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【置きレス型】新年明けまして邪気眼大学【試験運用】

1名も無き邪気眼使い:2011/01/29(土) 20:50:53 ID:zrbyIFv6
⊿ C A U T I O N

・ここは置きレス可の日常スレです!
     ~~~~~~~~~~
 通常のリアルタイム進行をご所望の方は、いつもの屋内・屋外スレをお使い下さい

  ┏Q:【置きレスって?】..━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ┃   「置きっぱなしレス」の略。._                                           ┃
  ┃    書き置きによってロールを回す形式で、時間を束縛されずに参加できるのが特徴。_        ┃ 
  ┃    長時間PCに張り付く余裕がない時、なかなかロールの相手に遭遇できない時などにとても有用。.┃
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

・このスレは試験運用中です
・あまり相手を待たせすぎないように注意(最長で1週間ぐらいが目安)
・その他、何か感想・意見等がありましたら雑談スレの方へ気軽にお寄せ下さいねっ♪ 是非ッ


↓ 以下 通常テンプレ ↓

2名も無き邪気眼使い:2011/01/29(土) 20:57:16 ID:zrbyIFv6
<< 邪気約 〜 勇往の契約 >>

【 必読 初めて来た方は、一度「邪気眼大学事務室」のスレを訪れてください。 】

・age進行です。sageないようにしてください《新テンプレ》
・ここは日常スレです。
・コテおkです(コテなしでも参加可能)
・キャラにどんどん成り切ってください
・話は各々適当に作っていってください
・万遍なくレスを拾っていってください
・イベントを起こしたい場合、空いているイベントスレを使ってください
・多人数へのレスは可能な限り纏めて行うようにしましょう
・無意味な連投、一行投稿はできるだけ控えるよう心がけてください
・戦闘可能ですが、長引く場合や大規模戦闘に発展した場合はイベントスレへ移動してください
・次スレは>>950を踏んだ人にお願いします

【Wiki】
ttp://www8.atwiki.jp/jakigaku/
【前スレ】
(なし。次スレから記述よろしくです)



【セーフティ試用運転中】
・日常スレを両方戦闘可能にするにあたり、試験的にセーフティを使用可能とします
・名前欄の頭にセーフティマークである【S】をつけることで『セーフティ』であることを表します
(例 *** 名前: 【S】○○◆AAABBBCCC[] 投稿日:2009/03/**(**) **:**:** ID:******)
・セーフティである人物への攻撃等は無効であり、その反映は当人に委ねられる物とします。
(例 【S】人物Aに対して人物Bが攻撃行動をレスしたとしても、【S】人物Aはその結果反映を任意で行うことが出来ます)
・セーフティの印は任意で付け外しが可能です。

3名も無き邪気眼使い:2011/01/30(日) 01:22:45 ID:2heXuILs

う〜……寒い寒い!……もうすぐ春かぁ。早いもんだな〜…。
(外の寒さに身と声を震わせながら辺りを見渡す学ランの少年。)

今日も平和だなー……。前に偉そうな人達がカノッサ機関がどうのこうの言ってたけど…。
近頃はどうなんだろう?…かといってそう簡単に調べられる事でもないよな…。
ま!いいかな、今は。どうでも…とりあえず、どっかで暖を取りたい…。

4名も無き邪気眼使い:2011/01/30(日) 16:18:37 ID:HFN3SRT6


 …あー、寒みぃ。
 例年の比じゃねえな、こりゃ…。《冬の精霊》の活動が活発化でもしてんのか?
 ううう、しばれるしばれる…。

(トットット、と外を駆け足で走る男)
(黒い外套(コート)を羽織り、頸元には金の十字架のネックレス、腕には聖書を抱えている)

 こんな日は、さっさと礼拝堂で引きこもるに限るな…。
 さっさと建物見付けて火をくべて、熱い珈琲でも飲んで…ん? あそこにいるのはこの大学の生徒か?

(視界の端に、寒さで身体を震わせている>>3.を捉える)

 おい、そこの少年。
 こんな寒い日に何も羽織らず外へ出るとは、自殺行為に等しい愚行だ。一体何をしている?
 …ん? いや私は見てくれの通り、神父だ。何も怪しくない。

5名も無き邪気眼使い:2011/01/30(日) 20:01:16 ID:kcsaiGJ6
>>4

………。
(暫しの長考)

いやいや!貴方充分怪しいですからー!?残念!!
―――と、普通なら斬り捨て…もとい、吐き捨てるところですが…大聖堂ありますもんね、ここ。
(大きい身振り手振りで何やら一人芝居をうって納得した。思ったより恥ずかしいようだ。)

いやー、神父様。それがですね、何処かの誰かが男子寮の一部を凍らせたみたいで…。
それだけなら笑い話なんですが、自室も見事に被害にあいまして。着る物も魔道具にも手を付けられない始末……。
哀れな子羊に救いの手を…ついでに今年こそ僕に春を…。
(寒空の中、震える膝をつき天に祈りをささげる)

6 ◆ZwSFISyT06:2011/01/30(日) 23:02:50 ID:x2GR36cw

…………。
ありゃなんだ、布教活動かなんかか?
(学ランと神父のやりとりにぼぅと一言)
(防寒コートの男は温かい肉まんの袋を持ち直し)

んまぁ、こんな不況な時背に美味しい話はありゃせんわな……
くわばら……、くわばら……
(凍っているとは露知らず暖かい期待を胸に、学生寮へ歩いていくのであった)

7名も無き邪気眼使い:2011/01/31(月) 16:05:12 ID:.aDKlnVM
>>6

ん、おーい!ちょっと!そこの人!
(遠くで動く人影に気がつき呼び止める。あまりにも距離が遠いのであれば聞こえないだろう。)

そっちは今ちょっとどたばたしてるんだってば―――あちゃー、聞こたかな?
(まいった。頭を掻いて困った顔をしていると、忘れかけていた寒さを思い出し身を震わせる。)

部屋が無事ならいいんだけど…あ、もしかしたら今の惨状を解決してくれるかな?またあとで寮を見てみないと…。

8名も無き邪気眼使い:2011/01/31(月) 20:19:09 ID:a2UGTmZo
>>5

 大聖堂?
 …『邪』なる『気』配を宿す『眼』の大学には、少し相応しくない施設と言えなくもないような気が。
 まあ、神父の格好をした私が言い及ぶ事でもないか。

(邪悪と神聖の融和でも目指しているのだろうか、と訝しむ)

 成る程。学生寮を見事に凍結された、と。
 一部分とは云え、建物を完全に凍らせてしまうとは。
 …凄まじいと評すべき所行だ。それとも本当に、《冬の精霊》が暴走でもしている、とか?


>>6-7

 ふ、む。
 この侭だと、彼は立ち往生する羽目になってしまうな。
 いかにも暖まりそうな肉まんを手にしていたようだったが、それだけではこの極寒の中でそうは保つまい。

 …それだけではない。
 最悪、寮ごと凍らされてしまった憐れな生徒が存在する恐れもある、か。

(ふ、と溜息を吐く)

 そういう話なら承った。
 私をその学生寮とやらに連れて行ってはくれないか、少年。

 無理に、とは言わない。
 言わないが……もしかしたら私の『力』が、状況の打開に繋がるかも知れないと思い立ったのでね。
 宜しければ、頼めるかな?

9 ◆ZwSFISyT06:2011/02/01(火) 00:54:05 ID:tzY3yp16
>>7-8

(二人にいく末を案じられているとは露知らず、男は学生寮へとたどり着き)

 …………。
おぉ、こりゃ、なんつーか……アレだな……

(案の定、凍結した寮を目の前に放心していた。温かかった肉まんも冷えてしまっている)
(このまま彼は帰る寮を前に途方に暮れて、雪融けの春を待つばかりになってしまうのだろう)
(それは彼だけではない、周りには同じように愕然とする寮の生徒がいる)

凍り漬けに対する評決はきっと高くつくぜぇ?
ククク……、何処の誰かさんかは知らねぇが……
なんつーか、見過ごせねぇよなぁ
(しかし、ここは邪気眼大学)
(ある生徒は状況解決を図ろうと意気込み、また別の生徒は事後処理をどうするかと考えを巡らすのだ)

(……もっとも、そのおかげで状況は更に混沌としていくのだが)

10名も無き邪気眼使い:2011/02/01(火) 21:44:36 ID:EWgW3W02
>>8

あははは…。
俺も当初はそう思っていましたけど…この場所には「眼」を持つ学生達や「能力」を保有する人達の他にも
種族を違えたり別の機関からやってきたり、様々な猛者達が集まっているんですよね。
いやはや、自分が小さく見えて……。
(溜息混じりに学ランの少年は話す。)
《冬の精霊》…?えーと…冬将軍みたいなもの…なのか…?


(と、話し終えるとおいしそうな肉まんを思い出したのか、思わず涎が口端から出てきてしまっている。)

………あ、え!?ああ、はい……。
(はっとして答える。)

(ええ〜と、いいのかなあ…?勝手に案内したりして…。)
(話を聞くからにここに来た事のない他所の人みたいだし…。)
(うーん、まあ何かあったら寮の前だし誰か来てくれるだろう…たぶん。)

わ、わかりました!どっちにしろ、構内で誰か呼ぶつもりだったので。
(いろいろ考えを巡らせた結果、目の前の見知らぬ神父を多少なりとも信用したようだ。)

こっちです!うぅ、寒、寒…。
(そう言うと、両腕を手でこすりながら>>9や他の生徒のいる寮棟へと向かう。)

11名も無き邪気眼使い:2011/02/04(金) 22:50:59 ID:n4YaLrFA
>>9-10

 …成る程、言われてみれば。
 邪気の他にも幾つか、感じる気配があるな。
 聖気に、獣気、龍気…何と、軽い神気も認められるとは! 此処には『神』の類もいるようだぞ…。

  (……だが真に驚くべきは、これらの力が見事に調和していること。
  つまり、…絶妙なバランスの上ではあるものの、……”共存”をしている、と言うことなのか。)

 ん?
 《冬の精霊》とは字の通り、冬の季節を司る精霊だ。
 寒気、降雪、様々な冬の美しさを我々に教えてくれる。…強大な力故、暴走しては大変な事になるだろう。


(生徒の先導で、寮へと辿り着く二人)
(一部を完全に凍結された状態の寮と、いくつかの生徒達の影があった)

 む、…これは凄い。

 霜は降りているし、氷柱は垂れているし、…周囲の空気も僅かだが凍り付いている。
 どうやら極低温のフィールドが部分的に発生し、寮の一部がその範囲内に触れたようだ。…戦闘の余波か何かか?

 取りあえず、何とかする必要があるな。行こう。
 済まないが諸君、そこを通りたいので少しばかりどいてくれ。…おや、君は先ほどの肉まんの?
 すっかり肉まんは冷気でやられてしまっているようだな……。

 少しばかり待っていたまえ。
 ……今、寮の氷を溶かしてあげよう。

12名も無き邪気眼使い:2011/02/04(金) 23:32:20 ID:n4YaLrFA

  (しかし、此処まで酷い凍結状態とは…。
  余程の強大な力でもない限り、こうはなるまい。…それこそ、海をも凍らせる古の禁呪、”EFB”でもなければ。)

 離れていたまえ、諸君。少々危険な真似をするのでね。

(聖書を離れた場所へ置き、凍り付いた寮の壁面へと触れる)
(瞳を閉じる神父。何事かを呟く。)

  【夜を灼き尽くす天空の主。汝、君臨せし遙かなる頂より来たれ】

(突如、神父を起点に膨張する熱)
(ある程度の力量を持った実力者でなければ、軽く吹き飛ばされてしまいそうな程の熱風)

        ヘリオス       ヘリオガバルス
  【汝の名は太陽、我が名は陽光を戴く者。
                      冬を暫しの眠りに誘い、早刻の春を報せよ!】

(吹き荒れる太陽の風)
(熱気によって、急速に溶け出す寮の氷)
(それだけではない。風の触れた野や大地が、季節違いの春の草花を次々と咲かせはじめた)

13名も無き邪気眼使い:2011/02/06(日) 22:18:32 ID:CMurn2Hk
>>11

…た、たたた探知能力ですか!?
(少年はあからさまな動揺を見せた。)

不思議な話なんですが…皆が皆、仲良く学んでいる訳じゃないんですよね。
(それが成し得るのもこの空間を作ってきた者達やそれを守ってきた力持つ人々のおかげだろう。)

なるほど、それが精霊なんですか。あまり【精霊学】やそこら辺は専門じゃないものでね。


>>9

あ!さっきの人!
…えーと…うぅ寒い…。こういう状況なんですよ。原因を作った奴に文句言ってやりたい…。
というかもうそんな気も起きないな…。
(すっかり縮こまってしまっている。北極圏とかそういうレベルでなくてよかった。)


>>12

あっ!?
(突如として寮の周りを駆け巡る季節外れの熱風。まるで太陽の息吹のようだ。)
(思わず身構えたが軽い身体は後ろにころりと飛んでしまった。この現象をサンタナと名づけよう。)

え、詠唱…だ…!よく聞き取れなかったが、五行を利用する類とはちがう…のか?
あれが話には聞いた『神術』ってやつなのか…!?

(尻餅をつきなが学ランの少年は回りに咲く花を見て突然の事に混乱している。)

14名も無き邪気眼使い:2011/02/09(水) 14:43:19 ID:.XonZDpA

 …と、こんな物か。
 やれやれ、わざわざ詠唱を長々と唱えた所でこの程度の成果とはな。…やはり手に余る、か。

(寮を閉ざしていた氷は解けた)
(残されたのは水を滴らせる学生寮と、辺り一面に広がる場違いな草花と野原)

 待たせたな、作業は無事に終了した。
 風紀委員や実働部隊への通報やその他後始末等は、学生諸君各自の手に委ねよう。
 特に……、室内の衣服や電化製品は、事と場合によっては見るも無残な状態と化しているかも知れないのだからね。

 ここまで見せた以上、隠し立てする理由はないな。
 ご覧の通り、或いは察しの通り。私は少々異質な、かつ特殊な能力を所有している。

  ヘ リ オ ス
 『太陽属性』――――この世界を構成すると言われる「四大元素」の枠外の更に枠外。言わば特例というヤツだ。
 強いて当てはめるならば火属性だろうが、しかし見ての通り、その作用は微妙に異なる。
 まあ、風変わりな火属性、という認識でも構わないがね。

 さて、それはさておき。今更ながら私の素性を明かしておこう。

 初めまして。今日付けで邪気眼大学に赴任してきた、「神父」だ。
 どうも前任者が急病か何かで倒れてしまったらしくてね。私に白羽の矢が立った訳だ。
 そういった理由で先程から礼拝堂を探しているんだが、一向に見つかる気配がない。…案内を買って出てくれると嬉しいのだが、ね。

15名も無き邪気眼使い:2011/02/12(土) 21:11:56 ID:/aSs3F4Y
>>14

これは……。
あ!あ、ありがとうございました!おかげで要約あたたkn…へぶしっ!
(目の前の神父が起こした不可思議な出来事に困惑しつつ、)
(やはりこの男は「ただ者」ではないという事を改めて実感した。)
(そして時既に遅し。)

そうですか…。いや、うーむ。ある程度は内部の損害は抑えられてるかと…
教員や寮生によっては魔方陣やら結界やら、何かしら手が施されているとは思いますが。
ああ、それなら既に誰か教師や「邪気会」に報告へ向かっている頃かと。
(ある日寮に帰ったら玄関でペットの金魚が凍ってた、なんて惨劇は起こり得ないだろう、たぶん。)
(しかし住まう者達が全員それらの防衛術に関して秀でている訳でもなく…)


「ヘリオス」、「太陽の神」…?
(火、熱、光、風。それらとはまた異なった属性を持つ力。)
(少年は興味深そうに能力を行使した壁や地を見つめる。)


…こちらこそ、よろしくお願いします神父様。
前任者?あの天使みたいな人の事かな?むむむ。

あ、ええ。そうですね…お礼といっては何ですけども、是非とも案内しますよ。
ただ、一、二箇所くらいしか検討がつかないもので…お役に立てるかはわかりませんが。
(苦笑いをした少年は、事態の収拾に努めた神父の提案を快く受け入れた。)

16名も無き邪気眼使い:2011/02/14(月) 22:12:11 ID:Mgt60g1Y


 何、礼を受け取るには及ばない。
 救いを求める者に唯、救いを与えただけのこと。これも神父の務めの内……、…ん? くしゃみ?
 身体が冷えているようだ。…暫し、待っていたまえ。

(手のひらをおもむろに開いたかと思うと、そこには橙色をした光球が浮かんでいる)
(それを生徒の学ランのポケットへと差し込んだ)

 ちょっとしたカイロだよ。
 私の魔力をもって練り上げた、まあエネルギー球って思ってくれて構わない。持っているだけでも随分と違って来るだろう。


 …なるほど。
 この手際の良さは、全くの素人と云う訳でもないようだ。…普段から訓練でもしているのかね?

