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仮投下・修正用スレ

1名無しさん:2009/05/10(日) 23:38:31 ID:pmy889Lc0
2chの規制や意見を聞きたいなどで本スレに投下できない時にどうぞ。

前スレ
一時投下・修正用スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10906/1203948076/
避難所スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10906/1204105308/

334 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/25(土) 00:42:05 ID:UCdNfzXI0
放送案は、以上です
「放送は予約の必要がない」というルールを知らずに、申し訳ありませんでした。
今後、このようなミスがないように気を付けます。
そして、問題点や矛盾がありましたら、ご指摘をお願いします。

335 ◆HlLdWe.oBM:2010/09/26(日) 01:42:46 ID:mGStIFBc0
LuuKRM2PEg氏放送案投下乙です
一つ気になったのは死者の発表順
今まで五十音順だったので、もし採用された場合はその部分の修正お願いします

では自分も放送案投下します

336第四回放送案:2010/09/26(日) 01:43:38 ID:mGStIFBc0

その発言がされた瞬間、○○○は途轍もなく嫌な予感に襲われた。

これから何か良くない事が自分達の身に降りかかる。

そんな第六感や虫の知らせめいた考えが頭を過ったのだ。

だから急いで皆にこの不安を伝えようと口を開こうとした。

だけど、それはもう叶わなかった。

337第四回放送案 ◆HlLdWe.oBM:2010/09/26(日) 01:44:44 ID:mGStIFBc0


     ▼     ▼     ▼


さあ、6時間ぶり、いえ私に限っては12時間ぶりの放送になるわね。
さて私が今回放送を取り行う理由は後から説明するとして、まずは禁止エリアとこの6時間で脱落した死者を発表するわ。
もう残りの参加者も少なくなっているとはいえ、聞き逃さないようにしなさい。

では今回の禁止エリアよ。

1時から
3時から
5時から

以上の3エリアになるわ。

そして続いてこの6時間で死んだ者は以下の7人。

アーカード
相川始
アレックス
ヴィータ
エネル
クアットロ
ヒビノ・ミライ

以上よ。

前回よりも減っているとはいえ、残りの人数を考えると悪くはないペースね。
ところでボーナスは有効に活用してもらえているかしら。
あなた達にはぜひこの調子で頑張ってほしいものね。

338第四回放送案 ◆HlLdWe.oBM:2010/09/26(日) 01:52:55 ID:mGStIFBc0

さて、今回は一つ重大な報告があるわ。
それこそが私が今回わざわざ自ら放送をしている理由よ。

それは『首輪を分解して解析した者が現れた』事よ。

あなた達にとっては朗報でしょうね。
その忌々しい首輪さえ解除できれば堂々と私に反旗を翻せるのだから。

でも私は確か1回目の放送でこう言ったはずよ。

『それと何人か殺し合いを止めようとしているみたいだけど、頑張っても無駄よ。なぜならそんな事をし続けても、いずれは――』
『――こうなるからよ』
『別にすぐにとは言わないわ。でも殺し合いが進まないと困るから、しかるべき時には……』

私は言ったわ。
性懲りもなく殺し合いを止める行為を続ければ、いずれはあの時のアリサ・バニングスのようになると。
口だけでなくきちんと実演までしてみせたはずよ。

だけど私は寛容よ。

今まで何人かが私への反抗を企てて行動していたけど、いつかその行動の無意味さに気付くと信じて見て見ぬふりをしてきたわ。
でもどうも分かっていなかったようね。
だから今回のように調子に乗った者が現れた。
さすがにこれはもう私も見て見ぬふりは出来ないわ。
残念だけど宣言通り制裁を加えるしかないようね。

でも今回使われたのは死者の首輪。
未だにあなた達の首輪はちゃんと首に嵌っているわ。



ダ カ ラ コ ン カ イ ハ ケ イ コ ク ニ ト ド メ テ ア ゲ ル。



ふふふ、当事者は今頃身を持って知ったでしょうね。
首輪を分析して解除しようとする愚かしさを! 私に反抗する無意味さを!
そして後悔しなさい、自分達が仕出かした過ちにね!!!

そうね、当事者の身に何が起こったのか知りたければ急いで北東に向かうといいわ。

さあ、みんなこれを肝に銘じてさらに殺し合いに奮起してくれる事を期待するわ。
なんと言っても残り12人、あと11人死ねば、あなたは勝者になれるのよ。
そうすれば私がその功績を称えて望みを叶えてあげる。
ふふ、その時が来るのを私も楽しみに待っているわ。

それじゃあ今回の放送はここまで。
次の放送は……果たしてあるのかしらね……。

339第四回放送案 ◆HlLdWe.oBM:2010/09/26(日) 01:56:53 ID:mGStIFBc0


     ▼     ▼     ▼


結局○○○は何も伝える事ができないまま短い生涯を終える事になった。

その細い首に嵌った首輪の爆発は誰にも防ぐ事は出来なかった。

なぜ皆と同じく首輪を付けられた者の中で○○○が選ばれたのか。

それは○○○が、リインが正式な参加者ではなく、参加者に配られた支給品であるため。

だからプレシアも気兼ねなく警告の実演に起用したのだろう。

こうして小さな祝福の風は無慈悲な爆風にかき消されたのだった。


【リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS  死亡確認】

340 ◆HlLdWe.oBM:2010/09/26(日) 01:59:15 ID:mGStIFBc0
投下終了です
禁止エリアですけど、今すぐに適当なものが思いつかないので採用された場合にまた改めて考えます
雑談スレとかで意見出してもらえると助かります

341 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:04:38 ID:CSh9VCWc0
お待たせしました。これより放送案を投下します

342 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:05:10 ID:CSh9VCWc0
 ――おはよう、みんな。0時の放送の時間よ。
 仮眠も取ったことだし、ここからは今まで通り、私が放送を行うわ。
 まぁもっとも、この放送もあと何度続くことになるか、分かったものじゃないのだけど……
 ……フフ、ではまず、禁止エリアを発表させてもらうわね。
 メモの準備はいい? こんなところまで来ておいて、自滅なんてされたら困ってしまうわ。
 ……では、読み上げるわよ。

 7時から○-×
 9時から○-×
 11時から○-×

 以上の3か所よ。

 では続いて、これまでの死者を発表するわ。

 アーカード
 相川始
 アレックス
 ヴィータ
 エネル
 クアットロ
 ヒビノ・ミライ

 以上、7名。
 この24時間を生き抜いたのは、合計12名よ。
 ……まぁ、きっかり10名にならなかったのは、キリの悪い数字だと思ったけれど。
 ペースとしては上々。さすがに1日で終わるなんてことはなかったようだけど、
 これなら順調に終わってくれるかしら? 貴方達には、本当に感心させられるわね。

 ……今回はここまででいいわ。
 私が用意してあげたご褒美も、十分機能しているようだし。
 じゃあ、せいぜい最後まで頑張ってちょうだいね。
 貴方達の願い、そして私の目指すもの……どちらも成就するまであと一歩。
 フフ……期待させてもらうわよ。

343第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:05:56 ID:CSh9VCWc0


 かくして4度目の放送は流れた。
 最悪の1日は終わりを告げ、最悪の2日目が始まった。
 24時間目の時報を耳にしたのは、合計12人の生存者。
 僅か24時間のうちに、60人の参加者達は、実にその8割を喪っていた。

 誰もが耳を傾ける。
 誰もが放送を耳にする。
 安堵、悲嘆、希望、絶望。
 それぞれの思惑を胸に宿し、それぞれの感想を胸に抱く。



 しかし此度の放送は、それまでに繰り返されたものとは、ある1点において違っていた。



 ある者は全く気付かなかった。
 ある者は気付いていたのかもしれない。
 この放送に隠されたものに。
 この放送が意味するものに。

 そこに時計を持つ者がいて、その者が時計を見ていたのなら、容易に気付くことができたであろう。





 現在時刻、0:10。





 今回の放送は、これまでの放送とは異なり、予定より10分遅れて流れていた。





 ――――――異変は、この時既に始まっていた。

344第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:06:37 ID:CSh9VCWc0


「もう間もなく放送の時間か……」
 ぽつり、と呟いた女の声が、狭い一室に木霊する。
 巨大なモニターとコンソールを前に、1人座っていた者は、プレシア・テスタロッサの使い魔・リニス。
 青く澄んだ猫の瞳は、しかし今この瞬間は、失意の陰りに満ちていた。
 第3回目の放送から、色々と試してみたものの、その結果は芳しくない。
 彼女の有する権限の大多数は、主君によって凍結されていた。
 部屋から出て問い詰めに向かおうにも、ドアにまでロックがかけられている。
 とどのつまりは、完全なる手詰まり。
 何もできず、どこへも行けず。
 籠の中のカナリアのごとく。
 プレシアの下した制裁は、リニスからこの殺し合いに介入する、あらゆる術を奪っていた。
(何が希望だ)
 歯を軋ませる。
 苦虫を噛み潰したような表情で、己自身を嘲笑う。
 所詮自分の力などこんなものか。
 こんなにもあっさりと、何もできなくなってしまうものなのか。
 その程度の力しかない私に、一体どんな希望が与えられるものか。
 何もできない。
 何も変えられない。
 こんな矮小な私などには、殺し合いを止めることも、参加者を救うこともできはしない。
 広がりゆくのは心の暗黒。
 自分の弱さと情けなさが、自身の心を苛んでいく。
 罪を償うこともできないという事実が、自らの罪を思い起こさせ、良心の重荷を思い出させる。
 何ができる。
 何をすればいい。
 私にできることがあるなら、今すぐにでも示してほしい。
 籠の中のカナリアごときに、何かが変えられるというのなら――



 ――がこん。



 その、時だ。
「……?」
 リニスの座るすぐ背後で、何かの音が鳴った気がしたのは。
 聞き間違いでなかったとするなら、金具が落ちたような音だったはずだ。
 否、自分に限って聞き違いはあるまい。猫の聴力は人間よりも高い。
 ほとんど確信を持ちながら、ゆっくりとその身を振り返らせる。
 分かっているのに振り返ったのは、音の主を知らないから。
 音の質こそ分かっていたものの、その音が何によって奏でられたのかを知らなかったから。
 故にそれを確かめるために、視線を音の方へと向け、
「よう」
 その女と、対峙した。
 そこに立っていた者は、燃えるようなオレンジの女。
 橙色の長髪をたなびかせ、青い瞳を光らせる者。
 そのコスチュームの露出度は高く、すらりと伸びた四肢の皮下には、くっきりと筋肉が浮かび上がる。
 顔に浮かべるは不敵な笑み。左手に持つのは通気孔の金網。
 そしてその頭には――リニスと同じ、獣の耳が生えていた。
「貴方は……アルフ!?」
 は、としたような顔になり。
 ほとんど反射的に椅子を蹴る。
 額にじわりと冷や汗を浮かべ、後ずさるようにして立ち上がる。
 どういうことだ。何故アルフがここにいるのだ。
 フェイト・テスタロッサ諸共、自分達が殺してしまったはずの犬の使い魔が、何故こんなところに現れるのだ。

