠牲を払って、この闘いの頂きに辿り着いてみせる。
そう。これは失ってしまった、もう二度と戻らないはずだった『大切なもの』を取り戻すための私闘。
目の前で跪く男が、それを取り戻す為の『力』――――

「お前が、俺のサーヴァントか」

目の前で跪く『赤衣の男』に対し、俺は声をかける。
そいつはゆっくりと、俺の方へと顔を上げる。

―――そいつの真紅の目を見たその時、俺はすぐに気付いたんだ。
その瞳が物語っている。こいつは、どこまでも冷徹になれる漆黒の意思を持っている。
目的の為ならどんな敵でも叩き潰すような、残忍な心を持っている。
そして――――俺が出会った殺し屋達とは比にもならないような、深い深い『闇』を孕んでいる。

傲岸な笑みを浮かべる『そいつ』は、ゆっくりと口を開いた…


「此度の闘争では、アーチャーのクラスとして召還された」


あくまで冷静沈着に、だか確かな『威厳』を感じさせる声で俺に語りかける。
その口元には相変わらず不敵な笑みが浮かんでいる。
俺はその男を、ただ何も言わず、表情も変えずに見下ろし続けていた…


「名は、『アーカード』」


目の前で跪く男は、そう名乗った。
俺のサーヴァント――『アーカード』は、短い名乗りの直後に立ち上がる。
そのままそいつは俺を指差すように、自らの指をゆっくりと向けた。
真紅の瞳で真っ直ぐに俺を見つめるアーカードから漂うのは、ピリピリと感じる威圧感。


44 : 安藤潤也&アーチャー ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:50:44 00UCcrw.0

「問おう、人間“ヒューマン”。お前は、私のマスター足り得る男か?
 銃は私が構えよう。照準も私が定めよう…
 弾“アモ”を弾倉“スライド”に入れ、遊底“スライド”を引き、安全装置“セーフティー”も私が外そう。
 だが―――殺すのはお前の殺意だ。何の関係もない、何の縁もない他の『人間』を殲滅するのは…お前の殺意だ」


アーカードが発した言葉から滲み出ているもの、伝わるものは…俺の覚悟を問う心。
もしくは、その不敵な笑みが物語る俺への感興らしき感情。

「さて、答えを聞こう。お前に闘争の渦へと飛び込む覚悟はあるか?」

こいつは覚悟を決めていないマスターに従うつもりなど、無いのだろう。
だが、そんなもの――――――――杞憂に過ぎない。
覚悟なんてとっくに出来てる。『此処に来る前』から、俺は覚悟している。

「…ああ、当然だよ。俺は、この闘いで勝ち残る。
 俺自身、傲慢だって解っている。これで本当の意味で『人殺し』になるんだってことも。
 …だけど、俺はもう後には戻るつもりはない。俺は、この闘いで屍を積み上げる。
 殺して、殺し尽くして―――その犠牲の果てにある聖杯を、俺は手に入れる」

そうだ、当たり前だよ。何を今更、って言ってやりたいくらいだよ。
もう俺は人を殺したも同然だ。金でプロを雇って、憎い奴らを始末したんだから。
これはその『続き』に過ぎない。銃を構え、照準を定め、弾薬を込め、遊底を引き、安全装置を外し―――
引き金を引いて、俺は目の前の『敵』を殺す。俺の殺意で。
目の前の『アーカード』を――『武器』を使って、直接この手を血に染めることになっただけだ。
ぐずぐずして全部失うくらいなら、俺は全部を取り戻しに行く。

俺の返答を聞いたアーカードは、口の両端を吊り上げていた。
ある種の感心を抱いているかのように、面白げな笑みを浮かべていた。


「その言葉に、願いに――――嘘偽りは無いだろうな?」
「当然だ。とっくに、覚悟は決めている」


最終確認、と言った所か。
俺の答えは変わらない。多分、今の俺は酷く冷たい顔をしてるんだろうな。
こんな闇の果てまで来てしまったんだから。
俺が答えを紡いだ直後、場は暫しの静寂に包まれる。
男は真っ直ぐに、不敵に笑みを浮かべながら俺を見据えている。
俺も決して男から眼を逸らさなかった。


―――そして、無音を破って唐突に哄笑が響き渡る。


45 : 安藤潤也&アーチャー ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:51:36 00UCcrw.0

「ハハハハハハッ!!!成る程成る程、『一先ずは』合格だ!人間“ヒューマン”!
 お前のその眼を見れば解る。確かな覚悟を決めているようだ!
 願いを掴み取る為に、豚共を踏み台にしてでも伸し上がろうという覚悟をな!」


耳につくような男の高笑いに、俺はほんの少しだけ怯んだ。
圧倒的なまでの威圧感と、漆黒のような禍々しさ。魔と呼ぶに相応しい――強大な闇。
目の前のサーヴァントから感じたモノは…そんな所だった。
俺が引いたのは、とんでもない怪物だったのかもしれない。
出会ってからまだ数分程度しか経っていない。でも、俺は既に直感していた。


この男は、『化物』だ。
この世に存在するどんな王様なんかよりも恐ろしい。
どこまでも傲岸不遜に、どこまでも不敵に笑う化物。
この男は、正真正銘の―――――『魔王』だ。


だけど、今の俺にとっては最高の『武器』だ。
目的の為ならどんな手段をも選ばない。
どんな冷酷な手を使う事も厭わない。
それでいい。それが最も使いやすい。
それもただの武器じゃない――――とびきり上級の『魔王』。
はっきり言って最高の当たりじゃないか。
この男と一緒なら俺は勝ち残れる。『俺達』なら、聖杯だって掴める。
そんな確信じみた感情が、俺の心中にはあった。

「…………」

―――それでも俺は、目の前の『魔王』のように。『アーカード』のように。
傍若無人に笑う事は出来なかった。傲岸に笑みを浮かべる事は出来なかった。
今の俺は、冷ややかな表情で立ち尽くしているのだろう。
瞳に覚悟を宿していたとしても、この顔には何も浮かべていないのだろうと。

内心思考を続けていた最、一頻りの嗤いを吐き出したアーカードは再びこちらへと目を向ける。


「我がマスター、最後に問おう。お前の名は、何と言う」


あぁ、そうか。俺の方、まだ名乗っていなかったな。
これから闘いを共にするんだ。名前くらい、名乗っておかないとな。
サーヴァントへの絶対命令権―――『令呪』の浮かんだ右手の拳を握り締め、俺ははっきりと名乗った。



「―――潤也。俺の名前は、安藤潤也だ」



さあ、行こうぜ『魔王』。
やっちまおう。この闘争へ勝ちに行こう。
あんたと共に、聖杯の頂きまで上り詰めてやる。


46 : 安藤潤也&アーチャー ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:53:07 00UCcrw.0
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


果てなき闘争の先に辿り着いたのが、この地だった。
己の存在を認識出来なくなった私は、世界のシステム―――英霊と化していた。
この世界にサーヴァントとして召還された、となれば…
あの最期を受け入れたはずの私にも、願いがあったのか。
いや―――受け入れざるを得なかっただけか。私自身、望みは確かにあったのかもしれない…いや、ある。



『帰還を果たす』



化物へと、そして英霊へと成り果てた私の…唯一の望みだ。
『我が主』から下された『命令“オーダー”』だ。
そう、命令だ。私は帰還を果たさなければならない。幾千幾万となって、帰還を果たさねばならない!
私は、ヘルメスの鳥。自らの羽根を喰らい、飼い馴らされる存在。
私に下された命令は、まだ終わっていない。ならば、それを全うしよう。
何人たりとも邪魔はさせない。これが戦争ならば尚更。


さて。此度の闘争における私の主となる男だが――――
中々楽しめそうじゃないか。面白い眼をしている。
奴が何を願い、何を望み、何を思い此処に辿り着いたのかは…今はどうだろうと構わない。
大切なのは覚悟の意志だ。奴の眼からは、その覚悟を感じ取れた。
恐らく私と同じ。己の目的の為には、どこまでも非情に―――冷酷になれる存在だ。
それでいい。それが素晴らしい。
覚悟を決める事も出来ず、闘いに怯え、尻込みするような小僧でなくてよかった。
どうやらこの闘争は、十二分に楽しむ事が出来るようだ!
実に面白い。久々の、闘争の感覚だ。
この男と共に屍を積み上げ、聖杯の頂きまで辿り着くとしよう。



さあ。――戦争の時間だ。


存分に楽しもうじゃないか、我がマスター。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


彼は『洪水』に飲まれず、傲然と立ち尽くす一本の木だった。
群衆の熱狂にも支配されず、ただ一人己の意志を貫き通し、対決した―――『魔王』。


彼は己が羽根を喰らい、飼い馴らされる『ヘルメスの鳥』だった。
圧倒的な暴力と狂気を振り翳し、幾千幾万もの敵を殲滅し、君臨した―――『魔王』。


47 : 安藤潤也&アーチャー ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:54:46 00UCcrw.0

『マスター』
安藤 潤也(あんどう じゅんや)

『参加方法』
ムーンセルによる召還。
偶然のきっかけで『木片』を手にした模様。

『マスターの願い』
死別した兄を取り戻す。

『weapon』
回転式拳銃

『能力・技能』
<1/10=1>
10分の1以下の確率ならば確実に当てることが出来る能力。
作中では「じゃんけんに勝ち続ける」「競馬で1位になる馬を必ず当てる」等の効果を見せている。

喧嘩の腕っ節も強いが、あくまで常人の範疇。

『人物背景』
第二章の主人公。高校1年生。
兄とは対照的で楽観的な性格だが、曲がったことが嫌いな行動派でもあり、どんな場面でも周りに流されることはない。
詩織という彼女がいる。安藤(兄)いわく、昔からくじ運がいい。唯一の家族である兄をとても大切に思っていた。
2章からは、兄の死の直後からなぜかじゃんけんで勝ち続けるという不思議な力を持つようになる(潤也いわく「兄貴がツイてる(=憑いてる)」)。
兄の死の真相について疑問を持ち調べ、犬養との「対決」を決意する。
兄とは対照的に、たがが外れてしまった膨れ上がる感情のまま、思い悩まず自らの直感の示すままに行動していく。その行動は次第に狂気を帯びていき、兄の想いを継ぐことと周囲の人々を守るためなら手段を選ばない「魔王」とも呼べる行動をおこす。
能力で得た資金で殺し屋達を雇い<令嬢>を壊滅させるが、後に兄の真意を知る。
10年後、詩織と結婚し、仙台に住み、環境調査の仕事をしている。そして、首相になった犬養の演説を、雇った健太郎、孝次郎に地震を起こさせて妨害をする。

『方針』
誰を利用しようと、どんな手段を使おうと。
必ずこの戦いに勝ち残る。


48 : 安藤潤也&アーチャー ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:57:01 00UCcrw.0

『クラス』
アーチャー

『真名』
アーカード

【パラメーター】
筋力A+ 耐久D 敏捷B+ 魔力C 幸運B 宝具A+

【属性】
中立・悪

『クラス別スキル』
対魔力:E
魔力への耐性。無効化は出来ず、ダメージを多少軽減する。

単独行動:C
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
Cランクならば一日程度の現界が可能。

『固有スキル』
心眼(偽):B
直感・第六感による危険回避。
吸血鬼特有の「第三の眼」による危険予知。
視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

闘争狂:A
戦いに愉悦を見出す闘争者の精神。
威圧・混乱・幻惑などの精神干渉を無効化する他、長期戦になると幸運と宝具以外のステータスにプラス補正が掛かる。

吸血鬼:A
生と死を超えた者、または生と死の狭間に存在する者。吸血鬼の真祖。
死の直前に集いし魔を受け入れ、自らの血液を取り込んだことで吸血鬼へと転じた。
並外れた身体能力、魔眼、肉体変化など生半可な怪物を凌駕する数々の異能力を持ち合わせている。
日光や流水への耐性は非常に高い。

『宝具』
「不死の血族(ノーライフキング)」
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉;-
吸血鬼の真祖であるアーチャーの肉体そのもの。
吸血によって無数の生命を取り込んでいる「個」にして「郡体」である存在。
幾千幾万もの生命を「命のストック」として内包していることにより、何度攻撃を受けようとその場で肉体を再構築出来る。
心臓を潰されようが頭部を破壊されようが問題なく再生可能。
ただしサーヴァントとして現界している、魔力の枯渇による再生能力の低下も起こり得る。

「拘束制御術式(クロムウェル)」
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:500人
かつて人間に打ち倒され、彼らに使役された際にその強大な力を封じる為に施された術式。
第1号・第2号・第3号の術式の解除はアーチャーの任意で可能となっており、その力を宝具化したもの。
術式を解除することで、アーチャーはその身を不定形の姿へと変える。
黒犬獣や無数の蝙蝠といった使い魔の使役、無機物との融合、無数の影の手を操るなど吸血鬼としての様々な異能力を発揮出来るようになる。

宝具『拘束制御術式 零号』はクラス制限によって失われている。

『weapon』
「.454カスールカスタムオートマチック」「対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル」
彼をアーチャーのクラス足らしめる所以。彼にとって最も手に馴染む二丁の大型拳銃。
常人の五体ならば一撃で吹き飛ばす程の凄まじい威力を持つモンスターガン。
弾丸には退魔効果が施されている為、魔物としての属性を持つ者に対しては追加ダメージを与える。
その性能は低ランクの宝具と比較しても遜色が無い。

『人物背景』
人智を超越した圧倒的な強さを誇る最強の吸血鬼。
大英帝国王立国教騎士団(通称「ヘルシング機関」)に化物狩りの鬼札として使役される存在。
かつては「串刺し公」と称された人間だったが処刑直前に吸血鬼へと転じ、後にヘルシング教授達人間に倒される。
化物としての狂気的な言動や振る舞いが多く、闘いや殺し合いを楽しむ闘争狂。
敵となる者に対してはどこまでも残忍に、徹底的なまでに葬る冷徹な性格。
しかし「化物を倒すのはいつだって人間」という理念を持ち、人間に対し憧憬のような感情を抱いている。
同時に自分を含めた化物のことを「人間でいることの出来なかった弱い生き物」と評している。
第二次ゼーレヴェ作戦ではミレニアムとイスカリオテによって壊滅状態となっていたロンドンに帰還し、
圧倒的な力で両軍の兵を蹂躙する。イスカリオテの鬼札であるアンデルセン神父を撃破し、
ヘルシング機関を裏切り吸血鬼化したウォルターをも退けたが、「自己を認識出来る限りどこにでも存在出来る」能力を持つミレニアム准尉・シュレディンガーの命を取り込んだことで彼の能力が付加される。
その結果、数百万の命を取り込んでいるアーカードはその中で自己の存在を認識することが出来なくなり、消滅した。

『サーヴァントの願い』
生前の主の元に帰還を果たす。


49 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/02(水) 00:57:39 00UCcrw.0
投下終了です。


50 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 00:58:14 WDomeaGA0
皆様投下乙です!
開始から黒組連続にデップーさんに旦那に明確に現代世界とは異なるファンタジーからのマスターと見どころ目白押しとは……!

私も投下させて頂きます
間桐桜&キャスターです


51 : 真理は魂と数理に ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 00:59:09 WDomeaGA0

紅い芋虫が、全てが焼き払われた寂れた村を這いつくばっている。
巨大な芋虫だ。
流行病に侵された吹き出物まみれの肌のような、不快感を煽る隆起した表面。
死臭に釣られてやってきたかのように、そんな皮膚を引きずりながら腐臭の漂う身体を引きずっている。
ズリズリと地面に這いつくばるたびに醜い体液が湧き出ている。
焼け焦げた屍体を目当てに、ズリズリと動く。
そんな目も覆うような、醜悪な蟲であった。

いや、違う。
蟲ではない。
人だ。
無数の蟲に生きたまま喰われている人だ。

だが、腕はない。
すでに蟲に喰われたようだ。
だが、脚はない。
付け根に入り込むように蟲が集っている。
もはや人であった箇所よりも蟲が集っている箇所のほうが圧倒的に多い。
本来ならば子を授かるはずであった子宮を蟲は無慈悲に喰らう。
開いた瞳孔には蟲が集い、歪な眼球を形作っている。
爪の中へと入り込むように指先の肉は喰み、血と蟲の対比でネイルアートと言わんばかりに彩っている。
眼球は腐れ落ち、舌は文字通り虫食いの様を呈し、耳奥からはざわざわと蠢く音が響く。

すでに死体と呼べるそれは、しかし、生命を失ってはいなかった。

無数の蟲が集っているとは言え、これほどまで見事に人型を形作る訳。
それは、屍体に籠もった怨みがゆえであった。
蟲は当然の習性として肉を喰いにやってきたが、その魂とも呼べる根幹を屍体に乗っ取られたのだ。
無数の蟲が、屍体に籠もった怨みによって意思を統一される。
それらはすでに蟲であって蟲でなく、かつて屍体であった少女であって少女ではなかった。
幸福の絶頂で全てを奪われた、その怨みだけを抽出して作られた『魔』の者。
それが今の屍体と蟲――――シアン・シンジョーネの本質であった。

シアンの耳には止むことを忘れた神を賛美する曲が響いている。
ただの幻聴だが、鼓膜の奥でカサカサと蠢く蟲の羽音がその歌を奏でているように感じていた。
親しき人が死んでいく様と、自分の世界そのものだった村が焼き払われていく様。
この二つが、蟲食いに合った眼球に焼き付いていた。
神に賛美されながら、何処の誰とも知らない人間に自らの全てを奪われる様を幻視し続けていた。
周囲が神を賛美しながら、自らは全てを失っていた。

妬ましい。
私でない誰かが、妬ましい。
半ば羨望じみた嫉妬が燃え上がる。

そうだ、全てが奪われた。
何に奪われた。
国か、人か、社会か。
それが何かもわからない。
何を怨めばいい。
国か、人か、社会か。
それが何かもわからない。
何を怨めばいいのか、そんなものすらも統一されていない。

こんな世界だからいけない。
こんな、こんな、こんな。
不安定な世界だけは。
自由気ままに暴力を行使できる歪な世界は。

気づくと、シアンは人の頃の肉を捨て去り、シアンの体を構成しているのは蟲だけとなっていた。
賛美歌は止み、目の前に広がるのはただの焼き払われた村だけだ。
人間であった頃よりも遥かにクリアな思考。
かつての平凡な少女であった頃に抱いていた乱雑な思考はすでにない。
ただ、目的のために。
強大な力による支配への目的のために。
不思議なほどに、冷徹になっていた。
しかし、それでも、まだ想いは残っていた。

――――その想いを最後のものにするため、シアンは伴侶となるはずの男の屍肉を喰らっていた。

血染めの村に、屍体を食らって生き延びる魔物が生まれていた。


52 : 真理は魂と数理に ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 01:00:10 WDomeaGA0


   ◆   ◆   ◆


「……夢」

間桐桜は目を覚まし、ゆっくりと身体を起こした。
見慣れない屋根、民家の一部だ。
嫌な夢だった。
それが現実に起こったことであることを悟ったからだ。
桜は一度だけ目をつむり、そして開く。
目の前には自らのパートナー――――キャスターのサーヴァントが居た。

「目が覚めたか、桜」

キャスターのサーヴァント、真名はシアン・シンジョーネ。
彼女は真名、及び宝具について隠すことなく語った。
自身が蟲の集合体であり、肉体そのものが宝具であること。
他にも浮遊城という『陣地』が宝具となっていること。
『魔王』も存在しているが幻獣召喚のスキルを持たないため行使が不可能だろうということ。
見た目は桜と同年代の少女そのものだが、本質は全くの別物。
未熟な魔術師である桜では、いや、『様々な例外』を除けば、現代の魔術師では恐らく殺しきることは不可能。

「……気分が悪いです」
「それが対価だ」

令呪による魔術的なコネクト。
強制的に見せられるお互いの深層意識。
他人の悪夢というものは、桜の想像以上に不快なものだった。

「英雄などというものは右も左も悲惨な過去ばかりだよ。
 もっとも、私は英雄などとは口が裂けても言えん存在だがな」
「……嫌なことばかりですね」

手のひらに刻まれた令呪を見下ろして、桜はつぶやいた。
開いた花弁のようにも、ねじれ合った複数の蟲のようにも見える令呪。
そして、令呪を見下ろした後に左手に持った木杭を見下ろした。
間桐臓硯ことマキリ・ゾォルケンがどこからか入手してきた木杭、『ゴフェルの木』。
気を失うような、超のつく聖遺物。
かつてマキリが根を下ろしていたとされるロシアの系列から入手したとのことだ。
そんなものを、桜は渡された。
もとより聖杯戦争へのやる気がなく、義兄である間桐慎二へと令呪を委託した桜に与えられた役割。
それがこの『方舟の聖杯戦争』とでも呼ぶべきお祭りへの参加者という役割だ。
間桐臓硯の本命は冬木の聖杯であり、これは保険というよりも単なるお遊びだ。
どうなろうが、関係がない。
真理に近づくことができれば僥倖、といったところだろう。

「それが『ゴフェルの木』か」
「……」
「神が与えた唯一の救済も、結局のところは真理とやらに行き着くための知識欲に塗れた道具か。
 真理は何処に?魂と数理に――――くだらんことばかりだな、魔術師も錬金術師も」

アンニュイな表情のまま、キャスターは真理を求める魔術師のあり方を否定した。
キャスターとは『魔術師』のクラスだが、彼女は桜の知る魔術師とは少々性質が異なるのだ。


53 : 真理は魂と数理に ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 01:02:14 WDomeaGA0

「貴方は魔術師らしくないですね、キャスター」
「なにせ、マスターである桜が召喚したサーヴァントだからな。
 ひょっとすると、私が呼ばれたのが体内の蟲が原因だけだと思っているのか?」
「……」
「ふん」

それ以上は言わなかったが、キャスターの目は確かに非難の色に満ちていた。
わかっている。
桜とて、キャスターの想いを抱かなかったと言えば嘘になる。
桜の場合は地獄があまりにも長すぎたために、怨みよりも諦観が遥かに大きくなっただけだ。
そして、地獄の中に小さな安らぎを見つけてしまっただけ。
キャスターの怨みを、桜は同調できる。

「さて、桜。
 シデムシ、クロバエ、ニクバエ、クロスズメバチ、ムカデ、コオロギ、ウジ、エトセトラ、エトセトラ……
 無数の蟲が私の身体を構成している、当然一部を『監視』として遠隔操作することも出来る。
 その一部を飛ばしてみたが、やはり魔術供給の関係か『コア』である群体を離れると制御が効かなくなる。
 帰巣本能から元に戻ってくるが、私の宝具の旨味は――――」
「私の――――」

キャスターの言葉を遮り、桜は小さく呟いた。
キャスターは何も言わずに桜へと目を向ける。
その視線から逃れるように、桜は薄暗闇の外を眺める。
光は見えない。

「私の中の蟲も、操れますか?」
「……桜」

サーヴァントという規格外の存在ならば、あの幽鬼じみた間桐臓硯の蟲も操れるかもしれない。
桜はそんな、願望を口にしたのだ。

「賢くないな、桜」

キャスターは眉をしかめながら、マスターである桜の発言を非難する。
その言葉の意味を察する。

「不可能だ。私自身が、出来ないと感じることは出来ない。
 そもそもとして知能の高い生物を支配下に置くことは私の能力とは別」
「私の中の蟲が何かは知っているんですね」
「同族のようなものだからな」

吐き捨てるように言うキャスター。
嫌悪を抱いているのだろうか。
術式と命のあり方が似ているからこそ、決定的に違う部分に嫌悪を覚えるのだろう。
理解できる。
本当に憧れるのは、自分とは全く違うものだ。
自分だからこそよく分かる薄汚い部分を、一切持っていない人物。
本当に憧れるのは、そんな人物だ。
桜はそれをよく知っている。

「知っていると思うが、キャスターのサーヴァントは基本的に『待ち』の戦術だ。
 のんびりと、世間話でもしようじゃないか」
「世間話、ですか」
「黙ったままが良いのならば、そっちでも構わんがな」

キャスターは壁にもたれかかりながら話す。
ざわざわと蠢く気配がするのは、恐らくキャスターの身体そのものである蟲が蠢いているのだろう。
何もしていないように見えて、キャスターは今も無数の蟲を操作して策を練っているのだ。
桜はたた、魔力を提供すればいいだけ。
ただ、何もしなければ良い。


54 : 真理は魂と数理に ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 01:03:00 WDomeaGA0

「……記憶を失っただけじゃ人は変わらないですね」
「ほう?」
「月海原学園の生徒としての生活……それは、結局間桐桜でしかありませんでした」

何もしない、それは月海原学園の生徒として生活していた時も一緒だった。
ただ登校し、ただ授業を受け、ただ帰宅し、ただ眠る。
そんな生き方だった。

「キャスター、私は帰ります……早く、こんなところから帰りたい」

桜の瞼の裏には、衛宮士郎の姿がある。
そこから藤村大河、美綴綾子などの姿が浮かぶ。
あそこに行かなければいけない。
地獄から離れた場所には、光がなかった。
それが地獄の主――――間桐臓硯に見逃されている光であっても。
あの光がなければ、桜は桜でなくなってしまう。

「ならば、勝利だ。話が早くて助かる」
「……キャスターは、どんな願いがあるんですか?」

この理知的で、どこか厭味ったらしい少女の願いとはなんなのか。
桜には妙に気にかかった。
この手のタイプは自身で全部やり切るタイプのように思えたからだ。

「力だ、力が必要なのだ」
「……単純ですね」
「そうだ、単純だからこそ、だ。
 平等を生むためには不平等が必要なように、この世は、人も魔も根源は愚かなのだ。
 ならば、支配するしかない。強制的に理解させるしかないのだ。
 父親に殴られて、初めて自身が子供だと理解するようにな」

キャスターの目には怨みの暗い光があった。
愚者に踏み潰された幸福を捨てきれていない、そんな暗い光だ。

「得てして強大な二つの力の争いは、より強い第三の力に踏み潰される。
 どんな世界にも必要とされているのは、誰もが手を出すことの出来ない絶対の『力』だ」

このサーヴァントの本質は世界への怨みなのだろう。
恐らく、自らは求めたのに、世界は自らを捨てた。
みっともない寝取られ女のような嫉妬こそが根底なのだ。
その嫉妬が、醜い感情が。
一つの意思に統一されていた。

「その力があれば、全ては統一される」

カサカサと、蟲が蠢いていた。


55 : 真理は魂と数理に ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 01:03:33 WDomeaGA0

【クラス】キャスター
【真名】シアン・シンジョーネ
【出典】パワプロクンポケット12 銀の盾編
【性別】女性
【属性】秩序・悪

【パラメーター】
筋力:E 耐久:C 敏捷:D 魔力:B 幸運:E 宝具:B+

【クラススキル】
陣地作成:B+
宝具『浮遊城』以外にもマナラインを誘導することで工房を作ることが可能。
道具作成:E
単純な呪術のマジックアイテムなら作成可能。

【保有スキル】
自己改造:A
自らを構成する蟲を使って『蟲毒』を行い、より強い毒と呪いを持った蟲を作ることが可能。
また、シアンという存在の『怨み』が増すことによって蟲そのものも強化される。

自己保存:A
人の肉を喰らう蟲を自らの支配下に置くことが可能。
その蟲は自身そのものであるため、ほぼ不死身に近い。

呪術:C
蟲を媒体に呪いをかけることが可能。

【宝具】
『屍肉を漂う蟲(レブナント)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1個
約ニ七○万匹の蟲の集合体であり、シアン・シンジョーネそのもの。
一匹一匹がシアンであり、全てがシアンの意思によって統一されている。
人の肉を喰らう蟲によって構成されている。
一匹でも生き残れば(戦闘能力はともかく)シアンは生きているということになる。
また、二十年で数千匹から約ニ七○匹まで増やしたため、ほぼ不死身に近い。

『浮遊城』
ランク:B+ 種別:対城宝具 レンジ:100 最大補足:1000人
空に浮かぶ城。
大地に流れるマナラインを使い、空に浮かび魔力を蓄えることが出来る。
起動には膨大な魔力が必要。

『魔王』
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:100 最大補足:∞
魔王の生誕。
莫大な魔力と魔王の魂、及び魔法陣の作成が必要。
浮遊城自体が魔王召喚のために必要な魔力を蓄えるためのものだった。
周囲に悪質なマナを撒き散らし人々を魔物へと変化させる『魔王城』と、その主である『魔王』が誕生する。
膨大な魔力が必要なため、シアン曰く、恐らく使用は不可能。

【weapon】


【人物背景】
普通の少女であったが、国家の給金の不払いに恨みを持った傭兵による報復で住んでいた村が襲撃を受けた。
当日結婚式の真っ最中であったシアンは村人全員を皆殺しにされ、さらに自身は生きたまま蟲に喰われ死に至った。
その際の強い怨念が蟲に移り、人間としてのシアンは死にレブナントとしてのシアンが生まれた。
蟲はねずみ算式に増えるため、不死身に近い。
人間社会に強い怨恨を抱いており、同時にそれを統一された社会へと正すことを目的としている。

【サーヴァントとしての願い】
魔王、あるいは強大な力を持つものを誕生させ、その力で世界を統一させる。

【基本戦術、方針、運用法】
基本的な戦闘スタイルは蟲による毒と呪いでの攻撃。
火力は圧倒的に低いが、斬撃や銃撃、打撃に対する耐久力は優れている。
陣地作成のスキルを持っているため、地脈に眠る魔力を弄ることもできる。


56 : 真理は魂と数理に ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 01:04:13 WDomeaGA0

【マスター】間桐桜
【出典】Fate/Stay Night
【性別】女性

【参加方法】
間桐臓硯の命によって木杭を持ち、半ば強制的に参加

【マスターとしての願い】
なし
お題目としては間桐家の魔術師の真理への到達

【weapon】
なし

【能力・技能】
魔術・水属性

【人物背景】
遠坂家から間桐家へと養子に出されて以来、虐待というのも生ぬるい偏った魔術教育を受け人格が擦り切れる。
衛宮士郎との出会いによって変化が起こったが、衛宮士郎や藤村大河以外の前では希薄な人間性のまま。
本来ならば冬木市の聖杯戦争に参加しているはずだったが、闘争への気迫が薄いため義兄へと令呪を渡した。
胸の中に冬木市の聖杯の欠片と間桐臓硯の蟲を宿している。

【方針】
優勝狙い


57 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/02(水) 01:05:10 WDomeaGA0
投下終了です


58 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 01:37:47 TXWPMV2I0
皆様投下お疲れ様です!

他の投下を見ると「それがあったか!」と感心してしまいます。

紅月カレン&アサシンで投下します


59 : 紅月カレン&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 01:41:23 TXWPMV2I0


 世界は嘘で満ちていて安らげる場所など存在しなかった。
 人は誰しも仮面を付けて生きている、嘘で顔を隠す。
 どれだけ親交を深めようと、絆を強く結ぼうと所詮は嘘で創られた虚構。
 隣の人も友達も幼馴染も恋敵も親友も。全員が全員だ、心に仮面を付けていた。


 そんな世界に一人抗う男性がいました。
 その男性は全ての世界と根源に立ち向かうため人生に仮面を付けたのです。
 彼は力を手に入れ、出会い、偽り、別れ、決別……数々の運命に叛逆を起こしてきました。
 そして彼は辿り着くのです、全ての真実、世界から嘘を失くす優しい嘘を。


 彼は世界に悪を偽りました、それも自分を悪の皇帝に添えて。
 最悪とまで呼ばれながらも彼は偽り続けました。亡くなってしまった人のためにも退けないのです。
 多くの犠牲を、彼のために多くの犠牲が生まれました。彼だけが幸せになるなんて不可能。
 舞台を整えた悪は幕を下ろすために盛大なパレードを企画しました。
 戦争は勝ったほうが正義です。負けた人たちは悪で殺されてしまいます。
 ああ! その時でした、仮面の騎士が悪の皇帝を倒しに駆けつけたのです!!


 仮面の騎士は悪の皇帝の部下を退け彼を追い詰めました。
 握られた剣は彼の身体を貫き、そして……悪の皇帝はこの世から姿を消しました。
 この世から悪が亡くなった事によって世界の人々は前を向いて進み始めたのです。
 心が一つになった瞬間なのです。『悪』という共通の敵が消えた事によって。
 これでよかった、これでよかったのです。世界に平和が訪れた、これが歴史なのです。


 その背景に反逆の王子の功績があったこと決して表に出ることはありません。
 世界は平和になった、それが全てです。
 この世で一番優しい嘘が世界を導いた――それでいいのです。


――――――


――――


――


 ここはとある部屋、マンションの一室。
 リビングに置かれたテーブルの上にはコーヒーとサンドイッチが二人分。
 小腹が空いたこの時間に合うセットなっているものの夜も遅いため健康には良いと言えない。
 それでも彼女と少年は手に取りサンドイッチを食していた。

「マスター、そんなにがっつくと太るぜ?」

「ん!? アンタそれでもサー……まぁいいよ」


60 : 紅月カレン&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 01:44:16 TXWPMV2I0

 同じ部屋で食事を摂る男女。外から見れば仲の良い兄弟と言った所だろうか。
 だが彼女達は出会って何年といった仲ではなく他人、全くの他人と言っても差し支えない。
 関係は世間一般に表す主従、女が上で男が下。まるで現代社会の一部を反映しているようだ。
 この世界は一般と呼べる世界ではない。無論改めて説明する必要は無いが此処は『方舟』。
 空間に招かれたマスターである女性とそれに選ばれた少年のサーヴァント。
 白い髪の少年はマスターである女性に歳相応な生意気を口走る。

 対するマスターも反論しようとするも既に馴れてしまった。そのまま流す。
 本来ならば聖杯戦争は願いを懸けた無慈悲な争いだ。
 マスターである女性も相応の願いと覚悟を持ってこの戦争に――。

「でもマスターは巻き込まれたんでしょ? 折角の良い機会なのに願いが特に無いってさ」

「仕方ないんだって……写真を見ていたら急に方舟? ワープしてアンタが居たんだから」

 マスターはコーヒーカップを摘みながら愚痴のように言葉を零す。
 彼女は生徒会室で懐かしい写真を見ていた、ただそれだけだった。
 彼女はその時知る由もなかったがフォトフレームに使われていた木が媒体だったのだ。
 共鳴した結果彼女は召還され目の前の少年――アサシンと出会った。
 不思議な事にルールや地名、単語などは頭の中にインプットされており逆に不安を煽る。

「あたしは帰りたい……でもそれで人を殺すってのは絶対にしたくない」

「襲ってくる奴には?」

「不可抗力って話でしょ?」

「だよね。おねーさんが俺のマスター何だし守るさ。不可抗力ってやつでね」

 願いは無いと言ったら嘘になる。彼女にはもう一度会いたい存在が居る。
 けれどそれは叶わない――叶えてしまっては彼が再度道化になってしまう。
 一度死んだ彼を蘇生したところで世界は変わらない。しかしそれでは彼の覚悟が無駄になってしまう。
 その身を持って世界を導いた彼が生きていては何の意味も持たない茶番となってしまうから。

「俺こう見えても強いんだぜ?」

「はいはい、期待させていただきますアサシン君」

「……へへっ」

 少年のクラスはアサシン。殺し屋とも表せる悪の代名詞だ。
 見た目は少年、実際も少年だが闇の世界に大きく身を浸しておりアサシンと名乗るには充分過ぎる。
 笑う笑顔の裏側に。潜む心は何色か。それが表に出る時――確実に何かが脱落するだろう。

(ルルーシュ……あたしはこんな場所でも強く生き残ってみせるよ)

 彼女もまた不可思議な出来事には馴れておりこの聖杯戦争にも一般人よりは困惑していない。
 果たす願いは在る、しかしそれを叶えることは彼に対する冒涜だ。


61 : 紅月カレン&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 01:46:22 TXWPMV2I0


 この場所から元の居場所へ生還する――それが彼女の願い。
 彼が導いたあの世界には色々な因果が絡まった。それでもあの世界が彼女の居場所だ。
 他人を殺す気などない。だが黙って殺されるつもりもない。
 逆境は慣れている、覚悟も持ち合わせている。黒の騎士団を甘く見るな、壁に掛けてあるバンダナを見つめ決意する。

「アサシンはどうするつもりなの?」

「マスターがそれ聞くの? 基本任せるつもりだけど邪魔する奴や襲ってくる奴は殺す。
 俺だって黙って殺されるつもりはないし……サーヴァントって時点で殺すも何も関係ないけどね」

 殺す。目の前の少年は簡単にその単語を口にした。
 彼曰く「家庭の事情」で殺し屋家業を営んでいたらしい。
 その証拠に見せられたのが足音だ。彼の足音は無音に近く「必殺」を連想させる。
 普段なら疑うのだが状況も状況だ。インプットされた記憶と照合しても少年がサーヴァントで間違いない。

「殺すって……仕方ないけど、さ。でもサーヴァント相手にね?
 なるべくマスターは殺してほしくない、相手が黒なら別だけどね」

「マスターってロボットのパイロットって言ってたっけ。そこら辺割り切れる人でよかった。
 ……まぁ、改めてよろしくな!」

 こうして一つの出会いが因果を超えた新たな運命を創り上げる。
 この物語は何処へ進むのか、進まないのか。
 分かることは唯一つ――その道は黒く染まっていることだけ。



【マスター】紅月カレン@コードギアス 反逆のルルーシュR2
【参加方法】『ゴフェルの木片』により召還、本人の意志ではなく巻き込まれた形。
      (生徒会室に置いてあるフォトフレームが木片で構成されていた:
【マスターとしての願い】元の世界への生還。
            
【weapon】なし。
     
【能力・技能】KMFと呼ばれる機動兵器の操縦に関しては天性の才能とそれに見合う努力を持っている、
       
【人物背景】ブリタニアに対する反帝国活動を兄と共に行っていたが兄が他界。
      その後はゼロと呼ばれた軌跡の男との出会いにより彼女の運命は大きく動く。
      黒の騎士団ではエースとして活躍、時代の戦乱を最後まで駆け抜けた。    
      物語とも呼べる歴史と世界の裏側に関与している一人でも在る。

【方針】聖杯戦争を勝ち抜き元の世界へ生還する。なるべく戦闘は起したくないが『しない』わけではない。


62 : 紅月カレン&アサシン ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 01:48:49 TXWPMV2I0

【クラス】アサシン
【真名】キルア=ゾルディック@HUNTER×HUNTER
【パラメータ】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運B 宝具C+
【属性】混沌・中庸
【クラス別スキル】
 気配遮断:B…サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。
【保有スキル】
 暗殺術:B…幼い頃から暗殺術を家庭内で叩きこまれた。相手を殺す技や気配を絶つ技術、拷問に対する耐性を持っている。
 電撃耐性:B…幼い頃から拷問の一環として電気を浴びてきたためある程度の耐性がある。

【宝具】

『念能力』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:1〜20
 オーラを自在に操る能力。己を強化したり特殊な技に派生することも出来る。
 中でもキルアは電撃の扱いに長けており下記の通り派生する。
 『雷掌』
  両手からスタンガンのように高圧電流を発する。生身の人間だと死ぬのは間違いないだろう。
  サーヴァント相手に殺傷能力は期待できないが動きを止めるには充分な電圧を秘めている。
 『落雷』
  空中から地上の相手に落雷のように電撃を落とす。電圧を放出すればする程範囲と威力が上がる。

『絶』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ: 最大捕捉:
 念能力の一種だがアサシンとの親和性により個別宝具となった。
 全身から溢れるオーラを絶つ事によりその気配を遮断し相手から察知されにくくする。
 この時には通常よりも自然回復速度が大幅に上昇するため緊急手段としても使用可能。
 宝具発動時はスキル気配遮断が一段階ランクアップする。

『神速』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:1〜30人
 念能力の派生技であるが代名詞のため個別宝具となった。
 己の身体に電撃を流し込み身体能力を向上させる。発動時は筋力、敏捷が一段階ランクアップする。
 この状態だと念能力の技は下記の通り派生する。
 『電光石火』
  電撃を帯びたことにより己の筋肉を自分で動かす事が出来る。 
  これにより普段よりも圧倒的な初速を出す事が可能となりこの瞬間のみ敏捷のステータスが更に一段階ランクアップする。
 『疾風迅雷』
  脳で認識するよりも速く相手に対して反撃を行う。
  近距離戦闘に関しては多いなアドバンテージとなるだろう。
 
【weapon】
『ヨーヨー』…2つ所持。特別な合金で出来ており重さは一つ50kgある。

【人物背景】
 伝説の暗殺一家の子どもとして生まれ幼い頃から幼いころから暗殺者としての英才教育を叩き込まれる。 
 その才能は圧倒的で自他共に認められており、一家の後継者として見られている。
 友人と呼べる存在は少なかったがハンター試験で出会ったゴンを始め、レオリオ、クラピカなどの友だちが出来る。
 それがきっかけで親交を深みやがては世界を守る(広域的に捉えて)運命に導かれる


【サーヴァントとしての願い】
 現段階では不明。

【基本戦術、方針、運用法】
 基本はマスターに従う。だが襲ってくる相手には容赦するつもりはない。
 アサシンのスキルと持ち前の技術を活かした暗殺を中心に。しかし正面からの戦闘でも対応する。
 マスターの目が届かない所ならば『遊ぶ』つもりでいる。


63 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 01:51:12 TXWPMV2I0
投下終了です。


64 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 01:52:27 lSvPIzkM0
遅れてしまったが、何とか間に合った……
みなさん投下乙です。すかさず、シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャーで投下します


65 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 01:55:40 lSvPIzkM0



「/演算開始/観測/収集/解析/対処/確証/再演算停止」

分割された思考で計算を同時に済ませ、少女は眼を見開いた。
実体(プログラム)、記憶(メモリー)、装備(ソフト)、全て問題なし。
地上に置いてきた肉体(ハード)からの接続もまた、異常はない。
現状の認識を完了し、シオン・エルトナム・アトラシアは霊子構成による目的地への侵入の成功を確認した。

「ここがムーンセル・オートマンの計算処理能力により作られた霊子虚構世界ですか。
 世界を構成する全てを己の演算で導き出し、余すとこなく再現する。
 これだけの機能も、ムーンセルの見せる一端ですらないのですね」

紫色を基調とした服装と、それと同色の長髪を三つ編みにして下げた少女だった。
表情は少女らしさを残しながらも、根底にあるのは賢者足らんとする知性に溢れている。

「……ムーンセルがある本来の世界では既に魔術基盤は失われ、電子上で己の魂を量子化させる術が新たな魔術と定義されている。
 この時代の私にもその技術が使えるということは、アトラスの思想はその世界においては正しかったということですか」

アトラスの錬金術師は、世界の理を解明する為肉体を計算装置として働かせる。
若年にしてアトラシア……組織の長を意味する名を冠する程の才、エーテライトによる霊子ハッキング術は、
旧来の魔術師(メイガス)にある彼女を、新世代の魔術師(ウィザード)の領域へと届かせていた。

「偽りの記憶を植え付けられ、そこから自分を取り戻す予選式。あのまま夢から覚めず、いずれ振り落とされたマスターも今後いるのでしょう。
 バックアップの保存をしてきたのは正解でしたね。おかげで早期に記憶を復帰でした。
 ですが……学生生活というものは、ああいうものをいうのですね。得難い経験であったのは確かです」

シオンは、この聖杯戦争に参加し、本選への参加権を得た最初期のマスターだ。
予め記憶の再挿入(インストール)を仕込んでおくことで、速やかに記憶を復旧させ、偽りの日常を破り、こうして正規のマスターとして選ばれている。
その顔には最初の関門を潜り抜けたという安堵はない。こうなることは予測し、その通りの結果になっただけ。当然に驚きを抱く生物はいない。
代わりに、頬を綻ばせるのは虚構と断じた夢の日々の記憶。
決して手に入らなかった未来。可能性などはじめから見えなかった道。
それを束の間とはいえ味わえたのは彼女にとって―――


66 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 01:56:38 lSvPIzkM0




「っと、いけない。今はサーヴァントとの接触(コンタクト)に集中しなければ」

予選は通過した。
即ちこれから自分には戦闘の代行体、サーヴァントが宛がわれる。
ムーンセルはマスターとなった人物の価値(バリュー)を解析(スキャン)し、それに合わせたサーヴァントが指定されるというのは分かっている。
相性がいいとはいえ相手は過去に偉業を残した英霊、そのものの化身だ。一般的な使い魔とはあらゆる点で格が違う。
半端な態度で機嫌を損ねないとも限らない。
能力を引き出し、互いの連携を高めるにも、出来得る限りはその意志を尊重させていきたい。


やがて、目の前にどこからともなく光の粒子が降り注ぐ。
遂にサーヴァント召喚が行われる時が来た。
願いの為に集い命を賭して戦う、この聖杯戦争における最大の勝利要素。

シオンの目的。それはムーンセルそのものの調査。
突如として表れた「方舟」の存在は魔術世界全土を騒がせている。
アトラスに眠る七大兵器すらも及ばない古代遺物(ブラックアート)。
過去未来はおろか、全並行世界へのアクセスを行っていると思しきあの構造体の存在は、あまりにも危険だ。
同じように方舟を狙う魔術師は多く、アトラス院もその例に漏れない。
「未来の正しい運営」による人類繁栄を目指すアトラスにとって、あれは未来を奪う災厄にして、新たな未来を生み出す希望でもある。
白羽の矢が立ったのがシオンなのは、実力以上にかつて禁忌を破り院を抜け出た事への意趣返しもあるのか。

そしてもうひとつ、シオン個人として密かに期待を寄せるものがある。
使徒―――吸血鬼化した人間の再人間化。
シオン自身もその一人……特殊な事情の上親元である使徒は消滅したため半分は人間でいられるが、逆に言えば半分は今も人間ではない。
一度堕ちれば不可逆の死の呪いの解決。シオンの研究課題は今も満足いく成果は見えていない。
数多の世界の知識が収められた大図書館とでもいうべきあそこなら、その手法も得られるのではないか。
そんな望みもあって、シオンはこの要請を受け入れた。

だが、この戦争に足を踏み入れると決める時、一番始めに思い至ったのは、それらとはまた別の思いだった。
困った事があれば助けると「彼」は言った。
同じように自分もまた「彼」の助けとなると決めた。
契約などというものではない、友人同士の他愛ない約束事。
計算機たるアトラスには不要なそんな感情が、一組しか生き残れない熾烈な闘争に乗り込む一番の理由になっていたのだ。

後悔はない。
新たに生まれた感情は確かにシオン・エルトナム・アトラシアの性能を下げた。
だがその代わりに新しい未来を手に入れた。かつての自分では持ち得ない、希望に満ちた結末の夢を。


67 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:03:43 lSvPIzkM0



粒子は集積し、一つの人型を成そうとする。
客観的な視点から、自己と近似する英霊情報を計算する。
エジプトのファラオか。高名な錬金術師か。浮かぶ様々な英霊に思いを馳せる。

そして輪郭は像となり、ここに伝説の英霊は降臨を―――




「ヘイ!ヘイヘイヘイヘイ!ちょっとすいませェ〜ん。
 もしかしてそこのキミ、おれをサーヴァントとして呼んじゃったマスターなの?」



なんか、台無しなものが、出てきた。

顔立ちこそ端正だが、そこに張り付けた顔はいかにも軽薄で紳士とはとても呼べない。
服装は動きやすさを重視しているのか過度な服飾は見られず、騎士や王族といった貫禄は皆無だ。
だが感じる。正統な英霊なら誰しもが持つ、黄金に輝くような意志の力を。

だからこそ、男の口から出てくる言葉がそれらを台無しにしてしまっていた。


「ん〜〜〜……っとぉ、魔力パスってのはあんたと繋がってる、この場にいるのはあんた一人。こりゃもう確定ネ。

 ……よっしゃカワイコちゃんゲットぉ〜!
 隠れながらもボインなバスト!くびれたウェスト!グンバツな足!ナイスよナイス!ヴェエエリィイイナイス!てゆーかスカート短すぎね?
 やっぱおれ様のLUCK値はダテじゃねえな、わかってるじゃないのムーンセルちゃん!」

「………………」

「いや〜心配だったぜ、マスターは自由に選べないってのがムーンセルちゃんの悪いトコよねえー。
 よし、最初にして最大の関門は突破したし、これでもう願いの半分は叶ったようなモンだぜ。
 あとは久々に得たこの若々しいボディで町中の女性NPCちゃんとウフフな日々を……」

「………………」

「……おいィ?さっきからどうして黙りこくっちゃってるの?
 あ。さ・て・は、おれ様の全盛期のこのハンサム顔にさっそく参っちゃったのかな?
 けど固有スキルに魅了系スキルは入ってなんだよなーおかしーよなーまあそんなもんなくたって元の魅力が削がれたりは、ぎゃぱァーーーー!! 」

召喚直後から捲し立てたサーヴァント―――信じがたいがパスが繋がってる上ステータスも確認できるので認めるしかない―――は奇声を上げて悶えだす。
腕から伸ばしたエーテライトはパスを通しているからかあっさりと通り、このサーヴァントの行動権に干渉した。

「のああああああああ! 入ってる、頭ん中になんか入ってるウーーー!
 おい、「これ」やってるのあんただろ!早くやめれー!おれこういう「体に入ってくる」の、苦手なんだってよォーッ」
「ふ。ふふふふふふふふふふ。
 ええそうです。何か夢見がちな想像を巡らしていた私に非があったのです。
 故に責任は取りましょう。あなたの性能は私が管理します。以後許可なく勝手な行動を取ることを禁じます。
 これが正しい主人(マスター)と従者(サーヴァント)の関係というものでしょう。
 だいたいスキル構成や思考を読むだけでいったい何をするかありありと計算できます、さっきから破廉恥な思考がダダ漏れですよ!
 それとエジプトニーソという呼称をつけようとするのはやめなさい。何故即座にそんな呼称が出てくるのですか!」
「な、なんてこった……まるでエリナお婆ちゃんだぜこの女……」


過ぎ去れば自己嫌悪のあまり記憶を消したくなる行為は今少し続いていく。
半吸血鬼と化し、その呪いを解き人間へと戻るべく参戦した錬金術師、シオン・エルトナム・アトラシア。
吸血鬼、そしてその上位ともいえる超存在を身一つで打倒した波紋戦士、ジョセフ・ジョースター。

奇妙な縁で結ばれたマスターとサーヴァントの冒険は、ここから始まる。
共に抱えた「黄金の精神」……人間の誇りを胸にして。


68 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:06:40 lSvPIzkM0
【サーヴァントデータ】

**【出展】ジョジョの奇妙な冒険

**【CLASS】 アーチャー

**【真名】ジョセフ・ジョースター

**【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運A+ 宝具C

**【属性】
混沌・善 

**【クラススキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
 波紋スキルの併用により一時的にランクを上げる事が可能。

単独行動:A
 マスター不在でも行動できる。
 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。

**【保有スキル】
黄金の精神:A
 「正義」の輝きの中にある精神。人間賛歌を謳う勇気と覚悟の心である。
 勇猛、戦闘続行を兼ね備えた特殊スキル。

波紋法:A
 特別な呼吸法によってエネルギーを生み出す技術。
 仙術スキルと同義にある肉体鍛練法。
 身体能力、治癒力の活性化、生命感知、物質への伝導等、その用途は多岐に渡る。
 その本質は太陽光のエネルギーであり、吸血鬼とそれを生み出した「柱の男」への対抗手段である。
 Aランクともなれば、それは一流の波紋戦士の証。

縦横の弁舌:B 
 言葉巧みな弁論で相手の思考を操り、自らに有利な状況を作り出す。
 心理を読み取り次の行動を図る洞察力、観察力が重要となる。
 魔術ではなく精神的な干渉であり、精神耐性系のスキルで抵抗可能。
 
仕切り直し:C
 戦闘から離脱する能力。
 また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。


69 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:09:52 lSvPIzkM0


**【宝具】
『勝者の口上、既に放たれり(スティール・ワード・ウィン)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大補足:1人
 相手がする発言を先に言い当てる事で、そのターンの相手の直前の行動をキャンセルする。
 結果勝利の確信を得ている時程、敵は大きな隙を晒す事となる。

 ……実際は虚を突かれて唖然としているだけであり、本来なら宝具と呼ぶのもおこがましい詐術である。
 にもかかわらずこれが宝具として表れているのは、心理を読み取り、敵の言葉を発言して動揺を誘い、
 己が戦術に嵌めるのが、このサーヴァントの必勝法にして日頃の象徴だからである。

『変幻自在の波紋疾走(ブラッディストリーム・オーバードライブ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:5人
 様々な道具を用い、奇抜な発想で機転を利かして多くの敵を倒した逸話と、波紋法の能力がミックスされた宝具。
 波紋によるエネルギーを固定化させ、波紋の性質はそのままに、ジョセフのイメージ通りの道具を生み出す。
 元々は無形であるが故に、単純な波紋として流した物品に作用させる事も可能。道具作成スキルの発展形ともいえる。
 ただし複雑かつ大規模なものは難しく、宝具といった神秘のある物品の作成は不可能。出来ても形だけとなる。
 イメージの限界はジョセフの生きた年代に左右される。

 生前から複数使ってきたイメージのし易さと魔力節約の面から、ジョセフは専ら単純な糸の形状にする事が多い。
 これはあるいは、老年期で召喚された際に発現する宝具、『幽波紋・隠者の紫(スタンド・ハーミットパープル)』
 に由来しているのかもしれない。

**【weapon】
**『波紋道具』
宝具にて再現した道具の数々。
クラッカーヴォレイ、ウール100%の毛糸、大型スレッジハンマー、大型ボウガン他、生前使用していたものは大抵再現できる。


70 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:12:28 lSvPIzkM0
**【人物背景】
「ジョジョの奇妙な冒険」第二部「戦闘潮流」の主人公。
誕生日9月27日。血液型B型。身長195cm。体重97kg。通称JOJO(ジョジョ)。

軽い性格で、目上の者であっても茶化すような態度が目立つ。
態度も紳士的とは言い難く、目上の人間に対しても常に茶化すような接し方をし、軽微であるものの波紋の悪用も厭わない
その一方で迫害されていた黒人のスモーキーには何の気負いもなく自然体で友情を示し、
友人や尊敬する者を迫害する者にはどんな相手でも毅然と立ち向かうなど、ジョースター家特有の正義感は彼も受け継いでいる。
自分を育ててくれた祖母エリナに対して深い尊敬・愛情の念を抱き、赤児の頃から自分を見守ってくれていたスピードワゴンにも同様に家族としての愛情を持っている。

相手の裏をかくことが得意で、戦闘においてはマジックやイカサマを応用し、自分に不利な状況からも周到な罠を張り巡らせ逆転してみせる。
ジョースター家の戦闘方法に「逃げる」を追加した男。劣勢に陥ったら正面からのぶつかり合いを諦め、一旦戦闘から逃走することで状況の打開を図ろうとする。

生まれ持った波紋法の才能と機転を武器に、吸血鬼やそれを生み出した元凶「柱の男」、ワムウ、エシディシ、カーズとの戦いに身を投じる。
後に親友となるシーザー・アントニオ・ツェペリと共に、正体はジョセフの実母であるリサリサの指導の元修行を積む。
シーザーを失いながらもエシディシ、ワムウを下しカーズも追い詰めるも、カーズはエイジャの赤石の力で「究極生物」と化す。
地球上のあらゆる生物の特徴を受け継ぎ波紋さえも操れるようになったカーズに左手を失い為す術もなく、
絶望したジョセフは最後にほぼ無意識のうちにカーズの前に赤石をかざす。
結果、カーズの波紋が赤石により増幅され、そのエネルギーが火山噴火を招き、火山岩によりカーズは大気圏外へ吹き飛ばされた。

その後、消息を絶ち死亡したと思われていた仲間の元に生還。看病してくれたスージーQと結婚し彼が主役の物語は幕を閉じる。

**【サーヴァントとしての願い】
特になし。生前に大抵の願いは叶っていたし、蘇って第二の生を味わうというのも魅力がないわけではないが、
不老不死に取り付かれ暴走した男を知るが故に本気で叶えようとは思っていない。
カワイコちゃんに呼ばれてムフフとできれば上等、という程度の、サーヴァントにあるまじき緩さである。
だが、自らの助けを乞う者、謂われもなく悪の手に摘み取られる者がいるとなれば、その魂には正義の炎が燃え上がるだろう。

**【基本戦術、方針、運用法】
飛び道具は持つものの、アーチャーというよりは本来の適正はレンジャーに近い。いわゆるクラス詐欺のひとつ。
アベレージ並の能力は持ってるが高い戦闘力のあるサーヴァントと正面切って戦うには不利。
なのでハッタリや小道具を用い、応用性の高い宝具を用いたりして自らに有利な状況を生み出して戦う臨機応変な戦法を得意とする。
「状況」とそれを作り出す「頭脳」こそがこのサーヴァントの最大の持ち味。
「相手が勝ち誇った時、既にそいつは敗北している」の言葉通り、強大なサーヴァントだろうとハメ殺してあげよう。
生前の経験上、人外の化物との戦闘経験が豊富なため、そういった相手には有利な補正がかかる。

サーヴァント同士ならともかく、罪もないマスター相手に拳を振るうというのは正直ノーセンキュー。
高ランクの「単独行動」を持つ為時には好き勝手に遊び回る危険があるので、マスターは手綱をしっかり握っておくのが肝要。
なお、彼が搭乗した乗り物は全て壊れる運命にある。それこそスキルとして表れてもおかしくないくらいに。


71 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:14:56 lSvPIzkM0

【マスターデータ】

**【出展】MELTY BLOOD

**【マスター名】シオン・エルトナム・アトラシア

**【参加方法】
自らの意志で参戦。霊子ハッキングによる経路で侵入した。
なおシオンらアトラスの錬金術師は、魔力の枯渇したEXTRA世界においても魔術を行使できる数少ない系統である。

**【マスターとしての願い】
ムーンセルの調査。及び吸血鬼化の治療法を探す。
それと、さる町で知り合った友人に被害が及ばぬよう尽力するのも望み。

**【weapon】
「エーテライト」と呼ばれる、第五架空元素という存在を編んで作られたナノ単位のモノフィラメントを両手首の腕輪に仕込んでいる。
医療用に開発された擬似神経でもあり生物に接触すると神経とリンクして擬似神経となる。
他人の脳に接続すれば、対象の思考や精神を読み取り、行動の制御(活動停止、リミッター解除)が出来る。
肉体や神経の縫合、ワイヤートラップ的な設置他、用途は多岐に渡る万能礼装。
戦闘では主に鞭のように使用する。 これだけでは火力不足だが、相手の思考を読み行動を縛るそれは対人戦闘に用いるには一級品。

また対象の寿命によって威力が比例する「天寿」の概念礼装、「黒い銃身(ブラックバレル)」のレプリカを所有。
普段は通常の拳銃として使用するが、本気出すとなんかビームとか出る。
『滅び』の概念武装である正式外典・ガマリエルの破片を弾丸として加工した物も一発所有する。

**【能力・技能】
アトラス院の錬金術師は現代錬金術とは異なる、魔術の祖とも言われる錬金術師たちの集まりであり、事象の変換を研究している。
魔術回路が少なく自然干渉系の魔術は使えないが、複数の思考を脳内で運用する「思考分割」や「高速思考」など、
人体を演算装置として使う術に特化している「霊子ハッカー」。
五つで天才とされる分割思考を七つ所有する彼女の演算量はオフコン並。
これとエーテライトを使用した未来予測と、半死徒化した肉体能力で戦闘を行う。

完全に吸血鬼化すれば更に肉体能力は上昇、爪や悪性情報を実体化させる戦闘法にシフトする。
本人にそれを使う意志はなく、吸血衝動も制御できているレベルで収まっている。


72 : シオン・エルトナム・アトラシア&アーチャー ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:15:56 lSvPIzkM0


**【人物背景】
「MELTY BLOOD」の主人公兼ヒロイン。
誕生日6月1日。血液型:O型。身長161cm。体重48kg。
スリーサイズB86/W55/H83
魔術協会三大部門の一つであるアトラス院の錬金術師。その院長候補でもある。旧姓はソカリス。
紫の制服と長い三つ編みがトレードマーク。
三年前、吸血鬼の連盟死徒二十七祖の十三位タタリ討伐に挑むが失敗、友人を失い、自身も噛まれ吸血されたことで半死徒となる(完全な死徒にならなかったのはタタリの特性による)。
以後独自に決着を着けようとアトラス院を離反。吸血鬼化治療のため、自身の研究成果を他部署に明かすことで協力を得たため、
成果の秘匿を第一とするアトラス院から追われる身である。

徹底した合理主義者で、「計算で導き出された結果こそ全て」という持論を持つ。
生真面目かつ論理的な思考を好む一方、根はあたたかで心の底では遊びたがりな一面も。
冷静であまり感情を表には出さないが、おちょくられると顔を赤らめてがおーと説教したりなど人間味は決して乏しくない。
いうなれば、かまって系の委員長タイプ。

**【方針】
基本は情報収集。戦い、生き残る意志はあるが、見敵必殺ということはない。
ムーンセル(あるいは方舟)へのハッキング経験があり、EXTRA世界での基礎知識も収めるに至っている。
大技を持たないサーヴァントのため魔力不足に悩むこともなく、本人も結構な戦闘力を持つので安定した戦いが可能。
相手の情報を集め、戦力を考察し、罠を張り巡らせ、計算通りに討つ。
これはマスター、サーヴァントに共通した戦術であるため、存外に相性がいい。
ただ、半吸血鬼であるためジョセフの波紋に対しては相性が悪いという欠点がある。
即死とはいかないが、普通の人間が受けるよりもダメージは深くなってしまう。その点を如何に解消するかが最大の課題となるだろう。


73 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/02(水) 02:17:03 lSvPIzkM0
以上投下終了です。


74 : ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:25:10 iHY1yQys0
投下乙です。
続いて自分も投下します


75 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:26:23 iHY1yQys0


「先生さよならー」
「またな先生!」
「おう、気をつけて帰れよ」

夕暮れ時の学校。もう陽も沈み始めている時間。
部活動に精をだす生徒たちも帰り支度を整え始めている
何時もと変わらない日常のはずがどこか違和感を感じ始める。
ただその違和感が何なのか首を傾げていると―――


「鵺野せんせーい!」
「あ、藤村先生。お疲れ様です」

突如聞こえたその声に振り返ると、廊下の向こう側から同僚の藤村先生が駆けてくる。
冬木の虎と生徒から恐れられているが、同じくらいに生徒から慕われている教師で人気も高い。

「鵺野先生、今日よかったら久々に皆で飲みに行きません?」
「いいですねぇー。あ、でも給料日まえでお金が…」
「そんな高いところじゃないから大丈夫ですって!律子先生もきますよ♪」
「え゛っ、ホントですか!」
「はい、あとは葛木先生も一緒ですね」

普段こういった飲み会などには参加しない葛木先生が来ることに驚きながら、それ以上に憧れの律子先生が来ることに喜びを隠せない。
急いで帰り支度を整えるとすでに玄関には藤村先生が待っていた。

「お待たせしました藤村先生」
「いえいえ大丈夫ですよ。他の皆は先に行ってるので私たちも行きましょうか」


藤村先生と雑談を交わしながら店まで歩いていく。
あのクラスは賑やかだのあの生徒は元気が有りすぎて少し困るなどといった内容をお互い話していくと、話題は次第に自分の受け持つクラスの進路となっていった。

「どうですか、鵺野先生のクラスは。もうすぐしたら受験生ですよね」
「ええまあ、幸い問題を起こす生徒はいませんので気楽なもんです」

羨ましいですねーと零す藤村先生に苦笑を返しながら、自身に纏わりつく違和感は膨れ上がるばかりだった。


問題児のいない優等生のクラス?
はたして自分のクラスはそんな子供だっただろうか…
逆にトラブルメーカーが揃っているが、仲間思いの明るいクラスだったような―――

なにか大切な事を忘れている。その直感が頭を占め血の気を引かせていく。

「どうしたんですか鵺野先生?顔色が悪いですよ。寒いのならこれどうぞ」

様子がおかしい事に気づいた藤村先生が自分が着けていた手袋をはずし手渡してくる。
とっさにそれを何も着けてない両手で受け取って―――


76 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:27:49 iHY1yQys0




「―――っ!!?」


瞬間、全ての記憶を思い出した。
貧しくも暖かかった家庭。苛めにあった学校生活。救ってくれた恩師との死別。
生徒に取り付いた鬼と死別した恩師との再会。左手に封印した鬼。
童守小学校の5年3組のクラス。学校のマドンナの先生。胡散臭い和尚。
ライバルの妖孤。自分を慕う雪女。半人前の管狐使い。天然な人魚。

色んな人と出会った。衝突した事も会ったが手を取り合えた。


麒麟。はたもんば。絶鬼。九尾の狐。妖怪博士。悪の究極妖怪オロチ。

色んな事があった。何度も死線を潜った。
時に生徒や妖怪の手を借り乗り越えてきた。そのたびに絆を深めてきた。
だが…

『あなたの寿命は、あと24時間です』

突如現れた死神の少女。
悔いを残さないようにすごしたけれど駄目だった。
未練が生まれた。死にたくなかった。まだ生きていたかった。
こちらに向かって走ってくる生徒に向かって別れを告げ…

死神の鎌は振り下ろされた―――


そして暗転していく視界。右手に刻まれた痛み。


ああそうか…おれは―――










「目が覚めたかい?」

目を開けると目の前に飛び込んできたのは赤い色。
仰向けに倒れていた自分を覗き込んでいたらしい青年は、手を差し出して体を起こすのを手伝ってくれた。
普段なら礼の一つでも言うのだが、このときばかりは碌に返事も出来なかった。

「俺は…確か…」
「うん、死んでいるよ。その様子なら全部思い出したみたいだね」
「ならなぜ俺に肉体がある?ここは何処だ。お前は何者だ!」
「まだ記憶が曖昧なのかい?…そうだね、初めから説明しようか。俺はセイバー。ここはムーンセル。
君は聖杯戦争のマスターとして選ばれた参加者だ。」


77 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:30:21 iHY1yQys0

曰く、自分は死ぬ直前に箱舟に呼び出され、記憶を奪われながらもそれを取り戻し、マスターの資格を
手にしたらしい。
分かってはいたが実際に自分が死ぬと確定したあの瞬間は嘘では無かったかと沈鬱になる。

そんな自分に痛ましげな顔を浮かべながらも、青年は聖杯戦争の概要とルールを説明する。

「なぜ…聖杯とやらは俺を生かした…?」
「聖杯に意思はないよ。ただ君の望みを汲み取っただけだ、君が手にしている聖遺物が聖杯戦争の参加券だ。
君の望みを聖杯は汲み取り君を此処に連れてきた」

そうして手に握っていたのは、昔父親が土産で買ってくれた木彫りのお守り。
信じられないがこれが聖遺物だったらしい。

「聖杯を手に入れれば、君は生き返ることも出来る。生を望むかい?」

思い浮かぶのは、自分の未練と泣きそうな生徒たち。

その言葉に、優勝する決意を――――

「するはずないだろうっ!!」

出来なかった。人を助けるために、子供たちを守るために自分は生きてきたのに、他人を殺してまで願いを叶えたいとは思えなかった。

「俺は、俺は教師なのだぞ!そんな俺が人を殺してまで生き返って、どの面下げて子供たちに会えるというのだっ!!」
「ならば辞退するかい?俺に願いは無い。このまま辞退しても俺は構わないよ」
「しないさ、また呼ばれるだけかもしれない。ならば俺はこの争いを止めたい。争いを止め、他の参加者を無事に帰し…聖杯を破壊する」
「願いを持ったマスターを止めるのは簡単じゃないよ?それに聖杯が破壊されたら君は本当に死ぬ。それでもかい?」
「元々俺は死ぬ運命だった人間だ。ならば今生きている人を守りたい。聖杯を破壊して俺は黄泉の国にいくさ」


生徒たちのことは心配だが、きっと俺がいなくともやって行ける。
だからこそ、俺は死を受け入れて―――

「子供たちを悲しませちゃ駄目だよ」

セイバーの言葉に息が詰まった。

「子供を、生徒たちを泣かせたら駄目だよ。君はそれで本当にいいの?」
「…っいいわけない。だがどうしようも無いだろう…どちらか一つしか選べないなら俺は―――」
「自分を犠牲にして、それで君の生徒は喜ばないよ。むしろ怒られるだろうね。――――いや、違うな。単に俺が君の事を死なせたくないんだ」

だからさ―――っと差し出された手を呆然と見ながら、セイバーは初めて笑みを浮かべた。

「一緒に探そう。争いを止める、願いも叶える。そんな事が出来る道をさ。俺は欲張りなんだ、しょうがないなんて言って諦めたくない」
「…子供みたいだなあんた。だが、うん」

一歩踏み出し、手袋をはめてない手でその手を握り返した。

「やはりまだ俺は生きたい。そんな道があるならばそうしたい。だからまあ、なんだ…よろしく頼む」
「宜しくマスター」

お互い固く握手を交わし、目的を定めた。
優勝でも棄権でもない第三の道を。苦難の道だがこの青年とならやれると根拠の無い自信が湧いてくる。

「鵺野鳴介だ。童守小学校の教師をしている」
「レックス。ただのレックスだよ。青空学校の教師さ」


78 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:31:41 iHY1yQys0




『クラス:セイバー』
『真名:レックス(SN3)』
『パラメーター』
筋力A 耐久B 敏捷B 魔力A+ 幸運C 宝具A+
『属性』
 中立・善 
『クラススキル』 
対魔力:A…A以下の魔術は全てキャンセル。
     事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
騎乗:C…騎乗の才能。
     大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない

『保有スキル』
伐剣覚醒:A…魔剣「果てしなき蒼(ウィスタリアス)」を抜剣することにより、能力の大幅な向上を得る。
勇猛:B…威圧やカリスマなどによる精神干渉を妨げるスキル。
ユニット召喚:C…ユニット召喚獣を呼び出す。
         呼び出されたユニット召喚獣は単独行動:Eのスキルを持つ。
         Cランクなら同時に2体までしか出せない。


79 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:32:45 iHY1yQys0

『宝具』果てしなき蒼(ウィスタリアス)
ランク:A+ 種別;対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:―
伝説のエルゴの王が持つ「至源の剣」の伝承を参考に製造された、
高純度サモナイト石(召喚術に使われる特殊な鉱石)を加工した武器。
本来は「封印の剣」と呼ばれたサモナイトソードであり、その目的は名の通り強力な力を持った存在を封印すること。
この封印を行った対象の強大すぎる魔力と意識が剣の中に飽和してしまい、適格者と呼ばれる人物以外の手ではまともに扱えない。

使い手の意思で、もしくは使い手が危機に陥った時に発現し、白い長髪に蒼白の肌、剣と同じ色の瞳という姿と化して、背後に茨の冠のような光の輪が現れる。
システム的には戦闘中のコマンド、あるいは戦闘不能時に自動的に発動(+全回復で復活)し全異常・憑依無効、全ステータスを1ランクアップするうえに、暴走召喚(召喚石を破壊する危険がある代わりに、召喚術を強化して放つ)もできる。



(召喚)
ランク:C 種別;召還宝具 レンジ:― 最大補足:―
召喚に使われる媒介「サモナイト石」が宝具にあたる。
機界ロレイラル、鬼妖界シルターン、霊界サプレス、幻獣界メイトルパや名もなき世界より様々な世界から召喚を行えるが、召喚した存在の長時間の実体化は不可。
また、伐剣覚醒時のみ「暴走召喚」という特殊スキルを使用可能。
通常の数倍の威力を引き出すことが可能な反面、一定の確率で宝具が壊れるリスクを負う。

『人物背景』
とてもお人好しな赤い髪の男性。確固たる意思を持ちつつも優柔不断な所がある。
士官学校の同期でもあるアズリア曰く、「(相変わらず)女性の扱いが下手」。好物はナウバの実(現実世界のバナナのような果物)で宝物は父親からもらった懐中時計。
元は優秀な軍人であり、現新米家庭教師の若者。とある事件が原因で所属していた帝国陸軍を退役し、家庭教師としての道を選ぶ。
生徒との船旅の最中、ふとしたきっかけから不思議な力を持った剣を手にしてしまい、流れ着いた島で数奇な運命に巻き込まれていく
出身は帝国の外れのとある田舎の村。両親は目の前で旧王国軍に殺され、(小説版では激情に駆られ、兵士を殺害したことが示唆されている)笑うことを自己防衛とし一時期精神崩壊に至ったことがある。しかし、周囲の人の絶え間ない応援と努力によって快癒する。
「心を開いて言葉を重ねれば、必ず相手と分かり合える」と一途に信じる行動理由も、この経験から来ている。

村の住人の援助で軍学校に特待生として入学し、首席で卒業したエリートであったが、自分のミス(命乞いをする旧王国の工作員を見逃す)により列車を乗っ取られた事件を一人で解決し、上層部によって不祥事をもみ消すために英雄に祭り上げられ、その事に納得せず退役。
普段は仲間に「任務に失敗して退役、両親は事故で亡くした」と話している。また、このとき救助した列車の乗客が主人公の活躍を目の当たりにした事とその顛末を知り、自身の子供の教育を任せるきっかけとなった。

意思の強さ、魔力や魂の特殊な波長が合致した事から、魔剣の片割れ「碧の賢帝(シャルトス)」の「適格者」となる。魔剣は忘れられた島の遺跡の中枢に封じられた意識と繋がっており、遺跡を介して強大な力を振るうことが出来る。
しかし、遺跡の強い負の感情とリンクしてしまうため、遺跡の意識に精神を乗っ取られる危険性を孕んでおり、事実、非道を働く無色の派閥の襲撃において、感情を爆発させた結果、圧倒的な力と共にその意識までも主人公の表層に現れる。

同じ適格者であるイスラに碧の賢帝を砕かれることで心が折れてしまうが、生徒や仲間との絆により心を取り戻す。
本来敵であるウィゼルの助力により、折れた碧の賢帝は「果てしなき蒼(ウィスタリアス)」として蘇る。

後に勃発した「傀儡戦争」においても、アズリア率いる帝国軍と協力して国境付近に迫っていた悪魔の軍勢を撃退するために「果てしなき蒼」の力を発動したと思われる記録が残っている(しかし島の住人は物理的に離れているため傀儡戦争のことを知らない)。
その後の「狂界戦争」では、五人の勇者の一人「抜剣者(セイバー)」として人々の希望となり剣を振るい、後世にまで広く語り継がれる英雄に祭り上げられた。


80 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:33:23 iHY1yQys0
『サーヴァントの願い』
特になし、しいて言うならマスターの願いを叶えること。
元々マスターの子供たちを思う気持ちに引かれ召喚に応じた。
『基本戦術、方針、運用法』
争いを止めつつ聖杯の破壊、ただし積極的に人は襲わない。
剣と召喚術の組み合わせで戦う。
マスターが危険だと感じれば敵の討伐も視野にいれる。
接近戦を得意としており正面からの戦いではかなりの強さを誇る反面搦め手や策謀に弱い。
また召喚術を使った偵察や回復、ステータスのアップなど応用力に優れている。
いかに自分のペースに持っていくかが鍵となる。
宝具は強力な反面燃費が悪いので(マスターが優秀な霊能力者なため短時間なら連続使用も可能)魔力源確保も重大な鍵。

【マスター:鵺野鳴介@地獄先生ぬ〜ベ〜】
【参加方法】
昔父親に貰った木彫りのお守りから聖杯にアクセス。
死の直前に生まれた未練が聖杯への道を繋いだ。
【マスターとしての願い】
争いを止め聖杯を破壊する。子供たちの下に戻る
【weapon】
【能力・技能】

霊能力
非常に強力な霊能力をその身に宿す。
霊感知、霊視、経文や術具による攻撃、更には密教や修験道の様々な奥義の修得など、並の霊能力者を凌駕する霊力量と資質を兼ね備える。
ピンチになると、通常以上の強力な霊力を発揮する。
少年期は、高い霊能力をコントロールできず、霊症(霊的存在による疾患)にかかっており、学校でもイジメの対象にされていた。

鬼の手
ぬ〜べ〜の代名詞ともいうべき最終兵器。
過去におこなった除霊で対峙した地獄の鬼をその左手に封じており、
自身の霊能力だけでは対処できない強敵が出現した場合に、その封印を一時的に開放する。
形状は自身の手より一回り大きく、筋肉の繊維ような紋様と腱のような筋が走っており、爪は濃いシアン(もしく緑)である。
その威力は凄まじく、たとえどれほどの妖怪であろうと、ほぼ一撃で消滅させることのでき、
よほど堅牢な外殻や神クラスの相手でないかぎりは確実なダメージを負わせることが可能である。

こうした攻撃面以外にも、相手の記憶を読み取り、違う二人の人間の記憶や思いを通じ合わせるという応用が可能。
妖怪などの霊的な存在に霊力を分け与え、彼らの傷や体力を癒すこともできる。
また、ぬ〜べ〜自身の霊力を底上げする作用もある。

ただ、それ自体は悪しき力を持つ鬼そのものであり、当人の霊力が落ちて封印が緩くなり、
何かしらの原因で鬼の力が強まると、暴走して肉体を浸食しはじめる。
反面、それを利用して攻撃力や霊力を強化もでき、無限界時空が除霊に手間取った悪霊をわざと
憑依させ部分的に力を解放させ吹き飛ばす荒業を見せた。
他にも左手に封印した鬼、覇鬼の弟、絶鬼に完全に追い詰められた際には、
わざと肉体を完全に浸食させ、精神力の強さで鬼の意識を支配し、肉体を乗っ取って逆転勝利を掴んだ。


81 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:34:04 iHY1yQys0


【人物背景】

童守小学校で教師を勤めており、5年3組の担任を任されている。
『ぬ〜べ〜』は5年3組の生徒たちからの愛称であり、ほかの教師やなじみの薄い生徒たちからは普通に
「先生」や「鵺野先生」と呼ばれている。(あえて「先生」と呼ぶ人たちもいる)

普段はおおらかな熱血教師だが、その正体は人の世に巣くう魑魅魍魎から
子供たちを護る霊能力教師であり、生徒たちに危機が迫れば命をかけて守り通す"正義の人"である。
普段は温厚で気さく。真面目だがユーモアもあり、なにより子供たちをはじめ、弱い者の立場になって物事を考えられる優しさと正義感を持つ。
ときに頑固になりやすくもあるが、最終的には様々な事に気づいて納得できる柔軟さもある。
真面目なときはイイ男なのだが、けっこうドジを踏んで三枚目なことをしていることが多い。
欠点としては優柔不断なこととスケベなこと。
特に自身の女性問題などでは、優しさゆえに相手を傷つけまいとして優柔不断になり、余計にあたふたとしていまうことが多い。


【方針】
戦いを止めるべく行動する。
ただし闇雲に動くのではなくしっかりとした準備を怠らずに行動する。
サーヴァントの相手はセイバーに任せその間にマスターを説得する。
但し悪人や危険人物だと判断した場合は躊躇わない。
昼間は休息と情報収集にあて動き出すのは夜から。
出来れば仲間を集めたい。


82 : 鵺野鳴介:セイバー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 02:34:57 iHY1yQys0
以上投下完了です。
ありがとうございました。


83 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:41:29 RVg93Wzw0
皆さん投下乙です。
美樹さやか&バーサーカーで投下します。
ちょっと問題作かもしれません。


84 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:42:30 RVg93Wzw0
世界が変わった。理がなした世界に悪魔が叛逆して新しい世界が生まれた。










見滝原中学の通学路で対峙する私とかつての仲間。

「だとしてもこれだけは忘れない!暁美ほむら、あんたが…悪魔だってことは!」

そうだ。忘れてやるもんか。世界が変わっても……………………もしあいつが何をしたのかは忘れても。暁美ほむらが私の敵だってことは。













世界が変わった。









月海原学園の通学路で歓談する私と親友。

「桜、おそーい」
紫がかった髪の親友と一緒に登校。いつもの風景。

「おはようございます、さやかさん」

「相変わらず可愛いねぇ、今日はなんだかオシャレに気合入れてきた?」
親友をからかって過ごす朝。いつもの…風景。

「ち、ちがいますよ。これは、その、イリヤスフィール先輩が…」
「イリヤ先輩からモテる秘訣を教わったって?けしからーん!そんなハレンチな子はー…こうだぁっ!」
「や…ちょっと…やめてくだ…や…め…」
親友と尊敬する先輩について語らう朝。いつもの…風景…。

「まーたおっぱい大きくなってない?これで岸波先輩を誑し込む気かー!許さんぞー!桜は私の嫁になるのだー!」
親友とじゃれあって過ごす。これもいつもの…風景…のはず。

私の親友は桜だった?尊敬する先輩は遠坂さんだった?
思い出せない……けど





悪魔がいない。私の敵が。
私は何かを忘れている。






「ッ!痛ッ!」
手の甲に痛みが走る。そこには三画の紋章。刻まれた令呪とともに私は記憶を取り戻した。


85 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:43:53 RVg93Wzw0










「僕の召喚するサーヴァントと契約して、聖杯戦争のマスターになってよ!」


86 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:44:41 RVg93Wzw0

「は?」
半分に欠けた月の下、私は見慣れたマスコットモドキと話をしていた

「聖杯は手にしたものの願いをなんでも叶えてくれる。暁美ほむらのように世界改変だって可能なはずだ。聖杯戦争っていうのはそれを取り合う争い。過去の英霊をサーヴァント…使い

魔として従えてお互いに戦うんだ」
「ちょ、ちょっと待って……」

相変わらず淡々と述べるインキュベーター。こっちは苛立ちと困惑にのまれてろくに話が出来ない

「聖杯は一つしかないから当然奪い合い、殺し合いになるだろう。でも願いを叶えるということにどんな対価が必要か、君なら言わなくてももうわかってるはずだ」
「待てって言ってんでしょうが、このペテン師!大体あんたと契約なんて今更するわけないでしょうが!」
もうこの体についてグチグチ言うつもりはないけど、それでもこいつとの契約なんて死んでもごめんだ

「ちがうよ、さやか。契約するのは僕とじゃなくサーヴァントとだ」

何を言っても堪えない。しれっとしてホントむかつく

「信用できないって点じゃ同じようなもんでしょ」
「うーん…僕に対する感情はいったん横に置いてほしいな。暁美ほむらがああなった以上、かつての記憶を持つ僕たちを手を取り合うべきだと思うんだ。彼女の持つソウルジェムではな

い何か。あれが僕たちの知る奇跡を上回る以上こちらも聖杯クラスの奇跡が必要だ。それに聖杯の成り立ちや歴史に僕らは関わっていないのだし、そう邪険にしないでほしいな」

「……その聖杯ってそもそも何?宗教的な道具じゃないのは察しが付くけど」
文明の成り立ちに関わってきたコイツならオリジナルの聖杯もマリア様とかといっしょに見てそうだけど

「知ってのとおり僕はいわゆる宇宙人だ。地球の外にも高度な文明があるというのは納得できると思う。それによって作られたと考えられるのが月に存在する聖杯、『ムーンセル』。あ

らゆる事象を記録し、計算し、捻じ曲げるという。ようするに何でも知ってて何でもできる万能の観測機であり願望器なのさ。それは並行世界や未来すらも観測しているサーバーのよう

なものだという。当然月にあるものだからアクセスするのは難しい。そのための手段もその文明が作ってくれたようだ。地球ではノアの方舟と呼ばれる、ムーンセルへのアクセスポート

をね」
「方舟?それが宇宙船なの?」

作ったの神様じゃなくて宇宙人って杏子のやつ怒りそう…あれで信心深いとこあるし

「いわゆる宇宙の旅、にはならないだろうね。詳細はわからないけど方舟の中で聖杯戦争は行われる。その乗車券を手にした者のみがムーン・セルへの旅路、聖杯戦争に挑むことが出来

るんだ。残念ながら強い願望も戦闘能力も持たない僕では参戦は難しい。故郷への脱出があくまで目的意識にしかなり得ない僕では。だからこそ君に頼むんだ。この宇宙を、円環の理を

想う君に!さあ、僕の召喚するサーヴァントと契約して聖杯戦争のマスターになってよ!」

こいつは隠し事はするけど嘘はつかない。願望器の話とかは事実なんだろうけど…

「……私だけ戦わせてあんたは高みの見物ってちょっとムシがよくない?」

コイツのために危機に飛び込むのはちょっと…

「僕がいなければ聖杯戦争のことを知ることはできなかったろう?方舟の乗車券である『ゴフェルの木』は当然こちらで用意した。世界中探しても簡単に見つかるようなものではないん

だよ?グリーフシードも相当数供与しようじゃないか。何よりサーヴァント。おっと、サーヴァントの説明が不足していたね。聖杯戦争はサーヴァントの性能ですべてが決まるといって

も過言じゃない。いいサーヴァントを引けるかは運によるものも大きいけど、触媒を使えば話は別だ。英霊に所縁のあるものを召喚時に用いればその英霊をサーヴァントとして従えるこ

とが出来るんだ。僕は古今様々な英雄に所縁があるよ。魔法少女に限るけど。それを従えることができれば少なくともはずれのサーヴァントを引くことは避けられるはずさ。サーヴァン

ト自身も聖杯に願うものがある以上、余計な衝突は避けるべきだしね。こうした事前準備は月の聖杯戦争では難しいのだけど僕らの星の技術を総動員してでも、ムーンセルにハッキング

をかけ君にグリーフシードと優秀なサーヴァントを届けると約束しよう」


私の答えは……


87 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:46:50 RVg93Wzw0
私の答えは……


「いいよ、行ってあげる。あんたの思惑に乗ってやるよ」
「ありがとう、さやか。君ならそういってくれると思ったよ。それじゃあ…受け取るといい。それが君の運命だ」

かつて私の魂をコイツから受け取ったようになんとかの木を受け取る。ただの木の札にしか見えないけど…

「それじゃあそれを握って、強く願うんだ。聖杯戦争に参加することを。なにより聖杯に託す願い、暁美ほむらから宇宙を取り戻すことを!」
「……」

思う。魔女と戦うように、決意を。
願う。恭介の腕を治した時のように。

でもね、インキュベーター。私はほむらを倒すために聖杯を手に入れるなんて一言も言ってないんだよ。あんたがいつも肝心なことを言わないように、ね
そう思ったところで私は輝きに包まれ。頭上に臨む月へと飛んだ。










そして今。記憶を取り戻した私は桜を先に行かせて、校門の前に降り立ったサーヴァントと向かい合っている……んだけど

「えーと、あなたが私のサーヴァント…なんですよね」
「ああ。バーサーカーのサーヴァント、デビルマンこと不動明だ」

目の前にいるのは逞しい…どう見ても男の人。羽で飛んできていつだかのほむらみたいだったけど…

「もしかして魔法少女だったりします?」
「? いや、俺は男だが……。魔術師のことをそう呼称するのか?だとしても違うが」

デスヨネー
本当に優秀なサーヴァントよこしたの?魔法少女じゃないじゃん。あの白いの肝心なとこで使えないんだから、もー。
あ、でも

「グリーフシードはある…」
とりあえず数日は戦闘しても問題ない程度には。全く何もできなかったわけじゃないのかな?一応あの木もある…
まあしょうがない。もともとアイツを頼りにするつもりもないし、そんなことより

「改めまして。美樹さやかです。花も恥じらう女子中学生。にしてもフドウさん、バーサーカーっていう割には日本語お達者ですね〜。あ、早速なんですけどフドウさんの願いって聞い

てもいいですか?」
現状の確認。サーヴァントとの協力体制は築きたい。

「喋れるのは俺の体質というかスキルによるものだ。願いはかつての親友と再びまみえ、語らい合うこと。すでに死んだ身なんでね。マスターの方は?」
「私は…」
「おっとその前に。自己紹介の続きだ。ミキサヤカとはどんな字を書くのか教えてくれないか?俺は不動明王から王を欠いてフドウアキラだ」
「カッコいい字ですね〜。私は美しい樹木のジュに平仮名でさやかっす」
「美樹…さやか…か、わかった」

およ?何だか複雑な表情。まさか同盟の人物に殺されたとか?地雷くさいし…突っ込まないでおこう

「願いは実は完全には決まってないんですよ。ちょっと気になることがあって来たんです」

そういうと眉をひそめて

「ここは戦場だ。魔力はなかなかだが、半端な覚悟じゃ命を落とすぞ」
「いやいや、聖杯に願う候補はあるんですよ。ただその前に確認したいことがありまして。ところで不動さん、聖杯戦争は初めてですか?」
「複数回参戦するサーヴァントもいるのかもしれんが…それはつまり以前の戦争の落伍者ということじゃないか?少なくとも俺はちがうぞ。…聖杯の数を確認したいのか?」


88 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:47:55 RVg93Wzw0

私はもしかすると初めてじゃないのかもしれない。
知らないけど識っている。多分世界の外側にいた時の知識。ほむらのせいでほとんど覚えてないけどインキュベーターと聖杯戦争について話してたらフラッシュバックした記憶。

緑髪の女の子。多分マスター。
金髪に危ない雰囲気の大男。たぶんサーヴァント。
そして桃色の髪をした…親友、まどか。
私はバーサーカーと呼ばれていて、ほとんど意識がなかった気がする。

彼女たちとは、まるで、夢の中であったような…そんなあいまいな現実か夢かもわからない。妄想の産物と言われればそれまで。
でも『ムーンセル』が並行世界を観測してるなら、ほむらの繰り返した時間軸のなかで私がサーヴァントとなり、まどかがマスターになったこともあり得たのかもしれない。
その可能性が気になる。もしかしたらまたまどかやほかの仲間が来てるかもしれない、そう思ったなら来るしかないでしょ。

それに聖杯を渡しちゃいけない奴ってのはいる。
救う価値のあるかわからない人間が、とんでもないことをやらかす悪魔が、人をだます宇宙人がいることを私は知っている。

「いや、聖杯の数はどうでもいいというか、本筋と違いまして。場当たり的には世界を改変した悪魔をどうにかしたいんですけど、そのどうにかが具体的になんなのか定まってないんで

すよ。そいつ、一応仲間だったこともあるし。でも、そういう危なっかしいやつに聖杯を渡しちゃいけない、とは思う。それが参戦した理由の一つです」

あいつは敵だし、あまり好きじゃないけど多少は同情もね。あれだけ頑張ってたのを知っちゃうとさ

「それに何でも願いをかなえる聖杯ねんて、ちょっぴりうさん臭くないですか?殺し合いに生き残ったご褒美としちゃ妥当なのかもしんないですけど、正直『何でも願いをかなえる』っ

ていうのには個人的にトラウマのようなものがありまして……」
「…つまり?」
「願いがかなった結果どうなるか、リスクは本当にそれだけなのか。たとえば私はクラスメートのけがを治すよう願ったら人間やめる羽目になったんだ。それ以来どうにも疑り深くて。

だから私は知りたい。誰も話してないこの戦争の意味と意図、誰にとって好都合なのかを」

その過程で知りたい。他のマスターの持つ情報。そして他にも行われてきた聖杯戦争の意味と結果を。
強い思いを込めて不動さんを見る。睨み合いのようになるけど…


89 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:49:02 RVg93Wzw0
「いいだろう。当面の方針は情報収集。それがマスターの指針ならそれに従おう」

一応は納得を示してくれたようだ。よかった

「では早速情報交換だ。お互いの戦闘手段を把握するぞ。他にも聞きたいことはお互いあるだろうしな」

魔法少女のこと。デビルマンのこと。悪魔となったかつての仲間のこと。戦力や身の上話を交えて


この私の聖杯戦争は始まった。










人を守るために人をやめた。仲間の裏切り。悪魔を超越した悪魔との敵対。
そして……内に秘めた怪物。
俺になんとなく似ている。

そして。
明るく強気な振る舞い。少しとぼけた言動。人をやめたものへの思いやり。
なによりその名前。
彼女に……牧村美樹に、似ている。

自己を主張するその視線は俺には無視できなかった。
あいつと、飛鳥と話したい気持ちは変わらない。だが、彼女の意思を踏みにじってまでそれを望むのは……俺の意思を無視したあいつと変わらないんじゃないか。
彼女を見ていると見失っていた初心を思い出す。……人間をやめても、人間でいることはできるのだ。
人の体を持ちながら、悪魔の所業をした外道ども。俺もマスターも奴らとは違う。人であることはやめたが、人の心まで失いはしない。
美樹…いや

「マスターよ」
「なんです?」
「さやか、と呼んでもいいか?」

やはり俺は人間を守りたい。今度こそ……守ってみせるぞ


90 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:51:22 RVg93Wzw0

「記憶が戻ったみたいだね、美樹さやか」

大量の白い小動物。ある者は機械を操作し、他の多くは整列して文様を描いている。

「グリーフシードをデータ化して送るのはさほど難しくない」
「問題はサーヴァントだ」
「幸いハッキングには成功した」
「召喚の準備も整った」
「それでは始めよう」

紋様を描くインキュベーターが燐光を放ち、その中央の五体が文言を唱える。

「素に銀と鉄」
「素に石と契約の大公」
「祖には我らがインキュベーター」
     「閉じよ」
「閉じよ」
               「閉じよ」
          「閉じよ」
                    「閉じよ」
「繰り返すつどに五度」
「ただ満たされる時を破却する」

「「「「「告げる」」」」」
「汝の身は我らが下に、我らが運命は汝の剣に」
「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うなら答えよ」
「誓いをここに」
「我らは常世総ての善と成る者、我らは常世総ての悪を敷くもの」
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ」
「「「「「天秤の守り手よ」」」」」




「よし、成功だ。確かに手ごたえはあった」
「どうだい?無事さやかにサーヴァントは届いたかい?」
「…それがそうでもないらしい」
「さやかの下に現れたサーヴァントは、僕たちの知らない英雄だ」
「なんだって?それは本当かい?」
「不動明。いったい何者なんだ…」
「僕たちを触媒としたならオルレアンの聖女や伝説の女海賊が現れてもおかしくないんだが」
「魔女になる運命を持つ魔法少女であることを考えると、ゴルゴンの三女等も考え得る」
「考えられるのはハッキングが失敗したか、混線して他の誰かの下に僕たちの召喚したサーヴァントがいったか」
「あるいは触媒の所縁を覆す何かが彼にはあるのか。ひょっとすると鹿目まどかのように歴史から消えた英雄なのか?」
「「「「「まったく、わけがわからないよ」」」」」


91 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:52:54 RVg93Wzw0
【クラス】バーサーカー
【真名】不動明(アモン)@デビルマン(漫画)
【パラメータ】筋力B 耐久B 敏捷D 魔力B 幸運D 宝具A
【属性】混沌・善(狂)
【クラス別スキル】
 狂化:―(B)
理性と引き換えに全ステータスをワンランク上昇させる。ただし狂化しているのはアモンの人格のみであり、不動明が主人格である限り効果を発揮しない。
ステータス上昇の恩恵は得られないが、魔力消費や意思疎通も通常のままでいる。
アモンの人格が目覚めた時には効果を発揮する。

【保有スキル】

自己改造:EX
自身の肉体・魂に別の属性を付加する。このスキルのランクが高くなればなるほど、正純の英雄からは遠ざかる。
デーモン族の持つ合体能力であり、生物無生物を問わずその身に取り込みその能力や特徴、知識を得ることが出来る。またちぎれた四肢を繋ぎなおすことなどの応用も可能。
両者の同意があれば一時的にのみ合体し、再度分離することも可能。
この能力でアモンは不動明を乗っ取ろうとしたが、逆に主導権を奪われ人間の知性と悪魔の力を持つ戦士が生まれた。

信仰の加護(真):C
一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。彼の場合人間の善性と正義を信じる心の強さとルシファーの愛。
信心から生まれる自己の精神・肉体の絶対性に加え、神性を持つものからのダメージを1ランクダウンさせる。
このスキルによってアモンに乗っ取られずにいる。
本来のスキルは信仰の加護であり神への耐性は持ちえないのだが、悪魔の誘惑をはねのけ、天使に愛された逸話があるためサーヴァント化に伴い昇華した。
人の善性を信じられなくなったときこのスキルは効果を発揮しなくなる。

戦闘続行:B
不屈の闘志と頑健な肉体。
瀕死の傷であっても戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り勝利を諦めることはない。

【宝具】

『悪魔の体に人の心持つ戦士(デビルマン)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
アモンを宿すことで得た特殊能力と頑強な肉体そのもの。
口からの火炎放射、細胞から放つ電撃や熱線、翼による飛翔など様々な超能力を使うデビルマンに変身する。
デーモン族の変身能力によって平常時は人の形を保っており、デビルマンの姿では宝具と幸運を除くステータスが1ランク上昇するが魔力消費も増す。
人の姿でもテレパシーや翼での飛翔など一部の能力は使用可能。


『目覚める地獄の野獣(アモン・アウェイク)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
内に秘めたアモンが主人格になる。真名解放するものではなく、何らかの外的要因やスキル:信仰の加護(真)を失うことで発動する。
変身した理由に関わらず、この宝具発動中は信仰の加護(真)は効果を失い、Cランクの反骨の相スキルを得る。またアモンの人格が表に出るため狂化スキルが効果を発揮する。
またこの宝具発動中はスキル:自己改造によりマスターを除いて無差別に周囲のものを取り込み、魔力源にしたりパワーアップしたりする。


92 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:53:50 RVg93Wzw0

【人物背景】
悪魔をその身に宿し、人間のために悪魔と戦った戦士デビルマン、その筆頭。人間の醜悪さに絶望してもなお同族のために戦い続ける優しさは失われなかった。
ある日親友の飛鳥了に自宅に案内され、人類を滅ぼそうとする脅威、デーモンの存在について知らされる。そこでデーモンの襲撃を受け、飛鳥家の地下室に避難、地下室でサバトに参加

し、デーモンの勇者アモンと合体、人の心を持ったデーモンである『デビルマン』となることに成功する。
アモンと融合した後は人間離れした筋力をほこり、変身しなくてもある程度の超能力を使うなど戦闘能力が高くなっており、生命力も普通の人間に比べてかなり高い。性格も内気なもの

から粗暴なものに変化した。
デビルマンとなった後は、人類を守るために、人知れずデーモンと戦いを繰り広げていく。デーモンが組織的な攻撃を仕掛けてくるようになると同族を集め、纏める対応力も見せた。
しかし親友飛鳥了が正体、魔王サタンとしての記憶を取り戻すとその計略によりデビルマンやその疑いあるものが人類によって迫害される『魔女狩り』が起こる。
『魔女狩り』によって想い人、牧村美樹とその家族やともに戦う同朋が惨殺され、人間の悪魔じみた所業に絶望。多くの人間を殺害し、『デビルマン』という種族のためデーモンとの最

終戦争に挑む。その戦争におけるサタンとの戦いで致命傷を負い、サタンに看取られて絶命した。
不動明は数多の並行世界で異なる歴史を歩んだ英雄だが、この不動明は『魔女狩り』においてアモンに乗っ取られることなく、最終戦争で命を落とした時点の不動明である。
宿す悪魔アモンはかつて地球で繁栄したデーモン族の戦士であり、グリモワールなどにある大悪魔アモンと同一であるかは不明。そもそも不動明という英雄の存在自体、何者かの世界改

変によって隠されているようだ。

【サーヴァントとしての願い】
死に際に見たサタンの悲嘆や失望の混ざった複雑な表情、なぜ不動明をデビルマンとしたのかなどかつての親友の振る舞いに疑問を抱き、その意図や人類の未来について納得するため再

びサタンと会い、語らうことが聖杯に託す願い……だったのだが、『美樹ちゃん』のことを考えると揺らいでいる。
だが少なくともマスターでもある彼女のことは守り抜いて見せる。
アモンは主人格不動明の排除。(こちらはリレーでも構わないです)

【基本戦術、方針、運用法】
積極的な戦闘はマスターの方針的にNGだが、聖杯を渡してはならない相手と判断した場合闘争を戸惑うことはない。
実際の戦闘では『悪魔の体に人の心持つ戦士(デビルマン)』に変身して中〜近距離でビーム打ったり、火吐いたり、殴ったり蹴ったりが基本。
不利と判断したなら飛翔能力などを用いての撤退、不意打ちも視野に入れる。
信仰の加護(真)と戦闘続行によりどつき合いでは強力な部類。
また自己改造により敵やNPC、宝具などを取り込めばクリーチャー化して強くなるし、魔力の心配もない。ビジュアル的にもやってることもラスボス化するのが欠点か。
また合体もできるのでさやかちゃんや同盟したサーヴァントと一体化して戦うことも可能。最悪ゼッケンドルフと合体すれば魔女になっても主従一つになって戦えるはず。
『目覚める地獄の野獣(アモン・アウェイク)』は狂化というより闇落ち。令呪で命じれば使えるでしょうが、本人はまず使いたがらない。


93 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:54:48 RVg93Wzw0

【マスターステータス】

【名前】美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語

【参加方法】
インキュベーターの手引きにより『ゴフェルの木片』を入手。木簡状に加工されているようだが、意味があるかは不明。

【マスターとしての願い】
悪魔となった暁美ほむらに対抗する術を手に入れる……という建前だったが、夢に見た聖杯戦争の記憶の真偽を確かめること、邪なものに聖杯を渡さないこと、契約前のまどかのような

存在を守ることを目的に参戦。

【能力・技能】
魔法少女として培った戦闘技能と魔法(魔術)。主に刀剣生成と癒しの魔法を得意とする。
刀剣は複数生成しての投擲なども可能とし、刀身の射出や分割などのギミックも有するが、基本的にスピードを生かした一撃必殺のスタイル。
癒しの魔法は本来の領分。癒しの願いで魔法少女となったため、自身のダメージは魔法少女の体質もあって即座に回復可能。他者の治療も一応できる。
円環の理として活躍した時期は自身の血から魔女ゼッケンドルフを召喚したり、他の魔女の使い魔を使役したりできたが、暁美ほむらの世界改変の影響で今はできない。記憶を取り戻し

た後使用できるかは不明。

【weapon】
ソウルジェム

魂を物質化した第三魔法の顕現。美樹さやかをはじめとする魔法少女の本体。肉体から離れれば操作はできなくなるし、砕ければ死ぬ。
濁りがたまると魔法(魔術)が使えなくなり、濁りきると魔女になる。地球では円環の理が機能していたが、この地まで円環の理がたどりつけるか、そもそも魔女化するのかは不明。

【人物背景】
平凡な見滝原中学校に通う2年生だったが、宇宙のエネルギー量を憂う外来種インキュベーターと契約し、『魔女』と戦う魔法少女となった女の子。
思いを寄せる幼馴染の腕を治す、町の人々を守るために戦うなど優しさと善性ある少女だが、年相応の危うさも秘めている。
実際に多くの可能性世界で失恋や自身が人間でなくなってしまったことなど不運や悲報が重なり、絶望して自身が『魔女』となってしまうこともあった。
しかし鹿目まどかが円環の理となり、導かれると想い人が夢へと歩んでいる姿に初心を思い出し満足して現世を後にした。

その後は自身も円環の理の一部となり、世界の外側から活動。並行世界の自分や暁美ほむらの道程を知り精神的な成長を見せる。
ほむらがインキュベーターに囚われるとそれを救済するためまどか・百江なぎさとともに再び現世に降臨。くるみ割りの魔女を倒しインキュベーターの支配から脱出するもほむらが叛逆

。ほむらの世界改変に巻き込まれ円環の理に帰れなくなり、再び人間として生きていくことになる。この際に円環の理としての能力や記憶の一部を徐々に失っている。


【方針】
情報収集と危険人物の排除。同盟などは積極的にするつもり。聖杯は効果を発揮するのか、と関連付けて他の聖杯戦争はどんな結末を迎えたのか、そこにだれがいたのか、それが特に知

りたい。
もし自分たち以外全員が聖杯を手に入れさせてはならないと判断した場合最悪優勝も考えているが…


【その他】
インキュベーターは確かにムーンセルにハッキングを掛けましたが成功したとは限りません
サーヴァントが弾かれたのか、消去されたのか、混線したのか詳細は不明です
インキュベーターは聖杯の成り立ちや歴史に関与してないとは言いましたが、聖杯戦争に関わってないとはいっていません


94 : 美樹さやか&バーサーカー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 02:57:31 RVg93Wzw0
投下完了です。

そして推敲ミス発見
×遠坂先輩→○イリヤ先輩でした…


95 : ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:16:20 jN4nCsV.0
投下乙です。
こちらも投下させていただきます。


96 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:17:34 jN4nCsV.0
その木片を見つけたのは通学の途中だった。
宝箱に入っていたとか魔物からドロップしたとかそんなんじゃなくて、普通に道端に落ちていたんだよね。
何かあったとき雄二を殴るのにちょうど良さそうなサイズだったから思わず拾っちゃって……。
その後いつものように鉄人に捕まって、雑用をさせられることになって。
 サ モ ン
「試獣召喚ッ!」
鉄人に逃走防止のアイアンクローをされながら、決まりきった文句を叫んで。
ポケットに入れた木片が光っているのを視界の端に捉えたのを最後に、僕の世界は暗転した。

----------------------

【第一問】
ドリルを使う利点を答えなさい。
セイバーの答え
『360度回転するから攻撃力が360倍になる 』
マスターのコメント
いやあり得ないよ! ……でも、僕より戦いに詳しいセイバーが言うなら本当なのかな?
ということはドリルの二刀流なら720倍になるの!?

----------------------


97 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:19:17 jN4nCsV.0

「――スター。おーい、マスター!」

誰かに身体を揺すられている。揺すられているということは、少なくとも雄二ではないことはたしかだ。
あいつが身体を揺するなんて優しい方法で僕を起こすわけがないもんね。
ムッツリーニはたぶん起こそうともしてくれないから、候補は秀吉ぐらいなんだけど……。
そんなことを思いながら目を開けると、目の前に知らない男の人が立っていた。
誰だろう。学校にこんな赤い服を着てきているってことは、少なくとも 生徒ではないよね。
ツンツンの茶髪。赤い服。紺のズボン。やっぱり赤いブーツ。腰に下げた二本の剣と鞘――剣?

「い、命だけはお助けをぉッ!?」

即座に起き上がって距離を取る。Fクラスで、試召戦争で培われた危険察知能力は伊達じゃない。
剣を持ってるなんて生徒ではないどころか明らかな危険人物だ。
いくらババアが腐りきっているとはいえ、そんな人が学校に侵入するなんて……ん?

「……あれ、学校は?」

辺りをよく見てみると、そこは学校ではなく屋外だった。更に言うと、朝じゃなくて夜だ。
おかしい。てっきり鉄人のアイアンクローで気を失っちゃったのかと思ってたのに。
いくら鉄人が鬼でも、気絶した生徒を外にほっぽり出して夜まで放置す るなんてことはないはず。
謎だ。僕の優秀なる頭脳を持ってしても現状が把握できない。


98 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:20:57 jN4nCsV.0
「ああっと、悪い、驚かせちゃったみたいだな」

うんうんと悩んでいると、男の人が声をかけてきた。
思わず身構えちゃったけど、その笑顔はすごく気さくで、Fクラスの皆のように性根が腐りきっているようには見えない。
もしかしていい人なんだろうか。完全に信用するのも危ないけど、よくよく考えてみれば僕の周りにいたのはこの人だけ。
そうなると、この人が何か事情を知ってるかもしれないよね。
聞いてみよう。

「あの、ここは一体……というか、君は?」
「人に名前を訪ねる前に、まず自分から名乗ったらどうだ?」

正論で返された。
雄二相手なら間違いなく文 句を言っていただろうけど、今ここで文句を言ったら斬られるかもしれない。

「あ、うん。僕は吉井明久」
「明久か、よろしくな! 俺はロイド・アーヴィング。明久のサーヴァントだ。クラスはセイバーだぜ」
「ロイド、ロイドね。うん、よろしく」

男の人――ロイドはどうやら僕のサーヴァントらしい。
セイバーのクラスを引けるなんて、かなりラッキーな……。
そこまで考えて、ある疑問が頭に浮かぶ。
サーヴァント。セイバー。
それらは馴染みのない言葉のはずなのに、意味をすぐに理解することができた。
聖杯戦争を戦うマスターに召喚される英霊。その中でも最優と呼ばれる剣士のクラス。
聞いたこともない単語なのに、どうして僕はそれを知っていたんだろう?
不思議なのはそれだけじゃない。色んな知識が次々に頭に浮かんでくる。
願いを叶える聖杯。それを巡る聖杯戦争。


99 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:22:15 jN4nCsV.0
覚えようとしたわけでもない知識を完全に暗記しているというこの状況。
……どうしてこれを勉強に活かせないんだ! 僕の馬鹿!
こんなことができるなら、勉強しなくてもテストでいい点をとれるのに!

「……ぷっ、明久、お前面白いな!」

頭を抱えていると、ロイドが僕を見て吹き出していた。
人の悩んでいる姿を見て笑うなんて失礼な。

「それでさ、明久。明久はこの聖杯戦争、どうするんだ? いや、どうしたいんだ?」

文句を言ってやろうかと思ったところで、ロイドが真面目な顔で聞いてきた。
どうしたいか。それはつまり、優勝を目 指すのかどうかということだろう。
優勝すれば願いを叶えられる。でも、負けたら消滅してしまう。
文章にしてみればシンプルで、それでいてすごく恐ろしい。
それなのにそれを自然に受け入れているのは、やはりそれを知らぬ間に知っていたからなんだろうか。
でも、願いが叶うってのは魅力的だけど、思い浮かぶ願いといえば頭が良くなりたいとかゲームがいっぱい欲しいとかその程度。
それが死んじゃう危険を冒してまで叶えたい願いかと言われると……違うよね。
それに、これは試召戦争とは違う。相手を倒すということは相手を消滅させちゃってことだ。
別室送りで済むなんてことはない。

「うん、僕は……僕は、この聖杯戦争には、乗らないよ」
「そっか。じゃ、どうする か考えないとな!」

僕の言葉に、ロイドはあっさり頷いて笑顔を見せた。
……あれ、サーヴァントとして召喚されるってことは、ロイドも何か願いを持ってるはずなんじゃ……。

「えっと、ロイドはそれでいいの?」
「ああ。明久がそう決めたんなら、俺はサーヴァントとして協力するよ」
「でも、ロイドの願いは?」
「たしかに俺にだって願いはあるけどさ。なんでも叶うものでそれを叶えちまったら面白く無いだろ?
 それに、そんなものに頼らないで、皆の力で叶えなくちゃいけない願いだってあるしな」


100 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:23:46 jN4nCsV.0
皆の力で叶えなくちゃいけない願い。
そう口にするロイドは、どこか寂しそうだった。

「さて、方針も決まったところで、明久に俺の武器を知ってもらわ ないとな」
「武器っていうと……宝具のこと? その剣とか?」

ロイドが腰に刺している剣を指さす。
セイバーのクラスなんだから、きっと宝具も剣のはずだ。
でも、ロイドから返ってきたのは意外な答えだった。

「いや、これは宝具じゃないんだ。大切なものだけどな」
「あれ、そうなんだ」
「ああ。俺の宝具は二つあって、その片方が剣なんだけどさ……今は見せられないんだよな」
「消耗が激しいとか?」
「そんなところだな」

消耗が激しいものを無闇に使いたくないのはよくわかる。
僕だって必要でなければフィードバックのある試験召喚獣は使いたくないもの。
……まあ、そう考えていても結局必要な場面が来ちゃうんだけど。

「もう一つの宝具 は?」
「そっちは――」

----------------------------

宝具の説明を受けたところで、目覚めた直後から気になってみたことをロイドに聞いてみる。

「そういえば……剣が二本ってことは、ロイドって二刀流なの?」
「ああ、そうだぜ」
「二刀流かぁ。かっこいいよね」
「おお、明久も二刀流の良さがわかるのか!」
「うん、知り合いにも二刀流がいるけど、たまに羨ましくなるよ」
「手数の多さが魅力だし、それでいて強さの真髄はシンプルなのがいいよな」
「強さの真髄?」
「もちろん――」
一呼吸置いて、ロイドは自信満々に言った。

「剣が二本で二倍強い! これしかないぜ!」

ロイドとは仲良くなれそうな気がする。
そう、強く感じた瞬間だった。


101 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:25:14 jN4nCsV.0
【マスター】吉井明久@バカとテストと召喚獣
【参加方法】『ゴフェルの木片』により召還
      (雄二を殴るために拾った木片がたまたま『ゴフェルの木片』だった)
【マスターとしての願い】生還
            
【weapon】なし
     
【能力・技能】試験召喚獣という自分によく似た召喚獣を呼び出せる。
       その力はテストの点数次第であるが、明久は馬鹿であるため能力値自体はそれほど高くない。
       その代わり、観察処分者として雑用などをするために物に触れる(本来試験召喚獣は物に触れない)ようになっている。
       また、雑用をこなしているため他の生徒と比べると召 喚獣の操作が上手い。
       
【人物背景】テストの点数によって強さが決まる召喚獣を用いて戦う『試喚戦争』を導入している文月学園の生徒。
      学力によって分けられる6つのクラスのうちの最低ランクであるFクラスに所属している。
      Fクラスのメンバーがあまりにも性根が腐っていることもあって、荒事にはある程度慣れている。
【方針】聖杯戦争には乗らない。

【クラス】セイバー
【真名】ロイド・アーヴィング@テイルズオブシンフォニア
【パラメータ】筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具EX
【属性】秩序・善
【クラス別スキル】対魔力:B 騎乗:D
【保有スキル】精霊の加護:B 大樹の精霊の加護を受けている。一定ランク以下の精神干渉を無効にする。
       道具作成:E 手先が器用。魔術的なものは作れないが、様々なものを加工することができる。
 
【宝具】
「時統べる永劫の剣 -エターナルソード-」
 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:??? 最大捕捉:???
 精霊王より与えられし時間と空間を操る魔剣。世界を二つに分かつほどの力を持つ。
 ロイドが持つマテリアルブレード(weapon参照)を融合させることで発動が可能。
 

「天駆ける蒼翼-天使化-」
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
 自らの身体を無機生命体化し、それによる耐久の向上などの恩恵を受ける。
 また、その背中にはマナ(この聖杯戦争では魔力)で構成された翼が出 現し、飛行が可能となる。

 
【weapon】
 マテリアルブレード…フランベルジュとヴォーパルソードからなるロイドの愛用の二刀。
  フランベルジュは炎の、ヴォーパルソードは氷の属性を持つ他、二刀を融合させることでエターナルソードとなる。
【人物背景】
 世界再生の神子である幼なじみコレットの旅に同行する中で、

【サーヴァントとしての願い】
 現段階では不明。
【基本戦術、方針、運用法】
 マスターに従う。


102 : 吉井明久・セイバー ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 03:26:09 jN4nCsV.0
以上で投下は終了です


103 : ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:27:38 YvrDlzJA0
投下します。


104 : ジナコ=カリギリ・アサシン ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:29:20 YvrDlzJA0

 街外れにある一軒家。街外れにあるとは言っても決して幽霊屋敷などではない、ごく普通の一軒家だ。
 しかし、人が出入りする様子がない、という点では幽霊屋敷と共通している。

「ジナコさんは今日も仕事休むッスよ〜。ボクが仕事する必要なんて無いッスからね〜」

 なぜなら。その家に住むのは、引きこもりだったからである。
 ジナコ=カリギリ29歳。月海原学園の補欠教員。だが学校には行かない。仕事したくないから。

「だいたい、なんでボクが働く必要があるッスか。エリートニートのジナコさんは働く必要ないッスよ」

 誰も聞いていないのに、布団の中でネットサーフィンをしながらジナコは呟く。
 彼女にとって、働かないのなんて今更な話だ。
 15年間に両親を失って。
 その遺産で一生暮らせるだけの財産を得て。
 進学も就職もせず、苦労のない勝ち組エリートニート生活を続けてきた。

 ――15年間も、この生活が続いてしまった。

「……あれ? ボク……ニート、ッスよね」

 ぐるぐると頭が回り始めるのを、ジナコは感じた。それは、ここ数日で何度も感じたもの。
 似たような感覚を、彼女は知っている。自分の将来について考える時だ。
 こんな人生でいいのかと悩むたびに、ジナコの頭にはもやがかかったようになって、それに耐えられず寝てしまう。

 だけどいつものそれとはどこか違う、とジナコは思う。
 だって最近の自分の頭の中は、いつももやがかかっているのだから。まるで、何を隠すように。

「なんで、アタシが教師になんて…………」

 ジナコの頭の中が撹拌されていく。

 自分が学校で仕事なんて、できるはずがない。
 学校にすらまともに行けなかった自分が、生徒達を見るのは怖い。
 学校の中で目覚めていたら、きっとどこか誰も来ない場所で引きこもっていた。

 ――じゃあなんで、アタシは学校の補欠教員になれたの?

 社会に出て面倒な付き合いにがんじがらめにされて。
 うるさい年下の連中のわがままに付き合わされて。
 そんな、つまらなくて……自分が失った可能性。自分じゃきっと怖くて耐えられない仕事。

 次々にジナコの頭に湧き出てくる何か。
 それは本当に水のごとく沸いてきて……とうとう、口という蓋から溢れだしていた。


105 : ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:30:29 YvrDlzJA0

「せいはい……せんそうの、よせん」

 知らず知らずのうちに、そんな言葉が口から漏れていた。
 それは、堤防の決壊が始まる予兆だったのか。
 頭の中にかかっていたもやは急速に晴れていき、中に隠されていた何かが次々にジナコの記憶に入り込んでくる。

「なに、これ……知ってる……! でも、知らない……!?」

 思わず布団を跳ね除けて、頭を押さえる。けれど、もやという抑えが無くなった以上既に手遅れだ。
 ジナコは自分を思い出し、聖杯戦争を記憶させられていく――――


 なんでも願いが叶う木片。
 そんな内容の怪しいダイレクトメールが送られてきたのは、つい最近のことだった。
 バカバカしい、とジナコは思った。きっとよくあるスパムだ。むしろ、なんで迷惑メール扱いされなかったのか。
 ちゃんと仕分けしろッス、などと思いつつ……なぜかそれが、気になって仕方がなかった。

 そのメールにはこうもあったのだ。
 この木片を得るだけでは願いが叶いません。生死を懸けて戦って、それに勝ち残ることではじめて願いが叶うのだ、と。

 スパムじゃなくて新手のゲームの誘いッスか? と突っ込んだものの、ジナコはなんとなく直感した。
 本当に死ぬのかもしれない。
 ジナコにとって死は絶対で、身近で、突然で、恐ろしいもので……だからこそ、このメールに説得力を感じた。
 願いも叶うのかもしれない。
 興味半分、本気少しでその木片を購入して、送られてきた木片に願った。人生をやり直させてください、と。 
 そして――


「痛っ……!?」

 痛みに、ジナコは意識を引き戻された。
 思わず見た手の甲には、何か文様のようなものが浮かんできている。
 彼女はそれをもう知っている。いや、知っている事にされた。

「令呪……れいじゅ?」

 反芻するように言葉を繰り返す。
 令呪。サーヴァントへの絶対命令権。これが無ければ死ぬ。
 いつの間にか頭の中にある知識に、ジナコは薄気味悪さを感じた。


106 : ジナコ=カリギリ・アサシン ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:31:58 YvrDlzJA0

「…………用件を聞こうか……」
「ひっ!?」

 だから、いつの間にか立っていた男の存在にも気付かなかった。
 声のする方を見上げたジナコは、思わず悲鳴を漏らしていた。
 そこにいたのは、恐ろしい男だ。
 スーツを着ていても分かるくらい、筋肉質の屈強な男。贅肉だらけのジナコとは比較するだけでも失礼だ。
 だけど、ジナコにとって恐ろしいのはそんなことではなかった。
 その男は、死を纏っていた。理屈ではわからないが、そう感じた。
 まるで、死が人間の体を得て迫ってきたような錯覚。
 この男に狙われたら、きっと死ぬ。一度逃げられても最終的には死ぬ。
 ジナコは今更になって自分が臆病なことを思い出し、戦意を早くも喪失していた。

「あ、あんた、だ、れ」
「…………サーヴァント・アサシン。
  マスター
 依頼人で間違いないな?」

 男は怯えるジナコを笑うことも、気遣うこともしない。
 かろうじて絞り出した問いに、平坦な答えだけを返す。
 サーヴァント、その言葉にジナコの知っているものの知らない知識が反応した。

 聖杯戦争を勝ち抜くために必要な存在。マスターはサーヴァントと契約し、サーヴァントはマスターに従う。
 自分がサーヴァントを失ったら負け。
 逆にサーヴァントを使ってサーヴァントやマスターを全て倒せば優勝。
 
 そして、目の前の男がジナコのサーヴァントだと言うなら。

「アタシを守ってくれる、ってコト……?」

 布団の上に座り込んだまま、ジナコはその相手を見上げる。
 まるで銃弾そのもののような死を感じさせる男。それが自分のボディガードと思うと、途端に頼もしく思えてくる。
 ……しかし。

「どうやら、俺の仕事ではなかったようだ……」
「ちょ、ちょっと!?」

 ゆっくりと目を閉じるアサシン。その顔は無表情ながら、「話はこれまでだ」と雄弁に物語っている。
 ジナコは慌ててアサシンに縋り付いた。

「サ、サーヴァントなんでしょ? アタシを守ってくれるんじゃないの!?」
「………………」

 答えはない。振り払うことすらなく、アサシンはジナコを見下ろすだけだ。
 いったいどういうことなのか、何が悪かったのかわからないまま、ジナコは泣き叫ぶことしかできなかった。

「た、戦ってよ、敵をなんとかしてよ!?」
「…………敵を撃つということであれば、受けよう」
「へ?」

 目を丸くする。
 どういうわけか知らないが、いきなりアサシンはジナコに対する態度を軟化させた。

 もっとも分からなくとも当然だろう。これは生前から続くアサシンの「ボディガードの依頼を受けない」という流儀によるもの。
 そして受けないと言っても形式上だけのこと。生前にこの形式で依頼を受けた際、タクラマカン砂漠で動けなくなっていた護衛対象の元へラクダを連れて現れ、助けたこともある。
 アサシンを知らぬ者には理解できぬ拘りであった。


107 : ジナコ=カリギリ・アサシン ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:32:53 YvrDlzJA0

 とはいえ、アサシンのほうも生前とはケースが異なることは承知している。
 そのため、英霊――もっともこのアサシンは反英霊に近いが――となった彼は召喚者との接し方を多少変えていた。

「ただし、俺と契約するならばいくつかのルールを守ってもらうことになる……」
「ル、ルール? 聖杯戦争の?」
「聖杯戦争のルールではない……
 サーヴァントとしての俺に依頼する際のルールだ」

 その一つが、ルールの事前説明である。

「まず、俺との契約は極力隠してもらう……
  マスター
 依頼人であることは令呪がある以上露見するだろうが、それでも俺は必要だと思った時以外表には出ない。
 お前も俺について探るな」
「えぇーっと……?」
「聖杯戦争は、俺にとっても未知の領域だ……
 隠れながら戦うほうが都合がいい……」

 もしかしてあんた弱いッスか!?と煽りスキルを発揮しそうになったが、口には出さない。
 アサシンが纏う威圧感は、とてもじゃないが弱いとは思えない。少なくともジナコよりは絶対に強い。

「次に……俺が実体化している時は後ろに立つな」
「は? なんで?」
「殴る癖がある」
「ちょ」

 思わずツッコミが口から漏れた。ジナコがこの男に殴られたら死ぬ。絶対に死ぬ。
 癖でうっかり殺されるなど、迷惑などというレベルではない。

「そして、俺はどんな理由だろうと裏切りを許さない……
 この場合、その代価は命で払ってもらう」

 今度はツッコミどころか息すら漏らせず、ぶんぶんと頭を縦に振ることしかできなかった。
 ネット上の殺害予告などとは違う本物の「殺意」。殺すと決めたからには確実に殺すという意志が、男の全身から溢れていた。

「最後に、俺達が聖杯を得た場合……
 聖杯の力で俺に関する記憶をお前の頭から消す事になる」
「? せっかく勝ち残ったのに忘れろってこと?」
「依頼人であろうと……やり方を覚えられたくはない」

 ジナコには理解できなかった。
 わざわざ助けに来て、命を張って優勝という栄誉を得て、それを忘れろ、などと言うのだ。
 このアサシンは何のために自分の身を危険に晒すのだろうか? ジナコには不思議でしょうがない。

「どうせ、殺し合いの記憶なんて碌なものじゃないし。別にいいッスけど」
「………………わかった。
 依頼を引き受けよう」

 アサシンの意図がどうあれ、生き残れさえすればジナコに文句はない。
 来るはずだった人生を取り戻す、なんて願いはとうに消えていた。全て忘れてここから逃げられるならそれでよかった。
 ジナコが頷くのを確認すると、アサシンは姿を消した。それは今まで存在していたのが夢じゃないかと思えるほど完璧な消え方だ。
 ジナコもしばらくはアサシンや聖杯戦争について……自分の今後について考え込んでいたが、いつものように頭にもやがかかってきた。

「……アタシには何もできないよ」

 また布団を被る。
 ジナコには何も出来ない。こことは違う時間、違う世界でインドの大英雄と契約した彼女もそうだった。
 死ぬのは怖い。でも三十路近い無力なニートには、閉じこもって、引きこもって、現実から逃げることしかできないのだ。


 ■ ■


108 : ジナコ=カリギリ・アサシン ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:33:59 YvrDlzJA0


 アサシンは屋根に上がり、ジナコが篭もる建物からどう狙撃するべきか、どう狙撃されるかを調べていた。
 幸いにして、ジナコがいる建物の周辺はそれなりに守りやすい地形である。
 ここならジナコが篭もっている限り、軍人五十人に襲われようとも殲滅は容易だ。

「強すぎることは悪い。過信や慢心を招く……
 だが、弱すぎることが問題であることは疑いようもない、な……」

 相手が、ただの軍人であれば。
 アサシンは直感していた。恐らく自分達は聖杯戦争において下位の――或いは最弱のペアであると。
 マスターが弱いから、だけではない。ジナコの魔力供給は極めて貧弱だが、アサシンはほとんど魔力を必要としないので問題ない。アサシンの能力は、もともと人間の域を出ないのだから。
 サーヴァントは基本的に生前より弱体化している場合が多いが、強化される場合もある。このアサシンもそれだ。食事や睡眠は不要になり、弾は魔力がある限り生前の精度のままで無限に使用可能。生前にどれだけ気を遣っていたかを考えれば、これらの苦労が無くなったのは相当な強化と言える。
 だが、それでも自分は弱い英霊だとアサシンは確信している。生前のアサシンは超能力者や常人離れした身体能力を持つ相手を狙ったことがある。それらの相手には射撃を避けられ、苦戦を強いられた。
 そして、今回の戦場はそういった輩が跋扈する聖杯戦争である。セイバーやランサーなら、本人は愚かマスターを狙う銃弾すら容易く切り払うだろう。何より。

「最大の問題は、マスターを殺されても活動できるアーチャーのクラス……
 どれほどの射程距離を持つのかも気になる……」

 得物であるM16を見つめながら、恐らく存在するであろう他の狙撃手について考える。
 生前のアーチャーの最長狙撃は5000メートルだ。しかし、これは「撃った」というよりは「運んだ」と言えるものであり、よほどいい条件が揃わなければマスター相手ですら通用するか疑わしい。M16での有効射程距離となれば、いかにアサシンと言えど半分以下となる。
 もちろんこれでも破格の距離だが、「アーチャー」ならばこれ以上の射程距離を誇る射手もいるであろう。宝具ですらない単なるM16と英霊が持つ宝具では、歴然とした性能差がある。

 そう、M16は宝具ではない。
 アサシンの宝具はその生き様を具現化した「13番目の男」。これはアサシンに狙われた相手はマスターの敵意・殺意に応じて耐久・幸運及び防御系スキルがランクダウンするというもの。「彼に狙われた相手は死ぬ」……その摂理を全ての相手に強要させる。
 欠点はあくまで「当たったら死ぬ」ようになるだけという点。つまり、当てられるかどうかはアサシンの腕前次第だ。
 故に聖杯戦争はアサシンにとっても未知数であり、格上に対する挑戦となる。

「………………」

 アサシンは無言で街を見つめる。その様子には自分より優れた相手に挑む恐怖も、高揚もない。
 超能力者にも、99%勝てないと予測されたバイオニック・ソルジャーにも最後には勝ったのだ。勝ち目が針の先ほどもないというのなら、その針の先より細い勝機を撃ち貫くために専心する。
  マスター
 依頼者にも不満はない。全てをアサシンに任せる、生前から依頼者はそんなものだったし、生前のアサシンも依頼者がそうすることを望んだ。
 アサシンを嵌めようとした依頼者達に比べれば、ジナコはまともな部類とすら言っていい――少なくとも、今のところは。

「…………やってみよう」

 だから、契約を果たす。魔力という報酬を貰う以上、受けた依頼を実行する。
 それだけがアサシン――ゴルゴ13の、生前から続くレゾンデートルである。


109 : ジナコ=カリギリ・アサシン ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:35:16 YvrDlzJA0
『マスター』
 ジナコ=カリギリ

『参加方法』
 ムーンセルによる召還。
 何者かから送られてきた木片を使用した。

『マスターの願い』
 元の世界に帰れればもうなんでもいい。
 
『weapon』
 なし。

『能力・技能』
 なし。強いて言えばネットで培った煽りスキルと情報検索力。
 いちおう霊子ハッカーとしての適性はあるが高くない。

『人物背景』
 14歳の時に両親が突然死してから、進学も就学もせずに引きこもり生活を続けた29歳のニート。
 長い間の引きこもり生活で大事な時間を失ったと感じているものの、今更変えることもできず結局引きこもり続けている。
 また過去の経歴から「死」を恐れていて、誰でもいつかは必ず死ぬと考えている。
 ただし普段はこういった性格を表に出すことはなく、「人生の勝ち組」「エリートニート」として生活を楽しんでいるように振舞う。
 口調も普段は「ボク」「ジナコさん」と女性らしくない話し方をして年齢も偽っているが、これらはキャラ付け。
 素が出ると「アタシ」になる。

 本来の月の聖杯戦争においてはカルナという最高ランクのサーヴァントを引きながら、戦場に出ることができず不戦敗となった。

『方針』
 何もできない。


110 : ジナコ=カリギリ・アサシン ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:36:22 YvrDlzJA0
『クラス』アサシン
『真名』ゴルゴ13
『パラメーター』
 筋力D 耐久C 敏捷D 魔力E 幸運A++ 宝具D
『属性』
 秩序・中庸
『クラススキル』
 気配遮断:A+
  完全に気配を断ち、発見することは不可能に近い。
  このアサシンの場合、射撃時にも気配遮断のランクはそれほど落ちない。
  しかしその代わり、通常時になぜか発見される事がある。
『保有スキル』
 千里眼:B
  視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
  心眼(真)及び直感との兼ね合いによっては限定的な未来視も可能とする。
 心眼(真):A
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
  窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
 直感:B−
  戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。
  ただし後ろに立つ相手は敵としか感じ取れない。
 破壊工作:A
  戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
  ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追い込む事も可能。
  ただし、このスキルが高ければ高いほど英雄としての霊格は低下していく。
『宝具』13番目の男
 ランク:D 種別:対人 レンジ:1〜99 最大捕捉:1
 生前、あらゆる依頼を成功させてきた逸話の具現。
 アサシンが狙いを定める相手は、マスターが抱く敵意や殺意に応じて耐久・幸運及び防御系スキルがランクダウンする。
 この宝具は常時発動し、例えマスターの感情が誤解に基づくものであったとしても関係なく効果を発揮する。
 最大効果で発揮されればAランクだろうと下限まで下げることも可能だが、そのためにはマスターの強い意志と綿密な情報提供が不可欠。
 ただしマスターがアサシンと敵対することになった場合、この宝具はマスターに対して最大効果で発揮される。
『weapon』
 M16、リボルバー、手榴弾、仕込みナイフなど生前のアサシンの通常装備。
 英霊となったことでいずれも神秘が付与され、また魔力が続く限り弾を用意することができる。
 最低限の神秘しかないため宝具などであっさり弾かれるが、少ない魔力で修復・整備できるという利点もある。

 なおジナコのマスター適性が低いため、生前の依頼に応じて新たに用意した特殊な装備を取り出すことはできない。

『人物背景』
 特定のルールの元、高難易度の依頼を請け負うスナイパー。
 多数の人間を殺害しているが、彼の狙撃によって救われた人間も多い。また、依頼が関係ない場面でもよく騒動に巻き込まれる。
 寡黙かつ冷徹な性格で一度敵と見なせば容赦しないが、恩のある相手にはどんな不利益を被ってでも援助する。
 この二面性を特に強く表しているのが依頼と関係のない第三者への対応である。自分の射撃を見られた相手を殺害する一方で、任務遂行中に巻き込んだ相手に何らかの謝罪・弁償を行うこともある。
 劇中では能力について高い評価を受けているが、本人は自らを「臆病」と称し成功の秘訣についても
「……10%の才能と20%の努力………そして、30%の臆病さ……残る40%は……運だろう……な……」
 と述べており、自らの才能には驕っていない。鍛錬を欠かさないシーンも多数見受けられる。
 射撃以外の分野でも高い能力を誇り、格闘戦でもプロボクサーを軽く圧倒する。更に習得していない技能や知識も極めて短期間で覚える学習能力を持ち合わせている。
 しかし能力の限界はあくまで人間としての範疇に留まるらしく、射撃を避けるような相手には苦戦を強いられている。

『サーヴァントの願い』
 依頼の完遂。聖杯はその結果として手に入る物に過ぎない。
『基本戦術、方針、運用法』
 アサシンの自身の判断によって敵味方を判別し、排除。
 そこに正悪という基準はなく、マスターの意志とアサシンの信条のみが全て。
 戦術としては直接戦闘ではまず勝ち目が無いため、狙撃・不意打ち・破壊工作を中心に戦う。
 無論、相手マスターという弱点をこのアサシンが見逃すはずはない。
 表面上は敵の排除のみという依頼であるが、ジナコの身の安全も確保する。


111 : ◆holyBRftF6 :2014/07/02(水) 06:37:15 YvrDlzJA0
投下終了です。


112 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:06:44 4.Oau/bE0
美遊・エーデルフェルト&バーサーカー投下します


113 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:08:11 4.Oau/bE0
夢を見ている。
それは戦いの記憶だ。
私と契約した、話すことも出来ない彼の辿った人生だ。

現代の街並みで未確認生命体と呼称される怪物と戦う彼の姿があった。
今とは違い赤い姿だがベースとなる形状が似通っているので本人と思って良いだろう。
彼は現代出身の英雄なのだろうか。
警察からは四号と呼ばれ警戒されていたが、彼には理解者といえる女性刑事がいた。
戦いが終わった直後に食事に誘うあたり親しい間柄なのかもしれない。
そんな彼に転機が訪れる。

彼と同じような、紫の英雄が現れ未確認生命体を撃破したのだ。
突然現れた自分と同じような存在を彼は当然訝しんだ。
案外初めて私と会った時のイリヤも似たようなことを思ったのかもしれない。

どうやら彼は何者かから真の敵なるものの存在を吹き込まれていたらしく、紫の英雄と衝突した。
単純すぎるような気もするが、多分そういう人柄なのだろう。
とはいえ対立は長くは続かなかった。
女性刑事や紫の英雄(ツカサという名前らしい)と一緒にいた女性の取り成しもあって二人は一応の和解を見せた。

場面は移る。
ツカサと彼の隣にいたナツミという女性は別世界から来たらしい。
しかし私も似たようなものなのでそういうこともあるのかもしれない。
彼らの世界を襲った滅びの現象がこの世界にも発生したのだった。
それにより人間が未確認生命体―――グロンギに変異するガスが世界中に広がろうとしていた。
そして、彼の支えでもあった女性刑事もそのガスを吸い瀕死の重体となった。
彼は少しでも長く女性刑事の傍にいることを選択したようだった。
けれど。

―――ユウスケ…ここで何してるの?

静かに、どこか咎めるような調子で問う彼女に縋るようにして彼は訴えた。

―――俺はあんたに誉めてもらえると嬉しかった。あんたに笑ってもらいたくて戦ってきただけだ…あんたがいなかったら戦えない!

彼の気持ちは私にもよくわかる。
もしイリヤが同じような状態になれば戦えるとは思えない。

場面は続く。
彼女は自分が死ねばグロンギと化すと告げる。
そうなった時、自分を殺せるのかと。
彼、ユウスケはできないと弱音を漏らす。
私にそれを責めることはできない。

―――私の笑顔のために戦って、あんなに強いなら…世界中の人の笑顔のためだったら、あなたはもっと強くなれる……私に見せて、ユウスケ
―――命令かよ…八代刑事
―――えぇ、命令よ


114 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:08:58 4.Oau/bE0

正しいけれど、ずるい言い方だと思う。
好意を寄せている相手からこう言われては否と言えないだろう。
案の定ユウスケは飛び出し、戦場へと向かって行った。
その後は――――――




「――遊様!美遊様!」

声が聞こえる。
聞きなれたこの声は彼女のものだ。
妙に大きい疲労感を感じながら身体を起こした。

「サファイア……私は大丈夫。
それよりサーヴァントは?」

疲労感の理由は何となくわかっている。
サファイアを握り転身して立ち上がる。
予選において私に与えられていたのだろうマンションの一室。
殺風景な寝室の隅に黒い怪物じみた人影が立っていた。

「……バーサーカー」

黒い四本角が印象的なサーヴァント。
記憶を取り戻し、彼を召喚した直後に私は魔力不足で倒れてしまったのだ。
やや混乱した記憶を一度整理してみよう。


八枚目のクラスカードとの戦いの直後に現れたエインズワースの者達。
彼女達によって私とサファイアは元の世界へと戻らされた。
そして世界を救う儀式を行うためエインズワースの城に監禁されていた。
そんな折、小さな木片を見つけた。
私にはそれが何らかの聖遺物かそれに近いものだとすぐにわかった。
ダリウスが儀式のために置いていったのだろうか。
それとも別の要因によるものなのか。
気づけば私はそれを手に取っていた。

恐らくその直後だろう。
私はこの「方舟」に招かれ記憶を奪われ予選に参加していた。
私は予選でこのマンションに一人で住み学園の初等部に通っていた。
幸い生きていくために必要なことは一人で出来たのでそれは問題なかった。
違和感に気づけたのは予選の私が「独り」だったからだ。
元々私の周りには聖杯の機能を利用しようとする者か、守ろうとしてくれる人たちのどちらかが必ずいた。
そのどちらもがいないというのは私にとって有り得ないことだった。

そうして記憶を取り戻すと同時に頭に様々な知識が流れ込んできた。
私が参加することになった殺し合い、聖杯戦争のルールが。
戦闘代行者であるサーヴァントとサーヴァントを従える令呪。
その二つがクラスカードに代わる私に与えられた新しい武器だ。

「最後の一組だけが願いを叶えられる。
…だとしたら、私の願いはもう決まっている」

向こうの世界で出会った私の最高の友達。
それに、ルヴィアさんや私に良くしてくれる人達。
彼らともう一度会うためなら、戦える。
人殺しという、許されないことをするのだとしても。

ふと、バーサーカーを見やる。
彼はただ、何も言わずそこに立ち続けている。
私にはそれが、視線で射殺そうとしているように思えた。
今見ていた夢は、彼の生前辿った軌跡の一端だったのだろう。
私が聖杯という特殊な存在だからあんな夢を見たのだろうか。

「……ごめんなさい」

きっと、彼は私を恨んでいるだろう。
夢の中の彼は紛れもなく人々を守る英雄だった。
そんな彼を狂戦士として、殺人兵器として使おうというのだ。
これで怒らないはずはない。

「…それでも私は、大切な人達と生きていたいから。
……行こう、サファイア」

仮初の家を出て、戦いの舞台へと足を踏み出す。
その先にある未来を掴みとるために。


115 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:11:43 4.Oau/bE0
【マスター】美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

【参加方法】

エインズワースの城でゴフェルの木片を拾って参戦。
しかし彼女自身は何故、どのようにして参加したか詳細には理解していない。

【マスターとしての願い】

聖杯の力で自分の世界を滅びから救い、自身の命を捧げずイリヤらと共に幸せに生きる。

【Weapon】

カレイドステッキ・マジカルサファイア…宝石翁キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが製作した特殊魔術礼装、カレイドステッキとそれに宿る人工天然精霊。
カレイドステッキは二本一セットで製作されておりこちらはもう一本のステッキに宿っている精霊、ルビーの妹にあたる。
任務によって宝石翁からルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに貸し与えられマスターとしたが、遠坂凛との私闘に明け暮れるルヴィアに呆れ、姉と共にマスターを見限った。後に、美遊・エーデルフェルトをマスターとする。
外観的には子供のおもちゃにあるような「魔法少女のステッキ」そのもの。ヘッド部分は六芒星を羽の生えたリングが飾っている。羽のモチーフは蝶。
基本的に無口であり、あまりしゃべらない。口調そのものは丁寧で、誰に対しても「様」をつける。しかし冷静なように見えて意外と感情の起伏が大きい。
また、慇懃無礼な態度の裏の性格は非常に辛辣で、彼女的に見てどうかと思う人物・行為に対しては容赦なく罵倒する。
本来は姉と違ってマスターから簡単に離反するような性格ではないのだが、あまりにルヴィアが任務を無視した傍若無人な振る舞いをしたため、見限ることになった。対し、美遊との関係は良好。
姉と同様、マスターを魔法少女にすることにこだわりがある。
一方能力的には極めて実戦的な性能を持っており、平行世界からの干渉によってマスターへ無限の魔力供給が可能。
また、Aランクの魔術障壁の他、物理保護、治癒促進、身体能力強化といった恩恵を常に与えている。
ただし、供給量・持続時間は無限でも、一度に引き出せる魔力はマスターの魔術回路の性能に依存するため、結局は効率的な魔力運用は欠かせない。
機能の一つに、魔術ではなく「純粋な魔力」を放出するというものがあり、砲弾、散弾、ブレード状に固定、といったバリエーションで駆使する。
ある程度、形・大きさを変えることができるらしく、使用時以外は手で持つステッキ部分を消して、羽の生えた星型の丸いヘッド部分のみの姿となって、美遊の近くにいる。
洗脳電波デバイスを有し、事件の記憶を一般人から(時にはマスターたちからも)消したり、トラブルを起こしたお仕置きにルビーを洗脳したりもする。


116 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:12:34 4.Oau/bE0
【能力・技能】

勉強、美術、料理、運動、なんでもできる完璧超人。しかし、頭がよすぎて常識にとらわれ、頭の固いところがある。
例えば飛行の魔術に関して、原作中でイリヤは「魔法少女って飛べるもの」という思い込みで簡単に飛べたが、美遊は航空力学・重力・慣性・作用反作用といった知識から「人は飛べない」という物理常識にとらわれて飛べなかった(最終的に、飛行するのではなく魔力で足場を作るという方法に落ち着いた)。
このような、魔術の実践経験を持っていない反面、クロエの能力が投影であることを看破したり、クラスカードの夢幻召喚を一回見ただけで再現するなど、もとから魔術の知識自体は有しているらしいが、それをどこでどのようにして得たのかは明らかではない。
また上述の通りカレイドの魔法少女としての戦闘能力を有するが、バーサーカーへの魔力供給の都合上霊体化または非変身時を除き戦闘にその力を行使することは一切不可能になっている。
この点は例え狂化を抑えて戦わせたとしても変わることはなく、さらにライジングアルティメットへと強化変身させるとステッキを介した供給すらまるで追いつかなくなり、その状態で長く戦闘を続けさせると美遊の生命に危険が及ぶ。

【人物背景】

マスターを見限ったマジカルサファイアと新たに魔法少女契約を結び、カレイドサファイアとなった謎の少女。
サファイアを追いかけてきた元マスター・ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに拾われる形で、カード回収の任務を代行する見返りにルヴィアと一緒に暮らし始める。
戸籍はルヴィアが捏造したもので、エーデルフェルト姓は名乗っているが上記のように実際の血縁ではない。
その戸籍の上ではルヴィアの義妹ということになっているらしい。
ルヴィア邸ではレディースメイド(侍女)として働き、イリヤと同じ学校に通い出す。
性格はとてもクールで、感情表現に乏しい。
小学校の授業の問題に高等数学を持ち出すなど、自分の能力が一般のものに比べて高いことに無自覚で、一種の世間知らずでもある。
出会った当初のイリヤが、魔法少女をしているのはゲームみたいだから、と語ったことに対し不快感を表したり、戦闘を全て一人で行おうとするなど、その行動原理に強い使命感がある。
それゆえか、基本的に任務外のことに関心が薄い。特に人付き合いにそれは顕著で、学校に通っても友達は作らず、クラスメイトの名前も覚えない。
ただ、拾ってもらったルヴィアに恩義を感じているなど、積極的に関わらないだけで人間嫌いではない。
当初は同じくカレイドステッキに選ばれた身でありながら「魔法少女に憧れていたから」というあまりに稚拙な理由でカード回収を行うイリヤを仲間と認めず、「あなたは戦わなくていい」と言っていたが、彼女との交流を得てイリヤなりに真剣に戦いに赴いていることを知る。
同時に徐々に仲が縮まり、後にイリヤが死への恐怖から逃げ出した際には、イリヤがもう戦わなくていいように、「あなたは戦わなくていい」と独り戦いに向かう。
同じ言葉でありながら、この時のこの言葉に込められた感情はまったく違うものだった。
そしてバーサーカー戦で決意を新たに魔法少女になったイリヤに救われたことでイリヤを友達と認めるが、それ以降イリヤにべったりになり、「わたしの友達は生涯イリヤだけ。ほかの人なんてどうでもいいでしょ?」とのたまうなど、かなり過剰な親愛の情を抱く(イリヤ曰く「重い」、「友達の解釈が変」)。
ただ、イリヤを通じて彼女の友人たちともそれなりに親しくなり、友達という意識はないまでも仲良くやるようになる。
また、イリヤの義兄である士郎に対して好意を寄せている節がある。
その正体は、平行世界で誕生した「生まれながらに完成された聖杯」。天然もので中身入り、オリジナルに極めて近いという破格の存在。
詳細は不明だが、その世界では美遊を奪い合うために聖杯戦争が作られたとされている。


117 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:13:59 4.Oau/bE0
【方針】

前述の通り美遊自身はバーサーカーを使役しつつ戦うことが出来ないので、バーサーカーを暴れさせる時には必ず自身の退路や隠れ場所を確保しておくのがベター。
また八枚目のクラスカードのような規格外の敵を想定し序盤はバーサーカーの手札を過度に晒さないよう注意する。


【クラス】 バーサーカー

【マスター】 美遊・エーデルフェルト

【真名】 小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド

【属性】 秩序・狂

【ステータス】

【筋力】A++ 【耐久】A+ 【敏捷】A+ 【魔力】A+ 【幸運】C+ 【宝具】EX

【クラス別スキル】

狂化:B…理性の代償として能力を強化する。
ランクBは大半の理性を失う代わりにすべての能力値が上昇する。
尚、上記のステータスはアルティメットフォーム、狂化スキル完全解放時のものである。

【保有スキル】

騎乗:−…騎乗の才能。本来ならCランク相当の騎乗能力を持つが狂化により現在は失われている。

超能力無効化:B(A)…対魔力とは似て非なる凄まじき戦士となったクウガ専用の防御スキル。
魔術・超能力系の攻撃スキルのダメージ、効果をランクの高低や威力の大小を問わず完全に無効化する。
…のだがこの聖杯戦争ではこの力は制限されておりランクA以上のものはダメージ、効果を軽減するに留まる。

モーフィングパワー:A(EX)…物質操作能力。原子レベルの操作を可能とし、極小規模の願望機に等しい力を持つ。
しかしあまりの強大さ故にこの聖杯戦争ではその力は大幅に制限されている。
この能力から派生したスキルがこの聖杯戦争でクウガが振るえる能力である。
また本来この能力は瞬間移動や金縛り、天候操作など様々な応用を可能とするのだが制限によりこれらは一切使用できなくなっている。

超自然発火:A…モーフィングパワーから派生したスキルの一つ。
周囲の物質の原子・分子を操ることで物質をプラズマ化し標的を体内から発火させる。
ただし存在自体が神秘の塊であるサーヴァントに対してはデフォルトでダメージ数値が下がる。
また体内を発火させないだけの魔力によっても防ぐことができ、魔力のステータスの高さに応じてさらにダメージは軽減されAランク以上で完全に無効化できる。
また制限によりマスターに向けて使用することは出来なくなっている。
…………もっとも小野寺ユウスケはこの能力を知らないため何らかの切っ掛けがなければ使用することすらできない(思いつかない)だろう。


118 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:15:03 4.Oau/bE0
千里眼:A…鷹の眼。視力の良さ。遠方の標的の補足、動体視力の向上。
鋭敏過ぎる五感の高さから、視界が遮られ目の及ばないものであろうとも補足することが可能。
また、範囲内にいれば気配遮断及びそれに類する能力を無効化して敵を発見できる。
隠されたもう一つの形態を解放することで更に1ランク上昇する。

未完の大器:B…大きな英雄的資質を秘めながらそれを完全に開花させることのなかった英雄に稀に与えられる特殊スキル。
このスキルは本人の能力の伸び代の高さに比例してランクが高くなる。
聖杯戦争に呼び出されたサーヴァントの基本原則を覆し聖杯戦争中に所持スキルが成長したり新たな技能、戦術などを身につける場合がある。
ただし基本ステータスに関してはこれに該当しない。




【宝具】

「究極の闇を齎す戦士(クウガ)」

ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:− 最大捕捉:1人
――聖なる泉枯れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん。
古代種族リントが敵対種族グロンギの暴虐に対抗すべく作りだされた、戦士の力。
願いを叶えるとされる神秘の霊石アマダムを内部に格納しており、身に付けたものをクウガへと変身させる。
また、身に付けた者に常軌を逸した再生・回復能力を与える。
グロンギに対抗できる力を与える善性の面の宝具であるが、同時にグロンギと同じ存在になる悪性の面も内封している宝具でもある。
本来装着者である小野寺ユウスケはクウガの様々な形態を使い分けて戦うのだがバーサーカーとして現界した時点でこの多様性は失われアルティメットフォームとライジングアルティメットにしか変身できなくなっている。
アルティメットフォームは通常のクウガが必殺技で発する封印エネルギーを血管状組織によって常時全身から放出しており、あらゆる形態の限界を超える能力を誇るがこの形態になると優しさを失い戦うだけの生物兵器と化してしまう。
肘や脚部の棘は伸縮自在であり敵を切断することが可能、他の形態では口を保護する役割を果たすアーマードマウスも牙が鋭利に変化し噛み付き攻撃を行えるなど全身が凶器となり得る。
両手のハンドコントロールリングからは黒色のライジングタイタンソード、ライジングドラゴンロッド、ライジングペガサスボウガンを素材を用いることなく無から生成可能。
また、「生物兵器としての在り方こそが正常である」という性質故に凄まじき戦士クウガは本来バーサーカークラスに生じる技量低下が一切発生しない。
余談だが生前ユウスケはキバット族のキバーラに噛み付かれ魔皇力を注入されてこの形態になったことがあるが、この聖杯戦争で彼が変身するアルティメットフォームは狂化による凶暴性の増大による変身であり、厳密には発現のプロセスがやや異なる。


119 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:15:48 4.Oau/bE0


「究極を超えた究極の戦士(ライジングアルティメット)」

ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:− 最大捕捉:1人
英霊の座にはクウガに変身できる英霊が数人いる。
代表例のうち一人は初代クウガである古代リントの青年リク、一人はこの聖杯戦争に招聘された小野寺ユウスケ、そして別世界のクウガである五代雄介の三人だ。
この宝具は数人いるクウガのうち小野寺ユウスケのみが変身できるアルティメットフォームを超えるスペックを誇る形態である。
かつてユウスケは大神官ビシュムに地の石の力を与えられたことでこの形態に目覚め、後に自力で変身出来るようになったという逸話からどのクラスで現界してもこの宝具を所持している。
この聖杯戦争では凄まじき戦士クウガからの強化変身として扱われ狂化スキル解放時のみこの形態に変身出来る。
幸運を除く全ステータスと千里眼スキルが1ランクアップし新たに掌からエネルギー波を生み出す暗黒掌波動が使用可能になる。
ただしただでさえも凄まじい魔力消費を伴う凄まじき戦士クウガがこの形態になるとさらに燃費は悪化し、カレイドステッキを介した無限の魔力供給を行える美遊でさえ供給が全く追いつかなくなる。
このため美遊の生命の安全を脅かさずにこの形態で戦える時間は十分程度である。

【Weapon】

ライジングタイタンソード…通常のクウガがパワー、防御力に秀でるタイタンフォームに変身した際に「斬るもの」を変換して専用武器として扱う大剣の強化型。
非常に重く、このライジングタイタンソードはタイタンフォームですら振るうことができない。

ライジングドラゴンロッド…通常のクウガが俊敏さや跳躍力に秀でるドラゴンフォームに変身した際に「長きもの」を変換して専用武器として扱う棒の強化型。
通常のドラゴンロッドの先端に金色の矛が追加されている。

ライジングペガサスボウガン…通常のクウガが超常的感覚力を有するペガサスフォームに変身した際「射るもの」を変換して専用武器として扱う不可視の空気弾を発射するボウガンの強化型。
元々のペガサスボウガンは単発式だったがこちらは連射が可能になっている。

アルティメットクウガゴウラム…厳密には武器というよりクウガ自身が自らファイナルフォームライドで変形した姿。
クウガの資格者の中で小野寺ユウスケのみ使用可能であり、変形することで自在に飛行することが可能。


120 : 美遊・エーデルフェルト&バーサーカー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:16:31 4.Oau/bE0
【人物背景】

仮面ライダーディケイドこと門矢士が旅の途中立ち寄った世界の一つ「クウガの世界」で仮面ライダークウガとして未確認生命体、グロンギと戦う青年。
当初はユウスケをサポートする刑事、八代藍に認めてもらいたいがために戦っていたが、彼女との死別を切っ掛けに「世界中の人を笑顔にする」という願いに目覚める。
復活した究極の闇、ン・ガミオ・ゼダを士と共に倒した後はキバーラの思惑で「キバの世界」へと導かれ、仮面ライダーキバことワタルの親衛隊、そして友人として彼が抱える問題を解決するために尽力した。
「キバの世界」の問題が解決した後は士の旅に興味を持ち、以降旅の仲間の一人として同行することになる。
性格的には純粋で騙されやすいものの、誰にでも親しみやすく、言葉足らずで偽悪的な士の窓口的存在。
相棒である士に対しては特に仲間意識が強く、臆面もなく友達と言ってのける。
士が世界の破壊者としての運命を受け入れ全てのライダーを破壊するディケイド激情態となった時にはクウガアルティメットフォームとなり彼と戦うも一人では死なせないと決意するなど士との絆は非常に固い。
この聖杯戦争でもマスターである美遊の境遇と願いから、彼女の力になるため召喚に応じたが………。

【サーヴァントとしての願い】

ユウスケ自身に聖杯にかける願いはなく、前述の通り純粋にマスターである美遊の手助けをするため、場合によっては殺し合いに乗った彼女を説得するつもりで召喚に応じた。
しかし、美遊が心の奥底で望んでいた「全てを打ち破る力」をムーンセルが聞き届けた結果、バーサーカーのクラスで現界することになった。
これによりユウスケは文字通り戦うためだけの生物兵器として使役されることになる。
尚、ユウスケはバーサーカーの他にライダーの適性も持ち合わせているがバーサーカーと比較すると適性ではやや劣る。
余談だが、もし召喚に応じたのがユウスケと同じ名を持ち彼と似て非なる世界で一年に渡りグロンギと戦い続けた冒険家であればライダーのまま召喚されていたかもしれない。

【基本戦術、方針、運用法】

出来ることは潜在的な部分も含め多いが、基本的にはバーサーカーらしく突撃が基本戦術。
カレイドステッキによる無限の魔力供給によって十全に強大な力を振るえるが、狂化を完全に解放すると僅かにマスターからの供給を消費が上回ってしまうため常に狂化を全開にして暴れさせることはできない。
とはいえ狂化のランクを抑えたとしても並のサーヴァントが相手であればただ拳を振るうだけで容易に蹂躙できるほどのスペックを有していることは間違いない。


121 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/02(水) 07:17:13 4.Oau/bE0
投下終了です


122 : ◆mIEy19SzEw :2014/07/02(水) 09:54:14 jN4nCsV.0
投下乙です。
>>101のロイドの【人物背景】が抜けていたので以下のように追記させていただきます。

ドワーフの義父に育てられた少年。
世界再生の神子である幼なじみコレットの旅に同行する中で、彼女の身に起こる天使化の弊害に心を痛めながらもそれを助ける。
「目の前の人間も救えなくて、世界再生なんてやれるかよ!」 などの信念を持つ優しい理想論者であり、その強き想いが精霊王にも認めらろ、かつて二つに分かたれた世界を統合する「真の世界再生」を成し遂げるに至った。
なお、17歳であるにも関わらず九九ができない他、「一刀で100の力なら二刀流にすれば200の力になるだろ」というロイド理論により二刀流を選択するなど、学力に関しては少々残念な頭脳の持ち主である。


123 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/02(水) 16:57:00 igE0tU8w0
したらば管理人さん規制緩和ありがとうございます!投下します


124 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/02(水) 16:58:17 o1VyVUZU0



彼女の前には六本の道があった。

彼女が求めた道はただ一つ。過去に生きる痛みのない道。

だがしかしああやっぱり。

知ってしまった。彼女は未来に、痛みのある道を知ってしまった。

だから彼女がその道を選んだのは必然。いつしか六叉路は五叉路になり、あたらしくできた大きな道を歩み始める。

(痛みのある方向へ――)

気がつかないうちに彼女は走り出す。彼女の求めた『未来』に向かって。


125 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/02(水) 16:59:20 riwIDBCw0



朝起きて服を着替える。

朝食を取りながら女の子らしくない服と祖母に言われ、それに答えず口へパンを押し込むと学校へ行く。

挨拶してくる手下に答えず、彼女の目線は同じ名前を持つ同級生へ。

(縺霎繧蜷コ‥‥)

ぐらり、と体が揺れ、目眩を覚える。手下が心配するように声をかけてきても雑音としか思えない。
なにか、なにか大事なことを忘れている。

(アイツは‥‥いや、私は‥‥)

考えがまとまらなくなり頭を不快感が満たす。
ダメだ。アイツのことを思い出すな。離れないと。
そう言葉にもせず思い椅子を蹴り飛ばすように走り出す。

(なんで‥‥なんで‥‥私は手下なんか‥‥)

そもそもどうして私は手下なんかもっているのだろうか。そもそもどうして私はあんな男共とつるんでいるのだろうかそもそもどうして私はアイツを憎んでるんだろうか。

(私は‥‥どうして‥‥どうして‥‥)

自問自答は終わらず走る足も止まらない。無意識の内に一人になれる場所を欲したのか気がつけば屋上に出ていたがだからといって疑問の嵐は頭から離れず、むしろその勢いを増していく。

どうして私はこんな街にいるのだろうどうして私は男の子みたいな服を着ているのだろうどうして私はおばあちゃんと暮らしているのだろうどうして私はおとうさんもおかあさんもいないんだろうどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして――


――どうしておにいちゃんがいないんだろう?

「――ハハッ。」
そして荒い息からこぼれたのは、哄笑。彼女の頭から疑問の嵐は去り、今は『未来』という太陽が顔を出す。
「待ってて、お兄ちゃん。」
あまりの喜びに涙がでて視界がぼやける。手の甲に幾何学的な模様の痣――令呪が熱をもって浮かぶがその喜びを止めることなどできはしない。

その令呪を宿した手を掲げて彼女は屋上の床を見る。イマーゴによって幾何学模様が浮かびやがて10メートル四方の大きさになったそれはにわかに光はじめ、それを彼女は笑みを浮かべて見る。

「来なさい、私のペット。」

呟くとともに模様は爆発したかのような光を放ち。

「 ――ずいぶんと小さなマスターに呼ばれたみたいだ。」

その中心には学生服を着た白髪の男が立っていた。

(ステータスは問題な――キャスター?このステータスで?)
その男を見て彼女は勝利を確信する。ステータスだけなら三騎士にもひけをとらない。どうやらかなりの『アタリ』のようだ。

「さて、一応聞いておこう。君が僕のマスターかい?」

白髪の男はにこやかに笑いかけながら聞いてくる。十人の女性が見れば十人が振り返るであろう美貌だが、彼女には通じない。何より声が気にくわない。
「そのとうりよ、キャスター。名前は?」
ノーリアクションで答えられたことにどこか気落ちしたところをキャスターは見せる。知ったことではない。

「フラれたな‥‥僕の名前は兵部京介、エスパーさ。マスター、君の名は?」

兵部京介。あまり伝説や神話に彼女は詳しくないが、それでもサーヴァントとして呼ばれるレベルの日本人ならわかる。だが、その男の名は聞いたこともない。これは聖杯戦争においてプラスになるのかはたまたマイナスになるのか。
既にこのプログラムの算段を計算しながら彼女は答えた。



「天沢勇子。」


126 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/02(水) 17:00:48 o1VyVUZU0
【マスター】
天沢勇子@電脳コイル

【参加方法】
集合無意識を電脳空間化した『あっちの世界』 で聖杯につながるルートを発見した。
たぶん大黒市のどっかにゴルフェの木片があったりした。

【マスターとしての願い】
お兄ちゃん(天沢信彦)を生き返らせる。

【weapon】
電脳メガネ(ムーンセル内のため本来は不要)、イリーガル

【能力・技能】
ショートカット(空間設計のミスを利用したデータ転送を用いたワープ。ムーンセル内のため本人そのものをワープさせることもできるだろうがそもそもムーンセルはそのようなミスを行わないので実質使えない)、
暗号炉(本来は電脳メガネを介して使うプログラムをイマーゴとムーンセルに再現されたデータということが相まって魔術師のごとく様々なプログラムを行える)、
暗号路(暗号炉とほぼ一緒。こちらは体に走る幾何学模様で暴走させると爆発することもできるらしいが本人は結局爆発しなかったので真偽不明)、
暗号(結界や探索、足止め用の罠など。自立行動することはなく本来は電脳チョークによって書かなければならないがイマーゴと直結したため考えただけで使える。これを発展させたメタタグの存在を考えると銃やミサイルや防壁や釣竿にもできる。ようするにクラッキングやコンピュータウイルス。)
イマーゴの直結により暗号を使うさい一工程分省略できる(キーボードを打つ、電脳チョークで暗号を書くといった工程を省くため)。

【人物背景】
大黒市立第三小学校六年三組。通称イサコ。
黒髪ツインテールで運動神経はいいほう。人を寄せ付けない冷たさをもち、利己的で単独行動を好む。
暁美ほむらからミステリアスさを多少引いた感じか。
五年前の交通事故で植物状態になったと思っていた兄が既に死亡していたことを知らされ、その意識が電脳体として残っている『あっちの世界』という電脳空間で二人で暮らすべく赴くも兄を取り戻すべく聖杯戦争に参加する道を選ぶ。
体内にキラバグを取り込み、またイマーゴと直結している影響で彼女の電脳体は一部にバグが起こりそれは痛みとして彼女に認識される。イマーゴを用いた暗号を使うたびに侵食が進むため、電脳体が戦うムーンセルでは彼女そのものがバグとなりえる。
またお兄ちゃん子で、もう一人の主人公である小此木優子(ヤサコ)とは兄を奪い合った仲だが、二人とも覚えていない。本当ならあと二話後ぐらいに思い出してた。

【方針】
なんとしてでも優勝。
『本物』のお兄ちゃんに会うために物語序盤レベルの熱心さと苛烈さで積極的に打って出ようと思っているが、協力者の不在や不馴れなムーンセルであること、サーヴァントがキャスターであることを考えまずは情報収集と暗号作成。


127 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/02(水) 17:02:59 o1VyVUZU0


【クラス】
キャスター

【真名】
兵部京介@絶対可憐チルドレン The unlimited 兵部京介

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷A++ 魔力A 幸運D
宝具B

【属性】
中立・中庸

【クラススキル】
陣地作成A
「魔術師」のクラス特性。魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。キャスターの場合最大で小国一つに催眠をかけることができる。
道具作成C
「魔術師」のクラス特性。魔力を帯びた器具を作成可能。
キャスターの場合、正確には催眠で本物の同様の効果を持たせている。

【保有スキル】
サイコキノA+
武器・自身の肉体に念動力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。いわば念動力によるジェット噴射。絶大な能力向上を得られる反面、キャスターに架かる負担は通常の比ではないため、間接的に燃費が悪くなる。
テレパシーA
他人の思考の読み取りや自分の思考を送る精神干渉系のスキル。
同ランクの心眼(偽)に相当。
ヒュプノA
威圧・混乱・幻惑などをもたらす精神干渉系のスキル。擬似的な投影や強化をも可能にする。
テレポーテーションA
瞬間的な転移を可能にするスキル。キャスターはこのスキルを使用することで大幅に敏捷を上げることができる。
生体コントロールA-
触れた生体に対して干渉するスキル。病気や怪我の治療や心臓の停止なども行える。キャスターはこのスキルで若さと戦闘力を保っているが既に限界を越えているため長時間の戦闘は致命的な結果をもたらす。

【宝具】
『全ての力はこの手の中に(The Unlimited)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1
学生服の左の襟にあるエンブレム型のリミッターを反転させることで使用可能。
筋力・耐久・敏捷を1ランク上げ幸運を1ランク下げる。また真名解放せずとも固有スキルの上昇に一役買っている。
一種のバーサーカー化であり、使用し続ければ自力では戻れず、霊核の損耗により自壊する。
本来のキャスターのスペックを取り戻しているのだが強すぎる力に自らの体が耐えられないためあまり使いたがらない(子供が絡むと別)。
またこの状態になると本来再現されなかった大日本帝国陸軍特務超能部隊の隊員達の超能力も使用できるようになる。

【Weapon】
『サイコキノ』
全ての物理的な攻撃にサイコキノを利用することができる。

【人物背景】
エスパー革命組織P.A.N.D.O.R.A.の首領で、多数の超能力を持つ強力なエスパー。
齢80を越えているが、超能力でテロメアをコントロールし若い肉体を保っている。
念動・精神感応・瞬間移動・催眠・生体コントロールといった多くの能力を持ち、リミッターを外せば他を寄せ付けない真価を発揮する。
元は軍人で、大日本帝国陸軍特務超能部隊として能力の訓練及び強化を受けているとともに、目の前で死んでいった戦友の能力をテレパシーによって受信し、自らのものとしている。
額に銃撃を受けたショックで能力が常時暴走状態となっており、受信した複数の能力を覚醒させるとともに、超能力の念波周波数をある程度コン トロールできるようになっている。
普段は飄々・策士然としているが、 その実、大人気なく短気で見た目の年齢相応。また冷酷で残忍な 一面も持ち合わせており、気に入らない者は自分と同じエスパーであろうとも平然と殺害する。
センスや嗜好は実年齢相応だがキャラとしてやっている面も。
ロリコンは公然の秘密だ。

【聖杯への願い】
女の子に呼ばれたから来た。
せっかくなので聖杯の入手もやぶさかではないが子供を傷つけるような展開はいただけない。
それ以外なら容赦する必要なし。

【基本戦術、方針、運用法】
近・中・遠どの間合いでも戦えアサシンのような暗殺もバーサーカーのような超火力戦闘もこなせる。
もちろんキャスターとしての戦闘もできるが本人の気質もあり神秘の秘匿には乗り気ではない。むしろ積極的にマスコミを利用しようとすることも。
今回はマスターがマスターなのでけっこう言うことは聞くが子供を傷つけるのはお断り(戦わないとは言っていない)。


128 : 空の欠片 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/02(水) 17:05:04 riwIDBCw0
以上で天沢勇子&キャスターの投下終了です


129 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:17:48 P0m8yU.A0
投下します


130 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:18:33 P0m8yU.A0
装飾の少ない部屋に学ランを来た大柄な青年が一人。
飾りと言えるのは壁にかかった古い木製の弓と部屋の隅におかれた箱くらい。部屋の床に獣の引っ掻き傷のようなものはあるが、それ以外はきれいに整っていた。

机もベッドも箱も本棚も壁の角にきちんとあわせられており、シーツはキチンと。本は上下正しく、順番通りに。机の上も整頓されている。持ち主の几帳面さがうかがえる。

その部屋の主であろう青年は壁の方を向いている。視線の先にあるのは『弓』。それをまるで親の仇でもあるかのように睨みつける。
そして視線を振る。箱には一瞥もくれずに本棚の中身を見、次々手に取る。

文庫の小説。……ドラキュラ。この段は吸血鬼関連の本や資料があふれている。埋葬機関?イスカリオテ?よくわからない資料もある
ハードカバーの学術書。……ウイルス進化について。病から生還し超脳力を得たもの、血液感染する病人こそ吸血鬼の原初?トンデモ学者の妄言だろうか
古文書らしき古い文献。……古代アステカのものらしい。不気味な仮面に赤いしるしがしてある
分厚い本。……旧約聖書。ノアの方舟についてずいぶん読み込んだ形跡がある
後ろの方が破られた薄いノート。天国に至る方法と書いてある


「……見つけ……た……ぞッ!!」
本を落とし、こみ上げる何かを抑えるように宣言する青年。手の甲に輝きとともに何かが浮かびあがる。


131 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:19:21 P0m8yU.A0

「『弓』は……『ゴフェルの木』だったッ!俺は聖杯をとるためにここに来たッ!」
高らかな声とともに背後に何者かが召喚される。
現れたのは青年と比してなお大きい老年の男。常人の倍はあるか。素肌の上半身に丈の長いコートと三日月状のひげ、そして何より放たれるその王気(オーラ)が特徴的だ。

「お前が俺のサーヴァントか」
手にした令呪を確かめ、サーヴァントと向き合う。
英霊と対峙してなお恐れず、それを品定めするような視線は几帳面さゆえか、冷徹さゆえか。


132 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:20:46 P0m8yU.A0
「おォ、ライダーのサーヴァント、エドワード・ニューゲートだ。海賊白ひげって言った方が通りはいいか?」
「白ひげ?黒ひげじゃなくてか?」
「あァ?ティーチのバカのことは知ってんのに俺のこと……あぁ並行世界ってやつか」
自分を知らないという青年の態度に些かの苛立ちを見せるライダーだったが、思い当たる節があったのか落ち着きを見せる。黒ひげという通り名がありふれたものであるのにくわえ、何かを【聴いた】ようにも見えた。

「……海賊エドワード、か。俺の知る黒ひげと同じ名だ。ティーチだかサッチだか言う姓だった気がするが、まあどうでもいい。ステータスは…まあまあかな」
「グララララ!!言うじゃねェか、若僧が。名は?」。
「虹村刑兆」
「こんなとこ来てまで聖杯に何を望むってんだ?若ェのに急ぐ必要は無ェだろ」
「……ヒントはこの部屋にあるぜ。当ててみろよ」
引き続き己が使い魔を見定めようとするマスター。
対して因縁ある名を聞いても揺らがず、こちらも年若いマスターに問いを投げる
まるでマスター……刑兆を通じて別の誰かを見るように。
そして生意気な口叩きやがる、とぼやきながら部屋を見て回るライダー。
本棚には一瞥もくれずに弓を流し見、箱の中身を確認して、床に付いた傷を確かめる。
部屋を探し回のライダーはまるで宝探しをする少年のようにも見えた。

「……この箱の中身は写真の欠片だな。箱にしまう宝としちゃ上等だ。で、箱の周りにひっかき傷が多い。傷の並びからして五本指の霊長類、おそらく人間で立って歩くことか思考に何らかの障害がある。その障害を治してやりたいってとこか?」

推論を述べるライダー。それを聞いた刑兆は少々驚いたように

「箱の中身は俺もしらねぇが、他はいい線行ってるぜ。肝心なとこが違うがな」
「海賊だって言ったろ?興味は薄いが宝探しの経験は豊富なんだよ。で、答えは?」


133 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:21:24 P0m8yU.A0
自慢げなライダーの評価を内心向上し、悩んだ末に答える。

「……不死身になっちまったうえに、知性や尊厳をなくしたおやじを、フツーに死なせてやりてぇのさ」

それを聞いたライダーは先ほどとはくらべものにはならない怒りを露わに
「仮にも親に殺意向けるとはとんでもねェバカ息子じゃねぇか!!それでも家族か!?」
猛る英雄を前にして刑兆も怯まずに言葉を返す。10年分の悲哀と怒りと僅かの家族愛を籠めて叫ぶ。

「ああ…そうだよ…実の父親さ…血のつながりはな…だが、あいつは俺や弟に暴力を振るう最低のクズ!おまけに化物に魂を売った自業自得の男さッ!だからこそやり切れねーんだよ!フツーに死なせてやりてぇと思うんだよ!それが終わったときやっと俺の人生が始まるんだッ!」

情念の籠められた言葉にライダーも思うところがあったのか矛を収め、改めて問う。

「治すんじゃあダメなのか?」

その言葉には家族を想う男の優しさが込められていた。
息子に殺されようとする父親への思い。父に刃を向けようとする息子への思い。
刑兆もその言葉にすがりたくなるようなものだったが

「おれは何があろうと後戻りすることはできねえんだよ…もう何人も殺しちまった。弟すら利用したクズがまっとうに生きようなんざ虫のよすぎる話だ…」

掲げた目的を失っては奪った命に申し訳が立たない。億泰のためにも、俺の納得のためにも引き下がるつもりはない。
涙を浮かべ、決意を口にする。
するとライダーは

「グラララ…!若ェくせに知ったような口叩いてんじゃあねぇよ。正義掲げた海軍にだって人殺したやつなんざいくらでもいる。それに聖杯に願わなくともお前の親父をどうにかできる能力者もいるかもしれねェ。身の振り方をいろいろ考えてみるいい機会じゃねェか、この戦場はよ」

改めて誓う。

「俺自身に聖杯に託す願いはねェ。息子たちやロジャーの意思の結果、そして聖杯を手にした奴が世界をどう変えるのか見に来ただけだ。そういう意味じゃどうなるか読めねェお前の未来は偉大なる航路の船旅みたいで面白そうだ。付き合ってやるよ、最後までな」

主従の契りを結ぶことを。願わくばこのマスターの旅路を見届けることを。
誓いを聞き届けたマスターは涙をぬぐい

「老人らしー枯れた考えだかロマンあふれてんだかわかんねーな、てめーはよ。まあ願いがねーなら丁度いい。せいぜい役に立ってくれよ、ライダー」

子供のように強がり、闘いに臨む。

「俺に指図するなんざ100年早ェよ、アホンダラ」

ライダーのその笑顔はまるで子を見守る父親のようだった。


134 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:22:57 P0m8yU.A0

【クラス】ライダー
【真名】エドワード・ニューゲート@ONE PIECE
【パラメータ】筋力B+ 耐久C 敏捷D 魔力C 幸運B 宝具EX
【属性】混沌・善
【クラス別スキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力

【保有スキル】
嵐の航海者:A
船と認識されるものを駆る才能。軍団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。
生前の逸話より船に加えて不死鳥種、巨人種に騎乗することも可能。

陣地作成:E
自らに有利な陣地を作り上げる。
'ナワバリ’をジョリーロジャーによって示し、NPCを庇護下に置くことで魔力の徴収が可能。
‘ナワバリ’のNPCに危害をくわえようとしたものに対しては全ステータスがワンランク向上する。

覇気:C
全ての人間に潜在する気配・気合・威圧、それらを極めた技能。ただし老いと病により今の体では十全に効果を発揮できない。
見聞色は気配をより強く感じる力。かつては就寝中の攻撃や不意打ちも感知できたが、ほぼ使用できなくなっている。
武装色は気合を鎧のように纏う力。筋力や耐久、武器の威力を1ランク向上させることが出来、実体を捉えることで液体化や気体化はもちろん霊体化したサーヴァントへの攻撃も可能となる。
覇王色は使用者の気迫そのもの。視界内の相手を威圧し、幸運と宝具を除く全パラメータが2ランク以上離れている場合意識を奪う。同ランク以上のカリスマ系、反骨の相系スキルを持つ者が近くにいれば無効化でき、精神スキルによる抵抗も可能。

心臓病:B
自身と家族の死の遠因となった病。一部のスキルの効力が低下し、あらゆる行動のファンブル率が上昇する。


135 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:24:27 P0m8yU.A0
【宝具】
『海征し陸駆ける白鯨(モビーディック号)』 ランク:C 種別:対軍宝具
長きにわたり白ひげ海賊団を支えた船。
海戦に対応した武装、コーティングによる海中移動、外輪による陸走などが可能。

『大地を震撼させる悪魔の力(グラグラの実)』 ランク:A+ 種別:対城宝具
超人系悪魔の実の能力で、震動を放つことが出来る。
建物を倒壊させたり海震を発生させるなど地震をおこすほか、薙刀の先から衝撃波として放ったり拳に纏い威力を収束させるなどの応用も可能。
本来なら島一つひっくり返すような威力だがサーヴァント化に伴い建築物を倒壊させる程度が限界。
副作用として悪魔の実の能力者は海に嫌われカナヅチになり、また複数の悪魔の実を口にしようとすると全身が粉々になる。
また消滅するライダーの近くに果実がある場合、それが新たな『大地を震撼させる悪魔の果実(グラグラの実)』となり、口にしたものが新たな能力者となる。

『白ひげという名の時代(オックスベル・シンギング)』 ランク:EX 種別:対軍宝具
死してなお白ひげに忠誠を誓い、船長とともに英霊化した海賊団をサーヴァントとして現界させ、白ひげ海賊団および傘下の43の海賊団が集結したマリンフォード頂上戦争を固有結界として再現する。召喚されるのはいずれもマスター不在のサーヴァントだが、それぞれがE-ランク相当の『単独行動』スキルを保有し、 最大30ターンに及ぶ現界が可能。
この宝具は忠誠を誓うすべての海賊を召喚するもののため、海軍や七武海はもちろん多くのインペルダウンの脱獄囚らも現れることはないが、海侠のジンベエや4番隊長サッチ、2番隊長エースらは馳せ参じる。

『時代は変わる(ニューゲート・トゥ・ネクストエイジ)』 ランク:EX 種別:対軍宝具
マリンフォード頂上戦争の最終局面、ライダーが殿となった撤退戦を固有結界として再現する。この宝具の使用にマスターの魔力は用いず、自身と『白ひげという名の時代(オックスベル・シンギング)』でつながる息子たちの魔力を用いる。
発動中はEXランクの単独行動スキルと戦闘続行スキルを獲得する。ライダーの前面に敵を置き、背後に地割れを発生させ不退転の戦いを繰り広げる。
この地割れは宝具の効果により空間的に断絶されており、対界宝具か高ランクの追撃系スキルを使わなければ抜けることは不可能。
この宝具の終了とともにライダーも消滅し、味方として逃がした全ての者の幸運をEXランクに上昇させる。また自身のマスターだった者はライダー消滅後も6時間の間ムーンセルに消去されない。


136 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:25:12 P0m8yU.A0
【人物背景】
‘偉大なる航路’後半の海‘新世界’に皇帝のように君臨する海賊『四皇』の一人、その筆頭。通称「白ひげ」「世界最強の海賊」「ひとつなぎの大秘宝に最も近い男」「海賊王とわたり合った伝説の怪物」。
若いころから海賊であり、自身が独立して船長となったのちは「海賊王」ゴール・D・ロジャー、「海軍の英雄」モンキー・D・ガープをはじめとする同時代の海の男たちとしのぎを削りあい、名をあげていった。
財宝や名誉以上に家族を求めており、気に入ったものを敵味方や種族を問わず船員(ムスコ)として勧誘し、大切にする懐の深さはまさしく船長(オヤジ)。
その威厳はすさまじく、白ひげのナワバリや船員に手を出す者はまずなく、魚人島など多くの島を自身の名で庇護するなど一海賊でありながら、その戦力と影響力は世界の平穏に大きく関与していた。
しかし船員の一人、マーシャル・D・ティーチが同じく船員のサッチを殺害、船を降りる。ティーチの上官的立場であったポートガス・D・エースもそれを追うため独断でとび出すも返り討ちに合い、海軍のもと公開処刑が宣言される。
エース救出のため一味総出で海軍と開戦、モンキー・D・ルフィをはじめとするインペルダウンの脱獄囚なども交えた『マリンフォード頂上戦争』となる。様々な思惑や戦力の交差する戦場で一時はエース救出に至るも、海兵の挑発と弟をかばったためにエースは命を落とす。それでも船員(ムスコ)たちを未来に送り届けるため、ここを死に場所として奮戦。‘ひとつなぎの大秘宝’の実在を宣言し、家族への感謝を胸に72年の人生を閉じた。
死後にその遺志は息子たちに、意思なき力はかつて息子と呼んだティーチに受け継がれた。
本来サーヴァントは最盛期の肉体で呼び出されるものであり、海賊エドワードの全盛期は当然若かりし頃であろうが、海賊白ひげとしての最盛期はサッチ、エースといった息子たちとともに生きた頃であると望んで老齢で参戦した。ステータスやスキルでは寄る年波による影響があるが、宝具として固有結界を持つ。固有結界が二種類あるのはマリンフォードという一つの地を1人の海賊としてみるか、船長としてみるかで見え方が変わってくるからであり、複数の心象風景を有するわけではない。

【サーヴァントとしての願い】
願いはない。
‘ひとつなぎの大秘宝’しかり聖杯しかり世界を変える何かが誰かの手に渡ったとき、どう世界がひっくり返るのか少し興味がある程度。
召喚されたのは父親の愛に飢えている誰かの呼び声に応えたため。


137 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:26:13 P0m8yU.A0

【weapon】
無銘・大薙刀
ライダーの巨躯と比してなお大きい薙刀。
覇気を纏わせればマグマの塊に触れても、巨人族の袈裟切りを受けても刃こぼれすらしない強度を持つ。その逸話から対熱、巨人殺しの概念を僅かにもつ。
『大地を震撼させる悪魔の力(グラグラの実)』の振動を飛ぶ斬撃のごとく放つことも可能。

【基本戦術、方針、運用法】
近〜遠距離全てにおいて『大地を震撼させる悪魔の力(グラグラの実)』と薙刀で戦えるオールラウンダー。ステータスはアベレージといったところなので燃費のいい武装飾の覇気と震動を中心に戦いを組み立てる。
覇王色の覇気による無力化も有効だろうが、条件的にほぼサーヴァントには通用しないだろう。
『海征し陸駆ける白鯨(モビーディック号)』はサイズ的に市街戦には不適。
本人の希望的にも打って出ての接近戦が中心になる。
‘ナワバリ’を示威すれば魂食いなしでNPCから魔力を徴収できるが、真名ばれのリスクが格段に上昇する。燃え落ちた船や病など弱点の逸話がばれることを考えると安易には使えないか。またNPCを庇護する必要があるので動きが制限される欠点も。
固有結界はとっておきの手。王の軍勢のパク……オマージュ。
格上の相手や集団を相手にするときに『白ひげという名の時代(オックスベル・シンギング)』、死に場所を見出したなら『時代は変わる(ニューゲート・トゥ・ネクストエイジ)』 。

【マスターステータス】

【名前】虹村刑兆@ジョジョの奇妙な冒険

【参加方法】
『弓と矢』の弓が『ゴフェルの木片』であることを調べ上げ、自ら望んで参戦。

【マスターとしての願い】
DIOの影響で怪物となってしまった父親に尊厳ある死を与えてやりたい。

【能力・技能】
スタンド使い。群体型のスタンドであるバッド・カンパニーを有する。
肉体的には長身で相応に逞しい。男子高校生を引きずって二階まで即座に上るだけの体力はある。
また長年『弓と矢』を用いてきたため、中距離における弓術はなかなかのもの。

【weapon】
スタンド名・バッド・カンパニー
破壊力:B スピード:B 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:C 成長性:C
歩兵60名、戦車7台、戦闘ヘリアパッチ4機からなる軍隊のスタンド。
サイズはミニチュアだが威力はまともに当たれば手足は吹き飛ぶ破壊力。
群体型のスタンドであるため、歩兵の数体程度ならつぶされても本体への影響はほぼない。
地雷の設置、ミサイルなど装備も戦力も本物の軍隊さながら。
おそらく軍略スキルの影響を受けると考えられる。
群体系のスタンド保持者は精神的な欠落を抱えており、刑兆は目的のために手段を選ばず、また家族の愛に飢えている節がある。

『弓と矢』の弓
『ゴフェルの木片』を加工して作られた弓。高い神秘を持つようだが、それ以外に何かあるかは不明。見た目はおんぼろだが、弓としては上物。張力は刑兆の体感で20kgくらい。


138 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:26:52 P0m8yU.A0
【人物背景】
S市杜王町に住む男子高校生。家族構成は父親と弟1人。
幼少期、父親は膨大な借金を抱えており母親も病で帰らぬ人となっていた。
そのさみしさか金のためか、父親は世界を掌握しようとした吸血鬼DIOの手下となっており、吸血鬼の体細胞を埋め込まれていた。DIOの死後にその細胞が暴走、一年足らずで息子のこともわからない怪物になってしまう。
刑兆は父の遺産を使い10年かけてすべてを調べ上げた。「スタンド」のこと、「DIO」のこと、「DIOを倒した男」のこと、スタンドを目覚めさせる「弓と矢」のこと。
そして父親がもはやどうしようもない状態になってしまったことを確信し、父のためにも殺害を決意。
自身と弟もスタンド能力に目覚め殺害を試みるも失敗。協力者を作ろうと町民含む多くの人物を「弓と矢」で射抜き、スタンドに目覚めさせたり殺害したりする。
スタンド能力については調査を続け、凶悪な犯罪者ほど目覚める強い魂を持ち、能力に目覚める可能性が高いことをDIOの手記より知る。それは何かの下書きらしく『天国へ至る方法』の候補がいくつ書かれており、採用案は破り取られていたようだが選択肢の一つとして願望器、『方舟』の詳細と『弓』こそが『方舟』に乗り込むアイテム、『ゴフェルの木』であると記されていた。
神の敵である吸血鬼の呪いをこえるため、聖遺物を手にして目的を果たすために参戦を決意した。

【方針】
聖杯で願いをかなえるつもりだったが、ライダーの言葉にあるようにおやじを殺せる能力者なら同盟を組んでの生還も視野に入れる。
治す能力者の場合は保留。
打って出るよりもナワバリにこもってバッド・カンパニーによる暗殺の方が戦術的には好みだが、軍略に精通したライダーの意見をないがしろにするつもりはなく、それなりに動くつもり。

【その他】
刑兆はFate/Extraにおけるマイルームにいました。見た目は父親を閉じ込めていた部屋の縮小版に生活感を足したものです
設定としては月海原学園の寮ですが、それが校外の設備か、部屋から出たらどこに出るか、そもそも部屋に戻ってくることが出来るのかは一度も登校していないので不明です
グラグラの実と覇気については原作で詳細説明があったらそちらに合わせたいと思います


139 : 虹村刑兆&ライダー ◆A23CJmo9LE :2014/07/02(水) 18:35:34 P0m8yU.A0
投下完了です


140 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/02(水) 18:39:04 Md9IXBEg0
投下します


141 : 範馬勇次郎&キャスター ◆/k3Q/jYeig :2014/07/02(水) 18:40:04 K7pimL9M0


範馬勇次郎は退屈していた。
「あの」親子喧嘩以来、どこへ行っても自分が範馬勇次郎と悟られ、落ち着かない。
道端で子供にサインをねだられたことももはや両手の指では収まらない。
だからか、ふと気が向いて赴いた人気のない修行の地……幼少の頃の刃牙を鍛えた富士山麓の樹海で「それ」に出会った時。
勇次郎を絶えず襲っていた欠伸の衝動はピタリと止んだのだ。


「フォ……フォッ……フォ。おヌシがワシのマスターか?」
「そういうテメエは俺のサーヴァントだな?」


「闘争のない日常」を「退屈」と断じ、勇次郎は早々に予選を突破した。
そこで出会ったのは齢百を越えようかという、あの郭海皇ですらも赤子に思えるほどの年輪を重ねた老人だった。
しかし……勇次郎は直感する。
この老人は郭海皇やピクル、あるいは己すらも瞬きの間に殺してのけるほどの強者――否、絶対存在であると。
それほどの強者、常ならば勇次郎は即座に挑みかかっていただろう。だが今は事情が違う。
できるかどうかはともかくとして、この老人を殺してしまえばこれから始まる大戦にも参加できなくなってしまう。


「ソイツぁ困るな……ジイさんよ、俺は優勝してえんだ。手伝ってくれる気があんのかい?」
「ふむ……構わんよ。ワシも願いがないわけじゃあない。気骨のあるマスターならば歓迎じゃわい」


呵呵と笑う老人。勇次郎もつられてニマ〜と笑う。
引いたサーヴァントはキャスター、魔術師のクラス。
一般的には、三騎士などに比べれば「外れ」と思うだろう。だが勇次郎にとっては「当たり」だ。
なにせこの老人、魔導においては世界に並ぶ者のない存在だからである。
その絶大なる魔力を以ってすれば、勇次郎をサーヴァントと「殴り合わせる」ことも不可能ではないからだ。


「じゃあ行くか、ジイさん。言っておくが、サーヴァントは俺に喰わせろよ」
「そりゃええわい。ワシも楽ができるでな……ファッファッファ」


かたや「地上最強の生物」、範馬勇次郎。
かたや「キャスター」、すべてをしるもの。
暴力と智謀の頂点が出会い、聖杯戦争という極上の料理を食す。


142 : 範馬勇次郎&キャスター ◆/k3Q/jYeig :2014/07/02(水) 18:40:20 WB8eBWlA0

【マスター】
 範馬勇次郎@刃牙道

【参加方法】
 刃牙と山籠りを行った樹海の大木がゴルフェの木だった 

【マスターとしての願い】
 人間世界の闘争にも飽きたので、サーヴァントになって別次元の闘いを楽しみたい。

【weapon】
 素手

【能力・技能】
 あらゆる格闘技に精通し、歴史や人体学にも造詣が深い。
 しかし勇次郎は己の肉体に絶対の自信を持っているため、技を使うことはめったにない。
 「鬼の貌」と恐れられる鍛え上げたヒッティングマッスルを用い、ただ力の限り殴りつけるスタイルこそが範馬勇次郎である。

 地上最強の生物:A あらゆる格闘技に精通し、しかし決して技に頼らず腕力で物事を押し通すエゴイズム。スキルというより範馬勇次郎という存在の生き様に近い。
             勇猛スキルと心眼(偽)の複合スキル。
             威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、格闘ダメージを向上させる。
             直感・第六感による危険回避。天性の才能による危険予知。視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

【人物背景】
 いわく「地上最強の生物」。
 生まれ出たその瞬間、大国の指導者に「極東の島国にとんでもない脅威が生まれた」と核兵器の使用を一考させるほどのプレッシャーを与えた。
 長ずるに連れ、自然と彼は戦場に向かう。戦場こそはこの地上で最も合法的に人を喰らい、また己を磨き上げられる場であるからだ。
 闘争こそが人生の全て。戦うために喰らい、戦うために眠り、戦うために戦う。
 その飽くなき最強への欲望は、血を分けた息子ですらも餌としてしか認識しない。

【方針】
 「サーヴァントに任せて隠れておくのが定石? エフッ エフッ エフッ F F ……わかっちゃいねェなァ……それじゃ面白くねェだろ?
  ジイさんは後ろで見てりゃいいや……せっかくサーヴァントなんて極上の獲物が雁首揃えて待ってんだ……ちょうしこかせてもらうぜ!!」


143 : 範馬勇次郎&キャスター ◆/k3Q/jYeig :2014/07/02(水) 18:41:04 Hl98hifk0

【クラス】
 キャスター
【真名】
 すべてをしるもの@ファイナルファンタジーⅤ
【パラメーター】
 筋力B 耐久E 敏捷D 魔力A+ 幸運C 宝具C
【属性】
 秩序・中庸 
【クラススキル】
 陣地作成:B…それなりの高さのある塔の最上階に陣取ることで、塔内での物理攻撃を禁じることが出来る。
          ただしこれには対となる力の塔が不可欠であり、力の塔の守護者を了承するサーヴァントがいない限りは発動しない。
 道具作成:-…魔法こそ至上の利器と信じているため、道具作成スキルは失われている。
【保有スキル】
 怪力:B…魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性で、一時的に筋力を増幅させる。
 自己強化:D…戦闘を開始した時点で防御魔法「プロテス」と再生魔法「リジェネ」がかかる。
          これは本人の意志ではなくシステムとして行われるものであるため、発動の気配や魔力消費がない。     

【宝具】
「最後の約束の物語(ファイナルアタック・フレア)」
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大補足:200
 黒魔法の頂点である無属性魔法。対象の防御値を無視してダメージを与える。
 すべてをしるものは当然、封印されている「フレア」も「ホーリー」も知っているが、フォークタワーに挑んできた者への礼儀としてこの二つの魔法は使わない。
 ……が、自身が倒された時は別である。
 すべてをしるもののHPがゼロになった時、彼は自身を倒した相手へ向けて、持てる魔力の全てを注ぎ込んだ「フレア」を放つ。
 これは自動発動型の宝具であり、マスター・すべてをしるもの双方が自発的に使うことは不可能である。
 すべてをしるものは、たとえ自らを超える者であっても「自分以上に魔導に精通する存在」を許さないのだ。
 ただし例外的に、HP削減効果のある宝具やカウンター宝具などで倒された場合はこの宝具は発動しない。

「愚者の渡しの防御(リターン)」
ランク:D 種別:結界宝具 レンジ:1~30 最大補足:5
 戦闘を開始した時点まで時間を巻き戻す。
 体力・魔力、装備、周辺の地形など、敵味方問わずあらゆる状態がリセットされる。
 ただし人の意識には干渉しないため、この宝具を受けた者は「時間を巻き戻された」と即座に認識できる。
 宝具としては極めて魔力消費が少なくマスターにも負担を掛けないが、一度の戦闘で使用できるのは一度のみとなる。
 そのため、劣勢を挽回する以外にも敵の手の内を探るためという使い方が有効となるだろう。


【weapon】
 全魔法…回復・補助を司る白魔法、攻撃・状態異常を司る黒魔法、時間・空間を司る時空魔法。三つの魔導を極めている。
       しかしモンスターの力を我がものとする青魔法、召喚獣の力を借りる召喚魔法の二つは、すべてをしるものもまたモンスターであるがゆえに使うことはできない。
 コルナゴの壺…弱らせたモンスターを捕らえることができるアイテム。
          サーヴァントに効果はないが、マスターあるいはサーヴァントが召喚した低級のモンスターや怨霊ならば捕獲することが出来る。


144 : 範馬勇次郎&キャスター ◆/k3Q/jYeig :2014/07/02(水) 18:41:34 E2rsC2Ok0

【人物背景】
 二つの異世界が融合して生まれた新たな世界に、フォークタワーという双子の塔がある。
 魔の塔フレアタワーには黒魔法フレアが、力の塔ホーリータワーには白魔法ホーリーが、それぞれ封印されている。
 この二つの魔法は同時に取得しないと大爆発を起こすため、冒険者はパーティを二つに分けて挑むことになる。
 力の塔では魔法攻撃が、魔の塔では物理攻撃が禁じられている。
 すべてをしるものは魔の塔の最上階でフレアを守る、あらゆる魔法を極めしモンスターである。
 彼に挑む者は、剣や弓ではなく魔導の限りを尽くして勝利せねばならない。
 禁忌を犯し力で挑む愚か者はことごとく時の回廊に囚われ、戦いを始めた瞬間に時間を巻き戻されるであろう。
 ちなみに彼は魔の塔の担当であるが、力の塔を守護するミノタウロスよりも腕っ節は強い。数値にすると【ミノタウロス:攻撃力99/回数9 全てを知る者:攻撃力100/回数20】となる。

【サーヴァントとしての願い】
 相方のミノタウロスが役に立たないので勇次郎をサーヴァントにして新たな力の塔の守護者にする。

【基本戦術、方針、運用法】
 タイプとしては、すべてをしるものは後衛、範馬勇次郎は前衛である。
 すべてをしるものが全力で勇次郎を強化すれば、一般的なサーヴァント相手なら防衛戦が行えるほどになる。
 マスターが盾役となり後方からすべてをしるものが魔法で援護するのが、このコンビの必勝パターンかつただ一つの戦術となるだろう。
 もし相手が魔法を反射するタイプのスキル・宝具を持っていた場合、速やかに撤退すべし。
 もし相手がバーサク系の魔法持ってた場合? 心配するな、ワシは殴ったほうが強い。


145 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/02(水) 18:41:59 4Bh408cI0
投下終了です


146 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:24:39 H39jNKwc0
投下します


147 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:25:24 H39jNKwc0
「……頃合いか」

月海原学園 コンピューター室

数十台のPCが設置された室内で、男は先ほどまで使用していたパソコンの電源をオフにした。
ここではこれ以上の必要な情報を得られないと悟ったからだ。
彼の記憶はそう時間を費やす事無く、簡単に取り戻す事が出来た。
男にとって記憶の封印は試練にもならない。
にも拘わらず予選を早々と突破せずに月海原学園で学生ごっこに興じていたのは、出来る限り情報を収集し自身の勝利をより確実の物とするためである。

行くぞ と男が短く告げる。
すると男の傍に立っていた少女は無言のままコクリとうなづき、男の秘書であるかのように後ろを付いて行った。

男に従う少女は銀髪で肌が雪の様に白く、赤い瞳をしていた。
少女は常に無表情で感情どころが自我すら存在していない。
もし男が『手に持っているナイフを自分の喉元に突き刺して自害しろ』と命じれば一切の躊躇なく命令を遂行するだろう。

普通の人間なら、そんな行動など到底できる筈が無い。
だが少女は人間ではなく、男の手によって造られた人工生命体『ホムンクルス』
主人の命令には逆らえない人形なのである。


♢♢♢


月海原学園には隠された入口がある。
その先を進んでこそ予選は本当に終わる。

「出てこい、バーサーカー」

男の呼びかけに応じ、白い衣装に身を包んだサーヴァントが出現する。
ポニーテールをした栗色の髪に整った顔立ちをした優しそうな女性の姿をしているが
その瞳は狂気に塗り固められ、主の命令あればひたすら破壊と殺戮の限りを尽くす狂戦士である。

男はバーサーカーを護衛に付け、ホムンクルスと共に奥へと進んでいった。


148 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:26:21 H39jNKwc0
「―――――――ッ!!」

バーサーカーが何かに気付き、唸り声をあげたと同時に上空から大量の矢が雨のように降り注いだ。
矢が衝突する度に轟音が鳴り、爆風が巻き起こり三者の姿は爆炎の中へと隠された。

「へっ これで契約者を一人脱落させたぜ」

男へ攻撃を仕掛けさせたアーチャーのマスターは勝利を確信して姿を現す。
彼は男を尾行して襲撃する機会を伺っていたのだ。

「あいつはどうも厄介な予感がしたから早急に仕掛けてみたが、案外呆気なかったな」
「クックック……勝った気でいるのはまだ速いんじゃないか?」
「なっ まだ生きて……!?」

爆風が消え、男達の姿を見てアーチャーのマスターは苦虫を噛み潰したように表情をこわばらせる。
かすり傷一つ付いていなかった、バーサーカーだけではない。
マスターである男も、ホムンクルスの少女にも。

「アーチャーッ!!とっておきの宝具でぶちかませッ!!」

マスターの指示を聞いたアーチャーは宝具を展開させる。
矢を構えると先端から膨大な魔力が収束され強烈な光を発している。

男へ狙いを定めアーチャーが矢を放つと、ミサイルを撃ち込まれたのかと錯覚するほどの衝撃波が巻き起こる。
アーチャーのマスターは今度こそ決まった……と一瞬考えたがすぐに否定された。

バーサーカーが巨大な魔法陣の盾を展開して、アーチャーの攻撃を完全に遮断したのだ。
奇襲で仕掛けた矢の雨を防いだのもバーサーカーの魔法によるものだとアーチャーのマスターは理解した。

「遊びは終わりだ 捕らえろバーサーカー」

アーチャーとマスターが行動するよりも早く、バーサーカーの放つリング状の魔力で体を拘束され
撤退が不可能な状況に追い込まれた。

「お、お願いだ……殺さないでくれ……」
「バーサーカー、アーチャーを消滅させろ」

バーサーカーは手に持っている杖を、拘束されて身動きの一切取れないアーチャーへと向けた。
杖からピンク色の膨大な魔力を放出して、アーチャーは抵抗の出来ないまま直撃すると分子一つ残らず消滅した。


149 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:27:07 H39jNKwc0
「あ……ああ……」

サーヴァントの死、それは契約者であるマスターの死でもある。
アーチャーのマスターの体は少しずつ消失していく。

「この日時で記憶を取り戻してる所といい、この俺を危険視した所といい魔術師としては二流以上のようだが
 そんな戦い方でこの俺に勝てると踏んだ貴様は策士としては三流以下だな」
「嫌だ!俺は、死にたくない……頼む!助けてくれぇ!!」
「くくくっ……予選なんぞつまらん催し物だと思っていたが、貴様は暇つぶしとしては中々楽しませてもらったぞ、はははは……はぁーっははははははは!!!」

アーチャーのマスターの肉体は半分以上消えかかっていた。
嘆きと苦しみと後悔と絶望などの負の感情が混ざり合ったような表情で涙を流す姿は男にとって愚かで滑稽であまりにも可笑しかった。

「このまま死ぬのは心残りだろう?俺に挑んだその無謀さを買って特別に俺の名前を教えてやる
 俺の名は木原マサキ!地球も月も全てを支配する冥府の王だッ!!」


バーサーカーのマスターの男、木原マサキは世界を支配する為の研究を行っている内にムーンセルの存在に行き着くと
戦いに勝ち残り、聖杯を手にする為の道具を開発していた。
通行証であるゴフェルの木片は金と頭を使えば入手する事など他愛ないが
あくまで科学者であり、魔術師ではない木原マサキはサーヴァントを使役する為の魔力が不十分だと考え
アインツベルンのホムンクルスの技術を盗み出して利用する事にした。

マスターとしての資格は木原マサキに所有させ、サーヴァントの魔力補充はホムンクルスに担わせる特殊な契約を結ばせた。
ホムンクルスはアインツベルンの技術に加えて木原マサキ独自の改良を重ねており
魔力だけでなく肉体の強度も飛躍的に上昇されている。

(燃費の悪さに頭を悩ませるバーサーカーだがホムンクルスを使えば例え最大出力で戦わせても問題は無い
 それにバーサーカーなら余計な考えを持ち始めて邪魔をされずに済む)

本来ならキャスターとして召喚されたであろう彼女が狂化してバーサーカーに仕立て上げたのも
サーヴァントがマスターを裏切らないようにするのが目的だった。

マサキがバーサーカーの方へ視線を向けると指で顎を持ち上げ、口付けをするように顔を近づける。

「見た目はただの小娘のようだが中々勇ましい功績じゃないか、なあバーサーカー……いや」

バーサーカーとの意志の疎通は不可能だったが月海原学園で情報収集してる間に出身や真名は既に把握していた。

「時空管理局、機動六課『エース・オブ・エース』の高町なのはよ」


150 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:27:37 H39jNKwc0
【マスター】
 木原マサキ@冥王計画ゼオライマー

【参加方法】
 『ゴフェルの木片』による召喚、本人曰く金と頭を使えば簡単に入手出来た。

【マスターとしての願い】
 冥王として地球も月も支配する

【weapon】
 ホムンクルス、アインツベルンの技術を盗み出して作り出した名無しの少女。
 木原マサキによる改良が施されているので身体能力も高い、外見はイリヤの肉体年齢を16歳にしたような姿

【能力・技能】
 天才的頭脳と一般市民を犠牲にする事も問わない冷酷さ

【人物背景】
 かつて鉄甲龍に所属していた科学者。八卦ロボや次元連結システムを開発しただけでなく、秋津マサトや氷室美久、八卦衆の造物主でもあるなど
 機械工学のみならず生物工学にも才能を発揮した天才的技術者。
 15年前、鉄甲龍を裏切りゼオライマーを持って逃亡し、日本政府に保護と見返りを要求するも、その直後に亡命を恐れた日本政府によって殺害されている。
 だがマサキは自分が日本政府にとっても危険人物であることを理解しており
 身の危険も承知していた。ゼオライマーの機体のパイロット登録システムに自身の遺伝子を登録していたのもそのためだった。
 更にゼオライマーと共に持参した自身のクローン受精卵により成長した存在(秋津マサト)がゼオライマーに搭乗すると
 マサキの人格と記憶が目覚めるように予めセットすることで、15年の時を越えて復活を果たす。
 卑劣で残忍、かつ狡猾な性格で、自分の目的のために他人を犠牲にする事を一切躊躇わない。彼の目的は自らが冥府の王となる事であり
 日本政府か鉄甲龍のどちらかが世界を制すと計算した上で、その両陣営に自分のクローンを残している。マサトの人格の中で覚醒したマサキの意志はマサトの人格を書き換えようとしていたが
 自分のプログラミングの結果である塞臥たちの愛情関係がもたらした三角関係を見て苦しみ出し、マサトの人格に敗れてしまう。最期はマサトの意思でもう一人のクローン幽羅帝もろとも、ゼオライマーのメイオウ攻撃で果てた。
 最後まで愛を否定していたが、本当は彼自身も心を捨て切れず、否定しきれなかったのかもしれない。

【方針】
 積極的に行動して他のマスター達を殺害する。


151 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:28:19 H39jNKwc0
【クラス】バーサーカー

【真名】高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS

【パラメータ】筋力C 耐久C 俊敏C 魔力A⁺⁺ 幸運A 宝具A

【属性】秩序・狂

【クラス別スキル】
 狂化:B…理性の代償として能力を強化する。
 ランクBは大半の理性を失う代わりにすべての能力値が上昇する。

【保有スキル】
 対魔力:A…A以下の魔術は全てキャンセルされる。
     Aランク以下の魔術師では傷を付けることはできない。
 エリアサーチ:B…探知用のスフィアを飛ばし隠れた敵を探す能力
         このスキルを持つサーヴァントに対して物陰に隠れる事は無意味に近い。

【宝具】
 『レイジングハート・エクセリオン』
 ランク:A 種別:対人宝具
 高町なのはが所有するインテリジェンスデバイス
 戦況に応じて様々な形態を取る事が出来る

【人物背景】
 海鳴市出身の空戦魔導士
 ロストロギア関連の事件に巻き込まれ偶然魔法と出会い
 レイジングハートを手にしたことから戦いの中でその才能を開花させていった。
 機動六課では戦技教官と前線フォワード部隊『スターズ分隊』隊長を務める。
 射撃・砲撃戦では攻撃力・防御力と最大射程に優れ
 その空間制圧力超一流である。
 武装隊では、その強さや実績から『エース・オブ・エース』の称号を得ている伝説的英雄。

【サーヴァントとしての願い】
 現段階では不明。

【基本戦術、方針、運用法】
 マスターの指示に従い他のマスターの殲滅。
 並のマスターなら魔力の供給が間に合わないほど消耗が激しい技が多いが
 ホムンクルスから大量の魔力が供給されている為、使用する事が可能。


152 : 木原マサキ&バーサーカー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/02(水) 19:29:08 H39jNKwc0
投下終了です


153 : ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:09:53 fTKvDGKQ0
小野寺クウガになのはと聞いて、投下します


154 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:11:33 fTKvDGKQ0
「クロノ君、コーヒー入ったよ」
「ありがとうございます、五代さん」

深夜の喫茶店で会話する少年と青年。
穏やかな空気を醸し出す二人だが彼らはNPCなどではない。
クロノ・ハラオウンとライダー・五代雄介。
二人は聖杯戦争への出場を果たしたマスターとサーヴァントだ。
この喫茶店はクロノが正規の参加者として予選を突破した際使えるよう予め用意された拠点だ。
絶大なマンパワーを持つ時空管理局の全力を注いだバックアップの賜物である。

「どうかな?方舟版、五代雄介ブレンド」
「はい、美味しいです」
「そっか、良かった。…ところで、やっぱり管理局の人達とはまだ連絡取れない?」
「はい、予想はしていましたが……。
やはり、事前準備と参加してからでは干渉の難易度が段違いのようです」





公務員であるクロノが何故このような血生臭い戦争に参加することになったのか。
それは第九十七管理外世界にて突如観測された、謎の超高度観測装置をL級次元航行艦アースラが発見したことに端を発する。
ロストロギアの疑いもある「方舟」と呼称されるようになったその観測装置を時空管理局は慎重に調査した。
無限書庫までをも動かした結果得られた情報に管理局上層部は震撼した。



曰く、「方舟」はあらゆる事象を観測する演算装置。
ゴフェルの木片なる遺物を媒介にして人を招き、古の英雄を召喚しての殺し合い、聖杯戦争を開催する。
ただそれだけならば管理局が動く必要性のない事案だった。
次元世界の存続を脅かす脅威でもない限り管理外世界に干渉しないことが管理局の法だからだ。

問題は、その聖杯戦争に召喚される英雄候補の中に管理世界出身の者がいたことだ。
管理局設立以前の戦乱の時代に名を残した英傑や、文献にしか残っていない古代ベルカの武人までがサーヴァント候補として存在していることが発覚したのだ。
これが意味することは一つ、「方舟」は全次元世界を観測している可能性が高いということ。
それだけでも驚異的な事実であるが話はそれだけに終わらない。

曰く、遍く事象を演算・記録する「方舟」は世界の理すら書き換える演算能力を持つ。
そして聖杯戦争の勝者には「方舟」を使う権限、すなわちどんな願いも叶えることができるという。
しかも参加者は自発的な参加のみならず木片を手にした者全てが該当する。
これではどんな思想を持つ者が「方舟」を掌握し、次元世界にどんな影響を与えるか計り知れない。
最悪わけもわからぬままいくつもの世界が消え失せるかもしれない。

管理局上層部は急遽対策を講じることになった。
しかし本局の優秀なオペレーターが何人がかりでハッキングを試みても中枢に辿りつけない鉄壁のセキュリティ。
結局出来たことは調査の過程で入手した木片を使い現地調査の名目で局員を内部に送り込むことだけ。
その人材として抜擢されたのがクロノ・ハラオウンだった。


155 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:13:09 fTKvDGKQ0



予選において比較的早期に記憶を取り戻したクロノはすぐに五代と出会い、「方舟」の調査を行っていた。
当初は英傑というイメージから程遠い五代に面食らったが、彼の人柄もあり打ち解けるのに時間は掛からなかった。

「…五代さんは、どうしてこの戦いに?
失礼と思われるかもしれませんが、僕にはあなたが戦いを好む人だとはどうしても思えない」

コーヒーを飲みながら、気になっていた質問をぶつけてみる。
五代雄介という青年からは、どうしてもクロノが思っていた武人、戦士といったイメージを想起できない。
もちろん彼の宝具や変身した姿はもう見知っているのだが。

「うーん、クロノ君ってさ、俺の知ってる人に似てるんだよね。
責任感が強いところとか、止めても止められなさそうなところとか。
…だからかな、何ていうか、放っておけなかったんだ。
まあ、戦うのが好きじゃないっていうのはその通りなんだけど」
「はあ、知っている人…ですか」
「うん。クロノ君は、その人と同じで誰かの笑顔を守るために戦ってる子だと思うから」
「………」

明確な返事はしないが、確かにそれは否定できないところではある。
もし悪意ある人間が優勝し、リンディやエイミィ、フェイトやなのはといった身近な人間に理不尽な災厄が降りかかったら。
クロノはそれを許した自分を決して許せないだろう。
加えて言えば、聖杯戦争というシステム自体にも憤りを覚えている。




ある種無差別に参加者を選別するルールもそうだが、願いを叶えるという謳い文句には苦い思い出がある。
どうしても、妹になったばかりの少女の、狂ってしまった母親を思い出す。
聖杯戦争というシステムは彼女のような「こんなはずじゃなかった」人生を歩まされた人々に殺し合いを強いているのだ。
人の心につけ込む「方舟」の在り方を個人として許すことはできそうにない。
クロノがマスターとしてここにいる理由は、任務であり、使命であり、大切な人や多くの人々を守りたいという願いであり、その全てなのだ。

アースラの皆は今も「方舟」の解析を進めてくれているだろう。
ユーノは無限書庫で資料を集めてくれているはずだ。
彼らが自分を信じて送り出してくれたように、自分も彼らの信頼に応えなければならない。
少し冷めたコーヒーを飲みながら、そう決意を新たにした。


