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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第116話☆
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いや。
僕の、次の世代次第だ。
だから僕は先生の…ドクターから受け継いだすべてを駆使して次へとつなげる。
ドクターを動力に、僕は歯車として、次へと伝えていけばいいのだ。
ドクターの骨は保管している。
この骨は、蘇った星の海にこそまくべきだと思ったのだ。
しかしそれも、僕にはできないだろう。
遺言に、ドクターの骨と一緒に僕の骨もまいてもらうように記しておこうと思う。
遺言といえばふと思い出す。
ドクターから僕の娘たちへの贈り物。
「運命の守護者」
「時の操手」
名前は僕がつけるべきだと言っていた。
故に二つ名。
ドクターから僕の娘たちへ贈られた、名。
……ドクターは中二病だったのだろう。
いや、そういう気はあったけれども。
ただ娘たちが星を死という運命から守護し、この時を巻き戻すようによみがえらせてくれるように祈りをこめて、使わせてもらおうと思う。
ちなみにドクターは結局、死にかけの大地でもたくましく生き延びる怪物たちを乱造していた。
たまに食べられそうになることがあり、僕の寿命はさらに縮まったのだろうと思う。
◇
新暦66年。
「砕け得ぬ闇」事件の収束後。
ほんの短い休息の間、アミタとキリエにはアースラの一室があてがわれていた。
期間として、長い事件というわけではなかった。
しかし各人の胸には、色濃い残滓。
それは記憶封鎖により、本当に残滓としか言いようのない欠片しか残さぬ終末へ至るのだろう。
それでも時を越えた絆の連結は、大きな幸福へとつながった。
そしてそれはアミタとキリエにとっても。
隣り合って腰掛けるふたりは、すでに穏やかな心地だった。
こうしてゆったりとふたり並んで過ごすのは、ふたりの父が倒れてから久しくなかったことだった。
思えば、キリエが己と距離をとりだしたのは、その時分であったとアミタは省みる。
ひとりで抱え始めたのも、その頃からだったのだろう。
博士が倒れ、キリエは自分だけで無茶をしようとした。
やさしいから。
アミタを巻き込まぬように。
そんな妹の心情を改めて愛しく思い、アミタはキリエの抱きしめて頭を撫でる。
「ちょ、やめなさいよ、いきなり何!」
「キリエはいい子です。今回の事件を通して、改めて認識できましたから」
「だからって頭を撫でるなんて、馬鹿にしてるようにしか思えないんですけど!」
「馬鹿になんてしてません! 私は至って真剣です」
分かってるわよ、そんなの。
なんて、キリエは言うのも面倒になって嘆息ひとつ。
その嘆息に、吐息が返ってくる。
ちゅっ、と。
アミタがキリエの唇に唇を重ねてきた。
「〜〜〜!!!」
びっくり仰天、キリエは引き剥がそうとするが、アミタは全力で押さえにかかってきている。
両腕をひとまとめに拘束され、ベッドに押し倒されたキリエはなすすべもなく、唇の愛撫を受け入れるしかなかった。
しかもその上、アミタはなんと強引な口付けの最中に頭まで撫で撫でしてくるのだ…!
馬鹿馬鹿しさとやるせなさと、…郷愁と懐古にキリエはついに脱力して受け入れた。
ちゅ、ちゅと親愛の情をたっぷりまぶしたアミタの口付けはくすぐったく暖かい。
頭を撫でてくる手つきはあくまで優しくて丁寧で、とめどない真心にあふれていた。
母が欠けた家族構成において、アミタはその役目たろうと努めていた。
キリエが悲しんだとき、失敗したとき、抱きしめて頭を撫でて慰めたことは一度や二度ではない。
キリエが嬉しんだとき、成功したとき、キスの雨を降らせてともに歓喜を分かち合ったことは数え切れない。
そうして今、きっと恥ずかしんで引き離されるのを承知して、強引無比に両方を施すアミタの愛情はかつての比ではない量でキリエを満たす。
いや。
あるいはアミタの愛情の多寡は昔日となんら変わりなく、ただキリエがそれに気づけるようになっただけなのかもしれない。
途端、アミタへ対する愛情が堰を切る。
頼り、甘えることを非としてただ孤独に一生懸命になっていた己の殻が破れるように。
くしゃりと泣き出しそうな顔へ変じたキリエに、ぎょっとなってアミタがその唇を引き離す。
「ご、ごめんなさいキリエ! 私はただあなたをほめてあげたくてですね…」
「うぇ〜、おねえちゃ〜ん…」
それから必死で涙をこらえながらキリエは吐き出す。
時間の壁を越える決断をしてから、安心をしたひと時などなかったと。
けれども一緒にそんな不安を共有させたくなかったと。
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