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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第106話☆

996年下のオトコノコ(3):2010/08/13(金) 00:27:53 ID:S958gWRs
 本局にたまたま仕事で来ていて、ヴェロッサたちと遭遇したクロノはこの後、管理外世界の自宅へと帰る。ヴェロッサとしては『帰る』という言葉が自然と出てくることに驚きを感じる。
彼も自分もミッドチルダの人間で、本来管理外世界には不干渉のはずだが、このようにクロノの『自宅』は第97管理外世界にある。
彼の義妹があちらの学校に通いたいと思い、彼の母がその願いを叶えたいと思った。
勿論、クロノの母があちらの世界を気に行ったといのもあるが、どういう手を使ったのか、ハラオウン家はあちらに住まいを移している。

 勿論、下宿人である彼女も。



「早く帰らなくて良いの? 愛しい婚約者が待ってるんじゃない?」
「からかうな。なの……高町二尉の御兄弟と遊ぶから、少し遅く帰ってきて…だそうだ」
「寂しい?」
「だから、からかうなと言っているというのに」

 ヴェロッサは久しく直接会っていなかった友人との会話を楽しむ。
映像通信でならば、何度も話しているだろうにという揚げ足取りは勘弁してほしい。
そのほとんどが仕事に関してのことだ。クロノとは違い、ヴェロッサはこれからまた仕事だが、少しくらい友人としての会話をしていたって罰は当たらない。


「まさか、クロノ君にこんな早く、結婚の話が出るなんてね」
「……………一応、内緒にしていたんだが…」
「バレちゃったなら仕方ないんじゃない? あの調子じゃ、フェイト執務官、八神家のみんなにも話してるよ?」
「……シグナムはもう嬉々としてからかいにきた」
「え、嘘!」

 クロノの言葉に、ヴェロッサは驚く。先ほどはやてを迎えに来て、彼女に抱きつかれていたシグナムと、クロノをからかう姿が一致しない。
そう疑問をぶつけるヴェロッサに、クロノは言う。
彼女はああ見えて、意外とフランクであると。気心知れた相手となると、弄りにかかる。そういう女性であると。
クロノの義妹のフェイトは特に仲が良いため、弄られ放題である。



 そんな他愛のない会話をしながら、視線の端にちらちらと見えるものに、ヴェロッサは意識を向ける。ピンクのリボン。
ピンクのリボンがちらちらと揺れている。何故、リボンがこんなところにあるのだろうと考えると、自分が持ってきたのだと思いだす。
既に食べ終え、箱はゴミ箱へと捨てられたヴェロッサ特製のケーキ。箱を包んでいたリボンが、何故かクロノの指に弄ばれている。
くるくると指に巻きつけては解き、コーヒーカップの取っ手に結びつけている。

「何してるの?」
「あ、すまない………最近、リボンに触れる機会が多くて、つい」

 クロノとリボン。何というミスマッチな組み合わせだ。
ヴェロッサが首を傾げていると、彼がきく前にクロノが答える。エイミィに髪を結うリボンを結んでほしいとねだられ、うまくできず、練習していると。
少し、顔が赤くなっているのは、どういう意味だかあえて問うまい。

「お手本、見せようか?」
「できるのか?」
「そのリボン、誰が持ってきたと思ってるのさ」

 僕だよと、ヴェロッサは笑う。クロノから手遊びの種を引き離し、どこに巻こうかとキョロキョロと見渡し、良い場所があったとにやりと笑う。
 クロノの腕を掴み、リボンをシュルシュルと巻きつけた。
最初、ぎょっとしたクロノであったが、手元で見本を見せた方がわかりやすいだろうと言えば、納得した。
よほど練習がうまくいっていなかったのか、男の腕にリボンという恥ずかしい状況に気付いていない。
 ヴェロッサはバランスが悪かったとクロノの腕に巻かれたリボンを一度解き、癖がついたリボンを指で扱く。その様子をじーっと見つめながら、クロノは突然ヴェロッサに問う。

「さっきの話だが……」
「さっきって? 休暇の話? お土産なら、高町二尉のおうちのクッキーが良いなあ。前にもらった時、美味しかったから」
「その話じゃない」

 高町なのは二等空尉の実家はケーキが評判の喫茶店で、喫茶翠屋の商品は友人たちの好物になっている。ヴェロッサは直接店に行ったことはないが、土産としてもらった菓子を食べている。
菓子や料理を作るのが得意なヴェロッサは食べるのも嫌いではないらしい。
ケーキはさすがに日持ちしないので食べられないのが残念だと、しょんぼりとするヴェロッサをクロノは覚えている。
 だが、今話したい話はそんなことではない。




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