【オリジナル】ありふれた御伽噺 - 1339329054

1： ◆PxXXpn9rjo：2012/06/10(日) 20:50:54 ID:rhPhkLy60: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿___
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:ｉ:ｉ:ｉ:l　　【ありふれた御伽噺】　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:　ヽ　　　ヽ
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.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　・オリジナル　　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.　　　　　　　　:.:.:.:.:.:.:.　 :.:.:.:.:..　　ヽ　　　ヽ
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. lｉ:ｉ:ｉ:ｉl 　・１スレで終わる予定　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:　　　　　　／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.　　　　 .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　・不定期　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:　　 ./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ..　/;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三 ‐－'´
　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　・長編は初めて　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヾ´_＿,-－'´三三-'´
　　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..:._＿,-‐－'´￣=_/￣ヽ､三三-'´
　　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　・お手柔らかに　　　＿,-‐'´￣三三三三三,-'´___,-'´
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317： ◆PxXXpn9rjo：2013/07/07(日) 21:01:55 ID:TDpig24k0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　私は愛の起した奇跡だと　　　　　　　　　　　　:::::::::::::
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　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ありふれた御伽噺　　「ある、男と女の愛の話２」　　　　　　終わり
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318： ◆PxXXpn9rjo：2013/07/07(日) 21:02:51 ID:TDpig24k0: 夏バテの状況で作ったから、出来は何時もより悪いかも
と事故弁護しておく。　　次回は多分、来週か再来週
319：怖～い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお：2013/07/08(月) 01:02:36 ID:cXe2s6wo0: にょわにょわ乙ー
320：怖～い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお：2013/07/08(月) 01:25:01 ID:HkZykX9w0: 乙
小ネタでの王様は愉快な人だなｗ
321：名無しのやる夫だお：2014/05/24(土) 07:27:22 ID:CLZLVkos0: 復活しないかな
322： ◆PxXXpn9rjo：2014/08/19(火) 22:56:59 ID:VIKfg2ME0: 煮つまり、余所見。　気がつけば１年経過。申し訳。

９月１日、一斉投下。
323：名無しのやる夫だお：2014/08/19(火) 23:02:55 ID:xxOG/3PU0: ｶﾞﾀｯ
324：名無しのやる夫だお：2014/08/20(水) 02:01:31 ID:QRseNgbc0: うおっ久しぶりに書き込みあったと思ったら投下予告来てた
325：名無しのやる夫だお：2014/08/21(木) 23:02:47 ID:AP8QU2/U0: まってましたああああああ
326： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:38:44 ID:KYDa8sts0: 少しだけ終わりに悩む。
手直しをしたい。申し訳、続きは明日かあさって。

今日、１話のみ。申し訳。
327： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:40:43 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　 ┌―――――――――――――――――――──┐
　　　　　　　　　　 ("￣￣￣￣￣￣￣￣￣("￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾞ(
　　/７ |｀! |] |].　　　〉　　　　　　　　　　　　〉　　　　　　　　　　　　　　　　Ｙ
...../ /　|｜　　　 φ　　　　　　　　　　　　φ　　　　　　　　　　　　　　　Φ
.ﾞく_/　 L,l　　　　　/　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　……冬の風は冷たいですが、
.　　＿l´ｌ＿l´l＿　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　l
......　└┐r‐┐ｒ‐┘　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　l　　　どこが澄んでいて心地が良い……
　　　　└'　 |｜　　　　　　　　　　　 ;　　/　　　　　　　　　 ;　　　　　 .i
.　　　　　ノノ [| [|┌i.　　　　　　 /　./　　　　　　　　　　 /　　　　　 |　　　この澄んだ風が少しずつ、春を運んでくる
　　　　　　　 /...._ノ / 　　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　 /...`ｰ'"　　　　　　　 ;　　　/　　　　　　　　　 ;　　　　　 ./i　　　私は、そんな気がします……
.　　　　　　 /　　　　　　　　　　 /　　./　　　　　　　　　　 /　　　　 .//
.　　　　　 /　　　　 ;　　　　　／　　/　　　　 ;　　　　　／　;　_＿_,／/|　　　　　
　　　　／　　　／　　　　／　　／　　　／　　　 .／　 /　｀).／ ./ |
　　　／　　　　／⌒ヽ､＿,ノ⌒／　　　／⌒ヽ､＿,ノ⌒ヽ､__,ノ,.-‐'"/｜|
　　く,._＿__,＿,.'-‐'"￣´　　｀く,._＿__,＿,.'-‐'"￣´　　｀￣__＿_＿／...｜|
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328： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:40:59 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Х＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／/.:::.:.::〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉へ::.:/ﾇ/〉　　……王女様、見えますか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'个ｙ´￣Lﾑ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.'.;|　[]　. :::.ヒ!　　あれが貴方が暮らしていたお城
　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |;'.:.|　. : : : :ﾛ.::|
　　　　　　　　　　　　 /:/＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:::;|.: :.: :.:.::.:.::.:|　　その成れの果て……
　　　　　　　　 ┌个┐| |　.:_|＿＿＿.　　　　　　 /⌒)　　　　　 |_.' |.::.:..:.[]::.:.::.:|
　　　　　　　　　 | .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─┬i　　 | T/⌒)　　　　 .//| |.: :.: :.:.:.:.:..::|　　王国という名と共に消えてしまった
＼　　　　　　　 | └┴┬i::::|==========|: : ://__.　|`７'..:/´　　 rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|　　　　
:::...>、　　　　　 |[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､]: :.[_[;;::::.. |/...::::)::７　─]:]:.: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. 　　なにもかも……
‐く.:〈　　　　　,、　 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. : : : : :〉〉:: /＾7＜:〈　.:::::// : : :| | : :.::.::.:::..::.:|
.: ::L└i 　 _　.||＿　| : : : : : :、〉〉/〉::::::;;:::〈 : : : : : ｀｀／...::|::::|/|＼ ..::｀刀.:.::|_|ﾄ､:.;:..::..::.::_|:::/Tl::::;二/ﾑ、|　 ||　＿r─
::.: :└i:|　//＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'//､п∥::.:l| : : : : ／／ト､У〕:|:....;＞.|::|..::./rへ/ﾚYL;/:>┘/ﾄ┘.//::::.｀L「|-┘/:::ﾄyｨ
工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,/T>.:/ﾛ〃乢.: :／／.:::::;＞|::::l/ﾍ｢　 └─匚|＿_| :| |:L:冂_| :|┐ .::::::ｉr==| |.:::.｢.:[]:}iｌ|{´
: :∠7ﾍlｺ:::|:.:..|-i_::_r√ソ＼>へ:| :|:ln| :]:|:П叮￣＼∧l＼|工]　　　　　　　　　｡ｌ;_|_|ー|＿＿!｣====ｌ|＿<>‐┴─|i|l|
: :|ｪ| .:::::|:.:.|:::..|::::.|＼.::::》: :::L;:.::r| .L/∟ﾛ⊥!┘　　[ニニニ|ﾆ]　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾙﾍ:
: :|ｪl:∩ ﾄi:.|::::.l＼|_;;||;;:|L:<)┴‐'''"~　　　　　　　　 | . : :.:.:.|　　　.
: :|ｪ|_|::|/＜＞｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.: : .:.|　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　.
: :ﾚ|[:::《　　　'　　　　　、　　　　　　　　　　　　　 | . : :.:.:.|　　　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　.
_〈l〈V＼|コ　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,‐|　.: : .:.| 7!＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、
:ﾄ|ｪ|:|;;ﾚ'　rｭ　　　　　　´　　　　　 '　　　　 /　/　ﾞ'ｰ-‐''´//　 /|　　　　　　　　　　、
: :|ｪﾚ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　lニﾆﾆﾆﾆﾆl/　 //
／　　　　　　　'　　、　　　　　 `　　　　　 lニニニニニﾆﾆﾆﾆl/
329： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:41:13 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 .　´ ￣　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　／　／￣￣ヽ',　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ　 /　.ｨ┐ ｌ　　　.　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ⌒ヽY :::::|　ｌ　|ヽ |　　　　　　　　　１００年の眠りと引き換えに神が与える繁栄
　　　　　　　　　　　　　　|　　 |::::: ＼／ ::| |　　　
　　　　　　　　　　　　　　|　　＼ :::::::::::::ノ |　　　　　　　　　　やはり、そんな物はなかった……
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |::::::::::::l　 |　　　
　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　 }:::::::::::{　/　　　　　　　　　　醜い争いの果てに王国は崩れ去り、今、此処に在るのは、
　　　　　　　　　　　　 ,. ィ二＼　＼／　/＞　.
　　　　　　　 .　＜￣　　　　　　 ` ー─ｲ　　　　＞　.　　　　この塔と私……そして、貴方だけ
　　　　　／　　　ヽ　　　　　　　　 ',　|　|　　　　　　|　＼
　　　　 /　　　　　 |　　　┌─､　 |. |　| 　ィ￣/　|　　 ∧　　ですが、問題はないでしょう？
　　　 |＿＿　　　 l　　　 ', 　＼ .|. |　l　 /　 /　 .|　　　∧
　　　　/　　　丶　 |　　　＼　　＼.|　l／／　　 .|　　／',　　語り手が居て、聞き手がいれば、物語は続けて行けます
　　　 |＿＿　　＼|　　　　＿` ー┐　ィ ´ ＿　　 | ￣　＿ｌ
　　　　/　　｀＜　.|　　　＼＼　.ｌ l　| ノ　／　 |＞ ´|　 |
330： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:41:38 ID:KYDa8sts0: 　　　┌────────────────────┐
　　　│さぁ、王女様、今晩もお話を始めましょう……　....│
　　　└────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　'　;.,　'　;:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_rﾞej _rﾞej◯,.ヘ￣　￣　　￣　　｀　'　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..C {　,{_(Yj､｡..,　'C;:　 ; 　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .◯{　,{,_(Yj､｡.._rﾞej◯,.ヘi^ビ、,,-─､　　　　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　 _, ＜..イ ´　　　　　　ゝ_　 '.,ミﾄjヾニヽ,-,-=ﾆヽ　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／.´　 ./　　　　　｀　', ',　＼､./'{_r7｀ﾄ､'"ヽ､　　　`､
　　　　　　　　　　　　　　　　.／ ,ィ´ 　 ./il|　!　　　　　　　　　 `!...i"ゞヽ_jｿ }　f ／--､　　　　､
　　　　　　　　　　　　　　　./ .／/　 ..|.' ^^|　!　　　 |　　　　　|　.i'"＼_て,,...ノ_/｀i '~_,,/~　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 / / ./　　　|! 　 |　!　　　ﾄ　　!　　 !　!.＼_＿_入_　　,ﾉr'"　　　　　　　｀､
　　　　　　　　　　　 ../ /　.' .|　 ,斗＝＝'ﾄ､　　`ﾄi､　|　　 .!　!　.＼_＿_入_　　,ﾉr'"　　　　　　　｀､
　　　　　　　　　　　 .' /　.' .圦　　 |zｪｪｘ !　ヽ　 |　ヾ|＝=/トl　　....(⌒)　 7,-､　,､ｨ|'　　　　　　、
　　　　　　　　　　　　　| .|　 i　|　|＼ .引:::::oﾄ　ヽ. ! '仔ﾐヽx　.'　 (こ○こ)Oう　ﾞヾ､　'　,　　　　　　　､
　　　　　　　　　　　　　| .!　 |..ﾊ　!.　＼{.込ﾘ　　ヽ! .|::::::::oヾi　　...‘ｰﾍ_ﾉ　‘ｰ’　　'., 　　ヽ　　　　　､
　　　　　　　　　　　　　.! !　 |　ﾊ |　　.|"""　　　　　　之少/1　　 /　// 丿　|ﾍヽ::､､'., 　　　ヽ　　　　　､
　　　　　　　　　　　 .l.l　 .!　..ヾ､　人　　　'　　　　""" ./ｲ　　 /　 .:◯　　　ﾄ!|＼_　　', 　　　　｀　 ` 　､
　　　　　　　　　　　 ..{　　l　 .ﾊ.`＼　＼　｀丶　　　 _/　　./　|　　トヽo　　　ヽ.''ｰ'＼　　　　　　　　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　丶|　　ヽ　ヽ　＼　　　_　　 ´/　　./ .。０゜´￣　　ヽ.　　＼　　＼　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　.Y　　ヽ　　￣r!.r―._.=-.ィ。０゜´￣　　ヽ　　＼　　＼　　　　　　　　　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀＼|　丶　ヽ..≧ ｧ …ｭﾔ　ｏ◯/　　　　　　ヽ　　＼　　＼ｏ◯　　　　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-‐ ﾆ二ﾌ.　〉-丿.,.-　 ;'　　　　　　　　ヽ.　　＼　　＼　　　　　　　　ﾞ
　　　　　　　　　 ,-─､. , イ. ､_／　 .P{ﾆ二ﾌ／　｀　　　　ｿ　　　　　　　　　 '',　　　＼　　＼　　　　　 ,
　　　　　　　　　 .,-=ﾆヽ　 7'"ヽ /　　.ニ二ﾌ__}　　　 /￣｀_/　　　　　　　　　　 .} 　　　　＼　　＼　　,
　　　　　　 .l''"/'{_r7｀ﾄ､'"ヽ､　 / !　　厂"　7　/-'ア/　　/ {ヽ　　　　rﾉ　/　　ノ　　　　　　＼　　＼
　　　　 .ﾆ~ ll `i"ゞヽ_jｿ }　f ／--､ ,′.ﾍ__〃　　／　／　｀ヽ〈ヽﾄ､!ヽﾄ､!ヽﾄ､!〉ヽ　　　　　　＼
　　　　　ヾ_i'"＼_て,,...ノ_/｀i '~_,,/ニ_　 ,!.ﾄ　　/　　/ 　　　 ./〈ﾄ､ヽﾄ､!ヽﾄ､!ヽﾄ〉＼　　　　　　　＼
. 　　　 ,-､　 l＼_　　入_　　,ﾉr'"r..┤ 　l./(　　/　　/　　　／　 Уl　　　　　l ､　　　＼
　　　 .てOう　~７ﾞｰ'"　 7`i"ﾙ,､ｨ(⌒) 　 /⌒!、　　,l　　　/　　　/　l 　　　 l　　　＼　＼
　　　　 .‘ｰ(⌒),,-､　 |ゝレ(⌒)ﾞ(こ○こ)　　 .|=ニヽ､　 / 　　, ′ 仆～～～|＼　　　＼　＼
　　　　　 .(こ○こ)う　,-､　こ○ ‘ｰﾍ_ﾉゝ　,ノ　　＼ヽ　　/ 　/:::::i　　　　 |:::::　‐ -　--＼　＼
　　　　　 .‘ｰﾍ_ﾉ‘ｰ’てOう,-､　ﾍ_ﾉ-(⌒)=二､　　丿丿__/＿r′:::ﾚ--ﾄ､　|´　　　　　　　　,''

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　　　│それは確かにあった、春のお話。花と自然に包まれた、暖かな思い出のお話…….│
　　　└──────────────────────────────────┘
331： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:42:26 ID:KYDa8sts0: 　　　┌───────────┐
　　　│昔、昔、とても昔……　　 .│
　　　└───────────┘

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　【三三三三三三三三三三三三】
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　　|:|: : : |□□□■■■■|: : : |:|
　　|:|: : : |□／　ⅩⅡ ＼■|: : : |:|　
　　|:|: : : |□　　　　　 ■|: : : |:|
　　|:|: : : |□Ⅸ━.・　 Ⅲ■|: : : |:|
　　|:|: : : |□ 　　｜　　 ■|: : : |:|
　　|:|: : : |□＼　 Ⅵ 　／■|: : : |:|
　　|:|: : : |□□■■■■■|: : : |:|
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　　|:|: : : |￣￣￣冂￣￣￣|: : : |:|
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　　|:|: : : |【　　　　　　】|: : : |:|
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　【三三三三三三三三三三三三】
　　　　 ∨////////////////
　　　　　￣＼///////／￣
332： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:42:40 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　 │王妃様が牢に幽閉されてから、数日後　　　　.│
　　　　　　　　　　 └───────────────────┘

."ヾ ;ヾ ;";ヾ"ヾ ;ヾ ;";ヾ"ヾ ;ヾ ;";ヾ;";ヾ" ::ヾ:::;ヾ : ;":ヾ"::ヾ::: ;ヾﾟ : ;"::;ヾｨ
.;ヾ ;";ヾヾ ;ヾ ;";ヾヾ ;ヾ ;";ヾヾ ;";ヾ" ::ヾ:::;ヾ :":"::ヾ::ﾟ ;ヾ : ;::ヾ : ;"::;ヾゞ｀
."ヾ ;ヾ ;";ヾ"ヾ ;";ヾ"ヾ ;ヾ ;";ヾ" ::ヾ::: ;ヾ:"::ヾ::: ;ヾ : ;"::;ﾟ:: ;"::;ヾゝ''ヽ,'
"ヾ ;ヾ ;"ヾ ;''｀´ヽ´,｡''¨´" ::ヾ::: ;ヾ : ;"::;ヾ"::"::ヾ"::;ヾ: ;ヾ : ;"::;ヾヽ,
."ヾ ;ヾ ;";ヾ, '´ﾟ´" ::ヾ::: ;":"::ヾ : ;":;ヾヾ :: ヾ"::ヾ::: ;ヾ : ;;ヾ､_,　,ｨヾ´
　　　　 / "::ヾ::: ;ヾ"::ヾ:::"::ヾ::: ヾ :;"::ヾ: ;"; ヾ::: ;ヾ : ;"::;ヾゞ､_｀´
　　　 ./ "::ヾ::: ;ヾ: ;"::;ヾ"::ヾ::: ;ヾ ;"::;ヾ::;:;ヾ : ;"::;ヾ.,ｨ､　　ヾ､_,'
　　 .,.' ":::::ヾ::::ヽ"ヾ":::::ヾ::::: ;ヾ:::: ;"::::;ヾ＞'ﾞ´ヽゞ,，'’ゞ''¨´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　/､ "ﾟヾ:::::;:;ヾ::::;"::::;ヾ＞'ﾞ´ゞｨ､,，'’｀ｨ､,, ,ｨ､　　　　　　　　　　 __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,,. -‐￢ '"´.:.:.:.:.:.`
　 ,'　ゞ､":ヾ:;ヾ:,ｨ､_.ｨ､_〃　 : : : : : :　 : : : : : : :ヾ､, ,, ,,,　　　　　　,ｨ-､,,,,.:.:ヽ､　　ヽ^ﾆ- ─ く　　　＞￢-‐'"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　 ! ,､ｨ､｀＾´＾ﾟ´　 : : : : : : : : : :　　ｧ=====ｫ､ : : : : : : :ﾟ´: : : :´"´: :　: : : : :ヾ､,., ,,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;＞ '´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.,';､.x,,;..ﾐvゞ､´:: :: ::: :: :: :: ::: : : :: .;ノ________,,'__,ヽ､ : : : :　 : : : :　 : : : : : :: : : : : :: :: :::.:.:.:,;.:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
w爻爻爻彡v､｀ﾞ'＜: : : : : : : : : :i咋l㏄i℡!区￣!　 : : : : : : : : : : : : : :: : : : : :　.ｨﾟ~~~''~''~''~＾~~~''~''~''~~~''~''~''~~~''~''~''~~~''~''~'
爻ミﾐ爻炎彡ﾐxﾞ'＜;｀ﾞ'＜,　三三三三ww三三三w三三三三三三三三三二ニﾆ≡＝‐ｨ､ｨ､wwwwwwwwwwwwwwwwww
ﾞ'爻ゞ炎炎彡ﾐﾒ　　｀ﾞ'＜;;｀ﾟﾞ'＜ﾐﾐﾐ三三三三三三三ﾐﾐ三三三三二ニﾆ≡＝‐三三三三三三三三三三三三三三三三三三
爻ミﾐ森ﾐ爻彡ﾐx　　　　｀ﾞ'＜;:;｀ﾞ'＜　,ｨ,w､､,.,.ニﾆ≡＝‐'''''''ﾞﾟﾟﾟﾟ !爻爻爻爻爻‐＝≡ﾆニ二三三三三三三三三三三三三
ﾞ'爻ゞ炎炎彡ﾐﾒ　　　　　　　｀ﾞ'＜ｧ'´ : : : : : : : :.､.,.,.,　　　　　　ｫwwwwwwwwwww､,,,,,,
w炎爻忝'＞'ﾞ´｀ ww　　　　　　　ゝ､ : : : : : : : : : : : : :::､,..,,..,,.,.　　　　　　　　　　　　　　~~~~~'''''''''''' ﾞ'＜wwwwww､ , , , ,, ,
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;;;;..... 　 ;;;;.;;;;.....　　;;;;.;;;;.....　　 __　/ヽゝ　〈无〉｀ﾞ'＜､__ : : : : : : : : : : ::.｀ヽ､,.,.
　ww ww　ｗwｗ　　　　　　〈尤〉 ,.ィ　　　{ﾂ/ｱ ,､、　｀ﾞ'＜､_ _ : : : : : : : :: :｀ヽ,.
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　;;;;.;;;;.... www　　ｨ¨_｀ﾒヽ､,! /´　ヾ!　　　/　　　|/〈kｿ　　　;;;;.;;;;.....　　　::::　　　　｀ﾞ'＜ヾ
　　　　　　　　　 ´　　　ﾟ｡　/⌒ヾ〉　､_＿'〈丿　/／´　;;;;.;;;;.....　　　;;;;.;;;;.....ww　　　wｗw｀ﾞ'＜

　　　　　　　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　│山奥の村に２人の旅人が辿り着いたそうです.......│
　　　　　　　　　　　　　└────────────────────┘
333： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:42:52 ID:KYDa8sts0: ┌──────────────────────────────────┐
│力尽きて泥の様に眠る少年……そして、その腕に護る様に抱かれているのは ........│
└──────────────────────────────────┘

