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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆
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魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所です。
『ローカル ルール』
1.他所のサイトの話題は控えましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
前スレ
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>>558
TSの時点でノーマルには入らんよ
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エリオ×キャロもノーマルだな。
一応なのフェもそうなんだろうが、同人誌でもいい加減見飽きた…。
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なのフェはノーマルなのか?確かに一番広がってる組み合わせではあるが
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>>563
このアニメだと一番広まってて王道じゃない?
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そういえば、シュテルって「炎熱変換の資質+バトルマニア」という事から考えてシグナムの要素も入ってるんですかね。
アダルトフォームにチェンジしたら物凄いムチムチボディに・・・
シュテル「師匠を倒すために・・・魔力を取り込んで急成長しました」
勝利時「私の勝ちですね。師匠、という訳で勝者の権利を行使します。師匠の汗の匂い、とても芳しくて私を虜にします」(押し倒す)
敗北時「・・・この状態になった私を打ち破るとは・・・流石です。師匠、勝者の権利として敗者の私の体をご賞味ください」
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その一方で全然成長していないらしいディアーチェさんであった……
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トーマ「面白い八神司令がなんだって?」
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面白い八神司令→はやて
面白くない八神司令→ディアーチェ
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逆じゃね?
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>>560
名前すら覚えてない人が多そうなレベルのサブキャラ同士だからな
あと、公式監修の入ったパロディ(歳時記)では結婚したと明言されてるけど、
F本編または関連記事等では明言されてない
>>559
息子夫婦の子っ作りしましょ♪を覗き見て、亡き夫とのそれを思い出して……なリンディさんの方がエロイ
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>>570
stsではルキノ・リリエだが、F本編ではルキノ・ロウランになってる。
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>>571
それはそうだが「結婚した」と明言はされてない
グリフィスじゃなくてレティ提督とできあがって養子縁組をしたって可能性もなくはない
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>>572
どんだけ歪んだ見方してんだよw
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それ言い出したら夫婦別姓だから結婚済みかもしれないというわけの分からない議論も出来るんじゃね?
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>>574
逆に考えるんだ。
そうすればいくらでも、どんな組み合わせのカプでも誕生させることができる、と。
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相変わらずここは頭のおかしいインターネッツですね
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久しぶりに投稿させていただきます。
今回は、微ですがエロ展開もあるので、気をつけてください。
また、欝展開があるので、嫌いな方は飛ばしてくだされば幸いです。
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「ただいまー」
扉を開けて、一人の少女が入ってくる。
そして、部屋の中で寝ていた一匹の獣に飛びついた。
まるで向日葵のような笑顔で、幸せそうに毛皮に頬ずりをする光景は、思わず写真に収めたくなるほどに愛くるしい姿である。
ただ一つ、その部屋が異常なほどの腐臭に覆われてさえいなければ。
その日、ギンガ・ナカジマが、高町なのはの、またほか数名の失踪を知ったのは偶然だった。
高町なのはにふとしたことを尋ねるために、普段居るはずの教導室に向かったところ、無断欠勤していることを伝えられた。
急ぎの用事ではない。
翌日でも良かったのだが、ついでに執務室にも用事があったので、フェイト・テスタロッサに言伝を頼みにいった。
すると、彼女も出勤していないということが伝えられた。
ここら辺から、少し疑念が芽生え始めた。そもそもが、この二人は無断欠勤をするような人間ではない。たとえ、何らかの急用でそうなったとしても、二人同時というのはどうもおかしい。
二人の親友であるはやて司令ならば何か知っているかもしれないと、司令のところへ足を向けてみたが、なんと、司令も出勤をしていないらしい。それだけでなく、ヴォルケンリッターの面々も揃って欠勤している。
あからさまにおかしい。
もしかしたら、何らかの事件に巻き込まれてしまっているのではないだろうか。
ロストロギアが起こしたことに巻き込まれている可能性もある。
いずれにせよ、非常事態が起こったという可能性は非常に高い。
ここで、彼らの失踪をちゃんと報告していれば、銀河の運命は変わったのかもしれない。
しかし、ギンガは、あいまいな情報のまま報告することを躊躇ってしまった。
高町家に行ってみて、失踪を確認してからでも遅くはない。そう判断してしまったのだ。
(これで、集団インフルエンザでしたとかじゃ、赤っ恥だもんね)
つまるところ、ギンガはあまりに甘く、うかつだったのだ。
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(……何…この臭い)
高町なのはの家にたどり着き、ノックをしようとしたところで、ギンガは家の中から溢れている強烈な異臭に気がついた。鼻が曲がりそうとは、まさにこのときに使う言葉だろう。
明らかにただ事ではない。
(……まさか……とは…思うけど)
腐臭から、最悪の連想が導き出される。
もし、この扉の向こうにこの家の住人の――があったとしたら……。
(駄目!そんなことを考えちゃ!)
頭を振って、嫌な想像を払う。
とにかくこんなところでたちんぼうしていてもしょうがない。ギンガは腐臭を吸ってしまわないように、器用に深呼吸をして、扉を叩こうとした。
その時、扉の向こうから、小さな足音が聞こえた。
(誰か…いる!?)
こんなひどい臭いの中、いったい誰が居るというのか。ギンガは、扉の向こうの人物に気取られないように、そっと中の様子を伺ってみる。
そもそも、この中にいる人物は正気なのだろうか。ギンガの感性では、とうてい正気で耐えられる環境とは思えなかった。
背筋どころか、体中に寒いものが走る。
そして、畳み掛けるように、ギンガの耳は、信じられない声を捕らえてしまった。
(えっ?…う…そ)
いや、信じられないというのは間違いだろう。信じられないのではなく、信じたくなかったのだ。
(………ヴィヴィ……オ………ちゃん?)
確かに、扉の向こうから聞こえてくる声は、ヴィヴィオのものだった。
聞き慣れた声が、かえって扉の向こうの非現実感を高めていた。
(なん…何で、ヴィヴィオちゃんが!?それに……)
何より、その声が嬉しそうなのだ。
まるで、恋人と会っているかのように、時には甘えた、時には哀切のにじんだ雰囲気が、扉越しにでも伝わってくる。
ギンガは、すでに何も考えられない状態だった。頭が真っ白になり、考えをまとめようとしても、まったくまとまらない。
そして
いつの間にか
自分の手がノブにかかっていて
なぜだか家の中が見えていて
さっきよりも臭いもきつくなっていて
それに声もはっきりと聞こえるようになっていて
要するに―――
―――扉を開いてしまったのだ。
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どうやって動いたのかは、まったく覚えていない。ただ、気がついたら、ヴィヴィオが目の前に座っていた。
何もおかしなところは無い。いつもどおりのヴィヴィオだ。そう、まったくおかしなところは無い。
そうヴィヴィオには。
おかしなものはただ一つ。
ヴィヴィオが抱きしめている、その青い「何か」。
そして、ギンガはその「何か」に心当たりがあるような気がした。
そう、それは―――
「……あ?」
駄目だ!
駄目だ、駄目だ、駄目だ!
気がついてはいけない。思い出してはいけない。考えてはいけない。
その「何か」が、
師匠に、
時おり自分たちの仕事を手伝ってくれていた青い守護獣に似ているなどと。
「いやあああああああああああああああああああああああああ」
いつの間にか、絶叫していたらしい。気がついたときには、声の出しすぎで咳き込んでいた。
そんな自分に、ヴィヴィオはいつもどおりに声をかけてくる。
「大丈夫、ギンガさん?どうしたの、いきなり叫んだりして」
あくまで、ヴィヴィオは笑顔のままだった。なんの含みも持たない、純粋な笑顔。この状況ではそれが一番恐ろしかった。
「おえええぇぇぇ」
あまりの状況に、体が拒否反応を起こす。知らず、わたしは食べたものを戻していた。
「ギンガさん、ザフィーラを見て、吐くなんて失礼だよ!」
その時、ヴィヴィオの笑顔が、初めて崩れた。私を睨みつけてくる視線には、憎悪すら宿っている。
「ママもひどいんだよ。ザフィーラが臭いって言うの。はやてさんたちに電話して、わたしとザフィーラを引き離そうとするんだよ」
違う。
その目に宿っているのは、憎悪だけではなかった。
狂気。なにより、そのように呼ばれるものに支配されている。
狂ってしまったお姫様は、クルクルと笑いながら、自分のやったことを独白し続ける。
「だから、みんな殺しちゃった。ザフィーラにひどいことするんなら、ママやはやてさんでも許さないんだから」
ヴィヴィオはそれだけ言うと、あさっての方向に漂わせていた視線を、私の方に合わせてくる。
「ギンガさんはどうかな?ギンガさんもすきだったんでしょ、ザフィーラのこと」
そして、わたしにその死体を押し付けてくる。
ベチョッという音とともに、私の顔におぞましい感触のものがくっついてきた。
「ひっ!」
私はたまらず悲鳴を上げて、顔についているものを引き剥がしてしまう。
「ふーん、ギンガさんもそういうことするんだ。せっかく、ザフィーラと一緒にいるのを許してあげようと思ったのに」
ヴィヴィオの視線が、限りなく冷めたものになっていることに気がついた。
そして、ヴィヴィオは死体をもう一度取り上げ、まるで恋人のようにそっと抱きしめると、蛆すら這っているその顔に口づけをした。
「ギンガさんも、本当にザフィーラのこと好きじゃなかったんだね。だって、この姿を愛せないんだもん」
それだけではない。
毛皮に顔をうずめ、思いっきり息を吸い込む。常人なら頭が壊れてしまいそうな腐臭で、恍惚の表情を浮かべていた。
「私は違うよ。ザフィーラの匂いなら全部大好き。触り心地も、かっこいい姿も全部変わらない」
ヴィヴィオの手が、下腹の方をなでている。そこには、死後硬直のせいか勃起状態を保っている、ザフィーラのペニスがあった。
「ザフィーラならなんだって許せるの!だって、私はザフィーラを愛しているんだから」
手だけではなく、ヴィヴィオの体全体が下に降りていく。
目を背けたくなるほど無残な、その陰部を、ヴィヴィオは何のためらいも無く、むしろ嬉々として口に含んでいく。
ヴィヴィオがフェラチオをしている間、ギンガは凍りついたように動くことができなかった。
どれほど時間が過ぎただろうか。
AV女優もかくやというような淫猥な光景は、いつの間にか終わっていた。
ヴィヴィオがこちらに歩いてきた。
手には凶器が握られているのが分かる。
「ギンガさんもダメだね。ザフィーラのことは渡せない」
その手が高く振り上げられる。
次に何が起こるかは分かっているが、体は全く動かなかった。
まるで、高いところから、この状況を俯瞰している気分だ。
自分は、壊れてしまったのだろうか。いや、かもしれないではなく、本当に壊れてしまったのだろう。
「バイバイ」
そして、ゆがんだ笑顔と共にその手が振り下ろされて―――
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「キャー!!最高です〜!!!」
清々しいほどの青空の下、緑が映える芝生の上で、そんな歓声が響き渡った。
中心にいるのは、シャッハ・ヌエラ。その芝生を所有する建物で働いている人物である。
その前には、テーブルの上に積み重ねられた本が置かれていた。
「でしょー。自分で言うのもなんだけど、最高傑作だと思うんだよね〜」
照れるなー、などとのんきなことをつぶやきながら、シャッハは並んでいる人に本を渡す作業に移った。
列になっている人たちは、本を手渡される前に、シャッハにお金を渡していく。
要するに、シャッハは教会の片隅で、同人活動を行なっているのだった。
「くれぐれもカリムさんには秘密にしてね。この前バレたときは、かなりやばかったんだから」
本を渡す時には、そのように言い聞かせておく。
実のところ、この同人活動は、書いている内容が内容もあって、上司のカリムからは良い顔をされていない。
今、シャッハたちがいる場所も、死角となるところであり、むしろ気づきづらいだろうと選んだのである。
(それにしても、ヤンデレシリーズがこれほど人気になるとは…)
本人としては、軽い冗談のつもりで始めたものだったのだが、人気が高くなりすぎて、引くに引けない状況になっていた。
(いい加減、バレるかもしれないし、そろそろ潜るべきかな〜)
心中はいろいろと揺れているものの、外には見せずに、笑顔で同人誌を売りさばいていく。
「へー、こりゃまたすごい内容やね」
「そりゃあ、もう、今回で一区切り付けるつもりですし」
さりげなく重大発表がなされ、周囲からはどよめきが起こるも、かまわず続ける。
「色々なジャンルに挑戦したいんです」
なんとなくネタに詰まった小説家のような言葉だったが、周囲には比較的好意的に受け取られたようだった。
「え〜、私、今回が初めてだったのに、寂しいですよぉ」
こんなことを言う人もいるが、次回はもっと面白いモノを書いてくると約束する。赤と緑のオッドアイが、嬉しげに細められる。
(…………ん?)
今は視線を外して、はっきりと姿が見えるわけではないが、自分はこの子を知っている気がする。そう言えば、さっき関西弁が聞こえたような気も……。さらにたった今気がついたのだが、いつの間にか自分の周りには、二人の人しか残っていなかった。
「アノー、ヤガミシレイ?」
目の前にいる、どことなく狸っぽい(本人には内緒だ)女性に声をかける。口から出た言葉は、カタコトになってしまっていた。
「ん?」
振り向いた。
これ以上になくはっきりと八神司令だった。
(え〜と、それじゃあもしかして………)
下は向きたくなかった。認識しなければ確定はしないと、どこぞの物理学者のような言い訳を脳内で繰り返すも、現実はあまりに非常だった。
「シャッハさんて、絵も文章もとっても上手なんですね」
聞き慣れた、人懐っこい声が聞こえてくる。
もう泣きそうだった。
そして、私の決断は早い。
「すみませんっしたあ!!!!」
土下座だった。
これ以上ないほど、綺麗に決まった土下座だった。
美しさで言えば、今年度最優秀賞を取れるくらいの土下座だった。
「どうか!なにとぞ!カリムさんにはこのことを内密に!!!」
必死で、目の前の司令に呼びかける。
その必死さは、たとえ自分が前科百犯の詐欺師であったとしても、許されるのではないかと思うほどである。
目の前の人も、鬼ではないのだ。なんとかなるはずだ。
その姿を見て、八神司令は、ポリポリと頭を掻いて、困ったように口を開いた。
「あー、そう言われてもな……」
そう言って、とある方向に目を向ける。
嘘であって欲しかった。
八神司令の視線のむこうにいる人物が、自分の知らない上司であることを願う。
(どうかお願いします!聖王さま!!)
最後に祈りの言葉を唱え、視線だけそちらに向けてみた。
カリムさんだった。
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怒っているのかと思えば、さにあらず。完璧な笑顔でこちらを見つめていた。その笑顔はまるで聖母のよう。だれもが、安心してその胸に飛び込んでいくだろう。
その背中から漂う、どす黒いオーラさえ無ければ。
「シャッハ?」
自分の名前が呼ばれた瞬間、恐怖で体が震えてしまう。
極限状態の中どうしたら自分が生き残れるのか、フル回転でシュミレートをし続ける。
「このようなことはやめなさいって、そう言っておいたわよね?」
顔を上げちゃダメだ。顔を上げちゃダメだ。顔を上げちゃダメだ!
頭の中で、千の言い訳が生み出され―
―そのことごとくが、たった一言で一蹴される。
(「そう、それじゃあ懲罰房へ行きましょうか」)
もうだめだと、頭の回転も止まり、ただこの天災が過ぎ去るように伏していた。
「はあ、困った人ね。司令の執り成しもあったことですから、懲罰房行きは勘弁しておきます」
奇跡が起こった。
耳に届いた言葉が信じられない。果たして、そこにいる人物は本物のカリム・グラシアなのだろうか?
顔を上げ、感謝と、畏敬に満ちた眼差しを己の上司に差し向ける。
そして、そのまま私の顔は固まってしまった。
さっきはチラリと見ただけだったので、気がつかなかったが、カリムさんの後ろには、二人の女性が並んでいた。
小説の中では、ヴィヴィオに殺された設定にしていた、養母たちが…。
「ただ、この方たちが、あなたに摸擬戦を手伝って欲しいらしいの。今日のあなたは、有給休暇だし、いつまでも付き合ってあげても大丈夫よね」
笑うしかなかった。
向こうも、ただただ笑顔だった。
襟首をつかまれて引きづられていく途中、そう言えば、遺書を書いてなかったと漠然と考えていた。
「大丈夫でしょうか、シャッハさん」
心配そうに、オッドアイの少女が問いかけてくる。
「んー、まあ、非殺傷設定にはするやろし、間違いはないんやない」
もっとも、さっき見た、二人の表情から察するに、危険な予感はあるが。
とりあえず、カリムも傍にいるだろうし、死ぬことはないと思う。
「それにしても、ひどいなあ」
ヴィヴィオが、小説を手にとって頬を膨らませる。
当然だろう。なにせこの作品の中では、自分が正気を失った殺人鬼なのだ。
と言うか、これを平然と手にとっていることが、驚くべき事態である。
「ザフィーラ殺しちゃったら、子供作れないのに」
「………」
(拉致監禁までならありなんか?)
