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魔法少女リリカルなのは総合エロ小説第99話

591七夕の宵:2009/07/07(火) 23:39:30 ID:JobguD02
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 フェイトが言ったとおり、二人は思う存分祭りを楽しんだ。
 フェイト待望のベビーカステラを買ったり、射的やくじ引き、金魚掬いといった定番物に興じる。
 数多くある焼きそば屋のどこが一番うまそうかを真剣に考え、結局二人別々の屋台で買って半分こした。
 くじ引きでは外れしか引けなかったが、残念賞にもらったラムネは爽やかで美味しかった。
 タコ焼きにタコが二個入っていたと喜び、金魚すくいではもう少しのところで網が破れたのを本気で残念が
る。
 それこそ小学生に戻ったようにはしゃぐフェイト。いつもおとなしい彼女が、これだけ感情を前に出しては
しゃぐのは珍しい。
 こんなフェイトが見れただけでも来た価値はあった。
 クロノも二十歳過ぎのいい年した男であるという見栄は無くして、一つ一つの催しを素直に楽しんだ。
 そうやって屋台を見て回るうち、いつのまにか会場の外れに出てしまう。先には屋台も人影も無く、林へ続
く細い道が一本あるだけだった。
 戻ろうか、とフェイトに声をかけるが、フェイトはその場に立ち止まったまま何かを見つめていた。

「どうしたんだ?」
「ほらクロノ、蛍がいるよ」

 フェイトが指差した先で、わずかに緑色を帯びた光がふよふよと飛んでいた。花火大会が行われる近くの川
で生まれたものだろうか。

「きれい……。私実際に見るのは初めて」
「僕もだよ。そういえば海鳴では見なかったな」
「海鳴はそこそこ都会だからね」

 蛍はそのまま、林の奥へと飛んでいく。
 誘われるように、フェイトが後に続いた。止めようとしたクロノだったが、ちょっと思い直して自分も後を
についていった。
 そこまで深い林でもないし、ちょっとぐらいの危険ならクロノもフェイトも自力で抜け出せる力はある。蛍
見物の風流もたまにはいいだろう。
 林の道は案外広く、左右の木も生い茂ってはいなかった。梢の合間から漏れた月光の中を蛍が舞うところな
ど、まるで一葉の絵画のようだった。
 神秘的な夜の景色をゆっくりと楽しみながら歩いていたクロノだが、数歩先を行っていたフェイトがいきな
りぴたりと立ち止まった。
 どうしたんだと訊くより先に、クロノの耳に入ってきた声があった。

「……っはぁ……くぅん……」

 ほんの微かだが、うめくような声と荒い息遣いが林の奥でする。
 まさか急病で苦しんでいる人でもいるのかと気色ばんだクロノだったが、次の言葉で肩に入った力ががっく
りと抜けた。

「もっとぉ、おちんちんで私のあそこいっぱい……ああん!!」

 声自体に聞き覚えは無かったが、似たような色の声はいくらでも聞いたことがあった。夜中にフェイトと一
緒にベッドの上であれやこれやをしている時に。
 よくよく聞けば似たような声があちこちから流れてきており、眼を凝らせばもぞもぞと動く二人分の人影が
そこかしこにあった。ついでに鼻にも、なにやら生臭い匂いが漂ってきた。

(…………これはあれか!? ハッテン場という奴なのか!?)

 祭りの熱気に当てられて、ついつい大胆になってしまうカップルがいるという話は聞いたことがあった。実
際に眼にしたのは初めてだが。
 フェイトも気づいたのか、夜目にも明らかに顔を真っ赤に染めていた。




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