.／　r.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.}／!　　|　ヾ{'　　　　 { !/./　,ｲ/
　　∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　 |　　.l　　　　　　　　>./／〃
. ／　 >.:.:.:.:.:.:./‐ ､ !　　 ! ､　　　,r｀'´ ／'´　/'
　　／.:.:.:.＞'＾ー､ |　　 |/|＞ｰｲ
　./{.:,r≦――.､　 !　　 | .! 　 /
<.:／:::::::::::::::::::::::＼ ∨　ﾄ､!　 {
／.::::::::＿＿::::::::::::::ヽ∨ ﾊゴ　.ト､
:＞_´,..-――-｀.＜::::｀i　 ∧ヽヾ::ヽ
＜:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ＼l　　 i_〉ヽヽ::ヽ
､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼!　　|ﾍﾍ:＼ヽﾊ
. ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　|::ﾍ.ﾍ::::ヽ}ﾆｱ
　　＼r≠＝＝ヾミ､::::::!　　!:::::} }}:::::::ヾ

┌─────────────────────────────┐
│高価な洋服に身を包む女性……間違いなく、駆け落ちであろう。　　　 │
└─────────────────────────────┘
334： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:43:14 ID:KYDa8sts0: ┌─────────────────────┐
│時代が違えば、幸せになれたであろうに……　　　 │
└─────────────────────┘

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　　　　　　　 ,;:;:;;;;ミﾐヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^ﾘN;;
　　　　　　　,;:;;;;;;;;;;;;ｦｦ'''ｨｲﾊ､　　ﾉi;;;;;!
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　　　　　　　V;:;;:;;;ﾙ'ﾞﾞ,rﾓﾃ.:;'　ﾉｯｬ''';;ｼ　　　　　　　　　　,． '"´ ￣¨`｀`ヽ
　　　　　　 Nいiij　　　　　　　~`　ﾘ　　　　　　　　　　　/　　　　　　　.:.:.:..｀ヽ　　　　　　　　　 ,．'"´
　　　　　　　 Nいii!':,　　　　､;::′　,j!　　　　　　　　　　 /::　　　　　ﾉﾉﾘﾊ.:.:.::::',　　　　　　　　/
　　　　　　　ﾙ:;;;;{,　　　　,, --､　 1　　　　　　　　　 i:::::　　　　,ｨｿ　′　`ﾄﾄ;!　　　　　　!　　　 ,
　　　　　　　ﾙﾊｼヽ　　　´ 二｀` ,′　　　　　　　　　　|::::::.　 ,.ｨｲ´_,,,,ﾉ　､,,,_ .ﾘ　　　　　　　 |　　　 j
　　　　　　　 `ﾌﾘﾊ　`丶､.　　　 /　　　　　　　　　　　　',::ハ:r'ﾞ ´,ｨtr　　 {ｨtr1　　　　　　　　!　.:;;ｨｲ
　　　　　　　,/　i　', 　　　｀`ｰｲ　　　　　　　　　　　i1　　　　｀ ´　　「`　!　　　　　　　　',　{^^ﾘ
　　_,.. -‐''ﾆ7.　ヽヽ　　　　　i　ヽ　　　　　　　　　　　ヾｼ　i　　　　 `''´　　l　　　　　　　　　ヽい
￣ `ー─'"7_ ＿　＼＼　　　ﾊ　＼_　　　　　　　　　　/::　い　　　 ''ﾆﾆ`　,′　　　　　　　　　V^',
　　', 　　　　　　　_＞＼　　　 /7⌒ﾞ`｀`ヽ､　　　　 /:::::.ヽ､ゝ　　　　　,.ｲ　　　　　　　　　 ,.ｲ^ヽ
　　 i 　　　　＜_　　　＼　 /　＼　　　　ﾄ､　-‐''"´:.ヽ:::::.:.:.｀`ｰ　ﾆﾆﾆ彡ヽ　　　　 ,．-‐''"´1
　.　 l　　　　　　　　｀`ヽ,　 ', !　／　　　　　 l　',:::::::::::::.: .: .＼::.:′　　　　　 7ヽ＜"´　　　　　 l
　　　l　　　　　　　　　　＼リ /　　　　　　　l　 i　　　　　　　　　　　_ ＿, 　 ′　　｀`ヽ　　　　　l／
　　　l　　　　　　　　　　　　V!　　　　　　　　l　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､
　　　l　　　　　　　　　　　　 i!　　　　　　 l　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i::1

┌─────────────────────────────┐
│村人は彼らを不憫に思い、休む場所と食事を与えてあげました　　　 .│
└─────────────────────────────┘
335： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:44:43 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　┌───────────────────────┐
　　　　　　　│すると、若さのおかげか２人はすぐに元気になり、　　　..│
　　　　　　　└───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 -　－、　　　　　　　　 |￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　 |ｉｉｉｉ|
　　　　　　　　　　 ━ （人__）　/ ）━━━━━━━|||
　　　　　　　　　　　 i　　　´_／　　　　　　　　　　￣
　　　　　　　　　　 { 　　〈　　　　　　　　　-‐ '´￣￣｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　 ` ～ヽ_）　　　　　　／　,､::/｀ー､::.＼　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ / /┴|　, 　｀ﾐ､::., 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　!_l―　∨|l廾∨i　| 　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | iﾊｌ　　　　 i/　|、　i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾊ|l⊃　､_,､_,　⊂⊃ iﾉ　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /⌒ヽ__|ﾍ　　ゝ._）　 ! /⌒i.　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ /;;;;;i　l＞,､ __,　イ!/ﾍ =/!.ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　 /;;;∥l　i　≦只≧　|;;;;;;;;;/! .ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ《;;;| /＼/ハヽ／ヾ;;;;;;;;ﾉ　ヽ

　　　　┌──────────────────────────────┐
　　　　│村人の厚意に感謝しながら、その恩を返す為に必死に働きました　　　 .│
　　　　└──────────────────────────────┘
336： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:45:06 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　┌──────────────────────────────┐
　　　　　　　　　│彼らは追われていた。そして、追いかけてくる追っ手の事を考えれば　 ....│
　　　　　　　　　└──────────────────────────────┘
　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''';;';';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ''';;';'';';''';;'';;;,.,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ,　　　　　　　ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハハハハハハハハハハ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/￣ﾍ　　/￣ﾍ　　/￣ﾍ　/￣ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　／¨;||￣＼／¨;||￣＼／¨;||￣＼／¨;||￣＼／¨;||￣＼／¨;||￣＼
　　　　　　　　　　　／¨;||￣＼　／¨;||￣＼　／¨;||￣＼　／¨;||￣＼　／¨;;||￣＼　／¨;;||￣＼
　　　　　　　　　 /＿__;||＿＿ /＿__;||＿＿ /＿__;||＿＿ /＿__;||＿＿ |/＿__;||＿＿ |/＿__;||＿＿ |
　　　　　　　　　 | ―　| ─　　| ―　| ─　　| ―　| ─　　| ―　| ─　　| ―　| ─　　|| ―　| ─　　|
　　　　　　　　　.iヽ___ﾉ、_　,／.iヽ___ﾉ、_　, .iヽ___ﾉ、_　,／.iヽ___ﾉ、_　,／.iヽ___ﾉ、_　,／.iヽ___ﾉ、_　,／＼、
　　　　　　　　 ∩;;;＼|__ノ`'∩;;;＼|__ノ`'ノ∩;;;＼|__ノ`'∩;;;＼|__ノ`'ノ∩;;;＼|__ノ`'ノ∩;;;＼|__ノ`'ノゞヾーー⌒
　　　　　　 __／;;;;;　　　__／;;;;;　　　__／;;;;;　　　 __／;;;;;　　　　__／;;;;;　　　__／;;;;;　　　　　; 　;;＿--┬-ヽ
　　　　　　/-;,,,　"'' ;;;,,,;;/-;,,,　"'' ;;;,,,;;/-;,,,　"'' ;;;,,,;;/-;,,,　"'' ;;;,,,;;;/-;,,,　"'' ;;;,,,;;;;/-;,,,　"'' ;;;,,,;;;;;;;;;;'' '''｜　　 |;;;;;;|
　　　　 /;;;;,,　ヽ,,,　 '/;;;;,,　ヽ,,,　 ''/;;;;,,　ヽ,,,　 '' /;;;;,,　ヽ,,,　 ''　/;;;;,,　ヽ,,,　 ''/;;;;,,　ヽ,,,　 ''　／ヽ;;;;;;;;|　　　 |;;;;;;|__|ヽ
　　　　　ヽ...;;;;,,,,　￣';;;|ヽ...;;;;,,,,　￣';;ヽ...;;;;,,,,　￣';;;ヽ...;;;;,,,,　￣';;;ヽ...;;;;,,,,　￣';;;|ヽ...;;;;,,,,　￣';;;|　　￣　　　　 |;;;;;;;;;;;;;;|
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　　　　　 |　ヽー―― |　ヽー――￣|　ヽー―― |　ヽー――￣|　ヽー―― |　ヽー――￣|　　　　／/　　,ヽ;;;;;;|
　　　　　｜｜　...::::::::::｜｜　...::::::::::｜｜　...::::::::::｜｜　...::::::::::..｜｜　...::::::::::.｜｜　...::::::::::...|　　　 /;;;;;;| ,'''"ﾉヽ;;|

　　　　　　┌──────────────────────────────────────┐
　　　　　　│今すぐにこの村を離れなければならないのでしょう。だが、彼らにそれはできなかった　　　 .│
　　　　　　└──────────────────────────────────────┘
337： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:47:20 ID:KYDa8sts0: 　　　┌─────────────────────────┐
　　　│恩を与えられれば、それに酬いる。それこそが人の道　　　 │
　　　└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　　r､´＿＿　｀¨　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／｣　ヽ―-　ミﾐx　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ｲ´ ,. |　　　　　　　｀ヾ.　ﾊヽ
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_　　　　 /　 /　ハ.!　|　|　|　　|　　!　　',　',
　　　　, ヘｰ‐- ､　　　／ヽ　／　＼　　 /　　i　 iヾｰ!　!　i! l!　 .ﾄ､ l.|　　 |　|
　 -‐ノ .ヘー‐-ｨ　　／　　　　　　　　ヽ.....i　　　!　,L==∀∨!斗＝|‐トi!　　 |　|
　''"/／ヽｰ､　ﾉ .／:::⌒（__人__）⌒::::::ヽ. |　　　Y´|　　　　　　　　 !　　 .!　|
　 /／＾＼　ヾ-､.|　　　　|r┬-|　　　　 |. | .'　　 Ⅵ　　　　　　　　　ﾘ　 !
,ノ　ヽ,_　ヽノヽ_)＼　　　`ー'´　　　／..ﾞ| ﾄ,　　ﾊゝ　　　､　　　 l　　.′　|
/　　 <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ ::::ヽー‐-..､　　,..-‐|、.....Ⅶﾊ　　圦　　　 _ ＿, 　 .ｲ　　ﾊ　　.!
＼＿＿_,／|　 !　　::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| ＼. ヾ| ',.　 |.:.:.＞ .　　　 .イ:Y　 ./.:.:＼∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }〈|　 |.:./.:.:r!≧=≦-'1|　 .ﾊ.:.r‐‐' ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　!　 l/_.:.人__Y__ . -‐i!　 L_V_,､＿!

┌─────────────────────────────────────────┐
│そう信じ彼らは働いた。そして、２人の真面目な姿に、村人たちは彼らをすぐに気に入りました　　　 │
└─────────────────────────────────────────┘
338： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:47:43 ID:KYDa8sts0: 　　　┌───────────────────────────────┐
　　　│そして、村に辿り着いて５日目。流石にこれ以上は危険と判断した２人は　 │
　　　└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　／￣ ⌒　　丶
　　　　_　- 　　　　　　/　　　　　　　　　＼
　　　/::::::::::;;;;;）　　　/ﾍ　　　/⌒＼　　　丶　　　ふーむ……
　　（:::::/;;::::::;;;;;;)　　　| へ　:　/＿＿＿　　　ト～ー＿
　　⊥::::::(;;::::;;;;;;;;;）　┌～^~ ／ー―ヽー/~） | 　　　/　　丶～
　/:::::::::（;;;:::::);;;::く　　|⌒~/Ｒ;;: 　::::;;;;;リ /∂| ）:～─ ＿　/　＼￣ヽ
（;::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;| 　|＿ｊ| 　丶＿__ノ　　　；/| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`＼/＼:::::::＼
　)::::::;;;;し::::::::::;;;;;;;ﾉ　　|　|　ﾍ　　　丿ｒこノ~ノ⌒ー　＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::Ｙ　　＼
し;:::::::::;;;;;;;;::::）;;;;;;;;;;) 　ｙし～⌒～、/::　ｒ |;;;:　＼　;:: |:| ～　　＿＼　　＼
　＼::::（:::::::::;;;;;;;;:ﾉ　／/　　　　　　　　＼Ｊ　 |;;;::　 ~;;;| |:| 　　　　　フ＼　＼ |
　　（;:(;:::::::;;;;;;;;;;;;ﾉ /　/　　人　　　　　　ヽ:　ﾉ;;;::　　ゝ |:|　　　　　ｒ　　＼　ヽ）
　　　＼::::::;;;;;;/　/ 　| 　/ ∨＼　　　　　|:: /;;;:: 　／　 |:| 　　　　/　　　　丶ヽ
　　　　（::::::::;;/　 /　　|　/　　　　ヽ　　　　| |;:: ／　　　　|:| 　　　/　　　　　　＼
　　　（⌒ ￣　)ヽ　 //|/　　　　　　＼　　|r;:/
　　　ｒ⌒ ￣）し　 // 　　　　　　）＼）

　　　┌────────────────────────────────┐
　　　│明日の朝、村を発つ事を決め、それを村長に伝えました。すると、村長は ........│
　　　└────────────────────────────────┘
339： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:47:59 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　　│しばらく悩んだ後、「何か願いないか？」と言いました　　.....│
　　　　　　└────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　´　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ　/　　, ‐ 、　, ‐'.
　　　　　　　　　　　　　/,　⌒ヽ　i ｜　　｀⌒　　⌒ｉ　　　何か願いはないかの？
　　　　　　　　　　 { {　､__ノ ,ﾉ　|^v=｢￣｀H´￣}　　
　　　　　　　　　　　　い､　__ノ}:ｰｧ!　　ヽ＿_ハ__,ｲ‐.､
　　　　　　　　　　　　　,ゝ､　　,ｲ.:｜{`┐ ,. -‐～ｰ〈:.:. :.＼
　　　　　　　　　　　／. .:.:.｀ｉ＿}.: :ヽ｀ｰＶ : : :, へ.:.::',:.:. :. :.ヽ,
　　　　　　　　／ . : .:.:./´ ＿}ヽ : ｀!7 : ／.:.::::,ﾊ.::}.:.:',:.ｌ.:. :.',
　　　　　　　　 / :, -‐ァ´| 　＿｣丿: : !{／ｉヽ.:.::/: :ｌ/.:.:.:l/.:. : :′
.　　　　　　　 / :/.:.:.:/　/ 、 ―j.:. .: .:i―┼‐∨.:. .:. .:.:.:l:. : : : :ｉ
　　　　　　　　|: : .:.:.:.i　｜　,ｌ￣l:.:. .: .:|＿_|＿_|:. :. :. .:.:.:|:. : : : :|
　　　　　　　　|: : .:.:.:.ｌ　ｌ／ | 　|.:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|:. : : .:/
.　　　　　　　＼: .:.:.:＼＼,.| 　l.:. .: .:!＿_!_＿!:. :. :. .:.:.:!: : ／
　　　　　　　　 `ｰ―→一'|　 l:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|／
　　　　　　　　　　 /: .:.:.:.|　 |: .: :,'―┼―',:. :. : : : :',
.　　　　　　　　　〈: .:.:.:.:.:l　 |: .: '　　∧　　',:. :. : : : :〉
　　　　　　　　　丶、.:.:l　 l: /　　/:::::',　　',:.:. .:.／

　┌────────────────────────────────┐
　│もちろんありました。なにせ、２人は食料もお金も、代えの服もないのです ........│
　└────────────────────────────────┘
340： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:48:44 ID:KYDa8sts0: 　　　┌─────────────────────────────┐
　　　│少年は遠慮がちに言いました。「では、食料と服を頂けませんか？」 ....│
　　　└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　 {　 "'　　　　　　　､､ ∪　}
.　　　　　　　　　　　　､　　　ゝ-‐ ｰ- '　　　　　 /　　……では、数日分の食料。それと、
　　　　　　　　　　　　＿> ､　　　　　　　　／　
　　　　　　　　 ∨/r v'´ ヽ　_　　「/7,＜　　　　　彼女と私に合う服を何着かいただけませんかお？
　　　　　　　　　　　／V,l / ＼　V　　」/////〉
.　　　　　　　 ,.ｲ //Y〈_　　ヽ.〉　く//////__
　　　　　　 /.:.|///ゝ､｀ヽ.／ f⌒o 7¨´／//}
　　　　　　 >､:ヽ／　` ｀Y ! 　_! [`__'7´////,j
.　　　　　　__ / 　〉′j　.ｲ /} } / _/　∨//////,|
　　　　　/ f´ |　ト､｀　､ゞ / { {//　　　У//////|
.　　　　 {　l　 |　|　｀　ー'‐ =　Tl _　〈/＞z/_∧,|
　　　　　ヽﾞ.､ |　|　　　　　二　l | 　｀ﾞ｀　＜/_/_j
.　　　　　 ` ┘^ 　．　二 //　　　　　 /　￣
　　　　　　　　　　　｀　＜ {.{ ､　＿_　ノ

　　　　　　　　　　　　　　／￣ ⌒　　丶
　　　　_　- 　　　　　　/　　　　　　　　　＼
　　　/::::::::::;;;;;）　　　/ﾍ　　　/⌒＼　　　丶　　そうではなかろう？
　　（:::::/;;::::::;;;;;;)　　　| へ　:　/＿＿＿　　　ト～ー＿
　　⊥::::::(;;::::;;;;;;;;;）　┌～^~ ／ー―ヽー/~） | 　　　/　　丶～
　/:::::::::（;;;:::::);;;::く　　|⌒~/Ｒ;;: 　::::;;;;;リ /∂| ）:～─ ＿　/　＼￣ヽ
（;::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;| 　|＿ｊ| 　丶＿__ノ　　　；/| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`＼/＼:::::::＼
　)::::::;;;;し::::::::::;;;;;;;ﾉ　　|　|　ﾍ　　　丿ｒこノ~ノ⌒ー　＿;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::Ｙ　　＼
し;:::::::::;;;;;;;;::::）;;;;;;;;;;) 　ｙし～⌒～、/::　ｒ |;;;:　＼　;:: |:| ～　　＿＼　　＼
　＼::::（:::::::::;;;;;;;;:ﾉ　／/　　　　　　　　＼Ｊ　 |;;;::　 ~;;;| |:| 　　　　　フ＼　＼ |
　　（;:(;:::::::;;;;;;;;;;;;ﾉ /　/　　人　　　　　　ヽ:　ﾉ;;;::　　ゝ |:|　　　　　ｒ　　＼　ヽ）
　　　＼::::::;;;;;;/　/ 　| 　/ ∨＼　　　　　|:: /;;;:: 　／　 |:| 　　　　/　　　　丶ヽ
　　　　（::::::::;;/　 /　　|　/　　　　ヽ　　　　| |;:: ／　　　　|:| 　　　/　　　　　　＼
　　　（⌒ ￣　)ヽ　 //|/　　　　　　＼　　|r;:/
　　　ｒ⌒ ￣）し　 // 　　　　　　）＼）

　　　┌────────────────────────┐
　　　│すると、村長は言いました。「そうではないだろう？」と　　 │
　　　└────────────────────────┘
341： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:49:07 ID:KYDa8sts0: ┌─────────────────────────────┐
│「食料はたくさんある。お二人が望むならいくらでも差し上げよう」　　　 │
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　´　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ　/　　, ‐ 、　, ‐'.　　　　　
　　　　　　　　　　　　　/,　⌒ヽ　i ｜　　｀⌒　　⌒ｉ
　　　　　　　　　　 { {　､__ノ ,ﾉ　|^v=｢￣｀H´￣}　　　　　　　　食料はあり余っている。もちろん、服もな
　　　　　　　　　　　　い､　__ノ}:ｰｧ!　　ヽ＿_ハ__,ｲ‐.､
　　　　　　　　　　　　　,ゝ､　　,ｲ.:｜{`┐ ,. -‐～ｰ〈:.:. :.＼　　　　　故にこれらは……お二人が旅立つ時、
　　　　　　　　　　　／. .:.:.｀ｉ＿}.: :ヽ｀ｰＶ : : :, へ.:.::',:.:. :. :.ヽ,
　　　　　　　　／ . : .:.:./´ ＿}ヽ : ｀!7 : ／.:.::::,ﾊ.::}.:.:',:.ｌ.:. :.',　　　望むだけ差し上げようと思っておった
　　　　　　　　 / :, -‐ァ´| 　＿｣丿: : !{／ｉヽ.:.::/: :ｌ/.:.:.:l/.:. : :′
.　　　　　　　 / :/.:.:.:/　/ 、 ―j.:. .: .:i―┼‐∨.:. .:. .:.:.:l:. : : : :ｉ　　だが、お二人の望みは本当にそれかね？
　　　　　　　　|: : .:.:.:.i　｜　,ｌ￣l:.:. .: .:|＿_|＿_|:. :. :. .:.:.:|:. : : : :|
　　　　　　　　|: : .:.:.:.ｌ　ｌ／ | 　|.:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|:. : : .:/
.　　　　　　　＼: .:.:.:＼＼,.| 　l.:. .: .:!＿_!_＿!:. :. :. .:.:.:!: : ／
　　　　　　　　 `ｰ―→一'|　 l:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|／
　　　　　　　　　　 /: .:.:.:.|　 |: .: :,'―┼―',:. :. : : : :',
.　　　　　　　　　〈: .:.:.:.:.:l　 |: .: '　　∧　　',:. :. : : : :〉
　　　　　　　　　丶、.:.:l　 l: /　　/:::::',　　',:.:. .:.／
　　　　　　　　　　　　丶i　 l/　　/ ::::::::',　　,／

