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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆

1 名無しさん@魔法少女 :2009/11/24(火) 05:30:44 ID:sxkgTGY6
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレ避難所の5スレ目です。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

前スレ
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第100話
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1249470848/

887 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 20:37:56 ID:Wb1ojp1g
>>>>884
L(ふふふ、まんまとフェイト・テスタロッサとすり替わってやったぞ。これでもうマテリアルDに「塵芥」とかマテリアルSに「貴方には何も期待しておりません」って言われなくなるよ!)
アルフ「フェイト、これフェイトのケーキじゃないよね?」
L「え、う、うん僕のじゃないよ」
リンディ(僕…)
エイミィ(僕…)
アルフ(僕…)
クロノ「フェイト、ちょっと僕の部屋に来てくれるかい?」

888 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 20:44:57 ID:1bfGUJuc
>>887
GJだ兄弟。私の脳内も概ねそんな感じだ

L(管理局の魔導師・・・こいつを籠絡しておけば、闇の復活は近い!)
「クロノ兄ちゃん!僕と一緒にお風呂入ろうよ!!背中とか、流して欲しいな!!」
クロノ「・・・あぁ、良いぞ。背中と言わずじっくり隅々まで洗ってやろう」

そして帰宅したフェイト(本物)が見たものは!

889 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 20:50:50 ID:Xtv7Bom6
蕩けきった表情でクロノにおねだりする雷刃ですね、わかりますw

星光さんだと普通に高町家に馴染んでそうで困る

890 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 21:11:53 ID:sE1e1bnY
星光さんは魔法版恭也兄さんっぽいなぁ

891 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 21:28:47 ID:zmsPqRH.
このスレの住人で映画に行った人は?
なにかSSのネタになりそうなのは転がってなかったかな?

892 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 22:11:04 ID:DvWVOeeM
>>888
尻だな

893 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 22:33:24 ID:xvOfmP6c
>>891
一期から新房臭とギャグシーンを抜いて2時間でまとめました。以上

894 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 22:51:44 ID:UMutR.uw
>>888
こういうパターンかも知れない。
L(管理局の魔導士を籠絡して、闇の復活を手伝わせてやる!)
L「クロノ兄ちゃん、僕と一緒にお風呂に入ろうよ!! 背中の流しっことかしたな!」
マテリアルクロノ「年頃の女の子がウンヌン(以下1時間の説教コース)」

895 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 23:01:16 ID:rT/hhN/E
ちょっと独断で性格をまとめてみる
若干ネタばれ注意かも?

星光さん=「負けたが、この戦いができただけでも生まれてきた価値はあった」と言い切る男前。
     下手すると、生まれてから死ぬまで数分しかないのに。
     戦うことに理由は要らず、魂が叫ぶから戦う人。でも、わりと理知的。シグナムさん系?

夜天の王=力はあるけど、計略的でないというか、脇が甘い感じ?
     個人的には、王というより、姫な感じがある。
     時代劇で、権力をかさにしてやり放題だけど、土壇場で家臣に見捨てられたり裏切られる的なアレ。

雷光さん=説明不要のアホっ娘でありボクっ子。
     尻担当の大型新人。

896 名無しさん@魔法少女 :2010/01/24(日) 23:30:06 ID:TZG66dko
考えてみれば、ボーイッシュな娘はいてもボクっ娘は初登場だな。
期待の大型新人というか新参キラーというか。

しかし、マテリアル娘にも名前とか欲しいところだな。
この娘達はリリなの恒例、名前を呼んで(教えて)ができない。
自我に目覚めて成り代わりというのがオーソドックスな題材だろうか?

897 イクスピアリ :2010/01/25(月) 00:44:29 ID:bhucDbDc
>>896
そこはあれだよ
人の数だけ彼女たちの名前があるんだ、と思えばいいじゃないか


しかし以前790辺りにあった発売前の性格予想の王だけ掠ってたね




SSはもうちょい待って
サイトの更新もあるからなかなか時間が……




おまけSS

雷刃「スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!」

なの「……(チラッと期待に満ちた目で見る)」

フェイ「……(顔を真っ赤にしながらバルディッシュを構える)」

フェイ「す、スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!」
雷刃「スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!」

フェイ「スゴいぞ!強いぞ!カッコいい!(ヤケになって振り回す)」

なの「……(o^-')b」

898 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 01:31:24 ID:es5KyTIQ
>>893
小説版の中身を映像化もプラスだな
アリシアの「妹よこせ!」も新規

899 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 02:08:33 ID:CiCHh/TM
>>897 作品投下する時以外はコテを外しておいた方がいいかと思われ。

900 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 04:57:41 ID:qTTcQ.xg
最近気づいたけどクロノってマザコンでシスコンでロリコン?だよな
どっかの赤くて三倍の人みたいだ

901 イクスピアリ :2010/01/25(月) 07:07:07 ID:bhucDbDc
注意感謝
以後気をつけます

なのポのシャマル編ステージ2繰り返して雷刃たんを堪能してる
雷刃たん可愛いよ雷刃たん

902 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 07:23:26 ID:DY7KYLBw
親子丼も母娘丼も新たに妹影丼も余裕の執務官様です
本編じゃカタブツ言われてるけどそれは世を欺く仮の姿

903 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 07:36:18 ID:rf9JCwwc
じつはゲームには「偽フェイト」と「雷刃たん」の2人が存在するから、フェイト三人衆を相手にするのも可能カモネー
偽フェイト→性格はフェイトそのもの。ただし、初期のほうの不安定なな精神状態のときのフェイトのコピーなので、
精神状態は常にネガティブ。失ったときの事を考えて、幸せを怖がる。

904 522 :2010/01/25(月) 21:29:06 ID:n/WgRjzs
522です。
拙作の『ガンバレ女の子』の後日談でシグナムを弄りたくて書きました。
タイトルは「続・ガンバレ女の子」です。

905 続・ガンバレ女の子(1/9) :2010/01/25(月) 21:29:54 ID:n/WgRjzs
広大な次空を監視する局内とはいえ、事件さえ起こっていなければ基本的に平穏そのもの。
ちょっと廊下を歩いていれば井戸端会議の如く世間話や噂話に花を咲かせる女性たちがちらほらと。

「ねえねえ聞いた? ほら、エリオ三等陸士のこと」
「知ってる! 同じチームのスバル・ナカジマさんといい雰囲気なんだって」
「えー、エリオくんにはキャロちゃんがいるじゃない。 あの初々しさがよかったのに……もしかして三角関係?」
「そうでもなさそうなんだよね……いっつも3人でいるし。 ひょっとしたらエリオくんって甲斐性あるのかも」
「うんうん。 なんたってあのフェイト執務官の秘蔵っ子だからね」

特に好いた惚れたの話には敏感で常に最新の情報が入り乱れて局内をあっという間に駆け巡る。
―――が、しかしである。
その女性陣ですら裸足で逃げ出す逸話もこの局内には存在する。
カツンと廊下を鳴らす靴の音に女性陣が恐れおののく。
海を割るモーゼの如く女性陣を両壁に貼り付かせ、ど真ん中を歩く人こそがライトニング小隊の副隊長シグナム二等空尉である。
某世界の北欧神話を地で行く騒動を引き起こし、未だ爪痕を残すこの局内でこの話は禁忌とされ今に至る。
ちなみに彼女の保護者である八神はやてはその後始末に追われて本局へ出頭中だ。
死人が出なかったのだけは不幸中の幸いである♨

906 続・ガンバレ女の子(2/9) :2010/01/25(月) 21:32:10 ID:n/WgRjzs
「ヴァイスがあんな不誠実な男とは思わなかったぞ!」

酒の席でシグナムが早速愚痴をこぼした。
普段は寡黙な彼女だが相当鬱憤が溜まっているらしい。
けどそれに付き合わされるヴィータとシャマルはウンザリしていた。

「聞いているのかヴィータ!」
「……聞いてるって」

しかしこう何度も何度も絡まれてはせっかくの酒もがまずくなるというもの。
散々愚痴を聞かされてきたヴィータは沸点が低くなっていて、さらには酒の勢いも手伝って今度は逆に絡み始めた。

「だいたいヴァイスが浮気したのはおまえにも原因があるんじゃねぇのか?」
「なッ……私にか!?」
「そうだ。 おまえがヴァイスを満足させていれば浮気なんてしねーって」
「そっかぁ。 ヴァイス君もシグナムとできないことを彼女にお願いしていたのかも」

シャマルに痛いところを突かれてシグナムが凹む。
言われてみれば色々と心当たりがあるからなおさらだ。

「そもそもおまえとヴァイスってあっちの方はどうなんだ?」
「あ、あっちの方……?」

やけに抽象的な物言いだが突っ込まれたシグナムが途端に言葉を詰まらせる。

「……ガキじゃないんだからやることはやってるんだよな?」
「そ、それは……もちろん……」

先ほどまでの勢いはどこへやら、やけにしおらしくなるシグナム。
めでたくヴァイスと結ばれてからの度重なる逢瀬を思い出して頬を赤らめるところはまさに女の子である。
滅多に見られない仲間の一面にシャマルが面白がってさらにツッコミを入れる。

907 続・ガンバレ女の子(3/9) :2010/01/25(月) 21:33:02 ID:n/WgRjzs
「じゃあ二人はどんなふうにエッチしてたのかな?」
「どどど、ど、どんなふうって……そ、そこまで聞かなくてもいいだろう!」
「えーーー、ここは重要だよ。 ヴァイス君がシグナムのどこに不満があったのかわからないでしょ?」

ヴィータも同じ考えらしくうんうん頷いている。
当のシグナムも自分のどこに不満があったのかは知りたいようで、3人の中では一番大きな身体を縮みこませてボソボソと口を開く。

「それはその……ふ、普通に……」

どこまでが普通なのかはわからないが初々しいシグナムの反応が逆にイラっとくるヴィータ。

「だから普通ってなんだよ!」
「ふ、普通は普通だ!」
「もしかしてやるときは部屋を暗くしないとできないとかぬかすんじゃないだろうな! ヴァイスのちoこをしゃぶったりそのムダにでかいおっぱいで挟んだりしてないのか、ああ゛!?」
「んなッ!?」

具体的な行為を言われて真っ赤になって戸惑うシグナム。
特におっぱいのくだりにはなんとなくだが悪意を持って聞かれているようにも思える。

「そそそそそ、そんなことできるか!」
「はぁ……ったく、そんなんじゃヴァイスが浮気すんのも仕方がねぇな」
「ど、どういう意味だ!」
「ガキじゃあるまいし、今どきフェラとかパイズリくらい普通だろ普通」

908 続・ガンバレ女の子(4/9) :2010/01/25(月) 21:34:22 ID:n/WgRjzs
ヴィータに言わせるとシグナムがしてきたエッチはオママゴトかそれ以下で、よくヴァイスが我慢してきたなと感心するくらいの純粋培養さである。
ためしにとヴィータが舌を出してアレを舐めるフリをしただけで撃沈してしまうくらいライトニング小隊の副隊長様はピュアだった。

「で、では聞くがヴィータ、おまえはしているのか?」
「当然だろ」

パイズリができるかどうかの是非は問わないがとにかくすごい自信で、ふふんと小さな胸を張って即答する彼氏持ちのヴィータ。
ちなみに相手がロリコンであるのは局内では割りと有名である。
こうしてヴィータ>シグナムな構図になってきた―――と思いきや、意外な伏兵がここぞとばかりに横槍を入れてきた。

「そうよねぇ、この前なんか局内でシテたもんね」
「なッ……なんで知ってるんだよ!」
「ヴィータちゃんのところは本当にお盛んなんだから」

どこぞのヤリ手バ×ァみたいにおほほほとシャマルが笑う。

「でもね、局内でするときは注意しないとダメよ。 みんなに気づかれないように結界を張るの大変だったんだから」
「そ、そうか……大丈夫だと思ったんだけどな」

さすがに局内で性行為に及んでいるのがバレたら始末書では済まされないのはヴィータもわかっていた。
けど彼氏がどうしてもとお願いしてくるものだから行為に及んだらしく、しかも思っていた以上に良くて周りが見えてなかったようだ。
そして話はまだまだ続く。

「でも『お兄ちゃんプレイ』には私も驚いたなぁ」
「ちょ、シャマル……」
「あのヴィータちゃんが『お兄ちゃん』って言いながら甘えるところなんて私も初めて見たわ」

あれを見たのかとヴィータは戦慄して頬を引き攣らせる。
自分でも似合わないとわかっていてもいざやってみると彼氏が思いのほか悦ぶからやらないわけにもいかない。
それにやらないときとは勢いも量も段違いで通常の3倍はあろうかと。
だから最近では自ら進んでやっているのだ。

909 続・ガンバレ女の子(5/9) :2010/01/25(月) 21:36:09 ID:n/WgRjzs
「べ、別にいいだろ! それにシャマル、おまえだって医務室にくる男どもを手当たり次第に食ってん知ってんだぜ!」
「あら、あれは治療なのよ?」

悪びれもせず、あくまで治療行為と言い張るシャマル。
なんでも局員(男性のみ)の健康を守るために一肌脱いでいるらしい。
時には一肌どころか全裸になって、またある時には一肌も脱がずに行為に及ぶこともあるという。

「あれが治療かぁ? なんかフラフラになって出てきたのを何度か見たことあるぜ」
「う〜ん、ちゃんと薬を処方してあげてるのにヘンねぇ」
「なんの薬だよ。 5・6人がやつれて出てきたときなんかゾッとしたぞ……どんだけ搾り取ったんだか」

八百比丘尼よろしくいつまでも若々しくてお肌がツヤツヤなのは男の精気を吸い取っているとかいないとか。
しかしそんな噂がまことしやかに流れても医務室のドアを叩く男性局員の姿は後を絶たないらしい。
二人の話が続く中、シグナムだけがついていけずにポツンと蚊帳の外。
あまりにも違いすぎる仲間の性生活にカルチャーショックを受けていたとき、ふとシャマルが中座してその場が一段落する。

「……お、おまえたちってすごいんだな。 その、あっちの方は……」
「そうか? もっとすごいヤツもいるぞ。 例えば―――」
「い、いや、言わなくていい……」
「そうか? 結構身近なヤツなんだけどな」

んーっと天井を眺めてそのすごいヤツのことを思い出すヴィータ。
人外魔境と化した局内も去ることながら遥か遠い存在になってしまった同僚にシグナムは畏怖すら感じていた。

「それよりもシグナム、おまえの方だ!」
「わ、私か?」
「ああ、いつまでもこのままってわけにはいかないだろ。 ヴァイスと続ける気はあるのか、それとも別れるのか……どっちなんだ?」

シグナムはいきなり二択を迫られ言葉に詰まる。
そもそも浮気をしたヴァイスへの怒りはあっても別れるという選択肢はなかった。
何しろ初めて(*^^*)の相手でもあるし、男と女の関係には疎いからそこまで頭が回っていないのが本当のところ。
けどよくよく考えてみると世間の常識では十分有り得るのだ。

910 続・ガンバレ女の子(6/9) :2010/01/25(月) 21:37:49 ID:n/WgRjzs
「男はあいつだけじゃないんだ。 もっといい男がいるかもしれねーぞ」

もしかするとヴァイスよりも誠実な男がいるかもしれない―――という考えがシグナムの頭によぎる。
だがそれも一瞬のこと。
不埒な考えを振り払って自分を恥じるほど彼女は一途だった。

「……ダメだ。 やはり私にはあいつ以外に考えられない」
「じゃあヴァイスを満足させるしかないな」
「ど、どうすれば……」
「決まってんだろ? おまえがあいつの欲求不満を解消させんのさ。 色々やりたいことあるみたいだしな」

ニヤリと笑うヴィータを前にしてシグナムはやはりそこに至るのかと盛大に凹む。
何しろヴァイスは青姦でコスプレ擬似レイプまでやらかす猛者で、躊躇せざるを得ない。
初心者のシグナムにとってそれはハードルが高すぎた。

「しかしだな、私はおまえたちと違って、な……何も知らないんだぞ」
「だよな。 教えてやってもいいんだけどヴァイスが自分の手で仕込むって手もあるからな……」
「わ、私が、ヴァイスに……?」

イメージとして先日のご乱交を思い出してティアナと自分を置き換えてみる。
猿轡をさせられて騎士甲冑服姿のまま尋問プレイを強要される自分―――

「できるかそんなこと!!」
「できるかじゃねえ! やるんだよ!」
「そうよシグナム。 諦めたらそこで試合終了だよ」

ここでようやく戻ってきたシャマルが頭に血が上った二人を宥める。
シグナムの隣に座って菩薩のような笑顔を向けると不思議と荒廃した心が落ち着く。
戦士タイプの二人にはなんだかんだ言っても空気を和ませるシャマルのような人間はありがたいのだ。

