【R-18】やる夫は歪秤世界に落ちるようです　その９

1： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 18:23:37 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　 '‐￣､:ヽ
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　原作：創刻のアテリアル　＋　Dies irae　（ただしものすごく原作改変）

　以下注意点

　・　>>1は酷い中二病です。このスレは貴方に寒気を催させる可能性があります。

　・　原作の影はほとんど残っていません。
　　　世界観：創刻のアテリアル　　戦い方：Dies irae　シナリオ：オリジナル
　　　くらいに考えてください。

　・　原作を変えすぎているので、そう言うのが許容できない人には受け入れられないと思います。

　・　グロテスクな表現も多少あります。

　・　R-18と書いてはありますが、メインではありません。シナリオの後半くらいに
　　　ちょっとある程度です。

以上の点をご了承いただき、ご覧いただければ幸いです。
38： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:49:11 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　 /　／　　　　　　　　　　　　　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　万象焼滅・星光の理
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『Luciferion breaker』
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39： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:49:43 ID:RFgfw36c0: ＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
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両者から放たれる砲撃。
熱量の力と消滅の力、種別が違うため単純な比較はできないが、それでも圧倒的に差がある。
込められたエネルギー量はシュテルのほうが隔絶している。
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40： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:49:56 ID:RFgfw36c0: ＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
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だが、その二つが衝突したらいったい何が起こるのか、
『消滅』は『熱量』を消すことができるだろう。
だが逆は無理だ。『熱量』という概念は、『消滅』という力をどうこうする能力を持たない。
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41： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:50:37 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'i,　　　　　　! 　　　　　　　　　　　　,i
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技の相性で比べればやる夫が有利であり、格で言えばシュテルが上だ。
結果として、双方の砲撃は対滅した。
両者ともにまだ戦闘を続けることは可能であり、つまり双方ともにとって理想の結果である。
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42： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:50:51 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＿__
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　　　　　　　',: :i!: :.l :l　｀‐' ': : :.|' . '"/:ｨz､:ｿ::,ｨ7::.::r'Y.: : : {　　　　　　私の技が兄さんの役に立っているなんて、嬉しすぎます。
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その現象に、少女が恍惚の吐息を漏らした。顔を赤らめて、うっとりとした表情でつぶやく。
この大一番に、自分を使って頼ってくれるなど、彼女からしたら嬉しい限りだろう。

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43： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:51:22 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　,-‐--　､
　　　　　　　　　　　　　,彳./　　　　　ヽ　　　　　　　 __-‐-､
　　　　　　　　　　　／／　ヽ　　　　　/=＝≡三ミ／　　　　ヾ　　　　　　　　　　では兄さん、次に参りましょう。
　　　　　　　　　／イ　　　　.ヽ-‐　´　　　　　　　||　　　　　　　ヾ
　　　　　　　／､　　　　,-‐‐‐-､　　　　　　　　　||　　　　　　　　||　　　　　　　　私に、もっと素晴らしいものを見せてください。
　　　/　｀ヽ　　ヽヽ／　　ヽヽ　＼　　　　　　　　ヽ　　　　　,イヽヽ
　　　ヽ､　,イ　　ノ　　　　　　ヽヽ　｀ミﾐ　　　　　　　　ヽ‐-‐´.＼＼＼＼
　　　　　||　　　 //|　ヽヾ乂,ヽ‐ヽヽ　-‐ヽ　　　　　　　　　　　　|＼＼＼ヽﾄ／￣￣￣￣＼
　　　　　||　　　ソ| ﾄ､ﾄ､ヾｲｿ　ﾉ　ﾉヾ‐､　　　　　　　　　　　　　,　= ＝ヾ､､　　　　　　　　＼
　　　　　||　　　　＼ﾄ| ﾀ､　　/|| ﾉ____/_ゝ-‐/ゝ‐ ､､　　　　　/　　　　　　　＼__,,-‐‐-､　　　＼
　　　　　||　　　　　　　ﾄゝ｀Z´､, 人ヽ￣ラ=＝＝Ш＝＝＝∥　　　　　　　　　ヽ　　　　　ヽ　　　|
　　　　○　　　　.< ヽ´ 〈､‐-､ｏ´|　ヽ ´ ゝ　　　　　　　　∥　　　　　　　　　　　|　　　　　|　　　 |
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　　　　｀,､　　|　　　　／　　　　　　　　　　|　　　　　　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　､ヽ

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そして上気した顔のまま次の魔法の準備を始める。
今度の砲撃は六発。高エネルギーのそれぞれを先ほどと同じように圧縮させていく。
だが数が多いからか、圧縮率は先ほどよりも低い。
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44： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:52:02 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　ｰ　,,　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　；　　.l
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しかしそれによっておこる現象は威力の減衰ではなく性質の変化だ。
素粒子が消滅し、エネルギーになるほどの圧縮ではないということは質量が残るということである。
ゆえにまるで本物の星々かのような現象が起こった。
行き過ぎた重力によって原子を壊し中性子星へ。そしてさらにそれすらも自壊しし圧縮し―――
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45： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:52:39 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　,竓-‐ … ‐- よ
　　　　　　　　　　＞也ﾞiｸ'i:i:i:i:i:i:i:i:i:,l|ﾂ".　〕iト㌣
　　　　　　　　　 ,ｘく...　　　i/i:i:i:i:i:i:i:ｉ:,l|'　　　,ｨ幺ﾆﾐﾒ､.
　　　　　　　　　　,乙. ﾑ　　　 iii:i:i:i:i:i:i:ｉ:l||　　 ,ｨ幺＞".....　※
　　　　　　　　冶㍉ﾞﾏﾑ　　　 |i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:l||'　　/ ／ ,,-''"￣＿_.Ｎ
　　　　　　　　/i:i:i:i:ｉ:ｉ㍉ﾞﾑ　　　|i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｉｉ| 　 /" ／,,-‐''￣i:i:i:i:i:i:i:№
.　　　　　　厶i:i:i:i:i:i:i:i:`マl,　　 ',i:i:i:i:ｉ:ｉ:|i　/.／ ´i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:＿＿i:ｉ:ｉハ
.　　　　　　たi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉﾞ､　　ﾞ､i:i:i:i:il. /./i:i:ｉ_,,-‐''ﾆ三三三三三ツ
.　　　　＃.,,,＿i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ　　＼i:i:ｉl l/ ,-''　　　　　＿＿＿｀....ﾔ
.　　　　　 ⅰi:i:ｉ:ｉ`守ミｭ､i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:丶､　　　　　-‐'''￣￣''‐-=ﾆ=-､....　ｉ
.　　　　　！ﾞミﾆｭ､__　`ヾｭ､＿ ,,-‐　　　　　￣｀丶､i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヾ三ヽ.㍑
.　　　　ｷ..　ﾞﾞ''‐=三二ﾆ=-─'''"" ./l. ', ｀ヽi:i:i:i:i丶､＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:瓦
..　　　　　抓i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ_,ｨ//i:i:ｉ|　　ヽi:i:i:i:i:iﾏﾑi:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ彑
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　　　　　　　∧....‐-=,,,,___　_,ｨ≦ジ"i:i:ｉ,ｨl|'　　　,l|li:i:i:i:i:i'lﾆl,i:i:i:i:i:ｉ,勹
　　　　　　　　寸.....-=ﾆ三＞"i:i:i:i:i:i,ｨ≦l　　　 /|lli:i:i:i:ｉ:ｉ:ﾏﾑi:ｉ:ｉ,4
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　　　　　　　　　今ｘi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:,ｨｸ　ノ　　　 // l|li:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｘ令
　　　　　　　　　尖ﾄ〔ﾞ≦/_,,／　　　　 {l{　'|l . 〕 ≪
　　　　　　　　　　　　　　　　〕iト=ェL｣＿_｣Ｌﾆ=牝刋

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生まれるのは、光すら飲み込むブラックホール。世界を飲み込んだシュテルを象徴するもの、それである。
巨大な質量はそこに存在するだけで時空を歪ませ、結果として超重力を生み出す。
未だ魔術の準備段階であり放っていないにもかかわらず、すでにやる夫は引き寄せられる力を感じていた。
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46： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:53:52 ID:RFgfw36c0: >>45修正

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..　　　　　抓i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ_,ｨ//i:i:ｉ|　　ヽi:i:i:i:i:iﾏﾑi:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ彑
　　　　　　ﾑi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/ﾆﾆ/i:i:i:ｉ:l| 　　ﾞ､i:i:i:i:iﾞﾏﾆli:i:i:i:i:i:i:iﾊ
　　　　　　　∧....‐-=,,,,___　_,ｨ≦ジ"i:i:ｉ,ｨl|'　　　,l|li:i:i:i:i:i'lﾆl,i:i:i:i:i:ｉ,勹
　　　　　　　　寸.....-=ﾆ三＞"i:i:i:i:i:i,ｨ≦l　　　 /|lli:i:i:i:ｉ:ｉ:ﾏﾑi:ｉ:ｉ,4
　　　　　　　　　＼...￣i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,ｨｸ　/　　　 /l||li:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ﾞﾏl 在
　　　　　　　　　今ｘi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:,ｨｸ　ノ　　　 // l|li:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｘ令
　　　　　　　　　尖ﾄ〔ﾞ≦/_,,／　　　　 {l{　'|l . 〕 ≪
　　　　　　　　　　　　　　　　〕iト=ェL｣＿_｣Ｌﾆ=牝刋

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生まれるのは、光すら飲み込むブラックホール。世界を飲み込んだシュテルを象徴するもの、それである。
巨大な質量はそこに存在するだけで時空を歪ませ、結果として超重力を生み出す。
未だ魔術の準備段階であり放っていないにもかかわらず、すでにやる夫は引き寄せられる力を感じていた。
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47： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:54:30 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　 <(　　　　　　　 -. . ¨¨. . . ､　　　　　　__,
　　　　　　　　　　　　＼≧=-＜. . . . ､. . . .丶. .＼　　ィi〔／
　　　　　　　　　　　　　　　 _＞-. . . . . i. . ハ . . . v. . . V//<　 _＿
　　　　　　　　　　　　　 __ ／. . . ／. . .'. }. /j抖=ｧ. .}-. . . v///＞ ⌒　　　　　準備はできました。
　　　　　　　　　　　　⌒＜_ . .ィ´. . . ././}/　 Vツ}./i_ﾉ. . . }/∠
　　　　　　　　　　　　　　⌒ｱ´从. . ｨｨ筏　　　ノィ. }. . ィi〔i:i:i:i:>､　　　　　　　覚悟はよろしいですよね。
　　　　　　　　　　　 (　　⌒ヽ{ﾊﾄ.　' , -　　{. .レ'i:i:i:i:i:iヽi:i:i:V
　　　　　　　　　　　　　 __＿　　{ｨ...＞_-　イ八{i:_i:_i:_i:i:i:i:i:Vi:i:V　　　　　　まさか愛が重すぎて辛いなんて、
　　　　　　　　　　　　_,.斗ｧ===ミ＼从(/:::::::〉V=≦/////≧s｡i`ｰ=ｧ
　　　　　　　　　 >､...{ﾆニニ} ' ヽ/:::::::/=-V//////////∧i:i:/　　　　　　情けないことを言う兄さんではないでしょう？
　　　　　　　　　　　ィi〔ﾆニ≧s｡ﾆ}....../::::::,ｲニニ}≧=ミ///////}i:{
　　　　　　　 //ﾆニ／-----<.../:::,ｨﾆニﾆ=,ｨ..........}///////i:,
　　　　　　　　　//ﾆニ/-- <⌒ヽ-＼<ﾆニ=- <　>..,....{////／i:/
　　　　　　　 / 'ニニ'--/--=ミ､V--v＜ニニィ__/ノ´-=≦､:i〈
　　　　　　　　'ﾆjニニ{--i.................>､--V{＞ィi:i:i:i:i:i:i:i:i:i/^＼∧}　　　　　　　　　　　　／///
　　　　　　　ｉﾆ{ニニ|--{......................V-V{ 斗i:i:i:i:i:i:i:i:i/: : : : V}′　　　　　　　　　／////
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.　　　､__　　　 VﾆVﾆニV-∧..............ｲ-ｫ=ｧ 'i:i:i:i:i:i:i_.ィi〔ニ≧s｡-=ﾆニニﾆノ//////ﾆニﾆ
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そんな神域の暴威を背後に浮かべた状態で、シュテルは杖をやる夫へと向ける。
先ほどの、ただ威力が高いだけの単発の攻撃とは違う。
重力により回避不能。超質量により防御不能。複数発であるがゆえ創造による相殺も不可能だ。
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48： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:54:44 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　., -‐　 ´￣｀　　‐- .
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　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　 {　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　 .}
　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､ : : :　　　　/
　　　　　　　　　　 ,.-'´￣￣｀''' : : : : : : : : : : : : : ｀￣￣￣｀'ヽ
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　　　　　　　,ｉ: : : : : : 　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　、: : : :　ﾊ
　　　　　／´: : : : : : : :　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　: 　}: : : 　　ﾊ
　　　　/: : : : : : : : : :　 /: : : : : : : : : 〃: : : : : : : : : : : : 　　　 {: : :　　　ｉ､
　　　/': : : : : : : : 　　 /: : : : : : : '": : : : : : : : : : : : : :　　　　｀i: : : :　　　ﾊ
　　 /　: : : : : : : :　　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　　/、: : : : 　　　ﾊ
　ノ'　: : : : : : : :　　ｨi　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　/　ヽ: : : : : :　　ﾊ

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だがそれでも、何とかしなければならないだろう。
負けられない理由、負けたくない理由はいろいろあるが、
ただ一方的に、好きな子にボロボロに負かされるなど、是と言える男はいないだろう。
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49： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:55:06 ID:RFgfw36c0: "'' ―　..,,,,,_　　　　　　　　｀ﾞ'''ｰ､._ 　　　　　＿　　ヽ､　　　ヽ.　　ｌ　　.|　　　　 . / 　　　／
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放たれる重力弾。そのあまりの重さゆえに弾速は遅く、やる夫でも発射後に見て回避することができそうだった。
だが今も、その力場は空間を歪ませている。しかも一つではなく複数であるがゆえ、歪曲は複雑に絡み合う。
そこにある弾丸が本当にそこにあるのか、などと目視で確認するのは不可能だ。
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50： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:55:45 ID:RFgfw36c0: 　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ
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それを前に、やる夫はゆっくりと足を進ませて。

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51： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:55:57 ID:RFgfw36c0: 　　 1　　　　　 l　　　　　　　　 _／　　　〔／　〕　　　　　 __..-ｰ''''￣￣￣"ﾞﾞ'''
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　　　　ﾍ　　　　　　＼　　　　 ,'　　　　　 ./　　　　　　　　／　／
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＼ r'´ ' 、／´　　　ﾞﾞ‐. _..‐'"　 │　　　　　'、　　　　　　　ﾍ　　｀ﾞ'‐..、　　　 `
　/ 、　 _／､　　　　 ..／ﾞ'''-..,,__ '、　　　　　'＿_　　　　 __.ﾞゝ、　　　ﾞｰ、_／
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　　,r′ ' ､_　／ﾞ''-､_　　　 _..-''"　　　　　　ヽ、　　　　｀ﾞ'-､　 _..-￣￣´ ﾞ,
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　′　　　 /′　　　　 _／､　　　　＼　　　　　　ﾞ' ､_　　　　　　＼、
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　　　　,'　　　　　 ./　　　　　　＼／　　　ﾞ' ､_　　　ヾ、　　　　　　ﾍ
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　　　 |!　　　　　 1　　　　　　　 '、 ' ､_　　 `ｰ-‐′　　　　ｌ　　　　　　　│

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幾重にも編まれた重力の迷路を、
完全にすり抜けるかのように通り抜けていく。

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52： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:56:48 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ――. . .
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　　　　　　　　　 : : : : : .': : :': : :ｉ/|＿/　|ﾊ: : :.| 　ヽ＿ｉL: : |:. :.:ｉ: : :　　　　　　…………
　　　　　　 |: : : :/.:|: : :|!:匕|「| :/　｀{　､:.ﾊ　´　＼{ヽ｀ |: : :|:.:.:ｉ
　　　　　　 |: : :/|:.:|: : :|ｌ: : | ｘﾃ笊ミ　　ヽ乂ィ笊伝ﾐy:ハ: :l: : ﾄ
　　　　　　 |: :/ :|:.:|: : 八: :|《 {うｆ:j::}　　　　　 r':ｆ:j:::} 》': : : :.!: :.l
　　　　　　 {/　 :}:.ﾊ: ｉ:.小 :.　乂:::ソ　　　　乂:::ソﾊ .i: : :|:.:.:ｉ:..
　　　　　　　　 |:'..从: :|: ヾ:.　　　　　 '　　　　ﾑ. ハ: :l: : ﾄ､:..
　　　　　　　　　　　　八! ヾ : ｉハ　　　　　 _　　　　　 : : :..: : :.!: :.l　｀＼
　　　　　　　　　　　 'ｲ: :/!: : :ヽ　　　　　　　　　　ｲ: :/./: /）:.:.|
　　　　　　　　　　　　ｌ ,ｲl:!:. : 从:＞　　　　＜ /: :ｉ :/ｲ∧乂
　　　　　　　　　　　　　 !/ゞ'´..: :.| ヾ小　≧≦　小/: ﾍ{　ｲﾉ′
　　　　　　　　　　　 -─‐-　>乂:. :r'|::::{二二}:::::|ノｲ　..-､-─‐- .
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::|ｌ|:::::::::::::::|:::::::|:|:|:::::::::l:::::::::::::::|l|:::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::|l|:::::::::::::::|/＼／＼〃::::::::::::::|l|:::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::/|l|:::::::::::::::＼:::::::::::／ ::::::::::::::::|l|,:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