　　　　　　┌──────────────────────┐
　　　　　　│「だが、お二人の望みは本当にそれなのか？」　　　 │
　　　　　　└──────────────────────┘
342： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:49:44 ID:KYDa8sts0: ┌───────────────────────────────┐
│「夫婦と言っていたが、見た目でわかる。お前たちは逃げてきたのだな」　.. │
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　 , : ´　　　　｀　、
　　　　　　　　　　　　　　 , '　　　　　　　　　　ﾟ ,
　　　　　　　　　　　 ,′　　　　　　　　　　　ﾟ,
　　　　　　　　　　　 __　.!　 -- ､､　　　　　-　　i　_
　　　　　　　　 ,'　ﾟ | Y⌒ヽﾍヽ- ' ／x=ミ　ﾚ' ヽ　　　　　　　　　お前さんたちは、夫婦と言っていたが……
　　　　　　　　 |　ﾊ｜i/⌒ヽ',　　　, ',. --､i} i,ﾊ　}
　　　　　　　　　ｌ　　,.r=＝＝ｭ､{__j／=＝ミ-'/:..　,　　　　　　　　　それは嘘じゃろう。お嬢さんとお前さんの
　　　　　　　 ,　:　´ﾍ　｛:ﾍ:::,'　　 ::}＝:{:,'　　;:::j:ｲi　 /iト .
.　　　__, イ　　　＼　i_｀＝彡:|　｀＝＝' j-'／　　　〕iﾄ､　　　　　格好でわかる。着の身着のまま逃げてきた……
　　　「　　　　　　　　/ { ト:|｀ --'-､　, ----' ミ´ } !　　　　　　｀ー┐
　　「　ﾍ　　　　　 {　 '／　　　｀′　　　ヽ' }　　　　　 ,:　　}┐　身分違いの恋。かけ落ちという奴じゃろう
　, '　　　 :ﾟ, 　　　　〃　　　　,. 今x　　　　　ﾐ　　　　　　 /　　　 {
, 　　　　　ﾟ,　　　　 {!　 _,.r　´ー─一｀ヽ　　ﾐ　　　 ,　　/　　　　　　
.　　　　　　 ',　　　　　 | 〃　!　　 ⌒　　 /! ヽ　i　　 /　　'
.　　　　　　 i .|　 ', ',　　　 lﾟ､.　　　　　/｜　ヾ　　/　　i,'
　　　　　　　 l | 　ヽ＼　　　|　ヾ、　 , '　 !　　　　./　　 {

　　　┌──────────────────────┐
　　　│身分違いの恋をし、駆け落ちしてきたのだろう？　　 │
　　　└──────────────────────┘
343： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:50:06 ID:KYDa8sts0: ┌───────────────────────────┐
│その言葉を聞き、村人たちにこれ以上、隠し事はしたくない　　　 .│
└───────────────────────────┘

.／　r.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.}／!　　|　ヾ{'　　　　 { !/./　,ｲ/
　　∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　 |　　.l　　　　　　　　>./／〃　　……少し事情は違いますが、
. ／　 >.:.:.:.:.:.:./‐ ､ !　　 ! ､　　　,r｀'´ ／'´　/'
　　／.:.:.:.＞'＾ー､ |　　 |/|＞ｰｲ　　　　　　　　　　概ね間違ってはいません
　./{.:,r≦――.､　 !　　 | .! 　 /
<.:／:::::::::::::::::::::::＼ ∨　ﾄ､!　 {　　　　　　　　　　　私たちは……
／.::::::::＿＿::::::::::::::ヽ∨ ﾊゴ　.ト､
:＞_´,..-――-｀.＜::::｀i　 ∧ヽヾ::ヽ　
＜:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ＼l　　 i_〉ヽヽ::ヽ
､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼!　　|ﾍﾍ:＼ヽﾊ
. ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　|::ﾍ.ﾍ::::ヽ}ﾆｱ
　　＼r≠＝＝ヾミ､::::::!　　!:::::} }}:::::::ヾ

　　　　　　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　だ、駄目ですお！
　　　　　　　／　　　＼　　　　r ⌒j　　　　　　
　　　　　　／　　　　　＼　　/ 　 /　　　　　　　お、おう……
　　　　／　　　（__人__）　　＼/ 　 / 　　／　）
　　　　|　　　　　|i|||||||i|　　　/　　/　／　／
　　　　＼　　　|ｪｪｪｪ| 　　 /　　'` ´ 　／
　　　　　　r´　　(⌒'ー―- イ′　　　　　´廴
　　　　　/　　　＞、　　　　　ヽ　　　　 _　￣￣￣)
　　　　/　　　　　　 -､　　　　 } 　　　　(　￣¨´
　　　/　　　　　　　　　ヽ._　　　　　　　__　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　　--‐'´　｀ﾞ' 、_.)

┌────────────────────────────┐
│そう思ったのでしょう。少女は全てを話そうとしました。しかし……　...│
└────────────────────────────┘
344： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:50:21 ID:KYDa8sts0: 　　　　┌─────────────────────────────────┐
　　　　│「よい」　村長はそう言って少女を止めました。そして、続けてこう言ったのです.....│
　　　　└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　´　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ　/　　, ‐ 、　, ‐'.
　　　　　　　　　　　　　/,　⌒ヽ　i ｜　　｀⌒　　⌒ｉ　　　　　　　よい
　　　　　　　　　　 { {　､__ノ ,ﾉ　|^v=｢￣｀H´￣}
　　　　　　　　　　　　い､　__ノ}:ｰｧ!　　ヽ＿_ハ__,ｲ‐.､　　　　　お主たちは旅の途中に此処へ立ち寄った
　　　　　　　　　　　　　,ゝ､　　,ｲ.:｜{`┐ ,. -‐～ｰ〈:.:. :.＼
　　　　　　　　　　　／. .:.:.｀ｉ＿}.: :ヽ｀ｰＶ : : :, へ.:.::',:.:. :. :.ヽ,　　名無しの旅人。それでよい。
　　　　　　　　／ . : .:.:./´ ＿}ヽ : ｀!7 : ／.:.::::,ﾊ.::}.:.:',:.ｌ.:. :.',
　　　　　　　　 / :, -‐ァ´| 　＿｣丿: : !{／ｉヽ.:.::/: :ｌ/.:.:.:l/.:. : :′明日の夜には顔も覚えておらんよ……
.　　　　　　　 / :/.:.:.:/　/ 、 ―j.:. .: .:i―┼‐∨.:. .:. .:.:.:l:. : : : :ｉ
　　　　　　　　|: : .:.:.:.i　｜　,ｌ￣l:.:. .: .:|＿_|＿_|:. :. :. .:.:.:|:. : : : :|　　
　　　　　　　　|: : .:.:.:.ｌ　ｌ／ | 　|.:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|:. : : .:/
.　　　　　　　＼: .:.:.:＼＼,.| 　l.:. .: .:!＿_!_＿!:. :. :. .:.:.:!: : ／
　　　　　　　　 `ｰ―→一'|　 l:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|／
　　　　　　　　　　 /: .:.:.:.|　 |: .: :,'―┼―',:. :. : : : :',
.　　　　　　　　　〈: .:.:.:.:.:l　 |: .: '　　∧　　',:. :. : : : :〉
　　　　　　　　　丶、.:.:l　 l: /　　/:::::',　　',:.:. .:.／
　　　　　　　　　　　　丶i　 l/　　/ ::::::::',　　,／

　　　　　　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　　　　　　│「お前たちは旅の途中の名無しの旅人。それでいい」と……　　　 │
　　　　　　　　　└───────────────────────────┘
345： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:50:36 ID:KYDa8sts0: ┌────────────────────────────────┐
│一見、冷たい言葉に聞こえるかもしれませんが、少年にはわかりました　　　...│
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　／￣￣￣＼：
　　　：:／　　　　　　　::::＼：
　　　;： |　　　　　　　　 :::::::| ：　　……ありがとうございます。
　　　　　＼.....::::::::: 　　::::, ／
　　　　 r "　　　　.r　　／ﾟ。　　　本当に、本当にありがとうございます
　　　　：|::|　　　　 ::::|　:::i
　　　　：|::|:　　　.::::|　:::|：　　　　　
　　　　：`.|:　　　.::::|　:::|_：
　　　　：.,':　　　.::（　　:::}：
　　　　：i　　　　　　`.-‐"
346： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:50:47 ID:KYDa8sts0: 　　　┌─────────────────────────┐
　　　│村長は何か聞かれようと「旅人は来た」としか答えない　　　 .│
　　　└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　´　　　｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　／￣｀ヽ　/　　, ‐ 、　, ‐'.
　　　　　　　　　　　　　/,　⌒ヽ　i ｜　　｀⌒　　⌒ｉ　　　
　　　　　　　　　　 { {　､__ノ ,ﾉ　|^v=｢￣｀H´￣}
　　　　　　　　　　　　い､　__ノ}:ｰｧ!　　ヽ＿_ハ__,ｲ‐.､
　　　　　　　　　　　　　,ゝ､　　,ｲ.:｜{`┐ ,. -‐～ｰ〈:.:. :.＼
　　　　　　　　　　　／. .:.:.｀ｉ＿}.: :ヽ｀ｰＶ : : :, へ.:.::',:.:. :. :.ヽ,
　　　　　　　　／ . : .:.:./´ ＿}ヽ : ｀!7 : ／.:.::::,ﾊ.::}.:.:',:.ｌ.:. :.',
　　　　　　　　 / :, -‐ァ´| 　＿｣丿: : !{／ｉヽ.:.::/: :ｌ/.:.:.:l/.:. : :′
.　　　　　　　 / :/.:.:.:/　/ 、 ―j.:. .: .:i―┼‐∨.:. .:. .:.:.:l:. : : : :ｉ
　　　　　　　　|: : .:.:.:.i　｜　,ｌ￣l:.:. .: .:|＿_|＿_|:. :. :. .:.:.:|:. : : : :|
　　　　　　　　|: : .:.:.:.ｌ　ｌ／ | 　|.:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|:. : : .:/
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　　　　　　　　 `ｰ―→一'|　 l:. .: .:| 　 | 　 |:. :. :. .:.:.:|／
　　　　　　　　　　 /: .:.:.:.|　 |: .: :,'―┼―',:. :. : : : :',
.　　　　　　　　　〈: .:.:.:.:.:l　 |: .: '　　∧　　',:. :. : : : :〉
　　　　　　　　　丶、.:.:l　 l: /　　/:::::',　　',:.:. .:.／
　　　　　　　　　　　　丶i　 l/　　/ ::::::::',　　,／

┌────────────────────────────────────┐
│そして、それが２人だと繋がる様な情報は与えない。そう言ってくれているのです　　　　.│
└────────────────────────────────────┘
347： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:50:59 ID:KYDa8sts0: 　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　│村長の優しさに包まれ、感極まって泣いてしまった少年の手を　　│
　　　　└───────────────────────────┘

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　　　　　　　　　　　　　　　厶⌒ー'’￣´
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　　　　　　　　　　　　　　　／｀ｰ─……──　､ハ,.-r一''"
　　　　　　　　　　　 ′　　　　　 `ー=f｀ヽ)ノ￣
　　　　　　　　　　　　ィ/　　　　　　　　ーミ__ヽﾉ
　　　　　　　　　　　／:./　　　　　　　　　　ｿ_ノ
　　　　　　　　　／:.:.:/　　　　　＿..ィァ''′
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.　　　　　／:.:.:.:.:.:.:./　　　　/

　　　┌──────────────────────────────┐
　　　│少女は両手で包み込みました。抱きしめる様に優しく……優しく…… ........│
　　　└──────────────────────────────┘
348： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:51:52 ID:KYDa8sts0: ┌─────────────────────────────────┐
│その日、村でお祭りが開かれました。名無しの旅人の旅立ちを祝うお祭りです ...│
└─────────────────────────────────┘

　　__＿__　　　　　　　　　
　 /.::.ヽハ　　　 ,r‐-っ　 |
_c!::::(・)o(・)＿__ノ:::ﾉ`´　　
::::::( `ー―' ）:::::::／　　　　
::::゛＝=＝"::ﾉ￣　　　　　
:::::;;;;;;;::::;;;;;ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r.、
＝＝==＝、　　　　　　　　　　　　　　　　))_.ノﾉ　　　　　　 ,.、
ii ii ii ii ii i iヽ　　　　　＿＿　　　　　　　ヽ)　/　　　　　　 ∧ヽ、
i ii ii ii,,ii,,ii,,ii ヽ　　　rﾆ二_　ヽ　　　　　　ﾉ　/　　　　　　　|l::::|lﾐヽ
'"''""＼:::::ヽ"`　　 ,.-　 -、ヾ|　　　　　 /　/　　　　　　　 .|l::::::|lミ|
　　　　＼::::＼　　l,.=　＝、|ﾘ__r‐y'ﾌ‐（　/　　　　　　　　 |l:::::::|lミ|
　　　　／.:::／　（　３　　小 /　 /＿_ノ　　　　　　　　　_|l::::::|lミl
　　　／.:::::く　　 ,.<` ー..くﾉ !/ ／　　　　　　　　　　　　）):::::::!ﾐ/
　　　`ー---'　/　ヽ（;;Ｙ;;;;>,.-‐-、　　　　　 ,.-‐‐- 、　　ヽ`Ｙノ
　　　　　　　／ヾ　ヘ___／人__ミ、　　　　/ ,.-‐‐-、、　 |　 l
　　　　　／　　　ヽ／Ｙ　 /_|　　f三y!　　 l./ ノ`　ﾍﾘ　　!ヾｖヽ
　　　　　＼＿＿ハ＼__ノノﾉ　　| ) ソ　　 !!　（・）（・）　 /　　 /
　　　　　　　/　　　◇Ｏ◇　）　　| ヽ　　　ヾ　　　ーo.∠　　 /
　　　　　 ∠＿＿__／ー‐＼_）　ト、|＼　_/ミ|＼ー‐'::.ﾐ/　　/
　　　　　/.:::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::ヽ　 |　`　Ｖミﾐ/＼/;;ﾉ'ヽ;;>ヽ /
　　　　 /.::::::::::::::::／ヽ.::::::::::::::::::)　|　　ﾉヾ　　　＼ヽリ　　|

┌────────────────────────────────┐
│村人は皆、酒や食べ物を村長の家へ持ち込み、朝まで騒ぎ続けました　　　　│
└────────────────────────────────┘
349： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:53:23 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　　　　　　│そして、お祭りの最後……村で一組の夫婦が生まれました　　　　│
　　　　　　　　　└───────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __〉／}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,．-zっ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　 | 　　 r‐-‐ ､_　　　　　　　　　　　 /　Eｦ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　ヽ　 _ﾉ::＿＿::::::｀丶　　　　　／}　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ', ﾉ:/,,,_　r‐ ヽ ::::::}　　　　／　 |´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 {:::(三ﾉヾ三){:::_:/　　　／　　　ﾉ
　　　　　　　 ,.．-‐…‐- ､　　　　　 |　　　　ヽ:{ ,,'ｰ'''_ヽ l/ノ　　　 /　　　／
　　　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　　　　ﾊヽ_／　ﾉ!　　＿／　　　/　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　 /　　,．-‐─‐､- ､　ヽ　　　　　ヽ　　　　　ヽ_l!_.／/￣　　　　　　 /　　　　　　 ,ｲ三三三三ﾊ
.　　　　　　{　／　' ｨ≦＝､ゝ::＼　l　　　　　 |　　　　 !　　 /　　　　　／　　　　　　 /三三三三三ﾑ
　　　　　　 V≧=>‐(三三ﾉ　l:::::(ヽ!　　　　 |　　　　＼_/　　　　　　／　　　　　　ノ三三三三三三ム
　　　　　　/::{=三|!　_ヽ..,,,,,_　!:::::V　　　　　　|　　　　　 ,.．-‐─ - ､／　　　　　　　　　 (三三=-──-=三三)
｀丶､　　　|::::｀iー'〉ニノ_ｨｭヾ)|::::::|＿　　　　　|　　　　／:::::::::::::::::::::::::::￣｀ヽ　　　　　　　　寸=!-(三)¨(三)‐|少'
　　　｀丶､|::::八〈/辻ﾆノ　　 |::::::|　　￣ 7　 |　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　(4{　 ,､(,,_,,)､　 .}7)
　　　　／|:::::::/＼　ー‐ '´　/:::::/　　　　/￣￣/｀ヽ/／´￣｀`´￣￣｀`ヽ:::::::::::::ヽ　 /三三三=.! 〃r===ｧﾍ l=三三
　　　　＼|::::::|.　　｀ヽ_川〉'/::::/　　　 /　　/ /￣{:| 二ﾆ､　　 ,ニ二　　ヽ::::::::::::! ./=三三三ﾆヽ　｀ｰ '　 /ﾆ三三
　　　　　　| ::::!　　　 |ヽ､　!:::/　　　 /　　 { (ヽ　.|(　共.ﾉ＝(　共ヽ_　 | :::::::::}/三三三三三=＼＿_／=三三ニ
.　　　　 |:::::|＼　　 | ヽ　j::/| 　　／　　　 |　｀ｰ/ ｀ｰ‐(､,,...,,,) ､＿.ノ　ヽ!::::::::/三三三三三三三三三三三三ﾆ
｀ヽ　　　　ヽ::',　＼　!　　 !' .|　／　　　　 |　　 l　　／　ー ''´　＼　　 /:, -.〈三三三三三三三三三三三三三
　　｀ヽ､　　 |ヾ､　　{_|＼　 _l／⌒ヽ　　　ヽ　.{　〃r───‐ｧﾍ　　// 〃./三三三三三三三三三三三三三
.　　　　　ヽ､|　　　　 |　＼{　_,．'⌒ヽ　　　ヽヽ　　辷二二ﾌ　　　 ´＿／|三三／Y⌒ヽ三三三三三三三三
　　　　　　　ヽ　　　 |　　 |　　／⌒l　　　　ヽ＼　　　　　　　　　／　　　|三ﾆ/／｀丶､ ',三三三三三三三ﾆ
　　　　　　　　ヽ　　　| 　　 |　　　　／)⌒￣｀　ー､＿ヽ　　　　／　)｀ー<￣　.}｀ヽ､　　 }三三三三三三三=
　　　　　　　　　 |　　 | 　　ヽ　　　 /　　　　　／　／｀ー‐‐　'´　／　　　 ) 　 /ヽ　　　　/三三三三三三三ﾆ

　　　　┌────────────────────────────────────┐
　　　　│そして、その夫婦は……明日にはその事を忘れなければならないのが残念なほど　　 │
　　　　└────────────────────────────────────┘
350： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:53:51 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│幸せに満ち溢れていたといいます……　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -=　　=-　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　,r=ｘ､_,r=ｚｘ､_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,..ri{＾Y}iヽi{ L}iYヽ}　.丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／...＞=x _/^-べイ=x ヽ.｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ....'　,　 / ´,､|　 `　　｀　＜ヽ　ヽ.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ...′/　 ' /.ﾑ.｣　　 |　l .l　　｀|　 ',　',.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　.'　 .| ﾊ| 　 !　　.!　! !　',　| 　 |　i',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.|　|　　|,rf.-‐={iト　ﾄ,'T.=‐- .| 　 |　lﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / .|　|　　|,　　　　　　　　 ! l　　!　.| |.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.|　.!　　!i　　　　　　　 1l　　l l　! !.{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　...|　ﾊ　ﾊ` :::::::: 　 .i...:::::::../ｲ　　l |,ｲ/ ‘
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　／|　　! 　ﾄ, 　　 v　ｧ　 ./i　　/ﾙ/'　..､{
　　　　　　　　　　　　　　　　 / ,/　...|　 .',.　 |.´`i ､　　　　,.ｲ｀:!　 /'' |　　ヽ.，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　ｲ　.../　...〈|　 | . ,,! . ｀ｰ ´ﾄ;.:.:.:.!　l.!､　!　　 ...‘..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / / ..../ 　 . ..!　 i 'ぺ,r､,,＿,,ﾑ-､ .|　 !.イ　　　　 .‘.,
　　　　　　　　　　　　　　　 ./　/　 .' . ._,,ノ |　 l　　.Yーｬｧ‐ﾏ´ ..|　 |　...､　　　　　 .，
　　　　　　　　　　　　　　　 i　/　 .,'..., ´　 V　/.' ー -　　、　, - |　 i　　...',　　　　 l !
　　　　　　　　　　　　　　 i /　...,':./　　..:/ /　　　　　　　　　　 ! !.ﾘ　　　',　　　　ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 . i.....!　　 .l／　　　　　　　　　　 /ｲ/　...i　　,　　　　　．
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　i ヽ. l　　　　 l　　　　　＿　,,.. 丶 ..,,　＿ゝ　,,!,,, 　　　 .。
　　　　　　　　　　　　　 /　..　　 { 〉yy､,,,..ｨ　／´　　　　　　　　　　　　｀ヽ', ヾ.　　...,!..l
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　.ｉ　 Y　,' ヽ　ヽ'　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　 i　　　 .{
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ｉ　 i!　,　　' 　 ,}　　　 '. 　　　　　　　　ﾘ ,. ﾘ　　　　ﾞ,,
　　　　　　　　　　　 i　i 　　ｉ　 i!　　　　 , /　ゝ、　　　　　　　'' 　　　ノ_,:.ィ　ヽ　　 ',
　　　　　　　　　　 / /　　　..i　　｀''r‐-- 'ｲV　　　　 ,.　‥　　　 r　''i´　　 ',　(人｡ ,､　', _　　　|）
　　　　　　　　　　　　　 / /　i　　 i 　　 l　　　 l　',,.　イ　　:　　　　　　:　ﾊ　　　ﾍ.,,. ,ｨYヽ'｀,´-ﾞ､ヽ,.: y
　　　　　　　　　　　 / /　 i　　 .i　　　 l　　 ,イ¨'''　ー── 　 ---　　ﾑﾍ　,,ｨ"´　ゝ >=､）)　 (　У｡　'
　　　　　　　　　　　 ' λ. ｡i .ﾟ｡｡i　　　｡l　　ム｡ﾟ｡ﾟ　　　　　　　　　　　　　＞､　ゞ,.''rγy'-ヽヽ''人ヽ　´ヽ）
　　　　　　　　　　 i｀.ヽ、i　　ヽl｡　｡,'　l、＿/｡ﾟ｡｡ﾟ　　　　＿,,.　 -‐､_　　　＼{. {　{ (δ）} K {{）ヾうゝ)
　　　　　　　　　　　 i　　｡ﾟ｡　ﾟ｡ﾟ　｡ﾟ ,.へﾉ　　￣ l ￣￣￣　　 ;　　ヽ　　 i＼─-　＼､｀_ﾆ='У ､ヽ' ﾉヽ
　　　　　　　　　　　　i ｡ﾟ｡＞<´ﾃ¨｡ﾉ￣　　　　　　／! ヽ　　　　　　　　　　　ヾ、＼ヽヽ｀ Vk ﾑ Y (ゎヽノｼ
　　　　　　　　　　　 / ／ノ　　　　　　　　　　 /　/　　　 ;　　　　　　　　　i ﾍ｀ｰヘヽヽV''у;,ト　彡γ
　　　　　　　　　 / ' ´　　　　　　　　　　　　／　/　　　 ', 　 i　　　 i 　 l　ヽ＼　ンｫY,,.イ(く }ｰ､ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ,/　　　　　 '　　!　　: 　 l 　 !　 iﾍ　Y ,'´　'´ ,.”ヽ,.ィッ
351： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:54:08 ID:KYDa8sts0: ┌────────────────────────┐
│彼らは世界には祝福されませんでしたけれども……　　......│
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┌──────────────────────────────┐
│山奥の小さな村の村人たちに最大限の祝福を送って貰ったのです　　......│
└──────────────────────────────┘
352： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:54:19 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　│翌朝、２人は旅立ちました　　 .│
　　　　　　　　　　　└─────────────┘