911 続・ガンバレ女の子(7/9) :2010/01/25(月) 21:39:19 ID:n/WgRjzs
「ん? ゴミがついてるぞ、シャマル」

ふと目に付いた糸くずをシグナムが取ってあげる。
管理局のスゴ腕とはいえ女性なのだから身嗜みには気を遣う。
特にシャマルは医務官として局内に勤めているから常に清潔にしなければならないのだ。
が、しかし―――

「……………………………………」

取ってあげた糸くずをじっと見つめるシグナム。
なぜだか見覚えがある―――と思ったら恥ずかしい毛だった。

「なんだこれはあああ!!!」
「はぁ、やっぱり食ってきたのかよ……」
「やっぱりってなんだ! 知っているのかヴィータ!?」
「だから男を食ってきたんだよ。 シャマルの好きそうなヤツがいたからな」
「こ、ここは店の中なんだぞ……」

よく見ると毛の色がシグナムともヴィータともシャマルとも違うため、火を見るよりも明らかだった。
シャマルはシャマルで「バレた?」と悪びれもせずに笑顔のまま。
自分とはあまりにも違いすぎる意識の差にシグナムは「ひょっとして私の方がダメなのか?」とさえ思うようになってきたのはもはや重症だった。

「でも今は私よりもシグナムよね」
「ああ。 ヴァイスの望みを叶えてやるためにもここは一肌脱いでやらないとな」

シャマルの吐く息がなんとなくイカくさく、ロリコン彼氏に開発されたヴィータがSっ気たっぷりな笑みを浮かべる。
シグナムは少女のように恐れおののく。
古代ベルカ総合AA+と古代ベルカ空戦AAA+の魔導師に挟まれては、いかな古代ベルカ空戦S−とはいえ逃げ場などありはしないのだ。

「ちょ、ちょっと待て二人とも……私はまだやるとは―――」

まだ何も知らないシグナムが二人の手で穢されていく……

912 続・ガンバレ女の子(8/9) :2010/01/25(月) 21:40:26 ID:n/WgRjzs
「俺だって最初は断ったんだよぉ……」

暗い夜道を歩く男が二人。
ヴァイス・グランセニックとグリフィス・ロウランの意外な組み合わせである。
どうしてこうなったのかというと、たまたま落ち込んでいるヴァイスにグリフィスが声をかけたのが運の尽き。
酒の席で愚痴を聞かされただけでなくベロベロに酔っ払ったヴァイスを家まで送り届けている途中だった。

「自業自得だ」

本当にその通りである。
断っていたのならどうしてこうなったのだと何度も問い質した。
しかしあの惨状を見てしまっては捨て置くこともできず、二人の再構築に力を貸そうとしていたのだ。
まあ謝ること以外できないのだが。

「ほら、家に着いたぞ」

ほどなくしてヴァイスの自宅に到着する二人。
後はベッドに放り込めば任務終了というところで事態は急展開。
自分も酔っているのか、ドアを開けたところで幻覚が見えた。

913 続・ガンバレ女の子(9/9) :2010/01/25(月) 21:44:25 ID:n/WgRjzs
「お……お帰りなさいませ、ご主人さ―――ま゛!?」

そこには烈火の将と敵だけでなく最近では味方にまで恐れられるようになったライトニング小隊の副隊長シグナム二等空尉がいた。
問題はその姿で、普段の凛々しい出で立ちとは遠く離れたイメージのメイド姿。
特におっぱい魔人と謳われる所以のおっぱいがはち切れるかと思えるほど胸元が開いたデザイン。
さらには頭に天使の輪っかと背中に羽までついているステキな衣装だから「誰?」と思わずにはいられない。

「グ、グリフィス……なぜ貴様がここに……」

幻覚かと思えるシグナムが血を吐くような声で、わなわな震えながら下から上へみるみる顔が赤くなる。
常人ならば停止した思考回路できっと幻でも見たのだろうと思うのだが、そこは八神はやてが本局へ出頭中のため留守居役を勤める機動六課部隊長補佐。
すばやく頭が回転してビシッと直立不動の姿で敬礼する。

「ヴァイス・グランセニック陸曹を連れてきました。 引継ぎ、よろしくお願い致します」
「ああ……ご苦労」

毅然とした態度を見せるグリフィスにつられてシグナムも敬礼で返す。
大人の対応で、メイド姿なのは気にしない。
自分は何も見ていないし聞いてもいないとグリフィスは頭の中で繰り返し、呆然とするヴァイスを引き渡してさっさと回れ右をする。

「それでは自分はこれで失礼します」
「ちょ、ちょっと待てグリフィス! こここ、これはだな……」
「なんでしょうかシグナム副隊長。 自分は何も見ていませんが?」
「だから違うんだ! 頼むからそんな笑顔で見るのはやめてくれええぇぇぇえええぇぇえ!」

その夜、ヴァイス宅から身を切り裂くほど哀しい女の叫び声が聞こえたという。
翌日―――

「あれ、シグナムまだ来とらんの? ヴィータ、シャマル、何か知っとる?」
「な、何も聞いてない……」
「わ、私もぉ……」

―――END

914 522 :2010/01/25(月) 21:45:30 ID:n/WgRjzs
以上です。
ほとんど勢いで書いたものですがありがとうございました。

915 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 21:47:39 ID:59i4SsHM
リアルタイムで久しぶりに読んだぜGJ。

何やってんすか、烈火の将wwwww

……あ。ちょっと腹具合悪いみたいなんで、医務室行ってきます。
今晩、シャマル先生の宿直でしたよね?

916 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 22:11:31 ID:0G1DhfgE
GJ。GJだぜ兄弟

だがしかし、だがしかしだ
ここで終わりじゃねぇでしょう?これで終わりはねぇでしょう?

エロテンカイマダー?

917 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 23:33:13 ID:TVlWxiQM
乙、猥談いいよ猥談。
どのキャラに目を向けても良い展開で続きそうな話だ。
しかし局内でお兄ちゃん・・・何その脳髄がとろけそうなプレイ。
俺と代われ。

918 名無しさん@魔法少女 :2010/01/25(月) 23:43:06 ID:7GsTleRM
ヴィータの「お兄ちゃんプレイ」が見たい!

919 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 00:22:54 ID:.bISv/Ss
GJ!

なんというシャマルさんのビッチぶりwww
でも良いよ、エロ可愛いから!
んで、ヴィータが一体どんな男と付き合って、どんなプレイをしてるか実に気になるwww
良いカオスでした。

しかし、このウブなシグナム姐さんは可愛いなぁwww

920 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 01:38:04 ID:Dh11Q0wk
確かにキャラ被ってるよなぁ、あの聖人さん。

つまり、どっちも大好きだ

921 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 09:43:46 ID:lLa0EIT2
>>914
いやいやGJ!
面白かった。ここまできたら、ヴィータ編もぜひ書いてほしいわw

922 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 18:35:06 ID:S3cH7yM.
マテリアルD「うぬを闇の末席に加えてやろう」
マテリアルL「え、いいよ。僕ひとりで災いを振りまくんだ」
マテリアルD「王の言葉ぞ!」
マテリアルD「は、はい!」
マテリアルD「うむ苦しゅうない」
マテリアルD「そ、それで僕はどうすればいいの?」
マテリアルD「闇の書の闇の復活は無論だが、我の威光をあまねく示すのだ」
マテリアルD「分かったよ、じゃあ行ってきます」
マテリアルS「……むなしくないですか?」
マテリアルD「あ、う、うぬを闇の末席に加えてやろう!」
マテリアルS「いやですよ」
マテリアルD「塵芥!塵芥!塵芥!塵芥!うぇ〜ん!」

923 サイヒ :2010/01/26(火) 19:57:13 ID:YARNpUpE
「クロノ」「尻」という言葉が連発されてるのに反応して半年振りにやってきました。

久々の投下は、ユーなの・クロフェ・ゲンはやが山もオチも特になくいちゃつく話。
全体的に微エロ。

924 その冬の日 :2010/01/26(火) 19:58:02 ID:YARNpUpE
 その冬の日、無限書庫の空調設備が壊れた。



「…………寒い…………寒い…………寒い…………寒い…………とにかく寒い」

 ぶっ壊れたテープレコーダーのようにぼそぼそ同じ単語を呟きながら、ユーノはいつもの三倍増しの速度で仕事
をこなしていた。
 朝からずっと部屋の中にご滞在中の寒気は、身が切られるほど厳しい寒さというわけではないが、しんしんとし
て重たく、皮膚から染みこみ骨にまで至ろうとしている。
 特にキーを打つため防寒のしようがない指先は、ぴりぴりとした痒さを感じつつあった。

「しもやけ、覚悟しといた方がいいかな……」

 あと、腹の回りにべたべた貼りつけたホッカイロによる低音火傷。
 とにかく一刻も早くこのシベリアもどきな書庫を出なければ、とかじかんだ指を必死で動かすユーノ。
 そこへ、まったく予期していなかった訪問者がやってきた。

「ユーノ君、寒いのにお仕事ご苦労様」
「なのは?」

 恋人の到来に、一瞬だけ寒さと帰宅への渇望を忘れてユーノは手を止めた。
 なのはの格好は教導官服ではなく私服。手にはバッグと魔法瓶を持っている。

「フェイトちゃんとメールしてたら無限書庫が大変なことになってるって聞いたから、差し入れ持ってきたの。ユー
ノ君達が帰っちゃったら意味ないから急いで、あんまり手の込んだ物は作れなかったけど……」

 言いながらなのはは魔法瓶を開け湯気の立つ中身をカップに注ぎ、バッグからはラップに包まれた物を出した。

「こっちはコンソメスープで、これはおにぎり。炊き立てのに保温魔法かけてきたからあったかいよ」
「わざわざ持ってきてくれてありがとう。すごく嬉しいよ」
「そんなたいしたものじゃないけど……。おにぎりは中身梅干のしかないし」

 寒中炊き出しそのままな差し入れである。
 なのはが言った通り、おにぎりだけでなくスープもあまり手の込んだではなかった。匂いからしておそらくイン
スタント。申し訳程度に具として葱が入っているだけ。
 それでも今の凍えきったユーノにしてみれば、フルコースのようにありがたい食べ物だった。
 口にしたスープは、冷たくなった唇には火傷しそうなぐらい熱く感じられたが、身体を暖めたいという欲求が勝っ
た。あっという間に一杯飲み干してしまう。
 飲み込んだばかりの液体が、腹の中でじわりと広がり芯から身体が温まり、強張ったからだがほぐれる。涙腺ま
で緩んで思わず涙が流れかけた。
 恋人が魔王でも般若でもなく菩薩で女神に見え、ユーノの頭は自然と下がった。

「本当にありがとう」
「ユーノ君、そんな頭まで下げなくても」
「約束するよ。来月は絶対にデートを仕事ですっぽかさない。残業もできるだけしない。デートのお金も全部僕が
持つ」
「…………そんなに寒かったんだ」

 あまりの感動っぷりに若干引き気味のなのはが、二杯目を注いでくれる。渡してもらう時に、ユーノの手がなの
はの指に一瞬だけ絡んだ。
 ここで好きな男の子の手が触れたことに驚いたなのはがカップを落として大騒ぎ、などという段階はとっくの昔
に卒業しているので何もハプニングは起こらなかったが、ユーノが触れた部分をなのははしげしげと眺めていた。

925 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 19:59:03 ID:YARNpUpE
「本当に寒かったんだね。手が氷みたいに冷たかったよ」

 視線を自分の手からユーノの手に移すなのは。その指先が伸びてきて、ユーノの手をカップごと包んだ。
 なのはの身体は、指の一本一本までも柔らかい。その柔らかい指先が、手の甲を軽く擦るように動く。
 ユーノの持つカップに入っているのは熱々のスープ。一方なのはの手は体温以上の温度になるわけがない。温かさ
なら手の内側の方が上のはずなのに、触れていたいのは外側だった。

「なかなかあったまらないね」
「うん、まあ、その……」

 ギャラリーがいないとはいえ、さすがにユーノも恥ずかしくなってくる。かといって手を引くには惜しい温かさが
ある。終了の言葉が胸と喉の間を行ったり来たりで、いつまで経っても口から出ない。
 どのへんで切り上げたものかと視線を天井にさまよわせているうち、なのはの指が手の甲から手首に進んできた。
軽く握られ、なのはの方へ引かれる。
 なんだか目つきが怪しいと思いつつ、引かれるままに片手をカップから外すユーノ。

「……こうしたら、もっと温まるかな」

 言うが早いが、なのははユーノの指を口元へ運んだ。
 凍えて縮んだ人差し指が、桜色の唇に食まれる。
 スープよりもはるかに熱い液体が、にちゃりと指に絡みついた。

「ちょっ!? なのはっ!?」

 さすがにユーノは狼狽した。
 なのに、指は意思に反してなのはの口から出せない。恋人の口内の温かさを感じたいとばかりに、頑として口から
動こうとしない。
 それを承諾の顕れと見たのか、なのはの舌が指全体を包んだ。
 唾液を摩り込むように、舌がぬるぬると動く。
 ちゅぷり、ぴちゃりと、淫卑な音が静かな司書長室に響いた。
 人差し指が終われば次は中指。その次は薬指。小指に行くかと思いきや、また人差し指に戻る。
 指がふやけそうだと感じた頃、動きが変わった。
 ずるりと指がすぼめた唇から引き出される。
 一泊呼吸を置いたなのはがちろりと唇を湿すと、中指を付け根から指先までたらりと舐め上げた。そのまま爪と皮
膚の間をくすぐるように舐め回す。
 明らかに、指を別のものに見立てた口技だった。
 愛撫される指先に体中の神経が集まっていく。舌のくぼみ一つに到るまで感じられそうなぐらい、指の感覚が尖っ
ていく。
 いつのまにか、ユーノは自分から指を動かしていた。積極的になのはの舌へ指を巻きつけ、唾液を掬いとる。なの
はも応えて、いっそう情熱的に舐め立ててくる。
 乾いた喉が、無意識で音を立て唾を飲み込んだ。
 もう寒さなど、どこかに吹き飛んでいる。代わって熱いものがどくどくと心臓から全身に流れ出していた。

「ん……ぷはぁ……」

 息苦しくなったのか、なのはが一度口を離す。その目元がわずかに潤んでおり、頬が上気していた。
 そういえば、ここ二週間ほどはスケジュールが合わずご無沙汰だった。正直、相当溜まっている。なのはもだろう。
 どの辺りからなのはがその気になったのかユーノには見当つかないが、少なくとも今は完全にその気になっている。
それは、ユーノも同じだった。
 まだ唇に残っている指を引く。引いた分だけ、自分の唇を近づけた。

「んんっ……ユーノ、くぅん…………あぁん……」

 唇をさらに深く合わせ唾液の甘さに酔いしれていきながらも、ユーノは一瞬だけマルチタスクを展開させる。
 今日の残してある仕事を明日以降に回した場合のスケジュール変更を三秒で完了。
 あとはもう、ひたすら眼の前にいる恋人のことだけをユーノは頭は考え続けた。

926 その冬の日 :2010/01/26(火) 19:59:54 ID:YARNpUpE
          ※



「…………高町教導官、ちっとも出てこないですね」
「いつものことだけど、独り者には目の毒だよなぁ」
「ほんと、あんまり見せつけないでほしいですよね、この間、書庫の片隅でキスしてるの目撃した時の気まずさっ
たら……」
「まだましだ。俺なんかうっかり本番の最中に部屋入りかけたんだぞ」
「もうちょっと自重してくんないかな……」



「いや無理だろ」

 耳に入ってくる独身組司書達の愚痴に、アルフは小声で突っ込みを入れた。
 あの司書長と教導官は、時たま倫理観というやつがすっぽり頭から抜け落ちる。このあたり、大人びているよ
うでも若くて青くて熱い。

「まあ、自重してほしいってのは同感だけど」

 最近会えていない恋人のことを思い出し、少々センチな気分になりながらアルフは帰り支度を始めた。
 なのはの差し入れはアルフ達の分もあったが、量そのものは多くない。健啖家のアルフは食ったらかえって腹
が減った。さっさと帰って大盛りのあったかいご飯とやけくそに熱い風呂でも堪能して寝よう、と決めてアルフ
は席を立つ。

『はぁはぁ……ユーノ君、もうここに泊まっちゃっていい?』
『うん、なのはの着替えも用意してあるから、この間みたいに朝になって大慌てってことはないよ』
『だったらベッドに行って四回目……しよ?』

 司書長室からかすかに聞こえてくる声を全力で無視し、アルフは家路へと向かった。

927 その冬の日 :2010/01/26(火) 20:00:37 ID:YARNpUpE
          ※



 その冬の日、ハラオウン家周辺で大規模かつ長時間の停電が起きた。



「…………だからってこれはどうなんだ?」

 クロノは呆れ半分、諦め半分の気分で呟いた。
 独り言だったのだが、身体の上から返事が返ってくる。

「だってお風呂にも入れないし電気毛布も使えないんだから、こうするのが一番あったかいよ」
「いや、だけど……」
「クロノはいつも、体調管理も仕事のうちって言ってるよね。風邪引いちゃったりしたらだめだよ?」
「だからといって……」

