>>150Re:U X
(p;此方では初めまして、向こうではしょっちゅうお世話になってますー。絡ませて頂きますね^^相変わらずな本体とこんなキャラですがどうぞ宜しくしてやって下さい。)
(自分を囲む様に座り、先程からひっきりなしに話し掛けて来る男女を尻目に、彼女はグラスの中身を喉に流し込む。現在彼女が居るのは、路地裏に位置する表向きにはただの酒場。実態は影に住う者達が集う情報交換の場。自分と似た様な事を生業としている知り合いに紹介されて初めて顔を出してみたのだが、主人に聞かれて誰の紹介かと言う事と自分の名前を口にすると、何故か次の瞬間には他人には無関心を決め込んでいた他の客達が一斉にこちらを向いた。彼の紹介と言う事に反応したのか、はたまた自分の名前に反応したのか。どちらが正解なのか分からないでいたが、私は聖徳太子ではないと言いたくなる様な感じで同時に話し掛けて来る人達の話を纏めると、どうやら後者だったようで。何でも、紹介してくれた彼が色々と誇張して説明してくれやがったらしい。あの馬鹿、と胸の内だけで毒づきながら、食事やその他諸々の誘いをばっさり断る。そしてグラスの中の液体を飲み干すと、談笑も程々に店を後にした。早々に引き上げた理由は、正直期待外れだったから。もうあの店に行く事は無いだろう、そんな事を思いながら表通りへと出る。すると途端に活気や喧騒、おおよそ自分には無縁の世界に包み込まれて軽く目を細めた。しかしかつて居た場所とは言え、そんな世界には郷愁も未練も感じはしない。アイツにもらって、自分から捨てた世界だ。今更思う事なんて、もう、何も無い。ふっと息を吐き出して意識的に喧騒をシャットアウトすると、世界には目を向けずに黙々と道を進んで行った。暫くして、通りの中心にエアスポットが出来ているのが目に入る。不思議に思い近付いてみると、そこに居たのは一人の男。何故こんな道の真ん中に座り込んでいるのかは大変気になるのだが、周りの人達がそうしている様に彼女もまた足を止めずに通り過ぎようとする。しかし不意に、それも何故か鮮明に聞こえた呟きに少しだけ眉を上げれば、立ち止まり屈み込んで問い掛ける)
―…おい、大丈夫か?