  (もしくは、普段からそういった事象…。
   即ち、「襲撃」や「不慮の災難」といったようなものに遭遇している、か。
   これが”風紀委員”とはまた別個に、”実働部隊”という実戦的な治安維持機関を有している所以……とでも、推測して置こうか。)

17名も無き邪気眼使い:2011/02/14(月) 22:12:34 ID:Mgt60g1Y
 ははは、無理に理解しなくても宜しい。
 当の能力者である私でさえ、完全には扱いきれていない程の代物だからね。

 ただ…、そうだな。私が個人的に推察するに、能力や異能といったものは大抵、自然現象に則した形で顕現することが多い。
 火も然り、熱も然り、光も然り、風も然り…。
 変わり種である「光」、「闇」、「時」、「無」…これらの属性でさえ、自然界にはありふれた物と言って良いだろう。

 この「太陽属性」もその延長線上にある力、と考えても良いのではないかな。
 太陽だって少々規模は大きいが、自然の内の一つには違いない。特に能力や異能の理から外れた代物ではない、という事は断言できるはずだ。


 前任者は私の記憶する限り、普通の人間であったはずだが。
 しかし、ふむ。天使……。

  (天使、か。
   冥界や天界などと言ったものを実際に目にしたことはないが、…実在の証明、と言って良いだろうな。
   非常に興味深い。「世界一有名な小説」と揶揄されることもある新旧聖書の記述が、果たして真実か否か…一個人として気になる所だ。)


 ああいや、それで構わない。
 大聖堂や礼拝堂といった建物がそう多くある訳もないからな。それでは、よろしく頼もうか…。

18名も無き邪気眼使い:2011/02/19(土) 02:22:16 ID:sTPT7Jjs
>>16-17

流石は神父様。毛皮の刈られた子羊にはありがたい施しです…。
お?おぉっ!?
(ポケットの中を覗き、突っ込まれた不思議と暖かい光の球を眺める。)
お、お!これは…あったかい。

確かに訓練施設はありますよ。
驚くほど高性能で機器の整備やそれを行う人も優秀です。
これ程の場所はそうそう見つからないでしょう。

…それだけ、ここも戦闘に備えなければならないという事になるんでしょうかね…。
(少年は渡された橙色の輝きを悲しそうに見つめる。)


なるほど…自然界に存在するカテゴリとは異なりつつも似通った属性…興味深い。

いや、僕もあまり詳しくはないんですが…。
普通の人間だったのかも知れません。
(神父の身である以上、天使や神といった言葉やそれを象徴するものにはどんな反応を示すだろう。)
(そんな事を考えながら、学ランの少年は敷地内の礼拝堂のある方角へと向き直る。)

じゃ、ご案内致しますね!
(そう言うと、名も知らぬ少年は名も知らぬ神父を礼拝堂へと先導していった。)

19名も無き邪気眼使い:2011/02/20(日) 11:58:48 ID:vAqJDpyw

(教会への途上。)
(樹氷の道を歩く、黒外套の神父と学ラン服の少年。)


 ふむ、それは何より。
 『太陽』の司る物の一、”陽差し”の熱の塊だ。
 数時間程したら消えてしまうのが難点なのだが、まあ少なくとも道案内が終わるまでには効果を持続できるだろうな。


 争いを憎むか、少年。
 ……それで良い。『異能』とは決して、人を傷つける為だけの物ではない。

 少年。
 私の『太陽』属性は、使いようによっては非常に危険だ。
 例えば、頭蓋を掴んで脳を灼く事も。体中の血液という血液を沸騰させ死に至らしめる事さえ、理論上では可能なはずだ。

 ――――だが、こうして凍える身体に温もりを与える事もできる。
 枯れかけた花を再び咲かせたりな。

 …大切なのは、”何の為に力を使うか”、だと私は考える。
 同じ戦うにしても、『人々を蹂躙する為』と『大切な物を守る為』とでは、理由において遥かに違う。
 そして何より、異能とは戦うだけがその全てではない。……君は、君の信じる道を何処までも歩いていけば良い。……それが、『信念』と言う物だと思うのだ。


(そこまで話して、ハッと我に返ったように)

 む、何やら説教臭いことを話してしまった。
 気に障ったなら忘れてくれ。……いかんな、悪いクセが出た。

20名も無き邪気眼使い:2011/02/20(日) 12:01:22 ID:vAqJDpyw

 ほう、興味深いと来たか。
 ならば「邪気学概論Ⅰ・Ⅱ」をお勧めしておこう。属性概念について実に深く切り込んだ講義だ。
 ここだけの話だが、今年度より私が客員教授として担当する。参考として頭の隅にでも置いておいてくれたまえ。


 ふ、一度生きている内に行ってみたいな。
 天国と地獄とやらに。無論、天使や悪魔のような存在もお目に掛かりたい。
 聖書の記述には、誇張ではないかと思われる箇所がしばしば見受けられるのだ。実際の所を、是非とも知ってみたい。

 ……ああ、誤解なきよう言っておくが。私は確かに神父だ。
 しかし、だからと言って神や聖書を盲信しているという訳ではない。特に選民思想の類と云うのか、ああいうのは私にはどうしても理解しがたくてね。


 …と、着いたようだな。
 
(前方に現れ来たる、雪の積もった白亜の建造物)
(十字架を模したオブジェは、ここが礼拝堂であると云うことを教えてくれていた)

 道案内ありがとう、少年。とても助かった。

 もし良ければこの後、お礼に何か紅茶と茶菓子でもご馳走しようと思っているのだが。都合はどうだろうか?
 さて、中にシスター等が居てくれればありがたいのだが……。

21名も無き邪気眼使い:2011/02/22(火) 21:53:14 ID:VL8g8DeI
>>19-20

なるほどって、あれ?…よくよく考えたらコレ、触ってたらやばいんじゃ…?
(陽射しと言うと聞こえはいいが、それはどこまでいっても小さい太陽のような熱源な訳で。)
(そんな事に今更気が付いた少年は、引きつった笑いを浮かべながらあたふたと電球のように輝く球をしまう)
(度々ポケットが焦げたりしないだろうかと何度も確認しながら教会への道をふらふらと歩いて行く。)


…御心配をかけたようで、すみません。そしてありがとう神父様。
貴方の言うような事を古い魔法学や科学の本で読んだ時、私もその言葉に深く感銘を受けました。
憎むべきは「力」ではなく、善と悪に隔ててしまう人間の罪なのですね。
(自然と急ぎ足になってしまっている事にも気が付かずに背を向けたまま語り掛ける。)

で、でも!ここなら心配ありませんよ!色々な人がいますけど、ここなら大丈夫なんです!たぶん!
(そしてしんみりとした空気を少しでも変えようと根拠のない話を空元気で訴えかけた。若干引き笑い。)


「邪気学概論」…あーたしか次の時間は…って、先生だったんですか!通りで色々詳しい訳だ…。
ええ、機会があれば是非行きますよ。今は手持ちで一杯一杯なかんじなんで。


あははは…そういう好奇心は僕にもありますが、流石に悪魔には会いたくないなぁ。
確かに信仰に関してはどうしてもそういう考えがあると思ってしまいますね。う〜む…



この近くに来るのも久々だな〜。友達がミサに行くのを見届けるぐらいだったから…。
(お、ここか。確認するように呟くと)
(礼拝堂のドアをコツンコツンと小さくノックする。)
コンコーン。誰かいますかー?

いえいえ、役に立てて幸いです。寮の件もありますし、これくらいお安い用ですよ。

あー…外は寒いし是非ともいただきたい所ですが、先の事もありますし
なにより友達や自分の教材や魔道具が心配なので…また伺いますよ!
まだ聞きたい事もありますしね。いや、それは授業に出て聞けばいいかな…。

22名も無き邪気眼使い:2011/02/23(水) 15:14:03 ID:U6a3LsG6

 
 まあ、”熱源”である訳だしな。
 あまりに長時間触れていると低温火傷を負う危険がある。気をつけるのが良いだろう。

(その様子に微笑を浮かべながら、微妙に遅い忠告を与える。)

 …ふ、そうだな。
 そうである事を祈っているよ、私も。
 何時の時代も、何処の人々も。争いのない平和な世界を希求し、そして未来へと託して来たのだから…。

 『誤りは人の常、赦しは神の業』。
 罪も過ちも両の御腕に抱き締めて、神は我等を見守って下さるだろう。


 まあ、客員だがね。
 正規の教授が出張の多い方で、不在時の講義を私が担当する。その時は宜しく頼もう。


 ……拠り所、だと私は思うのだ。

(神父は片腕に抱えた聖書の表紙を開く。)
(黄金の光に包まれた空。白き翼を背に生やした天使が空を飛び、金管を吹いて祝福している。)

 人がもし怖れを抱き、不安を萌し、絶望の淵へと沈みそうになった時。
 崩れゆく心を支えてくれる、ある種の希望。……それが、信仰が元来示す意味なのではないかと、な。

 神でなくとも構わない。
 何か信じる物を持っていれば、人は強くなれる。
 現代において宗教とはその為の、ほんの一助でしかないと考える。優劣も善悪もなく。…まあ、私の勝手な解釈に依拠する持論だがね。

23名も無き邪気眼使い:2011/02/23(水) 15:14:20 ID:U6a3LsG6


(学ランの青年が古びた青錆の鉄扉を叩くが、反応は返って来ない。)
(どうやら無人の礼拝堂らしい。……内部の清掃の事を考えて、今から憂鬱そうに溜息を吐く神父。)

 …む、そうだったな。
 氷結の憂き目に遭った学生寮には、君も居住しているんだったか。
 ならばすぐに戻って、被害の状況を確認しておいた方が懸命だろうな。最悪の場合、家電の総入れ替えで大出費だ。

 それでは、機会が在ればまた。
 『汝が健やかならん事を』。

24名も無き邪気眼使い:2011/02/24(木) 22:09:16 ID:UAdd5ZgM
>>22-23
それを早く言ってくださいよ!
(涙目気味になりながらツッコミを入れた。そもそもポケットから取り出さなければよかっただけの話なのだが。)

そうですね…。それに最近は平和なので何よりです。
神様が僕達を見捨てる前に何とかしたい問題でもありますが…。

確かに…藁にもすがる思いという言葉があるように。
誰かを勇気付けるための後押し、その手助けをしてくれるのが信仰…なのでしょうか。
同時に人を変えていくのも。



あれれ?今は留守かな?
それとも違う礼拝堂だったかな?でもそんな幾つも立ってる訳ない…ないよなぁ?

ええ…残念な事に。
(ガックリと茹だれてわかりやすい落ち込みよう)
ひええ!家電が…
(そこから先の言葉に詰まっている。驚きか悲しみかあるいは両方か。)

ありがとう神父様。それじゃまた!
(加護の言葉を会釈で返し、学ランの少年は少々重たげな足取りで寮へと戻っていった。)
(この後、彼の部屋がどのような惨状に巻き込まれていたのか…それを知る由もなく。)

25名も無き邪気眼使い:2011/02/27(日) 11:38:59 ID:IatZblu.

>>24

 ははは、すまないね。
 ついでに、長時間衣服に接触させていると生地が傷む事にもここで言及しておこうか。

(言葉の節々に漂うサディスト的な空気)
(凡そ神父らしいとは思えないが、これも個性の一つなのだろうか)

 私はそう思う。
 だが昨今の宗教は、その原型を留めていないようにも思う。
 ……いや。そもそも旧約なんて書物が記されてしまった時点で、元あるべき形は失われてしまっていたのかも知れないが。


 明らかに扉が錆びているね……。
 私好みの趣があって大変宜しい。宜しい、が……同時に何やら嫌な予感がしないでもないよ。
 ”清貧”の”貧”はあるが、まず”清”は無いな。この様子では。

 ああ、また。
 君さえ良ければ、今度遊びにおいで。次の訪問までには美味しい紅茶を仕入れておこう。

26名も無き邪気眼使い:2011/02/27(日) 11:39:44 ID:IatZblu.
 ……、さて。

(腕を伸ばし、錆びた鉄扉を押し開ける)
(年季を思わせる軋みと共に、視界に飛び込んできたのは……)

 おぉ、これはなかなか。
 伝統の長椅子と、……これは良い。寓意画のステンドガラス、そして天井近くまで聳えるパイプオルガンと来たか。
 これらが全て揃っている教会というのはあまりないのだ、いや素晴らしい。

            .・ ・ ・. ・. ・. ・. ・ ・ ・. ・. ・ ・. ・ ・
 ……なーんて、な。もう口調に気を遣う必要はない、か。


(神父の雰囲気が変わる)
(先ほどまでの慇懃な態度とは打って変わり、粗雑な歩きでパイプオルガンへと近寄る)
(演奏席に腰を下ろした神父は、4つも並ぶ鍵盤に指を叩き付けた。オルガンのパイプから飛び出る、強烈な不協和音)

(足と指が奏で始めるのは、悲哀の音色に満ちた葬送曲)
(しかしそれを弾いている神父の表情には、三日月を歪めたような笑みが浮かんでいた……)


 退屈な場所とばかり思っていたが、これは色々と楽しめそうだ。
 まあ、時間をかけてゆっくり見極めてやろう。この邪気眼大学が、『機関』にとって害を為す存在なのか、また否なのかを……。

 このカノッサ機関直属守護天使【曜】 七天七陽のジオジャエルガがな……!

27名も無き邪気眼使い:2011/02/27(日) 11:41:15 ID:IatZblu.
(神父――否、ジオジャエルガが派遣された理由はただ一つ)
(あらゆる異端、異能を保護する邪気眼大学。その危険度、及び、『機関』に対する敵対意志の有無の調査)


 危険なんだよ、お前らは。
 獣にドラゴン、挙げ句の果てには天使だと? 上手く使えば一国を制圧できる戦力だ。
 そんな存在を『機関』が見逃す道理はないだろう……。

 すでに何人かのエージェントが潜入済みだ、無論誰にも知られる事なく!
 『機関』に刃向かう気がないなら、【要注意レベル】で見逃してやるが……もし敵対するつもりなら、内と外から全力で潰す!

 とにもかくにも、まずは信頼を得ていく事から始めんとな。情報収集にはコネクションの構築が定石だ……。


(その時、扉をノックする硬質な音が響いた)
(歪な笑みを潜め、悠然とした神父の表情を取り戻したジオジャエルガは演奏を停止し、背後に向き直る)


 どうぞ。鍵は掛けていない。
 古びた建物で済まないね。さあ、当教会にどんな御用かな……?


(カノッサ機関が誇る最高戦力――――守護天使)
(危機はもう、すぐそこに迫っている)

28名も無き邪気眼使い:2011/02/28(月) 22:20:16 ID:ErIAjYj2
【学内某所】


―――ぶるる…

「…うぅ…なんか嫌ぁ〜…な、予感がするなァ…おい」

鼻をかんだティッシュをゴミ箱に投げ入れて

「………ったく、春も近いってぇのによ」

やれやれ、と腰を上げて日課の散策に赴いた

29名も無き邪気眼使い:2011/03/02(水) 03:37:44 ID:MOs2YqX6


 …嗚呼、くそ。寒い。

 やっと教会に辿り着いたかと思えば暖炉の薪は湿気ってる。電気は通じない。魔動暖房も壊れてる。
 全く、散々と言う他無いな……。

(並木道を歩く、黒い外套を着込んだ神父の様相の男)
(否――カノッサ機関から放たれた刺客、守護天使【曜】 七天七陽のジオジャエルガ)


  (しかし……やはり、広いな。
   『邪気眼大学』という名を冠してはいるものの、高校以下幼稚舎までの教育機関や実験設備、研究施設や宿泊施設まで手広く完備。
   そして其処彼処にコンビニ、レストラン、レジャー諸々……。

   成る程。これでは一個の街と変わらんな。
   能力者が密集する訳だ。さしずめ、「異能の学園にして異端の楽園」と言った処か……。)


  (何でも、創設者は高名な能力者と聴く。
   恐らく大魔導師、或いは元帥レベルを下るまい。更には、保有する資金も凡そ潤沢と見える。

   技術力、組織力、統率力。
   兵の練度は学生故、些か甘い部分も見受けられるものの……『機関』の先兵や工作員を退けてきただけはある、と言うことか。
   ……『裏生徒会計画』。無事に機能してくれれば良いのだが。)


 ん?
 …人影、か。この大学の関係者なら接触しておいて損はない。コネクションと信用の形成には実に有力なアプローチだ。
 さあ、襟を正して――――。


 ――――やあ。散策中かね?
 ここは広いな、施設案内のパンフレットを見て仰天してしまったよ。……ああ、否、私は怪しい者ではない。赴任してきたばかりの神父、そんな所だ。

30名も無き邪気眼使い:2011/03/02(水) 21:24:15 ID:CeMH93K2
>>29
「え?あぁ…っと?」

ボーっと歩いていた所に声を掛けられ間抜けな声が漏れた

目を向けると
見知らぬ人物

若干訝しげな視線で注視するが

「…おぉ、いよいよ神父さんまで配置したんすか」

"神父"という肩書きに、感嘆の呟き、表情を崩した
ニッと敵意無く笑うのは首に巻かれた赤いロングマフラーが目を引く男
年恰好の頃を見てもこの大学の学生であろう

「いやー…シスターはともかく、天使さまなんつーのまで居る教会だったけど」

やや後方に見える教会の十字架に顔を向けて

「本格的な"神父さん"って、実は初めて来たんじゃねーかな…だとすっとメデタイ話だ」

ふむ、と頷く

「よし、丁度時間が空いたとこだし…」

「良ければ、ちょっとだけその辺案内しますぜ?ま、華がねーガイドで申し訳ないっすけどね」

ビッと音がしそうな勢いでサムズアップ、そして
かかか、と愉快気に笑った

31名も無き邪気眼使い:2011/03/04(金) 11:05:12 ID:VUVx1eBs

 ははは、いや。
 実を言うと私は「後任」でね……。病に伏した前任の者の後を受け継ぐ形で、ここに赴任して来ることになったのだよ。
 何分、右も左も分からぬ新参者。仲良くしてくれると幸いだね。

 君の口振りだと、ふむ。どうやら前任の神父は、あまり記憶に残らない人物だったみたいだ。
 シスターや天使のキャラが余程強かったのか、果て。


  (ふん、実に都合が良いではないか。
   前任を務めていた神父は今頃、何処か遥か遠い国で第二の人生を歩んでいる頃だろう。大学に関する記憶を改竄されて、な。

   しかし先ほどの学ランの少年と言い、成る程。
   特異な気配をしている。邪気眼、或いはそれに準ずる異能者に特有の。
   面白い。脅威ではある……が、『機関』にとって都合良く利用すれば、この場所は絶好の「狩り場」となる――!)


