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仮投下スレ
791
:
第四回放送・裏
◆iDqvc5TpTI
:2010/12/23(木) 12:53:10 ID:qCCNahKk0
「己の勝利に酔いしれ、敗者をかえりみないお前達は知らなければならなかったのだ。
お前達もまた敗者足りえたのだと。お前達が否定した悪そのものだったのだとッ!!」
それが生前のロザリーが仲間と共に訝しみ、あと一歩のところまで迫っていた、この殺し合いにおける人選の謎の答えだった。
何故人間以外の種族が巻き込まれたのか? それは概ねロザリー達の推測通りだ。
足りなかったのは、どうして参加者たちは誰もが平穏とは程遠い戦いを経験していたのかという点だ。
戦力バランスを考えてなどというものではない。
オディオは殺戮劇の参加者を、何らかの戦いを勝ち抜いた者を中心に選んでいたのだ。
この世が勝者と敗者で二分されているというのなら、勝者同士を戦わせればいい。
そうすれば、数多の勝者も敗者となり、数多の正義も悪となる。
偽善は暴かれ、たった一人の、真の勝者だけが残る。
その真の勝者を、魔王オディオは心の底から祝福しよう。
たとえその者の願いが、全ての死者の蘇生であっても喜んで叶えよう。
何故なら、その真の勝者は嫌でも理解せざるをえないからだ。
自分の願いの為に、誰かを殺し、蹴落としたことを。
誰かを護るということも、結局は人を傷付けてでしか成し遂げられない罪に他ならないということを。
「お前にはピンと来ぬかもしれぬがな。
アシュレー・ウィンチェスター。最たる勝者よ」
嫌味などではなく、羨望さえ感じる声でオディオはアシュレーを評する。
最たる勝者。
彼以上に殺し合いに招いた勝者の中で、この賞賛が似合う人間もいないだろう。
彼はオディオが唾棄した、何もしないで救いを求めるだけだった人々を、自らの意思で立ち上がらせた。
皆の心を一つにして、誰一人欠けさせることなく、未来を勝ち取った。
それは、きっと素晴らしい未来なのだろう。
あくまでも推測なのは、オディオにはファルガイアの未来を知る術はないからだ。
オディオは『憎しみ』という感情の化身である。
故にこそ、強き憎しみの力を持つ者がいれば、その存在を基点とし、時空の壁を越えて干渉できるのだ。
ただ、それは裏返せば、強き憎しみを抱く者がいない世界には干渉できないこととなる。
ファルガイアの未来はまさしくそれだった。
死に際のロードブレイザーを基点とし、オディオが干渉できたのはせいぜいその前後一年。
それ以降の未来、少なくともアシュレーの存命中には、オディオの媒介になる存在は現われはしなかった。
そして、その輝かしい未来を象徴するかのように。
アシュレーはこの殺し合いの最中でも、絆と希望を掲げ、数々の勝利をその手にした。
「フフフ……、ハハハハハ……、ハーッハッハッハッハア……!!
そうだ、お前に私達、敗者のことが分かるはずもない。
ロードブレイザーに再び勝ち、どころかルカ・ブライトまでも破ったお前には」
792
:
第四回放送・裏
◆iDqvc5TpTI
:2010/12/23(木) 12:54:35 ID:qCCNahKk0
いつしかオディオはそれまでの静謐さをかなぐり捨て、大声をあげて笑っていた。
何もアシュレーを嘲笑ってのことではない。
ただ『英雄』を否定した男が、誰よりも『英雄』と呼ぶに相応しいというその皮肉に、笑わざるを得なかったのだ。
かつてオディオが目指し、ユーリルも理想とした『勇者』。
その正解像とも言える人間を前に、泣くことも、怒ることもできないのなら、笑うしかないではないか。
(だが、だからこそ。私はお前を呼んだのだ。最たる勝者であるお前こそが、敗者を顧みねばならないのだ)
勝者に顧みさせようと招いた数人の敗者達は、既に多くは敗れはしたが、それでもまだ三人、残っている。
しかもそのうちの二人はオディオと同じく魔王の名を冠する者だ。
一人は先ほど口にしたピサロ。そしてもう一人こそ――。
「そうは思わないか、魔王ジャキよ」
「――貴様がその名前で私を呼ぶな。魔王たれと私に望んだのは貴様だろう」
人の名を捨て、されど魔の王としての名も持とうとはしない者。
一番呼んで欲しい人に名前を呼ばれない以上、そこに、文字の羅列としての価値しか見いだせない者。
魔王。
オディオの呼びかけに応える様に、魔王もまた夢の世界で虚像を纏った。
▽
敗者だとか、勝者だとか、魔王にはどうとでもよかった。
彼は敗者だ。
一人ではジールにもラヴォスにも勝てず、クロノ達にも敗れた敗者だ。
彼は勝者だ。
宿敵とさえも手を組み、遂にはジールとも決着をつけ、ラヴォスをも倒した勝者だ。
(それがどうした)
魔王は負けた。負けて最愛の姉を奪われた。
魔王は勝った。勝ったところで姉は戻ってこなかった。
であるなら勝敗に意味なんてない。
一番大切なものを失ってしまったのなら、他の全てがどうなろうと意味はないのだ。
その全てには魔王自身も含まれている。
どう足掻いてもサラを取り戻せないというのなら、これからの魔王の生など無価値だ。
逆に言えば、どうにかしてサラを取り戻せるのであれば、魔王はその為に全てを賭けられる。
ならばここは境界線だ。
転がり込んできた最後のチャンス。
それが幻想か、そうでないのか、この機にオディオに確かめなければならない。
「私が聞きたいのはそんな御託ではない。確認させろ。お前は本当にどんな願いでも叶えられるのか?
時空の彼方に消え去ったサラを、姉上を……。お前は見つけ出し、助けることができるのか?」
オディオに縋るしかない身とはいえ、魔王には彼の願望を成就させることがどれほど難しいか、身に染みて分かっていた。
助けるどころの話ではない。魔王は姉の居場所すら掴めていないのだ。
むしろそれこそが、魔王に立ち塞がっている最大の難関と言っていい。
時を超えることもできる。平行世界へも渡り歩ける。だがそれだけだ。
無限に広がる平行世界の、そのまた無限に綴られている時間軸。
サラが今も時の狭間を漂っているかもしれない以上、その全ての時空を探さねばならない。
それでは見つかるはずがない。
引いても引いても数が減らない無限の二乗個のくじの中から、たった一つの当たりくじを引き当てろと言うようなものだ。
793
:
第四回放送・裏
◆iDqvc5TpTI
:2010/12/23(木) 12:57:10 ID:qCCNahKk0
「可能だ。いや、適任だと言っていい。私なら君の姉を救える」
そんな無理難題をふっかけて、すぐに解けると返されたのなら、人はどう思うだろうか。
喜ぶか。驚くか。違う。まずは疑うものだ。
「……根拠は」
「ある。彼女もまた、『オディオ』だからだ。私なら彼女が背負っているものを肩代わりすることができる」
加えて、その理由が要領を得ないものなら尚更に疑いが増す。
「彼女は今や生きとし生ける者全てを憎悪し、死を望んでいる」
オディオが語るサラが、魔王が知る心優しき姉とかけ離れていたのなら尚更だ。
崩れ行く海底神殿で彼女は魔王に言ったのだ。
彼女を生贄に捧げた母を、国を、恨まないで、と。
その彼女が憎んでいるという。人を、生命を、殺したいほどに憎んでいるという。
到底信じられるものではなかった。
だが魔王にはそれが妄言だと切り捨てることはできなかった。
どんなに優しい人でも、きっかけがあれば豹変してしまうと。
姉よりも先に、母の心をラヴォスに奪われた魔王は知っているからだ。
だから魔王にはオディオに続きを促すことしかできなかった。
▽
「サラは、魔神のペンダントを手に、星を滅ぼす災厄、ラヴォスを止められうる希望の少年たちを逃がした」
それはどこかで聞いた物語だった。
「サラは、希望の少年達を逃がしたことと引換に、一人、時空を彷徨うこととなった」
それは生贄となった少女の物語だった。
「サラの心は、たった一人で悠久の時を過ごすことに耐え切れず、日に日に摩耗していった」
それは一人ぼっちになってしまった少女の物語だった。
「その果てに、サラは、自らの願いどおりに倒されたラヴォスの怨念に取り憑かれた」
それは『憎しみ』と出会ってしまった少女の物語だった。
「そして、サラは。全て消えてしまえばいいと願うようになった」
それは生贄の少女が、人殺しになる物語だった。
794
:
第四回放送・裏
◆iDqvc5TpTI
:2010/12/23(木) 12:58:48 ID:qCCNahKk0
(ジャキくんのお姉さんは私とおんなじなんだ……)
アナスタシアは心の中で、オディオが語る物語にそんな感想を心の中で漏らした。
オディオの説明に納得したのか、魔王と呼ばれた男はこれ以上話すことはないと、虚像を解き、姿を消した。
あくまでもアナスタシアがずっとしていたように、居なくなったのではなく、見えなくなっただけなのだろうが。
(アシュレーくんは変わってないな)
姿を隠したまま、アナスタシアはアシュレーを見つめる。
アシュレーは殺し合いに呑まれることなく、オディオに真っ向から言い返していた。
アナスタシアとは違い、アシュレーは諦めることなく、この一日を戦って来たのだろう。
大好きな人達を守るために。最愛の人達のもとへと笑って帰るために。
(眩しいなあ……)
オディオが語った少女同様に磨耗しきったアナスタシアには、アシュレーはあまりにも眩しかった。
「さて、そろそろ魔法が解ける時間だ。放送を始めよう」
だからそのオディオの言語に、アナスタシアはほっとした。
よかったと、漸く終わるのだと。
姿を消したままであるとはいえ、自分が壊したユーリルと、自分がそうなりたかったアシュレーから、早く離れたかった。
夢の中にすら逃げられないなんて、文字通り、まさに悪夢だ。
オディオが死者の名前や禁止エリアを告げる声に合わせて、夢の世界の連結が解け、消滅していく。
アナスタシア達の意識が浮上し、いずれ目覚めることを意味していた。
▽
彼ら彼女らが目を覚ました時、この夢のなかの出来事について何を想うのか。
今はまだ分からない。
795
:
第四回放送・裏
◆iDqvc5TpTI
:2010/12/23(木) 13:02:37 ID:qCCNahKk0
以上、投下終了です。
ロワの開催理由への付け足しや、ユーリルに与えてしまった影響など、指摘・判断をお願いします。
尚、本作においてクロノ・クロスの内容に少々踏み行っていますが、
あくまでも、クロノトリガーの、PS版追加ムービーや、DS版隠しボスから分かる範囲に抑えたつもりです。
796
:
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:36:38 ID:UDweb/y.0
それでは、2ch問題につき、こちらに本投下させていただきます
797
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:38:49 ID:UDweb/y.0
本来、深夜の砂漠は昼間とは打って変わって冷え込むものである。
されど、今、ゴゴ達が歩む砂漠は、快適とまではいかなくとも、心地良いと感じられる位には暖かかった。
戦いの余熱が未だ残っているからであろう。
無論その熱は、全てを憎み、破壊する、ルカやロードブレイザーの冷たい炎のものではない。
大切な絆を護りきった、トッシュとアシュレーの熱くも温かい炎の熱だ。
そう、ゴゴは信じている。
「温かい……な」
ああ、温かい。
肌に感じる熱も、心にくすぶる熱も、背負った命も、手を繋いだ少女も、全てがみんな、温かい。
「ゴゴおじさん大丈夫? 重くない?」
手を繋いだちょこが、ゴゴの背を見上げ聞いてくる。
つい先程まで少女に安寧を与えていてくれたその場所には、一人の男が背負われていた。
アシュレー・ウィンチェスターだ。
彼の勝利を信じ、迎えに行ったゴゴ達が目にしたのは、気を失い地に伏していたアシュレーだった。
そこでゴゴは、ちょこの、ちょこはもう大丈夫だからという言葉に甘え、少女を降ろし、男を背負うことにしたのである。
ただ、それからのゴゴの歩みは御世辞にも、順調であったとは言えなかった。
ちょこを背負っていた時でさえ、疲労の極みにあり、ゆっくりとしか歩けなかったゴゴだ。
少女よりもぐっと重い、鍛えた身体を持つ大人の男を運ぶとなると、行き以上に帰りはきつかった。
それでも。
ゴゴはこの重さを辛いとは思わなかった。
「大丈夫だ、ちょこ。命の重みだからな。重くて……当然だ」
生きている。
意識は未だ戻っていないが、背に感じる鼓動が示すように、アシュレーは生きている。
感応石の反応が消えた時には、その死をも覚悟していた友が生きている。
ならば、背の重みを好ましく思いこそすれ、苦行だと嘆くはずがない。
「うん、そうなの。おじさんの言うとおりなの。そこには、ティナおかーさんも、狼さん達もいるの〜!」
そうだったなと、ゴゴは頷く。
彼らがアシュレーを発見した時、アシュレーは意識を失っていさえしたが、傷一つない状態だった。
ロードブレイザーに無傷で勝利した――ということが考えられない訳でもなかったが。
それにしたってルカと対峙する前からあった、フィガロ城戦での傷まで跡形もなくなくなっていたのだから、怪しむなという方が無理だ。
もしかしたら、アシュレーは再びロードブレイザーに取り憑かれてしまったのではないか。
不可思議な全快を果たしていたアシュレーを前に、ロードブレイザーの治癒力を知るゴゴは、そう警戒してしまった。
トッシュが命を賭けて成した人と魔神の分離。
それを無駄にしてたまるかと、自身でも困難だと思える紋次斬りの物真似さえ決意した。
しかし、全てはゴゴの取り越し苦労だった。
人ならざる者達の声を聴くことのできるちょこが教えてくれたのだ。
狼さん達の声がする、と。
ティナおかーさんと、ティナおかーさんのおとーさんと、狼さんと、狼さんのおにーさんが、アシュレーおじさんを助けてくれたの、と。
子どもらしい独自の言葉で説明してくれたちょこの言葉を要約すると、ティナ達の魔力を借りて、
ルシエド達がアシュレーの傷や欠損を埋める形で実体化したとのことだ。
彼らガーディアンの実体化は、幻獣のそれとは違い、生きる者の強い心の力さえあれば実体化し続けることができるらしい。
アシュレー程の心の強さの持ち主なら、まず実体化が解除される心配はないだろう――とのことだ。
798
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:43:36 ID:UDweb/y.0
正直、ちょこが語ったことの半分以上を、ゴゴは理解できていない。
ゴゴにルシエド達の声を伝えてくれたちょこにしたって、難しいことはわかんないと首を傾げていた。
だが。
分からないことだらけでも、分かっていることならあった。
アシュレーは助けられたのだ。
幻獣とガーディアン、二組の家族の力によって。
(家族……か)
家族――それはアシュレーを救った力
家族――それはちょこが失ったもの
家族――それはシャドウに少女を護らせたもの
ふとゴゴは遠き日を想う。
正体不明を売りにはしているが、ゴゴとてれっきとした生命体だ。
生みの親はちゃんといるのだ。
当然、幼き頃には、彼ら、彼女らの中でゴゴも笑っていた。
友達と呼べるような存在だって確かにいた。
されど。
ゴゴはいつしか一人になっていた。
たった一人、物真似の道に生きていた。
何もそれは家族や友人が物真似に魅せられたゴゴに理解を示さなかったから――というわけではない。
ゴゴの物真似は時に人を楽しませ、時に人に笑顔を与えた。
ゴゴのファンになったと言う人々も沢山いた程だ。
それに、ゴゴからすれば物真似は自身の生き様なのであって、別に他人がどう思おうと構いはしなかった。
だからゴゴが一人になってしまったのは、単にその物真似への欲求と、追随する行動力があり過ぎたからに他ならない。
あれも真似したい。これも真似したい。まだ見ぬ何かを真似したい。
その願いがゴゴに一箇所に留まることをよしとさせなかった。
時には鳥や魚や魔列車の物真似をしているうちに、大陸を横断しきってしまったこともあったくらいだ。
そんなゴゴについて来れる存在なんて、ゴゴの故郷にも、旅先にもいなかった。
正しくゴゴは渡り鳥だったのだ。
誰の追随も許さず、心を許した者さえも置き去りにして、ただ高く遠くへと飛んでいく。
一人ぼっちの鳥だったのだ。
一人ぼっちの鳥……だったはずなのだ。
あの時までは。忘れもせぬあの時までは。
(あの時は驚いたものだ。まさか、俺以外にあんな辺鄙な地に来るものがいるなどと、思ってもいなかった)
世界中のありとあらゆる物を真似して行くうちに、地上には、ゴゴが真似したことのないものは少なくなってきていた。
たとえ同じ物や生物でも、一分一秒ごとに変わり続けていることくらい、物真似師であるゴゴは誰よりも知っている。
故に同じ対象を何度も何度も真似たところで、ゴゴが物真似を飽きることはない。
けれども、全く真似したことのないものへと想いを馳せたくなるのもまた、人情というものである。
そこでゴゴは、地上がダメなら、いっそ海中やら地中やらに潜ってみるのはどうだろうかと、思いたったのであった。
結果は、ゴゴにとって大変満足のいくものだった。
海の底や、大地の中には、ゴゴにとって未知の世界が広がっていた。
味を占めたゴゴは、それからもあちこちを旅しては様々な世界へと文字通り、没頭していったのであった。
799
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:47:47 ID:UDweb/y.0
その最果てが、小三角島の洞窟とゴゴが名付けた、とあるモンスターの胃袋の先に広がっていた世界だった。
モンスターに食われたと思ったら、不思議な洞窟に行き着いていたという話を旅路で聞いたゴゴは、
いてもたってもいられず早速食われてみたのであった。
それはもう、躊躇とか恐怖とかそんな言葉は全力で置いてきぼりにしてである。
実際、ゴゴは五体満足で目を覚まし、目的だった洞窟でたっぷりと物真似を満喫できたのだから結果オーライであった。
……結果オーライではあったのだが。
ここで流石のゴゴも予想だにしていなかった事態が発生した。
なんと、ゴゴが長き物真似道の末に辿り着いた人っ子一人来ないであろう洞窟に、ゴゴ以外の来訪者がこぞってやってきたのである。
このところ辺境や魔境にばかり出かけていたゴゴからすれば、それは久しぶり過ぎる他人との邂逅だった。
だからだろう。
ゴゴは問われるまでもなく、口を開いていた。
物真似師といえど人の子だ。
心のどこかでは人恋しさもあったのだろう。
ゴゴは名乗りも早々に、彼ら彼女らを物真似したいと思った。
そして、彼らが今何をしているのかを聞いた時。
ゴゴは彼らについていく決心をした。
『世界を救う』
そんな夢物語のようなことを力強く行ってのける彼らなら、ゴゴにでも置いて行かれはしないと思ったが為に。
こんな辺鄙な地へと故意か偶然かに赴くような彼らなら、ゴゴにもっと新たな世界を見せてくれるだろうと期待したが故に。
ゴゴは物真似をすることにした。
世界を救うという物真似をすることにした。
そうしてゴゴの何年か、十何年か、何十年かぶりの、一人じゃない旅が始まった。
ああ、だけど。
(もしかしたら、それ以前でさえ俺は一人ではなかったのかもしれないな)
どんなときでも、ひとりじゃないと、言い切った男がいた。
どんなときでも、ひとりじゃないと、頷いた自分がいた。
つまりは、そういうことなのだ。
どれだけ空間的な隔たりが横たわっていようと、どれだけ時間の壁が立ち塞がっていようと。
思い合う限り、忘れえぬ限り、人の繋がりは消えはしない。
ゴゴはそのことに気付くのに随分と遠回りをしてしまった。
ゴゴを笑って見送ってくれた故郷の家族や旅先の友達のことを、一方的に記憶の隅に追いやっていた。
もうそんなことはしない。
これからはゴゴも彼ら彼女らと共に生きていく。
(それが、俺のアシュレーの物真似だ)
背負ったアシュレーへと顔を向け、口には出さず、心に誓う。
そんなゴゴを祝福するように、ゴゴの目に目的地だった建物が映り込む。
フィガロ城。
ゴゴの仲間であるフィガロ兄弟の居城にして、トカが起動し、リオウが護ったトッシュが修繕した起動城塞。
死しても尽きぬ絆があると証明せんと、かの城は焔の厄災にも飲み込まれず、ゴゴ達を迎え入れたのであった。
▽
800
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:52:32 ID:UDweb/y.0
「わ〜いの〜! ふかふかのベッドなの〜」
大分元気を取り戻し、ぴょんぴょんと隣のベッドの上で飛び跳ねるちょこを傍らに、ゴゴはアシュレーをベッドへと横たえていた。
勝手知ったる他人の家。
フィガロ城へと辿り着いたゴゴは、大勢が休憩することに向いている客間にちょこを案内。
眠ったままのアシュレーも運んできて、これから皆で休憩に入ろうとしているのである。
セッツァーのことが気になるところではあるが、今のゴゴとちょこはいつ倒れてもおかしくないような状態だ。
アシュレーとて外傷は見られぬものの、長く目を覚まさないところを見るに、疲労が溜まっているのかもしれない。
座礁船で待っていたはずの松という人物が死んでいた件もある。
以上のことより、ここはまず一休みして体勢を整えるべきだと判断してのことだ。
幸い、ゴゴが何度か上空に跳んだ時に見た光景から察するに、城の付近には誰もおらず、全員が休んでいても危険ではない。
ちょこが自然に話しかけた結果でも、もうここら一帯には誰もいないことは確かである。
まあ、ロードブレイザーが行ったような、広域破壊がまたひき起こされる可能性もある以上、油断は禁物ではあるのだが。
その点に関しても、フィガロ城の潜行機能である程度はかわせるだろう。
幸か不幸か、傷ついたフィガロ城は以前程には地中を高速では動けないため、裏をかえせば地中での滞在時間は増している。
身を休める為の拠点としては、これほど以上はない状態だ。
(エドガー達が護っていてくれていると――そう想っていいのだろうな)
アシュレーをベッドに寝かし終え、ゴゴもまた一息つく。
現状三人の中で一番傷を負っているのはゴゴだ。
アシュレーとちょこを気遣い、先に休ませはしたが、本当はゴゴ自身が一番最初に休まなければならなかったのだ。
ゴゴは億劫な動作で自らの服へと手を伸ばす。
ちょこが回復魔法を使えず、ゴゴがその物真似をできない以上、傷の手当は包帯や水といった原始的な手を使うしかない。
ゴゴはトッシュが残してくれた水で傷口を消毒しようと、正体がさらされない程度に、服を緩め始める。
と、その手が何かに触れて動きを止める。
それは首飾りだった。
小さな白い花で幾重にも編まれた首飾りだった。
友達になりたいと、ゴゴに言ってくれた少女からの、大切な贈り物だった。
だけど。
「おはなさんたち、元気ないね」
ちょこの言うとおりだ。
送り手である少女の死を追うように、綺麗な花弁を咲き誇らせていた花々は、すっかりしおれて生気が抜けていた。
ゴゴは慌てて、手にしていた水をかけてやるが、そんなものは雀の涙にしかならない。
花飾りを成す花々はどれも切り花だ。
此処に来るまでも、ゴゴは時より水をやってはいたが、度重なる激戦や、砂漠の暑さに揉まれては、小さな花の生命力など保つはずがない。
ビッキーが死んだ以上、物真似として着けっぱなしにする理由もなかったのだから、しまっておくべきだったか。
後悔すれどももう遅い。
寂しいことだが、この花達ともここでお別れ――
801
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:54:16 ID:UDweb/y.0
(……待て)
寂しさに傾きかけた心を慌てて引き起こす。
ゴゴの中で引っかかる点があったからだ。
さっき、ゴゴは花飾りが元気がないことを当然とした。
あれだけの戦いや、熱砂の中、ずっと身に着けっぱなしだったのだからと。
だがそれは、果たして当然の結果なのだろうか?