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理由自体は単純だ。引き寄せる力が複数存在するならば、そのちょうど中間点を通ればいい。
むろん体は両方へと引き裂かれそうになるし、完全に影響力皆無とは言えないが、
それでも求道神としての耐久力で耐えられるレベルにはなる。
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53： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:57:44 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　 .,, -─-.､
　　　　　　　　　　　／　::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　 /　　　::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　　　 |　　　　::::::::::::::::::::|　　　　　　　　ほら、避け終わったお、シュテル。
　　　　　　　　　　　　　＼　　　::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　／´.::::::::::::::::::::::::｀＼
　　　　　　　　　　　　／　.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
　　　　　　　 . 　/　.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
　　　　　　　　　. 　/　.:::,.ｲ .::::::::::::::::::::::::::::ﾄ､ ::::::::!
　　　　　　　　　　 .{　.:./ l　::::::::::::::::::::::::::::.|　! :::::.}
　　　　　　　　　 i　::{　!　:::::::::::::::::::::::::::::|　} :::::.}
　　　　　　　　 /　::ヽ{　:::::::::::::::::::::::::::::::}　i :::::,'
　　　　　　　　　　ゞ__:ﾉ{　::::::::::::::::::::::::::::::::!/ ::::〈
　　　　　　　　　　　 |　:::::::::::::.,､::::::::::::::::',ゞ_,丿
　　　　　　　　　 l　::::::::::::/　ヽ::::::::::::.!
　　　　　　　　　　　　 l　::::::::::,' 　.....',:::::::::::.l
　　　　　　　　　 l　:::::::::;'　　　 ',:::::::::::l
　　　　　　　　　　　　 l :::::::::::i 　　　 !:::::::::::l
　　　　　　　　　　　 l :::::::::::!　　　　　|:::::::::::l
　　　　　　　　　 l_;;;;;;;;;;;i　　　　 i;;;;;;;;;;;;l
　　　　　　　　　　 ./　　　.}　　　　 {　　 .ヽ　ｻﾞｯ
　　　　　　　　ゝ--‐''　　　　　.`ー--''

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そう、話自体は簡単だ。だが六つの弾丸全てをやり過ごし終えたこの行動の難易度はいかほどか。
バラバラの位置にある中和点を読めるものだろうか。
しかもそれぞれ動いているのだからその点すら刻一刻と変化しているのに。
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54： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:58:16 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　| l: :ヽ| : |ヽ　　　 '　　　　ﾚ': :|l :/
　　　　　　　　　　|八ｌ: :| : |　　　　＿　　　／:|: : :|l/　　　　　　　………そうですか。
.　　　　　　　　 /　 |: :|: 个‐　　　　., イ: : :|: : :|'
　　　　　　　　　　ハ|＼ﾄ─-｀＞＜ﾊ/{/N|人,'　　　　　　　　それが兄さんの選択肢ですか。
　　　　　　／￣￣＼＼ :::::::::|三| :| |i| ￣￣＼
　　　　　　　　/ :::::::::::::::::: ＼＼＿|＿|_:| |i|::::::::::::::::::＼
　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::: ＼＼三三| |i| :::::::::::::::::::: ＼
　　　　　 / ::::::::::::::::::::::::::::::::丶=＼┬| |i|::::＿::::::::::::::::::::}
. 　　　　 / :::::::::k=＝＝＝＝=}＿__＼| |i／　 |===＝＝|
.　　　　　 /==＝=ｿ :::::::::::::::::::::::::ﾄ､　　｛:.:｝　　| :::::::::::::::/
　　　　　人::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ ::}　／爪＼._}ﾍ :::::::::/
　　　／　＼ :::::::::::::::::::::::::::::::::} ::: |／|／ｉ| |＼| :: ﾍ＿/
　　∠ ＿＿__＼___ｯ ::::::::::::::: ,':::::::::::::::::::|　| ∨ | :::::::／|
　　　　　　　/／ |::::::::::::::::::::/ :::::::::::::::::: |　| ::|　|__／／|
　　　　　　 ´　　|:::::::::::::::::: |＿＿＿＿_|　| ::|＿__／:::::|
.　　　　　　　　 | ::::::::::::::::::|＿＿＿＿＿｣ ::::::::::＼＼::|

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シュテルはどうしてこうなったか、当然理解している。そうすれば凌げるのも知っていた、
だが、その行動をとるとは思わなかった。
いくら愛しの兄とはいえ、こんな害悪を欲しがるとは思わなかったから。
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55： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:58:56 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　 |　　あぁ、そうだ。お兄ちゃんはこうするお。　　　 |
　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ

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たった一つだけあるのだ。理論上可能でさえあれば必ずそれを実現する方法が。
不可視の迷路を抜けるその回答を、完全に『理解』する方法が。

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56： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 22:59:08 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　´￣￣￣￣　｀
　　　　　　　　　／
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　'.　　　　　　　　　　　　　『存在理解』
.　　　　　 /　　　　　　　　　　＼
　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　＼_}　　　　　　　　　　　　　　使わせてもらうお。シュテル。
　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　｢fメ､　i:|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀¨､ i　　　　　　　　　　　(_￣｀ヽ-､
　　　　　　　 '.　　　　　　　　　　 { 　　 )ﾉ　　　　　　　　　　　とヽ　　｀iヽ
　　　　　　　｢三三三三≧ミ　　ゝ, --'/　　　　　　　　｢ヽ　と〉　　 {
　　　　　　　 |三三三三三三三三ﾆｦ-'/　　　　　　　　　　 {　`ｰ ' ＿＿_iﾘ
　　　　　　人三三三三三三三ﾆ/一'　　　　　　　　　　　　＼_／＿＿_,}ヽ
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　　　　　./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::/:::::::::`￢..＿＿＿＿＿_}::::::::::::::-=ミ::ヽ
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57： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:00:54 ID:RFgfw36c0: .
58： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:02:13 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm24867546

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その時の彼女の感情を、それほど言葉を尽くせば表現できるだろうか。

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59： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:02:45 ID:RFgfw36c0: ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ずっと一人だった。自分の同類などどこにもいない、ただ一人の化物。
家族ですら、兄ですら、自分と同じものを見ることはできなかった。

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60： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:03:07 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　は……あは……　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿ノ

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だというのに、よりにもよって兄が、やる夫が、自分と同じ存在になってくれたのだ。
化物はたった一人なら化物だが、複数いればそれは新たな種族だ。

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61： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:03:21 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　､__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_　人
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　　　　　　　　　　　　　　　）　あははは！あはっあははははっ！！！　　（
　　　　　　　　　　　　　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（
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この歓喜を、この安堵を、この感謝を、どうやっても言葉で表現できない。
だからせめて行動で示そう。全力で想いをぶつけに行くから、どうか受け止めてほしい。

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62： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:03:40 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 †､　/|!　,/【　　,， /i
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: : : : :|i: : ﾄ／{＼八.: i{:::::::::::::::ヾ;::::::::::::::::::::::::::::::::::;Ⅵ: : : ┃　． {;;;;;;_;イ;;⊂、【_,，'
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: : : : :|ｉ: : :.Ⅵ:　.,斗≦云冬.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:|.:/::: 】　；_,!;;;|〔;;d;!／;;;;> ┃
: i : : :ﾄ＼: : ト..癶込弌≠'′.:::::::::::::::::::.:::::::::::::::::::::　　从: : 【　 {;;;;ゝ_,兀/;;／；【
八: : :|:i: :i＼:＼::::::::::::::::::::::^'⌒^ Y´　　　　　　 /ｲ::}: : ┃　ｌ;;;{`ｰｧ;;＜　′．】
: : ヽ: ヾ: ト个: : .､::::::::::::::　　　 .{:. 　　　　　／八: : : ┃　|;;;;〉/;0;;ﾊ;;;＞　┃
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　　＼　 iノ: : :／: :＼　　 .｀　ー──‐ '' ´ 　　　ｲ: : :.:.: ┃　　{;;;;;辷';;;;ｌ￣　┃
　　　　 ./ : / : :..: : : :丶　　　　ｰ　　　　／: :|: : :/.: ┃　　l;;;;「__〕;;∟.、 ┃
　　　　 ..'.: ｲ: : : : :ｋ..: 从＞　.　　　　　　　 .．:::::ﾄ: : .: : /: : 】， J;;;{;;ｏ;;凡;;;;;ゝ┃
　　　　 |/　| : : : : |///:ハ: : : __ﾌ¨　ｰ一 ´::::::::ノ ∨:／从! `，.･|;;;八;;;/}__￣，【
63： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:03:57 ID:RFgfw36c0: 　　_　 -‐:::::::::, ヽ　}ヘ{／.:.:.:⌒ヾ __, _＿, x=彡7::::::::::::::::::::::: Σ　!;;;! ,ﾆl;;;;;,＼　†
／::/:::::::::::::／:::::::::::::::/´.:.:.:.:.:.:.:.:.:＾┴Vｰ　´　 /:::::::::::::::::::::::::/ 】ｉ！;!{;(7;勹／　【
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ここからは正真正銘、全力全開の殺し合いだ。

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64： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:04:30 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,,__,,,ﾉ　　　　　　　　　　　　　ｌ.　.,)　　　.,i'゛ `､　　　　 ./
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　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　　　 . ｌ　　　　　　ヽ、 . ／　　　　　　　　　　　　　　｀''''''"
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　　　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／´　　｀ﾞ'-、
　　　　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-'''"￣￣ﾞ''ｰ､,　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　 .ヽ
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　　　　　　　 .l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　ｌ, 　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　゛　　　　　　　　　　　゛　　　　　　　　　　　　　　　　゛

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シュテルが魔法を使う。それは先程のような、やる夫に見せるためのゆっくりとした圧縮ではない。
熱核砲約５００発。超重力弾約２０００発。これはともに、シュテルが一秒の間に生み出せる最大の個数だ。

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65： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:05:07 ID:RFgfw36c0: ,,_,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀''!=;;　,,_　　　　:!　｀'ｰ..、 .ゝ､　　　　ヽ　　 .ｌ　　 .|　　　　 . / 　　　／
　　 ⌒ﾞ''''''―-　....,,＿　　　　　　　　　　　　｀''-ﾐ￢- │ ［ﾞ'ｰ .._ﾞﾞ'ｰ..,,ﾞ'-､　　 .＼　ﾞl、　.!　　　　/ 　　 ,／
.,,,＿__、　　　　　　　　￣"'''―-- ....,,,,_　　　　　　｀''-..!　 l　　,,,｀''ｰ ,,,ﾞ'-ﾐヽ､　＼ ...ｌ　 ′　　/ 　 ,／　 ._.. ‐'
　　　￣￣ﾞﾞﾞﾞ'''''''￢―---..........,,,,,,,＿__　.￣ﾞ'''''―-　＿,,__　　 | ._、　｀'''ｰ .ﾐ～ミ;;-､, .゛　″　　 '" .,／　 : '"゛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _二｀-ﾞ‐'"´　 .ヽ　　￣二..,,,,,,ﾞ,ﾞ;;;;―　．　　｀'''マ'
　　　　　　　　　　　　　　　_,,,.. -ｰ''''"゛　　　　　 ._　　　ヽ　　＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣二ﾆ―'''"´　　　　　　　 . _,, -'''″ .＼　　.ﾞ￣´゛　　　　　　　 _,, -彡　　　　ｰ　,,,_
　 ._,,..　-‐'''"´　　　　　　　　 _.. -''"゛　　　　　　 .＼　 .ヽ.　-ｰ''''"ﾞ,ﾞ.. ．._,, -''彡'"゛　　/.!.i.、　 -,　　　 .｀ﾞ'''ｰ-...
｀゛　　　　　　　　　　　　　_.. -''"゛　　　　　_,,,,..　-ｰ'''''"゛＼　.ヽー''"´,,, -''ﾞﾞ,..-'"　,．　　　/ | .!.!　　｀'-、
　　　　　　　 _.. -'''″ ._,,,..　-ｰ'''''"ﾞ´　　　 ._,,,　-‐''"゛.＼ .ゝ‐'". _..-'' ／ _／　　　　/ .lﾞ .! !　　 .、.＼.
　　　　　　_.. -''ﾆ--ｰ'''"ﾞ´　　　　　 . _,,.. -‐'''"´　　　　　_.. ｰ＼..-'".,..-'´ ／　　，　　ｌ　 ! │l　'､ヽヽ.　＼
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."゛　　　　　　　_,,,.. -‐''^´　　＿＿＿＿＿＿∠二＿∠二,,,i;;＿___i;;＿___　　ﾉ　　　ｌ　　l　! l　!　ヽﾞ‐_,,ﾆ-ｰ''''"
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　._.. -''″　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 .／゛　　／　／　 ./ 　　　./ 　　 .l゛　.l　 .l　　 |　　　 .ヽ /
｀　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／　　／　／　 ./ 　　　 ./ 　!　　!　　!　 .|　　 .ｌ　　　　ﾞ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /／　　　／　／　　/ 　　　　/ 　/　　ｌ　　.|　　|　　　l　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　 . ／　　 / 　 . / 　　　　 /　 ./　 . l　　 |　　.|　　　.!　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 .／　　 .／　　 / 　　　　 ./ 　 ./　　.!　　│　　!　　　.ｌ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / . ／　　／　　　/ 　　　　　/　　 i′　 !　　 .l　　 .|　　　 .!　./
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　　.／　　　/ 　　　　　 /　　 .lﾞ　　 ,!　　 .｝　　 :!　　　 .| /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　／　　　 / 　　　　　 ./ 　　 /　　　!　　　|　　　.!　　　 . ｌ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.／　　　　/ 　　　　　　　/ 　　　 /　　 . l　　　 .lﾞ　　　│　 . ｌ

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無論、今のシュテルが本気である以上その数の攻撃が出てくる。
秒間２５００発の死の雨。かすれば即死の熱源に、こちらの行動を阻害してくる空間歪曲弾。
それは世界を何度滅ぼせるかもわからないほどの規模のものだ。
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66： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:05:29 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 .| 　 .ｌ
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しかし、今の彼には当たらない。
重力の中和点を見出して潜り抜け、いかにもそれをふさぐように置いてある熱核砲を紙一重でかわし、
シュテルのもとへと間合いを詰めていく。
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67： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:05:47 ID:RFgfw36c0: 　 ,i′　　/ . /　　　/ 　/ ./　lﾞ .lﾞ　l　　.!　|　 l　.l　　　 ,. -‐ ─ -...､　　ｌ　 . ! .ｌ　ｌ　ｌ　.ｌ.ｌ、　ヽ　　.ヽ　　 .ヽ,
../ 　　　/　/ 　　 ./　 /　/　ｌ　ｌ　 !　　ｌ　.l　│ .!　　　 /　　　　　　 .＼　 !　　ｌ .ｌ　 .ｌ　ｌ　ｌ.ｌ,　　ｌ.　　ヽ　　　ヽ.
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　　/ . ,i′　　./ 　 /　/　.lﾞ　!　 !　　ゝ__,,,斗---‐-､　　　ノ　　　／　　 !　　 ! .ｌ　　ｌ　ｌ　 .ｌｌ　　ヽ　　　ヽ
　./ . /　　　 ./　　/ ./　 i" /　 !　　 l　 l　 .lﾞ　.l　　　 |　　　　　　＜_　　　ｌ　　 |　ｌ　　ｌ　ｌ.　..ｌ,.ｌ　　ｌ,　　　ヽ
./ 　/ 　　　./ 　 .i" /　 /　ｌ　 ,!　　│ .,!　 .!　 !　　　 l　　　　　　｀'''‐､　ｌ　　 |　ｌ　　ｌ,　ｌ　 .ｌ,.ｌ,　　ヽ　　　ヽ
ﾞ　./ 　　　./ 　 ./　/　 / . !　 ,!　　 .!　 !　 .|　│　　　 l 　　　　　　　　i　ｌ　　 .ｌ　ｌ　　ｌ　 .ｌ　ﾞｌ,.ｌ,　　ヽ
. / 　　　 ./ 　 ./　/　 /　lﾞ　 lﾞ　　 /　 !　　!　 !　 _,,ノ　　　　　　　 ,斗--''　　ｌ　　 .ｌ . !　　ｌ.　ｌ　　ｌ,ヽ　　ヽ
/　　　　/ 　　/　/　 ./　ｌ　 .lﾞ　　 .| __,,,,--‐‐=＝´　　　　　　　 l　　　　　　ｌ　　　ｌ　ｌ　 . ｌ　 .ｌ　 . ｌ..ｌ　　ヽ
　　　　./　　 i′/　 .lﾞ . !　 .lﾞ　／´　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 !　　 .ｌ　.ｌ　 . ｌ　 .ｌ,　　ｌ.ヽ　　ヽ
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　　 ./ 　　./　/　　/ . !　　!　　ゝ,,__ 　　　　　.／´　.｀}　　　　　　　|　　　　　　　 !　　　ｌ　.ｌ　　.ｌ,　 .ｌ　　.ｌ, ｌ.
　　/ 　　 /　/　　/　/　　!　　　.l　 . ｀''''─‐-y′ 　.,ノ .ヽ　　　　 l　　　　　　　 !　　　ｌ　 !　　ｌ　 .ｌ,　　.ｌ. ｌ
　 /　　 ./　./　　/　/　　l　　　│　,!　　.l　 /　　　.}.　　Ｖ　　　 .l　　　　　　ｌ　　　.ｌ　 !　　ｌ　　ｌ　　ｌ .ｌ
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　 /　./　　 /　ｌ　　 ,!　　　　!　 .,!　　 .|　　l　　　　　　　　Ｖ　　l　　　　　　　　ｌ　　　 .ｌ　 .ｌ　　　ｌ　　ｌ,
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『存在理解』を使える今の彼には、どこをどのように通れば安全なのか、容易く理解できた。
ゆえに彼は何の問題もなく、シュテルのもとへとたどり着き剣を振るえるだろう。

