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【Aイベント】逆巻け、我が復讐の黒炎――【禁忌の17番目】

1名も無き邪気眼使い:2009/06/07(日) 21:53:16 ID:vAxwik5I
<< 邪規約 〜 争いの契約 〜 >>

【必読 初めてきた方は、一度「邪気眼大学事務室」のスレを訪れてください。】

・ここは、イベント・クエスト・戦闘などに使います。
 雑談も可能ですが、日常の範囲で済むかどうかは各自で判断してください。
・age/sage進行は各自の判断で決め、使い終わったら一発ageておきましょう
・誰も使用していない状態で沈んでいたら、勝手にブチageてください
・イベントスレはA・B・Cの3つがあります。開いている場所ならどこでも使って構いません。
・逆に、使用中の場合は混乱の元になりますので、同じイベントスレで2つのクエストを進行させることはやめてください。
 別のイベントスレを必ず使ってください。
・クエストで使われている場所を、ここ以外のスレで使うことは『構いません』。
 時間軸が異なる・平行世界である、など解釈は自由です。
・またイベントスレと他のなりきりスレに、同時に現れることは『構いません』。
 ただしそれによって起こり得る弊害は自力でなんとかしてください。
・GM役をあらかじめ決めておくとスムースにことが運ぶかもしれません。
・コテは「可能」です。強制ではありません。名無しのまま参加してくださって構いません。
 識別をしやすくするために、トリップをつけることも良いでしょう。

◆前スレ◆
【Aクエスト】闇の時代を告げる―鐘が遠く鳴り響く【第16戦線】
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11129/1241436540/

Wiki        ttp://www8.atwiki.jp/jakigaku/

2名も無き邪気眼使い:2009/06/07(日) 21:56:38 ID:vAxwik5I
※このスレは、議論スレにて決定されたスレタイ変更により、
 クエストスレ→イベントスレとなったため、早々と立てられました。
 前スレが埋まってから使いましょう

3名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 21:07:57 ID:QFqhgR4s
リンゴーン…リンゴーン…

(今日も時計塔の鐘は、学園都市全域へと時の来訪を告げる)
(果たしていつからあったのか、
都市の何処からでも姿を確認できるそれは、恋愛成就のおまじないから校舎ロボの武器説まで、学園のシンボルとして広く認知されていた)

リンゴーン…リンゴーン…
(そんな聳える時の塔に、一人の男がいた)
(背にはギリシャ数字の巨大な文字盤、腰掛けるのは横向く短針の膨らんだ先端)
(文字盤の強烈な魔力光の逆光で、辛うじて性別は判る程度にしか視認できないだろう)
(しかし珍しいことではない。時計塔は時に生徒の語らいの場として活躍しているのだ)

リンゴーン…リンゴーン…
(――ただし、1つ不審点を挙げるとするならば)
(『こんな中途半端な時間に時計塔の鐘が鳴っている』のは、いささか不可思議であった)

(男は股に乗せていたシルクハットをくるりと頭に被り、彫りの深い顔に笑みを浮かべた……)


リンゴーン…リンゴーン…

4シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/08(木) 22:54:20 ID:UYTTjF8k
>>3
「時計塔に異変、調査報告および対応すべし…か。」
いつものように中央事務所からの飛び込みの依頼を携帯で確認しつつ、
男は時計塔へむけて歩いていた。

「なにやら後光を背負った人影のようなものが見えますが…。」
五月流発動前の普通の視覚で時計塔の様子を確認。

5名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:00:04 ID:QFqhgR4s
リンゴーン…リンゴーン…
(時計塔の大鐘楼は未だにその身を震わせ、荘厳な音を夜に打ち響かせている)

(白く光る文字盤の短針の上に、黒い人影が映っている)
(余程視力に自信があるのでもないかぎり、そのぐらいが目視の限界だろう)

リンゴーン…リンゴーン…

6シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/08(木) 23:03:23 ID:UYTTjF8k
>>5
何処からか拡声器を持ち出してきて、
それで喋る。
『すいませーん、そこの短針に乗っている方ー。』

『時計塔が壊れているみたいなんですけど、
原因わかりますかねー?』
時計塔へと歩みつつ。

7名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:13:34 ID:QFqhgR4s
リンゴーン…リンゴーン…

(人影に、動きが生じた――
2.0の視力優良児が僅かにそう認識できる距離)
(夜の彼方、ギリシャ数字と針のシルエット色濃く光る文字盤)
(……何やら人影の周囲を、光の粒子が旋回した、その直後)

リンゴーン…リンゴーン…
(まるで細かい無数の泡が破裂していくような音と共に)
(極彩色に煌めく巨大な魔法陣が、闇を切り裂き現れる……)
(その大きさは、円の直径が時計塔の高さとほぼ同値
模様はまるで時計の文字盤……本来分を刻む長針が、毎秒右回転を刻む)

(……時計の文字盤そのものを模した、動く未知の魔法陣)
(どうやら原因はアレで間違いないようだ)

8シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/08(木) 23:18:27 ID:UYTTjF8k
>>7
「あれが原因か…。」
ぽつりと呟く。

「そうなるとアレをどうにかすれば時計塔が直るのだろうか。」
しかし、どうすればいいのかわかろうはずもない。

再び、拡声器を持って人影にむけて声をかける。
『すいませーん、あの魔方陣どうにかできませんかー?』
ようやく時計塔の扉の前に到着。

9名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:18:41 ID:s4VDrwAU
…おぉ、おぉ。よう壊れておるのう…

(巨大な杖を携え、歩いてくる青年)
(白い生地に金色の唐草模様の縁取りが入ったローブに身を包み、
紫色の眼で時計塔を見やる)

(どうやら街の方から此処が壊れているのを見掛け、来たようだ)

10シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/08(木) 23:23:19 ID:UYTTjF8k
>>9
「おや、見かけない人ですね。」

『こんばんはー。』
拡声器をつかって挨拶した。

11名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:26:15 ID:QFqhgR4s
リンゴーン…リンゴーン…
(時計塔の丈ほどもある巨大な魔法陣は、まるで時を刻むように)
(模した文字盤の長針を毎秒動かしながら、極彩色に光輝く)

リンゴーン…リンゴーン…
(人影は、時計塔の短針の上に立っていた)
(高所ゆえの強風に燕尾服をはためかせながら、頭のシルクハットを手で抑え)
(シワを刻む口元には、確かな、笑み)

リンゴーン…リンゴーン…
(そして、白手袋をした両手を、腕いっぱいに水平に広げる)
(それは、まるで、ショーの司会のような――)

レディースッ
エーンッッ
ジェントルメェーンッッ
(うさんくさい声で、夜空ごと貫いた)
ようこそ諸君…
私の"ショー"へ

12名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:29:16 ID:s4VDrwAU
>>10
やかましいのう
そんなモン使わんでも聞こえておるわ
(拡声器を杖で指している)

大学の人間ではないからの…
たまたま壊れているのが見えたので来たのだが…ふーむ…
(まじまじと時計塔を見ている)

>>11
…うぅむ…コレはどうにも。
(ジャリ、と足音を立て一歩後ずさる)
どうも”招かれて”しまったようじゃのう
何事も無く帰してくれるなら問題は無いのだが…とんだ観光になってしもたわ

13シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/08(木) 23:34:58 ID:UYTTjF8k
>>12
「それは失礼しました。」
ぺこりと頭を下げた。

「とりあえず、お気をつけて。」

>>11
その一連の言動を見て、今宵の騒動の原因が彼にあることを確信した。
いや、例えそうでなくとも彼はこの騒動の原因が自分であると主張した…たぶん。

「風の精霊ウィンドよ…。」
ポツリと呟くお約束。
渦巻く風の魔術の力を借りて男の体は上空高く飛んでいく。

そして、最高点に達したところで。
「守護方陣。」
足場となる物質化した魔方陣を空中に展開し、その上に着地した。

「さて、できうることなら貴方のショーとやらを見学したいところですが
それが学校に被害を与えるものだとしたら大変なのでね。」
シルクハットの人物とシンの間にある距離は十数メートルだろうか。

14名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:40:37 ID:QFqhgR4s
リンゴーン…リンゴーン…
(その何処か気持ち悪くも魅力的な声は、天高らかに響く)
(絶えず鳴る大鐘楼、時計塔を覆う大魔法陣)
(異様な光景だった)

さてさて私が描きましたこの魔法陣『クロノスシステム』
一度発動したならば、世界中の時を止めちゃう優れもの
しかしひとたび時を止めてしまえば、解除する手だてもなし

正真正銘、一撃必殺、"終末級(ピリオド)"の大魔法でございます!
さぁ諸君

(短針の上、地上よりはるか上、シルクハットを深く被り)
阻止してみたまえ

(つまり)
(倒してみろ…そういうことらしい)

15名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:44:46 ID:s4VDrwAU
>>13
なぁに、構わんよ
(軽く手を振る)

…ふむ、此処は彼…大学の人間に任せておくのが一番かの

>>14
ほう、時を…!
(青年の眼の色が変わる)
其れは是非ともお目にかかりたい、と言いたい所じゃがの
其れが発動してしもうたら”時”が静止する
つまり確認する”時”も何もかも無くなってしまうということじゃな?
さて、どうした物か……

(青年は、その危機に動じない)
(動じないと言うよりは、真剣に「悩んでいる」様子だ)

16シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/08(木) 23:50:33 ID:UYTTjF8k
>>14
終末の言葉を聴いて顔を手で覆う。
「なんてこった…虚無科が取り組むべき課題が目の前にいるとは…。」
しかも聞くところによると巨大魔方陣は時属性のようだった。

「解除する手立てがない…嘘か真かは発動後に判明しますが…。」
死ぬことはないだろうとたかをくくっている男に動揺の色は見えない。

「阻止しろと言われましてもね…。」
その手にする得物の名は邪気銃。
大気中の邪気を吸収して銃弾として撃ちだすものだ。

その銃口をむける。
「貴方はこの程度の攻撃ではたして倒せますかね?」
刹那、撃ちだされる邪気の塊。
その撃ちだす塊の全てが鉄壁をも貫通する威力を持った銃弾である。

>>15
目の前の相手に意識を集中しているようだ。

17名も無き邪気眼使い:2009/10/08(木) 23:56:38 ID:QFqhgR4s
>>15
その通り……時を止められたことにすら気づかないまま
やがて歴史から忘れ去られるのです……世界の終わり、"終末級"!
(魔法陣は時計の文字盤を模し、長針は毎秒動いている)
(時限式、ということだろうか)
ガチンコでブツかってくるも良し
頭を捻って魔法陣に直接攻撃でも良し
ご自由にお立ち向かってください!

>>16
『クロノスシステム』!
(巨大魔法陣の極彩色の輝きが増したと思うと)
(弾丸の色が褪せ、空中で静止してしまう)

『クロノスシステム』の本質は、時属性"結界"
すなわち攻撃の絶対防御……【いちいち名前を呼ばねば発動しない】のですがね
自動防御だとさすがに反則ですからねえ……バランスですよ、バランス

18名も無き邪気眼使い:2009/10/09(金) 00:04:40 ID:Bb6qM6F2
>>17
(コツ、コツと杖を突いて歩き出す)

世界が止まるのなら、歴史も止まるだろうに…
詰る所、止まる場所とそうでない所があると言った所かのう?
そうでなくては主ごと全てが”終焉”になってしまうのではないか?

…すまんが、ここは彼一人でも何とかなるじゃろう
時計塔が壊れている事を”確認”したかっただけでな

(フラリと歩き出し、地面に何かを描き出す)
(其れは紫色の光を発する魔方陣の様だ。…其の上に乗り、魔方陣ごと姿を消す)
(どうやら転移陣の類のようだ)

//済みません、落ちますね…

19シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/09(金) 00:08:14 ID:SBv2OI9Y
>>17
「厄介ですね…。」
運のいい事に頭が冴えたのか目の前で起こったことを理解できた。

「叫ばれると終わりですか…。」
五月流はほとんど自動だなぁ等の言葉が脳裏を過ぎる。

ぶつぶつと詠唱し。
「反逆者――。」
アンチスペルの一つを邪気銃に施す。

「これで届くとは思えませんが…。」
目の前の相手に素早く2、3発の邪気弾を放ち
続けざまに魔法陣へむけて邪気弾をありったけ撃ち込んだ。
それら全てが魔術を打ち消す力『反逆者』を纏った邪気の塊である。
ただし、アンチスペルといっても一般に広まっている魔術である。
よって魔術的なレベルはさほどではない。

>>18
第六感がその者がその場から去ったことを察知した。
が、反応している余裕はなさそうだ。

//お疲れ様でした。
またの機会がありましたらロールしましょう。

20名も無き邪気眼使い:2009/10/09(金) 00:11:59 ID:QWsqOsao
>>18
//この時間にクエストとかないですねごめんなさい!乙ノシ!
>>19
おおっと、アンチスペルですね?
(魔法陣の規模が大きすぎるのか、消滅にはいたらない)
(しかし魔法陣の大きさが、僅かに、縮んだ気がした)
(……つまり【魔法陣への直接攻撃は有効】!)


(グルン、と反転する魔法陣)
(それは先程時止めされた攻撃の矛先が逆転することを意味する)
(つまり、『対象は術者へ変更される』)

さぁさお立ち会い、ここからが面白い!
時魔法の加速補助魔法をちょちょいとかけてあげると
あら不思議! 【速度も威力も倍加してしまった】!

(それはつまり、『カウンターアタック』)

それ行け!
(弾丸は真っ直ぐにシンへ帰ってくる)
(より速く、より強く)

21シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/09(金) 00:21:27 ID:SBv2OI9Y
>>20
反応速度も運動能力も人並みであるシンが
通常の弾速より加速した邪気弾へ反応できるはずもなく
全弾命中と相成るはずだった。

しかし、邪気弾はシンに到達するより前に
彼の周りに発生した淡く光る防御幕に全て防がれて、空中で粉砕した。

「…助かりましたよアイギス。」
人工精霊『アイギス』、
それは光の球体に闇の羽を生やしたシンプルな姿をしていた。
アイギスはシンの体に流れる光と闇の魔力を動力源としている。
よって…。

「はぁ…いやはや。」

シンの魔力は確実に削がれている。
ましてや凡人であるシンの魔力がそう長く続くことはないだろう。

「撃てるだけ撃ち込みますよ。」

今回も相手へのけん制に2、3発邪気弾を撃った後、
魔方陣へむけてありったけの邪気弾を撃ち込んだ。

22名も無き邪気眼使い:2009/10/09(金) 00:31:42 ID:QWsqOsao
>>21
…ほう、『アーティフィシャルファミリア』ですか
これはなかなか希少なものをお持ちで、羨ましいものです
(まるで次の一手を楽しみにしているような言い方であった)
("終末級"の大魔法陣でさえ、『エサ』と見做しているような)

(アンチスペルを受ける度、魔法陣は縮小を続ける……が、微小)
(僅かに縮んだだけで、総合的な大きさはやはりあまり変わりない)
(相手は"終末級"、ならば【決定的なアンチスペル】が必要だ…)

23シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/09(金) 00:38:46 ID:SBv2OI9Y
>>22
「アーティフィシャルファミリア…?」
目の前に浮かんでいる相棒が
本来そういうものであることを彼は初めて耳にした。

相手が望んでいることがまるで手に取るようにわかった。
それは相手の誘いであり、罠である可能性が高い。

…が、五月流や蘇生眼を使わないつもりでいる自分が
このまま戦えばいずれジリ貧になるのは目に見えて明らかだった。

「やるしかないようですね。」
かつて、脱出不可能だと言われた封印空間から脱出する際に手にした
紫の光を称えた槍が彼の手の中に『あった』。

「消え果ろ!!」
魔法陣を貫き消滅させる、
それを邪魔する物全てを切り裂いて、
そのつもりで紫の槍を投げた。

24名も無き邪気眼使い:2009/10/09(金) 00:49:53 ID:QWsqOsao
>>23
ああ、お気になさらず。【我が国における人工精霊の呼び名】です。
(国によって言語も違う、よって呼び名も違う――そんな理屈だ)

(凄まじい光量を四散させ、槍と魔法陣はお互いを打ち消し合う)
(魔法陣はみるみる収縮し、サイズはおよそ半分といったところか)

(……しかし、恐ろしいことに)
(半分まで行ったところで、縮小化が急に停滞してしまった)
("終末級"――そのポテンシャルは莫大、世界を滅ぼしうる大魔法)

(しかしそれは、『後半分までに追い詰めた』ということに同じ)
(完全消滅には後もう一押しが必要だ…つまり【とどめのアンチスペル】が)

25シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/09(金) 00:55:18 ID:SBv2OI9Y
>>24
槍には思いを込めてある。

後はその思いを貫くエネルギーがあればいい。

「うおおおおおォォォッ!!」
普段の貧弱な男の様子からしておよそ予想できないだろう声で叫ぶ。
それと共に、彼の中にあるありとあらゆるエネルギーが紫の槍に注がれる。

魔力、霊力、妖力、邪力、聖力、生命力…エトセトラ。

それら全てのエネルギーの後押しを受けて槍は突き進む。

こうなると、魔方陣が消滅するか、男のエネルギーが先に枯渇するかの戦いであった。

26名も無き邪気眼使い:2009/10/09(金) 01:04:21 ID:QWsqOsao
>>25
(極彩色の閃光を撒き散らす魔法陣は、底無沼のようにシンの魔力を食らう)
(動脈に牙を突き立て吹き出す血を呑むかのような、尋常じゃない勢いで)
("終末級"の大魔法は、通常手に負えるようなものではないことが多い)
(世界丸ごとを災禍に見舞うほどの強大な魔法は、もはや天災と言って良い)

(……やがて、魔法陣に、ひびが入る)
(それは瞬く間に全体へと拡散して広がっていき)
(ついに、莫大な量の魔力を喰らった末に――魔法陣は、砕け散る)

……ブラボー、ブラボー

27シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/09(金) 01:08:56 ID:SBv2OI9Y
>>26
魔法陣が砕け散ると同時に、
シンは足場となっている守護方陣に膝をついた。

同時に彼の傍を漂っていた人工精霊アイギスは姿を消し、
役目を終えた紫の槍は何処へと消えた。

「…ぜぇ、ぜぇ……。」
膝をつきながら肩で息をする。
もはや守護方陣を維持するだけで精一杯のようだ。

28名も無き邪気眼使い:2009/10/09(金) 01:18:44 ID:QWsqOsao
>>27
……『クロノスシステム』は、"終末級"の中では"低コスト"の魔法です
"低コスト"といっても莫大は莫大なのですが……"終末級"の中では、ということで
(シルクハットの男は空中を闊歩する…靴裏に魔法をかけているのか)
(狂ったように鳴っていた時計塔の鐘は、すっかり止んでいる)

あなたの戦う相手、真なる終末、その一端にございます
ゆめゆめ油断なされぬよう……干からびて死なないように
くっくくくく……

(――気がつけば、男の姿は消えていた)
(時計塔も普段通り……終末は回避できたようだ)



//完ッ!
//実験クエストでしたw 最後までありがとうございました!

29シン ◆WT7na.QNUo:2009/10/09(金) 01:25:02 ID:SBv2OI9Y
>>28
「…またの機会があれば、会いましょう…。」
消えていった男を見送る言葉を紡ぎ。
彼が足場にしている守護方陣はゆっくりと下降していった。

そして、地面に到達すると守護方陣は消滅。
男は地面に倒れこんだ。

「しばらく、眠ります…。」
男は静かに目を閉じた。


//お疲れ様でした!
いえいえ、こちらこそありがとうございました。

30黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 17:17:32 ID:oOY.Oy5A
 KUNREN内部。
 無限に広がる平原。
 佇む男。

「“左腕”の調整は終わった。バグも大方取った。調子も良好。
 あとは実地試験って所だが……」

 と言い、辺りを見回す。

「……誰もいねーのかこの時間帯…」
 はぁ、と溜息を吐く。

31未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 19:03:34 ID:norCA1fc
っと……到着
【文字通り、上の方から落ちてきて】

しっかしここ、凄いところだな……この時代にこんな物がね
【あたりを見回している】

32黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 19:10:06 ID:oOY.Oy5A
「よう未来人」
 突然背後から声をかける。まだ居たのか。

「正直この時代で一番進んでる施設なんじゃねーの?
 いや、適当だけど」

33未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 19:14:15 ID:norCA1fc
>>32
お、まだいたのか。良かったぜ……
【今日も相変わらずの特徴なし】

だろうな……こんな物、未来でも特別な場所でしか見れないな

34黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 19:15:36 ID:oOY.Oy5A
>>33
「nknhtが偶然通りかかったそうな」
 メタな話。

「未来だとなんか機能増えてそうだな……
 ゲーム感覚のこう…な?」

35未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 19:19:14 ID:norCA1fc
>>34
それは良かった、せっかくの実験が無しになると困るだろうと思ってな

いや、そうでもない。まだ低いレベルの物ならいくらでもあるが、ここまで出来ているのは珍しい
【空を見て、次に自分の手を見て二度ほど握って見たり】

36黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 19:21:06 ID:oOY.Oy5A
>>35
「なんだ。実地試験の相手にでもなってくれんのか?」
 シャドーボクシング的な動きをする。

「ふーん…想像が膨らむな未来……」
 wktkしている。

37未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 19:26:53 ID:norCA1fc
>>36
その為に来たんだぜ? 俺は
やっぱり、困るだろ?
【ニヤリと笑う特徴なし】

そうか? まあ、俺が何年後から来たか解らないから実際いつの話になるのかよく解らないしな……
【ダメだコイツ】

38黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 19:33:15 ID:oOY.Oy5A
>>37
「!そうだな……
 俺が生きてるかどうかすら不明だしな……
 近未来だといいな…」

「…よし。んじゃ、実地試験開始、と行くか」
 と言い、長袖のシャツを脱ぎ捨て、手袋を外す。
 露になった左腕には、機械のような無数の回路。
 そして手の甲には赤い宝玉がはめ込まれている。
「先手は譲るぜ?」
 自信に溢れた笑みを浮かべる。

39未来人・特徴無し:2009/10/17(土) 19:40:52 ID:T9qfG.V.
>>38
まあ、気を落とすな。案外近いかも知れねぇぜ?

さって、戦闘か……準備させてもらうぜ!
【携帯電話の様な者を取りだし、ボタンをいくつか押す】

【暫くして――爆☆発】

さて、これが俺の先手だッ!!
【まだ治まらない爆風から飛んでくるミサイルの軍団】

40黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 19:47:46 ID:oOY.Oy5A
>>39
「うお…どうみても兵器じゃねーか……よッ!!」
 ミサイルの群れが、黒金に“直撃”し、辺りが砂煙に包まれる。

 しかし。

「――しかしまだまだ余裕、って所だな」
 煙が晴れ、そこに居たのは。
 “ほぼ無傷”の黒金鋼。

「次はこっちから行くぜ?」
 ダンッ!と地面を蹴り、凄まじい速度で未来人の方目掛け飛んでいく。
「くらえ…ッ!!」
 右に握られる拳。
 直撃すればひとたまりもない、かも知れない。

41未来人・特徴無し:2009/10/17(土) 19:54:54 ID:T9qfG.V.
>>40
【この煙には利点以上の弱点が合った】

【この煙は自らの姿と攻撃を捉えにくくするもの】

【但し……】

え、ちょっ! 何来んだよ!?
【自分からも見えなくなるのだった】

【咄嗟のガードで防ぎ、何とか致命傷は回避。と言ったところだろうか……】

【暫くして煙は晴れ、青年の姿が現れる】
【機械を身に纏った青年。アーマー装備】
【左目には某漫画の戦闘力測定装置の様な物】
次は、これだ!!
【青年の左手の重火器からは火炎が暴れ出る!】

42黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 20:06:43 ID:oOY.Oy5A
>>41
 戦闘力測定装置を見て、
「それスカウt…いや、なんでもない…」

「なッ…!?」
 跳躍し、火炎を回避しようとする、が。
 重火器から襲い掛かる火炎が左腕に直撃。
 義手に仕組まれた回路が幾つか焼ききれ、機能がある程度使えなくなったようだ。
「制御野がある程度やられたか……だが…!」

 空中にいる体勢から再び拳を握る。
「この技を試すのに支障は、無いッ!!
 ―――鋼身眼、一点集中!」
 黒金の身体から滲み出る邪気が、“身体を硬化させる邪気”が、握り締められた右拳に集結していく。
 数mの高さから落下する重力と合わさり、破壊力は増加する……!

43未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 20:10:37 ID:norCA1fc
>>42
てめっ! あぶねぇっての!!
【ダッシュブーツを起動し、全力後退で回避】

ふむ……敵との距離。約1200(単位m)か……行けるな!
【戦闘力計測装置で距離を確認。しゃがんで大砲のような何かを構える】

44黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 20:15:39 ID:oOY.Oy5A
>>43
「やっべ…外しちまった……!
 隙だらけなのが弱点だなこれ…」
 冷静に分析。
 それでこそ実地訓練である。

 大砲のようなものを視界に捉え、回避行動を取ろうとする、が。
「……わー…拳が埋まって抜けねーやー…
 ただ威力はスゲーのなこれ」
 どうみても素敵な的である。

「くっそ、こうなったら意地でも耐えるしかねーな…
 ――鋼身眼、フル稼働…ッ!!」
 地面に右拳を埋めたままの体勢の黒金を、灰色の邪気が包み込む。
 果たして防御力はいかほどか。

45未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 20:22:29 ID:norCA1fc
>>44
硬度を高める能力……か
【鋼の様子を見ながらつぶやき】

よっし、チャージ完了!
【青年の戦闘力(以下略が光り】

喰らえッ……
博士特製レーザ砲の威力をォ!!
【大砲が蒼く光り、次に砲身からはレーザーが放たれる!】
【砲身同様の大きさを持つそれは真っ直ぐに鋼へ飛ぶ】

46黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 20:27:13 ID:oOY.Oy5A
>>45
「能力バレは今後の戦闘に響くのよなー…」
 ぽつりと言う。

「ちょっ…想像以上って言うレベルj」
 最後まで言いきれず、ビームが直撃。

 ビームが通り過ぎた後、数十m先に、黒金が仰向けに転がっていた。
「痛ってー…威力半端無いな今の……
 何メートル飛んだよ俺…」
 一応喋れる程度には生命力が残っているようだ。
 やはり並の防御力ではないようである。
「(…しかし今ので邪気使い果たしたな……
  さて、ここからどうする…)」

47未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 20:32:50 ID:norCA1fc
>>46
スゲー! アホ博士つえー!!
【何と言う他力本願】
【因みに、このレーザー砲に限らず、装備はすべてアホ博士製】

まだ戦えるかー?
【打ったままの地点から声をかけ】
【巨大大砲の姿は無い、転移術で消したようだ】

48黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 20:34:29 ID:oOY.Oy5A
>>47
「ぜひお会いしてみたいよアホ博士とやら」
 ゆっくりと立ち上がる。

「あー、邪気使い果たしたから無理っぽいー
 しかし凄げぇなさっきのレーザー…普通だったら消し飛んでたぞ俺」

49未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 20:42:01 ID:norCA1fc
>>48
案外、どっかほっつき歩いていたりする……と思うんだがなぁ……
【残念、博士は引きこもりだ!】

そか……なんかすまんな、余り実験にならなかったろ?

まあ、あのナルシストなアホ博士の作ったやつだしなぁ……

50黒金鋼 ◆FA/Bw.T3QU:2009/10/17(土) 20:45:47 ID:oOY.Oy5A
>>49
「こっちの時代に来てたりしてなはっはっは」

「ん?いやいや、結構短所長所掴めたし助かったよ。
 サンキューなー」

「(つーとさっきのミサイルもアホ博士とやらの製作物なんだろうか)」


「さて、んじゃ俺はこの辺で帰るよ。
 じゃーなー」
 手を振ると、ヒュンッ、と姿を消す。

//おつおつ
//楽しかったですぜノシ

51未来人・特徴なし:2009/10/17(土) 20:52:14 ID:norCA1fc
>>50
ここに過去のアホ博士がいるみたいなんだが……
【引きこもりなので見つからない】

そうか、それなら良いぜ。どういたしましてだ
【無論、ミサイルもそう】

ああ……じゃ、俺も帰るか……
【同じく、消えて行った……】

//こちらこそありがとうございました!

