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【オリスタ】メゾン・ド・スタンドは埋まらない【SS】

561話後編 ◆PprwU3zDn2:2016/08/23(火) 02:16:49 ID:pVUuRgmo0
「こんばんは、藤鳥くんのお体はいかがですか?」

「どうも管理人さん。おかげさまですっかり治りましたよ」

匠との会話の後、管理人が店にやってきて天は契約書等の書類を貰った。
必要事項を記入して後日郵送するよう言われると匠がコーヒーを二つ持ってきた。
匠や管理人と歓談をしている内に時間が経ち、現在夜の8時30分。
今日は帰ると管理人に伝えると天は洗い終えたシャツに着替えると店の外に出た。

門は開け放たれていた。外を見ると町は昼とは違う顔を見せていた。
誰も通っていなかった道路には車が何台か走っていて、誰も住んでいないと思っていた
建物からは光が漏れていた。通行人の姿も確認できる。
気が付くと管理人も店から出てきて天を見送りに門まで来てくれていた。

「夜になると活動的になるんスねこの町は」

「門北って何もないから、昼間はみんな町の外に行くか家で過ごすかで外には誰もいないのよ。
夜になると門北に帰ってきたり家の電気を付けるからそこそこ賑わって見えるの。
住居は少ないけど典型的なベッドタウンなのよねこの町は」

「……このアパートって無人の荒野に建ってると思ってましたけど、
それを聞いて安心しました。それじゃあ自分はこれで」

門北は無人の異世界ではない事を確認すると天は帰路に就こうとした。
その時、管理人からこんな質問が。

「そういえば藤鳥くんってバスで此処まで来たの?6系統の門北町よね、最寄の停留所」

「そうッスけど、それが何か?」

「あらあら……そのバスだけどね、もう最後のバスが出ちゃったかも」

「……はい?」

何を言ってるのかと天は思った。夜中とはいえまだ8時半である。
天の表情からそれを察知した管理人はスマホを操作すると画面を天に見せた。

「これ、6系統バスの時刻表なんだけどね。ほら、最終のバスが7時半で」

スマホの画面を見た天は目を白黒させた。

休日の6系統のバス、【Y駅前行き】は7時30分を最後にもう来ないという。

つまり喫茶店で目を覚ました時、既に最終のバスは出てしまっていたのだ。


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