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【木野キャラ】死の占い師【物語】
1
:
木野
:2011/01/12(水) 09:36:47
私は死の予言を外したことはない。
それは私の予言は相手を殺せるともいえるだろう。
「ブライシー」
それが死神の名前だ。
雪原を抜けた奥地、暗闇色に染まる森と地割れで出来た谷で守られた地には、人に忌み嫌われ迫害された獣人達がたどり着く小さな村…そこにジュージ村がある。
作物も雪で育たないこの地で、私の母は占い師を営んでいた。わずかな晴れの日を予報したり、山を下りた仲間の帰りを占う程度だった。
それでも私は水晶を覗き込んだりタロットを並べたりと母の真似をしたものだった。
そして、私が初めて水晶の中に見たものは
明日死ぬ事となる
母の顔であった
2
:
木野
:2011/01/12(水) 09:38:49
「あいつに占われた奴は死ぬ」
そう噂されてからも私の所を訪れるものはあとを絶たなかった。
最初は占いを疑うものが多かったが、次第に自分の死期を悟り正確な日時を占って欲しくて来る獣人が多くなってきた。
その頃にはラドリオ国をあげての獣人狩りがはじまっていたのだった。
そんな死を告げる日々の中でブライシーは彼女とであったのであった。
3
:
木野
:2011/01/15(土) 22:01:22
それは雪が降り注ぎ、昼でも視界が真っ白になり、何も見えない日だった。
その日、私は薄暗い部屋から眩しい外を眺めていた。今日は誰も来ないであろうと予想した。
だがその占いは外れ、一人の雪だらけになった少女が訪れた。
「明日の朝に死ぬ。」
もはや占うまでもなかった。満身創痍で見るからに長くはない。
「あぅ…そんな、な、なんとかなる占いはできないんですか…」
そんな小猫を抱えながらその少女は涙を零しながら言ったのだった。
4
:
木野
:2011/01/15(土) 22:02:41
「どうにもならないな。むしろそのままその小猫と一緒にいたら…お前も死ぬぞ」
小猫は口から血を流している。どうやら疫病にかかっているようだった。
小猫を抱える彼女の名は『キャド』。
私が死神ならば、彼女は天使といったところであろう。
獣人でありながらラドリオ国・中央区画にある治癒院にいたと言われる彼女は様々な治癒術を使えた。だが、流行りの疫病は彼女の力でも治せなかったようだ。
「…私の所に来たもので同じ症状の奴がヒューマ街に向かったな」
それを聞いてキャドはまた眩しい雪の降る外へとでていった。
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