シャドウやルカ、ロードブレイザーを相手に立ち回り、多くの死者が出る程の戦いの中、か弱い花々がしおれる止まりで済んだことが当然だと?
そんなわけあるはずがない。
しおれるどころか、ちぎれ、吹き飛んでいてもおかしくない――どころかそうなっていないとおかしいくらいだ。
けれど、そうはならなかった。
小さな小さな白い花は、ずっとずっと、ゴゴの首元で揺れ続けていた。
傷つき、弱まって尚、強く可憐に咲き続けていた。
それはいったいどれだけの幸運が重なればなし得ることなのだろうか。
ゴゴはこれまでも花の真似をしてきた中で、花の強さを理解しているつもりではあったが、それでも驚かずにはいられなかった。
「はは、ははは。奇跡だ。小さな、奇跡だ」
驚きはいつしか笑い声になっていた。
笑うしかないほどに、ゴゴは驚き、その小さな奇跡を喜んだ。
そのゴゴに応えるように、また一つ、小さな奇跡が起こる。
「ゴゴ」
声がした。
少女のものではない声がした。
慌ててゴゴが振り向くとそこには身を起こしたアシュレーがいた。
「アシュレー……? 目が覚めたのか」
アシュレーおとーさん、やったのーっと飛びついてくる少女を受け止め、アシュレーは笑みを浮かべて頷く。
「ありがとう、ゴゴ。君や、トッシュや、ちょこや、ティナや、アティのおかげで僕は帰って来れた」
わしゃりとアシュレーはちょこの頭をなで、ゴゴにも礼を述べる。
「聞きたいことや、伝えたい事はいっぱいあるけど、でも、きっと、なんとなくだけど、僕はまず、君に教えてあげないといけないことがある」
そして彼は続ける、ゴゴの手元の花々を愛おしげに見つめて。
ゴゴと、花に、ティナの魔石から習得したのであろう癒しの光を放ちながら口にする。
「僕達の世界、ファルガイアでは『ちいさなはな』は幸運のお守りだと信じられているんだ。
荒廃した世界に生きる僕達にとっては、そんな世界にも負けずに咲き誇る『ちいさなはな』は希望の象徴なんだ」
その言葉を聞いて、ゴゴは全てに納得した。
ああ、そうか。そういうことなのかと。
小さな小さな花飾りは、その幸運をもってして、枯れることなく、繋がったままここにある。
しかしながら真に幸運だったのは誰だろうか。
身につけていた首飾りが壊れてしまわないくらいに、致命傷をことごとく避け得ていたのは。
ゴゴだ。
ビッキーにこの首飾りをかけてもらったゴゴ本人だ。
ゴゴはずっと護られていたのだ。
あの一輪の花がもたらしてくれた幸運に。
ゴゴに、友達になるという物真似をさせてくれた始まりの少女に。
ずっとずっとずっと。
802
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:55:02 ID:UDweb/y.0
「アシュレー」
なら、ならば今こそ。
そのことに気付けた今ならば。
「俺達は、どんなときでもひとりじゃないんだな……」
ゴゴは前へと進める。
ビッキーに会えてよかったと心の底から思うことができる。
「当然だ」
幾時間か前にゴゴがしたのとそっくりそのままの返答。
アシュレーなりにゴゴの声を真似したそれを聞いて、ゴゴはニヤリと笑みを浮かべた。
「俺相手に物真似をするには十年早い」
「そうかな? 僕的には渾身のできだったんだけど」
「……まあ悪くはなかったな」
ぷいっとゴゴはそっぽを向きながら、手にした首飾りに力を込める。
ケアルラの光を受けた花は、元気を取り戻してはいたけれど。
「……あ」
ぽろり、ぽろりと、たったそれだけの動作で、繋がり合っていた花々が分かたれていく。
悲しげな声を出したちょこに、これでいいんだとゴゴは告げ、ばらばらになった花を拾う。
「アシュレー。目が覚めて早々に悪いが、この城の書庫から適当に紙や使えそうなものを取ってきてくれないか。
俺達の、いや、より多くの人数分だ」
「紙を?」
「ああ。この花々を栞にしようと思うんだ。そしてお前やちょこにも、お守りがわりに持っていて欲しい」
「いいのか?」
ご本好きなの〜と、きゃっきゃっと喜ぶちょことは違い、アシュレーは聞き返してくる。
「いいんだ。花も、幸運も。独り占めにするものじゃない」
それに、ゴゴとビッキーの絆は、例え花飾りを解いてしまっても、ずっと、ずっと、繋がったままなのだから。
【G-3 フィガロ城 一日目 深夜】
【ゴゴ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)
[装備]:小さな花の栞@RPGロワ、ジャンプシューズ@WA2
[道具]:基本支給品一式×3、点名牙双@幻想水滸伝Ⅱ、解体された首輪(感応石)、閃光の戦槍@サモンナイト3、
天罰の杖@DQ4、小さな花の栞×数個@RPGロワ
[思考]
基本:数々の出会いと共にある中で、物真似をし尽くす。
1:ひとまずは休憩しつつ、これからのことを考える
2:フィガロ城でA-6村に行き、座礁船へ?
3:テレパスタワーに類する施設の探索と破壊
4:セッツァーに会い、問い詰める
5:人や物を探索したい
[参戦時期]:本編クリア後
[備考]
※本編クリア後からしばらく、ファルコン号の副船長をしていました。
※基本的には、『その場にいない人物』の真似はしません。
※セッツァーが自分と同じ時間軸から参戦していると思っています。
803
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:56:43 ID:UDweb/y.0
【ちょこ@アークザラッドⅡ】
[状態]:疲労(極)
[装備]:なし
[道具]:海水浴セット、基本支給品一式、小さな花の栞@RPGロワ
[思考]
基本:みんなみんなおうちに帰れるのが一番なの
1:おとーさんになるおにーさん家に帰してあげたい
2:おにーさん、助けてあげたいの
3:『しんこんりょこー』の途中なのー! 色々なところに行きたいの!
[備考]
※参戦時期は本編終了後
※殺し合いのルールを理解しました。トカから名簿、死者、禁止エリアを把握しました。
※アナスタシアに道具を入れ替えられました。生き残るのに適したもの以外です。
ただ、あくまでも、『一般に役立つもの』を取られたわけでは無いので、一概にハズレばかり掴まされたとは限りません。
【アシュレー・ウィンチェスター@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:健康、気絶 希望の守護獣『ゼファー』、欲望の守護獣『ルシエド』を降霊
[装備]:バヨネット、解体された首輪(感応石)
[道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品0〜1個(確認済み)、焼け焦げたリルカの首輪、小さな花の栞@RPGロワ
[思考]
基本:主催者の打倒。戦える力のある者とは共に戦い、無い者は守る。
1:オディオや、アキラなど、夢の中のできごとをみんなに話す。自分が何故全快しているのかも聞きたい。
2:フィガロ城でA-6村に行き、座礁船へ?
3:テレパスタワーに類する施設の探索と破壊
4:ブラッドなど、仲間や他参加者の捜索
5:セッツァー、アリーナを殺した者(ケフカ)には警戒
[参戦時期]:本編終了後
[備考]:
※ロードブレイザーが内的宇宙より完全にいなくなりました。
※バヨネット(パラソル+ディフェンダーには魔導アーマーのパーツが流用されており魔導ビームを撃てます)
※心臓部に『希望のかけら』『欲望の顎』のミーディアムを内蔵しています。
※ティナの魔石よりケアルラを習得しました。他にもティナの魔石抜きで覚えれる魔法や、マディンの魔法を習得しているかもしれません。
【小さな花の栞@RPGロワ】
とある少女が物真似師の為に編んだ花飾りを、物真似師が仲間のためのお守りとして、幾つもの栞に作り直したもの。
少女は白い花が好きだった。
少女を見守って死んだ男も、荒野に咲く白い花が好きだった。
少女と友達になった物真似師も、その日、白い花を好きになった。
804
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/09(日) 23:57:19 ID:UDweb/y.0
以上で投下終了します
805
:
Re:どんなときでも、ひとりじゃない
◆iDqvc5TpTI
:2011/01/10(月) 00:08:34 ID:l3gneZcU0
と、すみません
アシュレーの状態表に『気絶』が残ったままになっていました
収録時に消しておきます
806
:
ドラゴンクエスト
◆iDqvc5TpTI
:2011/02/17(木) 01:13:32 ID:MPmFsTyc0
規制につき、代理投下お願いします
807
:
ドラゴンクエスト
◆iDqvc5TpTI
:2011/02/17(木) 01:14:47 ID:MPmFsTyc0
つまりは、そういうこと。
無法松と同じく、アナスタシアという少女もまた、生き返ってなどいなかったのだ。
だから、だから。
神は死人が動き回ることを許さない。
今更に、生きることの意味を思い出したところで、もう遅い。
(これは、罰なのかな……)
アナスタシアは呆然と、目の前の輝く竜を見つめていた。
ユーリルが『勇者』であることを捨てた罰が、この竜への変貌だというのなら。
その竜に喰われることこそ、『勇者』を堕落せしめたアナスタシアへの罰。
散々自分のことを『生贄』だと嘆いた少女は、真実、今、神の『竜』へと差し出された『生贄』だった。
「くそっ、何が一体どうなってんだよ!?」
「人を輝く竜へと変える力……。まさか、あの覇王の紋章!?」
破滅の羽音を耳にし、ようやく我を取り戻したイスラとジョウイが、しかし、次の瞬間には吹き飛ばされる。
爪にて切り裂かれたのではない。尾にて薙ぎ払われたのでもない。
文字通り、二人は吹き飛ばされたのだ。白き『竜』の輝く吐息によって。
あまりにも出鱈目だった。
輝く『竜』はなんてことのない動作で、息を吸い、吹きかけただけだった。
それだけで、極低温の吹雪が巻き起こり、イスラとジョウイは近づくことも叶わず、地に伏せた。
せめて一矢報いようと射られた黒き刃も軽く尾にいなされる。
圧倒的だった。
圧倒的過ぎた。
ドラゴン。最強の幻想種。神の使い。
人如きでは、到底適うはずのない、絶対者。
彼を前にして、アナスタシアは震えていた。
恐怖。死への恐怖。
これが例え神罰であろうとも、アナスタシアは潔く受け入れることができなかった。
もう遅いとは分かっていても、因果応報だと理解していても。
アナスタシアの身体は、少しでも長く生きようと、一歩ずつ、一歩ずつ、後ずさった。
迫り来る『竜』がいるのとは逆方向の、神殿へと至る橋を後ずさった。
無駄なのに。
翼無き人の身では、翼ある『竜』からは逃れることなど不可能だというのに。
あっという間に距離が詰められる。
無様に、醜く、足掻いて、足掻いて、ようやく稼いだ数歩が、泡のように溶けて消える。
808
:
ドラゴンクエスト
◆iDqvc5TpTI
:2011/02/17(木) 01:15:56 ID:MPmFsTyc0
「い……嫌、嫌ぁ」
ガタガタと、震えて悲鳴をあげても、アナスタシアを助けてくれる人間はもう誰もいない。
他人を利用してばかりで、他人の背に隠れてばかりで、友の手さえとろうとしなかった彼女は、いつの間にか一人ぼっちになっていた。
カタカタと、カタカタと。
手にした絶望の大鎌が震える。
それは地獄から迎えに来たと、彼女に死神が伝えているようで。
ガツンっと、背中に当たった何か硬い感触に思わず悲鳴を上げた。
何か。
それはなんてことのない壁だった。
アナスタシアの後退を妨げるように立ち塞がる、彼女の子孫の死地たる神殿の壁だった。
「死にたくない、私は、私は、まだ、生きていたいのッ!」
もはや、逃げ場すらない。
巨竜の顎はすぐそこまで迫っていて。
たとえ神殿の中に逃げこもうとしても、湖の中に飛び込もうとしても。
間違いなくアナスタシアが噛み殺される方が速い。
「ひぃっ……い、あ、あああ」
ガバリと、『竜』が大きく口を開いた。
口の中には底知れぬ闇が広がっていた。
アビスを、地獄の底が広がる闇が広がっていた。
その闇がアナスタシアを呑みこんでいく。
アナスタシアは目を瞑った。
闇を直視したくなくて、現実から逃げた。
数瞬後には全身に突き刺さるであろう牙による痛みで、現実に引き戻されることが分かっていても。
そうせざるを得なかったのだ。
だというのに。
一刻、一秒、数十秒。
アナスタシアを現実に引き戻すのに十分な時間が経とうとも、彼女を痛みが襲うことはなかった。
恐る恐る、アナスタシアは目を開ける。
否、正しくは、何がどうなったのかを認識した途端、少女の目は見開いていた。
809
:
ドラゴンクエスト
◆iDqvc5TpTI
:2011/02/17(木) 01:44:52 ID:MPmFsTyc0
なにやらすぐに規制解除されたため、続きは自分で投下させていただきました
810
:
◆wqJoVoH16Y
:2011/05/15(日) 23:16:25 ID:cqjqO0vY0
規制がかかったためこちらに投下します。代理投下願います。
811
:
アラスムスの邂光現象
◆wqJoVoH16Y
:2011/05/15(日) 23:17:02 ID:cqjqO0vY0
【ニノ@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:若干持ち直した
[装備]:クレストグラフ(ロザリーと合わせて5枚)@WA2、導きの指輪@FE烈火の剣
[道具]:フォルブレイズ@FE烈火、基本支給品一式
[思考]
基本:全員で生き残る。
1:目覚めたユーリル達に対処する。
2:カエル達を追い南下する。
3:ジャファルと一緒にいたい。
4:サンダウン、ロザリー、シュウ、マリアベルの仲間を捜す。
5:フォルブレイズの理を読み進めたい。
[備考]:
※支援レベル フロリーナC、ジャファルA 、エルクC
※終章後より参戦
※メラを習得しています。
※クレストグラフの魔法はヴォルテック、クイック、ゼーバー、ハイヴォルテックは確定しています。他は不明ですが、ヒール、ハイヒールはありません。
現在所持しているのはゼーバーとハイヴォルテックが確定しています。
※偵察に出たジョウイについてどう思っているかは不明です
【ユーリル(DQ4男勇者)@ドラゴンクエストIV】
[状態]:気絶、疲労(大)、ダメージ(中)、精神疲労(極大)、アナスタシアへの強い憎悪、押し寄せる深い悲しみ
[装備]:最強バンテージ@LAL、天使の羽@FF6、天空の剣(開放)@DQ4、湿った鯛焼き@LAL
[道具]:基本支給品×2(ランタンはひとつ)
[思考]
基本:アナスタシアが憎い
0:気絶中
1:アナスタシアを殺す。邪魔する人(ピサロ、魔王は優先順位上)も殺す。
2:アキラが気に食わない。
3:クロノならどうする……?
[参戦時期]:六章終了後、エンディングでマーニャと別れ一人村に帰ろうとしていたところ
[備考]:自分とクロノの仲間、要注意人物、世界を把握。
※オディオは何らかの時を超える力を持っている。
その力と世界樹の葉を組み合わせての死者蘇生が可能。
以上二つを考えました。
※アナスタシアへの憎悪をきっかけにちょことの戦闘、会話で抑えていた感情や人間らしさが止めどなく溢れています。
制御する術を忘れて久しい感情に飲み込まれ引っ張りまわされています。
※ルーラは一度行った施設へのみ跳ぶことができます。
ただし制限で瞬間移動というわけでなくいくらか到着までに時間がかかります。
812
:
エラスムスの邂光現象
◆wqJoVoH16Y
:2011/05/15(日) 23:17:34 ID:cqjqO0vY0
【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:気絶、疲労(大)、胸部に重度刺傷(傷口は塞がっている)、中度失血、自己嫌悪、キン肉マン
[装備]:絶望の鎌@クロノ・トリガー
[道具]:基本支給品、賢者の石@DQ4
[思考]
基本:生きたい。そのうち殺し合いに乗るつもり。ちょこを『力』として利用する。
0:気絶中
1:……生きるって、何?
2:あらゆる手段を使って今の状況から生き残る。
3:施設を見て回る。
4:ちょこにまた会って守ってもらいたい。
[参戦時期]:ED後
[備考]:名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。
※ちょこの支給品と自分の支給品から、『負けない、生き残るのに適したもの』を選別しました。
例えば、防具、回復アイテム、逃走手段などです。
尚、黄色いリボンについては水着セットが一緒に入っていたため、ただのリボンだと誤解していました。
※アシュレーも参加してるのではないかと疑っています。
【アキラ@LIVE A LIVE】
[状態]:精神力消費(大)、疲労(大)、ダメージ(中)
[装備]:パワーマフラー@クロノ・トリガー、激怒の腕輪@クロノ・トリガー、デーモンスピア@DQ4
[道具]:清酒・龍殺しの空き瓶@サモンナイト3、ドッペル君@クロノ・トリガー、基本支給品×3
[思考]
基本:オディオを倒して元の世界に帰る。
1:気絶中
2:無法松の英雄になる。
3:レイ・クウゴ、アイシャ・ベルナデット(カノン)、ミネアの仇を取る。
4:どうにかして首輪を解除する。
[参戦時期]:最終編(心のダンジョン攻略済み、ストレイボウの顔を知っている。魔王山に挑む前、オディオとの面識無し)
[備考]:超能力の制限に気付きました。テレポートの使用も最後の手段として考えています。
※カノンの名をアイシャ・ベルナデット、リンの名をリンディスだと思っています。
※名簿の内容に疑問を持っています。
※無法松死亡よりも前です。
よって松のメッセージが届くとすれば、この後になります。
813
:
エラスムスの邂光現象
◆wqJoVoH16Y
:2011/05/15(日) 23:18:24 ID:cqjqO0vY0
投下終了です。支援ありがとうございました。
814
:
SAVEDATA No.774
:2011/05/15(日) 23:24:31 ID:cqjqO0vY0
IDが残っているうちに。
>>811
はタイトルミスです。
エラスムスの邂光現象が正となります。すいません。
815
:
SAVEDATA No.774
:2011/05/15(日) 23:25:23 ID:NsxdIkW.0
本スレで代理投下しようとしましたが、自分も規制にかかりましたのでどなたか更なる代理投下お願いします
残りは
>>812
のみですので、一回で終わるはずです
816
:
SAVEDATA No.774
:2011/05/28(土) 10:43:12 ID:z5C7Zj2c0
本スレ落ちてしまった?
