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【解決!?】金木犀春欄慢【宴会!?】

8Mark@2/2:2011/05/01(日) 19:16:47


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花の咲き誇る広場で、3人の少年が誰かを待っている。
妖狐に亡霊に雪男。その幼い姿に、中年の男はかつての自分とその仲間を重ね合わせていた。

中年の男――連山カノカ。
彼はキンモクセイ出身の妖狐である。

悪ガキだった頃にキンモクセイを出てしまい、帰れぬまま外の世界の荒波を何百年と受けた。
寺院に拾われ僧となり、将軍に命を救われた恩で戦争を駆け抜けた事もあった。
時が経ち、恩師である将軍はもういない。今の彼は寺院で暮らしていた――が、

キンモクセイに戻ったのは、現住職が、けがをした鳩を寺に連れてきたのが発端となる。
その鳩の足に、キータ達の送った手紙の一つが巻き付けられていたのだ。

住職はカノカに、元気になった鳩をキンモクセイに帰すよう頼んだ。
そして、この頃にキンモクセイからの手紙が来たのは運命の導きだと、そう付け加えて。
カノカの若い頃と比べ、次元間の旅行は大分やりやすくなっていた。
彼は渋々ながらこれを承諾する。


そして今、カノカは広場にいる。
3人の少年少女が鳩を遣わせた当人だろうか。
彼らに話しかけ、鳩を渡せば後は自由時間。
だが、彼らに話しかけるまでが――

かなり、やりづらい。


相手は子供とわかっているが、自分が故郷でやってきた事を考えると、どうしようもなくためらいが生まれる。
外の世界にも長く居すぎた。自分の荒んだ顔に、少女が少し引いている。
――いや、あの手紙を異世界に送ったと言うことは、彼らは外の世界に大分慣れてるはず。
時代は変わった。自分の思考が古びているだけなのだ。

――ってか、それ以前に鳥かごを開けて、鳩を彼らの元に逃がせばいいじゃん。
カノカは思考を切り替え、決死の思いで少年達に振り向く――だが、彼らは何故か空を見上げていた。
「――?」
つられて空を見上げる。飛行音と発射音。
青空の中、深紅の光と群青の光が旋回しながらぶつかり合っていた。


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「おい――あれ、人じゃねぇか?」
キータ達が指さす。
光を発しているのは空飛ぶ人だった――


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