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仮投下スレ

583心一つあるがまま ◆S33wK..9RQ:2011/03/19(土) 13:46:16 ID:IEsxMq5Q0

「姫の他に誰かいた?」
「居たのさ。帽子を被った少年と、それと、」
 
マルクが押し黙った。
口を動かすが、言葉を発するのが苦しいのだろうか。
 
「……ローザがいたのサ。ずっと僕をずっと睨んでた」
「!…………貴方が悪い訳じゃないわ」
 
マルクを慰める。だが、私の頭の中は疑問で埋め尽くされた。
彼女は首を跳ね飛ばされ死んだ筈だ。よく似た別世界のローザって訳でもないだろう。
ではなぜローザが人質の部屋に生きている状態でいるのだろうか。もしや蓬莱の薬か?
それをマルクに聞く気にはなれなかった。なにせマルクは参加者、人質に「悪」を演じ接触しなければならないのだから。
姫と、帽子の少年。......きっとレッドが固執している子だろう。彼らも最終的には救い出さなければ。
倒すべき敵は減った。会場の参加者をこちらに来させることが出来れば私の勝ちは決まったものだ。
その時が来るまで、こちらの敵を減らすことを考えなければならない。やることは多すぎるが、これぐらいが丁度良い。
 
☆ ☆ ☆

数刻前。
 
「へいへいへーい、皆元気なのサ〜?」
 
硝子の向こうに豪華な装飾、そしてPC、漫画本、テレビゲーム、etcetc…。しかし彼女達はそれを手に取ることはない。
この強化硝子には無数のヒビが入っているが穴が開くことはない。そして硝子の向こうのすぐ目の前には壊れたイスが転がっていた。
黒髪の少女はじっとマルクと、その男を睨み続ける。
死んだはずだったローザもマルクを睨み続ける。少年はまだ状況がわかっていないが、マルクと彼がロケット団の様な悪というのはわかるらしい。
男が葉巻に火をつけ、壁によりかかる。


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