52ダレカ:2009/10/20(火) 20:57:38 ID:Fw4vNVtE
(『邪気眼大学の地下には巨大で広大な迷宮がある』――)
(興味本位で入り口を見つけ、踏み込んだのが間違いだった)

…迷った…予想外の広さだわ……
("好奇心猫を殺す"とはよく言ったもの)
(まだモンスターが出現する階層でないのが幸いであるが)

…たっけてー……

53名も無き邪気眼使い:2009/10/20(火) 21:03:21 ID:bD34clzY
(カツ…カツ…と石畳の床を歩む、規則的、時折不規則的な音)
(薄暗く、広大な迷宮に響くその音は一体どの方角から迫っているのか、いまいち判断がつきにくい)
(反響が反響を呼び大きくなっているのか―――)
(それとも、既に―――間近に)

54ダレカ:2009/10/20(火) 21:06:31 ID:Fw4vNVtE
>>53
…!
(硬質感のある足音に気づき、じっと粋を潜め耳を澄ます)
…これ逃したらダメよな、やっぱ……一か、八か
博打売ってみるしかねーな
(スッと息を吸い込み)

たっけてー!
(それは所在地を知らせる発煙筒のようなもので)

55名も無き邪気眼使い:2009/10/20(火) 21:16:33 ID:bD34clzY
>>54
(突如、彼の立つ地面に幾何学模様のような巨大な紋章が描かれると同時に)

―――カッ…!!!

(彼の周囲に天を貫くような巨大な光の柱が立ち上がり―――円を描くように地面、空を奔る)
(光の柱…否、もはや光の壁となったそれは、彼をぐるりと取り囲んでいる)
(…確かにこの中にいればモンスターは来ない)
(だが…出られないかもしれない。この光の壁を破らぬ限りは)

56ダレカ:2009/10/20(火) 21:20:15 ID:Fw4vNVtE
>>55
(瞬く間に現れた光輝く円柱に閉じこめられてしまい)
…バチだー!!
(頭を抱えて上を仰ぎ叫んだ)

っつか…これどうすんだオイ
飢え死にの選択肢が新たに追加されちまったぞ……
(軽くきょどりながらしかし慣れた手つきで、左手で壁を軽く小突いてみる)

57名も無き邪気眼使い:2009/10/20(火) 21:24:30 ID:Uts6wDWI
>>56
――バシンッ!!

(光の壁から静電気の様な痛みと、弾かれるような感触)
……
(カツカツ、と歩み寄る足音は近付いてきたのが解る)
(ぼんやりと光の向こうに見える影は、巨大な杖を携えた、大きな三角帽子を被った人影である)
(どうやら、人型のモンスターではない限りモンスターの類では無さそうだが…)

58ダレカ:2009/10/20(火) 21:29:41 ID:Fw4vNVtE
>>57
ッ! 静電気!?
(感覚的にはそれが一番近いショックだった)
(確認の為、今度は衝撃に備えて腰を据えて腕を伸ばす)

…魔女?
(絵本でよく見るような魔女の典型とも思えるシルエット)
(少なくとも良いイメージはない…)
誰かー! いないのかー!?

59名も無き邪気眼使い:2009/10/20(火) 21:34:43 ID:Uts6wDWI
>>58
(更なる衝撃――今度は静電気どころでは済まず、
まるで電流でも流れるかのようなショックと、
炎が体内を駆け巡り身体を内側から焦がす様なとんでもない感触が同時に彼を襲う――!!)

――っ!?

(だが、それもすぐに収まり、フッと目の前の壁が姿を消す)
た、助けを求めたのなら大人しくしていろ…!!死にたいのか!
(…何故か、初対面の怪しい人物に説教されそうな勢いである)

60ダレカ:2009/10/20(火) 21:40:20 ID:Fw4vNVtE
>>59
ぐっ、お――!?
(神経を焦がし尽くす痛みの奔流が激しく暴れて肉体を突き刺す)
おっ、…ぉおおおおッ!!
(叫び、目を剥いてゆっくり一歩踏み出そうとしたその矢先)

…あり?
(壁が消えると同時に、身を焦がしていた激痛も収まる)
ってて…閉じこめられたら脱出したくなるんだよ
つーか誰よアンタ…明らかに"魔女"だけど

61ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 21:45:06 ID:Uts6wDWI
>>60
……助けてって言うから…
てっきりモンスターにでも囲まれていたのかと思ってな…
(周囲を見渡し、一息吐く)

…私はラピス。この大学の卒業生…
……お前はどうしてこんな所に?興味本位か…奥に用事でも?

(モンスターが出没しない所から見ると恐らく、距離にしてはえらく中途半端な場所である)

62ダレカ:2009/10/20(火) 21:50:20 ID:Fw4vNVtE
>>61
はあ…単に道順で迷っただけだ悪かったな
つーか声あげただけなのによく正確な位置が割り出せたな
(さすが魔女、と頭の悪い感想をいだき)

卒業生…よく五体満足で卒業できたな。俺はダレカ、よろしく
……果てなき冒険スピリッツがうずいたんだ

63ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 21:54:20 ID:Uts6wDWI
>>62
……そうか、冒険……。
お前もこの迷宮に眠ると言われる莫大な財宝を探しに?
それともこの世に存在しては成らないとされているS級の禁書を?

幸い、運が良かったのだろう。
私は近接系統の学科では無かったからな。
寝惚けながら授業でも受けない限り危ない事は無かった

64ダレカ:2009/10/20(火) 22:01:02 ID:Fw4vNVtE
>>63
これはとんだ宝島だな…残念ながら貴重品目当てじゃない
探検してみたくなったんだよ、実際は手に負える規模じゃなかったが…
(はあ〜、と悔いるようなため息をつき)

…? はあ
(言っていることの大半が理解できなかったらしい)
まあそれよりさっさと帰ろうぜ、一晩ここで過ごすのはごめんだ

65ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 22:07:11 ID:Uts6wDWI
>>64
…解った。
地上までは送ろう。寮までは帰れるだろう?
(くるりと踵を返し、彼の隣――より少し前を歩き出す)
(巨大な帽子に隠れ、其の顔は出会った時からずっと見える事が無い)
(ボロボロなローブに、見るからに怪しい其の格好。それに長く伸びる蒼い髪――)
(巨大な杖の中心には「眼」がついており、ソレはジッと彼を見ている)

(――本当に、目の前を歩く其の人物は信用に足る人物か否かは…判断するに難しい)

……一応言っておくけど、別に此処には莫大な財宝も禁書も無いからな
(ジョークのつもりだったようだ)

66ダレカ:2009/10/20(火) 22:10:21 ID:Fw4vNVtE
>>65
なんだよ、盗窟者かどうかのテストだったりした?
(洋画にありそうなジョークの応酬をかます)

…仕方ねーやな、もう時間は遅いはずだろうし
今日のところはひとまず退散としますか…

67ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 22:16:48 ID:Uts6wDWI
>>66
まさか
(軽く苦笑する)
別に此処で何かを見つけたのなら、取っていっても誰も咎めはしない
財宝や禁書とまではいかなくても、それなりに魔石はあるし「良い材料」は沢山落ちているからな

…そうだな、そろそろ夜は冷える季節だ…
あまり夜に出歩くのは良くない…冷える。
(ダレカを見据える視線はいつまでも続いている)
(前を歩く魔女は彼の方を向いては居ないが)

68ダレカ:2009/10/20(火) 22:20:19 ID:Fw4vNVtE
>>67
おいおいそりゃ…何だ? つまり管理はされてない…いや
まさかこの迷宮は、"学園公認のダンジョン"ってことかよ……

…冷えるのはいいんだが…なんか、視線みてーなの感じないか
ずーっと見られてる気が…バトルでも勃発しちゃうのか?

69ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 22:27:24 ID:Uts6wDWI
>>68
…そういう事になるかな。
どういう理由で此処があるのかは私も良く知らない。
私が此処の大学に通っていた頃にも、此処は存在していた
其の時は主に訓練施設のように扱われていた事もあったが、…未知数な場所だからな。
私が在学していた時だけでも、此処で姿を消した生徒も少なくは無い。

いや、ダメ、絶対ダメ!だって寒いだろう!
……視線?
(ピタリと止まり、周囲を見渡しているが)
…モンスターや敵意と言った気配は…特に無いと思うんだけど…

(その間も、其の視線はジッとダレカを見ている)
(そう、ちょうど…目の前の魔女の持つ、杖の辺りから)

70ダレカ:2009/10/20(火) 22:32:12 ID:Fw4vNVtE
>>69
…それでも放置ってことは、
"生死の如何は挑戦者に委ねられる"ってことかよ
迷子のわんこが迷い込んだとして、悲惨は最期を辿る訳だ
(バカにしやがって、と唾棄するように言い捨てる)

(視線の主を確認して顔をひきつらせる)
…おい、まだか? それとも何かイベント待ちだったりする?

71ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 22:41:15 ID:Uts6wDWI
>>70
(漸く――湿ったような、古臭い、何処か苔臭いようなその巨大な迷宮特有の空気から、
涼しくも開放的な夜風が身を包む)
(眼前に広がるは巨大な中庭――見慣れた光景)
「入るな」といっても入る者は入るし、入らない者は入らないさ
此処を敢て開放しているのには何らかの理由があるのかもしれないな。
…お前はまたここに入ろうと思うか?
此処には、何かが在るかもしれないし、何も無いかもしれない。

……
…………
(杖の先に付いた、巨大な眼がダレカを見ている)
(ただ、其れだけなのだが―――其処に意図はある様で無さそうでもある)

72ダレカ:2009/10/20(火) 22:47:28 ID:Fw4vNVtE
>>71
…ファンタジー初心者の太刀打ちできる場所じゃないだろ
腕試しするには難易度高そうだし、ひとまずはお預けだな
(肩をすくめ、歩いていく)
道案内ありがとな、おかげで無事地上に生還できた

73ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/10/20(火) 22:51:47 ID:Uts6wDWI
>>72
…そうだな
次があるなら…一人で行くよりは誰かを誘って行った方が良いかも知れないな

あぁ、此処からなら寮に戻る事ができるだろう。
それじゃ…

(くるりとその身を反転させ、再度地下迷宮へと歩んで行く)
(どうやら地下迷宮に足を踏み入れていた理由は助けを求める声があったから、では無く、
偶々通りすがっただけだったようだ)

74名も無き邪気眼使い:2009/10/26(月) 21:12:44 ID:3LmPkWv6
(邪気眼大学に張られた結界は、隕石をも阻む強度を誇る)
(真正面から破壊するような正攻法では、まず破られることはない)

それも『正攻法』やったら、ちゅう話や

(肉眼では決して分からないが――結界の壁面が、水アメのように溶け出す)
(そうして空いた風穴を潜りように身を屈め、1人の少女が、侵入に成功した)

今頃、《警邏機関》は大騒ぎやろうなあ…ざまあ見いや。
"異能"が集うんは『ここだけやあらへん』ねんで、ひーははは!
(白衣に茶髪を腰まで靡かせる猫目の少女は、勝利宣言の高笑いを上げた…)

75 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 20:06:33 ID:rQfa1x/g
(―――???)

(”其処”は、酷く寒々しい場所であった)
(石畳の冷え冷えとした床、ゆらゆらと風に揺れる蝋燭の灯火、無機質な石の壁)
(其の床も壁も、まるで氷のように冷たい)
(恐らくは屋内、だが気温は屋外と変わりないか…寧ろそれ以上に冷たく)
(寒冷とした夜風が吹き込み、室内を駆け巡る度に灯火がパチパチと音を鳴らして燃える)
(雪が吹き込まないのが不思議な程である。外では雪が積もっているのではないかと思わせる程に、寒い)

(そんな室内に、無機質な声が響く)
(藍色の長いローブに、手には巨大な杖―――魔力の媒介)
(身体には幾つかの魔力をコントロールする独特なアクセサリーを身に付けている)
(頭には、顔を覆い隠すほどの巨大な三角帽子が被られている)
(ターコイズブルーの長い髪が凍て付く風に靡く)

『我が呪われし声は楔と成りて』
"Wedge ari an guth an mhuir charib"

(白い吐息を呪文に変える)
(恐らく、この場に居ては身体の芯まで凍て付くような、そんな薄着である。足に至っては裸足なのだから)
(最早其れは寒いを通り越して”痛い”に変わっているだろう)
(それでも彼女は”其れ”を止める事はない)

『我が呪われし血を以て、声を以て、全てを奉げん』
"Mare go leiry a chaitheamh gach"

(ポタリ…ポタリと赤い液体が、彼女の影を埋め尽くすように小さな水溜りを形成する)
(まだ、動くには無茶であったのだ。怨念の傷口は簡単に塞がる物ではない)
(だが彼女は”其れ”を止める事は無い)

『我が声に応えし時、我が血を受け入れる時』
"Glac nuair a chuala me guth"

(赤いナニカで描かれた魔方陣は赤黒い光を放つ)
(放つ光は魔力の飽和。魔方陣は光を放ち、風を巻き起こし、術者をも喰らわんとす勢いである)

(ジャリ、と床を踏み鳴らす音が呪文を遮るように石畳の部屋に響く)
(彼女の纏う藍色のローブが風に靡き、切り裂かれ、最早見るも無慚である。だが彼女自身へ傷は一つも付いていない。
其の胸部から腹部に掛けた傷を除いての話だが)

『その身を、其の力を繋ぎ止める者へ貸し与えたまえ』
"Tabhair dom a fhoghlaim go leir"

(スッと一度、手に携えた巨大な杖を横薙ぎに振るう)
(同時に光が爆発するかのように拡がり、彼女をも容易く…最早部屋ごと飲み尽さんとばかりに肥大化してゆく)

(恐らく、彼女の現段階で出せる全魔力を全て放出したのだろう―――)
(其の内部に居れば唯では済まない。無論…其の魔力を放出した当人であろうと)
(だが、其れでも彼女は…この”儀式”を止めるわけにはいかないのだ)

(此処でこれを失敗すれば其処までの命、だが―――)

76名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 20:36:34 ID:pFgB9atY
(魔力の飽和を警告する血色の閃光が、視界を塗り潰す光量で石窟を赤黒い光に溶かす)
(周辺の邪気の濃度が急激に低下していく。魔法陣が対価として吸収していっているのだ)
(高すぎる濃度の邪気はしばしば「瘴気」と呼ばれ、防護術式を編んである人体にさえ害を及ぼす)

(まして魔法陣のある『神殿』に居座ったままであれば、そのリスクはとても計り知れない)
(もし儀式に失敗してこれだけの邪気が暴走すれば、肉片や血潮はおろか遺伝子すら消し飛ぶ)
(それだけの邪気とリスクを必要とする魔法はそう多くなく、種類はおのずと限られてくる)
(例えば『掃討級[スイープ]』術式や、効果範囲が巨大規模のもの、撃竜[ドラゴンスレアヤー]用の武具錬成)


(後は、存在格が恐ろしく高い、"神格"を有する『神話属』の召還)


(石窟を埋め尽くす赤黒い光に、鐘楼の音と共に刻まれる、白き光輝の文字)

L U X F E R


(LUXは光、FERは帯びている)
(光を帯びし者と呼ばれ、そして明けの明星とも呼ばれた、バビロン王ネブカトネザルに名を与えし天使にして悪魔)


(光が晴れ、赤黒の閃光を消し飛ばす真白の光輝)
(聖なる金髪を肩まで下ろし、しかしその碧眼に慈悲はなく、白の翼を広げる傲慢の罪)
(すなわち)


…ニンゲン如きめ
暴走による死も寝覚めが悪い為応じた、感謝せよ


(ルシフェル)

77 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 20:49:30 ID:rQfa1x/g
>>76
…くっ……
(僅かに、声を漏らす)
(高濃度の邪気、幾ら己の魔力から生じた物と言えど害が無い訳がない。況してや身体状態が万全ではない状態)
(耐え切れなければ――痛みを感じる暇すらなく一瞬で消し飛ぶ)
(足を地に着け、それでも耐える)

(―――痛みは、生きている証拠。其れが未だ”在る”と言う事は、未だ其の命は潰えていないと言うことだ)

―――……

(やがて、其れも止み、フッと力が抜ける)
(そのまま崩れ落ちそうな身体に鞭打つように起き上がらせ、魔方陣を描いた方を見る)

(此処まで行っても尚、魔力が全く足りない場合は失敗に終わる事もある)
(彼女は魔女ではあるものの”召喚師”ではない。”誰”を呼び出したかまでは解らないのだ)

(光の中に薄ら見える、人影)
……はぁ……
(誰かを呼び出すことには成功した、のだろう。だが―――誰を?)
(息も絶え絶えに、然し真っ直ぐに其の人影を見据える)

……眩しい……
(光の中に見た、其の姿は)

……え?

(背中に冷水でも当てられたかのような感覚)

(あの時、自身の命を救った”彼”が、あろうことかこの場に”来”てしまったのだから)

78名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 20:59:51 ID:pFgB9atY
ふん
(余裕ある緩慢な動作で辺りの状況確認をすると、つまらなそうに鼻を鳴らし)
ろくに魔術的意味も配置されていない即興の『神殿』で、よく我を喚び出そうとしたな
これなら失敗に終わった確率の方が高かった……命でも賭せば何でも出来ると思ったか?

(語る口は傲慢そのもの。神格高きことを鼻にかけ、人を下に見、軽んじる態度)
(神話においてもアダムとイヴの下に仕えるようにとの"主"の命に逆らっただけはある)
(数日前に、ルシフェルはほんの気紛れで瀕死の彼女を助けたことがあったが)

では……用件を言うが良い
回り諄(くど)い言葉遊びは我は好かぬ

(馴れ合いを拒んでいるのか、もはやすでに記憶にないのか、おくびにも出さずに彼女を急かす)

79 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 21:05:02 ID:rQfa1x/g
>>78
(もし、召喚師のように選択肢があるのなら)
(自分と同じ姿”人型”の”其れ”は召喚しなかっただろう)

(―――余りに、辛すぎる)
(だが、今ならばそのような感情も捨てる事ができるだろう)
(幸い、相手も気紛れ程度にしか考えては居ない)

(成れば)

……力を、貸してほしい。
今は、”籠”と呼ばせてくれ。其れを壊す力を。

80名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 21:18:19 ID:pFgB9atY
…ニンゲンが
たかが幾つか魔術を使える程度で、我をたばかる腹づもりか?

(微笑というより失笑、失笑というより嘲笑、心根から見下したような声色を叩き付け)
(彼我の間に横たわる圧倒的絶対的格差を、口元を歪ますこともなく無慈悲に見せ付ける)

思い上がるな
我こそはルシフェル……魔に身を置くならばその意味を解せる筈よ
頼める者の言は弁えよ、何を以て何を成すのかを明らかにするが良い

(ルシフェル自身が識る通り、彼/彼女の持つ力とは人知というものを粉砕する威力を誇る)
(長き時間を経て作り上げた世界の土台を揺るがしかねないそれは、振るうにも易々とはままならない)
(それを知っているからこそ、明確にしろと告げた。無闇に使えば、世界の崩壊さえ可能なのだから)

81 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 21:26:25 ID:rQfa1x/g
>>80
……っ…
(言葉には、出来なかった)
(今この時、この場所では、誰が見ているかも解らない。聞いているかも解らない)
(だが、伝えられなくては当然納得させる事も、益々失望させる事も、どちらも出来ないだろう)

(然し、「今」は出来ない)
(今は口に出しては成らぬ”時”なのだ。これを誤れば一貫の終焉(オワリ)である)

(――…矢張り、無理か)

(召喚した所で、力を借りれるとも思っていなかった。だが心の何処かで甘えは在ったと思う)
(力のみを振るうことが目的の獣ならば、説明も不要だろう。
無論自身が召喚に「掛けた」レベルにそのような者は殆ど居ないが)


(―――…言える、訳がない)

82名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 21:43:15 ID:pFgB9atY
(言葉に詰まる様子を、大した興味もない紺碧の瞳で眺めていたが)
(しばらくの沈黙を挟んだ後、やがてその天使は歌うように口を開いた)

その表情で大体は把握しうる――今まで何人が同じ目的で呼び出したことか。
魔術全盛期の中世には特に多かった……魔術結社など組みおってからに、ニンゲンめ。

(嘲る、というよりは、呆れるように、つまらなそうな顔で溜めた息を吐く)
(呆れる、というよりは、飽きたように……本当に、本当に何度も同じ目的で召喚があったのだろう)
(そして恐らくは、それらの全てを、否み、拒み、退け、はねのけてきたのだ)

……何故、"籠"を壊そうと決意した?

(ルシフェルが話すのは、あくまでも"籠"と呼ばれるものについての話である)
(いかにも婉曲的な比喩でも、その真意など口を閉ざせば他人に分かるべくもない)
(あくまでも、"籠"の話なのだ。ルシフェルなりの配慮でもあった)

83 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 21:54:16 ID:rQfa1x/g
>>82
…有難う……
(其の配慮に、唯感謝の言葉を述べるしか出来なかったが)

きっと、幾度も繰り返された事だろう。これは。
そして、今も尚籠が其処に”在る”と言う事は…大概が語られる事も無く潰えたかしたのだろうと…思う
…私も、そうならないと言う保証は無い。

(それでも)
永久に籠の中で安寧と引き換えに自由をもがれるのなら
外に希望など無くてもその籠を脱したいと思うのは…矢張りおかしい事だろうか

……再び、籠が造られるとしても。
一時でも良い、支配から解き放たれる時があっても良いだろう

其の為に、一度籠の中が壊滅しようとも。

84名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 22:18:07 ID:pFgB9atY
ふん
我に見返りの一つも寄越す気が無い、その上ただの独善と来たか
変に嘘八百並べ立て諂う輩よりは良いということにしておこう
(ルシフェルは歌う)

支配から脱したい、一時でもいいから自由になりたい、だから籠を壊したい……ふん
ならば戦うが良い、我は一向に構わないぞ。ただし我の力は抜きでやれ、汝の問題だ
ただ……これは知り合いの無口の悪魔から耳に挟んだ話だが、一応教えておこうか
(布団の中の仔に絵本でも読み聞かせるように)


かつて、今の汝と全く同じことを願った者が、この檻にいた

85 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 22:31:07 ID:qjQCUUTU
>>84
……望む物が私に差し出せる物なら幾らでも、と言いたいところではあるが。
(…一度吐息を吐く。それは諦めにも似た何か)
私に差し出せるようなものは、貴方なら簡単に得られるだろう

(……やはり、か)
(何と無くそうではないか、とも思っていた)
(だが一筋の光があるのならしがみつきたくもなる)

(…私は、決して強い存在ではないのだから)

…そう。
(過去にいた、と言われようが成ればその人に任せようとも思えない)
でも、その人はその人。
結果として今があるのなら何も成さなかったのだろう

(愚かだと、悟ったか)
(―――だが)
私は酷く…馬鹿な方だ。
こんな私に付き従え等、言える訳がない
(…眼を合わせ、初めて微笑む)
…話を聞いてくれてありがとう。ルシフェル。

(共には徃けないだろう。ならば)

……気まぐれでいい。
貴方が見て来た歴史の中で…また一人愚か事に挑戦しようとする者が居た事を覚えていて欲しい

(きっとそれが)

(それだけが、私の生きた"証"になるだろう)

86名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 22:49:52 ID:pFgB9atY
(傲慢な天使には、ニンゲンの決意の価値など分からない)
(何より、知ろうとも思わない。これが傲慢の罪を冠したる所以)
(だから、決意とやらを尊重しようとも思わなければ、応援しようとも思わない)

断る。

(射殺すような冷徹なる視)
(このまま話を終わらせては、何の為に彼女を救ったというのか)
(このようなことをさせる為に、死に体の命を甦らせたのではない)

再度通告す。思い上がるなよ、ニンゲン
汝、何様のつもりか。決意に酩酊でもしているのか
弁えよ、その身勝手な振舞いでは犠牲など湯水のように湧き出ずる

少しでも大いなる魔女の賢き能が残っているならば
そして、少しでも昨晩の体温と鼓動が刻まれているならその耳を傾けよ


その者とは
汝の体に残る体温と鼓動の主だ

87 ◆Utm3teRUd2:2009/11/03(火) 22:58:34 ID:rQfa1x/g
>>86
…そうか…
貴方には、過ぎたる願いをした。…其れは謝罪する
(スッと頭を下げる)

そして、貴方に救ってもらったモノを、恐らく貴方は無為にすると思うだろう。
だけど、私にとっては…今を惰性に生きる事と其れは変わりない。
寧ろ…何もしないでこのまま時を過ごす方が…無為にすると、思っている。
勿論、それは私の考えに基づいた事。周囲から見れば…そうは見えないのだろうな

(かつて同じ事を考えた者が居た)
(かつて、同じ事を考えた者と、触れ合った)
(――だが、彼と自身の道が交わるのなら、恐らくそこで”終り”だ)
彼には彼の考えがあるように…
私には私の考えがある。

偶々同じ事を考え、同じ目標を掲げていたとしても。

辿る結末は、……同一ではない。

(彼の姿は、もう見ない)

88名も無き邪気眼使い:2009/11/03(火) 23:39:24 ID:pFgB9atY
嘯くなよ、ニンゲン
我が救ったのは、何も汝だけではない
(石窟は真昼のような光輝に満ち満ち、松明はその役目を果たせず無為に燃える)
(それでもこの狭き室が、まるで天界とでも言うように、神々しい光に溢れていた)

我は言ったはず
汝を喪い、哀しむ者がいるのだと
我は汝を救うことで、その者たちをも救ったのだ
(哀しませない、それこそが救いの意味ならば)
(このままでは救いなど何もない)

汝は今、己しか見えていない
籠の中はどうだった
冷たかったか、惨かったか、救いなど何も無かったか

汝の戦う理由は、汝の感じた温かみより尊いものか
それを壊してまで戦うほどに崇高なものだったのか
魔女なら分かるはずだ、一体どちらこそに価値があるのかを

(蘇える光景、石畳の西欧)
(燃える十字架、くべられる老若男女)

15世紀、魔女は辛酸を舐めさせられてきた。魔女狩りというやつだ
周囲の人間が密告し、教会と言う名の処刑機関に殺され続けた
そんな憂き目を味わった魔女の一端ならば、果たして何が本当に大事なのか分かるはずだ

(――一旦、息をつき)

……かつて、汝と同じことを願った男がいた
身勝手な望みを振りかざし、"檻"を破壊しようとしていた男がいた
男は"檻"に囚われながら、表面上は周りと仲良くし、虎視眈々と機を狙った

(彼にはただ自分だけが大切だった)
(他の存在は単なるゲームの手駒に過ぎなかった)

やがて長い年月が経ち、男は様々なものを目にしてきた
人が人を憎み合い、人が人と傷つけ合っていた姿だけではない
人が人の為に戦い、人が人と愛し合う姿をも見てきたのだ

(共に戦い、共に怒り、共に涙し、共に生きた)
(その一年は、彼にとって代え難い宝となった)

男はやがてこう感じるようになった
『もし自分が"檻"を壊したら、こいつらはどうなるんだ』と

(耐え難い苦痛)
(冷徹なエゴとの呵責)
(過去は容赦なく責め立てる)

その"檻"は、冷たく惨いだけじゃない、とても暖かかったのだ
男はそれを知ってしまった
天秤にかけるまでもなかった。自分の願いより、大事なものを見つけたのだ。おしまい
(長々とした話をして、はあ、とつまらなさそうな溜め息をつくと)

…しがみつき続けるつもりか、その願いに

89 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 00:00:37 ID:YwnoE9oY
>>88
……
(再度、頷く)
私が行おうとしている事は…恐らく。
(恐らくではなく、最早確実に)
現状の全てが崩壊する、さすれば……
(言うまでもない。今まで苦楽を共に過ごした、其れこそ生涯をともに過ごした者は居ないけれど)
(それでも一時を共にした者、一瞬でも心を許した者全てに)
(―――其れは、耐えがたい苦痛を与える事になる)

解っている。私が行なおうとしているのは…私だけの為のエゴに過ぎないと。
だけど……私は…

(其処まで、人の心に踏み入った事はない)
(踏み入りたいと願った事もあった)
(だが、何時からか其れは諦めになった)
(所詮私は、私の為だけに支えを探しているだけなのだと)
(―――そんな苦行を押し付けて、何になると)

(それでも、この籠から脱したかったのだ)
(何のために?……自由を得る為に?)
(―――……違う)

……私は……


(……いつの間にか)
(”全てを壊してしまいたい”と言う果てしない欲に取り憑かれていた)

(其の欲が、願いがいつの間にか)
(自身の存在理由へと変わっていた)

(孤独がいつの間にか温もりへの羨望を生み出した)
(何時しかそれは、…果てしない”籠”への憎しみへと変わっていた)

