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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆
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要約、つまりどう足掻いても殺す。
今までの戦いで身を以って体感した力の差が、ティアナの四肢から絶望として戦意を削いでいく。
先の誘導弾から、回り込みと早撃ちの一連の流れ、バンディはまるで本気ではなかった。
殺そうと思えばいつでも殺せるという余裕、相手をすぐに死なせず遊んでいるという事がありありと伝わる。
そして今、目の前に突きつけられた銃口。
死。
圧倒的な絶望がそこにあった。
兄の仇を討つ事はおろか、傷一つ付ける事も叶わず死ぬのか。
悔しさに、ティアナは瞳に涙を浮かべて歯を噛み締めた。
そんな少女の様が愉快なのか、バンディの笑みはより嬉しげに歪む。
瞬間、閃光が走った。
それは夜闇を鮮やかに裂く青き光条で、ティアナの後方より飛来。
今まで嫌になるほど見てきた、相棒の魔力光を少女は見た。
リボルバーシュート、と術式の名を叫ぶ凛と澄んだ声と同時に飛来する魔力弾は、正確にバンディにヒットする。
炸裂する魔力の光、舞い散る爆炎と煙、たたらを踏む外道の身体。
そして、彼女の声が連なる。
「ティア、大丈夫!?」
白いハチマキを頭に巻いた、ショートカットの青い髪を揺らす乙女。
細くしなやかな四肢に不釣合いな鉄の拳脚を装着したティアナの頼もしい相棒。
スバル・ナカジマが疾駆する。
さらに、鉄拳の少女に追随する閃光。
ジェットの炎を巻き上げた一筋の鋭い稲光、アームドデバイスの刃の煌めきが飛来する。
名をストラーダ、使い手たるエリオ・モンディアルにより振るわれる激しき刺突。
遥か後方で、巨大化した召喚竜フリードリヒの背に乗った少女、キャロ・ル・ルシエの行使するブースト魔法の魔法陣が煌めく。
召喚師の乙女の加護を受け、加速を重ねる幼き槍騎士の刃は先行するスバルに遂に並び。
そして放たれた。
重厚な外観をした鉄の拳が。
鋭利な刃を持つ魔力の槍が。
ほとんど同時に、体勢を崩した男目掛けて振るわれる。
打撃と刺突の二重奏、必中必倒の大打撃。
今度こそバンディを打ち倒すという気概を以って、フォワードメンバー最大の近接戦闘の一撃が夜気を引き裂いた。
生まれるのは先ほどのリボルバーシュートの一撃など比べるべくもない、激烈なる爆音と閃光。
衝撃によって舞う風が、先ほどの攻撃の残滓として漂っていた煙を一掃する。
そして現れたバンディの姿は――倒れてなどいなかった。
しっかりと大地に立つ二本の脚は体重を支え、纏うレザー調の赤いバリアジャケットは傷一つなく、金髪の美貌は獰猛な笑みを浮かべ。
そして両手が持つデバイス、鈍色に輝く十字架銃が、ありえないほど強固な物理保護の術式を纏い、スバルの拳とエリオの槍を受け止めていた。
カートリッジをたっぷり消費し、真正面から全力で打ち込んだ攻撃を、この男は微動だにせず防御。
右手の銃でスバルの拳を、左手の銃でエリオの槍を、金属音と火花を孕んで軋ませ、そしてバンディは笑った。
「はは! 良い攻撃だったぁ……が、火力足りてねえぞ、おい」
圧倒的実力差。
オーバーSランククラスの魔導師との間に隔てられたその壁は厚く、そして高い。
ぞくりと背筋を伝う感触。
冷たい汗が心身を凍らせるのを、フォワードの少年少女らは感じた。
生物的な本能の警鐘、獰猛な大型肉食獣と相対した草食獣さながらの感覚が刻まれる。
恐ろしい、と。
されど餓えた野獣は獲物の心など知らず、吼えた。
「さあて、じゃあ今度はこっちの番だな、ええ!?」
瞬間、反応速度を遥かに超えた速度で形勢された大量の誘導弾がテッド・バンディの周囲から溢れ、迸った。
□
フェイト・T・ハラオウンは、眼下に並ぶ廃棄工場区画から真っ赤な光が生まれるのを見た。
赤い、赤い、赤い。
血よりも紅く夕焼けよりも鮮やかな、妖しい鮮紅色のイリュージョン。
こんな魔力光を生み出す者は、今日この場に一人しかいない。
テッド・バンディ、あの冗談みたいな威力と精度の射撃魔法を使う男の紡ぎ出した破壊の奔流だと、考えるまでもなく理解できる。
しかも、その相手はフォワードメンバーの四人。
確かに成長著しい彼らだが、相手はあまりにも常軌を逸したレベルの怪物だ。
先に収容所の警備に当たっていた陸士部隊のように、四人が全滅する様を想像してしまい。
フェイトは胸の内に湧き上がる恐怖と不安を拭えなかった。
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