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アニメキャラ・バトルロワイアル3rd Part21

573rd / 天使にふれたよ ◆ANI3oprwOY:2015/03/16(月) 02:26:14 ID:fxNQ5zpc

しかし彼の精神は既に動きを止めている。
肝心の意思が止まっているのだから、駆動させるべき方向性が定まらない。
このままではやはり、黒き聖杯の存在意義は果たせぬまま、すべてが朽ちる、筈だった。


「―――夢を、譲りたくはないから」


そんな言葉が、彼の耳に届いた。
直ぐ傍らで続けられていた、二人の少女の会話。
純粋で、まっすぐな思いのカケラ。


「………ユ……メ……」

うわ言のように口にする。
それは、なんだ。
死して止まっていた心に、染み入る響き。
死んでも忘れられない何かを、思い出してしまいそうになるほどの懐かしさが、からっぽの心に色を与えた。


「………」


眼を、開く。
ただ直上、空に在るモノを見る。

忘れない。
忘れられない。

嗚呼、いつか、遠い、いつか。
叶わない夢を見た。
決して届かない希望を、抱いてしまった。


守りたかった。
助けたかった。
共に生きていきたかった。

大切に思う彼女と。
同じ場所にいられたら、だなんて。
それはなんて、なんて分不相応な夢だったのだろう。

他人を守る方法なんて分からなかった。
助け方なんて理解できなかった。
昔から、最初から、己に出来たことなんて、一つだけ。

壊すことだけ。
ぶち壊して、ぶち壊して、ぶち壊して、何もかもぶち壊して台無しにしてしまう。
そんな最悪の方法しか知らなかったから。
なんて、愚か。そんな奴が、誰かを守ろうだなんて夢を持つこと自体が間違っていた。


「―――last――――order」


身体をゆっくりと、起こす。
すると目の前に、



アイツの、



姿が在った。


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