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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第111話☆

988Filius larva 前編 2/8:2011/11/14(月) 22:22:50 ID:5GBieoYQ
士郎と呼ばれた少年は、あどけなさの残る微笑みでセインを向いた。
「うんっ」と一言、でもやっぱり元気に大口を開けて、スコーンを齧った。

***

セインが少年と謎に満ちた出会いを果たしたのは、つい二週間前のことだった。
当然のように昼休みからシエスタを続行していたベッドの上に、突然彼が降ってきたのだ。
「うぼぁっ!?」
「いたた……でもベッドで助かったぁ」
本当にそう表現するしかない程突然の出来事で、その証拠に天井が大穴を開けていた。
黒髪に、見たことのない服装。背は低くて、多分ヴィヴィオと同い年くらい。
初等学校の学生だとしても、明らかにベルカ自治区を歩いているような顔ではなかった。
何の荷物も持っていなくて、観光や流浪の類とも思えない。
「いたた……」
「ねぇ、そこのキミ」
セインは少年に向かって言った。彼はきょとんとしている。そりゃそうだろう。
けれど、どんな状況だとしても、言わなければいけないことがある。
「どいてくれると嬉しいな……あたしの胸、我ながら衝撃吸収材にならないから」
「わっ、わわっ、ごめんなさい!」
──今の言葉を聞いて、確信した。この子は間違いなくこの地の人間ではない。
何故ならば、ミッドでもベルカでもない、第三の言語で謝っていたからだ。
こちらには、謝罪と思える意図しか伝わって来なかった。

「取り敢えず、話をしようか」
シャッハに事情を話したら様々な勘違いをされて折檻を繰り返されたが、最終的には事実を受け入れて納得してくれた。
名前も知らない少年と向い合って椅子に座るというのは、何だか取り調べみたいで気まずい。
まずは名前だ。そう思って口を開きかけると、向こうが先に聞いてきた。
喋っているのはミッド語だった。
こちらの顔つきを見てのことなのか、シャッハとの会話を聞いてなのか、さっきの言語ではなかった。
「ここは……どこなの?」
「ベルカ自治区の聖王教会ってところだよ」
こちらも、慣れないミッド語で応じる。しかし、どう見ても、知らないという顔をされた。
どこから来たとしても、自分のいる国くらいは知っていそうなものだが……
改めて顔つきを見ると、ミッドチルダにはいないような顔だ。むしろなのはやはやてに良く似ていた。
移民の子なのかもしれない。
こちらも拙いミッド語を使って、なるべく優しく、そして簡単な単語で話しかけた。




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