>>27 永久
あーあ。今、完全に誰?って顔したよね。
ヒドいなぁ。
……全く、ね。
(ティータイムに戻った相手に肩を竦め、ヒドいと言葉にしていても、笑顔のままで口調も明らかに軽い。しかし、眼光だけは鋭さを増していた。手に持っていたトマトを元の場所に戻せば未だ視界に入っているフードを被った大人、体格からして男と推測出来る。すかさず間合いを詰め、背後から首筋辺りのフードを掴んで一瞬動きを止めさせると眼前に回り込み、腹部を思いっ切り蹴り飛ばす。子供は何も気付かずに走り去ったようだ。男はカフェの真ん前の道に転がり込んで呻き声を漏らしている。ゆらりと起き上がった所でフードが外れ、端からでも屍と分かる風貌を露わにした。腰に下げた剣の柄を握り、鞘から剣を抜き放つ。間もない内に銀の閃光は一直線に対象の喉を切り裂くと大量の血飛沫を撒き散らし、屍はその場でぴくりとも動かなくなる。自分の手や頬にも血が付着しているが笑みはそのまま、無駄のない動作で剣に付いた血を払って鞘に収める。カフェの窓ガラスが半分以上赤に染まっているのを見ると、相手が座っている窓際まで行き皮肉でしかない簡単な文章「My name is Varonis.」と自分から見て鏡文字になるよう、血がべったり付いた上から指をすらすらと窓ガラスに走らせていく。書き終えた後、集まってきた野次へにっこりと笑みを向けると皆一様に一歩下がり道を空ける。この分だと食材を買うのは無理そうだ。自室での食事を断念し、開けられた道を何も無かったかのような顔で歩いていき)