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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第116話☆
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まるで誰か稀代の芸術家がその才能を以って彫り上げた彫刻のように無駄がなく、完璧に整った顔には、ある種近寄りがたいものさえあった。
「ユーノ。今大丈夫か?」
そんな少年に、憚る事もなく声を掛ける者が居た。
黒髪を揺らす青年、クロノ・ハラオウン。
本の解析を邪魔されたユーノは彼に視線を向け、しかし笑顔で応える。
二人は、これくらいで気を悪くするほど短い付き合いではなかった。
「ああ、大丈夫だよ」
術式はそのままストップし、クロノへ向き直るユーノ。
腕を組んだ少年は、意地悪そうに笑みを浮かべる。
「また僕に資料の請求かい? 執務官」
「まあ、そんなところだ。頼めるか?」
「嫌だと言っても押し通す癖に」
「悪いな」
「良いよ。今に始まった事じゃないしね」
互いに苦笑を浮かべるユーノとクロノ。
初めて出会ってから、今年でそろそろ五年ほど経つだろうか。
片や二十歳、片や十四歳、執務官として司書として協力関係をずっと続けていた。
第一線で活躍する執務官のクロノは事件や裁判に必要な資料や情報をユーノに求め、司書であるユーノはそんなクロノの望みに答えて最適なものを迅速に提供する。
クロノはユーノに助けられ、ユーノもまた様々な事件・事故を解決する役に立つ事を誇りに感じていた。
正に腐れ縁というやつだ。
「で? 詳細は?」
「これだ」
クロノの投げたメモリチップを手に取り、ユーノは魔法でさっと中に書き込まれた文書を読み取る。
司書として数年の経験を経た彼はそれだけで仔細を把握した。
「分かった。二日以内に提出しとくよ」
「助かる」
「別に、大した事じゃないさ。にしてもクロノ、こんなにいつも事件ばかり追ってて大丈夫かい?」
「そんな事で泣き事を抜かしてたら執務官は務まらないよ」
「そうじゃなくてさ」
「ん?」
「エイミィさんとの事だよ。あんまり仕事ばっかりかまけてると逃げられちゃうよ?」
「……ちょ、おいユーノ、お前まで」
クロノの顔に苦笑いが浮かぶ。
別に人前でいちゃついた事もなければ、おおっぴらに吹聴した事もないのだが、ユーノにまで自分たちの事が伝わっているとは。
人の口に戸は立てられぬのはわかっているのだが。
「別に捜査をしているからって、エイミィをないがしろにしてるわけじゃない……彼女は僕の補佐官だ、いつも一緒に居るさ」
いつも一緒に、いつもと変わらず、今まで通りに。
ただ関係性だけが変わった。
その事に、クロノは未だに戸惑っていた。
幼少の頃から美しい女性に囲まれて育った彼だが、あまりに頑なに育ち過ぎたのかもしれない。
付き合いこそ何年も前から在るが、恋人というものに変化した仲を受け止めるやり方が分からないのだ。
果たしてこれから先、自分はエイミィときちんと向き合っていけるのかどうか。
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