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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆

371夜刀浦奇譚:2013/02/06(水) 16:20:28 ID:x2.F.qT6
「ふえー、色々なお店があるねえ」
「うん、お土産買って行かないとね」
なのはとフェイトは、古風な煉瓦造りの店が立ち並ぶ街中を散策していた。
その中でフェイトが特に個性的な店を見つけた。
店の前に黒い山羊の絵が描かれた看板が立っていて、店の中には年代物の食器や絵画が並べられている。どうやら骨董品を扱う店らしい。
「・・・『BLACK Goat Shop(黒山羊の店)』 だって。なのは、素敵な絵柄の食器があるよ。翠屋で使えないかな」
「ほんとだ、とりあえずお店の中に入ってみよう。通訳はレイジング・ハートお願いね」

相棒からの了解の返事を貰い、なのはは店の扉を開けた。



「いらっしゃい」
店の中に入ると、日本語での出迎えがあった事になのはとフェイトは驚き、その声があった方角に視線を向けた。
「そう驚く事はないだろう。そっちのお嬢さんはともかく、少なくとも君は日本人、母国の言葉がそんなに耳慣れないかい?」
豪華な装飾が施された机の上に悠然と腰掛けているのは、妙齢の女性だった。
長い黒髪を靡かせ、黒いスーツの上から白衣を無造作に羽織り、いかにも高級そうな葉巻を燻らせている。
「あ、いえ・・・外国で日本語を聞くとは思わなかったので」
「ふむ、この辺りは日本人観光客も割と来るのでね。私も言葉を覚えてしまったよ」
葉巻を咥えたまま、女性は立ち上がり、悠然とした足取りで、なのはとフェイトの方に近付いてくる。どうやら彼女がこの店の主らしい。
「見た所、土産物を買いに来たのかな?」
「は、はい・・・実はあそこに並べられている食器が気に入っちゃったんですけど、その具体的な値段が書いてないのが気になっちゃって」
言葉が通じる事に安堵したなのはが、店の一角の棚に置かれた食器に目を向けた。

「ほう、あの食器に目が向くとは大した物だ。あれはヴィクトリア王朝時代、貴族が使っていた物だよ。それなりの値段だが・・・持ち合わせはあるかね?」
「えーと、フェイトちゃん、お金貸してくれる?」
「うん、いいよ。これで足りるかな?」」
「少し足りないかも・・・」
なのはとフェイトの持ち合わせを全部足しても、女主人から提示された金額には少し足りなかった。あの食器がどうしても欲しいのに、届かない。
「ご、ごめんね・・・なのは」
「ううん、気にしないで、フェイトちゃん」
「・・・中睦まじいお二人さん、恋人同士かね」
二人の間に漂う百合百合しい空気を鋭く感じ取ったのか、女主人は紫煙を吐き出し、唐突に問いを投げてきた。
「え、そ、それはその・・・」
「わ、私とフェイトちゃんは・・・た、確かにそういう関係になりたいとは思っていますが」
「恋愛の形は人それぞれ。遠慮する事は無い。周りに受け入れられるかはさて置き」
最後に不穏な言葉をつけたし、女主人は短くなった葉巻を携帯用の灰皿に入れると、二本目の葉巻に火を灯した。
「・・・よし、ここはお二人の前途を祝福して、特別に半額にしてあげよう」
「え、本当ですか?」
「うむ、あの食器の価値を見抜いたお客さんは久しぶりだからね」
なのはから紙幣と硬貨を受け取り、女主人は手際よく食器を棚から移し、頑丈そうな木箱に入れ、食器の周りに綿を詰めていった。




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