ヴィヴィオの何気ない一言に、そこはかとない不安を感じる。
(ヴィヴィオとは二人きりにならんように言うとこ)
ザフィーラに忠告することを決めて、ふと空を仰ぎ見る。
雲ひとつ無い青空に、燦燦と太陽が輝いていた。
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以上です。
改めて読んでみると、エロってほどエロくもないですね。やはり自分には無理なのか!?
あと、ヴィヴィオならヤンデレでも許せる気がしますが、ロリではありません。健全です。
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非常に乙。すばらしい!
シャッハ → カリム の呼びかけって、「騎士カリム」でなかった? 勘違いならゴメン
あと、>>580で終わってくださいと祈ったのは内緒だ。いいよね、ド欝
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感想ありがとうございます。
シャッハ→カリムは「騎士カリム」か「カリム」でした。
ご指摘ありがとうございます。
まあ、今回は状況が状況なので、下手に出てるってことで脳内補完を・・・できないか。すみません!
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おお! これは・・・おもしろい
ヤンデレヤンデレしてるヴィヴィオかわゆい癖になりそう
個人的にはマジでこんな展開でも良かったですわ
しかし最後の子作り監禁フラグもすげえドキドキするので問題なし!
GJ!
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>>565
機人02「なのはさんのコピーですらそれなりにフラグがあるのに私には何もないの〜!?
トーマはリリィとだし、なのはさんよりそっちの気もない筈なのにぃぃ(泣」
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どうもですー新作を投下しますー
前回のと、もしかしたら世界観がつながっているかもですー
タイトルは「闇と時と本の旅人」でー
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■ 1
暗い部屋。
衣擦れの音がささやくように伝わり、ベッドのスプリングがきしむ音が時折混じる。
うなされているのだろうか、呻いているような少年の声が、彼以外誰もいない寝室に流れる。
少年は、就寝時には明かりをまったく消す習慣があった。何となく、常夜灯を点けるのは暗闇を恐れる子供のようだという意識があった。
真夜中の寝室は、窓から差し込む光もない。ここは次元航行艦の士官個室であり外を見ることのできる窓はない。
何も見えない。たとえ目を開けても、暗闇に慣れようとしても目は光を拾えない。
意識が覚醒しないぎりぎりのところで、少年の眠りは押しとどめられている。
だが、わかる。
何も見えないが、何かが彼にのしかかっている。押しつぶすような質量があり、しかしそれは彼の身体全体を包み込むように圧をかけている。
何者かが、少年を抱きしめている。
ついに意識が浮かび上がった瞬間、それまで彼を責め続けていた質量は嘘のように消え去った。
ばたと毛布をはだけさせて跳ね起き、荒く、肩で息をする。
夢か。
夢を見ていたのか。
既に位置を覚えているベッド脇のスタンドライトのスイッチに手を伸ばし、明かりを点ける。
間違いなく自分の部屋だ。艦隊附き執務官としてこの次元航行艦に乗り組んでいる自分に与えられた個室だ。
ベッドの上には、誰もいない。自分の姿以外、床に落ちたクリーム色の毛布くらいしか変わったものは見えない。室内の調度品や私物の置いてある位置も、就寝前と何も変わっていない。
どうやら夢に間違いないと考えを落ち着け、少年は肩を落としてため息をつく。
そこでふと、寝巻きの下の違和感に気づく。
少年、クロノ・ハラオウン──弱冠14歳にして管理局執務官として次元航行艦アースラに乗り組む彼は、さらに疲れきったため息をついた。
「参ったな、久しぶりとはいえ出航中にか──定時の洗濯には出せないな」
若年者の活躍著しいミッドチルダにおいて、10代の管理局員も珍しくはない。しかしそれでもクロノにも年相応の恥じらいはある。
次元空間を航行する艦内では乗組員の衣類は当番──たいてい最も新任の者の担当だ──がまとめて洗濯を行う。その中に、精液の染み込んだパンツを紛れ込ませるような度胸は、さすがのクロノも持ち合わせてはいなかった。
気を取り直し、クロノはベッドから降りてクロゼットを開け、着替えをすることにした。
音のない、静かな無人の要塞。
時空管理局本局。
次元空間に配置されたこの巨大要塞には、いくつもの隔離された実験棟が接続されている。
それは主に、“ロストロギア”と呼ばれる古代遺物の保管に使用されている。
現代人類の知見をたやすく凌駕するロストロギアは、古来より人類に災厄をもたらすものとして認識され、時空管理局はそれへの対処を専門とする部署を持っている。
管理局次元航行艦隊提督、ギル・グレアムもまた、その組織の早急なる増強を切望していた。
──あのような忌まわしき事件を、二度と起こさせないために。
そう願いながら、その事件の元凶をどうしても滅することのできないこの状況に、わずかな焦りを持っていることも確かだ。
管理局上層部はまだ、このロストロギアに対する理解が乏しい。
幾度となく訴えてきた研究体制の強化も却下され続け、現状、遺失物管理部の隔離フロアに封印したまま何も手出しができないという状況だ。
もし、封印が破られたら。
その時こそ、人類は滅亡の危機に直面するだろう。
外敵の襲来というわかりやすい構図ではない。
それは淘汰だ。生命力のより強い種族が生き残る。それは自然界の摂理だ。人間よりも生命力の強い種族を、あのロストロギアは生み出してしまったのだ。
命を、奪う。吸い尽くす。
闇の書には魔物が潜んでいる。闇の書に立ち向かい、犠牲となった者は数多い。
グレアムの部下であり親友でもあった提督、クライド・ハラオウンもそのひとりだ。
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アースラ艦橋、日次のシステム点検作業を終え、エイミィ・リミエッタは自分の席で大きく伸びをした。
第97管理外世界での一連の作戦任務を終え、約1ヶ月ぶりに本局へ帰還する。
緊急の出撃ということもあり、今回の案件では皆慌しかったが、またしばらくはゆっくりできそうだ。
もっとも、執務官であるクロノには現場だけではなく、本局に戻ってからもたくさんの仕事が待っている。そんなクロノを、労うのはエイミィにとってはもはや当然のことであった。
今回の作戦では、大魔導師プレシア・テスタロッサと彼女が集めていたロストロギア・ジュエルシードを相手にし、アースラ艦長であるリンディ・ハラオウン提督自らが緊急出撃し魔法戦闘を行った。
大規模な次元震による周辺世界への被害も懸念されたが、なんとか状況を収拾する事が出来た。
改めて、ハラオウン親子の実力を垣間見たといったところである。
執務官として前線に出るクロノだけでなく、次元航行艦の艦長であるリンディも、優れた魔導師としての実力を持っている。
それ以上に、血のつながった親子ならではの、以心伝心ともいうべき息の合った連携が奇蹟を引き当てたとエイミィは思っていた。
いつからだろうか、とエイミィは胸に思った。クロノとリンディの語らいの姿に、羨ましさというのか、悔しさにも似た不思議な感情を抱き始めたのはいつの頃からだっただろうか。
クロノとエイミィは士官学校での同期であり、卒業後に任官するにあたり、リンディはエイミィに、ハラオウン家への下宿を持ちかけた。
クラナガンの中でも実家が郊外にあり本局まで遠かったエイミィは、新人オペレーターとして仕事に集中するにはなるべく管理局の近くにいたほうがいいと思ってそれを受けた。
アースラの中では、クロノはリンディを艦長あるいは提督と呼び、あくまでも上司として接している。リンディももちろん、クロノを息子だからといって甘やかすようなことはしない。
「やだな、何考えてるんだろ……私」
それでも、もしかしたら、と思うことがある。胸の中で、想像を膨らませてみる。
リンディの目を見上げて話しているはずのクロノの視線が、ふと、彼女の胸元に向けられているときがある。高級士官制服の厚い生地の下にあるはずの、彼女の豊かな乳房を見ている。あるいは、自分が生まれてきた彼女の胎、そしてその入り口の肉の穴。
もっとも身近な女性である母親の、女の肉体に、興味を持つ。
クロノもそんな年頃に差し掛かっているのかもしれない。そしてリンディも、そんな息子の胸の内を察し、視姦されていることに気づいているかもしれない。艦長室など、どこでも秘密の場所はある。そんなところで、抱き合う二人。
容易に想像できてしまうのは、自分の認識がそうだからなのか、それとも本当に、禁じられた母子の関係があるのか。
身だしなみに気を使う年頃に、同じようにエイミィも差し掛かっている。
しかしどこか、先輩の女性乗組員たちと比べると、いくらコロンをふっても洗顔フォームを試しても、乳臭さが拭いきれないという気もする。
確かに思春期はホルモンや皮脂の分泌などから、成人女性に比べて体臭なども特徴的にはなるのかもしれない。
でも、なんとか、飾り立てて、清潔な香りでクロノを包んであげたい。
士官学校の同期生たちの間でも、クロノは年齢不相応に背伸びしたがる傾向があった。寮で同室の少年たちともあまりつるまず、一人で黙々と勉強をしていた。
むっつりなんだとささやかれることもあったが、その頃の彼は本当に自分を押し殺していたのだとエイミィは思っていた。
彼がなぜそんな性格になっていったのか──それはきっと、自分もまだ幼く何も覚えていないような頃の出来事に原因がある。
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管理局本局のドックに入渠したアースラはただちに整備作業にかかり、地上での勤務がない一般乗組員たちはしばらくの休暇となる。
クロノは今回のPT事件に関する処理を行うため、フェイトを連れて法務部へ赴く事になる。
今回の件で問題となるのは、生き残った事件の当事者であるフェイト・テスタロッサが、生まれてからずっと時の庭園で過ごし一般社会に触れてこなかったということだ。人間社会の中で過ごさず、母プレシアの言うことが全てだという価値観で育ってきた。
そのため、フェイトの責任能力を問うことができるか──というのがカギになる。
第97管理外世界を離れ、アースラで本局に移送されるまでの間、フェイトは特に艦内での行動を制限されなかったがずっと自室にこもり、時折クロノが面会に行ったときだけ一緒についてしばらく歩くといった感じだった。
まるで妹ができたようだ、とエイミィは思っていた。
リンディは、天涯孤独であるフェイトの身柄を引き取ることを考えているとエイミィに言っていた。ただしまだ本人には秘密で、とも付け加えていた。
今回のPT事件では、主犯であるプレシア・テスタロッサが時の庭園と共に虚数空間に沈んだため、事後処理としては被疑者死亡のまま書類送検という形になる。フェイトの身柄はあくまでも参考人程度である。
フェイトはプレシアの命令に従っただけであり悪意はない──ということは、これまでの管理局の判例からすれば比較的容易に認められるだろうとはクロノは言っていた。
親にすがりたい子供のしぐさなのだろうか、と思うと同時に、フェイトを同じ女として見てしまっているという意識がエイミィの中にあった。
フェイトは、クロノやリンディという、時空管理局の中の有力な一族に近づく事で自分の身を守るということを意識せずとも行っている。
もちろんリンディとて、たとえ幼い子供であってもそのような行動は本能的にとるものだということはわかっているだろう。
しかし、どこか、フェイトが横から割り込んできた、ぽっと出のメス猫、という認識が、どうしても拭えないとエイミィは思っていた。
こんなことを考えてしまうのは、嫉妬という感情なのだろうか。
アースラ艦内から本局法務部の担当官へデータを送信し、向こうでの受け入れ準備ができるまで、クロノとリンディは一緒に、クライドの墓参りに行くことになった。
次元航行艦隊における殉職者は本局施設内の教会に祀られている。
その間、艦内に一人で残していくのもどうかということでフェイトも連れて、そしてエイミィも一緒についていくことになった。
フェイトは、どうやらクロノから離れたくないらしくリンディに手を握られながら、クロノの士官制服の裾をつかんでいる。
第97管理外世界での高町なのはとの戦い、そして時の庭園でのプレシアとの対峙、それらの場面とはうってかわり、いじらしくさえ思えるほどの幼げな少女の姿を見せている。
「フェイトさん、心配しなくても大丈夫ですからね」
「はい」
リンディに微笑みかけられ、フェイトはしずしずと二人についていく。4人で横一列に並ぶと通路の幅を取ってしまうので、クロノとエイミィは後ろについている。
「これから行くのは」
「ああ、ちょっと私用だ。僕の父さんは管理局の次元航行艦隊に所属していたんだ。11年前まで……」
「11年前、じゃあ、今は」
フェイトはそこまで口に出し、やがて察して口をつぐんだ。
家族を喪った悲しみを、この執務官も知っている。妻も、息子も、プレシアのように、夫を父親を蘇らせようと願う事は無かった。ふと思い浮かんだことはあったかもしれないが、それを封じた。
喪われた命は戻らないという事を受け止めているのだ。
-
「クライド提督って、どんな人だったんですか?」
エイミィも質問する。話の輪に入ろうとする。
やわらかく豊かなポニーテールを揺らし、リンディは微笑んで振り向いた。
「素敵な人だったわ。局員としての仕事に忠実で、とても誠実な。可愛い人だったわ」
「リンディさんよりは年上だったんですよね」
「そうね、でも意外と初心なところもあったのよ」
そう言ってリンディはクロノの肩に手を置く。クロノは父親似らしいが、顔立ちだけでなく性格も似ているのだろうか。あるいは、リンディは自分の息子に、亡き夫の面影を見ているのだろうか。
こんなところでも、エイミィはリンディの言葉の裏を勘繰ってしまう。そしておそらくは、リンディもそんな息子のガールフレンドの心境を気づいている。
同じアースラに乗り組む幹部乗員として、部下として、艦長であるリンディを信頼しなくてはならないというのはわかっているが、その意識を邪魔する感情とでもいうのか、それをどう処理すればいいのかというのはエイミィにとっては胸を苦しくさせるものだ。
恋愛、なのか。クロノとは、士官学校に入学してから、まだ幼い頃から一緒にいた。
子供の頃は、普通の友達として一緒にいられた。
でも次第に、二人きりで一緒にいる事が恥ずかしくなる。
この気持ちが、恋なのだろうか。
リンディたちが本局内の教会慰霊堂に入ってきたとき、一人の参拝者が先に来ているのが見えた。
平日では、局員の遺族でも来る人数は少ない。
やがて、その参拝者が跪いているのが、クライドの位牌を納めているのと同じ場所だとわかる。
「あれ…?」
エイミィは並べられた祭壇の横から身体を乗り出すようにして、その参拝者の姿を見やる。
かがみこんだ姿は大人の女性のようだ。上着は白いセーターで、長いストレートの髪が肩から背中に流れている。
黒い石造りの墓碑を前に、横顔の整ったラインがシルエットになって浮かび上がり、逆光にきらめく姿は、地上に舞い降りた天使のようだった。
その女性もリンディたちに気づき、立ち上がりながら振り向く。
手に携えた弔花の束を墓碑の前に置き、すらりとした白い指が胸の前に組まれる。
澄んだ、宝石のような瞳。しかしその奥に、闇のような深い輝き──言葉としておかしいが、本当に闇のような光だと思った──が秘められているとクロノは感じ取った。
瞬間、頭の奥が揺らぐ。脳と眼の間で何かが澱んだ。
記憶の混乱?あの女性を、どこかで見たことがある?