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　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ　　　ｌ:::::::::::::::::.:. !
　　　　　　　　　　　　ｉ::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.: ｌ　　ｌ:::::::::::::::.:.:ｌ
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　　　　　　　　　　――'　､::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ　　ｌ:::::::::::.:. ｌ
　　　　／　´ ￣｀　　､　ヽ::::::::::::.:.:.:.:.ｌ.　　ｌ:::::::::::.:. ｌ
　　　　　/　.ィ≦≧=- ､　　　､ヽ.:.:.:.:.:.:.:ｌ.　　 /:::::::::::::.:.:ヽ
　　　　ｌ<///////////ヽ､　ヽ｀ヽ.:.:.:.ｌ　　〈::::::::::::::::::::/
.　　　　 !//////////////ヽ　ヽ　＼:ｌ　　ｌ- ´ 　｀Y
　　　　 V///////////////ヽ　＼　ｌ!　　 |　　　　 ',
.　　　　＼///////////////＼　ヽｌ　　ｌ　　　　　ヽ
　　　　　　　｀＜//////////////>､ }!　　 !｀　ー―　1
　　　　　　　　　　￣｀　＜////////V　　　｀　ー―　´
　　　　　　　　　　　　　　｀　ー－ ´

　　　┌──────────────────────────┐
　　　│少しだけ増えた手荷物を背負い、村人に手を振りながら　　　....│
　　　└──────────────────────────┘
353： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:54:43 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　　　 .　´ ￣　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　／　／￣￣ヽ',　　　　　　　　　一夜限りの夢の宴。そして、幻の夫婦……
　　　　　　　　　　　　　　ｌ　 /　.ｨ┐ ｌ　　　.　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ⌒ヽY :::::|　ｌ　|ヽ |　　　　　　　　　彼らは村を離れ、
　　　　　　　　　　　　　　|　　 |::::: ＼／ ::| |　　　
　　　　　　　　　　　　　　|　　＼ :::::::::::::ノ |　　　　　　　　　その名を取り戻したのです
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |::::::::::::l　 |　　　
　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　 }:::::::::::{　/　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ,. ィ二＼　＼／　/＞　.
　　　　　　　 .　＜￣　　　　　　 ` ー─ｲ　　　　＞　.　　　　
　　　　　／　　　ヽ　　　　　　　　 ',　|　|　　　　　　|　＼
　　　　 /　　　　　 |　　　┌─､　 |. |　| 　ィ￣/　|　　 ∧　　
　　　 |＿＿　　　 l　　　 ', 　＼ .|. |　l　 /　 /　 .|　　　∧
　　　　/　　　丶　 |　　　＼　　＼.|　l／／　　 .|　　／',　　
　　　 |＿＿　　＼|　　　　＿` ー┐　ィ ´ ＿　　 | ￣　＿ｌ
　　　　/　　｀＜　.|　　　＼＼　.ｌ l　| ノ　／　 |＞ ´|　 |
354： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:55:40 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　／　￣　｀　.
　　　　　　　　　　　　　 /／￣￣＼　＼
　　　　　　　　　　　 .　　　ｌ ┌　､ )　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　 | /::|　ｌ　|::::: |/⌒ .ｌ　　　……ですがそれは、辛く厳しい逃亡の旅が
　　　　　　　　　　　　　　　| |:: ＼／ :::::| 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　| !､::::::::::::: ／　　|　　　再び始まってしまうという事……
　　　　　　　　　　　　　　　| 　l::::::::::::| 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 ',　}:::::::::::{ 　　,r'´　　　　でも、彼らは進んでいけるのでしょう。
　　　　　　　　　　　　　.　＜∨ ＼／　／＞　. __
　　　　　　　　　 .　＜　　　　` ー─ｲヽ　　　／＞　.
　　　　　　　／　 |　　　　　　|　　/　　　　　　 | /　　　＼
　　　　　　 /　　 :|　 l￣',　　:|　　|　／￣/　 :|ｲ　　　　　ヽ
　　　　　 l＼　　:|　　＼＼ :! 　 !／　／　　 |ｌ　　　＞"´ｌ
　　　　　 |　＼ :|　　　＼　　　＿／　　　 :|＞"´
355： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:56:04 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　　　あの思い出とあの優しさとあの祝福があれば、
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　自分の道を進んでいけるのでしょう……
　　　　　　　　　r´ ´＼　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 (　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／　　　　　
　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　／　.＼
　　　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　／　　　＼　　　
　　　　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　＼　　　　＼　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　＼∠＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　　　　　　＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　　　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ
356： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/01(月) 21:56:16 ID:KYDa8sts0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　あの祝福と愛……それを　　　　　　　　　　　　:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　貴方はまだ覚えておりますか？王女様…….:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　ｒ'⌒'´　｀ヽ、
　　　　r´ ´＼　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ　　　　　ﾉ
　　　 (　　　　＼　　　　　　　　　　　＼　（、　,　　　）
　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　　＼/／⌒ ｰ'
　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼ﾊﾟﾀﾝ
　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　＼　　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　＼　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ

　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ありふれた御伽噺　　「名も無き夫婦と優しい村人の話」　　　　　　終わり
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357：名無しのやる夫だお：2014/09/02(火) 00:37:31 ID:VZqU1knc0: おお、投下来てたのか
乙乙
358： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:36:07 ID:xmYTc7bo0: >>357　乙感謝。お待たせした。　ラスト、やはり変更。よって、書き直し。
しかしここ数日、体調優れずあまり進まず。
359： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:36:40 ID:xmYTc7bo0: 本日、２話。
360： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:44:14 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　.
　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おや……猫が二本足で立っています
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧∧　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　:::::)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(|　:::,)　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　::::|～
''"''''""""''"""'''''"""''""''''""'''''"''''""""'し`Ｊ''"''''""""''"""'''''"""''""''''""''"''''"""'
'"´｀''"´"''""''''""''"''''"""''"""'''''"''"'''""'''::::::::''"""''""''''''''""''"''''"""''"""'''''"""'
''"''''""""''"""'''''"""''""''''""''"''''"""'''''"""::::::::::'''''"""''""''''''''""''"''''"""''"""'''''"""'"''"""'''''"""''"
'"´｀''"´"''""''''""''"''''"""''"'''""'''''"''"""'''''":::::::::::::::"''""''''''''""''"''''"""''"""'''''"""'
361： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:44:25 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　／　　　　／　　　,＿＿＿＼
　　　　　., '　　　　　　 /　　　　/.:._ -―=‐￢､
　　　　 /　　　　　 /　　　 /´　　　 }zi　　|ﾊ
　　　 ./　　　／　　 /　　　 ./　　 ,ｨ　/ヾ} |　 .∧
　　　/　　／　　 /＾!　　　 / ./　７/,<　 //　　 ∧
　　./　／　　　　{　l　　　/ | !　//'　ヾ//　 /　　}
　 /／　＿..∠/ヽ|　　ﾊ从/ 込zｭ./ｲ　,ｲ　 .! ﾘ
.／　r.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.}／!　　|　ヾ{'　　　　 { !/./　,ｲ/
　　∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:./　 |　　.l　　　　　　　　>./／〃
. ／　 >.:.:.:.:.:.:./‐ ､ !　　 ! ､　　　,r｀'´ ／'´　/'
　　／.:.:.:.＞'＾ー､ |　　 |/|＞ｰｲ
　./{.:,r≦――.､　 !　　 | .! 　 /
<.:／:::::::::::::::::::::::＼ ∨　ﾄ､!　 {
／.::::::::＿＿::::::::::::::ヽ∨ ﾊゴ　.ト､
:＞_´,..-――-｀.＜::::｀i　 ∧ヽヾ::ヽ
＜:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ＼l　　 i_〉ヽヽ::ヽ
､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼!　　|ﾍﾍ:＼ヽﾊ
. ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　|::ﾍ.ﾍ::::ヽ}ﾆｱ

　　　　　　　　　　　　　　　　 .　´ ￣　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　／　／￣￣ヽ',　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ　 /　.ｨ┐ ｌ　　　.　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ⌒ヽY :::::|　ｌ　|ヽ |　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　|　　 |::::: ＼／ ::| |　　　
　　　　　　　　　　　　　　|　　＼ :::::::::::::ノ |　　　　　　　　……そうですね、私も始めてみました
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |::::::::::::l　 |　　　
　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　 }:::::::::::{　/　　　　　　　　でも、あの猫だって、ずっと立っている訳ではないし
　　　　　　　　　　　　 ,. ィ二＼　＼／　/＞　.
　　　　　　　 .　＜￣　　　　　　 ` ー─ｲ　　　　＞　.　　他の猫の前では、常に４本足で歩いているでしょう
　　　　　／　　　ヽ　　　　　　　　 ',　|　|　　　　　　|　＼
　　　　 /　　　　　 |　　　┌─､　 |. |　| 　ィ￣/　|　　 ∧　
　　　 |＿＿　　　 l　　　 ', 　＼ .|. |　l　 /　 /　 .|　　　∧
　　　　/　　　丶　 |　　　＼　　＼.|　l／／　　 .|　　／',　
　　　 |＿＿　　＼|　　　　＿` ー┐　ィ ´ ＿　　 | ￣　＿ｌ
　　　　/　　｀＜　.|　　　＼＼　.ｌ l　| ノ　／　 |＞ ´|　 |
362： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:44:46 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　　／　￣　｀　.
　　　　　　　　　　　　　 /／￣￣＼　＼
　　　　　　　　　　　 .　　　ｌ ┌　､ )　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　 | /::|　ｌ　|::::: |/⌒ .ｌ　　　そう、私たちが見ている一面など
　　　　　　　　　　　　　　　| |:: ＼／ :::::| 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　| !､::::::::::::: ／　　|　　　その物の一部にしかすぎないのです
　　　　　　　　　　　　　　　| 　l::::::::::::| 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 ',　}:::::::::::{ 　　,r'´　　　　あの猫の様に、意外な一面を誰もが持っている
　　　　　　　　　　　　　.　＜∨ ＼／　／＞　. __
　　　　　　　　　 .　＜　　　　` ー─ｲヽ　　　／＞　.
　　　　　　　／　 |　　　　　　|　　/　　　　　　 | /　　　＼
　　　　　　 /　　 :|　 l￣',　　:|　　|　／￣/　 :|ｲ　　　　　ヽ
　　　　　 l＼　　:|　　＼＼ :! 　 !／　／　　 |ｌ　　　＞"´ｌ
　　　　　 |　＼ :|　　　＼　　　＿／　　　 :|＞"´
363： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:47:08 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　　　　　　│今日はそういうお話です……さぁ、王女様。お聞きください　　....│
　　　　　　　　　└──────────────────────────┘

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　｀ー ´⌒｀ー'′　　　　、＿,. -─-　.,_
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　　　　　　　　　│今宵の登場人物は、ヤルオ。そう、これは貴方の知らない物語…….....│
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364： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:47:22 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌───────────┐
　　　│昔、昔、とても昔……　　 .│
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　【三三三三三三三三三三三三】
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　　|:|: : : |□□□■■■■|: : : |:|
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　　|:|: : : |【　　　　　　】|: : : |:|
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　【三三三三三三三三三三三三】
　　　　 ∨////////////////
　　　　　￣＼///////／￣
365： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:48:30 ID:xmYTc7bo0: 　　　　┌───────────────────────┐
　　　　│その日、ヤルオは一人で町の中を歩いておりました .......│
　　　　└───────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿__Ω＿＿＿__
　　　　　　　　　 ,ィf≡≡≡≡≡≡≡≡℡
　　　　　　　　　　　　 {三三三三三三三三三三}
　　　　　　　　　　　　 {三三三三三三三三三三}
　　　　　　　　　ォ≦ヾ三三三三三三三三三才≧ュ
　　　　　　　　　 /　 ´ ￣ヾ　　｀ー－､　　　ｉ
　　　　　　　　　　　　l　　( ● )　　　( ●　)　　　 l
　　　　　　　　　 l　　　/　　ｉ　　ヽ　　　　ｉー､
　　　　　　　　　 ∧　　ゝ___人____ﾉ　　　　　　ﾊ:.:.:.:.＼
　　　　　 r===ﾐ　／:.:∧.／／ー‐　　　　　　 ' ﾘ.:.:.:.:.:.:.ﾄ､
　　　　＿_ﾄミ彡1:.:.:.:_,ｘくｘく　　　　　　　　　　ｲ　〃:.:.:.:.:.:.:l:.:.:ー-....._
　, ＜:.:.:.:.:.ﾄミ彡1≦＞''´:.,ﾊ＞　―――　´　／/:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ＝彡´.:.:.:.:.:.:/　＼　　　　ﾉ／　/.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
366： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:48:49 ID:xmYTc7bo0: ┌───────────────────────────┐
│あぁ、王女様を見捨てて逃げ出したというわけではりません　　　 .│
└───────────────────────────┘

.　　　　　　 , .、　　　　　　　 '　￣￣　、
　　　　　　 /　ﾍ　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　 l　ﾐ　ﾍ　　　 //　　　_,　　　　　　　ヽ
　　　　　　　 l　ミ　.∧.　 /〈　_x≦__,　　　　　　　 ‘，
　　　　　 _j_7ﾍ　　 ∧. 冫｀　ﾏj/　　　　　　 }
　　　　 _r"＞’､ﾍ　 ∧/　　　　｀　　　　　　　　 /_
　　　「; i　!　　.r.､ ,　 j ﾍ.､　　　)　　　　　　／　.7
　　　 l! .j .ﾍ　　l _!　,　　ゝ-ゝ- '　一＝一 "　　 ,'
.　　　 !: ﾍ　ﾍzｲ .l!　!　 ! l斗＜　￣　　　　　　　､〈!
.　　　 ',:　　　r　　j　!　.j .}ﾊ´　　　　　　　　、_ ,,...　〉
　　　　 ,:　　　　　i、'　/　!ﾔV　　　　 ,.r　￣　ﾊ"　ﾊ
　　　　　 ,:　　　 / ∨’　,!∧ﾍ　イ≠ﾁ j.!　 o　 jl　　 l
　　　　ヽ　　,ｨ≧x＼//＞'┘　 ./　　≧≠＝"　　 .!
　　　　　ｨチ≦'"´　.j j/／　l 　 .i/　'　　　　　｀ヽ　　.!
　　　　〈￣　　　ﾊ/j ＝ l　　,'　　　_ z　＝ z　ﾍ　 l
　　　　　 l　　　＿zｲ.ﾔlj 　 .j　　l ,　　 ,.　　　　　 j　 !
　　　　　 lzzzzｲ'　　　 Ⅵ　 ,'　　j!　／　　　　　 /,ｲ　 l
　　　　　　 V　　　　　＼ /　　/ イ　＿ z　　 /7 . 　 !

┌──────────────────────────────────┐
│彼は情報収集に来たのです……何せ、この時点で逃亡からすでに一ヶ月近く　　　│
└──────────────────────────────────┘
367： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:49:06 ID:xmYTc7bo0: ┌────────────────────────────────┐
│良いに方向にしても、悪い方向にしても、そろそろ情報が上がってくる頃　　.....│
└────────────────────────────────┘

　　.r"⌒'i
　　|　　　|‐‐-----‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐--==--‐‐''''"´｀ﾞﾞ'i
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　ﾞ'ゝ-‐‐---=＝=‐‐‐‐----‐‐‐‐‐‐‐‐-------┘

┌──────────────────────────────┐
│そう思った彼は、王女を安全な場所に隠し、町へやってきたのです　　......│
└──────────────────────────────┘
368： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:49:17 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────┐
│そして、情報収集の結果……集まった情報はあまりにもむごい結果でした　　　..│
└─────────────────────────────────┘

.　　　　　　 , .、　　　　　　　 '　￣￣　、
　　　　　　 /　ﾍ　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　 l　ﾐ　ﾍ　　　 /　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　 l　ミ　.∧.　 / 　｀ｰ- ､　　　　　　　　‘，　　　……王妃様
　　　　　 _j_7ﾍ　　 ∧. 冫　､___ ,　　　　　　 }
　　　　 _r"＞’､ﾍ　 ∧/　　　￣　　　　　　 /_
　　　「; i　!　　.r.､ ,　 j ﾍ.､　　　)　　　　　　／　.7
　　　 l! .j .ﾍ　　l _!　,　　ゝ-ゝ- '　一＝一 "　　 ,'
.　　　 !: ﾍ　ﾍzｲ .l!　!　 ! l斗＜　￣　　　　　　　､〈!
.　　　 ',:　　　r　　j　!　.j .}ﾊ´　　　　　　　　、_ ,,...　〉
　　　　 ,:　　　　　i、'　/　!ﾔV　　　　 ,.r　￣　ﾊ"　ﾊ
　　　　　 ,:　　　 / ∨’　,!∧ﾍ　イ≠ﾁ j.!　 o　 jl　　 l

┌───────────────────────────────────┐
│王妃の投獄、元老院の台頭。この時、やる夫は自らの運命を悟ったのでしょう　　　　│
└───────────────────────────────────┘
369： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:49:35 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌────────────────────────┐
　　　│彼は帰り際、ある人が服に忍ばせておいてくれたお金で　.│
　　　└────────────────────────┘

　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　r´ ´＼　　　　　　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ

　　　　　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　　　　　│食料と数冊の日記帳　　　.│
　　　　　　　　　　└───────────┘
370： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:49:51 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌────────────────┐
　　　│そして、ある植物の種を購入しました....│
　　　└────────────────┘

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　　　　　　　　　　∥　　　　　　 .∥
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371： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:52:52 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　│これが何の種だったかは未だにわかっておりませんが、....│
　　　　　└────────────────────────┘
　　
　　　　　　_ 丶ヽ _,.｀ヽ｀　｀､　....._　:　　｀´ .　 .:　ﾞ..:　 .:.:｀　｀ヽ...:.:ヽ:.｀.:''´ ;.ﾆ
　　　　　ヽ;ﾞ ''　ヽ｀´｀ｰ='´,. '´　､ヽ .::　 :. .::　 ‐ 　 ;; : .　:.:. ﾞ:.;.:.:.:;.:'.:.: ;:'... _,:｀
.　　　　 _ ト..　ﾞ ...ゞ´ゝ,. ''´　:'⌒ヽ　ヾ..:;:ﾞﾞヽ:.　 ..　 ..ゞ､:..:.:.::: :ﾞ:.:´.:::.:; '..;'´;;..::'_,,.. -
　　　　｀ヽ.: .':､丶..i　　,' ,:' i,. =､..ゝ､ヾ,,;:ﾞゞ::;';ﾞ　 ;'ﾞゝ::''ﾞ;　;;.:.:::;ﾆ.:_;;..-''.:=':;.:'::ﾆ´__
　　　　ゞ,.: .:.. ﾞ:.:.:...';. ::{ i''､ﾉ:::;;:'""ヾ;:｀ヾヾ:;;::ゞ=''::i::;;'':::ｿ;ﾞ:.:.:;ﾞ:'´ノ.:.;.:':;.:'´_::｀;,´_;,,..ﾆ::‐
　　　丶.._,:'': :.ゝ、ゞ;;ゝ､_i.ゝ;;(ﾞヾヾ;;::=､::;;;,,_`ヾ::ﾞゝ:ﾞ::/;':::ﾉ;i:ｼ:;:'":::;'´::.＜:.:_::.｀ﾆ::ｰ..::´...,, __
　、ヽ,''::ｰ ;;ｰ-.:.ﾞ:;;ゝゝ:::''::;;.:.:ヽ;::＼_ー‐-::､}:､{:{;;'／/イ::ｼ;;:ｿﾞi::ソ::ノ:: .:､ヽ｀ﾆ、:.´￣ヽ:<´
　 ;:ﾞヾ..二フ.:￢;;='':ゞ;;.ﾞ:;;:ﾞ.:｀ゞ､_ヾ;｀ヾニヽ､＼;>';∠=-‐…'∠;;ヾヾ丶,:: :ﾞ:､｀::,,ヽ:. :. ::..:ﾞ､｀:
　｀;;.:.: .:,,:''ヽ.:.::､`=-::ﾆ:::ゞ::(_::ﾞ:､:｀¨¨¨);r=､ヾ::::::{':::／ア´ヾﾞ:;ヾヾ:､, 　、　ノﾞ:.ヽ::´｀ﾞﾞ　｀ヽ
　　;''=''"::,, .:.:､､::ゞ,,.:.::=;;..''´..'';;_ヾ::''=､ﾞ..::｀ }::}:.:.::!:/:;ノ:;':ｿ:;'.:.;.';;_'; / 　（● ●こ）ﾞ::､._
　 _;,:.''"´:.:.:.::_;;.. ::'';; .:.'': ...:.:`:､:;;''´ ''";;::_;;'.::|::|::.i.::{ﾞ;;_;.''_::..:ﾞ;;/´.:.:''ﾞゝ　（__人）/ﾞﾞ:;, .:',.._
　　ﾞ丶;;.:''´,:´:.:.;;ﾞ､:.:.';;'' "⌒''　　　　　 ,:ﾞ::|::ｉ:.:i.::|　 '´ ｀''´　　 ,:ﾞ〔勿　　　〉′ . ｀ヾ
　　　　　 ;: ''´ 　 '´　　　　　　　 'ﾞ´ |::i : .:.|.　　　　　　　 /　,　　 .>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌi　:!.:.:l　　　　　　　 / ノ（_／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:! .:{ :.:l.　　　　　 /'　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':j :.:!:.',:',　　　　 '/ ' / '
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　　　　　　　　　　　　　　 ,.,.,,,,,.／ノﾉ..:ヽ､::ヽ＼.,,,.ﾞ'//
　　　　　　　　　　　　　　　 : .: .:.::::´.:::´　' ..:.::.. .:｀.:.::.: . /'

