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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13

122夢と誇りをとりもどせ ◆gFOqjEuBs6:2010/04/28(水) 17:42:48 ID:Zke0Tok.0
 
 ――CLOCK OVER――

 しかし、カブトの思い通りには行かない。
 カブトの攻撃がアンジールに届く前に、クロックアップが切れたのだ。
 クロックアップ中に飛び蹴りを当てる戦法、失敗か。
 否、まだ失敗した訳ではない。クロックアップによるアドバンテージは大きい。
 アンジールが感知するよりも速く、キックを当ててしまえばいいだけだ。
 されど、戦いとはやはり思い描いた通りにはならないもの。

「――後ろかッ!」

 アンジールが、片翼を羽ばたかせて、方向転換をした。
 何と言う反射神経だ。この男は、クロックアップによる連携攻撃に生身で着いて来たのだ。
 ライダーやワームですら、これ程の反射神経を持った者はそうはいまい。
 アンジールは、その化け物染みた反射神経を以て、バスターソードを構えた。
 横幅の広いバスターソードを盾代わりに、カブトのキックを受け止めようと言うのだ。
 されど、カブトのキック力は7トン。当然、受け止め切る事など、出来る訳も無く。
 アンジールの身体は、後方へとふっ飛ばされた。


 スーパーの屋上に着地したアンジールは、バスターソードを杖代わりに立ち上がった。
 足場に突き立てたバスターソードの柄を握り締め、アンジールは思う。
 クラス1stのソルジャーと何度もかち合って、未だお互いに決定打無し。
 この男は強い。文句なしに強いと認めざるを得ない。
 何せ、クラス1stの自分と渡り合えるだけの力を持っているのだ。
 強い。文句なしに強い。
 戦闘におけるセンスは自分と同等か、それ以上だろう。
 もしもこんな戦士が神羅に居たならば、さぞかし立派なソルジャーになれた事だろう。

「強いな。大口を叩くだけの事はある」
「当然だ。何てったって、“俺が最強”なんだからな」
「ならば、尚更だ。“最強”のお前を倒せば、妹の安全はより保証できる」
「お前には無理だ」

 その身体能力を以て、カブトが屋上まで駆け上がって来た。
 俺が最強、と言う言葉を強調して、不遜な態度を崩す事無くうそぶいた。
 だが、最強を自負するからには、この男の戦い方は少し甘すぎる。

「お前の攻撃には、殺意が無い……本気で戦う気は無いのか」
「馬鹿馬鹿しい。俺は最初から本気だ。
 最も、あの生け好かない女に従って誰かを殺すつもりは毛頭ないがな」

 なるほど、この男は殺し合いに乗ってはいない。
 不思議な男だ。ヴァッシュとはまた違って意味で、だ。
 剣を交えたからこそ解る、一種の信頼にも似た感情を、抱き始めて居た。
 これから妹以外の全員を殺して回らねばならないというのに、自分は何をしてるんだと、自嘲した。
 そうだ。死んでしまったチンクとディエチの分まで、俺はクアットロを守らねばならない。
 放送を読み上げた人物もまた掛け替えのない家族の一人だが、そんな事は後で考えれば良いだけの話。
 今考えるべきは、クアットロを守る事だけだ。
 その為にも、この男を叩き潰してでも前に進まねばならないのだ。




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