  (…ふ、いや待て。焦ることはない。

   逸って目的を違うのは”三流”。
   与えられた任務を正確に、かつ冷静に全うするのが”一流”。
   私は【曜】の守護天使、ジオジャエルガ。何でも血気に逸って先んじる【火】の彼奴とは異なる、静謐にして揺らめく業炎の能力者だ……!)


 ほう。案内をしてくれると?

 それは大いに助かる! 独りだけでは遭難でもしかねないぐらい、ここの敷地は広大だからね。
 一般生徒の君に頼むのは心苦しいが、お願いできるかな?


(青年の笑みに応えるように)
(陽差しのような穏やかさを湛えて微笑む、黒套の神父)

32名も無き邪気眼使い:2011/03/04(金) 22:41:14 ID:N6EO7MTk
>>31
「後任…?…うそぉ?…いや、しかし…そもそもあそこに用事ねぇからなァ…俺」
バツが悪そうに頭をかいて首を捻る
そういう事ならきっと居たんだろうなぁ…なんて、遠い空に前任の神父様を想う

ゴメンナサイとか
想うだけ

「なぁ〜に、道すがらの暇つぶし半分でさぁ、そんなに畏まらんでくだせぇww」

ハッハッハいやいやいや
照れくさそうに苦笑して

「…じゃ、行くとしますかー」
こほん、と咳払いひとつ

「闇雲に動くよりも…そうだな、何か狙いを絞った方が行き易いかな」

「どうすか、神父さん、何系から攻めます?飲食系から学び舎、果ては"KUNREN"なんつートンでも施設までありまっせ!」

ドンと来い、と胸を張る青年であった

33名も無き邪気眼使い:2011/03/06(日) 17:45:27 ID:LS7YxjkM


 …………、ふむ。

  ("KUNREN"、か。
   機関のサーベイによれば、『月面と同等の極大空間容積を仮想的に構築した、「人工多目的空間」』――か。

   全く、一大学には過ぎた技術だな。
   ”現実世界とは完全に独立した領域の創造”。字面だけ捉えれば、正に神の御業だ。
   姉妹大学である「邪科学大学」も開発に関わっているとの情報だが、……もし事によっては、そちらの方にも工作員を潜入させる必要があるか?)


 いやはや、本当に迷うな。
 あまりに魅力的な場所が多すぎる。塔のように聳える図書館、四方に茂る古き獣の森、etcetc。
 まるで絵本か児童小説に登場するような……、そう、まさしくファンタジーの世界観だ! 童心に還るような心地がして、とても懐かしい。

 しかし特に気になるのが、この"KUNREN"という施設。
 ”人工的な仮想空間”……と言うのがどうにも。ロマンのある響きで、心なしかわくわくしてしまうね。


 そうだ、提案があるのだが。
 私は神父の身だが、若い頃はやんちゃでね。
 これでも多少の心得がある。……この"KUNREN"で軽い”運動”でもして、その後は飲食街で食事と洒落込まないか?


  (良い機会だ。
   異能力者特化教育機関、邪気眼大学。
   果たしてその教育方針、教育態度が優秀かどうか、お手並み拝見と行こう。

   ――――この私。カノッサ機関・守護天使 【曜】、七天七陽のジオジェエルガが、直々に生徒の出来を採点してみようではないか。)

34名も無き邪気眼使い:2011/03/06(日) 20:47:03 ID:IjTFg7UM
>>33
「KUNREN、ね」
まいったなァ…と苦笑を漏らす
「いや、予想通りっつーか…まぁ当然っつーか…やっぱそこかー」

ぽり、と鼻頭を指先で掻いて

「若い頃、とかやんちゃだったとか多少の心得だとか…いやいや、ご謙遜なさるな神父さん」

その指先をピッと黒衣の神父に向ける

「アンタ……"現役"だろ?それもとびっきりの最前線」
先程よりもやや重い口調
眼は真剣な色を帯びて

「…」

「ま」

「……いっか、それはそれで」

ふぅ、と短く息を吐く頃には
空気は再び和らいで
ニカッと表情を戻す

「"運動"か、良いっすねー…飯までまだ少しはぇーし、いっちょやりますかぁ!」

よーしやるぞーと気合いを上げて

「ここからなら、かなり近いっすよ。付いて来て下さーい」

レッツゴーと前を行く

道中、KUNRENの概要と使用上の大まかなルールを説明しつつ
二人は【人工多目的空間:KUNREN】へと辿り着く

35名も無き邪気眼使い:2011/03/06(日) 23:05:48 ID:LS7YxjkM



(少年が放つ、鋭い視線と言葉)
(それでも神父は尚、その悠然とした表情を崩すことなく)


 …クク。さて、どうかな?
 それでも、若きと老いには勝てないのが人間だ。精々、善戦できるように頑張るとしよう。

(その返答は、限りなく”グレー”)


 斯く言う君の体つきは、理想的で素晴らしい。

 ボディビルダーに見られるような筋肉のオブジェではない。細身だが瞬発力、持久力、何れも万遍なく備わったしなやかな肉体だ。
 運動系の部活に所属しているとか? それとも身体を動かすのが好きとか……。


   (……ほう、これは驚いた。

    別に確信や証拠がある訳でもあるまいに。まずはハッタリで反応を見ようという魂胆か?
    具体的な返答がなくとも、リアクションで見当は付けられる。
    特に過剰な言い訳をする者、執拗に否定する者……。無論一概には言えないが、大抵の場合では不意を突かれて饒舌になってしまうのが人間だ。

    そして、飄々とした態度からの急転が上手い。
    人懐っこい笑顔で油断させた所に滑り込むタイミングでは、警戒していたとしてもフォローが間に合わない。)


   (……成る程? この男、只の生徒じゃない。
    訓練を受けているか、経験的に知っているか、それとも無意識の内にしたのか。

    だが――甘く見るなよ。我等は「守護天使」。これまで戦ったような工作員、エージェントとは格が違うことを知るが良い。)

36名も無き邪気眼使い:2011/03/06(日) 23:06:39 ID:LS7YxjkM

(少年からKUNRENの説明を受けながら途上を進み)
(やがて見え来る建物の前で足を止める)


 ほうほう……。
 つまりKUNRENで起こった現象は現実世界に反映されることはない、ということで合ってるかな?

 成る程、実に興味深い。
 始原、神は混沌の内より七日にて世界の創造をした。……このKUNRENもまた一つの世界と認めるならば、ある種これは神の所業だ。
 火に始まる人間の文明は、遂にここまで辿りついたか。それが善かはさておくとして、偉業には違いあるまい。


 さあ、そろそろ行こうか。何だか年甲斐もなく緊張してきたぞ……。


(中に入り、然るべき手続きを済ます)
(仮想空間を展開、構築。様変わりする世界――)



 //ステージはお任せします! 宜しくお願いしますねー

37名も無き邪気眼使い:2011/03/06(日) 23:42:45 ID:IjTFg7UM
//ステージ了解、こちらこそー

「(…人間、ね…はてさて…こーいうタイプは額面通りに受け取ると…)」

KUNREN内部
何も無かった空間に彩が加わる
フィールド転換――世界の改変はごく自然に、スムーズに移ろう

「(……痛い目みる、パターンかな)」

【ステージ:陸上競技用グラウンド】

「ま、運動って事だからこんな感じでどうスかね?」

グッと伸びをし、身体をほぐす

「因みに、この風景、戦士科とか体育会系学科が実際使ってる敷地の模写っす」
案内も兼ねての一石二鳥だぜ!と、したり顔

400メートルトラックが走るグラウンド
整地された平坦な地面の中心に二人は向かい合うように立つ
起伏の無い、戦場としてはいたってプレーンなフィールドであった

「さて、と」

パン、と乾いた音
赤いマフラーの男は拳を平手に叩きつける

「んじゃ、ボチボチ行きますか……あ、そういやぁ」


「名前、聞いて無かったっすね」
一度、頷いて

「俺は、甲(カブト)――魔道園芸科3回生…そんで」

「邪気眼大学公式自治会"邪気会"、実働部隊《十》の【五】」

短く、呼吸を整える

「以後ヨロシク」

戦闘態勢へと――気配を緩やかにシフトしていった

38名も無き邪気眼使い:2011/03/07(月) 17:19:02 ID:q1Jn9FIs

 ほう…、中々良いグラウンドだ。
 広大なのは勿論、芝生やトラックの地面を工夫する等、利用者に細かな配慮をしているのが素晴らしい。
 これを見る限り、部活動も盛んなようだね。健全なことだ。


   (陸上競技用のグラウンド…、か。
    戦闘に際してこれといった障害物は無し。土質にも機動力を阻害する要素はない。

    面白い。純然たる戦場、という訳だな。
    公平性が期されている点を鑑みれば、「リング」と表現しても差し支えはない。不慮や不幸を最大限排除した、フェアなステージ。
    ふん、この男の騎士的な精神が伺える。…いや、もしくは……。)



 ――――邪気眼大学公式自治会"邪気会"、実働部隊《十》の【五】。か。


   (道理で、と言った処だな。
 
    物怖じしない態度。自信に満ちた表情。
    機関によるサーベイで報告は受けている。組織的に統率された治安維持部隊――”実働部隊”、”風紀委員”。
    敵対組織の工作員の撃退や、襲来した魔獣の討伐等、戦果も瑕無しの上々……部隊出身の生徒の働きは、海外でも高く評価されていると言う。

    名乗ったナンバーは【五】。                        サイクロンレッド
    と云うことは……報告に記載されていた、要注意リストの――――『赤き疾風』。)


   (…………宜しい。燃えて来たぞ、青二才。
    貴様のチカラ。このカノッサ機関最高戦力「守護天使」に何処まで通用するのか、試してやろう――――。)


 ……甲。戦士には良き名だ、覚えておこう。

 先に名乗られたからには、こちらも名乗り返さねばならん。
 願わくば、君の記憶に残る戦いをしたいものだな。――――我が名は、エルガ。エルガ・ジオ・ヘリオガバルスだ。エルガと呼ぶと良い。

39名も無き邪気眼使い:2011/03/07(月) 17:20:22 ID:q1Jn9FIs

 さて。

 ……やれやれ、いかんな。
 年甲斐もなくわくわくしているよ。こんな欣喜雀躍とした心地は、どうにも久方ぶりだ。
 こう云うのを「血潮が滾る」、とでも呼ぶのだろうね。私が若かった頃を思い出す……あの頃は本当に楽しかったのだが、今となっては、な。


 ―――――― 【夜を灼き尽くす天空の主。汝、君臨せし遙かなる頂より来たれ】。


(直後、空から来たる強風が勢いよく吹き荒れる)

(ただの風ではない)
(肌が焼け付きそうな熱を内に孕んだ、熱風)
(否、それともまた違う。太陽の息吹を宿したこの風は、太陽風と呼ぶに相応しい)


 どうやら久しぶりに、戦いを純粋に楽しめそうだよ。……甲君。


(神父は悠然の余裕を湛えて甲に微笑む)
(余裕を一瞬でも奪ってみせろ、と挑発でもするように)

40甲/"邪気会":2011/03/07(月) 18:01:37 ID:ZtIkha.o
>>38
「(…ここなら)」

遮蔽物ゼロ
見通し良好

「(ここなら…"偶然"は、無ぇ)」

どうやら、目の前の神父は実力を隠している………っぽい
あくまで推測の域を出ないけど
……勘だし

「(…まぁ、"ここ"じゃ良くある事だけどな…)」

能ある鷹はなんとやら
理由はどうであれ
隠した能を見たくなるのは――最早本能か

「(――…さて、蛇が出るか鬼が出るか…)」

――キィン
甲の左目に一瞬、緑色に光る螺旋模様が浮かび…消える

「(逃さずこの"眼"で――邪気眼、"螺旋眼"で見極めてやらぁ)」

邪気眼の覚醒に呼応して、周囲の風が僅かにぶれた

「ヘルガさん」

短く、告げられた名を呼び

「――行くぜ」

先制の一歩を踏み出す
ステップは軽く
動きは滑らかに

――ヒュッ…!!

されど確たる威力を乗せた右拳が
正面からヘルガに振るわれる

41名も無き邪気眼使い:2011/03/07(月) 18:08:29 ID:ZtIkha.o
//何という>>39見落とし…!
//…スイマセン…最後の方の部分を

「(――…熱っ…ちぃな!)」
身を焼く程の熱風を身に受け――されど切り裂き
確たる威力を乗せた右拳をヘルガに向けて振るう


//…に、変更願います
//…スイマセン

42名も無き邪気眼使い:2011/03/07(月) 18:10:43 ID:ZtIkha.o
//ヘルガ×
//エルガ○


//…ああもう俺の馬鹿…!
//重ねて申し訳ありません

43名も無き邪気眼使い:2011/03/07(月) 22:00:06 ID:q1Jn9FIs

   (――――、ほう。
    一瞬だが、彼の左眼に映ったあの紋章は「能力の象徴」か? ……つまりこの男、そうか。邪気眼能力者!

    ははッ! 何たる幸運!
    『機関』の計画の最重要ファクターに、こんなにも早期に遭遇できるとはッ!
    やはり邪気眼大学ッ、異能力者をたんまり溜め込んでいる…ッ! 『眼』を欲する我らにとっては、まるで金銀財宝の山のようではないかッ!!)



(エルガがそれを知覚したのも束の間)
(足で地を滑るように、甲の身体がするりと間合いを詰める)

(熱風を切り裂く拳)
(真正面を切って豪速で放たれたのは、甲の繰り出す先制の右拳)
(エルガはそれを避けず、あるいは防ぐことなく、)


(手を前方に突き出し、掌で受け止めた)


(大地が震える衝撃)
(身を灼く熱風が砂塵と共に吹き散らされ、霧散する)
(ジャジャジャジャジャッ!! と、足が凄まじい衝撃で後ずさる耳障りな音)


   (初手は単純な殴打攻撃。
    出方を窺うつもりだったのか、それともこれが甲の主力砲なのか。

    何にせよ、……軽いジャブ程度では済まない力だ! 強力な直線攻撃……? 砲弾や鉄塊を高速で投擲したような威力だぞッ!!)


(拳を止めた掌から腕全体に伝わる衝撃の余韻)
(直撃を想像すれば背筋を凍る程の威力)

(だが、表情は崩さない)

44名も無き邪気眼使い:2011/03/07(月) 22:02:09 ID:q1Jn9FIs



 …ふ、若いとは素晴らしいな。

 手で受け止めるなんて無茶をしなければ良かった。腕が痺れてしまったよ。
 折れずに済んだのは本当に幸いだ……。これに懲りたら、少し戦い方を慎重な戦法に変える必要があるかも知れないな。

 さておき、賞賛に値する先手だった。
 ならば後手は、それに劣らぬものをお見舞いしてやらねばなるまいね……。



(掴んだ甲の拳を離さず、逃がさず)
(神父を起点にして膨張する熱波の暴風が、近接距離で甲に襲いかかる)

(もう片方の自由な手が、橙色の輝きを宿す)
(硬く握り込み、拳となす)
(太陽のような眩さを手に入れたそれを、弓のように後ろへ反って引き絞り、威力を高めて行く)


 さあお返しだ、甲君。
 君のような膂力は持っていないが……我が大いなる太陽の力、その身に灼き付く痛みと熱で存分に味わうと良い。


(一定温度を突破した熱が空気を歪ませ、景色が波打つ)
(そして、)


  ヘリオグロシア
 『太陽の手』――――!


(瞬間、莫大な光熱を纏った拳が振り放たれた)
(極熱の拳が軌道上の大気を蜃気楼のように歪ませ、衝撃と共に業火に包む炎熱の一撃)

45甲/"邪気会":2011/03/07(月) 22:17:48 ID:rn5uLWMA
>>43
「(―――受けるかぁ…ッ!!)」

拳が相手の掌に打ち当たる感触を経て
驚嘆に眼を見開く

徒手空拳を戦闘スタイルに置く甲において、"右のストレート"は主たる攻撃法の一つで絶対の自信を置く
故に
初撃でありながらも当然、威力を抜く様な怠慢はしておらず

「(言動や、初動の範囲攻撃からの憶測―――遠距離型かと思ってみれば…!)」

――グンッ
赤いマフラーが下方に流れる
頭を――上半身を下に倒し

「(とんでもねぇ!……"ガチンコ"まで行けるってか…ッ!!)」

軸足を踏み締め、素早く身体が半円を描く

「―――せッ!!」

クロスレンジからの強襲
左側面から二連―――右拳を抑えた腕に向け蹴りが伸びる!

46甲/"邪気会":2011/03/07(月) 22:19:25 ID:rn5uLWMA
//もう、本当ゴメンなさい…
//>>45 無しでお願いします
//>>44受けて、書き直しますわ

47甲/"邪気会":2011/03/07(月) 22:46:04 ID:rn5uLWMA
>>43>>44
「(―――受けるかぁ…ッ!!)」

拳が相手の掌に打ち当たる感触を経て
驚嘆に眼を見開く

徒手空拳を戦闘スタイルに置く甲において、"右のストレート"は主たる攻撃法の一つで絶対の自信を置く
故に
初撃でありながらも当然、威力を抜く様な怠慢はしておらず

「(言動や、初動の範囲攻撃からの憶測―――遠距離型かと思ってみれば…!)」

"受け止められて""掴まれて"――解った

「(とんでもねぇ!……"ガチンコ"まで行けるってか…ッ!!)」

「――あ、ぢ…!」
ジリ…と身を焦がす熱波
見据えた先には
「(俺のこの手が真っ赤に燃える―――ってかぁ!?)」
小さな太陽と化したエルガの拳が迫る

避けるか?―――否、遅い

ならば

迎撃だ

「ん―――なくそぉオオ!!」

左眼に再び顕現する螺旋模様
緑色の煌きは瞳の中で渦を巻き

キィイイイイイイイイ…!!

その力の鳴動に呼応する風が、甲の左拳に渦を巻き――収束する

―――ドォンッ!!