 言いたいことは色々あるのだが、間近で囁かれる恋人の甘い声と、胸板に押し当てられた柔らかくふくよかな感
触のせいで、喉の辺りで霧散しうまく言葉になって出てくれない。
 冬の夜は七時過ぎの今現在、自分のベッドにいるクロノが身につけているものは衣服ゼロ、布団数枚、あと体の
上にフェイト。
 有体に言ってしまえば、クロノとフェイトは布団の中で全裸でくっつきあっているのだった。
 発案者はフェイト。食事を済ませた後にクロノの部屋へ来て、寒い時に暖まるにはこれがいいと言い出し、反論
する暇も与えず有言実行してきたわけである。
 肉布団、などという卑俗な言葉が頭をよぎり、顔と下半身に余計血が回る。

「こうしてても、ちょっと隙間風入ってきて寒いね」

 クロノの興奮を知ってから知らずか、寒そうに身震いしながらフェイトはいっそう身をくっつけてきた。
 顔のすぐ近くにきたフェイトの肌の匂いが、クロノの鼻腔に届く。
 風呂に入れなかった、というフェイトの言葉を思い出された。一日を過ごしたまま清められなかった身体からは、
いつもよりはっきりと甘やかな香りが匂い立っている。
 触覚だけでなく嗅覚にも強烈な刺激を受け、クロノの分身はもはや臨戦態勢となっていた。

「んっ!?」
「どうかしたの?」
「いや、なんでも……ない」

 実は大いになんでもあった。
 フェイトがちょっと身体をずらした拍子に、下半身で元気になっているものがフェイトの尻の割れ目にぴったり
と押し当てられたのだ。
 息遣いに合わせてフェイトの身体がわずかに揺れると、当てられた柔らかい尻肉がクロノのものを刺激してくる。
 愛撫というにはささやか過ぎる上下運動。それでもフェイトの裸を見た時から興奮していたクロノの性器は、もっ
と先が欲しいとひくひく痙攣するように動いていた。このままだと無様に暴発する恐れすらある。

「やっぱりどうかしたんじゃないかな?」

 どこかいたずらっぽい声と共に、フェイトの腰が大きく揺らされた。

「…………っ!!」

 いきなりの刺激にクロノはなんとか声は抑えたものの、腰が跳ね上がるのは止められなかった。
 そういう反応を愉しそうに眺めているフェイトは、どう見ても分かっていてやっている。
 気恥ずかしさに視線を外そうと横を向けば、頬に手を当てられ正面を向かされた。

928 その冬の日 :2010/01/26(火) 20:01:29 ID:YARNpUpE
「クロノずいぶん恥ずかしがってるけど、停電してなくても結局こういうことしたはずだよね」

 くすり、と笑って、フェイトの唇から舌が伸びてきた。
 暗がりでも鮮やかに赤い舌が、ぺろりとまつ毛の上を舐めた。

「顔もずいぶん冷たいね」

 布団から出ていて冷えた顔を、フェイトの舌が溶かしていく。
 耳から頬。顎へと下って喉をくすぐり、逆の耳へと上っていく。丹念な舌遣い。なのに、唇にだけは絶対に触れ
ようとはしてくれない。
 ずっと当たりっぱなしだった胸も、軽く持ち上げられてしまう。硬くなり出した先端だけが、つんつんと胸をつ
ついてくる。
 上から下まで生殺し状態とされたクロノはもう言葉もなく、完全にまな板の上の鯉だった。

「ちゃんと言ってくれたら、キスもその先もしてあげるけど、どうする?」

 真紅の瞳が、クロノの瞳の奥まで覗き込んでくる。そこにあるのは、フェイトにしては珍しい嗜虐の色。
 今夜は最初から最後までフェイトに遊ばれそうな予感を覚えつつ、クロノは欲情のままに流されることにした。

「…………したい」
「誰と? なにを?」
「君と…………セックスしたい」
「うん、よく言えたね」

 母親が子供を褒めるように、頭が撫でられる。しかし口元には、母性とは真逆の妖しい笑みが浮かんでいる。男
を手の中に収めた女だけが浮かべる笑み。
 その笑顔のまま、貪るような口づけが落ちてきた。



          ※



『んん…………だめだよクロノ、あったかいミルクは口じゃなくてこっちにくれないと……』

『つぅ……! 本当に、君の中はいつも熱くてきついな』

『ねえクロノ、次はお尻に温かいのちょうだい……』



「寝れるかちくしょう!!」

 一声吼えて、アルフは被っていた毛布を跳ね上げた。
 いつも寝る時は人間姿なのだが、今日は少しでも暖を取るべく毛皮の分だけ防寒度の高い狼姿になっていた。
 それが仇になった。なにしろ狼の聴覚は十メートル先に針が落ちた音でも楽勝で拾える。いわんや隣の部屋で
行われている情事ボイスなど、それこそ大音量スピーカーの如く聞こえてしまう。
 そしてアルフのことなどすっかり忘れているらしい二人に、自重の気配は欠片も見られない。いつものことだ
が。
 期待していた風呂には入れず、食事もインスタントで済まされたアルフのいらいらは頂点に達しかけていた。

(とりあえず、フェイトへの文句とクロノへのヤキ入れは明日するとして…………今晩どこで寝よっかね)

 一晩中家族のギシアン声を聞かされるのも、人間姿で寒さに震えながら寝るのも嫌だ。もうどこか違う家へ避
難しようとアルフは決心した。

(でもリンディとエイミィは温泉旅行中でいないし、なのはとユーノは無限書庫外泊コースだし。他に行ける家は
…………あ、なぁんだ)

 はたと気がついたアルフは、ぽんと手を打つ。
 たとえこういう事態になってなかったとしても、行きたい家が一軒あった。

929 その冬の日 :2010/01/26(火) 20:02:33 ID:YARNpUpE
          ※



 その冬の日、八神家の暖房器具が軒並み壊れた。



「そういうわけで宿借りに来ましたー。いいですよね?」
「まあ、そういうことでなくてもいいけどな」

 玄関口で説明を終えたはやての背後をゲンヤは見回した。
 よほどのことが無い限り彼女の傍らにいるはずのヴォルケンリッターが、一人も見当たらない。

「シグナム達はどうした?」
「あー……あの子達は留守が無用心にならへんようにって、家に残っててくれてます」
「全員が、か」
「全員が、です」

 はやてのちょっと気まずそうな顔で、だいたいのところをゲンヤは察した。

(こういうことに気を利かせてくれる家族がいるってのはありがたいな)

 はやてだけではなく、ゲンヤにとってもありがたい。
 今度八神家に行く時は土産を持っていこうと思いながら、はやてを家にあげてやる。
 リビングではやてがお泊りセットを解いている間に、ゲンヤは台所へ向かった。

「コーヒーかココアかどっちがいい? ああ、ホットカルピスもいけるぞ」
「あのですねゲンヤさん、もう私は子供ちゃうんですから、あったまりたい時はアルコールを勧めるもんでしょ
う?」
「三佐だろうが酒飲めるようになっていようが、お前はまだ子供みたいなもんだろ」
「そんなことありませんて。こないだだって服屋の店員さんに、お客様にはこういう大人っぽい衣装が似合われ
ると思いますって言われましたよ」
「そりゃ売れ残りの服押しつけたかっただけだろう」
「むぅ……ゲンヤさんがいじめるー」
「だいたいな、好きな男の家へ来るのに一々理由がいる時点で子供だ」

 うぐっ、と言葉に詰まり、そのままはやては静かになった。

(……まあ、娘ぐらいの年頃の女に手を出してるあたり、俺もまだまだ子供だけどな)

 愛に年齢差など関係ない、などと唇が火傷しそうなことをほざけるわけではないし、ええ歳した大人のとるべ
き行動でなかったことは確実である。もっとも、後悔は微塵もしていないが。

(なんとなくあいつをからかいたくなるあたりも、そうかもな)

 後で多少は機嫌をとっておかねば、と思いながらゲンヤは冷蔵庫の中を見繕う。
 ここで本当にホットカルピスなど持って行ったら確実にむくれられるため、燗をつけても大丈夫な酒を手にし
た時だった。
 下半身に、なにやらごそごそと触れるものがある。視線を下ろせば、リビングにいたはずのはやてが膝をつい
てゲンヤのズボンに手をかけていた。

「……なにやってんだお前」
「子供にはできないこと、やろうとしてるとこです」

 見上げてくるはやての顔を見た瞬間、ゲンヤはいじくりすぎたことをおもいっきり後悔した。

930 その冬の日 :2010/01/26(火) 20:03:54 ID:YARNpUpE
「おいこらちょっと待て八神。さすがにここはまずい」

 台所からだと、窓から隣の家へけっこう音が漏れる。
 はやてとの関係は、せめて結婚まではご近所へ秘密にしておきたい。ロリコン呼ばわりされるのは職場だけで
十分だった。

「子供やから大人の言うことなんて聞きませ〜ん」
「大人扱いされたいのか子ども扱いされたいのかどっちだ!?」

 制止も聞かず、はやてはゲンヤの股間をズボンの上から撫でてくる。
 やめさせようにも、ゲンヤの両手は酒とグラスで塞がっていた。
 寝所以外の場所ですることに興奮を覚えるような年は過ぎたが、愛している女が下半身に触れているという事
態にはさすがに反応せざるを得ない。

「あ、おっきなってきた」
「…………すまんかった。謝る。だからここでするのだけはやめてくれ」
「だったらもう子供扱いするのやめてください。それと八神じゃなくてベッドの中みたいにはやてっていつでも
呼んでくれたらやめたげます。ついでに布団までだっこして行ってください。あ、こないだ見つけたマフラー買っ
てくれるのも追加で」
「……要求多いぞ」
「じゃあこのままここで」
「分かった分かった。分かったからベルトを外そうとするな、はやて」

 特大のため息をついて、ゲンヤは恋人を持ち上げた。華奢な軽さと、人肌の温もりが腕に伝わってくる。
 お姫様だっこ状態がご満悦なのか、はやては相貌を崩す。
 その顔はまだまだ子供で、そのくせほんの少しだけ大人っぽかった。

(……なんだかんだで、こいつも女になってんだな)

 こちらは男というよりお父さんな顔になりながら、ゲンヤは寝室へ向かって歩み出した。



          ※



「ふえっくしょい!! おいシグナム、もっと火出せるだろ」
「鼻をかんでからしゃべれ。それと室内でこれ以上火力を強めたら危険だ」
「大丈夫、いざという時でもリインちゃんがぱぱっと消してくれるわ」
「はい、リイン頑張るです! でもシャマル、部屋の中で氷結魔法使ったりしたらもっと寒くならないですか?」
「…………シグナム、やっぱもうちょっと火力落としていいぞ」
「うう、やっぱり私達もついていけばよかったわ」
「主の恋路のためだ。耐えろ。…………しかし本当に今日はついてないな」



「あたしはあんたらよりもっとついてないよ……」

 隣の部屋から聞こえてくる声に、半ば独り言をアルフは返した。

「なんでこう、行く先全部が寒いんだか」
「災難だな」
「まあでも、運が完全に無かったってわけでもないし」

 今のアルフは、家にいた時と同じ狼姿。ただし大きさは子犬サイズで、身体をくるんでいるのは毛布ではなく、
同じく狼姿となった恋人であるザフィーラの毛皮だった。

「あんたの毛皮はぬくいねぇ……」

 恋人にすっぽり包まれる感触。人間姿の時に両腕で強く抱きしめられるのも好きだが、こういうのも身体と心が
ぽかぽかして良い。
 ザフィーラには窮屈な体勢だろうに、なるべくアルフに身体をくっつけようとしてくれているのも嬉しい。
 欲を言うならもっと濃密かつ性的に触れ合いたいところだが、もう夜も更けた。

「じゃおやすみ」
「ああ、いい夢を」

 一つあくびをすると、アルフは恋人のふかふかした毛に鼻先を突っ込み、幸せなまどろみに落ちていった。



          終わり

931 サイヒ :2010/01/26(火) 20:05:26 ID:YARNpUpE
以上です。
ユーなのだけやや長いのは、これだけで一本の話にしようと思っていたから。
書いてるうちに具体的なエロシーンとオチがどっかに落っこちたんで没ったのをリサイクル。


噂の雷刃ちゃんについてはまだゲームやってないんでなんともですが、
プレイしてみていい感じだったらクロフェにプラスしてアナル3P書きたいなぁと思ってたり。

932 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 20:35:24 ID:TInw76jw
GJ
実は一番熱いのザフィアルじゃね?

933 イクスピアリ :2010/01/26(火) 20:48:19 ID:M/ldD3S6
922読んで思った

途中でDが一人芝居になっとるような……

934 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 21:47:58 ID:8MR9u4xg
>>905

地味にエリオ何やってんだw

935 名無しさん@魔法少女 :2010/01/26(火) 23:02:46 ID:N6C3.g/6
>>933
Dが一人芝居であってるよ。それを見られて塵芥塵芥塵芥〜! でそ
あと名前欄は別に空欄でいいと思うぞ?

936 ザ・シガー :2010/01/27(水) 00:02:52 ID:7fxmtNdA
おかえりなさい師父うううううう!!!

あなたの帰りを、この不肖ザ・シガー、一日千秋お待ちしており申した。
しかも帰りの第一作目からして初っ端からフェイトが尻をねだるとは……ふふ、相変わらずですね。
GJっした!

カリムの不倫話なんかもノーパン待機でお待ちしてます!



そして、私もそろそろ投下としゃれ込もう。
最近投下してなかった『大狂乱 ミミ大戦』の続きです。
非エロ・長編・久しぶり。

937 大狂乱ミミ大戦 :2010/01/27(水) 00:03:32 ID:7fxmtNdA
大狂乱 ミミ大戦7



「あの……すいませんカルタスさん」

「いや、うん。気にしてないよ、別に」


 ギンガの謝罪の言葉に、カルタスはそう応えた。
 だが言葉に反して彼の顔はやや苦悶げに歪んでいた。
 無理もない。
 なにせ彼は今、周囲の人間から凄まじく冷たい眼差しを向けられているのだから。
 理由は簡単、カルタスの手にある物だ。
 それは紐だった。
 分かりやすく言うと、リードと呼ばれる犬などの散歩の際に用いるものだ。
 しかし問題はここから。
 そのリードはあろう事かギンガの首まで伸び、彼女の首に付けられた皮製の首輪にしっかりと繋がっているのだ。
 もはやここまで言えば説明するまでもないだろう。
 つまり、カルタスはギンガを犬散歩スタイルで一緒に歩いているのだ。
 別にこれは彼が変態的性癖、という訳ではない。ちゃんと理由はあるのだ。
 ギンガは現在、頭に犬のミミが、お尻には犬のシッポがついた、半獣人のような姿である。
 これは先日現れたある変態が、ロストロギアで成した所業だ。
 この為、ギンガはその身に犬の習性が宿ってしまい、散歩しないと落ち着かない状態だったりする。
 今までゲンヤがそれに付き合っていたのだが、何しろ彼は108部隊の隊長で、色々と仕事がある。
 それにいい加減年で、あまり長い距離を歩くと腰に来るのだ。
 なので上司のカルタスが当面の散歩相手となった、という次第である。
 カルタスは、可愛い後輩の為に少しくらいの羞恥プレイは耐える覚悟だった。
 しかし、実際するとなるとこれはかなりきつい。
 地上本部の近くを歩けば、自然と局員も多い。
 違う部隊の同期やら、顔見知りが遠巻きに自分の事を“部下の美少女に変態的プレイを強制するイカレポンチ”的な眼差しを送ったりしてくるとか。
 ほとんど拷問と道義である。
 だが、だからといって放棄する訳にもいくまい。
 きちんと躾けられた犬なのか、ギンガは誰かにリードを持ってもらわないと散歩できないらしいのだ。
 だから仕方ない。
 それに実を言うと、愛らしくそして美しい後輩の美少女をこうして犬奴隷プレイよろしく連れまわすというのも、案外ゾクゾクとした喜びがあったりもする。
 ここだけの話ではあるが。
 と、そんな事を考えていた時だ。
 リードを引かれていたギンガがふと立ち止まり、どこか遠くに視線を向けた。
 何事かとカルタスも彼女の眼差しを追う。
 するとそこには、天に向かって立つ一本の柱。
 いわゆる一つの電信柱があった。
 電信柱などに、一体何の用があるのか。
 そんなカルタスの疑問は、次の瞬間氷解する。
 やたら脚をもじもじとすり合わせ、なんだか切なそうな眼をするギンガ。
 ああそうだ、そういえばそうだった。
 犬とはそういう事をする生き物だ。


