■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

HIT◇SHI MATS◇MOTO presents バトル・ロワイアル

1 : ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:29:20 V/UorPT60
6【ドキュメンタル】
◯ケンドーコバヤシ/◯陣内智則/◯TKOのどっちか/◯ハリウッドザコシショウ/◯狩野英孝/◯ジミー大西
6【アイドルマスターシンデレラガールズ】
◯島村卯月/◯渋谷凛/◯本田未央/◯新田美波/◯アナスタシア/◯赤城みりあ
5【ゴブリンスレイヤー】
◯ゴブリンスレイヤー/◯女神官/◯妖精弓主/◯鉱人道士/◯蜥蜴僧侶
5【僕のヒーローアカデミア】
◯緑谷出久/◯爆豪勝己/◯オールマイト/◯マスキュラー/◯トガヒミコ
5【鬼滅の刃】
◯竈門炭治郎/◯竈門禰豆子/◯我妻善逸/◯累/◯猗窩座
5【どうぶつの森】
◯主人公/◯たぬきち/◯みしらぬネコ/◯おまわりさん(A)/◯とたけけ
5【ルパン三世】
◯ルパン三世/◯次元大介/◯石川五右衛門/◯峰不二子/◯銭形幸一
4【からくりサーカス】
◯才賀勝/◯加藤鳴海/◯しろがね/◯フェイスレス
4【Fate/Grand Order】
◯藤丸立香/◯マシュ・キリエライト/◯オフェリア・ファムルソローネ/◯シグルド
3【ドラゴンクエストⅦエデンの戦士たち】
◯主人公/◯キーファ/◯オルゴ・デミーラ
3【進撃の巨人】
◯エレン・イェーガー/◯ミカサ・アッカーマン/◯ライナー・ブラウン
2【ジョジョの奇妙な冒険】
◯ジョナサン・ジョースター/◯DIO
2【君の名は】
◯立花瀧/◯宮水三葉
5【バキ】
◯スペック/◯ドリアン/◯柳龍光/◯シコルスキー/◯ドイル

60/60

※会場にはゴブリンが住み着いています。また、他の魔物だっているかもしれません。
※フィクションです。


"
"
2 : このOPは無料で視聴出来ます ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:30:27 V/UorPT60
机の上に広げられた一つの企画書は、集まった人間の言葉を詰まらせた。
各位がコピーされた書類を手に取り、己の目で確認するのだがいい年のした大人が揃って他人の顔を伺った。
それに記された内容は悪魔の囁きである。否、悪魔であればどれだけ生易しいものか。
命を刈り取る死神か、地獄でほくそ笑む閻魔大王か。いずれにしても共通の価値であり尊き存在である生命をないがしろにしているのは確かであった。

「まあ、みなさんね。色々と思うことはあると思うんですけども」

静かな空気の中で一人の男が切り出す。彼の鍛え上げられた胸筋が鼓動に呼応し小刻みに上下している。
そもそもの話、今回の企画書を提出したのはこの男である。スタッフ一同は彼の提案を楽しみにしていたのだが、現実は大きくかけ離れていた。
悪魔、死神、閻魔大王。如何なる存在に形容しようと共通していることは一つ――人間の所業とは思えないのだ。
昨今、メディア業界が行き詰まり手探りで新しい可能性を探っているのは周知の事実だ。
ネットの発達により眼が肥え、一部の大きく的の得ない声が目立つ中、この世界を生き抜くにはやはり目玉というものが必要になる。
現に地上波を通じない番組こそ、今の時代を象徴する新たな光となっていたのが、それでも枠組みは存在する。
だが、この男はそれらを覆す企画を提案したのだ。

「今の時代、何をやっても言われるんですよ。SNSを更新しただけで文句を言われるんです。
 浜田さんがね、ちょっと若手をどついただけで燃えるんですよ。もうね、ちょっと……なんというかね、開き直ろうと」

足を組み換え男は続ける。

「Aamazonさんのおかげでね、いやあ番組が好評で。芸人達の頑張りもあるんですけども。
 ここでね。あえて……という訳でも無いんですけど。いっちょ仕掛けてやりまっか! ……と。
 人間っていうのはね、馬鹿なんですよ。脳科学がどうだとか言ってもね、馬鹿なんですよ。だけど俺はそれがどうしても可愛らしくて、大好きなんです」