(これを打破すれば、きっと―――)

私は、解放されるって………

(―――信じていた。否、今でも何処かで、信じている)

そうでなくてはもう………

(私は、私を保てないから)

90名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 00:27:44 ID:L30PlRbM
(傲慢なる大天使は眼を閉じる)
(ニンゲンは脆い生き物だ。精神的な支えがなければ前に進むこともできない)
(しかし、だからこそ、ルシフェルは、再度"傲慢"になることにした)

ふん
多少の慈悲はあれど我を呼び出した魔女が、斯様な弱音を吐くか
15世紀の災難を経てまだ血脈を絶やさぬ魔女が、斯様な弱音を

繰り返す。嘯くなよ、ニンゲン

(傲慢の大罪をもって、否定した)
(大いなる魔女から洩れだした弱音を)
(運命めいたステレオタイプな結末を)

結局汝は、恐れただけだ
異端の集まりであるこの地で、今更異端が排される確率は非常に低い
少し考えれば分かるはずだ、聡明な魔女ならば

温もりから逃げ出して、逃げ込んだ墓穴が破壊衝動だった
そしてそれに、汝は支えとして頼った
ならば憎しみも生まれようものだ、破壊衝動が正当化されるからな

だが――それももう、おしまいだ

(大天使は、魔女を苛む悪夢に粛清宣告を告げる)

温もりから逃げるのはおしまいだ
罰するべきは人ではなく罪ならば、汝はまだ罪を犯してはいない


まだ、間に合う
神が見捨てても、我が見捨てぬ
さあ、お祈りの時間だ。目を閉じ、手を組みなさい

(貴き者も)
(卑しき者も)
(清らかな者も)
(穢れある者も)

(全てが主の前に平等となるならば)
(救いの光は、彼女にも差すのだろう)

(願わくは、彼女を苛む悪夢が晴れんことを)
(大天使の姿が、眩き天の光に溶けていく――)

資格などいらない
温もりはもうすぐ汝を抱きに来る
汝は何も考えず受け入れよ、さすれば悪夢は溶けてなくなるだろう……

91 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 00:39:05 ID:YwnoE9oY
>>90
…魔女と謳われようと、私は……
(ヒトであり、ヒト在らざるもの。成らばヒトでもある)

(叶わぬ憧れが、羨望となり)
(そして何時しか憎しみに変わる、其れは永劫を蝕む悪夢)
(闇に墜ちるとは、そういう事だろう)

…後一歩……なのに、どうして、いつも。
(―――届かない…?憎しみまでの後一歩が、墜ちるまでの後一歩が)

(眩い大天使の姿に、眼を逸らす様に伏せる)
(祈る方法すら、最早忘れた)

(届かなかった遥か昔の願いは、何時しか)
(…耐え難い、恐怖にもなっていた)

(いっそ、自我など無くしてしまえば良いのに)

(祝福のように眩い光の中、彼女は唯苦しそうに眼を伏せる)
(――光は、似つかわない)

92名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 00:47:42 ID:L30PlRbM
お前には、無理だよ
(視界を塗り潰す光が晴れて、残ったのは静寂だけで)
(それでも、現れたものがあった)
(おそらくは、ルシフェルの置き土産。神に比べると少ししょぼい奇跡)

……お前に、闇へ堕ちるのは、無理だ

(かつての闇から這い出るように、松明の灯りが届かぬ暗がりから)
(青年が、現れた)

闇へ堕ちるには、いまいち冷酷になりきれない
お前ってばそういうやつだからさ
だから……お前は、闇にはなれないよ

(かつての"闇"だった青年は語る)

93 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 00:53:29 ID:YwnoE9oY
>>92
……お前を…召喚した覚えは無い

(眼も合わせず、声だけを聞いて)
(だが、誰だか位は…解る)

(かつては、彼に縋った事も在った)
(其の頃の彼は、恐らく自分と同じ”理想”を抱いていた)
(だからこそ、縋っていたのかもしれない)
(だが、今の彼は”変わって”しまったのだから)

94名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 01:06:30 ID:L30PlRbM
召還されてないからな、当たり前だろ
(苦笑のような、そうでないような、あいまいな笑みをくしゃりと広げ)
(闇から抜け出すように、松明の光へと入った)

開き直ればさ、闇に堕ちるなんて簡単なんだ
自分の良心をぐっちゃぐちゃにすれば、後は堕ちるだけだし
(俺にはそもそもなかったんだけど、と寂しそうに付け加え)
闇は、皆の…周囲の姿を全て覆い隠してしまう
自分しか確認できないから、周りのことが分からなくなる
(きっとそれはまばゆすぎる光でも一緒のことだ)
(高潔すぎる正義を掲げたところで、独善的になってしまえば意味もない)

…ひどく、寂しい場所だった
自分しかいなくなるんだ。正真、正銘
ますます周りが分からなくなって、最終的には……独善的な結論に至る
(周りを手駒と錯覚していた時のように)

…きっとお前は、温もりをまだ求めてる
闇に堕ちきれないのは、そういうことだ
お前は、孤独を、恐れてる

95 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 01:16:49 ID:YwnoE9oY
>>94
……だけど、今更……

(永きに渡る迫害、追放を教科書に世の中を渡る術を得た)
(己の身を守る術はそれなりに身に付けてはいる)
(今更、異能が集うこの地は、この場は安全だと言われようと其れは今のこの場所の現状を示す言葉でしかない)

(そうじゃない、今更―――どうやって光の中に戻れと言うのか)
(最早闇に、孤独に慣れかけた、温もりに憧れながらも既に得るには遠すぎるこの場所で)
(どう引き戻れと言うのか)

…私は、お前が思う程優しく無い
(例え、己のエゴで周囲の人間を失おうと)
(考えるだけで身震いすると言う事は…無い)

だって、私には…大切に思う人も守りたいと思う人も…居ないから
(邪気眼大学の生徒は、結局ただ、少し会話を交わすだけの友人に過ぎない)

お前も、…元上司、と言うだけだ…今の私には唯の、他人に過ぎない

96名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 01:28:07 ID:L30PlRbM
闇に堕ちる人間は、もっと簡単に堕ちる
お前がいるのは闇に近い場所であって…闇ではない
お前にはわからないかもだけど……結構でかい違いなんだぜ
(右手を、差し伸べる)
(青年の泣き笑いのような顔が、揺れる炎の橙に照らされる)

お前じゃダメなら……俺が引き戻す
俺はお前が大切だから、お前は俺が守りたい人だからだ
お前にとっての俺なんか知らない、俺にとってのお前がかけがえのない存在なんだ

…お前を、失いたくない
お前という存在をだ! お前の代わりは、全次元探したっていないんだ!!

97 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 01:38:10 ID:YwnoE9oY
>>96
……
(其の手を握る事は、出来なかった)
やっぱり、変わらないで居て欲しかったかもしれないな…
(ニッコリと、笑い返す)

優しくなったね…シュロム
(目を瞑り、静かに言葉を紡ぐ)

でも、私は…優しい人間が一番嫌いだ。

(今まで、どれほど)
(其の優しい言葉に嘘を隠して近付いてきた人間が居ただろう)
(何時しか、人は信用できなくなった)

(言葉だけで、目的が明確な人間のほうが幾分かマシだ)

(―――眼を開く。藍色の眼ではなく、金色の眼を)
……私は、お前を信用しない。…出来ない。
今まで私を手駒として利用していたお前の言葉を、どうして信用すれば良い?

それなら、最初から最後まで手駒としてだけ、見てくれれば良い物を。
そうすれば私は、手駒として最後まで力を…この命をも賭したのに。

98 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 01:39:24 ID:YwnoE9oY
>>97
//げ…ちょっと訂正。
//「何時しか、人は信用できなくなった」→「何時しか、優しいだけの人は信用できなくなった」

99名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 01:57:20 ID:L30PlRbM
……
(金色の目が青年の心臓を凍らせる)
(湧き上がる罪悪感に胸を食い潰されているような錯覚)
(粘ついた汗が全身を伝い、熱を無慈悲に奪っていく)

(闇が逃さない)
(光に這い上がってもなお、背中を舐めるように追いかける)
(――しかし、ここでくじける訳にはいかない)

(引き下がれば、大事なものを失うことを許してしまうことになる)
(どれだけ傷ついても、それだけは認めない)

……ダメなんだ
あいつらにとっては、"檻"でも"籠"でもないんだよ
俺達に、それを壊す権利があるのか? ないはずだ、ある訳ない

そう気付いたら……
身勝手な理想の為に手駒扱いなんて、できるわけないだろ…!
なあ、俺は信じなくていい、憎んで構わないから……やめてくれよ

奪わないでやってくれよ……
俺達の身勝手なエゴで、手つけていい場所じゃないんだよ……!!
遅くねえよまだ、いくらでもやり直せるよお前は! だから…!

100 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 02:09:22 ID:YwnoE9oY
>>99
……シュロム……
(恐らくは、きっと彼が変わらなければ見せる事が無かったような表情を彼はしている)
(其れは驚愕でもあったが)

(湧き上がるのは、罪悪感か、失望感か)
(それとも嫉妬なのだろうか、言い知れぬ、怒りなのだろうか)

(グッと、頭を抑える)

権利など、誰も持ち得ては居ない
そんなもの、神とやらにでもくれてしまえ

権利が無くても、…行動には起こせる……
(例え一人だろうと、出来ない事ではないのだ)

(つ、と一筋だけ、眼から光が落ちる)

―――…シュロム……私…もう、手遅れだよ…

(苦しげに、一言だけ吐く)


(戻る道が、無い―――)

101名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 02:19:40 ID:L30PlRbM
……そうかよ
(どうすればいいのか)
(彼女を失いたくない。しかし、優しさだけじゃ止められない)
(彼女を止めて、そして、失わないためには――――)

…ラピス

(松明だけが灯りの薄暗い石窟に――集い出すのは、黄金の粒子)
("変わらないものもある"……橙の炎を塗り替える金色の光)
(優しさで止められないなら、これしかない)

お前は……俺が、止める

(力ずくで、引き戻す)

102 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 02:27:12 ID:YwnoE9oY
>>101
……シュロム
(相対する、金色を見て何処か安堵したような表情になる)
(然し、其れも一瞬の事)
(即座に、巨大な杖を携える)

(吹き荒ぶ夜風は唯唯、冷たく)

遅かれ早かれ…私が道を貫くには……

(最早、同じ道ではない彼とは何れこうなる運命ではあったのだから)
(其れが少し、早まっただけだ―――)

103名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 02:43:02 ID:L30PlRbM
(キツい)
(以前の自分が、現在の自分では分からない)
(内臓という内臓が握られている感触、吐き気に似た辛さ)

……待てって、今すぐ戦ろうって訳じゃないんだ
夜遅いと全力が出せない体質なんで、知ってるだろ?
(青年の身体が、黄金の粒子の渦に包まれていく…)
…決着は後日。魔力を調えて来てくれよ

(石窟で、会長の身体が黄金の粒子と化す)
(まるで火の粉のように、それは消えた)

104 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 02:54:04 ID:YwnoE9oY
>>103
……解った。
(一度、杖を降ろす)
(召喚に魔力をつぎ込んでしまった分、命拾いしたと言えばしたのだが)

……―――…
(本心を言えば、このまま戦っても良かったのだ。結果は見えていたとしても)

(消えた粒子に、届かない手を伸ばす)

……この籠に、何の未練も……
(ガクリ、と崩れ落ちる)
(悪戯に、気紛れに生かされて)

身勝手だ…私も…皆……

(もう、終焉れば良いのにと、静かに呪に似た言葉を吐く)

(最早、救済の天使さえ見出せない――)

105 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 21:54:25 ID:YwnoE9oY
(―――邪気眼大学から少々離れた場所)
(それ以上に、何も特徴の無い場所である)

(広やかな草原には夜風が吹いている)
………寒い…
(小さくそれだけ呟き、白い息を吐く)
(…この場所で待ち合わせをしていた訳ではないが、運が良ければ会えるだろう)

(然し恋人を待ち焦がれているような、暖かいものとは訳が違う)

(来なければ、来ないでも良いのだ。だが…)

106名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 22:05:19 ID:L30PlRbM
(ゴキンッと、夜風駆け抜ける草原に響いた奇妙な音)
(何もない空間に走った亀裂から、青年が現れ草を踏む)
(その表情は、苦々しい)

…来たんだな

(何で来たんだ、というニュアンスと共に)
(白い吐息が夜風に流され、星空の彼方へ消え去った)

107 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 22:09:17 ID:YwnoE9oY
>>106
……約束、したからな…
(真っ直ぐに、青年を見据える)

…準備は出来てるから。
(スッと、巨大な杖を取り出す)
(ただそれだけの動作だが、其れは宣戦布告に等しい動作であった)

(恐らく、生涯向けられる事は無かったと思われた―――其れを、青年に向ける)

108名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 22:17:53 ID:L30PlRbM
…俺だって
(どうして戦わなくてはいけないのか)
(何でこんなことになってしまったのか)
(全てが納得のいかないまま、こんな状況に身をおいている)

(亀裂の赤黒い中には、黒髪の少女が長いそれを夜風に遊ばせている)
(どうやら戦いを見届けるつもりらしかった、会長は彼女から距離を置く)

(ホームラン予告のように向けられた杖に、青年は右腕を差し出す)
(そして人差し指を2、3回曲げる。"来いよ"、のサイン)

109 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 22:24:28 ID:YwnoE9oY
>>108
……嫌なやつ
(はぁ、と一度息を吐く)

(当然ながら、自分から向かっていく、攻めて行くタイプではないのだ)
(どちらかと言うと、苦手である)

――ジャリッ…
(一度地面を踏み込み、音を鳴らす)

(同時に会長へと投げる、金色の宝石)

(其れは空中で細やかに弾けると同時に幾数もの夜空を裂くような光の線となり)
(幾多もの方向から会長を貫かんと迫り行く――!!)

110名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 22:37:46 ID:L30PlRbM
そう言うなよ…
(嫌な緊張感が、青年の集中力を蝕む)
(戦い方のビジョンが浮かばない。先手を待つしかない)
(身体が堅くなる……幸先悪い、青年は小さく舌打ちする)

(――夜風が青年を撫でた瞬間)
ジャリ
(ピクン、と耳が反射的にその音を気にしてしまう)

(同時、視界の端を横切った金色の光)
("虫の知らせ"――会長の予感が零下の冷たさを伝えた)
(即座に視覚へ集中、攻撃を確認、ならば上か、下か、後ろ!)

ちぃ……っ!
(射出系の攻撃と判断、ならば!)

(会長は『前へ宝石をくぐって飛び出した』)

(通常拡散攻撃は相手の逃げ場を潰して確実に当てる為の攻撃だが)
(相手への攻撃ゆえ、『術者の方にも拡散させる必要は薄い』)
(会長はラピス一直線に駆ける、何の攻撃準備もしていないが、しかし――)

111 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 22:42:24 ID:YwnoE9oY
>>110
…長引かせたく、無いんだ……
(昨日の今日だ、魔力は未だしも傷は癒えていない)
(成らば長引けば長引くほど不利である)

(行なうは、短期決戦―――)
(最初から、全力を込める)

(会長が近付いてくると同時に、眼の色が金色に変わる)
(同時に――開放される、忌まわしき力)
(長い時間は使えない、この一瞬に――全力を)

"Chatios Tuulet Totala"
『混沌の風よ 吹き荒れよ』

(突如、暴風が吹き荒ぶ)

"Katasemlla taivalla"
『天を断つ刃 打立てよ』

(同時に、空から轟音の咆哮の如き雷鳴が鳴り響き、雷鳴が墜つ音―――地面を削り取らんと墜つ其れは、まるで青年を取り囲むように、逃さぬように)

"Mik on todllien tastel kapungin kirus"
『我が血に罹れ呪われよ 全ての純潔たる者は』

(雷が削り取った地面から、炎柱が噴き上がる。其れは見る見る内に数を増し)
(更に吹き荒ぶ風を孕み、次第に其れは炎の嵐と化していった)

"Damned on sastisutnsa tastella kapungin"
『我が血に罹れ呪われよ 全ての穢れたる者は』

(そして青年の立つ場所、即ちラピスの眼前全てが紅蓮に包まれていた)
(其の様はまるで―――罪人の魂全て焼き尽くさんとする審判の場、煉獄)

"Thota maila"
『世界 穢し尽くすまで―――』

(―――だが、煉獄に在らず。是は呪われ、忌み嫌われた魔女の力が編み出した炎獄。即ち炎の檻)

(罪人で在れども、罪人に在らずとも、
全ての者を飲み込み焼き尽くし灰塵に帰さんとする、呪われし暴虐の炎嵐が
触れたもの全てを黒き灰に変色させながらも邪気会長へと迫り行く―――!!!)

112名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 23:08:43 ID:L30PlRbM
ゾワリ
("虫の知らせ"――)
(馬鹿な、攻撃は回避したはずだ。会長は確認するように周りを見渡す)
(魔術的意味のある物や配置は特にない……トラップの類も見当たらない)

(行ける。青年が再び前を見据えて、虫の知らせの意味を知った)
(瞳が、金色に……心臓が握りしめられているような苦しみが滲み出す)
(大気の邪気の流れが乱れ始めるのが分かった。まずい。何か仕掛けてくる)

(脱出を――振り上げた足を、突如吹き荒れた暴風がすくい上げる)
ぐあっ!?
(地面に転がる青年。直後、雷鳴。目を灼く紫電が、会長の周りを檻のように焼き払う)
(轟音に鼓膜が機能を麻痺させた。ぐわんぐわんする耳朶を抑え、何とか立ち上がる)

(気がつけば、炎の海――)
(黒天を穿つように聳える火柱が、闇を赤く染め上げ、)
(夜風食い尽くす暴風が、巻き上げた――風と炎が共に踊る)

な…くっそ!
(強引に突破しようか。青年の眼前で、炎の嵐が草を一瞬で消し炭に変えた)
(火力が高いなんてものじゃない……触れれば炭だ、そういう術式なのか)
(吹き荒れる炎嵐は遂に牙をむき……中心の青年へと、襲いかかった)

(時間がない。青年は考える)
(どうすれば? 360度全てが取り囲まれた状態から脱するか?)
(馬鹿な、そんな脱出マジックみたいな真似……)

(出来るじゃないか)
(ビビるな、変わらないものもある。戦い方は今までと同じでいい)
(ギリ、と歯を握りしめ)


(炎嵐が、余地を残らず喰らい尽くした)
(彼のいた場所を含めて)


(さっきまで彼のいた場所の地面には、鉄でできたハッチみたいなものがあった)
(さっきまではなかった……会長の能力によるものだろうか)
(炎嵐で溶けてドロドロだが、そこから逃げたと見て間違いない)

(どこに?)

(ガチャリ)
(彼女の背後で"ハッチの開く音")

113 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 23:15:30 ID:YwnoE9oY
>>112
はぁ……
(炎の檻の中で、彼女は息を吐く)
(自身を中心に展開させる術式、組み立てて発動させるような一般的な魔術とは違う)
(内にある魔女の血による力を、”開放”するものである)

―――……

(余り長くは続けられない。自身をも喰らう術式である)
(既に炎の檻は自分をも飲み込んでいる。其れを人は能力の”暴走”と呼ぶだろうか)
(発動した自身でさえをも、飲み込むのだ。この力は。だから忌み嫌われている。長く続ければ続けるほど止める事が出来なくなる)

(会長は、大人しく喰らってくれるとは思えないが――)

……これで…終わってくれるヒトじゃないからな……

(ほら、背後に)

(金色の眼が、ゆっくりと背後を向く)

(同時に―――)

(灼熱の業炎が、彼女ごと其の”ハッチ”を飲み込んだ)

114名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 23:24:54 ID:L30PlRbM
(あるいは)
(以前の疑り深く慎重な会長ならば、その攻撃は見切るまでもなかった)
(しかし現在の会長は、少し真っ直ぐ過ぎた)

(ハッチを開けた瞬間、襲いかかってきた業火に驚愕の表情をする)
(速い、馬鹿な、詠唱は!?)
(ハッチから飛び出し、即座に全身を黄金の卵で覆う)

(吹き荒れる火嵐がハッチごとそれを飲み込み……)
(黒煙を上げて、黄金の卵がひしゃげている)
(黄金は万能の金属ではない……凄まじいまでの火力に溶けたのだ)

…く……
(青年は草原に転がっていた)
(溶け出した黄金に身を焼かれる前に脱出したのだ)
(しかし動きが鈍い――いくらかダメージを負ってしまったらしい)

115 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 23:32:34 ID:YwnoE9oY
>>114
――ゴォォッ…!!!

(間髪を居れずに彼の周囲は赤く染まる)
(同時に溶かすような灼熱が襲う―――)

(最早、何を焼き尽くすと言う目的を忘れているのではないかと思わせるほどの規模)
(当然、術式の中心に居た彼女とて無事な筈が無いだろう)

(己を喰らわせてまで、執念深く相手を追う事があるのか?)
(自身が喰われてしまっては元も子もないだろう)
(だがそれなのに、其の炎の嵐は収まらない)
(吹き荒ぶ暴風が炎を更に勢い付かせ、最早歯止めが利くものではない)

(正に、”暴虐の嵐”と言ったところか――其の凄まじさは自然災害にも匹敵する程である)

116名も無き邪気眼使い:2009/11/04(水) 23:48:22 ID:L30PlRbM
く、そ…っ
(休む暇もない――業火に追いつかれる前に、再び地を蹴り走り出す)
(これだけ高威力、高機動力の術式をずっと維持しているというのか)

(流石は魔女、と地面を横っ飛び気味に転がってラピスの方を、見る)

…え?
(術者が、術式に蝕まれていた)
(そこで、はっと気づく)
(魔女の血、忌まわしき血……金色の、瞳)

…くそ
(長引かせれば長引くほど、彼女の体は蝕まれていくだろう)
(文字通り業火が彼女を喰らい尽くすまで)

なんで…
(惚けるな。その間にも彼女は蝕まれていく)
(戦え。勝て。それ以外に、止める方法はない)

なんでそういうことするんだ、お前え!!

(目指すは早期決着…会長の身体に黄金の粒子が集中する)
(駆け出す先は、火嵐の中心にいる彼女…身体を黄金の甲冑に包む)

117 ◆Utm3teRUd2:2009/11/04(水) 23:53:19 ID:YwnoE9oY
>>116
(炎は容赦なく金色の甲冑を、会長を蝕んでゆく)
(正に、凄まじいまでの威力では在る、だが)
(其の中心に、確かに術者は――この炎の嵐の原因でもある其れは存在する)

(チラリと、蒼く長い髪が、邪気会長の視界に入り込み)

(―――炎の中に、金色の眼の彼女を見出す事ができた)
(恐らく、この一瞬が最大のチャンスである)

118名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 00:10:28 ID:wEMC/FSo
(――炎に巻かれる寸前、大事なことを思い出した)

(あの時、彼女にこう言ったはずだ)
(『そいつの為なら火中にだって飛び込む、それが"仲間"だ』と…)
(まるでその具現じゃないか、と何かおかしくて笑った)

(ドロリと溶け出す前に、会長は黄金の甲冑を脱する)
(もう自分は、彼女を二度とこの腕に抱けないのかもしれない)
(それでも構わない。それでも、温もりを与えてくれる人間はここにきっといる)

(だから、止めなくては)
(彼女の目論見が学園の経営陣に知れ渡っていない今の内に)
(こんな誰も救われない結末から、彼女を引っ張り出す)

(その為に)

行くぞぉおおっ、ラピスゥウウウウッ!!

(まずは、その目論見(あくむ)をぶっ潰す)
(足の向く先は、業火の中に見えるラピスラズリの魔女)
(身体を灼く火嵐の中、青年は――拳を、彼女目掛けて振り抜いた)

(その一撃は、業火に比べれば殺傷力は劣るだろう)
(しかし、込められた想いは、どんな一撃をも凌駕する)

119 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 00:15:12 ID:9G9Xw.x6
>>118
(たった一瞬の事だが)

………
(眼の色が、金色から藍色に戻り)

(フッと、炎の勢いが―――止んだ)
(僅かに残った彼女の理性が作用したのか)

――!!!

(同時に、吹き飛ぶ彼女の身体)
(魔力に特化している分、当然ながら直接攻撃には弱い)
(とは言え、防ぐ事もできたのかもしれない。だが―――)

(再度、炎は大きく燃え上がる。然し、後は彼女を仕留めれば…この炎も完全に沈静するだろう)
(そう、感じさせる威力である)

120名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 00:28:37 ID:wEMC/FSo
くそ、まだ足りないのかよ!
(今の一撃で十分だと思っていただけに、この落差は険しい)
(再び巻き上がる炎に目が眩みながら、しかしまた走り出す)

(あるいは)
(真正直な現在の会長では、もう二度とは殴れないと竦んだのだろうが)

(――一瞬)
(一瞬だけラピスが見せた、藍色の瞳こそが)
(会長を奮い立たせた、思い出させた。自分が何のためにこうしているかを)

(走れ)
(走れ)
(熱さに悲鳴を上げる隙があったら、足を前に踏み出せ)

(再び拳を握りしめる)
(炎に灼かれた自分の姿がどうなっているかなど興味はない)
(この想いが、魔女に伝わるように――)

うおおおおおおおおっ!!!

(重心を落として、体重を移し、叫びを上げて)
(再び、拳を振り抜く!)

121 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 00:33:56 ID:9G9Xw.x6

―――………


(ザァァッ―――……と)
(涼しいを通り越した、寒気に近い夜の風が吹きぬけてゆく)

(炎は―――止んだ)

(まるで、何事も無かったかのように銀色の星を映し出す夜空と、眩しいほどに輝く月)
(然し、其の痕跡を残すかのように真っ黒になった地面と―――)

……―――

(静かな夜だ。まるで何事も無かったかのように)

(巨大な杖が地面に投げ出され、余り遠くない位置に横たわる華奢な、細い身体)

(夜風が、うつ伏せになった蒼く長い髪を冷たく撫で、靡かせるだけである)

122名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 00:42:46 ID:wEMC/FSo
…はあっ、ぜえっ
(荒い呼吸をついて、よろよろと倒れている彼女に向かって歩いていく)
(苦戦した。以前の会長なら、圧倒的な力を見せつけて終わりだっただろう)
(能力の使用は最小限。いや、そうせざるを得なかった)

(夜空と夜景と夜風は、静かに夜を作り出す)
(会長はラピスの傍らに、崩れ落ちるようにして腰を落とすと)
(仰向けにしようとして――躊躇った。もし鼻血とか出してたら精神ダメージはでかい。殺されかねない)

(しかし、呼吸しているか確かめたい……不安なのも確かだから)
(意を決して、会長は彼女を仰向けにする)

123 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 00:48:20 ID:9G9Xw.x6
―――トサッ……

(何処か軽い音を立て、其の身体は仰向けにされる)
(抵抗しない、と言うよりは動かない)

(……不気味な程に静かである)
(怪我は、一見は大した事が無いが恐らく体の内部の方が蝕まれているだろう)

(そう、静かなのだ―――何も、聞こえない)

124名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 01:02:44 ID:wEMC/FSo
ゾワリ
(おそらく最後の、"虫の知らせ")
(異常が何処にもない。それなのに、手放しで喜べない)
(少し苦しんでるくらいか自然じゃないのか? なんで静かなんだ!)

…ラ、ピ……
(嘆くな。嘆く隙があったら考えろ、彼女を救い出す方法を!)
(思い出せ、何か出来ることはないのか。自分の力にそういった力は?)

