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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第116話☆

382ザ・シガー ◆PyXaJaL4hQ:2013/08/20(火) 18:59:03 ID:W7EAHqmE
ヴァイ/シグ/浴衣


 「花火、っすか」

 ランチに取ったデリバリーの味気ないフライドサーモンサンドを齧りながら、ヴァイスは相手の言葉を反芻した。
 彼の言葉を肯定して頷くのは、ヘリ整備室の壁に背を預けた長身の女性だった。
 切れ長の瞳も凛々しい、機動六課ライトニング副隊長、シグナム。
 ただし今は休憩時間なので、格式張った肩書はない、ただの愛しい君と呼ぶべきか。

「ああ。今の季節は日本、主や我々が生活していた世界の国では盛んでな。祭を催して打ち上げる」

「へぇ」

 シグナムの説明を聞きながら口元についたタルタルソースをナプキンで拭い、ヴァイスは内心で首をかしげる。
 花火、知らないわけではない。
 だがミッドチルダでは日本でのそれと比較にならないほど、さして普及しているものではなかった。
 期待を抱けというのは難しい。
 
「で、俺を一緒にと?」

「……まあ、な」

 戦いに挑めば百戦錬磨の猛者であるシグナムが、恥ずかしいのかほんのり頬を染めて、伏し目がちにそう呟く。
 付き合い始めてそれなりに経つのに、この初々しい反応。
 ヴァイスはついつい笑みを零してしまう。
 断る道理など微塵もない。

「もちろん、姐さんのお誘いならどこへでも」

 花火への期待というより、彼女と連れ立って出かけるという事への期待に胸を湧かせて、ヴァイスは二つ返事でそう応えた。



 そうして安易に要望を受け入れた彼だが、現地へ行って最初の感想はあまり芳しいものではなかった、むしろ、

「……サイアク、だな」

 極めて酷いものと言えただろう。
 無論それは正当な理由あっての事である。
 なにせ周囲ときたら――人、人、人。
 そこはかなり広大な川とその両岸に伸びる河川敷なのだが、さながら人間の洪水とばかりに人という人が場を埋め尽くしていた。




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