345第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:07:13 ID:CSh9VCWc0
「何故貴方が――」
 そこまで言いかけた瞬間。
「……っ!?」
 身に感じたのは、物理的衝撃。
 ぐわん、と視界が落下する。
 膝が強制的に曲げられ、身体が勢いよく倒れる。
 強引に押さえつけられた五体が、床に叩きつけられる硬質な感触。
 巻き添えを食らった足元の椅子が、空中に放り出されたのを見た。
 がたん、と椅子が落ちるのと同時に。
 己の視界に差す影を認知し。
 己を押さえこんだ者の正体を、目にした。
 それはかの使い魔ではない。そこに眩しいオレンジ色はない。
 そこに現れた者は――漆黒。
 全身を黒ずくめの騎士甲冑で固めた女が、リニスの身体に馬乗りになって、首筋と右肩を押さえていた。
 背中に生えていたものは、烏を彷彿とさせる艶やかな羽。
 色素の抜け落ちたかのような銀髪と、血濡れのごとき深紅の瞳。
「リイン……フォース……!?」
 やはり自らの手で殺したはずの、夜天の魔導書の管制プログラムが、目の前に姿を現していた。



 時は数分前にさかのぼる。
 その時彼女らはその場所にいた。
 リインフォースとアルフの2名は、相変わらず四つん這いの態勢で、時の庭園の屋根裏を移動していた。
《ホント、地図でも手に入ればよかったんだけどねぇ……》
 溜息混じりに、アルフが念話でぼやく。
 先ほどリインフォースがハッキングを行った時に閲覧できたデータは、爆発物の制御装置と謎の名簿。
 地図などの有用なものが得られなかったばかりか、得たものも得たもので意味不明の代物。
 そしてそのまま再び降りることもできず、こうしてただひたすらに、薄暗い屋根裏を徘徊している。
《もう一度降りられるといいのだが、これでは無理だな》
《そもそも2回目は向こうも警戒を強めてるだろうし……やっぱり別の方法を探るしかなさそうだね》
 金網から眼下を覗くリインフォースに、アルフが言う。
 彼女らがハッキングを途中で切り上げたのは、今まさに廊下を巡回しているものが原因だ。
 元いた世界の海鳴市を滅ぼした、プレシアの軍勢に加わっていた卵型の機動兵器――ガジェットドローン。
 あれさえいなければ下に降りることも可能なのだが、
 いなくなるどころか、どうにも先ほどから少し数が増えたようにも見える。
 とてもじゃないが、監視の目を盗んで端末にアクセスを……などと言っていられる状況ではなかった。
《一度どこかの部屋に入ってみるか? 何か使えるものがあるかもしれん》
 そう提案したのはリインフォースだ。
《あー、それもいいかもね。そこならあの機械もいないかもしれないし》
 言いながら、アルフの視界が眼下を探る。
 近くに確認できる廊下の扉は、隣り合うようにして配置された2つ。
 ひとまずは近い方の金網を目指すことにして、両者は移動を再開した。
 そして数歩のうちに目的地へとたどり着き、2人のうちアルフが様子を窺う。
 仮に中にガジェットや人がいた場合、降りた途端に見つかって、増援を呼ばれてしまう可能性があるからだ。
 実際、そこには人が1人いたのだが、
《っ!? そんな……あれは、リニス……!?》
 それがいるはずのない知り合いであったということは、さすがに予想だにしていなかった。
《知った顔か?》
《フェイトを教育してた、プレシアの使い魔だよ。でも何でだ? リニスは死んだはずじゃ……》
 忘れがちだが、本来ならばリニスは故人である。
 彼女はプレシアとの短い契約期間を満了し、元の屍へと戻ったはずなのだ。
 にもかかわらず、彼女はここにいた。
 生前と一切変わらぬ姿で、時の庭園の中に存在していた。
 これは大いなる矛盾だ。まさかリーゼ姉妹のように、双子がいたというわけではあるまい。
《……リインフォース。情報を手に入れる方法が、もう1つあるよ》
《何だ?》
 故にアルフはこう提案した。
《尋問》
 リニスと向き合い、問い詰めることを。
 彼女の生存とプレシアの意図、どちらも纏めて聞き出さねばならない、と。

346第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:07:48 ID:CSh9VCWc0


 かくして時間は現在へと戻る。
「久しぶりだね、リニス。こんな形で再会することになるとは思わなかったけど」
 床に仰向けに押さえつけられた猫の使い魔へと、犬の使い魔が切り出した。
 本当に、こんなはずではなかったことばかりだ。
 死んだとばかり思っていたリニスと、こうして再会することになったことも。
 その美しくも優しい教育係と、敵として対峙しなければならなくなったことも。
「あんた、何で生きてるんだ? 契約を完了した使い魔は、そのまま死ぬ宿命だったはずだ」
「私はリニス本人ではありません。
 プロジェクトFの技術を応用して作られた、同じ容姿と技術を持ったクローンに過ぎません」
「……そうかい」
 寂しげに目を伏せ、それだけを呟く。
 もしかしたら、とは思っていたが、どうやらそうも都合のいい話は存在しないらしい。
 プロジェクトF――フェイトが生まれるきっかけともなった、記憶転写クローン技術。
 その末に生まれたのがこのリニスだというのならば、
 オリジナルのリニスは、やはりこの世にはいないということになる。
「いくつか聞かせてもらいたいことがある」
 複雑な心境にあるであろう、アルフへの配慮だったのだろうか。
 ちら、とアルフに目配せした後、リインフォースが問いかける。
 そこからの尋問の主導権は、リインフォースが引き継ぐこととなった。
「まずは貴方の主人――プレシアについてのことだ。彼女はここで何かを行っているようだが……一体何を企んでいる?」
 第一に確認すべきは、そこだ。
 アルハザードへの到達を目的としていたプレシア・テスタロッサは、恐らくその悲願を達成した。
 だとしたら、己の都合以外に一切の執着を持たないはずの彼女が、今更海鳴に攻撃を仕掛けるはずもない。
 しかし現実として海鳴は滅び、高町なのはとのその関係者は、今ここにいる2名を除いて全滅した。
 ならば、まだ何かある。
 プレシアが何かしらの目的を持って、未だに暗躍していることになる。
 最初に問いただすべきは、それであった。
「………」
 返ってきたのは、沈黙。
 微かな逡巡を湛えた表情と共に訪れる、静寂。
 数瞬の間、その状態が続き、
《……私に話を合わせてください。この部屋もプレシアに監視されているでしょうから》
 返ってきたのは、言葉ではなく念話だった。
《話を合わせる、ってのは、どういうことだい?》
 不可解な言い回しに、アルフが問いかける。
 監視されている可能性がある、という言葉には、さほど驚きは感じなかった。
 ここが敵の本拠地であるのなら、ある程度は仕方がないと割り切れるからだ。
 故にそれ以上に不可解なのは、リニスの持ちかけてきた提案。
 話を合わせろということは、演技をしろということだ。
 プレシアに従う身であるはずの彼女が、何故そのプレシアに本音を隠そうとするのか。
《私にはこれ以上、この件に干渉することはできません……ですから、貴方達に託そうと思います》
 答えが返ってくるまでには、さほど時間はかからなかった。
《お願いです――彼女を、プレシアを止めてください》

347第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:08:20 ID:CSh9VCWc0


 そして真実は語られた。
 伏せられていた情報の全ては、今ここに白日のもとに晒された。
 プレシアがたどり着いたこの場所は、間違いなくアルハザードであったということ。
 そこにたどり着いたにもかかわらず、未だアリシアは蘇っていないということ。
 そのアリシアの復活のために、プレシアが今動いているということ。
 そしてその手段として夜天の書を奪い、そのためにあの海鳴市を滅ぼしたということ。
「そんな……」
 そして。
「アリシアを復活させるために、大勢の人間が殺し合わされているだって……!?」
 それらの犠牲を払った末に、今まさに実行されていることさえも。
「何でだよ……どういうことなんだよ! そんな残酷なことが、死んだ人間の復活に繋がるのかよ!?」
 しばし呆然としていたアルフが、一転し、激昂の様相を見せた。
 今にも掴みかからんばかりの勢いで、リニスに向かって問いかける。
 敵を尋問しているように見せるための演技――ではない。この怒りは彼女の真意だ。
 まっとうな蘇生実験のために、フェイト達が犠牲になったというのなら、この際まだマシな方と言っていい。
 だがその犠牲が、そんな無駄な殺し合いのために払われたというのなら話は別だ。
 何故だ。
 何故そんなことのために、フェイト達が殺されなければならなかった。
 そんな無軌道な殺戮のために、何故愛しい主と仲間達の命が――
「それが、繋がるんです。彼女が行っているのは、そういう儀式ですから」
「儀式?」
 リニスの返事に反応を返したのは、やはりアルフではなくリインフォースだった。
 基本的に、この場で一番平静を保っているように見えるのは常に彼女だ。
 もっともその彼女自身もまた、プレシアの暴挙を許したわけではないのだが。
「今あの結界の中で行われている殺し合いこそが、アルハザードで確立されていた、死者を復活させるための儀式なのです。
 60人の人間を戦わせ、敗れた59人分の生命エネルギーを利用することで……勝ち残った1人の肉体に魂を降ろす。
 同時に肉体が生前のそれへと再構成されることで、完全なる死者蘇生は実現される」
「蟲毒だな、まるで」
 古代中国の呪術の名を例に挙げ、言った。
 もっともそちらの方は、虫や小動物を食い合わせて怨念を集め、猛毒を持った生物兵器を生み出すための呪法なのだが。
「そんなむちゃくちゃな……ここは仮にも、魔法の聖地なんて言われた場所なんだろう!?」
 それでもなお納得できないといった様子で、アルフが反論する。
 否、その感情の様相は、先ほどとはまた異なるものとなっていた。
 プレシアの暴挙に対して抱いたものが怒りなら、今この瞬間抱くものは困惑の二文字。
 優れた魔法技術を有したアルハザードの様式にしては、その方法はあまりにも野蛮で、あまりにも前時代的だ。
 魔法のまの字すら見えないこの儀式が、アルハザードの正統な技術であるなどと、一体誰が信じられるものか。
「だからこそ、なのです。
 リインフォース……蟲毒などという術を知っているのならば、地球に存在する生け贄の儀式のことも、聞いたことがあるのでしょう?」
「ああ。アステカ、インカ、中国……日本でも行われていた時期があったようだな」
「地球の場合、多くは神への貢物として行われていたようですが……
 あの世界を含む、リンカーコアを制御する術を持たない世界のうちのいくつかでは、超常の力を発揮するために、
 生け贄という形で肉体を損壊することで、強引に生命エネルギーを流出させる手段を取っていたのです」
「成る程……言わばあれらの風習もまた、超原始的な魔法だったということか」
 アステカの生け贄が、神を動かす力となったように。
 蟲毒の生き残りが、怨念を猛毒へと昇華させたように。
「にしたって60人って数は……あまりにも、多すぎる」
「完全な死者蘇生のためには、それほどの途方もない力が必要だったということか」
 そもそも死者を復活させるということは、あの世から死者の魂を連れ戻すということだ。
 そしていかに科学や魔術が発展した世界であっても、少なくともアルフ達管理世界の住民が知る限りでは、
 現世から冥界へと至る術を発見した世界は、未だない。
 彼岸と此岸の境界とは、それほどに強固なものなのだ。
 途方もないほどに強固な壁を越えるには、途方もないほどの代償を払わければならないということだ。