156 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:14:13 fTKvDGKQ0
【クラス】 ライダー
【真名】 五代雄介@仮面ライダークウガ
【属性】 秩序・善
【パラメーター】
筋力 E 耐久 D 敏捷 E 魔力 E 幸運 B 宝具?(非変身時)
【クラス別スキル】
対魔力:D…一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
変身中のみ発現し、アルティメットフォーム時にはあるスキルに変化する。
騎乗:B(A)…騎乗の才能。 大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 幻想種は乗りこなせない。
マイティフォーム、ライジングマイティフォーム、アメイジングマイティフォーム、アルティメットフォーム時は1ランク上昇する。
【保有スキル】
精神耐性:C+…Cランク以下の精神干渉魔術やそれに類する攻撃を無効化する。
特に怒りや憎しみといった攻撃・破壊衝動を煽るものに対しては通常の二倍の防御効果を発揮する。
このスキルは対魔力と重複して発動する。
2000の技:C…雄介が小学校時代の恩師との約束から身に着けていった数々の特技。
中国拳法や空中回転といったクウガとしての戦闘に応用されているものから戦闘に関わらないものまで多岐に渡る。
ちなみに2000番目の技はクウガへの変身である。
千里眼:B+…鷹の眼。視力の良さ。遠方の標的の補足、動体視力の向上。
鋭敏過ぎる五感の高さから、視界が遮られ目の及ばないものであろうとも補足することが可能。
また、範囲内にいれば気配遮断及びそれに類する能力を無効化して敵を発見できる。
ペガサスフォーム、ライジングペガサスフォーム、アルティメットフォーム時のみ発現する。
モーフィングパワー:B+(EX)…クウガやグロンギが戦闘の際に用いる物質操作能力。
クウガはこの能力で原子・分子を分解・再構成することで多数の形態に変身する他、特定の武器・道具を手にすることでクウガとしての武装に変化させる。
アルティメットフォームに変身すると極小規模の願望器とすらいえるほどの力になり、瞬間移動や天候操作など全能の能力を行使できるようになるが、制限によりそれらの力の多くは使用できなくなっている。
超自然発火:A…モーフィングパワーから派生したスキルの一つでアルティメットフォーム時のみ使用可能。
周囲の物質の原子・分子を操ることで物質をプラズマ化し標的を体内から発火させる。
ただし存在自体が神秘の塊であるサーヴァントに対してはデフォルトでダメージ数値が下がる。
また体内を発火させないだけの魔力によっても防ぐことができ、魔力のステータスの高さに応じてさらにダメージは軽減されAランク以上で完全に無効化できる。
また制限によりマスターに向けて使用することは出来なくなっている。
超能力無効化:B(A)…対魔力とは似て非なる凄まじき戦士となったクウガ専用の防御スキル。
アルティメットフォーム時のみ対魔力の代わりに発現し、魔術・超能力系の攻撃スキルのダメージ、効果をランクの高低や威力の大小を問わず完全に無効化する。
…のだがこの聖杯戦争ではこの力は制限されておりランクA以上のものはダメージ、効果を軽減するに留まる。

【宝具】
「伝説を塗り替えた戦士(クウガ)」
ランク:EX 種別:対人宝具(自身)レンジ:− 最大捕捉:1人
古代種族リントが敵対種族グロンギの暴虐に対抗すべく作りだされた、戦士の力。
願いを叶えるとされる神秘の霊石アマダムを内部に格納しており、身に付けたものをクウガへと変身させる。
また、身に付けた者に常軌を逸した再生・回復能力を与える。
グロンギに対抗できる力を与える善性の面の宝具であるが、同時にグロンギと同じ存在になる悪性の面も内封している宝具でもある。
雄介は本来想定されていないイレギュラーな「金の力」を含めた様々な形態を駆使して闘い、能力も形態に応じて変化する。
またこのフォームチェンジを行う際雄介は自らを鼓舞する意味も込めて「超変身」と叫ぶが実際には発声せずとも一瞬かつノーモーションで変化できる。


・グローイングフォーム(白のクウガ)
筋力 E+ 耐久 D 敏捷 E 魔力 D 幸運 B 宝具D
クウガの素体形態である白い戦士。
いわゆる不完全な状態であり戦意が弱い場合や深刻なダメージを負った際にこの形態になる。
能力的にはマイティフォームの半分程度と非常に弱くこの形態ではまずサーヴァントには太刀打ちできないどころか力量によってはマスターにさえ打ち倒される危険がある。
一応相手に刻印を打ち込む必殺技である「グローイングキック」を使えるもののやはり威力は不十分である。


157 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:15:44 fTKvDGKQ0
・マイティフォーム(赤のクウガ)
筋力 D+ 耐久 C 敏捷 D 魔力 D 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば 希望の霊石を身に付け 炎の如く邪悪を倒す戦士あり」
クウガの基本にして完成形態。
バランスの取れた能力を持つ赤い戦士であり司る属性は火。
素手での打撃を中心とした格闘戦や乗り物を用いた戦闘を得意とする。
主に雄介は敵の手の内を探る時にこの形態になり、敵の戦い方に合わせた形態に変化する。
しかし基本フォーム全てに言えることだがこのままでは上級のサーヴァントと渡り合うにはやや力不足である。
必殺技は炎を纏った右足で相手に刻印を打ち込む「マイティキック」。雄介は後に空中回転を取り入れた強化型を開発した。
・ライジングマイティフォーム(赤の金のクウガ)
筋力 C+ 耐久 C 敏捷 C 魔力 C 幸運 B 宝具B
マイティフォームを放電現象、雷(金)の力で進化させた強化形態。
金の力とは部分的にアルティメットフォームの力が各基本フォームに流れ込んだいわば半アルティメット状態を指す。
当初はライジングフォームを維持できるのは三十秒だけだったが後に永続的にライジング形態を維持できるようになった。
とはいえ当然ながら全てのライジングフォームは基本形態に比べ魔力消費が増大する。
このライジングマイティフォームは全体の能力がバランス良く強化されており、右足にマイティキックの威力を増幅する金色の足甲・マイティアンクレットが装着されている。
上級のサーヴァントと正面から戦うなら、最低でもライジングフォームが必要不可欠である。
・ドラゴンフォーム(青のクウガ)
筋力 E 耐久 D 敏捷 B 魔力 D 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば その技を無に帰し 流水の如く邪悪を薙ぎ払う戦士あり」
スピード・跳躍力・瞬発力・俊敏性に優れた青い戦士であり司る属性は水。
反面パンチ力やキック力、耐久力は低下してしまうため、それを補うべく「長きもの」をモーフィングパワーで変換した専用武器・ドラゴンロッドを用いた棒術戦を行う。
また雄介は中国拳法の動きを取り入れた戦い方を編み出した。
必殺技はロッドの先端に封印エネルギーを込めて刻印を打ち込む「スプラッシュドラゴン」。
・ライジングドラゴンフォーム(青の金のクウガ)
筋力 D 耐久 D 敏捷 A 魔力 C 幸運 B 宝具B
ドラゴンフォームを金の力で進化させた強化形態。
スピード・跳躍力・瞬発力・俊敏性がさらに強化されている。
また専用武器であるドラゴンロッドも先端に金の矛がついたライジングドラゴンロッドへと強化される。
・ペガサスフォーム(緑のクウガ)
筋力 E 耐久 D 敏捷 D 魔力 C 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば その姿を彼方より知りて 疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり」
圧倒的な視覚、聴覚などを有する緑の戦士であり司る属性は風。
感覚神経が極限まで研ぎ澄まされた形態で、紫外線・赤外線を見ることや超音波を聞くことが可能で、遠く離れていたり保護色で姿を隠した敵をも正確に捕捉可能だが、接近戦は不得手であるため「射るもの」を変換した専用武器・ペガサスボウガンを使用する狙撃を得意とする。
この系統のフォームとアルティメットフォームに変身している間は千里眼のスキルが発動する。
ただしエネルギーの消耗が激しいため、このフォームを維持可能なのはわずか五十秒間だけである。もし制限時間を超過した場合は強制的にグローイングフォームになり、その後二時間は変身不可能となる。
サーヴァント化したことでこの制約には多少融通がきくようにはなったが魔力消費が激しいことには変わりない。
必殺技は空気弾と共に相手に刻印を打ち込む「ブラストペガサス」。
・ライジングペガサスフォーム(緑の金のクウガ)
筋力 D 耐久 D 敏捷 D 魔力 B 幸運 B 宝具B
ペガサスフォームを金の力で進化させた強化形態。
超感覚能力がさらに強化されており、人間の数万倍の五感を持つ。
また専用武器であるペガサスボウガンも連射可能なライジングペガサスボウガンに強化される。


158 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:16:45 fTKvDGKQ0
・タイタンフォーム(紫のクウガ)
筋力 C 耐久 B 敏捷 E 魔力 D 幸運 B 宝具C
「邪悪なる者あらば 鋼の鎧を身に付け 地割れの如く邪悪を斬り裂く戦士あり」
俊敏性を犠牲に高いパワーと防御力を誇る紫の戦士であり司る属性は土。
防御力の高さを生かして敵の攻撃を避けようともせず受け続けるまま進撃し、「斬るもの」を変換した専用武器・タイタンソードで攻撃する力任せの戦法を得意とする。
しかし二の腕など装甲に覆われていない箇所は脆く、魔術や概念武装による攻撃には対応できないなどその防御性能には欠陥が目立ち、そもそもセイバーなど上級のサーヴァントであればタイタンの装甲も容易く突破できる。
このため聖杯戦争においてこの形態の有用性は低く、長時間維持する意味もあまりないので強力な攻撃から致命傷を避けるために変身する緊急回避の一つとして用いるのが吉。
必殺技はタイタンソードから封印エネルギーを放出して刻印を打ち込む「カラミティタイタン」。
・ライジングタイタンフォーム(紫の金のクウガ)
筋力 B 耐久 A 敏捷 D 魔力 C 幸運 B 宝具B
タイタンフォームを金の力で進化させた強化形態。
パワーと防御力はさらに強化されているが、防御面での欠点もそのまま引き継いでいる。
また専用武器であるタイタンソードも刀身が伸びたライジングタイタンソードに強化された他二本同時に装備することも可能。
・アメイジングマイティフォーム(黒の金のクウガ)
筋力 B+ 耐久 A 敏捷 B 魔力 B 幸運 B 宝具A
ライジングマイティからさらに進化したクウガの準最強形態。
身体の色が赤から黒に変化した限りなくアルティメットフォームに近い状態。
右足だけでなく左足にもマイティアンクレットが装着された。
基本的な戦い方はマイティ、ライジングマイティと共通だが戦闘力は大きく向上しており、三大騎士クラスなどの上級サーヴァントにも引けを取らない。
・アルティメットフォーム(凄まじき戦士)
筋力 A+ 耐久 A 敏捷 A 魔力 A 幸運 B 宝具EX
「清らかなる戦士 心の力を極めて戦い邪悪を葬りし時 汝自らの邪悪を除きて究極の闇を消し去らん」
本来であればクウガが優しい心を失い、憎しみの力によってのみ発現するクウガ最強の形態。
しかし五代雄介は絶対的な力を持つグロンギ、ン・ダグバ・ゼバを倒すためこの形態に変身する必要に迫られながらも人々とその笑顔を守ろうとする優しい心を保ち続けたため、理性を失い暴走した黒い眼ではなく赤い眼のアルティメットフォームへと変身を遂げ、古代の伝説を塗り替えた。
この伝承により聖杯戦争で五代雄介が変身するアルティメットフォームは必ず優しさを保った赤い眼になる。
アルティメットフォームは通常のクウガが必殺技で発する封印エネルギーを血管状組織によって常時全身から放出している他、全ての能力が各形態の限界値を大きく超えている。
肘や脚部の棘は伸縮自在であり敵を切断することが可能、他の形態では口を保護する役割を果たすアーマードマウスも牙が鋭利に変化し噛み付き攻撃を行えるなど全身が凶器となり得る。
両手のハンドコントロールリングからは黒色のライジングタイタンソード、ライジングドラゴンロッド、ライジングペガサスボウガンを素材を用いることなく無から生成可能。
多くの制限を受けて尚圧倒的な戦闘力を誇るがマスターへの負担も巨大なものとなり、魔法の行使はほとんど出来なくなるため使いどころを見極めることが重要となる。

「古代の装甲機(ゴウラム)」
ランク:C+ 種別:騎乗宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人(1機)
「来れ 甲虫の姿をかたどりし 馬の鎧となる僕よ」
リントが戦士クウガの支援用に作った、意思を持つ馬の鎧。巨大なクワガタムシ型の通常形態を持つ。
霊石アマダムを内蔵しており、クウガの求めに応じて飛来し、単体でもクウガが脚に掴まった状態で飛行可能なほか、彼の乗るバイクに融合合体して強化することも可能(その際、バイクはゴウラムの力で融合しやすいように変形する)。
最高速度は時速500km/hだがクウガが脚に掴まっているとスピードは落ちる。
聖杯戦争では雄介の自由意思で何時でも召喚可能。


159 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:17:30 fTKvDGKQ0

【weapon】
・ビートチェイサー3000…警視庁が開発したクウガ専用バイク、ビートチェイサー2000の後継機種。
現代の機械であるため単体では宝具未満の武装扱いとなる。
本来なら雄介が最も活躍した時から十三年後に開発される機体だがライダーのクラスで現界したためかこちらを所有している。
またビートチェイサー2000、トライチェイサー2000も所持しており一人で計三台ものバイクを保有している。
・名刺…「夢を追う男 2000の技を持つ男 五代雄介」と極太字体で書かれた名刺。
聖杯戦争においては特に意味のないものだが五代雄介の代名詞でもあるためか所持している。
ちなみになくなっても魔力で補充可能。

【人物背景】
1975年3月18日生まれ、O型。世界を旅する冒険家。笑顔とサムズアップがトレードマーク。
未確認生物(グロンギ)と遭遇した際、遺跡で発見されたベルトを何かに導かれるように装着したことで、クウガへの変身能力を持つようになる。
初対面の人には「夢を追う男・○○○○(その時点で持っている技の数)の技を持つ男」と書かれた自作の名刺を手渡す。また、「大丈夫!」の言葉とサムズアップが癖(決めポーズ)となっている。
両親を亡くしており、現在は喫茶店ポレポレに居候している。
一見すると飄々とした能天気な性格で、桜子のいる研究室を訪れるためにビルクライミングで学舎の壁を登るなど、変わり者のところもあるが、実際は強い意志と深い優しさを内に秘めている。
父は戦場カメラマンで、外国で死亡している。父の訃報に接した時、恩師である神崎の言葉に感銘を受け、「2000年までに2000の技を持つ」と約束。
1番目の技は笑顔。クウガへの変身が2000番目の技になった。
リントの「戦士クウガ」を示す文字が気に入ったのか、自分のシャツやバイクなどにマークをプリントしたり、マークを入れたベルトのバックルを自作したりした。
たとえ人を守るためとはいえ、拳を振るうことを「いい気持ちはしない」と嫌う。
そしてその想いは劇中たびたび描かれ、最後の戦いでその最たるものが見られる。ダグバを倒した後、再び海外へ冒険に出た。
尚、雄介は十三年後にも再びグロンギと戦うことになるが、この聖杯戦争では二十五歳の頃の姿で召喚されている。

【サーヴァントとしての願い】
本人に聖杯にかける願いはない。強いて言えば一人でも少ない犠牲で聖杯戦争を終結させること。
しかしそれは「戦いを終わらせる」というエゴのために人間と戦うということであり、その矛盾は常に雄介の頭の中にある。
【基本戦術、方針、運用法】
何でもこなす汎用性を持つ一方、一つ一つの形態は専門職の英霊に比べると劣る点が多い。
サーヴァントの情報を集めて戦い方を煮詰めその相手に応じたフォームチェンジを駆使することで真価を発揮する。
このため序盤は情報収集が主となるだろう。
また腹部の霊石アマダムは頭部、心臓部に続く第三の霊核といえる弱点であり、ここを完全に破壊されると死亡は免れない
究極の暴力たるアルティメットフォームは原則的に最後の手段である。


160 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:18:22 fTKvDGKQ0
クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's
【参加方法】
時空管理局が発見したゴルフェの木片を用いての参加。
尚、聖杯戦争の参加にあたって管理局からのバックアップを得ている。
【マスターとしての願い】
方舟及び聖杯戦争の内情の調査・究明。
個人的な願いというよりは組織からの命令であり実地で調査任務を行うマスターとして最適な人材と判断されたのがクロノである。
しかし無益な殺し合いの阻止に対しては強い熱意を持っている。
【weapon】
S2U…クロノが愛用するストレージデバイス。
デバイスとは魔導師が魔法を使用する際に用いる補助媒体であり、ストレージデバイスはその中にあって次元世界で最も広く使われている機種のデバイスである。
名前の通り魔法情報を蓄積したりそれを使用するのに必要な機能に特化されており、純粋な道具として所有魔導師が魔法を扱うための媒体となる。
人口知能を搭載していない分処理能力に優れるが、使う魔法を全て自分で選択する必要があるため所有者の力量が素直に反映される。
クロノのS2Uは杖の形状をしており、待機時にはカードの形を取る。
近接、中距離、遠距離、防御、補助と何にでも使える万能型。
クロノはインテリジェントデバイスを扱うだけの能力を持っているが、質実剛健を好むためこちらを使っている。
氷結の杖デュランダル…その二つ名の通り、凍結魔法系の魔法に絶対的な補正を加えるストレージデバイス。
闇の書を封印するため時空管理局の技術の粋を結集して作られたデバイスであり、純粋なストレージデバイスとしても最新・最速の性能を誇る他、魔力の一時貯蔵機構も備えている。
この杖の放つ極大氷結魔法「エターナルコフィン」は極めて強力で、劇中ではたった1度の使用で背景に映る海一面を氷に閉ざしてしまった。
クロノにとってこのデバイスは切り札であり起動すること自体がフルドライブの発動と同義である。
クロノはS2Uとこのデュランダルを使い分けるマルチデバイス使いである。

【能力・技能】
ミッドチルダ式魔法の使い手であり、魔導師ランクはAAA+。
立場上裏方に回ることが多いが主人公である高町なのはらを大きく上回る実力者であり、なのはらが魔導師として大きく成長し、デバイスも強化された「A's」終了時点でもそれは変わらない。
遠・近の攻撃から防御、補助に至るまで、効率を重視した魔法を偏りなく使いこなすオールラウンダー。
中でもバインドを得意としておりスピードで自身を上回る高機動型の魔導師であるフェイトを難なく絡め取るほど。
さらにこれらの魔法をデバイスに頼らずとも行使することができる。
魔力量では高町なのはに上限値で僅かに劣る程度でほとんど差はない。
執務官としても就任してからの三年間で優れた成績と実績を残し、十四歳にして指揮権を与えられるほど指揮官としての実力も高い。
このため、実母リンディを含めた時空管理局の上層部からの信頼は非常に厚い。
とはいえ聖杯戦争においてはサーヴァントに魔力を供給する都合上十全の力を発揮することは難しい。
以下は劇中でクロノが使用した魔法である。


161 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:19:07 fTKvDGKQ0

・バリアジャケット…防護服及びそれに付随する防御フィールドの総称であるフィールドタイプの防御魔法の一つ。
魔導師が戦闘時に纏う、魔力で構成された衣服でありミッドチルダ式の場合は特にバリアジャケットと呼ぶ。
衣服だけではなく、衣服に覆われていない部分やデバイス本体も防御フィールドを生成して身を守ったり、空気抵抗を無効化している。
魔力で出来ているので、発動中(身に付けている間)は常に術者の魔力を消費し続ける。 このため、基本的には必要な時のみにしか装備しない。
・飛行…空中を自由に飛ぶ魔法。本編中では、ほぼ全員がごく自然に使って派手に空戦を繰り広げている。
・スティンガースナイプ…魔力光弾(スティンガー)をコントロール、一発の射撃で複数の対象を殲滅する魔法。
発射後、光弾は術者を中心に螺旋を描きながら複数の目標を貫通し、ある程度魔力を失った時点で空中にて螺旋を描きつつ魔力を再チャージした後、術者のキーワードで再度加速してさらに攻撃する。
なお使用時にクロノが発する「スナイプショット」は弾丸加速のキーワードである。
・スティンガーレイ…高速な光の弾丸を発射する。
威力自体はそれほど強くはないが、速度とバリアの貫通能力が高いため、対魔導師用としては優秀な魔法。
対象抑止に高い効果を発揮する。
・スティンガーブレイド・エクスキューションシフト…魔力刃「スティンガーブレイド」の一斉射撃による中規模範囲攻撃魔法。
少なくとも一度に百発以上は発射可能で魔力刃には環状魔法陣が付いており、それぞれ別の敵に攻撃することができるため集団戦に最適な魔法。
また、魔力刃の爆散による視界攪乱の効果もある。
・ブレイクインパルス…杖、または素手での接触により、目標の固有振動数を割り出した上で、それに合わせた振動エネルギーを送り込んで粉砕する魔法。
固有振動数の算出のために、目標に接触した状態で数瞬の停止が必要。
魔法の能力のみならず、近接戦闘能力も要求されるが、最小限の魔力で最大の効果を上げることができる。
あらかじめ水の固有振動数を記録しておけばタイムラグなく発動できると思われるが局員として生物に対して使用してはならない魔法であるためよほどの事がない限りこの手段は使えない。
性質上非殺傷設定が意味を為さない一長一短ある魔法である。
・ブレイズカノン…ブレイズ(炎)の名の通り、熱量を伴う砲撃魔法。
高町なのはのディバインバスターと比較して射程に劣るが威力と速度は同等以上。
大威力の瞬間放出を上手く制御して、長時間放出による隙を作らないような調整をされているため連射が可能。
・ディレイドバインド…不可視の設置型捕獲魔法で、特定空間に進入した対象を捕縛する。
チェーンバインドと同様魔力の鎖で相手を捕らえる。
クロノは他の魔法の発射前に予めこちらを詠唱をしておくという戦法を使う。
詠唱は「蒼窮を駆ける白銀の翼、疾れ風の剣」。
・ストラグルバインド…対象の動きを拘束し、なおかつ対象が自己にかけている強化魔法(変身魔法等)を強制解除する捕獲魔法。
魔力で体を構成した魔力生物に対しては武器にもなる。
魔法による一時強化が施された対象や魔法生物に対して高い効果を持つ反面、副効果にリソースを振っている分、射程・発動速度・拘束力に劣る面がある。
このためクロノ自身も「あまり使い道がない」と評している


162 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:20:05 fTKvDGKQ0
・エターナルコフィン…クロノがデュランダルを用いて使用する、 本来はランクSオーバーの高等魔法であるが、デュランダルの氷結特化性能とクロノが長年培った魔力変換・温度変化技能が合わさりほぼ完全な形で使用されている。
攻撃目標を中心に、付近に存在するもの全てを凍結・停止させることを目的とした魔法であり、その威力は「闇の書の闇」を海ごと凍らせた。
温度変化魔法であるため通常のバリア・シールドでは防御はきわめて困難であり、これの対象とされたものは温度変化防御のフィールド系防御で対抗せねばならない。
同時に「攻撃対象特定が困難」「発動が遅い」「消費魔力が大きい」という欠点も抱えているが、対大型対象戦や集団戦においては戦局を変える切り札となり得る。
通常の生命に用いた場合この魔法は対象生物の命を奪うことはなく、破壊や加熱などで外部から凍結が解除されない限りその対象を半永久的に凍てつく眠りへと封じ込める。
しかしサーヴァントに魔力を供給する必要がある聖杯戦争でこの魔法を行使するのは非常に困難であり、使用するならデュランダルの魔力貯蔵機構を活用するなど時間をかけた入念な事前準備が不可欠である。
詠唱は「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ 凍てつけ!」。

この他、防御、治癒、探知、結界魔法など独立汎用型の魔導師として必要な技能は全て修得している。

【人物背景】
次元航行艦「アースラ」艦長、リンディ・ハラオウンの息子で、十四歳にしてアースラ所属の時空管理局執務官を務める。
クールで無口、かつ生真面目と人当たりのきつい性格でジェエルシードを一気に手に入れようとするフェイトを助けようとしなかったり、ヴォルケンリッターに対して強い憎悪を抱くなど正義感が非常に強い故に冷徹さもあるがたとえ理に適っていても自分の信念に反すれば突っぱねる強さ、熱血さを持ち、フェイトやはやて、ヴォルケンリッター達の罪の軽減のために尽力するなど、普段は表に出さないが深い優しさを持つ。
またエイミィの寝癖が気になって直してあげるなどお茶目な一面もある。
三歳の頃に「闇の書」の暴走により局員であった父・クライドを亡くしており、五歳の時に父の師匠でもあったリーゼロッテ、リーゼアリア姉妹に弟子入りしている。
若輩でありながら優れた実力を持っているのは生来の生真面目な性格と父の死を契機とした厳しい修練(当初はリーゼロッテ・アリアとのスパルタに近いしごき、それ以後はたゆまぬ自助努力)によって勝ち得たものである。
リーゼ姉妹の指導を受けていた頃は滅多に笑わない子供であったが、士官学校時代にエイミィと出会ったのが精神的にプラスとなった模様。
フェイトという妹的存在が出来てからは少しずつ優しさを表に出すようになった。
【方針】
序盤は情報収集に専念してある程度情報を集めてから改めて具体的な行動計画を策定する。
もしその過程で殺し合いに消極的、否定的なマスターがいれば様子を見つつ保護する。
デバイスの非殺傷設定は極力解除せず、殺人行為はやむを得ない場合にのみ限定する。


163 : クロノ・五代 ◆ui4kQCcLNk :2014/07/02(水) 20:23:11 fTKvDGKQ0
これにて投下を終了します
誠に勝手ながらステータス作成に関して、小野寺クウガのものを参考にさせていただきました
不都合があれば後々説明文や表現を変更致します


164 : 井之頭 五郎&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:11:39 6l1ARjgg0
投下します。


165 : 井之頭 五郎&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:12:36 6l1ARjgg0
いきなり間違えました。ごめんなさい。


166 : 井之頭五郎&ライダー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:15:11 6l1ARjgg0
直ってないorz
とりあえず無駄にレス消費するのもなんなんで始めます。

############################


(まいったなぁ……。なんだろう、ここは……。)

井之頭五郎は座り込んでいた。。
五郎の仕事で旅をしたどの国とも違う、奇妙な空を眺め、煙草を口に咥え、紫雲を燻らせ、道に備え付けのベンチに座り込んでいた。
五郎は輸入雑貨商であった。それが、倉庫の商材の整理をしていたら、いつの間にか知らない場所にいたのである。

(見たところどこかの町みたいだが……)
(いかんせん土地勘がない。どこへ向かえばいいんだか)
(その上、いつのまにか左手に刺青のようなものができているし。これは困るな)

たまたま所持していた、フランスの古物店で購入した木彫りの置物をなんとなく触りながら、
五郎は愚にも付かない、たわいのない思考を巡らせていた。

「何かお困りですか?」
「ああ、大丈夫です」

そこに一人の男が話しかけてきた。

(若いな。スーツ姿だが……営業だろうか)

「いいえ、あなたは困ってるはずですよ。俺だって困ってるんですから」
「ですから、困って……あ、いや、もしかして、あなたもわけの分からないうちにここに居たクチですか」
「察しが良くて助かります」

五郎は心の中で胸を撫で下ろした。

(どうやら、俺だけという訳ではないらしいな)
(……ん? それっていうのは、つまり、こういうのが他にも居るかもしれない訳で)

「なおさら困るじゃないですか!」
「ええ、そうですね」
「あ、すみません……」

思わず飛び出てしまった大声に、五郎は謝罪した。


167 : 井之頭五郎&ライダー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:16:13 6l1ARjgg0

「まあ、ひとつ、そこのお店にでも入って落ち着きましょう。あ、私、斑鳩真と申します。
 よろしければ、名刺をどうぞ」
「ああ、これはどうもご丁寧に。私は井之頭五郎と申します」

男から名刺を渡され、思わず五郎は返した。

(ん……? どうやら、財布やカードケースは無事なんだな? 煙草もそのままだったし)
(拉致、というには放置がすぎるな。なんなのだろうか)

「へえ、井之頭さんは輸入雑貨商を営んでいらっしゃるんですか!」
「そういう斑鳩さんは……ACE……ACEですか!? あの国際的な人材会社の!」
「ええ、まあ。と、言っても既に引退してるんですけどね」
「いや、でもお若いのに素晴らしい。私はこういう商売なもので、ACEのお噂は色んな所から聞こえてくるんですよ」
「お上手ですね、井之頭さんは」
「とんでもない。あなたのお勤めだった会社が、それだけ立派なのですよ」
「否定はできませんね。私も誇りを持って勤めていたのですから。ただ、死んじゃったんですけどね」
「死んだからと言って、あなたのお仕事……え、死んだ?」
「そうなんですよ。でも、あなたのサーヴァント・ライダーとしてここに呼ばれちゃったみたいで」

(サーヴァント? ライダー? もしかして、関わっちゃいけない人だったのだろうか)

五郎は怪訝な顔をした。初見の他人がおかしなことを言っているのだ。当然である。
しかし、五郎にはどうしてもこのスーツの青年が、気が触れているようには見えなかった。

「そんな顔しないでくださいよ、私だって非常に理解しがたい話をしているのは自覚しています」

ともなれば、この、困ったような顔になった青年を追い払おうとするのも気が咎めてくる。

(まあ、腹もペコちゃんだし……たまには知らない人間と飯を食べるのも悪くないか)

「分かりました、そこのお店で食事でもしながらお話をお聞きしましょう」
「ありがとうございます。井之頭さんが話の通じる人で良かった。これが百舌鳥なら……ああ、なんでもありません」

(部下かなにかだろうか? やはり、会社勤めだとそういうのも大変だろうな)
(やはり、俺は一人で十分だな)
(それにしても、この青年と飯食った後……どうなっちゃうんだろうなあ、俺……)


168 : 井之頭五郎&ライダー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:19:10 6l1ARjgg0
クラス】ライダー

【真名】斑鳩 真

【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運C 宝具D

【属性】
 中立・善 

【クラススキル】
 騎乗:B(C)
人造の機械に限り、ありとあらゆる物を乗りこなすことができる。
  ライダーのクラスにより生物に対する騎乗も可能だが、本人が乗り気でないためランクは落ちる。

 対魔力:E
  騎兵のクラスに付与される対魔力。英霊自身に魔術的なものと遭遇する経験がないため最低限のものになっている。
 無効化はできないが、ダメージをいくらか低減できる。

【保有スキル】
 心眼(真):A
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
  窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す判断能力。
 ナビゲーショ:C
  一度通った道の構造、状況を完全に把握し、記憶できる。
  ただし、自身の経験に無い専門知識を必要とするトラップは看破できず、
  破壊や劣化等の変化が有った場合は把握しなおす必要がある。

【宝具】
『万機の操術士』(スーパーマルチドライバー)
 ランク:D 種別:対物宝具 レンジ:-- 最大補足:1
  ありとあらゆる機械仕掛けの乗り物を乗りこなし、ありとあらゆる任務をこなした逸話の具現。
  操縦するありとあらゆる物をDランク相当の宝具と化し、装甲に自身の持つ対魔力を付与する。
  また、自身の敏捷、幸運も1ランクアップし、仕切り直しのスキルを得る。

【weapon】
 無し。ACEエージェントとしてあらゆる乗り物を使用したのが仇となり、象徴となる武器が現れなかった。

【人物背景】
 皆川亮二作品「D-LIVE」の主人公、斑鳩 真の父。
 国際的人材派遣会社「ACE」に所属する、ありとあらゆる乗り物を扱うエージェント、スーパーマルチドライバーだったが、
 「東洋の破壊王(アジアンクラッシャー)」の異名を持つ元傭兵、火浦 剛斉との戦いの際、仲間を庇い負傷し、
 仲間と分断され負傷の影響により殺害された。なお、火浦は後に負傷が無ければ殺せなかったと回想している。
 非常に冷静で、分析能力と機転に富むが、言動にもそれが反映されているため、頭でっかちで説教じみているともとれる。
 元傭兵の同僚を、登山で引きずり回せる程の体力を持つが、何かの乗り物が無ければ戦闘技術を持たない。

 
【サーヴァントとしての願い】
 無念はあるが、それ以上に生前の同僚を信頼しているため、願いは無い。
 あえて言うならば、ACEエージェントとして五郎の依頼を完遂したい。

【基本戦術、方針、運用法】
 とにかく機械系統の乗り物に騎乗したい。
 それができなければ、すこしサバイバル能力に長けるだけのおじさんである。
 ぶっちゃけサーヴァントとしての本分を果たすことすら難しいだろう。
 逆に、騎乗スキルさえ発揮できれば、戦闘能力を得、さらには逃走など生存には類を見ない能力を発揮するだろう。


169 : 井之頭五郎&ライダー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:20:47 6l1ARjgg0
【マスター】
 井之頭 五郎(いのがしら ごろう)

【参加方法】
 ムーンセルによる召還。
 個人経営の雑貨輸入商である五郎の商材の中にゴフェルの木片が加工されたものが混ざっていた。

【マスターとしての願い】
 無し。というかまず状況を理解していない。

【weapon】
 無し。

【人物背景】
 海外の輸入品を取り扱うため、ある程度の審美眼がある。
 商談の交渉から経営、経理、倉庫の管理まで個人で執り行っている模様。
 また、嗜む程度に肉体を鍛えており、一般人ならば容易く制する程度には古武術が扱える。

『人物背景』
 漫画、「孤独のグルメ」の主人公。
 個人経営の輸入雑貨商を営むいつもスーツ姿のハードボイルドな中年。
 商売は上手くいっているようで、結構良い車に乗り、しかも度々乗り換えており、昼間から焼き肉食ったり、
 夜食にコンビニで2000円近く買い物していたり、経済状況からその手腕がうかがえる。
 基本的に物腰は柔らかく、周囲に合わせようとする良識人だが、半端に決断力があるのか結構思い切った行動にもでる。
 そし大体てほろ苦い思いをする。作中は基本一人のためボッチに見えるが、友人にお弁当のアドバイスを貰ったり、
 商談の相手に甘味所を紹介してもらったり、女優と付き合ったことがあったり、別に人間関係が苦手ということは無いと思われる。

【方針】 
 無事に帰りたい。


170 : 井之頭五郎&ライダー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:22:27 6l1ARjgg0
投下終了です。
色々ご迷惑おかけしました。


171 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/02(水) 21:28:17 iHY1yQys0
皆様投下乙です。
続いて私も投下させていただきます。


172 : 井之頭五郎&ライダー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 21:29:39 6l1ARjgg0
なんどもすみません、サーヴァントのクラス表修正させていただきます。

【クラス】ライダー

【真名】斑鳩 真

【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運C 宝具D

【属性】
 中立・善 

【クラススキル】
 騎乗:B(C)
  人造の機械に限り、ありとあらゆる物を乗りこなすことができる。
  ライダーのクラスにより生物に対する騎乗も可能だが、本人が乗り気でないためランクは落ちる。

 対魔力:E
  騎兵のクラスに付与される対魔力。英霊自身に魔術的なものと遭遇する経験がないため最低限のものになっている。
 無効化はできないが、ダメージをいくらか低減できる。

【保有スキル】
 心眼(真):A
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
  窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す判断能力。
 ナビゲーション:C
  一度通った道の構造、状況を完全に把握し、記憶できる。
  ただし、自身の経験に無い専門知識を必要とするトラップは看破できず、
  破壊や劣化等の変化が有った場合は把握しなおす必要がある。

【宝具】
『万機の操術士』(スーパーマルチドライバー)
 ランク:D 種別:対物宝具 レンジ:-- 最大補足:1
  ありとあらゆる機械仕掛けの乗り物を乗りこなし、ありとあらゆる任務をこなした逸話の具現。
  操縦するありとあらゆる物をDランク相当の宝具と化し、装甲に自身の持つ対魔力を付与する。
  また、自身の敏捷、幸運も1ランクアップし、仕切り直しのスキルを得る。

【weapon】
 無し。ACEエージェントとしてあらゆる乗り物を使用したのが仇となり、象徴となる武器が現れなかった。

【人物背景】
 皆川亮二作品「D-LIVE」の主人公、斑鳩 真の父。
 国際的人材派遣会社「ACE」に所属する、ありとあらゆる乗り物を扱うエージェント、スーパーマルチドライバーだったが、
 「東洋の破壊王(アジアンクラッシャー)」の異名を持つ元傭兵、火浦 剛斉との戦いの際、仲間を庇い負傷し、
 仲間と分断され負傷の影響により殺害された。なお、火浦は後に負傷が無ければ殺せなかったと回想している。
 非常に冷静で、分析能力と機転に富むが、言動にもそれが反映されているため、頭でっかちで説教じみているともとれる。
 元傭兵の同僚を、登山で引きずり回せる程の体力を持つが、何かの乗り物が無ければ戦闘技術を持たない。

 
【サーヴァントとしての願い】
 無念はあるが、それ以上に生前の同僚を信頼しているため、願いは無い。
 あえて言うならば、ACEエージェントとして五郎の依頼を完遂したい。

【基本戦術、方針、運用法】
 とにかく機械系統の乗り物に騎乗したい。
 それができなければ、すこしサバイバル能力に長けるだけのおじさんである。
 ぶっちゃけサーヴァントとしての本分を果たすことすら難しいだろう。
 逆に、騎乗スキルさえ発揮できれば、戦闘能力を得、さらには逃走など生存には類を見ない能力を発揮するだろう。


173 : ◆UqRYQeseDg :2014/07/02(水) 21:32:57 iHY1yQys0
あれ、名前が違う。
>>74で投下した者と同じ人です。
とりあえず先に投下します。





「ちょっと美神さーーーん!!!」


街の真ん中で叫んでる男がいた。
青年というよりもまだ少年と言ったほうがいい年齢ではある。

赤いバンダナに青のジーンズ。どこか軽薄そうな雰囲気を漂わせる。
少年の名は横島忠夫。美神令子除霊事務所の超薄給かつ奴隷同然の待遇で、彼女の助手(アルバイト)である。
普段の彼は所長の美神令子と同僚のおキヌちゃんと一緒に悪霊退治に精を出しているはずなのになぜこんな所にいるのか。
彼がこの戦争に参加した経緯を説明しよう。


始まりはオカルトGメンの西条の訪問だった。
普段は国家公務員として妖怪や悪霊退治、超常現象の解決などを行う彼がきたのも当然訳があった。
曰く、ICPOの通達で万物の願いを叶える聖杯の存在が確認された。
悪意のある第三者に渡る前に回収したいがアシュタロスとの事件などにより人手がとても足りないので、
信頼の置ける民間のGS(ゴーストスイーパー)にも協力を要請したいらしい。
ただし死の危険が高いため強制では無いとの方針を伝えた。
その以来を了承した美神だったがここで1つ問題が生じた。
彼女の本職はGS、悪霊や妖怪、悪魔といった相手の専門家であるが、同職のGSや魔術師などには効果が薄い。
また英霊であるサーヴァント相手にも得意の卑怯な策も通じないと考えたが、高額の報酬と聖杯は是が非でも欲しい物である。
そこで彼女が講じた作戦が……



「なんで俺一人でいくんですかぁーーーー!」
「五月蝿いわね!あんたの能力のほうがこの仕事には向いてるのよ。私もおキヌちゃんもこういった戦いにはあまり得意じゃないの。
プロなら文句言わずにさっさと行きなさい」
「そんなぁーーー!?」

鼻水を垂らしながら泣き喚く助手に苛立ちながらも、こういった事になる事は予想済みである。
美神は胸を押し付けるように腕を絡め、耳元でフッと息を吹き…

「お願い横島君…聖杯を持ち帰ってくれたら――――――同じ部屋で一夜を過ごしてもいいわよ」
「やらせていただきます!!」

見事な敬礼をしながらもあまりの単純さに一抹の不安を覚えるが…

(まあこいつなら大丈夫でしょ。実戦は積んでるししぶといし、何より悪運だけは強いから何とかなるでしょ)

一見すると放置とも取れる態度の裏には、横島に対する確かな信頼があった。


174 : 横島&ライダー  ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/02(水) 21:34:11 iHY1yQys0






そうして経緯を経て聖杯戦争に参加した横島。
この日のために文珠(もんじゅ)のストックを貯めこみ、破魔札や見鬼くんといった装備もオカルトGメンに要求することもできた。
記憶の封印も予め文殊で記憶をストックしたためすぐに思い出して予選を突破することができた。
できる限りの準備を整えこの場にいる横島だったが…


「やっぱ死ぬのはこわいんじゃあーーー!!」

肝心の中身がダメダメだった。例え英霊とやらを使役できても自分なんかじゃ歴戦の魔術師に勝てるとは思わない。
こうなったら最後の方まで隠れていようと画策していると―――

「おーい、君が僕のマスター?」

後ろからかけられた声にばっと振り向く。

(どうか強いサーヴァントでありますように!)

藁にも縋る思いで振り返った先にいたのは、胸元に獅子のエンブレムが施された鎧に、ファーの付いたマントを上から羽織っている。
小手や鎧の一部、マントとブーツは白く色取られており、白騎士としての名残りが感じられた。
ピンク髪を三編みにし、黒いリボンの髪飾りを付け、太股をちらりと見せるガーターベルトがフェミニンな雰囲気を醸し出している。
極めつけは口元からちらりと見えるチャームポイントの八重歯。
どう見ても美少女です。ありがとうございます!!

「ずっと前から愛してましたー!!」
「初対面だよっ!?」

全力で飛びつく横島をなんとか受け止めながら改めて自己紹介をする。

「それで?君が僕のマスターかい?」
「ハイ!あなたのマスターの横島忠夫です!」

どこからか取り出したバラを捧げながら跪く横島を面白そうに眺めながらも、情報交換を続ける二人。

「それでマスターの望みは一体なんなんだい?」
「俺の場合は仕事で聖杯の確保に来てるから聖杯を持ち帰ることが願いになるのか?あんたは、えーと?」
「ライダーだよ」
「ライダーの願いは無いのか?サーヴァントは願いが有るから召喚に応じるんだよな?」
「一概には言えないんだけどね。暇つぶしで参加する英霊もいれば、生前果たせなかった忠義を貫きたいって騎士もいるし。
僕もそこまで叶えたい願いは無いよ。しいて言うなら受肉して現世をうろつきたいかな」

だからさ…っと横島に手を差し出すライダー。

「とりあえずはタダオのお仕事を手伝うよ。一緒に頑張ろうね」
「っああ、宜しくなライダー!」

お互いに硬い握手をかわすと、ライダーは黄金の槍を掲げ

「我が名はシャルルマーニュが十二勇士アストルフォ!我が名に賭けて主に勝利を献上すると宣言する!……なーんてね。気楽に行こうタダオ」
「うむ!では早速英気を養うために一緒に風呂にでも入るか!」
「男同士の裸の付き合いだね!了解だよ!」
「……え?男、嘘だろっ!!?」
「ホンとだよ」

クルリと後ろを向き近くにあった木に近づくと何所からか藁人形を取り出し―――


「神も仏もいないんじゃぁーーーーー!!!」

全力で釘を打ち続けたのだった。


175 : 横島&ライダー  ◆HUcCB15i0Y :2014/07/02(水) 21:35:47 iHY1yQys0





【クラス:ライダー】
【真名:アストルフォ@Fate Apocrypha】
【パラメーター】
筋力D耐久D敏捷A魔力B幸運A+宝具C
【属性】
 混沌・善 
【性別】
???
【スリーサイズ:B71/W59/H73】
【クラススキル】

対魔力:A A以下の魔術はすべてキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではアストルフォに傷をつけられない。
宝具である「本」によってランクが大きく向上しており、通常はDランクである。

騎乗:A+ 騎乗の才能。獣であるならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。
ただし、竜種は該当しない。

【保有スキル】

理性蒸発:D 理性が蒸発しており、あらゆる秘密を堪えることができない。
味方側の真名や弱点をうっかり喋る、大切なものを忘れるなど
最早呪いの類。このスキルは「直感」も兼ねており、戦闘時は
自身にとって最適な展開をある程度感じ取ることが可能。

怪力:C- 筋力を1ランクアップさせることが可能。
ただし、このスキルが発動している場合は1ターンごとにダメージを負う。

単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能


【宝具】

恐慌呼起こせし魔笛(ラ・ブラック・ルナ)
 ランク:C
 種別:対軍宝具
 レンジ:1〜50
 最大捕捉:100人
竜の咆哮や神馬の嘶きにも似た魔音を発する角笛。
レンジ内に存在するものに、爆音の衝撃を叩きつける。
対象のHPがダメージ以下だった場合、塵になって四散する。
善の魔女・ロゲスティラがアストルフォに与え、ハルピュイアの大群を追い払うのに使用された。
通常時は腰に下げられるサイズだが、使用時はアストルフォを囲うほどの大きさになる。

触れれば転倒!(トラップ・オブ・アルガリア)
 ランク:D
 種別:対人宝具
 レンジ:2〜4
 最大捕捉:1人
騎士アルガリアの馬上槍。金の穂先を持つ。
殺傷能力こそ低いものの、傷をつけただけで相手の足を霊体化、
または転倒させることが可能。
この転倒から復帰するためにはLUC判定が必要なため、失敗すれば
バットステータス「転倒」が残り続ける。ただし、1ターンごとにLUCの上方修正があるため、成功はしやすくなる。


176 : 横島&ライダー  ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/02(水) 21:36:44 iHY1yQys0


魔術万能攻略書(ルナ・ブレイクマニュアル)
 ランク:C
 種別:対人(自身)宝具
 レンジ:-
 最大捕捉:1人
さる魔女から譲り受けた、全ての魔術を打ち破る手段が記載されている書物。
所有しているだけで、自動的にAランク以下の魔術をキャンセルすることが可能。
固有結界か、それに極めて近い大魔術となるとその限りではないが、その場合も真名を開放して、
書を読み解くことで打破する可能性をつかめる。
・・・が、アストルフォはその真名を完全に忘却している。
魔術万能攻略書も適当につけた名である。
また、ステータスの一部が落書きされて読み取れなくなっているのも、この宝具の効果らしい。
ステータス確認も一種の魔術のようなものであるため、少しだけなら干渉できるとのこと

この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)
 ランク:B+
 種別:対軍宝具
 レンジ:2〜50
 最大捕捉:100人
上半身がグリフォン、下半身が馬という本来「有り得ない」存在の幻獣。
神代の獣であるグリフォンよりランクは劣るものの、その突進による粉砕攻撃はAランクの物理攻撃に匹敵する。
かなりの速度で飛行することが可能らしく、ライダーによれば、「びゅーん」って感じ。
飛ぶだけなら魔力消費も大したことはないらしい。
「ある場面」において絶大な効果を発揮するらしく、能力の一部が伏せられている。

【weapon】
剣・チェインメイル・角笛
【人物背景】
フランク国王に仕える武勇に秀でた12人の配下『シャルルマーニュ十二勇士』の騎士(パラディン)の一人。
設定ではイングランド王の子にしてリナルドの従弟となっていたので、恐らくオットーに嫁いだ母親がシャルルマーニュの親族であると云われている。

この世に並ぶもの無き美形ながら、「理性が蒸発している」と例えられるほどのお調子者。
冒険好きのトラブルメーカーで、どこにでも顔を出し、トラブルに巻き込まれ時には巻き起こす。
悪事を働くという概念がなく好き放題暴れまわるが、最悪の事態には踏み込まないというお得な性格。

『狂えるオルランド』では、失恋で失われたオルランドの理性を取り戻すため、月にまで探索行に赴いている(月には地上で失われたすべてのものがある)。
ここで彼(彼女)はオルランドの理性と自分の理性を取り戻して帰還。
だが時間が経つと、彼(彼女)の理性はまた蒸発してしまった。
最後にはローランや他の大勢の騎士とともにロンスヴォー峠の戦いで戦死する。


【サーヴァントとしての願い】
特になし、しいて言えば受肉して現世を遊びまわりたい。
【基本戦術、方針、運用法】
基本行動はほぼマスターに一任する。ただし英雄としての誇りは忘れない。
能力値は幸運が突出するのみで比較的低水準であり、宝具に関しても特筆して強力と言う訳ではない。
自身も言うように「弱いサーヴァント」の部類に入り、一対一の戦いで勝利を掴むのは難しい。
かといって性格的には到底謀略に向いておらず、通常の聖杯戦争においては開始時点で詰んでいるレベルの厳しい戦いを強いられる。
しかしながらサポート役として見た場合、「命中すれば抵抗出来ない致命的な状態異常宝具」
「高速飛行乗騎と騎乗A+による高い移動力」「雑魚散らし用の対軍宝具」「対魔力Aと幸運A+で致命的状況に陥りにくい」
「理性蒸発により臆する事がない」と、チートと言っても良いレベルの高い能力を誇る。
他の英霊の補助として運用する事でその真価を発揮する、「聖杯大戦向けのサーヴァント」の一騎と言えるだろう。


177 : 横島&ライダー  ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/02(水) 21:37:57 iHY1yQys0
【マスター】
横島忠夫@GS美神 極楽大作戦!!
【参加方法】
オカルトGメンの伝手により参加権の触媒より聖杯にアクセス
【マスターとしての願い】
聖杯を持ち帰る(ただし自身の生存が第一)
【weapon】
破魔札・霊体ボウガン・見鬼くんなどの霊具一式
【能力・技能】
サイキック・ソーサー
横島が自身の能力(霊力の形状変化)を最初に発現した技。
小竜姫のバンダナによって引き出された力の一遍を六角形の盾状にした物で、掌に霊力を一点集中する防御主体型。
広げた掌大の大きさしかないが、その分霊力が圧縮されはじかれはしたものの破壊された事は無い。
非常に強靱な防御力を誇るが霊力のコントロールを一点に集めすぎた為、
肉体は霊的にもまったくの無防備となる(ただし、完全にそうなるのは当初の横島くらい)。
フリスビーのように投擲することで攻撃にも使用でき、使い手によっては投擲後の遠隔操作も可能。
威力はそこそこの破魔札クラス。GS試験では横島と雪之丞が使用し、ダブルKOとなった。二人の能力向上と変化に伴い使用されなくなる。

栄光の手(ハンズ・オブ・グローリー)
香港編で横島が身に付けた霊力で作る武器。
魔装術の様に右手に霊力を集中させる事で作られる霊波刀の一種。
初期発現時はパーツ状の装甲が手を覆っている形だったが、
最終的には手首全体を覆うグローブ状の籠手となった。
応用力が広く、マジックハンドの様に伸ばすなど様々な形状になるが、
刀剣状の形で使われる事が多かった。
当初は斬れ味の方は今ひとつで斬るというより殴るのに使われた
(横島自身のイメージにもよるが、本来の力を発揮するのは刺した時)。
後述の文珠が登場してからは主戦武器の地位を追われたが、文珠とは違い咄嗟の使用が出来るためにその後も引き続き使われた。
注がれる霊力次第で伸びたり巨大化することも可能。
「究極の魔体」にトドメを刺したのもこの技である。
その名に違わず栄光を掴む手で、この能力を発揮しだしてから横島が美神の主人公の座を脅かすようになる。

サイキック猫だまし
美衣、ケイの猫又母子の事件で美神と対立した際に見せた「栄光の手」の応用技。
相撲の猫だましを霊力を込めて打つだけだが、霊的な閃光が発生し、霊的視覚を持つ存在には多大な効果を発揮する。


178 : 横島&ライダー  ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/02(水) 21:38:48 iHY1yQys0
文珠(もんじゅ)
霊力をビー玉程度の大きさに凝縮したもので、漢字一文字の念を込めることで様々な効果を起こす事ができる
(例:対象を爆破する「爆」、攻撃から守る「防」等)。
ヒャクメによると「力の方向を完全にコントロールする能力」。
これを作り出せるのは後に神となった菅原道真を除いて人間は作中では横島のみ。
攻撃、防御、治癒、撹乱とその能力は多岐にわたる。
また、一度作り出した文珠は意識下にストック出来る他、念を込めて漢字が書かれた後でも、
その文殊を使用しなければ後から別の文字を上書きする事も可能、さらに横島本人以外にも使用できる。
使われなければ消滅せず残るので一種の霊具ともいえる。
複数の文珠を組み合わせることでより強力な効果を生み出すこともできるが、
そのコントロールには超人的霊力が必要となり、誰でもたやすく出来るものではない。
27歳の横島は修行により最高14文字をコントロールできるようになった。17歳の横島でも2文字までなら可能。
使い手以外の人間に可能かは不明。
「模」の一文字でアシュタロスの強大な能力や思考・記憶をコピーしたり、「蘇」で消滅しかけたグーラーを回復させたり、
霊力とはまったく関係ない能力(西条談)を発揮できる一方で制限や弱点も多い。
効果は術者のイマジネーションも関係するため、必ずしも本人の意図に沿うものではない。
たとえば、敵を倒すために「倒」と字を込めても文字通り「倒れる(転倒する)」だけに留まる、など
「具体的な効果」をイメージしないと無駄遣いになる他、対象の状態が不適当だと能力は発揮されない事もある
(崩壊した美神の魂を「復」「活」させようとしたが、崩壊が進みすぎていたため不可能であった、など)。
また持続時間と持続能力には限界がある(防御に使った場合には一定以上のダメージを受けると壊れる)。
一度作った文殊は横島の意識下にストック出来、必要に応じて呼び出せるが、一個作成するのに当初は一週間 - 数日の時間が掛かるため、
連続使用をするとストックがなくなる(ただし生成速度は横島の成長や精神状態にも左右される)。
アシュタロス戦の終盤で瀕死の重傷を負った横島がルシオラの霊体を取り込み強化された事で、
太極型に変化し、一つの文珠に2文字記入して使用できる上(例:「飛・翔」「粉・砕」等)、一度の使用では消滅しなくなった。
普通の文珠とは桁違いの威力を発揮し、超上級魔族のアシュタロスに傷を負わせることが出来た
(最も力の差が大きすぎる為指摘されなければ分からない程度の傷では有ったが)。
しかしこの文珠は一時的な副作用による産物の為かアシュタロス戦以降作中では姿を現すことはなかった
(もっともその後は本当に必要となるほどの強敵が出ていない事情もある)。
【人物背景】
17歳の高校2年生。身長175cm。
1976年6月24日生まれ。血液型O型。
海外赴任中の両親と離れ、アパートで下宿中に偶然見かけた美神の色香に迷い、
超薄給かつ奴隷同然の待遇で、彼女の助手(アルバイト)を始める。
頭に巻いているバンダナがトレードマーク。
好きなものはハンバーグ、嫌いなものはタマネギとヤモリ
(美神にヤモリを食わされそうになってタマネギとヤモリは嫌いと泣き叫ぶのがお約束)。
女性の姿形をしていれば神も人外もなく欲情する煩悩のカタマリ。
見境無くアタックやセクハラを繰り返し、しばしば美神の着替えや入浴を覗いては半殺しの目に遭う。
一度激怒した美神に通報され、チカンで警察に逮捕されている。
女性が原因で散々な目に遭い続けるが全く懲りない。一方でロリコンは否定している。
また口では過激なことを要求する割に奥手で、相手がOKだと言うと急に腰がひける臆病者。
また、自分に向けられた純粋な好意に対しては超が付くほど鈍感。
劣等感の塊で、ひがみ根性が強く、ピートのようなイケメンや大樹、
西条のようにデキる男に対しては敵意を抱き、隙あらば容赦がない。


179 : 横島&ライダー  ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/02(水) 21:41:50 iHY1yQys0
また女好きだが女性を蔑視した発言も多い上、おキヌやルシオラ(場合によっては美神も)
のように自分に恋愛感情を持つ女性に対してカッコつけたがる反面、思った事をすぐ口に出してしまうため肝心なところでどつきたおされる。
父母の血ゆえか商才に恵まれ、オカルトGメン参加のため不在だった美神に代わって所長代理となった際には、
食いはぐれていた仲間のGSたちに協力を呼びかけ大幅な黒字を計上している。
遊びに関しても天才的な才覚と情熱を持っており、小学生時代はミニ四駆の全国大会で3年連続優勝を飾るほどの伝説的な腕前を持ち、
「浪速のペガサス」の異名を持つ。呪われたクレーンゲームにおいても美神たちが囚われたときは一人で全員を救助した。
小竜姫の指摘でかなりの霊能力を持つことが示唆されていたが、魔族との戦いが本格化した劇中中盤以降で全GS中最高の潜在能力を開花させる。
身体能力・反射神経ともに異常に高く、至近距離から撃たれた銃弾を見切り、「ゴキブリ並みの生命力」といわれるほど打たれ強い
(普段から美神に折檻されているせいでもある)。
ただ横島にとって霊力以上の武器が「機転」であり、
絶体絶命のピンチを発想の転換で乗り切る場面は初期からみられる。
文珠習得後は咄嗟のアイデアを実現させる機会が広がり、アシュタロスさえも手玉にとった。
絶大な力を秘めているものの、その力を引き出せるかどうかは煩悩に左右される。
“人間的に成長したがため煩悩がなくなり逆に霊力が落ちる”といったあまり例のない事態にも遭遇する。
【方針】
自身とライダーの生存を第一に考えて行動する。
積極的に戦わずに基本は逃げの方針。
拠点に篭るのではなく機動力を活かし一撃離脱や情報収集を取る。
戦闘は出来る限り避け序盤は準備と情報収集にあてる。
敵に遭遇した場合は宝具を使って離脱。
ただし助けを求める声が聞こえたらなんだかんだで助けると思う。
でもやっぱり自分たちの安全を最優先にしたい。
可能であれば誰かと手を組みサポート役に回る。
(そもそも主従揃って一対一で戦うような能力ではない、サポート役に回ってこそ真価を発揮する)


お騒がせして申し訳ありません。
以後はこのID?で統一させていただきます。


180 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/02(水) 21:48:59 Jy713USk0
雨生龍之介&キャスター投下します


181 : ナイトメア ◆Emjcf.lfLU :2014/07/02(水) 21:51:04 Jy713USk0
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



我々はときおり、 悪夢から目覚めた瞬間に自らを祝福することがある。 我々はおそらく、死んだその瞬間をみずから祝福することであろう。


N・ホーソン


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


182 : ナイトメア ◆Emjcf.lfLU :2014/07/02(水) 21:51:42 Jy713USk0

「COOOOOOOOOOLッ!!超COOLだよアンタッ!!」

感激したような叫びだった。


雨生龍之介は世間一般で言う普通ではない。
その異常性を語るには、そしてそれを表すならば、たった一言の言葉で足りるし、伝えることができるだろう。

即ち――『殺人鬼』

彼は主に若い女性や子どもを殺すことが大好きで、その殺し方は非常にバリエーション豊富かつ残虐な物。
しかし、そういった嗜好はトラウマや倒錯した性癖から来るものではなく、一種の好奇心によるところが大きい。

間違いなく狂った異常者。

そして――龍之介と退治している存在も、それと同類だった。

「小僧。お前見所があるじゃないか」

面白がるような口調だった

醜く焼けただれた皮膚に、赤と緑のセーター。そして何よりも特徴的なのは、右手の鋭い鉄の爪。


かつてエルム街の少年少女達を殺害し、住民を恐怖に陥れた殺人鬼。
フレッド・クルーガー。通称"フレディ"である。



龍之介は殺人にマンネリを感じていた。
それを脱却するために行っていたのが儀式殺人。
実家の土蔵にあった古文書と『木片』を参考にして、運の悪い一家を材料に、ちょっとした好奇心で悪魔を呼び出そうとした。

運命の悪戯か――気紛れに使用したその木片は『ゴフェルの木』と呼ばれるものであり、今回の聖杯戦争に参加するための切符でもあったのだ。



龍之介は『二回』それを行った。
今回の聖杯戦争においては、参加者の資格足り得たマスターの予選として、その記憶を剥奪される。
よって龍之介は、つい先ほどまで呼び出される前に行った召喚を忘れていた。
しかし、例え記憶が無くても、根本的な人格は変わっていない。


龍之介とフレディの周囲には無惨な死体が多数転がっている。
龍之介は知らずして同じような召喚を行い、フレディを呼び出した。


サーヴァントの召喚において、通常用いられる媒介を使用せずの召喚では、召喚者に似通った性質のものが現れる。
それゆえだろうか?
マスターである龍之介は、フレディにある種の尊敬の念を感じていた。
殺人に対する独特の美学と、その悪魔的な風貌に痺れたのだ。


「COOOOOOOLッ!!」


悪夢の殺人鬼フレディ・クルーガー
若き殺人鬼雨生龍之介
ふたりは凄惨な光景のなか、愉しそうに語っていた。


183 : ナイトメア ◆Emjcf.lfLU :2014/07/02(水) 21:53:32 Jy713USk0
【マスターステータス】

【出典】Fate/Zero
【名前】雨生龍之介
【性別】男性

【参加方法】
ゴフェルの木が付近にあった状態で遊び半分の召喚を行ったために参戦
予選にてNPCを殺害し(無意識に)再度召喚ごっこを行い正式に参加者となった。

【マスターとしての願い】
特には無い
 
【能力・技能】
フリーターとして生計を立てつつ日本全国を回り、多くの犠牲者を餌食にしてきたものの、才能とすら呼べる己の足を掴ませない周到な手際によって計画性など皆無の犯行でも捜査の手が及ぶことは無かった

【人物背景】
オレンジ色の髪が特徴の、中肉中背の20代の青年。
第四次聖杯戦争におけるキャスターのマスターかつ冬木市を騒がすシリアルキラーである。
数代前に断絶した魔術の家系出身で、実家の土蔵にあった古文書を参考にして儀式殺人を行なっていた際に偶然にも間に合わせのマスターとして選別され、キャスターの召喚に成功した。
今回は同じく土蔵に仕舞われていたゴフェルの木も使用しての召喚のため参戦
主に若い女性や子どもを殺すことが大好きで、その殺し方は非常にバリエーション豊富かつ残虐。
しかし、そういった嗜好はトラウマや倒錯した性癖から来るものではなく、一種の好奇心によるところが大きい。
彼が殺人鬼となったきっかけは、ホラーやスプラッター映画における死の描写では安っぽさや嘘臭さしか感じず、『死の本質』を感じ取れなかったため。娯楽作品の『虚構の死』では、『死』というものの見分ける感性が人並み以上に鋭かった彼から見たら満足できるものではなかった。そして『死の本質』や生命が失われる様に対する好奇心が抑えられなくなった彼は第四次聖杯戦争の5年前に姉を手にかけ初めての殺人を犯した。

【方針】
聖杯戦争に関しては二の次。フレディを無意識に尊敬


184 : ナイトメア ◆Emjcf.lfLU :2014/07/02(水) 22:04:09 Jy713USk0

**【クラス】
キャスター
**【真名】
フレディ・クルーガー
**【出典】
エルム街の悪夢
**【マスター】
雨生龍之介
**【属性】
混沌・悪
**【ステータス】
筋力:B 耐久:C 敏捷:C 魔力:C 幸運:E 宝具:B
**【weapon】
『掻き爪』
フレディ・クルーガーの代名詞とも言える右手の掻き爪

**【クラススキル】
体魔力:C
**【固有スキル】

精神汚染:A
精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。
ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。

悪夢の殺人:A
フレディ・クルーガーが持つ殺人鬼という特性。加害者の彼は被害者の相手に対して常に先手を取れる。
ただし、無条件で先手を取れるのは夢の中でのみ。
現実世界においては幸運判定が必要。

恐怖の権化:B
フレディ・クルーガーの各ステータスは人々が彼を恐怖する度合いによって増加していく。
逆に彼の存在が忘れ去られた場合、無力となる。

変化:A-
夢の中でのフレディ・クルーガーは様々な人物のみならずバイクやテレビなどにも変化可能

**【宝具】
**『悪夢に潜む切裂魔(ア・ナイトメアー・オン・エルム-ストリート)』
ランク:B 種別:結界宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 フレディ・クルーガーが3人の夢魔より与えられた異能。
 一種の固有結界に似て、対象の夢の中に顕れ殺人を行う。
 殺された人物は現実世界においても同様の死に様を見せる。
 現実世界においてフレディ・クルーガーは不死身であり、たとえ倒せたとしてもまた夢の中で復活する。
 そのため夢の中で倒す他無いが、それでもいくつか存在する弱点を突く必要がある。

**【発動後ステータス】
筋力:A 耐久:A 敏捷:B+ 魔力:B 幸運:E+ 宝具:A+

**【人物背景】
映画『エルム街の悪夢』シリーズに登場する人物。ジェイソンと双璧をなすホラー映画の殺人鬼。
 本名フレッド・クルーガーでありフレディは愛称。
 彼の母である修道女アマンダ・クルーガーは手違いにより精神病棟に監禁、強姦された。
 この時に身ごもったのがフレディである。
 成長したフレディは幼児を誘拐しては殺害を繰り返す殺人犯となる。
 裁判における精神鑑定の結果として無罪放免となったため、納得のいかない遺族達によって住処ごと焼き殺されてしまう。
 ところが、フレディの邪悪な魂は3匹の悪魔により怪物として復活し、以後夢の中での殺人を繰り返すこととなる。

**【願い】
エルム街の悪魔の復活


185 : ナイトメア ◆Emjcf.lfLU :2014/07/02(水) 22:04:51 Jy713USk0
以上で投下終了です


186 : ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 22:33:13 6l1ARjgg0
>>168-169の状態表を三度修正させていただきます。
お見苦しくて申し訳ございません。

【クラス】ライダー

【真名】斑鳩 真

【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運C 宝具D

【属性】
 中立・善 

【クラススキル】
 騎乗:A(C)
人造の機械に限り、ありとあらゆる物を乗りこなすことができる。
  ライダーのクラスの恩恵により生物に対する騎乗も可能だが、本人が乗り気でないためランクは落ちる。

 対魔力:E
  騎兵のクラスに付与される対魔力。英霊自身に魔術的なものと遭遇した経験がないため、最低限のものになっている。
 無効化はできないが、ダメージをいくらか低減できる。

【保有スキル】
 心眼(真):A
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
  窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す判断能力。

 ナビゲーション:C
  一度通った道の構造、状況を完全に把握し、記憶できる。
  ただし、自身の経験に無く、専門知識を必要とするトラップは看破できず、
  破壊や劣化等の変化が有った場合は把握しなおす必要がある。

 精神耐性:C
  様々な局面を潜り抜け培った、相手の威圧を跳ね除け、自分のペースを保つ能力。 
  ライダーは殺害される間際にも揺るぐことはなかった。  

【宝具】
『万機の操術士』(スーパーマルチドライバー)
 ランク:D 種別:対物宝具 レンジ:-- 最大補足:1
  ありとあらゆる機械仕掛けの乗り物を乗りこなし、ありとあらゆる任務をこなした逸話の具現。
  操縦するありとあらゆる物をDランク相当の宝具と化し、装甲に自身の持つ対魔力を付与する。
  また、自身の敏捷、幸運も1ランクアップし、仕切り直しのスキルを得る。

【weapon】
 無し。ACEエージェントとしてあらゆる乗り物を使用したのが仇となり、象徴となる武器が現れなかった。

【人物背景】
 皆川亮二作品「D-LIVE」の主人公、斑鳩 悟の父。
 国際的人材派遣会社「ACE」に所属する、ありとあらゆる乗り物を扱うエージェント、スーパーマルチドライバーだったが、
 「東洋の破壊王(アジアンクラッシャー)」の異名を持つ元傭兵、火浦 剛斉との戦いの際、仲間を庇い負傷し、
 仲間と分断され負傷の影響により殺害された。なお、火浦は後に負傷が無ければ殺せなかったと回想している。
 非常に冷静で、分析能力と機転に富むが、言動にもそれが反映されているため、頭でっかちで説教じみているともとれる。
 元傭兵の同僚を、登山で引きずり回せる程の体力を持つが、何かの乗り物が無ければ戦闘技術を持たない。

 
【サーヴァントとしての願い】
 無念はあるが、それ以上に生前の同僚を信頼しているため、願いは無い。
 あえて言うならば、ACEエージェントとして五郎の依頼を完遂したい。

【基本戦術、方針、運用法】
 とにかく機械系統の乗り物に騎乗したい。
 それができなければ、すこしサバイバル能力に長けるだけのおじさんである。
 ぶっちゃけサーヴァントとしての本分を果たすことすら難しいだろう。
 逆に、騎乗スキルさえ発揮できれば、戦闘能力を得、さらには逃走など生存には類を見ない能力を発揮するだろう。


187 : ◆bi4ho.tYN. :2014/07/02(水) 22:34:14 6l1ARjgg0
【マスター】
 井之頭 五郎(いのがしら ごろう)

【参加方法】
 ムーンセルによる召還。
 個人経営の雑貨輸入商である五郎の商材の中にゴフェルの木片が加工されたものが混ざっていた。

【マスターとしての願い】
 無し(というかまず状況を理解していない)

【weapon】
 無し

【能力・技能】
 海外の輸入品を取り扱うため、ある程度の審美眼がある。
 商談の交渉から経営、経理、倉庫の管理まで個人で執り行っている模様。
 また、嗜む程度に肉体を鍛えており、一般人ならば容易く制する程度には古武術が扱える。

【人物背景】
 漫画、「孤独のグルメ」の主人公。
 個人経営の輸入雑貨商を営むいつもスーツ姿のハードボイルドな中年。
 商売は上手くいっているようで、結構良い車に乗り、しかも度々乗り換えており、昼間から焼き肉食ったり、
 夜食にコンビニで2000円近く買い物していたり、経済状況からその手腕がうかがえる。
 基本的に物腰は柔らかく、周囲に合わせようとする良識人だが、半端に決断力があるのか結構思い切った行動にもでる。
 そし大体ほろ苦い思いをする。作中は基本一人のためボッチに見えるが、友人にお弁当のアドバイスを貰ったり、
 商談の相手に甘味所を紹介してもらったり、女優と付き合ったことがあったり、別に人間関係が苦手ということは無いと思われる。

【方針】
 無事に帰りたい。


188 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 22:45:52 TXWPMV2I0
投下、修正お疲れ様です。

鹿野修哉、ライダーで投下します


189 : 鹿野修哉&ライダー ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 22:46:38 TXWPMV2I0


 方舟内に構成された世界も彼の住む世界と色褪せない。
 ビルも建っていれば海も山も存在している。現実世界と変わらない景色が広がる。
 
 少年の目の前には一つ、お墓だ。彼は此処に眠る魂に祈りを捧げていた。
 厳密に言えば方舟内で構成された、言わば本来の墓ではないのだが少年は変わらず行う。
 墓に記された名前は本来の世界で記された名前と同一、彼のために再現されたのだろうか。
 少年は興味を抱かない、いや抱いてはいる。自らを欺いて祈りを捧げていた。

 この墓に眠るのは大切な人、かけがえの無い大切な、本当に大切な人。
 あの人がいたから今の自分が存在している。あの人がいなかったら今の自分は存在しない。
 引き取られた先で暖かく迎えてくれた彼女。心が傷付いた自分達に優しくしてくれた彼女。
 けれどもう逢えない、手を伸ばしてもこの手を握り返してくれない。

 彼女はこの世から存在を消してしまった。
 彼女の両親であり少年達を引き取った夫婦は土砂崩れに巻き込まれこの世界から去った。
 生き残った夫、その時から歯車は異常を来し運命は多重の方向へ砕け散る。
 全ては蛇だ、あの忌々しい蛇が原因だ。崩壊する夏の日、彼らの運命は誰にも止める事は出来なかった。
 そして彼女は彼らを救うためこの世に別れを告げる。少年は止める事が出来ない、目の前にいたのに。
 脳裏に焼きつくのだ、何故あの日僕は躊躇してしまったのか、と。
 誰に求めることも出来なかった。残された少年達に出来る事は打開すること。
 永劫の輪廻の回帰をこの手で終わらせること――少年達は立ち上がった。

「聖杯戦争、軌跡、願い――僕はツイているみたいだね、姉ちゃん」

 彼は偶然聖杯戦争と言う名の願いを叶える手段を知ってしまった。
 最初は半信半疑だったが摩訶不思議な神通力を既に体験済み、確信を持つのに時間は必要ない。
 参加資格はとある木片の所持、ならば持っている連中から奪えば条件は満たされる。
 数々の組織に潜入し辿り着いた木片。手にした時記憶が電子の海へと沈み……気付けば方舟に招かれたいた。


190 : 鹿野修哉&ライダー ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 22:47:22 TXWPMV2I0

 この場に至ったのは不慮の事故でも何でもない。
 少年は自ら聖杯戦争に身を投げ願いのために彼なりの聖戦を始める覚悟で臨んでいる。
 邪魔をする奴に容赦はしない。願いを叶えるのは僕だ、引っ込め、引っ込め。
 全てを欺いてでも少年は彼女のために戦う。そしてあの日の思い出をもう一度呼び覚ますために。

「気は済んだか?」

 少年の背後から男性の声が響く。彼が少年のサーヴァントだ。
 マスターの祈りが終わった頃だと思い声を掛けるも少年は微笑みながら答えた。

「うん。でもそれはこっちの台詞でもあるよね? ライダーは終わったかい?」

 少年だけではない、此処にはライダーに関連ある人物の墓もあり彼は赴いていた。
 マスターに伝えてはいないのだが見抜かれていたようでライダーは舌打ちをしながら頭を掻く。

「喰えねえガキだぜ……」

「ごめんねおじさん! ん……どっちかって言うとお兄さん?」

 内容は両者煽りのように聞こえるも仲は思うよりかは悪くなく充分な会話を取れている。
 少年の大切な人は姉、血は繋がっていなくても大切な存在。
 ライダーの大切な人は妹、苦しい生活を送りながらも大切な時間を過ごした唯一の肉親。
 血の繋がりの違いはあれど大切な存在に変わりはなく両者は互いの心を理解していた。

「ったく……行くぞガキ、俺とお前は他人だが今は一対だ。
 片方が下手をすれば俺達二人まとめて終了、テメェの不手際で退場なんざ御免だからな、理解したか修哉?」

「カノって呼んでね……僕も簡単に負けるわけにはいかないからね。
 ライダーみたいなサーヴァントで良かったよ、これなら願いに辿り着けそうだ」

 戦いを拒む英霊らしからぬ存在。
 秩序を重んじ戦闘に誉れを懸けるサーヴァントなど求めていない。
 求めているのは願いに全力を尽くせるサーヴァント、背中を任せれる相棒。
 
「……テメェはどうやら一般人よりかは魔力……何か力がある。
 その影響で魔力の供給は思っていたよりもマシに感じる、それだけだ。
 ガキ、俺の目の届く範囲で死ぬんじゃねぇぞ?」

 マスターとサーヴァントは共に肩を並べ月明かりの元を歩く。
 嘘を操る少年と空を翔けた竜騎士は互いの大切な存在のため己の聖戦を生き抜く。



「もちろんだよライダー……全てを欺いて最後に笑うのは僕達だからね」


191 : 鹿野修哉&ライダー ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 22:50:18 TXWPMV2I0


【マスター】鹿野修哉@メカクシティアクターズ

【参加方法】自らの意思により参加。(木片は悪の組織から盗んだ)

【マスターとしての願い】アヤノを生き返らせふざけた輪廻を終わらせる。
            
【weapon】なし。
     
【能力・技能】目を欺く力:A…自分の姿及びそれに伴う周囲を欺く力。対象に自分を誤認させ何かに化ける事ができる。
       化けれる者は「実際に対面したことがあり、尚かつ鮮明にイメージ出来る人物及び動物」に限られる。
       対魔力ランクAに相当する能力の前では見抜かれてしまう危険がある。
       
【人物背景】幼少期は母親に虐待されて育った少年。優しい彼はそれでも母親のことが嫌いになれなかった。
      その後孤児院に預けられ仲の良くなった二人の少年少女と共にある一家に引き取られそこで「姉ちゃん」に出逢う。
      彼にとってそれは大切な時間だったが全ての歯車が狂い姉ちゃんは死んでしまう、そして彼らは決意した。
      秘密組織を起ち上げ悪を裁き、謎の正体を追い続けていた。


【方針】全てを欺く。友好関係を他者と築く方針で行くが最後に笑うのは自分。




【クラス】ライダー

【真名】ジード@ファイアーエムブレム覇者の剣

【パラメータ】筋力C 耐久C 敏捷C 魔力D 幸運D 宝具A

【属性】中立・中庸

【クラス別スキル】
 騎乗:B…騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
      ジードは生前竜騎士だったため例外で竜には適正がある。
 対魔力:D…一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【保有スキル】
 竜を駆る者:A…生前竜騎士だったジードは竜と心を通わせており、竜のへの騎乗が可能である。
 カリスマ:D…軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。カリスマは稀有な才能で、一軍のリーダーとしては破格の人望である。
 復讐:C…相手に憎悪を抱けば抱くほど能力が上昇する。
 単独行動:D…マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。

【宝具】

『永遠の相棒』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:50
 生前の相棒だった竜そのもの。騎乗することにより彼は竜騎士へと覚醒する。
 この時手にしている槍も強化される。

『天空の覇者』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:
 更なる高みへと辿り着いた竜の覇者の姿。
 ドラゴンマスターへとクラスチェンジを果たし魔力と宝具を除くステータスが一段階ランクアップする。
 また剣が生成され新たな武器となる。

『腐れ縁の野郎共』
 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉:1000
 生前飛び回った戦場を展開し率いた飛竜隊を召還し襲撃を行う。
 この時召還される飛竜隊の数は30、一人一人に単独行動:Eが与えられる。
 
【weapon】
『槍』…生前愛用していた。特殊な能力は無いが使い慣れているため最大限の能力を発揮できる。

【人物背景】
 妹ともに他人から食料などを奪いながら生活していたがベルンに拾われ戦闘技術を叩きこまれた結果部隊長になる。
 他人を殺すことに戸惑いはないが情は持ちあわせており昔敵対していた対象に対しても困っていれば力を貸す。
 部下からの信頼も厚く、運命が異なっていれば英雄になっていたかもしれない人物。

【サーヴァントとしての願い】
 妹との永遠の平和と安息。

【基本戦術、方針、運用法】
 マスターに従い襲ってくる相手を蹴散らし、此方からも奇襲を仕掛ける……戦闘に戸惑いはない。
 カノの事をガキと思っているがその覚悟と境遇、決意は認めている。


192 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/02(水) 22:51:19 TXWPMV2I0
終了です


193 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:28:43 3qg4ezAA0
桐山和雄&バーサーカー投下します
少し狂化の設定について問題があるかもしれないですが


194 : 桐山和雄&バーサーカー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:31:15 3qg4ezAA0
願い事などなかった。

夢、将来への展望、なりたいもの、やりたいこと。
普通の学生ならば何かしら持っているだろうそれら当たり前のものを、俺は何一つ持っていなかった。

学校へ行き。適当に授業を受け。自分を慕う不良達を率いて喧嘩をすることもあったし。
自分を目にかける養父の元で特殊な教育を受けそれらを全てこなしてきた。

だが、それらに対して何か思ったことは一度もない。
いつからそうだったのかはもう思い出せないし、興味もない。

だから、あのプログラムの中でコインで乗るかどうかを決めた際も。
その結果、多くのクラスメイトを殺していった事実も。
そして最後、七原達に撃たれて死んだあの最後の瞬間も。

何一つ、俺を変えることはなかった。

そして最後の、意識が闇に包まれる瞬間に、俺はここへ呼び出された。

何気ない日常。
かつての自分の生活を思わせる緩やかな時間。

しかし全てを忘れていた俺はそんなものに思いを馳せることなどなく。

やがて何かに引き寄せられるかのように、物置部屋へと足を踏み入れていた。

そして、謎の人形らしきものの襲撃を受け。
人間―――かつて喧嘩したことのあるヤクザ以上には手強い相手ではあったが、どうにか捌き切ることに成功した。

その瞬間、手の甲に痛みを感じると同時、それまで失われていた記憶を呼び起こし今に至る。

反射的に手の甲を見た俺の眼に映ったのは、変な形の痣。
何かの模様のようにも見えるそれは、手に鈍い痛みを発している。

ふと、背後に何者かの気配を感じ取って振り返った。

足音も物音も何も感じさせず、最初からそこにいたかのように鎮座する女が一人いた。
幽霊のようにも見えるその女、しかし幽霊など信じていない俺はそれを生きているものとして受け取った。

物音一つ立てることもなく後ろをとったその女に対して、何の疑問を持つこともなく、しかし警戒だけはして。

そのままゆっくりと立ち上がった女は、構えた俺に対し――――


195 : 桐山和雄&バーサーカー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:32:22 3qg4ezAA0


「ばーさーかー…というのはどうなんでしょうね」

ぼそっとそう呟いた。

「確かに私が人間ではなく化け物であることは認めますが、しかしどうでしょう。
 せっかくのこの体ですしせめてせいばー…剣士さんであって欲しかったという希望もあります。
 あ、でも刀自体が剣になるということはやはり問題なのでしょうか。
 そこのお方、どう思われますか?」

何を言っているのか分からない。
その口から放たれた言葉は罵倒や死の宣告でもなく、ただの雑談のような愚痴だった。
もっとも、その女が何を言っているのかを理解することはできなかったが。

「それにしても、あなたは空っぽですね」

だというのに、いきなりまるで確信でもつくかのようにそんなことを言ってくる。
文脈も脈絡もなく。

「何の望みもなく、生きる理由すらも持っているようには見えませんね。
 何でもできるのに、いえ、だからこそ自分というものを持っていない。
 他者に何も感じることなく、いざ殺すとなればまるで草をむしるように命を殺められる。
 そんなどこかの誰かさんみたいな人が私のマスター……横文字は言い辛いわね、主だなんて。
 面白そうでいいですね。……いいえ、悪いのかしら?」

自嘲するかのように笑みを浮かべる女。

しかしそいつが只者ではないことは、俺はひしひしと感じ取っていた。

その辺のゴロツキなどとは比べ物にならないさっきの人形と比べてなお、その存在は常軌を逸しているように見える。

「あなたもここへ来たということは、木片を持っていたのでしょう?」

木片?何のことだろう。
持っていたような気もするし、持っていなかったような気もする。しかし女がそう言っているということは持っていたのだろう。

どうも色々なことが一度に起こりすぎて混乱しているようだ。

「まあその様子では何が起こっているのかも把握できていないようですし、私から説明してあげましょうか」

それから、女からは多くのことを聞いた。
聖杯戦争、聖杯を求めての殺し合い。
どんな願いも叶うという奇跡のようなもの。
ここがどういう場所であるかということ。
そして、サーヴァント。殺しあうために組まされる、プログラムでいう支給品のような存在。


「あまり驚いてはおられないようですね」
「十分驚いているさ」
「嘘は言わなくても結構ですよ。私には分かります。
 というよりもあなたの場合は、何かを感じるという感情が欠損しているのかしら?」

ともあれ、さっきのがその参加者を決めるためのいわば予選のようなものの一つだったらしい。
それに打ち勝った俺には、聖杯戦争に参加する資格があると女は言う。

しかし、困ったことがあった。
俺には、聖杯を求めるような願いなどない。


196 : 桐山和雄&バーサーカー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:33:24 3qg4ezAA0

「あらあら、それは困りましたね…。私としても参加させられた以上、叶えたい願いというものはあるのですが。
 肝心な主がそんな様子では、最悪私はあなたを殺して他の予選通過者を探さねばなりませんね」
「お前も願いを持っているのか?」

ふと興味が湧いた俺はそんなことを問いかけていた。
興味、といってもそれはどちらかというとあのプログラムでコイントスをした時の心境に近いが。

「ええ。私は自分の死に方に後悔なんてしていません。むしろアレ以上の散り様を望むのは、こんな化け物にとっては贅沢でしょう。
 だけど、死に後悔はなくとも生には後悔があるのです」
「生きることに後悔?」
「ええ、化け物のような体も、どんなことをも瞬時に習得してしまうような才能もいらない。ただ普通の人間として生まれ、生きて、死んでいきたいのです。
 私としてもそんなことを本気で願ったことなどありませんでしたが、聖杯なんてものを見せられたらそう思わずにはいられなくなりまして」

つまり、目の前の女は戦う理由も願いも持っているということか。
死んで尚もそういったものを見つけることも感じることもできなかった俺と違って。


「分かった。それがお前の望みだというのなら、俺はその為に聖杯を手に入れてやろう」
「あらあら、本気なのかしら?自分のことじゃなくて、他の人の願いを戦う理由にするというの?」
「ああ」

返答と同時に、女の自分を見る目が変わったように感じた。
それまでのような、視界を映すために見る目ではなく、まるでこちらの全てを見透かそうとするかのような目。

見て、観て、診て、視て、看て、魅て、こちらの全てを見ようとする、そんな眼。

そんな時間が数十秒ほど続き、瞳がそのような状態から戻ったように感じた瞬間。

「いいでしょう。どうやらあなたのような人間にしてはやる気になってくれた、という様子のようですし」
「つまり、俺はマスターとやらでお前がサーヴァント、ということになるのか?」
「そうなりますね。あ、でもさーヴぁんとという呼び方はあんまり好きになれませんね。私のことは刀と呼んでくれた方がいいです。
 いえ、(真名的には)むしろ悪いのかしら?
 まあ、お好きに呼んでください」

そのまま、握手をすることもなく事務的に契約を果たした一組の参加者。

と、ふと女が思い立ったかのように問うた。

「そういえば名前を聞いておりませんでしたね。
 人の顔や名前を覚えるのは苦手なのですが、まあここは社交辞令のようなもので」

そうだ、そういえば名前を名乗っていなかったし、女の名前も知らなかった。
不都合はないとは思うが一応一般常識として知っておいたほうがいいだろう。

俺が名乗ると同時に、女も自分の名を告げた。

「桐山和雄だ」
「ばーさーかー、やしゅり七実です。以後お見知り置きを」


噛んでた。



【クラス】バーサーカー

【真名】鑢七実@刀語

【パラメーター】
筋力C 耐久D 敏捷C 魔力A 幸運E 宝具C

【属性】
 悪・中庸


197 : 桐山和雄&バーサーカー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:35:01 3qg4ezAA0
【クラススキル】
狂化:D
筋力と耐久が上昇するが、言語機能が単純化し、複雑な思考を長時間続けることが困難になる。
はずなのだが、彼女の場合思考や言語機能に影響が見られない。それ故か、筋力耐久アップの恩恵も受けられず痛みを知らぬという程度に留まっている。
本人曰く「元々狂っていたのだから今更狂い様もないでしょう」とのこと。
――――というのは建前で、実際はその天才性で狂気を押さえつけていることが原因。そのため一部ステータスやスキルが低下している。(表示されたものは低下後のもの)

【保有スキル】
心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
彼女の場合、その天才性、後述する宝具によってあらゆる状況、敵の能力を見通すことができる。

精神異常:A
狂化とは無関係な精神異常。
他人の痛みを感じず、周囲の空気を読めなくなっている。

病持ち:A
体に巣食う大量の病。
治癒することもできないほどの病に蝕まれた肉体は持久力にかけ、長期戦を行うことができない。
しかし慢性的に体に働きかけるその苦しみは、毒や痛みに対して抵抗力を与えている。



【宝具】
見稽古(みげいこ)
ランク:C 種別:対人 レンジ:- 最大補足:-
全てを見透すことのできる目。
「人間一人に到底収まりきれぬ」と表現されるほどの驚異的な強さから漏れだした才能。
その目で見通したものはいかなるものをも見通し見透かし、構成から活用法までを理解することができる。
その発展として相手の技を一度観ただけで体得、二度見れば万全に自らのものとすることができる、それがこの宝具である。
保有するスキルすらも自らのものとして学習することが可能であり、宝具さえ奪うことができれば真名開放すらも擬似的に果たすことができる。

しかしAランク以上のスキルまでは見取ることができず、真名の開放が必要ない常時使用型かつ肉体一体系宝具であればCランクまでしか習得することができない。
また、真名開放を見取るには二度の見稽古が必須となる。

現在習得している技能、スキルは凍空一族の怪力、真庭忍法の足軽、爪合わせ、死霊山神衛隊の降霊術となっている。


悪刀:七実(あくとう・しちみ)
ランク:B 種別:対人 レンジ:- 最大捕捉:-
悪刀・鐚を己に使用したことで発動可能な限定奥義が宝具として昇華したもの。
これを使用した場合スキル:病持ちが消失し長期的な戦いを行うことも可能となり幸運、魔力を除く全てのステータスランクが2アップする。
反面、これを使用した場合狂化を抑えきることが難しくなり、マスターへの魔力負担が増大する。


【weapon】
『虚刀流』
無刀の剣術としてその身自体を刀とするために習得した技術。
対剣士との戦いにおいて様々な局面を想定した奥義が存在する。
この継承者には自身が刀(剣)を用いて戦うことはできないという呪いのような持っている。が、鑢七実自身は見稽古により(技術的には)それを克服している。
本来はこれも見稽古で見取ったものであるが、彼女自身も虚刀流の血を引いているため固有の武器(技術)としておくものとする。

『悪刀:鐚』
四季崎記紀が作り上げた12本の完成形変体刀の一つ。
所有者の死さえ許さず、無理矢理に人を生かし続ける凶悪な刀。


198 : 桐山和雄&バーサーカー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:35:47 3qg4ezAA0

【人物背景】
剣を全く使わない一族相伝の剣術、虚刀流の一族に生まれた女。
幼少期より非常に病弱であり、どうして生きているのか不思議がられるほどの病が体を巣食っている。
その才能は人間一人に到底収まりきれぬと称されるほどの化け物であり、父、鑢六枝ですらもその才を恐れ虚刀流継承を弟・七花に譲るほど。
妻殺しの疑いにより一家全員島流しにあい、無人島へと隔離に近い扱いを受ける。
その中で、弟の修行の様子を見続けた彼女はその天才性を発揮させ見稽古を習得、虚刀流の技を身につけるもそれを知った父に殺されそうになる。
彼女自身は殺されてもよかったと語るが、弟・七花が六枝を返り討ちにしたため、生き残ることになった。

その後は2人で無人島生活を続けるが、奇策士とがめの変体刀収集の依頼を七花が受けたことで一人無人島に残ることに。
そして数ヶ月後、真庭忍軍による襲撃を受け、変体刀収集のための人質に狙われるも、逆にその忍法を習得し返り討ちにする。

その後変体刀収集に興味を持った彼女は習得した忍法で島を脱し、変体刀を探して本土へと帰還。
そこから2ヶ月の間に「双刀・鎚」を巡って怪力を誇る凍空一族を壊滅に追い込み、さらにその翌月は「悪刀・鐚」を巡って死霊山神衛隊と戦いこれも壊滅させる。

その翌月、剣士にとっての聖地ともいえる清涼院護剣寺を占領し弟、鑢七花を変体刀をかけて迎え撃つ。
悪刀『鐚』による限定奥義、悪刀・七実を使用し病を克服した彼女は初戦では彼の奥義の弱点を付くことで完膚なきまでに打ち負かすも、再戦の際にはその弱点を克服し更にとがめの奇策によって目を封じられることで敗北。
しかし虚刀流の奥義を受けてなお生き残った七実は、『見稽古』による”弱体化”と、『鐚』による生命力の沈静化を取りやめ、本気で戦い始める。
七実の本気に七実の体は耐え切れず崩壊を始める中、最後は七花の一撃を受け、愛しき弟の手によって人として散った。

虚刀流という存在自体が一部の剣士達の間では英雄として語られており、彼女とて例外ではない。
しかし鑢七実の場合無人島に島流しされる以前は日本最強であったのではないか、との説もある。
その最期に赴いた清涼院護剣寺での戦いもまた伝説として語られている。


【サーヴァントとしての願い】
ただの人間として生まれ、生き、死にたい。

【基本戦術、方針、運用法】
見稽古による分析から的確に弱点を付き確実に倒していく。病持ちであるため長期戦、持久戦は避ける。
マスターは一般人としては強力だが魔術師戦となった場合は不利が否めないため基本的には魔力供給のみを期待する。
なお、狂化を抑えこんでいる間の燃費自体は並であるが、もし魔力不足に陥るようであれば魂喰いも辞さない。



【マスター】
桐山和雄@バトル・ロワイヤル

【参加方法】
死後、ムーンセルに入り込んだことで参戦。
木片は持っていたようだが記憶が錯乱しているため詳細は不明。

【マスターとしての願い】
無し。しいて言えばサーヴァントの願いを叶えること?


【能力・技能】
ヤクザをも打ち負かすほどの身体能力を持っている。
また、どのようなこともそつなくこなすほどに才能に優れており学習能力も高い。
無論それらは一般人の範疇を出ることはないだろうが、拳法など技術的な戦闘能力であれば習得に時間はかからないと思われる。


【人物背景】
城岩中学校3年B組の中学生。
幼少期の事故によって感情を失っている。
高い身体能力や才覚を持った財閥の御曹司であり、不良グループ「桐山ファミリー」のボス。

修学旅行においてバトルロワイヤル(プログラム)に参加させられた際には、コインの裏表で乗るか否かを決定。
プログラムに乗ると決めた後は、かつての舎弟達やクラスメイトをも躊躇なく殺し、優勝候補の有力者となる。
しかし脱出派であり自分と同じく最終盤まで生き残った七原、川田達との戦いに敗れて死亡。
プログラム39番目の死者であり、殺害者数は10人を超えている。


【方針】
バーサーカー(鑢七実)の願いを叶えるために動く。
己の生には固執してはいないが無駄に死ぬつもりもない。


199 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/02(水) 23:36:17 3qg4ezAA0
投下終了です


200 : ◆CSCT3MMMIs :2014/07/02(水) 23:44:02 D3cGsoDI0
ココノエ&アサシン投下します。


201 : ココノエ&アサシン ◆CSCT3MMMIs :2014/07/02(水) 23:45:02 D3cGsoDI0

「………」
「………」

 一体、何度目であろうか?
 ピリピリとした殺気だった空気感が辺りを漂う。

「で、貴様が俺のマスターと言うわけか?」
「そうだ、アサシンのサーヴァント」
「暗殺者(アサシン)か……確かに俺には合っているようだ」
「………」
「………」

 ピンク色の長髪で眼鏡を掛けて、猫の耳と2本の尻尾を生やした女性。
 口元に飴を舐めながらも、その顔にイラつきは隠せない。
 その女の名を『ココノエ』という。

「ココノエよ、貴様は殺したい奴はいるか?」
「いる……私は早急に『奴』を……『ユウキ=テルミ』をこの世界から消滅させる……!」
「ほう、貴様も俺と同じか……」

 その隣。
 口元に赤色のマフラーを巻き、藤色の忍者っぽい格好のアサシンのサーヴァントの青年。
 その眼は鋭くココノエをしっかりと見る。
 そのアサシンのサーヴァントの名は『飛竜』という。

「アサシン、目的のためなら手段は……「選んでる場合ではない」」
「ほう、随分と物分りのいいサーヴァントだ」
「……すぐに動くのだな」
「無論だ」
 
 殺すべき相手は殺す。
 この場にいれば、この場で。
 いなければさっさとこの戦争を終わらす。

 彼女たちが取るべき行動は最初から決まっていた。


202 : ココノエ&アサシン ◆CSCT3MMMIs :2014/07/02(水) 23:45:48 D3cGsoDI0

【クラス】アサシン
【真名】飛竜@ストライダー飛竜
【パラメーター】
 筋力 B 耐久 C 敏捷 A 魔力 C 幸運 D 宝具C
【属性】
 秩序・中庸
【クラススキル】
 気配遮断:A サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。
 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【保有スキル】
 心眼(真):A
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”
 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
 単独行動:B
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 直感:B
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
 視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。
【宝具】光剣(サイファー)
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:1人
 ありとあらゆる物体をも切り裂くプラズマ光剣。
 絶対零度の氷の力から爆発を起こす炎の力をも持つ、特殊な磁場を発生させることも可能。
【weapon】
 サイファー、クナイ
 標準的な装備、クナイは飛び道具にもなる。
【人物背景】
 世界の裏で諜報と暗殺を生業とするストライダーズに所属する特A級のエージェント。
 性格は冷徹そのもの、例え組織が滅びられ、全世界を敵に回しでも、ただ与えられた任務を遂行するのみ。
【サーヴァントの願い】
 冥王グランドマスターの抹殺。
【基本戦術、方針、運用法】
 高い機動力で敵を攪乱し、サイファーで一撃で切り裂く。

【マスター】ココノエ@BLAZBLUE
【参加方法】
 ムーンセルによる召還。
 『木片』は転移装置の整備の際、手に入った模様
【マスターとしての願い】ユウキ=テルミを消滅させる手段を得る
【weapon】
 グラヴィトン
 武装No02「突撃ブロークンバンカーVer2.21」
 武装No03「氷結アブソリュートゼロVer4.32」
 武装No04α「炎熱フレイムケージVer1.43」
 武装No05「雷撃バニシングレイVer3.10」
 武装No06「転移ライアーヘイズVer1.24」
 武装No04β「超炎熱フレイムベルボーグVer2.73」
 武装No07「重力ジャミングダークVer1.65」
 武装No00「撃滅超弩級メカテイガー」
 武装No01「殲滅超弩級ゴールデンテイガー」
 武装No99「最終決戦破壊事象アルティメットインパクト」
 以上、自分で作成したガジェット各種。
【能力・技能】
 天才的な科学技術。
 格闘、魔法もできるが本人は使いたがらない。
【人物背景】
 第七機関に所属する女科学者で、自他共に認めるマッドサイエンティスト。
 『最強の戦闘生物』獣兵衛と『最強の魔法使い』ナインの間に生まれた猫の半獣人。 
 自身の母を殺した、六英雄の一角・ユウキ=テルミの抹殺を目的としている。
 目的のためには手段を選ばず、本人は自分が外道であると自覚しているうえでテルミの消滅方法を模索している。
 性格は沈着冷静で冷徹だが、痛いところを突かれると激昂する激情家の一面もある。
【方針】
 目的のためには手段を選ばない。


203 : ココノエ&アサシン ◆CSCT3MMMIs :2014/07/02(水) 23:46:20 D3cGsoDI0
投下終了です。


204 : ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:11:24 9vVdmn7w0
オープニング案、投下します。


205 : ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:11:56 9vVdmn7w0
失礼、オープニングではなく、登場話候補です。


206 : ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:14:19 9vVdmn7w0






我が名が最強である理由をここに証明する。






 ◇  ◇  ◇






その日も、朝から憂鬱な気分だった。朝食をとるのすら億劫とさえ感じていたよ。
適当に作ったベーコンエッグとトーストというありきたりな朝食を食べた後は制服へと着替えてほんの少しの余裕をもって学校に登校する。
学校。僕よりも早く登校していた■■■におはようと挨拶をする。
朝から元気で羨ましいことだ。もっとも、僕は合わせてやる義理もないので適当な相槌をうつことで留めておく。
そこに●●●がムカつく笑顔で割り込んでくる。●●●はニヤニヤ意地の悪い笑みを浮かべて不愉快だ。
そう、何かが足りなかった。僕はそれに気づくまで――偽りの生活を送っていた。

【世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ】

放課後は教会で銀髪の修道女とこれからどのようにして教会を盛り上げていくかを議論する。
もっとも、議論って言ってもただ修道女の嫌味ったらしい話を僕が聞き流しているだけなんだけれどね。
それでも、どうしてか知らないけれど、僕はこのなんともいえない空間に安らぎを覚えていた。
彼女の銀色に――既視感を抱いていた。
後は語るべくもない。家に帰って、適当に作ったご飯を食べて、軽くシャワーを浴びてベッドで眠る。
また繰り返す。意味のない日常を何度も繰り返す。
それが僕の■■■■■■■■の全てだった。

【それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり】

足りない、やっぱり僕にとっては何かが足りない。
■■■■■■がいないんだ。
■■■■■スがいないだけで、僕には眩しい朝の光も教室の喧騒も修道女のくだらない話も美味しいご飯も詰まらない唾棄すべきものと成り果ててしまう。
■ン■■■スの思いを犠牲にして、■■の命は救われた
イン■■クスが自分を顧みず、僕達のことを想ってくれたおかげで僕達はこうして当たり前を謳歌できている。
だけど。インデ■クスの「世界」は救われない。抗っても抗っても足掻いても頑張っても救われない。
仕方ないことなんだよ。だってさ。“インデックス”はもう――何処にもいないんだから。

【それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり】

瞬間、僕の頭の中で何かが弾け飛んだ。
ステイル=マグヌス。必要悪の教会。Fortis931。聖杯戦争。サーヴァント。
今まで封印されていた記憶と知識が濁流のように頭に入っていく。
最愛の少女の名前も、思い出した。
インデックス。記憶消去を行わなければ生き延びれない少女。
結論からして、僕はインデックスを救うことができなかった。
インデックスの為なら世界だって敵に回せる。
たとえ君は全て忘れてしまうとしても、僕は何一つ忘れずに君のために生きて死ぬ。
それ程までに決意を固めたのにも関わらず、解決の糸口は見つからなかった。
結局、僕の決意など口だけのものだった。
あの素晴らしき日々がが終わる時。インデックスが涙声で、僕と神裂のことを忘れたくないと零した日から――何も変わらない。
翌日からは再び、元通り。僕の日常はまたいつもと同じ、魔術師としての使命を果たすだけの虚しい日々だった。
いつまでも、孤独に打ちひしがれている彼女を――僕は許容できなかった。
嫌だ。そんなふざけた事実は認めない、認めてたまるものか。今もインデックスはいつ失うかわからない恐怖と戦っているんだ。


207 : ステイル&セイバー ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:15:10 9vVdmn7w0

【その名は炎】

そんな時、僕は聖杯の存在を知った。聖杯がもたらす奇跡を用いれば、彼女を救うことが出来るかもしれない。
根拠もない自信は僕の胸を焦がし、このムーンセルに至らせるには十分だった。
触媒である木の欠片を手に入れ、願う。天壌無敵の想いを、いつまでも忘れ得ぬように。
だけどその一方で残酷な現実がぼくの胸を冷やすんだ。
仕方ないじゃないか。もう戻ってこないんだ、僕達と一緒に過ごしたインデックスは。
苦しい。思い出すだけで胸が痛くなる。少しは吹っ切れたと思っていたのに結局はこの有様だ。
それでも、忘れてはいけない。なかったことにしてはいけない。
気づけば、僕は衝動的に外に出て。暗い道のりを疾走していた。
何故かはわからないけれど、無性に外に出たかった。
体力もないのに、この行動が感情の発散とわかっているのに。
身体は勝手に動いていたんだ。走って、止まって、また走って。ひんやりとした空気が火照った身体を冷やしてくれる。
そうして当てのない疾走の終着点は小高い丘だった。
目の前にあるのは何処までも広がる草の海、眼下には人工的な星の海が映っている。

【その役は剣】

吹っ切ったはずの弱音が心から湧き出してくる。未練がましい自分の欲望。だけど強い、どんなことをしてでも伝えたい想い。
例え、世界を再び敵に回すとしても。僕はもう一度、インデックスに会いたい。

【顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ】

一度だけでもいい。世界なんて知った事か。必要悪の教会など炎に塗れて燃え尽きてしまえ。
僕は、インデックスに会えれば、それでいい。
そう強く望んだ瞬間、異変が起きた。 空気が変わる。得体のしれない何かが辺りに広がっていく。
僕の中にある第六感が逃げろと叫んだが、もう遅い。
事態は僕を置き去りにして動き出してしまったのだから。
光。草原の中心で光が人の形を取り始めている。ぼくの望んだ願いに呼応して強く、強く。
夜暗の草原が、今だけは昼間の明るさを顕現しているのだから驚きだ。
光の収束が徐々に収まっていく。一面が白色だった視界も元の暗闇に戻り。

「ったく、眩しい光だ。まあ、オレを照らすには丁度いいか」

僕の目の前に立つのは見目麗しい金髪の少女だった。
誰だ、こいつは。まさか、この少女がサーヴァントなのだろうか。
色々と次から次へと疑問が浮かび上がり、思わず足が後ろへと下がってしまう。

「――よう、お前がオレを呼んだクソッタレなマスターかい?」

明らかにドン引きしている僕に対して、にニヤリと笑いかけるその姿は何故か気品に満ちていた。
そして、少女は右手を僕の方へと伸ばし、掌を広げる。握手をしろということなのだろうか。

「……ステイル=マグヌス。どうやら、僕らは一蓮托生となったみたいだね」

未だに何が起こったかを完全に掴めていないけれどたった一つだけ確かなことがある。
もう、後戻りは許されない。ここから先は、一方通行の地獄道である。
ヒュウヒュウと肌寒い風が吹くけれど、僕の中にある熱は収まらない。
その熱の元にある強い願い。
インデックスともう一度会えるのなら、僕は何だってしよう。
この手を取ることで僕はその一歩を踏めるのなら、もう迷いなんてしない。


208 : ステイル&セイバー ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:16:09 9vVdmn7w0
【クラス】セイバー

【真名】モードレッド@Fate/Apocrypha

【パラメーター】
 筋力B+ 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運D 宝具A

【属性】
 混沌・中庸

【クラススキル】

対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
      大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自由に操れる。

【保有スキル】

直感:B 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を"感じ取る"能力。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

魔力放出:A 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。
       いわば魔力によるジェット噴射。かの騎士王と互角に打ち合うほどの力量を持つ。

戦闘続行:B 往生際が悪い。聖槍で貫かれてもなお諦めず、騎士王に致命傷を与えた。

カリスマ:C- 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。希有な才能。
       モードレッドのカリスマは、体制に反抗するときにその真価を発揮する。

【宝具】
『燦然と輝く王剣』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
アーサー王の武器庫に保管されていた、王位継承権を示す剣。
「如何なる銀より眩い」と称えられる白銀の剣。モードレッドの主武装であり、通常はこの状態で戦闘を行う。
元は王ら戴冠式のためウォリングフォードの武器庫に保管されていた剣だが、それをモードレッドが叛乱を起こした際に奪い取り、カムランの戦いで使用した。
アーサー王の『勝利すべき黄金の剣』と勝るとも劣らぬ値を持つ宝剣であるが、モードレッドが本来の担い手の了承なくこの剣を強奪したため、ランクが低下している。

『我が麗しき父への叛逆』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:800人
「燦然と輝く王剣」の全力解放形態。剣の切っ先から直線状の赤雷を放つ。
真名解放時にはクラレントを構えた彼女を中心にした一帯が血に染まり、白銀の剣も邪剣へと変貌する。
英霊の必殺の武器であると同時に、絶大な誇りそのものと言える宝具だが、彼女にとって父の名を冠したこの宝具は誇りを超え、ある種の怨念と化している。
またアーサー王を害したエピソードゆえに、モードレッドの手で発動時にあるこの剣は「聖剣」ではなく、「魔剣」と化している。

『不貞隠しの兜』
ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
普段はモードレッドの顔を隠している兜。
ステータスやクラス別スキルといった汎用的な情報は隠せないが、真名はもちろん宝具や固有スキルといった重要な情報を隠蔽する効果があり、たとえマスターであっても兜をかぶっている間は見ることができない。また、戦闘終了後も使用していた能力、手にした剣の意匠を敵が想起するのを阻害する効果もあり、聖杯戦争において非常に有用な宝具。
ただしこの宝具を使用していると、彼女の持つ最強の宝具を使用することが出来ない。
兜は鎧とセットの状態で『脱いだ』時、初めてステータス情報が開示される。つまり鎧を外して現世の衣装を着ていても、武器を手にしていなければ、兜が無くても隠蔽効果は継続する。「ルーラー」のクラス別スキル「真名看破」の効果でも見破ることは不可能。

【weapon】

 燦然と輝く王剣を使用する。

【人物背景】
 円卓の騎士の一人でありながら、父であるアーサー王に反旗を翻した叛逆の騎士である。
 20歳にも満たぬ少女だが、女と呼ばれることを極端に嫌っている、可愛い。
 やや粗雑で男性的な口調で話し、一人称も「オレ」、可愛い。
 性格は自信過剰で好戦的だが、高潔な精神も備えている、可愛い。

【サーヴァントとしての願い】

 選定の剣に挑戦すること。

【基本戦術、方針、運用法】
マスターに理があるなら従うが、気に入らないならバシバシ言う。基本的にマスター共々、戦闘に関しては場慣れしているので相性はいい。
ちなみに、霊体化を嫌っているので服をちゃんと買ってあげましょう。


209 : ステイル&セイバー ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:17:08 9vVdmn7w0
【マスター】ステイル=マグヌス@とある魔術の禁書目録

【参加方法】必要悪の教会から木片はこっそりと拝借した。

【マスターとしての願い】“ステイル達と一緒の思い出を共有しているインデックス”にもう一度会いたい。
            
【weapon】ルーンカード
     
【能力・技能】魔術:A…主に炎主体の魔術を得手としている。
            また、応用によって火傷治癒の術や、目晦ましの術、人払いや神隠し、
            特定の人間を精神的に拘束することや、精神のロックを解除することもできる。
       
【人物背景】2mオーバーの14才赤髪神父。顔立ちは未成年っぽいが、どう考えても未成年っぽくない。
      努力で必死にルーンを極めた天才魔術師だけあって、物事の理解力は天下一品。
      性格は修羅場をくぐっているだけあって冷静。もっとも、年相応な部分もある。
      派手なアクセサリー、強い香水の匂い、右目の下にはバーコードの刺青といったこれでもかといった目立った容姿。
      ちなみに、未成年だが重度のヘビースモーカー。


【方針】防衛、攻略が得意な為、基本的には籠城。だが、情報の重要性も理解しているので他者との交流はフランクに行う。
    そして、協力が必要な場合はきちんと協力を申し出たり、受け入れたりといった冷静さも兼ね備えている。
    基本的に、どうしようもなく使えない参加者は速攻に間引くが、強敵になりうる参加者に対しては柔軟に対応するだろう。
    「もっとも、最終的には全員燃やし尽くすだけなんだけれど」


210 : ステイル&セイバー ◆w7FNZrLzJw :2014/07/03(木) 00:17:57 9vVdmn7w0
投下終了です。
最初の投下のタイトル入れ忘れ、ミスってしまい申し訳ないです。


211 : ルイズ&ランサー tgwm3d23 :2014/07/03(木) 00:27:24 BPMLUMkwO
ルイズ&ランサー、投下します。


212 : ルイズ&ランサー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 00:30:29 BPMLUMkwO
ルイズ&ランサー、投下します。


213 : ルイズ&ランサー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 00:32:54 BPMLUMkwO
 サモン・サーヴァントの呪文を唱えたら、自分の手にルーンが刻まれていた。
 何が起きてるのか解らない。

「あたし、レジーナ!ランサーよ。マスターの名前は?」

 いや、本当は解っている。
 聖杯戦争の事も、目の前の少女が自らのサーヴァントだという事も、何故か知識にある。

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ……」
「長い名前〜」

 夜空を見上げる。

「月が一つ足りないじゃない」
「あっ、違う世界からきたのね!トランプ王国って知ってる?」
「知らないわよ」
「そう。それで、ルイズの願いは何?」
「え……」
「あるんでしょ?」
「ある、けど……」
「なら、優勝目指して頑張るのよっ!」
 優勝の言葉に、体が震えた。
「だっ、駄目よ!人を殺すなんて!」
「じゃあ、優勝は止めね」
「へ……?」
 何を言ってるんだ、このサーヴァントは。
「だって、ランサーも優勝したいんじゃないの?」
「あたしは別に。美味しいスイーツが食べたかっただけだもの」
「なっ!?ななな、何よそれ!そそっ、そんなふざけた願いで!」
「だから、あたしはいいわよ。ルイズの願いを叶えましょ」
「でも、殺し合いなんて……」
「だから、優勝はしないわよ」
「はっ?」
 さっきから何なんだ、このサーヴァントは。
「あたし、命令するのは好きだけど命令されるのは嫌い。だから、ルイズの槍にはなってあげない。でも、ルイズがやりたい事は、手伝うわ。ルイズは、何がしたい?」
「私は、私はまほ……魔術が使いたい。もう誰にも、ゼロなんて呼ばれたくない!」
「でも、人は殺したくないのね」

 頷く。

「じゃあ、魔術の使い方を探しに行くわよ。もちろん、誰も殺さずに」
「そんな身勝手……」
「やりたい様にやっちゃえばいいのよ。人間はみんなジコチューなんだから。もしも間違えてたら、誰かが止めてくれるわよ。仕方ないとか、しょうがないとか、そんな理由でやりたくもない事やっても、後で悲しくなるだけよ。だから、ね」


214 : ルイズ&ランサー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 00:34:41 BPMLUMkwO
 ランサーの指先が、こちらに向けられる。

「あたしがルイズを、素敵なジコチューにしてあげる」


【マスター】ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔
【参加方法】
ムーンセルによる召喚。
杖にゴフェルの木片が使われていた。
【マスターとしての願い】一人前の貴族になりたいが、そのために人を殺すのは嫌。
【weapon】杖
【能力・技能】
ルイズがどれだけ正確に呪文を唱えようと、それは失敗し、対象を爆発させる。
【人物背景】
トリステイン屈指の名門貴族であるヴァリエール公爵家(始祖は王の庶子)に生まれ、トリステイン魔法学院に進学した。
子どもの頃から一度も魔法に成功した事が無く、「ゼロのルイズ」と蔑称で呼ばれる事に強いコンプレックスを持つ。原因は、虚無系統のメイジである為。
出来のいい姉が二人いる事と自分がゼロである事から、親に期待されてないのではと思っている。
【方針】殺し合いには参加せず、魔術の使い方を探す?


【クラス】ランサー
【真名】レジーナ@ドキドキ!プリキュア
【パラメーター】
筋力E 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具A
【属性】
 混沌・中庸 
【クラススキル】
対魔力:E…魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。【保有スキル】
魔力放出:B…武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって、能力を向上させる。
飛行:C…空を飛ぶスキル。このランクなら、空中戦を行ったり、人一人を抱えての飛行が可能。
仕切り直し:E…戦闘から離脱する能力。逃走に専念する際に有利な補正が与えられる。


215 : ルイズ&ランサー ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 00:36:33 BPMLUMkwO
【宝具】
『あらゆるものを貫く光の槍(ミラクルドラゴングレイブ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:5人
一万年前から伝わる、プリキュア三種の神器の一つ。愛の力で利己的な心を切り裂く槍。
装備している間、幸運以外のステータスを1ランクアップさせる。
真名開放によって、穂先の光を撃ち出す。
【weapon】無し
【人物背景】
トランプ王国の王女マリー・アンジュの半心「父親への愛」がジコチューの体を得た存在。
わがままに振る舞っていたが、相田マナとの出会いによって、父であるキングジコチューへの愛情とマナへの友情の板挟みに苦しむようになる。
最終的に「どちらも好き」という結論に達し、キングジコチューをトランプ王国国王の姿に戻した。その後はプリキュアに協力して世界を救い、結果として英雄と認知されるに至る。
【サーヴァントの願い】今は、ルイズが魔術を使える方法を探す。誰も殺さずに。
【基本戦術、方針、運用法】
素のステータスは低いが、宝具と魔力放出スキルで接近戦が可能。そのため、燃費が悪い。
勝てそうになかったら、仕切り直しスキルで逃げる。


216 :   ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:46:21 iHY1yQys0
投下乙です。

アザミ&セイバー投下します


217 : 名無しさん :2014/07/03(木) 00:46:56 lSvPIzkM0
続けて投下、いきます。
宝条&セイバーです。


218 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 00:47:54 lSvPIzkM0
失礼しました。>>216 ◆rhFJh.Bm02さん、お先にどうぞ


219 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:48:23 iHY1yQys0


本当に幸せなんだ。
自分にこんな感情が生まれるなんて想像もできなかった。

伴侶が愛しい
我が子が愛しい
家族で過ごすこの日々が何よりも愛しい

ずっといたいんだ
ずっとずっと家族で過ごしたいんだ
だけど、幸せな日々が終わってしまう


私は化け物で、あいつは人間だから
ずっと一緒にはいられないと解っているんだ
けれどあいつを、ツキヒコを失うことは耐えられない!


ずっと家族3人で暮らしていたい
ずっと家族で笑いあっていたい
そのためなら…私は――――







「なるほど、それが君の願いか」

男が声をかける。
旅装束のような格好で背に大剣を背負い、
どこか面白そうに微笑んでいる。
もとは唯の人間だったくせに生意気な。
気に食わない笑みだが、この戦いを勝ち抜くには必要な存在だ。

「お前が私のサーヴァントか」
「その通り。イースレイ、セイバーのクラスで現界した君のパートナーだ」
「図に乗るなよ人間。お前は邪魔にならない様に引っ込んでいろ」
「……ほう?」

瞬間、凄まじいプレッシャーが私に牙をむく。
いっそ暴力的ともいえる威圧感に私は―――

「目を『合わせる』」

赤く輝いた私の眼に男は一瞬硬直し直ぐ様飛びのく。
一方の私も自身の変化に驚いていた。


(能力が弱まっている?違う、不調な感じはしない。
自力で石化をレジストしたのか…)


「驚いたな。対魔力込みでもこの有様とは…
大口を叩くだけはある」

見ると男の腕の部分が石になっていた。
全力では無かったとはいえ本来なら暫くは石になっている筈なのに。

さらに驚くことに男は石化した腕を自分で砕くと、
次の瞬間には砕かれた腕が再生していた。

「なっ!?」
「このとおりだ。君の能力は大した物だが、それだけではこの戦争は勝ち抜けない。
私の力が必要だと思うがどうかな?」
「……確かにそのようだな。それにしても、私と同じ化け物とはな」
「確かに俺たちは似ているが真逆でもある。
おれは人から化け物に。君は化け物から人間に為ろうとしている」
「ふんっ…『盗む』、目を『かける』」
「っ!?これは……」
「こうすればお互いの事が理解できるだろう?
もっとも、あまり使って気持ちのいい物ではないがな」
「現存する幻想種?いや、ある種の意思を持った観測機見たいなものか?
つくづく規格外なマスターだな。純粋な神秘なら英霊よりもよっぽど上だ。

だがお互いの事は理解できた。俺たちは仲間…いや、『共犯者』かな?」


先ほどとは違い賞賛を含めた笑みを浮かべるセイバー、イースレイ。
どこか芸術品を思わせるその姿よりも、私はあいつの願いに内心驚いていた。

(あいつも家族と過ごしたかったのか…自分から別れておきながら……ばか者め)







これは、ある化け物たちの話
化け物たちは手を取り合う
方や本物の家族と生きるため
方や仮初めの家族と過ごすため


化け物たちの願いが叶うかはわからない。
ただ1つ言えるのは、彼らの過ぎ去った後には―――多くの人間の屍が積み上げられる事であった。


220 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:49:15 iHY1yQys0

【クラス:セイバー】

【真名:イースレイ@クレイモア】
【パラメーター】
筋力A 耐久C+ 敏捷A+ 魔力A 幸運D 宝具B
【属性】
 中立・悪 
【クラススキル】
騎乗:C
騎乗の才能。
大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。


【保有スキル】



覚醒者:A
その身に妖魔の血肉を取り入れた半人半妖の戦士が、完全な妖魔と化してしまった者の総称。
単独行動:Bに加えて実体化に必要な魔力が他のサーヴァントより少なくて済む効果を持つ。
さらに妖魔の成り立ちから、対竜宝具の攻撃により受けるダメージが多少追加される。
以下のスキルは全てこのスキルに基づく。

気配遮断:D
サーヴァントの気配を絶つ。魔力とその漏洩を極限まで抑える能力。

再生能力:A
魔力を消費し、肉体を復元するスキル。有害な毒素を体外に弾くこともできる。
Aランクなら魔力が有る限り瞬時の再生が可能。

武器生成:C
両腕を槍、斧、盾、弓矢、鉤爪など様々な武具に変形させる事ができる。
また覚醒した場合威力、速度共に跳ね上がり任意でコントロールも可能。
ちなみに戦士時代の経験から大剣が一番扱いやすいらしい。

変化:C
自身の肉体の一部を武具に変化させるスキル。
上記の武器生成と合わせて様々な武具を肉体と一体化させ扱うことができる。
人間形態でも可能だが覚醒体の方が桁違いに威力が高い。

【宝具】
白銀の王(イースレイ)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:― 最大補足:―
自身の肉体を覚醒体へと変化させる。
幸運以外のステータスを1ランクアップさせるが単独行動、気配遮断のスキルは失われる。

覚醒体はギリシア神話のケンタウロスを彷彿させる半人半馬の姿。
両腕を槍、斧、盾、弓矢、鉤爪など様々な武具に変形させる事ができ、
大剣や矢等の武器を生成することも可能。
ただし魔力を消費が激しいと覚醒体を維持できなくなる。
また、かなりの巨躯であるにも拘らず、スピード特化のリガルドを上回る素早さを有する。

覚醒体ステータス
筋力A+ 耐久A 敏捷A++ 魔力A+ 幸運D 
【weapon】
クレイモア


221 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:49:59 iHY1yQys0
【人物背景】
かつての男時代のクレイモアNo.1で「白銀の王」の二つ名を持っていた最初の「深淵の者」。
極寒の北の地アルフォンスを支配していることから「北のイースレイ」と呼ばれていた。
プリシラと行動を共にし、プリシラに懐かれたラキを引き取り剣術を教えている。
当初はプリシラを利用するための打算だったが、長年過ごすうちに本気で二人を家族と考えるようになり、
深淵食いに襲われてからは実質的に自分がおとりになって二人を逃がしている。人間の姿では長髪の美形の青年。

元々は北の地で好き放題に暴れていたプリシラの元へ向かうが、その時の一戦でプリシラには勝てないことを悟りプリシラの軍門に降る。
プリシラの軍門に降った時期から行動が活発になり、手駒の覚醒者を使って南下を開始する。
プリシラが倒される僅かな可能性を絶つべく南下しルシエラと激突、地形が変わるほどの激戦の末、敗走に追いやる。
ルシエラとの戦いで組織が彼の肉片を手に入れた為、以降深淵喰いに付きまとわれることとなる。
その頃からラキにプリシラを託し、南の地で単独行動をしていた。
深淵喰いとの対決を避ける為、人間体で町に潜んでいた時に現れたヘレン達と戦闘になり深淵喰いに居場所を気付かれてしまう。
その後深淵喰いと闘い、11体中5体を倒すが奮戦虚しく体の各所を少しずつ削り取られる形で倒された。
最後はラキとプリシラとの過ごした旅の日々を噛み締め、偽りとはいえ家族で過ごせて幸せだったこと。
死にたくないなと思いながら生を終えた。

【サーヴァントとしての願い】
ラキとプリシラと家族になり過ごすこと。
【基本戦術、方針、運用法】
基本は陣地に篭もり情報収集に専念し作戦を立てる。
戦闘以外ではあまり役に立たない能力なのは自覚しているので
マスターの能力に期待。
戦闘は剣による接近戦、矢による遠距離など遠近供に死角が少ないが、
押し付け宝具が無いため相性が悪いと感じたら即離脱。
勝率の低い戦いはせず確実に勝てる相手と戦う。
また必要と感じれば他者と手を組むこともやむおえない。
(ただしマスターは嫌がっている)
マスターの魔力量は規格外(世界を創れるほど)なので宝具の出し惜しみはしない。

【マスター】
アザミ@カゲロウプロジェクト
【参加方法】
旅をしている時に手に入れたノアの欠片から参加。
【マスターとしての願い】
家族3人で永遠に過ごす。
【weapon】
無し
【能力・技能】
アザミによって生み出された蛇に宿る「目にまつわる力」
発動すると目が赤く光る。
アザミが作り出した能力は全部で10種類存在する。
なお、メデューサが生来から持つ「目を合わせる能力」はその中にカウントされていない。
対魔力で防御可能。


222 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:50:51 iHY1yQys0

目を隠す
自分や一定の範囲内にいる対象者の存在感を極限まで薄くし、
周囲から認識されないようにする事ができる。
能力を緩めると、顔も覚えていない他人くらいの認識で認知される。
ただし能力の範囲外の人間と接触すると能力が解除され、能力を使う時に相手が目を離していないと、
能力を使ってもその相手には姿が見えたままになる。
また長い時を一緒に過ごした家族などには、能力を緩めてしまうと存在を認知されてしまう事がある。
あくまで認識出来なくなるだけなので透明に為るわけではない

目を欺く
他人に自分の姿を違った姿に見せる事ができる。
範囲が小さく自分自身にしか反映されないが、
相手によって見せる姿を調整する事ができ、
また自分自身ではなく完全に別の人物や生き物の姿を見せる事もできる。
ただし、実際に対面したことがあり、尚かつ鮮明にイメージ出来る有機物のみに限られている。
欺くの名の通り実際に相手の肉体能力は再現できない。
巨大なものに変身しても実際には元のサイズのまま等弱点も多い。

目を盗む
対象者の情報を読み取る事ができる。
これによって動物との会話も可能で、対象者の心を読む事もできる。
能力が僅かに発動している時は相手の考えていることを読み取るが、
強く発動していると相手の記憶や過去まで読み取ることができる。
ただし自分が読み取りたい情報だけを読む事はできないようで、
知りたくもない人の心も分かってしまうため、アザミもこの能力を好んで使いたがらない。

目を奪う
「何を」「どうしたら」周りの視線を集められるのかが分かり、
また相手の趣味や興味を全て無視して、強制的に視線や注目を集める事ができる。
自分自身だけでなく自分が作ったもの等にも反映される。
「目を隠す能力」を使うと能力が打ち消される。
アザミは逆に人の注目が一番集まらない場所を探すために使っていた。

目を凝らす
千里眼に似た能力で、対象の居場所を探る事ができる。
アザミは「この世で一番人に注目されない場所」と指定してその場所を探し当てる事に成功している。

目を覚ます
不老不死の精神を得る事ができる。
またこの能力によりアザミは睡眠を必要としない。

目を醒ます
自分の身体を自分の理想とする身体に造り変える事ができる。
また致命傷を負っても自動的に「造り直す」ことができる。
この能力のおかげで事実上アザミを殺すことは不可能。
アザミがまだメデューサではない頃、人間の襲撃と蛇に逢った際メデューサに変貌したのはこの能力があったからだと思われる。

目が冴える
取り憑いた能力者の願いを叶える能力。
自我を持ち、アザミにカゲロウデイズの創造をそそのかした張本人で、
他のどの能力よりも創世に深く関わっている。
願いがなければ自我を維持できず、かといって願いを叶えようとしなければ存在意義に反するため、
ケンジロウの願いを利用しその願いを永遠のものとするため終わらない悲劇を引き起こしている。
…が、アザミはカゲロウデイズを創生する前に
(正確には冴える蛇に会う前に)ムーンセルに来たためこの存在を知らない。

目をかける
他人に感情や思いを伝えることが出来る、一種のテレパシー。
シオンが誕生した時に、アザミが抱いた家族への愛情から生まれた。

目に焼き付ける
人並み外れた記憶力を得ることができる。
時間が逆行しても記憶を引き継ぎ覚えることが可能。
(バイツァダストをくらっても一人だけ覚えているようなもの)
予選を突破できたのもこの能力のお陰である。


番外編


目を合わせる
アザミが持つメデューサが生まれながらに持っている能力。
目を合わせた相手を石に変える事ができる。
アザミが生み出した「10の能力」にはカウントされていない。


223 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:51:21 iHY1yQys0

【人物背景】
メデューサの女性であり、髪の毛の蛇1匹1匹が「目にまつわる能力」を持っている。
外見は少女のように幼くて非常に小柄。完全な不老不死のため肉体が成長することもない。
長い黒髪に紛れて黒い蛇が混じり、顔には両頬の付近に蛇の鱗らしきものがある。

元々からメデューサという存在だったわけではなく、
人類が誕生する遥か以前、地球上に生命そのものが誕生した太古の時代から既に存在し、
生物の進化と衰退、誕生と絶滅を幾度も見つめひたすらに観察し続ける意識のみの存在だった。

しかしある時、ふと自分が何者なのかという疑問を持ち、そこで初めて実体を得ることになる。

その後も自分の正体を探る為に積極的に人間に干渉していくが、
出会う人間からは恐れられて迫害され、成果も得られなかった。
最終的に人間に失望し、自分自身の答えを見つける事は不可能と結論付け、
今後一切人間に関わらず誰にも邪魔されず一人で暮らすことを決める。

世界で最も人目に付かない場所を探り当て、そこを自分の居場所にしようと決めたが、
向かい最中を偶然目撃した人間の青年・ツキヒコが着いてきてしまう。

追い払うために材料も機材もない素人のツキヒコに「此処に家一軒を一から造れ」と
無理難題を言うが、彼女に一目惚れをしていたツキヒコも一歩も引かずに快諾し、
逃げ出さないよう監視も含めて二人の同棲に近い生活が始まった。

当初は自分に尽くすツキヒコの事を理解出来ずにいたが、無意識ながらも少しずつ気にかけていく。
その後ツキヒコが村で迫害を受けている事実を知り、
出会った当初の「家が完成したら消えろ」という約束も忘れ、
村に戻らずにずっと此処にいろと言ってしまう。
しかし、ツキヒコが約束は決して破らないと考えていた為に、
自分でも自覚した彼への想いを隠し、再び一人になる孤独を決め撤回した。が・・・・・

結果的に、家が完成するまでの関係という約束は双方で破り、晴れて夫婦として結ばれた。

家族との幸せな生活の中、ある日から不死である自分と寿命のあるツキヒコとのいずれ必ず来る別れを考えるようになる。
掛け替えのない大切なものを得たが故に、それを失う恐怖をどれだけ頭で納得しようとしても出来ず、
不安に泣き疲れていたその時、『夢』の中に現れた「目が冴える」蛇に「終わらないセカイを作れば良い」と助言を受ける。
幸せな日々を手放したくない一心でその言葉に従い、全ての蛇の力を使いカゲロウデイズを創造した。

そこで永遠に家族と暮らそうとしたが、その直前に村人たちの襲撃を受けてしまう。
この事で自分の存在自体が家族を不幸にすると考えるようになってしまい、
カゲロウデイズには自分だけが入り、永遠に独りで生きる道を選んだ。

このアザミは「目が冴える」蛇に会う前にムーンセルにアクセスしたためカゲロウデイズは創っておらず
「目が冴える」蛇の存在を知らない。

【方針】
戦いに関してはセイバーに一任する。
体力が無いので拠点から移動しない所詮引きこもりマスターの方針で行く。
(物理なら子供に負けるほど弱い。旅に耐えられたのも不死身の肉体と気合
と根性によるものという情けない事情がある。成長しないので鍛えても意味が無い)
サーヴァント相手には能力が通じにくいので可能ならマスター狙い。
自身の能力をフルに利用し、自身は情報収集、暗殺の方向で戦う。
殺人には躊躇しない。また他者と馴れ合うこともしない。


224 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 00:52:44 iHY1yQys0
投下終了です。
>>218◆HOMU.DM5Nsさん御譲りいただきありがとうございました。


225 : 名無しさん :2014/07/03(木) 00:56:15 cv/44pos0
投下お疲れさまです。
セイバー&ロウヒーローを投下します。


226 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 00:58:00 cv/44pos0
「……報告致します、ガブリエル様、ラファエル様、ウリエル様、三名様ともが、あの人の子に敗れました」
「……そうか」

伝令を務める天使の言を、大天使ミカエルは冷静に淡々と受け止めた。

「よもや、人の子風情に我ら四大天使の内、三人までもが討ち取られるとはな」
「こ、このままでは、我らの悲願、千年王国は……!」

焦燥する伝令の発言に対し手を翳してミカエルは遮る。
英雄を名乗る人間が、混沌の軍勢を討ち滅ぼしたと聞いた時には、唯一神を頂点とした千年王国まで、あと一歩だと大いに沸き立った。
並み居る魔王を屠ったとはいえ、相手はただの人間。
恐れる事はないと、たかをくくっていたのは単なる慢心と思い知らされた。
秩序を守る英雄、ロウヒーローやミカエルを除く大天使も悉くが敗れさった。
仮に勝利したとしても、混沌の軍勢は忌まわしき愚兄を含め未だ健在。
事態は混迷を極め、千年王国はまた遠のいてしまう、だろう。

(……保険はかけておいたが、さて、どうなるかな)

ロウヒーローが出陣する直前に、彼に渡した木片を思い浮かべる。
ゴルフェの木片、ノアの方舟の材料としても知られる伝説の木材。
万が一にでもロウヒーローが敗れ、天使の軍勢が壊滅的な被害を受けたとき、死した英雄の魂をアマラ経絡を通じて、いつしか耳にした聖杯戦争へと送り込む為にミカエルが独断で準備したものだ。
かの英雄が優勝すれば、それは即ち千年王国の到来、彼らの勝利だ。
一留の望みを胸にミカエルは厳かに羽を一羽ばたきさせ、宙に浮き上がる。
ミカエルの最後の時が訪れる。


227 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 00:58:46 cv/44pos0
そうか… 僕は 生け贄にすぎなかったのか…


神の使徒としての、法の英雄としての、二度目の生は終わりを向かえた。
まだ使命に目覚める前の僕であれば、到底賛同する筈もなかった大粛清にも心を痛めることはなかった。
友とも袂を分かってまで正しいと信じることの為に、殉じることができたのだ。

ああ、結局、僕は彼に勝利することはできなかった。
法の世を導く事はできなかったけど、自分の歩んだ道のりに悔いはない。
そう、思っていた。
意識が途切れる瞬間に目に写ったのは、殺しあっていた時には見せなかった、今にも泣き出しそうな友人の顔。
彼と、そしてもう一人の彼と共にこの荒廃した東京の地で生き抜いた記憶が、既に捨て去った筈の、英雄ではなく一人の人間としての感情が、急激にフラッシュバックする。

待て、待ってくれ。
せめて、せめて一言。
彼に謝罪をさせてくれ。
かつての僕として、彼に話をさせてくれ。
人としての僕の思いは叶うことなく、底無しの暗闇に意識が沈む。
ふと、戦いに臨む前にミカエル様から賜った木片が輝いた気がした。

もし、もしもだ。
ゴトウがクーデターを起こさなかったら。
トールマンが核を日本に落とさなければ。
あの東京の町で、僕は愛した彼女と幸せに人としての一生を送れたかもしれない。
彼女の幼馴染みだった彼や、同じ町に住んでいる彼とひょんな切っ掛けで知り合って、決別する前の時のように、友人になっていたかもしれない。

それは可能性の話。
あくまで、ありえたかも知れないというだけの荒唐無稽な話。
だけれども、僕は。
法の英雄『ロウヒーロー』ではなく、一人の人間『ヨシオ』としての僕は。
そんな荒唐無稽な奇跡を、いまわの際に強く願ってしまった。

そして、僕はこの戦争の場で目を覚ました。

「……あ」

目が覚めたのは、どこかの教会の中。
混濁した記憶の中で、僕はこの教会に住み込みで働くNPCとして配置されていた事や、聖杯戦争のルールが流れてくる。


228 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 00:59:25 cv/44pos0
「目が覚めたか?」

不意に前の席から声が聞こえ、飛び起きるように上体を起こす。
そこにいたのは長い髪を一つにまとめ、青い服を着た、近寄りがたい雰囲気を放つ一人の男性だった。

「君は……?」
「海ぞ……、いや、今はセイバーか。お前のサーヴァントとして呼び出された」

僕のサーヴァントだというセイバーと名乗った男は、ぶっきらぼうに言い放つ。
セイバー、主に剣を扱う者が該当する、最優のサーヴァント。
と、知りもしない筈の知識が脳裏に浮かぶ。
なるほど、確かに彼はカットラスと呼ばれる種類の剣を二振り持っている。
まごうことなきセイバーのサーヴァント、だと思う。

「ああ、えっと、よろしくお願いします、セイバーさん。僕は……」

どちらの名を名乗るべきか瞬巡する。

「……ヨシオ、ヨシオと言います」

僕は、ヨシオとセイバーに名乗った。
なにも、英雄と呼ばれる人間の前でヒーローを名乗るのが憚られたとか、その名を聞いてなにも知らない相手からどんな反応が来るのかわかりきっていたとか、そんな理由では断じてない。

どのような経緯で僕がこの戦争に参加する事になったのかはわからない。
だが、意識が途切れる前に強く願った想いは、千年王国の到来を臨む、法の英雄としての意思ではなく、
運命という名の荒波に翻弄され続けた、ヨシオという一人の人間としての意思だった。
だから、この戦いに挑むのは大いなる意思に自ら望んで身を捧げた英雄ではない。
悪魔が現れた世紀末を、崩壊した東京を、彼らと共に生き抜こうとしたただ一人の人間だ。

優勝したところで願うのは法に守られた秩序ある安寧の世界ではなく、秩序と混沌が入り交じる遥か懐かしいあの日常。
それは、紛れもない神への反逆だ。

心が罪悪感で軋む。
自分の信じた道を自ずから外れる事。
勝ち残る為に罪なき人を、もしかしたら僕と同じく切実な願いを持つ人を踏みにじる事。

願いの為に他者を省みず犠牲にする行為。
それは、強大な力に破れた彼が取った行為であり、法の英雄となった僕が取った行為でもある。
その事に心が痛むのは、僕の姿が悪魔に殺される前のあの頃に戻ったからだろうか。


229 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:00:08 cv/44pos0
「……一つ、忠告しておく」

セイバーが、真剣な眼差しで僕を見据える。

「お前の願いがどんな願いかは知らないが、迷いがあるならやめておけ。……後悔するのなら、初めからしない方が身のためだ」

……顔に出ていたのだろうか。
僕の心中で渦巻く煩悶はセイバーに察せられてしまったようだ。
確かに迷いがないと言えば嘘になる。
これから僕が行うことに抵抗があるかと言えば、それはYESだ。
それでも……。

「失ったものを、取り戻したいんです」

ピクリと、セイバーが僕の言葉に反応した。

「崩壊した世界で、家族も愛した人も亡くしました。悪魔に殺された僕は大いなる神の導きで英雄として甦り、かつての友たちと殺しあい、そして友によって殺されました」

言葉が、感情が、止まらない。

「あるがままを受け入れてきた道のりだったと思います。英雄として甦った僕に、後悔はなかったと思います。だけど、一人の人間としての僕は違った」

最後に甦った『ヨシオ』としての僕。

「僕達の人生を滅茶苦茶に変えた出来事を無かったことにしたい。そんな"if"を掴みとりたい。例え、何を犠牲にしたって」

だから僕は、ヨシオとしての僕が嫌悪していた事だとしても、それを成し遂げる。

「英雄と呼ばれる貴方には僕の行為は馬鹿げたものに写るかもしれない、それでも……!」
「馬鹿なもんか」

不意に、言葉を遮られた。
力強い両の瞳が、まっすぐに僕を捉えていた。


230 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:00:58 cv/44pos0
「大切な人達だったんだな?」

セイバーの問いに、僕は無言で頷く。

「だったら、変わり果てた姿になろうが、敵になろうが、救えるものなら救ってやりたい。取り戻せるのなら取り戻したい。悩んで当たり前だ、あがいて当たり前だ。……ある男の受け売りだがな」

ここにいない誰かを思い出すように、力強くセイバーは僕に語りかけてくれる。

「俺は、ある人の魂は救えたが、その身体は救えなかった。やれるだけの事はやりきった。それでも、『何かできたんじゃないのか』とまだ心のどこかで思っている」

それが、俺がここに呼ばれた理由かもしれないな、とセイバーはどこか遠くを見ながら呟いた。

「正直なところ、誰かを殺してまで願いを叶えるような奴はロクな奴じゃないと思っていた」

セイバーの近寄り難い雰囲気が、少し和らいだ気がする。
彼は聖杯戦争そのものにあまり気乗りがしていないようだ。
巻き込んでしまい、申し訳ない気持ちになる。

「だが、死んだお前には他に方法もなさそうだ。なら、手伝ってやるしかないだろう」

そう言って彼は椅子から立ち上がり、改めて僕を見る。

「ジョーだ」
「え?」
「ジョー・ギブケン、それが俺の名前だ。セイバーなんて呼び方よりも、そっちの方がなじみ深い」

そういうと、セイバー、いや、ジョーさんは教会の入り口に向かって歩いていく。
……ひとまずは、僕を認めてくれた、という事なのだろう。

右手の甲に目を向ける。
幾何学な紋様――令呪――が白く輝いている。
絶対に、勝利を掴み取る。
決意を新たに、僕はジョーさんの背を追った。


231 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:02:08 cv/44pos0
先頭を歩くジョーは自身のポケットに手を入れ、ある感触を確認する。

(まさか、本当に入っているとはな)

サーヴァントとして呼び出された時に頭に入り込んだ己が切り札、宝具の情報。
その中に、既に彼の、いや彼らの手から離れていた筈の物が登録されていた。

ジョーが取り出したのは、レンジャーキーと呼ばれるものだった。
かつて地球を守ってきた35のスーパー戦隊の力の結晶。
ジョーはそれを用いれば、その戦隊の力を得る事ができる。

入っていたのは、ダイヤジャック、バトルフランス、ブルースリー、ガオブルー、そして、デカマスターのレンジャーキー

セイバーとして顕現したが故の制限か、専用武器が刀剣の類のレンジャーキーだけが宝具として割り当てられたようだ

(あんた達や、マーベラスなら、こんな戦争を止めようとするんだろうな)

レジェンド戦隊の力。
それを切実とはいえ、願いを叶えるための殺し合いで使う事に、ジョーは抵抗を覚える。
実際、ろくでもない願いであれば、自害を命じられようが、ジョーも従う事はなかっただろう。
だが、分たれた運命を取り戻そうと足掻く青年に、思わずかつての自分を重ねてしまった。
自分に成し遂げられなかった事を、後ろを歩く彼が成し遂げられればと、思ってしまった。

道は既に決まった。
偉大なる先達や、帰るべき船の船長に内心詫びながら、ジョー・ギブケンはこの戦争を勝ち抜く覚悟を決めた。
その為に、己が両手を血に染めようとも。


232 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:03:11 cv/44pos0
【クラス】セイバー
【真名】ジョー・ギブケン@海賊戦隊ゴーカイジャー
【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具B
【属性】
 混沌・善 
【クラススキル】
対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
騎乗:D 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。

【保有スキル】

心眼(真):C
修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”
 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

立体戦闘:B
三次元的な戦闘が得意。
 障害物の多い場所や悪地形の場所で戦闘時に、行動阻害のペナルティを受け付けない。
 かつ、地形を利用して相手に行動阻害のペナルティを中確率で発生させる


【宝具】勇気の旗掲げし青き海賊(ゴーカイブルー)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
ゴーカイブルーへと変身し、ステータスを以下に変更する

筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具B

またこの状態になる事で以下の宝具が展開可能となる。

【宝具】最終波動(ファイナルウェーブ)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:1〜5人

二本のゴーカイサーベルから斬撃状のエネルギーを放つ。使用するにはゴーカイサーベルのシリンダーにゴーカイジャーのレンジャーキーを差し込む工程が必要になる。

【宝具】託されし伝説達の写し身(ゴーカイチェンジ)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
伝説とされる35のスーパー戦隊の戦士に変身ができる。本来であれば青の戦士全てのレンジャーキーと、セイバーがかつての戦いで多用していたデカマスターのレンジャーキーが宝具として再現可能だが、
セイバーのクラスで召喚された為、セイバーと同じ青の戦士の中でも刀剣類の専用装備を持っているレンジャーキーのみが宝具として使用可能となった。

レジェンド戦士に変身中、能力値の変更と、固有スキルの追加、weponの変更がされる。
詳細は下記


233 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:03:51 cv/44pos0
『ダイヤジャック』
筋力B 耐久B 敏捷B+ 魔力D 幸運C 宝具B
【追加スキル】
加速装置:A
ダイヤジャックに内蔵された加速装置。一時的に敏捷を二倍にする。
【weapon】
ダイヤソード
電気エネルギーを帯びた伸縮自在の細身の剣、この剣による攻撃は電撃の属性が付与される。
また地面や水中に突き刺せば電流を周囲に流す事も可能。

『バトルフランス』
筋力B 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運C 宝具B
【追加スキル】
スパニッシュダンス:A
フラメンコを中心としたダンスアクション
踊る様な華麗な体捌きで相手を翻弄する。敏捷の差が高ければ高いほど
、接近戦時に有利な補正がかかる
【weapon】
エペ
フェンシング用の細身の剣
刺突がメインのスピーディーな戦闘スタイルに変わる。

『ブルースリー』

筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具B
【追加スキル】
聞き耳:A
耳がいい。
搭載された超電磁イヤーで1キロ離れた機械音や物音を察知できる。

跳躍:A
ジャンプ力に優れている。
鍛えられた足腰からくる跳躍力。
このランクまで行くと跳躍ではなく滑空の域にまで達している。
【weapon】
エレキソード
刀身に任意で高圧電流を発生させる。
攻撃時に電撃属性による攻撃が選択できる。

『ガオブルー』
筋力A 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具B
【追加スキル】
水中適正:A
水中戦に長けている。
水中及び水上での戦闘時に有利な補正を得る。
水中を時速80キロで泳ぐ事ができる。
【weapon】
シャークカッター
二本一組の鮫の背びれを模したカッター。
5cmの鉄板を軽く切り裂ける切れ味を誇る。

『デカマスター』
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具B
【追加スキル】
100人斬り:A
一対多の戦闘への圧倒的な戦闘適正。
見切り、宗和の心得の効果を兼ね揃えた特殊スキル
【weapon】
ディーソードベガ
超音波振動により、神秘的な加護でもなければなんでも切り裂ける剣。
また柄から光弾を放ったり、エネルギーの刃を精製できる。


234 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:04:38 cv/44pos0
【weapon】
ゴーカイサーベル
カットラスの形状をした刀剣。セイバーは2振り持っている。
ワイヤー射出機能があり離脱時を始め様々な局面で活用が可能。

【人物背景】
海賊戦隊ゴーカイジャーの副船長
冷静沈着で口数の少ない寡黙な男性。
ゴーカイジャー随一の剣士で戦闘スタイルは二刀流、かつては敵対勢力であるザンギャック帝国の特殊部隊に所属していたが、初任務で子供を殺す任務に反発し投獄。
先輩であったシドと共に帝国から脱走するも、シドと離ればなれになり、紆余曲折の末にゴーカイジャーの一員となった。
気取りやかつ無愛想だが、根は優しい生真面目な努力家であり、暇さえあればいつも筋トレをしている。特技はお菓子作り
地球を舞台にしたザンギャックとの戦いでサイボーグへと改造されたシドことバリゾーグと再会、煩悶、諦観の末、かつてのレジェンド戦士、ライブマンの大原丈との出会いの末に、シドの魂を救うという目標を得る。バリゾーグとの最終決戦においてバリゾーグを撃破、シドの魂だけでも救う事ができた

【サーヴァントとしての願い】
強い願いはなかったが、自身が倒したシドに対し、『まだ何かできたのではないか?』という内なる未練が残っていた事で呼び出された。
現在の願いはロウヒーローの手助けをすること

【基本戦術、方針、運用法】
決め手らしい決め手こそないものの、各種ゴーカイチェンジでオールラウンドに対応可能。また機動性に長けた変身が多いので、かく乱戦などが主体になるだろうか。
障害物や悪路など行動を阻害するものがある地形での戦闘を得意としているので、相手を自分の得意なフィールドに引きずり込んで戦うのが鍵。


235 : セイバー&ロウヒーロー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:06:15 cv/44pos0
【マスター】ロウヒーロー(ヨシオ)@真・女神転生
【参加方法】大天使ミカエルからゴフェルの木片を渡された
【マスターとしての願い】ゴトウのクーデターと、トールマンの核ミサイル発射が起こらない世界に変える
【weapon】特になし
【能力・技能】
魔法が使用可能
地図魔法(マッパー)
HP回復魔法(ディア ディアラマ)
衝撃攻撃魔法(ザン〜マハザンマ)
マヒ治癒魔法(パララディ)
混乱魔法(プリンパ)
※マカトラ・サマリカーム・トラフーリは聖杯戦争のバランスを崩す可能性があるとして参加時にオミットされました

【人物背景】
主人公の夢で磔にされていた青年。主人公の幼なじみとは彼氏と彼女の間柄。
心優しい性格で、一部人間の欲望の為に大多数の人間が犠牲になるのを嫌う。
ゴトウのクーデターに際して彼女と離ればなれになり、主人公と行動を共にする。
東京に核ミサイルが落ちる際には主人公ともども金剛深界に飛ばされ事なきを得、崩壊した数十年後の東京にて、仲間との離別や変わり果てた彼女との出会いの末、主人公を庇い悪魔の凶刃に倒れ、死を向かえた。
しかし、その自己犠牲の心が天使の目に止まり、唯一神を信仰する民を守る英雄としての復活を熱望され、彼はそれを受諾した。
だが、蘇った彼にかつての優しい心根はなく、目的の為ならば罪も無い人を殺して心を痛める事もなくなった、ただの法の為に尽くすだけの存在となってしまった。
主人公との戦闘を経て、死ぬ間際になって本来の彼を取り戻したが時既に遅く、人としての強い未練が彼を聖杯戦争の場に呼び寄せる事になった。
見た目は俗に言われる餃子こと、法の衣姿ではなく、死ぬ前の赤いジャケットを着ている。

【方針】
現状の情報収拾。
戦争に乗っているものから優先的に始末を開始する、
同盟なども視野に入れて行動開始。いきなり喧嘩を吹っかけはしない。


236 : ◆O2eZPN5WFA :2014/07/03(木) 01:06:53 cv/44pos0
以上で投下を終了します


237 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:10:21 lSvPIzkM0
>>224いえお構いなく
では改めて、宝条&セイバー、投下します


238 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:10:58 lSvPIzkM0


魂が叫んでいる。


変わらぬ渇望が、己の奥底に眠るものが訴えている。



   power.
―――力を。



I need more power.
―――もっと力を。







239 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:12:06 lSvPIzkM0




泥の底でぬかるんでいた意識が、目を覚ます。
開いた視界に見えるのは、錆ついた床、薄暗い天上、何かを稼働させている機械。
そして、値踏みするようにこちらを観察する一人の男。

「ようやく起きたか。ようこそサーヴァント。聖杯戦争へ」

サーヴァント。聖杯戦争。
ふたつの単語を以て覚醒は一瞬で行われた。
そう、これは戦争。ただ一人のマスターと、ただ一人のサーヴァントのみが生き残れる熾烈な殺し合い。
その果てに得られる報酬。聖杯。ムーンセル・オートマン。ノアの箱舟。
呼称は数あれどその本質はただ一点。絶大な「力」そのものを獲得。
己はその為に世界の壁を超えて呼び出されたサーヴァント。
適合したのは剣士、『セイバー』。最優とも呼ばれるサーヴァント・クラス。

「貴様が俺のマスターか」

殺気を込めた視線で睨め付け、男へと契約の確認を行う。
初対面の、それもサーヴァントの生命線となるマスターに向けた反応ではないが気にしたことではない。

果たして目の前のマスターらしき男は、薄汚れた白衣を着込んだ初老前後の、科学者然とした姿だった。
データの研究のみに費やしたであろう体は肉が細く、サーヴァントでなくとも容易くへし折れそうな脆さを抱えている。
しかし顔に穿たれた二つの孔から見える眼光のみはギラギラと照りついている。
性質はどうあれ、それがこの男を奮い立たせる強さであるのは確かだ。

「ほお、かなりの能力値じゃないか。幸運以外ほぼAランク、スキルにも穴がない。最優のクラス、セイバーと呼ばれるだけのことはある。
 クックック……こいつはいい当たりを引いたようだ」

サーヴァントの言葉は剣呑ではあったが、契約を結ぶ際において真っ当なものであった。
参加者に選ばれたのが本意でないにしても、悪魔であろうが震え出す男の声に当てられてはまず頷く他ない。
だがマスターとされる男はサーヴァントには関心を向けず、そのステータスのみに注視しているようだった。

苛立ちと共に、サーヴァントは己が得物を抜き放った。
鞘に収められていたのは長大な日本刀だった。
怜悧にして熾烈、見た者の視線を離さない美しさと、触れる者を一切区別無く斬り飛ばす凄惨さとが渾然一体となっている。
刀身から溢れんばかりの濃密な魔力の束。男の精神をそのまま刀に嵌めこんだかのようなそれは、紛れもなくこのサーヴァントの「宝具」だった。

英霊の切り札ともいえる切っ先を鼻先に添えられても、男には動揺の色が全くない。
余程の豪胆か愚鈍か、あるいはそれすら及ばない狂気故か。

「答えろ、亡霊風情が」
「私の正体にも気づくか。それもその宝具……クックック、こいつは中々の因果だな。
 おっとこれ以上近づけるな。いちいち駒に意思疎通を図るなど面倒臭いにも程があるが仕方ない。自己紹介といこう。
 そうだとも、私がお前のマスターだ『セイバー』。私の名は宝条。見ての通り科学者だよ」

左手の甲に刻まれた紋様、令呪をちらつかせてマスター……宝条は答える。
自分に向けられた、ねばり絡みつくような声はただ不快感だけをもたらした。
顔の造形も相まって、さながら蛇や蜥蜴といった爬虫類を連想させる。

「バージルだ」

簡潔にただ自分の真名のみを告げ、セイバーのサーヴァント、バージルは刀を鞘に戻した。


240 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:13:28 lSvPIzkM0


互いの認識と了解を経て、ようやくここにマスターとサーヴァントとしての関係は成立した。
召喚直後の僅かな交わし合いだけでも、この男が人間として低俗な部類に含まれるものだと直感できた。
だが、バージルは人間性などという不要な感情を己のマスターに欠片も期待していない。

重視すべきは、サーヴァントとして現界したこの身を生前と同程度の能力にまで維持出来る魔力があるか。
他のサーヴァントのみならずマスターをも躊躇なく殺せるか。そして何より、自分の邪魔をしないか。
この三点のみである。
魔力については今の所淀みなく供給されている。並みのサーヴァントでは指一本動かすのも億劫になる自分をだ。
見たところ宝条にまるで消耗した様子はないが、それだけ優れた魔術の才があるということなのか。
だが何か、繋がっている魔力経路(パス)に違和感が拭えない。

そこで気づいた。今の今まで目に留める価値もないと断じていた、床に散らばる塵と同様に打ち捨てられていた”それ”に。

「なんだ、それは」
「なぁに、軽い保険だよ。察しの通り私には実体がなくてね。
 このシステムにはハッキングにより侵入しマスター権を得たわけだが、現実の肉体がないマスターにどう対応するのかまでは読めなかった。
 そこで一計を案じ、同じマスター候補だったこの男を支配し、私の身代わりをやってもらったというわけさ」

赤いコートにシルクハットという悪趣味な出立ちな男は、なるほど白衣の科学者よりもよほど魔術師らしかった。
既に自意識は失われており、皺だらけの顔を痙攣させて身悶えている。恐らく二度と健常な生活は送れまい。

「それで、役目が終わったそれはどうするつもりだ」
「今の所は魔力タンクとして活用してもらってるよ。お前は相当の魔力喰らいのようだしな。
 ああ魔力については心配するな。私に魔術師としての才能はないが、科学者としての才能はある。それも天才のな。
 いくつか魔晄の過給機を設置できる土地を見繕っておいたし、NPC共を捕らえて効率的な補給システムを産み出す算段もついている。クックック……」

宝条の言葉で諸々の疑問に合点がいった。
知覚を最大限にすれば、魔力供給は倒れ伏している方の男から流れているのが感じられる。
利用する者は徹底的に絞り尽くす算段のようだ。そういった方法にバージルは、特に不快感は抱かない。
その在り方は彼の望む「悪魔」の姿に、実に合致していたからだ。
まして自身の強化に充ててもらえるというのなら是非もない。
「利用価値」という一点のみで、セイバーは宝条はマスターとして認めようとしていた。


『ア……』


意志を剥奪され力無く横臥し、ただ弄ばれるのみの運命が確定したと思しき魔術師が、その時やおら動き直立した。
起き上がった男の顔は醜い皺を刻んでいる。
溶けていた。男の顔筋は体内での熱膨張によってぐずぐずに崩れ出していた。

『アオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』

魂切る絶叫。
顎を裂き、全身を肥大化させる。骨格は割れ新たな肉を象る基盤に作り変わる。
かつて魔術師と呼ばれていた男は、見る見るうちに形容しがたい化物(モンスター)へと変化を遂げていた。

「ああ、忘れてた。そういえばコイツにはサンプルとしてジェノバのデータを投与していたんだったな。
 魔術師の肉体にジェノバ細胞がどう反応するのか見たかったんだが……あまり変わらんな。つまらん」
「…………」

実験が失敗した事の失望のみを口にして、宝条はさもあっけからんとしている。
魔術師といえど人一人を化物へと貶めた張本人にしては、その言葉はあまりに薄い感慨しかこもっていなかった。

化物はセイバーが首を真上に掲げなければならないほどの巨体となっていた。
左右は非対称、足は退化してフォルムは海洋生物を思わせる。
どこを見ても魔術師はおろか人の原型すら留めていない。
正真の魔物はなけなしの理性か、それともただの本能か、眼下の小さな虫二匹に牙を剥けにじり寄ってくる。


241 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:15:39 lSvPIzkM0


「丁度いい、実戦テストといこう。ここでお前のスペックを見せて貰おうじゃないか」

事態を理解してないかのように、宝条はそんな台詞を口にした。
事を起こした原因でありながら、無責任に後始末を命じてきたのだ。これで苛立たないわけがない。
今すぐそのそっ首を斬り落とそうかと考えたセイバーだが、ギリギリの所で踏み止まる。
斬るにしてもマスターを失えばこの化物にも抗し得ない。何よりそんな間抜けた脱落は死んでも御免だった。

「斬られたくなければ退いてろ」

斬撃が「届く」外まで下がらせ、敵を前に仁王立つ。
魔力供給は別のラインに渡ったようだが、この戦闘に消費(つか)うには問題のない量だ。

残った一人を始めの獲物と判断して、化物は嘶き、自身の肉の一部がひとりでに分裂した。
切り分けられたそれは各々が急速に様々な形を成していく。あるモノは人型、あるモノは獣型。
元の魔術師が所有していた使い魔だろう。宝条が投与したデータにより魔術師と一体化し、より捕食に特化した姿に再構成されたのだ。
分裂体は瞬く間にセイバーを取り囲む。前後左右、上の空間に至るまで。

彼らは彼我の戦力差も考慮しないただの兵器だが、自己にとって最良の戦術を取るだけの知能を持ち合わせていた。
魔物は一斉に、包囲した獲物へと殺到した。どこへ逃げようと、人の刃、獣の牙のいずれかを喰らわずにはいられない。
更に正面には親たるモノが今も子を産み出している。切れ目のない連続攻撃はどれだけ歴戦の英雄だろうと片手間に済ませる脅威ではない。



そもそも、この悪魔(デビル)にとって、こんな子供騙しは脅威ですらなかったのだから。



それは正しく、怪異と呼ぶ他ない光景だった。
飢えに奮え殺到した魔物の群れが、餌に牙を食らいつく直前、まるでその地点に埋められていた地雷が起動したかのように破裂したのだ。
だがこの破壊は爆弾によるものではない。これは、「斬殺」だ。
一瞬。一閃。手にした一刀を勢いよく円陣形に振り回す。
それだけの行為で、襲いかかった魔物は全滅したのだ。

斬殺の凶器たる日本刀は、穢れた血に濡れていても流麗なままでいる。
そして、殺戮の凶手たる剣士―――セイバーには、当然の如くかすり傷のひとつもない。
刀と同等の鋭さを秘めた目線が、ただ、来いと告げている。

すかさず、後続に配置されていた人型魔物が、鋭利な刃になった手を振りかざして躍りかかる。
下ろした手刀が剣士の頭蓋に突き刺さる。そんな未来の到来ごと、抜かれた剣閃が胴体を泣き別れにした。
続く手勢も、一秒二秒の時差で一体目と同じ末路を辿っていく。



セイバーの剣裁きは、それこそ青い嵐のようであった。
あらゆる無駄を排し、敵を定めたモノをただ敵として葬るだけに培われた技術。
刀の反射光が線を刻む度敵は裂かれ、ちぎれ、抹消される。
時には腰に挿した鞘で斬撃を弾き、生まれた隙に遠慮なく刃を通していく。
生まれるのは怪魔の死骸と血だまりのみ。嵐の中心たる剣士は些かの消耗も見られていない。

技量のみならず、セイバーの手にした宝具『閻魔刀(やまと)』もまた秀逸なる業物だった。
頑強さでは自然界の生物を遥かに上回る魔物の肉を、まるで固まる前の泥細工か何かのように鮮やかに切り分ける。
サーヴァントと昇華される前から、この宝具は壮絶な歴史を持つ魔具だ。
剣は男の持つ力を最大に引き上げ。
男は剣の持つ力の最上を引き出す。
人刃一体。
宝具をサーヴァントの象徴と呼ぶのなら、『彼ら』は紛れもなく互いを合一させていた。



剣風が止む。
鮮やかな動作で刀を鞘に仕舞う。魔物の軍勢はとうに死滅している。
肉体を幾ら削がれても活動できるという人外者の強みは、この一対の刃を前に何の意味もなさないものだった。

残った一頭、魔術師の面影は露と消えたモンスター……今はもう「ジェノバ」として呼ぶ他ない魔物は敵へと鎌首もたげて威嚇する。
異形たりとて生命体としての本能が訴えていた。あの敵は危険。あの敵は脅威。
あの敵は、こちらの「死」そのものだと。

怒り、焦燥、恐怖に駆られた化物に躊躇はなかった。
前面に展開される大型の光球。元魔術師が得意としていた火属性の魔術をジェノバの力によって強化増幅させた火炎弾だ。
その摂氏、実に三〇〇〇度。触れれば即蒸発。触れずとも周囲に伝播する熱気は、今度こそこの悪魔にも通用する。
たとえ威力圏外から外れようとも、背後に控えるもう一人の餌(マスター)の抹消は避けられない―――!


242 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:18:32 lSvPIzkM0




それも、発動が出来たらの話だったが。



怪物の顎の目前にまで跳躍した。否、”出現”した。
移動の軌跡など見えなかった。瞬きもないその時間に何が起きたか、正常な思考があっても理解できたかどうか。
地面に着地し、魔物に背を向け歩き去るバージルが、いつの間に抜いていた閻魔刀を再度、収める。
―――『闇裂く瞬動(ダークスレイヤー)』。
事は既に成れり。セイバーの絶技を昇華したこの宝具の名を、名もなき魔物が刻む日は永遠にない。

まず、顔面が唐竹に割れた。
喉元は輪切りにされ、威嚇に蠢いていた触手は残らず切り飛んだ。
最後に残った円柱状の姿になった胴体にも幾つもの線が走り、なぞるように崩れ落ちる。
誰とも知れず、何を願いこの場に参じたかも顧みられず、結局玩弄の運命からは逃れられず。
何の救済も送られないまま、ある魔術師の聖杯戦争は、ここに幕を閉じた。






「クァックァックァ……!ああ、いい!いいぞ!
 その顔、その髪、その武器、その戦いぶり、その思想!その出生!何もかもが”奴”と同様だ!
 これなら手に入る……ムーンセルを、聖杯を、私の天才的才能を活かし切れる究極の研究を!クァックァックァ……!」

戦いの顛末―――性能テストの結果に狂気的な哄笑を抑えきれない宝条。
下卑た声には関心もなく、セイバーはデータと化し分解されていく死骸の山に向けて、手を差し出す。
すると集積した光がセイバーの手の中へと吸い込まれていった。
サーヴァントの共通能力としてある魂喰い。魔術師かつジェノバ細胞のデータを投与された事で
一種の敵勢プログラム(エネミー)と化した魔物の魔力は相応に充溢といえ、無駄な浪費は抑える結果にはなった。

「さて。テストも終わったからにはもう手をこまねく暇はないな。
 私は魔晄炉の設置と、材料にするためNPC共を捕獲してくるとしよう。
 出向きたい所があれば好きにするがいい。サポートは行ってやる。何なら幾らかポーションやモンスターのプログラムも渡そうか?」
「要らん。俺の邪魔をしない限りは好きにしろ。
 だがその領分を超える事があるようなら―――その時は容赦なく斬る」

ここでいう邪魔とは、即ちNPCの大量虐殺による、ルーラーからのペナルティだ。
マスターの暴走の責任を負う気は微塵もない。その時点で弁明の余地ない裏切りと見做すと忠告をした。

扉を開け、外の街並みを一瞥する。
あそこには今多くの英霊がひしめいている。伝説の偉業を成した力ある戦士が。
それらを全て打ち倒す事は隠し様のない力の証明。そして己が望みを開く鍵ともなる。

聖杯という極限の「力」。それを手にし、バージルは父の伝説を塗り替える。




   It begins
「―――始めるか」


243 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:21:14 lSvPIzkM0





**【出展】Devil may cry3

**【CLASS】セイバー

**【真名】バージル

**【ステータス】
筋力B 耐久A 敏捷A+ 魔力A 幸運D 宝具A+

**【属性】
混沌・中庸

**【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

**保有スキル
半人半魔:A
神ではなく、悪魔との混血度を表す。
伝説と謳われる魔剣士と人間の女性との間に生まれた双子の兄。
悪魔となることを自ら望んでいるため、弟よりもランクが高い。

スタイリッシュムーブ:A
攻撃に成功、あるいは敵の攻撃を回避する度、攻撃速度とダメージ値が上昇する。
一度では微々たる効果だが、数十数百と繰り返せばその威力は果てしない。
攻撃を中断、ダメージを受けるなどで効果は停止、初期値に戻る。

**【宝具】
『閻魔刀(やまと)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:10人
 ―――父から受け継いだ一振りの日本刀。「人と魔を分かつ」太刀。
 一説には意思が宿っているとも。
 「斬る」という、刀剣として当然の性質を極限まで研ぎ澄ましたもので、
 その鋭利さは空間の切断、概念の破壊にまで至る。
 ランク以下の物理・魔術・概念系防御に対して抵抗、貫通の判定を行える。
 バージルは鞘を組み合わせた居合抜き、可視化された斬撃を周囲に飛ばす等を基本戦術とする。

『闇裂く瞬動(ダークスレイヤー)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:1人
 宝具というよりは、生前からのバージルの戦闘スタイル。
 レンジ内であれば「敵」を基点とした自在な瞬間移動が可能。
 対敵者がいない限りこの宝具は発動しない。

『魔人解放・渇望の剣士(デビルトリガー・ネロアンジェロ)』
ランク:A+ 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
 ―――悪魔の力を解放し、肉体を変化させた魔人と化す。
 全ステータスをワンランクアップさせる他、HPの自動回復、
 ダメージに怯まないスーパーアーマー効果が付与される。
 展開時間は最大10ターン。外部からの補助があればその限りではない。
 天使(アンジェロ)という称号には不釣り合いな不気味な外観だが、何故その名前なのかはバージルも知らない。

**weapon※宝具以外の武装
『幻影剣』
バージルの魔力から生み出される浅葱色の剣。銃火器を好まないバージル唯一の遠距離攻撃手段。
複数を一度に射出したり、自身の周囲に円環状に配置、回転させることで連続攻撃を可能とする。

『アミュレット』
母エヴァの形見でもあるアミュレット。
これ自体に特殊な力はないが、弟の持つ片割れのアミュレットとを合わせると
父スパーダの名を冠する最強の魔剣を手にするための鍵となる。

この他、複数の魔具を所有、仕様した経験があるが、「バージル」としての宝具はこれのみである。


244 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:22:24 lSvPIzkM0


**【人物背景】
主人公ダンテの双子の兄であり、2000年前に悪魔でありながら人間に味方し、
魔界を封じた伝説の魔剣士スパーダと人間の女との間に生まれた子供。
逆立てた銀髪、青いコートとダンテとは対極の姿。髪を降ろした顔はダンテと瓜二つである。
かつてスパーダが封じた魔帝ムンドゥスの手下の悪魔に母エヴァを守れなかったことで己の無力を感じ、
力こそが全てという考えを持つようになる。
そして、「優しさ」や「正義感」といった感情を捨て、悪魔として生きることを選んだ。
冷静沈着で残忍。他人を信用せず、例え味方でも疑惑が生じれば迷わず斬り捨てる。
無差別な殺戮はしないが、邪魔する者は人間でも悪魔でも容赦無く排除する

**【サーヴァントとしての願い】
力を。更なる力を。

**【基本戦術、方針、運用法】
見敵必殺。目的の為なら冷徹冷酷にサーヴァント・マスター問わず斬り殺す、ラスボス仕様セイバー。
人の情を見せる者にはたとえ自分のマスターであっても斬ることを視野に入れる程。
そういう意味では人情とは程遠い(あってもまず真っ当な思い方ではない)宝条との相性はまずまず。
かといって抜群であるはずもなく、互いに利用し合う剣呑な関係性であるのは疑いようがない。


245 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:25:06 lSvPIzkM0

**【出展】FINAL FANTASY VII

**【マスター名】宝条

**【参加方法】
データ化した状態でムーンセルの情報に行き着き、データ化されたゴフェルの木を入手して参加。
保険として、他マスターの情報を改竄して自分に見せかけていた。

**【マスターとしての願い】
ムーンセルを手に入れ、己の知的好奇心を余すことなく活かす。

**【weapon】
**【能力・技能】
この聖杯戦争においては実体がない点を利用して、研究の産物として持ち込んだ薬やモンスターをプログラム化して送り込める。
中にはジェノバのデータという明らかにヤバイ代物も。
魔術師ではないがデータ化の恩恵で霊子ハッカーとしての才能は有している。
魔晄やソルジャーを始めとした研究知識もあり、魔晄炉のようなエネルギー補給も考案している。

**【人物背景】
ミッドガルの科学部門総括で、セフィロスの実父。『FFVII』シリーズの殆どの事件に何らかの形で関わっている。
知識欲や研究欲の権化のような人物であり、それ以外のことにはほとんど興味を示さない。
研究のためならば人の命すらなんとも思わずに研究材料として扱う、危険な思想を持ったマッドサイエンティスト。
ガスト博士に師事し、ルクレツィアと共に彼が提唱した古代種を蘇らせる「ジェノバ・プロジェクト」に参加していたが、
自身の科学者としてのセンスの無さを自覚し、天才であるガスト博士に対して強い劣等感を抱いていた。
ルクレツィアが身篭った自分の子供(セフィロス)に対しては(歪んではいるが)愛情を持っていたようだ。

ジェノバが古代種ではないと判明したためガスト博士が神羅カンパニーを去った後、
ガスト博士を継ぐ形でジェノバ・プロジェクトの責任者となり、ジェノバの利用方法の解明と本物の古代種の捜索も行っていた。
ジェノバ細胞と魔晄を用いた強化人間「ソルジャー」や、リユニオン仮説の証明のための実験体「セフィロスコピー」なども彼の研究開発の一環である。

終盤で、ミッドガルの被害も考えず魔晄キャノンを使って息子であるセフィロスに魔晄エネルギーを送ろうとする。
そしてそれを止めに来たクラウドたちと、自身にジェノバ細胞を移植し殆どモンスターの様な姿でクラウド達に襲い掛かるが敗れ死亡する。

だが『DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-』にて、ネットワーク内に自身の知識と思考のデータをバラ撒き、断片として精神のみ生き残っていたことが判明する。
この宝条はこの時点での状態で即ち実体がない、データのみの姿である。(Fate/EXTRAの主人公やありすと同様のものと思えばよい。)

**【方針】
バージルは勝手に殺し回るため基本は背後でサポートに回る。十全に戦えるように魔力集めをするのが当面の目的。
互いの関係は弁えてるので口出しや邪魔をする気はない。
マッドを地で行く方針なので被害は一切気にしない。NPCをサーヴァントの餌にし、面白そうなサンプルを見つければそっちのけで捕獲に移るかも。
ペナルティで逆にサーヴァントに枷をはめる事にならないよう自重して欲しいものである。


246 : ◆HOMU.DM5Ns :2014/07/03(木) 01:26:09 lSvPIzkM0
以上投下終了です。


247 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:32:18 YhtWPqDg0
皆様投下乙です
自分も千歳ゆま&アーチャーを投下させていただきます


248 : 千歳ゆま&アーチャー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:32:56 YhtWPqDg0
 聖杯戦争などと言われても、難しいことはよく分からない。
 年端もいかないどころか、両手で数えられる程度にしか生きていない彼女には、そこまでの考えは回せない。
 少女――千歳ゆまにとって重要なこととは、殺し合いでも願望機でもなく。
 自分が過ごしていたこの場所が、本来自分がいた場所ではない、ただの虚構でしかなかったことだった。

 「方舟」の中で過ごした時間は、とても穏やかなものだった。
 心優しい母親と、面倒見のいい父親に囲まれ、毎日を健やかに過ごしていた。
 たまに田舎の祖父母から、新鮮な野菜が送られてきては、日々の食卓を彩っていた。
 そんなあまりにもありふれた、しかし幸せな時間を、ゆまは「方舟」の中で過ごしていた。

 しかし、それは所詮虚構だ。
 現実には得られなかった幻だ。
 父は毎日出かけてばかりで、ろくに家にも帰ってこず。
 母はその苛立ちを、ひたすらにゆまにぶちまけて。
 そんな最低な両親も、たまたま2人揃った時に、まとめて怪物に食われてしまった。
 自分が生きていく居場所ですらも、魔女と呼ばれる化け物に、無惨に食い散らかされてしまった。

「キョーコ……」

 何より、ここには「キョーコ」がいない。
 魔女から自分を救ってくれた、佐倉杏子という少女がいない。
 家族を喪った自分にとって、杏子とは姉のような存在であった。
 なんだかんだと言いながらも、行き場のない自分を伴って、生きていく術を教えてくれた。
 彼女を外敵から守るために、彼女が魔女を倒したのと同じ、魔法少女の力にも手を伸ばした。

 そんな彼女から引き離されて、気付けばこんな所に閉じ込められた。
 叶わない幻を見せつけれられて、勝手に記憶を封じ込められて、最愛の人を見失った。
 それ以上に重要なことなど、一体どこに存在する。
 「キョーコ」を奪われたこと以上に、一体何を気にする余地がある。

「――随分と可愛い子なんだな。オレのマスターというのは」

 突然、声が聞こえてきた。
 失意に沈む意識の中に、低い声が響き渡った。
 はっとした拍子に、闇が晴れる。
 深層心理の暗闇の中から、意識が揺り起こされていく。
 仮想空間の中にありながら、確かに本物だと思える自意識を、ゆまは急速に覚醒させた。


249 : 千歳ゆま&アーチャー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:33:29 YhtWPqDg0


 覚醒したゆまの目の前に立っていたのは、黒髪を揺らす男性だった。
 自分や杏子よりも遥かに長身で、ノースリーブとジーンズの体には、逞しい筋肉が盛り上がっている。
 その中で特に目を引いたのは、体のあちこちに点在する、奇妙な「闇」の存在だった。
 肩や腕に浮かび上がっていたのは、夜空のような暗黒だ。
 その部分の皮膚だけが消失し、別の空間が投影されているかのように、黒い闇が浮かんでいるのだ。
「それでも小宇宙(コスモ)を……いや、魔力を感じる。どうやらその見た目以上に、強い力を持っているようだな」
 男が語りかけてくる。
 茶色い瞳は、ゆまの左手に嵌められた、ソウルジェムの指輪を見ている。
「あなたが、ゆまのサーヴァント……?」
 コスモとかいう単語には聞き覚えはないが、彼の存在には心当たりがある。
 聖杯戦争を勝ち残るため、参加者に付き従い戦う戦士――確か、サーヴァントといったはずだ。
 それを操る参加者は、マスターと呼ばれるのだという。
 であれば目の前にいるこの男が、自分の従者というわけだ。
「『アーチャー』というクラスで召喚されている」
 落ち着いた物腰の男だった。
 太い眉毛ともみ上げは、力強い印象を与えるが、その表情は静かなものだ。
「マスターである君に問おう。ゆまはこの聖杯戦争のルールについて、既に知らされてはいるんだな?」
 男の問いかけに、無言で頷く。
 既にというよりは一瞬前のことだが、知っているのは間違いない。
 どの程度関心を持っているのかは、別問題だが。
「ならばゆま、君はどうする? 万能の願望機とやらに、君はどんな願いを託す?」
 男の語気が、少し強くなった。
 静かだった男の声に、少し厳しさが込められた。
 正確な意図は分からない。悪いことに使ったら許さない、だとか、そんなニュアンスなのかもしれない。
「ゆまは……」
 一瞬、ゆまは考え込んだ。
 どんな願いも叶えられるという、聖杯の存在を意識した瞬間、どうしても考えてしまった。
 何でも叶うというのなら、自分は何に使いたいのだろう。
 願いの候補はいくつか挙がった。
 杏子と自分が安心して暮らせる、2人の家が欲しいと思った。
 あるいは両親を生き返らせて、仲直りさせてみたいとも思った。
 どんな生き方も選べるような、たくさんのお金が欲しいとも思った。
「……わたしは、帰りたい……!」
 それでも、所詮は瑣末な願いだ。
 本当に叶えたい願いは、願望機に託すものよりも、もっと先にあるものだった。
「願い事なんてわかんない! それよりキョーコの待ってるところに……もとの場所に帰りたいよ!」
 心からの叫びだった。
 どんな願いを叶えたとしても、杏子がいなければ意味がなかった。
 杏子の元に帰りたいというのは、聖杯に願うべき願いでもなかった。
 優勝賞品のことなど、今はどうだって構わない。それを持ち帰る場所の方が、ゆまには重要だったのだ。
 そんなことを考える前に、この異様な戦いを終わらせ、最愛の人の元へ帰りたかったのだ。


250 : 千歳ゆま&アーチャー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:34:13 YhtWPqDg0
「……それを聞いて安心した」
 目の前の男から返ってきたのは、そんな言葉だった。
 一瞬前の硬い語気は、幾分か軟化したようだった。
「あらゆる願いを叶える万能の器……それを邪心を以って利用する者には、オレの力を貸すわけにはいかない。
 だが……愛する者と共にいたいと、そう心から願える君となら、オレも安心して戦えそうだ」
 言葉の意味はよく分からない。
 大人の使う難しい言葉には、小さなゆまはついていけない。
 それでもどうやら、自分はこの人に、褒められているらしいということは分かった。
 出会ったばかりの大人の男に、認められているようなのだ。
「オレも君と想いは同じだ。オレには帰るべき場所がある。オレの戦うべき戦場がある。
 志を共にするなら、オレは君のサーヴァントとして、喜んでこの力を貸そう」
 言いながら男が取り出したのは、きらきらと輝く宝石だった。
 どうしても目線が低いから、じっくりと見ることはできなかったが、それだけは認識することができた。

「――『射手座の黄金聖衣(サジタリアスクロス)』ッ!」

 男が叫んだ。
 瞬間、世界に光が満ちた。
 目も眩むような激しい光が、彼の手の宝石から迸った。
 一瞬のホワイトアウトの後、ゆまは恐る恐る視線を戻す。
 思わず手で覆い逸らした目を、ゆっくりと男の方へと戻していく。
 そこにあったのは――黄金の光だ。
 いつの間にか、男の体を、金色の鎧が覆っていた。
 ボディラインにフィットしたそれは、一見すると布のようにも見える。
 それでも、その身が放つ光沢が――神々しいまでの黄金の輝きが、確かにそれが金属なのだと、雄弁に物語っていた。
 男の背中に羽ばたいたのは、猛禽のように巨大な翼。
 男の首元からたなびくのは、マフラーのような長いスカーフ。

「改めて、オレの名を名乗ろう。オレは射手座の黄金聖闘士(ゴールドセイント)――」

 その身に金の風を受け、黒髪と白いスカーフを揺らし、男は真名を口にする。
 スポットライトに照らし出された、舞台上の役者のように。
 勝利の暁をその身に受けた、勇ましき英雄がそうするように。
 黄金の鎧を身に纏い、神々しき光を湛えながら、男はその名を宣言した。

「――射手座(サジタリアス)の星矢!!」


251 : 千歳ゆま&アーチャー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:35:06 YhtWPqDg0
【マスター】千歳ゆま
【出典】魔法少女おりこ☆マギカ
【性別】女性

【参加方法】
『ゴフェルの木片』による召喚。
巴マミの聞き込みを受けて別れた直後、公園の遊具に偽装された木片に触れてしまった。

【マスターとしての願い】
今のところはなし。キョーコの元へ帰りたい

【weapon】
ソウルジェム
 魂を物質化した第三魔法の顕現。
 千歳ゆまを始めとする魔法少女の本体。肉体から離れれば操作はできなくなるし、砕ければ死ぬ。
 濁りがたまると魔法(魔術)が使えなくなり、濁りきると魔女になる。聖杯戦争内では魔女化するかどうかは不明。

【能力・技能】
魔法少女
 ソウルジェムに込められた魔力を使い、戦う力。
 武器として杖を持っており、先端の大きな球形部分を使って、ハンマーのように殴りつけて攻撃する。
 固有魔法は治癒。自他の傷を癒やす魔法を得意としており、四肢をもがれた状態からも、一瞬で回復させることができる。
 魔法少女になってからは日が浅く、杖の威力に任せた、力任せな戦闘スタイルを取っている。

【人物背景】
「魔法少女まどか☆マギカ」とは別の時間軸で、佐倉杏子が出会った童女。
夫婦仲の悪化が原因で、母親から虐待を受けており、あまりいい印象を抱けなくなっていた。
そんな中、両親共々魔女の結界に取り込まれ、ゆま1人だけが生き残ったところを、偶然杏子に助けられる。
紆余曲折を経て杏子について行き、1人で生きるための術を学んでいったゆまは、その中で杏子を救うために、自身も魔法少女となった。

杏子と出会って以降は、歳相応の天真爛漫な振る舞いを見せている。
反面、「ゆまが役立たずだから父親が家に寄り付かなくなった」と母親から言われており、
そのトラウマから「役立たず」として見捨てられることを恐れている。

【方針】
とにかく聖杯戦争から脱出したい


252 : 千歳ゆま&アーチャー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:35:52 YhtWPqDg0
【クラス】アーチャー
【真名】星矢
【出典】聖闘士星矢Ω
【性別】男性
【属性】秩序・善

【パラメーター】
筋力:B 耐久:D 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:C 宝具:A

【クラススキル】
対魔力:E
 魔力への耐性。無効化は出来ず、ダメージを多少軽減する。

単独行動:D
 マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
 Dランクならば半日程度の現界が可能。
 本来ならばCランク相当のものを持っているのだが、魔傷の影響によりランクが下がっている。

【保有スキル】
セブンセンシズ:A+
 人間の六感を超えた第七感。
 聖闘士の持つ力・小宇宙(コスモ)の頂点とも言われており、爆発的な力を発揮することができる。
 その感覚に目覚めることは困難を極めており、聖闘士の中でも、限られた者しか目覚めていない。
 星矢の持つ莫大な魔力の裏付けとなっているスキル。

心眼(真):B
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”
 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

戦闘続行:C
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。

カリスマ:D
 黄金聖闘士としての風格。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 カリスマは稀有な才能で、一軍のリーダーとしては破格の人望である。

魔傷:B
 マルスとの戦いでつけられた、呪いに近い力を帯びた傷。
 小宇宙の燃焼を阻害する力を持っており、筋力・耐久・敏捷を本来よりも低下させている。
 更に小宇宙を大きく燃やした際には、星矢の生命力さえも削ってしまう。
 星矢本人のスキルではなく、後付けで備わったもの。

【宝具】
『射手座の黄金聖衣(サジタリアスクロス)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 黄金聖闘士(ゴールドセイント)の1人・射手座(サジタリアス)の聖闘士に与えられる黄金聖衣(ゴールドクロス)。
 黄金に光り輝く鎧は、太陽の力を蓄積しており、他の聖衣とは一線を画する強度を誇る。
 またこの射手座の聖衣には、黄金の弓矢が備えられており、聖衣を一撃で貫くほどの威力を持っている。
 この聖衣を然るべき者が装着することにより、装着者の筋力・耐久・敏捷・幸運のパラメーターが1ランクずつアップする。
 本来のランクはA+なのだが、アテナとアプスの小宇宙が衝突した際の影響で、
 聖衣石(クロストーン)と呼ばれる形態に変質してしまっており、若干のランク低下が見られる。
 また、マルスとの決戦の際に、左腕部の一部パーツが損壊している。


253 : 千歳ゆま&アーチャー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:36:26 YhtWPqDg0
【weapon】
なし

【人物背景】
88の聖闘士の中でも、最高位に位置する黄金聖闘士の1人。
元は天馬星座(ペガサス)の青銅聖闘士であり、長きに渡って地上の神・アテナを脅かす敵と戦ってきた。
数多の神々との戦いの中で培った力は、聖闘士の中でも最高クラスであり、生きながらにして伝説となっている。

本来の性格は血気盛んな熱血漢。
しかし、聖闘士を代表する黄金聖闘士となって以降は、周囲の者に示しをつけるため、落ち着いた態度を見せるようになった。
かつてはやんちゃな部分もあったが、有事の際には地上の愛と平和を守るために戦える、正義の心を宿した戦士である。

13年前、火星の軍神・マルスが決起した際には、彼もまたアテナの戦士として参戦。
神であるマルスと直接拳を交え、二度に渡る激戦を繰り広げた。
しかしその最中、星矢はマルスの闇の小宇宙に呑まれ、彼の元に幽閉されてしまう。
それはマルスが闇の神・アプスの到来を恐れ、自分が敗北した時に、代わりに戦わせるための措置だった。
囚われの身となった星矢は、新世代の聖闘士・光牙らに望みを託し、時に彼らをサポートする。
この聖杯戦争には、幽閉されている最中に召喚された。

上述した通り、その力は聖闘士の中でも群を抜いている。
セブンセンシズに目覚めた拳は、光速(マッハ90弱)にすら到達するほど。
両肩と右前腕、左二の腕、右太もも、左足首に魔傷を負っており、13年間の幽閉生活の中で消耗しているが、
それでも小宇宙の分身を飛ばしマルスを食い止める、新世代の聖闘士達が束になってもかなわなかったアプス相手に食い下がるなどしている。
必殺技として、無数の拳を叩き込む「ペガサス流星拳」、その拳打を一点に集中する「ペガサス彗星拳」、
敵を羽交い締めにしてジャンプし、諸共に地面に激突する「ペガサスローリングクラッシュ」を持つ。
更に先代射手座・アイオロスの技を継承したものとして、拳から小宇宙の衝撃を直射する「アトミックサンダーボルト」を使うことができる。
(射手座の弓矢から小宇宙の矢を放つ「コズミックスターアロー」は、新生聖衣発動後に修得したものである可能性もあるため除外する)

ちなみに原作「聖闘士星矢」当時の星矢は、女性と戦うことに嫌悪感を示していたが、
本作では第2期において、女性と思われるガリア相手に躊躇うことなく攻撃を仕掛けており、この傾向は払拭したものと思われる。

【サーヴァントとしての願い】
特にない。元の世界に戻り、地上を守るために戦いたい

【基本戦術、方針、運用法】
小宇宙を燃焼して戦う徒手空拳のスタイル。この聖杯戦争においては、小宇宙は全て魔力に置き換えられている。
便宜的にアーチャーのクラスを与えられているが、射手座聖衣の弓矢はいわば「切り札」のようなものであり、使う機会は非常に少ない。
聖闘士とは聖衣を纏って戦うものなので、基本的には、宝具を常に発動して戦うことになる。
宝具により強化されたパラメーターは凄まじいものがあるが、魔傷がある上に燃費も悪いため、マスター・本人共にかかる負担は大きい。
また、逆にマスターが調子に乗って治癒魔法を連発した場合も、星矢に回す分の魔力がなくなってしまう可能性がある。

規格外の戦闘能力を持つ星矢だが、マスターが幼く、本人もリスクを背負っていることもあり、普段よりもやや慎重になっている。
元々の性根もあり殺生は好まず、状況次第では他のマスターとの同盟を組むことも考えるだろう。
マスターの消耗が深刻化する前に短期決戦で敵を倒すか、「カリスマ」補正を受けた味方と協力するかしながら立ち回っていこう。
高い戦闘能力とは裏腹に、使いどころが難しく、慎重な戦い方を求められるサーヴァントと言える。


254 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/03(木) 01:37:06 YhtWPqDg0
投下は以上です
原作ではなく、Ωのアラサー星矢を出させていただきました


255 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 01:42:12 6Sr73hhc0
イワーク・ブライア&ランサー
投下します


256 : イワーク・ブライア&ランサー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 01:43:46 6Sr73hhc0

モロトフ――テッカマンランスは闇の中から目覚める。
記憶の最期は光で溢れている。忌々しい裏切り者、テッカマンブレードのボルテッカの光だ。
どうやら自分はブレードに敗れ、死亡したようだ。
が、どういう訳か今こうして再び肉体を得て、ランサーという名を拝命し戦場に臨んでいる。

「お、お前が俺のサーヴァントなのか……?」

目の前に立つ中年の男、これがマスターというものらしい。
人間と組むなど言語道断、優越種たるラダムのする行いではない――そうわかってはいても、拒否する事は出来ない。
この人間の手に輝く令呪、あれを使われればランスの二度目の生はあっけなく終わる。
しかしランスには使命がある。上位種であるテッカマンオメガの参謀として地球を侵略するという使命が。
その使命の重さに比べれば、一時の屈辱など何ほどのこともない。
湧き上がる不快感を噛み殺し、テッカマンランスは重い口を開いた。


「我が名は完全なるテッカマン、テッカマンランス。此度はランサーとして現界し、貴様の槍となりてこの戦いを勝ち抜くものなり」


とはいえ、マスターなどエネルギータンク以上の役割はない。
完全なるテッカマンであるこの私に、二度の敗北など有り得ないのだから。




【マスター】
イワーク・ブライア@機動戦士ガンダムAGE
【参加方法】
デスペラードで掘り出した瓦礫の中にゴフェルの木片があった
【マスターとしての願い】
苦難を強いられる生活からの脱却
【weapon】
なし
【能力・技能】
作業用モビルスーツの操縦。坑夫のため体力と腕力は人並み以上。
【人物背景】
「機動戦士ガンダムAGE」第一章・フリット編の登場人物。
スペースコロニー「ファンデーン」下層のスラムで義娘とともにくず鉄を集める生活を強いられている。
出番としては数話だけのスポット参戦キャラであるが、二回目に行われた人気投票ではぶっちぎりの一位を獲得した。
その後CDデビューしたりガンダムゲーにお呼ばれしたりソシャゲのイベントで主役になったり、本編以外での活躍を強いられている。
テッカマンランスを呼び出せたのは乗機であるデスペラードがシャベル=形状として槍に近いもの、を持っていたため。
【方針】
しばらくは様子見。勝てそうなら戦うが安全を優先する方向で。


257 : イワーク・ブライア&ランサー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 01:44:24 6Sr73hhc0

【クラス】
ランサー
【真名】
テッカマンランス@宇宙の騎士テッカマンブレード
【パラメーター】
筋力C+ 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運E 宝具C
【属性】
混沌・悪 
【クラススキル】
対魔力:C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
【保有スキル】
飛行:C 背面のスラスターにより空中戦闘が可能。ただし飛行中は魔力消費も増大する。
精神汚染:C 精神干渉系魔術をシャットアウトする。錯乱しているわけではなく、寄生した宇宙生物ラダムの支配に寄るもの。
ブラスター化:E 全パラメータを1ランク上昇させるが、同時に永続・解除不可の状態異常が発生する。
          テッカマンは本来環境に応じて進化するシステムを備えているが、これはその進化を人為的に促進させるスキルである。
          人為的に進化したテッカマン――ブラスターテッカマンは通常のテッカマンを遥かに超えた力を持つが、自然に進化したテッカマンと違い、
          ブラスターテッカマンは過剰な進化に脳や肉体が耐え切れず、何かしらのデメリットも発生する。
          本来テッカマンランスはブラスター化を習得した訳ではないが、彼自身がブラスター化したテッカマンブレードに敗れたこと、
          また理論上はどのテッカマンでもブラスター化は可能であるため、スキルとして備えている。
          ただし本人の意志では行えず、令呪によるサポートが必須となる。また、何らかの代償が発生することも不可避であろう。
【宝具】
[ボルテッカ]
ランク:C 種別:対城宝具 レンジ:1〜80 最大補足:300
テッカマンが体内に貯蔵している反物質「フェルミオン」を凝縮して放つビーム。
ランスのボルテッカ器官は首元の装甲によって隠されている。このため予備動作は極めて少なく、格闘戦の最中にも瞬時に発動できる。
体内のフェルミオンを消耗し尽くすため、一度の戦闘では一度きりしか使えない。
ブラスター化状態では威力が飛躍的に上昇し、テックランサーから放つことも可能になる。
【weapon】
テックランサー
 テッカマンに共通する装備。各テッカマンごとに形状は異なる。ランスのランサーは長刀型で、リーチに優れる。
テックワイヤー
 テッカマンに共通する装備。ランサーに引っ掛けて回収する、敵を捕縛するなど使い方は様々。
テックレーザー
肩から無数のレーザーを放つ。
【人物背景】
肉体を持たない宇宙生物ラダムが、知的生命体の体を乗っ取り誕生させる生体兵器・テッカマンの一人。
テッカマンランスは参謀型のテッカマンだが、戦闘力は強襲型のブレード・汎用型のエビルに劣らない。
人間の頃の名はモロトフというが、もはやその名を呼ぶものは誰も居ない。
強大な力を得たためか、それとも生来のものか。人間を「蟻」と蔑む傲慢な性格の持ち主であるが、そのため判断を誤り見下していた人間に出し抜かれてしまう。
最期はブラスター化したブレードに至近距離からボルテッカを放つも、全く通用せず一蹴された。
【サーヴァントとしての願い】
もう一度命を得て、テッカマンオメガの元へ帰還する。
【基本戦術、方針、運用法】
イワークは戦闘に関しては全くの素人である。素直にテッカマンランスに一任すべき。
幸い飛行スキルがあるので戦場から離脱することは難しくない。ヒットアンドアウェイの戦法を繰り返し、他陣営の消耗を待とう。
ランスの方も人間を見下してはいるがマスターがいないとろくに戦闘もおぼつかないということは認識しているので、そうそう切り捨てられることはないだろう。


258 : 名無しさん :2014/07/03(木) 01:44:57 6Sr73hhc0
投下終了です


259 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:53:37 WDomeaGA0
皆様投下おつです

真玉橋孝一&セイバーを投下します


260 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:54:58 WDomeaGA0

白のリボンで結ばれた長い濡れ羽色の髪。
釣り上がった鋭利な瞳とシャープな鼻が面長の顔に奇跡的なバランスで配置されている。
ゆったりとした白のTシャツの裾を胸の真下で結ばれることで強調された豊満さ。
胸の豊満さとは対照的な細い腰に巻きつけられたウェスタンベルト。
そこから左脚の付け根から切られて左脚だけが剥き出しとなっているジーンズ。
あまりにも性的すぎる女。

月見原学園の校章が付けられているが、本来の制服とは異なる黒の学ラン。
ギザギザの鋭角な髪型。
暴力的なギラギラとした瞳。
あまりにも本能が剥き出しとなっていた少年。

一組の男と女が向かい合っていた。

「さあ、セイバー!」

何故こんなことになってしまったのか。
セイバーのサーヴァントとして現界した女――――神裂火織は頭を抱えていた。
彼女は、セイバーはただ世界を救いたいだけなのに。

なぜ。
なぜ。

「人類の未来のため――――その乳、揉ませてもらうぜ!!」

なぜ、セイバーは目の前のマスターである少年――――真玉橋孝一へと胸を差し出しているのだろうか。

「……マスター、勘違いしないでください」
「ああ、わかってるぜ。アンタのその崇高な理念に俺も同意する!
 そして、そのためには胸を揉む必要がある!
 アンタも同意した、そうだろう!?」
「……ええ、覚悟は出来ています」

決してセイバーは淫婦などではない。
ましてや、生計を立てるために春を鬻ぐ女性でもない。
セイバーはれっきとした英霊だ。
全うな手段で全うな栄光を積み、英霊の座についたのだ。

「さすが人類の英雄だぜ……その覚悟!その決意!その美貌!
 アンタを構成する全てに敬意を抱かざるを得ない……!」

そんなセイバーの苦悶を無視するように、マスターは舌なめずりをしている。
ワキワキとゆるやかに動く、蟲のような人智を超えた動きだ。
ゴクリ、とセイバーの喉が鳴った。
期待?
そんなわけがない。
ただ、怯えているだけだ。
千の軍よりも貞操を削ることに、恐ろしいと思っているだけだ。
胸を揉まれることに期待だなんて、そんな、淫らなこと。
顔が紅潮しているのも。
息が荒くなっているのも。
無意識に腿と腿をこすり合わせているのも。
全ては、怯えているだけだ。


261 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:55:59 WDomeaGA0

「ンッ……!」
「これが英雄のおっぱい……!弾力、形、大きさ!
 全てが超のつく極上品だぜ!」
「マ、マスター……揉むだけならば、そんなァッ! にゅう、乳頭は!
 そんな、な、なんで服の上から的確に!?」

孝一の超高校級の指技は、性経験に乏しいセイバーには残酷なまでに強大なものだった。
そこに悪意もなく、合意の上という名目こともあってか強制的に性的興奮を掘り起こされる。
振り払うことは簡単だが、揉ませると約束を交わした。
ただ、腕を振り回せばそれだけで孝一を悶死させてしまいそうで、必死に胸の下に腕を組んで耐える。
その豊満な胸を抱え込むように組んだ腕がさらに指の興奮を煽ることに気づいていない。
目を頑なに閉じ、白い喉元を晒して上空を仰いでいるセイバーは気づかないのだ。
興奮によって無意識に太腿と太腿をこすり合わせ、ジーンズと剥き出しの皮膚がこすれ合う。
そのむず痒さに、また性的興奮を覚えていた。

「すげえぜ……これが、英雄のおっぱい……エロさだけじゃねえ、よくわかんねえ暖かさがある……」

一方でマスターは、真玉橋孝一は涙を零していた。
涙を零しながら、ワキワキとひたすらセイバーの豊満な胸を揉んでいた。
手を離せば遠くへ去ってしまうとでも思っているかのような、執拗な指技だった。
だが、その表情は興奮とともに何か別の、高尚な感情が浮かんでいた。

「なんで戦争って起こるんだろうな……男も女も、全人類がおっぱいを揉んでたら世界はもっと平和なのに……!
 男はもっとおっぱいを揉むべきだし、女だってもっとおっぱいを揉むべきなんだよ……!
 それとも、このおっぱいを巡って争ってんのか……?
 それなら畜生、なんで、こんな……世界ってもっと優しくてもいいだろ……!」
「ンッ、アァッ……!マ、マスター!」

わけのわからぬことを延々とつぶやきはじめた孝一。
一方で止まらない指技に、とうとうセイバーがたまらず静止の声を上げようとする、まさにその時であった。

「……!」

セイバーの胸を執拗に揉みながら、薄桃色に発光する孝一。
これこそが孝一の特殊体質である『Hi-Ero粒子の因子保有者』である。
孝一は自らの性的昂ぶりをHi-Ero粒子という超エネルギーに変換することが出来るのだ。
そのエネルギーは魔力にも変換され、セイバーの身体に凄まじい力を漲らせる。

「も、もういいでしょう!マスター!」

さしものセイバーを限界を迎えたのか、セイバーは精一杯の理性を振り絞って優しく孝一を振り払おうとする。
孝一は涙を流しながら尻もちをつき、すぐに我に戻ったように涙を止めた。
そして、自らの指を眺めながら呆然とつぶやく。

「ハッ、お、俺は何を……」

自らの動作に驚きを隠せない様子の孝一。
セイバーの胸を揉んでいたことに驚いているのではない。
セイバーの胸を揉むことで我を失っていたことに驚いているのだ。
それはセイバーの胸が極端に性的興奮へと導いたからではない。
いや、セイバーの胸は素晴らしかったと孝一は思っている。
弾力、重さ、形、大きさ。
全てがランクEX(測定不能)である超ド級の胸だ。
だが、性的興奮以外の物を感じたのだ。
エロイことしか頭にない真玉橋孝一が、エロ以外を感じたのだ!

「恐ろしいおっぱいだぜ……興奮しながら冴えた頭だなんて、初めての経験だ。
 恐るべし聖人おっぱい……!」

セイバーは自らの力を
そして、何度目になるかもわからない言葉を頭に浮かべていた。

なぜ、こんなことになってしまったのか。


262 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:57:17 WDomeaGA0


   ◆   ◆   ◆


「来た……来たぜぇ……!」

時は遡る。
ペンギン帝王から別れ際にもらった木杭。
「ペンギン装置の副作用で記憶を失くしたが、多分重要なものだった」とものすごくふわふわした友好の証。
ペンギンというエロい友人のことを孝一は忘れないつもりだった。
そのために、この木杭をお守り代わりに持っていた。
その木杭こそが『ゴフェルの杭』だ。
そんな縁で聖杯戦争への参加権を手に入れた。

「お初にお目にかかります、マスター。
 此度の聖杯戦争においてセイバーの位によって召喚された、貴方のサーヴァントです」
「来たぜえええええええええ!!!」

孝一は興奮の雄叫びを上げる。
セイバーはそれが聖杯戦争に向ける意気込みだと知り、伏せていた目を上げる。
その目には若干の非難の色も込もっていた。

「マスターは聖杯戦争の優勝を目指す、そういうことですね」

聖杯戦争。
セイバーとしてはサーヴァント同士の戦いだけで終わらせたいと願っている。
英霊の座についたサーヴァントが戦い、負けたものは座へと帰る。
そんな戦争を望んでいた。
しかし、聖杯戦争は手段を選ばなきゃサーヴァントと向き合うことなく優勝することだって出来る。
すなわち、マスターの皆殺しだ。
それも一つの手であり、奇跡を欲するものはその危険とも向き合わなければいけない。

「これが媒体ってやつだな……記憶を失った俺を褒めてやりたい気分だぜ」
「媒体……!?」

孝一が胸元から取り出したのは、衣服だった。
いや、それは衣服なのだろうか。
あまりにも、あまりにも布が少なすぎる。
水着か?
ああ、水着なのだろう。

「この堕天使エロエロメイド服……想像通りの出来だぜ。
 自分の才能が恐ろしい……」

水着ではなかった。
口をあんぐりと開けて、セイバーは意思を喪失していた。

自分は。

堕天使エロエロメイド服に。

導かれて。

召喚された。

あまりにも残酷な現実がセイバーの眼前に展開されていた。


263 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:58:17 WDomeaGA0

一方で、孝一は空を眺めて想い出にふけっていた。
月見原学園での生活。
それも悪くはなかった。

セクハラ。
エロ本収集。
セクハラ。
AV収集。
セクハラ。
エロ衣装のデザイン。

たゆまぬエロへの追求の日々が、そこにはあった。
孝一は、そして、セイバーへと顔を向けた。
セイバーは未だに現実を受け止めることが出来てないようだった。

「セイバー、確認をするぞ。
 この聖杯戦争ってのは俺がお前に力を与えて、お前が他の奴らをぶん殴る。
 そうだな?
 あのエロい下半身した銀髪の奴が言うことに、間違いはないんだな!?」

孝一は監督者の姿を思い出す。
エロい格好をした女だった、嫌いじゃない。
あの女に導かれ、自分は記憶を取り戻した。
困難な道ではあったが、セイバーという極上のエロを前にした孝一の心は満たされていた。

「ひどくアバウトとした捉え方ですが……はい、間違ってはいません」
「そうか……なら、早速だが」

意識を取り戻し、なんとか孝一の言葉に応えるセイバー。
クックッ、と喉を鳴らして笑みを深める孝一。
嫌な予感がした。
セイバーは、目の前のマスターが無茶なことを言おうとしている予感を覚えた。

「胸、揉ませろ」

そして、その予感は正しかった。

「――――はい?」
「その見せつけてる乳を揉ませろっつってんだよぉ!」

男らしく、しかし、下衆なセリフを。
孝一は恥ずかしげもなく、笑みを浮かべて言い切った。
その内容を理解したセイバーは、侮蔑の念だけを向けた。
無意識の内にウェスタンベルトに差し込まれた愛刀、『七天七刀』に手が伸びていた。
その態度に孝一は、ふぅ、と息をついた。

「しょうがねえ……やりたくはなかったんだが」
「……?
 ――――なっ、まさか!?」

常識はずれの行動を取ろうとしている。
間違いなく、そんなことをするマスターは居ない。
目の前のマスターは、真玉橋孝一は聖杯戦争のルールを理解している。
どこかで出会ったらしい『監督者』からルールを聞いている。
ルールを聞いているからこそ、その常識はずれの行動が取れるのだろう。
「まさか、やるわけがない」という考えと、「本気でやろうとしている!?」という二つの考えが螺旋を描く。
しかし、セイバーとは異なり、孝一は迷わなかった。


264 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:58:49 WDomeaGA0
 

「『令呪を持って命じる』!
 乳を揉ませろ、セイバー!」


セイバーが戸惑っている間に、ついに孝一はその常識はずれの行動を取った。

「なっ、バカな!?」
「男はみんな馬鹿だぜ!」

セイバーは令呪の行使によって、その豊満な乳を魅せつけるように胸の真下に腕を組んだ。
抗えない。
パスによって繋がった感覚からは、マスターは魔力が豊富なようではない。
だというのに、この命令に限っては膨大な魔力が流れ込んでいる。
恐らく、五分はこのポーズを固定されてしまうだろう。

「さぁ……ショータイムだ!」

孝一は指を滑らかに動かせながら、豪快にTシャツの

「やっぱり……」
「な、なにを!?」
「お前、ノーブラなんだな」
「なにを!?」
「エロい……さすが英雄だぜ」
「ばかにするのもいい加減にしなさい!」
「なっ、バカにしてんのはそっちだろうが!
 エロいは褒め言葉だぞ!」

孝一の言葉にセイバーは頬を染める。
興奮ではない、侮蔑の言葉だと認識しての怒りによる紅潮だ。
しかし、孝一の胸に侮蔑の念など欠片もない。
あるのは、この完璧な女体に対する興奮と敬意だけだ。

「いいぜ、すげえ胸だ。ああ、そうだ、来る、来るぜぇ!」
「……な、なんですか、これは。熱いものが……?」
「感じてんのか?」
「違います!」
「ふっ……そうか」
「違うっつってんだろくそガキィ!」

突然語調を荒げ、ついに怒りを剥き出しにしたセイバー。
しかし、それは孝一の行為を止めるには不十分なものだった。
むしろ、孝一のエロへの情熱という炎に油を注ぐだけだった。

「来た!」

その常時の姿を維持しきれなくなった光景に興奮したのか。
孝一は激しい雄叫びを上げた。



「みなぎってきたあああああああああああ!!!」



その瞬間、薄桃色の光が凄まじい勢いで孝一の身体から放出された。


265 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 01:59:51 WDomeaGA0

「え、あ……?あ、ンッ、こ、これ、ンックッッッッッッッ!?」

同時に、今までの比ではない魔力がセイバーの身体に流れ込んでいる。
無防備な状態でその魔力の放流を受け止めたセイバーは、声を押し殺すために唇を強く噛んだ。
それが孝一の興奮を誘ったのか、薄桃色の光は強さを増す。

「どうだ! これが俺のHi-Ero粒子だ!」
「ハ、ハイエロ……?」
「ダイミダラーと同じで、セイバーもHi-Ero粒子を動力に出来るみてえだな!
 いいぜ、思った通りだ!」

Hi-Ero粒子。
それは宇宙に存在するすべての生命体が宇宙の創造主から持たされた、種を繁栄させるための命のエネルギー。
生命エネルギーやチャクラと言い換えても良い。
それを生み出すことが出来る人物を因子保有者と呼ばれ、孝一はまさにその因子保有者なのだ。
そして、そのエネルギーを生み出すために必要なトリガー。
孝一にとってのそれは、エロいことなのだ!