(――あった)
(しかし、どうなるか分からない。この身体で耐えきれるかどうか)
(先ほどの能力も思ったほどの出力にはならなかった、何かがおかしい)

(それでも、やるしかない)
(今やれるのは、自分だけなのだから)
(それに約束したのだから、破るわけにはいかない――)

…南無三!
(――青年の身体を、心臓を中心に走る赤く輝くライン)
(赤い両手をラピスの額に押し当て…後は自分を削るだけだ)
(自分はどれだけ苦しもうが死ぬことはないし消えもしないが、彼女は――)

―――耐えてやるよ、いくらでも……!!
(歯を食いしばり、力を込める)
(火中へ、苦悶の中へ飛び込む)
(世界の修正力との戦い……彼女を、救うための戦い)



("加護"が)
("羽根"が)
(白く、光を帯び始める)

125 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 01:07:30 ID:9G9Xw.x6
(前に、気紛れに彼女を助けた天使が忍ばせた”羽根”は幸い、持ち合わせていた――)
(それが、何の意味に成るのかは解らないが)
(流石に、傷口に巻いた包帯の中では汚れてしまうので懐へと移動させていたが、
捨てないで持っていた事はもしかしたら何かの意味を成すのかもしれない)

(そんな僅かな偶然が、きっかけになるというのなら…の、話ではあるが)

(白い光は、懐に光っている)

126名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 01:26:49 ID:wEMC/FSo
くそっ、くそっ、通じろよ、頼む……!!
(ブツン、と)
(何かが切断される音が、断続的に響く)
(青年からだ……体中から吐き出されるように血が流れ、すぐに治癒し、まだ出血の繰り返し)

(青年は死ぬことはない。続ける限り、これはきっと永遠に続く拷問)
(しかし、意志が揺らぐ度……脳裏に焼け付いた、藍色の瞳が)
(青年に諦めをさせない、歯を食いしばり、青年は赤き力を流し続ける)


(その一方で、青年は気付かないが)
(白き力も、胎動していた)

(それはルシフェルの仕掛けた気紛れの力、明けの明星の"加護"の力)
(堕天使として広く認知されるルシフェルだが、しかしその存在は聖書の記述からではない)
(イザヤ書における記述、バビロン王ネブカドネザルに関する記述の誤解が発端とされる)

(その証拠に、ヨハネの黙示録やペテロ書においては、対照的な意味で使われる)
(それは心の中の光だったり、教会の権威だったり、栄誉の証だったり――)

(そう、原義において明けの明星とは、「希望の光」であった)
(少なくとも、悪魔を連想させる記述はなかったはずなのである)

(ゆえに、ルシフェルの"加護"とは、「希望の光」)
(赤き力が足りぬものを大天使の白き力が補い、または上回って)
(因果の果ての希望に向かって、突き進んでいく)

127 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 01:34:33 ID:9G9Xw.x6
(―――ゴボリ、と)
(ゆっくり、口から何かが溢れ出る)

(と、略同時に)

ゲホッ……!!!っ…は……
(苦しそうな咳き込む声と、喀血)
(静寂を裂くような声、目覚めにしては些か爽やかでも無く寧ろ汚い位ではあるが…)

(―――意識が、戻った)

128 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 01:35:01 ID:9G9Xw.x6
(―――ゴボリ、と)
(ゆっくり、口から何かが溢れ出る)

(と、略同時に)

ゲホッ……!!!っ…は……
(苦しそうな咳き込む声と、喀血)
(静寂を裂くような声、目覚めにしては些か爽やかでも無く寧ろ汚い位ではあるが…)

(―――意識が、戻った)

129 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 01:39:28 ID:9G9Xw.x6
//専ブラの呪が…^q^連投は気にしないで下さい…スミマセン

130名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 01:42:33 ID:wEMC/FSo
(ハッと顔を上げる)
(…しばらく、呆けたように見つめた後)
(……青年の顔が、くしゃくしゃに歪んだ)

心配させんじゃねえよ…バカ野郎……!!
死んだかと思ったじゃねえか!!
(血を吐きながら咳き込む背中を撫でながら、手を掴む)
(確かめるように)
とにかく医務室…!
本格的な設備がなきゃヤバいかもしれない!
(目論見が露見していたら、医務室に運び込むなんでできなかっただろう)
(危うい偶然の積み重なりで今の現実があるのだと、実感する)

131 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 01:47:30 ID:rKGlOlq6
……
(―――グッと、手を握り返す力が篭る)

(金色の眼が、邪気会長を見据えているようだ)

……嫌……

(小さく、だがはっきりと拒絶を口にする)
(どうしても…医務室に行きたくない、と言うのか)

132名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 01:56:50 ID:wEMC/FSo
(握り返された手を見て、金色の瞳を見て)
(ぐっ、と息を呑む)

…どうしても、か?
もう、大丈夫だから…怖がらなくて、いいんだぞ

133 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 02:02:19 ID:rKGlOlq6
>>132
………
(首を横に振り、手を払う)

(力は弱い。性別の差も多少あるかもしれないが、力比べならシュロムが勝つことは見えている。
無理矢理押さえ込んででも連れていこうと思えば連れていけるだろう)

134名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 02:20:35 ID:wEMC/FSo
(目をつむり、考える)
(…無理に連れて行って、確実な治療を受けさせる)
(可能だろう。そして生存率は高いはずだ)

(…いや)

…あのコテージで、いいな?

(あえて、信じることにした)
(瞳はまだ金色だ、恐らく魔女の力が抜けきっていないことを考えると)
(彼女を信じるしかなさそうだった)

(それに)
(彼が信じたかったということもあった)

135 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 02:25:01 ID:rKGlOlq6
>>134
……大丈夫……
(辛辣な表情で答える)
…もう、大丈夫だから……

(少しずつ、眼の色が金から藍へと変貌して行く)

特殊な傷でないなら…治るのは…早いから……

(顔を背けたまま、そう答える)

136名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 02:33:16 ID:wEMC/FSo
…、、分かった
(しばらく色々考え、肯く)
(せめて送ろうかと思ったが、やめておいた)

(この戦いで、色々なものを伝え、色々なものを示した)
(今更言葉にしなくても、きっと、大丈夫だ)
(そう、信じることにした)

137 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 02:37:01 ID:rKGlOlq6
>>136
………シュロム…
(一度、振り払った手を握り、軽く引く)

(彼が振り向いてくれるか否かは―――解らないが、それでも)

138名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 02:42:46 ID:wEMC/FSo
(わずかに手を引かれる感触――)

(青年は決めていたはずだ)
(戦う理由を、戦う意味を、戦う目的を)
(それは、彼女を否定するためなどではない)

(彼女を、悪夢から、救い出すためだ)

―――ん?

139 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 02:46:59 ID:rKGlOlq6
>>138
(突如青年の視界に、藍色が広がる)
(しかし、それも一瞬の事で、その視界は闇に包まれる)
(ひやりとした感触から察するに、それは手のようだ)


――――……


(それと同時に、彼の唇には柔らかく、暖かい”何か”が押し当てられる―――)

140名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 02:51:05 ID:wEMC/FSo
…………
…………
…………

(目と口を点にして)
(いや目は手に覆われて分からないが)
(しかしそのまま、カチンと固まった)

(実際には何が触れたかなんて分からない訳だが)
(しかし青少年の妄想力は凄まじく猛々しく)
(手強い存在であるはずの彼を硬直させるには十分のショックであった)

…………
…………
…………

141 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 02:57:23 ID:rKGlOlq6
>>140
(もしかしたら、一瞬だったのかもしれない)
(しかし随分と長い時間、触れられていたような気分にも陥るような、不可思議な感触である)

(何処か名残惜しそうにそれは離れ、代わりに冷たい夜風が唇を冷ますように撫でて行く)

(眼を隠していた手も離されたが、先程より至近距離に彼女はいた)
………呪い……かけたから…
(言葉とは裏腹に真っ赤な顔で、そう呟く)

142名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 03:09:01 ID:wEMC/FSo
(魔女の呪い)
(呪詛術式といえば、足止めから即死まで、様々な効力を誇る)
(しかし魔女の使う呪詛と言えば、もちろん決まっている)

ちゃ、チャァアアァアム!!?

(有り得ない、この男は一年前までエロゲが恋人だった男である)
(しかし何故かリアルで相次ぐ素敵イベントに頭の冷静さタンクが限界突破寸前)
(一時はフラグメイカーの部下に「ははは死ね」と笑ってられた立場が想定外の風向きであった)

あ、あばばばば
(キョロキョロと挙動不審の一人オンパレードを三倍速で繰り出す会長)
(さっきまでの姿がどこへやら無駄なメリハリを発揮していた)

143 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 03:15:18 ID:rKGlOlq6
>>142
……この間の…お返しだ
(…赤らめた顔を隠すように、笑う)

(…”呪い”と言うのは恐らくは嘘だろう。魔術的に考えて)
(だが、気持ちの面で考えると、シュロム邪気会長は掛かってしまったかもしれない。呪いに―――)
(その慌て振りを見れば、効果は一目瞭然だろう)

144名も無き邪気眼使い:2009/11/05(木) 03:26:27 ID:wEMC/FSo
い、いいいい!?
(青年は考える)
(いや待て落ち着け冷静になれこれはあれか嵐の前の静けさならぬ不幸の前の幸福か
ならば一体この身にどんな不幸が降りかかるというのかしかしこれはどういうことか
俺はエロゲが恋人じゃなかったのか特にjanonの名雪が脳内嫁だったはずなのにこれ
は一体何が起きてるんだ離籍か離籍なのか名雪と離籍か待て落ち着けいやしかしこれ)

…………
(ボォンッ、と思考停止を示す煙を頭から噴き出し)
なんぞこれぇ―――――――ッ!!!
(走って、飛び出した)
(恐らく24時間は理性的な活動はできないだろう、という予測を残して)

145 ◆Utm3teRUd2:2009/11/05(木) 03:44:02 ID:rKGlOlq6
>>144
え、え…?
(効果覿面、どころのレベルではない)
(いくらなんでも、”効き過ぎ”である)

……
(走って飛び出して行く彼を、呆気に取られて見送り)

(ふと、懐から白い”羽根”を取り出す)
…私は…結局…神の手中で躍らされていただけに過ぎないみたいだ……

この籠を壊す事は…誰にも出来ないのかも知れない
私もまだ、惰性に生きていくしかない…
(―――誰を、必要とするでもなく)
(―――誰かの、必要な人となるわけでもなく)
(ただ、ただ惰性に)

(―――籠の中の鳥の様に、見果てぬ空を夢に描いて灰色の天を見るだけの日々を送る)


(魔女”セリン”は、静かに羽根に口付けを交わした)
(―――それはまるで、誓いの様に)

146来てね♪:2009/11/05(木) 12:08:47 ID:tXVfB8zI
とってもおもしろいブログだよ♪

たまに更新もしてるから見に来てください☆ミ
ちょっとエッチなプライベートブログです(*^^*)

ttp://stay23meet.web.fc2.com/has/

147名も無き邪気眼使い:2009/11/09(月) 19:36:44 ID:3t/bMSPc
屋外

文化祭に向け、各所で着々と準備が進んでいる

グラウンドには、大型屋外ステージの骨組みがすでに聳え立っている

講義の合間をぬって忙しなく作業を進める生徒たち

実行委員たちは指示を出し、男子どもは力仕事に勤しんでいる


昼間は講義が優先されるため、必然的に作業は夜にまで及ぶ

照明があちこちで輝き、夜のキャンパスを照らしていた

148ダレカ:2009/11/09(月) 19:58:44 ID:QKye/JWU
(来るべき祭りに向けて、屋外には次々骨組みが組み上がる)
(その大小様々な数々は、文化祭の規模の大きさを容易に想像させた)
(特に目を引くのは野外ステージが出来上がるだろう骨格で、
無数のライトアップとスタイリッシュな看板は、邪気眼使いの心を鷲掴みにするだろう)

(遠く彼方に見える校門にもすでにデコレーションが始まっており、
今週の金曜日が早くも待ち遠しいらしく、作業中の生徒は活気が溢れていた)

うわ…なんだなんだ
今日はいつになく騒がしいったらないな…
(異世界人の青年は、祭り前の独特な空気に気圧されながら、
校舎に噛みつくように作られた巨大なワイバーンのオブジェを呆然と見上げていた)

149名も無き邪気眼使い:2009/11/09(月) 20:31:18 ID:3t/bMSPc
準備も大詰めに入っているのだろう

あちこちから木を切る音や 釘を打ち付ける音
ペンキのツンとする臭いだのが 騒々しく渦巻く



「ありゃあ、俺らの自信作だわな」

呆然と立ち止まっていた人物に声をかける野太い声

小柄だが、肩には3本もの丸太を易々と担ぎ上げている

衣服の汚れ具合から、彼が少なくとも作業員の一人であることが見て取れた。

「あんた、文化祭は初めてか?」

150ダレカ:2009/11/09(月) 20:38:21 ID:QKye/JWU
(校舎に食らいつくオブジェワイバーンの頭ごしの夜空に、
木材を吊り下げた鈍色の飛行機が飛んでいるのが見える)
(不足した物資の追加調達だろうか、西の森方面へと消えていった)

(リアリティ満点の迫力に引きまくりの背中を、荒いテノールが叩いた)
うおわっ、あ、どうも
(肩の3本の丸太におののきながらもなんとか軽く会釈をこなし、)
え、ああ…と、その
…初めて、だな。最近ここ来たから…

151名も無き邪気眼使い:2009/11/09(月) 20:49:20 ID:3t/bMSPc
>>150

「おう」

左手にもったボトルから水を飲みながら、短く応える

「見ない顔だからわかるぁ。

 ウチの大学の文化祭ってのは、
 毎年、やることは違ってたり、同じのが続いたりすんだ。
 前はステージ中心に屋台が並んだりしてたっけど
 今年はどうなるだろうねぇ。
 たまーに突拍子もないことやりだす連中もいっからな」

ボトルを空にして、手近にあったダストボックスにぶっきらぼうに投げ込んだ。

「所属部署によっちゃ、文化祭に関わるだけで単位ももらえるかんな、
 みんなぁ熱心になるわけだわや。
 おめーさんも好きにたのしんでいけぇやよ。」

152ダレカ:2009/11/09(月) 20:57:06 ID:QKye/JWU
は、はあ…
(恐々としながら、言葉を探るように少しずつ喋り始める)
作業してる生徒も、今年何やるのか知らないの、か?
見たところ……でかい建造物が立ち並びそうな感じがするな

(至るところにそびえている大小様々な骨組みを眺めながら)
(校舎のワイバーンを始め、校舎ロボットや鳥亀竜虎などは完成図を見せている)
お祭にイレギュラーはつき物だろうな…良くも悪くも
所属部署、ね……ちなみに、アンタも?

153名も無き邪気眼使い:2009/11/09(月) 21:12:50 ID:3t/bMSPc
>>152
「おう」

今度はポケットから缶ジュース… 炭酸飲料を取り出した。
片手で器用にタブを起こすと、ふきだした泡がアスファルトのうえにこぼれた。

「……っとと。
 敷地はあるからな 好きなことを各々やりだすね。
 屋台の形もいろいろだかんな。
 小屋みたいなんを建てるやつらもいるみたな。」

足元で釘や金具を運ぶ、小動物たちも走り回っている
屋根の上では飛行能力を持つものたち・・・人から異形のものまで・・・が、時たま飛び交う。
少し遠くで叫び声が聞こえたが、同時に笑い声が起こったことからたいしたことはないだろう。

「んー どっちかっつーと真面目な連中のほうも少ない・・・  やー 同じくらいか
 イレギュラーがあたりめーだかんな。

 ああ、おう。俺ぁは単位稼ぎで毎年参加してやよ。
 だから大体のことぁわかるけんよ」

まだ泡の滴る、黒のような赤のような色をした液体を飲み下した。

154ダレカ:2009/11/09(月) 21:22:37 ID:QKye/JWU
よ、よく飲むな…
(さっき飲み干したばかりじゃ、とダストシューターを確認する)
(文化祭に際して即席で用意されたものだろう、ゴミの量は少なかった)

なるほどね…どうりで騒がしいわけだ
金に余裕があったらいろいろ回りたいな…
(人が、獣が、竜が)
(異種族間の紛争が絶えない世界中で、この空間だけが切り離され)
(生徒の皆が一つのことを成功させ、代え難い思い出にしようと走り回っている)

…パンフレットとか、もうある?
後、おすすめとか

155名も無き邪気眼使い:2009/11/09(月) 21:35:13 ID:3t/bMSPc
>>154

「おう」

ぐい と一気に飲み干した。

「演目なんかやるとこだと、タダで公開してたりすんなわ。
 メシはメシでお高いものからレーションまで揃うわぇ
 金がなくても歩くだけで3日間つぶせるだろうなか。」

腰のポシェットから一枚の紙切れをよこす。
若干しわができているが、配布用にきれいにされている。

「身内用の案内だがな。
 地図と、各屋台の配置、建物内のものってるわ。
 イベントのタイムテーブルも裏にあっからな。
 ステージイベント・・・特に知り合いが出そうなところは顔をだしてみなぁ。
 このサクマ屋ってところ、日ごとに売ってるものが違ってておもしれーな、チェックせぇよ。
 おう、あとゴミはちゃんとしろよ、しなかったら・・・」

カラになった缶を、ぐしゃりとつぶす。

「こんなふうにされっぞー」

156ダレカ:2009/11/09(月) 21:45:07 ID:QKye/JWU
(炭酸飲料を一気に飲み干した姿に畏敬と驚愕の表情をする)
後で大変だぞ…

レーションはいらねーけど…タダでもそれなりに楽しめるのか
俺みてーな貧乏人にも優しいってか……俺の世界の金ならそれなりなんだが

(少ししわでよれたチラシを広げ、低い声を聞きながら地図を眺める)
(何から何まで『同じ』なことに多少顔をしかめつつも)
ステージイベント、か
…懐かしいな……いや、若気の至りっつーかなんつーか…
(チャットで知り合ったヲタク同士でアニソンコピーバンドを組んだのは昔の話)
(稚拙な歌唱力もあいまって、いち早く忘れ去りたい記憶である)
サクマ屋……なんか今、強く推されたような気が……気のせいか
サクマ……ドロップ? まさか飴屋じゃねーだろーな……

(くしゃぐしゃになったペットボトル?を前にして)
ゴミじゃなくて俺が!?

157名も無き邪気眼使い:2009/11/09(月) 22:11:55 ID:3t/bMSPc
>>156

「お (ゲぇップ)う」

盛大にゲップをした。

「んぁ祭りなんてもんはだいたいこうだろよ
 あー おめー なんかやってみぃや
 飛び込みでの参加もやってるみてぇし
 使用後のステージは自由解放もされるわな。」

ポシェットから10秒メシを取り出して、いっきに飲み干した。

「んん 人工的な味がする。
 飴はどうだろ 今年もやんのかね。
 いつもなにやってんだかわかんねーしな。

 あー そうそう、なんかわかんねーことがあったら
 実行委員の連中にでも聞けや。
 邪気会通してでがやりやすいならそれでもいーわ。
 んじゃな、そろそろ俺は仕事にもどっぜ?」

10秒メシのゴミもまた放り投げ入れると、
肩にかついだままの丸太を運び、仕事場の喧騒の中へと消えていった。

158ダレカ:2009/11/09(月) 22:28:24 ID:QKye/JWU
うわ汚え!
(自分に恐ろしいほど正直)

うええ!? 俺が!?
……えええ
(バンドメンバーのヲタクは当然元の世界の住人だ、いるはずがない)
(かといって楽器の演奏は、ピアニカかリコーダーしか能がない)
(何かやるにも手詰まり…! まさかのアカペラ…! 否…!)
…何か考えるか…一応
(しかし何だかんだでええかっこしいなのである)

お前一気に飲むくせやめた方がいいぜマジで
何やってるのか分からないくせに勧めたのか…どーなってやがる…
(慣れないツッコミにあたふた)
実行委員…邪気会ね、頭に入れとくよ

(作業服の男が、にぎやかな喧騒へ消える。その背中を眺めていた)
(時間帯は夜遅くのはずだが、準備はどうやら一向にやむ気配がない)
(それはいかにも楽しそうで……少し独特の空気に浸った後、学生寮へと向かった)

159名も無き邪気眼使い:2009/11/14(土) 02:05:05 ID:VdjFoegI
放送委員
「さて夜間も引き続き放映中の邪気大ラジオ文化祭チャンネル
 この番組では邪気大文化祭の見所紹介や宣伝のほかに、
 特別企画として各部署から代表の方をゲストとしてお迎えしているぞ。
 
 さて今回のゲストは、臭わない大図書館こと、
 図書委員会より図書委員長マドカさんにお越しいただいているぞ!
 よろしくおねがいしますねー」

図書委員長 円
「ちなみに臭うので気をつけて欲しい、とだけは言っておこう」

会場
「AHAHAHAHA」

160名も無き邪気眼使い:2009/11/14(土) 02:06:14 ID:VdjFoegI
放送委員
「はいよろしくお願いします。
 放映手法についてあらかじめご説明させていただきます。
 一度IRCチャンネルで収録したものをクエストスレッド端末につなぐ事で放送しています。
 なので若干の時間差がありますのでご了承ください

 さてマドカさん、今年も文化祭がやってまいりましたが楽しんでいらっしゃいますか?」


「例年通り図書委員会は――まぁ私一人だが――
 購買部と連動して不必要となった蔵書を良心価格で提供している。
 といっても使い魔にほぼ全部を任せているから別に忙しくはないからね、
 個人的には楽しんでいるよ。特に魔獣学科の体験騎乗【修正音】はなかなかだった」

放送委員
「おー、魔獣学科のアレですねー。それに図書委員店はなかなかの賑わいを見せているようですね。
 しかし図書館の本って曰くつきのものが多いってききますけど、どうなのでしょう?大丈夫ですか?」

161名も無き邪気眼使い:2009/11/14(土) 02:06:56 ID:VdjFoegI

「正直売却後の事など知った事ではないんだけどねぇ。だから危ないモノには
 【購入後に発生した被害については邪気大生として自主責任という形で対応します】
 という念書が付いているから、自分に自信がない場合はそういう付属物が無いものを選べばいい。
 その代わり魔書としては危険ではない分一段落ちるが。
 流石に教授クラスでも抑えられないようなものは売っていないから安心して買ってくれればいい。
 万年資金不足なのはどこも変わらないしね」

放送委員
「なるほど、邪気大らしいお答えありがとうございます。
 私もあとで見に行ってみようと思いますよ。
 ではではぁ、マドカさんが一番応援したい部署・店舗はどこですか?」
 

「それは勿論【放送表現に抵触します】……ふむ、
 一応購買部ということにしておこうか。
 
 今年は学科対抗の大食い選手権も開催されるからな。
 優勝者には「食堂の男」への挑戦権が与えられるというからかなりの強豪が参加している。
 暇つぶしにはちょうどいいと思うよ」

162名も無き邪気眼使い:2009/11/14(土) 02:07:42 ID:VdjFoegI
放送委員
「ええ、すみませんねー公共の電波ですもので。
 そうですねー、うちの放送部の男勢も息巻いてますよ。
 伝説に本当に会えるかは謎に包まれたままですが、盛り上がるといいですね。
 他にもステージ企画はいろいろありますね、何か期待しているものはありますか?」


「毎年恒例のライブはあまり期待してはいないが…そうだな、
 万人受けするものとしては旧キャンパスの校舎群を使った立体迷路というのがあったな。
 地下迷宮と接続されているからダンジョン探索気分も味わえるとか。
 お化け屋敷感覚で恋人同士でいってみてはどうだろうか、と一応まともな事も言っておく」

放送委員
「旧キャンパスですかぁ!
 いーですね、そして最深部から帰ってこないカップルが?」


「勿論」

163名も無き邪気眼使い:2009/11/14(土) 02:08:51 ID:VdjFoegI
放送委員
「運営委員と邪気会警備隊には尽力していただきたいですね。
 さて、早いものでそろそろお時間となってまいりました。
 マドカさん、最後に何か一言お願いします。何でもいいですよ」


「関係ないが、一年以上貸し出された蔵書を返却していない奴は
 この暇な三日間に私が直々に回収に向かうのでそのつもりで」

放送委員
「はい、皆さん返却は急いだほうが身のためのようです。
 特にヒューマン以外の方々は十分ご注意くださいませ。
 それでは図書委員長マドカさん、お付き合いありがとうございました。」



放送委員
「それではまた次回お会いしましょう。
 ここまでの放送は、邪気大放送部、邪気大放送部がお送りいたしました。」


〜リクエストミュージックの演奏が再開される〜

164ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 21:31:11 ID:dP2FwE1Y
(―――”???” 海岸)

(邪気眼大学から決して遠いわけでもない、だが物凄く近いわけでもないそんな微妙な距離にこの海はある)
(白く広がる砂漠の様な砂浜に、地平線の彼方まで広がる海)

(現時刻では、すっかり日が落ち、まるで広大な闇が寄せては返すような風景に、
少々感動に似た感情を抱きながら、ゆっくりと歩んで行く)

……
(真っ白な砂浜を歩んでいたが、途中で足を止め)
(靴を脱ぎ、ボロボロなローブの下に履いていた黒いタイツも脱ぎ、裸足になると)
(再び、何かを探すように砂浜を歩き出した)

165ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 21:49:06 ID:e0wYVe1A
(そんなラピスを、物陰からこっそり眺めている怪しげな学ラン男が1人)
(サングラスに手には牛乳とあんぱん……ちょっとした張り込み中の刑事のつもりらしい)

おいおいここは俺たちが学生だった頃、夏に企画した旅行先の海じゃねえか!
一体なんでこんなところに……

(説明セリフご苦労)

166ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 21:57:09 ID:31rjG76Q
(そんな怪しいなんちゃって刑事の視線を背に受けながらも)
……
(何かを黙々と捜している)
(時折しゃがみ込み、砂浜を手で掻き分けていたが)

…?
(ようやくそんな変な気配に気付いたのか、くるりと振り返った)

167ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 22:03:56 ID:e0wYVe1A
(はたと振り返ったのに気づき、慌ててササッと物陰に隠れたところで)
……待てよ、そもそもなんで俺がこそこそしなくちゃいけねえんだ?