348第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:09:08 ID:CSh9VCWc0
《……事情は分かったよ。理解したくないけど、理解しなけりゃいけないってことが分かった》
 眉間に皺を寄せながら、毛髪の奥の頭皮を掻く。
 不機嫌そうな表情のまま、アルフがリニスへと念話を送る。
《では……》
《もちろん、最初からそのつもりさ。プレシアはあたし達が止めてくる》
 全て納得したと言えば、嘘になるだろう。
 正直な話、未だに唐突感はぬぐい去れない。あまりにも荒唐無稽すぎる話には、未だ理解が追いつかない。
 それでも、自分達はここに理解をしに来たのではないのだ。
 自分達がここに来たのは、プレシアの真意を問いただし、ろくでもないことを企んでいるのなら、それを止めるためなのだ。
 そして今まさに行われていたことが、そのろくでもないことであることは理解できる。
 ならば、この際細かいことはどうだっていい。
 今すぐプレシアの所へ殴り込み、このふざけた儀式とやらを止めるしかない。
 既に何人もの人間が犠牲になっているというのなら、なおさらのことだ。
《使い魔リニス。この施設の見取り図があったら、見せていただけないだろうか》
「この施設の見取り図がほしい。今すぐそのモニターに映せ」
 念話による本音では、穏便に。
 肉声による演技では、威圧的に。
 2つの言語を同時に駆使して、リインフォースが要求した。
「分かりました」
 その両方に、いっぺんに応じる。
 銀髪の融合騎の要求に、山猫の使い魔が応答を返す。
《窮屈だろうが、我慢してくれ》
 念話で前置きをしながら、リインフォースがリニスを強引に立たせる。
 首元に添えた手はそのままだ。建前上は脅迫している身なのだから、拘束を解くわけにはいかない。
 かくして彼女らはモニターへと向かう。
 倒れた椅子はそのままに、立った状態でコンソールを叩いた。
 かちかち、とキーボードを弾く音が響いた後、モニターに映し出されたのは時の庭園の見取り図。
 リインフォース達にとっては、実に6時間もの長きに渡って待ち望んだ代物だ。
「確認した」
 言うと同時に、リインフォースの手が伸びる。
 細く滑らかな指先が、コンソールの端子へと触れる。
 一瞬、ぴか、とその肌が光った。
 魔力光が瞬くと同時に、モニターに新たなウィンドウが開く。
 コピー完了――魔法術式タイプのコンピューターの特性を利用し、自らの内にデータを取り込んだ結果だった。
 もちろん、それだけではアルフが地図を使えない。
 故に適当な棚から、リニスに携帯端末を取り出させデータを出力し、それをアルフに投げて渡す。
「あとは……そうだな。参加者を拘束している首輪の制御装置はどこにある?」
 残された問題は、例の爆発物管理プログラムの正体――参加者に架せられた爆弾首輪だ。
 先ほどのハッキングではプログラムの存在こそ確認できたものの、それをどうこうすることは不可能だった。
 そしてあれをどうにかしない限りは、参加者をフィールドから逃がすことなど、不可能と言っていい。
 地図にそれらしきもののある部屋の名前が確認できなかった以上、その所在を問いただす必要があった。
「首輪はプレシア自身が管理しています。制御システムも、彼女の部屋に――」



 ――その、刹那。


.

349第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:09:53 ID:CSh9VCWc0
「ッ!?」
 世界の様相は一変した。
 視界は赤一色に満たされ、静寂は爆音に塗り潰された。
 ちかちかと点滅する非常灯。
 けたたましく鳴り響くサイレンの音。
 話声以外の音もなかった一室が、一瞬にして音と光の嵐へとぶち込まれた。
「これは……!?」
 誰が口にしたのかも分からぬ、戸惑いの声が上がるのも束の間。
「!」
 ぷしゅっ、と短く鳴る音と共に、部屋の自動ドアが開く。
 中から開いたのではない。扉はプレシアによってロックされている。
 であれば、答えは簡単だ。
 外から強制的に開けさせられたのだ。
「こいつら……!」
 扉の向こうに並ぶのは、見渡すばかりの鉄、鉄、鉄。
 卵を彷彿とさせる楕円形に、触手のごとく伸びた赤いケーブル。中央に光る黄金の瞳は、瞬きするかのように明滅する。
 ガジェットドローンの大軍だ。
 巡回を行っていた機動兵器達が、一斉にこの部屋へと押しかけてきたのだ。
「――バルディッシュ!」
 刹那、咆哮。
 凛とした雄叫びが上がると共に、黄金の光が赤を切り裂く。
 稲妻を宿した魔力光が、一瞬非常ライトを上から塗り潰した。
 声の主――使い魔リニスの手に握られていたのは、漆黒の煌めきを放つ長柄の斧。
 アルフの主人が生前用いていたものと、寸分違わぬ姿を持った、閃光の戦斧・バルディッシュ。
「はぁっ!」
 声を上げている暇などなかった。
 姿を知覚した瞬間には、既に動作に移っていた。
 跳躍。疾駆。接近。斬撃。
 カモシカのごとく両足をしならせ、敵に飛びかかりデバイスを振るう。
「リニス!?」
 アルフが声を上げた時には、既に1機のガジェットが破壊されていた。
 返す刃で次なる標的を切り裂き、改めてバルディッシュを構え直す。
 黒光りする切っ先越しに、山猫の双眸が機械兵を睨む。
「ここは私が引き受けます! 貴方達は隣の部屋に!」
「えっ……!?」
「この兵器達の放つフィールドには、魔力結合を阻害する効力があります。
 遠距離攻撃は不利です。隣の武器庫から、リインフォースの武器を調達して行ってください!」
 もはや演技をしている余裕はなかった。
 否、リニスの安否を無視して兵力を送った以上、大方プレシアにはばれていたのだろう。
 取り繕っていた体裁をかなぐり捨て、リニスがリインフォースらに向かって叫ぶ。
 そしてその言葉を聞いて、彼女らは一瞬忘れかけていた、敵の特性をようやく思い出した。
 あの金眼の兵器には、魔法を無力化させる能力が備わっていた。
 どういうからくりなのかが今までずっと気がかりだったが、なるほどそういうことだったのか。
「でも、1人で大丈夫なのかい? バルディッシュが近接戦タイプだからって……」
「見くびらないでくださいよ。これでも、フェイトの先生だったんですから」
 不安げなアルフを笑い飛ばすように。
 無粋なことを、と言いたげに、リニスが強気な笑みを浮かべる。
 それでも、未だ不安は消えない。
 いくら敵がガジェットだけでなかったからとはいえ、そのフェイトの敗北を目の当たりにしたからには、安心できるはずもない。
 確かにこのロボットそのものの耐久力はそう高くない。自分で殴り壊したからこそ分かることだ。
 だがそれでも、いくら何でもこれほどの数を前に、1人で戦えるものなのだろうか。
「やむを得ないか……ここは頼む。行くぞ、アルフ」
「……ああ」
 それでも、今は行くしかない。
 でなければせっかく足止めを買って出てくれた、リニスの意志が無駄になる。
 ここでまごついているうちにも、更なる犠牲者が出てしまうかもしれないのだ。
 無理やりに自分を納得させ、アルフはリインフォースの後に続いた。

