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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
580
:
◆EPyDv9DKJs
:2020/01/08(水) 18:24:20 ID:fqyYqXkU0
四人が到着すれば、一番槍はその槍ともいえるヘアースタイルからか、仗助が動く。
向かう仗助へと、傘を投げ捨てると同時に羽を羽ばたかせ、レミリアも肉薄する。
「ドラァ!」
降り注ぐ雨粒を弾き飛ばしながら、クレイジー・ダイヤモンドの高速のジャブ。
弾丸のような素早い一撃だが、対するレミリアは、スタンドを観察するかのような余裕の態度で躱す。
続けて掛け声とともに、雨粒を吹き飛ばす勢いの拳を続けるが、すんでのところで避けられる。
「ブチャラティと同じタイプのスタンドね。
当たれば致命傷、速度も十分。だけど───」
無数に飛び交う拳を、舞台のプリマのように踊りながら回避。
スペルカードルールの闘いにおいても、彼女はそういう技を使い慣れており、
拳の当たるギリギリの距離を、さながらグレイズするように躱す。
これが点数で競う戦いならば、さぞ高評価になっているだろう。
「万全ならまだしも、負傷したせいで鈍いわよ。
スピードがない弾幕は、代わりに密度で補ったら?」
仗助は生身の人間の上に、負傷も決して無視できるものではない。
どうあっても全力からは程遠い状態、雨による体温低下も少なからずあるはずだ。
では対するレミリアはどうか。負傷はあれど、エシディシの指を喰ったことで回復し、
現時点の負傷はこの舞台においても、上から数えられるぐらいの軽傷に留まっている。
覆しようのない、人間と吸血鬼の回復速度の差だ。
「へぇ〜〜〜じゃあ一つ、この仗助君なりの弾幕を見せてやりますよ!」
「! 貴方、今仗助って───」
「ドララララララララララァ!!!」
敵から教えられるのは癪ではあるものの、
試しに一発一発の速度ではなく、密度を優先する。
爆弾を解体する爆弾処理班のように、繊細な動きで避けていたレミリアだが、
(負傷してる割に、精密で無駄がない。)
スタンドの情報を得たり、見学できるほどの余裕は余りなかった。
だから、細かい動きをするスタンドには少々、度肝を抜かれる。
実際、精密動作性はブチャラティのスティッキー・フィンガーズよりも上だ。
襲い掛かる拳の弾幕に隙間などない。グレイズ不可能の、拳と言う名の壁。
ひらひらと避けることはできず、素早く空を舞いながら後退し、
スタンドの射程距離から離れる。
「おっと。」
着地する寸前、肌で感じ取れる程の熱気と、水が蒸発する音。
いつの間にか背後へ回り込んでいた、燐の炎をまとった火炎車。
タイミングをずらすかのように軽く羽ばたいて滞空し、難なく回避。
「やっぱ、雨だとばれるよね……!」
あれだけ水蒸気をまき散らしていては、
奇襲なんてものは決まるはずがない。
誰にだってわかる、無意味な行為だ。
「そりゃ、ね。と言う事は───」
相手は分かった上で攻撃している。
態々外れる攻撃に力を入れるとも思えない。
仗助はまだ距離が取れた状態。ヴァレンタインに至っては、
慧音と露伴の前に立って此方を見ているだけで、戦意すら感じない。
答えは一つしかない。
「本命はお前だろうな『元』天人!」
仗助の拳の弾幕を壁と同時に彼女を隠すためのカモフラージュ。
空からLACKとPLACKの剣を構えた天子が、勢いよく振り下ろす。
「元を強調するんじゃあないッ!!」
避けるのは間に合わないのもあり、一先ず防ぐ。
剣を使い慣れた天子の大剣と言う組み合わせの威力は十分。
しかし……
「ほー。ならその力で早くこの手を押し切るといい。」
レミリアは剣を、片手で受け止めている。
刃に触れて多少血が滲んでいるが、この程度怪我ですらない。
いくら遺体のお陰で、腕はなんとかなってると言えども、
人に堕ちてしまった天子では、仗助同様差を覆すには役者不足だ。
「グヌヌヌ……!」
剣を気合で押し込むが、全く刃が進まない。
空中に浮いたまま、全体重をかけても進展はしない。
「ほらどうした! 私とタメ張れる我儘のように押し通せ!」
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