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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第115話☆
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結局。
ひとりでいる事の馬鹿らしさは教導センター時代に悟った。
救われたのだろう、エイミィに。
そう思うとつい穏やかな微笑が零れるのをクロノは自覚する。
「僕の報告書なんて、見てて面白いものじゃないだろう?」
「そんな事ないよ。邪魔かな?」
「いや、面白くない書類作りをしている最中、話をしてくれる誰かの存在は有り難い」
「クロノくんのマルチタスク、すごいよね…」
「ストレージデバイス持ちならできて当然だ。何か飲むか?」
「あ、いいよ、私が淹れてくるよ」
「シーツの礼だ。たっぷりの砂糖を茶に入れてやろう」
◇
最初から最後まで、結局クロノ憎悪を殺し切れなかった。
はやてに罪はない。
ヴォルケンリッターは傀儡だ。
リインフォースの名の下に、闇の書のプログラムは救われた。
マテリアルたちもまた、改変され続けた闇の書の被害者である。
万の言葉を以ってただの一念から目をそらす。
そう、ずっと目をそらし続けただけだ。
目を瞑っただけ。
それでもふと執務から目を離して私的な時間に、我に返るような心地で憤怒がそこにあると再認する。
鎌首をもたげる怨念の深みに複雑はない。
「なぜ父さんが死んで、彼女たちは助かったのだろう」
絶対に誰かの耳に届く事のないように呟きを漏らした夜は、もう数え切れない。
それでも己を理詰めで殺す。
感情を殺す。
はやての善性を是とする。
ヴォルケンリッターの忠誠を是とする。
リインフォースの運命を是とする。
マテリアルの絆を是とする。
時空管理局執務官クロノ・ハラオウンが下すべき決は公平の一文字だ。
闇の書に殺された者と同じく、八神はやてにも命はある。
すべての命は平等だからこそ、殺された者よりも、今命つなぐはやては私怨に殺戮されるべきではない。
法は強く堅く人の命を救い、護る。
それが時に残酷な冷たさを持つのは知っている。
クロノ自身、死ぬるが正しいと思う者が法に命をつながれている事件の結末に何度も立ち会っている。
そして、立ち会うでなく、直面したのはこれが初めてだった。
「なぜ父さんが死んで、彼女たちは助かったのだろう」
ハラオウン家長子クロノ・ハラオウン。
時空管理局執務官クロノ・ハラオウン。
このふたつの己は切り離せないのだろうか?
クロノは何度も何度も自問する。
その都度、母に話し聞かされ、そして幼すぎた頃に見た父の顔が、最後の最後ではやてたちを許してやれと微笑むのだ。
理想と夢と、何よりも父を追うようにクロノは時空管理局へ飛び込んだ。
そして今、身を挺して被害を最小限に食い止めた父の死に様が己を縛り、苦しめる。
暴走した闇の書に対し、エスティアの艦長として、時空管理局局員として、人間として、クライドは完璧すぎた。
クロノが夢見た父は、きっとはやてを許した。
ヴォルケンリッターを許した。
リインフォースを許した。
マテリアルたちを許した。
きっと。
きっと。
きっと。
だから、クロノもまた許さねばならぬ。
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