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 $RID WAR$

1木野:2011/05/23(月) 23:00:48
ヒューマが多く行き交う街『ヒューマ街』
そこでは流通の硬貨として「リド」が用いられている。
様々な種族が存在するラドリオ王国に於いて
リドは絶対的な価値を持っており、
  「リドは奇跡を起こす」
という宗教的価値を置く内部地域もある。
商人達であるヒューマだけでなく、「裏」で動く獣人たちにとっても
リドは多く持っていたいと思うものであった。

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「さて、約束の物は今夜届くんだな?」
ヒューマ街の裏通り、ガラスが砕けた街頭がほの暗く照らす人影
しかし、その深く被った帽子から覗く 獣の口・舌・牙
「あぁ、その取引の為に・・・」
もう一人の帽子を被り、分厚いコートを着たものが
指から何かを弾き出し・・・手と手の甲の間で受け止めた
そっと上の手をどかすと金色に光る薄く丸い塊・・・
「リドが必要だ。それも俺達の胃袋を満たさんばかりのな」
にやりと笑う。帽子とコートの間からは金色の牙が覗くのだった

2腐れ飯:2011/05/23(月) 23:44:11

「冗談じゃないわよ。ったく」

桃色の長い髪をした女性が、子じゃれたサンダルをテーブルの足にコツコツとあてながら
コーヒーをストローで吸い上げる。街中のカフェ、パラソルの下から街を行く人々を眺め
る。
「私はねぇ、休暇だっていうから来たのよ。騙されたわ。完璧に」
向かいに座るは茶色の髪にちょんまげをした完全に場違いな忍者。椅子の上であぐらをか
いていた。
「まぁそう言わずにぃ。あ、はじめまして、拙者砂簾氣でござる」
「知ってるわよ。五衛でしょ。グラリスんところの」
「おぉ、知っていたでござるか」
砂簾氣はふふんと鼻をならし、眉間に人差し指をたてると。
「しかし拙者もあなたを知っている。魔黒夢美殿!」
ッケっとそっぽをむいて魔黒は口をひん曲げ唾を吐く。
「こっちはねぇ、私服引っさげて来てるのよ。それが他の部隊の金儲けに付き合わされる
なんてきぃてないしぃ。ってか、大和くんつれてくればよかったじゃん。うちの部隊じゃ
あの子でしょ」
「おや、あなたは大きな仕事をしたがっていると思ったのだが…」
ピクりと眉宇に不快を漂わせたが、すぐに平然な態度にもどす。
「銃后どのや呪どの、メモリーどのに置いてけぼりをくらうのは嫌でござろう」
「あんたよく名前覚えてるわね」
「まぁそれほどでも」
恥ずかしそうに砂簾氣は頬を掻く。魔黒は自分の本心を撫でられて嫌な気分しかしなかっ
たが、それをわざわざ口に出すのも気が引けた。涼しい顔して、見抜けない奴だという噂
は聞いていたが、ここまでずけずけ言う事もあるなんて聞いてなかった。
「っで、今回の仕事、聞いているでござろう?」
「えーはいはい。なんだっけ?クリードさんの…?」
「そう、お手伝い。今回で得られる資金はかなり大きいらしい…」
なんでも…砂簾氣はそう呟くとごそごそと自分の懐に手をつっこみ、何かを掴むとテーブ
ルの上にこつりと置いた。
「何これ…?」
魔黒は置かれたものをじっと見つめる…金貨?
「ここで流通されている『リド』という金貨でござるよ。なんでも、今この街の『裏』で
この金貨が大量に動くらしいのでござる」
こんな安っぽい金貨が山ほど集まったところでたいしたことはなさそうだなぁと魔黒は聞
き耳を一応たてながらも考えていた。
「それで、それが『獣人』で行われるものらしく」
「あっ、それでクリードさんなのね」
砂簾氣は大きく頷く。出した金貨をつまみ、指ではじいては掴みはじいては掴みを繰り返
す。
「まぁ彼の場合は自分が金儲けをしたいというのもあるのでござろうが、手伝ってくれた
ら各部隊にもおこぼれをもらえるそうで…しかも莫大な」
「ふぅん」
正直あまり興味は無いが、大儲けできるというのは興味がある。
「っで、私達の仕事は?」
「…この街では、獣人というのは良い思いをしないようでござる」
砂簾氣はどこか寂しそうな顔をした。するとそこで、魔黒は砂簾氣の体がビショビショな
ことに気付いた。海にでも落ちたのだろうか?
「そこで、我々がやる仕事は目くらまし」
「…ようするに邪魔させないってことね」
「まぁそうでござるな」

砂簾氣は店員を呼び止めると金貨を懐からもう5枚出し、渡した。

3木野:2011/05/24(火) 09:23:07
「すまんでござるが、このメニューの『忍びの里風SUSHI料理のシn
砂簾氣がそういいかけ、店員にリドを渡そうとしたときである
「ご注文ありがとございますっ!」
砂簾氣と店員の間をすり抜ける小さい影。
あっという間に人ごみへと抜けて行ったその影を見送った後に
二人はどちらもリドを握っていないことに気づくのだった

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「oh−物騒ですねーイサムさん。」
「マシネス伯爵も気をつけてくれよ…あんたいかにも狙われそうな格好なんだから」
「・・・・・」
小さなテーブルに3人。
ゴテゴテの鎧にテーブルを突きぬけんばかりの大剣を持った勇者
椅子がつぶれたので特注金ぴかの椅子に座る白いコートの機械人
そしてシックな街では目立つ無言のオレンジ色のスーツと帽子の男性
その異様な光景にスリどころか店員さえも遠巻きなのであった