「た、確かに凄まじい力……
 魔術師からの魔力供給必須の聖杯戦争で、まさかここまでの力を持ってこれるなんて……」
「まだ、序の口だぜ」

薄桃色の光を発光しながら、孝一はニヤリと笑ってみせる。
まだ、先があると。
孝一は確かにそう言っていた。
ゴクリ、とセイバーは息を呑む。
そんなセイバーの姿を見た孝一はさらに

「セイバー!お前にも願いがあるんだろう!?」
「な、なにを……」
「あるんだろうがぁ!?」

孝一の剥き出しの本能による叫び。
そして、噴出されるHi-Ero粒子が確かにセイバーに魔力供給を与えた事実。
この二つにセイバーはわずかに後ずさる。

「お前の願いってのはなんだ!?」
「わ、私の望みは……みんなが、幸せになること」

あまりにも抽象的なその願いは、しかし、セイバーにとってあまりにも
自らに与えられる過ぎた幸福のために、周りの人間が不幸になっていく。
そんな人生を送ってきたセイバーにとって、周囲の幸福とは何よりも重大なものだった。
孝一は笑わなかった。
いや、笑みは浮かべた。
しかし、それは侮蔑の笑みではなかった。
その尊さを理解したことによる共有の笑みだった。

「その願いは、お前の胸よりも大事なことなのか!?」
「そ、それは……」

孝一がバカにしているわけではないことは察することが出来た。
彼も周囲が幸せであればいいと思っている。
だが、それとは別にとにかく乳を揉みたいと思っている。
それだけだ。


266 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 02:01:11 WDomeaGA0

「いいかぁ、セイバー!
 俺がお前の胸を揉んでも何も減らない!
 強いて言うならお前の羞恥心がどこかに行ってしまうだけだ!
 だが!
 俺がお前の胸を揉まなきゃ!
 世界の平和が遠のくんだぞ!?」

正論だからこその性質の悪さ。
言い返すことが出来ないセイバーへと孝一はどんどんと言葉を投げかける。

「俺が手を伸ばせば、俺はお前の胸に届く!
 そして、お前は願いに届く!
 わかるか!?
 手を伸ばせば届くんだよ!
 いい加減始めようじゃねえか、英雄さんよぉ!」

詭弁といえば詭弁なのかもしれない。
孝一の目的はセイバーの胸だ。
その副次効果によって世界が平和になればそれに越したことはない、そんな考えだ。
だが、悪い人間ではないことはセイバーもわかっていた。
ただ、エロいだけなのだ。

「……わ、わかりました」

ついに、納得してしまった。
孝一は満面の笑みを浮かべ、拝めるように顔の前で手を合わせる。
いや、実際に拝んでいるのだ。
真玉橋孝一、彼はエロいものへの敬意を失わない立派な人間だった。

「はい! 失礼します!」

なぜ、こんなことになってしまったのか。


267 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 02:01:56 WDomeaGA0

【クラス】
セイバー
【真名】
神裂火織
【パラメーター】
筋力B+(A+) 耐久B(A) 敏捷C(B+) 魔力B(A) 幸運EX 宝具E(A)
※()内のパラメータはマスターである孝一がHi-Ero粒子をフルバーストさせた瞬間のパラメータ。
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C(B)
騎乗:E

【保有スキル】
『聖人』
聖人として認定された者であることを表す。
聖人の能力はサーヴァントとして召喚された時に秘蹟の効果上昇、HP自動回復、カリスマを1ランクアップ、聖骸布の作成が可能から、ひとつ選択される。

『カリスマ:B』
聖人としてのカリスマ。
多くの人間が無意識に慕うレベル。

『陣地作成:C』
魔術師としての簡易的な工房の作成が可能。

『魔術:B』
天草式十字凄教が得意とする、複数の魔術を組み合わせることで短所を補い長所を補う魔術を扱うことに長けている。

【宝具】
『七天七刀』
それ自体は通常の刀であるが、刀に込めた術式を扱うことで『唯閃』なる一撃必殺の抜刀術を扱うことが出来る。
・『唯閃』
ランク:A 種別:対人宝具/対軍宝具 レンジ:1〜100 最大補足:100人
独自の呼吸法により身体の組織を組み換え、必殺の抜刀術を行う。
聖人としての力の大きく引き出す必要があるため、中途半端な魔力供給では使用することが不可能
様々な魔術を組み合わせることで、あらゆる防御術式の間隙を撃つ事ができる。
単純な装甲よりも、特殊な魔術によって組み上げた防御魔術に対して効果を発揮する。
・『七閃』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:10人
鞘に仕込まれたワイヤーによる攻撃。
一般の目では素早い抜刀による連続攻撃に映る。
鋼糸に魔法陣を描かせて魔術を発動させることも可能。

【weapon】
宝具である七天七刀。
七天七刀の刀身よりも、鞘に仕込まれた七本のワイヤーと肉体が主な武器。

【人物背景】
生まれながらの聖人であり、呪いに近い幸福を得ている。
自分が幸福であるために、その不幸が他人に降りかかっていることに苦悩している。
そんな人生からか、神に愛された自分ではなく、神に見捨てられた人たちを救うことを人生の目的としている。

【サーヴァントとしての願い】
自身の魔法名と同じく、救われぬものに救いの手を。
有り体に言えば、聖杯が可能とする限りの世界の恒久的な平和。

【基本戦術、方針、運用法】
とにかく戦闘。
肉弾戦を主としつつも、魔術による戦闘も可能。
マスターである真玉橋孝一は通常時の魔力供給が少ないが、Hi-Ero粒子を発生させることでそのパラメータを上昇させる。
その魔術の特性上、搦手も可能だが最大の真価は自身の陣地での殴り合い。


268 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 02:02:52 WDomeaGA0

【マスター】
真玉橋孝一

【参加方法】
異世界からの侵略者であるペンギン帝国の王、ペンギン帝王から友好の証に木杭を授かった。

【マスターとしての願い】
セイバーに便乗しつつ、エロイことが安心して出来る平和な世界になればいいと考えている。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
『Hi-Ero粒子の因子保有者』
生命の持つ根源のエネルギーであるHi-Ero粒子を単体で放出することが出来る。
エロいことをして孝一の興奮が増すたびにHi-Ero粒子放出量も増える。

【人物背景】
黒の学ランという硬派な男のスタイルにこだわりを持つ普通のエロい男子高校生。
しかし、ある時ペンギン帝国の魔の手から人類を守る正義の組織『美容室プリンス』にその素質を見出される。
人類決戦兵器『ダイミダラー2型・孝一』に乗り込み、ペンギン帝国と戦っていた。
その戦いもペンギン帝国が異世界へと旅立つという形で終わりを迎える。
孝一はエロいだけの普通の高校生へと戻ったのである。

【方針】
エロいことをする、もとい、セイバーとともに優勝を目指す。


269 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 02:03:59 WDomeaGA0
投下終了です
そして、申し訳ありません
>>265

>薄桃色の光を発光しながら、孝一はニヤリと笑ってみせる。
>まだ、先があると。
>孝一は確かにそう言っていた。
>ゴクリ、とセイバーは息を呑む。
>そんなセイバーの姿を見た孝一はさらに

は、正しくは

薄桃色の光を発光しながら、孝一はニヤリと笑ってみせる。
まだ、先があると。
孝一は確かにそう言っていた。
ゴクリ、とセイバーは息を呑む。
そんなセイバーの姿を見た孝一はさらに畳み掛ける。

です、失礼しました


270 : 真玉橋孝一&セイバー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/03(木) 02:16:12 WDomeaGA0
失礼します

セイバーの出典は
【出典】とある魔術の禁書目録
マスターの真玉橋孝一出典は
【出典】健全ロボダイミダラー(アニメ版)

です、度々申し訳ありません


271 : ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:16:50 s.ZMU5z60
みなさま投下乙です
早すぎて笑うレベル
それでは自分も投下します


272 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:18:02 s.ZMU5z60
「ジョ〜〜〜だんじゃなーーーいーーーわよー!!
 あんたいい加減なんか言ったらどーなのよ!?
 ずーっとダンマリじゃあちしだってどーすりゃいいのか分からないの!」
「ひっ」

狭く薄暗い部屋にダミ声が盛大に響き渡った。
少なくない怒気を含まれたそれに"少女"は悲鳴と共に身を竦める。
栗色の癖っ毛、濃緑の学生服に焦茶色のスカート、吹けば飛んでいきそうな華奢な体躯。
小動物を思わせる琥珀色の大きな瞳いっぱいに涙を溜め、おずおずと上目遣いで見上げてくる姿。
さしもの"オカマ"もこの様には罪悪感が湧いたのか,少しだけ刺の抜けた声色で話しかける。

「今のは悪かったわよぅ。あちし、回ってるから喋りたくなったら言いなさい」

そう言うやいなやオカマは片足を頭の上まで持ち上げ、その脚と両腕で輪を作りながら残った片足を軸にクルクルと回転を―いわゆるバレエ選手がよくやるスピン―を行い始めたのだ。
自身よりも頭2つ3つも長身なオカマ、それも濃いメイクと衣装をした彼(?)が傍らで奇行を行っても、彼女は際立ったリアクションを行うことはない。
出会った時からずっとそうだ。オカマは内心でごちた。
召喚された、令呪も確認した、この少女は確かに彼のマスターなのだ。
しかし、最初に相互の名を「ボン・クレー」と「不二咲千尋」の名を教え合って以来、会話という会話が存在しない。
千尋はダンマリを続け、ボン・クレーから振った話にも我ここにあらずといった様子。
何やら自分の世界に篭っているようで、何かをずっと考えこんでいる。
苛立ちを隠そうと行われた回転は何十分も続く。
そして、ボン・クレーの怒りも収まり、三半規管に限界が近付き始めた頃だった。

「あのぉ……その、喋らせてもらっても、いいですか?」

場の空気がわずかに変じた。
重く沈んだ雰囲気に穴が開いた。
それは針で突いて生まれたような小さな穴。
しかし、ボン・クレーは回転を止め、表情を引き締めた。
こちらを見上げている千尋と目線を合わせる。
いい目をしている、素直にそう思った。
溜まった涙はまだ乾いていなかった、不安の色は見えた、恐怖への震えは拭いされていなかった。
だが、小さな決意の存在だけは確かに見て取れたのだ。
今まで何度か見かけた強き者達が持っている意思の光の欠片を。
だから彼には言わないといけないことがあった。

「ダメね」
「えっ……」

全く予期していなかった拒否の言葉。
何故、どうして、なんで。
そんな言葉達が千尋の頭を駆け巡る。
収まった涙が再び込み上がってきた。
零すまいと堪えるも、決壊は近い。
ボン・クレーはそんな彼女の頭を右手で撫でた。

「アンタねえ、ガッチガチじゃないのよぉ。
 ほら、深呼吸しなさい深呼吸。
 はい! アン ドゥ クラァ! アン ドゥ オラァ!」
「あ、あん どぅ くらぁ」

歯を大きくむき出しにした笑みとともに発される無駄に威勢のよい掛け声。
それとともに取られる無駄にバシッとしたバレエのポーズ達。
最初はあっけにとられていた千尋も途中からおずおずとボン・クレーの声を復唱していくことになる。
当然であるがポーズまでは真似していない。
しばしそれが続き。


「――――ってこれ深呼吸じゃないじゃないの! アンタもツッコミなさいよ!」


273 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:19:11 s.ZMU5z60
 
ボン・クレーのノリツッコミが部屋に響き渡った。


「くっ、くすくすくす」

手を当てた口元から思いがけない笑いが漏れてきた。
最初と同じ大声、しかし今の千尋にボン・クレーへの恐怖は存在していない。
そして、彼女は自身の緊張がいつの間にかほぐれつつあるのを感じた。

「ありがとねぇ、ボン・クレーさん」
「ほら、いいから喋って終わりにするわよ〜ん。
 それと敬語は要らないわ。あちし達、相棒なんだから」

千尋は頷き、口を開けた。
まだ硬さは残っているが、先程までのガチガチっぷりを省みるに大分改善された方だろう。

「じゃあ言うね。その前に聞いて欲しい話があるんだ」

一瞬の躊躇。
やはり、怖い。
最初の一歩を踏み出す覚悟は"あの場"でしていた。
それだとしても、実行に移すとなると体が震え出すのを感じた。
ボン・クレーの目を改めて見つめる。
彼は真っ直ぐな瞳で千尋を見据えていた。
再度覚悟を完了させる。
喉が灼けつくように乾いた。
舌は脳の制御から離れたかのように上手く回らなかった。
そして、頭が真っ白になるような緊張の中、彼女は自身の秘密を打ち明ける。




「実は僕――――男なんだ」




結果から言えば彼女、いや"彼"の告白は成功したといえるだろう。
ボン・クレーのリアクションはやたらと大げさなもので、目と口をコレでもかというくらい開いていたが、それだけ終わりだった。
そこにあったのは純粋な驚愕のみで、嫌悪や忌避などといった負の感情は一切見て取れなかった。
彼自身がオカマであったというのも大きなポイントとなったのだろう。
まずは第一関門を無事にくぐれたことに安堵した千尋。
汗が全身から吹き出し、呼吸は荒くなり、心臓は早鐘のように鼓動を鳴らし続けている。
それでも、彼の心には安心という温もりが僅かながらに萌芽した。
故に辿々しくなりながらも話を続ける。

「だけど……ボン・クレーさんみたいに堂々と女装してるわけじゃなくて。
 女みたいな自分を馬鹿にされたくないから……最初から女の子に成り切っちゃえば……。
 そうすれば誰からも男らしくないって馬鹿にされないから。
 だから僕は女装を続けてるの。軽蔑……するかなぁ?」

彼の最大の懸念。それは『女装をしている理由の違い』だった。
ボン・クレーは色々な意味で堂々としている。
女装をしている自身に後ろめたいことなど何もないのだろうということが一目で分かるくらいに。
対して千尋が女装をしているのは逃避から。
男性らしくない自分から逃げるために女装を行うというチグハグな自己防衛。
故に怖かった。
弱い自分は嫌われてしまうのではないかというのがいたく恐ろしかった。
強張った顔をする千尋に、ボン・クレーは語りかける。


274 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:20:47 s.ZMU5z60

「いい、チヒロ。オカマってのはね男でも女でもないあやふやな存在なのよ。
 あやふやな存在だからどんな奴がいても許される!
 そう! だから! だから! あちし、回るわーーーー!!」



 所詮〜〜〜んこの世は〜〜〜男と〜女〜♪
 
 しかし〜〜〜オカマは〜〜〜男で〜女〜♪
 
 だ〜〜か〜〜ら〜〜♪最強!!! オカマウェ〜イ♪
 
 あー最強!!! オォ〜〜カマ〜〜ウェ〜〜イ〜♪



急に回りながら歌い始めたボン・クレーをぽかんと見つめながらも、千尋はようやく心底安堵した。
目の前のサーヴァントと共に行動をするに際して、最大の壁と予測していた事項がこんなにも容易く流されるなどとは全く予期していなかったのだから。
ある種の拍子抜けさはあったが、それは決して悪いものではない。

「つ、続けてもいいかなぁ?」

千尋の言葉に肯定の意思を肯首で伝え、歌はやめども回転は相変わらず続けるボン・クレー。
あんなに回ってて聞こえるのだろうかと疑念が浮かばなくもなかったが、さっき歌いながらも自身の言葉を耳に入れたことを考え振り切る。
ここからは不二咲千尋という人間がずっと持ち続けていた"願望"に触れる。
コンプレックスと鏡合わせになった痛みを曝け出す場面が来た。
自身の弱みを伝えた相手にだとしてもこれを伝えるのは妙な気恥ずかしさがあった。
彼はまだ気がついていない。
あれほど心を覆っていた恐怖が気恥ずかしさ程度までになっていることを。
無自覚のままに彼は話を続けた。

「だから僕は強くなりたいって思ってて……ボン・クレーさんみたいなオカマとしての強さもすごいと思うけど、僕は男らしさって強さが欲しくって……」
「それで聖杯戦争に来たってわけ?」

率直な疑問の言葉に、『半分は正解だね』と答える。
彼自身、聖杯戦争という言葉はノアの内部に召喚され記憶を取り戻してから初めて知った。
28組のマスターとサーヴァントによる殺し合いというルールもだ。

「昔、インターネットで月にある万能の願望器が話題になってて、僕もよくある都市伝説だと思って本気にはしてなかったんだけど一応調べてみて」
「ゴフェルの木を見つけたのね」
「うん、とんでもなく強固なセキュリティだったけど、僕は"超高校級のプログラマー"だから」

超高校級のプログラマー。
高校生にして企業からのオファーを受けてシステムの開発に勤しむ。
特別ハイスペックでもないノートパソコン一台で会話や自立思考が可能なIAを一から作り出す。
等と、千尋の技量はもはや天才の域に達している。
そのプログラミング技術の延長線として、彼のハッキング能力ももはや常人の域を優に飛び越えていた。
そんな彼を以ってしても解析と解除に四苦八苦させられたセキュリティ。

「けどね、今の今までずっと忘れてたんだぁ。あのファイルも難関なセキュリティを突破できたって記念と願かけとして残してただけだし……」

中身のファイルは謎の拡張子を持ったファイルが一つ。
セキュリティの方とは違い、ファイル本体は千尋がどれだけ手を尽くしてもうんともすんとも言わない。
イタズラにしては手が込みすぎているが、ファイル自体の用途は謎。
一時は躍起になって解析しようとしたものの、今ではすっかり忘れ去られていた存在。
今になって、それの正体が聖杯戦争への招待券であると理解できた。



千尋の話を聞いていたボン・クレーが疑問を率直に投げる。


「チヒロは男らしくなるために聖杯が欲しいってこと?」
「ち、違うよぉ」

慌てた様子で千尋がブンブンと首を振る。
今の話を聞けば、誰もがその結論に至るであろう推察だっただけにボン・クレーは首を傾げる。

「確かに男らしくなりたいけど……これは自分の力で解決しないといけないことだと思うんだ……
 人の力は借りてもいいけど、それでも最後は自分の力じゃなきゃ……そうじゃなきゃ本当の男にはなれないから」
「いい事言うじゃなーい、オカマ道に誘えないのが残念なくらいだわーー!」

心外だったのか、彼らしくない少々熱の篭った語調であった。
人の力を借りてでも最後に動くのは自分自身。
友人に自分が男だと打ち明けた。
強くなるために彼の力を借りて筋トレを始めた。
周囲に自身の秘密を晒け出そうと考えた時、友人に相談した。
それでも千尋は肝心なところを人に頼ろうとは一度も考えていなかった。
彼の見せた男気の片鱗に感銘したボン・クレーが彼なりの賛辞を述べるが、千尋はそれを苦笑いで流した。


275 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:22:26 s.ZMU5z60
◆  ◆  ◆



「あの、今からすごく突拍子のないこと言うけど……信じてほしいなぁ」

再び表情を固くした千尋が重さを纏った口調で話し始めた。
『聖杯戦争なんてのがあるんだから今更何があっても驚かないわよぉ!』と茶々を入れようかとも一瞬考えたボン・クレーだが、彼の真剣な様子に憚られ「分かったわ」と一言で済ませる。
話を聞き終え、あそこで余計なことを言わないで良かったと心底感謝することとなる。
千尋のような超高校級の才能を持った人間たちが集められた希望ヶ峰学園。
そこを舞台にして行われたコロシアイ学園生活。
モノクマという悪意の象徴によってもたらされたそれはまさに悪趣味の極みであった。
脱出するためには人を殺さねばならない。
しかもただ人を殺すだけでなく、殺人後に行われる学級裁判で自身の犯行を暴かれずに逃げ延びねばならない。
もしクロであることを当てられればその人間はオシオキという名の処刑を受けることとなる。
逆に犯人を当てることができなければ犯人以外の全員が死ぬ。
そんな狂気めいた遊戯のなか、千尋は3名の死体をその目で見せられた。
1人は魂が抜け冷たくなったその姿を、残りの2人は目の前で死んでゆくさまを。
思い出すだけで体が芯からサーッと冷たくなり、視界が揺らぐ。
そして何よりも衝撃的だった記憶へと話が進んでゆく。
友人だと思っていた青年が突如豹変し、自分を殺そうとしてきた時の記憶へと。

「それでね、鉄アレイを振り上げた時の大和田君の顔が……顔が……」

無理をするな、辛いならば大人しく休め。
そのような趣旨の言葉がボン・クレーから送られてくるのが分かった。
全貌をまともに聞き取れるような状態ではない。
顔は真っ青に染まり、何かがこみ上げてきたのか口元を手で抑える。
しかし、そのような様でも彼は語りをやめようとしない。

「ごめん、最後まで言わせて欲しいんだ。僕を殺そうとした大和田君だけど……とてもかわいそうだったんだ。
 上手く言えないけど……僕を殺したくて殺そうとしたんじゃない、そう言えばいいのかなぁ?
 でも、彼が僕を殺そうとしたきっかけはきっと僕にあるから。謝れるなら謝って僕は大和田君を助けたい。
 ううん、大和田君だけじゃない。学園に残されてるみんなを助けたい
 僕はそう思ったんだ」

ダンベルを持ち上げ、振り下ろそうとした時の彼の表情と言葉がフラッシュバックする。
何が彼を駆り立てたのかは未だに理解できなかったが、自分が地雷を踏んでしまったのではないかということだけは理解できた。
短い交流であったが大和田が悪人でないことは身に沁みてわかっていたのだ。
だからそんなキッカケを作ってしまったことに対し謝りたい。謝らなければならない。そして彼を"クロ"という運命から救わなければならない
千尋はそう考えていた。
大和田からの謝罪を受け取るという発想がないのは彼自身の人の良さ故か。
あるいは歪みといえるかもしれない。

そして、もうひとつの願い。殺し合い学園生活に参加させられた生徒全員を救いたい。
コレも偽らざる彼の本心だった。
長い時間を共にした相手ではない。
しかし関わりを持った以上は見逃すことができない
だから彼は願い、望んだ。


276 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:23:44 s.ZMU5z60
周りが見えなくなるほど熱が入った千尋が我に返り正面を見ると、滝の涙を流すオカマがいた。



「えぐっ……ぐすっ…………ひぐっ………」
「ぼ、ボン・クレーさん?」


マスカラが流れ落ち大分残念なコトになっているオカマに対し、千尋はおずおずと喋りかける。
すると、ボン・クレーは急に千尋の両肩をガシっとつかんだ。
そして前後に激しく揺さぶりながら一気にまくし立てる。

「立派! 立派よチヒロ! アンタの願い、このボン・クレーがしかと受け取ったわ!
 どうするの? 暗殺? 撹乱? 潜入? あちしどんな汚いことでも手伝うわよ!」

ボン・クレーのクラスはアサシン。
そして彼をアサシンたらしめている宝具、それがマネマネの実。
右手で触れた相手の顔や体型を完璧にコピーする能力。
これにより、彼は一国を傾かせるほどの工作を行ったこともある。
彼はその陽気な性格に反して汚い仕事も抵抗なく行うことができる。
故に、アサシンとして不二咲千尋の願いを叶えることに尽力しようと。
友人のために聖杯を願う少年のサポートを全力で行おうと、そう考えていた。
そう、考えていた。

「ううん、僕が願うのは――――みんなで生きて帰ることなんだ。
 学園のみんなだけじゃなくって、この聖杯戦争にいる人もみんな」

千尋を揺さぶる手が止まった。
散々揺すられた千尋は少しだけ苦しそうな表情を見せたが、それに構わず言葉を続ける。

「やっぱり人が死ぬのは悲しくって……それが知らない人でもやっぱり死んでほしくなくて……。
 だから……僕たちは人を殺さないで生きて帰りたい。だめ、かなぁ?」

最期の言葉は疑問形だった。
疑問形であったが確かな圧力を持ってボン・クレーの元へと届いた。
ボン・クレーの唇がニィと吊り上がる。

「アンタ、甘いわ。大甘よ。
 あちしの大好物のタコパフェなんかよりず〜っと甘いわね
 でも、あちしはちーちゃんのそんな甘さが大好きよーーーー!!」

そう言ってボン・クレーは千尋を抱きしめた。
あまりに力強く締めてくるものだから、千尋は酸欠を起こしかけてるが、ボン・クレーがそれに気がつくことはない。
解法され肩で息をしながらも、千尋はボン・クレーに頭を下げた。

「あ、ありがとう。ボン・クレーさん」
「水くさいわねぇ。ボンちゃんでいいわよ!!」

髪をぐしゃぐしゃ撫でるようにボン・クレーが豪快に笑う。
千尋も釣られて鈴のような笑い声をこぼした。


277 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:25:14 s.ZMU5z60
「ねぇボンちゃん」
「どうしたのちーちゃん?」
「ボンちゃんには……聖杯に託す夢があったんじゃないのかなぁ?」

聖杯。万能の願望器。
不可能にも近い自身の願望を果たす権利をそうもあっさり捨てることができるのだろうか。
千尋自身の願いを述べた時からずっとそれだけがひっかかっていた。

「なぁ〜〜によぉ〜〜〜。そんなことが気になってたわけ?
 あちきとちーちゃんはダチでしょ? ダチの願いを叶えるなんて当然じゃない」

当たり前のように、何を言ってるのだと言わんばかりに。
ボン・クレーは極々アッサリとシンプルな答えを導き出していた。

「聖杯に願いを託してた連中だったらちーちゃんの願いを聞いた瞬間に殺しにかかったかもしれないわよ。
 そう考えたらあちきを引いたちーちゃんって超ラッキーじゃない!」

殺される。
その言葉を聞いただけで体がまたしてもブルりと震えた

「あ、あれ……震えがとまんないや。
 ごめんねぇ……こんなたいそれたこと言ったのに、やっぱり、僕、怖いんだ」

情けないね。そう言って苦笑いをする千尋。
だが、ボン・クレーは軽い調子でそれを否定しにかかる。

「ん〜〜〜、ちーちゃんは本当は強い子だってあちき知ってるわよぉ!
 男になっちゃうのが勿体無いくらいに強い子よちーちゃんは。
 どう、あきちとオカマ道極めてみない?」
「ごめんねぇ、やっぱり僕が目指したいのは男の中の男だから……」

にべもなく断られるも、ボン・クレーはさして気にした様子もなく「そう」とだけ呟いた。

「これから、よろしくねぇ」
「ええ、よろしく」

改めて互いに右手を差し出して握り合う。
手を握りながらボン・クレーがウインク一つ。

「さっきのちーちゃん、中々男らしくてカッコ良かったわよ」







【マスター】
不二咲千尋@ダンガンロンパ
【参加方法】
電脳世界に散ったゴフェルの木片を自身のパソコンで入手し参戦
【マスターとしての願い】
誰も死なせなずに脱出する。
【weapon】
なし
【能力・技能】
超高校級のプログラマー。
ノアの方舟にハッキングを行えるかは未明。
身体能力は標準の男子高生を遥かに下回る。
【人物背景】
「ダンガンロンパ」の登場人物
所謂男の娘。
人物背景は大体本文中で書いたので特筆することはない
【方針】
聖杯戦争を止める
具体的な方針は登場話に任せます


278 : 不二咲千尋&アサシン ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:27:44 s.ZMU5z60
【クラス】
アサシン
【真名】
Mr.2ボン・クレー(ベンサム)@ONE PIECE
【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運B 宝具D
【属性】
混沌・善 
【クラススキル】
気配遮断:A この気配遮断は通常の気配遮断とは異なり、宝具によって変身中に変身先の気配だけは残したままボン・クレー本人の気配を消す。
       つまり変身がバレにくくなるように働く。具体的に言うと服の違いや多少の性格の違いなら見逃されるようになる。
       宝具欄で後述する理由もあり通常の気配遮断が持っている攻撃時に起こるランク低下の特性は存在しない
      
【保有スキル】
オカマ拳法:A+ バレエの動きを基調とした足技を多用する拳法
逃走:B 絶体絶命の状況においても逃げ道を確保するスキル。
     仕切りなおしとは違いピンチでないと発動させることができない。
     捕縛されてから1度の脱走、1度の脱獄、1度の生還を経たという逸話から。

声援:D 身を削るような声援によって奇跡を引き起こすスキル。
     彼の声援が毒によって死にかけた未来の海賊王を彼岸の縁から呼び戻す一助となったという逸話から。

【宝具】
[マネマネの実]
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1

右手で対象の顔に触れることによって、その人物の姿・体格・声をコピーしその人物に化けるのを可能とする。
なお、服装についてはコピーするのが不可能な模様。
変身のリセットのためには左手で自身の顔に触れることが必要。
複数人の顔を組み合わせたり、記憶容量は無制限であったりはするが、変身中はオカマ拳法を使用不可になるというデメリットも存在している。

【人物背景】
オカマ。濃いメイクと白鳥を模した飾りにマント等の奇抜な格好をしたオカマ。
元秘密犯罪組織「バロックワークス」幹部。
その肩書の通り、アラバスタの国王に変身しその言動によって国民のクーデターを煽るさせるなどの工作を行っていた。
しかし汚い仕事を厭わない反面、本来の彼は非常に義理堅く友情に篤い人物である。
友であるモンキー・D・ルフィを救うために2度も絶望的な実力差の相手に立ち向かったことからも、そのことは見てとれる。
なお、ある意味オカマキャラの宿命のようなものだが、キレると粗暴な男口調になる。
【サーヴァントとしての願い】
ダチ(不二咲千尋)の願いを叶える
【基本戦術、方針、運用法】
マネマネの実の能力を活かした対主催の集団に潜り込ませての暗殺や、誤解フラグのバラマキが主な運用法である。
しかし、マスター不二咲千尋は優勝狙いを否定しているのでこの戦法は使用できない。
基本的な戦闘スタイルはオカマ拳法を活かした接近戦
有効な相手には変身能力も絡めて戦う
方針はダチにしたがって聖杯戦争を止める、具体的な方針は登場話に投げます


279 : ◆gET0fqCtw2 :2014/07/03(木) 03:28:37 s.ZMU5z60
投下完了です。
何か不備などがありましたら報告お願いします


280 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:39:57 EwF0dTYY0
既にこんなにも多くの登場話が……みなさん投下乙です。
自分も登場話案投下します。


281 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:41:20 EwF0dTYY0
「思い、出したんだ」

夜の街、眠らない都会の喧騒は輝く月すら沈むほど。
チカチカと灯るネオンサインは下品で、路上には汚らしい塵が散らかっている。
馬鹿みたいに笑う声がする。その一方で、暴力的な響きを籠った怒号がどこかで聞こえる。

厭な臭いのする街。
そこに一人の少年がいた。
パーカーを羽織った癖毛の少年だ。歩く度にマフラーがゆらりと舞い、フードにはうさぎを思わせる飾りがある。身にまとった服は嘘みたいに白かった。
僅かに顔を俯かせ、彼は歩を進める。

すれ違う人々はどこまで能天気で、馬鹿みたいで、来る明日をただただ貪っている。
そんな人ごみにあって、彼は思い出していた。
人々の日常はどこまでも愚かで、でも――だからこそ取り戻さなくてはならない、と。
欲したのは、やり直しだと。

「僕は生き残った。生き残ろうとしていた。
 あの……人類最後の七日間を、何とかして生き残ったんだ。
 毎日、毎日、来る災厄を何とか退けて……世界が消えて行っても、仲間が死んでも、それでも何とか生き残ろうと……」
 
日常の破壊者、セプテントリオン。
ドゥベ、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、ベネトナシュ、そしてアルコル。
人類を、世界を破壊すべく一日ごとにやって来る侵略者。
それを彼は――久世響希は仲間と共に何とか退けていた。

人類最後の砦、ジプスの一員として使えるものは全て使って、悪魔すら使役して戦っていった。
みな生きたかった。それだけは同じだった筈なのに。それでもなお多くの人が死んでいった。
ケイタもジョーもロナウドもオトメも……みんなセプテントリオンとの戦いの最中、その命を散らしていったのだ。

そして迎えた七日目。
人類の行く末を決める最後の戦いの末に……

『聖杯戦争へとやってきた』

不意に隣りで声がした。
姿はない。既に彼はカタチなき霊体となっている。
今しがた出会ったサーヴァント――キャスター。彼と出会い響希は契約を交わした。
肩を並べて戦うべき――仲魔だ。

そんな彼が語りかけてくる。
その声色は穏やかだ。威圧する訳でもなければこちらを侮り見下ろしている響きもない。
しかし、同時に響希は感じていた。
言葉の端々からにじみ出る、何か、人から外れ遠いどこかに行ってしまったかのような、途方もない何かを。

響希は無言で歩を進める。
キャスター。彼と語らわなければならない。
今を享受する人々から離れ、響希はどこか二人で話せる場を探していた。

「…………」

空では大きな月が浮かんでいる。
都会の空気に呑まれ、その光はどこか窮屈そうだと、響希には思えた。

月が良く見えるところまで。
そう思い街の中心から離れていくと、いつしか住宅街の中の小さな公園までやってきていた。
真夜中、そこはしんと静まり返り人ひとり見えない。遊具は錆びつき、捨てられた塵が風に吹かれ転がっている。
都会の喧騒の中にあってぽっかりとできてしまった空洞。そこには闇が溜まっていた。

『ここなら大丈夫そうだね』

キャスターの声がした。
しかし未だ姿は見えない。霊体化したまま彼は語りかけてくる。

『さて、聞かせてもらおうか、マスター。
 君の願いを、君の選択を。それがあったからこそ、君は生き残ったんだろう?』
「……そうだよ、キャスター。
 僕は生き残った。最後のあの日、生き残っていた他のみんなも死んで、ダイチや新田さんまでも倒れて、それでも僕は生き残ったんだ」

響希は顔を俯かせながら答える。
彼らとの思い出、日々、そして別離が未だこびりついて離れない。
それでも、響希は生き残った。人類の試練、セプテントリオンを退けた。
結果として生き残った人類は――二人だった。

「世界が滅び、生き残ったのは僕とヤマトだけだ」

ヤマト。
響希はその名を口にした。
彼が元居た世界において生き残った、もう一人の人間。
これから彼と殺し合う筈だった。峰津院大和。彼は自らの野望を――実力主義の世界を創造しようとした。
生き残った最後の人類で雌雄を決する。

その先に待つポラリスへと謁見する為に。
ポラリス――世界の管理者。その力を使えば世界のありようを定め、新世界を創造することすらできる。

『ポラリス、ね』

そのことを告げると、キャスターは短くそう返した。
どこか含むような言い方に響希は少し疑問に思いつつも口を開いた。


282 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:42:01 EwF0dTYY0

「たぶん君と出会ったのもポラリスの意志なんだ。
 ヤマトを追ってあの門を追った先に、僕はここにたどり着いた。
 万能の願望機……それさえあれば全て思いのままなんだろう。世界のコトワリをも書き換え、新世界を創造する」

それが響希の聖杯の解釈だった。
門の先に広がっていたこの戦争の意味を、彼はそう定義したのだ。
だからこそ、彼は告げる。

「でも、駄目だ。誰か一人がそんなことをしちゃいけないんだ。
 世界の行く末を一人で決めてしまうなんて。
 だから僕は――何も願わない。他の誰にもあれは使わせない。
 その為に僕は聖杯までたどり着く。そして、やり直すんだ」
『すべてのコトワリを否定する為に、聖杯を目指すと?』
「ああ」

一瞬の間を置いて、

『それは俺のサーヴァントとしての願いも否定するということかい?』

キャスターはそう尋ねてきた。
……その問い掛けは別段変った口調で投げかけられたものではなかった。
にも関わらずキャスターが持つ存在感が膨れ上がったのが感じられた。

その存在感に響希は一瞬言葉を詰まらせる。
だが、すぐに口を開いた。結果どのようなことになろうとも、答えは既に決まっている。

「ああ……キャスター。君にも聖杯は使わせない」

キャスターは何も言わない。
姿すら見せず闇に溶け込んだまま、沈黙を保っている。
押し寄せてくる沈黙が息が苦しい。自然とポケットの中の携帯電話へと手が伸びた。

バチバチ、と近くの電灯が明滅した。

『そうか――その答えは』

キャスターが口を開いた。
次の瞬間、世界がぐにゃりと歪んだ。
空間に黒いひずみが走り、爆発を思わせる閃光が走ったのち、

「っ……!」

悪魔が現れた。
それも複数、誰もいなかった筈の夜の公園に彼らは呼び起された。

緑の肌を持った筋骨隆々の邪鬼・オーガ。
轟々と燃え盛る炎を司る精霊・フレイミーズ
妖艶な笑みを浮かべ宙に舞う鬼女・リリム。

多種多様な悪魔たち。
出自も種族も違えば在り方も違う。しかし悪魔たちはみな同じ『魔王』に仕えている。
悪魔たちの中心にいるヘッドホンをつけた一人の少年。
血のように紅いマフラーが風に吹かれ揺れている。
そして奇妙なことに、その手には見覚えのある携帯ゲーム機があった。

彼こそが王――悪魔統べる『ベル』の王である。
魔王は悪魔をはべらせ、辺りにその圧倒的な存在感を放っている。

「その答えは――俺を前にしても言えるのか?」

そしてキャスター、魔王ア・ベルは静かに問いかける。
声も、顔も、姿かたちはただの少年のもの――それは間違いない、その筈なのに。
だが、しかしそれは確実に人間ではなかった。
昔は人間だったのかもしれない。その面影はある。でも、もはやそれは人間の境界を越えてしまっている。

響希は息を呑む。
キャスター。契約を結び、新たな仲魔となったのは紛れもない魔王。
彼を前にして、自分は自分でいられるのか。

ぐっ、と響希は携帯電話を握りしめた。
夜の公園に溢れる悪魔を見て、彼らを従わせる魔王を見て、響希もまた己の力を解放した。

「来い、ビャッコ……!」

携帯を操作し、響希は悪魔召喚プログラムを起動する。
サマナーとして宿った回路が火花を上げ、悪魔をこの世に呼び出す。
そうして現れたのは――白き神獣、ビャッコ。
その純白の毛並みと毅然とした眼差しが何よりも頼もしい。
この七日間ずっと連れ添った仲魔を呼び出し、響希は魔王と相対する。

魔王と視線がぶつかった。
感情を感じさせないその瞳はじっと響希を見つめている。
それはまるでこちらの価値を測るかのように。
怖くないといえば嘘になる。死が怖くなかったら当の昔に死んでいる。
それでも響希は口を開いた。


283 : 久世響希・キャスター ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:42:54 EwF0dTYY0

「言うさ。
 僕は誰にも世界を変えさせない。それが魔王であるなら、なおさらだ」

と。
キャスターは再び口を閉ざした。
すっ、と目を閉じ頬に風を受けた。マフラーがばさばさと舞う。
それに合わせ悪魔たちも黙る。彼等は今統率されているがゆえ人を襲うことがない。
しかし魔王が一たび指を降れば、それに合わせその凶暴性を解放するだろう。
それがたとえマスターであろうとも。

殺されるか。響希の身体に冷たい汗が滲んだ。
右手の甲に刻まれた令呪は――駄目だろう。恐らくそれを使うよりも早く向こうが動く。
だが、後悔はなかった。ここでサーヴァントと向き合い悪魔と交渉しなければ、彼を仲魔とすることなどできない。

そう思ったからこそ夜の中、響希は悪魔たちと対峙した。

「いいよ、協力しよう」

しばしの沈黙の末、魔王は了解した。

「聖杯なんて使わない、なんて意見は俺としても賛同したいところだ」

再び空間が歪み、悪魔が帰還していく。キャスターの命に従ったのだろう。
それを響希は呆けたように見ていた。キャスターは微笑みを浮かべ、響希のそんな顔を眺めていた。

「じゃあ……君には願いがないのか?」
「いや、違う。俺に願いはあるよ。絶対にやらなくちゃいけない、俺が選んだ願いが」
「それは一体」

何、と尋ねるよりも早くキャスターが答えていた。

「神を討つこと。俺の願いはそれだよ」

神。
それが敵であり、それを討つことこそが自身の悲願だと、
あっさりと、何でもないことのように彼は言ってのけたのだ。

「聖書に伝わりし唯一神。あれに俺は喧嘩を売った。死ね馬鹿って。
 そんな奴が方舟や聖杯なんて――神の力が宿ったものなんて使う訳にはいかない。
 だから、俺は聖杯も方舟も、みんな壊す。そしてそのあとは――」

言ってキャスターは空を見た。
夜空の真ん中には大きな月が浮かんでいる。
その輝きは美しく、絶対的で、決して届かない場所にある。
キャスターは月を仰ぎ見て、そして不敵に笑って見せた。

その笑みに響希は確かな恐怖を覚えた。
先の鋭い殺気はまだよかった。死の恐怖など、この七日間でそんな緊張感は何度も経験した。
しかし、これは違う。これは理解できないことへの恐怖だ。
ああ、そうか。確かにこれは――魔王としか言いようがない。

「あの月にも挑む。どこまでも高くから人を見下ろして超越者を気取るような者。
 それに戦いを挑むんだ。魔王として、人として、生かされるのではなく生きるために」

その言葉がどんな意味を持つのか、あまりにも荒唐無稽過ぎて掴めない。
いや、全く掴めない訳じゃない。事実自分は神というに値する存在へと謁見しようとしていたのだ。
だからこそ、それを討つという選択の途方もなさが分かるのだ。

「ところで響希。少し疑問なんだが良いか?」
「え、あ、何だい」

突然の問いかけに響希ははっとする。
そんな響希の胸中を知ってか知らでか、キャスターはやはりさらりと、

「響希はさっき聖杯なんて誰にも使わせないと言った。世界の行く末を誰か一人が決めていいはずがないと。
 それは正しい。だが、君は言ったな。だからやり直すんだ、と。
 それは聖杯を使っていることにならないか? 他でもない君が、世界のやり直しを求めている。
 ポラリスにもう一度人を見て貰う――それは世界の行く末を決めているとはいえないのか?」

その問いに、響希は咄嗟に答えることができなかった。
全く考えなかった訳ではなかった。世界のやり直し、それは体の良いリセットだ。場合によっては再びセプテントリオンがやってきてしまうかもしれない。
しかしヤマトを止めるにはもうこれしか……

「思うに、そのポラリスという奴もぶっ倒せばいいじゃないか。
 それで人類は晴れて自由だ」

キャスターは続ける。
響希が考えもしなかったことを、彼はあっさりと言ってのける。


284 : 久世響希・キャスター ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:43:25 EwF0dTYY0

「考えてみろ。人類の敵、セプテントリオンを送り込んできたのは誰だ。
 勝手に人類に価値がないと定め、こちらを試す為に試練と称して世界を崩壊させる。
 そんな傲慢を、響希は許せるのか? 殴ってやりたいとは思わないのか?」

キャスターの問いかけが鋭く刺さる。
選ぶ? 僕が、神を討つことを。
それが正しい道なのか? 北極星<ポラリス>も、この聖杯を用意したであろう月<ムーンセル>も、全て打ち倒すことが、人が生きる道なのか?

「それは……」
「君も、そのヤマトという男も、ポラリスに世界をどうにかしてもらうことしか考えていない。
 俺と君の意見は大体にして一致している。だからこそ疑問なんだ。何故戦わないのか」

問いがぐるぐるとまわり続ける。
どうするべきなのか。響希は自らの選択に苦しんだ。

「……響希、別にすぐ答えを出さなくてもいい。
 どちらにせよ俺と響希の道は途中までは一緒だ。あとのことは聖杯戦争を勝ち上がってからでいい。
 ただ、これだけは聞いておきたい。響希にとって生きることとは、何?」

生きること。
それはこの人類最後の七日間で、ずっと考えていたことだ。
響希にとっての答えは、生きるとは何か、それは――


「生きるとは――選び続けること」


だったら、と魔王は突き付けた。


「選べ――生きるか、生かされるか」












Peaseful days died_

Let' s survive.


285 : 久世響希・キャスター ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:44:22 EwF0dTYY0



【クラス】キャスター
【真名】魔王ア・ベル
【パラメーター】筋力C 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+
【属性】混沌・善
【クラススキル】
陣地作成 C …魔王として召喚に適した空間を作る。
       完全に覚醒していない為、範囲効果ともにそこまで大きくはない。

【保有スキル】
対神性 D …神に反旗を翻した英霊に与えられるスキル。
      神性スキルを持った者を相手にする際にパラメーターが僅かに向上する。
      キャスターはまだ魔王として覚醒したばかりの状態のため低ランクに留まっている。
魔術 D … 初歩的な魔術を操る。キャスター本人は魔術による攻撃をあまり得手としてない。
スキルセット - … compを操作することにより自分自身のスキル構成を変更できる。
         ただし変更できるスキルはあらかじめデータとしてストックしていたスキルに限り、自身の力量を越えるものは当然セットできない。
         またセットには煩雑な操作を必要とし、戦闘中のセットは不可能。セット可能なスキルも三点までに留まる。
スキルクラック - … 倒した敵のスキルをcompにストックする。
          ただし条件として『事前に対象となるスキルを指定しておくこと』『自分自身の手で直接敵を撃破すること』が条件となる。
          一度に一つまでのスキルしか対象とすることができず、ストックしてもパラメーターが足らなければ当然セットすることはできない。

以下スキルセットにより変更可能なスキル枠。

[貫通] C … 物理的な防御を無視するスキル。どれだけ堅固な物理耐性があろうと無視して通常通りの物理ダメージを与える。
       ただし物理反射だけは無視できない。
[物理激化] - … 物理属性の攻撃を行う際、その威力が通常の1.5倍になる。
[戦神の加護] A … クリティカル率を通常より+50%する。
         攻撃を行う際、LUC判定に成功する確率が上昇する。

【宝具】
『ベルの王』
ランクA 種別:対軍宝具 レンジ:1?10 最大捕捉:100人
悪魔統べる魔王の証。
東京封鎖を生き延びたキャスターが、その末に身に宿した『ベル(バアル)』の力である。
かつて神との戦いに敗れ分割されていたが、争奪戦を経て再集結し、王の門『バ・ベル』を打ち倒すことにより完全復活した。

魔界より悪魔を召喚し従わせることができる。強制的に従わせるのではなく悪魔の方がこの力を持つ者を王として認めるのである。
その為、自身が召喚した悪魔でなくとも、他の者使い魔として契約していないのであれば悪魔は自発的に協力する。
ただし日本の土地神等、ベルの力の及ばない地域の悪魔はその限りでない。
悪魔は何十体でも召喚可能だが、召喚の度に魔力を必要とする。

・weapon
comp
コミュニケーションプレイヤー (Communication Player) の略称であり、とある世界においてメール、ブラウザ機能を有している。
とある人物による改造が施されており、悪魔を召喚、使役する為のプログラムが搭載されている。
魔王となったキャスター自身は既にこの機械使うことなく召喚できるが、召喚者自身を強化する機能も付いておりスキルのセットやクラックはcompを通さなければ発動できない。
また搭載されたハーモナイザーにより異界の存在と波長を合わせることで、攻撃をある程度緩和し逆に悪魔への有効な攻撃も可能になる。
全く異世界の存在であっても場合によっては解析し、ハーモナイズすることが可能。
未来を預言するメール『ラプラスメール』やそれを利用し余命を表示する機能も存在したが、既に使用不能になっている。

compの外観は二画面やタッチペンを利用した特徴的なゲーム機である。


286 : 久世響希・キャスター ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:44:53 EwF0dTYY0
【人物背景】
あるところに神の子として生まれ落ちた兄弟がいました。
兄は地を耕す農業に、弟は羊たちを飼う牧畜に、それぞれ従事して共に暮らしていました。
そして彼らは神に自らの仕事の成果を捧げ物をしたのです。
捧げられたものは共に最上のものでした。でしたが、しかし神は弟の捧げ物だけを見て、兄については無視してしまいました。
怒った兄は弟を殺してしまいます。

……これが人類最初の殺人。旧約聖書に記されしカインとアベルの物語である。

結果、カインは原初の罪人として永劫孤独の生を繰り返すことになる。
一方殺されたアベルは人間として転生し、その因子は多くの人に受け継がれた。
脈々と受け継がれた因子……アベル因子は薄れつつも世界に広がり、東京に住む一人の少年にも受け継がれた。
それだけならば彼はただの人のままであった筈だった。数多くいる薄れた因子の継承者、その一人に過ぎなかった筈だった。

しかし、少年は目覚めることになる。

夏休み、少年は東京にて友人たちと時間を過ごしていた。
そんな日常は、彼の従兄弟の導きにより崩壊することになる。
突如として始まった東京封鎖。現れる悪魔たち。無慈悲にも宣告される寿命。
東京に閉じ込められた少年は、それでも必死に生き延びていく。
その最中、彼は目覚めた。『ベル』の力を持つ悪魔を倒したことで、彼の身に宿るアベル因子が呼び起されたのだ。
ベル・デル。ベル・イアル。イザ・ベル。ベル・ゼブブ。ベル・ベリト。そして、バ・ベル。
彼らを全て取り込み、少年はア・ベルとして完全に覚醒する。

その覚醒には彼の従兄弟の言葉があった。
従兄弟――いや、何時しか兄を名乗っていた彼は言った。
“魔王となって神を討て”と。
そして少年はそれを選んだ。

七日間。
奇しくも神が世界を作ったのと同じだけの時間をかけて、少年は魔王として生まれ変わった。
兄と手を取り、傲慢にもヒトに苦境を強いた神を討つ。
その為にア・ベルとして、ベルの王として、少年は神の軍勢に戦いを挑む――

『女神異聞録デビルサバイバー』『デビルサバイバー・オーバークロック』における主人公、通称ネコミミ。
魔王ルート(ナオヤ・カイドールート)を通り魔王として神に挑むことを選んだ場合の彼となる。
ステータス振りは力速振り。魔と体は最低限しか上げていない。そのため物理スキルはめっぽう強いが、魔術攻撃はそもそもスキルセットできない場合が多い。
召喚時の状態は七日目終了後から八日目(OC)メタトロン撃破前あたりの魔王として完全覚醒していないあたりを想定。(完全なる魔王はサーヴァントの域に入らない為)
口調、性格は漫画版を参考。


【サーヴァントとしての願い】
神を討つ。
神に由来する聖遺物である方舟と聖杯を破壊し、そしてムーンセルにも戦いを挑む。

【基本戦術、方針、運用法】
キャスターであるが、魔術はさほど得意としていない。下手すると響希の方が適正が高い
使えない訳ではないが、一般的な魔術師以下。これはキャスターがcompによる強化を筋力と敏捷に振っていた為である。
そのため物理攻撃を得意とするが、それもサーヴァントとしては中途半端。三騎士クラスを相手取れるほどではない。
スキルセットやクラックも一見して強力に見えるが縛りが強く、力量を越えるスキルは扱えないので『使えるスキルを選べる』というよりは『使えるスキルを常に制限されている』という方が近い。
(似たスキルである『皇帝特権』とはその汎用性は比べるべくもない)
なのでサーヴァント単体としては『そこそこ程度には直接戦闘ができるが、肝心の魔術が苦手なキャスター』という苦しい評価になる。

キャスターの強みは宝具『ベルの王』にこそある。
キャスターは悪魔を召喚することによる物量作戦を展開できるのである。
召喚される悪魔は多彩な能力を持っており、諜報から戦闘まであらゆる局面で使えるだろう。王である為悪魔からの忠誠も高い。
マスターである響希もまたサマナーである為、彼に悪魔への指示を任せることもできる。
ただしアイテム依存の召喚ではない為、召喚のたびにキャスター自身の魔力を消耗する。また当然のことながら強力な悪魔ほど多くの魔力を使わなければ召喚できない。
幸い響希の魔力量はサマナーとしては人並み以上である為、そこまで継戦能力に欠ける訳ではない。
とはいえ召喚される悪魔がキャスターの生命線である以上、召喚の使いどころはよく考えた方がいいだろう。

攻めに回るならばスキルを攻撃的なものにした上で、圧倒的な物量に物を言わせ敵を屠り、
守りに回るならば情報収集や戦闘は召喚した悪魔に任せ、キャスター自身はどこかに籠城することになる。


287 : 久世響希・キャスター ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:45:41 EwF0dTYY0


【マスター】久世響希
【参加方法】ポラリスへの謁見の直前、ムーンセルにアクセスしてしまう。(ムーンセルがデビサバ2A世界ではポラリスとして観測された可能性あり)
【マスターとしての願い】聖杯を誰にも使わせない。そして、世界のやり直し……?
【weapon】携帯電話。悪魔召喚プログラムがインストールされており、響希自身も悪魔を召喚することができる。
     自らの死を予測する『死に顔動画』もインストールされているが、開発者であるアルコルが死に、世界も崩壊した為動作するかは不明。     
【能力・技能】悪魔を召喚するサマナーとして一級の能力を持つ。
       その適性の高さは『実力主義』を標榜するヤマトが一目置くほど。
       使用する悪魔は『ビャッコ』『スザク』等、神獣や霊鳥が多い。
【人物背景】
『DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION』の主人公。
当初はただの高校生に過ぎなかったが、彼が『死に顔動画』に関わったことを皮切りに物語は始まる。
悪魔召喚プログラムを手に入れサマナーとして目覚めた彼は、峰津院大和率いる組織『ジプス』に所属し人類存亡の戦いに身を投じる。
『セプテントリオン』北斗七星の名を冠する侵略者を多くの犠牲者を出しながらも退けていく。
そしてその最中、響希はヤマトの野望を知ることになる。
それは試練の元凶である『ポラリス』に謁見することで、ヤマトは自らの信ずる実力主義の世界を作ろうとする――というものだった。
その意見に反発した響希はジプスを離脱。ヤマトと決別する形で七日目を迎えることになる。

参戦時期としては七日目の試練を乗り越え、響希はヤマトを追ったあたり。つまり最終話直前あたりになる。
アニメ版は原作と設定が多く違い、主人公の性格(元々無名主人公)もアニメオリジナルのものとなっている。

【方針】
誰にも聖杯を使わせない。
そのために聖杯を狙うマスターを止める。


288 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/03(木) 03:46:17 EwF0dTYY0
投下終了です。
BR発売を何時までも待っています。


289 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 03:49:42 gOPwH3qM0
こんな時間に投下渋滞がおこることに驚愕を覚えると共に二次聖杯に事前に謝罪して投下します


290 : 黒魔女さんの聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 03:50:56 95nOBwSw0



東京のはずれの小さな街に、5年生の女の子が住んでいました。
ごく普通の女の子は、ごく普通のオカルトマニアで、ごく普通の魔法書を読んで、クラスの友だちに、ごく普通にきみわるがられていました。
ですが、彼女はごく普通の女の子と違うところがありました。一つは、うっかり黒魔女になったこと。もうひとつは、ある人を助けるために聖杯戦争に参加することでした。


291 : 黒魔女さんの聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 03:54:02 hxtiVsGY0



「うわっ寝過ごし――あれ‥‥」

チョコこと黒鳥千代子が目覚めたのはもうすぐ6時になろうかという時だった。思いの外早起きしてしまった自分を恨めしく思いつつ、あと二時間は寝れるなとすぐさま二度寝目に入る。
しかし。

「寝れない‥‥」

なぜな目が冴えている。眠気がやって来るどころかなにか大事なことをやり忘れているような気すらしてくる。

「‥‥あー、ドリルやらなきゃ。」
ようやくすっきりしはじめた頭で思い出したのは宿題のことだった。これをやらないとまた怒られる。いやいやながらも起き上がり学習机に座って始めようとするが。

「あれっ、どこだっけ?ドリルドリルドリ――ドリル?」

今度はドリルが見つからない。そもそもどんなドリルかがまず思い出せない。これはまずい。宿題を忘れているのに忘れていたことを忘れているパターンだ。ランドセルにはそれらしいものもないしもしかして学校に忘れたのだろうか。

「ううん、学校には持っていってないし持っていけるわけない。それに松岡先生はあんなガミガミ怒らない‥‥あれ?じゃあ――」

じゃあ誰に怒られていたのだろうか。そもそもなぜ学校に持っていってはいけないのか。そんなドリルってどんなドリルなんだ。考えれば考えるほど頭に霧がかかり、そして。

「――よし、寝よう。」

チョコは考えることをやめた。なんかめんどくさくなってきた。ぶっちゃけ思い出すとろくでもないことになりそうな気もした。元はオタク系だもん、しかたないよ。しかしここで問題が起きる。既に目は冴えてしまっていていかんせん寝つけない。かといってこんな時間に寝ないのもいかがなものか。結果眠くなるまでとりあえず魔法書でも読んでごろごろしてようと思い本棚を見る。だが、そこに肝心の魔法書がない。

「ウソ、なんで!あれ!?」

めっちゃ驚いた。趣味の魔法書が一冊もなくなってるとか地獄少女全巻無くしたのの半分くらいのレベルだ。これにはさすがに焦り魔法書を慌てて探し始めるも、ない。出てくるのは輪島塗の箸に黒いゴスロリとわけのわからないものばかりで。ほんと箸とゴスロリしかなくて。ほんと箸とゴスロリしかなくて。

「――あっ、そっか。あー‥‥」

ようやく思い出した、なぜ自分がここにいるのかを。なぜこんな時間に起きてドリルなんかやろうとしてたのかを。

「あたし黒魔女さんだった。」


チョコはすぐにゴスロリに着替えると紙とペンを取り出す。黒魔女修行の朝練が無くなったのはいいがそれより大変なことが既に起こっている。
聖杯戦争のルールはさっき思い出した。使い魔を呼んで戦うポケモン的なものだったはずだ。負けたら死ぬというのが実に黒魔法らしい。

チョコは書き上げた紙を見る。いわゆるこっくりさんの時に使う紙だが、彼女が黒魔女になったときを思い出しながら書いたのでキューピットさんと呼ぶべきか。

紙を床に置き、手をソノウエニ置く。
サーヴァントを呼び出す呪文は思いつかない。ので、彼女にとって一番思い出深い呪文を使うことにした。

「ギュービッドざん、ギュービッドざん、南の窓がらお入りぐだざい」

唱えたのは始まりの呪文。彼女が黒魔女になることになった、自らの師を呼び出した呪文。

彼女が求めたサーヴァントは自らの師のようなサーヴァント。この聖杯戦争で最も頼りになるイメージを浮かべその呪文を唱える。

そして、光だした紙を直視できなくなり彼女が目をつむったときその声は聞こえた。

「お前が私のマスターか?」

その声は彼女が求めたものとあまりに似ていて。
目を開けたらとき目の前には一人の美女が立っていた。彼女の師と同じように銀髪で、彼女の師とは真反対の白ずくめの服。

薄く微笑んだその姿に思わず見とれていて。


ムニッ。


(なっ!?)
唐突にほっぺたを引っ張られた。

「令呪があるならマスターだな。最初にいっておくが私のステータスは思ったより高くなかったがお前からの魔力供給しだいで変わってくる。それと聖杯戦争についてだがまず最初は動くな。漁夫の利を狙われるのがオチだ。最初は情報を集めるんだ。敵のサーヴァントを見つけたからといって積極的に襲うのはもっての他だ。これだけの数のサーヴァントがいれば自然と徒党を組み始める。あとライダーのクラスには気をつけろ。空を飛べたり対軍宝具を持ってたりしたらマスターを狙われる。」

微笑みからは想像できない真剣な顔でそのサーヴァントはそう言った。サーヴァントは歴史上の英雄らしいから昔そういう人と戦ったこともあるのだろう。

とりあえずドラゴンは恐いって思った。


292 : 黒魔女さんの聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 03:58:56 ErKNF67E0



【マスター】
黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!

【参加方法】
『黒魔女さんのクリスマス』において異端審問にかけられそうになったときに持ってた輪島塗の箸がゴルフェの木片だったっぽい。

【マスターとしての願い】
とりあえず元の世界に帰って異端審問をどうにかしておばあちゃん達を助け出してあとついでに黒魔女やめたい。

【weapon】
杖(輪島塗の箸。魔女のおばあちゃんから貰ったものだからゴルフェの木片かも)
ゴスロリ(着てると静電気のように溜まった魔力の影響で魔法が使いやすくなる。魔法でいつもキレイ)

【能力・技能】
黒魔女三級程度の魔法は一通りおぼえているが使いこなせるかは別。とりあえず人に死の呪いをかける即死呪文はうまく使えない、はず。
また彼女の世界の魔法体系のせいで『時間あたりの供給量は少ないが魔力は実質無尽蔵』というわけのわからないことになっている。供給量の上限を上げることは相当練習しないとムリ。

【人物背景】
第一小学校五年一組。通称チョコ。
黒髪おかっぱで運動神経はもちろん頭も悪い。一人と夜とオカルトが好きというニチアサの主人公には絶対になれないタイプ。
祖母が魔女であったことから黒魔法の才能があり、魔界から派遣されたインストラクターのギュービッドのもとで黒魔女の修行をしているが、いやいややらされているため本人は黒魔女になったらすぐに黒魔女をやめる気でいる。
今回異端審問官のロベに嵌められ異端審問を受けることになり、その最中になんとかしようと考えてたら聖杯戦争に参加していた。

【方針】
負けたくはない。でも傷つけたくもない。
サーヴァントに言われたことをとりあえず守る。
ていうかまずは名前を聞きたい。


293 : 黒魔女さんの聖杯戦争 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 04:03:44 5SRCrS7Q0


【クラス】
セイバー

【真名】
テレサ@クレイモア

【パラメーター】
筋力B+ 耐久B 敏捷B+ 魔力A+ 幸運D
宝具B

【属性】
中立・善

【クラススキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
騎乗:−
セイバークラスにあるまじきことだが、騎乗スキルは存在しない。

【保有スキル】
半人半妖:B
その身に妖魔の血肉を取り入れた者。単独行動:Bに加えて実体化に必要な魔力が他のサーヴァントより少なくて済む効果を持つ。さらに妖魔の成り立ちから、対竜宝具の攻撃により受けるダメージが多少追加される。以下のスキルは全てこのスキルに基づく。
妖力解放:A
魔力を身体強化に注ぎ込み、筋力、耐久、敏捷値を上 昇させる。総魔力量の10%以上で瞳の色が金色に、30%以上で顔つきが醜く変貌し、50%以上で身体つきが変化する。 80%を超えると元に戻れなくなり、妖魔として覚醒する。
再生能力:C
魔力を消費し、肉体を復元するスキル。有害な毒素を体外に弾くこともできる。時間をかければ切断された四肢の接続が可能。魔力の消費量に伴い、妖力解放に順じた肉体の変貌が起きる。
気配遮断:D
サーヴァントの気配を絶つ。魔力とその漏洩を極限まで抑える能力。

【宝具】
『妖気探知』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000
テレサの所持する最もずば抜けた能力が、宝具として昇華された。
テレサを中心とした半径数Km圏内の魔力を感知し、位置と大きさを正確に捕捉できる。強い魔力や同じ探知 の気配なら圏外でも感知する。さらに気配遮断さえ見破ることが可能。
戦闘時には敵の魔力の大きさ、流れを一つ残らず掴み取り、全ての行動、攻撃の軌道を予測する。

『無銘・大剣(クレイモア)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:1
クレイモアはテレサの元居た世界では戦士の象徴、代名詞として扱われているため、宝具として登録され た。
特殊な能力は一切無いが非常に硬度が高く、格上の宝具と打ち合ってもそれが単純な物理攻撃なら、折れる どころか刃毀れ一つ作ることは無い。

【Weapon】
『無銘・大剣(クレイモア)』
テレサの宝具でもある。

【人物背景】
人間に擬態し人を食う妖魔と、それに対抗するべく妖魔の血肉を取り入れて人外の身体能力を手に入れた、 半人半妖の戦士が戦う世界。その世界でテレサは全現役戦士のナンバー1、さらに歴代ナンバー1の中でも最強とまで謳われる存在だった。 力、素速さ、剣技の全てが並の戦士をはるかに上回り、特に相手の妖気を感知する能力が極めて優れ、妖気の流れ、強弱から動きを予測する先読みを得意とし、いかなる相手、人数であっても微笑みを絶やさず敵を殲滅すること、そしてそれ以外に特に目のつく戦い方をしないことから「微笑のテレサ」の異名を持つ。
人間にも同僚の戦士にも何も期待することなく、生き甲斐を感じる訳でもなく淡々と妖魔退治をしていたが、ある依頼で偶然妖魔に連れ回されていたクレアを助けたことで、運命が変わることになる。最初は勝手についてくるクレアを疎ましく思っていたが、クレアの追う理由がテレサがずっと押し殺してきた心の痛みを抱きしめていたいという理由だったことから、互いにかけがえのない存在となる。
その後、クレアが人として幸せをつかむことを願って妖魔を退治した村に預けたが、その村が盗賊に襲わ れ、クレアを助けるため盗賊達を皆殺しにした。その為粛清される所を、逆に他の戦士を斬りクレアのためだけに生きることを決意し、組織を離反して追われる身となった。 追手として選ばれたテレサ以下のナンバー2からナンバー5の四人という当時最強の布陣を妖力解放無しの圧倒的な強さにより返り討ちにしたが、いずれ自分の強さを超えると直感したプリシラの止めを刺さなかっ た情けが仇となり、一人でテレサを殺すため無理な妖力解放をし、限界点を越え後は覚醒を待つのみとなっ たプリシラに自分を殺すよう頼まれ止めを刺そうとした瞬間、逆に両腕を斬り落とされ、首を刎ねられて死 亡した。

【聖杯への願い】
受肉してクレアと暮らす。

【基本戦術、方針、運用法】
イースレイ同様、基本は陣地に篭もり情報収集に専念し作戦を立てる。
戦闘以外の部門は魔術師らしいマスターに期待したいがたぶんムリ。
戦闘は剣による接近戦を主とし、マスターを狙っていく。
徒党を組むことも考慮に――?
あと竜種は最大限警戒。


294 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 04:07:37 0jhMu6ZE0
以上で黒鳥千代子&セイバーの投下終了です
テレサの解説は大部分を二次聖杯から引用したので問題があれば即破棄します


295 : ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:11:33 DMvKSOP60
お疲れ様です。自分も投下させて頂きます。


296 : 堂島静軒&ランサー ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:12:17 DMvKSOP60
宝船――――

ながき世の
とをのねぶりの
みなめざめ
波のり船のおとのよきかな

――――画圖百器徒然袋/卷之上・卷之下
鳥山石燕/天明四年

                        *

輝ける文字の曼荼羅が床となり、螺旋を描く奇怪な地。
その中心に一人佇つ男の姿がある。

真っ白い和服に小豆色の羽織り。
胸には籠目紋。確乎りした顎。
真っ直ぐな眉。鷹のような眼。
そして――手の甲に刻まれた紋様。

男の表情は明瞭且つ落ち着いたものである。
明らかに異常な状況下にあって些かの動揺もないその様は、それ自体が男の異常性を示してもいた。

ぐらりと――揺れる。
空間そのものが振動し、男の眼前に光が噴出す。

「――サーヴァント・ランサー。招きに応じ、参上したぞ」

光から現れた人物をその眼で見て、猶も男は余裕を崩す事なく、微笑さえ浮かべてみせた。

「これはこれは――真逆此処でお姿を拝見するとは思いませんでしたよ、総統閣下」

「フ――ハハハハハハ」
呵々大笑する、総統《フューラー》と呼ばれたサーヴァントの姿――現代に生きる者ならば、それを知らぬ者は稀であろう。

嘗て第二次世界大戦を引き起こしたドイツ第三帝国の総統、アドルフ・ヒトラー。
彼は呪師であるエルンスト・プレッシュに師事し、超人的精神を思いの儘に操る術を学んだ。
更には『聖杯』を筆頭に、世界各地の秘宝や理想郷を探索させ、遂には持ち主に世界を征服する力を与える聖槍――ロンギヌスの槍を発見したのだという。
無論それは大衆によって無責任に語られる、確認など出来る筈もない伝説――噂に過ぎない。
歴史的事実としてヒトラーは敗北し、自らの手でその命を断った。
だが、多くの人間の心に雛形を残した彼は、その後も『生存説』という新たな幻想を産み出し続ける。
そして――今ここに存在する彼が携える聖槍は紛れも無く、二千年もの間語り継がれた、最高級の神秘を帯びる宝具であった。

「このクリークのシステムは中々に面白い。が、名が知れている事は少々不利でもあるな。サングラスでも掛けた方がいいかね?」
「どうぞご自由に。しかし、姿形などはあなたにとっては無意味――なのではありませんかねえ」
飄飄とした態度で男は答える。

「ふん――ではマスターよ、お前の素性も聞いておこうか。私だけでは不公平というものだろう?」
「私は――そう、単なる郷土史家ですよ」
「嘘は良くないな、マスター。嘘つきはユンゲから尊敬されんぞ、クックック……」
ほう――男は肩を竦めた。
「御見通しという訳ですか。いや、驚かされますなあ。これはあなた方――サーヴァントならば皆当たり前に出来る事なのでしょうかねえ」
くつくつと笑う。

「いいや、これは私の特性だよ。お前とて――既に私が何者であるか、ステータスとして確認している筈だろう?
 この私をも掌の上に乗せようというのなら、それは無意味だと先に言っておこう。まあ――よりによってこの私を喚ぶマスターともなれば、捻くれていて当然というところか。
 魔術師ですらない、単なる人間だというのに目覚めも随分と早い。如何なる手段を使ったのかね?」

「何、ご存知でしょうが――私は元元記憶や人格に関する研究を行っていましてね、操る術も識っている。しかしまあ、そんな事は如何でも良い、些細な事です。
 存在は存在するのみで良い。存在している事を自覚する必要も理解する必要もない。
 経験的知識に依存しなければ保証出来ない存在など、幽霊みたいなものじゃあないですか。
 何故に私が今この場にいるのか、という問いも無意味だ。私とあなたが今こうして対面している――それだけで充分でしょう」


297 : 堂島静軒&ランサー ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:13:35 DMvKSOP60
宜しいですか――男は告げる。


「この世には、不思議でない事など何も無いのですよ」


「世界は不思議に満ち満ちている。ここに私がいることも、そこにあなたがいることも、不思議と云えば皆不思議だ。
 月であろうが方舟であろうが地球であろうが、同じ事。
 この世界は凡て真実ですよ。それを在るが儘に受け止めればそれで済むのです」

ぱん、ぱん、と、ランサーが軽く手を叩く。
「中々に面白い言説だったよ、マスター。この話はそれで良しとしよう。だが――」
瞬間。
何の予備動作もなく、ランサーは男の胸先へと聖槍を突きつけていた。

「――最後に一つ聞くぞ、マスター。お前の願いを言うがいい。
 答え次第では、アウフ・ヴィーダーゼーエン――このまま無意識の深淵へと帰ってもらう事になる。
 理想を燃やす者が持つ想念の力、ヴリル・パワー。それを持たぬ者にこの戦いで勝利が齎される事はないのだからな。
 この方舟を我が手中に収め、真の総統都市《フューラー・シュテッテ》とする願い、足を引っ張られる訳にはいかぬのだよ」

「――ふふふ」
男は――揺るがない。

「あなたはとっくに理解っているのでしょうに。随分と芝居がかった事をするものですなあ」
「そう言うな。サーヴァントとして召喚された以上、らしい振る舞いというものをせねばな」
「それでは――」

マスターは問う。
「――知りたいですか」
サーヴァントは応える。
「知りたいとも――」
男は目尻に皺を寄せ、口許だけで笑った。

「願いなど無い――ただ」
愉しいからですよと男は言った。
「娯しい筈ですよ。自分の望みを叶えるという、ただそれだけの為に殺し合う――そんな愚か者共を間近で観る事が」
愉しくない訳がない。

「私が審判役だった前回のゲームも中中に面白かったのですがねえ。
 今回は私も参加者の一人として、より近くから観察したい――強いて云うならば、それが願いという事になるのでしょうなあ。
 形は変われど趣旨は同じ。俯瞰する事が出来ぬのは惜しいが、公平性に気を配らずとも良いのは気が楽だ――」


――昭和十七年。
その年、一人の男によって企画されたゲームが始まった。
ある家族に偽りの記憶と名、そして様々な形の武器を与え――家族同士が知らぬ内に異形の技を駆使して相争うゲーム。
真実の記憶を取り戻す事が出来るのは、七人の内ただ一人の勝者のみ。
加えて男は、それぞれの参加者に参謀を与える為に、自らの部下へと告げた。

――このゲームに賭けてみろ。
――札を一枚選んで、それが中ったらそれはお前のものだ。
――凡ては与えられ、その望みは叶う。

その言葉に唆されたある者は不老不死を、ある者は戦争継続を望み、ゲームの参加者に加わった。

更に男は様々な人物を巻き込み、障害を配置し、全ての参加者の妨害を目的とするジョーカーをもゲームに加え、事態は混迷を極めた。

昭和二十八年六月一九日――かつては男の部下であった拝み屋が男の企みを暴き出し、強制的にゲームを終了させたその日まで、男は審判役としてゲームを観察し、嗤い続けた。

その男――聖杯へ懸ける望みを持たぬマスター。
元帝国陸軍大佐、堂島静軒。
彼の言葉を聞いたランサーは――笑っていた。


298 : 堂島静軒&ランサー ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:14:46 DMvKSOP60
「クックック――フハハハハハハ!」

高笑いと共に、ランサーが光に包まれる。
「いいだろう、我がマスターよ! 契約は成った。この這い寄る混沌、久方振りに使役されてやろうではないか――!」
一瞬の後――男のサーヴァントは、悍ましき触手を無数に持つ軟体動物の姿へと変貌していた。

ニャルラトホテプ――それがサーヴァントの真名である。
あらゆる人間に存在するネガティブマインドの集合体。
人が人である限り決して滅びず、全てを嘲笑する影。

「お前が主催した宴――普遍的無意識の隙間から覗かせて貰ったが、実に見応えがあったぞ」
「何の――あなたも面白い事を考えるものだ」

底無しの悪意と共に注がれる、人類が自ら滅びを願い、終焉を迎えた世界の記憶。
それを心の底から、男は愉しんでいた。


――奇妙な空間は消え去り、周囲の風景は正常化している。
ごく自然に男は山道を歩き出し、虚空へと声を発した。
「却説――本格的に始まるにはまだ時間があるようだ。今暫くは、この地を見て回るとしますよ」
「そして、今の内から哀れなマリオネットを見繕っておくかね? 既に覚醒しているのはお前だけではない。精々気をつける事だ」
声に応じ、男のサーヴァントが現れる。
その姿は、聖槍を持つナチスの総統の物へと戻っていた。

「繰り返しになるが――私もこのサーヴァントシステムには縛られている存在だ。あくまでも私はランサーという事だな。とはいえ――真の聖槍の力、伊達ではないぞ」
「ふ――渾沌に顔が付いてしまったという訳ですか。何とも不吉ですなあ」
「止むを得まい。ゲームにはルールが必要だろう?」
「全くです。ゲームとは公平で、難しいほど面白いのですからねえ――」


功を焦って急いてはならぬ。
居丈高に構えるのも無駄だ。
要らぬ力を込めてはならぬ。


舞え歌え、愚かなる異形の世の民よ。
浄土の到来を祝う宴は、
――さぞや愉しい事だろう。


299 : 堂島静軒&ランサー ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:15:24 DMvKSOP60
【マスター】
堂島静軒@塗仏の宴

【参加方法】
不明。
何らかの形で入手した『ゴフェルの木片』によって召喚された可能性が高いと思われる。

【マスターとしての願い】
無し。
最後まで生き残った場合は帰る。

【weapon】
無し。

【能力・技能】
催眠術による暗示・記憶・人格操作。ただし本人は「催眠術など使うのは二流」としている。
言葉による思考誘導。
民俗学、宗教、練丹、気功、風水、老荘思想、民間道教、占術等の知識。

【人物背景】
元帝国陸軍大佐。昭和二十八年の時点で五十歳前後と見られる男性。
旧軍時代は宗教的洗脳実験や青酸毒の開発に携わる。
また記憶の問題を研究しており、矛盾を矛盾のまま無矛盾的に統合してしまうという特性を、特性ではなく欠陥として認識。
矛盾を抱えた主体は不完全であり、主体は非経験的純粋概念に忠実であるべきだと考えた。
昭和十七年、とある家族と旧部下を利用して『ゲーム』を企画する。
ゲームでは殺人を行う事を禁じていたが、それはゲームをスムーズに進行させる為の単なる配慮であり、殺人に忌避感は持たない。
本人曰く「確実に先を見通している」人間であり、「遠からず子は親を殺し親は子を食う世の中になる」と嘯く。
人が滅ぶならそのまま滅びれば良いという考えを持つが、積極的に現状を変えようとする意思は無い。

【方針】
他の参加者の観察を愉しむ。
基本的に戦闘は回避するが、ゲームの滞りとなる要因は排除する。


300 : 堂島静軒&ランサー ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:16:20 DMvKSOP60
【クラス】
ランサー

【真名】
アドルフ・ヒトラー(ニャルラトホテプ)@ペルソナ2 罪/罰

【パラメータ】
筋力:D 耐久:C 敏捷:C 魔力:A+ 幸運:E 宝具:A

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
カリスマ:A+
大軍団を指揮・統率する才能。
カール・グスタフ・ユングは「ヒトラーの力は政治的なものではなく、魔術である」と語っている。

無貌の仮面:B
這い寄る混沌の化身である事を示すスキル。
真名・ニャルラトホテプを秘匿し、化身としての偽の真名を表示させると同時に、同ランクの『変化』を得る。
本来ならば無制限かつ複数同時に自らの分身を実体化させる事も可能だが、ランサーとして召喚された今回の聖杯戦争では、実体化が可能なのはヒトラーの配下であるラスト・バタリオンに限定されている。
また、相応の魔力消費も必要となる。

人間観察:EX
人々を観察し、理解する技術。
人類の影であるニャルラトホテプは、本人が否定したい、隠したい部分も含めた全てを把握している。
しかしその性質故に、希望や創造性を決して認める事はない。

【宝具】
『聖槍(ロンギヌス・オリジナル)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大補足:1人
かつて、これによって貫かれた聖人の遺体から止めどなく血が流れ続けたとされる槍。
この宝具によって傷を負った相手は永続的にダメージを受け続ける。
更に致命傷を負った場合、蘇生を含むあらゆる回復手段を無効化する。

『這い寄る混沌(ニャルラトホテプ)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1〜999 最大補足:1000人
ニャルラトホテプの棲む普遍的無意識の世界は、あらゆる時空の性質を受けず、絶えず人の心に存在し続けている。
この世界では強い意志がそのまま現実を変える力となり、新たな世界の創造すら可能とする。
即ち、ニャルラトホテプが相手の存在を抹消しようと思えば、指一つ動かさず相手は消え失せる事になる。
ニャルラトホテプは人々の『噂』を現実化させ、妄想を現実と信じて現実化させていく人々自らの手で世界を滅ぼさせようとする。
それは、人が無意識に破滅を望むが故である。
聖杯戦争に於いては完全にサーヴァントとしての枠組みを超越した能力であるため、無条件で使用不能。

【weapon】
ペルソナ…普遍的無意識に存在する、神や悪魔の姿をした人格。自らの化身の一つである『月に吠えるもの』を行使する。
Aランクの魔術に相当する威力の範囲攻撃が可能な他、数ターンの間のみ一切の攻撃を受け付けなくなる効果を持つ『聖杯』を使用可能。

【人物背景】
全ての人類が意識の最底辺に抱え持つ普遍的無意識の元型。
ニャルラトホテプは人間のダークサイドが凝り固まった存在であり、ポジティブマインドの集合体であるフィレモンと名乗る存在とは表裏一体の関係にある。
フィレモンは強き心を持つ者を導き、ニャルラトホテプは弱き者を奈落へ引きずり込む。
この二者の対立は、人の内包する矛盾の象徴に他ならない。
ニャルラトホテプは全ての人間が抱え持つ影そのものである為、人が人である限り絶対に滅ぼせない。
ニャルラトホテプに対抗する手段はただ一つ。
「全てを受け入れた上で、決して諦めないこと」である。

【サーヴァントとしての願い】
人類自身の手によって人類を破滅へと導くのがニャルラトホテプという存在なので、願いはない。
基本的にはマスターに従うが、マスター・サーヴァント問わず面白そうな相手を見つけたら独断で試練を与えるかもしれない。
何の脈絡も無く突然マスターを裏切ったりするかもしれない。

【基本戦術、方針、運用法】
物凄い存在ではあるのだが、ランサーはあくまでもサーヴァントとして存在しているため、普通にダメージも食らうし消滅もする。
マスターの魔力が皆無なので、NPCの魂喰いに頼らない限りは部下の召喚もやりづらい。
宝具の神秘性こそ最高クラスではあるが戦闘では決め手に欠けるため、マスターの方針に従って戦闘は回避するのが上策であろう。
人外の存在を除く全てのマスター・サーヴァントの能力や性格を把握しているため、その気になれば大物喰いも一応は可能か。
だが、その本領を最も発揮するのは変化スキルと言葉責めによる精神攻撃をかける時である。


301 : ◆ggowmuNyP2 :2014/07/03(木) 04:17:29 DMvKSOP60
投下を終了します。


302 : ◆tHX1a.clL. :2014/07/03(木) 04:49:35 dPm9Czkc0
長野原みお+アーチャー・アーチャー・ティーチャー・アーチャー・バーサーカー
登場話を投下します


303 : ◆tHX1a.clL. :2014/07/03(木) 04:50:32 dPm9Czkc0
  不思議な夢を見た。
  空から『古代兵器』を蘇らせる秘宝・ウッドキューブが落ちてきて、自分の髪留めと入れ換わる夢。

  その『古代兵器』は『ゴルフェの木片』というなにやら物凄いもので。
  そのウッドキューブを手に入れてしまった自分は、『聖杯戦争』という常識離れした争いに巻き込まれることになって。
  いつからか傍に居た『サーヴァント』と、二人、生き抜こうと必死でもがく夢。

  夢だ。
  夢のはずだ。
  そんなすっとんだ出来事、普通の高校生である自分に起きるはずがない。

  なのにどうして。
  そうして私はその夢の中で居た場所に居るんだろう。

  少し歩いてみたが、答えは見つからない。どこまで行っても背の高い草ばかり。
  彼女が一休みしようとした、その時。
  風が背の高い草を揺らし、そこに隠れていた『なにか』を露わにした。

  そこには―――水色の『プルプル』が居た。


「問おう」


  水色のプルプル(正確には金色のカツラを被った水色のプルプル)が続ける。

「貴様が余のマスターか」

「……はい?」

「成程、やはりそうか」

  水色のプルプルはくつくつと不敵に笑う。間違っても威厳はない。
  ぷるん、ぷるんという独特な足音も軽やかに、みおとの距離を詰め、彼は高らかに名乗りをあげた。

「我は『アーチャー』。真名は『ぷるガメッシュ』だ。余に選ばれたことを光栄に思い、ひれ伏せ、愚民よ」

「……」

「ククク、驚愕で声もでないか……ふふ、さぁ、喜べ!! そして奉れ、余と、ところてんを!!」

  みおは、出来るだけ目を合わせないようにしながら距離を取り、そして全力で来た道を駆け戻った。

「わあああああ!!! 待ってぇ、ちょっと待ってぇ!!! ごめん、ごめんってぇ!!!
 舐めた態度したのは謝るから、ルールだけでも聞いてぇ―――!!!」

「わ、ちょっ、放して! なに、この、これなに!? 何液なの!? 体液なの!?」

  最初の威勢はどこへやら、よく分からない液体をまきちらしながら袖に縋りついて喚くぷるガメッシュ。
  これ以上制服を汚されては困るので、彼女はしぶしぶ話を聞くことにした。


304 : ◆tHX1a.clL. :2014/07/03(木) 04:51:14 dPm9Czkc0
  プルプルは、『ところ天の助』というらしい。
  みおは、天の助から事のあらましを聞いた。聖杯戦争、ゴルフェの木片、サーヴァント、マスター、そういった、今自分を取り巻いている事象について。

みお「で、天の助は結局なんなの?」

天の助「俺? 言った通りアーチャーだよ。『ところてんマグナム』って技が出せる」

  ちなみに発動には協力者が必要だそうだ。遠慮しておこう。
  そうこうしながら二人であてどもなく歩いていた。


????「ようやく見つけたわいな! マスター!!」


  突然声をかけられ、振り向く。
  声の主は、オレンジ色の太陽っぽい体にツインテールがついた不思議な生き物だった。

????「あちきはアーチャーのサーヴァント……」

みお「アーチャー……って、被ってるよ!! 天の助とクラスがモロ被りだよ!!! 一回ルール調べてこいよ!」

高パチ「高パチ、高パチなのはだよ」

天の助「……こいつ、真っ先に『真名』を明かしてくるだと……何故……!?」

  天の助曰く、『真名を明かすことは最大のリスクになる』らしい。
  ならば、この高パチと名乗ったアーチャーもどきは、何故名乗ったのか。
  その答えは、すぐに分かった。

高パチ 「簡単だよ」

天の助「え?」

高パチ 「友達になるの! すごく簡単。名前を呼んで? はじめはそれだけでいいの。 君とかアナタとか、そういうのじゃなくて、ちゃんと相手の目を見て、はっきり相手の名前を呼ぶの!!」

天の助「……なのは……」

高パチ「うん」

天の助「なのは!」

高パチ「……うん!」

天の助「なのはぁ!!!!」

高パチ「じゃかあしいボッケェええええええ!!!!」

  高パチの持っていたネギ(大曲産)がピンクの光を放ち、天の助の手足を包みこむ。
  するとどういった原理かは知らないが、天の助が両手両足にプリングルスの空きケースを装着した伝説の四連サイコガン状態に。

天の助「しまった、これじゃあ動けねぇ!!!」

高パチ「少し、頭冷やそっか」

天の助「クソッ……『ぬの財宝』!!!」

  天の助の『ぬの財宝』によって呼び出された魔剣大根ブレードの軍勢が高パチを狙うが、全ては遅すぎた。

高パチ「スターライトォォォ……ブゥゥウウウウウウレイカアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――――!!!!!」

  天の助が最後に見たのは、太陽の光すらかすんで見えるほどの光線だった。


305 : ◆tHX1a.clL. :2014/07/03(木) 04:52:03 dPm9Czkc0
高パチ「つーことで、本物のオマエのサーヴァント、アーチャーの高パチなのはだ! 気軽に首領パッチって呼んでくれよな!!」

みお「どっから出てきたその名前!?」

????「見つけたぞ、マスターを謀ろうとする偽物め」

  息つく暇もない。
  またかよ、とつっこもうとして、みおは息を呑んだ。
  灰色のスーツ、漆黒のサングラス、黄色いアフロ。
  ……明らかな『異質』がそこに居た。

首領パッチ「んだこらぁ!! てめぇ、少し頭冷やさせるぞこらぁ!!!」

????「粋がるのはいいが、一手遅かったな」

首領パッチ「んだとォ!?」


????「ここは既に、俺の固有結界の中だ」


  言われて気付く。この場所は先ほどまで居た草原ではない。
  世界は既に、『彼の世界』へと変貌している。

????「俺は『アーチャー』のサーヴァント」

  さすがのみおも、今回ばかりは突っ込めなかった。
  男の放つ威圧感は、今までのプルプルや太陽とは格が違う。

  男は『世界』を背負って歩いてくる。
  並んだ机、リノリウムの床。置いて帰られた体操服、教科書!
  彼の背後、黒板にデカデカと書かれている文字は……!


           3年 ボボ組   ボボん八先生


ボボん八「さぁ、始めようか」

みお「あんたアーチャーですらないよ!!! ティーチャーだよ!!!!」


306 : 名無しさん :2014/07/03(木) 04:52:45 dPm9Czkc0
首領パッチ「へっ、話が早くて助かり高町!! これがあちきの、全力全開! スターライt」

ボボん八「遅い!!! 鼻毛神拳マル秘宝具!! 『秩序を司る白墨』!!!」


  ―――――――その鉄槌は音よりも疾く


               その一撃は剣よりも鋭い

                           チョーク
                   混沌を貫く『秩序の証』――――――


  首領パッチが『スターライトブレイカー』を発射するよりも速く、彼の眉間に白いチョークが眉間につきささる。
  と同時に首領パッチが爆発四散した。


みお「アーチャーだったあああああああ!!!!」


  なんか投げてそれが強ければアーチャーという風潮が、弓とはまったく関係ない彼すらもアーチャーたらしめる。
  教師生活53年、磨き上げたチョーク投げの腕は、既に宝具レベルまで達していた。
  そう、彼は……ティーチャーであり、アーチャーだったのだ!

ボボん八「皆さんは……」

ボボん八「皆さんは腐ったミカンじゃありましぇん!!」

  ブチ殺した相手に涙ながらに訴える。人間の尊さ、個性という宝物の存在。
  彼の演説がよほど心に響いたのか。

首領パッチ「しぇんしぇー!!」

天の助「しぇーしぇー!!」

  なんと、死んでいた首領パッチと天の助が生き返った! これこそ奇跡、聖杯の加護であろう。

  ―――なんてやりとりをよそ眼に。みおはゆっくりと目を閉じて深呼吸をした。
  分かった。これは夢だ。絶対悪い夢。何故なら夢以外あり得ないから。
  今は少し混乱してしまっているけど、落ち着いて、起きることに集中すれば、目を醒ますはず。
  深呼吸、深呼吸……しっかり目を閉じ、1、2、3……こうやって目を開けば――――

みお「ほら、起きt」

ボーボボ「バカサバイバーを優勝させろおおおおおおおおお!!!!」

首領パッチ「千本桜がなんぼのもんじゃあああああああああああああ!!!!」

天の助「ワイルドチャレンジャー今から予約して無事生還したことにしとこ」

みお「落ち着く前より大惨事じゃん!!! やめなよ!! ぶったたかれるよ!!! 限度わきまえろよぉ!!!!!」


307 : 名無しさん :2014/07/03(木) 04:53:41 dPm9Czkc0
  *  *  *


ボーボボ「ということで、俺がお前のサーヴァント!!」


  どうやらこのサーヴァント、スキル【仕切り直し:A+】を持っていたらしい。
  完全に無かったことになった。バカトリオと長野原みおはついに許されたのだ。


ボーボボ「『バーサーカー』!!! ボボボーボ・ボーボボ!!!」 (1カメ目線)


ボーボボ「『彷徨える毛の貴公子』!!! ボボボーボ・ボーボボ!!!」 (2カメ目線)


ボーボボ「『三日に一回』!!! ボーボボボッボ・ボボーボッボ!!!」 (3カメ目線)


ボーボボ「そう、俺が、俺こそが!! この聖杯戦争最強のサーヴァント!!!」 (CMのあと、可愛いアルパカの赤ちゃん登場!)


            サービスマン「サービスッ!」(CM)


ナレーター「はーい、私は今、大工動物園にいまーす!!」

                                             ボーボボ「ボボボーボ・ボーボボだああああああああああ!!!!」 (ワイプ)


みお「なんで最後がそこなんだよおおおおおおおおおおおお!!!!」

  絶叫が、森にこだまする。
  彼女の苦悩はまだ始まったばかりだ。


308 : 名無しさん :2014/07/03(木) 04:54:25 dPm9Czkc0
  *  *  *

ゆっこ「いやー、今日さぁ、すっごい面白い夢見ちゃって」

みお「へぇへぇ、どんなのー?」

ゆっこ「へへへ、秘密ー!」

なの「ええー! 気になりますよぉ!」

ゆっこ「なんていうかさ……ふふふ、あれは見た人じゃないと伝わらない面白さっていうかなー」

みお「なにそれ」

  賑やかな三人を眺めながら、その背を追う。
  いつも通りの風景、
  三人が楽しそうだし、まぁいいや。と手に持った菩薩像に目線を落とす。

  そんな時だった。
  彼女の背後から、軽い音がしたのは。

まい「……?」

  どうやら三人は、話に夢中で音を聴き逃したらしい、そのまま歩いている。
  一人振り向いて、草の中に落ちたものを小首を傾げて眺めてみた。
  それは立方体の小さな木。もっと言えばみおちゃんが頭に付けているものとよく似ている。
  まいは、『それ』をもっとよく見ようとして……

ゆっこ「まいちゃん、どうかしたー?」

まい「……すぐ行く」

  やっぱり見ないことにした。
  これ以上道草を食っていては遅刻してしまう。
  これは、また後で話のネタにしよう。
  ゆっこあたりはきっと面白い反応を見せてくれるだろう。

  さくさく
  さくさく
  さくさく

  足音が遠ざかっていく。

  そうして、本物の『ゴルフェの木片』は、誰にも気付かれることなく空の上の軍隊に回収され、厳重保管されたのであった。


【長野原みお 不参加】


309 : 名無しさん :2014/07/03(木) 04:55:21 dPm9Czkc0
【クラス】封印されし原初の『バーサーカー』

【真名】ボリディック・ボボンチェスーボ・ボーデリッヒ・ボボントス(皆からはボーボボと呼ばれている)

【パラメーター】
 筋力:超スゴイ 耐久:超スゴイ 敏捷:超スゴイ 魔力:超スゴイ 幸運:超スゴイ 宝具:超スゴイ
(※ただし、いつもは実力を隠している)

【属性】闇を司る

【クラススキル・保有スキル】
 使えないスキルはない。自由自在にスキルを組みかえることができる

【宝具】
 理不尽の頂点を極めし太陽(首領パッチ召喚) ランク:超スゴイ 種別:超スゴイ レンジ:超スゴイ 最大補足:超スゴイ
 全ての剛を無に帰す柔(天の助召喚) ランク:超スゴイ 種別:超スゴイ レンジ:超スゴイ 最大補足:超スゴイ

【weapon】
 鼻毛

【人物背景】
 呪われし一族『ボリディック家』の末裔にして、闇の力を秘めた剣士。
 幼少期になんか色々とありました。
 細かい設定は追加していってもらって構いません。

【サーヴァントとしての願い】
 特になし、しいてあげるなら世界平和
 後続の方が決めてくれて構いません

【基本戦術、方針、運用法】
 お任せします

ボーボボ「出来たぁ!!!!」

みお「なんだこの中学生の妄想ノートみたいなの!? しかも最後飽きてんじゃん!!」

ボーボボ「ウフフ、誰か参戦させてくれないかなぁ〜♪」

みお「無理だよ!!!」

   ※無理です


310 : ◆tHX1a.clL. :2014/07/03(木) 04:55:53 dPm9Czkc0
投下終了です。
そして突然で申し訳ありませんが、この登場話は当ロワとの方向性の違いを感じたので破棄します


311 : ◆tHX1a.clL. :2014/07/03(木) 05:01:39 dPm9Czkc0
たびたび失礼します
拙作中、『ゴフェルの木片』を『ゴルフェの木片』と間違い表記していることに気付きました
かさねがさねお詫び申し上げます


312 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 11:20:46 00UCcrw.0
皆様投下乙です。
それと自分が投下したアサシン(吉良吉影)>>25のスキル「正体秘匿」で一部説明が抜けていた点があったので訂正します。
申し訳ございません。

契約者以外のマスターからアサシンのステータスを視認出来なくする。

契約者以外のマスターからアサシンのステータス、スキルを視認出来なくする。
ただし宝具の秘匿は行えない。


313 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/03(木) 11:25:46 dLTOOoV.0
そう言われて私も『ゴフェルの木片』を『ゴルフェの木片』と間違い表記していることに気付きました
ありがとうございます


314 : バロウ・エシャロット&キャスター ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 13:15:18 BPMLUMkwO
バロウ・エシャロット&キャスター、投下します。


315 : バロウ・エシャロット&キャスター ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 13:17:33 BPMLUMkwO
 バロウ・エシャロットは人間ではない。
 しかし、母は人間だ。
 だから、バロウの言葉は伝わらない。

「人間に、なりたい……!」

 バロウが記憶を取り戻したのは、庭で月の絵を描き上げた時だ。
 その絵を誰に見せようか考えた時、自分はいつも誰かに何かを伝えたくて絵を描いていた事を思い出したのだ。

「驚いたな。マスターも、私と同じ願いとは」

 声に振り向くと、頭身の低いロボットのような者がいた。

「あなたが、ボクのサーヴァントかい?」
「そうだ。私はキャスターのサーヴァント。名は、……氷刃の騎士ディード」
「ボクはバロウ・エシャロット。よろしく、キャスターさん」
「聖杯を目指し、共に戦おう、バロウ。まずは、拠点とする場所を探すとしよう」
「ボクは戦った事が無いから、キャスターさんに任せます」

 二人が去った庭には、下手だが愛情を感じる月の絵だけが残された。


【マスター】バロウ・エシャロット@うえきの法則
【参加方法】
ムーンセルによる召喚。かつて母から貰った絵筆に、ゴフェルの木片が使われていた。
【マスターとしての願い】人間になり、母さんと暮らす
【weapon】無し
【能力・技能】
神器を扱えるが、神を決める戦いに参戦する前なので一ツ星まで。能力も貰ってない。
植木の例から、ある程度の戦闘経験を積めば二ツ星になる可能性もあるかもしれない。
三ツ星以上は、一つ星を上げるのに五年分の修行が必要。
天界人なので、人並み外れた打たれ強さと、異常に早い回復力を持つ。
【人物背景】
次の神を決める戦いで優勝させる為、親に天界から人間界へ堕とされた天界人の一人。
画家の女性に拾われ暮らしていたが、ある夜、母を押し込み強盗と勘違いし恐怖から神器で傷つけ、声と音を奪ってしまう。
寝たきりになった母を看病しながら、母の似顔絵や風景画など様々な絵を母に見せては外出中に捨てられる生活を五年間過ごしていた。
始めの頃は「絵が下手だから」


316 : バロウ・エシャロット&キャスター ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 13:19:28 BPMLUMkwO
と思っていたが、次第に「自分が化け物だから、母さんに何も伝わらない」と考えるようになった。
自分が化け物である証明の神器を忌々しく思っているが、「結果が全て」と考え、目的の為なら割り切って使う。
絵描きの才は持っていない。
【方針】優勝狙い。具体的な戦略は、キャスターに任せる。

【クラス】キャスター
【真名】氷刃の騎士ディード@SDガンダムフォース
【パラメーター】
筋力D 耐久A 敏捷D 魔力B 幸運E 宝具C
【属性】
 秩序・悪 
【クラススキル】
陣地作成:E…魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。小規模な“結界”の形成が可能。
道具作成:E…ダークポーンリーオーを作る為のダイスを作成するスキル。
【保有スキル】
変化:C…闇の魔導士デスサイズの姿になるスキル。 顔がガンダムではなくなるので、ガンダムが嫌いな相手とも円滑なコミュニケーションが図れる。
話術:D…言論にて相手を動かすスキル。コンプレックスを持っていたりして精神的に不安定な者の思考を誘導する。ただし、強固な自我を持つ者には、マイナス判定となる。
魔術:B…光・闇・土・水・火・風・雷の七曜の内、水と闇の魔術を習得。ダイスに、使い魔であるダークポーンリーオーの姿を与える魔術が得意。
【宝具】
『双首擡げる飛竜の凶剣(エピオン)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
闇属性の精霊ワイバーンエピオンが封印された魔剣。
致命傷を与えた者を吸収し、その力を扱える様にする。
長時間手にしていると感情が攻撃的になっていき、妬み、恨み、僻みなど負の感情が高まると、持ち主は凶戦士エピオンの姿に変わる。
凶戦士エピオンは、力を食らう為に手当たり次第に命を狙う。
特に、魔力が高い者を優先して襲う。
凶戦士エピオンは、ワイバーンエピオンへの変身が可能。
エピオンが倒されると、持ち主は元の姿に戻る。

『脆命蝕む羽蟲の群れ(バグバグ)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:100人
大型の虫の様な姿のバグバグを無限に生み出す、巨大バグバグ。
バグバグは、口吻を刺した有機物(有機生命体や布)を石化する。
石化は、対魔力で回避可能。
【weapon】鎌「デスシザーズ」
【人物背景】
ラクロア親衛隊に所属していた騎士ガンダム。
リリジマーナ


317 : バロウ・エシャロット&キャスター ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 13:23:09 BPMLUMkwO
・ミヤ・ド・ラクロア姫に恋をした事で、彼の人生は大きく変わった。
ラクロアには「人間と騎士の恋愛を禁ずる」掟がある為、その恋心を誰にも相談できず、次第に追い詰められていった。
二年前、ダークアクシズの侵攻を好機とみて、反乱の罪で投獄されていた嵐の騎士トールギスを密かに解放。表向きの首謀者に仕立て上げる。
バグバグによってラクロアの全国民が石化すると、別次元に飛ばされた翼の騎士ゼロ以外の親衛隊の仲間を裏切り、トールギス一派を除く全ての騎士を、ジェネラルジオングへの貢ぎ物として溶鉱炉に落とした。
トールギスの前では姿を変え、闇の魔導士デスサイズを名乗る。
ラクロア最高位の精霊スペリオルドラゴンには「人間を騎士に、騎士を人間に変える」力があると考えており、スペリオルドラゴンを出現させる為には第二位精霊のフェザードラゴンとスティールドラゴンが必要と考えている。
バグバグで石化したリリ姫を治せる白バグバグとフェザードラゴンがゼロ達のもとにある事を知ると、トールギスに魔剣エピオンを渡して唆し、ゼロ達をラクロアにおびき寄せる。
秘密裏に契約していたスティールドラゴンと合体して闇の騎士デスサイズとなり、一度はフェザードラゴンを捕らえるも、「ガンダムに利用されていた」 事に激しい怒りを燃やしたトールギスの自爆により解放。
ゼロとフェザードラゴンが合体した銀翼の騎士ゼロカスタムとの最終決戦で、遂に世界の怒りを買い弱体化。
敗北後はスティールドラゴンに契約を破棄され、生死不明となる。
結局、リリ姫に己の想いを告げる事はできなかった。
【サーヴァントの願い】人間になり、リリに想いを告げる
【基本戦術、方針、運用法】
基本的に、引き篭もり。
ダークポーンリーオー達を放って情報を集め、利用できそうな者を唆してエピオンを渡す。
他の参加者が近づいてきたら、バグバグをばらまく。


318 : バロウ・エシャロット&キャスター ◆o8d3BIwwX. :2014/07/03(木) 13:23:46 BPMLUMkwO
投下完了しました。


319 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 13:43:33 Ytp3HEyw0
投下乙です
以前自分が投下した>>219のアザミ:セイバーの作品は、自被りしてたので破棄させていただきます
また後日投下させていただきますが、同じ内容なのでレスの無駄遣いになるので名前だけ投下しようと思います
ご迷惑かけて申し訳ございません


320 : ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/03(木) 14:37:38 U6aBHM5w0
追記、私もイースレイのスキルの一部を二次聖杯から引用しましたので問題があれば修正します。


321 : ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:20:17 4.Oau/bE0
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー投下します


322 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:21:18 4.Oau/bE0
クラスカードを巡る騒動は終わった。
来る夏休みを楽しみにして日常を謳歌しようと―――

「してたはずだったんだけどなぁ……」
「いやー、本当にイリヤさんは巻き込まれ体質ですねー」

とある小さな一軒家。
その台所で少女と青年、そして一本の杖という奇妙なグループが形成されていた。
予選にて少女、イリヤの自宅として設定されていた家は普通の一軒家である。
そんな空間にイリヤの目の前で白髪痩躯、黄金の鎧を纏った青年が普通に椅子に座っているというシュールな光景が広がっていた。
彼は最初立ったままで良いと言ったが呼び出した手前さすがにそれは申し訳ない。
と、イリヤに乞われたためランサー、英霊カルナはテーブルを挟んでマスターと顔を合わせていた。

「つまり、何故聖杯戦争に参加したのかもわからないということか」
「はい、お恥ずかしいことに……。
いつの間にかこんなことになっていまして……」

黒化英霊以上のオーラを感じさせるランサーに微妙に怖じ気づいたのかへコヘコと頭を下げるイリヤ。
何故か頭に刷り込まれた知識でランサーがサーヴァントであることは理解している。
そしてサーヴァントも自発的に参加したマスターと同じように願いを持っていることも。

「あのー、その……ごめんなさい!
私、本当に何でこんなことになっちゃったのかもわからなくて…。
だから、ひ、人を殺せなんて言われても…無理です!絶対無理!」

だからイリヤは誠心誠意ランサーに謝罪する。
自分には彼に何一つとして応えられないと思っているから。
しかし。

「いや……構わない。
オレには聖杯を使って叶えるような願いはない。
君がオレのマスターである以上オレは君の命令に従おう」
「えっ……、あの、良いんですか!?」

驚くイリヤにランサーは無言で頷いた。
もしや、今までに見たことがないほどの良い人ではないだろうか。

「しかし、どうやって予選を切り抜けた?
多くのNPCに紛れ、埋没してもおかしくないほどに君は普通と言える子供だ。
自力で違和感に気づけたとは思えない」
「あー…ルビーが鞄から飛び出た瞬間全部思い出しました」
「いやあ、イリヤさんがいきなり全部忘れちゃってた時は慌てましたよ。
このルビーちゃんにかかればたちまちのうちに元通りでしたけどね!」

色々迷惑なことをしでかすルビーだが今回ばかりは助けられた。
主に、今までしでかしたイタズラのインパクトの強さで記憶が戻ったことに、だが。
どうやらマスターの装備として認識されたのか彼女も連れてこられたらしい。

「それでイリヤさん、実際これからどうします?」
「わかんないけど……とにかく、無事に帰りたい。
誰も殺さずに、お兄ちゃんやママたちがいる本当の家に」
「承知した、勝ち抜く以外の方法で帰還する手段があるかはわからないが。
君がそう言うなら、オレも尽力しよう」

英霊カルナに願いはない。
敢えて言えば、自分を召喚した者に仕えることだ。
その者がどのような人物であれ関係はない。
例えマスターの方針故に戦う機会が与えられないとしても。
その事を不満と感じることはない。

ランサーから見て、己のマスターはひどく危うい。
善良ではあるようだが、幼さ故にどう転んでもおかしくない面がある。
それこそ、精神が壊れれば殺し合いに乗ってもおかしくはあるまい。
マスターの安寧を保てるよう最大限の努力はするが、もしその時が訪れたなら―――

ランサーは全てのマスターとサーヴァントを焼き尽くす暴威にもなるだろう。


323 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:22:16 4.Oau/bE0
【クラス】 ランサー

【真名】 カルナ@Fate/Apocrypha

【属性】 秩序・善(混沌・悪)

【ステータス】
筋力 B 耐久 A 敏捷 A 魔力 B 幸運 A+ 宝具EX

【クラス別スキル】
対魔力:C…二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
ただし宝具である黄金の鎧を身に付けている時はこの限りではない

【保有スキル】
貧者の見識:A…相手の性格・属性を見抜く眼力。
言葉による弁明、欺瞞に騙されない。
天涯孤独の身から弱きものの生と価値を問う機会に恵まれたカルナが持つ、相手の本質を掴む力を表す。

無冠の武芸:−…様々な理由(身分など)から他者に認められなかった武具の技量。
相手からは剣、槍、弓、騎乗、神性のランクが実際のものより一段階低く見える。
真名が明らかになると、この効果は消滅する。
属性が二つ存在するのもこのスキルの影響によるもの。
ちなみに、幸運の数値はカルナの自己申告であり、実際の数値はCランク相当である。

騎乗:A…幻獣・神獣ランクを除くすべての獣を乗りこなす。
逸話では戦車を操り、ライダーのクラス適性を持つ程に優れている。

神性:A…太陽神スーリヤの息子であり、死後にスーリヤと一体化するカルナは、最高の神霊適正を持つ。
この神霊適正は神性がB以下の太陽神系の英霊に対して、高い防御力を発揮する。

魔力放出(炎):A…武器に魔力を込める力。
カルナの場合、燃え盛る炎が魔力となって使用武器に宿る。
やろうと思えば炎の翼を生やしての飛行や宝具化した杭を焼き尽くすこともできるが非常に魔力消費が激しいため長時間の使用は避けている。

【宝具】

「日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)」

ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
カルナの母クンティーが未婚の母になることに恐怖を感じ、息子を守るためにスーリヤに願って与えた黄金の鎧と耳輪。太陽の輝きを放つ、強力な防御型宝具である。
光そのものが形となった存在であるため、神々でさえ破壊は困難。カルナの肉体と一体化している。
物理、概念を問わずあらゆる攻撃のダメージや効果を十分の一に削減する。
ただし削減できるのは外界からの干渉のみで、内側からの攻撃に関しては効果適用外である。
この宝具の効果によるものか、カルナは致命傷に近い傷も即座に回復する高い自己治癒能力も持ち、体に負った多少の傷は戦闘を行いながらでも瞬時に完治してしまう。


324 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:23:13 4.Oau/bE0



「梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)」

ランク:A 種別:対軍〜対国宝具 レンジ:2〜60 最大捕捉:400人
バラモンのパラシュラーマから授けられた弓術の奥義。
対軍、対国宝具。クラスがアーチャーなら弓、他のクラスなら別の飛び道具として顕現する。
ランサーのクラスでは目からビームを放つ。
実際にはビームではなくカルナの強烈な眼力が視覚化されたもの。
ブラフマー神(梵天)の名を唱えることで敵を追尾して絶対に命中するが、呪いにより実力が自分以上の相手には使用できない。



「梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)」

ランク:A+ 種別:対国宝具 レンジ:2〜90 最大捕捉:600人
「日輪よ、具足となれ」と並ぶ、隠されたカルナの宝具。彼の奥の手である。
ブラフマーストラに、カルナの持つ炎熱の効果を付与して発射する。
元より広い効果範囲を持つブラフマーストラの効果範囲が更に広がり、威力も格段に上昇する。
その一撃は核爆弾に例えられている。



「日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)」

ランク:EX 種別:対軍・対神宝具 レンジ:40〜99 最大捕捉:千単位
インドラが黄金の鎧を奪う際、彼の姿勢が余りにも高潔であったため、 それに報いて与えた神々をも打ち倒す、一撃のみの光槍。
雷光でできた必滅の槍。黄金の鎧と引換に顕現し、絶大な防御力の代わりに強力な"対神"性能の槍を装備する。
発動する際、槍の穂先から強烈な光の一撃を放つ。奈須きのこ曰く「インド版バスターランチャー」。
発射後、槍自体は残るがこの宝具の真名解放は二度と出来なくなる。

【人物背景】
パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の戦いを描いたインドの叙事詩『マハーバーラタ』に登場する、「倒される側の英雄」。
人間の姫であるクンティーと太陽神スーリヤとの間に生まれた黄金の英雄で、インド神話の大英雄アルジュナのライバルとして名高い。
性格は全ての物事を「それも有り」と解釈し、下された命令の好悪は考えず、その命令がどういう事態を引き起こすのかも敢えて思考を止めている。
彼にとっての第一義は自らを召喚したマスターに仕えることであり、命令に逆らう事はまず無い。そもそも逆らうという考え自体が存在しないように振舞っている。
絶世の美男子だが、目付きは鋭く、他人を寄せ付けないものがあり、幽鬼のような白い肌といつも表情を崩さないため冷酷な人物に見られがち。
敵には容赦なく、言動も余分なものが無いため、一見すると人間性を感じさせないが、本当は大変思慮深く義理堅い人物で、英霊の中でも特に人間的に優れた人物。
その徳を積んだ人柄と生前の生き方から「施しの英雄」と称され、他者の頼みは道理さえ通っていれば大抵は断らず、それは敵対する者であっても例外ではない。
また誇り高い武人であり、作中では黒のセイバーに正面から戦いを挑み、彼の武練を賞賛する。
彼の言葉は非常に率直で、あらゆる欺瞞、虚飾を切り捨てる鋭さがある。


325 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:24:00 4.Oau/bE0
これが『悪』と勘違いされる最大の原因で、自らを偽る言動、取り繕う態度や信念などを全て見抜いた上で、相手が言われたくない事やその本質を語ってしまい、余りの率直さによって相手の怒りを買いやすく大抵の相手に嫌われて戦闘を余儀なくされてしまう。。
しかし、彼の言動は他者の短所を嫌悪してのものでない。
彼に取って、相容れぬ信念も理解出来ない美醜も尊ぶもの。
人それぞれの立ち位置を肯定する彼にとって、相容れぬ信念も理解できない美醜も嫌悪の対象にはならず、「それもまた良しだ。…いや。正直、少しばかり羨ましい」と内心では感心している。
だが彼は無口で激昂した相手を宥められるほど器用ではなく、“本当に伝えるべき感想”を表だって出さないため、結果として“あらゆるものを嫌っている”人物であると誤解されてしまう。
サーヴァントとしてこれ以上ないほどの人物だが、敵どころか自分のマスターにすら嫌われやすいのは、この口下手さが原因である。

【サーヴァントとしての願い】
自分の助力を乞い、召喚したマスターに仕えること。
例え召喚した人物が目的のために手段を選ばない魔術師であろうと、あらゆる物事から逃避する怠惰な人間であろうと、殺し合いという現実に怯える少女であろうとそれは変わらない。
この願いのためカルナはマスターの命令がどのようなものであれ忠実に従う。
しかし、その行動がマスターに取って最も必要な事だと判断したならば、例えマスターの命令だろうと刃向かう意志を見せる。

【基本戦術、方針、運用法】
カルナ自身の方針は前述の通りマスターの指示に従うことであり、マスターの方針がカルナの方針である。
能力を生かすのであれば、戦士としてだけではなく斥候として活用しても結果を残せる。
カルナはアーチャーのクラス適性も持っており、数キロ先の乗用車のナンバープレートすら正確に視認できる超視力を有している。
またカレイドステッキによる無限の供給により(マスターは全く戦闘できなくなるが)常時魔力放出を使用することも可能になっている。
さらにルーマニアにおいては知名度の低さから存在が劣化していたが二次二次聖杯ではその制約が若干緩和されており、耐久のステータスがランクアップしている。
しかし上記のカルナのスキル、宝具、能力などは彼自身を語る上で半分程度のステータスでしかない。
カルナ最強の武器とは、あらゆる不幸を受け入れながら誰一人恨むことのなかった強い意志である。
その強靭な意志は例えどのような苦痛を受けようとも一切動きが鈍ることはなく、致命傷を負っても長期間現界し続けるほど。
とはいえカルナもサーヴァントである以上マスター不在による消滅だけは避けられない。


326 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:24:48 4.Oau/bE0
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ

【参加方法】

ムーンセルによる召喚。
どこかでゴフェルの木片を入手、ないし触れているはずだが自覚なし。

【マスターとしての願い】

殺し合いはしたくないけど、とにかく無事に帰りたい。

【Weapon】

カレイドステッキ・マジカルルビー…魔法使い・宝石翁ゼルレッチの制作した愉快型魔術礼装カレイドステッキとそれに宿っている人工天然精霊。愛称(自称)はルビーちゃん。
任務によって宝石翁から遠坂凛に貸し与えられマスターとしたが、ルヴィアとの私闘に明け暮れる凛に呆れ、妹と共にマスターを見限った。
その後イリヤを詐欺同然の強引な手口で魔法少女にする。
子供のおもちゃにあるような「魔法少女のステッキ」そのままの外観でヘッド部分は五芒星を羽の生えたリングが飾っている。羽のモチーフは鳥。
自分が楽しければ他はどうでもいい、という傍迷惑な性格で、ぶっちゃけトラブルしか起こさない。
平行世界からの干渉によってマスターへ無限の魔力供給が可能。また、Aランクの魔術障壁の他、物理保護、治癒促進、身体能力強化といった恩恵を常に与えている。
ただし、供給量・持続時間は無限でも、一度に引き出せる魔力はマスターの魔術回路の性能に依存するため、結局は効率的な魔力運用は欠かせない。
機能の一つに、魔術ではなく「純粋な魔力」を放出するというものがあり、砲弾、散弾、ブレード状に固定、といったバリエーションで駆使する。
これらは普通の魔術が利き難い黒化英霊の持つ魔術障壁に対し有効。
ある程度、形・大きさを変えることができるらしく、使用時以外は手で持つステッキ部分を消して、羽の生えた星型の丸いヘッド部分のみの姿となって、イリヤにまとわりついている。

【能力・技能】

能力の大半は彼女自身のものではなく、カレイドステッキのマジカルルビー及び回収したクラスカードを利用した「魔法少女」としてのもの。
アニメで培った想像力と発想力のおかげで、本来難度の高い飛行能力を難なく習得するなどの才能を見せる。
また、凛やルヴィアすら思いつかなかったクラスカードの夢幻召喚(インストール)という使い方を発見しているが、これは彼女自身も把握していない魔術の素養がもたらしている能力であり、彼女の発想力から生まれたものではない。
しかし現在は一枚もクラスカードを所持しておらず、燃費の悪いカルナへの魔力供給もあって十分な戦闘力を発揮できなくなっている。
また幸運が異様に高く、カルナの幸運値上昇にも一役買っている。
ちなみに彼女はもう一人の自分と分離する前の時期から参加している。


327 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:26:32 4.Oau/bE0

【人物背景】

穂群原学園小等部(5年1組)に通う小学生。義兄の衛宮士郎、本来はメイドだがほぼ家族同然に接しているセラ&リーゼリットの姉妹と四人で暮らしている。
父の衛宮切嗣、母のアイリスフィール・フォン・アインツベルンは仕事で家を空けている。
なお、士郎は切嗣の養子で、イリヤとの血縁はない。切嗣とアイリは夫婦ではあるが籍は入れていないため、イリヤと切嗣・士郎とでは姓が異なる。
足の速さが密かな自慢。「魔法少女マジカル☆ブシドームサシ」というアニメを好んで見ている。
カレイドステッキに見初められ、ただの一般人だったイリヤが、詐欺同然の強引な手口で契約させられ、魔法少女プリズマ☆イリヤとなる。
物語当初は「巻き込まれただけの一般人」だったイリヤだが、次第に彼女にも秘密があることが明らかになっていく。
性格はとある平行世界と違い一般の家庭に育っているため、比較的素直な性格で捩れていない。
言ってしまえば単純な性格。ただ、根幹は一緒なのか、隠れたSっケなどの素養は持っているようである。
精神的に追い詰められるととりあえず逃げの一手を打ち、安全圏に脱出してほとぼりが冷めるのを待ちながら打開策を考えようとする悪癖がある。
メイドというものに異常なまでに興奮してメイド姿の美遊を(たぶん)性的な意味で襲ったり、極限状態とはいえ士郎を幼女三人がかりで性的な意味で襲ったりと若干おかしな部分もある。

【方針】

特になし。一応殺し合いを否定しているが、如何せん普通の子供であるため極端に精神が追い詰められた場合どのように動くか予想できない。
しかし正義感もそれなりに持ち合わせてはいるため出会いや状況次第では積極的に殺し合いの打破に傾く可能性もある。
総じてどう転ぶかわからない、一種の爆弾のような存在。


328 : イリヤスフィール・フォン・アインツベルン&ランサー ◆p1hwNIp6AQ :2014/07/03(木) 15:28:08 4.Oau/bE0
投下終了です。
カルナのステータス設定はApocryphaやCCCを参考にしつついくつか手を加えています。
特に「日輪よ、死に随え」についてはかなり悩んだのですが。
原作四巻時点で宝具ランクEXでありながら判明している他の宝具はAかA+でこれだけが詳細不明。
ぼかされているこれ以外にランクEXとなり得る宝具が無いのです。
またCCCでは使用はしましたが表側でジナコに与えた鎧が残っていることから何らかの理由でCCCでは完全な解放に至っていないと解釈しました。
この事から本当に鎧を捨てて発動した「日輪よ、死に随え」は神霊を殺害する概念も併せてランクEXに該当すると判断しました。
摺り合わせにおいて問題がある、エクストラマテリアルの通りA++にするべきという意見が大勢を占めるようでしたらそちらに従いたいと思います。


329 : 雪崎 絵理&セイバー ◆R/DzX5mHgw :2014/07/03(木) 15:46:58 RX0zZvYw0
雪崎 絵理&セイバーを投下します。


330 : 雪崎 絵理&セイバー ◆R/DzX5mHgw :2014/07/03(木) 15:47:28 RX0zZvYw0

「行ってきます!」
そう言って、少女は勢い良く玄関から高校に向けて駆け出していった。
セーラー服とロングヘアーをはためかせて慌ただしく駆けて行く様は、女子高生特有の溌剌とした愛らしさを醸し出している。
「おはよ!絵理!」
「おはよ、――。」
通学路が同じ友人とあいさつを交わす、その事自体に何の変哲もない、極自然な日常的行為である。
ただ、雪崎 絵理が誰かの名前を呼ぶ度に彼女の脳内に響き渡るノイズ音がある。
…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
それはどこか、駆動するチェーンソーの音に似ていた。

「大丈夫?頭痛いの?」
「うぅん、全然だいじょうぶだょ」
ノイズと共にもたらされる鈍い頭痛にはもう慣れた、しかしこのノイズと共に胸の底から湧き上がるような焦燥感は何なのだろうか、
家族仲は良好だし、友人もいる、恋人は――まぁ、そのうち、
成績面でも優秀の部類に入ると言って良いし、部活も上手くいっている、何一つ生活に不満なんて無い。
だというのに、何かを忘れているような気がする。
「――何か、大事な事を」
…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。

夕食はすき焼きだった。
母親は今日は奮発したのよ、とどこか自慢げな顔つきであるし、
弟などは、まだ煮えてもいない肉に手を付けようとして父親にたしなめられている。
ただ、絵里だけはこの状況を疑問視していた。
夏日照りの暑い今日である、暑い時には熱い食べ物を食べれば良いという話もあるが、
だからと言って、何も言わずに鍋物を受け入れるような家族だっただろうか。
弟ならば、不平不満の一つも言いそうなものを、そこまでを思い、弟と絵里の目が合った。

…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。

人形と目が合った。

「あなた達……」
目の錯覚に過ぎない、絵里はそう思い込もうとした。
しっかりと見れば、やはり目の前にあるのは弟の顔だ。
最近、疲れているから、だから弟の顔が人形に見えてしまうのだ。
そう、思い込もうとして――やはり無理だった。

「だれ?」
目の前にあるのは確かに人形などではなく、人間だ。
だが、それは彼女の知っている家族の顔などではなかった、ああ、そうだ、何故忘れてしまっていたのだろう。

「絵里!待ちなさい!!絵里!!」
全てを思い出した彼女は、偽物の母親が制止するのを振り切って、外へと駆け出していった。
何もかもに気づいてしまっても、母を騙る彼女も、弟を騙る彼も、父を騙る彼も、
きっと家族のままでいさせてくれたのだろう、それが彼らの役割だとしても――それでも、家族になってくれたのだろう。

でも、家族は死んでしまった。
雪崎 絵理は、だから戦っているのだ。

どこまでも、どこまでも、走って行く。
後ろを見ると、もう母だった人はいない。
完全に振りきれたようだ。

夜の公園のベンチで一息つく、くうと小さい腹の音が鳴った。
結局、家族ですき焼きを食べることはなかった――でも、もういいのだ。

…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
以前から鳴り響いていたチェーンソーの駆動音染みたノイズが現実に生じた。

世界を切り裂いて、サーヴァントが降りてくる。
雪崎 絵理が戦うために、その願いを叶えるために。


331 : 雪崎 絵理&セイバー ◆R/DzX5mHgw :2014/07/03(木) 15:48:08 RX0zZvYw0


「あなたが――私のサーヴァントね」
緑色の上着に紺色のジーンズ、左手にはハンドベルトコンピューターを装着している。
年齢も彼女と同程度であり、背に担いだ剣が無ければ、とてもサーヴァントとは思えない、
いや、彼女もまた、一人の例外を除いて誰にも露見することなく敵と戦い続けたように、
戦う者というのは、そういうものなのだろうか。

「君の願いを……教えて欲しい」
「……なんで?」
絵里が聖杯に懸ける望み、それは他の参加者に比べれば余りにも小さいものだろう、
しかし、彼女にとっては真剣なもので――だから、少しだけ言うことが躊躇われた。
「願う内容によっては……君を殺さなければならない」
濁流のように押し寄せる殺意は、目の前の少年がやはりサーヴァントであることの証左であった。
どれ程の修羅場を超えれば、いや――彼は英霊となった、この結果が何もかもを証明している。
恐怖に意識を飛ばしてしまいたくなる、偽りの家族の元へと帰り、全てを忘れてしまいたくなる、
けれど、毅然とした態度で絵里はサーヴァントの視線を受け止めた。
命を賭して戦ってきた、ならばこの問いにも命を賭して答える、ただそれだけだ。

「お父さんとお母さんと弟が、交通事故で死んだんです、
なんにも悪いことしてないのに。普通の家族だったのに。何の前触れもなくみんな死んじゃって」
「……家族を蘇らせたい?」
「それで、あたしの好きな男の子もね、転校しちゃうらしいんです、あたしがとても会いに行けないような場所に」
「……転校を止めさせたい?」

「みんなに帰ってきて欲しい……」
ほとんど聞き取れないような小さな涙声で彼女は確かに言った。

「……あたし、本当はみんなと一緒にすき焼きが食べたかったの…………でも、あの人達は偽物で……でもあたし……あたし……ひっく」
「もういいよ」
「……ひっく」
「もういいって!」
殺気は消えていた、今この場所にいるのは泣きじゃくる絵里をなんとかしようとあたふたとするただの少年だった。

「僕が何とかする、君のお母さん、お父さん、弟、恋人、何から何まで、何とかする。
なんなら君は聖杯を鍋にして、すき焼きでもしゃぶしゃぶでも好きに食べれば良い、もちろん君の家族、恋人も一緒だ、ついでに僕もいれてくれると嬉しいけど贅沢は言わない、
なにせ恋人がいる君に僕が付いて行ったらなんか複雑な関係っぽいし、何より僕には恋人がいるからあんまり勘違いはされたくないからね、大丈夫、何から何まで大丈夫だ。
わかるよ僕も、僕だって母さんや父さんに会いたいし、友達や幼馴染にも会いたい、どうでもいいけど幼馴染ってなんか流れ的に僕と付き合うものかと思ってたら、
僕の友だちと付き合ってて、旅の最中に何度もええいこいつ絞め殺したろか、って思うことがあったよ、まぁあいつはいいやつだったけどね。
とにかく、僕に任せておけば全然オールオッケー!」
「……ほんとに?」
「あったりまえだろ!」
景気良く言ったサーヴァントであったが、でも――と続けて、絵里に問いかけた。

「君は願いのために……人を殺せるかい?」
「……あたしは、ころせ」
「なーんて!全部僕がやるから、いいよいいよ」
絵里の言葉を最後まで聞かずとも、彼女の答えはわかっている。
ただ彼女の決意のために――出来れば彼女には手を汚させたくはない。
彼女は知っているのだ、失う悲しみを。
ならば、それを喪失を与える悲しみもまた、人一倍にわかってしまうだろう。

「え?」
「こう見えても、母親の偽物から親友、魔王に大天使、なんならヤクザに狂信者まで殺してる、ちょっとしたジェノサイダーだからね。殺しに関しては、プロだよプロ。
だから……何もかも僕に任せておきなよ、君が天井の染みを数えている間に、僕がすべてを終わらせる」
「……見くびらないで!」
耳まで紅潮させた彼女の怒気に気づいたのは、流石英霊と言えるだろうが、
しかし女性はこういう場合、平手打ちを放つものだという固定概念が彼を傷つける羽目となった。
絵里のローキックが、彼の膝を打つ。

「あなたが人を殺すなら、それはあたしが殺すのと同じっていうことぐらいはわかってるんだから。だから、だから……きっと、あたしは殺す」
「ああ……わかったよ」

彼女は覚悟を決めた、いや――とっくに決めていた。
ならば、もう言うことはない。

「セイバー ザ・ヒーローの名において、君に聖杯を……君に訪れた全ての不幸を取り除くことを誓う。コンゴトモヨロシク……」


332 : 雪崎 絵理&セイバー ◆R/DzX5mHgw :2014/07/03(木) 15:48:39 RX0zZvYw0

【マスター】
雪崎 絵理@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

【参加方法】
父親の遺したゴフェルの木片を発見する。

【マスターとしての願い】
みんなに帰ってきて欲しい

【能力・技能】
『対チェーンソー男』
チェーンソー男との戦闘の時のみ、常人離れした身体能力を発現することが出来る。

【人物背景】
極普通の高校一年の女子生徒であったが、家族の葬式の帰り道に出会ったチェーンソー男と戦う様になる、
チェーンソー男の正体は作品中では語られていないが、彼女曰く、哀しいことを生み出す悪者らしい。
チェーンソー男との戦いの最中、ある少年と出会い、最初はいがみ合いつつも、最終的に彼の協力を受け入れ共に戦うようになるが、
少年が転校することとなり、また彼女は一人ぼっちになってしまう。
その転校を止めるために、彼女はチェーンソー男に最後の戦いを挑むはずだったがゴフェルの木片を手に入れたので、聖杯戦争に参加することとなった。

【方針】
優勝を目指す。

【クラス】
セイバー
【真名】
ザ・ヒーロー@真・女神転生Ⅰ
【パラメーター】
筋力A(B) 耐久B(C) 敏捷B(C) 魔力D(E) 幸運D(E) 宝具A
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
対魔力:C
騎乗:C

【保有スキル】

戦闘続行:A
ナイフで撫ぜる程度で死ぬほどの致命傷を負っても動き続けるその様は人間であるが故に怪物染みて見える。

話術:D
言論にて人を動かせる才。
取引から契約まである程度のことは行えるが、悪魔召喚プログラムを失っているために、
言語が通じない相手との交渉は不可能。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”
逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

人間:A
友が魔と融合しようとも、友が神の使徒になろうとも、それでも彼は人間で在り続けた。
彼が人間で在ることを捨てない限り、彼は英霊になろうとも人間として扱われる。

【宝具】
『握られしは一振りの神(ヒノカグツチ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大補足:1人
炎の神をその刀身に封じた魔剣。
常時発動方の宝具であり持つだけで全能力が一段階ランクアップする。

『神が救わぬゆえに(ハンゴンコウ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:1人
屍鬼と化した幼馴染を偽りの生から解放した逸話から生まれた宝具。
死を望む屍鬼を強制的に成仏させる。

【weapon】
『握られしは一振りの神(ヒノカグツチ)』
ザ・ヒーローの宝具である。

【人物背景】
ただの少年が、母を殺され、
ただの少年が、故郷を喪い、
ただの少年が、幼馴染を殺し、
ただの少年が、友を殺し、
ただの少年が、天使を殺し、
ただの少年が、魔王を殺し、
そして誕生した英雄。

【サーヴァントとしての願い】
特に無し、ただ聖杯を手にする相手を選びたいとは思っている。

【基本戦術】
東京ではないために将門装備も失ってしまった上に、セイバーとして召喚されたために悪魔召喚プログラムはその機能を停止し、銃を持ち込むことも出来なかった。
また、神が救わぬゆえにもよっぽどの場合で無ければ効用を発揮しないため、基本的にはヒノカグツチでの近接戦闘が望まれる。


333 : 雪崎 絵理&セイバー ◆R/DzX5mHgw :2014/07/03(木) 15:49:26 RX0zZvYw0
投下終了します。


334 : ◆t//1Orjh2Y :2014/07/03(木) 16:56:19 Ag1OB2TY0
星宮ケイト&キャスター投下します。


335 : ◆t//1Orjh2Y :2014/07/03(木) 17:00:49 Ag1OB2TY0
「なんということだ」

星宮ケイトはうちひしがれていた。
世界征服を目論む秘密結社ズヴィズダーの首領ヴィニエイラ様こと星宮ケイト。先日東京西ウド川を征服した後、何だかんだで世界中の敵対組織を征服した偉大なる幼女である。そんな彼女が落ち込むなど何があったのか。

ある日、古代ウド川文明の遺跡を調査していたケイトは、ウドに混じって生えていたウドのようなナニかを収穫した。それこそがゴフェルの木片、願いを持つ者を聖杯戦争へと誘うキーアイテムだった。ケイトは見事木片に誘われて方舟へと送り込まれた。

それまでは良い。その程度のハプニングで膝を屈する程度では世界征服などできない。ケイトはタフな幼女なのだ。逆上がりだってできる。
問題はその後だ。
方舟へと進入した者は予選として記憶を奪われ、偽りの日常の中へ放り込まれる。
そこでの生活は楽しかった。昼は幼女仲間と遊び回り、夜は大好きなアニメを見て眠りにつく。
まんまただの幼女だった。

特に切っ掛けもなく、普通に偽りの日常から脱出できたあたり、流石は星宮ケイトと言えたが、短い間でも世界征服を忘れてお気楽幼女として過ごした自分をケイトは恥じた。
それはもう猛烈に恥じた。



そのせいで先程から声をかけている自分のサーヴァントに気付けない程に。



大丈夫だろうか。アモンは不安になった。
キャスターのサーヴァントとして星宮ケイトに召喚された彼は、いきなり自分の願いに暗雲が立ち込めたような気がした。
正直、第一印象から物事を判断したくはなかったが、蹲りながら嘆いている幼女とうまくやっていける自信がなかった。
過酷な戦いは覚悟していた。
ダメなマスターを引き当てる可能性も考えてはいた。
だが、こうゆう方向の覚悟ではなかった。ミラーフォース警戒したら次元幽閉がきたみたいなものだった。

これが聖杯戦争である以上、アモンはマスターなしには戦えない。
いくら気に入らなくてもマスターぶっ殺して1人で戦うという手段はない。
いくら目的のためなら冷酷非道な真似をするアモンも、さすがに幼女に手荒な真似はしたくなかった。
アモンの願いは誰もが平等に苦しみや憎しみなく暮らせる世界を作ることなのだ。

やるしかない。実はケイトは古代ウド川文明の女王で、神具ガラクーチカの呪いによって成長が止まっているだけの凄まじい長生きな幼女だとは知らないアモンは、ケイトを混乱しているただの幼女だと思ってしまった。

歴戦のデュエリストで異世界生活も長い戦うエリート御曹司であるアモンでも、そう簡単にケイトを推し量ることはできなかったのだ。


1人静かに子守りを覚悟するアモンを余所に、ケイトは自責の念から立ち直った。


世界征服と世界平和。
2つの大いなる願いを秘めた2人組の戦いは先ずは自己紹介から始ろうとしていた。


336 : ◆t//1Orjh2Y :2014/07/03(木) 17:03:41 Ag1OB2TY0

【クラス】キャスター
【真名】アモン・ガラム@遊戯王デュエルモンスターズGX
【パラメーター】筋力D 耐久C 敏捷D 魔力A 幸運A 宝具EX
【属性】混沌・善 
【クラススキル】
 陣地作成:B
 防衛時に有利に働く陣地を張れる。

【保有スキル】
 召喚:A
 カードを通じて対応する精霊世界のモンスターを呼び出す。通常のデュエルのルールに従わずにモンスターを召喚できる。Aランクともなれば大抵のモンスターを召喚、使役できる。魔術の一種として扱われる。

 魔術:E
 キャスター自身に魔術を扱う適性はない。

 デュエルマッスルB
 厳しい訓練で鍛え上げた肉体の証明。戦闘時のみ魔術系のスキルと宝具を封じることで筋力耐久敏捷をBランクにアップさせる。

 空虚な聖者E
 心に持つのは純粋な願い、その心には少しの闇も存在しない。自身に対する精神干渉を無効化し、精神的なバットステータスに陥らない。

【宝具】
 究極封印神(エクゾディオス)
 ランク:E 種別:対人 レンジ:2 最大補足:1
 魔術系スキルと宝具を封じることで使用可能。
 封印された魔神の力の一端を解放して使役する。封印されているためランクが低く本来の能力には及ばないが、念動力といった特殊能力も使用できる。
 魔神のステータスは筋力A耐久A敏捷E魔力A相当。

 怒りの業火(エクゾードフレイム)
 ランク:EX 種別:対人 レンジ:5(∞) 最大補足:1
 5枚のパーツが揃えば勝利するという概念が宝具となったもの。封印されしエクゾディアの力を解放して対象1人に数値上∞のダメージを与える。この宝具は回避も防御もできない、対抗するには同じく勝利を確定させる概念宝具が必要。発動には宝具の標的に姿を見せた上で発動レンジに捉えた状態を保ち、ルールに乗っ取ってカードの効果や1ターンに1度のドローによって手札にエクゾディアのパーツを揃えなければならない。この時、召喚スキルに制限が掛かり通常召喚は1ターンに1度、上級モンスター召喚には生け贄が必要になる。1ターンは60秒。

【weapon】
「アモンのデッキ」
 アモン・ガラムの所有するデッキ。雲魔物、エクゾディアの混合デッキ。
 カードの精霊を呼び出すだけであり、カードの効果がそのまま再現されるわけではない。

【人物背景】
 幼い頃に両親から捨てられて孤児となり、雲を見つめながら死を待っていた所を超巨大財閥ガラム家に跡取りとして拾われた。その後、ガラム夫妻の間に息子・シドが生まれたことにより、ガラム家の跡取としての価値を失う。投げやりになり、一度はシドを殺そうとしたものの、その後はシドと財閥のために身を捧げる覚悟をする。
 異世界では、誰もが平等に苦しみや憎しみなく暮らせる世界を作るために最愛の女性を生贄に力を手に入れ、立ち塞がる相手を葬ってきた。その願いは完全に純粋なものであり、その心には一切の闇は無い。
 異世界では使役する魔神に宿った最愛の女性の心の闇を利用され敗北した。
 一見温厚だが目的のためならば非道な手段も辞さない冷酷な一面を持つ。どんな相手にも冷静に対応できる柔軟な思考力を持ち、他の人間では昏睡状態になるような過酷な状態でも軍人顔負けの肉弾戦を行える優れた肉体を持つ。

【サーヴァントとしての願い】
 誰もが平等に苦しみや憎しみなく暮らせる世界を作る。

【基本戦術、方針、運用法】
 身体能力と技術を活かした肉弾戦か、召喚したモンスターによる攻撃が基本。
 利用できるものは全て利用して自分の願いを叶える。


337 : ◆t//1Orjh2Y :2014/07/03(木) 17:06:07 Ag1OB2TY0
【マスター】星宮ケイト@世界征服〜謀略のズヴィズダー〜

【参加方法】古代ウド川帝国の遺跡で木片を見つける。

【マスターとしての願い】
 特に無し。しいて言うなら、方舟と参加者を征服すること。

【weapon】
「ガラクーチカ」
 ウサギのような化け物のぬいぐるみ。機械仕掛けの巨大な上腕を召喚する。
 「征服実行」という物理攻撃有りの説得を可能とする。つまり殴る。
 正体は「征服の想い」を力として具現化させる神具であり、永遠に年をとることがなくなる呪いをケイトに与えた。

【能力・技能】
 「征服実行」による「ヴィニエイラ式変異打倒説得術」を得意とする(ただし、「説得」に応じる「心」を持つ者でないと無効化される)。
 バリアを張って戦車砲弾を無力化することもできる。
 西ウド川村公安委員会発行の免許証を持ちバイクの運転もできる。

【人物背景】
 見た目は可愛い幼女だが、実は謎の組織・ズヴィズダーを率いる首領。外見通り精神的に幼い一面を持つが、高いカリスマ性と「世界征服」というものに対して独自の思想と信念を持ち、配下を労う慈悲深さを持つ。そのため部下たちから崇拝されている。喫煙者を非常に毛嫌いしており、一切の慈悲を見せない。
 古代ウド川文明の王女であり、世界を征服する運命を持っていると、神官から征服の想いを力として具現化させる神具.ガラクーチカを授かったが、同時に呪いの様に永遠に年をとることがなくなり、ズヴィズダーを結社し、世界を征服し呪いが解けるその日を信じて今日まで活動していた。

【方針】
 先ずはサーヴァントを召喚する。


338 : 星宮ケイト&キャスター ◆t//1Orjh2Y :2014/07/03(木) 17:07:23 Ag1OB2TY0
星宮ケイト&キャスター投下終了します。


339 : ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:15:01 YvrDlzJA0
これより投下します。


340 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:15:49 YvrDlzJA0

「まだだめよ」

 少女は世界を見つめている。書き換えられた世界。理を破損させた世界。

「まだだめよ」

 少女は少女を見つめている。本当の姿を取り戻さないように。理へ立ち戻らないように。

「まだだめよ」

 少女は月を見つめている。彼女の世界にはない月。理をも書き換えられる月。

「――――見つけた」


 ■ ■


「……あの夢、なんだったのかな」

 私は朝に見た夢を思い返しながら、学校の廊下を歩いていた。
 まだだめよという声の中、木の上で何かを見つめている。そんなよくわからない夢だった。
 ぼんやりと考え込んでいたせいでずり落ちそうになった眼鏡を慌てて支える。
 今日は私が初めて学校に行く日だ。不安はある。でもきっと大丈夫。私はもう変わった――何に?――んだから。
 藤村先生に半分引っ張り込まれるような形で、私は教室に入った。そのまま、元気よく自己紹介。

「暁美ほむらです! よろしくお願いします!」

 前の――いつの?――ように怯えないで、胸を張ってあいさつ。そのまま教室を――誰かを探すように――見渡した。

「……あれ?」

 誰かがいない。大切な誰か。私が■■■■になった理由。
 学校に来るのははじめてのはずなのに、この教室にいるべき誰かが見当たらない――





「はぁ……」

 結局、はじめての学校は上の空で過ごしちゃった。
 どうしてこんなにも気になるんだろう。分からない――思い出せない。

 空は夕暮れを通り越して夜になり始めている。放課後も■■さんが見つからないか探し続けてしまったせいだ。
 私の家は街から少し外れたところにあって、だから人通りも少なくて……

「?」


341 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:16:27 YvrDlzJA0

 なんとなく違和感を覚えて、回りを見渡した。人通りが少ない、どころの話じゃなかった。
 誰もいない。まるで、■■の結界にでも迷い込んだみたいに……街並みはそのままだから、■■の結界とは違うけれど。
 ふと、視界の端に何かが映ったように感じた。まるで、どくろのような何か。
 思わず眼鏡を傾ける。だけど、もうどくろはそこにいなくて。

「……主人の人払いに、気づいていたな」

 代わりに、上から、声。
 とっさに見上げようとして……バランスを崩して転んでしまった。けれど、そのおかげで助かった。
 さっきまでいたところに、どくろのお面をつけた何かが降って来たから。

「だ、だれ!?」
「いい加減ルーラーに勘付かれかねん。手短に済ませる」

 私よりも小柄なその人は、だけどどう見てもまともな人じゃない。全身が真っ黒で……存在感が幽霊みたいで。
 これなら■女や使い■のほうがよっぽど人間らしいと思う。

「ぁ――――」

 殺される。助けを、助けを求めなきゃ。思わず叫び声を上げようとして、

「……違う」
「む?」

 それを飲み込んだ。私から溢れる魔力に、サー■■ントが足を止めた。
 助けなんて求めない、頼らない。守られる私じゃなくて、守る私になりたいって願ったばっかりじゃないか。

 そして、そのための力が私にはある!

 肌身離さず持ち歩いていた宝石が、ソウルジェムが輝く。光が私を包み込んで、私の存在を変えていく!

「ウィザ――」

 サーヴァントが身構えようとして……止まった。私が止めた。
 私の魔法。やり直しの願い。時間とのコネクト。それが、私を時間の流れから独立させているんだ。
 いるんだ……けど。

「……どうしよう?」

 止まった世界の中でどうすればいいのか、ぜんぜんわからない。
 ちょっと悩んで、とりあえず謝ってから全力で殴って、蹴って、息切れしていたら……いきなり時間が動き出した。

「ード……!? 貴様、いつ触れた」
「あ、あれ!?」

 なぜか時間を止める魔法の効きが悪かった。そして、私の攻撃は全然効いてなかった。
 それでも触られた感覚はあったみたいで警戒するサーヴァントと、それ以上に混乱する私。
 あたふたしていると、盾に何かぶつかったような振動が来て私は倒れこんでいた。
 何か攻撃された、と気付いた時にはもう首を掴まれて持ち上げられていた。

「……か、はっ……!」
「あの力は、この状態では使えんようだな」

 サーヴァントは冷徹に言い放つ。死ぬ。このままじゃ絶対に死ぬ。
 いやだ、死にたくない。そう思って必死に首を振るけれど、サーヴァントの腕はぴくりともしない。

 死にたくない。
 死ねない。
 私は鹿目さんを守るどころか、まだ再会だってしてないのに――!


342 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:17:03 YvrDlzJA0

「――――チッ」

 突然、首から手が離れた。同時に、地面で何か金属が跳ねたような音。

「げほっ……げほっ、ごほっ!」

 咳き込む。急に呼吸が戻ってきてのどが痛い。眼鏡を落としてしまったみたいで視界がぼやけてる。
 だけど、一番痛いのは左手だった。サーヴァントには触れられていないはずの、手のひらが。
 私のソウルジェムがある手の甲のちょうど反対側に、何かが刻まれていくような感じがある。

「これは……!?」

 サーヴァントは助けに来た誰かを見て戸惑っているみたいだった。
 いったいどうなっているのか私にはわからない。
 ただ、こう言ってからしばらく後にサーヴァントはいなくなったみたいだ。
 ……たぶん。

 ともかく息を落ち着かせて、眼鏡を拾って周りを見て……私は息を呑んだ。
 そこにいたのは、私と同じ服を着て、私と同じ盾を持つ女の子だった。身長も同じくらいで、髪の色も同じ。
 ただ私と違って髪を解いていて、眼鏡を掛けていなくて、私よりずっと美人に見えた。

「あなたは……いったい」
「私はキャスター。
 ――――そして、未来のあなた自身」

 私の質問に、『私』はそう答えた。


 ■ ■


343 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:17:51 YvrDlzJA0


「じゃあ……キャスターは、何度もやり直した私?」
「そうよ」

 自宅に戻ってリビングに腰を落ち着かせた私は、キャスターにたくさん質問をした。
 本当はあそこですぐに聞きたかったけど、「ここに居座り続けるのはよくない」と言われたから、家に帰るまで我慢して……待ちきれなかった分を一気にぶつけた。

「鹿目さんは……?」
「…………少なくとも、状況は前より良くなったわ。私もまだ、頑張っている途中だけど」
「……よかった」

 それを聞いて安心した。私は鹿目さんの役に立てるんだって。
 そう思ったところで、鹿目さんや巴さんは今どうしているんだろうと気になってきた。

「どうやったら帰れるんですか?」
「勝ち残ればいいでしょう」
「でも、魔女が相手じゃなくて……人殺しだなんて」

 そうだ。
 サーヴァントを倒すってことは、そのマスターの人を殺してしまうってことなんだ。
 その事を考えるだけで、私は泣きたくなる。

「そもそもなんで私はここにいるのかとか、あの木片は何なのかもぜんぜん分からなくて……」

 退院した私は、一週間後には登校日ということでそれに備えて色々と準備をしていた。魔法の練習とか。
 荷物が送られてきたのはそんな時。妙に私を惹きつけるメモが貼ってあって、気になったから荷物を開けて……中にある木片を手に取った途端に、私はここに来ていた。

「それはゴフェルの木片。単純に言えば、この方舟の構造材よ。
 木片が願いを感知すると、方舟の中へ招き入れられるの。
 あなたが私なら、願いを持っていないなんて事はないでしょう」
「そ、そうですけど。
 いろいろ知ってるんだ……」
「ええ……少なくとも、あなたよりはずっと。だから断言できる。
 ここから逃れる方法はないわ。他の全てのマスターとサーヴァントを倒す以外にはね」

 紅茶を飲みながら、キャスターは説明する。私はうつむくだけだった。
 未来の私が言うんだから、そうなんだとは思う、けど。でも、納得はできない。

「まどかと共にいたいのなら、勝ちなさい。
 そうすれば帰れるだけじゃないわ。ムーンセルの力で、まどかを助けることだってできる」

 その言葉に、私は顔を上げた。
 聖杯が願いを叶えるというのなら、勝ち残るってことはただ帰られるってだけじゃないんだ。

「ワルプルギスの夜を消してもらえれば……
 鹿目さんも巴さんも、死なない?」

 私の言葉に、キャスターはゆっくりと頷いた。
 思わず、自分の手を握りしめる。人を殺すのは嫌だ。怖いし、かわいそうだ。
 でも、帰る手段はこれしかなくて。そして、私の願いは完璧に叶うのかも。

「……分かりました。
 鹿目さんや巴さんと一緒に魔法少女を続けるために、頑張ってみます」

 だから決意した。
 まっすぐキャスターを見つめて、言葉を届ける。
 キャスターは、小さく微笑んでいた。


 ■ ■


344 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:18:25 YvrDlzJA0


 私は、目の前にいるマスターを冷めた気持ちで見ていた。

 何も知らずに夢物語を言う自分。
 魔法少女は素晴らしいものだと勘違いしている自分。
 その願いはやがて、まどかに何もかも全て背負わせることになると知らない自分。

「でも、魔女が相手じゃなくて……人殺しだなんて」

 あなたの世界ではまだ、魔法少女は魔女になる存在なのに?
 あなた達は元・魔法少女を狩っているのに?
 私は――まどかを殺したことすらあるのに?

「そもそも、あの木片は何なのかもぜんぜん分からなくて……」

 私が世界を跨いで送ったから。過去の自分はどんな事を書けば開けようとするかも分かるから。
 私が方舟へ干渉する道しるべとして、召喚してくれるマスターが必要だったから。

「そ、そうですけど。
 いろいろ知ってるんだ……」

 むしろ、あなたが何も知らないだけ。

「ワルプルギスの夜を消してもらえれば……
 鹿目さんも巴さんも、死なない?」

 そこで死ななくても、所詮は一時凌ぎにしかならない。魔法少女が魔女になる定めがある限り。
 だからまどかは自分一人で全部背負い込んだ。私が背負い込ませてしまった。
 
「……分かりました。
 鹿目さんや巴さんと一緒に魔法少女を続けるために、頑張ってみます」

 私が頑張った結果、まどかは魔法少女が魔女になる定めを覆すために概念――円環の理なんてものになって、消えてしまって。
 それを貶めてまで取り戻したまどかすら、ふとしたきっかけで概念に戻ってしまいそうな状態なのに。
 それなのに、三人で魔法少女を続けたいなんて言うのか。

 とうとう耐え切れず、小さくだけれど思わず笑ってしまった。
 きっと、マスターには私の願いなんて想像すらできないに違いない。

 私の願い、それは宝具『叛逆の物語』の完成。
 世界の改変を完全なものとし、円環の理からまどかを完全に分離させる。
 私一人の愛では改変は不安定なまま。だから、ムーンセルのような大規模な願望器を私の宝具と一体化させる。
 力を大きく増した『叛逆の物語』は、もはや円環の理すらも及ばない域に至るだろう。

 そしてこのマスターは、ようやく「見つけた」存在……私をサーヴァントとして召喚してくれる存在だ。
 役目はもう半分終わっているけれど、それでもまだ私を方舟の中に繋ぎ止めるマスターは必要だ。

(今は黙っておくわ……だけど私と契約している以上、あなたもきっと気付くでしょうね)

 マスターとサーヴァントはラインで繋がっているもの。だから、互いの記憶を夢として見ることがある。
 まして、マスターと私は同一人物。更にダメ押しとして、私達の魔法には因果を集める副作用がある。
 そんな私達が契約していればどうなるか。

(私と契約して、悪魔になってみるといいわ。夢の中でね)

 記憶は流入し、因果は混線する。
 自分の願いがどんな未来を辿るか、マスターは味わうことになるだろう――――


345 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:19:26 YvrDlzJA0
【マスター】暁美ほむら(TV第10話)
【参加方法】
 初めての時間遡行の後に送られてきた木片に触れて。
 ……なお、その木片は悪魔と化した暁美ほむらが送ったものである。
【マスターとしての願い】
 ワルプルギスの夜を消した後、元の世界で鹿目まどかや巴マミと一緒に暮らす。
 また聖杯戦争の中で、自分もキャスターのようにかっこ良くなりたい。
【weapon】
 強いて言えば魔法少女に変身した際の盾。まだゴルフクラブすら持っていない。
【能力・技能】
 魔法少女への変身により、キャスターと同じ宝具『やり直しの願い』を使用可能。
 また、無意識に『重糸する因果線』を使用している。
 ただしそれ以外のキャスターの宝具・スキルは何一つ持たず、戦闘技術は素人同然。
 時間停止があっても魔法少女の中ではぶっちぎり最弱。
【人物背景】
 いわゆる「メガほむ」。魔法少女になったばかりの、真実について何一つ知らない暁美ほむら。
 詳細についてはキャスターの項目を参考のこと。
【方針】
 キャスターの言う通りに頑張る。でも、やっぱり人殺しは最小限にしたい。


【クラス】キャスター
【真名】暁美ほむら(漫画版叛逆の物語)
【パラメーター】
 筋力E 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具EX
【属性】
 混沌・悪 
【クラススキル】
 陣地作成:E
  自らに有利な陣地を作り上げる。
  ……が、一般的なキャスターのような『工房』や『神殿』ではなく、火器を並べた軍事的な意味での陣地。
 道具作成:E
  爆弾などを調合できる。素人の製作とは思えない火力を誇る。
  ……が、そもそもサーヴァントとして召喚された際に手榴弾などを大量に持ってきている。
【保有スキル】
 変化:−
  文字通り、「変身」する。
  ……が、分霊であるサーヴァントの身では本来の力を発揮できないのでこのスキルは消滅している。
 自己暗示:E
  自身にかける暗示。精神攻撃に対する耐性を上げるスキル。
  ……が、キャスターの場合どちらかと言うと自分に無理やり言い聞かせているといったほうが正しく、効果は低い。
 単独行動:E
  マスターを失っても数時間ほど現界可能。


346 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:20:31 YvrDlzJA0

【宝具】
『やり直しの願い(コネクト)』
 ランク:E 種別:対界 レンジ:なし 最大捕捉:1
  かつての願いを元にした時間停止能力の発現。本来は砂時計の砂を傾ける事による能力。
  キャスターに触れている者に対しては時間停止が働かない。
  ムーンセルでは再現の都合上で単に魔力を消費するだけで使用できる宝具になっており、持続力も悪化している。
  それに伴い、時間遡行の能力は消滅した……副作用を除いて。
  また、付随する能力として盾の中に色んなものを収納することが可能だが、サーヴァントである以上武器は自由に取り出せるので意味がない。

  時間操作という魔法を操る対界宝具にも関わらずランクが低いのは、元はあくまで少女一人の願いから生まれた宝具の上に『重糸する因果線』に神秘性を持って行かれているため。

『重糸する因果線(マギア)』
 ランク:EX 種別:対人 レンジ:なし 最大捕捉:1
  時間遡行能力の副作用。自分自身と契約したことで変異している。これはマスターの側も同様。
  二人の「暁美ほむら」のラインが繋がっている事で互いの因果線が束ねられ、キャスターの知識や経験がマスターに流れ込んでいく。
  通常のサーヴァントとマスターでも記憶の流入は有り得るが、この宝具は戦闘技術や能力も習得させる。

  効果としては魔術で代用可能なものに過ぎず、使い勝手という点では『やり直しの願い』のほうが圧倒的に上。
  にも関わらずランクが規格外なのは、この宝具が鹿目まどかに作用して「円環の理」を生み出したからである。

『叛逆の物語』
 ランク:EX 種別:対界 レンジ:なし 最大捕捉:鹿目まどか
  『愛』による因果律の書き換え。
  この宝具は暁美ほむらが自分の世界に対してのみ使用できる。そして、今も使用し続けている。
  当然、サーヴァントの身では使用できない。ムーンセルに対して効果を齎すこともできない。
  一言で言えば「使用不能」。

【weapon】
 各種銃火器、爆弾などを大量に所持。
【人物背景】
 とある時間軸で魔法少女だった鹿目まどかに憧れ、そしてその死を否定するべくインキュベーターと契約して魔法少女になった少女。
 能力は特定期間内限定の時間停止と、一定期間の時間遡行。
 魔法少女となった事で自信がつき、弱気だった性格は明るくなった。
 ここまでが、マスターのほうの暁美ほむらの経歴。

 だが魔法少女の契約には裏があり、魔法少女はやがて魔女となって人々に害をなす運命にある。
 魔女化によって相転移する感情のエネルギーを回収する、というのがインキュベーターの真の狙いだった。
 それに気付いたほむらは時間遡行を繰り返しまどかを魔女化させないように試みたが、何度やっても上手くいかない。
 最終的にほむらはもう誰にも頼らないことを決め、人との接触や説明を避ける人物になった。
 しかし単独では最強の魔女・ワルプルギスの夜にどうやっても勝利できず、本編の時間軸におけるまどかは「全ての魔女を消す」ことを願いにして契約。
 ほむらの時間遡行により集まった因果の力で世界を改変して願いを叶えたまどかだが、その代わりに魔女を消す概念「円環の理」となって消滅した。
 以上、TV版。

 世界から魔女は消えたものの、エネルギーを求めるインキュベーターはほむらを魔女にして円環の理の掌握を試みる。
 まどか達の力でこの実験は失敗したが、ほむらは円環の理として迎えに来たまどかを『愛』の力で捕獲。
 再度世界を改変して鹿目まどかという人間を取り戻した。
 神にも等しい存在となっていたまどかを、更に因果律を書き換えることで取り戻したほむら。
 だがまどかの存在は不安定で、ふとした切欠で「円環の理」に戻る危うい状態にある。
 以上、叛逆の物語。

【サーヴァントとしての願い】
 ムーンセルを得ることで宝具『叛逆の物語』を完璧なものとし、鹿目まどかと円環の理を完全に切り離す。


347 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:21:08 YvrDlzJA0

【基本戦術、方針、運用法】
 『やり直しの願い』による時間停止からの攻撃が基本。
 二つ持っているEX宝具は片方はキャスター自身に効果なし、片方は使用不能なので意味が無い。
 本編通り、時間停止からの遠距離射撃や時間差攻撃を活用することになるだろう。
 同じ能力を持つマスターとの連携がカギ……なのだが、キャスター自身はマスターの力をあまり評価していない。

 キャスター自身の方針としては、汚い手段をためらうつもりはない。魂食いなども積極的にするだろう。
 ……もっとも、非情なように見えて情を捨てきれないのがキャスター。
 悪魔化後からの召喚と言えど、どこかで悪事にブレーキを掛けてしまう可能性は否定出来ない。

【備考】
 「魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」は劇場版と漫画版で物語の流れに違いはないが、ほむらのほむら自身に対しての感情は漫画版のほうが負の意味で「重い」描写が多いためこちらからの出典とする。


348 : 暁美ほむら・キャスター ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:22:04 YvrDlzJA0
投下終了です。
なおメガほむを襲ったのはオープニングで死んだハサンさんで、時系列的にはオープニングより前にあたります。


349 : ◆holyBRftF6 :2014/07/03(木) 19:57:45 YvrDlzJA0
ふとムーンセルによる召喚を分霊と呼んでいいのか気になったので>>345を修正






【クラス】キャスター
【真名】暁美ほむら(漫画版叛逆の物語)
【パラメーター】
 筋力E 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具EX
【属性】
 混沌・悪 
【クラススキル】
 陣地作成:E
  自らに有利な陣地を作り上げる。
  ……が、一般的なキャスターのような『工房』や『神殿』ではなく、火器を並べた軍事的な意味での陣地。
 道具作成:E
  爆弾などを調合できる。素人の製作とは思えない火力を誇る。
  ……が、そもそもサーヴァントとして召喚された際に手榴弾などを大量に持ってきている。
【保有スキル】
 変化:−
  文字通り、「変身」する。
  ……が、再現データであるサーヴァントの身では本来の力を発揮できないのでこのスキルは消滅している。
 自己暗示:E
  自身にかける暗示。精神攻撃に対する耐性を上げるスキル。
  ……が、キャスターの場合どちらかと言うと自分に無理やり言い聞かせているといったほうが正しく、効果は低い。
 単独行動:E
  マスターを失っても数時間ほど現界可能。


350 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/03(木) 20:20:05 qNVP5UFo0
ローラ&バーサーカー投下します


351 : ローラ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/03(木) 20:21:19 qNVP5UFo0

ここは『方舟』にて行われる聖杯戦争の会場。

「なっしぃぃぃぃぃッ!!貴方がふなっしーのマスターなっしー!!」
「うふふふ。そうだよ〜〜☆私ローラって言うの〜☆」
「そうなっしかー!!ローラ、よろしくなっしぃぃぃ!!ふなっしーはバーサーカーのクラスなっしー!!」
「オッケ〜☆」
「なっしぃぃぃぃぃ!!優しそうなマスターと組めて最高なっしぃぃぃぃぃ!!」
「うふふふ。私も〜☆」
「ヒャッハーーー!!ところでふなっしーの名前はふなっしーなっしー」
「知ってるー☆」
「ヒャッハーーー!!」

現在目立たぬ路地の一角で、なんかデカイ梨と可愛いお姉さんがとてもシュールな会話していた。
ヒャッハーーー叫んでる梨は『ふなっしー』。 千葉県船橋市の非公認のゆるキャラである。(今はサーヴァントである)
そして可愛いお姉さんことマスターはローラ。天然系のタレントである。

「ふなっしーの願い事って何ー☆」
「願い事なっしか!?ふなっしーは橋市の公認ゆるキャラになりたいって思ってるなっしーー」
「そうなんだ〜☆うふふふ。」
「ローラの願い事は何なっしー?」
「ローラはね〜☆……ペットのモカの首輪が欲しいの!あ、モカは犬なんだけどー。うーんと、犬って知ってる?」
「知ってるなっしぃぃ!!馬鹿にしないで欲しいなっしー!!」
「ゴメンね☆あ、他にも大きなたこ焼きとか出して貰おうかなー☆あと新しい釣竿とか欲しいな」

他の参加者が聞いたら卒倒しそうな願い事を語り合っている二人。神秘の秘匿?なにそれ美味しいの状態。



「なっしーー!!ローラのためにふなっしーがんばるなっしいぃぃぃぃ!!」
「うふふふ。がんばろ〜☆」



方やテンション高く、方やマイペースなながらもやる気に満ちた声が上がるのだった。


352 : ローラ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/03(木) 20:22:23 qNVP5UFo0
【マスター】
ローラ@現実

【参加方法】
何処かでゴフェルの木を入手したための参戦の可能性あり
【マスターとしての願い】
願い?……ん〜〜☆
一杯あってどれにするかわかんない〜☆

【能力・技能】
『マイペース』
どんな相手でもタメ口で話す

【人物背景】
日本のファッションモデル。東京都出身。LIBERA所属。実父がバングラデシュ人、実母が日本人とロシア人のクォーター。
モデルとしては雑誌『ViVi』への露出が著名。各種テレビ番組などへのタレントとしての露出も活発で、会話の直後に舌を出したり頬を膨らませたり、敬語が苦手なことから誰相手にもいわゆるタメ口で接するキャラクターで知られている
【方針】
どうしようかな〜〜☆



【クラス】
バーサーカー
【真名】
フナディウス4世(ふなっしー)@現実
【パラメーター】
筋力B 耐久B(C) 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具B
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
狂化:−(B)
精神汚染スキルを持つため、狂化スキルは機能していない。
しかしその言動はぶっちゃけバーサーカーのそれと変わらない。

【保有スキル】
打たれ強さ:A
例え非公認でもへこたれずに地道にアピールし続けるメンタルの持ち主

話術撹乱:D
トリッキーな言論にて相手を混乱させる

精神汚染:C
独特なテンションが高い

虚言癖:B
言っていることの27.4%が嘘

【宝具】
『梨汁ブシュー(ナシジルブッシュュュ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:1人
梨汁と呼ばれる謎の液体を噴出し、触れた相手に何らかの状態以上を起こす。効果は完全にランダム
稀に対象のテンションや言動をふなっしーっぽくすることがある。

『梨の妖精郷(ふなっしーだいしゅうごう)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:10〜50 最大捕捉:60
ふなっしーの兄弟274体を召喚する宝具。因みにふなっしーは4男
兄弟のステータスはふなっしーとほぼ同じ。


【weapon】
ふなっしーは己の肉体のみで生き残ってやるなっしーー!!

【人物背景】
ふなっしーは千葉県船橋市に舞い降りた梨の妖精なっしー!
ふなっしーは2000年に一度現れる奇跡の梨の妖精だけど、両親は普通の梨の木なっしー!
兄弟は全部で274本でふなっしーは四男なっしー!
ちょっと口が悪くて虚言癖があるけど案外素直なっしー!

……2000年に1度だけ現れる奇跡の「梨の妖精」。両親は普通の梨の木
ハードロック・ヘヴィメタルを好んでおり、初めて買ったCDはディープ・パープルの『マシン・ヘッド』、好きな歌手はオジー・オズボーン、車の中でよく聴く音楽はエアロスミス、ライバルにはロブ・ハルフォードの名を挙げている。好物は桃。



ただし、ふなっしー曰く「虚言癖があり、言っていることの27.4%が嘘」とのことなので、いずれも本当かどうかは不明である

【サーヴァントとしての願い】
船橋市の公認になりたいなっしぃぃ!!

【基本戦術】
ゆるキャラなため戦闘はあまり得意ではないが、その奇抜な言動とトリッキーでアクロバティックな動きで敵を翻弄する……かもしれない


353 : ローラ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/03(木) 20:23:00 qNVP5UFo0
投下終了です


354 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 20:25:47 YzpO7dkc0
ジーク&セイバー投下します


355 : ジーク&セイバー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 20:26:21 YzpO7dkc0


消耗品として生み出され、役目を終えれば廃棄される。
初めから生に意味はなく、終わりは運命付けられていた。

夢は、目覚めた瞬間に霧散した。
幸せな夢を見ていたのだとは思う。
生まれたことを祝福され、誰かに何かを強要されることもなく、心を通じた家族や有人と朗らかに過ごす。

その幸せな時間は、黒い竜によって踏みにじられた。
血を分けた兄弟姉妹たちが牙で噛み砕かれ、危地を救ってくれた親友が爪で切り裂かれ、彼を救ってくれた聖女が炎で焼き尽くされる。
そして、竜は彼を見る。


次は、お前だ。


恐怖に震え、怒りに叫んだ瞬間、夢から醒める。
真っ黒の悪夢はその瞬間霧となり、目の前には剣を構えた人影が佇んでいた。
剣は、まっすぐこちらに向けられている。
悪夢を切り裂いた剣――“セイバー”。
自然と、その人はサーヴァント“セイバー”なのだと認識できた。

「あなたは――」

一瞬、記憶の中の「あの人」を思い起こす。
“黒”のセイバー。竜殺しの英雄。彼を救ってくれた恩人。この心臓の、本来の持ち主。


「君が、私のマスターかね」

……落ち着いてみれば。
左眼に眼帯をした老人が恩人と似ているのは雰囲気だけで、声も姿も似ても似つかないものだったが。


356 : ジーク&セイバー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 20:27:20 YzpO7dkc0

「君は人間ではないな?」

セイバーとして召喚された老人には、眼前の少年が人間でないとすぐに理解できた。
“眼”を使うまでもない。
彼にはなにか、自分と近しいものを感じるのだ。それも確信に近い強固なものを。
それを問い質すと、

「ああ……俺はホムンクルスだ。でも、普通のホムンクルスとも少し違うのだけど」

なるほど、と腑に落ちる。
自分がセイバーとしてこの少年に喚ばれたのは、起源を同じくするためだろう。
すなわち、“フラスコの中の小人”――人によって生み出された生命、ホムンクルスである。
当然自分とは違う創造主に生み出されたはずだが、魂は似通るものか。

「君はどうしたいのだ。この戦いを勝ち抜いて叶えたい願いはあるのかね?」
「いや、ない。正直、なんで自分がここにいるかもわからない」
「では、戦う気もないか?」

これを肯定するのなら、セイバーは去るつもりだった。
彼は生前、力を尽くして戦い抜き、果てたのだ。
今更聖杯に望むことなどない。二度目の生など得て、あの戦いを陳腐なものにはしたくない。
呼び出された手前、マスターの意向には従おうと思っていたが、戦わないならそれまでだ。

「……これが聖杯戦争だというのなら。命を落とす者は必ず出る。俺のように、訳もわからず巻き込まれた人もいるかもしれない」

少年は頭を振る。
その眼に未だ迷いはあれど、強い輝きも見て取れる。
何色にも染まっていない、まっさらな白。
生まれたての赤子のような無垢な魂。

「なら……俺は、助けたい。あの人が俺を救ってくれたように、あの人がくれた力で……誰かを、助けたい。
 願いというなら、これが俺の願いだ。戦いを止めて、死ななくてもいい人を助ける」
「戦いを止めるか。だが、聖杯戦争においてそれは至難だぞ。多くの者は望んでこの戦場にやってくる。
 その者たちを前にして、君はどんな言葉を語る?」
「それは、わからない。俺はその人達の願いを知らないし……でも、やる前から諦めることはできない。
 だからもし、願いを叶えるために戦うマスターに会ったら、それはそのとき考える」

“あいつ”を笑えないな、と少年は苦笑した。その様子を見てセイバーは思案する。
この少年は非常に危うい。
力こそあれど、それを支える意思、魂があまりにも純粋だ。
しかし、だからこそ――先を見てみたいとも思う。
兄弟たちの誰とも違う。
幼いがゆえに何者にもなれる、可能性の種。
その種子が花開く時、あるいはホムンクルスという作られた生命に新たな答えを見出すのでないか――

「……いいだろう。幼き同胞よ、君を我がマスターとして認めよう。
 君の願い、他者を救い戦いを止める――聖杯を破壊するために、私が君の剣となろう」

聖杯にかける願いなどない。
が、同胞の辿り着く結末を見届けることには意味がある。
ならばこの剣を抜く、この瞳を開く理由としては充分だ。

「いいのか? あなたにだって願いがあるはずなのに」
「構わんよ。君と共に往けば、私も何か得るものがあるだろうからな」

セイバーは眼帯を解き、蛇の印が刻まれた瞳でマスターとなった少年を見る。

「私の真名はキング・ブラッドレイ。よろしくな、ジークくん」

二人の“ホムンクルス”は出会った。
それは、二人の“セイバー”が出会ったということでもある。


357 : ジーク&セイバー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 20:28:14 YzpO7dkc0

【クラス】
 セイバー
【真名】
 キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師(原作版)
【パラメーター】
 筋力B 耐久C 敏捷B+ 魔力D 幸運B 宝具D
【属性】
 秩序・悪
【クラススキル】
 対魔力:C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
 騎乗:E セイバーのクラスが本来備えるスキルではあるが、大総統に登り詰めた後は自分で乗り物を運転することはなくなったため劣化している。
      車やバイクなど生前の知識の範疇にあるものは操縦できるが、飛行機や生物などは不可。
【保有スキル】
 カリスマ:D 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
       自ら先陣を切って敵中に突入する勇猛さが、後に続く部下の士気を沸き立たせる。
 心眼(真):A 修行・鍛錬によって培った洞察力。
        窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
【宝具】
「最強の眼(ウロボロス・アイ)」
ランク:D 種別:自己強化宝具 レンジ:1~30 最大補足:10人
 ブラッドレイの眼帯の下の左眼は実は失われておらず、ホムンクルスの印が刻まれた特別製の眼が隠されている。
 この眼は「最強の眼」と呼ばれる魔眼の一種であり、開放すれば飛び交う銃弾すら視認・対応するほどの超絶的な動体視力を与える。
 直接的な破壊を行うものではないため、セイバーの宝具としては魔力消費は極めて少ない。また、英霊となったことで魔術的な隠蔽も看破できるようになった。
 攻撃力を持たない宝具だが、増幅された動体視力をブラッドレイ自身の剣技と掛け合わせることにより真価を発揮する。
 接近戦を行う際、1ターンごとに高確率で先手を取れる。故に前衛職であるセイバー、ランサー、バーサーカーとは非常に相性がいい。
 また、狙われているとわかっているなら飛び道具も高確率で回避できるが、不意打ちには効果を発揮しない。
【weapon】
軍刀(片刃のサーベル)
 アメストリス軍が正式採用している片刃の長剣。
 特別な効果や由来を持たないが、量産品のため破壊されても何度でも魔力で復元が可能。
 ブラッドレイはこのサーベルを二刀流で使う戦闘スタイルを好んでいる。
【人物背景】
 軍事国家アメストリスの指導者である大総統の地位に就く壮年の男性。
 コネや金ではなく、戦場で武功を立ててのし上がった生粋の軍人。左眼は戦闘で失い、眼帯を掛けている。
 その正体は人間ではなく、人間が持つ七つの大罪とされる感情“憤怒(ラース)”の名を冠したホムンクルス。
 ブラッドレイはホムンクルスではあれど、人間として成長する体を有している。それは老いによって能力が低下するリスクを負うが、同時に技術や経験を蓄積できるということでもある。
 彼は銃弾・錬金術の飛び交う戦場を剣を頼りに駆け抜け、屍を積み上げ、ひたすらに戦闘技術を磨きあげた結果、彼は生身で戦車に挑み瞬く間に圧倒するという驚異的な強さを得る。
 自らを生み出した創造主たる“最初のホムンクルス”の命に従い、アメストリス軍を意のままに操り人間と敵対した。
【サーヴァントとしての願い】
 人間たちに敗北し、ホムンクルスの使命から解放された彼はもはや何も望むことはない。
 幼い同胞の行く末を見守るのみ。
【基本戦術、方針、運用法】
 対人戦闘に特化しているため、同じ接近戦を身上とするセイバー、ランサー、バーサーカーとは戦いやすい。
 しかし威力のある攻撃的宝具を持たないため、乱戦になると実力は発揮できない。
 また、アーチャーやキャスターなどに遠距離から攻撃されると反撃の術がない。
 如何にして一対一の横槍が入らない状況に持っていくかが鍵となる。


358 : ジーク&セイバー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 20:29:49 YzpO7dkc0
【マスター】
 ジーク@Fate/Apocrypha
【参加方法】
 ユグドミレニア一族はホムンクルスを製造する際、培養設備の一部にゴフェルの木を使用した。
 よってユグドミレニア製のホムンクルスは体内にゴフェルの木の成分を保有している。
【マスターとしての願い】
 死ななくてもいい者、理不尽に殺される者を救う。
【weapon】
 なし(“黒”のライダー・アストルフォから借り受けた剣を使っていたが、彼本来の所持品ではないため持ち込めなかった)。
【能力・技能】
「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」
 “黒”のセイバーの心臓を得たことにより、令呪を一画使用することで三分間だけ「英雄ジークフリート」へと変身する。
 見た目だけでなく身体能力、戦闘経験、宝具などあらゆる点でジークフリートと全く同一の力を行使できる。
 しかしこの令呪はジークの生命そのものと言えるため、変身することイコール彼の命を削っているとも言える。
 変身するたびに黒い竜の悪夢を見るようになり、負の感情に支配されやすくなるなど精神に変調をきたしていくようになる。
「理導/開通(シュトラセ/ゲーエン)」
 アインツベルンの技術を用いて生み出されたホムンクルスのため、優れた資質の魔術回路を持つ。
 これは手で触れた物質の組成を解析・魔力を変質、同調・破壊を行う攻撃魔術。
【人物背景】
 ユグドミレニア一族がアインツベルンの技術を流用して生み出し、偶発的に自我に目覚めたホムンクルス。
 本来彼らはサーヴァントへの魔力供給をマスターから肩代わりする消耗品として設計された。
 自我に目覚めた彼は、“黒”のライダー・アストルフォの助力を得てユグドミレニアの居城から脱走するが、追ってきた魔術師ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの手にかかり、重傷を負う。
 しかし居合わせたアストルフォに糾弾された“黒”のセイバー・ジークフリートが、自らの心臓を彼へ分け与えたことにより蘇生する。
 この時から恩人であるジークフリートの名を借り、「ジーク」と名乗るようになる。
 サーヴァントの心臓を持つホムンクルスという、歴史上類を見ない存在。
 同胞を救うために飛び込んだ戦いの中で、自らを“黒”のセイバー・ジークフリートへと変身させる特殊な令呪「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」を発現した。
 その後は自らの意志で聖杯戦争を司る監督役たるルーラー、命の恩人であり無二の友でもあるアストルフォとともに聖杯大戦に参加する。
 今回は“黒”のアサシンと遭遇する以前の時間から参加。

 ※通常の令呪は右手、竜告令呪は左手に現れている。
【方針】
 戦いを止める。
 ルーラーやアストルフォを探したい。“黒”のアサシンがいるなら倒す。
 ※記憶を取り戻す過程でルーラーと遭遇していません。


359 : ジーク&セイバー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/03(木) 20:30:25 YzpO7dkc0

以下、「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」を使用した際の「ジークフリート」としての能力。一回の使用につき三分間限定の変身。

【パラメーター】
 筋力B+ 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具A
【保有スキル】
 対魔力:-…「悪竜の血鎧」を所持しているためか、対魔力スキルはない。
 騎乗:B…騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
 黄金律:C-…人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。
         ニーベルンゲンの財宝により金銭には困らないが、代わりに幸運値がランクダウンしている。
【宝具】
「幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)」
ランク:A+ 種別:対軍宝具  レンジ:1〜50  最大捕捉:500人
 竜殺しを為した、呪いの聖剣。原典である魔剣『グラム』としての属性も持ち、手にした者によって聖剣にも魔剣にも成り得る。
 柄に青い宝玉が埋め込まれており、ここに神代の魔力(真エーテル)が貯蔵・保管されていて、真名を解放することで大剣を中心とて半円状に拡散する黄昏の剣気を放つ。
 またグラムと同じく、竜種の血を引く者に対しては追加ダメージを与える。
「悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)」
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:- 防御対象:1人
 悪竜の血を浴びることで得た常時発動型の宝具。
 Bランク以下の物理攻撃と魔術による攻撃をを完全に無効化し、更にAランク以上の攻撃でもその威力を大幅に減少させ、Bランク分の防御数値を差し引いたダメージとして計上する。
 また正当な英雄による宝具の攻撃の場合はB+相当の防御数値を得る。その防御力は赤のランサーの槍撃を受けても微傷程度で済む頑強さを誇る。
 但し、伝承の通り背中にある、葉の様な形の跡が残っている部分のみその効力は発揮せず、その個所を隠すことも出来ない。背中に防具を纏っていないのもそれが理由である。
【weapon】
 「幻想大剣・天魔失墜」


360 : 名無しさん :2014/07/03(木) 20:31:24 YzpO7dkc0
投下終了です


361 : ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:41:02 .N3xb/II0
競争率高すぎィ!

投下します。


362 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:42:18 .N3xb/II0



 ―――勇者という存在がある。天命を定められた英雄ではなく、その使命を神から帯びた者。
 悪を懲らしめ、弱きを助け、闇に包まれた世界を剣で持って救済する勇気ある者。

 勇者は仲間たちとともに幾多の苦難を乗り越え、暗黒に包まれた世界に光をもたらした。
 だが魔が滅び、闇が去った世界に己の居場所はない。
 父は死に、もはや母の元に戻ることも叶わぬ。―――もう勇者に、帰る場所はなかった。

 “あぁ―――だが、それでもいい。何の後悔もない。自分は確かに、救えたのだから”

 そう希望を胸に灯し、任を終えた勇者は姿を消した。
 苦楽を共にした仲間たちと笑顔で別れ―――そして老い、勇者としての力を失った頃、誰に看取られることもなくひっそりと息を引き取った。

 自分が去った後、いずれ再び闇は襲い来るだろう。
 だが―――大丈夫。神に選ばれた勇者は、人類の可能性を限りなく信じていた。
 どれだけ闇と悪が跋扈しようとも、人類は必ずや魔を打ち破り光を見出すと。

 ―――事実、勇者が英霊の座に昇った後も、それは続いた。

 ある勇者は、竜の王を討ち倒した。ある勇者は、破壊の神を討ち倒した。

 勇者の子孫が死に絶えた後も、戦いは続く。

 ある勇者は、世界を根絶やしにしようとした魔王を討ち倒した。
 ある勇者は、“光の神”として人類を欺いた魔王を討ち倒した。
 ある勇者は、狭間の世界に君臨する魔王を討ち倒した。
 ある勇者は、神になり変わっていた魔王を討ち倒した。
 ある勇者は、暗黒の神を討ち倒した。

 そして世界すらも越え、魔と人類は殺しあった。

 時の勇者が、力に溺れた魔王を討ち倒した。
 伝説を継承する勇者と巫女が、大邪神を討ち倒した。
 鋼の勇者が、遥か彼方より飛来した機甲の魔王を討ち倒した。
 光の勇者が、神の踊り子の末裔と共に魔王を封印した。
 そして時には、勇者が魔王へと転ずることすらあった。

 光ある限り闇もまたある―――光ある限り、再び闇は動き出す。
 正義と悪は、光と闇は、秩序と混沌は表裏一体。
 互いに喰らいあい、闘争という名の永遠のロンドを繰り返す。

 時を越え、世界を越えてまで人と魔は争い続ける。
 数えきれぬ戦争と、数えきれぬ流血を繰り返し、闇と光は互いを喰らい続ける。

                                     ・ .・  .・ .・ ・ .・ ・ .・ ・ .・ ・ .・ ・ .・ .・
“あぁ、そうさ。人類は負けない。最後には必ず勝つ。―――だが、いつまでこれを繰り返すのだ?”


 このあり様を、座から見続けていた勇者の心はとうに掠れ果てていた。

 いつまで戦えばいい? いつまで人類は苦しみ続ける?
 人と魔は、勇者と魔王は、いつまで戦い続けるというのか。

 英雄が魔を討ち倒すまでにも人は死ぬ。母が死に父は敗れ子の涙が地を濡らす。

『ゆうしゃよ よくぞわしをたおした。しかし ひかりあるかぎり やみもまたある。わしにはみえるのだ。ふたたびやみから なにものかがあらわれよう。だがそのときは おまえはとしおいて いきてはいまい。わはははは……』

 この戦いに終わりなどありはしない。
 宿敵の嘲笑う声が虚霊する。永遠に、永遠に―――


363 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:43:45 .N3xb/II0



 ▼



 命蓮寺、本堂―――
 甲冑を着け、宝塔を持つ天部の神の像に見下される形で、一人の“元人間”と、一人の“英雄”が向かい合っている。
 座布団に行儀よく正座し語らう彼女たちの姿は、見ようによってはお見合いにも見えるかもしれないが、その会話は一方的なもの。
 グラデーションのかかった長い金髪の女性が話しかけ、蒼い甲冑を身につけた英雄は頷くか、短い答えを返すのみ。
 どうやら彼女―――“八苦を滅した尼公”聖白蓮の召喚したサーヴァントは、恐ろしく無口な性分らしい。

「ええと、困っちゃったわね。ここからは私が勝手に話すけど、それでもいい? 何分お婆ちゃんのすることだから、つまらない長話になったらごめんなさい」

 自身のことを『お婆ちゃん』と呼ぶ妙齢の女性に対し、サーヴァント―――“セイバー”はただ「はい」と短い答えを返した。
 セイバーの顔は兜と一体化した仮面により隠されており、その表情を読み取ることはできない。だが聖は安心したようにほっと息を吐く。

「改めて自己紹介をさせていただきます。私の名は聖白蓮。僧籍に身を置き、命蓮寺にて住職を務める者。この『聖杯戦争』を戦う同志として、よろしくお願い申し上げます」

 三指をつき、尼公はセイバーへと丁寧に頭を下げる。
 礼を示されたのだ。聖杯戦争を共に戦う仲間として、こちらも真名を明かすのが礼儀だろう。
 己の英雄としての名を告げようとするが―――セイバーの口は、思うように動かない。

「ああっ、いいんですよ無理をしなくて。あなたの能力は“ますたぁすきる”である『透視』で既に読み取っています。
 真名には少しモヤがかかっていましたが、それも少し目を凝らせば見えました。最初は『あら、いやだ。老眼かしら?』と思ったのだけど、そういう宝具なのですね」

 セイバーの宝具には、真名秘匿の能力が含まれる。
 しかしそれも自身のマスターである聖には有効ではなかったようだ。

「……あなたの過去と、その想いについては理解しました。それを踏まえて、今度はわたくしのことをお話しましょう」

 そして尼公は、ぽつりぽつりと語りだす。
 極東の国の山奥、巨大な結界によって隔離された『楽園』。
 文明の発達した現代の人間社会『外の世界』の裏で人間、妖怪、神が共存しているという郷。
 遥かな昔に廃れ、現在でも衰退し続ける『神秘の力』が当たり前のように存在している世界。
 それが『幻想郷』だ、と。そして彼女はその『楽園』からやってきたのだと。
 ―――人間と、人ならざるものが共存する地。セイバーの常識ではとても考えられない世界だ。


364 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:45:29 .N3xb/II0


 魔は、人を喰らう。光を喰らわねば、闇は存続できぬ。
 それこそが永劫に人類と魔が争い続けた根本的な原因。
 人類を『餌』としか見ない魔がいる世界で、人類が平穏に暮らすなど出来るわけがない。

「えぇ……残念ながら、幻想郷でも人を喰らう妖怪や吸血種の類は存在します。……ですが、全ての妖怪が人を喰らうことを是とするわけではないのです」

 八苦を滅した尼公は語る。
 人間を殺傷しなければ存続できぬ妖怪が命蓮寺―――仏門に帰依し、殺生を止めることで功徳を積んでいると。
 そして最終的に神や仏など、人類に益となる上位存在になる事を目指し、日々修行に励んでいると。

 ―――ガツンと、大金槌で頭を打たれたかのような衝撃だった。
 ありえない。出来るわけがない。魔が人を喰らうことを止め、それどころか聖者となるべく悟りを開こうとしているなど。
 あり得るわけがない。

「そんなことはありません。神も妖怪も、本質的には同質のものです。人間に敬われるか、怖れられるかの違いでしかないのです。『人』も『妖怪』も『神』も『仏』もみな平等。全ては同じなのです」

 では尼公、貴女の願いは―――

「はい、私は『方舟』の力により、人間と妖怪の平等なる社会を実現します。そして全ての世界に平穏をもたらすのです」

 無論妖怪のカテゴリには、悪魔、魔物、悪神など、“魔”に類する全てが含まれる。
 だが、それは魔と比類し得る強者だけの理論ではないのか? 人と魔が立場を同じくすれば、弱者である人間は喰らわれるだけではないのか?

「守ります。人間からの不当な迫害を受ける妖怪も、妖怪から虐げられる人間も、仏の教えを説き救い守りましょう」

 八苦を滅した尼公は、人間の味方であり、妖怪の味方でもある。どちらかが一方的に虐げられることなどあってはならない。
 良い妖怪も悪い妖怪も一緒くたに退治されることも、人間が虐殺されることも、どちらも等しく許してはならない。

 人も魔も、対等な立場で互いを理解し合う世界。
 それこそが永劫に続く光と闇の争いを終結させる方法ではないのか。

「セイバー、私とともに、人も妖怪もみなが共に暮らせる世界を目指してみませんか。願わくばそれが、あなたの救いとなりますように―――」

 >はい
   いいえ

 再び希望を胸に灯し、蒼穹の勇者は差し出された白い手を握る。
 ―――我が道筋に、光明を得たり。“勇者伝説の始祖”は、再び剣を取る。


365 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:47:09 .N3xb/II0

【クラス】セイバー
【真名】勇者ロト(DRAGON QUESTⅢ 〜そして伝説へ〜)
【属性】秩序・善
【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運A 宝具A++
【クラス別スキル】
 対魔力:A
 A以下の魔術は全てキャンセル。
 事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
 鎧の効果により大幅にランクアップしており、火炎や氷結への耐性の他
 非戦闘時に限りHPが自動回復する効果も含まれる。

 騎乗:A+
 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。ただし、竜種は該当しない。

【保有スキル】
 勇者:A+++
 正しき精神と信念を持ち、英雄的運命を辿る勇気ある者。
 悪に組みせず屈せず、属性が悪である相手からの精神干渉を無効化する。
 また良し悪しを別にして異常な事態や状況を招きやすい。

 勇者伝説の始祖とも言えるセイバーの勇者としての格は、最高クラスと言える。

 精霊の加護:A
 精霊ルビスからの祝福により、危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる能力。
 その発動は悪しき者どもとの戦いのみに限定される。

 見切り:B
 敵の攻撃に対する学習能力。
 相手が同ランク以上の『宗和の心得』を持たない限り、
 同じ敵からの攻撃に対する回避判定に有利な補正を得ることができる。
 但し、範囲攻撃や技術での回避が不可能な攻撃は、これに該当しない。


366 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:48:24 .N3xb/II0


【宝具】
『闇祓う蒼穹の神器(フォース・オブ・ロト)』
 ランク:D〜A++ 種別:対人、対城宝具 レンジ:1〜1000 最大捕捉:1〜1000人
 かつて大魔王を討伐した際に使用した勇者の剣、鎧、盾、兜、装飾品の総称。
 鎧は各種耐性を付与し、兜には真名秘匿効果が含まれる。
 中でもオリハルコン製の聖剣、『王者の剣(ソード・オブ・ロト)』は勇者に対する救世の信仰と、
 精霊ルビスからの祝福により神造兵器レベルの神秘を有している。

 またあまりに多くの魔物を斬ってきたために、“魔”に類する対象に対して追加ダメージを与える。
 真名開放を行うことで、全てを斬り刻む大竜巻を発生させるが、使用した瞬間セイバーの真名は露呈してしまうだろう。

 【Weapon】
 ロトの装備のみ。呪文はクラス制限に引っかかるため置いてきた。

 【人物背景】
 ドラゴンクエストⅢの主人公。初代勇者であり、勇者伝説の始祖。
 仲間と共に各地を周りオーブを集め、全世界に平和をもたらした。
 しかし大魔王討伐後、自らの装備品を残し大衆の前から忽然と姿を消してしまう。
 その後人知れず死去し英霊の座に昇るが、果てなく続く“勇者と魔王”の戦いに精神を摩耗させる。

 性格は恐ろしく無口であり、基本「はい」「いいえ」か、「バッチリがんばれ」など極簡単な作戦命令しか行わない。
 ただの口下手なのかもしれない。

 【サーヴァントとしての願い】
 永劫に続く“勇者と魔王”の物語を終結させる。


367 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:49:48 .N3xb/II0


 【基本戦術、方針、運用法】
 『最優のクラス』に相応しく安定したパラメータを誇る。
 どの相手とも安定して戦える能力を持つが、真名解放を行った『王者の剣』の破壊力が高過ぎるため使える場所や状況が限られる他
 真名が完全に露呈してしまうというリスクも秘めている。
 呪文も置いて来ているため、マスターとともに接近戦で「ガンガンいこうぜ」

 【備考】
 彼の真名は『ああああ』、『くっきい』、『アベル』、『あまの』など複数の説が存在し、
 またその性格も『ねっけつかん』、『きれもの』、『おちょうしもの』、『むっつりスケベ』など伝承によりまったく異なっている。
 便宜上“彼”と記しているが、当然のように女性説が存在しているため、セイバーの性別すら不明となっている。

 この逸話から真名はもちろん宝具や固有スキルといった重要な情報を隠蔽する能力が兜に付与されており、
 手にした剣の意匠から敵が真名を想起するのを阻害する。
 (というかご丁寧にも刀身に『DRAGON QUEST』とルーン文字で刻まれているため、この能力がないと真名が即バレする)

 勇者としての名だけが伝えられ、真実の姿が消失してしまったことから得た能力。
 ―――ただロトという称号のみが残る。

 ※ロトの兜については『鉄仮面説』、リメイク版での『オルテガの兜説』などが存在しますが、ここでは前者を採用しています。
 (グラフィック的には後年(ドラクエ1・2時代)に作り直されたのかも)
 (というか『オルテガの兜』だったとしても、オルテガのグラが覆面パンツなのでやっぱり顔を隠すタイプの兜なんじゃ(ry)
 ※見切り能力はセーブ&ロードや、ゲームを攻略するプレイヤー側の学習・対応能力として付与しました。


368 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:50:42 .N3xb/II0


  【マスター】
 聖白蓮@東方Project

  【参加方法】
 空飛ぶ穀倉「飛倉(とびくら)」からゴフェルの木片を入手。
 かつては「空を飛ぶ力を持った宝物の数々」「人間を改心させる宝物」など法力のこもった宝物や物品等などが大量に所蔵されていたようだが、白蓮が封印されている間に賊によって奪われ、世界に散り散りになり失われてしまったらしい。
 その中で残っていた、数少ない宝物の一つがこの『方舟』の一部、ゴフェルの木片である。

  【マスターとしての願い】
   人も妖怪も平等に生きられる世界の実現。
 しかし人妖平等といっても対象は弱い虐げられてる妖怪である。人間側に一方的な譲歩を強いるものではない。
 彼女が仏教を教えているのも、仏教の世界では人間が死を迎えても消えてなくなるわけではないという考え方を妖怪にも教える事で、存在を高めて妖怪が自分の力や存在の維持の為に人に危害を加える事や怖れさせる事で存在を誇示するという事が必要なくなるようにするためである。

  【weapon】
「魔人経巻(まじんきょうかん)」
 聖が所有する虹色の巻物。エア巻物。聖の能力の補助であり要。
 振りかざしただけでお経を唱えた事になる無詠唱機能(オート読経モード)を搭載している。
 長大な経典を上から下に流し開くことによって“読み上げた”と見立てる、「転読」と呼ばれるお経の読み方の一種の応用。


369 : 序曲 ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:53:01 .N3xb/II0

【能力・技能】
 魔法を使う程度の能力。
 しかし一般的にイメージされる魔法使いとは違い、その傾向は身体能力の向上に重きを置いている。
 独鈷杵を柄に見立て、ビームサーベルによる斬撃も行うなど格闘戦のエキスパートである。
 ちなみに能力を使わない時の身体能力は普通の人間と変わらない。
 そのため彼女と交戦するならばそこを襲うべきである。(by東方求聞史紀著者)

 ※型月的な設定と照らし合わせるならば、「魔術を使う程度の能力」である。

【人物背景】
 実在する伝説の僧侶、命蓮上人の実姉。
 弟である彼から法力を学ぶが、命蓮の死を切欠に死を極端に恐れるようになり、法術ではなく妖力、魔力の類により若返りと不老長寿の力を手に入れた。

 性格は礼儀正しく温厚、包容力を有する、まさに聖人と呼ばれるような人物。
 その人柄ゆえに人間からの人望も非常に厚かったが、不当な迫害を受ける妖怪達を保護していたことが露見すると一転、悪魔扱いされ魔界に封印された過去を持つ。

 博愛主義者であるが、人間にはこの限りではない場合も多い。
 事実、『東方星蓮船』BADエンドでは霊夢、早苗、魔理沙の三人が魔界に監禁され、彼女の思想に影響を受けたり。
 (これは彼女たちが幻想郷において、『強者』に分類されるからかもしれないが……)

【方針】
 力も方便。「ガンガンいこうぜ」
 まずはセイバーの力の程を試してみたい。

 ※聖たちは現在ムーンセルにより再現された「命蓮寺」を拠点としているようです。
 ※幻想郷から脱しているため、聖の能力が劣化していたり、燃費が悪化している可能性があります。


370 : ◆/Q5EWoTDcQ :2014/07/03(木) 20:53:56 .N3xb/II0
投下終了です。


371 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:05:13 00UCcrw.0
志筑 仁美@魔法少女まどか☆マギカ、キャスター
投下します


372 : 志筑 仁美@ ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:12:12 00UCcrw.0


―――大切なお友達がいました。

毎日三人で学校に通って。
昼休みには仲良くお話しして。
帰り道では笑顔で別れの言葉を言って。
また明日会えるなんて、わくわくしながら寝床に着いて。
穏やかで特に変化のない、だからこそ幸せな日々。
でも、そんな当たり前の日常はもう存在しない。
死んでしまえば、幸せなんていとも簡単に終わってしまう。


『あなたは――――――本当の気持ちと向き合えますか?』


全部、私のせい。
私が『友達』を、追い詰めてしまったから。
私が『あの娘』、を死に追いやってしまったのだから。

何もかも、やり直せれば良いのに。
無かったことに出来れば良いのに。
また、会いたい。

美樹さんと――――会いたい。

そう願った私を導いたのは、お父様のお知り合いから貰った古びたお土産。
ただの変わった人形でしかないと思っていました。
だけどそれは、私を戦いへと誘う『道しるべ』でした。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「――――――あああぁあァァァァァァアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!」


彼は、怒り狂っていた。
何度も何度も慟哭し、何度も何度も壁を殴り。
その拳を紅く滲ませながらも、憤怒の表情で叫び続ける。

「おのれェ!!赦さん…決して赦さぬぞッ!!!」
「…キャスター、さん?」
「おのれ神よ!おのれ聖杯よッ!!『彼女』をまだ罪に縛り続けるのかッ!!?
 決して赦すものか!『あの御方』を解き放てるのは私しかいないッ!!」

歯軋りをし、天へ向かって『彼』は、サーヴァントは罵声を上げ続ける。
怒りに震える『彼』を傍で驚きつつも心配する様に見ているのは、緑色の髪の少女――――『志筑 仁美(しづき ひとみ)』。
その手の甲には紅い紋様―――令呪が浮かんでいる。
そう、彼女もまたこの聖杯戦争に召還されたマスターの一人。
願いを抱え、何の力も持たないまま、偶然のきっかけでこの世界へと召還されてしまった少女。
怒りによって狂う自らのサーヴァントを動揺しつつ見ている。
表情には僅かに恐怖も混じっている。
しかし、それと同時に――――どこかサーヴァントを案じているかのような様子も見せていた。
そんな彼女が、問いを投げかける。

「そうだ、取り戻せるのは――――――」
「貴方も……大切な人を、取り戻したいんですか?」


373 : 志筑 仁美&キャスター ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:28:45 00UCcrw.0


「ええ、その通りです!私はこの目で確かに見た!聖処女ジャンヌ・ダルクの御姿を!
 だがあろうことか傲岸なる神はジャンヌを未だ天より苛め続けている!!
 あの御方は『裁定者』の役目を与えられ、束縛されているのですッ!!」


彼は――――キャスターは、捲し立てる様に叫ぶ。
ぎょろりと飛び出た目に宿るのは熱意。
自らの呪われし使命感に囚われてしまった狂気。
そして、死後も尚敬愛する者に対して貫き通す殉教。
その姿からは狂気さえ感じられる。
その使命は、彼を縛り続ける呪いの様にさえ見える。


「…私も、同じですわ」


――――そんな彼に対し、彼女は言葉を紡ぎ出す。


「私もあなたと同じ。失ってしまった『大切な人』を取り戻す為に、此処に来ました。
 …全て、私のエゴだということも解っています。それでも、私はあの娘に…美樹さんとまた、会いたい」


どこか異常なキャスターに対する恐怖は確かにあった。
箍が外れた様に喋り続けるキャスターからは狂気さえ感じた。
しかし、それと同時に感じたのは『共感』。
ジャンヌ・ダルクのことは知っている。
神の啓示を受け、フランスの英雄として戦ったという聖人。
最後には異端審問に掛けられ、魔女として処刑された悲劇の人物。
サーヴァントは古今東西の英雄が再現された―――とは、予選を勝ち抜いた瞬間から理解している。
恐らくこのキャスターは、彼女と縁がある人物なのだろう。
死を迎えた彼女を、大切な者を求めて彷徨い続ける。
キャスターに対して抱いたのは、同情のような哀れみ。
どこか私と似ている。少なからず彼女はそう感じていた。
尤も―――――彼と違い、私は大切な者を『自ら死に追いやってしまっている』。
そう、私は狡い人間だ。


「そう!私があなたの召還に応じたのはその為です!!
 大切な者を、敬愛する者を取り戻すという願いを抱えた貴女ならばと感じ、馳せ参じたのです!


374 : 志筑 仁美&キャスター ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:39:59 00UCcrw.0


仁美に近付き、どこか興奮した様子で語り掛けるキャスター。
『大切な者』を取り戻す―――――彼は仁美の『願い』に引き寄せられる形で召還された。
聖処女ジャンヌ・ダルクの復活という願いを抱え、戦争へと馳せ参じた。
しかし彼はこの地に召還される直前、重大な事実を知ってしまった。

聖処女ジャンヌ・ダルクが方舟にいるということを。
聖処女ジャンヌ・ダルクが『裁定者』として召還されたことを。
聖処女ジャンヌ・ダルクが死後も守護者として縛られ続けていることを。

―――――彼女は未だに、神によって束縛されているということを!

故に彼は聖杯を手に入れることへの執着を更に強めた。
全てはジャンヌを解放する為に。
陵辱の末に殺され、死後も尚傲岸なる神に縛られ続けている聖処女を聖杯より解放する為に。
狂気に囚われていた彼は――――己の使命を妄信していた。
敬愛する英雄を卑しき檻より解放すべく、彼は月の聖杯を掌握すべく。
同じ願いを抱える少女と戦うことを決意していた。


「さあ、共に戦いましょう!私達に出来ることは解放の為の戦いなのですからッ!!
 裁定の座より照覧あれ!聖処女ジャンヌよッ!!
 このジル・ド・レェめが月の聖杯を掌握し――――――貴女を卑しき檻より解放致します!!」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


かくして、私は聖杯戦争へと身を投じました。
だけど、本当の意味で覚悟を決められた――――とは、とても言い難い。
この戦いに勝ち残るということは、他のマスターの願いを踏み躙るということ。
時にはその命を奪うことにさえ繋がる。
私に、それが本当にできるのでしょうか。

本当に、私に戦うことが出来るのか。
本当に、私がキャスターさんと共に聖杯へと至れるのか。
本当に――――他者を踏み台にしてでも、勝ち残ろうとすることが出来るのか。

今はまだ、解りません。
だけど、答えを導き出すべき時は必ず訪れるでしょう。


375 : 志筑 仁美&キャスター ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:41:07 00UCcrw.0

『マスター』
志筑 仁美(しづき ひとみ)

『参加方法』
ムーンセルによる召還。
父親の知り合いから貰った土産物がゴフェルの木片によって作られていた。

『マスターの願い』
美樹さやかともう一度会いたい。

『weapon』
なし

『能力・技能』
異能の力を持たない一般人。
お嬢様らしく一通りの習い事はしており、相応の教養は身に付いている。

『人物背景』
見滝原中学に通う中学二年生。
温和な性格のお嬢様であり、親友の鹿目まどかと美樹さやかにも上品なお嬢様言葉で話す。
習い事で非常に忙しいためまどか達と一緒にいられる時間が少ない。
魔法少女ではなく、あくまでまどかとさやかの友人ポジションである。
さやかの想い人である上条恭介に想いを寄せており、作中でさやかに自分の気持ちを吐露する。
その後恭介に告白しなかったさやかの代わりに告白し、恭介と交際。
しかしこのことが魔法少女として心身共に疲弊していたさやかを追い詰める要因となってしまう。
結果としてさやかは魔女化し、魔法少女の存在を知らない仁美は「家出の末の衰弱死」としてさやかの死を知ることになる。

『方針』
聖杯を手に入れたい。だが戦うことに迷いあり。


376 : 志筑 仁美&キャスター ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:42:30 00UCcrw.0

『クラス』
キャスター

『真名』
ジル・ド・レェ@Fate/Zero

『パラメーター』
筋力:D 耐久:E 敏捷:E 魔力:D 幸運:E 宝具:A+

『属性』
混沌・悪

『クラス別スキル』
陣地作成:C
工房の形成が可能。

道具作成:-
宝具による召喚能力を得た代償に道具作成スキルは失われている。

『保有スキル』
精神汚染:A
精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を一定の確率でシャットアウトする。
ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。

芸術審美:E-
芸術作品、美術品への執着心。芸能面における逸話を持つ宝具を目にすれば低確率で真名を看破する。

『宝具』
「螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)」
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:100人
それ自体が魔力炉を内蔵した魔導書。
キャスター自身は正規の魔術師ではなく魔術の素養も無いのだが、代わりにこの魔導書が魔術を行使している。
言うなれば、「ジル専属の魔術師」である「宝具」。
所有者の技量に関係なく魔導書そのものが大魔術・儀礼呪法を代行し、具え持つ属性に従って深海系の水魔の召喚を行う。
このためキャスター本人は呼び出した海魔を使役するだけで良い。
海魔の一体一体の戦闘力はサーヴァントと比べるべくもない弱さだが、種別が対軍宝具であるのは伊達ではなく数十体を召喚可能。さらに倒された海魔自体を媒体に新たな海魔を召喚可能であり燃費も良い。また、使役することを度外視すれば超巨大な海魔を召喚可能(制御は出来ない)。
ただし、あくまでも「魔導書が行っている召喚魔術」であり、召喚そのものは「宝具の奇跡」ではない。召喚中の魔物は常時魔導書からの魔力供給がなければ現界を保ってはいられず、一瞬でも供給が途切れると消滅する。

『weapon』
なし

『人物背景』
百年戦争でフランス軍元帥を務め、救国の英雄とまでいわれた騎士。
しかし敬愛する聖処女ジャンヌ・ダルクの死をきっかけに狂気に囚われ、領民を虐殺する悪鬼へと墜ちた。
生前は深い信仰心の持ち主であったが、ジャンヌが異端として処刑されたことで深い絶望を味わい、神を見失う。
彼の残虐行為は、悪徳を罰する筈の神の不在を証明する手段でもあった。
残忍・狡猾な性格であるが、慎重とは言い難い。
聖処女ジャンヌ・ダルクが聖杯の裁定者として縛られ続けている(少なくともジルはそう捉えた)ことを知り、彼女を解放する為に召還に応じる。
尚、マスターが魔力回路を持たない為ステータスに多少弱体化が見られる。

『サーヴァントの願い』
聖杯を掌握し、ジャンヌを裁定者の座から解放する。

『基本戦術、方針、運用法』
方針に関しては一先ず優勝狙い。
ほぼ無限に召喚が可能な海魔による物量作戦が基本戦術。
シンプルな戦法ながら圧倒的な数の利を誇り、対人宝具しか持たない相手への効果は絶大。
海魔自体の強さはそれほどではなく、対軍宝具を抱える相手に対しては不利。
ただし制御を度外視して召還した大海魔ならばその限りではない。
能力は宝具頼りの為当人の実力は低いが、かつて一軍を率いた将としての戦術眼は持ち合わせている。
宝具の特性によってマスターへの負担が小さいので、戦闘時はキャスター自らが打って出て数の力でガンガン押し切ろう。


377 : ◆QyqHxdxfPY :2014/07/03(木) 21:43:04 00UCcrw.0
投下終了です。
投下間隔が空いてしまい申し訳ございません。


378 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 21:46:18 OtIk5jHw0
投下お疲れ様です。

光熱斗、アーチャーで投下します


379 : 光熱斗&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 21:48:38 OtIk5jHw0


 あの日少年は兄を救う事が出来ず己の無力を痛感してしまった。
 全ての電脳を支配し世界を闇に染める犯罪者達と戦いを続けてきた少年と兄。
 一度は彼らの野望を打ち砕き世界から脅威は去り、彼らは英雄として讃えられた。
 平和な生活を送ってきたが犯罪者達は再度結集し世界と電脳を手中に収めようとしていたのだ。
 少年達は再び仲間と共に立ち上がり犯罪者達と世界のために戦ってきた。

 そして犯罪者達のアジトを突き止め少年達は決着のために乗り込んだ。
 電脳世界だけではなく現実世界にも危害を加えてくる犯罪者達、孤立する少年達。
 一人、また一人数が減っていきながらも少年と兄は親玉の元へ辿り着いたのだ。
 決着を着けるために少年は電脳世界に意識をリンクし――彼らは世界を救うことに成功した。

 崩壊を始める電脳、意識を現実世界に戻すためには始まりの場所に元へ戻らなければならなかった。
 道中を引き返す少年と兄、目の前に辿り着いた時、電脳のバグが少年を引きずり込まんと足掻き始める。
 救ったのは兄、囚われたのは兄だった。
 兄は少年を助けるためにその身を犠牲にしたのだ、そして告げる『ありがとう』と。
 少年は拒んだ。嫌だ、別れたくない。『また』別れたくない、と。
 されど現実は非常。バグは兄を飲み込み少年は現実世界へ意識を戻した。
 救われたはずの少年の心には永遠の闇が蔓り太陽が昇ることはなく、深く深く……否。

 少年は兄の分も生きなくてはならないのだ。
 兄は二度目の死を迎えたが少年は生きている、託された者は夢を描く権利がある。
 彼は変わった。一人で朝起きるようになり、宿題も毎日こなし……立派に成長していた。
 だが……心に空いた穴は塞がらず……その時電脳世界でひとつの噂を手に入れた。

『願望の器『聖杯』を争う一つの噂』を。


380 : 光熱斗&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 21:49:56 OtIk5jHw0

 最初は信じることが出来なかった、願いが叶う軌跡なんて存在しない、と。
 ムーンセル・オートマトン、方舟、サーヴァント……裏の世界にも書き込まれていた言葉。
 裏の掲示板で確信した、これは存在するゲーム。触れてはいけない禁忌の遊びだ。
 少年は闇から世界を救った少年だ。こんな闇のゲームを潰す……普段ならそうしていた。
『願いが叶う』この言葉は少年の心に空いた穴を塞ぐように浸透し彼は決意した、参加すると。

 参加の資格を得るために少年は必死に情報を集めた。
 ネットナビがいない今、ハッキングを行うには自力で突破するしか無い。
 彼の父親は世界を代表する科学者だが頼めば確実に止められるため頼ることは出来ない。
 
 かつて悪の犯罪者だったとある店長に情報を求めるも拒まれた。
 君が闇に染まる必要はない、考え直せ、止める。全てを拒まれた少年は店を後にする。

 最後に辿り着いたのは好敵手とも呼べる存在の元だった。
 彼は同じ小学生でありながら世界を守る国際組織に身を置いている、設備や情報なら一般人の遥か上をいく。
 必死に頼み込むも少年は彼を拒んだ、『俺の知っているお前はこんな奴じゃない』無常にも言葉を吐き捨てる。
 それでも彼は諦めずに頼み込むが少年は彼を殴り……それから彼らが言葉を交わす事は無かった。

 少年は全ての可能性を絶たれ聖杯を諦めざるを得なかった。
 元々在りもしない奇跡に縋るのが間違いであり少年は心を入れ替える、開いた穴を放置したまま。
 そして少年が小学六年生に進学する前日。一つの荷物が送られてきた。

 送り主は不明だが少年宛に送られた、何かのサプライズだと思い少年は箱を開ける。
 そこには見たこともないノートパソコンが一つ。
 もう一つが――聖杯戦争に参加する資格である『木片』が少年に送られていた。







 少年の心臓は鼓動を止めない、それも短い感覚で鼓動を鳴らし続ける。
 何故、誰が、どうして、自分に、どのように、目的は……全てが謎に包まれているが言える事は一つ。
 少年は願いを叶える権利を得た、それさえ分かれば充分でありもう一つの物体、ノートパソコンを立ち上げる。

 睨んだ通りパソコンのスペックは少年が知るどのパソコンよりも圧倒的に高く科学省のレベルを軽く超えていた。
 初めて行うハッキングだが詰まることはなくプログラムを次々と解析していた。
 これなら出来る、兄さんに会うことが出来る……最後のプログラムを解析すると少年の意識は電脳世界に吸い込まれるように消えた。


381 : 光熱斗&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 21:52:55 OtIk5jHw0


「……ん、ここは……?」

 見知らな公園のベンチ、少年が気付いた時辺りは暗い夜の野外だった。
 何故自分が寝ていた事も覚えておらず、それまでの行動も思い出せない。
 場所も分からなければ時間も分からず少年は少し考え込む。
 けれど答えは出て来なく、悩んでいてもしょうがないため歩き出す。
 行き先は分からない。まずは人と出会い場所を聞く、それから後の先を考えればいい。

「……っ…………と…………」

 声が聞こえる、それも聞いた事のある懐かしい声。
 場所は見知らなぬが声は知っている。しかし何故この声が今聞こえてくるのか。

「……ね……っ……」

 この声の持ち主を知っている、それも確実にだ。聞き間違える筈がないのだ。
 だが理由が解らない、何故だ、何故この声が、この持ち主が此処に居るのか。
 腕を見れば令呪と呼ばれる紋章が描かれている、奇跡が起きた。

「と……っ……ねっと」

 そんな事は問題ない、少年はこの声が聞ければそれでいい。
 もう一度。二度と名前を呼んで貰えるとは思ってもいなかった、奇跡に涙腺が緩む。
 振り向けば君が居る。会いたかった彼が。聖杯に懸ける願いが叶ってしまう。


「熱斗!!」


「兄さん……彩斗兄さんッ!!」

 そこには永遠の別れを告げた兄が確かに存在していた。


382 : 光熱斗&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 21:55:33 OtIk5jHw0


 全速力で熱斗は走る、その先には二度目の死を迎えた自分の兄である彩斗。
 ロックマンと呼ばれるネットナビに再度転生を果たした兄が再び自分を迎えてくれた。
 そのまま抱きついた熱斗は涙を流しながらその感覚を、彩斗の存在を感じていた。
 ネットナビとして長い時間を共に過ごしていたが生の実体として触れ合うのはとても久しい。
 この感覚を忘れたくない、永久に――熱斗の願いはこの瞬間叶っていた。

「僕も会えて嬉しい……嬉しいよ熱斗」

「うぅ……兄さん、俺……辛かった……」

「ごめんね熱斗……でも聖杯戦争に参加何て君は何をしているんだい?
 パパやママには言ってないよね? ……僕が熱斗を守るよ、でもこれ以上無茶は駄目だからね」

 聖杯戦争は遊びなどではない。『戦争』。その文字通りである。
 参加をした熱斗に途中退場何て存在しなくこれから待っているのは血を流す戦争だけ。
 彩斗は熱斗に辛い想いを味あわせたくは無く再び彼を守るために戦う決意をする。

「ごめんなさい兄さん……でも俺も戦う……俺だって兄さんのマスターだ……逃げるわけにはいかない!」

「熱斗……分かった。なら僕も再びロックマンとして君と一緒に戦う……よろしくね! 熱斗くん!!」 
 
 この言葉が熱斗を再びネットバトラーとして覚醒させる。
 この電脳は自分も一緒だ、もうロックマン一人を危険に遭わせる必要がない。
 出来る、今度は一緒に。もう一度兄さんと一緒に戦える。

「よろしくなロックマン! やるからには頂点を目指そうぜ!」

 願いが叶った少年は前を向く。
 その行き先は頂点、兄さんとなら何処までだって進める、誰にも止められない。
 この思い――兄弟の絆は誰にも断ち切れない。





【マスター】光熱斗@ロックマンエグゼ

【参加方法】ハッキングを行い自らの意思で参加(木片は何処からか送られてきた)

【マスターとしての願い】ロックマンと共に優勝を目指す。願いはそれまでに決める。
            
【weapon】ペット……PErsonal Terminal(パーソナルターミナル)の略で、いわゆる携帯情報端末。
          普段はネットナビが入っているのだが聖杯戦争ではロックマンがサーヴァントのため中にナビはいない。
          宝具の連携でバトルチップの転送やナビカスを起動することにより戦闘をサポートする。
     
【能力・技能】小学六年生の少年に特別な力はない。だが人一倍の勇気と類稀なるバスティング能力を持っている。  
       少年ながらロックマン共に何度も電脳世界と現実世界を救ってきた。
       
【人物背景】科学者の父を持ち双子の兄がいたが心臓病で他界してしまう。後にネットナビであるロックマンが兄の人格データを受け継いでいると知る。
      悪の組織であるWWWや秘密結社ゴスペルと戦いながら何度も世界を救い、その存在は英雄として讃えられている。


【方針】ロックマンと共に優勝(ゲームの意味合い)を目指す。


383 : 光熱斗&アーチャー ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 21:58:53 OtIk5jHw0


【クラス】アーチャー

【真名】光彩斗@ロックマンエグゼ

【パラメータ】筋力D 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具A+

【属性】秩序・善

【クラス別スキル】
 対魔力:E…魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。
 単独行動:B…マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

【保有スキル】
 連携攻撃:C…複数人による攻撃に長けていることを示す能力。他の人物と同時に行う攻撃判定に有利な修正を得る。
 魔力放出:C… 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。
 心眼(真):D…修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
 ラーニング:EX…戦闘において撃破した相手の有用なスキル及び技を自分の物にする。その媒体はバトルチップ。また、共鳴を超す場合もある。
       
【宝具】

『永遠に断ち切れぬ兄弟の絆(バトルオペレーション)』
 ランク:E〜A+ 種別:対軍宝具 レンジ:??? 最大捕捉:???
 兄弟の絆を限界まで同調させた宝具。
 その能力はマスターの持つPETを通してサーヴァントに武器や癒やしを供給する。
 バトルチップの種類によってランクが変わり攻撃、回復、守りなど多様な戦術を可能にする。
 宝具のランクが上がる程実体にラグが発生する。
 またマスターとフルシンクロと呼ばれる同調状態になってしまった場合は受けたダメージがマスターにも連動する危険がある。

『電脳にて培った戦闘の記憶(スタイルチェンジ)』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
 戦闘の積み重ねで得た経験を元に己の姿を具現化する宝具。
 変身するスタイルは以下の通り派生する。

 『ヒートガッツ』…攻撃に特化したスタイル。筋力のランクが一段階上昇し炎の属性を操ることが出来る。
 『アクアカスタム』…戦術に特化したスタイル。宝具による魔力減少を普段よりも少くする事が可能。水属性の力を得る。
 『エレキブラザー』…思い出に馳せるスタイル。幸運のランクが一段階上昇し電気属性を帯びた攻撃が可能になる。
 『ウッドシールド』…防衛に特化したスタイル。耐久が一段階上昇。シールドで相手の攻撃を軽減、無効、跳ね返すことが可能。木枯らしを発生させることも可能。
 『エレキグラウンド』…大地の恩恵を受けるスタイル。耐久が一段階上昇。全ての地形で全力を出し切ることが可能となる。電気属性を帯びた攻撃が可能になる。
 『ヒートシャドー』…暗殺に特化したスタイル。敏捷が一段階上昇。空中を蹴ることが可能になり炎の力を得る。


『戦場の果てに共鳴する魂(ソウルユニゾン)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:― 最大捕捉:―
 心の優しい兄弟の愛を体現した宝具。
 マスター、サーヴァント問わず戦いを通して共鳴した相手の力を自分の物にする力。
 共鳴すると己の姿も相手を意識した姿になり一部力が開放される。
 
【weapon】
『ロックバスター』…ロックマンと呼ばれる英雄の代名詞。溜める事で強力な一撃を放つ事も可能。

【人物背景】
 熱斗と共に双子の兄として生まれるが心臓病により幼いまま他界してしまった。  
 その後科学者である父の尽力もあり人格データをネットナビに移植し世界初の心を持ったナビとしてロックマンに転生を果たす。
 その後はネットナビとして弟である熱斗のサポートを行ってきた。

【サーヴァントとしての願い】
 熱斗を安全に現実世界へ生還させる。

【基本戦術、方針、運用法】
 マスターの指示に従うか兄として弟を守る。戦闘では熱斗から供給されるバトルチップを中心に戦う。

【備考】
 イメージとしてはロックマンエグゼ3終了後。


384 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/03(木) 22:00:09 OtIk5jHw0
投下終了です


385 : 成歩堂 龍一&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/03(木) 22:28:59 6l1ARjgg0
投下します。


386 : 成歩堂 龍一&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/03(木) 22:29:40 6l1ARjgg0

「問おう。君がこの度の演目の私の依頼人かね?」
(何言ってるんだろう、この人?)