350第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:10:46 ID:CSh9VCWc0
 部屋を出て、すぐ隣にあったドアを開く。
 先ほどちらと見た地図によれば、この部屋は殺し合いを行う際に必要となる、支給品とやらの転送室らしい。
 転送する武器の選別は、現在はランダムかつオートとなっているらしく、人の影は見当たらない。
 障害がないことを幸いとし、室内に並べられた武器を物色。
「……これがよさそうだな」
 そう言ってリインフォースが手にしたのは、一振りの日本刀だった。
 剣を選んだのは、ヴォルケンリッターの烈火の将・シグナムが剣の使い手だったからだ。
 彼女の魔法・紫電一閃は、純粋魔力ではなく、魔力変換によって生じた火力を纏うものである。
 魔力結合を阻害するガジェット相手には、ただの斬撃よりも有効と言えるだろう。
 故にシグナムの技を再現すべく、数ある武器の中からそれを選んだというわけだ。
 ただの刀が紫電一閃の火力に耐えられるのか、とも思ったが、どうやらこの刀、見た目以上に頑丈らしい。
 元々の持主たる異界の戦国武将・片倉小十郎が、この刀に雷を纏わせて戦っていたのだから、当然と言えば当然なのだが。
「よし、行くぞ」
「分かってる。……リニス! あたしらが戻るまで持ちこたえてくれよ!」
 部屋を出たアルフが最初に口にしたのは、ガジェットの大軍と戦うリニスへの呼びかけだった。
 そしてそれに対して返されたのは、彼女の無言の頷きだった。
 今はそれで納得するしかない。
 リインフォースらは彼女に背を向けると、すぐさま戦線を離脱する。
 硬質な廊下の床を蹴り、傍らの見取り図を見やりながら、時の庭園内部を走っていく。
 目標は2つ。
 今回の事件の首謀者であり、首輪の制御装置を保有しているプレシアの部屋。
 奪われた夜天の書が利用されているという、殺し合いのフィールドを生成する動力室。
 それぞれ最上階と最下層――PT事件を体験したアルフにとっては、一種懐かしささえ思わせる状況だった。
「リインフォース。ここは二手に分かれよう」
 そしてそのアルフが切り出したのは、またしても当時を想起させる提案だった。
「二手に……?」
「今は一分一秒が惜しい。あんたが地下の動力室を目指して、あたしがプレシアの部屋に向かうってのでどうだ」
「正気か? プレシア・テスタロッサの実力は、あの機械の比ではないのだろう……?」
 不可解な進言に、リインフォースが眉をひそめる。
 本業は科学者であるとはいえ、プレシアはSランクの魔力を有した大魔導師だ。
 まさかガジェット同様のフィールドを張るなんてことはないだろうが、それ以上に地力の差が桁違いである。
 事実として、アルフは以前プレシアに反旗を翻した際に、完膚なきまでに叩きのめされていた。
 理論上はその方が手っ取り早いとはいえ、どう考えても自殺行為としか思えない判断だ。
「夜天の書を取り返すことができれば、あんたもいくらか本調子を取り戻せるんだろ?
 心配なら、早く夜天の書を取り戻してきて、あたしを助けに来ておくれよ」
 返ってきたのは、不敵な笑み。
 にっと笑った表情は、先ほどのリニスのそれとも似通っていた。
 なるほど確かに、言われてみれば、リインフォースは夜天の書を奪われたことで、未だ本力を発揮できずにいる。
 その調子で2人がかり挑んだとしても、確実に勝利できるとは言い難いだろう。
 とはいえ2人で夜天の書の奪還に向かえば、その隙に参加者達を殺されてしまう。
 ならばここはアルフが注意を引きつけることで、本命のリインフォースに繋ぐのが最も確実だ。
「分かった……お前も、それまで死なないでいてくれよ」
「おうともさ」
 それが最後のやりとりとなった。
 階段にさしかかったところで、両者はそれぞれの道へと別れる。
 犬の使い魔は上を目指し。
 銀の融合騎は下を目指す。
 互いの目的を達成し、再び共に戦うために。
 あの忌まわしき魔女を打倒し、最期の悲願を果たすために。

351第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:11:25 ID:CSh9VCWc0


 身体強化術式を行使。
 速度強化と、腕力強化を最優先。
 AMFによる強化阻害の影響は、無視できるほど小さくはない。
 普段より数段重く遅い身体を、それでも懸命に力を込め、振るう。
『Scythe Form.』
 排気音と機械音を伴い、デバイスを近接攻撃形態へと移行。
 どうせ魔力弾は通用しないのだ。ならばこそ、接近戦に特化したフォームを選択するのは必然。
 振るう。振るう。薙ぎ払う。
 斬る。斬る。斬り刻む。
 迫る攻撃は全てかわした。
 普段より労力がかかる分、防御のタイミングはよりシビアだ。なればバリアになど頼っていられない。
 360度全方位に視線を配り、一心不乱に立ちまわる。
「はああぁぁっ!」
 柄にもなく気合の叫びを上げながら、リニスはひたすらに戦斧を振るった。
 我ながら大した出来だ――自らの手に握りしめた得物に、そんな感想を抱き、笑みを浮かべる。
 このバルディッシュは完璧だ。
 攻撃力も、魔力効率も、演算速度も申し分ない。さすがにフェイトのために、大枚をはたいて作っただけはある。
 フェイトはこの力作を気に行ってくれただろうか。
 オリジナルの私が最期に残したものを、喜んでくれていたのだろうか。それだけが気がかりだった。
(今の私にはこうすることしかできない……でも、彼女達にはできることがある)
 今のリニスを突き動かすのは、その一心だ。
 自分には何もできなかった。
 面と向かって立ち向かうこともできず、陰でこそこそと動くことしかできず、
 結局できたことといえば、参加者への可能性の丸投げだけだ。
 やがてプレシアに手足をもがれ、それすらも不可能となっていた。
 そして訪れた結末は、侵入者ごと抹殺対象となるという有り様。
 まったくもって不甲斐ない。大魔導師の使い魔とまで言われておきながら、情けないことこの上なかった。
「たぁっ!」
 しかし、彼女達は違う。
 彼女達はあの戦いを生き延びた。
 自分達を追うことに命を懸け、遂にはこのアルハザードにまでたどり着いた。
 何かを変えられるのは自分ではない――あの娘達だ。彼女達にこそ、希望があるのだ。
 ならば自分は捨て石ともなろう。
 こうして囮役を引き受けることで、希望を繋ぐことができるなら、喜んでここに屍をさらそう。
 犯してしまった罪を償う術が、こうする他にないのなら――
『――まったく、困った使い魔ね』
 その、瞬間。
 ぶんっ、と空気を揺らす音。
 不意に目の前に表れたのは、通信端末の空間モニター。
 画面越しに語りかけるのは、ウェーブのかかった黒髪と、冷たく射抜くような紫の視線。
『見え見えなのよ、あんな臭い芝居は。命を惜しむような柄でもないでしょう、貴方は』
「プレシア……」
 プレシア・テスタロッサ。
 全ての元凶たる大魔導師にして、山猫の使い魔リニスの主君。
 実子アリシアを蘇らせるために、大勢の命を犠牲にし、フェイトさえも手にかけた魔女。
 これまで沈黙を続けていた彼女が、遂にこうして回線を開き、再び姿を現していた。
 そしてそれに呼応するようにして、これまで戦っていたガジェット達もまた、一斉にその動作を止めた。
『本当に困った使い魔だわ……お仕置きされて反省するどころか、敵と結託するだなんて』
 ふぅ、とため息をつきながら、呆れた様子でプレシアが言う。
 自らが犯した大罪も、目の前で起きている反乱すらも、まるでに歯牙にもかけぬように。
「……私は間違っていました……
 貴方を止めたいというのなら、こそこそ隠れるのではなく、こうして戦うべきだった」
 何が悪かったというのなら、最初から何もかもが悪かった。
 本当に主の暴挙を制するのなら。
 本当に己が罪を償いたいのなら。
 黙ってその命に従って、この手を汚すべきではなかった。
 可能性だけを参加者に与え、解決を委ねるべきではなかった。
 たとえ相手が主君であろうと、あの2人の娘達のように、真っ向から立ち向かうべきだった。
 自分はそれに気付くのが、途方もないほどに遅すぎたのだ。

352第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:12:01 ID:CSh9VCWc0
『どっちにしても間違いよ』
 ぎろり、と。
 刹那、冷たく輝く紫の双眸。
 纏う気配は絶対零度。肌を切り裂き臓腑を射抜き、血肉を凍てつかせる氷雪の殺意。
 気だるげな様相が一転し、威圧的な形相へと姿を変える。
 やはり、そうか。
 プレシアは己の意に背く者は、誰であっても許しはしない。
 利用価値のない者ならばなおさらだ。間違いなく自分はここで殺されるだろう。
『馬鹿げたことをしてくれたわね……それとも何? まだフェイトを切り捨てたことを根に持っているの?』
 ぴくん、と。
 帽子の下の耳が、一瞬揺れた。
『貴方があの子をどう思おうと、あんなのは所詮アリシアの出来そこないなのよ。私にとっては――』
 ああ、そうか。
 やはり、そうなのか。
 どれほどの経験を重ねても、結局貴方はそうなのか。
 あの子にどれだけ尽くされようとも、貴方にはまるで届かないのか。
 あの子をどれだけ傷つけようとも、貴方にはまるで響かないのか。
 貴方にとってのあの子とは、そんなものでしかないのか――!
「――黙れ」
 自分でも驚くほどに、冷たく低い声音だった。
 これほどに冷酷な声が出せるのかと、一瞬自分で自分が信じられなかった。
 画面の奥のプレシアも、さすがにこれには驚いたらしい。
 氷の刃のごとき視線が、一瞬丸くなったのがその証拠だ。
「私は貴方達家族のことは、ほとんど何も覚えていない……
 貴方とアリシアがどんな親子だったのかは、私には知る由もない……それでも、これだけははっきりと言える……!」
 肩がわなわなと震える。
 バルディッシュがかたかたと鳴く。
 使い魔となる前の記憶は、ほとんど頭の中に残されていない。
 自分がアリシアに懐いていたことも、アリシアが自分を拾ってくれたことも、主体として実感することはできない。
 故に、プレシアとアリシアの関係について、とやかく言うつもりはない。
 それでも。
 だとしても。

「私にとってのフェイトは本物だ!
 紛い物でも出来そこないでもない……あの子を否定することは、私が許さないっ!!」

 遂に私は絶叫した。
 己の胸にこみ上げる怒りを、ありのままにぶちまけた。
 プレシアのアリシアへの愛が、本物だというのなら。
 私のフェイトへの愛もまた、本物であるのは間違いないのだ。
 彼女と出会って、魔法を教えて、笑い合う日々を幸せだと思った。
 彼女がいかなる生まれの人間だったかなど、自分には何の関係もなかった。
 フェイトと積み重ねた想い出も。
 フェイトからもらった信頼も。
 フェイトへと向ける愛情も。
 それら全てが本物だから。紛い物でもなんでもない、確かなものであると言い切れるから。
 だからこそ、私はプレシアを許さない。
 誰かの勝手な悲しみに、誰かを巻き込んでいい権利は、どこの誰にもありはしない。
 自分のエゴで作ったフェイトを、自分のエゴで殺す愚を、私は決して許さない。
『……もういいわ。お前はもう死になさい』
 一拍の間を置いて、一言。
 それを最後通告として、プレシアの顔は目の前から消えた。
 通信の終了と同時に、静まり返っていたガジェット達が、再び駆動音の唸りを上げる。
 これが終わりの始まりなのだろう。
 ここからが、本当の最期の戦いなのだろう。
 随分と魔力を無駄遣いしてしまった。まだまだ半分くらいは残っているが、それではこの数相手には心もとない。
 それでも、自分は決して絶望しない。最後の最後まで抗うことをやめない。
 囮としての戦いは終わった。十分に時間は稼げたはずだ。
 だからこれから始めるのは、自分の個人的な戦い。
 プレシアに叩きつけたこの想いを、最期の瞬間まで示し続けるためだけの、自分勝手なプライドを懸けた戦いだ。