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68： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:06:47 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　 .／／　　 .／　 .／《@> .／　　　.／
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　 ,／.／　　 .／　 .／.／ _,　/⌒＾ヽ´／: : : : : : : : : : : : : :.ヽ─────────　　----`
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　 ,／　　　／　　　　　　　　　 /::::::::::::::::/,`ー一'"／ヽ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.∧／　　　　　　　　／／
／　　　／　　　　　　　　　　／::::::::::::::::/ 人,.へ____彡'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃∧7　　　　　　　／ ,／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,／　　　／　　　 .／.／　　 .／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .／　　　／　　　　／.／　　／　,／　　 .／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,／　　　／　　　 .／.／　　 .／　／　　／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .／　　　／　　　　／.／　　／　,／　　 .／／ .／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,／　　　／　　　 .／.／　　 .／　／　　／／ .／

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そのことが明白だからこそ、あえて彼女は自分から攻めに回った。
それは自分の作り出した迷宮へと自ら突入する行為だった。
だがそれでも、ここではそれが最善だと『理解』したのだ。
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69： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:07:05 ID:RFgfw36c0: ...｀'-､　　　　　　　＼
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結果の剣戟は最初のような足を止めての打ち合いにはならなかった。
ただ一合のみを交わし、その衝撃を利用してシュテルは後方へと吹き飛びながら距離をとる。
無論その際の角度をわずかにでも間違えれば自分がブラックホールへと飲み込まれるのだろうが、
彼女に限り、そんな心配は無用だった。
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70： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:08:05 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∨
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そしてそんな姿勢からも、追撃を放つことを彼女は忘れない。
攻撃の種類は同じまま、その移動の性質を変更させた。
それは先程の砲撃ではなく、ゆっくりと動く浮遊機雷のような軌道だ。
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71： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:08:17 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　 ,、
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ゆえにその攻撃は回避されたのちに飛び去ったりせずに、いつまでもそこに残存する。
シュテルはここを一歩足を踏み外せば即死する殺し間へと変貌させる気だ。
同じ場所にいる自分自身すら、対象に含まれるというのに。
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72： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:08:37 ID:RFgfw36c0: ──────────────────────────────────────
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そんな危険な戦場を、それでも二人は迷うことなく飛び続ける。
近づいては剣で打ちあい、離れては死線を潜り抜けてまた出会う。
そんなことを幾度も繰り返す。
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73： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:09:17 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　:,:　　　　　　　　　　 :(::)
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事ここに至れば、互いに防御はおざなりだ。
回避もまた、よりよい一手のために紙一重を狙いすぎてかすり傷が増えていく。
かすり傷とはいえ、もともと直撃すれば終わる攻撃なのだ。
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74： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:09:45 ID:RFgfw36c0: 　　　／ﾚイ　　　.,i　　　　　.／　　/ 　 }　 !.，|　.{　}　　 !　　　 !　.l/　　|　　,!i〃　　　　　/ノﾙ　　.i.ｌ　| .,r、
　／　　　　　 ,／!-っ． .,ﾉ./ 　./ .!　.ll.l　.liﾘ .,}　Ｕ,!　　.l.i¨ｌ　　|._　　　 |　　.!/|　　　　 ./ 　　　　 .,! ｌ .}/ .,!
./ 　　　 .､ . ／　　　　.,./〃　.,i'ﾞl　|　.l ﾘ　 !　 !　　.|　　ﾘ .|　　ﾘ.}　　　|　　 {ﾞ.!.,　　　 ,/　　　　　.ﾉ　,!‘　 !　　　 /
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　〃　/　 l″　　　/ 　　./ 　l./ : {　 /　li　 i .{　　　 !　ア　　　勹 i］.!　　 /.ｌ　 ,!　　　　　　　　 _ノ　　l″/
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　 /.,ｪ　　.!,从　　　 / .、./l　　ゝ　　　 {　　　.l/|　 l　 !lﾞ　　　　　ｌ　　.,Ｊ　ｌ /　　　　　　　　　゛　}　　　　/
　ﾚ l　　ﾙ'　　　 / ,.,!./　　　/　　　ﾒ　　　 |　 !l lﾞ゛　　　　　 /　　 l " ,|/　　　　　　　　　　　 l　　 .,iﾘ/
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体の各所がちぎれかけた。それがこの高速戦闘でもとれていないのは、
ほんの少し熱球に近づきすぎた際の輻射熱を利用し焼いてふさいだからだ。
しかし、そのせいで全身の火傷がひどい。むしろ互いの体で無事な部分を探す方が、もはや難しかった。
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75： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:10:22 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　｀ﾞ''～　ヽ＿,..ﾉ　　　　　　 .ゝ､　　　　ヽ　 ),　._!　 lﾞ　./ 　''i　.'　　　 i′
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　　　　　　.ヽ　　　. ／　　　 .／　　　　　／　　　 ./ 　　　　　　　"　　　./　　　l　　　│　　　l　　..／ﾞ´　 .｀ﾞ'-、
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それによる激痛すらも愛おしい。なぜならば愛する人が与えてくれる感覚なのだから。
恋しい焦がれる相手が、こんなにも必死に自分の命を狙ってきてくれている。
そのことが、嬉しくてたまらない。
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76： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:10:43 ID:RFgfw36c0: ＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
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圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭!
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭㌣　｀''寺圭圭圭圭!
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭{　　　　 }圭圭圭l圭|
圭圭圭圭圭圭圭l圭l圭l圭l圭丞｡. 　,,ｨf圭圭圭l圭|
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l圭l圭l廷圭圭l圭l圭代
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l圭l圭ｱｨl圭l圭l圭!i圭圭心
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l丞.《圭圭圭l圭l〉》刈l淤〉
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l圭l圭ｭ`冬圭l圭㌢ヾ圭才′
圭圭圭圭圭圭圭圭圭l圭l圭l圭l丞ｫｪｪｪｨ為ｼ゛￣´
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l圭Ⅳ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭l圭l圭l圭㌢
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　　　/: 〃 : : : : : : |: : : : : |:.:| : |ﾊ: : : : l ﾙ'ｨｆﾃ示テﾐ寸:.:|: : : : :}|: : : : : : : : : : : ＼
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　　ﾚ' |: : : ,ｲ:.:. : 八: : : : ﾄ､|ｨﾃ云ﾐ＼:∧　弋辷У　　厶ィ: : :.:|ﾊ: : : : : : .＼: :|⌒ヽ}
　　　　 }: : :从 : : : |: ヽ: : : : ゝ::｡ji::ﾘ　　ヽゝ　　　　／八!: : : :|　}: : : : ﾊ}: : ヽ!
　　　　 |: : i　.|: : : :|: : : ＼: :､代少'　　　　　　　　　　 } : : : |ノ:}: : i:l: : !: :!
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やる夫が最善手をとる。その行動をシュテルは理解していて先手を打って砲撃を放つ。
当然やる夫はそれを分かっていて、紙一重で攻撃をかわす。

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77： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:10:57 ID:RFgfw36c0: 　　　　 .／／　　 .／　 .／／　 .／　　　.／
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もっと相手のことを理解したい。もっと相手に自分のことを分かってほしい。
こんなにもあなたのことを想っている。もっと見てくれ、夢中になってくれ。
そして想いをぶつけてほしい。
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78： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:12:08 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　 !　　,./ ''ﾞﾞﾞﾞ'''ｰ､　　　　　　◯　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　◯　　__　　　 ,'
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　　　　　　　　　　/ 　- ヽ　　　　　　　/　　　.,./　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　 .＼　　　　　　.ｌ　　　　　　　　l
'-､　　　　 _／゛　　　　ヽ、　　 . ／ : ''=ﾆ´　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　　　.＿_　　 .ｌ,　　。　　　｀'-.＿＿ ‐'　 '!
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　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　ヽ .|　　　　　 . !/　　　　　　　　　　　　　　 '!
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　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　◯　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　/.'､___,..r　　　　　　　ヽ
￣｀'''-、　　　　　　　　　　　,, --．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,,ィ―ｰ､　　　　　＼,,,,.／　　　　　　　　＼
　　　　ヽ　　　　　　◯　 / 　　　｀'､　　　　　　　　　　　　　　　　　　◯　〃　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、
　　　　　|　　　　　　　　　 lﾞ　　　　　｝　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.ｌ　　　　 ,/.　　　　。　　　　◯　　　　/ '''' 　｀-､
　　　　　ｌ　　　　　　　　　ヽ　　　　 ./　　◯　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀;;　 -'"　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,_,．　　　｀ﾞﾞ''ｰ
　　　.／ .　　　　　　　　◯.｀'―-ｰ'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌヽ,
――'" , ‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　 i､　　./ 　!　　　。　　　_,,,
　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◯　　　　　ﾍ￣゛　/　　　　　　 /　　｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒'i　　　　　　　　　｀"'"゛　　　　　　　｀'ｰ''′
　　　　　　　　　　　　　　　, ‐'ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .`ｰイ
　　　　　　◯　　 ◯　 'ﾍ,ﾐ,　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、＿
　　　　　　　　　 ,i　　　　 .｝ｌ .'"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,i'" 　｀＼
　　。　　　　　　 |.ｌ　　　　/ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l广' l　　　　　.!
　　　　　　　ﾞ'ﾐ―ｰ'' ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -''|“゛　ﾞﾞ． .ヽ、　　.／　　　　　。　　　◯　　　　　 __
　　　　　 ◯　　　￣゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ　.ｌ　　　、　　.￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｒ'"　　ﾞ"
ーｰ　,,、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◯　　　　　　ヽ　｀'ｰ-グ　　　　　　　　　。　　 _..-….' -､.　　　 /
　　　　.｀'-,　　　　　　　　　　◯　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣'''″　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　 .＼　　.ｌ
　　　　　　.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　lﾞ　　　.＿_　　 .ｌ　　｀'-.＿＿ ‐'
　　　　　　　ｌ　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,,-'''"￣￣ﾞ'''-､、."　　　◯　. !　 .／　　 .｀''､　,!
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ゆえにこの戦いの結果を決めるのは、存在理解による先読みでどれだけ相手を上回るかだ。
この異能も永遠の彼方まで見通せるわけではない。
今は相手を詰ませる手順は見えないが、それでもいつかその状況が訪れるだろう。
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79： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:12:29 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　 "　　ﾞ, ,ﾉﾞ/　 ._..-'"　　 .,,, ｰ'"゛　　　　　　 ",　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　 |
　　　　　　 .‐ ＿'ｉ　　　 .〈rlｒ'"　　_..-'"゛　　　　　　　　　　　　 |.ヽ　　.|!　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　　　 i
　　　　　　　 . _ゝ゛　　　　　 ,..-'"　　　　　　　　　　　　　　　　 ! . ｌ　 .lﾞ|　　 ._,,　-－''.'''''''''".''丶ヽ.!　　　　　　　　 !
　　　　　　'｀-､　　　　　　　彡=┘　　　　　　　　　　　　　　　　′ .ｌ .,! !,／´　　　　　　　　　　　　!　　　　　　 |
　　　　　　 .'“ﾞ7　　　　　　 ./　　　　　　　　　　　　　　　　 '!ｯ、 l　　ﾞ'‐ ゛　　　　　　　　　　　 .....|　　　　　　　　,i
　　　　　　.／　._ 　　　　ｌ　　　　　　　　　　 _..__. ,,,,,, ._ヽﾞ'″　　　　　　　　　　　　 ,／″　　!　　　　　　　　l!
　　　　 ,／　.／.彡i,i．　　　　ｌ.　　., .､　.－'.'.'.`゛´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　　　　　|　　　　　　　　′
　　　／　.／　 .j″　ｌ　　　　 .ﾞｌ,ﾞ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 ._　! 　　　　　 |
　 ../ . ／　　　 !_　-''丶　　　　.ヽ .........-.‥‐.￢'''丶- ..、　　　　　　　　　　　　　 "丶''.'._./ ´　! 　　　　　 l
..."　,./ 　,,, -'"´　　　 ′　　　　 .ヽ　　　　　　uii_-----┴　　　　　　　　　　　　　 , ／　　　.,!　　　　　　　ｌ
　.,i彡'"´　　　_ . -'''"　'、　　　　　.ヽ　　　　　￣"'''';;r　　　　　　　　　　　　　　　,ﾞﾆ＋　　　 |　　　　　　　 "
./　　 _,..-‐'″　　　　　 .ｌ　　　　　　ヽ　　　　　　　 ,..-'"　._,,　　　　　　　　　　　 /ヶ　　　　 ‐　　　　　　　i′
. / '″　　　　　　　　　　..ｌ　　　　　　　ヽ　　　 .,..-',ﾞ.. -'''ジ″　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　｢　　　　　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　 ″　　　　　　 .ヽ .i=ﾞ‐'^゛ ._∠―''Ｔ　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 │ 　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　　　＼　　　　　 r　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　　　ｌ　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　ヽ.　　　　　 /　　　　　　〟 .i､i､　　　　　 .〟ヽ　 / 　　　　 /　、
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　＼　　　/ 　　　　　　/　′| ﾞ＼　　　　 |ヽ .ヽ/　　　　　　/.,.〃
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　ﾞ'､.／　　　　　 .／　　.! l　　　＼.,,　　　ｌ .ｌ.ｭ.l　　　　　　/"./ _,,〟
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　＼　　　　 ,／　　　　l!　　　　ﾞ'!,ﾞ'-､　ｌ｀ﾞ　　　　　　　/''ン"
_.‥‐-ヽ､､......、　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　ヽ,　／　　　　　　　　　ｌ,　｀'″　　　　　　　　ﾞ”.'''"″
　 ´."."'ヽ‐‐--.．.´,ﾞﾞ,,ﾞ._"_∵￢'.ー‐―ｰ .--- --- ......... .ﾞく......................．..... ､.---‐ｰ.┘
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だからその終わりまで、ともに踊り明かそう。
どちらが死んでもこれで最後だから。これが最後だから。
こんなにも愛しているんだと、どうか分かってほしい。
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80： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:12:45 ID:RFgfw36c0: ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そして、どのくらいの間戦い続けただろうか。
体感では十分ほどだが、楽しい時間はすぐすぎるというし、
もしかしたら一時間、一日、一か月ということもあり得るかもしれない。
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81： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:13:24 ID:RFgfw36c0: ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その時は。訪れる。

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82： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:13:38 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　／
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　　　　　:. :. :./|:. :. 人:. :| ､x=ミ＼| 　　｀¨　/⌒:. :. :. : | :. | :. :. :. '
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　　　　　　　　　＼:. :.|:. :. :.|込 ¨´ ,　　　／／, 　 :. :/　/　_ -= 〕／-=ニニニ
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　　　　　　　　　　　　　　 |:. :.ｉ-=ニr'-=ニヽ／-=ニニニニニニニニニニニ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
シュテルがその『詰み』に気づく。二人の位置関係、各弾丸の位置、残りの体力やけがの具合。
そういた物から算出して、この判断は絶対だと確信した。
だが、詰んでいるということは勝敗は決しているが、どういう勝ち方、負け方かはまだ選択の余地がある。
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83：名無しのやる夫だお：2015/07/04(土) 23:13:40 ID:Lzp6mH360: ついにか
84： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:14:15 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　/!/! /!＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r.,　　　　　　　　　　　　　 ,､ィｰ'イYｰ-／　　　三＼-‐ﾆﾆ三三三三'l＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l::l　　　　　＿,,　　　―-r'lllﾆヽ三三/　　／　三三＼ﾒ三三ミﾐﾆ!i!i!
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. -‐=''"￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'三!　|三三三>' 　／>　　,　 '‐､三三!　.iミ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !i三i　 |三シ" 　／'", イ三三ミ､｀ヽ､ﾐ! iミ!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',!ﾆi　 ,!イ　　.／ , .イ三三三三三ﾐヽ　` .!ﾂ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐'"´ , .ィ／／三三三三三三三三ミ､ﾒ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'’ 　 , ィ　／ ,／三三三三三三三三三ミｼ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'’　,　'’　　　　ヽ Y三三三三三三三三三三ﾆ/
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 , イ　　　,　'’　　　　　　　　　　　　　　 i三三三三三三三三三!　　　　./
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　　　　　　　　　　 ,　 '’　　　　 , イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ三三三三三三三三三ﾆl　　　　 /

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だから二人は、互いに見えている道筋のうち、一番いい結末を選ぼうと思った。
そうするのか、そもそもどれを選ぶのか、言葉を交わしたわけではない。
だがそんなものはいらない。そんなものはなくとも理解しあっている。
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85： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:14:32 ID:RFgfw36c0: ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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双方、まっすぐに距離を詰める。数多の交差もこれが最後だ。