成歩堂 龍一は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の原告人を除かなければならぬと決意した。
成歩堂には法律がわからぬ。成歩堂は、芸大の出身である。シェイクスピア役者を目指し、芸を磨いて暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

「つまり、ここはその聖杯戦争とやらの舞台で、あなたは、ぼくのサーヴァント、アーチャーである、と」
「そういうことです。ご理解いただけたかな?」
(うーん、さっぱりだぞ。というか、いい年して何言ってんだこの人?)
「本来ならば、サーヴァントというのは名を隠してクラス名で呼んだ方が有利ならしいが、
 私の場合は別らしい。私の名はロジャー・スミス。ロジャーと呼んでくれたまえ」
「ア、ハイ、分カリマシタ、ロジャー=サン」
(しかも外国人かよ! 日本語上手いなこの人)
「さて、依頼人。君の名前はなんというのかね。名乗ったのだから、聞かせて欲しいものだが」
(ですから、依頼とかした覚えとか無いんですけど……)

成歩堂は、現場検証をしていた。成歩堂は弁護士である。
救いを求める力なき被告人を弁護し、救うのが彼の仕事であり、生き様である。
この度の法廷でもそれは変わらなかった。そして、彼は現場で見つけたのだ。
ゴフェルの木片を。

「とにもかくにも、ぼくはコレを持って法廷に立たなければならないのです」
「理解した。ミスター成歩堂。君のような人間が依頼者であるのは実に望ましい」
「ですから、依頼者じゃないですってば」

そして今に至る。成歩堂は、黒づくめのスーツの男、ロジャー・スミスの話を道端で聞いていた。

「残念だが、ミスター成歩堂、この悪趣味な催しを勝ち残るには、私の力は大いに不足していると言わざるをえない。もちろん君もだ」
「はあ、そうですか」
「だが、私にも誇りというものがある。パラダイムシティ1のネゴシエイターとして、力の及ぶ限り君の依頼に応えよう」
(パラダイムシティってどこだろう?)
「それに、このような人の願いにつけこんだ邪悪なパーティーは、私の信念の許す所ではない。できれば主催者の顔が見たい」
「そうなんですか、良く分かりませんが頑張ってください」
「君にも頑張ってもらわなければならないのだよ、ミスター成歩堂」
「ええ、まあ、ハイ」
「とりあえず、私の愛車が呼べるようだ。しばし待ちたまえ」
(この人、どんどん話を進めちゃうなあ。まだなにがなんだかさっぱりなんだけど)

しばらくすると、ロジャーのスーツと同じ、黒づくめの自動車が成歩堂の前に走ってきた。
そして促されるまま成歩堂はそれに乗った。
そのまま二人が走り去った後には、成歩堂が持っていたゴフェルの木片があった。


387 : 成歩堂 龍一&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/03(木) 22:31:05 6l1ARjgg0
【クラス】アーチャー

【真名】ロジャー・スミス

【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運A 宝具--(B)

【属性】
 中立・善 

【クラススキル】
 単独行動:A
一般人の範疇であるその低い性能の代償に、アーチャークラスとしては最高の単独行動能力を得る。
  宝具を使用しない限り聖杯から供給される魔力のみでも十全に行動できる。
 
 対魔力:E
  弓兵のクラスに付与される対魔力。本人が納得しないものは認めない性格のため、最低限になってしまっている。
  魔力によるダメージをほんのり和らげる。

【保有スキル】
 交渉術:B
  交渉により有利な判定を得やすい。Bランクであれば、一国でも突出した才能があるといえる。
 
 騎乗:E
  本人の趣味により、乗用車ならば華麗に運転できるだろう。

偉大なる黒:C
  「交渉人・ロジャー・スミス」としての側面による隠蔽スキル。
  察知スキル、予測スキルを持たない相手に対してサーヴァントとしての気配を察知させない。
  サーヴァントとしての武力及び魔力を持たないこともこの能力の一因である。
  対抗スキルを持っていないサーヴァントでも、情報の取得によりキャンセルできる。
  「メガデウスの操縦者」としての側面により、「アーチャー」の宝具を使用する場合はこのスキルは失われる。

 汝に罪あり:A
  相手の非により交渉スキルが失敗した際に限り自動的に発動。 
  一時的に敏捷が1ランク、耐久が2ランク上がり、逃走行動に対する幸運ボーナスが大きくなる。
  この逃走への幸運ボーナスは依頼者たるマスターにも適用される。
  さらに逃走に成功した場合、「仕切り直し」が自動発動し、宝具使用に対する消費魔力が大きく低減する。


388 : 成歩堂 龍一&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/03(木) 22:31:38 6l1ARjgg0
【宝具】
『偉大なる“O”』(ザ ビッグ オー)
 ランク:B 種別:対城宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 巨大な機械仕掛けの神、「メガデウス」を召喚する。
 ロジャーのアーチャーたる由縁であり、極めて多くの火器を有する。
 その巨大な質量は、歩みや拳だけでも、十分な脅威となりえるだろう。
 ただし、その巨大さのため、現界や行動のターン毎に莫大な魔力を消費する。
 事実上、今のマスターでは召喚するだけでもサーヴァント共々消滅するだろう。
   
『機械仕掛けの恋人』(R ドロシー ウェインライト)
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 筋力C 耐久C 敏捷D 魔力‐ 幸運E 単独行動E を持った機械人形を召喚する。
 サーヴァント本人より高性能かつ、機械人形自身魔力を持たないため、現界に相応の魔力を消費する。
 また、『偉大なる“O”』と同時召喚し、連結させることで『偉大なる“O”』を強化できる。

『此度の舞台に幕は下り』(ザ ビッグオー ファイナルステージ)
 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1000人
 『偉大なる“O”』と『機械仕掛けの恋人』を連結させることにより一度きり使用できる世界に対する砲撃。
射線に巻き込まれた万物は消え去り、消滅した空間から森羅万象に歪を作り、世界の「興行者」を引きずりだす。
 依頼があれば、ロジャー・スミスはそのまま「興行者」と交渉をすることができる。

【weapon】
『腕時計』
 後述の『グリフォン』を遠隔操作で呼び出すことができる。
 本来は通信機能を備えていたが、ムーンセルでは失われている。

『グリフォン』
 黒塗りの2ドアセダン。マニュアルトランスミッション。ロジャーの腕時計から遠隔操作が可能。
 ミサイルを搭載、グリフォンエンブレムの目が動き、照準にして発射。マシンガン、炸裂弾、盗難除けのガードまで装備。
 ただし、宝具ではないため出し入れは出来ず、適切に運用するには燃料及び整備が必要である。 

【人物背景】
 アニメ「ザ ビッグ オー」の主人公。
 記憶を失った町、パラダイムシティ随一の交渉人(ネゴシエイター)
 機械仕掛けの神(メガデウス)「ビッグオー」の操縦者(ドュミナス)
 黒いスーツに身を包み、紳士を気取っているが、実に頑固で短気なわがままな性格。
 寝起きが悪く、日常生活の風景はまるで背伸びをしている子供である。
 黒色が大好きで衣料から車まで黒いコーディネートをしているが、女の子から悪党にまで専らの不評である。
 作中交渉を失敗しがちに見えるが、基本、相手の目的がポーズであったりロジャー自身であったり、交渉にないためである。
 ロジャーの「ビッグオー」は「プロフェッショナルではない」輩に、等しく鉄槌を下す。
 
【サーヴァントとしての願い】
 悪趣味な催しの主催者の顔を見る。
 
【基本戦術、方針、運用法】
 相手を見て交渉スキルでなんとか立ち回る。
 マスターに魔力が無いため、強力な宝具も持ち腐れである。


389 : 成歩堂 龍一&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/03(木) 22:32:21 6l1ARjgg0
【マスター】
 成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)

【参加方法】
 ムーンセルによる召還。
 事件の証拠物品にゴフェルの木片が混ざっていた。

【マスターとしての願い】
 ゴフェルの木片を持ち帰り法廷に立つ。

【weapon】
 無し

【能力・技能】
 弁護士であるが、法律にはあまり詳しくない。
 矛盾をついたりハッタリをかましたりして自分に有利に話し合いを進める手管は突出している。
 それ以外は運転免許すら持っていない。
 なぜか物理攻撃に対して異常な耐性と回復力を持っている。
 
【人物背景】
 逆転裁判シリーズの初代主人公。
 ギザギザした髪型が特徴のちょっと変わった青年。
 正義感は強いが、少し流されやすい性格。
 弁舌や司法の知識はともかく、ツッコミには定評がある。

【方針】
 ゴフェルの木片を無事持ち帰り、被告者を救う。


390 : 成歩堂 龍一&アーチャー ◆bi4ho.tYN. :2014/07/03(木) 22:33:20 6l1ARjgg0
投下終了しました


391 : 服部瞳子&アーチャー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/03(木) 23:33:26 IB.qCq7k0
投下します。


392 : 服部瞳子&アーチャー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/03(木) 23:34:05 IB.qCq7k0
――私は、摩耗する。


   *   *   *


とぼとぼと冬の街を女が歩いている。
女の名は服部瞳子。
数時間前、連続ドラマのオーディションに落ちてしまったアイドル見習いだ。

『気にすることはないさ』

事務所に帰った彼女を迎えたプロデューサーは気落ちしないようにかけてくれた。
けど聞いた。聞いてしまった。
別のオーディションに彼の担当する別のアイドルが合格したということを。
かけられた優しさが辛くて、期待に応えられなかった自分が情けなくて、つい声を荒らげてしまった。

『私じゃなくて――さんのプロデュースをしてればいいでしょう!』

口をついて出た言葉がどれだけ最低な言葉だったのか。
目の前のプロデューサーの傷ついた表情がそれを何よりも物語っていた。

『……ッ! ごめんなさい!』

逃げるようにして私は事務所を飛び出した。
そして往くあてもなく、街を一人でさまよっている。

――私は、最低だ。

自己嫌悪で死にたくなる。
彼がどんなに頑張っているか、私が誰よりも知っているはずなのに。
こんな旬の過ぎたアイドルを必死に売り込んでくれている。
今でもなんとかアイドルとしてやって行けているのは彼の努力あってこそだ。


393 : 服部瞳子&アーチャー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/03(木) 23:35:10 IB.qCq7k0
でも彼が努力すれば努力するほど、自分の無力さが嫌になる。
受けたオーディションは最後まで残れない。
なんとかとれた仕事は次につながらない。
TVでよく見るようになったあの娘は事務所の後輩だ。
焦り、劣等感、無力感――自己嫌悪。
長い混ぜになった暗い感情が自分の中に溜まっていくのがわかる。

『"生っすか!?サンデー ナイトスペシャル"、始まります!』

街の中、駅前のオーロラビジョンから聞こえてきた声に足を止める。
そこには光り輝く世界があった。
TVの向こうに広がる煌く世界。
その光に魅せられて、私は一度アイドルの門戸を叩き――そして、挫折した。
環境が悪かった、運が悪かった。いくらでも理由はあげられる。
でもそんなことは関係ない。残ったのは一度諦めたという結果だけだった。

『それにしてもスゴイですよね! 今まで何もなかったはずの月に謎の影が突然現れるだなんて――』

TVノムコウでトップアイドルがキラキラした瞳で何かを話している。
そう、一度は諦めて、でもあの光に魅せられて、私は再び夢に向かって歩き出した。
でも、それは茨の道だった。
アイドルとしては遅すぎるスタート。
そしてその年齢を武器にできるような機転も効かない。
周囲には咲き誇る多種多様なアイドルたち。
心は折れない、夢は諦めない。諦めきれない。
でもだんだんと削れていった。
心が――摩耗していった。

ポケットの振動。
見なくてもわかる。プロデューサーさんだろう。
でもあんなことを言っておいてどんな顔して帰ればいいというのだろう。
ため息を付きながら、視線を道路へと落とす。

その時、私の目に止まったのは道端に落ちていた、普通なら視線すら向けないような木の欠片だった。
何の変哲もない木の欠片に目がとまる理由なんて本来ならばない。
けれどなぜか、その時の私はその木片から目を離せなかった。

「何かしら、これ……」

その木片に触った瞬間、私の意識はブラックアウトした。


394 : 服部瞳子&アーチャー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/03(木) 23:36:01 IB.qCq7k0
    *   *   *

「……こんなところかしら」

その後私は記憶を失った状態でよくわからない街に放り出された。
そこでも私はアイドル候補をやっていて、自己嫌悪が極まった所で本来の記憶を取り戻したのだ。
夢や希望じゃない所に自分らしさを感じ、皮肉げに口元が歪む。

「やれやれ……今度のマスターはずいぶんと難儀だな」

瞳子がいるのは彼女の所属する事務所だ。
そこには彼女のマネージャーも、同業のアイドルたちもいない。
その代わりにいるのは赤いコートのようなものを着たコスプレ青年だ。
長身でガタイの良い美形……スポーツ番組で引っ張りだこになるタイプじゃないだろうか。
自身のことをアーチャーと名乗った青年は、やれやれと肩をすくめる。

「魔術師としての素養もなければ取り立ててスキルもない。
 その上で中々いい性格をしていると来たものだ」
「仕方ないでしょ! 魔法使いだの何だのってそんなの絵本とかの世界じゃない!」

セイハイセンソウだのコロシアイだのとは程遠い世界で生きてきたのだ。
頬をつねった時の鋭い痛みがなければ、瞳子とてこれが夢だと信じていただろう。

「それでマスター、君はこれからどうするつもりだ?」
「それは勿論……帰りたいわよ……」

弱々しい声が事務所の中に響く。

「死にたくなんてないし、それに何よりプロデューサーさんに謝りたい。
 このまま行方不明になったらプロデューサーさんはきっと気に病んでしまう。
 そんなことになったら私は死んでも死にきれないじゃない……!」

あの人は私に希望を見せてくれたのだ。
そんな人を絶望に追いやるなんて……絶対に、いやだ。
それこそ自己嫌悪どころじゃない……自分を絶対に許せなくなる。

「ではどうする? 他者を蹴落とし最後の一人になるか?」
「……そんなこと、できるわけないでしょ……」

オーディションは落ちても次がある。
だがこの戦いに次はない。
敗北すれば――死ぬのだ。
他人を死に追いやるなど、現代倫理の中で育ってきた瞳子にはそうそう超えられるラインではない。

「進むことも引くこともできない」
「うるさいわね! じゃあ一体どうすればいいっていうのよ……!」

荒げた声を赤い青年にぶつける。

「悩めばいい。そのくらいの時間はなんとか私が稼ぐとしよう」
「え……」

皮肉げな笑みを浮かべたまま、アーチャーはこちらを見つめている。

「何、残念なことに面倒事には慣れていてね。
 それに今の私は君のサーヴァントだ。
 君がしっかりしなければ、私もどうしようもない」

そのままこちらに背を向けて歩き出す。

「ちょ、ちょっと……どこ行くのよ?」
「まずは落ち着いてもらうためにも、紅茶の1つでも入れようかと思ってね。
 事が始めるまでは多少の時間があるようだ。ああ、そうだ――」

台所へと向かうアーチャーがこちらをちらりと見る。

「アドバイスだ。自己嫌悪はほどほどにしておいた方がいい。
 自分を摩耗させても――碌なことはないのだからな」

妙に実感のこもった声でアーチャーはそう言った。


395 : 服部瞳子&アーチャー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/03(木) 23:36:54 IB.qCq7k0
【マスター】
 服部瞳子@アイドルマスターシンデレラガールズ
【参加方法】
 道端でゴフェルの木片を拾った。
【マスターとしての願い】
 元の世界に帰って、プロデューサーに謝る。
【weapon】
 なし。
【能力・技能】
 一般人であるため、戦闘に有効な技能を持たない。
 しかし特技名「負けない心」/「折れない信念」とあるように精神力だけは強い。
【人物背景】
『誰もが夢を叶えられる訳じゃないのよ、プロデューサーさん……私がスポットライトを浴びられるとでも?
 そう…それほど自信があるならいいわ…これがラストチャンスね…今年こそ、アナタに賭けてみるわ…。』
 ソーシャルゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」の登場人物。
 25歳という割と高めの年齢は一度アイドルとしてデビューし、挫折した過去を持つため。
 そんな過去を持つためか、気楽なアイドルもいる中で割りと重めな性格をしている。
 その後、特訓後や新カード等で前向きな姿も見せてくれるのだが今回は燻っている時期からの参戦となる。
【方針】
 未定。

【クラス】
 アーチャー
【真名】
 無銘
【パラメーター】
 筋力D 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運E 宝具E−〜A++
【属性】
 中立・中庸
【クラススキル】
・対魔力:D
 一工程による魔術を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
・単独行動:B
 マスターからの魔力供給が無くなったとしても現界していられる能力。

【保有スキル】
・心眼(真):B
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”
 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
 
・千里眼C
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。

・魔術:C-
 オーソドックスな魔術を習得。
 得意なカテゴリは不明。

【宝具】
 無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)
 ランク:E-〜A++ 種別:対人宝具 レンジ:30〜60 最大補足:????
 錬鉄の固有結界。
 一度目視した剣を登録し複製することができる。
 
【weapon】
・干将・莫耶
・赤原猟犬(フルンディング)
・偽・螺旋剣(カラドボルグII)
・熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)
・永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)
 Fate/EXTRA参照。自身の投影魔術によって模倣した武具の数々を使用する。
 
【人物背景】
 Fate/EXTRA参照。

【サーヴァントとしての願い】
 マスターの手助けをする。

【基本戦術、方針、運用法】
 基本的にはマスターの意向に従う。


396 : 服部瞳子&アーチャー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/03(木) 23:37:28 IB.qCq7k0
投下を終了します。


397 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/03(木) 23:55:39 S6RhC9YQ0
アルトリア・ペンドラゴン/セイバー投下します


398 : マスターアルトリア&セイバー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/03(木) 23:57:42 S6RhC9YQ0
これで良かったのだ。
国を守ることができなかった王、しかしその歩んできた道には一片の悔いもない。


私は英霊の座に向かうことなく、理想郷へと還る。
あの人とのあの夢のような日々をこの胸に抱いて。

「――見ているのですか、アーサー王。
 夢の、続きを――」

最期にこの身を看取った一人の騎士の、そう呟いた声を聞いたのを最期に。
私は、夢の中へと旅立った。



「ふー、よく動いたぁ。早く帰ってご飯にしようっと」

竹刀袋を担いだセーラー服の少女はそう言いながら校舎の中を走っていた。
もうすぐで門限だ。早く帰らなければ夕食にありつけなくなる。
全国大会前だということでで無理言って残ったのだ。遅れるのはまずい。そう思って少女は走っていた。

周りの人間もその姿をひと目見れば振り返るような、金髪の美少女。
しかし彼女はその外見とは裏腹に剣道部のエースでもあった。

この地域でも弱小チームであった剣道部に颯爽と入部した彼女は、その見事なまでの剣捌きで、剣道部を一躍強豪へと引き上げた。
更に剣に優れた美しい少女がいるという噂は多くの人の注目を集め、剣道部には今や入部希望者が跡を絶たない。

しかし少女はそのようなことには深く関心を持っていない。
少女は剣の道を極めたいという思いで剣道部に入ったのだ。

加えて、彼女には意中の人間がいる。
多くの男子からの告白を受けてきたが、そのことごとくを断ってきたのだ。


「そういえば、弓道部のあの先輩、まだ学校にいるかな?」

急いで帰らねばならないという思いもあった。
しかし、思い立てばそんなことよりもこっちの方が重要にも思えてきた。

何しろ彼女はまだまだ年頃の少女なのだから。


タタタタ

もし昼間であれば誰かしらに咎められるであろう、廊下を走るという行為。
しかしこの放課後の夕暮れ時、彼女のそんな姿を見るものなど一人もいない。

勢いよく夢中で走っていたせいだろうか。
気がつけば入り口を通りすぎて物置部屋へとたどり着いていた。

校内では開かずの間とも言われる、閉じられた一室。
用などあるはずもない。さっさと道を戻って帰ろう。


399 : マスターアルトリア&セイバー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/03(木) 23:58:27 S6RhC9YQ0

そう思い扉に背を向けた時だった。

「…え、あれ……?」

まるで今いるこの場所が現実ではないような、そんな妙な感覚が体を包み込んだ。
そして自分の中にある第六感のようなものが告げていた。

ここから先には真実がある。しかしそこに向かえばもう二度とこちらへ戻ることはできない。それでもいいのか、と。

穏やかな学園生活。
剣道部での試合、大会で出会う多くの強者達。
そして、愛しいあの人。

全て大切なものだ。

だが。

この先にはそれらに並ぶ、いや、もしかしたらそれ以上に大切な何かがある。
そう直感が告げていた。

迷いは一瞬。
現実感のなくなった校舎から、体を物置部屋へと向け、閉じられた扉を開く。
開かずの間と言われていたから鍵でもかかっているのかと思ったが、予想に反してすんなりと扉は開き。

ギィッ


中の様子を確かめることなく部屋の中へと入ったその瞬間。
少女の視界は闇に包まれた。



数秒後、気付いた時には少女は謎の空間にいた。
息苦しささえ感じる荘厳な空間。まるで聖堂のような明るい部屋。

その中央に、それはいた。

つるりとした人形。
演劇部が使うのだろうかと思うような形の、茶色く等身大はありそうな人形。
それがゆっくりと立ち上がってこちらへと走り寄ってきたのだ。

タダ事ではないと咄嗟に感じ取った少女は竹刀袋を開く。

人形が拳を突き出すのと、竹刀を構えて防御体勢を整えるのはほぼ同時。
拳を受け止めることに成功はしたが、人形の力は並外れたものであり体がギリギリと押し返される。

少女は全体重を竹刀にかけて押し返す。
体勢を崩して体を仰け反らせる人形。

そこに踏み込み、力強くその胴に竹刀を叩きつける。
強い手応えは感じた。
しかし人形もまた固く、まるでビクともしていないかのように返す体で蹴りを放ってきた。

吹き飛ばされる体。
そしてそれを追撃する拳。

少女は咄嗟に体を転がせ追撃を回避、足払いを放つ。
僅かにバランスを崩す人形。

その頭をかち割らんと竹刀を振り下ろし。
捉えることには成功したが砕くには至らず拳が体に打ち付けられた。

(…違う)

違う。
私の戦いはこんなものではなかったはずだ。
このような人形などよりももっと強い存在と戦ってきたはずだ。

思い出せない。何故忘れているのだ?

思い出せ。記憶になくとも、あの戦いは体に染み付いているはずなのだから。

体を引いて拳を構える人形。
狙うのはどこだ?一撃であれを砕くには、どこを攻めればいい?

違う、こんな竹刀ではどこを攻めても変わらない。
せめて剣が必要だ。あの体を一撃で切り裂くような鋭い刃。

そう、記憶の中に疼く、あの黄金の剣のような―――――

思考する少女に向けてさらに拳を突き出す人形。
その勢いは先より早く、尚且つ追撃も想定される構え。

避けるか?受けるか?

いや、違う。迎え撃て。打ち砕け。


400 : マスターアルトリア&セイバー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/04(金) 00:00:41 S6RhC9YQ0
あの時、黄金の剣で大英雄を打ち砕いた時のように――――


カァン


すれ違う2つの体。
拳をつきだした人形と、竹刀を振り下ろした体勢のまま硬直する少女。

数秒の沈黙。
振り返ったのは人形。少女は動かない。

ユラリと人形は一歩前へと踏み出し。

その瞬間、頭から胸部に当たる部分にかけて、真っ二つに切れ目が入り。
そこからもう一歩踏み出すこともなく、パタリと地面に倒れ動かなくなった。


「はぁ…はぁ…」

竹刀を構えた少女は振り返らない。
いや、少女が構えているものは竹刀などではなかった。

鋭い刃が備わり金属の輝きを放つそれは、紛れも無い真剣。
あの瞬間、竹刀を決死の思いで振り下ろした時にまるで最初からそうであったかのように竹刀はこれに姿を変えたのだ。


と、その時少女の手の甲に鋭い痛みと閃光が走る。

「…っ!」

不意の痛みに思わず顔を歪めたその瞬間だった。
彼女の中に膨大なほどの情報が流れこんできたのは。




――――王には人の気持ちが分からない。


――――何故あなたは私に王位を譲らなかった!


――――セイバー、この戦いで犠牲者を増やそうとするやつを止めるために、俺に力を貸して欲しい。


王の記憶。
サーヴァントとしての戦いの記憶。

多くのものを救い、多くのものを失い。
そして救えなかったものを救おうと戦い続け。


――――死者は甦らない。起きたことは戻せない。

――――シロウは、私の鞘だったのですね。

見つけ出した答え。
そして、


――――最後に、一つだけ伝えないと
――――ああ、どんな?
――――シロウ―――貴方を、愛している

己の歩んできた全てを受け入れ、求めたものを否定し。
そして別れ。


そうだ。私は。
私の名はアルトリア。

―――アルトリア・ペンドラゴン。ブリテンを治めし騎士王だ。



「ぁ、はぁっ…!」

多くの記憶を一度に取り戻したせいか、脳が痛みを訴えている。
だが、悪い心地はしない。むしろつっかえていた違和感がとれたようなすっきりした気分だ。


401 : マスターアルトリア&セイバー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/04(金) 00:01:23 S6RhC9YQ0

「…私は、何故このような場所に…」

そう、自分はあの時ベディヴィエールに看取られ死んだはずだ。

なのに気がついたらこのような茶番のような学園生活をさせられ、こうして聖杯戦争に巻き込まれているようだ。
聖杯を求めることを止めた自分に、サーヴァントとして聖杯を求め戦うことなどできるはずもないはずなのに。

――――…サーヴァントとして?


ふとセイバーは自分の体を確かめる。
竹刀は真剣へと形を変えたが、服装自体はセーラー服のままだ。

約束された勝利の剣も風王結界も使うことはできず鎧も纏えない。
何より前の聖杯戦争の時のような力を自分から感じ取ることができない。

まるで、ただの人間になってしまったかのようだ。

「……聖杯を求めておきながら否定した私に、英霊としてではなく人間として贖罪をすることを聖杯に求められているのか…?」

ふと手元を見ると、見慣れぬ木片が一つ。
これが何なのかは分からないし、手に入れた覚えもない。ただ、何故かそれが鍵を握っているような気がした。

色々と分からないことだらけのこの状況。
だがとにかくこの場を離れよう。多くを考えるのはその後だ。

と、入り口へと戻ろうとしたアルトリアの目の前。
唯一の出口に通じるだろう道に、謎の存在がいた。

暗い闇のような色をした、先の人形と比して尚無機質感を感じさせる浮遊物が3つ。
それら全てはこちらへと敵意を向けている。

かつてのセイバーであった頃の自分ならば蹴散らすのに10秒もかからなかっただろう。
しかし今の自分は剣術に優れているとはいえ只の人間。

1体ずつであれば時間をかければ倒せただろうが、3体同時に相手にはできない。


それでもこちらへと向かい来るそれらに屈することなく迎えうとうと剣を構え。
3体のそれが同時に飛びかかってきたその瞬間だった。

――――うむ、窮地に追い込まれていながらも尚も恐怖に屈することなく戦うか。
――――見事だ。その気高き精神、気に入った!

視界の端から閃光が走り、目の前にいた3体の浮遊物が一瞬で切り裂かれた。

ボトリと音を立てながら地面に落ちる敵性物体の前に、真っ赤な何かが舞い降りた。


402 : マスターアルトリア&セイバー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/04(金) 00:02:17 S6RhC9YQ0

「良かろう。ならばその気高き魂は余が守り抜こう!」

振り回される巨大な剣。
情熱を思わせる真っ赤なドレス。
少女のような外見の存在はしかし先の物体とは比べ物にならない、超越した存在。

そう、それはかつて自分がそうであったもの。

サーヴァント。

「余は至上の剣にして至高の名器!
 名はセイバー、ネロ・クラウディウス!
 改めて問おう。汝、余のマスターになるつもりはあるか?」

その言葉は、まるでかつて自分がそう問いかけたものと同じものだった。

状況は分からぬ上に考えねばならぬことも多い。
だが、それでも立ち止まっているわけにはいかないだろう。

アルトリアの答えは、決まっていた。
差し出された手を取り、少女は戦うことを決意した。


【クラス】セイバー

【真名】ネロ・クラウディウス@Fate/EXTRA

【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷A 魔力B 幸運A 宝具B
【属性】
 混沌・善 
【クラススキル】
対魔力:C
二工程以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法等、大がかりな魔術は防げない。

【保有スキル】
皇帝特権:EX
本来もち得ないスキルも本人が主張することで短期間だけ獲得できる。
該当するスキルは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等。
このスキルランクがA以上の場合、肉体面での負荷(神性など)すら獲得する

頭痛持ち:B
生前の出自から受け継いだ呪い。
慢性的な頭痛持ちのため、精神スキルの成功率を著しく低下させてしまう。
せっかくの芸術の才能も、このスキルがあるため十全には発揮されにくい。

【宝具】
招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:30、60、90 最大補足:100人、500人、1000人
由来:聴衆に自らの公演を強制的に最後まで聞かせるべく、劇場の出入り口を全て封鎖し閉じ込めたというエピソード。
己の願望を達成させる絶対皇帝圏。生前の彼女が自ら設計しローマに建設した劇場「ドムス・アウレア」を、魔力によって再現したもの。
自分の心象風景を具現した異界を一時的に世界に上書きして作り出す、固有結界とは似て非なる大魔術であり、自身が生前設計した劇場や建造物を魔力で再現し、彼女にとって有利に働く戦場を作り出す。
世界を書き換える固有結界とは異なり、世界の上に一から建築するために、長時間展開・維持できる。
展開されている間、閉じ込められた敵は弱体化し、建造物をカスタマイズすれば形や機能も変更できる。

【weapon】

セイバーのクラスの英霊であるが、武器である剣は宝具ではないただの剣である。

所持スキル
『花散る天幕(ロサ・イクトゥス)』
『喝采は剣戟の如く(グラウディサヌス・ブラウセルン)』
『燃え盛る聖者の泉(トレ・フォンターネ・アーデント)』
『傷を拭う聖者の泉(トレ・フォンターネ・クラーティオ)』
『時を縫う聖者の泉(トレ・フォンターネ・テンプステイス)』
『童女謳う華の帝政(ラウス・セント・クラウディウス)』
『三度、落陽を迎えても(インウイクトゥス・スピリートゥス)』
『喝采は万雷の如く(パリセーヌ・ブラウセルン)』
『星馳せる終幕の薔薇(ファクス・カエレスティス)』


403 : マスターアルトリア&セイバー ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/04(金) 00:03:08 S6RhC9YQ0

【人物背景】
ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。帝政ローマ第5代皇帝。悪名高き「暴君」。史実では男性だが、EXTRAでは女性。
母の奸計・暗殺によって帝位を継承したという、正当とはいえない帝位を継承した反動で、身内よりも他人を愛した。
市民の人気を獲得するために様々な政策を行う一方でそれに反対する元老院や実母とはことごとく対立。
特に実母は最終的に暗殺を決意し公衆の門前での殺害によって葬る。
その後は母によって強制的に婚姻させられた妻の自殺、自身の権力を強固にする為の義弟の殺害、そして師であり、心から頼りにしていた哲学者の自刃と多くの身内の死を目の当たりにしていく。
最終的に反乱で皇帝の座を追われることとなったが、自身の愛したはずの、自分の退位を許さないだろうと信じた民からは何もなかった。
愛したはずの民からは愛されることもなく、誰の愛を受けることもなく最終的には自決してその生に幕を下ろした。



【サーヴァントとしての願い】
愛されたい

【基本戦術、方針、運用法】
セイバーという最優のクラスでありながらそのステータスは高くない。
クラス名にあぐらをかいての正面からの戦いは禁物だろう。




【マスター】アルトリア・ペンドラゴン(マスターアルトリア)@Fate/Stay Night?

【参加方法】
不明。
聖杯による呼び出し?

【マスターとしての願い】
無し。聖杯は求めない。

【weapon】
真剣

【能力・技能】
剣術技能はかなりのものだが、身体能力はほとんど人間のそれである。
対魔力(C)、直感を備えているがサーヴァントを相手にできるほどのものではない。
竜の因子自体は残っているため魔力も高いが魔術師ではないため魔術の行使は難しいと思われる。

第4次、第5次の聖杯戦争の知識、記憶を持っており英霊に対する知識は他者よりは多いと考えられる。

【人物背景】
かつてブリテンを治めたアーサー王。
民を救うために罵られ蔑まれようとも己の信じた道を貫いたが、最終的に騎士たちの反乱によって国は崩壊。
最期の瞬間に国を救うための奇跡を求めて世界と契約、聖杯を求めて様々な戦いに赴く。

そして第5次聖杯戦争において、衛宮士郎をマスターとして召喚、多くの英霊と戦い抜く。
その中で士郎と心を通わせていき、最終的には国の救済のためのやり直しの願いが間違っていたものであると悟る。
最終的には己の生きた道とその結果を受け入れ聖杯を破壊、本来の意味での死を迎えることになる。

聖杯を否定した彼女は守護者になる契約を打ち切っている為に「英霊の座」には行かずにアヴァロンの妖精郷に行くといわれている。
この聖杯戦争において人間として呼ばれたのもそれが関係しているのではないかと考えられる。

【方針】
聖杯を求めて戦いはしない。
だが何故自分がこの場に呼ばれたのか、その意味は知りたい。



【補足】
※マスターアルトリアとは?
アニメ雑誌「月刊ニュータイプ」で2011年11月〜1月に実施された誌上企画「My Favorite SABER Project」内アンケート
「もしアルトリアがセイバークラス以外で呼び出されるとしたら?」で「むしろマスターで!」という回答が1位を獲得したことで生まれたセイバー派生キャラである。
セーラー服に身を包み、右手に令呪を宿した通称「女子高生セイバー」

今回参加しているアルトリアはFateルート後のセイバーがサーヴァントとしての力を失って参戦しているものとしている。


404 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/04(金) 00:04:38 S6RhC9YQ0
投下終了です。
もしマスターアルトリアがまずければSSを取り下げますのでもしあるようであれば指摘お願いします


405 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:33:45 3tMz/txI0
皆様投下乙です。
七原秋也、投下します。


406 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:35:18 3tMz/txI0


 その時、少年は十五歳だった。


 十五歳。

 まだ音楽や、スポーツや、勉強や、友人とのたわいない会話が世界の全てで、
 そうであることを許されるはずの年頃だった。

 少年には幼い頃から共に育った親友がいた。
 共に学園生活を送ってきた、心許せる級友達がいた。
 彼自身は知らなかったけれど、自分へと想いを寄せている異性だっていた。
 あまり付き合いがない連中だって、掛け替えのない存在には違いがなかった。


 だけど。


 そんな生活は、たった一日で、何もかもぶち壊しにされた。
 あの日、バスに充満したガスの中で遠のいていったのは彼の意識であり、日常だった。
 そして離れていったものは、もう二度と戻っては来なかった。



 ――戦闘実験第六十八番プログラム、通称『プログラム』。



 少年――『七原秋也』の全てを奪い去った悪夢の殺人ゲームが、それだ。


 あのプログラムで、みんな、みんな死んでしまった。
 無二の親友だった慶時も、どんな時もクールだった三村も、無口だけどいいやつだった杉村も。
 自分を救ってくれた委員長も、灯台の女子達も、最初に自分が殺してしまった立道も……それから川田も。
 あの桐山和雄だって、死んでいいわけがなかった。あんなプログラムさえ無ければ人殺しになんてならなかったのに。
 何もかもが秋也の手のひらからこぼれ落ちていって、側に残ったのはたったひとりだった。

 その生き残った少女、中川典子と共に逃亡を始めて、しばらくが過ぎた。
 逃亡に至る道程は過酷を極め、大東亜共和国の犬達は執拗に二人を追い、二人は疲弊しながらも逃げ続けた。
 そして辛うじて合衆国行きの脱出ルートに辿り着き……そのとき、ふと思ったのだ。


407 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:36:10 3tMz/txI0
 

 俺達がこの国を離れても、きっとこれからもプログラムは続く。

 毎年毎年、何十人という子供達が理不尽な国家システムの中で死んでいく。

 プログラムだけじゃない。共和国によって無慈悲に命を奪われる者、血を流す者、涙にむせぶ者。

 秋也にはどうしようもない巨大な圧力の下敷きになって、みんな永遠に苦しみ続ける。

 俺達だけが生き延びて脱出する権利が、本当にあったのだろうか。 


 その気持ちは、合衆国に渡ってからも一層強くなった。
 だけどあの国を変えるだけの力なんて、秋也は持っているはずもなかった。
 それに、戦うとしてもテロは駄目だ。革命も駄目だ。あまりにも血が流れ過ぎる。
 だけど……何もしないでいるのも、自分達だけ楽な生き方をしているようで。


 そんなとき、不思議な話を聞いた。

 月のそばには『方舟』があって、試練に打ち勝った者の願いをなんでも叶えてくれるんだという。


 典子はお伽話みたいなものとして面白がっていたが、秋也はただのオカルトだと笑い飛ばした。
 笑いながら、もしもそんなものがあるのなら、きっとあの腐った世の中も変えられるだろうと思った。

 それだけで終われば良かったのかもしれない。しかし秋也は、数日後にその話をもう一度思い出した。
 怪しげな露天商が、なんとかという木片を売っていたのを偶然目にしたのだ。
 馬鹿馬鹿しいと鼻を鳴らし、それでもその露店の前を何度も行き来して、結局秋也は木片を買ってしまった。

 家に帰り、その何の変哲もない木片を片手で掲げて、試しに祈ってみた。
 最初は冗談半分で、そのうちにだんだん本気になって、最後には力むぐらいの勢いで。


 当然、何も起こりはしなかった。
 

 くだらないことに金を使ったと憤慨し、それからそんなオカルトに縋ろうとしていた自分が惨めになった。 
 そしてそれから、自分の願いが本物だったことを自覚して、秋也は泣いた。
 いや、最初から本気だったのだ。だって……こんな世界じゃ、あまりにも死んだあいつらが報われないじゃないか。


408 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:36:55 3tMz/txI0
 
 秋也は木片を放り投げた。こんなものが奇跡を起こすものか。
 だけど自覚した願いだけは、押さえつけようとしても自分の中で延々と膨らみ続けて――




 ――そして、七原秋也は、『方舟』の中で目覚めた。




「どこだ、ここ……」


 呟きながら、しかし秋也は全てを思い出していた。
 方舟。ムーンセル。奪われた記憶。偽りの学園。あいつらとは違うクラスメイトと過ごす日々。
 あの頃とあまりに異なる学校生活への違和感は日を重ねるごとに募り、今こうして炸裂するに至ったのだ。 


「方舟……お伽話じゃ、なかったのか……?」


 自分の手の甲に刻まれた三画の刻印、『令呪』をぼんやりと眺め、独りごちる。
 全ての記憶と共に刷り込まれた、『聖杯戦争』への知識。それを秋也は驚くほど自然に受け入れていた。
 これが、本当に願いを叶えるための試練なら。そうだとしたら、俺は――。

「――自分の世界に浸ってるとこ悪いんだけど。そろそろ、俺の自己紹介もしていい?」

 一人だけの部屋だと思っていたところに予想外の方向から声を掛けられ、秋也はビクリと振り返った。

 椅子に腰掛けてこちらを眺めているのは、髪を茶色に染めた青年だ。
 どちらかというと華奢な体型で、背は低くはないが見上げるほどでもない。
 見る限りでは何処にでもいそうで、妙なところといえば黒い手のひらが描かれたベルトぐらいだ。


「あ、あんたが俺の、サーヴァント……か?」
「そ。俺のことは、気軽にキャスターと呼んでくれればいいさ」


 キャスター。『魔術師』のクラスのサーヴァントか。
 当たり前のように魔術が登場することに眩暈を覚えるが、そんなところで躓いていても仕方がない。
 秋也は質問しようと口を開き、そのままぱくぱくと開閉させて、なんとか言葉を紡ぎ出した。


409 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:37:44 3tMz/txI0
「ここが方舟の中で、これから始まるのが聖杯戦争……それは分かった。でもなんで俺がこんなところに……」
「さぁね。直接方舟へ魔術的に侵入したんじゃなければ、媒介の『ゴフェルの木』を手に入れたってとこか」
「あの木片が? いくら願っても、何も起きやしなかったぜ」
「起きたからここにいるんだろ。ちょうど今握ってるそれ、そいつが例の木片じゃないのか?」


 キャスターにそう言われ、そこで秋也はようやく自分が何かを握りしめている事に気付いた。
 ゆっくりと、指を一本ずつ引き剥がすように開いていく。
 あの胡散臭い木片を握っているものだと思っていた秋也は、次第におかしさに気付いた。
 大きさが違う。形が違う。感触が違う。
 少なくともあのつまらない木片じゃない……そう思いながら手のひらを開き、中にあるものを目にして。

 
「そんな……こいつは……!」


 秋也は震えた。
 それから『それ』をもう一度両手で握り締め、目を固く閉じた。

 見間違えでなければ……いや、見間違えるはずがない。
 このちっぽけな木の欠片は、それほど確かに脳裏に焼き付いている。



 ――川田章吾の、赤いバードコール。



 こんなところにあるはずがない。あれは事切れた川田に握らせたままだったはずだ。

 仮に政府が回収したとして、それが巡り巡って合衆国にいた自分の手に転がり込むなどあり得ない。

 そのうえこの木製のバードコールが神秘を帯びた聖遺物? 出来過ぎだ。そんなことがあってたまるか。

 だけど、もしもその通りなら。本当に、奇跡というヤツがあるのなら。


「川田ァ……………………っ!」


 この俺に、もう一度だけ立ち向かうチャンスをくれるというのか、川田。

 固く固くつぶった秋也の眼尻から、熱を持った涙が流れ落ちた。


410 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:38:35 3tMz/txI0


「……マスター。君はこの聖杯戦争で、何を願う?」


 俯く秋也に、キャスターが問いかける。
 願いはとうの昔に決まっていた。あとは覚悟だけが必要だった。


「俺の育った国を作り変える。これ以上、誰も理不尽に泣かない世の中にする」


 秋也は話した。大東亜共和国、プログラム、死んでいった仲間たちのことを。

「彼らを生き返らせることを願わないのか? あるいはプログラムに選ばれなかったことにだって出来る」

 キャスターの言葉が刺さる。それでも、迷ってはならない。

「そりゃあ願いたいさ。またあいつらに出会えたらどれだけいいかって思う。一緒に今まで通り、仲良くやれたら……」
「……………………」
「だけど、駄目なんだよ。あの地獄を、無かったことにしちゃいけないんだ。俺が覚えてなきゃ、いけないんだ」

 声を絞り出す。対するキャスターの声からは、気取った雰囲気が既に失せていた。

「これは戦争だ。俺達サーヴァントはいい。どうせ一度は死んだ身で、やられたところで英霊の座に戻るだけだからな。
 だけどマスターはそうはいかない。『方舟』の中で負けたら、死ぬ。その命令を下せば……今度こそ人殺しになる」
「その覚悟はあるのかって? 分からない……だけど、あいつらのために俺だけに出来ることなら、俺は……!」

 拳を、川田の形見を握った拳をぎりぎりと握り込む。
 その様子を、キャスターは神妙な顔立ちで見つめていたが、やがておもむろに口を開いた。
 

「もういい。もう十分だ。俺が召喚に応じるに値するマスターだってことは、よーく分かった」


 思わず顔を上げた秋也の目の前で、改めて名乗らせてもらおうとウィザードは咳払いをして姿勢を正す。


「操真晴人。人呼んで指輪の魔法使い『ウィザード』。此度の聖杯戦争では『魔術師(キャスター)』のクラスとして現界した」


 掲げた指先に輝く、真紅の指輪。その輝きが秋也を射抜く。


「この指輪に誓おう、マスター。俺がお前の、最後の希望だ」


 不敵に微笑む『ウィザード』の視線に、秋也は無意識に深い頷きを返していた。 


 ああ、これから聖杯戦争が始まる。

 迷いはある。戸惑いもある。覚悟が伴っているかも分からない。

 だけど進むしかない。全ての涙を、宝石に変えてやるために。


411 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:39:42 3tMz/txI0
【クラス】
キャスター

【真名】
操真 晴人@仮面ライダーウィザード

【パラメータ】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:A 幸運:D 宝具:B
(通常時)

筋力:C 耐久:C 敏捷:D 魔力:A 幸運:D 宝具:B
(ウィザード・フレイムスタイル時)

【属性】
中庸・善 


【クラススキル】
陣地作成:B
「魔術師」のクラス特性。魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。
晴人の「工房」は後述のクラススキルの補助をメインとした性能となっている。

ウィザードリング作成:A
「魔術師」のクラス特性「道具作成」の変型スキル。
魔力を消費し、自身の宝具に使用する魔術を秘めた指輪ウィザードリングを作成する。
上位フォームへの変身リングなど、高位の指輪になるほど必要となる魔力量は上昇する。
なお生前の晴人は指輪の制作を知己の職人に任せており、このスキルは聖杯戦争にあたって獲得したもの。


【保有スキル】
高速詠唱:-
魔術の詠唱を高速化するスキル。
ウィザードの呪文詠唱は全て宝具が代行するため、必要としない。

ウィザードローブ:D
変身によって身に纏うローブによる特性。対魔力と魔力放出の複合スキルで、それぞれDランク相当。
高位の指輪による変身を行うと、このスキルのランクも同時に上昇する。
なお、このスキルは変身前の状態では一切機能しない。

騎乗:C
乗り物を乗りこなす能力。
本来は騎乗兵のクラスにも適合する晴人だが、キャスターとして召喚されたため劣化している。
生前目にしたことのある乗り物であれば乗りこなすことができるが、未知の乗り物には発揮されない。


412 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:40:14 3tMz/txI0
【宝具】
『呪文詠う最後の希望(ウィザードライバー)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人
 晴人が腰に装着する、ベルト状の呪文代行詠唱装置。
 普段は実際にベルトに偽装されているが、ドライバーオンの指輪で本来の姿を取り戻す。
 ウィザードリングをかざすことでそれぞれに対応した音声を発し、晴人本人の詠唱無しで呪文を行使する。
 そしてその真の能力は、変身リングをかざすことにより晴人を戦うための姿『ウィザード』へ変身させることにある。
 変身状態では各能力が上昇しウィザードローブのスキルを獲得する(変身リングによって能力・消費魔力は変動する)。
 詠唱できる呪文はあくまで指輪依存のため、事前のウィザードリング作成の状態次第で有用性が一変する宝具。


『心淵に棲まう竜(ウィザードラゴン)』
ランク:B 種別:対人宝具(対城宝具) レンジ:-(1〜?) 最大補足:1(1〜?)
 晴人の心象風景内に存在する竜(幻想種としての竜ではなくファントムと呼ばれる精神世界に巣食う魔物である)。
 本来は宿主である晴人を絶望させ喰い尽くす存在であるが、晴人はこれを抑え込み魔力の供給源としている。
 マスターから晴人自身に十分な魔力が供給されている状態であれば、それ以上の消費魔力をこの宝具に肩代わりさせることができる。
 ただし休息なしで行使できる魔力量には限界があり、またマスターからの魔力供給が一定に満たない場合は使用不可能。

 この宝具のもうひとつの特性として、心象風景内でならドラゴンが自我と実体をもって活動できるというものがある。
 つまりこの宝具は、術者の心象風景をもって現実を塗り潰す魔術――『固有結界』に対するカウンターとして機能する。


【weapon】
「ウィザードソードガン」
剣と銃の2形態に変形する武器で、晴人は変身前後を問わず使用する。
基本的に「コネクト」の指輪で別空間から取り寄せ、場合によっては二刀流で戦う。

「ウィザードリング」
宝具『呪文詠う最後の希望(ウィザードライバー)』で呪文を行使するための指輪。
初期から所持しているのは変身リング『フレイム』と魔法リング『ドライバーオン』『コネクト』『キックストライク』。
これ以外の指輪は、専用スキル「ウィザードリング作成」で魔力を媒介に作成する必要がある。


【人物背景】
 かつて謎の儀式「サバト」の生贄にされながらも生還した過去を持つ青年。
 その素質を認めた「白い魔法使い」にウィザードライバーを託され、ファントムと戦う魔法使い「ウィザード」となった。

 一見クールに気取った二枚目半といった印象を受けるが、実際は真面目で責任感の強い性格。
 普段の飄々とした態度は自分の内面を表に出さないためのポーズであり、悩みや葛藤はひたすら内面に抱え込む傾向があった。
 しかし仲間との出会いや幾多の激戦を通して、周囲を信じ自分を曝け出すことを学んでいった。

 同じサバトから生還した記憶喪失の少女・コヨミとは良いコンビであり、次第に心を通わせるようになる。
 しかしサバトの黒幕であった白い魔法使いとの戦いの中で、彼女は白い魔法使いの死んだ娘を模した賢者の石で動く人形と発覚。
 また彼女の体は既に限界に近づいており、遂には晴人の目の前で力尽き消滅してしまう。
 晴人はコヨミの最後の願いを受け入れ、彼女の心を救うという自分自身の希望のために最後の戦いへと挑んでいった。

 好物はドーナツ。それもプレーンシュガーしか食べないというこだわりがあるらしい。


【サーヴァントとしての願い】
 なし。かつてコヨミを失ったという過去には既に自分の中で決着を付けている。
 召喚に応えたのは、秋也の心を満たす深い絶望と、その奥に微かに灯る「最後の希望」を感じ取ったから。


【基本戦術、方針、運用法】
 特殊クラススキル「ウィザードリング作成」による下準備がカギを握る、変則的なキャスター。
 戦闘形態「ウィザード」はキャスターにしては近接戦闘向きの能力だが、そのままでは三騎士クラスには及ばない。
 それをサポートするためには、各種上位フォームや強力な攻撃魔術、搦め手用の魔術に使う指輪の作成が必要となる。
 基本的にはキャスターらしい「待ち」の戦術を取らざるを得ないが、強力な指輪を揃えた瞬間状況は一変する。
 陣地、地脈、宝具、その他の条件を揃えて作成の為の魔力を捻出し、最強フォーム「インフィニティ」の指輪で騎士クラスを正面から叩き潰そう。


413 : 七原秋也&キャスター  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:41:09 3tMz/txI0


【マスター】
 七原 秋也@バトル・ロワイアル


【参加方法】
『ゴフェルの木片』による召喚。
 媒介となったのは川田のバードコールだが、なぜ秋也が持っていたのかは自分でも分からない。


【マスターとしての願い】
 聖杯の力で大東亜共和国を作り替え、かつての級友のような犠牲を二度と出さない世界にする。


【weapon】
 ベレッタM92F。かつてプログラムからの脱出時に持ち出したもの。


【能力・技能】
 運動神経は抜群であり、プログラムやその後の逃亡を通して相当の修羅場を潜っている。
 しかし戦闘能力は一般人の域を出ず、また魔術師としての能力は当然ながら皆無。


【人物背景】
 城岩中学校3年B組の中学生。
 早くに両親を亡くし孤児院で生活していた。運動神経が高く、陽気で強い精神力を持つ。

 修学旅行中に戦闘実験第六十八番プログラムの対象としてクラスごと拉致され、国家に殺し合いを強いられる。
 開始時に親友を教師役によって殺害され、その後はその親友の想い人であった中川典子と行動。
 更に前回のプログラムの生還者である川田章吾と出会い、共にプログラム脱出を目的として奔走する。

 幾度となく生命の危機に見舞われ、また三村や杉村といった友人を次々に失い続け、
 最後には最大の協力者であった川田までも失いながらも、典子と一緒にプログラムから脱出。
 その後川田の知人を通して国外逃亡の手段を手に入れ、典子と二人で生き続けることを決意する。


【方針】
 焦らずに確実な勝利を目指す。
 決して殺しを受け入れているわけではないが、その葛藤を乗り越えるだけの覚悟を持つ。


414 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/04(金) 00:41:42 3tMz/txI0
投下終了しました。


415 : ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/04(金) 00:43:10 B.X1aS6I0
投下します。


416 : ジェレミア・ゴットバルト&ライダー ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/04(金) 00:44:14 B.X1aS6I0
仮面の英雄の剣に貫かれ、死にゆく主君を――『笑って』見送った。
全てはこの時のためにあったのだと、これこそが主君の望みであると理解していたからだ。
主は理想に殉じ、自分の表舞台での役目も終わった。
だから主の喪失も、A級戦犯という烙印も受け入れて、辺境の地での隠遁生活に速やかに適応した。

それ故に。

「陛下、ローゼンクロイツ元伯爵が反乱を起こしたとの報告が」
「討ち滅ぼせ」
「イエス、ユア・マジェスティ!」

主の命令で戦場を駆ける喜びも偽りであると、気付きたくなくとも気付いてしまう。
皇帝がおわすこの宮殿の謁見室も、本物を模しただけの仮初めの空間に過ぎない。
ジェレミア・ゴットバルトがマスターの資格を得るのに時間はかからなかった。

甘い夢から現実に引き戻されたジェレミアは玉座の対面に立ったまま、取り戻した記憶を辿る。
きっかけは隠遁先、オレンジ農園で偶然拾い上げた木片だった。
望みがあったわけではない。
ただ偶然に、ジェレミアは巻き込まれた。

そしていつからか謁見室のNPC達は消え、玉座の横には一人の男が立っていた。
サーヴァント――現界したクラスはライダー。
二人きりとなった部屋で、先に口を開いたのはライダーだった。

「問おう」

その声は、質量を持つかのように重い。
いくつもの戦場を潜ってきたジェレミアでも額に汗が浮き、気を抜けば指先に震えが走りそうになる。
このサーヴァントは人の形を維持しながら、既に人の枠組みを大きく逸脱している。
しかしただ一言で場の空気を支配したライダーは、構わぬ様子で続ける。

「お前の望みは何だ?」

ジェレミアと同じ、顔の左半分を仮面で覆った男。
白い衣の上にマントを羽織り、玉座と同じ高い位置からジェレミアを見下ろしている。

「私の望みは――」

望みはない。
主の死を覆そうとも思わない。
あえて望むならば、主の願った優しい世界の永続か。
しかしそれも、その為に他人と殺し合うのでは意味がない。
ただ主の為にできることがあるとすれば――

「あの世界に帰還する。
 そして、世界の行く末を見届ける。
 それが遺された騎士に果たせる、最後の忠義」

優しい世界を望んだ主は、ジェレミアが後を追うことを許さなかった。
ならばできるのは、主が。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが見ることのなかった『明日』を見守ることだけだ。

「聖杯にかけるほどの望みはない、か。
 だが忠義という理由は悪くない」

ライダーは薄く笑い、玉座から歩を進める。
そして段差を降り、ジェレミアと同じ高さに並び立つ。

「私は殷の太師、聞仲。
 全ては我が子、殷の為……お前をマスターと認めよう」




417 : ジェレミア・ゴットバルト&ライダー ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/04(金) 00:45:14 B.X1aS6I0
 
殷とは国。
紀元前十六世紀から六世紀続いた中国最古の王朝である。
そして聞仲は三百年に渡って政治、軍事、あらゆる面で国を支えてきた。
皇帝を指南する立場にもあり、殷は我が子も同然であった。

その殷が、仙女に計略によって傾いた。
仙人界も、殷を滅ぼして新たな国を作ろうとしている。
親友とも決別してしまった。

故に聞仲は誰にも心を開かぬと決めた。
ただ殷の為に、たった一人になろうとも。
殷のためならば何でもしようと決意した。
殷のためならば、この地に集まる全ての願いさえ踏み躙る覚悟がある。
子を失って喜ぶ親は、いないのだから。

「殷とは国の名か?」
「そうだ」

マスターとなった男、ジェレミアに対して聞仲は短く返答する。
ジェレミアは聖杯を積極的に求めるつもりはないようだった。
だがそれも構わない。
魔力供給も期待していない。
殷のため、邪魔にならなければそれでいい。
殷との関わりを持たないマスターに、興味すら湧かない。
しかしジェレミアはそうではなかったようで、聞仲の返事に深く頷いた。

「祖国を想う気持ちは私にも分かる。
 可能な限り、貴公に協力しよう」

二十年や三十年生きただけの人間に、殷への三百年の想いが分かるわけがない。
しかしこの男が殷の太師のマスターに選ばれた理由には得心がいった。

人には優先順位というものがある。
聞仲にとっての『一番』は殷であり、ジェレミアにとっては主君。
己の命すら、天秤にかけるまでもない。
その意味でこのマスターは、このサーヴァントによく似ていた。




【クラス】ライダー

【真名】聞仲

【パラメーター】筋力B 耐久A 敏捷D 魔力C 幸運E 宝具A

【属性】秩序・善

【クラススキル】
対魔力:B
 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
 崑崙十二仙達の捨て身の攻撃でも少々のダメージにしかならなかった。

騎乗:A
 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。


418 : ジェレミア・ゴットバルト&ライダー ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/04(金) 00:46:04 B.X1aS6I0
【保有スキル】
カリスマ:B
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。

指南の心得:A
 数々の英雄を育て上げた者が得るスキル。指導者としての手腕。
 対象の才能を見極めたうえで隠れたスキルを対象に習得させる。
 殷の代々の皇帝は聞仲の指南を受けていた。

戦闘続行:B
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

勇猛:A
 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

【宝具】黒麒麟
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:― 最大補足:―
 聞仲が常に従える霊獣。
 高い知力と忠誠心を持ち、聞仲の相談相手でもある。
 宝貝合金以上の硬度の外殻を持ち、乗り手をその内側に退避させることで守護する。

【宝具】禁鞭
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:100
 七つのスーパー宝貝の一つ。強力だが手にしただけで人の生気を吸い上げ、使いこなすのも困難である。。
 数ある宝貝の中でも最も気位が高く、聞仲が現れるまで誰一人扱えず博物館に飾られていた。
 直径数㎞以内に入った対象を打ち据えるというシンプルな攻撃だが、それだけに破るのも難しいという。

【人物背景】
 金鰲島出身の道士であり殷王朝の太師。趙公明、蘇妲己と並ぶ金鰲三強の一人である。
 元は仙人骨を持たなかったが、自分の体を虐めるほどの修行と肉体の酷使で仙人骨が生まれ道士となる。
 仙人となってからも殷を支え、政治・軍事の他に財政や治水工事など関わる分野は多岐に渡る。
 殷を害する者には容赦がない。
 殷のために金鰲島・崑崙山を壊滅させ、十二仙や元始天尊をも次々と撃破した。
 しかし親友黄飛虎を失ったことで自分が本当に取り戻したかったものを思い出し、太公望に人間界を託し自ら崖に身を投げた。

【サーヴァントとしての願い】
 我が子“殷”の永遠の繁栄。

【基本戦術、方針、運用法】
 武器は禁鞭のみ、戦闘に際して特別な術も使用しない。
 ただ殷のために禁鞭を振るう、一人で仙人界を半壊させる程度の実力者である。

【マスター】ジェレミア・ゴットバルト

【参加方法】農園で偶然ゴフェルの木片を拾う。

【マスターとしての願い】元の世界へ帰還する。

【weapon】
 両腕の手甲剣。グローブに仕込まれており、伸縮自在である。

【能力・技能】
・左半身を改造されている。
 ナイトメアフレーム(人型機動兵器、平たく言えばロボ)の爆発に巻き込まれても無傷でいられる程度の頑強さ。
 銃弾は(何故か改造されていないはずの右半身に当たったものも)跳ね返す。
 コードギアス世界で「生身でなら最強」と言われていた篠崎咲世子と互角に戦っていたため、身体能力は高い。

・左目は義眼であり、ギアスキャンセラーを有す。
 全てのギアスの解除が可能であり、ジェレミア自身にはそもそもギアスが効かない。
 また煙幕の中を見通す暗視機能もついている。

【人物背景】
 神聖ブリタニア帝国の貴族であり軍人。
 九年前に主君・マリアンヌの暗殺を防げなかったことを悔やみ、軍内部で強い上昇志向を持つようになる。
 一度は一国の代理執政官にまで上り詰めるがルルーシュの策により失脚、その後本人の意思とは無関係に肉体を改造された。
 言語障害、感情の暴走、乗機ごと海底に突っ込まれるなど散々な目に遭い、ギアス組織に拾われて再改造を受ける。
 マリアンヌの遺児ルルーシュを主君と定めてからは安定した戦いを見せた。
 ゼロレクイエムの関係者の一人であり、ルルーシュの目的を知った上で最後まで協力した。
 原作の最後では軍を離れ、ルルーシュからもらった名前と同じ果物を栽培している。

【方針】
 第一目標は生還。聖杯を積極的には求めないが、聞仲には協力する。


419 : ◆ZA1oaRzEWM :2014/07/04(金) 00:47:08 B.X1aS6I0
投下終了です。


420 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:48:17 O/WvnEI20
スケアクロウ&アーチャー投下します


421 : スケアクロウ&アーチャー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:49:01 O/WvnEI20
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恐怖(きょうふ、英: fear, horror)は現実もしくは想像上の危険、喜ばしくないリスクに対する強い生物学的な感覚




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


422 : スケアクロウ&アーチャー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:49:52 O/WvnEI20




「キミガ僕ノマスターカゐ?」




まず始めに、そのサーヴァントは何とも独創的な口調で話しかけてきた。
口元を覆う棘の付いたマスクが、その声を若干曇らせているように思える。
腰まで届くほどの黒髪に、背筋を凍らせるような不気味なオーラ。
さながらホラーと呼ぶべきものだろう。
その虚無の瞳は、じっとマスターを見つめている。


「……ああ、私が君のマスターだ」


それに答えるものも、サーヴァントと同じく独創的だった。
一見理知的な応答に見えるその言葉の裏には、微かな狂気が見え隠れしている。
ボロ布を纏ったその姿は、さながら案山子のようであり、事実男――ジョナサン・クレインは案山子(スケアクロウ)だった。

ジョナサンは悪徳の街ゴッサムで暗躍する、代表的なヴィランのひとりだ。
ひ弱でいじめられっ子であったジョナサンは、心理学の分野で成功した後にも、過去のトラウマを忘れることができず、恐怖の研究に没頭した。
結果、彼は自らの恐怖を克服するためにも、恐怖を与える存在になろうと考え、徐々に常軌を逸しっていく。
そしてその振る舞いが祟り、大学を解雇されたことを切欠として、完全に精神が破綻したジョナサンは、他者の潜在意識化にある恐怖の幻覚を引き出す恐怖ガスを使い、自身を解雇した大学関係者を次々と殺害。
その後も犯罪を繰り返す、「スケアクロウ」へと覚醒した。




「ワカッタ。タシかニまスターのヨうダナ」

「ボクハアーチャーのサーヴぁント"エス・ノト"ダ」

スケアクロウの返答を聞き、少しの空白。
サーヴァントは静かに名乗った。
スケアクロウは、案山子のマスクの下から、エス・ノトと名乗ったアーチャーを見据える。

同じく、エス・ノトも、スケアクロウを見据え、視線を返す。
その目からは、何も読みとれない。
それは妙な感覚だった。
いや、今まさにそもそもが聖杯戦争と言う奇妙な状況の渦に居るわけだが、それとはまた別種のものだ。シンパシーとやらだろうか


「サテ……サイショにヒトツキキタイコトガアる」
「……なんだ」

アーチャーは試すような口調で、そして微かな好奇心を宿し問いかける。





「恐怖トハナンだと思う?」


423 : スケアクロウ&アーチャー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:51:05 O/WvnEI20

「人の生キル上で最モ重大ナ感覚は“恐怖だ”。
半端な強者ハよク錯覚スる。恐怖ハ経験デ乗リ越エラレル”と。
“理由の在る恐怖”は優しい。
それは意志や経験で乗り越えることができる。
ダガ真の恐怖ニハ理由がない。
それは感情ではなく本能だからだ。
真の恐怖とは理由も際限もなく体を這い上る夥しい羽虫のようなもの」

語るアーチャーに、スケアクロウは答えない。ただ静かに聞いている。

「本能カラ逃レラレナヰモノ、そレガ恐怖……」
「違うな」

スケアクロウは初めてアーチャーの言葉を遮った。
そして語られた言葉は、恐怖をよく知るアーチャーにとっても予想外なものだった。


「恐怖とは……救いだ」


アーチャーは固まった。



ジョナサンにとって、恐怖とは当初克服するべきものだった。
しかし、スケアクロウは違う。
スケアクロウは他者に恐怖を与えることが目的としたヴィランであり、行動の指針でもある。
それゆえの、言葉だ。





「アハ、アハ、ハハハ、アハハハハハハハハハハ」



アーチャーは笑った。なるほど、救いか。これは予期していなかった回答だ。
一見してから同類だと思っていたが、少し違っていたようだ。




恐怖を伝染させる滅却師エス・ノト
恐怖を与える案山子スケアクロウ




この瞬間、どこか歪なふたりはお互いをパートナーとして認めた


424 : スケアクロウ&アーチャー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:51:47 O/WvnEI20
【マスター】
ジョナサン・クレイン@バットマン

【参加方法】
ゴフェルの木を何らかの形で入手しての参戦の可能性あり

【マスターとしての願い】
恐怖を与える。人に認められたい

【weapon】
「恐怖ガス」
スケアクロウが発明した他者の潜在意識化にある恐怖の幻覚を引き出す特殊ガス

【能力・技能】
長い手足を生かしてカンフーのような動きで戦うこともあるが、それほど肉体能力は高くない。人を恐怖に追い込む心理的な罠などを得意とする策士である。

【人物背景】
元はゴッサム大学の心理学教授で、恐怖症の研究をしていたが、学生達を使った行き過ぎた人体実験が原因で解雇され、それを逆恨みして犯罪者となった。様々な恐怖症を発症させるガスが武器。カカシ(Scarecrow)を模したコスチュームをまとう。
彼自身は鳥恐怖症。だが作品によっては、なぜかカラスの「Craw(もしくはNightmare)」を飼っており、おそらく唯一恐怖の対象にならない鳥なのではないかと思われる。

【方針】
今のところは未定だが、他者に恐怖を与える事を重点に置く


425 : スケアクロウ&アーチャー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:53:00 O/WvnEI20
【クラス】
アーチャー

【真名】
エス・ノト@BLEACH

【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷B+ 魔力B 幸運D 宝具A

【属性】
中立・善

【クラススキル】
対魔力:B
ある程度の魔術を防御できる

単独行動:A
マスター不在でも行動できるが宝具が一部使用不能になる

【保有スキル】
気配遮断:B
まったく気配を感じさせずに対象に接近できる

自己改造:B
エス・ノト自身の恐怖を具現化したような巨大で醜悪な異形に変貌する

【宝具】
『F(恐怖)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:10人
光の棘を出現させ、それに接触したものに黒い液体のような"恐怖"を侵食させる。
この"恐怖"はエス・ノト曰く鍛練や実力で打ち勝てる「理由のある恐怖」ではなく、本能的で克服不可能な「理由のない恐怖」であるために、一度触れてしまえば生きている存在には防ぐことはできない。壁や盾で棘を防いでもそこから恐怖が侵食する。

『神の怯え(タタルフォラス) 』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:5 最大捕捉:1
一種の固有結界
対象を無数の眼の存在する結界内に閉じ込め、視神経を通して恐怖を伝染させ、対象の精神を破壊する
この宝具を発動している状態だと、エス・ノト本人を見るだけでも恐怖が伝染するため、メンタルが弱い相手には絶大な効果を期待できる

【weapon】
光の棘

【人物背景】
「見えざる帝国」(ヴァンデンライヒ)で編成されている星十字騎士団(シュテルンリッター)の“F(恐怖)”。
朽木白哉から卍解を奪った。
一人称は「僕」。平仮名やカタカナ、漢字が入り混じった特徴的な喋り方をする。笑顔が異常に不気味。
自身の能力と奪った千本桜の力で朽木白哉を圧倒し瀕死に追い込んだ
見た目がかなりヤバい。愛称は能登さん。武器は周りに浮く光の棘。
怖いものは「陛下の怒り」と「地獄」。
元は重病を患っており、力を与えられ滅却師となることで生き延びた。
済まぬさんを頼むさんへ進化させ斃した。総隊長に奇襲を仕掛けるも 丸焦げになり玉☆砕…したがまさかの生還を果し再登場した。
しかし今度はルキアの卍解の餌食となり、身体の芯から氷漬けにされて死の恐怖に怯えながら死亡

【サーヴァントとしての願い】
死の恐怖や苦しみを無くしたい

【基本戦術】
優勝狙い。スケアクロウをサポート
直接的な格闘ではなく、光の棘を飛ばし恐怖を伝染させるなどの直接精神を攻撃する戦法をとる


426 : スケアクロウ&アーチャー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 00:53:54 O/WvnEI20
投下終了です


427 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:23:09 WDomeaGA0
投下乙です

野原しんのすけ&アサシンで投下します


428 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:24:28 WDomeaGA0


ニンジャ。


ニンジャとは平安時代の日本をカラテによって支配した、半神的存在である。
しかし彼らは、キンカクテンプルで謎のハラキリ・リチュアルを行い、歴史から姿を消した。
歴史は改竄され、隠蔽され、ニンジャの真実は忘れ去られる。
やがて、世界を電子ネットワークが覆い尽くし、サイバネ技術が普遍化した未来。
数千年の時を超えて復活した邪悪なるニンジャソウルの数々。

そのニンジャソウルを宿したニンジャソウル憑依者が今、方舟に眠る聖杯を争うイクサへと顕現していた。

その顔を赤黒のメンポに覆われ、その身体には同色の装束をまとっている。
鼻元まで覆ったメンポと耳と髪を隠している頭巾によって目元しか見ることが出来ない。
片目はセンコめいた炎が宿り、歪な形に膨張している。
そのメンポには「忍」「殺」と威圧的な文字が切り刻まれていた。

「ドーモ、アサシンです」


アサシン――――ニンジャスレイヤーは拝むように手を合わせて一礼をした。


そして、アサシンはゆっくりと顔を上げて目の前のマスターを見下ろす。
アサシンとは対照的に、小さな身体をしたマスターであった。
小さすぎる、園児の身体だ。
坊主頭に刈られた頭部はじゃがいものようで、無地の赤い長袖シャツと黄色の半ズボンを履いている。
お世辞にも頭が良いとは思えない、そんな園児。

「おおー!
 オラ、知ってるゾ! おじさん、忍者でしょ!?」

その幼児の名を、野原しんのすけ、と言った。


429 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:25:19 WDomeaGA0


――――ニンジャだぞー!ニンジャだぞー!


アサシンの脳裏にフラッシュバックする。
陽炎のように揺らいだ世界。
背格好だけは似ている幼児の姿が、かつてアサシンの前に当たり前に存在した幼児の姿が、しんのすけと被る。
ここにはない何かをアサシンは、瞬間、幻視した。

しんのすけは目を輝かせ、地を這う虫のような機敏な動きでアサシンの脚元へと忍び寄る。
急性NRS症候群は発揮しない。
これが多次元、平行世界というものなのだろうか。
それとも、ニンジャの記憶を掘り起こさないほどにしんのすけが『鈍い』のだろうか。

しかし、アサシンはそんなしんのすけの様子を見続けていた。
微動だにせず、ただしんのすけから目を離さない。
センコめいた炎が揺れているように見えた。
そんなアサシンに気づいていないしんのすけは、丸太のように太い脚を木登りの要領で肩まで登る。

「おお、本物だゾ! とーちゃんが見せてきた安っぽいオモチャとは全然違う!」
「……」

ぺたぺたと「忍」「殺」と書かれたメンポを触るしんのすけ。
文字の意味がわかっていないのだろう、アサシンの強烈な決意を
そして、アサシンの身体を触り続けて数分。
ようやくアサシンの身体から降りると、次はニヤリと笑ってみせる。
そして、赤い長袖シャツを脱ぎ、頭巾のようにして顔を覆ってみせた。
メンポのつもりなのだろう。
柔らかい腹部を外気に晒しながら、片膝をつく。
そして、右手と左手を上下に並べ、右手の人差し指を左手で握り、左手の人差し指をつきだした。

「忍法だゾー!」


――――ニンポだぞー!


再び、フラッシュバック。
アサシンの身体は止まったままだ。
そのアサシンに囚われず、しんのすけは両手を横に合わせて、素早くこするように動かす。

「シュッシュッ!シュッシュッ!」


――――スリケン!スリケン!


三度、フラッシュバック。
しかし、今度は声が出た。

「……マスターよ」

アサシンは目の前のマスターの身体を、少々強く握る。
そこに悪意はない。
ただ、子供の抱き方を忘れてしまっただけだ。


430 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:25:58 WDomeaGA0

「夜風は身体に毒だ」

常人からすれば手品と見間違うニンジャ素早さとニンジャ器用さによって、アサシンはしんのすけの衣服を元に戻す。
三秒にも満たない時間。
しんのすけの身体を気遣うような柔らかな手つきをとったが故に、アサシンにとっては遅すぎるほど。
だが、しんのすけにとっては目眩がするほどの早業であった。

「おお、忍法!?」
「……ジツだ。ニンポなどという魔法めいたものは存在しない。
 本当のニンジャはジツを使う。
 ニンポなどというものを使うニンジャは居ない」

――――ニンジャなんて、いないのに。

自身が発した言葉に、幻聴が響く。
懐かしい声。
生きるには辛い時代に過酷な都市で、永遠を誓った声。
アサシンの動きが、再び止まった。

「オラも忍法使えるぞ!」

今度は黄色い半ズボンを、いや、下着もまるごど脱ぎ出す。
アサシンは止めずに、ただ眺めていた。
そして、腰に両手を尽き。
腰を前後に振り始める。

「ぞーさん、ぞーさん」
「……」

自身の男性器を象の鼻に見立てた、宴会芸と呼ぶにもお粗末な一発芸。
下品さよりも幼稚さを感じさせるそれを、アサシンは黙って見続ける。
センコめいた炎は、まだ揺らいだままだ。

「かーらーのー」
「……」
「パオーン!」

どこからか取り出した木杭を股の間から突き出し、未熟な性器が屹立したように見せる。
その木杭こそが、まさに『ゴフェルの木片』なのだ。
なんたる不敬か!
恐れを知らない幼児だからこそ出来る行為であった。

ちなみにしんのすけがこの『ゴフェルの木片』を拾った経歴。
先ほどの一発芸を思いついたしんのすけ。
そこでちょうど良い木片を探したところ、路端に落ちていたために拾ったというものである。


431 : 野原しんのすけ&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:27:01 WDomeaGA0

そんな時。

『グググ……フジキドよ』

アサシンの脳裏に声が響いた。

『このような小童に召喚されるとは……なんたるブザマよ!
 オヌシの救いがたい弱さがさらに弱体化している始末!
 これでは一束いくらの弱敵にすらも遅れを取りかねんぞ!』
「黙れ、ナラク」
「お? おじさん、どうかしたの?」

突然、声色を変えて呟いたアサシンへと、疑問を投げかける。
だが、アサシンは取り合わない。
自らの軟弱さを窘める、しかし、悪意に満ちた声なき声へと意識が集中していた。

『こんな小童から送られるカラテの供給では本来のカラテを十全に発揮することなど夢のまた夢!
 単独行動スキルを持っているのだから、さっさと殺して別のマスターを探すのが吉よ!
 そしてスレイだ!ニンジャをスレイするのだ!』
「黙れと言っている!」

この声こそアサシンに憑依した太古のニンジャ、ナラク・ニンジャである。
驚異的なカラテとニンジャ知識を持ったナラク・ニンジャはアサシンに圧倒的な力を与えている。
しかし、同時にアサシンのアサシンたらしめるものを奪おうと牙を研いでいる内なる敵でもあるのだ。

「お、お……?」

当然の怒声に、しんのすけは困惑の表情とともに後ずさる。
その姿を、アサシンはセンコめいた炎を揺らしながら眺めていた。
その眼差しからは感情を感情を伺うことは出来ない。
深く息を吐いた後。

「……マスターよ」
「お?」
「ひとまずは、場所を移そう」

『巨大なビル』から、外に出ることをしんのすけへと提案した。


432 : 野原しんのすけ&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:28:54 WDomeaGA0

【クラス】アサシン

【真名】ニンジャスレイヤー(フジキド・ケンジ)

【パラメーター】
筋力A 耐久C 敏捷B+ 魔力D 幸運D 宝具EX

【属性】
混沌・中立 

【クラススキル】
気配遮断:B

【保有スキル】
精神異常:D
戦闘続行:A
単独行動:B
騎乗:E

【宝具】
『◆◆◆(ナラク・ニンジャ)』
ランク:EX(測定不能) 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
フジキド・ケンジに憑依したナラク・ニンジャとニンジャスレイヤーが共鳴を行うことで発揮する。
あらゆるステータスが跳ね上がるスキル『狂化』に似た宝具だが、意識は存在する。
しかし、ナラク・ニンジャにその意識を奪われかねない諸刃の剣。
この謎めいた宝具に存在するであろう恐るべきニンジャ真実は、ナラク・ニンジャという暗黒に隠されている。
測定不能。

【weapon】
『スリケン』
ほとんどのニンジャが持つ飛び道具。自らの血中カラテを消費することで生み出すことが出来る。
『カラテ』
現実の空手と同様に、凶器と化した四肢での攻撃。
『ジュー・ジツ』
現実の柔術と同様に組み技や受け技など、またはスリケン・ジツなども含まれる総合武術。
『チャドー』
歴史の闇に隠された暗黒武術。独特の呼吸法によってニンジャ回復力を高めることも出来る。

【人物背景】
ニンジャ抗争で妻子を殺されたサラリマン、フジキド・ケンジ。
彼自身も死の淵にあったその時、謎のニンジャソウルが憑依。
一命を取り留めたフジキドは『ニンジャスレイヤー』、ニンジャを殺すニンジャとなり。
復讐の戦いに身を投じる。
近未来都市『ネオサイタマ』を部隊に、ニンジャスレイヤーvsニンジャの死闘が始まった。

【サーヴァントとしての願い】
ニンジャ殺すべし。
あるいは――――

【基本戦術、方針、運用法】
単独行動のスキルも持ち、投擲武器のスリケンも生成可能なためにゲリラ的な戦法を取る事ができる。
しかし、マスターであるしんのすけの知能・体力の貧弱さが常に枷となる。


433 : 野原しんのすけ&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:29:41 WDomeaGA0

【マスター】
野原しんのすけ

【参加方法】
路端に落ちていた木片を拾った。

【マスターとしての願い】
園児であるため、まだ聖杯戦争を理解していない。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
なし。

【人物背景】
埼玉県は春日部市に住む、少々変わった少年。
脳天気な性格であり、成人女性に強い興味を抱くなど少々ませている。
おバカで下品な冗談を好み、妙なところで頭が回る天才肌でもある。

【方針】
サーヴァントであるアサシンとともに行動を共にする。


434 : 野原しんのすけ&アサシン ◆FFa.GfzI16 :2014/07/04(金) 01:30:12 WDomeaGA0
投下終了です


435 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:35:21 I10aaRlU0
皆様投下乙です。
自分も投下します。


436 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:37:27 I10aaRlU0

「――違う」

 少年の予選は、余りに呆気なく終了した。
 全てを忘却させられ、新たに与えられた日常を、半日と要さず偽りと見定めた。
 多くの参加者を著しく突き放した、異常とすら評せる早期突破だ。

 しかし、ある意味では参加者の中でも一際不正な存在である彼ならば、それも当然の帰結なのかもしれない。

 十七年と、六十年。

 二度に渡る生涯の全てを、ただ己が願いの実現だけに殉じて来た魂が、その目標を見失ったというのなら。
 その時、自らの在り方に覚える齟齬は――どれだけ惚けていたとしても、無視することができないほど大きなものに決まっているのだから。

「予想外、でしたね」

 自らの置かれた状況を振り返り、少年はこの事態を招いた聖遺物――養父の形見である、『ゴフェルの木片』へと意識を向ける。

 聖書のノアが如く、神に選ばれる人間となるように、と――あの熱心な神父が、教義に存在しない験担ぎなどという概念を持ち出した際には、心遣いへのありがたみと同時に、意外に俗な国民性が残っているのかと少年も大層不思議に感じたものだったが。 死の間際だった養父の真意は、この『方舟』への切符を少年に手渡しておくことだったのだろうと、ようやく理解できた。 
 何年と遅れた真意の解読も、ここに来るまでは木片が『方舟』へ到達する手段だなどということを知らなかったのだから、ある意味仕方のないことだったのかもしれない。地上の聖杯ばかりを追っていた少年は、月の聖杯についての知識は養父にずっと劣っていたのだろう。
 加えてどうやら、少年の秘めたる願望も、彼には薄々看破されていたらしい、となれば……どうやら今は亡き養父への認識を、改める必要があるようだ。

 ――とはいえ、少年が既に大聖杯そのものを手中に収め、後は残る条件が揃うのを待つばかりという段になって、横から『方舟』へと攫われてしまうという展開は、かの神父をしても

誤算であったことだろうが。

「だが――まだ俺の夢は、終わっちゃいない」

 例え手中に収めた大聖杯から切り離され、入念な準備の末に勝利した大戦よりも、遥かに厳しい条件での生存戦(バトルロワイアル)を要求されようと。
 そんなことで、奇跡とまで呼ばれた少年は、挫けない。挫けていられるわけがない。

 何故なら月の聖杯(ムーンセル)は、冬木の大聖杯を超える願望機だ。
 あるいは六十年費やして来ても、まだあの奇跡を前にすれば誤算はありえたかもしれない。しかし、ムーンセルは常に使用者のための最適解を導き出すという、そんな不安すら無用と化す万能の力。

 ならば、この手に収めることができたなら。より少年の大願成就を確実とするのは、この月の聖杯だ。あるいはそのための、神の思し召しなのかもしれないととすら思えて来る。

 そうであるならば。問題となるのは、そこまで少年が勝ち抜けるか――月より宛てがわれる自身の『つがい』となるサーヴァントが、この戦いで勝利を掴める存在であるか否か、だ。

 少年の期待を一身に浴びながら――月よりの使者は、既に目の前で現界していた。


437 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:38:11 I10aaRlU0

「問おう――貴様が俺の召喚者か?」
「ええ。シロウ・コトミネと申します」

 赤と黒の僧服に身を包んだ、褐色の肌をした少年――シロウ・コトミネは、眼前に出現した男に頷き、名乗る。
 腕組みしながらシロウと相対し、平坦な声で問答を交わしたのは、戦国武将のような物々しい出で立ちをした“いかにも”な風体の男だった。
『特権』で読み取れる情報と照らし合わせれば、間違いない。この長髪の男はシロウのサーヴァント――アサシンだ。

「――そうか」

 返答を聞き届けたアサシンが、無感動に呟きを漏らした瞬間――シロウは不穏な気配を感じ取る。

 アサシンとの間に結ばれた因果線(ライン)を通じて、シロウから彼へと流れ出す魔力の量がほんの少しだけ、増加していたのだ。
 即ち、サーヴァントとして活動するのに必要な魔力を要求されているということ。アサシンが魔力の行使を迫られる状況にあるということ。徒事ではない。
 何事かと推察しようとするシロウに対し、正面から睨めつけられている男の『目』に、変化が起きる。
 眼球の全体が薄い紫へと色付き、瞳を中心とした波紋模様が多重に走る異形へと、アサシンの双眸が変貌する。
 余りに特異なその目は、ただの奇形などという言葉では片付けられない『何か』であると、見る者に何の予備知識も必要とせずに理解させていた。

「運がなかったな」

 アサシンの発した言葉を訝しんだ、その一瞬の隙に。
 いつの間にか彼の掌が、シロウの頭上に置かれていた。

 次の刹那――まるで肉体と魂魄との接続を乱されたかのような違和感に心身を支配され、シロウは身動き一つ、取ることができなくなった。

 己の身に感じる異物感に、脳裏をまさぐられるような不快感が塗布される。相変わらず心身の自由のならないまま、取り戻したばかりの自分を観察されている――そんな奇妙な直感を覚えながらも、その相手を見返そうとする両目の焦点が合わない。最早五感すら安定せず、この状況を脱するための『宝具』の発動も叶わない事実だけを、辛うじて理解した。

 ただ、彼の頭を鷲掴みにしている人物の腹次第で、次の瞬間の運命が決まる――そんな状況に、最速で予選を勝ち抜いたはずの少年は陥っていた。
 果たして、いつまでこの状況が続くのか――それを推測するための時間感覚すら、抜け落ちていた、そんな中。

「――前言撤回、だな」

 その一声を合図に。万力のように頭蓋を締め上げていた圧力が消失したのを、少年は確かに認識した。
 認識できた、ということは――正常な感覚を取り戻せたのだと理解する間に、シロウの逆立てた白髪の間を、手袋に包まれた男の五指が抜けて、元の位置へと戻って行く。
「気が変わった」
 そうして開けた視界に映ったアサシンは、先程までに比べて幾分、感情を取り戻した表情でシロウを見つめていた。
「俺を利用しようという輩など、この場で殺してさっさと座へ帰るつもりだったが……貴様は特別だ。考えを改めることとしよう」
「……それは僥倖」

 眼前の男――自らのサーヴァントに危うく殺されかけたシロウは、復活した平衡感覚を総動員して何とか踏みとどまった後。憔悴の中、それでも穏やかに返していた。
 アサシンもまた、そんなシロウが愉快で堪らないと言った様子で破顔する。


438 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:39:34 I10aaRlU0

「ああ、おまえは実に運が良い。後から俺の腹がどう変わろうが、貴様がただの人間であったなら……本来人間道に触れられた時点で、死という結果は因果として成立していたからな」

 何の遠慮もなく、出会い頭から取り返しのつかない行為に及ぼうとしていたのだというサーヴァント――運命共同者からの告白には、さすがのシロウも苦笑を漏らした。

「これはこれは。確かに、使い魔として扱われるなど屈辱ではありましょうが……それでもあなたがこうして召喚されている以上、仮令聖杯の獲得とは別だとしても、何か。その二度目の生を使って、成し遂げたいことがあったのでは?」
「三度目だ」
 その兇行が理解できないと尋ねる少年に対し、男はまず短い訂正を口にする。
「願いがない、わけではないが……端的に言えば、既に諦めていた」
 告白される思考が、過去の視点に基づいたものであることを強調する語り口が意図的なものであると、少年も理解できていた。

「……俺が二度の生涯を使い、やっと叶えたと思った願いは偽りだった。俺は奴らの勝手のために踊らされ、世界に混乱と破滅を齎しただけだった」

 触媒こそない召喚であったが、シロウの有する『特権』により、既にこのサーヴァントの真名は把握できている。
 だが、見るからに同郷の出身と思しき姿形をしているこのアサシンの名に、シロウは覚えがなかった。おそらくはシロウと同じく、『方舟』が直接姿を見せたのとは別の時空から馳せ参じた異邦の英霊なのだろう。故に、どんな生前を送って来たのかはわからないが……口ぶりからは随分と凄惨な裏切り、それに対する絶望を経験して来たことが伺えた。
 そんな空虚に満ちた独白を、何故か――他人事だとは思えずに、シロウは痛切な心地で静聴する。

「挙句、死んでも今度はこの『方舟』に囚われ、浅ましい争いで踊らされるというのなら……俺の眠りを妨げた者を殺す方が、よほど有意義に思えたということだ」
「……しかし、それを改めたと?」
 シロウの問いかけに、アサシンは頷いた。
「何ということはない。元々は殺すつもりで使った能力が、サーヴァント相手では記憶の読み取りしかできなかったというだけのことだが……」

 ――サーヴァント相手では。

 その一言だけで、記憶を読み取ったというアサシンの説明が、シロウに与える説得力を著しく増大させる。

「その貴様の記憶に、夢を諦めない様にあてられたのだろう。もう一度だけ……俺も願いを、諦めたくないと思えた。貴様を主君と仰ぎ、共に聖杯を――真なる月の目を勝ち取りたい、とな」
「……光栄です、アサシン」
 おそらくアサシンの言葉は、本心からのものだと感じられた。だからシロウもまた、彼の主として認められたことに本心からの感謝を述べていた。

 同時に確信する。やはり神は、シロウを赦されるのだと。
 もしもシロウが神の意に沿わない存在であったために、大聖杯を取り上げられたというのなら。そも、最初のアサシンの兇行で、命を落とすはずだった。
 しかし、結果はただ召喚した場合よりも、よほど強い信頼をサーヴァントとの間に築くことができた。
 全ての人間を慈しみ、癒すために月へ至れと後押しするために……この『方舟』に少年を導いたのだと、理解できた。

 アサシンとの出会いは、改めて己の正しさを確信できるものだった。それなら後はただ、迷わず月まで駆け上がるのみ。

「では、マスターとして尋ねたい。私を見て取り戻したという、あなたが聖杯を求める理由。それを教えて戴きたい」


439 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:41:33 I10aaRlU0

 そして、争奪戦へと真に参加するために。契約のために、シロウは相手をより知ろうと望む。 
「聞いてどうする?」
「もちろん、契約のためですよ。振る舞いを見る限りありえないでしょうが、私の願いと真っ向から衝突しない限りは、あなたの願いにも極力沿わねばと思いまして」
「無駄な気遣いだな」
 シロウの返答を一笑に付した後、しかし真剣な目つきとなったアサシンは、自らの主君に胸の内を明かした。



「俺が月の目に託すのも、貴様と同じ夢さ。天草四郎時貞」
「――あなたが願うのも、全人類の救済か。うちはマダラ」



 対峙する相手の真の名を、既に知悉していた二人の英霊は――願いを共有したその瞬間、初めて同志の名を呼んだ。

 この先彼ら『つがい』で繰り広げる殺戮を、人類最後の悲劇とする決意と共に。



   ◆



 巡り会ったのは、余りに似通った二人の男。
 世の残酷さを知りながらも、まるであどけない少年のように全ての人々の救済を願い、人生を二度までも悲願の成就に捧げた、愚直なまでの理想主義者達。
 出会うはずのなかった彼らの出会いは、しかし紛れもなく――運命と呼ぶべき、必然だった。 




【マスター】シロウ・コトミネ@Fate/Apocrypha
【参加方法】『ゴフェルの木片』による召喚(言峰璃正からの譲渡品)
【マスターとしての願い】人類全ての救済
【weapon】『黒鍵』×不明、とある剣豪の刀(“赤”のキャスターのエンチャントによりCランク宝具相当に強化済み)

【能力・技能】

 本人曰く普通の人間程度の力しかない、が、対戦した“黒”のバーサーカーの評では、聖堂協会の代行者と比較しても図抜けた戦闘力を有している。
 戦闘時に武器とする黒鍵は一度標的に弾かれても、再度標的に襲い掛かるよう術式が組み込まれており、刀身を伸ばし即席の壁を作り出すことも可能と応用性に富む。
 それ以上に特筆すべきは謀略家としての手腕。表では大戦の監督官として、暴走する“赤”のバーサーカーの通過する進路上で起こりうる問題の対処に奔走し、その裏ではアサシンが使役する鳩を通じてルーマニア全域の動向を把握しつつ、戦況に応じて的確にサーヴァントを使いこなし、さらに次の段階へ進むための準備も怠らない。
 アサシンへの魔力供給は問題なく行える事から、魔術師としても高い特性を持つ事が伺える。


440 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:42:41 I10aaRlU0
【ステータス】不明
【属性】不明
【クラススキル】
真名看破:?
 目視したサーヴァントのクラスと真明を看破できる。例え対象が受肉していようとも有効に機能する。ただし、素性を秘匿するスキルや宝具には妨害を受けてしまう。

【保有スキル】不明

【宝具】
『右腕・悪逆捕食(ライトハンド・イヴィルイーター)』
ランク:???  種別:対人 レンジ:???

 本来、シロウが持っていなかった力だが、宝具が持つ「奇跡の再現」という形で彼の肉体に顕れている。
 戦闘において自身の補助を行う対人宝具であり、シロウが保有する「未来視」などの特殊能力を強化・支援する。

『左腕・天恵基盤(レフトハンド・キサナドゥマトリクス)』
ランク:??? 種別:対人 レンジ:???

 右腕同様、自身を対象とした対人宝具で、シロウの肉体に対する補強・強化を行う。
 この宝具には対象者を「不老」にする効果があり、この効果によって彼は受肉しながらでも半世紀以上の時を耐えることが出来た。


【人物背景】
 本名、天草四郎時貞。『Fate/Apocrypha』における第三次聖杯戦争で、アインツベルン陣営のサーヴァント・ルーラーとして召喚された英霊である。
 本来中立の審判であるべきクラスを参加者として不正に召喚したサーヴァントであるため、ルーラーとしての機能は十分ではなく、また彼はルーラーが本来持っていてはならないはずの『聖杯への願い』を持っていた。
 第三次聖杯戦争終盤、大聖杯に触れたことで受肉。マスターを失ったことでスキルと宝具を除くと並の人間程度の能力しか残らなかったものの生存し、己の願いのためユグドミレニアに奪われた大聖杯を取り戻し、その奇跡を手にすると決意する。
 その後は、第三次聖杯戦争の監督役であった言峰璃正を利用し、偽の身分と大聖杯の行方を探るために聖堂教会での役職を入手、半世紀以上も行動を起こす機会を伺っていた。
 そして大聖杯を秘匿していたユグドミレニアが、魔術協会から離反したのに合わせ、シロウも勃発する聖杯大戦に聖堂教会から派遣された監督役として介入。同時に“赤”のアサシンのマスターとして聖杯を求め参戦する。
 正規のルーラーであり、自身の計画の障害となるジャンヌ・ダルクを警戒しつつも順調に事を進め、両陣営の総力戦の中、アサシンの宝具の力で大聖杯の奪還に成功する。
 さらにセイバー以外の残る五騎の“赤”のサーヴァント達の令呪までも手中に収め、最終的には彼らの協力を取り付けることに成功。後は大聖杯の使用条件を整え、悲願を成就させるのみ、という段階で(ここ独自の設定として)璃正から形見として授かっていた木片の作用で『方舟』に召喚された。


【方針】聖杯戦争を勝ち抜き全人類を救済する。基本的には堅実に進めて行く。ルーラー(ジャンヌ・ダルク)とは今回は対立する理由はないはずだが、警戒する。


441 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:44:16 I10aaRlU0
クラス】 アサシン
【真名】 うちはマダラ@NARUTO
【人物背景】

 世界の在り様に絶望し、全ての救済を願うもその独善性から数多くの犠牲と混乱を世に齎した伝説の忍。

 まだ忍の隠れ里という概念すらなかった戦乱の時代に、最強と恐れられた忍一族の一つ“うちは一族”でも特別に強いチャクラ(魔力)を持つ者として生まれる。
 一度忍として生まれ落ちれば、幼子も例外なく戦場で命を落としてしまう世の変革を望むが、うちは一族の指導者としての重圧と、弟を失った悲しみにより歪みを抱えるようになる。やがては一族全員が敵対していた千手一族に投降した中でも一人だけで戦いを続け敗れるが、幼少期に友情を育んだ千手の長柱間の説得を経て休戦を受け入れた。
 その後は柱間らと共に木ノ葉隠れの里を創設、しかし里でのうちは一族の扱いに不満を持ち、九尾の妖狐を操って再び柱間と対立するも敗北、死亡したと伝えられていた。
 だが、柱間との戦いで死亡したのは偽装であり、マダラが夢とする『月の目計画』実行のための下準備であった。その戦いで仙人の肉体を持つ柱間の細胞の一部を入手し、歴史の表舞台から姿を消し、さらに計画を進めた後、一度本当に死亡する。
 本来の計画では、マダラの両目を移植した人物の力で自らを蘇生させる手筈だったが、その計画に狂いが生じ、第四次忍界大戦の最中、『穢土転生』の術で現世に復活する。
 この穢土転生の体には術者によって特別なチューニングが施されており、全盛期の肉体でありながら、本来は死の直前に開眼し、実戦に用いたことのなかった輪廻眼を発動できるようになっており、無尽蔵のチャクラに不死身の肉体という穢土転生の特性も併せて、忍連合軍を相手に縦横無尽に暴れまわった。

 計画代行者がその名を騙るだけで世界を巻き込む大戦争を引き起こせるなど、マダラが持つ影響力はその世界において絶大であったと言える。
 平和を渇望するも、世界の仕組みは最早変えようがないと結論し、全ての人間を同じ幻の中に閉じ込めることで、誰もが幸せになれる夢の世界を作り出す“月の目計画”の成就を悲願とする。その実現のためなら、かつて忌避した悲劇をどれほど生み出し、その結果本物の世界がどうなろうとも一切気に留めることのない、ある意味では究極の理想主義者。

 しかしその“月の目計画”が記されていた石碑自体、神話の時代より暗躍し続けた真の黒幕である大筒木カグヤの意志・黒ゼツによって改竄されたものであり、無限月読を成功させた次の瞬間に予想外の裏切りにあって黒ゼツに侵食され、輪廻眼を媒介にカグヤ復活の依代とされてしまい、二度目の生を非業の死という形で終えることとなった。

【ステータス】

筋力C 耐久C 敏捷A+ 魔力A+ 幸運D 宝具A++

【属性】

中立・悪

【クラススキル】

気配遮断:A+
 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。


442 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:45:51 I10aaRlU0

【保有スキル】

忍術:A+
 宝具の域にまでは昇華され得なかったが、歴史に名を刻んだ偉大な忍として研鑽し続けてきた類希なる武芸。気配遮断にも派生する。
 火遁に代表される東洋魔術的な狭義の忍術発動には、詠唱ではなく一定の印を結ぶ必要がある。

魔眼(写輪眼):B+
 写輪眼と言われるうちは一族の特異体質。マダラはその中でも最高位である永遠の万華鏡写輪眼を開眼している。同ランクの幻術、千里眼のスキルにも派生する。
 このスキルによる幻術は精神干渉への耐性を持つスキルの働きを貫通して対象に作用し、一旦術中に掛かってしまった場合は他者に解除されるか、魔眼もしくは対魔力のランク分この幻術による干渉を削減することでのみ抵抗できる。逆に、写輪眼自体が他の魔眼、及び幻惑効果からのマダラへの干渉をランク分阻害・看破する働きも併せ持つ。
 また写輪眼にはチャクラ(魔力)を色で見分ける洞察眼としての役割があり、魔術的な隠蔽・透過を事実上無効化する。
 加えてこのスキルの分析能力により、マダラに再現可能な技術であれば一度見るだけで体術・魔術問わず模倣することが可能となる。
 さらに、同じ目に宿る宝具『輪廻眼』まで同時に失ってしまうことになるが、写輪眼を一つ代償とするたびに、小規模の現実改変瞳術『イザナギ』を発動できる。生前にはこの瞳術で己の死を覆したこともあり、時間差で発動するように写輪眼に仕込むことも可能である。

柱間細胞:B
 忍の祖、あるいは神とも称される六道仙人の肉体を再現するに至った子孫・千手柱間の細胞。マダラは柱間から奪ったこの細胞を自らの体に取り込むことで子孫へ分散した六道仙人の能力を収束し、輪廻眼への開眼条件を満たすに至った。移植した細胞自体はマダラの左胸に柱間の顔の形をして浮き出ている。
 霊核以外へのあらゆる傷を自動的に再生する能力を持ち、体力と魔力の回復量まで増大させる。切断された部位を押し付けるだけで繋げられるほどの再生力を誇るが、特殊な呪いなどで受けた傷を癒す効果はない。
 加えてマダラに仙人の力を発揮することを許しており、自然と合一化することで周囲の状況を感知することが可能となっている。サーヴァントとなったために感知できる範囲は大幅に狭まっているが、接近すれば自然と一体化した存在の動向さえ手に取るように把握し得る。
 また、木遁と呼ばれる特別な忍術の使用を可能としている。木遁は実体を有する特殊な植物を呼び出し操作する術のため、攻撃対象の対魔力スキルに影響を受けない。召喚された植物は接触した対象から強制的に魔力を吸い出して成長する性質を持ち、さらに幻想種やその属性を有する相手には追加で強制的な鎮静の効果も発揮する。
 中でも特記すべきは、本体と相互にリアルタイムで知覚を共有できる分身を生み出す木遁分身の術であり、分身は本体から分割された魔力量に応じて宝具やスキルの使用も可能とし、特に純粋な身体能力に関しては劣化しないため、直接戦闘・諜報戦の双方において非常に有用な性能を発揮する。分身がマダラの意図以外、撃破されるなどの形で解除された場合は供給した魔力が消費される以外に本体への影響はないが、逆に分身を本体が死亡した場合の代替えとすることは不可能である。

カリスマ:D
 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。一族の長であり、子孫がその名を騙るだけで第四次忍界大戦を余儀なくさせたほどの存在ではあるが、生前には率いていた一族全員に見捨てられたことから指導者の求心力としては十分とは言えないランクとなっている。

戦闘続行:A
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命的な傷を受けない限り生き延びる。
 不死身を誇った穢土転生時代や十尾の人柱力時代に限らず、柱間細胞の影響や性格もあって常から往生際が悪い。


443 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:46:46 I10aaRlU0

【宝具】

『輪廻眼(りんねがん)』
ランク:A++  種別:対人(自身) レンジ:−

 スキル魔眼(写輪眼)封印時にのみ発動可能。死の直前にうちはマダラが開眼した、忍界中最も崇高にして最強の瞳術。
 チャクラの五大属性全ての性質変化を操ることが可能であり、本来はマダラ固有の瞳術である輪墓(リンボ)に加えて、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道・外道の輪廻眼所有者共通の七つの能力を持つ。ただしサーヴァントである以上、例え複数の令呪で補助しても生死の境界を操作する地獄道及び外道の力を発揮することは不可能となっている。
 さらに今回はアサシンとしての現界のため、マダラ本人が第四次忍界大戦で使用した輪墓・餓鬼道・天道の三種と、マダラの目を移植されていた人物が披露していた輪廻眼能力の内、アサシンに適した能力である人間道を加えた計四種類が使用可能な瞳術となっている。
 各能力の詳細は以下のようになっており、これらは魔力量次第では天道以外の複数を同時に発動することも可能である。

・『輪墓』:別次元にマダラの影(分身体)を出現させる能力。この影は本体であるマダラと同じ世界に存在する者には輪廻眼以外では視認できず、陰と陽の性質を持つ者以外では受動的にしか干渉できないのに対し、影自体はこちら側に輪墓時空から能動的に干渉することができる。ただし、影自体は徒手空拳以外の能力を持っていない。また、攻撃を受ける側の防御スキル・宝具は有効であり、高ランクの直感や心眼等のスキルでもある程度の感知が可能となっている。

・餓鬼道:『封術吸印』という術により、強固な物質性を持たないあらゆる魔力(チャクラ)を、無効化・吸収する。魔術に限らず、宝具の解放によって放たれた攻性魔力をも、輪廻眼と同じA++ランクまでは完全に無効化・吸収する。さらに直接接触さえすれば、その時対象が体内に収めている魔力をも強制的に吸い出すことも可能である。
 令呪を含む契約や呪い、及び既に完了した魔力の効果を無効化することはできず、また無効化できるのはあくまで封術吸印が発動している間のみである。

・人間道:対象の頭部を掴むことで、体の動きを封じた上で瞬時に記憶や情報を読み取ることができ、最終的に相手の魂を引き抜き即死させる能力。この霊魂と肉体の分離は強制効果のため、情報取得のみが目的で殺害を望まない場合でも、使用した以上は相手を死に追いやってしまう。また頭部以外に触れた場合は相手の魔力量によって抵抗されてしまう上、相手から記憶を読み取ることはできない。
 ただしサーヴァント相手に使用した場合、魂を引き剥がす効果は例え対象が受肉していようと完全に無効化されるため、これ単独での殺傷力は発揮し得ない。

・天道:斥力を操る『神羅天征』、引力を操る『万象天引』、超重力を持つ黒い球体を生み出し全てを引き寄せる『地爆天星』の三つの術を使用する。生前の使用者達はそれぞれ里一つ消し飛ばし、巨大な隕石を地上に呼び寄せ、神を封じて月を生み出したとされている。この逸話から、地爆天星には対神性能が付与されている。
 地爆天星は核となる黒い球体を破壊することで無効化できるが、残る二つの術は規模が小さい分、純粋に耐える他対処法はない。
 ただし、一度天道の能力を使うと最低5秒のインターバルが発生し、更に規模を大きくすればするほど魔力消費が激しくなり、より長時間のインターバルが必要となる。

 また、輪廻眼にはあらゆる結界を看破する能力も備わっている。


『須佐能乎(スサノオ)』
ランク:B〜A+ 種別:対軍 レンジ:1〜50 最大補足:500人


444 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:47:16 I10aaRlU0

 万華鏡写輪眼開眼者の中でも、限られた者だけが発現する能力。
 術者を中心に展開される、チャクラ(魔力)で作られた半透明な異形の巨人。骸骨状の骨組みから、山より巨大な烏天狗を模した姿(完成体)にまで強靭さを増しつつ変化する。魔力の消費を抑え、解放までの時間を大幅に短縮した一部分のみの展開も可能。
 形態によってランクが変化し、部分展開から骨格までの形態ではBランク、多頭多腕の巨人形態でAランク、完成体でA+ランクに相当する。それぞれの形態は太刀や投擲武器となる勾玉等でランク相応の物理的攻撃力を発揮するだけでなく、宝具換算で一ランク下の数値分、敵からの魔術及び物理攻撃の威力を減殺する鎧として機能する。
 この宝具はあくまでも物質性を得た魔力の衣であるため、例え破壊されたとしても必要量の魔力さえあれば即座に再展開を可能とするが、逆を言えば宝具の魔術的性質を打ち払う類の能力には無力であり、封印術以外の呪いに対しても耐性を持たない。
 また、ランクを上げるごとに魔力消費の量は幾何級数的に増大し、特に完成体の展開は外部から新たに魔力を補充しない限り、精々一度が限度である。
 起源は写輪眼にありながら、仮に両目を喪失した状態でも問題なく発動可能。ただし、輪廻眼の能力との同時解放はできない。


【サーヴァントの願い】
 この世の因果を断ち切り、全ての人々を憎しみの連鎖、苦しみ、空しさから切り離し、地獄のような世界から救済すること。そのために世界を観測し、改変し得る究極の魔眼として、“真なる月の目(ムーンセル)”を手に入れる。


【基本戦術、方針、運用法】
 憎しみの連鎖を断ちたいという願いに反して、マダラ自身は戦闘を好む性質が強く、後押しするかのように『須佐能乎』の性能は三騎士に比肩する白兵能力を彼に付与している。
 そのため、マダラ自身はアサシンのクラスでありながら正面から己の力を誇示する戦いを好むが、加減せず暴れ回るには召喚直後の状態では魔力が足りないため、序盤はNPCやマスター狙いの『人間道』で情報収集及び魂食い、『餓鬼道』で他のサーヴァントを弱体化させる、もしくは撃破しつつ魔力を蓄えることを目的として行動するのが基本方針となる。

 また、マダラが本気で戦闘する場合は被害の規模が大きくなるため、ある程度局面が進むと上記の性格もあってアサシンらしい隠密活動は難しくなるものの、まずは木遁による分身に斥候させ、敵の情報を収集しながら消耗させ、倒したと思わせて油断させるなどの極悪な戦法が可能であり、貯蓄できる魔力量が減るとしてもこちらの方が勝率は安定すると思われる。無論、これら分身もスキル忍術による気配遮断を持つため、場合によっては分身の奇襲だけで敵を仕留めてしまえることもあり得る。

 また直接対決時には、木遁分身を含めた陽動でサーヴァントを抑えつつ、気配遮断した本体以上に感知され難い『輪墓』の影で相手のマスターを直接狙うというアサシンクラスらしい戦法も可能。ただし、この戦法は魔力の消費量との兼ね合いを見極める必要がある。

 強敵との戦いを好む一方、マスター狙いにも躊躇はないためそういった状況には陥り難いと思われるが、打倒できないような難敵に対しても一応は『地爆天星』や『イザナギ』による回答を持ち合わせている。
 ただし、前者は多量の魔力を消費する上、場合によっては令呪の空間転移による回避・脱出を許してしまい、後者はスキルである魔眼(写輪眼)と宝具である『輪廻眼』を同時に一つずつ失ってしまうという大きなデメリットを背負っている。

 特筆すべきは写輪眼、及び柱間細胞による仙人感知で、敵の持つ気配遮断やそれに類似するスキルの効果を大幅に軽減することができる点である。そのためクラスに似つかわしくない直接戦闘力の高さと合わせて、他のアサシンに対して基本的には有利に立ち回ることができる。
 また、何らかの有力な武器を入手できた際には、その系統の武器を扱うサーヴァントの戦闘を目撃することさえできれば写輪眼で技術を盗んでおくことができるため、魔力の貯蓄とは別の方向でマダラを強化することも可能となる。

 ここまで強みばかりを書いてきたが、事実上対魔力の互換となる能力はあれど呪いの類への耐性は皆無で、また何らかの手段で須佐能乎を無効化できる相手には一気に主戦力を欠いてしまうなど(本来有利なはずのアサシンのサーヴァントも含む)天敵が存在しないわけではなく、必勝を期するのであればその諜報能力を十全に活用し、決戦前に敵対者を見極める運用が必要不可欠となる。


445 : シロウ・コトミネ&アサシン ◆z9JH9su20Q :2014/07/04(金) 01:49:11 I10aaRlU0
投下完了です。


446 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:51:18 dPm9Czkc0
宮内れんげ+アサシン
投下します


447 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:51:52 dPm9Czkc0
「ねーねー、うち、宇宙人さんが見えるようになったん」

  彼は誰にも信じてもらえなかった。
  何故なら彼は絶対に姿を現さなかったから。
  そこに居たのにいつの間にか消えていたり、かと思えばあっちに居たり。
  顔を見せるのは決まって、二人きりの時だけだったから。

「なっつん、こまちゃん、ほたるん、うち知ってるん。それ、宇宙人さんのしわざなんな!」

  彼はイタズラ好きだった。
  人の焦った顔、困った顔が大好きで、彼女が見ていない場所では色々と悪さをする。
  きちんと謝った方がいいよというと、その度に大きな口をゆがめて楽しそうに笑った。

「駄菓子屋、このおかし、二人前くださいな!」

  彼は友達だった。
  いつも傍に居てくれた。
  朝起きて、夜寝るまで。ずっと、ずっと、一緒だった。

  危ない時はいつでも助けてくれた。
  山で迷子になった時も。
  嫌いな野菜を食べられない時も。
  うさぎ小屋から出られなくなった時も。

  手品を見せてくれた。
  自分に変身してみせたり。
  長いしっぽで川の奥にあった綺麗な石を拾ってくれたり。

  綺麗な夕日を一緒に見た。
  美味しいお菓子を一緒に食べた。
  友達のあかしとして綺麗な木のネックレスをくれた。

「うち、宇宙人さんとお友達になれて、とっても幸せです!」

  そう言うと彼は決まって、大きな口の端を釣り上げてこう言った。

   『ミィもwwwwwwwwミィもれんちょんとお友達になれてすっげー幸せーっすwwwww
    ありしゃーっすwwwwwwwwなんつってwwwww』


448 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:52:42 dPm9Czkc0
* * *

  ある朝、少女が目を覚ますとそこはまったく見知らぬ地だった。

「ねーねー……?」

  返事はない

「駄菓子屋」
「なっつん」
「こまちゃん」
「ほたるん」

「みんな、いないのん?」

  見知らぬ場所に一人ぼっち。
  でも、寂しくはなかった。
  だってきっと、彼が居てくれるから。

「かっちゃん」

  背の高い木を見上げながら、その名を呼ぶ。

「はいはーいwwwwwwwwwwwwww」

  空間にノイズが走り、なにもなかったその場所に人が現れる。

  ばかデカい背、ぐしゃぐしゃの赤い長髪、ギザギザの牙、紫色のスーツ、菱形のしっぽ。
  耳まで裂けているのではないかと錯覚するほど大きな赤い口。

  彼は、木の上で足を組んでれんげを見下ろしていた。
  まるでずっとそうやって見守っていたような、自然な振る舞いで。

「かっちゃんはやっぱりおったん! さすが!!」

「そりゃあもうwwwwwwwwwミィはれんちょんのこと大好きですしwwwwwwwwですしですしぃwwwwwwww」

「そんなに言われたら、いくらうちでも照れるん」

  再び、彼の居た場所にノイズが走り、彼の存在がかき消える。
  かと思うと、次は自分の視点が一気に高くなった。

「おお、うち、成長期!!! おっきくなっちゃいましたん!!!」

「ワロスwwwwwwwww成長期とかwwwwwwワロスすぎりゅよぉwwwwwwwwwwwww」

「かっちゃん、にゃんぱすー」

「はぁいれんちょんにゃんぱっすーwwwwwwwwww」

  気付けば、れんげは彼に肩車をされていた。
  れんげはこの、彼の大きな体での肩車が大好きだった。
  自分が見ることのできない景色を見渡せて、一番の親友と一緒に居られるから、大好きだった。

「さぁて……これからどうします、マイマスター?」

「誰かに会うん!! それで、それで、ここがどこか調べるん!!!」

「おkwwwwwwwwwwwwぶぃぃーんwwwwwwwぶぃんぶぃーんwwwwwwww」

「ごーごーかっちゃん!!!」


449 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:53:32 dPm9Czkc0
「んにしてもぉ……この感じ……始まっちゃったかなwwwwwwwwwこれwwwwwwww」

  彼がいつものように中空を見上げ、楽しそうにつぶやく。
  隠れていて何も窺い知れない目。いつでも楽しそうに笑っている口。
  病的なまでに真っ白な肌を愉悦で歪める彼の顔ももう見慣れたものだ。

「かっちゃん、何が始まったん?」

「んとねぇwwwwwwwwwミィがとっても、とおーっても、大好きなものだよぉwwwwwwwwチャンカチャンカチャンwwwwwチャンカチャンカチャンwwwww」

「……はい! はい!! たぶんですが、それ、お祭りですか!!」

「おおwwwwwwwwwwwwぴんぽぴんぽぴんぽwwwwwwwww大当たりwwwwwww
 正解はぁ、お祭り!! えー、このたび正解したれんちょんには賞品としてお祭りの参加資格が与えられます!」

「やったー!!」

「しかも、しかもでぇすよぉ? そのお祭りですねぇ……なんと、優勝者にはどんなお願いもかなっちゃう賞品付きなぁんですよねぇ!」

「なんでも……」

  『なんでも願いが叶う』
  とても魅力的な響きだった。
  それが本当だったら、世界中からピーマンをなくすことができる。

  そして、村を救うことができる。

  最近、彼女の暮らしている村は様子がおかしかった。
  まだ幼子であるれんげでも分かるほどに、空気がギスギスしているのだ。
  その原因が何かは分からない。
  でも、人と人が明らかによそよそしい。
  敵意を見せあっている住人も居る。
  仲が良かった『昔』を知っているだけに、れんげにとってその光景は異様なものだった。

  でも、もし『なんでも願いが叶う』という彼の話が本当なら。

「かっちゃん、かっちゃん!! うち、お祭りで優勝したいん!!!」

「おっほおwwwwwwww奇遇でぇすねぇwwwwwwwwwミィもそう思ってたところですよぉwwwwwwwwwww」

  また、皆が仲良しなあの村に戻れる。
  いつもののんびりしたあの日常に帰れる。

「やってやりましょうぜ、マイマスタァ!!!」

「おー!!!」

  彼と一緒に天に向かって手を突き上げる。
  大丈夫だ。
  彼と一緒なら、負ける気がしない。
  だって彼は、凄く強くて、色々な技が使えて、なにより自分の大親友なんだから。


450 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:54:16 dPm9Czkc0
  *  *  *

  歩き始めて数分。
  ふと、彼の顔に陰りが差しているのに気付いた。

「……かっちゃん、なにかあったん?」

「なんもねっすよー」

「嘘なん」

  その一言で、彼の歩みが止まる。

「……ねぇ、れんちょん」

「んー」

「ミィたち、仲良しだよね」

「聞かれるまでもないん。うちとかっちゃんはたぶん、とっても仲良しで、大親友なん!」

「じゃあさ、れんちょん」

  珍しく、彼がれんげの方を向いた。

「れんちょんだけは、いつまでもミィの味方で居てね」

  目は合わないし、表情も読みとれない。
  それでもお、いつにもなく真面目なトーンの語り口で、どれだけ真剣なのかということが、れんげには伝わってきた。

  れんげには、どう答えていいかが分からなかった。

  だから、ただ強く彼の頭を抱きしめて、一言。

「うち、かっちゃんと一緒なん」

  とだけ答えた。

  姉も、駄菓子屋も、級友も、知り合いは全くいないこの世界で。  
  最後に残っていてくれた彼とだけは離れないために。

  その一言を聞くと、彼……『ベルク・カッツェ』はまた、いつものように口をゆがめて微笑んだ。

「さすがれんちょんwwwwwwwwミィの大親友でぇすねぇwwwwwwwwwwww」

「うん!!!」

「よっしゃwwwwwwそれ聞いてカッツェさん一安心っすwwwwwww
 さあ祭りだ、祭りだ、祭りだワショ――――イwwwwwwww」

「お祭り、お祭り!! うちもふぇすてぃばるん!!」


451 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:55:34 dPm9Czkc0
【クラス】アサシン
【真名】ベルク・カッツェ
【属性】混沌・悪
【クラススキル】
 気配遮断:A+
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。
 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
 狂喜:B
 戦場における異常なまでの精神高揚。
 戦闘中、威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する。
 また痛覚などのバッドステータスによる行動制限を緩和する。

 話術:C
 言論にて人を動かせる才。
 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。
 毒舌に優れ、相手を混乱させ冷静な思考を阻害する手段に長ける。

 追撃:A
 離脱行動を行う相手の動きを阻害する。
 相手が離脱しきる前に攻撃判定を得られ、攻撃が通る限り追撃を続けることができる。

 幻術:D
 魔術系統の一種。偽装能力。個人を対象とした物が可能。
 これにより、普段は自身を別人に見せかける他、。
 反面、物理的に対象に影響を与える事を不得手とする。

【パラメーター】
 筋力D 耐久B 敏捷B+ 魔力D+ 幸運D 宝具A


【宝具】
『形なき悪意の体現者』(カッツェさん登場wwwwww)
ランク:EX 種別:- レンジ:- 最大補足:-

 数々の惑星を破壊した彼の伝説が彼自身の存在と融合した結果生まれた、ベルク・カッツェをベルク・カッツェたらしめる宝具。
 つまりアサシン・ベルク・カッツェは『ベルク・カッツェ』という名の宝具を常に発動している状態だと言える。

 人の心に潜む『悪意』こそが正体。
 その逸話に違わず、ほぼすべての人間が彼の脅威にさらされる可能性があり、ほぼ全ての人間が彼に付け込まれるスキがある。
 そして、ほぼすべての人間が彼に対する直接的な対策を講じられない。
 彼を傷つけるためにはランクA以上の宝具で攻撃するか、彼と直接『遭遇』するしか道はない。
 『遭遇』することが出来れば、以後その人物はこの宝具を乗っ取る(悪意を受け入れる)ことが可能になる。

 また、彼と関わる全ての人間が『形なき悪意』の元に晒されることになる。
 不和、嘲笑、挑発、侮蔑、いわれなき誹謗中傷。彼と『遭遇』する際には精神攻撃耐性を持っていることが望ましい。

 この宝具はベルク・カッツェ自身であるため、この宝具の発動が阻害された場合、ベルク・カッツェは消滅する。 


『幸災楽禍の果てを望む力』(め、め、め、メシウマぁぁぁぁあああああああwwwwwwww)
ランク:B 種別:強化 レンジ:1〜5 最大補足:

 『災いや混乱を引き起こす』力を秘めたNOTEとそれによって生み出される力。普段はNOTEの形をしており、カッツェが持ち歩いている。
 上記の現象を起こすためならばどんな力でも発動できる。

 ただし、語られなかった歴史を引用できないように原作中で使用されなかった能力は行使できない。
 この聖杯戦争においては
 ・自身の姿の隠ぺい
 ・瞬間移動(目測100m程度まで)
 ・他者への成りすまし(キスした相手のみ、現在成りすませるのは『モブ男性』『モブ青年』『モブ女性』『枇々木丈』『爾乃美家累』『宮内れんげ』)
 ・第三者に向けて発信されている情報の操作(同一戦闘中一回のみ発動されたスキル1つをジャミング、レンジ内のマスター・サーヴァント1組への放送ジャックなど)    のみとなる

 この宝具を使用することでGスーツを身に纏い、戦力をあげることができる。
 『他者を争わせる』という一点に力を全部注いでいるため、直接的な破壊力は低い。

 この宝具は、カッツェの精神を表したものであり、弱点でもある。
 この宝具が破壊された時、ベルク・カッツェは消滅する。


452 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:56:32 dPm9Czkc0
【weapon】
「菱形のしっぽ」
 伸縮自在の菱形のしっぽ。しっぽとはいうがその性質は金属に近く、木々を一撃でなぎ倒す破壊力がある。
 これを用いて敵の捕縛や発射されたバーニングハンマーの捕捉なども行っている

「Gスーツ」
 変身後の姿、身体能力が向上。
 他人の心を引きずり出して直接精神攻撃が可能。

【人物背景】
「宇宙人」を自称する、年齢・性別など大半が謎の存在。
 キスすることで人間に擬態する。混乱を起こす事を好み、擬態能力と腕から出す菱形のしっぽで周囲を攻撃する。
 奇矯なポーズや言動を好み、度々ネットスラングを口にする。空中に浮遊したり、「アムネジア・エフェクト」と同様に自身の姿を累やガッチャマン以外に見えなくする事ができる。
 かつて数々の星を滅ぼしており、自分の手は汚さずその星の生物が自ら滅ぼし合うように仕向けるのがなにより大好き。
 地球人を「原始人」「愚かな人間」と呼び見下しており、人間が持つ心に関してもあざ笑うような言動を見せる。
 戦闘においてもパイマンが「束になっても敵わない」と恐れるほどの実力者。
 生命体を挑発し、混乱や争いを起こさせることに特化した『幸災楽禍のNOTE』の持ち主で、変身すると身にまとった金色の鎖で姿を見せずに攻撃できるようになる。
 また、J・Jロビンソンと同じく他者の心をNOTEとして抜き取ることができる。Gスーツは無機質なクリスタルのボディを紫のマントが包み込んだ姿。
 その能力から立川CAGEのガッチャマン達からは「悪いガッチャマンさん」「イカれたガッチャマン」と呼ばれている。
 また本人もJ・Jに対する嫌悪や「ガッチャマンを辞めた」と語っており、またスーツにもガッチャマンのマークがあることから何らかの関係があるものと思われる。

 本編エピローグ、一ノ瀬はじめと融合した後に宮内れんげから召喚された。

【サーヴァントとしての願い】
 血が見たい、真っ赤な真っ赤な血が見たぁい!!
 もう一度『ベルク・カッツェ』として復活し、面白おかしく生きる。

【方針】

大衆に対しては他者に成りすまして扇動や犯罪を行い、巨大な組織が内側から崩れていくのを楽しむ。
個人に対しては肉体・精神的に追い詰めていき、心が折れるさまを楽しむ。

この聖杯戦争では、聖杯戦争を加速させ、人が裏切り裏切られ絶望する様を楽しむことが第一。
優勝して願い事をかなえるのはそのついでです。
れんげは大事な魔力の供給源かつマスターなのでそれなりに守るし友好的に対応します。
ただ、もっといい魔力の供給源が見つかったり、れんげが必要以上に口出しを始めた場合はその限りではありません。


453 : 宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 01:57:12 dPm9Czkc0
【マスター】宮内れんげ
【参加方法】カッツェが持っていた『ゴフェルの木片のネックレス』を譲り受ける

【マスターとしての願い】村の皆がもっと仲良くなりますように!

【weapon】    ないん!

【能力・技能】  ないん!

【人物背景】
 小学1年生。12月3日生まれ。身長不明。血液型はB型。
 語尾に「のん」をつけるのが口癖、どうやら村での訛りらしい。
 性格は決して悪くないが独特な感性を持っており、言動を周囲の人間から理解されないことも多い。
 一方で成績は優秀でオール5の成績をとったり、小鞠の絵を描いた際は賞を貰ったこともある。
 小学生としては喜怒哀楽に乏しい印象を受け、笑った表情は一度も見せたことが無いが、内面的にはむしろ好奇心旺盛で少々お転婆な一面もある。
 あだ名は「れんちょん」。前述の通り独特な感性を持っており、「こんにちは」などの代わりに「にゃんぱすー」と挨拶したり、野良タヌキに「具」と名付けて飼い馴らそうとしたり、川で捕まえたカニに「お塩」と名付けて飼おうとしたりしている。
 カレーと梅昆布茶が好物で、ピーマンは苦手。

 聖杯戦争についての知識はまったくありません。
 ただ、『優勝したら願いが叶う』ことだけは知っています。

【方針】     ふぇすてぃばるん!


454 : 名無しさん :2014/07/04(金) 01:58:12 dPm9Czkc0
投下終了です
カッツェさんの宝具2こ目、最大捕捉は10人でお願いします


455 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 01:59:05 O/WvnEI20
衛宮切嗣&セイバー投下します


456 : 衛宮切嗣&セイバー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 02:00:14 O/WvnEI20

「あの……聞いてるで候?」

ありえない。

「もしもーし?マスター?本当にどうしたんで候?」

ありえない。ありえない。

衛宮切嗣は死んだ目をさらに死なせながら、己のサーヴァントに絶望していた。
今回の聖杯戦争、万能の願望器である聖杯に切嗣が望むのは世界平和である。
彼の経歴を知るものには一笑に付されかねないが、本気でそれを願っているのである。
それゆえに今回の聖杯聖杯、予定していなかったイレギュラーがありはしたものの、最優のサーヴァント「セイバー」を召喚する予定であった。
しかし今回は予定していた拠点ではなく、規定外の予選の地であるムーンセルでの媒介無しの召喚。
予定していたアーサー王よりも多少の劣化は覚悟していた。しかし召喚されたのは切嗣の予想を遥かに越えていた。主に悪い意味で


筋力E 耐久E 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具B



……あれ最優の文字どこにいった?
つまるところ切嗣のセイバー……磯部磯兵衛は、その、ぶっちゃけ弱い。

「ちょっとー。聞いてるでそうろブフッ!?」

あ、ついあまりにもしつこかったので殴ってしまった。



「な、なにこの人?!目が死んでるのに生き生きと殴ってきたで候!!怖!!」





……サーヴァントって神秘の籠った攻撃しか通じないんじゃなかったっけ?
マスターとはいえ人間に殴られ痛がっているセイバーを冷たく見据えながら、切嗣はため息をついた。


457 : 衛宮切嗣&セイバー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 02:01:56 O/WvnEI20
【マスター】
衛宮切嗣@Fate/Zero
【参加方法】
アーサー王召喚直前から何らかの理由で参戦
【マスターとしての願い】
世界平和
【weapon】
重火器の類
【能力・技能】
ワルサーWA2000とキャリコM950、ナイフに爆発物などを用いるほか、使用後に精神と肉体に負荷がかかるものの、衛宮家の魔術刻印を用いて自らの時間流を加速・減速させて通常の数倍の運動能力や時間遅延による状況の先延ばしを得る「固有時制御(Time Alter)」を使いこなす。
切り札は、魔術礼装として改造された銃トンプソン/センター・アームズコンテンダーに込める「起源弾」。
【人物背景】
「魔術師殺し」と呼ばれる傭兵じみた魔術師で、魔術師の家系である衛宮家五代目継承者。
目的のためなら手段を選ばない節のある外道。世界平和を望んでいる。あと目が死んでる
【方針】
優勝狙い。
どうしようこのセイバー……


【クラス】
セイバー
【真名】
磯部磯兵衛@磯部磯兵衛物語
【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷C 魔力E 幸運A 宝具B
【属性】
中立・善
【クラススキル】
単独行動:C
マスター不在でも微妙に行動できる
【保有スキル】
気配遮断:B
影が薄くなる
極限妄想:A
妄想により悟りの境地にいたれる
【宝具】
『母の愛(タスケテハハウエ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:?人
超人類的な母上様(クソババア)をスケットとして召喚する
超過保護なので磯兵衛の言うことは大抵何でも聞いてくれるが……

『剣豪の加護(オタスケムサシ) 』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:5 最大捕捉:1
幽霊として漂っている宮本武蔵を憑依?させて戦闘能力をサポートしてもらう。使っていると段々と服が脱げていく。

『水無月富士参り』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:5 最大捕捉:1
 磯部流奥義。
 相手が切りかかってきた!そんな時
 あせらず さわがず 冷静に
 音速で後ろに回り込み
 ちょっとさして
 天高くかざす!!
 そう…富士のごとく!!   …っていう奥義
一撃必殺の技だが、使用するには令呪を一画使用して磯兵衛の肉体をブーストしなければならない。

【weapon】


【人物背景】
とにかくだらしない性格をしており、頻繁に楽をしようとしたり体力測定で仮病を使ったこともある。
また、かなりアホな上に怠けていて勉強があまり出来ないため、「鞘当て」を「サヤーテ(磯兵衛が想像したオランダ人の名前)」と勘違いしたり、「生類憐みの令」を知らずにお犬様にお手をしようとした。
年相応に色欲が盛んであり、連載1話目で春画(エロ本)を読もうとしたり、団子屋のきれいな店員さんを好きになったりしている。しかし、見栄っ張りな部分があり友達には「武士の恥」と色欲に興味が無いふりをしたりしている。
そのため、春画を買う時に宮本武蔵の本に挟んで買い、武蔵に恨みを買って何度も恥をかかされたこともある。
母上様(磯兵衛の母)に立派な武士になることを宣言しているものの、当の磯兵衛本人はいまいちやる気がない。
また、母上様が空気を読まない行動を行った時には内心でクソババアと呼んでいるが、自分の仮病のせいで母親が過剰な心配をした時には申し訳ないと反省していたりと本気で嫌っているわけではないようだ。
ゴキブリが苦手。

【サーヴァントとしての願い】
平和に過ごしたい

【基本戦術】
基本的に戦いたがらない。


458 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 02:02:27 O/WvnEI20
投下終了です


459 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/04(金) 02:10:28 JOldRvGU0
デュフォー@金色のガッシュ、アサシン、投下します。


460 : デュフォー@金色のガッシュ、アサシン ◆hqLsjDR84w :2014/07/04(金) 02:11:36 JOldRvGU0
 
 
 いったいなにが起こったんだ――と、考えて理解する。
 聖杯戦争とはどういうものだ――と、考えて理解する。
 なぜ自分が参加しているのか――と、考えて理解する。

 以上三つの疑問を抱くことで、逆立てた銀髪が印象的な少年・デュフォーは自らの置かれている状況を把握した。
 彼の持つ能力『答えを出す者(アンサー・トーカー)』は、ただ疑問を抱くだけ瞬時にその解答を導き出すことができるのだ。

(研究所にどうしてこんなものが落ちているのか、俺でも答えを出せなかったが……なるほどな)

 ジャケットのポケットから木片を取り出し、少し眺めてから戻す。
 改めて確認しても単なる木片にしか見えなかったが、その正体がなにであるのかはいまなら導き出せた。
 そのままポケットに手を入れて公園を歩みながら、現状抱くべき疑問を解決していく。

 自分のサーヴァントはどこにいる。
 宛がわれたクラスは七種のうちのどれか。
 どのようなサーヴァントであり、宝具はどういうものか。

 それらの答えを一瞬のうちに導き出してから、デュフォーは立ち止まって左手を掲げる。

「――『アサシン』、令呪をもって命じる」

 左手の甲には三画の紋様が刻まれていたが、うち一画が粒子となって大気中に溶けていく。
 令呪がいかに聖杯戦争において重要なものであるのか、すでにデュフォーは理解している。
 その上で、デュフォーは使う必要があると答えを導き出しただけだ。

「『俺には絶対に呪いを出すな』」

 言い終えると同時に、令呪の一画が完全に霧散する。
 デュフォーのサーヴァント・アサシンの呪いは、意思をもって発動するものではなく常時発動の垂れ流しだ。
 サーヴァント自身さえ制御はできないし、そもそも制御できるのならば英霊となっていない。
 はたして、そんなものをコントロールできるのだろうか――その疑問の答えにも、デュフォーは到達していた。

 答えは――『可能』。

 サーヴァント自身でさえ不可能なことを可能とするのが、マスターの切り札である令呪である。

「キェェェエエエエエエエ!!」

 ほどなくして、アサシンのサーヴァントが甲高く鳴いた。
 音源は公園に生えたひときわ高く伸びた樹木だ。デュフォーは驚かない。
 鳴き声に次いで、背に生えた大きな二枚の『翼』を羽ばたかせる音が響く。
 たったそれだけの動作で、アサシンは凄まじい速度でデュフォーの眼前に到達し、その姿を露にした。

 やたらと大きなぎょろりとした目を持つ――『一羽のフクロウ』の外見を。

「よう」

 フクロウ――真名『ミネルヴァ』に、人間の言葉は通じない。
 デュフォーはわかっていたが、一応挨拶を交わしておくことにした。
 これまで長きに渡って研究対象にされてきたせいで、このようにともに同じ目標に突き進む相手など久方ぶりだ。
 ならば一方通行であろうと、こうして声をかけるのも悪くない。

「…………?」

 空中で困惑したかのように、ミネルヴァは可動域の広い首を回転させる。
 いったいなにがどうしたというのか――と、デュフォーは考えて理解する。
 『邪眼』を生まれ持ったがため、このように直視しても死なぬ人間を知らないのだ。
 さらに人間の言葉を聞き取れない以上、先ほどの令呪を消費しての命令もわかっていない。

「なるほどな」

 ひとりごちて、デュフォーはミネルヴァの顔を両手で掴む。
 ミネルヴァに殺気を感知するスキルがあるのはわかっている。
 殺気を感知するということは、殺気を放っていないこともまたわかるということだ。
 ミネルヴァと目と目を合わせて、じっくりと見つめてやる。


461 : デュフォー@金色のガッシュ、アサシン ◆hqLsjDR84w :2014/07/04(金) 02:12:28 JOldRvGU0
 
「…………キェエ」

 見ても死なない人間だ、とようやくわかったらしい。
 怪訝そうに周囲を飛びつつも、興味深そうに一定の距離を保っている。

「お前はなんのために聖杯戦争に来たんだ?」

 口にせずとも答えは導き出せるが、あえて口に出して尋ねる。
 ほとんど同時に、答えがデュフォーの脳内に浮かんでくる。
 生まれた山でも同種異種かかわらず仲間はできず、十三年に渡って研究対象とされてきた。
 導き出されたミネルヴァの過去は、デュフォーのそれとよく似ていた。
 しかし、にもかかわらずミネルヴァは――

「ミネルヴァ、お前、頭が悪いな」

 思わず、デュフォーは吐き捨ててしまう。

 生まれ育った地では馴染めず、意図せず傷つけ、力を利用とする人間たちに長きに渡って監禁され、それでも――
 それでも、ミネルヴァは仲間を求めていた。
 まだ見ぬ見ても死なないメスとつがいになって、子どもを残したがっていた。
 死ぬまでともに同じ道を進んでくれる相手と、自分が生きたという証を求めていたのだ。

 アンサー・トーカーなど持たずとも、誰でも無理だとわかる夢だ。
 いくら鳥類の脳といえど、死してなおそんな夢を叶えるために顕現するとは。

「頭が悪い。
 どれだけ考えても、やっぱりお前は頭が悪い。
 本当に心から。本当に、心から、だ。本当に心からお前は頭が悪い」

 いままでのような理由で、口に出しているのではない。
 勝手に言葉が口から出てきて、止めることができないのだ。

「…………が」

 ようやく、デュフォーは答えを導き出した。
 いままでずっと、どうするべきか考えていたのだ。
 木片に召喚される寸前まで、北極で爆破する研究所に一人放置されていた。
 目の前に迫った死を免れたので、とりあえずはよかった。
 死なないで済んだからよかったが、これからどうするべきか。
 ずっと考えていたのだが、アンサー・トーカーでも答えはわからなかった。
 アンサー・トーカーでも導き出せなかった答えは、自身のサーヴァントである頭の悪いフクロウが教えてくれた。

「どうやら、俺も頭が悪かったらしい」

 これまで見えていなかった行きたい道が、デュフォーにははっきりと見えていた。

 そちらに進んでどうなるのか――と、考えてもわからない。

 長きに渡る研究のせいで表情が乏しくなったはずなのに、不思議と口元が緩んでいた。
 自然に笑ったのはいつ以来だろう。つい浮かんだ疑問の答えに、デュフォーは自嘲する。

「行くか、一緒に」
「キェェ……」

 デュフォーが尋ねると、ミネルヴァは短く鳴いてついてきた。
 言葉が通じたワケではない。それはアンサー・トーカーでわかる。
 ただ単に見ても死なない人間が気になっているだけで、それ以上でも以下でもない。
 しかしそんな答えよりも、ついてきてくれたという気休めをデュフォーは信じることにする。

「鷹狩の本でもあればいいけどな」

 そんな戯言を残して、デュフォーとミネルヴァは公園をあとにした。


 ◇ ◇ ◇


462 : デュフォー@金色のガッシュ、アサシン ◆hqLsjDR84w :2014/07/04(金) 02:13:00 JOldRvGU0
 
 
【クラス】
 アサシン

【真名】
 ミネルヴァ@邪眼は月輪に飛ぶ

【パラメーター】
 筋力E 耐久E− 敏捷A 魔力C 幸運E− 宝具B+

【属性】
 混沌・悪

【クラススキル】
 気配遮断:B+
 サーヴァントの気配を絶つ。魔力とその漏洩を極限まで抑える能力。

【保有スキル】
 飛行:B
 フクロウであるにもかかわらず、鳥類最速であるハヤブサの落下速度に匹敵する速度での飛行が可能。

 殺気感知:A
 殺気を放っている生物、および殺気が籠った銃弾などの武器は、視界の届かぬ範囲であろうと感知することが可能。

【宝具】
『邪眼』
 ランク:B+ 種別:対生物宝具 レンジ:0〜99 最大補足:XXXX人

 ミネルヴァの眼球自体が宝具であり、常時黙視できぬ毒液のような呪いが垂れ流されている。
 呪いはミネルヴァが視界に捉えた相手の眼球から侵入し、対象となった生物を確実に死に至らせる。
 祈祷など魔術防禦によって一瞬呪いを散らすことは可能だが、その場合は対象の眼球から耳へと侵入経路を変更する。
 また、宝具の効果は直視した場合に限らず、テレビカメラなどを通した映像であっても同様だ。
 ただし生物以外には効果はなく、生物ではないものはどれだけ見ても破壊することはできない。
 ミネルヴァは昼夜の区別なく彼方まで見渡すことが可能だが、黙視できぬ箇所に呪いは及ばないのでレンジには大きなブレがある。

【weapon】
 ――――

【人物背景】
 むかしむかし、ある山奥に突然現れた一羽のフクロウ。
 その山に棲む獣や猟師をことごとく呪い殺したが、一人残った猟師によって右の翼を撃たれ飛行不可能となったところで、突如現れたアメリカ軍によって捕獲される。
 証拠をあとに残さず大量殺戮を可能にすることから、兵器としての利用を目論んだアメリカ軍に十三年間保護されていたが、空母での移動中に一瞬の隙をついて逃亡。
 この際に空母の乗組員を全員殺害し、その後もSOCOMや自衛隊を二千人以上、テレビ報道を視聴した四百二十万人以上、駆除を志願したスナイパーなども殺害――
 と、たった七日間で甚大な被害を出してきたが、東京タワー付近でかつて右の翼を撃ち抜いた因縁の猟師と再び相対し、『殺気を放たぬ弾丸』に額を撃ち抜かれて致命傷を負う。
 しかしそれでもミネルヴァは羽ばたくのを止めず、まっすぐ満月に向かって昇っていった。
 以来、その姿を見たものは、誰一人としていない。

【サーヴァントとしての願い】
 見ても死なないメスと子どもがほしい。

【基本戦術、方針、運用法】
 邪眼より放たれる呪いは常時垂れ流しであり、制御することはできない。
 ミネルヴァはフクロウであり、当然ながら人の言葉は利けず、令呪を消費しない指示は大まかにしか理解できない。
 ゆえにミネルヴァというサーヴァントは、鳥類最速に匹敵する速度で辺りを飛び回り、視界に捉えた相手に呪いを流す以外できることはない。


463 : デュフォー@金色のガッシュ、アサシン ◆hqLsjDR84w :2014/07/04(金) 02:13:52 JOldRvGU0
 
 
 ◇ ◇ ◇


【マスター】
 デュフォー@金色のガッシュ

【参加方法】
 『ゴフェルの木片』による召喚。

【マスターとしての願い】
 生きた証を残す。

【weapon】
 ――――

【能力・技能】
 身体能力は一般人とさして変わらない。
 ただ、いかなる状況および疑問に瞬時に答えを導き出すことのできる能力『答えを出す者(アンサー・トーカー)』を有している。

【人物背景】
 アンサー・トーカーを有していたがために、母親によって能力に目を付けた研究者に売られ、北極に作られた研究室で長い間非人道的な研究の対象とされてきた。
 最終的に、「この問題を解けば解放する」という約束まで反故にされた上に、能力を恐れた研究者に研究室ごと爆破されかけたが、その寸前で聖杯戦争へと召喚された。
 かつては年相応に喜怒哀楽を露にする少年であったが、研究によって精神が摩耗し、現在では感情の変化を見せない寡黙な少年となっている。

【方針】
 アンサー・トーカーで取るべき行動を知りつつ、最後の一組となって聖杯を手に入れる。


464 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/04(金) 02:14:52 JOldRvGU0
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。


465 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:45:51 ufsnUaJc0
カズマ@スクライド、アーチャーで投下します


466 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:46:59 ufsnUaJc0
『カズマァァァァァァ!!!』

『劉鳳ォォォォォォ!!!』

虹色の空間。
上も下も無い。重力はおろかその場に存在するのは一体と二人の男のみ。
片や、正義と復讐の炎を背負い断罪を執行する法の番人。迎え撃つは思想も身分も何も無いただの無法者。
一体の異形が鳴き、男達の拳が交差した時、世界は光に包まれた。
外の世界では、膨大なエネルギーの流出により海は荒れ大地が捲り上がる。
ロストグラウンドは再び再隆起現象に飲まれていった。




まただ……また失ってしまった。
護るものも友も……。

やはり重過ぎた。人の命なんてものは、ただのチンピラの背には重すぎた。
誰かを傷つける事はあっても、護ることなどこの拳には出来ない。
だから、あいつの側に居ないほうが良い。
そんな思いが叶ったのか、ただの偶然か。こんなわけの分からない場所に連れてこられてしまった。
聖杯だとか何だとか、良く分からない姉ちゃんが何かを言っていたが関係ない。
難しい話が理解できないのもそうだが、もう良い……。
今更カズマに拳を握る理由など、ましてや振るう理由など無い。

「……一生忘れてたほうが良かったかもな」

ここには望むものが何でもある。
あいつが……お前が……側に居る。
カズマが居ても誰も傷付かない。
もう、戦う必要など無い。そうだ、ずっとここで生きていけばそれで良いのかも知れない。
痛いのも苦しいのも、もう沢山だ。
なのに、どうしようもなく思い出した記憶がカズマ自身を縛り続ける。

「あまり失望させるな。我に下らぬ戦をさせる気か?」

黄金の鎧を身に纏った騎士……いや王がカズマを見下している。
カズマにはよく分からなかったが、サーヴァントとかいうらしい。
その視線は圧倒的にカズマという存在を格下と見て、明らかな挑発、侮蔑、軽蔑、嫌悪、数々の悪意を向けている。
されどカズマはそんなものに見向きもせず、ただ腰を下ろし俯くだけ。
普段ならば、喧嘩を売られた。買った。相手をぶちのめす。この三つの単純な思考順で拳を握り締めていた。
だが、そんな事をして何になる。もうカズマに戦う意味はないのだから。


467 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:48:24 ufsnUaJc0



――つまらない。
英雄王ギルガメッシュがここに呼ばれ最初に思ったのがこれだった。
元々、自身の所有物である聖杯を他の雑種に渡さぬ為に参加しただけであり。
聖杯戦争自体に興味は無かったが、よもやここまで期待はずれのマスターとはギルガメッシュは思わなかった。
どうせ参加するのならば楽しみたかったが、この腐れっぷりではどうしようもないか。
いっそここで殺してしまうか。
そうすれば、もう少し面白いマスターとも出会えるかも分からない。

「その下らん顔を上げよ。さもなくば我が直々に息の根を止めるぞ」

空間が歪む。ギルガメッシュの背後より無数の武器が次元を越え携わった。
ギルガメッシュの宝物庫、王の財宝(ゲートオブバビロン)が開かれる。
同時に殺気が開放された。
王としての威圧感と重なり、その凄みだけで常人は愚か歴戦の戦士であっても、ひれ伏せるかと思えるほどだ。
しかし、僅かに体を震わせただけでカズマは何もしようとはしない。むしろ、これから来るであろう死を迎え入れようとすらしていそうだ。

「つまらん」

心の底から、カズマに関する一切合財の興味を無くしギルガメッシュは呟いた。
次の瞬間、剣が飛んだ。真っ直ぐにカズマへと向かい左肩を貫く。

「ぐっ!」

そのまま無様に血を散らしながら、カズマは地面を転がっていく。

「痛ェな……ああ、痛ェよ……」

だが、チンピラにはおあつらえむきの終わり方だ。こういうのも悪くない。
あと少し、痛いのは少しだけ。すぐに楽になる。
この金ぴか兄ちゃんには悪いが、また別のマスターとかいうのを探してもらえばいいだろう。

目を閉じようとしたところで何処か諦めようとしている反面、抗おうとしている自分を見る。
壁があればぶち破り、何物をも粉砕し破壊して前に進む反逆者の姿。
同じ自分だというのに、今の自分とはまるで対極に居る真逆の存在だ。

「――ッ!」

その先にあるHOLYの制服、それを纏う宿敵の姿を見た時、緩んだ右手に力が宿る。
ここで死ねば、あの男との決着はどうなる? あいつは、あの野郎だけは絶対に自分が倒すのでは無かったのか。
そう思った瞬間、途絶えた戦いの炎が再び燃え上がる。
倒れていた体が独りでに立ち上がり。閉じた右目とは対象的に、見開いた左目は敵の姿を捉える。
右手の指を一本一本強く握り締めていく。
周囲の物質は分解され、虹色の粒子に変換し再構築を始める。
粒子は右腕を覆いアルターという名の鎧となる。


468 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:48:56 ufsnUaJc0

「ほう」

ギルガメッシュは初めてカズマに興味を抱いた。
今までの、抜け殻のような男とは打って変わったカズマの変化に注目した。

「人が落ち込んでるときに好き勝手しやがって……!」

アルターによって構成された右拳シェルブリットをギルガメッシュへと向ける。
マスターだかサーヴァントだか細かい事は分からないが、売られた喧嘩ならば買う。そして勝つ。
未だ進むべき道が見つからなかったとしても、これだけは変えない。いや変えられなかった。

「次は上手くかわせよ」

ギルガメッシュが指を鳴らした瞬間、武器が砲弾の如くカズマへと射出された。
その一つ一つが、並みの宝具を凌ぐ必殺の一撃になり得る。
サーヴァントはおろか宝具など全く知らないカズマでさえ、一目見ただけで本能的にヤバいと察する。
先ず顔面を狙った放たれた槍を、横からアルターで強化された右拳で殴りつけ弾き飛ばす。
間髪入れずに迫ってきた剣、斧を文字通り急所だけ避け、カズマはあろうことか前進した。
アルターと宝具がぶつかりあっては弾き、だが徐々にカズマという命を削っていく。
当然だ。アルターによって保護されているのは右腕のみ、それ以外は生身の人間なのだから。
しかし、カズマは侵攻を止めない。それどころか更に走り出した。

「どうやら串刺しが良いと見える」

無尽蔵に沸く宝具を前に突っ走るなど自殺行為も同然。

「良かろう。望みどおりすぐにあの世に送ってやろう」

だが、カズマの目は死など見てはいない。
むしろその逆。生を得るために目の前の死を打ち払うために目の前の壁を直視していた。

「衝撃の――」

信念を弾丸に込め撃ち出す。

カズマのアルターに付いた三つの羽の内一つが消失し虹色の粒子が噴出す。
刹那、爆発的な加速力を得たカズマは拳を突き出し、向かい来る宝具を殴り抜けた。

「ファーストブリット!!」

宝具の嵐を抜けたカズマの拳がギルガメッシュへと叩き込まれた。
溜まらずギルガメッシュは後方へと吹き飛ばされ、近くの施設へと轟音と土煙を立てながら突っ込んだ。
倒したか。いや、まだだとカズマは確信している。
あの黄金の鎧を殴った感触、あれはダメージが明らかに通っていない感覚だった。

「雑種が我に触れるなど……」

その予感は的中し、晴れた土煙の中から姿を現した。
カズマは目を疑った。
先ほど自分が殴り倒したはずの男が、全くの無傷で立ち上がっているという事実に驚きを隠せない。


469 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:49:37 ufsnUaJc0

「随分と頑丈な鎧だなおい」

ギルガメッシュの鎧が鉄壁を誇っていたということもあるだろう。しかし、それ以上にカズマの拳に足りないものがあった。
神秘だ。神秘が宿っていなかった。
これがなければ如何な攻撃であろうとも、サーヴァントを傷つける事は出来ない。
もっともカズマにそれを知る由はなく、例え知っていたとしてもやる事は変わらない。

「撃滅のセカンドブリット!!」

二枚目の羽を消費し二発目の弾丸を放つ。

「雑種風情が、二度も我に触れる事など許さぬ」

拳が着弾するより先に鎖がカズマを拘束する。
ギルガメッシュがが持つ宝具の一つ、天の鎖(エルギドゥ)。
神に近ければ近いものほど、拘束力を増す宝具だがカズマには神の属性など微塵もない。
故に力だけで突破出来てしまう。
だが、鎖を引き千切った際にセカンドブリットの威力は相殺され、後に放たれた剣から真っ向から激突し今度はカズマが退く結果となる。

「野郎……!」

追い討ちを掛ける様に降り注ぐ宝具。
拳を地面に叩きつけ、その反動で更に後方へ跳び避けていく。

宝具をかわしながらカズマは思考する。
まずギルガメッシュ本体自体は然程脅威ではない。はっきりいって近接戦闘に持ち込めば、カズマが負ける道理などない。
しかし、問題はこの宝具の嵐。これがカズマを防から攻へと転じさせない。

「しゃらくせえ!」

目の前を立ち塞がるのなら全て粉砕し尽くすのみだ。
最後の羽を消費しカズマが加速する。

「抹殺のラストブリット!!」

またもや芸の無い一転突破。見るに耐えない単細胞っぷりに、ギルガメッシュは呆れを通り越して感心すらしていた。

「少しは工夫をしろ。それはもう飽きた」

アルター粒子の噴射で加速、強化されたカズマのシェルブリットは真っ直ぐにギルガメッシュへと奔る。
かわすのはそこまで難しくは無い。ギルガメッシュはそう考える。
ファーストブリットとやらを不意を疲れたが、この程度受け流しあしらうのは然程困難ではない。
だが、この男が絶対の信頼を抱いているあの拳。これを正面から打ち砕いてやるのも面白い。
ならば、自らは王としてこの場で君臨し続けてやろう。そして引導を渡す。
そのような思いが、ギルガメッシュに迎撃という選択を取らせる。
手頃な剣が斧、槍をまとめてカズマへと放つ。


470 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:50:11 ufsnUaJc0

「邪魔なんだよ!」

空間が歪んだかと思わせるほどの轟音が響きシェルブリットと宝具は拮抗し続ける。
アルターと宝具。二つが触れ合う箇所からは、まるで放電のようにエネルギーが流出さえしている。
だが、その拮抗も長くは続かない。簡単な話だ、カズマはシェルブリットの弾丸を使い切りラストブリットの威力も徐々に消されている。
それに比べギルガメッシュの宝具の数は無尽蔵。何せあらゆる宝具の原点を全て収めているのだから、最早数に限りなどない。
その証拠にカズマを襲う宝具の数が10から20へ20から30へ次々と増えていく。

「そらそらそらそらぁ! どうした? もう終わりか!」

クククッと笑みを堪えきれなくなったギルガメッシュはカズマを煽る。
けれどもどうしようもない。怒りを感じようが悔しさを感じようがカズマはどうしようも出来ない。
その不毛な姿を見て愉悦に浸る。それこそが雑種に相応しい散り様。

「輝け……」

シェルブリットに皹が入り、この拮抗も秒読みに入ったかと思えた瞬間。
カズマに異変が起こる。

「何?」

優位に立っていたギルガメッシュが初めて焦りを感じた。
何かが来る。それも並々ならぬ何かが。
しかし、それを予感してもギルガメッシュはやはり迎撃を止めない。あくまでカズマを正面から打ち倒す事に拘る。
カズマにとって、それは心の底から望んだ好機であることに気付かないまま。
光だ。新たにカズマの右腕を中心として光が集まり、輝きを増していく。
確かに三発の弾丸は使い切った。だが、まだだ。まだ手に入れた新たな弾丸は披露していない。

「もっとだ……もっと!」

アルターの森にて結晶体から奪い手に入れた新たな力。
巨大ロボを一撃で粉砕し、劉鳳の絶影すら捉える圧倒的なパワー。

「もっと輝けええええええ!!!」

アルターが顔にまで及び閉じた右目が見開く。
右腕が更に肥大化し、掌に至っては先ほどの倍近くまでになる。
赤い三本の羽根に変わり、肩には金色のプロペラが回転しカズマに加速を与える。

シェルブリット第二形態。
先ほどまでの第一形態とは比べ物にならない爆風が圧倒的な破壊が向かい来る宝具を全て蹴散らす。
即座に回避に移ろうとしたギルガメッシュだが、カズマの今のスピードに追い付かれる。

「シェルブリットォォォォ!!!」
「よもやここまで―――」

今度こそ、カズマはその黄金の鎧へ全身全霊を込めた必殺の拳を叩き込んだ。







――――


471 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:51:30 ufsnUaJc0





「く、そ……どうなってやがる……」

人間としてはカズマは良くやった部類だろう。
あの英雄王を相手にここまで粘ったのだから。実質的な勝負であれば、カズマの勝利といっても良いかもしれない。
しかし神秘の篭っていない拳ではギルガメッシュを傷つけられない。
もしカズマがサーヴァントとして呼ばれていたのなら話は別だったが、ここではマスターである以上この絶対の理には逆らえない。

「っ? こんな時に!」

シェルブリット第二形態は爆発的な火力をもたらすと同時に反動も大きい。
ゆえにこれだけ乱用すれば、アルターが解け生身の腕が晒されたとしても無理はない。
いやむしろまだ腕が無事、健在であることのほうが奇跡といえる。

「どうやら限界が来たようだな」

剣を持ったギルガメッシュがカズマへと歩み寄る。
流石のカズマといえど、アルターが無ければサーヴァントと渡り合う事など出来ない。
だがその目は決して逸らさず、反逆の意を示すのは流石といったところか。
一歩一歩地を踏みしめ鎧が擦れる音が耳に付く。

どうすれば良い。
何か術は無いのか。

カズマが珍しく頭を必死で回転させ、一つ令呪という単語が思い浮かぶ。
何故自分でも知っているのか分からないが、これを使えば三回までサーヴァントを絶対服従させられるらしい。

「……気にいらねえな」

だがカズマは令呪を使う事を拒んだ。
それどころか、残った全ての力を振り絞りアルターの生成を始める始末。

誰かから貰った力で誰かを従わせるなんてのは癪に障る。やるなら自分の力だけでやる。
それがカズマという男のやり方だった。

「ククク……フーハッハハハハハハハハハ」

その意地がギルガメッシュの目には面白く映ってしまった。

「あ? 何笑ってやがる」
「ただの人間がサーヴァントにそこまで張り合おうというのか?
 これが笑わずにいられるか、クク……」

段々と腹が立ってくる。
こうも笑われて気分が良くなどありはしない。
さっさとぶん殴ってやろうかと拳を握り締めるが、ギルガメッシュは剣を下ろしまま背を向けた。

「おい、喧嘩はまだ終わってねえだろうが」
「気が変わった。良いぞ我のマスターである事を許す。
 貴様の意地がどこまで貫けるかが見物だな。せいぜいもがくが良い」
「なんだと?」

そのままギルガメッシュは姿を消した。
正確には霊体化したので消えた訳ではないのだがカズマからすれば同じことか。
ギルガメッシュが消えたのを見たカズマのアルターが完全に消滅し、更に疲労が押し寄せてくる。


「聖杯……なんつったけ」

押し寄せてきた疲労で倒れそうになるのは堪えながら、カズマは今までの出来事をもう一度整理していた。
聖杯戦争……最早名前すらろくに覚えていないが、確か二人で組んで喧嘩するらしいという事は分かる。
そして、勝ち残ったものには願いを叶えるという胡散臭い餌までぶら下げてある。

「知ったこっっちゃねえな」

喧嘩を売られたら買う。カズマの方針はそれだけだ。
叶えたい望みが無いわけではない。むしろあるが他人を殺してまで、それも他人から与えられた施しなど要らない。
痛む右腕を押さえながらカズマもまた踵を返し休息の場を探し始めた。


472 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:53:30 ufsnUaJc0



【マスター】
カズマ@スクライド

【参加方法】
劉鳳との戦いにおいて向こう側の扉を開いた際、ゴフェルの木片もアルター化させてしまい参戦

【マスターとしての願い】
無い訳ではないが他人の施しを受けるつもりはない

【weapon】
『シェルブリット』

【能力・技能】
物質を分解し再構築し自らの能力を具現化させるアルター使いの一人
カズマの持つアルターは融合装着型のシェルブリット
形態が幾つもあるが現時点で使用できるのは第二形態まで

第一形態までの技が

衝撃のファーストブリット
撃滅のセカンドブリット
抹殺のラストブリット

この三つである
技名が違うだけで単純に殴るだけの技であり別段効き目が違うという事は無い
強いて言えば真ん中の技ということもあり演出的な面でセカンドは不発率が高かったりする
三発使用するとこの形態は再構成しなければ技が発動出来ないという不便な面があるがそれらが解消されたのがシェルブリット第二形態であり
技名もシェルブリットバーストしかない
しかしスピードや威力も上がった反面、反動がでかすぎるのが弱点
更に言えば神秘が無いので、サーヴァント相手には攻撃手段が全く無いのもここでは大きな弱点になり得るか

【人物背景】
ロストグラウンドで生きる便利屋の少年
短気で喧嘩早く誰にも媚びない性格だが親しい者にはカズマなりの優しさで接する
生きるためなら何でもやったと言うとおり、合法非合法関係なく様々な仕事に手を染めた事があるが
決して単純な悪人ではなく、ホーリーの非人道的な行為に怒りを覚えることもある
馬鹿であり1+1=3と答え、人の話は聞かず人質が居てもとにかく攻撃する
更に一部を除いて他人の名を覚えるのが苦手で、よく人の名前を思い出せず悩む事もある


【方針】
未だどの道を選ぶかは決まっていない
取り合えず売られた喧嘩は買うが、進んで聖杯戦争をするつもりはない
ていうかルールすらまともに把握していない可能性がある


473 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:54:00 ufsnUaJc0



【クラス】
 アーチャー
【真名】
 ギルガメッシュ@Fateシリーズ
【パラメーター】
 筋力C 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運B 宝具EX
【属性】
 混沌・善
【クラススキル】
 対魔力:C
 単独行動:A
【保有スキル】
 黄金律:A
 カリスマ:A+
 神性:B(A+)
【宝具】
『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』
 ランク:E〜A++ 種別:対人宝具 レンジ:―
 一杯宝具が入ってて色々撃てる

『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』
 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1000人
 開闢――すべての始まりを示す、ギルガメッシュの最終宝具。
 メソポタミア神話における神の名を冠した剣、乖離剣エアによる空間切断。
 三層の巨大な力場を回転させる事で時空流を引き起こし、空間そのものを変動させる。
 その真の威力は一個の生命相手に用いるものではなく、世界を相手に用いるもの。
 サーヴァントたちが持つ数ある宝具の中でも頂点の一つとされる、「世界を切り裂いた」剣である。

【weapon】
 金ぴかの鎧

【人物背景】
恐らくここに居る人で知らない人は居ないであろう慢心王
半神半人の貴種。自分以外のものはたった一人を除いてすべて下等なものと考えているため、基本的に他者を「雑種」と呼び捨てる。
その性格による慢心が仇となり、作中では思わぬ反撃を受けて負けるのは日常茶飯事
だが一度でも相手の実力や志を認めた場合は一切の慢心を捨て、それ相応の慎重さと冷静さで応える

【サーヴァントとしての願い】
 自分の財(聖杯)を勝手に奪い合われることが気に入らないので参戦

【基本戦術、方針、運用法】
 普段どおり、後ろから武器を飛ばして戦ったり慢心して舐めプ
 カズマと協力する気は更々無いし互いに勝手にやるスタンス


474 : カズマ&アーチャー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/04(金) 03:56:09 ufsnUaJc0
投下終了です
一部、宝具や人物背景など前作のwikiやニコニコ大百科などを参考、引用させていただきました


475 : ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 03:57:30 bwPI5Ixs0
投下お疲れ様です。
こちらも登場話候補を投下します。


476 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 03:58:32 bwPI5Ixs0

――坂の上のお屋敷には、二人の魔女が住んでいる。

なんてことはない。丘の上の屋敷には、一人の若者が住んでいた。
月海原学園に通う高校生。
気のいい彼は、同級生や後輩の兄貴分として充実した日々を過ごしている。

――そう、その筈だった。
何時からだろう――いや、最初からだったかもしれない。
どこか満たされない、空虚な予感が胸の中にわだかまっている。

「遠野君、放課後時間ある? 皆でカラオケ行くんだけど――」

休み時間。
隣に座った■■■から、放課後の誘いをかけられた。
肯定の返事を返して、次の授業の準備に戻る。

屋敷には自分の他に誰もいない。
別にどれだけ帰りが遅くなっても、どやす人間は――、

――誰も、いない?
そんな筈はない。あの家には■■も、■■も、■■も、■■もいた筈だ――。

――だめだ。あたまが、くらくらする。
結局その日の授業は、まともに受けられなかった。



夜の街を、ふらふらと歩く。
クラスと周囲の生徒を巻き込んだカラオケ大会は、予想通り日が落ちるまで続いた。
自分の住んでいる屋敷は街外れにあるので、こんな時には帰るのに大分時間がかかってしまう。

案の定、屋敷への石段に辿り着く頃には夜もとっぷりと更けてしまっていた。
凪いだ風が木々を揺らし、木の葉の揺れる音だけが響いている。

こんな雰囲気だと本当に幽霊でも出そうだなと思って、思わず笑いがこぼれた。
笑わせる――【そもそも、自分が幽霊みたいなもんじゃねぇか】――

――?
なんだ、今の思考は。
自分が幽霊って一体なんのことだ。
自分は――
――自分?

――自分はいったい、誰だったのだ?


477 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 03:59:50 bwPI5Ixs0


石段の途中で立ち止まって、しばし考える。
遠野■■とは、いったいどのような人間だった?
遠野家の長男――長男?
馬鹿を言え、あの家には自分しかいない、自分にきょうだいなんている筈が――

【いつまで呆けてる? それは本当のお前じゃない】

――また、頭の中で声がした。
明らかな異常事態。だというのに、その声はするりと自分の裡へ入り込んでくる。

【そうだ。俺はお前だ。今のお前の生活は偽りだ。お前には欲しいものがあっただろう?】

――そうだ。
自分は、願いがあってこの聖■■争に参加したのだ。
■杯を以って――■■を、取り戻すために。

【ああ、そうとも。だから――いい加減、そんなマトモな感性は捨ててしまえ。】

世界が/反転/する。

千切れた雲の切れ間からは、丸い――そう、真っ青な月が見える。

ああ。今夜はこんなにも――月が綺麗だ。


478 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:01:57 bwPI5Ixs0


――今夜は酷く、月が綺麗だ。

こんな場所なのに――あるいは、こんな場所だからこそか。
中天に輝く月は、ヒトを魅了する輝きに満ちている。

そんなにも月が綺麗だから、しばし見惚れてしまっていた。

ぼけっと――自分でも無防備すぎると思えるほどに、頭上の月を眺める。
少し視点を下に落とせば、山――というよりは丘か。
そしてその上に立った屋敷が一緒に視界に入る。

――ここからあの屋敷が見えた偶然を、方舟とやらには感謝しなければならない。
あの月と屋敷のおかげで、自分は記憶(メモリー)と――その奥底にあるなんとしてでも叶えなければならない願い、そして煮えたぎるような熱を再び手に入れたのだから。

――そう。自分にとって一番大事な記憶は、屋敷での生活だった。

勿論ここは、あの屋敷のあった街ではない。
記憶の中にある屋敷と視界の中の屋敷では、遠目にも違いは明らかだ。
それでも、あの屋敷を見る度に思い起こされる記憶が――自分がなにであるかを、改めて魂に刻みつけさせる。

そうだ。今でも昨日のことのように覚えている。
三人で屋敷の裏山を駆け回った。陣取りゲームで屋敷や裏山の東屋、小屋に名前を書いて回った。
幼き日の、兄妹、そして友人との思い出。

――それを奪われた。
自分がそこにいた記録は消し去られ、殺され、全てを奪われて地下牢に押し込められた。
今、自分がいた場所――いるべき場所には、かつて友人だった男が座っている。
それを許せなくて、かつての友人を恨んだ。
どうしても取り戻したくて――頭の中から断片的に聞こえる声の誘いに乗った。

『ゴフェルの木片』。
聖杯戦争へと自分を導く切符。
この戦争で勝ち抜けば――願いを叶えることができる。
遠野シキを、遠野四季に戻すことができる。

ふと、右手に違和感を覚えた。灼けつくような、肉に刻まれる痛み。
それさえも、今の気分なら愉しくて仕方がない。
記憶と憎しみ、渇望を思い出した快感が、令呪を刻まれる痛みと混じってハイになってきた。
なんだか無性に笑いたくなってくる。
こみ上げてくる衝動に従って、げらげらと笑った。

とても綺麗な月。
そう――【私は、その月にこそ恋をした】。


479 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:04:16 bwPI5Ixs0


――ふと、後ろに気配を覚えた。
右手に刻まれた印――令呪のことを考えれば、召喚されたサーヴァントだろうか。

振り向くと、和服のようなものを着た長髪の男が立っていた。
腰には刀。一見すれば、セイバーのクラスのサーヴァントに見える。

「――悪いね、旦那。気分がよくて気付かなかったぜ」
「構わん。……お前が、私のマスターか」
馬鹿笑いしていて放置していた分、少しは愛想良く挨拶したつもりなのだが。
――どうやら、このサーヴァント様はコミュニケーションが得意ではないらしい。

「ああそうとも、我がサーヴァントよ……ってな。
 悪いが、ちょっと確認させてもらうぜ」
まあ、そんなことはどうでもいいことだ。
問題は、このサーヴァントが勝ち抜くのに必要な力を持っているか否か。
目を凝らし、目の前のサーヴァントのステータスを確認する。

――クラスはバーサーカー。
本来なら狂化してまともに話すことさえできないクラスだが、こいつは低い狂化ランクの代わりに理性を残しているタイプらしい。
――もっとも、それでもまともなヤツには意思疎通ができないだろうが。
そのせいか、ステータスは全体的にあまりいいとは言いがたい。
敏捷だけはトップクラスだが――、

「……あん?」

いつの間にか、目の前からバーサーカーは消えていた。
――それと同時に、襲い来るモノがある。

「それも構わん。――だが、こちらも見せてもらおう」
――殺気が、風と共に飛んだ。
影さえ見えない、神速の踏み込み。
気が付いた時には、既に懐まで入り込まれている――!

「……チィッ!」
振るわれた刀の一撃を、なんとかバックステップで回避する。
体の前でクロスするように、当然やって来るだろう追撃に備える――!

「……なかなか良いな。
 加減したとはいえ、今の一撃を避けるマスターとは」
――追撃は来なかった。
いきなり襲って来た自らのサーヴァントは刀を鞘に戻し、先程と同じ風に立っている。
そして、その瞳は――自らのマスターを値踏みするように細められていた。

その瞳を見て、確信する。
こいつは、自分と同じだ。
殺人行為を肯定する。自分の欲望――人斬りのために生きる。

そう。こいつは、全てが終わったら、たとえ自分のマスターだろうと躊躇わず切り捨てる――。

「――私の願いは、宴だ。この血の揺らぎを満たすような、な」

あちらも、こちらの本性を悟ったか。
ゆらりと霊体化したバーサーカーからは、しかし殺気が伝わってくる。

――共鳴するように頭の中の声が、【全てを殺せ】と語りかける。
体の裡から湧き上がる殺戮衝動。
それに逆らわず、遠野四季――十八代目の「アカシャの蛇」は叫んだ。

「食い足りねえ――飲み足りねえ、殺り足りねえじゃねぇかッ!」


480 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:07:29 bwPI5Ixs0
【クラス】バーサーカー
【真名】カレル@ファイアーエムブレム 烈火の剣
【属性】中立・狂
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷A 魔力E 幸運C 宝具EX
【クラススキル】
狂化:E
「狂戦士」のクラス特性。理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
このバーサーカーの場合理性と言語能力は保っているが、それでも同レベル以上の精神汚染・精神異常スキルを持たない場合正常な意思疎通が行えない。
また、狂化スキルのランクが低すぎる為効果は筋力と耐久がより「痛みを知らない」状態になっただけに留まり、ステータス上昇にはなんら寄与していない。
【保有スキル】
心眼(真):C
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
本来ならば狂化で失われるが、下記のスキルによって保たれている。
無窮の武練:C
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
本来のクラス(セイバー)ならばA+に相当するが、バーサーカーとして召喚されたことにより劣化している。
戦闘続行:B
体を満たす殺戮の衝動。
名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
狂化スキルによって強化されている。
仕切り直し:C
戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
バーサーカーはこれに加えて致命傷を受けても一度までは踏み止まり、そのまま戦闘から離脱できる。
必殺の一撃:A
致命打(クリティカルヒット)を狙う才能。
一定の確率で攻撃を回避不能にし、更にダメージを三倍する。
筋力ではなくあくまでダメージを三倍にするスキルであり、そもそも攻撃が通用していない・攻撃のダメージが薄い場合は相応に効果が低下する。
敵対する相手とのステータス差が大きくなればなるほど、このスキルの発動率は上昇する。
【Weapon】
『倭刀』
バーサーカーが常用する真っ赤な日本刀。
日本が存在しないエレブ大陸で、何を持って『倭刀』なのかは不明。(おそらくサカのことだと思われるが)
攻撃力自体はそこまでではないが、必殺の一撃の確率を上昇させる効果がある。
【宝具】
『剣魔(グローリー・オブ・ソードマスター)』ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:なし 最大補足:なし
彼の未来の姿である「剣聖」がとある戦いに同道した際、既にかなりの実力でありながら常軌を逸する成長を見せた逸話が宝具と化したもの。
バーサーカーは戦闘を経ることで「成長」し、そのステータスを上昇させる。
成長の進行度合いは「どれだけ強い敵と戦ったか」で決まり、自分より弱い敵と戦っても経験値は少ない。
若年の姿で召喚された為成長率は落ちたが、その代わりに成長する機会が多くなっている。
「サーヴァントでありながら戦闘を経て成長(レベルアップ)する」という規格外の宝具。
無関係な非戦闘NPCを斬っても経験値を得ることは可能だが、管理NPCに受ける警告と比べれば割に合わないレベルの上に、
バーサーカーの願いはあくまで強者と戦うことの為積極的には行わない。


481 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:09:20 bwPI5Ixs0
【人物背景】
「ファイアーエムブレム 封印の剣」及び「烈火の剣」の登場人物。
草原の国・サカの剣術を伝える一族に生まれる。
その一族における「剣術を継ぐ子は一子相伝、その他の者は死ぬ」という掟に従い、妹のカアラ以外の全ての家族を殺害。
その後代々受け継がれてきた一族の掟と人斬りの欲望のままに従いただ強さを求めて各地をさまよい、人を斬れるのであれば誰でもよかったと言うほどの苛烈な道を歩む。
『剣魔』の異名で恐れられており、自らの力を高めるため強者がいると聞くたびに斬って捨てるという凶行を繰り返していた。
また、名が世に広まったころには多くの弟子志願者が現れたが、すべて斬り捨てたらしい。(この頃が「烈火の剣」)
20年後の「封印の剣」では「剣聖」の二つ名で大陸全土に知れ渡っており、剣を使うもので知らぬ者はいないと言われる伝説的な存在になっている。
ただし「剣魔」の頃からは人が変わったように温厚になり、戦を嫌ってベルン帝国の奥地で隠遁生活を送っていた。
本来ならば壮年時の温和で戦いを厭う剣聖(その際のクラスはセイバーである)として召喚される筈だったが、マスターである遠野四季の気性から剣魔としての側面がバーサーカーとして召喚される。
【サーヴァントとしての願い】
強者との戦い。
【基本戦術、方針、運用法】
全員を殺害しての優勝を狙う。
バーサーカーではあるが、ステータス自体は低い。
無窮の武練によって保たれるその技量を生かしての戦闘が主となる。
また、宝具である「剣魔」は戦闘を経る度に経験値を得て成長する規格外の宝具。
初期ステータスこそそこまでではないが、最終的にはかなり強力なステータスとなる可能性はある。
また、使い魔や手駒を召喚するタイプの宝具やスキルを持ったサーヴァントにとっては天敵となるかもしれない。

仕切り直しと戦闘続行、マスターの特性から非常にしぶとい。
一度敗北した相手であっても、宝具によって成長すれば次の戦いでは勝てる可能性はある。
また、マスターである四季もマスターとしては結構な強さを持つため、バーサーカーがサーヴァントを牽制する間に四季が敵マスターを殺害する戦術も有効だろう。

弱点としては、大火力の攻撃手段を持たないこと。
「必殺の一撃」のスキルはあくまでダメージを三倍するスキルの為、防御力に阻まれてダメージを与えられない場合は意味がない。
一発逆転の手段がないということでもある。

――また、このサーヴァントの願いである「強者との戦い」の対象には、マスターである四季自身も含まれている。
最後の一組となった時、バーサーカーが四季に牙を剥かない保障は何もない。


482 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:13:37 bwPI5Ixs0
【マスター】
遠野四季@真月譚月姫(漫画版)
【参加方法】
ロアの記憶から「ゴフェルの木片」の隠し場所と、聖杯戦争についての知識を得て参加。
【マスターとしての願い】
遠野家における自分の居場所を取り戻し、遠野志貴に復讐すること。
――ただし、彼の中のロアの願いは違う可能性がある。
【weapon】
「血刀」
四季の「自身の肉体を自在に動かす」という性質を応用し、血液を硬質化・変形させて作る武器。
【能力・技能】
18代目の死徒(吸血鬼)『アカシャの蛇』の転生体であり、遠野四季の意識とロアの意識が混在し、二重人格のような状態になっている。

混血の四季としての能力は『不死』と『共融』。
この『不死』は不死身ではなく、正確には「簡単には死なない体質」。
傷ついた肉体を再生させるのではなく、その部分が欠損しても生きていけるように肉体を作り替える『拒死性肉体』。
さらに四季の混血としての能力の究極とも言える能力に、接触融合呪詛「蝕離」がある。
「蝕離」は他人の肉体を摂取し、自身の肉体に還元する。端的に言えば臓器移植の何でもありバージョン。
この能力で、槙久に殺されかけたもののその前に志貴から命を奪っていた四季は生きながらえた。

また、彼の中に巣食うミハイル・ロア・バルダムヨォンの魔術知識を持つ。
平均的な魔術師と同等程度の魔術回路を持っており、四季の人格でもロアの扱うカバラ魔術をある程度扱えるようだ。
勿論、魔術の扱いに関してはロアの人格の方が長けていると考えられる。
作中で使っているのは電属性の魔術と一種の結界だが、結界はロアの人格でしか使用できないと考えられる。

『直死の魔眼・偽』
直死の魔眼に似て非なる「物を生かしている部分(=命)」を視覚情報として捉える魔眼に目覚めている。通称「偽直死の魔眼」。
当然、生物に対してしか力を発揮しない。代わりに脳への負荷はなく、平然と命の源である「線」を視て、生命力を消すことが出来る。
なお、「生命力を消す」ため、線・点を攻撃してから死ぬまでには若干のタイムラグが存在する。
この間に生命力を回復すると死を免れることができる。


483 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:18:53 bwPI5Ixs0
【人物背景】
第18代目の「アカシャの蛇」の転生。
「アカシャの蛇」は転生術式によって存在する死徒である。
この転生術式は初代が永遠を希求するために開発したもので、自らの魂を加工、「魂の情報」が転写できるようになっている。
前世のロアが現出するにふさわしい年齢になったとき初めてロアとして覚醒し、それまでの肉体が持っていた「人間としての意識」を「ロアの意思」が奪うことでロアとなる。

遠野四季がある程度(それでもロアに影響され暴力的な人格となっているが)人格を保っているのは、遠野四季が混血であったため。
混血である四季は「人間遠野シキの意志」が「鬼・遠野シキの意志」とせめぎあうことで反転を抑制していた。
が、「転生してきたロアの意志」が絡んでしまい、「ロアの意志」で「人間シキの意識」が消されてしまったため、非常に早い段階で反転することとなってしまった。
同時に、ロアの意識も「鬼の血」に阻まれてしまい、通常の顕在化ができなくなっている。

反転したその場で衝動的に秋葉を攻撃、庇った志貴を殺害してしまう。掟に従って殺されかけるが、能力から志貴と繋がり生きながらえた。
一時的に反転が落ち着いたことで、当主の遠野槙久は息子を殺せず、幽閉に留められる。
人格が人よりに戻るまでの緊急措置であり、人に戻った後で再び志貴と入れ替わる予定だったが、長男扱いになった(自分の居場所を奪った)志貴の存在、反転シキに襲われて壊れてしまっていた琥珀の嘘で遠野家への憎悪を募らせ、8年後に槙久を殺害し脱走した。

反転したシキは反転の際に人間・遠野シキの自我がほぼ壊れてしまった状態にあったため、転生先の人格をベースにするロアの顕現が正常に行なわれていない。
ロアからは「人を殺せ」といった大雑把な方向性を示す指示がある程度。ロアが執着するアルクェイドを無視して、実妹秋葉に異常な関心を示す。

四季の人格が濃い状態と、ロアの人格が四季を完全に乗っ取った状態で容姿が異なる。
が、漫画版では四季の顔にロアの服装の状態で登場した。
これは「四季がロアに乗っ取られていく最中」として解釈されており、原作ではロアの能力を使えない筈の四季の人格がロアの能力である魔術と偽・直死の魔眼を使用している。

【方針】
全てのマスターを殺害しての優勝。


484 : 遠野シキ・バーサーカー ◆ACfa2i33Dc :2014/07/04(金) 04:19:40 bwPI5Ixs0
投下終了です。
投下の際の投下間隔を開けてしまって申し訳ありませんでした。


485 : 名無しさん :2014/07/04(金) 04:20:48 ufsnUaJc0
投下おつかれさまです
それとすいません>>468はこちらに差し替えでお願いします



「ほう」

ギルガメッシュは初めてカズマに興味を抱いた。
今までの、抜け殻のような男とは打って変わったカズマの変化に注目した。

「人が落ち込んでるときに好き勝手しやがって……!」

アルターによって構成された右拳シェルブリットをギルガメッシュへと向ける。
マスターだかサーヴァントだか細かい事は分からないが、売られた喧嘩ならば買う。そして勝つ。
未だ進むべき道が見つからなかったとしても、これだけは変えない。いや変えられなかった。

「次は上手くかわせよ」

ギルガメッシュが指を鳴らした瞬間、武器が砲弾の如くカズマへと射出された。
その一つ一つが、並みの宝具を凌ぐ必殺の一撃になり得る。
サーヴァントはおろか宝具など全く知らないカズマでさえ、一目見ただけで本能的にヤバいと察する。
先ず顔面を狙った放たれた槍を、横からアルターで強化された右拳で殴りつけ弾き飛ばす。
間髪入れずに迫ってきた剣、斧を文字通り急所だけ避け、カズマはあろうことか前進した。
アルターと宝具がぶつかりあっては弾き、だが徐々にカズマという命を削っていく。
当然だ。アルターによって保護されているのは右腕のみ、それ以外は生身の人間なのだから。
しかし、カズマは侵攻を止めない。それどころか更に走り出した。

「どうやら串刺しが良いと見える」

無尽蔵に沸く宝具を前に突っ走るなど自殺行為も同然。

「良かろう。望みどおりすぐにあの世に送ってやろう」

だが、カズマの目は死など見てはいない。
むしろその逆。生を得るために目の前の死を打ち払うために目の前の壁を直視していた。

「衝撃の――」

信念を弾丸に込め撃ち出す。

カズマのアルターに付いた三つの羽の内一つが消失し虹色の粒子が噴出す。
刹那、爆発的な加速力を得たカズマは拳を突き出し、向かい来る宝具を殴り抜けた。

「ファーストブリット!!」

宝具の嵐を抜けたカズマの拳がギルガメッシュへと叩き込まれた。
溜まらずギルガメッシュは後方へと吹き飛ばされ、近くの施設へと轟音と土煙を立てながら突っ込んだ。
倒したか。いや、まだだとカズマは確信している。
あの黄金の鎧を殴った感触、あれはダメージが明らかに通っていない感覚だった。

「雑種が我に触れるなど……」

その予感は的中し、晴れた土煙の中から姿を現した。


486 : 如月弦太朗+バーサーカー ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 06:13:08 dPm9Czkc0
如月弦太朗+バーサーカー、投下します


487 : 如月弦太朗+バーサーカー ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 06:14:24 dPm9Czkc0


      ――― たたかう ―――


  彼の頭の中にはそれだけしか存在しなかった。


      ――― たたかう ―――


  彼の元のマスターはそれしか選ばなかった。
  彼はそれに従い、地を駆け、空を舞い、敵を屠った。


      ――― たたかう ―――


  繰り出した剛腕の一撃が敵の肉を削るたび、マスターは敵に向かって暴言を飛ばした。
  吐き出した紅蓮の火球が敵をの全身を包むたび、マスターは声をあげて笑った。
  それだけ、ただそれだけ。


      ――― たたかう ―――


  弱り、傷付き、勝てないと分かっても、退くことはなかった。
  なぜならマスターが望んでいなかったから。
  例え死にかけても、命令に従い、攻撃の手を止めない。
  それが彼に科せられていた使命だった。


      ――― たたかう ―――


  幼い頃からずっと戦ってきた。
  逃げることがあったのは弱い頃だけ、今となっては相手を全滅に追い込んで勝つか、自身が瀕死の重傷を負って倒れるか。
  それでも、戦う。そうしなければ待っているのは瀕死よりも非道い制裁だから。


      ――― たたかう ―――
      ――― たたかう ―――
      ――― たたかう ―――


  ある日、彼は見てしまった。
  自分そっくりな、幸せそうなものの姿を。
  彼にはその光景が、今まで受けたどんな攻撃よりも深く突き刺さった。

  なぜあそこに立っているのが自分ではないのか。なぜここで血反吐を吐いてのたうちまわっているのが奴じゃないのかと。
  悔しかった。歯痒かった。憎かった。恨めしかった。
  そして誓った。
  『悪』になることを。
  『悪』に徹し、彼らのような『幸せ』をぶち壊してやると。
  そしていつか必ず、自分を『悪』にした『ニンゲン』という生き物を『悪の力』で殺しつくすことを。


      ――― たたかう ―――


  彼の名は『わるいリザードン』と言った。


488 : 如月弦太朗+バーサーカー ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 06:15:43 dPm9Czkc0
  *  *  *

「そうか、お前が俺のサーヴァントか」

  スーツを着た男性は、自身が呼びだした怪獣と向き合い、手を差し伸べる。
  いつも彼がそうしてきたように。
  そしてこれからも彼がそうするように。

「俺は如月弦太朗!! 天ノ川学園の教師だ!! この春からの新任だけどな!!」


  わるいリザードンは伸ばされた手を弾き、
  そのまま大きな音を立てて歩いていった ▽


  だが、弦太朗は引き下がらない。
  折角大切な事を思い出したのだから。
  『天ノ川学園』での生活。
  『仮面ライダーフォーゼ』としての戦いの日々。
  『仮面ライダー部の仲間たち』との絆。
  わるいリザードンと出会い、自らを見つめ直すことで取り戻したかけがえのない『青春』。
  それが彼の背中を強く推す。

  そのまま遠ざかるわるいリザードンに走って追いつき、追い抜かし。
  面と向かってこう叩きつける。

「おい、リザードン!! テメェが俺を嫌いなのは構わねえ」

「でも覚えとけ」

「俺は、お前と必ずダチになる!! 例え死ぬことになろうとな!!!」

  そして、この会場の奴らともだ、と付け加え。
  胸を二度叩き、リザードンを指す。
  学生時代からの……いや、もっとずっと前からの、『如月弦太朗』の癖だ。

  そのままバッチリ決まったリーゼントを一撫でし、朗らかに笑う。

「つーわけで、これからよろしくな」

  もう一度差し伸べられる手。
  リザードンは器用にも『もう面倒だ』と取れる表情をしてみせ、そのまま弦太朗を放って歩き出した。
  最初の『幸せ』を破壊するため。


489 : 如月弦太朗+バーサーカー ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 06:19:22 dPm9Czkc0
【クラス】バーサーカー
【真名】わるいリザードン@ポケットモンスターシリーズ

【パラメーター】
 筋力C 耐久B− 敏捷A 魔力C++ 幸運E 宝具B

【属性】
 ・ほのお・ひこう

【クラススキル】
 『狂化:EX』
 魔力と幸運を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。
 普通はC扱いだが、もともと喋れない上に思考も『たたかう』しかないので狂化の効果がほぼ無くなっている。

【保有スキル】
『サンパワー:A+』
 夢を現実にした者だけが与えられる『蹂躙する力』。
 戦闘時、フィールド内の天候が「はれ」の場合に発動。
 自身の体力を削る代わりに魔力を大幅上昇させる。

『こうかはばつぐんだ!:EX』
 相手が下記の『属性』を持っている場合、自身の攻撃の威力を倍増させる。
 重複の場合は倍倍で威力があがっていく。
 くさ・こおり・むし・はがね
 重複の場合は半々で下がっていく。
 また、下記の『属性』で攻撃された場合、自身の受けるダメージは半減する。
 ほのお・くさ(×4)・こおり・じめん(完全無効化)・むし(×4)・はがね・フェアリー

 相手が下記の『属性』を持っている場合、自身の攻撃の威力は半減する。
 重複の場合は半々で下がっていく。
 ほのお・みず・いわ・ドラゴン
 また、下記の『属性』で攻撃された場合、自身の受けるダメージは倍増する。
 重複の場合は倍倍でダメージは増えていく。
 みず・かみなり・こおり・いわ(×4)

 このスキルはリザードンと戦闘を開始した瞬間に発動され、戦闘が終了すると切れる固有結界。
 この属性からなる結果はいかなる宝具でも覆せない。が、一部のアイテムで簡単に覆る。

【宝具】
『限界への挑戦者(けいけんちをもらった)』
ランク:D+ 種別:強化 レンジ:1 最大捕捉:1

 常に発動されている宝具。
 戦いを行い、自身が勝利を収めるか介入してきた他者が勝利した場合に効果を発揮する。
 倒した相手から『けいけんち』を受け取り、レベルアップすることができる。
 レベルアップを重ねることでパラメーターが少しずつではあるがAランクへと近づいていき
 レベル40到達でオールC以上
 レベル60到達でオールB以上
 レベル80到達でオールA以上
 レベル100到達でオールA+となる。
 なお、スキルの付加効果による増減は打ち消されない。
 そして、このリザードンは『もらったポケモン』なので『けいけんち』がおおめにもらえる。

『夜天を往く漆黒の双翼(ナイトリザードX)』
ランク:B 種別:強化 レンジ:1 最大補足:-

  自身を強化する宝具。令呪を1画行使することでのみ使用できる。
  この宝具を使うとリザードンは『リザードンX』に進化する。
  属性がほのお・ドラゴン、固有スキルサンパワーがかたいツメ(筋力+)に。
  そして後述【weapon】がフレアドライブ・ドラゴンダイブ・きあいパンチ・じしんに変化。
  相性も変化する。


490 : 如月弦太朗+バーサーカー ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 06:20:13 dPm9Czkc0
【weapon】
 フレアドライブ   ドラゴンダイブ
 つめではじく    連続ファイヤーボール
 基本技以外にもスマブラ出演したリザードンのような立ち回りは可能。

【人物背景】
 とりつかれたように炎の塊を吐き出して、あらゆるものを焼きつくそうとする。(紹介文)
 『われらロケット団』にて登場した、わるいリザードからの進化で呼び出せるわるいポケモン。
 ロケット団によって悪事のために生み出された可哀想なリザードン。
 マスター(トレーナー)以外、出会った生き物はほぼすべて敵という修羅の国出身。

 ちなみにもともとの飼い主は「ロケットだんいん」なので通信交換で貰った扱いになり、指示を無視して眠って回復したりする。
 レベル38なので4つ目までバッヂを持っているということを聞くようになる。
 と言っても、技を指示できるようになる他は特になにもない。

 性格:いじっぱり
 メガ進化を視野に入れたH・Aぶっぱのヤケモン型のため魔力が低め。
 
【サーヴァントとしての願い】
 特になし
 人間を苦しめる

【基本戦術、方針、運用法】
マスターの指示に従うこともある。 





【マスター】如月弦太朗@仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム

【参加方法】歌星賢吾経由で『ゴフェルの木片』を入手

【マスターとしての願い】わるいリザードンとダチになり、天ノ川学園に帰る

【weapon】なし。
     しいてあげるならゾディアーツと対等に渡り合った格闘センス

【能力・技能】
戦闘員複数名と渡り合える程度の格闘技術。
バイクを乗りこなす技術。
高校教師程度の教養。
そして異常なタフネス。
その他は一般人とそう変わりはない。

【人物背景】
性格は単純で熱血、しかし意外と鋭いところもある。
また、自己犠牲的な部分も見られ、本編中裏切られたり死にかけたりガチで一回死んだりと踏んだり蹴ったりな目に会っている。
行動は分かりやすく『善』に突っ走っていく。
教師になったこともあり、それがより顕著に表れているかもしれない。
ただ、だからといって『悪』を否定するかと言えば一概にもそうとは言えない。
『悪』である部分も受け入れてダチになるという部分もあり、そうやってダチになった敵幹部も居た。

出典は仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム
仮面ライダーフォーゼとしてタイマンをはっていたのも昔の話。
本編から5年の月日が流れ、今は天ノ川学園高校の教師である。
フォーゼドライバーは溶鉱炉に捨ててしまったため使えない。

【方針】
わるいリザードンとダチになり、他の参加者ともダチになる。
そして出来ることなら、『教師・如月弦太朗』としての道を歩いていく(自分ではなく誰かと誰かがダチになる手伝いをする)
最終目標は『犠牲者最少で聖杯戦争終了』
そのためにもまずはやっぱり、サーヴァントであるわるいリザードンとダチになる(三回目)


491 : 如月弦太朗+バーサーカー ◆tHX1a.clL. :2014/07/04(金) 06:21:59 dPm9Czkc0
投下終了です
属性にミスがあったので訂正しておきます
・ほのお・ひこう→混沌・悪 です


492 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 10:47:41 E2pqGB0s0
竜堂ルナ&バーサーカーを投下します


493 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 10:53:04 0jhMu6ZE0
子供達が学校へと行く声。
通学路に響くその元気な声で竜堂ルナは目を覚ました。
こんなに大勢の声が聞こえるなら早くしないと遅刻する、などと考えながら眠い目をこすって洗面所に行く。

「あれ‥‥ここは‥‥」

そこでようやく自分が見覚えのない部屋にいることに気づく。粗末な六畳一間。ろくに家具もないそこは、どこか懐かしくもあるが頭にもやがかかった頭ではうまく考えられない。
ただ、なんとなく大事なこと忘れている気がしてひっかかる。

「‥‥顔洗おう‥‥」

何を忘れたのかは思いだせない。
とても大切で、とても辛いことを忘れている気がする。

だから、思いだそうと思えない。思いだしてはいけない。思いだしたら幸せが逃げてしまう気がして。

「!なに、これ‥‥!」

暗い洗面所の鏡にたしかに写った、自分のうなじにある異物を見つけた。その正体を探ろうと――本当はもう思いだしかけていたけど――手を伸ばす。
それはチョーカーだった。銀のメダルがうなじの部分にくるように着けられたチョーカー。そしてその下に僅かな盛り上がりと共に違和感がある。
ルナは恐る恐るチョーカーを外した。これを外せばもう忘れていられることはできない。そうなぜかわかったが、でも外さないと欲しかったものに手が届かない気がした。


えいっ!と覚悟を決めてチョーカーを外して。

ギョロ。

うなじにできた目と目があった。


うなじの目を見たからか、それとも別の理由からか、いろいろなことを思いだしていく。星の子学園のこと、第三の目のこと。妖界ナビゲーターのことに解かれた封印のこと。すねりのこともっけのこと、もう会えないと思っていた都和子先生のこと、生き別れていた弟のタイくんのこと。

みんな死んだこと。


494 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 10:53:51 atmcquL20


「みんな待っててね。」

思いだした、なぜ自分がここにいるのかを。
思いだした、自分がここでなにをすべきかを。

兎歩をしながらルナは願う。自らの願いを叶える闘いのその仲間を。

「天蓬」

サーヴァント。伝説の英雄を求める。

「天内」

この闘いを勝ち抜いて聖杯に手を伸ばすための仲間。

「天衝」

どんな願いでも叶える聖杯、その力で――

「天舗」

すねりを、

「天禽」

もっけを、

「天心」

都和子先生を、

「天柱」

タイくんを、

「天任」

――その左掌に熱を感じつつ願う――

「天英」

――生き返らせる。

「導いて。」

円を描くように歩いた畳から光が発し、それは局所的な逆光のなか一人の人影を現す。
肩に背負った大鎌。異形の左手。
光がやんだそこに立っていたのはティーンエイジャーらしき少女だった。光の加減で漆黒にも見える茶髪に茶色の目、そして人間ではないことを現す尖った耳。

「問おう。」

ゆっくりと目をあけたその少女が口を開く。その声はしっかりとしていて――彼女がバーサーカーのクラスと表示されているのはなにかの間違いではないかとも思える。

「お前が私のマスターか?」

その目に見られて、ルナは体が炎に包まれたような感覚を覚えた。だがそれは実際に焼かれたわけではないこともその目からわかった。

バーサーカーから感じるのは怒り。燃え立つような強い憎悪の炎。それが何に対して向けられたかはわからない。だが、その目をした人をルナは知っている。

その人は人間を憎んでいた。身勝手な人間に怒っていた。その人は、ルナの初恋の人で、その人は――


ふらり、と目眩を感じ自分が予想以上に妖力を消耗していることに気づくと、ルナは最後の力で首にチョーカーを巻いて意識を手放した。



「チッ‥‥」

眼前で倒れたマスターらしき少女にバーサーカー、ヒロは舌打ちする。一応魔力のパスは感じるのだが気絶してから一般人レベルの魔力しか供給されないのだ。自分を召喚したときはサーヴァントクラスの魔力を感じ実際に供給も万全だったのだが。

「召喚で魔力を使い果たしたか‥‥それにしては勢いよく魔力を寄越したな。」

あるいは、首にチョーカーを巻いたのが原因か。
あれを着ける前は髪は金にも見える銀髪で目も赤くともすればサーヴァントにも見えたが、今は髪は茶髪になりただの少女にしか見えない。

(やっぱり、ただの人間じゃないな‥‥魔族か?)

マスターの顔を覗きこみながらバーサーカーは考える。が、起きてから聞けばいいと思い直して周囲の警戒に移った。

バーサーカーにとって必要なのは聖杯を手に入れること。それ以外は全て道具にすぎない。


495 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 10:54:54 aJRJ/uXo0



【マスター】
竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ

【参加方法】
夜鳴島での戦闘終了後、みんなを生き返らせようとしていたらゴフェルの木片でできた木箱とルナの妖界への道を開く力が合わさり参戦。

【マスターとしての願い】
元の世界に帰ってみんなを生き返らせる(家族が欲しい)。

【weapon】
ペンダント
Dランク相当の宝具。
ルナはこれを用いて妖界への道を開き、人間の世界に来た妖怪を妖界へと帰す妖界ナビゲーターである。
破妖剣
Cランク相当の宝具。
この時点のルナは出しかたを知らない(ペンダントから出す)が能力的には出せる。
ルナは剣を使ったことがないのでこれと対になる護神剣と打ち合ったさいあっさりと折られた。
呪符
シングルアクション程度の魔術ならなんとか対抗できる。

【能力・技能】
第三の目
『予言の子』の印で妖怪にとっての聖杯である『悠久の玉』をコントロールするのに必要。うなじにあり、チョーカーを巻いていないと『うず目』が発動してしまう。
うずめ
持ち主に超動体視力と超運動能力をもたらす魔眼。妖力が使える証でもある。黒目の部分が赤くなり、うずのような紋様が浮かぶ。
同時にBランク相当の心眼(偽)を得られるが動物に警戒されてしまう。
九字
陰陽術。にわかじこみだが本人の妖力の多さでカバーしている。
また、自らの命を分け与えることで死者蘇生も可能であるが現在のルナでは使えない。

【人物背景】
四年二組。通称ルナ。
茶髪ロングの少女で普段は運動神経が悪くケンカすらしたことがないが、うず目になることで妖怪としての力を取り戻す。そのとき髪は銀髪(金色の燐光をまとう)になり超動体視力と超運動能力を使えるようになる。
父が陰陽師、母が妖怪の半妖で、妖界への道を開くことができたりビルの屋上からトランプばらまいて1からキングまで順に空中で移動してキャッチしたりそのスペックはサーヴァントに匹敵する(ただしうず目を使用中は妖力の消耗が大きいので一戦闘しかこなせない)。
その力を使い人間の世界の妖怪を妖界へ送り帰す妖界ナビゲーターを、妖怪のすねり、もっけとともにやっていた。
参加する直前に、養護施設で自分に優しくしてくれた都和子先生と謎の少年であるタイが自分の血縁者ということを知るも目の前で彼女の仲間ともども死んでいったため、精神的にかなり不安定。

【方針】
みんなを生き返らせるために聖杯を手にいれる。
そのためには誰かを殺す――?


496 : 黄金に輝く月 ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 10:56:26 4vwFPHHE0


【クラス】
バーサーカー

【真名】
ヒロ@スペクトラルフォースシリーズ

【パラメーター】
筋力D+ 耐久C+ 敏捷D+ 魔力B++ 幸運D 宝具B+

【属性】
中立・狂

【クラススキル】
狂化:E+
通常時は狂化の恩恵を受けない。その代わり、正常な思考力を保つ。
バーサーカーが"人間と魔族は相容れない"と思うたびに、または人間への憎悪を覚えるたびに幸運判定を行い、失敗すると幸運を除くステータスが 上昇し、暴走する。
バーサーカーは心の底で人間を信じているため簡単には暴走しないが、自らの大切な人が傷つけられたときはその限りではない。

【保有スキル】
半人半魔:A
人間と魔族、双方の血が混じりし者。
Cランク相当の神性と対神性を兼ねるスキル。
元は軍神であり大魔王である父と高位の魔術師であった母を持つため最高クラスである。
カリスマ:D-(-)
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
統率力はあるものの、理解ある魔族の将を得られない。
カリスマは稀有な才能であり、一軍のリーダーとしては破格の人望であるが、魔王として君臨するには足りない。
軍略:D
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
破壊工作:A-(A+)
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
対軍宝具クラスの魔法を打ち込む。
ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。
戦の作法:A
バーサーカーの世界での戦闘方法であり神が定めた理。
全ての対軍宝具と同ランクまでの宝具の効果を受けない。
ただし対人宝具には効果が及ばない。
また野戦で敗走するとき無事に逃げ延びやすくもなる。

【宝具】
『爆炎の申し子()』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
大魔王の後継者というバーサーカーの存在が宝具として昇華された。
『魔召・煉獄』『烈火死霊斬』『魔界粧・轟炎』などの魔法により破壊工作のスキルを、また魔王の後継者であることから戦の作法のスキルを手にいれている。
『冥界へ送る死神の大鎌(ゲート・オブ・ヘブン)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:3
ヒロの姉、死神プラーナから託された大鎌。
真名解放により相手に負わせた傷を冥界へと送る死神の鎌としての真価を発揮する。

【Weapon】
『冥界へ送る死神の大鎌(ゲート・オブ・ヘブン)』
ヒロの宝具でもある。

【人物背景】
ネバーランドを治める大魔王ジャネスと人間であるマリアとの間に生まれたハーフ。
父である大魔王ジャネスが聖神コリーアの差し向けた勇者シフォンによって暗殺されたことで新たな魔王を宣言、魔王なき世を治めんと群雄割拠するネバーランド大戦に参戦する。
父を人間の勇者に殺されたこともあり人間を憎んでいるが、本心では共存を考えている。しかし人間と魔族の間にある憎悪からそれが不可能であるとも感じている。
また半分人間であるため魔族からの反感も強く、本人の高い能力と人間の傭兵によってかろうじて優勢を保っていた。
今回、元は大魔王の配下だったゴブリン族を支配に置き、人間側の騎士団ローザを壊滅させるも、自らの兄を名乗るジャドウとその配下の魔王軍の攻撃を受けて下野。人間はおろか魔族への憎悪も覚えて参戦。
あと異形の左手を持つ。子供の頃に人間に切り落とされたとき気合いで生やした。

【聖杯への願い】
ネバーランド大戦に勝利し、新たな魔王としてネバーランドを治める(人間と魔族の共存?)

【基本戦術、方針、運用法】
マスターのルナは通常時は一般人だが大きな妖力を持つため、またヒロはバーサーカーにしては燃費が比較的軽いため運用できる。
ルナ本人もうず目になればサーヴァントとも戦えるようになるが、燃費が悪い。しかもバーサーカーが狂化した時はうず目にならないと供給が追いつかなくなるため二重に妖力を使ってしまう。魂喰いは両者NG。
そのため基本的には短期決戦を挑みたいがどちらも直接的な攻め手に欠ける(超スピードしか使い物にならないルナと破壊工作が持ち味のヒロ)。
スキルを生かして団体戦を行ったり乱戦での漁夫の利を狙っていくという魔王らしくない戦い方が堅実か。
追い詰められることが多い二人のため絶体絶命の状況でもなんとか逃げ延び素早く再起を果たすが、だからといって死ににくいだけ。
スキルの戦の作法も対軍宝具は無効化しそれ以外の宝具も大体無効化するが対人宝具には手も足も出ない。


497 : 訂正します ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 10:58:48 0jhMu6ZE0


【クラス】
バーサーカー

【真名】
ヒロ@スペクトラルフォースシリーズ

【パラメーター】
筋力D+ 耐久C+ 敏捷D+ 魔力B++ 幸運D 宝具B+

【属性】
中立・狂

【クラススキル】
狂化:E+
通常時は狂化の恩恵を受けない。その代わり、正常な思考力を保つ。
バーサーカーが"人間と魔族は相容れない"と思うたびに、または人間への憎悪を覚えるたびに幸運判定を行い、失敗すると幸運を除くステータスが 上昇し、暴走する。
バーサーカーは心の底で人間を信じているため簡単には暴走しないが、自らの大切な人が傷つけられたときはその限りではない。

【保有スキル】
半人半魔:A
人間と魔族、双方の血が混じりし者。
Cランク相当の神性と対神性を兼ねるスキル。
元は軍神であり大魔王である父と高位の魔術師であった母を持つため最高クラスである。
カリスマ:D-(-)
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
統率力はあるものの、理解ある魔族の将を得られない。
カリスマは稀有な才能であり、一軍のリーダーとしては破格の人望であるが、魔王として君臨するには足りない。
軍略:D
一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
破壊工作:A-(A+)
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
対軍宝具クラスの魔法を打ち込む。
ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。
戦の作法:A
バーサーカーの世界での戦闘方法であり神が定めた理。
全ての対軍宝具と同ランクまでの宝具の効果を受けない。
ただし対人宝具には効果が及ばない。
また野戦で敗走するとき無事に逃げ延びやすくもなる。

【宝具】
『爆炎の申し子』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
大魔王の後継者というバーサーカーの存在が宝具として昇華された。
『魔召・煉獄』『烈火死霊斬』『魔界粧・轟炎』などの魔法により破壊工作のスキルを、また魔王の後継者であることから戦の作法のスキルを手にいれている。
『冥界へ送る死神の大鎌(ゲート・オブ・ヘブン)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:3
ヒロの姉、死神プラーナから託された大鎌。
真名解放により相手に負わせた傷を冥界へと送る死神の鎌としての真価を発揮する。

【Weapon】
『冥界へ送る死神の大鎌(ゲート・オブ・ヘブン)』
ヒロの宝具でもある。

【人物背景】
ネバーランドを治める大魔王ジャネスと人間であるマリアとの間に生まれたハーフ。
父である大魔王ジャネスが聖神コリーアの差し向けた勇者シフォンによって暗殺されたことで新たな魔王を宣言、魔王なき世を治めんと群雄割拠するネバーランド大戦に参戦する。
父を人間の勇者に殺されたこともあり人間を憎んでいるが、本心では共存を考えている。しかし人間と魔族の間にある憎悪からそれが不可能であるとも感じている。
また半分人間であるため魔族からの反感も強く、本人の高い能力と人間の傭兵によってかろうじて優勢を保っていた。
今回、元は大魔王の配下だったゴブリン族を支配に置き、人間側の騎士団ローザを壊滅させるも、自らの兄を名乗るジャドウとその配下の魔王軍の攻撃を受けて下野。人間はおろか魔族への憎悪も覚えて参戦。
あと異形の左手を持つ。子供の頃に人間に切り落とされたとき気合いで生やした。

【聖杯への願い】
ネバーランド大戦に勝利し、新たな魔王としてネバーランドを治める(人間と魔族の共存?)

【基本戦術、方針、運用法】
マスターのルナは通常時は一般人だが大きな妖力を持つため、またヒロはバーサーカーにしては燃費が比較的軽いため運用できる。
ルナ本人もうず目になればサーヴァントとも戦えるようになるが、燃費が悪い。しかもバーサーカーが狂化した時はうず目にならないと供給が追いつかなくなるため二重に妖力を使ってしまう。魂喰いは両者NG。
そのため基本的には短期決戦を挑みたいがどちらも直接的な攻め手に欠ける(超スピードしか使い物にならないルナと破壊工作が持ち味のヒロ)。
スキルを生かして団体戦を行ったり乱戦での漁夫の利を狙っていくという魔王らしくない戦い方が堅実か。
追い詰められることが多い二人のため絶体絶命の状況でもなんとか逃げ延び素早く再起を果たすが、だからといって死ににくいだけ。
スキルの戦の作法も対軍宝具は無効化しそれ以外の宝具も大体無効化するが対人宝具には手も足も出ない。


498 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/04(金) 11:00:45 4vwFPHHE0
以上で竜堂ルナ&バーサーカーの投下終了です
どのクラスも倍率高過ぎ


499 : ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:41:52 YvrDlzJA0

投下します。


500 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:42:48 YvrDlzJA0


 ――突如として霧の中に投げ込まれたかのような。
 そんな感覚を、言峰綺礼は覚えた。

 視覚に異常があるわけではない。むしろ、目の前にいる者の姿ははっきりと見えている。
 だが、その少女を見た瞬間に綺礼の思考は霧に蝕まれていた。

「――――」

 目の前から歩いてくる修道服を着た少女に、見覚えはない。ないはずだ。
 だが、その少女の容姿はあまりにも似過ぎていた。彼の妻に。彼の目の前で自殺した妻に。彼が■■たかった女に――

「――――ァハァ! ハァッ、ハァ……!」

 その事について考えてはならない。
 その事について考えてはならない。
 その事について考えてはならない。

 心臓の鼓動が乱れる。その様子はまるで警告音を鳴らすかのよう。いや……これは真実、警告だ。
 言峰綺礼という存在が、崖の端まで追い詰められている。

 思わず胸を抑えて蹲る綺礼に、少女は気遣う様子も見せずにただすれ違っていった。

「――無様ですね」

 そんな言葉だけを残して。


 ■ ■


 自宅(と設定されている場所)に戻った綺礼は、ソファにぐったりともたれかかった。
 ここは教会ではなかった。かつて妻と共に暮らしていた時のような、質素で落ち着いた家。

「――――クソ」

 またも妻のことに考えが及びそうになり、らしくない悪態を綺礼は吐いた。
 記憶を取り戻すのは容易だった。なぜか、亡き妻を思い起こさせるようなものばかりに出会う。
 これで思い出さないのはよほどの間抜けだけだ。

(……いや、本当に思い出せているのか?)