迫る【極熱の拳】に、渦巻く風が纏い集った【風の螺旋の拳】を打ち当てる

集いし風は、夥しい熱に急激に温度を上げ


「ブッ飛べ…!!」


膨張、炸裂――荒れ狂う

481/2:2011/03/08(火) 00:26:21 ID:KaV2QimY


   (ハッ、温いぞ若造め。読み間違えとは!
    驚愕とは硬直、硬直とは行動不能ッ、行動不能とは的ッ、的とは即ち敗北ッ!! それ故つまり、この一手でチェックメイトッ!!

    さあ、身も魂も灼き尽くす業火に呑み込まれろッ!!)


(昂揚と共にエルガの左眼に浮かぶ、異能の紋章――「太陽」)
(景色を熱に溶かす極熱の拳を、振り抜き)

(……刹那。甲の左眼に、またも渦巻く緑閃の紋章が現れた)


 な、に―――ッ!?


(振り抜かれた【極熱の拳】)
(迎え撃ったのは、甲の放った【風の螺旋の拳】)

(ドォンッ!! という轟音と共に、唸りを上げる二つの拳が激突した)

(瞬間、質量を増し増幅する風)
(お互いの打ち込んだ衝撃をも飲み干して、暴風の塊が破裂し吹き荒れる!)


   (あの硬直した瞬間から立て直した、だと!?
    しかも回避行動ではなく、迎撃……ダメージを緩和、相殺する為に必要な選択を、刹那の内に行ったと云うのか――――ッ!!)


(甲の拳を喰らうはずだった極熱の業火は、風に攫われる)
(空を踊る火の粉の群れ)
(風に舞う芝生たちが火種を受けて燃え上がり、暴風が炎を纏って暴れ狂う)

(炎に飲まれる寸前、足下の地面に太陽風を思い切り叩き付けた)
(弾き飛ばされるようにその場を脱出するエルガ)

(空中で軽やかに反転、柔らかく芝生の上へ着地する…)

492/2:2011/03/08(火) 00:27:26 ID:KaV2QimY


   (む、……暴風の圧力か。
    腹部に鈍い痛み。戦闘行為に支障を来す程ではないが。…さながら風の拳に殴られたような、そんな感触だな。

    それにしても、思った以上にやる。
    少し遊んでやるつもりだったが。中々どうして、良い勝負ではないか。
    ……フン、忌々しいな。これは『意志』の力か。どんな強敵が来ようと、どんな逆境が立ちはだかっても諦めず、立ち向かっていく『信念』の力。

    …悪が一番苦手なものだ。
    何せ叩き潰しても叩き潰しても湧いて来るのでは、キリがない。疲弊するだけだからな。)


(太陽風を放ち、業火を纏った風を吹き散らす)

(多少のダメージは負っているものの、余裕の表情を作って甲に微笑んだ)
(心理戦。謂わば精神攻撃の類だ)


 どうだね、甲君。
 君の期待に応えられるような善戦が出来ていると嬉しいのだが。
 何分、私は神父だ。戦士ではない故、戦闘行為は得手ではない。なので多少の瑕疵は見逃してくれると、こちらとしても有り難いね。

 言ったろう? 若い頃はやんちゃだった、と。
 身体の動かし方……いわゆる体術については、多少の心得がある。

 と言ってもちゃんとした格闘技術という訳ではなく、どちらかと言えば”喧嘩殺法”のような雑な戦い方なんだがね。


 無論この能力ならば、遠距離から地道にヒットを狙う戦術の方が賢いと言えば賢い。
 わざわざリスクを負って前に出る事はないのだが……。


 ―――それではつまらん。君が拳を選ぶなら、私も己が拳で闘おう。


(それは、優劣を捨てた勝負)
(楽しむ為の戦い。近接戦闘勝負への招待状)
(太陽のように輝く拳を甲に翳すと、相も変わらず悠然たる笑みを浮かべた)

50名も無き邪気眼使い:2011/03/08(火) 13:02:26 ID:KQmR7bgg
「あ!ぢ、ぢ!ぢッ!やっべやっべ……けど」

「間一髪、危機回避…っと」

炎熱地帯から滑るように離れ

「(あー…やばかったぁ…!)」
ザシッと
芝が黒く煤けたグラウンドを踏みしめる
「(思った以上に、いや…まだまだ所詮“俺が思った以上”にしか実力は見えねぇ…)」
ペッと、砂を噛んだ唾を吐き捨てて
距離を置き、余裕の言動を見せるエルガを見据える

「(…全容を見る為の鍵は多分一瞬見えたあの眼…ありゃあ…邪気眼、か…?)」

「へ、喧嘩慣れしてんのはよーく分かった」
底知れぬ気配に負けないように、呑まれない様に声を出して
「受け止め方も反撃も荒っぽい…あぁ、こりゃあおよそ点数を取る為の戦い方じゃねぇ」
近距離に誘う様なエルガの態度に
ニィッと
獰猛な笑みを返す
「相手を、ブチのめす為の戦い方だ…ってね」
だから、強いんだ、と呟いて

瞬間、甲の気配が一段階シフトする
黒色だった頭髪が―――紅蓮の赤色に染まり行き
周囲の熱風が逆巻き束ねられ天に昇る

「――じゃ、ラウンド2…って事で」

赤髪発現は邪気眼能力行使の第二段階の証

左眼に浮かぶ螺旋模様―――甲の有する邪気眼『螺旋眼』は輝きを増す
『螺旋眼』の邪気眼能力は“触れたモノに回転力を付与する事”
その効果は物質だけに留まらず大気や、魔力・邪気と呼ばれる不可思議なエネルギーにすら影響を及ぼす

そしてこの状態の甲は

その能力を自らの身体に流れる血流や邪気眼より来るエネルギーに行使する事で
筋力、反応速度等身体能力の飛躍的向上を促進させていた

極近距離を自らの戦場と見定めた上での
甲の戦闘スタイルの真骨頂とも言える姿であった

―――ドンッ!

地が爆ぜる
先制時と同様の直線的な突進
ただし速度は先程の比では無く

「“螺旋”」

右拳を振り被る

「“噴射跳躍拳ッッ”!!!!」

ギャァアアアアアアアア!!
その拳が回転し、唸りを上げ

甲、真骨頂の2

大気を貫き疾走する――唸る鉄拳《ロケットパンチ》が放たれた!

511/1:2011/03/08(火) 16:52:51 ID:KaV2QimY


(赤き疾風と化した甲が、螺旋の力を込めた拳を放つ)
(回転の唸りを上げる鉄拳)


   (拳が、凄まじい回転をしている!? 純粋な人間では有り得ない……まさかこの男、「改造人間」か!!)


(ストレートを掌に受け止めたエルガは、即座に直感する)

(格段に上昇した速度。そして回転の突貫力)
(――もしこれの直撃を貰えば、平均的な人体ではとても持ち耐えられない)
(その上、大きく回避するには飛来が速すぎて間に合わない!)


 疾い――――だがッ!!


(太陽風を掌に極限圧縮――解放)
(炸裂する熱の暴風が、純粋な直線運動のエネルギーをかき乱す)

(そして、螺旋の拳はエルガの顔面スレスレを過ぎる)
(衝撃に髪の毛が数束散り、頬に血飛沫が走り、尚エルガは壮絶に笑顔を深めていく)
(悠然とした笑顔は形を潜め、現れたのは獰猛な戦士の表情…!)

(ギラリ、と甲を捉える左眼の邪気眼)
(太陽の力を秘め、宿し、放つ、特異なる眼 「黒曜眼」――!)

                      ヘリオグロシア
 さあ、今度こそお返しだ……! 『太陽の手』ッ!!


(そして)
(エルガの足下で圧縮された太陽風が、一気に炸裂し)
(解放された熱が蜃気楼を引き起こし、距離感が歪んだ景色の向こうから高速で迫る橙色の光と人影)

(爆発的な推進力を得たエルガの、【極熱の拳】が真っ直ぐに甲へ襲いかかる!)

52甲/"邪気会":2011/03/08(火) 18:23:40 ID:KQmR7bgg
攻撃をかわされても尚
―――前進する足は止めない

「(左手は――――)」

迫る、激熱の拳
陽炎を見せる程の強烈苛烈な一撃に

「(―――くれてやるッ!!)」

迷う事無く左の掌を差し出した
ボウッ!!
瞬時に肩まで燃え上がる甲の左腕
芯まで響く炎熱は、改造人間たる甲の、内に秘めた鋼の素体すらも露わにし、歪めていく

「――ぎ、が!ぁあ!」

その熱を至近距離で受け止めたダメージは左腕だけでは留まらない
駆け巡る痛みは全身をくまなく蹂躙し
歯を喰いしばる顔は身を焼く苦痛の色に染まる

「(だけど)」

そして

「(闘える身体は)」

甲は、そこで――更に行動を起こす

「(―――残った)」

――ガキンッ
跳ばした右拳が戻る

「…見え、たぜ…!それがアンタの、本当の貌か…!!」

立ち位置は互いにぶつかりそうな程のクロスレンジ

「お―――――――」

そこは、甲が最も得意とする距離感で―――拳を一段強く、握り締める

「――――ぁああああああああッ!!」

満身創痍の全身が弧を描き
三度振り上げた右拳が、遠心力という破壊の力を乗せ――エルガの顔面を狙い振るわれた

531/2:2011/03/09(水) 14:21:44 ID:qhfU2ZFQ

(打ち放った拳に伝わる直撃の感触)
(獣のように立ち上がる業火)
(だが当たったのは、エルガが狙った腹部ではなく――)


   (左、手…ッ!!
    致命的なダメージを最低限逃れる為に敢えて犠牲を差し出したッ、それも一瞬の躊躇もなく……ッ!?

    それも一合目の『リフレイン』!
    私が貴様の拳を受け止めた時と、全く同じ状況と手段で防ぐとはッ!!
    味な真似をしてくれる……先程の壮絶な「限界突破」――エクシードシフトといい、これが邪気眼大学の学生のレベルだと言うのか……ッ!!)


   (だが……。
    私のこの『太陽の手』は、接触した部位は無論ッ!!
    火熱が体内へと入り込み、地獄の業火が如き苦しみを正しく全身に駆け巡らせる”戦闘能力低減”の効果をも持つッ!!
                                              イ タ ミ
    受け止めた代償は大きいぞ――――背負って立てるかッ!? その十字架ッ!!)


(エルガは、再び拳を握り締める) .プロミネンス
(止めの一撃……燃え盛る劫火、『紅炎の皇』を纏いし拳)

(対象を火で包むような効果はない)
(ただ単純明快な、”太陽風の爆加速と、凄まじい太陽の力を込めた拳”)
(超近接戦闘において、エルガが持つ最高の一撃)


   (苦悶に呻いている処を悪いな、甲。
    闇に棲まう者にとって、敗北とは死へと直結する。……この場で命を落とさぬだけでも、貴様は幸運だッ!!)


(勝利を確信し、拳を引き絞るエルガ)
(しかしそれと全く同じこの瞬間、――――ガキンッ!と、甲の右腕に、「砲弾」たる拳が舞い戻った)

542/2:2011/03/09(水) 14:24:22 ID:qhfU2ZFQ


          オートマティックリロード
   (――――. 自動式再装填……ッ!!?

    何と云う迂闊……ッ!!
    投擲武器の帰還が、まさかここまで速いかッ!! ……クロスレンジッ、最早どのように動いても回避しうる確率は限りなく低い……ッ!!

    ……否、否ッ!! 否否否否否否ッ!!
    なればッ!! なればこそッ!! 面白いッッ、これぞ近接戦の醍醐味よッ!!
    我が間合いも同じくクロスレンジッ!! 拳にとっては最高の間合いッ!! 貴様の『赤き疾風』と我が『太陽の風』、どちらがより速く、どちらがより強いかだッ!!)


 おッ、―――おぉぉおおおぉおおおおおおおおおぉぉぉおぉおおおおおおおおおおッッッ!!!!


(咆吼と共に、神父の左眼に浮かぶ太陽の紋章)
(金色の輝きを放つそれは、「黒曜眼」の発動を意味する太陽の光輝)

(紅蓮が燃ゆる黒曜の拳)
(遠心を集めし螺旋の拳)                       クロス
(同時、同刻、同瞬で放たれた双つの拳が、雌雄を決するべく十字架を描いて放たれた!)



(ドゴォオンッッ!! と、――――決着の轟音が響く)




(一瞬の動転の後、焼け焦げた芝生の上には蠢く神父の姿)

(どうやら衝撃で、大きく吹っ飛ばされたようだ)
(もうもうと立ちこめる土煙の中、芝生を地面ごと強く握り締め、未だに立ち上がろうとしていた…)


   (……ッ!! 効いた、ァ……ッ!!
    良い一撃だった……ククッ、直撃部位が文字通り消し飛ばされたかと思ったぐらい、だ……ッ!!
    いかんな。つい燃えてしまった……戦士の性か、やはり抗えぬ。この調子で仮初めでも神父の務めが果たせるのか、疑問だな……っ。

    勝負は、どうなった……。
    我が拳は、奴のそれより先に届いたのか…? そして、奴を吹っ飛ばせたのか……ッ!?

    判らん……ッ! 奴はッ、……土煙の向こうで、どうなっている……ッ!!)

55甲/"邪気会":2011/03/09(水) 17:51:48 ID:JME82fXU
『―――螺旋…眼…』

立ち込める土煙の向こうから聞こえる“声”

『…決…戦、お、ぎ…!』

喰いしばる様に、振り絞るように紡がれる言葉に

―――ブォウ

一際大きく膨らむ気配は土煙を―――大気を揺らす

『“俺の――――――――”』

やがて膨らむ気配は、ある一点に集中、収束して行き
もうもうと巻き上がった土煙は渦を巻き、“形”を成す

周囲のあらゆる大気を、エネルギーを巻き込み束ね
大地すら揺する唸りを上げるそれは甲の最終奥儀――――魂の“形”

『“――――――ドリル…ッ!!!”』

土煙の中に立つであろう甲に、引き込まれるように風が吹く
突風が土煙を晴らす頃

紅蓮のドリルが、風の中心に立つ甲の
天に突き上げた右手に顕現していた

―――ズ…

気配が前を定め
甲は一歩を踏み出す

突き抜ける様な膨大なプレッシャーはエルガを捉え

そして

「――――…ち…」

そこで

「(…ダーメだ…無理、これじゃ…)」

薄氷が砕ける様に――――紅蓮の魂は霧散した

キラキラと
弾けた赤の粒子が舞い散るフィールドで


「…………………………ぐふ」


左半身をほぼ焼失した甲は、前のめりで倒れ込んだ

56名も無き邪気眼使い:2011/03/09(水) 21:44:45 ID:qhfU2ZFQ


   (な、に――……!? まだ、立つだと……ッ!?)


(衝撃で立ち上がった煙霧の幕)
(その向こうで膨れ上がる戦意、土煙を巻き込んで螺旋する強大な邪気)


   (『太陽の手』と『紅炎の皇』、この二つがその身に直撃して……それでも尚ッ!?
    馬鹿な、有り得んッ!! 有り得ん、が……ッ!!
                                   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
    これまで『機関』を苦しめてきた能力者共は、確かに立ち上がってきたッ!!
    世界中で誰もが諦め、膝を付く――――そんな絶望的な状況で、それでも立ち上がって来る奴らが、我々に幾度となく屈辱を味わわせたッ!!
    潰しても、何度叩き潰してもッ!! どれだけ傷つこうと、あたかも己を省みるのを知らぬ様にッ!!)


   (忌々しい……ッ!!
    これ以上の力を解放すれば、『神父=エルガ・ジオ・ヘリオガバルス』ではいられなくなるッ!!

    だが、もし!
    もしこの男が、今後『機関』にとっての脅威となり得るのなら……。
    ……『守護天使=【曜】 七天七陽のジオジャエルガ』としての全力を解放してでも、ここで潰しておく必要があるのか……ッ!?)


(その場合、潜入捜査という任務は失敗)
(それによって負うリスクとペナルティを受けて尚、この男を抹殺しておくべきか否か)

(グシャリと地面を握り潰し、立ち上がる「神父」)
(解放キーである頸のロザリオに指をかけ、状況を慎重に見極める)
(微かに見え来たるのは……渦巻く螺旋の風の中心で、巨大な紅蓮のドリルを天に翳す甲の右腕)


   (単純直線運動による破壊力重視の一撃必殺ッ!
    防御は度外視ッ! 直撃は絶対回避ッ! 反撃を一旦戦略外に配し、全力で攻撃範囲から逃れることッ! まずはそれだけを優先するッ!!
    攻撃速度は弾丸と同値と仮定し、引き金が引かれる前に銃口の向きから軌道予測ッ!!

    だが、何処までが攻撃範囲だ?
    螺旋を描いているということは、掠っただけでも最悪、急激な回転に巻き込まれる形で直撃を貰う羽目になるッ!!)

57名も無き邪気眼使い:2011/03/09(水) 21:45:36 ID:qhfU2ZFQ

(甲が一歩を踏み出す)
(エルガは呼応するように、ロザリオを掴む指に力を込める)
(これをひと思いに引き千切れば莫大な力を取り戻せる……だが、しかし……!)


(その時)
(ドリルが突然、その姿を瓦解した)


 …………、……何?