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86： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:14:48 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≦二ヾ､ --- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　////:./://ヽヽ:ヽ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|/:l:.l:./心､ ,气､::::}　　　　　　　　『ディザスターヒート』！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘヽ:.ﾄゞ´、ゞｲ/ﾚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_｀ヽヽ rっイ从＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ´:::::＿_:::::} 孑} /_ヽ／/}ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{:::::〃r ヽヽ| /川ゝi |三//| 气
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ {{＿:::::｀ヽト､ll/　} ｉ￣::::::}/
　　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　/====＞．彡ヽ　ノ_|＿_:/
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　　{: : : : : : ＿_ヾ／', 　 {-､:::}　_
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　i r二イ　／: : : : :i ／ /イ .//
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　{-ヽ }￣: : : : :___: }　./ 　 /./
　　　　　　　　　　　　| |　　　　　　　　　/::＼: : : : : :／::::::ヽ /｀ヽ./ /
　　　　　　　　　　　　| ||　　　　　　 , イ:::::::::::ヽ＿__r― ヽヽ}::::::::/ /::＼
　　　　　　　　　　　　| ||　　　　／:::::::::::/::::::::::::::／　　　ﾒ::::::/ ./:::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　| .||　　 ,ｲ:::::::::::／/:::::::::::／＿　　　/:::::/　/::::::::::::::::::::::::＼
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: : ＼ヽ､　　　　　　　 |　||:::::::::| | /: : : : :|:::::,ｲ　　　　ﾄ /.::::/　/:::::ヽ＼:::::＿ヽ＼ゝ
: : : : ヽ　＞．.　　　 |　||:::::::::// o : : : : /　　　　　/／!.::/　 /:::::::::::ヽ: :.ヽ／＝ ≠´．＜
: : : : : : : ＼＼＞．　/‐､ｌ::::::://: : : : : ／-- ､　　 / |: : :/　 /　O　ﾆﾆｌ　}　　　．＜＝: : ＞
　∨: : : : : : ヽヽ　 /　　ｉ:_::/￣／込｀ヽ､ --ヽ､: : |ﾆ/　 ./:::::::::::．　＜　　　＝ ´: : : r ／
　　∨: : : : : : : ＼　{　　／ r ´｀ }:.:.:.:.:.:.:.ヽ==､　　ヽ／｀ヽ・ ´　　　二　´: : : : : : : : :ノ |
　　　∨: : : : : : : : L-　// /:.―´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}　ヽ: : : i　　 /　i　二＝: : : : : : : : : : ,＞・／ !
　　　　∨: : : : : : : : : : ゝヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　／: : : {　／- ´: : : : : : : : : : ＞・　／／
＼　＿　∨: : : : : : : ／: : : ／----r´: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞・　／／}
　　　　／: : : : : : :／: : : ／　　　 /: : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ＞・　　／　／￣
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: : : : : :／: : : ／　　　　 /: : : : : : : :/: : : : : //　　　　　/　}　　　／

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だが、今までと違いシュテルの手に握られていたのは剣ではなく杖だった。
距離が完全にゼロになる前に魔力をこめ、ぎりぎりで撃つ。
使う魔法は神が放つのだから相応に強力だが、今までの規模に比べたらあまりにも弱い。
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87： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:15:26 ID:RFgfw36c0: 　　　　　．;′　.; ＼ ;＼＼　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　;　　　　　　　 __).; ,　＼
　　　　　 ’　　　　 ,ノし:' ＼＼　　　　　　　　_　　　＼　　　　　　　　　　 ’,　　　　 :.;　;　　　　　　　 ,　 ;'⌒ヽ
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　　　　　；ｉ,;/.　 :,ノし' ; ＼: :　ｉ’ . ; ＼　＼＼-ｧ ;　／
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　　　　　　 ,:~　　;、 /: : : | : ;: : ; ぎ；: ､_ ;　　ｉ　;　；　 ; i　　　　　　　　　　　　　 ;　　　　　　　　　　　 :、
　　　　　　 ′　　丶: ;__丿人_ : : : ,;’j:、｀: ､.,￤　ノし':　;　 `､　　　　　　　　　　　 i .,.:’　　　　　　　　　　　 )＼
　　　　　　　　　 ,': : ; , . : : : : : ,:~ : : : :　　Tさﾞ､_＼　人　 _ ; 'ー '　_,ノ,:　　:　/　, :　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ)　　　 ;
: .　　　　　　　　　 i: : : : : : : :` : ; _: : : : : : : ; : : ‘; `'＼　 x ノ( :' :′.: ;　　 . : , ／　;　　　　　　　　　　　　　　　　 i
: :. :　　　　 ;　　 l: : : : : : : : : : : :`‐-､: : 丿 : : : : :　　V彡'′,.,: . ) : ﾍ.　 ,　 ‘'(＿丿　　　　　　　　　 i;、　　　　;　　人
　 , . ;；　　. :, ；: . .　|: : : : : : : : : : : : : 　｀¨ ―‐ ；．_　/　　, ;′ /　, :.　 / /　/　: ...ノ(__　　 , ,;'　丿；　　　　；　 ⌒ヽ
｀ヽノ;、　 ;　 ’　: . .，: : : : : : : : : : : : : : :　　　 ,:’　｀{_, .　 , 　 _ . ; ／　 ,′ 　/-､　　 ,　; :'⌒^¨　　　 ′⌒ヽノし'⌒':､
,　　　）ノ'、　, ;／　; . :　 : : : : : : : : : : : :　　　　　 ,:　　　 |＼.　 ,;"　　 ; /　ﾑ　 i＼_＿_　　 . : (　　;
　　　　　　　 (_ ⌒ヽ　 ;'　., ; : ;' : : : : : : :　　　 ;　　　　　　 |　｀'ー-く　人　　　|_ム j― '
　 __,ノ⌒し　　　　　 ;ｰ:ｰ.;、 :′: :. : : . : : :　　 i，　　　　 | 　 r一'´＼　　＼_/　　　 ,;’

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もし戦闘開始時のやる夫だったならば、多少のダメージを負いつつも気にせず行動し、
剣を持たないシュテルを切ることができただろう。
だが今は、そのダメージが蓄積しすぎている。ゆえに、ほんの一瞬行動が遅れた。
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88： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:15:41 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　ノ　　　　＿＿ノ
　　　　　　　　　　 ':./　, .: :. :. :. :. _／　　　　　　　　　　　　＿＿＿ _
　　　　　　＿　 /:. 〈／:. :. :. :. :. :. :.｀`丶､　　　　　　　　　 -‐''' ~ ゛　　　　　　｀'' 、
　　　　 ⌒＞:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.＼　　 ‐ '''"゛　　　　　　　　　　＿＿_ヽ_
　　　／:. _:. :. .: :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. .　　　　　　　　　 -‐''' ~ ゛　　　　 }　｀'' 、
　　　 / '７:. :.／:. :. :. :./:. :. :. :. :. :. :. :. :. ＼:. :. :.　　　　　ｰ'''"゛　　　　　　　　　 ,!　　　　ヽ
　　　　 /:. :,:. /:. :. :. :.':. :. :. :. :. :. :. :. :.:. :. :. ＼:. :.　　　　　　　　　　　　　 /　　　　 ,!
.　　　 /:. :/:./:. :.| :. : ｉ:. :. :. :. :. : |:. :. ＼:. :. :. :. :. : .　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　 /
　　　 ':. :/:. :.:.￢ﾄ : : |:. i:､ :. ､ : :|:. :. :. :. :､:. :. :. :. :. :.､　　　　　　　　　　　 /　　　　　 /
　　　 :.:/ |: |: |:. :|: ＼|:. |:. ＼＼| -――:.:＼:. :＼:. :. ＼　　　　　　　　　　 /　　　　　　/
　　　 i'　 |: |: |: :.x=ミ､: : : : :.イ: :{＼: : : : :|'⌒ｉ､: :＼: : : ＞　　　　　／　　　　 /
　　　　　 |:∧:. :{　f'刈V ＼::. ｨャ＝ミ､:. ∧ : | : ＼: :＼〈　　　　 _ ／　　　　　　 /
　　　　 /　iヽ :.､ vリ　　＼ｈ wﾟ㌻V: : : ､:. :. :. ):. :. ）　＿ _,,- ,／､　　　　／　＿＿
　　　　 ' 　 |:. :圦　　,　　　ゝ- '　　）＼:. ` ＜/､ -==（_ノ-=ﾆ |::|ﾆ＼　　／＜: : : : : : ＼
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そしてその一瞬が命取りだ。
互いに向き合っていた運動エネルギーを、やる夫の体を握ることで減衰する。
残りとやる夫の体を利用して、くるりとやる夫の背後へと回り込み。
.
89： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:16:14 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　f ´ ﾞi
　　　　　　　　　　 r‐-、　 |　　 j　　　　f ´ﾞi
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やる夫の背中を、近づいてきていたブラックホールへと押した。

.
90： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:16:29 ID:RFgfw36c0: ＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―　　　――――　　　　＝＝　￣￣￣　――＿――￣＿＿＿￣―
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　　　　　　　／.〃　y ⌒ヽ.r､ヽ{　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ
　　　ｕ　　/　./　　　　　　'　ヽゝ　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
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　　　　　　　|し'｜　./｀!　　　　　　　ヽ　　　　　　　 /　　　　　　　　/
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　　　　　　　|　　,、　　　　　　　、　　　　　　ヽ、　　　　　ﾉ
　　ｕ　　　　＼ｰ' !　　　　　　　　　　ー - 、　　　　丶、__　　　／
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　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　ヽ_/ /
　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /｀ヽ、

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そしてやる夫は、その境界線を越えてしまった。
自力で脱出できる限界の重力圏。その中に入ったのだ。
ゆえにあとはどんなに抗おうと、ただ落ちていくことしかできない。
.
91： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:17:20 ID:RFgfw36c0: 、 .ｌ,　　　!　 .ｌ　　 .!　　　　.ｌ　　.!　　　!　　.!　　　　　　　　 ,. -‐ ─ -...､　　　　　　　　　　ｌ　　　　ｌ　 ./　　 ./　　/
.ｌ.　ｌ　　　ｌ.　ｌ　　 .!　　　　.!　　l　　　|　　.l　　　　　　 /　　　　　　 .＼　　　　　　 /　　　 /　 /　　 ./　　/
　!　 .ｌ　　 .|,　ｌ　　 .!　　　　ｌ　　|　　　l　r‐‐-､.　 _,,,...-‐┴‐‐- ､　　　　 .',　　　　　　　 !　　　 /　 /　　 /　　/
　ｌ.　ｌ　　　ｌ　ｌ　　 |　　　　.!　　!　　 .l { 　　　￣　　　　　　　 }　　　　　|　　　　　　 l　　　 .lﾞ　./　　 /　　/
　　ｌ,　ｌ　　 .ｌ.　 !　　 !　　　　!　 .｝　　│ ゝ__,,,斗---‐-､　　　ノ　　　／　　　　　　 !　　　 /　ｌ　　 ./ 　./
　　 .ｌ　..ｌ　　 .ｌ　 |,　　.!　　　　!　 .l　　 .|　　|　　　　　　 |　　　　　　＜_　　　　　　､__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
　　　.ｌ　..ｌ　　 .ｌ　ｌ　　.ｌ　　　　!　 .!　　│　 l　　　　　　 l　　　　　　｀'''‐､　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（
.ｌ　　　.ｌ　ｌ.　　.ｌ　 |,　　ｌ　　　 .ｌ　　!　　 !　　!　　　　　　 l 　　　　　　　　i　　　）　　お……おおぉぉぉぉぉぉ！！！　　（
...ｌ　　　.ｌ　ｌ,　　.ｌ　ｌ　　.!　　　 |　 .｝　　.!　 .,!　　　　 _,,ノ　　　　　　　 ,斗--''　　　）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（
　..ｌ　　 . ｌ　ｌ　　 !　 !　　ｌ　　　│　.!　 __,,,,--‐‐=＝´　　　　　　　 l　　　　　　 ! ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y Ｙ
　 . ｌ　　　ｌ,　.ｌ　　.ｌ　ｌ　　ｌ　　　 l　／´　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　 !　　 . !　/　　/　 ./　　/ /
　　ﾞl,　　ﾞl、..ｌ　　.ｌ　 !　　!　　　.! {. 　　　 ==‐‐--､___.　　　　　　　 }　　　　　 lﾞ　　　!　/　　/　 /　　/ / 　　./
　　　..ｌ　　　ｌ　.ｌ.　　!　.ｌ　　!　　　.! ゝ,,__ 　　　　　.／´　.｀}　　　　　　　|　　　　　 lﾞ　　 .lﾞ　ｌ　　./　./　　/./ 　　./
　　　 . ｌ.　　..ｌ　ｌ　　ｌ　.ｌ　　!　　　l.　 ! ｀''''─‐-y′ 　.,ノ .ヽ　　　　 l　　　　 lﾞ　　 /　/　　ｌ　 /　　/./ 　　/
i.　　　　.ｌ,　　ｌ, . ｌ　　ｌ　.ｌ　 .ｌ　　　ｌ　│　│　l /　　　.}.　　Ｖ　　　 .l　　　　 ,!　　 / ./　　/　./　 ././ 　　/
.ヽ　　　 . ｌ.　　ｌ　.ｌ　　ｌ　.!　 .!　　 .|　│　 l　　{　　／. 　　Ｖ　　　 .l　　　ｌ　　 .lﾞ ./　 ./　./　 ././　　 /
　ヽ　　　 . ｌ　　ｌ, . !　 .ｌ　.ｌ　 .!　　 .ｌ　 |　　!　 ! `ー '　　　　Ｖ　　　l　　　 !　　 / .lﾞ　 ./　./　 ,//　　./
ヽ　ヽ　　　 .ｌ　　ｌ.　ｌ.　ｌ　.ｌ　｝　　 l　 l　　!　 l　　　　　　　　Ｖ　　　l　　 l　　 / ./　 /　./ 　.//　　./ 　　　/
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　　ヽ　ヽ　　　.ｌ,　　ｌ　.ｌ　 ! │　!　　.ｌ　.|　 .!　.|　　　　　　　　Ｖ　　l !　　/ /　 /　./　.//　　/ 　　 ./

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わずかにでも落下速度を遅くしようともがくが、大した意味はない。
ただひたすらに、重力の渦の中心へと導かれていく。
彼女の心を占める孤独は、掴まえた光を逃すことは決してない。
.
92： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:17:32 ID:RFgfw36c0: :::::＼:::::::::::::::::::::::::＼:::::＼::::ヾ::::::::::i:::::::::::::::i:::::/:::::::::::i:::::::::::/::::::::::::::::／:::::::::::::／:::::::::::::::
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そしてたどり着くその奥底。普通の星であれば重力の終着点に存在するはずの地表が存在しなかった。
強すぎる引力は自分自身すら収縮させるため、体積もどこまでも縮んでしまうのだ。
だがそれでも、これは質量の大きさという点でみればあまりに常軌を逸している存在だ。
.
93： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:18:00 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　｀'''''≒　 .｀'-､;;;;;;;i..､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　ﾞ〈ヽ、　　.ﾞ'､"x. l;;;;;|. ..!./ 　/ .,rｼ",il'"　　　　亠　　　 ._iir㍉;;;;;;;;;;;;;;;
...,,、　　　　　　　　　　　｀''-_ヽ｀'-､;;;;;;;;;.;_;;;;;ヽ,　ﾞ'ﾍ　　　. ｌ;;;丶;;;;｝｀　　.,;;ｿ゛　　　　　　　　　 ´　 /ﾞ;;;;;;;; ／
ー二ﾞﾞヽ ,,、　　　　　　　　　｀'!‐　｀'-,;;;{. ｀'-､;ﾞ!、　　　 .l-'､.ｌ.;;;;;;;;;.!　　.,il″　　　　　　　　　 _,,　-'";;;;;;;;;;;｀￢
..,,..........ﾌ;;;;;;;;｀''‐ ,,、　　　　　　　　 ,ﾞli/､　｀'､.ｌ,　　　 .｀'/'./ ;;;;;lﾞﾞ　./　　　　　　　　 , r二-''''"￣￣´ﾞ''y;;;;;
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　　　　　　　　　　　　｀'''｀-ヽ,,　　　　　　　|､｀''ﾆi几　　　　 ″|;;'!
..,......xi，　　　　　　　　　　　｀'''ﾐ;;ｘ、　　　　´　　 .｀ l､　　　　　l､;.ｌz'ｱ　　　.,i;;|lrl!!!!¨'″　　 ,,,
　￣　 ..,,u．.-..、　　　　　　　　　｀''ｽｯ、　 y ..、　　 !li　　　　 `l/ l/　　 ..il′　　　　　　 ,,iｌ'"´
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＿__,＿_＿_＿_＿_i;;;;;;;;;;;;"―　..,_　　　　　　　　　　　　　 l;;ﾘ"　 i､　　　　.,ij"　_,/.ｌ_、　,,irｰ　　　　 .∧　._.
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／　　　　　　 ´　　　　　　　　　　　、　　　　　,ノ;/　　　 ¨゛　　　　　.,,〟　　　　.ヽ;;;;;;;;.ｌﾞ'!)i、｀＼;;;/'''''-＼,　　∨
　　　　　　　　　　　 ,,、　　　,,〃　　　.,..;;ﾆi /　　　　　　　　 ´　　　　　　ヽ;;;;;;;ﾞ;;､ `　　ﾞ'ﾐ､　　ﾞﾞ'ﾆ;;､
　　　　　　　　　　　　　,i彡　　　/│　　　 ″.,〃　　 .,i;;　　　 .,-、　　　.i;;;;;i　　　　　.ｌ.;;;;;|..ﾞ'|l、　　　ﾞ'li、　　　ﾞ'ﾐ
　　　　　　　　　 ,iｸ゛　　　　l";!I　., ―--ｸﾞ　　.n /゛　　　l/　　　　 .ﾞ‐'"　　　　　.ｌ;;;;;.ｌ　.ﾞ'ｆ、　　　ﾞ.ｌx　　　　ﾞ'
　　　　　.,l　　　　.,ﾝｸﾞ　 ,．　　/ ;;;;ﾞ‐',,､;;;;.;i′　　 :!┤　.lL　 .`　　　　　　　　　　　　ｌ;;;;;.ｌ　　ﾞ|''､　　 . ｌヽ
　　　　 .,l|　　　../ ;/　〃　 ./ ;;;;;;;;ｒ'" !" .lﾞl　　　 : |;;|　　｀　　　　　　　　　ﾞlｭ　　　!;;;;;.!　　ﾞ'ｉ;ヽ　 i､゛