男が仕掛けるのは戦争である。
ある種の神となって、人間を超越し、法律に正面から対抗する愚かな一手だ。
地上波は窮地に立たされている。だが、男の企画はあまりにも巫山戯ており、それでいて彼の瞳は笑っておらず。
説明に小ネタも挟まず、その当たり前のようで異様な光景に彼の本気が各位に伝わる。無論、倫理観を蹴飛ばした狂気を含め。

「ここらで賭けてみようと思ったんです。テレビの限界じゃない、それは芸人の限界でもない。
 ――人間そのものにね。彼らが織りなすドラマこそが、最高のエンターテイメントじゃないかって」

バンと机を叩いた男は立ち上がり、指を弾く。
らしくない仕草に集まったスタッフが不審に思うも、遅すぎたのだ。
部屋上部にある通気口から得体の知れないガスが流れ出し、彼らが気付いた時には意識は既に闇の彼方へ。
ドミノのように人間が倒れゆく中で、説明者の男は最後まで立っていた。
ガスマスクも付けず、鼻息だけで対抗し、薄れ行く意識の中で、彼は呟いた。

「後は頼んだで……お前らが新しい――」

そして。
その部屋に立つ者はいなかった。


3 : このOPは無料で視聴出来ます ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:31:10 V/UorPT60




松本人志が送る最高の人間讃歌バラエティ


「もうね、筋書きなんていらないんですよ」


芸人のみにならず、各国、各世界のツワモノが夢の共演


「今を生きたいっていうのは当たり前なんですけど、それが崩れるんです」


隣に立つのは味方か、それとも――


「人生っていうのは突然じゃないですか。神様が本当にいたらね、つんく♂から声帯奪わないでしょ」


一切のネタ無し、正真正銘のサバイバル


「シリアスな笑いって知ってます? つまりそれなんですよ。まあね、本心から笑う時って自然じゃないですか」


生きたければ、殺せ


「アカンことなんですけど、まあAamazonさんも納得してくれて。いやあ、◇◇さんと共演しててよかったですね〜。政府と直接のパイプあってほんま助かったわあ」


ルールは一切無し。定められるは弱肉強食のみ


「各企業さんの好意もあってですね、ありますよ、支給品。これまた定番の〜その〜……地図! とかね、最低限の食料とか。懐中電灯とかも」


一発逆転を狙え、起死回生の一手


「それでですね、これも例にならってなんですけど……何に習うねん。ランダムでね、ガチャガチャですよ、刀とか銃とかね。もしかしたらサンシャイン池崎の通帳があるかもしれへん」


殺し合いを盛り上げるのは、視聴者


「何もね、全員参加型です。この〜僕が持っているその〜スイッチをね。押すんですよ。そしたら投票が始まって、人気が無い人の首輪が……ちょっとこっから先は言えへんなあ、怖いもん」


最後の生存者には――豪華賞品が!


「Aamazonさんのお力で願いがなんっでも叶います。いやあ、流石Aamazonさん! やっぱ奇跡も魔法も持ってますわ〜」


さあ、笑え。さあ、戦け。さあ、殺し合え


「ふふっ、テロップネタ切れやんけ」


HITOSHI MATSUMOTO presents バトル・ロワイアル――開幕


「これは最後にお願いなんですけども、一致団結して俺の所に殴り込みだけは絶対にアカンからな!!」


4 : ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:32:34 V/UorPT60
【ルール】

・最後の一人になるまで殺し合う。
・生存者にはAamazonが願いを叶えてくれる。
・首輪が装着されており、盗聴及び爆破機能が備わっている。
・参加者はそれぞれ自宅(或いはそれに近い場所)で松本人志のOP映像を見せられ、意識を失った設定。
・開始時はエリアにランダムで配置されることとする。
・参加者の装備は一式没収されているが、生命の存続に関わるものは例外とする。また、ゴブリンスレイヤーの防具一式も同様に没収していない。

・基本支給品は次のとおり。地図、腕時計、懐中電灯、三色ボールペン、ノート1冊、水(ペットボトル4本)、コッペパン(4つ)
・ランダム支給品は書き手の判断に任せるものとする。なお、数の限界3とする。
・制限は必要になったら設定するものとする。なお、ケンドーコバヤシを始めとする芸人勢の二次元知識は全て封印する。