管理局入局以来、執務官となり少なくない数の任務をこなしてきたが、その中で彼女を見かけたことがあっただろうか。もしくは、会話をしたことがあっただろうか。それとも、街行く人ごみの中ですれ違ったことがあったのだろうか。
「クロノ、どうしたの」
横からエイミィがささやく。その声も、まるで耳に入らないようにクロノは立ち尽くし、一瞬、歩みがリンディたちから取り残された。
リンディとフェイトが振り返り、クロノと、闇のような瞳を持つ女性は数歩ほどの距離を置いて向かい合い、見詰め合った。
瞳の奥から、もうひとつの視線が向けられ、クロノを射抜いている。そう感じた。
女性の唇が、潤いとともにきらめきを奏でるように動く。
「艦長……クライド、艦長……なのですか?」
クロノは、自分の目の前を覆う白い毛糸と、温かさを感じ取った。
瞬間を置いて、それが大人の女性の胸の柔らかさだと理解する。
抱きしめられること。今まで、母以外の女性にそのように触れられたことはなかった。グレアム提督の下で学んでいたときも、リーゼ姉妹の、特に妹のほうはかなり積極的だったが、このように正面からハグしてくることはなかった。
手を握ったり、頬を寄せたり、背中合わせになったり、腕を組んだり。
成熟した、豊かな胸に触れる。包まれる。セーターの、編まれた毛糸の繊維の向こうに肌色が見えるようだ。柔らかく甘い肌。どこまでも包み込んでくれそうな、大きな乳房。母の胸よりずっと深い──。
-
それは14歳の少年にとっては強すぎる刺激だった。ズボンの下が盛り上がっていたのは、女性が羽織っていたコートのおかげで幸運にも隠されていた。
「あ、あの」
「あ──、すみません、あんまり似ていたもので……」
申し訳なさそうに言葉を述べて、名残惜しそうに女性は離れた。
白い毛糸のセーターに、黒いトレンチコートを羽織っている。長いストレートの髪は、ミッドチルダでも珍しい青みのかった銀髪だ。左の額にやや跳ねたくせ毛を長く伸ばして、しかしわずかの傷みや曲がりもない、なめらかな光沢を放っている。
年のころはまだ若い。20代だろうか。
クライドの墓碑の前にいたということは、彼の知り合いだろうか。
そんなことを思考の中に弄びながら、クロノはゆっくりと彼女の胸の中から離れた。横から、エイミィが重い視線を寄せていたがこのときのクロノには気づく余裕が無かった。
「クライド艦長のご家族の方ですか?」
「ええ、リンディ・ハラオウンと申します。こちらは息子のクロノです」
「息子さんでしたか──本当に、失礼しました……。可愛いお子さんですね」
やや浮ついたような足取りで後ずさったクロノを抱え、リンディが答えた。
エイミィは俯いて睨み付けるような視線で、フェイトは目を丸くしてリンディと女性を交互に見上げている。
その後、リンディがその女性としばらく話していたのだがクロノはほとんど上の空で、覚えていなかった。やがてエイミィが呼びかけてようやく我に返る。
「なによクロノ、ぼけっとしちゃってどうしたの?らしくないじゃない」
「ああ……すまない、でもなんだか、初めて会ったとは思えない感じで」
クロノの何気ない言葉に、エイミィは目を見開いて耳を赤くし、リンディは悪戯っぽく微笑み、フェイトはきょとんとしている。
「あらあら、クロノったらやるじゃない、男として立派になったところをお父さんに報告できたわね」
「か、母さん、違うそういう意味じゃないんだ」
「そっ、そうですよ、何言ってるんですかリンディさん」
少年と少女は、それぞれ互いを意識する年頃になっている。今まで、いつも一緒にいるのが自然だった。それが、面と向かって指摘されると、なぜか恥ずかしくなってしまう。
クロノは、それまで思いもよらなかったことを意識してしまい、柄にも無く取り乱してしまっていた。
知識としてなら、恋愛をして結ばれるということはわかるが、まだそのような未来の人生を想像できない。
自分もいずれ夫になり父親になるということが心の中で掴みきれない。
管理局員として、次元航行艦隊の艦長としての父親ばかりが記憶の中に残っていたが、もちろんクライドにも、そういう、男としての面があったはずなのだ。
クライドを知りたい。それが、クロノが管理局入りを志した理由だった。
父の顔も、正直なところ覚えていない。
クライドが殉職した事件──11年前の闇の書事件の当時、クロノはまだ3歳だった。クライドもリンディも次元航行艦隊の勤務のため、長期にわたって家を空ける事も多く、家政婦を雇ってクロノの世話をさせていた。
たまの休暇に、家族でくつろぐ事もあったはずだが、クロノはそれをはっきりと覚えていない。
だから、クロノにとっては父の姿というのは周囲の人間から語って聞かされたことがすべてだった。
父の仕事場。父がその人生をかけて務めた職。管理局とは、現代の次元世界で最も重要な責任のある組織。
そう信じていた。そう信じる事が父への悼みだと教えられた。
フェイトの裁判を引き受けることにしたのは、そんな境遇が自分と重なって見えたからかもしれない。
慰霊堂を出た直後、リンディの携帯端末が電子音を鳴らし、緊急メッセージの着信を伝えた。
クロノとエイミィもすぐさま反応する。次元航行艦隊司令部からの、緊急事態発生の連絡である。
「クロノ、エイミィ、フェイトさんを法務局へ送っていって。私は司令部へ行くわ」
「わかった」
ただならぬ事態と雰囲気を察し、フェイトはぎゅっとクロノの腕にしがみつき、身を寄せている。
すでに色恋沙汰を考えているような状況ではなくなった事をエイミィも察し、本局司令部へ向かうリンディの後姿を神妙に見つめていた。
-
アースラを経由して伝えられた連絡で、異常事態は本局内の遺失物管理部センタービルで発生したとの情報がもたらされた。
ここには管理世界、管理外世界を問わず、各地から回収封印されたロストロギアが保管されている部署である。
考えられる最悪のケース、それはロストロギアが制御を失い暴走してしまうことである。
このセンターには、第97管理外世界からアースラが持ち帰った21個のジュエルシードが運び込まれたばかりだ。封印処置に抜かりは無かったはずだとリンディは胸を押さえる。
現場に到着したリンディは、単なる魔力の暴走では起こり得ないような凄惨な光景を見た。
通路や、フロアの床や壁には、天井にさえ、夥しい血痕が飛び散っており、その血液を流したであろう管理局員たちの身体が、既に冷たくなった状態でそこかしこに横たわっていた。
リンディとほぼ同時に、通報を受けた管理局の武装局員が現場に入り、生存者の捜索を開始する。また、フロア内に残っていた遺失物管理部──通称機動一課の局員たちとも合流し状況を確認している。
精鋭である彼らにも、多数の殉職者が出た。
「闇の書が……闇の書が突然、動き出したんだ」
慄き震える局員たちの言葉を聞き、リンディは背筋が凍るような感覚を覚えた。
闇の書。
かつて11年前、彼女の夫クライドの命を奪ったロストロギア。
次元破壊魔導砲アルカンシェルにより、次元の彼方へ吹き飛ばされたと思われていたそれは、またしてもこの次元世界に転生を果たし、人類に襲い掛かったというのだ。
「どうして!?なぜ、闇の書が本局内にあったの!?」
思わず、局員の肩をつかんで問い質すリンディ。
あのロストロギアの恐ろしさは、尋常ではない。とても人間の手に負えるものではない。そんなものを、いくら封印状態とはいえ重要施設である本局施設内部に保管するというのは危険すぎる。
「以前の事件の後すぐ、転生直後の闇の書が発見されたんだ、それで回収されていたんだが、そいつの中に──中に──」
惨状を目の当たりにしたであろう局員は唇が震えて、言葉がおぼつかない。
「移送する、はずだったんだ、今日、艦が来て、無人世界に移すはずだったんだ、グレアム提督が指揮をしていた──」
それはまさに災厄の爪跡であった。闇の書による襲撃をかろうじて生き延びた機動一課局員の話によると、11年前の闇の書事件の直後、ギル・グレアム指揮する残存艦隊に闇の書はただちに捕捉され確保された。
アルカンシェルを浴びて破壊され、主を失った闇の書は一時的なシステムダウン状態に陥っていた。
その後、無力化を行うために本局隔離施設に厳重封印されていたのだが、それが覚醒してしまったというのだ。
これまでの分析から、このタイミングで闇の書が覚醒したのは新たな主となる人間を見つけたことによる可能性が高いとみられた。
闇の書は蒐集した膨大な量の魔法の制御のために管制人格という人型戦闘端末を生成する能力を持っており、出現した管制人格により警備が突破され、現在、魔導書そのものは施設内に残されたままながら、管制人格が施設外へ脱走してしまった状態であるという。
この現場も、闇の書の管制人格が本局の武装隊と交戦した結果である。
何人もの精鋭魔導師が、闇の書の管制人格によって撃破され、死亡した。指揮系統を失うほどに損耗したことで、闇の書から出現した戦闘端末の行方をロストしたのだ。
つまり逃げられたということだ。このまま放っておけば、いずれリンカーコアの蒐集が行われ、そうして魔力がたまっていけば闇の書はこの隔離施設の拘束を自力で破壊し振りほどいてしまうだろう。
「いけません、提督──もう誰も残っていません」
施設の奥へ向かって駆け出そうとするリンディを、負傷した局員が力ない腕で引きとめた。
もう敵はそこを立ち去った後で、救助するべき生存者はひとりも残っていない。
憤りを堪えるように拳を震わせ、リンディはやがて目を伏せて肩を落とした。
-
管理局法務部で、フェイトの身柄はひとまず拘置されることになり、書類の引継ぎを済ませたクロノは家路についていた。
アースラから提出された調書を検察が受け取り起訴を決定するまでは少し時間がかかるので、それまでに裁判に必要な資料をまとめておく。
その作業も、帰還途中のアースラ艦内であらかた済ませておいたので、これから開廷されるまでの時間はわずかな休憩がとれる。
ハラオウン家にはエイミィも下宿しているので、久しぶりに二人で羽を伸ばせることになる。
フェイトの事を考えると、すっぱりと羽目を外してしまうわけにもいかないとは思ってしまうが、それは司法の人間としては仕方の無いことではある。
今日のクラナガンは小雨模様で、空はかなり低いところまで薄雲が広がっている。春から初夏にかけてのクラナガンは湿り気が増し、雨季を迎える。
傘をさして通りに出たクロノは、そこで見覚えのある人物が、橋のたもとのテラスに立ち止まっているのを見つけた。
まるで自分を待っていたかのよう。急激に胸の鼓動が高まるのを感じた。
彼女は何者なのだろうか?
あのような感情表現は、いったい何を伝えたかったのだろうか?
闇の書事件によって、クライドを失ったのは何も自分たち家族だけではない。エスティアの乗組員たちも、艦長を失い、上司を失い、自分を育ててくれた先輩を失ったのだ。管理局の人間たちも、大切な仲間を失った。
彼女もその一人なのだろうか。
「また、会いましたね」
心臓が、ひときわ激しく脈打ったように感じた。
執務官として、滅多なことでは動じない胆力を鍛えているはずのクロノにも、意識を焦らされてしまうことはある。
彼女は女性として自分に近づこうとしているのか。そのような出来事に自分が遭遇するなど考えた事も無かった。ずっと、執務官としての仕事を勤め上げることだけを考えていた。
士官学校の同期生でも、早い者はもう将来の家庭を持つ事を計画し始めている者もいる。候補生時代から交際をしていた者もいる。
クロノは、そういった輪には入らず、思えばいつもエイミィが身の回りの世話を焼いていた記憶ばかりがある。
早く帰らなければ、またエイミィに小言を貰ってしまうかもしれない。
それでもなお、彼女には、何かどうしても近づかなければならない、近づいて知らなければならない何かがあるとクロノの心は急かされていた。
クラナガンの市街地中央部を流れる大きな川を見下ろせるビルの倉庫で、数名の武装局員たちがデバイスを構えて待機していた。
本局施設より脱走した闇の書の管制人格は、本局とミッドチルダの間に敷かれた次元間航路を突破してクラナガンに潜伏していると考えられた。ごく短距離のため、人ひとりの大きさであればものの数分で移動できてしまう。
狙撃銃型デバイスの銃身を、わずかに開けた窓から出して構える。
スナイパーライフルを持つ武装局員の顔はまだ若い。
覗きこんだスコープのサイトの中に、彼は見知った人間の後姿を認めた。驚きにかすかにまぶたを持ち上げるも、すぐに引き締めて狙撃手の顔になる。
長距離狙撃を行うには目標に気取られないように探索魔法を発射する必要があるが、こうなると、近くにいる人間にも攻撃の兆候を気づかれてはならない。彼はおそらく、今自分が対面している女の正体を知らない。
「クロノの奴──いったいどうして」
観測手を務める先輩局員が、言い聞かせるようにヴァイスに声をかける。
「落ち着け、余計なことを考えるな。証拠を残さず、一発で仕留めることだけ考えろ」
「わかってます──しかしこの角度ではクロノが──どうにか動かないか」
「現時点では管制人格といえども魔力不足で戦闘力は低いはずだ──大丈夫だ、お前のストームレイダーならできる」
デバイスの引き金に指をかけ、ヴァイス・グランセニックは狙撃魔法の術式を起動し、自身の脈拍や呼吸による銃身のぶれを補正する作業にかかる。
-
雨は小さな水の粒子となって空中を漂い、銀色の髪をほのかに濡らしている。
クロノは背の高い彼女を見上げるようにして、橋の欄干に向かい、隣に並んで立っていた。
「どうして僕を?」
「──探して、いたんです。ずっと」
手をとり、そっと握る。
やわらかい女の手のひらの感触に、クロノはしばし頭の中がとろけるような感覚を味わう。
「クライド艦長が亡くなられてから、私はずっと探していたんです。あの方の思いを、どうしたら救うことができるか──」
「父さんの──それは、闇の書を」
「あの方は闇の書に選ばれていたんです」
「──どういうことです?」
「エスティアでは、闇の書と同時に先代の主をも一緒に移送していました。その主が、エスティア乗員の目を盗んで自害したのが──暴走の原因だったんです。
主が失われれば、闇の書はすぐに次の主を探し始めます。──それが、クライド艦長だったんです」
「そんな……グレアム提督は、それを知っていて」
「私たち、エスティアの生存者から報告はしました。それに基づいて解析を進めているはずです──」
管理局員を目指すことをクロノが決めたとき、士官学校での勉強と同時に、ギル・グレアム提督と彼の使い魔、リーゼ姉妹の下で魔法戦闘の訓練を受けていた。
そのときに、グレアムから、昔話ということで聞いたことがあった。
クライドが死んだ原因となった、過去の闇の書事件。
家では、リンディはそのことを語ることはなかった。同じ艦隊勤務として事件の顛末は伝わっていたはずである。
今更、過ぎたことばかりを振り返っていてもどうしようもない、大切なのはこれからどうするかだ──そう、クロノも思うようにしていたはずだった。
女性は、名前をアインスと名乗った。旧ベルカ系の名前である。
アインスの語ったことを頭の中で整理するうち、クロノはかすかな引っかかりから、背筋がぞくりとするような予測を思い浮かべた。
「待ってください、アインスさん──グレアム提督は、解析を進めていると言いましたよね?それはつまり、闇の書は今も──」
うつむいて考え込んでいた姿勢からクロノが面を上げたとき、アインスの視線がふっと逸らされるのを見た。
つられるようにクロノも視線を上空へ移す。クラナガンの高層ビルが見える。
「──ッ!!」
閃光が空に走るのが見えた。
ストームレイダーの照準の中央に、闇の書の管制人格のシルエットをとらえる。
ヴァイスから見て手前側にクロノの身体があるので、それを避けるようにすると頭部を狙わなくてはならない。このストームレイダーの破壊力なら、人間を胴体中央から真っ二つにできるほどの威力があるが、近くに別の人間がいては巻き添えの危険が高まる。
今日のクラナガンは雨雲がたれこめ、湿度が高い。弾道の低下を考慮して、管制人格の頭部から7メートル上方を狙う。
スコープの中では声は聞こえないので、二人が何を話しているのかはわからない。だが、クロノが何かを逡巡するように、管制人格から離れた瞬間をヴァイスは見逃さなかった。
「今です!」
観測手にも伝え、射撃を決行する。
あらかじめビルの管理会社には伝えてあるので、弾道に悪影響を与えるサプレッサーは装着していない。空気を割る雷鳴のような魔導弾の発砲音を轟かせ、ストームレイダーが大口径銃弾を発射する。
目線が合った。
スコープの解像度では表情を読めるほど拡大はできないが、管制人格がこちらを見た。
まさか、気づかれた?ヴァイスは頭の奥から血の気が引くのを感じた。この距離では発射から着弾まで、コンマ数秒のタイムラグがある。
「いかん、読まれた!」
観測手が叫ぶ。同時に、ストームレイダーのスコープが白い魔力光で埋め尽くされるのをヴァイスは見た。
-
2本の傘を持ち、エイミィは管理局地上本部庁舎への道を早足で歩いていた。
「クロノったら、今から帰るって言ってたのにどこで道草食ってんだか……」
彼は仕事だけでなく私生活でもまめな人間である。特に時間に遅れるということは考えられない。
それだけに、万が一事故にでも巻き込まれているのではないか、という恐れもある。
事故、あるいは事件、と考えて、エイミィもある引っかかりが頭の中ではっきりとした形になった。
「待ってよ……クロノのお父さんが亡くなったのって、11年前なんだよね」
思わず立ち止まる。
前回の闇の書事件があったのは11年前。つまり、その当時に管理局員としてエスティアに乗り組んでいたのであれば、当時20歳なら今は31歳というわけだ。アースラでも、クロノとエイミィが特別に若いだけで乗組員の平均年齢はずっと高い。
あの本局慰霊堂にいた銀髪の女、アインスと名乗っていた彼女が、本当にエスティアの生存者であるのならば、当時どんなに新人局員であったとしても現在は30近いはずだ。
少なくとも彼女はもっとずっと若く見えた。
彼女は本当にエスティアの乗組員だったのか?