817
:
◆Rd1trDrhhU
:2011/06/22(水) 00:48:56 ID:dcBgw7YM0
「すべてッ! 殺してやるッ!」
その音に負けぬほどの咆哮と共に、首輪を引きちぎる。
力任せに破壊されたはずの首輪だが、ゴゴの命を奪うどころか爆発すらしなかった。
今の彼がオディオの力をもある程度再現できているということだ。
むき出しにされた、ヒトへの憎しみ。
誰よりも仲間を想い、何よりも人間を愛したはずの魔物が放つ金色の殺意だった。
首輪の件は、以上のように修正します。
ここ以外の変更点はありません。
818
:
SAVEDATA No.774
:2011/06/23(木) 22:01:01 ID:KrQIBaYs0
>>817
修正おつです。分かりやすくなったかと思います。
819
:
◆wqJoVoH16Y
:2011/07/25(月) 22:54:16 ID:4EYPR1QQ0
本スレ518 〜夢に逃げている暇は無い。彼らには成すべきことがあるのだから。から
「魔王」
「撃って出るつもりか」
全てを悟ったかのように、魔王はカエルの言葉を待つまでもなく尋ねた。
カエルから聞いたことの顛末を鑑みれば、それほどの憎悪の具現が暴れたにも拘らずたった一人しか死んでいないということになる。
「この剣と石を通じて、鼓動が聞こえてくる。勇者の力はそれほどのものということだ」
悪い冗談かとも考えたが、勇者の座に近しいカエルの持つ確信はそれを補って余りある信頼があった。
そしてそのカエルが持つキルスレスもまた、深淵に呼応するようにその力を発露し始めていた。
操作とまではいかなくても、感応石と首輪によって構成される共界線に干渉することで生きた首輪の位置を“識る”ことができるようになったのだ。
「総勢9人の軍勢か。お前達が城に来た時よりも多いとはな」
カエルに連続でケアルガをかけてもらいながら、魔王は自身のダメージが消えていくのを確かめていた。
「10人だ。あの光が、真に勇者の輝きなら、な」
陽光に眼を細めるようにして、カエルは自嘲気味に言った。
首輪を持たぬあの憎悪は果たして参加者だったのだろうか。その生死は分からない。
だが、アレもまた“救われた”という確信だけがカエルの胸を打つ。
あの光を直視すれば誰もが認めるだろう。勇者とは“そういうもの”だと。
どくん。
胸の高鳴りを掻き毟る様に抑え、カエルは爬虫類の如く笑んだ。そういうものだからこそ――――目指す意味がある。
「好きにしろ。最早、数など瑣末だ。雑兵とはいえ、ここまで数が開いてしまえばな」
「手傷も多い、直ぐには動かないだろうが……待ち受けていては圧殺される」
大盤振る舞いの回復魔法を連発しても尚、カエルに疲れは見えなかった。
どくり、どくりと強まる鼓動が、体力のみならず魔力をも剣の所有者に勝手に供給している。
これならば、感応石から離れても共界線が繋がっている限りこの状態を維持できるだろう。供給源が何かなど、言うまでもない。
「叩くなら今を置いてない、か。放送を待つという手もあるが……これ以上死者を数える意味もないな」
「逆手に取るぞ。戦力差をひっくり返すならば確実に決める必要がある」
魔王が魔鍵に魔力を込めながら空いた手でカエルに触れ、伝えられた座標へと転移プログラムを構築する。
既に戦況はあの雨戦よりも悪化している。11人を彼ら2人で崩すのであれば、持てる全てを費やさなければならない。
マリアベル達は、全ての首輪と繋がるこの遺跡の本当の意味とそれによって強化されたキルスレスの認識力を知らない。
マリアベル達は、カエル達の快復が想像以上の速度で達成されたことを知らない。
マリアベル達は、カエル達が転移能力を保有していることを知っている。しかし、カエル達が“待つ”と思っている。
その空白の未知を全て用い放送に身構える敵軍勢を狙う―――――――転移電撃戦以外に、この劣勢を覆す術は無い。
以上のように修正します。よろしくお願いします。
820
:
◆wqJoVoH16Y
:2011/07/26(火) 07:50:47 ID:GkkKGP0Y0
上記の修正に誤りがありました。
誤:既に戦況はあの雨戦よりも悪化している。11人を彼ら2人で崩すのであれば、持てる全てを費やさなければならない。
正:既に戦況はあの雨戦よりも悪化している。C7にいる者達を彼ら2人で崩すのであれば、持てる全てを費やさなければならない。
よろしく願います。
821
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:01:18 ID:rH4aOhw20
既に太陽は御身の半分以上を海面から顕わにしていた。
空は僅かな星々が夜の名残をのこすだけで、紺色の空は青に転じようとしている。
雲はいち早く陽光を浴びて白く輝き、流れる風を受けて空を泳いでいた。
今日も暑く、長い日になるだろう。木々と葉に斑と隠れた森から見上げただけでもそう思うに十分な空だ。
そんな風戦ぐ森の中で、セッツァー=ギャッビアーニは寝ていた。
地面に茂った草を床に敷き、朝日の程良い熱を薄衣と自らに掛けて、手頃な厚さの書物を枕にして横になっている。
「随分と余裕だな。この殺し合いの中で他者の前で寝入るとは」
手頃な木々に腰かけたピサロは寝入ったセッツアーを嘲る。
その手に武器を備えている無粋を差し引いても、新緑の光の下で銀の髪を輝かせる男は、それだけで絵画のように世界に調和していた。
「こう見えても健康には気を使う方でね。幾夜を越えてギャンブルに興ずることもあるが、無駄な不養生を自慢する気もないのさ」
くく、と軽い嘲笑が森に木霊する。如何なギャンブラーといえど、自らの意識まで種銭にして眠り入るはずもない。
度胸と無謀の境を知る男は、眠ることなく、しかし限りなく眠りに近い形で休んでいた。
良く見ればその周囲にはパン屑の欠片が散っている。蟻が見れば、これ天恵と巣穴に運ぶだろう。
「私の眼前で眠るのは養生と言えるか?」
「ああ、言えるね。旦那が目を光らせている、これほど安心できる“今”なんてそうそう得られるもんじゃあない」
セッツァーは横になったまま、ガサゴソとデイバックの中を漁り、水と食料をピサロに向かって投げた。
信用の証のつもりだろうか。ピサロは何も言わず、水だけを手にして口に含んだ。
賭けの場では全神経を張り巡らせるが、一度張ればそこに疑いも迷いも見せない。
いつの間にか『旦那』とピサロを称する、この妙な愛嬌もまたセッツァーの処世である。
「腹が減ってはなんとやら。一度戻ったのは正解だったな」
「どうだかな。腹が膨れたところで、人が死ぬわけでもなかろう」
寝返りを打ったセッツァーの眼の先に、天罰の杖の触り心地を確かめていたピサロがいた。
ブリキ大王の上で幼い少女を撃破した彼らが一拍を置いて先ず向かったのは対主催がいるであろう南ではなく西だった。
その目的は、彼らの最大の障害と成り得るアシュレー=ウィンチェスターの必死だ。
ブリキ大王一台を使い潰してまで得たものが『“これならきっと”アシュレーは死んだ“だろう”』では割に合わない。
『アシュレーは死んだ』でなくてはならないのだ。事実は短い方が善い。
故に彼らは西へ赴き、偉大なる死体を探した。
当然、死体でなければ死体にするつもりで。死体であればどれほどの奇跡を以ても蘇らない死体にするつもりで。
結果から言えば、彼らは然程労苦することなく目的を達した。死体を辱める必要もなかった。
そこには、何の抑揚もなく“崩された”人間の部品があっただけだったのだから。
(ハロゲンレーザーを破った金色の光、人間の業とは思えない死体……まさか、な)
セッツァーが与えたダメージと死体に残った痕の帳尻が合わない事実は、容易に理解できた。
それはつまり、アシュレーを“殺し直した”バケモノがいたということだ。
そしてそのバケモノの名前は、簡単な消去法によって自ずと浮かびあがる。
ゴゴ、下の下の物真似野郎。セッツァーの知らない誰か。
セッツァーは瞼を閉じてその時をトレースしていた思考を遮断した。
感情は選択の精度を鈍らせる。直観は信ずるべきだが、思い込みはギャンブラーにとって最大の毒だ。
アシュレーを殺したのがゴゴであると決め打つことに何のメリットもない。とびきり染みた化物の参加者が1人いる。それだけで十分なのだ。
822
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:01:57 ID:rH4aOhw20
そう考えればアシュレーの武器と、デイバックを3つを入手できたのは“半分”僥倖と言えた。
武装の拡充、使い捨てできる糧抹の充達は確かに僥倖だ。
「余計なものさえなけりゃ、大満足だったんだがな。クソ」
栞を一枚指でヒラヒラさせるピサロの姿が面白くないのか、セッツァーは再び寝返りを打ってピサロから背を向けた。
確かに、あの花の栞が何枚もあったことは面白くない。
何故面白くないのかが理解できないことが、また面白くない。
面白くないのに捨てる気になれないのが、輪をかけて面白くない。
だが、何より面白くないのは振り向いた先にぽつねんと置かれた捩じれた首輪だった。
死体から回収されたものではない、明らかに首から引き千切られ、尚爆破していない首輪――――――“外された首輪”だ。
(もう外した奴が居やがる。オディオが大掛かりなアクションを起こしてないってことはまだ逃げた奴はいないだろうが……急ぐしかねえ)
1個出てきてしまえば、2個目を疑わぬ莫迦はいない。だが、勝者を目指す彼らは敗者の逃亡を許容できない。
首輪を外せる何某かの術が存在するという確かな光は、断固として摘まねばならないのだ。
「あまり焦りを表に出すな。お前が選んだ休息だろう。唯でさえ矮小な人間が、より小さく映るぞ」
「アンタがそれを言うのかい? あの光を見て、あれほどまでに取り乱した旦那が?」
そう言ってセッツァーがせせり笑おうとしたその瞬間、轟とピサロの手にあった栞が魔炎に包まれ、僅かに残った灰も手で握りつぶされた。
セッツァーは常と変らぬ素振りで鼻を鳴らしたが、その背中でつうと汗が垂れるのを感じた。
僅かなりともこの魔王と行動を共にしたセッツァーは、ピサロの理性と感情の境目を感覚的に理解し始めていた。
その上で、今のは踏み込み過ぎたと反省する。あと半歩踏み込んでいれば、この薄氷の如き盟約も一瞬で瓦解していただろう。
そう、本来ならばここで休息する暇は無かった。
アシュレーを倒し、少女を見逃した彼らは“先んじて遺跡に向かう心算だったのだ”。
それこそが、少女や物真似師を無理して追撃せず、敢えて見逃した理由だった。
ブリキ大王を用いるとはいえ3人を全員を倒そうとすれば何処かしらに無理が生じ、手傷を負う可能性があった。
故に彼らはその束ねた力をアシュレーの必滅に向け、残りには別の役割を与えたのだ。
それが、敢えて残党をヘクトル達の懐に潜り込ませること。
残党を意図的にもう一方のチームに送ることで、セッツァー達3人の存在を示し、ジョウイの計画をズラすことだ。
自分達の存在を知れば、容易にジョウイが目論む南征へと動けまい。後顧の憂いを絶つべくこちらを狙うことも考えるだろう。
ジョウイが獅子身中の虫である疑惑を含め、暫くは喧々諤々の云い合いが続くはずだ。
その隙に右脇を縫って遺跡へと先に入り魔王と同盟交渉を結ぶなり、いっそ遺跡を縦に潰す工作をするなり、優位を確保する。
そのハズだった。あの雷光を見るまでは。
『何故……何の故にだ、勇者よ! お前がそれだけの光を持っていたというなら、何故この光はロザリーに届かない……ッ!!』
823
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:02:42 ID:rH4aOhw20
あの時のピサロの慟哭をセッツァーの鼓膜が思いだす。
移動を進めようと先ず東に戻ってきた矢先、黎明に輝く空に見たのは、莫大な雷の塊だった。
セッツァーにとっては賭け先を変え得るに足る脅威として、ジャファルにとっては疎ましき光の極点としてしか映らなかったもの。
だがこの魔王にとっては、その痩躯を怒りに漲らせて尚足りぬ光だったのだろう。
あの眩き光が真の光だとしても、否、真の光だから故に“世界が光に充たされぬことを知ってしまう”。
当り前だ。全てが光に照らされることなど無い。
ここにジャファルという闇がいるように。太陽と空の全てを求めるセッツァーがいるように。光を失ったからこそピサロがここにいるように。
全ての夢が叶うことなど、無い。星の全てを照らすことができぬように、全てが救われることなど無いのだ。
「それを言われちゃあ仕様が無い。とりあえず、ジャファルの調査を待とうぜ。
あれほどの現象が起きたのなら、場は大荒れのはずだ。出目の張り直しをするしかないさ」
なんしか気を静めたらしいピサロを見ながら、セッツァーは再び寝転がって空を仰ぐ。
あの雷光を見てから表向きは平生を保っているが、それが逆にピサロの中で何かを渦巻かせていると教えていた。
ここで動くのは不味い。そうしてセッツァーは冷静に冷酷に、休息と調査に目を張ったのだ。
この中で一番斥候に長けたジャファルに雷光の着弾点周囲の状況調査を願い、放送まで休息することを選んだのだ。
こうして、彼らは緩やかな夜明けの陽光の中で休息を取っている。これが最後の休息になると思っているかのように。
「そこまで気にするかい、旦那」
「……瑣末だ。勇者という名前にも、魔王という名前にも。この想いの前にはな」
燃え散った花の栞の灰の一抹が風に浚われ切るまでを見届けたピサロは、誰に語るでもなくそう言った。
例え勇者が全てを救うのであっても、対を成す魔王が誰かを救っては成らぬ道理は無い。
否、救いたいと言う願いの前には、勇者と魔王の違いなど瑣末だ。
『ピサロ』が『ロザリー』を願う。その想いの前には、たとえ勇者の光であっても邪魔は許されない。
「――――――――――名前、ねえ。“まさかあの女に感化されたか”旦那?」
強さを増す陽光に僅かに目を細め、セッツァーは不快を顕わに言った。
それを見たピサロが、最早値無しと鼻を鳴らして会話を打ち切る。
木漏れ日と木々のざわめく音だけが残り、セッツァーは再び瞼を閉じた。
その裏に浮かぶ、あの船で最後に起きた出来事を追い払いながら。
824
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:03:14 ID:rH4aOhw20
―――――・―――――・―――――
今は昔。セッツァーとジャファルがピサロと仮初の盟約を結び、アシュレー達を討たんとする前の話。
そう、同盟を組んだ彼らが未だアシュレー達かヘクトル達か、どちらを攻めるか決めかねていた時のことだ。
いずれにしても座礁船に居座ることに意味は無く、船を出ることにした彼ら。
発つ前の餞別とばかりに、彼らは何かめぼしいものが無いかと船内を物色していた。
ジャファルが言うにはこの船の造りは彼らの世界の海賊船のそれであり、その船内には武器屋や道具屋もあったという。
流石に死者の落とし物が見つかるとまでは期待できずとも、せめてもう一度調査をせずに出るは惜しい船だった。
「やはり、めぼしいものは無いか」
「流石にそこまでアンフェアでもないか。いや、あのオディオなら当然か」
金銀財宝はあれど、経済の意味が異なるこの場所ではそれは宝とは言えない。
あらかたの調査を終えたジャファルに、セッツァーは首をすくめて手をひらひらと泳がせた。
今までの放送からもあからさまに伝わるオディオの人間に対する憎悪。余りに強い憎悪は、逆に言えばどの人間にも等しい憎悪だった。
聖人であろうが、道化であろうが、魔王であろうが、幼女であろうが、勇者であろうが、人間である限り皆オディオの憎悪すべき対象なのだから。
故に、オディオが特定の誰かに過度に肩入れをするとは思えない。ある意味、オディオは黒一色のルーレットともいえる。
ならば、これ以上を思索と探索に費やしても仕様が無い。早々に調査を終えて、ヘクトル達の動向を抑えるべきか。
上から順に降りてゆき最後に辿り着いた酒蔵で、彼らはそのルーレットに僅かにあった『傷』を見つけた。
無法松があれほどに呑んでいた以上、酒蔵があることは承知だった。重要なのは、無法松が動かしに動かした樽の向こう、その紋章だった。
「紋章、魔力を備えると言うことは、唯の落書きではないな」
「これは……真逆、転移の紋章か?」
眇めるように紋章に流れる魔力を見定めたピサロと、その紋章に驚きを示すジャファル。
魔力と知識によって、唯の落書きは意味ある紋様となった。そして、ギャンブラーが手に取ったカードが、紋を門に変える。
「何か意味のあるサインだと思ったが、秘密の部屋への招待状ってか…?」
「まさか、ここにもあると言うのか。ブラックマーケットが」
紋章の周りの空間が歪み、秘密の店への扉が開く。
ブラックマーケット。選ばれた者だけが持つカードを持った者にのみ、戦場の何処かにある扉を開いて招く闇の市。
場所にもよるが、そこに並ぶ品はこの海賊船の品揃えとは比べ物にならないだろう。
「入るつもりか?」
歩を前に進めたセッツァーに、ピサロは大した感情もなく言い棄てた。危険を案じる要素は微塵もない。
「こんなものを用意してるってことは、何もありませんでしたってオチはないだろう。
鬼が出るか蛇が出るか、俺達の新たな門出に運試しと行こうじゃないか」
そう言って、彼らは虚空の暖簾を潜る。
そこにいるのがある意味鬼であり、ある意味爬虫類であることも知らぬまま。
825
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:03:56 ID:rH4aOhw20
ブラックマーケットと言えば、どんなものを想像するだろうか。
銃火器、薬物、お花、内臓etcetc。それは莫大な金額を積んで買い取るものか、自分のLvを売って得るものか。
いずれにしても、その名の通りブラック―――――闇の黒を想像するだろう。
光射さぬ闇の世界の商い、その最前線。薄暗い路地に、微かな灯りだけを導に商いを行う。そんなところではないのだろうか。
「……俺の知っているブラックマーケットと違う」
ジャファルはニノの関わらぬ状況では珍しく露骨そうに厭な顔を浮かべ、ぼそりとそう洩らした。
そういう意味では、この光溢れる真っ赤な部屋構えは明らかに闇市とは程遠かった。
朱で染め上げられた壁と柱。掛け軸には人体の構造図や巨大な手相を記したものが並んでいる。
四角をグルグルと重ねたような仕切りがあるだけで、部屋はそれほど広くは無く、奥にもう一つ暖簾があるだけだ。
狭い、店というには余りにこじんまりとした店だった。
目ぼしそうなものは、壁に寄せられた木製の薬棚と本棚、店の中心に置かれた四本足の机。そして空いた椅子と―――――
「……あんなところに乳があるな」
「ああ、乳があるな」
机の奥に見えるどんもりと乗ったおっぱいに、セッツァーはチンチロリンで六面全部ピンのサマ賽を振られたような面をしながら吐き捨てた。
一方ピサロは、本気で有象無象の脂肪の塊としか見ていない目で、事実だけを反芻した。
見なかったことにして帰ろうか。決して相容れぬ3人は奇しくもこの時意見を同じくした。
酒蔵の酒精に当てられたのだろう。潮風を浴びて目を覚ませば、元通りになるはずだ。
そう思いたかったが、部屋全体から漂う酒の匂いと、小刻みに震える双丘を見てはここを現と認めるしかなかった。
「あ゛〜〜〜〜〜ひゅへもにょ〜〜〜〜〜? だぁんみゃじにゃひ〜〜〜 にゃは、にゃはははははは」
グイ、と反りかえった背中が弓なりにしなり、漸く乳から上の形が繋がる。
紅い蓮のような、誰が見ても異文化体系の衣装<チャイナドレス>。端正の整った顔にズリ下がった縁なし眼鏡。
ピサロのように細長く尖った異形種の耳。酒に蕩けても蠱惑的な瞳。
「ん〜〜〜、え゛……もひかひてぇ……ぉたおぎゃくざんんん〜〜〜?」
海賊船の酒蔵の中には、酒臭い店。酒臭い店の中には、酔っぱらった女店主。
「――――――えー、コホン。はぁーい。メイメイさんのお店へようこそぉ♪」
今更に取り繕ったような営業スマイルを現わしながら、店主はその屋号を掲げた。
この頭痛を忘れる為に酒を呑むべきか、酒にやられてこの頭痛を生んでいるのか、セッツァーは賭ける気にもならなかった。
826
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:05:00 ID:rH4aOhw20
「だーってさぁ、こうもお客が来ないと、これくらいしかすることないじゃない?」
店の主はケラケラと笑い、呑んでたらあぶり肉も欲しくなっちゃうわねぇなどと言いながら盃に充たした酒を呑む。
状況に追従し切れない客達は黙ってその盃が空になるのを待つしかなかった。
少なくとも、会員専用の秘密の店がが万人繁盛だったらそれはもう秘密でも何でもないだろう。
『いつでもどこでも気軽に利用出来ちゃう、それがメイメイさんのお店なのッ!』
とへべれけになって言われても、説得力が無い。どんな看板を掲げても偽り有りと云われるだろう。
「OK。アンタがアルコール中毒なのもここがどんな店なのかもとりあえず後回しだ。アンタ、誰だ?」
「私ぃ〜〜? メイメイさんはぁ、見ての通り、どこにでもいるぅ、普通の、敏腕せ・く・し・ぃ店主Aよぉ?」
やけにその4文字を強調して、店主は腕を上げて脇を見せつつ妙に腰をくねらす。
エドガーほどまでとは言わないが、マリアに扮したセリスを拐したセッツァーも女性の扱いは心得ている方である。
そのセッツァーが思った。いつ以来だろうか、女を本気で殴ってもいいかと思ったのは。
「あ、疑ってるでしょ〜〜〜。いいわ、ここで引いたら女もとい店主が廃るッ!」
その不満MaxHeartな表情を察したのか、店主は足元から何かを取りだそうとする。
3人は戦う気か、と僅かにそれぞれの武器に手を伸ばしたが殺意の無い店主の様子に、それ以上の動きは見せない。
「こうみえても私、占い師なのよ。貴方達が何者かは、店に入ってきたなりマルっとお見通しってなワケ」
「……入ってきたなり、仰向けで爆睡してたと思ったのは気のせいか。で、その証に俺達が誰だか当ててみせようってかい?」
眉間を揉みながら、セッツァーは辛うじて店主の云わんことを掴み取る。
まだ彼らは自分達が何者であるかを口にしていない。その中で賭士、暗殺者、魔王であることを一目見ぬいたということか。
「ふふーん。そういうこと。ここに来たのも何かの縁。お近づきの印にぃ、貴方達に必要なものをあげちゃう。はい、どーぞ!」
そう言ってメイメイは机の上に ド ン 、と何かを置いた。セッツァー達の視線が机に集まる。
それぞれの職種を見抜いたというのならば、出てくるのは武器か、はたまた彼らにしか扱えない道具か。
もし、それ以上のことまでも見抜いた証拠を出してくるならば、始末も厭わないという決意で彼ら3人は机の上の品を見た。
「地図にコンパス。筆記用具に水と食料。名簿でしょ、時計でしょ? 夜の為にランタンも入ってる―――――貴方達には必要なはずよ?」
そう言って、店主は3人分の新しいデイバックを出して酒で焼けた小さな腕を組んだ。
セッツァーが3人分のバックをぐい、と掴みあげる。
827
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:06:05 ID:rH4aOhw20
「貴方達も参加者……でしょ?」
天地開闢、森羅万象を眇めたような満面の微笑で店主は彼らを見た。
「有ってるが意味がねえじゃねえか!」
その言葉と共に、店主の頭上を3つのデイバックが覆い、落下する。
「…え? う、うひゃあ〜〜〜!!!!」
抗弁する暇もなく、椅子から転げ落ちた店主はデイバックの下敷きになってしまう。
この島にいるのであれば、54人中54人が参加者だろう。適当に言っても殆ど当たるに決まっている。
ルーレットで赤と黒に同額を賭けるようなもの、下手をすればカジノから追い出される賭け方だ。つまり、賭けにも占いにもなっていない。
「……もしや、特別なアイテムを得られると期待してたのか?」
「……してないな。ああ、してないとも」
ジャファルの問いに、セッツァーは広大な空の果てを見るようにして目を逸らした。
舌打ちをしながら、セッツァーは転げ落ちて「お、想ひ出がりょーくーしんぱんしゅにゅぅぅぅ……」とノびかけた女店主を見下した。
常のセッツァーならば相手が誰であれ、まず相手の価値を見極めているだろう。
あるいは、自分の夢にとって利になるか障害になるか、はたまた“それすらもできないか”を判断しているはずだ。
だが、眼の前の女の価値を彼は未だ見極められずにいる。価値がない訳ではない。ないかどうかさえ分からないのだ。
まるでオペラをブチ壊しにしかけたタコ野郎を思い出すほどに、掴みどころがない。
この店の中に充満する酒のせいか、ギャンブラーを常に救う直観、そのキレが僅かに鈍っているとさえ思う。
(スラムの女衒じゃあるまいに、何でこんな酔い潰れた女1人にここまで……?)