 綺礼の頭に、そんな考えが浮かぶ。
 予選による記憶消去のことではない。
 自分は日頃から忘れている、いや忘れてようとしている事があるのではないか?
 向き合うことを恐れているだけではないか?
 そんな疑問が形を成してくる。妻によく似た、謎の少女の姿と共に……

「体調でも悪いのか、キレイ」

 自問は、突如として現れた青年の声で中断させられた。
 驚きはしない。サーヴァントの召喚は、先日にもう済ませている。


501 : ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:43:36 YvrDlzJA0

「セイバーか」

 目の前に立つ青年は、中性の騎士か剣士かのような姿だった。いや、ような……ではなくそうなのだろう。
 彼が英霊の再現……サーヴァントである以上、この姿に不思議はない。むしろ英霊らしい格好とも言える。

「気遣いは不要だ。記憶の混乱で少し参っているだけだからな。
 予選を突破した以上、直に収まるだろう」
「精神の影響を甘く見ないことだ。
 負の感情は人を歪ませ、やがて人ならざる者へと変化させる」
「代行者である私に、魔について説明するつもりか?」
「悪いが、悪魔どころの話ではない。『魔王』の話だ」

 セイバーの顔には、冗談や脅しの色はなかった。彼は本気でそう言っているようだ。
 実直。生真面目。綺礼がセイバーに抱く印象はそんなところだ。
 父、璃正を始めとして信仰の道を進む者がよく見せる顔であり……故に疎ましいものであった。
 セイバーには何か信仰らしきものを持つ様子は見えないが、疎ましいことには変わりない。
 綺礼は話を打ち切るように立ち上がった。

「すまないが、少し休ませてもらおう」
「その前に一つ言っておくことがある」

 寝室へ向かおうとする綺礼の背に、声が投げかけられる。それは、今までとは違う色を含んでいた。

「人は、誰しも己の悪性に負ける可能性を持つ。
 悪性を持ち合わせぬ人間などいない。そも、正義すら一種の欲望にすぎない」

 思わず綺礼は振り返った。
 清純な英霊に見えたセイバーの姿に、暗い影が見える。

「所詮、人間など誰であろうと『魔王』に成りうる存在だ。
 思いつめるな、キレイ。こうして悩み、留まるだけ……あなたは普通の人間よりも強い」

 綺礼の行動は強い信仰の結果だと、璃正のように勘違いするのではなく。
 悩んだ上で行動だと見抜いた上で、セイバーは綺礼を認めていた。


■ ■


502 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:44:32 YvrDlzJA0


 綺礼が去った後、セイバーは窓から外を眺めていた。
 マスターもその妻も、このように空を眺めていたのだろうか――そう、物思いに耽りながら。

 サーヴァントとマスターは、繋がった魔力のラインを通して互いの記憶を見ることがある。
 セイバーが見た記憶は、綺礼がもっとも避けようとしている記憶だった。
 それは単なる偶然か、それとも綺礼が意識的に避けているが故の結果か……あるいは、セイバーの能力による必然か。
 セイバーは人間の負の感情、特に憎悪を力とする宝具を持つ。
 故に分かる。言峰綺礼は完全なる悪である。悪性だけを持って生まれてきた存在である。
 にも関わらず、綺礼は善性を求めてきた。人なら持っているはずのものと、あるべきものだと信じて。

(私とは正反対であり、同時に同じ存在なのだ……マスターは)

 セイバーは、自らの過去を思い出す。
 かつての彼も、綺礼に劣らぬ苦難の道を歩んできた。人の善性を求めて這いずってきた。
 違うのはセイバーは他者の善性を求め、綺礼は自らの善性を求めた点だ。

 セイバーは勇者だった。妻となるはずの王女アリシアを魔王に奪われ、それを取り戻すために魔王を倒した。
 だが王女は取り戻せず。親友であるストレイボウの奸計により、セイバーは真の魔王だと仕立て上げられた。
 セイバーを勇者だと褒め称えていた者達は一斉に手のひらを返した。誰もが怯え、罵ってきた。
 それでも自分を信じてくれる人間を求め、アリシアを取り戻したセイバーは……彼女にすら否定された。
 アリシアもまたセイバーを罵り、自らをナイフで貫いて自殺した。

 夫の前での自殺。
 それは皮肉にも綺礼の妻と同じ死に方だが、綺礼の妻はアリシアとは正反対の願いを込めていた。
 夫は、綺礼は人を愛せるのだ――善性を持ちうるのだと、肯定する願いを。

「……強いな。キレイも、その妻も」

 本心から、セイバーは呟く。
 悪でありながら、悪を否定しようと試み続けた。
 絶望した綺礼を、自らの死で以って肯定しようとした。

 人の悪性に絶望し魔王となったセイバーにとって、その強さは自身にも周りにも得られなかったもの。
 手に入れたくても手に入れられなかったもの。
 どれほどの力をもってしても、指の隙間から零れ落ちた無数の澱。

「ならばマスター。
 あなたの姿に、私は答えを求めよう」


503 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:45:34 YvrDlzJA0

 セイバーは立ち上がる。その脳裏では、最後に聞いた言葉が再生されている。
 魔王となったセイバーを倒した英雄達の言葉。人間の在り方。
 それを、セイバーは確かめてみたい。人間の可能性を。 

「かつての人間は、勇者という光に照らされ憎悪という影を強めた。
 故に私は勇者に立ち戻り、あなたを通して人間を試そう」

 勇者という存在に影が刺した時、かつての人間と同じように綺礼が悪性を見せるか……
 或いは絶望し妻の死さえも無碍にして死に至るのであれば、人はしょせん悪性を越えられぬということだ。

 だがもし、それ以外の結末があるのなら。
 悪性しか持ち得ぬ綺礼が、強き正義の光の中で悪という影を浮かび上がらせないのなら。
 それは、いかなる人間でも悪性に勝てるという証明ではないのか。

「私は今より……魔王オディオではない。
 我が名は……
 勇者、オルステッド……!」

 その言葉と共に。
 セイバーは自らが魔剣に貶めた剣を――しかし、かつて勇者より受け継いだ剣を掲げた。


504 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:46:48 YvrDlzJA0

【クラス】セイバー(アヴェンジャー)
【真名】オルステッド
【パラメーター】
 筋力B 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運E− 宝具A++
【属性】
 中立・中庸
【クラススキル】
 対魔力:B
  魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
  大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
 騎乗:− 
  騎乗の逸話が無いため、セイバークラスながら騎乗スキルを持たない。
【保有スキル】
 二重召喚:B
  二つのクラス別スキルを保有することができる。
  極一部のサーヴァントのみが持つ希少特性。
  ただしこのセイバーの場合、併せ持つのがアヴェンジャーのクラスのためクラス別スキルを得ることはできない。
  その代わり、セイバーのクラスには合わない個人スキルや宝具を保有する。
 対英雄:E
  セイバーと戦う「善」もしくは「中庸」の英雄は全パラメータが1ランクダウンする。
  反英雄、もしくは「悪」か「狂」の英雄には効果が無い。
  このスキルは極めて希少であり、保有するのはかなり高位の英霊のみ。
  それを低ランクとは言え所持するのは、アヴェンジャーのクラスを得た事で魔王としてのスキルが僅かに発現したため。
 仕切り直し:A
  戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
  生前はただ一人で王国の兵から逃れながらさまよっていた。
 戦闘続行:A
  決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
  生前はただ一人で王国の兵と魔王山の魔物を蹴散らし、頂上まで踏破してみせた。

【宝具】
『魔王、山を往く(ブライオン)』
 ランク:C 種別:対陣、対門 レンジ:1〜99 最大補足:1
  かつての勇者より受け継いた魔剣。
  あらゆる施錠や防護を解除し門や結界は崩壊させ、建造物や土地の入り口を無条件で切り開く。
  かつては聖剣であり対象も「魔」によるもの限定で、その頃の真名は『魔王山を往く』だった。
  しかしオルステッドが大量の兵士を斬り捨てたことで魔剣となり、真名の変化と共に効果対象も拡大された。

  ……ただし効果対象の拡大については、賢者ウラヌスが命を懸けてオルステッドを脱獄させたことも一因であろう。

『憎悪の名を持つ魔王(オディオ)』
 ランク:A++ 種別:対人、対獣、対機 レンジ:なし 最大補足:8
  負の感情――特に憎悪を糧として力を得、或いは力を与えるセイバーの最終宝具。本来はアヴェンジャー時の宝具。
  この宝具を完全に解放した時、オルステッドは魔王オディオと化し神霊並みの力を得る。
  しかしその強さゆえに、相当な量の魔力を消費しなくては発動できない。
  たとえ綺礼とセイバーの全魔力を使用した上で三画の令呪を補助に使っても、この宝具の完全解放は不可能である。
  部分的な活用ならば短時間のみ可能であるが、そもそも勇者に戻ることを決意したセイバーにこの宝具を使う気はない。
  唯一、負の感情や記憶に反応する能力だけをごく僅かな魔力で解放させている。


505 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:47:34 YvrDlzJA0

【weapon】
 魔剣ブライオンと、盾や鎧などの各種防具。

【人物背景】
 とある世界の勇者であり、魔王。
 魔王となった経緯については先に述べた通り。
 その後、絶望して魔王となったオルステッドは自分の世界にいる全ての人間を殺し、その魂を封印した。
 そして各世界の英雄――他のシナリオの主人公たちを集め、人間の愚かさを知らしめた上で殺そうとする。
 だがオルステッドは敗北し、諭され、その言葉を受け入れながらも誰もが魔王に成りうる事を言い残して消滅した。

【サーヴァントとしての願い】
 人は己の中に存在する魔王に勝ちうるのか、悪そのものである綺礼を通して確かめたい。
 この願いは皮肉にも、stay/nightの綺礼の願いとどこか似通っている。

【基本戦術、運用法】
 よくも悪くもセイバークラスらしく素直な性能なので、正面から各種剣技で戦うしか無いだろう。
 幸い、セイバーは周囲の敵をまとめて吹き飛ばす技や遠くの敵を剣風で切り裂く技を習得している。
 そのため剣技だけでも様々な状況に対応することができる。
 相手に直接ダメージを与える宝具がないのは欠点だが、その代わり対英雄のスキルはランクEでも生半可な宝具より強力。
 天敵は素の能力で押し負け、更に対英雄も効かないバーサーカーのクラス。
 仕切り直しで逃げるしかない。

【方針】
 セイバーはあくまで「勇者」として振る舞うつもりである。
 そのためマスターの意に反そうと、不利益を被ろうと正義を貫くであろう。


506 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:48:42 YvrDlzJA0


【マスター】言峰綺礼
【参加方法】
 父、璃正の用意したゴフェルの木片。
【マスターとしての願い】
 強いて言えば答えを得ること。
【weapon】
・黒鍵
 普段は柄のみだが戦闘時は魔力を流し刀身を具現化する。
 霊的な干渉力が高い反面、剣としての性能は低い。専ら投擲武器としての使用が主。
 いちおうサーヴァントにも攻撃できるが、大してダメージは与えられない。

 綺礼の着衣には黒鍵が多数隠されている他、着衣そのものも強化されている。

【能力・技能】
 ある程度の魔術技能。基本的には見習いレベルだが治癒に関しては高いレベルを発揮。
 教会の洗礼詠唱も習得しており、霊体に対しては高い攻撃力を発揮することが可能。
 また八極拳の達人でもあり、実戦の中で独自の殺人拳を完成させている。

 このようにマスター適性こそ高くないが、戦闘力という点ではマスターの中でも屈指の高さを誇る。
 並みの達人や魔術師では、綺礼に何の対策もできず殺されるのがオチ。

【人物背景】
 万人が「美しい」と感じるものを美しいと思えない破綻者。生まれながらにして善よりも悪を愛し、他者の苦痛に愉悦を感じる。
 綺礼はその事を自覚できていないが、それ故に他人のような「正しい」欲求を感じられず何の目的意識も持てずにいる。
 それでも自分でも楽しめるようなことはないかと様々な試みを行い、最終的に家庭を持った。
 妻すら愛せなかった綺礼は、自分は間違った存在だとして自殺しようとする。
 だが妻はそれを静止するべく彼女のほうが自殺し、その時に抱いてしまった感情から綺礼は自分の記憶を歪めた。

 そうして彼は今も、何の目的意識も持てない無為な生を送り続けている。

【方針】
 勝つ以外のことは決めていない。


507 : 言峰綺礼・セイバー ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:49:52 YvrDlzJA0
投下終了ですが、ちょっと気になったところがあったので最後にもう一レス使って>>501を修正していきます。


508 : 501の修正 ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:50:28 YvrDlzJA0
「セイバーか」

 目の前に立つ青年は、中性の騎士か剣士かのような姿だった。いや、ような……ではなくそうなのだろう。
 彼が英霊の再現……サーヴァントである以上、この姿に不思議はない。むしろ英霊らしい格好とも言える。

「気遣いは不要だ。記憶の混乱で少し参っているだけだからな。
 予選を突破した以上、直に収まるだろう」
「精神の影響を甘く見ないことだ。
 負の感情は人を歪ませ、やがて人ならざる者へと変化させる」
「代行者である私に、魔について説明するつもりか?」
「悪いが、悪魔どころの話ではない。『魔王』の話だ」

 セイバーの顔には、冗談や脅しの色はなかった。彼は本気でそう言っているようだ。
 実直。生真面目。綺礼がセイバーに抱く印象はそんなところだ。
 父、璃正を始めとして信仰の道を進む者がよく見せる顔であり……故に疎ましいものであった。
 セイバーには何か信仰らしきものを持つ様子は見えないが、疎ましいことには変わりない。
 綺礼は話を打ち切るように立ち上がった。

「すまないが、少し休ませてもらおう」
「その前に一つ言っておくことがある」

 寝室へ向かおうとする綺礼の背に、声が投げかけられる。それは、今までとは違う色を含んでいた。

「人は、誰しも己の悪性に負ける可能性を持つ。
 悪性を持ち合わせぬ人間などいない。そも、正義すら一種の欲望にすぎない」

 思わず綺礼は振り返った。
 清純な英霊に見えたセイバーの姿に、暗い影が見える。

「所詮、人間など誰であろうと『魔王』に成りうる存在だ。
 思いつめるな、キレイ。こうして悩み、留まっているぶん……あなたは普通の人間よりも強い」

 綺礼の行動は強い信仰の結果だと、璃正のように勘違いするのではなく。
 悩んだ上で行動だと見抜いた上で、セイバーは綺礼を認めていた。


■ ■


509 : ◆holyBRftF6 :2014/07/04(金) 13:51:08 YvrDlzJA0
以上、投下終了です。


510 : ◆w7FNZrLzJw :2014/07/04(金) 14:38:35 9vVdmn7w0
投下します。


511 : 速水ヒロ・アサシン ◆w7FNZrLzJw :2014/07/04(金) 14:39:24 9vVdmn7w0





この想いだけを胸にしまって、俺は高みへと登っていく。





#######






「聖杯、ねぇ。眉唾物で正直信頼に値するものじゃなかったけれど、まさか本当だったとはね」

少年は、甘いルックスを武器に元の世界ではアイドルとして大いに活躍していた。
人気絶頂、道歩く女子は全員が振り返る、新人気鋭ながらもアイドル界を席巻する所まで辿り着いている“天才”。
速水ヒロ。
エリートプリズムスターを多数排出している要請アカデミーである“エーデルローズ”出身のプリズムボーイだ。
温厚で理知的な美青年でデビュー前から人気を集めていた彼は、傍から見れば満ち足りた生活を送っていたはずだ。

「……ともかく、これで予選は突破っていう訳か」

けれど、内面では鬱屈した感情で暴発寸前にまで追い込まれていた。
親友――神浜コウジとの決裂の時から彼はずっと歪んだ思いに焦がれ続けていたのだから。
お前が欲しい。何故、俺を信じようとしない。俺の為に曲を作ってくれ。俺にはコウジしかいないんだ。お前だけが俺の全てだったというのに。
絡み合った感情は既に“願い”へと昇華していた。

「ま、いいさ。ここからが本番、気を引き締めていかないとね」

そんな時、とある木の欠片に思いを捧げることで、願いが叶う与太話みたいな噂を聞いたのだ。
ヒロ自身、最初はほんの戯れ染みたお遊びのようなものだと考えていた。
幾ら何でも、ファンタジーにも程がある。所謂、今どき女の子らしい噂話だ。
そう思っていたにも関わらず、心の何処かで信じたいと縋ってしまったのだろう、気づいていたら木彫のネックレスを購入していた。

「どんな手を使ってでも、生き残ってみせる。…………他の参加者を蹴落とすことになったとしても――俺は取り戻したい、コウジを」

願え、届け、コウジへの想い。
馬鹿げたモラルなんてとっくにかなぐり捨てていた。
恥も外聞もなく、ヒロは木片を強く握りしめ請う。
自分の思いが本物ならば、連れて行け。願いの叶う場所へと。
そして、ムーンセルはヒロのプリズムの煌きに魅せられたのかその願いを聞き届けた。
無事に、予選へと到達したヒロは一通りの学園生活を満喫した後、記憶を取り戻し、今に至る。


512 : 速水ヒロ・アサシン ◆w7FNZrLzJw :2014/07/04(金) 14:41:45 9vVdmn7w0

「という感じなんだけど、どう? 君の期待には応えられたかな?」

視線の先にはリーゼントを整えた大男が静かに佇んでいる。
身に纏った鎧と合わさってその姿は威風堂々たるものだ。
男は何も言わず、ただ渋い顔をして頷くだけだ。

「……まあ、覚悟の決まった目つきではあるな。背中を預けるにはギリギリ合格点をくれてやってもいい」
 ただ理解してるか? 他者を犠牲に願いを叶えるってことはそれ相応の対価があるってことを」
「勿論。俺の中にある本物は“コウジ”だけだ。あいつの作った曲でアイドルとして輝くしか道はない」

男の問いに、ヒロは表情一つ変えず淡々と答えを返す。
溢れ出る闘気に冷や汗を流しながらも揺らがない、目を逸らさない。
ここで選択肢を間違えたら何もかもが泡沫となって消えてしまう。
それだけは避けたかった。

「だから、その本物を再び俺のモノにする為なら何だってするさ。その結果、孤独になっても、報いを受けても構わない。
 高みへ登るってそういうことだろ? 誰も手が届かない場所こそが、俺がいるべき世界だ。
 貴方には汚い汚れ仕事を請け負わせるかもしれない。けれど、引き金を引くのは俺だ。その覚悟だけは違えていないよ」
「それだけわかっていたら、俺からは言うことはないな。正しさだけで世界は変わらないってのは同意見だ。
 全員が幸せな世界なんざありえねぇ、誰かが泣く代わりに誰かが笑う。それが世界の真実なんだからよ」

男の言葉に強く頷き、ヒロは左手を伸ばす。
信頼と未来への一歩として、彼の手を無理矢理に掴む。

「そんな世界を変えるのが貴方の願い。喪った世界を取り戻すのが俺の願いだ。
 力を貸してくれないか、アサシン? いや、ブラート」
「上等。そんだけ肝っ玉があるんなら、背中を預けるには相応しいな」

ヒロの願いは――決裂した“友情”の復元。
ブラートの願いは――不当な“支配”からの解放。

「勝ちに行くよ――ブラート」
「望む所だ、ヒロ」

絶やさぬ願いを糧に前へと進む様は、まるで――革命家のようだった。


513 : 速水ヒロ・アサシン ◆w7FNZrLzJw :2014/07/04(金) 14:42:30 9vVdmn7w0
【クラス】
 アサシン

【真名】
 ブラート@アカメが斬る!

【パラメーター】
 筋力B− 耐久C 敏捷A 魔力E− 幸運D 宝具B+

【属性】
 混沌・善

【クラススキル】

 気配遮断:B+
 サーヴァントの気配を絶つ。魔力とその漏洩を極限まで抑える能力。
 宝具と合わさると、能力はさらに高まる。

【保有スキル】
 変身:A+
 宝具を使うことで変身する。身体能力向上といった恩恵が受けられる。
 そして、何と言っても変身は漢のロマンらしい。

 殺気感知:A
 殺気に関しては、視界の届かぬ範囲であろうと感知することが可能。
 暗殺業の賜物である。


【宝具】

『悪鬼纏身インクルシオ』
 ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人
 原作では鎧の帝具として使われていた。身に付けると、身体能力は上昇する。
 凶暴な危険種タイラントを素材として作られ、高い防御力に加え、どんな環境にも対応可能。
 素材となった竜の強靭な生命力により、装着者に合わせて進化するので未知数な点も多々あるので発動後ステータスは一定しない。
 奥の手として、一定時間の透明化。透明化時間が切れると再装着の必要があり、また透明化していても気配まで消すことはできない。

【weapon】

 悪鬼纏身インクルシオ。
 普段は剣の形をしているが、起動させると副武装である槍――ノインテーターを主な武器として扱う。

【人物背景】

 筋肉質の大男。原作主人公であるタツミからは「兄貴」と呼ばれていた。
 豪快な性格で面倒見がいいが、暗殺業に対してはシビアな感性を持っている。
 タツミに対しては、お風呂に一緒に入ったり、近寄ると頬を染めたり、ボディタッチが多かったりとLikeではなくLove疑惑。
 リーゼントヘアーが特徴的だが、髪を下ろすと、思わず惚れてしまいそうなイケメンである。
 元は帝国の有能な軍人だったが、帝都の腐敗を知って革命軍に仲間入りした経緯を経ている。

【サーヴァントとしての願い】

 腐敗した帝国を叩きのめす。

【基本戦術】

 アサシンらしく、一撃必殺を主な戦術としているが、直接的な戦闘も得手としている。
 かといって、強敵が多い聖杯戦争では油断は禁物。
 宝具の特性を活かして、スピーディーにアサシンらしく殺していこう。



【マスター】
 速水ヒロ@プリティーリズム・レインボーライブ

【参加方法】
 ゴフェルの木片のネックレスに強く願いを込めた。

【マスターとしての願い】
 神浜コウジとの関係をやり直す。

【weapon】
 なし。強いて言えば、靴に仕込まれたスケートの刃?

【能力・技能】
 身体能力はアイドルだけあってそれなりに高い。
 また、芸能界で成功しているだけあってポーカーフェイスといった腹芸は得手。
 
【人物背景】
 神浜コウジの元親友。幼少期から育児放棄気味な母の下で育ってきたので、愛情に飢えている節が見受けられる。
 高校生ながらも、大人顔負けの丁寧な態度を取っているが、あくまでそれは営業スマイル的なもの。
 目的を遂げる(主にコウジ関連)ならば平然と汚い手段をも使う。例えば、コウジが作った曲を盗作して自身のデビュー曲にするなど。
 しかし、ヒロ自身はコウジのことを全く嫌ってない所か、歪んだ好意を示している。LikeではなくLove疑惑。
 ちなみに、情が全くない冷酷な男と言う訳でもなく、後輩の女の子達に対して気遣ったり、魔の手が降りかかった時は庇ったりと人並みの優しさも持っている。
 

【方針】
 搦め手を使って、勝ち残る。その為ならば、他者との協力も厭わない。
 アサシンであるブラートと共通していることを追記すると、弱者や共感を覚える人物に出会うと、情にほだされる可能性がある。
 彼らは冷酷であれど、情も持ち合わせている。それ故にどうなるかは周りの参加者次第である。


514 : 速水ヒロ・アサシン ◆w7FNZrLzJw :2014/07/04(金) 14:44:09 9vVdmn7w0
投下終了です。
プリズムの煌きをあなたに届けたいと願って書きました。


515 : ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:26:27 ZvBy0hgM0
皆さま投下お疲れ様です。どの登場話候補も大変面白く、一読み手としても楽しませてもらっています。

それでは、自分も投下させていただきます。


516 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:27:47 ZvBy0hgM0
どこにでもあるような極普通の教室は、どこにでもいるような極普通の生徒たちの声に満ちていた。
昨日見たテレビに出演していた男性アイドルが格好良かっただとか、今週末までに提出しなければならない課題が終わりそうにないだとか。
周りの人間にしてみれば他愛のない、しかし本人たちにとっては何よりも重要な悲喜こもごもが、教室のあちらこちらから聞こえてくる。
この瞬間、確かに彼らは共有していた。口にするのも小っ恥ずかしい――皆が言うところの、青春という時間を。

だが――その中に、周囲の姦しさから切り離され、一人異彩を放つ少女の姿があった。
色素の薄い髪色が見る者の目を引くその少女は、詰将棋の問題が載った雑誌をただ眺めているだけだというのに、他の生徒たちとは一線を画すほどの存在感を持っている。
白髪の間から覗かせる怜悧な瞳の中には知性の光が満ちており、佇まい一つ取っても高貴な出自を連想させる、その少女の名は、首藤涼という。

黙々と詰めまでの手順を模索する涼の耳朶を打ったのは、彼女から少しばかり離れたところで笑い合っていた少女たちの会話だった。
教室に溢れている無数の会話の中から、それが涼の耳に届いたのは何故だったのか――
ともすれば教室の喧騒に紛れて消えてしまいそうな、少しトーンを落とした声は、こう言った。

「……そういえば、『死神』の噂って知ってる?」

――ん? と、涼は談笑を続けるクラスメイトたちへと顔を向けた。
しかし、涼の視線が自分たちに向けられていることに気づいた途端、級友の少女たちはバツが悪そうに更に声を小さくする。

(……そう怖がらずともよかろうにのう。いくらワシといえども、あからさまにそんな態度を取られると傷つくというに)

ふぅ、と小さな息をついたが、涼の中には既に諦めに似た感情もあった。
その諦めは苦笑となって涼の表情に現れる。
クラスメイトといっても、彼女たちと涼の関係は、そう深いものではない。
涼はつい先日、このクラスに転入してきたばかりの身だからだ。
些かばかり浮世離れした涼の物腰が年頃の女子学生たちには奇異なものに見えたのか、未だに親しくなった人物もいない。

……いや、一人だけ、友人とまではいかないが、友好的な関係を築けている人物がいたことを思い出す。
教室の異分子として周囲から完全に浮いてしまった涼に対して、今でも朝と夕の挨拶だけは欠かさない隣の席の少女がそれだ。
部活動もやっていないようなのに、小柄な身体に似つかわしくない大きなスポーツバッグをいつも肩にかけている姿が印象的だった。

といっても、たとえ友人の一人すら出来なかったとしても涼は大して気にはしなかっただろう。
なんせ、涼がこの学校に転入してきたのは、とある目的を果たすためなのだから。

その目的とは――――

                   ………………?


「う、ううう――?」

首藤涼は、背中に冷たいものが走るのを感じていた。
思い出せないのだ。自分がどうしてこの学校へとやってきたのか。
こんなところで学生の真似事をしているのは、いったい何のためだったのか。
重く冷たい扉が、その記憶に繋がるはずの道を塞いでしまっている。

直感した。この記憶の欠落を埋め直すためには、固く閉ざされた記憶の扉を開く鍵が必要なのだと。

(鍵は――どこにある――――?)

胸の内の不安が外に溢れ出ようとするのを感じながら、それでもそれをおくびにも出さず、涼は思案する。

そもそも、涼は今の今まで一度も自分の目的と行動について疑問を持つことがなかった。
それについて考えようとすることさえなく、流されるように学生の真似事をして、無為な時間を過ごしてきたわけだ。
今はそのことに気付いた分だけ、鍵に一歩近づいていると言えるだろう。
思い出さなければならない。その一歩のきっかけが、いったい何だったのかを。

必死に思考を巡らす涼の耳に、またも級友の声が聞こえてくる。
話を進めるうちに興が乗ってきたのか、先ほど落としたはずの声量が、再び上がってきていた。
会話の全容までは聞こえない。だが、言葉の端々に登場する不穏なその単語が、涼の中の何かに、触れた。

「それで、その『死神』がね――」


517 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:28:20 ZvBy0hgM0
死神――その単語を聞いた瞬間、涼の心臓がどくんと大きく鼓動した。
逸る気持ちを抑えながら、涼は死神の噂をする少女たちのところへと歩を進める。
涼の接近に気付いた少女たちは、あからさまに身を固くした。

「な、何か用ですか……?」
「そう縮こまらずともよい。ワシはただ、今話していた噂とやらを聞きたいだけじゃ」

少女たちは顔を見合わせ、涼に秘密の噂話を聞かせてもいいものか、目配せだけで相談する。
誰それが誰のことを好きだとか、そういう身近な、身内以外には絶対に聞かせたくない話の類でもない。
死神だなんて非常識もいいところの与太話ならば、別に話してしまっても問題ないだろう――そう判断した少女たちは、涼が会話の一員となることを承諾した。

曰く――死神は、実在する。
おとぎ話にあるような、ドクロが大鎌を持ったようなテンプレートな存在ではないという。
だが、年齢も性別も不明なのだ。なぜならソイツは死神だから。見たものに死を運ぶ存在だから。

ここまでならば非常に陳腐な話だ。
古来よりその手の怪談は両の手足指を全て使っても数えきれないほど伝わってきている。
先ほど感じた予感めいたものは気のせいだったのかと涼が落胆しかけたとき――だけど、と、少女は言葉を継いだ。

「その死神は、誰でも殺すっていうわけじゃないの」
「ほう? ならば、その死神はいったいどんな人間を殺すというのかのう?」
「死神が殺すのはね――『人生で、一番美しい瞬間を生きている人』なの」

その言葉を聞いた瞬間。涼の心の奥底に気泡のような何かが生まれ、たちまちのうちにそれはぼこりと浮き上がった。
浮かび上がったそれは――涼の記憶を阻害していた扉を、一瞬の内に壊してしまう。
涼が扉の向こう側へ行くまでもなく、閉じ込められていた記憶は堰を切ったように溢れだしてくる。

「……すまんの、急用を思い出した」
「え、あ……! 首藤さん、もう次の授業始まっちゃうよ」

少女たちの呼びかけも虚しく、首藤涼は振り向くことさえせずに教室を出て行った。
残された少女たちは難しい顔をしながら、

「……私たち、もしかしてなんかマズいこと言っちゃった?」
「うーん、やっぱり首藤さん難しいわー」
「……あれれ、いなくなったの、首藤さんだけじゃないみたいよ」

少女が指差したのは、首藤涼の隣の席。
ロッカー棚を見てみれば、彼女の代名詞といっても過言ではない身の丈に合わない大きなスポーツバッグ――確かメーカーはスポルディングだったか――も、なくなっている。

「うん? もしかして……二人で秘密の逢引きってやつ?」
「確かに首藤さん、すっごい美形だからねぇ……そういうの似合うかも」

きゃー! と、嬌声を上げる少女たち。
当の本人たちがいないのをいいことに、あれやこれやと耽美な空想を口にしてはきゃっきゃとはしゃいでいる。

「そういえばさ、首藤さんに大事なところ言い忘れちゃったなぁ」
「なになに?」
「いったい誰が呼び始めたのか、どうしてそうなったのかは知らないんだけど――死神にはね、名前があるの」


 その死神の名前はね――


そのとき、少女の声をかき消すように校舎中にチャイムの音が響いた。
殆ど同時に教室に入ってきた教師が、授業開始の号令を指示する。
教室からいなくなった二人の少女のことを気にする者は、誰もいなくなっていた。


518 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:29:02 ZvBy0hgM0
 ◇

びゅうびゅうと、心地の良い風が吹いていた。
校舎の屋上の柵にもたれかかった首藤涼は、現界した己のサーヴァント――アサシンへと言葉を放つ。

「どうやら、随分とギリギリだったようじゃのう」

もしもあと一日でも記憶を取り戻すのが遅れていれば、首藤涼の記憶は永遠に埋没したまま、NPCとして一生涯を過ごしていただろう。
ここまで遅れを見せてしまったのは、涼が聖杯に祈る願いが他のマスターのそれと比べて希薄だったことも一因であるのかもしれない。
元々、自発的に聖杯を望んだわけではなかった。たまたま手に入れた欠片が、涼のかねてからの願いに反応した、いわば巻き込まれた形での参加だからだ。
だが――その過程がどうであったとしても、マスターとして目覚めた以上は首藤涼と他のマスターの立場には何の違いもない。

「よろしくお願いするよ、マスター」

アサシンはぶかぶかの黒いマントをたなびかせ、筒のような奇妙な帽子をかぶっていた。
これから聖杯戦争という死地へ赴くというのに、男なのか女なのか分からない中性的な声音からは何の気負いも感じられない。
もっとも、気負いが感じられないのはマスターのほうも同じだった。

「随分とのんびりとしているようだけれど、マスターの願いはいったい何なのかな? やる気はあるのかい?」

アサシンは随分と奇妙な表情をしながら、涼へと質問を投げかける。
涼は、ふふと小さく笑って、

「――黒薔薇の花言葉を知っておるか?」

アサシンは沈黙をもって答えとした。

「黒薔薇の花言葉は――『彼に永遠の死を』」
「殺して欲しい人がいるのかい?」
「他力本願は極力しない主義での。殺したい相手がいるなら、誰かの手を借りずとも自分でやるとも。
 こう見えて、本職は学生ではなく暗殺者じゃ」
「ひゅう、美少女暗殺者だったのか」
「うむ、美をつけてくれるあたり分かっとるのう」

アサシンの見え見えの世辞に気を良くしたのか、涼は破顔した。
だが、その表情はすぐに物憂げなものに変わる。

「ワシが求めているのはな――ワシ自身の死じゃ」

涼はそこで言葉を切ると、一拍置いてから改めてアサシンへ質問を投げかけた。

「ワシは、幾つに見える?」

アサシンは肩をすくめると、

「そうだね。十代後半……少なくとも、成人はしていない。そういう風に、君は見える。見える範囲ではね」
「その口振りでは凡その事は分かっておるようじゃの。主従の契りを結んだからか、それがおぬしの能力なのか……
 何はともあれ、そこまで分かってくれているなら話は早い」

首藤涼の身体は、ハイランダー症候群という病に侵されている。
その症状は、不老と長命。年端もいかぬ少女に見える涼は、その実のところ、外見の幾倍もの年月を生きている。
永い年月は、涼に多くの別れをもたらした。誰も彼もが涼を置いて、先にいってしまった。

「もう、十分に生きた。嬉しきことはそうも増えず、悲しきことを忘れるのは難しい。
 そろそろワシも、人並みの死というやつが恋しくなってきての」

ふうん……と、アサシンは納得したように頷く。

「しかし――聖杯というのは、思っていたよりも融通の効かんやつのようじゃの。
 一見都合の良い組み合わせのようじゃが、決定的なところでズレておる。
 のう……『人生で一番美しい瞬間に殺してくれる』という『死神』よ」


519 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:29:51 ZvBy0hgM0
死を望む主と、死をもたらす従者。
だが――二者が噛み合うことは、ないのだ。
主が望むのは、自然の摂理のままに老い、朽ちていく死。
従者がもたらすのは、美しい瞬間を、美しいまま切り取る死。

「とはいえこの歪さも趣きというものか。こちらこそ、よろしく頼むアサシンよ」

いや――確か、このサーヴァントの名は。首藤涼に与えられていた仮初めの記憶の中で、隣席に座っていた少女の名は。

「宮下藤花、でよかったか?」
「いいや、それはぼくを指す名前としては相応しくない。ぼくは自動的に浮かび上がってきた存在であって、宮下藤花ではないからね。
 ぼくのことは――」


 ◇


 その死神の名前はね――


 ◇


「ブギーポップ(不気味な泡)と呼んでくれ」


 ◇

――宮下藤花が意識を取り戻したとき、彼女は自分がどうしてこんなシチュエーションに陥っているのか全く理解が及ばなかった。
ここはどうやら屋上らしい。愛用しているスポルディングのバッグを何故か持って、屋上に立っている。
ここまではまだ理解の範疇だ。だが、目の前には――

「首藤さん?」

つい先日やってきたばかりの、転校生がいた。
藤花が目をぱちくりさせて驚いているのがそんなに面白いのか、腹を抱えて笑っている。

「も、もう! そんなに笑わなくたって――」

(……あ、あれ。そういえば……首藤さんがこんなに笑ってるの……初めて見る気がする)

首藤涼には、どこか近寄りがたい雰囲気を感じていた。
だけど、こうやって笑っている彼女は、とても親しみやすい存在のように感じられる。

「あの……首藤さん、どうして私たち、こんなところにいるんですか?」

まだ笑い続ける涼は、目尻に浮かんできた涙を拭いながら藤花の質問に答える。

「ああ、ワシが呼んだからじゃの。ちょいと、頼みがあってな」
「えっ、私にですか?」

自慢ではないが、宮下藤花には自分はあまり出来のいい人間ではないという自負があった。
勉強も運動も人並み程度で、取り立てて特筆すべき特技や技能があるわけでもない。
そんな自分が、見るからに完全無欠の美少女然としている首藤涼に何かを頼まれるだなんてことが、あるのだろうか。

「うむ。用件の半分はもう終わったようなものだがのう」
「え……すいません。なんだか私、ぼーっとしてたみたいで頼みごとっていうのが何だったのか……」
「もう伝わるべきところに伝わったようだから気にせぬともよい。
 だが、そうじゃのう。せっかくだから宮下にも一つ、頼みをしておこうか」

いつの間にこんな時間になっていたのだろうか。
太陽は随分と低い位置に動いてしまっていて、その光は茜色に変わっていた。
夕日に照らされながら学校の屋上に佇む首藤涼という絵面は、まるで一枚の絵画のように美しくて――

「――ワシと、友達になってほしい」

差し出された右手を握り返す以外の選択肢は、そのときの宮下藤花には浮かんでこなかった。


520 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:30:50 ZvBy0hgM0
【クラス】
アサシン

【真名】
ブギーポップ(宮下藤花)@ブギーポップシリーズ

【パラメーター】
筋力C 耐久D 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具B

【属性】
混沌・善

【保有スキル】
 気配遮断:A
アサシンではなく宮下藤花として行動することで、サーヴァントとしての気配を完全に隠蔽することが出来る。
しかし宮下藤花はNPCと同等の能力しか持たないため、戦闘に有用なスキルとはならない。

 対魔力:C
精神汚染系の魔術に対する強い耐性を持つ。反面、物理的耐性はダメージを僅かに軽減するに留まる。

 世界の敵の敵:B
世界の持つ可能性を閉ざす危険を持つ存在、世界の敵であるかどうかを判別する。
能力の強大さと意志の方向性の二つが世界の敵であるかどうかの判定基準であり、後述する宝具の使用条件に関わってくる。

【宝具】

『自動的に浮かび上がる不気味な泡(ニュルンベルクのマイスタージンガー)』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
世界の危機に関わる異変を察知したとき、ニュルンベルクのマイスタージンガーを口笛で吹きながら不気味な泡は浮かび上がる。
前述のスキル判定によって世界の敵と見做された存在を相手にするとき、アサシンの全パラメーターは一段階上昇する。
世界の敵を葬ってきた死神としての伝承が宝具となったものである。

【weapon】
『鋼線』
鋼鉄製のワイヤーである。特別な謂れはないが、死神の振るう鎌のごとく多くの世界の敵を屠ってきた。

『スポルディングのバッグ』
スポルディング社製のスポーツバッグ。黒いマントや筒状の帽子といったブギーポップの衣装は、普段この中に入っている。

【人物背景】
宮下藤花はごくごく一般的な女子高生である。素直で明るく、友達にも恵まれ、上級生の彼氏もいる。
だが、世界の危機に関わる異変が起きたとき、宮下藤花の中からブギーポップ――つまり彼女の別人格が浮かび上がる。
ブギーポップとしての彼女は強力な戦闘能力を有し、人間の限界を大きく超えた身体能力を有する存在や戦闘用に改造された合成人間だったとしても圧倒することが可能。
また、女子高生の間でだけ噂されている都市伝説『その人が一番美しいときに、それ以上醜くなる前に殺す死神』の正体でもある。
宮下藤花は自分がブギーポップになっている間の記憶を持っておらず、欠落した部分の記憶は藤花の中では整合性の取れた記憶として改変されている。
そのため、藤花自身は自分がブギーポップであるということを知らない。

【サーヴァントとしての願い】
自動的な存在であるため聖杯に対して能動的な望みを持たない。
強いていえば聖杯という強大な力を得ることによって世界の敵となる可能性を持つ存在を抹消することが願いといえるだろう。

【基本戦術、方針、運用法】
戦闘においては正面からの武力行使よりも相手の心理の弱点をつくことが多い。
世界の敵に対して容赦はしないが、能力、あるいは意志の変化によって世界の敵足り得なくなった場合、命までは取らないこともある。


521 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:31:27 ZvBy0hgM0



【マスター】
首藤涼@悪魔のリドル(アニメ)

【参加方法】
詳細は不明。強く願ったわけではなく、半ば巻き込まれる形での参加。

【マスターとしての願い】
普通に年を取って死ぬこと。

【weapon】
特になし。原作において爆弾付き首輪を武器として使ったことがあったが、涼自身に製作技術があるかは不明。

【能力・技能】
不老・長命(ハイランダー症候群に起因するもの)
暗殺者であるが、詳しい手口や能力は(少なくともアニメ放送では)不明。

【人物背景】
白髪が特徴的な少女。達観した性格や特徴的な口調(一人称がワシ、語尾にじゃをつけるなど)が目立ち、精神年齢は相当高い様子。
彼女はハイランダー症候群という不老・長命の病にかかっており、実際はかなりの高齢(少なくとも100歳以上)。

原作では暗殺の報酬として「普通に年を取って死ぬこと」を希望しており、自らの不老・長命を好ましく思っていないようだ。
しかし確実に暗殺を成功させることが出来る場面で敢えてゲームを仕掛けたりと、自らの願いに強い執着はないようである。
(希望を叶える方法が「全世界の高名な医師に研究を進めてもらい治療法を見つける」という不確実な方法だったために本気にならなかったという説もあるが、あくまで考察の一つ。)

過去に一つ年下の大切な男性がいたが、いつまでも年を取らない涼と段々と老いていく男性は最終的に離れてしまうことになる。
別れから数十年経った今でもその男性の誕生日を重要なパスワードとして設定したり、未練は完全に断ち切れていないようだ。

【方針】
強い願いではないため、積極的に優勝を狙うかは不明。


522 : 首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 :2014/07/04(金) 19:32:33 ZvBy0hgM0
以上で投下終了です。誤字脱字、矛盾点など見つけられましたら御指摘いただけるとありがたいです。
余談ですが7/14は涼おばあちゃんの誕生日ですので祝ってあげてください。


523 : ◆Z9iNYeY9a2 :2014/07/04(金) 20:42:18 V8epOy0U0
すみません、>>397の作品を破棄させてください


524 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:02:15 IB.qCq7k0
神峰翔太&キャスター、投下します


525 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:03:01 IB.qCq7k0
.


音楽とは、原初の力である。



   *   *   *



「神峰ー!」

月海原学園の廊下で女生徒に呼び止められる少年が一人。
彼の名は神峰翔太。
ここ月海原学園の一年生で、吹奏楽部に所属している一見どこにでもいる少年だ。
だが1つ普通と違うのは……彼には特殊な力がある。

――神峰翔太には心が見える。
正確に言えば声が彼の共感覚(シナスタジア)を通じて、擬人化したハートに見えるのだ。
今も目の前の少女の胸の中央――心臓辺りに、そのビジョンが見える。
だが……

(何なんだ……何なんだ、この心は!?)

翔太の瞳に映るその心は異常であった。
擬人化されたハートが『TV画面の中に収まっている』のだ。
ハートは見える、感情もある。
だがそれがまるでTV画面で再生されているかのような――そんな、声をしているのだ。

こんな心は今まで一度もなかった。
これが一人なら変わった心の持ち主だと自分に言い聞かせることもできただろう。
だが――自分以外のみんなが、視界に映る生徒たち全てが、その状態であった。

「なー、吹奏楽部を取材させてくれよー。
 中々お前のところの部長が首を縦に振ってくれなくてさー」
「あ、ああ……」

自分に話しかけてくる日に焼けた肌の少女。
確か新聞部所属のクラスメイトだっただろうか。
勿論この少女の心も『モニタ越し』に見えている。

「なんだよ、気乗りしねーって顔だなぁ」

こちらを訝しんでいるようすが、モニタ越しに見える。
まるで『そうすることを定められた』プログラムのようだ。
こちらのリアクションに対し、反応を返す……まるでビデオゲームのような。
それを確かめるために翔太は口を開く。


526 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:04:14 IB.qCq7k0

「なぁ……ウチの部長ってなんて名前だっけ」
「おまえなー、自分のところの部長ぐらい覚えておけよー。■■■■だろー?」

違う。
何が違うとは具体的に言えないが、その名前にとても強い違和感を感じる。

「……打楽器のパートリーダーは?」
「おやぁ、アタシを試してるのか? 受けて立つぜぇー? 誰にも細やかな対応をする■■■先輩だろ?」

違う。
自分が先導して皆を引っ張る、雷のような力強い音だったような気がする。

「……トランペットパートのリーダーは?」
「おお、確か女だてらに豪快な■■■■先輩だよな?」

違う。
暴君のような、しかしそれでいて繊細な心を持つ音だったような気がする。

「……サックス奏者は?」
「なぁ……お前、大丈夫か? ……お前の親友の■■■だろ?」

ああ、――俺はこの違和感に、とてもじゃないが耐え切れない。

「あっ、オイ! 神峰!」

背中に女生徒の声を受けながら、翔太はその場から逃げ出していた。

目に映る全てが出来の悪い書割のようだ。
耳に聞こえる全てが不快な雑音のようだ。
すれ違う生徒たちが何事かという表情をして自分のほうを見ている。
なのにその心はTV画面に写った偽物のビジョンとしてしか翔太には感じられない。

自分の感じる世界が、いつもと違う。
彼を襲う、自分だけが異分子のようなこの孤独な感覚。
まるで昔に戻ったみたいだ。

(――待て、昔? 昔っていつだ?)

音楽室/掃除/見覚えのない木片。
バチバチと断片的な記憶が脳を焦がす。
だが真理には至らない。
届くようで届かない、そのもどかしさに気が狂いそうになっている。
自分の感じる全てが良く出来た偽物で、自分自身すらもその中に埋没していく……そんな薄ら寒い恐怖が周囲から襲いかかってくる。

(誰か、誰でもいい! 誰か俺に、"本物"を――見せてくれ!)

その時だった。
翔太の耳を震わせたのは、電子の旋律――エレキギターの音色だった。


527 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:05:11 IB.qCq7k0

「――――」

言葉を失った。
繊細かつ大胆なメロディライン。
心臓を震わせる力強いビート。
若さゆえの情熱と、老獪な技巧が入り混じったプロフェッショナルの音。

そして共感覚を持つ翔太の目に映るのは圧倒的な青空のビジョン。
どこまでも澄み渡った、かつ複数の感覚が体の中から弾けるような、今まで感じたことのない鮮烈な感覚。

それはまるで全身を熱く燃やす紅蓮の業火のようで。
それはまるで淀むこと無く流れる清純な水のようで。
それはまるでどこまでも駆け抜けていく風のようで。
それはまるで決して動じることのない大地のようで。

何よりもその音は強烈なまでに"生きていた"。
この世界のどの人間よりも、いや、むしろこうしている翔太自身よりも命の輝きに満ち溢れた、飽くなき生へのエネルギー。
その声に応えるように、全身の細胞が燃えている。
ああ、世の中にはこんな音があったのか。

気づけばまるでその音に導かれるようにして、翔太は全力で屋上へと駆け上がっていた。
ところどころ錆びた屋上へと続くドアを乱暴に開けた先、屋上にいたのはエレキギターを抱えた一人の男だった。
炎のように逆立った髪に丸メガネ。
彼はただ、一心不乱に大空に向けて歌声を張り上げている。

視線をちらりとこちらに向けるが、その心は翔太の方をを向いていない。
ただ一直線に、ここではないどこかを見つめ続けている。
そしてその心はTVモニタ越しではない、生の色を持っていた。

「なぁ……あんた……」

『アンタは誰だ』『ここはどこなんだ』『どうしてアンタは他のやつと違うのか』『そもそも俺はおかしくなってしまったのか』……いくらでも聞きたいことはあった。
だが口をついて出たのは全く別のことだった。


528 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:05:53 IB.qCq7k0

「アンタのその音――スゲェよ……!」

体の奥底から熱くなってくるような強烈なサウンドだった。
"あいつら"ともまた違う。
全身から力が溢れるような音という力の本流を見た気がした。

「もっと……もっとだ! アンタの音を聞かせて……く……れ……」

そのまま神峰翔太はバタリと倒れた。
三日間何も食べていなかった所に、いきなり豪勢な料理を食わされたようなものだ。
つまり、音に当てられて気絶したのだ。

だが、成果はあった。
神峰翔太の右手にはマスターである証、令呪が刻まれている
彼が本物と偽物の違いを強く認識したせいで、偽りの世界から開放されたのだ。

そんな少年をギターを持った男……キャスターは抱き起こす。
その顔には笑みが浮かんていた。

「へへ……どんなやつかと思ったらおもしれぇ奴じゃねぇか」

最初は呼ばれたところで乗り気ではなかった。
戦いなんてくだらねぇ。
それよりも歌うほうが熱く、心を震わせられるのに。
だからマスターなんざ無視して、遥か宇宙の果てから来たというアーク・セルに歌を聞かせていたのだ。

だが今倒れているコイツは心を震わせる、熱い衝動に従った。
そして俺に熱いハートを叩きつけてきた。
コイツがマスターなら、なにか面白いことが起きるかもしれない。
作り物の青空に向かって、キャスターは大声を上げる。

「さぁ、今日こそ動かしてやるぜムーン・セル! そしてアーク・セル! ――俺の、俺達の歌を聞けぇ!」


529 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:06:38 IB.qCq7k0

【クラス】
キャスター
【真名】
熱気バサラ@マクロス7
【パラメーター】
筋力E 耐久D 敏捷E 魔力E 幸運A 宝具???
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
・陣地作成:-
 魔術師として自らに有利な陣地な陣地「工房」を作成可能。
 根っからの風来坊であるキャスターは陣地作成が不可能である。

・道具作成:-
 魔力を帯びた器具を作成可能。
 キャスターは演奏者であるがゆえに道具を作成できない。

・道具調達:D
 『道具作成』の代替スキル。
 自身のアコースティックギターとエレキギターならばどこからとも無く調達可能。
 たとえそれが破壊されたとしても瞬時に調達できる。
 ただし鈍器や盾として使用するなど楽器以外の用途で使用した場合、このスキルは消滅する。

【保有スキル】
・楽器演奏:A+
 楽器を演奏する能力。
 A+ともなれば歴史に残る名演奏が可能である。

・楽曲作成:EX
 力を持った楽曲を作成する。
 楽曲は原初の力を持ち、世界を動かす力となる。
 EXレベルともなると"歴史を変えた"ほどの楽曲を作成したことがある。
 異次元生命体である"プロトデビルンとの和解"を歌によって成し遂げたキャスターはそれに該当する。

・単独行動:E
 マスターからの魔力供給が無くなったとしても現界していられる能力。
 単なる放浪癖である。

・騎乗:E
 本来なら演奏しながら高難易度の機動マニューバをこなすことすら可能。
 ただしキャスタークラスで召喚されたため、騎乗スキルは弱体化している。
 バイク等の一部のマシンに騎乗が可能。

・音楽馬鹿:A
 四六時中音楽のことを考えている。
 同ランク以下の精神汚染を無効化するが、自己の都合を優先する傾向にある。
 つまりかなりの我儘。


530 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:07:42 IB.qCq7k0

【宝具】
・炎舞う魂の鼓動(ファイヤーボンバー)
 ランク:C〜A+ 種別:対人宝具 レンジ: 最大補足:1〜10人
 強力なバフ・デバフ効果を持つ"力ある歌"を演奏・歌唱することができる。
 効果は歌いづづける限り継続する。
 また保有スキルである『楽曲作成:EX』によって曲目が増加する可能性がある。

・MY SOUL FOR YOU
 恐慌状態などの特殊な精神状態を解除する。

・SEVENTH MOON
 スキル:直感を一時的に取得させる。
 また幸運のステータスを一時的にランクアップさせることが可能。

・PLANET DANCE
 スキル:対魔力を一時的に取得させる。
 また魔力のステータスを一時的にランクアップさせることが可能。

・突撃ラブハート
 スキル:勇猛を一時的に取得させる。
 また筋力・耐久・敏捷のいずれかを一時的にランクアップさせることが可能。

・HOLY LONELY LIGHT
 敵ステータスの一部をランダムで一時的にランクダウンさせることが可能。

・炎舞う真紅の翼(ファイヤーバルキリー)
 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ: 最大補足:100人以上
 キャスターもう一つの宝具。
 自身の持つ歌スキルを対人から対軍宝具へと変化させる。
 しかし騎乗スキルA++が必要であり、また召喚スキルは消えているため顕現させることすら不可能。

【weapon】
・アコースティックギター
 何の変哲もないアコースティックギター。

・エレキギター
 アンプ無しでも音が出る不思議なエレキギター。

【人物背景】
『マクロス7』主人公。
ロックバンド「FIRE BOMBER」のギター兼ボーカル。
自分の歌と音楽に対する並外れた情熱を持ち、規則に縛られること・他人の命令を効くこと、そして暴力で解決することを嫌う。

【サーヴァントとしての願い】
ムーン・セルよ! アーク・セルよ! 俺の歌を聞けぇ!

【基本戦術、方針、運用法】
聖杯戦争なんてくだらねぇぜ! 俺の歌を聞けぇ!


531 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:09:38 IB.qCq7k0

【マスター】
神峰翔太@SOUL CATCHER(S)

【参加方法】
詳細不明。
どうも巻き込まれたようだ。

【マスターとしての願い】
帰還したい。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
・共感覚(シナスタジア)
 複数の感覚を同一のものとして捕える感覚。
 彼の場合は聴覚を視覚として感じる事ができる。
 その特性から望む望まざるにかかわらず、声色を聞くことで相手の心理状態や嘘を見破ることができる。
 ただし心が「見える」だけで「読める」わけではないので解釈を間違えることもある。
 (多くの場合は擬人化されたハートに見える)
 また、その分悪意にも敏感であり、敵意を向けられた場合は体力・精神力ともに大きく消耗してしまう。

【人物背景】
週刊ジャンプからジャンプNEXTに移籍した吹奏楽漫画『SOUL CATCHER(S)』
(ジャンプNEXT vol4は8/18、待望の単行本最新刊第6巻は8/4発売予定)の主人公。

鋭敏な共感覚を持ち、人の心を鋭敏に感じることができる。
その力があっても口下手故に人の心を変えられず、ただ壊れていくのを見ることしかできなかったトラウマから人と関わるのを避けていたが、ひょんなことから超高校級のサックスプレイヤー・刻阪響と出会い、吹奏楽とそれに関わる人々と関わっていくことになる。

先輩には『〜ッス』を語尾につけるやや体育会系の礼儀正しい少年。
前述のトラウマから人と関わることを避けていたが、刻阪という理解者を得て前に進むことを選択したあとは、一度決めたら後には引かない強さも表に出てくるようになった。
基本的に相手を理解するために自分が傷つくことになっても踏み出すことのできる優しい性格だが、同じ力を持ちながら人を壊すことに快感を覚える黒条に対しては激しい敵意を見せるなど強い正義感を持つ。
なお女心には鈍感である。

【方針】
死なず、死なせず、ここから脱出する。


532 : 神峰翔太&キャスター  ◆Gc3b00.81E :2014/07/04(金) 21:10:13 IB.qCq7k0
以上です。


533 : ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/04(金) 21:49:08 /EYzlupM0
バサカ投下します


534 : 大神一郎&バーサーカー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/04(金) 21:50:10 /EYzlupM0
街を望む高台の公園に夜桜が舞い散る。
踊るように舞う桜色の花弁の中、佇むのは白い軍服に身を包んだ若き将校だった。
軍服など時代錯誤というのならそうだろう。
何せこの男は正真正銘、過去から来た男なのだから。

男が生きた時は太正。所は帝都。
その正体は帝都の平和を守る秘密部隊、帝国華撃団隊長、大神一郎その人である。

それは、大帝国劇場の総支配人の座を米田から引き継いだ直後のことだ。
何時ものように黒子たちと共に舞台の修復を手伝いをしていた。
その一つある材木を何の気なしに手にした事を切っ掛けに、大神はこの戦いに巻き込まれた。

そう戦いだ。
聖杯戦争。英霊たちが覇を競う規格外の戦争である。
大神からしてみれば、信じがたいようなまさしく魔法のような出来事ではあるのだが。
それよりも今彼の心をつかんでいるのは高台から見下ろす風景であった。
太正を生きる彼にとってはこの街並みこそまさしく魔法の世界である。

「綺麗だな」

一つ一つの光がそこで暮らす人々の光だ。
太正では考えられぬほど町は光に満ち、夜の闇などどこにもありはしないかのようだ。
帝都の夜景も美しかったが、これはこれでまた別の味わいがある。
例え、NPCが暮らす仮初のモノだったとしても、この美しさは変わらないだろう。

「あ、あの……」

そんな大神を背後から巨大な影が覆った。
それは、いつの間に現れたのか。
慌てて振り向く大神の前に立っていたのは、緑の軍服を着た大男だった。

まず目を見張るのは2メートルを軽く超すような巨大な体躯である。
身にまとった軍服の形状からして陸軍だろうか。どこの国のモノかはわからない。
幾多もの戦場を超えてきた事の証明である顔に刻まれた一文字の大きな傷の跡。
それ以外にも幾つもの生々しい傷跡が見える。

「……あなたが俺の、マスター…………ですかね?」

だが、大男から発せられたのは自信なさげな弱弱しい声だった。
マスター。その言葉に大神はサーヴァントを率いて戦うという自らの役割を思い出した。
ならば、目の前の大男は己のサーヴァントなのだろう。

「自分は帝国海軍、大神一郎大尉だ。君は?」
「あ、自分は帝国陸軍情報3課ランデル・オーランド伍長、です。クラスは、その…………バーサーカーです」
「バーサーカー?」

バーサーカーとは理性を代償に力を得るクラスである。
だが目の前のサーヴァントにはしっかりとした理性があり意思疎通もできている。
狂化ランクが低いのかと思ったがそうでもないようだ。


535 : 大神一郎&バーサーカー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/04(金) 21:50:54 /EYzlupM0
「えっと……自分が狂化されるのは宝具使用中だけなので……」
「なるほど」

そういうものか、とひとまず納得する大神。
なんにせよ共に手を取り合う運命共同体なのだ、意思疎通ができるというのならそれに越したことはないだろう。

「伍長。共に戦うに当たって。先に君に言っておかなければならない事がある。これからの方針についてだ」

自らのサーヴァントに対して言っておかねばならいことがある。
大神はしっかりと真正面から相手の目を見つめる。

「俺は優勝を目指すつもりはない」

そう自らのサーヴァントに向けて宣言した。

「勿論死ぬつもりはないし生き残るために全力は尽くす。
 だが、俺が戦うのは人々の笑顔を守るためだ。身勝手な理由で誰かを殺すだなんてことはできない。
 中には願いを持って。決意を持って戦っている人もいるだろう。
 それを止めるのが正しいのかはわからない。それでも目の前で誰かが争っているのならば俺はそれを止めたい」

サーヴァントは願いがあるからこそ召喚に応じる。
そんな相手に対して、お前の願いを叶えるつもりはないと告げるに等しい言葉をぶつける。
例えそれが理由でここで自らのサーヴァントに殺されようとも曲げることのできない、大神一郎の正義である。

「はい。俺もそれでいいと思います」

だが、意外なほどすんなりバーサーカーは頷きを返し、この方針を受け入れた。
ある程度の反発を予想してきた大神は、これには少々面を食らった。

「いいのかい? 君も何か願いがあるのだろう?」
「いいんです。その、俺も助けられる人がいるなら助けたいですから」

そう言ってバーサーカーは表情を綻ばせる。
その表情に大神は見た目にそぐわぬ、彼の心の優しさを感じ取った。

「そうか。なら、改めてよろしく頼むよ。伍長」

そう言って大神は右手を差し出し自らのサーヴァントに握手を求る。
バーサーカーは真摯な態度に僅かに驚きながらも、大きな手でその手を握り返した。
手を繋いだまま、大神は自らのサーヴァントが表情を崩して笑ていることに気付いた。

「どうした伍長?」
「いえ。すいません、大尉って俺の知ってる少尉に少し似てるなって思って」
「? そうなのか?」
「はい」

ふっと大神も笑みを返す。
信頼できる相手と出会えた幸運に感謝しながら、大神はこの場でも正義を貫くことを誓う。


536 : 大神一郎&バーサーカー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/04(金) 21:52:17 /EYzlupM0
**【名前】
大神一郎
**【出典】
サクラ大戦
**【サーヴァント】
バーサーカー
**【参加方法】
舞台修理中用の材木に『木片』が紛れ込んでいた

**【人物背景】
士官学校を主席で卒業した海軍のエリート。
卒業後は帝都を守護する秘密部隊『帝国華撃団』の隊長として配属され、襲いくる魔の手から帝都を三度、巴里を一度を守護した歴戦の勇者。
正義感の塊のような男で非常に熱く仁真面目な性格なのだが、女性の入浴シーンに遭遇すると体勝手に動いてしまうという奇病を患っている。
本来女性にしか動かせない霊子甲冑を起動させられるほどの非常に高い霊力を持っており、他者の霊力を同調させる触媒の能力も併せ持つ。
平時は『帝国華撃団』の世を忍ぶ仮の姿『帝国歌劇団』のモギリとして働いており、モギリに対して非常に高いプライドを持っている。
そして最終的に支配人まで上り詰めたという伝説のモギリである。

**【weapon】
**『神刀滅却』、
 所持者に人を統率し正しい方向へと導く力を授けると言い伝えられている刀。
**『光刀無形』
 所持者に希望と野望・野心を達成する強い力を与えるとされている刀。

**【能力・技能】
宮本武蔵を祖とする二天一流・二刀流の使い手。銃撃も得意としている。
霊子甲冑に乗り込めば神話レベルの戦闘が可能となるが、霊子甲冑の持ち込みはさすがに不可能であったためこの聖杯戦争でその雄姿が日の目を見ることはない。
13人の個性が豊かすぎる少女たちを率いた統率力と、彼女たちを指揮して都合4度ほど世界を救った指揮能力は非常に高い。
非常に高い霊力を持っているため魔力補給もそれなりに潤沢である。

**【願い】
正義を貫く

**【基本戦術、方針、運用法】
無益な戦闘の静止、弱者の救済。
悪は容赦なく滅ぼして正義を示す。


537 : 大神一郎&バーサーカー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/04(金) 21:53:13 /EYzlupM0
**【クラス】
バーサーカー
**【真名】
ランデル・オーランド
**【出典】
パンプキン・シザース
**【マスター】
大神一郎
**【属性】
中立・中庸
**【ステータス】
筋力:B 耐久:A 敏捷:E 魔力:E 幸運:E 宝具:B

**【クラススキル】
狂化:-(A)
 最上級の狂化適性を持つが、狂化は宝具使用時にのみ適応される

**【固有スキル】
 なし

**【weapon】
**『ドア・ノッカー』
戦車の装甲を撃ち抜く事を目的とした単発の対戦車用超大型拳銃。
人間の扱える限界の13ミリという大口径の巨大な中折れ式のリボルバーである。
装薬量が多く一発撃つだけでも銃身が素手では触れない程過熱するため分厚い手袋の装備が必要。
装甲を確実に貫くべく零距離射撃を前提とした設計であり、有効射程は通常の拳銃よりも短く照星も付いていない特攻兵器。
歩兵が戦車に零距離まで接近するなど常識的に不可能であるため、正式採用は見送られ公式には製造されなかった銃である。

**『三式装甲剥離鋏』
戦車の搭乗口をこじ開ける事を目的とした折り畳み式の巨大なハサミ。
振り回せば鈍器にもなり、鋏として敵を直接解体することも可能。
彼の物にはランデルが自ら堀った『断末魔』を意味する『マルマン・チェーダ』の文字が刻まれている。

**『焼硬鋼(ブルースチール)のランタン』
901隊員が左腰部分に下げている焼硬鋼製のランタン。
灯すと蒼い鬼火が浮かび上がり、901隊員の脳内に仕込まれた冬虫夏草が反応し脳神経経路が励起する。

**【宝具】
**『命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)』
 ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
「例えその瞳を灼かれても、例えその腕をもがれても、奴等は決して歩みを止めない。
 死沼へ誘う鬼火(ウィル・オー・ウィスプ)に導かれるまま、保身無き零距離射撃を敢行する」
腰に下げた焼硬鋼のランタンに蒼い鬼火を灯すことで発動する。
幾つもの戦車を破壊してきた逸話から、非生物系の乗り物に対して高い追加判定を持つ。
狂化A、勇猛A+、戦闘続行A+のスキル効果を得ることができ、ダメージを完全に無視して行動する事が可能となる。
効果は戦闘終了まで強制的に持続、途中で解除は不可能である。

**【人物背景】
非人道的な人体実験によって生み出された非公式戦闘部隊『不可視の9番』の一つ。
『歩兵による戦車の打倒』を目的として編成された対戦車猟兵部隊『901ATT(Anti Tank Trooper)』の元隊員。
901ATT隊員は全員、脳改造を施されており、腰に提げたランタンに蒼い炎を燈すと一切の苦痛や恐怖を感じない殺戮兵器と化す。
停戦後は非公式部隊所属の彼が軍に復帰できるはずもなく各地を放浪していたが、アリス・L・マルヴィン少尉と出会い陸上情報部第3課、戦災復興部隊。通称『パンプキン・シザース』に所属することとなる。

帝都にある存在しないとされているスラム街、0番地区(オーランド)の生まれ。
売春婦の子で父親は不明、売春宿の売春婦達を母として育ち、彼女たちの健康管理をしていた医師を義父としている。
派閥抗争に巻き込まれ実母が死亡。父親は抗争の主犯と思しき人物と差し違える形で亡くなっている。
その後はストリートチルドレンのグループ「回転草の兄弟団(タンブル・ウィード)」の一員になり、数人の子どもたちと義兄弟として暮らしていた。
だが、病気となった義妹の薬代を得るため人買いに自らを売り、カウプラン機関の実験体となり、最終的に901ATTの隊員となった。

ランデル自身の素の性格はその外見と経歴に見合わず、温厚で虫すら殺せないような臆病者である。
その優しさゆえか、戦争であったと割り切れず、多くの人間を殺害してきたことに対する罪悪感に苦しんでいる。

**【願い】
誰かの役に立ちたい。マシな自分になりたい。

**【方針】
大神大尉(マスター)に従う。
通常時の性格が余りも戦闘向きでないため、戦闘は宝具の使用を前提としている。


538 : 大神一郎&バーサーカー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/04(金) 21:54:07 /EYzlupM0
投下終了
安定の喋れるバサカ


539 : ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:45:46 o.5cVabk0
皆様投下乙です。
それでは自分も投下させていただきます。


540 : 門矢士&セイバー ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:47:07 o.5cVabk0

 世界の破壊者、ディケイド。
 いくつもの世界を巡り、その瞳は何を見る。

「聖杯戦争……か」

 門矢士は呟いた。
 その手元には『ゴフェルの木片』が握られている。
 旅の途中で訪れたとある世界で、たまたま見つけた謎のアイテムを手に取ったら……いつの間にか、この世界に流れ着いていた。
 どうやら、ここは戦いの世界らしい。ライダー大戦のように、各々が生き残りを賭けたバトルロワイアルをやるようだ。
 もしかしたら、また世界の崩壊が始まっているのかと思ったが、どうやらそういう訳でもない。世界ではなく、自分の願いを叶える為に戦うようだ。

「それにしても、まさかここでまたお前と出会うとはな。シンケンレッド……いや、志葉丈瑠」

 士の前に立っているのは、かつて訪れた『シンケンジャーの世界』で出会った侍戦隊の一人。
 外道衆と戦う志葉家の当主であり、シンケンレッドとしてシンケンジャーを束ねている男・志葉丈瑠だった。

「まさかこんな形でお前とまた会うとはな……どうだ、嬉しいか?」
「さあな……少なくとも、訳のわからない戦いに呼び出されて、気分はよくならないな」
「ほう? お前も自分の意思でやってきた訳じゃないのか?」
「当たり前だ。第一、俺も好きでこんな所に来る訳がない……何がどうなっているんだ?」
「そんなこと、俺が知るか」

 ある電気を扱う仮面ライダーの台詞を真似るように、士は丈瑠に返事をする。
 どうやら、丈瑠も自分から好きでこんな所に来た訳ではないらしい。恐らく『ゴフェルの木片』を拾って、いつの間にかここに辿り着いたのだろう。
 再会としては、最悪の形かもしれないが。

「外道衆の仕業なのか? だが、奴らはもう俺達が全滅させたはずだ……まさか、あのブレドランみたいな怪物がまた現れたのか?」
「あるいは、大ショッカーやスーパーショッカーのような連中か……何にせよ、とんでもない連中が関わっているだろうな」
「そうか……」

 こんな大掛かりな戦いを仕組むのなら、それ相応の組織が関わっているかもしれない。これまでの経験から士はそう推測していた。
 それは丈瑠も同じらしい。彼はライダーのいない世界で、三途の川から現れる外道衆という化け物達と戦っていた。だから、悪の組織には縁があるのだろう。
 自分が見ていない所で相当な苦労をしてきたのかもしれない。そんなことを考えながら、丈瑠の顔を見つめた。


541 : 門矢士&セイバー ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:48:15 o.5cVabk0
「士。お前は願いとやらが本当にあると思っているのか?」
「どうだか? 本当かもしれないし、嘘かもしれない……俺にはわからないな」
「……嘘、か」

『嘘』という単語を呟く丈瑠の顔は、ほんの少しだけ曇っている。まるで、何か思うことがあるかのようだ。
 それは気にならなくもないが、ここで追求をした所で意味はない。ただ空気が悪くなるだけだ。仮に聞くとしても、そのタイミングは今ではない。

「……お前はここでどうするつもりだ?」
「何のことだ?」
「お前はこの戦いで何をするつもりなのかを聞いている。お前は……俺のマスターなのだからな」

 問いかけてくる丈瑠の顔は、徐々に真剣味を帯びている。それでいて、かつて共に戦った時に見せた迫力が醸し出されていた。
 彼の疑問は当然だった。誰かの下に付くのなら、上に立つ人間の思惑を知りたいと思うのが心情だ。興味がない奴もいるだろうが、それではただの人形になるだけ。

「そういえば、俺はお前のマスターになっていたんだったな。クラスとやらは、セイバーだったか?」
「その通りだ」

 サーヴァントとして召喚された丈瑠のクラスはセイバー。
 英語で言えば、武器の一種であるサーベルを示す。そして、侍である彼には相応しい称号かもしれない。
 淡々と頷く丈瑠を前に、士はフッと笑った。

「何がおかしい?」
「いや、まさか殿様であるお前が俺の家来に成り下がるなんて、夢にも思わなかったからな。俺は前に黒子をやらされたからな」
「お前……」
「これでおあいこだろう? 人の上に立つなら、これくらいのことでガタガタ騒ぐな……器が小さいぞ」

 ぶっきらぼうにそう言い放って、丈瑠の追求を止める。くだらない口論などしたくなかった。
 周りに沈黙が広がる。士にとっても都合がよくなった頃、丈瑠の疑問に答えることにした。

「……そういえばお前は気になっていたようだな。俺が、どうするのかを」
「ああ」
「ここはライダーどころか、侍だっているかもわからない……だが、俺は俺のやりたいようにやるだけだ。お前もそれに従って貰うぞ」
「……もしかして、お前もまだ決めていないのか?」

 丈瑠が口にしたその一言は、士の心に突き刺さった。表情も、ほんの少しだけ歪む。
 すると、丈瑠は軽い溜息を吐いた。全てがお見通しなのかもしれない。かつて言っていた侍の勘とやらだろうか。

「図星のようだな」
「……仕方がないだろう。この世界にいると、いつもと勝手が違う」
「そんなに違うのか?」
「ああ。この世界にいると、変な気分になる……そもそもどうやってここまで来たのか、いまいち覚えていない」

 知らない場所にいきなり放り込まれたせいなのか、士の心はずっと靄がかかっている。困惑とも不安とも違う、奇妙な違和感。
 右も左もわからない。頼りになるのは、こんな形で再会した丈瑠だけ。

「だが、わからないなら捜してやるだけだ。お前達の世界だって、俺はそうしてきたからな」
「ほう。今までもそうしてきたのか」
「当然……それがこの俺、門矢士だからな」

『シンケンジャーの世界』を去ってからも、数えきれないほどの世界を巡ってきた。
 世界の破壊者という使命を全うしたが、それは旅が終わる訳ではない。丈瑠と別れてからも多くの世界で、多くの物語を見てきた。それはこの世界でも同じかもしれない。
 その為に、誰かと戦う時が来るかもしれないが、罪のない命を破壊するつもりはなかった。それは丈瑠も同じだろうから、今更確認する必要はない。


542 : 門矢士&セイバー ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:49:23 o.5cVabk0
「そうか……なら、俺はお前と共に戦おう」
「ほう? どういう風の吹きまわしだ」
「どうすればいいのかわからない……まるで迷子の子どもだな。言っておくが、そんな頼りない男についていくなんて俺は御免だ」
「お前……マスターに喧嘩を売る気か」
「人の上に立つなら、小さなことで騒ぐな……これでおあいこだと、お前は言ったはずだぞ」

 つい先程、ぶつけたばかりの言葉だった。こうして返されるといい気分にはならないが、丈瑠の言う通り。
 反論する気にもなれなかった。

「それに、お前には帰りを待っている奴らがいるだろう? 俺達と力を合わせた赤い仮面ライダーや、烏賊折神を盗んだあいつ、それにあの少女や老人だっているはずだ。
 俺は彼らのことをよく知らない。だが、お前のことを待っているはずだ。シンケンジャーの留守を守る爺や黒子達のようにな……
 かつてお前が俺の帰る場所を守ったのだから、今度は俺がお前の帰る場所に導く……それだけだ」

 それから丈瑠の言葉が続いたことで、士は目を見開いた。
 かつて、シンケンジャーが帰る場所を守る為に士はディケイドとなって戦っている。それが『シンケンジャーの世界』でやるべきことだったからだ。
 それと同じことを、丈瑠がやると言ったのだ。

「そうか。大体わかった」
「不満か?」
「いや、何も言わない。俺はお前のマスターになる男だからな」

 丈瑠は決して頷こうとはしない。しかし、彼なりに忠義の証を見せているかもしれなかった。
 古来の侍は貴族に仕えている。シンケンジャーの侍も、志葉家の当主に忠誠を誓っていた。今度は、仮面ライダーが当主である人間を従えることになる。
 それは聖杯戦争のシステムから生まれる上下関係ではない。かつて、力を合わせて世界を守った士と丈瑠の覚悟、そして絆の証だった。
 いつの間にか刻まれていた令呪を見せつけるように、士は手を翳す。そして、その先にいる丈瑠に向けて強く宣言した。

「俺は門矢士……シンケンレッド・志葉丈瑠のマスターであり、通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!」
「ああ……セイバーことシンケンレッド、志葉丈瑠! 参る!」

 門矢士と志葉丈瑠の宣言は強く響いた。
 再び巡り合った仮面ライダーと侍。彼らがこれから、如何なる道を歩いて、そしてどんな戦いを迎えるのか? まだ、誰にもわかりませぬ。
 第二次二次聖杯戦争。まずはこれまで!





 仮面ライダーディケイドとシンケンレッド。
 かつて力を合わせて悪を打ち破った仮面ライダーとスーパー戦隊が、こうしてまた出会った。
 彼らはこれまで多くの悪と戦い、人間の自由と笑顔を守り抜いている。そんな彼らの信念は、この世界でも貫き通せるのかはまだ誰にもわからない。
 しかし、それでも彼らは運命に屈したりなどはしなかった。世界が滅びる未来を変える為、決して仲間を裏切らなかったのだから。
 そんな彼らの絆を証明するかのように、ディケイドライバーにはあるカードが眠っている。アタックライド・レッカダイザントウのカードが……


543 : 門矢士&セイバー ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:51:13 o.5cVabk0
【クラス】
セイバー
【真名】
志葉丈瑠
【出典】
侍戦隊シンケンジャー
【属性】
秩序・善
【ステータス】
筋力:B 耐久:B 敏捷:C+ 魔力:C 幸運:B 宝具:C
【weapon】
ショドウフォン
シンケンジャーが変身に使うアイテムであり、通信も可能。
ショドウフォンを使って文字を書いてモヂカラを操ると、変身の他にも様々なことが起こる。

秘伝ディスク
特殊な力が込められた秘伝の道具で、種類によってその効果は様々。
レッドは『火』の力が込められた獅子ディスクをメインに扱う。
必殺技は『火炎の舞』。

シンケンマル
シンケンジャーの初期5人が扱う刀。普段は腰に携えている。武器としては勿論のこと、巨大化した折神の操縦にも扱われる。

烈火大斬刀
シンケンレッドの専用武器とも呼べる大きな刀。『炎』のモヂカラによって火炎を帯びた刃の威力は、鉄や岩を簡単に両断できるほど。
『百火繚乱(ひゃっかりょうらん)』という必殺技で、多くの敵を倒してきた。
武器としての威力も高いが、その大きさから盾としても使える。
シンケンマルに取り付けられた秘伝ディスクを回転させて、そして変形した後に獅子ディスクをセットすることで使用可能。
また、かつてコンプリートフォームとなったディケイドも一度だけ使い、火炎弾を発射した。(その際に『アタックライド レッカダイザントウ』のカードが使用した)
最終回でシンケンレッドは『双』のモヂカラを使い、烈火大斬刀を二本も構えて血祭ドウコクに挑んでいる。

獅子折神
火の文字が刻まれたライオン型の折神。素早いスピードを誇り、口から火炎を吐き出すことも出来る。
また、モヂカラによって巨大化することもできて、シンケンオーの頭部と胴体になる。

インロウマル
シンケンジャーをスーパーシンケンジャーにパワーアップさせる為に必要なアイテム。
また、これをセットされたシンケンマルはスーパーシンケンマルにも進化する。

キョウリュウマル
シンケンマルに恐竜ディスクをセットすることで生まれる武器。
スーパーシンケンジャーのように大幅な強化がされて、その刀身は自由自在に伸びる必殺技・『キョウリュウマル・天地一閃』で敵を撃破する。
本編ではシンケンレッドやシンケングリーンが使用していたが、スペシャルDVDではシンケンゴールドもパワーアップしていて、銀幕BANG!!ではゴーオンレッドもハイパー化している。


544 : 門矢士&セイバー ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:54:37 o.5cVabk0
モウギュウバズーカ
第38幕より登場した、牛を模した大筒型の武器。最終奥義ディスクをセットして放つことで威力を高めることができる。
スーパーシンケンマルやインロウマルと合わせて使うことで『スーパーモウギュウバズーカ』にパワーアップして、牛折神によく似た光線弾を発射して敵を倒す。
また『大』のモヂカラを込めることで大きくなり、モウギュウダイオーの武器にもなる。

【クラススキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法など大がかりな魔術は防げない。
ただし、これはモヂカラによって生まれたシンケンジャーのスーツを纏っている時のみに限定される。

騎乗:B
騎乗の才能。
モヂカラで生み出した馬を自在に扱える。

【固有スキル】
モヂカラ:B
ショドウフォンによって生まれる力。文字によって様々な力を発揮する。
ただし書き順を間違えたり、字が汚いと発動しない。

以下はその一部。

『火』のモヂカラ。シンケンレッドの変身に使われる。
『馬』のモヂカラ。白馬が現れて、それに跨ることができる。
『合』のモヂカラ。折神を巨大化させる為に使うモヂカラ。これを使って侍巨人を出現させて、シンケンジャーは二の目となったアヤカシと戦っている。
『刀』のモヂカラ。シンケンマルが現れる。しかし、シンケンマルはこのモヂカラを使わなくても持てるので、発動されることは少ない。
『煙』のモヂカラ。煙を出現させて目くらましや撤退に使用する。
『車』のモヂカラ。赤いオープンカーが現れる。『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』ではゴーオンレッドが運転した。


【宝具】
『真の侍進化円盤(スーパーディスク)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
シンケンジャーはシンケンマルにスーパーディスクと刀にインロウマルをセットすることでパワーアップする。
インロウマルから全ての折神の力を受け取って白い陣羽織を纏い、通常よりも戦闘能力が格段に上がる。「真・火炎の舞い」など、各シンケンジャーの技の名称に『真』が付く。

『超恐竜円盤(ハイパーキョウリュウディスク)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
シンケンレッドがキョウリュウマルを扱うことで、ハイパーシンケンレッドにパワーアップをする。
スーパーシンケンレッドと同じように、通常よりも戦闘能力が格段に上がる。
また、ハイパーシンケンレッドになればキョウリュウマルを武器として扱うことができる。その威力はクサレ外道衆頭目の油目マンプクを圧倒するほどに凄まじい。


【発動後ステータス】
スーパーシンケンレッド
筋力:A 耐久:A+ 敏捷:A 魔力:B 幸運:B+ 宝具:B+

ハイパーシンケンレッド
筋力:A+ 耐久:A 敏捷:A+ 魔力:B 幸運:A 宝具:B+


【人物背景】
特撮作品「侍戦隊シンケンジャー」の主人公。キャストは松坂桃李。
志葉家18代目当主であり、シンケンジャーを束ねているリーダーとして戦っている。
自分の使命に対しては真摯に向き合っていて、あまり他人とは深く関わらずに生きてきていた。その為、シンケンジャーのメンバーが集まった際、家臣や忠義ではなく覚悟で決めろと告げている。
当初は他の誰かを外道衆との過酷な戦いに巻き込みたくないと言う気持ちから、仲間を集めることに反対している。その責任感から、時には仲間を助ける為に、自らの命を蔑ろにしたような無茶をすることもあった。
他人と関わっていないせいで人見知りだが、物語が進む度に治っていく。またお化け屋敷が大の苦手で、悲鳴をあげて気絶してしまう一面も持つ。(どうやら作り物は苦手らしい)
あと一度だけまねき猫と人格が入れ替わったこともあった。(その際に本体の丈瑠はまねき猫のポーズを取ったまま、固まっている)
また、本編中盤では仮面ライダーディケイドこと門矢士と共闘をしたこともあった。

終盤で、実は志葉家の影武者出会ったことが判明。
その際に、全ての使命を無くしてしまい、自分には何もないという失意に包まれる。それを埋めるかのようにはぐれ外道の腑破十臓との戦いに赴くが、駆けつけた仲間達に救われて、再び外道衆との戦いに挑み、志葉家十九代目当主になった。
そして外道衆の大将である血祭ドウコクを倒して、長きに渡る戦いに終止符を打った。その後も外道衆の残党や血祭のブレドランとも戦い、人々の平和を守っている。

【サーヴァントの願い】
門矢士と共に戦い、彼が帰る場所に導く。
それはマスターとサーヴァントという関係ではなく、かつて共闘したことで芽生えた絆から生まれている気持ちだった。


545 : 門矢士&セイバー ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:55:09 o.5cVabk0
【マスター】
門矢士

【出典】
仮面ライダーディケイド

【参加方法】
旅の途中で訪れたとある世界で『ゴフェルの木片』を見つけたら、いつの間にかこの世界に訪れてしまっていた。

【マスターとしての願い】
この世界でやるべきことを見つける。
(他の参加者を殺害するつもりはありません)

【weapon】
ディケイドライバー
門矢士が仮面ライダーディケイドに変身する為に必要なベルト。
これにディケイドのカードを差し込めば、仮面ライダーディケイドに変身することができる。
また、ディケイド以外のライダーのカードも差し込めば、それぞれのライダーに変身することができる。

ライダーカード
各世界のライダーの力が込められたカード。
これを使うことでクウガ〜キバのライダーの能力も扱える。また、ディケイド自身も様々な能力を使って戦うことができる。
『ディケイドスラッシュ』を発動できるスラッシュのカード。『ディケイドブラスト』を発動できるブラストのカード。分身能力を扱えるイリュージョンのカード。
そして、必殺キックの『ディメイジョンキック』を発動できるファイナルアタックライドのカードを本編では多く使っていた。

完結編に登場した激情態の形態では、ギガント・クロックアップ・インピジブル・サイドバッシャーのカードも増えている。通常形態で使うかどうかは不明。

ケータッチ
ディケイドがコンプリートフォームにパワーアップする為に必要なアイテム。
また、ケータッチを使用すればクウガ〜キバまでのライダーの最強フォームも召喚して、必殺技を発動することもできる。

【能力・技能】
光写真館のカメラマンとして働いているので、よくカメラを使って写真を撮っている。しかし、ピンポケばかりで苦情が多い。
訪れた世界で与えられた役割を完璧にこなしているので、かなりのハイスペックかもしれない。(スポーツから料理、更には黒子まで)
だが、ニンジンやナマコが苦手。ナマコが嫌いな理由はファイナルステージで描写されている。

【人物背景】
特撮作品「仮面ライダーディケイド」の主人公。キャストは井上正大。
門矢士という本名以外、何も覚えていない記憶喪失の青年。性格はとことん傲慢で、身勝手な言動が多い典型的な『俺様』キャラ。一見すると身勝手だが、意外と脆い一面もある。
しかし強がっている一方で、何だかんだで他者を大切に想っており、旅の途中で出会った者達を支えることが多い。
「だいたいわかった」が口癖で、敵対した相手から正体を聞かれた時は「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」という決め台詞で啖呵を切る。
劇場版では小夜という名の妹が登場している。両親は既に他界している模様。

紅渡から世界の消滅を阻止する為に旅をしなければならないと告げられたことをきっかけに、数多の世界を巡る事になる。
そこで小野寺ユウスケや海東大樹という仲間を得て、絆を深めながら訪れた世界の風景を写真に収めている。
しかし時として「悪魔」と罵られることもあり、士自身もそれに葛藤する事があった。
『ライダー大戦の世界』では自らの本来の使命を思い出して、士は「世界の破壊者」となって多くのライダーを破壊して、そして最後には自分自身も仮面ライダーキバーラによってわざと倒される。それによって、消滅の危機に陥っていた世界を再生した。
その後、仲間達との絆によって士も復活して、スーパーショッカーと戦った。


また、一度だけ(本編24話&25話)シンケンレッドこと志葉丈瑠が率いる侍戦隊シンケンジャーと共闘をしたこともある。


【備考】
※『MOVIE大戦2010』終了後からの参戦ですが、もしかしたら『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』、『仮面ライダーウィザード 第52話&第53話』、『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』の出来事も経験しているかもしれません。


546 : ◆LuuKRM2PEg :2014/07/04(金) 22:56:03 o.5cVabk0
以上で投下終了です。


547 : ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:20:41 Esu80tM.0
一ノ瀬晴&キャスターを投下します


548 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:21:52 Esu80tM.0








―――――Recovery――――――









 記憶の復旧を完了しました。


 再起動まで



 5



 4



 3



 2



 1


549 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:23:25 Esu80tM.0









―――――Reboot――――――










 ノイズの洪水に冒された脳が機能を取り戻す。
 一ノ瀬晴の視界に飛び込んだのは人気のないどこかの学校の教室だった。

「ここ、は――ミョウジョウ学園じゃない……あれ……晴は卒業証書をみんなに――熱っ」

 右手に焼きごてを押し付けられたような熱い感覚。
 だがそれは一瞬のことで、右手の甲には奇妙な紋様が刻まれていた。

「なんだろう……これ……晴は――そうだ兎角さん!?」

 誰もいない教室に向かって大切な人の名を叫ぶ。
 と、同時に教室に入る人影の姿があった。

「兎角――!?」
「悪いが妾はそのような名ではないな」
「あっすみません! 晴は……一ノ瀬晴と言います」

 晴の視界に現れたのはまだ年端もいかぬ幼い少女。
 薄い紫色の髪と白いフリルをあしらった衣に身を包んだその姿は神秘的でどこか人を超えた存在のよう。
 
 例えるなら妖精――


550 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:24:42 Esu80tM.0

「えっと……妖精、さん?」

 晴は何故自分がここにいて、そして兎角はどこに行ってしまったのかも忘れ少女の神秘的な容姿に魅了されていた。

「たわけ、妾が妖精などという下等なモノと一緒にするでない。汝も聖杯戦争に参加する魔術師なら妾が如何に優れたサーヴァントか一目でわかりそうなものよってに……」

 どうも気分を害してしまったようだ。
 いや、そんなことよりも聖杯戦争と少女は言った。


 聖杯戦争ってあの――?


 都市伝説として囁かれる程度の与太話。
 前に鳰がそんなことをちらっと口にしていた気がする。
 単なる怪談の一つとして晴も兎角も聞き流す程度のものだったはずなのに。




 ■

 


 
 ミョウジョウ学園10年黒組。それが一ノ瀬晴が編入してきた学園だった。
 この学園には特別な時期に開講する奇妙なクラス・10年黒組があった。
 そこは一人の生徒を暗殺すべく様々な人間が集まる監獄。
 晴は黒組にて暗殺対象に選ばれた少女であった。

 生きているだけで命を狙われる運命の下に生まれた晴。家族も全て晴を守るために死んでいった。
 それでも絶望せずに希望を持ち続けた。たとえ自分を殺そうとする黒組の暗殺者たちにも普通のクラスメイトとして接した。
 そして黒組にて東兎角というかけがえのない人間の出会いを経て晴は黒組でただ一人卒業式を向かえることが出来たのだった。

 そう、今ならはっきり思い出せる。
 晴は『退学』となった黒組メンバーのために兎角と共に卒業証書を渡しにいく最中だった。


551 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:26:13 Esu80tM.0



 また――皆が傷つけ合うのか。
 そして今度の脱落者は『退学』でなく逃れようのない『死』が待っている。
 そして聖杯を手に入れた者にはあらゆる望みを叶えることができる。



 そう、聖杯があれば家族を生き返らせることができる
 そう、聖杯があれば黒組のみんなだって幸せな人生を歩むことができる。



「その顔――汝にも叶えたい望みがあるようだな?」


 少女の問いに晴はぴくっと肩を震わせる。


「晴は……例え望みがあっても誰も殺されたり殺すのを見たくない。聖杯戦争なんてしたくない。それがとても傲慢なことだってわかっていても」

 きっと望みを叶えたい人間が晴を見るとどこまでも傲慢に映るのだろう。
 望みを願う資格があるにも関わらず、それを願わず今ある世界を受け入れる。
 そんな心の強い人間は弱い人間にとって正視に耐えられない。

 それでも晴は『方舟』という監獄の理を否定したかった。

「くっくっく……ふっ……ふはははは! その心意気やよし! ならばこのキャスター、アブドゥル・アルハザードによって記された世界最強の魔導書アル・アジフが存分に手を貸そうぞ! その傲慢と勇気を貫き通すが良い一ノ瀬晴! 愛しき我がマスターよ!」

 アル・アジフと名乗った少女は高らかに笑い宣言した。
 晴に手を貸し聖杯戦争を共に生き抜くと。

 だがそんなアル・アジフと対照的に晴の顔は浮かなかった。


552 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:28:00 Esu80tM.0
 

 彼女がこんなに友好的なのもきっとプライマーの力――


 晴が意図するしないにも関わらず周囲の人間を魅了し引きつける力。
 それが全ての人間に作用し心まで操る物ではないと兎角の覚悟が証明したものの、
 初対面の人間から好意を向けられるとどうしても意識してしまうのだった。


「ところで――汝はちょいと奇妙な力を持っているな。生来の呪い……一種の魅了<チャーム>の魔術だな?」
「――ッ」
「くくっ図星のようだな。おおかた妾が汝に好意的なのを自らの呪いのせいだと思っておるのだろう? ふん、妾がそのような呪いごときに心を乱されると思ってか。世界最強の魔導書を少し見くびりすぎだのう。良いか、妾は妾の意志をもって汝をマスターと認めたのだ。マスター・オブ・ネクロノミコンであることを誇るがよい」


 尊大に、傲岸不遜にアル・アジフは笑う。
 だがその瞳に宿るは優しさと信頼。
 



「ゆくぞ我がマスター。この戦に幸あれ」




 願わぬ願いを胸に秘め一ノ瀬晴の聖杯戦争は静かに幕を開けた。
 
 


 



 
―――――Start――――――


553 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:29:01 Esu80tM.0

【クラス】
 キャスター
【真名】
 アル・アジフ@機神咆哮デモンベイン
【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A++ 幸運C 宝具EX

【属性】
 秩序 ・ 善

【クラススキル】
 陣地作成 E…本来マスターである魔術師によって使用される魔導書のため単独での陣地作成は苦手

【保有スキル】
 対魔力 A…その身に旧支配者や外なる神々等人智を越えた外道の知識を内包してるがゆえ高い対魔力性能を持つ。同等の外道の魔術以外は無効化する

 精神耐性 A…常人なら一目見ただけで発狂する魔の存在を滅ぼすため生み出されたものがゆえおおよそ人間が扱う精神干渉術はほぼ無効化する

 魔術礼装(マギウス・スタイル) EX…自らの持つ魔力によってマスターを超人形態に変身させる。変身中のアルは二頭身程度の「ちびアル」となってマスターに付き従う

【宝具】『機神咆哮(デモンベイン)』
 ランク:A+ 種別:対神宝具 レンジ:使用兵装による 最大補足:使用兵装による
 人が造りし神の模造品たる「デモンベイン」を召喚するアルの主武装。
 その巨体とアル自身のページに記された兵装をもってあらゆる魔を粉砕するまさに魔を断つ剣(デモンベイン)の名に相応しい存在である。
 本来なら動力を別宇宙から取り出す永久機関を内蔵しているため魔力消費は極力抑えられているのだが、
 ムーンセルのレギュレーションに抵触したためか魔力消費は莫大なものになりマスターの命をも削り動力に変える仕様となってしまっている。

『光差す世界に汝ら暗黒住まう場所無し、渇かず飢えず無に還れ(レムリア・インパクト)』
 ランク:EX 種別:対神宝具 レンジ:1 最大捕捉1
 デモンベイン召喚時に使用できる第一近接昇華呪法。別宇宙より取り出された無限熱量をデモンベインの右掌に集め対象に叩き込む。
 その威力は旧支配者ですら一撃で「昇滅」させる凄まじいものである。
 ムーンセルによる仕様変更のため並みの術者ではその命と引き換えに放つことを覚悟しなければならない


554 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:29:37 Esu80tM.0

【weapon】
『バルザイの偃月刀』
 アルに記されたページから召喚される武器の一つ。魔法使いの杖でもある大剣。手に持って使用するだけでなく投擲武器や盾としても使用できる

『アトラック=ナチャ』
 アルに記されたページより召喚される武器の一つ。魔力で編んだビーム状の糸を蜘蛛の糸のように絡め取り捕縛する

『ニトクリスの鏡』
 アルに記されたページより召喚される武器の一つ。自らの幻影を生み出す言わば分身の術

『クトゥグァ』
 アルに記されたページより召喚される武器の一つ。炎を司る旧支配者の力を秘めた自動式拳銃。見た目はモーゼルC96

『イタクァ』
アルに記されたページより召喚される武器の一つ。冷気を司る旧支配者の力を秘めたリボルバー式拳銃。見た目はマテバ6ウニカ

【人物背景】
 見た目は幼い少女だが、その正体は狂えるアラブ人アブドゥル・アルハザードによって書かれた魔導書『ネクロノミコン』原典『アル。アジフ』の精霊。
 あらゆる魔導書の中でも最高位の力を持っており、そのせいか性格は正義感が強いも非常に尊大かつ傲岸不遜。
 秘密結社ブラックロッジに追われる最中、主人公大十字九郎と出会い契約を結ぶ


【サーヴァントとしての願い】
 特に無し。強いて言うなら人類に仇なす魔の討滅だが聖杯の手に負える存在ではないので聖杯には期待していない

【基本戦術、方針、運用法】
 アル本体は戦闘力が皆無なためマスターをマギウススタイルに変身させてマスター自ら戦うのが基本戦術である。
 デモンベイン召喚は莫大な魔力消費を伴うが、マギウススタイルによる戦闘は魔力消費も少なく、
 またアル自身に記されたページの武器を使用することにより継戦能力と手数に優れる。
 欠点としては戦闘力がマスターの戦闘能力に依存するため、マスター本人が戦闘力に乏しい場合、
 いくらマギウススタイルによる底上げがあっても戦闘の達人クラスのサーヴァント相手には苦戦するだろう


555 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:30:26 Esu80tM.0

【マスター】
 一ノ瀬晴@悪魔のリドル
【参加方法】
 ゴフェルの木片による召喚。
 百合目一が持ち物に忍ばせていた。

【マスターとしての願い】
 聖杯に願いをかけない。皆が死ぬことなく方舟から脱出したい。

【weapon】
 なし

【能力・技能】
『プライマー』
 晴の一族の女性に稀に発現する呪いにも似た能力。
 本人が意図するもしないにも関わらず他者を引きつけ魅了し支配する。
 本人は能力の存在は知っていたが自分がプライマーだとは思っていなかった。

 幼いころから命を狙われ続けていたため荒事に慣れており、また薬物等の耐性も高い。
 特別な戦闘訓練は受けていないものの身体能力はそれなりにあり、
 ピンチの際異常な機転の良さと判断力を利かせるため生存能力は高い

【人物背景】
 ミョウジョウ学園10年黒組出席番号13番。一人称は「晴」
 黒組の暗殺対象となった少女。明るく天真爛漫な性格で自身がクラスメイトたちに命を狙われていても臆することなく皆で一緒に卒業しようと笑顔で接する芯の強い心の持ち主。

 彼女は世界を影から支配する一族の傍流であり、生まれた時から常に命を狙われ家族は彼女を守るために犠牲となった。
 彼女の全身に刻まれた無数の傷痕がその生い立ちの壮絶さを物語っている


【方針】
 極力戦闘は避けて生還の方法を模索する。
 皆で生還したいため殺人はしたくないが、殺人という行為への忌避感は一般人より薄い。


556 : 一ノ瀬晴&キャスター ◆BL5cVXUqNc :2014/07/04(金) 23:31:14 Esu80tM.0
投下終了しました


557 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 23:31:31 qNVP5UFo0
爆致嵐&ランサー投下します


558 : ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:31:32 xY0QOKGo0
投下します。


559 : ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:34:18 xY0QOKGo0
>>557
お先どうぞ…。


560 : 爆致嵐&ランサー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 23:34:31 qNVP5UFo0

そこは巣だった。
独特の粘膜に覆われ、そこを築いた住民にとって心地よい環境にしたてあげられている。
ここはムーンセルのが再現した冬木市。その下水道
本来ならネズミやゴキブリくらいしか好んで住みたがらない不潔な空間だが、現在そこを拝借している参加者にとって、拠点としては非常に有効な場所なのだ。立地的にも、環境的にも

卵だ。
そうとしか思えないような粘着質な物体が、広い空間に敷き詰められている。
既に付加しているものもあれば、まだぴったりと閉じているものもある。
そして、孵化したものから生まれたものだろうか。何とも奇妙な生物が見受けられた。外見は蜘蛛か蟹に似ている、白っぽい褪色の何か
そのほとんどは、役目を終えてすでに死ぬか、新たな次世代の繁殖に勤めていた。
繁殖といっても、肌を重ねるわけではない。壁の粘膜に拘束され、身動きがとれぬ人間――ムーンセルのNPC達だ。
その顔は、まだ生きている生物――フェイスハガーが張り付いている。

魂食いではない。生きながらに繭にされているのだ。



「おお、少しの間でかなり進んでるじゃないか。感心感心」


言葉の通りに、そして場違いに呟く男。
何処と無く感情を感じさせない瞳で、その異質な空間を見回す
その右手には令呪が宿っており、彼が予選を勝ち抜いたマスターであることが窺える。

「地上じゃゾロゾロとマスター達が記憶を取り戻してるみたいだよ」
「僕達もそろそろ本腰いれようか」
「ランサーの数もそろってきたしね」
「素体の数は足りてる?」
「足りなくなったら成長しきったのを何体か上に放って拐わせてるから、大丈夫」


ひとりではない。
複数の人間がそこにいる。しかし、そのすべてが皆同じ顔をしている。
爆致嵐(バオ・ツーラン) 。近未来の地球、中国出身の軍人である。
彼はただの軍人ではない。
進化したゴキブリ『テラフォーマー』に人類が対抗するために作り出した技術MO手術により、チャチボボヤの特性をもっている。特殊な設備により単独で無性生殖を行うことで、自身の複製が可能なのだ。
爆は本来、火星任務に赴く予定だったが、未来の中国は独自の魔術関連の情報網によって方舟の存在を確認するやいな、急遽この聖杯戦争に爆を派遣したのだ。


「よし、まあ、君らも一緒に頑張っていこうね」


爆のひとりが、サーヴァントに声をかけた。
巣の奥にて、黙々と卵を産み続けるサーヴァント――女王が、それに反応してか、ゆっくりと顔をあげる。
全体的な姿は、蜥蜴か蠍などの甲殻類を思わせる。その王冠のような頭部は、それが群れの頂点に君臨する存在としての証。
クラスはランサー。恐らく尻尾の形状が槍に似ているために、そうなったのだろう。



「■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!」



爆のサーヴァント――『エイリアン・クイーン』は、おぞましい雄叫びをあげた。


561 : 爆致嵐&ランサー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 23:37:08 2gEO.Ay20
【クラス】
ランサー
【真名】
エイリアン・クイーン@エイリアンシリーズ
【パラメーター】
筋力A 耐久A− 敏捷A++ 魔力E 幸運D 宝具B+
【属性】
秩序・悪
【クラススキル】
気配遮断:A+
本能的に獲物に気づかれる事なく接近できる。

【保有スキル】
変身:A+
宿主によって姿が大きく異なる

天性の肉体:A
生物として完成された生態と種族なために所有するスキル

心眼(偽):A
野性的な本能で危機を感じ取ったりする

加虐体質:B
とても狂暴

追い込みの美学:B
獲物の行動を学習し、先手をとる

単独行動:A
マスターが不在でも長時間活動し続ける

千里眼:B
遠くの敵を視覚に頼らずに補足できる

種族の長:A
すべてのエイリアンを従えさせる


【宝具】

『女王の出産(エイリアン・クイーン)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:50
フェイスハガーの卵を出産し、他種の生命体を繭とすることでエイリアン・ウォーリアーを誕生させる
この宝具を発動している状態だと、クイーンは天井や柱に体が固定され、下腹部につながる巨大な卵嚢から産卵管を伸ばしてひたすら産卵行動を続けているため、移動が不可能となる

『悪魔の子供たち(エイリアン・ウォーリアー)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:0 最大補足:50
フェイスハガーによって誕生したクイーンを守るエイリアン達。
本能的に種の繁栄を行動の中心としているが、クイーンの命令(一応はそのマスターも)には従う

『酸の血液(エイリアン・ブラッド)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1人
宇宙船の壁もあっという間に溶かしてしまうほど酸性の強い血液

【weapon】
インナーマウス
口の中にある第二の顎。ウツボ、ヤゴの口器やカメレオンの舌のように伸縮し、口腔内から外へ向けて一直線に数十cmの長さまで飛び出す。射出される際の勢いによる対象物への打撃(及び貫通)やその後の噛み付きによって、主に攻撃のために使われる。その射出力は、人間をはじめとする生物の骨格はおろか、人間の武器では破壊不可能なプレデターが使用する金属をも破壊するほどの威力を持っている。


身の丈以上に長い尾。先端は槍の穂先のように鋭利な形状をしていて、金属や岩石を砕くほどの力と硬度を持っている。戦闘時には、鞭のように振り回すか、槍のように突き刺して使用する

【人物背景】
エイリアン社会のトップに君臨する種類。エイリアン・ウォーリアーを遥かに上回る巨体と戦闘能力を誇る。
腕は大きいものと小さい物が左右2対、計4本生えている。必要に応じて二足歩行する。頭部からは2〜3mほどもある冠のような器官が後方に伸びており、目の無い顔面部分は普段その下へ格納されている。背中の突起もパイプ状ではなくトゲ状で、左右3対計6本である。
【サーヴァントとしての願い】
種の繁栄
【基本戦術】
下水道の拠点を巣としてエイリアン・ウォーリアーを量産する。クイーン自身は現在動けないため待機


【マスター】
爆致嵐@テラフォーマーズ

【参加方法】
聖杯戦争の情報を得た中国から任務として派遣・参戦

【マスターとしての願い】
任務として聖杯を持ち帰る
【weapon】
ツノゼミのブーストと不完全変態手術により通常時でも並の昆虫型程度の実力を発揮できる。
手術ベースのチャツボボヤの能力で爆自身を無性生殖で造ることができる。無性生殖にも条件があり、時間の短縮と記憶の共有を目的とした補助的な機械を用いる他、現在の爆以上のものは生み出せない。それぞれの個体は独立しており、個別の意識を有する。爆達はこれを「無限の可能性」と評し、それぞれが様々な将来の夢を持っている。
【能力・技能】
専用の設備と補助装置と光と死体があれば、新たな爆の複製が作成できる 
【人物背景】
坊主頭の太眉の男性。中国出身。合理的な性格で判断に躊躇がない。あまり人間味を感じない性格

【方針】 
NPCを利用してウォーリアーを量産し、手駒を増やして勝ち残る。
現在複数の爆が存在している模様


562 : 爆致嵐&ランサー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/04(金) 23:38:00 qNVP5UFo0
投下終了です
>>559
すいません……


563 : ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:40:10 xY0QOKGo0
>>562
いえいえ。早い者勝ちですから。

ジョン・シルバー&バーサーカーで投下します。


564 : ジョン・シルバー&バーサーカー ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:41:06 xY0QOKGo0



 ジョン・シルバーという男は、その木片を拾った時、宝にも杖替わりにもなりはしない一端のただの木の棒だと思っただろう。
 港町では、積荷、酒樽、筏といった「木片の材料」はいくらでも転がっている。だから、シルバーはその時も、所詮はそういう物だろうと流して歩こうとした。
 しかし、──これは当人にも全く気づかぬうちに──その何でもない木片を、かの男は拾い上げていた。


 いくら、あの冒険を終え、小さく勇敢な好敵手(あるいは、友人とも弟子とも我が子とも言える)──ジム・ホーキンズとの別れを経験した後であろうとも、シルバーは冒険の匂いを確かに感じ取っていたのである。
 


「貴様が私のマスターか────」



 シルバーの前に現れたサーヴァントは、人のカタチをしていなかった。
 獰猛なけだもの──おそらく、肉食動物。シルバーの肩でフリントが警戒し、慌てて羽ばたき始めたのをシルバーが止める。
 雪原のように真っ白な体毛、血のように真っ赤な瞳。シルバーの鼻孔を突く獣の匂い。
 その口からすらすらと人の言葉が流れ出てくる事には、流石のシルバーも僅かにだが驚きを禁じ得なかった。
 想定外のサーヴァントに、シルバーは苦笑する。

「…ああ、そうだが」

 このサーヴァントはじっくりとシルバーの様子を観察した。

「大凡の場合、人間がマスターになるとは思っていたが、いやはや、お前は只の人間ではないな。
 潮の香りがする。人の中でも肉体は頑強。服の色は気に入らないが、その瞳は誇りのある瞳だ。
 一際、面白い男とお見受けした…」

「買いかぶりすぎじゃねえかい、大イタチさんよ」

 このサーヴァントは、獰猛な白クマにも見えるが、よく見るとやはりイタチであった。その体躯は一メートル半ほど。通常のイタチの体躯の三倍、いや、それ以上か。──シルバーが見て来た野生動物たちとは大きく違った。
 しかし、その特徴からシルバーは彼がイタチの特徴を持っていると結論づけた。ジムの連れている虎が成長しても張り合えるのではないだろうか。
 とにかくイタチという生物の規格を彼は無視していた。どんな物を食えばこれだけ巨大になりえるのか、シルバーはこのアルビノのイタチの外形を見下ろしながら考える。

「…私はバーサーカー、真の名はノロイだ」

「ノロイ…ノロイか。お前の真名を聞いた奴はさぞかし怯えるだろうぜ」

 シルバーは苦笑する。

「人間、貴様の名はなんだ」

「…おっと忘れてたな。俺の名はジョン・シルバーだ」

 そんなシルバーをバーサーカーは黙って見届けた。シルバーの笑みの途絶と共にノロイは口を開いた。

「ところで、マスターよ。お前の目的を聞かせてもらおう」

「俺の目的か? …そりゃあ、聖杯とかいう物を手に入れる事さ」

「それはわかっている。だが、聖杯で叶えたい願いがあるのではないか」

 バーサーカーはそう聞く。
 ただ、実を言えばシルバーは巻き込まれたも同然で、ここに来るまでは目的らしい物はない。


565 : ジョン・シルバー&バーサーカー ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:41:36 xY0QOKGo0
 それでも──彼は聖杯が欲しかった。
 実際にこうして連れて来られたからには、自ずと目的を作り出してしまうのがジョン・シルバーという男である。
 唯一無二の存在を得たいと心から欲するこの欲望こそが、男を突き動かす。聖杯がどんな用途の物であるとしても、それを掴みとりたい本能がシルバーの中にはあるのだ。
 聖杯。──ただ、その存在がある事実こそが、シルバーを惹きつける。

「聖杯とやらで呑むラム酒がどれだけ美味いのか知りたいんだ。
 そいつがその時、俺の一番大切な物になりゃあ、設け物さ」

 いわば、そういう事だった。
 この戦いで得た杯を使って飲むラム酒の味を求めていただけである。

「一番大切な物だと? ──」

 シルバーの言葉が、バーサーカーにはわからなかった。

「ヘッ。誰にでも語る事じゃねえさ。まあ、そうだな…。
 これからお前はどうしたい。あんたらイタチには大切な物ってのはあるのか」

 そう言われると、バーサーカーにとってもシルバーの目的などどうでも良くなったのだろうか。
 彼は自らの生きがいとも言える行為を語らいだした。

「…折角、人里に召喚された以上、私は人を相手に殺しを楽しみたい。
 追いつめて楽しく殺したい。あのネズミ共のように、悲鳴を上げて人間共が死んでいくのを見たい。
 それが私の目的だ。勿論、お前はその対象外だが」

 バーサーカーが薄く笑うのを、シルバーは不愉快そうに見つめた。

「殺しか。なるべくやりたかぁねえんだが、それがあんたのやりたい事だってんなら邪魔はしねぇ」

「物わかりの良い人間だ。私のマスターに相応しい。
 面白い、面白いぞ、シルバー。カッカッカッカッカッカッ…………」

「いや…言葉を理解するイタチを見た後じゃぁな。
 それに、それだけ戦うのが好きなら、聖杯を得るのにも役に立つってもんさ」

 殺人は極力避けたいが、聖杯という宝を得る為にはシルバーは手段を択ばない。
 このノロイという真名を持つサーヴァントを利用し、参加者を減らして聖杯を手に入れるのも一向。
 また、別の方法で聖杯が得られるなら、それはそれで構わないというスタンスであった。
 ただ聖杯が欲しい。その為に真っ直ぐに動いていく自分の中にこみあげる、この刹那的な情熱こそが、今この一瞬のシルバーに満足感を与えていた。



 ────彼は一人、ジムのいない場所で新たな冒険を始めている。────


566 : ジョン・シルバー&バーサーカー ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:42:10 xY0QOKGo0



**人物背景

【真名】ノロイ@ガンバの冒険
【クラス】バーサーカー

【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷B+ 魔力D 幸運C 宝具D

【属性】
 混沌・悪

【宝具】
『ゆっくり殺せ…楽しく殺そう…』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:2〜5
 多量の相手を片手の爪で纏めて突き刺し、掻き切る事ができる。ただし、対ネズミ時。
 身長は1メートルほどなので、人間相手でも複数名を相手にできる可能性はある。
 
『劇画立(トラウマ))』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:相手の視覚範囲 最大捕捉:相手の視覚範囲
 ただ立つだけで相手に恐怖を植え付ける。かなり不気味な立ち方。

【クラス別スキル】
狂化:E
 通常時は「狂化」の恩恵を受けない。代わりに、正常な思考力を保つ事ができる。

【保有スキル】
催眠術:B
 目を見た相手に催眠術をかける事ができる。

カリスマ:A
 高い指揮能力と人心掌握術を持ち、多くの仲間を集めてネズミたちを襲撃する。
 イタチたちからは絶対的な忠誠を誓われており、ネズミの支配を実質支配していた。

【weapon】
 なし

【人物背景】
 1メートルほどの巨大なアルビノのイタチ。ネズミたちを追いつめて殺す事を楽しみ、愉悦としている。
 雪のように真っ白な体をしており、内心には白い物に対する偏愛と狂気に満ちた美意識がある。白い花を汚した部下に対して怒り狂い、容赦なく粛清した事もあった。
 知能が高く、ネズミたちの言葉を学習して話す事が出来、更には真っ赤な眼光を利用した催眠術までできる。
 仲間を売ったネズミに対しては「殺す価値もない」と発言しており、やはり独自の美学の持ち主である。

【サーヴァントとしての願い】
 特になし。他者の殺戮のみが目的。

【基本戦術、方針、運用法】
 獰猛な生物としての圧倒的なパワー、鋭利な爪で敵を切り裂く事ができる。
 殺しそのものを楽しんでいるため、殺戮を主目的とするが、同時に理知的でもあり、殺戮の為に相手を仲間に招き入れて騙させる真似もする。
 主に、相手を何らかの方法で自分の下におびき出してから殺す作戦を取り、それを楽しむので、遠距離の敵も察知しておびき出す戦法を取る可能性が高い。


【マスター】ジョン・シルバー@宝島(アニメ版)
【参加方法】『ゴフェルの木片』による召喚
      本編終了後に港町で発見する
【マスターとしての願い】自分にとって一番大切な物を見つける
【weapon】杖
     フリント(オウム)
【能力・技能】左足は義足だが、一般人と同等以上の格闘能力や身体能力を持つ。特に腕力において右に出る者はいない。船乗り五人を軽くあしらうほど。
       宝の地図に示された場所に辿り着いた時には、海賊・冒険家たちの誰よりも早く宝に向かっていったほどの執念を持ち、「男は一度やろうと決めた事があれば一本の脚が二本にも三本にもなる」と発言した。
       人心掌握術に長けており、悪役でありながら善悪問わずありとあらゆる人間を引き付ける魅力を持っている。
       コックとしての腕も有能。
【人物背景】
 主人公ジム・ホーキンズとともに、伝説の海賊フリントの宝を競い合った海賊。悪役でありながらかなりのロマンチストであり、男の中の男として描かれている。
 当初は、フリントの宝を探す船にコックとして乗り込み、ジムたちとも親しくしていたが、実はフリント海賊団の元一味であり、自分が乗りこませた海賊仲間と共に島で反乱を起こす。
 脱出した船長やジムたちとは島で戦う事になり、シルバーは彼らを相手にあらゆる作戦を取り仕切って宝を争奪し合う事になった。
 しかし、その過程でジムに対して強い興味を抱き、敵ながら強い信頼と友情が芽生えていった。
 宝に対する執着は非常に強く、ただ宝を得る事に対するロマンのような物が彼を突き動かしている。その為にはどんな手段も厭わず、敵対勢力には卑劣な罠を仕掛ける事も多かった。
【方針】
 聖杯を手に入れる。
 ただし、他の参加者との協力・対話の意思もあるので、そこまで積極的に殺して回ったり、不意打ちをしかけて襲い掛かったりというやり方をする気はない。


567 : ◆OzO3NU97wY :2014/07/04(金) 23:42:53 xY0QOKGo0
ジョン・シルバー&バーサーカーの投下終了です。


568 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:43:53 3tMz/txI0
金曜ロードショー面白かったですね。
東風谷早苗&アーチャー、投下します。


569 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:45:42 3tMz/txI0



 ――張り詰めた弓の、震える弦よ。月の光にざわめく、そなたの心――



   ▼  ▼  ▼



 森が、森が死んでいく。

 古き世の信仰が、神々が、もののけ達が、命を吸われ死んでいく。

 失われていく。かつてこの世界にあった大切なモノが、この世界から消えていく。


(……これは、夢。夢のはずなのに、なんで私……)


 東風谷早苗は自分が夢の中にいるのだと自覚していながら、それでも頬を伝う涙を止められずにいた。

 あたりに満ちるのは、死と、鉄と、滅びと、喪失のにおい。  

 自然が、神々の手から離れていく。その只中に、早苗はただ立ち尽くしている。

 人々が怯え惑い、もののけ達は呪い呻き、無数の木霊(コダマ)達が木の葉が落ちるように音も無く降り注ぐ。


(神奈子様! 諏訪子様っ……!!)


 早苗は無意識に、風祝(かぜはふり)たる自分が仕える二柱の神の名を呼んだ。

 かつて地上を治め、しかし信仰を失い力をも衰えさせていった、早苗の大切な家族。

 その彼女達が外の世界の人々から遠ざけられていったという事実が、目の前の滅びの光景と二重写しになる。

 かつて世界が信仰で満ちていた頃、森はあんなにも豊かだったというのに。
 
 人はいつだって神を蔑ろにして、顧みず、忘れ去って、はじめからいなかったように振る舞うのか。


570 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:46:30 3tMz/txI0

 
(あなたも、神奈子様や諏訪子様と同じなの? この自然とともに在った旧き神……そして同じように、遠くへ……)


 早苗は、山をも跨ぐばかりに膨れ上がった、半透明に輝く、首なしの巨人を見上げた。

 ――ディダラボッチ。その神は、夜の間はそう呼ばれている。

 その姿がゆらゆらと揺らめいているのは、今も命を吸い続けているからか、それとも早苗の目に溢れる涙のせいか。

 失われた何かを探し回るように蠢くディダラボッチの姿に、早苗は言いようのない寂しさを覚えた。

 
(神の時代はこうして終わり、もののけ達は滅んだ。だから私達は、幻想郷に移り住むしかなかった。だけど……)


 だけど、と早苗はむせび泣きながら思う。

 人間だって、元はこの地上に息づく命のひとつだったはずなのに。同じ命の環の中に、確かにあったはずなのに――。



   ▼  ▼  ▼



「――気がつかれたか」
「ええ……悲しい夢でした。この上ないくらいに、悲しい夢……」


 平屋建ての民家の一室で目覚めた早苗は、涙目をこすりながらそばにある存在に答えた。

 目覚めとともに、霧が晴れるように記憶が鮮明になっていく。
 あれは早苗がまだ幻想郷にいた頃。友人である魔法使いの古い知り合いの古物商が構えている店を訪れた時のこと。
 ふと見つけたひどく年季の入った木彫りの像。それを店主は「ごふぇる」と呼んだ。
 いわく、天蓋に浮かぶ、あらゆる願いを叶える方舟へと持ち主を誘う鍵なのだと。
 とはいえ店主はその道具の名前と使い途は知っていても使い方は知らず、早苗もまた信じてはいなかった。
 ただ無性に興味を惹かれて、そっとその像に手を触れ……気付いたら、ここにいた。

 偽りの学園生活は、思い返せば早苗にとって随分と懐かしいようで、しかし馴染み難いものだった。
 幻想郷へと移住する前は、早苗もああやって学校に通っていたはずなのに、まるで別の世界の出来事のようで。
 その違和感が募り、自分にはもっとやるべきことが、仕えるべき相手がいるのではないか……そう思っていた矢先。

 ――あの、もののけの夢を見たのだ。


571 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:47:35 3tMz/txI0
 そして早苗は記憶を取り戻した。そしてこの方舟の、ムーンセルの、聖杯戦争の意味を知った。

 いわく万能の願望機。それに願えばこの世の全ての願いが叶うという。
 あの木像に自分以外の誰が触れても反応しなかったのは、「外の世界への未練」を持つのが自分だけだったのかも知れないとぼんやり思う。
 自分だけが幻想郷を抜け出し、こうして月のそばへと召喚されて、聖杯戦争に挑もうとしている。

「それで……ええと、あなたが私のサーヴァントですか?」

 今更にも程があると思いながら、早苗は傍らに控える、青い衣の少年に問いかけた。

「そうだ。我が名はアシタカヒコ。此度は『弓兵』の座を得て、そなたに召喚された」
「アシ……タカ……?」
「アシタカでいい。皆そう呼ぶ」

 アシタカ――サーヴァント・アーチャーはそう言い、マスターである早苗を見つめる。
 その視線だけで鳥をも射落とせそうな、意志を秘めた瞳。
 
「――あの、もののけの森の夢は、あなたの記憶なんですか?」
「シシ神の森のことなら、そうだ。あれは我が宝具のひとつが呼ぶ『固有結界』でもある。使わせないでくれ」

 宝具。サーヴァントが持つ生前の武器や逸話の再現であり、それ自体が一個の奇跡。
 それを使うなということは、アーチャーもまたあの光景を思い出したくないと感じているからなのだろう。

「あれ、宝具のひとつということは、他にも?」
「ああ。この呪いがそれだ」

 アシタカが右腕を掲げると、その周りに無数の蠢く黒い蛇のような瘴気が出現した。
 それを見た早苗が、はっと息を呑む。

「……っ! タタリ神……!?」
「知っているのか、マスター?」

 その整った顔に僅かに怪訝な表情を浮かべるアーチャー。  
 しかし早苗は、そのアーチャーの呪いがあまりに自分に縁深いものであることに驚愕していた。

 守谷の風祝の祖である国津神・洩矢諏訪子。彼女こそ、旧き地に住まうタタリ神達の主たる柱だったのだから。
 そのことを、そして二柱のことを、幻想を失ったものが辿り着く幻想郷のことを、早苗は話した。
 それを黙って聞いていたアーチャーは、聞き終わると神妙な顔で頷いた。

「古き自然を懐かしむ想い、タタリ神への浅からぬ繋がり。それらが二重の縁(えにし)となって、私とそなたを引き合わせたか」

 アーチャーはその呪われた右腕に視線を落としていたが、やがて目を上げ真っ直ぐに早苗を見据えた。


572 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:48:38 3tMz/txI0

「ならばマスター。問おう、聖杯にマスターは何を望む。守谷の信仰を蘇らせるか。それとも、神と人がともに棲まう世をもたらすか」


 真正面からぶつけられた、自分の願い。
 早苗は最初はおずおずと、それから何度も首を縦に振った。
 頷きながら、また目に涙が浮かびそうになって、早苗は声を無理やり絞り出した。

「信仰を取り戻す、その願いは確かにあるんです……だから方舟は私を喚んだのかもしれない、でも、それでもっ……!
 そのためだけに、他のマスターの人達を殺して、それで願いを叶えたいなんて思えなくて、それでも、ううっ……!
 だけど、戦わなかったら、私死んじゃって、そしたら神奈子様も諏訪子様も悲しむ、私、お二人を泣かせたくない……!」

 結局抑えきれずに、早苗はまた涙を流した。
 自分が情けない。
 願いは確かにあって、だけどそのために誰かを殺すなんて出来なくて。
 せめて最初から何もかも切り捨ててでも願いを叶える覚悟が、聖杯なんていらないと切り捨てる潔さが、自分にあったら。
 こんなマスターじゃ、召喚に答えてくれたアシタカにも申し訳ないと早苗は唇を噛み締めた。

 しかし。


「それでいい」


 早苗の涙ながらの返事を聞き届け、その時、アシタカははじめてはっきりと微笑んだ。


「憎しみを増やしながら無理にでも叶えなければならぬものでもない。そなたは、ただそなたであればいい」 


 私が私である、それってどういうことですかと濡れた瞳を上げた早苗に、アシタカはただ一言で答えた。



 ――――生きろ。



 そのためならば私はそなたに力を貸し続けると、弓の英霊はそう言った。

 その言葉を聞いたからこそ、早苗も涙を拭って、はじめて彼に微笑むことが出来たのだろう。


573 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:49:42 3tMz/txI0
【クラス】
 アーチャー

【真名】
アシタカ@もののけ姫

【パラメーター】
筋力C 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具D

【属性】
中立・中庸 


【クラススキル】
単独行動:B
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
Bランクの場合、魂に致命的損傷を受けても短期間ならば生存できる。

対魔力:C
魔術に対する抵抗力。
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。


【保有スキル】
騎乗:C
乗り物を乗りこなす能力。
アシタカは幻想種を除く生物を乗りこなせるが、機械は対象外となる。

千里眼:C
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。

気配感知:C
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
生前のアシタカは常人では気付けないような僅かな気配からもののけの存在を察知することが少なくなかった。


【宝具】
『絡みつく呪痣(タタリヘビ)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 タタリ神によってアシタカが受けた呪いの痣。右腕に絡みつくような無数の蛇のような形で発現する。
 発動時はアシタカの筋力をランクアップさせ、また放つ矢の威力と速度を跳ね上がらせる。
 魔力消費も決して高くないため汎用性が高いが、その代わり多様するとアシタカの体と魂は徐々に侵食される。


『シシ神の首』
ランク:? 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
 水を張った桶に浸けられたシシ神の首。これ単体が何らかの効力を発揮する宝具ではない(後述)。


『固有結界・もののけの夜(ディダラボッチ)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:- 最大捕捉:???
 シシ神の首が実体化した時、シシ神の夜の姿「ディダラボッチ」がそれを追うように出現する。
 太古の精霊とでも言うべきこのディダラボッチと、シシ神の森のもののけ達の心象風景で現実を塗り替える固有結界。
 そのため厳密にはアシタカの宝具ではなく、アシタカ自身の心象風景によるものでもない。

 その風景は一見鬱蒼と生い茂る夜の森だが、森はすぐに首を奪われ暴走するディダラボッチにより生命を吸い尽くされていく。
 ディダラボッチが自然に属するものであるため固有結界は半永久的に維持され、ディダラボッチは結界内の者に無秩序に死と破壊を振り撒く。
 止めるためには神性に対して有効な武器や宝具でもって打倒するか、シシ神の首を返還して怒りを鎮めるほかない。

 ムーンセルに記録された、亡びゆくもののけ達の怒りと嘆きの心象の発現であるため、アシタカはこの宝具を忌避している。


574 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:50:20 3tMz/txI0
【weapon】
「朱塗りの弓」「山刀」
どちらも神秘を帯びたものではないが、タタリ神の呪いによって他のサーヴァントにも通用する威力を持つ。


【人物背景】
北の地の果てに隠れ住むエミシ一族の数少ない若者。17歳。
無口だが正義感が強く潔く、決断力と行動力に長ける。弓の達人。

村を襲おうとするタタリ神に矢を放ち、命を奪う事と引き換えに死の呪いをかけられる。
タタリ神を傷つけた鉄の礫に呪いを解く鍵があると考え西に向かい、シシ神の森にて人間ともののけの対立に巻き込まれる。
そして山犬の娘として育てられた「もののけ姫」サンと出会い、
誰に頼まれたわけでも望まれたわけでもなく、アシタカは人ともののけの間に立って奔走する。

右腕には呪いの印である痣が浮き出ており、時にタタリヘビとして顕現する。
アシタカに絶大な力を与える反面時々制御不能に陥っていたが、アシタカの精神の成長に伴い暴走は見られなくなっていった。

最後は首を奪われ暴走したディダラボッチの怒りをサンと共に鎮め、自身はタタラ場に残り、山で暮らすサンと共に生きると誓う。


【サーヴァントとしての願い】
無し。あくまで彼自身の信念に従って早苗に力を貸す。
早苗のサーヴァントとして召喚されたのは「自然信仰」と「タタリ神」という二重の縁によるものである。


【基本戦術、方針、運用法】
固有結界を展開する宝具を持つがアシタカ自身は使いたがらず、また一度発動させたら容易く制御できない厄介な代物。
あくまで切り札としてとどめ、もうひとつの宝具『絡みつく呪痣』による遊撃戦に徹するべきだろう。
そうすれば華こそないが代わりに目立った欠点もない、堅実ながら優秀なサーヴァントとして運用できるはずだ。


575 : 東風谷早苗&アーチャー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:51:51 3tMz/txI0
【マスター】
東風谷早苗@東方Project


【参加方法】
香霖堂で見つけた古い木彫りの人形を媒介として。
店主の森近霖之助も、このアイテムの使い方は把握していなかった。


【マスターとしての願い】
生きて幻想郷に帰りたいし、外の世界に信仰を取り戻したいという願いもある。
しかし他のマスター達を殺してまで叶えるべき願いだとは思い切れずにいる。


【weapon】
御幣(ごへい)。
神秘の力を行使する時に振るう。


【能力・技能】
奇跡を起こす程度の能力を持つ。
主に天候を操るという形で発揮され、風を呼び水を割り白昼に客星を輝かせることができる。
しかし方舟の中では二柱由来の力は限定的にしか使えず、原作のような弾幕戦は不可能(完全に使えないわけではない)。
また幻想郷の外であるため、空も飛べなくなっている。


【人物背景】
信仰の失われた現代社会を捨て、神社ごと幻想郷に移住した風祝(かぜはふり)の少女。
基本的には真面目で明るい常識人だが、思い込みが激しく突っ走りがちなところもある。
当初は自信過剰な性格であったが、幻想郷のアクの強い面々に揉まれたか徐々に丸くなっていった。


【方針】
生きるための戦いはやむを得ないが、それでも相手の生命までは奪いたくないと思っている。


576 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/05(土) 00:52:21 3tMz/txI0
投下完了しました。


577 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/05(土) 01:29:58 vc6VKlyM0
間桐慎二&アーチャー投下します


578 : 間桐慎二&アーチャー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/05(土) 01:30:50 M3OlAr8M0
間桐慎二が聖杯戦争に参加するのはこれが二度目になる。
一度目、冬木市の聖杯戦争では義妹の桜が召喚したライダーを借り受けて参加していた。
ある夜、ライダーを従えて家を出ようとしたところで、ふと目に止まった木片に触れてからの記憶がない。
そして目を覚ました今、隣にいたのはライダーではなく。


「お、お前が僕のサーヴァントか?」
「言葉を慎みたまえ。君はラピュタ王の前にいるのだ」


冴えない眼鏡のオッサンだった。


「ふん、まあいい。今の私はアーチャーという身分であることだしな。少年、君が私のマスターだな。
 ……どうも君とは気が合いそうな気がする。なに、すべて私に任せておきたまえ。
 ラピュタ王であるこの私の力を以ってすれば、聖杯戦争など既に勝ったも同然だ」
「ぼ……僕がお前のマスター……? そうか、そうだ、僕は……やったんだ!
 ははは、見てろ衛宮! これならお前のセイバーになんか負けない!」


慎二をマスターと呼んだアーチャーは尊大に笑う。
彼は義妹の桜を通してではなく、まぎれもなく慎二が召喚した本物のサーヴァントだ。
このアーチャー、基礎ステータスは低いが宝具の使い方次第では充分に戦える。
ついに自分もサーヴァントを従える本物の魔術師になったのだと叫びだしそうになる。
この時点で慎二の脳内では、衛宮士郎を下し、彼のセイバーを組み敷いている自分の姿が展開されていた。


「よし、行くぞアーチャー! 」
「事を急ぐと元も子もなくすよ、マスター。落ち着いていこうじゃないか」


勇む慎二をアーチャーが窘める。
その瞳には親愛の情が欠片も浮かんでいなかった。






【マスター】
 間桐慎二
【参加方法】
 間桐臓硯が用意した木片の余りをこっそりと盗み参加
【マスターとしての願い】
 今度こそ聖杯戦争に優勝し、魔術師として優れていると証明する
【weapon】
 なし
【能力・技能】
 なし
【人物背景】
 衛宮士郎の友人であり、間桐桜の義兄。
 魔術の名家間桐家に生まれながら魔術的素養はなく、逆に恵まれた資質を持つ桜に劣等感を抱くことになる。
 桜が契約したライダーの仮マスターとなり、聖杯戦争に参加する。
 プライドが高いが男気があるわけではなく、偶然手に入れた力に酔って調子に乗る、良くも悪くも一般人の範疇を抜け出せない人物。
【方針】
 優勝する


579 : 間桐慎二&アーチャー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/05(土) 01:31:43 M3OlAr8M0

【クラス】
 アーチャー
【真名】
 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ@天空の城ラピュタ
【パラメーター】
 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具C
【属性】
 秩序・悪 
【クラススキル】
 単独行動:E…マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。Eランクはマスターに内密で勝手に行動するに留まる。
 対魔力:E…魔術に対する抵抗力。無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。
【保有スキル】
 暗号解読:B…暗号化された通信を読み解き、敵の情報を取得する。
          相手に気づかれておらず、またアーチャー自身も戦闘態勢でなければ他のマスターとサーヴァントの念話を傍受することができる。
【宝具】
「空中戦艦ゴリアテ」
ランク:E 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大補足:100
 上空で待機している空中戦艦に通信を送り、指定した地点を爆撃させる。
 雑な破壊だけでなく、信管を抜いて純粋な質量弾とさせた砲弾は数メートル単位の精密な射撃を可能とする。
 ゴリアテは雲の中に潜み、常にゆっくりと位置を変えているので通常は視認できない。
 しかし実体を消せる訳ではないので、飛行できるサーヴァントもしくは対軍宝具などを空へ向けて撃たれれば容易に撃墜される危険がある。
「見ろ、人がゴミのようだ」
ランク:B 種別:対城宝具 レンジ:1~50 最大補足:500
 空に浮かぶ城「ラピュタ」の下部に設置されている対地攻撃兵装を開放する。
 ムスカはこれを「旧約聖書のソドムとゴモラを焼き払ったという天の火」、もしくは「ラーマヤーナのインドラの矢」と称している。
 ラピュタの正当なる主であれば、この他にもラピュタを守護する機械兵団や天空城ラピュタそのものを召喚できるが、簒奪した飛行石を用いてラピュタにアクセスするムスカにその権限はない。
 よって、彼が使用を許可されたのは実際に使用し政府軍を薙ぎ払ったラピュタの雷のみである。
 この宝具を開放するには膨大な魔力を必要だが、魔力に乏しいムスカでは単独では使用できない。
 マスターからのバックアップと、事前の準備を整えて初めて使用が可能となる。
【weapon】
「エンフィールド・リボルバー」
 38口径中折れ式回転式拳銃。一応サーヴァントには通じるものの、一般的な拳銃が最低限の神秘を備えたに過ぎない。
【人物背景】
 遥か過去に滅びたラピュタ王家の末裔。現在は政府の特務部隊に所属し、ラピュタを調査していた。
 一見理性的な人物に見えるが、その実自分の意に沿わない者は容赦なく排除する冷酷無比な性格。
 天空に浮かぶラピュタ城を掌握した後は、強大な兵器を操ってそれまで所属していた軍を躊躇うことなく攻撃し、ラピュタから追い出した。
 最期は滅びの言葉によって崩壊していくラピュタを運命を共にし、海中に没する。
【サーヴァントとしての願い】
 生き返って今度こそラピュタの王になる
【基本戦術、方針、運用法】
 サーヴァントとはいえ本人に戦闘力は皆無。単独では戦闘に特化したマスターにも遅れを取る。
 アーチャーの視力を活かして先に敵を発見し、空中戦艦ゴリアテの支援を待つ。
 マスター・サーヴァント共に魂喰いを躊躇しないので、まずは地盤を固めるところから始めると吉。


580 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/05(土) 01:32:26 Zjdar01.0
投下終了です


581 :   ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:44:25 iHY1yQys0
投下乙です。
キャラ被りですが投下させていただきます。


582 : 不二咲千尋&キャスター ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:47:11 iHY1yQys0




「うっうっ…グスッ…うう……」

マイルームの一室で床に座り込んで泣く参加者がいた。
栗色の髪に小学生にも見えるほど小柄で華奢な体型。
深緑色の上着とパラソルのように広がったこげ茶のパンプキンスカートを穿いた少女。
いや、正確には少女ではなく、少女の格好をした少年である。

少年の名は不二咲千尋。
気弱な性格とは裏腹に、超高校級のプログラマーの称号を持つ天才である。


そんな彼がなぜこの戦争に参加したのか―――
時間は少し巻き戻る。


希望溢れる才能を持った若者を集める「希望ヶ峰学園」の中で、希望同士が殺しあう
「コロシアイ学園生活」を強いられ、最初の殺人と最初の学級裁判が起こった翌日のこと。

図書館に置かれていたパソコンに隠されていたデータを解析し、強固なプロテクトを解除して現れた情報。
願いを叶える聖杯の存在とルール、そしてその参加券となるゴフェルの木片の隠し場所だった。

最初は眉唾に思いながらも、記されていた隠し部屋の中に置かれていた木片を手にしていた。
もっとも、次の日のモノクマからの呼び出しで皆に言う機会を逃してしまったが…。


誰かを殺さなければ自分の知られたくない秘密を世間に公表するとのモノクマの脅しに、
彼は絶望ではなく変わろうとする意思を持ち始めた。



今こそ…今だからこそ強くなろう。
弱い自分を脱ぎ捨てて強くなろう。


そう決意した彼は、変わる切欠としてトレーニングを決意した。
そしてその日の夜に、憧れている大和田紋土にトレーニングの相手を頼み…


そして―――――





「―――ッ!!」


ブルリ…っと背筋が粟立つ。

なぜ彼が自分を殺したのか
いったい何が彼の琴線にふれてしまったのか分からなかった

ただ泣いて蹲る自分に、差し出された一本のペットボトル。


583 : 不二咲千尋&キャスター ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:48:28 iHY1yQys0
視線を向けるとそこには自分の契約したサーヴァントが立っていた。

「泣かないでお姉ちゃん」

こちらを心配そうに見下ろすキャスター。
彼は互いに自己紹介をしてからただ泣いてばかりだった自分に呆れることなくずっとそばに居てくれた。

「えっと、お姉ちゃんになにがあったのか分からないけど…
その…えっと、一人で泣いたりしないで。どうか元気を出して」


「ふっぅ…ぐすっ…ごめんねぇ、もう大丈夫だよぉ」


差し出されたペットボトルを受け取って立ち上がる。


大きなとんがり帽子に隠された真っ黒な顔
背丈は自分と同じくらい小さくどこか内気な印象を受ける。
最初は本当に英霊なのかと疑いを持ったが、泣いてばかりの自分を見限ることなくそばに居て
慰めてくれた彼のお陰で、まだ怖さは残るけれど、これからの事を考える余裕はできた。

「ありがとねキャスター。それと…聞いてほしい事があるんだ」

目元には涙の後がある。
足元は震えている。
顔にはいまだ怯えの色が強く出ている。
けれどその瞳は確かな強さの欠片があった。

キャスターは何も言わずに続きを促した。
呆れられるかもしれない。嫌悪されるかもしれない。拒絶されるかもしれない。
けれど、キャスターの信頼を裏切る行為はしたくないと思った。
せめてありのままに話そう。
覚悟を決め口を開く。


「僕ね…本当は男なんだ」


584 : 不二咲千尋&キャスター ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:51:04 iHY1yQys0





もちろん一悶着あった。
驚きのひっくり返ったキャスターに、嫌われたと思い再び泣き出す千尋。
それを見て半ばパニックに陥るキャスターと混迷を極めた。
二人が落ち着いて話し出せたのは、最初の告白から10分は立った頃だった。

そして千尋は語り始める。
自分自身が抱いているコンプレックスのこと
男らしく在りたいと願っているのにも拘らず女装をして弱さへと逃げたこと
心の中では変わりたいと願っていたこと。

「だからこの戦争に参加したの?」
「ううん、強くなりたいとは思っていたけど…それは自分の力で変わらなきゃ意味無いと思うから…」

パソコンに書かれていた情報には万物の願いを叶える聖杯としか書かれていなかった。
殺し合いやサーヴァントのことは箱舟に入ってから始めて知ったことだ。

「あのね、ここから先は信じられないかもしれない話なんだけど…」

そうして俯きながらポツポツと今までに起こった経緯を伝えた。
希望ヶ峰学園のこと。閉じ込められた超高校級の生徒のこと。
悪意の塊モノクマのこと。起こってしまった殺人と学級裁判のこと。
そうして最後の…自分を殺す大和田君の―――

「お兄ちゃん!」

ハッと顔を上げれば心配そうに見つめるキャスター。
顔を真っ青に染め口元を押さえるその様を見れば無理からぬ事であろう。

「あ…あれ…ごめんね、やっぱりまだ怖いみたい……」

無理しないでと、言葉にせずとも伝わるその様子に気弱に微笑めば、何かを言いたそうにしながらも沈黙するキャスター。

「それでね、僕を殺そうとした大和田君だけど、泣いてたんだ。
きっと彼も殺そうとしてやったことじゃないんだと思う。でもその切欠が僕にあるなら謝りたいんだ」

元の世界に戻ること、そして大和田をクロになる運命を変えたい。
そして生き残ってる仲間たちを助けたい。
だって彼らは…大切なクラスメイトなのだから。

「僕は殺し合いには乗らない。生きて皆の所にところに帰りたい。
誰も殺さずに、誰も殺させずに、ここに呼ばれた皆と一緒に帰りたい…おかしいかなぁ」
「―――『誰かを助けるのに理由なんているかい』、僕の大好きな仲間ならそう言うと思う。
僕はお兄ちゃんの願いを笑わない。僕の記憶は空に預けたけれど、
僕はおにいちゃんを『いつか帰る場所』まで必ず送るよ。それが僕の願いだ」

そして差し出された手を握り返し、どちらかともなく笑いあった。

「これからよろしくねお兄ちゃん」
「うん、よろしくねぇ。えっと…」

さんざん助けられておきながら、肝心の名前を聞いてなかったことを思い出し顔を赤らめる。
キャスターも名乗ってないのに気づいたのか、とんがり帽子をきゅっと直して名乗った。

「ビビ。ビビ・オルニティア。よろしくねお兄ちゃん」


命を作った少年と作られた命の少年。
強さを手に入れたいマスターと強さを知ったサーヴァント。
とてもよく似た心優しき主従は、帰る場所のために戦う。


585 : 不二咲千尋&キャスター ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:51:47 iHY1yQys0


【クラス】
キャスター
【真名】
ビビ・オルニティア(ファイナルファンタジーIX)
【パラメーター】
筋力D 耐久E 敏捷C 魔力A+ 幸運B 宝具EX
【属性】
 中立・善 

【クラススキル】
陣地作成‐E 生前そういった逸話を持たなかったためキャスタークラスにしてはあるまじき低さ
道具政策‐D 簡単なポーションやエーテルなどの魔法薬を作れる。ただしあまり複雑なものは作れない    

【保有スキル】
黒魔法−A++ 黒魔法を扱うスキル。A++ランクなら極めたといっていい。一般的な黒魔道士は大体Cランク程度。
ためる−A 魔力をためて次に放つ魔術の威力を底上げする。溜める回数に上限はなく溜めれば溜めただけ上昇する
リフレク倍返し−C こちらに撃たれた魔法をそのまま相手に倍の威力で跳ね返す。
          跳ね返された相手はこれを返すことは不可能だが、体性などによりレジスト可能。
魔法剣−B 魔法を刀身に宿らせ威力の底上げをする。消費魔力はなぜか相方が負担する。
     敵の防御スキルを貫通するがビビ一人では発動できず騎士系クラスの協力が必須である。
     
【宝具】
奮えよ我が心(トランス)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:― 最大補足:―
強く感情が高まると自動で発動する宝具。自身のステータスを1ランク引き上げる。
また黒魔法を下記のW黒魔法に変える。
発動時には自身のバットステータスを全て解除する力があり以後はゾンビ化を無効化できる。
サーヴァント化に伴い持続時間は魔力に依存する。
発動と同時に衣装が変わり帽子の先が立つ。

W黒魔法
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜500 最大補足:1〜300
「震える我が心」発動時のみ使用可能。
消費魔力半減、ノータイムで二回連続発動できる。

最後の審判の日(ジハード) 
ランク:EX 種別:大国宝具 レンジ:1〜1000 最大補足1〜1000
正確には宝具ではなく最高クラスの魔法である。
発動時の効果は「巨大な隕石が敵味方全体を押しつぶし闇属性の大ダメージを与える」というもの
闇属性を持ってないものは例え味方であろうとダメージを負うので「最強の攻撃」であると同時に
「最悪の味方殺し」の宝具と言える。
ただし闇属性を持っている者には優秀な回復技になる。

【weapon】


586 : 不二咲千尋&キャスター ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:52:52 iHY1yQys0
メイスオブゼウス……その昔に大魔道士が使っていたといわれる『カミノチカラガヤドル(神の力が宿る)』杖。
          ダメージの追加効果に「ミニマム」が発動する。
ふゆう石のかけら……聖属性と闇属性を吸収し、力と魔力の補正が得られる便利なアクセサリ。
          外した場合筋力と魔力が1ランク低下する。

【人物背景】
とんがり帽子の内気な少年で、黒魔法の才能がありながら、いまいち自分に自信を持つことができない。
しかし、ジタンとの出会いで徐々に「自分らしく生きる」意味を知り、ときには誰よりも勇敢にたち揺るまえる
『心の強さ』を持つようになっていく。本作の「もう一人の主人公」とも言える位置にいる。
何もないところでコケたり、コケた反動でものを散らかしたりと、ドジな面もある。
幼く世間知らずな面もあるが、好奇心は旺盛であり、また『カードゲーム』が趣味なので、
そこに関してはあまり人見知りをすることはない。
正体は「霧」によって生み出された戦争用兵器「黒魔道士兵」のプロトタイプ。
つまり「人の手で造られしモノ」、それも世界中で忌まれた「霧」から造られた兵士という現実に苦悩する。
旅の中ビビとは「型番」が違う意思を得た量産型魔道士兵たちとの交流の中で死について考え、自分の存在の意味を見つけていく。
そして旅の終わり、自分がもうすぐ「止まって」しまうことを悟りながらも子供たちに冒険譚を語り仲間のことを想いながら空に記憶を預けにいった。 

【サーヴァントとしての願い】
自分の人生には納得しているので自分の願いは無い。
マスターや他の参加者を「いつか帰る場所」に送り届けたい。

【基本戦術、方針、運用法】
後衛で真価を発揮する典型的なキャスタータイプ。
ただしクラススキルが低いので陣地に篭らずとも戦える。
騎士系クラスの前衛を援護する形で戦い自分はサポート役に回るのがベスト。
ただし宝具の「最後の審判の日」は味方も殺しかねないので使うときは注意が必要。
また全体攻撃が出来るので大量の使い魔や雑魚敵には相性最高。

【マスター】
不二咲千尋
【参加方法】
希望ヶ峰学園の本当の理事長が残した希望のゴフェルの木片を探し当て参加
なお学園長は詳しいルールは知らなかった模様。
【マスターとしての願い】
殺し合いに乗らず皆と一緒に帰りたい
【weapon】
無し
【能力・技能】
超高校級のプログラミングの技術。また高度なハッキングのスキルもある。

【人物背景】
本文参考

【方針】
殺し合いには乗らない。
他のマスターと積極的に手を組んでいきたい。
戦闘はキャスターに任せ自分は聖杯にハッキングなど自分に出来ることをやる。


587 : 不二咲千尋&キャスター ◆rhFJh.Bm02 :2014/07/05(土) 01:55:31 iHY1yQys0
投下終了です。
それと誤字を発見しまして、道具製作が政策になっておりました。

それと以前自被りしたアザミ&セイバー(イースレイ)も投下します。
内容は同じなのでレス消費を避けるため宣言だけにさせてもらいます。


588 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 01:58:42 YhtWPqDg0
投下乙です

自分もマリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダーで投下させていただきます


589 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 01:59:57 YhtWPqDg0
 決して望んだ道ではなかった。
 戦わなくてもいいと言われていたなら、間違いなくこの道は選ばなかった。
 マリア・カデンツァヴナ・イヴとは、そういう奴なのだと断言できた。

 世界を暴き救うための、偽悪のテロ組織・フィーネ。
 育ての親に近いナスターシャ教授から、その首魁となることを求められたのは、ひとえに組織を維持するためだった。
 非正規のシンフォギア装者3人と、老い先短い科学者1人――世界を相手取るにしては、フィーネはあまりにも脆弱だった。
 新たな人材を得るためには、ナスターシャの研究成果が必要だった。
 故にマリアは己を偽り、ウェル博士を組織へと招き入れた。
 世界全土を敵に回し、屍の山に立つことを選んだのは、そうした経緯からだった。

 要求を受け入れたこと自体は、仕方がなかったとは思う。
 あの時自分が拒んでいたなら、代わりに祭り上げられていたのは、僅か15歳の子供達だったのだ。
 決して見過ごせたものではなかった。
 自分の臆病風に押されて、彼女らが修羅道に誘われることは、絶対にあってはならかった。
 それでも、どうしても思ってしまう。
 もう投げ出してしまいたいと。
 こんな苦しみを味わうために、立ち上がったわけではなかったのにと。
 戦いの矢面に立つ重圧と恐怖は、絶えずマリアの胸を苦しめた。
 見捨ててしまった者達の亡霊は、絶え間なくマリアを苛み続けた。
 どだい無理な話だったのだ。こんな重責に耐えられるほど、マリア・カデンツァヴナ・イヴは強くないのだ。
 いっそ何もかも忘れて、あの安らかな幻の中で、滅びを迎えられたなら――

「――下らないな」



 方舟の街の中にいた方が、元の世界よりもマシだったのかもしれない。
 ライダーのサーヴァント――カイトと名乗った青年は、そんなマリアの告白を一蹴した。
「どれほど甘く優しかろうと、所詮は見せかけだけを繕ったまやかしだ。現実が変わるわけではない」
「ええ……分かってるわよ、それくらい」
 サーヴァント(従者)にあるまじき不遜な態度に、マリアは微かに眉をひそめる。
 理性で分かってはいたことだ。
 自分だけが幻に逃げても、現実に残された子供達が、変わらず苦しみ続けるのは間違いないだろう。
 だとしても、それほどにはっきりと言い切られては、さすがに心にくるものがある。
「まったく、笑えない冗談もあったものだな。この俺にあてがわれたマスターが、こんな腰抜けだなんてのは」
「……否定はしないわ」
「お前のような奴を頼るようでは、その教授とやらもタカが知れている」
「ッ! マムを悪く言わないでッ! 何も知らないくせにッ!」
「もっともだな。俺はそいつのことを知らない。だからそいつを評価しろと言われても、困る」
 思わず声を荒らげたマリアに対し、ライダーは失笑しながら肩を竦めてみせた。
 何故こんな奴が、というのはこちらの台詞だ。
 こちらの痛いところばかりを、遠慮なくずけずけと抉ってくる。
 自分の想いを正当化するつもりはないが、さすがにここまで無遠慮になじられるとは思ってもみなかった。
 こいつとは気が合いそうにはない。まったく何でこんな奴が、自分のサーヴァントとしてあてがわれたのだろう。


590 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 02:00:33 YhtWPqDg0
「……さて、戯言はこの辺で終わりだ」
 結局自分から煽っておきながら、勝手に切り上げたのもライダーだった。
 表情を元の仏頂面に戻し、青年は真っ向からマリアを睨む。
「最初に言っておくが、俺は聖杯には全く興味がない」
 願いを自分で叶えようとせず、他人任せにするなど馬鹿げている。
 そんな弱者のためにあるような装置に、かけるような願いなどないと、ライダーはきっぱりと言い切った。
「故にこの戦いで通すべきは、俺ではなくマスターであるお前の意志だ。
 期待はしないが聞かせてもらおう。お前はこの戦いの先で、聖杯に対して何を願う?」
 よく言う――とマリアは内心で思う。
 その問いに答えるということは、自分が彼の言う「弱者」だと、認めるようなものではないかと。
 とはいえ、自分が強者だとは言えない。叶えたい願いがあるのも確かだ。
「私は……月の落下を止めたい。これ以上の戦いも悲劇も、決して増えないようにするためにも」
「そして他ならないお前自身が、戦いから逃れるためにも、か」
 図星だ。
 マリアは沈黙で返した。
 全く考えなかったとはとても言い切れない。
「……まぁいいだろう。お前らしい願いだ」
 どういう意味だ、と聞くのはやめた。もう今更だと諦めていた。
「戦いから逃げ出すために戦いに臨む……そんな私を愚かだと思う?」
「間違ってはいないだろう。戦いから逃れる方法は2つに1つ。
 負けて死ぬか……あるいは全ての敵を倒して、さっさと戦いを終わらせるかだ」
 お前は後者を選んだに過ぎない、と。
 そう言って羽織ったコートを翻し、ライダーはマリアに背中を向けた。
「そうと決まったからには行くぞ。ぐずぐずするのは性に合わん」
 言いながら、ライダーはマリアを置いて、ずかずかと前進していった。
 マリアは少し慌てた調子で、早足でその後に続く。まるで主従が逆転したような光景だ。
 そしてそんな中、マリアは目の前の男について、しばし思考にふけっていた。
(なんとなく、分かってきたような気がする)
 きっとこいつは自分とは、まるきり正反対の人間なのだろう。
 どうせ自分なんか、という考えが、この男にはまるでない。
 むしろ自分は強者なのだと、何物にも屈したりはしないのだという、強い自信の持ち主に見える。
 どんな苦境や困難にも、決して泣き言を漏らさず立ち向かう――きっとこいつは、そういう男だ。
(私もそうあれるだろうか)
 今までの自分にはできなかったことだ。
 そうあらねばと念じながらも、今日まで貫けなかった生き様だ。
 この戦いの中でこそ、自分は己の弱さを捨てて、敢然と戦うことができるのだろうか。
 そんなことを考えながら、マリアはライダーの後に続いていた。


591 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 02:01:13 YhtWPqDg0
【マスター】マリア・カデンツァヴナ・イヴ
【出典】戦姫絶唱シンフォギアG
【性別】女性

【参加方法】
『ゴフェルの木片』による召喚。エアキャリアーの備品に、たまたま木片を材質としたものが紛れていた

【マスターとしての願い】
月の落下を止めたい。聖杯の力で組織の目的を果たし、戦いを終わらせたい

【weapon】
ガングニール
 北欧の軍神オーディンの槍から生み出されたシンフォギア。
 その由来の通り、槍型の武器(アームドギア)を用いる。
 また、羽織ったマントは自在に操ることができ、中距離攻撃やシールドとして使うことが可能。
 必殺技は、槍の先端からエネルギーを解放し、ビームのようにして発射する「HRIZON†SPEAR」。

白銀のシンフォギア
 実妹セレナ・カデンツァヴナ・イヴの遺品。
 彼女の死亡および、本シンフォギアの破損により、登録データは全て抹消されてしまっている。
 そのためいかな聖遺物に由来するものなのか、どのような性能を持っているのかなど、ほとんどの情報が不明。
 起動聖詠には「アガートラーム」というフレーズが盛り込まれており、それがシンフォギアの名称であるということは推測できる。
 相応の覚悟と意志により、「奇跡」を手繰り寄せることがない限り、決して起動することはない。

【能力・技能】
シンフォギア適合者(偽)
 神話の遺産・聖遺物から生み出された、FG式回天特機装束・シンフォギアを扱う技術である。
 しかし彼女自身の適合率はあまりに低く、制御薬・LiNKERの服用なしには、シンフォギアを纏うことはできなかった。
 初期状態では効力が切れているため、シンフォギアを纏って戦うためには、まずLiNKERを確保しなければならない。

【人物背景】
かつてアメリカの実験機関「F.I.S」に囚われていた、レセプター・チルドレンの1人。
月落下の事実を世界に公表し、完全聖遺物・フロンティアによる状況打開を行うため、武装組織「フィーネ」の首魁として蜂起する。
しかし彼女自身は争いを恐れており、現在の立場も組織の維持のため、ナスターシャ教授に依頼されて受け入れたものだった。
2歳歳下の妹・セレナを喪っており、妹の悲劇を繰り返したくないという想いが、彼女の心を繋ぎ止めている。

表向きには強気に振舞っているものの、本来は消極的な性格。
そのため、テロ組織として戦うことによる良心の呵責や、組織の代表を求められる重圧により、心を擦り減らしていった。
それでも、優しく面倒見のいいお姉さん基質でもあるため、周囲の人間からの信頼は厚い。

表向きには歌手活動をしており、そちらの方面では、僅か2ヶ月で全米ヒットチャートの頂点に立つほどの才能とカリスマを有している。

【方針】
迷いはあるが、一応優勝狙い。


592 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 02:01:51 YhtWPqDg0
【クラス】ライダー
【真名】駆紋戒斗
【出典】仮面ライダー鎧武
【性別】男性
【属性】混沌・中庸

【パラメーター】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:E 幸運:D 宝具:B

【クラススキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

騎乗:D
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。

【保有スキル】
執念:A
 勝利への強い執着心。
 いかに困難な状況だろうと、どれほどの実力差を突きつけられようと、決して負けを認めない。
 このランクまで来るともはや病気のレベルだが、それ故に逆境に気後れすることはあり得ないと考えていい。
 また、一度敗れた相手と戦う際には、その強い対抗意識により若干のステータス補正も見込める。

勇猛:B
 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

軍略:C
 多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。
 団体戦闘における指揮能力や、逆に敵集団への対処に有利な補正がつく。

話術:E
 言論にて人を動かせる才。
 交渉から詐略・口論まで幅広く補正が与えられる。
 このランクだとほとんど有利な補正は得られないが、良くも悪くも話し相手の意識を、戒斗に向けることができる。


593 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 02:02:32 YhtWPqDg0
【宝具】
『唸る騎士の黄槍(バナナアームズ)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
筋力:C+ 耐久:C 敏捷:C 魔力:D 幸運:C 宝具:C
 異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、鎧の戦士「アーマードライダー・バロン」へと変身する。
 バナナロックシードにより発動するこの力は、走攻守のバランスに優れた基本形態。
 槍型の武器・バナスピアーを使い、敵を着実に追い詰める。
 必殺技は、槍からオーラを発して敵を貫く「スピアビクトリー」。

『轟く闘士の赤槌(マンゴーアームズ)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
筋力:B 耐久:B 敏捷:D 魔力:D 幸運:C 宝具:C
 異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、鎧の戦士「アーマードライダー・バロン」へと変身する。
 バナナロックシードにより発動するこの力は、敏捷性を犠牲に筋力・耐久を高めた強攻形態。
 メイス型の武器・マンゴパニッシャーを使い、パワーで敵を圧倒する。
 必殺技は、メイスからエネルギー弾を放って敵を砕く「パニッシュマッシュ」。

『勝利せし黄金の覇王(レモンエナジーアームズ)』
ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
筋力:B+ 耐久:B 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:B 宝具:B
 異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、鎧の戦士「アーマードライダー・バロン」へと変身する。
 レモンエナジーロックシードにより発動するこの力は、他の形態とは一線を画した力を持つ進化形態。
 弓型の武器・ソニックアローは、両端に刃が備えられており、接近戦・遠距離戦共に威力を発揮する。

【weapon】
戦極ドライバー
 アーマードライダーに変身するためのベルト。バナナアームズ、マンゴーアームズに対応している。

ゲネシスドライバー
 上級のアーマードライダーに変身するためのベルト。レモンエナジーアームズに対応している。
 既に戦極ドライバーで変身している場合でも、素早くベルトを付け替えれば、変身を解除せずアームズだけを切り替えることができる。

バラロックシード
 薔薇を象ったロックシード。変身に使うことはできない。
 このロックシードは「ロックビークル」という乗り物を生じるためのものであり、
 起動することで拡大・変形し、黒いバイク・ローズアタッカーへと姿を変える。
 本来ならヘルヘイムの森へのクラックを開く機能があるのだが、制限により封印されている。

ヒマワリロックシード
 向日葵の種を象ったロックシード。合計3つ用意されている。変身に使うことはできない。
 宝具発動時に使用すれば、ヘルヘイムの森に巣食う怪物・初級インベスを召喚・使役することができる。
 (一応生身でも召喚はできるが、競技用にリミッターがかけられるため、能力は雀の涙ほどしか発揮できない)
 エネルギーはロックシード自体のそれに依存するため、戒斗本人およびマスターに負担がかかることはない。
 更に戦極ドライバーにセットし使用すれば、少量ながら、戒斗本人への魔力補給も可能。

トランプ
 何の変哲もないトランプ。52枚セット。
 戒斗はこれを投擲武器として使うことが多い。


594 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 02:03:06 YhtWPqDg0
【人物背景】
沢芽市で活動するダンスチーム「チームバロン」の元リーダー。
戦極ドライバーおよびゲネシスドライバーにより、アーマードライダーバロン(仮面ライダーバロン)へと変身する。
幼少期に大企業・ユグドラシルコーポレーションによって、実家の町工場を潰されており、「弱肉強食」という概念を強く意識している。

傲慢不遜な性格であり、他者との協調性は低い。
常に「強者」たらんとしており、強者にへつらう「弱者」を嫌悪している。
一方で、その突き抜けるところまで突き抜けたプライドは、いかな苦境にも屈しない精神力へと繋がっており、
自分を曲げることを知らず、どんな困難にも立ち向かうことができる。
もっとも強さにこだわる理由は、あくまで「敵を倒すことが自分を守ることに繋がる」と考えているからであり、弱い者いじめを楽しんでいるわけではない。
幼少期から持っていた元々の性分なのか、なんだかんだで情のある人物でもある。

真っ向勝負を好む傾向があり、立ちはだかる敵は正面から粉砕しようとする。
姑息な策略は彼にとって、最も唾棄すべきものだが、ルール上認められている行為は、最大限利用するタイプでもある。
あまりにも無謀かつ無意味な戦闘は避け、迂回路を取ろうとするなど、最低限の冷静さと戦術眼を兼ね揃えてはいる。
小規模ながらも組織の頂点に立つ者であるが故か、数の優位性を正確に認識しており、可能であれば組織戦を展開することもある。

本人にはライダーの適性以外に、アーチャー・ランサーの適性も存在した。
ただしそれらのクラスで召喚された場合、アーチャーだとゲネシスドライバー、ランサーだと戦極ドライバーを用いた変身しかできなくなる。
また、ローズアタッカーを使用できるのも、ライダーのクラスで召喚された場合に限られる。

【サーヴァントとしての願い】
他者に願いを委ねることなどあり得ない。強いて言うなら、英霊達と戦うことで、より強い力を身につけたい。

【基本戦術、方針、運用法】
向かってくる敵はまとめて倒す。気に食わない者は残らず倒す。
好戦的なサーヴァントであるため、マスターには上手く手綱を引く手腕が求められる。
どんな苦境にも立ち向かう精神性は立派だが、それ故に無駄な消耗を招くこともあるため、戦闘の引き際には特に注意が必要。
他のマスターとの同盟を組む際には、彼のわがままさと協調性のなさもあり、苦労を強いられる場面も多い。
しかし彼の眼鏡にかなう者は、優れた力と精神性を兼ね揃えた者が多いため、この際同盟の人選は彼に任せてしまっていいだろう。


595 : マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc :2014/07/05(土) 02:03:52 YhtWPqDg0
投下は以上です


596 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:05:22 WDomeaGA0
投下乙です

遠坂凛&ライダーで投下します


597 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:06:33 WDomeaGA0

深夜。
何者かの監視から隠れるように、二人の男女が動きを止めた観覧車の中に潜んでいた。
一人は赤い服とミニスカートを着た少女だ。
つり目がちな目は勝ち気な性格を、その奥に宿る爛と輝く光は意志の強さを感じさせる。

もう一人は治安維持組織『HOLY』の制服を着た若い男だった。
痩せぎすの身体は、しかし、野獣じみた精気を発している。
そして、その隠し切れない獣性とは裏腹に瞳の奥には理知的な色があった。

少女は右手に刻まれた刺青を、左手に持った木杭でゆっくりとなぞる。
そう、少女は、『遠坂凛』は『方舟の聖杯戦争』とでも呼ぶべき聖杯戦争にマスターとして参加しているのだ。
となると、もう一人はサーヴァントであろう。
外見からクラスを察することは出来ない。

「ひとまずは、挨拶から。
 此度の聖杯戦争においてライダーのクラスにて現界しました。
 真名はストレイト・クーガーです」

しかし、凛と会話を交わしていることから、バーサーカーではないだろう。
かのクラスは特殊な例外を除き、言語能力の類を持たない。
ましてや、このサーヴァントの切れ長の目の奥からは確かな知性を感じさせるのだから。
何かを求める、探求者の目を。
根底は真理を求める凛と同じもののはずだ。

「真名を教えてくれるのね……それにしても不用心じゃない?」

凛は手持ち無沙汰に、ツン、ツン、と木杭を弄りながらライダーへと尋ねる。
『ゴフェルの木片』。
遠坂凛は、冬木の聖杯戦争における召喚時とは対照的に、その聖遺物を手に入れた。
入手させられた、と言い換えても良い。
兄弟子である言峰綺礼から手渡された木片。
遠坂凛の本命は、遠坂家に因縁の深い『冬木の聖杯』。
『方舟』の逸話は確かに興味が惹かれるが、あくまで本命は『冬木の聖杯』だ。
これは武者修行と言い換えても良い。
手渡してきた兄弟子――――言峰綺礼の挑発的な顔に、妙な反発を覚えたのだ。

それは反抗期の娘そのものの態度だった。

「それすらも一つの手札に加えるのがマスターの技量というものでしょう。
 それにこれから聖杯をめぐる戦争をともにするパートナーです、わざわざ隠すこともないでしょう」

そんな凛の若さを見透かすように、ライダーは言葉とは裏腹に仏頂面を崩さず応えた。

「つまり、宝具も?」

凛は面白くなさそうに顔を歪めながら、尋ねた。
周囲の監視は厳重に重ねている。
しかも、ライダーは真名を口にしたのだ。
ここまでくれば、宝具についても聞いておくべきだろう。


598 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:09:36 WDomeaGA0
……大変申し訳ありません
不手際によってこちらの文章を消してしまいました
一度、投下を終了させていただきます
お騒がせをしました


599 : ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:13:55 DyAgmJw60
皆様投下乙です。

暁美ほむら&キャスター 投下します


600 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:15:19 DyAgmJw60



『……皆様、今宵は当サーカスにお越しいただき誠にありがとうございます』


『此度のサーカスを彩る役者は、「地獄の機械」に運命を操られた一組の男女』


『片や叶わぬ愛を追い続け、片や救われぬ者に手を差し伸べる哀れな操り人形達』


『今回お送りしますは、その二体の人形の出会いの記録でございます』


『……おっと、そう身構えなくても結構。何しろ今宵演じられますは出会いの記録。皆様の心を砕くものは何処にもありません』


『どうか皆様、肩の力を抜き、ごゆっくりお楽しみ下さいませ――――』



 


□ □ 
 
□ □ □

□ □ ■ ■

■ ■ ■

■ ■




601 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:16:17 DyAgmJw60

 何度も、何度も、何度も、何度も繰り返した。
 数えるのも馬鹿馬鹿しくなる程、同じ時間を何度も遡ってきた。

 幾度も、幾度も、幾度も、幾度も魔女と戦い続けた。
 見飽きるくらいに、幾度も同じ姿の魔女を狩ってきた。

 何回も、何回も、何回も、何回も仲間を殺した。
 ある時は魔女と化した同胞を、時にはまだ絶望して無い者さえ何度も殺してきた。

 そうして、何度も、幾度も、何回も戦い続けて。
 暁美ほむらは、果たして大切な者を救えただろうか?

 答えは「否」だ。
 彼女は、一回たりとも願いを果たせていない。
 これまで渡った全ての世界で、失敗だけを積み重ねてきた。

 心をすり減らしながら戦っても、愛しの少女は憎きあの獣共と契約してしまう。
 魔法少女になったら最後、最早その先に待ち受けるのは絶望だけだというのに。
 それでも、あの優しい少女は、誰かを救う為に自分を犠牲にしてしまった。

 策をいくら巡らせても、理想に辿り着けない。
 どう立ち回ったとしても、驚異に抗えない。
 気付いた頃には、世界は自分の夢とは異なる方角に舵を切っている。

 まるで、地獄の誰かが造った機械に操られているかのように。
 暁美ほむらの運命は、いつも最悪の形で狂ってしまうのだ。

 そして、今回も。
 ほむらは立ちはだかる絶望に敗北した。

 瓦礫の山と化した街の上空では、今も魔女が嗤っている。
 ワルプルギスの夜は、全ての元凶となったあの悪魔は、未だ健在だった。

 一方のほむらは、それとは逆に満身創痍の状態であった。
 瓦礫を背にして座り込む彼女の姿は、生傷ばかりがよく目立つ。

 この瞬間に至るまで、ほむらは自分の持てる全てを以て戦った。
 ワルプルギスの夜を打倒する為に、たった独りで戦いに臨んでいた。
 今までで最も強力な武装と、今までで最も強固な決意。
 それを携えて挑んでも、それでもワルプルギスの夜には勝てなかった。


602 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:16:53 DyAgmJw60
 魂の揺り籠が――ソウルジェムが濁り始める。
 絶望が魂を浸食し、自己を塗り潰さんとしている。
 このままでは、数分もしない内に暁美ほむらという個は消滅するだろう。

 ほむらにとって、諦めとは絶望と同義だ。
 足を止めたその瞬間、彼女は死を迎える運命にある。

 最早、どう足掻こうと無駄なのだ。
 ワルプルギスの夜は倒せず、まどかを救う事も出来ない。
 それが世界の選択であり、決して抗えない宿命なのだ。

 堰を切った様に溢れ出るのは、絶望の言葉達。
 それらに込められた負の感情で、ソウルジェムが黒く染め上がる。

 魂が完全に濁り切った時、ほむらは魔女へと姿を変える。
 だが、そうなってしまっても構わないとさえ、彼女は考えていた。
 ワルプルギスの夜と同じ様に、絶望の権化として呪いを振り撒くのも悪くないかもしれない。
 どうせもう、自分に打つ手など何も無いのだから。

 そうして、ほむらが全てを諦めようとした、刹那。
 彼女の指先が、何か堅い物に触れた。

 手に取ってみれば、それは木の欠片だった。
 ひどく傷んでいるそれは、一見何の価値も無い様に見える。
 だがほむらには、これがただの木片では無いと、何故だか思えてならなかった。

 ほむらの脳裏に、一つの噂が浮かび上がる。
 得物となり得る銃器を調べる内、自然と耳に入ってきた都市伝説。

 それは、星の海を渡る方舟の物語。
 方舟の中で行われるのは、あらゆる願いを叶える聖杯戦争。
 そして、参加資格となるのは、方舟の一部たるゴフェルの木片。

 もしかしたら、都合のいい作り話でしかないのかもしれない。
 方舟など所詮空想の産物で、手にした木片はただのゴミなのかもしれない。
 それでも、ほむらは願わずにはいられなかった。

 聖杯が齎す万能の力で、彼女を救う事が出来るというのなら。
 願わくば、その魔法の様な奇跡に縋らせてほしい。

 ゴフェルの木片は、言うなれば地獄の底に垂らされた蜘蛛の糸。
 カンダタがそうだった様に、時の牢獄の中でもがく少女もまた、その一本に手をかける。


603 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:18:40 DyAgmJw60
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 暁美ほむらは、独り草原で立ち尽くしていた。
 ひどく懐かしさを覚えるのは、その風景が見滝原にも存在していたからだ。
 相違点を上げるとすれば、視線の先に崖が存在している所か。

 崖の手前に、椅子が一つ置いてある。
 シンプルな造りをしたそれに、男が座っていた。
 漆黒のローブを纏い、見事な髭を蓄えた銀髪の老紳士。

「貴方が私のサーヴァントかしら」

 草原に辿り着いた瞬間、無数の単語が頭に流れ込んできた。
 聖杯戦争、サーヴァント、令呪――今となっては、それらの具体的な意味さえ把握できる。
 だから、今椅子に座った老人がほむらの僕である事も、すぐに判断できた。

 都市伝説は――方舟はたしかに実在していた。
 希望はまだ、全て潰えてはいなかったのである。

「おやおや、これまた随分と可愛らしいマスターじゃないか」

 その言葉と同時に、老人の口元が三日月に歪む。
 酷く薄気味悪い彼の笑顔を前に、ほむらは僅かに眉を顰めた。

「その言葉、貴方で間違いないようね」
「ああそうだとも。君は予選を突破して見事本選出場ってワケさ」

 賞賛のつもりか、老人はパチパチと手を叩いてみせた。
 本人にその気があるかは知る由も無いが、ほむらからすれば茶化している様に思えてならない。

 この聖杯戦争に予選が存在する事も、ほむらは既に把握していた。
 記憶を封じられた状態で「方舟」内の世界に放り込み、見事記憶を取り戻せれば予選を突破。
 彼女は今まさに、ほんの十数分前に自らの記憶――即ち願いを思い出すに至ったのだった。

 NPCだった頃の記憶は、ほむらは今でも鮮明に思い出せる。
 何の力も持たないただの中学生として、まどかの事を忘れてのうのうと暮らしていた。

「……忘れてたのね。まどかを」

 ほむらの胸中で湧き上がるのは、まどかを忘れてのうのうと暮らしていた自分自身への怒り。
 救いたかった者の事を記憶の奥底に沈めて、何を笑って生きているのだ。


604 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:20:22 DyAgmJw60

「どーしたんだい、さっきから不貞腐れちゃって。もっと笑いなよ」

 間の抜けた声でそう言うと、老人は椅子から立ち上がり、ほむらの元に歩み寄る。
 彼女の丁度目の前にまで近づいた瞬間、彼は顎と髪の毛を引き伸ばし、

「うちゅーーぢんだよ〜〜〜〜ぴきゃぺきょり〜〜〜ん」

 唐突に始まった悪ふざけを前に、ほむらの瞳が細まる。
 それを目にした老人の顔は、先程とは打って変わって露骨に萎えていた。

「……リアクションうっすいなァ。つまんねーの」
「悪いけど、そういう冗談は嫌いなの」

 「そうかい」とだけ言って、老人はほむらに背を向けた。
 抑えきれない不安感からか、ほむらは思わず問いを投げかける。

「貴方、本当に聖杯を獲る気があるの?」
「あるさ。獲る気無いなら最初から呼ばれる訳ないだろ?」
「私にはそう思えないけど」
「ひっどいなァ君。僕だって聖杯欲しくて仕方ないのにさ」

 会話の途中で、老人は先程まで座っていた椅子のすぐ近くにまで来ていた。
 彼は椅子を片手で持ち上げると、頭上高く放り投げる。

「安心しなよ。僕は――もの凄いんだからさ」

 その時、投げられたのは確かに椅子だった。
 しかし、宙を舞ったのは、椅子では無く、用途の無い木材の群れ。
 接合されていた筈の椅子が、バラバラに"分解"されていた。

「いつだって本気だったよ。200年間本気で恋して、本気で惚れて、本気で愛して。
 でもぜーんぜん駄目、誰も僕に振り向いちゃくれない。200年間僕はずーっとフラれっぱなしだったのさ」

 空に浮き上がった木片達は重力に従い、草原へと落ちていく。
 そうして地に伏したそれらを踏みつけながら、老人は再度ほむらに歩み寄る。

「僕はね、単に好きな人に愛されたいだけなのさ。だけどさ、どーも聖杯じゃないと駄目みたいでね」

 「ひっどいよなァ、ホント」と大きく溜息をつく老人に対し、ほむらが抱いたのは狂気だった。
 好きな人に愛されたいだなんて、ただそれだけの理由で。果たして人間は、200年もの歳月を費やせるものなのか。

「ま、どんな願いがあるか知らないけど、僕は強いからもっと自信持っていいのさ。
 言うだろ?自分を信じて前向きにならなきゃ、叶う夢も叶わないってさ」

 にたり、と。不気味な笑みが、またもほむらに向けられる。
 瞬間、彼女の全身に走るのは怖気。
 言い様の無い、理由の無い嫌悪感が、全身を這いずり回る。
 例えるならそれは、初めて魔女をこの目で見た時の感覚によく似ていた。


605 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:21:04 BaP015nE0
小野寺が出て焦っていたら五代まで…
クウガが3人目となってしまいますが、投下させていただきます。


606 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:22:17 BaP015nE0
↑ミスりました
 すいません


607 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:22:33 DyAgmJw60

「これから仲良くしようよマスター。
 僕はフェイスレス……ああ、キャスターって名乗った方が良いのかな?」
「……暁美ほむらよ」
「ほむら、ね。いい名前じゃないか。燃え上がれーって感じでさァ」

 そう嘯いた後、キャスターはケタケタと嗤ってみせた。
 嗤い声が草原に響く中、ほむらの胸中から湧き出るのは――怒り。

 ほむらが護りたかった少女も、丁度このサーヴァントと同じ事を言っていた。
 まだ魔法少女ですらなかった頃、彼女はそうほむらを元気づけ、朗らかに、優しく笑ったのだ。

 拳を強く握りしめ、滲み出る怒りをどうにか抑える。
 例えどれだけ軽率な意思だったとしても、それだけは口にしてはならなかった。
 誰よりも救いたい少女との思い出を、下賤な笑顔で汚された。

「貴方なんかが、まどかと同じ事を言わないで……ッ」
「んん?なんか言ったかい?」
「……なんでもないわ」

 そうだ、今はまだ抑えるべきなのだ。
 怒りを曝け出すのは、聖杯を手にしてからでいい。
 聖杯戦争を勝ち残る為には、不愉快ではあるがこの男の力が必要不可欠なのだから。

 不気味な笑みを目にした際の嫌悪感も。
 まるで道化師の様なふざけた言動に対する苛立ちも。
 負の感情は偶然のものではなく、きっと生まれるべくして生まれたのだろう。 
 だから、今ならはっきりと言える。



(私は、こいつが大嫌いだ)







□ □ 
 
□ □ □

□ □ ■ ■

■ ■ ■

■ ■




608 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:23:27 DyAgmJw60



『……さて皆様、誠に申し訳ないのですが、今宵お送りするのはここまでとなっております』


『果たして、壇上で踊る人形達は、見事運命を覆せるのか……』


『この先の物語、それを目撃するか否かもまた運命――即ち、「地獄の機械」が決めるのです』


『では皆様、機会があれば、またこのサーカスで御会いしましょう』


『それでは、一時閉幕となります……』



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【出典】からくりサーカス
【CLASS】キャスター
【マスター】暁美ほむら
【真名】フェイスレス(白金)
【性別】男性
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:B 幸運:E 宝具:A

【クラス別スキル】
陣地作成:B
魔術師として、自らに有利の陣地を作り上げる。
彼の造る工房は自動人形の製造に特化しており、その在り方は製造工場に近い。

道具作成:A
魔力を帯びた道具を作成出来る。
フェイスレスは人形制作に特化しており、意思を持ち自立稼働する人形を製造可能。

【固有スキル】
三解:A
フェイスレスが持つ「自動人形を沈黙させる三つの術」の総称。
「分解」は内蔵した工具であらゆる物体を"分解"する。人体の骨格も例外ではない。
「溶解」は掌から溶解液を発射し、対象を"溶解"する。
「理解」は自動人形達に自らが創造主である事を"理解"させる。全ての自動人形はフェイスレスの支配下にある。

精神汚染:D
夢の成就の為に身を捧げた狂人。一切の悪行に罪悪感を抱かない究極の自己中心主義。
「ドス黒く燃える太陽」とまで評されたその精神を、常人が理解するのは不可能と言っていい。

変装:C
顔の形はおろか声質さえ自在に変化させられる特技。
ただし、髪の色だけは自力では変えられない。


609 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:24:11 DyAgmJw60

【宝具】
『最後の四人(レ・デルニエ・キャトル)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜? 最大補足:?個
フェイスレスが自らの手で造り上げた最後の自動人形にして第一の僕。
彼の側近を務めた、言わば幹部格の自動人形であり、それらどれもがサーヴァントに匹敵する性能を誇る。
単独召喚は勿論の事、十分な魔力さえあれば四体全員の一斉召喚も可能。

・ハーレクイン
筋力:C 耐久:D 敏捷:B 魔力:B 幸運:E
全身タイツの自動人形。
常におちゃらけた態度をとる自称「道化師」だが、逆鱗に触れた者には激情を露わにする。
側頭部に装備された角を模した装備を用いる事で、様々な天候を自在に操る事が可能。
肉弾戦においても、ブリゲッラの背後からの攻撃を軽くいなしていた事から、相当の実力者だと判断できる。
口癖は「○○の△△にかけて」(例:「そりゃもう、娘っこの白い足にかけて!」)なお、これ自体に深い意味がある訳ではない。

・ブリゲッラ・カヴィッキオ・ダ・ヴァル・ブレンバーナ
筋力:C 耐久:B 敏捷:B 魔力:E 幸運:D
コートと目深に被った帽子で全身を包んだ自動人形。
人間の武術に強い興味を示しており、戦闘時に置いてもその武術のみで闘う。
高い破壊力を誇る小型ミサイルを全身に装備しているものの、当の本人はこの武装を嫌悪している模様。
事実、やむなくミサイルを使用した後はその破壊力に快感を覚えてしまい、それが間接的な死の原因となっている。

・カピタン・グラッツァーノ
筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:D 幸運:C
中世の軍人を意識した衣装を纏った自動人形。
剣技を得意としており、必殺技は電流を纏った剣で相手を貫く「血と雷(サングレ・イ・フェーゴ)」
また、足裏に装備されたジェット噴射器で空を飛ぶ事も可能。
由緒正しき軍人の家系を自称し、暇さえあれば自慢話を語っているものの、それらは全て法螺話に過ぎない。

・ディアマンティーナ
筋力:E 耐久:D 敏捷:B 魔力:C 幸運:B
ゴスロリ服を着た自動人形。
刃物や爆弾等を内蔵した熊の人形と、頭部の欠落した小鳥型の人形を多数所有している。
それらはディアマンティーナの命令で機動し、熊の人形は攻撃、小鳥の人形は防御の役割を担っている。
創物主であるフェイスレスに恋心を抱いており、二人は相思相愛だと信じて疑わないが、その片思いの相手は、彼女をさして重要視はしていないのが現実である。

【weapon】
『無銘』
頭部を除く全身を機械化しており、そこには様々な武装が内蔵されている。
「三解」のスキルの欄で説明した工具と強酸、そして左腕には大型のニードルを発射する装置を搭載している。
また、例え腕を切断しても、そこから無数のコードを触手の様に伸縮させる事も可能。

【人物背景】
奇病を振り撒く自動人形を破壊する「しろがね」の内、肉体の一部をサイボーグ化した「しろがね-O」の首領。
その正体は、その自動人形が誕生した原因を造りだした言わば全ての元凶である。
本名は白金(バイジン)。正確に言えば彼の人格と記憶を移した個体がフェイスレスであり、フェイスレスとしての本名はディーン・メーストル。
片思いしていたフランシーヌ、そして彼女と瓜二つの女性達を我が物にする為、200年にわたって彼女らを追いかけ回す狂人。
普段はふざけた口調と態度をとるものの、それらはあくまで演技であり、本来は利己的かつ冷酷な性格。
自分の考えこそが絶対だと信じて疑わず、過程で「ゾナハ病」なる世界最悪の奇病をばら撒こうが、彼は一切の罪悪感を抱いていない。
そんな彼を、ある少年は「全てを燃やし尽くして平然とゆらぎもしない、どす黒く燃える太陽」と形容している。

【サーヴァントとしての願い】
今度こそ、フランシーヌの愛を手に入れる。

【基本戦術、方針、運用法】
キャスターにして珍しく肉弾戦もこなせるが、本質はやはり自動人形達を利用した戦術だ。
戦闘、諜報、暗殺等、自動人形には様々な種類が存在し、それらを生かした戦術を組み立てるのが常套手段である。
量産した自動人形による人海戦術、諜報に優れた自動人形を利用しての奇襲など、搦め手で敵を撃破するのが利口だろう。


610 : 暁美ほむら&キャスター ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:25:40 DyAgmJw60

【マスター】暁美ほむら
【出典】魔法少女まどか☆マギカ
【性別】女性

【参加方法】
ワルプルギスの夜に敗北した直後、瓦礫の中から偶然ゴフェルの木片を発見した。

【マスターとしての願い】
鹿目まどかの救済。

【weapon】
盾の中に銃火器が収納されている。
詳しい内訳は不明だが、制限でミサイル等の大型兵器は没収されている模様。
グリーフシードの所持の有無については現状では不明。

【能力・技能】
魔法少女に変身が可能。固有能力は「時間制御」。
本編では時間停止を主に使用しており、魔力が残っている限り永続的に時間を停止できると思われる。
ただし、今回は制限によって停止時間に限度がかけられている。

【人物背景】
魔女と戦い続ける宿命を背負う代わりに願いを叶えた魔法少女の一人。
才色兼備の美少女だが、人を寄せ付けない雰囲気を纏っている。
まどかに対しては謎めいた忠告を繰り返すが、それ以外に対しては突き放したような態度を取る場合が多い。

その正体は、異なる未来の時間軸から時を遡ってきたまどかの親友。
元々の時間軸では病弱かつ引っ込み思案な少女だったが、ワルプルギスの夜との戦いで死亡したまどかを救う為に、
「鹿目まどかとの出会いをやり直し、彼女を守る私になりたい」という願いでインキュベーターと契約。
「時間遡行」の能力を持った魔法少女となり、まどかを救おうと何度も時を遡ってきた。
当初はまどか達と共にワルプルギスの夜の打倒を目指していたが、三度目のループの際、
まどか本人から「キュゥべぇと契約した私を助けてあげて」と懇願され、それからはまどかの契約自体を阻止する為に行動する様になる。

【方針】
優勝狙い。ソウルジェムの関係上、魔力の過剰消費は抑えたい様子。


611 : ◆WRYYYsmO4Y :2014/07/05(土) 02:26:16 DyAgmJw60
投下終了です


612 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:28:29 BaP015nE0
投下乙です。
誤って間に挟んでしまって申し訳ありません。

改めて投下させていただきます。


613 : 五代雄介&キャスター 「覚醒」  ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:30:30 BaP015nE0
方舟内 模造冬木市 住宅街 10:06 p.m.

夜の住宅街――いつもならば、心許ない電信柱の蛍光灯が真下の地面を小さく照らす程の明るさしかない街の中心部。
しかし、今夜だけはそんな住宅街に辺り一面を明るく照らす大きな光源があった。
巨大な炎の塊―それは一軒の家が炎上している事を意味している。辺りを煌々と照らすその炎の塊は、時が経つに連れてその凶暴さを増していく。
まだ中には人が残っている様子だが、母親らしき人物の悲鳴も中からの助けを求める声も集まってきた野次馬の騒ぎによってかき消される。
そんな絶望的な状況で一人の青年が飛び出す、すぐに野次馬の一人が声を張り上げて警告を発する。

「やめとけ!もう無理だ、助かりっこねぇよ!」
「大丈夫です、まだ間に合います。俺が絶対に助けますから、信じて待っててください!」
「あの炎が見えねぇのか!今飛び込んだら死んじまうぞ!」
「大丈夫です!だって俺、クウガですから」

青年はサムズアップしながらそう言うと、燃え盛る家の中に入っていった。

◇    ◇    ◇

中の状況は、外から見たよりもいくらか落ち着いていた。
それでも、炎で道は塞がれて既に柱や天井が焼け落ちている部分もいくらかあった。
青年――五代雄介は少し焦りを感じつつも、おそらく子供が残って居るであろう、助けを求める声が聞こえた2階へと登る為の階段を探す。
頭の中ではさっきとっさに口から出た『クウガ』という言葉が、ずっと思い出せずに引っかかっている、しかし今はそれどころではないとすぐに頭の隅に追いやる。
左手に火傷のような痛みが走る――腕をまくると痣のようなものがTシャツから顔を覗かせる、この状況だ、何処かにぶつけたかしたのだろうとあまり気に留めずに走る。


614 : 五代雄介&キャスター 「覚醒」  ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:32:31 BaP015nE0

そして、ようやく2階への階段を見つけることができた。
しかし、それまでで一番激しい炎が行く道を遮っている。
燃え広がり方がおかしい、炎の配置に人為的なものを感じる。
だが当然、五代にはそこで諦めるという選択肢はなく、そのまま炎の中を突っ切ろうかと覚悟を決めた時―――

「水よ、行く手を阻む炎火を消しされ!『水(ウォーティ)』!!」

少女の声が聞こえた途端、どこからともなく現れた大量の水が階段を飲み込んでいた炎を消し去った。
声がした方向に振り向くと、そこには先端に星がついた杖を持った少女と羽の生えたオレンジ色のぬいぐるみのようなものがいた。
火が鎮火し焦りが収まっていく――
冷静な思考を取り戻した五代は、その時初めて頭の中に今までの記憶と聖杯戦争の知識が戻っていることに気がついた。

「聖杯戦争…じゃあ君が俺のサーヴァントってこと?」
「せやで!ワイは封印の獣ケルベロス!ほんでこっちが…」
「えっと、キャスターの木之本さくらです」
「俺は五代雄介、よろしく。
色々なことは後でゆっくり聞くことにして、さっそくで悪いけど今は手分けして逃げ遅れた子を探そう。
火は消えたけど、建物が崩れたりとかしたら大変だから」
「はい!じゃあわたしは向こうを探してきます。行こうケロちゃん」

走りながら言葉を交わすと、散り散りに捜索を始める。すると

「五代さん!こっちです!」

声のした方へ向かうと、そこには崩れてきた建物に足を挟まれて、動けなくなった少女が倒れていた。
持ち上げようにも五代の力でもビクともしない瓦礫、こうしている間にも建物は軋み今にも崩れ落ちそうだ。
少女は今にも気絶しそうなかすれた声でもう五代とさくらを逃がすために声を絞り出す。

「もう…私はいいですから…逃げてください。このままでは死んじゃいますよ…」
「大丈夫、君は俺たちが絶対助けるよ」
「そうだよ、私たちを信じてくれてればなんとかなるよ」
「「絶対、だいじょうぶだよ!」」

重なる二人の声を聞きながら、少女は気を失った。


615 : 五代雄介&キャスター 「覚醒」  ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:33:22 BaP015nE0


◇    ◇    ◇


方舟内 模造冬木市 仮の自宅 01:35 a.m.

無事少女を救出しその場を去った五代たちは、偽りの生活のために用意された自宅で聖杯戦争についての確認を行っていた。

「へぇ〜、じゃあさくらちゃんのさっきの力はそのカードを使ってたんだ」
「うん!最初に火を消したのが『水』で、柱を持ち上げた時に使ったのが『力』のカードです。みんな優しくていい子達ですよ」

お互いの素性を話し終え、早くも打ち解け始めた2人にケルベロスは安堵していた。

(さくらが悪い奴に呼ばれへんで良かったわ…クウガとかいうんはビビったが、あいつはええ奴や)

五代雄介という男の人柄を見極め、ケルベロスは本題を切り出す。

「ほんで、あんさんはこれからどないするつもりや?ここに居るっちゅうことは叶えたい願いとかあるんやろ?」
「うーん、たぶん世界のみんなを笑顔にしたい、笑顔を守りたいって思ってたから聖杯戦争に呼ばれちゃったんだと思う。
でも、聖杯で笑顔になってもそれは心の底から幸せなことじゃないと思う、俺の技でみんなが笑顔になってくれた方が嬉しいじゃない。
それに、コレを使って願いを叶えても悲しくなるだけだよ」

そう言って握った拳で左の手の平を殴る。
五代の顔は本当に悲しそうな顔をしていた。

「だけど、たぶん沢山の人が聖杯を求めて戦うだろうし、グロンギみたいに人を殺す事をなんとも思わない、むしろ好んで殺して回るような奴もいるかも知れない。
そういう人達には説得して、場合によってはサーヴァントを倒さなきゃならないこともあるかもしれない。
俺の力じゃ壊すことしかできないから、こんなこともうできないように聖杯を壊したいと思う。
誰も死なないようにいろんな人と協力して…さくらちゃんたちはどう?」
「わたしも願いは自分で叶えたいもん。聖杯なんていらない。
きっと協力してくれる人もいっぱいいるよ!」
「でもサーヴァントを倒したら、そのマスターも死んでまうやないか」
「それなんだけど、サーヴァントを倒してもマスターが死なないようにする方法を探せばいいじゃない」
「そんな都合よくいかへんのとちゃう?」
「聖杯戦争にはいろんな英雄がいるんだから、みんなで協力すればできないことなんてないよ。
さくらちゃんなんてこの世でいちばん強い魔術師なんだから、方法さえわかればマスターとサーヴァントの繋がりを無くすことだってできるかもしれないでしょ?」
(繋がりを無くす…繋がりを"消"す?……そうだ、『消(イレイズ)』!!)
「ケロちゃん、五代さん!『消』ならリンクを消せるかも!」
「その手があったか!でかしたでさくら!」
「よくわかんないけど方法が見つかったなら、その方法を試してみよう」

こうして、五代たちの聖杯戦争は始まった。
心優しい2人の方針は、他から見たら甘い考えかもしれない。
それでも2人ならやってくれる――2人なら絶対、大丈夫。


616 : 五代雄介&キャスター 「覚醒」  ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:35:45 BaP015nE0

【クラス】
キャスター
【真名】
木之本さくら
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷C 魔力A++ 幸運A 宝具EX
【属性】
 秩序・善 
【クラススキル】
陣地作成:B
さくらカードを併用して魔術工房を作成する。
道具作成:C+
キャスターのクラススキルで知識を得たことで、少し強い魔道具を作れるようになった。
【保有スキル】
高速詠唱:B
魔術の詠唱を高速化するスキル。
気配感知:A 
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
さくらの場合、高い魔力を持つ人や物、見知った人物やサーヴァントの気配を感知することができる。 
直感:B
高い魔力による危険回避能力。
また、培った洞察力で戦闘中に相手の弱点や活路を見出すことができる。
未来予知:C
自分の見に起こる危険や大切な出会いを予知できる。さくらの場合正夢としてしか見ることができない。
仕切り直し:C
戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
無敵の呪文:A
さくらの危機的状況を何度も救ってきた無敵の呪文。
精神干渉や危機的状況になると発動する。
発動後は精神面への干渉・汚染を無効化し、4ターンの間は魔力&幸運が1ランク上昇する。



【宝具】
『万物の理を司りし精霊の札(さくらカード)』
ランク:EX 種別:対人〜対城宝具 レンジ:〜99 最大補足:1000人
クロウ・リードが作った52枚のカード+さくらから生まれた『希』のカードから成る53枚のカード。中には自然や幻影等の様々な力を持つ精霊が封じられている。元はクロウ・リードが作ったクロウカードだったが、さくらによって全てのカードがさくらカードに生まれ変わった、全ての精霊はさくらが大好き。使用することで一つ一つのカード込められた効果を発揮する。『風』『水』『火』『地』等の自然の力を起こすカード、『力』『闘』『盾』『剣』『翔』等の強化・補助の力、『幻』『夢』『輪』等の相手を惑わせる力、他にも『時』『消』『鏡』『双』など効果は様々で状況によって使い分けることができる。

『守護者』
ランク:A 種別:召喚宝具 レンジ:― 最大補足:―
「守護獣・ケルベロス」と「審判者・月(ユエ)」を召喚する。
ケルベロスに限り日頃からずっと側にいたという逸話から、ケロちゃんモードだと魔力消費なしに永久的に限界することができる。
【weapon】
『星の杖』…さくらが魔法を使う際に使用する杖。普段は鍵の形をしており、首から下げている。
『ローラースケート』…普段から外出時などに愛用しているローラースケート。敏捷に少し補正がかかる。
【人物背景】
父親の書庫にあったクロウカードの本を開いてしまい、中で眠っていたケルベロスと出会いカードキャプターとなった。
運動神経がとても良く、モデルの仕事をしていた母親似の容姿と、その人懐っこさから誰とでもすぐに"なかよし"になることができる。料理(特にホットケーキ)も得意で、家事や裁縫もこなせる凄い少女。
最初は魔力も弱く、カードの扱いも上手くなかったが、数々の困難を乗り越え今ではクロウ・リードをも凌ぐ『この世で いちばん強い魔術師』となった。
【サーヴァントとしての願い】
お父さん、お兄ちゃん、知世ちゃん、クラスの皆…そして、「いちばん好きな人」李小狼。大切なみんながずっと笑顔でいること。
【基本戦術、方針、運用法】
相手を傷つけないように拘束したり、どうしてもダメな時は魔法で自身を強化して応戦する。強い相手には魔術で撹乱したりして撤退する。
聖杯戦争をやめさせる為の協力者を探し、万能の願望機を破壊する。
基本的には話し合いで解決したいが、危険な場合は拘束してマスターが死なないようにサーヴァントだけを脱落させる方法を探す。
さくらは魔力こそ凄まじく膨大だが体はまだ小学6年生なので、強化を施さないで全面に出ていくのは無謀の一言。
高い気配察知や適材適所のカードの使い分けで慎重かつ大胆に行動することが大事。魔法を使ってこそ輝くので、戦闘以外でも相手の心のケアなどで『花』や『灯』等のカードをガンガン使っていこう。


617 : 五代雄介&キャスター 「覚醒」  ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:36:33 BaP015nE0

【マスター】 
五代雄介
【参加方法】 
冒険中に遺跡の中で古代リント語の書かれた木の破片を見つけ、お守りにしていた。
【マスターとしての願い】
世界のみんなが笑顔でいてほしい、みんなの笑顔を守りたい。
だけど聖杯には頼らずに、自分で叶える。
【weapon】
ビートチェイサー2000: 警察の技術の最高傑作で五代の愛用しているバイク。
他のどのバイクよりも高スペックなうえにゴウラムと合体することもできるが、方舟内にゴウラム来ていないので合体はできない。
【能力・技能】
『変身』…体内にあるアークルによって戦士クウガへと変身する。
超変身で様々なフォームを使い分けることができる。
【人物背景】
世界を旅する冒険家の青年。その日暮しで様々な場所を渡り歩き、身につけた2000の技で出会った人々を笑顔にする。
最初の技である『笑顔』と先生から受け継いだサムズアップが特徴。
冒険中に立ち寄った遺跡にあったベルトを装着したことで「未確認生命体第4号・戦士クウガ」としてグロンギと戦う宿命を背負うことになった。
戦うことが好きではなく、悪意の塊であるグロンギでさえも殴るたびに心が痛くなるほどである。それでも五代はみんなの笑顔のために最後まで戦い抜いた。
【方針】
聖杯を壊す為の協力者を探し、聖杯を破壊する。
目的のために仕方なく悪の道を進んでいる者は説得し、グロンギの様に純粋に人殺しや破壊を楽しんでいる者はクウガになってでも倒す。

※冒頭の火災はマスター覚醒を狙った人為的なものの可能性があります。
 助けに入った五代は多くの野次馬に顔を覚えられました。
 さくらは霊体化したので、見られていません。


618 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 02:38:05 BaP015nE0
投下は以上です。


619 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:38:13 WDomeaGA0
投下乙です

お騒がせしました、サルベージ完了したので投下させていただきます


620 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:38:56 WDomeaGA0

深夜。
何者かの監視から隠れるように、二人の男女が動きを止めた観覧車の中に潜んでいた。
一人は赤い服とミニスカートを着た少女だ。
つり目がちな目は勝ち気な性格を、その奥に宿る爛と輝く光は意志の強さを感じさせる。

もう一人は治安維持組織『HOLY』の制服を着た若い男だった。
痩せぎすの身体は、しかし、野獣じみた精気を発している。
そして、その隠し切れない獣性とは裏腹に瞳の奥には理知的な色があった。

少女は右手に刻まれた刺青を、左手に持った木杭でゆっくりとなぞる。
そう、少女は、『遠坂凛』は『方舟の聖杯戦争』とでも呼ぶべき聖杯戦争にマスターとして参加しているのだ。
となると、もう一人はサーヴァントであろう。
外見からクラスを察することは出来ない。

「ひとまずは、挨拶から。
 此度の聖杯戦争においてライダーのクラスにて現界しました。
 真名はストレイト・クーガーです」

しかし、凛と会話を交わしていることから、バーサーカーではないだろう。
かのクラスは特殊な例外を除き、言語能力の類を持たない。
ましてや、このサーヴァントの切れ長の目の奥からは確かな知性を感じさせるのだから。
何かを求める、探求者の目を。
根底は真理を求める凛と同じもののはずだ。

「真名を教えてくれるのね……それにしても不用心じゃない?」

凛は手持ち無沙汰に、ツン、ツン、と木杭を弄りながらライダーへと尋ねる。
『ゴフェルの木片』。
遠坂凛は、冬木の聖杯戦争における召喚時とは対照的に、その聖遺物を手に入れた。
入手させられた、と言い換えても良い。
兄弟子である言峰綺礼から手渡された木片。
遠坂凛の本命は、遠坂家に因縁の深い『冬木の聖杯』。
『方舟』の逸話は確かに興味が惹かれるが、あくまで本命は『冬木の聖杯』だ。
これは武者修行と言い換えても良い。
手渡してきた兄弟子――――言峰綺礼の挑発的な顔に、妙な反発を覚えたのだ。

それは反抗期の娘そのものの態度だった。

「それすらも一つの手札に加えるのがマスターの技量というものでしょう。
 それにこれから聖杯をめぐる戦争をともにするパートナーです、わざわざ隠すこともないでしょう」

そんな凛の若さを見透かすように、ライダーは言葉とは裏腹に仏頂面を崩さず応えた。

「つまり、宝具も?」

凛は面白くなさそうに顔を歪めながら、尋ねた。
周囲の監視は厳重に重ねている。
しかも、ライダーは真名を口にしたのだ。
ここまでくれば、宝具についても聞いておくべきだろう。


621 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:39:36 WDomeaGA0

「宝具については口で言うよりも実際に体験したほうが良いでしょう」

ライダーはそう言うと、胸元からサングラスを取り出した。
人工的な紫桃のサングラスだ。
そのサングラスを掛けると、触覚のような一房にまとめられた前髪が押さえつけられる。

「……体験?」

『見せる』ではなく『体験する』という言葉に凛は疑問の念を上げる。
しかし、ライダーは答えない。
押さえつけられた一房の前髪に右手の指をかけ。
すっと軽やかな動作でサングラスの拘束から解放する。

「私の宝具の名は――――」

その瞬間。
今まで仏頂面を続けていたライダーが破顔した。
子供のような、しかし、子供には絶対にできない。
そんな不思議な笑みだった。


「ラディカル!グッドスピィィィイド!!!」


光。
光。
そして、光。
その言葉と同時に光が溢れだし、凛の魔力回路に負担が生じる。
一面の光に凛の身体は包まれた。

「え?」

間の抜けた声だった。
常に優雅たれ、という言葉を自らに課している凛が出したとは思えない声だ。
しかし、それは無理もないことだろう。
今、目の前で起こっていること。
それは、凛も最初は理解できなかった。
次第に理解していき、顔を青くしていく。

二人の乗る観覧車が光りに包まれ、その外装を分解していく。
二人の乗るゴンドラはむき出しとなり、外装という外装は取り除かれる。
観覧車を成り立たせる必要最低限の骨格だけが残された。
その骨格を塗りつぶすように再び光が集う。
光は「ここではないどこか」から法則とエネルギーを引っ張り出してくる。
現実では起こりえるはずのない出来事を、無理矢理に押し通してくる。

そうだ。

――――ここではない、どこかから。

――――エネルギーを引っ張り出してくる。

遠坂凛には縁の深い。
遠坂凛がいずれ得たるべきだと考えている。

その技は。

――――その、『魔法』は。


「だ、第二魔法!?」


煩雑とした思考をまとめるように凛は大きく叫んだ。
人間が実現できるはずのない『魔の法則』。
それを目の前のライダーは軽々と使用してみせたのだ。


622 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:40:44 WDomeaGA0

「私の宝具は!なんでも速く走らせることが!出ぇ来まぁぁすぅ!!」

しかし、凛のアイデンティティすら揺るがしかねない激しい動揺は。
次の瞬間により大きな、即物的な同様に塗りつぶされた。

――――動くはずのない観覧車が、小さな風車もかくやというスピードで回転し始めたのだ。

「ちょ、ちょ、ハァ!?」
「イィィィィヤッホォォォォ!夜風が気持ちいいいいいぃぃぃ!」

クーガーの前衛的なセンスによって前衛的なデザインへと再構成された観覧車。
それは人工的な濃い紫桃にペインティングされており、
人を載せるゴンドラは鋭角な移住へと変わり、窓を廃することで直接風を感じることが出来る。
椅子もまた手狭になっており、少し身動ぎするだけですぐに剥き出しの窓枠へと身を任せてしまいそうになる。
ライダーのサーヴァントであるストレイト・クーガー。
彼は恐らく、観覧車に絶叫マシーンとしての性能を求めている性格なのだろう。

「これ、止めなさい!
 止めなさい!
 壊れないでしょうね、これ!?」
「やめてくださいよマスタァー!
 俺という速さを求めて止まない人間が、その速さが生み出す負荷を考えていないと思ってるんですか!?」
「あ、安心していいのね!?」
「それはそれとして速さと耐久なら速さを優先するに決まっているでしょう!」
「止めなさあああああああい!」

一瞬、令呪を行使することが頭によぎる。
だが、その一瞬の思考が命取りだった。
加速を増していくラディカル・グッドスピードに包まれた観覧車の暴走がさらに増していく。
その加速によって意識が飛びかけ、懸命に呼び戻す。
今の凛はこのスピードについていくことに精一杯だった。
そう、二人の乗った観覧車は、この瞬間、月の観測マシーンが誇る最大の絶叫マシーンへと姿を変えたのだ。


「見てくださいマスター、夜空に輝く星たちが高速で回転していますよ。

 わかりますか、俺達は今地球の超高速自転のスピードすらも凌駕する超スピードで動いているんです!

 気のせい?そんなわけないでしょう最速の男であるこの俺の宝具が地球ごときに負けるなんてそんなまさか!

 この瞬間の俺達は流星、光の速さで宇宙を旅して根源へと向かって加速し続ける!

 そうだァ!速さの奥に真理がある、魔術師は全てスピードレーサーになるべきなんですよ!

 わかりますかマスター!速さです!

 速さ!そこに全てがあるんです!

 人が失ったものはこの宇宙をめぐる星々のような速さなんです!

 俺はねぇ、その速さを求めているんですよ!人々が記憶の奥に失ってしまった速さを!

 その速さを手に入れた時、第二の魔法である向こう側の世界すらも見ることが出来るんですよ!

 わかりますかマスタアァァァァァ!」


人知を超える早口。
この急激なGにあふれる空間でここまで舌を回してよく噛まないものだ。
そこはまごうことなき英霊ということだろうか。
そして、英霊でない遠坂凛はというと。

「い……いぃ……かぁ!?ら、止めぇ……なァ!さいッ!」

同じ言葉を繰り返すことしか出来なかった。


623 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:41:52 WDomeaGA0
【クラス】
ライダー

【真名】
ストレイト・クーガー@スクライド

【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷EX 魔力D 幸運B 宝具B

【属性】
中立・中立 

【クラススキル】
対魔力:E
騎乗:B
自らの宝具によって分解させ、自ら専用のチューニングを施すことが出来る。

【保有スキル】
仕切り直し:A
戦闘続行:D
単独行動:C

【宝具】
『神髄へと至る道(ラディカル・グッドスピード)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
精神官能性物質変換能力、通称『アルター能力』の一つ。
各人によって異なるアルター能力だが、クーガーのアルター能力はあらゆるものを速く走らせることが出来る能力。
その際に生じる負荷は凄まじく、能力を解除すると骨格であるエンジンなども崩壊してしまうほど。
自らの身体に『鎧』を構成させることも可能である。

【weapon】
ラディカル・グッドスピードによってブーツを再構成させ、そこから生み出されるスピードでの格闘戦。

【人物背景】
横浜を中心に起こった謎の大隆起現象によって生み出された『ロストグラウンド』の住民。
わずかに残された市街とは別の崩壊地区で生まれ、育ち、やがて市街の武装組織『HOLY』の一員となる。
アルター使いであるため、ロストグラウンド外の本土から様々な非人道的手術を受けている。
その生い立ちからか、はたまた元よりの性格か、『文化の神髄』を求めている。
そして、それこそが『速さ』であると考えている。
人智を超えた早口。

【サーヴァントとしての願い】
今よりも凄まじい速さを手に入れる。

【基本戦術、方針、運用法】
宝具を利用したヒット・アンド・アウェイ。


624 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:42:28 WDomeaGA0
【マスター】
遠坂凛@Fate/Stay Night

【参加方法】
兄弟子の言峰綺礼から渡された『ゴフェルの木片』を、半ば喧嘩腰で受け取ったため。

【マスターとしての願い】
魔術師である以上、聖杯を利用した真理への到達が目的である。

【weapon】
魔術。

【能力・技能】
本来は二つの属性の魔術を使えれば有能であるが、凛は五つの全属性を扱うことが出来る。
宝石に込められた魔術を利用する『宝石魔術』を得意としている。

【人物背景】
冬木の管理者・遠坂の六代目継承者。
本来参加するはずであった冬木の聖杯戦争では最優とされる「剣士」の英霊を召喚すべく準備してきた。
だが、召喚の触媒が用意できず、父・時臣の遺した宝石で儀式を行う。
結果、赤の弓兵を召喚。
学園で起こったランサーとの戦闘に巻き込まれ口封じのために殺害された衛宮士郎を、自らの魔術で蘇生し助ける。
その後、期せずしてセイバーを召喚した士郎と同盟を組み、聖杯戦争を戦う。

【方針】
優勝狙い


625 : 遠坂凛&ライダー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 02:43:04 WDomeaGA0
投下終了です


626 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 02:43:29 XlFzB7Xs0
投下&再構成お疲れ様です。

遠坂凛、ランサーで投下します。


627 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 02:45:38 XlFzB7Xs0


 妹が離れ父が死亡し母が狂った。
 これが彼女の親族の成れの果てであり独り残された少女は似たように構成された住居で泣いている。
 見知らぬ場所だが知っている、この家は彼女の家であるのは間違いない。
 方舟に構成された限りなく現実世界に近い空間で彼女は独り……泣いていた。


 ここは聖杯戦争……運命の崩壊を引き起こした根源であるあの記憶の亜種。
 舞台と役者は違えようど彩る装置は変わらず願いを餌に殺戮を強要する。
 

 少女の名前は遠坂凛、由緒正しき遠坂の実縁に該当する正式後継者だ。
 幼いながらも初歩魔術を行使出来る程の天才であり、彼女もまた自分でその才能を理解している。
 順当に行くならば偉大な魔術師に昇り詰めた父に全てを叩きこまれ立派な後継者になるはずだった。
 だが聖杯戦争と呼ばれる奇跡を覗かせた永遠の闇に全てが飲み込まれてしまった。


 父――遠坂時臣は聖杯戦争に参加、そのサーヴァントはアーチャーと呼ばれ彼の優勝は固いはずだった。
 能力値だけでは世界を語れない、運命とでも呼べばいいのだろうか。彼は全てにおいて見放されていた。
 手駒に成り下がらないサーヴァント、暗躍する陰謀、裏切りを引き起こす弟子、そしてサーヴァント……。
 負の連鎖は止まることを知らず彼がこの世を去るのに時間は必要何て存在しなかったのだ。


 残されたのは彼女と妹、そして母。
 妹は養子として家系を離れていた。
 母は父を失ったこと、そして重なる幼馴染とのすれ違いから崩壊を起こしてしまった。
 残る家系は幼い彼女のみだ。しかし少女に全てを背負わせる現実は過酷の領域を軽く超えている。
 されど退路は無く進むしか無い。少女は悲しみを背負いながら確実に歩を進めていた。


628 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 02:46:54 XlFzB7Xs0


 何時まで泣いていられない、例え誰も彼女を見ていなかろうが次期当主の沽券に関わる問題だ。
 少女は強くならなければならない。遠坂の名を落とす訳にはいかないのだ。
 奮起する少女を誰が咎めようか。悲しみを背負いながらも走り続ける遠坂凛を誰が笑うだろうか。


「私はもう泣かない……遠坂家の名を背負って聖杯を手に入れるの……!」


 彼女の父である遠坂時臣は聖杯を求めた。それは遠坂家の悲願であり魔術師としての地位を飛躍させる。
 父が成し得なかった願いを娘が引き継ぐ――凛は当主の名の下に聖杯を目指す。
 彼女が何故聖杯戦争に参加を、資格を得たのだろうか。
 そもそも彼女の父が参戦した聖杯戦争から確実に歳月の経過が足りなく聖杯戦争はまだ開戦されないはず。
 彼女が今宵の月を背に願望を望ませる聖杯戦争に参加理由――それは『神父』から送られたアゾット剣だ。


 神父は亡き父の弟子であり凛もよく知っている人物、その名を言峰綺礼。
 彼は凛に生前父から授かったアゾット剣を形見代わりに引き渡した。その箱だ。
 箱の構成物質は『木片』であり今回の聖杯戦争に参加する資格の一つ。
 彼女はこの事を知らず結果として意思とは関係なく聖杯戦争に身を委ねる事になってしまった。
 しかしそれは遠坂家の悲願であり彼女としても退く理由はないのだ。
 

 恐怖はある。


 家族の崩壊を引き起こした聖杯戦争に自分が参戦してしまったのだ。
 これから待ち受ける運命は過酷の領域ではない。恐らく幼い彼女には支え切れぬ重圧。
 独りの少女に乗り越えられるだろうか――独りではない。


「おい、泣き終わったか?」


 決意を決めたマスターを見計らって彼女のサーヴァントが姿を表わす。
 その性は男、クラスはランサー。
 現界するとそのままマスターの元へゆっくりと歩き出し始めた。


「な、泣いてなんかいないもん! ……ありがとう」


「あん? 礼を言われるような事なんざやってねぇ」


「……私に気を遣って姿を消していたんでしょ?」


 凛の言葉を聞き足を止めるランサーの表情は強張っていた。
 その言葉の通り彼は少女に気を遣い姿を消していたのだ。彼なりの優しさである。
 幼いながらマスターの将来性は高いようで魔力の素質も充分過ぎる領域であった。


「……ガキはガキらしくしといた方がいいぜ?」


629 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 02:48:13 XlFzB7Xs0


 ステンドグラスから差し込む月光が少女と男を照らす。
 マスターとサーヴァント、その関係は主従、戦争に選ばれた運命共同体。
 

「これからはよろしくねランサー……辛い戦いになると思うから」


「へっ、上等だぜ」


 弱気なマスターの声に反逆するように当然の返しを行うランサー。
 元より聖杯戦争に生半可なサーヴァントは存在しない、楽な道など最初から在り得ないのだ。
 今宵の宴は戦争で彩る野蛮なアンサンブル、望む所と言わんばかりの決意。


「これは遠坂家の悲願……私が、遠坂凛が成し得てみせる……ッ!」


 遠坂家。この単語を聞いたランサーの表情は急に血相を変えた。
 今このガキは何と言ったのか、遠坂家だ。遠坂、あの『遠坂』と言うのだろうか。
 ランサーは英霊として呼ばれたサーヴァント、つまりこの世には既に別れを告げている。
 その彼が遠坂家を知っている理由はあるのだろうか、在る。


『彼は聖杯戦争に参加するのは二度目であり、この生は三度目になる』


 ランサーは過去に聖杯戦争に参加している、それもマスターの父である遠坂時臣が参加していた時ではない。
 遠坂凛が参加していた聖杯戦争――彼女の未来の姿が参加していた聖杯戦争に参加していた。
 その戦績は優勝に辿り着くことは無く彼もまた再びこの世を去っていたのだ。
 これは何の因果だろうか。元々二度目の聖杯戦争を体感するサーヴァントは極稀である。
 その資格を得ただけでも奇跡の領域だが彼のマスターは『彼の知っている人物の過去の姿』だ。


 聖杯とはどの時代でもロクでもない代物だ、最初から解り切っていた。
 月とは名に付いているがその本質は彼がよく知る悪趣味な器と変わりはない。
 ならば今宵の戦争も強者との戦いに身を馳せ参じるのみ――願いはない、マスターにくれてやる。
 三度目の生に興味など無く男はこの高鳴りを満足させるべく少女と共に月の夜を駆け巡る。


「小娘め……俺は歳取って出直して来いと言ったんだがな……ガキになって来るとは面白れぇじゃねぇか」




【マスター】遠坂凛@Fate/Zero

【参加方法】ムーンセルによる召還(木片はアゾット剣の収納箱)

【マスターとしての願い】遠坂家の悲願である聖杯を持ち帰る。
            
【weapon】アゾット剣…柄の先に宝玉がある短剣。対象に刺した後に魔力を込めることで貯められた魔力を開放する。
           余談ではあるが凛の父である遠坂時臣を殺害した武具である。
     
【能力・技能】五大元素使いであり幼い身でありながら既に初歩魔術行使できる。
       その才能、素質共に最高の魔術師になれるであろう
       
【人物背景】偉大な魔術師である父を持っていたが聖杯戦争で父は死亡し、それがきっかけで母も人格に異常を起こしてしまった。   
      唯一残された彼女は由緒正しき遠坂家のためにも立ち止まることはなく魔術師としての鍛錬を怠らない。


【方針】遠坂家の悲願である聖杯を持ち帰るためにランサーと一緒に生き残る。


630 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 02:49:10 XlFzB7Xs0


【クラス】ランサー

【真名】クー・フーリン@Fate/stay night

【パラメータ】筋力B 耐久C 敏捷A 魔力C 幸運D 宝具B+

【属性】秩序・中庸

【クラス別スキル】
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない
 
【保有スキル】
 戦闘続行:A…往生際が悪い。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命的な傷を受けない限り生き延びる。
 仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。  
 ルーン:B…北欧の魔術刻印・ルーンの所持。
 矢よけの加護:B…飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え、対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。
 神性:B… 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。 

【宝具】

『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大捕捉:1人
 突けば必ず相手の心臓を貫く呪いの槍。ゲイボルクによる必殺の一刺。
 その正体は、槍が相手の心臓に命中したという結果の後に
 槍を相手に放つという原因を導く、因果の逆転である。 
 ゲイボルクを回避するにはAGI(敏捷)の高さではなく、ゲイボルクの発動前に運命を
 逆転させる能力・LCK(幸運)の高さが重要となる。


『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』
 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:5〜40 最大捕捉:50人
 ゲイボルクの呪いを最大限に開放し、渾身の力を以って投擲する特殊使用宝具。
 もともとゲイボルクは投げ槍であり、使用法はこちらが正しい。
 死棘の槍と違い、こちらは心臓命中より破壊力を重視し、一投で一部隊を吹き飛ばす。
 
【weapon】なし

【人物背景】
 正体はケルト神話における大英雄で、アイルランドの光の皇子・クー・フーリン。
 かつては聖杯戦争に招かれ最終的には言峰綺礼のサーヴァントとなり凛達と戦いを繰り広げた。
 その最後は令呪の結果にも反逆を起こし奇跡を成し遂げた上での脱落、遠坂凛に全てを託した。   
 何の因果か、今度は幼い遠坂凛のサーヴァントとして三度目の生を受け取った。

【サーヴァントとしての願い】
 三度目の生に興味はない、強いて言うならばマスターに捧げる。

【基本戦術、方針、運用法】
 マスターを守りながら自分の気が赴くままに聖杯を戦争を生き抜く。


631 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 02:51:26 XlFzB7Xs0
投下終了です。

個人的には衛宮士郎とエミヤのように、

遠坂凛@Fate/stay nightと遠坂凛@Fate/Zeroは別枠だと考えております


632 : 遠坂凛&ランサー ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 03:03:55 XlFzB7Xs0
すいません、タイトルが抜けていました。

上記通りでお願いします


633 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 03:12:11 BaP015nE0
>>615はこちらに修正します。



◇    ◇    ◇


方舟内 模造冬木市 仮の自宅 01:35 a.m.