そう考えると、恐ろしい想像が浮かび上がる。
いくらクロノが実力のある執務官だといっても、14歳の少年である。最初から正面切って戦うのならともかく、搦め手を使われたら、色気を使われたら。もし彼女が、クロノを狙っていたら。
ある意味、エイミィの女の勘だった。
それを証明するかのように、ビル街の向こうで、激しい魔力弾の閃光がきらめいた。
「クロノ!!」
傘を投げ捨て、エイミィは全力で走り出す。
光ったのはおそらく500メートルほど離れた高層ビルの壁面、直後に感じた衝撃は魔力弾が地面に当たったときのもの。
大きな橋が見えてきて、そこを曲がれば本部庁舎の前だ。ビルの屋上越しに一瞬だけ見えた魔法陣は白いベルカ式だった。市街地で、魔法を用いた戦闘が起きた。それだけでも事件だ。
クロノが、巻き込まれていたら──!
「──そんな……うそ、でしょ……?」
エイミィの目の前には、誰もいなかった。
騒ぎを聞きつけた通行人が遠巻きに現場を見ていたが、その場には、誰も残っていなかった。
プロテクションで防御したのか、魔力弾の弾痕は扇形に散らばって道路の石畳に穴を開けている。
開いたまま捨てられた傘が近くに転がり、そのうちの1本は、間違いなくクロノが使っていたものだった。
立ち尽くしたまま、エイミィの耳には駆けつける警察のサイレンの音も届いていなかった。
クロノが意識を取り戻したとき、薄暗い部屋の中で剥がれかかった天井の壁紙が見えた。
幸い、部屋には窓があり、カーテン越しに外の様子が見えたことで、気を失ってからそう長い時間が経っていないことがわかる。
天気は相変わらず雨模様で、まだ昼間である。着ていた服もそのままで、雨粒の乾き具合からするとおそらく数分程度しか経っていない。
ゆっくりと身体を起こし、寝かされていたベッドの上に座りなおす。
場所はおそらくクラナガン市内だろうが、どれほど移動したか。
「気がついたか」
声がして、振り向く。こちらも、よく見覚えのある姿──しかし、その雰囲気が大きく変わっている。
「われわれを狙撃した者がいた──大丈夫だ。ここは安全だ」
コートを脱いだアインスは、ブラウスにミニスカートという普段着姿で、冷蔵庫から持ってきたフルーツソーダをクロノに出した。
「──ここはあなたの住まいですか?」
「仮のベッドだ──特定の本拠はない」
「──アインスさん、あなたはいったい何者なんですか」
単刀直入にクロノは質問した。思考が途中で止められたため、記憶が少々混乱している。橋の上で語り合っていたとき、何をどこまで話して何を考えている途中だったか思い出せない。
-
アインスはクロノに並んでベッドの端に座り、クロノにソーダの缶を持たせる。そして、クロノの管理局制服のコートに手をかける。
「濡れたままでは身体を冷やす。乾かしておこう」
クロノも上着を脱ぎ、アインスはクロノの上着をハンガーに吊るす。
ベッドの上に戻ってきて、隣に座ると、クロノはごくりと喉を鳴らした。外では厚い服を着ていたのでわからなかった、彼女の肌の露出、身体のラインが、すぐそばにある。
「クロノ・ハラオウン──だったな。私は、お前を選んだ。われわれは、お前の協力がほしい」
「われわれ、とは」
ベッドの上に両手をつき、アインスはクロノに顔を近づける。クロノもさすがに身体を引く。
「ギル・グレアム提督だ。提督は局内で秘密のプロジェクトを進めている、それに協力してくれる者を探している──」
クロノはソーダの缶を取りおとし、缶はベッドの上を転がって、床のカーペットの上に落ちた。
目の前に、アインスの顔、そしてブラウスの胸元から、乳房の谷間が見える。こういった状況に、クロノは慣れていなかった。彼女のされるがままになってしまう。
やがてアインスはまぶたを閉じ、そっと、クロノに口付けた。
初めての、唇。
唇を合わせ、揉みあい、吸う。アインスの唇が、ゆっくりと艶かしく動き、ぎこちないクロノの唇をほぐしていく。
静かに鼻で息をし、唇を密着させる。軽く触れて終わりではない、深く深く吸いあうディープキスだ。それを理解すると、クロノもアインスの肩に手を置く。
求められて、それに応じる。
罠とか、そういうのを考えている余裕はない。
こぼれそうになる唾液を吸い、飲み込む。初めて、他人の体液が自分の中に入った。キス。唇を重ね、そして、互いに求め合うこと。
片手で倒れそうな上半身を支え、アインスの胸が押し付けられるのを感じる。大きな乳房の重みが、クロノの上にのしかかってくる。ブラウスの下にはブラジャーをつけていないのか、硬い感触が、クロノの胸をこすっている。
「クロノ──本当に、お前は父親に良く似ている──
──クライドの生き写しのように──」
うつろな意識でベッドに押し倒されながら、その声を聞いたが、まどろんだ意識はそれを言葉として解釈しなかった。
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投下終了です
っと連載なので次回に続きますー
なかなか、シリアスストーリーだと得ろシーンまでもっていくのが大変ですのお(;´Д`)
ではー
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黒乃にくっついてるフェイトちゃん可愛いよチュッチュ
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まさかの続きktkr!
いいねいいねぇ、この何ともいえない空気、妖しさ。
実に堪らん。
闇の書がはやての元に行かず、そのままアインスが起動しちゃったというパターンか。
しかもクロノを篭絡しようとか、凄く俺得です。
次回も凄く楽しみにしておりますでよ。
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アインスとクロノメインでシリアス物。
妖気すら感じるこの雰囲気が実にたまらんです。
私の方も投稿します。但し、こっちはアインスとユーノがメインです。
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黒天です。ユーノ×リインフォース物です。
時系列的には『とある黒翼の天使の恋の歌』の続きです。
無限書庫はーー少なくとも一般区画はーー基本的に無重力である。
だが、一般区画とは別位相に存在する禁書区画には、人工的な重力が生み出され、部屋ごとに区分され、本のジャンル毎に分類されている。
特殊な金属製の書架には異界の禁断の知識を記した本、『死霊秘法』『屍食教典儀』といった地球産の強大な魔導書だけではなく、次元世界の裏側で蠢く怪異について記した書物――例えば『海の祟り神、デイゴン信仰について』『抹殺された闇黒王朝』
『黒の碑に見入られた村』なども存在する。
ちなみにこれ等、禁書の類は一般人は閲覧不可である。
それらの禁断の書物が収められた書架が、所狭しと立ち並ぶ広大な禁書区画の中の1つ、第15禁書区画。そこで本の整理に勤しむ男女が一組。
男は緑のスーツにネクタイ。女は白のブラウスに黒いスカートだ。
男の方は無限書庫司書長ユーノ・スクライア。
女の方はその補佐役兼恋人の『夜天の書』の管制人格リインフォースである。
時空管理局の本局内にある無限書庫だが、民間からの司書も多数居るので、服装についてはかなり自由で私服で勤務している者も多い。
特に禁書区画で働く司書は個性的な連中が多い。
「ユーノ、『金枝篇』全13巻は何処になおしておけばいい?」
「そっちの方になおしておいて、それと『地球皇帝の壮大なる野望』はその側に」
「解った」
「あと『異次元の悪魔及び宇宙忍者共著、光の一族打倒に向けての執念の日々』は第78禁書区画に移しておくよ」
「了解した」
「それから『ある元帥の回顧碌。嗚呼、愛しのジャンヌよ』は、えーと、第20禁書区画、『ルルイエ異本』や『水神クタアト』と同じ区画だよ」
「承知した」
「さ・・・さっきから気になっているのだが、段々、私に近付いてきていないか?」
「うん、君の顔をもっとよく見たくて」
やがて禁書区画の整理が一段落して、ユーノはそのままリインフォースを抱きしめ、その片脚を持ち上げる。その反動でリインフォースの身体が書架に寄りかかる。
「でも見てるだけじゃ物足りなくなって来たよ」
「あっ・・・ば、ばか、よせ、そ、そんな所を・・・」
リインフォースの弱々しい抵抗もなんのその、ユーノは彼女の白いブラウスのボタンを外して、その隙間に素早く手を滑り込ませる。
「き、気持ちは解るが・・・こ、こんな所で・・・」
「気持ちは解ってくれてるんだ、嬉しいね」
「だ、誰が来るか解らないぞ・・・」
そんな事を言いながらリインフォースは積極的にユーノの首筋に手を回してくる。
ユーノも彼女の背に手を回し、その背骨を腰に向けて指で軽く愛撫する。
僅かにリインフォースの腰がピクリと動いた。
「・・・ふーん、感じてる?」
「ば、馬鹿を言うな、こ、こんな場所で・・・」
「そうかな?」
ゆっくりと指を背筋に向かって上昇させていく。
「んあ・・・んふあぁっ・・・あふぁん・・・」
思わず出てしまったリインフォースの声。彼女自身も「しまった」と思ったらしい。
ユーノはその悩ましい声を大きくしたくて、指を肩甲骨にまで回す。
手で彼女の肩を抱え込んだ格好だ。同時に腰を擦りつけ、硬くなり始めている股間の肉棒で、彼女の‘魅惑の三角形’の辺りをスカート越しに刺激した。
-
「んあ・・・んふぅ・・・あ、はあぁっ・・・ん、んん・・」
更にユーノは、リインフォースのブラウスの前を肌蹴けさせる。
お洒落な黒紫のブラジャーに包まれた乳房がこぼれ出てきた。
一方、リインフォースの方も甘い吐息を漏らしながら、ユーノの肩から首筋へ細い指を走らせた。たおやかな指の感触にユーノは思わず身震いした。
「ふふっ・・・可愛い・・・」
蕩ける様なリインフォースの微笑み。
僅かに小首を傾げ、滅多に誰にも見せないリインフォースの魅惑的な笑み。
彼女がこんなーー‘1人の女’――としての表情をする事を知る者は少ない。
やや潤んだリインフォースの紅い瞳が、天より堕ちた堕天使の如くユーノを幻惑する。
胸の奥にこみ上げて来る甘酸っぱい感情。
ユーノはゆっくりと愛撫の手を前に回す。
邪魔なブラジャーをズリ上げると、実に魅惑的な曲線を描くリインフォースの豊麗な乳房が剥き出しになった。
「・・・あ、ふぁ、ここまでするか?」
「うん、だって大好きな君とだから、途中でなんて止まれないよ」
そう言ってユーノは、うなじから肩口に軽く口付けた。
リインフォースが身体を震わせる様子が首に回した腕から伝わってくる。
ユーノは片膝をあげ、もっと直接的にリインフォースの秘部を愛撫した。
スカートやショーツ越しとはいえ、その上から膝でグリグリとやられたら淫核も随分と刺激されているに違いない。
「・・・あ、あ・・・ん、んん・・・・」
無理矢理口を閉じる様な声を漏らし、リインフォースは魅惑的な身体を、くの字に折り曲げた。その余りの可愛らしさにユーノの中のSな部分は刺激された。
ユーノは下から掬い上げる様に豊かな膨らみを掴むと、ゆっくりと揉み解し始めた。
「あっ・・・んあ、ふあぁっ・・・む、胸が感じるぅ・・・こ、このおっぱいフェレット・・・」
「凄く感度がいいね。興奮してる?」
「そ、それはお前もだろう? ズボン越しに股間のモノが硬くなっているじゃないか」
「ま、まあ・・・そうだね」
図星を差されて、ユーノは少し焦る。
「ふふっ・・・どうだ、入れたいか?」
リインフォースは恋人の心情を見透かした様な目でユーノを見た。
潤んではいるが、同時にユーノを誘惑する様な挑発的な目付きだ。
「そ、それほどには・・・」
ユーノは虚勢を張ろうとした。
だがリインフォースはニヤリと口の端だけで笑い、正面からユーノを見た。
「ほう、それだけ硬くしているのに・・・か?」
「・・・・・」
確かにリインフォースに指摘された通り、ユーノの股間のそれは勃起して、ズキズキと疼いている。全体が煮える様に熱くなり、疼く様な感覚に包まれ、何かに突っ込みたくて仕方が無い。いや、『何か』じゃない。
食い千切る程にグイグイ締め付けてくる目の前の彼女の『アソコ』に入れたいのだ。
鳩尾辺りに熱い物がドロドロと渦巻き、ユーノの下半身が疼いていた。
-
「どうだ? 入りたいだろう?」
「う・・・うぅ・・・」
ユーノは自らのプライドと、下半身から湧き出る欲望の板挟みになる。
ここが職場の無限書庫で、その中でも禁断の危険極まりない書物を収めた区画だという事はまるで問題にならなかった。問題なのは明らかにリインフォースに誘惑されているというのに、あっさりとそれに乗ってしまっていいのかという事だ。
何故か負けた様な気分になって口惜しい。
数秒の逡巡の後、リインフォースの黒いストッキングを破き、たっぷりと淫蜜を吸い込んで、グショグショになった黒紫のショーツを横にずらした。
「ふふっ・・・赤くなって凄く可愛い」
愉快そうなリインフォースの小さな囁き声が耳元で聞こえ、ユーノは耳元まで真っ赤になる。それでも挿入を止めようとは思わなかった。
リインフォースは片脚をユーノの手に絡ませる様に上げた。
「何だ、君だって入れて欲しいんじゃないか」
「馬鹿を言え、私はお前を手伝っているだけだぞ」
あくまでもリインフォースは澄ましたものだ。
その割には頬が薄っすらと朱に染まり、黒紫のショーツはグッショリと濡れているが。
ユーノは淫蜜をしとどに垂れ流す淫穴に、熱く滾る肉棒の先端を押し付ける。
そしてリインフォースの体重を利用して、ゆっくりと肉棒を彼女の中に埋没させていく。
相変わらず、彼女の淫筒は狭くてキツイ。
挿入するだけで肉幹が削り取られそうだったが、それが物凄く気持ちがいい。
「あ・・・あぁん、んふあぁっ・・・ひあぁん・・・」
異物が侵入してくる感覚に、リインフォースが喘ぎを漏らす。
ユーノに捕まったリインフォースの手が僅かに震えた。
「あふ、あぁん・・・あひぃ・・・うっ、んうぅっ!!」
リインフォースの表情は恍惚に潤み、息を荒くしていた。
熱い淫蜜が肉棒を回りこんで、床の石畳にポタポタと滴り落ちた。
「どうする・・・リインフォース、このまま、此処でイってしまいたい?」
「くぅ、お、おのれ・・・な、生意気な・・・」
およそ情事の最中らしからぬ言葉を漏らしながらリインフォースは上目遣いにユーノを睨んだ。潤んだ瞳での上目遣いは、ゾクゾクする程に可愛らしく愛らしかった。
ユーノは腰を回転させて、彼女の内部をズボズボと掻き回した。
肉襞は肉棒の動きに敏感に反応して食い殺さんばかりの勢いで擦り、ギュウギュウと締め上げてくる。まるで無数の蛇が肉棒に絡みついてくる様な快感を味わいながら、ユーノは腰を円を描く様に動かした。
挿入角度のせいで普段あまり触れられない様な場所が擦り上げられて、その何処かが性感帯なのだろう。時折、リインフォースは火照った身体をビクビクと震わせた。
-
「・・・ん、んむっ、ちゅ、ちゅる・・・ん、はむぅ・・・」
不意にリインフォースは抱きつく様にして口付けてきた。
縋りつく様な、貪る様な口付けだった。
柔らかく、甘く、例えられない程の極上の快感がユーノの唇を塞いだ。
「ん・・・んちゅ、れろ・・・ちゅぷ、んむ・・・れろぉ・・・」
対抗する様にユーノは、リインフォースの腰を強く引き寄せ、胸を強く揉みしだく。
手の中でツンと尖った突起が転がる。コリコリとした独特の感触が実に楽しい。
「あひっ・・・ん、んっ・・・あぁ、んふあぁっ・・・」
送り込まれる快感に耐え切れず、リインフォースがユーノの唇から離れた。
魂を抜き取られそうな程の快感が、ユーノの唇を中心に広がっていた。
抵抗する気力が根こそぎ奪われてしまう寸前だった。
「ひ、卑怯だぞ・・・そ、そんな反撃は・・・はうんっ!?」
文句を言いかけたリインフォースは、ユーノの腰の一撃で、また快感の甘い喘ぎ声を漏らす。その様子に気をよくしたユーノは、断続的に突き込んだ。
反射的にリインフォースは眼を閉じて顎を引いた。
どうやら軽い絶頂を繰り返し味わっているらしい。
意思的には出来ない、不規則な肉襞の動きがそれを証明していた。
「・・・くぅぅ、ん、うぅ、あ、はぁん・・・ん、んはぁ・・・」
雪の様に白い肌を朱に染め、リインフォースが首を左右に捻る。
彼女の流麗な銀髪が振り乱され、粉雪の様にキラキラと煌く。
ユーノは彼女の髪や体から立ち昇る甘い匂いを吸い込みながら、攻勢を緩めない。
肉付きのいい太腿をしっかりと抱え、グリグリと腰を押し付ける。
無論、肌蹴た乳房への刺激も忘れない。
ユーノの胸板で、乳房の頂点を擦り上げられる度に悩ましく喘ぎ、豊満な肢体を妖艶に色づかせてリインフォースは身悶える。
「そろそろイってしまいそうなんじゃないの、リインフォース?」
「こ、こんな所で・・・こんな所でイってしまったら、あぁん・・・」
口を開けば、漏れでてしまいそうになる喘ぎ声を必死に抑え、リインフォースは豊麗な肢体を押し付けてくる。全身が小刻みにピクピクと震えている。