353第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:12:42 ID:CSh9VCWc0
「バルディッシュ」
 右手のデバイスへと語りかける。
「こんな身勝手に付き合わせてごめんなさい」
 結局は自分も、プレシアと何ら変わらないのかもしれない。
 自分で複製したこのバルディッシュを、本来担うべきだった目的すら果たさせずに、
 自分の勝手なエゴに巻き込んで、ここで果てさせてしまおうとしている。
 己の欲望の果てにフェイトを死なせた彼女と、変わらないことをしようとしているのかもしれない。
「それでも……貴方が私を、まだマスターだと認めてくれるなら……最後の力を、貸してください」
 祈りのような言葉だった。
 それがリニスの口にした、最後の言葉と呼べる言葉だった。
 両の手で長柄を強く握る。
 サイズフォームの光刃を輝かせ、眼前のターゲットを見据える。
 意識は怖ろしいほどにクリアーだ。
 もう何も怖くはない。死でさえも自分を怖れさせはしない。
 ただ、刃を振るうのみ。
 最期に事切れる瞬間まで、前に進み続けるのみだ。
「……うおおおおぉぉぉぉぉーっ!!」
 咆哮と共に、山猫は駆ける。
 黄金と漆黒のデスサイズを携え、大魔導師の使い魔は疾駆する。
 間合いを取ると共に、切り裂き。
 間合いを詰めると共に、薙ぎ払った。
 AMFの壁に阻まれようとも、ひたすらに刃を叩き込んだ。
 全身をレーザーに焼き焦がされ、五体を触手に貫かれようとも、一心不乱に斧を振るった。
《アルフ》
 心残りがないと言えば、嘘になる。
 しかしそれらを叶える機会は、当に自身の手で投げ捨ててしまった。
 それでも、最後の1つだけは、どうにか叶えることができた。
 故に最後の力を振り絞り、猫の使い魔は言葉を紡ぐ。
 声ではなく思念通話を通して、願いの先へと想いを伝える。
《大きく……なりましたね》
 フェイトと共に面倒を見てきた、小さな狼の娘・アルフ。
 フェイトに会うことはできなくとも。
 フェイトの成長した姿は見れなくとも。
 その愛らしい使い魔は、大きく勇敢に育ってくれた。
 その姿を見られただけでも、彼女は十分に幸せだった。
 記憶を引き継いだクローンとして、蘇った意味はあったのだと。
 最期の瞬間に、そう実感することができた。

354第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:13:18 ID:CSh9VCWc0


 上へ、ただに上へ。
 延々と続く階段を、上り続ける女がいる。
 漆黒のマントとオレンジの髪を、走る勢いにたなびかせ、ひたすらに駆け抜ける者がいる。
 ひく、と獣の耳が揺れた。
 ぴく、とマントの肩が揺れた。
「……ばかやろうっ……」
 瞳を光らせる獣の女が、震えた声で呟いていた。










【リニス@魔法少女リリカルなのは 死亡確認】












「まったく……使い魔風情が偉そうなことを」
 はぁ、とため息をつきながら。
 リニスの死亡を確認した主君――大魔導師プレシア・テスタロッサは、うんざりとした様子でそう呟いた。
 腰掛ける椅子に右肘をつき、己の頬を手のひらに預ける。
 これで彼女は独りきりだ。
 たった1人の協力者を、自らの手で切り捨てたプレシアは、本当に独りになってしまった。
 もはや周りにいる者は、得体の知れないあの男から借りてきた、いかがわしい機械人形達だけしかいない。
 それでもプレシアは、それで別に構わないとさえ思っていた。
 どうせもうすぐ片はつく。あとたった11人の人間が死ぬだけだ。
 そうなれば儀式は完遂し、冥府の扉を開くための59人の生け贄が揃う。
 最後の1人の身体に魂が宿り、アリシア・テスタロッサの完全な復活は完了される。
 自分には、ただアリシアさえいればいい。
 そしてその時は、もう目前にまで迫ってきている。

355第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:13:50 ID:CSh9VCWc0
「ミズ・プレシア。動力炉への兵員の配備、完了しました」
 その時。
 かつ、かつ、かつ、と靴音を立て。
 機械人形のうちの1人――ボーイッシュなナンバーⅧ・オットーが姿を現した。
「ああ、そう」
 まったくもって面白味のない奴だ。
 せっかくいい気分に浸っていたのに、余計な水を差すなんて。
 無粋な来訪者の報告に、興味なさげな発音で返す。
 裏切り者のリニスを排除した今、残された問題はあと2つ。
 夜天の融合騎・リインフォースと、犬の使い魔・アルフの2名である。
 そのうちアルフに対しては、ほとんど無視に近い対応を取っている。
 どの道あの使い魔程度の実力では、この部屋に入ることなど不可能だと分かりきっているからだ。
 となると、残る問題はリインフォース。
 こちらへまっすぐ向かってくるならまだしも、夜天の魔導書を狙われるのはまずい。
 さすがにこちらは無視できないということで、オットーに兵力の派遣を指示しておいたのだ。
 ナンバーⅦ・セッテと、ナンバーⅩⅡ・ディード――最後発組2名が相手とあれば、
 欠陥を抱えた融合騎など、ひとたまりもなく消し飛ぶだろう。
 そうなれば、全てはチェックメイト。
 このプレシア・テスタロッサを邪魔できる者は、広大な次元世界の海に、誰1人として存在しなくなる。
 今度こそ誰にも邪魔されることなく、アリシアと再会することができるのだ。
 込み上げる笑いをこらえきれず、我知らぬままに口元がにやけた。
「……あら?」
 そして、その時。
 ふと、ほんの僅かな違和感を覚えた。
「貴方、さっきまで羽織っていたジャケットはどこにやったの?」
 それはオットーの身なりへの違和感。
 中性的な容姿をした彼女は、その胸元を隠すように、グレーの上着を羽織っていた。
 しかし今、彼女の身体にそれは確認できない。
 ナンバーズスーツの上には長ズボンだけ。慎ましやかな胸の隆起が、スーツ越しに見受けられるようになっている。
「それはですね……」
 そして。
 プレシアがその返答を聞くよりも早く。




 ――ぐさり。




「ッ……!?」
 腹部へと激痛が襲いかかった。

356第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:14:23 ID:CSh9VCWc0
 焼けつくような痛覚が、腹と脳髄を苛み焦がす。
 久しく味わうことのなかった鉄の味が、口の中へと満たされていく。
 アルハザードの叡智を用い、己が病を克服して以来、久方ぶりに感じる吐血の感触。
「あ……ァあ……」
 喉から漏れる声は、言葉にならず。
 震える両手は、傷口へと届かず。
「――こういうことなんですよ」
 それらが意味をなすよりも早く、何者かの声が耳朶を打った。
 聞き覚えのない女の声。
 嘲笑うような不愉快な声。
 のろまと言っても差し支えない動作で、声の方へと首を向ける。
「オットーの上着は、正式名称をステルスジャケットと言いまして……
 その名の通り、あらゆるセンサーの索敵から、身を隠すことができるんです」
 そこに立っていた者は、プレシアの知らない女の姿。
 全身をフィットスーツで覆った容姿は、オットーら戦闘機人と共通したもの。
 しっとりと光るブロンドを、腰まで伸ばした妖艶な女性。
 そしてその胸元には――ナンバーⅡの刻印が施されていた。
「ばか、な……まるで……気配、が……」
「あらあら、こちらは隠密が仕事なんですよ? 科学者ごときに、私を気配を捉えられるはずがないじゃないですか」
 にぃ、と笑う女の顔。
 同時に腹を襲ったのは、ずぷ、という音を伴う更なる苦痛。
「ぅううッ……!」
 目の前が一気に真っ赤に染まった。
 何かしらの得物でせき止められていたらしい血液が、一挙に傷口から噴き出した。
 ぶしゅう、と響く音と共に、勢いよく噴き出される紅色の噴水。
 患部から吐き出される赤色は、プレシアの身体の体力さえも、根こそぎ流し出していく。
「申し遅れました。私は戦闘機人のナンバーⅡ・ドゥーエでございます。以後、お見知りおきを……」
 意味深な響きと共に放たれた言葉を、どこまで明瞭に聞けたのかは分からない。
 もはや椅子に座ることすらも、プレシアには不可能な動作であった。
 ごろごろ、と豪快な音が上がる。
 深紅に染まった黒のドレスが、椅子から転げ落ちて床へと横たわる。
「そん……な……」
 何だこれは。
 何だというのだ、この有り様は。
 信じられないといった形相で、うつ伏せのプレシアが声を漏らした。
 一体何が起こっている。
 どうしてこんなことが起きている。
 あと一歩のところまで来たのに。
 アルハザードへと到達し、その上悲願達成の目前までたどり着いたのに。
 何故だ。何故こうも上手くいかない。
 何故誰もかれもが立ちはだかる。何故こうも誰もが邪魔をする。
 私の行いがそんなに悪いのか。
 幸せを求めるのがそんなに間違っているのか。
 私は。
 私は、ただ。
「ア、リ……シア……――」
 ただ――――――娘の笑顔が見たかっただけなのに。