・その他、そこまで決めるのも馬鹿らしいのでここまでとする。
・地図は常に募集中である。
・予約期限は一応1週間とさせていだきます。よろしくお願いします。

・OPにもありましたが、プライム会員限定で死亡者投票が唐突に行われます。
 →>>1が前触れもなくキャラを殺すという事前アナウンスです。

・会場にはゴブリンを始めとする魔物がいることにしております。有効に活用してやってください。

・最後に。書き手枠はご自由に。ただ、自己責任でお願いしますね。



【簡易地図】

A〜F、1〜6まで。地形はこだわりなし。


5 : ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:33:04 V/UorPT60
続いて一話目の透過です


"
"
6 : 不器用な男 ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:33:39 V/UorPT60
足が動かず、されど少女は走り続ける。
名を島村卯月というアイドルの少女は、役職に似合わず泥まみれである。
転倒したのか膝には生傷も目立ち、顔を見れば涙を流し、目も赤く染まっていた。
それは金髪のちょっと鍛え上げられた肉体を持つ男によって殺し合いに巻き込まれた恐怖もあろう。日常の生活からかけ離れた、非日常に適応できるものか。
だが、それ以外にも理由がありむしろ、直近の事態としては最悪の状況だった。

彼女が意識を取り戻した直後の話だ。
暗闇の中で目を覚まし、辺りを見渡せと荒れた大地が広がるのみ。
ドッキリか何かの収録だと自分を言い聞かせ、真っ先に行ったのは懐中電灯で周囲を照らすことだった。
普通であれば正解であろう。行動するにも、自分の状況を把握するにも周囲の情報は何よりも必要だった――だが、今は違う。

居たのだ。
彼女が本来、交わることの無い異形が。
手に野蛮でお粗末な武器を手に取ったおぞましい魔物、名をゴブリン。

子供程度の知能を持つ下級モンスターであるのだが、島村卯月にとってそんな情報は必要無い。
彼女からすれば魔物は全て同じである。現実の枠組みを壊すような異物に、生存本能が警笛を鳴らし、気付けば走っていたのだ。
捕まれば殺される。ボールを投げれば捕獲出来るような可愛らしい存在ではなく、例えるならばライオンだ。
サバンナでほっぽり出されれば、生きて行けぬ。自分の価値観に合わせればそんな状況であった。

加えゴブリンは数体。
一匹でさえも島村卯月は敵わないのだが、数の暴力はそれだけ恐怖心を煽る。
ぞろぞろと後ろに張り付く小鬼の群れに、彼女は必死に追いつかれまいと走るのだが――

「あっ……あ、あああああ」

ガツリとつま先が窪みに嵌り、体勢を崩した彼女は倒れてしまう。
急いで立ち上がるも、必死に自分を奮い立たせたアドレナリンは切れてしまった。
緊張の糸が宙ぶらりんとなったかのように、膝に力が入らず立ち上がれなかった。そして、ゴブリンは迫る。

「GARRRRRR!」

汚らしく涎を垂らした小鬼が島村卯月を取り囲む。
小躍りでもしているのか、目の前の獲物を嘲笑う。新しい玩具を購入し、帰りの車で説明書を読む子供のようだった。
じりじりとゆっくり距離を詰め、一匹のゴブリンが短剣を振り上げた。
月明かりに煌めく刀身に反射した自分を島村卯月は見た。今にもこの世の終わりが訪れるような、それは絶望した表情だった。
嗚呼、これが演技ならば太鼓判を押されるだろう。
夢なら、お芝居なら。どれだけよかっただろうか。こんな訳のわからない状況で生涯を終えるなど、信じられなかった。
しかし、自分の状況だけは信じられる。これから死ぬという、抗えぬ最悪の未来だけは、疑えなかったのだ。


7 : 不器用な男 ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:33:58 V/UorPT60
そして、短剣が弾き飛ばされた目の前の光景もまた、信じられた。

「彼女から離れろ――この出来損ない共め!」

ぐわんと風を巻き込むように放たれた拳がゴブリンの顔面を捉え、吹き飛ばす。
島村卯月の窮地を救った外国人の偉丈夫は更に足を豪快に回し、残りのゴブリンをも吹き飛ばした。