ユーノはリインフォースの右足を後ろにやや引き、腰を深々と突き刺した。
「はぅん、い、いい・・・そ、そんなに深く突かれたら、あぁっ、す、凄く気持ちいい・・・」
「もう、イっちゃうかな?」
意地悪にユーノは、彼女の耳元で囁きかけた。
「・・・ん、んくっ、はふぅ・・・う、うぅ・・・」
歯を食いしばり、何度も何度も縦に頭を振って、リインフォースは身体を揺すった。
髪の毛が辺りの禁書を叩き、唸り声ともつかぬ音を立てた。
巻き起こる風には、魔導書が孕む異次元の瘴気とリインフォースの甘い匂いが混ざり合っていた。瘴気の匂いすらも打ち消す、淫らで甘い香り。
-
「・・・ん、んくっ、ひぃん・・・あ、んふあぁっ、はふあぁん・・・ぃ、いく・・・」
職場での情事の果てに絶頂に達するのが恥ずかしいのか、喘ぎを出すまいと堪えるリインフォースだったが、遂に限界が訪れた。肉襞の蠕動で彼女が絶頂に達したのだという事が、肉棒を通してユーノにも感じ取れた。
肉襞が精液を搾り取ろうとするかの様に震え、入口から奥に向かって小刻みな動きを繰り返す。肉棒の裏から合わせ目まで、ユーノの肉棒の最も敏感な部分をこれ以上無い程に的確に愛撫してくる。ユーノ自身の下半身も限界だった。
ユーノはそのまま、リインフォースの内部に自らの精を解放する。
剥き出しの結合部で大きく肉棒が震えて、肉棒が消滅したかの様な大きな開放感がユーノの脳髄に暴風雨の如く襲い掛かった。
「・・・はぁんっ!!」
短く、しかし少々大きめの声でリインフォースは絶頂の声を上げた。
その体内には、ユーノの精液が暴れ狂っているだろう。
「んく、ふあぁっ・・・」
心地良さそうな声を漏らしながらリインフォースは身体全体を大きく震わせた。
そのまま彼女はユーノを引き寄せると、強く抱きしめた。
彼女の肘や太腿がガクガクと痙攣していた。
想像以上に興奮したのか、或いはこの体位での結合が身体に負担をかけたのか。
「・・・あ、んあぁん・・・凄く気持ちよかったぁ・・・」
熱い息を漏らしながらリインフォースは、そのまま体重を全部ユーノに預けてきた。
そしてユーノの耳に舌を這わせ、囁きかけてくる。
「・・・まだまだ、出来そうだな。この続きは・・・私の家でしないか?」
「えっ?」
「だ、だから私の家に来ないかと・・・」
確かに今日の無限書庫の仕事はこれーー第15禁書区画の整理――で終わり。
昔程、ハードな職場では無くなったから、こうして定時前に上がれる日もある。
「な、何度も言わせるな、来るのか、来ないのか」
「う、うん、喜んで行きます」
明日は休日なので、八神家に泊まっていってもいい。
フェレットになったユーノを大事そうに抱きかかえ、身嗜みを整えたリインフォースは唸りとも悲鳴ともつかぬ音が絶えず漏れる無限書庫の禁書区画を後にした。
無限書庫からリインフォースの家、つまりミッドチルダ南部の八神家へ。
どうやら今日は皆、それぞれの用事があって外出しているらしい。
その為、リインフォースの部屋――正確には寝台の上で2人っきり。
相思相愛の男女2人が人目につかない部屋で行う事等、相場は決まっている。
リインフォースの柔らかい乳房が、硬くなった肉棒を両脇から締め上げる。
そしてリインフォースは、いきなり肉棒の鈴口に口付けた。
強烈な電撃が走った様な快感に、ユーノは思わず声を上げていた。
-
「ふふっ、敏感だな。お前のここは」
「そう言う君だって、ここがこんなに・・・」
硬く尖り始めている乳房の突起を、ユーノは指先で弄くった。
甘く切なそうな声を上げて、リインフォースが身悶えた。
仕返しとばかりに、リインフォースが肉棒の先端に啄ばむ様に口付けた。
敏感な粘膜に刺激を受けて肉棒がビクンと跳ねた。
「ふふっ、ビクビクと反応して・・・」
2つの乳房で挟んでリインフォースは再び肉棒を扱き始めた。
胸の柔肉の張り、乳房越しに伝わる手の動き、胸の谷間から覗く肉棒の先端、複数の要素が絡み合って、説明できない程の快楽を与えてくれる。
「本当に気持ち良さそうだな、それでは両方、同時にやってみるか」
リインフォースは肉棒を乳房で挟みこみながら、緩急をつけて前後させた。
同時にチロチロと舌を出し、飛び出た肉棒の先端部に触れてきた。
それは触感だけでなく、視覚的効果も絶大だった。
形のいい唇から伸びる舌が、白い胸の谷間から飛び出してくる赤黒い肉棒の先端部をペロペロと舐める。肉棒が熱く蕩けて、崩れていってしまいそうな錯覚を覚える。
実際には硬く、リインフォースの柔らかい胸の中を貫かんばかりに震えているのに。
「・・・んっ、んちゅ、ちゅぱ・・・れろ、んむぅ・・・」
リインフォースもまた、顎を引いて、思い切り肉棒の先に近付こうとしている。
出来る限り舌先が触れる部分を増やしたいのだろう。
そしてカリの裏筋の敏感な部分が丁度、リインフォースの乳房の裾野に当たり、痺れる様な快感を絶え間なく与えてくる。
肉棒全体は柔らかい乳房に包まれ、先端を舌先で刺激され、肉棒裏の敏感な部分は豊かな胸の谷間に擦られる。淫筒で味わうのとは異質な快感が一気に襲い掛かる。
ユーノの意思とは無関係に肉棒はビクビクと震え続け、脈動している。
「ヒクヒクと動いて・・・気持ちいいんだな、それではこういうのはどうだ?」
自分の整った頤を、リインフォースは肉棒の先端に押し付け、緩やかに動かした。
それは舌の様な粘膜の快感は無かったが、もっとはっきりとした刺激をもたらした。
先端部の裏の合わせ目を擦られ、脳天を貫く様な快感がユーノの背筋を走った。
-
「お前の喘ぐ顔が凄く可愛い・・・ふぅ、私も身体が火照るぞ、ん、ふあぁん・・・」
妖艶に笑いながら上目遣いでリインフォースは、ユーノを見上げた。
肉棒を擦り上げる為に割と激しく動いてるせいか、或いはパイズリという行為自体に興奮しているのか、リインフォースの頬がかなり上気している。
その赤らめた顔と、半眼の潤んだ紅瞳がとてつもなく色っぽい。
そこへ彼女の熱い吐息がかかると、肉棒が蕩けてしまいそうな感覚に襲われる。
爆発してしまいそうな程に肉棒全体が熱い。
「どうだ・・・感じるか?」
「うん、感じるよ。君こそ、頬が染まって凄く色っぽいよ」
「い、色っぽい・・・そうか、色っぽいか・・・」
照れているのか、パイズリ行為の興奮とは違った体温の上昇でリインフォースの肌の赤みが更に増した。雪の様に白い肌が朱に染まり、実に淫蕩な色香を振りまく。
「そんなに色っぽいなら、私の胸と口でイってくれ、お前の熱い精液を飲ませてくれ」
そういうと、リインフォースはパイズリの速度を上げた。同時に、その大きな乳房全体を使って、熱を持った肉棒の根元からカリ首まで丹念に揉み上げてくる。
「う、あぅ・・・ふぅ・・・」
「どうだ、感じるか?」
そう言ってリインフォースは、肉棒の先端部の割れ目に舌を這わせた。
敏感な場所に、粘液の生暖かい感触が触れ、快感のボルテージが上がる。
「・・・あ、も、もう駄目、イきそう・・・」
「イっていいんだ・・・私にお前の熱い精液をご馳走してくれ、お願い・・・」
上目遣いの潤んだ瞳に、最後の一言で、ユーノの興奮は臨界点を超えた。
肉棒が脈打ち、白い粘液が勢いよく飛び出す。
「・・・きゃっ!?」
リインフォースは小さな叫び声をあげたが、白い粘液はべったりと彼女の顔や銀髪に張り付いた。両側から乳房に押さえられているにも関わらず、肉棒は暴れ馬の如く、奔放に跳ねまわり、粘液を撒き散らした。
当然、リインフォースの口の中にも。彼女はその粘液をコクンと飲み干した。
「あ、んむ・・・これがお前の精液の味、相変わらず濃厚で少し飲みにくいな」
口の端についた白い粘液を、小さく舌を出して舐め取った。
その仕草はゾクゾクする程に色っぽく、ユーノは再び肉棒が硬くなるのを感じた。
「・・・ふふっ、まだまだ元気そうだな、物足りないんだな・・・私の中に入りたいか?」
「うーん、そうだな」
「どうする・・・私の方はもうこんなに・・・」
リインフォースはスカートの中に手を突っ込み―――
「・・・濡れているぞ」
――――引き抜いた指先には、透明な淫蜜の糸が纏わりついていた。
「じゃあ仕方ない、入れよう」
「何が仕方ない、だ。本当はお前の方が私に入れたくて仕方ないくせに」
ユーノの軽口にリインフォースは愉快そうに笑い、ユーノを床に寝転ばせ、スカートの下からショーツを下ろした。
グッショリと濡れた黒紫の布が太腿に纏わりつきながら降りてくる。
「お前のせいでこんなに濡れてしまったぞ、キッチリ責任は取って貰うからな」
悪戯っぽく笑ってリインフォースは、ユーノの上に乗り、ゆっくりと腰を落とし始めた。内部のざらついた肉襞がまるで、飢えた獣の様に肉棒に食らいついてくる。
-
「ん・・・あぁん、ふうぅ、は、入ってきてる、奥にまで入ってきてるぅ・・・あぁ、んあぁ・・・」
甲高い嬌声をあげてリインフォースは腰を完全にユーノの上に乗せた。
肉棒の根元までが、リインフォースの中に飲み込まれた事になる。
「な、何だか入れているだけで・・・感じて・・・ぁ、んあぁっ・・・た、たまらない・・・」
「に、肉襞が動いて・・・凄く気持ちいぃ・・・あ、ふあぁっ・・・」
ユーノとリインフォースは繋がったまま、お互いの感触を感じあう。
2人の結合部から溢れる様に、淫蜜が垂れ、ユーノの股を濡らして滴り落ちる。
「君が上だから、君が気持ちよくなる様に動いてみてよ」
「よし解った」
ユーノの言葉に、リインフォースはゆっくりと前屈みになり、腰を前後に動かし始めた。
挿入したままの肉棒が前後に角度を変えながら肉襞に扱かれ、絞られる。
ヌチョヌチョと粘着質の音がスカートの下で鳴り響き、実に卑猥な気分にさせられる。
「・・・んく、ふあぁん・・・あぁっ、ん、んん・・・はあぁん、ユーノ、凄く気持ちいぃ・・・」
ユーノの腰の上で動くリインフォースは、全身を激しく動かしているせいか、それとも身体が火照っているせいか、肩で息をする程に荒い息を吐いている。
肌蹴けた、形のいい豊かな乳房がユサユサと揺れ、興奮を煽る。
「・・・ん、あぁん・・・ふ、ふあぁ、い、いい・・・んん、くふあぁん・・・ひあぁん・・・」
リインフォースは魅惑的な太腿でユーノの腰を挟み、自分の下腹部を密着させた。
そのまま身体を伸ばす様に何度か腰を動かす。
快感はそれ程でも無いのだが、リインフォースが一生懸命、自分を気持ちよくさせようとしてくれている気持ちが伝わってきて、ユーノは嬉しくなった。
「・・・お、お前の方も突いてくれっ!!・・・わ、私の一番深い場所を・・・ふあぁん・・・」
誘う言葉に応じて、下からゴリゴリと力の限り突き上げる。
リインフォースの細く流麗な銀髪が広がって、跳ねる。
「こ、このままではイってしまいそうだ・・・あ、あぁ、はあぁぁっ・・・1!」
「うん、いいよ、イってしまっていいよっ!!」
リインフォースが痙攣した拍子に、淫筒が締まってユーノを駆り立てる。
ザワザワと股間に蟠っていた熱は一気に、吹き上げていった。
「・・・あ、んあぁっ・・・あぁ、んうぅ・・・ふあぁ・・・・ひぃん・・・」
感極まった喘ぎを漏らしながら、リインフォースは大きく息をついた。
そんなリインフォースの姿を眺めながら、ユーノは心地よい疲労感に意識を手放していく。その眼を閉じる瞬間、リインフォースが穏やかに微笑んだ気がした。
-
その頃―――居酒屋『ユイドラン』
その一角の席はやたらと賑やかだった。
「女の魅力は即ち胸だ、乳房だ、おっぱいだっ!! 見るがいい・・・主はやてに‘至宝’と言われた、これを!!」
いい具合に酒の入ったシグナムが突然立ち上がると、首都航空隊の制服の前を肌蹴けた。赤紫のブラジャーに包まれた、豊かな膨らみがこぼれ出た。
更にシグナムは向かい側で呑んでいたヴァイスに突き出す様にして、左右に振ってみせる。その度に魅惑的な胸部の‘至宝’も挑発的に揺れる。
「どうだ・・・ヴァイス、これの魅力にお前は抗えまい・・・?」
「は、はい・・・姐さん、凄いっす。これは反則っす・・・」
コクコクとそれしか出来ない機械の様に頷くヴァイス。
恋人の魅惑的なおっぱいに抗う術などあろうか。
「何を戯言言ってるんだい、女の魅力は尻だよ、尻っ!!」
シグナムの横で酒をぐびぐび呑んでいたアルフが唐突に立ち上がり、着ていたGパンを脱ぎ捨て、テーブルの上に乗った。
上はタンクトップ、下は桃色のショーツという格好で尻を振ってみせる。
「どうだい・・・ザフィーラ、アタシの尻は凶器だろう? 反則だろう?」
「そうだな、私もそう思う。だから、テーブルの上から降りてGパンをはけ、はしたない」
完全に出来上がっている恋人の様子に頭を抱えながら、ザフィーラはチビチビと酒を口にする。幸い、閉店間際の店内は殆ど客の姿は無いが、恥ずかしい。
「まあ・・・アタシは尻だけじゃなくて、胸も完璧だけどねえ・・・ヒック、剋目して存分に見るがいいさね、このおっぱい!!」
ザフィーラの苦言を聞き流したアルフは、黒のタンクトップを勢いよく脱ぎ捨てた。
桃色のブラジャーに覆われた、白く豊かな膨らみが露になった。
「ほう・・・確かに見事な胸だが、大きさは私の方が上だな」
「はっ・・・大きさだけで胸の優劣が決まると思ってんのかい、随分とお目出度いねえ、烈火の将、張りや柔らかさも重要な要素さ」
「ふん、そんな事は先刻承知・・・私の胸は大きいだけではなく、張りや柔らかさも備えているぞ、そこに居るヴァイスや主はやての保証付きだっ!!」
「でも、大きさではリインフォースに負けてるんだろう? 張りや柔らかさではアタシの方が上だというのは、変わらないけどねえ・・・」
「昔は、そうアイツが意識や人格を別の本に移し変える前は、私の方が大きかったんだぞ、主はやてがアイツの身体データを移し変える時に弄くったからで・・・」
最早、酒の味など楽しむ事を忘れた様に、彼女達は暫くの間、喧々諤々の言い争いを続けていたが、最後を制したのは、店主のゼストから連絡を受けて来たシャマルであった。具体的にはリンカーコアぶち抜きで。
「それじゃ、ザフィーラ、アルフを背負って。このまま家に連れて行きましょう。それとヴァイス君、シグナムの方はお持ち帰りしていいから」
「了解した」
「了解っス」
こうして彼らはゼストに見送られながら『ユイドラン』を後にしたのだった。
-
身体を包み込むのは、柔らかい布の感触。
そして芳しい香り、穏やかな吐息。ここは何処だろうと眠りの覚醒の境目で思う。
ゆっくりと湖の底から浮かび上がる様に、目が覚めていく。
ふと、自分が何処に居るのだろうと、ぼんやりとした視線でユーノは辺りを見渡した。
柔らかく沈み込む様な、敷布。甘い匂い。
夢すらも見ない、深い眠りの中で感じていたものは、これだったのだろうか。
「・・・お目覚めだな、ユーノ」
「あ・・・リインフォース?」
「此処が何処か、解るか? 私の部屋だ。私も先程起きたばかりだが」
一糸纏わぬ姿のリインフォースが側に横たわっている。
そうだった、彼女の部屋で情事に及び、その後、眠ってしまったのだろう。
力を抜いてユーノは横たわる。たった今、眠りから醒めたというのに、また眠りの国に旅立ってしまいそうな心地だった。
「まだ、眠いだろう? ゆっくりと休むといい。この頃、働き詰めだったからな」
「うん・・・もう少し寝かせて貰うよ・・・」
大きく息を吐きながら、身体の力を抜く。
フェレットモードになれば、回復も早いのだが、それは情緒に欠けるだろう。
「さあ、来るといい・・・眠るならば、私の胸の中で」
「んん・・・リインフォース・・・」
優しく囁いてくる彼女の柔らかな肌に、ユーノは頬を寄せる。
微かな月明かりが差し込んでくる静かな一室で、眠りに落ちる。
心地よさそうに寝息を立てるユーノを腕の中に収め、リインフォースは微笑んだ。
一階の方では、ザフィーラやアルフ、シャマルの話し声がする。
「そういえば今日はザフィーラ達も休みだったな。まあいい・・・私も寝よう」
彼の温もりを堪能しながら、やがて彼女自身も眠りに落ちていった。
-
これにて終了でござる。
ユーノとリインフォース、バカップル。
禁断の魔導書が並んでる場所でエッチするなんて・・・いや、させてるのは私ですけど。
-
>>613
投下GJ銀髪巨乳バンザイw
この後ザフィーラとアルフに見られて4Pになるのか(ぉ
>>『異次元の悪魔及び宇宙忍者共著、光の一族打倒に向けての執念の日々』
あいつら、ある意味なのはさんより不屈=しぶといからな…
>>禁断の魔導書が並んでる場所でエッチ
「おのれおのれおのれぇぇぇ邪神や性職者どもの如き妾への当て付けかぁぁぁ!!」
などという怨嗟が『死霊秘法』から漂ってそうな気がw
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>>613
毎度毎度GJ! そして本編そっちのけに気になる小ネタ
>>『地球皇帝の壮大なる野望』
凄い ヘタレスメル
>>「あと『異次元の悪魔及び宇宙忍者共著、光の一族打倒に向けての執念の日々』
あんた達、連中が太陽作った時に滅ぼせば済んだよね?
