したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【オリスタ】Change a gear,Change THE WORLD【SS】

7 ◆gdafg2vSzc:2016/06/25(土) 21:53:42 ID:1AKsv4L.0
>>6
 突然声をかけられ、背後に人の気配を感じ、驚き振り向いた汀の目に。

 夕日の逆光で顔や姿が影になった人物……おそらくは男である……と。

 その者が右手に持った金属製の小さな『霧吹き』が飛び込んできて、直後……しゅっ。


「うぐぅ!?」


 顔に、霧状の液体が噴きつけられ、汀はそれを吸ってしまう。

 鼻にまとわりつくような、南国の果物の香にも似た甘ったるい匂いが鼻腔を襲い。

「て、てめぇ、何を……!?」

 男の行為に怒り、掴みかかろうとするが。

 突然に襲いかかる、立ち上がる事もできない程の眩暈と、腹の奥から込み上げる嘔吐感に。

「ぐ、うう……」

 膝をつき、うずくまった汀に。

(そう言やぁ、よう分からんことを言ってやがったが……)

 男は、素質だのスタンドだの、汀の理解できない言葉を投げかけ。

 その全てを聞き終える前に、気を失ってしまった……のだが。


「ん、あ……あれ?」

 その後、5分程度経った後、汀は目を覚ましていた。

 多少鼻に甘い匂いは残っていたものの。

 眩暈も吐き気も感じず、あれほど掻いていた汗も引き。

 むしろ、不気味なぐらい身体が軽く、調子よく感じていた。

 様子を見、早めに寝てはみたものの、起きた後の体調も良く。

 漫画やゲームであるような所のゾンビ化、みたいな変な事も無く。

(なんだったんだろうな……本当に)

 謎の男に対する疑問は有るものの、とりあえず「変な奴もいたもんだ」と、楽観的に片付けていた。


……それに。

「あ、居るみたいッスよ」

「ああ」

 兎橋の下。

 殴らないといけない『相手』を確認した汀と沼田が、足を速める。

「おらぁ、待たせたな! 長濱ぁ!」


 それに、これから始める喧嘩の前では、自分の身に起こった事やその他の事など、汀にとっては些細なものだった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板