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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第114話☆

54 ある幸福の解答 :2012/07/07(土) 22:10:44 ID:wC0SP6OY
 そしてポケットから抜き出したギラつく銀光を、己の体に押し当てた。

「この程度で良いのか、この程度の対価で……そうか、なら、良い……構わないさ……構わないとも」

 笑みと共に、彼はまるでうわ言のように繰り返しながら、術式を展開する。
 現代の魔法技術とは根底から異なる、古代遺失世界の魔術が、薄闇の中で不気味な光を発して、陣を描いていく。
 術式構築が問題なく行われているのを確認すると、男はなんの躊躇いもなく、手にしたそれを力の限り――引き切った。



 暗転した世界、暗き視界。
 手足に満ちる冷感が、徐々に熱へと変わっていく。
 温もりと呼吸とを意識した時、彼の意識と肉体は完全に覚醒した。

「……ッ」

 がば、と身を起こす。
 明るい。
 先ほどまでの夜闇から一転して、世界は夕刻になっていた。
 見覚えのある室内。
 忘れようがない、忘れるわけがない、忘れてなるものか。
 ここはかつて、何十年も前に自分が住んでいた家だった。
 記憶のままの調度を目にし、男は息が荒くなるのを感じた。
 身を起こす。
 自分は椅子に腰掛けて、机に突っ伏していたらしい。
 今居るのは自室か。
 立ち上がり、洗面所へと向かった。
 鏡を前にして彼は絶句した。
 そこに映るのは、本来の五十男ではない、若かりし頃の己の姿だった。

「……やった、のか?」

 顔に触れる。
 しわのない瑞々しい肌、その弾力が指先に伝わる。
 べたべたと何度も、確かめるように触って、鏡にも触れた。
 硬質で冷たい鏡面は断じて偽物ではなかった。
 そうして、こみ上げてくる成功の実感。
 男の顔に、数十年ぶりの本物の喜笑が浮かんだ。

「やった……やった……やった、やったぞ!!!」

 腹の底から、男は喝采を叫ぶ。
 術は成功した。
 彼の行った、古代の禁呪、それは精神を過去へと送る秘法であった。
 果たして未来の自我が過去の自分に憑依したのか、それとも過去の自分の記憶に未来の記憶が上書きされたのか。
 詳細な原理は分らない。
 ただこの術は、ある捧げ物を用いる事によって、確実に成されるとだけ分っていた。
 その捧げ物を惜しげもなく供し、結果……彼は果たしたのだ。
 求め続けた本懐を、欲し続けた望みを。
 彼の幸せの、その何もかもがあった時代への帰還を。
 喜びに打ち震えていると、玄関から声がした。

「ただいまー」
 
 かつて己の耳を打った彼女の声音。
 聞き間違う筈もない。
 一瞬呆然として、だがすぐに意識を取り戻し、男は玄関へと走った。
 そこに居た、彼女は。




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