>>「さあ、来るといい・・・眠るならば、私の胸の中で」
ドラクエなのか北斗なのか…
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ごめんsage忘れ
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Stsを見てるとVのノーヴェとルーテシアが別人に思えてくるな
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やだなぁ、ViVidにルーテシアなんていませんよ
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まさか連続でアインスSSがくるとは、なんというスーパーアインスタイム・・・
こうやってもっとアインスのSSが増えるといいね
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業務連絡です。
112スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
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乙かれ、御茶どうぞ
つ旦~
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お疲れ様です
いつもありがとうございます
-
いつもありがとうございます。
つ 砂糖茶
-
どうもー
勢いにのって前回の続きを書いたので投下しますー
「闇と時と本の旅人」 第2話
-
■ 2
薄手の布が皮膚に擦れる、乾いた感触がクロノの肌に伝わる。
自分は緊張と湿気で汗ばみつつあるが、相手はまったくさらさらの肌を保っている。
ベッドに寝かせられ、組み伏せられたクロノの上に、アインスはゆっくりと覆いかぶさっていく。仰向けにさせたクロノの両腕を上げさせ、上着を脱がせてシャツ一枚だけにする。
クロノも上半身をよじるようにして、服を脱がせてくるアインスに従う。
その間も、二人はずっと唇を重ね続けていた。
唇だけでなく、口の周りまで粘つく唾液がこぼれ、二人の顔の肌を濡らしている。うっすらと目を開けると、幸せそうに瞼を潤ませるアインスの表情が、すぐそばにある。
なめらかな眉と額のライン、整った睫、それらに彩られた白く澄んだ肌。女性の肉体、女体にここまで近づいた事は今までのクロノにはなかった。
母や、リーゼロッテも、抱き合ったりじゃれついたりはあっても、ここまで面と向かって行為に及んだことはなかった。もちろんエイミィなど、ずっと離れたところから、あくまでも幼馴染としての付き合いだった。
クロノにとって初めての女性だ。
ベッドに横たわったクロノの、右手側からアインスは抱きつき、クロノの下半身は浮いた状態にある。目を閉じてキスを続けたまま、アインスはクロノの股間が盛り上がってくるのに合わせてクロノを抱き上げる。
足を伸ばして寝た姿勢のため、ズボンはぴんと張った状態で、布地が内側から強く持ち上げられている。股間の自分自身が張った布地に突き当たって押さえつけられる感触に、クロノは自分が勃起してきた事を認める。
さらにアインスの舌が、クロノの唇をかき分けて入り込んでくる。未知の感触に思わずクロノは歯を閉じてしまうが、アインスはそれをも受け入れるかのように、ゆっくりと唇の裏側や歯茎を、舌先で撫でていく。
クロノもおそるおそる、舌を差し出していく。触れた事の無い彼の敏感な部分を慈しむように、舌先から、そっと、少しずつ触れ合わせていく。クロノにとっては、他人の体内の臓器に触れているような感触だろう。少しずつ慣らしていく。
それでも、これが人間の求愛行動なのだということは、男として本能的にわかる。
左手をベッドに広げて身体を支え、空いた右手でアインスの身体に触れる。クロノが手を持ち上げると、ちょうどアインスのわき腹のあたりに触れる。かすかにくすぐったそうに身体を揺らし、計り知れない重量感を持つ乳房がクロノの胸の上で擦り動く。
アインスも、クロノと同じように乳首を硬く勃起させている。
胸に触れたい。乳房に触れたい。女性の胸を触りたい、という欲望はある意味本能的なものだ。
しかし同時にそれは一般の社会生活では許されないことだ。同じ管理局にいる女子局員の胸を触るなどすれば、それは犯罪になってしまう。
触りたい。触っていいのか。この女は、父クライドの部下だったという彼女は、胸を触らせてくれるのか。
それを見透かすかのように、もう何分間になるだろうか、ずっと唇を吸い続けていたアインスはようやくクロノの顔から離れ、不敵に微笑んで言った。
「いいぞ……触っても」
クロノはもはや言葉を返せない。おそらく自分の顔は引きつっているだろう、寝かされながらアインスの顔を見上げる。
そっとわき腹から手を動かし、おそるおそる、ブラウスの上をなぞっていく。思わず、目をそらして胸を見ようとしたところを、アインスがクロノの頬に手をあてて顔を正面に戻す。
-
「目を逃がすな──私を見てくれ」
ゆったりと上半身を覆うブラウスを、手のひらで押し込んでいく。重みで真下に垂れた乳房は、しかしそれでいて肌の張りを保ち、想像を絶するほどの重量を持つふくらみを胸に支えている。
女は、女性の肉体というものは、これほどの質量を常に胸に提げ続けているのか。
アインスが特別巨乳というのかもしれないが、これまで、母に抱きしめられたときなど、その胸の大きさに圧倒されていたものだ。
アインスの胸は、リンディをはるかに凌ぎ、これまで目にしたどんな女性よりも大きく豊かだ。
深い。肉の柔らかさが、クロノの手指を飲み込んでいくかのようだ。ちょうど人差し指と中指の間に入り込んだ乳首の大きさも、普段、風呂場などで目にする自分の乳首とは比べ物にならないほど大きく、そして硬い。女の乳首はこれほど大きくなるのだ。
クロノがわずかに手のひらを曲げ、胸を掴むようにすると、アインスもゆっくりと上半身を下ろしてくる。
そのまま、再び唇を重ねる。今度はこぼれて乾きかけていた唾液を再び潤すように唇全体を舐め、そこでいったん離す。
仰向けに寝転がった姿勢が、被虐心をそそる。自分にはそのような気質があったのか、クロノは、アインスにもっと虐められたいという感情が芽生えるのを感じた。
このまま調子に乗って触り続けたら怒られるかもしれない。でもそれがいい。
彼女に、アインスに見下されたい──そう思いながら、クロノはアインスの乳房を、こねるように揉みはじめる。
鋭く見下ろすアインスの目が、クロノを射抜く。彼女に見入られたら、逃れられない。再び唇を重ねようと顔を近づけてくるアインスが、自分をとって食おうとしているように見える。
年上の女性に、なすがままに弄ばれたい、そんな欲望が芽生える。
「あ……」
言葉にならない上ずった声をあげたクロノの喉元を指一本で押さえ、アインスは再びクロノの唇を奪う。
二人の身体は再び密着し、クロノはアインスの左胸に手を当てたまま、押さえつけられた。やわらかく弾力を持って変形する乳房が、クロノの右手を完全に包み込んでしまうように感じる。
真綿にくるまれるように、心地いい。
女性の着る服の香り、女性の肌の香り。若い、性的魅力にあふれた肉体。アインスは自らの持つそれを最大限に、クロノを包む。
唇を合わせる事に、クロノもしだいに慣れ、アインスに寄り添うように唇を揉みあう。
こぼれる唾液を吸い、甘みを味わい、舌を絡ませあう。初めてのクロノを導くように、アインスはクロノの舌を、自分の舌先で引っ掛け、裏側や唾液腺をつつき、愛撫する。
口腔内をアインスに犯されつくし、クロノは自分の顔が溶けてしまったように感じていた。二匹の軟体動物が絡み合うように、クロノとアインス、二人それぞれの舌と唇が互いを求め合う。
舌を差し出すアインスを、赤ん坊が母親の乳首に吸い付くようにクロノは唇をすぼめて吸う。
その感触をひとしきり味わい、アインスは幼い少年をあやすように微笑んだ。
慈しみの微笑み。
やはり、彼女の思い出が心のどこかにある。もしかしたら、自分が幼い頃、父に連れられて会った事があるのかもしれない。
その頃は自分も幼児だっただろうが、今は成長し、執務官になった。背丈の低さを気にすることもあるが、それでも、コンプレックスだとは思わないようにして、仕事に打ち込んできた。
彼女も、成長した自分の姿を見てくれている。
アインスは、きっとクロノ自身よりもクロノの事を知っている。
-
彼女が自分に近づいてきたのは、思い出だろうか。探していたのは、自分だったのだろうか。そう思うと、自分も彼女の愛情表現にこたえてやりたいという気持ちが湧き上がってくる。
性愛の作法などクロノはまだわからない。手探りながらも、それでも、アインスの大きな乳房を、手のひらいっぱいに感じ取るように揉む。
「っ……!」
亀頭から涙がこぼれるような切なさを感じ、クロノは身体を強張らせた。
アインスもクロノがそろそろ限界に近づいていることを察し、最後に口の周りを大きく拭うように舐めとりながら唇を離した。
もう、どれだけキスをし続けていたのだろう。
唇と唇を合わせるキスは、初めてだった。リンディやリーゼロッテとは、あくまでも普段のスキンシップとして首筋や頬に軽く触れる程度のキスしかしなかった。
リーゼロッテも、あくまでも可愛い子供を相手にするように、一線は引いていたように思えた。
初めてのキス。
ゆっくりとベッドから身体を起こしながら、自分はファーストキスをしたんだという感慨にクロノはしばし浸った。
14歳というクロノの年齢で前線に出る執務官になっているというのは管理局でも稀な例である。ゆえに、士官学校でもクロノやエイミィは最短コースだったし、そこから執務官への道となると、クロノは最年少だった。
同期生もみな年上で──といっても10代後半程度だが──恋盛りの年頃。やれ誰と誰がキスした、どこまでいった、だの、寮では毎晩そんな話題に花を咲かせていた。
クロノにも、誰か付き合っている子はいるのかとか聞いてくる者もいた。そういった質問は適当にあしらっていたクロノだったが、まさか今になって、自分がそのような事柄に遭遇するとは思ってもみなかった。
初体験は何歳で、もう童貞は捨てた、だの、そういった武勇伝を語る男子は皆から賞賛された。
全く興味が無かったわけではないし、むしろ自然な感情ではあったのだが、クロノはそういった事になると奥手だった。
もしかしたらリーゼ姉妹には、甘える仕草を見せればそれくらいの事はしてくれたのかもしれない──が、そんなのは自分の柄でもない。
今こうして、アインスに惚けてしまっている自分は、どうなのだろうか。
このまま、彼女のなすがままにされるか。彼女は、自分に何を見ているのか。かつての上司の息子。クライドは、尊敬できる艦長だっただろう。次元航行艦隊の期待の若手提督、若い女性局員にとっては憧れの的でもあっただろう。
父に、リンディ以外にも恋心を持っていた女性はいたかもしれない。既婚者であると知って、人知れず思いを秘めた者もいたかもしれない。
それが、彼女だろうか。クライドによく似ているというクロノに、惹かれていくのも自然なことだろうか。
アインスはそっと、惜しむようにクロノの両肩に手を置き、腕を撫で下ろしていく。
戦闘魔導師として鍛えているクロノは、一般的な14歳男子にしては体つきはいいほうだ。背は低いが、相応の筋肉はついているし骨格もできあがっている。
じっと舐め回すようにクロノの身体を見るアインスの視線に、クロノも性的な感情を読み取る事ができた。
自分の腕に触れているアインスの手指に、そっと、手のひらを重ねる。
名残惜しそうなアインスの表情。さっきまで、クロノの唇を貪っていたアインスは、闇のように澄み切った切れ長の目を潤ませて、ベッドに座っているクロノに、跪くように向かい合っている。
「済まない……時間がない。先ほど言ったように、グレアム提督の進めているプロジェクトは管理局内でも秘密のものだ。提督も、私がお前に喋ったことをまだ知らない。
ゆえに、他の局員や査察部の連中などが、探りを入れてくる事が考えられる。われわれはそれをも交わしながら事を進めなくてはならんのだ」
アインスはクロノにいったん背を向けて立ち上がり、ブラウスをはだけてブラジャーを着けなおす。しなやかな背筋のくぼみがあらわになり、腕の動きに従って肩甲骨が滑る。
思わず息を呑みながら、クロノは俯いた。これ以上、刺激を受けたら、本当にどうにかなってしまいそうだ。
-
服を整えたアインスは、再びクロノに向かい合う。既に、よそ行きの姿になった。二人きりではなくなった。
もう、ここを出なければならない。先ほど橋の上で狙撃をしてきたのはおそらく管理局の武装局員、彼らはこちらの事情など知らない。
「でも、僕があなたがたの都合のいいように動くとは限らない──闇の書が本当に今も存在しているのなら、それは絶対に封印しなきゃいけない。
それでもし、管理局法に抵触するような事があったら、もしかしたら僕に、それを検挙するよう命令が下るかもしれない──
──そうしたら、アインスさん、僕はあなたの前に立ちふさがることになる」
言葉に出しながら、クロノは今までになく、胸の奥、喉の奥がきりきりと切なく痛むのを感じていた。
管理局は警察組織である。何よりも法に忠実でなくてはならない。法律と、人情の板挟みになる事などある意味日常茶飯事ともいえる。
堪えるようにしてきたはずだった。それなのに、今は、つい数時間前に出会ったばかりのこの女に、悔しいほどに心を囚われてしまう。
「幸いまだ闇の書は起動をしていない。提督は、次に闇の書が選ぶ主に、おおよその目星をつけ既に監視のための人員を送り込んでいる。
われわれが勝利するためには、闇の書そのものだけではなく、主に選ばれた人間を保護する必要がある。闇の書がどのような振る舞いをするかも、言ってみれば主となった人間しだいだ。
そのために──、われわれは、戦うのだ」
近くから見上げる格好になると、改めてアインスの体格のよさが強調される。
身長は成人男性並みに高く、肩幅などもがっしりしている。単に脂肪がついているだけではない、その下にはしっかりとした筋肉の土台があり、抱きごたえのある肢体が形作られている。
胸の大きさに目を奪われがちだが、腰周り、尻周りも、目もくらむような大きさで、女としての、雌としての生命力に満ち溢れている。
引き締まったウエストは、やたらに細く絞っただけではない、内臓をしっかり守る筋肉が、鋼のように背骨を囲んで編みこまれている。
短いスカートから露になっている太ももは肉の張りが完璧な肌色のグラデーションを描き、膝上までのハイソックスとあわせて、最も刺激的な太ももの範囲の肌を露出させている。
「アインスさん」
「闇の書を狙っているのは管理局だけではない」
「アインスさん、僕はかつて、グレアム提督に師事し魔法を学びました。提督も、僕の事は知っています。クロノ・ハラオウンと言えばわかります、提督も、彼の使い魔たちも僕をよく知っています。
どうか伝えてください、僕たち管理局員は、次元世界の人々に降りかかる不幸を、少しでも減らし救うためにいるのだと、たとえ管理外世界の人間であっても分け隔てなく救うべきだと──」
訴えかけるように、ベッドから立ち上がったクロノをアインスはもう一度抱きしめた。
クロノの顔を、胸の双丘に抱え込み、愛しさを絞るように抱きしめる。声に、涙が混じる。
「信じてくれ。私を、提督を──クロノ、私は、お前のために尽くしたい──」
アインスの、涙混じりの言葉。
クロノの答えを待たず、アインスは感傷を振り切るようにきびすを返し、コートを羽織ると部屋を出ていった。
きつく抱きしめられたアインスの体温の余韻を頬に感じながら、クロノは、それでも股間の昂ぶりが収まってはいなかった。
部屋に一人残ったクロノのパンツの前は、先走りでぐっしょりと濡れていた。
あまりここに長居はできない。外に出ると、廃棄都市区画に近い、黴臭い雑居ビルの非常階段に出た。雨はやみ、雨雲は湿り気を残しつつゆっくりと空の向こうへ散らばりつつあった。
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クロノがようやく自宅に帰りついたとき、既に日は暮れかけていた。