(破片は霧散し、赤色の結晶となって周囲を舞い散る)
(そのまま倒れそうになった甲を、エルガは寸前で駆け寄って支える)


   (………、これは。
    これだけの大怪我を負っていたのか。『紅炎の皇』と爆速の拳を、クロスカウンターで直撃すれば無理もない、が。

    それでも立ち上がり、あれ程のプレッシャーを掛けてくるとは。
    …全く、若くして恐れ入る実力と執念だ。もし順調に成長したら、何れ程の脅威になることか。
    そういう意味では、……ここで抹殺しておいた方が確実に無難だろう。命令違反で罰則どころか、むしろ本部から褒賞を受け取っても良いぐらいだ。)


   (……、だが。)


(エルガは甲を抱えたまま、仮想空間の解除申請を行う)
(幻想が現実へ還る)
(その過程で、二人の負った傷も嘘だったかのようにみるみる消えていく)


   (フン、忌々しい。が……悪くはない。
    精々見せてもらうとしよう。未だ青き若芽の戦士達が、一体何処まで成長してみせるのか……この、”異端の楽園”の中で、な。)



 ――――やあ、甲君。具合はどうかな?

 いや、君には全く本当に参った。
 やっぱり無理して若者と張り合うのは良くないものだ。心なしか、腰を痛めてしまった気がする。
 最後の方は大怪我させて済まないね。この「黒曜眼」はどうにも出力が強すぎてしまって、私でも安定して行使することが出来ていないんだ。

 軽い”運動”のつもりが、大分激しくしてしまった。
 おかげで空腹に据えかねて、腹の虫が騒ぎ出しそうだよ。さあ、早い内に飲食街で何か胃に入れるとしようか。

58名も無き邪気眼使い:2011/03/09(水) 21:46:18 ID:qhfU2ZFQ
//ぐおおおナンバー振り忘れた! 2レスあるんで気をつけてください!

59甲/"邪気会":2011/03/09(水) 23:42:53 ID:h2A9TxrA
>>58//大丈夫、俺は学習するのだ―――!!

意識を取り戻してKUNRENの外

「…」
ブスッ
ふくれっ面であった

「くっそ!負けた負けたぁ!あー…軽い運動どころの騒ぎじゃねーよ、もう死闘じゃんあれ…あー!」
頭を抱えてしゃがみ込む負けず嫌いが一匹
「(……ガチ、だからこそ…チクショウ…尚更悔しーぞ…!)」
神父の爽やかさが余計に心に響く、びしびしと

「(あと、嘘付けコンニャロウめ…あんなキレの有る動きした隠居がどこに居るってんだ…!)」

先のKUNRENで見せた獰猛な表情から一点
爽やか過ぎる程に爽やかな神父にジト目を向けて

「えぇい、仕方ねぇ!」
気分を切り替える意味を込めて、気合いの言葉と共に立ち上がった

「次は―――ぜってぇ勝つ!」
人差し指をエルガに向けて意思表示を放ち

「………って」
首を捻る
ん……?……"飲食街"?

「あ…そうだこれ、邪気大案内の途中じゃねぇか…」

闘いにのめり込むうちに当初の企画を失念していた
よくあること
よくあること(大切な事なのでry)

何と言うか、上がりに上がったテンションを抑える様に
バツが悪そうに苦笑しながら頭を掻いて

「…じゃ、次の目的地に行きますか」

目的の"飲食街"へと足を向ける


………
……

先を歩きながら
ふと思い返す

「(…しかし)」

「(……こくようがん…炎熱系の邪気眼か?…珍しいな、邪気眼使いの神父…)」

「(…いや、それよりも)」

「("余力"……まだまだ、隠してやがったな…)」
KUNRENでの戦闘
その最後の瞬間が眼に焼きついている

神父――エルガは最後

"何をしようとしていた?"

「……チ」

「(底の知れねぇ、人だこと…)」

良い匂いが前方から流れ来る
時刻は夕刻
食堂街は既に活気付いていた

60名も無き邪気眼使い:2011/03/10(木) 03:20:30 ID:nq.px006
別にどこだという名前は存在しないが、敢えて言うならそこは飲食街の近くであった
一人、ボーっと突っ立っている学ラン姿のメガネをかけた少年がそこにはいた

「……あっ?」
数十秒して、突如、素っ頓狂な上擦った声が彼の口から飛び出る
それと同時に首をキョロキョロと何度も動かして周囲を見回した

「……はぁ、今度は外か…うう、寒いなぁ…」
誰かが聞いているわけでもないがそれでも意思表示をする
正直なところ、そうしてないとやりきれない気持ちが処理できないのであろう
足を擦り、両手で腕を抱え込み、いかにも寒いという状態をアピールしている

「寒い…せめて、どこか暖を取れそうな……?」
言葉を途中で止め、何かを気にする少年
匂いだ
食欲を程よく刺激し、思わず空腹を感じずにはいられなくなるような芳しい食の香りだ
方向を辿れば、それに釣られる多くの人が見える

「今は夕方、か。人が多いとこなら暖かそうだし、お腹も空いたし…」
虚しく響く腹を手で抑えながら
少年はそれを満たすべく、急ぎ足で目的地へと進んでいった
ただし、大まかな目的があるだけで、細かなことなどは何一つ決めてはいないのだが

さて、目的地に入ると、その人の数がどれほどのものかというのがわかる
通行するのに困るほどではないが、それでも少ないというわけではない
所によっては長蛇の列が出来上がっているからだ

(えと……どうしようかな…)
このような場所を訪れるのは片手で数えるほどしか経験がない少年は
勝手がわからない、というよりその情報量の多さについていけず頭を悩ませている
キョロ、キョロとその首の動きはしばらく止まりそうになかった

61名も無き邪気眼使い:2011/03/10(木) 18:42:04 ID:N7gcC/tc


「やはり夕方になると混んできますね……、ここの定期巡回もラクじゃない。」

 寸分の隙も無いビジネススーツ、自信に満ちた鋭い目付き――そして、眼鏡。
 と、三拍子揃った、いかにもインテリ系の青年は食堂街を前にしていた。

           イタズラ
(……邪気眼能力による"軽犯罪"の多発に伴う警戒の強化、か……まるでスローガンだな)

             ジャッジメント
 邪気眼大学における自治組織『風紀委員』が下した、今回の『任務』は漠然としていた。

(原則、課外での能力発動は慎むべきとあるが。事実、ある程度は黙認してきたというのに……、これは過剰反応すぎやしないか?)
(たしかに、先の学生寮を一棟まるごと凍結させた件は並大抵の事ではないが、それこそ、魔物や自然災害の可能性も未だ完全には捨てきれていない訳で……)

 未だに断言出来ていないのには理由がある。
 風紀委員が到着した頃には、すでに誰かの手によって学生寮はすっかり氷解しており、残留邪気を追うことは困難になっていたからだ。

 目撃者の証言によれば『突然、"花が咲き誇った"と思ったら、あっという間だった』らしく、
  ソナー
 "邪気探知"の結果、火属性に近いものが観測されたため、その『誰か』は火属性の邪気眼持ち"であろう"という見解に至った。

(……しかし、肝心の学生寮凍結の原因邪気は観測されず。邪気探知の観測結果をバンクにかけたら、その『誰か』とは新任の神父サマでした……、と)

 そこで、ふと、思い至る。

(もしかすると。この警戒強化は風紀委員に対する『御褒美』なのかも知れないな……ハハハ)


(……なにはともあれ、仕事は愚痴より精を出せ。気を取り直して、まずは仕事のお供を調達に参りますか。)
 浮かんだ苦笑いを押し込め、気を引き締めた青年は賑わう飲食街を歩き回る。
 昨日は油物だったし、今日はアッサリとパンにしようか、いや甘味も捨てがたいな、などと人の列を縫いながら店を見て回っていると――

>>60
 ――辺りをキョロキョロ見回す学ランの少年が目についた。

(……ん、何しているんだ?)

「おい、そこのキミ。少し聞きたいことがある」

 青年は高圧的な態度で少年に向かっていく。

62名も無き邪気眼使い:2011/03/10(木) 19:11:01 ID:nq.px006
>>61
辺りを見回していると、不意に強く主張する声が聞こえてきた
そこのキミ、というと不確定な部分があるが、それについては自分に向かってくる青年の姿で明確なものと成った

「あ、えっと…僕、ですか? 聞きたいこと…?」
もしや、怪しい人物、とでも思われたのだろうか
青年と同じくメガネをかけた少年はそう考えて、少し顔を曇らせながらそれに応対する

「道を尋ねる、みたいなことでしたら僕より他の人のほうがいいですよ…?」
時折、メガネがズレるのを直しながら相手の高圧的な態度に少し怯えの色を見せる少年だった

63名も無き邪気眼使い:2011/03/10(木) 21:27:25 ID:nU3qwl9Q

 ははは、今後の成長に期待しよう。

 若さとは『宝』だからね。
 己の進むべき道を見付けたなら、後は振り返らずにただ突き進む。……これもまた立派な一つの生き方だと、私は思うよ。


   (しかし、今回は少しばかり燃えてしまった。

    今後の戦闘では、邪気のセーブを極力せねばなるまい。
    あまり高威力の攻撃を繰り出すと、「神父」としての私の素性を疑われてしまう恐れがある。要らぬ疑いは避けるのが賢明と云う物だな。
    本当は戦闘を控えるのが最良の道だが、……まあ、客観的に無理だろう。) 


(二人で途上を進んでいると、賑やかな界隈に行き当たった)
(夕時の飲食街、多くの人々が喧噪を成している)


 おお! これは凄い。
 都市級の広域教育機関だけあって、おびただしい人が其処彼処を行き交っているな!
 いや全く、ここは連日こうなのかね? 料理の良い匂いもするし、まるで祭りか何かの会場に迷い込んでしまったようだ。

 さて、それでは何処で食べるか決めるとしよう。
 まず和洋中に、ジャンクフード。エスニック料理店もあるのか…何と、コンビニのチェーン店まで!

 …ふむ、ダメだ。
 選択肢が多すぎると、何故かかえって選びにくくなる。
 そうだ、甲君。折角なのだし、君のお勧めを是非食べてみたいもの……、………おや。


(目移りする視界に映った人影)
(眼鏡をかけた学ラン姿の少年と、スーツを着込んだ男の姿)


   (…あの学ランは、最初に遇った少年ではないか?
    そして、あのスーツの男。『機関』の調査に顔写真が載っていたはずだ。確か、『風紀委員』に所属している一人だったはず……。)


 あのスーツの青年、もしや『風紀委員』ではないか?
 あの様子だと、見回り・聞き込みをしているようだが……。この近辺で事件でも発生したのだろうかね?

64甲/"邪気会":2011/03/10(木) 22:22:33 ID:F934pv6.
>>63
「あぁ、俺のオススメで良けりゃあ安くてガッツリ行ける定食やが…って、ん?」
ガヤガヤと賑わう最中
神父が目を向けた方向に注意を向ける

「…げ、ありゃあ…あぁ、確かにジャッジメントっすね」
しかも、俺の苦手な奴だぁ…と渋い顔

互いに自治会という名目で存在する"邪気会"と"風紀委員"
繋がりは浅い訳では無いが、個々人間の好き嫌いは有るようで…

「それと一緒に居るのは……んー?」
見ない顔だな、と首を捻る
「学ランか…学び舎見学の高校生……かな?」

この大学制服無いし

っていうか
よく観察すると、どうも…からまれてるっぽい?

「ちょい気になるな…行ってみますか」

でも、ジャッジメント苦手なんだよなー…とかブツブツ呟きながら
流れる人垣の中佇む二人組みに近付いて行く

>>61>>62
「よう、何してんだ?」

気さくに声を掛ける赤いマフラーの男
風紀委員であれば恐らく、何度か顔を合わせた事も有るだろう【邪気会】の甲であった

その後ろには件の学生寮開放の案件の張本人
神父エルガを随伴していた

65名も無き邪気眼使い:2011/03/11(金) 11:52:45 ID:8HDjpQU.
>>62

「いや、むしろ私はキミに道を聞かれる立場にあると思うが……あぁ、すまない。私は雲路利 桧笠(クモジリ ヒガサ)、見ての通り『風紀委員』だ」

 学ランの少年に見えた微かな怯えの色に気付き、青年は手慣れた手つきで『風紀委員 第八席』と記された証明書を見せる。
(……正直、個人的な人助けのつもりだったが、この際身分をはっきりさせたほうが良いだろう)

「生徒による"イタズラ"の警戒巡回中なんだが、見たところキミは道に迷っているようだから声をかけた。目的地は何処だ、案内して……、ん?」

>>63-64
――よう、何してんだ。

 端から聞こえる気さくな声に振り向くと、まず目についたのは赤マフラーの男。
 いくら寒いとはいえ、こんな真っ赤なマフラーを首に巻くヤツといえば、青年の知る限り一人しかいない。

      甲
「……"実動部隊の五"、か。何をしている?見ての通り職務だ、キミも邪気会なら少しは検討が付くものだと思うが?」

 昨今の邪気眼能力の使用による"軽犯罪"の被害報告。
 その発生の警戒と抑制に伴う自治活動の要請は『邪気会』も『風紀委員』と同じであろう、と青年は考えていた。

 甲とは、各々の自治会の定期集会や巡回中に、顔を合わせる程度には知り合いなのだが。
 この、誰彼構わずに話しかけられる性格が、なんというか、少々苦手ではある。

「……ん」

 そこで、青年は甲の後ろに居る見知らぬ黒い外套の男に気がつく。
 背立ちが良く、厳粛な雰囲気を纏う男。よく見れば金の十字架のネックレスをしている。

(――見るに、生徒ではないな。誰だ?)

 もう少しよく"観"ようと、"眼"を細め、はた目に悟られないように制御しつつ――
     ソナー
 青年は"探波眼"を発動する。
 それは邪気、龍気、聖気、あらゆるエネルギーの情報を探知するタイプの邪気眼。
 しかし、発動者が得る情報は五感に変換された、いわゆるパズルのピースであり、専門知識によって解析しなければならない。

(……火を示す音階に混じって、大地の痛み。恵みの象徴を橙色に染め上げるパターン――そうか、この人が)

 そして、黒外套の男から観測したものは学生寮凍結の現場で観測したパターンと同じ、特異な火属性だった。
 バンク照合は他に任せていたため顔は知らなかったが、この黒外套の男が件の『新任の神父』ということになる。

「失礼、そこの方――ああ、そこの黒い外套のあなただ――私は風紀委員の雲路利 桧笠という。学生寮凍結の件について、少し話を聞きたい」

 人の往来のど真ん中に四人。
 迷惑そうに避けていく人の波が出来ているのだが、ヒガサには見えていなかった。

66名も無き邪気眼使い:2011/03/11(金) 15:10:02 ID:P6fjLAmU
>>65
「雲路利 桧笠、さん……風紀委員……」
相手の名前、そして所属を知った少年は、幾分か警戒していたのが軽減したが
それでも高圧的にこられるのは苦手らしく表情の上では変化はない
迷子になっている、という言葉を聞いて、自身が置かれている状況を説明しようと口を開く

「えっと、道に迷っているというか……、あ…」
ただどの店にしようか悩んでいただけ、と伝えようとすると、声が聞こえてきた

>>64
甲の後ろに神父、エルガがついてきているのなら気づくであろう
神父が最初に会った少年と、目の前にいるこの少年は別人であることを

そして、甲は気づけるだろうか、この”学ラン”の"少年"について
前に一度、出会った――というよりいたずらを仕掛けたことのある生徒だということを
それとも、メガネをかけてるが似ている顔だな、くらいには思い返してくれるだろうか

青年からの高圧的な態度に内心どうしたものかと思っていた少年は甲の存在を確認すると
瞬間的に顔を輝かせて

「あ、甲……っ?!」
少年は彼の名前を呼び、と同時に驚きの表情を浮かべる
右手で口を抑えて、困惑する少年

端から見れば、【邪気会】である"甲"の名を口にすることを憚られた、というように見えるが
しかしそれならばなぜ少年は"驚いた"のだろうか
――何故その名前を"呼べた"? まるで、そう言いたげに

67甲/"邪気会":2011/03/13(日) 23:44:30 ID:Oa3xmQVs
>>65
「まーなー…お前、いっつも職務中のイメージあるし」
ヒガサの返答に投げやりに返す
"はいはい、わるぅございましたね"的な感じ
こっちはこっちで、やや高圧的な、何というかエリートっぽい雰囲気が苦手であった

「夕飯時まで真面目なこったな、で…あぁ、なるほど迷い人ね」
ちら、と視線を学ランの少年に向ける
>>66
「えーと…見学の高校せ………じゃ、ねえじゃん」
顔を見て
名前を呼ばれてポン、と手を叩く

「確か、いつかの談話室で…えー…あー…おぉ、名前聞いてねーよ俺…」
記憶を探り探り考えるが、痛恨のミスを犯していたり

「いや、その切は……って、あん?」
マジマジと、様子を眺める
上から下まで一通り
目付きは割と悪い方な甲である、メンチ切ってる風に見えなくも無いが…

「何だ?イメチェン……いや、雰囲気変わった?」
首を傾げて問い掛ける
確か前回の談話室では、何かこう…もっとドシッとした物腰だったような…

「(何か別人、みたいな感じ…?)」
疑問符が頭上に見える

68ヒガサ/風紀委員:2011/03/16(水) 18:58:34 ID:h0shaUGA

>>66

「……?」

 道に迷っているわけでは、ない。
 と、いうことは一体、何に迷って……?

