レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆
-
しかし上目遣いのジト目で見上げるその表情には、憎らしげとでも言うべきか、何とも形容し難い険の色が濃い。
もしや自分は、彼女の機嫌を損ねるような真似をしたのではないかという不安感が湧き上がる。
だが、そんな記憶はヴァイスにはかけらもなかった。
出来ることは相手の言葉をただ待つ事だけである。
しばしヴァイスの顔を睨むように見つめるシグナム、数拍の間をおいて、彼女は問うた。
「お前、この間の日曜にクラナガンの繁華街に居たそうだな」
「え、ええまあ、そうっすけど」
「そこでテスタロッサに会ったか?」
「いえ」
「じゃあシャマルや騎士カリムには」
「いえ、別に会ってないっすけど」
「……」
じぃっとヴァイスの顔を見つめるシグナム。
歴戦の女騎士の慧眼は、数年来の部下の言葉の虚実を吟味する。
彼女の観察眼からして――ヴァイスの言葉に嘘はない。
それを察し、残念とも安心とも取れるため息をシグナムは漏らした。
「そうか。いや、すまん。何でもない」
「はぁ」
シグナムが何を知りたかったのか分からぬヴァイスは、そう曖昧な言葉を返す。
つい、と視線を逸らす彼女の様子から、もう言葉はないという事を察し、ヴァイスは今度こそその場を後にした。
立ち去る彼の背中に、シグナムは横目でまた何ともいえぬ視線を送っていた。
□
さて、話を少しばかり遡ろう。
数日ほど前、それはいつもと変わらぬ日曜の事だった。
ヴァイス・グランセニックは繁華街の人ごみの中に居た。
特にこれと言った目的はない、ただ漫然と人の流れに身を任せ、目に付いた店を気紛れに冷やかしたりする。
ぶらりとした有意義なる無為。
友人や家族と共に過ごすのではなく、こうして雲のように気ままな時間の過ごし方は、彼の趣味の一つでもあった。
今日もまたそうやって、無聊の慰めに往来を行く。
そんな時だった。
正面から歩いてくる細身のシルエットに、ヴァイスの視線は自然と引き寄せられた。
細い、折れてしまいそうなほど華奢な――首筋、肩、腕、腰、脚。
繊細な体を包むワンピース、やや冷たい季節の風から肌を守るように掛けたカーディガン。
だが何より目を惹くのはその美貌だ。
どこか幼さを残しているが、その美しさは麗しいと言っても良い、輝くブロンドが一層にその顔立ちを引き立てる。
絶世の美女、いや、二十代より若く十代後半にも見えるところを見ると、美少女かもしれない。
(美人だな)
内心、ヴァイスはそう無言で呟いた。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板