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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13
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(あ……)
闇を抜けたかと思えば、今度は靄の中にいた。
そう誤認するほどに、視界はぼんやりと霞んでいた。
薄っすらと確認できる地形から、そこが元のホテル・アグスタだと分かる。
朦朧としかけた意識の中で、状況を整理した結果、自分が気を失っていたことを自覚する。
どれほど気絶していたのだろうか。
その間に彼女は――スバルという少女はどうしたのだろうか。
「―――ぉぉぉけええ―――――――ぇぇぇ―――ッ――」
と。
鼓膜に突き刺さったのは、そんな怒声だ。
意識に割り込んできた声を皮切りに、少しずつ感覚が鋭さを取り戻してくる。
ほとんど色しか分からなかった視力も、物のシルエットを捉えられる程度には回復してきた。
目の当たりにしたのは、戦いの構図。
叫びを上げる青髪の少女が、絶叫と共に暴れまわる様だ。
敵は人ではない。細く鋭く、徒党を組んで襲いかかるのは、刃を宿したナイブズの翼。
どうやらまた、自分の左腕がやらかしたらしい。
意識を失っていた間に、またしても暴走したようだった。
(おいこらヴァッシュ・ザ・スタンピード、寝てる場合じゃないぞ)
だとしたら、大変な事態だ。
ぐ、と身体に力を込めて、動かぬ五体を起こそうとした。
目の前の命が潰えるより前に、左腕を抑え込もうとした。
「――タ、は…――」
それでも、身体が応えてくれない。
今までよりはマシとはいえ、やはり左腕の主張は激しく、無理やりにヴァッシュの制御をはねのけようとしてくる。
「―ンタだけはあ―――ぁぁァァァァ――――ッ――」
負けてたまるか。
屈してたまるか。
こんな程度で挫けるのが、ヴァッシュ・ザ・スタンピードであってたまるものか。
同じ過ちは犯さない。
かつてと同じように力に呑まれ、誰かの命を奪うなんて真似はしない。
もう2度も繰り返したのだ。
ジュライの悲劇を繰り返すものか。
フェイトの死別を繰り返すものか。
だから立て。あともう一歩だ。意識を取り戻すところまで来たんだぞ。
もうあと一歩で届くはずなんだ。
その一歩を踏み出すんだ。
さぁ、行くぞ――ヴァッシュ・ザ・スタンピード!
「ァアアアアアアアアアアアアアア――――――ッ!!!」
くわ、と瞳を見開いた瞬間、絶叫と踵落としが襲いかかった。
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