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着地――という表現は不適切だが、とかく最初にぶつかった足は即座にはじけ飛んだ。
彼は存在理解を使い自身の被害を最小限に抑える動きを実行できたのだ。
体を維持するための脳や胴体は重要だ、剣を握る腕も捨てれない。
そもそもあの落下速度とこの質量を相手に、両足だけで済んだならましだろう。
.
94： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:19:53 ID:RFgfw36c0: :::: 歪ｊ㌢´　　,x幺llll圭才´　　　　　　　　　　焔圭:Ⅳ　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ|伐　　　　 Ⅵ圭圭||
:::: ｊア :::::::::: ,ｨ劣圭才´　　　　　　　　　 .以圭Ⅳ　　　　　　　　　　　　 Ⅵ|伐　　　 Ⅵ圭圭
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　 i:洲{　　＼　＼　　　　　　　　　　　　以Ⅳ　　　　　　　　　　　　 ,炸,圭l圭l圭l丞
　 i:刈　　　　＼　＼　　　　　　　 [　　　　　 Ⅵ7　　　　　　　　　　　　 ,炸圭圭l圭圭刻
　 lil代　　　　　　　　　　　　　 /k　　　　　 7　　 .λ　　　　　　　　　　焔圭l圭l圭l圭Ⅳ
　圭淤t、　　　　　　　　　　　　　　!垈　　　　　　　　　代　　　　　　　　　　　以圭圭圭淤jⅣ
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　圭淤冰ik会ｭ｡　　　　　　　 .ｨ圭洲;　　　　　　[代　 `''寺ｌ圭≧ｭ｡.　　　 Ⅵ7:圭lll圭lⅣ
l圭圭圭淤冰ik会ｭ｡　　　　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　Ⅵ心　　　`''寺圭斧≧ｭ｡._　 `''寺圭圭丞
　圭圭圭圭圭圭ik会ｭ｡　 ,ｨ劣lll斧ｱ　　　　　　　　 Ⅵ会ｭ｡　　 .ﾞ㍉丞圭圭会ｭ｡_　｀'守圭ik会ｭ｡

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だが問題はここからだ。圧潰の中心にたどり着いたということは自分もまた、この星と同じようになるということである。
肉体が全方位から押しつぶされる。耐えられるのは後何秒だろうか。
そしてそのあとには、やる夫自身も暗黒の星の一部になることだろう。
.
95： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:20:11 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　 ..........::::::::::::::::::.......
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　　 '　 ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.!:.:.!ﾞ:.:.! ヽ:.:.:. ｀ｰ- :.ヽ_`;,;.:.:_:ヽ:､::!.:.:::　　　　　　さぁ、兄さん。
　　　 l.:.:.:;.:.:.:.:.:.i:.:.:.l:.:.:.::l:.:.:l'":.l´　＼::.　　 ;ﾞル;;心ヾ;`!:ヾ!:.:.::.
　　　　 l.:.:::!:.i:.:.:.::!:.:.:.!:.:.:::l'i:.:!_,,..!.,,　　ヾ、　 V;;::::℃; '　!.:.:.:l:.:.::.
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　　　　　　　　 ,::/　 V,.'ﾆニ二///,∧;└─┘;/////∧二二ﾆ＼
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　　　　　　　　 l;'　／ﾆﾆ二二//////∧;;;;;;;;;;////////／二二ニﾆﾆﾆ≧.､
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　　　　　　　 /ﾆﾆﾆニニ二二二＼,'///∧///////／二二二ニﾆ／ﾆﾆ／

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一人は嫌だ。離れないで。一つになって。そんな渇望がやる夫を引きずりこむ。
この黒き太陽こそがシュテルの精神を表しているのなら、そもそもこれを打ち破れなければ、
シュテルに勝つことなどできないのかもしれない。
.
96： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:20:52 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　: : : : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
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　 ./　　　　　　　　　　＼　　　　i　─i　　　　　　　　　　　　　　　　　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽヽ――＿ゝ､　　　　　／　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー─　´　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー-- -　´

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だが、彼女の渇望を否定し打ち破るなど、選択として彼がとれるはずがない。
だからこそ当然のごとく、彼がとった行動はまったくの真逆。

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97： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:21:04 ID:RFgfw36c0: 　　　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　流出
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『Atziluth―――』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｱﾃｨﾙﾄ
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シュテルの望みを、叶える方向へと動いた。

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98： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:21:19 ID:RFgfw36c0: 　　　　 ’,＿__/　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　￣￣￣　　､
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛よここに　輝き飲み込む真紅の星
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『Schwarzschild the Destructor』
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99： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:21:56 ID:RFgfw36c0: 　 : : : : : : : : : : : ＼　　　　 |: : : :!　　　 l: : : : : : : / 　／:　:.:／　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､ --, '　,
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シュテルの流出。全てを吸収する能力を模倣する。
逃げることが不可能ならば、受け止めるしかないだろう。
それを構成する質量を、自らの力へと転換していく。
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100： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:22:29 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　心　　∴;．゛;．:.　　　　　 /
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　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-､＼ゝ-.､.ﾞリ　 :以Ⅳ:゛;．゛;. 　　　　 ∴;．゛）圭㍉　￣　::゛;．゛
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 _.／.....心､　　 ⌒炸ム　　守ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ--=　寸圭≧ｭ≦圭圭掛,　弋代
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒`寸圭才㍉⌒¨㍉ﾄ､ ⌒㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣⌒`　　　　㍉､

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だが彼の模倣は劣化コピーだ。それは同じ位階である流出において特に激しい。
シュテルのように一瞬で吸収するなどできるはずもなく、今もなお彼の肉体は潰れ続けている。
手にした力で自身の強度を上げ続けているが、彼が死ぬのとどちらが早いだろうか。
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101： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:22:44 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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　　　　ｉ:i:i:i:i:i:i:i　　乂_ ノハ :i|:i:i:|:|:i:i:i|:i:i:i:i:i:i|:i:i:i:i|:i|:. |:. |:. :. : "　　,　　乂ソﾊ : |:. :.|
　　　　 |:i:i:i:i:i:i:|　　　　　　 ,　 |:i:i:|:|:i:i:i|:i:i:i:i:i:i|:i:i: ﾉ人 |:. |:. :圦　　､ ,　　""/ﾉ:. |:. :.|
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その答えは問うまでもない。今も彼女が構え続け、やる夫のいる場所を見据えているのが回答だ。
彼女は理解し続ける。自分の手によって体が壊れ、捻じ曲げられているやる夫の姿を。
そしてそれでもなお抗い続け、今まさに反撃しようとしている兄を、潤んだ瞳で見つめていた。
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102： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:23:14 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
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そして、やる夫を捉えていた重力が消え去った次の瞬間――

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103： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:23:37 ID:RFgfw36c0: ＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
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　　　　　 ./　i （●）〉　　　　　｀''''''"　　　　　　　　　ヽ　　　　行……けええええええ！！！！
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即座に消えたはずのそれが蘇り、シュテルの方向へ向かって放たれる。
つまり、やる夫はこの技すらも模倣して見せたのだ。
そしてそれだけではない。
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104： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:23:49 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　＿__,,,,,,,............-;;ｯ;;―￢'''''''"ﾞﾞﾞ￣￣　　　　　 . ＿,,,,,,.... --―'''''''"ﾞ￣゛　　　　　_,,,..　-
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　　　　　　　　　　　　　　　l,ﾞ .〈..、,,..　-ｰ''',ｨ幺圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭弁､,,　ｰ''". ｌ.!　　　　 ._,, -''"゛　　　 . _
　　　　　　　　　　_,,,,..　-ｰ''' ﾞ''､. ヽ　 ,ｨ幺圭圭圭ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:圭圭小　　　　 .| ｌ ,.. -'''″　　　　 ._..-'".,.
　　_,,,..　-ｰ'''''"´　　　　　　　　ヽ.!.ｨ幺圭圭ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ圭圭沁　 _,, - l !　　　　　　 _..-'".._..-'´
｀´　　　　　　　　　　　　　ｨ幺l ﾞl圭ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:圭圭ｉ}″　　/,!　　　 _..-'"　,..-'"　 . ／
　　　　　　　　　　　　　　　,ｨ幺圭.! !ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ圭_二二二_ｼ┘,..-'"゛ .,..-'″　 ,..‐″
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　　　　　　　　　　爪圭圭:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:圭圭Ⅳ''-,ﾞ''-..、 ,..-'゛　　　　　　　／　　　 .／
　　　　　　　 {ｉ圭圭:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:圭圭Ⅳ 　　｀'i　!.゛　　　　　　　 . ／　　　 ,./
　　　　　　　 ._， {ｉ圭圭:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ圭圭才　　／ lﾞ│　　　　　　　／　　　　.／
　　　 _,, -''"゛　　仔圭圭:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ圭圭才´　. ／　　 !､.ヽ　　　　 .,／　　　　.／
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　　　　　　 .,i　　　弐圭圭:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ圭圭㌢´ _￣ﾞ'ヽ　｀'-､,／／　　／　　　　　／　　　　　　　 /
　　　　　　 ,!　　　　.`守 ,i/圭圭圭圭圭圭圭圭圭㌢´,..‐″　　　.ヽ　　／　　／　　　　　.／　　　　　　　　/
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この一撃、この一射に限れば、今までのシュテルの攻撃を上回っていた。
当然だろう。技としてはただのコピーだが、その技に使われる燃料としては、
先ほどやる夫が吸収した重力弾に、求道神としてのやる夫が絞れるだけの全てのエネルギーが上乗せされているのだから。
.
105： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:24:37 ID:RFgfw36c0: 　｀''ｰ､,、ﾞ''-､、 .｀'-､. `'-、 .＼＼　　ヽ. ヽ.ヽ ,竓-‐ … ‐- よ /　 ./ 　./ .／ ,./ 　,／. ／ . ,..ｒ'"　.,..-'″　　_.. ‐
- ..,_　　｀'''-､、｀'‐､、｀'-,,. ＼ .｀'､,＼.　＞也ﾞiｸ'i:i:i:i:i:i:i:i:i:,l|ﾂ".　〕iト㌣ / ／.／　／／　,..ｒ'" ._..-'″ . _.. -'"゛
　　 .｀'''ｰ ,,_　　｀''-..,,｀''-､. ｀'-､＼ ,ｘく...　　　i/i:i:i:i:i:i:i:ｉ:,l|'　　　,ｨ幺ﾆﾐﾒ､.　 ,／／ﾞ.,..ｒ'"._..-'"　._..-‐″　　　　 .
～　,,,_　　　.｀''ｰ　,,.　｀''ｰ､,ﾞ'-､,.｀ ,乙. ﾑ　　　 iii:i:i:i:i:i:i:ｉ:l||　　 ,ｨ幺＞".....　※ 'ﾞ,..ｒ'"_..-'"._,, -'"゛　　　 ._,,.. -''''"゛
　　　　.｀ﾞ'''ｰ　..,,、　｀'''ｰ ..,, ｀'' 冶㍉ﾞﾏﾑ　　　 |i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:l||'　　/ ／ ,,-''"￣＿_.Ｎ／ ,ﾞ..-'"゛　　_,,　ｰ'''"　　 ._,,,.. -
‘''''―- ..,,,,_,　　　｀ﾞ"'ｰ-..,,,_｀ﾞ/i:i:i:i:ｉ:ｉ㍉ﾞﾑ　　　|i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｉｉ| 　 /" ／,,-‐''￣i:i:i:i:i:i:i:№ ._,,　-''''"゛_,,,..　-ｰ''"´
　　　　　　　｀ﾞﾞ"''―- ....,,,_ 厶i:i:i:i:i:i:i:i:`マl,　　 ',i:i:i:i:ｉ:ｉ:|i　/.／ ´i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:＿＿i:ｉ:ｉハ ,ﾞ.. -ｰ''''"´.__,,,....　-―''''''ﾞﾞ￣゛
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｀　　 ._,,,　ｰ'''"_,,　‐''"゛　,.. ﾑi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:/ﾆﾆ/i:i:i:ｉ:l| 　　ﾞ､i:i:i:i:iﾞﾏﾆli:i:i:i:i:i:i:iﾊ.　 ..｀''ｰ､、 .｀ﾞ''ｰ　,,,、
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　　 . _..-'"´　,..-'" ,..-'´ .,／　　＼...￣i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:,ｨｸ　/　　　 /l||li:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ﾞﾏl 在　＼　＼　　ﾞ''-..、　　　　｀ﾞ''-
.. -'"　 ._..-'"　,／´ . ／　　.／　今ｘi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:,ｨｸ　ノ　　　 // l|li:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｘ令　 ..＼　`-、｀'-､　　　｀''-､,
　 _..-'"　._／´　. ／　　 ,／　/ 　./ 尖ﾄ〔ﾞ≦/_,,／　　　　 {l{　'|l . 〕 ≪ヽ　＼　　.＼　＼.　｀'-、　　　｀'-､、
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ゆえに今のやる夫はもはや出がらしだが、逆にいえばそれだけの力がこの攻撃に込められている。
今までの攻防で最大の空間の穴は、シュテルが場に敷いた全ての星々を飲み込み糧として、さらに勢力を増していく。

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106： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:24:48 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___ r―-　、
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
シュテル自身の力すら利用した渾身の一撃だ。
ゆえにこそ、敵がよほど攻防のバランスが崩れた性能の持ち主でない限り、この攻撃は通じるだろう。
倒せるかどうかは分からないが、大打撃は与えられるはずだ。
.
107： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:25:02 ID:RFgfw36c0: 八: : :|:i: :i＼:＼::ヾ　＼／^'⌒^ Y´　　　　　　 /ｲ::}: : : :
: : ヽ: ヾ: ト个: : .､::::..＾´　　　　 {:. 　　　　　／八: : : : ｉ|
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
相手が、柔速出シュテルでさえなければ。

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108： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:25:49 ID:RFgfw36c0: 　　　 ,:'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´￣￣￣￣　　　　　、　　（⌒ヽ}　　　　　　}　　}
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　　　　／　　　　　　　　　 ′　　　ノイ:ｉ:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ir . 　 rｉ　　　＼　　　 } 　 ′
　　　／　　　　　/　　　　　　　　　　/i/ｉ:ｉ/i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:}}i:i:i:i:i:}i:i:i:i:i:| ｌ斗┴==ミ/7 ﾉ､　 :　　 /　　/
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{　　　　　　　　　　 {‐‐‐‐‐‐‐‐→': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : :v: : : : : : : : : : : : :ゝ　　＼: : : : : : : : :
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その攻撃を、シュテルは片手で受け止めた。
過重力による負担は確かに体をむしばんでいるものの、後数秒でそれも消えるだろう。
これは、ごく単純な話である。
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109： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:26:07 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ｀ヽ
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　　　　　　　　　｀` 　Ⅵﾆ三,ムﾆ三ﾆ＼:＼三三三/三|{ﾆﾆ./ﾆ/::::/厂三三三三三
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やる夫が、シュテルの能力を模倣して行ったことを、シュテル本人ができないはずがないのである。
彼がやったのと同じように、彼女もまた攻撃を吸収できるのである。
たしかにその規模はやる夫が受けた攻撃より大きい。
だがそれは、本家本元との差を覆せるほどではない。
.
110： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:26:43 ID:RFgfw36c0: 　　＼＼＼＼＼＼
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だからこそ、二の矢にして本命の攻撃が運命を分ける。

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111： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:26:58 ID:RFgfw36c0: ｀'''ｰ ..,、　　　｀''-..、　　｀'-､　　　　　　　　　　　　　　　＿_,,,,,,,,ノ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ＼
　　　　｀'''ｰ ..,、　　｀''-..、　　｀'-､　　　　　　　　　　　／:::::::::::::: ,，-=＝=＜ //／／:::::::::‘， | ,/
　　　　　　　｀'''ｰ ..,、　　｀''-..、　　｀'-､　　　　　　 ∠〃"´:::／　　　　　　　｀ヽ＜::::::::::::::::: ヽ|/
　　　　　　　　　　｀'''ｰ ..,、　　｀''-..、　　｀'-､　　　ノ::::::::::::::: ' 　　　　　　　 ∨ヽ::::::::::::::::::ﾍ　/ ／
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　　　｀ﾞ"'｀-=t;;ii ..,,_　　　　　　　｀ﾞ''ｰ　.　 "　ィ彡":::::::::::: {　　　　　＼　　　 /　　l　　　∨::::::::::;;;ﾍ . ／
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｀ﾞ''“'┴-　..,,,,,_　　　　　　　　　　　　　ィ彡::|　　　|:::::ノ／＼　　（● ）Ｙヽ /　　　　　l:::::::::__;;;イ、．
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　　　　　　　　 __,,.... .;rー--=ム;;;ゝ＜　　ヽヽー　　｛　　 ∧＼＼　　　　　__.,､イ彡／＝''′
　　 . _,,.　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧;;;;;;;ヽ､＼ .,､イ三＞＞´
二｀-‐'''"ﾞ´　　　　　　　｀ー一;一'＜　　__＿＿＿＞ー―"　ヽ;;＞イ三＞"´＞´ 　　゛'.‐
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_._..ぃｰ''"´ ＼　　　　　　　　　｀＜三三三三三三三三三＞"´＞へ.:.:::＼　　　　ヽ
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刺突の構えで、シュテルへと向かって突撃する。
先ほども言った通り、今の彼は出がらしだ。移動力も攻撃力も、もはやほとんど残っていない。