357第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:15:03 ID:CSh9VCWc0


 ぱっ、と右手を軽く振る。
 ピアッシングネイルにこびりついた血糊を、床に目掛けて振り払う。
 ふぅ、と軽く息をついて、戦闘機人の次女・ドゥーエは、左手で金の長髪を梳いた。
「これにてお仕事完了、と……悪いわね、貴方の服を汚しちゃって」
「いえ。お疲れ様でした、ドゥーエ姉様」
 微かに返り血の付着したジャケットを脱ぎ、それをオットーへと投げて渡す。
 右手を束縛する得物をも外すと、両手を頭の上で組み、んっと背伸びする姿勢を取る。
「っ、とぉ……やれやれ、本当にお疲れだったわ」
 まったく、創造主も無茶を言ってくれる。内心でそう毒づいた。
 これまでにも様々な潜入任務を行ってきたが、丸々1週間何もしないで待ち続けたのは初めてのことだ。
 他のナンバーズ達と共に時の庭園に入り、しかし自身はプレシア達と接触せず、誰にも存在を気取られず施設内に潜伏。
 そして指示が下ると同時に、デバイスの探知を免れられるオットーと共にプレシアに接触、これを殺害する。
 これこそが、彼女の受け持った任務の全容である。
『――やぁ、ドゥーエ。どうやら滞りなく終わったようだね』
 そして、その時。
 室内のモニターに浮かんだのは、通信機能のカメラ映像。
 スクリーンに大映しになったのは、1人の男の顔だった。
「これはドクター。お達しの通り、つつがなくお仕事を終わらせましたわ」
 そう。
 この男こそ。
 ドゥーエがかしずくこの男こそが、彼女達を束ねる創造主。
 紫色の長髪と、爬虫類のような黄金の瞳に、白衣がトレードマークの男。
 無限の欲望とあだ名される、広域次元犯罪者。
 Dr.ジェイル・スカリエッティ。
 プレシア・テスタロッサの協力者にして、今まさに彼女を裏切った、最悪のマッド・サイエンティストである。
『実に結構。……ウーノ、いるかい?』
『はい、ドクター。ここに』
 同時に2つ目のウィンドウが開き、ウーノの顔が映し出される。
 彼女は今、別の仕事を行うために、次元航行船用のドックで作業をしているはずだ。
『プレシアの研究成果の全てを持ち出すまでに、あとどれくらいの時間がかかる?』
『今から約6時間ほどかかります』
『では、脱出艇の調整にあとどれくらいの時間がかかる?』
『そちらも6時間ほどかかります』
『結構』
 にぃ、とスカリエッティが笑った。
 それこそがウーノの請け負った仕事であり、同時にこの稀代の科学者が、プレシアに接近した最大の理由である。
 アルハザードに存在する、優れた文明の遺産の強奪――それが彼らの目的だ。
 誰よりも旺盛な知識欲を持ち、貪欲なまでに未知を求めるスカリエッティにとって、
 その故郷とでも言うべきアルハザードは、何物にも勝る宝の山に他ならなかった。
『ではウーノ。参加者達に架せられた首輪の爆破装置を、誰にも気づかれないようにオフにしてくれたまえ』
『爆破装置をオフに、ですか?』
『時間制限という新たな制約がついたんだ。それ以上に制約を設けるのは、アンフェアというものだろう?』
『……ドクター、貴方また遊ばれるおつもりですね?』
 はぁ、とウーノが呆れたように溜息をついた。
『せっかくプレシアが始めたゲームだ。まだ終わっていないのだし、我々も乗らせてもらおうじゃないか』
 モニターの向こうのスカリエッティは、くつくつと愉快そうに笑っている。
 それに呼応するようにして、ドゥーエもまた苦笑した。
 目的はこれで十中八九果たされたも同然だが、どうやら創造主の退屈は、未だ満たされてはいないらしい。

358第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:15:48 ID:CSh9VCWc0
『……ではドゥーエ、君はプレシアの代役を。0時10分頃を目途に、彼女に代って放送を行ってくれたまえ』
「分かりました」
『オットーはディード達と合流し、夜天の融合騎の迎撃を』
「了解です」
 頷くと同時に、オットーは部屋を去っていった。
 ディードやセッテもそうだが、クアットロが教育したという最後発組は、どうにも感情表現が希薄だ。
 戦闘においてはそれでも構わないが、日常生活を送るにはどうにも面白味が薄い。
 これが終わってラボへと帰ったら、その辺りをクアットロにツッコんでおかねば。
 そんなことを思いながら、遠ざかる短髪の背中を見送った。
『クク……さぁ、それではゲームを再開しよう。
 彼らが勝てば全て終わり。負ければアルハザードからの脱出手段を我々に奪われ、二度とここから帰れなくなる。
 タイムリミットは次の放送を迎えるまでだ。そしてそれを過ぎた時点で――』
 かくして新たな幕は開いた。
 当事者達の知らぬ裏側で、異変は着々と侵攻していた。
 魔女は塔から引きずり降ろされ、第一楽章は終了する。
 新たなゲームマスターは、不敵に笑う金眼の道化師(クラウン)。
 ここに戦争の時代は終わり、世界の終わりが始まった。
 最悪の24時間が終了し、最悪の6時間が始まった。
 第二楽章はここから始まる。
 語り部が力尽き倒れてもなお、狂気の綴る悪夢の詩は、未だ終わることはない。










『――バトルロワイアルは、中止だ』










【プレシア・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは 死亡確認】



【参加者勝利条件変更:ナンバーズ一派の、時の庭園からの脱出阻止】
 ※参加者の首輪の爆破装置が、全てオフになりました。
 ※リインフォースに強奪されたため、
  黒龍@魔法少女リリカルBASARAStS 〜その地に降り立つは戦国の鉄の城〜が支給不可能となりました。
 ※セッテ、オットー、ディードの3名が、時の庭園最深部の動力炉に配置されました。



【バトルロワイアル終了まで――――――05:59:50】

359第四回放送案 ◆Vj6e1anjAc:2010/09/29(水) 05:16:55 ID:CSh9VCWc0
放送案の投下は以上です

360 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/29(水) 06:23:45 ID:bpvnp68Y0
◆Vj6e1anjAc氏放送案投下乙です
それでは、これより自分も修正版を投下させて頂きます

361 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/29(水) 06:25:07 ID:bpvnp68Y0
遥か昔に滅びたとされる古代文明、アルハザード。
その世界を舞台としたデスゲームも、既に24時間が経過していた。
恐怖、憤怒、憎悪、悲哀、絶望、疑心――
様々な不の感情が参加者たちの間で生まれ、交錯した。
既に太陽の光は一切差し込まず、辺りは闇で支配されている。
深夜の空には、無数の星が煌いていた。
だが、それを見上げたところで安心を抱く存在は誰1人としていないだろう。
むしろ、恐怖や嫌悪感すらも抱くかもしれない。
まるでその輝きは、この殺し合いで散った命たちが、亡霊となって現れているかのようだったからだ。
そして、4度目になる闇よりの呼び声が、聞こえる。
残酷に満ちた、ゲームマスターからの伝言が。
誰も望まないかもしれない。誰も聞きたくないかもしれない。
しかし無常にも、時が動き続ける。
時計の針は、12時の時間を再び示した。




参加者の皆様、こんばんは。
これより、0時をお伝えすると同時に、第4回目の定時放送を行います。
今までどおり、今回の放送も禁止エリアから発表させていただきますので、メモのご用意をお願いします。
なお、この放送を聞き逃したからといって、もう1度伝えることは行いませんので、ご注意ください。
放送は前回に引き続いてこの僕、オットーが行います。



一切の温度が感じられない言葉が、淡々と告げられる。
その音質は、この世に存在するとは思えないほど、冷たい。
またそれを告げる者の表情も、全くの感情が感じられなかった。
まるで、人形のように。



それでは、禁止エリアを発表します。
1時より
3時より
5時より

362 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/29(水) 06:25:41 ID:bpvnp68Y0
以上、3箇所となります。
これまでの禁止エリアと同様、時間と場所をお忘れなきよう、よろしくお願いします。
続きまして、前回放送からこの放送までに出た死者の名前を発表させて頂きます。





ここで呼ばれるのは、この捻じ曲げられた運命の犠牲となった者たち。
元々は、別々の世界に存在していた住民。
皆それぞれ、自らの役割に奮闘していたはずだった。
しかしある時、意思と関係なくこの戦いに呼び出された。
そして、命を散らした。




アーカード
相川始
アレックス
ヴィータ
エネル
クアットロ
ヒビノ・ミライ





以上、7名。
残り12人となります。
プレシア氏からは「前回と比べるとややペースは落ちたものの、まだまだ及第点。このペースで頑張ってほしい」との、伝言を預かっております。
そして僕の目からも、今回の結果は素晴らしいと思います。
このペースで行けば、次の放送までにはゲームが終了するかもしれません。
前回も仰ったように早期にゲームが終われば、我々も管理が楽に済むことに繋がります。
そして、皆様の中の誰か一人が恐怖から開放されて、願いが適える事もできます。
今後とも気を抜かず、ゲームに励んでください。



それでは、今回の放送を終了します。
皆様のご武運を、お祈りします。





現時点で確認されている主催者は、4人。
出演者は、60人。
予知せぬ乱入者は、2人。
この世界を舞台に開かれた『バトルロワイヤル』という題名の演劇。
その結末は、未だ見えない。
殺し合いの末に残った誰かが、優勝するか。
それとも殺し合いの末に誰一人残らず、全滅という結果に終わるか。
それとも、どちらでもない全く別の結末を迎えるか。
この先の未来は、未だに闇で覆われていた。
その闇は、誰にも覗くことはできない。


この演劇に参加させられた役者の人数は――――残り、12人。

363 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/29(水) 06:26:21 ID:bpvnp68Y0
青白い蛍光灯に照らされた薄暗い部屋に、透明な円柱が立っていた。
緑色の液体で満ちたその容器の中には、一人の少女が眠りについている。
その長髪は鮮やかな金色で輝き、まるで部屋を僅かに照らしそうだった。
未だに目覚める気配のない少女の姿を、プレシア・テスタロッサは悲しみに満ちた瞳で見つめている。
容器の中では、5歳の頃に亡くなってしまった最愛の娘、アリシア・テスタロッサ。

「アリシア……もう少しだから、待っててね」

プレシアは、右手で容器を撫でながら呟く。
次元振を起こした後、このアルハザードに流れ着き、愛娘を蘇生させる手段をようやく見つけた。
そして、この戦いを開いた。
プレシアの脳裏に思い浮かぶのは、笑顔を浮かべるアリシアの姿。
そして、幸せに満ちた毎日。
出来るなら、今すぐにでもここから出して、自由にあげたい。
けれども、まだそれは出来ない。
今はこのデスゲームの進行が、最優先だ。
そしてこれが終わり、条件が整った時にようやく、アリシアを目覚めさせることが出来る。
自分にそう言い聞かせたプレシアは、アリシアに別れの言葉を告げると、部屋から出て行った。
その瞳は悲しみから一変、狂気に染まっていく。

「そういえば、首輪を解除出来たのね……無駄なことを」

先程、首輪を解除した参加者がいた。
だがプレシアはその事実に対して、何の感情も抱いていない。
理由はただ1つ、60個ある首輪の内部構造は同一の物ではないからだ。
参加者に巻かれた首輪の一つ一つ全てが、解除の方法が異なっている。
仮に首輪を一つだけ解除したとしても、それは脱出に繋がらない。
あれらの首輪には、それぞれ解体の方法が異なっているように作っているからだ。
集合住宅に設置されている部屋の鍵が、全て形状が違うように。
何も知らない参加者は、すぐさま他の首輪も同じ方法で無力化するに違いない。
それを行った結果、首輪が爆発するように作っている。
故に、首輪を解除されたとしても、何の行動も起こす必要はなかった。

