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SWW仕様銀色贔屓キャラvs原作キャラのSS保存スレ

1名無しさん:2009/07/20(月) 13:42:34
原作どおりの能力で、SWW仕様銀色贔屓キャラと噛ませキャラを戦わせてみたい、という
方が差し替えSS、もしくは地下闘技場での対戦SSを保管するスレ。
まずttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12778/1247665543/l50で書いて、その後
このスレに保存するというシステムになっています。

8シャドームーンvs相沢祐一(SWW仕様)の差し替え:2009/08/01(土) 22:20:00
 祐一は火の海を駆け抜け、接近戦を試みた。
 離れたままでは、シャドービームの直撃を受ける可能性が高いからだ。
 あの光線を何度も浴びれば、頑丈な祐一でも危ない。
 接近戦ならば、先ほどのように打撃を浴びせることも可能だ。
 間合いを計りつつ、左ストレートを顔面めがけて小さく放つ祐一。
 常人には残像しか見えないほど速いが、シャドームーンには通用しない。
 祐一の左ストレートを、シャドームーンは頭部を少し傾けるだけで回避した。
 続けて右のアッパーカットを放ち、顎を砕こうとする。
 だが、シャドームーンは素早く上半身を仰け反らせ、簡単に回避。
「ちっ……!」
 舌打ちしながら、祐一はボディブローとフックを連続で繰り出し、衝撃波と轟音を発生させた。
 左右の拳に振り分け、音速の領域を超えるほどの速さで放ったのだ。
 熟練の戦士でも、到底回避できないはず。
 しかし、シャドームーンは軽やかなステッピングで、超音速の連続打撃を回避した。
(かわしやがった……!)
 驚愕して距離を取りつつ、祐一は手技だけで世紀王に対抗するのは無理かもしれないと、思った。
 そんな気持ちで構え直すと祐一は跳躍し、蹴りを繰り出した。
「クルダ流交殺法、影門最源流死殺技! 神音(カノン)!!!」
 音速を遥かに超える蹴りによってエネルギーが生じ、超振動を発生させる。
 そして、次の瞬間。
 振動波を伴った一撃がシャドームーンを蹴り飛ばし、試合場の壁に激突させた。
 壁は凄まじい破砕音と共に砕け散り、観客席から悲鳴が上がる。
 その悲鳴を聞きながら、祐一は自分の勝利を確信していた。
 だからこそ、破片の中からシャドームーンが平然と出現した時には戦慄が走った。
「嘘だろ……」
 無論、シャドームーンも無傷と言うわけではない。
 全身に無数の傷が刻まれているし、足取りも先ほどよりは遅いことから、受けたダメージは決して軽くないだろう。
 だが、致命傷には程遠い。
 祐一が愕然としていると、シャドームーンは相変わらず悠然と立ったまま言った。
「良い技だ。今度は……俺の技を見せてやろう」
 言うなり、シャドームーンは高く跳躍し、レッグトリガーの破壊力と振動波を両足に揃えて蹴りを放った。
 シャドームーンの必殺技、シャドーキックだ。
 レッグトリガーの力と両足の力を揃えて放つ技で、ライダーキックと同等か、それ以上の破壊力を誇る。
 速度も尋常ではなく、反撃する余裕などなかった。
 祐一は咄嗟に跳躍して回避するが、猛烈な風圧で木の葉のように吹き飛ばされ、観客席に激突してしまう。
 再び観客席から悲鳴が上がり、祐一は激突の衝撃で全身が麻痺し、動けなくなった。
 風圧だけで、この威力だ。
 まともに受けていれば、命はなかっただろう。
「……」 
 砂地に着地し、静かにこちらを見るシャドームーン。
 シャドームーンの勝利を告げるアナウンスを聞きながら、祐一は思った。
(これが、シャドームーンか……)
 
「祐一が負けるところ……初めて見た」
 医務室で治療を受ける祐一を見て、舞が言った。
 それを聞くと、祐一は苦笑しながら呟く。
「まだまだってことだな」
 初の敗北となったが、落胆しているわけではない。
 悔しい気持ちならあるが、なるべくしてなった結果だと思っている。
 むしろ、鍛え直す気持ちにさせてくれたシャドームーンに、感謝している。
(次は、こうはいかないぜ、シャドームーン)