(改めて姿を現し)
おっす、メシができたから呼びに来たんだが……何してんだ? 砂遊び?
(もちろん、そんなことじゃないのは知っているが)

168ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 22:09:19 ID:dP2FwE1Y
>>167
(……なんでこそこそしてたんだ?ご丁寧にアンパンと牛乳まであるし…)
(なんて当然の疑問は心の中にしまいつつ)
ちょっと探し物を…
……まぁ、砂遊び…もあるかな…

…夕飯の支度が出来たのは良いんだけど…
なんで此処に居るって解ったんだ?
(東の森からも、近くもなければ遠くも無い)
(当然、ちょっと夕飯の準備が出来たから呼びに来る様な距離でもないような気がした)

169ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 22:17:52 ID:e0wYVe1A
何で分かったかってそりゃあ……これが愛の力ってやつなんじゃねえの?
(探査術式や捜索術式は、割とポピュラーな特殊魔術ではあるのだが)
(ドラゴン・ハイタワーはそれを使わずに、感性のみで探し当てたらしい)
(化け物である)

それより探し物してんだろ? 食前酒代わりに軽〜い運動とシャレ込もうじゃねえか
(石の防波堤から砂浜に飛び降りると、袖をまくってそこらへんをかき分け始めた)

170ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 22:21:00 ID:dP2FwE1Y
>>169
は、はぁ…何をふざけた事を…
(当然、彼は真剣にいっているのかもしれないが)
(どうにもふざけている様にしか聞こえなかったようだ)

あぁ、うん…
ちょっと、”月の砂”を。
(よく、”星の砂”と言うものは見かけるものである)
(だが、どうやら其れとは違うようだ。響きからして大変メルヘンチックではあるが…)

171ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 22:36:36 ID:e0wYVe1A
ふざけた? このドラゴン・ハイタワーは、無駄な見栄を張る男じゃねえよ
(常識がまったく通じないこの男は、だいたいいつもこんな感じである)

月の砂あ? 何だそれ、まんま月の形をした砂ってことでいいのか?
(砂浜をかき分けるが、獅子の砂やダビデ星の砂、十字架の砂などしか見つからない)
(いずれも超レアには違いないのだが、お目当てではないのでポイ捨てしていく)

172ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 22:42:34 ID:dP2FwE1Y
>>171
……愛の力って辺りがふざけてると思ったんだけど…
見栄って言うか、茶化されているような…

まさか。そしたらただの丸い砂だろうが。
月明りみたいな光を放つから、月の砂。本当に僅かだが青白く光るのが特徴だな。
(ポイ捨てされて行く獅子の砂やダビデ星の砂等を急いで拾い集め)
あ!ちょ、ちょっと!其の辺りの砂も持って帰る…!
(目的とは全く関係ない砂ではあるが、貴重な物をポイ捨てなんてMOTTAINAIのである)

173ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 22:56:08 ID:e0wYVe1A
>>172
言っておくがな、魔法やら人伝てじゃねえぞ。直感でしかもド一発!
こいつはもう愛の力でしかありえねえんじゃねえのか、って訳だよ
(確かにとんでもない話である)

ハ、なるほどな。分かりやすくて助かるぜ
(しかしこれがなかなか見つからない。光を放っているから簡単そうなものだが)
おいおい、探してるのは月の石だろ。集中しろよ集中、日が暮れるぞ
(魔術的価値の高い砂がつぎつぎ捨てられるのは圧巻の光景だろう)
しかし、どうしていきなり月の石? ピッピでも進化させたいのかよ?
(意味が分からない冗談)

174ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 23:02:09 ID:dP2FwE1Y
>>173
あー、うん……凄いね……
(なんだかあまり感動していないような声で答える)
(もしかしたら、照れ隠しかもしれないが)

もうとっくに日は暮れているけどな
逆に日が登らなきゃ良いんだけど…昼間は全く見えないんだ
(其の点も、月の砂と呼ばれる由縁だろう)
ちょっと待て。石じゃない。砂。妖精を進化させるんじゃないんだから

175ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 23:21:29 ID:e0wYVe1A
仕方ねえな……そこまで信じられねえなら、このドラゴン・ハイタワー
愛の力を証明してやろうじゃねえか
(膏注がれし者曰く、愛とは、それ単独で世界を説明可能な"一なる元素")
(魔法が世界を構成する元素を操るならば、愛も魔法に数えられるのかもしれない)
(学会では鼻で笑われるだろう『愛の力』、しかしこのドラゴン・ハイタワーには)

(【常識が通用しない】)


(ドラゴンは、ラピスの手をギュッ、と握りしめる)
(破顔して、彼女の顔を見つめる)

信じろ………見てな。

(もう片方の手は、砂に潜らせる。深く、深く)
(片や魔女に、片や砂に。その姿は、魔女を媒介にするような体勢で)
(やがて、砂の海から引き抜いた手は、拳を形作っており)

信じる気になったかよ、愛の力ってヤツを
(砂を握りしめたはずのその手は、ただの砂に混じって、幻想的な静謐の光の砂をこぼした)

176ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 23:25:30 ID:dP2FwE1Y
>>175
……あ…!?
(最初は、何をするのかサッパリ解らない、と言った調子で彼の事を見ていたのだが)
(其の手に握られた幻想的な砂を見、息を呑み思わず声を漏らす)
一発でそんなに……
(でも、果たして本当に其処に愛とやらが必要だったのか)
(そんな疑問に首を傾げつつ)

177ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/08(火) 23:50:54 ID:e0wYVe1A
"そんなに"? 大した量じゃなくねえか? ただの砂のが多いみてえだし
(確かに割合的には、明らかに茶色い砂が圧倒的多数ではあるが)
(それだけ月の砂というものが貴重であるということなのだろう)

ほら見ろ、やっぱり愛の力はあるじゃねえか。魔法ってのはこういうもんだろ?
(つまりドラゴンの言う『魔法』とは、幸せを運ぶようなささやかな奇跡であると)
(ただ非現実的現象を引き起こすだけなのは、体系化された学問としての『魔術』と)
(そういう区別になっているらしい)

見てろよ?
(ラピスの手を離してから、同じ場所にもう一度手を突っ込み取り出すが)
(中身は、ただの砂。さっきと同じ場所なのだから、一粒くらい混じるはずなのだ)
(それなのに、一粒も光を放ってはいなかった)

178ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/08(火) 23:56:09 ID:dP2FwE1Y
>>177
いや、これでも充分過ぎる位だ
…結構貴重な部類に入るからな。取り過ぎてもいけない。
有難う。ドラゴンが来てくれなかったら多分暫くは、森に戻らなかったかもしれないな
(軽く苦笑する)

…あれ……
(再度取り出した手には一粒も其れは無い)
(偶然とも考えられるが、どうもそうとは考えにくかった)
(ならばドラゴンの言うとおり、奇跡に近い魔法、愛の力と言うものを信じるしかなさそうだ)

179ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 00:12:51 ID:CO2nbbCM
ふーん……そんなもんか
(いまいち実感に欠けるらしい返事で応じる。魔術に疎い者らしい反応)
けどよ、こんな光る砂なんて何に使うんだ? 瓶詰めにして鑑賞用?
(そんな訳ないとは分かっているのだが)

『あの時』だって。切り抜けられたのはきっと、魔法のおかげだぜ
(『あの時』)
(約束を交わした、あの時)
恥ずかしい話かも知れねえが、お前を想うと何だか力が湧いてくる
きっとそれは錯覚なんかじゃなくて……それが、『魔法』なんだろうよ

(魔法)
(ラピスを見つけ出した話は、実は魔術を使って探したのかもしれない)
(月の砂は、実は存在を知っていて、あらかじめ握っていたのかもしれない)

(疑えば、いくらでも疑える)
(それでも、信じれば確かにそこにある)
(本当の意味での、『ふしぎな力』)

180ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 00:19:40 ID:fiCMgo1k
>>179
あぁ、ちょっと作りたいものがあって…
膨大な魔力を繋ぎ止めるだけの”糸”を。
それに必要な材料の一つだからな。
(満足気に其の砂を眺めると、透明な、小さな瓶の中に更々と入れてゆく)
(ほんのりと光を放つ砂が積み重なり、まるで光を放つ液体でも入れているかのような様である)

……
(少し顔を逸らすと恥ずかしそうに微笑み)
それっ…!
(不意討ちのように冷たい海の水を、ドラゴンに掛ける)
あんまり恥ずかしい事ばかり言うと、頭を強制的に冷やすぞ…
(そう言い、ニッコリと笑いかける)
(彼女なりの照れ隠しだろう)

181ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 00:30:06 ID:CO2nbbCM
"糸"? 何かの魔道具の部品にでも使うのかよ?
(しかも用途が極端に限定されている。何に用いるのだろうか?)
(魔術には疎くても気にはなるドラゴン)

ぶっわ冷た!!
(思わぬいきなりの反逆に、砂浜にひっくり返る)
ありえねえ……夜の、冬の、海の水をぶっかけてくるか普通……
(普通からもっともかけ離れた存在が口にすべき言葉ではない)

もっとカワイいやり方にしろよ、例えばこういうのはどうだ?
(言った瞬間、ラピスに向かって弱い鉄砲水のように飛びかかる海水)
(風呂場でよくある水飛ばしだ)
冬に夜の海で明かりもなく騒ぐって、どんだけだよって感じだな!

182ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 00:38:32 ID:fiCMgo1k
>>181
あぁ、部品と言えば部品だけど…
さっき言ったとおり、繋ぎ止めるんだ。糸で…
(何となくはぐらかすような言い方である)

なんだ、寒さには強いんじゃなかったか?
(先日、雨の中で突っ立っていた人(?)の言う言葉じゃないだろう、とも言いたいのだろう)

わ、ちょっとつめた…っ!
端から見たらちょっと変な光景かもな……
(言いながら、苦笑するように笑う)
(長時間はしゃいでいた訳でもないが、彼女からしたらこんなに”遊んだ”のは初めてなのだろう)
(例え、それがこんな寒い夜の海だったとしても)

183ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 00:47:49 ID:CO2nbbCM
何を?
(とことん気になる性分の、ドラゴン・ハイタワー)

「寒さ」には強えけど、「冷たさ」は普通に感じんだよ!
(竜人にとってはあくまで別物らしい)
(そのまましばらく遊び続けた後、砂浜に戻ると、ふと振り返り)
今度はどこへ遊びに行ってみるよ?
(それは、次の『約束』)

184ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 00:53:26 ID:fiCMgo1k
>>183
随分聞きたがるな……
それは、内緒で。
(何故か教えてくれないようだ)

寒さと冷たさは別なのか…
(随分曖昧な差だが、何となく解らないでもない…ような気がする)
今度?
…さぁ、考えた事が無いな…。”遊び”に行くなんて…
(砂浜に横になり、空を眺める)

185ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 01:02:30 ID:CO2nbbCM
ハ、んなこったろうと思ったぜ
(白黒はっきりつけるような事柄でもなし、質問は切り上げた)

これからは、考えな
(学ランを投げてよこし、同じく夜空を見上げる)
特に珍しいモンは無し、今日もいたって普通の星空ってわけだ

186ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 01:07:09 ID:fiCMgo1k
>>185
まぁ、悪い事に使うわけじゃないから
(苦笑し、学ランを抱えて起き上がる)
…いつ見ても、派手な服だな……
何かの術式なのか…?

…考えろって言われてもな…
あんまり、遠出はしたくないんだ。私は元々この国の人間じゃないし

187ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 01:19:15 ID:CO2nbbCM
いいや、趣味だ
(何かの魔術的意味を表す礼装、というわけではないらしい)
お前が入る前、邪気大の応援団に助っ人でかり出された時あってな
その時に記念ってことで頂戴したのさ、ちょうど似合ってたしよ

俺だって違えぜ、もっと北の生まれだ
どうしてもってわけじゃねえが、チューニーランドは行ってみてえな
あそこのエターナルフォースブリザードマウンテンに乗ってみたくてよ

188ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 01:26:34 ID:fiCMgo1k
>>187
へぇ…応援団に?
初耳だな…
(応援団の助っ人にいった姿を見た事は無いはずなのだが、何故か容易に想像できてしまう辺りが彼らしいと言うか)
じゃあ、それ以来ずっとこれを着ているのか…
…よく壊れたりしないな、この服…

北ってあの…氷山の方?
あの辺りは、地形上立ち入るのが非常に困難で殆ど立ち入った者がいないと聞いた事があるが…
(空から行くにも、地上から行くにも、自然の猛威が壁となり立ち塞がる)
(其の上何故か転移魔法も成功しないという、奇妙な地であるとの伝記が残っている)
(古き言い伝えにも其の地の事は殆ど記されていないのだ。故に国があるかどうかすらも解らない)

…チューニー…ランド?
なんだそれは。新手の国家か…?

189ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 01:39:26 ID:CO2nbbCM
ちまちまちくちく直してんだよ、縫い物は得意なんでな
(究極に似合わない才能である)

あそこは『そういう場所』なんだよ、何故かは知らねえがな
(だから寒さに強かったり、尋常じゃない運動神経をしていたのだろうか)
ハ、知らねえのか? 有名なテーマパークだよ。いま一番稼いでる遊園地だぜ
……分からねえか? デートに誘ってんだよ、俺は

190ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 01:46:53 ID:fiCMgo1k
>>189
そうか、縫い物……えっ…!?
(あまりにイメージと掛け離れていたのか)
(まるで狐に抓まれたかのような表情をする)

そうか…不思議な所だな
昔の伝承を読んだ時、行ってみたいと思った事もあったな…そういえば。
(どう考えても、手段が無いので諦めたのだが)

…あぁ、初耳だ。
……解った。…今度、一緒に行こう。
(人混みは、人間嫌いの彼女にとっては恐ろしく過酷な場所だろう)
(だが、彼と一緒なら耐えられるのかもしれない)

さて、そろそろ帰ろうか。
…夕飯、もうすっかり冷めてしまっただろうな…折角作ってくれたのに…ごめん

191ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学待ち:2009/12/09(水) 02:06:12 ID:CO2nbbCM
ハ、そんなに意外か……気持ちは分からなくもないけどよ
必要だから身についた、ただそれだけの話だぜ。何も驚くことはねえ

やめておいた方がいいぜ、夢焦がれるような場所じゃねえよ
あそこじゃ、大魔術師だろうが重装機兵もお陀仏だ
(科学も異能もダメ。完全に陸の孤島だ)
ハ、『約束』するぜ。ゴタゴタからは俺が守ってやる
そして、ドラゴン・ハイタワーは『約束』を守る。任せろ

暖めりゃ済む話だろ、何も問題はねえよ。ほら、行こうぜ
(ラピスを抱えたかと思うと、
一気に防波堤を飛び越えた)

192ラピス ◆Utm3teRUd2:2009/12/09(水) 02:12:48 ID:fiCMgo1k
>>191
…確かに、必要だけど…
(あまり繊細な作業が似合うようには見えない…と、少々失礼ながら考えてしまうようだ)
(なんとなく、取れたボタンなんかは近くに居る女の子が付けてくれる様なイメージがあるようだ。
正に勝手な上に変なイメージだが)

そうか…流石に未踏の地と呼ばれるだけはあるな
(生死にあまり執着はしていないと言え、流石に自ら進んで死にに行くような真似まではしたくない)
……信じてる。お前は裏切らないって。
(そう言うと、振り落とされないようにしっかりと掴まる)
(彼に任せれば帰路はあっという間だろう。帰り道を多少堪能したいとも思ったが…流石にそんな時間でもないな、と)
(そんな事を考えながら、自分を軽々と持上げる竜人に身を任せた)

193ルビカンテ/戦士科 ◆VpF6jS.o.s:2009/12/09(水) 22:34:04 ID:CO2nbbCM
(――KUNREN)

足らねェ

(迸った【赫】の剣戟が、黄金で錬成された塔ほどもあるゴーレムを斬り臥せる)
(淡い粒子となって、仮想の空へ散るゴーレムのデータ)
(中世西欧を混迷に叩き落とした、魔導師"最右の者"の黄金巨兵でも、悪魔の腹は膨れない)

(炎が燃え盛る色をした長髪を邪魔そうに払い、赫怒の悪魔は2振りの魔剣を背の鞘に収めた)

まったく紛いモンのデータ相手に一人相撲なんざ、ジョークにもなりゃしねェ。
サシでも乱戦でも今ならタッグでも構いやしねェ。強敵サンが現れねェかなァ、クックク!

(口元まで裂けてしまったかのような、獰猛な嗤いに滲む自嘲と渇望)
(太陽と月が相照らす朝と夜の狭間の世界で、悪魔は千一体目の敵を待ちわびる)

194おっさん ◆wwSIP/sOq6:2009/12/09(水) 22:46:39 ID:2BNJ94dk
「これが、多目的仮想空間KUNREN……ハイテクってのはいつの世も理解の範疇を超えてるねぇ」
ほぅ、と感嘆のため息を吐きつつ、轟音のしたほうを眺める

(しっかし、あんな荒々しいもんまで居るのね……)
立ち止まったこの男の気配は小さい、どこまでも。
ただの人間と断言できるほどに

195ルビカンテ/戦士科 ◆VpF6jS.o.s:2009/12/09(水) 23:04:22 ID:CO2nbbCM
>>194
は ァ ん?

(あまりに無防備な気配を感じ、呆れ返るような声を喉から漏らす)
(男と悪魔は、決して近いと言える距離にはいない。視認はおろか、人間の意識可能な領域を到底超えたその段階で、)
(悪魔は明確に、その男を捉え『ていた』。)

(――――すなわち、男がその方向を眺める直前には、)

てめェ、何者だ? まさか俺様の相手をしてくれるヤサシイ人じゃねェだろうが? クケケ!

(喜悦の哄笑を顔に貼り付けた悪魔が、彼の背後から声をかけていた)
(一体どうやって接近し、背後に回ったのか。おそらくその答えは、人知の遥か遠く及ばぬものだろう)

196おっさん ◆wwSIP/sOq6:2009/12/09(水) 23:12:28 ID:2BNJ94dk
>>195
その接近に気付けるはずもない
彼はただの人間に等しい
「おっとー……びっくりしちゃったじゃないの」
だが、動揺は少ない
そして、間合いを開けるような挙動もない。

「え、なに、おっさんはもちろん、やさし〜いおっさんですよ」
至って自然体に見えるおっさんはのんきにそんなことを口にしたのだった。

197ルビカンテ/戦士科 ◆VpF6jS.o.s:2009/12/09(水) 23:20:57 ID:CO2nbbCM
>>196
(普通の凡俗、あるいは多少頭の良い人間ならば、こんな『常識』外の現象に警戒なりはする)
(それがまったくない相手なら、愚鈍なのか、それとも十分に対応できる力を保有しているか)
(どちらにせよ、あるいはどちらでもないにせよ、悪魔にとって退屈しのぎとなるには違いなかった)

だと良いんだがなァ、ニンゲンって種は平然とウソを吐く生き物らしいじゃねェかァ?
俺様みてェな人畜無害なかよわいヤツァちょっぴり警戒ってやつをしちまうぜェ、クッククク!

198おっさん ◆wwSIP/sOq6:2009/12/09(水) 23:34:10 ID:2BNJ94dk
>>197
「そうよー『人間は嘘つき』これ大事」
ケラケラと笑って悪魔を見やる
その目付きに、少しだけ戦意が現れる

「警戒なんてされたらおっさんに勝ち目ないじゃないの、ただでさえ『取り囲んでいる』のが精一杯なのに」
口元をにやり、と歪ませ
ただの人間は嘘を吐いてみた

199ルビカンテ/戦士科 ◆VpF6jS.o.s:2009/12/09(水) 23:49:00 ID:CO2nbbCM
>>198
クキキッ……化かし合いするようになるたァ、ニンゲンも賢しくなったモンだぜェ
ミンナで仲良く『でっかい塔』を作ってた時ァかわいかったが、時は残酷だねェ

(やはり、悪魔は動じない)
(言葉遊びを見破っているのか、それとも嘘でも本当でも関係がないほどに強いのか)
(それを悟らせぬほどに、悪魔の表情は、哄笑)

囲まれちゃァこっちこそ勝ち目ねェじゃねェか、多勢に無勢ってかァアア?
クカカカカッ――


ニンゲンにしちゃァ、ニンゲンっぽくねェな。てめェ
(嗤いを張り付けて、言い放つ)
(ニンゲンの歴史と共に歩んできた悪魔の言葉は、そこはかとなく重い)

200おっさん ◆wwSIP/sOq6:2009/12/10(木) 00:08:14 ID:B1alpYEc
>>199
「あの時より、よっぽど意地悪くひねくれたのよ。いやぁ、歳はとりたくないわな」
やはり、悪魔は動じなかった。
予想外なのか、予想通りなのか、ただの様子見だったのか
男は身動きしない。

しかし、ニンゲンっぽくないという疑惑を突き付けられると、余裕を貼り付けた顔に焦りが混じる。
その一言が張っていた小道具の"タネ"を砕かれたも同然の意味を持っていたのだ。

「ううむ、こりゃ困った」
おっさんはやっと、しかしじりじりと間合いを開けていく

201ルビカンテ/戦士科 ◆VpF6jS.o.s:2009/12/10(木) 00:25:32 ID:3ohb2Yb2
>>200
(悪魔は嗤う)
(しかしその顔には、嗤いの表情が『貼り付けられているだけ』)
(分かりやすい光をあえて見せ、その裏にある闇を覆い隠すように)

(本当の表情を悪魔は見せていない。)

(悪魔は一歩も動かない)
(しかし、悪魔には冒頭に見せた、正体不明の瞬間移動がある)
(もしそれが本当に瞬間移動なのだとしたら、間合いなど何の意味も持たない)

(謎だらけ)
(やがて)
(悪魔の口が、開いた――――)

やめとくぜ

(――停戦の合図を出すために)
(破顔一笑して張り詰めた雰囲気を蹴散らすと、肩をすくめて戦意を否定した)

ここで好機と焦って攻め急ぐような、興ざめな真似はしねェよ。
それに、てめェがまだ『隠し球』を持っていねェとも限らねェ。
まァそれが何であれ、俺様はこんなところでてめェを逃がさねェ。

(それは、場当たり的で安易な決着には決して満足しないということ)
(指で"拳銃"のジェスチャーを作り、ただの人間の男に向けて、)

ロック・オン。いずれ雌雄をはっきり決そうじゃねェか、ニンゲン。

(バァンと、引き金を引いた)

202おっさん ◆wwSIP/sOq6:2009/12/10(木) 00:42:13 ID:B1alpYEc
>>201
予想外な悪魔の停戦宣言に思わず目を見開く
しかし、それが本意であると受け取ると緊張を解いて、にやける。

「……ふっ。いやぁこんな、おっさんをロック・オンしても、なーんも面白くはありませんぜ?」
精々、老い逝き観察が出来る程度だと笑いを作る
目の前の悪魔が、何を考えて、何を思っているかなんて、ただの人間にはこれっぽっちも分からない。

203ルビカンテ/戦士科 ◆VpF6jS.o.s:2009/12/10(木) 00:55:10 ID:3ohb2Yb2
>>202
面白ェか面白くねェか、その全ては俺様が決めるこったぜェ。

(悪魔が本当に笑みを浮かべたその瞬間、仄かに白みだした風景)
(その光源は空からではなく、地面――大地が、悪魔の足下が、青白く発光しているのだ)
(やがて膨れ上がる光、そしてそれは地盤を突き破り、蒼白に燃える業火として地上に現れた)

また『遭』おうぜ、愉快なニンゲン
次はつけられるといいなァ……決着をよ、クッククククク!!

(青い火に巻かれ、悪魔の姿がかき消える、刹那)


(夜空側の空に浮かぶ星々が瞬いて――――人間の周りに、墜落した)
(否、それは斬撃だった。青白き業火の刃が無数に上空へ固定され、それが星々に見えたのだ)
(刃はことごとく当たらない。全てかするかかすらないかですれ違い、地盤を無残にも抉っていく)

(派手好きの悪魔がやりそうな、らしい"宣戦布告")
(今ごろ悪魔は、外でほくそ笑んでいるのだろうか)

204おっさん ◆wwSIP/sOq6:2009/12/10(木) 01:09:06 ID:B1alpYEc
>>203
「そうかい。おっさん、非常にプレッシャーだよ」
業火に抱かれるように消えていった悪魔の名前を聞いてなかったな、などと思いつつ
自分も名乗る気がなかったのを思い出し、それでもいいか、と空を仰ぐ


――嗚呼、これほど壮大な宣戦布告を見ただろうか。


「……おおう、こりゃ、たまげた」
自らの周りに集中して刻まれた痕の感想を口にして、その場から忽然と姿を消した。
そして、ホントにヤバい奴に目を付けられたんだなぁ、と今更ながら実感したおっさんであった。

205名も無き邪気眼使い:2009/12/14(月) 01:54:04 ID:c9iwTIDo
――大学構内某所

暗い部屋に男の影がふたつ、何やら話し込んでいる。
「……それで、『巫女』の具合は?」
待ってましたと言わんばかりに、そう振られたほうの男はにやりと笑い、返した。
「全くもって順調です。『巫女』ほどの素質を持つ者はそうそういないでしょう。
 この調子なら予定より早く計画を実行に移せるかもしれません。」
それを聞くと、初めの男も同じように口元を釣り上げた。
「そうかそうか。それにしても、ここまでトントン拍子に事が進むと逆に不気味なものだな。」
「そうですね。むしろこんな時こそ計画にほつれがないか、精密な確認が必要となりますからね。
 それはそうと、『巫女』の近くにいるあの男、どうにかなりませんかね…私としては非常に邪魔なのですが。」
聞くが早いか、表情を苦いものに変えて、男は切り出す。
「確かに奴は計画の妨げになるだろう。だが、迂闊に手を出して『巫女』に気取られるわけにはいかん。」
「それはそうですが…彼さえいなくなれば、計画の進行はさらに迅速なものになります。
 ここで始末してしまうのもひとつの選択肢では?」
「駄目だ。現状を見る限り、奴は『巫女』の精神状態を維持する重大な要因だ。
 それを排除しては、最悪、計画が頓挫してしまうかもしれん。それだけは避けねばならんのだ。」
そこまで言うと、その男はちらりと壁の時計を見る。時計は午前1時を指していた。
「さぁ、今日はここまでだ。明日は精密な戦闘データを持ち寄って、『巫女』に対する来年の方針について固めるぞ。
 KUNRENのデータも確実に回収しておけ。間違っても『巫女』本人には気付かれぬようにな。」
そう指示された男は、まだ何か言いたげだったが、相棒の言うことに従っておくことにした。
「わかりました。ではまた明日。」
それだけ言い残してひとり部屋を出る。
もう一人の男は、ひとり残された部屋で呟いた。

「もうすぐだ…もうすぐすべてが……」

206名も無き邪気眼使い:2009/12/23(水) 21:12:26 ID:m.NIl4FI
(―――東の森)

(暗緑の木々が生い茂り、昼夜問わず邪気と魔力の混ざり合った”濃霧”が発生している)
(”迷いの森”と呼ばれるに相応しい光景は、聖夜の前々夜だろうと変わることは無い)

………
(そこそこに大きな、刃が独特なうねりを持った剣を携え)
(身体をマントで覆い、深々とフードを被った人影が慎重に歩いている)

(月の光すら通さぬ樹海のような森の中故に余計慎重になっているようだ)

207名も無き邪気眼使い:2009/12/23(水) 21:29:44 ID:58qa8bTY
(森の中に立ち込める霧は、数歩の先も明らかにするのを許さない)
(ましてや鎖された森の奥深くを、どうやってその目に映せるというのか)

(足裏に滲む柔らかな土の感触、露に濡れて滴を零す木々)
(霧に湿る肌に吹き付けられる、凍てつくような冬の冷気)
(全身に伝わる全てが、この森の空間は別世界であることを克明に告げていた)

(霧に鎖された東の森)
(大学創設の以前より存在するそこには、数々の伝承が残されている)
(妖精、吸血鬼、魔女、竜……いずれも御伽噺に名高いモチーフの数々)
(霧によって視覚情報が奪われれば、そのようなフィクションも流れるだろう)

(しかし)
(眼前の霧)
(そこに映し出された影)

(現存の生物種としての竜種にしては、類を見ない大きさの)
(天地を覆い、地平に被さるような、)
(御伽噺のような、【竜】のシルエット)

208名も無き邪気眼使い:2009/12/23(水) 21:43:09 ID:m.NIl4FI
……
(青年は、フードの下で一度息を呑む)
(霧に映る影は、恐らくこの先にいるのだろう)

(万が一にも、交戦になっては厄介だが)
(こちらから仕掛けなければ問題はないだろう…彼等もむやみやたらと襲い掛かるとは考えにくい)

(そんな事を考えながら、彼はゆっくり竜の影が映る霧へと足を進めた)

209ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 21:52:20 ID:58qa8bTY
(霧の向こうには、しかし、竜の姿は見当たらない)
(抱えられぬ程に太い樹木の数々と、地から生い茂る草々)
(そこには、一人の男がいた)

(背丈は高く、襟を立たせた黒の学ラン、昏い赤の髪)
(――――その気迫は、【竜】そのもの)

210名も無き邪気眼使い:2009/12/23(水) 21:56:35 ID:m.NIl4FI
>>209
(その姿を見るや否や)
…!
(息を飲む気配は一瞬―――)
……――!!

ドラちゃんーっ!!!

(と、叫んだと同時に)
(勢いよく、彼に飛び付いた)

211ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 22:03:51 ID:58qa8bTY
…………?

(いきなり飛びついてきた人影の頭を鷲掴みにしながら、はて、と首を傾げる)
(数十年間も留守にしていたので、同僚や同級生の顔など記憶の隅の隅に追いやられているのだ)

212ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 22:12:16 ID:m.NIl4FI
>>211
(きつく抱き着いた…筈だったのだが)
ぐえっ……
(しかし頭を鷲掴みにされ、露骨に嫌な顔をする)
…ひどいなー…
今首がグキッて…
(薄い金色の髪に、アクアマリンと金のオッドアイ)
(少年と青年の境目、と言ったような外観をした青年がそこにはいた)

213ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 22:16:27 ID:58qa8bTY
>>212
(バスケットボールでもかくやという粗雑な掴み方をしていた手を離して)
(その顔をじっ、と見る)
(見る)
(見る)

…………誰?
(分からなかったらしい)

214ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 22:21:01 ID:m.NIl4FI
>>213
……
………
(穴が開くんじゃないかと言うほど見つめられ)
…えぇ!忘れられてるの…?
僕だよ…元邪気会副会長…ハイン。
あれー、結構話した仲だと思ってたのは僕だけ?
(…悶々と悩む)
確かにあまり一緒に仕事はしなかったし…うーん…

215ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 22:25:22 ID:58qa8bTY
>214
……?
悪い、分からん。いたようないなかったようなどっちでもいいような……
(いてもいなくてもドラゴン的には構わなかったらしい)
(薄情すぎ)

俺がいた間、なんか活躍とかしてた?

216ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 22:31:08 ID:m.NIl4FI
>>215
えぇ?
いくらなんでも薄情過ぎない…?
何十年もあってないからって……

あぁもう、良いです…良いですよ…
覚えてないならそれで良いです…それじゃ…
採ってこなきゃいけないものもあるんでこれで…。

どうも失礼致しました……
(深々と礼をし、他人の距離を取り)
(そのまま森の奥へ歩いていった)

217ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 22:40:55 ID:58qa8bTY
>>216
(霧に覆われた森の奥へと歩いていくハインの背中をしばらく眺めていたが)
(次の瞬間)
ハ、
(ドラゴンが目の前に現れた)

まだ会話して短時間だが、お前が面倒くさい奴だってことは十二分に分かったぜ
(容赦ない物言いである)
この濃霧の中を一人だけは危険ってことは、赤点常連だった俺でも簡単に分かる
このドラゴン・ハイタワー、それを分かってて行かせるほど薄情者じゃねえよ
(ツッコミどころである)

218ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 22:48:48 ID:m.NIl4FI
>>217
…ちょっとどこから突っ込んでいいかわからないです
(そういいながら一度ため息をつく)

とりあえず、心配しているならそれは無用。
まず、ここがいかに危険かは承知の上だよ
でも、僕は森で絶対に迷わない。
(その目に映るのは絶対の自信)

(彼から漂う気には人間の気はないが)
(しかし、何かと混ざり合った気の中に感じられるそれは森の民と呼ばれるエルフのそれとも非常に酷似している)
(彼等ならば、いかに危険な森であれど迷うことは無いだろう)
(彼から感じられる自信は、それにも似ている。迷わない事が当然なのだ)

219ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 22:56:05 ID:58qa8bTY
>>218
ハ、
(笑い飛ばした)
この森には、いやつーか普通は遭難以外の危険だってゴロゴロ転がってるぜ
一番怖えのは森に住むおそろしい魔女と出くわしてしまった時だな、まず逃げ切れない
アイツを抑えられるのはこのドラゴン・ハイタワーを差し置いてほかにはいねえって訳よ
(冗談なのか本気なのか)

まあ……本気でイヤならやめるがよ

220ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 23:00:47 ID:m.NIl4FI
>>219
…わかった。今度伝えておくよ、ラピスに。
「ドラちゃんが、ラピスは森に迷い込む人間を次々喰らう…」と言い触らしてるってね

…しばらく口聞いてくれなくなるかもね
(意地悪く笑う)

案内してもらわなきゃ行けないほど危険なところには行かないよ
明日のクリスマスに向けて、ちょっと邪気面鳥を狩りに来ただけだからさ
…あと果物を少し採って帰るけど。

221ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 23:11:17 ID:58qa8bTY
>>220
ああいや、ラピスのことじゃねえよ……いるんだ、『森の魔女』ってヤツが
(いるらしい)
ああ……確かにそんぐらいだったら、別に危険とかそういうレベルの話じゃねえな
なら、せいぜい気をつけろよ。急な段差にこけて足痛めるヤツが結構いんだよ

222ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 23:16:21 ID:m.NIl4FI
>>221
へぇ…じゃあ…
嘘でも本当でも、どちらにしろ伝えないから本当の事を教えて欲しいなぁ

あぁ、大丈夫大丈夫〜
(へらへらと笑いながら歩き出し)
ぎゃっ!!!

(早速、ドラゴンの目の前から彼が消えた)

223ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 23:22:57 ID:58qa8bTY
>>222
…………ベタすぎるぜ
(着いて行った方が良さそうだ、とドラゴンも向かっていった)

224ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 23:28:03 ID:m.NIl4FI
>>223
(目の前で早速足を滑らせたようだ)
いてて…
…あぁ、大丈夫大丈夫…
(そう言いながら起き上がる)

225ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 23:33:16 ID:58qa8bTY
>>224
大丈夫かよ……俺にツッコミやらせんなよ……
じゃあ俺は帰るけど、大丈夫だな? 大丈夫なんだな?
(ベタな確認作業)

226ハイン ◆Utm3teRUd2:2009/12/23(水) 23:41:40 ID:m.NIl4FI
>>225
大丈夫大丈夫…期待に応えた方がいいかなーって…本当だよ?
(苦笑する)
あまり遅くなると、明日困るんじゃない?イブだし
(何がどう困るのかは謎である)
それじゃ…またね。ドラちゃん
(そう言うとしっかりした足取りで歩き出した)

227ドラゴン・ハイタワー/元"六"/復学申請中:2009/12/23(水) 23:43:42 ID:58qa8bTY
>>226
…………、ったく
(ドラゴンの姿がかき消え、地が爆ぜる)
(結局着いていったのか、帰宅したのか、それはページの外側に…)

228名も無き邪気眼使い:2009/12/27(日) 23:24:16 ID:JK.wiCCc
「ぶ ち こ わ す」
ハンマーを片手に持ち、校舎に叩きつけては、愉悦に浸る者。
破壊でしか自己を表現できない、そんな人物がいた。
「派手に破壊すれば、奴らも来るだろ。そして奴らもたたきつぶし、頂点に君臨してやるよ。」

229 ◆Utm3teRUd2:2010/01/19(火) 22:27:38 ID:eicKbSCo
(―――東の森、奥地)

(夜の帳が森を包み込み、
万年濃霧は行く手を阻むように森の中を漂い、寒冷な風が吹き抜ける)


(数多奇怪、複雑難儀な結界を抜けた先に)
(一つの小さなコテージ(隣には建築中の何か)が存在する)

(―――ピシリ、と)

(”氷”が”鳴”る音が響き)

(其の瞬間、コテージの周囲から、全ては氷期に包まれた)

(…異常に巨大な術式。当然中心には術式を展開したはずの主が居るはず、なのだが)
(この中、果たして無事で居られているのかどうかは定かでは無い)

230ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 20:58:24 ID:hNoZFUNA
(――その夜。)
(ドラゴン・ハイタワーは、地を砕きつつ森の暗闇を駆け抜けていった)
(その速度はもはや、人間の文明でさえ辿り着いてはいない境地に達している)

(所用により数日家を空けていたが、”去来”した胸騒ぎに突如帰還したのだ)
(胸騒ぎ。)
(直感に優れるドラゴンにとって、その胸騒ぎは下手な報道よりも信用できるものだ)

(森に敷かれた結界を踏み越え、ドラゴンは数秒もかからず森の奥地へと踏み込む)


(目にしたのは、)


………な、何だってんだ……こいつはよ…………ッ!?


(『樹氷の森』。)
(木々の緑は白く凍てつき、夜の帳と月光に不気味な光沢を放っている)
(ジャリ、と足元。霜だ。今は冬とはいえ、あまりに局地的なそれに寒気がした)

(生の気がしない。激しく脈打つ鼓動が、不安を増大させていく)

(確かこの先には、何があった?)


ら、………ち、くしょぉおおおおおおおッ!!

(砲弾が着弾したかのように、凍土が爆ぜて飛び散る)
(ドラゴンの姿は木々の間をすり抜けて、コテージのある方向へと飛んでいった)

231 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 21:10:25 ID:j1L4a53o
>>230
(コテージの扉から何から、全てが凍てついている)

(窓から中は…よく見えない)
(しかし、明らかにこの"氷河期"の原因となったのは此処…この中で起こった何か、だろう)

232ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 21:21:49 ID:hNoZFUNA
>>231
ラピスッ、おい返事しろよッ!! ラピスッッ!!

(コテージのドアノブを捻るが、肝心の扉はそこを動こうとしない)
(扉そのものが、コテージに接着されてしまっているのだ。封鎖を解かないならドアの意味がない)
(窓は曇りガラスのように白く凍っていて、中の様子を見せることはない)

ちくしょう……グズグズしてる暇なんぞ、俺にはねえんだよッ!!
(ドアと窓を破壊されたときの支障の度合いで比べて、軽微な方の窓を殴りつけた)

233 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 21:29:08 ID:j1L4a53o
>>232
(―――ガシャアァンッ!!)

(静謐な世界に、ガラスの割れる音だけが響く)

(小さなコテージの中もまた、全てが凍てついていた)
(奇怪な文章で構成された魔導書や魔道具が散らばっているが、それらも全て氷に包まれている)

(その近くに)
(まるでよく出来た人形のように動かない魔女の姿があった)

234ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 21:44:07 ID:hNoZFUNA
>>233
(窓枠ごと吹き飛ばされてすっかり消失したその場所から、コテージへ乗り込む)

………、…こりゃあ……ひでえな
(森の中と比べても、この小屋の中は特に冷凍の被害が激しい)
(寒冷に強いドラゴンにはあまり関係ないが、室温も零下を優に下るはずだ)
(この様子だと、薬品やアイテム、本でさえ凍りついて使いものにはならないだろう)

(そして部屋の奥で、ドラゴンは彼女を見つけた)

ラッラピスッッ!!、……!!?

(――人間か人形か、一瞬区別がつかなかった)
(それが、指先から髪の毛の一本たりとも微動だにしないからだと気づく)
(時ごと氷付けにされたようなその姿は、こここそが氷結の発生源であることを伝えていた)

………チィイイッ!!

(考えるまでもない。このまま放置すれば死ぬ。)
(凍りついたラピスを抱え、コテージを一気に飛び出すドラゴン)
(向かったのは、森の中に湧き出した…とある池)

235 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 21:50:12 ID:j1L4a53o
>>234
(ラピスの身体は、もはや氷のように冷たかった)
(生死は不明…だが)
("魔女"はこの程度では死なないだろう)

(…そして、ドラゴンに抱かれ、とある池へと運ばれてゆく)

236ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 22:02:36 ID:hNoZFUNA
>>235
(池に張った分厚い氷を一蹴りで踏み砕き、水の中へと沈める)
(ラピスを傍らに横たえ、ドラゴンは池に向かって一礼すると――哮た)

(その音域は、人間の耳には届かない)
(しかしその大音声は、地に立つ物を、池の水すら一瞬『浮かせた』)

(ズウン、という音と共に全てが元に戻る。ただ一つ違ったのは、)
(池の水温が、上がっていた)

(ドラゴンは衣服を脱ぎ去ると、冷たいラピスを脇に抱えて池へと入る)
(温かい。湯気が夜空へ立ち上り、群青にかすかな白が映える――)

237 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 22:09:51 ID:j1L4a53o
>>236
(……――ピクンッと)

(僅かに、指の先が動く)

――……

(…そして、ゆっくりと眼を開く)
(どうやら、…身体は無事なようだ)

238ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 22:13:56 ID:hNoZFUNA
>>237
(ドラゴンはグ、とラピスを抱き寄せる)
(果たしてまだ冷たいだろうラピスを暖めるためか、他意があったのか)
(それは定かではなかったが)

239 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 22:25:39 ID:j1L4a53o
>>238
……ん…

…――?
(しばらくぼんやりと抱きしめられていたが)

…ドラ…ゴン…?
(ようやく、ドラゴンに抱きしめられている現実に気が付く)

240ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 22:31:21 ID:hNoZFUNA
>>239
…………、…………。

(ラピスの頭を胸にかき抱き、梳くように蒼い髪の毛を撫でる)
(鼓動を聞かせるように。体温が溶け合うように。2つが1つとなるように――――)


(ガシリ、とラピスの頭をドラゴンの手が掴んだ)

はーいそれじゃあ説明ターイム。留守中何が起きたのか簡潔に説明してみましょー。

241ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 22:31:23 ID:hNoZFUNA
>>239
…………、…………。

(ラピスの頭を胸にかき抱き、梳くように蒼い髪の毛を撫でる)
(鼓動を聞かせるように。体温が溶け合うように。2つが1つとなるように――――)


(ガシリ、とラピスの頭をドラゴンの手が掴んだ)

はーいそれじゃあ説明ターイム。留守中何が起きたのか簡潔に説明してみましょー。

242 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 22:37:26 ID:j1L4a53o
>>241
(とろん、としばらくその余韻に浸っていた、が)
(がしっと頭を掴まれ現実に戻される)

…あ、えっと…
チョコが…爆発して……

243ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 22:40:08 ID:hNoZFUNA
>>242
……、
…………、
…………………、

悪い、意味が分からねえ。チョコが何だって?

244 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 22:50:17 ID:j1L4a53o
>>243
…いや、あの…チョコが…
いや、正確には邪気大の購買部で期間限定で売り出す予定の…
「身も心も凍り付くチョコ(仮」って製品なんだけど…
チョコの中に込めた術式が暴発して…チョコが爆発して…
(何が何やら、である)

245ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 22:52:53 ID:hNoZFUNA
>>244
…………、

ふうん

(冒頭の必死さからは一転、明らかに冷めきった表情で岸に手をかけた)

246 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 22:58:18 ID:j1L4a53o
>>245
そ、そんな冷めた声出さなくても…
しかし危うく大変な事になるところだった…ありがとう…ドラゴン
(ニッコリと笑いかけ)

…あ、れ…
…服は…?

(ふと、池をあがろうとするドラゴンの恰好にようやく気が付いた)

247ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 23:03:44 ID:hNoZFUNA
>>246
ハ、万が一の時に、濡れた服着たままだと動きにくいんだよ。
それに――

(バサリ、と服を着込みながら)

人肌で温めると良い、ってのを聞いたことがあってな。実践したんだ。

248 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 23:11:29 ID:j1L4a53o
>>247
そうだったのか…
(少し気恥ずかしそうに顔を伏せる)

……
…なんだかこの池、温泉みたいで暖かいな…
(当然ながら、外より暖かいようで、出たくなくなってしまったようだ)

249ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 23:15:27 ID:hNoZFUNA
>>248
(対し、ドラゴンは全然恥ずかしがってはいない様子)

……別にいいがよ、その池は俺が即席で温めただけだからな。
そろそろ水温が元に戻るだろうが、水風呂を楽しむつもりならどうぞ浸かっててくれよ。

250 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 23:18:56 ID:j1L4a53o
>>249
え、ち、ちょっと待って…それは困る…!!
(慌てて池から上がり)

…さ、寒い…
(改めて、外の寒さを思い知った)

251ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 23:24:19 ID:hNoZFUNA
>>250
ったく魔術師は軟弱だぜ……おら、掴まれよ。
(ドラゴンは屈むと、背中を指差して言う)
コテージも氷付けだが、暖炉は使いものになるだろ
ひとっ飛びにするから、早く掴まれ。

252 ◆Utm3teRUd2:2010/01/20(水) 23:27:49 ID:j1L4a53o
>>251
…あ、そうだな…
……特殊な術式だから…そろそろ効果は無くなってるかもしれない…
……まずはお風呂…くしゅんっ
(そんな事を呟きながら、ドラゴンの背中を掴む)

253ドラゴン・ハイタワー/元実働部隊"六"/復学待ち:2010/01/20(水) 23:37:28 ID:hNoZFUNA
>>252
ハ、風呂が使えるといいがな……行くぜ。

(地がボッ、と爆ぜ、二人の姿はかき消えた)

254ラピス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 17:25:54 ID:nS54IMIQ
(暗緑の木々生茂る、迷いの森の奥深く)
(雪が降れど、其れが解ける程の強い日差しが中々差し込まない為、
雪は解ける事無く地面を白く染め上げている)
(そんな、白と緑の何処か空寒いコントラストになった景色の中、ひっそりと人の眼を避けるように建てられた小さなコテージがある)
(其の隣には作りかけのコテージの様な物があるが、それはさておき)

……
(コテージの中には、異様な臭いが立ち込めていた)
(まるで何種類もの香水を混ぜ合わせたような、甘いのかなんなのか、最早頭痛を招くような嫌な臭いである)
(そんな悪臭が立ち込める室内で、表情を変えずに古びた椅子に腰掛け、
二つの小さな小瓶とにらめっこしている女性が居た)

…よし。
(小さな気合と共に、片方の―――…悪臭の原因となっていた小瓶の中の液体を飲み干す)
(こくり、と小さな飲み干す音が静寂の室内に響き…)

(……――……異変は、何も起こらなかった)

…あれ……?
(首を傾げると、
再び散らかった室内から一冊の魔道書を取り出し、何かを調べ出した)

255ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 21:17:56 ID:KdjcKQaI
(迷いの森には、呪われし魔女と、彼女に寄り添いし護り竜が棲むと云う――)


(積雪が月の静かなる光を乱反射して、幻想的に輝く森の冬)
(今日も今日とて魔女の住み家の戸を開けるのは、護り竜の右手)

よお邪魔すんぜって臭ァ!?

(入るなりそう叫ぶと、コテージ中の窓という窓を開け放ち始める)
(よほどの悪臭だったらしい。竜人は鼻も利く)

ば、バカヤロウ……危うく悶死するとこじゃねえか、いや中毒死かも……。

256ラピス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 21:23:23 ID:nS54IMIQ
>>255
あぁ、今日も来たのか…
いや……寧ろ、居ない日のほうが少ないんじゃないか…?
(独り言のように返す声が窓の側に設置された机の方から聞こえる)
(どうやら、机に向かって座りながら何かを調合しているようだ)
(其の姿はいつもと何も変わらず……)

(―――…のはず、だったのだが)

(…心無しか、身の丈が小さく見える)

あぁ、悪いな…調合に色々なモノを使ったから。
少々キツイ臭いが充満しているかもしれない。

257ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 21:29:59 ID:KdjcKQaI
>>256
それ分かってんならもうちっとやりようっつーもん、…が……

(ドラゴンの口が止まった)
(窓際の机、椅子に座る人影、…そのサイズが、どうも足らない気がする)
(万一を訝り、目を擦って確かめるも、そのミニサイズは変わらない)

……この悪臭、幻覚作用でもあるのか? なんだかお前が小さく見えらあ……

258ラピス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 21:38:56 ID:nS54IMIQ
>>257
…いいや?
確かに依頼を受けて”年齢逆行”の薬を作っていたところだったのだが、
先ほど試飲してみた所効果が出ないので失敗…だったんだが。

…ん?
もしかして私…
(そう言い、ドラゴンに向き直る)
(其の姿は―――
いつもの長く蒼い髪に、藍色の眼)

(いつものように椅子から下りようと足を伸ばし)
うわぁっ!!?
(どさり、と落ちた)

(足の長さが、椅子の高さに満たって居なかったようだ)
(其の姿は、確実に幼体化していた)

259ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 21:43:33 ID:KdjcKQaI
>>258
…………。

(ぺしゃりと落ちたラピスの襟首を摘んで、軽々と引っ張り上げる)
(確かに、これではまるっきり子供の体重だ。本当に肉体が逆行している)

…良かったな、実験は大成功のようだ。……で、元には戻れんのか?

260ラピス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 21:48:50 ID:nS54IMIQ
>>259
あぁ、良かった。
…でも、効果が出るのに時間が掛かるのでは改良が必要だろう
どうしたものか…竜の髭を…いや、ウロコを足して…
(ドラゴンに引っ張り揚げられながらも、悩んでいる)

あぁ、案ずるな。
大丈夫、其の為にちゃんと解毒剤も…用意し…
(机の上を見る)

(其処に、並べておいたはずの小瓶がない)

…て……
(チラリと、足元を見る)

(小瓶が、落っこちていた)

………
(其の表情が、強張る)

261ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 21:53:34 ID:KdjcKQaI
>>260
(自分のものが材料にされそうな流れに眉を顰めるが)
(…解毒剤の末路を、ラピスの視線を辿るように、)

…二度手間

(ボソッと)

262チビス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 21:57:09 ID:nS54IMIQ
>>261
……
(じーっと、心無しか餌を見る子犬の様な目で見ている)
(尻尾があればパタパタと振っていてもおかしくない顔である)

(が、二度手間と言う言葉を聞いてガックリと肩を落とす)
…いや、それが…そのぉ……

材料が…丁度切れてしまってて…
採りに行かなきゃいけないから正確には…三度手間…?

263ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 22:04:22 ID:KdjcKQaI
>>262
……
…………
………………

……材料と調達先のリストだけ書いて寄越してくれ。

(この姿のラピスと暮らすのは、いろいろな意味でヤバい気がするので)
(大変なことになる前に、さっさと解毒財の材料を買いに行きたいドラゴンだった)

264チビス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 22:10:56 ID:nS54IMIQ
>>263
あ、で、でも!
(そんなドラゴンの気持ちラピス知らず)
実は、放置していても治らないものじゃないんだ。どこぞの黒ずくめが作った薬とは違って。
ただ、どれくらいの期間が経たないと治らないか…までは
当然解ってないから…一度自分で計測してみようと思って…。

幸い、生活には大きな支障があるわけじゃないし。
…うーん、ちょっと高いところのモノを取るのに踏み台が必要なのとかは色々不便そうだけど。
(とんでもない事を提案してきた)

265ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 22:18:05 ID:KdjcKQaI
>>264
…だ、だけどよ、万が一黒ずくめよろしく、そのまんまってこともありうる
その時の為に、解毒剤の材料を買い集めておくのは無駄にはならねえぜ!

(冗談ではない)
(これでは将来を約束した恋人たちの同棲、というより託児所が近い)

266チビス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 22:23:23 ID:nS54IMIQ
>>265
…いやぁ、そんな完璧な薬だったら其れはそれで嬉しいけど…
(其処まで完璧なら相当高値で売れるのだろう)
(何故か照れ照れとしている、が)
(直ぐに真顔に戻り)
そんな完璧な薬は…作り出せない。
それにほら、長くても……あー、どうだろ…?一年は無いと思うけど…
ダメかな…?
(じっと、子犬の様な目でドラゴンを見る)
(どこかあどけないと言うか、普段とは全く違う表情である)

267ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 22:26:18 ID:KdjcKQaI
>>266
……
…………
………………

(…しばらく悩んだ後)

…俺に、そっちの趣味は、ない。

(確かに切実な問題だった)

268チビス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 22:33:04 ID:9DnwmpwE
>>267
…え、趣味?
(何の話だ、と眉をひそめたが)

どうしても、と言うなら…材料採ってくるしかないけど…
市場に出回らないものもあるんだ

(そう言いながら、ニ歩ほど歩みだし)
(…ずりずりと引きずる服を見)
…その前に、服は……
(恐らく、洋服が収納されているらしい棚を漁り出した)

269ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 22:37:41 ID:KdjcKQaI
>>268
嗚於…神よ……

(詰んだ)
(これから始まる、幾日かの奇妙な日々の幕開けに神を恨み、仕方なく腹を括った)

…出来るだけ早めの失効を祈るぜ……

270チビス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 22:44:05 ID:9DnwmpwE
>>269
(神に祈るドラゴンの上に、どこかせくしぃな下着が降って来た)
(神からのプレゼントにしては酷い)

…あれ、昔の服は…
(恐らくそれの持ち主だった魔女はと言うと、棚の中身をひっくり返す勢いで服を探している)
あぁ、あったあった…!
(どうやら目当ての服を見付けたようで。
竜人の眼も気にせず、さくっと着替える)

(間違いなく波乱の日々になりそうだ)

271ドラゴン・ハイタワー/元"六"/"天穿つ塔の竜":2010/02/19(金) 22:49:08 ID:KdjcKQaI
>>270
……DAMN……

(目に毒な着替えシーンの目撃は、何処からか降ってきた下着に遮られた)
(…とんだエロ神様への当て付けに、取りあえず下着を投石の要領で投げ打ったドラゴンだった)

272チビス ◆Utm3teRUd2:2010/02/19(金) 22:58:20 ID:9DnwmpwE
>>271
あぁっ!?
こら、私の下着で遊ぶなっ!
し、しばらく必要じゃないかもしれないけどだからって!
(随分ズレたところに文句を言いつつ)
(可愛らしいポシェットに何やらいろいろと詰めている)
(まるで遠足気分)

(ようやく着替えた服はと言うと)
(紺を基調にした可愛らしいフリルのついたワンピースに、腰と胸元には大きなリボンがついている)
(しっかり帽子も用意してあり、帽子も普段の三角帽子…に、やっぱり大きな白いリボンがついている)
(…もはや、なにがなにやら、である)

273名も無き邪気眼使い:2010/03/03(水) 22:02:53 ID:CFOBiS1s

(地を踏む人影)

…………

(鋼色の髪が揺れて、)

――――――ああ、

(奇形の翼が羽ばたき、)

ここは、変わりないね、……何も

(安堵の吐息。そして、)

少しだけ、安心したよ――







(残るのは鋼色の羽根が一枚のみ)

274フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 22:37:12 ID:MpYzQd0w
(――談話室、その中心たるテーブルを挟み合う二人の人影)
(かなりの薄明かりで、両者の顔はほとんど見えない)

……それで、用事ってのはなんなんだ?
(やがて、白い外套に身を包んだ男が切り出す)

275おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 22:41:39 ID:MpYzQd0w
>>274
もう、そこに突っ込むのかい
もっと、この怪しげな雰囲気を楽しんでだな……
(身振り手振りで力説を始めるような前触れを見せ――)

そんで、用事ってのがな……
(しかし、始めなかった)

276フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 22:46:46 ID:MpYzQd0w
>>275
ふむ、それも……
――って、楽しまないのか!?
(がしゃん)
(雰囲気がそんな音を立てて崩れたのを聞き)
(思わず大声で叫ぶのであった)

277おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 22:52:57 ID:MpYzQd0w
>>276
ん? なに、楽しみたかったのか……さっさと話に移りたいのだとばかり思ってたわ
だけども、楽しむ時間もないのよ、おっさんはさっさと帰りたいからねぇ
(やれやれ、と首を振りそんな事を言い出す)

ま、手短に言うと
お前の『器』についてなんだがな

278フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 22:56:44 ID:MpYzQd0w
>>277
――『作品』だ、間違えるな
(器、と言った途端に表情を変えて、睨む)

その事については、全て廃棄したと言っただろ
過去の『作品』は全て、な

279おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:00:56 ID:MpYzQd0w
>>278
そうだっけか? いやいや、すまん忘れてた
(睨みつけられたことなど気にも留めず、疑問を口にして)

廃棄したなら良いんだ
まぁ……"本当に全てなら"な
(思い出したように、付け足した)

280フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:04:07 ID:MpYzQd0w
>>279
"本当に全てなら"?
(その一言をおうむ返しして)

……それは、どういう意味だ
(訝しげに眉をひそめた)

281おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:15:06 ID:MpYzQd0w
>>280
そのまんまの意味よ
おっさんにはそれだけが心残りでねぇ……いや、いつものようにこっち側にも来るけどね?
(ふう、と面倒くさげにため息をつく)
(いや、本当に面倒臭いのだろう)

あっち側の俺には対処出来ない問題でしょ、これは
だから余計に、ね
(そこまで言うと、懐からタバコを取り出して)
(手早く火を点けると、ゆっくりと燻らせる)

282フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:21:49 ID:MpYzQd0w
>>281
(おっさんの燻らせた紫煙が鼻先を掠めると)
(フレストは顔を渋らせ、ため息を吐いた)

……あぁ、なんとなく分かった

そういうことなら、こっち側の俺が適当に処理するから
おっさんは草葉の陰で安心して余生を謳歌してろ
(手で煙を払いながらそう言う)

283おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:30:51 ID:MpYzQd0w
>>282
うわっ、酷っ!
それはつまり死んでろってことだよね!? よね!?
(ばふばふと煙をわざと吐き出しつつ叫ぶ)
(なんか、うざい)

そんじゃま、それで良いかねぇ
あまり派手に目立つなよ?
どんなバケモノも最後には退治される運命だから、よ
(ふしゅう、と紫煙を吐き出してタバコでフレストを指す)

284フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:36:07 ID:MpYzQd0w
>>283
ちょっ
――けむい!
火を近付けんな!
――けむいし、危ない!
(わたわたと慌てつつ咳き込む)

……忠告は受け取っておくよ、ありがとな、おっさん

285おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:39:54 ID:MpYzQd0w
>>284
ホントにありがたく思ってるなら、おっさん、おっさん、言うのを止めようや

若かりし頃のフレスト・クロゥドくんよ

286フレスト ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:45:26 ID:MpYzQd0w
>>285
……ちぇっ、分かってやがったか
(見透かされていたことに舌打ち)

ありがたく思ってねぇから、おっさん、おっさんって言い続けてやるぜ

……どのみち、俺はお前にならねぇしな、クロゥド
(ぼそりと、相対する者の名を呟くと)
(彼はこの場から居なくなった)

287おっさん ◆wwSIP/sOq6:2010/03/19(金) 23:49:49 ID:MpYzQd0w
>>286
……素直じゃないねぇ
これはあれかな、反抗期?
若いって良いねぇ
(うんうん、と頷いて)
(フレストが消えた後をじっと見ていた)

……さて、帰って独り酒でもするかな
(そう呟いたおっさんは音もなく消え去り)
(そして、その場には誰も居なくなった)

288名も無き邪気眼使い:2010/04/08(木) 20:48:30 ID:PMe4uOn.
入学式――――ねえ

(今だざわめく構内)

(その片隅、深い森の最奥)

(軽い音を立て進む鋼色)

…………

(やがて視界は開ける。目の前には――)

……ここだろうね。こんな特徴的なもの、間違えようもない

(――水晶の樹を抱く泉)

289名も無き邪気眼使い:2010/04/09(金) 22:25:10 ID:d8uytFFc
(ぷかり、)

(湖面に浮く鋼色の影)

……

(視線で樹を見上げ、)

(何かを抱くように両手を広げ、)


―――――――――――――


(薄く開いた唇から零れる、声にならない詩声)

