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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第101話☆
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ギンガの恋路 (後編)
「しかしまあ……まさかこんな事になるとはな……」
そう一人呟くカルタスの声には、諦念と自分自身に対する呆れの気持ちが込められていた。
彼は今、自分の家にいる。
クラナガン市内の、これといって高くも安くもない、長所を上げるならば職場に近い、そんなマンションの一室だ。
広いとも狭いとも言えぬ間取りの我が家の寝室、そこに鎮座する安ベッドの上に彼は腰掛けている。
姿は制服を着たものだが、しかしネクタイを取り上着も脱ぎ捨て、シャツのボタンを五つも外したラフな格好。
理由は決して、自室故に気を抜いた、というものではない。
もっと艶めいていて、かつ堕落した理由。
それはこれから始まる睦事の為に、円滑さを出す為に他ならない。
部屋の空気には、彼の息遣い以外の音が響いている。
それは水音。
幾粒もの水滴が放たれ、硬質なタイルの上で跳ねる残響だ。
音源は寝室から廊下を隔てた先にある浴室。
そこでシャワーによって音を奏でるのは、今宵彼と床を共にする為に訪れた少女、ギンガ・ナカジマに他ならない。
静かな部屋の中に響く水の滴る音色が艶やかに響き、カルタスの心を昂ぶらせていく。
これから彼女を抱くのだという実感が、肌を粟立たせる程に興奮を呼び起こしていた。
普通自分の家に帰り着けば、そこには安堵がある筈なのだが。
しかし今の彼を満たしているのは、緊張と興奮、そして熱い期待だった。
部隊のオフィスでの一件の後、今宵彼女と床を共にする事になり、選ばれた場所が彼の家。
ギンガの家ではもしかしたらゲンヤが帰って来るかもしれないし、制服姿でホテルに連れ込むのも気が引ける。
それ故の選択だった。
だが、いつもは見慣れた筈の我が家も、恋しい少女と一晩を過ごすとなればまるで落ち着けない場所に感じてしまう。
人として、男として、それなりに多くの事を経験して積み重ねてきたつもりだった。
しかし、ギンガが身を清めて床に来るのを待つ、たったそれだけの事が心臓の鼓動を早鐘の如く打たせるのだ。
落ち着け、と彼は自身に言い聞かせる。
年上の自分がこんなではギンガに見せる顔がない。
深呼吸を二度、三度と繰り返す、新鮮な空気で思考をクリアにしていく。
だが、しかし。
次なる刹那、四度目の深呼吸を打ち破る音が響いた。
それは浴室のドアが開く音、濡れた足音が寝室まで至る音。
そして、
「あ、あの……シャワー、終わりました……」
甘く澄んだ乙女の囁きだった。
□
カルタスは息を飲んだ。
今まで冷静さを取り戻そうとしていた思考は瓦解し、心の臓はもはやドラムロールと化して鼓動を刻む。
それ程までに、目の前の少女の媚態は素晴らしかった。
湯で身を清め、ほんのりと朱色に上気した肌を、たった一枚のタオルで覆い隠すのみの姿。
タオルの張り付いた肢体はその美しいプロポーションを惜しげもなく浮き彫りにする。
実りに実った釣鐘型の豊満な乳房から、余分な贅肉など一ミリ足りとて存在しないウエスト、だがそれが嘘のように張り出した肉付きの良い尻。
むっちりとした太股のラインもまた実に美味しそうな絶景。
男として産まれ落ちた者ならば一度は抱きたいと思い描く、究極的に完成された女体。
腰まで流れるように伸びる青い髪も、またそれらに負けず劣らずに美しい。
濡れ光り、艶を持ち、シャンプーやリンスといった洗髪剤だけではない、彼女本来の甘い香りを誘うように放っている。
そして何より心を惹き、魅せるのは美貌。
整った目鼻立ちはもちろん、じっとこちらを見つめる碧眼は熱を帯びて潤み、カルタスの心を完全に魅了した。
彼の心がギンガの媚態に打ちのめされ、硬直するのをよそに、少女は歩み寄る。
ひたりひたり、と、先ほど浴びたシャワーで僅かに濡れた足が音を立ててベッドへと近づき。
とすん、と、カルタスの横に少女が尻を乗せた。
伝わるのは熱と香り。
触れ合った肩から火照った少女の微熱が染み入り、髪から香る蕩けるような芳香が鼻腔をくすぐる。
カルタスはただ呆然と息を飲んだ。
一拍の静寂が場を支配し、無音の時が流れる。
互いの息遣いと触れ合った身体から伝わる鼓動が全てとなる世界。
どこかもどかしく、だが心地良い静けさ。
そんなしめやかさを破ったのは、隣に座る乙女だった。
「……カルタスさん」
蚊の鳴くような小さな、しかし澄んだ声が、その内にたっぷりと恋慕を孕んで彼の名を紡ぐ。
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