「名も知らないそこの君、立てるかい?」
「は、はい……あ、う」
「そうか、無理をする必要は無いよ。僕の名前はジョナサン・ジョースター……もう少し休んでいてくれ。そうすれば――!」

初めに飛ばされたゴブリンが血相を変えジョナサンに迫る。
不細工に凹んだ顔面の仕返しでもするのだろう。彼は逃げずに、呼吸を整え待ち構える。

「波紋!」

固定された下半身を土台に放たれる拳は大砲のそれと変わらない。
事実、拳圧によりふわりと自分の髪が浮かんだことに島村卯月は驚愕を隠せていなかった。

「GUUUUUUUU!?」

ぐしゃりと潰された顔面が水彩画のようにふやけたかと思えば、ゴブリンは弾け飛んだ。
文字通り、何かが爆発したかのように、ぐじゅぐじゅと顔面が沸騰していたようにも見えた。
島村卯月は己の目を疑い、何度か擦るのだが、やはりジョナサンがゴブリンを倒した事実は現実であるようだ。

「さぁ、掛かって来い! お前らを討伐し、彼女の確保するッ!」

その瞬間、島村卯月の瞳にはジョナサン・ジョースターが輝いて見えたという。
英雄が、ヒーローが現実に存在すればきっと彼のような人のことを言うのだろう。
自分のピンチに現れ、異形の怪物に臆さず、殴り飛ばす姿は子供の頃に見たようなテレビを連想させる。
数秒前まで死を覚悟していたが、自然とそんな気は消え失せ、今は彼の勝利を信じて疑わない。

「ラスト……ん、これは」

ジョナサンがゴブリンを蹴散らすのに時間はそれほど掛からず、島村卯月を追い掛けた群れは一匹を残して絶命していた。
彼が最後の一匹を手に掛けようとした時、とあるゴブリンの特徴に気付く。彼らは取り分け人間よりも小さい体格をしていたが、この個体は更に下回っている。
目尻に涙を浮かばせ、怯える様子は正に子供であった。事実、このゴブリンはまだ幼い存在なのだろう。

「君に罪は無いだろうが……」

波紋を纏わせた右腕を、ジョナサンは数秒の停止の後に降ろす。
英国紳士たる者、異形の存在であれど――彼にも何か、思う所があったのだろう。
もしくは、本来の彼ならば見逃さなかった。そう断言する身内もおるだろう。しかし、この瞬間の彼は選択したのだ。

「僕の気が変わらないうちに逃げるといい」


8 : 不器用な男 ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:34:54 V/UorPT60
踵を返したジョナサンはゴブリンを意識の外に追いやると、島村卯月に歩み寄る。
最後に小鬼が喜んでいるかのような表情を見せていたが、生まれただけの彼に罪は存在しないのだ。
ただ、ゴブリンとしての当たり前を実行しただけであろう。肉食動物が狩りをするのと同じように。
これ以上の悪さをするなと釘を刺した上で、ジョナサンは彼を見逃した。その選択は――

「もう安心してくれ……と簡単にはいかないか。改めて僕の名前はジョナサン・ジョースター。少なくとも君の敵じゃないことは約束しよう」
「た、助けてくれてありがとうございます。私は島村――じょ、ジョースターさん!?」

安堵しきっていた島村卯月の顔が一瞬にして絶望の一色に染まる。
彼女の悲鳴にジョナサンが振り返れば、仲間の短剣を装備し飛び上がった子供のゴブリンが迫っていた。
見逃したのが仇となったのだろう。ゴブリンは改心などせず、見逃してもらった恩も感じず、本能がままに襲い掛かる。

「間に合わな――!?」

ジョナサンが抵抗するよりも早くに、彼の視界には短剣の先が吸い込まれていく。
拳が届いたとして、片目の喪失は避けられぬだろう。何とも愚かな選択をした――自分に腹が立つ。
念には念を入れ始末しとくべきだったか。最もゴブリンの習性を考えれば見逃すなど有り得ぬ。背後を襲われるなど、当たり前のことだった。
しかし、ジョナサンには知識が無いのだ。ゴブリンなど初めて見たのだから。もしも種族が吸血鬼だったならば、問答無用で波紋を流し込んでいただろう。
自分への戒めとして、片目を犠牲にし、拳を放とうとした瞬間だった。
倒したゴブリンの装備であろう投擲された槍が、小鬼を貫いたのだ。

