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【オリスタ】メゾン・ド・スタンドは埋まらない【SS】

371話後編 ◆PprwU3zDn2:2016/08/22(月) 23:32:43 ID:xE/ZQtNc0
「コウく〜ん、あの女ぶっ飛ばしてくれたぁ〜?」

屋上の入口から女の声がした。天はこの声にも聞き覚えがあった。
入口のほうに目を向けると金髪の厚化粧の女が不機嫌そうに管理人を見ていた。

(あの人、俺の前に面接受けた人じゃあないか……成程、こいつがカスミって訳か)

天は今の状況がなぜ起こったのかを把握する事が出来た。
要するにあの女性が面接に落とされた腹いせにコウくんとやらをけしかけたようだ。
おそらくコウくんは彼女の恋人かなにかだろう。
天は入口にいるカスミの方へ早足で近づいた。カスミも天に気付いたようだ。

「あれ、さっきの人じゃん、あんたも落とされたんでしょ?あのバカ女に!」

「あんたの差し金かこの有様は!何てことさせてんだよ彼氏に!」

「すごいでしょ!コウくんは私の言う事なら何でも聞いてくれるんだよ!
さっきも私があの女にボロクソ言われたって泣きついたらこうだもん、いい気味よ!
……ってあの女、あんまりケガしてないじゃない」

カスミは管理人を見るとコウくんという名のゴリラに不機嫌そうに命令した。

「ちょっとコウくん、手緩いわよ!その手に持ってるやつでその女やっつけなさいよ!」

「わかったよカスミ〜!…オラ、どけっ!」

「きゃっ!」

コウくん(以下コウ)は管理人に視線を戻すと、目の前にいるコネコを手で払いのけた。
コネコは横に飛ばされ倒れてしまう。

(あのゴリラ、何をする気だ?『手に持ってるやつ』…まさか!?)

天の脳裏に最悪のシナリオが浮かんだ。瞬間、天は管理人の元へ走り出した。
コウは倒れたままの管理人に蹴りを入れると、ニヤリと笑いこう言い放った。

「本当は賠償金でもふんだくってやろうかと思ったが…今日はこれくらいにしてやらぁ!」

コウは手にしていた植木鉢を持ち上げると、管理人めがけて勢いよく振り下ろした!
土がギッシリと入った植木鉢、直撃すれば大怪我は免れない!


「管理人さんッ!!」


振り下ろされる直前、天は管理人と男の前に勢い良く割り込んだ。

ひとりでに身体が動いていた。管理人を理不尽な暴力から守ってやりたい。ただその一心で。

管理人に当たるはずだった植木鉢は割り込んだ天の顔面に直撃した……


はずだった。


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