無事少女を救出しその場を去った五代たちは、偽りの生活のために用意された自宅で聖杯戦争についての確認を行っていた。

「へぇ〜、じゃあさくらちゃんのさっきの力はそのカードを使ってたんだ」
「うん!最初に火を消したのが『水』で、柱を持ち上げた時に使ったのが『力』のカードです。みんな優しくていい子達ですよ」

お互いの素性を話し終え、早くも打ち解け始めた2人にケルベロスは安堵していた。

(さくらが悪い奴に呼ばれへんで良かったわ…クウガとかいうんはビビったが、あいつはええ奴や)

五代雄介という男の人柄を見極め、ケルベロスは本題を切り出す。

「ほんで、あんさんはこれからどないするつもりや?ここに居るっちゅうことは叶えたい願いとかあるんやろ?」
「うーん、たぶん世界のみんなを笑顔にしたい、笑顔を守りたいって思ってたから聖杯戦争に呼ばれちゃったんだと思う。
でも、聖杯で笑顔になってもそれは心の底から幸せなことじゃないと思う、俺の技でみんなが笑顔になってくれた方が嬉しいじゃない。
それに、コレを使って願いを叶えても悲しくなるだけだよ」

そう言って握った拳で左の手の平を殴る。
五代の顔は本当に悲しそうな顔をしていた。

「だけど、たぶん沢山の人が聖杯を求めて戦うだろうし、グロンギみたいに人を殺す事をなんとも思わない、むしろ好んで殺して回るような奴もいるかも知れない。
そういう人達には説得して、場合によってはサーヴァントを倒さなきゃならないこともあるかもしれない。
俺の力じゃ壊すことしかできないから、こんなこともうできないように聖杯を壊したいと思う。
誰も死なないようにいろんな人と協力して…さくらちゃんたちはどう?」
「わたしも願いは自分で叶えたいもん。聖杯なんてなくても大丈夫です。
きっと協力してくれる人もいっぱいいるよ!」

五代の方針はさくら達にとって悪いものではなかった。
だが、ケルベロスは一つ疑問を口にする。

「でもサーヴァントを倒したら、そのマスターも死んでまうやないか」
「それなんだけど、サーヴァントを倒してもマスターが死なないようにする方法を探せばいいじゃない」
「そんな都合よくいかへんのとちゃう?」
「聖杯戦争にはいろんな英雄がいるんだから、みんなで協力すればできないことなんてないよ。
さくらちゃんなんてこの世でいちばん強い魔術師なんだから、方法さえわかればマスターとサーヴァントの繋がりを無くすことだってできるかもしれないでしょ?」

(繋がりを無くす…繋がりを"消"す?……そうだ、『消(イレイズ)』!!)

カードの応用によって危機を乗り越えてきたさくらの脳内に、ひとつの策が浮かぶ。

「ケロちゃん、五代さん!『消』を使えば魔力のリンクを消せるかも!」
「その手があったか!でかしたでさくら!」
「よくわかんないけど方法が見つかったなら、その方法を試してみよう」

こうして、五代たちの聖杯戦争は始まった。
心優しい2人の方針は、他から見たら甘い考えかもしれない。
それでも2人ならやってくれる――2人なら絶対、大丈夫。


634 : ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:28:54 s.ZMU5z60
投下します。
設定に一部不安がありますが、もしダメなら投票で弾いて頂ければいいので


635 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:29:58 s.ZMU5z60
日差しが水平線に登る頃。
遠い音楽が聞こえる。鳥の歌が彼女の耳に流れこむ。
サラサラ流れる風のなかで1人、彼女は歌を聞いていた。
ノアの方舟に呼ばれて離れてしまったあの事務所から、遠い街から届いてくるあの歌を思い出す。
聖杯戦争。
世界の運命を覆すことができるモノ。

「ずっと眠っていられたら、この悲しみを忘れられる。そうなのかしら?」

いつの間にか現れた隣の気配を察知し、如月千早は顔を向けずに語りかける。
返事はない。
何故なら隣に立っている彼は狂戦士なのだから。
彼女は自身のサーヴァントにある種の羨望を抱いていた。
狂気に侵され、心が眠ってしまえば、悲しみを感じずに生きてゆけるのだろうと。

「ねぇ、あなたは今どんな気持ちでいるの?」

答えが来ないのは分かっていた。
分かっていても聞かずにはいられなかった。
いや、返事がないからこそ彼女は彼に話しかけているのだろう




「私は……どうしたいか分からないの。いえ、どうするべきか分からないの」




幼少の頃に弟を亡くして以来、如月千早はずっと歌を歌ってきた。
いや、見殺しにしてしまった弟のためにも歌い続けねばならないと思っていた。
その手段のためにアイドルになり、仲間と触れ合い。トップアイドルを目指し。
いつしか、アイドルは彼女の手段から目的へと変わりつつあった。
――――あの日が来るまでは。




絶望はなんの前触れもなくやってくる。
ゴシップ誌によって白日の下に晒された自身の過去。
いくら足掻こうとも出てこなくなってしまった歌声。
アイドルをやめようと決めた。

「私はアイドル。そう、アイドルだったわ
 私には、夢があった。いえ、私達みんなに夢があったの」

同じ事務所にいるアイドルや社員達を仲間だと思えるようになっていた。
トップアイドルという夢を仲間とともに目指すのも悪く無いと、そう思っていた。
あと少しだけ……あと少しだけでいいから、みんなと事務所にいたかった。
この色鮮やかな日々を無かったことになどしたくはない。
関係をなかった事になど容易くはできない。

「でも、私はもう歌えないから。私はもう価値の無い人間になってしまったから」

親友の天海春香に告げた決別の言葉、それが全てだった。
彼女の歌は亡き弟のために歌われたもので、今更自分のために歌うことなどできない。
765プロの仲間達はそれでも事務所に残っていいというのだろう。
しかし、それは他でもない如月千早が許せなかった。
だからなのだろう。彼女は今、聖杯戦争のまっただ中にいた。


636 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:31:28 s.ZMU5z60



「私のこの両手で何ができるの?」




選びとる選択肢は2つ。
殺すのを拒否し、何としてでも脱出をするか。
聖杯を得るために他の参加者を殺しつくし、願いを叶えるのか。
彼女の右手に刻まれた令呪が無力な彼女に可能性を与える。
傍らに立つサーヴァントが彼女の翼となる。
倫理的に考えれば人を殺すなど許されるはずがない。
それは理解していた。

「でもこんなチャンスを……逃がせるの?」


そこまで考えたところで彼女の思考は止まる。
彼女には確信めいた予感があった。
手を血で染めて願いを叶えれば、自分はこの先二度と歌えないだろう。
そうなってしまえば、あの事務所へ帰ることはもはや無い。
いや、たとえ歌えようとも血で真っ赤なった手で仲間と触れ合うことを千早自身が許せない。

夢見た未来をみんな見たい。
そんな夢物語が通用するはずもないのはとっくに分かっていた。
弟と事務所の仲間は二者択一。

隣にいたいと思っていた。
団結を、困難も仲間となら乗り越えられることを信じていた。
けれども――――。




「さよならを決めたことは決してあなた達のせいじゃないわ」

しっとりとゆっくりと彼女は言葉を紡いでゆく。

「けれども、やっぱり私はダメなの」

仲間たちへの決別の言葉を。

「思い出をありがとう……輝く時間をありがとう。
 きらめく出会いを……ありがとう」




◆  ◆  ◆


637 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:32:25 s.ZMU5z60



しばしの間、身じろぎ一つもせず瞳を閉じて佇んでいた千早。
その瞼が上がり、双眸でキャスターを見上げる。
3つの顔に6本の腕を持つ、まるで阿修羅像のような蒼い肌をした異形――アシュラマン――。
怒りのみを表したその面からは逆になんの感情も読み取ることができない。
いや、そもそも感情自体が存在しているのかが怪しい。
狂化の影響により、完全に自我を喪った彼を千早は見据える。

「少し……話させてもらってもいいかしら?」

先刻と同様に返事はない。
元々会話などは求めていなかった。
ただ、自身の心情を吐露できる何かが欲しかった。
故に物言わぬアシュラマンにその役割を求める。



「もう、何年も前の話ね。私には優って名前の弟がいたの」
「自分で言うのも恥ずかしいけど、私達はとても仲の良い姉妹で、優は私の歌をいつも楽しそうに聞いてくれていたわ」

郷愁と痛みの2つの感情が心中で渦巻くなか、過ぎ去った日々を思い返してゆく千早。
目を閉じれば2人で遊んでいたあの光景が鮮鋭によみがえる。

「あの子は、優は私の歌が好きだったわ。そして私も優の前で歌うのが好きだったの」

そう、好きだったの。
小さく呟き、彼女は自身の傷口を抉り出しにゆく。

「けど、あの子は呆気無く死んでしまったわ。私の目の前で、トラックに轢かれて」

彼女は弟の死を淡々と述べた。
しかし、次の言葉はそう簡単に出てこない。
歯を噛み締めながら無理やり言葉を絞り出す。

「助けることもできたはずなのに、私はただ見てることしかできなかった……」

それは懺悔。

「済んだことなんて割り切れるはずがない、時が経ったからって忘れられるわけがない」

彼女の中に根付き続けている後悔。

「もし優が生きていたら、私の歌を聞いてくれていたら
 そんな夢をずっとずっと思い描いていたの」

そして"ありえないこと"だったはず夢。

「ずっと待ち続けた温もりにやっと会える。一度だけ、もう一度だけでいいから聞きたい。優のヒトコトを」

その"夢"が叶う可能性を得てしまった千早はもう止まれない。

「たとえ……それが地獄を歩む道であっても」



最後の言葉は血を吐くように搾り出された。
そして、俯いた顔を上げ、自分より二回り以上大きいバーサーカーの顔を見上げる。
千早は自分が見たものが信じられなかったのか、確かめるように呟く。


638 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:33:32 s.ZMU5z60



「貴方、泣いているの?」



鉄面皮の上を涙が伝っていた。
流れ落ちたのはほんの数滴の雫。
ほんの僅かであるも初めて見せた彼の自我に千早は驚愕する。
が、驚愕も一瞬のこと。
千早は目が逢う瞬間に理解した。
容易く分かってしまった。

「私といっしょなのね」

彼も自分も同じなのだと。アレは家族を亡くしたものの目なのだと。

「こうして巡りあったこと、偶然じゃないかもしれないわね」

光の中で見えないものが、闇の中に浮かんでみえる。
同じ夢を叶えてゆきたい、そう思った。彼女はとうに気づいているから。
ロストしたものを取り戻す。そのために彼は戦いに身を投じたのだと。
彼女の推測は当たっていた。
アシュラマンは息子を殺してしまった過去を変えるため。
自身に流れていた悪魔の血を否定したが故に、血に抗えなかった息子を殺める結果になった過去を改編するため。
正義などに絆されず、悪魔超人としての生を完遂するため、やり直すため。
そのために聖杯に望みを託したのだ。
弟と息子、事故死と他殺。
細かい境遇は違えども、2人は『亡くしたものを取り戻したい』そんな同じ希望に燃える仲間同士であった。
アシュラマンの無言の決意が千早の背を押す。
決意がより強固なものへと塗り固められてゆく。
彼女はシャングリラへと戻らないと決めた、新たなアルカディアを探して旅立って行くことを決めた。
そう、終わらない夢の世界へと。

「ごめんみんな、私は約束を守れないみたい」

ラムネ色をした爽やかな青春の日々は過ぎ去った。
彼女の鈍い色をした甘さは冷たい熱でチョコフォンデュの様にどろどろに融かされた。
これからは千早とアシュラマンによって青き交響曲が奏でられる。

「いえ、その前にやらなきゃいけないことがあるわね」

そう言って彼女は右手に刻まれた令呪を眺める。
今からやることが無駄でしかないことは分かっている。
愚かなことであるというのも分かっている。
それでも彼女はやらずにいられなかった。沸き起こる衝動を抑えることができなかった。


639 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:34:55 s.ZMU5z60





「令呪を以って命じるわ。バーサーカー……狂化を解除しなさい」






千早の右手の甲が輝き始め、令呪が一角消え去る。
狂戦士は6本の腕全てで頭を抱えた。
その動きから分かるもの、明らかな拒絶。
こうなることは分かっていたと言わんばかりに千早は一片の動揺すら見せずに続ける。

「令呪を以って再度命ずる――――狂化を解除しなさい」

それは、今まで観測された聖杯戦争において例を見ない試みであった。
バーサーカーの召喚理由としてあげられるものは主に以下の2つ。
『狂化によるサーヴァントのステータスのアップ』
『思考を廃することによる裏切りの防止』
狂化を解除してしまってはその恩恵を失う。
有り体に言えばわざわざ狂戦士のクラスで召喚する必要がはじめから無いということなのだ。
しかし、彼女は貴重な令呪を消費してまで狂化を解除しようとする。
彼が来てしまったからこそ、彼女はこうせざるを得なくなってしまった。


そしてアシュラマンの動きが止まり、縋るような体勢からゆっくりと立ち上がった。

「なぜ……私を放っておかなかった」

全身の筋肉が膨張し、体を内部から破裂させそうなほどの怒気が漏れ出す。
顔を見れば、先程までの鉄面皮とは一転して仁王が如き表情を浮かべていた。
常人ならばその眼光だけで体を硬直させるであろうそれ。
返答が気に食わなければすぐにでも殺すと言わんばかりの殺気。
首筋がチリチリと灼けつくような感覚を受け止めながら、千早は無表情の中に感情を乗せ、吐き捨てるように言った。

「気に食わなかったの」
「何ッ?」

思いがけぬ答えにアシュラマンの顔に僅かな困惑が浮かんだ。
千早は怯んだ彼に対して遠慮無く言葉をぶつけて行く。

「私は弟の、優の死を忘れない。決して忘れていいことなんかじゃない。
 なのに……アナタは狂気に逃げ込んで何もかも曖昧なままで戦う。
 私には、それが、許しがたくって、腹が立って、目をこじ開けたくて。
 だから、令呪を使ったの、使わなきゃいけなかったの」


640 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:36:07 s.ZMU5z60

平坦、淡白、されどあらんばかりの感情を混ぜ込んだ言葉。
その中に含まれているのは嫌悪、そして嫉妬。
如月千早はバーサーカに妬いていた。
狂気によって心を塗りつぶされ、全て忘れ、そして願いが叶う。
羨ましかった、妬ましかった。故に令呪を2画使ってでも彼に正気を取り戻させようとしていた。
そんな生臭い感情に当てられ、悪魔超人は高らかに笑う。

「カ〜カッカッカッカ。私よりも悪魔じみてると言わざるをえんなぁマスター。
 認めてやろうではないか。確かに私は逃げた。逃げて狂化という甘い蜜に飛びついた。
 だが、無駄だ!! お前ごときでは、お前の力量では、まだわたしを屈服させるには足りん!!」
「ッくっ……!」

怒りではない。
嘲りでもない。
裂帛の叫びから感情を読み取ることはできなかった。
しかし、千早は一つだけ理解していた。
負けたのだと。
魔術師でない自分の力では令呪二画でも足りないのだと。
彼の狂化を完全に解除するには至らなかったのだと。
思わず臍を噛む。

「さらばだマスター。この失敗に懲りずに最後の一角を使いたくばいつでも使うがいいぞ。
 お前にその覚悟があればの話だがなぁ。カーッカッ罅虧痂噬馨搗嗄■■■■■■―――――!!」

そんな千早の様子も意に介すことなく、アシュラマンは高笑いをしながら狂気の世界へと堕ちていった。
後に残されたのはアシュラマンの形をした肉の塊。
ただそこにいるだけ、その姿に千早は唇を噛んだ。
しかし、今の自分では令呪をいたずらに消費することも理解していたため、これ以上の深追いは行わない。
千早は大きくため息を吐いた。





◆  ◆  ◆


641 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:37:24 s.ZMU5z60





もう伏し目がちな昨日なんて要らない
煌く星はもう見えない。輝く笑顔はもう見れない。
まだそこに壁はあるけど、もう平気飛び越えるあの夢に向かって。
色んな物、色んな事をたいらげたら、あとちょっとだけ頑張ろう。


決意を固めるなか、仲間のことを改めて思った。

「春香……」

親友の名を呟いた瞬間、確かな痛みが胸に走る。
痛みが遠くすぎさるまで涙は見せるな。
自身をそう叱責し、滲みそうな涙を押し込める。
その足で立ち、共に在れ。
今の自分の相棒は765プロの仲間ではない。
隣に立つ、気に食わない男なのだ。

「ごめんなさい」

謝罪の言葉は風に溶けて消える。
今の彼女はマッチ売りの少女。寒さに怯え、手にした小さな明かりに縋りつく少女。
彼女の理想郷は本当に存在してるのか。
蒼い鳥は果たしてその先で羽ばたいているのだろうか。
弟の死という雪が解けた時、変わる世界がどうなるのか。
我が道を行き始めた彼女はそんなことなどどうでも良かった。

「さようなら、思い出の日々」

終わらない彼女の歌が終わりを告げた。
彼女の道のりは今スタートする。





【マスター】如月千早@THE IDOLM@STER(アニメ版)

【参加方法】ムーンセルによる召喚(木片の入手法は後者に任せます)

【マスターとしての願い】幼少時に事故死した弟を甦えらせる
            
【能力・技能』特になし。強いて言えばアイドルとしてレッスンを受けているので何の運動もやっていない同年代の少女よりは身体能力が高いだろう
       
【人物背景】
芸能事務所765プロ所属のアイドル。
弟を亡くしたことをキッカケに、歌に対して妄執に近い感情を抱くことになる。
性格は生真面目でクール、かと思いきや意外と笑い上戸な面も


【方針】
弟を蘇らせるために優勝する。
狂化に逃げたアシュラマンが気に食わないから可能なら狂化を消す。
後は他の書き手さんにお任せします。


642 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:42:15 s.ZMU5z60
【クラス】
バーサーカー
【真名】
アシュラマン(キン肉マンII世)
【パラメーター】
狂化時:筋力A+ 耐久A+ 敏捷B 魔力D 幸運D 宝具C
通常時:筋力A  耐久A  敏捷C 魔力D 幸運D 宝具D
【属性】
 秩序・悪 

【クラススキル】
狂化:C 魔力と幸運以外が上昇するが、言語能力を失い、複雑な思考ができなくなる。

【保有スキル】
超人レスリング:A
超人レスラー最上位の1人であることを示す。
リング上ではステータスが上昇する(これにスキルのランクは関係しない)            

トラウマ:A
子殺しという罪を背負った時に生じたトラウマ。
親子の情を見たり、恐怖に怯える子の姿を見ると一時的にステータスが大幅に減少する。

老将:C
若い肉体を持ちながらベテランの老獪さと頭脳を持つことにより生まれたスキル。
「肉体」が技を覚えているため狂化していながらもフェイバリットホールドを繰り出すことができる。
しかし、細かい駆け引きや立ち回りなどは行うことができない。

三面:C
戦闘の際に特性の違う3つの面を切り替えることができる
なお、現在は狂化の影響で怒り面に固定されており切り替えることができない

【宝具】
究極阿修羅九所蹂躙絡み(アルティメットアシュラバスター)
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
数多の技を持つアシュラマンであったが、この技のみが彼を代表する技として宝具になった。
通常の阿修羅バスター同様、6本の腕で相手の両腕・両脚を固めた後、さらに両脚を跳ね上げて首もフックする。
阿修羅バスターと改良阿修羅バスターの欠点を克服した最強の阿修羅バスターで、絶大な威力を誇る。

恐怖の将が与えたもうし結晶(ジェネラルストーン)
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
恐怖の将こと悪魔将軍によって与えられた膨大なエネルギーの込められた石。
他の超人たちは肉体強化の用途でこの石を取り込んだが、アシュラマンのみは全盛期の肉体を取り戻すに留まっている。
この宝具を失うとアシュラマンの肉体年齢は58歳時のかなり衰えたものになってしまう

【人物背景】
本来悪魔超人であったが、キン肉マンとの幾度化の戦闘により友情に目覚め正義超人入りする。
しかし、後に彼の息子であるシバが自身に流れる悪魔超人の血に贖うことができず、ついには母殺しの大罪を犯してしまうことになった。
アシュラマンは妻を殺した息子を粛清し、自身が正義超人になったがゆえにこの悲劇が起きたのだと嘆く。
そして彼は息子への贖罪のために再び悪魔超人として生きていくことを決意した。
悪行超人の悲願であった悪魔将軍の復活を果たすために、かつての好敵手、キン肉スグルの息子であるキン肉万太郎と激突する。
なお、キン肉マンII世時の彼は58歳であり、悪魔将軍から授けられたジェネラルストーンによって全盛期の肉体を取り戻している。
ベテラン超人の頭脳とテクニックと若手の身体能力の組み合わせは恐ろしく、上記のトラウマで自滅していなければ万太郎は敗北していただろうと思われる。
余談であるが彼のバストの数値は145である。他意はない。繰り返す、他意はない。

【基本戦術、方針、運用法】
自身の肉体を武器に戦うバーサーカー
絡め手はそれほど得意でないので真っ向勝負を挑ませるのが吉か
聖杯に懸ける願いは「情に絆されることなく生粋の悪魔超人として人生をやり直す」こと


643 : 如月千早&バーサーカー ◆gET0fqCtw2 :2014/07/05(土) 03:43:08 s.ZMU5z60
投下完了です。
ぶっちゃけ狂化と令呪周りの設定は自信ないので指摘あればお願いします


644 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/05(土) 03:46:58 BaP015nE0
何度も申し訳ありません
>>616のパラメーターを修正します。
他にもおかしな所が多いかもしれないので、指摘があれば直したいと思います。

【クラス】
キャスター
【真名】
木之本 桜
【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E+ 魔力A++ 幸運A 宝具EX
【属性】
 秩序・善 
【クラススキル】
陣地作成:B
さくらカードを併用して魔術工房を作成する。
道具作成:C+
キャスターのクラススキルで知識を得たことで、少し強い魔道具を作れるようになった。
【保有スキル】
高速詠唱:B
魔術の詠唱を高速化するスキル。
気配感知:A 
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
さくらの場合、高い魔力を持つ人や物、見知った人物やサーヴァントの気配を感知することができる。 
直感:B
高い魔力による危険回避能力。
また、培った洞察力で戦闘中に相手の弱点や活路を見出すことができる。
未来予知:C
自分の見に起こる危険や大切な出会いを予知できる。さくらの場合正夢としてしか見ることができない。
仕切り直し:C
戦闘から離脱する能力。また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
無敵の呪文:A
さくらの危機的状況を何度も救ってきた無敵の呪文。
精神干渉や危機的状況になると発動する。
発動後は精神面への干渉・汚染を無効化し、4ターンの間は魔力&幸運が1ランク上昇する。



【宝具】
『万物の理を司りし精霊の札(さくらカード)』
ランク:EX 種別:対人〜対城宝具 レンジ:〜99 最大補足:1000人
クロウ・リードが作った52枚のカード+さくらから生まれた『希』のカードから成る53枚のカード。中には自然や幻影等の様々な力を持つ精霊が封じられている。元はクロウ・リードが作ったクロウカードだったが、さくらによって全てのカードがさくらカードに生まれ変わった、全ての精霊はさくらが大好き。使用することで一つ一つのカード込められた効果を発揮する。『風』『水』『火』『地』等の自然の力を起こすカード、『力』『闘』『盾』『剣』『翔』等の強化・補助の力、『幻』『夢』『輪』等の相手を惑わせる力、他にも『時』『消』『鏡』『双』など効果は様々で状況によって使い分けることができる。

『守護者』
ランク:A 種別:召喚宝具 レンジ:― 最大補足:―
「守護獣・ケルベロス」と「審判者・月(ユエ)」を召喚する。
ケルベロスに限り日頃からずっと側にいたという逸話から、ケロちゃんモードだと魔力消費なしに永久的に限界することができる。
【weapon】
『星の杖』…さくらが魔法を使う際に使用する杖。普段は鍵の形をしており、首から下げている。
『ローラースケート』…普段から外出時などに愛用しているローラースケート。敏捷に少し補正がかかる。
【人物背景】
父親の書庫にあったクロウカードの本を開いてしまい、中で眠っていたケルベロスと出会いカードキャプターとなった。
運動神経がとても良く、モデルの仕事をしていた母親似の容姿と、その人懐っこさから誰とでもすぐに"なかよし"になることができる。料理(特にホットケーキ)も得意で、家事や裁縫もこなせる凄い少女。
最初は魔力も弱く、カードの扱いも上手くなかったが、数々の困難を乗り越え今ではクロウ・リードをも凌ぐ『この世で いちばん強い魔術師』となった。
【サーヴァントとしての願い】
お父さん、お兄ちゃん、知世ちゃん、クラスの皆…そして、「いちばん好きな人」李小狼。大切なみんながずっと笑顔でいること。
【基本戦術、方針、運用法】
相手を傷つけないように拘束したり、どうしてもダメな時は魔法で自身を強化して応戦する。強い相手には魔術で撹乱したりして撤退する。
聖杯戦争をやめさせる為の協力者を探し、万能の願望機を破壊する。
基本的には話し合いで解決したいが、危険な場合は拘束してマスターが死なないようにサーヴァントだけを脱落させる方法を探す。
さくらは魔力こそ凄まじく膨大だが体はまだ小学6年生なので、強化を施さないで全面に出ていくのは無謀の一言。
高い気配察知や適材適所のカードの使い分けで慎重かつ大胆に行動することが大事。魔法を使ってこそ輝くので、戦闘以外でも相手の心のケアなどで『花』や『灯』等のカードをガンガン使っていこう。


645 : ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:50:10 pIR.Ky9E0
皆さん投下乙です。
投下しますが正直かなり要制限なキャラですので
ダメなら投票で弾いてください


646 : ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:51:30 pIR.Ky9E0
 向かい合っていた。二人の男が。

 方やつんつんと逆立った黒髪に、オレンジ色の道着と紺色のインナー。
 身長の割に肩幅は広く、がっちりしている。顔に刻まれた傷と、
 相対するものをまっすぐに見つめる目には険しく強い決意が見て取れ、
 そして、隻腕であった。
 その佇まいから歴戦の戦士を思わせる青年。
 その男――名を、孫悟飯と言った。

 方や、やや童顔な顔つきであるが、その立ち振る舞いや醸し出す雰囲気は
 孫悟飯に負けず劣らず隙がなく、鍛え抜かれた肉体は服の上からでも隆起している。
 鋭い眼光はまっすぐに孫悟飯を見据え、その一挙手一投足も見逃さないと、
 言葉でない言葉を発している。
 その男――名を廻狂四郎と言った。

 まるで真剣での居合勝負。相手の出所をうかがっているようにさえ見えるこの沈黙。
 先にそれを打ち破ったのは、狂四郎だった。

「いやん。そんなに見つめられちゃ困るぜ。俺にはそういう趣味はないし
 第一俺には志乃と言う愛する妻がいるんだぜ」

 雰囲気を一変させ、狂四郎は体をくねらせて笑いながら言った。
 それを見て、悟飯は気を抜いたように緊張を解き、微笑んだ。 

「セイバー……でいいんだな。オレは孫悟飯。君のマスターだ」
「ああ、セイバーのサーヴァント。名前は狂四郎ってんだ。よろしく」
 
 柔かな笑顔でそういう狂四郎には、先ほどの険しい雰囲気は感じ取れなかった。
 しかし、悟飯は気づいていた。
 その笑顔の裏に、計り知れない強さが秘められていることに。


647 : ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:52:23 pIR.Ky9E0

 狂四郎のステータスはお世辞にも高いとは言えない。
 宝具もまともなものではないし、先ほどの見事な立ち振る舞いを見るに
 戦闘経験豊富な熟練者だとはわかるが、
 しかしとてもこの戦いを勝ち抜ける存在ではないと普通は思うだろう。 

 しかし、悟飯は狂四郎の目に、並々ならぬ意志の力を感じ取っていた。
 狂四郎の眼は、どこか自分に似ている。強い想いを秘めた眼をしている。

「マスター、俺には守りたいものがある」

 狂四郎はまた、まっすぐに悟飯の目を見て言った。

「って言っても一人と一匹だけだけど……一人はその、妻で、志乃っていうんだ。
 もう一匹はバベンスキーっていう犬なんだけどな。これがまた憎たらしい奴で……」

 初心な少年のようにどこか照れながら、最愛の妻の名を呼ぶ狂四郎。
 表情がコロコロと切り替わっているのは、狂四郎が喜怒哀楽のしっかりした
 一人のちゃんとした人間であることを表している。

 どことなく父に――孫悟空に似ている。

 悟飯はそんなことを思った。

 そう思うと、同時に一瞬、狂四郎のことをうらやましく思ってしまった。 
 ああ、そうか――狂四郎は自分の手で、守りたいものを守り抜いたのだ。
 
 だから、


648 : 孫悟飯&セイバー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:54:06 pIR.Ky9E0
タイトルミスってました。すみません。
以下本編

「あんたにも守りたいものがあるのか?」

 その質問は、不意打ちに等しかった。
 悟飯は目を閉じて、脳裏にかつての仲間たちを思い浮かべた。
 
 ベジータ、クリリン、ヤムチャ、天津飯、ヤジロベー。
 そして……父ともいえるピッコロと、孫悟空。
 みな、強い人だった。頼れる人だった。しかし、もういない。

 ゆっくりと目を開き、悟飯は狂四郎の目を見返した。
 
「ああ、いる。守りたい人が。守りたいものが!」 
 
 人造人間――復讐鬼の生み出した二体の悪魔によって、世界は地獄に塗りつぶされた。
 仲間は殺された。ドラゴンボールは消えた。仙豆ももう無い。
 世界は滅びの一歩手前まで来ている。
 
 もう、時間はなかった。
 だからこそ、決意した。だからこそ、この戦いを望んだ。
 
 それ以上の言葉はいらなかった。
 狂四郎はにこりと笑い。悟飯に手を差し伸べた。

「俺がどこまでやれるはわかんねーけど……
 マスターの願いがかなうように精一杯頑張るぜ!」

 任せといてくれ! 握手へと差し出された手が、そう言っていた。
 狂四郎本人は、言いながらまた照れているようだった。

「この戦いはきっと厳しい戦いになる……。
 狂四郎、こっちこそよろしくな」

 孫悟飯はその手を握り返した。
 確かな力を感じる。不思議と。

 ――不安はいっぱいある。
 
 けれど、このどことなく父に似た雰囲気を持つ男となら、
 戦い抜けるかもしれない。勝ち抜けるかもしれない。

 胸に宿った希望は確かに、悟飯の胸を強く撃った。


649 : 孫悟飯&セイバー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:55:10 pIR.Ky9E0

【クラス】
セイバー
【真名】
廻狂四郎
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運D 宝具E
【属性】
中立・善
【保有スキル】
対魔力:E
対魔力ではあるが実際ほとんど抵抗がない。

騎乗:C
戦闘機、戦車などの操縦が可能。
ただし現実的な物しか操縦できない。
【固有スキル】
単独行動:B
マスター不在・魔力供給無しでしばらく現界し行動・戦闘できる。

戦闘続行:C
愛する者、守る者のためならばどんな状態でも
立ち上がって戦う事ができる。
また毒ガス、拷問等に対し多少の耐性がある。

気配察知:B
殺気を読み取ることができる。
【宝具】
『愛によって限界を超えた肉体(ラブ・オーバースペック)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:基本1人 最大補足:せいぜい5人
鍛え抜かれ修羅場を潜り抜け研ぎ澄まされた狂四郎の肉体そのもの。
また愛する者のためならばどんな障害も乗り越えようとし
どんな凄惨な状況においても自分の意志を信じる力。

魔力のコスト自体は非常にいいが、常時展開されているため
ある意味燃費は悪いかもしれない。
【weapon】
和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)
長さ125㎝重さ2,2㎏の長刀。
並の剣では剣術の達人が何度打ち込もうと
切れ味の落ちない名刀。
【人物背景】
2030年の日本。第三次世界大戦後の世界で独裁国家ゲノムに逆らい
愛を信じ、妻を助け出すために戦いを挑んだ青年。
M型遺伝子国家反逆病者とされながらも懸命に戦い抜いた。
非常にスケベで下品で明るい性格の持ち主だが
敵対し障害となるものは全力で排除しにかかる冷酷さも併せ持つ。

第三次世界大戦において現実でいうならルーデル並みの戦果を挙げている。
またその後MASという特殊部隊に所属し数々の暗殺を行った。

旅の過程で様々な人間の欲望と汚さを目にしてきたが、
それでも決してあきらめず、どんな過酷な修羅場も乗り越えて
最終的には妻を救出して共に生きる道を選ぶことができた。
【サーヴァントとしての願い】
妻である志乃と共に暮らし、生きる。
【基本戦術、方針、運用法】
基本は正面からの戦闘となる。
持ち前のスピードで接近戦に持ち込む。


650 : 孫悟飯&セイバー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:55:54 pIR.Ky9E0
【マスター】
孫悟飯(未来)@ドラゴンボールZ
【参加方法】
ブルマによって噂を聞き、木片を入手した。
【マスターとしての願い】
人造人間を倒す。
【weapon】
無し。しいて言うなら肉体と気。
【能力・技能】
『気』
 気弾:熱・消滅効果もあるエネルギー弾。かめはめ波、魔貫光殺砲等。威力範囲に要制限。
 爆魔障壁:全身をつつむバリアー。
 舞空術:空を飛ぶ。飛行距離に要制限。 
 気配察知:気が大きければ察知できる。一般人の気は探りにくい。察知範囲に要制限。
【人物背景】
孫悟空が病死し、人造人間によってほかの仲間もほぼ殺されており、
実質孫悟飯たった一人で戦い続けている絶望的な本来のDB世界の出身。
(弟子にトランクスがいるがTVSP版のためまだ超サイヤ人になれていない)
人造人間との戦いでトランクスを庇い隻腕(左腕が無い)になっている他、顔に傷がある。

DB本編世界の悟飯と比べると大人(最終話の悟飯と同年齢)で
一人称が「オレ」、体格がやや大きいと随所に違いがみられる。
本編悟飯と比べるとぶっちゃけ甘さが消えている。
最終的にはトランクスに希望を託し、絶望的な戦いを挑んで戦死した。
【方針】
積極的には戦わないが、どうしようもない場合や
相手が悪人だった場合は迷わず戦う。
まずは情報や仲間を集めるべきだと思っている。
また「気」はあっても「魔力」はほぼ無いため
サーヴァントの長期戦には絶望的に向かない。


651 : 孫悟飯&セイバー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 05:56:51 pIR.Ky9E0
投下終了です。ありがとうございました。


652 : ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 11:53:39 pIR.Ky9E0
重要なことが抜けていたので>>649>>650の修正版を
申し訳ない

【クラス】
セイバー
【真名】
廻狂四郎@狂四郎2030
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運D 宝具E
【属性】
中立・善
【保有スキル】
対魔力:E
対魔力ではあるが実際ほとんど抵抗がない。

騎乗:C
戦闘機、戦車などの操縦が可能。
ただし現実的な物しか操縦できない。
【固有スキル】
単独行動:B
マスター不在・魔力供給無しでしばらく現界し行動・戦闘できる。

戦闘続行:C
愛する者、守る者のためならばどんな状態でも
立ち上がって戦う事ができる。
また毒ガス、拷問等に対し多少の耐性がある。

気配察知:B
殺気を読み取ることができる。
【宝具】
『愛によって限界を超えた肉体(ラブ・オーバースペック)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:基本1人 最大補足:せいぜい5人
鍛え抜かれ修羅場を潜り抜け研ぎ澄まされた狂四郎の肉体そのもの。
また愛する者のためならばどんな障害も乗り越えようとし
どんな凄惨な状況においても自分の意志を信じる力。

魔力のコスト自体は非常にいいが、常時展開されているため
ある意味燃費は悪いかもしれない。
【weapon】
和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)
長さ125㎝重さ2,2㎏の長刀。
並の剣では剣術の達人が何度打ち込もうと
切れ味の落ちない名刀。
【人物背景】
2030年の日本。第三次世界大戦後の世界で独裁国家ゲノムに逆らい
愛を信じ、妻を助け出すために戦いを挑んだ青年。
M型遺伝子国家反逆病者とされながらも懸命に戦い抜いた。
非常にスケベで下品で明るい性格の持ち主だが
敵対し障害となるものは全力で排除しにかかる冷酷さも併せ持つ。

第三次世界大戦において現実でいうならルーデル並みの戦果を挙げている。
またその後MASという特殊部隊に所属し数々の暗殺を行った。

旅の過程で様々な人間の欲望と汚さを目にしてきたが、
それでも決してあきらめず、どんな過酷な修羅場も乗り越えて
最終的には妻を救出して共に生きる道を選ぶことができた。
【サーヴァントとしての願い】
妻である志乃と共に暮らし、生きる。
マスターの願いをかなえる。
【基本戦術、方針、運用法】
基本は正面からの戦闘となる。
持ち前のスピードで接近戦に持ち込む。


653 : ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 11:55:16 pIR.Ky9E0
【マスター】
孫悟飯(未来)@ドラゴンボールZ
【参加方法】
ブルマによって噂を聞き、木片を入手した。
【マスターとしての願い】
人造人間を倒す。
【weapon】
無し。しいて言うなら肉体と気。
【能力・技能】
『気』
 気弾:熱・消滅効果もあるエネルギー弾。かめはめ波、魔貫光殺砲等。威力範囲に要制限。
 爆魔障壁:全身をつつむバリアー。
 舞空術:空を飛ぶ。飛行距離に要制限。 
 気配察知:気が大きければ察知できる。一般人の気は探りにくい。察知範囲に要制限。
『超サイヤ人化』
 金色のオーラを纏い、金髪青眼になり、自身の戦闘力を50倍引き上げる。
 発動時間、強化倍率等に要制限。
【人物背景】
孫悟空が病死し、人造人間によってほかの仲間もほぼ殺されており、
実質孫悟飯たった一人で戦い続けている絶望的な本来のDB世界の出身。
(弟子にトランクスがいるがTVSP版のためまだ超サイヤ人になれていない)
人造人間との戦いでトランクスを庇い隻腕(左腕が無い)になっている他、顔に傷がある。

DB本編世界の悟飯と比べると大人(最終話の悟飯と同年齢)で
一人称が「オレ」、体格がやや大きいと随所に違いがみられる。
本編悟飯と比べるとぶっちゃけ甘さが消えている。
最終的にはトランクスに希望を託し、絶望的な戦いを挑んで戦死した。
【方針】
積極的には戦わないが、どうしようもない場合や
相手が悪人だった場合は迷わず戦う。
まずは情報や仲間を集めるべきだと思っている。
また「気」はあっても「魔力」はほぼ無いため
サーヴァントの長期戦には絶望的に向かない。


これでお願いします。


654 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 12:42:38 dtnr2m4U0
間桐雁夜&ライダー投下します


655 : 間桐雁夜&ライダー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 12:43:50 dtnr2m4U0
間桐雁夜は魔術の家系に生まれ、その世界から逃げ出した。
そして思い人の子供を救うために、その残酷な世界に戻った
間桐雁夜は一流の魔術師の参戦する聖杯戦争に参加する
聖杯をこの手で掴むことだけが、子供――桜ちゃんを救う唯一の手段であったからだ。
雁夜は体を蟲に喰わせることで、急増の魔術師となる。その代償は削り取られる命。


主悪の根元であるのは間桐臓硯。数百年も生き続ける真正の化け物であり、永遠の命に執着するかつての魔術師の残骸。 臓硯は、召喚の媒体としてみすぼらしい木片を雁夜に渡していた。

その木片を臓硯がどうやって入手したのかは不明ではあったが、どんな思惑があれど、それそのもの自体の意味は知らなかった可能性が高い
恐らくは、死に物狂いで雁夜が到達した召喚の段階で、用いる媒体がただの木片を使う。そんな遠回しな嫌がらせだったのかもしれないし、そうでないのかもしれない。

結果はひとつ――雁夜は『ゴフェルの木』を媒介として召喚を行おうとし、方舟に呼ばれた。


656 : 間桐雁夜&ライダー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 12:45:22 dtnr2m4U0

「ぐぅ……あぁ……」
「……まさか仮にも私のマスターがこれとはな、すでに死にかけているではないか」

体内で暴れる蟲。その苦痛で苦悶の声を上げる雁夜を見下ろし、
ライダーはやれやれ、と肩を竦めた。
まるでプラーガを投与された実験体のような面相のマスターに呆れているのだ
雁夜のサーヴァントはバーサーカーではなくライダーだった。


金髪のオールバックに漆黒のサングラス、現代風のその風貌は威厳と冷徹さに満ちている。


「とにかく、今お前に死なれては困る。頑張って生きていろ」
「が、がぁぁぁあぁぁ!?」

ライダーはその宝具によって雁夜に延命措置を行っていた。
雁夜の体内で、臓硯の蟲ともうひとつ、ライダーが投与した『ウロボロス』が拮抗している。

そのために、さらに地獄のような苦しみと苦痛を感じているのだ。
ライダーは、それに関しては手を加えない。勿論、多少操作して適合率は甘くしてはいるが、この時点で死ぬくらいなら、または変貌してしまうなら、自身のマスターたる資格は持っていない。そういうことなのだ。



「お前が私のマスター足り得るか、証明してみろ」



ライダー――アルバート・ウェスカーは、冷酷な微笑を浮かべ、呟いた。


657 : 間桐雁夜&ライダー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 12:45:53 dtnr2m4U0
【マスター】
間桐雁夜@Fate/Zero

【参加方法】木片を媒体として召喚を行ったため参加

【マスターとしての願い】
桜ちゃんを救う
            
【能力・技能】
魔術師としては三流以下だが、蟲を操ることはできる
       
【人物背景】
第四次聖杯戦争当時の間桐家当主・間桐鶴野の弟であり、正当な間桐の魔術師ではない。
自身の身代わりとなった間桐桜を救い出すべく、余命を捨てて聖杯戦争に参戦。
魔術の資質そのものは兄より優れていたものの、間桐の魔術を嫌って11年前に家を出奔した過去を持つ。
出奔中はフリーのルポライターとして生計を立てていた。 愛称は雁夜おじさん
【方針】
桜ちゃんを臓硯から救うために聖杯を狙う。


【クラス】
ライダー
【真名】
アルバート・ウェスカー@バイオハザードシリーズ
【パラメーター】
筋力A 耐久B 敏捷A++ 魔力D 幸運B 宝具B
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
騎乗:A
アルバートのウィルス適合率に関与している
狂化:-(E)
筋力のパラメーターをランクアップさせる。
生前の始祖ウィルスの特性と影響に由来しての保有

【保有スキル】
直感:B
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。

心眼(偽):B
直感・第六感による危険回避。

自己改造:A
自らに始祖ウィルスをベースにした試作段階のウィルスを投与し適合した。
細胞組織の根幹から組み換えられた肉体は常人とは比較にならないパワーと
肉体の強度、そして肉眼では捉えられない恐るべき身体能力を誇る。

矢よけの加護:A
飛び道具に対する防御。 狙撃手を視界に納めている限り、
どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え対処できる。ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、
広範囲の全体攻撃にも該当しない。弾丸ですら視認してからでも回避可能。

戦闘続行:B
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

【宝具】
進化を許される遺伝子の選別(ウロボロス)
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
自らの体内で活動を続ける宝具。自らの意思で暴走させる事によって
筋力、耐久、敏捷のパラメーターをUPさせ、自己再生のスキルを付与。
暴走と書いたが自らの意思で完全にコントロールされている。

T-ウィルス(ティーウィルス)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:50
漏洩することでバイオハザードを引き起こすウィルス。感染した生物はt-系統のクリーチャーになる
10人にひとりの割合で存在する耐性のある人間には感染しない

暴君(タイラントt-002型)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
洋館事件でウェスカーを一度殺害したタイラントが宝具化したもの
優れた戦闘能力を有しているが、敵味方無差別に攻撃してくる

【Weapon】
H&KP8等の拳銃を使えるが基本的には徒手空拳で戦闘する

【人物背景】
バイオハザードシリーズでお馴染みのウェスカー先生。(詳しくはwiki参照)
5作目でのスーパーモードで現界。専用の安定剤「PG67 A/W」は割愛しました。
聖杯戦争でも映画マトリックスの様に避けまくります。

【サーヴァントとしての願い】
優れた遺伝子をもつ者のみが進化することを許される新世界の実現

【基本戦術・方針】
自身の肉体を武器に戦う。間桐雁夜にウロボロスを投与。体内の蟲を除去する。耐えきれずに死亡することは割と度外視。


658 : 間桐雁夜&ライダー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 12:46:27 dtnr2m4U0
投下終了です


659 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/05(土) 13:27:29 XmkQhDfs0
投下します


660 : 覚醒するのが一人とは限らない ◆qB2O9LoFeA :2014/07/05(土) 13:30:01 atmcquL20



燃え盛る家の中、その少女は助けを求めていた。
炎は彼女の行く手を阻むように悪意を持って迫り、またその足は倒壊した建物に挟まれ身動きはとれない。
くわえて、その胸は焼けつくように痛み頭は割れるように痛んで思考を邪魔する。

それでも、否、それだからこそ少女は生きるための道を見つけた。部屋に赤々と火事によるものではない光が満ち、絶体絶命のこの状況をひっくり返すヒーローを呼び寄せる。

そして、そのヒーローが目の前に現れたとき。

「――さん!こっちです!」

思いもよらない他のマスターとサーヴァントの接近を招いた。



「具合はどうだ?マスター。」
「‥‥いいわけないでしょ。」

冬木市にある某病院。そこにアサシンのマスターである九重凛は入院していた。
所々に火傷があるがいずれも軽く、足の打撲と合わせて全治二週間といったところだった。今は個室にいるが明日にも大部屋に移ることになるだろう。

だが、その程度ですんだ怪我でも今は大きな痛手だ。この聖杯戦争において魔力も持たない凛は完璧な弱点である。その上怪我を負ったとなれば勝ち残ることは絶望的ともいえる。

しかし、今さらこの程度で聖杯を諦めるわけにはいかない。
既に戦いが始まっている以上逃げることなどできなかった。

「魔力の供給も含め一切は俺に任せろ。マスターは指示したタイミングで令呪を使え。」

そう冷淡にマスターに指図するとアサシンは複数の分身を作り出す。アサシンと全く同じ姿形の分身は、それぞれが黒ずくめの全身タイツのような姿になると一瞬でどこかへと移動する。『魔力の供給』にいったのだろう。

「――出るタイミング遅くない?もっと早く来てよ。」
そのまさしく魔法のような光景を目にして、凛の口からもれたのは悪態だった。


彼女が予選を突破したのは火事の真っ只中でのことだった。
温かい家庭での幸せな時間は彼女の記憶を封じ込めるのに十分だった。もしあのまま何も起こらなかったら、他のNPCと同じように生活していただろう。だが皮肉にも聖杯戦争に参加するマスターを呼び寄せるかがり火の燃料、そのためのNPCとして選ばれたことが彼女をマスターへと目覚めさせた。
火をつけた本人ですらもわからないであろう、たまたま選んだNPCが予選中のマスターだったという偶然。
その偶然によって九重凛は記憶を、そして願いを取り戻すことができたのだ。もともと周囲で起きていたことに違和感があったことも手伝い、一度記憶を取り戻し始めればそのスピードも早く、すぐさま彼女はサーヴァントの召喚を行った。

ただ、彼女にとって予想外だったのは自分以外のマスターが来ることだった。それは火をつけた者の目論見どうりであったが彼女はそんなことを知るよしもなく、何故か呼び出したはずのサーヴァントがいないことを疑問に思いつつも魔力の急激な消耗に意識を手放すことになり、今こうしてベットで横になっている。
後からとっさにアサシンが気配遮断を行っていたと知ったが、だとしてももっと早く召喚されていれば、という気も起こらなくはないのだ。


じっ、と恨みがましく見てくる彼女をしかしアサシンは涼しい顔で受け流す。彼女程度の子供にいくらガンを飛ばされようといたくも痒くもない。アサシンがその年のころには既に殺しあいが日常だったのだ。殺気すらこもっていない視線に反応するほうが難しい。


「‥‥卑劣漢。」


マスターにそう言われても、アサシン・千手扉間は無言で佇み続ける。


661 : 覚醒するのが一人とは限らない ◆qB2O9LoFeA :2014/07/05(土) 13:32:02 aJRJ/uXo0



【マスター】
九重凛@こどものじかん

【参加方法】
どこかで木片に触れたはずだが自覚なし。

【マスターとしての願い】
お母さんを生き返らせる。

【weapon】
なし。
全治二週間程度の火傷と足に打撲を負っている。

【能力・技能】
『黒くなる』
スイッチを入れるように心を閉ざして感情をなくすことで殺人などへの忌避感を無くす。自分にも効果が及びリスキーな選択をとりやすくなる。
精神異常E相当。

【人物背景】
双ツ橋小三年一組。
金髪を特徴的なツインテールにした少女で、運動神経はいいほう。
母親の死を幼少期に体験したことで一時期心を閉ざしていたが現在はそれを感じさせないはつらつとして(主に性的な意味で)過激になった。
が、死のショックは心の底に残っており、自身が『黒くなる』と表現するように感情をなくして行動できる。これが彼女が自分自身を軽んじさせる原因である。
現在、母が引き取ったレイジを親代わりとしていて、その危うさから将来はレイジと結婚すると考えているが彼女が好きなのは担任の青木である。

【方針】
お母さんを生き返らせるために『黒くなってでも』聖杯を手にいれる。
先生は――
※令呪は胸にあります。


662 : 覚醒するのが一人とは限らない ◆qB2O9LoFeA :2014/07/05(土) 13:34:01 atmcquL20


【クラス】
アサシン

【真名】
千手扉間@NARUTO

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷A+ 魔力B(B-) 幸運E 宝具Ex

【属性】
秩序・悪

【クラススキル】
気配遮断:A+
自身の気配を消す能力。
完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となふが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。

【保有スキル】
忍術:A
宝具の域にまでは昇華され得なかったが、歴史に名を刻んだ偉大な忍として研鑽し続けてきた類希なる武芸。気配遮断にも派生する。
水遁に代表される東洋魔術的な狭義の忍術発動には、詠唱ではなく一定の印を結ぶ必要がある。
カリスマ:C-
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。
火影として里を導いた手腕の証しだが、常に仲間の内に犠牲を強いてしまう。
気配感知:A
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
千手扉間の場合、大きなチャクラを持つ人や物、見知った人物やサーヴァントの気配を感知することができる。

【宝具】
『口寄せ・穢土転生(くちよせ・えどてんせい)』
ランク:Ex 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
死者を甦らせ使役する禁術。
発動には依り代となる人間と呼び出す者の肉体の一部、呼び出す魂が必要になる。
聖杯戦争では肉体・魂どちらの保存も難しいが、発動さえすれば無尽蔵の魔力で戦い続けるサーヴァントをも手に入れることができる。
NPCにも使用可能。

【Weapon】
『呪印付クナイ』、他忍具。
『呪印付クナイ』はその場に向かって瞬間移動する『避雷針の術』のための目印となる。

【人物背景】
二代目火影。千手柱間の弟。
兄亡きあと火影になり、徹底した合理主義のもと現在の忍び里のシステムを作り上げるなどその治世が及ぼした影響は大きく、特に『アカデミー』は忍という職業の成り立ちを変えたまさに偉人。
忍としても優秀で高い感知能力と水遁が持ち味。
多くの業績を残したがその徹底した合理主義は時に反感を招きうちは一族の離反を招いた。
最期は雲の国との会談中に金角銀角兄弟の奇襲を受け死亡。

【聖杯への願い】
木の葉の繁栄。

【基本戦術、方針、運用法】
なによりも魔力の供給が足りないので積極的に魂食いを行いたい。
影分身と変化を組み合わせることで別のサーヴァントに罪をなすりつけ、これはと思うサーヴァントがあれば闇討ちして穢土転生の材料にする。
正面からの戦闘も不可能ではないがマスターが貧弱すぎるのでできる限り避けたい。
あと水遁。


663 : ◆qB2O9LoFeA :2014/07/05(土) 13:35:06 0jhMu6ZE0
以上で投下終了です。


664 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:07:42 H39jNKwc0
保登 心愛とライダー投下します


665 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:08:13 H39jNKwc0
月海原学園 調理室

現在この場所で調理実習が行われていた。
題材となる料理はパンであり生徒達はそれぞれパン生地を一生懸命にこねていた。

「〜♪」

そんな中、ああ〜心がぴょんぴょんするんじゃ〜と思わず言いたくなるような鼻歌を歌いながら
手慣れた手つきでパン生地をこねる少女がいた。

少女の名前は保登 心愛(ほと ここあ)

天然でドジな所もあるが、笑顔を絶やさずフレンドリーで優しく明るい少女である。
彼女の実家はパン屋であり、自慢の腕を披露するべく張り切っていた。
そしてパンを焼き、オーブンから香ばしい匂いが漂う。
その時、ココアの身に異変が起きた。

『――――さん……』

脳裏から見たことも無い少女の顔と声がフラッシュバックした。

(誰……なの……?)

思い出そうとしても激しいノイズが頭の中を掻き乱し
少女の顔がよくわからないほどぼやけていた。
酷い頭痛がする。

思い出そうとすればするほど頭が軋むような激痛が起こる。
何も考えずにいればそんな苦しい思いはせずに済むのだろう。
だがこの記憶は絶対に忘れてはならない、とても大切な記憶
胸の内から語り掛ける強い意志が少女を後押しさせた。

『――ココアさん……』

水色のロングヘアーの少女の姿がより強く映し出された、と同時に
ココアの意識は闇へと沈んだ。


666 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:08:57 H39jNKwc0
「……んっ あれ……?」
「気が付きましたか?ここは保健室です、調理実習中に意識を失って倒れたんですよ」

目が覚めたココアは白いベッドで寝かされていた。
記憶を取り戻そうとする頭痛に耐えられず、そのまま倒れたのだと理解した。

「ごめんね桜ちゃん、迷惑かけちゃって…」
「いえ、これが私のお仕事ですから」
「……ありがとう、そろそろ行くね」

もう少しゆっくり休んだ方がいい、とココアの身を案じた桜が引き留めようとするが
ココアは一刻も早く記憶を取り戻すべく保健室から出て行った。

(もう少し……あともう少しで思い出せる)

あと一つ、何かきっかけがあれば思い出せる。
だけどそれが分からないココアはモヤモヤとした気持ちを抑えつけながら
特に行く当ても無く、学園内を歩き続けた。

音楽室、美術室、実験室、どれも違う。
歩き続ける内に喉が渇いたココアは売店へと向かった時
ついに見つけた。

売店に設置されてある自販機で飲み物を購入する男子生徒
彼の持つ紙コップに入っているのはコーヒーだった。
コーヒーのほろ苦い香りが一人の少女の姿を鮮明に映し描いた。

「……チノちゃん」

喫茶店ラビットハウスのマスターを父に持つ、頭にうさぎのティッピーを乗せた女の子。
私の事をココアお姉ちゃんと呼んで甘えてくるとっても可愛い私の妹。

『……そんなことしてません』

(もう、テレ屋なんだから♪)

脳内イメージのチノと会話を弾ませるココア、重度のシスコンもここまで行くともはや見事である。


667 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:09:54 H39jNKwc0
チノを思い出した事により
頭の中のもやが完全に晴れ上がり、封印されていた記憶がココアの脳内へと流れ込む。

(そうか……私は……)

最初の出来事はアンティーク屋へ寄って行った時に始まった。
ココアの目に飛び込んだのは木彫りで出来た犬の像。
普段はウサギをモフモフしているココアだが他の動物をモフモフするのも勿論好きである。

「か〜わいい〜♪これ買っちゃお〜♪」

ハイテンションで木彫りの像を購入したココア
この像こそが『ゴフェルの木片』であり
ムーンセルへ誘うパスポートだった。

(ここに来て私は聖杯戦争を知った……そして願った……)

聖杯戦争が始まれば沢山の命が失われる。
そうなれば死んでいった人達の家族や友人達は悲しむ。
ココアはそれを止める為に聖杯戦争へ身を投じた。

「熱っ!?右手が……」

願いを完全に思い出したその時、右手の甲から火傷したような熱さを感じた。
何が起きたのか確認すると右手の甲に赤い紋章のような物が浮かび上がっている。
ココアにはそれが何なのか理解した。
これこそがサーヴァントとの契約の証である令呪だという事を

「あっ……」

令呪の出現を合図とするようにココアの目の前で一体のサーヴァントが姿を現した。
その姿にココアは思わず、言葉を失ってしまう。
なぜなら英霊が召喚されると聞いて物凄く強そうな人物を想像していたからだ。
ココアが呼び出した英霊の姿はなんと……


668 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:10:51 H39jNKwc0
「か……かわいい〜!!」

ココアが呼び出した英霊はシベリアン・ハスキーという犬種のワンちゃんだった。
その愛くるしい姿を見てココアはたまらずモフモフしまくっていた。

「よく見ると木彫りのワンちゃんとそっくりだよ〜、きっとモフモフの神様が私の為に連れてきてくれたんだ〜」

賢い子なのか犬は、ココアにモフられまくってても落ち着いてお座りをしており
周囲をキョロキョロと確認して大人しくしていた。

「ねえ、私はこの聖杯戦争を止めて争いを無くしたいの、だから協力してほしいの……お願い!」
「ワン!」

ココアの願いを肯定するように犬は吠えるとココアは安堵とした表情を見せて
再びに犬をモフりはじめた。

「ありがとう!一緒に頑張ろうね!」
「わん!わん!」

争いを止めるという事は誰の願いも叶わなくなるかもしれない。
そしたら私のサーヴァントは起こって反対するかも、と内心は不安だった。
だけどこの犬はそんな事無く協力してくれた。
このサーヴァントが本当に戦えるのかは分からない。
それでもココアにとってこのサーヴァントは掛け替えのない大切なパートナーだと心の底から思えた。


この犬のサーヴァントはココアの心情とは遥かに違う考えを持っていた。
犬は人間に懐き忠誠を誓う生き物である……と『それ』は理解していた。
だからマスターに懐いた犬として行動していた。
『それ』は犬ではない。
犬の姿に擬態した『それ』は一つの目的の為に行動をしている。

その目的とは、他の生命体との同化それだけである。


669 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:11:55 H39jNKwc0
【マスター】保登心愛@ご注文はうさぎですか?

【参加方法】『ゴフェルの木片』による召喚(犬の木彫りの像)

【マスターとしての願い】聖杯戦争を止める。

【weapon】無し

【能力・技能】パン作り

【人物背景】
 下宿先である喫茶店『ラビットハウス』で働く女子高生。
 とても前向きで明るく朗らかな性格をしているが、少々ドジなところがあるためチノやリゼにフォローされることも多い。
 可愛い物やモフモフしたものが大好き。
 実家では4人兄妹の末っ子だったことから自分より年下の妹に憧れており、チノのことを実の妹のように可愛がっている。
 家業がパン屋のためパン作りに懸ける情熱は誰よりも強く
 また知識や技術も持ち合わせているため、ラビットハウスの看板メニューとしてティッピーパンを焼き上げた。
 
【方針】協力者を探して、一緒に聖杯戦争を止める仲間を作る。


670 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:12:40 H39jNKwc0
【クラス】ライダー

【真名】X@遊星からの物体X

【パラメータ】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具A

【属性】混沌・中庸

【保有スキル】
 戦闘続行:A++…名称通り戦闘を続行する為の能力。細胞単位で独立して生きている為、肉片や血液だけの状態でも活動が可能

 仕切り直し:C…戦闘から離脱する能力。見切りが早く、戦闘中でも即座に離脱行動に移ることが可能。

 変身:C…自らのカタチを変えるスキル。異形の怪物となり強大な力を得るが宿主の自我は消滅、知性を失い本能でしか行動出来なくなる代償を払う。

【宝具】

 浸食:A…他の生物と同化する能力。Xの皮膚や体液に接触すると感染し徐々に同化する。
      寄生した人物の自我を消して肉体を奪う事も、乗っ取られた事に気づかないまま自我を残す事も可能

 学習能力:D…寄生した人物の記憶を読み取り学習する能力。宿主が持つ知識や技術を利用する事が可能。

【weapon】無し

【人物背景】
 洋画、遊星からの物体Xに登場するクリーチャー
 約10万年前に寄生した宇宙人と共に南極へ墜落し氷漬けになっていたが1982年にノルウェー隊に発見され
 基地まで回収された所で目を覚ます。
 ノルウェー隊の人間達を次々と感染させるが必死の抵抗によりシベリアン・ハスキー一匹を除いて駆逐され
 アメリカ南極基地まで逃走した。
 試算によれば、人間社会に辿り着いたそれが全人類を同化するまでに必要な時間はおよそ2万7000時間とされている。
 
【サーヴァントとしての願い】
 他の生命体との同化、Xには理性が無いので願いというより本能と言った方が正しい。

【基本戦術、方針、運用法】
 隙を見て他のマスターやサーヴァントと同化する。
 暗がりなので、主に夜や室内で活動を開始する。


671 : 保登 心愛&ライダー  ◆HHvly5T5Xo :2014/07/05(土) 14:13:19 H39jNKwc0
投下終了です


672 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:24:08 WDomeaGA0
フェイト・テスタロッサ&バーサーカーで投下します


673 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:25:25 WDomeaGA0


なまえをよんで。
優しく、呼んで。
わたしのなまえを。
優しく、呼んで。


あの時みたいに。
寂しくても幸せだったあの時みたいに、
わたしが居ないあの時みたいに。
わたしが知らない幸福を。


わたしに。

お月様のように。

わたしを、やさしく。



――――お母さん。


674 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:27:29 WDomeaGA0


   ◆   ◆   ◆


フェイト・テスタロッサ。
母であるプレシア・テスタロッサの命によって、聖杯戦争に参加をした。
プレシア・テスタロッサが求める万能願望機『聖杯』。
あるいは、この世の全てを記された自動書機『ムーンセル・オートマトン』。
それを手に入れるために、フェイト・テスタロッサは聖杯戦争へと送り込まれたのだ。
優秀な魔術師であり、すなわち優秀なハッカーでもあるプレシアが行ったこと。
それは、本来ムーンセルへと一任するサーヴァントの『部分的選択』。

プレシアはムーンセルにアクセスし、一定の条件下に当てはまる英霊を選択し、書き換えた。
クラスはバーサーカー。
しかし、一定の条件下によってはその魔力消費を抑えられるスキルを持つもの。
そこに本来ならば狂化適性の低い英霊に狂化:Aを付け加える。

「……」

そして、現れたサーヴァントが目の前の銀紫のバーサーカーだ。
胸は平坦だが、身体のラインはひと目で女性とわかる。
幻想的な銀紫の髪は腿に届くほどであり、身にまとった白と薄い青の衣装はドレスかと思うような優雅さだった。。
ドレスのようなそれは、しかし、バーサーカーの正真正銘の戦闘時のスタイルである。

目つきこそ鋭かったが、まるで舞踏会から抜け出てきたようなサーヴァントにフェイトは困惑した。
しかし、母の指令通り、なれないゴーレムの使役によってバーサーカーの動きを判別することにした。
目の前に迫るゴーレムに、バーサーカーは反応をしなかった。
目前まで近づいて、ようやく脚が動いた。

瞬間だった。
フェイトの身体に巨大な負荷が襲いかかる。
不意を疲れた負荷に思わず片膝をつくが、フェイトはその閃光から目を逸らさなかった。

銀紫のバーサーカーは立ちぼうけたままだ。
しかし、ゴーレムはすでに行動を止めた。
ゴーレムは、ちょうど腹部の辺りで真っ二つに切り裂かれていた。
フェイトは、一瞬ではあるが、それを確かに視認した。
バーサーカーは攻撃を行った。
中段回し蹴り。
それだけでゴーレムの上半身は吹き飛び、バーサーカーは何事もないようにただ立ち続けた。

「……」

銀紫のバーサーカーは徒手空拳、刃物は持たない。
床に転がるのは、子供のおもちゃのように上半身と刃物が切り離されたゴーレム。
まるで刃物のような、いや、刃物以上の鋭さだった。

これはフェイトの『鋭く素早く動かす』という得意な魔力運用の影響もあるのかもしれない。

「……私程度のゴーレムが相手じゃ、速い、ってことしかわからないわね」

フェイトの漏らした言葉にバーサーカーは一切の反応を示さない。
ただ、月のような妖しげな瞳をフェイトに向けるだけだった。
彼女は狂っており、彼女の瞳は月光めいた銀紫の光を放つのみだ。
そこに理知的な色は存在しなかった。
狂気に染まり、見つめ合えば相手をも深淵に引きずり込む。
人々が無意識の内に恐れる月の光のような、そんな瞳だった。


675 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:28:59 WDomeaGA0

「変わりなさい、バーサーカー」

バーサーカーは応えず、しかし、その姿を変えた。
衣装は光の中に溶けこんでいき、目の前に現れたのは銀紫のバーサーカーによく似た普通のハイティーンの少女だった。
女子生徒の制服に身を包み、腰元までの長い髪を揺るがし、英雄という言葉とは程遠いほそいほそい身体。
眼鏡の奥にある瞳は月の光そのものの狂気だけが感じ取れる。

フェイトは右手に持った木杭でトントンと地面を叩く。
意味は無い、思考をまとめているだけだ。

目の前のバーサーカーのメリットとデメリット。

まず、デメリット。
ここでアーチャークラスのサーヴァントによる狙撃にでも遭えば死んで余りあるほどに弱い。
恐らく、フェイトが殺そうと思えば、十分に殺せる。

しかし、しかしだ。
メリット――――彼女の宝具とスキルはそれを補って余りあるほどに強い。
常人のまま英霊となった彼女は、バーサーカークラス特有の維持に必要とする膨大な魔力消費量も通常のそれと値しない。
そうだ、彼女の力のメリットは『スイッチ』なのだ。
膨大な力を別のものに閉じ込めている、と言い換えても良い。
強制的に引きずり出される魔力の奔流。
それをどう制御するか、どのタイミングで解放するか。
考える必要がある。
最低限の使用で、基本戦術はフェイトがマスターを直接狙うものでも良い。

「バーサーカー」
「……」

バーサーカーは顔を上げる。
声への反応は出来、パスを通じての命令には従う。
理性はなくとも『待て』と『行け』は理解できているようだ。
作戦に組み込むことは問題ないということだろう。
ようは、目の前のバーサーカーはただの武器なのだ。

「……」
「……」

フェイトが再び黙り込んで思考にふけこむ中で、バーサーカーは欠けた月を優しく握っていた。
三日月のような形をした宝石だ。
それは初めから三日月であったのではなく、破損した結果、三日月となったものだ。
その宝石の名は『こころの種』と呼ばれている。

「勝つ……必ず」
「……」

彼女の真名は月影ゆり、あるいは、キュアムーンライト。
世界を救ったプリキュアの一人。
理知的な瞳は狂気に染められている。
少なかった口数は強制的に閉じられている。
かつて、悲しみを大地を踏みしめる力に変え、拳には愛だけを込めると誓った。
その誓いも、身勝手な狂気に塗りつぶされていた。

フェイトは気づいていない。
バーサーカーの狂気の奥、本能とでも呼ぶべき『月影ゆり』の根底。
その根っこが、フェイトの声を聞くたびに揺らいでいるのを。
よく似た声。
自らを怒りから止めた声。
言ってはいけないと思っていたことも、言ってみせた声。

その動揺を、バーサーカーは声に出すことは出来ない。
フェイトは気づくはずもない。


676 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:29:34 WDomeaGA0
 



ただ、すべてを知る月だけが二人を見ていた。




677 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:30:21 WDomeaGA0



   ◆   ◆   ◆



――――お父さん。



コツ、コツ、と。
箸が椀に当たる際に生まれる小さな音だけが響く食卓。
二人だけの食卓。
なのに、食事は三人分用意されていた。
怯えた子供のように、母を見る。
母は何も言わず、ただ箸を動かしている。
すっかり冷め切った食事が、ただ、ただ。

「お母さん」

口にする言葉。

「なぁに、ゆりちゃん」

反応する母。
しかし、次の言葉が出てこない。
言わなければいけない。
父は死んだのだ、戻ってこないのだ。
もう、その食事が手を付けられることは永遠にないのだ。
母は、真実を知らない。
知ったらどうなる。
わからない。
母は強いが、弱い。

強いから、父のことを忘れることなどない。
弱いから、父のことを忘れることが出来ない。

なんと言えば良い。
地球から離れて行われた出来事を、自らの知る真実を。

「……なんでもない、美味しいわ」
「そう、良かった」

今日も、二人分の食事だけが終わった。
花に溢れた澄み渡る世界の光が、窪んだ月影の家に静かに差し込んでいた。


678 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:31:17 WDomeaGA0

【クラス】
バーサーカー

【真名】
月影ゆり@ハートキャッチプリキュア!

【パラメーター】
筋力E(A) 耐久E(B) 敏捷E(A++) 魔力E(B+) 幸運E(D) 宝具A
※()内は狂化スキルと宝具を同時に発動させた場合のステータス

【属性】
秩序・狂 

【クラススキル】
狂化:A
バーサーカーのクラス特性。
全パラメータを1ランク上昇させ、筋力と敏捷をさらに1ランクアップさせている。
代わりに言語能力と理性の全てを喪失している。
本来ならば、所持はしているものの無きに等しいクラス適正であった。
だが、プレシア・テスタロッサによるハッキングによって書き換えられたために高ランクの狂化スキルを所持している。

【保有スキル】
直感:B
宝具使用時のみ、戦闘時、常に最適の行動を取る。

精霊の加護:-
精霊からの祝福によって、危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる事ができる能力。
かつてはRank:B相当のそれを所持していたが、今となっては永遠に失われている。

伝説の戦士:A
宝具使用時のみ、戦闘への知識の有無に関係なくあらゆる戦闘技術を無意識に扱うことが出来るスキル。
光の祝福によって対魔力に酷似した力も持ち、少なくとも現代の平均的な魔術師では傷をつけることも出来ない。

【宝具】
『月光に冴える一輪の花(キュアムーンライト)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
人類の根源であり地球そのものである『こころの大樹』より授かった、人間としての存在を残したまま守護者へと至る宝具。
地球を砂漠化させるために現れた外宇宙からの侵略者『砂漠の使徒』からの防衛手段として生み出された。
そのため、霊長の抑止力というよりも星の抑止力である。
本人の意志に関係なく、常に『最適の攻撃手段』と『最適の防御手段』をダウンロードし続ける。

【weapon】
徒手空拳における格闘の他に、エネルギー波のようなものを放出することが出来る。
エネルギー波は単純に炸裂させることや、薄く伸ばした円盤によって相手の攻撃を防ぐ反射衛星のような使い方も出来る。
また、白く輝くマントによって飛行することも可能。

【人物背景】
『こころの大樹』によって宇宙からの侵略者『砂漠の使徒』と戦う伝説の戦士『プリキュア』に選ばれた少女。
平凡な家庭に一人娘として生まれ育ったが、十四歳の時に父が失踪した。
そして、失踪と同時にプリキュアに選ばれ、以来三年間、パートナーの妖精とともに砂漠の使徒と戦い続けていた。
自分以外の人間に同じ重責を負わせたくない、という理由で仲間を作らなかったが、三年目に敵に敗北。
その際にパートナーの妖精は戦死した。
なお、失踪した父は絶望で生まれた隙を敵に漬け込まれ、操られ、殺された。
その際に怒りと憎しみで我を失った程度の狂化適正。

【サーヴァントとしての願い】
ハッキングによって不正規な方法での召喚であるため、不明。

【基本戦術、方針、運用法】
宝具とスキルによって強化されたステータスを活かした白兵戦。


679 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:32:11 WDomeaGA0

【マスター】
フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは

【参加方法】
プレシア・テスタロッサによって舞台を整えた状態で参加させられる。

【マスターとしての願い】
プレシアのもとへ聖杯を持ち帰る。

【weapon】
インテリジェントデバイス『バルディッシュ』
フェイトの持つ外部演算装置。
人工知能を有しており、術式の自動起動や詠唱の省略など様々な補正を執り行う。
常時は宝石のような形のスタンバイ・フォームだが、起動させることで様々なフォームに変化させることが出来る。

【能力・技能】
捕縛魔法や防御魔法など、様々な魔法を扱うことができる。
また、本人の得意とする魔力の扱い方は『速く動く・動かすこと』と『鋭く研ぎ澄ますこと』である。

【人物背景】
娘を失くしたことによって気を違ったプレシア・テスタロッサが生み出したアリシア・テスタロッサのクローン。
アリシアには受け継がれなかったプレシアの魔法への才能をふんだんに受け継いでおり、優秀な魔法使いである。
しかし、そのアリシア・テスタロッサと決定的に違う部分があったからか、プレシアからは酷い扱いを受けている。
フェイト自身は母であるプレシアに愛されるため、プレシアの命にただ従っている。
ジュエルシードと呼ばれるアイテムを収集していた時、高町なのはと出会い、彼女の運命は大きく変わった。

【方針】
優勝狙い、取れる手段は全部取る。


680 : フェイト・テスタロッサ&バーサーカー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/05(土) 14:43:08 WDomeaGA0
投下終了です


681 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 15:13:33 ZbyXqAm.0
皆様投下お疲れ様です。

美樹さやか、バーサーカーで投下します


682 : 美樹さやか&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 15:16:32 ZbyXqAm.0


 暗い暗い森の中、月の光が差し込む深い森の中に一人の少女が心を曝け出す。
 手に取った剣を振るい木々を斬り裂いて、何本も何本も怒りを込めて斬り裂いていく。
 この想いを独りで抱え込むには既に現界を迎えているのだ、出さなければ自分が崩壊してしまう。
 少女はただ闇雲に剣を振り回す。月の光が刀身に反射され映しだされる表情は修羅の如く形相。


「何で……何であたしだけッ! あたしだけがああああああああああ」


 少女の名前は美樹さやか、明るく元気な女子中学生だったが運命の転機は意外にも簡単に訪れた。
『願いを叶える代わりに契約して魔法少女になってほしい』悪魔の囁きが彼女の人生に黒を零したのだ。
 さやかには好意を寄せている幼馴染が一人、重い怪我で入院していた。
 その少年は天才的なヴァイオリニストだったが怪我により負傷した腕では二度と演奏が出来ない状態。
 何日も彼を元気付けようと病院に通うさやかだったが彼女の裏のない好意が彼を傷付けてしまったのだ。
 永遠に音楽を表現出来ない彼に少女は音楽を与え続けた……彼にとっては苦しみでしか無い。


 結果少年は少女に怒りを言い放つ、本心では彼女に感謝しているのだが人間とは不器用な生物。
 傷付けるつもりは無かったが少女の心は深い闇に飲み込まれる、そして浮かぶ契約の手段。
 魔法少女、響きだけならば幼い頃憧れていた永遠の夢のように光に満ち溢れている。
 実在の姿は自分を犠牲にし他者を救う――他者を不幸にさせないと自分が生き残れない生物。
 彼女は契約したのだ、魔法少女になった彼女の願いは『幼馴染の怪我を治す』優しい願いだ。


 少年は奇跡に遭遇し入院生活から脱出、そしてヴァイオリンをもう一度弾ける状態に回復。
 けれどさやかの願いとは知らない、彼女もそれを告げない。
 少年が救われた。彼女はそれだけで心が光に包まれた――笑わせるな。


「言えば……あの時言えばよかった……でもあたしの身体は……ッァアアアア!!」


 少年と彼女はすれ違った、嗚呼何と愚かなことをしたのだろうか。
 何故告げない、『あたしが貴方を救った』何故こんな簡単な言葉すら言えないのか。
 引かれるからか? 痛いからか? ミステリアスを気取りたいのか? 正義の英雄面をしたいのか?


 それで後悔するなど哀れ、いや己が招いた不祥事だ、貴様は奇跡に縋ったのならば代償があるのは摂理だろうに。


683 : 美樹さやか&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 15:20:00 ZbyXqAm.0


 事の終末を告げる。


『少年は別の女と仲を育み、救った少女は怪物になり果てた』ただそれだけだ。


 彼女の身体には命と呼べる物が存在しない、身体は飾り程度の、形を形成するパーツ。
 魂は一つの小さい宝石に移り変わり――人体その物は永遠に朽ちる事の無い無機物に。
 それが魔法少女の理だ、戦いに特化した永遠に戦える身体を彼女は手に入れてしまった。
 そして果てには本物の怪物である魔女になってしまう――彼女は自分の生きる価値が見いだせなくなっていた。


「聖杯……それを手に入れればあたしは……記憶も令呪も此処に戻った、でも、でも……ッ!」


 使い魔と呼ばれる不幸を撒き散らす敵を自暴自棄になりながらも狩り尽くしていたさやか。
 倒した残骸から出てきた木片が聖杯戦争への資格だった、そして失くす記憶、取り戻した記憶。
 最初は喜ぶしか無かった、再び人間に戻れる、あの頃に戻れるかもしれない。
 現実はそんなに甘くない。


「バーサーカー……強いけど魔力の消費は激しい……笑わせるな。
 あたしのソウルジェムは! もうこんなに黒く濁っているのに!!
 その上で消費の激しいサーヴァント――誰もあたしを救ってくれないんだッ!!」


 怒りに任せ更に剣を振るうさやか。
 記憶に現れるのは己のサーヴァントクラス、それはバーサーカー。
 狂戦士と呼ばれるそれは全体の中でもステータスは高く数字だけならば最強と呼べるかもしれない。
 だが誓約は大きく、何より消費される魔力量の関係から身を滅ぼす可能性だって存在するのだ。
 美樹さやかは自分のサーヴァントを見ていない、だがバーサーカーには変わりない。


「……だから黙ってさっきから居るのね、バーサーカー」


 斬り裂いていた木々の奥にさやかを見つめる視線の正体。
 バーサーカーと呼ばれた男は何も言わず彼女の元へ歩き始める。
 姿は普通の男、少しだけ眼付きが悪く感じる男。


「何か言いなさいよ、こんなあたしを笑いなさいよ!!
 気取って何も明かさないで……友達まで傷付けてまだ奇跡を求めるあたしを!!」


「――お前は何を我慢しているんだ」


 バーサーカーは特有のスキルである狂化により理性を失っている。
 そのため言語機能は全く使えないのが主流だが彼は言葉を発した。
 我慢している、当たり散らすさやかに彼は何を感じ取ったのか。
 全てを見透かしているような発言はさやかの怒りを加速させ剣をバーサーカーに振るってしまう。


「バーサーカーが喋ってんじゃないわよ……あんたに何が分かるって言うのよ!!」


「此処にいるのは俺だけだ――泣くのを我慢する必要はねえ」


 さやかの剣を避けること無く言葉を放つバーサーカー。
 その剣は彼の肩に裂傷を与えるもサーヴァントは伊達ではなく気にしている様子はない。
 その突然な言葉はさやかに何を与えるのか。


684 : 美樹さやか&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 15:25:06 ZbyXqAm.0




 バーサーカーからの不意な言葉に混乱してしまうさやか。
 我慢するな、偉そうに、何も分かってないくせに喋るな。
 あたしは頑張った、その成果を誰かに認めてもらいたかった、でも言い出せなかった。
 本当は少年と一緒に歩いているのは自分が良かった、何でこんな事になってしまったのか。
 どうしてあの時――あたしは何も出来なかったのか、思い出してしまう。


「あんたに何が分かるって言うのよ……う、ひっ……ぅ」


 自分の気持を整理していたら壁が崩され涙が溢れ出る。
 バーサーカーの言葉に彼女の心は、他人を求めていた気持ちは簡単に崩れてしまった。
 彼女は中学生だ、こんな過酷な運命を背負う必要なんて本来ならば存在しない。
 運命、この誰にでも表せる都合のいい記号でしか彼女を表わすことは出来ない。


 泣き崩れるマスターに背を向けるサーヴァント。
 目の前の少女は見せつけるために泣いている訳ではない、見世物なんかじゃない。
 彼は背を向け夜空に腕を伸ばし――月を掴むように拳を握る。


(聖杯だが何だか知らねえが変わんなえ……今まで通り喧嘩をするだけだ)


 サーヴァントに願いなどない。
 邪魔する奴はぶっ飛ばす……それが彼の信念であり英霊となった今でも変わらない。
 ならば、今泣いている目の前の少女のために拳を振るう……こいつがここで朽ちる必要はない。
 決して言葉には出さない、だがサーヴァントはマスターに聖杯を捧げる。


(チンタラやってたら俺よりも先にこいつがくたばっちまう――即効で終わらせるしかねえ、か)


 この想い理屈なんかじゃ表せない。



【マスター】美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ

【参加方法】ムーンセルによる召還(木片は使い魔の残骸から入手)

【マスターとしての願い】人間として再び日常を過ごす。
            
【weapon】魔法を主体に戦う。
     
【能力・技能】彼女は契約を果たし魔法少女となり魔法を手に入れた。
       その力は癒やしを得意とし己の身体もまたタフである、武器は主に剣。
       魂はソウルジェムと呼ばれる宝石であり砕けない限りを死を迎えることはない。
       だが彼女の魂は黒く濁っており時間が経てば魔女となり不幸を撒き散らうだろう。
       
【人物背景】奇跡に縋り絶望を引き渡された哀れな少女。


【方針】自分に残された時間は少ないため他の参加者を見つけ次第殺す。


685 : 美樹さやか&バーサーカー ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 15:30:10 ZbyXqAm.0


【クラス】バーサーカー

【真名】カズマ@スクライド

【パラメータ】筋力A+ 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運D 宝具A+

【属性】中立・

【クラス別スキル】
 狂化:E (B)…筋力のパラメーターをランクアップさせるが、複雑な思考が難しくなる。
         本来ならばBランク相当の狂化を得るのだが反逆のスキルを保有しているせいでランクが大幅にダウンしている。

【保有スキル】
 反逆:A…男は絶対に己の意思を曲げたりはしない。
      全ての事象に抗うスキルでありこの意思で彼は狂化のスキルに反逆している。
      場合によっては令呪にも反逆する可能性や未来だって有り得る。
      全ての現象に反逆し相手のスキルや魔術効果を軽減、あるいは無効にする事もできる。
 意地:A…男はどんな傷を受けようがその拳を振るい続ける。


【宝具】

『奴に刻むはこの拳(シェルブリッド)』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜4 最大捕捉:1人
 精神官能性物質変換能力、通称『アルター能力』の一つ。
 己の右腕をアルター構成するし相手を殴る、ただそれだけ。
 背中に装着された三つのフィンを代償にすることで強力な一撃を放つ。フィンは消耗後再構成が可能。

『この輝きこそが己の拳(シェルブリッド)』
 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜40 最大捕捉:1人
 精神官能性物質変換能力、通称『アルター能力』の一つ。
 輝きを増したその右腕は更なる力を増し相手を殴る。
 プロペラの装着により高度な飛行性能を得た。
 魔力と力を放出させることで強力な一撃を放つことが出来る
 その輝き故に腕に多大な負担をかける。

『天下無敵の自慢の拳(シェルブリッド)』
 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉:50人
 精神官能性物質変換能力、通称『アルター能力』の一つ。
 全身をアルター化させその姿は宝具その物となる。
 この宝具は相手を殴るのみ、それ以外に何が必要だというのか。
 
【weapon】拳

【人物背景】
 男は拳一つで生きてきた。

【サーヴァントとしての願い】
 誰かに叶えてもらう願いなどいらねえ。

【基本戦術、方針、運用法】
 拳を振るい喧嘩を終わらせマスターを……。


686 : ◆F61PQYZbCw :2014/07/05(土) 15:31:56 ZbyXqAm.0
投下終了です


687 : ◆ui4kQCcLNk :2014/07/05(土) 17:26:08 fTKvDGKQ0
SNイリヤとヘラクレスで投下します


688 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/05(土) 17:27:18 fTKvDGKQ0
「殺っちゃえ、バーサーカー!」

少女の無邪気さの混ざった命令が狂戦士を動かす。
それは巌のような巨人と呼んでも差支えない大男だった。
全身が鉛色の暴虐の化身と呼ぶべき存在。
巨人が数回斧剣を振るっただけで敵対したサーヴァントの命は潰えた。
消えかけているその死骸はミンチよりも酷い惨状を晒している。


「ひぃぃい!?お、俺のランサーが……しし、死んだっ!?
こ、こんな…あっけなさすぎる!」
「え?まさかあの程度で三騎士だったの?
あれならシロウのセイバーの方がずっとマシだったわ。
もういい、死になさい」

バーサーカーが斧剣を大上段に振り下ろす。
先だって目覚め、サーヴァントと契約していたマスターを地面の染みにするには十分すぎる一撃だった。



「バーサーカーは強いね」

バーサーカーのマスターである銀の少女が確信を込めて従者を称賛した。
無論、バーサーカーは静かに佇んだまま言葉を返すことはない。
けれど元より絆の強い二人に余計な会話など無用だった。



少女、イリヤは地上の第五次聖杯戦争に参加している最中だった。
城で過ごしていたはずがいつの間にかこの奇妙な聖杯戦争に巻き込まれていたのだった。
マスターとして目覚める直前、サーヴァントと契約したマスターに襲われた時記憶を取り戻した。
そんな彼女の元に駆けつけたのは当然にして共に戦っていたバーサーカー、ヘラクレスだ。
猛るバーサーカーは僅か三十秒で襲撃者である敵主従を粉砕した。

その後もイリヤの外見を侮ったか仕掛けてくる敵マスターとサーヴァントをその度に返り討ちにしていた。
驚いたことに中には魔術の資質すら持たない哀れな身の程知らずまでいた。
こんな奴らのために足止めをされているかと思うと腹が立つ。


「早く戻らないとシロウが他の誰かに殺されちゃうのに…。
本当に、数だけは多いのね」

苛立ち紛れに石ころを蹴り飛ばした時、ふと妙案が浮かんだ。
地上の聖杯戦争ならシロウ以外のマスターには通用しないだろうがここならあるいは。

「ふふ、誰かに“お願い”してもいいかもしれないわね」

聖杯であるイリヤは生まれつき魔術を知っている。
その応用で拘束・魅了効果のある魔眼を使うこともできる。
抗魔力すら持たない者なら虜にして間接的にサーヴァントを奪い取れる可能性もある。
その方が間引きも手早く済むに違いない。


「ずっと動き続けるのは疲れるもの。
少しは頭を使ってみるのも悪くないわね。
早速獲物を探しにいきましょう、バーサーカー」

地上において最強を誇るサーヴァントの進撃は、止まらない。


689 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/05(土) 17:28:07 fTKvDGKQ0
【クラス】バーサーカー
【真名】ヘラクレス@Fate/stay night
【属性】混沌・狂
【パラメーター】
筋力 A+ 耐久 A 敏捷 A 魔力 A 幸運 B 宝具A
このパラメーターは狂化のランクを低下させている状態での表記である
【クラス別スキル】
狂化:B…理性の代償として能力を強化する。
ランクBは大半の理性を失う代わりにすべての能力値が上昇する。
普段は維持を楽にするためにランクを落として運用している。
【保有スキル】
勇猛:A+…威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。
また、格闘ダメージを向上させる。
しかし現在は狂化しているため効果を発揮しない。
神性:A…生前は半神半人で死後は神に迎えられた為、最高レベルの神霊適正を持つ。
戦闘続行:A…瀕死の傷でも戦闘可能。
決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
心眼(偽):B…直感・第六感による危険回避。
熟練の剣士と打ち合ったとしても生半可なフェイントは通用しない。
本能に近いスキルであるため狂化の影響を受けない。

【宝具】
「十二の試練(ゴッド・ハンド)」
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人
生前ヘラクレスが達成した十二の偉業を由来とする宝具。
武器や防具、装飾と言った形は持たず、肉体そのものが宝具となっている。
この宝具は肉体を強靭な鎧へと変化させ物理的な手段、魔術を問わずランクB以下の攻撃を全て無効化する。
そしてランクBを超える攻撃により、見事にヘラクレスを討ち果たした場合、ヘラクレスは自動的に蘇生する。
この蘇生は十一回分のストックがあり、ヘラクレスを十二回殺さない限りは消滅させる事が出来ない。
またこの蘇生は魔術に分類されるためマスターからの魔力供給によって失ったストックも回復可能。
マスターがイリヤの場合原作の描写から一日二つ程度は回復可能と思われる。
さらに既知のダメージに対して耐性を持たせるため、一度殺した攻撃で再び殺されることはなくなる。
この既知のダメージに対する耐性はヘラクレスが該当する攻撃で死亡した時ではなく負傷した時点で作られる。
尚、この場合の「ランクB以下の攻撃」とは純粋な威力ではなく神秘の度合いを示す。
極端な例を挙げれば世界を滅ぼす一撃であろうともBランク以下の神秘であればヘラクレスに届きすらせず無効化される。
逆に威力に乏しくともAランクを越える神秘であればヘラクレスを殺傷し得る。
もっとも、攻撃が通用して傷をつけられることと、その攻撃で頑強な彼を仕留められるか否かは別の話である。
しかし弱点もあり、余りに大きいダメージを受けると一度に複数回分命のストックを失う場合がある。
また肉体が傷ついた状態で戦わせ続けるとより死にやすい状態となってしまう。


690 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/05(土) 17:28:51 fTKvDGKQ0

「射殺す百頭(ナインライブズ)」
彼の持つ万能攻撃宝具。
一つの兵装ではなく、生前の偉業「ヒュドラ殺し」で使った弓の能力を元にヘラクレスが編み出した、言わば「流派・射殺す百頭」。
その本質は、攻撃が一つに重なる程の高速の連撃にある。
状況・対象に応じて様々なカタチに変化する「技」であり、公式で明言されたものは対人用の「ハイスピード九連撃」、対幻想種用の「ドラゴン型のホーミングレーザーを九発同時発射」の二者。
剣や槍や斧や弓といった武器はおろか防具である盾でさえも使用可能であり、複数の名のある宝具候補のうち、クラスに対応して所持する兵装としての宝具が変化しても、この技の性能は変わること無く宝具級の威力を発揮する。
しかし、狂戦士クラスで召喚されたため、その卓越した武技とともに、この宝具も使えない状態となってしまっている。

【weapon】
・斧剣…第五次聖杯戦争でアインツベルンはヘラクレスを召喚する際彼を奉る神殿の支柱となっていたこの剣を触媒とした。
召喚された後も元より高い神秘を持つこの剣を獲物として戦い続けた。
二次二次聖杯では最初から所持している。

【人物背景】
ギリシャ神話の大英雄。神々や数多の怪物を倒したとされる世界屈指の英雄。
前述の彼を奉る神殿の支柱となっていた斧剣を触媒にアインツベルンのサーヴァントとして召喚された。
アインツベルンが「バーサーカー最強!」と思ってしまっていることと、第四次聖杯戦争のことから手駒に余計な意思を持たせたくなかったためにバーサーカーとして召喚された。
神話中で何度も発狂する伝承があることから「狂戦士」のクラスへの適正はそれなりに高いが、「魔術師」以外の全クラスに当てはまるほどの武芸百般を極めた武人である。
狂化しているためその人格をあらわすことはない。
だが、その実クラス特性たる狂化に飲まれることの無い程の理性の持ち主であり、冷静な戦略眼すら持つ。
武人として高潔な人物であり、戦士として他の英雄としのぎを削りあえることを望んでいる。
二次二次聖杯では第五次聖杯戦争の場から直接呼び出された、言わばイリヤ自前のサーヴァントという扱い。

【サーヴァントとしての願い】
狂化しているためなし。
強いて挙げればイリヤを守り抜く。

【基本戦術、方針、運用法】
圧倒的な怪力と体躯に似合わぬ素早さから白兵戦においては敵無しとされており、セイバー、アルトリア・ペンドラゴンであっても例外となり得ない。
その能力から原作において歴代最高峰のメンバーと評される第五次聖杯戦争のサーヴァントの中でも最強と言われている。
狂化されている為に技量は皆無だが、その剛力から生み出せる一撃と卓越した反射神経から最高のスピード及び攻撃回数を誇るとされ、ただ剣を振り回すだけでも他のサーヴァントを圧倒する。
小手先の技術など彼の嵐のような攻撃の前には無力とされる。
一方、クラスの特質から理性を奪われており、せっかくのスキル勇猛や攻撃宝具「射殺す百頭(ナインライブズ)」が使用不可能。
防御面も本来は戦士としての経験と技術で一度視認した攻撃を見切る事が可能で「十二の試練」を更にフォローしていたのだが、宝具の特性のみに頼らざるを得ない状態となっている(ただしスキル「心眼(偽)」「戦闘続行」による危険察知や死に難さは健在であり、Aランクに相当する攻撃に対して迎撃したり、致命傷を受けても中々死なずあまつさえ反撃すら可能)。
この二点から、「狂戦士」ではなく、別のクラスならばより強力なサーヴァントとなったともいわれている。なお、最もヘラクレスの力を発揮できるクラスはアーチャーとのこと(ヘラクレスはレンジャーとしての能力を持つため)。
ただし二次二次聖杯ではサーヴァントの多さから「十二の試練」の有用性が相対的に低下しておりある程度は細やかな戦略を立てて動く必要がるだろう。


691 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/05(土) 17:29:39 fTKvDGKQ0
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night
【参加方法】
アインツベルン城の調度品にゴフェルの木片が用いられていた。
【マスターとしての願い】
特になし。
全員殺して早く第五次聖杯戦争に復帰する。
ムーンセルの聖杯に関しては今のところ興味なし。
【weapon】
・特別製の令呪…本来ヘラクレスは令呪すらキャンセルするほどの霊格を誇り、ましてバーサーカーとして制御・使役することなど不可能な存在である。
しかしイリヤの全身に宿るこの令呪はそんなヘラクレスさえも律することを可能とする。
・魔眼…正確には武器というより魔術(のようなもの)。
イリヤの扱うそれは耐性の無い者なら視界に入れた時点で魅了・拘束することができる。
また然るべき手順を踏めば人形に他人の意識を移すことも可能。

【能力・技能】
マスターとしては聖杯戦争史上最高の適性を持っており、凄まじく魔力を消耗するバーサーカーを苦も無く維持している。
ただし、マスターとしては群を抜く適性を有してはいても、聖杯戦争のためだけに育てられたという歪な教育課程のためか魔術師としての技量そのものは未だ高くなく、まだまだ発展途上。
もっとも、こちらの適性もホムンクルス故に高く、魔術回路の数も通常の魔術師を圧倒し、自立型魔術回路とでも言うべき存在。
魔術師としては未熟とされるイリヤではあるが、そもそもイリヤは「願望機」たる聖杯であるため、彼女の魔術は理論をすっ飛ばして「結果」のみを現出できる。
それがイリヤの魔力で叶うことならば、イリヤ自身はそのために必要な魔術理論を知らなくとも魔術を行使できる(魔力弾を発射するなど)。
【人物背景】
「最高傑作」と謳われる、アインツベルンのホムンクルス。
第四次聖杯戦争開始に先立ち、アイリスフィール・フォン・アインツベルンの卵子と衛宮切嗣の精子を用いて作り出された。
なお、ホムンクルスでありながら、その過程でアイリスフィールの母胎から「出産」されることで生を受けている。
生まれながらに「聖杯の器」となることが宿命づけられており、母親の胎内にいる間から様々な呪的処理を為されている。
しかし反作用として、発育不全・短命などのハンデも背負っている。
第四次聖杯戦争を経て母は亡くなり、父は裏切り者としてアインツベルンから遠ざけられる。
鋳造主であり育ての親とも言えるアハト翁による教育も手伝い、「キリツグは自分と母を捨てた」という誤解によって恨みの感情を募らせていく。
第五次聖杯戦争開始の二ヶ月前にバーサーカーを召喚。
苛烈な訓練によって、人格を失っているはずのバーサーカーと強固な絆を得る。
バーサーカー、セラ、リーゼリットを伴って来日し、切嗣の養子・衛宮士郎と邂逅を果たし、聖杯戦争に臨む。
基本的には素直で無邪気、天真爛漫な幼女。その様は「雪の妖精」に喩えられる。
しかし、聖杯戦争のためだけに育てられたため、一般的な常識や倫理観が乏しく、特に殺人に抵抗がない(但し流石に関係の無い民間人を躊躇無く殺せるという程ではない)。
ナチュラルに天使で、ナチュラルに悪魔。
夜に出会えば危険極まりないマスターであるが、お昼の商店街に現れたときは人との触れ合い方を知らない臆病な少女である。
士郎を「お兄ちゃん」と呼び、マスターとしては裏切った衛宮切嗣の後継者として殺害しようとするが、イリヤスフィールとしては士郎に対し親しみを感じており、HFルートではその二つの相反する感情に戸惑うこともあった。
普段の立ち居振る舞いは幼い少女然としているが、魔術師・貴族の姫として威厳のある態度をとったり、実年齢は士郎よりも上であるため、「妹」ではなく「姉」としての顔を垣間見せる時もあるなど、様々な側面を併せ持つ。
【方針】
敵が多いのでバーサーカーで蹴散らすだけでなく、ある程度はどう動くか計画性を持って戦うつもり。
予選で魔術抵抗を持たないマスターが複数いることを知っているので魔眼で敵マスターを屈服させることも視野に入れる。


692 : SNイリヤ・ヘラクレス ◆ui4kQCcLNk :2014/07/05(土) 17:30:32 fTKvDGKQ0
以上で投下終了です
SNのイリヤはプリヤの方とは別人、別枠と認識しています(そもそも年齢が違うので)
またヘラクレスに関しては原作で表記されているパラメーターは狂化のランクを落としたものという説を採用しています(ヘラクレスはセイバーとランサー両方に適性ありとされているので)


693 : ◆OzO3NU97wY :2014/07/05(土) 18:02:17 xY0QOKGo0
円谷光彦&セイバーで投下します。


694 : 円谷光彦&セイバー ◆OzO3NU97wY :2014/07/05(土) 18:02:56 xY0QOKGo0

 それは少年探偵団による事件の調査中の出来事だった。
 ある事件について、頭の回る江戸川コナンや灰原哀も証拠探しに苦労している様子を見せていたので、(ほとんど迷惑なお節介だが)光彦たち少年探偵団が加勢した。
 彼らは事件と聞けば目を光らせる。
 時折、危険な事件に何度も巻き込まれたが、それでも彼はめげずに「少年探偵団」を続けていた。

 殺人事件や爆弾事件、誘拐事件…まだコナンと出会って一年も経っていないが、巻き込まれた数は数えきれない。まるで二十年ほど一緒にいたのではないかと錯覚するくらいだ。
 一般的な男子小学生が殺人事件や爆弾事件に巻き込まれる頻度は大凡、三回か四回だと言われているが、彼の場合はその比ではなかった。
 ただ、彼はその日常に対しても一定の理解を示していた。少年探偵団を名乗るほど探偵や推理が好きな彼は、その中で冒険心をくすぐられるような感覚を感じていた。
 それはきっと、そこにいた仲間たち全員と共有できるものだろう。

 母や姉の心配を余所に、光彦の存在がなければ解決不可能だった事件があるほどに彼は腕を上げている。
 コナン、哀といった仲間たちも光彦を信頼し始めていた。
 この時も、運命を左右する一つの証拠に、コナンと哀は気づかず、光彦は気づいてしまった。

「コナンくん! ちょっとこれ、見てください!」

 円谷光彦がとある事件現場で発見した、謎の木片である。
 事件の証拠として江戸川コナンか灰原哀に届けようとした矢先、この聖杯戦争に巻き込まれた。
 これこそがゴフェルの木片であった。



◆   ◆   ◆   ◆   ◆



 
 殺人事件、というにはあまりにも手が込みすぎており、現実の出来事というにもあまりにも不条理だ。
 いくら小学一年生としては頭の回る光彦でも理解の追いつかない出来事である。

(はぁ…。こんな時、コナンくんや灰原さんならどうするでしょう…)

 コナンと哀。二人は、光彦たちに比べると随分大人な性格をしていて、頭も良い。光彦でも時折、実は大人が新薬で子供になった姿なのではないかと邪推してしまうくらいである。
 まあ、そんな薬がこの世にあるわけもなく、光彦もそれは推理ではなく、彼を表現するレトリックとして使っているだけだ。本気ではない。

 コナンや哀との決定的な差は、やはり経験ではないかと光彦は考えている。
 光彦はまだ出先で必ず殺人事件に出会うコナンらに比べれば、ひよっこの探偵であるといえる。同学年ながら、彼らの方が光彦よりも社会の闇を知っている気がする。
 おそらくは、コナンや哀ならば、こうした経験も過去に何度かあるだろうが、あいにく光彦には初めてだ。もし生き延びれば、これもコナンたちと肩を並べるまでの一つの経験になるのか。
 しかし、現状コナンや哀のサポートなしに聖杯戦争を生き残るというのは土台無理な話で、なるべくこの聖杯戦争の中から生き残るために考えなければならない。
 光彦と、この場で協力してくれるサーヴァントで…。

「よっ! お前が私のマスターか。どっこいしょ」

 光彦が顎に手を当てて考えていると、光彦の目の前にサーヴァントが現れた。
 光彦が召喚したサーヴァントは、光彦がイメージしていたような屈強な英霊とは違う。
 今回、光彦の前に現れたのは、小学一年生の光彦よりもやや身長が小さめで、胡坐をかいた半裸の豚である。
 豚とはいっても、二足歩行をしているようで、こうして喋っているところを見ると、外面だけ豚という感じだ。 

「私の名はセイバー。救いのヒーローだ。よろしく頼むぞ、マスター」

 腰には剣を携えており、どうやら【クラス:セイバー】のサーヴァントが現れたのだと光彦は知った。
 しかし、もっと強そうなのがセイバーではないか。

「は? はあ…」

 ぱっと見たところでは、このセイバーはほぼ頼りにならなそうである。
 剣のリーチも短く、よく目を凝らして見てみるとそれは千歳飴にも見えた。
 セイバーは物凄く偉そうに訊く。


695 : 円谷光彦&セイバー ◆OzO3NU97wY :2014/07/05(土) 18:03:48 xY0QOKGo0

「で、ガキ。お前の名前は?」

「つ、円谷光彦です」

「そうか。…チッ、冴えねえ名前と顔のガキだな」

 セイバーは光彦と目を合わせず、ボソッと何かを言ったようである。
 光彦には聞き取れなかった。随分と偉そうな豚、というのが光彦にとっての彼の認識であり、それは光彦を少しだけイライラさせた。

「今、小声で何か言いませんでした?」

「ヒューヒューヒュー」

 あからさまに目線を逸らして口笛を吹くセイバーに更にムッとする。
 しかし、光彦としてはいち早く自分の主目的を伝えたい。

「…コホン。僕はこの聖杯戦争からの脱出を考えています。僕は本来ここにいるべきじゃありません。
 偶然巻き込まれたんです。ですから、サーヴァントであるあなたも、マスターである僕に協力してくれますね?」

「やだ」

「えっ!?」

 間髪入れずにセイバーは答える。

「だってめんどくさそうだし、お前の顔も気に入らない。
 私だって、マスターは綺麗なおねいさんが良かった。お前もそうだろ? ファ〜」

 セイバーは横になって欠伸をした。
 本当にやる気がなさそうである。

「で、でも…!」

「…もし本当に協力して欲しいならば私の尻をなめろ」

 そう言うと、今度はセイバーはズボンを脱ぎ始めた。
 光彦に尻を向け、少し恥ずかしそうにポッと顔を赤らめる。
 光彦は、その姿を冷淡に見つめていた。
 そして、言った。

「…わかりました」

「ほぅ、物わかりがいいガキだな。最近のガキは進んでいるからこんな事もできるのか。
 さて、それじゃあ私の尻が冷える前に…」

「…いいえ。あなたがどんな人なのかわかりました。
 あなたとは協力関係を結ばない事にします。つまり、あなたとはここでお別れです。…さようなら」

 光彦は本当に背を向けてセイバーの下を去っていってしまった。
 尻を出すセイバーの後ろで、ぴゅーと風が吹く。
 セイバーは完全に置き去りにされてしまったようだ。

「おいコラー! 私を無視すんじゃねえクソガキ!」

 セイバーは怒りながら、すたこら歩いて行く光彦の背中を追う。聞こえているはずだが、光彦が振り向く事はなかった。
 そして、光彦の前で大の字になって止まると、やれやれと肩をすくめる光彦の目を見上げた。

「…おいクソガキ。あくまで私を無視するというなら、私の本当の恐ろしさを思い知らせてやろう」

 再び、セイバーはズボンを下げる。

「これぞ私の宝具」

 光彦は、セイバーの尻からはみでている物に嫌な予感を感じ、咄嗟に逆方向に逃げようとした。
 しかし、セイバーの怒りは収まらない。

「 拭 い て な い お 尻 攻 撃 ( ダ ー テ ィ ・ パ ラ ダ イ ス ) 」

「うわああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!」

 大便をした直後の尻を敵に押し付ける宝具である。
 古今無双のあらゆるセイバーが、「習得しているはずだが使わない」とされた伝説の技であり、それがこの時、【真名:ぶりぶりざえもん】であるこのセイバーによってなされるのであった。
 逃げる光彦に向かってセイバーは突進を試みる。みるみるうちにセイバーの尻と光彦の背中とが近づいていく。


696 : 円谷光彦&セイバー ◆OzO3NU97wY :2014/07/05(土) 18:05:17 xY0QOKGo0

(た、助けてください、コナンくん…! それに灰原さん…! いきなりピンチです…!)

 そして、そんな神頼みをした時に限って、光彦がつまづいて転んでしまった。
 光彦が再度走り出そうとすると、目の前にあったのは、お見せできない状態になったセイバーの尻である。

「フッフッフッ…私を無視した罰だ」

「くっ…やめてください! 本当に! 近寄らないでください!」

「どうしよっかなー。やめてやってもいいんだけど、その代わり私に百億万円、前払いで…」

 駄目だ。
 説得できる相手じゃない。
 仮にマスターとサーヴァントという関係にあっても、彼はお構いなしだ。
 仕方がない。ここで使うのはもったいないが…。

「れ、令呪をもって命じます! やめてください!」

 光彦は、一回目の令呪を使った。



◆   ◆   ◆   ◆   ◆



 少しして、セイバーと光彦は落ち着き始めていた。

「…今のは私の宝具、拭いてないお尻攻撃(ダーティ・パラダイス)だ。これから役に立つかもしれんぞ」

「もう二度とその宝具は使わないでください」

 令呪を使ってしまった事に対する強い後悔と徒労に、浮かない顔の光彦に、セイバーはなれなれしく話しかける。
 このままで大丈夫なのだろうか。後先が不安であった。…とにかく、これからは脱出を目指して一直線だ。

「なあ光彦」

「なんですか?」

「令呪を使って私にあんな事やこんな事をしようなどとは考えるなよ」

「する気がありませんよ」

 聖杯戦争というシステムを、光彦は呪い続けるだろう。


697 : 円谷光彦&セイバー ◆OzO3NU97wY :2014/07/05(土) 18:05:55 xY0QOKGo0
【クラス】セイバー
【真名】ぶりぶりざえもん@クレヨンしんちゃん
【パラメーター】
 筋力E 耐久C 敏捷E 魔力E 幸運EX 宝具E
【属性】
 混沌・中立 
【クラススキル】

対魔力:E
 魔力の無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する(打たれ強い)。

騎乗:D
 運転免許を持っていない。 

【保有スキル】

爆弾処理:B
 爆弾処理の免許2級。

お助け:EX
 救いのヒーローとして日常的なお助けができる。

【宝具】

『千歳飴(オヤツ)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
 腰にぶら下がっている千歳飴。

『拭いてないお尻攻撃(ダーティ・パラダイス)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
 脱糞した後、敵にお尻を擦り付ける。

『種族を問わず存在する雄の根(××××)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:?

【weapon】宝具『千歳飴』

【人物背景】
 野原しんのすけが落書きで書いた豚の恰好をした救いのヒーロー。
 紫のタイツを履いた上半身裸の豚で、腰に刀を差しているように見えるが、実はこれは千歳飴(時々舐めている)。
 下品で女好きで自分勝手。「強い者の味方」を自称し、善悪関係なく優勢な方に味方し、すぐに裏切る性格。
 そのくせ、裏切った側が勝つとそちらに戻ってきて多額の救い料を請求する。
 性感帯は鼻。

【サーヴァントとしての願い】
 強い者に味方し、上手い事取り繕って生き残る。

【基本戦術、方針、運用法】
 戦闘ではほとんど使えないが、打たれ強いので、しばらく生きていけるかもしれない。


【マスター】円谷光彦@名探偵コナン
【参加方法】事件調査中にゴフェルの木片を拾う
【マスターとしての願い】元の世界への帰還
【weapon】探偵バッジ
【能力・技能】小学一年生レベルを逸脱した知恵と勇気
       小学一年生の中では非常に高い体力や運動神経
【人物背景】
 米花町に住む小学一年生。江戸川コナン、灰原哀、吉田歩美、小嶋元太と共に少年探偵団として活動している。
 同級生に対しても常に敬語を使う礼儀正しい性格で、小学一年生ながらにして幅広い知識を持ち、冷静かつ論理的な思考力を持つ。
 身体能力も非常に高く、同級生たちがマラソンでバテている中で一人だけ息も切らさず涼しい顔をしていた事がある。
 中学生の姉がいる。
【方針】
 聖杯戦争からの脱出。


698 : 円谷光彦&セイバー ◆OzO3NU97wY :2014/07/05(土) 18:06:28 xY0QOKGo0
以上で投下終了です。


699 : 結標淡希&キャスター ◆lY4DWmAdWw :2014/07/05(土) 18:37:45 aZwTtvok0
結標淡希&キャスターで投下します。


700 : 結標淡希&キャスター ◆lY4DWmAdWw :2014/07/05(土) 18:38:23 aZwTtvok0
「キャスター、なんで私達はこんな力を手に入れてしまったのだと思う?」

マスターの少女は自分のサーヴァントに問いかけた。

「なぜ私達にこんな力が宿ったのか、なぜ私達でなければならなかったのか。」

力がなく苦しんでいる者達とは正反対の苦悩
自分の心次第で他者を簡単に傷つける力
それを手にして普通の社会で生きていくことは周りを傷つける恐怖とつま先で慎重に道を歩いているような息苦しさを伴う

「聖杯が手に入ればそれがわかる。残骸(レムナント)なんてものに頼らなくても。」

キャスターも自分の力に悩んでいた。
なぜ自分にこんな力があるのかと苦しんだこともある。
しかし、それが何故なのか、突き止めようということは考え付きもしなかった。
キャスターはその発想に少々驚き―――それだけだった。

もう、意味はないのだ
自分になぜこのような力が与えられたのか、なんていう問いは。
たとえその正しい答えを何かが教えてくれたとしても
あるのはただ、人々を苦しめ、凍えさせてしまったという事実。
妹を傷つけ、殺してしまったという事実。

「私達にはそれを知る資格がある。聖杯を手に入れて真実を知りましょう。」

歪んだ信念を軸に手を伸ばす少女を見ながらキャスターは不憫に思ったが、一方で羨望も抱いていた。
この子は傷つけてしまったという事実を自分のせいだと認められないのだろう
そう思える余地があるということが、キャスターはただただ羨ましかった。
本当なら、ここでその誤りを指摘するべきなのかもしれない。
傷つけられた痛みは、傷つけた者が力を持った理由をいかに正当化しようと、消えることはないのだと。

「………ええ。よろしくね、アワキ。」

力がある理由なんてどうでもいい。
でも、もしも、砂漠の国のお伽噺のランプような、なんでも願いを叶えてくれる宝物があったとしたら
それで傷つけてしまった人たちが癒され、死んでしまった妹が助かるというのなら
彼女はただ、それに縋る。

絶望に染まった雪の女王は、マスターの歪みとこれから起こそうとする悲劇に目を逸らしながら、ただ救いを求める。


701 : 結標淡希&キャスター ◆lY4DWmAdWw :2014/07/05(土) 18:40:00 aZwTtvok0
【クラス】キャスター
【真名】エルサ@アナと雪の女王
【パラメーター】
筋力E 耐久D 敏捷D 魔力A 幸運D 宝具B
【属性】
中立、中庸
【クラススキル】
  陣地作成:B
  半径数km圏内の気温が氷点下まで下げることで雪や氷を操る魔術に適した環境を作る。この能力は制御不可。
  雪や氷を原料として橋や巨大な城を作れる。

【保有スキル】
   低温への耐性:A 極寒の地や吹雪の中でも防寒着なしに普通に行動でき、凍傷などを負わない。

【宝具】
  手袋
  かつてキャスターの魔法の力を抑えていた手袋。
  キャスターの魔法の力はもはやこの手袋で抑えられるレベルでないので特に意味はない。

  全て凍らせる魔法の力(Frozen)
  指先から放つ魔法の光によって範囲数mにわたって何もないところから雪を生み出したり
  物体を凍らせたり多数の氷柱を出現させることができる。主に牽制に使用される。
  人に当たるとすぐに凍りはせず、髪がだんだん白くなり体温が低下し、約1日で髪が真っ白になった直後に全身が凍る。

  氷の怪物(アイスゴーレム)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜100 最大補足:1〜5人
  雪の体と氷の爪を持つ全長5mほどのゴーレムを1体生み出す。
  ゴーレムは自動的にキャスターの敵と見なした相手を追いかけて攻撃する。
  体は斬られても周囲の雪で再生可能。

  オラフ
ランク:E- 種別:対人宝具 レンジ:1〜100 最大補足:1人
  夏に憧れる不思議な雪だるま。エルサが王国から逃げる途中、秘密の力を使って作り出したもので、
  幼いころアナと一緒に遊んだ幸せな思い出がつまっている。無邪気で人懐こく、ハグが大好き。
  雪だるまなのにあたたかい太陽のもとで過ごすことを夢見ている。
  雪山のような場所にいないとすぐに溶けてしまう。戦闘力は皆無。
【weapon】
  なし
【人物背景】
  触れたものを凍らせたり雪や氷を作る魔法の力を持って生まれたアレンデール王国の王女。
  その力で妹を傷つけてしまった過去により部屋に閉じこもっていたが、両親を海難事故で失い、
  成人して女王として戴冠式に出ることになる。しかしその場で魔法の力が抑えられず、
  魔法の力が周囲にバレてしまったことで雪山へ逃げ出し氷の城を作り出して独りきりの自由を得る。

  彼女の魔法の力で国全体が冬になってしまい、それを止めてもらおうと妹のアナが雪山まで訪ねてきたが
  魔法の力はエルサにも制御できずどうしようもなかった。(冬になってしまったこともアナが来るまで知らなかった)
  そして自分が原因で国が冬になってしまったショックで魔法が暴走し、妹のアナに氷になってしまう魔法がかかってしまう。

  ハンス王子に捕らえられて牢に閉じ込められるが、王国を魔法で滅ぼしていけないと牢から脱出し逃げ出そうとする。
  しかしアナが自分の魔法のせいで死んでしまったと王子に言われ(本当は生きてる)、ショックを受ける。この時点から現界。

【サーヴァントとしての願い】
  叶うなら自分の魔法の力を消したい。死んでしまった(と思ってる)妹を生き返らせたい。
  だが自分の力でまた誰かを傷つけることに対しては抵抗がある。
  似た境遇の結標淡希に多少の同情。

【基本戦術、方針、運用法】
  極寒の地にした陣地で籠城。


702 : 結標淡希&キャスター ◆lY4DWmAdWw :2014/07/05(土) 18:40:40 aZwTtvok0
【マスター】結標淡希

【参加方法】武器として使用しているコルク抜きの一本に、グリップがゴフェルの木片で作られたものが混ざっていた。

【マスターとしての願い】
  聖杯を使い「何故自分にこんな力があるのか」 「何故自分である必要性が」 という疑問の答えを得る。

【weapon】
  軍用の懐中電灯
  自由度の高すぎる能力に基準をつけるため、使用する際に警棒兼用の軍用懐中電灯を軽く振るう。 (ライトはつけない)

  拳銃
  隠し持っている拳銃。
  「自分が人を傷つけるのは能力のせい」と考えている結標がこんなものを持っていること自体が彼女の甘えの現れと言える。

  複数のコルク抜き
  座標移動で対象の肉体に転移させてダメージを与えるのに用いる。

【能力・技能】
  座標移動(ムーブポイント)
  結標淡希の持つレベル4の空間移動系能力。
  物体を三次元の制約を無視して移動させることができる能力。
  移動した物体は元あったものを押しのけて出現するので、物体の強度に関係なく切断・破壊される。
  一度に飛ばせる距離は800m以上、重量は最大で4520kgだが、1000kg以上は身体に負担が大きい。
  ちなみに大量の物質を転送する際には出現に先行して空間が歪むらしく、完全な「瞬間移動」ではない。

  他の空間移動能力と異なり始点・終点が固定されていない。
  そのため白井黒子のような接触すら必要なく能力を発動でき、
  テレポートやアポートはもちろん、自身から離れた2地点間を直接移動させることすらできる。
  ただし移動前座標も計算しなければならないため、
  白井黒子の空間移動以上に演算負荷が大きい。また、高速で動き回る相手を移動させることもできない模様。
  また、同じ空間移動系能力者を移動させることもできない。

  位置を把握しなければならない関係上、実用的な効果範囲は有視界内に限られるが、
  転移先の状況を考えないなら、一応目視しない場所へも転送可能。

  レベル5判定を受けてもおかしくない超強力な能力だが、
  過去に自分自身を飛ばした際に床にめり込んだ足を抜こうとして大怪我を負ったことがトラウマとなった経験から、
  自分自身を飛ばすことは苦手としており、それ故レベル4に甘んじている。
  そのトラウマは、自己転移を避けるあまり、攻撃に対し自身を転移して避けるのではなく、
  周りの物体を引き寄せて防御するという回りくどい方法を取る程。
  使えないわけではないが、使用後は強烈な吐き気などの症状を起こす。

【人物背景】
  学園都市の霧ヶ丘女学院二年生の少女。
  その望むままに人を傷付けることすらできる強大な能力から、過去には力に怯えていたこともある。
  それでも自分が力を得る必要性が何かあったのだろうと我慢していたが、
  クローンで生み出された人工的な能力者「妹達」たちの結果を知って、
  人以外にも能力が宿る可能性がありうることを知り、
  「何故自分にこんな力があるのか」 「何故自分である必要性が」 という疑問を共に抱いた仲間の能力者達と共に、
  学園都市のスーパーコンピューターの破片(残骸(レムナント))を再構築して
  「人間以外が能力を持つことが可能かどうか」の演算を行うことを計画し、
  学園都市外部の組織と接触していた。

  白井黒子との戦いの中で、
  『自分が人を傷つけてしまうのは能力のせい』という自分の根幹を
  『己の不幸を能力のせいにして安心しているだけ』と否定される。
  最後には黒子を能力ではなく銃で止めを刺したことから
  『今まで人を傷つけてきたのは能力ではなく自分自身』だということを悟り
  自分で否定してしまったことで精神が不安定になり能力が暴走。
  もはや本来の目的を失い、外部組織にコンピューターの残骸を渡すことだけを目的とし自我を保っていたが
  外部組織も警備員に壊滅され、
  路頭に迷っているところを騒ぎに乱入して来た一方通行に倒される。

  参戦時期は原作で初登場して白井黒子をボコボコにしたあたりから。

【方針】
  優勝狙い。
  自分の神秘のない攻撃はサーヴァントに効かないのでマスターを狩っていく。
  あと寒いので何か羽織るものが欲しい(特に腹まわり)

  【備考】
  令呪を使うと学園都市製の能力者である結標は魔力が暴走し体中の血管が破れます。
  つまりケイネスさん状態になる。おそらく2回も使ったら死ぬ。
  このことを結標は知らない。


703 : 結標淡希&キャスター ◆lY4DWmAdWw :2014/07/05(土) 18:41:13 aZwTtvok0
以上で投下終了です。


704 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:19:19 YGVAPQJE0
ローラ&バーサーカーを破棄します


705 : ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:19:58 YGVAPQJE0
立花ユズヒコ&バーサーカー投下します


706 : 立花ユズヒコ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:21:19 YGVAPQJE0
立花ユズヒコ。
どこにでもいる平凡な中学生
でもなんか今は違った。具体的には今日から。
彼の手に刺青みたいなのが浮き出てきた。
……聖杯戦争、サーヴァント、ゴフェルの木。ぜんぜん覚えがない。
いや、そういえばなんか父が出張のお土産に変な木片を買ってきたな。あぁそれかと愕然とした。


「こうなった以上、とりあえず、サーヴァントを召喚するしかないのか?」


とりあえず、サーヴァントという相方を召喚?しなければ命が危ないことをユズヒコは理解した。さすが納豆奉行。

別にユズヒコに殺しあってまで叶えたい願いは無いので、聖杯戦争に参加する必要はないのだけれども……

時間は深夜。ムーンセルの再現した立花家の自室で召喚を行う。


閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
 繰り返すつどに五度
 ただ、満たされる刻を破却する

汝三大の言霊を纏う七天
  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――



……見よう見まねで召喚っぽいことを言ってみたが、とても恥ずかしい。クラスメートにこんなの見られたら恥ずかしくて死ねる。
しっかし、何も起きないのは……



ブッシャー!!



「問おう」

「貴方がふなっしーのマスターなっしぃぃぃー!!」


お、遅れてきた!?


なんか巨大な梨がでてきたー!!


707 : 立花ユズヒコ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:22:16 YGVAPQJE0


「そ、そうだけど……お前がサーヴァントって奴か?」

「そうなっしぃぃぃぃ!!
ふなっしーのクラスはバーサーカーなっしぃぃぃぃぃぃ!!」

バ、バーサーカー?狂戦士だと
なんかゲーム的にはとても強そうに感じるけど……
でも、バーサーカーってよりは、その、どっかのゆるキャラに見えるけど。
そもそも、どう見ても戦えるようには見えないんだけど

「バ、バーサーカー。お前って強いのか?」
「馬鹿にしないでほしいなっしぃぃぃぃぃぃ!!!」

恐る恐る訪ねたら、裏声で怒鳴られた。
どうやら怒らせてしまったようだ。


「ふなっしー相撲得意なっしぃぃ!他のサーヴァントなんて千切っては投げ千切っては投げ…」




「血飛沫ブシャーするなっしぃぃぃぃ!!」ビョーン



皆殺しなっしー!虐殺なっしー!物騒な事を叫びながらぴょんぴょん跳び跳ねるバーサーカー。ユズヒコはその異様な迫力にドン引きする。

「ご、ごめん。変なこと聞いて悪かったよ」
「わかればいいなっしー」

……うん、確かにテンションは狂戦士っぽいな。バーサーカーのサーヴァントなんてよく知らないけど。
まあ、なにはともわれ、サーヴァントを呼び出したんだ。
大抵のことはこいつに任せればなんとかなるだろう。オレのことも守ってくれるだろうし。


708 : 立花ユズヒコ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:23:26 YGVAPQJE0

……でも気になるな。

「なあ、バーサーカー」
「なになっしー?」
「バーサーカーの願い事って何だ?」

このメルヘンな梨?が殺しあってまで叶えたい願いは何なんだろう。
訪ねてきたユズヒコにバーサーカーは、よくぞ聞いてくれました!とばかりに己の野望を語った

「願い事なっしか!?ふなっしーは橋市の公認ゆるキャラになりたいって思ってるなっしぃぃぃぃぃ!!」

「」

ユズヒコは耳を疑った。
……やっぱりこいつゆるキャラなのかよ。しかも非公認って。


「マスターの願い事は何なっしー?」
「え、願いごと?オレの?」
「マスター以外に誰がいるなっしー」

願いごとと言われても思い付かない。そもそもユズヒコがバーサーカーを召喚したのは、他の参加者から見を守るためだ。聖杯戦争に乗ったからって訳ではない。
しかし、興味津々な視線を向けてくるバーサーカーに、願いがないと答えるのは気が引けた。

「別に無いけど、強いて言えば家に帰りたいかな」
「へーそうなっしかー」

いや別にそこまで興味は無かったようだ。バーサーカーはユズヒコの部屋を勝手にあさりだした。ユズヒコは少しイラッとした。

「よーしわかったなっしーー!!マスターのためにふなっしーがんばるなっしいぃぃぃぃ!!」

かと思えば突然トリッキーな動きで暴れ始めた。いや、それは困るとユズヒコ。今は深夜で普通にご近所迷惑だ。
止めようとするユズヒコの目の前に、バーサーカーは一冊の本を突きつけた。


709 : 立花ユズヒコ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:24:19 YGVAPQJE0


「この本のアイドルとふなっしーはどっちが可愛いなっしー?」
「ぎゃあああああああああああ!!返せ!返せよ!」

我を忘れて叫ぶユズヒコ
それはユズヒコのお気に入りのアイドル。丸野丸美の水着写真集だった。
なぜバーサーカーが!机に鍵をかけて隠していたのに!?


「ヒャハャーーー!!」
「バーサーカー!おい!」






「五月蝿いわね!!今何時だと思ってんのよ!!とっとと寝なさーーーい!!」





……その後、怒った母が部屋に乱入
バーサーカーと取っ組み合っているユズヒコをみて一悶着あったのだが、それはまた別のお話


710 : 立花ユズヒコ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:25:15 YGVAPQJE0
【マスター】
立花ゆずひこ@あたしンち
【参加方法】
父の出張土産がゴフェルの木の木片だった
【マスターとしての願い】
地球に帰りたい
【能力・技能】
『納豆奉行』
納豆の食べ方にこだわりがある
【人物背景】
立花家の長男で中2。暗黒面に堕ちたりとかはしてない。
キノコヘアーの縁をギザギザにしたような髪型で、細目。驚いたときなどは開く。 結構モテる。
シャイで繊細なためか、基本的にあまり喋らないタチで、大人びている。姉のみかんより常識的で生活能力ならユズヒコの方が上。
【方針】
聖杯戦争には消極的。バーサーカー(ふなっしー)に守ってもらう
覚醒前は普段通りの立花家の生活を過ごしていたため、再現されたNPCの立花家の面々に情がある。(彼らは実は……的な設定は他の書き手さんに任せます)


【クラス】
バーサーカー
【真名】
フナディウス4世(ふなっしー)@現実
【パラメーター】
筋力B 耐久B(C) 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具B
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
狂化:−(B)
精神汚染スキルを持つため、狂化スキルは機能していない。
しかしその言動はぶっちゃけバーサーカーのそれと変わらない。

【保有スキル】
打たれ強さ:A
例え非公認でもへこたれずに地道にアピールし続けるメンタルの持ち主

話術撹乱:D
トリッキーな言論にて相手を混乱させる

精神汚染:C
独特なテンションが高い

虚言癖:B
言っていることの27.4%が嘘

【宝具】
『梨汁ブシュー(ナシジルブッシュュュ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:1人
梨汁と呼ばれる謎の液体を噴出し、触れた相手に何らかの状態以上を起こす。効果は完全にランダム
稀に対象のテンションや言動をふなっしーっぽくすることがある。

『梨の妖精郷(ふなっしーだいしゅうごう)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:10〜50 最大捕捉:60
ふなっしーの兄弟274体を召喚する宝具。因みにふなっしーは4男
兄弟のステータスはふなっしーとほぼ同じ。


【weapon】
ふなっしーは己の肉体のみで生き残ってやるなっしーー!!

【人物背景】
ふなっしーは千葉県船橋市に舞い降りた梨の妖精なっしー!
ふなっしーは2000年に一度現れる奇跡の梨の妖精だけど、両親は普通の梨の木なっしー!
兄弟は全部で274本でふなっしーは四男なっしー!
ちょっと口が悪くて虚言癖があるけど案外素直なっしー!

……2000年に1度だけ現れる奇跡の「梨の妖精」。両親は普通の梨の木
ハードロック・ヘヴィメタルを好んでおり、初めて買ったCDはディープ・パープルの『マシン・ヘッド』、好きな歌手はオジー・オズボーン、車の中でよく聴く音楽はエアロスミス、ライバルにはロブ・ハルフォードの名を挙げている。好物は桃。



ただし、ふなっしー曰く「虚言癖があり、言っていることの27.4%が嘘」とのことなので、いずれも本当かどうかは不明である

【サーヴァントとしての願い】
船橋市の公認になりたいなっしぃぃ!!

【基本戦術】
ゆるキャラなため戦闘はあまり得意ではないが、その奇抜な言動とトリッキーでアクロバティックな動きで敵を翻弄する……かもしれない


711 : 立花ユズヒコ&バーサーカー ◆Emjcf.lfLU :2014/07/05(土) 20:26:17 YGVAPQJE0
投下終了です


712 : ベネット&アーチャー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 20:28:43 pIR.Ky9E0
投下します。


713 : ベネット&アーチャー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 20:29:27 pIR.Ky9E0

 召喚されたその男は、自分を召還した男に見覚えがあった。
 
 その男は背丈は自分より一回り低く、
 若干ぽっちゃり系……もとい、やや肥満に見える体系。
 口ひげを蓄えてにやにやと笑みを浮かべるその男に、
 確かに見覚えがあった。

 そして男は口を開く。
 
「ベネット!? 俺が殺したんじゃ……?」
「残念だったなぁ、大佐」

 小太りの男――ベネットは手にした銃をゆっくりと男の胸に突き付けた。

「トリックだよ」

 その言葉と共に、トリガーが引かれた。
 男――ジョン・メイトリックスは一瞬体を硬直させた。
 が、銃からはカチリと音が鳴るだけで、弾は発射されなかった。

「サーヴァントのアンタに物理的な攻撃は意味がねぇ……
 俺だってそのくらいはわかってる」

 ベネットは銃をホルダーにしまうと、
 まるでメイトリックスを迎え入れるように両手を広げた。

「まぁ何の因果かアンタとコンビを組むことになっちまったんだ。
 仲良くやろうぜぇ? なぁ大佐ぁ」
「面白いセリフだ気にいった。殺すのは…」
「おっとぉ!」

 メイトリックスが言葉を言い終わる前に、その目の前にベネットは手をかざす。
 そこに刻まれているのは……間違いなく令呪であった。
 つまり、これが意味することは――、一つ。

「ベネット!? まさかお前が俺の……」
「残念だったな、大佐ぁ」

 ベネットは今まで以上に口角を吊り上げ、そして。


714 : ベネット&アーチャー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 20:30:19 pIR.Ky9E0
「トリックじゃねぇよ」

 決め台詞のように言い放った。



【クラス】
アーチャー
【真名】
ジョン・メイトリックス@コマンドー
【パラメーター】
筋力B 耐久EX 敏捷D 魔力D 幸運A 宝具C
【属性】
秩序・善
【保有スキル】
対魔力:D
魔力攻撃を多少軽減する。タフ。

単独行動:A
マスター不在、魔力供給無しでも
かなりの時間自由に現界し戦闘できる。

【固有スキル】

仕切り直し:B
戦闘から一時離脱する。さらにメイトリックスが防具を脱ぐと多少のダメージは消え失せる。
騎乗:C
現代的な乗り物であるならばそれを『殴る』ことで乗りこなせる。
勇猛:A
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
戦闘続行:A
腹に銃弾を受けようと致命傷を受けようと
殺すべき相手を見定めたときは問答無用で戦闘可能。
ねぎり:C
銃器兵器販売をしている店に限り全品100%オフで買い物ができる。


715 : ベネット&アーチャー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 20:31:45 pIR.Ky9E0
【宝具】
『 I'll be bacK(必ず戻ってくる約束の言葉)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:基本1人 最大補足:2~3人
I'll be bacKと言うことでその言った人物の元に任意で再び現れることができる
強制転移する言葉。
ただし戦闘中などである場合は転移不可能。

『コマンドー・ザ・バトルフィールド(約束されし勝利のコマンドー世界)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:基本100 最大補足:2~300人
コマンドーが使用してきた銃器兵器と共に、コマンドーに最大補正がかかる空間を発生させる。
メイトリックスのコマンドーにおける終盤のあまりにも無双過ぎる展開が一種の固有結界と化したもの。
この空間内においてコマンドー(メイトリックス)はそれぞれのステータスに2段階の上昇補正が入り
ランクC以下の敵宝具は当たらないがこちらの攻撃は一方的に当たるようになる。
魔力を大幅に食うため最大で5〜6分しか発動できない。

この空間内で発現する武器兵器は以下。
・M202ロケットランチャー
・バルメM78
・M18クレイモア対人地雷
・UZI
・デザートイーグル
・AR-15系統の小銃
・M60E3
・レミントンM870

【weapon】
・HK-91:アサルトライフル
・デザートイーグル
・スぺツナズナイフ
【人物背景】
優秀な元コマンドー部隊隊長(大佐)。各国の戦場で活躍したのちに引退し結婚。
娘ジェニーと共に山奥の小さな家で過ごしていた。
しかしアリアスとベネット率いる軍隊に襲撃をかけられジェニーは攫われてしまう。

娘を奪還するべく、メイトリックスは元コマンドーとしての能力をフルに発揮し
見事アリアス、ベネットらを殺害し娘を救出したのだった。

【サーヴァントとしての願い】
自分を召還した理由を聞きだしそのうちベネットを殺す。
【基本戦術、方針、運用法】
重火器による圧倒的火力による制圧。やだ……まるで戦争だわ。
効かなかったら『コマンドー・ザ・バトルフィールド(約束されし勝利のコマンドー世界)』において
無理やり勝利するように動く。
なお常にベネットに『 I'll be bacK(必ず戻ってくる約束の言葉)』をしているため
仕切り直しのスキルと絡めて戦闘の即離脱も可能。


716 : ベネット&アーチャー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 20:33:43 pIR.Ky9E0
【マスター】
ベネット@コマンドー
【参加方法】
いつも首から下げているアクセサリーに
なんと木片が関係していた模様。
【マスターとしての願い】
メイトリックスを利用したうえで始末する。
【weapon】
・軍用ナイフ
・ハンドガン
【能力・技能】
腐っても元コマンドー。メイトリックスとしばらく互角に格闘できる。
煽り耐性が低い。
【人物背景】
元コマンドー部隊大尉。メイトリックスの元部下。
殺人を楽しむ性格をメイトリックスに指摘され部隊を追い出された。
その時の恨みを晴らすためアリアスに10万ドルでポンっと雇われ
娘をさらい、復讐しようとしていた。

最後はメイトリックスの煽りを真に受け凄まじい格闘の末、
パイプで腹を貫かれ死亡した。
【方針】
サーヴァントの戦闘はメイトリックスに任せるが、
裏でマスター狙いで暗躍する。
その気になれば拉致人質何でもする。


717 : ベネット&アーチャー ◆seQBwpiAy2 :2014/07/05(土) 20:35:04 pIR.Ky9E0
以上で投下終了です。ありがとうございました。


718 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:53:58 JOldRvGU0
狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー、投下します。


719 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:55:16 JOldRvGU0
 
 
 白い学ランに身を包んだ少年・狭間偉出夫は、首を動かさず視線だけを周囲に飛ばして眉間にしわを寄せた。
 記憶を返還された以上、現在いる高校の教室という空間からは不快感以外のなにも見出せない。

 なにより――記憶を奪われていたとはいえ、すべてを忘れてこんな場所で平然と過ごしていた事実が気に入らない。

 まだ力を持ち合わせていなかったころの、脆弱な人間に過ぎなかった自分となんら変わらない。
 かつて自分を孤独に追いやり見下してきたヤツらとも、助ける素振りすら見せなかったヤツらとも、変わらない。

 狭間偉出夫という人間――否、『魔神皇』にとってやってはいけない振る舞いであった。

(だが……この聖杯戦争。
 報告も前触れもなく召喚したのは許し難いが、聖杯という存在自体は興味深い)

 苛立ちながらも、狭間は明晰な頭脳でもって冷静に事態を呑み込む。
 魔界に君臨する魔神皇となり、ようやく復讐を始めんとした瞬間の召喚であったのは歯がゆいが、聖杯は魅力的であった。
 神霊を手にかけることでその力を得てなお、狭間は新たな力への執着を手放せない。

(マスターとサーヴァント二人で勝ち残らねばならない、というのが厄介だが――あのときと同じだ)

 狭間の脳裏を過るのは、まだ神霊の力を得ていなかったころの記憶だ。
 どうにか魔界にそびえる塔に到達したが、塔を登り切るにはあまりにも無力であった。
 召喚した悪魔や神たちの協力を受けて、どうにか塔を登ることに成功し神霊を下すことができたのだ。

 いざ聖杯を手に入れれば、サーヴァントは邪魔になるかもしれないが――その場合取る行動も同じ。

 そう結論付けてすぐに、何者かの足音が響いた。
 異変が生じるやいなや誰もが旗を巻いて逃げてしまったため、狭間が現在いる教室には狭間一人しかいない。
 少し前の動乱が嘘のようにしんと静まり返っているので、おそらくは同じ階層にも人はいないのだろう。
 にもかかわらず、足音の主はまっすぐに狭間のいる教室へと向かってくる。

(魔人……か)

 放たれる気配から足音の主の正体を判別し、狭間は胸中でなるほどと呟く。
 なにかしらマスターと共通点のある英霊が、サーヴァントとして選ばれやすいという。
 であるならば、魔神皇が魔人を召喚したというのも納得できよう。

 狭間は腰かけていた椅子から立ち上がると、両手を低く前に出した尊大なポーズを取る。
 マスターとサーヴァントおよび魔神皇と魔人の関係以前に、狭間は魔神皇であるのだ。
 尊大な態度と落ち着いた口調で、初対面で立場の違いを分からせねばなるまい。
 姿勢を保ったまましばらく待っていると、ほどなくして教室の扉が開かれる。

「遅かったな、我がサーヴァント。私の名は魔じ……なあっ!?」

 自らの思惑に反して、狭間は意図せず情けない声を漏らしてしまった。
 現れたサーヴァントが制服を纏っており、狭間が気に入らない学生であったからではない。
 いずれそのことになにかしらの感情を抱くかもしれないが、少なくとも現時点においてはまだ気付いてすらいない。

 ならばなにに驚愕したのかというと――サーヴァントが『女の子』であったことに、だ。

 狭間偉出夫、高校二年生。
 人間をやめて、魔神皇となった。
 人間では到達できぬ力を手に入れた。
 だがしかし人間であるときと変わらず、一度として女性経験のない――童貞である。

「…………よろしくね、マスター?」

 奇妙なポーズのまま硬直した狭間に、サーヴァントが小首を傾げながら右手を伸ばす。
 きっと彼女にとっては単なる挨拶であったのだろうが、狭間の心中は穏やかではない。

(しまった! 先手を取られた!!)

 魔神皇としての力を手に入れる戦いでも経験したことがない、まったく別種の焦りであった。
 狭間はその類稀なる頭脳をフル回転させて、取るべき行動を模索する。

(なんだこの手は!? なんだいきなり!?
 すっと伸ばしてきてどうしようと言うんだ!? 攻撃か!? 魔術防御か!?
 いやでも魔力が集う気配はないし、呪文を唱える素振りもない! なぜだ!? なんだ……なんなんだッ!?
 どうしていきなり初対面のこの『僕』に……はっ! よもや――『握手』!!
 右手の握手は友好の証! そうか! これから聖杯戦争を戦うにあたって、ともに戦おうという意思の表れか!)


720 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:56:01 JOldRvGU0
 
 IQ256を誇る頭脳がある可能性を導き出し、さらに回り続ける。

(いや待て。左手の握手は相手をへ挑発する意味を持つ。
 この子が『右手と左手をたまたま間違っている』という可能性も、少なからずあるんじゃあないかッ!?
 だとすれば、この握手……マスターとして受けるワケにはいかないッ!)

 こうも女性に対して懐疑的になるのは、童貞であること以外に理由があるのだが、ともあれ狭間はさらに頭を回す。

(……いや、マスターはサーヴァントに優位に立てる武器を持ち合わせている。そう、令呪だ。
 令呪を消費した後ならばともかく、三画すべてが残った状態でいきなり挑発に打って出るものか?)

 ようやく平静を取り戻し、狭間は眼前のサーヴァントを見据える。
 学生服という存在はいけすかないが、膝丈きっちりのスカートに象徴されるまったく崩さない着こなしは好感が持てる。
 さらに最近はやりの茶髪や金髪ではなく自然な黒髪で、長く伸びた分は二本の三つ編みにしている。
 また、学生時分で化粧をして外見を取り繕っている様子もなく、印象的な大きなメガネは男の目を気にしてコンタクトにしないという証だ。

(…………信頼してよさそう、だな)

 ここまで考えて、ようやく狭間は右手を伸ばす。
 ちなみに、サーヴァントと対面から未だコンマ二秒程度しか経っていない。
 狭間の人並み外れた頭脳のなせる業である。

「ああそうだ。今後ともよろ」

 しく、と。
 あとたった二つの音が紡がれることはなかった。
 サーヴァントは伸びてきた右手を掴んで握手を交わすと、空いている左手で狭間の右頬を撫ぜたのである。

「…………な、な、なあッ!?」

 狭間偉出夫は、神霊の力を手に入れた魔神皇である。
 その力をもってすれば、迫る左手を回避することも、右手を振り払って距離を取ることもできたであろう。
 ひとえにそれができなかったのは、突然の展開に面食らったからである。
 そして、まったく同じ理由で、狭間は次のサーヴァントの行動にも対応できない。

 ほんの僅かな力で足を取られ、ゆっくりとだが教室の床に背中から倒れ込み――狭間はサーヴァントに『騎乗』された。

 瞬間、狭間はサーヴァントのクラスがライダーであることを、妙に冷静に把握する。

「ふふ――」

 ライダーが浮かべた笑みは、先ほどまでの純朴そうな印象とは対照的なほどに妖艶であった。
 魔界でも感じたことのなかった類の恐怖が溢れ、狭間は背筋に冷たいものを感じる。

 そんな狭間の理性とは裏腹に、狭間の一物はさながら魔剣の刀身のごとく――屹立した。

「ど、どうして!?」

 魔神皇としての尊大な態度はどこかに吹き飛び、焦りに支配された口調で狭間は尋ねる。

「それは私が――」

 いつの間にか握手は解かれており、ライダーは『騎乗』したまま両手で狭間の顔を抑える。
 その力は決して強くなく、むしろ小さな子どもを相手にしているかのようにやさしい。
 振り払おうと思えば容易に振り払えるだろうに、狭間にはそれができなかった。
 自身を見つめるライダーの豊満な色香に満ちた瞳から、目を逸らすことができないのだ。
 高校の教室という空間への嫌悪感すら、狭間はこのとき忘れかけていた。


「――――ビッチだからよ」


 言って、ライダーは狭間の屹立した一物に触れる。

「ひっ! あっ! ぐっ! ひいいっ!」

 ほんの少し触れただけにもかかわらず、襲い来る快感は狭間の知るそれとは比べ難いほどであった。
 ただ軽くさすられただけであるというのに、仮に『騎乗』されていなければ快感に震える身体は彼方に転がっていったことであろう。

(バカな! おかしい!
 いくら僕がそういう経験がないからといって、これほどまでに敏感なのは――!
 いや、そういうものである可能性もあるが! 知らなかっただけかもしれないが! いや! しかし!)


721 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:56:54 JOldRvGU0
 
 
 ◇ ◇ ◇


 快感の渦に呑み込まれながらも、狭間の頭脳が抱いた疑問は正しかった。
 ライダーの愛撫は、およそ常人が到達し得る域を大幅に飛び越えている。
 ただ頬を撫ぜる五指、『騎乗』した相手に擦り付ける足、一物に触れる指先。

 どれ一つとっても、魔性の域に到達している――『宝具』だ。

 剣術に明け暮れた末に、極めた剣技が宝具となる。
 槍術に明け暮れた末に、極めた槍技が宝具となる。
 弓術に明け暮れた末に、極めた弓技が宝具となる。
 馬術に明け暮れた末に、極めた馬術が宝具となる。
 魔術に明け暮れた末に、極めた魔術が宝具となる。
 暗殺に明け暮れた末に、極めた暗殺が宝具となる。

 ――性行為に明け暮れた末に、極めた性技が宝具となる。

 なんら、おかしいことはない道理である。
 ましてや彼女は一見するとあどけない容貌だが、その実、超絶的な性技を備えた人を越えた淫乱ビッチ。
 荒淫において、右に出るものなしと言われたビッチ中のビッチ。
 ビッチ・オブ・ビッチである。

 実際、セックスが上手いことで名を知られるという事態は珍しくなく、そのなかには英霊と呼ばれるものも多い。
 殷王朝末期に帝の寵愛を受けた妲己、覇権国ローマに挑んだ古代エジプト王朝最後の女王クレオパトラ、男性であれば帝政ロシア末期の怪僧ラスプーチンが有名であろう。

 しかし――実際に比べたことはないが、おそらくライダーはそれらの英霊たちよりも優れた性技を持つことであろう。

 これは、上記のセックスが上手いことで名が知られた英霊たちに落ち度があるワケではない。
 単純な話である。
 自らが現役であった時代と現代の野球を比較すればどちらが勝るのか、という質問に世界のホームラン王・王貞治はこう答えている。

 ――野球という競技が発展した現在のほうがレベルは高い。でも同じ状況でいま現役だったなら、僕も負けないよ。

 こういうことである。
 妲己は紀元前十一世紀、クレオパトラは紀元前一世紀、ラスプーチンは二十世紀初頭の人間だ。
 対して、ライダーは二千十年から来た英霊である。
 ホモサピエンスという種が地球に誕生して以来続いてきた有性生殖は、人類が発展していくのと同時に発展してきた。
 妲己が、クレオパトラが、ラスプーチンが、それぞれ発展を加速させてきた。
 そうして、二千十年時点で極めたのがライダーだ。

 ――――おそらく、英霊一セックスが上手い。

 その真名を、魔人・鏡子と言う。


 ◇ ◇ ◇


722 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:57:45 JOldRvGU0
 
 
 再び、場面を教室に戻す。

 どれだけの時間が経過したであろうか。
 追いやられた快感の渦のなかで、狭間は不意に予感を覚えた。
 いい予感であるのか、悪い予感であるのか、それはわからない。
 ただ、なにかわからないがとにかく大事なものを失う――そんな胸騒ぎがした。

 いつの間にか閉じてしまっていた瞳を開けると、視界はすっかり霞み切っている。
 快感に支配されつつある朦朧とした意識のなかで、狭間はどうにか首をライダーのほうに向ける。
 まったく明瞭ではなかったはずなのに、いきなりに視界が澄み渡った。

 ライダーは『騎乗』したまま巧みに腰を浮かせて、下着を脱いで放り投げたのだ。

 びちゃり――と。
 そんな、布が落下したとは思えぬ音が響く。

「ぼ、ぼく、に……」

 下着を脱ぐために、ライダーが手を一物から離したゆえであろうか。
 いままでどうしても言えなかった言葉を、どうにか狭間は口にすることができた。

「手を、出す……な…………」

 未だ残る快楽のなかで、左手の甲から魔力が霧散する感覚はあまりにも希薄であった。



 たっぷり数十分が経過して、どうにか狭間は立ち上がることができるほど回復した。
 それでも気だるさが残っている辺り、おそろしいサーヴァント言わざるを得ない。
 魔神皇となって以来、これほどまで疲労が残った経験はない。
 こうして身をもって体感している以上、今後聖杯戦争において頼りがいがあるというものだ。

「まだキツいでしょ?
 射精したほうがいいと思うけどなあ。私なら射精後の負担だって思いのままなんだよ?」
「…………」

 未だ立てずに横たわっている間に鏡子と名乗ったライダーの提案に、狭間は答えない。 
 回復呪文も効力をなさぬ疲労を回復できることが、どれだけ効果的であるのか。
 彼の優れた頭脳は理解しているが、その上で返答は無言であった。

(とんでもないものを引き当ててしまった……
 なんて、おそろしいサーヴァントだ……本当におそろしいサーヴァントだ……)

 魔界の塔にいた神霊の力はなんとしても手に入れたかったにもかかわらず、鏡子の力は不思議とほしくない。
 魔神皇をしてなお、憧れよりも恐怖が先に来るのである。

 ――と、そこまで考えて狭間はある疑問を抱く。

「そういえばライダー、君は」
「敵がいないときは鏡子でいいよ」
「…………ライダー、君は」
「鏡子でいいよ」

 鏡子は妖艶な笑みを浮かべたまま、右の人差し指を伸ばしてくる。
 令呪によって、手は出せないはずである。
 しかし令呪を使った際は考慮していなかったしそもそもできなかったが、『手を出す』の範囲はどこからであるのか。
 触れるくらいであれば、『手を出す』の範囲から出ているのではないか。
 だとすれば――
 そう考えて、狭間の身体は意図せず震えた。

「……では、鏡子さん」
「うん」
「君はいったいなんのために聖杯戦争に参加してるんだ? それ次第では、こちらも今後の対応が変わってくる」

 首を傾げながらしばし考え込んだのち、鏡子はぽんと手を叩く。


「聖杯を精液と愛液でいっぱいにするためかな!」


 魔神皇となってから初めての疲労が残る身体で、狭間は魔神皇となってから初めての吐き気を覚えた。


723 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:58:58 JOldRvGU0
 
 
 ◇ ◇ ◇


【クラス】
 ライダー

【真名】
 鏡子@戦闘破壊学園ダンゲロス

【パラメーター】
 筋力E 耐久E− 敏捷E 魔力C 幸運D 宝具A++

【属性】
 混沌・善

【クラススキル】
 騎乗:A+(D)
 騎乗の才能。
 鏡子の体格で『騎乗』可能な生物であれば、宇宙一の『騎乗』スキルを発揮できる。
 生物以外の乗り物も、番長グループに属しているだけあって一応の運転技術は有している。

 対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【保有スキル】
 心眼(真・性):A
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
性交において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された性感帯を導き出すセックス論理。

【宝具】
『ぴちぴちビッチ』
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:99 最大補足:1人

 鏡子を魔人たらしめる遠隔視ビッチ能力。
 己の持つ鏡には決して彼女自身は映らず、半径二キロ以内の任意の場所を映し出す。
 そしてその鏡に映った物質および生物に対して、『卑猥な目的』でのみ鏡を通して干渉することができる。
 なお鏡を通るのは鏡子自身の腕一本分だけであるが、例外的に相手が発した『精液』および『愛液』は通すことができる。

『賢者モードver鏡子』
 ランク:E 種別:対雄(オス)宝具 レンジ:1 最大補足:X(鏡子の身体が足りる範囲)人

 鏡子の性技をもってすれば、相手の身体負担さえたやすく操作できる。
 射精させた相手の体を思いのほか軽くし、通常時以上の脳の情報処理力を発揮させることができる。
 一般人、魔術師、英霊の区別なく、男子は誰でも射精後僅かな間極めて冷静な思考力を手にするが、それの鏡子verであり持続時間は通常を遥かに凌駕する。

『セックスの下に平等』
 ランク:A++ 種別:対性宝具 レンジ:1 最大補足:X(鏡子の身体が足りる範囲)人

 英霊と人間、正気と狂気、王と平民、魔術回路の有無、神性の有無、境遇、性別、種族――
 この世に存在するその他すべての区別は、対象が有性生殖を行う動物でさえあれば、鏡子の性技の前に意味をなさない。
 鏡子の超絶的な性技は、一切の区別なく対象を快感の渦へと追いやり、絶頂に至らせるも延々と渦に呑み込んだままにしておくも、思いのまま。
 有性生殖はそれを行う種が誕生した時点より現在に至るまで絶えず行われてきた行為であり、それを極めた鏡子のテクニックはまさしく神秘の域に至っている。

【weapon】
 手鏡――これといった特徴のない単なる手鏡。


724 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 21:59:49 JOldRvGU0
 
【人物背景】

 齢七歳にして三十も年上の担任教師と過ちを犯し、以来セックスの魔力に取りつかれ、自他ともに認める小学生ビッチと化す。
 男に求められることでしか自分たりえないと認識し、男に好かれるかばかり腐心して、常に鏡で自分の姿をチェックを欠かさない日々。
 しかし、あるとき彼女は気付いた。
 彼女が自分を磨くために見る鏡に映る自分は、はたして鏡子自身であるのか――違う。
 鏡子のアイデンティティは、歓ぶ相手の姿にこそある。本当の彼女の姿は、相手の歓ぶ姿にしかない。

 ならば、鏡に映るべきは自身の外見ではなく――男根だ。

 鏡子がそう気付いた瞬間、それまで人間であった彼女は『魔人』へと覚醒した。
 鏡に映らない見せかけの外見を必要としなくなり、コンタクトをやめ、派手な服も捨てた。
 自身の外見に縛られなくなった鏡子には、もはや相手の外見や性別すらも関係なくなっていた。

 魔人となった鏡子は鏡のなかにではなく、性的愉悦のなかに遊ぶ生物すべてに自身の姿を見る。
 表面的なビッチをすべて棄却し、ただ内面におけるビッチを深化、追求した末に辿り着いた境地。
 それこそが、ビッチ・オブ・ビッチ! 究極のビッチたる――『魔人鏡子』その人だ。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯を精液と愛液でいっぱいにする?

【基本戦術、方針、運用法】
 魔人ではあるものの、身体能力、耐久力ともに人間の域を超越したものではない。
 宝具『ぴちぴちビッチ』による索敵と遠距離攻撃、神秘の域にまで到達しつつあるセックスのテクニックがカギとなる。
 ただ、セックスのテクニックによって命を奪うことを自ら禁じているため、トドメはマスター自ら刺すか、令呪による強制が必要となるだろう。


 ◇ ◇ ◇


725 : 狭間偉出夫@真・女神転生if...、ライダー ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 22:00:20 JOldRvGU0
 
 
【マスター】
 狭間偉出夫@真・女神転生if...

【参加方法】
 『ゴフェルの木片』による召喚。

【マスターとしての願い】
 自分を見下したヤツらへの復讐のため、現在以上の力を手に入れる。

【weapon】
 ――――

【能力・技能】
 かつては人間であったが、魔界で脆弱な人間としての自分を捨て魔神皇と生まれ変わった。
 膨大な魔力からあらゆる魔法や物理スキルを使いこなす上に、剣の技術も持ち合わせている。
 また戦闘能力だけではなく、IQ256を誇る明晰な頭脳も有している。

【人物背景】
 
 長きに渡って友人に恵まれなかった上、あるきっかけから周囲の学生に見下されることなった。
 そんな折、ネット上で『悪魔召喚プログラム』を入手し、持ちうる知識を総動員して自力で『アームターミナル型COMP』を作り出す。
 さらに、様々な魔術知識と悪魔召喚プログラムを駆使して、魔界にそびえる無限の塔にたどり着く。
 自分を見下した学友たちに勝る『力』を手に入れるために無限の塔へと足を踏み入れ、悪魔や神たちの協力を受けた戦いの末に神霊ズルワーンを下し、その力を手に入れた。
 力を手に入れるやいなや自身に協力した神を封印して、魔界に君臨する『魔神皇』を自称することとなった。
 入手した力で魔界を望むように作り変えたのち、自分を見下した教師や学生への復讐として、所属していた高校を校舎ごと魔界へと落とさんとし――その寸前に召喚された。

【方針】
 最後の一人となって、聖杯を手に入れる。


726 : ◆hqLsjDR84w :2014/07/05(土) 22:01:29 JOldRvGU0
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。

戦闘破壊学園ダンゲロス、パロロワ読者にオススメですっ! コミカライズ版もあるぞっ!


727 : ◆w7FNZrLzJw :2014/07/06(日) 00:10:56 9vVdmn7w0
投下します。

それと、前回のヒロ&アサシンで状態表に不備があったので修正の言を添えておきます。
宝具のランクがB+とAでごっちゃになっていますが、正しくはAです。
読み手の方々に困惑させてしまい、申し訳ありませんでした。


728 : キリト&キャスター ◆w7FNZrLzJw :2014/07/06(日) 00:11:36 9vVdmn7w0






これは、ゲームでも遊びでもない。






######






死者は蘇らない。起こってしまった事実は変わらない。
桐ヶ谷和人――キリトは否が応でも受け入れざるを得なかった。
アインクラッドという電子世界で行われたデスゲーム。
百階という膨大な階層をクリアしなければ元の現実へと戻れない地獄で、彼は戦った。
周りの憎悪を惹きつけ、たった一人の孤独に苛まれながらも前へ進み続けた。
しかし、限界だった。
誰かを突き放すのも、誰かに突き放されるのも辛くて、痛くて、耐えられない。

「どうして、あいつらが死ななくちゃならない」

故に、磨り減った心は悲鳴を上げ、限界がやってきた。
容量のキャパシティから溢れた人恋しさが、キリトを温もりへと縋らせる結果を起こしたのだ。
月夜の黒猫団。
彼らが主導するギルドへの誘いを、断ることが出来ないままずるずると受け入れてしまった。
テツオ、ササマル、ダッカー、ケイタ、サチ。
全員が良い奴で、後から入ってきたキリトに対しても仲良くしてくれた。
あまり人付き合いが上手でない自分でも、本来の表情を出せるくらいに温かな環境だった。
けれど、そんなひだまりの世界は長くは続かない。
迷宮攻略の際、ちょっとした罠にかかってケイタ以外は全滅した。
自分がついた“嘘”が原因で、彼らは死んでしまった。
そして、ケイタも絶望に耐え切れなかったのか、その身を死へと投げ出した。

「俺が嘘なんてついていなければ、死ななかった。俺が、あいつらを殺したようなものだ」

結局、自分如きが手を伸ばすべきではなかったのだ。
いつだって手にしたものは奪われて、永遠なんて何処にもなくて、手元に残ったものは何一つありやしない。
この常識のタガが外れている世界に希望を願うことは間違いなのだろう。
間違いだったから壊された。嘘をついたから全滅した。


729 : キリト&キャスター ◆w7FNZrLzJw :2014/07/06(日) 00:12:31 9vVdmn7w0

『ありがとう/絶対に許さない』

ソードアート・オンラインというゲームに奪われたものを挙げればきりがないだろう。
抗えば、どうにかなると信じていた。 強くなれば、大切な仲間も護れると考えていた。
そう考えていたから、死んだのだろう。自分の過信が原因で、彼らは電子の海へと藻屑となって消えてしまった。
今も夢に出てくるし、聞こえてくる。
彼らの怨嗟が、絶望が、嘆きが、憎しみが、キリトの心へと掴みかかるのだ。

――お前だけが生きているなんて許さない。

それは、悪夢。それは、罪歌。それは、救済。
死ぬべきは自分だった。彼らに『ビーター』じゃないと嘘をついたキリトが全ての咎を負うべきなのだ。
嘘に殺された彼らの分まで痛みを背負って地獄へと堕ちていく。
弱くて脆いクソッタレな自分にはお似合いの結末だ。
だが、その結末にはまだ早い。
彼らを生き返らせるアイテムを手に入れるまでは絶対に死ねない。

「聖杯を使えば、やり直せる。あいつらを蘇らせることだって出来る。
 それだけじゃない、あのゲームで死んだ人達、今もゲームに囚われている人達も助けることだって不可能じゃないはずだ」

終わらせることができる、全てを。こんなはずじゃなかった過去をやり直せる。
罪を背負った人間は一生許されない、罰を受けた人間は贖うことしか選択を残されていない。
キリトは聖杯戦争の噂を知ってから必死に情報を掻き集め、ゴフェルの木片を探し求めた。
寝ずの探索、精神が崩壊する一歩手前までモンスターを狩り続けた。
願いを叶える一歩を踏み出す為に、キリトは想い続ける。

「傲慢でもいい。俺はやり直したいんだ。どんな犠牲を払っても、あいつらに会いたい。
 その過程に待っているものが何であれ、進むしかないし、後戻りはいらない」

その果てに、彼はチャンスを掴み取り――予選を通過した。
偽りの学園生活は、キリトにとってこんなはずじゃなかった未来そのものだった。
此処では、誰もが笑って過ごしていられる穏やかな日常を自分にも分けてくれるのだ。
けれど、それは真実じゃない。キリトが望んでいた『彼ら』足り得なかった。
自分に対して笑顔を見せてくるクラスメイトも、家族も、記憶を取り戻したキリトにとっては辛いだけだ。
結局、彼らに背を向けてキリトは進むことを選んだ。
何もかもを忘れたままでいられる程、キリトは弱くなれなかったのだ。
そして、自分が抱く本物の願いを叶える為に、闘いへと投じる決意を固めてしまった。


730 : キリト&キャスター ◆w7FNZrLzJw :2014/07/06(日) 00:13:20 9vVdmn7w0

「だから――俺は聖杯が欲しい」

奪われ尽くして空っぽな願いに想いを注ごう。
失ったものはもう戻らないという理屈を否定しよう。
他者の排斥をしてでも、成し遂げなければならない。
賽はとっくに投げられ、選択など最初から一択しかない。
鍛えた剣技を以って――キリトは、願いへの道を切り拓く。

「貴方もそうなんじゃないんですか――キャスター?」

そして、それは彼に呼び出されたサーヴァントも同じだ。
サーヴァントは大抵、叶えたい願いを持っている。
それこそ、奇跡に懸けるしかない程に追い詰められた者こそ英霊となって現れるのだ。

「ええ、そうよ。私にも叶えたい願いがある。貴方と同じく過去の過ちをやり直したい、喪った人を蘇らせたいのよ」

そのサーヴァントはキリトと同じく黒だった。
大きく胸元が開いた黒のドレス、腰にまでかかる艶やかな黒髪、黒のマント。
全身を黒に染めたサーヴァント、キャスターは怜悧な目を鋭く尖らせ、言葉を紡ぐ。

「願いを叶えるまで、私は死ねない」
「奇遇ですね、俺も同じく死ねない」
「それなら――」
「――選択肢は一つだけしかない」

皮肉げに笑う二人の間には奇妙な繋がりがあった。
同じ願いに、過ち、苦しみ。
着ている服の色まで合わせてくれるといったご都合主義には思わず笑いが出てしまう。

「聖杯、奪い取りに行きましょうか。誰よりも早く」
「当然。こんなはずじゃなかった全てをやり直す為にも、ね」

だが、今だけはこの数奇な運命に感謝しよう。
願いを絶対に叶える覚悟を持った相棒を引き当て、奇跡を掴むチャンスをくれた月へと。

「頼りにしてますよ、キャスター。いや、最初ぐらいは名前で呼びましょうか、プレシアさん」

待っていても、奇跡はやってこないことは嫌という程、理解している。
ならば、自分自身で奇跡を掴むしかない。
迅速に、貪欲に。
立ち塞がるエネミーがどんな人であろうとも、キリトは願いを叶えることでしか救われないのだから。

「ええ、キリト。私達が勝者になるべく、他の全てを塵芥に還しましょう」

キャスター――プレシアは誰よりも聖杯を欲していると自負していた。
あの幸せだった日常を取り戻す為なら、何でもしてやろう。
濁った瞳に意志を宿し、彼女は魔杖を取る。
大切な愛娘は、理不尽に奪われてしまった。
許せない、認めない、そんな馬鹿げた世界――願い下げだ。
だから、願うしかない。理想郷の泡沫へと想いを焦がす他、彼女は前へと進む術を知らないのだ。

「勝つのは――」 「――俺達だ」

黒の両翼が、聖杯戦争へと飛び込んでいく。


731 : キリト&キャスター ◆w7FNZrLzJw :2014/07/06(日) 00:14:55 9vVdmn7w0
【クラス】キャスター

【真名】プレシア・テスタロッサ

【出典】魔法少女リリカルなのは

【性別】女性

【属性】混沌・悪

【パラメーター】
筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:A++ 幸運:E 宝具:C+

【クラススキル】

陣地作成:A+…次元の狭間に拠点を作っていたことから陣地作成は手慣れたもの。

道具作成:A…魔導師、技術者の両方の観点から顧みて天才。魔法に関連したものであれば、何でも作れるだろう。

【保有スキル】

病魔:B…不治の病に侵されており、長期戦になると、徐々に陰りが見られる。

魔法:A++…次元を超えて砲撃を放つことが出来るといった超絶技巧。大抵の魔法は使えると言っていいだろう。

【宝具】
『八賢者の杖』
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1個
プレシア・テスタロッサが魔法を使う過程で触媒とする杖。
本来、このようなものを経由しなくても十分なのだが、病魔に蝕まれた身体の負担を避ける為にも使用している。

【人物背景】
フェイトの「母親」。若々しい見た目だが、59歳。
元々は優しい人物であったが、愛娘であるアリシアを事故で亡くしてからは、狂気的な思考が目立つようになる。
その果てに、アリシアの記憶などを移植したクローン、フェイトを生み出すが、本物との相違に絶望。
以後は、本物のアリシアの蘇生を求め、研究に没頭する。

【サーヴァントとしての願い】
 大切な愛娘だったアリシアの蘇生。こんなはずじゃなかった全てをやり直す。

【基本戦術、方針、運用法】
基本的に魔導師なので後衛。前線で戦えるレベルに至っているが、病魔の影響もあって前線に出ることは滅多にない。
故に、戦闘経験が豊富なキリトに強化魔法といったものをかけて、前衛を任せるのが主だろう。
同じスタイルで例えを挙げると、Fate本編のキャスター組である。


【マスター】キリト(桐ヶ谷和人)@ソードアート・オンライン

【参加方法】アイテム――ゴフェルの木片を使用。

【マスターとしての願い】ソードアート・オンラインのクリア、及び死んでしまった人達の蘇生。
            
【weapon】片手剣…キリトが戦闘で愛用していた片手剣。
     
【能力・技能】剣技…どんな苦境でも決して諦めずに研鑽を続けてきた賜物。
          二刀流は発現前なので使用不可。
       
【人物背景】
 女性と見間違うような顔立ちの黒髪の少年。落ち着いた雰囲気は歳相応に見られない。
 家庭環境が複雑で、人付き合いが不得手。他者との距離感を掴みにくいといった所謂コミュ障。
 PCに関する知識と技術、洞察力、精神力はピカイチ。

【方針】絶対に勝ち残る。他者を殺すことも、利用することも厭わない。


732 : ◆w7FNZrLzJw :2014/07/06(日) 00:15:44 9vVdmn7w0
投下終了です。


733 : ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:35:57 VincnUNg0
アーチャー投下します


734 : 本田△&アーチャー ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:37:18 VincnUNg0

夜の公園。
そこに二つの人影があった。
一人はいかにも侍といった格好で、日本刀を持ち、大上段に構えている。
もう一人は右手を前に出す半身の構え。何やら木製の棒を両手で握り、それを目の高さに構える。
侍はじりじりとすり足で間合いを計る。
もう一方は、片足でリズムをとっている。


――ひょう。


侍の刀が風を切った。
そして一直線に相手の脳天を叩き割らんと迫る。


――カッ。


硬い木がぶつかる音。
刀が弾かれるも、侍はすぐに体勢を立て直す。
間髪入れず第二撃、袈裟懸け。


――ふぉう。


風切り音が聞こえる瞬間に、すでに敵の肩口に刃が届いている。
速度、威力ともに一級の剣。
それは当然。
何せ、かの侍は人を超えた英霊、サーヴァントなのだから。
しかし。


――カッ。


またも硬い木がぶつかる音。
人を超えた斬撃がたやすく弾かれる。
敵はその手に持った棒で弾いたであろうことは分かる。
だがその太刀筋が見えない。
弾かれた瞬間、すでに構えの体勢に戻っている。
その事実から導き出される答えはつまり、敵は――こちらより速い。


735 : 本田△&アーチャー ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:38:15 VincnUNg0


――ふっ。


――ぅうん。


――ざぅっ。


一呼吸に三連の風切り音。
もはや手加減できるような状況ではない。
侍は全力全技能を以ってして、眼前の敵を討ち果たそうと奥義を繰り出す。
だが、それも――、


――カッ!


――カッ!


――カッ!


――カッ!


一瞬に四度の打撃音で全てを迎撃。
そして最後の打撃が侍の頭蓋を破砕し、血液と脳漿が散った。
決着、であった。
サーヴァントが死亡すれば、その遺体は光の粒子となって天へと還ってゆく。
侍を討ち果たした敵は、その様を細く涼しげな眼でしばらく眺めていた。
口元に短い髭を生やしたその男の背中には、大きく51の数字が描かれている。


736 : 本田△&アーチャー ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:39:31 VincnUNg0

◆◆◆


「終わったんか、アーチャー」
「サーヴァントは倒したよ。マスターはまだだけど」

アーチャーと呼びかけたのは、筋骨隆々の金髪の男だった。
シャツに短パンというラフな格好で、脇にサッカーボールを抱えている。

「サッカーの練習してたの? こんなときに?」
「それはごもっともだが俺の考えは違った」

呆れたような声に金髪の男は反論する。

「聖杯戦争やからって、何でいつでも聖杯戦争せなあかんねんと。
 その時間を使ってフリーキックの練習をする。そういう考え方もあると思うんですよ。
 だって考えてもみてくださいよ。ブラジルの選手、聖杯戦争しないでしょ」
「いや、聖杯戦争しなきゃいけないときは聖杯戦争しようよ」
「そこで練習する。あえてね」

金髪の男の手の甲には令呪の紋様が浮かび上がっている。
つまりこの男がマスターだ。
男は、この話はやめだといわんばかりに手に持つボールを地面にバウンドさせた。
そのままリフティングを始めながら、別の話を持ち出す。

「んで、相手のマスターは?」
「数百メートル向こうのビルの屋上でまだこっち見てるよ。ほっとけば逃げるかもしれない。どうしますかね」
「サーヴァントいないから深追いしなくてもいいかなとも思うかもしれないが、俺の考えは違った」
「つまり仕留めろってことね」


アーチャーと呼ばれた51番の男は、手に持った棒――バット――を一瞬で消し去り、代わりに白球を取り出した。


そして、大きく息を吸い、振りかぶって、思いっきり、ブン投げる――――!!


「宝具『レーザービーム』!」


その手に持っていたのは紛れもなく単なる野球ボールのはずだった。
白い皮に赤い糸の縫い目の硬式球。
だが、それを投げた瞬間に、ただのボールは白い光の尾を引き、天に駆け上がる流星のように一直線に飛んでいく。
音すら超える速度で着弾した白球は、数百メートル離れたビルの屋上部分を、ここまで届く炸裂音を響かせ、消し飛ばした。
そこに人間がいたとするなら、間違いなく生きていられはしないだろう。

「終わったよ」
「よっしゃ、かえるで。アンタみたいな使えるサーヴァントに当たるとは、やはり俺は『持ってる』。」
「そこで僕じゃなくて自分の運を褒めるわけ」
「もっと簡単に勝たなくてはいけない。優勝狙うならね」


737 : 本田△&アーチャー ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:41:07 VincnUNg0
【クラス】アーチャー
【真名】イチロー・スズキ


【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷A+ 魔力D 幸運C 宝具A++


【属性】
中立・善 


【クラススキル】
単独行動:A マスター不在でも一週間現界可能。
対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。


【保有スキル】
千里眼:C 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。


【宝具】
『全盛期のイチロー伝説』
ランク:??? 種別:??? レンジ:??? 最大補足:???

・3打数5安打は当たり前、3打数8安打も
・先頭打者満塁ホームランを頻発
・イチローにとってのホームランは内野安打の打ちそこない
・先頭打者サイクルヒットも日常茶飯
・9回裏100点差、チームメイト全員負傷の状況から1人で逆転
・ワンバウンドも余裕でヒット
・一回のスイングでバットが三本に見える
・バントでホームランが特技
・打席に立つだけで相手投手が泣いて謝った、心臓発作を起こす投手も
・ホームランでも納得いかなければサードベース踏まないで帰ってきてた
・あまりに打ちすぎるから牽制球でもストライク扱い
・その牽制球もヒット
・ピッチャーを一睨みしただけでボールが二遊間に飛んでいく
・試合の無い移動日でも2安打
・バット使わずに手で打ってたことも
・自分のホームランボールを自分でキャッチしてレーザービームで投げ返す
・内野ランニングホームランなんてザラ、2周することも
・一塁でアウトになってからベンチに帰る方が早かった
・ウェイティングサークルでヒット打った
・打球キャッチしようとしたピッチャーと、それを受け止めようとしたセカンド、ショート、センターの選手ともどもスタンドインさせた
・観客の韓国人のヤジに流暢な韓国語で反論しながら背面キャッチ
・グッとガッツポーズしただけで5点くらい入った
・スイングでハリケーンが起きたことは有名
・湾岸戦争が始まったきっかけはイチローの場外ホームラン
・ライトの深い位置から三塁線のスクイズも処理してた
・ボーリングの球を楽々ホームランにしてた
・自分の打球に飛び乗ってスタンドまで行くというファンサービス

固有結界を発動させ、野球のグラウンドをその場に顕現させる。
結界の中ではイチローの思い通りにならないことは何一つとしてない。


738 : 本田△&アーチャー ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:42:14 VincnUNg0
『レーザービーム』
ランク:A++ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1人
2001年4月13日のオークランド・アスレチックス戦ライトヒットで三進を試みた一塁走者を、正確且つ力強い送球で三塁補殺した際、
実況アナウンサーであったリック・リズが「イチローからのレーザービーム攻撃だ!」と叫んだことに所以する。
ようはレーザービームの様に速くて地面とほぼ平行に真っ直ぐ進み、重力を無視した遠投のこと。もはや神業と言う他ない。
最大威力で隕石激突クラスの破壊力になると言われている。


【weapon】
野球用具一式


【人物背景】
NPB・MLBの双方で活躍。MLBのシーズン最多安打記録や10年連続200安打などの多数の記録を保持している伝説のプロ野球選手。


【サーヴァントとしての願い】
野球の廃れた未来からやってきた。野球人気を復興させるため、聖杯を望む。


【基本戦術、方針、運用法】
そのバット捌きは剣の達人、そして送球は弓の名手のそれ。
遠近両方で死角のない性能を持つが、アーチャーで現界したのでどちらかといえば遠距離戦が向いている。


739 : 本田△&アーチャー ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:43:30 VincnUNg0
【マスター】本田△
【性別】男性


【参加方法】
ゴフェルの木を触る。あえてね。


【マスターとしての願い】
自分の夢、そんなに簡単に諦められるかって話でしょ。


【weapon】
サッカーボール


【能力・技能】
フィジカルコンタクト・フリーキック・ミドルシュートなど


【人物背景】
本田△のストーリーは始まったばかり。今後のストーリーの筋書きは、自分自身で決めることだと思う。


【方針】
挫折は過程、最後に成功すれば挫折は過程に変わる。だから優勝するまで諦めないだけ。


【注意事項】
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。


740 : ◆JEU0nKNmAc :2014/07/06(日) 00:44:39 VincnUNg0
投下終了です。AGEてしまってすいませんでした。


741 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:05:00 I10aaRlU0
両方既に登場話案が出ていたキャラですが、どうしても書きたかったので折角なので投下させて貰います


742 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:06:35 I10aaRlU0

 ――幸福な夢を、視た。



「――おい、帰るぞ。我々が遅くなるとゴルドがうるさい」
 放課後を迎えたジークが級友と語り合っていると、トゥールが帰宅を促しに来た。
 名残惜しさを感じながらも、ジークは「また明日」と別れを告げ、トゥールに従う。

「ふん、遅いぞこの不良どもめ。さっさと飯の準備を手伝わんか!」

 彼女と共にムジーク孤児院に戻れば、ちょび髭に丸々飛び出た太鼓腹のゴルド院長が早々に憎まれ口を叩きながら、弱火で温めている鍋の様子を伺っていた。
 食欲を掻き立てる匂いが、ジークの鼻腔を仄かにくすぐる。
「その腹の脂肪を削ぎ落せば、一人でも楽になるんじゃないのか?」
 ゴルドに辛辣な言葉を浴びせながらも、トゥールもそそくさとエプロンを取り出して彼の手伝いに加わる。ジークはゲームや漫画の話をしたがる年少の男子達の妨害を受けた分遅れたが、二人は互いの悪口に夢中でジークに興味はないようだった。
「喧嘩するほど何とやら……とは言うが」
 嘆息しながら野菜を刻み、テキパキと己の役割を進めて行く。続いて洗濯物の取り込みに向かう。
 院の中でも年長者として、何年もゴルドやトゥールと共に家事を担当しているのだ。淀みのない連携は、見事なものだと言えた。
 やがて、大きな食卓に並ぶ今夜の夕食。孤児院の兄弟達が集まって、共に食卓を囲む。
 相変わらずゴルドとトゥールは悪態を飛ばし合うが、血が繋がっていないとはいえ、あれなら反抗期の父娘の関係としては微笑ましいものだろうとジークは無視を決め込んだ。
 食事が終わって、風呂を済ませて。年少の子達を寝かしつけた後、自分もゴルドの下に就寝の挨拶に向かうと、まだトゥールと嫌味を言い合っていた。

「そろそろ飽きたらどうだ」
 思わず仲裁したジークだったが、ゴルドの対応は鼻を鳴らすだけだった。
「もう遅い。明日も学校があるんだから、俺は寝るぞ」
 ジークの言葉にトゥールもゴルドから離れ、それぞれの寝室に向かうことにする。
「――おい!」
 その時になって、ゴルドが背後から呼びかけてきた。
「……今日も、その、何だ。助かったぞ。まぁこの私が面倒見てやっているんだから、あのぐらいは当然のことだがな」
 このツンデレ院長め、とトゥールが苦笑していた。
 釣られて笑ってから、ジークは部屋に向かった。

 そうして、自室のベッドに身を預けながら、ジークは今日という日を反芻する。
 何も変わったことのない、平凡な、ありふれた幸せな一日だった。
 両親はいないが、親代わりにはあのちょび髭がいるし、この孤児院には血こそ繋がらなくともトゥールをはじめとする兄弟達がいる。
 何の代価もなく、自分は幸せだ。

 ――そんな風に思考してしまうことに、違和感の一つも覚えることなく。
 額から下ろした左手の甲が透けるように白いことにも。眠り就く前の心が、“奴”との邂逅を疑うこともなく、こんなにも穏やかであることにも。何の齟齬も感じられないでいる。
 やがてはそんなことも風化してしまうほどに、その日々は繰り返された。


743 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:07:40 I10aaRlU0

 もし、ある日の偶然がなければ――少年はその無垢さ故、埋没したまま、消え去ってしまっていたことだろう。



   ◆



 偶然というのは、特に大きな出来事ではなかった。 
 ただ、今日は洗濯物を取り込む当番がゴルドで――数えてみると、タオルが一枚足りないことに気づいただけだった。
 だから夕食の後、そのタオルを探しにジークは外出して、庭の中、すぐに端っこの木に引っかかっているのを見つけることができた。
 回収した以上、後は戻って風呂に入り、ゴルドに文句の一つでも言ってから眠るだけで、今日もまた、いつも通りの一日として終了する。

 そう考えていたジークは、ふと、孤児院の前の道を誰かが歩いていることに気がついた。
 こんな時間に、珍しい、と――ジークはほんの少しだけ、書き割りを確認する程度の興味で以て、視線を足音のした方に巡らせた。

「――――」

 目にした一瞬で、魂を奪われた。

 驚嘆の息を吐き出すことさえもできず。憂いを帯びながらも凛然とした佇まいの、一人の聖女の姿をジークは見た。
 淡い月の光に照らされ、わずかに揺れる髪は金色の絹糸のよう。遠くを見つめる紫水晶(アメジスト)のような瞳は一切の迷いなくどこまでも清らかで、ただ目にしただけのジークに必要もないはずの罪悪感を抱かせた。
 そう感じてしまうほどに、彼女はひどく現実味が乏しい、幻想的な美しさを持っていた。

 ――この脳が痺れるような感覚を、自分は識っている。

 銀の甲冑に身を包んだその少女に目を奪われたのは、ジークにとって初めての経験ではなかった。

 何故、忘れていたのだろうか。忘れていられたのだろうか。
 少年は少女のことをよく知っている。彼女に導かれた、誇るべき過去を持っている。
 ――そのことを、思い出した。

 知らず、歩み寄ろうとしたジークに気づかぬまま。彼女は見据えていた彼方へと、魔法のような跳躍力で消えて行く。

「ル……ッ!」

 待って欲しい、と。少女に呼びかけようとしたその刹那、灼け付くような強烈な痛みが、ジークの自由を奪い去った。握力が消失し、握り込んでいたタオルが落ちる。

 左手の甲に走ったのは、焼き鏝でも押し当てられたような、あの感覚。
 染み一つなかった白皙の甲に、初雪を踏み躙ったように黒が刻まれる。
 その三画の紋様こそが、奇蹟にして呪いを授けられたという契約の証。
 彼だけが持ち得た聖杯への挑戦権にして、類を見ない結晶生命。


744 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:08:20 I10aaRlU0

 竜告令呪<デッドカウント・シェイプシフター>の発現と共に。何故それを己が獲得したのかを、それで何を成したのかを――ジークは完全に、取り戻した。

(……そうか。俺は――この戦いは――――!)

 そして、何故自分がここにいるのかという理解もまた、方舟<アーク・セル>の補助で成し遂げ。
 その瞬間――彼は月に、自らを望む資格があると選ばれる。
 月<ムーンセル>はデータベースを閲覧し、組み合わせるべきサーヴァントを検索する。結果、とある条件によって弾かれた者を除いた中、一際強く反応したサーヴァントに決定し、方舟へと遣わせた。

 魔力が編まれ、幻想を束ね肉体として構成して行く神秘の儀を、ジークは初めて目撃した。



   ◆



 純粋であるが故に何者にも染まっておらず、故に偽りの色にも染まりやすく。自己の蓄積がない故に、剥奪された自己に齟齬を覚えることもなく。それ故に、何にでもなれてしまえるから。
 ただ幸福に溶かされ、消えていく――NPCとしての埋没を半ば定められていたはずの魂が、ちっぽけなはずの過去を取り戻せたのは――そのちっぽけな彼の生涯に輝きを与えた、一人の聖処女の存在。

 少女(ジャンヌ・ダルク)は自分でも知らぬまま、もう一度だけ、少年(ジーク)の命を救っていた。

 …………全てを取り戻した彼の心に、大きく深く、抉る傷を与えることを代償に。


745 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:09:57 I10aaRlU0



   ◆



「問おう――――――って、お前がオレのマスターかよ!?」

 全身を鋼で包んだ小柄な騎士は、兜越しに喫驚した声をジークに浴びせた。
 ――その白銀の剣士のことを、ジークもまた、知っていた。

「“赤”の……セイバー?」

 ジークの問いかけに応えるように、重厚な兜が鎧と一体化するように二つに割れ、隠されていたその素顔を顕とする。
 少年とも見紛う、未だ性差が顕著に現れていないほどに若々しい少女の美貌は、やはりジークのよく知る物だった。
 ルーマニアの聖杯大戦に“赤”のセイバーとして参戦し、一度はジークとも剣を交え、後に同じ敵へと共に剣を揮ったサーヴァント。
 キャメロットの円卓に連なりながら、アーサー王伝説を終わらせた叛逆の騎士――モードレッド。

「何でオレのマスターがお前……っていうか、何でお前のサーヴァントがオレなんだ。ジークフリートじゃねえのか?」
「それは……多分彼が、もうここにいるからだろう」
 そうジークは、自らの手の甲を見せるようにしながら、左手で己の胸を指し示す。
 そこで変わらず拍動する心臓(いのち)は、ジーク本来のものではなく――命の恩人である、“黒”のセイバーから譲り受けた物だ。

「方舟は俺の持ち込んだ全てを返却しなければならない。この心臓と令呪もまた、NPCではない俺自身を成り立たせるために不可欠である以上、例外ではない。
 知っての通り、俺は“黒”のセイバーに変身することができる。その時のために、ムーンセルはセイバーとしてのジークフリートを保管しておかなければならないのだろう」
「だったら他のクラスで呼べるんじゃねえのか? あいつならライダーとか……というかライダーっていえば、お前にはあのバカもいるだろうに」
 彼らを差し置いて自分が宛てがわれたのが納得いかない、という様子の“赤”のセイバーに対し、少し考えてからジークは自己の見解を述べる。
「おそらくはそれもまた、俺が“黒”のセイバーとの繋がりを持つためだろう。俺という存在そのものがセイバーというクラスへの、触媒になっているのかもしれない」
 故に、ジークフリート以外のセイバーに該当する英霊が優先的に宛てがわれるのではないか、とジークは推測した。

 ――それでも、触媒があるのはジークが腰に帯びた剣の本来の所有者である、“黒”のライダー(アストルフォ)も同じはずだ。
 にも関わらず、一度契約したという縁(えにし)もある彼に優先して、“赤”のセイバーが呼ばれた理由までは、ジークにも特定できない。
 少なくとも、何かジークと“赤”のセイバーを強固に結びつける要因がもう一つほど存在しなければ、確かにライダーとしてのジークフリートやアストルフォを差し置いた彼女の召喚は不可解な現象にも思えた。

 だが意外なことに――この剣の由来を知らないからかもしれないが、ジークよりも先に“赤”のセイバーが納得の色を示す。
「それなら……確かに、お前と直接対面したセイバーで……」
 何かを言葉にしかけて、それに気づいた“赤”のセイバーが口を噤むのが見て取れた。
「――とにかく、オレが一番に呼ばれるのが自然ってわけか」
「不満か?」
 言い直す寸前、眉根を寄せていた“赤”のセイバーに、ジークはそう問いかける。
 対し彼女は、獰猛な笑顔で答えてみせた。
「いいや? 前のマスターには絶っ対に負けるが、お前もマスターとしちゃアタリの部類だろ。性格も能力も……向こう見ずなところが心配だけどな」
「……」
“赤”のセイバーに言われたくはない、とも思ったが――口にはしない方が懸命だろうと思える程度には、ジークは賢明だった。
 確かに、あの獅子劫界離に比べ、自分がこの“赤”のセイバーの手綱を握れるかと問われれば返答に窮するところではあるが――


746 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:11:15 I10aaRlU0

「――待て、“赤”のセイバー。今更だが、貴女には聖杯大戦の記憶があるのか?」

 本来、サーヴァントとは英霊本体の一部の情報を再現したものに過ぎず、厳密に言えば英霊その人ではない。
 サーヴァントが聖杯戦争において召喚され、新たに体験した出来事の記憶も、英霊本体の物にはなり得ないはずだ。
 正しく言えば、サーヴァントが敗れ座に帰った時に、その記憶は記録として英霊に蓄積され、次回の召喚時にも知識として保有してはいる、はずだが……

「まさか。俺が方舟にいる間に……貴女やルーラー達は、シロウ・コトミネに敗れたのか?」
「それについては知らねえよ。どうやらお前が方舟にアクセスした時点の観測結果までしか、こっちのオレにはあの世界の情報が還元されていないらしい。
 ……何にせよ、ここはお前が居たのとは別の並行世界だ。時空を越えて連れて来られたなら、帰る時にも同じことぐらいできるんじゃねぇか? 今は気にしたって仕方ないだろ」

 珍しく気遣いを見せた後、モードレッドは最初の問いに返答する。

「英霊の座と言っても、ルーマニアとここで呼ばれたオレが居たのは、厳密には別の場所だ。だから聖杯大戦の記録は、“赤”のセイバーとしてのオレが健在だろうと、観測したムーンセルのオレの知識となる。
 後はまぁ、方舟がお前を取り込んだ時点までの情報を、お前に似合うサーヴァントを選ぶ際についでにムーンセルに届けられて、お前と同じ時点までの知識しかないオレが召喚されたんだろうな、多分」

 とにかく、情報として見れば彼女は紛れもなくジークの知る“赤”のセイバーであり……同時に全くの別人であるという、ややこしい存在であるらしい。

 だが――その秘めたる力と、胸に抱いた願いは、おそらくジークの知る彼女と何ら違うまい。
 ならば。
「……では、今俺の前にいる貴女に、“赤”という呼び名は不要だな」

 そうしてジークは、改めて自らの“セイバー”との対話に望む。

「セイバー。頼みがある」
「応、言ってみろ」
「貴女には……この月を望む聖杯戦争における、俺の剣となって欲しい」
 ジークの申し出に、セイバーは凶暴な――そして不敵な表情を浮かべる。
「良いぜ――ただし、一つ条件がある」
「……何だろうか」
 彼女の要求する内容の開示を、ジークは一瞬の逡巡の後に促す。セイバーはこちらの緊張を見て取ったのか、解すようにして笑った。

「簡単なことだ。お前の剣としてオレを選ぶんなら、そっちの剣は使うなってことさ」
 そうしてセイバーは、ジークの令呪を――ジークフリートの力を指し示す。
「お前の令呪は、お前のサーヴァントであるオレのために使え。オレ達の勝利のために――その誓いが条件だ」

「――――了承した」
 返答するまでに要した躊躇いの時間は、先程までより長かった。
「よし! それじゃあ改めて契約成立だな、マスター。よろしく頼むぜ」
「ああ――この聖杯戦争を止めるために、よろしく頼む」

「――――は?」

 数秒、セイバーが時の凍ったようにして硬直した。


747 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:12:05 I10aaRlU0

「……おいマスター。笑えない冗談が聞こえたぞ?」
「冗談のつもりはない」
 答えた瞬間、セイバーの白銀の剣が額に触れていた。
 皮膚を切っ先が押すものの、破れてしまう寸前で止められているということ自体が、まずその冴え渡る技倆を知らしめる。
 加えてジークの動体視力を上回り、過程の欠落した魔法めいた早業。この身を以て体感していたことだが、改めて剣の英霊に相応しい剣捌きだ。
 そう思いながら、きっと彼の心臓でなければ既に停止していたのだろうと確信できるほどの圧迫感が、華奢な少女からの殺気として浴びせられる。

「――てめぇ、俺の願いを知っているはずだろ?」
「知っている。だからこそ、頼んでいる」

 一度己を殺した相手から浴びせられる、本気の激怒。
 だが、その殺意にも揺らがぬ心臓を賜っている以上――ジークはモードレッドのためにも、臆するわけにはいかないと決意していた。

「俺は空中庭園を追跡する日の朝――知らないうちに『ゴフェルの木片』に触れてここへ来た。殺し合いを承知で来たわけではない」
「それで命が惜しいかっ!? とんだ臆病者、恥知らずのマスターだな!」
「――違う。同じようなマスターが、他にもいると思ったんだ」
 激昂し、いつ斬りかかってくるやも知れぬセイバーに、ジークは必死に言葉を掛ける。
「だがこの聖杯戦争は、最後の勝者以外は全員が消去される。ただ巻き込まれただけの者達まで、この聖杯戦争というシステムの犠牲者となってしまう。
 ――俺にはそれが、赦せない」

 人間が善か悪か、ジークにはまだわからない。アストルフォのように人間を好きになれるか、ルーラーのように人間を信じられるのかは、わからない。
 それでも、何の罪もない者に犠牲を強いるという不条理を、ジークは嫌悪した。し続けてきた。ユグドミレニアのホムンクルスの扱いを、人間の総体が作る地獄を。
 ならば、この月を望む聖杯戦争のことも、ジークは決して赦せない。
 かつてルーラーが、自分や同胞達を救おうとしてくれたのと同じように。ジークもまた、巻き込まれただけの被害者を見捨てたくないのだ。

「……善か悪かなんてうじうじ疑ってやがったくせに、お優しいこった……まぁ、お前がそういう奴だってことはわかっていたさ。だが、それでオレが願いを諦めなくちゃいけない理由がどこにある?」
「――俺の知っている貴女は、善き王になりたいと言った」
 セイバーの顔が、微かに歪んだ。
「覚悟を決め、戦場に立った騎士に全力で応じるは礼節だろう。だがただ巻き込まれた民草までを我欲のために屠るとしたら、それは貴女の望んだ王の所業ではない」
「――――っ!」
 言葉に詰まり、さらに数秒顔を歪ませた後――セイバーは、その剣先をジークから逸らした。

「はぁ……あーいいぜ、乗せられてやるよ。お前の言う通りだ、叛乱に討たれるような悪しき王になるのは御免だ」
「それでは……よろしく頼む」
「ああ……とはいえ、願いの方も諦めたわけじゃねえからな」
「それは、俺の世界の貴女に任せれば良い。聖杯大戦の参加者は、今となっては皆覚悟を固めた者ばかりで……何よりあちらの貴女は、俺にずっと勝るマスターと組んでいるのだから」
「――ったく。言うじゃねえか、てめぇ。こりゃ確かに、いよいよここのオレはお前の剣になる他ない……だが、良いのか?」

 ガシガシと頭を掻いた後――今度はセイバーが尋ねて来た。
「この聖杯戦争に叛逆するってことは――あのルーラーとも敵対するってことだぞ」
「――――――――わかっている」


748 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:12:49 I10aaRlU0

 ルーラーとは、聖杯戦争そのものに召喚されるエキストラクラスのサーヴァント。聖杯戦争そのものを守るために動く裁定者。
 聖杯戦争への叛逆は、その守護者である彼女との敵対を避けられない決断だ。

「それでも、俺の知っている彼女なら……こうすると、信じたい」
 令呪を得たところで、変わらずジークを被害者であると庇護し、導いてくれたルーラーなら……これが聖杯による定めなのだとしても、きっと、自分と同じ選択をするはずだと。

 さっき自分が見たのは、ジークが知るのとは別のジャンヌ・ダルク。おそらくはルーマニアの聖杯大戦についての知識もないはずの、限りなく近く、決定的に遠い別人なのだ。
 この聖杯戦争のルーラーは――“赤”のアーチャーの立ち位置から見た、聖杯大戦のルーラーと同じく。今のジークの立ち位置から見れば、敵対の避けられない『悪』、なのだ。

「そうか――なら、良い」

“あちら”を信じると決めて、“こちら”を討つと決めた。
“選別”という間違いではない、だが“選択”という罪を背負うという覚悟を聞いて、セイバーはジークとの問答を終えた。

「行くぞマスター。このクソッタレた聖杯戦争を止めるにな」
「ああ。ただ、その前に――彼らに別れを告げさせて欲しい」

 勇ましく呼びかけるセイバーに合わせつつも、ジークはそう言って、ムジーク孤児院を振り返った。

「別れって……おいおい、そいつら別に本人じゃなくて、ただのNPCだろ?」
「それでも、俺にとっては――これまでの人生と同じぐらいの時間を過ごした、大切な人々だ。このタオルも、返しておかねばならない」

 頑として譲らぬジークに、セイバーはまた暫しの睨み合いの末、根負けし「早くしろよ」と促した。



   ◆



 まさか彼のサーヴァントになる日が来ようとは、全く以て予想外だった。
 そんな不思議な感慨とともにセイバー――モードレッドは孤児院に吸い込まれて行く背中を静かに、半ば呆れながら見守っていた。
 あの生真面目で、頑固で、無鉄砲なマスターには今後も手を焼かされることだろう。

 だが、それを面倒だとは思っても――不思議と疎ましく感じないのは、多分気のせいではないと、彼女は思う。

 おそらくは聖杯大戦での縁やセイバーのクラスという触媒の他に、ジークと自分を結びつけた要素――彼に伝えはしないが、同族(ホムンクルス)であるという事実がその一因だ。
 そして、だからこそつい先輩風を吹かせたあの会食がきっかけで、彼と同じような悩みを抱え始めたことも。そんな感情と、此度の召喚を呼んだのだろうと考える。

 彼は人間に、自分は王という在り方に。それぞれ持つべき認識を迷い、足掻いている。

 そんな精神の類似性もまた、ムーンセルにマスターとサーヴァントという『つがい』として選ばれた理由だ。

「――だが、言っただろ。お前もアタリだが、前のマスターには負けるって」

 ただ、モードレッドはきっと、ジークの一歩先にいる。
 聖杯大戦でのマスター、獅子劫界離との語らいによって、自分の選ぶべき答えの見当を付けるところまで進んでいる。

 当たり前だ。同じホムンクルスだろうと出来が違う。しかもオレは騎士王の後継者となるべき英霊で、あいつは生まれて間もない赤子に等しいものなのだから。

 だから――

「お前と違って、オレが面倒を見てやる必要なんかなかったからな」

 獅子劫と見えて来た我が王道の実践も兼ねて――年長として、手助けしてやるのも悪くないだろう。

 モードレッドは始まりの夜に、そう密かに考えていた。



 それが、答えを求める二人のホムンクルスが。そして竜殺しと英雄殺しの二騎のセイバーが、月を望む聖杯戦争に叛逆した――運命の夜、だった。


749 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:14:06 I10aaRlU0

【マスター】ジーク@Fate/Apocrypha
【参加方法】ユグドミレニアの隠れ家に施された魔術術式に利用されていた『ゴフェルの木片』への接触
【マスターとしての願い】
 罪もない犠牲者を出さないために、この聖杯戦争を止める。
【weapon】
“黒”のライダー(アストルフォ)の剣
【能力・技能】
ホムンクルス故、生まれた時点で一流と呼ばれる魔術師ですら及ばない一級品の魔術回路を有する。
魔術としては手で触れた物体の組成を瞬時に解析し、魔力を変質・同調させ、最適な破壊を行う『理導/開通(シュトラセ/ゲーエン)』と呼ばれるアインツベルンの錬金術を元にした強力な攻撃魔術を行使する。なおこの組成解析は一度触れた物なら次からはその工程を飛ばして銃弾に傷をつけられる前に発動できるほどになるが、逆に解析から魔力の変質までの間に組成を変化させることで防がれたこともある。

黒のライダーから譲渡されている剣は曲りなりにもサーヴァントの武装であり神秘を帯びているため、能力面を考慮に入れなければサーヴァントを傷つけることも可能。


-『竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)』
ジークの左手に発現した、全く前例の無い令呪。その全容は謎に包まれている。
その能力は名の通り、余命を削ることを代償に“黒”のセイバーに変身できるというもの。一画につき三分間限定で自らの体に英霊ジークフリートそのものを憑依させ、その身体能力、戦闘経験値、宝具を含む保存能力を完全具現化し、ジークの意志で行使することができる。
通常の令呪は使用する度に消えていくが、『竜告令呪』は使用後も聖痕のような黒い痣が残り、使用者に精神的な影響を与えるなどの異常現象を起こしている。



以下、「竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)」発動時の“黒”のセイバー(ジークフリート)としての能力。

【パラメーター】

筋力B+ 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具A

【保有スキル】

対魔力:-
騎乗:B
黄金律:C-

【宝具】

『幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具  レンジ:1〜50  最大捕捉:500人

竜殺しを為した、黄金の聖剣。その逸話から竜種の血を引く者に対しては追加ダメージを与える効果を持つ。
柄に青い宝玉が埋め込まれており、ここに神代の魔力(真エーテル)が貯蔵・保管されていて、真名を解放することで大剣を中心として半円状に拡散する黄昏の剣気を放つ。


『悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:- 防御対象:1人

悪竜の血を浴びることで得た常時発動型の宝具。
Bランク以下の攻撃を完全に無効化し、更にAランク以上の攻撃でもその威力をBランクの数値分減殺する。正当な英雄による宝具の使用がされた場合はB+分の防御数値を得る。
竜種由来の肉体強度と治癒能力が合わさり、Aランク以上の対軍宝具による一撃を耐えるほどの強固な肉体を誇る。
但し、伝承の通り、背中にある葉の様な形の跡が残っている部分のみその効力は発揮されず、その箇所を隠すこともできないという弱点がある。


【weapon】
『幻想大剣・天魔失墜』


750 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:15:05 I10aaRlU0

【人物背景】

ユグドミレニア一族がアインツベルンの技術を流用して生み出したホムンクルスの一人。
本来サーヴァントへの魔力供給をマスターから肩代わりする消耗品として設計された量産品の一つだったが、奇跡的な偶然で自我に目覚め、“黒”のライダー(アストルフォ)の助力を得て脱走を果たす。
その後、追ってきた魔術師ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアの手にかかり、重傷を負うも、居合わせたアストルフォに糾弾された“黒”のセイバー(ジークフリート)が、自らの心臓を彼へ分け与えたことにより蘇生する。
この時から恩人であるジークフリートにあやかり、ジークと名乗るようになる。
サーヴァントの心臓を持つホムンクルスという歴史上類を見ない存在となった彼は、ただの人としてならば充分に長生きできるだろう生命力を得た。しかし『自由』を得ても自らの願いが分からず思い悩んでいた中、ルーラー(ジャンヌ・ダルク)との邂逅を経て、“黒”のサーヴァント達が自分を助けてくれたように、自分の捜索を命じられながら見逃してくれた同胞達を救う事を決心する。
そのために飛び込んだ戦いの中、“黒”のライダーに助勢しようとした結果“赤”のセイバーの剣に斃れるものの、“黒”のバーサーカーの宝具の余波で二度目の蘇生を遂げる。同時に『竜告令呪(デッドカウント・シェイプシフター)』を発現し、“赤”のセイバーと再戦。能力は万全でも、ジークの精神が追い付いていなかったことに加え令呪の補助を受けた“赤”のセイバーには敗れるが、“黒”のセイバーとしての耐久性に救われ生き残り、同胞の解放を成し遂げる。

その後は聖杯戦争を司る監督役たるルーラー、命の恩人であり無二の友でもあり、自らのサーヴァントとなった“黒”のライダーの助けとなるべく、自らの意志で聖杯大戦に参加。またホムンクルス達と和解したゴルドをはじめとするユグドミレニアの残党とも同盟を結び、共同生活を開始する。
しかし、そこに襲来した“黒”のアサシンにより同胞を殺められ、激しい憎悪から彼女の討伐に精力を注ぐ。
だが余りに無垢であった彼は、“黒”のアサシンが討ち果たされた際、その正体である大量の堕胎された子供達の怨念に見せられた世界の残酷さを知り、人間という存在について悩みを抱えるようになってしまう。

あるいは敵対するシロウ・コトミネの掲げる人類救済は正しいのではないか、と疑問を持ち、直面すれば話をしてみたいと感じながらも、彼らとの最終決戦が始まる朝を迎える。



【方針】聖杯戦争を止め、巻き込まれた被害者を救う。そのためならルーラー(ジャンヌ・ダルク)とも戦う。
※OPで行ったアサシンへの警告に向かう寸前のルーラーを目撃しましたが、自分の知る彼女とは別人だと思いたがっています。ムジーク孤児院のNPC達(ゴルドとユグドミレニアのホムンクルス達)についても、本当にNPCだと思っていますが、真相はお任せします。


751 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:15:42 I10aaRlU0
【クラス】セイバー
【真名】モードレッド@Fate/Apocrypha

【人物背景】
アーサー王の姉・モルガンが自身の妄執を成し遂げるために造り上げたホムンクルスであり、王と実の姉の不貞・近親相姦によって生まれた子。
当初は自身の出生について知らず、素顔を隠し続ける仮面の騎士として王に仕え、やがては円卓の末席に名を連ねる。
この時期の彼女は野心よりもアーサー王に対する憧れが強く、自らも立派な騎士たろうと努力する純真な人物だった。また、人間ではない自分を恥じてもいた。
しかし、モルガンより自身の出生の秘密を明かされ、これによりモードレッドは自身が人間でない負い目を、人を超越したあの王の息子である証として誇るべき、と考えるようになる。
そして、嬉々として王に自身を後継者にするように進言するも、モードレッドに王の器はないと判断したアーサー王は王位は譲らず、息子としても認めないと拒絶してしまう。
自身が王の宿敵であるモルガンの子供であるが故に拒絶されたと思ったモードレッドは、今までの愛情の反動で王に憎悪を向けるようになる。
アーサー王に叛旗を翻したモードレッドだったが、その根底にあった思いは、王に認めてもらい、ただ息子と呼んで欲しかった、という想いだけであった。
しかしその願いは遂げられることなく、予言通り父と相討ちとなる形で、アーサー王伝説に終止符を打つ役割を担った。

死後は英霊となり、ルーマニアの聖杯大戦で獅子劫界離をマスターに、“赤”のセイバーとして召喚される。

シロウ・コトミネと“赤”のアサシンに危険な匂いを感じ取り、マスターと共に彼らとは別行動を取ることを選択し、単独で“黒”のアサシンやアーチャーとの交戦していた。
後に、黒と赤の総力決戦へと獅子劫を伴い参戦。ジークを一度は殺害するも、“黒”のセイバーとして復活したジークに逆襲を受ける。令呪のバックアップを以て圧倒するも、父の名を冠した宝具で絶命させることができず、また次からは“黒”のセイバーの力をさらに引き出して来るだろう彼に危機感を覚え、この手で殺す相手と定めるものの、戦場の流れで決着は棚上げとなってしまう。
その後は“赤”の陣営と正式に決別、ルーラーとユグドミレニア側のサーヴァント達と共闘し、“黒”のキャスターが造り出した宝具『王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)』の頭部霊核を吹き飛ばして勝利に貢献する。
その後、ルーラーとユグドミレニアが組んだ同盟側と一定の距離感を開けながら共闘関係を結び、彼らと共に持ち去られた大聖杯を追うことに。

そんな中、最終決戦に向けての準備期間中、人間についての認識に悩むジークと偶然にも街中で遭遇。この際、元々彼の事情を知ってその気が失せていたところで、彼が自身に殺されたことを気にしていないと発言したことに譲歩して、自身の宝具で死ななかったことを許すと和解(?)する。
会食しながら、相談を持ちかけてきたジークを相手に人間のことを散々に扱き下ろすも、同席していた“黒”のライダーから自らの願いについて問い詰められたことがきっかけで、王となった後のことについて悩むようになる。
しかし獅子劫と語り合い、相互理解を深めて行く中で、偉大なる父すら超える王として在り方のヒントを掴みかける。



外見は二十歳にも満たぬ少女だが、父と似て女と呼ばれることを極端に嫌っており、やや粗雑で男性的な口調で話す。
性格は自信過剰で好戦的だが、高潔な精神も備えている。
ちなみに霊体化を嫌っており、普段は獅子劫に購入してもらった腹部を晒したチューブトップに真っ赤なレザージャケットを羽織って過ごしていた。



【ステータス】
 筋力B+ 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運D 宝具A

【属性】
 混沌・中庸


752 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:16:43 I10aaRlU0

【クラススキル】

対魔力:B
騎乗:B

【保有スキル】
直感:B
魔力放出:A
戦闘続行:B 
カリスマ:C-

【宝具】

『不貞隠しの兜(シークレット・オブ・ペディグリー)』
ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
母であるモルガンから「決して外してはなりません」という言葉と共に授けられた兜。
ステータス情報の内、固有のスキルや宝具など真名に繋がる情報を覆い隠す。マスターの特権や真名看破のスキルも無効となる。
ただし『燦然と輝く王剣』の全力を解放する時は、兜を外さなければならない。


『燦然と輝く王剣(クラレント)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
アーサー王の武器庫に保管されていた王位継承を示す剣。
本来『勝利すべき黄金の剣』と勝るとも劣らぬ値を持つ白銀の宝剣であるが、モードレッドが了承なくこの剣を強奪したため、ランクが低下している。


『我が麗しき父への叛逆(クラレント・オブ・ブラッドアーサー)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:800人
『燦然と輝く王剣』の全力解放形態。発動に伴って白銀に輝きは赤黒い血に染まり、形も醜く歪む。
荒れ狂う憎悪を刀身に纏わせ、直線状の赤雷として撃ち放つ災厄の魔剣。

【weapon】
『燦然と輝く王剣』


【サーヴァントとしての願い】
選定の剣への挑戦……は聖杯大戦の自分に任せ、ここではマスターの剣として、巻き込まれた無辜の民を救出する。

【基本戦術、方針、運用法】
相手の能力や状況次第で勝率が変動しない、『剣士』のクラスに相応しい、全ての能力が極めて高く安定感のあるサーヴァントとなっており、正面からの戦いで真価を発揮する。
普段の態度はやや粗雑だが、民草を犠牲にするのを嫌い、魂喰いをせず、それを行うサーヴァントや悪を憎む高潔な騎士であるため、なおさら策を弄するよりも真っ向勝負をさせる運用法が有効になる。
その一方で諸侯を言い包めて反乱を成功させてブリテンを崩壊させた過去から、策略家としての資質自体はあり、また『直感』と合わせて敵対者の秘めた危険性を見抜くこともできる。
そのため本人は危なっかしいジークの代わりに、自分が出会う相手の危険度を推し量り、助言や護衛をして行くつもりである。


753 : ジーク&セイバー ◆z9JH9su20Q :2014/07/06(日) 01:17:38 I10aaRlU0
投下完了です


754 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:20:56 OW3G2gOg0
投下します。

ちょっと思いついてだらだら書いていたら結構長くなった。まぁいいや。
独自に設定した部分が多い。


755 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:22:00 OW3G2gOg0
なるほど、とマスターとして覚醒したアリスは先程までの自分を思い返す。
自分を失い、人形として操られるだけだった自分。
何も考えることなく、意思が伴わないまま外面だけで喜怒哀楽を表現し
意思持つ人間と何一つ遜色無い行動をとり続ける自分。
自立人形の完成を目指し、数多くの人形を作ってきたが、
まさか自分自身が人形になることを体験することになるとは思わなかった。

アレこそ単なる人形の限界、自分が目指すのはその先の先。
少なくとも自分の人形はあの意思を持たない段階を越えている、それは自信を持って言える。
しかし、一歩進んだだけでは、幾らかの心が宿っているというだけでは、
結局のところ他者の命令に従うという人形の人形たる限界を本当の意味で越えたわけでは無いのだ。
本当に自分の人形はアレと違うのかと言われれば、自分のどこか冷静な部分は
根本では同じだと認めてしまうかもしれない。
そう思ってしまうことに屈辱感のようなものを感じざるを得ない。

しかしだ、それを知ることができたというのは重要だ。
どれだけ長いかわからない自分の目標までの道のり。
その道中のどこに自分がいるのか、何が足りないのか、それを実体験として幾分か理解できたのだ。
そして、少し前まで人形であった自分は今、自立して動いている。
操り人形が自分の紐を切ったその瞬間を、自分自身で観測できたのだ。
無論、これは封じられていた意思を解放しただけであるので、本当の意味の人形の自立とは異なる。
しかしそれに通じる現象ではあるだろう。
これを経験できただけでも自分の目的に対する大きな糧になった。

この『方舟』で一つ、とても貴重な経験をし、学んだ。
それは良い。良いのだが、それはそれとして。
今現在直面している問題に目を向け、頭を悩ませた。

「本気の殺し合い、というのはね……。
 まるで私向きじゃないわ」

アリスは本気を出さない。
魔法使いとして非常に高い能力を持ち、挑まれた勝負は避けない程度には好戦的なアリスであるが、
力押しで勝利するというのはどうも合わず、何事も相手の力を見極め、
それを少し上回る程度の力を上限として戦うのが彼女のスタイルだ。

例えそれで負けても構わない。
勝負自体は楽しいものになるだろうし、本気を出して負けて後が無くなってしまうのも嫌だ。
余りの強者と戦うのも好まない。余裕を持つことが第一だ。

そんな彼女が、魔術師と英霊が命と願いをかけて鎬を削る
聖杯戦争なんてものに参加するということ自体がまずありえない。
戦いに自信が無いというのではないが、弾幕ごっこならともかく、
どんなに商品が豪華なマジックアイテムであろうが形振り構わない全力本気の戦いをするなんて御免なのだ。

ではなぜここにいるのかというと、それもわからない。
願いが無いとは言わない。さしあたっては完全な自動人形の完成だ。
しかしそれはアリスの力で到達してこそ意味があるもので、聖杯に叶えてもらうものではない。
そんな彼女が、なぜ『方舟』とやらに呼ばれてしまったのか。
そもそも、召喚に必要な『ゴフェルの木片』とやらも心当たりが無い。
ここに来る前の最後の記憶では魔法の森の上空を飛んでいたはずだが、
そんな木片など持っていなかったし、木をぶつけられたということもなかった。

普段はそれこそ人形の様に表情を崩すことなく優雅に振る舞っているはずの少女が、
珍しく眉間に皺を寄せて本気で悩んでいた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


756 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:24:03 OW3G2gOg0
……一人で悩んでも仕方ない。サーヴァントとやらの意見も聞いてみましょうか。
と、ここでようやく気付いた。サーヴァントはどこだ?
見回して、少し離れたところにそれらしき何かがいるのを見つけた。
実体化はしていないようだが、ラインの繋がりとアリスの幻視は霊体を捉えることを可能としていた。
悩んでいたアリスを気遣って待っていてくれたようだ。
ステータスを確認し、声をかける。このサーヴァントは――

「――アーチャー。
 ごめんなさい。気を遣わせたみたいね。
 少しお話ししましょう。実体化してくれる?」
 
(――はい)

やわらかい女性の声、続いてその姿が現れる。
胸当てと赤い袴を身に着けた黒髪の女性。弓を持つのはまさしくアーチャーらしい。
しかし右肩に妙に大きな盾?を身に着け、背にも矢筒と金属製らしい何かゴタゴタしたものを背負っている。

「アーチャーのサーヴァント。航空母艦、赤城です。
 空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ」
 
「コウクウ…ボカン?」

意思持つ人形を目指す少女と、
意思持つ船である女性。
その出会い。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ふぅん……つまり、付喪神みたいなものね?」

「ええ、そういう認識で大体合ってますよ。
 私の様な物が実体を持ちやすい神秘のあり方の世界線がありまして、
 その世界でこういうヒトガタの英霊として成ったものですので」

お互いに自己紹介と情報交換を済ませたが、このアーチャー、本来は巨大な『船』だという。
それが人に似せた意思と姿を以て現世に現れた『艦娘』という存在だと。
付喪神ならば幻想郷にもそれなりにいるが、聖輦船が付喪神になって動いている様なものと考えれば
幻想郷のそれらとはスケールが違うことを実感できる。

彼女は自立する船で、自分は人形を以てそこに至らんとしている。
器もあり方も異なるが、それでもある意味自分の目指す様な存在が召喚されたというのは、何かの縁だろうか。
戦闘方法に近しい所があるのも興味深い。彼女の場合は力押しの部分もかなり大きいが。

まだ少し話をしただけであるが、結構こちらに好意的な態度をとってくれているようだ。
これなら相談してみるのも悪くないか。
嘘はつきたくないからどちらにせよ話さなければならないことであろうし。
……彼女を怒らせることにならなければ良いのだが。

普段のすました所のあるアリスでは考えにくいことであるが、
すんなりと自分の悩み、あるいはこの聖杯戦争においては弱みとすらいえるものを打ち明けることとした。
状況が状況だから、大分まいっていたところがあったのだろう。

「実は、私にはこの戦いに参加する動機は無いのよ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


757 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:26:16 OW3G2gOg0
「―――それでは、何とか脱出する方法を探しますか?」

「………貴女はそれで構わないというの?
 何か願いがあって、この戦いに参加したのではなくて?」

「ええ、無いとは言いません。
 私が成った世界では、今この時も多くの提督と仲間達が戦い続けているでしょう
 彼らを助け、私たちの敵を根絶することが私の願いです」
 
そう言って、何かを思い出す様に目を伏せるアーチャー。
自分の世界に思いを馳せているのか。

「しかし、彼らも私達も、それぞれ覚悟や想いを抱いて命がけの戦いに挑むものです。
 自分たちが守るべきもののために、剣を取り盾となる。
 その戦いに、無関係の方を巻き込むのは皆に顔向けができませんし、私自身もそれを認められません。
 マスターが自分の願いの為に戦いたいというならば、私も共に願いを叶えることを目指したでしょうが、
 貴女は純粋に巻き込まれた被害者です。
 ならば私は貴女を助けるために力を尽くしたい」
 
アーチャーの眼差しがこちらを向く。
その眼と言葉からは、心からの自分への慈しみが伝わってくる。
……これが物が意思を持つことか、と思う。
使われるだけだったはずの物が、心を持ち、その有り方に誇りを持ち、
自らの意思と望みとして役割を果たす者となる。
 
自分が目指す者、その同類である彼女にこれだけの想いを向けられている。
そのことに、彼女の願いを叶えられないことに申し訳なさを感じるとともに、
それでも、嬉しいと思ってしまった。
……そこまで言ってくれるなら、甘えさせてもらおうかしら?