その時、セッツァーの鈍りかけた感覚が遅れて警報を発する。そうだ、この女は何故ここにいる?
セッツァーはピサロに名簿を渡す前にその名前を全て記憶している。そして“その中にメイメイという名前は無い”。
ならば55人目の来訪者? 否。この女はこの場所を自分の店といった。彼女が招かれざる客であるならば、
様々な世界の建造物を寄せ集めた何処の世界にも存在しないオディオの箱庭に、自分の店があるはずが無いのだ。
セッツァーが、床に突っ伏した女の首元をみて―――“そこに首輪が無かった”事実に、今更確信した。
(つまり、こいつは“招かれている”)
「戯れはそこまでにしておけ。私の眼はごまかせんぞ、竜の女よ」
その確信に呼応するようにピサロは口を開き、残る二人がピサロと店主の間で交互に視線を動かす。
「その身に纏う魔力、ドラゴラムによく似ている。竜が人に化けたか、少なくともヒトではあるまい」
ピサロが気付いたのは、セッツァーとは別の要素であった。酒精に紛れた微かなドラゴンの気配である。
だが、その総身をくまなく見渡しても人間そのものである店主を前に、ピサロはむしろその姿を、高位の変化魔法と見た。
そして、これほどの実力を持つ女を首輪も無しにオディオが野放しにしておく道理が無い。
「流石、一度進化の果てを見た御方は違うわねえ。そこのあたりは乙女のヒ・ミ・ツ、ってことで。
でもぉ、呼ぶなら竜じゃなくて『龍』って言ってくれた方がお姉さん嬉しかったり」
828
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:06:42 ID:rH4aOhw20
にゃはは、と笑いながら立ち上がりグイと盃の酒を飲み干す女店主。
その振る舞いを見ても三人は気を抜くことなどできなかった。
「そう! メイメイさんは一見どこにでもいる、普通の、敏腕せ・く・し・ぃ店主A。
――――しかしてその実態は……『オルステッドさま』の忠実なるしもべで――――っすッ!」
後光でも発しそうなほどのポーズを決めながらメイメイは高らかにその正体を語るが、
3人は3人とも「誰だ、オルステッドって」という率直な疑問に気を取られた。
(オディオのことか? いや、オディオの配下にオルステッドって奴がいて、その手下って線もあるか)
「ほう、そりゃあ凄い。で、そんなアンタは何をするためにここにいるんだ?」
そこを問い詰めたところで優勝を目指す彼らにはさして意味が無い。
店主の調子に乗せられかけたが、あまり浪費できる時間もない。それよりもこの場所の役割をこそ聞くべきだろう。
漸くこの女の価値をテーブルに載せ始めたセッツァーは当然聞くべきことを聞いた。
特異な場所に配されており、ここに入るための符牒が支給されている以上、
ここを訪れた者に対してするべきことが言い渡されているはずだ。
「ふふふ、よくぞ聞いてくれましたぁ!
このメイメイさんの使命、それは――――――それは?――――――にゃは、にゃはははは……」
堂々と胸を張ってそれを高らかに言おうとした店主が、途端に語気が弱まり、みるみる内に萎れていく。
「……忘れたのか?」「いや、この欠落の仕方だと最初から何も言われてないのかもな」
「にゃ、にゃにおう! そんなことあるわけにゃいじゃにゃい!」
毛並みを突然触られた猫のように店主はジャファルとピサロを威嚇するが、それは逆効果にしかならない。
「じゃあ、アンタここで今まで何してやがった。何でもいい、言ってみろ」
「何って……お酒飲んでー、お休みして―、お酒飲んで―、ツマミ食べて―、お酒飲んで―、お昼寝して―、それからぁ」
「もういい。呑んで寝るだけの簡単な仕事だってことはよっっく分かった」
自分の問いに指を折って答える店主を、セッツァーは制した。重ねて言うが、セッツァーも女性の扱い方は弁えている。
だから今、手持ちの水をありったけ顔面にブッかけてやろうと思っても、そこをぐっと堪えるのである。
幾らなんでもオディオ達がそのような自宅警備の真似事の為に龍種を置く訳が無い。
だが、真贋を見極めてきたセッツァーでも彼女の言動に嘘を感じることが出来なかった。ならば一体、この女の意味は…?
「ん、何やら莫迦にされた雰囲気。店主的に。それじゃあ、お店らしいことしちゃおっかしら?」
そう言った店主が店の奥から取りだしたのは、巨大なルーレットだった。
外周から半径の直線が引かれ、色の違う扇状のマスが作られている。
「運命の輪って言ってね。ま、軽い運試しのようなものよ。当たり所が良かったらステキな景品もつけちゃう!」
ダーツを1本差し出し、店主は蟲惑的な瞳を浮かべる。
このスチャラカなペースに着いていけずとも――あるいは、着いて行きたくなくとも――店主の云わんとすることは3人にも理解できた。
円の中の配色がそれぞれ異なり、そしてそれぞれの面積も異なる。恐らく面積の小さいものから順に1等から3等。
ダーツを投げて当たった場所に応じた賞品が手に入るのだろう。
「何を付けるつもりだ、龍よ。勿体ぶるからには、相応のものを配するのだろうな?」
およそこの手合いのイベントから最も縁遠かろうピサロが、試す様に店主に問いかけた。
当然、魔族の王たるピサロが賞品が気になって尋ねているなどということは無い。
本気で欲しいのであれば、名簿のように力づくで奪い取るのがピサロだ。
だが、未だ酒精の奥にその実力の底を見せぬこのドラゴン種を相手取るほど愚かではない。
この殺し合いの参加者でも、憎むべきヒトでもなく、ましてやオディオに通ずる存在であるというのならば手をかける理由もない。
ピサロ、そして残る二人も、優勝してオディオの報奨を得ようとしている以上、ここで参加者よりも厄介な存在に労力を割く訳にはいかないのだ。
「そうねぇ。そしたらぁ、上から順にぃ“貴方達にとって役に立つもの”をあげちゃうわ」
そういって店主は蕩けた目付きで指を幾度と振って、セッツァー・ジャファル・ピサロの順に指を射止める。
だからこそピサロはむしろこの龍が何を見て、何を考えているのかにこそ興味を持った。
829
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:07:28 ID:rH4aOhw20
「――だそうだが。どうする?」
ピサロはセッツァーの方を向き、その応手を伺う。1本しかないダーツ、そして景品はそれぞれにとって役立つ物。
誰が投げても、ダーツが何処に当たっても不和の要因になるだろう。
利害関係でしか成立していないこの即席チームに於いて、偏った利は害にしかならない。
このチームを呼び掛けたセッツァーの手腕こそが、図らずともこの女店主の手によって試されている。
「……外した場合は?」
「安心なさいな。ハズレでもタワシ位はあげちゃうから」
セッツァーが店主に問いかけ、その答えを聞いた後、指を顎に当てて考え込む。
既に「なんでタワシ?」などと口出しする気配もない。その眼は、魚が海に還ったように常の鋭い眼光を取り戻していた。
「外れて元々の話だ。ジャファル、お前に任せる」
「……待て、俺は……」
「俺もシャドウほど投躑が上手い訳じゃないしな。なら、一番得手そうな奴が投げるべきだろ。
好きに狙いな。花束の一つくらい、当たるかもしれんぜ―――――、―――――――、―――。
構わんな、ピサロの“旦那”?」
そう言ってセッツァーはジャファルに近付き、密着するような近さでダーツを手渡し、
ピサロに確認を求める。ピサロはそれが妥当な所か、とその選択を了と認めた。
誰の賞品が当たるにせよ、先ず的に当てられなければ話にならない。
であるならば剣を扱うピサロとギャンブラーであるセッツァーよりも、暗殺者であるジャファルが消極的適任ということか。
「誰が投げるかは決まったかしら? それじゃ、ルーレット・スタート!」
店主が扇子を広げると、ルーレットが独りでに動き出す。
如何な妖術を使ったのか、店主は扇を口元で戦がせるだけだ。
運命の輪が高速で回転する中、ジャファルはダーツを構えることなくだらりと腰に垂らしている。
しかしその眼光は鷹のように獲物を見定め、今にも喰いつかんと鬼気を発していた。
廻す、廻る。運命の輪が回る。弄ぶように輪廻が回向する。
翻弄されるその運命の渦から、たった一つの光を釣り上げる時を待つかのように、輪を見続ける。
「ちょっとぉ〜〜〜、慎重になるのは分かるけど、もう1分経っちゃうわよぉ……ってぇ!」
あまりの動の遅さに痺れを切らした店主が声をかけようとしたその時だった。
音もなく放たれたジャファルの一撃が運命の輪を穿つ。ジャファルの手から矢が離れた後、次第に輪はその回転数を落としていった。
暗殺者が貫いた運命、その色彩は――――――
「外した……だと……?」
ピサロがその結果に驚きを示す。自分のエリア<3等>が当たるとまで望むつもりはないが、真逆ルーレットにあたりもしないとは。
だが、どれだけ目を眇めようが凝らそうが突き刺さった場所は変わること無し。運命の一投は無情にも、光を掴むことはできなかった。
「あちゃー……ま、ま、こう言うこともあるわよ! 運勢なんてコロコロ変わるものだしねッ!
っていうか、え、ちょ、タワシってウチの店にあったかしら……にゃ、にゃはははは……」
予想外過ぎる展開に、さしもの店主も動揺を隠せないらしい。
確かに、ジャファルは暗殺者とはいえその本分は接近からの瞬殺である。
ましてや今は殺しとは程遠い遊興。実力を発揮できるはずもない。
「ゴメンナサイ……探したけどタワシが無くって……その、ニボシで良かったら……」
店主はそう言って申し訳なそうにジャファルに魚臭い袋を渡す。善い出汁が取れそうな、猫も魚もまっしぐらの良質煮干である。
無言でそれを受け取るジャファルに、店主は乾いた笑いを浮かべながら手を振った。お帰りくださいという意味だろう。
「ちょっと待ちな。もうひと勝負、申し込むぜ」
830
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:08:14 ID:rH4aOhw20
だが、その意を分かった上で敢えてセッツァーが店主に話を斬り込んだ。
そのタイミングの良さに店主は面食らったが、直ぐに目を細めて否定を解答する。
「……気持ちは分かるけど、それはちょっと不味いわねえ。試したのはあくまで貴方達の運気。
もう一回やれば当たるとか、それは純然たる天運とは言えないわ。残念だけど、貴方達はこの一回―――――!?」
「なら、これでどうだい?」
勝負を切り上げようとする店主の言葉を断ち切ったのは、セッツァーが取りだしたもう一つのカードだった。
シルバーカード、メンバーズカードと同様ジャファルの世界の符牒。その意味は商品価格の半額である。
「スプリット。俺達に一回分の権利しかないと言うのなら―――――こいつで、そいつを“半額”にさせてもらおうッ!」
セッツァーが二本の指で投げ飛ばしたカードを店主は中空で掴み取り、マジマジと見つめる。
そして暫く考え込んでから、軽く溜息を付いてもう一本のダーツを取りだした。
「もしかしてぇ……最初から、こうするつもりだったぁ?」
「偶々さ。偶々、ポケットの中にあったもんでね」
そう言って、誰が投げるとかとのやり取りもなく、ダーツを手にしたセッツァーが運命のルーレットの前に立つ。
そう、運命を賭けると言うのならば、ダーツに意思を託すと言うのならば――――――この男以外に有り得ない。
「おっけぇ。ギャンブラーさんの力、何処まで届くか試してあげる。ルーレット、スタートッ!」
誰もそうだと言っていないのにセッツァーをギャンブラーと嘯く龍の店主が扇を開く、運命の輪が軋みを上げて太極を廻す。
本気で廻る世界に、人の意思など徹らぬと謳いあげるように。人はその回転に、ただただ翻弄されるしかないと笑うように。
「でも、それなら最初から貴方がやるべきだったわねえ。唯でさえ回転しているのに、
ダーツが手元から離れて的に当たるまでの時間が分からないと何処で投げればいいか分からないわよ?」
店主が扇を煽いでギャンブラーの失策を笑う。最初から2回投げるつもりであったのならば2つとも自分で行うべきだった。
そうすれば、ひょっとすれば2人分の景品を得られたかもしれないのに。
「それとも、純粋に運を試すつもりかしら。さてま結果は―――――」
「1ツだけ教えてやる。メチルフォビア<アルコール恐怖症>」
軽口を吐きながら扇を再び戦がせる店主に、氷のように冷たい言の刃が突き刺さる。
まるで自分の喉元にそのダーツが穿たれかと錯覚するほどのギャンブラーの視線が、店主に突き刺さっていた。
「運命<こんなもの>は、ギャンブルとは言わねえんだよ。
そいつを力でねじ伏せてからが、本当のギャンブルだ。分かったら――――」
セッツァーは運命の輪に見向きもしていない。その眼光は唯店主のその一点を見定めている。
当然だ。最初から何もかもを投げ出して運命などという“まやかし”にその身を委ねる者を女神は愛さない。
頭脳を、力を、己が持つありとあらゆる手管を用いてありとあらゆる運命を撥ね退け、
“その先に立ちはだかるもの”に、己が魂を賭してこそ、女神は漸く微笑む。
「“その特賞に当たったら、3つの景品を全部寄越しな”ッ!」
831
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:08:51 ID:rH4aOhw20
店主の扇が“三度戦いだ”刹那、セッツァーの腕が疾った。
美しいフォームだった。ジャファルも、ピサロさえも微かにそう思った。
力みも逸りも気後れもない、自然体の一投。何度投げようとも決して崩れることのないだろうフォーム。
そこに種族も職能の違いもない。どのような目的であれ、研鑽の果てにある結晶は美しい。
一体何百回、否、何万回投げればこれほどのスローが可能になるのか。
「真逆“本当に”最初から――――」
「ああ、ジャファルに言ったとも。外せと、伸ばせるだけルーレットを回させろと」
驚愕に龍眼を見開く店主を前に、セッツァーは不敵に笑う。回転数を下げていく的を、最早見てもいなかった。
一投目は完全なる“見”。そして万一賞品を手にして、有耶無耶に終了させられないように敢えて外した。
そして、セッツァーはたっぷり1分を用いて、魔力で回転するルーレットと扇子の同期に気付いたのだ。
「そっちじゃなくて、特賞の方なんだけどぉ?」
「言わなきゃ気付かねえと思ったか? それこそ、舐めるな」
これこそが、セッツァーの感性が成せた唯一の幸運だった。とっかかりは店主の試すような目つき。
シルバーカードで普通に二回賞品を得ても、誰かの不満を招くこの状況。
もし、それを以て彼らの動きを見極めようとするのであれば抜け道が有ってもおかしくは無い。
抜け道があるという前提でルーレットに目を凝らせば……3等の中に微かに紛れた、4色目。
回転数さえ目算が立てば、廻っていないも同然だ。自分のダーツの技量など、自分が一番信じている。
「生憎と、これでメシを喰ってきた。
賽の目も、ルーレットも―――運命をねじ伏せられない程度の力で生きていける世界じゃないんでね」
「―――――――――お見事。特賞、大当たり!」
最早言うこと無し、と店主は扇子を閉じて勝者を宣言する。
ピサロが魔族を傅かせ、ジャファルが闇を統べると言うのならば。
セッツァーは、運命を跪かせる者―――――ギャンブラーなのだ。
832
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:09:50 ID:rH4aOhw20
「3等賞。先ずは貴方ね、カッコイイ魔王様ぁ?」
「フン。やはり見抜いていたか。その眼、魔眼か?」
ルーレットが片付けられ、テーブルを挟んで魔王と店主が向かい合う。
「ちょーっとばかし魅了の力はあるけど、そんな大したものじゃないわよぅ」
ピサロに魔眼と評された店主は眼鏡越しのその瞳でピサロの痩躯を見渡す。
くすんだ銀の髪、疲労の色を隠すことはできないが、その表情に充実する気力を見とって店主は満足気に頷いた。
「煩悶は乗り越えた、ということかしら。貴方の内に根差す想いが――――貴方の憎悪すべき人間にもあるということに」
「……それがどうした。誰が何を想おうが、この想いは私だけのものだ。そして、誰にも邪魔は出来ん」
それは、邪魔立てすれば貴様だろうと屠るのみという店主に向けての魔王のメッセージだった。
その暗喩に気付いてか気付かずか、店主は盃の酒に唇を湿らせ、そして言った。
「それでも、貴方はその想いを邪魔したわ。貴方と同じように、唯“逢いたい”と願った1人の生徒の想いをね」
店主の眼鏡の奥に1つの光景が映る。
もう逢えないと、さようならと別れた教師と生徒。
生徒は誓った。もう一度逢いに行くと、今度は私が貴女を救いに行くと。
その願いは叶うはずだった。それは歪んだ時の成就であろうとも、生徒の願いを叶えるはずだった。
だが、それは叶わなかった。雷の奥に観た勇者の虚像に怒り狂った、魔王の所業によって。
「勘違いしないでね? 恨み事を言いたい訳じゃないの。
貴方の想いもまたヒトの夢であり、また誰かの想いによって叶わぬユメと成り得るということよ」
店主はぐいと酒を飲み干し、新しく酒を注ぐ。そして、それを魔王へ向かって伸ばした。
魔王は何も言わずに、それを受け取りワインとは違う透明な酒を眺める。
「【アリーゼ=マルティーニ】。その想いを胸に抱いて進むと言うのなら、貴方が砕いた想いの欠片くらいは抱えておきなさい」
魔族の王は、龍姫の言葉に応ずるでもなく激昂するでもなく、唯酒を呑むことで応じた。
呑み慣れない酒を一気に煽ったその味わいは、魔王にしか分からない。
その呑みっぷりに満足したのか、店主は微かに笑んで誓約の儀式を発動する。
「名は命、性は星。忘れないで。オルステッド様がオルステッド様でない意味を、魔王が真名で呼ばれない意味を。
―――――――“貴方がデスピサロでなく、ピサロとして名簿に刻まれた意味を”」
テーブルの上に召喚された宝箱を開いて、魔王は唯それを掴んだ。
833
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:10:43 ID:rH4aOhw20
「さて、お次は貴方ね? 暗殺者さん?」
「戯言など無用だ。品だけ渡せ」
拒否は認めぬとばかりに鋭い眼光を発しながらジャファルは店主に吐き捨てるが、
店主は何処吹く風と酒を飲みながらジャファルの身体をじろじろと眺める。
「その刺し傷、随分手酷くやられたのねえ。見てるこっちが痛くなっちゃう、にゃははは」
店主の何気ない笑いに、ジャファルは傷の痛みを錯覚した。
セッツァーのケアルラによって行動には支障ないレベルまで回復しているものの、
まだ一日と経っていない槍傷、この舞台で恐らく初めて喰らった直撃の記憶はジャファルにしっかりと刻まれていた。
「不思議なものね。どれだけ言葉を尽くしても届かないと思っても、たった一撃の槍が簡単に貴方の世界に証を遺す。
貴方がたった一人以外の全てを望まずとも、彼女以外の全てが貴方に干渉する」
「……何が言いたい?」
無意識に脇腹を擦ろうとする右手を堪え、暗殺者は店主に向けて殺意を放つ。
何も知らぬ者が彼女の名前を口にしようものなら、刎ねてもいいとさえ思いながら。
「世界は広いということよ。このお酒でさえ極めようと思ったら、私でさえ道の途中。況や人の心は、ってね」
極めると言うことは、口にするほど簡単なことではない。ましてや武術など一朝一夕でどうなるものでもない。
それでも、それでも彼女はその事実を受け入れても前に進もうとした。
片腕しか使えずとも、剣でなければ振るえぬ技を、前に突き進むために技を究めようとした。
そこに至る感情を知ることはできずとも眼の前の傷をみれば、確かに刻まれた想いはここにある。
「【秘剣・紫電絶華】。世界は『光』と『闇』だけって訳でもないわ。貴方に刻まれた『雷』の本当の名前を忘れないで」
そう言って店主が渡した盃を、ジャファルは黙って見続けた。
清酒の澄み切った光を見つづけ、やがてジャファルはそれを無言で店主に返した。
「ありゃ、つれない。まあ、それもまた1つの答えよ。だけど気をつけて進みなさいな“若人”。
お米と水でお酒は出来るけど、お酒から水を、お米を取り除くことはできない。
例え出来たとしても、それは水でもお米でもお酒でもないものになる。貴方が作ろうとしてるのはそういうものよ」
そう言いながら召喚された宝箱の中身を、やはりジャファルは無言で受け取った。
834
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:11:16 ID:rH4aOhw20
そして、ギャンブラーと占い師が対峙する。
「最初は適当にしてたから、油断しちゃったわ。もしかして、カマをかけられちゃってた?」
「いや、最初は本気でアンテナが立ってなかったぜ。アンタが俺にとってどういう存在なのか、見極められなかったからな」
目を合わせずに酒をちびちびと啜る店主に、セッツァーは笑い返した。
「酔っ払いのフリにだまされた? 殺し合いに場違いな空気に乗せられた? この当たりの酒の匂いに狂わされた?