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112： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:27:44 ID:RFgfw36c0: 　.／／／　　／　／　　 .／,／　　　 .／　　 . ／／　　　　　ｌ.　ヽ.ｌ. ..ヽ　　ヽ　　 .ヽ　　　　　　＼
‐゛／／　　／　,／　　 ,／／　　　 .／　　／ ,／　　　　　　 |　ヽ　ﾞ'/､ﾞl|i、　.ヽ　ヽ　ﾞ!li、　､　　　　ﾞ‐
／／　　 .／　 ,／　　 ,／／　　　 .／　　　／／　　　　　　　　　　|　､.ヽ　 .ﾞ.ｌ,　ﾞ'ﾐ　　.ヽ　ヽ　｀ﾞ!i､ﾞｩi，
／　　.／　 ,／　　 ,／／　　　 .／　　　.／／　　　　　　　､　.!　! '､　　　＼　ヽ,　｀'､ .＼.　　｀'-, ｌ-、
　　／　,／　　 ,／／　　　 .／　　　.／／　　　　　　　　　 ,.ﾞfi, ! │ ヽ　　　.＼　ヽ　　＼　＼.　　 `'ゝ＼、
. ,／　／　 ...／／　　　　／　　　／ ,／　　　　　　　／.／　_.ﾞﾞ'ﾙ .ｌ.　.ヽ　　　 .゛　 .＼..'r|lh．｀'-、　　　 .｀''
"　／　 . ,／／　　　 .／　　　.／／　　　　　　　　／".!　 .!　 |　 '､　ヽ　｀'_、　　　　　｀'-.,ﾞ'く、　 .｀'ｰ＿ ‐
..／　　 .／,／　　　 .／　　　／ .／　　　　　　　　 !　 i l.　 ..ｌ　.!　　ヽ　 .",／　ｌ;;､.　　　　　　｀'ｰﾐ、､
゛　　.／.／　　　 .／　　　.／／　　　　　　　　　ｌ　 ! ′　ヽ .ｌ　　 .ﾞ',y″ 　ﾞ'.ｌト.｀'ｰ..,,,　　　　　　｀'''┴-..,,,,__,
　..／／　　　　／　　　／ ,／　　　　　　　　　　　ﾘ、.ｌ,　　　.ゝ.ヽ.,,ｨ'"　-、　-, ＼　　　　　｀''-..,,_
.‐ ／　　　.／　　 . ／ ,／　　　　　　　　　　　 r　 .ｌヽi，ヽ　　,,i/" . ..'-、`'-　｀'-,,.｀'''ｰ- ........． .j　｀ﾞﾞ''''￢ｰｰ
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　　　／　　 .／／　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘＪ　 /'ミ,. |'" 　　 .｀'-､　 .,ﾞ'ｰ-′ /ﾞ'!'｀-　　　　　　　　　　　 ,,
　 .／　　 . ／ ,／　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,.ﾞｉﾞ-　ヽ／ : .、.ｌ-,、｀'-,,,　 .｀'ッｰ'"　　　　　　　　　　　　　 ,／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾞ.〉'".／.ﾉﾆ'''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 . ／　 .／.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 !,,-"., '―′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 . ／　 .／.／　 .、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ir'゛／　-'ﾞ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　／　　.／／　.／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　 .／　　.／.／　 .／　　 .／ ,／

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だがここに至って、それらは必要ないものだ。今の彼の行動は、厳密にいえば突撃ではなく落下だ。
重力の中心にシュテルがいるのだから、剣のむきにだけ注意して、抗うことなく落ちて行けばいい。
攻撃力のなさも問題ない。『やる夫の攻撃』を受けて、シュテルが無事でいられるはずがないのだから。
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113： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:28:30 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　＿＿　　　 , .-―-. ､
　　　　　　　　　': : : : : : : : : ｀Ｙ　＜￣￣｀ヽ
　　　　　／: : : ／: : : : : : : : : : : ＼
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　　　　 ': : : : /: : : : : : : : : : : : : : :＼: : .
　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| |＼|
　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾚ' 　}
　　　　 |: : : : : : : :ｌ: : : : : : : : : : : : :|
　　　　 }i: : ::ｉ : : : |: : : : : :ｌ : : : : : : |
　　　　　八: : i|: : : :|: : : : : :!: : : ::i|: :ﾊ
.　　　　/.　ヾ{∨＼ |ﾊ{＼: :Ⅳ＼/ﾚ′
　　　　　　　／　￣｀　　ヽ'￣＼
　　　　　　∧∧∧∧∧∧∧∧∧
　　　　　 ,':..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..',
　　　　 |:..:..|:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:|:..:.|

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シュテルは考える。どうすべきなのかを。今自分は重力の中心にいる。
周囲からの圧力のせいでまともに動くこともできず、剣を構えて防ぐのは無理だろう。
防御系の魔術を使っても、それらも即座に引き寄せられシュテルに融合されるので、意味はない。
.
114： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:28:44 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　ハ:.:{ﾊ""　' 　　　 ""ｲ:.:|i:i:i:∧:. :. :'.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ个、　´ ｀　. イ仆:ﾘi:i:i:i:i∧ﾄヾハ　　　　やはり詰みですか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::|i:i:i:i:i＞ｰ＜_斗'´|/≧ｘi:i:i:｀ヽヾ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ!ィ＞≦ﾉ＝＝／／三ﾆ｀ヽ　　　　　　　分かってはいましたが。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾆ/ﾆﾆ/:::∥::／／三三三三ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　／ﾆﾆ/ﾆﾆ/ﾍﾍ／ﾆ/三三三三三ﾆﾍ
　　　　　　　　　　　　　　〃ﾆﾆﾆ└ァ/=／マ /ニニニニﾆ∩三ハ
　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾆﾆ7厂ﾆ{ /ﾆﾆﾆ〉{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ Uニ三ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ﾆﾆﾍー K＜ﾆ/人ﾆ三三三三三三／
　　　　　　　　　　　　　　く´::::::::::{匚{::::::::｀ヽ､＼ﾆ三三三三/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧:::::::イ/| ∧::::::::::/ﾆﾆア三三／{´

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つまり打つ手はない。こうなることは少し前から分かっていた。
だがその時点で詰んでいたのだ。この結末を避ける方法はあったが、
それはそれで別な敗北につながっていただけのことである。
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115： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:28:56 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 |　　兄さん。　　|
　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿ノ

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116： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:29:07 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　＞.:´: : : : ',: : : : : : : : : : ＞
　　　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : }､ : : : : : : : :´: .､
　　　　　　　　　　　　／ : : 、: : /!: : :i ' ,: ＞: : : : :ヽ: :ヽ　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　,´: : : : : :.`ﾇ/:ﾊ: :j ／',: ﾄ: : : : !: : :',　　 |　　さぁ、こちらへ来てください。　　　 |
　　　　　　　　　　　/: /: : :/: ｨ,.:=ミ　　',ｨfﾆミ､: : :ﾊ! ﾄ,: :}　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
　　　　　　　　　　〃 ; : : :i:./:/,.r:T! 　　ｲ:i:::! }.}:/!: : !:}/　　　　　　　　　　＞====ｧ､　　　.__ノ }
　　　　　　　　　　 /: : イ: : i 弋ﾚ.　　,.　ゞ''’　{: :ヾ/ /　　　　　　　 ,,..イ´::::::::: ／: : ＞.:´{___ ノ
　　　　　　　　 /／　{: : :ﾊ　　 ,　--. ､　　从: :}￣｀ヽ... ,,＞ ´ /:./::::::::::: / ,,.ｨ::':::::::::::(.
　　　　　　　 r- ､,.ｨ==ヾ}: : :｀ヽ. {　　　ｿ　__彡: :./:: ／:: ／´::::::::: {:.:{::::::::::: ,′,:::::::::::::i:::::::｀:::rｰ-- ､
　　　　　　　ﾊ　V￣:::::｀ヾ}: i: }-｀ﾆﾆ ≦｀ｰ:イ::::::::::::::::::::::::::::::::: ';:.!:::::::::::i: : {::::::::::ノ::::::::;;::７ﾆ__¨´
　　　　　　　　//.}ｰ'':∨--.､:::::Vﾚ' }-:{二二}::::〈〈:::::::::::ヽ.＿;;;; --―= ヾ::::::::: |: : ｀¨ｰ-;::::､-.へ｀＜ヽ
　　　　　　　 ,'/ ﾉ::::::::::}__ ヾ!:::::::iゝ ∨＼/∨:::::} }ヾ:::::::: : /　　　　　　｀＞=..,{＿＿_ ,ハ　', ヽ＼　＼）
　　　　　 {／:::::::''´:::::::::ヽ::: : }:::::::::ヾ::::::/___//::::∨￣　　　　　　　　　　　　　　　　　 },ﾉ　　ヽﾉ
　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::}　ハ,r- ミ ●_＞::::::::::: ヽ
　　　　／´／´ﾞ/::::r-､:::Y:::rヽ'::::::::::::: /イ:: ﾄ-- ''´￣i ｀ヽ
　　　（__／　｀７｀/.--Vﾍ¨＼＼__／/:: !:: !:::::::::::::: : {__//
　　　　　　　 /　/　　　}　}　./ヽ.ﾉ＿_{: : ヾ:j::::::::::: ／三i}
　　　　　　　乂/　　　 .レ'　.{（::: : V::::::::::::: Vﾊ.::: : ヾﾆ／ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ミ__{三三{{　 Vﾊ:::::::::::::::::::::: ＞ｰｧ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ￣￣´::: : V ヽ.:::::::::::／／´/
　　　　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::/ /＼＼／／:::::｀ヾ＿＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　 {二二ミー- '' /::::,:::＼／:::::::',::::::::∨::::::::::::::::::￣￣:::::..ー--..､
　　　　　　　　　　　　　　　＿,ゝ.:/ /::::::::::::::::::::__::::::::::::::::::::::::ヽ.:::::∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::＜
　　　　　　　　　　　　　＞ ´::::::::::::i　i::::::,.ィ≦二 --::::::::::::::::ー-ミ､::::ゞ=- ､:::::::::::::::::::::::::::ー--:::ｫ:::::::＼
　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::|　!／　-―　=ﾆ二__::::::::::::::::::::::∨　＼　ヾｰ-:::::::::::::::::::::: 0　 |::::::::::: ヾ,
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::レ'アヽ二彡´ヾｰ=ﾍ｀マー-:::::::::∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::'.
　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::／／　　　　　 ',.　 |　　　　｀ヽ __ヽ,._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ:::::::::::::::V~!
　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::/ ハ　　　　　　　　 ',.　!　　　　　　＼/　｀ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : ＼::::::::::: V
　　　　　　 ./:::::::::::::::::::::::::::::::/ /.: : ',　　　　　　 ', i　　　　　 ,′　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',:::::::::::|
　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::: 〃' |. : : '.,　　　　　　　　 ';!　　　　　 ,　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::: : }:::::::::::!
　　　　　　 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!: : : :{ヽ　　　　　　　 ',　　　　　，　　　　　　　　＼:::::::::::::::::::::::::::::ノ:::::::::::ﾑ
　　　　　 i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}: : : :|　＼　　　　　　　', 　　　 .′　　　　　　　　＞ｰ　__::::::::::::::::::::::::/ }
117： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:29:56 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　 {　 ''"⌒（　　　i　　　　）'⌒"'　　　　}
　　　　　　　 ',　　　　｀ ─'＾ー - ´　　　　　　 /　　　　　あぁ。今行くお。
　　　　　　　　　　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 ,＞　_＿ _ _ _ _　　　　　＜

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118： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:30:07 ID:RFgfw36c0: ー .._,;ゝ..,,、　｀'-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ｌ- i､、ﾞゝ､,､ヽ、　　 .i〉;;;;;;;;;;;;;;;;;;/゛　　'" 　.,..-/!彡'".りシ',ﾞ_　　　　　　_..-
　　　ﾞ'''-､｀'-､　｀'-_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ｀'ﾐ〟　｀'''.ｌｼ､　 .ｌ.;;;;;,i∴;;.″　,-　, ;;ｿ｣彡"　 .,ﾉ".｀--│　　_..-'";;;;;;;
　　　　　　｀'''''≒　 .｀'-､;;;;;;;i..､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　ﾞ〈ヽ、　　.ﾞ'､"x. l;;;;;|. ..!./ 　/ .,rｼ",il'"　　　　亠　　　 ._iir㍉;;;;;;;;;;;;;;;
...,,、　　　　　　　　　　　｀''-_ヽ｀'-､;;;;;;;;;.;_;;;;;ヽ,　ﾞ'ﾍ　　　. ｌ;;;丶;;;;｝｀　　.,;;ｿ゛　　　　　　　　　 ´　 /ﾞ;;;;;;;; ／
ー二ﾞﾞヽ ,,、　　　　　　　　　｀'!‐　｀'-,;;;{. ｀'-､;ﾞ!、　　　 .l-'､.ｌ.;;;;;;;;;.!　　.,il″　　　　　　　　　 _,,　-'";;;;;;;;;;;｀￢
..,,..........ﾌ;;;;;;;;｀''‐ ,,、　　　　　　　　 ,ﾞli/､　｀'､.ｌ,　　　 .｀'/'./ ;;;;;lﾞﾞ　./　　　　　　　　 , r二-''''"￣￣´ﾞ''y;;;;;
^ﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'''''".'''''.'''ヽ-..;,ﾞﾆ＿　　　　　　　　｀ﾞﾞ''''＞x, ﾞ ll、　　　 .!､/.ｌ;;;,!　i'　　　　　　　　　 ''"　　　　　｀-￢'''
　　　　　　　　　　　　｀'''｀-ヽ,,　　　　　　　|､｀''ﾆi几　　　　 ″|;;'!
..,......xi，　　　　　　　　　　　｀'''ﾐ;;ｘ、　　　　´　　 .｀ l､　　　　　l､;.ｌz'ｱ　　　.,i;;|lrl!!!!¨'″　　 ,,,
　￣　 ..,,u．.-..、　　　　　　　　　｀''ｽｯ、　 y ..、　　 !li　　　　 `l/ l/　　 ..il′　　　　　　 ,,iｌ'"´
:ﾆﾆ;;;;ｭiｘ..,,,,,_.　.｀'s､　　　　　　　　　　ﾞ''く、 |;,_｝　　　.ゝ　　　 .″,l′.,，　　　　　　　　 .,.″ .＝　　.r!″　'.ｌy
　　　　　 . ｀''-ﾞ二;;;;｀ﾞ''''､　　　　　　　ﾞ" ″　　　　　　　　　 iﾘ.,〃　　　　　 , .｀ j,i′　　　　　　　　 l!
＿__,＿_＿_＿_＿_i;;;;;;;;;;;;"―　..,_　　　　　　　　　　　　　 l;;ﾘ"　 i､　　　　.,ij"　_,/.ｌ_、　,,irｰ　　　　 .∧　._.
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.xｯ----｀-=- ..　　　　　　　　　　 i|'" -｀--ﾐヽ､..,,ノ;フ'"ﾞ'-ぃ〈￣.ｺ;;-､___,.. -";;;;;~ﾞｨ
.,ﾝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,..一'''''''ｰ､,;;;;;;;;｀'ｰ- ..,,、　　　　　　　　　　　　゛　　　　　｀'.ｌﾐ,ﾞ゛　　　　　　＼;;ヽ＼ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　　　　　　｀くv-￢'''"ﾞﾞ´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!.i''~ｌｭi,,、　　　　ヽ,,,,ﾞ' ＼ ;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i‐′　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !;ヽ　　｀'Ｌ　　　　ﾞ".! !　`ぃix,;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　　　　 : _,i〟　　　　　　　　　　　　　　 _..〟　　　　　　　 |;;;;;;;ﾞ''-､、.ﾘi　　　　!＞　　　ﾞ'ｉｌヽ.;;
;;;;;;;;;;;;./　　　　　 ,..r/「″ 　　　　 ,,rj″　　　　 Y''フ'´　　.▽　　　　　　　,i";;;;;;;;;;;;;;.ｌ'!ﾐiv ､　　　,.ｌ|x,　　　ﾍ.ｌ.ヽ
;;;;;.／　　　　 .,r彡'" 　　　　　 '!レ'"　　　　　 .//　　 .,r､　　　　　　 f'"｀''./ ;;;;;;;;＼.ﾞ'-､''-..,,,｝;;;;;ヽ　　　ｌ"l,.
／　　　　　　 ´　　　　　　　　　　　、　　　　　,ノ;/　　　 ¨゛　　　　　.,,〟　　　　.ヽ;;;;;;;;.ｌﾞ'!)i、｀＼;;;/'''''-＼,　　∨
　　　　　　　　　　　 ,,、　　　,,〃　　　.,..;;ﾆi /　　　　　　　　 ´　　　　　　ヽ;;;;;;;ﾞ;;､ `　　ﾞ'ﾐ､　　ﾞﾞ'ﾆ;;､
　　　　　　　　　　　　　,i彡　　　/│　　　 ″.,〃　　 .,i;;　　　 .,-、　　　.i;;;;;i　　　　　.ｌ.;;;;;|..ﾞ'|l、　　　ﾞ'li、　　　ﾞ'ﾐ
　　　　　　　　　 ,iｸ゛　　　　l";!I　., ―--ｸﾞ　　.n /゛　　　l/　　　　 .ﾞ‐'"　　　　　.ｌ;;;;;.ｌ　.ﾞ'ｆ、　　　ﾞ.ｌx　　　　ﾞ'
　　　　　.,l　　　　.,ﾝｸﾞ　 ,．　　/ ;;;;ﾞ‐',,､;;;;.;i′　　 :!┤　.lL　 .`　　　　　　　　　　　　ｌ;;;;;.ｌ　　ﾞ|''､　　 . ｌヽ
　　　　 .,l|　　　../ ;/　〃　 ./ ;;;;;;;;ｒ'" !" .lﾞl　　　 : |;;|　　｀　　　　　　　　　ﾞlｭ　　　!;;;;;.!　　ﾞ'ｉ;ヽ　 i､゛
119： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:30:38 ID:RFgfw36c0: .
120： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:30:50 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　 f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 | あぁ、それにしても………　 |
　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　〃⌒
　　　　　　　　　　　　　　ー=ミ｛　＿＿
　　　　　　　　　　　　,. . : :¨¨＾: : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　　／: :／. : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　 /'´／: : :/: /: : : : : : : :＼: : ＼: : : ,
　　　　　　　　　 ,. : /: /: /__ /: : :| : : : : ＼: : :', : :′
　　　　　　　　　　　: :./: /: :´: :/:{ : : |: : ‐-: : :`､ : : : |
　　　　　　　　　　　|: : : ｉ : x==ミ{ : : ト､:ヽ: : :｀: `、 : |　　　　　今回の私の敗因。
　　　　　　　　　　　|八: |ﾊ{　ヒうヽ＼ r示ミ : |＼}: ！
　　　　　　　　　　　　ﾉ＼: ＼:::.　 ,　　ゞ-'|: :|〉: : : :k:.　　　　いったい何だと思いますか？
　　　　　　　　　／ |:/: 八　、　　　　 |: :ヽ: ｛: :{ ヽ
　　　　　　　　　　 |′{: : : . 　　 ´ 　イ: :|＼「＼}
　　　　　　　　　　 {＼{ r}___-=≦_:/{ヽ:|　｀
　　　　　　　　　　　　　　　__r‐}::::|:::|:::::::::}
､　　　　　　　　　　　 -=//::|:::┌―┐:::/＼‐-....
　｀≧　､　　　　／.:::::〈〈:::::|:::└―┘,:::::::〉〉:::::::::::..
. ｀丶＜　｀≧ ､ .:::::::i:::: ＿_ = 会ｭ｡. .:r＜.:::::::／.::::::.
　　　　　　　 /.:::::::＼|::: `寸ﾐ､ : ∴;．゛;．　心 ::::::::::::::::|
　　　　　〈__彡 ⌒|:::::.f´ ㍉ｭ :ﾆ= r劣}======ミ､.:::|
.　　　　　　＼.:::::::::| ∴;．゛）圭㍉　￣::: ::゛;．゛ ::::} }__|
　　　　　　　ヽ- 心､ :{___ ⌒炸ム :., .:: 守ﾄ､ ::::::ゝ=|
　　　　　　　　　〈::::寸圭≧ｭ　｀　＜｀≧ ､代 .::::／
.　　　　　　　　|:::⌒`寸圭才㍉⌒¨ ｀＜｀≧ ､
.　　　　　　　　 |:::::::::廴 _￣⌒` ｀¨¨ｱ::::㍉｀　＜　≧　､
　　　　　　　　　　！::＼:::::i ::::|::::|:::::::::: ;::::::::::::/ :|　　｀　＜ ≧ ､
　　　　　　　　 ‘.:::::::::ヽi ::::|::::|:::::::::/::::::::::::::〉 |　　　　　　｀＜ ≧　､
　　　　　　　　`:::::::::::i::::: ',::::〉:::/::::::::::::::/ .::|　　　　　　　　　｀ .＜　≧　､　　__
　　　　　　　　 `:::::::::‘，:::|:::|:::;:::::::::::::::/::::::::〉
　　　　　　　　 ,〈{:::::::::::‘，|:::|/ .:::::::::::/..-=≦＼
.　　　　　　　　／::::{:::::::::::::::’ :/ __.::::::::/::::::::::::::___｣
　　　　　　　　　 |:::|:::::/｀^ー=ミ／ └ミ/-=ﾆ::::::::::::＼
　　　　　　　　 ∧:∨ﾚ'＾¨¨¨｀ヽ:::::＼　〉::::::::::::::::::::／〉
.　　　　　　,::::::Ⅵ:{:::o:::::::::::::|o:::::::｀V::::::::::-=≦::::´:::.＼
.　　　　　　 ,::::::::::Ⅵ:::／::::｀ヽ〉,::::::／‐=≦:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　 ,::::::::::::::{::｀{::::::::::::::} ｣／}／.:::::::::::＼.::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　.::::::::::::::::::::/::_:::::::ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::.＼