(……あぁ、なるほど)

 ここは食堂街。
 和洋中に留まらない"邪気大だからこそ"の店の多さに、初めて訪れれば誰もが思わず迷ってしまう。
 少年もその例に漏れず、というわけだ。

>>67

「……顔見知りなのか?」

 親しげな様子に……といっても甲は誰にでも親しげに接するイメージがあるが、少年も彼を知っているようであるし、ほぼ間違いは無いだろう。

 そういうことなら――

「少年の探し物はキミに任せたほうがいいかな?」

 見ず知らずの仏頂面より、気心知れた顔見知りに案内されたほうが良いだろう、と一歩身を引く。


 ただ、

(……イメチェン、ね)

 "雰囲気が違う"
 その一言は気になった。

69名も無き邪気眼使い:2011/03/17(木) 14:07:48 ID:d6WCHtTo
>>67
どうしようかと、少年は思った。
そんな気持ちが、焦りとして表情に浮かんでしまいそうだ。
とりあえず、ズレそうなメガネを元に戻した。

「(やっぱり、サイズが合わないや…)」
実は少年のメガネはその辺で拾った伊達メガネなのだが
なんでそんなことをしたかというとある種の偽装工作とでも言えばいいのか
それでもバレてしまっている辺り無意味でしかない

今ココで自分の状態について話してしまうことは、本当に問題がないのか
しかしココで隠したとしてどう考えても後で収拾がつかないような気がする

「えっと、その……は、話してもいいのかな……?」
とうとう、そんな疑問を質問者本人にぶつけてしまった

>>68
「あ、あの」
青年の高圧ながらも、それでも自分を心配してはいるということに気がついたのであろう少年は
少しビクついた様子を見せながらも青年へときちんと向き直り

「ごめんなさい、変に構えてしまって…」
顔を斜め下に向けながらもそれでもどうにか申し訳ないという気持ちを伝えられた
ちなみに、この状態、俗に"上目遣い"というのだが
少年のほんの少々ではあるが可愛げのあるこの表情、そっちの趣味の人が見れば危ない光景である

70名も無き邪気眼使い:2011/03/17(木) 18:01:19 ID:4EFUiF.M


   (『実働部隊』、『風紀委員』……。
    邪気眼大学の”治安維持部隊”とやらは、実質的に二つ。…と謂う認識で構わないだろうな。

    先入工作員の報告書を信じるなら、構内で目を引くのはこの両組織。
    まあ、暗がりでこそこそ這いずり回る『暗部組織』――そんな類も存在するにはするようだが。……フン、今は考慮の埒外で良かろう。
    カノッサの縄張りは元より闇の底。むしろそちらの方が御しやすい。)


 …、ん?
 ………、ほう。ははは、驚いたな。自己紹介の前に、私の属性を看破されてしまうとは。
 察しの通り。私が件の神父、エルガ=ジオ=ヘリオガバルスだ。赴任してきたばかりの新人だから、仲良くしてくれると嬉しいね。


   (探知系の能力。
    しかし、……まさか極限まで抑え込んでいるはずの私の邪気から、能力属性を易々と見破ってのけるか…。
    気配を完全に0にすることは難しい。…が、隠匿に際して相応の訓練は受けている。下手な探知能力ならば凡俗と誤認させる程度にはな。だが……。

    ……フン、全く忌々しい。
    まさに精密機械のような精度とは。やはり『風紀委員』も侮れん、と云うこと、か。)


 重要参考人としての、証言の要請かね? 宜しい。
 宜しい、が……。如何せん、この往来の中では人の流れを妨げかねんと思うのだが、どうだろう?

 ここは一つ。
 甲君がお勧めする定食屋で料理でも突きながら、ではどうかね?
 どうやらそこの学ランの少年は私の知り合いではなかったようだしね。改めて交友を深めると共に参考証言を取り調べる。正しく二兎の両取りと行こうではないか。

 それにそろそろ腹の虫が、動乱を起こしそうな気配なのでね…。

71甲/"邪気会":2011/03/17(木) 20:26:00 ID:0vf9Ss5I
>>68
「え?あぁ…まぁちょっと」
様子の違う学ラン青年観察を止め、顔を上げた
「顔見知りは顔見知りだけどー…なんかこう…」
人違いだったかなーとか考える程の変貌振りに

「むぅ」
と、考える仕草
「ってオイ、任せるのかよ…やれやれ…」
>>69
「何をだよ?」
そんなん俺が分かる訳ねー!と、内心ツッコミ

「(つーかよ、ワケアリっぽい導入だなぁ…)」
逡巡
深そうな話、聞こうか…聞くまいか…

「まぁ、聞くけど」
しかし答えは決まっていた
>>70
「いや、神父さんの腹の虫が動乱起こしたら火とか噴きそうだから…」
危ないから

とん、と一歩下がって
三人が見える位置へ
「つー訳で、だ」

「取り合えずメシにしねぇ?」

クイッと後方に見える赤暖簾を指差す
立ち話の間にも時間は刻々と過ぎる
限定メニューとか本日の日替わりとかその他諸々食べたいメニューが
売り切れるとちょっと困る

混雑も徐々に落ち着いてきた

72ヒガサ/風紀委員:2011/03/17(木) 21:31:16 ID:miX78BAg
>>69

「いや、構わない」

 チラと少年を横目に見て、幼さの残る様子に無表情を返す。
 正直、こういうタイプは苦手だ。

>>70

「あぁ、こちらこそよろしく、エルガ神父。
 私は神仏の宗教にあまり詳しくないが……、教会に懺悔室があれば愚痴でも聞いてもらいに伺おうかな」
 ……それはなにか違うような気がする。

(……ん、しまった。私としたことが、今まで気が回らなかったとは)

 ふと、言われて気がつくこの現状。
 何かに集中すると周りが見えなくなる点は、やはり学生である。

>>71

「――ん、あぁ。そうだな、そうしよう」

 丁度、腹の虫が微かにざわめきだした頃だ。
 あの赤暖簾の店がどんなメニューなのか、少し、期待しても良いだろう。

73ヒガサ:2011/03/18(金) 23:19:12 ID:fmmdYtJs
>>72
//学ラン少年へのレスを訂正
//あからさまに不足している説明を追記します
//前のレスで不快に感じていたら申し訳ないm(__)m

>>69

「……いや、構わない」

 チラと少年を横目に見て、幼さの残る様子に無表情を返す。
 正直、こういうタイプは苦手だ。

 自身の魅力を知ってか知らずか発揮する能力があるタイプには
 当人の知り及ばないところで『サークル』が発足している事例が多い。
 この少年にも少なからず、そういった才能があるように、思える。
 私の認知するところでは、その活動方針が外向的な趣旨の場合、何が起因になって難癖を付けられるか分かったもんじゃない……。
               IDOLA
 彼らにとっては崇拝するべき『偶像』……。
 触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものだ、くわばらくわばら……。

74名も無き邪気眼使い:2011/03/19(土) 14:20:02 ID:6UzNqdbA
>>70
「(……神父、か)」
甲とヒガサの会話に入り込んできた神父をちらりと見る少年
神父という肩書きのイメージ通りのような、柔かく穏やかな雰囲気を感じる

「(でも、なんだろうな……)」
しかし、それとは真逆な、全く違うモノを少年は感じ取っていた
雰囲気ではないが、それに似た何か、しかし言い表すことのできない何か
強いて言うと、直感
ただ、腹の虫に関しては少年も同じようなものだった
まさにそのとき、甲からの一言が聞こえてきた

>>71
「う、それは……」
ちょうど、少年がどうするべきかと頭の中がパンクしかねなくなったころ
甲からのとてもありがたい提案が聞こえてきた
正直なところ、何しにここに来たか忘れてしまいそうだった

「あ、忘れてた…何か食べようと思ってたんだ」

>>73
「……僕がしっかりしてれば……」
そう、ヒガサの背後でぼそっと口に出した
彼に聞こえるか聞こえないかという程度の、ささやかな声量で

「(僕がキョロキョロしてるから…ヒガサさんの時間を…)」
顔を下にうつむかせながら、そんなことを思っていた


//いえいえ、大丈夫ですよ。
//理由はないけど、この人生理的にダメなの!みたいな理由かと思っちゃいましたw

75名も無き邪気眼使い:2011/03/19(土) 17:52:42 ID:6UzNqdbA
>>74
//神父さんへのレスですが訂正します。すみません…

//甲とヒガサの会話に入り込んできた神父×
//ヒガサから何かの事件について尋ねられている男○

//で、お願いします…

76名も無き邪気眼使い:2011/03/19(土) 20:36:54 ID:NIW3g3C6


 異論は無し、と言う事で宜しいかな?
 良し、そうと決まれば寸暇も惜しい。早速向かうとしよう。…彼処に見える、赤の暖簾の定食屋だったね。


   (安価で美味、そういう話だったな。
    ……都市級の広域な敷地面積を利用して、食料を自家生産でもしているのかも知れん。

    これだけ広いのだ。
    かえって畑や工場の類が無い方が、むしろ不自然と言っても良い。
    成る程? 正しく『学園都市』ではないか。構内全体が有機的な繋がりとして機能している様は、一つの街そのものと表現して間違いあるまい。)


   (ここで結論を逸るのは早計。                              ナカミ   スベテ
    ならば時間をかけて、ゆっくりと見定めるべきだな――――邪気眼大学、その”正体”と”全貌”を。)


(甲少年に連れ立つ儘、店へと入る一行)
(適当な机に着くと、神父は御品書きをまじまじと眺める)


 ……、……、ふむ。
 …………、…ええい、面倒な! 悩んでる間も惜しい! 私は日替わりメニューで構わんッ!!


 ……コホン。

 さあ、此処ならば腰を落ち着けてゆっくり出来る。
 話の内容も、周囲の歓談に紛れてしまえば漏れ聞こえる事はあるまい。…早速ではあるが、『本題』に移って貰って構わんぞ?

77甲/"邪気会":2011/03/19(土) 23:48:28 ID:8LjmmQ7E
>>72>>74>>76
「ちぇーっす」
4人を引き連れ赤暖簾を押し上げて入店
入れ違いで5人組が出て行ったので、席は確保できそうだ

『らっしゃーい!…って、おぉカブ坊かい適当に座ってな』
「へいへい、今日は珍しく盛況っぽいね」
『うっせ』
体躯の良い男が厨房より声を出す
顔なじみ特有のコミュニケーション(茶化し合い)を済ませるとやや手狭の店内の奥の席へ掛ける

四角いテーブル、四人掛け
メニュー表を開く
スタンダードな中華飯店的お品書き
……ただし、一部メニューに印されたドクロマークが目を引いた
注釈によると辛味がデンジャーな料理らしいが
かに玉辺りにも付いてる点が侮れない

ちらり、と神父の方を見て
「神父さんは…って、ぉお!?ひ、日替わりっすね、了解」

「(ひ、火属性は短気説……あながち間違ってねーよな…)」

再びメニューに目を向ける
「まぁ、エビチリ定食で」
本日はエビな気分であった

「さて」
話を元に戻すとしますか、と水を啜る

ヒガサを見て
「お前は、とりあえず神父さんに話があって…」
次に学ラン青年を見る
「で、お前さんはどうやらなにやらを、俺に話してくれる…と」

たん、とテーブルにコップを置いて

「ゆるゆる始めっか」
飯でもつつきながら、と砕けた表情で頷いた

78名も無き邪気眼使い:2011/03/20(日) 00:57:05 ID:SHnODgvY
学び勤しみ、その胸の内に喜楽を抱え、捨てきれぬ悲しみもその腕に。
勉学や活動を終えた生徒達が活気付く食堂とその付近。
誰もが空腹と今日の献立を頭の内に浮かべているのが見えるような、そんな光景。
立ち並ぶ店やメニューを眺めている群集の中から、様々な声が聞こえる。


"外来者が学生寮を凍らせたらしいぞ"

"そうじゃない、異変が起きた寮塔を解凍したんだ"

"どうもその人はここの関係者という噂を聞いたわ"

"恐らく生徒か教師じゃないのか?それよりも事件を起こしたのは此処の生徒の―――"


楽しく対面して会話する者、忙しく食事をがっつく者、怪訝な顔で不安を口にする者
先の件を知ると知らぬというだけなのに、こうも判りやすいものなのだろうか。

「………ったく、何かもう聞き飽きたっての…。」

その中で一人、疲れきった血色の悪い顔で項垂れる、学ランの少年が今日の飯所を探していた
チャリンチャリン、とポケットの中にある小銭を鳴らしながら
若干前屈みで気だるそうに歩いている。その様に思わず擦れ違った生徒がどうしたのかと振り向いてしまっている程だ。

ふと気が付くと目の先には人ごみの中で一際目立っている集まりが見える
ちょうどいい事に、これから赤暖簾の中華飯店に入る所のようだ。


「…あれ?あ、この間の……。」

暖簾を潜る集団の中に以前構内を案内したりと顔を合わせた人物の姿を見つける
少年ははっと気が付いたように目を大きく開け、思わず背筋をぴんと伸ばす。

「…そうだ。これからどうするのか考えるのもかねて…。」


いらっしゃい、と威勢の良い声が店内に響く
この辺りは一度も入ったことがないが繁盛のようだ。これなら味も安心できるだろう


「えーとメニューメニュー…オススメはっと……あ、どうもっス。」
どこかパッとしない少年は席を囲んでいた人達に声を掛けた。恐らく神父以外は顔も知らないだろう。

79ヒガサ/風紀委員:2011/03/20(日) 05:33:24 ID:u2v6RQpk
>>76-77

 甲に連れられ赤暖簾をくぐると、鼻孔をくすぐる辛味の刺激が店のメニューを想像させる。

(ほぉ……ここは中華をメインにやっているのか)

 茶化し合いを聞きつつ、メニューを開いて一段と目を引くドクロの印……は、無視してサックリとページを捲る。
 目的のモノはそこにある、はず。

「……そうだな、天津飯とサンラータン、あと杏仁豆腐を頼む」

 飯、汁、甘味。
 これだけは絶対に譲れない、特に甘味。
 などと考えながら仏頂面のままで注文する青年は、出された水に口を付ける事なく話を切り出す。

「さて、話の場を整えてもらった身で言うのもなんだが、早速本題に入る。
 学生寮凍結の時……いや、解凍の時、か。エルガ神父、あなたがその場でなんらかの方法――大方魔術の類でしょうが――を用いて氷を溶解させた。これは事実ですよね?」

 これに関しては目撃者が多数居る。
 ほとんど確かに事実であろう。
 しかし、ここから先は証言のみで証拠が薄い。

「しかし、その氷はただの氷ではなく、普通に炎を当てたぐらいではビクともせず、衝撃による破砕を試みても僅かに削れる程度だったと聞きます。
 そんな強力な氷を瞬く間に解凍できたあなたに、あの氷の発生が自然的なものか、または人為的なものか意見を聞きたい。
 出来るなら、どのような属性だったのかも添えて――なにせ、現場で氷属性に似た残留邪気は検出されなかったのでね、犯人像すら分からない。
 ……私は魔術の専攻ではないから詳しくは分からないが、反属性で中和して分解したのでは、と考えている」

 その推察が違うならそれまでだが、と言葉を切り、水を一口。
 おぉ、よく冷えてる……

>>78

 ふと、目が向く。
 先ほど話しかけられたような気がしないでもない、学ランの少年に。

(……。学ラン、流行っているのか?)

 同じく席を囲む>>74の学ラン少年と、新たに来た>>78の学ラン少年を見比べつつ。
 違いはメガネの有無かと考えて、また水の冷たさにキーンとくる。

80名も無き邪気眼使い:2011/03/20(日) 13:29:45 ID:4hhZ.S6U
>>76-77
甲たち三人の一番後ろをとぼとぼと歩く少年も同じように暖簾をくぐって店へと入る
店内では外とはまた違った熱気と食欲をこれまたピンポイントに突く刺激がこもっていた

この店を紹介した当の本人は厨房の男となにやら会話をしている
それを聞きながら少年は同じようにテーブルにつくと……

「(どうしようかな)」
ぶっちゃけてしまうとこの少年にとってこのような定食屋というものは初めてであり
それゆえに何を選べばいいのか、という判断基準すらなく少し困った様子だったが
席を囲む三人がそれぞれ注文をしているのを見て

「ひ、日替わり、を」
そんなことしか搾り出せなかった
なんてことはない、さきほど神父が注文したのを真似しただけに過ぎない

さて、という甲の一声を聞きそちらを向き、それに続いて目が合った甲と少年
中断された話が、再開される

「ええと、そ、その……」
先ほどからそうなのだが、この少年、話の入り方というのが上手くないようだ

>>78
自分と同じような、とはいっても細かな違いはあれども同じ学ランの少年が入店する
それを見た少年は、一瞬だけ恐怖の表情を浮かべるもののすぐにそれは元の暗い表情に変わった

「(何、やってんだろ僕……アイツかも、だなんて、そんなわけないのに……)」
入店してきたパッとしない少年がこちらに近づき声をかけてきた
自分はこの少年を見たことはないが、声をかけられたからには無視するのも失礼だろうと思い

「……こんにちは」
どう考えてもお昼を食す人間のテンションではないような挨拶が返された

>>79
「(なんだか、見られてる?)」
実際はそんなにジロジロと見られているわけではないのだが、視線を感じてしまう
どうもそれはヒガサの方からむけられている気がするが

「……どうかしましたか?」
食事の湯気によって若干メガネが曇りながらヒガサに尋ねる

81名も無き邪気眼使い:2011/03/20(日) 16:56:52 ID:zrsLqhTs


   (…フ、いかんな。
    煩雑な思考経路をしばしば忌避しがちな、私の悪い癖だ。
    短気ではないと自負してはいるが……しかし、些か直情的な側面を有するのを否めない。やれやれだな、切に。

    しかし……内容を確認せず注文してしまった。
    今日の日替わりメニューは、届いてからのお楽しみと云う公算だな。…髑髏のマークから察するに、大凡の予想は付くのだが。)


   (さて、では各々本題に応じるとしようか。

    特段に留意すべき事はない。
    答えるべき点は包み隠さず、答えぬべき点は辻褄を合わせる。
    入り交じる虚実こそが、人の信憑を最も多く掴む物。なればこそ嘘と真、その双方を上手くブレンドしてやれば良い……。基本中の基本、だな。)


(さりとて、甲と眼鏡の少年の会話にも耳は傾ける)
(情報収集の一環だ)


 …ふむ。認めよう。
 私は学生寮を凍結させていた氷を、我が能力にて溶解させた。済まない事をしたね。
 本来なら現場保存に努めるべきだったのだが。寮内に放置された「魔道具の暴走」等の二次災害を危惧し、寮の解放を優先させて貰った。

 私の行動で、君たちの捜査が攪乱されたなら謝りたい。
 悪いことをした。責任の所在は私にある、処分には幾らでも応じよう。


   (これは真実。虚構を挟む余地も間隙も無し。…まあ、第一印象を良くしておこうという魂胆は認めざるを得ないがね。)


 ……、飽くまで私の私見だ。宜しいね?
 今から話すのは、事実と派生した推論によって構築した個人的な考察であることを承知して欲しい。

 その上で敢えて述べるなら――――学生寮の凍結は、”自然現象によって説明されうるレベルではなく、外的存在の強力な介在・介入があった”物と私は見ている。

82名も無き邪気眼使い:2011/03/20(日) 16:58:46 ID:zrsLqhTs


   (空気中の細氷――ダイヤモンドダストの密度の偏り。
    寮棟全体に及ぶのではなく、寮の一部のみが完全に凍結していたという事実。

    そう、これは自然現象などではない。余りに不自然な『極局所的完全凍結』、即ち……人為的に引き起こされた現象と考えるのが道理だ。)


 故意であったか、事故であったか。
 それについては想像の範疇故、発言を差し控えるが……。もしこれが人為的な物だとしたら、その術者は生半可な腕ではないかも知れん。
 相当な能力者か、或いは《冬の精霊》が暴走でもしたのか。それは解らんがね。

 属性は勿論、【氷】、及びそれに準ずるタイプ。
 氷属性の残留邪気が無かったのは、恐らく私が解凍時に中和か吹き飛ばすかしたのだろう。いや、済まない事をした。



   (もし、これが能力者による凍結だとしたら。
    ……無論、考えられない話ではない。…闇の世界には、常識では考えられない力を持った異能者はそうそう珍しくもないのだからな。
    闇に沈む者とは得てしてそんな物だ。拒絶され、暗闇で生きる事を余儀なくされる。

    だからこそ。
    この邪気眼大学という場所は、闇の世界にとって大いなる脅威になる可能性がある、という訳だ――――、ん?)