「なあ、ギンガ……」

「はい」

「も、もしかしてあそこで“したい”の?」

「……」


 頬を染めながら、ギンガは頷き、そして告げた。


「あ、あの……だめですか?」

「いやいやいや! ダメだからね!? 絶対ダメだからね!?」

「で、でも……おしっこ……」

「そういうのはトイレでー!!」

「あっちの茂みもだめですか?」

「ダメーッッ!!!」


 ああ、やっぱり引き受けるべきではなかったのだろうか。
 胸中にて嘆きながら、カルタスはそんな事を思った。





 変態がいた。
 具体的に言うと大変態だ。

938 大狂乱ミミ大戦 :2010/01/27(水) 00:04:23 ID:7fxmtNdA
 まずその格好が変態的だった。
 筋肉質な肉体に纏うのはピッチピチの黒ビキニパンツ、そして猫のミミをあしらった覆面に真っ赤なマントと来ている。
 変態だった、どう表現してもその語に尽きる男だった。
 名をミミ仮面という。
 世界中の女性を謎のロストロギアで動物化させ、ミミやらシッポやらを付けるのが夢だという。
 正に変態だった。
 

「やれやれ、相変わらずしつこいお嬢さん方だにゃ〜」


 変態の呟きと共に、彼の元に幾筋もの光が舞い降りた。
 桃色と金色の閃光、魔力弾の雨である。
 誘導弾と高速射出型のものを織り交ぜた怒涛の攻め。
 それを変態は、事も無げに身をゆるりとひねって回避する。
 視線を向けるまでもなく避けるその体捌きは、見事の一言。
 だが、既に次の手は打たれていた。
 変態の四方八方に突如として構築される魔法陣、そしてそこから生み出される無数の魔力鎖。
 チェーンバインドがうなりを上げて襲い掛かる。
 これを先ほどと同じように回避しようとした変態だが、しかしそれは不可避だった。
 彼より早く機先を制し、一つの術式が構築される。
 それは設置型のリングバインドだった。
 既に彼の周囲に先んじて組み上げられていたそれは、太い腕をしっかりと拘束。
 一度極まれば後は容易い。
 光条と化したチェーンバインドが絡みつくのに、一秒と掛からなかった。


「にゃふぅん!」


 珍奇な音域の声をあげ、変態の屈強な腕やら脚をバインドが拘束する。
 正直、ムキムキマッチョのおっさんが奇声を上げて悶える様は見るに耐えない。
 だが、そんな変態に舞い降りた乙女たちは果敢にも得物を突きつけた。
 陽光を反射して攻撃的な輝きを持つ三つのデバイスが、ミミ仮面に向けられる。
 高町なのはの持つレイジングハート。
 フェイト・T・ハラオウンの持つバルディッシュ。
 八神はやての持つシュベルトクロイツ。
 もはやこれ以上変態を放置できぬと現れた、機動六課隊長三人の包囲陣。
 各々がデバイスを突きつけながら、少女らは拘束した変態へと告げた。


「さあ、いい加減このバカ騒ぎも終わりにしましょう。大人しくこのまま捕まってください」


 とは、なのはの言葉。 
 それに応えるのは言うまでもなく変態の言葉である。


「捕まえるとは物騒にゃ。一体何の咎で拘束すると言うのかにゃ? まったくもって不当極まるにゃ」

「え、いや……不当もなにも、変なロストロギアで女の子を獣人化させてるとかほんと迷惑なんですけど……」

「女性がより愛らしくなることに何の問題があると言うのかにゃ!?」


 だめだ、この変態早くなんとかしないと……
 その場にいた全員がそう思った。
 もうお話を聞けるなんてもんじゃない、そもそも意思疎通の段階で重度の障害が発生している。
 そう決断したなのはは、手にした愛機レイジングハートを構えつつ、言葉を連ねた。


「それ以上の妄言は取調室で言ってください」

「断る、と言ったら?」

「この状況で何が」


 出来ると思ってるんですか?
 なのははそう問おうとした。
 だが出来なかった。
 次なる刹那、変態の身が蠢く。
 ボキャボキャとかなり耳障りな肩の関節が自身の力で外されたのだ。
 まるで軟体動物のように筋肉質な肉体を柔軟に動かし、変態は華麗に拘束から脱出。
 真っ赤なマントをなびかせて宙を舞うミミ仮面、彼は身を捻りつつ股間を覆うピチピチの黒ビキニパンツに手を突っ込む。
 そしてその穢れた聖域に隠した愛機を取り出す。


「マタタビX、セエエエエットアアアアアアップ!!!」


 取り出した輝く金属製の金の玉、待機状態のデバイスに指令を叫ぶ。
 ちなみに股間から取り出した金色の玉というと、大変卑猥な響きであるが気にしてはいけない。ここはエロパロなのだ。
 大概の変態的物語性は許容されるのである。
 よろしい、ならば変態だ。
 金の玉は瞬時に肉球型ヘッドを持つ杖へと変形し、陽光を浴びて燦然と輝く。
 マタタビXの名を冠したデバイス、変態の愛機である。
 ミミ仮面は着地するや手のデバイスをくるくると振り回し、ビシっとポージングをして、叫んだ。


「さあて、ではお嬢さん方にも素敵なミミとシッポを付けて差し上げるかにゃー!」


 こうして、変態と機動六課隊長三人娘との戦いの火蓋は切って落とされた。




続く。

939 ザ・シガー :2010/01/27(水) 00:06:36 ID:7fxmtNdA
はい投下終了。

いや短くてすまん。
ほんとすまん。


まあ、なんだ、鉄拳とかレジなの納豆外伝とか書いてる合間にだから、ね、うん。
今はこれが精一杯。
とりあえずこのバカ話も次回あたりで〆ようかなー、と。

そして次こそ鉄拳を投下するww
いや、うん、マジで。

940 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 00:07:32 ID:bP1lKi.E
ちょwwwwwギンガwwww自重wwww

941 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 00:29:09 ID:rFRoD3QI
もうオチが予測できないw

ところで、ギンガは二足歩行ですよね?
四つん這いですか? ひょっとして四つん這いですか?

942 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 03:11:46 ID:DzuWrVwo
投下GJ
あれ、久し振りに読んだら地味に変態度が増してる…

943 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:22:05 ID:m8RH/Ioo
 大概の変態的物語性は許容されるのである。
 よろしい、ならば変態だ。

なんという至言――ということで投下します。
前回のが消化不良すぎだったので、早足ですがリベンジということで。
タイトル「主従の真実は」、ヴィータをお相手にはやて主役のエロ短編です。
痴女、ふたなり、卑語、言葉責め、辺りの単語に抵抗がある人は注意。

944 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:23:13 ID:m8RH/Ioo
「ほら、おいで? ヴィータ。素直になれば気持ちよぉくさせたげるよ」

 ベッドに腰掛けたはやては甘い声で誘う。

「は、はやて・・・・・・」

 息を詰まらせながら、ヴィータは一歩ずつそちらへ近づいていく。

「ふふ・・・いやらしいなぁ、気持ちよくなれるんなら騎士の誇りも捨ててまうんや?」

 はやては、楽しげにくすくすと嘲笑を浴びせかける――歩みを進めながら顔を真っ赤にする小さな守護騎士を見つめながら。
 そして、そのまま言葉を続ける。

「そうそう、私のとこまで来る前に、邪魔な服は脱いどいてな」

 その言葉にヴィータはぴくんと体を硬直させる。
 この世界に長く暮らしていった中で培われた常識が、その言葉を受け入れることを躊躇させた。
 だが、彼女の思考は、それにもかかわらずはやての言葉に従うことを選択したのだった。
 より一層顔を上気させながら、服のボタンに手をかけ、小さな裸体をさらし始める。
 ヴィータは、一枚、一枚、と着ている服を取り去る度にその体を震わせた。

 そして、その体を守るものが全て無くなると、ヴィータは泣きそうになりながら、身をよじって秘部を隠そうとする。

「ヴィータ?」

 凛とした声。
 有無を言わさぬ力強さを湛えた声だ。
 ヴィータは諦めたように顔を伏せ、全てをはやての眼前に差し出さざるを得なかった。

「ん〜? 綺麗な体には不似合いモノがついとるなぁ」

 はやては、普通の少女には無いはずのものに視線をやって言う。
 ヴィータの股間には紛れもなく、ぴんと張り詰めた男性器が備わっていた。

「これは、はやてが――」

「確かに付けたんは私やけど、そんなに大きくした覚えは無いけどなぁ」

 反論しようとしたヴィータの喉がぐっと詰まる。

「まったく、なにをそんなに期待してんのやろか
 大体、主の前にそんなもの突きつけて恥ずかしくないんか?」

 はやての突き刺さるような鋭い声は、ヴィータの頭の中を直撃する。

 『主』――
 確かに目の前にいる八神はやてこそ、自分が守るべき尊い人なのだ。
 自分に生きる意味さえ与えてくれた主の目には醜い姿が――

 ヴィータは、明瞭に美徳と恥とを認識しておきながら、その美を汚している現状に薄暗い恍惚を覚えた。
 はやての前でこんな格好を――
 現実感の無い、倒錯した快感が小さな体中に駆け巡る。

945 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:23:53 ID:m8RH/Ioo
「なんや、チンポがびくびく反応しとるなぁ・・・、こんな風に罵られて大きくするなんて、
 とんだ変態騎士も居たもんやな」

「ぅ・・・」

 ヴィータはじわりと視界がにじむのを感じながら、それでも罵声を浴びる毎に歪んだ喜悦に打ち震えた。

「これが夜天の書を守る守護騎士の姿やなんて世間に知られたら、主である私が恥かいてまうわ」

「ぁう・・・はやてぇ・・・ごめん、ごめんなさいぃ・・・・・・」

 涙声で謝るヴィータ。
 だが、言葉とは裏腹に反応する心身を止めることは、もうできなかった。

「あーあー見てられんなぁ、まさかヴィータがそんな子やったなんて、幻滅や
 ・・・でもヴィータ、許したるよ? どんなに醜くても私の守護騎士やからなぁ
 主として、ヴィータの変態性欲処理に付き合ったげるよ」

 平静を装った目の奥に情欲の炎をたぎらせて、はやては饒舌に言葉を紡ぐ。

「ほら、私にどんなことをして欲しいのか言うてごらん?
 ヴィータのチンポを一番気持ちいい方法で射精させたるよ」

 寛大さの奥に潜むのは強烈な軽蔑。
 その声に従うのがどれほど惨めなものか十分理解していても――いや、まさにそのことによって――小さな守護騎士はそれに抗うことが

できなかった。




「ぅあぁ・・・はやて・・・はやてぇ・・・」

 床に両膝をつき、主の名を呼びながら屹立したモノを激しくしごきたてる。
 もはやその行為の虜と化したヴィータは、涎が口の端から溢れるのにも気付かない。
 全て投げ打って痴態を晒す守護騎士に、はやての加虐心が煽られていく。

「はぁ・・・・・・何を頼むかと思えば、自分のオナニーを見て欲しいやなんて・・・
 私に見てもらいながらやるのがそんなに気持ちええの?」

「きもちぃよぉ・・・んぁ、はやて・・・」

「あはは、ひどい顔や、脳が気持ちよさで溺れてるような表情してるで
 ・・・なぁ、ヴィータ? まだちゃんと自分が守護騎士やってこと覚えてるか?」

「はァ・・・っ、・・・あ、あたしはぁ・・・はやてのしゅごきしぃ・・・」

 朦朧として言いながらも、その手は止まらない。

「主を守る責務を忘れて、チンポをしごくんがやめられんみたいやなぁ
 その最低な頭でもっとよく考えてみ、自分が今、どんだけ醜いかを」

 己の存在理由をすら侵犯する陳腐な行為に埋没していくヴィータの姿。
 はやてはそれに追い討ちをかけるように煽った。

「いやぁ・・・みにくいのきもひいぃのぉ・・・さいていなのがとまんないろぉ・・・んっ・・・
 ごめんなさぃい・・・・・・みにくいしゅごきしでごめんなさい・・・はやてぇぇ・・・」

 顔も声も何もかもをぐちゃぐちゃにして、快楽が頂点へと登りつめていく姿は、ある種悲惨ささえ漂う。

「イッてまうんや? 主に罵られるのをオカズにしてびゅうびゅう射精するんや?
 最低やなぁ・・・!最低・・・!最低・・・っ!最低!」

 ヴィータの脳はその言葉すら捻じ曲がった愉悦に変換する。

946 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:24:50 ID:m8RH/Ioo
「いく・・・ぅ、あうぁう・・・いぐぅ・・・・・・・・・・・・っっ?」


 しかし、ヴィータの手は突然止まった。

 脳に焼け付くような快感をもたらしていた自身のモノが、果てるその直前に消え失せてしまったからだ。
 行き場を失った快楽で視界をぼやけさせながら、許しを請うように主の顔を見上げる。

「あふ・・・は、はやて・・・? どうして・・・」

 懇願するような泣き顔を見つめながら、夜天の書を片手に掲げて妖しい微笑みを浮かべているはやて。 

「おあずけや、ヴィータ」

「そんな・・・ひどいよぉ・・・もうすこしでおちんちんびゅるびゅるってできたのにぃ・・・」

 羞恥すら飛び越えて、卑語を恥ずかしげも無く口にする。
 普段の彼女の姿はそこにはもう無かった。

「あはァ、もうチンポ気持ちよぉすることしか考えてないんやな
 ――そんなかわいい顔されたら、私もたまらんようになってまうわ・・・」

 とろけるように嬌態を晒す従者にあてられたのか、はやても内から湧き出る恥情を押しとどめられなくなる。
 はやては制服のスカートの中から、じれったそうに下着を引き抜いた。

「ほら、私のおまんこにきちんと奉仕できたら、好きなだけいじらせたるからなぁ・・・」

 はやてはだらしなく股を開いて言う。

「するぅ・・・ごほーしするから・・・おちんちんほしいよぉ!」

 覚束ないろれつでそう言うと、はやての方へ駆け寄るヴィータ。
 ベッドに座っているはやてのその足元へ跪くと、スカートをたくし上げた。

「はぅ・・・・・・はやてのえっちなにおいぃ・・・くらくらする・・・」

 きめ細かい肌があらわになっていくにつれ、明らかに発情したそれと判る匂いが漂う。

「あんなスケベオナニーを散々見せつけられたら我慢できへんよ・・・・・・
 早く・・・ヴィータぁ・・・」

「うん――」

 言うや否や、撫でるようにはやてに奉仕し始める。
 舌の表面を押し付け、それが縦横無尽に這いずり回りだすと、はやては体を仰け反らせて反応した。

「うぅん・・・あぁ・・・・・・っ」

 意図せずとも溢れ出る声は、淫らな響きを隠せずにいる。

「もっとねっとり嘗め回すんや・・・んぁあっ!」

 ヴィータは一心不乱に主の欲望を満たす。
 がむしゃらにのた打ち回る舌にはやては、痺れるような快感が全身に張り付いているような感覚を覚えた。

「きもちいい? はやて、きもちいい?」

「えぇよ、っヴィータぁ・・・ふぅんっ・・・」

「はやて、もっとよくしてあげる・・・おまんこべとべとにするよぅ・・・」

 しつこいほどの愛撫にはやての余裕も次第に無くなっていく。

「んっ・・・!はぅ・・・ぁ、き、きちんとできたからご褒美をあげよかなぁ・・・?」

「うん、ごほーび・・・!ごほーびちょうだい!」

 滑稽におねだりを繰り返すヴィータ。
 まるで守護騎士とはかけ離れたその姿に、はやては苦笑を漏らす。

947 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:25:53 ID:m8RH/Ioo
「チンポが絡むとただの犬に成り下がってまうんやね、ヴィータは
 このまま元の体に戻したら、手がつけられんようになってまうから、やめとこうかな?」

 意地の悪い主は、目の前にチラつかせた希望を冷酷に閉ざそうとする。

「だめぇ・・・!ゆうこときくからぁ!いぬになってもゆうことききましゅからぁ・・・!
 はやてのいいなりのちんぽいぬになるからぁ・・・!いっしょうのおねがいにするから、だからぁ・・・っ!」

 何者も及ばない真剣さで請うその姿に、はやては噴き出してしまう。

「ぷっ、あはは、こんなことで一生のお願いを使ってしまうんか? そこまで恥知らずな犬やとは思わんかったなぁ
 ・・・ええやろ、チンポ犬にはお似合いのもんを生やしたるから、主に忠誠を尽くすんやで?」