9グランザイラスvs相沢祐一(SWW仕様):2009/08/06(木) 08:17:42
 祐一がシャドームーンに勝利してから一ヶ月後が経過した頃。
 橋の下で、一体の邪龍の如き蒼い怪人が祐一を圧倒していた。
 その怪人こそ、グランザイラス。
 クライシス帝国最強の怪人であり、その戦闘力は十人ライダー全員分を凌ぐほど高い。
「この程度か、相沢 祐一よ」
 グランザイラスは痛めつけられた祐一に向かって言い放つ
 祐一は立ち上がって超高速の右ストレートを繰り出すが、祐一の拳は鋭い金属音と共に弾き返される。
「っ!?」
 流石に唖然とする祐一。
 グランザイラスは不快そうな表情をわずかに見せただけで、少しも傷を負っていない。
 尋常では考えられないほど頑丈な装甲に覆われているため、祐一の拳でも傷一つつけることができないのだ。
「ちっ!」
 祐一は舌打ちすると、再度拳を繰り出す。
 しかし、それもグランザイラスの装甲の前に虚しく弾き返された。
 最も柔らかいと思われる顔面を狙ったにも関わらず、である。
「だったら……!」
 祐一はスライディング気味にグランザイラスの懐に飛び込み、蹴りを繰り出した。
「神音(カノン)!!!!」
 想像を絶する速度の蹴りによって生じたエネルギーが超振動を起こす。
 その振動波は蹴りと共に打ち出され、グランザイラスの体に命中する。
 爆炎が起こり、煙の中にグランザイラスが消えた。
 それを見て、祐一は勝利を確信する。
 シャドームーンすら倒した神音の直撃を受けたのだ。
 しかも今度はシャドームーンの時と違い、両足で繰り出したのだから無事でいられるはずがない。
 ───そう思っていたからこそ、煙の中からグランザイラスの咆哮が聞こえてきた時は戦慄が走った。
 煙の中から現れたグランザイラスは、無傷で立っている。
 グランザイラスは何事もなかったかのように胸を張り、祐一に歩み寄っていく。
 まるで、いかなる攻撃も通用しないという事実を祐一に突きつけているかのようだ。
 その様に、祐一は背筋を凍らせるがすぐに気を取り直して足に力を込める。