――――――違うね。その中に僅かに残った“アンタの敵意”こそが、最後まで分からなかった」
そう、それがセッツァーの感覚を鈍らせていたもの。理由の思いつかない一方通行の憎悪である。
「なあ、俺は一体アンタにとってどれほどの仇なんだい?」
「……安心なさいな。私が『護衛獣』である以上、オルステッド様の意に反することはできないの。
それに、私には貴方を糾弾する資格はないし、するつもりもないしねぇ?」
にゃは、にゃはは、と酒に焼けた笑いを吐く店主。だが、その飲酒のペースが僅かに速まっていることをセッツァーは見逃さなかった。
「まあ、あんたには礼を言うぜ。ギャンブルの原点に立ち返られた。
あのルーキーがどんな目論見だろうが、ヘクトル達が何を思おうが関係ない。
その上で運命を越えてこそ、俺が夢を賭ける大勝負に相応しいってな」
「夢、夢ねえ。風を切って大空を駆ける――――――想像しただけで肴になるわ」
セッツァーの純粋な歓喜に、店主は愛想笑いを浮かべグイと盃の酒を飲み干す。そこには空の杯だけが残った。
「ありゃ、空っぽになっちゃった。これじゃお酒が呑めないじゃない」
空の杯を残念そうに見つめた後、店主は新しい酒瓶を取りだし並々と注いだ。
そこには表面張力限界まで満たされた杯が揺らめいている。
「空の杯には、またお酒を注げばいい。最初から満たされている杯なんてないのよ。
いいえ。空の器にこそ、どんなお酒を注ごうかという趣がある」
セッツァーはそれを黙って聞いていた。自分が砕いた、2本の空き瓶を思い出しながら。
「―――――【アティ】よ。私がいつか呑もうと楽しみに取っておいたお酒のラベル。呑めなくなっちゃった以上は、仕方ないけどね」
しばしの無言が続く。机の上に置かれた酒をセッツァーは手に取ることもなく、店主は呑むこともなく永遠に似た1秒が連鎖する。
「これからもう一勝負ある。悪いが、酒に酔ってる暇はねえ」
「そ、残念ね。はい、一等賞」
店主は胸に手を入れて、小物をとりだす。それはダイスだった。
ただし、中に細工の施された――――『イカサマのダイス』が。
「貴方達のお酒が最後にどんな味になるか……機会があったら呑ませて頂戴な」
「ああ。機会があったらな」
セッツァーがそれを掴むと、店主は全ての役目を終えたとばかりに手を振った。
もうこの店には用事はない。目指すべきは、ルカ=ブライトを斃せしアシュレーの一党だ。
そうして3人は、入った入口へと進んでいった。
835
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:11:55 ID:rH4aOhw20
―――――・―――――・―――――
陽光が緩く照らす朝の森の中、セッツァーは思い出した過去を苦虫を噛み潰す様に堪えた。
そこに茂みを踏む音が鳴り、ピサロ共々立ち上がる。
「来たか、ジャファル。で、首尾は――――」
「既に交戦が始まっている」
戻るや否や、告げられたその一言は彼ら2人といえど震えを呼ぶものだった。ただし、驚愕と歓喜を綯交ぜにしたものとして。
簡潔明瞭なジャファルの斥候結果を具に聞きながら、彼ら3人は状況の大まかなるを把握した。
南の遺跡にいるはずの魔王とカエルが、攻め上がりに来たのだ。
魔王の大規模魔法で戦況が混交し過ぎて、流石のジャファルといえど遠間からではヘクトル達の全人数は把握し切れていなかった。
「奴らが団結して南に下りなくなったから、攻め上がりに来た? いくらなんでも早過ぎるだろう。監視能力でも持っているのか?」
「そんなことは然したる問題でもないだろう。これこそが貴様の望んだ好機とやらではないのか?」
考え込みかけたセッツァーをピサロの一言が引きもどす。重要なのは現状の答え合わせでなく、現状をどう生かすかだ。
セッツァーは持てる感性の全てを動員して、次の一手を弾き出した。
「当然、背後から攻める。ただし、放送が終わってからだ」
「……何故だ」
追いすがるようなジャファルの眼を、その感情ごと理解したような眼でセッツァーは見返した。
「魔王共の攻めたタイミングにもよるが、あのガキが中にいた以上俺達のことは知られていると考えた方がいい。
恐らく、俺達が来ることも読まれてるだろう。
かといってこのタイミングを逸して魔王共がやられれば今度は10人近い連中と俺達が正面からぶつかることになる」
拙速に攻めればカウンターを仕掛けられる恐れがあり、巧遅に失すれば唯一の勝機を失う。
突くべきは最適な“今”―――――――即ち敵の人数を全て掌握した直後、オディオによって仕切り直された刹那である。
「僅かな間を持たせて、緩急を縫うか。王道ではないが是非もない――――して、何処から攻める?」
ギャンブラーの采配にとりあえずの及第点を与えた魔王が、いよいよ確信へと切り込む。
彼ら3人が集ったのは、1人では如何ともしがたい彼我の差を埋める為だ。
3人の力を拡散させるのであれば、この盟約は全くの意味を成さない。
一度混戦に入ってしまえば致し方ないが、初撃は戦力を集中するべきである―――――彼らが唯一恐れる、人数の差を潰すために。
「決まっている。ニノだ」
「ッ!!」
その名が告げられた瞬間、ジャファルの身体が猫のように跳ねあがりセッツァーの喉元に刃を向ける。
だが、セッツァーは皮一枚を血に濡らしながらも気にしていないように言葉を紡ぐ。
「言葉が足りなかったな。先ずニノを確保するって意味だ。
混戦のうちに死なれてるかもって思ったら、アンタも気が気じゃないだろう? だから、周囲を撃滅して気絶なりさせちまう。
どうせその近くにはヘクトルもいる。不意を付ける最後の機会だ、そろそろアイツが望む黒い俺として出てやろうじゃないか」
そう言ってセッツァーはぐぐもった笑いを浮かべ、その意思に淀みがないことを見取ったジャファルは刃を下げる。
「……感謝する」
「なァに。俺はあんたと共に戦うことに賭けた。それだけだ―――――よく耐えてくれた、もう少しだけ我慢してくれ」
セッツァーはそう言ってジャファルの肩を力強く掴んだ。
そう、魔王の魔法がニノを襲った時、ジャファルは飛び出して魔王に攻め入ろうとさえ思ったのだ。
ニノに牙を向けるのであれば例え相手が誰であれ、立場がどうであれ知ったことではない。
距離があろうが無かろうが、この手で瞬殺してしまいたい―――その衝動を、ジャファルは堪えたのだ。
(まだ、ニノの傍にはオスティア候がいる。まだだ、もう少しだけ、ニノを頼む)
求めるはニノにとっての安らぎ。その為には、ここで衝動に駆られて暴れる訳にはいかない。少なくとも、今は。
だからこそ、セッツァーの指針はジャファルにとって天啓以外の何ものでもなかった。それ以外の選択肢はなかったと言える。
836
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:12:45 ID:rH4aOhw20
その意を固め誼を確かめ合う2人を尻目に、ピサロは寒気すら覚えた。
セッツァーにもジャファルにも、一切の淀みはない。アレは互いにとって確かな誓いなのだ。
―――――もし、これからの戦いでニノって奴と戦闘に入ったら、旦那の判断で消してくれないか?
だからこそ、ジャファルが斥候に出ていた時にセッツァーに持ちかけられた話が恐ろしい。
セッツァーは先のように寝転びながら、雲の数を数えるような気楽さでそうハッキリ言ったのだ。
―――――俺はジャファルに賭けた。それは間違いじゃねえ。あいつの夢は純粋で、信じるに足る。
“だからこそ、ニノって奴が邪魔になる可能性が否定できねえ”。
彼ら3人は共に優勝を目指すと言う観点から利害を一致している。ただ、ジャファルだけはその指向性が僅かに彼らと違うのだ。
ニノはジャファルにとって刃を研ぐ石でもあり、刃を折る鉄でもあり、刃を誤らせる霧にもなるのだ。
―――――ニノって奴が無力な娘ならこうも迷わねえんだがな、いかんせん半端に力があるとなりゃ始末が悪い。
ジャファルにとっても、俺達にとっても場を荒らすワイルドカードになりかねねえ。
唯でさえ殺し合いに乗る参加者が少ない現状、ニノを守るためにジャファルが他の殺戮者と相喰むことになればそれこそ眼も当てられない。
ならば、いっそ“ジャファルもセッツァー達と同じ形に”なってもらった方がいいのではないか、と。
―――――正直、ニノを殺すべきか生かすべきか読めない。どちらに賭けても、失うものも得られるものもある。
俺じゃ判断が鈍っちまう。だから“旦那に任せたい”。
だからセッツァーは委ねた。ジャファルとニノの関係に全く興味の無いピサロを公平なダイスと見立てて、
その趨勢を賽に任せようとしたのだ。
(これが、ギャンブラーというものか。成程、人間に相応しい在り方だ)
ピサロは思惑を億尾にも出さず鼻息を鳴らす。
セッツァーの要望があろうがなかろうが、ロザリーへの道程を阻むものがいれば誰であれ屠るのみ。
それはニノという娘でも例外ではない。最も、その公平さこそをセッツァーは信じたのだろうが。
「アンタらも、まだあの店のアイテムを使わずに残してくれたようだしな。
あのガキが俺達の装備を見誤ってくれてたら、更にラッキーな話だ」
セッツァー達はそう言って森を分けて進む。南へ、南へ。放送は近い。
「全く、あの店主サマサマだったな、まったく」
「……だが、お前はそれでよかったのか? “イカサマのダイスを放棄して”」
「なァに、やっぱりブリキ大王のような戦闘の道具は好まねえ。俺はこれで十分だよ」
ジャファルの問いに、セッツァーはポンポンと枕にしていた本を叩く。
唇を歪めたセッツァーに、ピサロは興味な下げに尋ねた。
「どういう風の吹きまわしだ? あの龍姫に感謝するなどとは」
「俺だって感謝したい時くらいあるさ。尤も―――――――――」
837
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:13:25 ID:rH4aOhw20
エキゾチックな異国の店。その中で店主はちびちびと酒を煽っていた。
その向かいには3つの杯が、呑むべき相手を待つかのように置かれている。
だが、その酒が飲み干されることが永遠に無いことを店主は知っていた。
「よりにもよって、二重誓約を仕掛けられるなんてねえ……メイメイさんもしてやられちゃったわ、ホント」
今さら、其れについて猛ろうと思えるほど彼女は若くはなかった。
それが人の選択である以上、避けられぬ離別も逆らえぬ命運もある。彼女は幾度となくそれを見てきたのだ。
「哀れメイメイさん、籠の中の鳥……誓約の鎖に縛られたかわいそうなオ・ン・ナ」
今の彼女の仮主は人の命運さえも捻じ曲げようとしている。それは運命の埒外、彼女としても承服は出来ない。
しかし、この牢獄に繋がれた以上、セッツァー達のように許可証でもない限り入ることも出来ない。
「にしても、あのギャンブラーやっぱり目聡いわね。真逆、アレを持っていくなんて」
彼らが退出しようとしたあの瞬間を、メイメイは眼を閉じて想起した。
――――――――――――――――悪いが、やっぱ要らねえわコレ。
それは、振った賽の目が全て役を成す悪魔のサイコロ。それをセッツァーはカラコロと地面に投げ捨てた。
――――――――――――――――アンタ言ったな? 1等は俺にとって役に立つ物だって。
だったら……それは俺が選んでこそだと思わないか?
そう言って店主を見つめるセッツァーの眼は、およそ運命と呼ばれるものを生業にする全ての職業を否定する光を放っていた。
その眼光を携えたまま、カツカツと店主の横を通り過ぎて本棚に立つ。
――――――――――――――――俺は、これにする。この店で唯一、明らかにインテリアから浮いているこの本をな。
セッツァーが手に取ったものを見て、店主は驚愕した。その、錠前のついた本に。
「アレは私の店のものじゃない。アレがあることを私は知らなかった。
ということは、オル様がここに置いてたってことだから―――――出したら不味いんじゃないの?」
ここは鳥籠、扉が開かぬ限り入れぬ封印。ならばそこにある書物もまた、封印されてしかるべきものなのだだろう。
だが、しばし考えてメイメイはまあ、良いかと酒を飲み直すことにした。
「これでオル様の企みが崩れるならそれまでだしぃ? ひょっとしたら持ってかれること計算済みかもだしぃ?
メイメイさん、悪くありませ―ん。無実無罪でーす。にゃははははは」
少なくとも今はまだ鳥籠の中で待つしかない。来ないかもしれない時を待つために。
それがあの闇の中で輝く者達の導としてか、憎悪の闇の尖兵としてかは分からないが。
838
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:14:00 ID:rH4aOhw20
だが、世の中は酔夢ほど緩やかではない。
店主の後ろの本棚にある本の一冊が光り輝く。
その光に気付き、メイメイは気だるそうに本を手に取って開く。そしてその眠たげな眼を全開にした。
「夜族、高貴なる血……賢帝の破片にクラウスヴァイン、感応石……これって、首輪の?」
猛烈な勢いで書き変わる文章、そこに書き込まれていくのは首輪のことやこの世界に関する推察であった。
「にゃ、にゃにぃぃ〜〜〜!! 嘘、何でこんな場所に? よりにもよって? オル様の差し金? っていうか、不味い!」
店主は椅子を蹴飛ばしてセッツァー達が出て行った紋章へ手を伸ばす。
ここにコレがあった所で、あの島で戦う者達の役に立つことはない。何としても彼らの世界へ送り届けねばならない。
「何とか本だけでも送り届けないと…! 四界天輪、陰陽対極、龍命祈願、自在解門ッ!!
心の巡りよ……希いを望む者たちに、導きの書を送り届けたまえ! 魔成る王命に於いて、疾く、為したまえ!」
剣指を刻み、呪文を唱えて店主は紋章に向けて力を送る。
だが、紋章はうんともすんとも言わず、本はいつまでも店の中にあった。
「え、なんで。幾らなんでもそれくらいのことは―――――――あ」
店主がその正解に気付いた時、酒で紅いはずの顔が真っ青になった。
―――――――ああ、機会が“あったら”な。
「ま、まさか……」
その脳裏に浮かんだのは、あのギャンブラーの最後の笑みだった。
「にゃ、にゃんとォォォォォォォォ―――――――――――ッ!!」
A−7の海岸。いち早く日の光を燦然と浴びて輝く海に、どこかの店主の慟哭が響いた気がした。
だが、それを聞くものなど誰もおらず。ただ“かつて船だった板”と既に薄い煙となった灰が残るだけ。
最早、座礁船と呼ばれたものは何処にもなかった。
839
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:14:34 ID:rH4aOhw20
「―――――――――尤も、もう逢うこともないだろうがな」
そう言って、座礁船を焼き海の藻屑へと還した張本人が獰猛な笑みを浮かべた。
彼らはあの店を出た後、即座に紋章の周囲を重点的に破壊し、更に酒蔵の残った酒を全て船に撒き、火術で焼き払ったのだ。
正確に言えば、火を付けた時点で彼らは対アシュレー戦に向けて行動を開始した。
燃え尽きるまで待っている理由も無かった。彼らの目的は、あの入口を完膚なきまでに破壊し尽くすことだったのだから。
「万が一、あのカード以外に入る術があって、俺達のようにアイテム渡されたら堪ったもんじゃねえしな」
入口をなくせばいい。
セッツァーが取った方法は至極明快だった。それに、この方法ならばあの店主を閉じ込める効果もあるだろう。
あの店主がオディオに忠誠を誓っているか、はたまた虎視眈々と裏切りの機会を待っているか。
どちらに転んでもセッツァーに利する要素は何もない。ならば、永遠に客の来ない店番をして貰うのが最良だ。
「そう言えば、何故お前はあの龍を毛嫌いする? 特に拘るようにも見えぬが」
「そりゃぁ、決まってる」
横を歩くピサロの何気ない問いに、セッツァーはさも当然のように答えた。
「自分で歩く路を決める俺<ギャンブラー>と、ここを進めと言うだけ言って自分で歩かない占い屋――――――――――相入れる訳がないのさ」
そう言い終わったセッツァー達の眼の前から木々が無くなる。
そこに広がるのはだだっ広いクレーターだった。そしてその遥か遠くで、魔法の煌めく光が陽光を超えて目に刺さる。
肌を刺す光、雨上がりにぬかるんだ熱。今日も暑くなると告げている。
セッツァーの口が歪む。魔王達の思わぬ奇襲によって、ジョウイがセッツァー達に伝えた計画は破綻したとみていい。
ここからは、恐らく最後になるだろうこの乱戦をどれだけ活かせるかが勝敗を握ることになる。
「さあ、俺達もカードを伏せるぜ。降りる奴なんていやしねえ。最高の、最高の賭けになりそうだ」
だからこそ、最後の作法だけは弁えよう。
汗にぬかるんだ掌を握り締める。慌ててカードを落とすなんて莫迦だけはゴメンだ。
そう言い聞かせるように、セッツァーは枕にしていた本をしっかりと握りしめた。
それは日記のようなものだった。古臭くはなく、かといって新しいものではなく。長年使ってきた日記という印象を受ける。
だが、それよりも眼を引くのが、巨大な錠前だった。
ピサロの魔力でも、物理的な解錠でも開かぬ錠前がこの日記のような本の中身を守り続けている。
唯分かるのは、表紙に書かれた、恐らくこの本の執筆者であろう名前――――――『Irving Vold Valeria』。
永遠に開かれること無い日記を手に掲げながら、セッツァーは高らかに謳う。ギャンブラーとして、1人の男として。
ああ、これだ。胸の動悸を確かめ、セッツァーは漸く自分の興奮を自覚する。
ありとあらゆる準備を整え、考え得る可能性を絞り出し、そして舞台に上る。
その時こそ、今こそ―――――――――最高のギャンブルとなるのだ。
「さあ、宣言しなオディオ! 『No more Bet―――――――――――It's a showdown』ッ!!」
日の出と共に、王の宣言と共に――――――――――これより、最後のゲームが幕を開ける。
今日も暑く、長い日になるだろう。
840
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:16:58 ID:rH4aOhw20
【C-7クレーター北端 二日目 早朝】
【ジャファル@ファイアーエムブレム 烈火の剣】
[状態]:健康
[装備]:影縫い@FFVI、アサシンダガー@FFVI、黒装束@アークザラッドⅡ、バイオレットレーサー@アーク・ザ・ラッドⅡ
[道具]:聖なるナイフ@ドラゴンクエストIV、毒蛾のナイフ@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち、潜水ヘルメット@ファイナルファンタジー6
マーニ・カティ@ファイアーエムブレム 烈火の剣、基本支給品一式×1 メイメイさんの支給品(仮名)×1 ニボシ@サモンナイト3
[思考]
基本:殺し合いに乗り、ニノを優勝させる。
1:ニノを生かす。
2:放送後にヘクトル達に奇襲を仕掛ける。ただしニノの生存が最優先。
3:セッツァー・ピサロと仲間として組む。ジョウイの提案を吟味する?
4:参加者を見つけ次第殺す。深追いをするつもりはない。
5:知り合いに対して躊躇しない。
[備考]
※ニノ支援A時点から参戦
※セッツァーと情報交換をしました
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。
【メイメイさんの支給品(仮名)×1】
メイメイさんのルーレットダーツ2等賞。メイメイさんが見つくろった『ジャファルにとって役に立つ物』。
あくまでもメイメイさんのチョイスであるため、それがジャファルが役に立つと思う物とは限らない。
【セッツァー=ギャッビアーニ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:好調、魔力消費(中)
[装備]:デスイリュージョン@アークザラッドⅡ、つらぬきのやり@FE 烈火の剣、シロウのチンチロリンセット(サイコロ破損)@幻想水滸伝2
[道具]:基本支給品一式×2 拡声器(現実) 回転のこぎり@FF6 フレイムトライデント@アーク・ザ・ラッドⅡ ゴゴの首輪
天使ロティエル@サモンナイト3、壊れた蛮勇の武具@サモンナイト3 、小さな花の栞@RPGロワ 日記のようなもの@???
[思考]
基本:夢を取り戻す為にゲームに乗る
1:放送後にヘクトル・ニノをメインに奇襲を仕掛ける。
2:ジャファル・ピサロと仲間として行動。ジョウイの提案を吟味する?