┌───────────────────────────────────────┐
│ただ、ヤルオは元は両親と共に山で暮らしていた少年ですので植物には詳しい筈。ですので.....│
└───────────────────────────────────────┘
372： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:53:52 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────────────┐
│薬草か作物の種と言われています。そして、買い物が終わるとヤルオはすぐに帰路に就きました......│
└─────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿,. -‐-=.ﾊ::::::::::::::::::.:.:.:.:.ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　ハ　|:::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::.:.:.:.:. ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ.! ﾆ.!:::::::::::::::::::ﾊ.::::::::::::::.:.:.:.:.: ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　 }}　.ﾓ>､:::::::::::::::ﾊ:::::::::::::.:.:.:.:.:.: ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ{　主|　｀＞..:::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.l
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,':ﾊl ､.'´　i.／　 .＼ :::::::::::::::.:.:.:. ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　／::::::.夂-'ノ　　　　￣｀.ー― ´
　　　　　　　　　　　 , ' ::::::::::::. ／
　　　　　　　　　　　　　　/:::::::::::.::: /
　　　　　　　　　　　 {:::::::::::.::: /
　　　　　　　　　　　〃::::::::::::: /
　　　　　　　　　　　　　{:::::::::::::::::::.〉
　　　　　　　　　　　人 ::::::::::::.Y
　　　　　　　　　　　　〈∨≧=ー ´
　　　　　　　　　　　 V〃{主{
　　　　　　　　　 |ﾄ､.j.主i_
　　　　　　　　　　　 V｀ｰ‐.ﾍ
　　　　　　　　　　　　夊 ‐一.}

　　　　　　┌─────────────────────────────┐
　　　　　　│安全な場所とは言いましても、絶対という訳ではないのですから　　　　│
　　　　　　└─────────────────────────────┘
373： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:54:06 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌─────────────────────────────┐
　　　│と……世間に出回っている本ではなっていますが、実は違います　　 .│
　　　└─────────────────────────────┘

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　 | |'TTTTTT'| |┴|　　.:||┴┬┴┬　／／|＿|　　　　　　／|: : :.:::|
┬|_|ニニニニ|_|┬|　　.:||┬┴－ .／／┴ {＿}　　　　　　 l 　 | : : : :|
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／／┴┬┴┬:'＼|　　::||／／:┴┬┴ー |　 :|へ、　　　　　 |　　|:|／＼＼:　:　:　:　:　:　:∠二／＼
┬－┬┴┬┴┬┴┬┴┬－┬ー┬─┤ .::| : . ＼　　　　 |　　|:|.　　＼＼:　:　:　:　.: :＼　 |lﾆlﾆ|
_|＿__;l＿__;!＿__;!＿_,;|＿__;!＿_.;ｌ＿_,;|＿__;!＿;!: : : : :.＼　／|　　|:| 　＿_　＼＼ :　:　: : 　: ＼|lﾆlﾆ|
ｰ|＿＿l＿＿＿|＿＿_l┴┬┴┬┴┬┴┤ .::|: :[]: :[]: .,／／|　　|:| 　||:::::|　　＼＼＿;＿;＿;＿;＿;_
-|＿| lニニニニﾆ;!|＿|┬┴┬┴┬┴┬┤ :::| : : : : : :||／　 |　　|:|　 ||:::::|　　　　｀:| |: : : : : : : : : : : :
ｰ|＿}:| |:: : :||:: :.::| |{___;l┴lニニニニﾆｌ:┴:;|＿;;!. : . : : :.||　　 |　　|:|　　￣　　　　　 | |: : : : : : : : : : : :
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ｰ|＿}:| |: : ::||::: :.:| |{＿;l┴| |:::::::||:::::::| |:┴┤　.|:_l＿_;!＿＿;!＿_;|._|;|＿_//＿＿;!＿＿;!＿＿;!＿＿;!＿
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　　　　　　　　　~゛'''' ┴'::⊥ . .,.|　　.:|　　.:|ー‐|､yWv,,:l＿＿;l､＿＿;!＿＿;!＿yﾐﾞ':;ゞ;,”v:";v;oゞゞ;yゞ
　｀　　　 ,　'　　.　　.｀　　　. ~゛`┴ -:⊥ ,;ﾐyミゞ;ヾ.:ﾞ;;ﾐﾞ'＿;!＿＿;!＿＿;!;ﾐﾞゞv;oヾ;ゞ;yゞ;.:ﾞ;;ﾐﾞo:”:"
　　　　　　　　　　　　　,　　　｀　　　　　　　　　　 "゛ゞ;ヾ.爻-:: ⊥. .,_..:::ｌ .;:ﾐﾞゞ;ヾ.:ﾞ;;ﾐﾞ':,”:";oヾv;;ﾐﾞ'爻v
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,　　　　　　　｀　　　　　 ~゛'' ‐-ﾐ;ゞﾞvヾ;ゞ;yゞ;爻彡ヾ;ゞ;yゞ
　　`　　　　　　　　　　　　　.,　　　　　｀　　　　,.　　　　　　　　　　'　　　　　　　~゛'' "´ヾ.;y彡ゞミ;ゞミ
.　　　　　　　　`　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀

　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　│ヤルオは一箇所だけ寄り道をしております　　　..│
　　　　　　└────────────────────┘
374： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:54:22 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────┐
│……その場所について深くは申し上げられませんが、　　　　│
└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　 ---　.
　　　　　　　　　　　　　　　, 　 ´　　、__　　＼
　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　 Lﾉ）　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ___,ノ　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　　　　　 , ‐| （Lﾉ　　＿__ . ｨ　U　　　 i
　　　　　　　　ｆ {__|　ゝ __ﾉ- '　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　j　　|　　　　ー　´　　　　　ﾉ
　　　　　　'￣　ヽ　{li、　u　　　　　　　／Y=-　 .._
　　　　　　 /　　　　 ∧ .ｨゝ　_　　　　　ｨ　 /　　 |　　　　ヽ
　　　　　　′　　　　〉 |l!_　-／}¨¨　..＜:/ 　　 | 　　 /　＼
　　　　, ′　　　　　／-=f　／　 '｀::´::::::::/　　　　；　　　　　　〉
. 　　/　　　　／　　／　　 ′::::::::::::′ ＜　 ===　　　　ヽ
　　 /　　　　彡　　　　＞　,':::::::::::::::::|　　　 ./　、　　　　＼
　　｛　　　　　　　　　ヾ,f　　 ′:::::::::::::::|　　　 /　　ヽ　　　　　Ｙ
　　ゝ　------- －= ﾆﾘ　　,'::::::::::::::::::::|　　 /　　　　＼　　　　　　｝
　　　　　　　　　　　 /　 ./ :::::::::::::::::: | 　 ./　　　　　　　ヽ　　　　　ヽ
　　　　　　　　　 /　 ./ ::::::::::::::::::::::|　 /　　　　　　　　 |“，　　　ゝ
　　　　　　　　　　　　/}　./::::::::::::::::::::::::::|　,′　　　　　　　　｀} l　　　　｀

┌───────────────────────────┐
│つまる所、やる夫は少年であるが、同時に男性だったという事　　│
└───────────────────────────┘
375： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:54:42 ID:xmYTc7bo0: ┌────────────────────────────────┐
│やる夫は王女様に恋しておりました。そして、旅の中でそれは愛へ……　　　 .│
└────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　,　　　´￣￣￣｀　､
　　　　　　　　　　　　／__,､＿......＿　　　　｀､
　　　　　　　　　　　／/´_:｣ヽ―-　_:ﾊ　 ∨　　ヽ
　　　　　　　　　　/　 i´　ﾑ!　　＼　　｀∨∧　　　',
　　　　　　　　　./　　!　 |　|ﾄ,　ﾄ.　ヽヽ ∨∧　　　',
　　　　　　　　　i　 | .{　l,r=.!ﾄ∨l ﾔ T　トﾊ　ﾊ　　　!
　　　　　　　　　|　ﾊ ∨ ﾄ灯ﾊ Ⅵ "仟うiヽ!　ﾊ　　　!
　　　　　　　　　| '　|　|Ⅵ .ﾋﾘ　ヾ　ヒzﾘ　 ',　ﾊ　　 l
　　　　　　　　　{'　 |　| 从　 ,　　　　　　 rﾑ　 |　　 !
　　　　　　　　　　 /　 !/ﾊ　　　　 ,　　　 /ヽ!　　!　　 !
　　　　　　　　　 ./　　||!.　＼　｀　　 .　　!.:.:ﾊ　　!　　 l
　　　　　　　　　/　　/| i!　　＞‐≦＿_⊥.:.:.ﾊ　 l　　　!
　　　　　　　　./　　/ ｣ Lヽ_<.:.ノ　/　　　ﾉ､.:.:ﾊ　l　　ﾄ.
　　　　　　　 /　／/::i＼_ｰ'/,.ィ:只､　　　　｀ｰ ! .|―.､ ∧
　　　　　　 ./ ／ ,.:'::::::l　　　<ｲ/ |ヾ >　　　／! .l:::::::∨　＼
　　　　　　/ /　/::::::::::::l　　,/:/7ﾍ!:|´　　／::/:|　!::::::::∨　　＼
　　　　　./ /　/＿__／::Y´〈///:::|:.ﾄ､　／:::::/:::::!　|::::::::::∨　　　＼
　　　　 /　{　ﾏ―/::::::::::::::///::::::|｣:::｀´:::::::::{:::::::|　|::::::::::::∨　　ﾄ､￣￣＼
　　　　'　　|　　＼{:::::::::::::::{ {.{:::::::::::::::::::::::::::::}ﾆﾆ.|　ﾊニニﾆ>　　＼￣＼　ヽ
　　　 {　　 |　　　 {ﾍ::::::::::::|.|.!:::::::::::::::::::::::::::/:::::::::| 　 }::＞'´　　　　　＼　｀ヽﾊ
　　　 |　ﾊ.{　　　 }:::}｀ー::|.|.ﾄ....＿＿::／::/::::::::::/ｲ ,ﾘ　　　　　　　＼　ヽ.}

┌───────────────────────────────────┐
│ですが、ヤルオにとって王女様は女性であると同時に【王女】でもあったのです　　　...│
└───────────────────────────────────┘
376： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:54:56 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────────┐
│両親が他界し、一人になったヤルオ。彼は何時も、その内に孤独を抱えておりました　　....│
└─────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.イ:::::::::::::://!∧:ﾄ､::::::::::.:.:.',
　　　　　　　　　　　　　　　´〃::::::::://i/ ｌ! ヽ',ヾ'､::､:::::::'､
　　　　　　　　　　　　　　　 /ｌ:::::::://ｒｪｒ､i! < ﾒｨｪヾ',!:::::ﾄ!　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊiｌｒ‐!′　　　　　　　 `ｊｒ,ﾄ!
.　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌﾄ_ｌ　　　　ｌ .　　　　ｌ)ｊ!′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' ｌ'ｌ　　　ｒ====､　　ｌｒ'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　｀ー‐ '　 ,ｨ'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ-ｊ-＞､＿ ,.ｒ＜ｌ＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ　､ ∧!-､ｒ∧　　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,/ ｡ｌｌ i! ｌ∧ｌ/　ｌ　　 ,.ヽ､＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　,._､,;-‐''"´｀ヾ'､/　ヾ./　,.ゝ,.∠－－､＿_ｒ並ニヽｒ=ｒ--､＿＿,.
　　　　　　　　 _,.ィ'"´7./　　　　　　　　ｒ'ﾍｒｆヽ　､,.､　　　　　　｀ｌ　　　　ｌ!
　　　　　　　 /　ｌ'´　//　　　 _.　　　　 /.　{ｌ ! ｌ,.　⌒!　　　　　　　ｌ　　　　ｌ!
　　　　　　　ｌ　　!　//　　　 //　　　 , '.　　}ｌ.ヽ､｀¨ソ　　､＿ノ　　ｌ　　　　ｌ!
　　　　　　　ｌ　　ｌ　ｌｌ　＿(ｒ-)__　 , '　　　ヾニｙ'´　　　　,.イ´T`ｌ　　　　ｌ!
　　　　　　ｒ‐!　　ｌｌｌ　　　/‐/　　/　　　　　（　ｒ'クｪﾆｒ几　ｌ　ヾｌ＿＿_〃
　　　　　　〉､ヽ　ｌ! ｌ　　 / ,ｲ　 , '　　　　　　｀´〃　　ｌ!　　ヽ､　　/　　＞―---､

┌─────────────────────────────────────┐
│そして、そんな自分を救ってくれたのは王女様……そして、王と王妃。つまりは王国　　　 │
└─────────────────────────────────────┘
377： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:56:24 ID:xmYTc7bo0: 　　 ┌────────────────────────────┐
　　 │そう、彼は王国を崇拝していたのです。神よりも、何よりも……　　　.│
　　 └────────────────────────────┘

.　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　ヽ
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.　　　　　　 ,　,　　　　　　　　　　　　　　　　',
　　　　　　　　i　ゝ￣ ''ー-　　　　　　　　 !
　　　　　　　 {　　 {＿_ 　ヽ　　J　　　　　　 }
.　　　　　　　 ', 　　ﾏj　￣ﾉ　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　ゝ　　｀　 ´　　　　　　　　　 ∠ ＿
　　　　　　　　 { i　　　　　　　　　　　　 ,ｨ´::::::::::::::｀ヽ
　　　　　　　ゞ.､＿　　ﾉ　　　　　ィ/:::::::::::::::::::::::::::＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　 }:::::::::::, ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.,
　　　　　　　　　　　　　　　　 j:,ｨ彡:::::::::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
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　　　　　　　　　　　　　　　 /　ゝ.::::::::::::::::::::,.ｨ´:::::::::::|　　|　　　　　 !

　　┌──────────────────────────────┐
　　│そして、王族は彼にとっては神など比較にならないほど上の存在…….......│
　　└──────────────────────────────┘
378： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:56:34 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────┐
│故に、ヤルオは愛していながらも王女を抱く事ができませんでした　......│
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　_　 -――――-　 _
　　　　　　　　　　　　　　,　　´　　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　　　／　　 /___.....-――-....._　　　　　＼
　　　　　　　　　　／　　　/´_.:＞ｧ´｀ヽ―＜.:｀x. 　　　＼
　　　　　　　　　　/　　　　/´　∧/　　　　ヽ　｀ヾ　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　 /　　　　 '　　/ﾑ!　　　　　 |　　　ﾊ　　 ',　　　i
　　　　　　　　 /　/ 　　 !　 /　 | i!　　　 .ﾄ,　i!　 !　　 |　　　|
　　　　　　　　i　,ｲ　　　.|　 |　　| ﾊ　　＿|｣　ﾊ　|　　｜　　 |
　　　　　　　　|./ |　　　 |　 |／´｢|∧ 　　　| |｀ト!､ｌ　　 .!　　 |
　　　　　　　　||　.!　 .　　|／|　　.N　＼　　! }/　| |｀ヽ　!　　 |
　　　　　　　　{'　.∨ |　 ∧　xチぅミ､　　ヽ/ィチぅﾐx　　.!　　　l
　　　　　　　　　　 ∨iﾄ.　 ∧`弋z刈　　　　込zン!´　　!　　　|
　　　　　　　　　　　 Ⅵﾊ　ﾄゝ///　　　　 ///,ﾘl　　　!´ｱ　 !
　　　　　　　　　　　　|ヾﾄ, .ﾊ＼　　　　!　　　　 ,.ｲ　　/.:./　　|
　　　　　　　　　　　,.⊥.⊥|　ﾊ__≧i ､　^^　 . イﾄ.:!　　!´￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　/:::::::::::::::|　　}､.　!＼｀¨´　　,.!ﾉ||　　|:::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　./::::::::::::::::::!　,ﾘ　ヾヽ　｀i　f ´　 .ﾉ!　　!::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　／!:::::::::::::::::ﾉ　/　　　　＼∨＿／　∨　!::::::::::::::::::::::|
　　　　　　.／／|::::::::::::／／　　　［二只二］　　　＼＼:::::::::::::::::|
　　　 .／／::::::!::::::／ ,.ｲ　　　／//介|:ﾄ､　　　　　iヽヽ. ::::::::::|
　　　／／::::::::::::::／／:::|　　／::::〈///::|｣::::＼　　　 |::ﾊ　i::::::::::/＼
　　/　ﾄ､::::::::::／　/:::::::::l　／:::::::::::::||ｉ'::::::::::::::::::＼　　!::::|　|:::::::/::::::::ヽ
　./　　.ﾄ､＼_/ｲ　 |:::::::::::l／::::::::::::::::::|||:::::::::::::::::::::::::ヽ. |:::::!　!::::/:::::::::::::ﾊ
..//|　　!＼ｰ'::/ 　 !:::::::::::::::::::::::::::::::::::|||:::::::::::::::::::::::::::::::::::: |　|ニニニ´..ｲ
// {　　|　.|＼|　　ﾊ :::::::::::::::::::::::::::::::::|||::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　.!:::::::::::::; イ
!.|　|　　!　.!　 | .从::::＼ ::::::::::::::::::: ／||ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::/　 /＿:; イ|　|
!.|　|　　|　.!　＼乂ゝ:::::＞r―‐＜::::::|||::::＼::::::::::::::___／　 //　|　 .ﾘ　.!
!.|　∨ ∧ |　　　∧::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::〈《::::::::::￣￣/イ,.イ／/ 　 !　　　/
!.|.　 ∨　ヾ　　 {　}::::::::::/:::|::::::::::::／人＼::::::::::::/::/'／'::::/　　 |　　 /
| !　　 ∨　　　　|　ﾄ､:::::::::::∧ニﾆ.／: : :＼ニニi:::::::::::::::::::|　　 .i!　　{

　　　┌────────────────────────┐
　　　│求められようと、それに答える事はできない……絶対に　..│
　　　└────────────────────────┘
379： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:57:45 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────┐
│そして、王女を愛しければ愛しいと思うほど、　　......│
└─────────────────────┘

　　o　　　 _　-――_...ニニ.._―-　_　○
〇　　 .／　 ,..r‐＜＿＿＿＿≧x　｀　､
｡　／　／＞|　　　　　　　　　｀ヽ　　　＼
　／／ /'´ ﾄ､.l　　{　　　　　　　　ﾊ　u　ヽヽ
./ ｲ　 .'　 | |＾´∨∧　　ﾄ､＼　　　 ,イ　　　i ﾊ
{' / /　!　.i! !　　∨ﾊ　 ∨＼＞＜　|　　　 |　|
./ /|　 ! ｀|ﾄ|　　　＼ト､　 X´,ィ―-ミ! 　　 |　l
|./.｜ .|　 |N`ー―__ ////////////!　　　 l　|
{'　 |　 !　N　/'￣￣////＞―く　　 .!　　　 |　!
　　|　 |　　|//////＞ ´　　　＼ /　　　,ﾘ　|
　　|　∧　.|.　　〈´:/　　　　　　 }　　　/　∧　ﾟ〇
　　∨　ﾍ圦し　V　　　　　　ノ　　 ∠__　 ∧
　　　∨　.!.!＼　ヽ　　　　 , r＜/　　/:::::::::::ヽ. ∧
　　　　＼从　 |￣:＼￣￣ヽY.／　　i'::::::::::::::::::|　　＼
｡○　　　 |　　|::::::::::::ヽ　〔况/__　　 {ニニニニ>　　ヽ
　　　　　./　 <ニニﾆ彡ヽ/{7―､∨/{:::::::::::::::::/　ヽ　　ﾊ
　　　　 /　ィ7 ＼::::::r―く）::{ニ　　}Tヽー＝::f ＼　 } ./　i!
　　　　i／///　| ∨{　ニ}::::Tヽ_.ノ/:::::}}￣ヾ|＼ヽ/∧　||
　　　　{!/　| !　ﾊ. |∧　ブ:::::|||::ヽ/:::::〃:::::::::} 　} /∧ }.〃

