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 $RID WAR$

2腐れ飯:2011/05/23(月) 23:44:11

「冗談じゃないわよ。ったく」

桃色の長い髪をした女性が、子じゃれたサンダルをテーブルの足にコツコツとあてながら
コーヒーをストローで吸い上げる。街中のカフェ、パラソルの下から街を行く人々を眺め
る。
「私はねぇ、休暇だっていうから来たのよ。騙されたわ。完璧に」
向かいに座るは茶色の髪にちょんまげをした完全に場違いな忍者。椅子の上であぐらをか
いていた。
「まぁそう言わずにぃ。あ、はじめまして、拙者砂簾氣でござる」
「知ってるわよ。五衛でしょ。グラリスんところの」
「おぉ、知っていたでござるか」
砂簾氣はふふんと鼻をならし、眉間に人差し指をたてると。
「しかし拙者もあなたを知っている。魔黒夢美殿!」
ッケっとそっぽをむいて魔黒は口をひん曲げ唾を吐く。
「こっちはねぇ、私服引っさげて来てるのよ。それが他の部隊の金儲けに付き合わされる
なんてきぃてないしぃ。ってか、大和くんつれてくればよかったじゃん。うちの部隊じゃ
あの子でしょ」
「おや、あなたは大きな仕事をしたがっていると思ったのだが…」
ピクりと眉宇に不快を漂わせたが、すぐに平然な態度にもどす。
「銃后どのや呪どの、メモリーどのに置いてけぼりをくらうのは嫌でござろう」
「あんたよく名前覚えてるわね」
「まぁそれほどでも」
恥ずかしそうに砂簾氣は頬を掻く。魔黒は自分の本心を撫でられて嫌な気分しかしなかっ
たが、それをわざわざ口に出すのも気が引けた。涼しい顔して、見抜けない奴だという噂
は聞いていたが、ここまでずけずけ言う事もあるなんて聞いてなかった。
「っで、今回の仕事、聞いているでござろう?」
「えーはいはい。なんだっけ?クリードさんの…?」
「そう、お手伝い。今回で得られる資金はかなり大きいらしい…」
なんでも…砂簾氣はそう呟くとごそごそと自分の懐に手をつっこみ、何かを掴むとテーブ
ルの上にこつりと置いた。
「何これ…?」
魔黒は置かれたものをじっと見つめる…金貨?
「ここで流通されている『リド』という金貨でござるよ。なんでも、今この街の『裏』で
この金貨が大量に動くらしいのでござる」
こんな安っぽい金貨が山ほど集まったところでたいしたことはなさそうだなぁと魔黒は聞
き耳を一応たてながらも考えていた。
「それで、それが『獣人』で行われるものらしく」
「あっ、それでクリードさんなのね」
砂簾氣は大きく頷く。出した金貨をつまみ、指ではじいては掴みはじいては掴みを繰り返
す。
「まぁ彼の場合は自分が金儲けをしたいというのもあるのでござろうが、手伝ってくれた
ら各部隊にもおこぼれをもらえるそうで…しかも莫大な」
「ふぅん」
正直あまり興味は無いが、大儲けできるというのは興味がある。
「っで、私達の仕事は?」
「…この街では、獣人というのは良い思いをしないようでござる」
砂簾氣はどこか寂しそうな顔をした。するとそこで、魔黒は砂簾氣の体がビショビショな
ことに気付いた。海にでも落ちたのだろうか?
「そこで、我々がやる仕事は目くらまし」
「…ようするに邪魔させないってことね」
「まぁそうでござるな」

砂簾氣は店員を呼び止めると金貨を懐からもう5枚出し、渡した。


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