3:ゴゴに警戒。
4:手段を問わず、参加者を減らしたい
※参戦時期は魔大陸崩壊後〜セリス達と合流する前です
※ヘクトル、トッシュ、アシュレー、ジャファルと情報交換をしました。
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。
【日記のようなもの@???】
メイメイさんのルーレットダーツ1等賞のイカサマのダイスを放棄してセッツァ―が手にした『俺にとって役に立つ物』。
メイメイさんの店にあった、場違いな書物。装丁から日記と思われる。
専用の『鍵』がないと開かないらしい。著者名は『Irving Vold Valeria』。
841
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:17:33 ID:rH4aOhw20
【ピサロ@ドラゴンクエストIV】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)、心を落ち着かせたため魔力微回復、ミナデインの光に激しい怒り
ロザリーへの愛(人間に対する憎悪、自身に対する激しい苛立ち、絶望感は消えたわけではありません)
[装備]:ヨシユキ@LIVE A LIVE、ヴァイオレイター@WA2、クレストグラフ(ニノと合わせて5枚。おまかせ)@WA2
[道具]:基本支給品×2、データタブレット@WA2、双眼鏡@現実 点名牙双@幻想水滸伝Ⅱ、解体された首輪(感応石)、
天罰の杖@DQ4、小さな花の栞×数個@RPGロワ メイメイさんの支給品(仮名)×1
[思考]
基本:ロザリーを想う。優勝し、魔王オディオと接触。世界樹の花、あるいはそれに準ずる力でロザリーを蘇らせる
1:放送後にゴゴ・ヘクトル達をメインに奇襲を仕掛ける。
2:セッツァー・ジャファルと一時的に協力する。
3:ニノという人間の排除は、状況により判断する
[参戦時期]:5章最終決戦直後
[備考]:確定しているクレストグラフの魔法は、下記の4種です。
ヴォルテック、クイック、ゼーバー(ニノ所持)、ハイ・ヴォルテック(同左)。
【メイメイさんの支給品(仮名)×1】
メイメイさんのルーレットダーツ3等賞。メイメイさんが見つくろった『ピサロにとって役に立つ物』。
あくまでもメイメイさんのチョイスであるため、それがピサロが役に立つと思う物にとは限らない。
*座礁船の秘密の扉の先に、メイメイさんの店@サモンナイト3がありました。
中にメイメイさんがいましたが、店共々どのような役目を持っているのかは不明。
メイメイさんの目的は不明ですが、魔王オディオの『護衛獣』であるらしくオディオに逆らうことはできないようです。
その中に、マリアベルの知識が書き込まれた1冊の本があります。
*座礁船が燃え尽きました。紋章も燃える前に完全に破壊されており、そこからメイメイさんの店に出入りすることは不可能です。
842
:
龍の棲家に酒臭い日記
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/18(木) 03:19:39 ID:rH4aOhw20
仮投下終了です。
議題とこちらが考えるのは
・メイメイさん登場の是非
・アーヴィングの日記(と思われるもの)の是非
ですが、他にもありましたらそれも含めて審議願います。
843
:
SAVEDATA No.774
:2011/08/18(木) 04:56:01 ID:JGbs5nQY0
仮投下乙です。
個人的には問題はないと思います。
感想は本投下時に。
844
:
SAVEDATA No.774
:2011/08/18(木) 05:10:35 ID:dFHZwuDQ0
投下乙〜
感想は本投下時として、氏が気にしている点について、意見を述べさせて頂きます
・まず一つ目ですが……
え、メイメイさんって召喚獣だったの!?
俺は今ひどいネタバレを食らった
というのはともかくとして
メイメイさんが出てくるということ自体はよろしいかと
お店といえばメイメイさんなのには納得ですし
ただ、メイメイさんの正体が龍族云々というのはサモナイ3内では触れられていませんでしたよね?
1か2か4の話でしょうか?
これは後々、他の書き手がメイメイさんを把握するために、ほかシリーズのサモナイやらねばならないということにはならないですよね?
いえ、そこらへんは書き手諸氏が上手くやってくれると思いたいのですが
ただ、私のようにサモナイの3に疎い読み手をほったらかしにする危機もあるのでは
ちょうど最後にお店の出入りを封じられたこともあり、また、オディオが他人を信用しない以上、
護衛獣といえど、最後の最後まで召喚しないといった形で、これより先に本編に大きく絡ませないこともできますが
この一つ目の件に関しまして、メイメイさんの正体について知っている方の意見もお聞かせください
サモナイ3以外未把握の書き手や読み手が、うまいことはぐらかしたり、簡単な説明でついていける程度のものなのでしょうか?
今回の話の内容的に、メイメイさんの正体だという龍関係の要素を削ってもらっても成り立つ以上、そこら辺をぼかす形で修正してもらったほうが良いのでしょうか?
・次に二つ目の方ですが
こちらについては問題ないと思います
アーヴィングの日記はWA2ではどうやっても見れないものでしたが、今回の話の流れからして、その中身が見れないことこそに意味があるとも捉えれます
解錠されたとしても、内容をまっとうなアーヴィングの日記としてでっち上げることもできますし、オディオが置いていたことも考慮し中身が別ものであったとしても、不思議ではないかと
書き手の判断次第でこちらはどうとでもなると思われます
845
:
SAVEDATA No.774
:2011/08/18(木) 23:09:16 ID:QhBUSqVs0
お疲れ様でした。
他の方と同じく、感想については本投稿された際に。
それにしてもこの◆wqJoVoH16Y、ノリノリであるw
(1)メイメイさんについては、今後の書き手さんがどう扱うか次第だと思いますし
ロワのルールにも違反していないので特に問題ないと思います。
(2)日記の出典が???となっていますが、
アーヴィングの名が入っている以上、WA2と明記していいんじゃないでしょうか。
ロワの世界に来てから作成・改造したもの以外で
原作に存在しないアイテムが登場するのは初めてだと思うので、
WA2以外の世界の本にアーヴィングの名前が入っているというクロスオーバーは
ロワ的にアリなのか、という点が気になりました。
(3)FF6のセッツァーにとってWA2のアーヴィングの本は
ちょっと変わっているだけのただの本のはずで、
何故それを役に立つものだと思ったのかの説明が欲しいと思います。
一言ギャンブラーの勘という一文があるだけでも説得力が増すのではないでしょうか。
(4)セッツァーが不確実さを排除する一面がかなり強く押し出されているので
ギャンブラーというより策略家みたいな印象を受けました。
「賭ける」と言っているけど、完全に全てが計算されているような感じがして、
いまいち賭けている感じがしません…。
ダーツにしろ、ジャファルとの会話にしろ、どの辺りに不確実さを感じているのか見えにくいと思います。
(5)セッツァーのことばかりになりますが、
ニノの対応を完全にピサロ任せにするのはちょっとらしくないかなと思いました。
どっちに転んでもいいなら、皆殺しを狙うピサロにわざわざ依頼する意味はありませんし、
ニノが死んでくれた方が都合がいいなら、
ここはキッパリとニノが殺されるようにお膳立てしていくのがこのロワのセッツァーだと思います。
(6)最後に、護衛獣と二重誓約については用語の説明があると親切だと思います。
特に、二重誓約については、どの行動やセリフが二重誓約にあたるのか、
サモンナイトの召喚に関係がある用語ならば、
それを知らないはずの3人が何故二重誓約をしかけることができたのか、等の説明があると
一層理解しやすくなると思います。
846
:
◆wqJoVoH16Y
:2011/08/19(金) 19:45:40 ID:URkjOJ9U0
皆さんご意見ありがとうございます。
>>844
さん
>龍であるという情報ソース
確かにその通り、SN4になります。さほど重要な要素ではないと考え設定を使用しましが、脇が甘かったのも事実です。
念のため本投下の際にぼかすことにし、ある程度の情報をキャラクター紹介スレに乗せようとおもいます。
>>845
さん
>(2)について
>>844
さんが述べたような可能性を残すため、???で行きたいと思います。ご了承ください。
>(3)について
本文中、以下の文章にて説明したと考えます。
>俺は、これにする。この店で唯一、明らかにインテリアから浮いているこの本をな。
>(4)について
本文中にも書きましたが、セッツァーとしてはこの程度のミニゲームは乱数に委ねるレベルではないと考えてます。
当たる確率が40%のものを、事前の準備で60%、80%と詰めていき、それでも残る不確定要素こそにこそ自分を賭けるのもギャンブラーかと。
>(5)について
私の描写不足でした。申し訳ありません。
死んでも生きてもどちらに転んでも良いとも、死んでくれた方が都合がいいとも記述したつもりはありませんでした。
セッツァーがジャファルと共闘を組む上でニノの生死、またそのタイミングは非常に大きな要素であり、本文中の通りどちらを選ぼうともリスクもリターンも付きまといます。
ですがこれは重要な要素であり、乱戦に突入する以上「どこかで転ばす覚悟」はしなければなりません。
今後の展開次第でその天秤が動く可能性がありますが、現時点ではピサロという乱数に委ねた次第です。
同盟を組んでいる以上、ともすればピサロが配慮する可能性もあるため、口にした、ということでした。
セッツァーが語るニノの描写が他人事のように薄かったのが原因かもしれませんので、そこを修正したいと思います。
>(6)について
本文中で入り込んだ説明をすることが、逆に他の書き手の方に迷惑になるかもしれないのであっさりと流しました。
小ネタに類する箇所ですので、分からなくても触れずに行ける場所かと。
ただ、護衛獣はともかく二重契約はSN3の範囲外になることも事実です。
なのでメイメイさんのキャラクター紹介を書くときに部分で一行、用語説明を追加したいと思います。
以上で現状の質疑に対する回答を終えます。
見る限り、こちらが懸念していた二点に関してはおおむね問題ないとの意見と見受けますので、
土曜0時以降に一部修正後、本投下しようと考えます。
それまでも質疑は可能な限り受け付けますので、忌憚なく意見を願います。
以上です。
847
:
845
:2011/08/19(金) 20:59:49 ID:axrJO1Z20
>>846
長々と意見してしまったにも関わらず、
丁寧に対応していただきありがとうございます。
(2) から (6) までのご回答について、理解できました。
ご回答ありがとうございました。
848
:
◆wqJoVoH16Y
:2011/12/24(土) 08:06:36 ID:1Jk99KIo0
私がわたしを歩む時−I'm not saint−の修正をwikiにて行いました。
849
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/01/29(日) 11:57:43 ID:BAf7eGEg0
本スレの指摘を受けて以下の2点について修正を行います。
この修正はwiki収録時に反映させたいと思います。
1.
>>376
盾と刃が交わる時−The X trigger− 5
その世界に全ての悲しみがなくなれば、そこに救われぬ者はなく、
それを救う英雄はなく、英雄を欲する者たちもいない。
勝者と敗者のいない世界――――――それは即ち、争いのない世界。
即ち、真の理想の国に、英雄は“いない”のだ。
を削除します。(次の6番と重複するため)
2.アキラとピサロの状態表を以下のように修正します
【アキラ@LIVE A LIVE】
[状態]:精神力消費(極)疲労(極)肩口に傷 怨念に触れて精神ダメージ(中)
[装備]:パワーマフラー@クロノ・トリガー、激怒の腕輪@クロノ・トリガー、デーモンスピア@DQ4
[道具]:清酒・龍殺しの空き瓶@サモンナイト3、毒蛾のナイフ@DQ4 基本支給品×3
[思考]
基本:オディオを倒して元の世界に帰る。
1:何とかして、立ち上がる
2:レイ・クウゴ、アイシャ・ベルナデット(カノン)、ミネアの仇を取る。
3:首輪解除の力になりたいが、俺にこれを読めるのか……?
4:ジョウイに対処する
[参戦時期]:最終編(心のダンジョン攻略済み、ストレイボウの顔を知っている。魔王山に挑む前、オディオとの面識無し)
[備考]:超能力の制限に気付きました。テレポートの使用も最後の手段として考えています。
※カノンの名をアイシャ・ベルナデット、リンの名をリンディスだと思っています。
※松のメッセージ未受信です。
※毒蛾のナイフ@DQ4が肩口に刺さっています
【ピサロ@ドラゴンクエストIV】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(中)ミナデインの光に激しい怒り ニノへの感謝
ロザリーへの愛(人間に対する憎悪、自身に対する激しい苛立ち、絶望感は消えたわけではありません)
[装備]:ヨシユキ@LIVE A LIVE、ヴァイオレイター@WA2、クレストグラフ(5枚)@WA2
[道具]:基本支給品×2、データタブレット@WA2、双眼鏡@現実 点名牙双@幻想水滸伝Ⅱ、解体された首輪(感応石)
バヨネット、天罰の杖@DQ4、小さな花の栞×数個@RPGロワ メイメイさんの支給品(仮名)×1
[思考]
基本:ロザリーを想う。優勝し、魔王オディオと接触。世界樹の花、あるいはそれに準ずる力でロザリーを蘇らせる
1:ヘクトル(?)を利用し、セッツァーと連携して参加者を殲滅する
2:セッツァーはとりあえず後回し
3:ジョウイは永く保たないはずなので、放置する
[参戦時期]:5章最終決戦直後
[備考]:*確定しているクレストグラフの魔法は、下記の4種です。
ヴォルテック、クイック、ゼーバー、ハイ・ヴォルテック
*バヨネットはパラソル+ディフェンダーには魔導アーマーのパーツが流用されており魔導ビームを撃てます
【メイメイさんの支給品(仮名)×1】
メイメイさんのルーレットダーツ3等賞。メイメイさんが見つくろった『ピサロにとって役に立つ物』。
あくまでもメイメイさんのチョイスであるため、それがピサロが役に立つと思う物とは限らない。
850
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/01/29(日) 16:24:18 ID:BAf7eGEg0
指摘ありがとうございます。
また、セッツァーが回収したアナスタシアの所持品についてもミスがありましたので
それらについて以下のように修正します。
3.ストレイボウとゴゴ、アナスタシア、セッツァーの状態表を以下のように修正します
【ストレイボウ@LIVE A LIVE】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(極)、心労(中)勇気(大)ルッカの知識・技術を継承
[装備]:
[道具]:勇者バッジ@クロノトリガー、基本支給品一式×2
[思考]
基本:魔王オディオを倒してオルステッドを救い、ガルディア王国を護る。
1:この場を切り抜ける
2:ジョウイ、お前は必ず止めてみせる…!
参戦時期:最終編
※アキラの名前と顔を知っています。 アキラ以外の最終編参加キャラも顔は知っています(名前は知りません)
※記憶石によってルッカの知識・技術を得ました。完全再現ができるかは不明。
※首輪に使われている封印の魔剣@サモナイ3の中に 源罪の種子@サモサイ3 により
集められた 闇黒の支配者@アーク2 の力の残滓が封じられています
闇黒の支配者本体が封じられているわけではないので、精神干渉してきたり、実体化したりはしません
基本、首輪の火力を上げるギミックと思っていただければ大丈夫です
※首輪を構成する魔剣の破片と感応石の間にネットワーク(=共界線)が形成されていることを確認しました。
闇黒の支配者の残滓や原罪によって汚染されたか、そもそも最初から汚染しているかは不明。
憎悪の精神などが感応石に集められ、感応石から遥か地下へ伸びる共界線に送信されているようです。
【ゴゴ@FFⅥ】
[状態]:気絶 疲労(大)瀕死 首輪解除 右腕損傷(大)気絶 出血多量 物真似に対する矜持
[装備]:ブライオン@ LIVE A LIVE 、ジャンプシューズ@WA2
[道具]:基本支給品一式×2(ランタンはひとつ)
魔鍵ランドルフ(機能停止中)@WILD ARMS 2nd IGNITION 、サラのお守り@クロノ・トリガー
[思考]
基本:物真似師として、ただ物真似師として
1:そろそろ、目覚めないとな……
2:セッツァー…俺の声を、届かせてみせる!
3:“救われぬ”者を“救う”物真似、やり通す”
[参戦時期]:本編クリア後
[備考]
※本編クリア後からしばらく、ファルコン号の副船長をしていました。
※基本的には『その場にいない人物』の真似はしません。
※セッツァーが自分と別の時間軸から来た可能性を知りました。
※内的宇宙のイミテーションオディオが紅の暴君に封印されたため、いなくなりました。
再度オディオを物真似しない限り、オディオは発生しません。
851
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/01/29(日) 16:27:00 ID:BAf7eGEg0
【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:ダメージ(極)、疲労(極)、胸部に重度刺傷(傷口は塞がっている)、重度失血 左肩に銃創(弾は排出済み)
[装備]:アガートラーム@WA2
[道具]:感応石×3@WA2、ゲートホルダー@クロノトリガー、にじ@クロノトリガー
基本支給品一式×2、
[思考]
基本::“自分らしく”生き抜き、“剣の聖女”を超えていく。
1:この場を切り抜ける
2:ゴゴを護り、ゴゴを助ける。
3:ジョウイへの対処を考える。
今までのことをみんなに話す
[参戦時期]:ED後
[備考]:
※名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。
※アナスタシアの身にルシエドが宿り、聖剣ルシエドを習得しました。
他、ルシエドがどのように顕現し力となるかは、後続の書き手氏にお任せします。
【セッツァー=ギャッビアーニ@FFⅥ】
[状態]:魔力消費(中) ファルコンを穢されたことに対する怒り
[装備]:デスイリュージョン@アークザラッドⅡ、つらぬきのやり@FE烈火の剣、
シロウのチンチロリンセット(サイコロ破損)@幻想水滸伝2 バイオレットレーサー@アーク2
[道具]:基本支給品一式×2 拡声器(現実) フレイムトライデント@アーク・ザ・ラッドⅡ ゴゴの首輪
天使ロティエル@サモンナイト3、壊れた蛮勇の武具@サモンナイト3
小さな花の栞@RPGロワ 日記のようなもの@??? ウィンチェスターの心臓@RPGロワ
昭和ヒヨコッコ砲@LIVE A LIVE、44マグナム&弾薬(残段数不明)@LIVE A LIVE、
アリシアのナイフ@LIVE A LIVE、ソウルセイバー@FFIV、ルッカのカバン@クロノトリガー、
[思考]
基本:夢を取り戻す為にゲームに乗る
1:ヘクトル(?)を利用し、ピサロと連携して参加者を殲滅する
2:ジョウイに関してはもうゲームからの脱落者として考慮しない
3:手段を問わず、参加者を減らしたい
※参戦時期は魔大陸崩壊後〜セリス達と合流する前です
※ヘクトル、トッシュ、アシュレー、ジャファルと情報交換をしました。
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。
※ルッカのカバンには工具以外にルッカの技用の道具がいくらか入っています
852
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/01/29(日) 21:56:58 ID:BAf7eGEg0
いえ、指摘ありがとうございます。
むしろ見落としてしまい申し訳ありません。
それと
>>415
さんも凄いイラストありがとうございます。
まさかこんな早くイラスト化されるとは考えもしてなくてうれしかったです。
それではセッツァー及びゴーストロードの状態表を以下のように修正します。
【セッツァー=ギャッビアーニ@FFⅥ】
[状態]:魔力消費(中) ファルコンを穢されたことに対する怒り
[装備]:デスイリュージョン@アークザラッドⅡ
シロウのチンチロリンセット(サイコロ破損)@幻想水滸伝2 バイオレットレーサー@アーク2
[道具]:基本支給品一式×2 拡声器(現実) フレイムトライデント@アーク・ザ・ラッドⅡ ゴゴの首輪
天使ロティエル@サモンナイト3、壊れた蛮勇の武具@サモンナイト3 にじ@クロノトリガー、
小さな花の栞@RPGロワ 日記のようなもの@??? ウィンチェスターの心臓@RPGロワ
昭和ヒヨコッコ砲@LIVE A LIVE、44マグナム&弾薬(残段数不明)@LIVE A LIVE、
アリシアのナイフ@LIVE A LIVE、ソウルセイバー@FFIV、ルッカのカバン@クロノトリガー、
[思考]
基本:夢を取り戻す為にゲームに乗る
1:ヘクトル(?)を利用し、ピサロと連携して参加者を殲滅する
2:ジョウイに関してはもうゲームからの脱落者として考慮しない
3:手段を問わず、参加者を減らしたい
※参戦時期は魔大陸崩壊後〜セリス達と合流する前です
※ヘクトル、トッシュ、アシュレー、ジャファルと情報交換をしました。
※ジョウイからマリアベル達の現在の状況を知りました。その他の情報については不明です。
※ルッカのカバンには工具以外にルッカの技用の道具がいくらか入っています
【天雷の亡将@???】
[状態]:クラス『ゴーストロード』 左目消失 戦意高揚 胸に穴 アルマーズ憑依暴走 闘気 亡霊体 HP0%
[装備]:アルマーズ@FE烈火の剣(耐久度減。いずれにせよ2時間で崩壊) ラグナロク@FF6 勇者の左腕
[道具]:聖なるナイフ@DQ4、影縫い@FFVI、アサシンダガー@FFVI マーニ・カティ@FE烈火の剣
[思考]
基本:オワレナイ……ダ、カラ……レ、ヲ……戦ワセロ……ッ!