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121： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:31:35 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　＿　　 _　"´:. :. :. :. :. :. :. :`
　　　　　　 , .: .: :. --:. :.`':. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ＼
.　　　　　／: -／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ
　　　　　／''　／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.--:. ⌒ヽ:. :. :. :. :.
　　　／'　　/:. :. /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :＼:. :. :. ＼: :. :. :.
. 　　　　 /:. :. /:. :. : /:. :. :.ｉ: ｉ:. :. :.,,斗笊''冖:.‐- :. ヽ:. :. :.　　　　　　　この戦いにおいて重要なのは、
　　　　　　/:.／/:. :. :./ :. :. 斗f{ :. :. : : |从{＼:.{＼ : |:八: :. :.
　　　　　 /:/　,.: :/: /:. ／:/{:{八:. :. :. :.|,ｨf芋示㍉ヽ|:. :. :. :. .　　　　　　いかに相手の先を読むかでした。
　　　　　,.:/　/:. ,:. :.} /:. i,f芍芥､:. :. : |　 _）:.:　} 狄j:. へ､:. i
　　　　 i/　 ,:. :. :. :/'{:. :爪　_）:ﾊ＼:从　V::: ソ　八　八: |　　　　　　しかし、兄さんの存在理解は私の劣化コピーにすぎません。
　　　　 {　　ｉ :. {:. :.|:. :. 八乂: ソ　 , ⌒　　〃　 /:.:.ｉ／:. :＼
　　　　　 |:.:八:.:.|､:. :. :. ＼〃　　　　 ,　　 ,.: :. :|:. :.从:.:/ヽ　　　　ねぇ、どうして私の予測も越えて、詰ませることができたんですか？
　　　　　 |/　＼: ＼:. :. ゝ＞　　ー　　　　ｲj:. :. l／　 j/
.　　　　　　　'　　　＼:}＼:. : 个　.　　__ ,,.イ　从ﾊ从　ノ
　　　　　　　　　　　　 /:. :.へ:从ハル-==ｒ''「////} ニ＼
　　　　　　　　　 /／ニ＞:{≦ニ//ｲー―へ / ニニ＼
　　　　　　　　　／ }ニﾆ{=∧ニﾆｉ'//≧=≦ / ニニニニ＼
　　　　　　　　　　　／Ⅵ=,|={ニ ,,:;;#圭#;; ､'// ニニニニ／'＼
　　　　　　　　／ニﾆ､人,乂__ =　 ;;;#圭#;; ニニニﾆ／ニニ
　　　　　　　　 / ＼ニニﾆ＼ニ// :;;;#圭圭圭#;;　 {⌒≧ニニニ
　　　　　　　 {へ　＼ニニﾆ＼レ= ::;;;圭圭#;;: =人ニニニ/ﾆﾆ

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122：名無しのやる夫だお：2015/07/04(土) 23:31:37 ID:MwQ6dNgA0: シュテルの負けか
123： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:32:16 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　., -‐　 ´￣｀　　‐- .
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :　　　＼　　　　　　　　簡単な話だお。
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　ﾊ
　　　　　　　　　　　　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　ﾊ　　　　　　　始め、剣で撃ち合ったとき、存在理解何て使わなくても、
　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　ﾍ　　　　　　『シュテルならこうする』という勘だけで対抗できていた。
　　　　　　　　　　 {　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　 .}
　　　　　　　　　　ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ､ : : :　　　　/　　　　　　その勘が、劣化コピーの差を埋め、さらに凌駕したんだろうお。
　　　　　　　　　　 ,.-'´￣￣｀''' : : : : : : : : : : : : : ｀￣￣￣｀'ヽ
　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　　＼　　　　……まぁ、これも勘に過ぎないんだけど。
　　　　　　　 /: : : : : : :, : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　　　　ヽ、
　　　　　　　,ｉ: : : : : : 　　/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　　、: : : :　ﾊ
　　　　　／´: : : : : : : :　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 　: 　}: : : 　　ﾊ
　　　　/: : : : : : : : : :　 /: : : : : : : : : 〃: : : : : : : : : : : : 　　　 {: : :　　　ｉ､
　　　/': : : : : : : : 　　 /: : : : : : : '": : : : : : : : : : : : : :　　　　｀i: : : :　　　ﾊ
　　 /　: : : : : : : :　　/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　　/、: : : : 　　　ﾊ
　ノ'　: : : : : : : :　　ｨi　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　/　ヽ: : : : : :　　ﾊ

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124： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:32:44 ID:RFgfw36c0: 　　 .l　　　 ⌒（__人__）⌒　|
　　＼　　　　　｀ ⌒r'.二ヽ<　　　　　　　とまぁ、そんな細かい理屈は置いといて短くまとめると―――
　　／　　　　　　ｉ＾Yﾞ r─ ゝ、
　　/　　　,　　　　　ヽ._Ｈﾞｆﾞﾆ、|
　　{　　　{　　　　　＼｀7ｰ┘!

　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　 ,. -'"´　　　　　　｀¨ｰ､
　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　./　　　　　, -‐､　　　　 _,, -‐､　 ',　　　　お兄ちゃんのほうが、お前のこと好きだったってことだお。
　　　　　l　　　　／　　　｀'　　 ´　　　　　.l
　　　　　l　　　　　 ,==ﾐヽ　　　,ｿ==ﾐ　　 .l　　　　どうだ、参ったか。
　　　　　.',　　　　　　 ,　　　　　ヽ　　 /
　　　　＼　　　　 l　　人　　l 　／｀ヽ
　　　　　/ 　｀ー､　　｀ｰ´＿｀ー'　‐'　　　　',
　　　　./　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l

.
.
125：名無しのやる夫だお：2015/07/04(土) 23:33:00 ID:MwQ6dNgA0: そらもうあれよ
愛よ
126： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:33:19 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　__ 　 ,..ィ´:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.＜
　　　　　　　　　 ,.ィ:.:.:.:.｀´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　 /ィ:.:.:.,:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:',:.:.,
　　　　　　　　　 /:.:.:;.:.:.:.:.:ﾊ:.:　:.:.:.:.､:.:.:}ヽ:.:.:.:.:.!:.:.',
　　　　　　 /:.:.:.:i:.:.:.:-|=}ﾊ:.:.:.:.:.:.',ｨ芋ミ､:.:.:.ﾊ:.:',　　　　　　兄さん、そのセリフ、自分で言ってて恥ずかしくないですか？
　　　　　　　 ,:.:/:.:.!:.:.:.:.:.!ィ芋ﾐ､:.:.:.:.:i!:::i:::V:.:.;:.:.!:.:i
　　　　　　 |/|:.:.:.|:ﾊ:.:.〃i:::!::} ＼;,;,代:ソ j/:.:.:|:.:.|　　　　　　……ですが
　　　　　　　 ';.:.:ヾ:.ヽヾゞソ　 '　　"" ｲ:.:.:.:.|:.:.:!
　　　　　　　　 ';.:.ﾄ,:＼:.:ゝ""　　　　　 !:.:.:.:.!:.ﾊ!
　　　　　　　　　　ヾ　}:.:.ハ r.､　,ｨr_っ　 /:.:.:./:/
　　　　　　　　　　　　　乂:.:!:∧∨ /__,ィイ/i:./ﾊ{
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:.{　} i i .ノノ===!'
　　　　　　　　　　　　,. -‐- ､ -',.! i' /- ､::::::}ｰ､
　　　　　　　　 i:::::::::::;:::::}::::ヽ::｀ヾ⌒::::::!:::::ｰ-､__
　　　　　　　　　　　 j::::,r-''::::::!___ハ:::::::}´ ミｿ::::::::::::}::::ヽ
　　　　　　　　 ,::::○':::::::::r≦三三ミ:::く:::::::::::::/::::::::',
　　　　　　　　　 /::::::::::::r==::|::::::{○}:::::::::::i::::::::{｀:::::::::::::',

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127： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:33:44 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　 ..........::::::::::::::::::.......
　　　　　　　　　　　　 ,...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..､
　　　　　　 _,,....．．,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:::､
　　　_..-''"´,...‐`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:::::、
　　　　 ,.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.丶:.:.:.:.:.:ヽ:.:.::::.
. 　　 ,:':,／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:::.:.::::.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:＼:.:.:.::ヽ.:.:::.
　　　/'　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.l:.:.:l:.:::lヽ.:::l丶:.:.:.:.ヽ.､:.:.:.:.::ヽ､:.::::!.:.:::.　　　　　そんな理由で負けるなら、
　　 '　 ;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.!:.:.!ﾞ:.:.! ヽ:.:.:. ｀ｰ- :.ヽ_`;,;.:.:_:ヽ:､::!.:.:::
　　　 l.:.:.:;.:.:.:.:.:.i:.:.:.l:.:.:.::l:.:.:l'":.l´　＼::.　　 ;ﾞル;;心ヾ;`!:ヾ!:.:.::.　　　　　仕方がないですね。
　　　　 l.:.:::!:.i:.:.:.::!:.:.:.!:.:.:::l'i:.:!_,,..!.,,　　ヾ、　 V;;::::℃; '　!.:.:.:l:.:.::.
.　　　ﾞ:.:::!.:.l.:.::::l:.:.:.:!､:.:::l,.ゞルマヽ　　　　　ヾじ::ノ'　 ,:.:.:.:.:l:.::::.
　　　　　ﾞ::::l:.::!:.::::!､:.:.:!ヽ::::{,.∨;::::℃,　　　　　 ////,:.;.:.:.:.:l:.;!:::.
　　　　ヾﾞ:::!ヽ:l ヽ.:.iﾞ:::.`ﾞ､. ヾじノ　　､　　　　　　 /,.;:::::/:.:.:.:.:::.
　　　　　　　ﾞ::! ヾ＼ヽ:!ヾ､::i:. //// 　　_　,　　　／/:::/:l:.:.:.:l:.:i､.
　　　　　　　　ﾞ　　　ヾ丶:::::l::丶.. 　　　　　　イ:::;:':／:.:.!:.:.:.:!:;' ヽ､
　　　　　　　　　　 ,'::;::::!::::::::!:::::::ヽ::::::::i＝-= -一lｰ､:::::::;l::::::;'!;'
　　　　　　　　　　 ,::/ !:::l:::::::::ヽ:､ｰ;:;:/l;;;;┌─┐;;;;l,'//∧二ﾆ=ヽ
　　　　　　　　 ,::/　 V,.'ﾆニ二///,∧;└─┘;/////∧二二ﾆ＼
　　　　　　　　　 ;::'　　 /ﾆﾆﾆニ////,'∧;;;;;;;;;;;;;;//////,'∧二二ﾆﾆ≧.､
　　　　　　　　 l;'　／ﾆﾆ二二//////∧;;;;;;;;;;////////／二二ニﾆﾆﾆ≧.､
　　　　　　　　　／ﾆﾆﾆニニ二＼'////∧;;;;;////////／二二ニﾆﾆﾆ／二｝
　　　　　　　 /ﾆﾆﾆニニ二二二＼,'///∧///////／二二二ニﾆ／ﾆﾆ／

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まるで、そのシュテルの言葉が合図だったかのように。

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128： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:34:32 ID:RFgfw36c0: ＿＿―＿＿＿＿＿￣￣￣￣‐―￣￣―‐――　＿＿＿￣￣―――　　＿＿＿――￣￣＿＿＿￣―＝＝
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　　　　　　∧ ,.ｨ´￣'⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : .
　　　　　〈／　,.ｨ─ 　 ┴､　　　　　　　　　　　　 : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
　　　　　　{ ／　{　　　　 }　　　　　　　　　　　 : :　　ですが兄さん。あなたは一つ勘違いをしています。　　 : : .
　　　V⌒ヽ　／{￣￣￣ヽ　　　　　　　　　　　　　 : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
　　　 |　　 i'´　　　＿　　　）　　＿_　　　　　　　 : ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : :
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　　　　　 |￣ヽ. ＼ｌ| ＼
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.　　　　　　 |　　　| 　 |.　＼＼ｊﾘ
　　　　　 |　　　| 　 l.　　　匸,ノ

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やる夫が剣を横に滑らせると、シュテルの胴体の半分を裂きながら、体の外へと出てくる。