(精々ぬか喜びでもしてるのね……そうすれば、このゲームはすぐに終わるのだから)




「残るはあと12人……」

金色の瞳を輝かせながら、ウーノは1人でパネルを叩いている。
目前の画面に書かれているのは、数え切れないほどの文字と上下し続ける波紋。
たった今、オットーが行った放送の中では、クアットロの名前が呼ばれていた。
だが、それに気を止めている場合ではない。
ディエチとチンクに続いて、妹が3人も失われた。
しかし、それはパラレルワールドに存在する、自分の知らない姉妹達。
故に、消えたところで何の感情も抱かない。
それに自分のいた世界にいた3人は、既にプレシアによって殺されているのだから。

364 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/29(水) 06:27:12 ID:bpvnp68Y0

「ドクター…………」

ぽつりと、呟く。
不意に、今は亡き創造主、ジェイル・スカリエッティの姿を思い出した。
そして、姉妹達がプレシアの手によって殺されてしまった、あの日のことを。
突然現れたあの女が率いる軍団の襲撃を受けて、数多くあるアジトは壊滅。
抵抗の暇すらもなく。
残された自分とオットーは、プレシアが開くこのデスゲームに協力するという条件で、命だけは助かった。
あの女は言った。
このゲームに協力するのなら、ドクター達を生き返らせると。
そしてもしも断るのなら、自分達二人を殺すと。
その提案を、受け入れざるを得なかった。

(プレシア、果たして貴方の願いがそうそう上手く適うかしら……?)

胸の中に、自身に対する憤慨とプレシアへの憎悪が蠢いている。
けれど、それを表に出すことはしなかった。
オットーの言葉通りに『次の放送までにゲームを終了させる』ため。
そして、その為の手段も整っている。
最後に必要なのは、それを行うタイミングだけ。
コンソールを打ち続けているウーノは、視界を脇に移した。
そこに置かれているのは、一枚のディスク。
これが意味することは、自分とオットーの逆転の鍵。

「貴方の思い通り、ゲームを早めに終わらせてあげるわ……早めにね」

ウーノは再び画面を見つめながら、呟いた。
そこに映し出されているのは、逆転に繋がる二つの存在。
一つは、プレシアとのコンタクトを取った参加者、金居。
そしてもう一つは、アルザスと呼ばれる世界で古くより存在する守護竜。
頭部より伸びた二本の角、高層ビルすらも上回る黒き巨体、胸部と四肢を守る赤い骨格、収められている両翼。
正しき時間の流れなら、もうこの世にいないキャロ・ル・ルシエが使役していた、真竜と謳われていた神に等しい存在。
主が消えては、元々の凶暴性によって全てのものを、破壊しようと暴れるはずだった。
しかしその竜は、未だに眠りについている。
いや、眠らされていると言った方が正しかった。
その際、本来の契約は既に無かったことになっている。




この空間は、知る者は僅かしかいない秘密の部屋。
そこに封印された守護竜、ヴォルテールは未だに動かない。
それが今、何処にいるのか。
また、ここはどこにあるのか。
ヴォルテールの存在と在処を知っているのは、ウーノ只一人のみ。
これは、プレシアとリニスですら把握していない、事実だった。



【全体の備考】
※ウーノとオットーの知るスカリエッティとナンバーズは全員、既にプレシアによって殺害されています。
※アリシアは現在、死亡状態のままで生体ポットの中で収容されています。
※現在ウーノは、ヴォルテールを封印しています。なお、その存在はプレシアとリニスには知られていません。
※参加者全員に巻かれた首輪の内部構造及び解除方法は全て、異なっています。
※また、解除方法を誤ると首輪が爆発します。

365 ◆LuuKRM2PEg:2010/09/29(水) 06:28:10 ID:bpvnp68Y0
修正案は、以上です
禁止エリアに関しては、やっぱり採用されてから改めて考え直すことにします。

366 ◆LuuKRM2PEg:2010/11/22(月) 08:49:54 ID:mUQqziWs0
昨日、投下した最新話の状態表を訂正します

【キング@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】健康、コーカサスビートルアンデッドに変身中
【装備】ゼロの仮面@コードギアス 反目のスバル、ゼロの衣装(予備)@【ナイトメア・オブ・リリカル】白き魔女と黒き魔法と魔法少女たち、キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式、おにぎり×10、ハンドグレネード×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ラウズカード(ハートの1、3〜10)、ボーナス支給品(未確認)、ギルモンとアグモンと天道とクロノのデイパック(道具①②③④)
【道具①】支給品一式、RPG-7+各種弾頭(照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、トランシーバー×2@オリジナル
【道具②】支給品一式、菓子セット@L change the world after story
【道具③】支給品一式、『SEAL―封印―』『CONTRACT―契約―』@仮面ライダーリリカル龍騎、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸
【道具④】支給品一式、いにしえの秘薬(空)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER
【思考】
 基本:この戦いを全て無茶苦茶にする。
 1.アンジールと共に、カブトを叩き潰す。
 2.先程の紅い旋風が何か調べる。
 3.他の参加者にもゲームを持ちかけてみたり、騙して手駒にするのもいいかも?
 4.『魔人ゼロ』を演じてみる(そろそろ飽きてきた)。
【備考】
※キングの携帯電話には『相川始がカリスに変身する瞬間の動画』『八神はやて(StS)がギルモンを刺殺する瞬間の画像』『高町なのはと天道総司の偽装死体の画像』『C.C.とシェルビー・M・ペンウッドが死ぬ瞬間の画像』が記録されています。
※全参加者の性格と大まかな戦闘スタイルを把握しています。特に天道総司を念入りに調べています。
※十分だけ放送の時間が遅れた事に気付き、疑問を抱いています。
※首輪が外れたので、制限からある程度解放されました。

以降、首輪の解除についての修正

【全体備考】
※フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerSがC−9地点に向かっています。
※戦いの余波によって、D−9地点が荒れ地となりました。
※アンジールのデイバッグ(中身は支給品一式)がD−9地点に放置されています。

【首輪の解除について】
※解除しても、爆死が無くなっただけで全ての制限から解放されません
※どの程度まで解放させるかは、後続の書き手さんにお任せします

以上のように修正しますが、よろしいでしょうか
ご意見を、お待ちします

367リリカル名無しStrikerS:2010/11/22(月) 13:49:49 ID:3f685MVY0
修正乙です
なるほど、ある程度か
他の人もそれでいいならそれでいいと思います

それと、本文もそれに準じて修正がなされるということでしょうか(キングの首輪が外れる場面とか)

368 ◆LuuKRM2PEg:2010/11/22(月) 14:17:49 ID:mUQqziWs0
その辺りは、収録時に修正する予定です
あと、他の3人の首輪に関する状態表も

369 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/01(土) 13:07:17 ID:4mru2hTw0
先日投下した『Revolution』で指摘された部分の描写追加及び状態表を修正します


「あ、そういえばみんな。もう一つだけ、言いたいことがあるんだ」

ユーノは、アジトの前ではやてと出会った際に聞いたことを話す。
この会場の中央に位置するエリア、E−5。
既に禁止エリアとなったそこは、参加者の望む場所に転送する魔法陣が存在するらしい。
恐らくそのような場所なら、何か特別な施設が設置されているかもしれない。
例えば、会場全体を覆うほどの巨大な結界を作る、魔力の元となる装置。
それを見つければ、何かの手がかりが得られる可能性がある。
E−5地点に存在する魔力を利用すれば、逆転のきっかけも掴めるかもしれない。
しかし、可能性としてはあまりにも低かった。
そこにある転送魔法陣が、残っているとは限らない。
仮にあったとしても、それが脱出に繋がるかどうかも不確定。
そもそも主催者が、参加者を助けるようなことがするはずがない。
それにそのような場所なら、制限の影響も強く出る上に、何か凶悪な罠も仕掛けられているはず。

370 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/01(土) 13:10:56 ID:4mru2hTw0
続いて、状態表を



【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】疲労(小)、全身にダメージ(小)
【装備】ライダーベルト(カブト)&カブトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】アンジールの羽根@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使
【思考】
 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。
 1.ここにいる全員を先導して、アルハザードから脱出する。
 2.主催側に警戒。
【備考】
※放送の異変から主催側に何かが起こりプレシアが退場した可能性を考えています。
※首輪を外したので、制限からある程度解放されました。
※ハイパーフォームになれないので、通常形態でパーフェクトゼクターの必殺技を使うと反動が来ます。


【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】全身にダメージ(小)、疲労(中)、魔力消費(中)、首筋に擦り傷、バリアジャケット展開中
【装備】とがめの着物(上着無し、ボロボロ)@小話メドレー、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、レイジングハート・エクセリオン(0/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2、ホテル従業員の制服
【思考】
 基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。
 1.これ以上誰も死なせずに、脱出する。
【備考】
※キングは最悪の相手だと判断しています。また金居に関しても危険人物である可能性を考えています。
※放送の異変から主催側に何かが起こりプレシアが退場した可能性を考えています。
※首輪を外したので、制限からある程度解放されました。


【ユーノ・スクライア@L change the world after story】
【状態】全身に擦り傷、疲労(小)、魔力消費(中)、強い決意
【装備】バルディッシュ・アサルト(スタンバイフォーム、4/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2(内1つ食料無し)、ガオーブレス(ウィルナイフ無し)@フェレットゾンダー出現!、双眼鏡@仮面ライダーリリカル龍騎、ブレンヒルトの絵@なのは×終わクロ、浴衣(帯びなし)、セロハンテープ、分解済みの首輪(矢車、ユーノ、ヴィヴィオ、フリードリヒ)、首輪について考えた書類
【思考】
 基本:なのはの支えになる。ジュエルシードを回収する。フィールドを覆う結界の破壊。
 1.ここにいる全員を何としても支えて、脱出する。
 2.ヴィヴィオを守る。
 3.ジュエルシード、レリックの探索。
 4.E−5地点の転送魔法陣を調べ、脱出方法を模索する。
 5.ここから脱出したらブレンヒルトの手伝いをする。
【備考】
※首輪を外したので、制限からある程度解放されました。
※プレシアが退場した可能性に気付きました。同時にこのデスゲームのタイムリミットが2日目6時前後だと考えています。