「GYAO!?」

脳天を貫かれたゴブリンは大地に無残にも落下し、異臭を漂わせ、動くことはなかった。
投擲の方向からして、右だろうか。ジョナサンが視線を向ければ兜と鎧に身を包んだ人型の存在が立っていた。
どこか薄汚れた装備から察するに返り血だろうか。表情が伺えないため、警戒をした上でジョナサンは礼を言う。

「ありがとうございます、おかげで助かりました」
「ゴブリンは子供であれど情けをかけないことだ。背後を襲われる」
「だからって子供を……いや、それにしてもゴブリン……か。貴方は詳しいようですが、お名前は?」

自分を襲ったのはゴブリンというのか。後方で会話を聞く島村卯月はゲーム世界のような存在に頭を悩ませる。
ジョナサンから名を問われた男は、少しの間を置いた後にぽつりと一言だけ呟いた。

「子鬼を殺す者」


9 : 不器用な男 ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:35:14 V/UorPT60
ゴブリンスレイヤー。
個人の名前ではなく、役職だろうか。
本当にゲームのような単語の連続に島村卯月は、今一度この状況を夢かと疑ってしまう。
しかし、気付けばそのようなことに思考を巡らせる余裕が生まれていた。
間違いなくジョナサン・ジョースターとゴブリンスレイヤーのおかげであろう。彼らは正真正銘の命の恩人である。
金髪の少し老けた男が開催する殺し合いも、彼らと一緒なら――そう、希望を抱きかけた時である。

「ゴブリンをスレイ……? 子供でも、容赦なく……?」
「……ああ。奴らの巣は完全に潰す。火を放ち、生き残りは漏れなく、殺す」
「……」

ゴブリンスレイヤーの行動理念を、一言で飲み込めなかったのか、ジョナサンが突っ掛かるも、次の言葉は飛び出さなかった。
彼は命の恩人である。多少の価値観が違えど、それを否定するのは最低であろう。
自分が吸血鬼と戦って来たことと同じように、彼もまたゴブリンの相手をしているのだろう。
もしも彼が吸血鬼に襲われ、見逃した子供に背後を取られていたら。同じように問答無用で波紋を流し込み、完膚なきまでに破壊していただろう。
そう、それと同じなのだ――自分に言い聞かせ、ゴブリンスレイヤーに握手を求めた時だった。彼は既に踵を返し、歩を進めていた。

「貴方は何処に行くつもりなんだ?」
「……まだ近くにゴブリンが潜んでいる可能性が高い。奴らの巣を突き止める」
「ならば僕も同行しましょう。先は遅れを取りましたが、次はもう――」
「……いや、彼女の傍にいるべきだ」
「なッ……」

ジョナサンが振り返れば、未だ大地に座る島村卯月が此方に気を掛けまいと、作り物の笑顔を浮かべていた。
彼女は自分ともゴブリンスレイヤーとも違う普通の女の子だ。吸血鬼にもゴブリンとも関係の無い、普通の女の子だ。
小鬼殺しの言うことは最もである。此処は何よりも彼女の安全を優先すべきだ。だが――

「俺のことは気にするな。マツモトヒトシの戯言があろうが、やることは変わらない」

ジョナサンが討伐したゴブリンの遺品であろう槍と短剣を拾い上げ、ゴブリンスレイヤーは彼らの元を去る。
その背中に哀愁など漂わず、小鬼共を根絶やしにするという一種の憎悪のような感情が具現化してるかのように周囲が歪む。
足元に吹き飛ばされたゴブリンの死体を発見し、彼は勢いよく短剣を振り下ろすのだが、ジョナサンは焦って島村卯月の視界を塞ぐように腕を広げた。