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129： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:34:51 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. -─ｧ
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　 : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : . ／　／／
　 : :　　兄さんは今も私の掌の上。これは私の思い通りの結末です。　　 : : . 　／／
　 : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .　／＿＿＿ _
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　　　　　　　　　　＼_ﾌﾉ　　　＿__,.-‐'ｰく¨X´　 ,ヘ｀ヽ
　　　　　　　　　　　 {　　　　ヽﾆ7　　＿_,＞'ヽ∠, 　ﾊ
　　　　　　　　　　　 {　　　　　｀{ ／´ﾍ　　￣／｀ヽ__|
　　　　　　　　　　　､　　　　　　＼　､i　　 /　 '´／_},. -rﾍ
　　　　　　　　　　ヽ　　　　　｀ﾄ､＼　 |　　/　　 ¨ ‐ _ﾉ　　＿
　　　　　　　　　　　丶　　　　　「｀ -二｀ヽ,ゝ.＿　　　｀´￣＜_
　　　　　　　　　　　　 .{　　　　　ヽ　　￣¨ ー一'¨　ｰ-､_　つ丶二)
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　￣| ﾄ､ヽ
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そしてその勢いを殺さないままその場で体を回転させ―――

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130： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:35:06 ID:RFgfw36c0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　〃⌒
　　　　　　　　　　　　　　ー=ミ｛　＿＿
　　　　　　　　　　　　,. . : :¨¨＾: : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　　　　　／: :／. : : : : : : : : : : : : : : : : : .
　　　　　　　 /'´／: : :/: /: : : : : : : :＼: : ＼: : : ,
　　　　　　　　　 ,. : /: /: /__ /: : :| : : : : ＼: : :', : :′
　　　　　　　　　　　: :./: /: :´: :/:{ : : |: : ‐-: : :`､ : : : |
　　　　　　　　　　　|: : : ｉ : x==ミ{ : : ト､:ヽ: : :｀: `、 : |　　　　　　　　 ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: .
　　　　　　　　　　　|八: |ﾊ{　ヒうヽ＼ r示ミ : |＼}: ！　　　　　　 : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
　　　　　　　　　　　　ﾉ＼: ＼:::.　 ,　　ゞ-'|: :|〉: : : :k:.　　 ,ｨ　　　 : :　　これでいいんです。これで。　　 : : .
　　　　　　　　　／ |:/: 八　、　　　　 |: :ヽ: ｛: :{ ヽ ,i'}′　　　: :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
　　　　　　　　　　 |′{: : : . 　　 ´ 　イ: :|＼「＼}　 ,i'./　　　　　 : ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :
　　　　　　　　　　 {＼{ r}___-=≦_:/{ヽ:|　｀　 / ./
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　　　　　　　　　　 -=//::|:::┌―┐:::/＼‐-.... / . /　,〟
　　　　　　　　／.:::::〈〈:::::|:::└―┘,:/　　　　/ 　レ'./
.　　　　　　　／.:::::::i::::_＞〈=ミ､__::／〃　　　/ 　　　./
　　　　　　　 /.:::::::＼|:::{「::::::∨::::::/.:: i!,!　　 ./ 　　　./
　　　　　〈__彡 ⌒|:::::.f´ヽ:__::ﾆ= / .!　　/ 　　 . / :|
.　　　　　　＼.:::::::::|:::::::〉ｰ{ }-‐ / .,!　/ 　　／ }__|
　　　　　　　ヽ-‐|::::::{___ノ:、　/ 　|./　　／ ::::::ゝ=|
　　　　　　　　　〈::::::∨::}　 /l ./ 　　　 .／ ‐‐-.::::／
.　　　　　　　　|::::::::Ⅵ　 / .'"　　　　,ゞ ‐::::::::／
.　　　　　　　　 |:::::::::廴 / 　　　　　./ ::::::::::::/|
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　　　　　　　　 ‘.:::::: / 　　　/ 　!′::::::::::::::〉 |
　　　　　　　　` ,/　　 .／,::::〉:::/::::::::::::::/ .::|
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　　　　　　　 ,rソ゛ :|:::::/｀^ー=ミ／ └ミ/-=ﾆ::::::::::::＼
　　　　　　 ,iｿ゛ ∧:∨ﾚ'＾¨¨¨｀ヽ:::::＼　〉::::::::::::::::::::／〉
.　　　　　／　 ,::::::Ⅵ:{:::o:::::::::::::|o:::::::｀V::::::::::-=≦::::´:::.＼
.　　　　　　 ,::::::::::Ⅵ:::／::::｀ヽ〉,::::::／‐=≦:::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　 ,::::::::::::::{::｀{::::::::::::::} ｣／}／.:::::::::::＼.::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　　.::::::::::::::::::::/::_:::::::ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::.＼
　　　　　　 /.::::::::::::::::', ゝ''しノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
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シュテルの体を割断する一撃を放った。

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131： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:35:55 ID:RFgfw36c0: .
132： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:36:05 ID:RFgfw36c0: ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そもそもの、話。

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.
133： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:36:25 ID:RFgfw36c0: ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

　　　　　　　: : ::´: :￣￣｀ヽ
　　　　／＿＿＿: : : : : : : ｀　'￣￣￣￣｀
　　／⌒　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　/: ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :'
　　　　 /イ: : :/: : : : : λ.: : : : : : : : : |: : : : : : : : : : |　　　　兄さんは私を殺すのと、私に殺されるの、
.　　　 // }: : /|: :|ﾊ: : ::| メ-ｌ: |: : ヽ.: :|: : : : : : : : : : |
　　　　〃　|: : | |: :|: :|: : i斗≦`|: : : :|: :|: : : : : : : : : : |　　　　どちらがいいのか分からないと迷っていました。
　　　　　　|: : ﾊ　从八 |iﾃﾄｊﾘ! l: : |ｿ､: : : : : : : : : : !
　　　　　　Ⅵ ﾄ∨: : | 　ﾋﾘ.'　ﾚ|: : |　}: : : : : : : : : : {　　　　ですがそれは兄さん視点の話。
　　　　　　　ﾍ!　∨ ,|　　　　゛　 |: : |ノ: : : : : : : : : : 八
　　　　　　　　　　ﾄ､}　　　　　 |: : |: : : : : : : : : : : : : ヽ　　　私視点で、どちらが兄さんのためになるのかを考えれば、答えは明白です。
　　　　　　　　　　　 }ﾍ　 _　　　,' : 八: : : : : : : : : : ::|＼}
　　　　　　　　　　　 |: :个　､＿ﾉ／　∨: : : : : :/| :八
　　　　　　　　　　　 ∨＼i'´ '─'￣￣｀∨|/＼/_.l/__.
　　　　　　　　　　　／￣￣￣｀ヽ::::::::::::｀ ‐--‐　”　ヽ
　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::丶::::::::::::'
　　　　　　　　　　《==＝＝＝＝====》┤::::::::::::::::::l::::::::::::}
　　　　　　　　　　ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::∧ﾍ::::::::::::::::::::|::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　ゝ::::::::::::::::::::::／::::::Ｙ::::::::／＼::::Ｙ::::::::／

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134： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:36:47 ID:RFgfw36c0: ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

　　　　　　　　　　 /
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　　　　　　　,,.. - ― ミ '":. :. :. :. :. :. :. :. : ｀`丶､
　　　　　／⌒＞:. :.￣:. :. :. :. :. :. :. :. ｀`丶､:. :. ＼
　　　　　　 '":／:.／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :ヽ:. :. :ヽ
　　　　　／:.／:.／:. :./:. :. :. :. :. :. :. :. :＼:. :. :. :`､ :. :. :.
　　　　 ⌒７:. :.':. :. :./:. :. :. :. :. ＼:. :. :. :. ヽ:. :. :. :. :. :. :. .
　　　　　 ' : : :. :. :.:. :. :. :. |:. :. :|:. ＼:|:. :. :. `､:. :. :. :. :ｉ :. :.
　　　　　/ ':. :.|:. :. :i :-/ ‐j|―:.:|:. :. : |――:. :.､:. :.}:. :.|:. :. :.
　　　　　　|: |:.|:. :. :|: /}:. 从:. :. |i:.:.|:. { ＼:. :. :. :. :.,:. :.:| :. :. :.　　　　　　　　兄さんのために、私が死ぬべきなんです。
　　　　　　|八: :. :. : :.ィfだハ:.八:.{＼ｨfだハ㍉}/:. :. |:. :. :. :.､
　　　　　　　/:ヽ:. :. :. 　v辷ソ　　ヽ　 v辷ソ / ':. :. :.|:. :. :. i＼.　　　　　　私が本気で戦わなければ、
　　　　　 /:/:. :＼:. ＼　　　　 '　　　　　ハ:. :. :.､＼:.:|　＼
　　　　　ノｲ:. :. :. : 八⌒　　　　　　　　　　　/' 人:. :. :.＼ﾉ　　　　　　　　優しい兄さんは私を殺すのをためらうかもしれませんが、
　　　　　 {:.|.:. :. :. :. :.､　　　　 ,　,　　　　　':¨:. :. ＼: :. :. ＼
.　　　　　　人|､:. :. {:. : 个　　　　　　　イ:. :. :. :. :./ ｀¨¨¨⌒　　　　　　　でも大丈夫。兄さんは私に勝ってくださいます。
　　　　　　＼人:. : ∨{≧　 _,,.　 ≦|人:/⌒ヽ/
　　　　　　　　　　　　７⌒＼‐-----‐/ﾊ　}､　　　　　　　　　　　　　　　　そして兄さんは世界を再生し、
　　　　　　　　　／:::::::::::: ＼//////_,:::::::｀::.......,,__
　　　　　　　　 _ ...:'::::::::::::::::::::::::::ヽ,'/////:::::::::::::::::::::}::}ヽ　　　　　　　　　　新しい世界で次の愛する人を見つけられるでしょう。
　　　　　　／⌒ヽ＼::::::::::::::::::::::::::V'///::::::::::::::::＞― ､|:::.
　　　　　　':::::::::＼:V∧::::::::::::::::::::::: 〉// ､:::::,　'　　　　　＼:.
　　　　　ｉ::::::::＼::､V∧::::::::::::::／／Yr＞'"　　　　　　＼
　　　　　 |::::::::::::::::::::V∧::::::::,' //／^{　/ /　'　　　_ ノ　　ハヽ
　　　　　 |:::::::::::::::|:::::: ､/＼////::// ∨ ,　/ ／Ｖ / ∧　////,}

･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

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135： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:37:17 ID:RFgfw36c0: ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

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　　　　　　　　　　／:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. ＼
　　　 ,,.. -― - ':. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ―:. :. :. :. :. :. :. :. :ヽ
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　　　／:.:./ :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ＼:. :. :. :. `､:. :. :. :. :. :.
　　／7 : /:. :. :. :. :{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : ＼:. :. :. :.`､ :. :. :. :.:ｉ:　　　　　　　　　私はしょせん化物です。
　　 /:. /:. :. :. :. :. :.､:. :. :. ＼:. :. :. :. :. :. :. ＼:. :. :. `､:. :. :. :| .
　　 . :. :. : |:. :|:. :. :. :＼:. :. :. ＼:. :. :. :. :. V:i:i＼:. :. :. :. :. :. |:. .　　　　　　　　皆にとっての害悪で、邪魔にしかならない存在です。
　　ｉ :. :. |: |:. :|:. :. :. :.:|: ＼ :. 一＼:. :. :. :. V:i:_:i:＼:. :. :.､:. :. :. :.
　　 |: i :. | i|:. :.､:. :. :. :i ／＼:. :. :. ＼:. :. :. V^ ＼i: ー‐:. :. | :. :.　　　　　　　それでもせめて、兄さんの役に立ちたかった。
　　 |: l :. |八 : : ＼:. :. :､　　　＼ :. }:. :. :. :. :〈⌒　}:i:. :. :. :. :|:. :. :.
　　 |八:. |:. :.＼:. :.|＼:. :＼ _,,.　ｧ､|:. :. :. :. :. 　ノ/:i:i:i:. :. :. :|:. :. : ､　　　　　　兄さんが私を愛してくれるように、私も兄さんを愛したかった。
　　 { 　､:. :. :. ｉ＼|:i:i:}＼:へｿ '　　 :. :. :. :. : ｉノ:i:i:i:i:i:i:. :. :.|:. :. |　＼
.　　　　　＼ﾄ　{ |:i:i:i:ﾉ　　　　　　}:. :. :. :. :|　＼:i:i:i:i: : : |i: :. |
.　　　　　　　　 |:i:i:i:ヽ　　　　　ﾊ:. :. :. :.j|　　ﾄ:i:i:i:i:. :从 : |
.　　　　　　　　 |:i:i:i:i:ｉ:ぅ:.､　__　　　　}:. :. :.:从　／／＼:. :. :.＼
.　　　　　　　　 |:i:i:i:i:i:i:i:i:込　'　　 .ｲ:. :. :/､／／';';';';'; ＞―‐ ＼
.　　　　　　　人:i:i:i:i:i＼:i:i:i:≧ -:/:.|: :. /__/ ,;';';';';';';'／';';';';';';';';';'; ＼
　　　　　　　＼:ｉ:|　＼:人／;';';|:. / ∨./';';';';'／';';';';';';';';';';';';';';';';'＼

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136： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:38:13 ID:RFgfw36c0: ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

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　　　　　　　　　　　　　　 ´: : : : : : : : : : : : : : : ｀丶
　　　　　　´￣￣ミY´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　／⌒￣／￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : : : : ' .　　　　ですがそれすらも過ぎた望みだったのでしょう。
　　　　　/: : : : : ／: ::/: : : :ｉ: : : : ::|: : : : : : : ::ヽ : : : : : : : :|
　　　 / : : : : : : : : : !: : : :ｉ|: : : : ::|: : : i : : : : : : : : : : : : : :|　　　　兄さんを守ると言いますが、そもそも何から守るというのでしょう。
　　　 ,': : : : : : /: : : :|!: : ::八: : : : |＼-‐ヽヽ: : : : : : : : : ::|
　　　 |: : : :/: /|: : : :ﾊト､ |｀　: : : :ｌ　ｨ≠==ｧ}: : : : : : : : : !　　　　私の当てた宝くじのお金を狙う親戚からですか？
　　　 |: : :/|: :| |: : : : x==＝ﾐ｀ . : :ｌ　 l::::::丁`ｉ:: : ::|､: : : : |
　　　 |: :/ :|: :|八: : : : f::::::云　＼| 　辷Zｿ　|: : : | }: : : :i|　　　　私を排斥しようとする前の孤児院のやつらからですか？
　　　　{/　 :}: ｉ|: ::＼: : :マｚツ　　　　　　　 |: : : |ﾉ: : : : {
　　　　　　　Ⅵﾊ: : : ＼|　　　　 ′　　　　　 |: : : |: : : : :八　　　私を流出に至らせるため、兄さんを利用しかねないスカリエッティからですか？
　　　　　　从i: : : : 小　　　　＿__ 　　　ｲ: ::/: : : : ::|
　　　　　　　　　＼: : :||: 个　　　　　　　ｲ::|: /|: : : /}/　　　　どれもこれも、私が呼び寄せた災いだというのに。
　　　　　　　　　　　＼八ﾉ|: : :≧.､ _._　 ≦´__ |/-|┐/
　　　　　　　　　　 , -‐‐ ､＼:{Ｖ}ﾊ} ::::::::::::::::::::::::::::: |　　　＿＿_
　　　　　　　　　／::::::::::::::::＼＿_ノ:::┌──┐::::::::::ﾄ､__／:::::::::::::ヽ
　　　　　　　 {:::::::::::::::::::::::::::::|.|:::::::└──┘::::::::::|.|:::::::::::::::::::::::::::}

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137： ◆Waibin.Y5M：2015/07/04(土) 23:38:37 ID:RFgfw36c0: ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ･｡･ﾟ

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/: : : : : : :/;: : : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、
: : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ: ｀ヽ : ｀ヽ: : : : : ヽ
: :: :|: : : : : : : : :/: : : : :|: : : : : :|: : ヽ: : : : : ::ヽ: : ヽ: : :r .｀ヽ、|　　　ならばそう、何よりも私自身から兄さんを守るべきだった。
: :: :|: : : : :|: : :/: : : : : :|: : : : : ::|: : : :｝: : |: : : ﾍ :: :ヽ: : :.ヽ
: :: :|: : : : :|: :/--‐‐ー j|: : : : : |: : :/‐‐.-、: :|: :}: : : ヽ: : : ﾍ　　　　　だから何も言わず兄さんから離れるべきだったのに、
: :: :|: :: :: ::|:/ |_/|::/: :j .|:: : : ::ﾉ|: :/ |:/|: ::j: :|: :|:: : : : :i: : : : |
: |: :|: : : : :| r::::::::::下　 |: :: :／ |/.ｒ:::::::｀i　|::j::/:: : :!: :: :!: : : :|　　　　それが嫌だったから目をふさいだ。
: |/:ヽ : : :|. !:::::::::::::i　　|::／　　　|:::::::::::|　|::j/: : : ::|: : ::|::、:::|
: : : : 丶、| 弋:::::::::j　　　　　　　っ:::::::j　.|/: ::/|: ::|: : : |　ヽ|　　　　私は兄さんを愛している、絶対幸せにするからなんて言い訳して。
: : : : :|: : :|　　 -　　　　　　　　　- 　 /::ノ: :|: : :|:: : :|
: :|: : :|: :|: :ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/ノ: : /|: : :ji: :/　　　　　　　その結果が世界の消滅です。
: :|: : : : ::| : :代　　　　　　-　　　　, イ: ::|: /　|: ::j|/
: :|: : :|j、|＼ :|:::i｀丶　　　　　 .イ: :i: /|::./ 　 |/　　　　　　　　　　兄さんから居場所を奪い、友を奪い、私は何をやっているのか。
/|/ |/　　　>ｒ´i| 　　　｀　　´ |::/／!/　|/
　　　　　<　　　ヽ、　　　　　 |i´　ヽ、
　　／　｀＼　　　　ヽ、　　　i´　　/　　ト
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【R-18】やる夫は歪秤世界に落ちるようです その９