10グランザイラスvs相沢祐一(SWW仕様):2009/08/06(木) 08:19:36
「神移(カムイ)!!!」
祐一の姿が消える。
神移とは姿も音も気配すらなく目、耳、心ですらも捉えられない速度を生み出す神技である。
しかしグランザイラスは驚きもせずに、静かな口調で言った。
「この俺様をやれるものならやってみるがいい」
グランザイラスが挑発した直後、彼の真後ろから真空の巨大な刃が発生する。
「刀拳(ハーケン)!」
ズギャッ!
「滅刺(メイス)!」
バキャッ!
更にグランザイラスの上空から生じた衝撃が彼の脳天に直撃する。
「こいつを食らっても立っていられるかい?」
祐一の声がする。
「重爪(チェンソー)!!」
ゴキャァッ!!
次々と攻撃が命中するが、いずれも致命傷を与えるには至らない。
いや、致命傷どころか少しも傷を負わせられずにいる。
リボルゲインや十一人ライダーの総攻撃で全く傷が付かないのだから、祐一の技程度では蚊に刺されたようなものであろう。
グランザイラスは嘲るように祐一を笑った。
「つまらん。お前の攻撃は破壊力が無さ過ぎる。もう少し遊びたかったが、これで終わりにしよう」
そう言った直後に、グランザイラスの右手から地獄の炎が噴射される。
紅蓮の炎が生物の如く不気味な唸り声をあげて襲い掛かるが、それを祐一は真上に跳んで避ける。
しかし、続いてグランザイラスが目から発射したレーザーが直撃。
しゃがみ、息切れしている祐一を突進で吹き飛ばす。
「ぐわ!!!」 
橋の柱に直撃し、祐一は意識を失いかけていた。
グランザイラスは笑いをこらえ、祐一を挑発した。
「全く弱い。話にもならぬわ。お前が倒したシャドームーンとは偽者だったのじゃないのか?」
これに祐一は怒り突進したが、これが文字通り命取りになった。
近づいた祐一を左手で押さえ、右手を祐一に向けた。
しかしグランザイラスは考え直し、祐一を前に投げ飛ばした。
「せっかくだ。貴様には惨たらしい死に方をしてもらわねばならん。そうしないと観客の皆様が不満だ」
祐一が橋を見ると見るもおぞましい光景が広がっていた。
祐一が倒してきた者たちの怨念が祐一を見ていた。
その中にはシャドームーン、いやサンショウオ獣人もいた。
グランザイラスは祐一を見下しながら笑いにも取れる声で叫んだ。
「今日はお前の命日だ。いやお前の親しいものも死ぬ。俺に殺されてな」
もはや祐一は喋れないぐらいに痛めつけられ気絶しかけていたが、このグランザイラスが自分の大切なものを
消そうと言う事をしようとしているとは分かった。
しかし、もう手遅れだった。
火の玉形態に変化したグランザイラスが空高く飛翔し、爆音と共に突進してきた。
もはや祐一に認識できぬほどのスピードで突撃したグランザイラスは、祐一の胸板を砕いて十数メートルは吹き飛ばした。
アスファルトを砕いて地面を滑り、全身に地獄の炎を引火させて祐一は倒れ伏した。
グランザイラスは倒れ伏した祐一に再度突進を見舞い、祐一は見るも無残なほどバラバラになり肉片が辺りに飛び散った。
通常形態に戻ると、グランザイラスは邪龍の如き顔をにやけさせ、言った。
「そこの女。次はお前の番だ。」
グランザイラスの目は祐一を殺され恐れながらもグランザイラスの背後に来た舞に言っていた。
そしてグランザイラスは右手を舞に向け、言った。
「奴と同じ場所へ送ってやろう」

11柏木耕一vs佐藤純(SWW仕様)の差し替え:2009/10/14(水) 22:19:50
「「開始めい!!」」
 試合開始の合図と同時に、耕一は『鬼』へと変貌した。
 先ほどまでと違い、周囲に舞い上がる砂の一粒一粒が、はっきりと見える。
 骨の軋む音や筋肉の収縮音なども、自然と耳に入ってくる。
 五感や身体能力が、通常を遥かに上回るものになったのだ。
 そのことを確認すると、耕一は素早く踏み込んで間合いを詰め、純の腹部に拳を叩き込んだ。
 鍛え抜かれた肉体の内部にまで、パンチの衝撃が浸透したことが分かる。
 純が少し呻いている隙に、耕一は一瞬で腕を引き、再び拳を突き出す。
 しかし呻きながらも純は反応し、片手で耕一の拳を受け止めた。
 乾いた打撃音が闘技場に響き渡り、耕一も純も動きを止め、お互いを見据える。
「流石だな。ここまで強烈なパンチを受けたのは、久しぶりだ」
 言うなり、純は掴んだ耕一の拳を自分の方に引き寄せる。
 そして自分の拳を、耕一の顔面に叩き込んだ。
 凄まじい衝撃で頭の中が真っ白になり、耕一の足がよろめくが、何とか踏みとどまった。
 首の骨が外れてしまうかと思うほど、強烈な一撃だ。
 これほど重いパンチは受けたことがない。
「くっ……!」
 反射的に手を振りほどこうとするが、指が食い込んでいて外せない。
 そんなことをしている間に、二発目が腹部に叩き込まれた。
 猛烈な衝撃が背中まで突き抜け、全身が浮き上がりそうになるが、気力で踏みとどまる。
「ウォォォォォゥ!!」
 耕一は吠え、嵐のように唸りを上げる拳で純を殴り飛ばした。
 純は地面で何度も跳ねて土煙を巻き上げ、闘技場の壁に激突してようやく止まる。
 顔の前で拳を握ったまま、耕一は息を吐き、呼吸を整えた。
 素早く視線を戻すと、もう純は立ち上がっていた。
 口の端から鮮血を流し、呼吸が乱れていることから、受けたダメージは軽くないのだろう。
 当然だ。
 エルクゥの全力のパンチを受けて、無傷でいられるとしたら、もはやそれは生物の範疇にない存在だ。
 だが呼吸を乱しつつも、純は不敵な笑みを浮かべた。
「やっぱり強いな、あんた」
 言いつつ、純は左右の拳を構えた。