290ユイ/戦闘魔術科/実働部隊”九”:2010/08/24(火) 21:59:30 ID:fYj9GN4g
(屋外のベンチ)

やっぱたまには…こんなこともいいなー…
(りんごアメを頬張りながら喧騒を眺める少女が一人)
(浴衣姿…ならよかったのだが、生憎彼女はそういった服は持っていないようで、シャツとスカート姿である)
(一応、普段着よりはいくぶんかおしゃれをしているようではある)

(今日から数日間、お盆からは少しズレてはいるが夏祭りである)
(縁日のように屋台が並び、仮設ステージではバンドが喧しく演奏を続ける)
(毎日では飽きるが、たまになら楽しい、こういうお祭りは、彼女の好きなイベントのひとつである)

291名も無き邪気眼使い:2010/09/05(日) 21:24:10 ID:MnPW5zy6
(邪ノ眼海岸)

(―――潮騒が、聞こえる)
(月が闇に二つ浮かぶ)
(しかし下側の月は時折波音と共に形を歪ませ、その光は他を照らすものではない)

―――ザク、ザク

(べたつく海風をその身に受けながら、ゆっくりと歩んで行く)
(砂に埋まる足、砂浜など無縁であったが故に覚束ない足取り)

―――ザク、ザク

(役に立たない靴を片手にしばらく歩くと、足を取られる柔らかい砂から、固い波打ち際の砂に変わる)

(目指していた海は目の前に悠然と広かっていた)

(波が打ち寄せ、心地好い温度で足を冷やす)

(彼の故郷の海は、年中凍てついている)
(彼にとって、こんなに暖かい海は恐らく初めてだろう)

(暫し時を捨て―――)
(波に足を任せた)

292ヴィルヘルム/戦士科:2010/09/05(日) 22:59:45 ID:FH61T2bs
(そこに、ざく、ざく、と音を立てながら近付いてくる人影がひとつ)

ん、そこにいるのは誰だ?
(躊躇いもなく声をかける)
(若い男の声…体格を見れば青年だということが分かるだろう)

293名も無き邪気眼使い:2010/09/06(月) 00:12:09 ID:81pQIlBY
>>292
……
(青年の声に、後ろ姿がピタリと止まる)

(よくみれば身の丈程の剣を背中に背負っているが、此処で交戦するつもりはないだろう)
…今は…
名乗りたい名前はありません。
ここは大学ではない、詐りの名前を名乗る気分にもなれないけれど、本名を名乗りたくはありませんから。
…ごめんなさい。

(潮騒に、消え入りそうな声である)

//すみません…!気付くのがかなり遅くなりました…

294赤城漸夜:2010/12/23(木) 22:17:58 ID:Xrgy1P4M
「異常なし、ってとこだな」
 KUNRENは深い闇に包まれていた。
 赤城漸夜という男はこの日、KUNREN内部空間の点検を行っていた。
 毎日の仕事と言えばそれぐらいだ。彼は大学の用務員なのだ。
「たまには、学生とやり合ってみたいぜ。
 昔はそうだ、俺もこの大学で力を磨いていたもんだ。今じゃ見る影もないがな」
 彼は学業に対して熱心ではなかった。就職できなかったゆえ辿りついた職がこれなのだ。
 しかも戦闘の実力も言うほど高くは無い。へいへーいぼんぼんな人だった。

295若い声の人:2010/12/23(木) 22:33:32 ID:QaN.IzBc
>>294
「やってみるかい?」

乾いた足音が、暗闇の空間から響いてくる 姿は見えない…照明でもつけない限り

「用務員ってのは大変だね。
 学生がどんだけ無茶な使い方をしても、また同じようにしておかなくちゃならないからね。
 まぁ、ある程度は自動修復ができるんだろうけど、
 細かい部分はやっぱり手作業で直さなくちゃいけないんだろうね。」

声の質は若く、少年とも少女ともわからぬ中性的なものだった
距離は……どれほどだろう、10mもないほど近いようだが、反響していて正確な位置はつかめない

「異常アリ、さ。おじさんは用務員失格だね。
 ボクみたいなのが一人忍び込んでいても、気づかないなんて。
 ああ、ボクが誰か、って質問をするだろうけど、まぁすぐに答えるのもつまらないだろう。
 こういうのは後からだんだんわかってくるものだしさ。
 ……ね、もう一度聞くよ。やってみるかい?おじさんの力、見せてほしいな」

チャリ、という金属音がした……同時に、明らかな攻撃意識が感じられた

「ボクも、おじさんとやりあってみたいんだ。興味がある」

さっきよりも近い位置からの声
方角もはっきりとわかるくらいに近い 5mもないだろう

296赤城漸夜:2010/12/23(木) 22:47:15 ID:Xrgy1P4M
>>295
「……ほう、相当やるようだな。
 ただ、その話し方。俺はちと気に入らないな。
 俺の力を試すような――否、俺を見下すような話し方が、さ」
 赤城は生粋の負けず嫌いだった。戦闘に対して何の努力もしないのにだ。
「話ぶりから察するにお前は相当な身の程知らずだ。
 年の差は関係ないと? ばかいえ、年上は敬うものだ。偉いんだ」
 謎の価値観を振り回すこの男は、
「俺とやりたいんだろう。だったらその身に教えてやらんとな」
 男性背後の影から飛び出すは、重量を伴った真紅色の大剣だ。
「お前の幼稚さを!」

297若い声の人:2010/12/23(木) 23:11:46 ID:QaN.IzBc
>>296
「グッド。
 売られた喧嘩をまっすぐ買えるくらいには、
 衰えてないようだね!そうこなくっちゃ!」

足音が止まり、そして駆け出す 人間並み…あるいはその延長ほどの速度だ
これほど暗い空間で走り回れるのは、
何かしら暗視、あるいはレーダーのような力を使っているからだろうか

「…バカみたいにでかい剣だね…振り回せるの?
 身の程知らずか、それとも自信があるのか……
 それはおじさんの目で確かめてほしいな。
 ただ歳をくってるだけで偉いのかどうか……証明してみるさ!」

足音は赤城の周囲を回りながら、小刻みに間合いをつめたり、離れたりしている
そして一定距離に近づいた瞬間、赤城の横から、
跳ぶ音
そして金属の掠れる音
武器らしきものを振り回した音
音が連続して伝わってきた(少なくとも、音速よりは遅いスピードなのだろう)

暗闇の中でもはっきりと見えたのは、刃物ではなく、
まるで金属の棒のようなものであった

このまま振りぬけば、赤城の首を横から打ち据えるだろう

(まずは、小手調べ)

298赤城漸夜:2010/12/23(木) 23:26:44 ID:Xrgy1P4M
>>297
「振り回す気なんて最初から無いね」
 放たれる金属の棒。
 リーチと角度をきちんと見据えた上で大剣の柄を手に持って、
「得物が見えるなら、こいつで防げる」
 柄を軸に宙返り、二人の間に大剣を挟み、盾として利用する。
 その材質と形状から、簡単に折れるものではないことが分かるだろう。

(ちくしょう、振り回せねえ……俺も歳には勝てんということだな)
 その大剣は本人が予想していたよりも重く、今の彼に振りまわせるものではなかった。
 もちろん狼狽は心の中に押し留めておく。

299若い声の人:2010/12/23(木) 23:47:27 ID:QaN.IzBc
>>298
- カァァン -

金属同士のぶつかる乾いた音が、空間いっぱいに広がる
同時に火花が立ち、一瞬だけ姿がはっきりと見えた
背丈は小柄、顔は隠れて見えなかったものの、重量タイプではないのは確かだ

しかし柄にしっかりと振動が伝わる
ただ振り回しただけではなく、ちゃんと重力に腕力を乗せて振るっている
華奢ではなく、近接戦闘の鍛錬を行っているようだ

「目が慣れてたか、暗闇に頼った戦い方は不確定要素が多すぎて面倒だね」

そのまま反動を利用して飛び上がり、そして数m先で着地音がした

「それよりも、武器を出すだけかい?
 用務員になれるくらいだから、何か種を持ってるんだよね?
 …ねえ、そっちからも何か仕掛けてはどうだい?
 それとも、本当にただの用務員?
 もし…力を出さないというのであれば、
 出したくなるようにしてあげてもいいけれど」

何かしら呟くと、魔力の淡い光を身に纏った…魔力を集中させ、蓄えている
そのおかげで、闇の中にはっきりと姿が現れた
姿が見えにくいというアドバンテージを失ってまで使いたい魔法があるのだろうか

300赤城漸夜:2010/12/23(木) 23:57:43 ID:Xrgy1P4M
>>299
「魔法を使うのか。
 近接格闘を基本とする俺には少々分が悪いか――それならば、」
 大剣の柄を両手で握り、魔力を籠める。
 魔法に対する抵抗力を剣に付与させるのか。否、それは違った。
「俺の剣は"弾ける"ぜ」
 真紅の大剣は突然爆ぜた。赤の破片が前方に無数に飛来する。
 防御行動を取らなければ、全身をずたずたに引き裂かれてしまうだろう。

(まさか重さゆえにこれを解くことになるとは……)
 真紅の衣を纏っていた大剣。否、それは白く輝く刀。
 リーチは大剣とほぼ同じ、しかしその形状はとてもスマートだ。

301若い声の人:2010/12/24(金) 00:12:50 ID:gYStJAqU
>>300
「(遠距離広範囲攻撃!単純だが、その単純さが厄介!
  飛び上がって避けるか?伏せて避けるか?…否、どちらも無意味!
  この距離、音から察する速度、ダメージは避けられない、ならば!)」

後ろへ倒れこむように跳躍し、弾幕に足を向けた状態になる
弾丸のように飛来する破片に対し、
ダメージを受ける面積を限りなく小さくする!

「(そして魔力を攻撃用だったが、防御に回す!)」

- 玉虫色の硬き装甲皮呪文 -

全身、特に足先に魔力を集中させ、肉体を強固にする
これで集中させた魔力を失うものの、肉体の損傷を軽度に抑える
破片は次々と命中するものの、大きな傷を与えることは無かった

「痛ッってえぇぇぇええぇぇーー!」

そのまま、ドシンと体ごと地面に着地 体勢を崩したままである

302赤城漸夜:2010/12/24(金) 00:28:12 ID:qCgFJuQg
>>301
「不意の攻撃には弱いみたいだな……」
 この機会を逃すまいと、腰を深く落とし刀に力を籠めている。
 虚空を漂う赤き光が純白の刀身に収束していき、やがて充填される。
「次は不意を伴わない……されど先ほどと同じ種類の攻撃だ」
 刀を振るうと赤の切片が再び斬り刻まんと前方の人影目がけ飛来する。
(魔法には詠唱が必要なはず。物理的な回避行動を取るだろう。そして、)
 蘇る闘いの記憶。
 曲がりなりにも、彼はかつてこの大学で戦闘術を学んでいた。
 次にどの行動を取るべきか、『とりあえず』は体に染みついている。

303若い声の人:2010/12/24(金) 01:08:11 ID:gYStJAqU
>>302
「おじさん、やるじゃん」

体勢を崩しながらも、視線はしっかりと男に向けていた

「可変武器…そして連発可能…か。受け手に回ると、相性悪いな」

金属棒をまっすぐ床面に突き立てると、その先に付いた宝玉が激しく発光する
その宝玉の光が急激に強くなり、砕け散ると同時に、呪文の詠唱を済ませた

- 透濁の強き宝石波呪文 -

飛来する破片を防ぐ光の障壁が発生
弾丸は壁に衝突すると急激に速度を失い、落下する

「この武器は、いわばアタッチメントのモノを触媒にして魔力を高める装置……
 広範囲魔法は不得意だからね、愛用してるんだけど。
 このモノってのが基本的に消耗品でね……まぁ、あんまり強くしすぎるとすぐダメになるんだ。
 だから、防ぐ手段をひとつ失っちゃった。」

そして棒を再び掴み、向き直ると

「だから」

キッ と“眼”を見開くと 
赤城に向かって、紫色の焔が2つ床面を高速で迸る
攻撃力は不明だが、命中すれば何かしらダメージを負うことは必須だろう

「攻めさせてもらうよ」

304名も無き邪気眼使い:2010/12/24(金) 01:08:33 ID:qCgFJuQg
// あふぅ、眠気がやばいので落ちまする……
// 絡みサンクスなのだ。

305名も無き邪気眼使い:2010/12/24(金) 01:11:04 ID:gYStJAqU
// おうそうか、すまんな、裏でいろいろやっててレス遅くてのう…
// また続きやるなら言ってくれてもいいし、終わらせずにフェードアウトさせてもいいぜ
// こちらこそありがとう

306"英雄達の帰還"1/2:2015/09/16(水) 23:18:33 ID:HxqngOk6
―――憎らしいほどに降り注ぐ陽の光が和らぎ、逃げるように墜ちて日々早まっていく宵の刻。
数多の"異能・異常・非常・日常(イレギュラー)"に満ちていた、この『邪気眼大学』も
今は只、秋虫の鳴くばかり―――



        ―――ではなかった!!!―――


時は秋!! "英雄(プレイヤー)"達の居ぬ隙に!! "有象無象(モブ)"共が
好き勝手に蠢き!!遂にはこの―『文化祭』―をやってしまった!!
そして!!『やらかしてしまったぁぁぁあああアアアアア』!!!


『邪気眼射的』…特殊物質解析科謹製の超硬エビルクリスタル100枚。
        全て砕けばアダマンタイトをプレゼント。射撃距離に応じてボーナス。
『邪気ソバ』 …曰く付きの食材を無理矢理に焼き上げた至高(?)の一品。味はランダム。
『禁魚すくい』…クラーケンやサーペント等ヤバイ奴等を取り放題。というか取って下さい。
『お化け屋敷』…本物の化け物勢揃い。完走するには全て倒す必要がある?かも。
『剣戟部公演』…剣戟部主催バトルロワイヤル。飛び入り参加大歓迎。
『ミスコン』 …私は誰よりも強く、そして美しい!!男でも可。


その他様々な出し物が並ぶ騒々しいキャンパス。だが事件はすぐ傍で起こっていた!!


「だ、だめだ!持ちこたえられない!」
「気合入れろ!必ず此処で倒すんだ!」
「この野郎!絶対に大学へは行かせない!」

祭りに相応しくない悲鳴と怒号。それが響くは『西の森』その入り口。
大勢の邪気大生が、各々の力を森の中へと叩き込む。
それを無意味と嘲笑うかの様に次々へと押し寄せる"無数の群"

人の本能に刺さる重低音の羽音。抗い難い危機を想起させる黄色と黒の身体。
とある研究室が生み出した、人の背丈ほどもある『巨大蜂』
鉄杭のような針を矢の如く打ち出し、大顎の一撃は木を両断し、
巨体に見合わぬ速さで冷酷に、無慈悲に襲い掛かる。

「この、死ねぇ!"神炎剣(ブレイz――ぐはぁ!」
「そんな!Aがやられた!」
「バカな!あのAが!」
「も…もうだめだぁ…」

次々に倒れていく邪気大生達。人の倍ほどもある女王蜂に率いられ、
森の中、ビルほどもある巣より無尽蔵に湧き出る蜂の群れ。
森の入り口に張られた防衛線も、もはや破られる寸前であった。
間もなく蜂は防衛線を突破し、大学へ襲撃するだろう。

「く…そ…この程度の奴等に…」

救助を拒否し、尚も戦わんとするAは思う。
この大学は幾度も脅威に曝された、今回よりも遥かに強大な。
だが、その度に颯爽と戦う者達がいた。
眩い個性で輝いていた、"英雄(ヒーロー)"達だった。


――彼等がいたならば、この程度の窮地、笑って跳ね除けたのに――

307"英雄達の帰還"2/2:2015/09/16(水) 23:20:20 ID:HxqngOk6

大学の屋上。戦場を遠目に見つめる男がいる。

「うーん、これはちょっと…深刻…ですかね…」

頼もしい人達がいない。それはこんなにも、不安なのか。
寂しそうに呟き、両の手を抱えるように胸の前に置く。
その中から、虹色の蝶が現れた。夢か現か、その境の様な、幻想的な蝶だった。
瞳を閉じて、想いを込める。邪気大生達の、何より己自身の。
それは魔術よりも、祈りに似ていた。

『英雄達よもう一度』と

想いが強くなる。腕の中の蝶が瞬く間に増えていき、
男の周りをも、屋上全体をも満たしていく。
瞳を開き、両手を天に翳す。無数の蝶が、風を鳴らして全天へと舞う。
虹色の幻想の蝶は手紙となって、空間を飛び越えて飛んでいく。
かつての者達に、まだ見ぬ物達に。

「…この"招待状"…受け取ってくれるかな?」

この"声"が届かなかったら…届いても返ってくる"声"は……
胸中に襲い掛かる不安を吹き飛ばすように、天を見つめて笑みを作る。
なに、あの程度物の数ではない。鎧袖一触にさらりと片付けて、
他愛の無い話も出来るだろう。ゆっくりとでも。少しずつでも。


【罰当たり!文化祭でっち上げ!】      ゴメンナサイ
【ターン数は『1ターン』!】
【その代わり『複数レス・連続行動OK』だ!戦闘・会話・行動思いつく限りやれ!やるんだ!(強要)】
【蜂と巣への攻撃、NPCや文化祭出し物への行動は『確定行動OK』だ!スタイリッシュに決めろ!】
【名無しでの参加も歓迎!初心者・一見さん・浦島太郎も大歓迎!ぶっちゃけ私も下手なのだ!】
【期間は一応、9月24日午前0時とします。が、必要そうなら期間を伸ばします】
※PL間での行動は確定・連続行動不可です。また、確定行動等GMで調整かけることがあります(行動被り等)

308眼帯の者:2015/09/17(木) 02:25:28 ID:brHznwsc
邪気大【西広場】
そこでは軽音部がライブをしていた。
西の森からもアクセスしやすいこの広場では、蜂の巣騒動へ往く生徒たちでごったがえしている。
このまま騒動が大きくなれば軽音部のライブは中止になるだろう。

『チクショウ!俺たちのライブが!!』
とあるひよっこ邪気大生が叫ぶ
『俺、応援になるかわからないけど、出番まで西の森へ行ってきます!』
お前には無茶だ、やめろの声を振り切り、彼は西の森へ駆け出した。

309眼帯の者:2015/09/17(木) 02:33:52 ID:brHznwsc
西の森へ着くと、彼は比較的戦う集団の後ろの方で足を止める
そして、眼帯を外した。

『閃光眼!』
向かってくる蜂へ目から熱ビームを出し、焼いていく。
どれほど効果があるかはわからないが。
そしてビームを出しながら詠唱をし、手に雷の球を発生させた。
『サンダーボール!!』
それを蜂の群れ方面へ放り込んだ!
雷の球は威力は平凡だが何かに当たればハジケる仕様だ!

//久しぶりです。この2レスでわしのターン終了です

3101/4:2015/09/20(日) 23:20:31 ID:QiZrUGjg


 突如として、赤い光線が走った。
 木々と生徒達の合間を縫うように、そして巨大蜂の軍勢を隈無く貫くように。
 それは確かに怪物蜂の巨体を続々と貫通していったが、しかし蜂には負傷は疎か、何の異常も見受けられない。毛ほどの痛痒すら感じていないようだ。
 だが、次の瞬間。
 光線をなぞるようにして吹き抜けた衝撃波が、一斉に蜂を蹴散らしていく。
 その光景は、まるで砂利道を蹴り跳ばして小石を散らすかのように、相手の質量を無視するかのごとく奇妙な不自然さを伴って。
 大の男を優に凌ぐ巨体を持つ蜂モンスターは、この不意打ちで、軍勢をなす決して少なくない数を失った。
 だが、回避に成功した個体も少なくない。
 女王蜂は当然のように避けていて、家族を失った哀しみと怒りによるものか、ギチギチと不気味な昆虫音を軋り立てながら、下手人の姿を複眼に捕らえた。



「――――抜かすな、馬鹿者!」

 それは、今しがた弱音を吐いた生徒への怒声であった。

 戦場・『西の森』に響く、凛として冴え渡る声。
 よく聞き慣れた声だった。
 風紀委員の有名人。
 十人いるという、”数字持ち(ナンバーズ)”のお偉方(エリート)。
 いつの間にか最前線で、蜂たちを真正面に見据えながら仁王立ちする、小柄で華奢なシルエット。
 コートの右胸部分に縫い付けられている、Ⅴというローマ数字の打刻された銀製のエンブレムと、右腕に装着された腕章。
 そして暗緑色の景色で一際目を惹く色彩。
 漆黒の長髪とコントラスト鮮やかな白く細い頸元に巻き付いて、ひらひらと靡く”赤色のマフラー”。
 邪気眼大学構内において、主に学生同士のトラブルが発生した際に即時出動、仲介あるいは鎮圧の任を務める――――『女生徒』であった。

 一番槍の”五”とは違って、随分と遅い到着じゃないか?
 そんな非難がましい視線を浴びせても物ともせずに、女生徒は眦を決して、右手を自身の右眼に翳す。

311名も無き邪気眼使い:2015/09/20(日) 23:21:49 ID:QiZrUGjg


「”走線眼”――ッ!」


 瞳孔の奥、浮かび上がる紋章。鮮紅の稲妻。
 瞬間、またもや赤の輝線が複雑に分岐しながら蜂に殺到する――が、今度はそうそう上手くは行かず、大半の蜂は俊敏な機動で避けきってしまう。
 しかし”数字持ち”はそれで終わらない。

 一度は回避された輝線から更に枝分かれして、光線が追尾する。
 そして一度捉えてしまえば、その瞬間――赤色の光を纏った女生徒が、標的への最短経路をなぞるように射出され、激突の衝撃波が蜂の全身を吹き飛ばす。
 だが、これまでの戦況を鑑みれば、こんなちゃちな応用はいずれ学習されてしまうだろう。

 勿論先ほどから巣の破壊も試みている。
 最初の不意打ちでいくつか成功したが、それからは後方の働き蜂が複数で巣を”持ち運ぶ”ようにして飛び回っており、狙いがつけづらくなってしまっていた。
 そして打ち出される無数の針、針、針。
 回避に必要な隙間が存在しないほどの高密度で発射された蜂の巨大針は、”平面のように埋め尽くした”赤線の壁でガード、吹き飛ばす。

 目まぐるしい高速戦闘。
 赤の軌跡を追うように凄まじい速度で空中機動する女生徒が、背後の生徒達に叫ぶ。
 そう、こんなのはただの時間稼ぎだった。


「我々は何者だ?
 今のこの邪気眼大学に在籍する生徒ではないのか。
 かつて”黄金の時代”を築き上げた先輩方の意志を、信念を! 受け継いだのは、そして受け継いでいくのは、他ならぬ我々しかいないんじゃないのか! 違うか!?

 その我々が、いの一番に挫けてどうするんだ……こんなに情けないザマをいつまでも晒すようでは!
 いつまでも、巣立った先人達に心労をかけるばかりではないか……!!」


 最後の方の声は震えていた。
 身内が不甲斐ないことに対する怒りか。それとも仲間の情けなさを嘆いての哀しみか。
 どちらでもなかった。
 自分達の、誰より己の力不足を呪うように、悔いるように。
 檄を吐き出しながら、ひび割れんばかりに食い縛った歯を剥き出しにしていた。
 そう、まさしく。今この場にいる生徒たちの中で、誰よりも先達の影を追いかけているのは、彼女。伸ばした手が届かないと苦しんでいるのは、彼女だった。

3123/4:2015/09/20(日) 23:22:58 ID:QiZrUGjg

 彼女には思い人がいる。
 状況的には、”いた”、と形容するのが正しい。

 何故なら彼女の思い人には、すでに相応しい相手がいたのだから。それを不幸な偶然で知った時、彼女の初恋は終わった。終わるべきだった。
 だが実際、今もこうして未練を振り切るどころか、全力で追い求めている。
 十中八九報われないと分かっていても。
 こんな後追いのような、無様な真似を演じてでも、諦めたくないとその小さな総身で吠えていた。

 そうだ。
 邪気眼大学の生徒は、諦めない。
 どんな絶望が征く道の先に待ち構えていようと。どんな逆風がこの身を嵐天に攫おうとしても。そんなことは諦める理由になどなりはしない。

 何故なら、”ありえないことはありえない”――、
 『邪気眼』という異能は、現実という大いなる流れと真正面から逆行する力ゆえに。
 それは行使者の望んだ事象を、途方もない不可能の彼方から手繰り寄せる。自分が最後まで諦めず、信じ抜く限り。
 恋だろうが、戦いだろうが、何でも良い。
 そんな潔くない、諦めの悪い者達が通うのが、この邪気眼大学。
 ならば諦められるはずがない。入学を果たしているという時点で、その”不屈”の素養は間違いなく、我々にも具わっているはずなのだから。

 そして、Aに次いでまた立ち上がる生徒がいた。
 Bだ。

「ああ、そうさ。
 俺達は、ただの”有象無象(モブ)”かも知れない。
 ”黄金の時代”を生きた”英雄(ヒーロー)”たちに比べたら、俺達は何十倍、何百倍も見劣る輝きかも知れない。
 
 でもな……。
 俺達だってなあ、邪気大の一員なんだよ!
 名有りか名無しかなんざ一分の隙もなく関係ねえんだよ! 誰が認めてくれなくてもよ、他ならぬ俺達が!
 邪気眼大学の生徒として、一員として! 先輩方の誇りを継いでいくって! 入学式のあの日にそう心に誓ったんじゃねえのかよ、ああ!?
 だったら早々と何諦めてんだよ……おい、立てよ。立ち上がれよ弱虫野郎共!
 あのクソったれのハチ公どもにたっぷり教示してやるぞ、邪気眼大学とは、邪気大生徒とは何たるか……。

 そして証明するぞ、先達に……。
 俺達は、邪気眼大学の後輩だって……俺達も立派な邪気眼大学の仲間だって、認めさせてやるんだよ! 立てェッ!!」

3134/4:2015/09/20(日) 23:24:13 ID:QiZrUGjg


 一度、後悔した。
 大学に侵入した敵性組織・カノッサ機関――その手先に、まんまと騙された過去の恥を。
 いいように行動を操られて、
 仕舞いには身内同士で潰し合いを演じて、
 結局すでに卒業した先輩方の介入によってすんでの所で助けられて。
 邪気眼大学に通う学生としての自覚の不足、意識の不足、そして圧倒的な実力の不足を、心が灼き尽くされるような激しい後悔と一緒に味わわされた。

 なら、もうダメだ。
 もう二度と、繰り返してはダメだ。
 悔し涙は一度で充分だ。あんな惨めな思いは金輪際ごめん被る。
 今にも潤みそうな視界を根性で堪えて、叫ぶ。絶叫する。
 背後で四肢になけなしの力を込めて立ち上がろうとしている、頼もしい学友達に。騒々しいぐらい耳触りな羽音をひっきりなしに立てる、正面の憎々しい仇敵共に。


「征くぞ、邪気眼大学―――ッ!!」


 ニッ、と、思い人の影響強く”Ⅴ”の女生徒は不敵に笑う。
 相手は強敵だ。火力型でスピードもある。高度に統率された群れであり、しかも学習能力がすこぶる高い。
 ともすれば、下手なカノッサ機関員よりもずっと手強いかも知れない。
 だが当然、諦めない。
 証明してやろう。
 俺達が、”黄金の時代”を生きた先輩方の遺伝子を受け継いだ、後輩なのだということを。
 俺達は、邪気眼大学の生徒なのだということを。

314名も無き邪気眼使い:2015/09/23(水) 01:16:49 ID:NRRblb0A
//よろしくお願いします。

混迷を極める西の森入り口

そこから僅かに離れた箇所に

ガチャガチャと大荷物を拡げる一団
その中のひとりが声を上げる

「はいよ、コイツが機工科謹製害虫駆除アイテム
 その名も”BUGBUGバスターくん2015”……だ?誰のネーミングセンスだよ…。」

駆けつけた生徒に消化器型の殺虫剤散布装置を配る
そして自分もその内の一つを抱え、実演レクチャーを始めた

ノズルを持ち噴射口を向ける、ハンドルに手を添え構え――強く握った

――シュウウウ――――――

何か、空気を吸い込むような、そんな音が”BUGBUGバスターくん2015”から聞こえ

「良いか、あくまでもコイツぁ自衛用だ、こうやって噴き出るガスを撒けば周囲に虫どもが寄ってこなく――」

――――ヒュボッ!!!!!!!――――ズズゥウウウン……

噴出した超高濃度圧縮ガス弾が木々をなぎ倒す!
コンパクトな本体からは想像もつかないような夥しい威力だ!
周囲には何かこう、効きそうな感じの殺虫剤フレーバーも併せて拡がるぞ!実際クサイ!