4木野:2011/06/14(火) 23:16:28
「へへっ、チョロイちょろちょろだな。」
多くの者が行きかう表通りから外れた狭い路地裏で
ふちの短い帽子を被った少年は手にした金色の硬貨
リドをポケットに放り込むと少年は足取り軽く歩きだす

「また小銭泥棒か。だからいつまでたってもチビのままなのだ。」
少年は小さい身体ををさらにちじこまらせて振り返る
「く・・・クリード様!?」
眼鏡越しでも伝わる野犬の気迫、それと同時に端正に整った身のこなしが
それを鋭く少年に突き刺さる
「おまえに与えた任務を忘れたのか?お前などいつでも
そのちっぽけなリドと共にドブに投げ捨ててもいいのだぞ?」
「ひっ・・ひぃっ・・!い、いますぐ持ち場に着きます!!」
真っ黒な地肌に、まん丸とした目玉を見開いて、
少年は犬に追い立てられる羊のようにまた表通りの騒喧へと走って行ったのだった

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「あらあら、間抜けな獣人。これだから低能な彼らは好きになれないわ。」
そこにたっていたクリードは眼鏡を外す。すると、その姿は魔黒夢美に変わった
「そこはヒューマと同じで個体差でござろうよ。
 獣人だからといって劣っているというわけではなかろう?」
その後ろでドロンと姿を現す砂簾氣が言う
「そうね。少なくともリドをすられたアンタよりかは勝ってるかも」
魔黒夢美はそういい少年の跡を追うように歩きだす
向かうは中央広場・・・
人通りの多いその中で「獣人」の取引は行われるのだった

5ヨモギ茶:2011/08/21(日) 23:14:44
一方そのころ。魔黒達が出て行った後のカフェの店では、少々。奇妙というかド派手なひと騒動が起こっていた。

カフェの入り口に群がっている人々。飛び交っている悲鳴というか歓声がとにかくまじりあった声。
その人だかりの中心の地面にはでかいクレーターがあいており。
その中央では顔面に拳の形をくっきりとつけた男が大の字になってめりこんでいた。
すぐそばにけん銃やナイフやリドが転がっているのからして、強盗のために入ってきたのだろう。
そして、人だかりの中心のクレーターの中には。もう一人少年の姿があった。
褐色の逞しい身体に青竹色のチャイナ服をまとっており。にやっと自慢そうに笑いながら左拳をくいと動かす。

「すごいなー・・・あの子」

へええ・・・という感じに、店の中にいたイサムは呟いた。

時間は魔黒達が店をでて。獣人の少年を欺いた所まで遡る。

6ヨモギ茶:2011/08/21(日) 23:15:52
「おらおらおら!!てめーら!!
壁際にまでよってへばりつくか、床にはいつくばるかしやがれ!死にたくねーならなァ!!」

突然、店の中に押し入ってきた男は銃を振りかざして声を張り上げた。
店の中はパニックとなり、女子供は悲鳴をあげた

「うるせーぞごらさわぐんじゃねえ!!とっとといったとおりにしやがれ!!
おい、そこの定員!!とっととこの袋にありったけのリドをつめやがれ!!」

銃を振り回して客を脅しながら。男はカウンターの定員にむかって大きな袋をつきつける。

「オウー・・・強盗ですかァ・・・本当に物騒ですネェ、イサム・・・」
「まったくだな・・・。・・・店の人に危害がくわわらないように、ちゃっちゃとすませないとな」
「・・・・・。」

そういって、客たちの中で唯一驚いても焦ってもいない三人組は、
(オレンジ色のタキシード以外)男を睨みながらゆっくりと席から立ち上がる―――

「やれやれ・・・ ラドリオ王国って初めてあるが。なんだか物騒な所アルなあ?」

そう、何処か呆れたようなセリフが。恐怖で静まり返る店の空気を裂いた

「ああん・・・!?なんだ、ガキじゃねえか!? てめーもとっとと床にふせろ!! 
ほら、そこのお前らもハチの巣にされちまいてえのか!!」

男が銃を向けて叫ぶけど、チャイナ服の少年は動じない。それどころか余裕な笑みを浮かべる

「お、おい・・・君、危ないぞ!」

イサムが慌てて声をかける。自分達はともかく。少年はみるからに丸腰だからだ。
でも、それもお構いなしに、少年は男に近づいて見せた

「お・・・おいてめえこいつがみえてんのか!? 心臓ぶちぬかれてえのかよ!!」

男は少年に銃を向けて脅す。だが

「―――――――しんぞうぶちぬく? やってみるよろし」

少年は笑んだ間々言い放ち。男は怒りに表情をゆがめると共に引き金を引き。
店に銃声と悲鳴が響き渡った――――

それは一瞬の事だった。

男の発射した銃弾を少年は紙一重で回避して。男の後ろに回り込んだ。
驚いた男が振り返った。直後―――――!!!

少年の放った鉄拳は男の顔面へめり込んで。男を店の外へぶっ飛ばしたのだ―――

「嫌あ・・・物凄い瞬発力デスネ。・・・獣人にもあの程度は出来そうデスガ・・・
この反応は違うようデスネ・・・」

ふむ・・・とドリルみたいな顎の髭に触れながら。マシネス伯爵はつぶやく。
ほけー・・・とイサムは少年の姿を眺めていたが。あ。というように声をあげた。少年がこちらに歩いてきたのだ。

「イサムさんあるか?友達から話聞いてたある。」

少年がイサムに話しかけてきた。イサムは「え!?」とすっとんきょな声をあげる。

「俺の名前いっとかないとアルな・・・。 俺は湾・フー。龍(どらごん)あるよ。よろしくある!」


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