12柏木耕一vs佐藤純(SWW仕様)の差し替え:2009/10/14(水) 22:20:27
「はっ!」
 純が踏み込み、気合を入れて拳を突き出した。
 速い。
 耕一は鮮やかなサイドステップで回避するが、純は立て続けに攻撃してくる。
 素人目には、絶対に見切れないほどの速度だ。
 観客の目では全く追いつかない。
 貫手と掌打を主体にした純の高速連撃を叩き込まれ、耕一が大きくよろめいた。
 衝撃が胸筋や腹筋を突き抜け、背中まで達する。
 内臓が破裂してもおかしくないほどの衝撃だ。
 さらに回し蹴りを脇腹に打ち込まれ、耕一は膝をつきかける。
 しかし何とか踏みとどまり、追撃しようと接近してきた純を、耕一は下から蹴り上げた。
 顎に強烈な蹴りを受け、呻きながらよろめく純だが、即座に体勢を立て直して拳を放つ。
 ──お互いに決定打はなかった。
 いや、ある意味では全てが決定打だ。
 二人の攻撃は、全てが一撃必殺の破壊力を秘めている。
 ただ、二人の意志が倒れることを拒絶しているだけだ。
 どちらの頭の中にも、倒れることや敗北することなど、可能性としてすら存在していないのだろう。
「……」
「……」
 やがて二人は無言で数メートルの距離を置き、動きを止めて対峙する。
 どちらも激しく呼吸を乱し、両肩を上下させていた。
 超一流同士の戦いは、体力や気力の消耗が激しいのだ。
「中々やるじゃないか」
 途中から千切れ、ぶら下がっている制服の右腕部分を、隙のない動作で捨てながら純が言った。
 それを聞くと、耕一は折れた歯を鮮血ごと吐き出し、口を開く。
「君もな」
 言いつつ、構える耕一。
 既に自分を支えているのは気力だけ、という自覚はある。
 お互いに、ギブアップという選択肢はない。
 最後まで戦うしかないのだ。
(次で決まる、な)

13柏木耕一vs佐藤純(SWW仕様)の差し替え:2009/10/14(水) 22:21:08
 次の瞬間、二人の両腕がぶつかり、力比べが始まった。
「ぐぅぅ……!」
「おおぉ……!」
 どちらも引かない。
 純の力は凄まじいが、力なら耕一も負けてはいない。
 鬼の力と鬼の力が真正面から激突しているのだ。
 二人の両腕が震え、骨がきしみ、筋肉が怪力に耐えられず出血し始める。
 体内から生暖かい鮮血が溢れ、口の端から流れ出す。
「…!」
「…!」
 お互いに言葉を発する余裕はない。
 両者は共に、持てる力の全てを出し合っている。
 二人は一歩も引かない。
 互いを睨みつつ、鬼の力をぶつけ合う。
「くっ……!」
 先に力が緩んだのは、純だ。
 一瞬だけ膝が緩み、そこで姿勢を崩してしまう。
 その一瞬が、命取りとなった。
「ウォォォォォゥ!!」
 耕一は叫び、手を離し、渾身の力を込めて拳を突き出した。
 それは反射的に防ごうとした純の左手をぶち抜き、彼の胸部に直撃する。
 胸部が拳の形に陥没し、胸骨の折れる音が鳴り、純は激しく吐血した。
 そのままパンチの衝撃で彼は吹き飛ばされ、激しく地面に叩き付けられる。
 何度も地面でバウンドし、壁に激突として遂に止まった。
「ぐっ……あ……」
 彼は呻き声を上げつつ、立ち上がった。
 しかし、もはや戦う力が残っていないのは明白だ。
 純は不敵に笑って言った。
「俺の負けだ……見事な一撃だった」
「ありがとう。君も強かった」
 耕一が言葉を返すと、純は満足気に微笑み、倒れ込んだ。
 それと同時に、耕一の勝利を告げるアナウンスが闘技場内に響き渡った。

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