「はぃぃ・・・あるじさま、ありがとうございます・・・!あるじさまのちんぽいぬになれてうれしいですぅ・・・!」

 歪んだ宣誓に呼応するように、はやては守護騎士プログラムを再度書き換え始めた。
 
 それはやがてヴィータの感覚に異変をもたらす。
 首筋からぞくぞくと流れる、待ち望んだ悦び。
 痛いほどに勃起したそのモノがどくどくと跳ねている。
 
 しかし、ヴィータがそれに触れようと両手をはやてのスカートから離そうとすると、もう一つ異変が起こっていることに気付く。

 ヴイータの手は魔力による拘束で動かなくなっていた。
 丁度手錠のようにはやての腰を回って両手が固定されている。
 強固に結合した縛めは、押しても引いても解けない。

「えぐ・・・っ、はや、てぇ・・・」

 ヴィータはとうとう大粒の涙を流しながら、声を絞り出すのが精一杯だった。

「あかんなぁ、主より先に気持ちよくなろうやなんて虫が良すぎるで?
 さぁ、さっきの続きや」

「ひっく・・・、はい・・・えぐっ・・・」

 嗚咽を止めることもできず、言葉に従う。

「私も鬼やないからな、きちんとできたらその犬チンポをいじったげるで」

 その声を聴いてから、ヴィータはもうまともに話すことすらできなくなった。
 はやてを絶頂へ導くことだけを考えて顔を押し付けるように激しく愛撫しだす。
 特に重点的に転がすような動きでクリトリスを責めたてた。

「あっ、あっ、あっ、あっ、ひあっ・・・あ〜っ、んう――」

 はやての口から断続的に嬌声が上がった。
 肺はその正常な機能を失って、空気を漏れ出させる。

 そんな声を上げながらも、はやては足をヴィータの剛直に絡ませる。
 途端に奉仕していたヴィータの体ががくがくと動いた。

「―――――――っ!!!!」

 ヴィータは唾液と愛液でどろどろになった女性器に舌をはわせながら、声にならない呻き声を鳴らす。
 焦らしに焦らし抜かれたモノから伝わる快感は神経を焦がしながら頭の中を掻き乱す。
 大きな苦痛と喜悦をないまぜにした顔は、もうヒトのものとはかけ離れている。

「ヤ、やァ・・・むぐ、んぃあうぅうぉぅ、にゃあぅ゛ぁああぁあ!!」

 ヴィータは獣の慟哭のような、喘ぎとも悲鳴ともつかない声色で吼える。

948 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:26:39 ID:m8RH/Ioo
 その声に押されるように、はやては足の動きをより複雑にする。
 五指が性器に絡み付いてにちゃにちゃと音を立てる。
 たったそれだけの行為でヴィータはいとも簡単に知性を放棄した。

 ヴィータは誰かに持ち上げられたように、はやての股の間に埋めていた顔をびくりともたげる。
 その表情は、もう快楽とも苦痛とも、希望か絶望かも判別できない。
 
「あかん・・・あかんて、今そんな顔されたらイってまう・・・!」

 切羽詰った声で、はやては言った。
 来るであろう津波のような快楽への想起で、顔いっぱいに悦びを貼り付けている。
 ヴィータは最後の理性を振り絞って、滅茶苦茶にはやてを責めたてた。

「くぅ・・・ひぁっ!!・・・!!!!!」

 やがてはやてが、早すぎる絶頂を迎える。
 仰け反らせた身体をベッドに投げ出して悶える。
 これまでの行為で感じていた興奮と恍惚を、体の奥に留めていた反動だった。
 ひきつけを起こしたように、二度、三度、四度とその体が跳ねる。
 今までに感じたことの無い絶頂感に、はやては言葉を失っている。

 しかし、一人取り残されたヴィータもそれどころではなかった。

「ねぇ、しんじゃう・・・せーえきださないとしんじゃうよ・・・、くっ・・・、うぁ、はやて・・・っ!!」

 むせび泣く、という表現すら生温い程の涙と鼻水で顔を滅茶苦茶にして叫ぶ。

「ずるぃよぉ・・・!はやてだけ・・・っ、このままこんなえっちなにおいかいでたら、ばかになってしんじゃうぅぅう!!!」

 はやては寝転んだ体勢のまま、絶頂の余韻を押し殺して、手元にあった下着をヴィータにそっと投げた。

「んぷっ、はぁ・・・すん、すン・・・んはぁ・・・」

 顔へかかったその布を、鼻を鳴らして嗅ぐ。
 大声は収まっても、じたばたと暴れる四肢はまだ快楽を求めている。


 そして、はやては両手を縛める枷を解き放った――


 ▽


 軽く意識を飛ばしていたはやてがむくりと起き上がると、ヴィータはその体を自身の体液塗れにして床で痙攣していた。
 はやての下着を顔にのせた情けない姿のまま、生気すら抜け去ったように気絶している。
 
「今日はやりすぎてもうたかな・・・?」

 はやては側の棚に入れてあったタオルを取り出して、ヴィータの体を拭く。
 慈しむように丁寧な手つきでその裸体を綺麗にしてから、床に横たわる肢体を持ち上げて、ベッドへ運ぶ。

「まったく、こんな小っちゃい癖に、わたしよりすけべぇなんやから」

 安らかに、とは言えない表情だったが、静かに寝息をたてるヴィータを見つめながら言う。
 はやては重い倦怠感を感じながら、汚れてしまった制服を全て脱ぐ。
 いつもなら几帳面にハンガーにかける衣服達は、今日は床の上。
 そして、部屋の照明を落としてからヴィータの隣にもぐりこんだ。

「次はうんと優しくしたるからな――」

 抱きつくようにヴィータの頬にキスをしてから、言う。

「愛してるで、ヴィータ」

 その言葉すら適わない程の思いを込めた音色は、呼吸と闇の狭間に溶けていった。

949 ヨコハマ :2010/01/27(水) 05:31:46 ID:m8RH/Ioo
投下終わりですが、名前欄にタイトル入れるの忘れてましたね・・・すいません。
冒頭で書いてますが一応、タイトルは「主従の真実は」です。

読んでくださった方はありがとう。

950 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 11:38:34 ID:BaKuEho2
GJGJ!
なんか、最近投下数が増えたな。

952 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 12:35:32 ID:b6W5P3NU
す、すげえ投下ラッシュ!
GJだ!

953 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 13:00:36 ID:RroOszTk
PSPなのはで、リインフォースとはやてのやりとり

リ「(いずれリインⅠは壊れるので)早く後継機を作ってください」
は「まあ、マリーさんに相談して前向きに考えようかー。末っ子ができるんやね」

子供をせがむ夫婦の会話に見えた

954 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 18:29:46 ID:i5zJD08.
>>896
遅レスになるがオットーを忘れているのは聞き捨てならない

955 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 19:26:28 ID:nX7xdL8o
>>954
あれは見た目まで男の子だけど、雷光は見た目が女の子だろ?

956 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 19:27:16 ID:1kfpzkf.
>>954
ボクッ娘の一般的なイメージの『見た目は文句なしに女の子だけど一人称が僕』にあてはまるという意味では正しいかもしれない

957 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 20:33:15 ID:d9fMe4M6
すべての投下SSにGJを。
管理局の秘密慰安所から、変態まで幅広いなぁ。
秘密慰安所勤務の方はどんなルートで採用されたんだろう?w
特に男性www

958 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 20:36:29 ID:1hH5Cihc
>>955
ディードがツインブレイズの試し切りをしたいそうです。
聖王教会の裏まで来るように。

959 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 21:02:39 ID:7fxmtNdA
ヨコハマ氏GJ!
はやてエロは少ないので投下嬉しいね!
しかも意外なシンクロニシティではやてが攻め側に回るパターンが続けて、とはwww
面白かったよ、エロかったよ。

だが、だがしかし……しかしだよ?



なんで本番がないの!?www

いやおかしいだろwww
ここはほら、今まで我慢させられたヴィータが狂ったようにはやてにドライブイグニッションして、がっつんがっつん腰が砕けるくらい振りたくるところじゃない!?
いやほんと、それだけが超残念だったよwww

960 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 21:33:41 ID:1hH5Cihc
ヨコハマ氏GJ

やはりフタは最強であると再確認した。
そしてはやてはエロイなぁ。

961 B・A :2010/01/27(水) 22:00:32 ID:rFRoD3QI
今日できっちり1ヶ月ぶり。
投下いきます。
ここ最近は、投下多いですね。
嬉し限りだ。



注意事項
・sts再構成
・非エロ
・オリ展開あり
・基本的に新人視点(例外あり)
・後半はずっとなのはのターン(ただし、ティアナ視点)
・言葉のドッジボール(または肉体言語)
・ティアナフルボッコ
・タイトルは「Lyrical StrikerS」

962 Lyrical StrikerS 第9話その2① :2010/01/27(水) 22:01:51 ID:rFRoD3QI
第9話 「たいせつなこと」B-part




レジアス・ゲイズ中将による査察を無事に乗り切ったその日の夜、陸士108部隊より一本の報が機動六課へと届けられた。
かねてより内偵していた密輸組織のもとに、先日のホテル・アグスタ襲撃事件で強奪された物らしき物品が運び込まれたというものだ。
地上本部の首魁とも言うべきレジアス中将の迫力から解放され、気を緩ませていた機動六課の面々に取って、それは正に青天の霹靂であった。
更に間の悪いことに、部隊長である八神はやては夕方から外出していて不在。
主戦力であるフォワード部隊も、スターズ分隊が半ば機能停止状態にあるという有様であった。
部隊が稼働してから初となる不完全な状態での緊急出動。そのような状況の中、臨時の総責任者を担うグリフィスの判断は早かった。
彼ははやてとの通信が繋がるのを待たず、本来ならば休息中である交替部隊に緊急の招集をかけたのだ。
そして、交替部隊の隊長であるシグナムとレリック事件捜査主任であるフェイトと共に出動させ、
現地の陸士108部隊の捜査員と合流させて密輸組織を急襲することを選んだのである。

「急げ、テスタロッサ。作戦は一刻を争う」

「はい、シグナム」

シグナムに急かされ、フェイトは両足のストライドを広げて自分の先を逝く同僚の跡を追う。
午前中の訓練でスターズの3人が抜け、部隊長であるはやても不在な今、最高階級である自分がしっかりとしなければ、
隊員達に入らぬ不安を与えることになる。だというのに、フェイトの胸中は穏やかではなかった。
寧ろ、上手く立ち回らねばならないという思いが強過ぎて、気持ちだけが空回っている。
これではいけないと頭を振るが、持って生まれた気質はどうすることもできず、さざ波を打つ鼓動を鎮めようと
握り締めたバルディッシュの鋭い痛みがジンワリと右手に広がるだけだった。

「あ、フェイトさん、副隊長」

ヘリポートへと続く渡り廊下へと差しかかったところで、訓練着に身を包んだエリオと出くわした。
家族同然の少年の登場にフェイトは思わず足を止めてしまい、先行していたシグナムがそれに気づいて踵を返す。
怒られるかとフェイトは身構えたが、シグナムは非難の目で一瞥を暮れただけでエリオに向き直り、
エリオの汗ばんだ赤い髪に手を添えて詫びの言葉を漏らした。

「すまないな、約束していた稽古は明日に延期だ。テスタロッサ、先に行くからすぐに済ませろ」

含みのある言葉を残し、シグナムはヘリポートへと駆けて行く。
小さくなっていく好敵手の背中を見送ったフェイトは、どこか気恥しげにエリオの矮躯へと視線を向けた。
空き時間を利用して自主練習でもしていたのか、頬はほんのりと紅く染まっていて、シャツが汗ばんでいる。
これから出動することを気遣って遠慮がちに距離を取っているが、こちらを見上げる表情には目に見えてわかるくらい、
気恥ずかしい喜びの笑みが浮かんでいた。

「気を使わせちゃったみたいだね。エリオ、自主練してきたの?」

「はい、少しでも早く、一人前になりたくて…………………」

語尾が弱まり、朗らかだった笑みが陰りを見せる。
何かを思い詰めるような表情。
何かを言いたそうにしているが、エリオはフェイトを見上げたまま口を小さく開閉させるだけで、その先を口にしようとしない。
そうしている間にも刻一刻と時間は過ぎていき、フェイトの胸中の焦りは増していく。
彼に一言謝って、シグナムの後を追うか。
柄にもなくそんな思考すら頭を過ぎった瞬間、エリオは上擦った声でフェイトに懇願した。

「フェイトさん。今夜の出動、僕も同行させてもらえませんか?」

「えっ?」

唐突に切り出された要望に面食らい、フェイトは目を白黒させる。
今回の出動でスクランブルがかかっているのは自分と交替部隊だけで、エリオ達は有事に備えて隊舎で待機していなければならない。
スターズ分隊が機能していない今、ガジェットが出現した際に迅速な対応を行う為だ。
聡明なエリオならばそれを理解しており、いつもならば文句も言わずに持ち場で待機しているはずである。
こんな風にわがままを言うのは、彼と出会って初めてのことだ。

963 Lyrical StrikerS 第9話その2② :2010/01/27(水) 22:02:32 ID:rFRoD3QI
「お願いします、僕も連れて行って下さい」

「エリオ………………」

「わがままだっていうのはわかっています。けど、試したいんです。僕の…………僕の力を………………」

喉を絞る様に懇願し、エリオは視線を俯かせる。
一瞬、フェイトは彼が何を言っているのか理解することができなかった。
エリオは自己顕示欲や競争心というものとは無縁だと思っていた。
彼はいつだって素直で物分かりがよく、物事に対する分別もできていて、子ども特有の身勝手さやわがままも持ち合わせていない。
物分かりが良すぎて子どもらしくないところは考えものだが、争いを好まない生来の優しさは彼の美徳だとフェイトは思っていた。
そんな心優しい少年が荒事を担う武装局員に志願したのは、一重に恩人であるフェイトの役に立ちたいという一心からであった。
矛盾しているかもしれないが、彼は誰かを傷つける力を欲してはいない。
降りかかる火の粉を払い、大切なものを守るための力を振るう騎士。
それがエリオの理想の騎士像であり、そうなることが彼の夢であった。
だが、先程の願いはただ純粋に、自分の力を試したいという野心からくるものであった。
エリオらしくない、貪欲な一言だ。
けれど、フェイトは先程のエリオの言葉を喜んでいる自分がいることに気がついた。
自分の意見を口にせず、ただ黙って言うことを聞いているだけの子どもだったエリオが、如何なる心境の変化があったのかはわからないが、
悩み、焦り、そこから抜け出そうと自分なりに考えて、他人に迷惑をかけることも承知で我を貫こうとしている。
それは大人になるための階段を、たった半歩ではあるが踏み出した少年の切なる願いであった。
先日のシグナムへの弟子入りもそう、彼の中で今、戦いたい、強くなりたいという競争心が少しずつ大きくなっているのだ。

「そっか、エリオも男の子なんだね」

そっとエリオの頭を撫でながら、フェイトは彼の背丈が少しだけ伸びている事に気がついた。
急を要する非常時に不謹慎なことかもしれないが、フェイトはエリオの成長に喜びを禁じ得なかった。
こんな時でなければ、きっと手放しで喜んで抱きしめていたことだろう。
だが、今は一刻を争う非常時だ。エリオのわがままに付き合っている時間はないし、
心身ともに未熟な騎士見習いを“人間同士”の戦いの場に連れて行く訳にもいかない。
武装局員ならば誰もが通らねばならない、自らの魔法で犯罪者を傷つけねばならないという試練を体験するには、
彼は余りにも幼く覚悟も出来ていないのだ。何の心構えもなく現場に連れて行けば、
彼が思い描いているベルカの騎士が正義の味方であるという理想を打ち砕く事にもなりかねない。
エリオの願いが強ければ強いほど、それを裏切らなければならないという罪悪感は募っていく。
その思いを悟られぬよう抑えつけながら、フェイトは静かな声音でエリオを諭す。

「エリオは強くなったよ。私もびっくりするくらいの速さで、どんどん強くなっている。
でもね、今は一緒に行けないんだ。私達が留守の間、もしもガジェットが現れたら、
それをやっつけに行く人が必要でしょ? 今のエリオのお仕事は、街を守るために隊舎で備えること。
それも立派なお仕事でしょ?」

「それは……………はい、その通りです」

「だから、今夜は良い子でお留守番していて。その代わり、ティアナ達のことをお願いして良いかな? 
目が覚めてもまだ本調子じゃないと思うし、キャロと一緒にフォローしてあげて欲しいんだ」