(声を掛けてきた人影を見て)


 おや、君は。そうか、君だったね。
 奇遇と云うのか、そう呼ぶにしては些か出会ってから時間が短い気もするが。
 何にしても、再び遭う事が出来て正しく喜悦の至り。やはり知り合いと云うのは歓ぶべきことだな、……そう、痛切に実感した処だよ。

 紹介しよう。
 彼は私が学生寮解凍の際に同席していた人間だ。彼さえ良ければ、事情を聴取してみてはどうだろうか?



 ……さあ。そろそろ、注文した料理が来る時分かな? 鬼が出るか蛇が出るか……、願わくは美味であることを祈ろうか。

83甲/"邪気会":2011/03/20(日) 17:59:17 ID:ux9PVsS.
>>78
「ん?」
声に顔を向けると…知らない顔

「(学ラン…今度こそ見学の高校生……)」

ここの面子の誰かの知り合いかな、と様子を見ると
>>79>>82
「(…じゃなくて、あぁ、神父さんの知り合いか…)」
何やら難しい話を繰り広げているエルガが挨拶と、紹介をしてくれた
軽く会釈を返す

「(学生寮凍結事件ねぇ……)」
何か結構大事だったみたいだなぁ、なんて思っていると

『へい!日替わり二つに天津サンラー杏仁一、エビチリ定お待ちー』
そこへ運ばれてくる注文メニュー
提供時間が早いのも甲のお気に入りのひとつであった

以下、本日の日替わりのお品書き
・ライス(特盛り)←強制サービス
・麻婆豆腐(特辛)←過剰サービス
・キムチ(強ニンニク)←後が怖い
・たまごスープ(まろやか)←お口直しに

「……マーボー赤過ぎだろ…jk…!」
特に麻婆豆腐に注意した方が良さそうだ

「!?」
ちなみに本日のエビチリも赤かった
>>80
イラッ
「(…く、我慢だ甲…ここで萎縮させちゃあ更に話が進まなくなる…!)」
なかなか踏ん切りのつかない態度に若干いらつき始めるも
何とか理性でストップ
チャキチャキした性格故、甲は割と短気な部類の人間であった

「…」
言うに任せる事に決めて
赤い赤いエビチリを口に運ぶ

「―――かっら!?」
辛い辛いと喚きながら水を飲んでいた

「ふーふー!…ま、まぁよ?喰えば?とりあえず…」

84名も無き邪気眼使い:2011/03/21(月) 07:13:40 ID:vEpUCflI
>>79
いかにもな感じの装いの青年に、どうもと軽く会釈をする。
生徒というよりはビジネスマンな彼に何かを感じ取ったようで
腕を組み、右手で口元を覆いながら難しい顔で考え込んでいる。

(……何か知らないけど、きっと偉い人だな。)

そんな暢気な事を真剣な表情で考えていた。
学ランという装いの割に体格や顔は大人びていてどこか垢抜けない。
そんな何処にでもいそうな感じの少年は、目線に気付き比較されていた学ランの少年に目を向ける。


>>80>>83
「どうもどうも! お!いやぁ〜おいしそうですね!!」
二人に挨拶を返しながら、テーブルに並ぶ赤々とした料理に目を落とす。
その異常な色彩に普通なら違和感を覚える筈なのだが…。

「丁度いい具合に中華な気分だったんっスよ!オジサーン!同じもの…えっと、これか!
日替わり一つ!それと酢豚ね!」

嬉々とした表情でメニューを見ながら店主に負けない声で注文する。
一頻り目を通した後、他の品もどうしようかと考え終えた後に店内を見渡す。
四人がけのテーブルの近くで空いていた席に腰を下ろした。

(………うん!学ランの種類が違う!被ってない!俺のは物入れ口とか要所要所に変なチェック柄入ってるし!
……いや、でも変なっていうぐらいだから…これってやっぱりダサい?いや、言うほどでも……)
何か一人でうんうん頷いていた。


「………?あれ、どうしたんですか?」
ふと、顔を合わせた時に学ランで眼鏡の少年が何やら怖い顔をしていた事を思い出したようで
心配そうに声を掛ける。


>>81-82
「いやー神父様じゃないですか!その節はどうも!
あはは!確かに久々という程でもないですね。今度、あそこのお掃除でも手伝いますよ!」

目元に隈を作ってはいるが、以前と変わりなく元気そうに挨拶をする。


「えーっと…皆さんお揃いで、もしかして新任の神父様の歓迎とかですか!?
いや、待てよ…普通もっと盛大にやるよな…?しかも飯屋の片隅ってのも…。」

「……あぁ、あの事ですか。…事情聴取?なるほど、『委員会』の方でしたか…。
………いいですよ!何でも聞いてください。ただ、どうにも腹の虫が言う事を聞いちゃくれないんで
食べながらでもいいならですけど!」

言いかけて、エルガが口にした"学生寮"という言葉を聞くと
先ほどよりも少し落ち着いた様子で言った。表情にも態度にも全く出さないが、どこかばつが悪そうだ。

85ヒガサ/風紀委員:2011/03/21(月) 09:21:49 ID:uuO3skfM
>>81-82

(魔道具の暴走……あぁ、そういえば、魔道具破損の被害届けがあったな。確か、水没でやられたのとマナ過剰が原因で回路がショートしたものが幾つかあったが、暴走した報告は一件も無かったように思える。
 目立つ被害は少なく、学生寮自体も丸ごと無事。まったく、そんな事を成し遂げた相手への処分があるとすれば、表彰くらいしかないだろ……)

「いや、証言があるだけでも良い状況だと私は思います。この程度の規模ならなおさらだ、自然災害のほうがもう少し大きいかもしれない」

 学生寮の一部が凍結したこの事件。正直言って、規模としては小さい。
 なぜなら、こうしたイタズラに走る者は往々にして規模の大きいことをやりたがる、がしかし、中には失敗して思うようにいかなかったケースもある。
 今回は何棟もある学生寮の一部だ、大方全てを凍らせようとしたが一つに込めすぎたため出力が足りなかったのだろう。

「なに、どんなに腕が立つ術者でもイタズラに力を扱う程度なら、たかが知れています。現に、あなたは易々と溶かしてみせた、なら対抗策が無いわけではない。
 術者捕縛用の魔道具もあるにはあるので、もしもの時でも大丈夫でしょう。……ご協力感謝します」

 取り出した手帳に『要、冬の精霊、調査』と書き込む。
 新たに手にした情報といえばこれくらいだ、しかし解凍させた本人からの言葉というのは、目撃者の言葉より重みがある。
 冬の精霊の調査と、絞り込みにまたバンクの使用許可を取らなければならないのが面倒だが、これで終わるなら楽なもんか。

 などと、今後の事についてヒガサは考えていた。
 ――そう、彼は油断していた。侮っていた。

 もし、凍結の規模が小さかったのが、大きすぎた出力を押さえ込んだためだとしたら?
 急速に圧縮されたマナが、通常とは異なる形の凍結を生み出していたとしたら?
 ただの炎では溶かされず、衝撃にも強固な永久氷結体――かの魔術エターナルフォースブリザードの片鱗にまで昇華していた可能性もある。
 そして、その片鱗を容易く溶解させた神父エルガの強大さに気付くことも出来た、はず。

 ――だが、ヒガサはその可能性を見逃した。気が付くことすら出来なかった。
 とは言うが、まだ未熟な学生の身、気が付けというほうが酷なのかもしれない。
 その程度で彼が生き残れるのかどうかは別にして。

86ヒガサ/風紀委員:2011/03/21(月) 09:22:58 ID:uuO3skfM
>>84

 神父が学生寮を解凍した時に居合わせた、という学ラン少年をチラと見やり。
 会釈には僅かな笑みを返すと、やはり高圧的な口調で応じた。

「事情聴取よりは、その時のエルガ神父の活躍を聞いてみたい。まぁ、他にリークしていない情報があるというなら、話は別だが。
 ……お、もう料理が。早いな」

 他ならもう少し待たされてもおかしくないというのに、なかなかに手際が良い。
 ……ただ、恐らくドクロ印であろう、あの真っ赤な麻婆はイマイチ理解し難い。
 匂いだけでも辛くなってくる……。ちょっ、辛い!?匂いだけで辛いぞ、こいつ!!

(いや、待て……さすがに、そこまで辛くしたら食べれないだろう。現に甲はがっついている、うん、そうだ、これは思い込み。赤みが辛味を想像させるプラシーボ効果に違いない、そうだ、きっとそうだ)

 でも、やっぱり匂いだけで辛味にやられる甘党さん。
 半ば涙目で頬張る天津飯は普通に美味しく、辛味を忘れられた。サンラータンの酸味はやや効きすぎた感があったが、どちらも美味しくいただけた。

――PLLLLL……。

「ん、電話か。申し訳ないが、少し席を離れる」

 言って、席を立つ。
 離れたところまでいくと、丁度姿が見えなくなった。

87名も無き邪気眼使い:2011/03/21(月) 13:25:27 ID:uEEyPiXo
>>81
「(学生寮、か…)」
そういえば自分も学生寮の人間な気がするが、などと神父の話を聞きながら思った
そしてそうこうしていると結構強烈な定食が神父と少年の前に置かれたではないか

「(うわっ…すごいや)」

>>83
相手が、なんだか少しイラついているように見えるのは、少年の勘違いではなさそうだ
恐らく、自分のせいなんだろうなとこれまた申し訳なく思っていると
甲がエビチリを食し始め、と同時に辛さで口内をやられていた

「だ、大丈夫…?」
心配そうな表情で見つめるが、今度は自分も食べるようにと促されてしまった

「じゃ、じゃあ……いただきます」
とりあえず、キムチから食べるようだ
強烈なニンニクのニオイをものともせず、というより気になってもいないのか
そう思わせられるほどにあっさりとパクパク食べている

そしてとうとう例の麻婆豆腐へと移り、一口、すると

「!」
目を見開いて、口を閉じてはいるが、それでも甲に何かを伝えようと必死だ
そんな中ごっくんと口の中のものを処理すると

「お、おいしい! すごくおいしいですよ!」
と、満面の笑みでそう伝えた

>>84
「……あ、えっと、大丈夫……僕の勘違いだったから」
気にすることではない、というニュアンスを込めながら
パッとしない少年に返事する
ちなみに現在このメガネ少年は麻婆豆腐をバクバク食べているところである

88名も無き邪気眼使い:2011/03/21(月) 14:53:17 ID:wXz00v1s



 努々、侮らぬように。
 異能と云う物に常識など有りはしない。常に不可知や未知の存在を疑いたまえ。君達の健闘を心より、祈っているよ。


   (………、ふむ。
    通常の反応としては、”こんな物”だろう。甲が直感に優れていただけか。
    場合に因っては、大学諸関係者への対応には更に慎重を期さざるを得ないと危惧していたのだが…。

    剰りに警戒が過ぎても、逆に怪しまれる。
    ある程度は自然体で構わん、と云うことだろうな。…やれやれ、潜入か。どうやら実戦とは、また異なった労苦があるようだ。)


   (それにしても、気掛かりだな。
    学生寮の完全氷結。……個人的興味だが、少し自発的に調べてみるのも悪くないかも知れん。

    《冬の精霊》等の仕業ならば、私の領分ではない。
    だがもし、あれが異能者による人為であるならば――非常に面白い。
    一体どれ程の「実力者」、或るいは「異端」であるのか。是非とも確かめてみたい。あわよくば、カノッサで『保護観察』するとかな? クク……。)



 ん? ああ、構わん。通話の相手を優先してくれて良い。


(ヒガサを見送ると、合流してきた学ランの少年に改めて向き直り)


 よもや此処まで早い再会とは。
 何時かまた出会う気はしていたが。それにしても些か、予想外の速さだったよ。

 そうだ、寮内の自室の様子はどうだったかね。
 被害状況に応じて出費が嵩むのは、学生の身には痛打だろう。冷蔵庫の中身に限っては、氷結状態で保存が利いていただろうがね。
 やれやれ、にしても出鼻から災難だったな。何、追い風とは往々にして後から吹くものだ。


 ……と、料理が来たようだ。では先に、済まないが戴くとしよう、…………、……か。

89名も無き邪気眼使い:2011/03/21(月) 14:54:48 ID:wXz00v1s


   (何だ、これは。
    中華料理については知識として把握している。…が、私の知っているそれとは何かが違う。

    麻婆豆腐の色はここまで毒々しい赤ではない。
    キムチの匂いはここまでニンニク臭くない。
    ライスはここまで盛るものではないし、何より玉子スープだけが普通というこのメニューセットがまずバランス的に不釣合ッ!!)


   (同メニューを頼んだ眼鏡の少年は美味いと言う。
    しかし麻婆豆腐と大体一緒の赤色をしたエビチリを食べた甲は、火を吹いている。

    ……そうか。
    つまりこの店は、味付けが過剰なのだな。
    本来の用法ではないが、辛党には評判の中華飯店と云う訳だ。また分量が多く、食べ盛りの若者には安価で満腹と云う打って付け。)


   (……、さて。

    もてなしの料理を残すのは恥、と云う観念が極東の文化には存在する。
    何より腕を振るってくれた店主にも礼を失すると云う物。なれば、選択肢など存在しないも同じ。………ククククク。面白い、実に面白いぞ店主ッ!!)


(ふう…、と深呼吸)
(目を静かに瞑った神父は、割り箸を両手に持ち、)



                                  い  た  だ  き  ま  す  。



(全力で開眼!)
(その左目には何故か黒曜眼の太陽の紋章!)
(パキンと小気味良い音を立てて綺麗に割った箸で、料理を一気に食し始めた!)

(業炎の担い手――)
(【曜】の守護天使が、たかだか辛みの火熱如きに屈する訳にはいかない)

(そう、これは「神父」エルガではなく、「守護天使」ジオジャエルガとしての意地とプライドを密かに懸けた戦いであった!)

