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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13
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「――ユニゾン・インッ!」
しかしその状況も、彼女がアギトと融合することで、わずかばかりとはいえ好転する。
体力的には厳しいものがあったが、それでも動きは飛躍的によくなったのだ。
一方的に嬲られていたヴィータが、何とか敵の動きについていけている。
全くなかった相手の隙が、僅かばかりだが見えるようになってきた。
(今がチャンスや)
夜天の魔導書のページをめくり、術式発動の準備を整える。
付け入るなら今だ。
相手の一瞬の隙を狙い、最高のタイミングで横合いから殴りつける――実現できるのは今しかなかった。
使える武器を慎重に選定する。
ヴィータに残された体力を考えれば、恐らくチャンスは一度しかない。
その一度でアーカードの動きを止め、確実に葬り去らなければならないのだ。事は慎重を要した。
憑神刀(マハ)の固有スキルの行使――これは駄目。
範囲攻撃の「妖艶なる紅旋風」は、心臓の一点のみを貫くには適していない。
面に展開して呑み込むにしても、それだけの魔力の余裕はない。何よりそれではヴィータが巻き込まれる。
「愛の紅雷」も同様だ。射程圏内ギリギリまで砲台を接近させるうちに、恐らく気付かれて叩き落とされるだろう。
ならば、ラグナロクやデアボリック・エミッションなど、自分が元々得意としていた広域魔法――これも駄目。
これに至っては論外と言ってよかった。
消耗が激しいことや、ヴィータを巻き込みかねないことは、「妖艶なる紅旋風」と共通している。
そしてデメリットはそれだけではない。自前の広域魔法では、チャージに時間がかかりすぎる。
その間にエネルギーを肌で感知され、目論見を見透かされる可能性が大きいのだ。
残された手段はただ1つ――夜天の主の身に刻み込まれた、配下・ヴォルケンリッターの魔法。
彼女らはそろって自分より器用だ。長いチャージ時間を必要とせず、手軽に発動できる魔法を多く有している。
そして彼女らの技の中に、この状況に適した魔法が1つある。
盾の守護獣・ザフィーラの必殺技――バインド魔法・鋼の軛だ。
(こいつで奴を足止めして、その隙にヴィータにとどめを刺させる)
それがはやてのプランとなった。
もとよりこんな横になった態勢では、攻撃魔法の狙いを定めるのは難しい。
心臓のみを狙うなどという精密射撃は、リインフォースⅡとユニゾンでもしない限り不可能だ。
故にここは精密射撃を諦め、大ざっぱな足止めに留めておく。
放つべきはシュツルムファルケンでも、スターレンゲホイルでもなかった。
標的を地面へと縫いつけ、行動を止めることに特化した、蒼き狼の拘束魔法だ。
(一撃で決めるんや)
自分自身に言い聞かせた。
タイミングを見極めろと。
一種の隙を見逃すな、と。
目指すは絶好の幸運のみだ。中途半端なチャンスに傾いていては、あの暴虐の魔王は止められない。
狙うんだ。
この鮮血と爆裂の乱戦の中、アーカードの注意が完全にヴィータに集中されるタイミングを。
なおかつヴィータを巻き込むことなく、アーカードにのみ確実に命中させられる位置を。
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