964 Lyrical StrikerS 第9話その2③ :2010/01/27(水) 22:03:11 ID:rFRoD3QI
「はい、わかりました………………わがまま言って、すみません」

納得できないながらも、エリオはフェイトの言葉に頷いて一歩だけ、後ろに下がる。
言葉では到底、表現し切れない葛藤がエリオの胸中で渦巻いているのだろう。
渡り廊下を駆けながら、フェイトはこれで良かったのかと自問する。
エリオは戦いたがっていた。その思いが示す形は、結果を残したがっていたティアナと似ているように思える。
なのはに聞いた話では、ティアナは殉職した兄の無念を晴らすために執務官を目指しているらしい。
普通の少女として過ごしていたティアナは、死んだ兄を兄の上官から侮辱されたことで
今までに築いてきた平凡な人生を全て捨て、魔導師として生きる道を選んだ。
だが、思いとは裏腹に現実は空回りばかり。
士官学校には入ることができず、職場では自分と同等かそれ以上に優秀な人間に囲まれて過ごす日々。
自分を周りと比較すればするほど、焦りは増していったはずだ。
このままではいけない、もっと頑張らなければと。
その結果が、きっとホテル・アグスタでの誤射であり、今朝の訓練での暴走なのだろう。
さながらコインが裏返る様に、エリオもまた暴走してしまうかもしれない。
職務とはいえ彼の思いを抑え込むことは、果たして正しかったのであろうか?
歯痒い思いに駆られながら、フェイトは渡り廊下を駆ける。
自問の答えが返ってくることは、決してない。







何故、こんなところに立っているのかとティアナは自問する。
半日以上眠っていた体はすこぶる調子が良い。体力・魔力ともに有り余るほど全身を漲っていて、
思考もいつになく冴え渡っている。元々、余り重さを感じないクロスミラージュも、いつも以上に軽く感じてしまう。
だというのに、吐く息は重く心情は明るくない。
横顔を殴る夜風の冷たさも不快で、気持ちは一向に高揚してこなかった。
自分が立っているのは、普段から訓練に使っている海上訓練施設だ。
夜間訓練の時間も過ぎているため、広い空間は真っ暗な夜の闇に包まれている。
それでも、ここに立つと毎日の辛い訓練の内容を克明に思い出す事ができた。

「少し、待っていてね」

先を歩いていたなのはが立ち止まり、仮想ディスプレイに指を走らせる。
すると、周囲の空間が蜃気楼のように歪んで夜の闇が朽ち果てた廃墟の街へと変化する。
昼間の訓練で、比較的多用される風景。
クラナガンの郊外を模して造られた仮想現実は、ティアナにとって苦い思い出である。
ここは、今朝の訓練で撃墜された街だ。
病み上がりの自分がどうして、なのはと共にここを訪れているのか。
事情を知らない者が見れば、撃墜された自分が師にリベンジを挑もうとしているように見えるかもしれない。
だが、意外にも誘ってきたのはなのはの方だった。彼女は医務室のベッドで悶々としていた自分を
半ば強引に引っ張りだし、人目を避けながらここまで連れ出してきたのである。

『模擬戦をしよう』

ただそれだけ、その言葉にどんな意味が込められているのかもわからぬまま、ティアナは訓練施設へと連れて来られた。
緊急出動がかかったのか、隊舎の中は慌ただしく自分達を気に止める者もいない。
断ることもできたはずであった。だが、拒絶の言葉を口にしようとすると、医務室で語り合った名前も知らない局員の言葉が脳裏を掠め、
舌が思うように動いてくれない。
自分はきちんと、彼女と向き合っていなかったのではないのだろうか?
図星とも言えるその問いかけを思い出すと、ティアナの思考は淀んだ泥の底へと沈んでしまい、沈黙したままなのはの背中を追うことしかできなかった。

「ルールはいつもと同じ。ティアナはわたしに一発でも入れることができたら勝ちだよ。
けれど、今日はいつもと違って被弾してもやり直しはなし。時間無制限、勝利条件を収めるか、
わたしが納得しない限りこの戦いは終わらない。そして……………………」

まるで死刑を宣告する裁判官のように、なのはは仄暗い光の宿った瞳でこちらを見据える。

965 Lyrical StrikerS 第9話その2④ :2010/01/27(水) 22:03:59 ID:rFRoD3QI
「わたしは、君が泣いても撃つのを止めない」

陶器に反響するような無感情な宣言。
その一言は、今までの何よりも決定的だった。
心が硝子のように砕け散っていく錯覚。
兄の遺体に縋り付いた時よりも、兄の上官に亡くなった兄を侮辱された時よりも、ホテル・アグスタでミスショットをしてしまった時よりも、
今朝の訓練で撃墜された時よりも、それは鋭く重い痛みを有していた。
見捨てられた。
兄の無念を晴らすために、今日まで頑張ってきたのに。
才能を持たない凡人でも、エースになれると証明したかったのに。
自分は決して、無力じゃないと示したかったのに。
その全てを、今日まで自分を支えてきた全てを否定されたような気がした。

「私は………………………」

震える指先に力がこもる。
慣れ親しんだ引き金の感触。
高揚していく意識。否これは激昂だ。
吐く息が赤く燃えているのではないのかと錯覚してしまうくらい、怒りが全身を支配している。

「私は………………私は…………………」

向かい合った教導官を見据えたまま、意識の一部を内面へと向ける。
深く、深く、どこまでも深く。病み上がりの体や潜在魔力量の差などどうでも良い。
今、自分の頭を支配しているのは、彼女に一矢報いたいという激情だけだ。
いや、一矢などでは気が済まない。
堕とす。
エース・オブ・エースを、この薄汚い凡人の手で完膚無きまでに堕としてやる。

「私は、間違っていない!」

《Standby, ready》

《Set up》

純白の衣装が風になびき、夜の帳を染め尽くすように桃色と橙色の魔力光が迸る。
悲しみとも取れる虚ろな瞳と、怒りに彩られた歪んだ瞳。
果たして、その視線が交差しているのか、それは神のみぞ知ることであった。

「さあ、今朝の続きだよ。お話しよう」

「あなたを倒して、あたしは自分を証明する!」

両者の魔力弾が、冷たい大気を引き裂いて激突する。
誰のためでなく、ただ己の納得を得たいがための決闘。
戦いは、かくも静かに、しかし激しい戦鐘を打ち鳴らしながら始まった。







することもなく愛竜と共にロビーで待機していたキャロは、唐突な魔力のうねりを受けて小さく呻いた。
膝の上に鎮座していたフリードが、主の異常に何事かと鎌首をもたげる。
キャロはそれを何でもないように手で制すると、小さな手で慎ましい胸を擦りながら、一番近い窓へと歩を進める。
生憎、そこからは夜の闇しか見えなかったが、馴染みのある魔力の波長にキャロは誰が魔法を行使しているのかすぐに察することができた。
なのはとティアナだ。
いつの間に目を覚ましたのか、ティアナがなのはと共に魔法を使っている。
それも、離れた場所から察知できるくらいの魔力の使用量だ。
訓練はおろか、実戦ですらここまでの魔力を放出している2人は見たことがない。

「キャロ!」

同じく異変を察知したのか、エリオがロビーへと駆け込んでくる。
寮に戻って着替えていたのか、ネクタイはヨレヨレで上着のボタンも掛け違えている。
だが、焦りと驚愕の表情には鬼気迫るものがあった。

966 Lyrical StrikerS 第9話その2⑤ :2010/01/27(水) 22:04:37 ID:rFRoD3QI
「エリオくん!?」

「なのはさんとティアさんが、戦っている! あれは模擬戦なんかじゃない、ただの弱い者いじめだ! すぐに止めないと!」

「う、うん。いくよ、フリード」

早口で捲くし立てるエリオに気圧されながらも、キャロは訓練施設へ向かおうとするエリオの後を追う。
いったい、なのはとティアナの間に何があったのか。
今朝の模擬戦の事か、それとも数日前の誤射の事か、それとも自分達の与り知らない確執があの2人にあったのか。
何れにしても、仲間として放っておく訳にはいかない。
だが、外へと飛び出した瞬間、1人の幼女が立ち塞がり、2人は慌てて両足にブレーキをかける。

「ヴィータ副隊長!?」

「すみません、気をつけます!」

機械的に謝罪したエリオは、そのままヴィータを避けて駆け出そうとする。
瞬間、小振りの鋼が鼻先に突きつけられ、再びたたらを踏んでしまう。
“鉄の伯爵”グラーフアイゼン。
ヴィータの相棒。いや、肉体の一部と表現しても良いだろう。
自分達など比較にもならぬ程の時間を共に過ごしたその鉄槌が今、打ち砕くべき敵ではなくこちらに向けられている。
それが意味することは1つ。
この先には行くなという、彼女の意思表示だ。

「何をするんですか、副隊長!」

「エリオ、それにキャロ。悪いけど2人の…………なのはの邪魔をさせる訳にはいかねぇ」

「何を言っているんですか、2人は今………………」

「知っているさ、言われなくてもな。でも、これはあいつらが始めたことだ。無関係なあたしらが口を挟んで良い話じゃない」

「無関係って……………同じ部隊の、仲間なのに………………」

「仲間同士で私闘なんて間違っています。それにティアさんは病み上がりなんですよ、ケガでもしたらどうするんですか!」

「……………………………………」

エリオの放つ正論に返答できないのか、ヴィータは無言のまま2人から視線を逸らす。
一瞬、キャロの目に彼女の悲痛な表情が映り込む。
立ち位置の違いからかエリオには見えなかったようだが、キャロは確かに見た。
その表情はまるで、世界中の人間から置いてけぼりにされた幼子が浮かべる慟哭のようで、酷く見覚えのあるものだった。
既視感の正体に思い至ったキャロは小さく息を呑み、思わず数歩後ずさる。
こちらの動揺に気がついたエリオが何事かと振り返るが、今のキャロに返事を返す余裕はない。
知っているのだ。
涙を堪え、自分の無力感に苛まれながら歯を食い縛る嘆きを。
目の前の現実を前にして、どうすることもできず成り行きに任せるしかない理不尽を。
何故なら、それはかつての自分が浮かべていた表情なのだから。
まだ竜召喚をコントロールできなかった頃、主の身を守る為に本能の赴くまま暴走し続けるフリードを、自分はただ見守る事しかできなかった。
自分に悪意があった訳でも、フリードに害意がある訳でもない。身を守る為の行い、誰かに求められたが故の行為。
その結果として、巻き起こされる悲劇と惨劇。
主の心の底の不安や恐怖心を受けてフリードは暴れ回り、自分のことを守ろうとする。
その心にあるのは、ただただ純粋な思慕と防衛本能のみ。
護りたいという願いに、決して間違いはない。
だからこそ、辛かった。
正しいが故に、どうしようもなく間違った行為に涙し、それを止めることができなかった自分の無力さが許せなかった。
そんな風に己を責めていたかつての自分が、目の前の深紅の騎士の姿へと重なる。

967 Lyrical StrikerS 第9話その2⑥ :2010/01/27(水) 22:05:42 ID:rFRoD3QI
「あたしがしていることも、なのはがやっていることも、みんなに迷惑をかけるってことはちゃんとわかっている。
わかっているけど、けどよ………………どうにも………………どうにもできねぇんだ!」

「副隊長………………」

「不器用なんだよ、あいつ。あんな風に、真正面からぶつかることでしか相手と分かり合えないし、
自分の気持ちも伝えられねぇ。相手の力も気持ちも、全部受け止めないと気が済まねぇんだ。
例え、それが原因で相手に自分の気持ちが伝わらなかったとしても、破滅しちまったとしても構わねぇって思っている。
それがなのはなんだ。それが、高町なのはなんだ! だからっ!!」

突き付けられていたグラーフアイゼンが光と共に収縮し、ヴィータの手の中へと消える。
次の瞬間、彼女は徐にその場で膝を折ると、自身の白い顔が泥で汚れるのも構わず、頭を大地へと押し付けた。

「頼む、このままあの2人を戦わせてくれ。ちゃんと責任は取る。だから、見逃してくれ! お願いだ!」

突然のことにキャロとエリオは動揺し、言葉を失う。
あの気位の高い副隊長が、自分達のような年端もいかない新人に頭を下げる。
特にエリオは、同じ騎士として尊敬しているヴィータが土下座までしてなのはを庇う姿を前にして、
傍らのキャロを上回る狼狽を見せていた。

「ふ、副隊長。止めてください! どうしたんですか、いったい!? なのはさんに、いったい何が!?」

「それは……………………」

「言えないことなんですか? 納得できませんよ。ティアさんは、今傷ついているんです。
なのに、どうしてそれを放っておかなきゃいけないんですか!? 仲間なのに、友達なのにどうして無視しなきゃいけないんですか! 
何でみんな、どうして……………どうして仲良くできないんですか!」

「エリオくん!」

今にも怒りを吐き出さんとするエリオを止めようと、キャロは震える少年の腕を押さえる。
途端に、指先に鋭い静電気の痛みが走り、反射的に手を引っ込めてしまう。
よく見ると、エリオの体から青白い火花が弾け、赤い髪が僅かに逆立っている。
感情の昂ぶりに引きずられて、彼の変換資質が勝手に発動しているようだ。
暴走と呼べるほどのものではないが、無意識の内に抑圧されている彼の感情が出口を求めている証拠だ。

「答えてください、副隊長! なのはさんはティアさんに何をしようとしているんですか!?」

「っ……………………誰にも言うんじゃねぇぞ。あいつは、なのははなぁ…………………堕ちているんだよ、一度」

「なのはさんが?」

「堕ちて……………」

意外な告白に、2人は目を丸くする。
エース・オブ・エースが地に堕ちた。
それは決して有り得ない話ではないが、エースとして華々しく活躍するなのはの姿しか知らない2人からすれば、
とても想像することができない光景であった。
高町なのはは誰よりも強く、気高く、優雅で頼もしい存在だ。
曰く、逆境に置かれてこそ眩い光を放つエース。
曰く、絶望に置かれても諦めない不屈のエース。
あのフェイト・T・ハラオウンですら、高町なのはに関しては手放しで絶賛し、褒め称えていた。
そんな一流魔導師からも一目置かれるエースの中のエースが、一度とはいえ地に堕ちたことがあるなどと言われても、
すぐには信じることができなかった。

「詳しいことは言えねぇ。これはなのは個人の問題で、勝手に踏み込んで良いものじゃねぇ。
けど、これだけはわかってくれ。あいつは、自分と同じ思いをみんなにして欲しくないって思っている。
自分みたいに堕ちたりしないよう、基礎を固めて徹底的にぶん殴って鍛え上げようって考えている」

「それとあれが、どう関係あるって言うんですか!? 教導なんてものじゃないですよ。
ティアさんだけが傷ついて、一方的で……………あんなの、ただの暴力です」

「それは……………………」

「堕とすんですか?」

唇を歪めるヴィータに向けて、キャロは問いかける。
2人の問答を聞いていて、漠然と思い浮かんだ推論。
自分自身の実体験に基づく確信を。

968 Lyrical StrikerS 第9話その2⑦ :2010/01/27(水) 22:06:42 ID:rFRoD3QI
「エリオくん、わたしね、今でも竜召喚が怖いんだ。制御に失敗すれば、みんなを傷つけちゃうかもしれないって。
初出動の時に成功するまで、何度も失敗して色んな人を傷つけてきたから。だから、わたしは竜召喚が怖い。
凄く怖いから、絶対に制御しなくちゃいけないって理解している。多分、なのはさんもそれと同じことを思ったんじゃないかな? 
堕ちるのが怖いから、絶対に堕ちないようにしようって。一番、その怖さをわかってもらうためには………………」

「圧倒的な力で、完膚無きまでに殲滅する。痛みを知らないと、その痛みの持つ意味を理解できないから? 
そういうことなんですか、ヴィータ副隊長?」

「………………すまねぇ」

「あんまりだ………………そりゃ、ティアさんにだって悪いところはあったかもしれません。
けど、そこまでやらなきゃいけないくらいの問題ですか? 向かい合って、話し合えば済む問題じゃないんですか!?」

「話し合いじゃ済まないから、戦っているんだよ。なのはさんもティアさんも、自分達のしていることが正しいけど間違っているってこと、
ちゃんとわかっていると思う。だから、ぶつかり合わないと納得できないんだよ、きっと。わたしにはまだわからないけど、
思いを口にするだけが言葉じゃないと思う」

大き過ぎる夢を目指して足掻く教え子と、羽ばたく翼を折らせまいとする教導官。
夢の為に全てを投げ打つと覚悟を決めているティアナ。
夢を守る為に教え子を落とすまいとするなのは。
どちらの言い分も正しく、それ故に向かい合えば互いに否定し合うしかない。
その痛みが、苦痛が何よりも如実に思いを物語る時もある。
思い当たる節があるのか、エリオもそれ以上反論しようとしなかった。
どうすることもできない。
自分達にできることはもう、事態の成り行きを見守ることしかないのかもしれない。