1:戦う
2:肉を裂き、骨を砕き、生命を断つ
3:力の譲渡者(ジョウイ)には手を出さない
[備考]:
【ゴーストロード】
亡霊君主。スキル『亡霊体』によって物理攻撃ダメージを半減し、
近づくものをその怨念で射竦めるスキル『闘気』によって周囲の相手の移動を制限する最悪の前衛ユニット。
ミスティックを通じて不滅なる始まりの紋章の力を注がれたアルマーズの無念が死体さえ動かす。
過負荷によって既にアルマーズは崩壊を始めており、どうしたところでその存在は2時間も保たない。
それでも、それでも理想を願うことは止められない。たとえ絶対に叶わない泡沫の影だとしても。
*天雷の亡将の周囲に石細工の土台が暴走召喚によって大量召喚されています。
*ビー玉は暴走召喚の触媒として壊れました
*つらぬきのやり@FE烈火の剣は死体が最初に倒れていた場所(C7)に突き刺さったままです
853
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/04/08(日) 15:37:27 ID:qP6X3Mpc0
前話拙作におきまして、
セッツァーの所持品にミスがありましたので修正しました。
・にじ@クロノトリガー を削除(アナスタシアと重複)
・マタンゴ@LAL を追加(本文中で入手)
ならびに誤字も少々修正しました。
854
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/08/25(土) 23:18:53 ID:qS4PCLgQ0
本スレ
>>502
氏
ご指摘ありがとうございます。ご指摘の点すべてこちらのミスでありますので、
wikiに掲載され次第修正いたします。
また、こちらでもアキラの所持品に清酒・龍殺しの空き瓶が、
セッツァーの所持品に壊れた蛮勇の武具がまだ残っていたのを確認しましたので、
これも合わせて修正したいと思います。
855
:
◆6XQgLQ9rNg
:2012/10/20(土) 07:27:11 ID:Vgu7eLC60
拙作、『Phalaenopsis -愛しいきみへ、愛するあなたへ-』にて、
状態表に場所と時間表記が漏れておりました。
以下、状態表に追記です。
【C-7とD-7の境界(C-7側) 二日目 昼】
856
:
◆wqJoVoH16Y
:2012/12/16(日) 05:05:24 ID:jT4OIwKQ0
『魔王様、ちょっと働いて!』及び『リプレイ・エンピレオ』をwiki収録しました。
その際一部修正をしました。
ストーリーに支障ある部分ではないため、事後承諾ですがここに報告させていただきます。
857
:
SAVEDATA No.774
:2012/12/17(月) 05:47:58 ID:tp3JTUUE0
>>856
収録お疲れ様でした
一部修正も問題ないかと
858
:
SAVEDATA No.774
:2013/02/09(土) 21:59:28 ID:OCcwtd/c0
少し気が早いですがwikiに時系列順と投下順の目次を増設しました。
メニューとトップにはリンクを載せましたが他まで見ていないので、
何か気づいた方は適時対応願います。
859
:
SAVEDATA No.774
:2013/04/02(火) 00:01:16 ID:Zj6MYQ4I0
規制くらったのでこちらに続きを投下します
860
:
刃の行方、剣の在り処19
:2013/04/02(火) 00:02:04 ID:Zj6MYQ4I0
「龍には、無垢なる、たま、しひ……を……」
ずるりとその血塗れの左手から、狂気山脈が遂に手放された。
夥しい血液を胸から流しながら、カイエンが、幾人もの命を喰らい尽くした殺人剣が地に伏せる。
血の河と思えるほどの大量の血液は、まさに彼が歩み抜いた途そのものだった。
その血の向かうは竜の門。その扉の先にこそ、あの列車の終着駅があるのだと信じるかのように。
「諦めな、サムライ。その刀が血に飢えることは、もうない」
あと少しで血が門に触れようとしたとき、に大地に突き刺さった雷鳴剣がその血の流れを、断絶する。
狂気山脈を胸に深々と穿たれながら、フリックはその殺人剣に吐き捨てた。
愛し、喪ったものを取り戻したい。己を狂わせてでも成し得たいその願いは、痛いほどに理解できる。
だがそれでも、フリックにはそれを認めることはできなかった。
理由は分からない。
ただ1つわかることは、たとえ己が命を引き換えにしてでも、
その在り方を肯定する訳にはいかなかったということだけだ。
(ここ、まで、か……)
血の気と共に、フリックの身体が落ちていく。
寸断される意識では、その答えを掴むことなどできなかった。
「しっかりなさい! それでもわたくしの騎士なのッ!?」
だから、答えがその手を掴んだ。
剣ダコで厚くなったその手を、やわらかな両手が包み込む。
もう亡くなったと思った、守れなかったと思ってた命のあたたかさだった。
「ベ……ル……フラウ……」
返り血に塗れた顔を少女の涙が拭う。しな垂れた髪の香りが、血臭の中でも鼻腔を擽る。
何度も睨んできた瞳は、紅く輝いていた。
何度もくしゃくしゃと撫でてきた髪は、金髪ではなく銀髪になっていた。
右手に輝く月の紋章は、彼女がノーライフキングの一席であることを示していた。
「シエラ、おねえさまが、こどもは……生きろって、
みんな……子供扱いして……っ、そのくせ、自分たちばっかり……勝手なんだから……!」
こぼれる涙を止めることなく、少女はキッと死の淵に瀕する己が騎士を見据えた。
たとえそれがものの弾みから出た約束であったとしても、稚拙で一方通行な契約であったとしても、
それだけが、人の道から零れ落ちた彼女をここまで運んできたのだ。
「死なせない。このまま終わらせたりなんかするものですか……!」
月の紋章が輝く。それが意味するのは、紋章の眷属への変生。
無論、ベルフラウにフリックを支配するつもりなど毛頭ない。ただ生きてほしいと、それだけを願った祈りだった。
「なあ、頼む。このまま……終わらせてくれないか」
861
:
刃の行方、剣の在り処20
:2013/04/02(火) 00:02:34 ID:Zj6MYQ4I0
牙をみせて怒鳴るベルフラウに、苦笑したようにフリックが首を振る。
その静かな瞳に、少女は否応にも騎士の決意の固さを悟るしかなかった。
「いや……いやよ……カイルも、スバルも、ミスミさまもいなくなって……
サニアさんも、シエラお姉さまも……死んで……ルーシアも、その上、貴方までいなくなるなんて……」
それでも、少女はその手を強く握る。零れ落ちるものを溢すまいと包むように。
「ねえ、生きてよ。お願いだから、あの人を想い続けてもいいから……
私の騎士じゃ、なくても、いいから……わたしを、ひとりに、しないで」
ただ一つのわがままで、少女は願った。
そのわがままを、フリックは震える腕を持ち上げて、指で拭う。
「……違うさ。お前には帰るべき場所が、あるだろう。俺は、それを守れたんだ。だから、違うのさ」
あの時、炎の家のなかで、全て燃え尽きたと思っていた。
あの兇刃と撃ち合ったことに意味などないのだと思っていた。
そうではない。そうではなかったのだ。
守れたのだ。かつて愛した過去<かのじょ>ではない、確かにここに在る現在を守れたのだ。
彼女がこうして泣ける今を、守り通せたのだ。
「だから、俺をこのまま、お前の騎士のまま終わらせてほしい」
この胸に充つる想いのまま、どうか。
ベルフラウは何も言わず、そっと手を離す。
「―――――――ありがとう。ベル」
「―――――――バカ。何度言っても、そう呼んでくれなかったくせに」
青き雷は、二人の主を剣に刻んで、門の向こうへと消えた。
【カイエン@FF6 死亡確認】
【フリック@幻想水滸伝2 死亡確認】
【竜の門前 二日目 昼】
【ベルフラウ@サモンナイト3】
[状態]:ダメージ(中)疲労(中)吸血鬼化
[装備]:ドリストンガン
[道具]:月の紋章
[思考]
基本:主催者を打倒し、島へと帰る
1:フリックを弔う
2:ロボ・マールという参加者と合流する
[参戦時期]:ED後
[備考]:シエラより月の紋章を継承しました。具体的な効果はお任せします。
862
:
SAVEDATA No.774
:2013/04/02(火) 00:04:24 ID:Zj6MYQ4I0
あ、間に合わんかった。
すんません。エイプリルフールネタのつもりでした。
その、上2レスは無かったことに。
863
:
SAVEDATA No.774
:2013/04/02(火) 00:43:07 ID:fO6OfWlA0
投下乙!
内容的に投票時のでっち上げテンプレ世界の続きだよね
カイエンは魔剣開眼でやばいことなってたけどそれを止めたのはフリックだったか
愛する人をなくしてるフリックだからこそだよなあ
竜の門の先に行こうとして狂ったのはネルガルをも重ねちまうぜ
フリックはようやく守れたんだね、お疲れ様
ベルは失いに失って、それでもこれから永遠を生きてくのか……
存在に触れられただけだったけどシエラ様もかっこよかったです
864
:
SAVEDATA No.774
:2013/04/02(火) 00:43:43 ID:fO6OfWlA0
上げ
865
:
<ワタナベ>
:<ワタナベ>
<ワタナベ>
866
:
<ワタナベ>
:<ワタナベ>
<ワタナベ>
867
:
<ワタナベ>
:<ワタナベ>
<ワタナベ>
868
:
◆wqJoVoH16Y
:2013/10/05(土) 19:13:06 ID:0pRzyx4.0
拙作 No.00「帝国軍諜報部式特別訓練」にてリザーブ支給品に
イスラ装備済みのドーリーショット@アーク2が残っていたので
wiki上にて削除しました。
申し訳ありませんが、以降のSSにも反映願います。
869
:
◆6XQgLQ9rNg
:2013/10/05(土) 21:13:47 ID:aMPfrITA0
>>868
修正お疲れ様です。
こちらの方でも気付ければよかったですね、すみません。
「罪なる其の手に口づけを」のリザーブ支給品の修正を、あわせて行いました。
870
:
◆6XQgLQ9rNg
:2014/02/22(土) 22:31:58 ID:x/m2xucc0
拙作『其の敵の名は――』『響き渡れ希望の鼓動』をwiki収録しました
それに伴い、誤字等の誤りを修正いたしました
871
:
◆6XQgLQ9rNg
:2014/02/23(日) 22:58:39 ID:6Uh1MaSE0
拙作『其の敵の名は――』にて、部隊編成の枠の一部が漏れておりましたので、修正いたしました
872
:
◆FRuIDX92ew
:2014/10/13(月) 19:09:57 ID:dwcwVCk60
「一万メートルの景色」
批評を受けまして、誤字脱字修正、一部文脈がおかしかった箇所を修正しました
873
:
SAVEDATA No.774
:2014/11/05(水) 00:49:36 ID:ZL1fkChQ0
了解です
874
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:11:28 ID:nwge4aXk0
空に浮かぶ“魔法王国ジール”。
/ヽ
,// `ー-、
__r‐/ / ! .ヽ \
__/ i ." i !.、 ゙lゝ .l=ー..,i-、 √/冖l_/⌒/'ー、 _
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//,/ / .l : -;;'"彡爻爻ミ璽目旧[]璽旧「幵幵冊龠彡爻爻ミXxレ! rv-'/ .,! .<゙ヽ_,゙ヽ_ `゙゙'ー龠爻ミXニ
_心≧=─-'゙二‐┴-←''二=-‐、,,. ⌒`ー、璽幵「璽冊[]目高龠璽幵xx__xX爻ミミil!爻l/./ .ll, .l .`''-ミr ゙̄TTi冖 ̄ | /
.l|_龠爻ミ‐x彡爻‐≠ニ'"゛/ | \.`゙''ー---..__xX「高[]龠爻ミミ''‐爻.-=―--二=ィ⊇_____爻爻炎二==-,,..ニi ! 八 /
.ヽ i ゝ__ `===ミ彡爻ミ/ ! `';;v-八´ `'-、爻iii,i...、二=爻(= ‐ 二 ≡= 三 =ニ ),龠龠爻ミミtr'"、.l iゞ'" V
ヽl ,i"´ =ヽ 一‐璽 ̄´彡爻炎ミー'l―xX彡爻爻爻ミミヽ二_ `゙゙'|‐===广==|:i:l''T゙゙゙゙゙| .i二___┬|l | l.,i"゙'ー、
∨ `-≠、彡傘ミr─-'" ̄´.! ゙''ーt- _x彡爻龠爻ミミ___ヽi,,ヽ | | ,!:i:i .} ! . / l .,!〃,,!,,/゛ ___/
\ `゙─冖 i l 八 ヽ l .~ ̄´.i `゙゙TT´ ‐===二==- _ !:i:i l l .l゙/ ,i.l ./ l'゙/ ゙̄「 /
\ 、 l .,.! ..l .l l l, . l. .|, | ! .1`ー- -―┬‐ーイ゙j !:i:i :! .U l / ! ,iレ~゛| /_/
\ .l ll../ .`゙'-.l、 ゝ、 │\ \} ! l. 八 | .ヽ| | .i:i:i ,,|、.| .|.! :! У !/
マ ,! ヽ__ `''、 ! l ..|八 | `i !.、.l, ! / .!,!゙-!:i:i ´ `.! .! ! /
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875
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:12:00 ID:nwge4aXk0
偉大なる女王の元、魔導の力にて栄えた文明は――
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〃´ .:.:.::::.:r'′.:.:;;;;;;;;;;`,
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。 ,' .: ..Ll:l_ __ _ ノ ノ.:;;;;;`、 , 戔戒.:.::::::::::::.`ヽ
(j) j l:|"´ ̄ ̄.:.::;:;;;;;;;;;;;;;;ヽ く.:.:.:::::::::::::::<>::::::::::::`,
r{} .,rr{H}ュ:{;{;{;{; .:∩:; .:;;;; l;| . :.:.:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;j `1.:.:::::::::::::::::.:.:.:::::::::::}
ェ‐‐─r王ュ"´.:.:.:.::::.:.:::.:.:::.:.::.:.:,ゞ-''"´¨く´``゙゙''´ヽ;;r'"´ 戉戔;:;、 `1'''¨````´゙゙`'.:.::::!
 ̄`了{:::.::::.:戔戔戉::::.::く´ ``ヾ.:.:.:::::::::::.:.rュ.:戔戔戔 `1 .:::::,r′
゙, ```'''ヾ:.:.:..:::.:'`',:'':'`:.:::.:.:. .:. :::::::.:.:::::::::::::::::::::::.::.:.:.:::::戔戉 `1 .::::r'′
。 `1 ヾ::::.:.:,r'", -─‐--..、、`゙゙""´,r'.:.::::::.:.:.:.:.:.:.:::::.:レ `1 .::r'′
(ェ) {} `1 `"´1'"´``ヾ.:.::::.:.::::.:`ヽ `1.:.:.::::::::.:.:.:.: r'"´r'′ ヽ,r'′
,r王H{}、、 `1 .:l:| ``ヾ.:::.:::.:,r' 1レ''゙゙゙.:;;``゙゙´.:::;r'′
, -‐{;{;{;{;;:::.::::.:::::.`ヽ `1 ..:::l:| `""゙´ :|:| .;; .::,r'′ __
〈::';::,;'.:::;;'.;.;'';.;;;.;'''.;;.;.;''.;〉 1 . : ::|:|::::.:. :|:| .:;′.:;r'′ r'´rュ.:.::.ヽ
. `1 ``゙゙''''''ー'---'‐'゙.::j ! レ'" |:|⌒ヽ .::::|:|r'´``´゙´ _ノ.:.:.:::::::::::::::}
`1 .:::j ! |:| `1、 .::::::;r'|:| ノ.:.:.::::::::::::::::r'′
`1 . .:::r'′ |:| `1、.:::::::,;r'′|:| ,.. -rュ .:.:.:::::.::戔戔戒
`1 .:,r'′ |:| `V'´ |:| , .:´.::::::::.:.:.:.:::ojjjH::戔戒
`ヾ .:r'′ |:| |:| {.:.:.:.:.:.:.::::::::.:.:.:.::..:.:::::::::::::::ノ
`''''゙′ |:| |:| ',¨```'''"´``ヽ.:.::::,r'",r'′
876
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:12:36 ID:nwge4aXk0
僅か一日で崩壊した。
_
/ `ー‐ 、
| }
| ◎????
\ /
`Y /
√i ` ー'
/ | _
/ \__ _ノ \
\  ̄ヽ- '´ /
\ /
i ◎広場 \
ヽ  ̄}
ヽ ◎残された村
` <__/
/`ー─z__
{ ◎小さな洞窟
ヘ \
. \_r─t_ /
 ̄
877
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:13:09 ID:nwge4aXk0
全ての始まりはある遺跡の探索中に発見された“門”にこそあった。
“竜の門”……。
こことは異なる世界、“ドラゴン次元”と繋がるとされていた伝説の門。
魔法の力に魅せられていた女王ジールは門の先にあるドラゴン次元をも侵略し、更なる力を手に入れようと目論んだ。
878
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:15:03 ID:nwge4aXk0
ト、 , /|
V\/レ レi
⌒ヾ ̄`丶∨ / / ̄ ̄\
. / ̄ ̄\ Ⅵ/ / _∠ ̄`丶
∠=,  ̄〕iト 、 _,. -- .,_ __\
. 厶イ /__「 Y__{ `丶
/>' ≫==----==≪ ヽ\
/ / / /く}/ Ⅵ‘, ∨∧.‘ ,
/ / / 弋_t、 ィッ_フ, ∨∧ ゚,
/ / / , 'iト、', 、 :i , _∧‘ , ‘, ゚,
. ,' / ,:/i:γヽト .  ̄ .r:'厂Y゚ , ', .i ',
| i> 冖ト、Lノ_{iト 二 へ __ノ,. ==- _ |
. ,. < Y---==--- / 〕iト ,
. ∠_____/==' ̄ ̄ ̄ゝ= 'ト _ \
{/ ノ / 弋ー フ. | { {_ ̄ ̄ ̄ ̄弋
. γ´ ̄〕iト-- ' /! `´::.. ..:}ト、\ _, - 二Y
{'⌒ー- __,/:::::::ヽ ,.:::::::.::::::::, ':::::::iト _ー _, ─‐┐|
|:, ` >=ミ_:::::::::::| {::::::::::::::::::>'´ , i .|
||::〕iト .,//.//\:::::::ト .,__,. !::::::::r<ハ ,. =彡7 ,'|
||:::::::::八__,{ ト、/ ヽへ _{{ O }}_ 个Y´ ∨z=<::::::::::::i i !
|.!::::::::::::::::::::::::} i ハ | | | |{ i´:::::::::::::::::::::: l ,' |
. |.|::::::::::::::::::::::/ ,:! {| | { ,' .| | } |}:::::::::::::::::::::::::| !|
. | |:::::::::::::::::::: ヽ{.レ | | ,'. | | ト、!:::::::::::::::::::::::,' |.|
. | |:::::::::::::::::::::::::| .| | ,' | ||i,:::::::::::::::::::: ,' |.|
. | |::::::::::::::::::::::: | | | ,' | | ',::::::::::::::::: i | |
. | |:::::::::::::::::::: : | | | ! ,' | | ',:::::::::::::::::l ,' .|
i| |:::::::::::::::::::::: |. | | l i. ,' ,' i::::::::::::::::| | |
... || |:::::::::::::::::::::::| | | ∨.:l ,' ,' |::::::::: : | | |
.. |.| |::::::::::::::::::::::|. | | Ⅵ. | |. i:::::::::::::::| | |
| | |:::::::::::::::::::::| | | i | | |:::::::::::: | | |
| | |::::::::::::::::::::| .| | i | |. |:::::::::::::| | |
| ||:::::::::::::::::| | | .| | | |:::::::: : | | |
| | .|:::::::::::::::: |. | | | | |::::::::::::| | |
| | |:::::::::::::: | | | | | |::::::::::/ / |
| | .!:::::::::: : | | | | |. |::::: / / /
| | |:::::::::::: | | | | | |:::::| | |
| | |:::::::::::::|. ,' ,' | | Ⅵj | |
| | |::::::::::: |. | | | | V , |
| | |::::::::::::|. | | | | | | |
| ゚, V::::::::| | | | |. | | |
| ゚, ∨::::|. | | | |. | | |
| ゚, V: ! | | | | | | |
| ゚, ∨ | | | | | | |
. 八 ∧ ∨ .| | | | ∧ ∨ ∧
. __ノ\ ‘, ‘, | | || ∧ ∨ ∧
. / :} .‘, ‘,. | | | |. ∧ ∨ ∧
{  ̄ ,' / | | | | ∧ ∨ }
.  ̄〕iト . / /ー-- | | | | _ ,. 斗≦ ̄ ̄ ̄
\_/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
879
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:15:35 ID:nwge4aXk0
門の守護者レックナートはこれを阻もうとするも、門の封印に力を割いたままでは強大な魔法を駆使する女王を相手取るには叶わず、
開門を許してしまう。
_,,,,--‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐---,,,_
,/:::::::::::::::::::::::::::::;;;;:::::::::::::::`i、
,/ .:::::::::::::::;/,`!;;::::::::::::::::i、
,/ .:::::::::::::::::::;/ || ::`!;;:::::::::::::::i、
.i:::::::::::::::::::::::::::;;/ |;| :::`!;:::::::::::::::|.