371 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/01(土) 13:11:38 ID:4mru2hTw0

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(小)、魔力消費(小)、全身ダメージ(小)、悲しみとそれ以上の決意、バリアジャケット展開中
【装備】リボルバーナックル(右手用、0/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 、リボルバーナックル(左手用、6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レヴァンティン(0/3)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
    スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、クロスミラージュ(破損)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、治療の神 ディアン・ケト@リリカル遊戯王GX
    ラウズカード(ジョーカー、ハートの2)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ジェットスライガー(ミサイル残弾数0)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ボーナス支給品(確認済、回復アイテムではない)
【道具】なし
【思考】
 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。
 1.ここにいる全員と一緒に、脱出する。
【備考】
※金居とキングを警戒しています。
※首輪を外したので、制限からある程度解放されました。



【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】リンカーコア消失、疲労(小)、肉体内部にダメージ(小)、血塗れ
【装備】フェルの衣装、フリードリヒ(首輪無し)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】なし
【思考】
 基本:みんなの為にももう少しがんばってみる。
 1.みんなと一緒に、生きて帰る。
【備考】
※浅倉威は矢車想(名前は知らない)から自分を守ったヒーローだと思っています。
※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。
※ゼロはルルーシュではなく天道だと考えています。
※首輪を外したので、制限からある程度解放されました。
※天道に対する誤解を解きました。

372 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/01(土) 13:13:07 ID:4mru2hTw0
以上です
疑問点などがありましたら、ご指摘をお願いします

373リリカル名無しStrikerS:2011/01/01(土) 14:07:48 ID:FCZyZ8.I0
道具移動は状態表だけで済ますのではなく本文に明記するべきだと思います
あくまで状態表は付随的なものなので

それと装置云々への推測はこれだと突拍子がないので、これにするなら直さない方がいいと思いました

374リリカル名無しStrikerS:2011/01/01(土) 18:32:45 ID:z1dAClqoO
私も373の意見と同じです

375 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/01(土) 21:38:24 ID:4mru2hTw0
失礼しました
もう一度、修正させていただきます

376 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/02(日) 13:21:11 ID:7nDu9SLU0
もう一度、本文の描写追加及び修正版を投下します
まず、リボルバーナックルの描写追加からで


「……なるほどな」

天道は頷く。
続くように彼も、自分に起こった出来事を話した。
キングやアンジール・ヒューレーと、戦いを繰り広げた事。
その最中に、捕らわれたフリードリヒを解放した事。
突然現れた謎のアンデットが、キングを連れ去った事。
キングの裏切りを受けたアンジールが、殺されてしまった事。
そして、キングは未だ自分達に襲いかかる可能性がある事。
戦いの余波によって、外すことが出来た正確無比の爆弾。
全てを伝えた後、なのははスバルにリボルバーナックルを渡した。
はやてとの戦いの末で取り戻した、スバルの母であるクイント・ナカジマの遺品。
それがようやく二つとも取り戻したことで、スバルは力が沸き上がっていく気分を感じた。
しかし、感慨に浸ることは出来ない。

「そういえば、なのはさんに天道さん。首輪は…………?」

スバルは気づいていた。
天道となのはの首に、首輪が巻かれていないことに。
何故爆発しなかったのかは、当の二人も詳しくは知らなかった。
しかし壊しても何も起こらないことを、天道となのははスバルに伝える。
恐る恐る、スバルも首輪に手を掛けた。
渾身の力を込めて外したが、何も起こらない。

377 ◆LuuKRM2PEg:2011/01/02(日) 13:24:00 ID:7nDu9SLU0
続いて、魔法陣部分の描写追加で



「あ、そういえばみんな。もう一つだけ、言いたいことがあるんだ」

ユーノは、アジトの前ではやてと出会った際に聞いたことを話す。
この会場の中央に位置するエリア、E−5。
既に禁止エリアとなったそこは、参加者の望む場所に転送する魔法陣が存在するらしい。
それを使えば、脱出が出来るのではないか。
理由は首輪から解放されたため。
恐らくその魔法陣は、首輪が存在する限りは脱出に使うことが出来ない。
首輪は参加者だけではなく魔法陣も制限して、会場内の転送だけに効果を留めている。
そうでなければ、参加者に反逆されてしまうため。
だが、全員の首輪が解除された今ならそれを使って、何かが出来るのではないか。
そうユーノは語る。
しかし、可能性としてはあまりにも低かった。
そこにある転送魔法陣が、まだ残っているとは限らない。
仮にあったとしても、それが脱出に繋がるかどうかも不確定。
そもそも主催者が、参加者を助けるようなことがするはずがない。
それに首輪が外された今となっては、何か危険な罠も仕掛けられているはず。



以上です、何度もスレを消費して申し訳ありません
疑問点などがありましたら、指摘をお願いします。

378リリカル名無しStrikerS:2011/01/03(月) 01:34:12 ID:1alKK3KU0
修正乙です

379 ◆19OIuwPQTE:2011/02/05(土) 01:54:06 ID:JL1dJoyU0
本スレで指摘された部分の修正を投稿します。

380 ◆19OIuwPQTE:2011/02/05(土) 01:54:49 ID:JL1dJoyU0
まず>>873の修正です。

それはその魔法陣とこの会場、そして参加者に関係があった。
魔法陣があるエリアは【E-5】。つまり会場の中央に存在する。
そして会場の端と端はループしている。言い換えれば、端から端へ転移しているのだ。
この時点で魔法陣が会場のループに関係がある事は、容易に想像がつく。
そこから発展させれば、会場の構成そのものにもだ。
もし魔法陣が会場を構成する上で重要な機構であるならば、会場の中であるならばどこへ転移させるのも容易い事だろう。
なにしろ会場そのものだ。何処に何があるかなど、容易に把握できる。
後は使用者のイメージを受け取り、その人の望んだ場所、あるいは物の近くへと転移させればいいだけだ。

381 ◆19OIuwPQTE:2011/02/05(土) 01:55:56 ID:JL1dJoyU0
次に>>876の修正です。

足元には淡く光る魔法陣。
その光は小さく明滅し、今にも消えそうだった。
この魔法陣が会場の維持に関係しているのなら、この魔法陣が消えた時にこの
会場も完全に崩壊するのだろう。

「みんな、準備はいい?
 だいぶ荒い転送になると思うから、気をつけて」

ユーノ君が魔法陣に手を当て、魔力を流し込みながら言った。
その言葉に私とヴィヴィオは頷く。

「僕が転送のサポートをするから、ヴィヴィオはゆりかごを強く思い浮かべて。
 一度行った事のある君の方が、座標の特定がしやすいんだ」

その言葉に従い、ヴィヴィオはゆりかごを強くイメージした。
それと同時に、あの場所で死んだ、まだ幼かったフェイトを思い出した。
自分に、嫌いにならないで、と言った少女。

今の自分なら、彼女を助けられたのだろうかと考えて、首を振る。
助けられるかどうかじゃなくて、絶対に助けだすんだと。

会場の崩壊と共に罅割れていく空を見上げる。
もう二度と、あんな思いはしたくない。
そして同時に、誰にもさせたくないとも思う。

だから、全てを救う事は出来なくても、この手の届くところにいる人たちは、守って見せる。
そう心に誓う。


魔法陣の淡い魔力光が次第に強く輝き出す。
それはまるで、消える寸前の蝋燭の輝きのようだった。

「行くよ、みんな! しっかり掴まってて!
 座標確認! 場所、聖王のゆりかご!
 転送、開始―――!!」

その声の直後、魔法陣が一際強く輝き、光が私達三人を飲み込んだ――――

382 ◆19OIuwPQTE:2011/02/05(土) 01:57:42 ID:JL1dJoyU0
以上です。
他にも問題点や、修正すべき点などがありましたら、指摘をお願いします。

383とりあえず第3回の説明部分のテンプレ:2011/02/27(日) 11:54:36 ID:kO4t4jLQ0
≪開催期間≫ 2/28(月)00:00〜3/13(日)23:59
≪対象≫ 124「狼煙」〜163「第三回放送」(SS部門・キャラクター部門)
     000「それは最悪の始まりなの」〜163「第三回放送」(コンビ・チーム部門)

≪ルール≫
投票者一人につき、各部門に五票ずつの持ち点が与えられます。
それを振り分ける形で投票してください。
好きなSS・キャラ・コンビorチームに平等に振り分けるも良し、一番好きなものだけに全部注ぐも良し。自由に持ち点を割り振ってください。
また、そのSS・キャラ・コンビorチームを選んだ理由も書いていただけると、結果発表の際に参考になります。

【例】
・SS部門
「機動六課部隊長斬り捨て事件〜バトルロワイアル放浪ツアー、街角に待ち受ける幻惑の罠、鉄槌の騎士と烈火の剣精は聞いていた〜」に一票、「がんばれ! ウルトラマンメビウス」に一票、「貴重な貴重なサービスシーン・なのはロワ出張編」に二票、「波紋 - a divine messenger of the two.」に一票
・キャラクター部門
金居に二票、Lに二票、プレシア・テスタロッサに一票
・コンビ・チーム部門
ユーノ・スクライア&ルーテシア・アルピーノ&チンク&天上院明日香(ユーノとハーレム)に二票、ヴィータ&アギトに二票、新庄・運切&エネルに一票

≪部門≫
・SS部門
・キャラクター部門

・コンビ・チーム部門
3回目となる今回は「コンビ・チーム部門」が設けられます。
あのキャラとそのキャラの異色のコンビ、またあいつらによる夢のドリームチームなど、ロワ内で結成されたあなたの気に入ったコンビorチームに票を投じてください。
なお≪ルール≫の【例】にある「ユーノとハーレム」のように時期によってメンバーが異なるチームは全部別で集計します。

【例】
①ユーノ&ルーテシア ②ユーノ&ルーテシア&チンク&明日香
この場合①と②で別々に集計されます。

またこのコンビ・チーム部門の対象期間はSS部門・キャラクター部門の対象と異なり、第二回放送までの123話分も含まれます。間違いのないようにご確認ください。

≪おまけ≫
こちらは強制ではありませんが、日頃SSを手がけている書き手の方々への、応援のメッセージもご一緒にどうぞ。
たった一レスの言葉でも、書き手様方には大きな励みとなります。
好きなSSの感想から単純な声援または完結を祝しての一言まで、それぞれ思い思いの形でメッセージをお贈りください。


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