┌────────────────────┐
│それに答えらない事が、何よりも辛い……　　　 .│
└────────────────────┘
380： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:58:18 ID:xmYTc7bo0: 　　　　┌────────────────────────────┐
　　　　│自分の運命を知りながらも、真実の愛の為に戦い続けた勇者　　　..│
　　　　└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　＞　"￣￣￣x…、'く
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　!.　　 |.　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /.　　　　　　　 |　　　!.　　　',
　　　　　　　　　　　へ､|　　　　　　 !　　 │.　　　',
　　　　　　　　　　　　　　│　 ∨　　　─　　　│　　 |.　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　ﾍ　〈＿＿_.　＼|　　 │　 ´　〉
　　　　　　　　　　　　　 '、　　ヽ〈弋llﾊﾐx ,}|　　　!／＿ﾉ|
　　　　　　　　　　　　　　　　 '、　　ヽ　¨¨　　　|　　　|磷ｲ/　ｌ
　　　　　　　　　　　　　 |ヽ　　　ﾍ . Y.　　│　　│¨¨　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　', ヽ　　ﾍ.乂___,ｨ|　　　',ﾉ.　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼冫　　　＼￣ｧ　　_..- ヽ／
　　　　　　　＿　　　,.._--―‐‐/＾≧',　　　　￣　　　　　 ',
　　　　　　ｲ　　＾ヽ<　　ー''‐.　＼　〉　 _ノ　　　　　　　.ｨ＼
　　　　　　　ヽ､　　　`＜_　｀y=‐-ソ　　''´　　　　　ノ│　　＼_
　　　　　　　　｀''-.._　　　｀'''ｰ-イ　　　　　　　　／／　　　　　￣¨'''''¨￣￣￣￣¨ﾒ.
　　　　　　　　　│　＞..,,　　　　　/!　　　　/　／　ｧ　　　　　｛　　　　　,'　　　　　　.ノ’
　　　　　　　　　　!　　　　 /ｌｌ､ _/゛　　　　l／　　│　　　　　　､┌―――一…'''´
　　　　　　　　　　|　　 -∧｛ﾉ゛　　　　　.//　　　│　　　　　_.／　',
　　　　　　　　　　ﾚ／　　ノ　　　　　　　,'　　　　　ｌ __......-‐''ﾏ　ｉ! k|
　　　　　　　　　　ヽ _...‐"　　　l　　　　ノ　　　　_,‐７/l!1ﾇ≧.,,ﾙ　ぃ {
　　　　　　　　＞‐''"´　　　__,,丿　　／　　　／　.//､川 i`ヌ三三≧‐- ､
　　　　　　ｲ__　　　 ..-‐⌒　､｀¨―ｰ…''''",'/　 //　ﾍ! || |　　l|ｌ''＞ヌ三三≧ｰ- 、
　　　　　　　　￣￣釗　　　.　､＼ヽ>ヽ≦'　／∧　 ',!l |　　 i|ﾉ |!│　　マ三三≧､
　　　　　　　　　　　　1　│/　／＼＼ヽ_彡イ　　 ∧　川　　ﾘ　礀ヽ､　　　マ三三ﾑ

　　　　　┌─────────────────────────────┐
　　　　　│それが、この国の……国であった頃のこの場所でヤルオの評価……..│
　　　　　└─────────────────────────────┘
381： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 20:58:30 ID:xmYTc7bo0: ┌────────────────────────────┐
│女王となった王女の妹君が、ヤルオの罪状を取り消した時に　　　　│
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　 __ ..　 -　 .._
.　　　　　 _,｡cＯOコァｧco｡,__　　　　＞､
.　　　　　　rﾀくｎＫ/⌒Y⌒Ｙ三Ｖ葵ぅ､　ヽ　　＼
. 　　　 rﾀcｊ {} r(｢Lフ-─　‐-=＜⌒癶　' ,　', ∧
.　　　ｆｿヽcっ-'´　　　＼＼. 　｀ヽ,心　',　,　∧
　　　ｆｋく／ |　l　　　　＼　＼ヽ　　 |Ｎﾊ. i　|　 ∧
.　　　　}Ｎ/ / ∧ l|　　　　　＼　＼∨　ｌ| Ⅳ│ |　l　l'.
.　　　　}トi　|　l　} | 　l| 、＼ヽ＼　 ∨　│ V＾ヽ. l| l !
　　　ヽ|　|　l　|/　 l|　＼＼＞へ、_V　l|　 |/ ハｌ| | l
.　　　　　.V ｌ　　/ヽ　ｌ|＼,ィ´ ＼　＿　ｉ　l|　 |､ﾉ　〉│|
　　　　　　Vl ,∠ll__ ＼!　　　,zィﾁｧﾉ　|　l　 l|ノ /ｌ|│l!
.　　　　　　＼{　＿ヽ　　 ´ゝ┴'　　 !　|l　l|イ　lｉ | |l
.　　　　　　　 |｀ヽｔﾋｿ　　　　　　　　　！ |l　ｌ| ∨ l | |ｉ
.　　　　　　　　| |ｌﾍ　　|　　　　　　　　　l　|l　ｌ|　∨l ヽ{
　　　　　　　 | |l l ﾄ､ヽ　　　　　　　！ l　 | 　ヽ＼＼＿＿
　　　　　　　　 | |ｌ∧　＼　‐ -　　　／ l│　|　　　＼_￣￣__ヽ＿_
.　　　　　　 | |l　ｌ＼　｀ー-､ _／｀ヽ l |l　l|　　　ｒ':::￣／:::::::::::::::＞､
.　　　　　　　 | |l　|　|＼　　　　＼∨::::<|i|　ｌ|　　　ノ::::::::/:::::::::::／￣￣ヽ
　　　　　　 | |l　|　|　＼　　　　 |::::::<|l|　ｌ|　 _ｒ'::::::::::/::::::::::/
　　　　　　　 | |l　l　| /　 {ヽ---‐::〉ヽ:::|ｌ　ｌ|_ｒ':::::::::::::/:::::／/
　　　　　　　　 | |l　l　!'　　ﾄ:::::::::::::::i＼:::|ｌ　l|:::::::::::;:::'/::::´:::/
　　　　　　　　　| |　l　|',　　 |::::::::::::::::|::::__|l　ｌ|:::￣::::ノ´:::::::/

┌────────────────────────────────────┐
│多少着色されたというのもありますが、真実とはやはり、そのままでは伝わらぬ物　　　 │
└────────────────────────────────────┘
382： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:02:56 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────┐
│ヤルオは勇者ではありません……王女の前では弱さを見せずにいた彼も　　　 .│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿
　　　　　　　　　　　　　 /　　　｀ ,
　　　　　　　　　　　　　 { 　　　　　｝
　　　　　　　　　　　　＿_rﾆ二二ミﾒ､_
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　　　　　　 /:.:.:.:.V:.:.://:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ハ
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　　　　　　　　　　　｀T「￣|￣「 T`ミ〒彳
　　　　　　　　　　　　||＿_j　 |　|　　 |　|
　　　　　　　　　　　　|　　　 |　￣´　 |
　　　　　　　　　　　　|　　　 |　　　　　|
　　　　　　　　　　　　|　　　　〉　　　　 |
　　　　　　　　　　　　j　　　〈　　　　 |
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　　　　　　　　　　 |　　　 |　　　　 |
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　　二ﾆニ三三三三=|　　　 |　　　　 |
　三三三三三三三=|　　　 !　　　　/
　　＼三三三三三三ヽ＿,.〈＿___,.イ
　　　　　￣￣￣ ‐＝ﾆ三三{　　ヽ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿／

　　　┌────────────────────────┐
　　　│歪みはあれど、普通の悩み多き少年なのですから……......│
　　　└────────────────────────┘
383： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:05:10 ID:xmYTc7bo0: ┌───────────────────────────────┐
│ですが、誤解なき様に……愛する人の前で片時も弱さを見せなかった　　　│
└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　／＼　／＼
　　　　　　　　　／ (●)　 ( ● )＼
　　　　　　　　　/:.　　　(__人__,)　　　ヽ
　　　　　　　　 /::::...　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　|::::::::::....　　　　　　　　/
　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::....,,,ｨ-ｲ￣´|_
　　　　　　　　　/　;;ｨ"ﾌ´／　　(;/＼,,＼
　　　　　　　　／ヾイ´〉Ｙ /　　　 ,i人 .ヽゝ、
　　　　　　　 (ヽﾉ　　 / ,,/,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;〈Ｘ,,;;""ヽ,
　　　　　　　　ヾ(　,,,;;;((　ﾉﾉ"　　　　;ﾍ,,〈_,　,ノ
　　　　　　〈ｲ〉""(ヽ　　,;;;／￣￣＼〉
　　　　　　　Ｙ/　　ゞヽ　,ﾉ　　　　　　>
　　　　　　　,〈______;;λイ＼　　 ,,,;;;;;;;;ゞ‐┐
　　　　　　　 ∨　 ;;;;;;;ｿi⌒ ゝ‐""　　;;;;;;;;;;〈
　　　　　　　　 └r,;;;イ'"">　　〉;;;＞∠ー｀く
　　　　　　　　　_,,ゝ-ゝへ〈,,,,,,,,,,｝;;;;　　　""""＼
　　　　,,,,;;;;;;;;;;;;;（::::::;;;;:::::;;;;;」;;;;;;;;;(;;___ 　　　　___）;;;;
　　　""""""""'''''''':::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''''""￣

┌─────────────────────────────┐
│それもまた彼の本質です。弱さも強さも、誰もが等しく心に宿す物　　....│
└─────────────────────────────┘
384： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:05:25 ID:xmYTc7bo0: ┌────────────────────────────────┐
│弱さを知り、尚、その人を愛せるなら……それは真実の愛と言えましょう　　　.│
└────────────────────────────────┘

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　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',
　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .
　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　.
　　　　　　　　 '.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　 __',＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　　ﾉ
　　　　　　／二二二二二二二二二二二二二二二二ニ＼　／
　　　　／二二二二二二二二二二二二二二二二二二二}／
　　　　 }二二二二二二二二二二二二二二二二二二ニﾆ∧
　　　　 i二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ

　　　　┌────────────────────────┐
　　　　│強さだけを見て、盲目になってはならないのです……　　....│
　　　　└────────────────────────┘
385： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:05:35 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　　／　￣　｀　.
　　　　　　　　　　　　　 /／￣￣＼　＼
　　　　　　　　　　　 .　　　ｌ ┌　､ )　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　 | /::|　ｌ　|::::: |/⌒ .ｌ　　貴方の愛はどちらですか？
　　　　　　　　　　　　　　　| |:: ＼／ :::::| 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　| !､::::::::::::: ／　　|　　　目がさめた時、是非ともお聞かせ願いたいです
　　　　　　　　　　　　　　　| 　l::::::::::::| 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 ',　}:::::::::::{ 　　,r'´　　　　
　　　　　　　　　　　　　.　＜∨ ＼／　／＞　. __
　　　　　　　　　 .　＜　　　　` ー─ｲヽ　　　／＞　.
　　　　　　　／　 |　　　　　　|　　/　　　　　　 | /　　　＼
　　　　　　 /　　 :|　 l￣',　　:|　　|　／￣/　 :|ｲ　　　　　ヽ
　　　　　 l＼　　:|　　＼＼ :! 　 !／　／　　 |ｌ　　　＞"´ｌ
　　　　　 |　＼ :|　　　＼　　　＿／　　　 :|＞"´
386： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:05:48 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　 .　　　　￣￣　　　　 ._
　　　　　　　　　　 .,　 ´　　　　　　　　　　　　　｀　､
　　　　　　　　　／　　　　　　　_ .....-,､―-..... _　　　＼
　　　　　　　　/　　　　　　,..＜.:.:.:.:_/　＼‐-　 _ヽ.　　　ヽ
　　　　　　　./　　 /　 /´.:.:＞ ´　 .'　　　　　　　｀ヽ　　　ヽ
　　　　　　 /　　 ./ 　 l:.／　　 ∧. !　　　 | ',　ヽ　　',　　　ヽ
　　　　　　.'　　　'　　 l'　　　| /ヾヽ!　　　 |　l 　 ',　　',.　　　 ',
　　　　　　|　　　|　　 |　　　,l l`^^"| !　　 .|　 !　　',　　',　　i　 !
　　　　　　|　　　|　　 |　i　./｣l_＿_｣_ﾄ､　　ﾄz=ﾄ=-､!　　! !　l　.|
　　　　　　|　　　i　　 .!.,ィ´i　{　　　l l　∨ | ＼{ ヽ |　.! | |　.ﾄ, |
　　　　　　|　　 .ﾊ　　 l　| .!　　　ﾍ!　 ∨!　　　 }ﾊ .|.|| |　| } !
　　　　　　|　　ﾊ|　　ﾄ､ﾍL＿＿zｧ　　　ヾｰ=≠' ハﾊﾘ ,!　! ﾘ
　　　　　./|　 /　 l　　.ﾊヽゝ.　　　　　 i 　　　ﾊ/./' /.! //'
　　　　 / .|　/_,r'ﾊ　　!ﾊ､　　　　　　 '　　　 ,ｲ　 'ｲ/　|/
　　　 ./　／.:.:.:.:.∧　! ﾊ' iヽ　　　　ー '　　／.!!　　/'　/'
　　　/　<.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ |　.ﾊ'‐ ､_｀　　 _　 _,.イ.:.:｀|!　　!
　　./　　ﾊ.:.:.:.:.:.:.:.:.:._|!　　ﾊ　　｀　ー､｀/,ノl_.:.:.:!　　 |
　 /　　/ 〈.:.:.:.:＞ ´ .|　　 .ﾊ､　　　　 V .ノ　｀ |　　 |
. /　　/　　> ´　　　 |　　　 |　｀ー-　{´　　　 |　　｢｀ー､

　　　　　　　　　　　　　　　　 .　´ ￣　｀ヽ
　　　　　　　　　　　　／　／￣￣ヽ',　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ　 /　.ｨ┐ ｌ　　　.　　　
　　　　　　　　　　　　　　ｌ⌒ヽY :::::|　ｌ　|ヽ |　　　　……なるほど、言うまでもないと
　　　　　　　　　　　　　　|　　 |::::: ＼／ ::| |　　　
　　　　　　　　　　　　　　|　　＼ :::::::::::::ノ |　　　　そんな表情ですね。
　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 |::::::::::::l　 |　　　
　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　 }:::::::::::{　/　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ,. ィ二＼　＼／　/＞　.
　　　　　　　 .　＜￣　　　　　　 ` ー─ｲ　　　　＞　.　　
　　　　　／　　　ヽ　　　　　　　　 ',　|　|　　　　　　|　＼
　　　　 /　　　　　 |　　　┌─､　 |. |　| 　ィ￣/　|　　 ∧　
　　　 |＿＿　　　 l　　　 ', 　＼ .|. |　l　 /　 /　 .|　　　∧
　　　　/　　　丶　 |　　　＼　　＼.|　l／／　　 .|　　／',　
　　　 |＿＿　　＼|　　　　＿` ー┐　ィ ´ ＿　　 | ￣　＿ｌ
　　　　/　　｀＜　.|　　　＼＼　.ｌ l　| ノ　／　 |＞ ´|　 |
387： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:08:13 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　　／　￣　｀　.
　　　　　　　　　　　　　 /／￣￣＼　＼
　　　　　　　　　　　 .　　　ｌ ┌　､ )　　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　 | /::|　ｌ　|::::: |/⌒ .ｌ　　……さぁ、今日は此処までです。お聞かせしたいお話はありますが
　　　　　　　　　　　　　　　| |:: ＼／ :::::| 　　|
　　　　　　　　　　　　　　　| !､::::::::::::: ／　　|　　私も大分年寄りになってきましたので……
　　　　　　　　　　　　　　　| 　l::::::::::::| 　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 ',　}:::::::::::{ 　　,r'´　　　お話はあと２つ。それが終われば、最後の本を開きましょう……
　　　　　　　　　　　　　.　＜∨ ＼／　／＞　. __
　　　　　　　　　 .　＜　　　　` ー─ｲヽ　　　／＞　.
　　　　　　　／　 |　　　　　　|　　/　　　　　　 | /　　　＼
　　　　　　 /　　 :|　 l￣',　　:|　　|　／￣/　 :|ｲ　　　　　ヽ
　　　　　 l＼　　:|　　＼＼ :! 　 !／　／　　 |ｌ　　　＞"´ｌ
　　　　　 |　＼ :|　　　＼　　　＿／　　　 :|＞"´
388： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:08:25 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼　　　　　　　忘却は罪ではありません
　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　ですが、忘れてはならぬ事があります
　　　　　　　　　r´ ´＼　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 (　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　だから、私は語りましょう
　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　／　.＼
　　　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　／　　　＼　　　　この一生、捧げることになろうとも……
　　　　　　　　　　　＼　　　＼　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　＼　　　　＼　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　＼∠＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　　　　　　＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　　　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ
389： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:08:36 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　貴方が目覚めた時……　　　　　　　　　　　　　:::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　貴方が正しき道を選べる様に―――　　　　.:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　　　ｒ'⌒'´　｀ヽ、
　　　　r´ ´＼　　　　　　　　　　　＼　　　ヽ　　　　　ﾉ
　　　 (　　　　＼　　　　　　　　　　　＼　（、　,　　　）
　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　　　　＼/／⌒ ｰ'
　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼ﾊﾟﾀﾝ
　　　　　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　＼　　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　＼　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　　　　　　　＼　《三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ

　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────
　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ありふれた御伽噺　　「ある少年のお話」　　　　　　終わり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─────━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
390： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:09:13 ID:xmYTc7bo0: このまま、もう１話。
391： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:09:50 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　_
　　　　　　　　　（(tｭ)）
　　　　＿　　,, ‐,,=＝―=‐,- ､、_
　　 l´　ｌ｀,)）,／　　12　　　ヽ（｀＼
　　　ゝ-‐､ /　　　＼,||　　　　　' ヽ　ヽ　　時計……時間を示す物
　　 /　,- '_l　9 　　 ‘'､、　 ,3　ｌ　l　　l
　　ヽ／　ﾉ、　　　　ヾ'　　 ,/　:!　　l　　懐中時計が片手に収まる大きさなのは
　　　〈　ｌ´ ノ､、,,_　6　　 _,／ .::/　　l
　　　　 `ヽ　ヽ:．,,＿二二;;;;;:::．''　　　ヽ　人は時間すら支配という傲慢の表れなのでしょうか？
　　　　　　　,　''¨´￣‘―‐'　￣｀¨　、　　＼
　　　　　 l'、::::....　　　　　　　　..:;ﾉ　-―‐- ､
　　　　　　　ヽ ,''_－--　　--－_'',ノ―:::::::――-､
　　　　　　　　　￣g￣￣ l,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　g　　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　 g　　　､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
392： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:10:02 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　､_,　ﾊﾟﾁﾝ
　　　　　　　　　）　（　 //〃　,, ‐､
　　　　　　　　　　 ⌒　_ _ ,,-､‐､-,_　＼_　　　＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　,rf´‐/ ,ﾉ ,/ ,ﾉ ,l‐｀,＿l ￣/::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　ならば、この時計の様に止まった時計は
　　　　　　　　　　f, ￣ヽ,,＿　　￣　＿,, |::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　 f,　　　　　　￣￣￣　　ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::　　　　何を示すのでしょう？過ぎ去った刹那、帰らぬ時間
　　　　　　　　　　 f,　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　g,　　　　　　　　　　　　　　｀　――　---　　　　　あの頃で全てを止めてしまいたいという願望
　　　　　　　　　　　‘g,
　　　　　　　　　　　　‘g,
393： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:10:23 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　　　　　　　　／　￣　｀　.
　　　　　　　　　　　　　 /／￣￣＼　＼
　　　　　　　　　　　 .　　　ｌ ┌　､ )　　ｌ　　　幸せなあの瞬間を永遠にという願い……
　　　　　　　　　　　　　　 | /::|　ｌ　|::::: |/⌒ .ｌ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　| |:: ＼／ :::::| 　　|　　　ですが、それは叶わぬ事です
　　　　　　　　　　　　　　　| !､::::::::::::: ／　　|　　　
　　　　　　　　　　　　　　　| 　l::::::::::::| 　　　　|　　　生きる事は時計の針を進めるという事
　　　　　　　　　　　　　　 ',　}:::::::::::{ 　　,r'´　　　　
　　　　　　　　　　　　　.　＜∨ ＼／　／＞　. __　　そして、人は一人では生きられない
　　　　　　　　　 .　＜　　　　` ー─ｲヽ　　　／＞　.
　　　　　　　／　 |　　　　　　|　　/　　　　　　 | /　　　＼
　　　　　　 /　　 :|　 l￣',　　:|　　|　／￣/　 :|ｲ　　　　　ヽ
　　　　　 l＼　　:|　　＼＼ :! 　 !／　／　　 |ｌ　　　＞"´ｌ
　　　　　 |　＼ :|　　　＼　　　＿／　　　 :|＞"´
394： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:10:35 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────┐
│なぜなら、一人の命は別の命に繋がっている。その命もまた別の命に……　　....│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　 □□□□□□□　　□□□□□□□
　　　　　　　 □／　ⅩⅡ ＼□　　□／　ⅩⅡ ＼□
　　　　　　　 □ 　　┃ 　　□　　□ 　　┃ 　　□
　　　　　　　 □Ⅸ 　･　 Ⅲ□ 　 □Ⅸ 　┗━Ⅲ□
　　　　　　　 □ 　　　　　□　　□ 　　　　　□
　　　　　　　 □＼　 Ⅵ 　／□　　□＼　 Ⅵ 　／□
　　　　　　　 □□□□□□□　　□□□□□□□
　　　　　　　 □□□□□□□　　□□□□□□□
　　　　　　　 □／　ⅩⅡ ＼□　　□／　ⅩⅡ ＼□
　　　　　　　 □ 　　┃ 　　□　　□ 　　┃ 　　□
　　　　　　　 □Ⅸ━┛ 　Ⅲ□　　□Ⅸ 　┃　 Ⅲ□
　　　　　　　 □ 　　　　　□　　□ 　　┃ 　　□
　　　　　　　 □＼　 Ⅵ 　／□　　□＼　 Ⅵ 　／□
　　　　　　　 □□□□□□□　　□□□□□□□