「……はぁああああああ???」

シュンシュンと次弾を装填しようとする”BUGBUGバスターくん2015”を持ち素っ頓狂な声を上げる男

それを見ていた周囲の生徒諸君は

『やっぱりか機械工学科』

と、揃って叫ぶと各々の武器を持ち直し”西の森”へと駆けて行った

独り残される”BUGBUGバスターくん2015”配布者
ガァン、と本体を放り投げる

「……あんにゃろう共(機械工学科)め…やっぱりただの兵器実験じゃねぇか…!」

うがぁ!と声を上げ、後で覚えとけよと付け足した

「やれやれ、時間を無駄にしちまったかよ」

頭を振り、気を取り直す
視線は”西の森”入り口へ
事態は二転三転、目まぐるしい様相を見せていた

「――さて、行くかね」

ひとつ、短く息を吐くと
そのカオスへ向けて迷いなく歩を進める

傍らに、ひらりひらりと”虹色の蝶”が舞った

「チョウチョの伝言たぁ、粋な真似を――はてさて」

歩みは更に力を増し、一歩ごとに男の気配も昂ぶりを見せる

「久し振りだな、懐かしき混沌よ―――俺、参戦ってやつだ」

ニヤリと不敵に笑い駆け出す、そして――

「”螺旋眼”、起動」

――男は告げる、己の内の”邪気眼”の名を

左眼に浮かんだ”緑色の螺旋模様”が渦巻き、周囲の”邪気”を収束する
戦場の――祭りの熱気すらもその”眼”で巻き込み

男を中心とし赤く、熱い烈風が吹き荒ぶ

烈風と化した荒ぶる”邪気”はやがて
男の突き出した右腕に巨大な”紅蓮の螺旋”を形成していく

「見えるか、お前ら!――道は創る、続けよ」

巨大バチの群生が近付く赤色の気配に反応、反転し迫る男に襲い来る
それはさながら全てを飲み込む黒い渦のように

「はっ!上等だ、ブッ貫く――行くぜ、これがァ!!」

右腕に顕現した”紅蓮の螺旋”が唸り――廻る
切っ先は群体バチの形成する”漆黒の螺旋”に

そしてその力がその名と共に――放たれる!

「これがッ!『俺のドリル』だぁあああああああああああああああああああ!!!!!」

赤色の烈風――唸り、猛る『ドリル』が孔を穿つ!

並み居る群体を弾き、貫き

『俺のドリル』は漆黒の渦に一本の道を作り上げていく

315名も無き邪気眼使い:2015/09/24(木) 00:01:07 ID:iuVfZrzM
邪気眼大学は特異点である。
彼女は今、その意味をしみじみと噛み締めていた。
屋台で売ってたリバ肉の串焼きと一緒に。
……いやあ、何でしょう……どうしてこんな、数年しか経ってないのでしょう、ここ。
柔らかく、噛み締められるように煮込んだ上で焼かれた肉は多分モモ肉。
醤油を軸にした甘辛いタレがとても良い。
「もう二三本買っておけばよかったでしょうかねえ」
ふふ、と笑いながら、歩みも軽く西の森へ。
彼女を先導するかのごとく、虹色の蝶が舞う。
どう見てもただの散歩か何か、だ。

そこがただの森で、巨大蜂の群れがいないのであれば、の話だが。

ぶんぶんを超えてジジジジジ、と不快な羽音が周囲を舞った。
威嚇にも彼女が止まらないと分かった蜂は、容赦なく杭針を射出する。
対する彼女は気楽なものだ。
咥えていた竹串をずるりと引き抜いて、
「すみません、ちょっと邪魔ですよ」
高速の射撃を打ち据える。
軌道を変えられた一撃が、同胞を食い破って同士討ちとなった。
『――――――!!!!!!』
蜂の中での彼女の脅威度が上がる。
杭が効かないのであれば顎だと、ギチギチ鳴らしながら突撃。
獣の噛む力は、人類を凌駕する。……それこそ、腕程度なら簡単に食いちぎれる。
はずだった。
「あらまぁちょっと可愛いですね。いややっぱ不愉快ですね……」
カウンターで突きこまれた女の細腕が、噛み砕けない。
肉を噛んでいる感覚はあるのに、牙は皮膚に食い込むばかりで進まない。
「ううん、すみませんね。多分貴方では無理です」
ぺちん、と軽く、蜂の頭が叩かれる。
それだけで、手刀が甲殻を貫通した。
『……!?』
蜂にはわからない。
戸惑うようにぶんぶんと羽音が揺れるのも気にせず、彼女は目をにっこりと笑みに細める。
虚空を撫でるように手を翳せば、柄がそこにはあった。
「友人の弟が頑張ってるとのことで見に来たのですが。
 ……いつもの邪気大のようで、なによりです」
だから、と呟いて柄を握りこむ。
ずるりと引き抜けば、2mほどの幅広の大剣が両手にあった。
「私にとってはもはや”かつて”ですが、ここは”いつも”のようですので。
 …………『ボク』も、『いつも』のように、振る舞うとしましょう。
 なぁに、大丈夫大丈夫ですよ」
安心させるように周囲に笑いかける。
ただ、それで安心できるのは、おそらく邪気大の生徒だけだったが。
「ボクはOGですので。
 そう、かわいいかわいい後輩のために散らすくらいにしますが――あんまり腑抜けているようなら、巣を狙ってしまいますよ?」
笑みに戦意を滲ませて。
額に二本角――鬼種の証――をさり気なく生やした彼女は、躊躇いなく蜂の群れに突入した。

316金髪黒眼1/3:2015/09/24(木) 00:05:13 ID:BiClQELU
「ズルッ!ズルズルッ!ズルズルッ!ゲッホゲホ!なんじゃこら!」

あたりを見渡せる植樹の天辺から西の森付近の様子を伺う男は、
立ち食いで無警戒に邪気ソバをすすりこみ、くすんだ金髪を振り乱して咳き込んだ

「おーおーやってんナァ。
 おちおち食事もできんな、この学府は…(キリッ
 ってかぁ?」

それでもなお楽しげに、彼は遠くに広がる喧騒を真っ黒な瞳で楽しげに眺めている
強者故の余裕なのか、それともかなりの楽天家か
……彼の場合は間違いなく後者である

「研究室の脱走生物かぁ〜?…単に野放しなだけかもだが、どーすっかネェ」

空舞う蝶を目にした彼は、既にそれなりに情報を集めていた
個体そのものは概ねそこそこだが、とにかく数が多い
しかも彼の専門はどちらかと言えば少数相手の人体破壊
多数のモンスターを相手の無双プレイは不得意だ

「ん〜、お!そうだ!」

腕組みをして思案に耽っていた男は指を鳴らす
こういう時はの彼の閃きは大抵ロクでもない思い付きである

「―アレだよアレ!俺様天才!ひゃっはー!」

樹木から飛び降り、一直線に彼の駆け込んだ出店の看板にはこう書かれていた
【禁魚すくい―取り放題、というか取ってください】

317金髪黒眼2/3:2015/09/24(木) 00:07:33 ID:BiClQELU
『ヘラッシェー!!ナンニシヤショー!!』

飛び込んだ出店では、魚屋じみた掛け声で出迎えられた
そうじゃねーだろう、と突っ込みたいのは山々だが今は緊急事態だ

「悪ぃ急ぎだ、ちょっと借りるゼ!」
『エ!?チョットソリャナイヨオキャクセーン!』
「すぐ返すからよ!ほら1回分!」

ポケットから店番の学生に小銭を叩きつけると
腰から引き抜いた青い数珠のようなものを水槽にセットする

アクアネックレス
大海の円環珠

友人が気まぐれに作ったご都合主義アイテムであり、
環を引き伸ばす事でそれは二点間で大規模な水流を作り出す
片方は水槽に、もう片方は男の手に

「行くぜ!外に出しちゃやれねーが暴れさせてやるぁ!」

男は走る、西の森へ
男のあとを追いかける水流は、まるでそれ自体が生き物のように、
空中をのたうつ蛇のように、一滴も水をこぼさず【禁魚】を運ぶ

318金髪黒眼:2015/09/24(木) 00:08:09 ID:BiClQELU
「ひゃっほーい!」

再び西の森、降り注ぐ針の雨をかわし、蜂の体を短刀で雑に斬り飛ばし、
のたうつ水流と【禁魚】を従え彼は走る

「しっかし流石に多いねぇ」

足を止めずに水流を森の中空に流せば、
閉じ込められ気が立っていたサーペントやクラーケン、無数の巨大生物が蜂を蹴散らしてくれるものの
間に合わせの行動では全て刈り取るのは難しい
やはり、巣を叩くか女王を潰さなければ終わらないか
そう思考を巡らせていた時である
前から聞き覚えのある声が聞こえた気がした

――――――――――――――――――――――――――――

>>314
「見えるか、お前ら!――道は創る、続けよ」

――――――――――――――――――――――――――――


「やっぱ、そうなるよねぇ…うっし!やったろうじゃねぇの!」

どこまで行くのか、行けばわかるさ
彼の前に道はなく、彼の後に道はできる
いつでもいの一番に飛び出して行く螺旋の男
乗っかっといて損は無ぇ!

「邪影眼!えーと…即席スカイラブハリケーン!」

と、気合を入れたは良いが、はたと移動技の持ち合わせが無い事に気づく男
結局、自らの能力で作り出した即席の射出装置で勢いをつけ
なんとも間抜けな響きのセリフと共に、螺旋の男の後に続いた
周囲の生物へと破壊的な腕を振るう、水流と【禁魚】を引き連れて

319英雄達の帰還GM:2015/09/24(木) 17:21:18 ID:O9o9xpIk
Aは、絶望していた。

闘志に陰りはなく、傷ついた身体も問題なく動く。
迫りくる敵への恐れでも、無論ない。

邪気眼大学生徒は異能者である。だがそれは、
必ずしも戦士である事を意味しない。
蜂共は非戦闘員であるからといって手心を加えるわけはない。
だからこそ、より困難な防衛戦の形をとったのだ。

Aは絶望していた。防衛戦を破棄し、乱戦からの掃討戦へと移行する、己自身の決断に。

「総員、退『閃光眼!』――」

犠牲必至の阿鼻叫喚を告げるその声を上げようとした、まさにその時に
一条の閃光が、Aの頭上を疾った。
後方からの援護射撃。戦える者は前線以外にもういない筈と、
驚いて後ろを振り返った。そこにいたのは眼帯の男。

彼はたしか、少し先でライブをやる予定の生徒だったか。
そういった人達を駆り出さない為の戦であったというのに。
窮地に馳せ参じた生徒を頼もしく思うと同時に、自らの力不足を恥じ
その事が、号令をかけること一瞬遅らせた。
この戦いのターニングポイントがあるとするなら、
それは恐らくこの時であると、後にしてAは言う。

なぜなら、転機が訪れたからだ。それは戦場を縦横に貫く赤い光線から始まった。
戦場に轟く衝撃波。木っ端に吹き飛ぶ無数の蜂。眼帯の男の放った雷球も手伝い、
戦場に破壊を齎す。それは絶え間ない戦闘の連続の中で、”黄金のように”貴重な猶予が生まれた。

「――――抜かすな、馬鹿者!」

最前線から怒声が聞こえた。今度は、よく知った声だった。
右腕の腕章と、銀色のエンブレム。邪気眼大学の”風紀委員”。
エンブレムに刻まれた”Ⅴ”は、”数字持ち”の証。
完璧な奇襲を成し遂げた彼女は、その肩書きに相応しい実力を持って
戦いながら叫ぶ。その声の終いには、震えがあった。

(驚いたな…彼女のような人であっても、嘆きを吐くのか)

彼女の叫びの中に、想像し得なかった想いが含まれていた事にAは驚愕していた。
だが、その驚きも、湧き上がった得心によって形ばかりのものであったが。
そう、どんな地位があろうが凄まじい力があろうが、同じ人なのだ(明らかな人外も生徒には多いが)
では彼女達と我々の違いは?同じ脅威に曝されながら、戦い続ける彼女と、地に臥す我々。
思い至ったか、立ち上がり叫ぶB。応じるように湧く生徒達。士気が戻ってきた。
戦場に響く檄の声。図らずも指揮官の如き立場になっていたAは、
努めてその声を遠くに聞きながら次の手を考える。

(さて、どうしたものかな…)

攻勢に転じるにはまだ手が足りない。討てる火力があっても、敵勢を学内に漏らしてはならないからだ。
冷静に考えながらも、その口元には笑みが浮かぶ。それは、つい先程の絶望の未来が、水泡に帰したと確信した為。

320英雄達の帰還GM:2015/09/24(木) 17:23:09 ID:O9o9xpIk
「これは、”覆った”かな…?」

邪気眼大学の屋上。”招待状”を拡散させた男は、自身の魔術で持って戦場の全てを体感するかの様に察知しつつ
一言呟く。戦場に満ちるその魔術は、全く持って無害・透明である故に、
高い魔術に関する見識と、且つ極めて高い感知力でなければ、その痕跡も掴めないだろう。

そうして戦場を”俯瞰”する中でおよそ似つかわしくない感情の動きを察知した。

(やっぱ使えねーな!機工科!)
(何が”BUGBUGバスターくん2015”だ! この”不良品製造工場《BUGBUGメイカー》”め!)

不審に思って探ってみれば、懐かしい人がいた。
彼は覚えているか分からないが、この男は覚えていた。良く世話になった、印象深い男だったから。

「――お久しぶりです」

彼が来た。ならば、何が起きるか、良く分かる。ニヤリと笑って、螺旋が廻る。
そうして、ほら、『ドリル』が貫くんだ。
一直線に奔る紅蓮の螺旋。孔が穿たれ道が出来る。邪気大生達が沸く。
その有り様は、肉眼でもはっきりと捉えられた。

大きく動く戦場の変化。それは膨大な情報量を屋上の男にもたらす。
だが、その情報量にも負けぬほどに、強大な存在を感知した。

(――鬼――?)

数多の者が跋扈するこの大学においても殊更強力で、故に珍しい存在。
屋上の男も、数える程にしか知らない。それは戦場にいる生徒達にとっても同様のようだ。
文字通り羽虫を叩くかの如く蜂を蹴散らしていく彼女は、生徒達へ軽く
挑発するかの様な檄を飛ばす。生徒達は、負けるものかと応じて気炎を吐く。
だが、好機が訪れ高揚する生徒達は見誤っている。
凄腕の名人ほど、その仕事風景は傍目には簡単に見えるのだと。
案の定、反撃を食らって逃げ帰る生徒を感知し、男は我知れず溜息を吐いた。

無数の者が入り乱れて戦う中には、間抜けな話が一つ二つ転がっているもの。
そんな一つを”目撃”して、気分を変えようと改めて戦場を分析する。
状況は完全に好転していた。瓦解寸前だった軍勢は、士気旺盛に今や攻め上がるのを
必至で抑えているような有様だ。なぜ抑える必要があるのか?それはやはり
人数が足りないから。蜂の突破を防ぐのが大前提である為、攻勢であっても
防衛戦力は必要になる為だ。

その最後のピース。それは思わぬ形で訪れた。森の空に突如として現れる水流と
巨大海棲生物。海神が間違って水瓶を溢したかの様な、ある種間違った凄まじい光景だった。
この状況の下手人は、ドリルが貫いた道を疾駆する。当然、水流と【禁魚】を引き連れて。
校舎の屋上から見ると、蜂の陣その中心に向かってじりじりと接近しているのである。

森で蜂と戦うのに水流と海の怪物。有り得ない様なその一手は、その分だけ効果的だった。
【禁魚】は巨体であり、水流も同じく巨大。カバー出来る範囲が非常に大きい。
まるで壁のように蜂の群を”面”で押さえ込んでいる。無論、幾らかは漏れるが、
先より遥かに容易に防げる。援軍と言うには随分と個性的であるが、
兎も角必要な物は全て出揃った。それは、戦の大勢が決したのと同義である。

後の瑣末は最早語るでも無かった。作業か駆逐かはたまた何か。言葉が違うに過ぎない。
あえて結果を言うならば、巣は皆で包囲後”解体”し、女王蜂はAが討ち取った。
この戦いで負傷者は多く出たが、死者は出なかった。

「なんだ、まだまだ”賑やか”にいけるじゃない」

屋上の男は、結局何も介入する場面も無く、楽しげに独り言を零すと
術を解除して屋上に寝転がり、空を見上げた。
この大学の空を見上げる人が、他にも一杯いる。
そう思った。

"英雄達の帰還"―――了

//皆様のご参加、ありがとうございました!

321名も無き邪気眼使い:2015/09/25(金) 23:31:14 ID:PyiH7MzY
「―――突貫、完了」

役目を終えたとばかりに霧散する紅蓮のドリル
残滓は赤く煌めく

突き抜けた道を、その足跡から次々と生徒が雪崩れ込む
手際よく解体されゆく巣を
そして打倒される女王を見て、踵を返す

何時しか傍らを舞う蝶は消えていて――

「む、あんにゃろめ、呼び付けといて消えやがったか……」

やれやれ、と肩を竦めると

「まぁ仕方ねぇ…さて、と」

ググッと背筋を伸ばす

「祭の続きだ、邪気ソバの味は変わってねぇだろうなぁ?」

カカッと小気味よく笑うと西の森を後にするのだった

322邪気眼大学文化祭!!:2015/09/27(日) 11:01:11 ID:mFFjk0BI
未曾有の被害を引き起こすかに
思われた“生物災害”は、駆けつけた
“英雄”達によって未然に防がれた。

戦士達は勝利の高揚そのままに
意気揚々と大学へと繰り出していく。

「ひゃっはー!!文化祭だーー!!」

宴は、始まったばかり。

323ノエル=フルーレス:2015/09/27(日) 11:09:09 ID:mFFjk0BI
「祭りといえば!まずはこれですよねー」

出し物の並ぶ賑やかな校庭で、
綿飴を食べながら、ふらふらと周りを物色している。
邪気ソバを食べる勇気は無い。

324シルヴィオ:2015/09/27(日) 13:41:11 ID:ZbEShM4E
ギュィィィイイイン!
邪気大西広場で大きめの音が響く

〜どんな手を使っても 治せなかったその力
もてあまし もてあまし
青の世界は割れていく〜

ボーカルは白銀の髪の男。ハイトーンがよく伸びる。

曲が終わり、眼帯をしているギターの男が喋りだす。

『ドーモ!ノッてるかい?
俺たちはバンド、Sailingでーす!!』

ウーッス!
と野太い客席の声。それなりに盛り上がっているようだ。

『それじゃあ最後の曲いくぜー!シルバーバレット!!』

ストレートなメロスピが演奏され始めた

軽音部は順調にステージが出来ているようだ。

325シルヴィオ:2015/09/27(日) 13:47:53 ID:ZbEShM4E
それからしばらくして

『俺たちの出番は終わったし、他の出し物見に行くかな』

そう言って、眼帯の男シルヴィオ・アンダースはサイダーを飲みながら大学内を歩く

様々な出店が並び、あちこちから悲鳴のような文化祭を楽しむ声が聞こえる

『どこ行くか迷うな』

とりあえずベンチに座ってどの出し物へ行くか考えることにしたらしい

326名も無き邪気眼使い:2015/09/27(日) 22:57:03 ID:kCYawYDk
「……邪香焼き…」

おいおい、湯気が何か紫色してんぞこの一見たこ焼きの何か

「うん、よそう」

命は惜しいとその禍々しい屋台を後にする

邪気大文化祭食べあるきツアー中
そこそこ歩いたようで、その実未だ半分以上も見ていない

中庭にて少し腰を落ち着ける

「西の森の方も…おぉ、絶妙のライトアップ」

広場から程遠い、西の森を遠目に見ると
きらびやかなイルミネーションが見て取れて

「改めて広ぇな邪気眼大学」

感嘆の声を漏らし
イカ焼きのようでいて原材料は決してイカでは無い雰囲気の物質を頬張るのであった

327名も無き邪気眼使い:2015/09/28(月) 22:20:55 ID:0J8fiHwU
メイン広場からやや離れ、ここは実験棟
各科趣向を凝らした展示物がひしめきあう

「……趣向を凝らしたっつーか拗らせたっつーか」

呪術科の展示コーナー
触れるもの皆呪い殺す気が満々な一角で
通る人並みが避けて歩くのであった

「…次々」

早々に見切りをつけて次のコーナーへ

幻術科の展示

「…幻術体験…?」

希望者に幻術による幻を見せるという事だが
チラリ覗いた室内では

『あは!あははははははははは!!!?』
高笑いする人や
『ごめ、ごめんなさいごめんなさいごめんあさい!!』
呂律も覚束ない人や
『ぶくぶくぶくぶくぶくぶく…』
泡吹いて倒れる人など
悲喜こもごもがブーストアップされた阿鼻叫喚の様子であった

「……ダメ、絶対」

こちらも足早に立ち去るのであった


「広場戻っかなぁ、どーすっか…」

わりと持て余し気味にぶらつく

328シルヴィオ:2015/09/28(月) 22:32:11 ID:rNRQVZ1c
『文化祭の期間にスーパームーン皆既月食とは……』

特殊条件におけるイベントを開催していた魔術系サークルの出し物を興味深く見たあと、
月見だんごでも食べようかと広場のベンチに座る

『月、スゲーなぁ』

だんごのパックを手にボウッと月を見ている

329名も無き邪気眼使い:2015/09/28(月) 22:39:48 ID:0J8fiHwU
>>328
「……月?」

広場に戻って来て早々、シルヴィオの呟きが耳に入る

「おー…今日は満月かぁ」

見上げる月は真円
広場の明かりで若干分かりづらいが月明かりも綺麗な事であろう

「満月とくりゃあ…」

月から、シルヴィオの手持ちのパックに視線を移し

「さーせん、その団子どこで売ってんだい?」

そのまま声を掛けた

330シルヴィオ:2015/09/28(月) 22:49:23 ID:NZf4Xi3U
>>329
『おう!アンタも月見かい?』

輝く月が広場を照らしている中、シルヴィオは声の主へ顔を向ける

『このだんごは、魔術実験棟の近くの屋台で買ったんだ
まだそこそこ残っているみたいだぜ』

と言いながらだんごを頬張る。
だんごを飲み込んだ辺りでシルヴィオの眼帯がほんのり輝いたように見えた気がするかもしれない

331名も無き邪気眼使い:2015/09/28(月) 22:57:45 ID:0J8fiHwU
>>330
「いやぁ、そんなつもりじゃ無かったんだがね
 どうにも今夜は上を見上げる人が多いなぁ程度の偶然さ」

からからと笑う

「魔術実験棟近くの…屋台…?
 ……魔術実験の産物とかで出来た団子とかじゃあ……おん?」

訝しげな顔で団子を眺めていたら
その、眼帯の下の仄かな輝きが目に入り

「あんたも、”眼”持ちか?
 ……あぁ、いや初対面でこの質問は流石に不躾すぎか、すまん」

素直に聞いてみた後で失礼な発言をしちまったと慌ててペコリと頭を下げた

332シルヴィオ:2015/09/28(月) 23:06:06 ID:rNRQVZ1c
>>331
『ああ。なるほど
 見るなら屋上とかが良いんだろうけどさ
 流石に人が多いから、俺はここから見てるんだ』

笑いながら頭を掻きつつ

『ああ、気にしなくて良いさ
 ここの大学は眼持ち多いし、どこかではあるらしい迫害やらも無いしな
 俺も一応邪気眼なんだ。気が緩むと眼からビームが出るから眼帯してるんだ』

手をパタパタと振りながら話を続ける

『団子に関しては……
 売ってもらった時に【満月による邪気の迸りを感じてください】とか言われたような?』

ほんのり輝いたことには気づいていないらしい

333名も無き邪気眼使い:2015/09/28(月) 23:17:20 ID:0J8fiHwU
>>332
「なるほど、屋上…」

と、見上げた先、屋上には確かに人が多い
……あれ?よく見るとカップルだらけじゃね?
ロマンティックが止まらない感じ?…呪術科で何か呪いアイテム買ってくりゃ良かった
リア充爆発せよ

閑話休題、気を取り直して

「おぉ、邪気眼使い」

ぽん、と平手を叩く
そのリアクションは”仲間”を見つけた、そんな感じで

「”眼”の制御を学ぶためにここの門を潜るってぇ奴も少なく無いしなぁ
 ビームが出るたぁ、そりゃまた直接的に難儀な話だなぁ…
 常に”眼”に気ぃつけてないとってのは、大変だな」

「魔術団子の影響かな?今も、ちょいと漏れてんぜ?」

ちょいちょい、と自分の眼を指差して

334シルヴィオ:2015/09/28(月) 23:31:15 ID:rNRQVZ1c
>>333
『ああ、俺も彼女欲しいなぁ』

シルヴィオも屋上を見上げ、つぶやく

『眼帯なかった頃は周りの物を壊しまくって苦労したぜ
 でも、眼からビーム出るタイプの邪気眼使いって割りといるらしくて
 眼帯も手に入りやすかったから助かったけどな』

ナニカのはずみでビームが出たりしたらしい

『マジで!?この団子も副作用あんのかよ!!』

もんどりうって悔しがっている

 『しかし、眼帯無しでも制御できるとありがたいから、次の学期で講義取るかなぁ。
 っと、ここまで話したんだし、自己紹介するかね』

だんごを置いてベンチから立ち上がる

『俺はシルヴィオ・アンダース。魔導機械学科の一年だ!
よろしくな!』

敬礼のようなポーズをとりながら微笑んだ

335:2015/09/28(月) 23:45:39 ID:0J8fiHwU
>>334
「その眼帯は能力抑制のアイテムなのか」

しかし、片目状態ってのも大変さに拍車を掛けるなぁと腕組みして

「そうだなぁ…こりゃ経験則なんだが
 単純に”力”を外に出すって事ならビームみたいな
 物理的放出ってぇ発露が一番スタンダードなのかもな」

けれども、と付け足して

「そういった放出系ってやつぁ、何か本当の能力の前兆って可能性も少なくない」

今まで出会った”能力者”を瞼の裏に思い出す
その様々な”能力”の有様は多種多様、千差万別に変化していった

そう、人はそれを”成長”と呼ぶ

「ここでさ、そういったあれこれを見つけられるといいな」

もんどり打つさまを横目に見つつ
ニッと笑った

「俺の名前?あぁ、そういやまだ言ってなかったか
 俺ぁ甲《カブト》ってんだ、以前――そう、以前この大学に居た者さ
 よろしくな、シルヴィオ」


実は復学するかも知れないが
それは、まだ、今は伏せる

336シルヴィオ:2015/09/28(月) 23:59:06 ID:rNRQVZ1c
>>335

『ああ、抑えるための補助用具だ
 ん……アンタ結構こういうのに詳しそうだな。
 きっと、いろんな邪気眼使いと触れたことがあるんだな。』

と微笑みつつ

『そうだな。俺のチカラも形を変えたり成長したりするかもしれないな。
 なんだか、楽しみなような、不安なような。』

眼帯をしていない方の目は、好奇心に輝いて

『甲か。よろしくな!』

先輩……なのかな?と思いつつ、
なんとなく口調は改めないでおき、明るく笑った

337:2015/09/29(火) 00:15:20 ID:TfYn.sec
>>336
「あぁ、ここ(邪気大)では得難い経験をさせてもらったよ
 たくさんの”能力者”とも出会った」

懐かしむように目を細める

「出会いってぇのは”能力者”にとっちゃ成長の大きなファクターになり得る
 なぁに、不安がるのも無理はねーけど……って、あぁこりゃ大丈夫かな」

好奇心に輝くその眼に頼もしさを覚えて

「じゃ、行くとするか
 ”邪気眼使いは引かれ合う”って誰かが言ってたかな
 まぁ、縁があればまた会おう」

その場から歩き出す

「それじゃ、またなシルヴィオ」

手を振り、魔術棟の方へ歩き去った


//落ちまーす。絡み感謝!

338シルヴィオ:2015/09/29(火) 00:24:36 ID:7YwBK/iw
>>337
『色んな出会い……か
 ああ、やっぱり楽しみだ』

笑顔には無邪気さも見えて

『ああ。またな!甲!』

シルヴィオも手を振る

そして、しばらく月を見てから寮へ帰った

//こちらこそ、楽しかったです!

339人妻:2017/04/04(火) 14:32:58 ID:naSp/cyE
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