.!;::::::::::::::::::::;;/__ || ::`!;:::::::::::|
!:: ::::::::::::::/:::....`ヽ、 ' ,,/"!;:::::::::|
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| . ::::::|:::ー-‐‐'' `ー-‐|:::::::|
.| .:: :::::|::: .i :::|:::::::|
i .:::i :::::|::: l. .:::|:::::::|
i .::::| :::::|:::: ` ´ /|:::::::|
.i .:::::| :::::|::\ `´` ´ ./;;;;|:::::::|
i. .:::::| :::::|:::::::`ヽ、 ´´,/;;;;;;;;|:::::::|
_,,.ノ:. .::::::|| .:::::|:::: :::`ヽ,-'´;;;;;;;;;;;;;;|::::::|
/'´ ノ:::::..::::::::|| ::::::|:::: :::::|;;;;;;;;;;;;;;;:::;|::::::|
/ ,/二二二| :::::::|ー‐-,,,,__|,::::::-'''" `ヽ;;;|
i'´ ,/\_ ノ:::::::::ノ __,....-'''" `ヽ、
880
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:16:44 ID:nwge4aXk0
開かれし竜の門――
:::::::::|_ ィト,、_ | | | ,イ /| | ヾ ヽ..| ....| | _,,,,,!,,_,、_ |:::::::::::
:::ヾト炎イ ィ  ̄..ー-..|_|____.|.__{ 〈.!_イ ̄ ̄ ̄ト,,_,ノ. }_|____.__|..___..|-'''"´ | .|:::::::::::
:::::::Y Y イ | | ,,, イ ヽ `.| ! ..ノ`ヽ、 | | イ . 炎トィ}|:::::::::::
:::::::{ イ Yィ―┬-- .| | ./ 、 ヘ` '''ー.{ ト、 ,イ }ー'7'" / ../ `ヽ | |_,,,,,,-ー`ヾ メY 〈|::::::::::
::::::∨―,、イ .| .`| ̄'' | ̄'''フ ヽ ヘ ヘ '-ヽ` ! !´,イ‐.、 . / / / \ ̄ ̄| ̄''''| | )ト爻 ∨|::::::::::
イ ̄ ̄ ̄ `ヽ .| | | イ ヽ ヽ ン''"´ヘ |.{ }.| /` ヽ,、 / / \ | | | / ̄ ̄ ̄ ̄ヽ:::::
! ノ ―ー- .|― ./ ヽ ヽ ,イ ヽ ,,,ゝ―ヾ_ソ―く 、 / ヾ イ イ ヾ――|―'―‐!、 ノ:::::
..`ヽ ,イ ..| / ヽ ` / ヽ ,,イ|:::::::| |::::::| |:::::::| |::::: `ヽ / ヽ イ イ ヽ.. .| |ヽ イ´::::::
:::::ノ ト、__ ..|ー/ 、 ` / ヽ ,,イ ー| |= =| |=ニ| |= =| |= =| |= \/ ヽイ __ ',ー | __ | ノ ト、::::::::
ィ ヘ ̄''‐-| | ` ヽ へ、 ./| |:::::::| |:::::::| |::::::| |:::::::| |:::::::| |:::::::| |' ,../', '"´ .', |'''" ̄|ィ ̄ ヘ::::::
| | | ―― |―‐ ,'ニ| |= =| |= =| |=ニ| |= =| |= =| |= =| |ニ',‐‐‐| ――.....| | | .|:::::
_______.| ._.ノ| | ―― |___|:::::| |:::::::| |:::::::| |::::::| |:::::::| |:::::::| |:::::::| |:: |__ | ―― .| | | ____|:::::
:::::::::| | | ―― | _ _|ニ| |= =| |= =| |=ニ| |= =| |= =| |= =| |=:|_ _| ―― .| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ |:::::::::::::
:::::::::| | | ―― |―ー|:::::| |:::::::| |:::::::| |::::::| |:::::::| |:::::::| |:::::::| |:: |―ー| ―― .| | |:::::::::::::
:::::::::ト-....___ .._ノ| | ―― |___|ニ|_|= =|_|= =|_|ニ=|_|= =|_|= =|_|= =|_|=:|―ー| ―― .| ト-....___ .._ノ|:::::::::::::
:::::::::| | | ―― | _ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| _ | ―― .| |
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:::::::::ト-....___ .._ノ| | ―― |_ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| __| ―― .| |
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ノ:::::::::::::
だが、女王が門をくぐるよりも早く、彼方より来訪者は来たれり。
それは伝承に残りし半生命半機械の生命体“ドラゴン”でもなければ、竜人“マムクート”ですらなかった。
見難く、見窄らしい容姿をした人のようで人で無きもの。
女王はこれを侮り殺そうとし、門の守護者はこれを訝しみ元の世界へと返そうとし――これに敗れた。
二人の強大なる魔法使いだけではない。
魔法文明そのものが異界より来たりし侵略者に成すすべなく敗北した。
881
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:17:24 ID:nwge4aXk0
/ ヽ
./ .l
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ヽ,。-亠、 // 奉 .ヽ ヽ ヽ___;;;;;; ,;; t
ヽ:::::::::l`'ー-----t'~ ̄ .,'\;; ,;; t
.ヽ::::::t. ,.' .i ヽ `'ー‐' ./\. ,;; ;;t
.ヽ,:::ヽ;' i ヽ / .\. ,;; .;;: ヽ
.l::::i__.。-.'" ヽ .(入 ,;; ;;: l
.ノ:::::::::l.、, ,,;;;'’ i ヽ , / .j .;;: ..l
./:::::::::::::.t .゙"゙"゙"゙" i . / ,:' .;;: l
/l:::::::::::::::::::::l. i ./ ,。' ., l
./ . j:::::::::::::::::::::::l ,イ~ / ,,;; .,,;:;:;:;:;;l
.j .j ::::::::::::::::::::::└-----ー'´ .l / ,,;; .,,;;''' ,;;;;;t
.l ヽ:::::::::::::::::,。'´| ;:;: ,.。'´ ,,;; ,,;;''' ,;;;;; .~l_
ヽ .\ 。.'´ l :;: .,。'´ ,, ,, ,, ,,,;;:;:;:;:;:;:;:;''':::::::::....,;;; \
.,.。'"´\ |.!,、 `l~ ̄,, :.; . i
魔封じの者……。
いつしかそう呼ばれるようになった彼の前にはありとあらゆる魔法が無力だった。
魔法を封じられた人間たちは、魔封じの者が率いる“魔族”に蹂躙されるより他はなかった。
882
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:17:57 ID:nwge4aXk0
,,-‐''''''コ‐
/ f′
ィ‐-..、 ..、 , .. | ヽ、
ヽ ヽ、 |\│`┘ `‐"1 ゙l 丶、
..、 / │ l、 _..‐'''''゙''''''''ー〜-''''′ \
'((ゞュ..,, /′ fヒ ,ィ"''┬'" ン‐一‐ ,' '、
^<ノ´゙'Y=x1 下'"゙゙|广'' ゙ゝ,,,,ノ │ __ v'广'ヽ、
`ゝ../ ソ''+ 、_ '∟ 丿 ___-r=!tナt│ヽ ,/‐'ヷY` .. 1、
゙'∟ ,,r'´ ,,广'┐ 〕゙彡(个- .. ''ィニnニ 、 '、 :,'|/´ /’ ,,n〉 |}
゙<′ /′ ,ト ゙゙{ぅトK {ユ=冖゙゙ ニ 冖' ゝ、_....ノ┘ ヽ―′ _丿
゙ヽ_../ _/゙'''+丈ノ'" ..‐ `゙''′ `/ ゙゙\__ ニ_ 〈'、
゙''n,,-r冖-..、 ゙lトッァ∟....-'''"⌒ ̄ ニ"′ _.. ` ゙爻_│ ヽ、
`ゝ `' │ 1っ''----- フ'.. 、....┴'' ̄ ̄′ |
゙ー.. ∟ 'ゝ;<‐ ..ム_..r'´ .. ̄ .. ......、_..../
_....几'、 フt-‐'''´´ '´ ''''..;jtミニて ̄´
____..r冖"心xコ=コ'、 _.. ´|lー 、`‐'、
_ '、 ´ '´ _jfサl{つ 丿 `゙`ー:ョ-ー‐" ||! ゙'、 '、
'、 :〔亅 `亡 ,'"エコ′ ノl′ ゙、│
`ュ、 |テ〈`っ’ `''ー 、 ゝニソ 儿rっ--l..|l 、
/ '⊥ jL,,_ ..∟___,,......jァア"⌒゙'<''ミ
. 丶_、 T〈ー卜 "''1 ´ _..ャ‐" 1 ミ
゛'っ__⊥ ゙l'、 ''‐ ..<ソ′ ` ゙l
゙'xヽ、 .."/′ │
゙''ー--l │ ヽ_
`∟ ゙゙ゝ
`ヽ v-‐'''''
\ _,,_ ||
`''''\ '´ `―′
`''′
鋼を肉とし、水銀を血とした魔族たちは一夜にしてジール王国を滅ぼし、浮遊大陸を落下させることで多くの人命を奪った。
魔法を失くし、友を失くし、家族を失くし、国を失くした人間たちは――しかし希望を失ってはいなかった。
目には目を、機械には機械を。
三賢者の指導のもと、機械生命体ドラゴンの化石より魔法に代わりし力“ARM”を建造。
また、ジール王国の後を継ぎ新たに興った“ガストラ帝国”では魔法と機械を掛けあわせた魔導アーマーが開発された。
883
:
SAVEDATA No.774
:2016/04/01(金) 16:18:30 ID:nwge4aXk0
/|| /~i /~|
/ || | .| ,."~~'ヽ.i
 ̄ ̄|| _| |_,,,-───-[]-,,,,.,」|
┼|i ,」ー└ ヾ ,--<'~`ゞ_ソ,.ト,
|i,|i _,-',_i__ノ\_∠)ニヽ_
/|| -,-┴--, ム--i,_ソーソ__ノ |i `ヽ、
( ゝ、_>=-,, ヾ;,=-) |゚ ゚i=<_」ー=-、ヾ;,.
フ`,__ノi o |i ヾ `inok[ニ>'" ヽ, i
/__ フ ヾ-"-'|_,,,/=- __ | /
ヾ'" `v--,/[;]>'ノノソ~'ー-ヽ、 ,,-=~~~~i;ソ
\ |iー++-=<==-<) )`ー‘ー#'_ノ ノ ノ-,_,-ー-,_
|i__o rー-<;::|i=<ヾ, ゝ `-=='"~ / t-ヾ-,
`iト /ヾ ヽL_ノ `ヾ, \r=' ̄ ̄\L_ /」--=ソ_
Lノヾ ヾ__] | \_,,-#"~ゝ-'L_i |i ̄~^=-, ~=-,.
Lノ ry'ヾ,;'''' \ i| ~=-, ~-' ~`-,. ~-,. `i
\_ソ\ \ \ ノL_;: ,,,r=-ーi,__, ~-=, |i |
ノ”──ヽ ヽ ヽ /_) ヾ, /; |i~^~^`=-`.=--,ヾ/ヾソ
/,,.r======ヾ i;、 |  ̄ ̄~  ̄~~"ー───'
L/ `\___|i i ヾ ,i
`--,_|i__|i_/ノ ヽi
人々はARMを手にし、魔導アーマーに乗り込み、魔族へと立ち向かう。
884
:
エイプリルフール
:2016/04/01(金) 16:19:15 ID:nwge4aXk0
今を生きる人間たちだけではない。
Π
へへ 巛
___/ \ ((口
[/ \ ∠_ヽ
[]|'――,_________ヽ ||/
| ゜ ゜ ゜ ゜ ゜.| O) ))
ト、 (-) (-)|//
∩)):) (⌒ヽ|)
∪ノ.:|____入二二へヽ
(| | ゜ ゜ ゜ ゜ ゜。个`
O) ))__四_____________ノ
|__|_|_/___/ヽ_____ヽ
ヽ _/ / ヽヽ、
匚]⌒ヽ 冖γ > へ、
>>>⌒| ⌒---'―___\
∨
蘇った太古の機神ヂークベックが。
> ' ´ ̄`ヽ
ィニ/ >-ヽ、-\______
7// ',__/ ヽ. \//////////∧
_, -< ヘ {:r= 、 x....ヽ ', >'////////7/ |
人 Y iィ:ハ.ィ' ̄弋.ノ.ヘ__,ィ⌒Y _,. -チ'´>-=-、/l|//i|
j_Y::V::j::斗 イ\ヽハミ----ゝ '彡ィ´ィ /./ ヽ/iiリ
ト、::彡'-:ノj´ >- 、ヘ=i キ==={(:::::ヘ i .i { ∨
|>--- イi } .! i::Y } >ty< ヽ::∧_ '., i l o _ >∨
乂 .イ..> ':| |::7 ' l:l:l 〃 i:::ハヽ ヽV> ´. -‐'´
 ̄ i|..' / ol:l:l o .k ー ' ノ `ヘ_ ,...V
| V γ/./>x >-< /、_ ヘ
/ヽ、゚ ゚ {-{|ニニ= \_,。...゚-‐/->'´ ヽヽ 7
x<::::::::::Ⅹ、.', ', ニニチ 7√i:::::{:::{__,.ィ ハ', /
イz__;::::<::| \V', == ィ/ V:弋i__,.ィ 7 ,′
T´ー--t _|::| |:::::>-<:::::| 〃>ヽム--イ イ
i j-≦ ヽ |:::::::::::::::::::::::l {{ ム:::___L_
j、 / V .ヘ::::::::::::::::::::リ ̄`` t={゚ i
7 ,ィ=x ! \:::::::::::/ | ', イ
,.ィ`ヽ\i r- Vハ ヽ イ /ヽ ヽ、_ イ ト、
/ ヽ V__ / _j { i ___ i: }
Y /ー < 弋_ jイ,.:ニニニ=Yj
 ̄ ̄ ̄ ̄ 乂V i
l l
l l
> 、_.ノ
遙かなる未来より送り込まれたロボが。
滅びゆく世界に生まれた小さな希望を護るため人類と肩を並べる。
885
:
エイプリルフール
:2016/04/01(金) 16:19:45 ID:nwge4aXk0
過去―現在―未来。
本来交わり得なかった3つの時間軸が一つとなる時、Zの合体機構と風魔手裏剣を装備した奇跡のからくり丸は顕現する。
<='^'=ゝ
|◎o◎|
.l二[ ・ ・ ・ ]二l
|| ./_|__|__|_ヽ ||
[l l]l____l[l l]
[] ヘ l |ll| l / .[]
└ |||| ┘
゙゙゙
果たして人類は明日をつかむことができるのか。
∧ ∧
/| | ,| | ,| |\
/ /| | \ ____,-,.=..=、-、____ ノ | |ヽ ヽ
| / | \_  ̄/ ,--、T,--、 |、 ̄ _ノ | ヽヽ
| | L  ̄`L.,. `ヘ_,※_,,ノ´ 、,..l´ ̄ _| | |
| | / /ノ__,-v'''^''v‐、__ゝゝ ヽ | |
| | | ,-‐‐‐‐‐‐‐-( ゝ.__ヾ'^=^//__ノ )-‐‐‐‐‐‐‐、 | | |
| | | ヽ ̄~‐‐ 、 `',‐- ノ、 ̄ ̄,´ゝ-‐~´ ,.-‐~ ̄ノ | | |
| | | ヽ (ソヽ/"" ~~^ ^~~ ゙゙゙ヽヽ/ヾ| / | | |
| | | / ,--、| | | ,‐‐、 〈 ,| | |
| | | _/ /===))ゝ____,...-‐↑‐-、.._____ノ)(===ヽ `‐;;、 l | |
| | _| ∠ヽ |=l/ .|二=/´_..|__丶:=二| ゝ=ノ /==ヽ |_ | |
|__|__| ∠=:::::) /´| |==|~ |  ̄|:==| | ゝ ゝ===ヽ |__|__|
/二二>==´ ノ 丿 ゝ=:|~ ̄l| ̄~~|::::=ノ ゝ `‐`==<二二::ヽ
( /{ミ三∀__/ (____,.......-‐|_/ゝ__..|....._ノ\_|‐-........____) `ゝ∀三彡} | )
\__|:::|二, _/ / `l ゝ `,二|:::|__ノ
~∨~´ ,..-‐'´ヽ_/ ,⊥ \___/ `‐、_ `~∨~
_,:::´ _,.......、 ヽ/´ `ヽ/=‐-、 `ヽ
┌⌒ヽ /====),< _ >、====ヽ /⌒ヽ
,ゝ-'´ヽ|二=‐'´' ヽ二‐二/ ゞ二==|__人__ノ
| /Τ ̄ ゝ二ノ Τヽ `l
| |二_| |二_| |
,ヽ_____|二| |二|_____/
∠lllll匚ノ  ̄ \ ノ □lllllゝ
,〃)))\,、-'‐-<lllll\ ∠llllll>-‐-、/(((ヘ
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眠りより覚めし地獄の帝王が明かす魔族の悍ましき真実とは?
886
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エイプリルフール
:2016/04/01(金) 16:20:16 ID:nwge4aXk0
, - ュィ< ア≧ 、_
,{ / , 、 ヽ ,--ヘ
/ ヾ ' ノ ≦-'≧=ミ ≦\__ ≧o 。_ r ミ ―ミヽ
ヽァ´、_{ ヽア>、_} 7 ̄マヽ ≧ 、 }マト ― 、 ヽ
{∨{XXXX =マ ヽ \≧o' \ ヽ_ _ィ≧、 Y
V r  ̄ ヽ ノア ̄ 7 ヽ≧o。 ノ > ´ 7 アミ ヽ
ィ ヘ ヽ ヽ ノ´ / \ 、 ア´ / j / / l
Lヽ / V .j i / ./ {
` =={ { | ./}≦=- ' , ミ .}
r 、{ ヽ-- >‐ ミ ャ ´ / ∨ Y ./ ミ、 ≧
, /| } >― 、 ヽイ ∨ } { \.|
/ ̄i .ト /{ \_ `L /´≦i i -=  ̄ ̄ .{ _|
/ i j /ヽ/ ` { | \ / ̄ ̄\ ヽ ∨ ̄ マヽ
j i .l { / ヽ ア ヽ{├ \ / Vヽ _ヘ /_
/ -= i ./ .iY ヽイl }\ }≧――― 、} ヽ-== ∨/
// l r | / \_/ \/ ̄ヽ /_/、 \
/ ̄ >i __j ̄ヽ ハィ 、 / } {\ \ イ \ ア´
/ i }´ ヽ{ ヘ| k ヾ ノ\ ヽ ヽ <  ̄ < >― /
/ |リム ヽ } lヽ r ┤ \r ミ l / / ̄ ̄ ̄
/ マム--==≦ Y 7、{ \ ノ / ∨ |イ /
./ _ マム 1 / ヽ |l /
| / > 、 マヽ } ` =- ミ―― ミ / ∨ ≧ ュ { ∧
ゝ┼― ´ .l> ´ 7 ./ ./ ∨ マi .iヽ∧
./ __j < ./ ヽ / ト .i \\
l / リ / ヽヽr  ̄ ̄ ヽ ム | ヽi \\
ドラゴンロードの語る兵器として生まれし者が望んで欲し、渇いても、その身には得られなかったモノの答えとは?
そして謎に包まれた魔封じの者の正体は――?
887
:
エイプリルフール
:2016/04/01(金) 16:20:48 ID:nwge4aXk0
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i | | | | i ヽ: : : : : : : : : : : : : :.:.: |______/ (У) / ◎ i
私 ハ 誰 ダ ?
オ 前 ハ 誰 だ ? ?
―コギト・エルゴ・スム―
888
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エイプリルフール
:2016/04/01(金) 16:22:07 ID:nwge4aXk0
ニンゲンヨ
,イ r.7
____,.. ィ く ノ 乂>‐,、____
f´ラ'>、ゞv,ハ_)/ _,.. <> 、.,_ \! f' / ∨ヾ ヽ
{ { >'、/ヾラ >=- .,_,.. <' 7‐- ∧-‐ヾ >、.,__,. < >,. <\ >' } }
ゞリイ \' 7-= ∠´/ 〉/ 7ー-f'.人',-‐ヾ´ 〉\`ヽ、_,. ヘ ヽr'' }} リ'
/\ }}ー{`〕'ー-/_/f'ゝ./ `ー!‐-||..人_i!,. -|!¨´ i!/ヘ く ゝ_,.ヽ¨ル 7 /ヘ
'-'''´ `¨ー、}!ー{ /','、 i!-..,j! !! || |!_,.ヘ' 〉-i!´ },.ィ!コ-‐'' `ヽ}
\リー|-|!ゝ、| |`¨ー|!,.ヘ |!-‐ |! |!/ |!」|ー/-/
ト、_>ナ/ ! |!ー-i|..,__i! i!_,..|!-―|! ノ!ノー!' ,.ィ
}レ' / 〉' ゝ'ー-ノ |!∨|! 乂-‐ゝ'' ヘ´ \ヘ!
、- .,_,.r''ヘ ラヽ!、 ゝ_イ `゙ー<__.>‐'' /_/ ri:}-‐' / ゝ、_,.ィー,
ヽ >イ、 / >≧=イ r‐==、、 ,. ,.z==ミ、 ヾイリィヘ/、, ヘ' ィ´
},イ /\ > /}!| |! ◎ }|!ト イi|! ◎ }| | !、 ∨/\ }トゝ
{! /、ヽ /ー〈_.|,.ト、ゝ _,.ノ|リ _ {i|!ゝ、 ' ノィ| ノ-‐{! r'' >、 }
/ 、 /-, -、 ゝ\!ーtr―=7//=\ヘー―,/=7!ノ'/,. -|}=-ゝ' /!
|!/ `Y! ヽi!' /ー|!-'ー/、i!ノ{¨}、iL}!ノーtr=7f, ィ!´ iY´ \J|
´ | レ=、ノト-.,,ノ|リ >イヽ 人.v.人∧ノ〈|!ゝ_,.>|!/¨ヽ|!
|レーィ'` ー}-〉、j! ,イ 人 .リ |!_ノ、| >''´ }|_,.ィー||、
,.ィ |L,.ィ|| ー《 {' r¨ゝ| `¨ ¨ |,.ィ¨, イ 》ー .||-.,_ノ! >{ヽ
, < 〉- |L..イ| ,.イ》ー、>ー-:., ,.: -Yr_r-《 〉、 |L__|.|ィ' >ノ\
/ >< /ゝ 」! ー、</{ r/rY ::. .:: fr,<〉}、/r一 Y|〃∨>'、 ヽ
` < /` 、ヾ!\\〉∧ヘ しr,ーv―r,し/イ{ {´\ レ',.イ\,.ィ >''´
`< / >イ { レ'r、\ヽ __,、_ ィーイー,ー } \ \ > ´
`ー.,_ィ〈 | i ゝ、_ュ ,、_,ィ rク_,.ノ¨´\ _,.> ¨´
`¨゙ <___/`ーニニィ、__\>''´
ツクラレシ モノタチ ノ ニクシミ ト カナシミ ヲ シレ
889
:
Robot Panzer Grand Royale
:2016/04/01(金) 16:22:37 ID:nwge4aXk0
Robot Panzer Grand Royale
参戦作品
【LIVE A LIVE】
【ファイナルファンタジーVI】
【ドラゴンクエストIV 導かれし者たち】
【WILD ARMS 2nd IGNITION】
【幻想水滸伝II】
【ファイアーエムブレム 烈火の剣】
【アークザラッドⅡ】
【クロノ・トリガー】
【サモンナイト3】
2016年4月1日 発売 未定!
890
:
Robot Panzer Grand Royale
:2016/04/01(金) 16:23:16 ID:nwge4aXk0
>>874-889
以上エイプリルフールネタでした
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