「フフッ。ありがとう、アーチャー。
 それならお願いするわ。家まで送ってくれるかしら?」
 
「ええ、了解しましたマスター。
 これでも無敵艦隊と呼ばれた身ですからね。
 大船に乗ったつもりでいてください!」
 
アーチャーが自信満々に言い、二人で笑いあう。
うん、きっと何とかなりそうね。


758 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:27:47 OW3G2gOg0
【サーヴァントステータス】

【出典】艦隊これくしょん -艦これ-
【CLASS】アーチャー
【マスター】アリス・マーガトロイド
【真名】赤城
【性別】女性
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力D 耐久A++ 敏捷D(C) 魔力E 幸運C 宝具E+++

【クラス別スキル】
対魔力:E+++
 魔術に対する守り。
 本来であれば無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する程度であるが、
 宝具の効果により、対人規模の魔術であればダメージを著しく下げる。
 
単独行動:E-
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクE-ならば、マスターを失っても30ターンの現界が可能。
 自立しているとはいえ、『人に使役されるもの』としての本質も残しているため、
 このスキルは最低ランクでしか持てない。

【固有スキル】
艦娘
 『軍艦』が、人型をとって現界した英霊であることを示すスキル。
 本来は武装や宝具として扱われるべき『物』でありながら、意思を持ち自立的な行動を可能とする。
 また、『資材』を消費することにより魔力の補充、損傷や武装の修復が可能となる。
 『軍艦』であるので水上に対するBランク相当の地形適応スキルの効果を備え、
 水上では敏捷をワンランク上げての行動を可能とするが、水中や陸上では逆に敏捷がランクダウンする。
 
服従:C+
 『軍艦』である故の上官に従う性質。
 令呪の範囲および効果が強化され、命令行動に伴なう判定に補正がかかる。
 命令者が『提督』であるか否か、及びアーチャーが命令者に向ける感情に応じて
 ランクが上下する。
 
千里眼:C++
 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
 艦載機を通してより遠方を見ることを可能とする。
 
自己改造:C
 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。
 資材の取り込み、他の艦装の装備、および近代化改装によるステータスの向上を行うことができる。
 本来であればこのランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていくが、
 アーチャーは『軍艦』であり、改造により強化されることはそのあり方として正常なものであるため、
 英雄の格が低下するペナルティは発生しない。
 
【宝具】
『零式艦上戦闘機』『九九式艦上爆撃機』『九七式艦上攻撃機』
ランク:E+ 種別:対軍宝具 レンジ:10-99 最大捕捉:100人
 アーチャーの搭載機。
 人型をとる英霊の武装としては、弓により射る矢として発艦され、
 小型化された機体はアーチャーの意思とパイロットである妖精により操縦される。
 航空機であるために長時間・長距離の飛行が可能で、それぞれの機体に搭載された武装で攻撃する。
 艦載機は補充が可能なものであるという性質を宝具化しても保持しており、破壊された場合でも
 宝具としては少ない魔力の消費で復元が可能。
 真名解放と共に発艦させることにより、発艦後に機体のサイズとスペックが航空機としてのものに戻る。
 本来の対軍規模の攻撃力を発揮するが、逆にピンポイントの対人攻撃は難しくなる。
 また、真名解放後は完全な航空機であり飛び道具の領域を逸脱するため、
 矢避けの加護による機体への対応を無効化する。
 
『赤城』
ランク:E+++ 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:1隻
 アーチャー自身が宝具である。
 アーチャーの服と体そのものがEランクの神秘を帯びた装甲としての性質を持ち、非常に頑強。
 また、本質が巨大な『軍艦』であるために、あらゆる対人規模の攻撃のダメージを大幅に削減し、
 生物を対象とするスキルや宝具等の特殊効果の一切を受け付けない。
 真名解放により、アーチャーは人型から本来の航空母艦へと姿を変える。
 このとき、周囲に自分のマスターがいる場合、瞬間移動させ自分に乗せることができる。
 宝具としてのランクは低いが、非常に巨大な質量を実体化させるため相応に魔力を消費する。
 また、当然ながら水上でなければ移動は不可能。
 しかし、人型のアーチャーがいた場所の周囲の任意の場所に出現することができるため、
 敵の頭上に出現することで、その大きさと重量で押し潰すことが可能。


759 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:29:30 OW3G2gOg0
【Weapon】
『無銘・弓』
 人型をとったアーチャーの艦装。
 小型化された艦載機を矢として発艦させる。
 
『高速修復剤』
 艦娘を高速で修復させる作用を持つ。
 但し、修復に必要な魔力や資材は通常通りに消費する。
 
【人物背景】
 大日本帝国海軍に所属する航空母艦。
 「八八艦隊」で設計された天城型巡洋戦艦の2番艦として建造を開始されるが、
 ワシントン軍縮条約の締結により建造途中で空母への改装を受ける。
 完成した正規空母「赤城」は、その当時は空母そのものが運用の黎明期であったために
 実験的な要素を多数持っており、それ故に問題が多かった。
 しかし、後に近代化改装を受け、第一航空戦隊旗艦として太平洋戦争初期に大活躍を遂げる。
 だが、1942年6月5日、ミッドウェー海戦にてアメリカ海軍空母「エンタープライズ」の艦載機の攻撃を受け大破炎上。
 第四駆逐隊の雷撃処分により沈没した。同年9月25日、除籍。
 
 英霊は人間ではない動物や機械などでも成る可能性があり、
 彼女はその後者、艦船が英霊の域へと到達した存在である。
 深海棲艦と呼ばれる存在が跋扈する世界において、『艦娘』と呼ばれる人型の英霊体で現界し、
 自分たちを扱う素養のある提督(マスター)の指揮下に入り、祖国の人々を守るために日夜戦い続けている。

【サーヴァントとしての願い】
 マスターに従い、助ける。

【基本戦術、方針、運用法】
 アーチャークラスの中でも、広域破壊に特に長ける。
 空母であり、武器が航空機であるために、攻撃範囲と破壊力は人間の延長に過ぎない他のアーチャーの追随を許さない。
 サーヴァントの戦闘力は戦闘機1機分と例えられるが、それを数十機も操るわけである。
 しかし、音速の攻撃にすら対応可能なサーヴァントの領域にあって、彼女の航空機は遅い部類に入る。
 至近距離で不意打ち気味に巨大化させてぶつける場合などでない限り、
 真名解放した航空機を1機や2機程度サーヴァントに向かわせても対処されてしまう可能性は否定できない。
 宝具としてのランクも低いので、相応の宝具や技の持ち主が相手では破壊されやすいもの問題である。
 対人攻撃を狙うのではなく、一度に多数の機体を投入して
 敵には対応不可能な距離・高度から敵マスターを巻き込むことも視野に入れた
 爆撃や機銃掃射などの範囲攻撃で一方的に叩くのが基本的な戦術となる。
 宝具ランクの低さから大軍宝具としては真名解放の魔力消費は少な目で、
 それにもかかわらず破壊力そのものは兵器であるために飛びぬけている。
 しかし、効果的な運用には数が必要で、そのうえ戦場を選ばずに爆撃などやると
 周囲への被害が大きくなるためペナルティを負う危険がある。
 
 対人戦闘では、艦載機の真名解放は有効活用法が極めて限られるため基本的に小型のまま運用せざるを得ないが、
 前述の通り速度に劣るため、接近戦の領域では容易く撃墜される可能性がある。
 しかし、矢を射た後も矢が方向を自在に変えて自立的に動くのは通常のアーチャーには無い特性である。
 放たれた後も敵を狙い続ける矢を多数放ち、数で攻めるのが常套手段となる。
 また、軍艦であり自身が宝具あるために単純に頑丈であることに加え、
 対人規模の攻撃である限り宝具であろうと彼女には殆ど通用しないのも強み。
 接近戦での奥の手は、航空母艦としての船体での押し潰し。
 4万トンを超える重さの鋼鉄の宝具が瞬時に頭上に現れ降ってくるという攻撃は、
 どれだけ筋力・耐久・敏捷が高くとも対処は困難。
 敵のマスターを巻き込めるならばなおさらである。
 しかし、咄嗟の大軍宝具で撃墜される危険性はゼロとは言えないし、
 天を支えたヘラクレスの様に非常に重いものを支えた逸話がある英霊には真っ向から対抗されてしまうかもしれない。
 そしてこちらの宝具も周囲への被害が馬鹿にならない。
 
 総合的に見て、主兵装が多数の同時運用を前提とする大軍宝具であるため、
 燃費はかなり悪い部類のサーヴァントであり、運用する部隊の規模は常に注意が必要となる。
 しかし通常のサーヴァントとは異なり資材による維持が可能であるので、
 纏まった量を手に入れられれば逆に魔力効率は劇的に改善する。
 たとえそうでなくとも、現在のマスターが魔法使いとして非常に優秀であるので、
 資材の補給が無くとも十分な戦闘が可能である。
 最大の問題は、周囲への被害を考慮する場合かなり戦場が限定されてしまうこと。


760 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:31:39 OW3G2gOg0
【マスターステータス】

【出典】東方Project
【名前】アリス・マーガトロイド
【性別】女性

【参加方法】
 ムーンセルによる召還。
 しかし彼女は『ゴフェルの木片』に関する一切の心当たりが無い。

【マスターとしての願い】
 幻想郷への帰還。
 『方舟』からの脱出方法を探す。
 
【能力・技能】
 『主に魔法を扱う程度の能力』『人形を操る程度の能力』
 七色の人形使いの二つ名を持つ、万能型の魔法使い。
 しかし基本的には自作の人形を魔法で操って戦うスタイルをとる。
 弾幕と人形で敵を追い詰める業師。
 十体以上の武器を持つ人形を同時に操り、敵に多対一を強いることで優位に立つ戦術をとるが、
 アリス本人は人形の操作で手一杯になってしまうらしく、そこが弱点である。
 だが実際は人形を操りつつも縦横無尽に動けるので、本当に弱点なのかは疑わしい。
 また、人形を大切に思ってはいるが、爆発物を搭載して特攻させることもある。
 
 能力は高いが、戦闘での欠点として、本気を出したがらないというものがある。
 本気を出して負けてしまうと後が無くなり、それを嫌うためである。
 そしてその結果負けても、それはそれで構わないと思っている。
 後が無くなるということを単純に嫌う性格をしているだけなのか、
 戦略上奥の手を見せることを避けているのか、その詳しい理由は不明。
 流石に聖杯戦争において本気を出さずに負けて殺されることを受け入れはしないだろうが、
 それでもこの流儀が基本となっていることは大きな隙となるかもしれない。
 
【Weapon】
『人形』
 自作の人形。魔法により操作する。
 どれだけの数を持っているかは不明だが、非常に多い。
 人形は色々な武器を持っていたり、弾幕を放ったり、爆発したりする。
 人形が他の人形を操ることもできる。

【人物背景】
 魔法の森の洋館に住む魔法使い。
 属性の得手不得手の無い、万能型の魔法使いにして人形師。
 元人間で、修行を積んで種族としての魔法使いなった妖怪の一種である。
 しかし、人間の感覚がかなり残っており、不要であるはずの食事や睡眠をとり、
 祭りになると街中で人形劇を披露するなど人里との交流が深い。
 かつては魔界と呼ばれるところに住んでいたらしいが、経歴には不明な点が多い。

【方針】
 幻想郷への帰還手段を探すことを第一とする。
 戦闘自体には忌避感は持っておらず、必要であれば戦うが、
 あまり本気を出す様なことはしたくはないと思っている。


761 : アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:32:34 OW3G2gOg0
【その他】
○赤城は艦これ世界の彼女よりもだいぶ強化されている。
 あちらは艦娘という英霊が当たり前の様に出現する、それが常識である世界であるため、
 艦娘そのものの神秘の格が全体的に低くなっている。
 それに対してこちらは本来の英霊としての格を保持したまま現界している。
 上記の様な宝具を持っているのはそのため。
○赤城が残念なところを見せるのは多分これから。お互いに気を許してから。
 まあ最初だし、しっかりしたところを見せたがるよね。


762 : ◆ZTnr6IpaKg :2014/07/06(日) 02:33:16 OW3G2gOg0
以上です。


763 : ネーナ・トリニティ&バーサーカー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/06(日) 02:38:10 IB.qCq7k0
ネーナ・トリニティ&バーサーカー、投下します。


764 : ネーナ・トリニティ&バーサーカー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/06(日) 02:38:44 IB.qCq7k0
.


――最後の記憶は、炎。


   *    *    *


「うーん、さて、これからどうしようかしらね」

そう言ってソファーに寝そべりながら蠱惑的な体を伸ばす赤毛の女。
彼女の名はネーナ・トリニティという。

彼女がこの月に至る直前の記憶は――炎。
自身の搭乗するスローネドライに大型MA/レグナントの一撃を受け、爆砕したのだ。
そこで死んだ――はずだった。
だがこれは今際の際の夢ではない。
どういう理屈かは分からないが、ネーナ・トリニティは今、確かに生きているのだ。

『――ゴフェルの木片は、どの時代、どの世界にも存在しうるのです』

マスターとして目覚めてから最初に出会ったシスターはそう言った。

『ある世界ではそのまま聖遺物の一つとして、
 ある世界では誰かの手によって加工されたアイテムとして、
 ある世界では目の前に突如現れたただの木片として、
 そのあり方は多種多様――共通することがあるとすれば、それは"資格のあるもの"をこのムーンセルに呼び寄せる
 この聖遺物はそういう"もの"なのです』

それは、死者すらも?

『いいえ、アーク・セルが求めるのはあくまで生者。……まぁ余程のイレギュラーでもあれば別ですが』

だったら私はどうしてここに?

『つまり今の貴女はまだ死んでいないということです。
 死ぬその直前に何らかの手段で、ゴフェルの木片に触れた……それだけのことでしょう。
 とはいえそのままでは死んでしまいますから、優勝して延命を願う必要がありますが』
「言われなくてもそうするっての……!」

ネーナの美しい顔が歪む。
――あのシスターは気に食わない。
圧倒的な上から目線。どこか哀れんでいるような、あの視線がネーナの神経を逆なでする。
銃を突きつけてやろうかと思った。
だがそれでもあの女は眉1つ動かさなかっただろう。
恐らくはサーヴァントが控えている。それもかなり強力なのが。
圧倒的な振る舞いをするものはバックに力を有している。
そう、あのイノベイターのように……!
だから今は逆らわない。今は、まだ……

「ねぇそうでしょ……バーサーカー?」

その視線の先、壁にもたれかかるのは短髪の女。
サーヴァント。あの女に教えてもらった情報曰く、自分につき従う強力な力を持った従者。

ネーナの問いかけにバーサーカーは答えない。
何でも多くの場合、バーサーカーというクラスは狂っているため会話ができないらしい。
だがネーナはこのサーヴァントを信用している。
何てったって目がいい。私と同じように、世界そのものを憎んでいるようなその瞳が。


765 : ネーナ・トリニティ&バーサーカー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/06(日) 02:39:21 IB.qCq7k0


『貴女が呼ぶのは彼女ですか――それはまた、奇遇ですね』

そうシスターは告げた。
何が奇遇なのか……そんなことには興味もないが、見下されているようで気分が悪い。
気分を切り替え、再度ステータスを確認する。
決して悪くないし、宝具も単純に強力で使いやすい。

(そう、私は力を手に入れた。……でもこれで終わりじゃない)

だが単純な力はより強力な力にねじ伏せられる。
それはここ数年で身を持って教えこまされた。

無敵だと思っていた兄ィ兄ィたち。
だけど、三大国家群のガンダムに私達は押され、そしてあの男にいともあっさりと2人の命は奪われた

だからその後の私は慎重に立ちまわった。
表では王留美に忠実な犬として働き、そして牙を向き、叩き潰すことに成功した。
だがそこでも更に大きな力に叩き伏せられたのだ。
タイミングを、間違えたのだ。

「今度は間違えない……間違えてなんてやるもんか……!」

――長い間屈辱的な扱いをしてくれた王留美
――兄たちを殺したアリー・アル・サーシェス。
――私を殺そうとしたルイス・ハレヴィ。
――あっさりと私を切り捨てたリボンズ・アルマーク。

気に入らない、全員気に入らない。
でもそれもここまでだ。
なんでも願いが叶うという聖杯を手に入れれば、自分が生き返るだけでなく兄ィ兄ィズを生きかえらせることだって、世界中を支配することだって可能だろう。

そのためには戦い、勝ち残らねばならないが……それはむしろ楽しみでもある。
そしてこの場所に集まったマスターたちにはきっと願いがあるのだろう。
多種多様な、それこそ命をかけてでも叶えたい願いが。
それを踏みにじった時、どんな感情を向けてくるのか。

「――あはっ」

その口元はいびつな快楽にゆがんでいた。

-------------------

その様子をバーサーカーはじっと見つめていた。
狂化によって彼女の思考能力は低下しているが、会話しようと思えば会話は可能だ。

その思考の中心にあるのはネーナ・トリニティと同一だ。
それは世界そのものへの憎しみ。
自分を棄てた誰かへの/世界への尽きることのない憎しみ。
癒えることのない、心に焼き付いた火傷が疼く。

「熱いよ、熱いよう、体が燃えるよう……みんな燃えてしまえよ……」

その笑みは狂気の笑み。
堕ちた聖女の、炎の笑み。


766 : ネーナ・トリニティ&バーサーカー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/06(日) 02:40:25 IB.qCq7k0

【クラス】
バーサーカー
【真名】
ジャンヌ・ダルク@ドリフターズ
【パラメーター】
筋力:A 耐久:B 敏捷:A 魔力:B 幸運:E 宝具:B
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
・狂化:E+
 身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。
 言語機能こそ失っていないが、理性は減少している。
 特に戦闘時は、激昂しマスターの言うことを聞かない。

【保有スキル】
・対魔力:D
 何者かの加護により対魔力が上昇している。

・啓示:-
 "直感"と同等のスキル。直感は戦闘における第六感だが、
 "啓示"は目標の達成に関する事象すべて(例えば旅の途中で最適の道を選ぶ)に適応する。
 根拠がない(と本人には思える)ため、他者にうまく説明できない。
 しかし神を呪う現在の彼女からは全て消え去っている。

・カリスマ:E
 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
 しかし神を呪うがゆえに本来よりもランクダウンしている。
 国を統率はできても、兵の士気が極端に下がる。
 ただし、一軍を率いる将官程度の役職であれば、天賦の才と言えるランクである。
 
・聖人:-
 聖人として認定された者であることを表す。
 聖人の能力はサーヴァントとして召喚された時に、
 "秘蹟の効果上昇"、"HP自動回復"、"カリスマを1ランクアップ"、"聖骸布の作成が可能"から、ひとつ選択される。
 しかし神を呪う現在の彼女からは全て消え去っている。

・騎乗:B
 乗り物を乗りこなす能力。

【宝具】
我が神はここにあらず(フランメ・エテルネッル)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 戦闘時、狂化スキルを変動させ、身体能力をアップさせる。
 炎のような気性が宝具化したもの。神を呪う、激昂の聖女。

業火の聖女(ラ・ピュセル)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:60 最大補足:50人
 呪われた炎を自在に操る。呪われた炎は有象無象を一瞬で焼きつくす。
 剣をふるい炎を撒き散らす、投げナイフの着弾地点に炎の壁を作るなどが可能。
 発動時は顔の右側が焼けただれ、そこから炎を上げる。
 世界を焦がす憎しみの顕現。


767 : ネーナ・トリニティ&バーサーカー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/06(日) 02:41:12 IB.qCq7k0

【weapon】
・剣・無銘
 何の変哲もない両刃の剣。
・小刀・無銘
 何の変哲もない小刀。

【人物背景】
異世界を化け物によって統一せんとする鄢王の配下。
火刑に処されているところを、謎の人物"EASY"の手によって異世界に廃棄物(エンズ)として召喚された。
廃棄物(エンズ)になったからなのか、それともそういう風になってしまったのか。
……ルーラーとは違う世界で観測された、とある聖女の成れの果て。

【サーヴァントとしての願い】
世界のすべてを炎に包む。

【基本戦術、方針、運用法】
正直、割と強力ではあるが規格外というほどではないため。
他者をどうやって利用していくかが基本となるだろう。
戦闘となれば周囲への被害待ったなしのためマスターの立ち回りに八割かかっていると言っても過言ではない。




【マスター】
ネーナ・トリニティ@機動戦士ガンダムOO 2ndSeason
【参加方法】
【マスターとしての願い】
優勝を狙い、世界を手に入れる。
他のマスターの願いを踏みにじる

【weapon】
・銃
 未来技術で作られた銃。
 対人としては十分な武器。

【能力・技能】
・とくになし
 限定的ではあるが脳量子波でのヴェーダへのアクセス能力を与えられている。
 がこの世界ではどれだけの意味があるか不明。

【人物背景】
ガンダムチーム"トリニティ"の一員。
性格は一見すると明るく活発だが、その本性は身勝手そのもの。
気が向くままに破壊行為や殺戮行為を楽しみ、気まぐれで無関係な一般人を虐殺した。

【方針】
他人を騙しつつ優勝を狙う。
他人の願いは踏みにじる方向。


768 : ネーナ・トリニティ&バーサーカー  ◆Gc3b00.81E :2014/07/06(日) 02:41:44 IB.qCq7k0
以上です。


769 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:42:32 WDomeaGA0
投下乙です

福永ユウジ&ランサーで投下します


770 : ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:43:22 WDomeaGA0

龍の頭を模した兜。
兜から流れる長い金髪。
群青色の軽装に包まれた豹のような細くも力強い身体。
そして、何よりも目に惹くのは禍々しくも神々しい槍。
今、英霊が歴史に誇る『宝具』が確かに現界しているのだ。
ランサーのサーヴァント――――カイン・ハイウインドは目の前のマスターを見つめた。

その視線に当てられ。
ゴクリ、と。
マッシュルーム・カットのランサーのマスター――――福永ユウジは息を呑んだ。
派手な柄のシャツと同じく派手なスカーフ。
少なくとも街中を歩いていれば、思わず振り向いていそうな個性的な姿だ。
常に人を喰ったような挙動のフクナガも、本物の英雄を前にしてわずかにたじろぐ。

「今回の聖杯戦争においてランサーのクラスで現界した。
 ともに聖杯を手に取ろう」

ランサーは気品すら感じる物腰でフクナガへと握手を求めた。
フクナガは上手く動くことが出来ず、握手を返さなかった。
しかし、ランサーは特に気にした風はない。

「バロンが誇る竜騎士は無敵だ、私は必ず聖杯をマスターへと渡してみせる。
 さあ、ひとまずはどこか別の場所へと移動しようか」

その挙動に飲まれていたフクナガは、しかし。

(こいつ本当、馬鹿すぎ……!)

眼鏡の奥の瞳に侮蔑の色を浮かべる。
そして、ふぅ、と息を強く吐き、フクナガは眼鏡をかけ直した。

その動作の間に様々なことを想い出す。

フクナガはライアーゲームという一攫千金を狙える夢のゲームに参加していた。
その夢のゲームは(夢は夢でも、同時に悪夢でもあるが)知略をもって勝ち上がるゲームだ。
フクナガはそのライアーゲームの主催者から『ゴフェルの木片』を渡された。
主催者は『ランダムに選んだ』としか言わなかった。
フクナガも追求はしなかった。
ただ、主催者はフクナガに別の一攫千金のチャンスを与えてくれた。
ならば、そのチャンスを掴んでみせる。
フクナガはそう考えただけだ。

「お前さぁ、なんで俺に命令してるわけ?」

フクナガの言葉にランサーは一瞬だけ虚を突かれたように顔を硬直させる。
しかし、フクナガは言葉を投げ続ける。
初めが肝心だ。
フクナガがどのような関係性を望んでいるのか。
それをランサーにわからせる必要がある。


771 : 福永ユウジ&ランサー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:45:40 WDomeaGA0

「わかる!?」

「これ令呪!れーじゅ!」

「知ってるよねぇ、絶対命令権ってやつ!」

「こう、きのこみたいな形にしてて俺にピッタリってうっせーよ!」

「つまり、マスターは俺!」

「主導権を握ってるのは!」


「おー!れー!なー!のー!」


フクナガは令呪を見せつけながらランサーへと迫っていく。
ランサーは顔をしかめ、しかし、反論はしない。
ある程度の物分かりの良い英霊であるとフクナガは判断する。

「ならば、作戦を詰めるとしよう。
 案としては――――」

令呪を使われデモしたら溜まったものではないと考えたのだろう。
話を逸らすランサーに対して、フクナガは言葉を弱めなかった。

「駄目だ、お前の言葉は信用出来ない。
 俺が決めて、お前はその通りに動け」

そんな拒絶じみた言葉に、さすがのランサーも顔に不満の色を募らせた。

「いや、私は」

しかし、フクナガは言葉をまくし立てる。
大事なのは勢いだ。
見たところ、ランサーは知能は高いが正直なところがある。
それらしいことを言い続ければ、あるいはランサーに対して優位に立てるかもしれない。

「だから俺の言うとおりにだけ動け、作戦会議とか、そんなのマジでいらねえから」
「なぜだ。私は竜騎士、この槍に誓ってマスターの害になるようなことは――――」

ただ、頭によぎっただけの言葉をつらつらと滑らせていく。
そして、ランサーが反論する間にその滑らせた言葉から次の言葉を構成していく。

「お前さぁ! 自分を裏切るタイプだろ!」

「わかんだよ、そういう偉そうで、でもなんかこう清々しい奴はさぁ!」

「裏切らねえって決めてるくせに、その考えを自分で裏切っちゃうタイプ!」


「そんな奴を信じろとかー…………無理無理無理無理無理、無理ぃ!」

 .


772 : 福永ユウジ&ランサー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:46:32 WDomeaGA0

相手を馬鹿にするような言動。
しかし、ランサーの動きが止まった。

(図星かよ、わかりやすぅ!)

それがランサーのウイークポイントであると判断したフクナガ。
そこを徹底的に詰め寄る。

「裏切ろうとしてるやつなら使い道あるけどさぁ……そういう奴は本気でいらねえの!
 だからせめて銃弾になってろよ。
 わかる、ランサーちゃん?
 わかったら、返事。出来るでしょ、騎士様なら」

ランサーは、応えない。
怒りは覚えているだろう。
屈辱も感じているだろう。
しかし、まだ抑えられるレベルだ。

「ランサーちゃーん!?」
「……承諾した。ひとまず、私はマスターの作戦通りに動こう」
「クールな顔がちょーセクシィー!
 信じてるよ、ランサーちゃん」

ポンポンとランサーの肩を叩く。
ランサーの顔色は曇ったままだ。

(……くそっ、変なコトやり過ぎた。
 こいつの威圧感のせいだな……英霊ってのも、怖いぜ。正直)

フクナガは己の中に恐怖心に似たものがあったことを自覚する。
ランサーを侮蔑するような言葉を並べたのは、今後に行う『飴』の効果を高めるためだ。
+から+へと高めるのは難しい。
しかし、−から+へと高めるのはまだ楽だ。
しかも、ある程度の悪態で留めておけば、相手が勝手に良いように解釈してくれる。
ただ、それも度が過ぎた一面も否めない。

「大丈夫だって、絶対、悪いようにはしないからさぁ。
 そんな街なかで関係ない奴を襲えとか、そんなこと俺だって怖いしからさぁ」

フクナガは、理解を示すようにそう言った。
やらないとは、口にしなかった。
ランサーはただ、黙したままだった。


773 : 福永ユウジ&ランサー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:47:17 WDomeaGA0

【クラス】
ランサー

【真名】
カイン・ハイウインド@FINAL FANTASY Ⅳ

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷A 魔力C 幸運E 宝具A

【属性】
秩序・中立 

【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【保有スキル】
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせないが、例外として竜種と心を通わせて騎乗することが出来る。

心眼(偽):C
第六感による危険回避。

精神混濁
精神干渉系魔術に対しての耐性が非常に薄い。
干渉してきた相手がサーヴァントでなく、優秀な魔術師であったとしても脅威となり得るほど。

【宝具】
『原初の裏切り(ランス・オブ・アベル)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
カインが自身の罪と向い合うことで月が生んだ星造兵器。
竜殺しの能力を持ち、また、運判定で瀕死の呪いを発生させる。
カインにとっては武器として以上の意味を持っている。

【weapon】
宝具であるランス・オブ・アベル。
真名を解放する前ではその威力と特性は発揮されず、優秀な槍として以上の意味を持たない。

【人物背景】
強大な軍事力を持つバロン王国の竜騎士団の隊長。
高い技量と誇りを持っており、自他共認める王国最強の竜騎士。
友人であるセシル・ハーヴィに対して嫉妬心を抱いており、その隙を利用されて洗脳された経緯を持っている。

【サーヴァントとしての願い】
正しく有りたい。

【基本戦術、方針、運用法】
平均値の高いサーヴァントであり、様々な手段を取ることが出来る。
ただし、精神に干渉する技に対して非常に弱いため注意が必要。


774 : 福永ユウジ&ランサー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:47:48 WDomeaGA0

【マスター】
福永ユウジ@LIAR GAME(ドラマ版)

【参加方法】
『ゴフェルの木片』をライアーゲームを運営するLIAR GAME TOURNAMENT事務局より手渡される。

【マスターとしての願い】
大金を得る。

【weapon】
なし。

【能力・技能】
頭の回転が速く、また、過剰な演技によって相手のペースを崩すことが出来る。

【人物背景】
『ライアーゲーム』と呼ばれる知恵と交渉力を競って大金を得るゲームに参加している。
正確に言えば友人の代理参加である。
自分の利益のためならば平気で他者をだます自己中心的な人間だが、ところどころの詰めが甘い。
感情表現が豊かであり、また、人をおちょくるような言葉を非常に好んでいる。

【方針】
様々な手段を用いて聖杯戦争に勝利する。


775 : 福永ユウジ&ランサー ◆FFa.GfzI16 :2014/07/06(日) 02:50:31 WDomeaGA0
投下終了です


776 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/06(日) 03:44:40 ufsnUaJc0
ファサリナさん&ランサー投下します


777 : ファサリナ&ランサー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/06(日) 03:45:47 ufsnUaJc0
「や、やめろおおおおおお!!!」

少年はその純潔を散らした。
少年は高校に上がったばかりだった。
少年には気になる女の子が居た。
少年には夢があった。
少年には未来があった。

そんな罪のない少年だった。
ただ、その時近道をしようと公園のベンチの前を通ったのが運の尽きだった。

「―――やらないか」

「アッー!!!」

だがこの一突きで全ては無残に崩れさり、その一生に終焉を告げる。
刺しては挿入れ、刺しては挿入れ。女性との性交を模したその行為を、人は皆ホモセックスと呼んだ。



「ふぅ」

白い液体を肛門から垂れ流した死体を横に阿部高和は一息吐いていた。
これで今夜の魔力補充は十分。……少しヤリ足りない気がするが、まだこれは本命の為に取っておこう。
そう考えた阿部はイチモツをしまい休憩を取っていた。

「困りますね。ランサー……」
「マスターか」

普通なら警察か救急車を呼ぶであろう場所に、一人の女性が近づいてくる。
黒いロングヘアーに開けた胸元が妖艶な美しい女性だった。

「悪いが、今余韻を楽しんでるんだ。女に邪魔はされたくない」
「それはごめんなさい。でも、NPCの虐殺には触れないよう、くれぐれも程ほどにお願いしますね」
「何が程ほどだ。そういうお前こそ、もう俺の獲物を横取りするなよ。ファサリナ?」

ファサリナと呼ばれた女性は、少しバツが悪そうに頬を赤らめ笑みを浮かべる。

「ウフフ……何の事でしょう?」
「とぼけるんじゃあないぜ。俺の獲物をお前さん盗み食いしやがったな?」
「ああ、あの子達のことですか……」
「サーヴァントもマスターも俺のイチモツで(ホモ)ダチになったてのにてめえ……」
「でも彼ら、屈するどころかずっと屈辱と貴方への反抗心を増すだけでしたもの……。
 そんな姿を見ていると……私……なんというのでしょうか……咲き乱れてしまって」

阿部の拳が飛んだ。
サーヴァントの怪力を以って放たれたそれは正に砲弾の如く。
普通ならば、ファサリナの美しい容姿は崩れ醜い肉塊へと変わっている。
しかし、彼女は自身の槍を以って拳を受け流し、その容姿は未だ健全。

「ちっ、俺よりもランサーらしい奴だ」
「フフ……そんなふうになさっては、花びらを散らしてしまいますわ……。彼らのように」
「俺だって、壊すつもりはなかったさ。だがあんたのせいで……マジでヤっちまったのさ」
「ああ、勿体無いわ。せっかく、あの子達は私達のお友達になってくれたのに、貴方は乱暴すぎます……」

調子が狂う。
この女を見ていると、立っていたイチモツも瞬時に萎む。
全くもってハズレなマスターを引いたと阿部は思う。

「まあいい。
 お前は気に入らないが、色仕掛けで相手を魅了するってのは悪い策じゃない。
 相手にもよるがな」

そう言うと阿部は男子便所の前のベンチに座る。

「俺は、男子便所の前で鴨を待つ。
 お前は、女子便所の前で同じように鴨を待て。良いな?」

「あの、その策を実行するらな先ず役割を交換しません?」
「え?」


778 : ファサリナ&ランサー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/06(日) 03:46:30 ufsnUaJc0


【クラス】ランサー
【真名】阿部高和@くそみそテクニック
【性別】男性
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷A 魔力D 幸運E 宝具C
【クラス別スキル】

対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【固有スキル】

愛の睾丸:C
目にしたホモ、ホモの素質のある男性に対して強烈な魅了の魔術を発動する。対魔力や抗魔力で回避可能。

【宝具】
『挿入れ射精す男交の槍(ゲイ・ボルグ)』
 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 
ランサーの股間の槍、某青タイツは関係ない。
リーチはあくまでイチモツの範囲だが、攻撃や防御にも使える。何せ硬いので。
ただし女相手では萎える。

 
『お前俺のケツの中でションベンしろ(アヴァロン)』
ランク:B 種別:結界宝具 レンジ― 防御対象:1人

ランサーのお尻の鞘、某腹ペコ王は関係ない。
展開すれば、ランサーの肛門が全ての攻撃を吸い込む。
ただしランサーの肛門の限界がくると、ダメージが全て本人に返ってくるうえ痔になるかもしれないので多用は禁物である。

【weapon】
いい男の肉体

【人物背景】
自動車修理工であり、公園でノンケでも構わず食っちまういい男。

【サーヴァントとしての願い】
いい男達とヤりたい。
余談だがマスターもいい男が良いと望んでいたが、まさかの女で若干イライラ。

【基本戦術、方針、運用法】
男が相手ならば『挿入れ射精す男交の槍』をフル活用してヤるが、女の場合は己の肉体で殴る。


779 : ファサリナ&ランサー ◆FbzPVNOXDo :2014/07/06(日) 03:47:01 ufsnUaJc0
【マスター】
ファサリナ@ガン×ソード

【参加方法】
「幸せの時」計画で行動していた際、何処かで『ゴフェルの木片』を入手した為、参加。

【マスターとしての願い】
同志(カギ爪の男)の夢を叶える。

【weapon】
ファサリナの槍、特殊な材質で出来ており紙のようにも布のようにも硬度を変えられる。非戦闘時は足に巻いてある。

【能力・技能】。
人の感情の裏をついて動揺させる話術とそれを活かした戦い方をする。
更に童貞を懐柔するのが得意。あとエロい。

【人物背景】
アニメ『ガン×ソード』のラスボスであるカギ爪の男の狂信的な心酔者。
心の奥底まで一緒でありたいという思いが非常に強い。
オリジナル7の一人でもあり、ヨロイ(ようはロボット)「ダリア・オブ・ウェンズデイ」の操縦者。
原作でもカギ爪の男の為に動いており、それはここでも同じ。
参戦時期は、少なくともカギ爪の男の夢が頓挫したと悟った以降。

【方針】
聖杯戦争を勝ち抜く。
とはいえ無闇に襲いまくるのではなく、お友達や情報を集めカギ爪の男の考えを広めたい。


780 : ◆FbzPVNOXDo :2014/07/06(日) 03:48:31 ufsnUaJc0
投下終了です


781 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:50:52 YhtWPqDg0
呉キリカ&アサシン分を投下します
ちょっとまずいかもしれないので、問題でしたら指摘お願いします


782 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:52:07 YhtWPqDg0
「いやぁしかし、驚いたよ」
 からからと笑い声を上げるのは、黒髪をショートヘアにした少女だ。
 ネコ科の獣のような金眼には、恐怖や緊張の色はない。この状況下で平然としていられるのは、大した器だと言えるだろう。
「聖杯戦争なんてのもそうだし、まさか私のサーヴァントとやらが、君のような奴だったとはね」
「ああ、それは同感だ。おれだってお前のようなやつと、言葉が通じるようになるとは思わなかった」
 何よりその光景を、異様なものとして印象づけるのは、彼女の傍らに立った存在だ。
 驚くなかれ、ライオンである。
 浅黒い体毛を全身に纏い、緑の瞳を怪しく光らす、雄のライオンがいたのである。
 しかもそれが黒髪の少女と、人間の言葉を使いながら、平然と談笑しているのだ。
 そんな光景が成立するのは、彼らが戦争のルールに定められた、主君と従者の間柄だからだ。
 アサシンのサーヴァント・スカー――この1頭の獅子こそが、呉キリカという少女に与えられた手札だった。
「人間の言葉を話すライオンなんて、どんなサーカスでも見られないだろうねぇ。それも方舟とやらの力なのかな?」
「おれに聞いてくれるなよ、マスター殿。所詮は草原暮らしのけだものなんだ。人間様の文明のことなど、知る由もない」
「まぁいいか。大事なのは君が強いかどうかだ。そこのところはどうなんだい?」
「知恵比べなら自信はあるが、直接戦えと言われれば……まぁ、まず勝ち目はないだろうな。
 神にも悪魔にも縁遠い身だ。ライオンの領分以上のことはできん」
「なーんだ、そうなの」
 果たして知恵比べというものは、その「ライオンの領分」に当たることなのだろうか。
 それだけは気になったものの、すぐに落胆の方が勝った。
 一応キリカは魔法少女なのだから、自分で戦うこともできる。
 しかしそれでも、サーヴァントとのタッグを組めた方が、より勝利は確実なものとなったはずだ。
 それがかなわないとなれば、どうしてもがっかりしてしまう。
「おいおいそう落ち込むなよ、マスター。爪と牙が役に立たずとも、頭を使えば勝機はある。
 他の参加者は大勢いるんだ。だったらそいつらを潰し合わせれば、おれが弱くとも問題はあるまい?」
「潰し合わせる? そんなことができるのかい?」
「ちょっと頭を使えばいい。人の心を操ることなど、コツさえ掴めば簡単なことだ」
 本当にそんなことができるのだろうか。
 自信げに語るアサシンの言葉に、キリカはすっかり聞き入っていた。
 ライオンが人を操るなど、眉唾ものとしか思えなかったが、なるほど確かに、こいつは非常に口が上手い。
 こうして耳を傾けていると、あるいはそんなことすらも、可能なのではとすら思えてくる。
「まぁそっちはおれに任せておけ。おれはマスターの忠実な下僕だ。
 言うとおりにしていれば悪いようにはしない。必ず聖杯をプレゼントしてやるとも」
「そうだね……まぁ駄目で元々だ。君に任せてみることにするよ」
 上手くいったらお立ち会い。駄目なら自分で戦うまで。
 元より自分は考えるのが苦手だ。だったらここは無い知恵を絞るより、アサシンに賭けてみた方が気も楽だろう。
(待っててね、織莉子。必ず聖杯を持って帰るよ)
 そう心に決心を固め、キリカは行動を開始した。
 実のところ、彼女には、聖杯を使うつもりはなかった。
 願望器の力を必要としているのは、自分ではなく友人の方だ。
 ここにはいない親愛なる友――世界の救済者・美国織莉子。
 世界を滅亡から救わんとする彼女には、聖杯の願いを叶える力が、きっと助けになることだろう。
 どうせ自分が使おうとしても、大金や山盛りのお菓子くらいしか、願いのレパートリーはないのだ。
 だったら自分が使うより、相応しい使い手の元に持ち帰って、プレゼントした方が万倍いい。
 忠実なる愛の下僕・キリカは、獣の従者を伴って、愛する者のために歩みを進めた。


783 : 呉キリカ&アサシン ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:52:51 YhtWPqDg0


(ふふん、せいぜい図に乗っているがいい)
 そしてそんな背中を見つめて、内心で笑う獣が1頭。
 傷のある目元を妖艶に歪め、嘲笑するかのように見送るのは、アサシンのクラスを冠した獅子だ。
(今はお前に従ってやる。だが然るべき時が来たら……その時に笑うのはこのおれだ)
 アサシンはこのキリカという少女に、聖杯をくれてやるつもりなど毛頭なかった。
 自分にも願望器にかける願いがあり、故に聖杯を使うべきは、マスターではなく自分だと考えていたのだ。
 令呪とやらが自分を縛る限り、キリカを殺すことは許されない。
 それに魔力の供給源を殺せば、自分は体を維持することもできず、立ちどころに消滅するだろう。
 だからこそ、動くべきは最後の最後だ。
 言葉巧みにキリカを騙し、奴が願いを言うよりも早く、自分の願いを聖杯に告げるのだ。
(そしておれは王として、再びプライド・ランドに返り咲く……そうとも、今度こそは上手くやるさ)
 生前追い落とされた地位を、聖杯の力で取り戻す。
 生意気な甥っ子を抹殺し、あのプライド・ロックの頂に、もう一度自分が上り詰める。
 確かに振り返ってみれば、生前の統治は失敗だった。
 甥のシンバを殺し損ねたことも、ハイエナを野放しにしたこともそうだ。
 特に後者はよくなかった。無軌道な馬鹿共の食欲は、たちまち大地を枯れ果てさせてしまった。
 しかしもう一度やり直すからには、二度と愚行は犯さない。自分を殺した裏切り者など、まとめて処分してしまえばい。
(まぁ、確かにおれに力はない。それでもやりようはいくらでもある)
 そしてその願いを叶えるためには、まずこの聖杯戦争を勝ち抜くことだ。
 確かにアサシンたるスカーは、英雄でも神でもないただのライオンである。
 その上老いた身とあれば、直接戦闘で生き残ることは、到底不可能と言っていい。
 だとしても、アサシンに不安はない。
 そんな絶望的な状況だろうと、全く気後れしていない。
(要は余計な戦いなど、残らず捨ててしまえばいい。必要なのはただの一撃……マスターの喉を裂く爪の1本だ)
 アサシンのクラスの基本戦術は、その名の通りの暗殺である。
 相手に気づかれることなく殺す――そのために特化したスキルを駆使し、サーヴァントとの戦闘を避け、直接マスターを抹殺する。
 そしてそれを行うための準備は、もちろん彼にも備わっていた。
 それが他者を利用するための話術であり、彼に授けられた宝具だ。
 対獣宝具「偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)」――NPCの獣を洗脳し、支配下に置くための宝具。
 同時に最大50もの動物を、意のままに操ることを可能とする力だ。
 さすがに戦力としてはあてにならないが、小回りが利く上、外から判別もつかない分、使いようはいくらでもある。
 偵察によし、誘導によし。人間であるマスター相手なら、とどめの一撃に使うもよしだ。
(ハイエナを操れないというのは、少しばかり気に食わんがな)
 もっともこの宝具にも弱点はある。ハイエナを含むイヌ科の動物には、効力を発揮しないのだ。
 しかしこの方舟にいるのは、何も犬に限っているわけではない。
 他の動物が使えるのなら、その穴くらい埋めることは容易だ。
(ともあれ、王たる者はこのおれだ。他の奴らに聖杯は渡さん。
 最後に聖杯の前に立つのは……はは、他の誰でもないこのおれなのだ)
 高笑いを上げたくなる衝動を、必死に抑え込みながら。
 野心を己が胸に隠して、アサシンはマスターに付き従う。
 全ては真の王として、あの月に君臨するその時のため。
 万能の願望器の前に立ち、その時にこそ笑うため、アサシンは今はただ静かに、策謀を張り巡らせていた。


784 : 呉キリカ&アサシン ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:53:32 YhtWPqDg0
【マスター】呉キリカ
【出典】魔法少女おりこ☆マギカ
【性別】女性

【参加方法】
『ゴフェルの木』による召喚。美国邸の庭園にたまたま木があった

【マスターとしての願い】
自分で聖杯を使うのではなく、織莉子にプレゼントしたい

【weapon】
ソウルジェム
 魂を物質化した第三魔法の顕現。
 千歳ゆまを始めとする魔法少女の本体。肉体から離れれば操作はできなくなるし、砕ければ死ぬ。
 濁りがたまると魔法(魔術)が使えなくなり、濁りきると魔女になる。聖杯戦争内では魔女化するかどうかは不明。

【能力・技能】
魔法少女
 ソウルジェムに込められた魔力を使い、戦う力。
 武器は鉤爪で、劇中では主に3×2=6本の爪を展開して戦っていた。
 固有魔法は速度低下。有機物・無機物問わず、あらゆるものに対して発動が可能で、対象の運動速度を低下させられる。
 劇中では魔女結界にこの魔法をかけ、消滅を遅らせるなどしていた。
 反面、攻撃に魔力を割きすぎると、この魔法の制御が難しくなり、視認できる範囲にしか効果を維持できなくなるという欠点がある。
 必殺技は爪を投擲する「ステッピングファング」、膨大な爪を盾に連ねて叩きつける「ヴァンパイアファング」がある。
 爪とキックを交互に繰り出す、アクロバティックな戦闘を得意としている。

【人物背景】
魔法少女・美国織莉子の友人にして、忠実な下僕。
世界を滅ぼす魔女の出現を防ぐため、その元となる魔法少女を殺すべく暗躍している。
キュゥべえの目を逸らすために、他の魔法少女を次々と殺害しており、高い戦闘センスを持っていると推測される。

明るく社交性の高い少女だが、全ての価値判断は、あくまで織莉子最優先。
織莉子に捧げる「愛」を神聖視しており、半端に口出ししようものなら、激昂し物凄い勢いでまくし立ててくる。
戦闘中にも狂っているかのような言動が多く、対戦した巴マミからは、「壊れている」と評されていた。
もっとも、何もない時には、冷静に戦況を分析したりもしており、全くの狂人というわけではない。

本来は過去のトラウマから、人間不信に陥っていたこともあり、他人と打ち解けられない内向的な性格だった。
しかし、偶然織莉子と出会った時に、彼女に惹かれる何かを感じ、彼女に声をかけられるようになるため契約。
「違う自分に変わりたい」という願いで、現在の性格へと変貌を遂げた。
この時「変わる前の自分」が持っていた願いを忘れてしまったのだが、この聖杯戦争に参加した時点では、何らかのきっかけにより思い出している。
本人はこの契約に対して、「織莉子を自分のウソに付き合わせた」と語っており、ある程度の負い目を感じていたものと思われる。

【方針】
優勝狙い。細かい作戦はアサシンに任せてみる


785 : 呉キリカ&アサシン ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:54:06 YhtWPqDg0
【クラス】アサシン
【真名】スカー
【出典】ライオン・キング
【性別】男性
【属性】混沌・悪

【パラメーター】
筋力:D 耐久:E 敏捷:D+ 魔力:E 幸運:E 宝具:B

【クラススキル】
気配遮断:B
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。

【保有スキル】
話術:B
 言論にて人を動かせる才。
 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。
 弁論において、窮地にあっても挽回の可能性を手繰り寄せる。

心眼(偽):B
 直感・第六感による危険回避。
 視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

カリスマ:E
 軍団を指揮する天性の才能。統率力こそ上がるものの、兵の士気は極度に減少する。

【宝具】
『偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)』
ランク:C 種別:対獣宝具 レンジ:1 最大補足:50匹
 一時とはいえ、プライドランドの王として君臨した、その生き様が宝具と化したもの。世にも珍しい対獣宝具。
 NPCの動物を、話術をもって洗脳し、自らの一部として操ることができる。
 サーヴァントの一部であるため、他のサーヴァントを攻撃できるだけの神性も付与される。
 ただしスカーの王としての器は、名君と呼べるほどのものではなく、その効力は半減している。
 (然るべき王者が『百獣の王(キング・オブ・プライド)』を備えていた場合、操れる最大数は100匹となる)
 また、スカーはハイエナに恨まれながら死んでいったため、同じイヌ科の動物を操ることはできない。


786 : 呉キリカ&アサシン ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:54:40 YhtWPqDg0
【weapon】
なし

【人物背景】
サバンナに存在する動物達の王国「プライド・ランド」の王族で、ムファサ王の弟でもあった雄ライオン。
狡猾な野心家であり、王の地位を狙っていたのだが、ムファサに王子・シンバが生まれたことによって、王位継承のチャンスが遠のいてしまう。
これを快く思わなかったスカーは、蛮族であるハイエナ達と結託し、ムファサを暗殺。
シンバをも始末するよう仕向けたことにより、ムファサの王位を継承し、プライド・ランドを治める暴君となった。
しかしシンバは生きており、成長した姿でプライド・ランドへと舞い戻ってくる。
スカーは敗北しプライド・ランドを追いやられ、
最期には「ハイエナが全てを企んだのだ」と言い訳したのを聞かれていたことがきっかけとなり、そのハイエナ達によって殺されてしまった。

獣でありながら策を弄し、身内の殺害にまで及んだ、狡猾さと残忍性を併せ持つ反英霊。
その悪知恵と人心掌握術は獣の領域を超えており、他種族であるはずのハイエナの群れを、意のままに操ったと言われている。
反面、彼らを継続的に管理することは難しかったらしく、プライド・ランドを荒廃させており、王の資質はややマイナスに傾いている。
本人の戦闘能力は、ただのライオンであることもあり、ライオンなりのものしか持たない。
そもそも生前にムファサに対して、「爪と牙を使った戦いではムファサに勝てない」と語っており、
あまり力には恵まれていなかったものと考えられる。

【サーヴァントとしての願い】
プライド・ランドの王として再び返り咲く。そのためにキリカを利用する

【基本戦術、方針、運用法】
さすがに人間よりは強いが、本人の戦闘能力は底辺に近い。
そのためマスター自身や、宝具で操ったNPCを利用し、敵マスターを暗殺するのが基本方針となるだろう。
更には生前の手並みもあり、他のサーヴァントと同盟を組んで、ライバルを減らすよう仕向けるという選択肢もある。
アサシンでありながら自ら手を汚さず、手駒を使って相手を追い詰めるという、珍しい運用法を要求するサーヴァントである。


787 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 03:55:36 YhtWPqDg0
投下は以上です
「アナと雪の女王」のキャラが出ている登場話があったので、これもイケると思ったのですが
ディズニーキャラを使うのがまずかった場合は、破棄させていただきます


788 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 04:00:15 YhtWPqDg0
と、すいません。パラメーターをミスりました

【パラメーター】
筋力:D 耐久:E 敏捷:D+ 魔力:E 幸運:E 宝具:C

でお願いします


789 : ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:01:26 USeuDklw0
エルエルフ(革命機ヴァルヴレイヴ)&セイバー 投下します。


790 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:02:00 USeuDklw0

―――三年前とは違う。俺は道を作った。

あなたを守る為の国を手に入れた。


俺に、さらわれてくれ。
俺は貴女に命を救われた。貴女が居なければ無かった命だ。


俺は、貴女を愛している。


笑ってくれていい。会ったのは二回だけ。
それも、一時間にも満たない時間を共有しただけで。


それでも―――俺は貴女を愛してしまった。





「―――クーフィアとの決闘を受けずに逃走した場合。
 背後からの銃撃。退路の消失。
 導き出される結論は―――」

駄目だ。

「もっと前か……?
 彼女を救出するタイミング」

駄目だ。

「塔からの脱出方法。
 時縞ハルト到着までの時間稼ぎ」

駄目だ。

「違う……!」

駄目だ。

「どうやっても……彼女を、救えない……」


導き出される、結論は―――


791 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:02:55 USeuDklw0


―――リーゼロッテを失って、俺は脱け殻のようになっていた。

何を変えても。
どこからやり直しても。
シミュレーションですら、彼女を救えない。

時間を戻せるようなモノが例えあったとしても。
どうあっても、彼女を助けられない。


「―――――――――――――――――」


涙は、出なかった。

ぼんやりと、倉庫の天井を眺める。


リーゼロッテを救えるのならば。
例え俺が死んだっていい。
そう思っていた。

だが、結果はどうだ。
彼女の命は失われ。
俺の残骸だけが、無為に此処にある。


今の俺の頭にあるものは、悔恨。
そして。


彼女に、リーゼロッテに会いたい。


ただ、それだけだった。



そして―――。光が、俺を包んだ。





792 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:03:31 USeuDklw0


―――戦場に、桜が舞っていた。


「貴様らは散りゆく運命にある。生き急ぐ様はまるで桜のようだ」

生き急いでるわけじゃねぇよ。ただ、必要とされるものが多かっただけだ。
新撰組が理想とする武士の道は険しいんでな。


「力を使う程に己の寿命を縮める羅刹など、所詮紛い物だ。我ら純血の『鬼』とは格が違う」

紛い物だと? それがいったいどうした。
俺達は今までも、散々武士の紛い物として扱われてきたんじゃねえか。

……紛い物だろうがなんだろうが、貫きゃ『誠』になるはずだ……!!



―――桜が、見える。

「初めて京の都で会ったあの日。舞い散る雪を背にした土方さんが。
 季節外れの桜のように見えました。
 ………………来年も、一緒に見ましょうね」


―――ああ。


「土方さん。

 ―――見えますか?

 皆の掲げる、誠の旗が――」


―――ああ、見えてるさ。

しっかりとな―――





793 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:04:01 USeuDklw0


―――眩いばかりの光が段々消えてゆく。
どうやら、召喚されちまったらしい。

「……お前さんが、マスターかい?」

目の前には銀髪の少年。
ところどころ血に染まった軍服を着ている。
鋭い目をして、俺を値踏みしていやがる。

「チッ……ハズレか」
「いきなりなご挨拶だな。まあ、立派な能力って訳にもいかないがな」

少年は悪びれた様子もなく、真剣に俺の方――能力――を見ている。

「俺の理想を言えばアサシンが欲しかっただけだ。
 ……スキルで戦うタイプのようだな。
 隠している情報を全て見せろ。断るのならば」

少年は印のついた右手を掲げる。

「待てって。どんだけせっかちなんだお前さん。
 隠すことなんざねえよ。
 だが、その前に名前くらい教えてくれないか」
「……エルエルフだ」

不機嫌そうに眉根を寄せて答えるエルエルフ。

「そうか。俺は土方歳三。異国のマスターじゃ、流石に知らねえよな」
「ああ、知らないな……ふむ」

ステータスとやらを全部開示する。
エルエルフは真剣な目で確認している。
『情報』の大切さを知るマスターってことかね。

エルエルフが確認している間、召喚された部屋を見回す。
五稜郭の執務室に、よく似ていた。

確認が終わったのか、エルエルフが嘆息する。

「…………貴様も、負け犬か」
「……ハッ。負け犬ね。負け犬上等じゃねーか。
 壬生浪と蔑まれ、人斬りと恐れられた俺達が、夢を追って駆け登った結果だ。
 何ら恥じるところなんざねえんだよ」


794 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:04:56 USeuDklw0


エルエルフは俺を見つめ直す。

「……その女を、置いてきてもか」
「なっ……」

そんなところまで分かっちまうのかい。
嫌な仕組みだなおい。全部なんざ言うんじゃなかったか。

「……ああそうだ。我ながら馬鹿な真似しちまったが、後悔はねえ。
 …………だがよ。約束くらいは、果たしてやりてえ」


―――雪村千鶴。
俺が、愛した女。

死ぬ前に。共に桜を見て。
来年も一緒に見ようと約束した。

その約束は―――当然、果たしていない。

エルエルフを見ると、悲壮な顔をしている。

「……なんだ。お前さんも、女絡みか」
「……貴様には関係ない」

エルエルフの表情を改めてよく見てみる。
―――成程な。

「お前さん、泣けねえのかい」
「………何」
「心を潰して、生きてきたのか」
「……………………貴様に何が分かる」


分かるさ。
『鬼の副長』なんざ言われ。その役柄を演じて。
心を潰して、新撰組を支えてきた。

近藤さんを押し上げて。本物の武将にしてやりたかった。
片田舎の貧乏道場の息子と、農民の子で。
どこまで行けるのか、試してみたかった。

俺達は、同じ夢を見ていたはずだ。
それが、近藤さんを置き去りにして、てめえだけ生き残って。

―――その時、泣きたかったが、泣けなかった。
心に、身体が同調しなかったのだ。

きっとこいつも、そうなんだろう。


「……そうだな。
 だがよ。お前さんの気の済むように、全力で駆けてみな。
 そうすりゃ、何かが変わるかもしれねえ」
「……フン」

エルエルフの目を見据える。

「この土方歳三、剣のサーヴァントとして、エルエルフに仕えてやる。
 やれるだけやってみな」
「……面白い、いいだろう」

エルエルフは頷く。

「聖杯戦争。願い。土方歳三。

 導き出される結論は―――」


795 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:06:02 USeuDklw0

【マスター】エルエルフ@革命機ヴァルヴレイヴ
【参加方法】『ゴフェルの木片』による召喚
      (倉庫にあった貨物に紛れこみ)
【マスターとしての願い】リーゼロッテにもう一度会いたい
【weapon】拳銃、軍用ナイフ
【能力・技能】状況把握能力に長け、一人で一個師団相当を相手取れる『一人旅団』の異名を持つ。
       戦闘力において、近接戦闘、射撃術など常人としては高いレベルを有している。
       潜入・潜伏・追跡といったエージェントとして必要な技能を習得している。
【人物背景】
 「革命機ヴァルヴレイヴ」の登場人物。17歳。銀髪の少年。ドルシア軍のカルルスタイン機関出身のエージェント。階級は特務大尉。
 聡明な状況把握能力と一瞬で大多数の相手を殲滅するほど高い戦闘能力から、ARUSには「一人旅団」という通称で恐れられている。
 作戦や戦略を立てる際、シミュレーションの材料要因を列挙した後に「導き出される結論は」と言う癖がある。

 元は孤児。物語開始10年前に反政府運動を行うテログループの末端構成員となっており、所属していた組織を利用していた総統派が彼らを切って捨て、
 捕まったエルエルフも脱走を図って危うく殺されるところを王女のリーゼロッテに救われた。
 そのため、現在は常に携帯しているリーゼロッテの写真と、時折口にする彼女の名に強い思い入れを持っている。
 リーゼロッテの方もエルエルフのことを知っており、3年前に再会した際には彼女を幽閉から解放し共に逃げようとしたが、
 逃亡の先に安全な場所は無く自分達にはまだ道がないと諭され断念する。

 ジオール人救出作戦の際には、単身でリーゼロッテ救出に向かい、彼女への愛を打ち明ける。
 しかし、追手との戦いで満身創痍となった果ての脱出中、リーゼロッテが自分たちを守るために犠牲となったことを知り、生きる意志すら失ってしまう。

【方針】聖杯戦争に勝利する。相手の戦力を見極めてから仕掛ける。


796 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:07:21 USeuDklw0

【クラス】セイバー
【真名】土方歳三@薄桜鬼 碧血録(アニメ版)
【パラメータ】筋力D 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運C 宝具C
【属性】秩序・善
【クラス別スキル】
 対魔力:D…一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
 騎乗:D…騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。
【保有スキル】
 実戦剣術:A…人を殺すことに特化した戦技。剣の腕は天然理心流目録程度の腕前。
        斬り合いの際、敵に足下の砂をぶつけて怯んだ隙に斬り伏せるなど実戦本意の剣術を磨いていた。
 戦闘続行:A…いかなる絶望的な状況においても、決して折れること無き不屈の闘志。
        負けて流れてなお『誠』の旗を生涯降ろさずに保ち続けた。
        瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命傷を受けても即死でない限り生き延びる。
 軍略:B…一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。勝利するために合理的つ冷静に戦況を把握できる。
      新選組における集団戦、洋式軍備後における二股口での連勝など、戦術家としての名声がある。
      自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
 薄桜鬼:A…超人的な身体能力と治癒能力を持つ『羅刹』の状態へと変化可能。変化中は紅い瞳と白い髪に変わる。
       筋力、敏捷のパラメータを2ランクアップさせ、常時リジェネレイトが発生する。
       自身の寿命を使い能力を補っているため、寿命が尽きれば身体は灰と化して死亡する。
 吸血衝動:E…変若水を飲んだことにより羅刹化し、吸血衝動が発生している。羅刹との相性が良かったため、通常時は衝動を抑えられる。
        薄桜鬼化中に他人の血を吸うことで傷の回復速度を速めることが可能。
        その場合、解除後6時間以内に血を吸わなければ、以降吸血を行うまで敏捷が1ランクダウンする。
        マスターの血を吸うことで魔力の補給も可能。

【宝具】

『誓いの羽織』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織。新撰組隊服として高い知名度を誇る。
 刀剣を持った相手との戦闘において有利な補正が与えられる。


797 : エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:07:51 USeuDklw0

【weapon】
「和泉守兼定」
 会津十一代目和泉守兼定が松平容保に従い上洛し、京都で鍛えた名刀。
 刃長は二尺八寸(約85センチ)。
 幾度もの実戦を土方と共にくぐり抜けた強靱な刀である。

【人物背景】
 「薄桜鬼 碧血録(アニメ版)」の登場人物。
 新選組副長。身長172cm。鬼の副長と呼ばれ、自身の全ては新選組と近藤勇のためと考えて行動していた。
 文久三年冬。父の行方を探して京の都にやって来た雪村千鶴と出会う。
 以降千鶴を小姓役として使い、その芯の強さを目の当たりにしていく。

 池田屋への討ち入り、蛤御門の変、山南敬助の羅刹化、御陵衛士との戦いを経て、幕末の動乱を新撰組と共に駆け抜けていく。
 その中で動乱の裏に存在する「鬼」の存在と接触するようになる。
 鳥羽伏見での戦いにおいて、井上源三郎の死への怒りから変若水(おちみず)を飲んで鬼の力を得、純粋な鬼である風間と互角に戦えるようになった。

 江戸へと撤退した新撰組は甲州へと進軍するが、甲州勝沼の戦いに敗れ、江戸へ戻って流山へと陣を移す。
 その際、近藤・土方の方針に反対した永倉や原田など多くの隊士達が離れていってしまう。
 流山にて新政府軍に包囲され、近藤に「命令」され、近藤を囮として隊士達を逃がし会津へと走る。
 会津で斉藤、仙台で山南・藤堂と別れ、京都からの隊士が少なくなっていく中、榎本武揚と合流し、蝦夷での再起を目指す。
 その際、ずっとついてきた千鶴を仙台に残し、市井で穏やかに生きるよう伝え別れる。
 松前藩に勝利し、五稜郭を拠点とした蝦夷新政府に参画。陸軍奉行並となる。

 千鶴と別れたことで、自身の中での存在の大きさを認識し、大鳥圭介の機転で千鶴と再会する。
 「おまえは、これからも俺のそばにいろ。逃げようとしても離さねぇから、覚悟しとけ」と発言し結ばれることになる。

 新政府軍が蝦夷に上陸し、二股口に陣を構える土方たちは全勝していたものの、
 もう一つの松前口が水陸から攻撃を受けて敗れたため、撤退せざるを得なくなってしまう。
 箱館総攻撃の中、負傷した土方は千鶴に介抱されていた桜の木の下で、追ってきた鬼、風間と再会する。
 風間と最後の決着をつけ、勝利するもその傷が元で息絶え、千鶴の膝枕の上で安らかに永眠した。
 また、風間との決着の際、彼こそが「薄桜鬼」であることが明らかとなる。

【サーヴァントとしての願い】
死の一年後に、もう一度だけ雪村千鶴と桜を見てやりたい。

【基本戦術、方針、運用法】
素のパラメータは高くはないが、エルエルフの戦術を理解し実行できる頭脳があり、敵の戦力を調べ策を立てて挑むべき。
因縁が続いた相手でもなければ決闘に拘るタイプではないので、
土方をサーヴァントに当て足止めし、エルエルフがマスターを仕留めるマスター狙いの戦術が基本となるだろうか。
薄桜鬼化しなければ怪物クラスのサーヴァントにとても抗しきれないが、力押しではなく常に策を立てて対峙しよう。


798 : ◆MQZCGutBfo :2014/07/06(日) 04:08:21 USeuDklw0
以上で投下終了です。


799 : ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:49:06 OZkbppcM0
投下させていただきます


800 : ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:50:20 OZkbppcM0
っとその前に、 投下乙でした


801 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:51:36 OZkbppcM0
「……どうですか、インデックスさん」
ギターケースを背負ったセーラー服の少女――ランサー、姫柊雪菜が問いかける。

「うー……このまま街の中を見回ってもダメだと思う。
どこに行ってもこの空間を動かしてる術式の宗教的な『色』が見当たらないんだよ。
これじゃあ危ない人に見つかる確率を無暗にあげるだけかも」
傍らの修道服姿の小柄な少女――ランサーのマスター、インデックスがそう返す。

学校の食堂で記憶を取り戻したインデックスは空き教室へ駆け込み即座にランサーを召喚し、
自己紹介もそこそこに街中へと繰り出した。
戦争が本格的に始まる前に、少しでも『方舟』の内部について知ろうとしての事だったのだが、
残念ながら空振りに終わってしまったようだ。


802 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:52:56 OZkbppcM0
「そうですか…。
私もさっきから空間に不審な点がないか見てますけれど、やっぱり成果なしです。
宝具を開放すればあるいは何かわかるかもしれませんけど…
今そんなことしても自殺行為ですし。
一旦探索は切り上げて、しばらく休憩がてら建物から周囲を監視しましょうか」
「休憩!だったらあそこに行きたいかも!!」

ランサーの言葉に敏感に反応したインデックスが指し示したのは、
6階建てのビルの最上階にあるケーキの店だった。
「おいしいケーキが私たちを待ってるんだよ!ほらゆきな早く!!」
言うが早いかランサーの手を引きビルへと突進していくインデックス。
「わ、わ、ちょ、落ち着いて!というかサーヴァントの名前は呼んじゃ駄目ですってばぁー…」

先程までの真面目なテンションとの落差に面喰ってしまったランサーは、少女に引きずられるがままに
ビルの中へと消えていった。


803 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:54:27 OZkbppcM0
◇◇◇



「うーん、お腹いっぱいかも…」
「ちょっと食べすぎじゃないですか?ほら、こんなに口元も汚して…」
あきれ顔でマスターの顔を拭ってやるランサー。
先程までのマスターの暴食ぶりに引きつつも、
彼女もしっかり4つもケーキを平らげている辺りは女の子ゆえか。

「…で、そのトウマさん、でしたか?その人のところに帰るのがマスターの望みということでいいですか?」
ケーキを食べつつも召喚直後には話せなかったことを色々と話し合っていた二人。
今の話題は『お互いの望み・スタンス』である。
「うん。はやく帰らないととうまもスフィンクスも心配しちゃうし、ひょうかは少ない現出時間を削って
私を探そうとするかもだし、こもえやあいさ達にも迷惑かけちゃうもん。
…とうまも私を置いていくときいつもこんな気持ちだったのかなあ…。
とうまは今どうしてるんだろ。早く会いたいな…」

先程までの幸せそうな表情から一転、憂鬱さを前面に押し出しながら
インデックスはストローを口に含む。


804 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:55:33 OZkbppcM0
脳裏に浮かぶのは共に暮らす少年の困ったような笑顔。見慣れたそれが近くにないことに思わず寂しさを感じてしまう。
そんな彼女に『彼』がそばにいないときの自分を何となく重ねてしまったランサーの口から、
思わずこんな言葉が漏れてしまった。

「インデックスさんは、その、トウマさんの事が大好きなんですね」
言ってしまってから赤面する。
(初対面の人相手にいきなりなんて恥ずかしいことを聞いちゃったんだろう…。
というか遠くにいる暁先輩の事を考えてる自分と重ねあわてしまったなんて…)

「あっ、あの、ごめんなさい!変なことを聞いt」
「うん」

慌てて取り消そうとしたランサーの言葉を遮り、インデックスが頷く。




805 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:57:14 OZkbppcM0
「デリカシーゼロだし私の事偶にほったらかしたりするし変なところで頑固だし,
帰ってくるたび傷だらけで心配させるけど…。
とうまはいつも私の為にごはんを作ってくれるし、なんだかんだいっても優しいし、
私がピンチの時はいつだってかけつけてきてくれるし…、
それに、とうまと一緒にいると心があったかくなるんだよ。
だから、私はとうまの事が大好きなんだよ」

そう言って幸せそうに微笑む少女の輝きに、瞬間ランサーは見惚れていた。
誰かの事をまっすぐに想う人というのはこんなにも輝かしいものなのだろうか。
普段から自分も彼女のようにできていたら……というところまで思考を進めて,
再び赤面しつつかぶりをふる(実際のところはインデックスもこうまで思い切った発言は
上条が記憶喪失になった直後くらいしかしていないことはランサーには知る由もない)。

「そうですか…。それではマスターは、やはりトウマさんのもとへ帰ることが最優先なのでしょうか」
「うーん…、それなんだけど」


806 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:58:21 OZkbppcM0
ランサーの問いかけに対し、しかしインデックスの反応は鈍い。
「ゆきなと同じで、私も魔術のプロだから。自分で望まずにこんな所へ来ちゃった人や、
こんなことになるなんて思ってなかった人達を助けて回って、最後はなんとかハッピーエンドで終われるようにしたいかも」
「でも、それは」
「うん、確かに危険なことなんだよ。ゆきなと違ってサーヴァントじゃない私は、本当に死んじゃうかもしれないからね。
でも、魔術という理不尽で泣かなきゃいけない人達を無くすためにこそ、私たちみたいな人がいるんだもん。
…いつもならとうまがダメって言ってもついて来たり、
ひどいときには私を置いて解決しに行ったりするんだけどね。今は私が率先して動かないとなんだよ」

「その結果、トウマさんと会えなくなったとしても、ですか?」
「うん。やるべきことをやらずに帰っても、きっととうまの前でうまく笑えないもん。
そしたら結局とうまに一生心配かけさせちゃう」




807 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 05:59:17 OZkbppcM0
決然と言い切るインデックスを見て、ランサーは嘆息する。
「全くもう…。貴女といい暁先輩といい、私の周りの人は本当にいざというとき頑固なんですから」
「あかつきせんぱい?」
「…貴女にとってのトウマさんみたいな人、というとちょっと語弊があるかもしれませんけど、大事な人です」
「大好きなの?」
「そんなんじゃないですってば!
…先輩はいつも私の知らないところで別の女の人といちゃついてるし
シスコンだし本当にいやらしい人で、その上いつもいつも傷だらけになってばかりで、
ひどいときには本当に死んでしまうことだってあるんですから。
…でもまあ、それでも、思いやりのあるところや頼れるところも知ってますし、
その…先輩の笑顔を見てるとそれだけで私まで笑顔になれるから…。
まあ、嫌いではないです」

目を閉じ一息に言い切って顔を真っ赤に染める。今日は本当に恥ずかしいことばかり言っている気がする。
そろりそろりと目を開けると案の定インデックスも顔が赤い。
「他の人の愛の告白を聞くのは照れるんだよ……。でも私はシスターだからね。そういうのも受け付けてるんだよ」
「し、シスターとか関係ないでしょう!?それに貴女のも大概恥ずかしい告白だったんですけど!」
お互いに照れ隠しにからかいあい、顔を見合わせ笑う。


808 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:00:27 OZkbppcM0
「……わかりました。マスターがそう言うのでしたら、私は貴女に協力します」
「ほんと!?ありがとうゆきな!   あれ、でも聖杯はいいの?」

「ええ。私はもともと、この聖杯戦争を可能な限り穏便な形で終わらせるためにやってきましたから。
貴女の言う通り私達みたいなプロが、この場を収束させるべきだと私も思っています。
巻き込まれただけの人たちが傷つくことは見過ごせないです。
それに、トウマさんだけじゃなくて、先輩もここに居れば自分から立ち上がって聖杯戦争というシステム自体に歯向かっていたでしょう。
『好き勝手に人を弄んでくれやがって…もう【聖杯】戦争なんかじゃねえ、
ここから先は第四真祖《俺》の戦争《ケンカ》だ!』とか叫んで」

「そのせんぱいって人は随分熱血漢なんだね」
「普段は割合けだるげな人なんですけどね」
平素の気合いの抜けた古城の顔を思い出しくすりと笑うランサー。


809 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:01:37 OZkbppcM0
「とうまもとうまで普段は怠惰なところがあるのに、こんな場だと
『人の欲望を煽って血みどろの惨劇を創り上げようって言うのなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!』とか言って突進していきそう」

「なんというか」「ちょっと似てるかもね、私達も」「先輩たちも、ですね」

魔道図書館として造り上げられた少女と、剣巫として育て上げられた少女が真っ直ぐに向き合う。

「ゆきな、これから一緒に頑張ろうね。この戦争をぶち殺す方法はまだ私達にはわからないけれど…」
「こちらこそよろしくお願いします、インデックスさん。ここから先は、私達二人と聖杯の戦争《ケンカ》です。
力を合わせて必ず勝ってみせましょう!」

かくして、二人の少女が聖杯戦争に反逆する。想い人の言葉という、最強の武器を心に携え。


810 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:03:01 OZkbppcM0
【クラス】
ランサー
【真名】
姫柊雪菜@ストライク・ザ・ブラッド
【パラメーター】
筋力 C 耐久D 敏捷 B 魔力 A 幸運 C 宝具 A
【属性】
 秩序・善 
【クラススキル】
対魔力:C
魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
【保有スキル】
直感:A+ 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。
研ぎ澄まされた第六感は『霊視』と呼ばれる極近未来予知となり、
相手の行動を先読みできるようになっている。スキル効果により視聴覚へ干渉する妨害を半減させる。

剣巫:B 魔術と体術を組み合わせて戦う攻魔師。肉体にブーストをかけ直感と組み合わせての
神がかり的な回避と槍術・肉弾戦を切り替える幅広い攻撃手段でもってミドル〜クロスレンジで相手を圧倒する。
戦闘時、筋力・耐久・敏捷を魔力を消費し1ランク上昇させることができる。

監視役:A
ある特定の人物を常に監視し続ける能力。指定した対象(面識の必要あり)の居場所・状態を
常に把握することができる(対象は一人のみ)。
この効果は同ランク以上の常時発動型隠ぺい能力以外での無効化はできない。
現在はマスターであるインデックスを対象にしている。

【宝具】
『七式突撃降魔機槍『雪華狼』(シュネーヴァルツァー)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大補足:一人
獅子王機関よりランサーが渡された、“神格振動波駆動術式”と呼ばれる
魔力無効化術式を組み込まれた唯一の武装“七式突撃降魔機槍”の一つ。
魔力を用いて戦闘を行う相手に対して絶大な効力を発揮する槍であり、まさしく切り札である。


811 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:04:49 OZkbppcM0
【weapon】
宝具である雪華狼および自身の肉体。
【人物背景】
ストライク・ザ・ブラッドのヒロイン。
主人公である第四真祖(いわゆる吸血鬼の真祖)、暁古城の監視役として
政府の特務機関・獅子王機関から彼のもとへ送り込まれてきた剣巫見習いの少女。

見習いとはいえ訓練はほぼ満了しており剣巫としての実力は高く、また高校卒業程度の学力を持ち
古城に勉強を教えられるほどであるが、初めて見たゴルフクラブなどを武器と勘違いするなど
世間知らずなところがあったり、マスコットや猫を愛する年相応の少女らしい面もある。
基本的には素直で真面目、かつ融通も利く性格。

古城に対しては時折女性関係等について苦言を呈することもあるが、様々な出来事を通じて
互いに深く信頼し合えるパートナーとなっている。また、恋愛面でも彼に対し好意を寄せているが、
彼が女性関係などで彼女の期限を逆撫ですると「いやらしい」という言葉とともに冷たい視線を浴びせる。
獅子王機関が彼女を派遣した目的の一つに「雪菜を第四真祖の妃にする」
というものがあることを彼女は未だ知らない…。
任務の内容や所属組織のおかげで「国家公認ストーカー」なる不名誉な愛称があるのはご愛嬌。
【サーヴァントとしての願い】
聖杯戦争の打破、およびマスターの日常への帰還。
【基本戦術、方針、運用法】
ランサー前衛、インデックス後衛で安定。
ランサーが中〜近距離から雪華狼や肉弾戦で敵サーヴァントを相手取り、
マスターの妨害はインデックスが強制詠唱などで封じる形。

敵がマスター・サーヴァント共に戦えるペアであったり明らかに格上なら
霊視を生かして隙を作り撤退する。
ランサーの性能は上々であり、インデックスも戦闘力こそ心もとないものの
優秀な頭脳を生かしてアドバイスを送ることができる。


812 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:06:04 OZkbppcM0
【マスター】
インデックス@とある魔術の禁書目録
【参加方法】
スフィンクスにとインデックスが土御門舞夏とともに
買いに行った玩具の中に『ゴフェルの木片』が紛れていた。
【マスターとしての願い】
聖杯戦争を打ち破りハッピーエンドを迎える。
【weapon】
クリップ・安全ピン
敗れた修道服を補修するピンやクリップの予備。投げ入れることでゴーレムなどを
機能不全に陥れることも可能。
【能力・技能】
完全記憶能力:目に映る全てのものを完全に記憶してしまう特異体質。
10万3000冊の魔道書:彼女が頭の中に記憶している世界中のありとあらゆる魔道書・邪本悪書。

強制詠唱(スペルインターセプト):ノタリコンという暗号を用いて魔術を操る相手の頭に
割り込みをかけ暴走・暴発や発動のキャンセルなどの誤作動を起こさせる「魔力を必要としない魔術」。
魔滅の声(シェオールフィア):10万3000冊の知識を用い、対象が信仰する教義の矛盾を徹底的に糾弾し、
相手の自我を一時的に崩壊させる技術。集団心理を利用する技術なので
対個人や複数の思想を持った集団にはうまく作用しない。


813 : インデックス&ランサー ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:07:01 OZkbppcM0
【人物背景】
とある魔術の禁書目録のヒロインたる修道女。長い銀髪と緑色の瞳を持つ14歳ほどの見た目。
普段は主人公・上条当麻の右手により破壊されてしまった修道服・歩く教会を
強引に安全ピンで修繕したものを着ている。
体重は軽いがかなりの食欲魔神。
外界から隔離されて育った影響か科学音痴で現代社会の常識もない。
性格は天真爛漫かつちょっとわがまま、子供っぽい言動が多い。
ただ、根っこの部分では誰かが傷つくのを非常に嫌っていて、自身が助けられる
相手がいれば有事の際には躊躇わず行動する、篤い信仰心や深い慈愛の精神を持っている。

その体にはイギリス上層部の指示で万が一の裏切りや敵からの強奪を防ぐために自立戦闘を行う
『首輪』『自動書記』という術式を施され、脳容量が圧迫されていて一年以上の記憶を保てず
、一年ごとに記憶を消さねば命がなくなるなど過酷な境遇にあったが、
上条が首輪を壊したことで彼がインデックスの管理人となる形で上条家の居候となる。

その後は幾度もの事件を上条とともに乗り越えたり置いて行かれて
頭にかみついたりしながら彼とともに送る日常を満喫している。
上条に対しては信頼と好意を寄せているが、彼の行動に不満を募らせ
頭にかみつくこともしばしば(やきもちや照れ隠しの感情を多分に含んでいるようだが)。
今回は旧約14〜16頃からの参戦。
【方針】
休憩し終えたら、学校や図書館などの情報がありそうな所をまずは調べてみる予定。
その過程で協力できそうな人たちを見つけたら交渉してみるし、助けを求めている人がいたら力になる。


814 : ◆KORpq6DB2. :2014/07/06(日) 06:07:33 OZkbppcM0
以上で投下を終了させていただきます。


815 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:08:55 VJLCTePM0
仮面ライダー鎧武を視聴しながら、
葛葉紘汰とライダーで投下致します


816 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:10:46 VJLCTePM0
葛葉紘汰が記憶を取り戻すきっかけとなったのは、その手で一人を殺めた事であった。
ただ、それは本人も一切意図しておらず、あくまでも自衛の範疇であると言えなくもない。
それでも人を守りたいという気持ちの強い葛葉紘汰にとって、これはあまりにも心苦しい物となっていた。

そもそもの発端は、今目の前でデリートされかかっている男によるものだ。
彼は唐突に、階段を降りようとした紘汰の背中を思い切り蹴りつけたのだ。
続けて備え付けの消火器を持ち上げ、紘汰と共に居た者を殴り始めた。

男は狂っていた――というより、記憶を取り戻しかけていたのだ。
湧き上がる攻撃衝動が、その記憶を確実なものとなると確信したのである。
それが本来の彼のアイデンティティだったのだろう。
だからこの場で紘汰が被害に遭ったのは、偶然そこに居たからに過ぎない。

――早く逃げろッ! 俺がこいつを止める!

全てを忘れて月海原学園の平和な生活に浸っていた紘汰だが、その正義感は変わらない。
すぐさま起き上がり、暴れる男へと果敢に掴みかかった。

……その時、既に紘汰はどこか違和感を感じていた。
階段から落ちた時、どうしてあんなにも綺麗に受け身を取れたのか。
どうして自分の体は、こんなにも軽やかに動けるのだろうか。
何よりも今まで生きていて、その事に気付かなかったのは何故なんだろう、と。

疑念をじっくりと考えている暇など無い。
自分の肉体について把握しないまま、全力で事態の沈静を図ろうとした。
あくまでも彼は止めようとしたつもりだったのだ。

――えっ?

紘汰の放った飛び蹴りは、暴漢の顔面をいとも簡単に陥没させた。
そう、それは本来の彼が『インベス』という怪物に対して振るっていた力。
力の加減が出来ないまま、がむしゃらに放たれる腕力は凶器と何一つ違わない。
暴漢はまるでゲームのように盛大に吹っ飛び、廊下の窓ガラスを粉砕してグラウンドへと叩きつけられていた。

さらにそのキックの感覚は、紘汰に強い既視感を与えた。
自分のこのパワーがどこで培われたモノなのか、自分は何に対してこの蹴りをぶつけていたのか。
……俺は元々、誰かと戦っていたんじゃないか?

しばしの苦悩の後、彼は本来の自己を取り戻す結果となった。
皮肉にも、目の前の暴漢のやろうとした事と同じ方法で。


 ◆


「俺はっ、ま、また、取り返しのつかない事をっ……。
 どっ、どうしてこうっ……こうなるんだっ……クソッ……!」

動くことの無くなった相手に対し、紘汰はただ涙を流していた。
強い自責の念が彼の心臓をきつく締めあげていた。
無論、この世界のルールはわかっている――いや、理解させられている。
万物の望みを叶える聖杯を手にするために、幾人もの他者が犠牲にならなくてはいけない事を。

しかし、この戦いへの参加は、彼自身の望んだ事ではなかった。
ただ彼の自覚の無い内にゴフェルの木片は手の内にあり、有無を言わさずにこの場所へと誘われたのだ。

当初、幾人もの犠牲が出る聖杯戦争のルールに、紘汰は反発していた。
その抵抗も虚しく、彼は記憶を奪われて平凡な学園生活に放り込まれた。
そして、その果てがこの有り様。

「また俺は、誰かを犠牲にすることで生かされてしまった……。
 インベスになった裕也を、この手で殺してしまった時と同じように……」

確かに、あのままでは自分は殺されていたかもしれない。
あの蹴りを放たなければ、何も思い出す事なくこの架空の世界に埋もれてしまっていたかもしれない。
それでも、どうして誰かが死ななければならなかったのか、悲しくて仕方がなかった。

「奇遇だな。僕も悪魔化した友人を殺害した身だ」


817 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:11:52 VJLCTePM0
ハッ、と反射的に振り返る。
いつのまにか、紘汰の背後には一人の男が立っていた。
変わった形状の青い制服を纏い、ヘルメットのような髪を後頭部で束ねた髪型をしている。
腰には物騒な長い刀が差してあり、肘から手の先までは妙な機械を着けている。

「アンタは……。もしかして、アンタが俺のサーヴァントなのか?」
「そうだ。ライダーのクラスにより召喚に応じた。
 その令呪がある限り、君と僕は契約関係にある。今後ともよろしく頼む」
「あ……あぁ、俺は葛葉紘汰。よろしく」

紘汰が手を差し伸べ、ライダーはそれに応じて握手を交わす。

その時、暴漢のアバターは解体を始めた。
凄惨な姿は瞬く間に黒く染まり、それはまるでウジ虫のように電子の肉を溶かしていく。
……それほどの時間を待つ事なく、デリートは終わっていた。

苦虫を噛み潰したような顔をして、紘汰は地面を強く蹴りつけた。

「マスター、何をそこまで気に病んでいる。
 ここへ誘われたからには、他の者を手にかける覚悟はあるはずだろう」
「違う。俺は望んでここに来たわけじゃない!
 俺は本当は、自分の街を守ろうとしていたのに……気が付いたらこんなところに」

いつもそうだ、と紘汰は毒づいた。
自分の知らない場所で、一部の決定者によって物事は勝手に決められる。
そしてある時、何も知らない人々を巻き込む。その人々の事情なんてお構いなしに、だ。
かのユグドラシルコーポレーションも、地球の危機に際しても市民にその事実を隠蔽していた。
もし事態がまずくなれば、スカラーシステムを用いて街ごと焼き払うつもりだったのだ。
それが例え人々のパニックを防ぐため、人類を救うためであれ、何も知らないままに犠牲になる人間を何だと思っているのか。

それを紘汰は許せなかった。
だから彼はユグドラシルに楯突いて、スカラーシステムを破壊した。

現在の彼は、ヘルヘイムの森を支配する種族「オーバーロード」が街へ侵攻してきた事を受け、彼らとの戦いに身を投じている。
最強の力である極アームズを手にし、かつては何度もぶつかり合った者達と共闘しながら防衛戦を行っていた。

「俺は早く沢芽市に戻らなくちゃいけない。
 こんなところで時間を無駄にしていたら、その間にみんなやられちまうかもしれない……!」
「あいにくだがマスター、ここに来てしまったからには簡単には帰れるとは思えないな。
 ここは君の暮らしていた現実世界ではない。聖杯の創りだした虚構の世界なのだから」
「そんな……。なら俺はもう、何も出来ないのか……!?
 人類の危機だと言うのに、黙って見ているだけしか出来ないのかよ!?」
「それは違うな。捉え方を変えるんだ、君に出来る事が変わったのだ、と」
「……どういう事だ」
「この戦いを勝ち抜いて聖杯を手にすれば、全て解決する事が出来るはずだ」

万物の願望を叶える魔力を持つ"聖杯"。
その力を使えば、世界を危機から救い出す事も容易いだろう、と。
言わば紘汰に「オーバーロードに真っ向から挑む」以外の手段を与えられた事を意味する。

「でも……」
「世界を救うために、この聖杯戦争の参加者を犠牲にすることに納得がいかない……と、そう言いたいんだな?」
「わかるのか?」
「マスターとサーヴァントは多くの共通点がある。
 ゆえに、僕も君と似たような経験をした」
「じゃあさっきの"悪魔化した友人を殺害した"って言うのも、俺とアンタの共通点なのか」
「他にもあるだろうが、その一つに間違い無い」

もちろん状況に多少の差異はある、と言った。
紘汰はそれが友人だと知らないで手にかけたが、ライダーは友人自身の口から「お前の手でとどめを刺してくれ」と言われたらしい。

「ならばマスター、犠牲を出したくないのであれば、一体どうすればいいと思う?」
「そりゃあ……他の参加者を説得して、聖杯戦争を止めてしまえば……」
「本当にそれが出来ると思ってるのか?」
「……いや、無理だった」

どれだけ必死に説得しようとも耳を貸す事無く、容赦なく襲ってくる者は居る。
そのことを紘汰はオーバーロードと、一度は和解したユグドラシル幹部"貴虎"に思い知らされた。
この聖杯戦争でもきっと同じ。
願いを叶えるために、戦う決意を鈍らせない者も居るに違いない。


818 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:12:29 VJLCTePM0
「俺が口下手なだけかもしれないけどな」
「かもしれないな」
「でもそれで途方に暮れていた時、俺はある男から言われたんだ。
 "お前自身がオーバーロードになればいい。
 戦いに勝ち抜いて黄金の果実を手にすれば、世界を救う事も滅ぼす事も自由出来る"……って」
「オーバーロード達を力で屈服させ、彼らの王として君臨する。ふむ、実にシンプルなやり方だ」
「それしか方法が無いのかもしれない。だから……」

紘汰のその口調には、どこか諦めのようなものが見受けられた。
本当であればもっと平穏な解決を図りたかった。戦う必要が無ければ、それが望ましかった。
だがしかし今の彼には、他の打開策なんて思い浮かばない。

「君はその方法に、あまり納得していないようだな」
「まぁな……」
「ならば聖杯を取るという選択肢が出来た事はラッキーだと思わないか?
 オーバーロードを全て追い払い、失った友を蘇らせ、君の生活に平和をもたらすことも可能だろう」
「でも、そのために他の参加者を殺さなくちゃいけないなんて……」
「そうか。なら聖杯戦争を放棄する、それがダメなら聖杯戦争自体を破壊しなくてはいけない。
 そうして元の世界へと戻れば、君は正史を辿ることが出来る」
「……どちらにせよ戦わなくちゃいけないんだよなぁ……。
 だったら聖杯を取ったほうが確実に平和になるんじゃ……いや、でも誰かを殺すだなんて……」
「犠牲はどちらにせよ避けられないさ。
 人類の敵であるオーバーロードが死ぬか、聖杯を狙う我々の競合者が死ぬか」

紘汰は一人、ぶつぶつと呟きながら悩む。
自分の選択によって人類の命運が決まる、そう考えると容易に判断を下すことは出来なかった。



「問おう。聖杯戦争を勝ち抜き、絶大なる聖杯の力によって元の世界に平穏をもたらすのか。
 それとも君は、聖杯戦争そのものを破壊し、元の世界にてオーバーロードの王を目指すのか」



「……あぁーもう! 俺は一体どうしたらいいんだ……ッ!?」
「まだ時間はある、ゆっくりと悩んでいい。悩める事は、一本道を辿るだけよりも恵まれているのだから。
 君の世界を救うためにどんな選択肢を取るのか、君自身の自由だ。
 僕は君のサーヴァントとして、……"東のミカド国のサムライ"として最大限協力しよう」


 ◆


819 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:13:26 VJLCTePM0
【クラス】ライダー
【真名】東のミカド国のサムライ(主人公)@真・女神転生Ⅳ
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷A 魔力A+ 幸運C 宝具A
【属性】
中立・善 

【クラススキル】
騎乗:B
騎兵のクラスに付与された能力。
宝具に鳥船の比礼を持つために、ライダーの適正があると判断される。

対魔力:D
騎兵のクラスに付与された能力。
本来は破魔属性魔法に限り無効化出来る程度の抵抗力だが、これにより四大属性に軽減効果が付く。


【保有スキル】
ニヤリ:A
相手に大きな痛手を与える、相手の攻撃を無効化する等、こちらに有利が回ると発動する能力。
自身の身体能力が一時的に急上昇し、反撃を許さぬまま追撃を行う事が可能。

話術:B
言論にて人を動かせる才。
交渉技術に長け、対価を支払う事で取引や契約、停戦など様々な事を行える。
また、ごまかす事で相手に対価を支払ったと錯覚させる事すらも可能な技量を持つ。

矢避けの加護:EX
戦闘時に着用する『デモニカスーツ』に付与される特殊効果。
銃、矢による攻撃に限り完全に無効化する。


【宝具】
『鳥船の比礼』
ランク:C 種別:対軍宝具
八咫鏡、八尺瓊勾玉、天叢雲剣の三種の神器を捧げることで復活した天津神アマテラスから授かった宝具。
広い場所でアメノトリフネの術を用いることで、空を自由に飛べる船を呼び寄せる事が出来る。
空を飛べるために活用法はいくらでもあるが、これ自体が攻撃性能を備えているわけではない。

『侍の証たる魔法の篭手(ガントレット)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大補足:一人
東のミカド国を守護するサムライ衆に与えられる宝具。
バロウズをOSとして、悪魔召喚プログラム、ナビゲーション、能力の向上等の様々な機能を備えている。
そのためにこれを装備している事で下記のスキルを保有することとなる。
◆悪魔との契約:C
自分のレベルよりも低い悪魔の召喚、人外との意思疎通(Dリンガル)、悪魔合体などを可能とする機能。
彼の悪魔は人間に使役される程に格落ちした存在であるため、聖杯戦争にて召喚される英霊のそれよりも能力的に大きく劣る。
『悪魔全書』より、東京に蔓延る下級悪魔から必殺の霊的国防兵器に至るまで、旅の中で契約した実に多種多様な悪魔を召喚可能。
ただし、それ相応の対価を支払う必要があるため、際限なく呼び起こせるわけではない。
◆ウィスパーイベント:B
使役する悪魔が持つ魔法、技を自身に継承する機能。
生前の彼は武器による攻撃より、悪魔から習得した魔法を主力として戦っていた。
◆情報分析:B
対象をアナライズする機能。
保有するスキルや、弱点を見極めて、自身がより優位に立てる策略を練ることが可能となる。
情報を隠蔽するスキルや宝具に関しても有効だが、そのレベルに応じた時間を要する。


【weapon】
『アキュラの剣』
大悪魔ベルゼブブを打ち破った後、召喚者であるアハズヤミカド王の鎧から出てきた剣。
初代ミカド国の王アキュラに関係があると思われるが、特に説明が無い。
とりあえず強い武器なので使っている。人間なんてそんなものだ。


820 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:13:58 VJLCTePM0
【人物背景】
ガントレットによって東のミカド国の国防組織サムライ衆に選ばれた青年。
国の異変に際し、悪魔の巣窟であるナラクの奥深く、ケガレビトと呼ばれる者達の里へと向かう任務を携わる。
ヨナタン、ワルター、イザボーと共にその地、東京を調査しつつクエストもこなしながら旅をしていた。
その最中、東京の頂点に立つ組織「阿修羅会」と、それに反発する組織「ガイア教団」のいざこざに巻き込まれる。
彼らに突きつけられる問題。東京に変革をもたらすか、それとも現状を維持し続けるか。
途方に暮れる彼らがミカド国へ戻ると、神話の神々が新たな国の指導者として君臨していた。
彼らに従ってクーデターを行ったガイア教団のリリスを殺害するか、それとも東京に変革をもたらすために彼女の下につくか……。

――人々は彼の事を「掴みどころのない奴」と噂した。

やがて、彼は"現状の維持と破壊の両方を望む"事を選択した。
白き空間から戻った彼はイザボーに、神と悪魔の全面戦争が始まる事を聞かされる。
彼はそれを止めるためにマサカドを復活させ、『東京の希望』となり、神と悪魔の両方を打ち破った。
そうして東のミカド国の民と、東京の民が共存する世界を作り上げた。


【サーヴァントとしての願い】
掴みどころのない彼が、果たして何を望んでいるのかは察するところに無い。
自分が選んだ世界の選択肢に不満があり、全てをやり直したいのかもしれない。
もしくは、自らが手にかけた友人――ヨナタンとワルター――を元に戻したいのかもしれない。

ただ、同じく世界の命運を左右する選択肢を与えられた紘汰に何か思う所があるようだ。
彼を導いて、その命運を見届ける事も、彼の望みである可能性として考えられるだろう。


【基本戦術、方針、運用法】
ガントレットをフル活用し、相手の弱点を見極めて多種多様な魔法攻撃を打ち込むのが主な戦法。
常に優勢を保つことでニヤニヤと笑いながら、その決して高くはない耐久力を補うように立ちまわる。
また、コストを支払う事で悪魔召喚も行えるため、集団で攻める事も可能。
交渉技術にも優れているため、場合によっては協力者を作ったり停戦を持ちかけたりも出来る。
必要となるコストは、当然マスターである紘汰がアルバイトをして稼ぐ必要があるだろう。
「マジかよ……」


 ◆

【マスター】
葛葉紘汰@仮面ライダー鎧武
【参加方法】
「何だろうコレ」などと呟きながら、何の気無しにどこかで木片を拾った。
【マスターとしての願い】
沢目市を、そして人類を危機から救う。

【weapon】
戦極ドライバー
ユグドラシルコーポレーションによって作られた変身ベルト。
最初に装着した者のみが使用出来る仕様となっているため、紘汰のベルトは紘汰にしか使えない。
ロックシードをはめ込むことで、それに応じたアーマードライダーへと変身することが出来る。
仮面ライダー鎧武に変身すればランクB相当の戦闘能力を得ることが可能。
しかしあくまでも通常兵器の域を出ないために、サーヴァントの霊体にダメージを追わせる事は出来ない。
ただし、ロックシードのエネルギーをサーヴァントに供給する事は可能である。

【能力・技能】
ユグドラシルに執拗に狙われた結果、驚異的な身体能力と戦闘センスを手にしている。
変身せずとも雑魚インベス相手なら引けをとらない程度の強さ。

【人物背景】
正義感の強い青年。フリーターであり、ビートライダーズ「チーム鎧武」のリーダー。
戦極ドライバーを手にした時を堺に、稀有な運命へと飲み込まれていく。
当初、手にした力をどうするのかに悩んでいたが、彼はそれを誰かのために役立てようと考えた。
チームの用心棒として活躍する中、ユグドラシルコーポレーションの思惑を知る。
少数の人類を救うために、多くの者を見捨てるという判断……それに紘汰は憤慨した。
だがそれと共に、怪物と化した友人を自分が倒していたという事実を知る。
――友人の犠牲によって、自分たちは生かされていた。
そのことに絶望する紘汰に対し、ユグドラシルの関係者であるDJサガラはこう言った。
――希望の対価に犠牲を要求する世界のルールなんてぶち壊せ、と。
紘汰はユグドラシル社のスカラーシステム(街を焼き払う事で証拠隠滅を図る装置)を破壊。
だが、人類の危機は迫る。新たな敵オーバーロードを前に、またしても紘汰は苦悩する事となる。
犠牲無く世界を救う道を模索しながら、彼はまた戦いに身を投じる。

【方針】
優勝を目指すのか、聖杯を放棄するのかを決めかねている。
基本的に誰かが死ぬ事を良しとしないため、誰かが困っていれば手を差し伸べる。


821 : 葛葉紘汰&ライダー ◆yrNk0ku7hA :2014/07/06(日) 08:14:47 VJLCTePM0
以上で投下終了です


822 : ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:39:00 YvrDlzJA0

投下します。


823 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:40:59 YvrDlzJA0

「……ここまで、なんだな」

 ベッドの上で、男は呟いた。
 男は老人であり、英雄であり、忍者であった。
 死にゆく男に悔いはない。その死は天寿をまっとうする大往生だ。
 人生も満ち足りたものだった。
 醜悪な野望の元、数多の可能性を奪ってきた男を好敵手との連携で討ち果たし。
 諸悪の根源たる邪神と対峙する魔を断つ剣を助け。
 世界を閉じる神にさえも、若き仕事人と共に抗った。
 これらを成し遂げた上で人生を悔いることなど、できるはずがない。

「どうせ、みんなとは……また会えるんだからな……
 話せなくなるのは、ちょっと……残念だけどよ」

 いや――悔いはあるのかもしれない。
 だが、死してなお男にはやる事がある。そして、その役割に不満はない。
 魂を機械に宿らせ、自らの可能性を受け継がせ無くてはならない。
 今までの『彼』がそうしてきたように。

 男の視界が白く染まっていく。音も聞こえなくなっていく。
 意識が閉じていく中……しかし、男は何かが接近してくることを自覚した。
 或いはその何が接近しているのではなく、男の魂がそちらへ向かっているのかもしれないが。

「あぁ……
 来たか――」

 男は、己自身が走ってくる様を幻視した。


 ■ ■


「変な夢だったなぁ……」

 頭を振りながら、体を起こす。
 ただでさえ夢見が悪かったのにコンクリートに寝そべっていたから、寝心地は最悪。
 こういうところで寝るのは慣れてるから、いつものことと言えばいつものことなんだけど……
 せっかく方舟なんてところに来たのに、どうして私は地上にいた時みたいな状態なんだろう?

「うぅ……どうしてこんなことになっちゃったのかなぁ」

 私――弓塚さつきは路地裏を見渡した。
 見えるのはよく見かける建物と建物の隙間。私にとっては親しみのある風景だけど……でも、違うみたい。
 どういうわけか頭の中に入ってきた知識によると、ここは宇宙に浮かぶ舟の中で、ぜんぶ偽物なんだって。
 私はどういうわけかそんなところに呼び出されて、どういうわけか記憶を消されて普通の学校生活を送ろうとしてた。

「どうせ記憶を消すなら、日光を平気にしてくれればよかったのに……」

 記憶を取り戻した時のコトを思い出して、頭を抱える。
 路地裏を出て登校しようとしたら日光が直撃して死にかける……なんて体験をしたら、自分が吸血鬼だって思い出すに決まってる。
 せっかく偽の記憶を植えつけるなら、体のほうもちゃんと学校に通えるようにしてほしいと思う。

 そう、私は吸血鬼だ。
 吸血鬼に血を吸われてしまって、そしてどういうわけか吸血鬼として生き返ってしまった。
 シオンは私に凄い適性があるから、って言ってたけど……正直、そんな適性欲しくなかったなぁ。


824 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:41:48 YvrDlzJA0
 とにかく私は吸血鬼だけど、できるだけ血を吸うのは我慢するようにしている。
 している、けど……やっぱり吸血鬼な以上喉は渇いちゃうわけで。
 今も喉はカラッカラ。日の当たらない路地裏からこっそり道行く人々を見ていると、どうしても唾を飲み込んじゃう。

「そういえば、ここにいるのはNPCなんだっけ……」

 ふと、頭に焼き付けられた知識を思い出す。
 ムーンセル? 方舟? どっちでもいいや、とにかくどっちかが作った再現データなんだっけ。
 なら、血を吸ってもいいのかな……

「だめだめさつき! NPCさんだって人間だよ、たぶん!
 血を吸うのは一週間200ccまで!」

 ぱんぱん、と自分の頬を張るわたし。
 どうも記憶を取り戻してから、いつも以上に体が変な感じ。
 なんか体は重いし、凄く喉が乾くし。まるで血を吸われているみたい……吸血鬼の私が言うことじゃないよね。

「他のマスターさんは学校に通ってたんだよね?
 楽しかったのかなぁ……」

 座り込んで、ぼんやりと空を見上げる。
 建物の隙間から僅かに見える青空。もう、私には届かないもの。
 その青空に影が差して……影?

「あ、わわ!?」

 なぜか建物の一部が崩れて、がれきが私の上に降って来た!
 単なる事故!? そうじゃなくてもう戦いが始まってるの!? もしくは私、狙われてるとか!?
 混乱する間にも降って来るがれき。慌てて私は立ち上がって、

「せー……の!」

 構えた。
 がれきはざっと1メートルくらい、私の力なら大丈夫!
 そのまま殴って吹き飛ばそうとして……だけど、私の腕より早く、何かがそのがれきを吹き飛ばした。

「えっ?」

 何か――たしか矢のような形をした光だったと思う――が飛んできた方向を見る。
 そこには機械がいた。人影で、白くて……なんていうんだろう、忍者みたいなかっこうしてる。
 人が乗れそうな大きさじゃない――それこそ包みこまない限り――けど、それでも私よりは大きい。

「え、えっと、あのー?」
「………………」

 思わず声を掛けてみたけど、その忍者さんは反応なし。
 どうすればいいのか困っていると……頭の中に浮かぶ単語があった。

「……バーサーカー?」

 目を閉じると、表みたいなのが見える。
 もしかして、これが私のサーヴァントさん、なのかな?
 よくよく考えてみると、さっきのも私を助けてくれたみたいだし。

「あのー、バーサーカーさん?」
「…………」

 声をかけてみたけど、バーサーカーさんはいなくなってしまった。
 なんか繋がってるような感じはあるから、まだ私を見てるみたいだけど。


825 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:42:29 YvrDlzJA0
「ほんとうに、聖杯戦争が始まってるんだ……」

 聖杯戦争。いつの間にか頭の中にある知識。
 戦って、勝ち抜いて、最後まで残れば聖杯が手に入る。
 さっきのコトが事故なのか、それとも故意なのかはわからないけど、ぼうっとしてたら危ないのかも。

「なんでも願いが叶うんだっけ。
 吸血鬼を、人間に戻すこともできるのかな……」

 青空を見上げる。
 路地裏から見る空は狭い。黒い影に挟まれて、きゅうくつそうな青色だ。
 たったそれだけの狭い空が、今の私に許される空。
 もう私は太陽の下には出られない。
 遠野くんを見かけても、影から見ていることしかできない。

 でももし、人間に戻れるのなら。
 太陽の下で、シオンと一緒に遠野くんと正面から会いに行くことができる。
 いっぱい話すことができる――

「よし、決めた! じゃあ私がシオンの代わりに、吸血鬼の治療方法を見つけちゃおう!
 ここに来るのは魔術師らしいし、戦ってもだいじょうぶだよね!」

 うん、と頷く。
 普通の人と戦うのは嫌だけど、わざわざここまで来るような魔術師ならそういう覚悟がある人のはず。
 さすがにそういう人と戦うのは、自分を守るためにもしょうがない事だと思う。
 例えばシエル先輩に襲われた時とかシエル先輩に襲われた時とかシエル先輩に襲われた時とか。
 そう思って、ちょっと青ざめた。

「もしかして、シエル先輩も来てるのかな?」

 方舟。教会についてよく知らない私でも、ノアの方舟のことくらいは知ってる。
 そして、そんなものならシエル先輩のような人たちが目をつけないはずがないわけで。
 もしかすると、シエル先輩自身が来るってことも有り得るのかも……
 もしそうならどう考えても勝ち目なし、願いを叶えるどころか逃げまわるのが限界。

「……シエル先輩が来ませんように!」

 とりあえず、私はそう神様に祈ることにした。
 でも、吸血鬼がお祈りしても聞いてくれるのかなぁ?


 ■ ■


826 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:44:36 YvrDlzJA0

 男は、忍者そのものとなった。
 かつて、世界を繰り返させる邪神がいた。
 その中で自らの意志を、可能性を積み重ねることで邪神に抗った者達がいた。
 魔を断つ剣・デモンベイン。忍者戦士・飛影。
 これらを始めとするあらゆる可能性を。
 デモンベインの対存在たるリベル・レギスという、飛影の好敵手たる零影という可能性すら収束させた部隊。
 その名をアルティメット・クロス。
 男は邪神の試みの中で数えきれないほど飛影に魂を宿し、そしてUXの一員として、一因子として邪神を打ち破った。

 不満はなかった。
 世界を繰り返させる邪神と、世界を閉じる神。
 この二柱を討ち果たした自らの魂が機械に宿ることで、忍者伝説は完成する。
 そしてやがて、輪廻の向こうで新たに生まれた自分達を――仲間を、愛する者を輪廻を越えて助けに行くのだ。
 これほど誇らしいこともあるまい。

 悔いは僅かにあった。
 機械に宿る忍者そのものと化した自分達が、言葉を発する事はもはやない。
 ただ助け、そして輪廻の向こうで新たに生まれた自分を迎え入れる。その中で、仲間達と話すことはできない。 
 故に男は――男たちは願った。


 もう一度だけ仲間達と正面から出会い、話したい。飛影ではなく、ジョウとして。


 それが忍者戦士飛影――ジョウ・マヤの願い。


827 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:45:49 YvrDlzJA0

【出展】スーパーロボット大戦UX
【クラス】バーサーカー
【真名】飛影
【パラメーター】
 筋力B 耐久B 敏捷A++ 魔力D 幸運B 宝具A
【属性】
 混沌・狂
【クラススキル】
 狂化:C
  幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い、複雑な思考ができなくなる。
  敵味方の判別はできるものの、敵は殺してはいけない相手だろうと最大火力で攻撃する。
【保有スキル】
 気配遮断:A
  完全に気配を断つ。戦場に現れるまで存在を察知することは不可能に近い。
 単独行動:A
  マスター不在でも行動できる。
  ただし宝具の使用など膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。
  バーサーカーのため、このスキルがあると言えども単独で戦闘できる回数は限られる。
 直感:B
  戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を"感じ取る"能力。
  視覚、聴覚に干渉する妨害を半減させる。
 騎乗:−
  バーサーカーとして召喚されたため失われている。

【宝具】
 『飛影見参』
  ランク:C 種別:対陣宝具 レンジ:なし 最大捕捉:1人
  ありとあらゆる戦場に現れる能力。向かう先が別世界であろうとバーサーカーの前には関係ない。
  戦場へ突入する際に障害が発生する場合、それを無効化する。
  またマスターが危機に陥った時、あらゆる障害を無視して自動的にマスターの元へ転移する。

 『可能性の集約(アルティメット・クロス)』
  ランク:A 種別:対神宝具 レンジ:なし 最大捕捉:無限
  時空を越えて自分の意志を輝かせ、神に抗う能力。
  時間が関係する能力は例え神の力であろうと通用せず、むしろバーサーカーの力となる。
  「時間や空間を変化させるような能力を持つ」もしくは「神性を持つ」相手と戦う時、バーサーカーの能力は全てワンランクアップする。
  また相手がクトゥルフ神話かインド神話に関係する者であった場合、全ての能力に倍加が付与される。
  両方の条件を満たす場合はランクアップと倍加が重複するため、仮にクトゥルフ神話の神やインド神話の神と戦う場合バーサーカーは無敵のサーヴァントと化す。
  この宝具による強化は魔力消費を増加させない。

  副産物として、自らの意志を重ね続けたことにより理性を失っても戦闘技術を十全に発揮できる効果もある。

【weapon】
 本来の飛影は人間の倍近い大きさを持つが、魔力消費などの関係やジョウ・マヤの一面として召喚されたことからある程度縮小して再現された。
 そのため、武器もそれに見合うサイズとなっている。
・バトルショットブレード(銃モード)
 手持ちの実弾銃。忍者刀が収納されている。
・バトルショットブレード
 所謂日本刀とは違い、忍刀という反りが少ない刀。
・手裏剣
 普通の手裏剣。
・マキビシランチャー
 ふとももに内蔵されたマキビシを発射する火器。
・サンダーアローガン
 光線を発射する弓型の銃。
・鎖分銅
 腕に仕込んだ鎖分銅。


828 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:46:23 YvrDlzJA0
【人物背景】
 戦場に突如として現れ、ジョウ・マヤとその仲間を救っていく謎のメカ・飛影。
 やがてジョウは飛影と融合して操ることができるようになったが、同時に謎の声を感じるようになる。

 飛影の正体、それはナイアが仕組んだループの中で機械に魂を宿らせていったジョウ・マヤそのものであった。
 ジョウやその仲間を救うのも、かつてのジョウという人間の魂が今も飛影を動かしているからである。
 それ故にライダーとして召喚されれば各種メカを駆るジョウ・マヤとして、アサシンとして召喚されれば飛影と融合して戦うジョウ・マヤとして召喚される。
 今回はバーサーカーのため、理性を失いジョウの意志のみを宿す飛影として召喚された。

【サーヴァントとしての願い】
 飛影ではなくジョウとして、もう一度ロミナ姫やレニーと……アルティメット・クロスの仲間達と話してみたい。

【基本戦術、方針、運用法】
 とにかく強みは圧倒的な敏捷である、バーサーカーに追いつける存在はまずいない。
 気配遮断と『忍者戦士飛影』の組み合わせもあり、どんな戦場にでも現れ掻き乱すことが可能。
 また極めて高い単独行動を持つため、バーサーカーのクラスでありながら単騎でもある程度は動ける。
 これらの要素により、基本的戦術はアサシンクラスに近い奇襲が主となる。
 マスターしか見当たらないと調子に乗って襲いかかる敵は、バーサーカーに背後を突かれることになるだろう。

【備考】
 原作では飛影の正体について不明のままだったため、オリジナルの設定を行ったスーパーロボット大戦UXからの出典として設定を補う。


829 : 弓塚さつき・バーサーカー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:47:13 YvrDlzJA0

【出展】MELTY BLOOD
【マスター】弓塚さつき
【参加方法】不明
【マスターとしての願い】
 吸血鬼化の治療方法を発見し、シオンともども遠野志貴と普通に話せるような身に戻りたい。
【weapon】
 なし。もっとも、素手で攻撃しても十分に強い。
【能力・技能】
 吸血鬼として極めて高い潜在能力を持つ。
 身体能力も高く、見た目と性格に反して相当なパワータイプ。人体を軽く引き千切る。
 ただし血を吸いたがらないのでいつも腹ペコ。
 魔力については設定がないが、ロアの地位を引き継げるほどの素質を持つということからひとまず魔力量は高いものとする。

 枯渇庭園という固有結界を所持する。
 これは展開した空間の自然の魔力・マナを急速に減少させ消滅させていく。魔力はさつきに還元されることなく消えてゆくのみ。
 攻撃に自然の魔力・マナを必要とする魔術師、生存に魔力を必要とする精霊などには天敵と言える能力。
 だが世界と切り離されつつある生物(マナをあまり使用しない人間)には効果が薄い。
 ただし、サーヴァントに対してどれほどの効果があるのかはファンの間でも意見が分かれている。
 そもそもさつきが能動的にこの固有結界を発動する描写はなく、基本的に暴走するような形で展開されるので使えるかどうかも微妙だが。

【人物背景】
 遠野四季/ロアに血を吸われ死んでしまった少女。
 しかし皮肉にも吸血鬼として高い素質を秘めていたため、吸血鬼として蘇生する。
 「正義の吸血鬼」として人を殺さないように生きているため、ごく少量しか血を吸わない。
 ただしたまに吸血鬼らしい発言をすることがあり、人を殺さないのは人間の心を失うことを恐れているからという理由が強い。
 クラスではアイドル的な存在として人気だったが、さつき自身は遠野志貴に一途な好意を抱いている。
 しかし内気な性格のため口に出せず、吸血鬼となった後は学校にすら行けないので影から見ているような状態。
 シオンとは半端者の吸血鬼仲間。最近「旦那様(女)」が増えた。

【方針】
 優勝を目指す。
 ただ相手が魔術師などの戦闘力を持つ存在であればまだしも、無力な存在は殺せない可能性が高い。
 平気で殺せるようになった時のさつきは完全に吸血鬼と化しているだろう。


830 : ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 09:47:49 YvrDlzJA0
投下終了です。


831 : ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:00:09 p6OpA4WY0
投下します


832 : 鳴上悠&バーサーカー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:00:55 wIf0FZDg0

一体、どこで間違ったのか……。
輝かしい日々は過ぎ去り、街は霧の中に沈んでいく。
妹のように可愛がっていた従姉妹は命を落とし、絆で結ばれたはずの仲間たちともよそよそしくなってしまった。


もし、できるなら。
あの日々をもう一度、やり直せるのなら。


そう望んだことは間違いだっただろうか。
しかし、偽りない本心だ。
もしやり直せるのなら、こんな結果にはなりはしない。
今度こそきっと、全てがうまくいく……してみせる。


深夜零時。
自室のテレビが突如点灯した。
俺は、吸い寄せられるように手を触れさせ……吸い込まれた。


833 : 鳴上悠&バーサーカー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:01:33 e9EGSjEM0

「鳴上悠……お前には、機会をやろう」

久々に訪れる、テレビの中の世界。
失ったはずの力……テレビの中に入る力が、何故かその時は復活していた。
だが、そこは見覚えのある世界ではない。仲間であるクマもいない。
いたのは、見上げるほどに巨大な無機質な像。

「我が名はポラリス。すべての世界を管理するもの」

そいつは、俺を見下ろしていた。
圧倒的な存在感。今まで対峙してきたシャドウとは比べ物にならないプレッシャー。
紛れもない……そいつは、神と言ってもいいほどのバケモノなのだろう。

「かつて“希望”であり、今は何者でもなくなった敗北者よ。
 お前には機会をやろう。世界をリセットし、全てをやり直す……選択の機会を」
「世界を……リセットする?」
「そうだ。お前の可能性は潰え、世界は霧に沈む。
 そのような世界を存続させる意味はない。よって、私はお前達の世界の消去を決定した。
 ……しかし、お前次第では決定を覆しても良い」
「俺に、何をしろと言うんだ」
「“方舟”に趣き、万能の願望機たる聖杯を回収せよ。
 あれは人の世にあってはならない。我らの管理が必要だ」

“神”は、俺に使命を下そうとしている。
だが疑問が涌いた。“神”だというのなら、何故自分でやらないのか。
ペルソナを失った俺に何ができるというのか。

「稼動状態に入った方舟には、私は干渉できない。
 あれはもはや独立する“世界”……私の管理の外にある。
 ゆえに、私の端末を侵入させて内部より掌握する以外ない」
「それが、俺なのか」
「そうだ。霧に沈む世界で、お前だけが過去から目を逸らしている。
 お前の仲間たちはこれからもあの街で生きていくというのに、お前だけは霧の外……安寧へと逃げ出そうとしている」

違う、と言おうとした。
両親の都合だ。元から一年だけの滞在だった。
理由はいくらでもある。が、そんなものは言い訳にしか過ぎない。
鳴上悠は、拭えぬ過去から逃げ出して、忘れ去って、捨て去ろうとしているのだ。

「だからこそ、お前に機会を与える。
 我が絶対の剣を従え、聖杯を獲得せよ。
 それ以外にお前がやり直す道は……過去に戻る方法は、ない」


834 : 鳴上悠&バーサーカー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:01:53 7sUs3WgE0

利用されるだけだ、と頭ではわかっている。
しかし……抗いがたい。
もし本当に、やり直せるのなら。
菜々子を救い、仲間と笑いあい、事件を解決する。
あの二度とない日々を、今度こそ……

「……わかった。聖杯を手に入れて、あんたに捧げる。
 そうすれば、俺の世界をやり直させてくれるんだな」
「保証しよう。我が指を一つお前に遣わす。
 そしてお前の力……ペルソナも戻してやろう」

ポラリスから放たれた光が俺を打つ。
体の奥底から漲る力……覚えがある。
叫んだ。

「ペルソナ!」

現れたのは、俺が初めて手に入れた“力”……イザナギだった。
後に俺が手にした数々のペルソナに比べれば未熟で、頼りなく、弱い。
しかし今は、半身が戻ってきたことにたとえようもない高揚感を感じる。

「心せよ。それは私の意思を伝えるライン、失えば我が剣はお前をも喰らうだろう。
 そして敗北者たるお前に“希望”の力はもはやない。
 それで、お前は勝利せねばならない」
「構わない。チャンスが有るだけで充分だ。
 俺は、今度こそ間違わない……やり遂げてみせる。今度こそ……!」

こいつが神なのか、あるいは悪魔なのか、それはわからない。
でもどうでもいいことだ。
俺はもう、一人殺している……なら、二人殺すも百人殺すも一緒だ。
やり直せれば、全てなかったことになる。

「これを持って行くがいい」

目の前にからんと木片が転がる。
俺はそれを拾いポケットに入れた。
代わりに取り出した眼鏡を落とし、踏みつける。
絆の象徴は……粉々になった。
これでいい。
俺はもう決断したのだから。
後戻りはしない。前に進むだけだ。

「行くがいい、我が契約者よ。
 立ちふさがる全ての障害を打ち倒し、見事聖杯を持ち帰ってみせよ」

ポラリスの言葉が遠くなる。
視界の全てが光りに包まれる。
俺は、新たな戦場へと旅立っていく――


835 : 鳴上悠&バーサーカー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:02:32 k8CczoeY0

【クラス】
 バーサーカー
【真名】
 破軍星・ベネトナシュ
【パラメーター】
 筋力C 耐久B 敏捷E 魔力B 幸運C 宝具B
【属性】
 秩序・神
【クラススキル】
 狂化:C 人類を殲滅するために遣わされた「絶対の剣」。生物というより意思を持たない兵器に近く、対話も交渉も不可能。
       セプテントリオンが従うのは創造主であるポラリスのみであるため、マスターの指示は一切受け付けない。
       ただし、マスターである悠のイザナギを通してポラリスとリンクしているため、イザナギを召喚していない間はベネトナシュを待機状態に置ける。
【保有スキル】
 龍の眼光:B 一時的に敏捷を2ランクアップさせる。
【宝具】
「人間不可侵」
ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:自分
 マスター・サーヴァント問わず種族:人間からの攻撃の一切を無効化する、常時発動型の宝具。
 これは物理・魔術双方に適用され、人間であるかぎりはどんな英霊であろうとベネトナシュを傷つけることは不可能。
 「神性」スキルを所持しているか、人間由来ではない宝具・武器を所持しているか、あるいは人間以外の存在か。
 ベネトナシュを傷つけ得るのはこの三種類の方法に限られる。
【weapon】
 アルカイド…敵全体に、万能属性による大ダメージを与える。
 届かない祈り…敵1チームに対して、回復効果を受ける事ができない状態にする。
【人物背景】
 あらゆる世界を管理する存在「ポラリス」によって生み出され、人類を殲滅すべく襲いかかる「絶対の剣」。
 人間の世界に一日ごとに送り込まれるセプテントリオンの内の最後の一体。世界崩壊七日目、土曜の侵略者。
 セプテントリオンは人間と人間が使役する悪魔によって倒される度、つまり一日ごとに対人間に向けて特化していく。
 最後のセプテントリオンであるベネトナシュは人間からの干渉を、手段を問わ全て無効化する。
 つまりベネトナシュは人間ではなく悪魔の力を用いて打倒しなければならないのだが、さらに人間が召喚した悪魔を強制的に送還する能力も備えている。
 これによって人間・悪魔双方の攻撃を封じ、効率的に人類を殲滅する恐るべき敵である。
 本来は英霊ではなく、そもそも地球上の生命体ですらないため、サーヴァントとして召喚された際は能力が減殺される。
 物理反射・他のセプテントリオンの能力の模倣・子機の召喚・悪魔の送還、この四つの能力が失われている。 
【サーヴァントとしての願い】
 人類殲滅
【基本戦術、方針、運用法】
 ベネトナシュは大半のサーヴァントに圧倒的なアドバンテージを持つ。
 ただし相応に魔力消費も激しいので、無駄に戦闘を重ねるのではなく複数のサーヴァントが争っているところに放り込み、一網打尽を狙うのがいい。


836 : 鳴上悠&バーサーカー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:03:01 Tj0phH3c0

【マスター】
 鳴上悠@ペルソナ4
【参加方法】
 ポラリス@デビルサバイバー2によって送り込まれる。
【マスターとしての願い】
 聖杯を手に入れてポラリスに献上し、その報酬として一年をやり直す 
【weapon】
 日本刀
【能力・技能】
ペルソナ「イザナギ」
 誰しも持っている、心に秘めた「もう一人の自分」のこと。
 人が事物と関わる時、面(おもて)に現れる相。神話的な由来を持ち、力の覚醒者のみ使役できる。
 特性は電撃耐性、疾風(風)弱点。外見は黒コートをまとった人型であり、薙刀のような長刀を装備する。
  ジオ 敵一体に電撃小ダメージを与える。
  スラッシュ 敵一体に物理小ダメージを与える。
  タルカジャ 次回の攻撃時のみ、自分もしくは味方一体の筋力・魔力を1ランクアップさせる。
  ラクカジャ 次回の被攻撃時のみ、自分もしくは味方一体の耐久・魔力を1ランクアップさせる。
  ラクンダ 次回の被攻撃時のみ、敵一体の耐久・魔力を1ランクダウンさせる。対象に対魔力スキルが有れば無効化される。
【人物背景】
 両親が海外出張の為、1年間、母方の叔父が住む田舎町である稲羽市八十稲羽(いなばしやそいなば)に越してきた。
 引越し早々発生した連続殺人事件に身近な人達が巻き込まれるのを防ぐために、陽介と特別捜査隊を結成し、事件解決に挑んでゆく。
 クールな風貌と、時折見せるくだけた言動から人気を集めていくカリスマ性を持つ。
 ワイルドという能力によって複数のペルソナを使いこなすことができ、冒険中に戦闘を通じて獲得したり、
 複数のペルソナを素材とする「ペルソナ合体」で生み出したりして収集したペルソナを、状況に応じて自在に付け替えることができる。
 が、運命に負けた彼はペルソナとワイルド能力を失っている。今聖杯戦争でイザナギを使えるのはポラリスの祝福を受けたため。
 イザナギはそのままポラリスの意思受諾装置でもあるため、イザナギを失った瞬間ベネトナシュは人間の無差別殺戮を開始する。
 これはマスターとて例外ではなく、令呪を以ってしても制御できない。
【方針】
 イザナギを出さなければベネトナシュも活動しないので、できるだけ潜伏して他のマスターの脱落を待つ。


837 : 鳴上悠&バーサーカー ◆/k3Q/jYeig :2014/07/06(日) 12:03:43 m0juv5r.0
投下終了です
一部設定を二次聖杯wikiよりお借りしました。


838 : ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 12:47:02 YvrDlzJA0
うっかり宝具名を変え忘れたまま基本戦術を書いてしまったので、>>828の当該部分を修正。

【基本戦術、方針、運用法】
 とにかく強みは圧倒的な敏捷である、バーサーカーに追いつける存在はまずいない。
 気配遮断と『飛影見参』の組み合わせもあり、どんな戦場にでも現れ掻き乱すことが可能。
 また極めて高い単独行動を持つため、バーサーカーのクラスでありながら単騎でもある程度は動ける。
 これらの要素により、基本的戦術はアサシンクラスに近い奇襲が主となる。
 マスターしか見当たらないと調子に乗って襲いかかる敵は、バーサーカーに背後を突かれることになるだろう。


839 : ギルガメッシュ&ライダー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/06(日) 12:56:59 /aLCwaXc0
投下します。


840 : ギルガメッシュ&ライダー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/06(日) 12:57:36 /aLCwaXc0
「アハハッ、これは傑作だね!」

少年は笑う。
煌びやかなプラチナブロンドの髪に真紅の双眸。
素肌に絹と思わしきベスト、半ズボン。首元には日食を象った首飾りが揺れていた。
幼いながら高貴なるオーラを身にまとい、何がおかしいのか少年は高らかに笑っている。

「記憶を奪われていたというのは度し難いけれども、これほど愉快な経験をさせてもらえるなら
 許してもいいかな――大人の僕ほど我はそんなに強くないつもりだしね」

少年――ギルガメッシュは愉悦に身を震わせていた。
かつてエインズワースにサーヴァントとして召喚されカードに封印された。
その自分が、数奇な道のりの果てにまさかマスターとなる日が来るとは思わなかった。
召喚された世界の平行世界。そこで出会った少女たち。
彼女たちと聖杯を賭けて戦い、その果てに自分は敗れたが理性だけが少年の形を取り受肉した。
そして紆余曲折を経て再びエインズワースのいる世界へ転移した……筈だった。
だが自分に残された僅かな財の中にゴフェルの木片が入っていたとは。
辿りついたのは元の世界ではなく、異界の戦場。

異世界の聖杯戦争に関わり、しかも受肉したこの身を持ってマスターとなって令呪を刻まれるとは。

「これが僕の運命(フェイト)か、まさに笑劇(ファルス)だね」

ギルガメッシュは振り返る。
その視線の先には一人の少女がいた。
白い帽子に栗色の髪。水色のシャツ、赤いスカートの少女が。

「そうは思わないかい?」
「………」

ギルの問いに少女は沈黙を返す。

「あれ、無口な娘だね。やりにくいな、もしかしてバーサーカー?」

「――違うわ」

「喋れはするんだね」

安心した、とギルは肩をすくめる。
そしてその瞳から稚気が消え、まっすぐに少女を見据えた。

「ならば問おう、君が僕のサーヴァントか?」

少女はコクリ、と頷く。

「マスターとして僕は君の真名を求めるよ」

「レッド。クラスはライダー」

少女――レッドはただ簡潔に、必要最小限の文言だけを口にする。

「君はなぜ聖杯を求めるんだい?」

「私は強い人と戦いたい」

「おや意外と脳筋な理由。詳しく訪ねてもいいかい?」

ライダーは少し逡巡したようだが、やがてポツリ、ポツリと語り始めた。


841 : ギルガメッシュ&ライダー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/06(日) 12:58:32 /aLCwaXc0

◆ ◆ ◆

その世界は人とポケモンが共に生き、歴史を紡ぐ世界。
ポケモンとはその世界に存在する人の敵であり、パートナーであり、神であり、魔であった。
彼女の歩みはカントー地方の片田舎であるマサラタウンにて始まった。
各地のジムリーダーを倒し、悪の組織ロケット団を倒し、遂にはポケモンリーグを制覇しチャンピオンとなった。
しかしそれで彼女の目的が達成されたわけではない。
旅の目的はオーキド博士から託されたポケモン図鑑を完成させること。
151匹いるというポケモンを全て登録するまでは彼女の旅に終わりはない。
彼女はチャンピオンの座を返上し、再び旅に出る。
旅の果てに伝説のポケモンと呼ばれる三匹の神鳥、人の手により生み出された人造ポケモン、
そして何処からか現れた幻のポケモン。そのすべてを手に入れ、彼女は生ける伝説となった。

そこまでは、良かった。

彼女はポケモンバトルを楽しんできた。強い敵と戦い、相棒が強くなっていくのが至上の喜びであった。
だが頂点に立ち、ふと周りを見渡すとそこには誰もいなかった。
上には誰もいない。隣にも、足元にすら人がいない。
彼女の手にした強さについてこれるトレーナーは誰一人として存在しなかったのだ。
かつてのライバルだったグリーンも、四天王の筆頭であるワタルも、彼女にとってもはや相手にはならなかった。
悲しかった。
せっかく自分の相棒になってくれた伝説のポケモンたちが実力を発揮できないのが。
どんな相手も本気を出すまでもなく一蹴してしまい、全力を出すことができない。
いや伝説のポケモンだけではない、彼女の最初からの相棒リザードンや
殿堂入りした時の他のポケモン達も全力を出せなくなって久しいのだ。
強くなりすぎてしまったゆえの悲哀。

強い相手を求めた。彼女の大切な相棒たちが満足できる、全力を出し切れる相手を求めた。
高く険しく、強いポケモンが出るというシロガネ山の頂上へ登り、彼女は待つことにした。
自分を倒せる存在を。

――本当の彼女の敵を。


◆ ◆ ◆


842 : ギルガメッシュ&ライダー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/06(日) 12:59:14 /aLCwaXc0

「でも現れなかった。よく覚えてないけどたぶん私はそこで朽ち果てたの……」

「なるほど、友達の為……ね」

ライダーがたどたどしく語った半生は壮絶であったが、ギルは特に気にした様子もなく頷いていた。

「さもありなん、良いよ、君の望みはこの聖杯戦争で叶えられるだろう。
 叶えられなかったら楽勝だったってことで僕ウマなんだけどそうもいかないよね」

そこで初めてライダーはギルを気にしたように視線を上げた。

「あなたの望みは……何?」

「僕? 僕は聖杯に望みなんて特にないなぁ、だってアレ元々僕の持ち物だからね。
 勝手に景品扱いされるのは困るんだよね。僕を通してくれないと」

「?」

「まぁ決着がつけば元の世界に戻れるだろうし、
 強いていうならとっとと終わらせたいってのが僕の望みかな」

ギルは肩をすくめ苦笑した。
そしてライダーの手を取る。
ドキリ、と少女の鼓動が不規則な音を奏でその頬を僅かに朱に染める。

「あ――」






「さぁ、行こうか。これも――Fate――だと思って」




.


843 : ギルガメッシュ&ライダー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/06(日) 13:00:25 /aLCwaXc0
【クラス】ライダー

【真名】レッド(女の子)@ポケットモンスターシリーズ

【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運A 宝具A+

【属性】
 中立・中庸

【クラススキル】
『対魔力:C』
 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

『騎乗:A』
 騎乗の才能。獣であれば幻想種(聖獣・神獣)すら乗りこなせる。ポケモンに限り竜種も該当する。

【保有スキル】
『クイックドロウ:B』
 敵のスキルを用いない不意討ちを無効化し先制でモンスターボールを開放する。

『直感:A』
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。Aランクの第六感はもはや未来予知に近い。
 また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。

『心眼(真):A』
 修行・鍛錬によって培った洞察力。
 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 

『陣地作成:E』
 パソコンを媒介にWEB上にポケモンボックスを作成する。

【宝具】

『大いなる十八の理(ポケモンバトル)』
 ランク:??? 種別:??? レンジ:??? 最大補足:???

 ポケモンの象徴的なシステムであるタイプ相性を強制的に適用させる固有結界。
 固有結界に囚われたマスター及びサーヴァントは強制的に1ないし2タイプがポケモンの18タイプから適用される。
 適用されるタイプは使用者であるレッド(つまり書き手)の主観に因る。
 例:セイバー(アルトリア):かくとう/ドラゴン
   アーチャー(エミヤ):はがね
   キャスター(メディア):エスパー/あく 等
   特徴に乏しいものは大体ノーマルタイプが適用される。

『絶対なる捕獲の真球(マスターボール)』
 ランク:A+ 種別:対神宝具 レンジ:1〜2 最大補足:1体

 上述の固有結界にて効果を発揮する宝具。
 サーヴァント相手に投げつけると相手の幸運がよほど高くない限り
 例え神霊クラスのサーヴァントであっても抵抗を無視して捕獲し支配できる。
 ただし対象となるサーヴァントがマスターと一緒に固有結界に入っていた場合は泥棒扱いとなり失敗する。
 保有数は1個のみであり、どう魔力を注ぎ込もうと追加分を作成することは不可能。

『151匹のポケットモンスター(トモダチ)』
 ランク:E〜A+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜2 最大補足:6体

 レッドが保有する全国図鑑№1〜151の151匹のポケモンたち。1体1体がサーヴァント扱いであるが一度に6体しか持ち歩けない。
 手持ちの入れ替えにはパソコンを媒介にポケモンボックスにアクセスする必要がある。
 その強さはポケモンにより様々であるが全てがレッドによって限界まで鍛え上げられており、その忠誠度も高い。
 相手が1体の場合は1体しか繰り出せないが、対象が増えるほどその数だけ同時に使役でき、
 最大6体までなら同時に戦闘可能である。
 『メガシンカ』
  彼女の最初で最高の相棒であるリザードンが戦闘時にのみ更なる進化を果たすことができる。
  フジ老人から譲り受けたメガリングとメガストーンが鍵となり発動する。
  その形態にはXタイプとYタイプが存在するが、本来の彼女がどちらのメガストーンを持っていたかは失伝しており
  どちらの形態になるかは未知数である。

【weapon】モンスターボール:ポケモンが入っている拳大のボール。それを投げることでポケモンを召喚し使役する。

【人物背景】
 ポケットモンスターファイアレッドの主人公(女の子)。
 カントー地方の田舎から彗星のように現れ、カント―地方のバッジを総なめしていった。
 悪の組織ロケット団も単独で壊滅させ、カントーポケモンリーグのチャンピオンに上り詰めた後、あっさりとその地位を返上。
 伝説と呼ばれたポケモンの捕獲に成功した第一人者となり、その後何処からか現れた幻のポケモンミュウを捕獲したことで
 生ける伝説となった。
 既にカントー四天王、元チャンプのライバル・グリーンも相手にならず強い相手を求めてシロガネ山に引きこもる。

【サーヴァントとしての願い】
 三鳥やミュウツー、ミュウの力を限界まで引き出すほどの強い相手と戦いたい。

【基本戦術、方針、運用法】
 基本は移動用の秘伝技を覚えさせたポケモン2匹+戦闘用のポケモン4匹の構成を手持ちにしている。
 しかし決選の時はガチ育成のポケモン6体で挑む。手持ちのタイプ被りをあまり好まない。


844 : ギルガメッシュ&ライダー ◆zOP8kJd6Ys :2014/07/06(日) 13:01:08 /aLCwaXc0
【マスター】ギルガメッシュ@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

【参加方法】
 2wei!のラストで平行世界へ転移した時、自分の持つ残った財の中にゴフェルの木片があった。

【マスターとしての願い】
 エインズワースに召喚された元の世界へと戻って己の力を取り戻す

【weapon】
『矢避けのお守り』
 日食を象った首飾り。
 装備者の回避率を大きく上昇させ、Dランク以下の飛び道具を無効化する。
 無効化するごとに日が欠けていき、やがて消失する。
 また敵に投げつければ閃光と熱を発する。その威力は日の大きさに比例する。

『身隠しの布』
 この布を被ったり、括ったりしたものは魔術的、光学的に観測できなくなる。
 観測を魔術に頼っている相手には非常に有効。
 ただし音や匂い、体温や気配はダダ漏れであるため完璧な隠形は不可能である。

【能力・技能】
『王の財宝(ゲートオブバビロン)』
 黄金の都バビロンへとゲートを繋げてその宝物庫からあらゆる宝具を取り出すことができる……のだが
 その所有権のほとんどをある人物に奪われている為、使用できるのは全体の1%未満。
 しかも戦闘用のものはほぼ存在せずランクもD以下のものばかりである。ただし収納に関してはほぼ無限大。

【人物背景】
 英霊ギルガメッシュ。存在するはずのない8枚目のカード、2枚目のアーチャー。
 大聖杯の術式を起動させて受肉しようとするが、イリヤの妨害によって理性だけが少年形態の形分離してしまう。
 その後カードと分離し理性だけは子供の姿で受肉した。
 その半身であるカードは平行世界の人物が用いており、ギルガメッシュはその奪還を目論んでいる。
 少年形態のギルガメッシュの愛称はギル。性格は人懐っこい子供そのもので温厚。
 しかし目的のためならば冷徹になることもあり、悪意はないが敵意によって行動することもできる中立の王。

【方針】
 聖杯を回収し、元々召喚されていた世界へと帰還する。


845 : 名無しさん :2014/07/06(日) 13:01:42 /aLCwaXc0
投下終了です。


846 : ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:12:03 vvJ3rPuc0
投下します。


847 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:13:06 vvJ3rPuc0
「おはようございます、シドさん。いい天気ですね」
「おう、そうだな。俺には暑くていけねえや」

ここは月海原学院の購買部。優しげな表情をした帽子の男が店員をしている。

「どうした?昼飯でも買いに来たか」
「いやー、ルーズリーフ切らしちゃいまして」

明るく会話をする生徒と店員。微笑ましい学生生活の一ページだろう。
……帽子の男が生徒の方を一切見ようとしないことを除けば。

「ありがと、シドさん。じゃあ、まったねー」
「……」

結局去っていく生徒を一瞥すらせず男はポツリとつぶやく。

「ったく、ガキは元気でいいね、まったくよ」
その台詞は額面通り親愛のあるものではなく、侮蔑の篭った皮肉気なもの。

「なんで俺が学校の購買員なんだ、ホント……マジでなんでだ?……いてっ」
自身の境遇に疑問を持つようだがその答えより前にさらに気になる事象が起こる。下腹部に痛み。胃痛の類ではない。なにかが刻み付けられるような……

「なんだこりゃ?痣か?ぶつけた覚えもねえんだが……さくらんぼ?」
三本の房に丸い果実。まるでさくらんぼのような痣がへその上にできていた。



「クキキッ」


848 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:13:58 vvJ3rPuc0
背後から笑い声。何となくそちらを振り返ると……
まるでコウモリのような化物がそこにいた。

何者だ、いつからそこに、この痣はなんだ、様々な疑問が浮かぶが

(なんで俺はこんな怪物の存在には疑問を持たない?!)

ありえない。こんな怪物が存在するはずがないのに……どこかでいて当然と思う自分がいる。たとえば、森の中とかに……

「喜べよ。いまだに記憶の戻らぬお前を聖杯戦争のマスターにしてやったのだから」
聖杯戦争。その言葉を聞いてついに記憶が弾ける。
沢芽市。インベス。アーマードライダー。ヘルヘイムの森。オーバーロード。聖杯戦争のルール。
そして自身が禁断の果実に手を伸ばそうとしていたことを。

「クック…フフフ…アッハハハハハ!悪くねえじゃねえか。禁断の果実はとり損ねたが、聖杯を手にすればお釣りがくるってもんだ」

高らかに笑うシド。オーバーロード探すのも面倒になって来たところだった。

「クキキッ。やる気のあるマスターを選べたようで何より。私の眼力も捨てたものではないな」
「おいおい、おまえらサーヴァントはマスターを選べるのか?そいつは羨ましいもんだ」
「先ほど敵サーヴァントを倒したはいいが、パートナーが一足早く脱落してしまってね。まだ開戦前だというのに、頼りない奴だったよ。そこで近場にいた君の魅力的な心の闇に惹かれて来たのさ」


849 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:15:40 vvJ3rPuc0






「問おう。きさまが私の…」
言葉を発するはシェードマン。パートナーとの初の邂逅は滞りなく……

「サーヴァントか」
進んでいるようだ。

「私ほどに強力なマスターはまずいないだろう。戦闘はもちろん、電脳世界でネットナビに優るハッカーなどまずいない。ともに聖杯をとろうじゃないか」
対峙する英霊に自慢げに語るシェードマン。それは数多の戦いを生き延びた自信か、慢心か。
「おや、早速サーヴァントがいるな。クキキッ。まだ開戦前だがライバルは減らしておこうじゃないか!」

そして挑みかかるシェードマンとそのサーヴァント。結果は……

「バカな……この私が……消える?」
敵のサーヴァントの自爆攻撃により自身もサーヴァントも致命傷を負った。
あの青いネットナビにも、太陽少年にも殺しきれなかった私が……消えるのか?
世紀末世界からも逃げ延びてみせたこの私が?

(まだだ。まだ死なない)
知識と能力を振り絞れ。あるものはすべて利用しろ。何としても生き伸びろ。
目に留まるのは自身のサーヴァント……アサシン。すでに意識はないようだが、アバタ―は残っている。これを使えば…

接続開始(プラグイン)。シェードマン.EXE転送開始(トランスミッション)。
ムーンセルを通じてアサシンのアバタ―にアクセスする。記憶(メモリー)、消去(デリート)。装備(ソフト)、消去(デリート)。実体(プログラム)、自身のものに上書き(アップデート)。記憶(メモリー)も装備(ソフト)も更新していく。負傷したアバタ―を自身のデータで補填、自身の姿に再構築していく。
そして、別人格(アルターエゴ)が誕生した。

「これがサーヴァントとしてのカラダか」
アサシンをベースとしたため、サーヴァント化したがなんということはない。プログラムとしても実体としての経験もある自分なら大して違和感もない。
だが。このままでは…

(サーヴァントを失ったマスターは消去される。ましてやハッキングにより違法にサーヴァントになったものなど……)
消される。今の私は令呪に逆らうことはできない。ばれたら確実に
(ルーラーに、殺される)

急いでマスターを探さねば。しかし安易にサーヴァントを仕留め、そのマスターと再契約などできるだろうか。つい先ほどまで敗れ、死にかけていた私に。

(無理だ。勝てない。探さねば。いまだ覚醒していない、私のマスターになり得るものを)
幸い令呪は三画残している。これを誰かに与えれば…

そして彼は帽子の男を見つけ、今に至る。




「ほー、ステータスはしょぼいが生存能力は高い、と。まあ俺ならそこらの奴には負けねえ。頼ってくれていいぜ、えと……」
「アサシンだ。アサシンのクラスのサーヴァント、シェードマン」
「シドだ。ま、よろしく頼むわ」

錠前。ダークチップ。方舟に悪意がばらまかれようとしていた。


850 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:16:27 vvJ3rPuc0
【クラス】アサシン(アルターエゴ)
【真名】シェードマン@ロックマンエグゼシリーズ&ボクらの太陽シリーズ(両方ゲーム)
【パラメータ】筋力D 耐久E 敏捷A 魔力B 幸運C 宝具B
【属性】混沌・悪
【クラス別スキル】
気配遮断:E
サーヴァントとしての気配を断つ。
本来サーヴァントではないため、そもそもあんまり強い気配をしていないが、謀略や暗躍の経験から一応このスキルへの適性はあり、通常より若干発見しにくい。
自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解除される。

【保有スキル】
死徒(偽):B
擬似的な死徒としての特徴を持つ。
翼による飛翔、複数体のコウモリへの変身や操作、吸血行為によるエネルギー吸収や回復などが可能。通常の死徒とは異なるため太陽光の下でも活動は可能。

単独行動(偽):EX
本来マスターとして参戦したため、他者からの魔力供給を必要としない。マスターが消失しても現界可能。ただしそれは不正行為であるためルーラーやムーンセルにばれた場合即座に消去や令呪による自害を命じられる可能性が極めて高い。

戦闘続行:B
往生際が悪い。上記三つのスキルもあり瀕死の傷でも戦闘を可能とし、一敗地にまみれても逃げ延びる。

言語理解:A+
マルチリンガルというわけではなく、精神汚染系スキルを持つ者とも通常の意思疎通が可能。特に後述するダークチップにより精神汚染スキルを獲得したものに対してはそのランクに応じて交渉判定および幸運値に大幅な補正がかかる。

【宝具】
『星雲と銀河の闇の加護(ネビュラアンドダーク・プロテクション)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0
プログラム化した心の闇と暗黒物質ダークマターによる守り。強い呪術や悪意の込められたものなど、闇の属性に類する攻撃以外を無効化する。
有効なダメージがライフの一割以上入ると5ターンの間この宝具は効力を失う。


851 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:17:14 vvJ3rPuc0
『感染する心の闇の欠片(ダークチップ・キャリア)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:0〜5
心の闇を取り込み絶大な力とリスクを得る武具、ダークチップのマザーデータ。
アサシンと接触したマスターおよびサーヴァントにランクDの使い捨て宝具『心の闇宿す戦符(ダークチップ)』をランダムに一つ与える。自身のマスターも対象となり、その場合のみいずれか一つを選択して与えることが出来る。
ダークチップは受け渡し及び使用に一切の制限はない。電脳世界であるためマスターおよびNPCも使用可能。生成に必要な魔力は少なく、真名解放に必要な魔力は使用者が負担する。
一覧は下記。他にも存在する可能性はある。
『闇の大剣(ダークソード)』 巨大ナソードデ前方ノ敵ヲ切リツケルノダ(直撃した場合相手の現在ライフの半分に等しいダメージを与える剣。セイバークラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)
『闇の砲撃(ダークキャノン)』 自ラノ苦痛ヲ敵ニモ味アワセテヤレ(直撃した場合自分の受けているダメージと同値のダメージを与える大砲。アーチャークラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)
『闇の竹槍(ダークランス)』 油断シテイル敵ヲ足元カラ狙エ(視界内の相手の足元から多数の竹槍が飛び出す。ランサークラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)
『闇の魔獣(ダークソウル)』 混沌ヨリ現レシ魔獣ノチカラヲ見ヨ(心の闇の魔獣・ネビュラグレイを召喚し突撃させる。ライダークラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)
『闇の流星(ダークメテオ)』 メテオノ雨ガ敵ヲ狙ッテ降リ注グデアロウ(13発の魔力弾が上空より放たれる。キャスタークラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)
『闇の狙撃(ダークサークル)』 敵ノ周囲ヲ回ルカーソルヲ止メテ攻撃セヨ(視認できる範囲に7発の弾丸をほぼ同時に撃ち込む。アサシンクラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)
『闇の暴走(ダークインビジ)』 己ノ中ノ闇ヲ解キ放チ身ヲ委ネルノダ(ランクAの狂化を3ターンの間得る。ただしマスターからの魔力供給は通常時と変わらない。バーサーカークラスのサーヴァント及びマスターはこれを得ることが多い)

括弧内はシェードマンとそのマスターのみが把握できる情報であり、それ以外の所持者にはよくわからないフレーバーテキストが読めるのみ。芸術審美、道具鑑定系のスキルで看破可能。
なおダークチップを使用した場合、ライフ最大値がわずかであるが下降するほか、心の闇の影響で属性が悪に変質したりスキル:精神汚染を獲得したりすることがある。
また麻薬のように中毒性があり、ダークチップを使った戦闘行為とその快楽を強く求めるようになる。ライフ下降は不可避だが、他の影響は精神系スキルによる抵抗も可能。


【weapon】
特に武器は持たず、死徒モドキとして爪や牙、超音波を攻撃手段として用いる。

【人物背景】
吸血コウモリ型のネットナビとしてプログラムされ、心の闇を取り込みダークロイドとしてロールアウトした。ダークチップをばらまく組織ネビュラの幹部として暗躍する。
ロックマンエグゼと交戦、一度目は撤退し二度目の戦いで敗れるもロックマンに心の闇の欠片を植え付ける。その後ウラインターネットでしぶとく生き残っているのが見つかり、世紀末世界の英雄、太陽少年ジャンゴとロックマンに再び敗れる。
しかしネビュラの手により三度復活、また敗れるもさらに復活させられる。この五度目の戦いではロックマンの頼れる仲間を1人道連れに闇に消える。そしてまた復活、今度はロックマンの仲間に敗れ去り消失した。しかしウラインターネットのさらに奥地で心の闇を深めてまたまた登場。七度目の戦いでもロックマンに敗れた。
以上ロックマンエグゼ4、および5。

地球の未来の可能性、世紀末世界では霊長の抑止力アラヤや生命意思ガイアの上位存在、銀河意思ダークにより生命種の否定がされており、生命種を非生命種に変える暗黒物質ダークマターが地球に降り注いでいた。
シェードマンはとある上位吸血鬼にこの世界に召喚され、ダークマターを受け不死種イモータルとなった。しかしこの時もロックマンと太陽少年ジャンゴに敗れた。
以上続・ボクらの太陽。

別に宿命のライバルキャラでもないのにやたらと出まくり、この聖杯戦争で累計8回目の復活、そして速攻脱落した……はずだがまた生き返った。

【サーヴァントとしての願い】
不死種イモータルとして再誕する


852 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:17:58 vvJ3rPuc0
【基本戦術、方針、運用法】
最優先はルーラーに見つからないよう身を隠す。こう見えてルール違反に内心ビビってる。
幸い気配遮断が機能しているのでこのまま購買に篭り、ダークチップをばらまいて戦況を加速させる。ダークチップの中毒者が出た場合それを手駒にするよう動く。
直接戦闘もそれなりにこなせるが平均的なサーヴァントに比べて柔いので奇襲も含め避けた方がよい。すでに一度破れていることもあって慎重になっている。拠点がばれたら逃げよう。
戦略はアサシンよりキャスターのそれに近い。
『星雲と銀河の闇の加護(ネビュラアンドダーク・プロテクション)』は有効な間はかなり強力な宝具だが、紙装甲に低体力なので結構簡単にはがれる。
ダメージを与えられるものの例として強力な呪いを持つゲイ・ボルク、ゲイ・ジャルグ、ヴェルグアヴェスターや妄想心音、魔剣であるアロンダイト、クラレント、邪教の力を用いるプレラーティーズ・スペルブック、悪性に染まったエクスカリバー・モルガンなど。
呪い、悪魔、邪心、そういったものの関わりある武具や技ならこの宝具の隙を付ける。
『感染する心の闇の欠片(ダークチップ・キャリア)』は麻薬をばらまいていると思ってもらえばいい。接触した者のポケットとかにいつの間にかダークチップが滑り込んでいる。中毒になったやつを利用するのが理想。なおすべてのダークチップは『星雲と銀河の闇の加護(ネビュラアンドダーク・プロテクション)』を破れる。しかしそれを利用して相手にダークチップの利用をそそのかす駆け引きも必要かもしれない。
副作用が嫌なので自身は相当の事態に陥らない限りダークチップを用いる気はない。
あまり動きたくはないが、場合によりマスターを見捨てることはいとわない。
元マスターであるため霊体化できない。元マスターであることはどこから漏れるかわからないのでマスターにも伝えるつもりはあまりない。

【マスターステータス】

【名前】シド@仮面ライダー鎧武

【参加方法】
ヘルヘイムの森に生育していたゴフェルの木の枝が服にくっついていた。今はもうどこかに落としたらしい。
ぺちゃんこになる寸前で参戦したのでちゃんと生きてます。

【マスターとしての願い】
禁断の果実の代わりに聖杯を手にし、すべての頂点に立つ。
二度と誰の言いなりにもならない、誰にもナメた口を利かせない。

【能力・技能】
身長:203cm
体重:105kg
パンチ力:14.0t
キック力:18.9t
ジャンプ力:ひと跳び24m
走力:100mを6.1秒
のアーマードライダーシグルドに変身。ソニックアローを用いた近〜遠距離戦を行う。
スペックは人外のそれだが、それを十全に使いこなしているわけではない。結構人間に素手で攻撃を止められたり、避けられたりしている。
なお神秘や信仰はあまりないのでサーヴァントに対して防戦はできても決定打にはなり得ない。
またロックシードの知識に精通している。

【weapon】
チェリーエナジーロックシード
危険な異世界、ヘルヘイムの果実を人間にも使用可能なよう加工した物。さくらんぼをかたどっている。最高位、クラスSのロックシード。

ゲネシスドライバー
エナジーロックシードを用い、アーマードライダーシグルドに変身する。
生体認証機能はないため、これを使えばだれでもアーマードライダーに変身可能。
変身や戦闘でのエネルギー消費はエナジーロックシードが賄うため変身者に魔力などの負荷はない。

ヒマワリロックシード
ヒマワリの種をかたどったクラスDのロックシード。ヘルヘイムの怪物、身長240cm / 体重170kgの初級インベスを召喚する。初級インベスはロックシードを食べることでパワーアップする。
本来はドライバー装備中にしか行使できないのだが、シドの手によって改造され通常時でもインベスの行使が可能。
ロックシードから手を放すとインベスもまた制御不能になる。
召喚に要するエネルギーはロックシードが賄うため召喚者に魔力などの負担はない。

マンゴーロックシード
マンゴーをかたどったクラスAのロックシード。ヘルヘイムの怪物、身長:244cm
体重:194kgのライオンインベスを召喚する。以下ヒマワリに同文。


853 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:19:03 vvJ3rPuc0
【人物背景】
沢芽市において危険と隣り合わせの遊戯、インベスゲームを流行させた一因。異世界の危険生物インベスを召喚するアイテム・ロックシードを売りさばき、後には実験体とするためにアーマードライダーに変身するアイテム、戦極ドライバーをばらまいた。
その理由はインベスによる事件の罪をなすりつけるためと、自分たちの使うドライバーの高性能化のため。
綺麗言や理想を語る者を「現実が見えてない」「聞き分けのないガキ」と見下し、自身は大人であり、正義をなしていると主張するが、実体は自己正当化と欲望に満ちた小悪党。「大人なら危ない橋は渡らない」と発言しながらも身の丈に合わない力を望み、強大な敵に挑む理由は上記のように子供染みたもの。型月的にいうなら仮面ライダーワカメであろうか。
「危険なアイテムをばらまく」という共通項からシェードマンはひかれたと考えられる。
余談だが、吸血鬼は処女の血を好む。またシドはチェリーエナジーロックシードを用いる。さらにシドはとても子供っぽいところがある。以上より推察されることは……

【方針】
シェードマンのものと基本戦略は同じ。
ただし自身はマスター同士や低位サーヴァント相手の戦闘ならまず負けないと思っている(真偽のほどはさておき)ので、襲撃を受けたなら結構やる気満々。
ダークチップの危険性について口頭説明しか受けていないため、シェードマンよりは使用に対するハードルは低い。それでもめったなことでは使わないだろうが。

【その他】
シドとアサシンは購買に来る生徒の商品や手荷物にこっそりダークチップを混ぜていました。
聖杯戦争開始までに各種一枚ずつ学院内にばらまきましたが、それを誰が持っているかはシドもよく覚えていません。学院内のマスターが持っている可能性もあります。
シェードマンは螺旋の塔@ゾクタイの材料がゴフェルの木であり、それを通じて方舟に侵入したハッカー枠でした。そのため魔力値が高いです。


854 : シド&アサシン(アルターエゴ) ◆A23CJmo9LE :2014/07/06(日) 13:20:22 vvJ3rPuc0
投下完了です。
きのこ曰く、死徒27祖クラスならサーヴァントともやり合えるとあるのでこんな元マスターを書いてみました。


855 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:32:35 3tMz/txI0
皆様投下乙です。
ホシノ・ルリ&ライダー、投下しますね。


856 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:33:31 3tMz/txI0


星の数だけ人がいて、星の数だけ出会いがあり――そして、別れ。


「――『方舟』、ですか」


 西暦2201年――連合宇宙軍独立ナデシコ部隊所属『機動戦艦ナデシコC』。
 その艦長席に腰掛けたまま、ホシノ・ルリは空中に浮かぶ平面ウィンドウと会話していた。


「うむ。それが連合宇宙軍におけるあれのコードネームだ」
「オーバーな名前ですね」
「そう言うなルリ君。実体を知ればそうも言えなくなる」

 
 ウィンドウに映された連合宇宙軍司令ミスマル・コウイチロウは、ルリの歯に物着せぬ反応にも動じず答える。
 その表情はいつもながらの様子に見えて、その実ひどく神妙な面持ちであった。
 彼としても対処しかねているのだろう。突如地球圏に飛来した謎の構造物――『方舟』に対して。


「そもそも木星圏にまで展開された連合宇宙軍の索敵網を掻い潜って、月軌道まで接近されていることがまず異常なのだ。
 統合軍にもカマを掛けたが、向こうも知らんと言っておる。静観できる事態ではない以上、隠蔽の線は考えられん」
「レーダーとか粒子反応とか、何か引っかからなかったんですか?」
「全くだ。電子的には一切反応がなかったようなものだし、ボース粒子の増大は確認されておらんからボソンジャンプでもない。
 偶然の目撃例がなければ未だ見つかっていなかったかもしれん。いやはや、青天の霹靂とはこのことだよ」
「宇宙ですけどね」


 誰にも気付かれずに地球圏へと航行してきた謎の方舟。
 確かにそれが本当なら異常事態と言っていい。完全に地球圏のテクノロジーを凌駕している。
 まるで火星遺跡に残された古代文明のブラックボックスだ。


「あの『演算ユニット』と同じような、未知の遺産ということでしょうか」
「もっと悪いかもしれん。月軌道に飛来した『方舟』は、月との間で何らかの交信を行っておる」
「交信? 月の何とです?」
「そこまでは分からん。主なデータの交信は恐らく未知の粒子を介したものだが、微弱ながら電磁波の送受信も確認した。
 我々宇宙軍は、あれが新たなる『演算ユニット』そのものなのではないかと危惧しておる」
「……………………!」


 『演算ユニット』。
 先の大戦、そして火星の後継者の反乱においてもその切り札として争奪された古代文明の遺跡。
 時空すら飛び越え、空間跳躍ボソンジャンプを制御しうる膨大な情報を処理できるオーバーテクノロジー。


857 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:34:18 3tMz/txI0
 そんなものがまた地球圏に飛来すれば、遠からず新たなる騒乱の原因になりかねない。
 またその未知の技術そのものが地球圏のパワーバランスを変革する可能性すらある。


「そこでだ、ルリ君。ナデシコCには先行して『方舟』と接触し、可能ならば直接接触を試みてもらいたい」
「接触。平たく言えばハッキング、ですね」
「電波通信が可能ならば調査も可能だろう。あいにく私の独断で動かせる部隊は少なく、それに最も適任なのは」
「ナデシコC、そしてオモイカネ。了解です。ナデシコはこれから『方舟』へと進路を取ります」
「話が早くて助かる。頼むぞ、ルリ君」


 その言葉を最後に平面ウィンドウは消失し、ルリはシートに腰掛けて、ふう、と溜息をついた。
 まさか『あの人』の帰りを待つ間に、こんな事態に巻き込まれるなんて。
 それでも、彼のようなテクノロジーの犠牲者をこれ以上増やすわけにはいかない。
 ルリは宇宙軍から送られてきたデータを閲覧し始めた。



   ▼  ▼  ▼


 そして。


「目標、交信可能範囲に入ります」
「では、これよりナデシコCは目標の調査任務に移行します。ハーリー君、艦のシステムはお願い」
「了解です。気をつけてくださいよ、艦長」


 心配そうに覗き込むマキビ・ハリ少尉に軽く手を振って返すと、ルリは直接ハッキングの体勢に移行した。
 火星全土の機動兵器を単艦で制圧可能なハッキング機能を持つ『ナデシコC』と、それを支えるコンピューター『オモイカネ』。
 そして、遺伝子操作とナノマシン移植、徹底した英才教育によって超人的な能力を得たハッカー『ホシノ・ルリ』。
 確かにミスマル司令の言う通り、これ以上の適任は宇宙軍にはいないだろう。


「IFSのフィードバック、レベル10までアップ。艦内は警戒パターンA」


 ルリのシートの周囲に、球状に無数のウィンドウが展開される。


「通信波長解析完了。侵入します」


 ルリはオモイカネを介し、『方舟』へと直接干渉を――。


858 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:35:18 3tMz/txI0



《GOFER》



「――えっ?」



《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》

《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》

《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》

《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》

《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》《GOFER》



「『GOFER(ゴフェル)』……トラップ!?」


 ウィンドウを無数のメッセージが埋め尽くしていく。
 止まらない――制御不能――逆にハックされている?
 いや違う、まるでルリが接触してくるのを待っていたかのような――!
 


 その直後、ルリの脳裏に映ったのは、二人の少女。



 ――ルリと同じ銀の髪に金色の瞳を持つ法衣服の少女と、凛として旗を掲げた聖騎士。



 そして、意識が反転した。




   ▼  ▼  ▼


859 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:36:20 3tMz/txI0
「ここは……」


 ルリは、燃え盛る街の中で一人立ち尽くしていた。

 あたりは一面の廃墟。戦車や歩兵や、エステバリスとは違う機動兵器の残骸で溢れている。

 そしてルリの鼻腔を満たすのは、戦場に染み付く、炎のにおい。


「ここは『方舟』の中? いえ、違う。ここは誰かの記憶、誰かのイメージ……」


 硝煙で烟り、熱で揺らめく向こうから、誰かが歩いてくる。

 その姿はシルエットになって判別が付かない。僅かに見えるは、赤い影、青い髪。

 そして、神をも殺すその瞳。


「私はルリ。ホシノ・ルリ。……あなたは、誰?」


 問いかける。陽炎の向こうの誰かに。

 染み付いた炎のにおいにむせそうになりながら、ルリはその姿に目を凝らす。

 曰く、巨大な不発弾。心臓に向かう折れた針。

 歴史の裂け目に打ち込まれた楔。戦場へ向かう巡礼者。神を挑発する男。

 生まれながらのパーフェクトソルジャー、異能者、神の子。

 宇宙でたった一人その資格を持つ男。



「――キリコ・キュービィー」


 かの生き様、かの瞳こそが炎のさだめ。

(アキトさん……?)

 愛の炎にその身を焼いて、戦場を駆けた黒衣の王子をルリは思い出す。

 あの瞳を知っている。失われた愛を求める、あの瞳を知っている。

 その繋がりこそが、彼と自分を結びつけたのか。

 幻が晴れる。戦場が消える。世界が真の姿を取り戻す。ただ、大きく輝く月だけが二人を照らしていた。


860 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:37:22 3tMz/txI0



   ▼  ▼  ▼



 騎乗兵のサーヴァント、キリコ・キュービィーは、自身を召喚したマスターを品定めするように見やった。
 聖杯戦争の知識を得た彼女――ホシノ・ルリは、あくまで任務を続行するという。
 すなわち、この『方舟』の調査。聖杯の確認は二の次だと。

「……構わん」
「いいんですか? ライダーさんにも叶えたい願いがあるのでは」
「俺は兵士だ。命令されればそれに従って戦うまでだ」
「そういうものですか。あ、死ぬ気はないのでそこは安心してくれていいですよ」
「十分だ」

 死にさえしなければ、いずれは聖杯にも辿り着くだろう。
 この聖杯戦争は全てのサーヴァントを倒した者が勝者なのではない。
 最後に生き残った者が月へと辿り着くのだ。
 だからキリコからマスターに要求することはただひとつだ。

「マスター。俺は兵士だ。命令には従う。令呪で命じられれば、それ以上のことにも従うだろう」

 ルリが手の甲に刻まれた三画の印章に目をやる。
 令呪。サーヴァントを絶対的に支配する魔術。キリコの力を持ってしても抗えぬ力。


「だが、これだけは言っておく。俺を真に支配しようとだけは考えるな……!」


 キリコ・キュービィーにとって何よりも耐え難いのは、自身を支配しようとする者だ。
 命令には従う。だが心だけは支配させない。それを侵す者は、たとえ神であろうと殺す。
 それこそがキリコ・キュービィー。異能ではなく、精神の在り方として『触れ得ざる者』。


「そんな怖い顔しないでください。私はライダーさんに協力していただければ、それで」


 ルリはキリコの殺気を前に僅かに怯んだが、すぐに今まで通りの淡々とした表情で答える。
 思いのほか図太いのか、修羅場慣れしているのか。わざわざ小さくピースサインまでしている。 


「…………」
「リアクション薄いですね」
「お互い様だ」
「ごもっともです」


 キリコは目を閉じた。自身に対して害となるマスターでなければそれでいい。
 今までも戦い続けてきた。これからも戦い続ける。ただそれだけだ。

 キリコは月を見上げた。

 ――聖杯。
 キリコには、聖杯戦争に挑むだけの理由がある。
 取り戻したいのはただひとり。共に生き、共に死にたいと願うひとりの女。


 敢えて問うなら答えもしよう。望むことはささやかなりし。

 この腕にかき抱けるだけの夢でいい。この胸に収まるだけの真実でいい。

 たとえて言うなら、その名はフィアナ。

 フィアナこそ我が命、フィアナこそ我がさだめ。


 幾億光年の銀河を超えて、今一度、鉄の棺の蓋が開く。


861 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:37:59 3tMz/txI0
【クラス】
ライダー

【真名】
キリコ・キュービィー@装甲騎兵ボトムズ

【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運A+++ 宝具E

【属性】
中立・中庸


【クラススキル】
騎乗A
乗り物を乗りこなす能力。
Aランクは幻獣・神獣ランク以外を乗りこなすことが出来る。


【保有スキル】
戦闘続行:A
戦闘を続行する為の能力。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。

異能の因子:A
死なない能力。致命傷でさえなければ、自身の負傷の治癒に必要な魔力は大幅に少なくなる。
そして後述の理由から、基本的にキリコが致命傷を負うことは、無い。

心眼(真):B
地獄以下の戦場を巡り歩く中で培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

神殺し:C
アストラギウス銀河の神を殺した男。
神性に由来するスキル、および精神干渉系の能力の影響を軽減する。


【宝具】
『棺たる鉄騎兵(スコープドッグ)』
ランク:E 種別:対人/対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:20人
キリコがレッドショルダー時代から愛用し続けているAT(アーマードトルーパー)。
全高3.8メートル。頭部には回転するターレット式三連カメラ、右腕には炸薬で伸縮するアームパンチ、
脚部にはグライディングホイールの回転で地上を高速疾走するローラーダッシュ機構を装備。
武装はヘビィマシンガンを中心に多種多様な装備から作戦に応じたセッティングが可能。
アストラギウス銀河において数十年に渡り運用され続けているATの基本にして完成形というべき機体である。

しかしその半面パイロットの生存性は著しく悪く、装甲も部位によっては歩兵の携行火器で貫けるほど。
宝具としてEランク相当の対魔力は持つが気休めにしかならず、単体では生身のサーヴァント相手でも分が悪い。
その戦力差を埋め得るのがキリコの卓越した技量であり、彼の持つ別の宝具である。


『最低野郎(ボトムズ)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
乗機を次々に乗り捨てながら戦場を渡り歩いたキリコの生き様。
キリコは自身の宝具である『棺たる鉄騎兵(スコープドッグ)』を、マスターの魔力を媒介に再調達することが出来る。
前述のとおり『棺たる鉄騎兵』は極めて破壊されやすい宝具であるが、キリコにとってはその喪失は痛手にはならない。
それどころか騎乗兵のクラスにあるまじき「乗機を使い捨てる」戦い方を可能とするのがこの宝具である。
なお調達時に過去の戦闘データをあらかじめ機体のミッションディスクに登録可能。経験が兵士を強くする。


『異能生存体』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1
異能者。不死身の兵士。触れ得ざる者。遺伝確率250億分の1の衝撃。神の後継者。
キリコの遺伝子に刻まれた『死なない』因子。
自動発動型宝具であり、キリコが致命傷を負う状況に陥るとその因果を捻じ曲げ、その死を回避する。
その際、幸運値依存の宝具や能力の判定は全てキャンセルされ、あらゆる致命的な一撃に対して必ず生きるための『偶然』を創り出す。
ぶっ潰しても、切り刻んでも、焼いても死なない。時に利己的に、時に利他的に、取り巻く環境を変えてまで生き延びる。

ただしその発動タイミングは選べず(死を回避するのであって負傷や敗北はそれが死に繋がるものでなければ回避できない)、
また完全にオートで発動するため、キリコが死に瀕するたびマスターの負担を無視して突発的に多大な魔力を吸い上げることとなる。
更にこの宝具はキリコ自身のみに働き、味方(マスターを含む)を巻き込んででもキリコだけを生き残らせようとする。

キリコ自身にも一切制御不可能の、アストラギウス銀河の因果律を超えた力であるため、宝具ランクは測定不能。


862 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:38:34 3tMz/txI0
【weapon】
「アーマーマグナム」
AT(アーマードトルーパー)の装甲も貫徹可能な徹甲弾を装填したハンドガン。
あくまで対ATを目的とした護身用の武器だが、キリコはこれを対人兵器として使ったことがある。


【人物背景】
「装甲騎兵ボトムズ」シリーズを通しての主人公。
無口で無愛想、一見して無感情に見えるが、実際は自身の感情の出し方を戦火の中で忘れてしまった不器用な男。
彼なりに人との繋がりを求め、仲間を案じ、愛を求める心はあるが、彼を取り巻く運命がそれを許さない。

幼少期は軍の施設にて育つがメルキア軍将校ヨラン・ペールゼンにより施設の関係者は皆殺しにされ、自身も全身を焼かれる。
それでも「死ななかった」ことでペールゼンに目を付けられ、軍に入った後は特殊部隊レッドショルダーに配属される。
そこで『異能生存体』の素質を見出されるがキリコはペールゼンには従うことなく、以後各地を転戦する。

大戦末期、キリコは小惑星リドにて目的不明の作戦に参加する。
その作戦で出会った『素体』――謎の美女、パーフェクト・ソルジャー『フィアナ』。
彼女に惹かれたキリコは、謎の秘密結社に追われながらも、ウドの街、クメン王国、惑星サンサ、そしてクエントを巡る。
その中で、アストラギウス銀河の統合意志たるコンピューター『ワイズマン』に神の後継者の座を与えられる。
その誘いに乗り銀河支配を目論むキリコだったが、その真の目的はワイズマンの破壊にあった。
「たとえ神にだって俺は従わない」――キリコはアストラギウスの神を殺し、余命少ないフィアナと冷凍睡眠に入る。

しかし32年後、宗教結社マーティアルにより二人の冷凍睡眠は解除される。
キリコは己と愛する者のため戦うが、皮肉にもフィアナの命の灯火は遂に尽きてしまう。
自分の全てとも言うべき存在を失い、それでも死ねないキリコはその後もアストラギウスを彷徨い続けてゆく。

装甲騎兵ボトムズ。それはキリコとフィアナ、60億年目のアダムとイヴの愛の巡礼の物語である。


【サーヴァントとしての願い】
フィアナと再会し、共に平穏な時を生きる。


【基本戦術、方針、運用法】
何度でも再生産可能な乗機と、因果を捻じ曲げ死を回避する『異能生存体』が武器。
たとえ敗北しようとも必ず生き延びて戦場に舞い戻り、燃える地獄をローラーダッシュで駆け抜ける。
あらゆる絶望を更なる奇跡でねじ伏せて、キリコは次の巡礼地へ向かう。

しかし生き延びたとして、その先がパラダイスのはずはない。
『異能』の力の因果歪曲はあらゆる他者を犠牲にし得る。己のマスターの生存すら誰も保証出来ない。
このサーヴァントを運用するにあたってまずすべきは、予測不可能な『異能』の脅威を知ることである。

――キリコは巨大な不発弾。自爆、誘爆、御用心。


863 : ホシノ・ルリ&ライダー  ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:39:24 3tMz/txI0
【マスター】
ホシノ・ルリ@機動戦艦ナデシコ〜The prince of darkness


【参加方法】
ナデシコCとオモイカネを介した『方舟』への直接ハッキング。


【マスターとしての願い】
無し。『方舟』に侵入した目的はあくまで調査である。


【weapon】
無し。


【能力・技能】
遺伝子操作と体内のナノマシン、そして特殊な訓練による、「電子の妖精」と称されるほどのハッキング能力。
本来の世界では無縁だったものの、霊子ハッカーとしての魔術師適性は非常に高いだろう。
そのため、おそらく知識さえ獲得すればコードキャスト等の使用も可能と思われる。


【人物背景】
かつての「機動戦士ナデシコ」のクルーの一人であり、劇場版「The prince of darkness」の主人公。16歳。
とある国家の国王夫妻により遺伝上の娘である試験管ベビーとして誕生する予定だったが、誕生前に医療機関が爆破され、
流出した彼女の受精卵を入手した施設によって遺伝子操作と特殊なナノマシン適性を与えられて育てられる。
そのため特にナノマシンを介したハッキングに関しては超人的な適性を持つが、その複雑な出自は彼女の人格に影を落としていた。

銀髪に金の瞳、華奢な体形で白い肌。銀河の妖精と称される可憐な容姿を持つ。
抑揚のない口調が特徴で、基本的に淡々とした喋り方をするが、真顔での冗談や人を喰ったような物言いも多い。
反面、自分の葛藤を表に出そうとはせず、表面上は平然としていながら自身に課せられた重責とひとり戦い続けていた。

TV本編から5年後の劇場版では、謎の幽霊ロボットを巡る作戦中に復讐鬼と化したアキト(TV本編の主人公)と再会。
武装蜂起した「火星の後継者」達との戦いの中で、ルリは事態の収拾と大事な人を取り戻すため奔走する。


【方針】
聖杯戦争は二の次であり、まずは方舟の調査が優先。
ただ軍人である以上、止むを得ない命のやりとりは躊躇しないだけの覚悟はある。


864 : ◆Y4Dzm5QLvo :2014/07/06(日) 14:39:54 3tMz/txI0
投下終了しました。


865 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/06(日) 14:46:37 rUy1C9nA0
投下乙です!

では博麗霊夢&ライダー、投下します。


866 : ◆GtFm46jtBI :2014/07/06(日) 14:47:21 rUy1C9nA0


(聖杯戦争ねぇ…また厄介な異変に巻き込まれたものだわ)

巫女服の少女―博麗霊夢は、方舟に呼ばれるとすぐに、博麗の巫女としての勘と彼女の能力によって偽りの生活も始まることなく記憶を取り戻し、状況の整理をし始めた。
万能の願望機が手に入る聖杯戦争も彼女にしてみれば只の異変に過ぎない。

(博麗大結界の為にも異変をちゃちゃっと解決して、幻想郷に帰ってから縁側でゆっくりお茶でも飲が飲みたいわ)

面倒くさがりの彼女でも、流石に幻想郷の危機とあればだらだらしている場合ではない。
それに彼女は自分に害が及ぶ異変が一番嫌いなのだ。お茶が飲めないのは耐えられない。
素早く解決することだけを考え、行動を始める。

(さてと―さっさとサーヴァントでも召喚してみますか)

一人で異変解決にあたってもいいが、協力者がいるならそれに越したことは無い。
さっそく召喚の儀式を進める――すると魔法陣の中から老人が姿を現した。

「小娘よ。この度はライダーのクラスとして現界させてもらった。
この東方不敗マスター・アジアが問う。貴様がわしのマスターか」
「ええ、私があんたのマスターの博麗霊夢よ」

ライダーとして現れたその老人は、霊夢よりも3まわり程も大きく、筋骨隆々とした老いを感じさせない立ち姿をしていた。
ステータスを見てもセイバーと遜色ない程の優良サーヴァントのようだ。
その圧倒的な体格差を持つ相手にも彼女は臆することなく問いかける。

「ふぅん、ライダーにしてはステータスは悪くないみたいね。
で、こっちが名乗ったんだからあんたも名乗ったらどう?」
「む?先ほど名乗ったはずだが貴様には聞こえなんだか。
ならば、今一度名乗らせてもらう、わしの名はマスター・アジア!
いまだ負けを知らぬわ!東方不敗よ!」
「ああそれ名前だったのね、何言ってんのかわかんなかったわ」

少し辛辣とも取れる言葉を投げかける霊夢だったが、彼女は正直なだけでそこに悪意はなく、東方不敗も特に気にした様子はない。
ちなみに東方不敗の名誉の為に弁解しておくと、ドモンとの勝負は全て稽古の内なので勝敗には含まれていない、決して嘘をついているわけではないのだ。


867 : 博麗霊夢&ライダー  ◆GtFm46jtBI :2014/07/06(日) 14:48:38 rUy1C9nA0

「それで?一応聞いておくけど、あんたは聖杯に掛ける願いとかあるわけ?」
「うむ、地球の再生、それがわしの願いよ。生前はその為に人類抹殺までをも企てておった。
だが、この体が朽ちる寸前に愛弟子に教えられたのだ――

(『あんたが抹殺しようとする人類もまた、天然自然の中から生まれたもの!
 いわば地球の一部。それを忘れて、何が自然の、地球の再生だ! 
そう、共にいき続ける人類を抹殺しての理想郷など、愚の骨頂!』)

――人類もまた自然の一部、それを抹殺するなど自然を破壊するも同じだと。
それ故、わしは人類の認識から地球再生を果たすことを望むが・・・
今となってはわしは死者よ、死んだ者が地球再生などそれこそ不自然極まる。
ならばわしはサーヴァントとしてマスターに答えるのみ」
「そう、なら良かったわ。結界の為にも早く戻らなきゃならないし。
一々全部の参加者を倒してたら面倒くさいから、さっさ聖杯を探し出して壊すわよ。
・・・まぁ、邪魔しに向かってくる奴らには容赦しないけど」
「よかろう、ならばわしも邪魔するものを砕き、道を作ろうではないか」
「よろしく頼むわ、ライダー」

聖杯を壊すというイレギュラーな目標を抱いて『東方』最強の巫女と、最強のガンダムファイター、二人の東方不敗が動き始めた。


「ふっふっふ、よもやこのわしが誰かをマスターと呼ぶことになるとは思わなんだな」
「そういやマスター・アジアって本名なの?だとしたら絶望的なセンスの親ね」

「いや、わしのこの名は弱き過去を捨てた時、わし自らが付けた名よ。
そしてこの聖杯戦争で強者を倒し、その暁には!
東西南北中央不敗スーパー・アジアとなってくれるわ!!!」

「いやいや、意味わかんないから――
ふふっ、でもあんたもなかなか変な奴ね。
幻想郷の奴らにも引けを取らないかもしれないわ」
「であっはっはっは!貴様もなかなか面白いやつよ。
これならこの余興も退屈せんですみそうだ」
「あら、退屈する暇なんてないわよ。即効で終わらせるわ」


868 : 博麗霊夢&ライダー  ◆GtFm46jtBI :2014/07/06(日) 14:49:57 rUy1C9nA0

【クラス】
ライダー
【真名】
マスター・アジア(シュウジ・クロス)@機動武闘伝Gガンダム
【パラメーター】
筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力D 幸運B+ 宝具A+
【属性】
混沌・善 
【クラススキル】
人機一体:A+
騎乗スキルが変化したもの。
機械を手足のように操ることができるが、生物は愛馬・風雲再起以外には乗りたがらない。
対魔力:D
一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
【保有スキル】
心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
武闘家の魂:A
DG細胞の感染を跳ね除ける程の強靭な精神力で精神干渉系の攻撃を受け付けない。
また、拳を交えた相手から真意や感情を読み取ることができる。
病持ち:B
体が病に冒されており、そのせいで耐久・幸運が下がる。
今回に限り、マスターの特性で幸運は高さを維持している。
まれに咳き込み、少しの間動きが制限される。
兵法:B+
戦に関する豊富な知識で有利な戦闘を行うことができる。
地理を活かすことで、とっさに陣地作成D+程度の有利な場を設けられる。
流派東方不敗:A+++
東方不敗が長年の修行で編み出した活人の拳法。
大自然から無限の力を得て、気を撃ち出したり回復を早めることもできる。
英霊となった今は生身で使えない技やドモンの技も使えるようになっている。
修得の難易度が最高レベルのスキルで、他のスキルと違ってAランクでようやく「修得した」と言えるレベル。A+++は達人中の達人。
「ワシを誰だと思っている? ドモンの技を使うなど造作もないわッ!」

【宝具】
『風雲再起』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
東方不敗の愛馬であり一番弟子。
知能が高く人の言葉を理解し、自分の使命や役割を忠実に果たす。
一人で考え動くこともでき、実際に遠く離れたドモンを船に乗って川を下って案内し、また一人で船に乗って帰ることさえできる程である。
『天翔ける純白の機馬(モビルホース)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:20 最大補足:100
風雲再起が操る機体。
その馬力は絶大で、後ろ足蹴りでデビルガンダム四天王の一機であるウォルターガンダムを倒し、ゴッドガンダムでは突破できない大気圏を軽々超えることができる。
『悪魔の細胞を宿せし武闘戦機(マスターガンダム)』  
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:100 最大補足:500
DG細胞によって再生能力を得たマスター・アジアの機体、彼の格闘術を完全に再現できるほどの制度を持ち、バルカンやマスタークロスなどの武器も揃っている。
クーロンガンダムに変化することもでき、その状態だと魔力の消費は20%抑えることができる。
ウィングシールドは宝具屈指の硬さを誇り、空を高速で飛ぶこともできる。
余談だが、ヤマトガンダムはシュウジ・クロス時代の物でマスター・アジアの宝具としては呼ぶことはできない。
【weapon】
マスタークロス:東方不敗の愛用している布、いつも腰につけている。
伸縮自在で、流派東方不敗にかかれば剣、槍、引きちぎるとなんでもできる。
スパスパ切られても何故か減らない。


869 : 博麗霊夢&ライダー  ◆GtFm46jtBI :2014/07/06(日) 14:50:32 rUy1C9nA0

【人物背景】
“東方不敗”の異名をもつ、もっぱらこの名で呼ばれており、知名度の高さが伺える。
地球の守護者"キング・オブ・ハート"の先代であり、現在のキング・オブ・ハート「ドモン・カッシュ」の師匠。
ガンダムファイト第12回大会の"ガンダム・ザ・ガンダム"に輝き、それまでの銃火器重視の風潮から、健全な格闘戦への回帰をもたらした英雄。
自然の力を使う"流派東方不敗"を編み出し、ドモンに授けた。
生前は地球再生のためにデビルガンダムを利用して人類抹殺を企んだが、愛弟子のドモンに諭され過ちに気づいた事と、世間に目的を知られていないことから反英霊になることはなかった。
【サーヴァントとしての願い】
地球再生だったが、今は無し。霊夢の方針に従う。
【基本戦術、方針、運用法】
{戦術}基本的にその高い戦闘力で相手を叩きのめす。
拳を交え、相手の考えが害悪でないのなら戦闘しつつちょっと諭してみたりする。

{方針}聖杯を見つけ、壊す。邪魔者は倒すのみ。

{運用法}基本的に生身の戦闘で負けることは無いだろう。
しかし、いかに霊夢が高い霊力を持っているとしてもマスターガンダムの乱用は無謀の一言。
相手の宝具にも魔力消費の少ないモビルホースやクーロンガンダムなどでうまく対処することが大事。
いつ病の具合が悪くなるかわからないので、素早く決着をつけよう!

【マスター】
博麗霊夢@東方projectシリーズ
【参加方法】
神社に奉納されていた、『ゴフェルの木片』が発動。
【マスターとしての願い】
さっさと終わらせて幻想郷に帰る。
【weapon】
御幣や封魔針、御札、陰陽玉などの妖怪退治装備:霊夢の霊力が宿っているため強力な武器である。
【能力・技能】
主に空を飛ぶ程度の能力:
その名の通り空を飛べる、つまり彼女を縛る力は存在せず、あらゆるものから宙に浮き、透明人間のような状態(無敵)になることも可能。
『夢想封印』は無敵状態で弾幕を放っているため、スペルカードルールでなければ誰も勝てない、製作者のZUNをして「作中最強は霊夢」を言わしめた要因である。
博麗の巫女としての能力:上記の武器の使用や、陣や結界を自在に操る能力だと思われる。
霊気を操る程度の能力との区別が分からないが、瞬間移動したり、霊魂を見たり、神と会話しその身に神を降ろしたりと元々、霊夢は不思議な力を色々使える。
だがそれを活用したり自慢したりはしない。

【人物背景】
博麗神社の巫女。性格は単純だが裏表が無い。
喜怒哀楽が激しく、人間・妖怪を問わず惹き付ける不思議な雰囲気の持ち主。
全ての物事に対し、一生懸命取り組むことを嫌い、常に暢気で危機感に欠ける。
何者に対しても平等に見るが、逆にいうと、誰に対しても仲間として見ない。
彼女の周りには多くの人が集まるが常に自分一人である。実は冷たい人間なのかも知れない。
凄まじく勘が鋭く、もはや予知の域とも呼べるほど。
体術にしても妖術にしても、修行は不足気味(というか殆どしない)だが、余りある天性のセンスでカバーしていて、人とは思えない位にもの凄く強い。
【方針】
早く幻想郷に帰りたいので聖杯を探して壊す。
もし、全員倒した方が早いのなら全員倒す。
どちらにせよ邪魔する奴は容赦なく倒す。協力者は拒まない。


870 : 博麗霊夢&ライダー  ◆GtFm46jtBI :2014/07/06(日) 14:53:07 rUy1C9nA0
投下終了です。

>>866のタイトルが抜けてしまいましたが、そこも「博麗霊夢&ライダー」です。


871 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:04:57 vrD8cTmc0
投下乙です。

私も宗像形&アーチャーを投下させていただきます。


872 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:06:25 vrD8cTmc0
 その変化が明確に僕の中で現れたとき、僕はすでに月見原学園から逃げるように飛び出していた。というより実際に逃げ出していた。
友人が何か僕に向かって叫んだような気がするが関係ない。
すれちがう人たちが目を丸くし、思わず振り返ってしまうような、僕が出せる本気のスピードだった。こんな身軽な状態で走るのはいつ以来だろう。
今、僕の右手に握られているのはシンプルで装飾も何もない、素材の色が強調される木刀が一本。教室を出る際に、いつの間にか僕の手に収まっていたものだ。全力で走ることにおいて煩わしい長さを持つそれは、普通ならば捨てるなり何なりするべきなのだが、何故か必要なものであると僕の直感が告げており、手放すことを許してはくれない。あまり意識しない程度の軽さなのがせめてもの救いだった。
 それほど僕は一刻も早くあの学園から、否、人のいる場所から離れてしまいたかった。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 最初は小さな歪だった。友人との会話の最中に、ふと僕の頭の片隅に「その言葉」が浮かびあがってきた。
何の変哲もない他愛のない会話のはずなのに。喧嘩していたわけでも会話の中で友人が僕を貶す言葉を言ったわけでもないにも係らず、何の前触れも脈略もなく、「殺す」という極めて物騒な言葉が僕の心の中で生まれたのだ。

「どうした宗像?急に黙り込んだりして」
「ん?ああ、いや何でもないよ」

一瞬、何故そんなことを考えてしまったのだろうと自己嫌悪に陥ったが、顔に出てしまったのだろうか、友人に怪訝に思われてしまったので慌てて僕はその場を取り繕った。友人は「ふーん」と返すと、また他愛のない会話は再会された。
疑問は残るが、きっとただの気のせいだと僕はそう楽観的に考え、今日のところは忘れてしまった。
どうしてだろう。きっと認めてしまえば欲しかったものが壊れてしまうような気がした。

 しかし、僕の予想とは裏腹に歪は日に日に登場する頻度を増やしていった。最初はカメラのフラッシュのように瞬間的に明滅する程度のものだった「殺す」は、最近ではさながら泡のように増殖し、こびり付き中々拭い去ることができない。
主観的に見ても明らかにそれは「異常」だった。
 それでも尚、僕は気のせいだと頑なに否定し続けた。


873 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:07:48 vrD8cTmc0
 そんな僕をあざ笑うかのように、

 今日、僕は人を殺したいと思った。

 友人を殺したいと思った。
 先生を殺したいと思った。
 用務員さんを殺したいと思った。
 前の席の子を殺したいと思った。
 先生に問題を解くように指名された生徒を殺したいと思った。
 落とした消しゴムを取ろうとする男子を殺したいと思った。
 休み時間に楽しそうにお喋りしている女子たちを殺したいと思った。
 黒板の文字を消す今日の日直を殺したいと思った。
 挨拶をしてきた後輩を殺したいと思った。
 さっきすれ違った誰かを殺したいと思った。                殺す
 美味しそうにお弁当を食べている彼を殺したいと思った。  殺す       殺
 髪を染めた生徒を注意する風紀委員を殺したいと思った。殺す  殺す殺す  殺す
 たくさんの本を重そうに運ぶ図書委員を殺したいと思った殺す  殺す   殺す
 必死に練習をする野球部を殺す  殺す    殺す殺す   殺   殺殺す
 トランペットを吹い殺す殺す  殺す     殺す殺     殺す殺殺す殺  殺す     殺す    殺    殺す
 走り幅と殺す    殺す  殺    殺す殺す殺す殺す 殺殺殺殺す殺す        殺す   殺す
 あの殺す 殺   殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺
 h殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す








でも同時に


 殺したくないとも思った。


874 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:10:05 vrD8cTmc0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「……………………………………」

 それから僕は、人目を忍びながらどこかの森の中へと逃げ込んだ。そして、じっと息を潜め、人を殺したい欲望を落ち着かせようと木刀を抱きかかえ祈るように蹲った。
 
 まるで久しぶりに偶然再会したかのように親しげに駆け寄ってくる殺意を、僕は日常茶飯事だったかの如く抑え続けた。

 何時間こうしていたのだろう?顔を上げ、見渡すとすでに辺りは闇に覆われていた。折り重なる葉の僅かな隙間から月の光が洩れている。
 「ふぅ」と一息つくと、ようやく僕は立ち上がった。
 ダムが決壊するかのように押し寄せた殺意は未だに心の奥底で残り火のように燻っているが問題ない。
 だっていつものことだから。

 そう、僕は全て思い出したのだ。

 箱庭学園。指名手配。殺人鬼。フラスコ計画。十三組の十三人(サーティーンパーティ)。枯れた樹海(ラストカーペット)。

 そして殺人衝動。

 何て皮肉な話だろう。記憶が戻る切欠が、よりにもよって僕の人生の中で最も僕と共にあり、最も僕が疎ましいと感じていたこの異常性(アブノーマル)だったなんて。

「…ッ!」

 不意に右手に鋭い痛みが走った。目を向けると僕の右手の甲に薄らと光が帯びている。光が痛みと共に消えると僕の甲には血のように赤い色で描かれた紋様が浮かび上がっていた。

「あなたが私のマスターですね?」

 透き通るような声だった。僕は咄嗟に木刀を構え、声のした方を睨み付ける。
 そこにいたのは小柄な少女だった。

「こんばんは、宗像形さん。私の名前は青木れいか。アーチャーのサーヴァントです」

 声の主は青を基調とする制服を着ていた。
 年齢は恐らく僕の妹と同じくらいだろう。
 日本人形を連想させるかのような髪形をした彼女は可愛いというよりも綺麗と形容したほうがしっくりくる顔立ちで僕に微笑みかけていた。




 殺したいと思った。


875 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:12:25 vrD8cTmc0
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「聖杯戦争か…」

 万能の願望機を手に入れるための殺し合い。
 正直に言って眉唾物だが、いつの間にかこの方舟とやらに拉致されて来たこと。僕の殺人衝動を一時的にだが忘れさせ、何の疑問も無く知らない学園で学生生活をおくらされたことから、その存在に対する信憑性も増してくる。
 僕が後生大事に持っていた木刀はゴフェルの木片というノアの方舟に使われたもので出来ているらしく、聖杯戦争における入場券のようなものであるそうだ。

「それで…」
「ん?」
「宗像さんはどうするおつもりですか?」

 比較的きれいな場所で腰を下ろして対面してお互い自己紹介を済ませた僕ら。思案する僕に青木れいかさんことアーチャーはそう問いかけてきた。その瞳は真っ直ぐと僕の顔をとらえて、年下であろうにも係らずどこか大人びた印象を受けた。
 どうする、とはこの殺し合いにおける今後の僕たちの方針についてだろう。
 もしも聖杯が本物でどんな願いでも叶えることができるのならば、僕の殺人衝動も消してくれるのではないか。
 僕は今日までの月見原学園での記憶を思い出す。偽の学園生活だったとは言え、それは紛れもなく僕がずっと欲しかった仲の良い友達のいる殺意とは無縁の生活だった。
 殺人衝動がなくなることであの生活をおくれるなら僕のやるべきことは決まっている。

「僕は殺し合いには乗らないよ」

「普通の生活は魅力的だったけど、僕はそれ以上に人を殺したくないんだ。まあ、少し残念だけど今まで通り、元に戻るだけの話だ」
「そうですか…」

 僕の言葉にアーチャーはどこか安心したようだが同時に少し悲しそうでもあった。一体どうしたのだろう。僕の言葉にどこか満があったのだろうか?

「それよりも、アーチャーはどうなんだい?僕が殺し合いに乗らないってことはアーチャーの願いも叶わないってことになるけど」
「私も願いなんてありません。むしろ私も個人の願いのために誰かと争うなんて間違っていると思います!」
「そうか。でも困ったな」
「どうしました?」
「これから僕たちは行動を共にしなければならない。でも僕は知っての通り人を見ると殺したくなる衝動に駆られるんだ。もしかしたら僕は恐らく途中でキミのことを殺そうとすると思う」

 他のマスターが聞いたら抱腹絶倒だろう。それは間接的な自殺以外の何者でもないと。だが事実、僕は彼女を手持ちの木刀で撲殺したい衝動をずっと押さえ続けている。
 アーチャーは少し驚いた顔をしていたが、笑みを浮かべると「大丈夫ですよ」と答えた。

「私は恐らく他のアーチャーの方々と比べると最低レベルの力しか持っていません。ですが、マスターである宗像さんの身を守ることは約束いたします。他のマスターからもサーヴァントからも、そして他ならぬ宗像さん自身からも」

 アーチャーの言葉からは人とあまり接したことの無い僕でも強い決意を読み取ることができた。先ほどの問いかけよりもずっとずっと強い眼差しだ。

「それに先ほど宗像さんは仰いましたね?また元に戻るだけだと」
「?…。ああ、そうだけど」
「この方舟を脱出は魔術について何も知らない私たちだけではきっと不可能です。この殺し合いに乗っていない魔術に精通した人たち協力を仰ぐべきです。そして、彼らと共に苦難を乗り越え方舟の脱出を目指す。……その過程ですでに彼らとは仲間(友達)になっているのではないでしょうか?」
「………」
「宗像さんが誰かを殺めたいと思ったなら私は宗像さんを全力で止めます。宗像さんが私を殺めたいと思ったのなら私は全霊で抗います。ですから宗像さん、あなたが進みたいと願った道を諦めないでください」

 ああ、この人はとても良い人だ。それこそ殺したいくらいの良い人だ。

 僕はこの聖杯戦争のパートナーがアーチャーである運命に感謝した。
 彼女の言葉通りこの戦いを通じて友達を作るのも悪くないと思った。

 だから僕がやるべき事は一つしかない。


 この聖杯戦争を


 殺す


876 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:15:09 vrD8cTmc0
 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

【マスター】
宗像形@めだかボックス

【参加方法】
暗器にゴフェルの木片で作られた木刀が混ざっていた。

【マスターとしての願い】
 聖杯戦争からの脱出。

【weapon】
ゴフェルの木片でできた木刀。
標準的な長さをしている。

【能力・技能】
殺人衝動
人を見ると殺したくなる『異常』。殺す技術に長けている。しかし逆に殺さない、殺されない技術にも秀でている。後述の理由により、宗像は攻撃が急所に当たりそうになると手元が乱れてしまう。

収納術
 明らかに許容範囲を超えているであろう量の暗器を服の内側に収納し、いつでも取り出すことができる。宗像は様々な武器を使用することはできるが、扱い自体は素人である。

【人物背景】
 箱庭学園に在籍する三年十三組の生徒。また十三組の十三人のメンバーの一人である。
他人を見れば殺すことしか考えられず、ありふれた全ての現象が殺人に通じるという思考の持ち主。5歳の時に殺人に目覚めて以降、殺人鬼として国際指名手配を受け、現在は「枯れた樹海」としてフラスコ計画への参加を条件に学園に匿われている殺人鬼である。
しかし、この国際指名手配は詐称ある。無意識に起こる殺人衝動こそ本物だが、あえて殺人者を名乗って殺意を表明し、出会い頭に凶器をひけらかし他人を遠ざけるという努力の結果、実際に殺人を犯したことは一度もない。
胸中ではそんな孤独な生き方を嫌い、異常者同士なら共感しあえるのではないかと考えフラスコ計画に参加するほどの寂しがり屋である。
後に、あることが切欠で殺人衝動は消滅することになるが、この聖杯戦争には十三組の十三人編で生徒会役員と戦う以前からの参戦である。
暗器に使おうとした木刀がたまたまゴフェルの木片を素材として作られたものだったため、参加することになった。

ちなみに彼の実家は代々、魔と戦う仕事をしているらしい。

【方針】
方舟からの脱出。殺し合いはしたくない。


877 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:17:31 vrD8cTmc0
【クラス】
アーチャー

【真名】
青木れいか@スマイルプリキュア!