玄関に上がると、奥のリビングからエイミィが飛んできて、今までどこに行ってたの、心配したんだからとまくし立てた。
アインスと一緒にいた事は言わないほうがいいと思い、クロノはどうにか状況を作って話した。
彼女の言っていた事が本当であれば、ハラオウン家までもが取り締まりの対象になりかねない。本局の特に最高評議会の下にいる連中は、殊更に横槍ばかり入れているという印象がある。
本局を出たところで、どこからか銃撃を受け追跡を撒くために時間がかかっていた。局員の制服のまま歩いていたし、犯人は多分管理局員なら誰でもよかったんだろう、と一見もっともらしい事を言う。
クロノが靴を脱いでリビングに上がるまで、エイミィはずっとクロノに身体を寄せて俯いていた。
「大丈夫だよ、地上本部がきちんと捜査してくれるさ」
あまりエイミィに近づかれると、また、アインスとの事を思い出してしまう。
いきなり、あれほど激しく接吻を交わしたのは14歳のクロノにとっては刺激が強すぎた。思い出すとまた股間が元気を取り戻してきてしまう。
エイミィに引っ付かれた状態で、勃起してしまったらあらぬ疑いを持たれそうだ。それでなくても、士官学校時代は周囲から仲をからかわれる事が多かった。
「……外、雨だったから濡れてるでしょ。お風呂、沸かしてあるから──」
そう言うとエイミィは、とぼとぼと自室へ戻っていった。
この場でクロノを問い詰めても何も出ないだろう。フェイトやリンディのいる前なら、仕事の話が出来たかもしれないが、そうしたら今度は彼女たちへの余計な詮索をしてしまう。
フェイトの裁判に、公選弁護人としてクロノが出る予定だが、それとて、フェイトがクロノに取り付く島を与えてしまう事にもなりかねない。
計算づくでやっているという事への後ろめたさを、エイミィは感じ始めていた。
「ああ、ありがとう……助かるよ」
そう言いつつ、自分の部屋でクロゼットにコートをかけ、着替えを持って脱衣所へ入ると、今さらのようにクロノはアインスの肉体を思い出してしまった。
重要なのは彼女から聞かされた闇の書対策の事であり、情事ではない。
それでも、彼女がクロノの肉体に訴えかけてきたのは、それ以上に、個人的な感情が含まれている事をあらわしている。
そう思いたい。年上の、美しい女性に。女性に触れる事の気持ちよさを、クロノは初めてといっていいほど、新鮮に感じていた。
シャツを脱いで洗濯かごに入れ、下着に手をかける。パンツを脱ごうとすると、自然、自分の股間にぶら下がっているものに目がいく。
もちろん男女の身体の違い、性器の仕組みと役割というものは学校で習った。人間は、男の陰茎を女の膣に挿入し、射精すると、精子が膣の中を泳いで子宮へたどり着き、そこで卵子と出会い受精する。
ペニスをヴァギナに挿入する事を性交渉、セックスという。性行為には、さまざまな体位があり、そして性的刺激によって射精や排卵を促すために愛撫を行う。
知識としてはもちろんあった。だが、少なくともクロノは実践した事など無かったし相手もいなかった。結婚を考える相手が現れるまで必要の無い事だと思っていた。
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アインスとのキス、それは確かにセックスの入り口としての、前戯の意味があった。ディープキスで結合感を高め、乳房を刺激することで性感を高めていく。アインスはそれをクロノに求めていた。
パンツの中でむくむくと勃起していく自身を見下ろしながら、クロノはどうしようもないほどに顔が火照っていくのを感じていた。
これから入浴するからではない、熱い湯にはまだ浸かっていない。
それなのに、こんなに体温が上がってしまう。心が熱く、そして、身体はそれ以上に熱い。これを処理するには、もう、出すしかない。
そっと外の様子に聞き耳を立て、エイミィがバスルームの近くにいないことを確かめると、浴室へ入り、シャワーで下半身を濡らす。もはやクロノのペニスは限界まで勃起しており、最近剥けたばかりの包皮がぱんぱんに伸びきっている。
海綿体の芯が痛くなるほどの強烈な勃起。この太く大きくなったペニスを、アインスの膣に挿入する。想像するだけで気絶してしまいそうなほどに頭がくらりとする。
あのまま時間があれば、そこまでいっていただろうか。彼女はそこまで、自分を求めるだろうか。
どちらにしろ、もう、止まれない。クロノは記憶の隅々までを振り絞り、アインスの顔、表情、髪の流れ、肌の手触りを思い出そうとする。
口の中に入り込んできたアインスの舌。余すところ無く揉みあったアインスの唇。手のひらで触れたアインスの乳房、アインスの乳首。胸と腹の上に覆いかぶさった、アインスの腹肉、アインスの下乳、アインスの乳房の大きさ。
全てを思い出し、頭の中で、限りないリアルな想像へと変換する。
アインスの手指を想像し、それを自分の手で置き換える。アインスがそうしてくれているつもりで、クロノは自身のペニスを扱く。手を握り、輪を作り、その中に通して激しく前後させる。
膣の正確な形や触感などわからない、でも、とにかく想像したい。想像が現実になってほしい。見た事の無い、アインスの股の間を思い描く。
アインスの太ももの肌、それは内股から肌の色が、白から褐色へとわずかに変化し、陰部へ向かう。そこにあるはずだ。アインスの膣の入り口、肉の割れ目がそこにあるはずだ。
その中に、ペニスを入れたい。アインスに入れたい。アインスの膣に、ペニスを挿入したい。アインスと、セックスしたい。
「アインス……さん……」
名前を呼ぶ。彼女を、思い浮かべる。
喘ぎ声を上げたくなるのを必死で押し殺し、物音を立てないように、クロノは浴槽の縁に左手でつかまって両足を踏ん張り、右手で自身を扱き続ける。
この場にエイミィやリンディがやってきたら一巻の終わりだ。何が終わるというか、自分の尊厳が砕けてしまう。それを懸けてやっている。
目をぎゅっとつぶり、視界を暗闇にして、そこにアインスの姿を思い描く。自分にキスをしていたアインスの表情。すぼめた唇、艶かしく動く舌。キスをしたくて、クロノも唇をすぼめる。
キスをしながら、ペニスを挿入し、そして──
「はぁっ、はっ、あ、アインスさん、はっあ、アインスさん、アインスさん、アインスさんっ──!!」
ギリギリまで意識を高揚させ、わずかに残った理性で外の物音に注意しながら、クロノはとうとう射精にたどり着いた。
握り締めたペニスから、勢いよく白い精液が飛び出し、浴槽に飛び込んでいく。一部は浴槽のへりを伝い落ちるが、最初のひと射ちが丸ごと、その後の数滴が風呂の湯の中に落ちてしまった。
なんとか掬いださなければと思うも、腰が震えて動けず、その間に精液は湯の熱で固まり、漂っていく。尿道が拡がる感覚とともに、ペニスの先から精液が飛び出し、脈打ち、浴槽から立ち上る湯気と混じってむっとするような潮臭い香りが立つ。
手で握っての射精。オナニーだ。自分で一人でやるのと、女の中に出すのとでは、快感は段違いだろうというのはわかるが、クロノにはまだ想像もできないことだ。
浴室の床にへたり込み、クロノはしばらく、ひくひくと痙攣を続けるペニスを握ったまま呆けていた。
-
やがて汗が乾いて身体の熱が引いてきて、ようやく意識を持ち直す。
自慰に要した時間は何分ほどだっただろうか。これから湯に浸かりなおしていたら、時間がかかる。今日はシャワーだけで済ませるか、と考えて、カランとシャワーを切り替えるレバーに手を伸ばす。
射精からしばらくたち、硬さが抜けて小さくなってきている股間のものを、ぬるめのシャワーでそっと洗う。
尿道口から、ぬるぬると白い膿のような精液が流れ出ていき、しだいに薄くなっていく。これほどの量が出た事は初めてだ。まだ、ペニスのひくつきがおさまらない。まだ少し、尿道の奥に残っているような気がする。
赤く膨れた亀頭と、その根元に集まった伸びた包皮が、充血して身体中の熱を集めている。どっと疲労感が襲ってきて、これほどの体力と精力をかけて人間は子孫を残そうとするのだという思考が浮かぶ。
「何、やってんだ……僕は……」
ある意味では生真面目なクロノらしい思考といえた。性行為とはすなわち子供をつくるためのもので、それは家庭を持ち、将来のためのことである。
セックスは妻となる女性とだけするべきだという、堅物な思考の持ち主だった。
将来、自分が年をとり結婚を考えたとき。それは遠い未来のように感じる。
母はなんとなく、エイミィをハラオウン家に入れる事を考えているようだ。ということは、エイミィといずれ結婚する事になるのか。
いずれ将来、エイミィとそのような関係になるのか。
考えるとなおさらに、自分は何をやっているんだという後悔の念があふれ出てくる。恋人でもない、出会ったばかりの女に、ちょっと誘われただけでここまでだらしなく劣情を催してしまっている自分が、情けなくさえ思えてくる。
「アインスさん……僕は、どうしたら……アインスさんの事を、僕はどうすれば……」
シャワーのノズルをホルダーに掛け、湯の温度を上げて肩に流す。
所在無い手をごまかすようにボディソープのボトルを押し、漫然と腕に塗りつける。
もし、もっと経験を積めば、こんなふうに心が萎える事もなくなるだろうか。
あの隠れ部屋での出来事はともかくとして、管理局員として、ロストロギアの鎮圧封印は重要な職務である。今は管轄が違うかもしれないが、いずれ自分も、関わっていかなくてはならないだろう。
ギル・グレアム提督は、クロノもよく知っている。魔導師になるための修行を、グレアムの元で積んだ。グレアム自身は前線を退いて、実戦は使い魔に任せているが、彼の魔導師としての実力はミッドチルダでもトップクラスだ。
自分が指揮していた作戦で殉職したクライドの息子として、クロノをよくみてくれていたことを覚えている。
その彼が、闇の書を今度こそ完全に封印するために動いている──だとすれば、クロノにとっても他人事ではない。
だからこそ、あの彼女──アインスは、自分に近づいてきたのだろうか?
クロノは、どこか憂いを含んだあの銀髪の女に出会った事を、運命だと──柄にも無く──思いつつあった。
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ハラオウン邸の中で自分用に割り当てられた部屋で、エイミィは明かりを消し、ベッドに入っていた。
大きなピンクの抱き枕をかかえ、じっと身体を丸めている。
クロノが帰ってくる少し前、本局のリンディから電話があり、今日は帰るのが遅くなるということだった。夕食はそれぞれで適当に、ということだったのだが、エイミィはまだ何も食べていない。
いつもなら、クロノのために食事を作ってあげたり、していたが、今日はどうしても気分が乗らなかった。
「どうしちゃったんだろ、私……」
今日のクロノがいつもと様子がおかしいのは感じていたが、自分もおかしくなっているのではないかと不安になる。
クロノの事を考えると、わけもなく不安になってしまう。今までこんな事は無かった。
休暇で、ゆっくり過ごせるはずなのに、どうしてこんなに心が焦ってしまうのだろう。こんな状態で、次の出航できちんと仕事が出来るのだろうか。
恋わずらい?第97管理外世界での作戦任務の間、クロノは現地の協力者、高町なのはに照れるようなしぐさを見せ、それをユーノにからかわれたりもしていた。
だが、所詮なのはは事件を通じて、仕事で行動を共にしただけで、そこに特別な感情は無いはず。
確かにあれくらいの小さい少女なら、クロノは立派なお兄さんといった感じに見えるだろうし、憧れのような感情を抱くだろうが、それは年上の余裕として見送れる。
なのはがいくらがんばっても、自分には、過ごしてきた時間の長さという有利なものがあるとエイミィは思っていた。
今日のクロノは、ずっと様子が変だった。
それはあの、アインスという銀髪の女に出会ってから。
本局慰霊堂で、クライドの墓碑に手を合わせていた。クロノを見て、クライド艦長、と呼び名を漏らした。クロノはクライドの代わりなのか?そんなことを考えるような女ではなさそうに見えるが、しかし。
クロノが、今までのような朴念仁ではなく、もっと素直に気持ちを表してくれたら。もっと自分を見てくれたら。
今まではある意味、みんなが配慮してくれていたからよかったようなものだ。アースラの乗組員も、クロノとエイミィを、幼馴染で同じ艦に配属された仲良しとして微笑ましく見守っていた。女性乗組員で、クロノにコナをかけるような者もいなかった。
むしろ今までが幸運すぎたのだ。恋のライバルはこれから、もっともっと現れてくるだろう。
そんな状況で、幼馴染だからとたかをくくっていてはいけない。いつのまにか、クロノの心が自分から離れていってしまうかもしれない。
不安を少しでも無くすためには、もっと自分から、積極的にアプローチをしなければならない。
暗い部屋で子供のように抱き枕にしがみつきながら、エイミィはそう胸の中で決意した。
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時空管理局本局、次元航行艦隊司令部。
普段は「海」として、比較的本局直属部隊との交流は少ないが、今回、本局司令部長官を務めるギル・グレアムに、時空管理局遺失物管理部より直通で報告が上がった。
第一級捜索指定ロストロギア「闇の書」が、本局施設内の隔離区画で移送作業中に突如暴走。死傷者多数を出した。
さらに報告は、管制人格の出現を観測したと付け加えていた。
手元に届いた報告書に目を通し、グレアムは老眼鏡を外して机に置き、深くため息をついた。
最悪のタイミングでの事故である。11年前の事件以来、闇の書を封印する方法を考え、慎重に慎重を重ねて計画を練ってきたつもりだった。
それでも詰めが甘かったのか、それとも闇の書の力が上回っていたのか。
グレアムは、機動一課に出向していた二人の使い魔たちを思い浮かべる。
アリアとロッテのリーゼ姉妹。戦闘力に優れる猫を素体とし、グレアム自身の魔力量もあって二人ともがエース級の実力を持つ。
その彼女たちでさえ、管制人格──闇の書の意志には手も足も出なかった。
闇の書の意志は、自分をどう見ているだろうか。11年前、闇の書を運んでいた次元航行艦エスティアごと、アルカンシェルを撃ち破壊した。
エスティアが消滅してもなお、闇の書は転生と再生を果たした。
それから11年、闇の書は何を思い続けていたか。
機動一課で行われていた実験は、グレアムの命令により、管理局内のどの部署に対しても秘密にされた。他の課の局員も、一課で行われていた実験の内容を知らない。
このまま闇の書を無人世界に封じ込めても、これではまた管理世界に舞い戻ってきてしまう結果になったかもしれない──。
やはりもう一度、闇の書に正面から挑まなければならない。そしてその場所は、今回の戦場となる場所は、グレアムが生まれ育った世界、第97管理外世界だ。
かの地で闇の書は、新たな主を見定めた。その主が成長してじゅうぶんなリンカーコアを持ち、魔力を蓄えたところで、闇の書はその活動を始める。そうなってしまえばもう、闇の書を実力で物理的に破壊するより方法はない。
もしかしたら“彼女”はそれを為すために行動しているのか──そのためにエスティアを、蒐集の対象に選んだのか。
グレアムは報告書を仕舞うと、机の引き出しに入れていた古い写真立てを取り出す。
クライドのエスティア艦長就任一周年を祝ったパーティのときのものだ。
写っているのは、中央にクライドとリンディ、後ろにグレアム、アリア、ロッテ、そして管理局提督レティ・ロウラン。リンディに手を引かれてクロノも一緒にいる。このときはまだ3歳だった。
リンディの隣にいるクロノの反対側、クライドの隣で前列の一番左手側に、銀髪に赤い目をした長身の女性が写っている。
このときはまだ、彼女と自分たちは共に管理局に勤める同僚だった。ハラオウン家、ロウラン家そしてグレアム家も、家族ぐるみの付き合いをしていた。彼女はグレアムをよく補佐して働いていた。
それは11年前のその頃から、今このときも同じ。
彼女の真実、そして彼女をこの世に現出させた“闇の書”の真実を、まだクライドもリンディも知らなかった頃のことだ。
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投下終了です
クロノきゅん!まだ、まだ本番まではいきませんよー!
