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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第113話☆

56ユーノくんとはやてさん1:2012/02/26(日) 14:33:06 ID:jICOjmGU
「私にも解らないのよ。前にも言ってるけど、はやてちゃんの病気は原因がわからないの。
でも……」

そこからべらべらと専門用語を並べられて馬の耳に念仏。
解ってはいながらも、シュールさを感じたはやてはやんわりと石田医師の言葉を切った。

「あの、石田先生。
結論を教えてくれませんか?」

「話がそれちゃってごめんなさい。
貴女の体は今ね。病気の進行が止まってるみたいなの」

もう一度呆ける。両親がいない生活も慣れに慣れたが、思わずガッツポーズをとりそうになるのを堪える。
感情を殺し、9歳という小さな年齢で生きてきた子供も死はやはり恐ろしかった。それが一時的にでも逃れられるかもしれない、
という希望を与えられるのは好意に値する。

「確定っていうわけじゃないから検査入院なんだけど……」

「ええですよ。あはは、なんで止まったんでしょうねー」

はやては笑う。
石田医師も笑った。それしかなかった。
原因は不明。病名も不明。とまったのも不明。もう良かったねというしかない。
予定もなかったのでその日の午後から検査入院となった。そこから五ヶ月。はやては病院で過ごした
冬が終わり、蕾も開き始める春が来ていた。五ヶ月の検査の間病の進行は見られず終り、無事検査は終了した。

ではもう一度。

春。はやては無事退院した。
ただし相変わらず車椅子で。

「なおっったーーーー!」

久方ぶりの我が家に帰ると、嬉しさのあまり吼えた。無論、今後も検査は続けていかなければならないが、
ひとまずは帰宅だ。しかし家の中から返事はない。家の中は静まり返っている。
その上五ヶ月も放置していたので玄関に入っただけでも埃臭い。

「〜♪」

それでもはやての気分は上々だった。
車椅子も世話になっている人から貰った電動式ではなく、病院から借りた手押し式だ。
家まで手で漕いで帰ってきてしまった。二の腕が両腕共にパンパンだ。乳酸が沢山できている事だろう。
でも、生の実感を強く感じられる今は、何もかもが好ましかった。埃まみれの家に対しても、野心を抱くように
怪しく笑ってみせる。

「ふっふっふ……待っとれよ。ピッカピカにしたるからな!」

体を前に倒し車椅子のハンドルを掴み、両腕をすばやく回転させると車椅子は前へと動く。
この五ヶ月の間ただ寝ていたわけでもない。体力の低下を防ぐ為リハビリと称して運動もしてきたのだ。ぬかりはない。
荷物をおくとすぐに掃除が開始された。作業は昼少し前に始められ満遍なく行われる。一時間、二時間があっという間に過ぎていき
高々と昇っていた太陽も暖かな橙色に変わり、それも消える頃にはあたりは真っ暗になっていた。掃除は完璧とは言いがたかったが、
満足なレベルにまでいけたので、適当なところで妥協した。

―――こんなとこやろか。

疲労感が滲む身体で吐息を落とす。割り方綺麗になった。残りは明日やれば十分だろうと区切っておく。
風呂を入れている間に湯を沸かしてカップ麺を作る。退院初日の食事にしては随分簡素だが仕方がない。

「いただきますっ」

ノーボーダーの有名どころを啜りながら、ひとまずの食欲を満たす。




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