【パラメーター】
筋力E(D) 耐久E(C) 敏捷E(D) 魔力E(C) 幸運C 宝具A
※()内は変身後のパラメーター。

【属性】
 秩序・善 

【クラススキル】
対魔力:E
 魔術に対する守り。無効化はできず、ダメージを多少削減するのみ。

【保有スキル】
変化:C
 スマイルパクトを使い”キュアビューティ”に変身できる。変身前と変身後でパラメーターは異なる。

凍結:D
 触れたものを凍らせる能力。氷の剣はこの能力により生み出される。

女神道:C
 プリキュアとしての正しい道を貫き通す強い決意と不屈の意志。威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化し、ある程度の精神汚染に耐性がある。

結界掌握:A
 他の誰かが展開した結界または固有結界の内部にいる際、その結界を掌握、支配することができるスキル。結界の機能を停止、破壊することが可能である。また、後述の宝具の発動に繋げることができる。

【宝具】
『蒼き女神の息吹(プリキュア・ビューティブリザード)』
ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:10人
 アーチャーがスマイルパクトに力を込めることにより発動する宝具。今まで数多くのアカンベェを倒してきたアーチャーの代名詞とも呼ぶべき青い吹雪である。足元に放てば相手を拘束し、空中に放てば雪を降らすことができるなど汎用性が広い。
 氷の弓矢を生み出し、貫通力の高い一撃で相手を射る【蒼き女神の穿撃(プリキュア・ビューティブリザード・アロー)】の使用も可能。この場合最大補足は1人となる。
 
『無限の氷製(スノウ・クイン・アレンデル)』
ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:???? 最大補足:????
 スキル「結界掌握」により、相手の結界を掌握したときのみに発動できる宝具。展開されている結界を掌握、その魔力を利用し、氷の剣で覆われた固有結界へと作り変える。宿敵バッドエンド王国の幹部、ジョーカーとの戦いにおいてバッドエンド空間を作り変えることで勝利の糸口を掴み取ることができた技である。
この世界においてアーチャーの魔力は1ランク上昇し、氷の剣や盾などの武器を無限に生成することができる。また、その体を刺すような超低温によって他のサーヴァントの俊敏を1ランク下げる。

【weapon】
スマイルパクト
 キュアビューティの変身に欠かせないコンパクト。中央にリボン型のデコルを装着することで変身する。宝具【蒼き女神の息吹】はこれに力を込め、発動が可能となる。

キュアデコル
 アーチャーのいた世界における「幸せの力の源」で、様々なデコレーションパーツの形をしている。数十種類のデコルが存在するが、アーチャーが使用できるのは以下の3つである。

 ・リボン…キュアビューティに変身。
 ・ちょうちょ…飛翔能力の付加。
 ・イルカ…水中での呼吸を可能にし、高速で泳げるようになる。

氷の剣(アイスソード)
 アーチャーが自身の能力で生み出す氷で出来た剣。通常この武器は二つまでしか作ることができない。二本の剣の柄をくっつけることで弓に変化させ、【蒼き女神の穿撃】を使用する。


878 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:18:25 vrD8cTmc0
【人物背景】
 かつて地球をバッドエンド王国の侵略から救った5人の伝説の戦士、プリキュアの一人。七色ヶ丘中学校に通う少女。頭脳明晰、容姿端麗で、入学から現在まで学年トップの成績を維持し続けていた優等生であり、絵に描いたような才色兼備の大和撫子。その反面、自分の思っていることを他の人にどのように伝えたらいいのか分からないという欠点があったが、それは後に克服した。生まれが古風な家庭環境育のため浮世離れした一面もあり、時折突拍子もない行動に出ては周囲を驚かせる天然ボケな面もある。
 五人の戦士の中では参謀役の立場にある。他の4人の戦士が見抜けなかったことや対応しきれないことを冷静に観察して見破ったりあっさり適応したりするなど、適応力と洞察力にも長けており、チームには必要不可欠な存在である。仮にれいかがチームに存在しなかった場合、全滅もありえた戦いが幾度かあった。また、バッドエンド王国幹部のジョーカーからもその能力を危険視されており、5人がかりで倒せなかったジョーカーを一人で退けるなど、戦闘力の高さも伺えられる。
 「正しき道を行く」という言葉に大きなアイデンティティーを持っており、しばしば「道」という単語を文字や言葉に表している。

 本来参加の意思が無く召喚されないはずの英霊だが、己の殺人衝動に苦しみながらも人を傷つけまいと孤独の道を歩む宗像に感動し、そんな彼を助けたいと参戦に応じた。

【サーヴァントの願い】
 方舟からの脱出。

【基本戦術、方針、運用法】
 変身してもステータスは全体的にあまり高いとは言えないので、武器を打ち合いながらも知略をめぐらせて戦うのが基本スタイル。いかにデコルとビューティブリザードを用いて上手く立ち回るかが鍵となってくる。アニメには登場しなかった能力の応用を試みても良いだろう。
 相手を選んだ闘いも重要である。精神攻撃を仕掛けてくるサーヴァント、固有結界を切り札とするサーヴァントにはとても相性が良く、戦闘を有利に進められる。スキル結界掌握で相手の意表を突き、一発逆転を狙うのもアリ。
何かの情報媒体によりマスターである宗像の経歴を知られた場合や殺気に敏感なサーヴァントが宗像と遭遇した場合などで誤解フラグが立ってしまう可能性がある。なので他のマスターとの共闘は状況によって困難となる。


879 : 宗像形&アーチャー  ◆K5TysXl7Yw :2014/07/06(日) 15:21:24 vrD8cTmc0
以上で投下終了です。

宝具考えるの楽しいけど悩みますね。(汗)


880 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:54:35 YhtWPqDg0
投下乙です
自分も立花響&キャスター分を投下させていただきます


881 : 立花響&キャスター分 ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:55:05 YhtWPqDg0
「どうしても、駄目ですか」
 無駄と分かっていながらも、立花響は聞かずにはいられなかった。
「うん。戦いはあたしに任せてほしい。今の響の状態じゃ、戦うのはちょっと危険すぎるからね」
 サーヴァントから返ってきた返事は、予想の範囲内だった。
「でも、誰かにばっかり戦わせて、自分は後ろで見てばかりだなんて――」
「ホントは響の方がよく分かってるんでしょ? 次にそのギアを纏ったら、その場で死んじゃうかもしれないって」
 立花響は病気だった。
 槍型聖遺物・ガングニール――体に融合したそれの、強すぎる力に苦しめられていた。
 適度に運用していたのであれば、人々を助けるために使える、頼もしく心強い力だった。
 しかし神々の遺産は、人の身に余る力を発揮して、響を蝕んでしまっていた。
 このままでは力関係が逆転し、自分が槍の一部として、物言わぬ石塊となってしまうかもしれない。
 キャスターのクラスで召喚された従者は、それを危ぶんで制止したのだ。
 戦いは自分だけでするから、響はシンフォギアの力を使わず、後ろで見守っていてほしいと。
「………」
 それはとても耐えられないことだ。
 誰かが傷ついている姿を、黙って見ていることなどできない。
 自分が何もしないせいで、誰かが傷つくことになるなど、到底受け入れられたことではない。
「……まぁ、気持ちは分かるよ」
 そう思い悩む響の心を気遣ったのも、また同じキャスターだった。
「あたしもさ、黙って見てるってのは性分じゃないから。
 助けられたかもしれない人が、目の前で傷つくのは耐えられないって……あたしもそう思うから」
「キャスター……」
「だけど響には、帰りを待ってる人がいる。命を懸けるべき場所は他にある。そうでしょ?」
 言いながら、キャスターの右手が響に伸びる。
 ぽんと頭の上に置かれ、髪の毛を優しい手つきで撫でる。
「その人のことを思うなら、この場の戦いはあたしに任せて。あたしがその人達のためにも、必ず響を守るから」
 まるで母や祖母のように――否、年齢的には姉のように、か。
 兄弟姉妹はいなかったが、もしいたらこんな感じなのだろうか。
 にっこりと笑うキャスターを見ながら、響はそう思っていた。
「……どうして、キャスターは……」
 それでも、分からないことがある。
 どうして初対面である自分のことを、そこまで思ってくれているのだろうか。
 それが気になって、我知らず、そんなことを呟いていた。
「君がマスターとして目覚めた時、君のことがちょっとだけ見えた」
 キャスターはその問いかけに、そう返していた。
「似てると思ったんだ。あたしと君とは」
 多くの人間が犠牲になった。その屍の上に立ち、結果生き残った命だった。
 片方は自分に備わった暴力で、他人を傷つけることを恐れた。
 片方は生き残ったことを責められ、犠牲の重さに押し潰された。
 そしてそれぞれが立ち直り、誰かを守るための力を欲した。
 その手を窮地の最中へと伸ばし、救いを求める者を救うためだ。
 二度と犠牲を増やすことなく、全てを救うための道を、真っ直ぐに一直線に切り拓くためだ。
 そして2人はそのために、茨の道を歩み続け、幾度となく傷つき続けてきた。


882 : 立花響&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:56:35 YhtWPqDg0
「だから、ほっとけないと思った。響を助けて、この戦いを生き残って……元の世界に帰してあげたいと思った」
 だからこそ召喚に応じて、ここへやって来たのだと、言った。
「それに、あたしには弟がいるんだ。血が繋がってないから、弟分、みたいな感じだけど」
 ちょうど目の前の響と、同い歳くらいになる弟だと。
 その弟と響の姿が、ダブって見えたのかもしれないと。
 キャスターは最後に、そう付け加えた。
「……正直、私はまだ迷ってます」
 一拍の間を置いて、響が答える。
「何でも願いを叶えてくれる……その聖杯が欲しくないと言えば、嘘になります。
 その力があれば、胸のガングニールを、元に戻すこともできるかもしれない……」
 シンフォギアの融合を抑えられれば、また昔のように戦うことができる。
 そうすれば皆の力となって、守るべき人々を守ることができる。
 あらゆる願いを叶える願望器なら、それを実現できる可能性がある。
「だけど、そのために他の人達と戦うことが、本当に正しいことなのか……」
「他の人を傷つけてまで、自分の願いを押し通すのが、本当に許されることなのか」
 言葉を続けたキャスターに、響は無言で頷いた。
「……そのことも、私の体のことも含めて、今後どうするかはまだ分かりません。
 どうしても必要だと思った時には、私も胸のギアを纏って、戦いに出ることがあるかもしれない」
 それでも。
 本当の窮地が訪れない限りは。
 そして万能の器を、この手に掴みたいと決めた時には。
「その時は、キャスター……いえ、スバルさん。私は貴方を頼ります。貴方の力と心を信じます。
 どうかその時には、私に力を貸してください」
 それだけは迷うことなき本心だった。
 毅然とした瞳で、己がサーヴァントを真っ直ぐに見据え、右手を目の前に差し出した。
 この人ならば信じられる。
 同じ想いを胸に抱いた、この人と共になら戦える。
 響はそう確信し、心を繋ぐための手を、キャスターに向かって差し出した。
「……オーケー、マスター。君の願いはあたしが叶える。君の道はあたしが拓く」
 最速で最短で一直線に。
 その先にある希望を信じて。
「だけど、貫くものは君の意志。あたしはそれを尊重する」
 キャスターのサーヴァント、スバル・ナカジマ。
 呪われた体を持って生まれ、その力で人を救えると信じ、そのために戦い続けた女性。
 陸の守護者と謳われて、命の最前線に立ち、多くの人々を救ってきた、生まれながらのレスキューフォース。
「だから、一緒に頑張ろう」
 その暖かな右手が、力強く、響の手を握り返した。


883 : 立花響&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:57:19 YhtWPqDg0
【マスター】立花響
【出典】戦姫絶唱シンフォギアG
【性別】女性

【参加方法】
『ゴフェルの木片』による召喚。未来との外出中、町の中で木片が混入したものに触れてしまった

【マスターとしての願い】
ガングニールの過剰融合を抑えたい

【weapon】
ガングニール
 北欧の軍神オーディンの槍から生み出されたシンフォギア。
 本人の潜在意識により、アームドギアは具現化せず、四肢のパワージャッキを活かした格闘戦を行う。
 通常のシンフォギアと異なり、響の肉体と融合している。

【能力・技能】
融合症例第一号
 シンフォギアと人体が融合した状態を指す。
 起動や運用方法については、通常のシンフォギアと変わらないが、
 聖遺物のエネルギーが直接人体に行き渡っていることもあり、通常以上の出力や回復力を発揮している。
 しかし現在はその融合が、必要以上に進行してしまい、
 変身することで逆にシンフォギアに取り込まれてしまう危険性を孕んでいる。

シンフォギア適合者
 神話の遺産・聖遺物から生み出された、FG式回天特機装束・シンフォギアを扱う技術である。
 本人には元より適合する資質があったのだが、現在はシンフォギアと融合しているため、あまり重要なスキルではない。

格闘術
 師匠・風鳴弦十郎の下で磨き上げた格闘術。
 元々弦十郎の格闘術自体が、映画のアクションシーンを模倣・再現したものなので、特定の流派に依るものではない。
 ボクシング、ジークンドー、果ては中国拳法の八極拳まで、様々な拳法のスタイルがごちゃ混ぜになっている。

【人物背景】
「私は立花響、16歳ッ!
 誕生日は9月の13日で、血液型はO型ッ! 身長はこの間の測定では157cmッ!
 体重は、もう少し仲良くなったら教えてあげるッ! 趣味は人助けで、好きなものはごはん&ごはんッ!
 後は……彼氏いない歴は年齢と同じッ!」

特異災害対策機動部二課に協力する、第3号聖遺物・ガングニールのシンフォギア装者。
2年前のツヴァイウィングのライブに際し、胸に聖遺物の破片を受け、融合症例第一号となる。
その後は誤解から迫害を受け、心にも深い傷を負ったが、
友人・小日向未来の献身もあり、反対に「人のぬくもり」の尊さを知ることになった。

かつてのトラウマは乗り越えており、底抜けに明るく元気な性格。
困っている人を放っておけず、率先して誰かの助けになろうとするタイプ。
しかしその性質は、ライブ会場で他の犠牲者の代わりに生き残ってしまったという認識に端を発しており、
戦いから遠ざけられた時には、反動で強い無力感に囚われてしまう。

【方針】
聖杯に魅力は感じるが、そのために聖杯戦争に乗るのが正しいのかどうかは悩み中


884 : 立花響&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:58:04 YhtWPqDg0
【クラス】キャスター
【真名】スバル・ナカジマ
【出典】魔法少女リリカルなのはForce
【性別】女性
【属性】中立・善

【パラメーター】
筋力:B 耐久:C+ 敏捷:B 魔力:A 幸運:C 宝具:C

【クラススキル】
陣地作成:C
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 小規模な”工房”の形成が可能。

道具作成:C
 魔力カートリッジなど、魔術的な道具を作成する技能。

【保有スキル】
勇猛:A
 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

戦闘続行:B
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

振動破砕:C
 戦闘機人・タイプゼロセカンドのIS(インヒューレント・スキル)。
 四肢を超速振動させ、破壊力を向上させることができる。
 発動時には打撃攻撃力に補正が生じ、特に無機物に対しては、その補正値が2倍となる。

【宝具】
『進化せし鋼鉄の走者(マッハキャリバーAX)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
 スバルが魔術を行使する際に触媒とする、ローラーブレード型のインテリジェント・デバイス。
 並外れたスタミナを持つスバルの体質に合わせてチューンされており、
 燃費を食う分高い出力と強度を実現している。
 スバルとマッハキャリバーのAIとの絆は深く、グリップ制御や足場形成のタイミングなど、
 一部の判断をAIに委ねており、状況に応じた高い対応力を発揮している。
 更にフルドライブ「ギア・エクセリオン」時には、瞬間突撃システム「A.C.S」を展開。
 更なる加速力を得ると同時に、魔力・戦闘機人エネルギーの同時発動も可能となる。
 魔力の使用効率を向上させるための宝具であり、これ自体が特別な性質を持っているわけではない。
 彼女が使用できる魔法は、以下の通り。
  ・リボルバーキャノン
   右拳に魔力を纏い、威力をアップさせる。
  ・リボルバーシュート
   リボルバーキャノンの魔力を弾丸とし、右拳から発射する。
  ・ウイングロード
   魔力で空中に道を形成し、限定空戦を可能とする。
  ・プロテクション
   魔力バリアを展開する防御魔法。
  ・バリアブレイク
   敵の防御術式に介入し、破壊することに特化した魔法。
  ・ディバインバスター
   右拳から魔力の奔流を発する砲撃魔法。
   スバルには適性がなかったため、10メートルほどの射程しかなく、主にゼロ距離発射する形で用いられる。


885 : ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 15:58:56 RhrQZdXg0
皆さん投下お疲れ様です。こちらも投下します。


886 : 立花響&キャスター ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:58:58 YhtWPqDg0
【weapon】
リボルバーナックル
 スバルの右前腕に装着される、グローブ型のアームドデバイス。「進化せし鋼鉄の具足(マッハキャリバーAX)」発動時に、同時展開される。
 スバルの攻撃の要であり、同時に魔力カートリッジの運用を受け持っている。AIは搭載されていない。
 魔力や衝撃波を発する補助装置として、「ナックルスピナー」と呼ばれるタービンが搭載されている。

ソードブレイカー
 スバルの左前腕に装着される、長手袋型の装備。「進化せし鋼鉄の具足(マッハキャリバーAX)」発動時に、同時展開される。
 「格闘戦技使用者向けの防衛装備」とされており、装備者のエネルギーを体内循環させることで、防御力を効率的に高めることができる。
 更には、スバルの振動破砕をチューニングすることによって、敵の武器を破壊し、武器攻撃に対する迎撃効率を高めることが可能。

【人物背景】
時空管理局員で、ミッドチルダの港湾警備隊防災課特別救助隊セカンドチームに所属する防災士長。21歳。
コールサインはソードフィッシュ1。
ソードフィッシュ隊の分隊長を務めているが、これは単独行動をしやすくするための措置であり、事実上のワンマンアーミーである。
優れた身体能力と魔力は、「人命救助のために生まれ育った」とすら称されている。
純粋な人間ではなく、生まれつき機械改造を施された「戦闘機人」であり、要するにサイボーグである。

明るく社交的な性格で、誰とでも打ち解けることができる。
10代の頃にはやんちゃな側面もあったが、現在はやや落ち着いており、面倒見のいいお姉さんといった様子になっている。
一方、元々は気弱で臆病な性格だったこともあり、精神的な打たれ弱さは、未だに尾を引いている部分がある。
そのため、レスキューの現場で助けられなかった人間に対する後悔の念は強く、犠牲が出る度に無力感を覚えている。
おまけにそうした苦しみを、あまり人には見せず1人で抱え込もうとするため、かえって周囲を心配させてしまうことも。
人が傷つくくらいなら、自分が代わりに傷つくことで、その人を守ることを選ぶタイプ。
表向きには切り替えは早い方であり、後悔をバネに更なる研鑽を積み、1人でも多くの人を助けられるよう努めている。

格闘技法「シューティングアーツ」を駆使した、近接戦闘型の魔導師で、特に打撃のパワーに優れる。
魔力により肉体を強化し、一気呵成に攻め立てるスタイルを取っている。

【サーヴァントとしての願い】
響を支えたい。聖杯を自分で使うのではなく、響に使わせてあげたい

【基本戦術、方針、運用法】
距離を取って魔法をぶつけるのではなく、魔力を込めた肉体で殴りかかる、近接戦闘型の魔術師。
反面、遠距離戦闘には弱く、キャスターでありながらセイバーのような運用法が求められる、一風変わったサーヴァントである。
自身・マスター共に魔力量は多いので、陣地内であれば、スタミナの続くままに暴れ回ることができる。
特に「進化せし鋼鉄の走者(マッハキャリバーAX)」の性質上、入り組んだ地形でも最大限のポテンシャルを発揮できるので、
敵が動きにくいような場所を狙って陣地を形成するようにしよう。


887 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 15:59:45 YhtWPqDg0
投下は以上です


888 : 折原臨也&アサシン ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:01:46 RhrQZdXg0

第一問 それでも、世界は□□に満ちている。



なにかがおかしい。

「また俺の勝ちっと。君は本当に、クールなフリをしてコロコロと表情を変えるねえ」

「……今のは、運が悪かっただけだ」

「そういうことにしておいてあげるよ」

それは、雇い主がまたぞろ女子を連れ込んで、仕事もせずにトランプに興じているから――ではなく。
それは、何故か今更になって雇い主がはまりだした黒魔術的なグッズが、毎日のように事務所の余剰スペースを圧迫していっていること――でもなく。
それは、ここ最近における事務所のカレー率が異常な程高いこと――なわけがなく。

この、身体の奥から染み出るような違和感はなんだ。
何か大事なものが欠落しているような。燃えたぎるマグマのような感情をどこかにおいてきてしまったような。

――そもそも、私はどうしてこの男のもとで働いている?

失敗したからだ。
会社の金を使い、裏の人間たちを使い。
そして失敗し、無様にこの男の小間使いとして生きていくしかなくなったからだ。
だが、矢霧波江は、そもそも自分が誰のために何をしようとしたのか、全く思い出すことができなかった。
自分の願いを、思い出すことができなかった。

「……はぁ」

二人に聞こえぬよう小さく小さく溜息を吐く。もどかしさは一向に収まらない。
気分転換にデスクを離れると、このイライラをぶつける対象としては最適な優男が、次はテレビゲームをおっぱじめようとしていた。

「その子に首ったけになってないで、仕事しなさい」

「え〜。だって波江さんが優秀すぎて、俺はデスクに座ってもネットサーフィンかチャットで遊ぶくらいしかすることがないよ」

「……首」「チャット……」

「どうしたの?なにか『思い出した』?」

「……いえ、なんでもないわ」

この男にだけは心配されたくないと、真顔を装う。

「あなたも、こんなめんどくさい男と付き合わないほうがいい」

話題をそらそうと、ここ最近この事務所に入り浸っている少女へと言葉を投げた。


889 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:02:41 RhrQZdXg0

「分かってる。でも、しょうがないんだ」

テレビ画面に映るのは剣を持った勇者に、弓を引く狩人、黒いオーラを放つ大男。
既に何度目かのプレイだからだろう。少女は迷わずムービーをすっとばし対戦画面へ。王女と闇の民のコンビを選択する。

「こいつと私は一蓮托生だから」

口を噤む。波江はこれ以上踏み込まないことにした。関わらないことにした。
どんな事情があるのかはわからないが、この少女もまた、折原臨也の口車に乗せられて破滅していくのだろう。
それを哀れだとは思うが、深く関わりすぎて引きずり込まれるのは御免だ。

「あれ?波江さん、もしかして俺と兎角ちゃんの絆に嫉妬してるのかな?」

「「それはない」」

少女――兎角というらしい。変わった名前だ――と息のあった連携を見せ、話を打ち切る。
それから波江はテキパキと仕事を片付けた。最後に「ここ数週間における行方不明事件の増加」に関するファイルを整理し、お仕事完了だ。
頭に渦巻くモヤモヤに飲まれるほど彼女は出来ない人間ではないし、周りにそう思われたくもない。
今日も定時あがりだ。「あの子」の大好きなシチューを作るために、スーパーに寄らなければ、



――――「あの子」とはいったい、誰だっただろう?







「一蓮托生、か。君にしてはなかなか気の利いた言葉を使ったねえ」

「事実を言ったまでだ」

テレビ画面の中でゴリラを楽しそうにハメ殺しながら、男――折原臨也はマスターとして、自らのサーヴァントをこう評する。

「『人を殺せない』アサシンと運命を共にするなんて、俺じゃなかったら絶望してるとこだよ、兎角ちゃん」

東兎角。アサシン(暗殺者)のサーヴァント。
彼女は、とある暗示によって人を殺せない。
戦争を、殺し合いをする上で最も使えないサーヴァントとして、彼女はこの地に呼び出されていた。

「お前だってハッキングに失敗して参加者になったんだろ」

「人聞きの悪いこと言わないでよ兎角ちゃん!ルーラーにBANされたらどうするのさ」

どこまでも底を見せない、わざとらしい笑顔を貼りつけながら、臨也は嘯く。

「まあ、俺の目的はこの聖杯戦争に勝ち抜くことじゃないしね。だから君が人を殺せなくても、問題はない」


890 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:03:15 RhrQZdXg0

「聖杯が人間にとって必要かどうか見極める、だったか。よくわからないな」

「俺は人間を愛しているからね。ちょっとした保護者な気分だよ」

気持ち悪い。臨也の言葉をそう切り捨てながら、兎角は自分の目的に思いを馳せる。
英霊となってまで。人を殺せないという呪いを背負ったままでも。この聖杯戦争に参加した理由。

「晴。待ってろ」

一ノ瀬晴に、幸せな生活を送らせる。
晴の一族からも手を引かせ、彼女の持つ特殊な能力も消し去り、彼女がずっと笑顔のまま生きていけるようにする。
それが、東兎角というちっぽけな英霊がサーヴァントとして戦う理由だ。

「ここに来て色々調べたけど、どうやら晴ちゃんが持つその特殊な力は、魅了〈チャーム〉魔法の一種みたいだね」

「治す方法は」

「誰かにかけられたものなら色々と解除のしようもあるんだろうけど、持って生まれたものについてはどうにも。
もしも聖杯に頼らないなら、事情を説明してご高名な魔術師様に聞くのが一番早いんじゃないかな」

「そいつらの居場所は」

「目下調査中。いくつか当たりは付けてる。
キャスターのクラスはアサシンと並んで最初は居場所を隠すのが定石らしいし、この街の情報網を早めに構築できて良かったよ」



「それで」


ここからが本番だ、とでもいうように。区切りをつけて。

「方法は、見つかったのか」

「いや、それが全然」

「……やる気あるのか」

「しょうがないよ。そもそも、まだ全員揃ってないっぽいんだし。戦争が始まれば、なにかしらチャンスは来るさ」

なんのことかお互いに口には出さない。
先ほどの臨也の言ではないが、どれだけルーラーに監視されているのか分からないのだ。
出会った当初に兎角が何の警戒もせずに口に出したことがあるのだが、思い出してみれば冷や汗ものだった。

『一ノ瀬晴を救う方法を手に入れた後に、この方舟から脱出する』

など、運営側からすれば持ち逃げにほかならない。決して許される行為ではないだろう。
しかし、東兎角はそうすることでしか願いが叶えられない。
人を殺さず聖杯戦争に優勝する方法など、彼女には思いつかない。


891 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:03:59 RhrQZdXg0

(あるいは、『祠』がなんとかなれば)

もしも、頭の中に居座るあの祠のことを忘れてさえしまえれば。
そうすれば、マスターを狙い続けて万に一つ優勝の可能性もあるかもしれないが。
あの記憶を消し去るのはいけないことだと、自分の中に渦巻く、どうしようもない想いがある。
なにか大事なことを忘れてしまっている気がするのだが、考えれば考えるほど頭の中に霧が立ち込めるようで、どうしても思い出せない。

思考を断ち切るような、着信音。兎角のポケットからだ。
アサシンとしてはどう考えても不要なはずの携帯。ご丁寧に、兎角が人間として生きていた頃に持っていた機種だった。
何故かサーヴァントとして現界した当初から持っていたそれが、メールの着信を知らせている。

「…………」

「露骨に嫌そうな顔をするね。だれ?」

あの男から、特に意味のないメールが届いていた。
こんなところにまで届くのか、変態の電波。
興味深げに覗き込んだ臨也が、苦々しげな兎角とは対照的に、心底楽しそうな笑顔で呟いた。


「それでも、世界は足掻きで満ちている」


「三文字じゃなくて二文字だろ」

そもそも、勝手に人の携帯を覗くな。半眼で睨みつけても、この男は懲りる様子もない。
つくづく自分は、面倒くさい男と縁があるらしい。

「世界が足掻きで満ちているから、聖杯が存在する。二文字の箇所に三文字を入れるような、強引なルール違反をするために。
この世界を支配する抗い難き理に、足掻くために。そうは思わないかな?」

ふと、黒組を思い出す。彼女たちも、どうしようもないものに足掻くために一人の少女を殺そうとしたのだろうか。
規模もルールも違っても、そういう意味では聖杯戦争と黒組は似ているのかもしれなかった。

「そうかもな」

ならば、いつかの彼女たちに負けないように、今の私も精一杯、足掻こう。


人を殺さなくても、願いは叶えられるのだと証明しよう。


一之瀬晴のために。足掻こう。


892 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:04:30 RhrQZdXg0




(さて……兎角ちゃんを使って、どこまで聖杯に近づけるかな)

実は、折原臨也が東兎角にも話していないことがある。
彼の持つ裏の目的。表の目的である「聖杯が人間にとって有用な存在であるか確かめる」ことのさらに奥にある、その願い。
即ち。

(もしもこの聖杯が、願望機としての皮をかぶって人間という種の有り様をめちゃくちゃにしそうな場合は――破壊しなきゃね)

場合によっては、聖杯の破壊も視野に入れること。

余りにも強大すぎる聖杯という力は、世界を変容させうる。価値観も。生き方も。何もかもを変化させうる。
その結果、彼が愛する全人類が被害を被ることになってしまう事態を、折原臨也は危惧していた。
彼が望むのは、人間が人間として生きていく世界なのだから。
人間以外のものに掻き乱されては、たまったものではない。

(それを言うなら、サーヴァントって存在のことも、考える必要があるかな)

折原臨也は『人間』を愛している。
それと同時に、人間の人生を人知を超えた『力』で破壊する『化け物』を憎んでいる。
だから、彼は疑問する。果たしてサーヴァントという名の亡霊は、生者と手を取り合える『人間』なのか。
それとも、人間という存在を弄ぶために聖杯によって生み出された『化け物』なのか。

(考えるべきことは沢山ある。全問正解とまではいかなくても、赤点だけは取らずに生き残りたいもんだ)

そのためには情報が必要だ。弱い自分たちにとって、情報屋を生業とする臨也にとって、情報は「足掻き」のために必要不可欠な手札だ。
子飼いの情報源(NPC)たちから届いてくる情報を携帯から閲覧しながら、折原臨也は暗殺者のように街の闇に潜む。
東兎角も他のマスターもサーヴァントも何もかもを利用して、聖杯という理に食らいつく機会を逃さないように。
彼にとっての戦争が、静かに静かに、幕を開ける。


893 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:05:11 RhrQZdXg0




折原臨也は気付かない。
東兎角は気付かない。

既に自分たちが、一度ルーラーによって制裁を受けているということを。

参加前に方舟中枢へのハッキングを試み、聖杯そのものに近づこうとした折原臨也を制裁するために
本来は克服したはずの「祠の記憶」を再現させられた、不完全な東兎角がサーヴァントとして選ばれたということを。

今はまだ運営の掌の上にいることに、彼らはまだ気付いていない。



【クラス】アサシン
【真名】東兎角@悪魔のリドル
【パラメーター】
筋力D(C) 耐久E(D) 敏捷C(A) 魔力E 幸運E 宝具C
【属性】
混沌・善 

【クラススキル】
気配遮断:C+ (A+)
サーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

『保有スキル』

直感:C
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。視覚・聴覚に干渉する
妨害を半減させる。

気配感知:C
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
特に匂いに対しては敏感で、悪意や殺気などの「嫌な匂い」を感じ取ることができる。


894 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:05:50 RhrQZdXg0




折原臨也は気付かない。
東兎角は気付かない。

既に自分たちが、一度ルーラーによって制裁を受けているということを。

参加前に方舟中枢へのハッキングを試み、聖杯そのものに近づこうとした折原臨也を制裁するために
本来は克服したはずの「祠の記憶」を再現させられた、不完全な東兎角がサーヴァントとして選ばれたということを。

今はまだ運営の掌の上にいることに、彼らはまだ気付いていない。



【クラス】アサシン
【真名】東兎角@悪魔のリドル
【パラメーター】
筋力D(C) 耐久E(D) 敏捷C(A) 魔力E 幸運E 宝具C
【属性】
混沌・善 

【クラススキル】
気配遮断:C+ (A+)
サーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

『保有スキル』

直感:C
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。視覚・聴覚に干渉する
妨害を半減させる。

気配感知:C
気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
特に匂いに対しては敏感で、悪意や殺気などの「嫌な匂い」を感じ取ることができる。


895 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:07:08 RhrQZdXg0

宝具

『東のアズマ』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1
正確には東兎角本人の宝具ではなく、暗殺者の名家として恐れられる『東のアズマ』という彼女の家のネームバリューが宝具と化したもの。
本来ならば「裏稼業において知らぬ者のいない最強の暗殺者の血筋」という伝承補正として
戦闘時に筋力と耐久を1ランク、敏捷を2ランク上げ、隠密時にはクラススキル:気配遮断をA+に上げる優秀な効果を持つ。
が、この宝具はあくまでも「暗殺者」としての格が高いということに依拠する宝具なので
兎角のもう一つの宝具を知られてしまっている相手には効果がない。

『祠の中の殺人処女』
ランク:E 種別:対己宝具 レンジ:0 最大補足:1
東兎角が暗示を受けている「人を殺せなくなる」呪い。
兎角本人が殺害できると認識した全ての行動時に、彼女の叔母が殺された祠のイメージがフラッシュバックし、その行動がキャンセルされる。
魔術的なものですらない単なる精神的な暗示なのだが、兎角の絶対的な信仰心によってEランク宝具の域にまで昇華されてしまっている。
この宝具を所持している限り、東兎角はマスター、サーヴァント、NPC問わず「人」を殺すことができない。
更にこの宝具を知られてしまった相手に対しては、もうひとつの宝具である『東のアズマ』の効果も消滅する。
本来の東兎角はこの記憶を克服したはずなのだが、折原臨也へのペナルティとして再現させられており、本人も克服した記憶を失っている。

【weapon】
ナイフ
東兎角が戦闘時に使用するナイフ。暗殺用として最低限の殺傷力はある。

スタンガン
東兎角が靴の裏に仕込んでいるスタンガン。これ単体に殺傷力はないが、耐久力の低いサーヴァントを一時的に麻痺させることは可能だろう。


【人物背景】
アニメ「悪魔のリドル」の主人公。15歳。出席番号1番。学校を装った暗殺者養成組織「私立17学園」からミョウジョウ学園10年黒組に送り込まれた暗殺者。
ショートカットに冷ややかな顔立ちの少女。極めてクールかつ無表情で、他者との馴れ合いを好まない性格。
匂いに敏感で、特に悪意や殺気などの「嫌な匂い」は鋭く感じ取る。希望する暗殺報酬は全く無く、黒組に参加しているのはカイバに命じられているからに過ぎない。
暗殺対象の晴と寮で同室となるが、彼女と交流をするうち惹かれていき、晴のたったひとりの守護者として11人の暗殺者と戦う決意をする。
暗殺者の名家「東のアズマ」の本家の跡取りとして生まれ、一族の頭領である祖母から「ありえないもの」という意味を持つ「兎角」と名付けられた。
幼い頃から暗殺の技術を叩き込まれてきたため、得物であるナイフは接近戦でも投擲術でも、17学園の生徒を戦慄させる腕前であり、戦闘技能も極めて優れている。


896 : 折原臨也&アサシン   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:07:50 RhrQZdXg0
しかし実際は殺人経験がなく、彼女の幼い頃の出来事が原因で殺害直前になると手が震えて果たせなくなる。
アニメ版では、自分が晴のプライマー・フェロモンに操られた事で彼女を守りたいと思っていたのではないかという疑惑に囚われ、あくまで自分の意志でおこなったのだと証明する為に敢えて晴の暗殺を決意。
時を同じくして晴を暗殺しようとした鳰を倒し、襲ってきた晴の心臓にナイフを突き立てた。
それによって、自分が本心から晴を守りたいと思っていたことを確信したが、引き換えに晴の命を奪う結果となり、死にゆく晴を抱きしめながら初めて涙を流した。
幸い晴は一命を取り留め、晴の卒業式の後は以前と同じように仲睦まじく歩く姿が描かれている。
胸のサイズはBカップくらい。好きな食べ物はカレー。

【サーヴァントとしての願い】
一之瀬晴に幸せな生活を送らせる。
具体的には、晴の一族からの干渉をなくし、彼女の特殊能力、プライマー・フェロモンも消し去る。
聖杯に願えば手っ取り早いが、人を殺せない自分では優勝は不可能だと判断。方舟内で方法を探し、脱出を図る。

【基本戦術、方針、運用法】
晴を救い、方舟からも脱出するため、協力できそうな参加者と接触する。
戦闘になった場合は、できる限り気配遮断の能力を活かし逃げ切る。



【マスター】折原臨也@デュラララ!!
【参加方法】方舟中枢へのハッキングに失敗し、マスターとして聖杯戦争に参加。
【マスターとしての願い】聖杯が『人間』という種にとってどれだけ有用か確かめる。
もしも危険だと判断すれば、破壊する。手段は問わない。
【weapon】
ナイフ
折原臨也が肌身離さず持ち歩いているナイフ。
臨也自身が基本的に戦闘は好まないが、威嚇や防衛、もしくは平和島静雄との殺し合いに使用する。

【能力・技能】最大の武器はその頭脳。口と頭が回り、人心掌握という名の洗脳も行うことがある。
また、情報屋として、街のNPCたちから情報を取得するノウハウを持ち合わせている。
ナイフの扱いはそれなり(一般人には視認できない程度の手捌き)であり、人間を超えた身体能力を持つ静雄から逃げ切るためにパルクールの技術も習得している。

【人物背景】

新宿を拠点に活動する有力な情報屋。本編の多くの事件の黒幕的存在。
眉目秀麗という言葉を具現化したような痩身の美青年。フード付きの黒いコートを着ている。
頭脳労働専門だが、護身用の折りたたみ式ナイフを持ち歩いており、格闘家や静雄の攻撃をよける等運動神経はかなりのもの。
『人間』に対して歪んだ愛と哲学を持ち、陰で暗躍することが多い。「(静雄以外の)人間全員を平等に愛しており、人間観察が趣味」と公言する。
人間全てを愛しているが唯一例外として、駆け引きや理屈も通じない静雄は嫌悪しており、学生時代から犬猿の仲。
また、セルティや杏里を含め人外に当たる存在も同様に敵視し、痛烈な皮肉や嘲笑を浴びせかけることも多い。
本人は全人類を愛するため、特定の大切な人(家族、友人、恋人、ライバルなど)は不要という考えを説く。
しかしその考えとは裏腹に、唯一の友人である新羅を裏切ることになると悟った際には感情的になり電柱を殴る、妹達の危機を未然に防ごうと手を回すなど、一筋縄ではいかない感情を秘めているようである。


897 :   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:08:45 RhrQZdXg0
以上で投下終了です


898 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 16:10:58 YhtWPqDg0
拙作のキャスターの出典が間違っていたので、修正します

>>884
【出典】魔法戦記リリカルなのはForce


899 :   ◆nH0jRIQifc :2014/07/06(日) 16:15:57 RhrQZdXg0
すみません、拙作の >>896 の最後に下記を追加お願いします。

【方針】
聖杯に至るために情報を集め、協力できそうな参加者と接触する。
また、超常的な力を秘めたサーヴァントたちが『人間』か『化け物』か確かめたい。


900 : ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:29:11 lxadRI/20
皆様投下乙です。

不出来な内容ですが、七夜志貴&セイバー 投下します


901 : 七夜志貴&セイバー ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:30:11 lxadRI/20
「───いやはや、あのまま死にゆくのがお似合いだと思ったんだがな」

彼が意識を取り戻したのは、ありふれたなんの特徴もない家屋の中だった。
椅子に腰掛けながら、彼は右手の甲に刻まれた令呪を眺める。
───聖杯戦争。マスターの証。

義理も果たした。
未練も振り切った。
自分としての誇りも精算した。
故に彼の今の願いなど何もなく。
ここにいる意味などないはず。

───だが。

「ああ───そうか、最後に願っちまったな」

自身の命が消える最後の瞬間。
願ってしまった。
未練ができてしまった。
───あと一秒でもいいから。あの殺し合いを長く続けたかった。
その願いに、ゴフェルの木片が反応したのかもしれない。

「───まあいいさ。こちらはもとより存在しないもの。
こうしてまた機会を与えられたというのなら、好きにさせてもらうさ」

「ほう。ではどうしようというのかね?」

声に反応して彼が振り向いた先にいたのは、青い軍服を携えた老人。
しかしその身体は歳に似つかないほど鍛えあげられているのが、その雰囲気のみで理解できた。
この威圧感。この存在感。
間違いなく───

「───あんたが、俺のサーヴァントかい?」

「如何にも」

返される肯定の意。

「今回の聖杯戦争にてセイバーのクラスとして現界した。
真名───キング・ブラッドレイ」

「へぇ、キング、ねえ」

その名を聞いた彼はセイバーに薄い笑みを浮かべながら、一人思う。
───キング、ということはどこかの王サマという訳か。
───暗殺者に王サマを与えるとは、聖杯とやらはよほど皮肉が好きと見える。

「では聞こうか、マスター。
貴様はこの聖杯戦争にて何を望む?」

「何、言うならば俺は死に際を逃した亡霊みたいなものだ。今更願いなんて───」

不意に、言葉が止まる。
少し、思案する。
マスターとしての願いなどない。
だが、みすみす殺されるつもりもない。
ならば───好きなように、衝動に任せて生きるのも悪くはない。

「───いや、あったな。限界まで燃え尽きるほどの殺し合いを」


902 : 七夜志貴&セイバー ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:32:21 lxadRI/20
顔に笑みを浮かべながら放ったその言葉を聞いたセイバーは、少々驚いたような顔をした後───ニヤリ、と笑う。

「はっはっは───いいだろう、マスター。
この私が、君に呼ばれた理由がわかった気がするよ」

「へえ、じゃああんたの願いも聞かせて貰おうか」

「私の願い?そうだな」

セイバーは自身の武器である刀に手を伸ばす。
そこにあるのは、二振りの刀。
なんの変哲のない、ただの刀。
しかし───このセイバーが扱えば、どのような武器でも一流の性能を得たかのような活躍が可能である。

「マスター。貴様は死に直面したことはあるか?」

「・・・?」

「そのような状況になるとな。純粋に『死ぬまで闘い抜いてやろう』という気持ちしか湧いてこんのだよ」
「地位も」「経歴も」「出自も」「人種も」「性別も」
「名も、何も要らん───
何にも縛られず、誰のためでもなくただ闘う───それが心地良い」

「───私はそのような闘いを、再び味わいたい。
この歴戦の英雄が集まるこの聖杯戦争ならば、その願いも叶うやもしれん」

セイバーの生前。
この世に別れを告げる今際の際の、全てを出し切った闘い。
縛られることなど何もなく、背負うものなど何もなく。
ただ死ぬまで闘い続けたあの至高の時間を、もう一度。

「ああ、いいよ、あんた。最高だ。
最初はセイバーなんて、キングなんておれには似合わないサーヴァントだと思っていたが───存外、似たもの同士らしい」

マスターは燃え尽きるような殺し合いを。
サーヴァントは全てを出し切る最高の戦闘を。
二人が今際の際に味わった最高の時間を、再び。

「でもセイバー。女子供はなるべく相手にするなよ」

「ほう。マスター、貴様にフェミニストの気があるとはな」

「別にそんなものはないさ。元・ご主人様から言われててね。無理そうなら殺しても構わない」

「了解した」

セイバーに異論はない。
サーヴァントはマスターの意向に従うもの。
相手にしないで済むような女子供をわざわざ相手にするほど、セイバーは暇ではない。
しかしその女子供がこちらと同等に張り合えるような戦士だった場合は───無論、斬って捨てるが。
彼も同じ。
殺して楽しそうだと判断した場合な、躊躇なく殺そう。

「ああ、そうだマスター。まだ君の名を聞いていなかったな」

「名前?ああ、そうだな───」

忘れていた、というような反応でセイバーが語りかける。
マスターとサーヴァントの意思疎通。
聖杯戦争に臨むにあたって、必要なことの一つ。
名前を知らないのでは、できることもできなくなる。
マスターの彼は懐から持ち出した長方形のものを月夜に照らし、ニヤリと笑う。
瞬間。
ジャギリ、と音をたてて刃が姿を現す。

「『七夜志貴』───ただの、殺人鬼だよ」


903 : 七夜志貴&セイバー ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:33:51 lxadRI/20
【クラス】
セイバー
【真名】
キング・ブラッドレイ
【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷A+ 魔力B 幸運C 宝具A
【属性】
 秩序・中庸
【クラススキル】
対魔力:C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。
  魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
戦闘続行:B 窮地における生命力の強さ。
  瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

無窮の武練:A+ 一つの時代で無双を誇るまでに到達した無芸の手練。
  心技体の完全な合一により、いかなる地形、戦術状況下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。

人造人間:C 賢者の石によって作られた人造人間に与えられるスキル。
賢者の石自体が魔力炉となっており、ある程度の魔力を補給できる。
しかしセイバーの賢者の石は石の魂とベースになった人間の魂との抗争で大分摩耗しており、生成できる魔力はそう多くない。


904 : 七夜志貴&セイバー ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:37:04 lxadRI/20
【宝具】
『左眼に刻まれし最強の由縁(さいきょうのめ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:ー 最大補足:ー

彼の眼帯に隠された左眼が宝具となったもの。魔眼の一つ。
解放すると飛び交う投擲物・射出物の軌道すら視認可能になる凄まじい動体視力を手に入れる。
持ち前の剣技、戦闘経験や戦闘技術と組み合わせることで歴戦の猛者複数人を相手にしても引けをとらないどころか圧倒するほどの戦闘力を得る。
そのズバ抜けた動体視力により、相手の挙動、技、技術を読むことで真名を看破するといった使い方も可能であり、解放と同時に矢除けの加護:B相当のスキルを獲得できる。
魔力消費は少ないが、左眼に刻まれているウロボロスの紋章を隠すために眼帯で封印されている。
生前はこの眼と戦闘技術により、軍隊や兵器をも斬り伏せ、次々と猛者を薙ぎ倒したという。
【weapon】
軍刀×5
アメストリス軍の一般兵も使用するサーベル。
しかしセイバーが使うことにより、一級品並みの活躍を可能とする。
セイバーは主にこの刀を二刀流で使用する。
固有の宝具ではなく、軍における量産品のため折れても魔力消費で修復可能。
手榴弾
セイバーが生前、最終戦に臨む時に所持していた手榴弾。
【人物背景】
軍事国家アメストリス大総統、60歳。
戦場で数々の武勲をあげ、44歳の若さで独裁者として君臨した実力の持ち主。
大総統となった後は国家錬金術師制度の導入、アメストリス軍の強化などなど、アメストリスを軍事国家として更に強力に作り上げる。
その正体は「憤怒」の名を持つ7番目に造られたホムンクルス「ラース」である。
元は普通の人間で、ホムンクルス達の計画のために、幼少時よりエリートとして養成された大総統候補生の一人であり、十二番目の実験体として体に賢者の石を注入されホムンクルスとなる。
名前の「キング・ブラッドレイ」はこの時に付けられた名。
「お父様」の命によりに沿って国家の舵を取る役割を担っている。
国民からは非情な独裁者としての認識もされつつ、「ブラッドレイ以外にこの国を纏められるのか」と指導者としての信頼も得ている。
完全なるリアリストでありながら仕事を抜け出してお見舞いに向かったりとお茶目な部分も存在する。
生前の用意されたレールの上を走らされているような人生には多少の不満を抱いていた。
最後はスカーとの最終戦にて、重症&太陽光の目眩ましによる一瞬の隙をつかれて死亡。
何にも縛られない戦闘にやりがいと満足感を感じつつ、逝った。
【サーヴァントとしての願い】
地位も経歴も出自も人種も性別も名も何も関係ない、素晴らしき戦闘をもう一度。
【基本戦術、方針、運用法】
キング・ブラッドレイの最大の武器はその剣技、戦闘力である。
よって、どう接近戦に持ち込むかが最大の鍵となる。
矢除けの加護、『左眼に刻まれし最強の由縁』を駆使してできるだけ相手に近づこう。
近づいたら後はキング・ブラッドレイの一騎当千の実力の見せ所である。
剣技、投げ、体術と接近戦における技能は軒並み高く、『左眼に刻まれし最強の由縁』との併用により主導権を握った戦闘が可能。


905 : 七夜志貴&セイバー ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:38:44 lxadRI/20
【マスター】
七夜志貴@MELTY BLOOD Actress Again
【参加方法】
軋間紅摩との戦闘の後、死にゆく体の下敷きになっていたゴフェルの木片に触れた。(木片によって呼ばれたとは思っていないので現在どこに所持しているかは不明)
【マスターとしての願い】
軋間紅摩との戦闘のような、燃え尽きるような戦闘をもう一度。
【weapon】
七ツ夜
月姫本編で遠野志貴が使用していた七夜家の宝刀。飛び出し式ナイフ。
吸血鬼の攻撃を受けても壊れないほどの頑丈さを持つ。

【能力・技能】

七夜の暗殺術
 その動きは特徴的であり、壁や天井をも足場とする三次元的移動、常識では有り得ない姿勢からの移動及び攻撃、いずれも人間の限界レベルの速度でなされる。
  二本足の人間が蜘蛛の如き動きを、しかも獣の速度でなす様はまさしく奇怪にして奇跡的光景であると思われる。
  静と動のメリハリがあり、静止状態からの急加速、高い速度を維持したままでの急激な方向転換などによって、相手には実際以上に速く見える。よって並の動体視力では捉えられる事もなく、瞬時に死角へと飛び込む事を可能とする。
【人物背景】
白レンの力で「遠野志貴の普段使われない部分」が七夜として呼び起こされたものでありその七夜が白レンと契約し、マスターとなったことで彼女の夢魔の力で悪夢として残留したもの。
殺人嗜好を持ち、人を殺すことに躊躇いは持たない。
しかしActress Againでは白レンの活躍によるものか比較的丸くなっている(殺人鬼なことには変わりはないが)
Actress Againでは、七夜としての誇りを精算するため、軋間紅摩との戦闘に向かう。
その時、白レンに止められるが制止を振り切り、白レンを殺害。
軋間紅摩との殺し合いに臨み、軋間紅摩の喉を切り裂く。
その時の二分間の戦いを七夜は「十何年の人生なんて話にならない。今の二分間の充実には到底及ばない」「なんかどうでもよくなるくらい最高の時間だった」と称している。
この時点で七夜の命は既に風前の灯。
本来ならここで消えるはずだったが、消える直前にこの聖杯戦争に呼ばれた。

【方針】
燃え尽きるような最高の殺し合いをもう一度。
言いつけにより、女子供にはなるべく手を出さない(しかし白レンは既に殺害後のためいつまで守る気があるかは不明)


906 : 七夜志貴&セイバー ◆DpgFZhamPE :2014/07/06(日) 16:39:34 lxadRI/20
投下終了です


907 : ◆b/a.2INfCM :2014/07/06(日) 17:20:55 HzwsMnuA0
投下乙です。

ジャイアン&アーチャーを投下します。


908 : ジャイアン&アーチャー ◆b/a.2INfCM :2014/07/06(日) 17:21:31 HzwsMnuA0

「お、おっ!なんか出てきた!すげぇ!これが英霊(サーヴァント)ってやつか!?」

先日、聖杯戦争に参加しようとしたスネ夫から令呪と聖遺物を強奪したジャイアンは
深夜の空き地で地面に魔法陣を描き召喚の儀式を行った。
最初は半信半疑だったがしばらくすると魔法陣が光始め、中から人間が出現する。
それは、丸渕眼鏡を掛け黄色いトレンチコートを着た長身の青年であった。

「なんだかわからんが強そうじゃねぇか、よぉ、俺様はお前のご主人様のジャイアン様だ。
 よろしくな。早速だが俺の手となり足となり働いてもらうぜ」

召喚された男はジャイアンの姿をまじまじと見つめ、深く息を吐いた。

「それで、君の願いはなんだい?」
「勿論世界征服だ!ガハハハハ!」
「やめておけ、ボクは君が本当はそんなにひどい奴じゃないって知っている」
「なに!?俺様に楯突く気か?英霊(サーヴァント)の癖になまいきだぞ!おしおきしてやる!」

怒り狂ったジャイアンは背中から金属バットを取り出す。
だが次の瞬間、素早くポケットから手を抜いたトレンチコート男の指から何かが発射され、
金属バットを粉々に粉砕した。男の指には何やら小さな銃口のようなものが嵌められている。

「馬鹿なっ!?その武器は、空気ピストル!?」

ふっと笑った男が顔からゆっくりと丸渕眼鏡を外す。
男の両目はこの形状だった→(3 3)

「久し振りだねジャイアン、ボクだよ」
「のび太……!?お前なのか!?」

男の正体はドラえもんと別れた後、自分の射撃の腕を買われて社会の裏側で活躍し、
ついに英霊になった野比のび太その人であった。
その見違えるような姿をみてジャイアンは戦慄する。
今ののび太は自分がよく知っている雑魚ではない。自分など軽く倒せる立派な大人なのだ。
怯えるジャイアンの肩を叩いて再び眼鏡を掛けたのび太は笑った。

「そんなにビクつくなよ。また昔みたいに遊ぼうぜ、よろしくなジャイアン」
「おおっ!心の友よぉ!!」

感動したジャイアンはのび太の胸に飛びつきわんわん泣き出した。
友情っていいよね。


909 : ジャイアン&アーチャー ◆b/a.2INfCM :2014/07/06(日) 17:22:10 HzwsMnuA0

【マスター】
ジャイアン@ドラえもん

【参加方法】
令呪が発現したスネ夫からマスター権限を強奪した。

【マスターとしての願い】
世界を征服する。

【weapon】
金属バット

【能力・技能】
ジャイアンリサイタル
 殺人的な歌唱力を誇り、長時間聴くと死に至る。 
 
ジャイアンシチュー
 青酸カリの数十倍の致死量を持つ自慢の手料理。

ジャイアニズム
 対象の所有物を強制的に自分の所有物に変換する。発動すると二度と返ってこない。 

【人物背景】
クラスのガキ大将で、自己主張が激しく短気かつ毒舌家ゆえに高飛車で威圧感のある少年。
さらにクラスメイトの男子達(特にのび太やスネ夫)をいじめの対象とし、彼らが自分の意に沿わないと
すぐ怒鳴って暴力に訴えるため、恐れられている。
また、「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」というセリフに代表されるように、
きわめて自己中心的・自分勝手であり、強引に他人の漫画やゲームを取り上げて自分のものにしたり、
「ムシャクシャしている」という理由でのび太やスネ夫などに八つ当たりしている。
ジャイアンひとりでのび太ら4人に殴りかかることもある[。またスネ夫からラジコンを奪い、
ラジコン機が民家の敷地などに入ってしまうと、「おれ、知?らない」といってコントローラーだけを
スネ夫に突き返して逃げてしまう。執念深く、欲しい物があると持ち主にしつこくくれるよう頼む。
自身が恨んでいる者やいじめの対象とした者を降参するまで追い掛けようとする。
また、馬鹿にされるとすぐに感情的になるなど単純である。
のび太、スネ夫と比べて人の話に勝手に入ってくることが極めて多く、
自己主張が激しい性格も重なりのび太やスネ夫に鬱陶しがられることもあり、
そういった人間性から盗み聞きするのも得意で場合によってはドラえもんのひみつ道具を強奪する手段を行うこともある。
また、のび太やスネ夫の都合を一切考慮せず、強引に野球に誘ったりしている。
ただし、母ちゃんが大の苦手で、これらの行為をしている所を見つかって母ちゃんにお仕置きを受け、
強制的に退場させられるパターンが多い。母ちゃんが叱らなくなると、それをいいことにして乱暴を
さらにエスカレートさせていた。また、自分の方に非があると自覚している場合や、
大勢に責任を問われたりするときは逆に弱腰になってしまう描写もある。
未来の道具で世界征服を目論んだり、「さからうものは死けい! アハハ、いい気もちだ」と発言するなど、
独裁者的な心理描写もある。また、相手が怪我をするまで情容赦なく痛めつける、
バットで十数発も殴りつけるなどの暴力を平然とふるうという残虐かつ冷酷でサディスティックな一面も持っている。

【方針】
気に入らない奴はギタギタにしてやる。


910 : ジャイアン&アーチャー ◆b/a.2INfCM :2014/07/06(日) 17:23:18 HzwsMnuA0
【クラス】
アーチャー

【真名】
野比のび太@ドラえもん

【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具EX++

【属性】
 混沌 

【クラススキル】
精密射撃:EX
 宇宙一のガンマンを下す腕前。

【保有スキル】
昼寝:EX
 好きな場所で瞬時に寝ることが出来る。

【宝具】
『百発百中(ブルズ・アイ)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:10人
 唯一の特技を鍛え上げた末、デューク東郷に匹敵する腕前に達した精密射撃。
 発動した瞬間命中したという運命が確定する為、躱すにはランクB以上の幸運が必要。 

【weapon】
空気ピストル 小型の空気砲。両手の指に計十門装備している。
ジャンボガン ドラえもんがネズミ退治の為に用意した銃。戦車を一撃で粉砕する威力がある。
スペアポケット 四次元空間から未来の道具(宝具ランクE〜EX相当)を取り出す。

【人物背景】
かつては運動音痴で勉強も出来ないいじめられっ子だったが大人になった後裏社会で成功を果たした。
様々な修羅場を駆け巡った結果トライガンのヴァッシュ・ザ・スタンピートの様な外見に成長する。
明るい性格でゆとりがあり、温厚で優しく、他人を深く思いやる心を持っている。
臆病者だが正義感は強く、誰かを助けるために勇気を振り絞って危険に立ち向かうことも少なくない。
小さなイタズラはともかく、暴力的かつ理不尽な言動はやろうと思ってもできず、
ドラえもんから「きみが悪者になろうなんて思うのがむりなんだよ」と親しみを込めて言われたこともある。
人を疑うことを知らない純粋無垢な性格だが、そのためしばしばジャイアンやスネ夫にだまされていた。

【サーヴァントの願い】
機能を停止したドラえもんを復活させる。 

【基本戦術、方針、運用法】
パラメーターは低いが射撃の腕前と秘密道具を使うセンスは凄いので
なるべく相手に見つからないように射程外からの狙撃を心掛けよう。


911 : 名無しさん :2014/07/06(日) 17:24:09 HzwsMnuA0
投下終了です


912 : ロシーヌ&キャスター ◆R/DzX5mHgw :2014/07/06(日) 17:26:04 RX0zZvYw0
ロシーヌ&キャスター投下します。


913 : ロシーヌ&キャスター ◆R/DzX5mHgw :2014/07/06(日) 17:26:50 RX0zZvYw0

とある村に伝わるおとぎばなし。

昔、ある村にピーカフという耳のとがった赤い目をした少年がいました
その目と耳のせいで、村の子供たちからいじめられていたピーカフは、ここはぼくの家じゃない。ぼくのほんとの親じゃないと思いました

ピーカフはある夜黙って家を抜け出し、妖精の住む森へ出掛けました
そこで赤い目と、とんがり耳の妖精を見つけたピーカフは、自分の仲間を見つけたと喜びました
しかし妖精たちは、ピーカフは仲間ではないと言いました

「昔、人間の男女が病気で死にかけた赤ん坊を連れてきたことがあり、助けてくれと願ったんだ
その願いを聞き入れ、僕らは赤ん坊を助けた
無事に赤ん坊は救われたんだけど、その赤ん坊の姿は半分僕らに似たものになってしまったんだ
それでも男と女は涙を流して喜んだよ
この子が生きてさえいてくれればと……」

その話を聞いたピーカフは、泣きながらもと来た道をひた走りました
しかし、不思議なことに森で一晩過ごしただけなのに、村では100年もの歳月が流れてしまっていました
誰ひとり知る者のいなくなってしまった村と、人間の住むことの許されない妖精の森との狭間の小さな丘で、仲間はずれのピーカフは泣き続けました
赤い目をもっと赤く腫らして……



某日、天気予報曰く洗濯物を干すに良し。
しかし、実際の空模様はといえば太陽を拒むようにどこまでもどこまでも、切れ間なく雲が続いている。
いっそのこと降ればいいのに、そう思うが雲は雨雲の黒色を覗かせること無く、どこまでもどこまでも、空は白色に覆われている。
その光景が、ロシーヌに霧の谷を思わせる。

かと言って、子どもたちが遊ぶには関係ない。
青空が見えなくても、いやいっそ雨が降ってしまっても、この小公園から子どもたちが消えることはないのだろう。
備え付けのベンチに腰掛けて、子どもたちが遊ぶ様子をロシーヌはじつと見ていた。

くう、と腹の音が鳴った。
既に12時を回っているのだろうが、ロシーヌには時計の読み方はわからない。
そもそも、ロシーヌがいた場所に時計などというものは存在しなかった。

「もう、お昼よ」
そう呼びかける女性の声に顔を上げ、そして自嘲の笑みを浮かべた。
誰かの母親だろう、決して自分の母親ではないことなど解りきっている。
昼食が出来たので、子どもを呼びに来たのだ。
「まだあそぶー」
「お腹すいてるでしょ?」

優しい声がする、どことなく己の母親に似ているような気がした。

――あなた、もうやめて下さい……!!

「……ッ!」
忌まわしい記憶が、蘇る。

「キャスター」
「どうしたの、おねえちゃん?」
ロシーヌが誰も存在しない空に向けて語りかけたのは、寂しさ故に想像上の友人に話しかけたわけではない。
ああ、何たる不思議だろうか。ロシーヌが言葉を出せば、それにしっかりと返す少女の声がある。
ただ、その姿はどこにも見えない。隠れているわけではない、しかし、そこにいる。
そう、ロシーヌに返事をしていたのは霊体となり周囲に見を潜ませたサーヴァントである。
そう、このあどけない少女――ロシーヌこそ、聖杯に願いをかけるマスターの一人であった。

「……私達の国に、あんなのはいらない」
「じゃあ、殺しちゃおうか」
果たして、死ぬ前に母は気づけただろうか。
己が手をつないだ子の頭が、割りそこねた玉子の様に頭蓋の破片と脳髄が入り乱れるのを、
それと同時に、己の心臓が在らざるべき場所に――すなわち、体内を離れ、キャスターの手に握られるのを。
残りの子は4人親は3人、キャスターが遊ばなければ、殺戮はすぐに終わる。
しかし、きっと遊ぶだろう。そういう少女だ、キャスターは。

血と臓物が散乱した死の海の上で揺蕩う少女――ああ、青のワンピースが血で濡れている。
そうだ、キャスターとの共通点は少女であることぐらいだと思っていたが、彼女も私も服がドロドロになることなんて気にしないんだ。
ぐちゃり、ぐちゃりと、粘ついた鈍い音が辺りに響く。

「もっと!もっとよ!キャスター!!こんなもの私達の国にはいらない!!」
ロシーヌは靴を脱ぎ、素足のままで死の海の中をくるくると駆け回った。

「あは、あははははははははははははははははは!!!!!!!!」
青空は見えない、でも悪くはない気分だ。
どこまでも、どこまでも、空に笑い声が吸い込まれていく。


――ここが、私の楽園だ。


914 : ロシーヌ&キャスター ◆R/DzX5mHgw :2014/07/06(日) 17:27:39 RX0zZvYw0




刻まれた痣の数だけ、投げかけられた暴言の分だけ、ロシーヌは家から逃げ出したいと思っていました。
昔、彼女の母親は戦争中に強姦されました。
彼女の父親はいつも疑いました、お前はオレの子か?
当然、わかるわけがありません。

だから疑いの数だけ、彼はロシーヌを殴り、妻を殴り、暴言を浴びせました。
家に帰りたくないなどと彼女は決して口に出しませんでしたが、そう思って彼女は日が暮れかけるまで友達と遊び続けました。
彼女はピーカフの物語を自分と重ねあわせました、しかし彼女だけはピーカフの本当の物語を知っていて、それを友達に教えてあげるのです。

ピーカフは本当は妖精の子で、今でも妖精の国でお父さんとお母さんと幸せに暮らしているのだと、そしてこう続けるのです。

私もピーカフとおんなじ、ほんとは妖精の国の住人なのよ、と。
ロシーヌは真顔で感心する友達を見ておかしそうに笑いました、まるで無理してはしゃぐように。

そして、ある激しい雨の夜にロシーヌは決心しました。
家を抜けだして、妖精の国へ行こうと。
友だちにだけ別れを告げて、彼女は旅立ちました。
大切な宝物――人の顔のような卵みたいな石と、どこか不思議な木片を持って。

そして、妖精の言い伝えが伝わる霧の谷へと、彼女は行きました。


妖精は現れませんでした。
彼女だって、本当は妖精を信じていたわけじゃありません、だけど逃げ出したかったのです。

そして、彼女は何日も何日も待ち続けて――





――妖精はいたのか!?霧の谷に妖精はいたのか!?
――それともあてつけか!? 血のつながらんオレへのあてつけなのか!?

――あなたもうやめて下さい……!!
――うるさい!!

迎えに来た父が暴力を振るい、ロシーヌと母が殴られる。

何も変わりませんでした。
自分の家だろうと、霧の谷だろうと、何も変わりませんでした。




――だめだよ
――霧の谷にこんなのあっちゃだめだよ



――いらない
――こんなの いらない
――消えてよ
――全部 消えて なくなれ




だから、彼女はここへ来たのです。
妖精の国を 探して。



「あなたが私のおともだち【マスター】ね!」
記憶が戻らぬままに埋没してしまった方が、ロシーヌは幸せでいられたはずである。
それでも彼女の記憶が戻ってしまったのは――果たして、何の加護か。
召喚されたキャスターは両手でスカートの裾をつまみ、軽くスカートを持ち上げ、
左足を斜め後ろの内側に引き、もう右足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま軽く礼をした。
「ええ、そうよ……私とキャスターは友達よ」
「やったー!」
「ね、キャスター。
アナタだけに私の秘密を教えてあげる、私本当は……妖精の国の住民なのよ?」
「そうなんだー」
屈託なく笑うキャスターの笑みに、ロシーヌも自然な笑顔を返した。
「じゃあ、私のひみつも教えてあげる!私のともだちは……」
そう言って、キャスターは先程までロシーヌと家族だった人間達を蟻を踏み潰すように殺した。
「みんな死んでるの!」
「……とってもいいわ!」
その光景を見たロシーヌは口を三日月のようにして笑った。
もうそこに、家を怯えるロシーヌという少女はいない。
妖精の国の幻想が失われるとともに――あるいは、偽りの家族の命と共に消え去ってしまった。
「でも、それだと私も死なないといけないんじゃない?」
「ん……大丈夫、死ぬまで待ってあげるから、だから早く死んでね」
キャスターの言葉に対し、ロシーヌは肯定するでもなく否定するでもなく、ただ曖昧な笑みを浮かべた。
「ふふふ……私の願いを知っても、早く死んでなんて言えるかしら?」
「何がほしいの?」
「飢えることも凍えることもない、なんにも怯えなくていい、私達の永遠の国【ネバーランド】!!
大人は決して入ることが出来ない子どもたちだけの国を創るの、もちろんキャスター、アナタも一緒よ!」
「とっても素敵!」
「ねっ、そうでしょう!」
そう言って、2人は訳もなく楽しくなって飛び跳ねた。
辺りに肉片が飛び散るのも構わず、足裏が汚れるのも構わず、ぴょんぴょんぴょんぴょんと跳び続けていた。

そんな二人の様子を、ただロシーヌの懐に収められた宝物だけが――ベヘリットだけが見ていた。


915 : ロシーヌ&キャスター ◆R/DzX5mHgw :2014/07/06(日) 17:28:09 RX0zZvYw0

【クラス】キャスター
【真名】アリス
【出典】デビルサバイバー2
【性別】女性
【属性】中立・悪

【パラメーター】
筋力:D 耐久:E 敏捷:D 魔力:A 幸運:E 宝具:EX

【クラススキル】
陣地作成:E
道具作成:E

【保有スキル】
魔王の寵愛:Ex
魔王ベリアルに受けた寵愛、この愛を失えば宝具『無垢な魂の行方』は発動しない

堕天使の寵愛:Ex
堕天使ネビロスに受けた寵愛、この愛を失えば『無垢な魂の行方』は発動しない

精神汚染:D
精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。
このスキルを所有している人物は、目の前で残虐な行為が行われていても平然としている、もしくは猟奇殺人などの残虐行為を率先して行う。

異界の住人:A
再行動を行うことが出来るスキル。

至高の魔銃:A
魔術を介さない攻撃に万能属性を付与するスキル。

封技追加:E
魔術を介さない攻撃で相手にダメージを与えた際、判定を行う。
判定に成功した場合、相手の宝具使用を2〜3ターンの間、禁止する。

【宝具】
『無垢な魂の行方(アリス・イン・ワンダーランド)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大補足:1000人
彼女の魂を求め、永遠の放浪を続ける魔王ベリアル及び堕天使ネビロス、そしてその配下たる無数の悪魔をサーヴァントとして現界させ、
かつて彼女が魔人となる以前に彼らとともにすごした六本木の街を固有結界として再現する。
キャスターの死亡、あるいは魔力が枯渇するまでベリアルとネビロスは何度でも蘇生し、敵を襲う。
当然であるが、魔王及び上位堕天使を召喚するため何も考えずに発動しようものなら死ぬ。

『死んでくれる?(ダイ・フォー・ミー?)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大補足:3人
どこまでも純粋な望みの結晶、拒否権なく押し付けられる死。
相手の肉体及び、魔力に大ダメージを与える万能属性の詠唱。
本来ならば、特定の防御属性を持たぬ限り逃れられぬ死を与える魔術であるが、
サーヴァントとして召喚されたためにその威力は減少している。

【weapon】
ライフドレイン:相手の体力を吸収する万能属性の魔術

【人物背景】
デモノイド→屍鬼→魔人→屍鬼

【サーヴァントとしての願い】
キャスターの願いに沿う、また聖杯とは関係なく友達を作りたい。
良い友だちは死んだ友達だけである、六本木は本当に地獄だぜ。

【基本戦術、方針、運用法】
遠距離からライフドレイン連打。
ロシーヌが使徒に転生することが出来たなら、『死んでくれる?』連打。


916 : ロシーヌ&キャスター ◆R/DzX5mHgw :2014/07/06(日) 17:28:41 RX0zZvYw0
【マスター】ロシーヌ@ベルセルク
【参加方法】彼女が集めた宝物の中にゴフェルの木片が混ざっていた
【マスターとしての願い】本当の楽園を創る
【weapon】
ベヘリット
人間の顔の眼や鼻や口といった部位をバラバラに付けた石のようなもの。
持ち主の強い願望に答え、神に等しい力を持つゴッドハンドを召喚する力を持つ。
そこで自身が最も大切としている人間をいけにえに捧げるのと引き換えに、召喚者を強大な力と異形の姿を持つ魔物(使徒と呼ばれる)へと転生させる呪われたアイテム。
普段は無害。

【能力・技能】
ただの子どもだが、運命が噛み合えばベヘリットによって使徒に転生することが出来る。

【人物背景】
妖精の物語を自分の身になぞらえる夢見がちな少女だったが、
それは自分の出生に対する父の疑念からくる家庭内暴力の絶えない家庭からの逃避でもあった。
ある夜発作的に妖精の谷に向かうが、そこで自らの所詮夢に過ぎない空想への諦観にとらわれる。
心配して探しに来た両親を見て思慕の情にかられるが、ロシーヌを案じる母とは対照的に冷たい罵声と暴力を振るう父親を見て絶望した時、聖杯戦争へと辿り着く。


917 : ロシーヌ&キャスター ◆R/DzX5mHgw :2014/07/06(日) 17:29:11 RX0zZvYw0
投下終了します。


918 : ◆ACrYhG2rGk :2014/07/06(日) 18:29:17 kI5IbR4c0
アスナ&セイバー投下します。


919 : アスナ&セイバー ◆ACrYhG2rGk :2014/07/06(日) 18:29:57 kI5IbR4c0
俺、桐ヶ谷和人――通称、キリト。
彼女、結城明日奈――通称、アスナ。

何千人もの死者を出したデスゲーム「ソードアート・オンライン」はついにクリアされ、俺たちは解放された。
その後、SAOのゲームマスターだった茅場晶彦の遺産を悪用してアスナの意識を電脳世界に捉えていた須郷伸之も失脚。
俺たちは、平穏な生活を取り戻そうとしていた。

茅場晶彦が遺した世界の種子――ザ・シードによって、VRMMOは変わっていくだろう。
俺はあれを公開したことが正しかったのか、まだ迷っている。
世界は変わっていくだろう。俺達は否応なくその変化に巻き込まれる。
あんな目にあったというのに、俺はまだ電脳ダイブ技術から離れられないでいる。この病気は一生治らないのだろう――ゲーマーのサガというやつは。

「キリトくん、これ……!」

明日にはこのALO――アルヴヘイム・オンラインに、ソードアート・オンラインの舞台であった空中城アインクラッドがアップデートされる。
その前に俺は、いや俺とアスナは、二年もの間付き合ってきたSAOでのアバターのステータスをリセットするべくALOにダイブしていた。
アバターと言っても、そこは長く付き合った体だ。半身と言ってもいい。そう易易と踏ん切りはつかなかった。
が、これをしなければ俺もアスナも真にSAOをクリアした気持ちにはなれない。
SAOを駆け抜けた「キリト」「アスナ」をもう休ませてやろう――そう思っている。
こうして、最後のお別れとして、俺とアスナは二人っきりでALOの空を飛んでいた。
そんなときふと出くわしたモンスターを倒すと、アイテムがドロップ。
獲得したアスナが目を丸くして俺にストレージを見せてくる。

「えっと、何々……?」

――方舟への道は開かれた。
――汝、真に欲することあらば来たれ。
――ゴフェルの木片が汝を聖杯へと導くであろう。

――このアイテムを使用しますか?  YES/NO


920 : アスナ&セイバー ◆ACrYhG2rGk :2014/07/06(日) 18:31:29 kI5IbR4c0

そのアイテム――「ゴフェルの木片」をクリックすると、見た事のないメッセージが表示された。
なんだろう、これは。消費アイテムじゃない……何かのキーアイテム、いやトリガーアイテムか?

「これ、もしかして何かのイベントが始まったんじゃない?」

アスナが好奇心を抑えきれない瞳で俺を覗きこんでくる。
おそらくそうだろう。これは、このドロップアイテムを手に入れたものだけが進行できる隠しイベントなのだ。
これがSAOなら警戒して放棄するところだが、ここはALO。死ぬ危険はない。
俺の心にちょっとしたワクワクが生まれる。アスナも同じなのだろう。まったく、ゲーマーというやつは本当に度し難い。
でも、このアバターをリセットする前に、もう一度だけ……アスナとふたりきりで冒険してみるのも、いいかもしれない。

「ユイちゃんには悪いけど、ね」

ぺろっとアスナが舌を出す。
俺たちの「娘」……AIであるユイは、今は同行していない。
最後の夜は俺たち二人だけで迎えろと送り出してくれたのだ。
今は、俺の義妹である直葉――アバター名「リーファ」が預かってくれている。

「じゃあ……行っちゃう?」
「行っちゃおう!」

このイベントがどれくらいの時間でクリアできるかはわからない。
が、もし長引きそうなら途中でログインすればいいだけだ。
もし時間を忘れて楽しんでしまっても、食事の時間を告げに来る直葉が俺からアミュスフィアを取り上げてログアウトさせるだろう……。

「じゃあ行こうか、アスナ」
「うん。キリトとアスナ、最後の冒険へ!」

俺とアスナは、「ゴフェルの木片」が示すYESボタンを同時に押し込んだ――












――それが、二度目のデスゲームの始まりなのだとは、考えもせずに。


921 : アスナ&セイバー ◆ACrYhG2rGk :2014/07/06(日) 18:33:06 kI5IbR4c0

【クラス】セイバー

【真名】キリト

【パラメーター】
筋力A+ 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運A 宝具B

【属性】
秩序・善 

【クラススキル】
対魔力:C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
騎乗:C 乗り物を乗りこなす能力。GGOで扱いが難しく誰も使おうとしなかったバギーを初ログイン後の僅か数十分で完璧に乗りこなしたことから得た。

【保有スキル】
矢よけの加護:B 銃による射撃がメインのGGO(ガンゲイル・オンライン)において、フォトンブレードで片っ端から銃弾を叩き落とした逸話から付与されたスキル。
          ALOクリアの時間軸からすると未来の出来事だが、ムーンセルには「キリト」の起こした事象として認識されている。
心眼(真):A 修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
         トッププレイヤーであるキリトは「システムの攻撃予測をさらに予測する」という離れ業を得意とし、上記の矢よけの加護と組み合わせて銃弾すら切り落とすことができる。
武器破壊(アームブラスト):B トッププレイヤーであるキリトはシステムにはない攻撃も可能とする。敵の武器の弱所を見抜き、一点に攻撃を集中することで破壊する。 
自動回復:C ソロプレイヤーであるキリトはアイテムを使う手間を減らすため自動回復スキルを取得している。戦闘中、一定期間ごとにHPが回復する。
気配感知:B ソロプレイヤーであるキリトは常に先制を取れるよう索敵スキルを取得している。気配を感じ取ることで、効果範囲内の状況・環境を認識する。
二刀流:A SAO内で最高の反応速度を誇るキリトにのみ与えられたユニークスキル。
       両手に剣を装備することを可能とし、連撃が繋がるたび攻撃速度が増していく。相手に防御されるとコンボカウントはリセットされる。

【宝具】
「アインクラッド流剣術(ソードスキル)」
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜30 最大補足:10人
アインクラッドにおいて研鑽を深めた数々の剣技。
これらの技は二年にも渡るゲーム生活の中でキリトの体に刻み込まれ、システムアシストがなくとも完璧な動きで再現できる。
《ヴォーパル・ストライク》片手剣で放つ単発の強力な突き。
《ダブル・サーキュラー》二刀流で繰り出す突進技。
《スターバースト・ストリーム》二刀流で放つ16連続攻撃。
《ジ・イクリプス》左右の剣で27連撃を繰り出す二刀流最上位剣技。

「鍍金の勇者(ソードアート・アクセル・ワールド)」
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1 最大補足:1人
SAO・ALOという巨大VRMMO=一個の異世界を二度にわたって救った勇者の称号。
この二つのゲーム内において「黒の剣士」の名は英雄として語り継がれており、VRMMOが相互にリンクするようになってからはVRMMO世界全体に広がっていく。
システムを超えたキリトの強靭な意志が現実にまで作用し、法則を歪める。
魔力以外のすべてのパラメータを一段階アップさせ、一軍を吹き飛ばすほどの強烈な斬撃を放つ。
また、戦闘不能になるダメージを受けても一度だけHP1の状態で蘇生する。

【weapon】
黒の片手剣「エリュシデータ」
白の片手剣「ダークリパルサー」

【人物背景】
デスゲーム「ソードアート・オンライン」に巻き込まれた少年。
全身黒ずくめの装備を愛用する。一見女の子と見紛うほどの端正な容貌だが、その芯は非常に強固。
βデストに参加し、その知識を独占して自らの強化に奔走したことから「ビーター」という別称で蔑まれるが、アインクラッド攻略の最前線に立ってゲームクリアのために奔走した。
戦いの中、後の恋人であるアスナ=結城明日奈と出会い、惹かれていく。
ゲームマスターにしてギルド・血盟騎士団の団長であったヒースクリフ=茅場晶彦の正体を見抜き、一騎打ちの末辛くも勝利、SAOをクリアに導いた。
その後、SAOの後釜となったVRMMO「アルヴヘイム・オンライン」において発生したSAO未帰還者事件においても活躍。
システムを悪用し我欲の限りを尽くしていた須郷伸之をゲーム内でもリアルでも完全に粉砕し、ついにリアルにおいてアスナと対面、口づけを交わす。


922 : アスナ&セイバー ◆ACrYhG2rGk :2014/07/06(日) 18:33:46 kI5IbR4c0

【サーヴァントとしての願い】アスナと一緒にこのイベントをクリアする

【基本戦術、方針、運用法】
キリトはSAO時のステータスに加え、ALO、GGOでのスキルも一部再現されている。
やや敏捷よりの攻撃特化型のビルドなので、接近戦では無類の強さを誇る。
逆に魔法は不得手…というよりほぼ使えないので、サポートや回復はマスターであるアスナを頼ることになる。
SAOの時とは違い仲間との攻守交代連携「スイッチ」ができないので、常にアスナの状態に気を配って戦うことになるだろう。

※聖杯戦争をALOのイベントと認識しています。




【マスター】アスナ

【参加方法】ALOで拾ったレアアイテム・ゴフェルの木片により始まった隠しイベント

【マスターとしての願い】キリトくんとこのゲームを楽しもう。

【weapon】
レイピア「ランベントライト」

【能力・技能】
SAO時代の剣技と、ALOでの支援・回復魔法を兼ね備える。
近接戦闘も可能なハイブリッド型ビルド、通称「バーサクヒーラー」

【人物背景】
デスゲーム「ソードアート・オンライン」に巻き込まれた少女。
大手ギルド・血盟騎士団の副団長としてアインクラッド攻略に打ち込んでいたが、そのさなかキリトと運命的な出会いを果たす。
幾度の交流で絆を深め、ゲーム内で結婚。SAOクリア後、リアルにおいても恋人としてキリトと付き合うことになる。
とにかくキリトのことになると見境がない。
キリトのバイタルデータを自分の情報端末に転送されるよう設定しており、キリトの脈拍や心拍数を見て上機嫌になるほど。

【方針】キリトと一緒にこのイベントをクリアする。対人戦はあまりしたくない?
※聖杯戦争をALOのイベントと認識しています。


923 : 名無しさん :2014/07/06(日) 18:34:57 kI5IbR4c0
投下終了です


924 : ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/06(日) 20:16:03 /EYzlupM0
セイバー投下します


925 : シィル&セイバー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/06(日) 20:17:06 /EYzlupM0
「じゃあねシィルちゃん。また明日」
「はい。■■さん。また明日」

挨拶を交わしクラスメイトと別れる。
今日もまた何事もなく、一日が終わる。
事件なんて何もない本当に穏やかな生活。
私はこの穏やかさが好きだ。不満などない。
ない、はずなのに。
何故か、違和感を感じてしまうのは何故だろう。

「―――――――――」

呼び声が聞こえる。
心の底から、私を呼ぶ誰かの声が。

「……■■■様」

無意識に誰かの名を呼び返していた。
応える声はない。
何も足りないはずはないのに、それでも何か、涙が出そうなくらいにとても大事な何かが、足りない。

「……■■ス様」

言葉にすれば、記憶の壁が崩れるように剥がれ落ちてゆく。
光の先に、緑の人影が見えた気がした。
その背に向けて、その名を叫ぶ。

「ランス様――――!!」

叫ぶように呼ぶ。
完全に記憶の壁は取り払われた。
その思い出しと共に、光の影が召喚される。
召喚されたその姿に、飛びつく様に駆け出した。

「呼び出すのが、遅いわー!」

現れた緑の影に、ポカリと頭を叩かれた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


926 : シィル&セイバー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/06(日) 20:18:19 /EYzlupM0
「材料がなかったので、へんでろぱはできませんでしたがお味はどうですか?」
「うむ。これもなかなか悪くない。がはは。グットだ!」

とある民家の一室。
そういってスープを掻き込みながら大口を開けて下品に笑う男とそれに傅く女がいた。

「ランス様お水です」
「うむ」

差し出された水をごくごくと飲み干す。
主人と従者という関係性を想えば正しい構図なのだろうが。
その実、彼に傅き甲斐甲斐しく世話を焼く少女こそ主人(マスター)であり、
ふんぞり返りながら大口を開けて下品に笑う男こそ従者(サーヴァント)である。

「ランス様、あ、この場だとセイバー様って呼んだ方がいいんですかね?」
「バカ者、いつも通りでいいのだ。俺様は英雄だからな、真名を知られて多少不利になったところでどうという事はないのだ。がはは!」
「わかりましたランス様。それでこれからどうするんですか?」
「もちろん優勝を狙う。
 それに、ここには様々な世界からマスターやサーバントが集められてるらしいからな。
 中にはかわいい女の子も沢山いるはずだ、それをゲットするのだ。がはは!」

そう言ってセイバーは大口を開けて豪快に笑う。

「あぅ。ランス様、私はアイスのお家に帰りたいですぅ」
「やかましいぞ、奴隷の癖に生意気だぞシィル」

ポカリとマスターの頭を叩くセイバー。
ひんひんとシィルは涙を流した。

「という訳だ。お前もやる気を出せよカオス」

セイバーは己の持つ漆黒の剣へと話しかける。
声をかけられた剣の羽根状の鍔から目が見開かれ、その声に応じる。

「いやー、そうは言うけど心の友。魔人の気配がせんとあんまりやる気が起きんのよね。心のちんちんも萎え萎え」

そういってシナシナと萎える剣。
その態度にセイバーは呆れたような視線を向けた。

「よし。こんな剣は捨てて行こう」
「だ、ダメですよランス様っ!」

冗談ではなく本気でその場に自らの宝具を投げ捨てようとするセイバーを慌ててシィルは止める。

「えっと、そ、そうだ! 優勝したらひょっとしたらカオスさんのお願いもかなえてもらえるかもしれないですよ!」
「う〜ん。正直、儂、願いを叶えてくれる神様ってのに碌な思い出がないのよね」

あくまで魔剣は渋り、やる気を見せない。
だが、この剣は、やる気に応じて攻撃力の変わる特殊な魔剣である。
このままではまずいとシィルは思い悩むが、セイバーはふんと一笑する。

「ふん。聖杯戦争とかいう戦いなんだ、中には魔王とか魔人もいるだろ、その辺で満足しとけ」
「儂が斬りたいのはあの世界の魔人なんじゃが……仕方ないのぅ。その辺でも斬って我慢しとくか」

よし、と最低限のやる気を出した魔剣を担ぎセイバーが立ち上がる。

「行くぞ。シィル」
「はい。ランス様」
「とっとと全員倒して優勝を頂くのだ。がはは!」

セイバーは豪快に笑う。

(ルーラーや監督役とかいう女の子もなかなか可愛かった。隙を見てあの娘たちも頂くのだ、ぐふふ)
(あ、またランス様、変な事考えてる)


927 : シィル&セイバー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/06(日) 20:19:15 /EYzlupM0
**【クラス】
セイバー
**【真名】
ランス
**【出典】
ランスシリーズ
**【マスター】
シィル
**【属性】
混沌・中庸
**【ステータス】
筋力:B+ 耐久:B 敏捷:C 魔力:E 幸運:A++ 宝具:A
**【クラススキル】
対魔力:D
 一工程による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

騎乗:D
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせる。

**【固有スキル】
星の開拓者:EX
 人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。
 あらゆる難航、難行が『不可能なまま』『実現可能な出来事』になる。

成長:EX
 限界を超え際限なく成長し続ける。才能というより一種のバグ。
 ただし怠惰な生活を送り修業をサボると、すぐさま能力は低下してしまう。

カリスマ:B−
 自由奔放に振る舞った結果として人々を惹きつける英雄としての才能。
 だが、あまりにも身勝手すぎる振る舞いは敵を生むことも少なくない。

軍略:C
 誰にも思いつかないような卑怯作戦を思いつき実行する才能。
 ただし相手が同ランク以上の軍略スキルを持っている場合失敗確率が向上する。

**【weapon】
**『魔剣カオス』
 魔人・魔王に対抗できる世界に二本しかないインテリジェンスソード。
 その正体は神の元にたどり着いたエターナルヒーローと呼ばれる英雄の一人、盗賊カオスが「魔人・魔王を倒せる力」を願った結果、魔剣へと変えられてしまったモノである。
 基本的に誰にでも装備できるが、心の弱い者が使うと闇に落ちてしまい、破壊するだけの凶戦士と化してしまう。
 その攻撃力はカオス本人のテンションに左右される。そのエネルギ源は主に魔人への憎しみとエロパワーである。

**【宝具】
**『ランスアタック』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大捕捉:10人
 ランスの代名詞とも言える必殺技が宝具として昇華したもの。
 闘気を纏わせた刀を両手で力任せに振り下ろし、叩き付けた地面から衝撃波を放ち敵を粉砕する荒技。
 連射はできないが消耗も少なく燃費が良い。

**『魔剣カオス』
 ランク:A 種別:対魔人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 意思を持つ漆黒の剣。三超神の一人プランナーが創りだした神造兵器である。
 魔人の無敵結界を切り裂いた逸話が昇華し、対魔力を含む相手の防御系スキル、宝具を無視することができる。
 この効果はランスがカオスを持っている限り維持され、共に戦う仲間にも共有される。
 また、魔人、魔王の属性を持つものに追加ダメージを与える。

**【人物背景】
才能限界:∞
技能レベル:剣戦闘LV2 冒険LV2
ランスシリーズの主人公。冒険者。

英雄となれるだけの才能を持ちながら、その力を己のためにしか使わない鬼畜戦士。
無敵結界を持つ魔人を倒す事の出来るこの世に二振りしかない武器、魔剣カオスの所持者。
誰もが持っている才能限界を唯一持たない特殊な存在。なぜそうなのかは不明、恐らくバグ。
異常なまでの女好きで、セックスのためなら小さな依頼から国家存亡をかけた大事件まで解決していくという、とんでもなく間違った努力の使い方をしている。
その過程で数多くの魔人を倒し、多くの国家の問題を解決してきたため、何気に人類圏の殆どを一言で動かせるだけの影響力を持っているが、世間には知られていないため自慢話はほら吹き扱いされている。

**【願い】
異世界の女の子を頂く


928 : シィル&セイバー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/06(日) 20:19:46 /EYzlupM0
**【名前】
シィル・プライン
**【出典】
ランスシリーズ
**【サーヴァント】
セイバー
**【参加方法】
ブルーペットがおまけでくれたアイテムが『木片』だった

**【人物背景】
ランスの身の回りの世話を一手に引き受ける、ランスの奴隷。
魔法王国ゼスの良家の子女だったが、悪人に捕まり奴隷として売り飛ばされた所を、一目ぼれしたランスが全財産を叩いて買い取った。
最初は服従の呪文をかけられ付き従っていたが、すでに魔法の効果は解けており自らの意思でランスに付き従っている。
ランスの破天荒な行動の抑える、ランスの外付け良心回路。

**【weapon】
**『シィルフィード』
 電卓キューブで手に入れたシィル専用の杖。

**【能力・技能】
才能限界:80
技能レベル:魔法LV1 神魔法LV1

魔法使い。回復魔法や支援魔法を得意としている。
元は30程度の才能限界だったが、ランスに抱かれると才能限界が伸びるため、人類でも最高クラスの才能限界を持っている。

**【願い】
ランスと平穏な生活を送りたい

**【基本戦術、方針、運用法】
完全に主導権をセイバーが握っており主従の逆転したコンビ。
セイバーの気持ちの赴くままに行動する。


929 : シィル&セイバー ◆jb1z7kQ0l2 :2014/07/06(日) 20:20:38 /EYzlupM0
投下終了


930 : キメラ&バーサーカー ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:01:45 OB3H0tKo0
投下お疲れ様です。
キメラ、バーサーカーで投下させて頂きます。


931 : キメラ&バーサーカー ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:02:30 OB3H0tKo0
「目玉」が、彼女を見ている。
鳴り響く鐘の音、真っ白な花嫁衣装、隣に立つ、笑顔の彼。
胸の内に湧き上がる喜び、これからの生活の幸せな予感。やがて宿るであろう、彼と自分との愛の証明、新たな命。
光の中を、彼女と恋人は、粛々と進んで行く。
けれども、そのバージンロードは、いつまでたっても祭壇へは辿りつかない。
「目玉」が、彼女を見ている。
そこからの暗転。
音を立てて扉が開き、荒々しい声を上げて、男どもが闖入して来る。
腕を掴まれ、連れて行かれる恋人の後ろ姿。
叫ぶ彼女に罵倒を浴びせ、捕まえる男たちの腕。
痛い。
痛い。
苦しい。
輪の中へ、引き入れられる。服が破られ、そして――――。
「目玉」が、彼女を見ている。
ずくずくと、腐れ樹に生る果実のように増えていく。
他人事のように、彼女自身を見つめる「目玉」が。
彼女の顔の上に、たわわに生えていく。

**

チェスの兵隊(コマ)、13星座の一人にして、キメラの名を持つ彼女は、いつかの日と全く同じ風景、同じ湖のほとりで、見覚えのある月を見上げていた。

ほんの少し前まで、彼女は死んでいた。消えていた。存在していなかった。
記憶を、あの忌まわしい過去―――恋人を殺され、凌辱され、この姿に成り果てた過去を含めた、全ての記憶を失っていたからだ。

願いをかなえるための「聖杯戦争」の予選。木偶へと変えられ試される朦朧のひととき、多くの者が、そこで資格を失い、網の目から落下していく。

けれど、彼女は、それを突破した。自らの記憶を取り戻し、先へ進む資格を得た。
そのこと自体に、特に感慨はない。
彼女にとって「記憶」とは憎しみであり、そしてその憎しみは、彼女自身と不可分のものであった。身の内で熱く焼け滾る、虫の煮えるような憎しみ。キメラという存在は、仮面をつけて踊る異形は、その憎しみが、泥人形の崩れるように自然とかたちを取ったに過ぎないのだ。そんな彼女が、彼女自身のかたちを思い出さないわけがない。盲人が杖を取るように、彼女は地獄の鎖を、彼女自身を再び手繰り寄せて、予選を突破したのだ。

キメラは思い返す。
蟲細工の新たな材料を探し、「チェスの兵隊」の根城の宝物庫の奥を漁っていたその時、目に入ってきた一つのARM。見た目には、「ディメンションARM」――――空間や時空を超える希少なARM――――の粗悪なまがい物としか思われなかったそれを、わざわざ手に取ったのはなぜだろうか。その意匠が、蛇に絡まれ嘆き叫ぶ花嫁の顔を模した、悪趣味な――――非常に悪趣味なものであったからかもしれない。
けれど、そうして手にしたARMに違和感を覚えた次の瞬間、彫金されている筈の花嫁の唇が蠢き、この世のものと思えない「言葉」を呟いたのだ。願いをかなえる戦い、聖杯戦争についての言葉を。


932 : キメラ&バーサーカー  ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:04:14 OB3H0tKo0
口角を釣り上げ、右手に刻まれた紋様を見つめて、キメラは笑う。

「ハウリング・デモン」

呟くと、魔力の上昇と共に、右手の指に嵌めた銀の指輪が輝き、ゆったりとした袖から、剥き出しの獣の歯、剥けた歯茎が覗く。

――――ああ、私の手だ。
――――凌辱された体に出来た洞に、いつの間にか歯が生えてきて、ものを欲しがるようになった、可愛い私の手だ。

無論、それは本当のところを言えば、「ゴーストARM」との忌まわしい同化によるものに過ぎないのだが――――彼女は、そのように信じていた。
再会した自らの身体、憎悪のための新たな印、令呪を刻まれた自らの「憎しみ」に、キメラは冷たい顔でほおずりする。
ここへ来ると同時に、全ての単語は理解していた。
運命の奴隷であった自分が、“サーヴァント”を従える――――なんと愉快なことだろう。

時を同じくして、背後の木立から、ゆらゆらと、いくつもの人影が立ちあがっていた。輪郭のぼやけた、幻のような。
けれど、その一つ一つが、キメラには、見覚えがある。忘れもしないあの日、祈りを捧げる彼女の前に、恋人の、マルコの、結婚指輪を嵌めた「指」を放り投げて笑った、彼女を取り囲み、彼女を破り、彼女に最初の印を刻みつけた、あの男たちによく似た“影”だ。
音もなく、むしゃぶりついてくるそいつらにキメラは身を任せ、なされるがままにする。これは、この幻影との痴態は、儀式だ。彼女が、キメラが、この争いの中に身を投じるための。身に穿たれた洞の感触を、思い出さねばならない。
服を破られ、絡み付かれながら、キメラは、ゆっくりと、じっくりと、身の内で再び、ねめあげる様な黒いものが育ってゆくのを感じる。
押し倒される。殴りつけられる。足が上がる。汚らしいものが注ぎ込まれる。身の内を深く深く抉られる。憎い。憎い憎い憎い。ニクイ。やがて、その黒いものが尖り、ぎらつき、そして、体を突き破って――――。

男の一人の顔がはじけた。石榴を割ったように。
続いて隣の男の肩口と顔半身が吹き飛んだ。野イチゴを握りつぶしたように。
その後ろの男の腹に、型で取ったような綺麗な穴が開いた。ベリーに似た飛沫を散らせながら溶け崩れた。
影の男どもの前に、ぎらぎらと尖ったものが、月を浴びて、そこにあった。
暗く燃えるように光るそれが翻るその一瞬間に、全ての生臭い影どもは、汚らしい残滓をだけ残して四散していた。


933 : キメラ&バーサーカー  ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:05:30 OB3H0tKo0
静寂が戻る。
赤い月光の下に、血を浴びてぎらぎらと屹立するモノは、キメラの体内から――――否、背後から伸びていた。
“槍”――――。
剣を思わせるような幅の広い刃に、細かく幾多の傷を刻み、武骨な柄のもとには、刃の半分ほどまでを覆う、赤黒い汚れた布が巻き付いている。
キメラは艶美に笑って、そして、振り返った。
槍の向こうに、異形の輪郭と、ひび割れた月が二つあった。
――――否、それは、二つの目だ。
満月を中心から砕き割ったような、まんまるい形の中に、同じく形の崩れた瞳がある。
その下に、くろぐろと大きく裂けた口がある。びっしりと歯が並んでいる。
キメラの身体にいつの間にか纏いついている、流れるような闇の色は、「それ」の髪の毛であった。

「ああ――――」

槍を捧げ持った「それ」の肩、血管の如く亀裂が入り、そこから髪の毛と同じ黒い、暗い流れの生え伸びている痩せた肩に、歯を剥いた両手を滑らせ、絡みつかせる。しゅう、しゅう、と、低い呼吸が聞こえる。

「あんたが、そうなんだね。
奴隷の奴隷。私の夢と、憎しみの証明者」

顔に生るたわわの目玉が、彼女の新たな憎しみの分け手を、いとおしげに眺める。
そして彼女は、歌うように、確かめるように、

「憎い。憎い。憎い――――」

嬉しげに笑いながら、呟く。
取り戻した憎しみが、体に刻まれた古い印と、新しい印が。
彼女と、彼女のサーヴァントに、進むべき道を示してくれる。

「血を。血を満たした器で、私は、あの人の元へ帰る」
「来てくれるね。私とおまえとで、その血を流させよう」

応えるように、「それ」が――――「獣」と「槍」が、咆哮した。


**

闇の中で、骸骨が、槍を打っている。
黒く焦げ溶けた鉄の塊を、自らの肉のない手でつかみ、延々と、槌を振り下ろし続けている。
その眼はもはや穿たれただけのうつろな眼窩であり、かつて妹の名を呼び、彼の使い手の名を呼び、地獄の業火を吐きだしていた顎は、もはや唄い手のない虚空の経を上げるように、骨の歯並びをかちかちと鳴らし続けるだけだ。
思いと意味を失った無貌の男は、ただ一つだけ、「憎しみ」だけを打ち続けている。

**

そして、キメラとサーヴァントは闇の中へ、聖杯戦争の暗い運命の中へと歩いて行く。

「人の造った獣」と「人の成り果てた獣」の頭上、赤く焼け爛れた月の色は――――崩れた太陽の写し身のようにも見えた。


934 : キメラ&バーサーカー  ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:07:11 OB3H0tKo0
―――

【クラス】バーサーカー

【真名】蒼月潮@うしおととら

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷B+ 魔力C 幸運D 宝具EX

【属性】
 混沌・狂

【クラススキル】
狂化:B……理性と引き換えに全ステータスを1ランク上昇させる。会話はおろか、意志の疎通すらままならないが、マスターの意向には辛うじて従う本能を残している。

【保有スキル】
騎乗:−
騎乗の才能。本来ならEランク相当の騎乗能力に加え、「妖怪」に属するものに騎乗する特別の才覚を持つが、狂化により失われている。

槍憑き:C
槍を持ち自身も妖と化したことによる特性。傷を受けても急速な勢いで自己治癒・再生し、また、痛みを知覚しない。戦闘続行に似た特性を持つスキル。狂化によってランクが上がっている。本来はDランク相当。

穿心の構え:E
退魔組織・光覇明宗における古き口伝。「心を細くする=集中する」ことを清廉に研ぎ澄ました達人の心得であり、何かしらの防御スキルによって攻撃が無効化された時、「学習」し一段階ずつそれへ「対応」していく。幾度かの経験を積むことでその防御スキルを無効に出来る可能性を秘めているが、狂化により無意識下の本能レベルにまで劣化した現在の状態ではあまり期待はできない。本来はCランク相当。

結界斬り:B
大海妖の結界を切り裂き、座敷童を封印から解き放ち、果ては冥界の引力を断ち切るなどの逸話から成ったスキル。閉じた空間に何らかの影響を及ぼす「結界」に類する術に対して特攻を得、槍で斬り祓う事によって、それを破壊することができる。

【宝具】
『獣の槍(スピア・オブ・ビースト)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜3 最大補足:1人
人の憎しみより生まれ、鬼を突き邪を裂く砕魔無敵の霊槍。生きた妖器物。
使用者は、周囲の空間に存する邪気・妖気を吸収して髪の毛が伸びたような外見となり、槍に魂を削り喰らわれることと引き換えに、強大な妖力と戦闘力、動体視力、歴代の使い手の経験を得る。魂が削り切られた使用者は「獣」へ成り果ててしまうと言われる。バーサーカーの姿はその初期段階の逸話からの具現である。
大陸を渡り日本へと飛来し、その広きに渡る伝承の中で、数多の強力な邪怪を葬り、神に類する存在をも殺し、最終的には、「世界そのもの」より分かたれた太陰の化身を滅ぼした。あまねく妖怪どもの噂に伝えられ恐れられた特性も加え、魔に類するもの(器物も含め)、人外のものに対しては、かすめるだけでも致命に等しいダメージを与える。反面、「人間の身を選り分けて妖怪だけを切った」などの逸話から、人間や、サーヴァントの中でも純粋な人間を起源とする者に対しては、攻撃力が大きく削がれる。

なお、初期状態では、槍の刃の下半分ほどまでを覆うように、深山幽谷の強力な妖怪たちが槍を封じるため糸の一本一本となり身をささげた「封印の赤布」が巻き付いている。これは槍の力を大幅に減衰させる代わり、魂の消費を抑える機能も担っており、此度の召喚においては、槍のオン・オフの効かないバーサーカーにとって魔力消費を抑える役を果たしている。この布を部分的に引きちぎるごとに宝具の能力は上昇するが、同時に消費魔力も増えて行く(バーサーカー自身にこの布をちぎることはできない)。現段階のマスターには、赤布を全て引きちぎった槍(太陰討滅の逸話通りの性能の槍)の使用に耐えられるキャパシティはないだろう。


935 : キメラ&バーサーカー  ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:08:37 OB3H0tKo0
『魂呼びの祓い櫛(コーム・オブ・コーリング・ユー)』
 ランク:D 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大補足:1体
獣と化した槍の使い手を元に戻すための櫛。使い手のことを真に想う女性の手にこの櫛を持たせ、伸びた髪の毛(妖気の具現)を梳らせることによって、段階的に狂化スキルを減退させることができる。ただし、それは同時にステータスの急激な低下をも意味するため、今回使われることは恐らくないだろう。

『太陽に命届くまで(デイヌマン・ウィズ・サンライズ)』
 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:??? 最大補足:???体
一国全ての人妖の大集結と祈りを連ねた、太陰の化身との未曽有の最終決戦の在りようが宝具化したもの。「希望」の象徴として時空間に干渉し、絶対者に抗う全ての他マスターとサーヴァントをも巻き込んで、絶望の因果律を逆転させる対界宝具。
実質的には使用不可能。


【weapon】
宝具である獣の槍。バーサーカーとしての在りようと共に常時開放状態となっているが、赤布によって大幅にスペックと消費魔力を抑えられた状態である。

【人物背景】
東京都みかど市に住む中学二年生。「獣の槍」に選ばれ、世界を恐慌と絶望の下に還そうとした太陰の化身「白面の者」を討ち滅ぼした英雄。バーサーカーとしての姿は、魂を削り切られ、憎悪のもとに槍を振るうだけの獣と化した時のものである。本来の彼は背中を守る「年経た雷炎の大化生」と一対で初めて意味を成す存在であり、無二の相棒と共に在り得ない此度の召喚では、英霊としての格もステータスもダウンしている。

【サーヴァントとしての願い】
現時点では不明。狂化により自我はほとんどなく、「槍の滅ぼすべきものを滅ぼす」という本能に近い方針に従って行動する。サーヴァントとして調整されたこの場合の「滅ぼすべきもの」とは白面の者ではなく、マスターの指示する敵である。

【基本戦術、方針、運用法】
宝具の攻撃力は一部の例外を除いて必殺に等しいと言ってよく、また、槍兵クラスに近い敏捷性を生かしながら痛みを感じず戦い続けるタフさ・回復能力を持っている。マスター自身のスペックの高さも考慮すれば、ある程度好きにさせておいても共に場を荒らせよう。
反面、高ランクの狂化のため精密な運用は難しく、また、当然ながら彼本来の精神的な強さや鋭さは全く発揮できない状況にある。加えて、布による封印があるとはいえ、見境もない常時開放の宝具はコストパフォーマンスが壊滅的に悪い。何らかの対策を講じない限り、初期封印状態のままでもいずれ魔力切れを起こすだろう。魂食いなどを効果的に活用していく必要がある。


936 : キメラ&バーサーカー  ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:10:08 OB3H0tKo0
【マスター】キメラ(アイリン)@MAR

【参加方法】
イレギュラーなARMの一部として使用されていた木材がゴフェルの木片であった

【マスターとしての願い】
恋人であるマルコを生き返らせ、人生をやり直す

【weapon】
ARMと呼ばれる魔法のアイテムを所有し、装備している。キメラのARMはゴーストARMと呼ばれ、人体そのものを変化させる禁断の代物。他のARM同様、使用には魔力を消費する。
ハウリングデモン:腕を歯のある怪物のように変化させ、そこから肉を抉る衝撃波を打ち出す。
オーガハンド:両腕を鋭い爪のある巨大なものに変化させて攻撃する。
ゴーストテイル:自身より黒い尾を生やして攻撃。両手が使えるという利点がある。
他、身体変化を基調とするARM数点

いずれも通常時のキメラの両手に指輪として装着されており、名を呼ぶことで発動される。

【能力・技能】
短期間でナイト・クラスにまで上り詰めた天性の才、チェスのコマとして培った戦闘技能。ファンタジー異世界の住人(かつ精鋭ARM使い)として、十全な魔力も備えている。

【人物背景】
メルヘン世界を具象化したような異世界・メルヘヴンにおいて、幾度もの大戦を引き起こした戦闘集団「チェスの兵隊(コマ)」の一員。クラス分けされた組織内では、キング・クイーンに次ぐ位階で13人しか存在しない「ナイト」、特に13星座(ゾディアック)と呼ばれる精鋭の部隊に属する。自身の身体を変異させる禁断のゴーストARMの使い手で、古豪の英雄をやすやすと下す実力を備える。
仮面を着けていると男のようだが実は女性で、本名はアイリン。顔の右半分には、葡萄のような眼球の房が寄生している。一般人であった過去、チェスの残党でありながら改心して結婚を誓い合った相手であるマルコを、結婚式の最中に民衆によって拉致され、殺される。自身も連行され、嬲られ拷問されたあげく、「女ではなくなっ」た、とまで述べる程に心身ともぼろぼろになってしまった。その後、憎悪と復讐心からチェスの兵隊に入り、短期間でナイトまで上り詰める。
破滅的な性格で、拷問により虫食われた身体になじませたゴーストARMで相手を嬲ることに喜びを覚えている描写がある。

【方針】
自らのカラダとARM、バーサーカーとで他参加者を嬲り殺しながら、優勝を目指す。


937 : キメラ&バーサーカー  ◆faoWBgi.Rg :2014/07/06(日) 21:11:25 OB3H0tKo0
投下終了です。


938 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 21:12:05 YhtWPqDg0
投下乙です
自分も不動遊星&ランサー分を投下させていただきます


939 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 21:13:10 YhtWPqDg0
「あんたが、俺のサーヴァントなのか……?」
 不動遊星は困惑していた。
 もちろんここに至るまでの、ほとんど全てが異常事態ではあった。
 謎の木杭を分析しようとしたら、こんな所に飛ばされてしまったことも。
 そこで記憶を封じられ、しばらく触れていなかったデュエルモンスターズに、再び熱中していたことも。
 そしてある拍子に記憶を取り戻してみたら、聖杯戦争などという、奇妙なゲームに巻き込まれたこともだ。
 しかしこれは極めつけだった。参加者に用意されるサーヴァントが、よもやこんな奴だったとは。
「そうなんでーちゅ」
 ふざけた語尾の割に口調は真面目だ。
 そんな風に返事をしたのは、筋骨隆々とした大男だった。
 ブロンドヘアと高い鼻は、恐らく外国人だろう。その視線には穏やかさと共に、強い意志が伺える。
 驚くべきはそんな彼が、パンツ一丁という出で立ちだったことだ。
 純白のパンツのみを穿き、残りは残らず丸裸だ。
 丸太のように太い四肢も、逞しく盛り上がった胸筋も、全てが剥き出しになっている。
「その……古代文明の戦士だとか、そういう系統の英霊なのか?」
 頭が痛くなるのを感じながらも、遊星はひとまずそう聞いてみた。
 よっぽど古い時代の人間ならば、裸に近いその出で立ちも、無理もないのではないかと思えたからだ。
「いや、俺は現代人だ。今でこそ建築の仕事をしているが、つい10年くらい前までは、ポルノ俳優をしていた」
「ポルノ俳優!?」
 しかし返ってきた返事は、遊星の想像を超えたものだった。
 ポルノ俳優とは要するに、アダルト雑誌や猥褻なビデオで活躍する、そういう職種の人間ということだ。
 撮影時の衣装というのなら、確かにその衣装も頷ける。
「どうしてそれでサーヴァントに……?」
 だが今度は、違う疑問が浮かんでくる。
 遊星は心の広い人間だ。ついでに貧民街の出身でもある。職業で人を差別するつもりはない。
 しかしポルノ俳優ということは、それは英雄でも何でもない、ただの人ということではないか。
 それならまだ、元デュエルチャンプである自分の方が、英雄性があるはずだ。
 その程度でしかない目の前の男が、一体何故英霊の座につき、ここに召喚されたのだろうか。
「俺にも分からない。
 確かに俺のような男が、この場にサーヴァントとして呼ばれることが、普通違うということは分かっている」
「ああ……こう言ってしまうと失礼だが、本来サーヴァントというものは、歴史に名を残すほどの英雄から選ばれるはずだ。
 あんたのような普通の人間が、そうした連中を相手にして、対等に戦えるというのか?」
「それも分からない。ただ確かに言えるのは、今の俺には今までにない、未知のエリアの力が漲っているということだ。
 これがサーヴァントになったことで得た力なら……あるいは、勝ち抜ける可能性もあるかもしれない」
「そうか……」
 ぬか喜びかもしれないが、ひとまずは安心することにした。
 出自を聞いた時には焦ったものだったが、さすがに彼の身体能力は、そのままというわけではなかったようだ。
 そのパワーアップした分の力が、他の英霊相手にも、通用するものであればいいのだが。
「……挨拶が遅れたな。俺はランサーのサーヴァント。真名はビリー・ヘリントンだ」
「不動遊星だ。よろしく頼む」
 ともあれどんな形にせよ、この聖杯戦争を生き残るためには、重要なパートナーであることは間違いない。
 他人を傷つけてまで聖杯を手に入れることには、良心が咎められるものの、邪心を持つ者に渡ってはいけない力であるのは確かだ。
 必要とあれば、それを阻止するために、戦わなければならないかもしれない。
 そんなことを考えながら、遊星はビリーと名乗った男と、固く握手を交わし合った。


940 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 21:14:26 YhtWPqDg0
【マスター】不動遊星
【出典】遊戯王5D's
【性別】男性

【参加方法】
『ゴフェルの木杭』による召喚。彼の研究機関が入手したものに触れた

【マスターとしての願い】
未定。人類と未来のために使いたい

【weapon】
カードデッキ
 デュエルモンスターズのカードデッキ。40枚のメインデッキと、数枚のエクストラデッキで構成されている。
 デッキテーマは【ジャンクロン】であり、スターダスト・ドラゴン系列のカードも数種類入っている。
 今の遊星には特別な能力はないため、このデッキも単なるカードデッキでしかない。

【能力・技能】
科学知識
 研究者としての科学知識。

バイク操縦技術
 Dホイールを運転していたこともあり、バイク免許を取得している。
 デュエルのために培ったライディングテクニックは相当なもの。

【人物背景】
かつてネオ童実野シティで活躍していたデュエリスト。
父親は優秀な科学者だったが、幼少期の事件をきっかけに死別。以降十数年に渡り、隔離地区サテライトで暮らしていた。
後に「赤き竜」に選ばれ、冥界の戦士達と戦う「シグナー」の1人に名を連ねる。
この戦いの末遊星らは勝利し、世界を守り抜いたのだが、今度は未来から「イリアステル」を名乗る者達が襲来。
将来的に世界の破滅をもたらす中心地であるとして、ネオ童実野シティを滅ぼそうとするのだが、
遊星は仲間達と共に、これを迎え撃ち、撃破する。
同時に彼らの想いを受け取った遊星は、破滅を事前に防ぐため、科学者としての道を歩むようになった。

大人しく口数が少ないが、内側には熱いものを秘めたデュエリスト。
仲間達との「絆」を何よりも重んじており、常に他人のことを気にかけている。
どんな困難を前にしても、仲間達の中心に立って挑んでいく姿は、多くの人々の希望となった。

【方針】
とりあえず情報収集。他人を傷つけたくはないが、悪用防止も兼ねて、聖杯は手に入れたい。


941 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 21:15:08 YhtWPqDg0
【クラス】ランサー
【真名】ビリー・ヘリントン
【出典】現実(本格的ガチムチパンツレスリング)
【性別】男性
【属性】中立・善

【パラメーター】
筋力:A 耐久:A 敏捷:B 魔力:E 幸運:C 宝具:C

【クラススキル】
天性の肉体:A
 生まれながらに生物として完全な、歪みねぇ肉体を持つ。
 このスキルの所有者は、常に筋力がランクアップしているものとして扱われる。
 さらに、鍛えなくても筋肉ムキムキな上、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない。

魔力放出:C
 自身のムスコに魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。

騎乗:E
 騎乗の才能。バイクなら人並み程度に乗りこなせる。

【宝具】
『突き通す益荒男の矜持(ナウいむすこ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
 鍛えに鍛えたビリーのムスコ。
 極限の硬度を誇るそれは、まさにランサーのクラスに相応しい豪槍と化す。 

『解き放つ益荒男の熱情(キャノンほう)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:50人
 「突き通す益荒男の矜持(ナウいむすこ)」の先端から、莫大な魔力を放出する。
 消費が大きい上、ビリー自身に魔力がほとんどないため、マスターにかかる負担は大きい。

【weapon】
歪みねぇ肉体
 説明不要。ビリー自身の肉体のこと。

ハーレー・ダビッドソン
 アメリカ製の大型バイク。ちなみにビリーの私物である。


942 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 21:15:42 YhtWPqDg0
【人物背景】
アメリカにて活動していたポルノ俳優。
ボディビルディングで鍛えた肉体は、偶然とはいえ「Real Men of the Month」を受賞。
1998年には「Colt's Man of the year」を受賞し、全米ナンバーワンポルノスターの称号をほしいままにした。
以降ポルノビデオに多数出演し、ポルノ業界において活躍した。
本人はバイセクシャルであり、30代の頃には第一子を授かっている。
そしてそれを気にポルノ業界を引退し、以降は建築業に従事した。

これが本国における彼のプロフィールであり、本来なら英霊と呼ばれるほどの男ではない。
しかし遠く海を隔てた日本において、彼のポルノ業界での活躍は、思わぬ形で注目されていた。
インターネットの某動画投稿サイトにて、ビリーの出演したゲイビデオが投稿された結果、それがユーザーの間でブームを起こす。
以降彼のビデオが多数投稿され、それらを素材とした「MAD」と呼ばれる個人制作動画が、次々と作られるようになった。
ある動画では音楽家としてリズムを奏で、
ある動画では戦士として巨悪と戦い、
ある動画では哲学者として教えを説く……
こうした動画が投稿されていくうち、ビリーの人物像は婉曲され、偉大な存在として際限なくインフレを繰り返していった。
そうしたインターネット世代の若者達の間で、捏造され広まっていったカリスマ性こそが、彼を英霊として聖杯戦争に呼び込んだのだった。

ちなみにビリー本人は、一応このブームを認知しており、何度かイベント来日もしている。

【サーヴァントとしての願い】
分からん……

【基本戦術、方針、運用法】
ランサーにしては足が遅いが、その戦闘力は一級品。
強いて問題を挙げるとするなら、魔力を消耗するスキルを持つにもかかわらず、本人の魔力がほとんどないということだろう。
そのためスキルや宝具を使う際には、マスターの残り魔力に、最大限注意を払わなければならない。
魔力補充を怠らず、計画的な運用が求められるだろう。マスターと直接繋がって供給するのも気持ちええぞ♂


943 : ◆Vj6e1anjAc :2014/07/06(日) 21:16:28 YhtWPqDg0
投下は以上です


944 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:17:33 EwF0dTYY0
投下乙です。
自分もランサー投下します。


945 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:18:05 EwF0dTYY0


ああ――それはなんと待ち遠しい、
        希望に満ちた――――





0100001010101101010101001010101010110101
1001010110101011001010101010110101
1001010110101011010101010001001101010
1010010001010101
1010101010001001101010
10100100010101010101010
0101010110100

……中枢領域に未確認データを確認。
対象の価値<バリュー>をスキャンします。

ラベル:繧ィ繝ぅ繧ソ
カテゴリ:有・測定拒否権により免除
クオリティ:E-

100101011010101
101010101000100110101000101011010101
10101010100010011010101010010001010101
101001000101010101010100101010110100

不正データと認識
修復を開始。終了“方舟”へと転送します。


1001010101010110101
100101011010101100101011010101
10101010100010011010101010010001010101
1010101010001001101010


946 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:18:37 EwF0dTYY0



「」

その記憶はあまりにも欠損が多く、中途半端に喪われた想いの欠片たちは己が半身を求め暴れまわった。
痛みはない。痛みすら感じることはできない――荒々しい昂ぶりがある筈なのに、掴もうとした瞬間に全てが露と消えていく。
自分から自分がすっぽりと抜けた。
そんな寂寥感がその身<アバター>を苛んだ。

身体を作る形造るテクスチャやフレームは変っていないかもしれない。
そちらは元より“正規の”データだ。NPCとして与えられた何の特徴もない一学生。
しかし、中身はがらんどうだった。

――そこには出会いがなかった。
表側でサーヴァントと共に駆け抜けた月の聖杯戦争。
共に歩き、共に苦しみ、共に笑った。隣りで歩む者がいてくれたからこそ自分は最後まで戦うことができた。

――そこには別れがなかった。
裏側に引きずり込まれ、戦い、そして終わらせることになった一人の少女。
彼女の想いと苦しみを、結局、自分は理解できたのだろうか。

――そこには葛藤がなかった。
相見えた数多くの願いたち。
ある者は燦然とした輝きを、ある者は決して譲れぬ執念を、ある者は歪ながらも純粋な悲しみを、胸に抱えた願いのカタチは数知れない。
その全てを自分は踏みにじってきた。そこに躊躇いがなかったとは言わせない。

――そこには決意がなかった。
それでもなお進むべき想いを自分は持っていた筈だった。
いや、持とうとしていた。その意志、その揺るがぬ想いこそが自分を形作ってきた。

――そこには終わりがなかった。
何も意味はせず、どうしようもない。その癖ちっぽけで、それが成就したかも知ることはできない。
手にしたのは未来への祝福。
最後の最後でようやく掴んだのは、そんなものだった。

人はそれを悲劇というだろうか、他力本願と非難するだろうか、あるいは自己満足と笑うだろうか。
誰がなんと言おうと、自分はあの結末を迎えたことを誇りに思う。
未来を失いながらも、それでいて温かい、あんな結末を迎えることができた。
あの終わりに敢えて名を付けるなら“希望”だろう。

そんな過去は今や失われてしまった。
xxxxがxxxxである証は剥奪され、仮初の現在を被せられる。
データは修復され想いは消され、名すら溶かされた。それでも胸を圧迫する空白は消えない。

現在に埋没するには、
過去の空白が少し大き過ぎた。

リソースを再利用され、再び聖杯戦争のNPCとして配置される。
ただの人形として仮初の学園生活の一員となる。
それが自分の役割であり、存在意義である。


947 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:19:16 EwF0dTYY0

理解はしていても、実行できるはずがなかった。
そも、理解してしまった時点で自分はNPCの資格を失ってしまっているのだろう。
現にNPCとして設定してある筈の“帰宅”指示にエラーを出し、一人蹲っていた。

「――子ブタ」

もはや自分に過去はない。
破損したデータだけが残され、在った筈の想いは空白に塗り替えられている。

「子ブ……プロデューサー!」

そんな自分はもはやxxxxではない。
抜け殻のようなものだ。あるいはサイバーゴースト――そのなりそこない。
もはや誰もあの名を呼んでくれはしないだろう。


「何時まで寝てるのよ、xxxx!」


――え?


声が聞こえた。

瞬間、
空白は引き、身を作るデータが悲鳴を上げた。
矛盾にあふれたデータが痛みとなって襲いかかり、歪む視界の末に喪われた筈の過去が浮かび上がってきた。

そして、自分は名を思い出した。
そう、自分は――




> 1.岸波白野
2.フランシスコ・ザビエル




すっ、と視界が冴えた。

エラーの正体――想いが戻ってくる。決意が返ってくる。自分のカタチを思い出す。
そうして、ようやく彼女に応えるができた。


> 何度もでてきて恥ずかしくないんですか?


と。


「え、ええ……!? そ、そんな顔するの……
 そりゃあ私、英霊としては悪いところいっぱいあるというか、寧ろ善いところなんて一つも……
 で、でも許されないのは当然だけど、力を貸してあげたいのは本当だから!
 だから、そんなこと言わないでよぅ……!! 私、一生懸命歌うから! もうあんまり血も抜かないから!」

数多くの女性を己が美しさの為に殺害し、吸血鬼カーミラのモデルとさえなった
狂気と残忍さを歴史に残す反英霊、エリザベート・バートリーはあたふたとひどく焦った風に自分を見下ろしていた。


948 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:19:48 EwF0dTYY0









かつて自分は“月の聖杯戦争”を勝ち上がった。
128人のマスターの中で、たった一人の優勝者として聖杯までたどり着いたのだ。
そしてその前にて待ち構えていた亡霊、トワイス・ピースマンをも倒し、そして――解体された。

元より自分は不正データだ。
何かのバグで、たまたま意志を持ってしまったNPCに過ぎない。
優勝者とはいえ、聖杯に接触――ムーンセルにアクセスすればバグとして排除されるに決まっている。

恐らくムーンセルは自分を解体し、そのリソースを無駄にすることなくNPCとしてデータを修復されたのだろう。
岸波白野として得たデータを洗い落とし、ムーンセルは再びただのNPCとした上でこの“月を望む聖杯戦争”に配置した。
だからかつてのように自分は学園生活を送っていたのだ。
あのままでは、如何に自分が空白に苛まれようと、再び岸波白野の名を思い出すことはできなかっただろう。

しかし自分はこうして自分を取り戻した。
その理由は……

「ええと……で、私と一緒にいてくれるのよね? よねっ!?
 まさかここにきて私のプロデューサーを降りるとか言わないわよね!?」

……恐らく目の前にいる少女のお蔭だろう。
彼女は英霊の癖に妙にフリフリなドレスを着こんでおり、揺れる髪は血のように紅かった。
頭には奇妙な突起が二本――たぶん角だ――があり、尻からは先の割れた長いもの――たぶんしっぽだ――がある。

ランサー、エリザベート・バートリー。
BBによって引きずりこまれた“月の裏側”にて戦った反英霊である。
自分はいま彼女とこうして向かい合っている。

彼女と戦ったのは一度や二度ではなかった。
……本当に一度や二度ではなかった。
凛やラニ、慎二にメルトリリス。出て来る度にマスターを変え、最後はご丁寧にクラスまでエリザは変えて立ちふさがった。
その度に自分は彼女を撃破した。途中、何故か(たぶん)金星料理を食わされたりもしたが、とにかく彼女を倒したのだ。

最終的に凛とラニによってデータの海に封印された彼女だが、紆余曲折あり手を貸してくれた。
一時的とはいえ契約を交わし、自分は彼女のマスターとなった。
それが最後になった。彼女は許されないまま、永久のように長い時をデータの牢獄で過ごすことになる。

生前、決して許されないことをした彼女だが、決して理解できない吸血鬼などではなかった。
罪と苦しみに満ちた彼女も少しは救われた。だからこそ自分に力を貸してくれた。そう思いたい。

「何、何で私をじろじろ見てるの……! ま、まさかあの時みたいに私にヘンタイ的なことを」

何を思ったかエリザベートは頬を赤くして、ばっとその身を引いた。
そわそわとしながら「アイドルのプロデューサーの禁断の関係なんて……」「で、でも子ブタなら少しは」などと呟いている。

……とにかく、自分は一度と彼女のマスターになった。
そしてその際に凛からあるデータを譲り受けている。
他でもないエリザベートのデータが封印されたキューブだ。

あのデータ自体は岸波白野のアバターの外にあったものだ。
その為にムーンセルの消去を免れたのだろう。NPCに付随したままこの“方舟”までたどり着き、こうして自分を呼び起してくれた。
結果、彼女の中にあるメモリーを参照することで岸波白野という“自分”を修復し、取り戻すことができた。
推測だが、恐らく間違ってはいないと思う。


949 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:20:18 EwF0dTYY0

問題は……これから自分がどうすればいいかということだ。
この“方舟”でも聖杯戦争が開催されているらしい。エリザの声が聞こえたとき、そのような記憶もまた与えられていた。
自分の知る聖杯戦争とはルールが少し違うようだが、しかし行き着くところは表面上は変らない。
万能の願望機、聖杯にアクセスすること――それが到達点だ。

しかし自分は既に聖杯に行き着いている。
行き着いて、解体されたのだ。仮に勝ち上がったとしても自分はどうしようもないのではないだろうか。

「ええと、大丈夫? 子ブタ」

エリザベートの声にはっとする。少し思いつめていたかもしれない。
とにかく、この場でまず言うべきことは――

> ありがとう。

「え、あ、その……まぁアイドルにはプロデューサーが必要だし……」

全部消えたと思っていた。出会いも別れも葛藤も決意も、過去は全部。
でもまだ残っていた。そして呼びかけてくれた。
そのことは純粋嬉しくて、気づけば自分は笑っていた。

「ひっ、その笑みは何……? 私になにかやろうとしてるの?
 変態だわああああ! おまわりさんたすけて、子ブタの変態が出たわー!」

エリザベートはさらに一歩後ずさり叫びを上げる。
……よほどあの時のことがトラウマになっているらしい。

まぁあの時の「」はあまりにも――

その時、頭がじん、と痛みを発した。
思い出そうとする。隣に居たサーヴァントを。
自分が本来契約していたのは――


> 「」


駄目だ、思い出せない。
思い出そうとすると、どうしてもノイズが走る。
あった出来事は思い出せるのに、しかしそこに居た筈の相棒の姿だけが掴めない。
記憶にできたひずみが痛みとなって襲ってきた。

……どうやら記憶を全て取り戻せた訳ではないらしい。
仕方ないことだろう。全てゼロにされるところだったのだから。
少しだけでも残っていてくれただけでも幸運だ。

そうは思う。
思いはする――しかし、再びできた心の空白に半身を引き裂かれた心地がした。
それほどまでに、自分と「」は結びついていた。

「子ブタ?」

我に返ったエリザベートが心配そうに見上げてくる。
一縷の望みをかけて尋ねてみた。
自分のサーヴァントを知らないか、と。

「え? 子ブタのサーヴァントは……あれ? 何だったかしら。
 セイバー? キャスター? それともヘンタイ? ええと……」

エリザは頭を捻っている。どうやら彼女も思い出せないようだ。
胸に痛切な思いが走る。「」を忘れていはいけない。それだけは駄目だ。

……自覚した。今の自分には明確な願いがある。
「」のことを取り戻したい、という確かな願いが。

ちら、と己の手の甲を見た。
そこには再び刻まれた令呪が、マスターの証が鈍く光っている。
どうやらエリザベートとの再会が方舟に“召喚”として認識されたらしい。
それはつまり――聖杯戦争へ参加する権利を意味する。


950 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:21:00 EwF0dTYY0

自分では聖杯を取れない。それは分かっている。分かっているが、それでも何もせず諦めることはできない。
岸波白野として、在り続けない訳にはいかない。
“方舟”の聖杯と“月”の聖杯は違うかもしれない。場合によっては別に聖杯に頼らないで「」を取り戻せるかもしれない。
少しでも可能性があるならば、結果はどうあれ動くべきだ。

「どうしたの? 何かキリッとした顔して、その……恰好いいじゃない」

エリザベートに対して、今の決意を告げた。
「」を取り戻す。その為にも共に行動したい。
だから、契約して欲しい、と。

「え、そんな……改まって言われても」

途端、エリザベートは頬をまっ赤に染めた。
「ああ」とか「うう」とか意味のない言葉を漏らしたのち、きょろきょろと辺りを確認したのち、

「よ、よろしくお願いします。ふ、不束者ですが、お願いするわ。子ブ、プロデューサー」

ところどころつかえながら彼女はそう頷いてくれた。
……もしかしてし変な意味合いに取られてしまったのだろうか。

「じゃ、じゃあ、契約もしたところだし、行くわよ!」

が、それを確かめるより早くエリザベートが揚々と声を上げた。
ぐい、と力強く引っ張られる。

「前に正真正銘最後……といったけどアンコールがないとは言ってないわ。
 解散した? 再結成しないとも言ってないわ。
 待たせたわね全国の子ブタ! 復活ライブの始まりよ!」

その溌剌とした言葉に、思わず微笑みを浮かべてしまう。

――あの結末<おわり>に不満があったなんて、露ほども思わないけれど、

こうして生きているのなら、現在を生きる者として、願いを抱くべきだ。
だからこそ、思う。

――こんな導入<はじまり>も、同じくらい希望に満ちている。


と。


951 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:21:49 EwF0dTYY0
【クラス】ランサー
【真名】エリザベート・バートリー
【パラメーター】
筋力A 耐久A 敏捷B 魔力D 幸運C 宝具E-
【属性】
混沌・悪 
【クラススキル】
対魔力:A Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。
ランサーの対魔力は竜の血が混じっていることによるが、本人は気付いていない。
【保有スキル】
無辜の怪物:A 生前のイメージによって、後に過去の在り方を捻じ曲げられなった怪物。能力・姿が変貌してしまう。
このスキルを外すことは出来ない。
竜の息吹:E 最強の幻想種である竜が放つマナの奔流。
ランサーは『無辜の怪物』によりドラゴン化しているが、どこか無理をしているのか威力は低い。
戦闘続行:B 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
ただしランサーの場合は、"何度負けても懲りずに現れる"能力となっている。
陣地作成:D 凄惨な拷問・処刑場を作り出すことができる。
      ……というものだったが、彼女は既に拷問趣味を止めているので、アイドルとしてコンサートホールを作るスキルに変っている。
精神異常:B 精神を病んでいる。バーサーカー化による狂化ではなく、周囲の空気を読めなくなる精神的なスーパーアーマー。
その苦しみも僅かとはいえ救われたのか、本来のステータスよりほんの少しだけランクダウンしている。

【宝具】
竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:3〜30 最大捕捉:500人
ハンガリーに古くから伝わる天候の精霊にして、雷鳴のドラゴンの威風を宝具としてコンバートしたもの。
音と振動を増幅し、共鳴させることで風雨を呼ぶとされるが、本来の機能は、この宝具を持つ者の声に宿る特性を増幅させて相手の心を蝕んだり、
声量・音量を9の9倍にまで増幅させて相手の体にダメージを与えたりすること。

鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)
ランク:E- 種別:対人宝具 レンジ:3〜60 最大捕捉:1000人
エリザベートがその生涯に渡り君臨した居城を召喚し、己を際立たせる舞台(ステージ)とする宝具。
城には「監禁城チェイテ」という名前があり、かつて彼女が何百人もの少女を拷問の末殺したとされる魔城そのものである。
城をそのまま巨大アンプに改造した舞台の上で彼女が壊滅的なまでに音痴な歌を歌うことで、地獄にも等しいステージが降臨する。

【weapon】
・槍
ランサーの癖して宝具でない槍。
普通に武器として使ってもいるが、真価を発揮するのは地面に突き立て台座代わりにさせられたときである。
即ち、超音痴攻撃の際である。

【人物背景】
英霊としての彼女は原作参照。
『Fate/EXTRA CCC』における敵サーヴァント。最初のボスキャラ兼二面のボスキャラ兼五面のボスキャラである。。
序盤〜中盤において彼女は何度も使い回……立ちふさがることになる。
何故だか日本のアイドルの在り方に執心しており、“アイドル”のクラスを称したこともあった。

途中、元来惚れっぽかった彼女は主人公に恋してしまう(この展開は主人公の性別を問わない)。
色んな手段で彼ないし彼女の気を惹こうとするが、メルトリリスの言葉もあり結局は戦うことに。
バーサーカーとなり能力にブーストを掛けた上で主人公に挑むが敗北。
自分の犯してきた罪を自覚し、生前の死に様を思い出したことで「お願いだから殺して下さい」と懇願しながら、データの牢獄に閉じ込められた。

……そこで終わりかと思えば、終盤まさかの再登場。
主人公サーヴァントの上位形態“神話礼装”を解放する為、彼女と契約。
スポット参戦とはいえプレイヤブルサーヴァントとして彼女を操作することになる。
(ちなみにこの時の彼女のステータスは全キャラ最高。ギルガメッシュを上回っている)
一時的にとはいえ主人公と共闘したあと、罪をあがなうため再び牢獄に戻っていくのだった。
その後、彼女のデータが入ったキューブを貰うか貰わないかの選択肢が出るが、特に展開に変化はない。

再び契約するにあたってクラスはランサーに戻った。
また本聖杯戦争では拷問趣味を止めているためか、一部スキルが変っている。
(カリスマ、拷問技術が使用不能になり、陣地作成、精神異常のランクが少し下がっている)


952 : 岸波白野・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:22:24 EwF0dTYY0

【サーヴァントとしての願い】
贖罪。
岸波白野を手伝うことで、その願いはほんの少しだけ叶う。

【基本戦術、方針、運用法】
外見と上腹に結構なパワーファイター。
有用なスキルも多く、どれも戦闘に有用なものな為、意外と使えるサーヴァントである。
彼女はとてつもない音痴だが自分の為でなく、人の為に歌うと真の歌姫になるという。
が、宝具の威力のことを考えると矯正しない方がいいかもしれない。ひどい歌だが。


【マスター】岸波白野(男)
【参加方法】不完全な初期化による記憶復帰。
【マスターとしての願い】「」(自身のサーヴァント)のことを取り戻す。
【能力・技能】コードキャストが使えるかもしれない。あと無印でなくCCC出典なのでジャンプできる。
【人物背景】
『Fate/EXTRA』『Fate/EXTRA CCC』の主人公。通称ザビエル。
プレイヤー没入型の無個性主人公……らしい。アンデルセン曰く「典型的な汎用救世主型主人公」。「こいつには内容が無い」とも。
外見はNPCのそれだが、異様なまでの諦めの悪さを持つ。

月の聖杯戦争の優勝者であり、意志を持ってしまったNPC。
『Fate/EXTRA CCC』においてCCCルートでなく、かつサーヴァントフラグを立てなかった場合のEDより参戦(要するに無印EDに繋がる場合)
“月の聖杯戦争”の記憶は表裏問わず保持しているが、ところどころ破損がある。特に自らのサーヴァントが誰だったかは思い出せない。

【方針】
一先ず“方舟”の調査。
「」を取り戻す為、せいぜいあがいてみる。


953 : ◆Ee.E0P6Y2U :2014/07/06(日) 21:22:58 EwF0dTYY0
投下終了です


954 : ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:26:18 Xu672nho0
皆様、投下乙です。
自分も投下します。


955 : 有田春雪&キャスター ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:27:32 Xu672nho0
 目覚める。
 両親と朝食を共にして。
 一人で中学校に登校して。
 勉学に励み、学び。
 帰宅してからはゲームにのめり込み。
 そして、寝る。


 幾度も繰り返されるルーチンワーク。
 不幸も不安も無い、穏やかな日常。
 疑いようもない日々。


 けれど、彼の心には違和感が積もる。


   ▼


 目覚める。
 両親と朝食を共にして。

――朝はいつも一人じゃなかったか?


 目覚める。
 両親と朝食を共にして。
 一人で中学校に登校して。

――誰かと一緒に登校していなかったか?


 目覚める。
 両親と朝食を共にして。
 一人で中学校に登校して。
 勉学に励み、学び。

――ペーパーブックやノートなんて使っていたか?


 目覚める。
 両親と朝食を共にして。
 一人で中学校に登校して。
 勉学に励み、学び。
 帰宅してからはゲームにのめり込み。

――もっと面白いゲームがあったんじゃないのか?


 目覚める。
 両親と朝食を共にして。
 一人で中学校に登校して。
 勉学に励み、学び。
 帰宅してからはゲームにのめり込み。
 そして、寝る。


   ▼


 幾度も繰り返されるルーチンワーク。
 不幸も不安も無い、穏やかな日常。
 疑いようもない日々。


 だがしかし。
 変化の無い日々は唐突に終わり、少年は月に寄り添う方舟にて覚醒(めざ)めた。


956 : 有田春雪&キャスター ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:28:20 Xu672nho0


「タクやチユ、それに先輩が何処にもいなかったのが決め手だったんだと思います。
 父さんはうちにはいないし、母さんは遅くまで働いてたり出張で何日も帰ってこないから、朝に顔を合わせることなんて稀だし。
 タクやチユとは、部活の朝練が無ければ……それにクラスも一緒だから朝から夕方までは四六時中顔を合わせていたし。
 勉強にしたって、僕の時代じゃペーパーブックで読み書きなんてしません。殆どはニューロリンカーを介したAR(拡張現実)で代用してます。
 ゲームは……《ブレイン・バースト》があれば、こんな期限ギリギリじゃなく、もっと早く記憶が戻ってたかも。
 でも――」

 言葉を区切る。
 そして、寂しさを吐き出すかのように少年・有田春雪は口を開く。

「皆が。先輩が、何処にもいないんです。
 代わり映えの無い日常を送っている内に、ふとした弾みで誰かを探すようになって。けれど視線の先には誰もいなくて。
 何かがおかしい。何かが足りないと思うようになってからは、学校をサボって色々な所に行きました。
 誰かがいない。誰かに会いたい。そんな期待と願望を持って、行ける範囲で行ける所まで歩いて、探して。
 そして気付いた時には……黒雪姫先輩のことを思い出したんです」

 涙。
 人目に憚ることなく、泣きながらハルユキは言葉を続ける。

「それから、失くしてた記憶を思い出して……聖杯戦争に関する知識も頭に入ってきました。
 万物の願いを叶える“聖杯”を巡って、殺し合う。そんなの、そんなの僕には――」

 一拍置き、叫ぶ。

「できっこありません!
 確かに《ブレイン・バースト》も突き詰めれば奪い合いだし、僕にだって望みはあるけれど、誰かをリアルに殺してまで叶えようとは思わない!
 その誰かだって、叶えたい願いがあるし帰りたい場所があるはずだ! そんな人達を殺すなんて無理だよ!」

 過去、数々の戦いを経て、心身共に強くなっていったハルユキ。
 だが未だ精神年齢は――加速世界で膨大な年月を過ごしていない心は、14歳のまま。
 バーストリンカーになって一年目である彼の心は、聖杯戦争が与える重圧には耐えられなかった。

 そしてその叫びを聞き、疑問に思うキャスター。
 方舟に来た以上は、何らかの願いを抱いて『ゴフェルの木片』を手にしたはずだ。

「じゃあハルユキはどうやってここに?」
「判りません。気がついたら方舟の中で生活を送ってました」
「お、おう……」

 空を仰ぐキャスター。
 過去の事例にもあるが、聖杯戦争には一般人が巻き込まれることが多々ある。
 結果としてその多くは、訳も判らないまま死ぬか、周囲に混乱を撒き散らして死ぬか。どちらかしかないのだが――


957 : 有田春雪&キャスター ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:29:16 Xu672nho0


「ハルユキはどうしたいお?」
「……キャスターには悪いけど、できれば誰も殺――傷つけることなく帰りたいです。
 聖杯に叶えてほしい願いは、今の僕には無いから」

 《親》である少女を、レベル10に押し上げること。それがハルユキの望みではあった。
 しかし《ブレイン・バースト》とは無関係の人間を殺してまで叶えようとは、彼自身が望まないし、少女も望まないだろう。
 だからハルユキは、現実世界への帰還を望む。

「いいんじゃないかお?」

 え? と顔を上げるハルユキ。

「でもキャスター。あなたにだって叶えたい願いとかが――」
「それがなーんにも。ただ、人の願望によって生まれた英霊としては、“叶えたい願いを見つける”ことこそが願いなんだけど」

 ハルユキに手を差し伸べるキャスター。
 白い相貌に、愛嬌のある笑顔を張り付かせて、彼は言う。

「マスター一人くらい守れなくて、何がサーヴァントかお。
 それに、ハルユキを守ることで叶えたい願いが見つかるかもしれねーし」

 おっおっ、と奇妙な笑い声。

「サーヴァント・キャスター。こと、ニュー速でやる夫。
 我、マスター・有田春雪を守り抜き、現実世界への脱出方法を見つけ、帰すことをここに誓うお。
 だからハルユキ。一つだけ約束してほしいお」
「約束、ですか?」

 その表情に、他人を安心させるような何かがあったのか、ハルユキは差し伸べられた手を掴み、立ち上がる。

「恐れててもいい。泣いてもいいし、逃げてもいいお。
 けれど落ち着いたらでいいから、マスターとしてサーヴァントであるやる夫のことを……信じてほしいお。
 それが創作物を出自としたやる夫にとっては力となるから」






 幾万もの顔を持つ、記号より生まれた英雄。
 従者となった彼が主と共に紡ぐ物語は、悲劇か喜劇か、はたまた英雄譚か。






   ▼


「……ま、メタボ同士、仲良くやるおwww
 それと、やる夫にはタメ口でも全然問題ねぇおwww」

 シリアスで通し切るには、少し努力が足りなかったらしい。


958 : 有田春雪&キャスター ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:30:03 Xu672nho0
【クラス】
キャスター

【真名】
ニュー速でやる夫@アスキーアート

【パラメーター】
筋力:D 耐久:D 敏捷:D 魔力:B 幸運:A+ 宝具:B

【属性】
混沌・中庸

【クラススキル】
陣地作成:B
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 陣地内では、宝具『願いにて生まれた主役』使用時にランクアップするパラメーターが一つ増える(詳しくは宝具の欄を参照)。

道具作成:C
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 視認した武器の贋作を作り出すことができる。
 作り出された武器は、神秘を宿していない。

【保有スキル】
単独行動:E
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 観測者がいる限り消えることは無い存在であるため、マスターを失っても数時間は現界可能。

魔力放出:B
 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、
 瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。

話術:C
 言論にて人を動かせる才。
 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。
 敵対者に苛立ちを与え、冷静さを奪うことに長ける。

【宝具】
願いにて生まれた主役(ダカラニューソクデヤルオ)
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:− 最大補足:1人
 電子掲示板上にて様々なスレッドの主役を演じたことにより、それらの作品で培われた戦闘技術・身体能力を限定的に再現することが可能。
 宝具使用時は、筋力・耐久・敏捷いずれかのランクを、任意で2ランク上昇させる。
 また陣地内では、筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運いずれかのランクを、ランダムで1ランク上昇させる。
 制限時間は30分、再使用可能までのクールタイムは2時間。

【weapon】
なし

【人物背景】
21世紀初頭の電子掲示板にて生まれたアスキーアート。白饅頭、白メタボの異名を持つ。
アスキーアートとしての汎用性の高さより、多種多様の一次・二次創作作品の主役として当て嵌められる。
僅か10年も経たない内に、数え切れないほどの作品が描かれ、いつしか人の願望より生み出された英霊へと昇華した。
人の願望より生み出された存在であるため自己というものが薄く、観測者達(書き手)により性格を変えられてしまうことも。
だが主従契約という概念に引っ張られることで、どのような性格に変わろうとも召喚者を守ろうと動く。
作品により性格や能力が異なるため、召喚者によっては反英雄として現界することもある。
また、「30歳まで童貞だったら魔法を使える」という逸話を宿すため、クラスを指定しなければキャスターとして召喚される。

【サーヴァントとしての願い】
叶えたい願いを見つける。

【基本戦術、方針、運用法】
基本的には逃げの一手。
電柱に犬の小便でマーキングするくらいの気軽さで陣地を作り戦い易い環境を増やしていく。
戦闘が避けられない場合は宝具を開帳し、スキルを駆使した短期決戦を行う。


959 : 有田春雪&キャスター ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:30:48 Xu672nho0
【マスター】
有田春雪@アクセル・ワールド

【参加方法】
現実世界または加速世界のどこかで木片に触れたことで参戦。

【マスターとしての願い】
現実世界への帰還

【weapon】
なし

【能力・技能】
加速コマンド
 ニューロリンカーにインストールされた《ブレイン・バースト》により、以下コマンドを使用することが可能。
 ・バースト・リンク:
 ・フィジカル・バースト

アバター変更
 霊子虚構世界であるSE.RA.PH内では、以下のアバターに変更することが可能。
 またアバター変更時には、その姿で身につけたスキル・アビリティも使用可能となる。
 ・ローカルネットアバター
 ・デュエルアバター(アバター変更後、加速コマンドは使用不能)

【人物背景】
梅郷中学に通う。中学2年生。
小柄かつ肥満な体型と内向的な性格により苛めを受けていたが、上級生である「黒雪姫」と呼ばれる少女の誘いにより、
ソーシャルカメラの映像から再構成された加速世界と、そこを舞台とした対戦格闘ゲーム《ブレイン・バースト》を知ることとなる。
加速世界で「シルバー・クロウ」となった彼は、黒雪姫の騎士として、また《ブレイン・バースト》の1プレイヤーとして、様々な敵と戦いを繰り広げる。

原作16巻以降からの参戦であり、彼自身もメンタルは高くなっているのだが、聖杯戦争のルールを理解し萎縮している。
メタトロンとのリンクについては、シルバー・クロウのアバターに変わっていないため未確認。

【方針】
現実世界への帰還。できるなら戦いたくない。


960 : 有田春雪&キャスター ◆r1IIRkiESQ :2014/07/06(日) 21:31:19 Xu672nho0
有田春雪&キャスターの投下終了です。
キャスターの出展に問題があるようなら取り下げます。


961 : ◆CSCT3MMMIs :2014/07/06(日) 22:01:03 D3cGsoDI0
投下します


962 : サイコマン&バーサーカー  ◆CSCT3MMMIs :2014/07/06(日) 22:01:53 D3cGsoDI0

「さて、これは一体どうしたらでいいでしょうかねぇ?」

 白を基調としたのハットとドレスをまとい、顔にメイクを施したピエロのような男。
 華奢かつ細身ではあるが、どこか怪しい雰囲気を漂わせる。

「一人のマスターと一人のサーヴァントが組んで戦う、聖杯戦争。
 ……つまり、これはタッグマッチというわけですね」

 男の名は完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)の一人。
 死神の化身、『完幻』グリムリパー。

「サイコマンです!」

 ……もとい、完璧超人始祖(パーフェクトパーフェクト・オリジン)の一人。
 完璧・拾式(パーフェクト・テンス)サイコマンである。

「さて……」
「………」

 白髪に右目が緋、左目が翠のオッドアイ、黒いシャツの上に紅いジャケットを羽織り。
 動き難そうなベルトを腰に巻き、袴のようなゆったりした黒いズボンを履いている。
 ここまでなら、まだ人間に見える。

「貴方が私のサーヴァントですか?」

 ただ一点、『右腕から目に見えるような瘴気のような黒いオーラが噴出し全身を包み込んでいる』点を除けば。
 見る者が見れば彼をこう言うだろう……『黒き獣』と。

「■■■ーーーー!!」
「なるほど、見境無しの狂戦士いえ、狂犬っと言ったところですね。
 ……ですが、このまま、私まで襲われたら、本末転倒ですね」

 その『黒き獣』の名は『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』。
 『死神』の異名を持つ世界最高額の賞金首である。

 狂化によりラグナは理性が残ってない。
 獣のようなうめき声を上げ、ラグナはサイコマンに突っ込む。

「■■■、■■■ーーーー!!」
「やれやれですね」

 突っ込んで来たラグナの頭部を片手で掴む。
 そのまま片手でラグナの身体が持ち上がっていく。

「言うことを聞かない狂犬には少し躾が必要ですね、ニャガ―ッ!!」

 所謂、ワンハンド・ブレーンバスター。

 ラグナの頭部を地面に叩きつける。
 そのまま、地面に転がったラグナを二、三度蹴る。

「少しは大人しくなったようですね。
 全くお荷物と組まされる私の身にもなってほしいものですね」

 動かなくなったラグナを見下しサイコマンは呟く。
 しかし、サイコマンに不安などなかった。
 むしろ、少しばかりラグナ……厳密にいえばラグナの右腕に興味が湧いた。

「……人間が造った物とはいえ、実に興味深いですね、ニャガニャガ!!」
 
 『死神の化身』は不敵な笑みを浮かべる。
 『死神』はまだ起きる気配がない。


963 : サイコマン&バーサーカー  ◆CSCT3MMMIs :2014/07/06(日) 22:02:24 D3cGsoDI0

【クラス】バーサーカー

【真名】ラグナ=ザ=ブラッドエッジ@BLAZBLUE

【パラメーター】
 筋力 A 耐久 B 敏捷 A 魔力 A 幸運 E 宝具 EX

【属性】
 混沌・悪 

【クラススキル】
 狂化:B
 魔力と幸運を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。

【保有スキル】
 ソウルイーター:B
 他者の生命力を蝕み、吸収する能力。任意のコントロールが出来ず、常に効果を発揮している。

 世界の破壊者:B
 世界の秩序を破壊できる能力。

 陣地作成:E
 段ボールや新聞紙で寝床とかを作ることができる。ただ狂化のため失われている。 

【宝具】
『蒼の魔導書(ブレイブルー)』
 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:??? 最大補足:????
 『魂』を対価に「この世の理」を汲み取るべく生み出された魔道書。
 周囲の生命力を吸収し、所有者に無尽蔵の魔力と生命力を齎す。

『猛襲する漆黒の闇(ブラックオンスロート)』
 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1〜5 最大補足:1人
 『蒼の魔道書』発動中にのみ使用出来る宝具。
 他者の身体に直接ソウルイーターの波動を叩き込み、生命を全て『喰い尽くす』。
 発動すれば、文字通りの必殺。

【weapon】
 ブラッドサイズ
 白と黒を基調としたセラミック製の大剣。

【人物背景】
 世界を統治する「統制機構」に対し、たった一人で反逆した「死神」の異名を持つ男。
 世界最強の「蒼の魔道書」を右腕に宿しており、そのため統制機構や咎追いだけでなく。
 その魔道書を求める者たちからも常に狙われ続けている。
 最新作クロノファンタズマにおいて、帝に「黒き獣化(今の状態)」させられて暴走状態である。

【サーヴァントとしての願い】
 もう何も失いたくない

【基本戦術、方針、運用法】
 ただひたすらに攻める。


【マスター】
 サイコマン@キン肉マン

【参加方法】『ゴフェルの木片』はどこから手に入れた。(詳細は不明)

【マスターとしての願い】
 世界平和

【weapon】
 帽子、サンダーサーベル

【能力・技能】
 凄まじいまでの握力と宇宙的レスリングを破るほどのレスリング技術。
 あとマグネット・パワー。

【人物背景】
 原初の完璧(パーフェクト)超人。
 太古の時代、かつて超人という存在は私欲で暴走し、戦争の絶えない絶望の世界を作りだしてしまう。
 その惨状を嘆いた神々は遂に下界へ干渉することを決意、
 超人に有効な「カピラリア七光線」を照射し、全ての超人を根絶させ、一度世界をリセットするという手段に乗り出す。
 しかし、その決定にある一人の神が反対。 彼は『自分が神の座を降りて一超人となる代わり、今もなお絶望の世界を変えようと努力する能力・人格に優れた超人は救いたい』と提案する。その神によって光線発射の前に救われ、下界に降り立った神に選ばれた10人の完璧超人始祖のひとり。
 通称『完璧・拾式(パーフェクト・テンス)サイコマン』。

【方針】
 明確な方針は定まっていない。


964 : サイコマン&バーサーカー  ◆CSCT3MMMIs :2014/07/06(日) 22:03:01 D3cGsoDI0
投下終了です


965 : ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:53:55 YvrDlzJA0
投下します。


966 : ユーゼス・ゴッツォ&アーチャー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:54:45 YvrDlzJA0

「フ……我がアサシンは自害させられたか。やはりあの程度ではルーラーは殺せぬようだな」

 暗い部屋の中で、仮面の男が呟く。
 その表情は見えないが、少なくともその声色はアサシンの死にこれと言って思うことがないことは確かだった。
 だが、それはサーヴァントを失ったマスターの反応としては明らかに異常だ。

 彼こそはルーラーを殺害せしめんとした大逆者、ユーゼス・ゴッツォ。
 情報分解が始まりつつあるというのに、彼には全く動揺する様子が見られない。
 その落ち着きようが、何よりも強く現している。予定通りだと。

「アサシンには期待していたのだが」
「ザコにはそれが限界だということだ」

 ユーゼスの背後で堂々たる偉丈夫が実体化する。
 飢えた狼を思わせる鋭い眼光。手に持つは方天戟。そして弾を飾る綸子。
 その真名は呂布奉先。三國無双として名を轟かす裏切りの武将である。

「ではお前が真の英雄というものを見せてくれるということか、アーチャー?」
「つまらん能書きはいらん。さっさと俺との契約を済ませろ」

 ククク、と笑いながらユーゼスは腕を掲げた。


 ■ ■


 ユーゼスにとってアーチャーとの出会いは幸運ではあったが、当然の結果でもあった。
 かなり初期に記憶を取り戻してからはアサシンを使い諜報に勤しんでいたが、その中でアーチャーを召喚したばかりのマスターを発見。
 さらにそのマスターとアーチャーが険悪な状態に陥っていることに気付いたユーゼスは、アサシンを使いそのマスターを暗殺。
 アーチャーはマスターを見殺しにするだろうと見立てたためであり、そして、その通りの結果となった。
 その後、ユーゼスはアサシンの行動を諜報から暗殺へと切り替えた。「使い捨てて問題ない駒」になったからだ。
 ユーゼスはアーチャーにこう持ちかけていた。

『アサシンの死後、私と契約しろ。お前の力、今以上のものとしてやろう……』

 アーチャーもそれに従い、これによってアサシンにはマスターに裏切られ、ルーラーに殺された。


 ■ ■


967 : ユーゼス・ゴッツォ&アーチャー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:55:25 YvrDlzJA0

「読み通りだったな。ルーラーからのペナルティはサーヴァントを通してのもの……
 故に対象となるサーヴァントが消えれば無効化されるようだ。
 しかし、既に失った令呪の補給はなしか。まあ、よかろう」

 情報分解から復帰したユーゼスは、自らの手に浮かぶ二画の令呪をさする。
 フン、とアーチャーは鼻で笑った。

「あんなザコに、令呪一画の価値があったのか?」
「彼はよく働いた。
 殺害したNPCのうち五人がマスター候補、もしくはマスター。十分な成果だ」

 ユーゼスはアサシンを労る言葉を返した――しかし、声色は全く労っていなかったが。
 その背後には巨大なフラスコのような器具がある。その中には、殺したマスター達の残存データと思しき人体のパーツが浮かんでいた。
 マスターのデータである以上何か再利用の道があろうと、ユーゼスは彼らの情報を保管しているのだった。

 既にユーゼスのいる屋敷は、彼の手により数多の改造が加えられている。
 もはやここはただの屋敷ではなく、ラボであり基地である。

「更に、私は十一組のマスターとサーヴァントの情報を手に入れている。
 私は戦う前から、他のマスターに先んじているということだ。それに……」

 す、とユーゼスは立ち上がる。その仮面の裏で、薄笑いを浮かべているような気配と共に。

「お前としては、令呪の少ないマスターの方が信用できよう?」
「……なるほど、この俺を誘うだけのことはあるようだな」

 アーチャーが、その巨大な体躯から見下ろしてくる。
 その視線は、まさしく飢えた孤狼。

「だが忘れるなよユーゼス。力を振るわせると言ったから俺は登用に応じたのだ。
 俺を満足させられなければ、貴様は先に死んだクズと同じ末路を辿ることになる」
「フ……胸に留めておこう。
 では最初の命令だ、アーチャー。しばらくは屋根に上がり、この陣地に近づくものを狙撃せよ。
 宝具が弓ではないとはいえ、その弓勢……再現されていよう?」
「当然だ」
「私はその間、色々と仕込みをしておく。ルーラーに勘付かれぬようにせねばならんしな。
 そのうち、お前にも面白いものを見せられるかもしれん」

 頷き、霊体化して去っていくアーチャーからユーゼスは視線を離し、コンソールを展開した。


 ユーゼス・ゴッツォ。
 「定められた因果からの解脱を試み、そして敗北する」それが、数多の平行世界の彼が持つ定められた因果である。
 ここに来た彼もまた因果に挑むユーゼス・ゴッツォの一人。ただし、彼には他のユーゼス・ゴッツォとは違う点があった。

(クロスゲート・パラダイム・システムのみでは、我という存在を縛る因果の鎖を断ち切れぬ)

 それが、このユーゼスが至った結論であった。
 クロスゲート・パラダイム・システム。限定因果律操作装置。
 数多のユーゼスがこの装置の完成による因果律操作を目論み、そして散っていった。
 ならばクロスゲート・パラダイム・システムの完成を目指すのみでは、ユーゼス・ゴッツォは因果の鎖から逃れられぬのではないか?
 このユーゼスはそう推論し、様々な情報を集め……そして、地球の月に存在するという「ムーンセル」の存在に辿り着いた。
 完成したクロスゲート・パラダイム・システムに劣らぬ願望器。
 これならば自らを縛る因果の鎖を断ち切れるかもしれぬ。できなくとも、クロスゲート・パラダイム・システムを完成させる一助となろう。
 そう判断したユーゼスは方舟へのハッキングを行い、この聖杯戦争に参加した。


968 : ユーゼス・ゴッツォ&アーチャー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:56:09 YvrDlzJA0

 方舟に乗り込むにあたりユーゼスは、ハードウェア・ソフトウェア問わず多数の装備を開発した。
 持ち込んできたものも、地上からユーゼスのハッキングを支援するものもある。
 純粋な武器もあれば自作のコードキャストもある。純粋な科学もあれば擬似的な神秘を有するものもある。
 それを全て使えば、ある程度のルールブレイクすらも可能な域に至っている。

 無論、いきなりは無理だ。最初はせいぜい方舟という服の中にある一本の糸を裂ける程度のもの。
 だが糸を裂き続ければやがて布の裂け目ができ、やがて巨大化した裂け目は虫(バグ)の入る穴となろう。
 ルールを自らの物とし……そして、アーチャーに絶対的な力を与えてやる。その代わり、裏切ることができないようにもするが。
 そうすればユーゼスの勝利は確定だろう。

「問題はルーラー。奴は排除せねばな」

 故に、ユーゼスはルーラーを敵視する。
 裂け目を塞がれるような事はあってはならない。
 彼にとってルーラーとはまさしく聖杯戦争の因果を守る存在、方舟においての因果の鎖だ。

「ルーラーすらも越え、聖杯に至る。
 クロスゲート・パラダイム・システムに代わる力を得る……それも私だ」

 因果律の改変へと至る前段階として、ユーゼスは聖杯戦争の改変を狙う。


969 : ユーゼス・ゴッツォ&アーチャー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:57:04 YvrDlzJA0
【クラス】アーチャー
【真名】呂布奉先(三國無双版)
【パラメーター】
 筋力A 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A
【属性】
 混沌・悪 
【クラススキル】
 単独行動:A
  マスター不在でも行動できる。
  ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合は、マスターのバックアップが必要。
 対魔力:D
  一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
  魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
【保有スキル】
 勇猛:B
  威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
  格闘ダメージを向上させる効果もある。
 反骨の相:B
  一つの場所に留まらず、また、一つの主君を抱かぬ気性。
  自身は王の器ではなく、また、自らの王を見つける事のできない放浪の星。
  同ランクの「カリスマ」を無効化する。
【宝具】無双天武掌
 ランク:A 種別:対軍 レンジ:1〜40 最大補足:1〜50人
 方天戟から呂布の闘気を束ね解き放つ。
 有り余る闘気は一軍を容易く吹き飛ばし、防御されようとも最終的には切り崩す。
 正確には武具ではなく呂布が編み出した流派とも言うべきものであり、武器に拘らず使用可能。
 この呂布は他にも無双の奥義を持つが、今回はアーチャークラスとして召喚されたために無双天武掌のみが使用できる。
【weapon】
 方天戟、弓
【人物背景】
 武芸を極め、弓馬に優れた猛将。
 名馬赤兎馬を駆り、その鬼神の如き強さをもって「人中の呂布、馬中の赤兎」と称された。
 力に最大の価値を見出し、自らの力への自信から社会的倫理を顧みずに生きた漢。
 (出典元より抜粋)
【サーヴァントとしての願い】
 自らの力を示すこと。
【基本戦術、方針、運用法】
 とりあえずはユーゼスに従うつもりである。
 とりあえずは、だが。


970 : ユーゼス・ゴッツォ&アーチャー ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:58:06 YvrDlzJA0

【マスター】ユーゼス・ゴッツォ
【参加方法】用意した装備・設備によるハッキング
【マスターとしての願い】
 自らを縛る因果の鎖からの解脱
【weapon】
 コードキャストなどを自作して持ち込んできている。
 単純な武器だけではなく、情報を様々な形で改変する装備も多数。というより、むしろ後者が主。
 また地上からは未だに多数の設備を方舟へと繋いでおり、ネットワークを介して自らの行動を支援させている。
 これはFate/EXTRAにおけるユリウスと同じ手法。ただし彼のように自分の体を改造されてはいない。

 さすがに自分が乗って操縦するようなロボットの類は持ってきていない。
【能力・技能】
 天才的な科学者。
 限定因果律操作装置『クロスゲート・パラダイム・システム』を開発できるほどの知能を有する。
 操縦者としても非凡だが、ロボットを持ち込むのは無理だった。
【人物背景】
 スーパーロボット大戦シリーズにおいて、ラスボスを複数回担当している人物。
 作品によって違いはあるものの、
・天才科学者であること
・策謀家であり、裏で様々な謀略を巡らすこと
・自らの運命から逃れようとすること
・ウルトラマンが大好きなこと
 は共通している。
【方針】
 優勝。
 聖杯戦争のルールブレイクを行い、自らを有利にする。
 邪魔になるルーラーは早期に排除する。


971 : ◆holyBRftF6 :2014/07/06(日) 22:58:47 YvrDlzJA0
投下終了です。


972 : ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:11:32 LjRViNEg0
皆様投下お疲れさまです。
秋葉流&ランサーを投下します。


973 : ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:11:57 gO82dEa.0
投下します。


974 : ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:12:29 gO82dEa.0
あ、割り込みすいませんでした。待ちます。


975 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:13:48 LjRViNEg0
風が、吹き荒ぶ。

記憶を失っても。
嫉妬と羨望の眼差しを向けられない日常を送っていたとしても。
彼の心の奥底では、常に風が鳴り響いていた。

仮初めの平穏程度が、彼の心に渦巻く風を止められる道理もなく。
故に、彼がその音に気付き、真なる己を取り戻す事も、また決まりきっていた事なのだろう。

「――ああ、随分とくだらねえ夢を見てたみたいだな」

クク、と自嘲混じりの空虚な笑みを男、秋葉流は浮かべる。
自身の家としてあてがわれたのは、自分が裏切った少年の生家を模した寺院。
なんとも趣味の悪い冗談だ。
この戦争の主催者は生粋のサディストに違いないと、呆れ半分に呟く。
悪趣味ついでと、流の足が外へと向かう。
辿り着いたのはあの化け物が封じられていたという土倉。
あの化け物でも縫い止められていないかと、軽い気持ちで扉を開く。
一瞬、言葉を失った。
そこにいたのは、『槍』を持つ『虎を連想させる色合いの髪』をした一人の女性だった。

「お前、は……」
「寅丸星、毘沙門天様の使いをやっております。此度はランサーのサーヴァントとして呼び出されました。貴殿が私のマスターでしょうか」

違った。
あいつらは関係なかった。
安堵のため息を吐いた直後、ランサーの発言を理解した流は改めて硬直した。

「あ、ああ。そうだと思うけどよ。あんた今、毘沙門天の使いって言ったか?」
「はい、未だ未熟者の身なれども、毘沙門天様の使いとして、日々勤めを果たしております」

絶句。
彼とて仏門に身を置く身である。毘沙門天がどのような存在であるのか、知らないはずがない。
その使いをしているものだと言われては、さしもの彼であっても驚愕は隠し得なかった。
だが、その驚愕も一瞬。
次に表れた感情は疑問。
毘沙門天といえば仏像によっては邪鬼を足蹴にしたものもある、言わば魔を払う存在だ。
何故そのような神の使いが、私欲で大妖・白面の者の側へ裏切った自分のサーヴァントとして呼ばれたのか。


976 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:14:37 LjRViNEg0
「時に、不躾な質問をさせていただきますが」

流の思考をランサーの言葉が遮る。

「マスターは槍を持つ者に、何か特別な思い入れでも?」

想定外の質問に、流は自身の表情が瞬時に強張るのを感じた。
はねあがった鼓動が嫌でも感じ取れる。

「確かに、随分と不躾だな。毘沙門天様の使いが、相手の心を読めるなんて話は聞いた事がないぜ」

軽薄な表情を装い、軽口を叩く。
何故、目の前の女は会ったばかりの自身に対し、そのような事を聞くのか。
流の中で、自身のサーヴァントへの警戒心が高まっていく。

「あ、いえ、私にはそのような神通力はございません。ただ、私がランサーとして顕現すること事態が、まずありえない事でしたので……」

自身の主にあからさまな警戒心を持たれ、ランサーは慌てて訂正をする。
本来であれば、ランサーとして呼ばれる事はイレギュラー。
ランサーが語る。
本来の彼女ならば、召喚されたとしても呼び出されるのであれば、アーチャーかキャスター。
ランサーの適性もなくはないが、彼女の宝具であるビームを放つ宝塔の存在、そして彼女自身が肉弾戦をそこまで得意としておらず、また、宝塔そのものがランサーで召喚されると使用ができない。
故にランサーとしての召喚は、そもそもの槍や槍兵に対してのなんらかの執着をもったマスターにでも呼ばれない限り、まずあり得ない事なのだと。

「なるほどな、その疑問に答える為に俺も一つだけ質問がある。……その髪の色から想像しただけなんだが、あんた虎の化身かなんかか?」

その問いに、ランサーは微かに瞬巡しながらも答える。
どうやら、彼女も脛に傷を持つ身であるらしいことを流は察する。
そして、流は何故自分に対して彼女が呼び出されたのか理解できた。
サーヴァントの中ではマスターと何らかの関連性をもったものが呼ばれる可能性があるという。
自身が身を置く仏教に属し、そして、あの二人を象徴するかのように槍を扱う虎に酷似した何か。
このランサーを呼ぶには充分すぎる要因というものだ。

「なるほどな、確かにあんたが槍兵で呼ばれたのは、俺が原因らしい。しかし、そうなると十全に力を発揮できないサーヴァントを俺は呼んじまった事になるか」

それは困った事になった、と流は内心頭を抱える。
頼みもしてないのに巻き込まれた聖杯戦争で、呼び出されたのは本調子でないサーヴァント。
この戦争の主催者は自分に怨みでも持っているのかと毒づきたくなってくる。

「はい、これでも長年、お忙しい毘沙門天様に代わって代理を勤めてきた身です。法力には一日の長があるという自負はありますが、数多の英雄との戦を切り抜けられるかと言うと……」
「まあ、その、なんだ」

呼び出した流が原因だというのに申し訳なさそうなランサーの言を、苦笑混じりに流が遮る

「足りない分は戦い方次第でどうともなる。幸いにも法力を駆使しての戦いって点に関しては俺だってそれなりの自負があるし、そこに関しては、まあ、どうとでもなるだろうさ」

ただ、と流は続ける。

「正直に言わせてもらうぜ。俺は聖杯に抱く望みなんぞねえ。正確にはその望みが叶うかもしれねえって時に呼び出されて迷惑してる。可能なら今すぐ聖杯をぶっ壊してでも元の世界に戻りたい」

その発言にランサーは目を見開く。
巻き込まれたに同然で脱出を優先するであろう参加者の存在は知らされていたが、運悪く自分が呼び出される事になるとは思いもよらなかったのだろう。
運の悪いサーヴァントもいたものだと、流は同情する。


977 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:15:19 LjRViNEg0
「優勝する以外に方法がない、としたら貴方はどうしますか?」
「そりゃ、最短で優勝を目指すさ。同盟、暗殺、騙し討ち。使えるものはなんでも使ってな」

軽薄な表情で事も無げに流は言ってのける。
実質、彼はそれができるのだ。
自分を信じ真っ直ぐに見つめる、あの眼差しを、己の為だけに裏切った男が、その程度の事を躊躇う道理がない。
ただ、と流は続ける。

「仮にもっと簡単に聖杯戦争を抜け出す方法があり、あんたがそれを隠していたとするなら、俺はあんたの願いを聖杯に願ってでも邪魔してやるよ」

そういって自身を見据えるマスターに、ランサーはゾクリと怖気を覚えた。
軽薄な表情は変わらない。
だがその瞳の奥に、かならずやり遂げるという、どす黒い悪意を読み取ったからだ。
背筋を冷たい汗が一筋流れた。

「毘沙門天様に誓って、嘘は申しません」

一息、呼吸を整え、流の放つ怖気に負けぬ程の気を放つ。

「サーヴァントとして知識を与えられた私の知り得る限り、優勝をする以外にこの戦を抜ける手立てはありません。故に私達は勝ち残る以外に己が望みを叶える術がない」

沈黙。
互いの視線が交差する。
緊張状態を先に破ったのは流だった。
ため息を一つ、視線を外し、肩を竦める。

「ま、それしか手段はねえってんなら、しょうがねえか。改めて、あんたのマスターをさせてもらう秋葉流だ。毘沙門天様の使いを顎で使うなんざ畏れ多いけどよ、よろしく頼むぜ」

これ以上の詮索は無意味と判断し、流が折れた。
ククッという笑い声を挙げながら浮かべた笑みには、既に剣呑な雰囲気は感じられない。
ほっ、とランサーは安堵のため息をつく。
踵を返し、土蔵を出ようとした流の足が不意に止まった。

「そういや、あんたの望みを聞いてなかったな。正直、あんたみたいなの望みなんて『衆生の救済』くらいしか浮かばないけどよ」
「いえ、私の願いは……」

ふとした疑問。
軽い気持ちで聞いた質問を、流はいつかは知る事であっても『聞かなければよかった』と後悔した。


978 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:15:53 LjRViNEg0
「人と妖怪が手を取り平等に暮らせる世界です」

『行くぜとらーッ!!』
『命令するんじゃねぇ!クソチビ!』

咄嗟に浮かんだのは、彼らの姿だった。
『人』と『妖怪』からなる最強のコンビ。
口ではなんだかんだと悪態をつきながらも、互いが互いを補いあい、最大の力を発揮する二人で一つの「妖」
ごくごく小規模な話かもしれないが、それはランサーの望む世界を体現した存在だと言えるのではないだろうか。
皮肉な話だと、乾いた笑みが流に浮かぶ。
流の世界では、人と妖怪それぞれが、その白面の者に対して力を蓄えていた。
そして、その二つの種族を繋ぎうる存在が、彼らだった。
しかし、その白面の者によって二つの陣営から彼らの記憶は根こそぎ奪いとられ、互いが相争い合うように仕向けられている。
そして、その二人の理解者たる自分はその白面の者の刺客として、彼らを殺害する為に動いている。
ランサーが勝ち自分が優勝すれば、自身はランサーの願いを踏みにじる行為をなすのだ。
つくづく、この戦争の主催者は悪趣味だと、流は感じた。

「どうか、しましたか?」

自身の願いを聞いた瞬間に様子のおかしくなった流を気遣うように、ランサーが声をかける。

「ああ、いや……」

ランサーへと向けられた顔は逆光に照らされ、良く見えなかった。
急に強い風が土蔵内へと入り込む。

「優勝の暁には迷惑料代わりに、主催者様へ恨み言ついでのキツい一発でもかましてやろうと思っただけさ」

『うんと、法力を込めた一撃をな』とは口には出さなかった。
風の音が聞こえる。
あの化け物と、あの少年と再び相見えるまでは。
彼の中に響く風音が止む事はきっとないのだろう。

流、“とら”と出会うの縁 了


979 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:18:04 LjRViNEg0
【クラス】ランサー

【真名】寅丸星

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具A

【属性】
秩序・善 

【クラススキル】
対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
飛行:A
飛行能力。
このランクであれば単身で自由に空を飛べる

神性:B
毘沙門天の代理として、長年勤めてきた事で得た信仰と神性

財宝を集める程度の能力:A
財宝の妖怪としての権能。
所有者のいない宝具や礼装が手に入れやすくなる。

法力:B
仏教に属するものが持つ、仏の加護による力。
毘沙門天の代理であるランサーは最高クラスの法力をもつが、ランサーのクラスで召喚された為ランクが低下し、十全に扱う事ができなくなっている。
魔の属性を持つ者に対して、ランサーの法力を込めた攻撃は通常以上のダメージを与える。

【宝具】
妖邪打ち払いし法灯の独鈷杵(法力「至宝の独鈷杵」)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:50人

ランサーが携えた独鈷杵に法力を注ぐ事で、独鈷杵の両端から法力による刃を形成する。
この宝具は近接武器としての使用の他、投擲武器としても使用でき、投擲した独鈷杵は自動でランサーの元へ戻り停滞する。
独鈷杵は二本あるので、一本を投擲武器、もう一本を近接武器としても使用可能。
また、この宝具は法力によって機動しているため、魔の属性を持つ者に対しては威力が向上する。

捨身飼虎 (寅符「ハングリータイガー」)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜10 最大補足:10人

自分の体の倍以上の法力を纏ったランサーが槍を携え突撃する。宝具というよりも、法術の類の技。
突撃が終了した時点で纏った法力は周囲に拡散し無差別に攻撃を加える。
また、法力での攻撃である為、魔の属性を持つ者に対しては威力が向上する。


【weapon】

槍:普通の槍、法力を纏えるので魔の属性を持つ相手には威力が向上する。

【人物背景】

元は人食い妖怪だったが、白蓮と出会い改心をした後、彼女は毘沙門天の代理として推薦された。毘沙門天に疑われこそしたものの根は真面目で優秀だった為、聖白蓮が封印され、千数百年の後に復活を遂げて以降も毘沙門天の代理としての職を全うしている。
対外的には温厚で冷静な人物だが、仲間内で見せる本当の姿は感情的で激昂する事もある。また大酒のみでようと態度が大きくなる。
聖白蓮復活の際に宝塔をどこかに無くしてしまった為、うっかり属性がついてきやすいが、今回はランサーとして召喚されたので宝塔がオミットされただけであり、うっかり無くした訳では無い。繰り返して言うがうっかり無くした訳では無い。

【サーヴァントとしての願い】
人と妖怪が手を取り合う平等な世界の実現

【基本戦術、方針、運用法】
弾幕及び宝塔を介した攻撃はランサーのクラスで召喚されたので全てオミットされている。
槍は持っているが接近戦は不得手なので、飛行能力を活かした一撃離脱戦法が主体。宝具もマスターとの兼ね合いからある程度多用はできるので、ミドルレンジでの戦闘もできる。
射身飼虎は回避したと思わせた途端に周囲に法力がバラまかれ至近距離にいるものを吹き飛ばす初心者殺し宝具。
魔性の属性を有する者に対しては強く出れるので、相手を選んでの戦闘も重要。


980 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:18:58 LjRViNEg0
すみません、一部記載漏れがありました

【クラス】ランサー

【真名】寅丸星@東方project

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具A

【属性】
秩序・善 

【クラススキル】
対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
飛行:A
飛行能力。
このランクであれば単身で自由に空を飛べる

神性:B
毘沙門天の代理として、長年勤めてきた事で得た信仰と神性

財宝を集める程度の能力:A
財宝の妖怪としての権能。
所有者のいない宝具や礼装が手に入れやすくなる。

法力:B
仏教に属するものが持つ、仏の加護による力。
毘沙門天の代理であるランサーは最高クラスの法力をもつが、ランサーのクラスで召喚された為ランクが低下し、十全に扱う事ができなくなっている。
魔の属性を持つ者に対して、ランサーの法力を込めた攻撃は通常以上のダメージを与える。

【宝具】
妖邪打ち払いし法灯の独鈷杵(法力「至宝の独鈷杵」)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜50 最大補足:50人

ランサーが携えた独鈷杵に法力を注ぐ事で、独鈷杵の両端から法力による刃を形成する。
この宝具は近接武器としての使用の他、投擲武器としても使用でき、投擲した独鈷杵は自動でランサーの元へ戻り停滞する。
独鈷杵は二本あるので、一本を投擲武器、もう一本を近接武器としても使用可能。
また、この宝具は法力によって機動しているため、魔の属性を持つ者に対しては威力が向上する。

捨身飼虎 (寅符「ハングリータイガー」)
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1〜10 最大補足:10人

自分の体の倍以上の法力を纏ったランサーが槍を携え突撃する。宝具というよりも、法術の類の技。
突撃が終了した時点で纏った法力は周囲に拡散し無差別に攻撃を加える。
また、法力での攻撃である為、魔の属性を持つ者に対しては威力が向上する。


【weapon】

槍:普通の槍、法力を纏えるので魔の属性を持つ相手には威力が向上する。

【人物背景】

元は人食い妖怪だったが、白蓮と出会い改心をした後、彼女は毘沙門天の代理として推薦された。毘沙門天に疑われこそしたものの根は真面目で優秀だった為、聖白蓮が封印され、千数百年の後に復活を遂げて以降も毘沙門天の代理としての職を全うしている。
対外的には温厚で冷静な人物だが、仲間内で見せる本当の姿は感情的で激昂する事もある。また大酒のみでようと態度が大きくなる。
聖白蓮復活の際に宝塔をどこかに無くしてしまった為、うっかり属性がついてきやすいが、今回はランサーとして召喚されたので宝塔がオミットされただけであり、うっかり無くした訳では無い。繰り返して言うがうっかり無くした訳では無い。

【サーヴァントとしての願い】
人と妖怪が手を取り合う平等な世界の実現

【基本戦術、方針、運用法】
弾幕及び宝塔を介した攻撃はランサーのクラスで召喚されたので全てオミットされている。
槍は持っているが接近戦は不得手なので、飛行能力を活かした一撃離脱戦法が主体。宝具もマスターとの兼ね合いからある程度多用はできるので、ミドルレンジでの戦闘もできる。
射身飼虎は回避したと思わせた途端に周囲に法力がバラまかれ至近距離にいるものを吹き飛ばす初心者殺し宝具。
魔性の属性を有する者に対しては強く出れるので、相手を選んでの戦闘も重要。


981 : 秋葉流&ランサー ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:19:33 LjRViNEg0
【マスター】秋葉流@うしおととら

【参加方法】
使用している錫杖にゴフェルの木片が使われていた。
「自分の本気が出せない」という虚無感が呼び寄せられるトリガーになったが、
あと一歩のところで現実でそれが叶う筈だった。

【マスターとしての願い】
元の世界に戻り、とらと全力で戦い、潮に本当の自分を見せつける。

【weapon】
錫杖:法力僧が扱う錫杖。接近戦にも使用できる。
独鈷:法具。流の場合は主に結界を張る為に使われる。

【能力・技能】
法術、特に結界を張る術に長けている。
その他、三日月型の法力の弾を浴びせる弧月、高速回転する大型の法力弾を放つ月輪といった攻撃用の法術も使用できる。

【人物背景】
獣の槍伝承者候補の1人。しかし、獣の槍自体に興味は無く、その伝承者である蒼月潮ととらに興味を持ち、潮のいい兄貴分として振る舞っていた。
幼少期から何でも出来る天才肌だった為に社会から孤立し、自分は本気で生きてはいけない。人生って奴を楽しんではいけないという思考になってしまっていた。次第に潮の信頼を重みに感じるだけでなく、多くの人妖の信頼を勝ち取って行く姿に羨望を感じていた矢先に、白面の使いからの勧誘を受ける。
白面から心の虚無感を指摘された上で、本気で戦える相手としてとらの存在を示唆された事で、裏切りを決意。白面の者の側へとついた。
この戦争には裏切り〜潮達との遭遇の間の期間に戦争へと呼び出された。

【方針】
最短で優勝を目指すが、真っ向からの勝負は余程の事がなければ選ばない。
本文中にある通り、同盟・裏切り・暗殺なんでもする予定。
当座は同盟を組めそうな相手か、騙し討ちできそうな相手を探す。


982 : ◆O2eZPN5WFA :2014/07/06(日) 23:20:16 LjRViNEg0
以上で投下を終了します。
書いてる最中に潮が投下されてびっくりしました。


983 : ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:21:00 gO82dEa.0
皆様お疲れ様です。では自分も投下します。


984 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:21:59 gO82dEa.0
「ふっざけんなあああああああッ!!」

データ上に再現された冬木市、その町を左右に断ち切る未遠川の水上に浮かぶ貨物船の中で、一人の男が空に吠えていた。
短くも長くもなく整えられた銀髪をくしゃくしゃにし、
そこそこに端正であったであろう相貌を乱した科学者風の男……Dr.ウェルは押さえきれない嘆きを慟哭に変え続ける。
「ここまで……ここまで来たんだぞッ!」
無理はなかった。後一歩だったのだ。
月の落下による世界滅亡を控えた世界で、彼は己が望みを叶える後一歩までたどり着いていたのだ。
彼の属していた武装組織フィーネは、その災厄に立ち向かう為に創られた組織だった。
だが、それは組織と言うにはあまりにも幼く、弱すぎた。
「ナスターシャのクソババアは犠牲に怯え思考と指向を鈍らせるッ!
 ガキ2人は友達づきあいのレクリエーションと勘違いしてやがりッ!
 トドメとばかりにアホのマリアは弱虫泣き虫いじけ虫と来てやがる……ッ!!」
そんな組織に犠牲を許容することも何かを貫くことも出来るわけもなく、
掲げられた槍の穂先の向かう先は、組織の空中分解と本来の帰属先であるアメリカからの抹殺以外になかった。
「それをッ! ボンクラだらけの貧乏所帯をなんしか組織の体(てい)に整えッ!
 特機部ニと米軍艦隊をかき分けてッ!災厄より逃れる唯一の箱船……フロンティア浮上まで至らせたのは、
 この僕じゃないかああああッ!!」
巨大なる現実にくず折れそうになった理想。それを立ち上がらせたのが、誰であろうこの男だった。
その背は高くとも肉の足りぬ体からあふれ出す理想(ゆめ)は、組織をかろうじて維持し、
目的まで数多ある障害を「必要経費を支払って」達成し、
フロンティア……古代先史文明期に封じられた星間航宙船型聖遺物・鳥之石楠船神を復活させた。
後はそれを掌握するだけでウェル博士の理想は達せられるはずだった。
その方舟の中にあった、もう一つの方舟の破片を見つけなければ。

「ふざけんな、ふざけんな……ふざけんなよ……どうして僕がこんな目に会うんだ……
 頑張ったんだぞ、僕は、一所懸命にッ! だったら叶わなかったらおかしいだろうがよッ!」

油で薄汚れたメガネがずり上がる。それほどの絶望だった。
夢を諦めない。ただその一念だけで突き進み、たどり着いた場所は皮肉にも立ち向かうべき月の海だった。
偽りの学園生活は最初から色褪せていた。こんな十把一絡げ、顔のない世界なんて吐き気がする。
掴みたかったのは「唯一」。彼が抱いた夢は、こんなものからもっとも遠いのだから。
だが、その祈りは空しくもセラフの中へ消えてゆく。

「イヤだッ! イヤだイヤだイヤだイヤだイヤダイヤダイヤイヤイヤッ!!
 僕は成るんだッ!! 絶対に、必ずッ!! 僕は、僕は――――!!」

「ならば、聞かせてくれよ。お前の欲す夢を」


985 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:23:37 gO82dEa.0
その叫びに応ずるようにもう一人の男が囁く。
つばのある帽子を被り、軍服の上から真白い外套を羽織った長身の男だった。
目つきは鋭いが、美形にカテゴライズされるだろう。
だが、そんな些末など吹き飛ばしてしまうほど、その笑みは剣呑の極みだった。

「だ、誰だお前は……ッ!?」
「人に誰何するのであればまず自分からと思うが……なに、無礼は不躾に問うた俺も同列。
 見ての通り、お前のサーヴァントだ。キャスターのクラスをあてがわれている」

キャスター。その単語を聞き、ウェル博士は己が立つ場所……聖杯戦争のことをようやく思い出した。
ただ一つの熾天の座を巡る殺し合いの儀。そしてその為の力、サーヴァントこそが目の前にいる男なのだ。

「そら、突っ立っているだけでは案山子と変わらんぞ。詠ってくれよ、ここに来た意味を。お前の内に熾る願いを」
「ぼ、僕は……」
月の災厄を阻止するため、と嘯こうとした口が本能的に噤む。
濁り過ぎていっそ澄み渡ったような紫瞳が、ウェルという夢を暴こうとしていた。
御為ごかしの嘘を吐こうものなら、殺される。
必要なのは、本気。本気の夢だけが、このサーヴァントを揺り動かすのだと確信した。

「僕は、僕は英雄になるッ!! 誰からも賞賛される英雄にッ!!」
フロンティアを掌握したそのときこそ解き放つつもりだった赤心を晒す。
キャスターは口をゆがめるが、それが笑みか失意かはまだ判別できない。
「ほう、ならば如何にしてそれを為す。いや、そもそも英雄になるという矛盾はどうする。
 古今東西、英雄論の欠陥なぞとっくに手垢まみれだ」
英雄になろうと思った時点で英雄失格。英雄とは犠牲の証明。
抱いた理想と共に溺死する末路だけが英雄志願に残された道だ。
「やっかましいッ!! 僕のオカンでもペットでもないお前に心配される謂われはないッ!!
 僕だけが気づいた必勝法は完全無欠ッ! 英雄の手に収まらないほど人類が溢れたというならさっ引けばいいだけのことッ!!」
だが、そんなこと知ったことかと、子供のような瞳で彼は現実に抗う。
人の数だけ祈りがあって、そのぶつかり合いで英雄が磨耗するというなら、その人の数を程良く減らせばいい。
「他の奴が真っ当を言おうが知ったことか! 真っ当で何が出来る!? 
 真っ当で何が届くッ! 知るか知らいでかッ! 僕はその先のものを掴むッ!! それが、それがッ!!」
彼が抱く祈りが、俗人にとっては奇異に映ることなど知っている。
目の前の男がサーヴァントということを差し引いても異常なことはよく分かっている。
それでも。

「それが、僕の「夢」だからだッ!!」

それでも、夢だけは裏切れない。理屈で夢は止められない。
胸に秘めた有らん限りの想いが、空に、水面をに消えてゆく。
糸が切れたように、ウェル博士は尻餅をついた。言ってしまった。言い切ってしまった。
彼とて知っている。自分が抱く夢が凡俗には理解できないものであることを。だから最後の最後まで胸に秘めていたのだ。
英雄になる過程で人類を絶滅寸前にまで追い込む。
こんな願い、真っ当なサーヴァントならば到底許容できるものではない。


986 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:25:01 gO82dEa.0
「……ふ、ふふ」

だが、ウェルの夢に応じたこのサーヴァントは真っ当を超越していた。

「ふはははははははッ!! いいな、心地いいぞその想い!! 
 自分を異端と弁え、それでもと己の夢を貫かんとするその勇気。実に俺好みだ!!」
哄笑ではない。嘲りなどでは断じてない。この狂える青二才が抱く青臭い願いを、本心から尊敬している。
「理屈や方法論がどうこうと、無意味とは言わんがそれを矢面に出すなど女々しくで仕方ない。
 重要なのは先ず覚悟! 道理を捻じ曲げようと何が何でも事を成し遂げようとする気概ッ!!
 あらゆる展望を論じる前に、これを押し通さなければ話にもならんッ!!」
笑いながらも真っ直ぐに見据えてくる瞳に、ウェルは確信した。ああ、こいつも同類なのだと。
見果てぬ夢を、それでもと言い続けてきた青臭い奴原なのだと。

「いいだろう。貴様を我がマスターと……否、それではこの敬意には似つかわしくない。
 お前はセージによく似ている……親友と呼ばせてはくれまいか?
 そして魅せてくれ、応援させてほしい。お前の夢の続きを、この月の邯鄲(ユメ)で」

尻餅をついたウェルに、魔人が手を伸ばす。
誰にも理解されなかった夢は、この月でついに真の理解者を得る。

「ならば、僕はなんと呼べばいい? 貴方の真(まこと)の名を教えてくれ」
「名をいうも憚られるしがない罪人だ。それでもというのならば、大尉と呼んでくれ」

手をつかむ。二人の間に、未遠川の涼やかな風が吹いた。

「問いましょう。貴方の願いは?」
「楽園(ぱらいぞ)を。光り輝く勇気の下で、人間賛歌を歌いたいのだ」

キャスターの言に偽りは何一つない。だがウェルは確信する。その為ならばこの男はなんでもするのだ。
そのためならば世界を混沌(べんぼう)に叩き落としてでも。
僕だってそうするから。

「困難だ大尉、ああ、余りにも困難だ」
「青臭いとは自覚しているよ。だが――」

ずり上がった眼鏡を整える。だが、すぐにずり落ちた。

「僕たちは夢をあきらめない」
「故に、我等の夢は、必ず叶う。なぜならば――」

右手に魔人の手を、左手にソロモンの杖を。
魔に彩られた両の手を天に掲げる。

「「なぜなら誰でも、諦めなければ夢は必ず叶うと信じているのだァァァァァァァッ!!!!」」


ああ―――――――なんて、空気が旨い。


987 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:26:09 gO82dEa.0
【クラス】キャスター
【真名】甘粕正彦@相州戦神館八命陣
【パラメーター】筋力D 耐久C+ 敏捷C 魔力A+ 幸運B+ 宝具EX
【属性】混沌・善

【クラススキル】
『陣地作成:A』
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。“神殿”の形成が可能。
 創法の形と界。かつて夢界にてキャスターは内部に大聖堂を設けた戦艦・伊吹を創り上げた。
『道具作成:A』
 魔力を帯びた器具を作成可能。
 キャスターが最も得意とするのは創法の形であり、
 核・水爆・衛星兵器など、近代兵器・近未来兵器の作成すら可能。
 ルーラー(ジャンヌ)でさえも欲しがるスキル。
『対魔力:−』
 アーチャーのクラススキルである対魔力はキャスター適正によって相殺・消滅している。
 軽減などもったいない。全力の輝きこそを受け止めたいキャスターは気にしていない。
『単独行動:B』
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

【保有スキル】
『邯鄲の夢:EX』
 普遍的無意識の集合世界である夢界において、イメージの力で超常現象を発動させる技術。
 大別すると五種、細分化して十種の夢に分類される。
  戟法・剛(筋力UP)、戟法・迅(速力UP)、楯法・堅(防御UP)、楯法・活(回復力UP)
  解法・透(自己当たり判定無視)、解法・崩(相手の防御無視)、呪法・射(単体魔法攻撃)、
  呪法・散(全体魔法攻撃)、創法・形(物質創造・操作)、創法・界(環境創造・操作)
 これらを組み合わせて己独自の夢を創り上げるのが邯鄲の極意であり、スキルレベル上昇によって同時展開できる夢が増える。
 邯鄲を制覇した盧生――EXクラスになると現実世界にまで夢の力を持ち出せる上、
 これら10項に属さない、五常・終ノ段が使用できる。(位階は序段・詠段・破段・急段・終段となる)
 ただし、サーヴァントであるキャスターは夢界の代わりにセラフを用いているため、
 中枢を掌握でもしない限り出力・燃費は生前のそれに劣る。

『勇者:D−』
 驚異的存在(魔王)に立ち向かう者の概念。敵対者と自己のレベル差が相手側に開けば開くほど自己のパラメータをアップさせる。
 本来キャスターは魔王・魔人側に属するため、本来ならばこのスキルが付与させることはありえないが、
 人類の普遍的無意識たるアラヤにまで(呆れ気味に)賞賛されたことで手に入れた。『勇者(バカ)』。

『二重召喚:B(弓)』
 二つのクラス別スキルを保有することができる。極一部のサーヴァントのみが持つ希少特性。
 夢を操る魔術師でありながら、近代兵器や神性存在の釣瓶打ちを得意とする弓兵である魔人の証明。

『戦闘続行:C』
 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。
 諦めなければ、夢は叶うと信じているのだァッ!!

『使い魔(蠅):A+』
 蠅(の悪魔)を使い魔として使役できる。攻撃力はないが魔力さえ供給すれば復活も容易。欠点はウザいこと。


988 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:26:46 gO82dEa.0
【宝具】
『裏匂陳・百鬼空亡(そらをほろぼすひゃくのおに)』
ランク:B− 種別:対軍宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉 100人
邯鄲の夢、五常・終ノ段。狂える大地の化身たる百鬼空亡を召喚する。
その狂気のまま、悶え苦しむように周囲のありとあらゆるものを破壊しつくす。
発動条件は確保した霊地を狂わせ、その霊地を霊脈ごと捧げること。
霊地ならば5ターン、大霊地ならば10ターン暴れ続け、最後にはその霊地及び地脈エリアごと消滅する。
本来ならば発動すれば誰も倒せない地球の神霊だが、月の疑似世界ではその力は大幅に減じている。(それでも脅威だが)

『斯く在れかし聖四文字(あんめいぞ・いまデウス)』
ランク:B 種別:自己強化宝具 レンジ:− 最大補足:1人
邯鄲の夢、五常・急ノ段。キャスターの抱く「お前たちの輝きが魅たい」という夢と
敵対する者たちの「奴(キャスター)の脅威に立ち向かおうと勇気を奮い立たせる」という夢が同時に成立することで発動。
強まる輝き(勇気)の人数と質に比例してキャスターのパラメータをアップさせる。
日本全国民を対象として発動し、強化されたキャスターの一撃は刀の一振りで山脈を消し去るほど。
より脅威となったキャスターに対抗して更なる奮戦を見せれば、その輝きに応じて魔王は更なる闇となる。

『神々の黄昏(ラグナロク)』
ランク:EX 種別:終末宝具 レンジ:1〜1000 最大補足:10000人
邯鄲の夢、五常・終ノ段。北欧神話における神々の最終戦争の顕現。
普遍的無意識の中に偏在する今古東西種別様々な神話的存在・奇蹟を具現する終ノ段を用い、
北欧神話に限らないありとあらゆる神性存在を召喚。
それらを制御して彼らを戦わせ、その際に生じる破壊現象にて攻撃する。
否、最早攻撃ですらない。ありとあらゆるルーツに属する神が集っているため、
人の信仰、無意識の限り戦争と破壊は広がり続け、最後に残るのは何一つ残らない黄昏の世界だけである。
欠点は神々の最終戦争というプロセスを経るため、始動から効果発動まで時間がかかることと、
始動したらキャスターが死んでも止まらないことと、キャスター本人も無事では済まないこと。

【weapon】軍刀
【人物背景】
 大日本帝国特高警察憲兵大尉。甘粕事件で有名なあの人。
 本作品では、天才学者・柊聖十郎と出会い、普遍無意識の集合世界「夢界(カナン)」を踏破し、
 夢を力に変える超常能力「邯鄲の夢」を手に入れた。
 だが、その試練の課程で大正期から約100年(現代あたりまで)のシミュレート世界を体験し、
 戦後人は物質的に豊かになり法の加護の下で堕落し、輝きを失うことを知り絶望。
 輝きに満ちた人間を愛すべく、楽園(ぱらいぞ)……自身が魔王となり、
 全人類を邯鄲の夢使用可能にして超人乱神の入り乱れた混沌世界を作り上げようとしていた。

 愛・勇気・希望をこよなく愛し、それを持つ人間を尊敬する。人間賛歌を歌い続ける青年。
 だが、愛するあまりもっと輝きをみたいと試練・立ち向かう障壁を追加する悪癖がある。


【サーヴァントとしての願い】
 魔王となり楽園(ぱらいぞ)の完成。
 ウェルの願いを応援していけば、その対抗たる輝きも楽しめると思っている。

【基本戦術、方針、運用法】
 夢による強化を乗せた軍刀による攻撃や砲門を創形しての射撃など。
 明らかな格下相手に本気を出すほど大人げなくはない。
 ただし、これぞと見込んだ相手にはより相手を輝かせるために、
 試練という名の近代兵器釣瓶打ちやクロウ・クルワッハなどの審判系の神々召喚を仕掛ける。
 (なお、すごくいい声で兵器名や神の名を叫ぶ)
 基本的には理知的なので相手の意見は聞くし尊重もする。
 相手の全力を見るためならば待ちも応援もするし、策略さえも許容する。

 が、問題はキャスター独特の価値観と感極まった時に自制が効かなくなる点。
 令呪やパスによる縛りはあるとはいえ、マスターはこの台風を制御する必要がある。


989 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:27:41 gO82dEa.0
【マスター】ウェル博士(本名はシークレット扱い)
【参加方法】フロンティア内にあった木片を手にして巻き込まれた。
【マスターとしての願い】英雄となり人類の支配。
【weapon】
 『ソロモンの杖』
  バビロニアの宝物庫へのゲートを開き、
  特異災害にして先史文明の人類殲滅兵器ノイズ(単独行動E-持ちのサーヴァント相当)を召喚する完全聖遺物。
  杖に備わった72種類のコマンドを組み合わせることにより、複雑で精緻なコントロールを可能とするばかりか、
  目的に応じた自律行動をプログラムできる。
  ただし、某英雄王に見つかれば死罪どころでは済まないため、その召喚量には制限が掛けられ、
  またノイズのスキルである『位相差障壁(シンフォギア以外での被ダメージ99%減)』と
 『炭化現象(ノイズに接触すれば致死ダメージ)』は激減している。

 『ネフィリムの心臓』
  完全聖遺物ネフィリムに大量の聖遺物を捕食させたことで励起した心臓。
  自律稼動するエネルギー増殖炉。装備させれば膨大なリソース供給源となる。
  ただし、心臓だけになってもネフィリムの捕食衝動は健在のため、下手をすれば逆にリソースにされるだろう。

【能力・技能】
 『生化学者』
  聖遺物と生体を結びつける科学を専攻していた。生体に詳しいため、医療スキルとしても使用可能。
  その科学により生成される『LiNKER』は多少の副作用と引き換えに、適合率の低い奏者にシンフォギアを纏わせるほど。
  資材と情報さえあれば、シンフォギア以外の神秘と人体を適合させるLiNKERすら生成できるだろう。

【人物背景】
 米国連邦聖遺物研究機関より特務二課へ出向した科学者。
 しかしそれは表向きであり、実は武装組織フィーネ……米国の裏の機関FISより出奔した構成員である。
 中核メンバーのナスターシャの医療スタッフ、
 及び保有戦力たるシンフォギア奏者用のメンテナンススタッフとしてナスターシャに招聘され、彼らと共に世界へ敵対する。
 頼りない他メンバーの中で数少ない知性派として様々な策を立案し、敵対する特務二課を翻弄した。
 目的のためならばただ目撃した野球少年達を炭素に変え、友を案じる少女を薬物漬けにして消耗品の戦闘兵器に変えることも厭わない。
 だが、狂気にはらんだ彼の目的は人類の救済であっても月の落下阻止ではなかった。
 彼の目的は「英雄」になることで、数多の英雄が人類を束ねられなかったのは人類の数が多すぎたためと断じ、
 月の災厄から生き延びた僅かな人類を支配する計画を練っていた。

 性格は独善を通り越した自己中心。
 人類救済も自分さえ生き残っていればそれで成立すると豪語する始末。
 なお、追いつめられると結構簡単に取り乱して顔芸する。
 でも、調子に乗ってもわりかし簡単に顔芸する。

【方針】
 優勝一択。基本的に自分以外の人間は英雄たる自分に比べれば無価値と思っているので、殺害には躊躇しない。
 ただし、必要とあれば自分の内側の狂気を鞘走らせることなく、交渉・騙しも行える。


990 : ウェル博士&キャスター ◆GsTgNENDGI :2014/07/06(日) 23:29:40 gO82dEa.0
投下終了です。


991 : ◆pLbA3vg1i2 :2014/07/06(日) 23:51:50 f4A9v7Tw0
投下お疲れ様です。
スレ内に収まりそうなので投下します。終わったら次スレ建てます。

夜科アゲハ&セイバーで投下します


992 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/06(日) 23:53:45 f4A9v7Tw0


 ガコン。
 公園に備えられている自動販売機から出てくる缶の音は深夜に響く。
 男は炭酸の缶を取り出すと自動販売機の前でそのまま口に含む。
 最後まで一気に飲み干しゴミ箱に缶を投げ込み、缶はそのまま箱の中に落ちていった。


「あー……帰ったら相当どやされるぞ、俺……」


 男は手で頭を押さえながらため息と共に愚痴を零す。
 夜も遅いため学生である男が家に帰れば怒られるのは仕方がない……問題はそれではない。
 手に刻まれた令呪を見る。聖杯戦争と呼ばれる一種のゲームに強制参加させられたのだ。
 男は元々深い眠りについていた。その帰りを待っている人が大勢存在してその声も聞こえていた。
 その声に返事をするように男は目覚めた筈だったのだが。


「だぁー! 何で毎回毎回こんなのに巻きこれるんだよ……。
 やっと全てを終わらせた……『これから迎えに行く』所だってのによ……」


 青年の名前は夜科アゲハ。高校生でありサイレンドリフトの資格を持っていた。
 サイレンのゲーム――荒廃した未来の世界を舞台にした最悪の遊戯。
 赤いテレホンカードを公衆電話に使用したら日常との別れ、長い長い闇の中に巻き込まれてしまう。
 未来の世界は荒廃しているだけでなく怪物と表現できる種族に襲われる事もあり死ぬことなど造作も無い。
 絶望の中でも青年は仲間と共に戦い、修行、出会い、別れ……様々な運命を乗り越え塗り替えてきた。
 そして遂に終止符を打つ寸前まで辿り着くも青年は力の代償に深い眠りに陥ってしまったのだ。
 その後目覚める直前まで来ていたのだが……目覚めた先は見知らぬ場所。
 脳に走る知識は摩訶不思議、だがサイレンに参加していた影響か混乱はしていない。


「他の参加者を殺す……か。いや、殺さなくてもいいのか……?
 分かんねぇなおい……『聖杯』ってのに辿り着かなきゃ駄目っぽいな」


 真実に辿り着くには全てを終わらせるのが一番の近道だろう。
 アゲハ自身は別に聖杯戦争に興味はないが人が死ぬゲームの存在を知ってしまったら見過ごす訳にはいかない。
 クソッタレな遊戯はぶっ潰す――誰もが皆運命に踊らされる必要なんて存在しない。
 最後の一人になるしかないのなら別の法則を見つけ出し世界を暴く。
 もしそれも見つからないのなら――。


「願いが叶うってのを信じるしかねぇな……」


993 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/06(日) 23:55:01 f4A9v7Tw0

 自分が最後の一人になればいい。
 他者を切り捨てることは心が痛む、けれど『出来ない訳ではない』のだ。
 アゲハはお人好しの分類だ。だが偽善者ではない。選択が出来る人間である。
 答えが一つしか無い迷路ならば自分が出るしか無いのだ。甘えなんて許さない。


「悪く思うなよ、俺だって簡単に負けたくはねぇんでな」


 腕を広げるとその筋に走るは黒い閃光。
 稲妻のような擬音が似合うソレを広げながら不敵に笑うアゲハ。
 少量を自動販売機に当てると狂ったように何本も缶を吐き出してしまった、中身を弄ったのだ。
 電子機器はそのまま全てを出し切るまで止まらず、自動販売機の下には大量の缶で溢れていた。
 その力は超能力に分類される通称『PSI』、その中でもアゲハの力は暴王の月と呼ばれている。


「随分と面白い事してんじゃあねぇかよ、アゲハ」


 犯罪を普通に犯してしまったアゲハを咎めること無く寧ろ共感する女性。
 彼の事を名前で呼んでいることからそれなりに親しい仲のようだ。
 だがアゲハはこの空間に巻き込まれた存在であり知り合いは今の所誰にも出会っていない。
 此処は聖杯戦争の舞台でありアゲハには令呪が宿っている、つまりマスターである。
 ならばその相棒であるサーヴァントが存在する、つまり……。


「マスターって呼ばないのか?」


「嫌だって言ってのはお前じゃないか、お互い様だろ?」


「ああ、違わなぇな!」


 スカジャンを羽織りジーンズを履いた女性は口悪そうにアゲハに言葉を返した。
 姿こそ悪さに憧れている学生に見えるがやりとりから連想するにアゲハのサーヴァントのようだ。
 バイクに跨がりながら笑っているとアゲハから一本の缶ジュースが投げられた。
 さんきゅ。軽く呟くと速攻で飲み干しゴミ箱に缶を投げる……アゲハと同じように収まった。


「で、お前は何してんだ? それとバイクはどうした?」


「別にどうってことはねぇよ、ただパクっただけだぜ?」


 マスターとサーヴァントが似通うかどうかは分からない。
 アゲハとセイバーに共通している事の一つはこれで分かってしまう。
 この男女、どちらも不良と呼ばれる種族のようだ。


994 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/06(日) 23:55:53 f4A9v7Tw0


 エンジンを吹かし不敵に笑う女、言葉を語らずとも意図を感じた男もまた不敵に笑う。
 似たような思考回路をしているらしく全部吐き出させた自動販売機に興味は既に無くっていた。


「乗れよ、適当に走って帰ろうぜ」


「メットあんのか? 不良女?」


「不良はお前だろ……いやあたしもか……メット何ていらねぇ、違うか?」


 女の問に答える事無く無言で後ろに跨ったアゲハ。
 ポケットから缶を取り出しサーヴァントに一本譲りこむと煽るように言葉を放つ。


「んじゃ、さっさと行こうぜ? まさか後ろに男乗せて緊張するような奴じゃないよな?」


 アゲハから発せられた言葉に鼻で笑う女、コイツは何を言っている、そんな仕草。
 ハンドルを握り無言で車体を走らせ彼を驚かせる、虚位を突かれたアゲハだがテンションは上がっていた。
 誰もいない公園をそれなりの速度で走り切る男女の姿は正に不良、それにしか見えない。
 女を気遣い身体にしがみついていないアゲハだがそろそろ安定を取るのは難しくなっている。
「変な気遣いすんなって、ほら腕回せって」
 男勝りな女は気にすること無くアゲハに身体に腕を回すよう促す。
 彼は彼なりに気を遣っていたがここは言葉通りにするしかないようでそもそも抗うこともない。
「……わりぃ」
 小声で呟くアゲハの顔は夜でも分かるほど赤く染まっていた。
 彼もまだ高校生であり思春期の最中、女性の身体に触れる行為は緊張してしまうのだ。


「そ、それでいいんだって……そ、速度上げるからな! 落とされんなよ!?」


「何で公道で落とされなきゃならねぇんだよ!!」


 サーヴァントである女も英霊ではあるがその姿は女子高校生だ。
 男勝りでアゲハと接するも異性に身体を触れられるのはどうも緊張、胸を焦がす感情になってしまう。
 促した手前。此方が恥ずがしがる訳にもいかず誤魔化すように速度を上げ始めた。
 そのまま空気を変えるよに彼に発破をかけそのまま公道に入り夜の街を爆走し始める。


995 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/06(日) 23:58:26 f4A9v7Tw0


 速度こそ規律を超えてしまってはいるが信号は全部守る。
 音も無闇に鳴らさず、無駄にエンジンを吹かす事も行わない、不良でありながら一定の線引はしている。
 何も関係の無い人を巻き込まない、二人に共通している事の一つだ。


「しっかしお前も目覚めたら聖杯戦争って漫画か何かか?」


「るせぇ……俺だって理解してねぇってのによ、なんだよ英霊って」


 適応はそれなりにしているし知らない知識も頭の中にインプットされていた。
 頭では分かるが本質は理解出来ない、感じてはいるがその先にある意思が全く見えて来ないのだ。
 アゲハは死ぬつもりはない。甘い考えも持たないつもりだ。
 他の参加者が全員ロクでもない人間ならば全員ぶっ潰す覚悟と意思は持っている。
『怖くて戦えない、誰かを傷付けたくない、助けてもらいたい』そんな考えはないのだ。
 無論他者を傷付けることを一番と捉えているわけではないが襲ってくる奴に手を抜くつもりはない。
 この考えはサーヴァントも共感しており敵を倒すことに問題は感じていない。
 そして現実をしっかりと捉えているのだ、切り捨てる覚悟も持ち合わせている。


「それはあたしにも分かんねぇ、いや知ってるぞ?
 でもよぉ、どうでもいいんだ……前にも言ったろ?あたしはもう願いが叶っちまった。
 だからお前を居場所に帰る手伝いをしてやる、ナンカの縁だしな!」


 サーヴァントのクラスはセイバーだ。その素質はサーヴァントの中でも上の部類を堂々と走る。
 そんな彼女に願いはあった。それは別れてしまったとある存在との再会だ。
 しかしその願いは叶ってしまったのだ――会いたい存在は宝具となって彼女の下に帰ってきたのだ。
 それだけで彼女は満足だった。ならばやるべき事はサーヴァントとしての役目である。
 つまりマスターであるアゲハのために戦うことだ。


「あたしはお前のサーヴァントだ……これ自分で言うと結構恥ずいな……まぁいいか。
 だからよ、変な気遣いはいらねぇからな? お前のサーヴァントになったおかげでアイツにも再会出来たんだ。
 お前のおかげかどうかは分かんないか! わりぃわりぃ……絶対勝ち残るぞ」


 女でありながらその言葉には惹かれる強さがある、英霊何て関係無く彼女は強い。
 その意思が存在したからこうして英霊となって聖杯に招かれたのかもしれない。
 生前の彼女は運命の糸に螺旋のように何十にも絡まれてしまった。
 その中から真実に辿り着くために何本もの糸を断ち切り、手繰り寄せきた。
 運命の試練は出会い、対立、真実、別れ……彼女は高校生でありながらアゲハと同じように抗ってきた。
 だから彼の事を簡単に見捨てることなど出来ないのだ、サーヴァントもマスターも関係ない。
『運命に抗う奴を笑うなんてあたしが許さねぇ、断ち切れない絶対なんて存在しねぇ」と。


「へっ……下僕の女にここまで言われるとは俺も落ちぶれっちまったか?」


「誰が下僕だ!! ぶっ殺すぞ!!」


996 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/07(月) 00:00:05 f4A9v7Tw0

 言いたい言葉はそんな煽りではない。
 面を向かって感謝を告げるのは人間という種族にとっては一部難しいと感じてしまう層がある。
 アゲハは恥ずかしい、それも女に言う、と云うのは彼なりの男としてのプライドに触れてしまう。
 その事をセイバーである彼女も理解している、言葉に表さなくとも伝わっている。


「ありがとな……暴王の月で俺は戦えるから極力お前に迷惑や負担を掛けるつもりはない。
 PSIもどうやら魔力って奴に分類されてるからお前がもし戦う時は気にせず存分に暴れろ」


「何小せぇ声でボソボソ喋ってんだよ? 
 そんな小せぇ男があたしを従えると思ってんのか?
 お前の好きな通りにしろ、あたしはそれを全開で協力してやるからな……マスターさんよぉ!!」


 困りながらも自分の気持を彼女に伝えたアゲハだが肝心のサーヴァントに煽られてしまった。
 煽りではない、彼女はアゲハの気持ちを理解しているのだ……だが彼女も思春期の最中だ。
 そのまま礼を言い返すのも気恥ずかしいためこうして言葉で濁らせるしか無い。
 どちらも不器用な存在だ、だが共通項は存在していて通じ合っている。
 言うならば背中を任せられる存在同士、戦場においてこれ程頼もしいことはない。
 

 彼女の言葉を受け思考が止まってしまうアゲハだがそれは一瞬だ。
 気付けば自然と顔は笑っていた。『可愛く無い奴だ、他に言葉が無かったのか』そう思っている。
 元の世界に帰りたい一心と全てを投げ出した形になってしまった自分に焦っていたようだ。
 此処が聖杯戦争だと言うならば儲け物だ、そう捉えよう、そう捉えればいい。
 最後の組になれば願いが叶う……いい手土産だ、彼の帰還に相応しい代物だ。
 ならば変に気負う必要も、焦る必要もない。今まで通り戦うだけだ。


「そうだ……そうだったな!
 なら全員ぶっ潰す勢いで勝ち残るから遅れんなよ、纏!!」


「お前だって遅れんなよ、アゲハ!
 あたしだって負けるつもりなんて微塵も思っちゃいねぇからな、やるからには全員潰すぞ!」


 こうして夜の街を男女は走り続ける。
 迷いなんて無い、覚悟は在る、甘さも捨てる時には切り捨てる心も在る。
 運命の意図何て関係ない、全て断ち切るだけだ。


 敵も思惑も何もかも――。


997 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/07(月) 00:00:35 f4A9v7Tw0


【マスター】夜科アゲハ@PSYREN -サイレン-

【参加方法】ムーンセルによる召還(木片は現段階では不明)

【マスターとしての願い】皆の元へ帰る。
            
【weapon】PSIと呼ばれる超能力を扱う、また力の酷使は脳に多大な影響を与える。
     
【能力・技能】彼はPSIと呼ばれる超能力を扱う。
       特に扱うのライズと呼ばれる身体能力の強化。これにより超人的な体術と運動技能を得る事ができる。
       彼の代名詞と呼ばれる力が暴王の月(メルゼズ・ドア)と呼ばれる力。
       黒い球体を召喚しその球体は周囲のPSIに反応し無差別で全てを消し去る力を持つ。魔力などを吸収する性質も持つ。
       燃費が悪すぎるためアゲハそれをプログラムによって幾つかの技として扱う。
       主に扱うのは暴王の流星(メルゼズ・ランス)と呼ばれる遠距離攻撃である。
       相手の魔力を自動で数回に別けて追尾する矢のような攻撃、しかし魔力が一帯に充満していると追尾プログラムは失われてしまう。


       
【人物背景】学校一のトラブルバスター(+メーカー)と呼ばれていた俗にいう不良少年だった。ある日偶然赤いテレホンカードを手に入れ運命を歪められた。
      サイレンゲームと呼ばれる未来の荒廃した世界で行われる悪趣味な遊戯に巻き込まれるが仲間と共に乗り切っていた。
      その中で超能力であるPSIを学び戦力を増しつつ来たる最終決戦に備えていた。    
      そして己の力えお全て出し切り一つの区切りを付けたが本人は力の行使により眠ってしまう。
      そして自身を呼ぶ皆の声に導かれるように目を覚ますが――今宵、月の聖杯戦争に招かれる。


【方針】セイバーだけには戦わせず自分も戦う。
    相手を倒すことに戸惑いはない、殺す必要が絶対ならば最後まで勝ち残り聖杯に全ての復元を求める。


998 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/07(月) 00:01:06 f4A9v7Tw0


【クラス】セイバー

【真名】纏流子@キルラキル

【パラメータ】筋力B 耐久A 敏捷B 魔力E 幸運E 宝具B+

【属性】秩序・中庸

【クラス別スキル】
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない
 騎乗:C…騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
 生命繊維:A…彼女の心臓は生命繊維と呼ばれる物で構成されており厳密には人間ではない。   
        そのため心臓を外部に晒しても生存が可能であり、普通の人間が致命傷レベルの傷でも問題なく動ける。
        英霊となった今では驚異的な打たれ強さを得るため戦闘続行能力も兼ねる。
        だが痛みを伴うのは変わらないため強くなった訳ではない。 
 直感:C… 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。敵の攻撃を初見でもある程度は予見することができる。
 ラーニング:D…戦闘の最中に相手の行動から自分の攻撃手段に応用する力。  

【宝具】


『片太刀バサミ』
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:1〜50人
 巨大なハサミであり普段は片方のみを獲物として扱うが場合によっては二刀流の時もある。
 扱い方としては剣と変わらず『武滾流猛怒(ぶった切るモード)』になると更に刀身が伸びる。
 生命繊維を断ち切る力を持っておりマスターからの魔力供給にブーストを掛ければ一部魔術等を断ち切ることが可能である。


『神衣鮮血』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 一言で表わすならば喋るセーラー服である。
 生前の流子の相棒であり彼を着こなす事によって戦う力を得て運命に抗ってきた。
 着ることにより身体の露出は増えるが戦闘能力は上昇する。
 また、形態を変えることによって飛行能力を得るなど応用性も高い。
 鮮血は流子から魔力を吸収する特性がある。
 

『鮮血更衣』
 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 生命繊維を吸収した鮮血の更なる姿、その力は大気圏を単騎で突破可能である。
 この姿により流子はセイバーとして本来のポテンシャル以上の力を引き出せる。


【weapon】宝具に依存する。

【人物背景】
 父も母も居らず唯一残った手掛かりであるハサミを頼りに仇を探していた。辿り着いた本能寺学園で自分の運命に大きな転機を迎える。
 喋るセーラー服鮮血との出会い、真実を知るとされている鬼龍院皐月との対立、それを拒む四天王、暗躍する裸の猿……。
 その先には『服』と呼ばれる概念との戦い、世界を守るために彼女達は運命の意図に抗っていた。

【サーヴァントとしての願い】
 鮮血との再会が願いだったが彼が宝具として現れたため願いは叶った。
 マスターであるアゲハに聖杯を捧げるためその力を振るう。

【基本戦術、方針、運用法】
 向かって来る奴に容赦はしない、コソコソ隠れるつもりもない、正面から断ち切るだけ。


999 : 夜科アゲハ&セイバー ◆F61PQYZbCw :2014/07/07(月) 00:01:51 f4A9v7Tw0
投下終了です。

次スレ立てますので、少しお待ちください


1000 : 名無しさん :2014/07/07(月) 00:05:24 f4A9v7Tw0
すいません……規制です、どなたかお願いします


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