　　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　　│それを人は縁と呼ぶのです……これは、そういうお話です　　....│
　　　　　└──────────────────────────┘
395： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:11:11 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌───────────┐
　　　│昔、昔、とても昔……　　 .│
　　　└───────────┘

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　_ 　 _／///////＼_ 　 _
　　　八_/////////////∧_八
　【三三三三三三三三三三三三】
　　|:|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |:|
　　|:|: : : |□□□■■■■|: : : |:|
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　【三三三三三三三三三三三三】
　　　　 ∨////////////////
　　　　　￣＼///////／￣
396： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:11:39 ID:xmYTc7bo0: ┌──────────────────────────────┐
│その日の王女様は顔を上気させ、どこか体調が悪そうでした……　　　 .│
└──────────────────────────────┘

　　　 /　　　/＞ ´|　　　 `￣｀　＜.:.:.:.:.:｀|　　　　　 l　　　 ',
　　 /　　　./´ 　ﾊ!　　　　　　　　　｀　＜!　　　　 |　　　　i
　 ./ 　　 /　　　'　!　　　　.′　　　　　　　l　　　　 !　　　　|
　.′　　 /　　 /^^|　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　|　　　　.|
　i　　　 .′　　l　　 !　　　 l　　 l　　　 i　　 ! 　　　 |　　　　 !
　|　　　.i　　　_|_　　l　　　ﾄ,　　l　　　 l　　.|　　　　　!　　　 |
　|　/　 {　　　N ｀ヽ､!　　　! ﾍ i ﾄ､　　 |　　|　　　　　!_　　　　!　　だ、大丈夫です
　| ﾊ　　l　　　l/笊＞ﾐﾄ　 l ._｣斗ャ―ﾄ.　｜　　　　lﾍヽ　　 !
　{'　∨　l ﾊ　 ...i:::::.::::iヾヽ　｢::: ィ笊i云x! l. ｜　　　　ﾄ }　}　　l　　大丈夫……
　　　.∨ {'　i∨.弋:::ソ::::::::ヽ!::: : .i::::.:::::}ヾ＞.!　　　　 l　 ,ｲ　　l
　　　　∨　 ! ヽ!:.""".,:::::::::::::::::::.乂__ソ.."| .,|　　　　 l＜_　　ﾊ
　　　　 ∨ |　圦　　〈　　　　　 .."""　.' / !　　　　l､.:.:.:..｀.:.:..､',
　　　　　　ヽ!.　　＼　　　　　　　　　／´　′　　　l.:.＼.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　　　　|　　　　＼...`'' -‐" 　　　 . /　　　　 l.:.:.:.:.＼.:／　∧　
　　　　　 __.｣　　　　　}_＼　　　 _　-　´ /　　　　　ﾊ.:.:.:.:..:.:.>　　 ∧
　　　x≦三/!　/　　./　　｀fi爪　　＿ /　　　　 ! ヽ＿／　　　 ∧
　　/三三/　|/　　 /　　　　| |/ ｢　　./ 　　　　 |　　　　￣￣｀＞､',
.,∠三三=!　/　　 /　　　　　ヽV　　./　　　　　　　|　　　　　　x≦三≧x

┌─────────────────────────────────┐
│そう、過酷な旅で弱りきっていたのか。王女様は熱を出してしまったのです　　　 │
└─────────────────────────────────┘
397： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:11:56 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────┐
│これは不味いとヤルオ。普段なら避けて行く町へ王女を背負い、　　.....│
└─────────────────────────────┘

＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　 .へ
.:.:.:＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_. イ:i: ＼/　　ヾ:
.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　　　　　　　　　 /^{:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼　　 vﾍ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:., 　　　　　　　　　／.i:i:i:i:i:i:i:i:i:､:i:i:i:i:i＼　 V:ﾍ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　　 {　／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＼:i:ヽ:∧｀∨∧
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼　　　　　　 /{/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ／^ヾ＼ﾊ^ヾ　V:ハ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≫..,_ _,.≠.:.:.:. .:. : i i:i:i:i:i:i:i／　　　　　　　　　＼:{
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:. : . i: :i:i:i:i:i:ii／
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:. . : .:i:i:i ／;
'"^＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: . .:. :.i／
　　　｀ ≪.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . '′ . |＼
＼　　　　｀ ≪.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.彡....　　| ./
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /′　　 />.　　　　　　＼、　　　　 i|
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─────　　‐‐‐‐─　‐　‐‐──　　　──────　──‐‐‐─　‐　‐‐──

　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　│我先にと駆けて行き、宿屋へ向かいました　　　..│
　　　　　　　└────────────────────┘
398： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:12:08 ID:xmYTc7bo0: ┌───────────────────────────────────┐
│残念ながら、医者にかかるほどのお金はありません……しかし一晩程度なら、　　　...│
└───────────────────────────────────┘

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ、＼
　　　／（ ●）　（●）.＼　　　　
　／　　　（__人__）　　u. ＼
　 |ｎi 7　　｀ ⌒´　　　　.　|ｎ
l^l | | ｌ ,/)　　　　　　U 　l^l.| | /）
', U ! ﾚ' /　　　　　　.　.　| U ﾚ'/／)
{　　　〈　　　　　　　　　ﾉ　　　／
..i,　　　."⊃　　　　ｒニ　　　 /
　."'""⌒´　　　　　　　`''""''''

┌────────────────────────────────┐
│なんとか王女様が休むだけの部屋なら借りられるかもという思いでした　　　　│
└────────────────────────────────┘
399： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:12:20 ID:xmYTc7bo0: ┌────────────────────────────────────┐
│しかし、その願いは叶わず……必死の嘆願にも宿屋の店主は首を縦には振らず　　　 .│
└────────────────────────────────────┘

　　　　　..＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　｢　| | |　 | | |.　 | | | 　 | | |　 | | |　　///　///＼
　　　　　＼ | | |　 | | |　 | | |　 | | |__,-‐､|　 ///　///　/.|
.　　　　　　＼,ﾍ、. | | |　 | | |　|_l-'　　:::::＼/// /// .///|
　　　　　　　/　ヽ、| | |　|_l l-'　　　　　 ::::＼./// .///.│
　　　　　　/　　　　` ‐-‐'　　　　　　　　　　:::::＼ ///　　|
.　　　　/l＼　　　ヽ､ __, -‐' ￣　　　__,-‐ll´＼::::〉＿＿_│
　　　　＾l＼lｌ＼　ヽ､＿ , -‐'　 __,-‐ll　_ll-'´￣::/ ──‐ |
.　　　　|　　＼ｌｌ＼　　　　 _,-‐'　ll _- '　　　::::/ ￣￣￣│
　　　　 | _二二＼ll||　　　||l＿ll二二二＿　 ::::| 　/⌒i.＿|
..　　　　| ￣￣￣o >.......≡￣￣￣o￣￣　　:::|:ミ|ｌ⌒:|─|
　　　　｜｀ ‐--／.:::::::::　　｀ ‐---‐ '´　　 :::|　|l⌒l.|￣|
　　　　｜　､＿/,::::::::::::::::　､_　　　　,ノ　　 :::::|: ||⌒l.|＿|
　　　　｜　　 /,::::::::::::::::::::　　￣￣￣　、　:::::|ﾐ||ノノ ─|
　　　　｜／./,::::::::::::::::＿:::）　　 `‐--- ､＼ ::::|.|`‐'￣￣|＼
　　　　│　,_Ｌ　　　　　　　　　＿、＼　 ::|| l、＿＿|:::::＼
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┌───────────────────────────────────┐
│ほんの僅かにお金が足りないという理由だけで、ヤルオたちを追い出しました　　　　.│
└───────────────────────────────────┘
400： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:12:39 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　　　│熱を下げる薬草はあれど、そもそもの原因は疲労……　　　.│
　　　　　　└─────────────────────────┘

　　　　　　　ト． r匕イ│　|　　　　　　　　|
　　　　　　　　　V　| | |　　 |　│　　　　　 .
　　　　　　　　　Ｖ | | |　　 |　│　　　　　 .′
　　　　　　　　　　ヽ.ﾍ.{　　 |　,ﾊ　　　　　　 {＼
　　　　　　　　　　 }　}廴.ノ}　乂⌒廴　　厂}.ノ
　　　　　　　　　　 |　|ｌ|　　|　 |、＼　}￣}__.ﾉ|
　　　　　　　　　厶斗==ミ　 | ＼　ヽ／　ｲ
　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i|　 |　　ヽ.！/　 .
　　　　　　　　　 |´￣￣｀i|　 |　　│|│　,
　　　　　　　　乂＿＿ノ　│　　 |！|　 {
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　| { ’　′
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　|ｲ　　|
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　|ｌ|　　{
　　　　　　　　　　　　　 {､　　_|l|_,　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 _}j}_　！
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 |ｌ|　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾑ斗====ミ､}
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i|
　　　　　　　　　　　　　　　　 l／￣￣￣ヾ|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　乂　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー===彡

┌──────────────────────────────────┐
│つまり、しっかりとした場所で休ませ疲労を取り除けなければすぐにぶり返す　　......│
└──────────────────────────────────
401： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:12:56 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────┐
│一縷の望みをかけて、町の民家を回るも……住人は外の人間には冷たく　　　...│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／三三二.　　　＼
　　　　　　　　　　　　　／三三二　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　|三三二　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼三三二　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Y──----　　　く
　　　　　　　　　　　　　　　　 /三二　三二二　ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　ｌ三二　三三二二　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l三二　三三.二二　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　 ,'三二　三三.二二. 　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /三二 :∧:三三二二　　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　 /三二 :/　∧三三二二　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　/三二 :/　/　 Y三三.二二　　 ',.
　　　　　　　　　　　　　 /三二 :/_フ　　 j三三二二　　　 /
　　　　　　　　　　　　　（｀ヽ____ノ　　　 ,厶三三二二__ ..イ
　　　　　　　　　　　　ー ´　　　／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ixイi:i:i:ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i＞'升:i:i:i:i:i′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/i:i:i:i:i:i:i:i,:´　　l:i:i:i:i:i:i:i:i
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:i:i:i/　　　 l:i:i:i:i:i:i:i:i
　　　　　　　　　　　　　　 /i:i:i:i:i:i:i:i/　　　 l:i:i:i:i:i:i:i:j
　　　　　　　　　　　　　　　　γ⌒ヽ、:i:i:i:ｲ　　　　(⌒ー―ｲ
　　　　　　　　　　　　　ー-----一′　　　￣￣￣

　　　　　　　　　┌─────────────────────┐
　　　　　　　　　│誰もヤルオたちを助けてはくれませんでした　　　....│
　　　　　　　　　└─────────────────────┘
402： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:13:08 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────┐
│気がつけば、何時の間にか夕方……ヤルオは宿探しを諦め。せめて..│
└─────────────────────────────┘

　　　　／: : : : : :.:(⌒ﾉヽ　　　　丶　　　　　（_ノ: : :.l
　　／＿＿: : (⌒ノ: : ∧ 　　　. _　　　　（_ノ: : : :l
　 /イ　　|フ⌒ﾉ￣: : : : : : :.＞　　　　＜(⌒ﾉ: : :.:/
　　　　＜ ▽＿,.イ／_.ル乂ﾉ＞ー-へ(⌒ﾉ: : :.:/
　　　　　ﾉ／⌒/／￣　　｀ﾉ　＼/^Yへ彡'ｒ'⌒´‐､し
.　　　　　　ﾉ　「i　　　　 /　　⌒｀ﾌ￣/|　〉::::::::::::＼ｊ
　　　　ｒ/　　　〉　　 ./　　　　/＾!:::/ニソ:::::::::::::::::::i
.　　　　　ヽ　／¨',　 /¨ ＼　／　 l:/ｿ:__;／::::::::::::::::;
　　　　　Ｖ　　 ∨　　　ヽ.　　 !ﾉ'´::::::::::;:::-:､::::/
.　　　　　〈　　ｒ'/¨ﾞヽ　　　/ 　 |:::::::::::／:::::::::ﾉ:/
　　　　　 l V　/:/:::::::::::::＼/　　くにミヽ::::::::::::{:::i
　　　　　　 i　∨/:::::::::::::::/、　　 /::::::::::＼i::::::__;ノ
.　　　　　　 '. ／:::::::::::::::/::::＼　/:::::::::::::::ノﾌ´::l
　　　　　 i/:::::::::::::::::::/:::::::::::::ヽ:::::::::::::/ﾚ'＾＼l
　　　　　　 l:::::::::::ｉ::::::∧::::::::::::::::::｀:::ｌ／　|　　　＼
　　　　　　　l:::::::::::::::/　 ∨:::::::::::::::_;ﾉ二　!　ヽ、　＼

┌───────────────────────────────┐
│雨風を凌げる場所を探そうと考え出した時、思わぬ助けがあったのです.......│
└───────────────────────────────┘
403： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:14:19 ID:xmYTc7bo0: 　　　　┌────────────────────────────┐
　　　　│彼らを助けてくれたのは、町外れの大きなお屋敷に住む女性　　　 │
　　　　└────────────────────────────┘

　　　　＿　　　　　　　　　　　 , ､　　　　　., ､　　　　　　、　　　　　　　　　　　　　ｒ
　　　　'Ｆﾆ]ヽ　　　　　　　 ,／―＼＿＿_,／―＼＿＿＿／―＼_　　　　　＿　　,/:
_　　　　l　 |,ｨｆﾞヾ､　　,ｒュ_,､ -''| l田l |　ｒュ　 | l田l |　　ｒュ　 ! l田ｌ l　`''-ｒュ ,ｨｆ'ﾞ―‐ヾ ,｣ ::
: >　　　|,ｨf'ﾞ.＿__ ヾ､_|__|＿＿_|＿＿|_,,|_,,|＿|＿＿|＿_ｌ_,,|＿|＿＿.!＿__,l_,,|_ゝ .ｒ┬┐_>"ﾞ:.
; .そ_,ｨf'ﾞ　　|__|_,｣　<ﾆlﾆ!ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆロ｣　 _ィ'´`＾"ﾞ:.:；
::"..；:ﾍ'_'　　　　　 |==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|lＥＥＥＥＥＥＥ|==|| <"ﾞ:.:；:::.
"ﾞ:.:；:,”:7|三三三三_|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 ||王|王|王|王|　 || ｣:":: :,”"ﾞ:"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':,<||―|―|―||　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||土|土|土|土|　 ||ｒ'::；:":: :,”ｌ `:::.
:: :,”:"ﾞ:.:ﾞそー|―|―||　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||i i i i i i i i i ｉ|　 ||ﾞ､；:":: :,”::`"ﾞ:
:,”:"ﾞ:.:ﾞィ　￣￣￣~'ｆ==ﾄﾆﾆﾆニﾆﾆﾆf==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆ;ｆ==ﾄﾆﾆﾆﾆﾆニﾆf==ｒ'´ﾞ:":: :"ﾞ:.:；:"ﾞ:
"ﾞ:.:ﾞ'”て =========|―'　,,. -－-　、ﾞｰ'　 ,,. -－-　、ﾞｰ'　,,. -－-　、／”:":: :,”::_/ヘ"ﾞ:.:
:,”:"ﾞ:.:ﾞ':ﾍ.、＿＿＿_,!　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /-､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､　 /‐､.ﾞ､ | / ,.-ﾞ､”:":: :,；l´:_:：,"ﾞ:.:；
:: :,”:":: :,”7,,_||＿||＿|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|￣||￣|￣|　 |￣|ｒ- ､￣|￣<,ｖ､”:":7　｢"ﾞ:.:；::
:: :,”:":: :,”〉,,_||＿||＿|　 l　ｒ‐､ ||　 |　 |　 |　 |　 ||　 |　 |　_|　<::.:;..:ｒ‐,,!、 !　 |`―'　　ﾞ､"ﾞ:.:
:: _,, ､_:":: ｌ_, ,ィ^´`^''ヽヘ<::;;..;ﾞｒ､'^"＾''ｽ,.|＿|＿||＿|_,ｒ''´::..＾''=､::.::::.:ｒ‐- ､ . |―――‐<"ﾞ:.:
´　:: :..; ＼' /;;.;;...;.;.;;;..;ｌ::.:::ﾞ､:::;;.;;::.ﾐ ::.;;.::;.ミ|＿＿＿＿ﾐ::..::;＿::;.:...` ､::..;;..:::..ﾐTTTTTTTTTTT
､` ､; :::...:;;:ｌｲ;;.;..;;;::;;:::ｌTTTTTＴＴＴＴＴＴＴｌ三/＿＿__／＾´:::;.. `､:: ｒ┐_::.::...ﾐｒ―――――‐‐
;;.'i:::.ヽ､::;...ｌ`''-----‐---‐---‐---‐---‐---‐--ミ:: ;.:::;..::;;..;;..:. |　　 |-┐|_　　　｢￣￣￣
:./::.;;:; ..ｌヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｢::..:::;;..;;..:;;..;;..: .ｒ -‐‐､, !_,,ｌ..　-　､　　＿
:ﾉ-ｆ'ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾐ:;;..;;..:;;..;;..:;;..／;::.::.::..:::ｆ::...;;::.::.:;;:...::.:ヽｒ.:::::.:
ヾﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｼ:;;..;;..:;;..;;../::.:...;;;..:::...:ｌ..::.:;;.::.:;;.::.:;;::..::ｌ::...::::
404： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:14:34 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────┐
│どうやら、王女様を背負い、町を駆け回るヤルオを所々で見かけ　　....│
└─────────────────────────────┘

　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　／ノ　　　ヽ､　＼
　　　／　（ ○）}liil{（○）　＼.
　　　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　　＼　ヽ　|!!il|!|!l|　/　　／
　　／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
.　　i／ﾍ"　ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/　　　ﾞヾノヽ
　 /（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ　''"ヽi、　をノ
　（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
　 ^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
　　　（::::ヽへ、: : : i　　　 i/　ﾞ''ヽ,/

┌─────────────────────────────┐
│その必死の形相から何事かと、彼らを探してくれていたようなのです.....│
└─────────────────────────────┘
405： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:15:16 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌────────────────────────────┐
　　　│事情話すと彼女は「そういう理由なら、主もお許しになるでしょう」と　│
　　　└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　r‐ｆァ┴‐く}┐
　　　　　　　　　　 rﾗ'´　　　　｀ﾏｭ
　　　　　　＿＿　／　 / /　 | /ヽ. ﾄ､
　　　　　　　 }}￣ノl　/ / ﾑ|l　ｊ/ﾅ! } |Ｎ
　　　　　　__ヾ.　　 |/|ｌｉ/__ |レ-=jﾉﾊ|ｊ、
.　　　　　/⌒ｰ'　　 / ﾘｊ小、　_,　彳ﾉﾊ）
　　　　ヽ＿＼　〈l ﾊＮﾊ{≧--イ /彡'　＼
　　　　　　　￣｀ヽ. ヽ　｢:F 〔X〕ﾉｌ{::::|‐┐　》
.　　　　　　｢ｆ￣ヽ》　 i´|::l__/∧∨:::::{　 }　 l{
　　　　　　ヽ.）　＿/　|:::〈./::::〉.〉::::ﾊ　＼｀ｰ=ﾐ､
　　　　　　　　　｢　　　 {:::::::::::::::::::::::::::|　｀く　　　}ﾊ
　　　　　　　　　 |　　　　V::::::::::::::::::::::/　ｆ丕〉　__r‐'
.　　　　　　　辷丕辷ﾊ:::::::::::::::::::::{＿ｆゾ´∨

┌─────────────────────────────────┐
│ヤルオたちを屋敷へと迎え入れ、王女様の為に部屋を用意してくれました　　......│
└─────────────────────────────────┘
406： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:18:46 ID:xmYTc7bo0: 　　　　┌───────────────────────────────┐
　　　　│ベッドに寝かせてすぐ、安かな表情を浮かべ寝息を立て始める王女様　　 │
　　　　└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　,-―- 、　　　　　　,-―- 、｜　　なるほど、屋敷の使用人さんでしたか……
　　　/ /｀~~ヽヽ　　　　　/ /｀~~ヽヽ |
　　　{　{..;;;;;; ﾉ　|　　　　{　{..;;;;;; ﾉ　| |　　　本当にありがとうございますお
　　.　ヾ_`'''ﾞ",,,ﾉ　　　　.　ヾ_`'''ﾞ",,,ﾉ｝
　　　　　￣　　　　　　　　　￣　　 /　　　　えーと……ご主人様にもお礼を言わせて頂きたいのですが　　　
　!　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　j　　　　　/´　　　|　　　ゝ　　丿
　　　　　　ゝ、____人_____ソ/／
　　　　　　_　＿　　　./　／
＼　　　　　｀￣　　 ,/／
　 ` .､　　　　　　　／
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　／｀`'''ｰ-､

┌────────────────────────────────────┐
│安堵したヤルオは、彼女に屋敷の主人に直接お礼を言わせて欲しいと頼みました　　....│
└────────────────────────────────────┘
407： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:21:34 ID:xmYTc7bo0: ┌─────────────────────────────────┐
│しかし、彼女は言いました。「申し訳ありません。主はもう此処にはいません」........│
└─────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　__〃⌒Y ￣)ー┐
　　　　　　　ｨ⌒いjLﾆ＝ﾆ∠/ノー┐
　　　　 rくヽj＞~　　　　　　｀丶ﾋノｭ
　　　　　jゝ／从　　人从　Ｖﾊ　ヾﾚ）､
　　　　　〉/　ﾊハ　ﾊハﾊ　Nﾏ　　ﾍﾉハ
　　　　　Y　/i　V 　|　 i|　ト } }　　　ﾊ」 ∧　　　誤解させて……申し訳ありません
　　　　 / 　{　　{{　 i 　 !　}廾ﾅ乂} 　 |ﾊiハ
　　　 i/ 　 .斗匕从　ﾚﾉ / rヵｫ|　　l　　 |　　　主は１年ほど前に亡くなっております
　　　　 V　　.}、fてぅﾄV　　　ﾋﾆﾉ /i |　　 |
　　　　/ 　　{ﾍゝ- '　　　　 """' /ｲ　　.|　　　
　　　 |　　　｀ハ"""　　'　　　　ノ　　/　i/
　　　 |! ﾊ　　　＞　._　-　　 rく /　ノイハ　　　
　　　乂人　ｲ≧x_　r{Y}千 7､__riくｰ￢
　　　　　　　}/　.斗{ _ﾉ | !| ｢＜__/ /二ﾉl
　　　　　　　人ん／| / ﾊ八 Kミ_/ /く. （ｲ|
　　　　　　 | 　（._/）｢人ヽ ` }_/ /ミｰr┘|
　　　　　　　|　　て./|　　}　　l/ /ﾍ､ノ　 .|
　　　　　　 .|　　　しﾊ　人_ .ｲﾍ､r┘　 .|

