>>18 Roy
…っく、ははは!惨めだねえ、Roy――?
(嗚呼、面倒臭い面倒臭い。此方は実験に協力してやった身、自分の身体という対価を与えて手に入れたのはこれから先の平和な生活。人生。なのに何故、今こうして外に居るのか。実験員に肌色の悪さを指摘され、実験体は健康でなければいけないという名目の下こうして外に連れ出されてしまった。面倒臭い。肌色なんて此処での暮らしを続けていれば其の内勝手に直るだろうに。照らす太陽の下、「雪の様に」なんて美しい形容詞も似合わないほどに真白い肌は直接の紫外線を受け、妙に疼いていた。イライラする。特に理由も無く、元々悪い目付きをさらに鋭くさせながら歩いていると何処かで見た事のある白髪(本人にとっては銀髪らしい)が目に入る。気のせいだろうか、その顔は強張っていて幾分辛そうに見えた。――他人の不幸は蜜の味。自分にとって何よりも面白い光景があった。死腐の力を持ち、確実に自分より危険であろう力を持った化け物ですら中身はしっかり人間で、幸福を感じる機能があればああして負の感情を抱く事もある。それが自分にとっては面白くて面白くて堪らない。耐えられない、という風に口から吐き出した笑い声。嘲笑。隠そうともしないそれを携え彼の元に歩み寄る。死腐の力で無くなってしまった石。その粉の一つを掴み上げ、)
もしかしてまだきちんと制御出来ないのかい?…くっくく!外の奴から見てももちろん化け物、これじゃああたしから見てもあんたは化け物なのにさあ……はははは!こんなに弱っちゃってどうしたんだよ!笑えるねえ!