続け様に放ったショートバレットが桃色の誘導弾によって撃ち抜かれ、獲物を追い詰める猟犬の勢いで迫って来る。
ティアナは即座にその場を飛び退き、右手のクロスミラージュで誘導弾を迎撃。
左手は撃鉄を引いてカートリッジをロードし、反撃の準備を行う。
その瞬間、降り注ぐ誘導弾の数が一気に倍へと増えた。
視界の全てを埋め尽くす桃色の閃光。
殺到する誘導弾を捌き切れず、ティアナは激痛にのたうちながら地面を転がった。
だが、クロスミラージュに準備させておいた術式はまだ生きている。
転がりながらも引き金を引き、噴煙の向こうにいる教導官に向けて誘導弾を飛ばす。
まともに照準も付けていないが、ティアナは渾身の力を込めて弾体を制御し、明後日の方向へと飛んでいたクロスファイアーシュートの軌道を
立ち塞がる教導官へと向ける。すかさず、彼女を取り巻いていた魔力弾の渦が攻撃をかき消し、相殺されなかった何発かがこちらへ牙を剥く。
防御魔法を唱える暇すらない。反撃に転じようとする度にティアナは地面へ叩きつけられ、神経を焼き切られるかのような
魔力ダメージの苦痛に顔を歪ませる。そんなやり取りがもう何度も繰り返されていた。
なのはは本気だった。
手加減など一切せず、圧倒的な火力と弾幕でこちらを攻め立て、呵責のない一撃で余力を刈り取っていく。
膝を突こうが倒れようがお構いなしに魔力弾は降り注ぎ、一片たりとも休む暇はない。
そんな魔力弾の豪雨を前にして、ティアナの攻撃はそよ風のようなものであった。
真正面から狙っても撃ち落とされる。
クロスファイアーシュートで死角を狙おうと足を止めれば集中砲火を受ける。
自動追尾のバレットFを使えばデコイとなる魔力球をばら撒かれて軌道をかく乱される。
砲撃や接近戦など、そもそもしかける隙がない。
模擬戦を初めて25分、全ての攻撃手段を封じられたティアナは今、無様に背中を見せて逃げ回ることしかできなかった。
とにかく逃げる。
砲撃魔導師であるなのはにとってこの訓練施設は全てが射程圏内。
どこに隠れても狙い撃ちに合う以上、ダメージを少しでも減らす為に走り回るしかない。
己の負担も省みず、両足を魔力で強化してひたすら走る。
右手ではアンカーの操作、左手は囮として放った幻影の制御。
動き回りながらフェイクシルエットを使うのは非常に困難なことだったが、使わなければ逃げられない。
とにかく逃げて、遮蔽物の多いところから狙撃する。
勝ち目があるとすればそれしかない。
だが、そんな儚い希望すら撃ち抜かんと、白衣の悪魔は詠唱を告げる。

969 Lyrical StrikerS 第9話その2⑧ :2010/01/27(水) 22:07:56 ID:rFRoD3QI
「ディバインバスター」

直後、桃色の閃光が頭上に降り注いだ。
回避できたのはほとんど奇跡だ。疲労が限界に達して両足の強化が解け、瓦礫に足を取られなければ、
今頃はなのはの砲撃の餌食になっていた。あれを食らっていれば、間違いなく昏倒していただろう。
そして、この一瞬はチャンスでもある。
どんな魔導師であろうと、砲撃魔法の前後には必ず隙が生まれる。
ここに来るまでにばら撒いておいた誘導弾は3発。
魔力ダメージを受け過ぎてリンカーコアが悲鳴を上げているが、ティアナは構わず制御を続行した。
こちらの意図に気がついたなのはが迎撃のためにカートリッジをロードするが、もう遅い。
左脇腹を狙った1発がアクセルシューターによって撃ち落とされる。
右太腿を狙った2発目がデバイスで切り払われる。
危機を脱し、再び攻勢へと転じるなのは。
彼女は気づいていない、遙か頭上から猛スピードで最後の1発が迫っていることに。
気配を察知した時は既に遅く、誘導弾を戻す暇さえない。
刹那、なのはの純白の姿が淡い桃色によって覆い尽くされ、飛来した魔力弾が弾かれる。
彼女の愛機レイジングハートが、全方位防御魔法を自動詠唱したのだ。
命中すれば確実に有効打を与えられる一撃。しかし、今の自分の魔力では彼女の堅牢なバリアを打ち破ることができない。
この模擬戦の勝利条件は、なのはの防御を抜いて僅かでもダメージを与えること。
Bランクの自分の攻撃では、小石がぶつかった程度の感覚でしかないだろう。
たちまちの内に誘導弾で周囲を囲まれたティアナは、自分でも驚くくらいに冷静な思考で退路がないことを把握する。

「終わりだよ」

そう宣言するかのように、桃色の魔力弾が光を増す。
ほとんど無意識に、ティアナはその数を追っていた。
32発。
一気に勝負をかけに来たのだろう。そこにはなのはが制御できる最大の数の魔力弾が揃っていた。
遂に訪れた瞬間を前にして、ティアナは引きつった笑みを漏らす。
この瞬間を待っていた。
徹底的に追い詰められ、もう後がないこの状況で、なのはが尚も全力で挑んでくるこの瞬間を。

「抜き打ち、結構自信あるんですよ、あたし!」

振り上げた銃口が火を噴くのと、アクセルシューターが降り注ぐのはほぼ同時であった。
全身に走る激痛。
意識が焼かれ、魔力が根こそぎ奪われていく。
力尽きた体がグラリと傾き、地面が急速に近づいていく。
これは賭けだ。
満身創痍の体でなのはの攻撃を捌くことはできない。
だが、一滴でも魔力と意識が残っていれば、自分は魔力弾を制御してみせる自信があった。
先ほど、抜き打ちで放った最後のクロスファイアーシュートに秘められた秘策。
それは強烈なジャイロ回転によるバリアの一点突破であった。
超高速で飛翔する魔力弾は轟音と共に大気を引き裂き、瞬く間になのはとの距離を詰めていく。
戦闘者としての勘がそうさせたのであろう。なのはは咄嗟にデバイスの自動詠唱ではなく自身の手でバリアを紡ぎ、飛来した魔力弾を受け止める。
鉄壁ともいえるなのはのバリアが、飴のようにぐにゃりと形をへこませる。
未だ勢いの衰えない螺旋運動が侵攻を阻害するバリアを少しずつ削っていき、なのはの顔に苦痛の色が浮かぶ。
傷ついた体に、僅かだが活力が戻って来た。
通じている。
自分の魔法が、自分の戦術がエースを追い込んでいる。
この戦いで、初めてティアナの顔に喜びと呼べる笑みが浮かぶ。
しかし、それは長く続かなかった。
突如として爆音が空気を震わし、土煙を上げる。
その向こうから現れたのは、未だ傷1つ負っていない高町なのはの姿だった。
彼女はバリアを自ら爆発させ、その破壊力で魔力弾を相殺したのである。

970 Lyrical StrikerS 第9話その2⑨ :2010/01/27(水) 22:08:37 ID:rFRoD3QI
「そんな……………………」

その時、ティアナは感覚ではなく現実として己の敗北を確信した。
今の自分では、彼女には勝てない。否、この先、何十年も努力を積み重ねたとしても、彼女には敵わない。
持って生まれた才能の差は血の滲むような鍛錬で覆せると思っていた。
生まれついての潜在魔力の差は戦術の工夫で補えると思っていた。
努力すれば必ず報われると、今日まで信じてやって来た。
なのに、この人はその全てを否定する。
凡人の努力も工夫も、一握りの天才の前には塵芥に過ぎないのだと。
自分が積み重ねてきた鍛練の日々が、全て無為なものへと叩き落とされていく絶望に、ティアナは心が凍りつくような錯覚すら覚えた。
だが、それで戦意が衰えたのかと問われれば否だ。
不思議だ。
今までなら、こんな絶望を前にすればきっと諦めて地に屈していたはず。
なのに、今は意固地なまでに反骨心が湧き上がってくる。
今なら問える。
ずっと抱いてきた疑問、心の内に秘めていた想いの全てを、彼女にぶつける事ができる。

「どうしてですか? こんなに強いのに………………あたしなんか、手も足も出ないのに。
どうして………………どうして、あたしを六課に呼んだんですか!?」

低く、擦れてしまった声で、ティアナはハッキリと疑問を口にする。
自分のような不必要な足手まといを、どうして手元に呼び寄せたのかと。

「あなたは強い。どんな逆境も覆してみせるエースかもしれない。けど、あたしは違います。才能なんてありません。
レアスキルなんてないし、魔力だって飛び抜けて高い訳じゃない。あたしが10人、束になってかかってもあなたには勝てないと思います。
けど、だったら……………どうしてご自分で戦わないんですか!? 使えない新人のサポートなんかしないで、自分で戦えば良いでしょう! 
あなたならミスショットもしない、あたしなんかよりももっと上手く立ち回って、素早くレリックを確保できる。
あたしなんて必要ない。そうでしょう…………………答えてください、高町なのは一等空尉!」

それは立ち塞がる理不尽への怨嗟なのか、それとも不甲斐ない自分への慟哭か。
叫び散らす本人すら、どちらの感情がより強く出ているのかわからなかった。
では、なのははどうか?
同じ部隊の同僚でも教導官でもなく、1つの絶望としてこの場に降り立った彼女には、その言葉はどのような形で届いているのか。
答えは、一筋の光で返って来た。

「甘ったれないで。そんな泣き言、通じると思うの?」

頬に走る鋭い痛み。
長距離から正確にこちらの頬を掠めた誘導弾が、背後の壁にぶつかって消滅する。
地の底から響くようななのはの言葉は、今朝の模擬戦の時とは明らかに違う感情が込められていた。
失望ではなく怒り。
落胆ではなく憤怒。
先程までとは比較にならない殺気が全身から滲みだし、空間すらも圧迫しているかのような錯覚がティアナに襲いかかる。

「君が何を思おうと、卑屈になって無茶をしようと、それは勝手だよ。新人なんだもの、悩むことだってあるし、
それに気がつかなかったのはわたしの監督不行き届き。わたしの失態だよ。けど、自分なんか必要ないなんて言わせない。
必要ない人間なんて存在しない。そうやって自分の可能性を狭めるのなら、わたしは君を許さない。
自分を蔑ろにする人間を、わたしは絶対に許したりしない。ねえ、わたしの言っていること、間違っているかな?」

「あなたはいつも正しい。真っすぐで、眩しくて………………凄く傲慢です。何も失ったことのないあなたじゃ、
挫折を知らないあなたじゃ、あたしの気持ちなんて絶対にわかりっこない! あたしには誇れるものなんて何もない。
スバルやエリオやキャロみたいな才能があたしにはない。だったら、死ぬ気で努力しなくちゃ、夢を掴むことなんてできないじゃないですか!」

「………………そう。そんな風に考えていたんだ。なら、夢半ばで倒れても本望だよね?」

《A firing lock is cancelled》

レイジングハートから発せられる無情な宣告。
それは魔力ダメージという枷を取り払い、物理的な破壊をまき散らす禁断の呪詛。
即ち、非殺傷設定の解除を意味していた。

971 Lyrical StrikerS 第9話その2⑩ :2010/01/27(水) 22:09:22 ID:rFRoD3QI
「な、なのはさん?」

「ファイア」

無慈悲に撃ち出される32発の魔力弾。
どれか1発でも食らってしまえば手足が千切れ、そこで自分の運命は終わる。
現役の管理局の局員とは思えない残虐な行為。しかし、実際に目の前で起きている出来事が現実逃避を許さない。
どうしてと問う暇さえなかった。
理由も是非も問えず、悲鳴を漏らす時間すら与えられない。
そんな状況の中で、ティアナは半ば無意識のまま両手のクロスミラージュに編み上げた魔法の構成を叩き込み、
マガジン内部のカートリッジを手動で炸裂させていた。
自分でも驚くくらい冷徹な思考と滑らかな指の動きだった。
このまま何もしなければ死んでしまうという認識によって呼び覚まされた生存本能が、思考よりも先に肉体を操作しているのである。
そして、その動作は紛れもなく日頃の訓練の延長。高町なのはによって延々と繰り返された射撃訓練の時と同じく、
クロスミラージュの銃口は向かってくる魔力弾へと狙いをつける。
銃声は3発。
右に1発、左に2発。
32発もの魔力弾を撃ち落とすにはとても足りない。
だが、これで良い。
撃ち落とすのは自身に害を及ぼすものだけで良いのだ。
3発だけ撃ち落とせば、後は勝手に軌道が逸れていく。
直後、派手な爆発音が背後で轟き、粉塵が巻き上がる。

「…………っ、生きている」

我に返ったティアナは、自分のやったことを思い出して呆然と立ち尽くす。
あれだけの弾幕を潜り抜けるなんて、自分でも信じられない。
ふと振り返ると、そこには破壊の跡は一切見られなかった。
物理破壊設定で撃ち出されたはずの魔力弾が、どういう訳か魔力ダメージに設定されていたようである。
ならば、さっきのはなのはの芝居ということなのだろうか?

「嫌だよね? 何もできずに倒れるのは、嫌だよね? 自分が望んで起きた結果なら納得できるなんて嘘。
負けたくない、倒れたくない、死にたくない。だって、自分には果たさなきゃいけない夢があるから。
そうでしょう? 君の夢は君の命で釣り合うものなの? それで納得できるの? 精一杯頑張ったから、
それで良いなんて思える訳ないよね。ましてや、する必要もない無茶をして貶めて良いものでもない。
その思いがどれだけ崇高でも、堕ちたらそこまでなんだよ。それで二度と飛べなくなったら、もう夢は叶わないんだよ」

この人は何を見てきたのだろうかと、疑問が浮かぶ。
高町なのはは不敗のエース、挫折とは無縁の存在だと思っていた。
なのに、彼女の発する言葉の1つ1つが重い。挫折を知らない人間では決して発することのできない重い言葉。
鋭いナイフのように切りつけてくるなのはの言葉は、ささくれ立ったティアナの心を無残にも切り裂いていく。
その痛みは吐き気がするくらい気持ち悪いものなのに、戦意だけは湧水のように後から後から湧き出てくる。
受け止めなければならない。
彼女の言葉を、思いの全てを。

「まだ、終わってません……………………初めに言いましたよね、自分を証明するって。
この程度で堕ちたりしません。あなたの全力だって受け止めます。どんな逆境も、理不尽にだって抗います」

一歩ずつ、白衣の教導官へと歩を進めていく。
この瞬間、ティアナの脳裏から死んだ兄の無念を晴らすという動機は消えていた。
先日のミスショットの件を挽回するという意地も、エースを倒して実力を証明するという野心も消えていた。
ただ純粋に、自分と彼女の実力差を知りたい。
彼女の全てを受け止めて、そこから学べるものを奪いたい。
失態に失態を重ね、教導官からも見放され、自分を追い込み、ティアナは初めて自分の為だけに戦う決意を固めた。
なのはもその思いを汲んでくれたのだろう。彼女の内側からこれまで以上に膨大な量の魔力が迸り、
レイジングハートの先端に桃色の羽根が形成される。
初めて見る姿だ。
ジリジリとした焦燥感は、今までにない恐怖を呼び起こす。
間違いなく、これから繰り出される一撃は彼女の最強の一手だ。
射撃か砲撃か、意表を突いて突撃か。
その答えはすぐに出た。
カートリッジの炸裂と共に、彼女の周囲の空間から二色の光がレイジングハートの先端へと集束を始めたからだ。
その大半がなのはの魔力光と同じく桃色の光。だが、僅かではあるが自分の魔力光と同じ橙色も含まれていた。

972 Lyrical StrikerS 第9話その2⑪ :2010/01/27(水) 22:10:00 ID:rFRoD3QI
(集束砲!?)

なのはが撃ち出そうとしている砲撃の正体に気づき、ティアナの背筋に電流にも似た寒気が走る。
通常、魔法を使えば周辺の空間に魔力の残りかすが残る。それは時間と共に霧散していくものだが、
熟練の魔導師の中にはそれすらも利用して大規模な魔法を行使する者がいると聞く。
それが集束スキルだ。
使用済みの魔力残滓をかき集めて魔法を編めば、当然のことながら自身の消耗は最低限で済む。
しかも、周囲で激戦が繰り広げられるほど、魔導師の数が多いほど、行使された魔法が大規模であるほど、
自身の限界を超えた魔法を行使することができるのである。
ただし、スキル自体の習得難度に加えて大規模魔法の詠唱に伴う肉体への負担、何より霧散していく魔力残滓を
都合良く集める事が出来るような状況が限られていることから、習得している者はほとんどいないと言われている。
実際、ティアナも訓練校の教科書で呼んだきりで、その使い勝手の悪さから習得を諦めた経験がある。
なのはが如何なる理由からこの技を身に付けたのかは知る由もなかったが、彼女が放たんとしている砲撃はこちらの想像を絶するほどの威力になることだろう。

