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【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 避難所【クロスSS】
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奴らに墓標はいらない。
:2013/03/17(日) 03:37:43 ID:shK785nE0
食堂を出てから月のない殺風景な夜空を眺めるキリコ。いつもの酒場へと歩を進める。
コブラとキリコが良く集う、その酒場の名前は「ハッシュ・ハッシュ・ハッシュ(マリファナだらけ)」といった。
何故、そんな名前なのかは誰にもわからない。バーテンですら知らなかった、
酒場に陽気なサックスが響いた。赤々と燃えた葉巻の煙を吐き出し、コブラが空になったグラスをコースターに置く。
溶けかかった氷がグラスにぶつかり、カランと音を鳴らした。
「お次は何を飲みますか、旦那」
灰皿に葉巻の灰を落とし、それじゃあ、タルカロスをくれとコブラがバーテンに告げた。
「なんですか、そりゃ?」
バーテンが聞き返す。コブラがやれやれといわんばかりに軽く首を振った。
「いいんだ。忘れてくれ。んん、そうだな、じゃあ、ウイスキーのミルク割りをくれ。ミルクを抜いてな」
仰せのままにと、バーテンがグラスに琥珀色の液体を注ぎ足す。
バーのボックス席は傭兵達が陣取り、ポーカーに興じながらギャンブルの勝敗に一喜一憂していた。
「ひひ、そういや、聞きましたよ、旦那」
バーのボトル棚に並んだ酒を入れ替えながら、バーテンが愉快そうに笑い声をあげた。
「何のことだ?」
「またまた、とぼけちゃって。ちゃんとこっちの耳にゃ、届いてるんですからね。
なんでもたったふたりで、敵さんのATを十数機も吹っ飛ばしてきたそうじゃないですか。
まあ、旦那方が凄腕のボトムズ乗りだってのは、薄々気づいちゃいましたがね」
「なんだ、その事か。ありゃ、敵の傭兵達が勝手に自滅したんだよ。
奴さん達は、どうやらATライフルの扱い方がわからなかったようでな。何度もトリガーを引いたんだが、弾がでなかったんだ。
それであいつら、何で弾がでないのか不思議がって銃口を覗いたのさ。
その時、たまたまライフルが火を吹いてな。それで奴さんたちの頭が、半分ほど無くなっちまったってわけだ」
「そりゃまた、随分と間抜けな傭兵もいたもんだ」
「全くだ」
バーテンがグラスを拭き、コブラがグラスを掲げ、ふたりはさもおかしそうに笑いあった。
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