90甲/"邪気会":2011/03/22(火) 15:09:09 ID:o/B7Ggpw
>>84
『オジサンって歳じゃねぇぞスカタンピン!』
日替わりと酢豚の追加を受け付けた厨房から声が返って来た

まさに都市とも呼べるような、広大な敷地を有する”邪気眼大学”
その大学内には講師以外にも、様々な職種の人間が滞在する
神父しかり、中華飯店のコックしかり
故に大学敷地内でもかなりの雇用募集があり
卒業後の進路をそのまま大学関係者として希望する者も少なくは無い

ここ、中華飯店『龍髭』も大学卒業生の受け入れに更意的で
厨房で鍋を振るうコックもまた、昨年の卒業生であった

『お待ちぃ!』
テーブルに並ぶ日替わり定食(激辛)と酢豚(マイルド)

因みに、このコック一昨年は火属性学科
甲の【火属性=短気説】の根幹を担う性格であった
>>87
「辛党来た!?」
満足そうに頷くコックと驚きに目を丸くする甲
「いや、確かに辛味の後に来るコク深いうま味は頷けるが…それにしても強すぎる辛味でそれどころでは無いはず…いや、正に」

辛党恐るべし…と呟いて

「…ふー…」
辛さに舌が慣れて来たのか、落ち着いて水を啜る
「まぁ確かにウマいはウマいよなぁ…病みつきになる、みたいな」
定食は残り三分の一程度まで減っていて

「あーん」
再び口に運ぼうとした所で

「…って」

「―――ぜんぜん話進んでねぇじゃん!!?」
とんだミステイク!
普通に食事会になってる事に驚いた

「(く、流石はヒガサ…!あっちは何だかちゃんと話し合いのムード…)」
>>89
「(…………いや、そーでもねーか)」
席を立つヒガサ
話は一時中断らしく

「(……辛そうだよエルガさん…つーかあの顔、さっきバトルでガチになった時の表情じゃねえか…!)」
なんかヤバめの顔で赤いのを食う神父をハラハラと見守るのであった

91名も無き邪気眼使い:2011/03/22(火) 19:05:07 ID:U3IsocKM
>>86
「………? 
活躍…ですか?あぁ、そういう事でしたら僕よりも本人に…って客観的な意見も必要ですよね。」
麻婆豆腐に目を落としながらなるほどと呟く。合点がいったらしく笑顔で了承した。

「そうですね、あの日は寒い夜でした…ってそうじゃないか。あははは…。
リークしていない情報?うーん、そっちがどれくらいご存知なのかわかりませんが…。」


寮内の生徒達には被害を届け出るように勧告されている筈である。
事件の概要などの情報の多くは『風紀委員』や『邪気会』が把握している通りだろう。
通常の火属性の能力すら寄せ付けない氷の性質、寮内周辺や内部までも検出されなかった残留邪気。
エルガが起した超常現象。内外部によるものかも判らない能力の手口と犯人像…。
その他に目星い手掛かりと呼べるものは、生徒間で流れる「噂」ぐらいなものだろうか。
最も真偽の程もわからない不安定な幾つものソレを判断材料に使う事は、生真面目な人間程中々ない話だ。


「構内の至る所でいろんな話を聞きますよ!『俺が凍らせた!』と豪語してる奴もいました…まぁ嘘でしょうね。
通りがかった講師が食いついてきたので慌てて訂正してましたよ。ははは。『カノッサの陰謀だ!』なんて話も聞きますし…。
しっかし、なんでまた生徒の寮なんでしょうね?陰謀にしたって校舎とか凍らせません?フツー。」

燃えるように赤い麻婆に苦闘しているのを他所に、学ランの少年は淡々と話す
神父と事件現場に携わっていた筈なのだが、特にその辺りの情報や答えは返ってこない。

「神父様の活躍ですか?カッコよかったっスよ!だってあんなの見た事も…あ、電話ですね。」
話を始めようとした所でヒガサが電話を受け席を立つ。


>>87
「そう?ならいいんだけど…人違いか何かかな?
うーん、まあよくある話だよね。」
何だったのかと不思議そうに首を傾げている

そんな中で、エビチリと悪戦を繰り広げる甲とは対極に満足そうな笑みを浮かべる眼鏡の少年を見比べる

「…うーん?アタリハズレがあるのかな…?…やっぱり酢豚で正解だったか…?」
真っ赤な色合いの意味を理解していないのだろうか。腕を組みながら考え込んでいる。

「いやぁ、美味しそうに食べるから益々お腹が空いてきちゃったよ。まだかなぁ。」
早くも割り箸をその手に用意しながら厨房の方を見詰める。

92名も無き邪気眼使い:2011/03/22(火) 19:06:47 ID:U3IsocKM
>>88-89

「ホントですね〜。近いうちにお茶でもいただきに行こうかと思っていたところなんですが…バッタリですね!」

「部屋ですか?……あ、あー大丈夫でしたよ。書物は幾つも乾かしましたし道具の方も…
…元々あまり物は置かないんですけど、家電については…まぁ、その……あ、あはははは…。
今度はそれを守る手段もきちんと備えておかないといけませんね…はい。向かい風から学ぶ事もありますね…。」

俯き気味にどこか落ち着かない様子で応えた。よっぽど痛手を負ったのだろうか…。


「……へ?」
ここは中華飯店。ただの食事処のはずだ。                  オーラ力
しかし目の前の神父は目を見開き、目に見えるのではないかと言う位の『雰囲気』を放ちながら
気持ちが良い位の勢いで食している
今この場所で何が起こっているというのか…。

(…な、なんだ?これ……よっぽどお腹が空いてたの…?)

只々、呆然と見ている他なかった。


>>90
「うわぁ、す、すいません!……ひええ、おっかないなぁ……。
なんだよ、なにもそこまで怒らなくたって…。」
ビクリと身体を振るわせた怒鳴り声の元が襲ってくるのではと身構えた後、
何もこない事を確認するとボソボソと小声で呟く。

(本当、大学の癖に馬鹿みたいに広いよなぁここ…その分、今日みたいな新しいメニューの発見が面白いんだけど。)
少し様子が落ち着くと、懐から小さな手帳を取り出して何やらメモを取り始めた。
小さな手書きの地図にここの場所と店名を記入している。辺りにも様々な名前が書かれていた
他にも他の生徒から聞いた人気の一品や新メニューなどが事細かく記載されている
しかし、それはまだ広大な敷地の中のほんの一部でしかないというのだから驚きだ。
そしてその中には一箇所だけ赤丸が付いている。場所からして寮の近辺かその場所のようだが。


「お!来た来た…んじゃ、いっただっきまーす!」
強烈なキムチやニンニク、唐辛子やその他諸々の臭いも気にせず、機嫌良さそうに料理に箸を伸ばす。

「むぐ…か、からい!……いやぁ、カライ!……あ、カライ!うまい!」
なんともうっとうしく一人で喋りながら、キムチと麻婆、酢豚を小気味よく挟みながら盛りに盛られたライスと一緒にがっつく。
異様な辛さも物ともせず、というよりもそれすら沢山の汗をかきながら楽しんでいるようだ。
「いや〜、こりゃいいや!しっかし、辛い!あ、こっちは辛くない!でも旨い!ハムッハフハフッ!」
涙ぐみながら既にお米を半分近く平らげていた。とても満足そうだ!

「ウマイウマイ…あ、そう…いえば、あなたも…れ、例の事件を…?」
食事会に異を唱えた人物に気が付いたようで、口に半ば物を入れながら話しかけた。

93名も無き邪気眼使い:2011/03/23(水) 14:47:39 ID:pxMsphFw
どう考えても辛そうな、今にも燃えそうな色をしている、もはや兵器とでも呼びかねないソレを
少年はとても楽しそうに、そして実に美味そうに食している
パクパクとそのペースは衰えるということを知らない
その上驚愕なのはいまだに運ばれてきたお冷、つまり水分には一切口をつけていないという点だろう

>>90
「辛党…って知らないですけどこれおいしいですね!」
少しだけぎこちないが、それでも十分笑顔を呼べるだけの笑みを浮かべている

「口の中がピリッってして、それでその後すぐにおいしい味が感じられます」
辛い、という表現がなんか明らかおかしい

初めて食べたけどおいしいなぁ、なんて呟いて

「…あ、す、すみません! 話さなきゃいけないってのに……」
料理がおいしいことに気をとられ、この場に来た目的のもう一つを忘れてしまっていた
その証拠、というわけでもないが、既に少年の定食は五分の一以下に減っている

「そ、それじゃお話します……僕について」
そのとき、わずかではあるが、周辺の空気がキリッと引き締まった、様な気がした

「多重人格、って……知ってますよね。僕はどうもソレ、らしいです……
らしい、っていうのは保健室で調べてもらっても詳しいことはわからなくて……
それでも"邪気会長"さんや"風祭"さんに関わって話を聞いたりして、自分の中でそう結論付けたんです」
『邪気会長』、『実働部隊"九"』
この少年、意外と顔が広いというか、見た目によらず、という奴である

「それであなたが知っている僕、っていうのはきっと、もう一人の僕……"聖斗"なんだと思います」
明かされる、言葉
しかし実際にそれを目の当たりにしているわけではない
確固たる真実、とはまだ言い得ないのだ

>>91
「まぁその、人違い、かな」
なんだかどうしようもなくただ苦笑するしかなく

「アタリハズレ…ってのはよくわかんないですけど、これおいしいですよ」
そう笑う少年の定食は既になくなりかけていた
恐るべきスピード

「きっと、すぐに来ますよ。ほら、アレとかそうじゃないですか?」
少年が指差す方向に、酢豚と思わしき料理を載せてこちらにやってくる人影が見える

94名も無き邪気眼使い:2011/03/23(水) 14:55:44 ID:pxMsphFw
//途中で送ってしまった…すいません…

>>91
「まぁその、人違い、かな」
なんだかどうしようもなくただ苦笑するしかなく

「アタリハズレ…ってのはよくわかんないですけど、これおいしいですよ」
そう笑う少年の定食は既になくなりかけていた
恐るべきスピード

「きっと、すぐに来ますよ。ほら、アレとかそうじゃないですか?」
少年が指差す方向に、酢豚と思わしき料理を載せてこちらにやってくる人影が見える
人影はきっちりとその食事を注文した少年へと届けると再び奥へと引っ込んだ

「よかったですね、届いて。カライっていうのがよくわからないですけど」
衝撃的な発言が飛び出したが大丈夫だろうか

95名も無き邪気眼使い:2011/03/23(水) 21:16:25 ID:AGTalDao


(舌と味蕾を灼き尽くす、辛苦の炎)
(其の紅蓮を呑み込めば最後、喉も内蔵さえ荒果てる)

(だが神父は退かない)
(食器と箸がぶつかる音、荒々しい咀嚼の音)
(やがてガタンと最後の皿を机に叩き付け、そのまま冷たい水を飲み乾して――)



 ――――『御馳走様』。


(残ったのは、壮絶な死闘の痕を刻んだ”空”の食器の群れ)
(即ち、完食!)

(不敵に微笑む神父の左目)
(金色の太陽を象った紋章――其の瞳には、燃え盛る紅の炎が映っている)
(漫画やアニメでよく見る表現だが、この神父の場合は本当に瞳の奥で炎が燃えていた)



 ふふふ、いやいや。
 食べ盛りの若い人には多分に喜ばれる分量だが、如何せん私はもう若くないのでね。少しばかり完食が大変だったよ。
 だが、偶には悪くない。気が向いたら、個人的に伺わせて貰うことにしようか。

 だが、熱量を一気に摂取してしまったな。
 流石の「黒曜眼」でも、エネルギーへの変換作業は一苦労のようだよ。



   (一般にあまり意識されることはないが。
    太陽は、宇宙空間に浮かぶ天体としての特徴の一つに、光や熱のエネルギーを絶えず生み出す―――所謂、『炉』の性質が数えられる。
    私の「黒曜眼」が太陽の属性を得るならば、それも例外ではない。

    つまり日常生活の中で尚、「黒曜眼」は力を増幅するッ!
    ……だから消費も激しく、且つ、制御が難しい。正直、私の手にも剰る代物だ。太らぬのは幸いだがな。)

96名も無き邪気眼使い:2011/03/23(水) 21:17:31 ID:AGTalDao


 クク、まあ案ずるな。
 ある程度までなら被害額の補償は、大学側が負担してくれるだろう。
 生徒側の過失でもなく、そして不可抗力の災害となればな。まあ、『実働部隊』や『風紀委員』の調査の如何次第、と云う事になるが……。

 それにしても、彼程の氷結は久々に見た。
 正しく『ノーザンテラレイド』か、『永久凍土』か、はたまた『E.F.B.』か……。


(学ランの少年を激励しつつ)
(さり気なく、眼鏡の少年の話を盗み聴く)



   (ほう、興味深い。
    どんな禁忌が飛び出すかと思えば、成る程、『二重人格』と来たか。

    ”人格の分裂、及び、多重化”と云う異能的な状態は、多くはないものの稀と云う訳でもない。
    古くの始祖に例を探せば、「影羅」が挙げられるだろう。
    年頃の少女に憑依し、火を見る事で覚醒する魔族。其の粗野で粗暴な人格は、少女に生来の性根とは懸け離れた言動を強いると云う。)


   (又、強大過ぎる力は自我を獲得する事もある。

    特に憑依者の精神力が弱かった場合、人格が抑え切れずに発露。
    ………最悪、乗っ取られてしまうことも無い訳ではない。『魔人』の類は、そういう経緯で至った者が少なからず居るだろうからな。)


   (フ、まあ手前勝手な考察に過ぎん。
    過ぎん、が。……此処は異能多様性が豊かで、実に飽きないではないか。流石は”異端の楽園”、と謂った処だな。)

97甲/"邪気会":2011/03/23(水) 23:00:28 ID:QHufs/1Y
>>92
「(なんとも賑やかな食いっぷり…)」
半ば呆気に取られつつも食べる姿を暫し見る
いやはや、食べ方も千差万別だなぁ…なんて
食卓を囲んだ面子をぐるりと眺めて興味深そうに頷くと

「ん?」
声を掛けられた方に顔を向けた

「いや?その例の事件とやらは見てないな」

「協力する事があればするけど…取りあえず"風紀委員"預かりになったみてーだし」
電話に立ったヒガサの方にちらりと目配せをした
>>93
「うむ、食べながらつった手前申し訳ないけどなぁ…」
まさかあそこまで食に熱中するとは思っても見なかったのであった

「んん…」
キリッとした空気間に座りを正す
箸を置いて、聞く体勢に

「…なるほど」

相槌を適度に挟みつつひとしきりを聞いた
「多重人格か…邪気ぃな…」
水を一口
「取りあえず、人違いじゃあ無いっつー訳だ、あとイメチェンでも無かった…と」

「意識の共有ってーのかね?まぁ、そっちの記憶が今のお前にもちょろっと残ってる訳だ」
心得た、と頷いた
「(…会長とユイユイかぁ…なんか最近会ってねーなァ…ま、自業自得だけど)」
ちょっとだけ遠い目をして

「ところでさ」

「マサト、ってのはお前さんの方も呼び方としてはそれで良いの?」
>>95
「(いやいやいや…少しばかりじゃねーから…眼とか超ギラギラしてっから…発動してっから…)」
ハラハラと見守った死闘は終焉を迎えたようだ
こっちはこっちで賑やかに食うお人であったな、と想いつつ

「…EFB」

神父の言葉の端々に、"寮凍結事件"のふんわりとした概要は伝わった

「(EFB規模かぃ…はて、イタズラにしても…海野んが卒業した幻術研にゃそこまでの技能はねぇだろうし…)」
少し考察を巡らせるが、得てして心当たりは無いのであった

98ヒガサ/風紀委員:2011/03/24(木) 01:31:15 ID:4S5Ax0zs

「……、……ふぅ」

 電話での問答は疲れる。
 相手が自分より上の立場であればなおさらだ。

 内容は食堂街にてある生徒が一人の生徒に重軽傷を負わせて逃走した、というもの。いわゆる小競り合いだ。
 しかし、加害側が『透き通った氷柱のようなもの』を使用したという現場証言があり、学生寮凍結と関連する可能性があるので現地にて巡回中の自分が現場保全と残留邪気の観測に向かってくれ。ということだ。
 まぁ、当然ながら電話口から店の喧騒は筒抜けで、巡回をサボっていた事がバレて小言を二、三言われたが事情聴取なら仕方がない、と納得してくれた。

 ……状況は分かった。
 ……緊急性も理解した。
 命令自体に不服は無い。
 だが、何か腑に落ちない。

 そんな漠然とした疑念を引きずりながらも、ヒガサは命令に従う。それが《風紀委員》という縦組織に組み込まれた第八席、自称『歯車』の仕事。


「上から招集を受けた。もう少し長く話を聞きたかったが仕事なんでね、勝手ながら暇を頂戴する。あぁ、勘定はここに置いておく」

 席に戻るなり早口に言い放つ。
 机の上には僅かに残る天津飯とサンラータン、手付かずの杏仁豆腐。そしてヒガサ一人の分を清算して余りある額の紙幣を残して、駆ける事なく足早に去っていった。

99名も無き邪気眼使い:2011/03/24(木) 09:34:34 ID:x7FWIESw
ヒガサが立ち去る横。
生徒で賑わう中華半纏に彼は足を踏み入れた。
途端に「いらっしゃいませぇー!」と、店員の声が響いて、
……賑やかだなあ……。
そんなありきたりな感想を抱く。
さて、と頷き、入口から周囲を見回せば、
「―――しまった、一人席は満席か」
不思議に光る蒼の瞳が細められた。

夕方、という時間も不味かったのだろう。
一人で食事を取れそうなスペースは全て占領されている。
無論数人で囲むことが出来るテーブル席には空席もあったが、
……友人がいたとしても突撃貴様に晩御飯は気が引けるしなあ。
ぼっちにはキツイ店に入店してしまったか……!!などと適度に戦慄しつつ。
空きが出来るまで、邪魔にならないように待ちの場所にいることを決めた。

まあ、その場所すらも、椅子には座れない程度に賑わっていたが、
……でも今は中華な気分だもの!譲れない!譲れないなこれは!
半ばムキになりながら壁にもたれかかる。
ぼふ、と、少し硬質な鋼色の6翼が天然の羽毛クッション状態になった。

100名も無き邪気眼使い:2011/03/25(金) 00:05:06 ID:s2Tb3.HI
>>93-94
「そうか、人違いなんだ……会えるといいですね?」
舌や口の中を燃やしかねない兵器を平気でペロリとたいらげている
辛い料理が得意な自身も汗を噴出しているというのに、何事もなく食べている事に驚きを隠せない。

「あ、はははは…確かに水飲むと余計に辛さを感じるってのはよく聞くけど…ねぇ…?」
顔を弱々しく引きつらせながら笑っている。引いてしまっているようだ。

「うん、届いてよかった…え!?カライってのがわからないって…
それって味覚は…いや、オイシイのが判るから違うか…えぇっと…つまりは…う〜ん?」
難しい顔で何やら考え込んでしまった。


「……『多重人格』?」
酢豚をがっついている頃、耳に入ってきた言葉を再認識するように問い返す。


>>95-96
戦渦を物語る赤い香辛料の色と、終わりを洗わす空の食器。
それを乗り越えし男の姿を、只々その様を呆然と眺めている。

「……前々から思ってましたけど…ホント、面白い人だなぁ…。」

玉子スープを片手に感心の意を述べている
戦いを繰り広げた相手とは自分も一戦交えている筈なのだが、それを笑いながらクリアしている
この少年も辛い物に関しては、能力等とは遠く光る物があるのだろうか…。

「いやまぁ、被害の程は……そうですね。大学側の対応に期待しています。
…もし先の件が、かの有名な『邪気眼』の持つ力たる『E.F.B.』であるならば
もっと甚大な被害が出たと思われますが…いや、資料だけで実際に見たことはないんですけど…どうなんですかね?」


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