「彼のおかげでなんとかなったね。まずは君を安全な場所へ届けたいと思うんだが、いいかい?」

こくりと頷いた島村卯月を見つめ、ジョナサンは続ける。

「安全な場所が無ければ、僕が君を最後まで守ろう。この身に代えても、必ずね」

その背後でゴブリンスレイヤーはゴブリンの死体に追い打ちを掛け、脳天を潰し、首元を斬り裂き、臓器を抉る。
必要以上の仕打ちを島村卯月に見せまいと、大げさな手振り身振りを添えて会話をするジョナサンは冷や汗を流す。
たった一人で小鬼と戦う男、小鬼殺し。
何とも不器用な男と言えよう。自分にも声を掛ければ良いだろうにと思うも、周囲の状況が見えているようであり、島村卯月の安否を優先していた。
他人を思いやる器量を持ち合わせているようだが、そんな男が異様なまでにゴブリンを気にしているのは何か、理由があるのだろうか。
自分の人生にとってのDIO――切り離せない存在なのだろう。


【C-3・荒廃した道】

【島村卯月@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]:疲労(大)ゴブリンに対する恐怖
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:このふざけた殺し合いをぶっ潰す
1:ジョナサンと一緒に行動する。
[備考]
※名簿は未確認です。

【ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:弱き者を助け、殺し合いをどうにかする。
1:島村卯月を安全な場所へ導く。
2:ゴブリンスレイヤーに加勢する……?
[備考]
※名簿は未確認です。

【ゴブリンスレイヤー@ゴブリンスレイヤー】
[状態]:健康
[装備]:いつもの防具、小鬼の槍@現地調達、小鬼の短剣@現地調達
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本行動方針:ゴブリンを殺す
[備考]
※名簿は未確認です。


10 : 不器用な男 ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:36:57 V/UorPT60
以上で投下終了です。
少しでも反応もらえると幸いです。
週一でゆるーく、気が向いてる限り続けたいと思います。
よろしくお願いします。


11 : ◆jwEmrby5J6 :2018/10/21(日) 20:46:38 V/UorPT60
大変申し訳ありません。
名簿に以下のキャラが抜け落ちていたので、追加します。

【バーチャルYouTuber】
◯キズナアイ/◯ミライアカリ/◯シロ/◯ときのそら/◯天開司

よろしくお願いします。


12 : 名無しさん :2018/10/22(月) 00:02:21 fS/cUmzA0
新ロワ乙です
Amazone万能過ぎで草。浜田ー!早く相方の暴走を止めてくれー!

不器用過ぎるゴブスレさんは元々の一党以外のキャラとやっていけるのか不安ながらも楽しみ


13 : 名無しさん :2018/10/22(月) 00:50:34 tE8KdA9Y0
OPの再現度高すぎて草。企画内容は倫理的に考えると頭おかしいけどこんな番組実際にやったら見るに決まってるんだよなぁ
質問なんですが参加者たちの世界観は同一ですか?それとも一般的なロワと同じ異世界から拉致した系?


14 : 名無しさん :2018/10/22(月) 07:59:23 ByXQjUEs0
参加者の人気投票による首輪爆破で死ぬのは一回何人くらいですか?


15 : ◆jwEmrby5J6 :2018/10/22(月) 19:05:23 x4cS7RQg0
感想等ありがとうございます!
>>13
各世界は別々の世界とさせていただきます。共存はしておりません。
>>14
プライム会員限定首輪爆破人数はその時の気分によります。

引き続き、よろしくお願いします。
最後にマシュ、天開司で予約します。


16 : 名無しさん :2018/10/22(月) 21:51:35 76T0XgBQ0
ネタOPで油断させたところにガチガチの一話を投げるとは策士かな?
ゴブスレさんの今後に期待


17 : 名無しさん :2018/10/24(水) 00:46:27 J8RTH8J.0
投下乙です。
近年ネット通販の拡大により物流業に大きな変化が起き一部では宅配クライシスなどと言われておりますがその最大の要因たるAmazonはやはり凄いですね。ロワが行えるのも納得です。感動しました。


18 : 名無しさん :2018/10/25(木) 03:05:37 Y2YquHuI0
Aamazonやぞ


19 : 名無しさん :2018/10/25(木) 17:39:16 sfiefSo60



20 : <削除> :<削除>
<削除>


21 : 名無しさん :2019/04/07(日) 18:35:11 Xvgdl5Ck0
投下来ないなあ
体調でも崩したのかな?


"
"

■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■