　　　┌────────────────────────┐
　　　│そう、この屋敷の主は数年前に亡くなっていたのです　　....│
　　　└────────────────────────┘
408： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:23:47 ID:xmYTc7bo0: 　　　　┌──────────────────────────────────┐
　　　　│話を聞くと、屋敷の主人は死ぬ間際に彼女に屋敷と自らの全ての財産を託し ..........│
　　　　└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　l 〉 i .l l　￣´　　　　 ¨` ´lｲ ./〈/
　　　　　　　　／`l ﾍヽヽ　　／、　,＼　〃l ｲ'/l¨ヽ、
　　　　　　,　'　　　l　ヾ＼　r'　　` '　　ヽ ///　　l　　丶、
　　　　,　'　　　　　l　　ヽヾ､l '-――'-' l./ｨ'/　　l　　　　丶、
　 ,　・　　　　　　　 i　　ヽヽヽ　　　　 .／//　　 l　　　　　　　丶
／　　　　　　　　　ﾍ　　ﾍヽ`ヽ､- ｨ´ / /　　 l　　　　　　　　 , ＼

　　┌──────────────────────────────────────┐
　　│この世を去ったという事でした……そう、彼女は実質的には、この屋敷の主人だったのです..│
　　└──────────────────────────────────────┘
409： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:25:53 ID:xmYTc7bo0: 　　┌───────────────────────────┐
　　│ですが、彼女はこの屋敷の主人とは血の繋がりなんて物はなく ....│
　　└───────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　rzｲ⌒ヒ~iーz_
　　　　　　　　　　　　　i⌒ゝｨ'く￣ミヽくノ廴
　　　　　　　　　　　｣⌒,ｨ'"! ∨ 　ヽヽ＼ ) ＼
　　　　　　　　　　　ﾑ /　　j!　l　　　､ヽヽ　ヾ .∧
　　　　　　　　 ∨　! ム　l　､￣｀､ l　l ∨∧
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　　　　　　　　 / l　l　l ｨ-弌　､ V_ﾏ_j`! !V､ヽ＼
　　　　　　　 // Vﾊヾ弋少＼iヾ　　ﾚ'ヾ {､lヽ、
　　　　　　　　　　/ｲ/レ＼ゝ　　　′　　　/( V./i!
　　　　　　　　　　　ﾚi})ヾ}ｰi､　　　ｰ ' 　 ,ｲ ( Υ) ,、
　　　　　　　　　　/｀ｰ'}∨Yﾚi＞,..　 _, イ|'ﾚ'Y VY' ゝ┐
　　　　　　　　　 (ヽ　 .ゞV〈　　{`ー┬‐ 'ﾍ_ ゞV〈イー~l
　　　　　　　　 j/ー-,ゞV〈了､￣｀∨￣｀7iゞV〈-二人
　　　　　　　　　} ヽイｰ〉V〈:j　ゝ　ﾊ　　く l〉⊥)_-ーハ
　　　　　　　 <／i´┌ゝ∠l　＼　l　l　／ {､人ノー}'　∧
　　　　　　　r '´ 　｀ﾆヽｲヽｎ.＿{ T o T }＿l::l　 )ﾆノ　　＼
　　　　　　　V　　　ヽ|l∠エ≧::￣￣￣:::::::::'lﾊﾊ{´　　　　/
　　　　　　　｀ﾄｰ-- r =ﾄ､ l　l ﾊ　/7:::::::::::::::::::::::::l-―― 'l
　　　　　　　　`iー‐ l l / ,　l .l　 V j::::::::::::::::::::::::::/ '　￣｀i
　　　　　　　　 l　　　＼! !　l　l 　.Vi::::::::::::＿_:::::/ ヽ　　　 l
　　　　　 __.ｨ､l_　,_r＜)) 　.l　!　' //￣ヾ　　｀ヽ――‐ヘ_}-v-､_
　　　 (￣ー‐< '〃ゝ_ゝ-).⊥_l ／ヽ＿_ﾉー-‐'　) .<⌒ヽヾ>ゝ-'‐｀ヽ
　　　く｀ー 7'／　凵=　´ｰ--‐ﾞ｀ー======三≦ ---ゝ､__ヽ｀r‐　'" >
　　　 .L｀二/)――――――――――――――――――{ヽﾆ￣!
　　　　　ー＜＿_ ／:::/ﾆ{ ＼＿＿＿＿＿／ l ﾆ〉:::＼＼＿_ ＞―'´

　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　│厳格だが心優しい主人を慕う使用人に過ぎませんでした .......│
　　　　└─────────────────────────┘
410： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:26:09 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　┌────────────────────────────────┐
　　　　　　│そんな自分になぜ？　何かの間違えではないのか？　そう思い続けており　....│
　　　　　　└────────────────────────────────┘

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　　　　　　　　　　　 _,,　..　．　-‐／　　、＼` .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／　:＼、　-‐　''　 ¨　~ 　　　　　 _／　／　　...＼＼、
　　　　　　　　　　／`ｰ- ､__　_,, ...　．　-‐　''　 ¨　~ 　 .／／＼　＼ﾞｰ　,,　　　　　　　　 {　／　 . .:::::::::::::＼_.ゝ..ｰ　,,
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　 ,／　　　　 .::|::|:|￣||￣||::｜ﾞ:　／　　　　　　　　　　..::|::::||＿||＿||:::::| ／　　　　　　　　　　...:::::::::::::::::|:::::￣￣￣ﾞ:::::::j/
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i!i ,;；､ﾘj：从,, : : : : : : :￣￣￣￣￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
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w；:､;；:;'｡;:ﾘ;j;从::|　　　|:::::::||　ｌ　　 |:::::::|　　　　　 |　!　 i,　|::::::::::::::::::| | | 　　　 |:::::::||＿＿l＿ﾞ| |:::::::::| 　　|:::::::::::| ::|　 l＿l__||::::::::::|
| ｌ|；;, :i;,；,:;:; ;i;;;{::|　　　|:::::::||__j_____.|:::::::|　　　　　 |　ｉ; 　}　l::::::::::::::::::| | | 　　　 |:::::::||￣￣|￣:| |:::::::::|　　|:::::::::::| ::|￣l￣| ﾞ||::::::::::|

　　　┌───────────────────────────────────────┐
　　　│今でも使用人の服を脱がず、屋敷を主人から【預かっている】と思っているのだそうです　　　　.│
　　　└───────────────────────────────────────┘
411： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:27:20 ID:xmYTc7bo0: ┌───────────────────────────────┐
│ヤルオは彼女に何か言葉をかけなければいけない気がしました……　　......│
└───────────────────────────────┘

.　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
.　　　　／:.　　　　　　　　＼
　　　　 /: : :　　　　　　　　　　　　＼
. 　　 / : : : 　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　 | : : : : 　 ,.,,,,ノ⌒" '' ``⌒＼,,,　　　l　　　　　……失礼な事を
　　　 |: : : ::;　　（　○ ）　　　（　○ ） .;::　|
　　　 |: : : : :　　 ´"''"　　　 "''"´ 　　 l　　　　　大変、申し訳ありませんでしたお
　 ,＿ヽ___　　　　（　　　 j　　　）　u　／＿_
／::　r' |　r'￣二ﾕ:｀ｰ-‐'´｀ｰ-‐'′ ／ : :: :: :`:､＿_
: : : :::| .|　|　/ 　) ｀)　　　　　　／: :.ﾍ : :: :: :: :: :: :＼＿_
　: :　|.ﾉ. ﾉ /　　⌒ヽ＿　_　 ,　´　|: : : :ﾍ: :: :: : : : : : : : .ハ
　: :: ::＼　　　　　　　　　`ト､　　　/: :､ : : ＼: :: :: : .i i: :/: ::ﾍ
　: :: :: :l: ｀ー┬-､　　　 |ii入　／|:: :: :＼／: : : : {. ﾚ /: :: : ﾍ
　 : :┐|: :: :: :: :＼）　７ ./iiii〈　　 |: :: :: :: :＼: :: :: :Ｖ /: :: :: :: :}
　: :イ .|__/ ,へ/⌒＼　./iiiiiiii｝　　| : : : : : ::/: :: :: : Ｖ: :: :,ｲ: : :!
　イノ: : / /: :: :＼＿￣＼iiii｝　　|: :: :: :: :/----: : .| ／ノ: :: :|

　　　┌───────────────────────────┐
　　　│でも、必死に必死に考えて、でてきた言葉は謝罪の言葉だけ　　 .│
　　　└───────────────────────────┘
412： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:27:48 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　┌──────────────────┐
　　　　　　　│「お気になさらず」と、彼女は言いました。 ....│
　　　　　　　└──────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　_r┐ｰ､__､
　　　　　　　　　 z_厂ヾ＞ー＜ノ｀ｰ､
　　　　　　　　　r厶ゝ ´　　　　　　｀く｀ｰ､
　　　　　　　厂ヽ／　　 /　　　　　　　くゝ、
　　　　　　　廴,/ 　　 .! !　　　　　　　　　ヾﾍ
　　　　　 7z,/　　　_|_|_| | ､　 |__　i　　　 Vﾍ、
　　　　　 .└ノ　　.´|l ハ l、ヽ　|_l l｀､_　　ヾ´
　　　　　 // 　!. i　|ﾚl‐ヽト､､V　ﾚi/　ヽ } .| ＼
　　　　　 .//　　|　ヽl ｰ''"｀　)i/｀￣lﾞノ/ .j .八ヾ、　　いいえ、お気になさらずに
　　　　　／| / 八ヽヾ、　　 :　　ノ!/j ,/ノ-､ヽ＼
　　　ｰ '　.//.ｲ　ヽ) ()j､　 - 一 .ｲl'() /イヽヾ(ヽ
　　　　　./ ﾚ' !/ ! jハ(.| i＞ . _ イ.iﾚj)(ﾊ! lヾ!　 j!
　　　　　　/　.lハﾄ从()从r┴ v┴､ﾊ()ノﾚ /′_
　　　　　　＿　　　 {::X::}/　 /∧　 {::X::}　／ﾊ
　　　　　　ﾊ　｀ヽｰr(ﾊ)入／/i从　,(ﾊ)j丁,　〈_L
　　　　 j {zｰﾐヽl//!　　 /l:l:l ヾ´　 |/|／　_}V
　　　　　 .V | __　ヽ!//!_　 {l从! l:! )) _|/|ノ´(´　i
　　　　　 /　.｀!｀ｰ.}////≧Vﾚ｡l!≦///∨ / 　＼
　　　　 .く　　ヽz_ 从//////|////////i{_ﾉ／　ﾉ
　　　　　ヽv--=ヾl////////!o///////}rー― i'､
　　　　　　V　　　 j////////|////////ﾊ, ---r.j

┌────────────────────────────────────┐
│でも、その笑顔はどこか悲しげで……それを見たヤルオは無力感に包まれました　　.....│
└────────────────────────────────────┘
413： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:28:03 ID:xmYTc7bo0: ┌────────────────────────────────┐
│その時、王女様が目を開けました。　まだ熱が高いのか、目はうつろい　　　　│
└────────────────────────────────┘

　　　／　　　 .／.:.:＞ 7　｀ヽ　　　　　　｀＜.:ヽ.　　ヽヽ
　　/　　　　 /.:／´　 .'　　　ヽ　　　　　　　　｀ヾ　　　 ', ',
　./　　　　 / ´　　　 { 　　　　　ヽ　　　　　　',　　　 ',.',
　′　　　　　　　　ムl　　　　 ',　　ヽ　　　　　 i　　　 | i
..'　　　　　|　　　|./ｰｰ!　 |　　　　',　|　　',　',　　　|　　　 !｜
.'　　　　 !　　 ||　　 ∨ {　　　 ', l　　　',　',　　.!　　　 !｜
|　　　　　 |　　　!|　　　∨ﾊ　　　　} ﾊ　　　i　!　　!　　　 !｜　　た……
|　　 !　　.! ―‐ﾊ!＝=z⊥_.ﾄ,　　　ﾑ斗=＝ﾊ┼―! 　　 i! |
|　 |　|　　∧　 .| .::::::::::::::　..{ ∨　 | .::::::::::::::....}!　 !　　　 .|| |
|　 |　|　　 .∧　K'ﾔ7テ不　ヾ.∨,ﾘ　う7ﾃ下...>　l　　　 ,ﾘ |!
.!　 !　!　　　∧ ﾍ.` ﾏ壬ﾉ.,,,,;;;;;;;;;;;;;,,,,.ﾏ壬ｿ './／!　　　 ./　!!
.∨.|　i!　　　　＼ゝ　　　　　　　　　　 /' 〃　　　./　 .||
　Ⅵi |i　　　　　圦　　　　　 !　　　　　　　/7　　　 /　　.|.!
　ヾヾﾊ　　　　 |.:.:＼　　　 ‐ ‐ 　　　／:/　　　 ∧　　|.l
　 / ／ﾊ　　　　|.:._｣ {＼　　　　　　　. ィ　}!:.:i　　　 /.:.:＼. ! !
　<´.:.:.:.:ﾊ　　　 |´　! ＼!＞　 __　＜　!／|｀.| 　　 |.:.:.:.:.:.:>∧

┌────────────────────────────────┐
│言葉は弱々しい……しかし、王女様は何か伝えたい言葉があるようでした　....│
└────────────────────────────────┘
414： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:30:00 ID:xmYTc7bo0: 　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　│そして、彼女が必死に搾り出した言葉……　　　 │
　　　　　　　└────────────────────┘

　　　　　 |　 |　 {_ ',　　ﾄ､l　　　　　　　　　　　 |/　| |　ﾊ.!
　　　　　 |　 |　　_.〕　ﾊ. `　　　　　＿'　　　 /　 .l l / .|'
　　　　　 l　レ.:´.:.|　　ﾊ　　　　 ‘ｰ‐'　　　ｲ　　.! !'　　　　　―――ですか？
　　　　　.!／.:..:.:.:.:.:.!　　 |｀　.　　　　　　／　|　　 |'
　　　　 / ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:!　　 l__　＞　.__. イ.:.:.〉　!　　.|
　　　 ./　　＼.:.:.:.:.:|　　 |　￣ヽr‐1.:.:.∨　 |　　 |
　　　/　　　＿ >　´|　　 |__　　　 |　｣＼/　　.!　　 !
　,..∠ィ≦≧x　　　 |　　 |　｀¨　　!´　　｀ー､|　　 |
./三三三三ﾊム　　!　　 |ィ´￣｀f´Y´＞...､　 !　　.ﾄ､

┌───────────────────────────────────┐
│それは彼女の言葉であると同時に、まさに、屋敷の主人の意志だったのでしょう　　 │
└───────────────────────────────────┘
415： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:32:29 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌──────────────────────────────┐
　　　│王女様は言いました。大切な人に、自分の全てを捧げたいと思うのは .....│
　　　└──────────────────────────────┘

　　　 /　　　/＞ ´|　　　 `￣｀　＜.:.:.:.:.:｀|　　　　　 l　　　 ',
　　 /　　　./´ 　ﾊ!　　　　　　　　　｀　＜!　　　　 |　　　　i
　 ./ 　　 /　　　'　!　　　　.′　　　　　　　l　　　　 !　　　　|
　.′　　 /　　 /^^|　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　|　　　　.|
　i　　　 .′　　l　　 !　　　 l　　 l　　　 i　　 ! 　　　 |　　　　 !
　|　　　.i　　　_|_　　l　　　ﾄ,　　l　　　 l　　.|　　　　　!　　　 |　　　大切な人にこそ、自分の全てを与えたいと思うのは……
　|　/　 {　　　N ｀ヽ､!　　　! ﾍ i ﾄ､　　 |　　|　　　　　!_　　　　!
　| ﾊ　　l　　　l/笊＞ﾐﾄ　 l ._｣斗ャ―ﾄ.　｜　　　　lﾍヽ　　 !　　　……当たり前の感情じゃないですか？
　{'　∨　l ﾊ　 ...i:::::.::::iヾヽ　｢::: ィ笊i云x! l. ｜　　　　ﾄ }　}　　l
　　　.∨ {'　i∨.弋:::ソ::::::::ヽ!::: : .i::::.:::::}ヾ＞.!　　　　 l　 ,ｲ　　l　　　　す、少なくとも……私はそう思います
　　　　∨　 ! ヽ!:.""".,:::::::::::::::::::.乂__ソ.."| .,|　　　　 l＜_　　ﾊ
　　　　 ∨ |　圦　　〈　　　　　 .."""　.' / !　　　　l､.:.:.:..｀.:.:..､　　　　私は間違っているでしょうか？
　　　　　　ヽ!.　　＼　　　　　　　　　／´　′　　　l.:.＼.:.:.:.:.:.:.ハ
　　　　　　　|　　　　＼...`'' -‐" 　　　 . /　　　　 l.:.:.:.:.＼.:／　∧
　　　　　 __.｣　　　　　}_＼　　　 _　-　´ /　　　　　ﾊ.:.:.:.:..:.:.>　　 ∧
　　　x≦三/!　/　　./　　｀fi爪　　＿ /　　　　 ! ヽ＿／　　　 ∧
　　/三三/　|/　　 /　　　　| |/ ｢　　./ 　　　　 |　　　　￣￣｀＞､',
.,∠三三=!　/　　 /　　　　　ヽV　　./　　　　　　　|　　　　　　x≦三≧x

　　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　　│あたりまえの感情です。私は間違っていますか？　と…… .....│
　　　　　└─────────────────────────┘
416： ◆PxXXpn9rjo：2014/09/03(水) 21:33:07 ID:xmYTc7bo0: 　　　┌─────────────────────────┐
　　　│その言葉に彼女、心底、驚いた様な表情を浮かべました　　.│
　　　└─────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -　､　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　イ⌒}　　　Y　/ Y ￣Ｙ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　,ｒク Y,　-　 ==　≠　== 　- ､／￣＼
　　　　　　　　　　／ヽイ　　　　　　　　　　　　＼ー―ヾ
　　　　　　 r―＜　.／　/　　　　　　　　　　　　　　ヽ＿_人
　　　　　　 |　　 .／　　/　　　　　　　　ﾄ､　　　　　　　　＼　_＼
　　　　　　　ﾉゝ／　　 /　　　 |　　　　 |ハ　　i!　　　　　 ∨　_{
　　　　　　/￣／　　　　　　　 /|　　　　 |　i|＿_ﾄ､　　ハ　　　∨ /ヽ
　　　　　./ .／　　　　　　　 /_/ i|　　　　 |　i|　　ハヽ　　}　　　 ∨ _}
　　　　ｒ.イ　　　 /　　　 ./|i/　 |,ｲ　　l　|　i}　./　 }　　i|　　　　∨ ヽ
　　　／　イ　　 / 　 {　　/ i|' 　 i| | 　ﾊ i| ,.ｨ≠=ミ､|　　ﾘ　　　 ∨ﾉ　　　あっ………
.-=≦≠　/　/ .ｲ　　 i|　/　二二,　|　/　| |"　frﾊ　》　 / 　 }　　　＼
　　　 └/　ｲ　 i|　　八/.／ fｒﾊ. ヾ|i/　　　　乂ﾂ　/ ./ i|　 i| 　　＼. ＼
　　　 ./イ/|　　| 　　ヾ《　乂ﾂ　　　　　　　ｰ= './ ./　i|　ﾘ　　　ハ≧=－
　　／　 / i|　 .八　ﾄ､八ヾ　_ ノ　　　　　　 '''' /イ}　ﾘ　/　　＼　　＼
　　　 ./　八./　∧ i! ＼＼　 ,,　　　 ′　　／　ハ/ ／　　|i　　＼　ハ
　　　 /　/／　 / ∧ﾄ､　}‐一　　　　　　　 u　/} //　　　 i!　　ハ　 |
　　／／　 { 　 /　ヾ|ヽﾄ､:ヽ　　　　　　_　　　　ｲ| 〉∧　　|　ﾊ　　 /}　 i!
__／イ| 　　 | 　　　＼ﾘ　＞　　　　　｀ .／| ﾘ ∨/}　/l　/　}　 ./ i|　/
￣　 .八　 /ハ　 / 　 / 《∧　　 | 　 }＞　イ　 |//.∧〉 ./ j./　 .八/　 j/
　　　　ヽ{ {　＼{ 　 i{　ハ∧　 iﾄ､　|　　　　　　|ム《_/イ__/_　 /／　 /
　　　　　　　　　　＼八〈Ｙ_〉ヽ.八〉.j _　　＿_ ノ:::::::f:》:::::::::/
　　＿＿　　　　　　ｒ―f /--,　　/　　　ﾌＹヽ　〉:::＞=ミ､::::{　　　　　　　＿
　〃: )＿　≧=-　　ヽ:::ハミ/_≦ 　　 /_水¨} }::／ﾉ　}ヾ:ノ　　　　-=≦　={｀ヽ
　{{: :{　　｀ヽ　　￣　//ﾘ￣ヽ　　／/:::|::ヽ＼　/_ノ　　￣￣　　　　 |: :人

　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　│ですが、すぐに冷静さを取り戻し、王女を見つめると……　　　 .│
　　　　└──────────────────────────┘