《Count nine》

静かに告げられるカウントダウン。
残された9秒でティアナが取った選択は、真正面からの撃ち合いであった。
教導官であるなのはが、何の考えもなしに大威力砲撃を仕掛けるはずがない。
間違いなく、自分の前後左右には設置型のバインドが仕込まれているはず。
かと言って、消耗し切った今の体で彼女の砲撃に耐えられる自信はない。
ならば、万に一つの可能性にかけて迎撃するしかない。
例え競り勝つことができずとも、軌道を逸らすことさえできれば良い。

「クロスミラージュ、カートリッジロード」

《Load Cartridge》

装填した左右のカートリッジが同時に弾ける。
恐らくは、自分が制御できるギリギリの弾数。
これで勝てるのかという不安は、奥歯を噛み締めて払拭する。
敗北をイメージするな。狙うは必勝、立ち塞がる壁は撃ち砕き、乗り越えるのみ。
この9秒間で今日までの自分の全てを、この砲撃に注ぎ込む。

《Count three, two, one……zero》

「いくよ、ティアナ! これがわたしの全力全開!」

「…………っ!? なのはさん!」

「スターライトっ!!」

「ファントムっ!」

交差する2つの視線。
ティアナの背筋に戦慄が走る。
なのはの瞳に初めて闘志と呼べるものが宿る。
撃ち合えば、双方共に魔力は0。そうなれば、後は意地の勝った方が勝利者である。
2人は目を閉じることなく、有りっ丈の思いを込めて引き金に指をかける。

「ブレイカァァァっ!!」

「ブレイザぁぁぁぁっ!!!」

轟音と共に撃ち出された桜色の砲撃が、呆気なく橙色の砲撃を飲み込んで視界を埋め尽くしていく。
それが、この戦いでティアナが見た最後の光景であった。
戦闘時間、合計37分39秒。
後にティアナは、自分がなのはと単独で戦った教え子達の誰よりも長く、恩師の猛攻に耐え切ったことを知るのであった。






                                                         to be continued

973 B・A :2010/01/27(水) 22:11:55 ID:rFRoD3QI
以上です。
次話に備えてエリオの出番を増やしたらこれだよ。
ティアナ編完結は次回に持ち越しです。
スバルがメインに舞い戻るのはまだ先かなぁ。
ちなみに、時間をかければフルドライブでなくともSLBは使えることにしました。
リミッターって魔力の制限だけですし、A's2話でデバイスモードでSLB+を放っていたので。

974 イクスピアリ :2010/01/27(水) 22:19:30 ID:tMVltBtg
なのはさんパネェっす
でもそれと戦えるティアナもパネェっす

B・Aさんはほんと表現とかうまいなぁ



投稿しようかと思ったけどこんな良作のあとになんてとても……

975 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 22:26:59 ID:PTO7s./k
したらばでの投下関連メモ

【エロパロ板】(参考)
容量が500kbを超えるか、書き込みが1000レスを超えると1スレッド終了

【避難所】
容量は関係なし。レス数1000を超えると1スレッド終了(現時点での設定)
管理人によるピンポイント規制可
・投稿間隔 30秒
・本文の最大行数 200行
・一回の投稿本文の最大文字数 4096文字

■Jane Doe Styleからしたらばを見る方法。
板一覧のカテゴリの右クリックメニューから「新規カテゴリを追加」して、
新しくできたカテゴリに「ここに板を追加」でおk。

■ギコナビでのしたらばの見方
「表示」→「キャビネット」→「したらばJBBS」→「同人・コミケ・二次創作」
※入れ替わりが激しいので全ての板が登録されているわけじゃない。つまり、そのままではこの板は見れない。
◎この板の追加の仕方
「ヘルプ」→「ギコナビフォルダを開く」→「config」→「Board」→「したらばJBBS.txt」の順に開く。
カテゴリ[同人・コミケ・二次創作]の一番下に
好きな名前(「なのはエロパロ避難所」とか)=http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12448/  
を入力して上書き保存。一端ギコを閉じて、再起動。
このスレが「したらばJBBS」内に出現するはず。あとはお気に入りに登録するなり何なり。

976 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 22:29:16 ID:1hH5Cihc
>>973
GJ、お見事。
なのはVSティアナは、ほんっと、落としどころと言い心情変化と言い、力量試されるわ。
ああ、俺はケツまくってその描写から逃げてるけど。

>>974
おいおい、今のティアナの戦い見てなかったのかい?
諦めちゃいかんぜ? 書きなよ投下しなよ抗いなよ。
書き続けりゃあ、良作の誉れは後からついてくる。

977 名無しさん@魔法少女 :2010/01/27(水) 22:35:06 ID:PTO7s./k
B・A氏GJ
この後の展開で、ティアナがスッキリしてるか否かでちょっと道がわかれそう、ですかね
ライトニング二名の活躍も楽しみにしてます

>「わたしは、君が泣いても撃つのを止めない」

ナニヲスルダァー

そして、次スレ建てときました

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第102話☆
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12448/1264598753/

間違ってテンプレ誤爆・・・スンマセン

978 イクスピアリ :2010/01/27(水) 22:57:49 ID:tMVltBtg
良作続きのなか恐縮ですが投稿します

注意
・なのはポータブルのネタバレあり

・改変箇所あり

・合い言葉はなのフェイフェ…ゲフンゲフン雷刃たん

・微エロ?
ここでの基準が分からないので読んだ方は教えてくださると幸いです

979 雷刃がいる風景 〜始まり〜 :2010/01/27(水) 23:00:50 ID:tMVltBtg
雨が降る海上にて対峙する二人の少女がいた

一人は白き衣装を纏い手には杖を持つ亜麻色の髪の少女

一人は黒き衣装を纏い手には斧を持つ水色で末端が黒き髪の少女

白き衣装を纏う少女――高町なのはは相棒たる杖――レイジングハートを叩きつける

黒衣の少女が吹き飛ばされ体勢を立て直した瞬間桜色の輪が少女を拘束した

「な、なにこれ!?」

「全力全開!」

少女が見上げた先には集う桜色の魔力

「スターライトブレイカー!」

放たれた集束砲が少女を貫くと少女は海へと墜ちていく
それを見届けたなのははレイジングハートを下げる

「終わったかな」

《反応消失。恐らく倒したかと》

「なのは!」

そこに金髪に黒衣の少女――フェイト・テスタロッサが駆けつけ二人は言葉を交わしその場を去っていく


後になのははこう語る


――あの時ちゃんと確認するべきだったの

980 雷刃がいる風景 :2010/01/27(水) 23:05:50 ID:tMVltBtg
海鳴市上空
少女を倒したなのはは最後の反応のあったこの地に自ら志願しこの場にいた相手と戦った

肩で大きく揺らし息を整えるなのはの前には消えかけているなのはに似た少女がいる

「ああ……私は消えるのですね。」

「うん……ごめんね。」

なのはの言葉に少女――後にマテリアルSと呼ばれる事が判明する―は穏やかに答える

「なに、強い戦士と戦って破れたのです。生まれた甲斐はありましたとも。」

「うん……ありがとう。」

マテリアルはなのはをまっすぐに見る

「もし、次に見える事があれば、今度はきっと決して砕け得ぬ力をこの手にして、あなたと戦いたいと思います。」

「ん……待ってる、とは言えないけど。」

「次に私と戦うまで、あなたの道が、勝利に彩られますように。」

目を閉じマテリアルは告げる

「それでは……さらばです。」

加速する消滅

「ああそれと……」

「えっ?」

「彼女を宜しくお願いします。根は良い子なので末永く頼みます。」

軽く頭を下げマテリアルは消えていった

「なんだか不思議な子だったな。」

そう呟いたなのは
エイミィやリンディ、クロノのやり取り、遠くからこちらに向かってくるフェイトを見てふとなのはは思った

(あの子を頼みますって……あの子って誰だろう?)

そんな事を思いながらなのははフェイトと共に自宅へと帰って行く

981 雷刃がいる風景 :2010/01/27(水) 23:09:22 ID:tMVltBtg
闇の欠片事件と後に呼ばれるようになる今回の事件を解決した後フェイトはそのままなのはの家、高町家にお泊まりする事になった

「お風呂気持ちよかったね〜」

「うん、そうだねなのは。」

髪を拭き終えた二人はなのはの部屋に向かう
徹夜であった事と次の日が日曜日であるためそのまま寝るためである

(なのはと一緒……なのはと一緒……)

頬を赤く染めたフェイト

(駄目だよなのは……そこは恥ずかしいよぉ)

一体何を想像してるのか段々フニャっと顔が緩む

「ふぇ、フェイトちゃん……」

「どうしたのなのは?」

そしてなのはから声をかけられるとすぐに戻るフェイト
まさしくマルチタスクの無駄遣い

「……あれ。」

なのはが指さした場所はなのはのベッド

――ただし明らかに人一人分膨らんでいた

恐る恐る近づく二人
意を決し同時に布団を捲る
そこには――

「待ってたよお姉さま!」

水色で末端がダークブルーという特徴的な髪色をしたあの少女が何故か裸でそこにいた


「な、なんで裸なのーーー!?」

「えっ!そっちからつっこむのなのは!?」

叫ぶなのは
さり気なくレイジングハートが防音結界を展開
バルディッシュもそれに協力し強化するなか事態は進む

「お姉さま!僕が暖めてたから暖かいよ!だから早く使って!」

バムバムとベッドを叩く少女

「というか何でいるの!確かリインフォースさんは構築体(マテリアル)は消えたって言ってたのに!?」

「そうだね。でもそれはもう僕には関係ない。今の僕は君が…じゃない、お姉さまが集束砲で僕を撃ち抜いた時あまりの威力に防衛構築体のプログラムから弾かれた人格と身体データだけ。゙元゙力のマテリアル、雷刃の襲撃者という存在。」

瞳を輝かせ少女――雷刃の襲撃者はなのはを見る

「お姉さまは僕を゙砕け得ぬ闇゙とは違う形で確固たる存在にしてくれた恩人!だから僕は全てをお姉さまに捧げに来たんだ!」

「ええっと……どうしようフェイトちゃん!助けてよ!」

フェイトに助けを求めるなのはだがフェイトは顔を俯かせ肩を震わせていた
そして顔を上げ言い放つ

「ぽっと出のどこの誰かも分からない癖に……なのはをお姉さまなんて言うな!」

「え、あの、フェイトちゃん?」

「私がなのはを一番好きなんだ!」

襲撃者に組み付き追い出そうとするフェイトだが当然襲撃者も黙っていない

「僕とお姉さまの仲を邪魔するな!」

「あなたこそ私となのはの仲を邪魔しないで!」

取っ組み合いになりフェイトが襲撃者の髪を引っ張ったり逆に襲撃者が引っ張り返したりしいつの間にかフェイトのパジャマまで脱げる

「二人とも!」

キャットファイトは続く

「二人とも止めてよ!」

なのはの中で何が溜まる

「止めてってば!」

叫んだ瞬間飛んできた枕がなのはの顔面を直撃
しかし気づかず続ける二人


ブチッ


なのはの目から光が消え手をかざす

「きゃっ!」

「な、なにこれ!」

フェイトに襲撃者が覆い被さる形で二人の手首と足首がバインドされる

「二人とも……」

にじりよるなのは
その手には見慣れない道具を持っている

「な、なのはそれって……」

「お母さんの部屋から見つけたの。」

「む、無理だよお姉さま!そんなに大きいバイブで貫かれたら僕裂けちゃう!」

ジタバタと二人は逃れようとするが現実は非情である


――少し、頭冷やそうか





チュンチュンと鳴く鳥の声になのはは目を覚ます

「んっ……」

伸びをし周りを見回す

右にはフェイト、左には襲撃者
ベッドシーツには赤い斑点が幾つもある

「……っ」

股に走る痛みに顔をしかめるなのはだがクスッと微笑む

「頼まれちゃったし……何より私自身も気になるしね。」

幸せそうに眠るフェイトと襲撃者

「これからが大変だね……」

そう言ったなのはは再び寝転がると二人を抱き寄せ再び眠るのであった

982 イクスピアリ :2010/01/27(水) 23:15:15 ID:tMVltBtg
以上です


なのはポータブルの襲撃者が可愛いすぎてつい考えたのを煮詰めていったらこうなってました

注意書きしたからネタバレ大丈夫……だよね?


雷刃のいる風景(雷刃たんシリーズ)は思いついたら色々書く予定ではあります



場面がとびとびなのは完全な力量不足+繋ぎのシーンが浮かばなかったんです……orz

983 名無しさん@魔法少女 :2010/01/28(木) 01:27:45 ID:unGGZzs2
B・A氏GJ
教導管の言葉が、酷く重い
文章だからこそ表現できる重さってやっぱりあるんだな
イクスピアリ氏もGJ
見た目蒼髪のフェイトで僕っ娘がなのはをお姉さまと呼ぶ・・・破壊力やべぇな
そして武力用途に使われるレイジングハートに笑ったw
>ネタばれ
ストーリー性の強いRPG系列って訳でもない(よね?)し、注意さえありゃ良いと思う・・・ぜ?

984 名無しさん@魔法少女 :2010/01/28(木) 02:39:33 ID:T4ULXje6
面白かったけどこのティアナ凄いな。
非殺傷設定でなのはがぶち込んできた時点で俺だったら幻術で逃げる。
それで自分が前回の作戦でやったことに関しては悪いと思うし、訓練でボコられるまでなら許容できるが、
殺されかける意味がわからんとか、あいつ頭がおかしいからどうにかしてくれって部隊長に言うw

985 Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2010/01/28(木) 06:46:05 ID:cFEMACEs
投下が多い……多すぎる……だから一つだけ言わせてくれ。
全ての職人に、至高のGJを。

という訳で短いの投下。
・非エロ
・フェイト&なのは

986 ちいさなまほう 1/2 :2010/01/28(木) 06:46:52 ID:cFEMACEs
「わたし……いつも思うんだ」
「どうしたの、なのは、改まって?」
穏やかな風が吹く屋上。
フェイトはフェンス越しに海鳴りの街並みを眺めながら、ぽつんと呟いた。
隣には、なのは。友達になってから、もう次の春が巡ってこようとしている。
暖かくなりかけた、弱々しくも一生懸命な太陽の下、二人は街を見下ろしていた。

「フェイトちゃんと友達になれて、本当に良かったな、って思ってるの。
あんなにいっぱいぶつかりあって、それでいっぱいお話をしたのは、初めてだったから」
「えっ……」
かぁっ。顔が赤くなる。
なるべくなのはの方を見ないように、顔をあさっての方向にそらしながら、ぼそりと喋る。
「えっ、えっと、私なんかのどこがいい、のかな?」
誰かに認められた、それよりも嬉しいことがこの世にあるだろうか。
何度も何度も、対話を試みてきてくれた。こちらがいくら拒絶し、刄を向け続けても。
それは、簡単にできることではない。怖いとか、やっぱりやめようとか、そんなことは露ほども考えない。
フェイトは、そんななのはを不思議に思うところがあった。
「……んもぅ」

最初になのはが口を開いた時、出てきたのはため息だった。
ぐいっ、と両頬を手で押さえられ、無理矢理に顔を向き合わされた。
フェイトより少し背の低いなのはが、背伸びをして目線を合わせてくる。
その目は、いつもよりちょっぴり真剣で、いつもよりちょっぴり怒っていた。
「フェイトちゃん。『私なんか』じゃないよ。フェイトちゃんは、もっと自分を誇っていいんだよ!」
なのはの透き通るような、真ん丸の瞳は、思わず吸い込まれていきそう。
栗色の髪に結わえられたリボンは、かつて渡した黒い色。
ほのかに、ミルクみたいな甘い匂いが漂ってくる。
「それに、わたし言ったよね? 『ちゃんと相手の目を見ること』って」
「あ、ご……ごめんなさい、なのは」
気迫に押されていると、なのははにっこりと微笑んだ。
それはまるで天使のようで、見た人の心を柔らかく解してしまいそうだった。
「……羨ましいな」
そんな言葉が口を突いて出たのは、なのはが一瞬、眩しく見えてしまったからだった。
自分にはそんな笑顔はできない。一抹の寂しさが、胸を掠めた。
今まで、戦うことしか知らなかった。排除することばかり考えていた。
だから、どうやって笑えばいいのか、分からなかった――そう、なのはに出会うまでは。
少しずつ、一歩ずつ、笑みを浮かべられるようになってきた。
でも、なのはみたいに笑えない。見た人をほんわかな気持ちにできる、温かい表情を、作れない。
「ねぇ、フェイトちゃん。わたしもね、フェイトちゃんが羨ましいんだよ?」
「……え?」

突然、羨ましいといわれ、フェイトは面食らった。
ゆっくりと目を閉じて、なのはは自らの胸に手を当てた。
「背もわたしより高いし、髪もサラサラできれいな金髪だし」
「そんなことないよ。なのはは可愛いし、髪だって」
目を細めて、なのはが語る。
フェイトが口を開きかけた時、なのはは先に言った。




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