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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆

965Lyrical StrikerS 第9話その2④:2010/01/27(水) 22:03:59 ID:rFRoD3QI
「わたしは、君が泣いても撃つのを止めない」

陶器に反響するような無感情な宣言。
その一言は、今までの何よりも決定的だった。
心が硝子のように砕け散っていく錯覚。
兄の遺体に縋り付いた時よりも、兄の上官に亡くなった兄を侮辱された時よりも、ホテル・アグスタでミスショットをしてしまった時よりも、
今朝の訓練で撃墜された時よりも、それは鋭く重い痛みを有していた。
見捨てられた。
兄の無念を晴らすために、今日まで頑張ってきたのに。
才能を持たない凡人でも、エースになれると証明したかったのに。
自分は決して、無力じゃないと示したかったのに。
その全てを、今日まで自分を支えてきた全てを否定されたような気がした。

「私は………………………」

震える指先に力がこもる。
慣れ親しんだ引き金の感触。
高揚していく意識。否これは激昂だ。
吐く息が赤く燃えているのではないのかと錯覚してしまうくらい、怒りが全身を支配している。

「私は………………私は…………………」

向かい合った教導官を見据えたまま、意識の一部を内面へと向ける。
深く、深く、どこまでも深く。病み上がりの体や潜在魔力量の差などどうでも良い。
今、自分の頭を支配しているのは、彼女に一矢報いたいという激情だけだ。
いや、一矢などでは気が済まない。
堕とす。
エース・オブ・エースを、この薄汚い凡人の手で完膚無きまでに堕としてやる。

「私は、間違っていない!」

《Standby, ready》

《Set up》

純白の衣装が風になびき、夜の帳を染め尽くすように桃色と橙色の魔力光が迸る。
悲しみとも取れる虚ろな瞳と、怒りに彩られた歪んだ瞳。
果たして、その視線が交差しているのか、それは神のみぞ知ることであった。

「さあ、今朝の続きだよ。お話しよう」

「あなたを倒して、あたしは自分を証明する!」

両者の魔力弾が、冷たい大気を引き裂いて激突する。
誰のためでなく、ただ己の納得を得たいがための決闘。
戦いは、かくも静かに、しかし激しい戦鐘を打ち鳴らしながら始まった。







することもなく愛竜と共にロビーで待機していたキャロは、唐突な魔力のうねりを受けて小さく呻いた。
膝の上に鎮座していたフリードが、主の異常に何事かと鎌首をもたげる。
キャロはそれを何でもないように手で制すると、小さな手で慎ましい胸を擦りながら、一番近い窓へと歩を進める。
生憎、そこからは夜の闇しか見えなかったが、馴染みのある魔力の波長にキャロは誰が魔法を行使しているのかすぐに察することができた。
なのはとティアナだ。
いつの間に目を覚ましたのか、ティアナがなのはと共に魔法を使っている。
それも、離れた場所から察知できるくらいの魔力の使用量だ。
訓練はおろか、実戦ですらここまでの魔力を放出している2人は見たことがない。

「キャロ!」

同じく異変を察知したのか、エリオがロビーへと駆け込んでくる。
寮に戻って着替えていたのか、ネクタイはヨレヨレで上着のボタンも掛け違えている。
だが、焦りと驚愕の表情には鬼気迫るものがあった。




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