順番にですねー
アインスのおっぱいはリリなのキャラ最強最胸と主張したい(;*・∀・)
ではー
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>>635GJ!
いやぁムチ×2ボデーはたまりませんなぁww
アインスがゲシュタルト崩壊してアイ○スに見えた俺は虚乳派かもしれん…
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続きがくるのがはやいwww
面白い。
そしてアインスがエロい……おねショタ! おねショタ!!
次の話も待ってます。
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何となくリリカルトーナメント(だっけ?)の続きを読みたい今日この頃
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アインスのおっぱい!おっぱい!太もも!太もも!(AA略
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だが、このアインス流れの中、あえて、はやてSSを投下する俺
タイトル「はやての日記帳」
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○月○日
最近、家の周りに野良猫が住み着くようになった。
にゃあにゃあ言うてるのが聞こえるけど、そんなにうるさない。
猫って、もっとうるさい思てた。
窓から見てみると、美人さんな猫ちゃんやった。
しかも、二匹もおる。
姉妹やろか?
ちょっと楽しみになってきた。
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○月×日
猫がご飯食べてる。
少し多めに作ったおかずを炊き直して塩抜きして置いとったら、喜んで食べてる。
喜んで食べてくれたら、私も嬉しい。
猫ちゃん達も喜んでにゃあにゃあ言うてる。
明日もご飯あげなあかんな。
-
○月△日
あかん。
どないしょ……
えらいことになってしもた。
猫ちゃん達を近くで見ようと思って近づいたら、こけた。
車椅子ごと、こけてしもうた。
ぐらっと来て、やばい、思うたら、こけてた。
不思議なんやけど、身体が浮いたような気がして、怪我はせんかった。
そやけど、車椅子が壊れてしもうた。
どないしたらええんやろ。
明日から、私の車椅子あらへんくなってしもた。
どないしょお……
-
○月☆日
不思議や。
なんでかわからへんけど、イギリスから新しい車椅子が届いた。
グレアムおじさんからや。
最新鋭の動力つき車椅子で、私にモニターをやって欲しいらしい。
偶然って怖いなぁ。
そやけど、私にピッタリサイズ言うことは、子供用車椅子なんやろか?
グレアムおじさん、どんな仕事してはるんやろ?
-
○月※日
車椅子が凄い。
凄いどころの騒ぎやない。
これは人類の革新や。
人類文明はいつの間にここまで来てたんやろ。
やっぱりちゃんと勉強せなあかん。
この車椅子、私の言葉に反応して動くんよ。
ちゃんと言うた通りに動いてくれる。
優れもんや。
それだけと違う。
なんか、飛びよる。
ジャンプと違う。文字通り飛ぶんよ。
イギリスって凄い。グレアムおじさん凄い。
そやけど、時々車椅子の中から、にゃあ、て聞こえるような気がする。
そういえば、近所の猫ちゃん達、最近は一匹しか見んようになった。
もう一匹は何処いったんやろ?
まさか……
いや、そんなわけあらへん。
車椅子の中からにゃあにゃあ聞こえるんは気のせいや。
うん、気のせいに決まってる。
-
○月凸日
この車椅子最高や!
もう、手放したりできへん!!
最高!!!!
-
「むう……」
シグナムはそこで日記帳を置いた。
「そんな大切なものを、故意でないとはいえ……」
「これ、シャマルが治せないのか?」
ヴィータの問いに首を振るシャマル。
「機械だもの。治癒魔法は関係ないわ」
「まさかこんなことになるとはな……」
沈痛に呻くザフィーラ。
ヴォルケンリッター登場の衝撃で、新たなる主はやてが気絶した。
さらに現れた瞬間四人は、怪しい魔力反応を反射的に攻撃してしまったのだ。
そこで見事に破壊されたのは主の車椅子、というわけだ。
破壊された車椅子から使い魔のようなものが逃げ出したような気がしたが、今はそれどころではない。
机に置かれていた日記帳で確認すると、この車椅子は相当大切なもののようだ。
「どうすればいいんだ……」
ヴォルケンリッターは悩む。
-
○月凹日
新しい家族が三人もできた。
とっても嬉しい。
車椅子も相変わらず順調で嬉しい。
そやけど時々、車椅子の中から「ておあー」って聞こえるような気がする。
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以上、お粗末様でした
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>>649
GJ!
……頑張れ使い魔、頑張れ守護獣
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GJ
車椅子の中の人ならぬ中の獣のことを思うと涙がちょちょぎれそうだぜ・・・w
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皆さん、感想ありがとうございます。
>『地球皇帝の壮大なる野望』
凄い ヘタレスメル
ぶるわあぁーーーー!!
>「おのれおのれおのれぇぇぇ邪神や性職者どもの如き妾への当て付けかぁぁぁ!!」
などという怨嗟が『死霊秘法』から漂ってそうな気がw
いや、この方は子供作る程の罵カップルじゃないですか。
寧ろ『ナコト写本』の方ですね。
>アインスのおっぱいはリリなのキャラ最強最胸と主張したい(;*・∀・)
その通りでござる。アインスさん、エロいよう。
>車椅子の中から「ておあー」って聞こえるような
守護獣頑張れ。超頑張れ。
あと疑問なんですが、紫天ファミリーがエルトリアに旅立った後、ユーノ達側の記憶ってどうなるんでしたっけ?
ヴィヴィオ達に関する記憶って残るんでしょうか?
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残らないはず
が、さじ加減でどうにでもなりそうな気配
なんのショックで記憶復活、とか、ゲーム第3弾でやりそうじゃね?
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誰かがいたことは覚えてるけど、名前と姿は思い出せない
っていう感じだったと思う
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>>652
フローリアン姉妹→異世界渡航者として出会い、事件に関係したことは覚えている
マテリアルズ→復活の後事件に関わり、エルトリアにくっついていったと覚えている
未来組→いたことは覚えているけど、名前や関係等は記憶せず、姿もうすぼんやりとしか覚えていない
のはず
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文章を書いてみて自分がどんだけ文章を書くのかが下手か分かるな
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でもよく出来た一文もあるだろ?
それが自分の味かもしれない
それを手本に書き直してみな?
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どうもー
闇と時と本の旅人 第3話を投下します
なんと今回はエイミィさんが…
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■ 3
「凍結作戦!?本当に、これを行うつもりなんですか、グレアム提督!?」
次元航行艦隊司令部に赴いたリンディは、現在、機動一課の後見人を務めている艦隊総司令ギル・グレアムに対峙していた。
グレアムは管理局が保有するすべての艦隊を統括する立場にあり、彼の下に各次元世界ごとの現地司令官がいる。グレアム自身は本局内の司令部で勤務し、そして彼の使い魔、リーゼ姉妹は機動一課に出向していた。
リンディが驚愕したのは、機動一課が過去10数年間の分析に基づいて提出した、闇の書対策の作戦案である。
それは、現在の管理局の保有する技術力では闇の書を完全に殲滅することは不可能であり、そのため、通常の封印ではなく、アルカンシェルの空間歪曲効果を利用して時間減速操作を行う──すなわち闇の書を破壊はせず、外界に出られないように凍結するというものであった。
無論これとて完璧ではなく、破られる可能性はある。しかしこれまでのような、闇の書を直接攻撃する方法ではたとえ物理的に魔導書を破壊できたとしてもすぐ転生してしまい、結局いたちごっこになってしまう、と結論付けられた。
転生回数に制限があるのかどうかも不明であるし、現状得られている情報では無限に再生できる可能性が高い。
そうなると、いくら攻撃しても無駄ということになってしまいかねない。
そして今、闇の書は第97管理外世界に狙いを定めている。
第97管理外世界の住人は、少なくとも一般市民は魔法の存在を知らない。
過去の管理局での作戦の事例でも、魔法技術が存在しない世界での事件は対処が困難だった。しかも、今回の相手は管理局史上で最大最強のロストロギア、闇の書である。
必要な準備なども含めて、その遂行は困難を極めるだろう。
グレアムも、部下の手前自信を持っているように振舞ってはいるが、その内心では少なくない焦りがある。
闇の書は半ば自動的にリンカーコアを蒐集し、そこには人間の魔導師が持っているような迷いのようなものはない。搭載されている守護騎士システムは、人間とは価値観を異にする無慈悲な戦闘マシーンだ。
インテリジェントデバイスでも、使用者と対話を行うAIはあくまでもヒューマンインターフェースを備えた戦術補助コンピュータでありそれ自体に能動的な意志はない。
人間でないものが意志を持つ、それはすなわち人間そのものの存在意義の危機である。
リンディもそれは理解している。理解しているからこそ、グレアムが企てている作戦に驚愕しつつも完全に否定しきれないジレンマがある。
闇の書を本気でねじ伏せようとするならばこうするしかない。
人類にとって必要な試練、と決断するには、それはあまりにも重過ぎる責である。
その日クロノはいつもよりやや遅く目覚め、あくびをしながらリビングに出てきた。
エイミィは先に出てきて朝食の支度をしていたが、こちらも、どうやら昨夜はあまり寝つきがよくなかったようだ。
昨日、本局施設内で起きた事故の後処理が長引いて、リンディは本局に泊まりこみになっていた。
せっかく帰ってきたばかりなのに、と思うも、クロノとエイミィにとっては二人きりで過ごせる時間ではある。
クロノは毎朝牛乳を欠かさない。食パンに合うように胡椒をきかせたスクランブルエッグが好物なのもエイミィは知っていて、手馴れた手際でフライパンを操り、皿に盛り付ける。
「スティックシュガー入れる?頭をシャッキリさせなきゃ」
「いや、遠慮しとく……朝から甘いものとりすぎると胃にもたれそうだ」
わざとらしく砂糖を出すも、クロノは手で制して牛乳をコップでひといきに飲む。
小さいころ、リンディの砂糖茶をうっかり飲んでしまったことがいまだに記憶に残っていて、クロノはそれ以降甘い飲み物が苦手だ。
「フェイトちゃんの初公判は、日程はもう?」
「まだ本決まりじゃないが、少なくとも6月に入ってからだ」
「そっか……いい結果になるといいね」
「ああ」
少なくとも今回のPT事件に関して言えば、人的・物的被害はごく限定的なものだった。
ユーノの尽力もあり、第97管理外世界への影響も最小限にとどめられた。問題は次元震だが、規模そのものは小さなものだった。しかしそれがロストロギアによって発生させられたものだということがカギにはなる。
フェイトはジュエルシードの効果について知らなかったし、次元世界でも、それと知らずにロストロギアに触れたケースについてはよほど重大なものでない限りは過失に問われる事は少ない。
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ともかくとして、全く楽観というわけではないがひとまず、貴重な休暇を満喫したいというのはクロノもエイミィも共通だった。
こうして二人でゆっくりできるのも大切な時間だ。考えてみれば、クロノが執務官として現場に出ている間以外のほとんどの時間、アースラに乗り組んでいる間も、自宅に戻っている間もほとんどの時間を一緒に過ごしている。
いつもそばにいるのが当たり前のように自然になっている。
それゆえに、改めて意識してしまうとやや気恥ずかしさが出る、といったものだ。
「ねえクロノくん」
「なんだ?」
「今日さ、久しぶりに二人で出かけない?」
感情が敏感になっているのだろうか、とクロノは思った。エイミィとはだいぶ付き合いが長く、男女の関係を意識したことはこれまでほとんどなかったが、こうしてエイミィが面と向かって外出を持ちかけるというのも珍しいことだ。
子供の頃なら、外へ遊びに出かける感覚で極普通に連れ立っていたが、今はただ日用品の買い物に出かける程度でも気を使ってしまう。
これが思春期に入ったという事なのか、それとも、もっと別の原因か。
もしエイミィと二人で歩いているところをアインスに見られたらどうなるだろうか。そんな心配をするのは杞憂だとわかっていても、クロノは昨夜帰宅してから寝付くまで、おそらく一秒たりとも彼女の事を意識から拭い去れていなかった。
これまで、女性からあのように積極的に接近された事は初めてだった。
ハグというだけならば、リンディやレティ、リーゼ姉妹ともしたことがあるが、それはあくまでも挨拶としてだったり、母親として息子を愛する、あるいは遊び盛りの娘が幼子にじゃれつくようなものだった。
アインスのそれは、完全に対等な、男と女としての抱擁だった。
もし、そのような行為を望むのなら、彼女は応じてくれるだろうか。同時に、食卓をはさんで向かいの椅子についているエイミィの顔が目に入り、彼女とそのような行為をしたら、と思い浮かべてしまう。
思わず俯いてしまう。エイミィの顔を見て、彼女の裸身を想像するなど、大変失礼な思考である。自分がそのようないやらしい性格だなどと思われたくないし、男としてはしたないことだとクロノは考えていた。
もっともエイミィはエイミィで、アースラの先輩女子乗組員から、あの彼(クロノ)とはどこまでいってるの、などといじられたこともあるし、クロノともしそんな関係に進展したら、と考えた事はある。
エイミィの身分としてはハラオウン家の下宿人だが、クロノもリンディも、エイミィを全く家族の一員として扱っていた。
休暇で三人揃ったときにはよく街へ出かけたし、エイミィも積極的に家事を手伝い、クロノも一緒になってリンディから炊事や洗濯、掃除のうまいやり方などを教わった。
管理局提督としての仕事もある中で、よく心を傾けてくれたものだと思う。
それだけに、エイミィは、こうしてクロノと一緒に過ごすことが当たり前のようになり、しかしそれのありがたみを忘れてしまわないように胸に留めていた。
感情は、常に新鮮さを保つようにしなければあっというまにかすれてしまう。クロノへの想いは、常に確かなものだと、確かめ合う必要がある。
「久しぶりに外の空気吸いにいこう。クロノくんもさ、休めるうちに休んでおかなきゃ」
「そうだな……」
「ねっ!私もさ、お皿片付けたらすぐ着替えてくるから」
元気よく自室への階段を上がっていくエイミィの後姿を見送りながら、クロノはとうとう着替えという言葉に反応してしまっていた。
ダイニングにしばし一人きりになり、とりあえず、盛り上がった股間のテントを見られる心配はない。
「こんなんじゃなかったはずなのにな……」
自分がこれほど、ありていにいえばスケベだったのか。健全な男子なら、とはいうものの、今まで管理局員の職務一筋に打ち込んできたクロノにとっては、自己嫌悪に陥るには十分すぎた。
思えば、士官学校での同期生たちでも執務官になったのはクロノだけで、他の若い執務官も勤務地が離れていたりしてクロノと個人的な付き合いのある者はいない。
実質、このもやもやした性欲を誰にも相談できないという状態だ。
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